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平成16年第一部予算特別委員会−03月16日-05号
平成16年第二部予算特別委員会−03月16日-05号

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  1. 札幌市議会 2004-03-16
    平成16年第二部予算特別委員会−03月16日-05号


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    平成16年第二部予算特別委員会−03月16日-05号平成16年第二部予算特別委員会  札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第5号)                 平成16年3月16日(火曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  本 郷 俊 史       副委員長   五十嵐 徳 美     委   員  小 谷 俵 藏       委   員  大 越 誠 幸     委   員  上瀬戸 正 則       委   員  笹 出 昭 夫     委   員  宮 村 素 子       委   員  横 山 光 之     委   員  村 松 正 海       委   員  長 内 直 也     委   員  小須田 悟 士       委   員  伊与部 敏 雄     委   員  西 村 茂 樹       委   員  畑 瀬 幸 二     委   員  小 野 正 美       委   員  藤 原 廣 昭     委   員  林 家 とんでん平     委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  柿 崎   勲       委   員  義 卜 雄 一     委   員  三 浦 英 三       委   員  芦 原   進     委   員  阿知良 寛 美       委   員  小 川 勝 美     委   員  井 上 ひさ子       委   員  坂 本 恭 子     委   員  伊 藤 理智子       委   員  柴 田 薫 心
        委   員  原 口 伸 一       委   員  田 中 昭 男     委   員  佐 藤 典 子       委   員  佐 藤 美智夫     委   員  堀 川 素 人       ──────────────────────────────────        開 議 午前10時1分 ○本郷俊史 委員長  ただいまから,第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,小谷委員からは遅参する旨,涌井委員からは三浦委員と交代する旨届け出がございました。  それでは,議事に入ります。  最初に,第3款 保健福祉費 第1項 社会福祉費の質疑を行います。 ◆村松正海 委員  今,まさに敬老優待乗車証ですね,敬老無料パス,マスコミの皆さんや,そして市民の皆さんにいろいろな論議を呼んでいるわけであります。この18日からは,議会でも特別委員会でさまざまな意見があると思います。  ただ,敬老無料パスはいろいろな関心を今受けているわけでありますけれども,もう一つ,バス事業で大変重要なものが私はあると思います。  それは,身体障がい者の方々の福祉無料バスであります。この福祉無料バスは,札幌市の身体障害者福祉協会が行っているわけでありまして,この協会は七つのそれぞれの団体で構成をされているわけです。札幌市の委託や補助金等々で運営をされております。私も何度か立ち会いをさせていただきましたが,この協会の皆さんは,本当に身体障がい者の方に大変心優しい接し方というか,看護をしていただいて,私も大変感服し,感謝をしているところであります。  そこで,早速質問ですけれども,この福祉バスの事業の運営状況はどうなっているのか,最初にお聞きしたいと思います。 ◎岡田 障害福祉担当部長  札幌市では,身体に障がいのある方々の福祉の増進を目的といたしまして,昭和48年から福祉バスの運営を実施しております。この事業は身体障がい者の団体ですとか,福祉施設等を利用対象として,運転手つきのバスを無料で貸し出すもので,札幌市身体障害者福祉協会に委託して行っております。  現在,車いすリフトつきの大型バス1台,これは乗車定員50人でございます。それから中型バス1台,定員32人,それから小型のワゴン車,これは車いす対応で,これが3台,最大定員が8人ということでございます。計5台で運営をしてございます。昨年度は642件,6,690人の利用がございました。身体に障がいのある方々の各種のレクリエーション,あるいは行事等の交通移動を支援し,障がいのある方々の社会参加を促進しているというところでございます。  また,利用台数につきましては,多くの団体に均等に利用していただけるよう1回の利用については,1団体1台とさせていただいております。 ◆村松正海 委員  今,岡田部長の方から説明をしていただきましたが,ここにこのバスの運営要綱の細則があります。これにも,今お話のとおりいろいろなことが書いてありますけれども,利用台数は1回の利用に対して1台等々とこの細則ではなっております。私も1団体に1台というのは,たくさんの団体というかたくさんのグループに使っていただくためには,これは大変いいことだと思っております。原則としては。  ただ,団体によっては,その構成の方が30人とか,例えば,70人,80人とか,身体障がい者の方の人数が構成されているさまざまな団体で違うわけであります。ですから,一番大きいバスで定員50人でありますので,例えば,80人とか70人の団体の方がこれを利用させていただくときに,余ったといったら失礼ですけれども,残った方は自家用車等々で,一泊二日とか日帰りとか,後からか先からかは別にして,ついていくような形になって,非常に不便さを感じているところであります。  僕としては,今言ったように,1団体1台という原則は変える必要はないと思います。さっき言ったようにたくさんの皆さんに使っていただくためには,それを変える必要はないと思います。ただ,団体の構成の方が70人,80人の団体が申し込まれたときに,1台で申し込みますが,ちょうどその日にほかのバスがあいていたと。そのときには,原則とは別にして,何とかもう1台ですね,運転手さんだとか,職員の皆さんのご都合もあると思いますけれども,その辺のやりくりがつかないかなと思っております。  先ほどご答弁いただいた岡田部長は,常日ごろ,よく伊与部議員の質問に,必要な方には必要なサービスと言っておられます。このことは福祉行政に携わる方の基本で,すばらしい考え方だと私は思います。  そこで,必要な方に必要なサービスという原点に返って,原則を変えることはないですけれども,たまたま70人,80人の団体がもう1台必要なときには,その辺何とかならないか,必要な方には必要なサービスという観点から,ぜひ再質問をしないように,すばらしい答弁をいただきたいと思いますので,よろしくお願いします。 ◎岡田 障害福祉担当部長  利用台数につきましては,先ほどご説明させていただきましたけれども,より多くの団体に利用機会を提供するため,1回の利用に対し1団体1台というふうにさせていただいているところでございます。しかしながら,委員ご指摘のとおり,多数の方の参加が見込まれる団体の利用に当たっては,1台のバスでは支障を来すということもあり得ます。そんなことで,ほかのバスの空き状況でございますとか,運転手の乗務ローテーション,こういったことも勘案しながら,複数の利用ができるのかどうか,そういった事例が生じたときには,個別的に検討させていただきたいというふうに思っております。 ◆林家とんでん平 委員  私の方からは,全身性重度障がい者の24時間介護についてお伺いをさせていただきます。  脳性麻痺進行性萎縮症などによりまして,全身にわたり重度の,いわゆる全身性の重度障がい者の方々について,現在,公的介護サービスとして,最大で1日14時間が確保されております。これが16年度から1日3時間加算されまして,1日17時間の介護時間となるということでありますけれども,時間数の増は評価できるなとは思うのです。それは今までと同じということではなくて,3時間加算されたわけでございますが,しかし,全身性重度障がい者の方々には,基本的には公的責任によりまして24時間介護保障が必要だと思うわけでございます。  先日も,3月1日,24時間介護の必要な方が一部市役所の前で座り込みということ,知っていると思いますけれども,本当に必要な部分であると,そういう観点から座り込みをされたと思うのでございます。  そこで,本当にどのぐらい必要なのか,ぜひ,ここで皆さんにわかっていただきたいと思いまして,今,夜間介助を受けている方の介助内容を,ちょっと聞いていただきたいと思います。  22時,夜の10時に着がえをします。車いすからベッドに移動してパジャマに着がえると。そして,腰を右に4センチずらします。左足を2センチ右にずらしまして,左腕を真上に上げかけ布団をかけると。いわゆる寝る準備をしたわけでございます。そして23時50分,腰を左に3センチずらしまして,右足を立てまして,左腕を真上に持ち上げましてかけ布団をかけると,いわゆる体位交換でございます。真夜中の1時20分,腰を2センチずらしまして,両足を開いて排尿する。パジャマの下を脱がし,両足の汗をタオルでふきまして,パジャマの上とシャツを脱がし,体を左向きにして背中の汗をふき取りまして,シャツとパジャマを着がえる。そして,腰を右に3センチずらし,右足を伸ばして,左腕を真上に持ち上げてかけ布団をかける。2時40分,腰を左に3センチずらしまして,右足を立て,左腕を真上に上げましてかけ布団をかける。3時45分,腰を左に2センチずらしまして,上体を起こしてコップを口元に近づける,水分補給です。そして,腰を右に3センチずらしまして,右足を伸ばして,左腕を真上に持ち上げかけ布団をかける。5時20分,腰を左に3センチずらしまして,右足を立てまして,左腕を真上に持ち上げてかけ布団をかける。6時20分,腰を右に4センチずらし,左足を2センチ右にずらしまして,左上を真上に持ち上げかけ布団をかける。7時10分,かけ布団をめくりまして,腰を左に2センチずらし,両足を開いて排尿する。上体を起こしてテーブルを置き,歯磨きの準備をするということでございます。  この中で体位交換,いわゆる寝返りのような体位交換をするのに約6回やっているのですね。この場所では6回やっております。寝返りができない場合は体が痛くてしようがない,寝ることができないと。ですからこういう何センチ,何センチというような体位を交換しているわけでございます。  こういう体位交換,私の子供もそうなのです。今は私の子供も自分で動けないものですから,1日約3回ぐらいやっております。そうでなければ寝れないのです。