それでは,
資料の1ページをごらんください。
今回の
陳情にかかわる
建築計画の
概要についてご
説明いたします。
建築主は
三井不動産株式会社札幌支店で,
建築場所は中央区
北1条西23丁目でございます。
建物の階数及び
建物の高さにつきましては,当初
計画が14階
建て44.4メートルでございまして,
住戸数が27戸の
共同住宅となっております。
なお,高さにつきましては,
円山幼稚園からの
要望を受けて,一部譲歩し,現在は
階高を縮めることにより2.01メートル削減し,42.39メートルとなっております。
工事は2月19日に着工しておりますが,現在は
既存の
地下室の
解体工事を行っており,完成は来年3月31日の予定でございます。
2ページの
付近見取り図をごらんください。
当該計画は,
商業地域内の
計画であり,
円山幼稚園自体は第一種
住居地域内に立地しております。双方の
建物の距離はおおむね53メートルであります。
途中を省略いたしまして,6ページは,
冬至における9時から15時までの
日影図でございます。
当該計画は
商業地域内の
計画でございますが,第一種
住居地域に影を落とすことから,
建築基準法における
日影規制の
適用を受けております。
園舎の
南側壁面各所に及ぼす影の時間は,
冬至の時期において午前9時半から11時半までの間に,平均1時間10分から15分でございます。
7ページは,
春秋分の
日影を示したものですが,
当該建物の影が
園舎の教室の窓に差しかかる時期は10月上旬から3月上旬ころまでで,
春秋分時においては既に
園舎に対する影の
影響はなくなっております。
次に,8ページの景観についてご
説明いたします。
まず,昨年12月12日に
建築主から
円山幼稚園に対して
当該計画及び工事に関する報告があり,本年1月23日には
マンション計画に関する
申し入れ書として,
円山幼稚園から
建築主に対して
階高3.1メートルを2.9メートルに縮めて全体の高さを下げること,階層を1層削減し13階
建てとすることなどの
具体的要望があったところですが,
建築主の
回答は,
階高3.1メートルを2.96メートルとし,全体の高さを2.01メートル削減するなど一部譲歩であったことから,2月18日には
日影の
影響を危惧する
円山幼稚園側から
市長への
要望があったところでございます。このため,
本市としましては,引き続き,
建築主側に対して
話し合いを促し,
計画変更の
検討を要請するなどして
調整に努めてまいりましたが,現在は,3月23日に
建築主から
幼稚園側に対して,合意を前提として
階高の削減に加えて,1層削減し,13階
建てとする提案がなされているところでございます。
次に,
札幌市
中高層建築物の
建築に係る
紛争の
予防と
調整に関する
条例,以下
条例と呼ばせていただきますが,この
条例についてご
説明いたします。
9ページと10ページに制度の
概要について記載しております。
条例の目的といたしましては,
建築主と
近隣関係住民との間の
建築紛争の
予防と
調整を図ることでありますが,中段3の
紛争防止の観点から,
建築主等に対しては
建築計画上の
配慮を求めるとともに,
建築確認申請に先立ち,
計画の
事前公開を義務づけ,
紛争が生じた場合には,10ページの4にありますように互譲の精神に基づく
話し合いにより,まず
当事者による
自主解決を図るものとし,この
話し合いが膠着した場合は,私どもが行う
仲介や
紛争調整委員が行う調停において,
当事者の
歩み寄りを促しながら
紛争の解決を図ろうとするものであります。
次に,11ページをお開きください。
本市の
条例と他の
政令指定都市の
条例との比較についてご
説明いたします。
まず,
教育施設に対する
日影等の
配慮に関してでございますが,表1の下にありますように,
建築主の
配慮,
努力義務としている
都市は,
本市を含み,7
都市ございます。このうち,表1のとおり,
名古屋市では
対象とする
施設を
教育施設のみに限定しておりますが,
本市においては,
教育施設に限らず,
老人福祉施設や病院,
住宅など広く
近隣への
日影の
影響に対する
配慮と
計画の
説明を求めております。
次に,
商業地域への
適用についてでございますが,
商業地域につきましては,
本市では
都心や
地域の拠点など高度な
土地利用の促進を図る必要がある
地域に指定されており,その趣旨を踏まえて
適用除外としてきたところでございます。
なお,表2にあるとおり,
条例を制定している
都市の中で,
商業地域を
適用除外としているのは
本市のみでございます。
最後になりますが,いわゆる
子供の
権利条例につきましては,新年度から
本市に担当の組織を設け,
平成18年4月1日の施行を目標に
検討に取り組むところでございます。
○
井上ひさ子 委員長 それでは,
質疑を行います。
質疑はございませんか。
◆
小野正美 委員 今も
陳情者からも
趣旨説明がありましたし,
円山幼稚園の
園舎に
