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平成16年(常任)建設委員会−03月29日-記録
平成16年少子化対策・青少年育成調査特別委員会−03月29日-記録

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  1. 札幌市議会 2004-03-29
    平成16年少子化対策・青少年育成調査特別委員会−03月29日-記録


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    平成16年少子化対策青少年育成調査特別委員会−03月29日-記録平成16年少子化対策青少年育成調査特別委員会  札幌市議会少子化対策青少年育成調査特別委員会記録            平成16年3月29日(月曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時 ○勝木勇人 委員長  ただいまより,少子化対策青少年調査特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,堀川委員から欠席する旨,連絡がございました。  それでは,議事に入ります。  (仮称)札幌市次世代育成支援対策推進行動計画素案についてを議題とし,資料に基づき,理事者から説明を受けます。 ◎福島 児童家庭部長  (仮称)札幌市次世代育成支援対策推進行動計画の素案につきまして,一たんの取りまとめができましたので,その概要と今後の予定等につきましてご説明をさせていただきます。  前回,2月24日の少子化対策青少年育成調査特別委員会におきまして,行動計画素案作成に向けての提言をいただいたところでございます。また,学識経験者や子供にかかわる諸団体の代表,さらには公募市民の代表などで構成しております次世代育成支援対策推進協議会におきましても,6回に及ぶご論議の中で委員の皆様方からいろいろとご意見をいただいていたところでございます。そのほか,これまで多くの市民の方々から,市民懇話会において,あるいはアンケート調査への意見記入という形で,さらには,お手紙とかホームページへのメール送信といった方法などでさまざまなご意見を寄せていただいておりましたので,これらを踏まえ,庁内論議を幾たびか重ね,取りまとめた素案でございます。  それでは,その概要につきましてご説明を申し上げます。  まず,資料1行動計画素案概要(イメージ)というA3判の資料をごらんいただきたいと存じます。  これは,行動計画素案の大くくりの構成を示したものでございます。次代を担う子供の育成にかかわる札幌市の現状と課題について,左側の方に大きく五つのポイントで取りまとめてございます。そして,行動計画の策定とその後の施策展開に当たって保持すべき基本的な視点として,一つに子供の視点,二つに次世代を育成する長期的な視点,三つ目として社会全体で支援する視点,以上,三つの視点が重要と位置づけてございます。  その上で,基本理念といたしまして,子どもの輝きがすべての市民を結ぶまちと定め,この理念のもとに五つの基本目標を立ててございます。健やかに生み育てる環境づくり子育て家庭を支援する仕組みづくり,豊かな子供時代を過ごすための社会づくり,次代を担う心身ともにたくましい人づくり,子どもと子育て家庭にやさしいまちづくり,以上,五つの基本目標でございます。そして,この五つの基本目標ごとにそれぞれ何本かずつの基本施策を位置づける構成にいたしております。  それでは次に,資料2行動計画素案をごらんいただきたいと存じます。  まず,目次をごらんいただきたいと存じます。  目次の1ページ目,第1章計画の策定にあたって,第2章計画の基本的な考え方,1枚めくっていただきまして,第3章計画の内容,基本施策個別事業,それから,次のページにわたりますが,第4章計画の推進に向けてということで,全部で四つの章をもって構成いたしてございます。  目次の1ページ目にお戻りいただきまして,第1章計画の策定にあたってのうち,1,計画策定の趣旨につきましては,これまでの委員会におきましてご説明を申し上げてまいりましたので,本日は省略をさせていただきます。2の札幌市の現状と課題では,少子化の動向,家族や地域の状況,子供自身の状況と子育ての実態などにつきまして,代表的な統計データアンケート調査結果などに基づき,分析,把握の上,基本的な課題として大きく5点を抽出いたしてございます。  次に,第2章計画の基本的な考え方におきましては,基本的な視点,基本理念基本目標について記述をいたしてございますけれども,先ほどの資料1のご説明と重複いたしますので,省略をさせていただきます。
     続きまして,目次の2ページ目でございますが,第3章計画の内容,基本施策個別事業でございます。ここでは,五つの基本目標ごとにそれぞれ何本かずつの基本施策を立てております。例えば,29ページあるいは30ページをお開きいただきますと,29ページから第3章の具体的な記述が始まりますけれども,基本施策として位置づけいたしました行政領域,29ページで申しますと,基本施策1,安全な妊娠・出産への支援といういわゆる行政領域ごとに,改めて現状と課題,今後の方向性について記述の上,次の30ページにございますように,その基本施策を具現化するための個別事業を何本かずつここに位置づける構成にいたしております。第3章の基本的な構成の仕方は,このような形をとらせていただいてございます。  改めて,目次の2ページにお戻りをいただきたいと存じます。  第3章の全体構成でございますが,まず,基本目標の1,健やかに生み育てる環境づくりにおきましては,四つの基本施策,安全な妊娠・出産への支援。それから,育児不安の軽減と虐待発生予防への支援,子供と母親への健康支援,小児医療の充実,これら四つの基本施策を立ててございます。  次に,基本目標の2,子育て家庭を支援する仕組みづくりでは,地域,区,全市の3層構造による子育て支援の展開,経済的な支援の取り組み,家庭生活職業生活の充実,多様なニーズに合わせた保育サービス等の充実,特別な支援を要する家庭への支援,以上,五つの基本施策を立てまして,私ども,さきに札幌市社会福祉審議会の答申で提言を受けてございました,区ごとに整備すべき区子育て・子育ち支援センターの整備や保育所待機児童の解消に向けた積極的な取り組みなどをここで計画化させていただいております。  次に,基本目標の3,豊かな子ども時代を過ごすための社会づくりでは,子供の権利を尊重する社会風土の醸成。子供を見守る地域の連携,子供に関する相談・支援体制の充実という三つの基本施策を立てまして,札幌市子どもの権利条例制定に向けた取り組みなどをここで計画化させていただいております。  基本目標の4,次代を担う心身ともにたくましい人づくりでは,多様な体験機会の増大,体験を広げる,二つ目に自立を促す企画参画型事業の充実,挑戦する,三つ目に思春期の心と体の健康づくり,子供の活動を支援する環境の整備,魅力ある学校教育の推進の五つの基本施策を。  そして,基本目標の5,子どもと子育て家庭にやさしいまちづくりでは,快適な生活空間の整備,子供の安心・安全の確保という二つの基本施策を立てたところでございます。 第3章計画の内容の概略は以上のとおりでございますが,去る2月24日,少子化対策青少年育成調査特別委員会からお示しをいただきました提言につきましては,すべての項目につきまして何らかの対応を行う形で計画化いたしてございます。また,この行動計画に掲載をいたします個別事業につきましては,可能な限り目標数値を掲げるよう国から要請を受けてございまして,この計画に掲載いたしました191の事業のうち,113の事業,6割弱でございますが,これにつきまして何らかの目標を設定をいたしております。  次に,第4章計画の推進に向けてにおきましては,一つに,市民や関係機関などとの連携,2点目に,社会・経済情勢や厳しい財政状況への的確かつ柔軟な対応,三つ目に,次世代育成支援対策のより一層の推進,社会全体による子育ての実現に向けてということで,いわば今後の施策展開に当たっての基本姿勢につきまして記述を行っております。  最後に,参考資料といたしまして,私どもの推進協議会の委員名簿とこれまでの開催経過,さらに,行動計画策定のために昨年10月に実施をいたしました次世代育成支援に関するニーズ調査から分析された保育事業などに関する推計ニーズ量の調査結果を記載いたしております。  続きまして,今後の予定についてでございます。  本日の少子化対策青少年育成調査特別委員会でお示しをいただきますご意見を踏まえ,近々,素案に関する市長決裁を得た上,国への報告,それから,5月ごろになるかと思いますが,市民への素案公表とこれに対する意見募集,それから,7月ごろに最終成案に関します推進協議会とか市議会論議などを経まして,この行動計画最終取りまとめを行い,市民への最終成案の公表とさせていただきたいと考えてございます。 ○勝木勇人 委員長  それでは,質疑を行います。 ◆細川正人 委員  私からは,3点にわたって質問させていただきたいと思います。  まず,2月24日,本委員会の方から提言をさせていただいた中に,実は,次代の親になるために,子育ての楽しさや男女が協力して家庭を築き子供を産み育てることの意義についての教育,啓発ということで1点盛り込ませていただいておりました。いわゆる少子化の問題に関して,子供を産む,産まないは個人の自由でありますし,結婚をする,しないも個人の自由でありますけれども,そこのところを何とかくすぐっていくような施策の展開も必要なのかなというようなこともあったわけです。  今回,この素案を見せていただきますと,基本目標2番目の子育て家庭を支援する仕組みづくりの中に,「男女が協力して家庭を築き,子供を生み育てる意識の醸成を図るとともに」という記述がございます。それでは,基本施策の中の柱立ての中にそういったことの醸成を図っていくための具体的な施策がどういうふうに盛り込まれているのかなということで,ざっとしか見られなかったのですが,どうもその辺のことが抜けているような気がしたのです。ここにあるというのであれば,そういったことでお知らせをいただきたいですし,ないということであれば,確かにこの問題,それこそ産めよ,ふやせよということは行政が言うべきことではありませんし,個人の意思を尊重していくことは重要なことでありますけれども,くすぐるというか,そういった醸成を図っていくというふうにおっしゃっているわけですから,その辺の考え方,例えば,協議会の中でこのことについてご議論されていたのかどうか,そのことも含めて,まず1点,お伺いさせていただきます。  続いて,2点目でございます。  提言を行うに当たって,いろいろな項目がたくさんございました。こういったことをすべて実施していくことになれば,当然,財政的な負担は避けられないものであり,今,すぐにこのことすべてを実現することは難しいだろうと。そういうことで,例えば社会全体で,子供を産む,産まない,いろいろな方々も含めた中での社会全体の中で,どういうふうに負担をしていくのか,そういったものを考えていかなければいけないのではないだろうか,そんなことも我が会派では考えておりました。  実は,先ほどご説明があった第4章の最後のところに,次世代育成対策をより効果的に推進するためには,既婚,未婚,子供のいる,いないにかかわらず,世代を超えたすべての人の将来にかかわる重要な課題として認識して,経済的な負担など子育てにかかわるさまざまな負担を社会全体で共有し,分担し合う方法や新たな枠組みを検討していく必要があると。そして,そのことに関して,国や関係機関に対しても検討を進めるよう働きかけていかなければいけないだろうという記述があります。  そこで,そちらの方に具体的に情報が入っているのかどうかということで,例えば,国の方で枠組みづくりや方法について研究,検討されているような状況にあるのかどうか,そのことについて2点目としてお伺いいたします。 ◎福島 児童家庭部長  子育てすることにより享受される喜びといいましょうか,実は,推進協議会の論議の中でも,そういったことを強調するような,市民に理解いただけるような,そんな記述がこの行動計画の中にもっとあっていいのではないかというご議論は確かにございました。  素案の中で申し上げますと,ご指摘のとおり,基本目標2の最後の段落のところで,子育てをすることにより享受すべき喜びを十分に感じることができる環境づくりに努めていきたいという表現になってございます。この表現をどこかの個別事業とか基本施策の中で具体的にうたっているかといいますと,実は,基本目標2の基本施策3で,家庭生活職業生活の充実,47ページから始まりますけれども,これを1枚めくった後に,ここにかかわる個別事業として何本か掲げてあるうち,一番上の少子化対策普及啓発事業の中で,まさに,本来,子育ては,つらさを伴うかもしれないけれども,何事にもかえがたい喜びみたいなことを市民の皆様方にもご理解いただきながらと,そんな呼びかけもさせていただきたいとは思っております。  