そして,体位を交換しなければ内臓が片一方の方に寄ってしまうという,そういう危険性もあるわけですから,そして,こういう方に一番必要なのは,いわゆる介助でございます。介助の方がいなければ,いつも死の恐怖に,毎日そう思っているということでございます。  この介助の方なのですが,いわゆるボランティアの方々が今やっているわけです,公的以外の部分では。ボランティアの方は,いわゆるボランティアですから,時間に都合がつけばおこしいただけるわけでございますが,このボランティアの方を探すのがとても大変だということを訴えております。毎日人探しに追われていますということで,翌日の宿泊介助者が見つからないことも日常茶飯事だと。毎日不安な生活を強いられている。入る予定だったボランティアさんから,突然キャンセルされることもあると。その理由も,友達と会うことになった,用事ができた,これも当たり前のことだと思うのですが,急なキャンセルによって長時間1人でいなければならない,先ほどお話をしたとおり,本当に水も補給しなければいけませんし,体位の移動もしなければいけない。ですから,失礼な話,トイレもできないときは垂れ流しになってしまうということもあるのだそうでございます。今,こういう状態を聞いていただいたことで,皆さんに24時間介護の必要な方の思いをぜひ知っていただきたい。  そこで,3点質問をさせていただきます。  新年度の公的介護サービスについて,どのような時間数の内容となるのか。そして,2点目ですが,全身性障がいの方のうち,特に重度の方に限定して時間数の増を図るようですが,どのような方が対象となるのか。そして,何名なのか。3点目,この間,全身性障がいの方々にお集まりいただきましてお話を伺いました。そうしますと,皆さんは口々にこうおっしゃっております。介護を必要とする生活の実態をもっと見て,知ってほしい,そういうことを強く要望しているのです。全身性障がいの方といっても,脳性麻痺の方もいれば,筋萎縮症の方もおられます。それぞれの障がい特性や身体状況,生活状況の見きわめ,そういうものが必要だと思うのです。  ですから,もう少し立ち入った日常生活の把握が必要だと思うのです。現在,それぞれの生活実態をどのように把握しているのか。きょうも,当事者の方がお見えでございますので,ぜひ前向きな答弁をいただきたいと思います。よろしくお願いします。 ◎岡田 障害福祉担当部長  第1点目の介護サービスの時間数の内訳についてでありますけれども,ご指摘のように,現在,日常生活支援が360時間と外出介護,いわゆるガイドヘルプが60時間で,2種類の介護サービスを組み合わせまして,月当たり最大で420時間,1日当たり14時間ご利用いただくことが可能となっております。  そこで,平成16年度予算案では,このうち日常生活支援を90時間ふやし,450時間とすることによって,月当たり510時間,1日当たり17時間の時間数が確保されることとなります。  2点目の時間数増加の対象となる方についてでございますけれども,最重度の全身性障がいの方,具体的に申し上げますと,単身で生活をされる進行性筋萎縮症により,常時人工呼吸器を使用されている方並びに脳性麻痺により,自分の意思とは無関係に体が動いてしまうという,いわゆる不随意運動と言語障がいの著しい方につきまして,時間数の拡大を図るものであります。  3点目の生活実態の把握についてでございますが,現在,支援費の支給申請時,あるいは毎年の更新申請時に,原則として担当の区の職員が直接お宅を訪問し,生活状況等のお話を伺った上で必要な時間数などの決定を行ってございます。  このほか,私どもは,全身性障がい者の方々と個別に,あるいは当事者の団体とは日常的にお話を伺ったり,要望をお聞きしているところでございますけれども,今後とも,それぞれの方の状況の把握に努め,委員ご指摘の障がい特性に応じた介護サービスの充実に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆林家とんでん平 委員  新聞などにも載っていて,もう皆さんはおわかりかもしれませんけれども,今,たしか6名の方に対しての3時間プラスということだと思うのですが,やはり先ほどお話をしたとおり,当事者が座り込みするぐらい大変な思いをしているわけでございますから,そして,ほかの政令指定都市も24時間介護を実現しているところがあります。これはご存じかもしれませんけれども,ちょっとお話をしますと,福岡市,そして名古屋市,広島市,東京都では約30市区,1日20時間から24時間,そして神戸市1日20時間,こうやって本当にどんどんどんどん24時間介護を実施しているところが多くなっているのです。それで,やはりどうみても17時間というのは到達点ではないということをぜひお願いしたい。あくまでも24時間を目標としていただきたいと,そう思うのですが,もう一度その点についてどのように考えているか,確認をしたいと思います。 ◎岡田 障害福祉担当部長  いわゆる24時間介護に対する考え方についてでございますけれども,全身性障がい者の方々にとりまして,日中,夜間を通じて,一定かつ何らかの介護が必要なことは十分認識をしてございます。  したがいまして,先ほど先生の方からお話がございましたけれども,他政令指定都市の状況などを含め,さらには,先ほどお話のありました実態調査や十分な検討を行いながら,今後とも介護時間の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆林家とんでん平 委員  最後に要望となりますけれども,やはり生きる権利として24時間必要であるということを,ぜひ考えていただきたいと思うのです。ですから,一日も早く公的責任で24時間介護の実現を目指していただきまして,私の質問を終わりたいと思います。 ◆佐藤典子 委員  私も支援費のことにつきまして,何点かお尋ねしたいと思います。  支援費がスタートしてから1年になろうとしています。施設から地域へということで,脱施設ということで,地域にグループホームが少しずつふえてきておりますし,障がいを持つ方々が地域で暮らすための生活支援が,またこれも少しずつ広がりつつあります。措置から選びとることができるサービスとして浸透もしてきつつあると思いますが,反対に問題点も浮き彫りになっております。  そこで,支援費について何点か質問させていただきます。  まず,1点目,支援費制度がスタートしてもう1年になろうとしています。その居宅介護サービス,いわゆるホームヘルプサービスですが,この利用状況は,今現在の段階で一体どういうふうになっているのか。  また,2点目としましては,2004年度の支援費の居宅サービス関係予算,これは本年の2003年度の予算と比べましてどのように伸びているのかいないのか,その点をまずお聞きしたいと思います。 ◎岡田 障害福祉担当部長  1点目の居宅サービス利用状況についてでありますけれども,支援費制度がスタートしました昨年4月と11月を比較いたしますと,居宅生活支援費支給決定者総数で5,165人から6,443人に推移し1,278人,24.7%の増となっております。内訳といたしましては居宅介護ホームヘルプサービス等でございますけれども,527人,28.6%の増,デイサービスで292人,33.4%増,短期入所で423人,知的障がい者グループホームで36人と,いずれも増加しておりますけれども,特に,居宅介護デイサービスで大きな伸びとなっており,このうち児童の居宅介護の伸びが最も著しく82.9%増と2倍近い増加となっております。  2点目の平成16年度と15年度の支援費の居宅サービス関係予算の比較についてでありますけれども,居宅生活支援費総額では,15年度当初予算で20億7,000万円に対しまして,16年度予算案は約34億3,500万円ということで,65.8%の増となっております。  ただ,15年度予算は11カ月分の予算計上でございます。これを12カ月分に平年度化いたしまして比べてみますと,約22億6,000万円というふうになっており,これを16年度予算案と比べますと,おおむね5割増の52%の増となっております。いずれにしましても大幅な伸びとなっております。 ◆佐藤典子 委員  ホームヘルプサービスデイサービス,短期入所,グループホームなど,それぞれに伸びがあるということで,また,児童のホームヘルプサービスが2倍近い伸びがあるということで,利用者もふえているのだなということは,今お聞きをしてわかりました。また,予算的にも,2003年度よりは5割増しということなので,その点については私も評価させていただきたいと思います。  そこでですが,2004年度の支援費の関係予算を策定するに当たりまして,障がいを持っていらっしゃる当事者の皆さんの声をどのように反映してその内容改善を図られたのか,その点について引き続き質問させていただきます。  また,支援費制度は,障がいのある方々の自己決定を尊重し,利用者本位サービスを提供するということで,これまでの措置とは大きく変わったという,本当に自分で選ぶサービスを実現できる制度ということであります。しかし,内容も大きく変わったということで,複雑な制度変換でもあったと思います。どのようなサービスがあるか。そして,どこに申し込んで,どのように手続をして利用することができるのか,そして事業者はどこの事業者の方にお聞きしたらいいのか,さまざまな点でわかりにくい面というのは多々あったかと思います。  介護保険が導入されるときは,各区に担当の方が行かれて丁寧に説明をされたという記憶があります。しかし,支援費制度がスタートする段におきましては,なかなかそのような姿が見られなかったし,聞こえてきませんでした。障がいの特性に応じたきめ細やかな周知の仕方,また,十分な配慮に基づいたPRなどが本当に必要だったと思います。そして,相談体制の必要性も今感じているところです。  知的障がいの方などもいらっしゃるわけで,そういう方々への配慮がどういうふうになされてきたか,この2点をあわせて伺いたいと思います。 ◎岡田 障害福祉担当部長  1点目の平成16年度予算案の策定に当たって,障がい当事者の声をどのように聞いたのかということでございますけれども,私ども日々の業務の中で,あるいは当事者団体の方を初めといたしました各種の懇談会や,市民の声を聞く課に寄せられる要望などを踏まえまして,支援費制度改善の検討を進めてきたところでございます。  この結果,平成16年度予算には,全身性重度障がい者の方の介護時間数の増ですとか,児童移動介護,これはガイドヘルパーでございますけれども,この年齢の拡大について必要な経費を計上しているものであります。  この内容といたしましては,最重度の全身性障がいの方については,1日3時間介護時間をふやし,現在,1日最大14時間の介護時間を17時間に延ばすこと,また,児童の移動介護の年齢要件の拡大,すなわち利用対象年齢,これを現在の15歳以上から小学生以上に拡大するものであります。  2点目の支援費制度利用における相談支援PRについてでありますけれども,申請受け付け,支給決定の事務を担当する区役所の保健福祉部では,障がいのそれぞれの状態に配慮し,相談をお受けしているところでございます。さらに,相談支援事業の核となります障害児・者地域療育等支援施設事業,これは市内に4カ所ございますけれども,こういった実施施設の拡大,あるいはケアマネジメント研修の充実など,相談支援の充実に努めているところであります。  