太陽のイラストなどがあって,本当に
子供たちが
太陽と仲よしであってほしいという
思いで
子供の
教育に当たられてきたことを感じたわけであります。特に,
子供たちにとって,空を見たり,雲を見たり,あるいは街並みを見たり,また,この
幼稚園からは遠くに藻岩山も見えるとお聞きしましたけれども,そういった中で豊かな心,感受性を育てていくことは非常に大事なことだと
思います。特に,
冬至を
中心に約4カ月にわたって,
複合日影の
影響もあってほぼ午前中は日陰になり,そういう面では,
幼稚園での活動のほとんどの時間は
太陽を遮られた中で過ごさなければならないという訴えだと
思います。
冬至だからということではなくて,逆に,冬だからこそ,あるいは
冬至だからこそ,
太陽の恵みとか
太陽の暖かさ,やわらかい日差しが欲しいという
思いでの
陳情であると私どもは理解をしております。
そういう立場に立って,本当に何とかしていきたいものと思うわけでありますが,さまざまな課題もありますけれども,二,三,
質問をしていきたいと
思います。
まず一つは,
札幌市の
中高層建築物の
建築に係る
紛争の
予防と
調整に関する
条例,これは
条例と言わせていただきますが,この
対象地域に
商業地域が含まれていないということで,
陳情者からもこの不備や
問題点が指摘をされております。ご承知のとおり,
商業地域といっても一律ではないわけです。例えば,
都心部の丸井とか三越といったところもあれば,私の居住する手稲本町かいわいなどもいわば
商業地域であります。この
陳情の
地域などは,ほとんどが
戸建ての家が並び,
商業地域と言っても,
個人商店,住居と一緒の2階
建て,3階
建て程度の商店とか,あるいは,
ビジネスビルなどが建っていた
場所かなと
思います。
最初の
質問として,
商業地域とありますけれども,どういった
区分ができるのか,ないしはあるのか,それから,この
条例の
対象としてこなかった
考え方について,お聞きをしたいと
思います。
◎
三浦 建設指導部長 商業地域の
区分についてでございますけれども,
商業地域につきましては,
先ほどもありましたように,用途の中で
容積率が400%のところは
地域中心核を
中心とした
区域などに指定されています。それから,
都心になりますけれども,
都心の中では600%の
区域あるいは800%の
区域など,
札幌市内の
中心部についてはそういった
区域に指定されており,
容積率の
関係では3種類の
区分に分けて指定をされております。
それから,
条例の
対象としていない理由でございます。
容積率が400%ということで,
商業地域につきましては土地の
高度利用を図るべき
地域となっており,
条例の
対象からは
適用除外という形にしております。
◆
小野正美 委員 商業地域としても3
区分に分けられるということでありますし,
幹線道路に面しているから
商業地域というようなところもあろうかと
思います。
最近は,特に中央区などでの
都心回帰といいますか,
マンションなどの
建設で
人口増がありますけれども,こういった
地域では,非常に
問題点が生じてきたり,あるいは,こういった
紛争などが予想されます。
陳情者も言われましたが,
商業施設などができて街ににぎわいが醸し出されることならいざ知らず,
マンションがどんどん林立していくと,特に,こういった
場所は,非常に狭い敷地に,高くて細長い
建物が
建てられ,個々の
建物は
日影の
規制をクリアするけれども,結果として
複合日影が生じます。今回の場合も,
一つ一つは
規制を逃れることができますが,午前中に3時間半も
複合日影が生じ,しかも,
複合日影の
規制はないに等しいわけです。
そういった
意味で,今後,こうした
商業地域であっても,いわば
戸建てが
中心の
住環境のところは,
本市の
条例の
対象として,
紛争の
予防とか,
当事者や
近隣住民に対する
説明とか,その
説明の結果報告を求めるとか,あるいは,必要に応じて市が
仲介,調停をするような
対象にしていくことが必要と考えるのですが,この点はどういうふうに考えられていますか。
◎
三浦 建築指導部長 委員がご指摘のとおり,確かに,
商業地域に隣接する
中高層建築物であっても,
日常生活上の
影響を及ぼす場合があります。その
意味から
当該条例の
適用も考えられるところでありますけれども,一方で,
商業地域は
都心や
地域の拠点など高度な
土地利用の促進を図る必要がある
地域でございますので,
条例制定時におきましてはこの
条例の
対象地域から除外してきたという経緯がございます。
しかし一方,
条例制定後3年を
経過しているということで,さらに,近年は
都心居住という傾向になってきていることも踏まえまして,
商業地域への
適用について,
本市の
商業地域における
建築動向や他
都市の
運用状況なども調査しながら,
街づくりの
方向性も勘案しながら
検討してまいりたいと考えております。
◆
小野正美 委員 再度の要請といいますか,問題の認識を一致させておきたいのですが,