ただ,細川委員もおっしゃられておりましたように,結婚するか,しないか,子供を産むか,産まないか,これにつきましては,まさに市民の方々の自由な判断が大前提でございますので,私ども行政が一つの価値観を市民に押しつけるような啓発事業となれば,これは避けなければいけないと思っております。その辺で好ましくない形ではない範囲での呼びかけを,今後,こういった啓発事業の中で取り組んでいきたいと考えてございます。  それから,2点目のいわゆる社会全体でという部分で,特に子育てに伴う経済的負担を,結婚する,しない,あるいは,子供を持つ,持たないにかかわらず,市民みんなで支えるようなことに関する仕組みづくりについての国の研究動向ということでございます。  私どもが現在入手しております情報といたしましては,厚生労働省が昨年8月に次世代育成支援施策のあり方に関する研究会というものを立ち上げまして,この研究会から,社会連帯による次世代育成支援に向けてという報告書を厚生労働省は昨年8月に受けているようでございます。その報告書の内容の一部に,今後の次世代育成支援施策基本理念として,社会連帯による子供と子育て家庭の育成,自立支援を掲げておりまして,こうした基本理念のもとで,地域子育て支援とか,保育とか,児童手当など,子育て支援に関する既存の施策とその財源のあり方を見直し,新たな次世代育成支援システムの構築を図るべきといったことがあると伺っております。この調査特別委員会にも参考人としてお越しになっておりました厚生労働省の吉岡室長のお話にもございましたとおり,国はこのあたりの具体的な検討にこれから入っていくものと受けとめてございます。 ◆細川正人 委員  財源的な問題ということが非常に重要なことになってくるのだろうと思うのです。  実は,いろいろな基本施策個別事業がありますけれども,これをお聞きしますと,新しい事業もちょっと入ってきているようですが,既存でやっている事業がほとんどであって,そこを踏み込んでいくときには財政ともいろいろ協議をしていかなければいけないという隘路があって,なかなか踏み込んだ形になっていないのかなという気がいたします。ですから,財源的なものについては,早急に,国の方にも働きかけをしながらやっていくことが必要になってくるということを一つ申し上げたいと思います。  それから,新たにもう一点お伺いしたかったのは,いろいろな参考人の方々に来ていただいてお話しを伺った中で,今まで専業主婦層に対する支援がどうも手薄だったのかなというような思いを受けておりました。今回の基本施策の中で,地域,区,全市の3層構造による子育て支援の展開ということがこの部分に当てはまるのかなという気がしておりますけれども,その中で,特に地域の部分についてどういうイメージを持たれていらっしゃるのか。実際にもう43ぐらいのところで進めているというような記述がございますけれども,その辺について詳しくお聞かせいただければなと思います。 ◎福島 児童家庭部長  この素案の中では,39ページから基本目標子育て家庭を支援する仕組みづくりという部分がございまして,この中で,基本施策としては地域,区,全市の3層構造による子育て支援の展開,1枚めくっていただきます中で,まず,地域での取り組みとして協働型で進める子育てサロン等の充実ということを掲げてございます。  今,札幌市の直営では,児童会館などを会場に全部で106カ所で子育てサロンを行ってございますが,そのほかに,今,委員のお話にございましたように,地域住民団体とかNPOとか,そういった方々による自主的な取り組みとしての子育てサロンが46カ所に及んでおります。私どもは,市長の公約にもございますように小学校区単位で,ここで申し上げる地域とは小学校単位を意識したいと考えておりますが,その単位で子供さんとお母さん,親御さんが交流できるような場を設定し,その中で,親子で他の親子さんと触れ合うほかに,育児相談あるいは不安の持ちかけとか,いろいろなことへ対応できるような子育てサロンの展開をしていきたいと考えております。ただ,まだ全小学校区単位には進めていってはおりませんので,まずは,全小学校区単位に子育てサロンを拡大していきたいと考えております。 ◆細川正人 委員  専業主婦層の手当てに関してですけれども,12ページの就学前の児童の状況ということで,ゼロ歳児在家庭93.1%。1歳児85.7%,3歳児になって幼稚園が入ってきたりして半分以下になっていくということで,札幌市ではゼロ歳,1歳,2歳の方々は実は在家庭が多いわけであります。基本施策を見た中で,確かに保育のニーズは重要なことですし,そちらにも力を入れていかなければいけないけれども,この数字を見ると,やはり専業主婦層に対する手当てなり支援は,これから新たなものとして取り組んでいかなければいけないのではないかと,ここは強く思うのです。  確かに,今は,子育て支援の展開ということで3層構造による支援,それは相談とか仲間づくりということもあるのだろうと思うのですけれども,そういったことから始まって,もう少し支援できるような施策を展開していただきたいと申し上げさせていただきます。  最後になりましたが,一つだけ,苦言というわけではありませんが,申し上げたいことがございます。  それは何かといいますと,基本目標の中に次代を担う心身ともにたくましい人づくりというところがございます。そこには,基本施策として,多様な体験機会の拡大,次に自立を促す企画参画事業の充実,挑戦をするとあります。思春期の心と体の健康づくり,そして,魅力ある学校教育の推進というのがあるのです。実は,多様な体験機会の拡大というところの個別事業を見ますと,学校教育部の事業というわけではないですが,そこは何もないのかなと。次の自立を促す企画参加型事業の充実,ここにも実は学校教育部個別事業がのってきておりません。  学校というのは,子供に勉強を教えるだけではないはずです。多様な体験機会の拡大を図っていくような学校教育があっていいはずですし,そういったことを展開しているはずです。自立を促す企画参加型事業の充実についても学校は取り組んでいるはずです。そういった取り組みがここにはのってきていません。  私が心配するのは,学校現場でこういうことを今やっている,けれども,そこが足りないので,地域の方々,どうか手をかしてください,お願いしますと,そういったことでの連携が本当に図られているのかどうかが,私はこの計画の中に見えてこないのです。そこのところについて,これから7月までまだありますので,どうか手を携えて――人づくりです。札幌の人をつくっていくということをここでうたっているのですから,学校教育,学校現場ともっと連携をとって,子供たちの将来はこういうものになっていくのだと,そういったことが私は青少年の健全育成だと思います。そういうことであれば私も両者の間へ入りますし,お手伝いさせていただきますので,どうか手を携えてやっていただきたいということを強く要望して,終わります。 ◆三宅由美 委員  3点ほど,質問いたします。  まず,家庭生活職業生活の充実のところですけれども,やはり,男性の長時間労働,育児休業を男性がとれないことがこのような少子化社会を生んでいるという観点から,まず第1点,質問いたします。第2点目は,母性という言葉が2カ所出てくるのですけれども,この意味についてお伺いいたします。3点目は,がん検診について,受診率が低いのですけれども,そのことについてお尋ねいたします。  まず,第1点目です。  ドイツ,イタリア,日本は少子の枢軸と言われていたのですけれども,イタリアについては,少しずつ上向いて日本に近づきつつあります。これは2000年以降です。それから,ドイツについても,2000年についに日本を追い抜いて,急激な上向き傾向にあります。  このことは何かといいますと,ドイツでは,2000年に育児休暇を改正いたしました。そして,親の時間というふうにして,男性も女性もとれるようにしたということが一つあります。そういう中で,父親の方の効果として,親の時間というこの制度が私自身の父親としての意識を変えてくれたと言っております。これは朝日新聞に載った記事です。それから,妻の方は,育児を分け合えば責任感も分かち合えるし,何でも話し合えるようになったということで,育児に対する負担軽減がここでも言われております。  イタリアでは,父親が授乳時間をとれるようにいたしまして,1時間早く帰れるようになり,この部分については国が賃金を出すという制度に変えました。その中で,30代前半の女性の労働力率は,80年に48.4%。90年に62.3%。2000年に70.4%へとふえております。  日本は,2001年でいまだ58.8%にとどまっております。また,札幌市における大きな特徴というのは女性のM字型雇用で,この底がなかなか上がってこないという現実があります。そういう中で,やはり,女性が働くことと少子化は全く関係がない。かえって,今のような不況の中では,母親の収入が,家計の重要な支えになってきたという現実がありますので,女性の労働力率を上げることが,私は,少子化を解消する大きな要因になってくると思っております。  特に,48ページの育児休業に関してですけれども,育児休業法等の普及啓発について,パンフレットあるいはポスターで企業や市民に対する育児休業法等の普及の推進を図るとしか書いていないのですけれども,ぜひここに「男女ともに」という言葉も入れていただきたい。男性が本当にとれる実効のある育児休業法です。現在とれるようになっているのですけれども,とれない壁は何なのか。市役所の中でも,過去には,2年ぐらい前に1人しか育児休業をとった人がいないと聞いておりますので,この辺のところにぜひ力を入れていただきたいのですが,ご所見をお伺いしたいと思います。  次に,母性についてですけれども,私は,何十年間も子育てをしながら働いてきまして,昔は,よくこんなかわいい子供を置いて働きに出かけられるとか,子供が,近所の人の言う「保育園に行っていてかわいそうね」という言葉に大分傷ついてまいりました。私たち働いている子育て中の女性は,寄るとさわると,私たちは自信を持って育てよう,子供には,「あなた,かわいそうだね」とか「お母さんがいなくて大変ね」とか「ごめんね」とか,そういう言葉は絶対にかけないことをお互いに誓い合い,励まし合って進んできたと思います。  また,今回の次世代育成支援対策推進計画ということで,血のつながった母親だけではなく,社会全体で子育てを担おうというときに,母性という言葉は,ある人にとってはやはり大変傷つくと思います。母性ではなく,子供をはぐくむ,小さい子を慈しむ,そういう心は血のつながった母でなくても社会全体で醸成していくべきものだと思いますので,殊さら,ここに母性という言葉を入れていただきたくないと思うのです。もう少しいい表現があるのではないかと思います。母性という言葉は,妊産婦・母性・女性の健康相談と,もう一つは,読み聞かせ事業の中で親子のコミュニケーションの促進と父性・母性の涵養を図るためと2カ所にあります。  それから,もう一つ追加いたしますが,読み聞かせの中で,バンダイが何のために絵本の読み聞かせをしていますかという母親の調査を1,063人に行いました。その中で,優しい自分を取り戻せる。いらいらしたときに,子供に楽しくきれいな絵本を読んでやることにより,自分自身も本来の優しさが取り戻せる,ストレス解消になるというようなことを言っております。コミュニケーションと同時に,そういう優しい言葉の表現をしていただきたいと思いますので,この辺のご所見をお伺いしたいと思います。  3点目ですが,37ページのがん検診についてですが,女性の病気として,今,一番大きなものです。子育て盛りの母親が亡くなるというのは,本当に乳がんなのです。今,指触診ということで多く進められていると思うのですけれども,昨年11月ごろ,これで見逃されたということが大きな話題になりまして,新聞紙上にもたくさん載ったと思います。やはり,エックス線撮影,そして,それを解析できる人づくりも大切だということが言われるようになりました。  札幌市の乳がん検診に対する受診率は,平成14年度で13.45%と大変低い数字になっております。これは,働いている人たちが職場で受ける検診が入っているのかどうかもお伺いしたいと思います。それから,今後の乳がん検診のあり方についてもお尋ねしたいと思います。  もう一つ下の子宮がん検診についてですけれども,子宮がんについては若年化が進んでいるということがあります。広島大病院で行った調査によりますと,広島県では20歳代の女性患者は,82年から86年は14人と全体の2%,92年から96年には24人6.2%,97年から2001年には41人8.4%に増加しております。20歳代は今まで子宮がん検診の対象にはならなかったのですけれども,これはウイルス感染から来る子宮頸がんが若年層に広がっているということがあります。