また,知的障がいのある方への資料の提供の際に,例えば,ひらがなのルビをふるなどの配慮に努めているところでございます。今後とも,障がいの特性に配慮した,漏れのないきめ細かな支援費制度のPRに努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆佐藤典子 委員  先ほどの林家委員の質問にもありましたサービスの拡大というところでは,全身性の方への介護時間数の増,そしてまた,今,私ども市民ネットも,児童へのガイドヘルパーの年齢拡大ということを代表質問などでも取り上げてまいりましたが,15歳から小学生への拡大ということは,まず,ぜひこれは進めていただきたいという点でもお願いしたいと思います。  そして,2点目のPRなどですけれども,先日,障がい者の方の政策懇談会社会福祉総合センターで行われました。そこに私も出席させていただいたのですが,窓口の対応で,何を聞いても,いろいろなところにまた聞きに行かなければならないということで,窓口対応の不十分さというのがいろいろな方から出ておりましたので,今,いろいろな相談体制があるということは伺いましたが,さらに,障がいを持っていらっしゃる方々が相談に行く各区の窓口につきましても,そこで1回で終わるような,そういう仕組みづくりとか配慮をお願いしたいと思います。それは強く要望したいと思います。  そして,次の質問をさせていただきたいのですが,今2事業の時間数がふえたということと,年齢の拡大がされるということでしたが,その対象者となられる方々は一体どのくらいいらっしゃるのか。6名ということは聞きましたが,ガイドヘルパーの対象になる子供たちはどれくらいかということをまずお聞きしたいと思います。  そして,次ですが,先ほどから出ております全身性障がいの方へは,ホームヘルパーの支援としては日常生活支援というのがあります。重度障がい者のホームヘルプサービスの類型として,今申し上げました日常生活支援を,国の方では身体介護のサービスとの組み合わせというのを同一事業所では利用できないというふうにしております。この結果,日々の暮らしの中で,日常生活支援というのは見守りも含めて洗濯やお掃除や,それから食事や排せつなどのお世話ということで,日常生活支援ということの位置づけなのですが,同一事業者が利用できない場合ということに限るということではありますが,入浴など非常に身体介護の面でも,これは日々の暮らしの中で必要なサービスであります。  そこで,日々の暮らしの中で,日常生活支援と移動介護の組み合わせはあるけれども,身体介護の併用は認められていないという状況の中で,せめて入浴介護の場合だけでも,身体介護との組み合わせができないものかと考えて,ぜひ,その組み合わせを要望したいのでありますが,それについていかがか,その2点お願いします。 ◎岡田 障害福祉担当部長  1点目の内容改善を図る,いわゆる二つの事業の対象者数についてでありますけれども,まず,1日3時間の介護時間数の増は,単身で生活する最重度の全身性障がいの方を対象とし,16年度予算案の中で6人の方の経費を計上してございます。  また,児童移動介護の年齢要件拡大により,新しく対象となります小学生から14歳までの方は160人程度を見込んでおります。  2点目の支援費制度居宅介護サービスにおける日常生活支援についてでございますけれども,常時の介護を要する重度障がいの方に対しては,食事や排せつ等の身体介護,それから,調理や洗濯等の家事援助等の支援が断続的に行われることを総合的に評価をいたしまして設定しているものであります。  したがいまして,日常生活支援には,身体介護を含むサービスの提供をしておりますことから,国は原則として,身体介護との併用を認めておらず,札幌市といたしましても,入浴介助の場合だけを身体介護として位置づけ,そして,日常生活支援と組み合わせる状況にはないものというふうに考えておりますので,何とぞご理解を賜りたいというふうに思っております。 ◆佐藤典子 委員  今,1点目の方では,先ほどから出ております全身性の障がい者の方6人だけということでありましたけれども,もう少し詳しく,その6人だけになった経緯をお話しいただきたいと思います。  それから,今の入浴サービスでありますが,入浴介助と身体介護との組み合わせができないということですが,入浴サービスについて,今,月に4回,週1回,そういうサービスもあるということで聞いてはおります。身体介護と日常生活支援の組み合わせができないのであれば,入浴サービスの方を1回でも多くふやしていただけないかというふうに思いますが,その2点,少しちょっと細かくなりましたが,お答えください。 ◎岡田 障害福祉担当部長  1点目の介護時間数の対象となる方,これを6人とした経緯についてでありますけれども,全身性重度障がいの方々との話し合いの中で,特に重度の方に限定してでも,24時間の介護を速やかに実現していただきたいという要望が強く寄せられました。札幌市といたしましてもこれらの要望を踏まえ,鋭意検討を重ねた結果,全身性障がい者の方の中でも,最も重度の単身で生活されている方,すなわち,先ほども述べましたけれども,進行性筋萎縮症により常時人工呼吸器を使用されている方,並びに脳性麻痺による不随意運動と言語障がいが著しい方,6人につきまして,1日3時間の増を図ることにしたものであります。  2点目の入浴サービスについてでありますけれども,委員ご指摘のとおり,月4回以内の入浴業者による訪問等の入浴サービス事業のほかに,支援費制度でのホームヘルパーの入浴介護やデイサービスでの入浴介護提供を実施しているところでございます。  しかしながら,先ほど来ご説明させていただいておりますけれども,居宅生活支援費予算の著しい伸び等を勘案した結果,入浴サービス事業での回数増は見送らざるを得ない状況にありますことをご理解いただきたいと考えております。  いずれにいたしましても,重度障がいの方への入浴介助のあり方について,今後とも支援費とのかかわりと総合的に検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆佐藤典子 委員  6人になったという経過としては,本当に最も重度な方であるという認識でということであります。しかし,先ほどから出ております重度,最重度の位置づけということにつきましても,例えば,リューマチの方で本当に1人では暮らすこともできないという方もまだいらっしゃるということで,今後,24時間の介助の時間増に向けまして,また新たな対象の方々の声とか,そういうことも十分踏まえていただきまして,今後も本当に希望される方が十分な利用サービスが受けられるような,そういうサービスに向けて取り組んでいただきたいと思います。  それから,最後になりますが,先ほどから申しております日常生活支援と,身体介護の組み合わせのことなのですけれども,これは先ほどからも出ておりました一日中介護する場合,見守りもあるし,洗濯とかをするような時間,それから最も重い入浴をすること,それを一日中長く介護する場合のことを考えて,日常生活支援というものを位置づけているということは聞いてわかりました。  しかし,家事援助とか移動介護は,時給に直すと約1,600円ぐらいだそうです。そして,身体介護の入浴については,時給に直すと,正確ではありませんが約4,000円くらい,そして日常生活支援になると,また1,800円ぐらい,そういうようにぐんと安くなって,そして一日中の介護の中で14時間とか,まだ多いわけですから重度の方も。そういう中では,入浴とかなかなかできないという声をたくさん聞くのです。それで,もし,その中で,介護保険のような仕組みになって,何時間かは身体介護の時間として扱うことができるようになれば,ヘルパーさんもなかなか重いことを避けられる方もふえてきて,ヘルパーさんを見つけるのも本当に大変だという声も聞きますので,そこのところはぜひ国の方へも要望していただきたいと思います。組み合わせができるようにということで。私は非常に矛盾していると思っておりますので,そこのところをお願いします。  あとは,障がい者による政策提言サポーター会議というのがありまして,先ほど申しました,先日の障がい者の方の政策懇話会の中で,さまざまな意見を聞いておられました。そして,そういうところでは,やはり今後に向けても,そこでも支援費について,今後,どういうふうに取り組むかということもまとめられたり,そして,十分な実態把握というのがやっぱり少ないのではないかという認識を受けますので,当事者の方々と話し合い,協議できる場とか,声を聞く場をもっと積極的に持っていただきまして,よりよい支援費への仕組みへとつくっていっていただけるように強く要望しまして,質問を終わらせていただきます。 ◆小須田悟士 委員  私からは,少子高齢化が深刻化する中で,地域福祉の充実という観点から,札幌市社会福祉協議会が現在策定を進めております地域福祉市民活動計画と,もう一点,福祉のまち推進センター事業の助成金についてお伺いをいたします。  本市の高齢化率は,新聞にも載っておりますように間もなく20%に近づこうとしております。平成14年合計特殊出生率は1.06と,大都市の中でも極めて低い水準であります。地域で支援を必要とする高齢者や障がいのある方々,子育てを取り巻く環境は一層厳しさを増しておりますが,こういった方々が安心して地域で暮らしていただくためには,地域の支え合いによる福祉活動の充実が求められているところであります。安否確認や触れ合い交流会,子育てサロンといった地域の福祉活動は,町内会を初めとして民生・児童委員や地区社会福祉協議会など,地域の住民組織が中心となっており,市民一人一人の献身的な日々の活動によって支えられているのが実態であります。私としても,こうした活動に取り組んでいる方々に対して敬意を表している次第でございます。  このように,地域における福祉活動の状況は,町内会などの方々のたゆまぬ努力により,今日では市民の自主的な活動として定着しており,行政と民間の活動が連携を図りながら,今日の街づくりに取り組んでいくことが肝要であると思います。  こういった認識に立った上で,2点お伺いいたします。  まず,1点目は,札幌市社会福祉協議会が策定する地域福祉市民活動計画についてであります。  本市は,昨年3月に新たな地域福祉社会計画を策定しておりますが,この行政の新計画を受けて,札幌市社会福祉協議会は本年3月末までに,地域福祉市民活動計画を策定するとお伺いしております。社会福祉協議会は独立した社会福祉法人として,市の福祉施策と整合性を保ちながら,地域のさまざまな住民組織と緊密に連携し,本市の地域社会の充実に大きく貢献している団体でもあります。  今回,地域の活動者の視点に立って,より具体的で実践的な計画づくりを行うことは,非常に有意義なことと考えております。一方,市長の市政方針となる元気ビジョンでは,積極的な市民参加による街づくり,あるいは市役所改革を掲げ,現在,これを具体化する新まちづくり計画等の策定に当たって,市民参加による検討がなされているところであります。市の計画が行政としての施策の方向性を示すものであるのに対して,社協の計画は,より地域に密着した地域の声,市民の声を反映した計画でなければなりません。