商業地域と言っても一律のものではない,特に最近は,従来,
住居地域と同等の
場所に,
都心回帰もあって
中高層の
マンションが
建設されてきているし,これからさらにそういったことが予測され,当然,
紛争が生じると思うので,この
条例の
対象としての
商業地域に関する
適用の見直しを早急に行うことを
確認しておきたいと
思います。
その上に立って,次の
質問ですが,
建築計画上の
配慮として
近隣関係住民に及ぼす
規定がありますけれども,
日影及び通風の阻害の
影響に関する
軽減措置ということで,
陳情者からも,
名古屋市のように
教育関係施設を含めるべきだ,明記すべきであるという指摘であります。
確かに,
教育施設や福祉,あるいは医療の
施設も含めて
近隣関係住民という一くくりの中に含まれているのだ,すべてを
対象にしているのだということが
本市の
考え方であろうと
思いますが,やはり,そのことを前提にしながらも,冒頭に述べましたように,
子供たちのよりよい
教育環境を守っていく上で,特段の
配慮として
教育関係施設を特化する,あえて具体的に書くことが必要ではないかと
思います。もちろん,どういった
施設を
対象にするのか,いろいろあろうかと
思いますけれども,少なくとも
子供が多数集まってきて一定の時間を過ごす
場所においては,こういう
日影などを含めた
影響を極力
軽減していく,除外していくという
意味で,
建築主に対する注意の喚起や
当事者の
話し合い,あるいは,
行政側の介在,
仲介を可能にする
規定が必要だと思うのですが,この点はどういうふうにお考えですか。
◎
三浦 建築指導部長 本市の
条例につきましては,北国においては
近隣関係住民皆さんの
日照が
住環境の重要な要素であるという観点から定めされたものでございまして,
本市の
地域特性に適したものであると考えております。また,
運用の実態から見ましても,従来から,
本市では
戸建て住宅や
共同住宅にお
住まいの方々からの
日影の
影響等についての相談が多く,
条例に特定の
施設を取り上げ明示することにつきましては,
住宅など他の
施設との
差別化が生じるということで大変難しい問題であると認識しているところでございます。したがいまして,事案に応じ,
土地利用の
あり方や
影響の
状況を踏まえ,
教育施設も含め,
近隣関係住民に対する
影響の
軽減が図られるよう,今後とも
条例の適切な
運用に努めてまいりたいと考えております。
◆
小野正美 委員 確かに,
一般論として,
近隣関係住民の中に網羅される事柄ですけれども,あえて
建築主に対する注意の喚起とか,あるいは
行政側もそこを
配慮していく,
当事者間の
話し合いが不調に終わった場合などの
仲介とか調停にかかわっていくという姿勢を示す上でも,ぜひ特化した
規定を求めておきたいと
思います。
先ほど陳情者も言われましたけれども,
上田市政のもとで,今回,
子ども未来局を設置するし,きょうは
児童家庭部長もいらしておりますので,そういった立場からもぜひ努力をいただきたいと
思います。
それから,
複合日影ですが,これは,その都度,問題になっていますけれども,なかなか制限できない,あるいは,具体的な
解決策が見出せていないわけであります。これは,法律を前提にしただけではなく,
本市としてこれからこういった問題が非常に大きくなってくるだろうと
思いますので,ぜひ
複合日影への対処方について
検討していただきたいと
思います。
◆
阿知良寛美 委員 私の方から,3点ほど,
確認の
意味で
質問させていただきたいと
思います。
1点目は,
先ほど経過概要の
説明がありましたけれども,現在までの
話し合いの
状況について,市は
建築主に対してどのような
指導を行ってきたのでしょうか。
それから,今,
小野委員からもありましたが,
複合日影について,
経過の
概要の中では
階高を3.1メートルから2.96メートルにして全体で2メートル1センチ下げ,それから,3月23日には1層削減して13階
建てという
改善案が出ていますけれども,それによって既設の
マンションとの
複合日影はどの程度改善されたのか,
確認をしておきたいと
思います。
3点目については,
先ほど来,議論されておりますように,
名古屋では
教育施設を特化して
条例の中に入れていますが,
本市は広く全体的にカバーしようとしております。特に最近は,
高齢化ということもありまして,グループホームとか
在宅介護という問題が出てくるわけです。そういう面では,私は,
教育に特化するということではなく,本当に
日照権が守られるのであれば,それだけにこだわらず,全体的に今の
条例でいいと思うのです。
そこで,現在の
条例を
名古屋と比較して,
本市ではどのように考えているのか,これでいいのかどうか,現在の段階での考えをお聞きしたいと
思います。
◎
三浦 建設指導部長 現在の
話し合いの
状況について,それから
建て主に対してどのような
指導を行ってきたかということでございます。