この辺についての資料をお持ちなのか。それから,子宮がん検診は,欧米では20代の検診が定着しているということもありますので,この辺のところをどうお考えなのか,お伺いします。  それから,これは,性教育も大事だと思います。一つには性感染症の一種でもありますので,この辺もこれから対策を講じていかなければならない重要なところだと思いますので,乳がん,子宮がん検診についてもお伺いしたいと思います。 ◎福島 児童家庭部長  私の方から,1点目の女性の労働力率の関係と,育児休業法に関して,男であれ女であれ,とりやすい環境づくりのための企業への啓発の問題についてお答え申し上げます。  8ページの現状と分析のところにも記載しましたが,札幌市の国勢調査のデータからいきますと,直近の平成12年の国勢調査の段階と,その1回前,5年前の調査結果の比較でいきますと,男性の就業者数は5年間でむしろ減っているのに対して,逆に女性の方はふえている結果が出ております。  そんなことから,逆に,お子さんを産んだときに,父親であれ母親であれ,育児休業法の制度があるわけですから,これをとりやすい企業環境づくりは確かに大事だと思っておりまして,そういう意味で,ご指摘のとおり,個別政策の中でも啓発ということで事業化をしております。これにつきましては,ポスターとか広報によることは当然でございますけれども,経済団体の協力を得ながら企業に直接働きかけ得るような,そういうアプローチを市民局サイドと私ども関係セクションが連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。 ◎北村 健康づくり担当部長  私の方から,母性,父性の表現についてお答えをさせていただきます。  母性,父性の定義でございますが,母子保健法におきます母性の定義といたしましては,育児中の女性及び思春期を含む妊娠前並びに妊娠中の女性を指すものでございまして,倫理的な意味での母性とは異なるものと考えてございます。母子保健法制定前の児童福祉法では妊産婦のみを対象としており,母子保健の向上対策としては不十分でございましたことから,母子保健法では,女性の身体的,生理的な特殊性を尊重,保護し,健康の保持・増進を図るという趣旨に基づきまして母性という言葉を用いてございます。また,父性という表現につきましても,同様に,男性の身体的,生理的特殊性に着目して用いているものでございます。  具体的な表現の中身でございますが,委員がご指摘のとおり,計画書の中で母性,父性という用語を使っているところでございます。ご指摘のほかに,76ページの新規ヘルスケア事業というところでも使用してございまして,3カ所になります。  そのうち,計画書の30ページの母性健康相談と,今お話ししました76ページの新規ヘルスケア事業におきます用語ですが,母子保健法におきます母性の定義に基づきまして,育児中の女性及び思春期を含む妊娠前並びに妊娠中の女性を指すものでございまして,女性の身体的,生理的な特殊を尊重,保護し,健康の保持・増進を図るという趣旨で用いてございます。  また,32ページの絵本の読み聞かせ事業におきまして,父性・母性の涵養を図ると記載している点につきましては,親としての育児性の向上を目指すという意味で使用してございますが,ご指摘のとおり,疑義を生じやすい表現ということもございまして,今後検討させていただきたいと存じます。 ◎舘 保健指導担当部長  私の方から,がん検診につきましてお答えを申し上げます。  女性のがん検診ということで乳がん検診と子宮がん検診ですけれども,まず,対象者ですが,対象者につきましては30歳以上の女性となっており,職場で検診を受ける機会のない方にこの検診を勧めております。  また,乳がん検診についてですけれども,既存のがん検診として,乳がん検診,子宮がん検診のほかに胃がん検診,大腸がん検診等もやってございますが,がんの効率的な早期発見につながるようながん検診のあり方につきましては,国の検討会の方で現在検討中でございます。乳がん検診と子宮がん検診につきましては,今年度末までにある一定の方向性が示される予定になってございまして,3月31日,本当にぎりぎりですけれども,国から基本指針が出される予定と聞いておりますので,その基本指針を踏まえて,今後の札幌市における乳がん検診,子宮がん検診のあり方についても検討してまいりたいと考えております。  委員がご指摘のように,乳がん検診につきましては,エックス線撮影,マンモグラフィーですが,その導入について,年齢も含めて検討されていると聞き及んでおります。また,子宮がん検診につきましても,ウイルス感染による若年のがん発症がふえている実情を踏まえながら,がん検診のあり方についてということで,年齢等も加味した検討がなされていると聞き及んでおりますので,3月31日に基本指針が出ました後,来年度以降,検診について検討してまいりたいと考えてございます。 ◆三宅由美 委員  企業に対して男性の育児休業の取得率を上げるようにするというのは,やはり,今のお答えを聞いても本当に弱いものだと私は感じました。民間の企業に対する指導というのはなかなか難しいのかとは思いますけれども,いろいろな工夫が必要だと思います。例えば,ファミリー・フレンドリー企業として名前を公表し,この企業ではこういうことをやっている,少子化対策,あるいは,女性が働きやすい環境についてこうしていると新聞紙上に公開するとか,そういうことがあってもいいのではないかと思っております。  次に,母性の定義について,母子保健法による概念だということをお伺いしたのですけれども,やはり,母性愛ということが一般に広まっておりまして,ここのところは,この概念だけではいかないところもありますので,言葉の使い方には気をつけていただきたいと思います。  乳がん検診は,そのような方向に国の指針が決まっているようなので,よろしく力を入れてやっていっていただきたいと思います。  それから,人の体制ですけれども,女性専用外来が各地でたくさんできておりまして,これは必要だと思っております。  もう一回,再質問ということでご答弁いただきたいと思います。 ◎福島 児童家庭部長  ファミリー・フレンドリー企業の制度につきましては,まさに厚生労働省が制度化をしておりますが,この要件に該当する企業の数はそう多くはないようです。年間,全国で二,三社が新たにファミリー・フレンドリー企業として登録され,そのことは厚生労働省の方から広報されていると伺っております。そういった意味では,札幌の企業もその中に何社か入っているというのは伺ってございますが,札幌でも一つでも多くの企業がファミリー・フレンドリー企業としての要件を満たすような取り組みをしていただきたく,そういった働きかけをしてまいりたいと考えております。 ◎舘 保健指導担当部長  女性の専門外来ということでは,治療ということではないのですが,私ども保健センターの方に助産師職がおりまして,そこで女性の健康相談というような外来を設けております。その中で,女性専門に思春期から更年期までということで,そこには妊婦さんもおりますし,産婦さんもおりますので,女性に対して専門的に健康相談をしている窓口は持っております。  それから,産婦人科等につきましては女性の医師がいるところを希望される方もおりますので,それは保健センターの方に手持ちの情報がありまして,そういう相談があったときにはお知らせするようなこともしております。  また,女性の専門外来についてでございますが,外来を持つということでの病院サイドのことについては,私どもの方からこの場でお答えできないところであります。 ◆三宅由美 委員  最後に,要望ですけれども,この中には,社会変革に等しいぐらい物すごくたくさんの事業が上がっております。これを一つ一つ確実に進めていったら世の中が変わってくるのかなとも思うのですけれども,その辺の心構えをきちんとしていただきたいと思います。  この中では,やはり,子どもの権利条例が大きな柱になっていると思います。川崎市が子供たちと一緒に子どもの権利条例をつくったときに,どういうときにあなたたちは幸せなのだと質問して,それは大人が幸せにならなかったら,自分たちは幸せにならないと答えたというのですね。これはそのとおりだと思います。多様な個性が許される大人社会であったのか,大人が自分の思うことをきっちり意見表明できているのか,子どもの権利条例では,子供たちだけが考えるのではなく,逆に,そういうことも大人社会にも突きつけられた命題だと私は考えております。ここのところできちんとした子どもの権利条例をつくっていけば,人権感覚もこの街の中で増してくると思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。 ◆芦原進 委員  私の方からは,1点目は青少年の健全育成支援について,2点目は総合相談室の設置及び札幌市次世代育成支援対策推進協議会について,大きく2点に分けて質問をしたいと思います。一つずつ質問いたしますので,よろしくお願いいたします。  最初に,青少年健全育成支援につきまして,前回も若干質問したのですが,ダブりまして申しわけありません。多感な少年少女の健全なる育成に悪影響を与える有害図書に対する取り締まりについてどのようにお考えなのか,順次,お聞きしたいと思います。  行動計画素案の65ページに,子供を見守る地域の連携というところがございまして,その中に,各地区に青少年育成委員会を設け,健全育成に向けた各種事業や有害環境の浄化活動に取り組んでいく,このような内容が明記されております。残念ながら,私だけの思いかもわかりませんが,青少年の日々の生活の中で,すぐに手が届くようなところにあしき影響を及ぼすような情報,または雑誌がはんらんしているし,販売されているという現実があります。  前回もお話ししましたけれども,私の知人が少女向けマンガ雑誌を見せてくれまして,その中に描かれている性描写というのは,大人の私が見ても赤面するような内容でした。やはり,青少年の犯罪が年々低下している一因はそういうところにもあるのではないかと思って危惧をしております。私たち大人が現実を直視して,大人の責任で青少年を取り巻くあしき環境を今こそ排除していく,そういうときに来ているのではないかと思っております。幾ら青少年健全対策とか健全育成と声を限りに叫び続けても,そういうことをきっちりやっていかないと,何の役にも立たないのではないか。こういう悪書が堂々と販売されている現実を見て,私やはり怒りを感じております。  最近,テレビ,ラジオ,週刊誌等々で反響を呼んでおります話題の中に,裁判事例で,個人のプライバシー侵害のおそれありという判断から某週刊誌のその週の発売禁止をいたしました。表現の自由とか,出版の自由とか,自由であれば何を言ってもいいとか,何を書いても許されると,こういう社会であっては世の中の秩序も,また繁栄もないと思うのです。  また,北海道の条例があります。3分の1までいいとか,また,画像だったら連続で5分以内とかあるのですけれども,こういう条例に合っていればいいのではなくて,中身がどうなのか。私が子供のころと今とでは中身が全然違います。大人が赤面するのですから,どの程度のものだというのは皆様もよくおわかりだと思うのです。最も大切な,21世紀を担う青少年健全育成にいびつな影響を投げかけるようなこういう悪書は,発売禁止にするように取り組んでいくべきだと私は思います。  そこで,質問いたします。  札幌市では,このような有害図書対策にどのように取り組んできたのか,また,国,北海道はどのような動きをしているのか,改めてお伺いしたいと思います。 ◎福島 児童家庭部長  有害図書対策でございますが,札幌市におきましては,北海道青少年保護育成条例で規定をいたします有害図書に対しまして,各書店への立入調査を通じて,青少年に売らないこと,それから,一般図書とは別の場所に区別して陳列するよう指導させてきていただいております。  子供たちが簡単に買うことができる最近の少女コミック等の雑誌類につきましては,総ページ数に占める問題描写ページが3分の1以内と。3分の1以上であればまさに道条例違反の有害図書なのでございますが,少女コミックなどはその3分の1以内であるため,北海道条例の定めからは残念ながら有害図書として指定されておりませんので,一般書籍扱いとなってございます。  私どもは,子供向けの書籍につきましては,たとえ1ページでありましても有害部分があってはいけないことだと基本的に認識しております。このため,いわゆる有害図書に類した書籍,そのほかビデオ等も含めまして,青少年育成委員とか中学校区青少年健全育成推進会のボランティアの方々にお願いしまして,それぞれの地区内の書店やレンタルビデオ店等に対し,子供たちに売らない,貸さない,さらには,温かい一言を子供たちにかけていただくようにお店にお願いをして,そして協力をいただく,そんなお店として青少年を見守る店の登録の推進を進めてまいりました。  