ツイート シェア
  1. 札幌市議会 2004-03-29
    平成16年(常任)建設委員会−03月29日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成16年(常任)建設委員会−03月29日-記録平成16年(常任)建設委員会  札幌市議会建設委員会記録            平成16年3月29日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午前9時59分 ○井上ひさ子 委員長  ただいまから,建設委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,ございません。  本日,審査を行います陳情第75号については,本日までに1万3,117人の署名が提出されております。また,陳情提出者から資料の提出がありますので,お手元に配付しております。  それでは,議事に入ります。  陳情第75号 「パークホームズ円山鳥居前」(仮称)の建設計画の変更と札幌中高層建築物建築に係る紛争予防調整に関する条例改正並びに「札幌子ども条例」(仮称)の制定を求める陳情を議題といたします。  提出者から趣旨説明を受けるため,委員会を暫時休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午前10時       再 開 午前10時20分     ────────────── ○井上ひさ子 委員長  それでは,委員会を再開いたします。  質疑に先立ちまして,理事者から説明を受けます。 ◎三浦 建築指導部長  今回の陳情に関しまして,私の方から補足説明をさせていただきます。  まず,お手元の資料の目次をごらんください。  本件の建築計画及び経過のほか,本市中高層建築物建築に係る紛争予防調整に関する条例概要及び他都市との条例の比較並びにいわゆる子供権利条例についてご説明いたします。
     それでは,資料の1ページをごらんください。  今回の陳情にかかわる建築計画概要についてご説明いたします。  建築主三井不動産株式会社札幌支店で,建築場所は中央区北1条西23丁目でございます。建物の階数及び建物の高さにつきましては,当初計画が14階建て44.4メートルでございまして,住戸数が27戸の共同住宅となっております。  なお,高さにつきましては,円山幼稚園からの要望を受けて,一部譲歩し,現在は階高を縮めることにより2.01メートル削減し,42.39メートルとなっております。  工事は2月19日に着工しておりますが,現在は既存地下室解体工事を行っており,完成は来年3月31日の予定でございます。  2ページの付近見取り図をごらんください。  当該計画は,商業地域内の計画であり,円山幼稚園自体は第一種住居地域内に立地しております。双方の建物の距離はおおむね53メートルであります。  途中を省略いたしまして,6ページは,冬至における9時から15時までの日影図でございます。当該計画商業地域内の計画でございますが,第一種住居地域に影を落とすことから,建築基準法における日影規制適用を受けております。園舎南側壁面各所に及ぼす影の時間は,冬至の時期において午前9時半から11時半までの間に,平均1時間10分から15分でございます。  7ページは,春秋分日影を示したものですが,当該建物の影が園舎の教室の窓に差しかかる時期は10月上旬から3月上旬ころまでで,春秋分時においては既に園舎に対する影の影響はなくなっております。  次に,8ページの景観についてご説明いたします。  まず,昨年12月12日に建築主から円山幼稚園に対して当該計画及び工事に関する報告があり,本年1月23日にはマンション計画に関する申し入れ書として,円山幼稚園から建築主に対して階高3.1メートルを2.9メートルに縮めて全体の高さを下げること,階層を1層削減し13階建てとすることなどの具体的要望があったところですが,建築主回答は,階高3.1メートルを2.96メートルとし,全体の高さを2.01メートル削減するなど一部譲歩であったことから,2月18日には日影影響を危惧する円山幼稚園側から市長への要望があったところでございます。このため,本市としましては,引き続き,建築主側に対して話し合いを促し,計画変更検討を要請するなどして調整に努めてまいりましたが,現在は,3月23日に建築主から幼稚園側に対して,合意を前提として階高の削減に加えて,1層削減し,13階建てとする提案がなされているところでございます。  次に,札幌中高層建築物建築に係る紛争予防調整に関する条例,以下条例と呼ばせていただきますが,この条例についてご説明いたします。  9ページと10ページに制度の概要について記載しております。  条例の目的といたしましては,建築主近隣関係住民との間の建築紛争予防調整を図ることでありますが,中段3の紛争防止の観点から,建築主等に対しては建築計画上の配慮を求めるとともに,建築確認申請に先立ち,計画事前公開を義務づけ,紛争が生じた場合には,10ページの4にありますように互譲の精神に基づく話し合いにより,まず当事者による自主解決を図るものとし,この話し合いが膠着した場合は,私どもが行う仲介紛争調整委員が行う調停において,当事者歩み寄りを促しながら紛争の解決を図ろうとするものであります。  