本件につきましては,昨年12月末に
円山幼稚園から相談を受けておりまして,
条例の
適用対象外でございましたけれども,
幼稚園側からの要請に応じて
建築主に対して
話し合いを促し,1月17日には
説明会が開催されております。また,1月23日には
幼稚園側から
建築主に対して,
マンション計画に関する
申し入れ書が提出され,
本市にも
幼稚園側からその内容が伝えられております。
要望内容といたしましては,各階の高さを縮めて全体の高さを低減するとともに,階数を1層削減し14階を13階とすることを求めるなどの具体的なものでございましたので,
本市といたしましても,
建築主に対し
申し入れ書に沿うような
建築計画の
検討を要請したところでございます。これを受けて,2月9日に,
建築主から
幼稚園側へ各階の
階高を縮め,全体の高さを2.01メートル低くするなどの一部
譲歩案が示されましたが,なお
日影の
影響を危惧する
幼稚園側から2月18日に
市長への
要望及び
質問書が提出されたところでございます。そこで,
本市より
建築主に対して,
話し合いの継続と
幼稚園側の
申し入れ書に沿うようさらなる
計画の変更の
検討を要請した結果,3月23日に,
建築主から,合意を条件として,
先ほどの
階高の低減に加え,1層削減の上,13階
建てとし,全体として高さを約4.97メートル低くする案が提示され,現在,
幼稚園側の
回答を待っているところであると承知しております。
続きまして,
既存の
マンションと
当該マンションの複合する
日影の
影響と
改善案について,どの程度改善されるかということについてでございます。
既存の
マンションと
当該計画との複合する
日影の
影響につきましては,
冬至日,いわゆる12月21日ですが,
既存の
マンションの及ぼす影が8時30分ごろから午前10時半まででございまして,
当該計画の及ぼす影は午前9時半ぐらいから午前11時半ぐらいまで,日陰となる時間はおおむねポイント的には1時間ほど増加することとなります。
次に,
建築主側の
歩み寄り案の効果についてでございますが,一般に言いますと,
建物の離れがある場合には,1年を通して見ますと,
建物の高さの低減が
太陽高度との
関係から
日影の
影響の
軽減につながることになります。そこで,今回の場合は
幼稚園と
計画建物の離れが53メートルあるため,このたびの
建築主の
歩み寄り案により,
建物の高さが当初
計画より4.97メートル低くなることによって,
既存の
建物の
日影に加わる
計画建物の
日影の
影響は
幼稚園側の教室の窓に
影響を及ぼし始める時期が10月上旬から下旬へと遅くなり,その
影響がなくなる時期は3月上旬から2月下旬に早まる見込みであり,前後約18日間程度改善されるということでございます。
それから,
名古屋市の
条例との比較における
本市の
考え方についてでございます。
教育施設に対する
建築主の
配慮については,
本市の
条例と
名古屋市の
条例との違いでございますけれども,
本市の
条例では,
先ほど来出ていますように,特定の
施設に限定せず,
住宅や
老人施設,病院など広く
近隣関係住民に対して
日影や通風の阻害に対する
軽減措置のほか,
駐車施設やごみの
保管場所などの具体的な
配慮を求めているとともに,
建築計画の
説明を義務づけているところでございます。これに対して,
名古屋市の
条例では,
教育施設のみを取り上げて
日影の
影響についての
配慮を求めるとともに,
建築計画について
当該施設の
設置者と
協議を行うことを義務づけております。
運用の実際から言いますと,
先ほど来
説明してきましたように,
本市においては,
戸建て住宅や
共同住宅にお
住まいの方々からの
日影の
影響等についての相談が非常に多いということで,特定の
施設を取り上げて
条例に明示することにつきましては,
差別化が生じるということで非常に難しい問題であると考えております。事案に応じて,
土地利用の
あり方,あるいは
影響の
状況を踏まえて,
教育施設も含めて
近隣関係住民に対する
影響の
軽減が図られますよう,今後とも
条例の
運用の中で適切に対応してまいりたいと考えております。
◆
阿知良寛美 委員 今のお答えで,
条例の中に特化して
教育施設を明示する場合,例えば本件の場合は相当な違いが出てきますか。それを
確認したいのです。
◎
三浦 建築指導部長 もし
条例に盛り込んだとした場合,
建て主側に
事前に
協議を義務づけるということですから,
幼稚園に対して
事前に
説明に行ったり,あるいは
協議をすることになります。
条例の本質としては,
建築基準法の中でもそうですけれども,必ずしも同意を義務づけるということではございません。
事前に
説明をしたり
協議をするということになりますので,現在,我々の
状況としてはそういう義務づけはないですが,
幼稚園側の要請を受けて
事前に我々が
調整に入っておりますので,結果的にはそう変わらない
状況ではないかと思っています。