そうであるがゆえに,計画策定の過程で,地域組織や地域住民の参加が不可欠であると私は考えております。  市民参加による計画策定は,市政の基本であるところの元気ビジョンの考え方と合致するものでありますが,ぜひ,町内会を初めとする住民組織や地域の活動者の意見を聞き,地域との合意形成を図った上で計画を策定していただきたいと思っております。  そこで,この地域福祉市民活動計画の策定過程について,市民参加について,保健福祉局としてどのように把握しておられるのか,まずお尋ねいたします。  次に,2点目としては,社会福祉協議会の助成金についてであります。  少子高齢化の進展に伴い,福祉の街づくりに取り組む各地区の社会福祉協議会の役割は一層重要なものとなってきております。問題は,地区社協に対する助成金のあり方であります。地区社協に対する助成金は,一般には市からの福祉のまち推進センター事業に対する50万円の助成金と,さらに加えて共同募金の配分金を原資とした区社協からの助成金で成っております。これは20万とも言われておりますが,この福祉のまち推進センターに対する50万円の助成金についてであります。これは人口や面積など,地区の規模に関係なく一律に助成されていることから,大規模地区の町内会で事業費が足りないという状況に陥り,十分な事業に取り組めないという,そういうおそれも発生しております。このため,人口規模が大きい地域については町内会が別途資金を工面するなどして,大変苦労しており,そういう苦労の中から活動資金を確保しているのが実情であります。  しかし,この方法も最近では限界に来ていると聞いております。市としては,非常に厳しい財政状況でありますが,活発な活動を行っている地区が資金のやりくりで思うように活動できない,あるいは活動が停滞するといったことがないように,それぞれの地区の規模に応じた助成のあり方について,ぜひ見直しを検討していただきたいと思います。  そこで,一律50万円の助成について,人口比に比例した助成方法など,地区の規模に応じて差を設ける考えはないか,お伺いいたします。 ◎土屋 総務部長  まず,1点目の地域福祉市民活動計画の策定過程における市民参加について,市としてどのように把握しているかということでございます。  この活動計画は,地域福祉を推進する中心的な団体として位置づけられている社会福祉協議会が,市の助成によることなく独立した社会福祉法人としての立場で,市町村が策定する地域福祉計画との整合性を図りながら,社協として実施している事業の全般にわたって策定するものでありまして,全国的な社協の動きとして取り組まれているものでございます。  地域福祉の推進につきましては,町内会や民生・児童委員の皆様などによる日々の活動によって支えられておりまして,市としても大変感謝を申し上げているところでございますが,社協が計画を策定する上で,こうした地域の皆様の意見を十分に反映することが重要であると考えているところでございます。  今回,社協が計画を策定するに当たりましては,独自に地域福祉活動の関係者に対してアンケート調査を実施したほか,学識経験者や活動実践者のアドバイザーを含めたプロジェクトチームを設置して素案づくりを行うとともに,昨年の9月から12月にかけまして,全区で連合町内会,民生・児童委員,福祉のまち推進センター,地区社協の役員などから意見をいただいて,計画に反映させたものと聞いております。  あわせまして,福祉のまち推進センターの活動交換会や民生・児童委員の研修会などにおいても十分に意見を聞くとともに,さらに社協の広報誌やホームページにおいても広く意見を聴取したと伺っているところでございます。  それから,2点目の福祉のまち推進センターの活動費について,地区の規模に応じて差を設ける考えはないかというご質問でございますが,福祉のまち推進センター事業は,平成7年度から事業を開始し,現在,市内のほぼ全域になります88地区にセンターが設置され,町内会など,地域の皆さんの熱心な活動によって支えられまして,現在に至っているものでございます。  活動費の助成につきましては,事業開始当初から活動費の一部として,ただいまお話がございましたように,各地区とも一律に50万円を補助しているところでございます。これまでの間,各地区ではそれぞれの特性を踏まえ,地域の皆様がさまざまな工夫を凝らしながら助成金を有効に活用していただいているところでございます。  そこで,助成金に差をつけるということについてでございますが,福祉のまち推進センター事業は,開始以来50万円の助成を前提に,各地区でさまざまな活動に取り組む事業として定着してきておりまして,例えば,人口の少ない地区におきましても活動が非常に活発になされていること,そんなことから,人口規模で助成額を増減させることは,地域に混乱をもたらすことが予想されますので,現行制度の中で引き続き各地区の活動の活性化に取り組んでまいりたいと,このように考えているところでございます。
    ◆小須田悟士 委員  もう少し突っ込んで話したいのですが,これについてはまた後日やります。  再質問なのですが,地域福祉市民活動計画についてでありますが,策定の時期が3月末ということで計画づくりも最終段階に差しかかっていると思います。今後,この計画を推進するに当たってどのように取り組んでいくかが重要であります。計画の策定の過程では,さまざまな形で地域の意見を聞いてこられたということですが,この計画を具体的に推進する段階においても,社会福祉協議会として引き続き地域の住民組織や活動者の意見を反映していくことが計画の実現に向けて必要ではないかと考えます。  また,独立した法人とはいえ,指導・監督をする立場にある保健福祉局としても,市民参加による計画の推進を社協に対して働きかけていく責任があると考えます。  そこで,地域福祉市民活動計画を進めるに当たっても,地域の意見を反映することについて,保健福祉局としてどのように考えるのか,見解をお伺いいたします。 ◎土屋 総務部長  社協の市民活動計画を進めるに当たって,地域の意見を反映することについて,保健福祉局としてどのように考えるかということでございます。  社会福祉協議会は,社会福祉法上地域福祉の推進を担う中心的な団体として位置づけられておりまして,地域の皆様と連携しながらさまざまな事業を推進していく極めて重要な役割を担っているものと考えております。今後,計画事業を具体的に展開していく上に当たりましても,社協の理事会等で協議をしていただきまして,町内会や民生・児童委員の皆様など,地域で活動されている方々の意見を十分に反映させて実施に当たるよう,社協に対して働きかけてまいりたいと考えております。 ◆小須田悟士 委員  今までは,市民に対して一方的に計画を押しつけるという,そういうふうに,いろいろな地域の住民の方,町内会の方から聞いております。ですから,計画策定から市民参加が行われ,その合意のもとで決定した活動計画を市民が自分たちのものとして,実践につなげる努力を行うことによって,将来に展望の持てる福祉の街づくりが実現できるのではないかと思います。  地域では,町内会関係者や民生・児童委員など,これまで地域福祉活動に熱心に取り組んでこられた方々が多数いらっしゃいますので,市や社会福祉協議会が,この計画に基づいて事業を進める上では,今後とも,こうした方々の意見を十分に反映し,積極的に地域との合意形成に努めていただくことを強く要望して,質問を終わります。 ◆藤原廣昭 委員  私は,支援費制度について質問をします。  昨年4月から,障がい者福祉サービスについては,障がい者の自己決定を尊重し,利用者本位サービス提供を基本とし,事業者との対等な関係に基づきサービスを選択することができる支援費制度に移行をいたしました。本市の2004年度の支援費関係予算は,総額で約145億4,500万円が計上されております。このうち,居宅支援費は,身体障がい者が約19億7,900万円,知的障がい者は約9億2,300万円,障がい児童約5億3,300万円,合わせて約34億3,500万円となっています。また,施設支援費は,身体障がい者及び知的障がい者施設合わせて約111億1,000万円となっているわけであります。  私は昨年の決算特別委員会において,支援費制度の今後の課題について,何点か質問をいたしました。その後,予算編成もされてきたわけでありますけれども,厳しい財政状況の中においても,新年度予算の中に反映された項目を見ますと,児童のガイドヘルパーの利用対象が,現在の15歳以上から小学生以上に拡大されるなど,一定の評価をすることができると思います。  さらにまた,最近,国の動きとしては,2004年度において,事業運営上の工夫が検討されており,支援費制度施行2年目を迎えるに当たって,種々の内容改善の動きが国にもあるわけであります。  そこで,支援費制度の現状と今後の方向,また新たな課題について,質問をしたいと思いますけれども,最初に2点伺います。  最初の1点目の質問は,今年度の支援費制度の利用者数はどのように推移をしてきているのか。また,質問の2点目は,2004年度は今年度と比較してどの程度の利用の伸びを見込んで予算案を策定したのか。まず,以上2点最初に伺います。 ◎岡田 障害福祉担当部長  1点目の支援費制度の利用者数の推移についてでありますけれども,平成15年11月の実績で申し上げますと,支給決定者総数で,延べ人員で1万265人となっております。内訳といたしましては,居宅生活支援費で6,443人,施設訓練等支援費で3,822人というふうになっております。  支援費制度がスタートいたしました平成15年4月の実績では,居宅生活支援費で5,165人,施設訓練費等支援費で3,745人というふうになっており,支給決定者総数は,延べ人員で8,912人となっておりましたので,伸び率で申し上げますと,居宅生活支援費で24.7%の増,施設訓練等支援費で2.1%の増,合わせて総数15.2%の増となっております。  2点目の平成16年度予算の利用の伸びの見込みでございますけれども,平成15年度当初予算との比較で伸び率を申し上げますと,まず,居宅生活支援費のうち居宅介護支援費,これはホームヘルプサービス等でございますけれども,61.6%の増,デイサービスで41.4%の増,短期入所で56.5%増,地域生活援助,これはグループホームのことでございますけれども,33.9%の増となっております。  また,施設訓練等支援費では17.7%増の利用を見込んでおりますけれども,このような増の見込みで予算案の策定をさせていただきました。 ◆藤原廣昭 委員  今の答弁では,昨年の4月の支援費制度発足時の支給決定者総数が延べ人員で8,910人に対して,昨年11月の実績では支給決定者総数が延べ人員で1万265人と,そのうちの居宅生活支援費は6,443人で,伸び率が24.7%増,施設訓練等の支援費も含めた総数全体では15.2%の伸び率という答弁がありましたけれども,そこで,再質問を4点したいと思います。  再質問の1点目は,居宅介護のうちのガイドヘルパー,いわゆる移動介護の状況についてでありますけれども,中でも最近の移動介護の支給決定者数と利用者数の状況はどのようになっているのか,伺います。  