次に,11ページをお開きください。  本市条例と他の政令指定都市条例との比較についてご説明いたします。  まず,教育施設に対する日影等配慮に関してでございますが,表1の下にありますように,建築主配慮努力義務としている都市は,本市を含み,7都市ございます。このうち,表1のとおり,名古屋市では対象とする施設教育施設のみに限定しておりますが,本市においては,教育施設に限らず,老人福祉施設や病院,住宅など広く近隣への日影影響に対する配慮計画説明を求めております。  次に,商業地域への適用についてでございますが,商業地域につきましては,本市では都心地域の拠点など高度な土地利用の促進を図る必要がある地域に指定されており,その趣旨を踏まえて適用除外としてきたところでございます。  なお,表2にあるとおり,条例を制定している都市の中で,商業地域適用除外としているのは本市のみでございます。  最後になりますが,いわゆる子供権利条例につきましては,新年度から本市に担当の組織を設け,平成18年4月1日の施行を目標に検討に取り組むところでございます。 ○井上ひさ子 委員長  それでは,質疑を行います。  質疑はございませんか。 ◆小野正美 委員  今も陳情者からも趣旨説明がありましたし,円山幼稚園園舎太陽のイラストなどがあって,本当に子供たち太陽と仲よしであってほしいという思い子供教育に当たられてきたことを感じたわけであります。特に,子供たちにとって,空を見たり,雲を見たり,あるいは街並みを見たり,また,この幼稚園からは遠くに藻岩山も見えるとお聞きしましたけれども,そういった中で豊かな心,感受性を育てていくことは非常に大事なことだと思います。特に,冬至中心に約4カ月にわたって,複合日影影響もあってほぼ午前中は日陰になり,そういう面では,幼稚園での活動のほとんどの時間は太陽を遮られた中で過ごさなければならないという訴えだと思います。冬至だからということではなくて,逆に,冬だからこそ,あるいは冬至だからこそ,太陽の恵みとか太陽の暖かさ,やわらかい日差しが欲しいという思いでの陳情であると私どもは理解をしております。  そういう立場に立って,本当に何とかしていきたいものと思うわけでありますが,さまざまな課題もありますけれども,二,三,質問をしていきたいと思います。  まず一つは,札幌市の中高層建築物建築に係る紛争予防調整に関する条例,これは条例と言わせていただきますが,この対象地域商業地域が含まれていないということで,陳情者からもこの不備や問題点が指摘をされております。ご承知のとおり,商業地域といっても一律ではないわけです。例えば,都心部の丸井とか三越といったところもあれば,私の居住する手稲本町かいわいなどもいわば商業地域であります。この陳情地域などは,ほとんどが戸建ての家が並び,商業地域と言っても,個人商店,住居と一緒の2階建て,3階建て程度の商店とか,あるいは,ビジネスビルなどが建っていた場所かなと思います。  最初の質問として,商業地域とありますけれども,どういった区分ができるのか,ないしはあるのか,それから,この条例対象としてこなかった考え方について,お聞きをしたいと思います。 ◎三浦 建設指導部長  商業地域区分についてでございますけれども,商業地域につきましては,先ほどもありましたように,用途の中で容積率が400%のところは地域中心核中心とした区域などに指定されています。それから,都心になりますけれども,都心の中では600%の区域あるいは800%の区域など,札幌市内中心部についてはそういった区域に指定されており,容積率関係では3種類の区分に分けて指定をされております。  それから,条例対象としていない理由でございます。  容積率が400%ということで,商業地域につきましては土地の高度利用を図るべき地域となっており,条例対象からは適用除外という形にしております。 ◆小野正美 委員  商業地域としても3区分に分けられるということでありますし,幹線道路に面しているから商業地域というようなところもあろうかと思います。  最近は,特に中央区などでの都心回帰といいますか,マンションなどの建設人口増がありますけれども,こういった地域では,非常に問題点が生じてきたり,あるいは,こういった紛争などが予想されます。陳情者も言われましたが,商業施設などができて街ににぎわいが醸し出されることならいざ知らず,マンションがどんどん林立していくと,特に,こういった場所は,非常に狭い敷地に,高くて細長い建物建てられ,個々の建物日影規制をクリアするけれども,結果として複合日影が生じます。今回の場合も,一つ一つ規制を逃れることができますが,午前中に3時間半も複合日影が生じ,しかも,複合日影規制はないに等しいわけです。  