◆
伊藤理智子 委員 私の方からも,何点か
質問をしたいを
思います。
陳情者の
提出資料の中で,10番目の
札幌市長に対する公開の
要望と
質問状,そして,11番目の
札幌市長からの公開の
要望と
質問状に対する
回答とあります。私も,
説明をいただいたときに
事前にこの
資料をいただきまして,
市長がどういう
答弁をされているのか読ませていただきました。その中で,何点か
質問をしていきたいと
思います。
三つ目の
幼稚園側の
質問ですが,
条例の
問題点として,
教育施設への悪
影響を防止する条項がないことについて,
名古屋市の事例を出しながら,
市長としてどう考えているのかという
質問に対して,
市長の
答弁は,
建築主に対して,
教育施設に限らず,広く
住宅や
老人福祉施設,病院などへの
日影の
影響に対する
配慮と
計画の
説明を求めている。北国の暮らしには
日照が大切な要素と考え,
本市の
地域特性を踏まえたとの
回答が出されています。これについては,本当に大切な
考え方で,私もそうした
配慮が必要と考えます。
しかし,その
市長の
思いをきちんと
条例に盛り込まなければ,
札幌市が
日照問題について市民のためにしっかりと
配慮をしていることが伝わらないのではないでしょうか。
名古屋市の
条例では,第7条で
教育施設の
日照とあり,
教育施設に
日影とする部分を生じさせる場合に
日影の
影響について特に配意し,
当該中高層建築物の
建築の
計画について
当該施設の
設置者と
協議しなければならないとなっております。
名古屋市では,20年以上,第7条の
規定があり,
教育施設周辺に
建築物を
建てる場合,
教育施設に対してどういう
配慮をしたか
名古屋市に報告しなければならないので,
教育施設に
配慮しなければならないということが
事業主に浸透しているということです。
先ほどのやりとりで,
条例に
教育施設についての
規制を掲げても今の
札幌市の
条例とそれほど変わりがないというご
答弁がありましたけれども,やはり,
名古屋市のようにきちんと
条例化することによって守られている
教育施設があるというところでは,
本市としても,
条例の中に
教育施設を盛り込むべきと考えます。
これについていかがか,伺いたいと
思います。
◎
三浦 建築指導部長 先ほど来お答えしておりますけれども,
日照の享受など
生活環境の保護につきましては,
教育施設に限らず,
日常生活における
衛生健康面からも,すべての
施設において必要なものだと認識しております。
子供の環境を守ることにつきましては,もちろん重要と考えているところでございますので,今後とも,
条例の
運用の中で適切に対応してまいりたいと考えております。
◆
伊藤理智子 委員 なかなか難しいご
答弁だと思うのですけれども,やはり,
名古屋市では実際に
条例化して二十数年間これを
適用して
教育施設を守っているということですから,そういうすばらしい実践に学ぶということ,そして,具体的に今,
幼稚園が
日影問題で本当に大変な
思いをされている。しかも,今回初めてではなくて4年前にもこうしたことで大変な
思いをされています。園長先生からもお話を聞きましたけれども,本当に物すごいエネルギーを使って運動されています。今回もこうしたことになって,さらに
マンションが次々と建っていくことで,ずっと安心していられないという切実な声も寄せられています。
ですから,本当に,こうした
名古屋で実践されている
条例から学んでいくべきだと考えますけれども,実際に現地へ行って,
名古屋の
条例がどういうものであって,どのくらい拘束力があって,どういうふうに活用されているか,具体的に調べてくるべきだと考えますが,
名古屋市などへ行って調査を行う考えがあるかどうか,お伺いしたいと
思います。
◎
三浦 建築指導部長 名古屋市では,従来から,
教育施設に関する
紛争も非常に多いと聞いておりますので,
委員がご指摘の点につきましては,
本市の
指導・助言や
調整に参考とする面からも,
運用の
状況や工夫等につきましては調査を実施したいと考えております。
◆
伊藤理智子 委員 教育施設については,
子供たちの心身ともに健やかな発達を保障する上でよりよい環境であるべきと考えます。大きな
マンションが建つことによって,
子供たちの園庭から空がほとんど見えない
状況になってしまうというお話を
先ほどから園長先生もされておりました。私も,実際に
円山幼稚園へ行ってきて,
マンションがどのような
影響を及ぼしているのか見せていただきました。4年前に建った13階
建ての
マンションだけでも,本当に威圧的でした。幼いころ過ごした園庭の山などはとても大きかったという記憶がありますが,大人になってからその園庭の山を見るとこんなに小さかったのかと驚いた記憶があります。それくらい,小さな
子供にとっては,大人以上に周りのものが大きく見えて,それがすてきなものだったら本当に心に残り,いい
思い出になりますけれども,空を奪う大きな