また,支援費の移動介護にかかわる指定事業所の状況はどのようになっているのか,あわせて伺います。  それから,再質問の2点目は,短期入所の現状です。最近の支給決定者数と利用者数の状況及び事業者指定状況はどのようになっているのか,伺います。  再質問の3点目は,知的障がい者のグループホームについてです。  同グループホームは,障がいのある方の地域生活を推進するため,札幌市の障害者保健福祉計画では,2003年度から今後10年間で200カ所整備することになっていますけれども,計画初年度の2003年度の整備数はどのような状況になっているのか,伺います。  また,2004年度の計画はどのようになっているのか。さらに,新年度の計画において,市内と市外の社会福祉法人,それぞれの整備計画数はどのようになっているのか,あわせて伺います。  再質問の4点目は,知的障がい児の入所施設についてです。  現在,市内には知的障がい児の入所施設は,南区の道立もなみ学園と,清田区のノビロ学園の2カ所があるわけでありますけれども,いろいろな方から地域的なバランスを図るためにも,札幌市内の北方面にも知的障がい児の入所施設が必要と考えるが,本市としてどのように考えるか,まず,再質問の4点,以上伺います。 ◎岡田 障害福祉担当部長  1点目の移動介護の利用状況についてでありますけれども,まず,利用状況を平成15年11月の実績で申し上げますと,支給決定者総数で1,422人というふうになっております。内訳といたしましては,身体障がい者で745人,知的障がいで522人,児童で155人というふうになっております。  このうち,実際にサービスを利用された方は,支給決定者1,422人のうち612人というふうになっております。  次に,指定事業者の状況についてでありますけれども,移動介護実施事業者数は,全体で272事業者となっております。内訳といたしましては身体障がいで110,知的障がいで81,児童で同じく81の事業者というふうになっております。  2点目の短期入所の現状についてでありますけれども,平成15年11月現在の支給決定者総数は2,532人というふうになっております。内訳といたしましては,身体障がい者で249人,知的障がいで1,029人,児童で1,254人というふうになっております。このうち,実際にサービスを利用している方は,支給決定者2,532人のうち457人というふうになっております。  また,短期入所指定事業者の状況についてでありますけれども,事業者数は全体で58事業者というふうになっております。内訳といたしましては,身体障がい者8,知的障がい26,児童24の事業者というふうになっております。  3点目の知的障がい者のグループホームについてでありますけれども,平成15年度の札幌市内におけるグループホームの整備状況は14カ所,定員にして60名のグループホームが新規に開設をしております。また,平成16年度の計画でございますけれども,この2月に,市内及び近郊の社会福祉法人に照会を行った結果,箇所数につきましては23カ所,定員にして97名の整備計画があるというふうに把握をしております。  そのうち,市内の社会福祉法人による整備計画は,10法人による21カ所,定員にして89名,また,市外の社会福祉法人による整備計画は2法人による2カ所,定員にして8名の計画となってございます。  4点目の北方面における知的障がい児入所施設の必要性についてでありますけれども,現在,札幌市内にある2カ所の知的障がい児入所施設は,いずれも私どもが定めました同一の福祉圏域の中にございます。先生ご指摘のとおり地域的なバランスがとれていないことは認識しているところでございますけれども,現在,2カ所ある施設のうち1カ所については定員を満たしていないというような状況にもございます。しかしながら,今後の入所状況を見きわめながら,その問題も含めまして,施設整備の必要性について検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆藤原廣昭 委員  知的障がい児の施設の関係でありますけれども,今の答弁にもありましたように,市内には,道立もなみ学園とノビロ学園というのがあります。しかし,先ほども述べましたように,南方面にできていると。必要性について検討していくということであります。同時にまた,現在はこの定員にかなりの余裕があるということであります。これはこうした知的障がい者なり,自閉症者の施設ができたことによって,児童の施設から移っていったと。それまでは満床に近い状況で,子供が入りたくても入れない状況が続いていたわけですね。やっぱり調べてみると,知的障がい者が生まれる確率といったら失礼なのですけれども,状況というのは,医学的な統計で,人口の2%から3%だというふうに言われています。ですから,札幌市は年々少子化で出生率は下がってきていますけれども,本市の統計書で調べてみますと,ここ5年度ぐらいでは約1万5,000人前後で推移をしてきているわけです。ですから2%にしても約300名近いそうした子供が,市内においても知的障がい児として生まれる可能性を秘めているわけです。  そういう意味では,これからさまざまなこうした問題が,今指摘をされておりますけれども,こうした施設というのは非常に大切になってくるわけです。これについては,また改めてそうした角度からの議論を進めたいと思いますけれども,きょうの時点ではそういう医学的な統計もあって,今は施設から在宅とか,脱施設ということが福祉関係では言われておりますけれども,この知的障がい者の施設に限って,本市で言えば,先ほども何回も申し上げておりますように,地域的な偏りがありますから,やはりそうした入所をも含めたようなのが,今後,必要になってくるというふうに,きょうはまず指摘をしておきたいと考えております。  改めて,再々質問を2点したいと思いますけれども,再々質問の1点目は,移動介護のガイドヘルパーの養成研修についてであります。  私は,昨年の決算特別委員会でも,ガイドヘルパーの養成研修について質問をいたしました。そのときの答弁では,2003年度をめどに,居宅介護従事者の養成研修の実施体制を整備していきたいという趣旨の答弁があったわけでありますけれども,半年しかたっておりませんが,その後,この状況がどのようになっているのか,改めて伺います。  再々質問の2点目は,障がい児・者の単独型短期入所への対応についてであります。  障がいのある方が,より身近な場所で短期入所サービスが受けられるように,国は規制緩和して,従来の入所施設併設型のほかに,入所施設に併設をしない単独型の宿泊を伴う短期入所の実施を可能にする動きが出てきているわけでありますけれども,本市としては,このことについて,国から近々そうした通所の施設などにおいても,短期入所,ショートステイが可能なような条件が示されると思うわけでありますが,これらを踏まえてどのように対応しようとしているのか,2点お伺いをいたします。 ◎岡田 障害福祉担当部長  1点目の支援費におけるガイドヘルパーの養成研修についてでありますけれども,国からは居宅介護従業者の1級から3級の三つの研修のほか,視覚,全身性,それから知的障がいの方に対する移動介護にかかわる三つの研修,それと全身性障がいの方に対する日常生活支援従業者養成研修の合わせて七つの研修の取り扱いが示されております。  札幌市といたしましては,この国の規定を踏まえ,研修取り扱い要綱を策定いたしました。現在,研修事業者の申請受け付けを行っているところでございます。早急に研修体制を整備する中で,移動介護にかかわる研修を多くの方々が受講していただくよう対応してまいりたいというふうに考えております。  2点目の単独型短期入所への対応についてでありますけれども,この3月3日に行われました厚生労働省の主催による障害保健福祉所管課長会議におきまして,平成16年度から実施可能とするところが示されたところでございます。今後,ご指摘の入所施設に併設しない単独事業所における宿泊を伴う利用についての施設整備等に関する基準というのが国の方から示されることになっておりますので,札幌市といたしましても,国の基準に基づき,事業者からの申請に対しては適切に対応してまいりたいというふうに考えております。 ○本郷俊史 委員長  以上で,第1項 社会福祉費の質疑を終了いたします。  ここで理事者交代のため,暫時休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午前11時16分       再 開 午前11時18分     ────────────── ○本郷俊史 委員長  委員会を再開します。  次に,第2項 児童福祉費 議案第5号 平成16年度札幌市母子寡婦福祉資金貸付会計予算及び議案第25号 札幌市児童福祉施設条例の一部を改正する条例案について一括して質疑を行います。 ◆宮村素子 委員  私からは,児童虐待に関しまして5点質問をさせていただきます。  今日の児童虐待問題は大変深刻さを増してきております。児童虐待防止法の施行後3年,全国的に児童虐待件数は増加の一途をたどっておりまして,最近の大阪岸和田事件や同じく大阪の小学6年生の監禁衰弱死事件に見るように,子供の生命にかかわる悲惨な事例も多く報道されております。  国においては,この児童虐待防止法を3年後に見直すという,当初の出発どおりただいまの国会で改正案が提出されているところでございます。それによりますと,早期発見,それから虐待を防止していくためのネットワークの強化,それから虐待を受けた子供の心身のケアと自立への支援,さらに虐待をしていた親の心身のケアと同時に,家族をもう一度再統合するための大きな支援,そして待つ姿勢ではなくて,能動的なアプローチをしていかなければならないと,そういったことが強調されているところでございます。  本市におきましても,平成12年3月,児童相談所が中心となりまして,札幌市児童虐待予防・防止連絡会議を設置しまして,全市的なレベルで取り組みをされておりますのは私も承知しておりますし,そういった連絡会議も構想しているというふうにも伺っているところでございます。  しかし,今後,さらに防止策,それから虐待を早期発見するということにもっと努めなければならないと思うわけでございます。そして,虐待をしていた親は,子供のころにやはり虐待を受けていたということが,全国の事例からも証明されております。ですから,世代間にわたります虐待の連鎖を絶対防がなければならないというのは,私たちにも責任がありますし,札幌市としても責務がありますし,児童相談所はとりわけ頑張ってもらわなければならないと思うところでございます。  そこで,質問いたしますが,まず1点目ですが,平成14年度,虐待または虐待の疑いがあるとして通報や相談を受けた総件数はいかほどなのか,伺います。そのうち,虐待と認定した件数は何件なのか。そして,その虐待の件数の中でも新規はどのぐらいなのか,また,継続している件数はどのぐらいなのか,お伺いいたします。  2点目ですが,虐待を受けた児童は,虐待の種類は,大きく身体的な虐待,心理的な虐待,性的虐待,そしてネグレクトというふうに児相では分類しておりますけれども,そのどれかにかかわらず,心に消せない傷を持つものでございます。