それから,国や道の関係ですけれども,国の動きといたしましては,現在,青少年健全育成基本法というものが議員立法で今国会へ提案されておりまして,地方自治体の条例では対応し切れない部分に対し,国の青少年健全育成の包括的な基本法が制定される動きがございます。私どもは,そのことに大いに期待しているところでございます。  それから,北海道の動向としましては,現在,北海道の条例の中に,合法ドラッグの規制措置とか,それから,少女を風俗店に勤めるよう勧誘をするような,カラス族と呼ばれているそうですが,こういう活動の規制なども新たに対策として盛り込むということで,私ども札幌市を初め関係機関の意見を聴取しているところでございます。  札幌市といたしましては,この意見聴取の場ということで実はきょうの午前中もその会議がありましたが,委員からご指摘がございましたように,有害図書に類するたぐいの一般図書の新しい取り組みに関して北海道に要請をしたところですし,これからもお願いしてまいりたいと考えております。 ◆芦原進 委員  先ほど部長から答弁がありましたが,3分の1以内だったらいいと。しかし,やはり中身が問題であって,30年前と今では全然違っているわけですから,売らない,置かせない,貸さないではなくて,置かない,置かせない,こういう指導をしていただきたいなと思います。  続きまして,次に移りたいと思います。  行動計画素案の91ページの1項に,市民や関係機関などの連携というところがあります。この中で,2点の質問をしたいと思っております。  関係する行政機関・団体との連携を図りながら取り組んでいきますとありますが,取り組んでいくのは,私は行政がやるべきことだと思っております。しかし,多くの子育て最中のお母さんたちが,悩みを持って解決のために行政の相談コーナーに行くと,縦割り行政の弊害というのでしょうか,あちらこちらの窓口に紹介いただいて,何と,相談する本人が連携をとって歩いている,こういう光景,またそういう相談を受けます。結局,最後は,役所は何もしてくれないという不平不満と不信の声になってしまうということをよく聞くことがあります。やはり,これではいけないと思うのです。行政は,一人の人を大切にし,悩みや問題の解決に全力で取り組んでいくべきだと思うのです。  現状では悩み等の相談にどのように取り組んでいるのかということと,先ほど総合相談室と言いましたが,各区に相談者個々へ的確な状況判断やアドバイスができる相談委員を配置した相談室を設置すべきと思うのですが,この2点についてお尋ねをしたいと思います。 ◎福島 児童家庭部長  子育てに伴う悩みの相談窓口といたしましては,基本的に,少年アシストセンターと,それから,各区に2名ずつの相談員の配置ということで対応させていただいております。いわばいろいろな種類の相談に,ワンストップといいましょうか,関係のところをぐるぐる回されないで済むような相談体制というご趣旨かと存じますけれども,そういった意味では,幅広い受け皿としての窓口,総合窓口を設けることにつきましては確かに今後の課題ですので,検討させていただきたいと考えております。 ◆芦原進 委員  ワンストップ型の相談窓口をぜひとも開設していただきたいと思います。  同じく,91ページの1項で,全く同じところの下段にありますけれども,札幌市保健福祉施策総合推進本部及び札幌市次世代育成支援対策推進協議会において点検を行うととともに,その後の対策について市民の意見を反映させながら検討を行いますという項目がございます。点検,対策,検討という用語が出てきます。  私は,基本的に子供というのはこう思っているのです。人の命,生命というのは宇宙よりも重たい,そして,一人の人を大切にするというモットーを私は掲げております。産む苦しみ,また,生まれる苦しみ,私は双方にあると思うのです。産む側からだけで見るべきではないと思うのです。やはり,お母さんの胎内に子供が宿った瞬間から,思念というものを一貫して考えていく必要があると私は思うのです。そういうことで,生命誕生した瞬間から,そして生まれ,子育て支援をしていくという一貫性が大事だと思うのです。  そういう意味で,協議会が設置されていますけれども,点検,対策,検討するとなっています。今回,15名の方がこの中に名を連ねて,大変ご苦労をおかけします。そのお一人お一人は,各分野でご活躍されて,また立派な経歴と経験を備えたすばらしい方だと私も思っております。私は,委員の方に対する不満の意見ではありませんが,委員について2点ほどお尋ねしたいと思います。  まず,委員の方の任期は何年かということであります。  もう一つは,今回の委員の中に,妊娠中,または出産してから対応するようなそういう産婦人科の医者とか,また,助産師,看護師等が入っているか入っていないのか,この2点をお尋ねしたいと思います。 ◎福島 児童家庭部長  推進協議会のメンバー15名の任期でございますが,2年間でございます。昨年11月にご就任いただきまして,来年11月のその時期までの2年間ということでございます。
     それから,15名の中にいわゆるお医者さん等が含まれているかということですが,含まれておりません。 ◆芦原進 委員  最後に,要望でございますが,今,ご答弁いただきましたように,2年であるということはわかりましたし,また,今回,妊娠中とか,また出産後の専門的な知識を持った方も入っていないということであります。私は一番大切なことだと思いますので,次回にあるときは,出産期前後の専門的な技術と知識を持った経験豊かな産婦人科や小児科の先生とか,助産師や看護師さん等々をぜひこの委員の中に入れていただきたい。そうして初めて点検,対策,検討ということがきっちり検証できると思いますので,どうかよろしくお願いします。 ◆小形香織 委員  私は,基本目標の2に掲げられている中で,特に障がい,発達におくれのある子供への支援というところに関連しまして,障がい児教育の基本的な考え方について質問したいと思います。  まず,障がいのある子供への教育の基本的な認識についてです。  一口に,障がい児と言いましても,軽度から重度まで障がいの種類もさまざまあります。私は,その子その子に合った教育の場が大事ではないかと思っております。  2000年3月に,札幌市特殊教育振興審議会から,札幌市の障がい児教育推進の今後のあり方についてという答申が出されました。そこには,障がいのある子供がすべて通常の学級へ通うことをもって解決するものではないとして,適切な教育の場は,障がいの種類や程度,発達の状態が個々の子供により異なるため,多様に用意されるべきであり,特別な方法,手だて,設備が必要とされる場合は,それに対応する教育の場を用意することも大切であると,あり方が示されています。  昨年3月に札幌市特別支援教育基本計画が策定されましたが,この基本計画には,審議会答申で示された基本的な考え,あり方が踏襲されているのかどうか,今回の次世代の推進計画の中にも継承して展開されていくものなのかどうか,まずこれを伺いたいと思います。 ◎佐々木 学校教育部長  私から,特別支援教育基本計画についてお答え申し上げます。  委員からご指摘がありました特殊教育振興審議会答申が,私どもがつくりました特別支援教育基本計画にどのように反映しているのかということでございます。基本計画につきましては,審議会の答申に基づき,障がいのある子供一人一人が学び育つためのニーズに応じた多様な教育の展開を図るという基本的な考えのもとに策定しているところでございます。この考えのもと,社会参加の基盤となります生きる力を培い,健やかに学び育つための教育の取り組みを推進することとしております。  今回の次世代につきましても,同様でございます。 ◆小形香織 委員  一人一人のニーズに応じた特別な支援の場が必要だというご答弁で,そういう考え方は理解いたしました。  その考え方に立てば,障がい児学級を積極的に整備すべきだということになりますので,次に障がい児学級の整備について質問いたします。  障がいのある子供を持つ親は,住みなれた地域でほかの子供たちと同じように校区内の学校に通わせたいと願っています。住んでいる地域で子育てをし,せっかく人と人とのつながりをつくっても,通学区内の学校に障がい児学級がないために遠くの学校まで通学せざるを得ないという実態があります。札幌市での障がい児学級の整備状況というのは,他の政令指定都市と比較してどうなっているのでしょうか。障がい児学級の設置率の数値などを具体的に伺いたいと思います。 ◎佐々木 学校教育部長  他の政令市及び札幌市の特殊学級の設置率でございますけれども,平成15年5月現在で申し上げますと,川崎市が小学校,中学校とも100%となっております。仙台市,横浜市,京都市,大阪市,神戸市,広島市が小・中ともに80%から90%台となっております。また,さいたま市,千葉市,名古屋市,北九州市,福岡市が10%台から45%となっております。  ただ,設置の状況といいますか,様態,様式というのはそれぞれ市によっていろいろ考え方があるようでございます。  本市の設置率でございますけれども,小学校では30.6%,中学校で32%でございまして,政令指定都市中では設置率だけを見ますと9番目の設置率となっております。 ◆小形香織 委員  川崎などでは100%,仙台で80何%という中で,札幌市はまだ30.何%とおっしゃいましたか,そういうことでおくれた状況と言わざるを得ません。障がいを持つ子供が,近くにある学校に通えずに,遠くの学校に通わなくてはならないという状況を一日も早く改善するためには,具体的な数値目標を立てて,障がい児学級の設置促進を図るべきだと考えますけれども,まず,それについていかが,伺います。  それから,障がい児学級ですが,地域の小・中学校でそれぞれの特性に応じた指導を受けられるように設置をされている学級です。先ほど答弁されましたが,勉強だけではなく,社会に生きる力,将来,社会人になったときの基本的な生きる力をつけるために,障がい児学級がどのような役割を果たすものなのか,その役割についても伺いたいと思います。 ◎佐々木 学校教育部長  初めに,具体的な数値目標を立てて設置を促進すべきではないかということでございます。  本市といたしましては,障がいのある子供が,可能な限り,地域の学校で学ぶことができるよう,対象となる児童生徒数の状況,全市的な配置バランス,さらに,設置に必要な教室の確保などを考慮しながら,今後とも計画的,段階的に整備に努めてまいりたいと考えております。  次に,特殊学級がどのような役割を果たしているのかということですけれども,一つの例といたしまして,新入学のお子さんが特殊学級における指導によって力を発揮いたしまして学習することができるようになり,2年生からは得意な教科を通常の学級で学ぶ機会が多くなった事例もございます。一例をご紹介いたしましたけれども,このように,特殊学級は,小・中学校の通常の学級における指導だけではその能力を十分に発揮することが困難な児童生徒一人一人のニーズに応じた多様な学びを支援する役割を果たす上で大切な場であると考えております。 ◆小形香織 委員  障がい児学級で,その子に合わせてきめ細やかな指導を行うことで,急激に発達が促進される実例が今報告されたわけです。統合教育一辺倒ではなくて,障がい児学級の整備の促進を求めて,質問を終わります。 ◆坂ひろみ 委員  私は,大きな視点で,3点,質問させていただきます。  まず,新旧エンゼルプラン,少子化対策プランといったように,政府,自治体の双方で,ほぼ10年間にわたり,待機児童ゼロ作戦に象徴されるような保育・育児対策に終始してきた歴史がございます。それが少子化の抑止に有効でなかったために現在のような状況になったわけです。したがって,保育・育児対策だけでは不十分ということが明らかになっているということを,まず確認させていただきます。  子育て支援少子化対策として展開している限り,出生率は上昇しないわけで,では,どうすれば子供がふえるのか,どういう社会であったら女性たちが子供を産みたいと思えるのか。それは,安心して子供を産み育てることができる社会であること,つまり,子供が健やかに育つ社会であり,子供が元気に育つ楽しい子育てができる社会でなければならないわけです。  こうした社会づくりなくして,小手先の子育て支援では,難しそうな子育てにあえて挑戦しようという男女はおりません。したがって,子供の育つ環境整備というのは,一見,遠回りのように見えますが,実は最も重要なことではないかと私は考えています。  ここ数年,子供の権利条例,子供のオンブズパーソンなど,子供の権利の実現方法を模索し,多様な形態でつくり始めている自治体がふえてきています。少子化イコール保育園の問題としてクローズアップされがちですけれども,本質的な問題はそうではない。少子化の背景にある,労働環境が問題ではないかと考えます。男女ともに労働時間の短縮,多くの人が仕事を分かち合うワークシェアリングの現実化,そして,男女とも仕事と家庭の両立ができる働き方,そういうものが求められているわけです。