マンションであるならば,
子供たちの心には威圧感のあるつらい
思い出となってしまうのではないでしょうか。
新たに三井の
マンションが建ったなら,
複合日影の問題としても
子供たちに与える
影響は大きいと考えます。また,現在,
幼稚園の窓から見えている藻岩山が全く見えなくなってしまいます。園長先生から,
子供たちは,「窓から見える藻岩山に雲がかかったらきょうは遠足に行けないね」などと
話し合い,四季折々の藻岩山の様子を楽しみながら過ごしているというお話を伺いました。窓から見える藻岩山が,
子供たちの心を豊かに育てる情操
教育に欠かせない存在となっております。
子供たちの健やかな成長を保障する上でも,
教育施設への特別な
配慮が必要です。
子供たちの育つ環境を
札幌市としても守っていくべきと考えますけれども,こうしたお話を聞いて,もう一度,ご
答弁をいただきたいと
思います。
◎
三浦 建築指導部長 先ほど来お答えしておりますように,そういった
子供の環境を守ることについては,もちろん非常に重要なことだと考えておりますけれども,
条例の運営については適切に
運用してまいりたいと考えております。
◆
伊藤理智子 委員 それでは,
質問書の4番目に対する
回答について
質問したいと
思います。
先ほども出ていましたけれども,
商業地域では,今の
条例が
適用にならないということです。
市長は,
条例施行後3年余りが
経過し,
商業地域については
本市の
商業地域における
建築動向や他
都市の
運用状況などを調査し
検討するとのことですが,北国の特性を考慮した上で住民が安心して暮らせることを最優先に考えるならば,
札幌市の
条例を
商業地域にも
適用させるべきと考えます。また,
商業地域に隣接した住居や
施設にも
配慮できるように
条例を改正すべきと考えますが,いかがか。
先ほどから難しいということもあるのですけれども,やはり,
商業地域に隣接している
住宅では本当に大変な
思いをしているというところでご
答弁願います。
◎
三浦 建設指導部長 先ほど来,
商業地域であってもさまざまな
状況がありまして,住居系の
地域が隣接する場合には
日常生活上に
影響を及ぼすことも想定されます。したがいまして,
委員がご指摘の点につきましては,今後の
検討すべき要素の一つとして考えております。
◆
伊藤理智子 委員 商業地域であり,法に違反していないということで,この間,
マンション建設が強行され,
日影規制対象外で住民とトラブルになって問題解決していない事例が多くなっていると考えています。頻発する
マンション紛争の中,
札幌市
中高層建築物の
建築に係る
紛争の
予防と
調整に関する
条例が2000年に施行されましたが,
仲介調定が不調に終わることが多く,実効性のある
条例となっていません。北国の暮らしにおいて大切な
日照が保障されるように
条例を改正することが,今,本当に求められていると考えます。
マンション問題という部分的な問題にとどめず,
札幌市の
街づくりとしてどうしていくかということを考えていく必要があると
思います。
先ほどからお話ししておりますけれども,
名古屋市では,
条例の中に
教育施設についての
日照問題がきちんと盛り込まれているわけですから,
本市としても,今後,特別な
配慮をすることにとどまらず,実際に
名古屋へ行って調査し
検討するということですので,しっかりと
条例に盛り込んでいけるよう調査
検討すべきだということを強く求めておきます。
次に,
子供の
権利条例についてもお尋ねしたいと
思います。
日本共産党では,この間,
子供の
権利条例制定に向けて代表
質問や
委員会などでも
質問を行ってきました。川崎市や奈井江町の子ども
権利条例から学び,現在,
札幌市の
子供の
権利条例制定に向けて動き始めているところではありますが,きょう出されている
陳情の中でも,
子供条例をつくって,
子供たちの
教育環境を守り,充実させる施策を具体化してほしいという
要望が出されています。新年度予算の中で,
子供の
権利条例の予算が800万円計上されていますが,その具体的な中身についてお尋ねいたします。
◎福島
児童家庭部長 札幌市の
子供権利条例制定についての新年度の取り組みでございますが,今,お話にございましたように,800万円の予算をお認めいただくべく予算提案させていただいております。新年度は,私どもは新たな
権利条例制定を担当するセクションを設けまして,
子供の権利の推進に向けた取り組みをこれまで以上に力を入れて進めてまいる予定でございます。
具体的には,
条例をつくるということは,多くの人たちが
子供の権利について考えていただくよい機会ととらえまして,
子供さん自身はもちろん,
子供を取り巻く周囲の多くの大人の方々にご議論を深めていただくために,例えば
条例検討委員会といったものを設置し,そこでご議論をいただきますほか,
子供自身が自分たちの権利を考える場を提供していったり,あるいは,広く市民を