したがって,早期に,さらに長期的に心のケアが必要になると思うわけでございます。  そこで,質問ですが,虐待を受けた児童への心のケアと虐待をした親へのケア,そして家族再統合への支援について,児相ではどのようになさっているのか,お伺いいたします。  さらに,3点目の質問ですが,児相において虐待の判定と処遇方針が決定し,それによって児童養護施設入所となる場合もあるかと思います。その施設での児童への心のケアはどうされているのか。また,その施設においての心理職員の配置等も含めてどうなっているのか,お伺いしたいと思います。  これはあってはならないことというふうに私は思うわけですけれども,先日,3月3日,児童養護施設での入所児童に対します不適切なかかわりについて報道がございました。これについてもどのような認識を持たれているのか。また,これについては,どんな取り組みをされているのか,お伺いします。大変に周りの市民は施設への不信感というのを言ってくる方もおりまして,ぜひともどんな取り組みをしているのか,伺いたいと思います。  さらに,質問を全部続けたいと思います。  4点目ですが,虐待にかかわる区の実務者レベルでの連携は,具体的にどのようにされているのか,お伺いしたいと思います。  先日,たまたま区の民生・児童委員,さらに主任児童委員の方たちが,児童虐待について懇談会をされておりました機会に出席させていただきましたが,ここにおいて,これは一つの事例をめぐってでございますけれども,児相と夜間の連携がうまくつながらなかったと。それから,児相は大変に人手不足で忙しい,それで最終的には区の保健センターの保健師に対応していただいて,問題へのとっかかりをつくっていったという,そういった話がございまして,虐待のケースをめぐって,また,それが疑わしいと地域で思っている民生・児童委員,主任児童委員の方たちが,やはり関係機関,特に児相との連携がうまくとれない。また,この方たちはなかなか家庭に入っていくということができませんので,入れないもどかしさ,そばにいて大変にもどかしさを感じながら,しかし,職務の責任を大変強く感じている,そういったことが,その会議の中で私は感じたわけでございます。それで,実務者との連携をどうしているかということをお伺いしたいと思います。  次に,5点目の質問でございます。  児童福祉司の配置状況と専門職配置について伺いたいと思います。  3月3日,また本日,児童福祉司が足りないという見出しで新聞記事が載っておりました。児童福祉司の配置基準は,従来人口10万人から13万人に1人とされておりましたが,国では,今年度7万4,000人に1人を標準と定めたとありました。児童虐待の通報,または虐待件数がどんどんふえております状況の中で,本市の児童福祉司の配置はどのような考えのもとに何名配置されているのか,伺います。  次に,専門職の,特に保健師の配置について私は伺うわけでありますが,児童虐待防止法改正に伴いまして,社会保障審議会児童部会の児童虐待の防止等に関する専門委員会のまとめた報告書によりますと,今後,さらに求められる幅広い専門性を充実強化する観点から,子供や家庭にかかわる相談員やケアなどについて,さまざまな実務経験者やノウハウを有する人材を活用することは有用であるとしております。保健師,助産師,看護師等の登用が明記されているところでございます。  私なりに児童相談所におけます保健師配置のメリットを申し上げますと,まず,福祉分野に保健の視点が加わって,多角的な支援ができる,児相の機能が強化されると思うわけです。  そして,児相の方に相談があります。相談者は母親が圧倒的に多いわけでございまして,我が子がかわいくない,または私は虐待しているのではないかと,そういったことでの相談が多いやにも聞いております。そうしますと,母子保健の視点で早期に家庭訪問,家庭への介入が可能となります。また,保護者のメンタルヘルスに関します問題の対応につきましても,そういった状況が察知されるときには,保健師はスムーズにかかわりが可能でございます。  また,精神科疾患を有しております虐待している親,そういったことも多い状況でございますので,精神科クリニックとの対応が有効にできますし,親への迅速な介入も可能となるところでございます。また,虐待の内容によっては性的な虐待を受けている子供さんが多いのです。そうした方へのケアもやはり保健師の守備範囲ではないかと思うところですし,また,そうした親に対応するのも,保健師のかかわりがより病理的,心理的に可能ではないかと思うところでございます。  また,若者の妊娠や性感染症,そういったことに関する面接,相談,性教育,命の大切さを指導できる,そういった機会を通して,若い方から命のとうとさを教えていく,それも長い先を見ると虐待予防につながるわけでございまして,保健師の活用が有用ではないかと思うところです。  また,他の関係機関との連携につきましては,虐待予防の視点で,ハイリスク対策や育児力を高める活動への自立的な支援が可能でございます。地域の保健施設,子育て支援サークル,学校との連携が強力にできる,そうしたことから,保健師の配置が大変なメリットを来すのではないかと思っているところでございます。  それともう一つ,他都市の児相における看護職の配置状況を調べてみますと,札幌市を除くすべての政令指定都市においては,全部のところに保健師及び看護職の配置が早くからされております。1名から6名の範囲で,20年から26年前に既に配置されている。また,13年,14年度からと近年になって配置されているところもありますが,他都市においてはすべて配置している状況でございます。  そういった観点から,児童相談所に専門職としての保健師を配置する考え方がないのか,お伺いをいたします。 ○本郷俊史 委員長  質問は6点ですね,最後の今の保健師のを入れて。 ◎大沼 児童相談所担当部長  ただいまのご質問にお答えいたします。  まず,平成14年度に虐待または虐待の疑いがあるとして受け付けた件数は372件ございます。虐待として認定したものは226件でございます。このうち新規のものが155件,2年間にわたって取り扱っているものが61件,3年間にわたっているものが10件でございます。  次に,虐待を受けた児童の心のケア,虐待を行った親に対するケアと家族の再統合についてでございます。虐待を受けた児童の心のケアにつきましては,主に心理判定員が医師と連携を図りながら対応いたしております。また,虐待を行った親に対しましては,児童福祉司が面接を担当し,必要に応じて精神科医のカウンセリングを受けていただいているところでございます。  家族の再統合につきましては,保護者の生活状況や精神状態を確認する一方,子供の成長や心のケアの状況を見ながら面会,外出,外泊を段階的に行いまして,親子関係を確認しながら実施いたしております。  次に,児童養護施設での子供のケアと心理職の配置状況についてでございます。  まず,子供の心のケアでございますけれども,虐待を受けた子供を受け入れた養護施設におきましては,児童相談所と連携を図りながら,時には個別的なかかわりを十分にとることで,信頼関係や社会関係をはぐくみ,健全育成に努めております。  次に,心理職を配置している児童養護施設の数でございますが,市内4カ所及び市外4カ所で心理職を配置いたしております。当所といたしましては,心理職の有無にかかわらず心理的なケアを必要とする児童につきましては,その施設の心理職や他の職員と当所の心理判定員が連携をとりながら心のケアを実施いたしております。  最後に,児童養護施設の不適切なかかわりについてでございますが,これはあってはならないことと認識しております。児童養護施設とは日ごろから連携を密にいたしまして,処遇上の問題があった場合は速やかに対応するように努めておりますが,今後もより一層連携を密にしてまいりたいと考えております。  次に,4番目,区の虐待にかかわる実務者レベルの連携についてでございますが,連携で一番大事なことは,お互いの信頼関係だというふうに考えております。そのためには,個々のケースで実務者が顔を合わせて協議をすることが必要と思いますが,電話での協議で終える場合もございまして,今後はできるだけ実務者相互の信頼関係を築くように努力してまいりたいというふうに考えております。  次に,児童福祉司の配置と専門職の保健師の配置についてでございます。  児童福祉司は,ことし21人が配置されております。来年度は1名増員の予定でございますが,国の基準に比べますとまだ不足しておりますので,今後につきましても,本市の状況を踏まえながら関係部局に働きかけてまいりたいというふうに思っております。  また,専門職の配置についてでございますが,委員ご指摘にございましたように,子育てに悩む若い親,あるいは精神的に不安定である親による児童虐待が多くある点,あるいは子供の処遇に関し,より多角的に検討できるようになるという点などから,児童相談所への保健師専門職の配置は望ましいものと考えております。  現在,保健センターの保健師は,児童虐待の予防について,地域の中で重要な役割を担っていただいております。また,児童虐待ケースにつきましても,一緒に同行訪問をするなど,連携をとって再発防止に当たっております。  したがいまして,保健師につきましては,現在,保健センターとの連携の中で対応しておりますので,当所といたしましては,国の基準に比べて不足している児童福祉司の増員をまず優先させてまいりたいというふうに考えております。 ◆宮村素子 委員  ただいまのご答弁で,大変に児相においての件数が多い,それに対して虐待を受けた子供,さらに親,家族の再統合に関して努力しているその状況が理解できるわけですが,ここでちょっともう一度確認しながら質問したいと思います。  まず,1点目ですけれども,虐待として認定した件数が226,相談総件数が372ということですので,その中で,虐待226件中2年が54件,3年にわたるのが10件,合計64件,3分の1ぐらいでしょうか,継続しているという,こういった場合は,やはりこれは困難な事例といいますか,大変に難しい事例というふうに判断していいのか,伺います。  それから,こうした場合,児童の処遇というのはどうなるのか。施設に入るようになるのかどうか,ちょっと伺いたいと思います。  それから,総数から虐待を引いた残り,146件になりますが,この方たちは幸いにも虐待ではなかったということで安心するわけですが,しかし,この中では要注意だとか,それから要観察の方もいるかと思います。いわゆるグレーゾーンというケースがあるかと思いますが,こうしたケースのフォローはどういうふうにしているのか,伺いたいと思います。  また,施設における,新聞報道にあったようなことがあってはならないという認識は私も一致しているわけですけれども,施設におけます心のケアについても心理職が配置されて,または配置されていなくても児相との連携でちゃんとやっていますよということでしたが,継続的にずっとケアをしていく必要があると思いますが,その責任は主として施設なのでしょうか,児相なのでしょうか,ちょっと伺いたいと思います。  さらに,この施設に関しましては,札幌市は監査もしているかと思いますが,どんなことを監査しているのか。処遇状況が監査されているのではないかと思うわけですが,監査の状況を伺いたいと思います。また,保健師の配置につきましては,ことしは児童福祉司が1名増員なるということですが,しかしまだ不足していると。ですから保健師ではなくて福祉司をという,その考え方も当然あろうかと思います。  しかし,私,先ほど言いましたように,区の保健師と連携をとるというのは,対応がやっぱり後手になっているのですね,現実的には。ですから,やはりその1名増員ができれば保健師を配置してほしいと私は思うところでございますが,もう一度いかがかお伺いいたします。 ◎大沼 児童相談所担当部長  1点目の困難事例かどうかということですが,困難事例かというふうに認識しております。それからその後,そういう子供たちにどういう処遇をするのかということでございますが,場合によっては一時保護をし,あるいは行動観察をし,あるいは家庭に一時的に帰して様子を見るなどいたしまして,心理判定員,一時保護所,あるいは児童ケースワーカー等々,その時々の状況を検討いたしまして,親子分離を図るべきなのか,あるいは在宅でやっていけるのか,地域あるいは区との連携も考えながら,その辺の処遇を探っているところでございます。  次に,146件の虐待グレーゾーンに対するフォローでございますけれども,これもその事例にかかわりのある関係機関,関係者との連携をとりながら地域での見守り,あるいは相談所の方に通ってきていただくなどしながら,そういった対応をとりながら見守ってフォローをしていくところでございます。