したがって,事業主への厳しい指導を法律で明記するなど,家庭と仕事の両立などの見直しにかかわる企業への働きかけをしていくことが必要ではないかと考えます。  47ページですが,基本目標の2の3に,家事,育児や地域活動を妻と分かち合い,仕事と家庭を両立させることを望む市民の割合がここ数年で多くなっているという記述がございます。しかし,企業の意識が変化し,労働環境が大きく変化しない限り,こうしたことの達成は非常に難しいかと思います。労働時間の短縮を初め,育児休業制度の取得促進,短時間勤務,ワークシェアリングなどの柔軟な勤務形態,また,先ほども出ましたけれども,ファミリー・フレンドリー企業への理解と推進を図ることが少子化対策にとっては必要不可欠であります。このような子育てと仕事との両立のための配慮を企業に対して促すことも,自治体の少子化対策としてこれからは必要なことだと私は考えています。  しかし,48ページにありますように,普及の推進とか啓発,理解と協力を求める効果的な広報活動では,少し弱いのではないかなというふうに感じました。先ほどの三宅委員の答弁にもございましたが,経済団体と連携して企業へ直接働きかけるようなこととか,ファミリー・フレンドリー企業に関しても今後取り組んでいきたいというような部長のご答弁でございました。そこまで考えておられるのでしたら,ぜひとも,そこまで踏み込んだ内容を,数値目標も含めて,次世代育成行動計画の中に入れていくことが必要ではないかなというふうに私は考えます。また,国に対してもこうしたことを強くアピールしていくことが必要ではないでしょうか。この件に関していかがお考えか,伺います。  それから,2点目に,未婚率の上昇についてお尋ねをいたします。  少子化の大きな原因は,未婚率の上昇と既婚者の出生率の低下であります。少子化の最大の原因が未婚率の上昇というのは,日本全体でも,東京でも,札幌でも言われていることです。特に,札幌市の少子化の原因の筆頭は未婚率の上昇です。これは,調査の結果でも,札幌市の女性の未婚率は28.2%と,全国の23.7%と比較しても4.5ポイントも上回っていると出ています。  ただ,結婚や出産は当事者の自由な選択にゆだねられるものであり,社会が個人に押しつけてはいけないということは私も十分に承知をしております。しかしながら,多くの女性たちが,子供を産めない,産みたくないというような選択をする今の社会はどうなのかなということを考えますと,本来,人が他人を好きになったり,その人の子供を産みたいと思ったり,また,自分たちの子孫を残したいというふうに思うのは人間の本能的な心理だと思うのです。しかし,それが今の社会の中で欠けているというのは,その本能すらも失われてきた,そういう社会に今なってしまった。簡単便利で,自由な社会になったけれども,そういう大事なことが奪われてしまった,その結果,こういう少子化対策ということも必要になってきたのではないかと考えます。  私たち大人は,今,そういう中で子育てをしています。また,子供たちは,そういう社会の中で大人になろうとしています。したがって,私は,そういう多くの女性たちが産みやすいと思えるような社会づくりをしていくことが必要だと考えています。例えば,地域で支え合う,人と人との触れ合いの中で子供たちを育てていく,それから,多様な体験を子供たちがしていく,地域社会であったり,家庭の中であったり,子供社会であったり,教育の現場でもゆとりといったことが出ておりますけれども,こうした中で,子供たちが多様な体験をしながら,優しさとか,思いやりとか,我慢することとか,心の弱さとか,強さとか,痛みというものを生きる力として学んでいくのだと思います。  また,私たち親も,子育てをしながら育っていきます。親育ちです。人としての成長が子育ての中にはあると思うのです。育児が楽しいと本当に心から思えて,赤ちゃんがいとおしい,かけがえのない存在だと,命のとうとさ,生きる喜びを感じることで社会は変えていけるのではないかなというふうに私は思います。それを見守り支える社会の構築が少子化対策に必要なのではないでしょうか。  そこで,質問ですが,少子化の一番の原因である未婚率の上昇を解決していくための社会づくりとして,次世代育成支援行動計画の中に大きな柱としてどのようなことを盛り込まれたのか,伺います。  最後に,子供の視点というところで質問いたします。  子供たちが健やかに元気に育つ社会をいま一度構築していくことが少子化対策につながるとするならば,子供の育つ環境整備は大変重要であり,本市が2006年4月に施行を目指している子どもの権利条例に期待を寄せるところです。権利条例策定に向けては,子供の意見部会などを設け,子供の意見を尊重し,子供の立場から条例について検討する場を設定している点は高く評価できるところです。  今回の地域行動計画策定に関しては,国はその作成の方法にまで言及しています。2003年3月に出された次世代育成支援に向けた地方公共団体における行動計画のあり方についてという中間報告では,計画策定委員会への住民参加が必要と書かれ,具体的には,子育て中の親など子育ての当事者を加えたり,子供自身の意見を聞くことも重要とあります。  本市の計画の中にも基本的な視点として子供の視点が盛り込まれておりますが,素案策定に際し,子供たちの声をどのよう生かすよう検討されたのか,また,具体的に子供の視点からどのような事業を計画されているのか,伺います。 ◎福島 児童家庭部長  労働環境の改善の問題でございますけれども,先ほども三宅委員にご答弁申し上げましたとおり,私どもは,庁内の関係部局との連携の中で,北海道労働局ともども,経済団体の協力を得ながら,いかに企業に具体的な働きかけをしていくかといったことを重点に取り組んでまいりたいと思います。  行動計画の中に数値目標をといったお話しもございましたけれども,この素案の中では特にその点について数値目標を掲げることはいたしておりません。企業の受けとめ方として,この場合,企業経営者の考え方ももちろんあると思いますけれども,そこで働く社員の方々一人一人が最終的にどういう選択をするかといった面もございます。ただ,働き方の見直しということもあるのだということを気づいていただくように,それは経営者にも,そこで働く社員の方々にも,そんなアプローチをさせていただきたいと思っております。  それから,未婚率の上昇を防ぐための具体的な取り組みでございますが,今,坂委員の方からいろいろございましたお話の中でも,私どもは,子供を産みたくないという選択をしようとする人に何かのアプローチをということは基本的には考えておりません。それよりも,むしろ,産みやすいと思える社会づくりが必要だと,坂委員もおっしゃっておられましたが,そういった意味で,少しでも産みやすいと思える社会づくりのために,妊産婦からの乳幼児母子保健から始まって,いろいろな子育て支援,青少年の健全育成といった形でここに施策を掲載させていただいたところでございます。  それから,子供の視点の関係ですが,私どもは,基本的に,札幌市子ども権利条例の制定に取り組むことが子供の最善の利益を守るための第一歩と考えております。当然,条例をつくればいいというものではございませんので,条例をつくる過程の中で,子供を見守る大人,子供の権利というものに関する意識啓発が高まっていく,そういったことを条例づくりの中で進めてまいりたいと考えております。  それから,具体的な子供の意見表明の場づくりにつながるような事業をどういうふうに盛り込んでいるかという点で申し上げますと,札幌市子ども議会というものがあります。議場をお借りしてやらせていただいておりますが,こういった取り組みにつきましては,まさに子供の意見表明権,それから,子供たちに市政に対する理解を深めてもらう。その二つの趣旨でもって取り組んでおりまして,今後もこれを続けてまいりたいと考えております。 ◆坂ひろみ 委員  労働環境の改善に関しましては,働き方を見直して考えてもらう,アプローチということでしたけれども,やはり,私はそこのところが弱いのではないかなと考えます。最初に確認をさせていただきましたが,今までやってきた少子化対策では不十分だったわけです。ですから,今こういうふうになっているわけですから,これから素案をつくって計画を立てていかなければいけないというときには,今までやっていなかった,必要だけれども,今まで取りこぼしていたような対策をここに新たに盛り込んでいかなければ,これだけでは決して子供たちはふえてこないのではないかなと私は危惧しております。  労働環境の問題に関しては,庁内でも議論し,また経済関係の団体とも連携してということですが,直接,札幌市が企業に対して強く指導できるものでもありませんので,難しいのかなということは十分わかります。しかしながら,やはり,今度の計画にはそこを盛り込んでいかなければ,労働環境の改善という面での少子化対策はなかなか発展していかないのではないでしょうか。数値目標が難しいのであれば数値はあきらめますけれども,17年度以降は,札幌市としても,市としてできるところでの企業に対する働きかけはぜひしていただきたいと思います。それから,市役所の中で,行政ができるところで,企業に対して見本を見せていくようなことも必要ではないかなというふうに考えます。そこのところの検討を強くしていただきたいというふうに思います。  それから,未婚率の上昇のところで一つ訂正をさせていただきますが,私は,産みたくない人にまでアプローチをということを申し上げているのでは決してありません。そういうことではなくて,どういう選択をしようが,とにかく女性たちが本能の中で思ったときに,やはり産みたい,産めるという状況,そういう社会をつくることが必要ではないかということを社会づくりと私は申し上げましたので,そこはご確認してください。  それから,最後の子供の視点というところで,子ども議会が例えで出ました。この中で子ども議会のことも出ておりましたが,子ども議会と言ってしまいましたら,本会議場ですることですので,人数の制限もあります。たしか65人から70人というような形で人数はふえていなかったかと思います。  子供の意見表明で子ども議会とおっしゃるのであれば,今,北区の方でも子供の意見を取り入れるということでいろいろ事業を行っております。そういった形で,各区でいろいろ事業を行っていくこともできるわけです。せっかく子どもの権利条例をつくってというところで札幌市でも取り組みが始まるわけですから,ぜひ,子供の視点というところで,今,本当に青少年の子供たちの居場所がないとかいろいろな思いを持っている子供たちの声を拾っていただいて,いろいろな施策に子供の視点を盛り込んでいただきますようお願いしたいと思います。  再質問でお尋ねしたいのですけれども,今回の素案の中で,児童家庭部の中では3層構造のこととか,待機児童者数の解消,それから子供の権利条例といったようなことについて,児童家庭部としては力を入れて,メーンとしてやっていきたいということをお聞きいたしました。そこで,3層構造の中で,私は子育てサロンのところでお伺いをしたいのですが,39ページでございます。  先ほど来,社会福祉審議会からの答申の中にもいろいろな内容が出ておりました。これを受けて,この3層構造をというお話しが前段でございました。私は,身近な地域の中に気軽にいつでも行けるような場所,子供も親も一緒に遊べて,交流し,学ぶことができる,そして,子育ての悩みや相談を語り,いやし合える,情報交換ができる,また,札幌の積雪寒冷地という特徴から冬場の遊び場として子育てサロンの重要性もあるというふうに考えています。  しかし,現状では,札幌市の子育てサロンは週に1回です。週に1回しかありませんから,50人も60人もの親子が集うわけです。そうすると,乳児を連れた第2子以降を持っていらっしゃるお母さんたちがサロンに行けないというような声も出ています。今の子育てサロンの中身や質の向上も必要ではないかと考えます。小さな赤ちゃんをだっこして,しかも,上の子の手を引いて,バスや地下鉄に乗って相談にはなかなか行けないのが現状です。区の支援センターや総合センターがいつでもあいていても,現実に必要なのは,ベビーカーを押して,ママチャリに2人の子供を乗せてすぐに行ける身近な相談場所,それが地域の中にあるということではないでしょうか。  追いつめられ,せっぱ詰まった人は,確かにいろいろなところの機関を調べて,そういう総合センターや区の支援センターに行くかもしれません。でも,必要なのは,その一歩手前で,日常的にストレスや不安を抱えているお母さんたちがたくさんいるということです。ちょっとした工夫やアイデアや気分転換,そして,みんな自分と同じ子育ての悩みを抱えているのだと安心できる気持ちです。それから,日常の愚痴や不安や不満を解消できる,そういう場所が身近にあるということが一番大事なことではないでしょうか。確かに,総合支援センターも,区に1カ所,必ずあいている支援センターも必要です。