そういった意味で,今後,こうした商業地域であっても,いわば戸建て中心住環境のところは,本市条例対象として,紛争予防とか,当事者近隣住民に対する説明とか,その説明の結果報告を求めるとか,あるいは,必要に応じて市が仲介,調停をするような対象にしていくことが必要と考えるのですが,この点はどういうふうに考えられていますか。 ◎三浦 建築指導部長  委員がご指摘のとおり,確かに,商業地域に隣接する中高層建築物であっても,日常生活上の影響を及ぼす場合があります。その意味から当該条例適用も考えられるところでありますけれども,一方で,商業地域都心地域の拠点など高度な土地利用の促進を図る必要がある地域でございますので,条例制定時におきましてはこの条例対象地域から除外してきたという経緯がございます。  しかし一方,条例制定後3年を経過しているということで,さらに,近年は都心居住という傾向になってきていることも踏まえまして,商業地域への適用について,本市商業地域における建築動向や他都市運用状況なども調査しながら,街づくり方向性も勘案しながら検討してまいりたいと考えております。 ◆小野正美 委員  再度の要請といいますか,問題の認識を一致させておきたいのですが,商業地域と言っても一律のものではない,特に最近は,従来,住居地域と同等の場所に,都心回帰もあって中高層マンション建設されてきているし,これからさらにそういったことが予測され,当然,紛争が生じると思うので,この条例対象としての商業地域に関する適用の見直しを早急に行うことを確認しておきたいと思います。  その上に立って,次の質問ですが,建築計画上の配慮として近隣関係住民に及ぼす規定がありますけれども,日影及び通風の阻害の影響に関する軽減措置ということで,陳情者からも,名古屋市のように教育関係施設を含めるべきだ,明記すべきであるという指摘であります。  確かに,教育施設や福祉,あるいは医療の施設も含めて近隣関係住民という一くくりの中に含まれているのだ,すべてを対象にしているのだということが本市考え方であろうと思いますが,やはり,そのことを前提にしながらも,冒頭に述べましたように,子供たちのよりよい教育環境を守っていく上で,特段の配慮として教育関係施設を特化する,あえて具体的に書くことが必要ではないかと思います。もちろん,どういった施設対象にするのか,いろいろあろうかと思いますけれども,少なくとも子供が多数集まってきて一定の時間を過ごす場所においては,こういう日影などを含めた影響を極力軽減していく,除外していくという意味で,建築主に対する注意の喚起や当事者話し合い,あるいは,行政側の介在,仲介を可能にする規定が必要だと思うのですが,この点はどういうふうにお考えですか。 ◎三浦 建築指導部長  本市条例につきましては,北国においては近隣関係住民皆さん日照住環境の重要な要素であるという観点から定めされたものでございまして,本市地域特性に適したものであると考えております。また,運用の実態から見ましても,従来から,本市では戸建て住宅共同住宅にお住まいの方々からの日影影響等についての相談が多く,条例に特定の施設を取り上げ明示することにつきましては,住宅など他の施設との差別化が生じるということで大変難しい問題であると認識しているところでございます。したがいまして,事案に応じ,土地利用あり方影響状況を踏まえ,教育施設も含め,近隣関係住民に対する影響軽減が図られるよう,今後とも条例の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。 ◆小野正美 委員  確かに,一般論として,近隣関係住民の中に網羅される事柄ですけれども,あえて建築主に対する注意の喚起とか,あるいは行政側もそこを配慮していく,当事者間の話し合いが不調に終わった場合などの仲介とか調停にかかわっていくという姿勢を示す上でも,ぜひ特化した規定を求めておきたいと思います。  先ほど陳情者も言われましたけれども,上田市政のもとで,今回,子ども未来局を設置するし,きょうは児童家庭部長もいらしておりますので,そういった立場からもぜひ努力をいただきたいと思います。  それから,複合日影ですが,これは,その都度,問題になっていますけれども,なかなか制限できない,あるいは,具体的な解決策が見出せていないわけであります。これは,法律を前提にしただけではなく,本市としてこれからこういった問題が非常に大きくなってくるだろうと思いますので,ぜひ複合日影への対処方について検討していただきたいと思います。 ◆阿知良寛美 委員  私の方から,3点ほど,確認意味質問させていただきたいと思います。  1点目は,先ほど経過概要説明がありましたけれども,現在までの話し合い状況について,市は建築主に対してどのような指導を行ってきたのでしょうか。  それから,今,小野委員からもありましたが,複合日影について,経過概要の中では階高を3.1メートルから2.96メートルにして全体で2メートル1センチ下げ,それから,3月23日には1層削減して13階建てという改善案が出ていますけれども,それによって既設のマンションとの複合日影はどの程度改善されたのか,確認をしておきたいと思います。  