対象といたしましたフォーラムとか勉強会の開催,それからアンケート調査といったことなども予定をいたしてございます。
◆
伊藤理智子 委員 いろいろな方たちや
子供たちの声を聞くというようなご
答弁だったと思うのですけれども,今回,
教育施設の
日照問題ということで
子供たちの環境を守ってほしいという
陳情が出されているわけです。こうしたことも踏まえた上で,今後の具体的な内容についても
検討していくべきと考えますけれども,これについていかがか,伺います。
また,
子供たちの健やかな成長を保障するとの立場から創設される
子ども未来局として,こうした
日照問題が起こった場合に,
都市局と
協議し,
子供の
日照を守るという立場で
指導力を発揮できる実効性ある
条例にするべきと
思いますが,どう対処されるのか,伺います。
◎福島
児童家庭部長 子供の
教育環境の整備といいましょうか,担保といいましょうか,
日照問題に限らず,広い
意味の
子供の
教育環境についての
検討に関しましては,
先ほど申し上げました
条例制定に向けた
子供の権利を考えるいろいろな機会の中で広くご議論をいただきながら,
条例としてどうあるべきか,固めていきたいと考えております。
そういった中で,4月からスタートいたします
子ども未来局としての対応ということで申し上げますと,
条例制定に向けた取り組みの中で,広い
意味での
子供の育ちとか,あるいは学びの環境整備につきまして,庁内の
関係部局とともに具体的に
検討,
調整を進めてまいりたいと考えてございます。
◆
伊藤理智子 委員 やはり,
子ども未来局として,本当に
子供たちの健やかな成長を保障することを考えた上では,今のご
答弁も大事だと
思いますけれども,さらにこういう具体的な問題が上がってきたときに
条例がしっかり
適用されるような中身にしていただきたいと
思います。
今,長引く不況の中で,本当に一人一人が大切にされない社会
状況になっていると
思いますけれども,こうした中で一番の被害者となるのが小さな
子供たちだと考えます。
子供たちが本当に心身ともに健やかに成長できる環境を大人の責任として守る上でも,
子供の
権利条例を具体的で実効性のあるものにしていかなければならないと考えます。
子供たちの成長になくてはならない大切なお日様を守るため,短時間で1万3,117筆の署名が届けられたという報告がありました。こうした皆さんの切実な願いを
札幌市としてもしっかりと受けとめて,最善を尽くし,なかなか
条例では厳しい限界があるというようなご
答弁もありましたけれども,今後,引き続き三井不動産に
計画を変更するように
札幌市としてもできる限り働きかけていき,また,早急にこの
条例を改正していくよう強く求めて,私の
質問を終わらせていただきます。
◆小林郁子 議員 簡潔に,2点,お伺いしたいと
思います。
その前に,複合被害のことについて若干申し上げたいと
思います。
複合被害につきまして,
建築基準法は単体で
日影の基準を定めていると思うのですけれども,複合になりますとさらにそれ以上重なるということです。そもそも,
建築基準法というのは,私は最低限の基準だと思うのです。特に
円山幼稚園の場合には午前中の3時間半も
日影がかかるということであれば,本当にこれは受忍の限度を超えていると思わざるを得ません。そのことに関しまして,
建築基準法の改正も含めて市からも
要望をしていくべきでないかと
思いますので,このことは申し上げておきたいと
思います。
まず,1点目にお伺いしたいのですけれども,私も,
名古屋との
条例の違いをお聞きしたいと
思います。
先ほど,
商業地域につきましては,これから
区分を考えて
検討していくというお話がございました。それも含めてですけれども,
名古屋の
紛争に関する
条例を見ますと,さらに細かくなっているのです。特に,五つに分けておりまして,第一種低層住居専用
地域,第二種低層住居専用
地域については,軒高が7メートルを超えているものを
対象にする,あるいはまた,地階を除く階数が3階以上の
建物というようなことです。それから,2番目には,第一種
中高層,第二種
中高層の住居専用
地域というところとか,それからまた,
近隣商業地域でも200%または300%の
容積率のところは高さが10メートルとしています。
近隣商業地域でも400%のところはまた15メートルとするとか,あるいはまた,
商業地域でも400%のところとそれ以外のところと分けたり,工業
地域についても
規定しています。
札幌市の
状況,特に中央区の現在の
状況を見ておりますと,今,
札幌の
紛争に関する
条例では高さが10メートルを超える
建築物ということだけになっております。しかも,
商業地域及び工業専用
地域を除くとなっております。私は,この
状況の中で,もう少し細かく
規定をしていく必要があると
思います。
商業地域ということでのご
検討はあるということですけれども,さらに,ほかのところについても細かい
検討は必要と
思いますが,その点についてのお考えをお伺いいたします。
それから,2点目につきましては,