でも,これから少子化対策ということで取り組んでいかれるのであれば,一番上の子育てサロンの充実が私は一番必要だと思います。  現実的に,子供をおんぶして,だっこして,手を引いて,ベビーカーを押して,ママチャリに乗ってと,この辺の現実が男性の方にはなかなか理解できないのかもしれませんけれども,私は,今まで参考人としていろいろな方を招いてこの委員会の中でも勉強してきましたけれども,少子化対策にはこういう声が一番必要なのだなと感じてきました。ですから,今の子育てサロンの場所をふやすとか,回数をふやすとか,時間をふやすといったような柔軟な対応が求められます。  しかしながら,札幌市の財政状況は非常に厳しいので,これを全部札幌市がやるというのは,到底,無理です。先ほど来出ていますように,地域のボランティアの方やNPOとの連携や協力が必要ではないでしょうか。場所だけ提供をして,委託をしてやっていただくとか,助成をするとか,いろいろ支援の方法や手法はあると思うのです。行政は,これからそこを考えていかなければならないのだと私は思います。  実際に,手稲区の方では,地域づくりの一環として,町内会で育児教室を開催しているということも聞いております。いろいろなところで,いろいろな人が子育てサロンをやっていいのではないでしょうか。それを連携させて,ネットワークにして,広く市民に提供するという役割を行政が担えばよいと私は思います。本当にお母さんが困ったときに,ここに行ったら何でも教えてくれる,相談に乗ってくれる,そこに行ったらどこに相談に行けばいいか教えてくれる,そういう場所が身近な地域の中にあることが私は一番だというふうに考えていますので,今後の子育てサロンの拡充についてのお考えをぜひ伺いたいと思います。  それから,もう一点,再質問で協議会のことについて一つお尋ねをしたいのです。  次世代育成推進協議会ということで,現在までに6回開催され,さまざまな立場の委員の方々がいろいろな意見や貴重な提言などを出されたことと思いますが,どのような項目が挙げられ,行政としてどうとらえ,検討されてきたのか,伺います。  また,昨年11月から協議会が立ち上げられ,ことしの7月には計画案を作成するというスケジュールに関しては,若干,期間が短いのではないかというふうに私は感じておりました。協議会の委員の中には議論が不十分だと感じていた方もいたようですが,約5カ月という制限の中で進めてこられたことについていかがお考えか,伺います。 ◎福島 児童家庭部長  子育てサロンの関係でございますが,確かに,場所,回数,それから1回当たりの時間をもっともっと拡充して,いわば質の向上を図っていくということは,私どもも確かに課題だというふうに考えております。  しかし,先ほどもご答弁申し上げましたが,差し当たっては全小学校区での設置,つまり,場所を広げていくことを最重点課題として取り組んでまいりたいと存じます。  それから,行動計画の40ページのところにも記載させていただいておりますけれども,児童会館等を利用したいわゆる常設の交流の場です。今は,私どもが直営でやらせていただいている分であっても週1回ですが,これをいつでもお越しいただけるような常設の交流の場として何とか確保できないか,そういった検討を進めてまいりたいと考えております。  もちろん,そういった中で,基本的には,地域の住民団体の方々とか,あるいはNPOの方々とか,そういった方々に自主的に取り組んでいただく方向を何とか目指したいというふうに考えております。  それから,協議会の関係でございますが,さまざまなご意見をいただきました。私どもが庁内論議をしていく過程の中で,節目節目でご意見をいただきましたので,それらを踏まえて,またフィードバックの議論を庁内的に進めながら,最終的にこの素案のまとめに至った次第でございます。  期間が短過ぎはしなかったかということですが,確かに,私どももそういった実感を持っております。  ただ,特に協議会のご議論につきましては,6回にわたって真剣なご議論をいただきましたので,私どもは大変ありがたく思っております。事務的な面から申させていただきますと,確かにもう少し時間的な余裕が欲しかった面はございますが,協議会の委員の皆様方には大変感謝申し上げている次第でございます。 ◆坂ひろみ 委員  子育てサロンに関しましては,私は,ボランティア,NPOとの連携協力が必要ではないかというところを強調してお話しさせていただいたつもりです。市の方としてもサロンの充実,拡大を最重点課題としていくということは十分理解をしておりますので,その方法として連携協力といったこともあわせて考えていくということでよろしいのですね。  最後に,要望だけ言って,終わりたいと思います。  今回の次世代育成支援対策推進法に対する附帯決議ということで,先ほども出ておりましたけれども,国会の中で,子どもの権利条例の趣旨を踏まえ,児童の最善の利益を考慮した取り扱いが図られるよう努めることということがのっております。また,昨日,子供の権利を考えるフォーラムということで,コンベンションセンターで開かれました人形劇にも行ってまいりましたが,そのとき,稚内北星大学の塚本先生が,あるがままの子供の考えに耳を傾けることが大切であるというようなお話をされておりました。  私は,今回の素案を拝見しまして,各部局の事業がいろいろなところに重なるようにたくさんのっているわけです。すごく縦割り的なところで,私は,本当にきちんと横の連携がとられてこれが進められることが大変重要だと思っているものですから,行政におかれましては,横のつながりをぜひとも深めていただいて,総合的,横断的にこの施策を進めていただきたいと思っています。  7月の計画案に向けては,パブリックコメントとか協議会,そして,本特別委員会での意見のほかに,当事者であるお母さんたちの声や子供たち自身の意見をぜひ積極的に取り入れてくださいますよう要望して,終わりたいと思います。 ◆宮村素子 委員  私からも,2点について質問したいと思います。  まず,1点目ですが,推進協議会での議論ということで,母性,父性がどのように議論され,扱われて,どういった表現になったのかということを伺います。  もう一点は,細川委員もおっしゃいましたように,札幌の場合は,専業主婦といいますか,家庭で子供さんを育てている,その割合がゼロ歳から2歳までで93%から82%ぐらいと大変高い割合です。このことにつきまして,推進協議会ではどのように認識されたのか,それから,どう評価されたのか,伺いたいと思います。  もう一つは,認可外保育所の扱いです。これは53ページに出ておりますけれども,一,二行で終わっております。しかし,認可外保育所を利用している子供さんたちは待機児童という要素も十分ございますので,そういった観点から,これへの対応の具体性がないことについて,これでいいのでしょうか。 ◎福島 児童家庭部長  母性,父性の表現について推進協議会の場での論議がどうであったかといった点でございますが,父性や母性の表現につきましては,思春期からの母性,父性の涵養といったことは大変重要なことというご意見がございました。一方で,逆に,男女共同参画推進の観点から,母親は母性を,父親は父性をというより,男親であれ,女親であれ,子供の親たる育児性というか,実は養護性というような言葉も出てございましたけれども,そういった涵養こそ大事だといったご意見などもございました。それらのご議論を踏まえながら,私どもといたしましては,男女が協力して家庭を築き,子供を産み育てる,そういう意識の醸成が次世代育成支援において重要なことだと考えまして,この計画では主にこの趣旨を生かした文章表現をとらせていただいたところでございます。  それから,先ほど細川委員からも,ゼロ歳児,1歳児,2歳児ぐらいまで,在家庭で育てられる子供さんの割合が圧倒的に高いというお話がありました。こういったことにつきましては,協議会の中での議論と申しますか,私どもからの状況説明の中で,児童福祉法の昨年の改正で,これまで保育に欠けるとか,児童福祉に欠ける子供のケアをするための児童福祉法から,在家庭のお子さんを含めたすべての子供たちの福祉の向上を図る児童福祉法になり,その一環として,すべての親子に対する育児支援を市町村の責務と位置づけられたところでございます。そんな中で,今後,札幌市が次世代育成支援対策を計画化していくには,どういう観点で進めたらいいかということで,委員の皆様方にお諮りしていろいろなご意見をいただきながら,このような施策の盛り込みという結果になったところでございます。  それから,認可外保育施設に対してこの程度の計画でいいのかといったことでございますけれども,私どもも,確かに,現在,札幌市には多数の待機児童がいる中で,認可外保育施設が待機児童の受け皿の役割を果たしてくださっているという認識を持っております。ただ,私どもが全く何もしていないかというとそうではありませんで,国が示す認可外保育施設指導監督の指針というものがございまして,これに基づく年1回の実態調査を行ってございますが,その際に助言や指導をさせていただいております。あるいは,その施設の所在地とか,保育所名,施設長名などに関して市民の方々への情報の提供といったこと,それから,認可外保育施設にお勤めの職員の方々の資質向上の機会としていただくように年5回程度の研修会の実施といったことで支援策を講じております。 ◆宮村素子 委員  ただいまお答えがありました母性,父性ということですが,先ほどからもこの問題については議論されてまいりましたけれども,端的に言いますと,命を慈しむということです。先ほどの三宅委員の質問に対して,法律的に母子保健法で言うとという母性の定義の答えがございました。母子保健法で言っている法律上の言葉はそうですけれども,広く私たちが認識できることとしては,これは命を慈しむという心ですから,これは男性も女性もともにあるわけでございます。そして,これは本能的なものでもあります。子供を見てかわいいと思う,それから,先ほど坂委員が言いましたように,私も愛する人の子供を産みたいと思う,そういった本能が失われてきているというご指摘もございました。  新生児の学問というのは,今,大変に解明されてきております。児相で言います石川先生などは北海道の中でも最たる研究者のお一人でございますけれども,その中でも,新生児の能力というのが学問的に大変解明されています。ですから,一人の人権として,一人の人として考えていかなければならない。  そうしたときに,その子供を育てることにおいて,母親に育てられる,または母親にかわる人に育てられる,そのことはいろいろな状況であるかもしれません。けれども,やはり,生まれて,産んで,すぐそのときからお母さんに抱かれて,おっぱいを飲んでいく,その赤ちゃんの行動から,母ということ,それから自分にとって一番大事な人という認識が始まっていきます。そして乳児,幼児になるに従って,子供の成長とともに,その大事な人の存在,そこに父親も加わって,家庭というものの中で育つ安定感というものを子供は持っていくのだということを,何年にもわたって先生は子ども学会でもはっきりおっしゃっています。そういうことから考えますと,母性ということ,父性ということは大変重要なことでありまして,このことをこれからの推進協議会の中でもきちんと位置づけていっていただきたい,そのように思います。それについてもう一度伺いたいと思います。  これにつきまして,質問の観点がはっきりしませんでしたが,学校教育の中で,やはり,幼児教育,幼稚園の段階から家庭における命を慈しむという教育をきちんとしていくべきだと思います。小学校,中学校と,ある時期は性教育を含めてやっていかなくてはならないと思いますが,それについてどのようにお考えか。  それから,今,学校と保健福祉局で思春期ヘルス事業をやりましたけれども,量的に大変少ないのです。これは,今後,24年までの間にふやすというふうに言っているのですが,これは,しっかりと早急に進めるべきだと思っておりますので,それについて伺いたいと思います。そうしませんと,本能が失われていったままで進むわけです。ぜひ,お考えを伺いたいと思います。  それから,認可外保育所ですけれども,今,福島部長は,児童福祉法の絡みから,すべての子供に対してよい育ちの支援ということをおっしゃいました。そうであれば,認可外保育所についても,東京や神奈川の試みのように認証保育所というような形をとっているようですが,私は,札幌型認証保育所ということで,やはり育ちの場の親の経済的な負担が軽減することになるでしょうし,質の向上につながることから,それは大事なことだと思うので,ぜひご検討いただけないか,伺います。 ◎佐藤 指導担当部長  札幌市におきましては,学校教育の重点の中で,豊かな人間性のはぐくみということで,各幼稚園及び小・中学校に豊かな心を育てる,あるいは,基本的な生活習慣や,そういう態度を育てるということを重点の一つに掲げております。  