3点目については,先ほど来,議論されておりますように,名古屋では教育施設を特化して条例の中に入れていますが,本市は広く全体的にカバーしようとしております。特に最近は,高齢化ということもありまして,グループホームとか在宅介護という問題が出てくるわけです。そういう面では,私は,教育に特化するということではなく,本当に日照権が守られるのであれば,それだけにこだわらず,全体的に今の条例でいいと思うのです。  そこで,現在の条例名古屋と比較して,本市ではどのように考えているのか,これでいいのかどうか,現在の段階での考えをお聞きしたいと思います。 ◎三浦 建設指導部長  現在の話し合い状況について,それから建て主に対してどのような指導を行ってきたかということでございます。  本件につきましては,昨年12月末に円山幼稚園から相談を受けておりまして,条例適用対象外でございましたけれども,幼稚園側からの要請に応じて建築主に対して話し合いを促し,1月17日には説明会が開催されております。また,1月23日には幼稚園側から建築主に対して,マンション計画に関する申し入れ書が提出され,本市にも幼稚園側からその内容が伝えられております。要望内容といたしましては,各階の高さを縮めて全体の高さを低減するとともに,階数を1層削減し14階を13階とすることを求めるなどの具体的なものでございましたので,本市といたしましても,建築主に対し申し入れ書に沿うような建築計画検討を要請したところでございます。これを受けて,2月9日に,建築主から幼稚園側へ各階の階高を縮め,全体の高さを2.01メートル低くするなどの一部譲歩案が示されましたが,なお日影影響を危惧する幼稚園側から2月18日に市長への要望及び質問書が提出されたところでございます。そこで,本市より建築主に対して,話し合いの継続と幼稚園側申し入れ書に沿うようさらなる計画の変更の検討を要請した結果,3月23日に,建築主から,合意を条件として,先ほど階高の低減に加え,1層削減の上,13階建てとし,全体として高さを約4.97メートル低くする案が提示され,現在,幼稚園側回答を待っているところであると承知しております。  続きまして,既存マンション当該マンションの複合する日影影響改善案について,どの程度改善されるかということについてでございます。  既存マンション当該計画との複合する日影影響につきましては,冬至日,いわゆる12月21日ですが,既存マンションの及ぼす影が8時30分ごろから午前10時半まででございまして,当該計画の及ぼす影は午前9時半ぐらいから午前11時半ぐらいまで,日陰となる時間はおおむねポイント的には1時間ほど増加することとなります。  次に,建築主側歩み寄り案の効果についてでございますが,一般に言いますと,建物の離れがある場合には,1年を通して見ますと,建物の高さの低減が太陽高度との関係から日影影響軽減につながることになります。そこで,今回の場合は幼稚園計画建物の離れが53メートルあるため,このたびの建築主歩み寄り案により,建物の高さが当初計画より4.97メートル低くなることによって,既存建物日影に加わる計画建物日影影響幼稚園側の教室の窓に影響を及ぼし始める時期が10月上旬から下旬へと遅くなり,その影響がなくなる時期は3月上旬から2月下旬に早まる見込みであり,前後約18日間程度改善されるということでございます。  それから,名古屋市の条例との比較における本市考え方についてでございます。  教育施設に対する建築主配慮については,本市条例名古屋市の条例との違いでございますけれども,本市条例では,先ほど来出ていますように,特定の施設に限定せず,住宅老人施設,病院など広く近隣関係住民に対して日影や通風の阻害に対する軽減措置のほか,駐車施設やごみの保管場所などの具体的な配慮を求めているとともに,建築計画説明を義務づけているところでございます。これに対して,名古屋市の条例では,教育施設のみを取り上げて日影影響についての配慮を求めるとともに,建築計画について当該施設設置者協議を行うことを義務づけております。運用の実際から言いますと,先ほど説明してきましたように,本市においては,戸建て住宅共同住宅にお住まいの方々からの日影影響等についての相談が非常に多いということで,特定の施設を取り上げて条例に明示することにつきましては,差別化が生じるということで非常に難しい問題であると考えております。事案に応じて,土地利用あり方,あるいは影響状況を踏まえて,教育施設も含めて近隣関係住民に対する影響軽減が図られますよう,今後とも条例運用の中で適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆阿知良寛美 委員  今のお答えで,条例の中に特化して教育施設を明示する場合,例えば本件の場合は相当な違いが出てきますか。それを確認したいのです。 ◎三浦 建築指導部長  もし条例に盛り込んだとした場合,建て主側事前協議を義務づけるということですから,幼稚園に対して事前説明に行ったり,あるいは協議をすることになります。