札幌市は,今いろいろと
紛争の
仲介,調停をやっておりますけれども,私は,もっと専門的な相談窓口を設けるべきではないかと考えます。
今まで,
札幌の
紛争の調停,
仲介の
状況を見ておりましても,さまざまな面でそれ以前に相談には乗ってくださり,動いてくださっていることは十分承知しております。そういう中で,特に
規定がない中でやっておられますけれども,
札幌市の
紛争の場合を見ますと,
先ほどもお話がありましたが,互譲の精神で
当事者同士が自主的に解決するのを基本とするとなっております。私は,対等の立場の者であればそういうことが言えると
思いますけれども,実際には,これは現実的ではない
規定だと思っております。要するに,
建て主の方は,法を守っていれば幾らでも強行できるわけです。そういう中で,住民の方は多大な努力をしながら
協議する場を設けてやっているというのが今までの現状です。高層
マンションに関しましては,
建物のことだけではない。
地域のこと,コミュニティーのこと,それが崩壊することも場合によっては出てまいります。
そういうことを考えますと,住民から
建物についての相談がありましたときは,やはり専門的なきちんとした相談窓口を設けて,住民と一緒に,
仲介に至る段階になる前に解決を図っていくような努力が必要ではないか。これについては,私は本庁の
建築指導部でなくてもいいと
思います。区の土木部もあるでしょうし,あるいはまた,これから連絡所をまちづくりセンターとするということですから,そういうところでもいいと
思います。そのあたりはどのようにお考えか,お伺いをいたします。
◎
三浦 建築指導部長 名古屋市との
条例の違いにつきましては,
先ほど来
説明してございますけれども,
対象とする
建築物について高さを細かく
区分されているということでございますが,例えば,
近隣商業地域について,
名古屋市では,
容積率に応じ,10メートルを超えるものではなくて15メートルを超えるものを
区分しているということはありますけれども,
本市においては10メートルを超えるものについて
対象としているということで,そういった
意味では広く
対象になっているのではないかなと
思います。ただ,
商業地域については,議員がおっしゃいましたように,
区分に応じて
対象とすることについては今後いろいろ調査をしながら
検討していきたいと思っております。
それから,相談窓口を設けることにつきましては,
本市においては,
建築指導部の
建築調整課の担当課が窓口となっていろいろな相談を受けております。昨年度の相談受け付け件数等の
関係ですけれども,昨年度と本年度で479件の
中高層の届け出がございました。そういった中で,
仲介の件数が17件,割合としては大体3.5%という
状況でしたが,それ以外については,
話し合いにより解決したものと考えております。その間にあって,相談があった場合には,うちの職員から適切なアドバイスをしたり,
調整をしたりということで自主的な解決につながったものだと考えております。
今後,連絡所等の改革が進められるわけですけれども,
街づくりの
関係につきましては,我々としても
計画部と連携をとりながら
検討していきたい,取り組んでまいりたいと考えております。
◆小林郁子 議員 今,部長からお話がありましたけれども,この
条例に関する届け出件数を拝見しますと,2002年度は271件,そして
仲介が12件,そして2003年度は途中までですが,208件あって5件が
仲介と聞いております。私は,この12件なり5件というのは,住民が物すごい努力をしてこういうところに持ち込んでくるわけですから,決して小さいものではないと思っております。そういう
意味では,
先ほど申し上げましたように,
札幌市も
紛争条例をもう少しきめ細かくする必要があるだろうと考えます。
それから,2点目に申し上げました相談窓口につきましては,今はそういうふうに担当者の方がご努力をしてくださっているということだと
思いますけれども,やはり,これからは,業務上もきちんと
規定していく形が必要ではないかと
思います。
あわせて,最後に申し上げたいと
思います。
名古屋の方では
教育施設への特別な
配慮が
規定されておりますけれども,高齢者の
施設もあるし,一概にそういうものを特定できないのではないかというお考えかと
思います。ただ,
子供は自分から意見を言うことができない,自分から自分の考えを言うことがなかなかできないということを含めれば,
教育施設に対する特別な
配慮があっていいのではないかと考えます。
これから子どもの
権利条例を制定することになっておりますけれども,国連の子どもの権利条約につきましても,
子供の健康ということについて24条に
規定があります。
札幌市も,東京都千代田区にありますような
教育環境を守るような
配慮をこれから定める
子供の
権利条例に盛り込むべきではないかなと考えておりますので,これも意見として申し上げておきます。
○
井上ひさ子 委員長 ほかにございませんか。