先ほど委員がおっしゃいましたことでは,具体的に申しますと,幼稚園に中学生が家庭科の時間に出向いて育児について交流している事例とか,あるいは,幼稚園の園児が小学校や中学校の学習発表会や学校祭に出向いて幼稚園児と小学生,中学生の交流を行うなど,心豊かな教育について取り組んでいるところです。今後とも,各学校,幼稚園においては,交流を通してそうしたことを積極的に展開していくことが必要であると考えているところでございます。 ◎舘 保健指導担当部長  思春期ヘルスケア事業を行っております健康衛生部の立場からですけれども,健康衛生部では,思春期ヘルスケア事業は小・中・高校生を対象にしてということで,学校に出向き,学校教育との連携の中でという事業立てになっております。そのほかに,専門職が出向いての健康教育という形で,幼稚園を初め,PTAに出向いての教育をしております。やはり,思春期ということに関して,例えば性教育の観点,心の問題ということについては家庭教育という面でも充実していく必要があると思いますので,私どもは,そのことも学校とも連携をとりながら働きかけてまいりたいなと考えているところでございます。 ◎福島 児童家庭部長  札幌型の認証保育施設というような制度を設けて助成をしてはどうかといったお話しでした。  現在の札幌の厳しい財政事情を考えますと,新しい支援策を計画するということは,少なくとも現時点におきましては大変難しい状況だと考えております。 ◆大嶋薫 委員  事前の意見交換もしていない点ですが,特に1点だけ,この場で考え方を聞いておきませんと後で禍根を残すことになるかなと思ってお聞きします。  基本目標の四つ目は,次世代を担う心身ともにたくましい人づくりとなっております。たくましい人づくりという語感,感じ方でいろいろ違うということも含めて,私にとっては3点の問題があるかなと思っています。  1点目は,基本目標のほかの4点,四つの言葉の全体的な構成というか,こういうふうに,子供のイメージについてたくましい人という形ではないのです。全体的な状況をどうするか。ある意味で子供の育ちをどう支えるかということだけが基本目標の中に述べられているのですが,ここで,一つの価値というか,大人にとっての子供に対する価値を記してあるというふうな全体的な構成上の問題が一つです。  それから,二つ目は,「たくましい」という言葉です。これは,先ほども言ったようにいろいろなとらえ方があります。ただ,たくましい女性と,最近は言うようになってきたかもしれませんけれども,一方ではジェンダーバイアスがかかってきた言葉で,男というイメージで語られている言葉です。もう一つは,障がい児,あるいは心の病を持った人にとっては,たくましい人というイメージはないのです。そう思っているのです。  3点目は,それぞれの基本施策の項目の中にその目標を定めた説明があります。それから,基本目標の四つの点に従ってそれぞれの基本施策が五つあります。そこの項目をどう拾ってきても,たくましいという基本目標の言葉にはつながらない,違和感があるのです。この中で述べているのは,ある意味で子供の自立であるとか,あるいは個性であるとか,そういうことを重視して個別の施策の考え方をつくられていると思うのです。そこの部分と整合性がないのです。個別の施策としてぶら下がっているものと,基本目標の言葉に整合性がない。  この三つの私の違和感が皆さんの答えで氷解すれば問題ないのですけれども,どうなのか。どなたでもいいですけれども,この場で難しいのであれば,7月まで時間がありますから,検討課題としてきちんと議論させていただくということでも構いません。 ◎福島 児童家庭部長  推進協議会の議論の中でも,基本目標の4番目について,「たくましい」という言葉を使うことに関して確かにご議論がございました。  ただ,基本的には,大嶋委員のおっしゃられたような観点から,あえて「たくましい」という表現を使わない方がいいのではないかというご意見がある一方で,どちらかというと,協議会の中での多数意見としては,「たくましい」はこのままでいいのではないかと。委員の中に,長く障がい児教育に携わってこられた委員がおられまして,その委員のお話の中でも,障がいを持った子供でも,いわゆるステップアップといいましょうか,自立に向けた自身の内側から出てくるそういった気持ち,それをたくましいとあらわしても何らおかしくはない,また,「たくましい」という言葉を行動計画に使うことによって障がいを持ったお子さんが何かということはないのではないかとおっしゃっておられました。そんなことから,あえて消さないという形でこれを使わせていただきました。  それから,1点目の子供の育ちをどう支えるかというのが行動計画全体の組み立てになっている中で,構成上,ここでたくましい人づくりというのはいかがなものかということでございました。3点目の基本施策のどこにもないではないかということと関連をいたしますので,一括してお答え申し上げます。  いわゆる次代を担う人づくりということでは,基本施策の方はまさに69ページ以降から始まるわけですが,その中でも,特に基本施策の2自立を促す企画参画型事業の充実(挑戦する)という基本施策を掲げてございまして,こういった中で,やはり次代を担う子供の健やかな成長を大人としてどうはぐくんでいくかという観点が中心ではございますけれども,そこで,はぐくまれるべき子供そのもの育ちということについてもどういう環境整備がいいかということで,特に基本目標の4,そして,たくましいという意味合いでいきますと,基本施策の2を中心に掲出をさせていただいておりますので,ご理解いただきたいと思います。 ◆大嶋薫 委員  委員会での議論の大体の様子もわかりましたが,やはり,基本目標としてここにこれがあるというのは,僕個人としては,言葉の語感の問題,イメージの問題だけではないのです。社会的にどう使われてきたかということがきちんと意識されなければいけない。個別の事業はまだまだいろいろな議論をしなくてはならないですけれども,札幌市の計画ですし,モデル事業として全国に先駆けて行うということからいけば,基本目標として本当にすとんと落ちるのかというところは大事な問題だと思っています。ですから,引き続き,いろいろな機会で,いろいろな方を交えて論議させていただきたいと思います。
    ◆小田信孝 委員  ごく簡単に質問させていただきますので,簡潔な答弁で結構ですからお考えを簡単に述べていただければありがたいと思います。  一つは,この短期間に,よくこれだけの膨大な内容を上手におまとめになったということで,私は大きく高い評価をさせていただきます。本当にご苦労さまでございました。  そこで,余り先のことを言うのは問題ですけれども,来月からここに座っておられる方何人か異動してしまいますので,きょうは一つの区切りとして確認の意味でも大事な委員会なものですから,二,三点,どうしても質問させていただきたいのでお願いします。  まず,行動計画です。ずっと行動計画で終わってしまうのであれば,これは,拘束力というか,強制力というか,決まりとして,規則として,弱いという個人的な認識を私は持っています。そこで,国に提案して,今後,内容を充実していくわけですけれども,近い将来,この計画を条例化するのかどうか,そこまで考えて今議論を進めているのかどうかということが1点です。簡単な答弁で結構です。  2番目は,今,道の方で道州制について中身を詰めております。これも,早々に国に答申しなければなりません。当然,その中に子育てのことがうたわれております。この問題と,今回の行動計画と,どのような点で連携をとっているのか。組織的な連携,情報交換,協議会の設置など,こういったことについてどうなっているのかということを明らかにしてください。  それから,今までいろいろな議論の中で出てきたと思うのですが,きょう,改めて確認させていただきたいのですけれども,子どもの権利条例の制定見通しについて,きょうの時点できちんとこうですという話をお伺いできればしていただきたい。簡単で結構でございます。  最後に,教育委員会ですけれども,地域に開かれた学校づくりを推進しますということで出ております。私は,これに非常に興味を持っているものですから,きょうの時点でこんなことにまで踏み込むというようなところがあればご説明いただきたいと思います。 ◎福島 児童家庭部長  行動計画に盛り込んだ中身を札幌市として条例化するかどうかについては,特に考えてございません。いわゆるアクションプランといいましょうか,施策大綱ですので,この計画に基づき,社会全体でということなので,市民の方々の協力を得ながら,粛々と施策展開を進めてまいりたいと考えております。  それから,今,道の方で検討されておられる道州制プランとこの行動計画との関係ですが,もともと次世代育成の行動計画づくりに関しましては,国の指針の中でも,市町村は都道府県等あるいは企業等も含めて連携をとって策定すべしという指針が示されておりますので,そういった意味での連携はさせていただいてまいりました。  しかし,いわゆる道庁の道州制のプログラム,それに基づいて具体的に16年度の道州制プランといったものも案としてまとめておられるようでございますが,この道州制プランの中での多様な子育てサービスの提供のための案として今考えておられることの一つ一つに関しては,今まで私どもと具体的なご相談等は特にございません。 ◎佐々木 学校教育部長  開かれた学校ということでございますけれども,今,学校評議員制や学校説明会などを進めております。また,生涯学習部もいろいろな地域開放をしていますので,今後,何をどこまでという最終ゴールはまだ決めておりませんが,今,趣旨の事業をやっている中で,数値的にはまだまだ低い状況ですので,これをどんどんレベルアップしていきたいと考えているところでございます。 ◎平井 保健福祉局理事  子どもの権利条例につきましては,平成18年度当初から施行できるように努力をしたいと考えております。 ◆小田信孝 委員  最初に,条例化ですけれども,現時点は考えていないと。ちょっと早過ぎる議論ですから,今,私はこれ以上突っ込みません。しかし,私は,計画とか要綱よりも条例ということが重要だという認識に立っております。市の行政の中でいろいろなあり方があります。その中で,条例があり,要綱があり,そして行動計画ありと,こういうふうに並んでいるものですから,その中で,私は,強制力を持つのはやはり条例だと思っております。そういう意味では,現時点で考えていないということですから,それで結構ですけれども,これが落ちついたら,ひとつそういうことも視野に入れて今後ご検討いただきたい。これは,要望にさせていただきます。  それから,道州制との絡みですが,これも要望ですけれども,やはり道と市というのは今後も密接な関係を保っていかなければ,決してばらばらではないと思うのです。いろいろなことでいろいろな連携をとった方が効率的ですし,経済的ですし,いろいろな情報やノウハウがわかっていきますので,そういうことを蓄積するのは大事だと思うのです。そういう観点からすると,全く接点がないというのはちょっと不自然ではないかと私は思います。これも,もちろん要望ですけれども,今後きちんと連携をとるべきだというふうに思います。  それから,子どもの権利条例の見通しは平成18年度ということですが,川崎も平成18年度ということで走っているようです。札幌市も,フォーラムをやるなり,いろいろな市民に対する趣旨徹底を図るために,いろいろな媒体がたくさんありますので,その中でやっていただきたい。行動計画については,今後,広報さっぽろ5月号ですか,中身をある程度というようなことも漏れ承っておりますので,今後,市民の皆さんに対する情報をどんどんと頑張っていただきたいと思います。これも,要望させていただきます。  最後ですが,地域に開かれた学校づくりの推進です。これは,私は最も注目しております。社会には,有能な,宝物といいますか,人材がたくさんいらっしゃいます。これを有効に生かすための手だてを今後きちんと考えていただきたいことを最後に強く要望させていただいて,質問を終わります。 ◆猪熊輝夫 委員  小田委員から,ここまで整理されたことについてご苦労さまと言われまして,私もそれを否定する気は全くありません。  ただ,これに目を通させていただきまして,具体的なものを含めて見たときに,現状の事業を全部列記してある,どうもその域を越えていないという気がしてなりません。あえて言えば,先ほどから議論になっている子どもの権利条例について字句としては触れてきていますが,そのことを条例化することによって大人の意識の醸成に役立てるという表現をされましたけれども,具体的にどういうことを展開してそこにたどり着こうとしているのかというところをお見せしないと,市民というのは,ああ,いいものをつくって,いいことをやろうとしているのだなと,とんと落ちてこないのではないだろうか。  