条例の本質としては,建築基準法の中でもそうですけれども,必ずしも同意を義務づけるということではございません。事前説明をしたり協議をするということになりますので,現在,我々の状況としてはそういう義務づけはないですが,幼稚園側の要請を受けて事前に我々が調整に入っておりますので,結果的にはそう変わらない状況ではないかと思っています。 ◆伊藤理智子 委員  私の方からも,何点か質問をしたいを思います。  陳情者提出資料の中で,10番目の札幌市長に対する公開の要望質問状,そして,11番目の札幌市長からの公開の要望質問状に対する回答とあります。私も,説明をいただいたときに事前にこの資料をいただきまして,市長がどういう答弁をされているのか読ませていただきました。その中で,何点か質問をしていきたいと思います。  三つ目幼稚園側質問ですが,条例問題点として,教育施設への悪影響を防止する条項がないことについて,名古屋市の事例を出しながら,市長としてどう考えているのかという質問に対して,市長答弁は,建築主に対して,教育施設に限らず,広く住宅老人福祉施設,病院などへの日影影響に対する配慮計画説明を求めている。北国の暮らしには日照が大切な要素と考え,本市地域特性を踏まえたとの回答が出されています。これについては,本当に大切な考え方で,私もそうした配慮が必要と考えます。  しかし,その市長思いをきちんと条例に盛り込まなければ,札幌市が日照問題について市民のためにしっかりと配慮をしていることが伝わらないのではないでしょうか。名古屋市の条例では,第7条で教育施設日照とあり,教育施設日影とする部分を生じさせる場合に日影影響について特に配意し,当該中高層建築物建築計画について当該施設設置者協議しなければならないとなっております。名古屋市では,20年以上,第7条の規定があり,教育施設周辺建築物建てる場合,教育施設に対してどういう配慮をしたか名古屋市に報告しなければならないので,教育施設配慮しなければならないということが事業主に浸透しているということです。  先ほどのやりとりで,条例教育施設についての規制を掲げても今の札幌市の条例とそれほど変わりがないというご答弁がありましたけれども,やはり,名古屋市のようにきちんと条例化することによって守られている教育施設があるというところでは,本市としても,条例の中に教育施設を盛り込むべきと考えます。  これについていかがか,伺いたいと思います。 ◎三浦 建築指導部長  先ほど来お答えしておりますけれども,日照の享受など生活環境の保護につきましては,教育施設に限らず,日常生活における衛生健康面からも,すべての施設において必要なものだと認識しております。子供の環境を守ることにつきましては,もちろん重要と考えているところでございますので,今後とも,条例運用の中で適切に対応してまいりたいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  なかなか難しいご答弁だと思うのですけれども,やはり,名古屋市では実際に条例化して二十数年間これを適用して教育施設を守っているということですから,そういうすばらしい実践に学ぶということ,そして,具体的に今,幼稚園日影問題で本当に大変な思いをされている。しかも,今回初めてではなくて4年前にもこうしたことで大変な思いをされています。園長先生からもお話を聞きましたけれども,本当に物すごいエネルギーを使って運動されています。今回もこうしたことになって,さらにマンションが次々と建っていくことで,ずっと安心していられないという切実な声も寄せられています。  ですから,本当に,こうした名古屋で実践されている条例から学んでいくべきだと考えますけれども,実際に現地へ行って,名古屋条例がどういうものであって,どのくらい拘束力があって,どういうふうに活用されているか,具体的に調べてくるべきだと考えますが,名古屋市などへ行って調査を行う考えがあるかどうか,お伺いしたいと思います。 ◎三浦 建築指導部長  名古屋市では,従来から,教育施設に関する紛争も非常に多いと聞いておりますので,委員がご指摘の点につきましては,本市指導・助言や調整に参考とする面からも,運用状況や工夫等につきましては調査を実施したいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  教育施設については,子供たちの心身ともに健やかな発達を保障する上でよりよい環境であるべきと考えます。大きなマンションが建つことによって,子供たちの園庭から空がほとんど見えない状況になってしまうというお話を先ほどから園長先生もされておりました。私も,実際に円山幼稚園へ行ってきて,マンションがどのような影響を及ぼしているのか見せていただきました。4年前に建った13階建てマンションだけでも,本当に威圧的でした。幼いころ過ごした園庭の山などはとても大きかったという記憶がありますが,大人になってからその園庭の山を見るとこんなに小さかったのかと驚いた記憶があります。