     それから,4点目の施設の中の心理のケアでございますが,施設長が看護者として責任を持っておりますけれども,児相も措置した責任はございます。 ◎伊藤 監査指導室長  ただいま児童養護施設に対します監査の状況についてのご質問がありましたので,お答えをさせていただきます。  児童養護施設に対します監査につきましては,関係法令通知,さらに本市の監査要綱というのがございますが,この要綱に基づきまして,私ども監査指導室の職員,さらには施設を所管します担当課職員並びに保健所の管理栄養士を含めまして,チームを組んで実地指導を行っているという状況がございます。  監査の主な内容につきましては,法人の運営内容,施設経理の内容,職員への処遇,利用者への処遇,防災,給食等につきまして,法令や基準に照らしまして適正に処理されているか否かを監査している状況でございます。特に,利用者処遇につきましては,児童の意見表明の機会をきちんと確保されているかどうか,苦情処理の体制がきちんと整備されているかどうか,そんなこと等を含めまして,きちんと指導監査の重点の内容がございますので,その対応の中で実施をしております。  今年度につきましては,昨年の7月に市内の児童養護施設5施設に対しまして監査を実施しておりますが,体罰だとか虐待等を含めまして,利用者処遇についての指導事例というのはございませんでした。 ◎大沼 児童相談所担当部長  一つ忘れました。申しわけございません。  最後の専門職の配置についてでございますけれども,保健師の配置につきましては,児童相談所の強化充実を図るための一つの方策として,今後研究してまいりたいと考えております。 ◆宮村素子 委員  保健師の配置については研究ということですから,これはもう可能性がないのかというふうに判断するのですが,ただ,国の方向性というのは私は正しいと思いますし,私が一番言いたいのは,虐待を繰り返し起こしていくことのないように親を指導するというのは,それは絶対なのですが,この虐待を受けている子供,先ほど言いましたように,世代間連鎖というようなことにならないために,私たち大人が子供を支えていかなければならない責任が絶対あるわけです。そのときに,先ほど言いました保健師の機能というのは大変に大事で,例えば,処遇をどうする,だれが,どういうときに,どういったかかわりをすることがこの子にとっていいのかということを判断するときに,私は児相の中での事例検討会の中で,保健師の視点というのは絶対有効に機能すると思うわけでございます。ですから,それにつきまして,それは予防的にかかわるという観点からも,今に対処することが次の世代にかかわるのだということ,そのことを考えますと,保健師の配置は絶対必要だと思っておりますので,ぜひともこれは助役にご意見を伺いたいなと思います。  それと,施設におきます心のケアにつきましては,今,監査の結果としまして処遇状況,子供が意見を表明する方法がその中でとれられているかどうかも監査していると,そういったことでございます。しかし,児童養護施設,いろいろな背景を持ったお子さんたちが集まっております。この方たちが自分の処遇について,また,自分の心の悩み,それから受けた心の痛手について,なかなか施設の人たちに心を開いて話していくということが,そんなにないのではないかというふうに私は思うのです。なかなか子供にとってそれは得手ではないというふうに思うわけです。ですから,この子供たちをいかに温かくケアをして,そして心の傷を最小限に抑えるかという,私たち札幌市の責任を考えますときに,これは監査のあり方といいますか,もっと一人一人のケアが適切かどうかという,そうした,例えば,第三者評価みたいな方法が可能かどうか,第三者評価というのは,いろいろな分野で私はこれから大事な役割だというふうに思っていますが,こういった施設でも,こういった評価というのが有効だと思うのですが,それは宮田局長に有効だと思うかどうか伺いたいのと,それから,こういった方法が施設では可能かどうか,そのこともお伺いしたいと思います。 ◎小澤 助役  保健師の配置の件でございますが,宮村委員,保健師さんの役割の重大さ,力説されまして,私も本当にそのとおりだというふうによく理解をしたところでございます。ただ,札幌市の場合はそういう現状にありませんけれども,今,委員ご指摘のことにつきましては十分配慮しながら,ほかの指定都市の状況等も踏まえて十分検討させていただきたい。  いずれにしても,虐待問題というのは私ども本当に大変な問題だと思っておりますし,将来を担う子供を健やかに育てていってほしいという思いがありますので,いろいろ検討させていただきたいと思います。 ◎宮田 保健福祉局長  先日のマスコミ等々で報道されたような事例に対して,もっと透明性を持った,あるいは客観性を持った判断,あるいは情報公開等々の中で,より適切な判断を下されると。それには,恐らく子供さんを預けておられる親御さんが施設に対して持たれる不信だと思うのですけれども,これに対して第三者的な評価をするようなものを設けるべきでないかというようなご質問かと思います。これに関しては,やはりそれぞれの施設において相談,あるいは意見を言う意見箱とかなんかを設置しておりますし,その方を担当する係を置く,そしてそれを施設の中で検討する検討会とか,そういうのを設けております。しかしながら,どちらかというとそれは身内ばかりでございますので,そこに早いうちにそういう素朴な疑問なり苦情というのが挙げやすいようなシステムをつくることはもちろんですけれども,その後,その評価,あるいは指導をしていく者が自己規制,あるいは自分たちが反省して改めるということもありますけれども,やはり外から見た目で,いわゆる第三者的なところで指導していくということが必要かと思います。  それと,つけ加えさせていただきますと,先ほど伊藤室長がお答えした,我々が行っております指導監査,これには限界がございます。そういう意味で何らかの,我々の監査とそれから施設における相談なり苦情,訴え,その間をうまくつなぐような第三者的な機関なり,指導機関というのが必要かと私は思います。 ◆宮村素子 委員  助役の方からこれは必要だというふうにお考えいただいたのだと思っておりますが,伊与部委員がよく言います必要なところに必要な手当てをといいますか,必要なところに必要な人を,そういうふうにいつも伊与部委員が言っておりますように,私もそれに共感しておりますので,ぜひとも必要なところに必要な職種の配置もこれから本当に検討していただきたいと思っております。  さらに,宮田局長の方から,やはり透明性が必要だと。私は,これは措置費で行われている施設でございますので,運営上の透明性,それはもちろんですけれども,特に,児童養護施設は子供たちの処遇が本当に,ちゃんと食べれているか生活できているかだけではないのです。心のケアが本当にできているかどうか。それが最も大事な視点でございますので,ぜひ次回の監査のときには,そういった視点もきちっととらえてくるように要望したいと思いますし,できたら第三者を入れて検討していくということも,早期に検討を立ち上げていただきたいと思います。それを要望して終わります。 ○本郷俊史 委員長  ここでおおよそ1時間委員会を休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午前11時56分       再 開 午後1時       ────────────── ○本郷俊史 委員長  委員会を再開します。  休憩前に引き続き,質疑を行います。 ◆藤原廣昭 委員  私は,児童福祉司,虐待の関係,そしてまた,精神科や里親制度などについて,順番に質問をしていきたいと思います。  私も,昨年の決算特別委員会におきまして,この問題を取り上げてまいりました。先ほど来も児童福祉司の質疑はありましたけれども,国の基準25名に対して,新年度の増員分も含めて22名ということで,国の基準にまだ3名の乖離があり,きょうの新聞にも,都道府県や政令市を含めて27自治体については国の基準を満たしているが,それ以外については低い状況になっているというようなことの報道がされていたわけであります。  これは財政部や職員部が判断をしていくことでもありますけれども,児童福祉司についてのこうした取り組みというものを今後ともしっかりしていかなければいけませんし,今の札幌市の人口でいく25人というのは最低の基準だというふうに思います。先ほども多少質問があって,重複するのかもしれませんけれども,この決定につきましては一層の努力をするように求めておきたいというふうに考えております。  その中で,私は,精神科医の常勤配置について,昨年の決算特別委員会の中で質問をしました。部長からは,検討していきたいという答弁があったわけでありますけれども,どのように検討されて,見通しについては現時点でどのようなことが言えるのか,まず1点目にお伺いをいたします。  それから,2点目については,児童虐待対応担当課ができましたけれども,この中で,資料として一番そちらが公表できる,虐待の通報における状況というものも改めて確認をしたいというふうに思いますので,2点目として質問をいたします。  それから,3点目ですが,札幌市においても里親制度が実施されているわけであります。  2002年10月に里親制度の一部が改正されて,専門里親制度,特にこの専門里親制度は,虐待を受けた子供たちを中心にし,2年間に限って子供に家庭的な生活をしてもらい,そうした心身のケアをしていただくというような状況になっているわけであります。  まず,この里親の現状がどうなっているのかということと,あわせて里親のカウンセリングというのを私は実施すべきだと思うのですけれども,あるいは今もそれに近いことをやっているのかもしれませんが,里親のカウンセリングを取り入れていく,このことについて質問をいたします。  