一般に,議会でのやりとりを含めて,子どもの権利条例はよしということを前提にしてやりとりだけはしているけれども,そのことが具体的な施策としてどう生きていくのかということが,やはり,向こう10年先を見て出すとすれば,そこまで言って新鮮味があるな,よく検討いただいているなというところへ結びつくのではないだろうかという気がしてなりません。  もう一つは,前段で,本当に失礼だったけれども,今やっているそれぞれの部局の事業を列記したとあえて言わせていただきました。ただ,10年後の姿を想定して,今から,どう,施策をより充実をさせていくかということを考えた行動計画にならなければいけないのだとすれば,僕は発言しておけばよかったかなと反省しながら発言しているのですが,戦後60年間の就学前の乳幼児対策の変遷というか,そして,今ここにあって,次の10年後をどう描くかという流れをそれなりに整理して,その上で行動計画を展開していくべきではないのかという気がしてならぬからでございます。  もう一つは,長年,言葉として言われることですけれども,市役所の仕事というのはとかく待ちだ,市民が来るのを待っていると。そして,それではだめなのだ,動というか,出向くという姿勢で市政を具体化していく必要があるのではないかと,よくこう言われています。  そこで,その部分がどの程度展開をされているかという点でも見てみました。そうすると,小学校単位子育て支援ということをやっている。行政が行くのかなと思ったら,地域連合町内会やNPOなどの支えをいただいて地域でやるというので,札幌全体と区というあたりで行政が一定程度かかわっている,そういう感じに聞こえてなりません。もちろん,現地を把握していないなどと批判して言う気は全くありませんけれども,今,それぞれの地域でやっていることは,それぞれの地域の思いで子育て支援事業を展開しています。そして,一部は連携をとらせていただいて,市役所の期待している方向に進んでいるということも事実です。そういう点で,すべてが現状の線上で描いていらっしゃる。  僕は,これでいいのだろうかという思いがしてならないものですから,これから10年後の就学前の乳幼児対策,そして,学齢児,いわゆる低学年の部分を中心にした子供の環境をどうするのかという点で,これでなく,もう少し違った角度からも攻めながら具体的方針を出すべきでないのかという思いを強くしております。  この場合,とても造詣の深い平井理事に,そんな点でおまえの考えはペケだと切っていただいて結構ですから,ご見解を聞かせていただいて,7月の成案までにおまえの言うことを幾らかでも生かしていきたいという気持ちがあるとすれば,そのようなことも少し触れていただければ,何も言いません。 ◎平井 保健福祉局理事  私どもが一つ自負しているのは,今回の行動計画を立てさせてもらうときに,これまでの行政だけが云々ということではなく,次世代育成支援というのは行政だけではできなくて,すべての地域の人,市民,家庭,学校,すべての団体,すべての人に考えてもらって一緒に方向性を考えていこう,まさに社会全体で物事を考えて向こう5年,10年の方向性を探ろうというスタンスで我々はこの計画の策定にタッチさせていただいております。  ここがこれまでと一番違うところでありまして,私どもが自信を持っているところです。個々の施策云々は日々やっていることの羅列という部分はあるかもわかりませんけれども,根底に流れているのは社会全体で支えていくという観点です。それから,子供の視点ということで,三つの基本視点を考えさせていただきましたけれども,全体の構成としてはまさにこういう観点で作成させていただいたと考えております。  ただ,いろいろご批判もあろうと思いますので,これは素案ですから,本案までにいろいろご意見をちょうだいしながら,さらによいものにしていきたいと考えております。 ◆猪熊輝夫 委員  僕は,時代認識という点でまだ甘いと見ているのです。札幌の社会環境という点で,就労環境というのは極めて厳しいし,もう少し厳しくなっていくだろうと見るのです。そうなれば,幼稚園を含めた就学前のシステムというのは,相当に意識して展開をしていかないとだめではないだろうかということです。  それから,平井理事は長く保育行政にかかわっておられますからあえて申し上げますと,ニーズにこたえる形での施策展開,いわゆる増設していったという状況があります。少子社会はもう少し進むかもしれませんが,ここが底だと見たいという気持ちはみんな共通していると思います。ですから,ここが底だという気持ちを持ちながら,現状の中で,とりあえず今まで繕ってきた行政を全部裸にして,本当に一番いい状況とはどういう配置計画,あるいは内容であったらいいのかというようなことを検討してやってもらうのがこの時期ではないか。今回,そのことをやらなければ,振り返ってもう一回,体制を再整備する発想の転換はもう二度と不可能になるのではないかと思うのです。  それから,委員長が大変配慮をして,たくさんの人からお話を聞きました。その中で僕が引っかかっているのは,中学生などが小さな子と触れる場もあってもいいのではないかということです。そのことでとてもかわいいという思いが生まれ,宮村委員や坂委員なども言っておられる極めて専門的な見地からの発想を含めて,自分が大人になったらこういった子供を持ってみたいというような,若者と言われる年代にもそういう機会をつくる必要があるのではないかと思うのですが,その字句がどこにも引っかかっていないような気がするのです。ただし,それは待て,だんだん出てくるからと,こう言うのかもしれませんが,僕はそんなことが一つとても引っかかっていることです。  そして,理事は,東京都千代田区の中学校に併設された乳幼児施設,あるいは小学校に併設された乳幼児施設などいろいろなものを見て,いい面,悪い面を含めて消化し切られて,札幌の資生館小学校の複合施設というものを具体化しました。そんな中で,就学前の保育機能というもの,あるいは子育て支援というものもあそこへ入れました。それから,高齢者の町内会の老人クラブが学校のある部屋を使って集うことの可能な畳の部屋も具体化できるとか,学校開放図書ということで,あえて1階のフロアを使い,地域と一緒に使える図書コーナーというようなことを含めて踏み出したわけです。そのことが生きていくように,関係機関との連携や企画なども入ってきておりますが,大いに意見交換をして,限られた予算の中で何をどうするのだという方向は,10年後の姿を意識すれば出していただいていいのではないだろうかという思いを強くしております。  そのことをあえて意見として申し上げて,期待を込めて,終わります。 ◆小谷俵藏 委員  私からは,具体的なことを申し上げる気持ちはございません。基本的な事柄について,何点か,意見を交えながらお尋ねをさせていただきたいと思います。  ちょうだいしております札幌市次世代育成支援対策推進行動計画の内容は,それぞれ非常に具体的に書かれておりまして,一定の評価をさせていただきます。  ただ,6ページの政令指定都市における合計出生率ですが,平成13年は,札幌は1.04であり,北九州は1.36,広島は1.32,川崎は1.29と,これを見る限りでは,私は,必ずしもそれぞれの都市の経済動向がある意味で少子化と連動しているとは思っておりません。また,そうあるべきではないと思っております。  また,同じページに,出生率と合計特殊出生率の推移ということで,とりわけ,通常使われております合計出生率,昭和49年の数字を見ますと,およそ幾らになりましょうか,2.7人か2.8人になるのでしょうか,人口千対出生率となっておりますので,多分そういう読みかえになるのかなと思いながら,しかし,14年度は1.04となって,現在は1.06ということでございますが。  私は,やはりこうした問題をこれからどうやって解消していくかということでは,まず,図4に,出生率と合計特殊出生率の推移ということで28年間がかかれております。当初,昭和49年には大変高かったのでありますが,景気の動向に関係なくどんどん下がってきております。これは,いろいろな原因や背景があると思いますが,私は,やはり一番大事なことは,いかに子供を産み育てることの意義,そして,そのことの重要性を考えなければならない。まさに,意識の改革から入らなければならない。  そういうことを考えるときに,今まで20年なり30年の経過の総括をした上で今後の対策を立てるべきだろうと思います。ここに書かれているのは,応急的な,あるいは中期展望に立ったものでありますが,出生率の低下をどう解消するかというところで,恒久的な見地に立ったものを示し,取り組んで,併用していかなければ改善にはならない。応急は応急として,今すぐ何からできるか。それは,財源的ないろいろな生活への支援の問題もありましょう。それから,それだけではなくて,物の考え方,取り巻くいろいろな環境,こうしたことももちろんそれ以上に大事なのであります。  なぜ,私がそういうことを申し上げるかといいますと,我々がこうしておりますが,年齢的にはもう老齢でありますけれども,仕事はまだ現役でございます。一般的にいいますと,老後は年金,社会保障制度で生活されるのがほとんどでございます。年齢が老いていくと,子供の世話になるのではなく,年金等を中心としながら生活をしていこうと,それはそれですばらしいことだったと私は思います。ただ,そのことは,結局,弊害があるわけです。どういう弊害かというと,意識の変化であります。もう一つは,科学の進歩によってすばらしい我々の生活,社会がありますけれども,一方,またこれも人間性,社会性を徐々にむしばむ原因にもなっているわけであります。そうしたことを,しっかり踏まえてこれからの指針を立てなければ,私は,決してそんな生易しいことで進むものではないと思います。まず,そういうことをご理解いただけるかどうかということです。  それからもう一つは,義務教育,小・中学校の関係で伺います。  きょう,ここに教育次長もおられます。明後日からは,また異動になりますが,私がお伺いしたいのは,小学校なり中学校という義務教育は,必要最小限度の学問,そして生活のリズム,あり方,社会性,こういうものを学ぶ場であろうと私は思います。そうしたことで,学校における義務教育の中で,知は当然一生懸命やっておられると思いますが,いわゆる徳,徳という言葉がなじむかどうかは別といたしまして,社会性をしっかり身につける教育というものが,先ほど来からも出ておりましたけれども,何かしら非常に弱いのではないか,私はこう思うわけであります。  まず,この二つについて見解をいただきたいと思います。 ◎福島 児童家庭部長  産み育てることの意義に関する意識の啓発,それから,老後を年金といった社会保障制度で過ごす,そういった時代が長く続いてきたがゆえにということとの結びつきはちょっと理解しかねましたが,少なくとも,前段の産み育てることの意義に関しては,先ほど来申し上げておりますように,それがよくて,そうでないのはだめなのだという価値観を押しつけるような啓発は慎まなければいけないと思っております。少なくとも,産み育てることのすばらしさを感じて,そうしたいという方々が産み育てづらいということだけはしっかり取り除いていきたいと考えております。 ◎八反田 教育次長  小・中教育における,知,徳,体のうちの徳の部分が足りないのではないだろうかというお話しでございます。  学校教育そのものの目標は,人格の完成にあり,また,社会の形成者としての資質を高めるということにございますので,学校教育を通じて教育の目的すべてを実現するということが我々の願いでございます。  また,詳細なところはともかくとして,生きる力という言葉がございますが,その生きる力というのは,学力だけではなく,体力,人間性という徳の部分も含めての力というふうに理解しており,全編にそうした精神が貫かれているものと理解してございます。 ◆小谷俵藏 委員  教育委員会の方は,よく理解をいたしました。  前段の方ですが,私は社会保障制度とのかかわりを申し上げましたけれども,いわゆる次世代を支えていく子供たちがどんどん減ることによって社会保障制度はぶっ飛んでいってしまいますと。直接であれ,間接であれ,生産年齢の方々がそのときの高齢者を支えているのが現実なのです。そのことをしっかり踏まえないと,自分さえよければではなくて,やがては子供たちが我々を支えてくれるのだという意識を醸成していくことが何よりも大切だということを私は申し上げているのです。  もう一つ,この場合,お答えはあえて要りませんけれども,これが絵にかいたもちになったり,あるいは,仏つくって魂入らずのようなことにならないように,しっかりと積極的に取り組んで前向きに頑張っていただきたい。ただつくって,それで終わりなどということになっては,先ほど来もありましたように,それでは絶対にだめです。行政として,前向きに積極的に取り組んで,何としてでも少子化という問題を食いとめていただきたい。要望を強く申し上げて,終わります。 ○勝木勇人 委員長  以上をもちまして,委員会を終了いたします。     ──────────────       閉 会 午後3時31分...