それくらい,小さな子供にとっては,大人以上に周りのものが大きく見えて,それがすてきなものだったら本当に心に残り,いい思い出になりますけれども,空を奪う大きなマンションであるならば,子供たちの心には威圧感のあるつらい思い出となってしまうのではないでしょうか。  新たに三井のマンションが建ったなら,複合日影の問題としても子供たちに与える影響は大きいと考えます。また,現在,幼稚園の窓から見えている藻岩山が全く見えなくなってしまいます。園長先生から,子供たちは,「窓から見える藻岩山に雲がかかったらきょうは遠足に行けないね」などと話し合い,四季折々の藻岩山の様子を楽しみながら過ごしているというお話を伺いました。窓から見える藻岩山が,子供たちの心を豊かに育てる情操教育に欠かせない存在となっております。子供たちの健やかな成長を保障する上でも,教育施設への特別な配慮が必要です。子供たちの育つ環境を札幌市としても守っていくべきと考えますけれども,こうしたお話を聞いて,もう一度,ご答弁をいただきたいと思います。 ◎三浦 建築指導部長  先ほど来お答えしておりますように,そういった子供の環境を守ることについては,もちろん非常に重要なことだと考えておりますけれども,条例の運営については適切に運用してまいりたいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  それでは,質問書の4番目に対する回答について質問したいと思います。  先ほども出ていましたけれども,商業地域では,今の条例適用にならないということです。市長は,条例施行後3年余りが経過し,商業地域については本市商業地域における建築動向や他都市運用状況などを調査し検討するとのことですが,北国の特性を考慮した上で住民が安心して暮らせることを最優先に考えるならば,札幌市の条例商業地域にも適用させるべきと考えます。また,商業地域に隣接した住居や施設にも配慮できるように条例を改正すべきと考えますが,いかがか。先ほどから難しいということもあるのですけれども,やはり,商業地域に隣接している住宅では本当に大変な思いをしているというところでご答弁願います。 ◎三浦 建設指導部長  先ほど来,商業地域であってもさまざまな状況がありまして,住居系の地域が隣接する場合には日常生活上に影響を及ぼすことも想定されます。したがいまして,委員がご指摘の点につきましては,今後の検討すべき要素の一つとして考えております。 ◆伊藤理智子 委員  商業地域であり,法に違反していないということで,この間,マンション建設が強行され,日影規制対象外で住民とトラブルになって問題解決していない事例が多くなっていると考えています。頻発するマンション紛争の中,札幌中高層建築物建築に係る紛争予防調整に関する条例が2000年に施行されましたが,仲介調定が不調に終わることが多く,実効性のある条例となっていません。北国の暮らしにおいて大切な日照が保障されるように条例を改正することが,今,本当に求められていると考えます。マンション問題という部分的な問題にとどめず,札幌市の街づくりとしてどうしていくかということを考えていく必要があると思います。先ほどからお話ししておりますけれども,名古屋市では,条例の中に教育施設についての日照問題がきちんと盛り込まれているわけですから,本市としても,今後,特別な配慮をすることにとどまらず,実際に名古屋へ行って調査し検討するということですので,しっかりと条例に盛り込んでいけるよう調査検討すべきだということを強く求めておきます。  次に,子供権利条例についてもお尋ねしたいと思います。  日本共産党では,この間,子供権利条例制定に向けて代表質問委員会などでも質問を行ってきました。川崎市や奈井江町の子ども権利条例から学び,現在,札幌市の子供権利条例制定に向けて動き始めているところではありますが,きょう出されている陳情の中でも,子供条例をつくって,子供たち教育環境を守り,充実させる施策を具体化してほしいという要望が出されています。新年度予算の中で,子供権利条例の予算が800万円計上されていますが,その具体的な中身についてお尋ねいたします。 ◎福島 児童家庭部長  札幌市の子供権利条例制定についての新年度の取り組みでございますが,今,お話にございましたように,800万円の予算をお認めいただくべく予算提案させていただいております。新年度は,私どもは新たな権利条例制定を担当するセクションを設けまして,子供の権利の推進に向けた取り組みをこれまで以上に力を入れて進めてまいる予定でございます。  具体的には,条例をつくるということは,多くの人たちが子供の権利について考えていただくよい機会ととらえまして,子供さん自身はもちろん,子供を取り巻く周囲の多くの大人の方々にご議論を深めていただくために,例えば条例検討委員会といったものを設置し,そこでご議論をいただきますほか,子供自身が自分たちの権利を考える場を提供していったり,あるいは,広く市民を対象といたしましたフォーラムとか勉強会の開催,それからアンケート調査といったことなども予定をいたしてございます。 ◆伊藤理智子 委員  いろいろな方たちや子供たちの声を聞くというようなご答弁だったと思うのですけれども,今回,教育施設日照問題ということで子供たちの環境を守ってほしいという陳情が出されているわけです。こうしたことも踏まえた上で,今後の具体的な内容についても検討していくべきと考えますけれども,これについていかがか,伺います。  また,子供たちの健やかな成長を保障するとの立場から創設される子ども未来局として,こうした日照問題が起こった場合に,都市局と協議し,子供日照を守るという立場で指導力を発揮できる実効性ある条例にするべきと思いますが,どう対処されるのか,伺います。 ◎福島 児童家庭部長  子供教育環境の整備といいましょうか,担保といいましょうか,日照問題に限らず,広い意味子供教育環境についての検討に関しましては,先ほど申し上げました条例制定に向けた子供の権利を考えるいろいろな機会の中で広くご議論をいただきながら,条例としてどうあるべきか,固めていきたいと考えております。  そういった中で,4月からスタートいたします子ども未来局としての対応ということで申し上げますと,条例制定に向けた取り組みの中で,広い意味での子供の育ちとか,あるいは学びの環境整備につきまして,庁内の関係部局とともに具体的に検討調整を進めてまいりたいと考えてございます。 ◆伊藤理智子 委員  やはり,子ども未来局として,本当に子供たちの健やかな成長を保障することを考えた上では,今のご答弁も大事だと思いますけれども,さらにこういう具体的な問題が上がってきたときに条例がしっかり適用されるような中身にしていただきたいと思います。  今,長引く不況の中で,本当に一人一人が大切にされない社会状況になっていると思いますけれども,こうした中で一番の被害者となるのが小さな子供たちだと考えます。子供たちが本当に心身ともに健やかに成長できる環境を大人の責任として守る上でも,子供権利条例を具体的で実効性のあるものにしていかなければならないと考えます。子供たちの成長になくてはならない大切なお日様を守るため,短時間で1万3,117筆の署名が届けられたという報告がありました。こうした皆さんの切実な願いを札幌市としてもしっかりと受けとめて,最善を尽くし,なかなか条例では厳しい限界があるというようなご答弁もありましたけれども,今後,引き続き三井不動産に計画を変更するように札幌市としてもできる限り働きかけていき,また,早急にこの条例を改正していくよう強く求めて,私の質問を終わらせていただきます。 ◆小林郁子 議員  簡潔に,2点,お伺いしたいと思います。  その前に,複合被害のことについて若干申し上げたいと思います。  複合被害につきまして,建築基準法は単体で日影の基準を定めていると思うのですけれども,複合になりますとさらにそれ以上重なるということです。そもそも,建築基準法というのは,私は最低限の基準だと思うのです。特に円山幼稚園の場合には午前中の3時間半も日影がかかるということであれば,本当にこれは受忍の限度を超えていると思わざるを得ません。そのことに関しまして,建築基準法の改正も含めて市からも要望をしていくべきでないかと思いますので,このことは申し上げておきたいと思います。  まず,1点目にお伺いしたいのですけれども,私も,名古屋との条例の違いをお聞きしたいと思います。  先ほど商業地域につきましては,これから区分を考えて検討していくというお話がございました。それも含めてですけれども,名古屋紛争に関する条例を見ますと,さらに細かくなっているのです。特に,五つに分けておりまして,第一種低層住居専用地域,第二種低層住居専用地域については,軒高が7メートルを超えているものを対象にする,あるいはまた,地階を除く階数が3階以上の建物というようなことです。それから,2番目には,第一種中高層,第二種中高層の住居専用地域というところとか,それからまた,近隣商業地域でも200%または300%の容積率のところは高さが10メートルとしています。近隣商業地域でも400%のところはまた15メートルとするとか,あるいはまた,商業地域でも400%のところとそれ以外のところと分けたり,工業地域についても規定しています。  札幌市の状況,特に中央区の現在の状況を見ておりますと,今,札幌紛争に関する条例では高さが10メートルを超える建築物ということだけになっております。しかも,商業地域及び工業専用地域を除くとなっております。私は,この状況の中で,もう少し細かく規定をしていく必要があると思います。商業地域ということでのご検討はあるということですけれども,さらに,ほかのところについても細かい検討は必要と思いますが,その点についてのお考えをお伺いいたします。  それから,2点目につきましては,札幌市は,今いろいろと紛争仲介,調停をやっておりますけれども,私は,もっと専門的な相談窓口を設けるべきではないかと考えます。  今まで,札幌紛争の調停,仲介状況を見ておりましても,さまざまな面でそれ以前に相談には乗ってくださり,動いてくださっていることは十分承知しております。そういう中で,特に規定がない中でやっておられますけれども,札幌市の紛争の場合を見ますと,先ほどもお話がありましたが,互譲の精神で当事者同士が自主的に解決するのを基本とするとなっております。私は,対等の立場の者であればそういうことが言えると思いますけれども,実際には,これは現実的ではない規定だと思っております。要するに,建て主の方は,法を守っていれば幾らでも強行できるわけです。そういう中で,住民の方は多大な努力をしながら協議する場を設けてやっているというのが今までの現状です。高層マンションに関しましては,建物のことだけではない。地域のこと,コミュニティーのこと,それが崩壊することも場合によっては出てまいります。  そういうことを考えますと,住民から建物についての相談がありましたときは,やはり専門的なきちんとした相談窓口を設けて,住民と一緒に,仲介に至る段階になる前に解決を図っていくような努力が必要ではないか。これについては,私は本庁の建築指導部でなくてもいいと思います。区の土木部もあるでしょうし,あるいはまた,これから連絡所をまちづくりセンターとするということですから,そういうところでもいいと思います。そのあたりはどのようにお考えか,お伺いをいたします。 ◎三浦 建築指導部長  名古屋市との条例の違いにつきましては,先ほど説明してございますけれども,対象とする建築物について高さを細かく区分されているということでございますが,例えば,近隣商業地域について,名古屋市では,容積率に応じ,10メートルを超えるものではなくて15メートルを超えるものを区分しているということはありますけれども,本市においては10メートルを超えるものについて対象としているということで,そういった意味では広く対象になっているのではないかなと思います。ただ,商業地域については,議員がおっしゃいましたように,区分に応じて対象とすることについては今後いろいろ調査をしながら検討していきたいと思っております。  それから,相談窓口を設けることにつきましては,本市においては,建築指導部の建築調整課の担当課が窓口となっていろいろな相談を受けております。昨年度の相談受け付け件数等の関係ですけれども,昨年度と本年度で479件の中高層の届け出がございました。そういった中で,仲介の件数が17件,割合としては大体3.5%という状況でしたが,それ以外については,話し合いにより解決したものと考えております。その間にあって,相談があった場合には,うちの職員から適切なアドバイスをしたり,調整をしたりということで自主的な解決につながったものだと考えております。  今後,連絡所等の改革が進められるわけですけれども,街づくり関係につきましては,我々としても計画部と連携をとりながら検討していきたい,取り組んでまいりたいと考えております。 ◆小林郁子 議員  今,部長からお話がありましたけれども,この条例に関する届け出件数を拝見しますと,2002年度は271件,そして仲介が12件,そして2003年度は途中までですが,208件あって5件が仲介と聞いております。私は,この12件なり5件というのは,住民が物すごい努力をしてこういうところに持ち込んでくるわけですから,決して小さいものではないと思っております。そういう意味では,先ほど申し上げましたように,札幌市も紛争条例をもう少しきめ細かくする必要があるだろうと考えます。  それから,2点目に申し上げました相談窓口につきましては,今はそういうふうに担当者の方がご努力をしてくださっているということだと思いますけれども,やはり,これからは,業務上もきちんと規定していく形が必要ではないかと思います。  あわせて,最後に申し上げたいと思います。  名古屋の方では教育施設への特別な配慮規定されておりますけれども,高齢者の施設もあるし,一概にそういうものを特定できないのではないかというお考えかと思います。ただ,子供は自分から意見を言うことができない,自分から自分の考えを言うことがなかなかできないということを含めれば,教育施設に対する特別な配慮があっていいのではないかと考えます。  これから子どもの権利条例を制定することになっておりますけれども,国連の子どもの権利条約につきましても,子供の健康ということについて24条に規定があります。札幌市も,東京都千代田区にありますような教育環境を守るような配慮をこれから定める子供権利条例に盛り込むべきではないかなと考えておりますので,これも意見として申し上げておきます。 ○井上ひさ子 委員長  ほかにございませんか。
     (「なし」と呼ぶ者あり) ○井上ひさ子 委員長  なければ,質疑を終了いたします。  それでは,取り扱いについてお諮りいたします。  取り扱いは,いかがいたしますか。  (「継続審査」と呼ぶ者あり) ○井上ひさ子 委員長  陳情第75号を継続審査とすることにご異議ございませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○井上ひさ子 委員長  ご異議なしと認め,陳情第75号は継続審査と決定いたしました。  以上で,委員会を閉会いたします。     ──────────────       閉 会 午前11時17分...