それから,里親が里子として預かっている子供さんですね,やはり年齢的な成長,例えば,小学校に入学,あるいは中学,高校に入学というような状況の中で,育児相談というか,そうしたものもしっかりできるような仕組みをつくっていくべきだというように考えておりますけれども,この辺について,いわゆる里親と里子のサポート体制はどうなっているのか,まず最初にお尋ねをしたいと思います。 ◎大沼 児童相談所担当部長  まず,初めに,精神科医の常勤化のことについて,お答えいたします。  昨年もお話をいたしましたとおり,複雑多様化する児童問題に適切に対応するための医学的診断及び指導体制の一層の充実のため,精神科医の配置につきましては,関係機関との調整を行ってまいりたいというふうに考えております。  次に,児童虐待対応担当課の取り組みについてでございますが,平成14年度に設置いたしました児童虐待対応担当課では,主に虐待の通報,通告の実態調査を行っております。この実態調査は,基本的に2人体制で家庭訪問を行いまして,児童本人とその保護者に面接をしております。また,状況によりましては,生活保護のケースワーカーなど,その家庭とかかわりのある方々の同行を求めることもございます。札幌市では,これまで調査を拒否されたものはございません。  なお,平成14年度の虐待の受け付け件数は372件でございましたが,このうち,児童虐待対応担当課が実態調査を行いましたのは,保護者以外の方から通報,通告があった183件でございます。  この183件の実態調査の結果,虐待と認定したものは37件,虐待と認定しなかったものが132件,調査を行っても住所,氏名などが不明確で,確認できなかったものが10件,その他の解決方法が望ましいということで,家庭裁判所など他の機関に紹介したものが4件ございました。  また,調査の段階で,子供の安全を図る必要があると判断いたしまして,緊急に一時保護したものが8件,13名あり,このうち2件,4名は一時保護から施設措置となってございます。  次に,3点目の里親の現状と里親へのサポート体制でございます。  14年度末現在で里親登録件数は122組でございまして,35組の里親に44名の児童を委託いたしておりました。しかし,現時点で里親の登録件数は131組でございまして,43組の里親に56名の児童を委託いたしております。  里親へのサポート体制につきましては,子育てに悩みを持っている里親に対しまして,里親担当または子供を担当いたします児童福祉司が相談を受け,対応をしておりますとともに,里親に対する研修を行うなどいたしましてサポートしております。  また,里親会におきましても,子育てについて情報交換の場を設けるとともに,独自に研修を実施しているところでございます。 ◆藤原廣昭 委員  精神科医については,関係機関と今後さらに協議を積み重ねていくということでありますけれども,新年度からは保健福祉局と,いわゆる子ども未来局という組織・機構ができるわけであります。今は保健福祉局の大きなくくりの中での児童家庭部,そういう中での問題のとらまえ方や議論もされてきたと思うのですけれども,やはりこれからは子ども未来局に児童家庭部が位置づけられることになるわけでありますから,保健福祉局のそうした,極端にいえば兼務をするという形ではなくて,児童家庭部の中に精神科医を常勤として配置するべきだと。特に,現在も児童相談所には5名の精神科医が嘱託医としているわけでありますけれども,私は,昨年の質問でも,こうした5名の嘱託の精神科医をコーディネートして,それぞれの親や子供に対し適切な指導をしていくためには,常勤の精神科医がぜひ必要だと。  そんな意味では,今後,厳しい財政状況の中で,例えば,保健福祉局のどこかのセクションと子ども未来局の児相のそうしたところに兼務で置くというようなことの想定がされないわけではありませんので,やはりこれは,特に重要な,子供にかかわる親の問題でもありますので,ぜひ,子ども未来局に精神科医を配置できるように,強く求めておきたいというふうに考えております。  このような中で,先ほどのお話では183件の通報があって,虐待と認められたのはそのうちの37件だということであります。平成14年10月に専門里親制度ができたわけでありまして,札幌市においては,資料では2名というような形になっております。平成14年度1名と,それから15年度になって1名という状況であります。やはりいただいた資料などを見ても,専門里親制度をなかなか十分に活用していないのではないか。あるいは最近,多少ふえたのかもしれません。そういう状況の中で,こうした虐待の傾向が37件もありながら,専門里親制度が十分活用されていない,やはりしっかり活用していくべきだというふうに思うわけであります。平成14年から15年にかけて,そうした状況がありながらもなぜ活用しなかったのかを,再質問としてお伺いをしたいと思います。  それから,里親や里子のサポート体制については,研修体制や里親会というのがあって,いろいろな悩みの相談を受けているということでありますけれども,例えば,アメリカなどでは里親のカウンセリングというものを二,三カ月に1回,これをきちっと制度化しているわけです。里親会というのは余り他都市にはないのかもしれませんけれども,わかっている方から,もっとこういう形で頑張りなさいというような声をかけられているというか激励されて,逆にプレッシャーになって,違う専門家の方に,自分の本当の悩みというか,そういうようなものをきちっと訴えられないという,そうしたプレッシャーもあるのだと思うのです。ですから,里親会は里親会でそうしたいろいろな経験を教えていただくという意味では必要なのですけれども,私は,これから複雑多様化する子供たちの状況に,やはり医学的にも対応できるようなものを,きちっと制度としてつくり上げていくことが大事だと思うわけであります。この点について,再質問の2点目,伺います。  同時に,里子の育児相談であります。例えば,施設に入っている子供たちの場合には,臨床心理士とか,そうした方の配置が施設に義務づけられているわけです。先ほども申し上げましたように,里親の場合は,確かに児童相談所などに問い合わせをすればそういうことができるのかもしれません,現状でも。しかし,そうしたことが多くの里親さんに明らかになっていないのではないかと。同時に,そういうことができるのであれば,しっかりとそれを里親さんに伝えていく,オープンにしていく,あるいはもっと子供のそうした状態を見ていただけるような医師ですとか,心理士も含めたサポートというものをきちっと確立していくべきではないかと思いますけれども,改めてこの辺について質問をいたします。  とりあえず,大きくこの3点,再質問いたします。 ◎大沼 児童相談所担当部長  ただいまのご質問にまとめてお答えさせていただきます。  まず,専門里親制度の活用について,平成14年の秋からどうだったのかということでございますが,専門里親に委託する場合には,2年以内に家庭に復帰できそうな子供ということで,虐待のお子さんの場合は非常に難しい,困難な事例がございまして,そういったお子さんの状況,それから家庭の状況を検証しながらということになりますと,これからは少し調査研究していかなければいけないのではないかなということが1点ございます。  それから,もう1点は,里親さんが,当時お一人ということもありますし,今年度になりまして,既に3名の方が最近認定を受けられまして,現在は5名になっております。こういうところへ,こちらの方でもお願いできるようなお子さんを十分検討いたしまして,これからは徐々にふえつつあります専門里親さんに委託をお願いしていきたいなというふうに考えております。  ちなみに,全国の状況なのですけれども,平成15年12月現在でございますが,専門里親さんに委託されている子供は14名です。まだまだ数が少のうございます。  それからサポート体制,里子さんの育児相談等々をまとめてお話しいたしますけれども,里親さんの支援につきましては,大変大きな課題だというふうに私どもも認識しておりますが,児童福祉司が対応するばかりではなくて,必要に応じまして,当所の心理判定員あるいは医師の協力を得ながら支援,相談に当たっているというのが現状でございます。 ◆藤原廣昭 委員  専門里親は3名ふえて5名になったということでありますけれども,平成14年度でいいますと,札幌市では里親が122組登録されておりまして,委託をしている里親さんの数というのは35組,これは率に直しますと29.5%ということで,政令指定都市の中でもワースト5なのです。年度によって預ける子供さんの数も,里親さんの数も変わってきますから,一概には評価できませんけれども,平成14年の段階では,専門里親制度も含めて,養育里親や短期里親など,里親制度を活用している政令指定都市の平均は約33.6%です。札幌市の里親制度の活用状況というのは非常に低いと,私は思うわけであります。平成15年度になると多少人数も変わってきていますけれども,それでも試算では三十五,六%前後にしかならないと思うわけであります。  このような中で,なぜ里親制度の活用が伸びないのか。  児相の中でもそうした子供があらわれると,例えば,家庭に戻すべきか,あるい3号措置をすべきかという判定をして,その上に立って,今度は3号措置が必要だとなれば,里親に出すか施設に預けるかという判断をするのだと思うのです。ですけれども,いろいろなものを調べてみますと,例えば,こういう事例があります。青年の主張という大会が毎年ありまして,これは2001年だと思うのですけれども,総理大臣賞を受けた子供さんが児童養護施設に入っていたわけです。この子供さんは中学校3年生で,いろいろ主張をされて,これから頑張るのだというようなことで結んだのですけれども,最後に,お父さん,お母さん聞こえましたかと,自分の名前を言って締めくくったのです。また,こういう事例がある中でも,児童養護の専門雑誌では,最後の肝心な部分を割愛してしまったりするような状況もあるのです。やはりこういう子供さんは,いろいろ聞いてみますと,例えば,こういう養護施設などに15歳とか18歳までいまして,家庭の環境というか,そういうものが全くわからない中で社会に出ていく,あるいは自分がみずから親になっていくと,今度はどうやって子供に接していいのか,あるいは,すべての人ではないですけれども,社会的ないろいろなものが多少欠けているところで非常に苦労をしていると。そんな意味では,施設に入所している方みずからも,できればもっと里親を有効に活用してほしいと,そういうような声もたくさんあるわけです。  国のいろいろな規制緩和の中で,私の記憶が間違いなければ,2002年ぐらいに専門里親制度をする場合に,例えば,短期とか,1年以内とかありますけれども,いわゆる週末の里親ですね,土・日とか,あるいはもう少し幅を広げて金曜日から日曜日ぐらいまで,施設にいる子供さんを預かって,そして少しでも家庭的な雰囲気をと。特に,中学生や高校生ぐらいのとき,一身上の教育を受ける,就職をするというような段階では大変必要なことです。  すべてがすぐできるというわけではありませんけれども,そうした配慮を里親会にも求めていったり,あるいは里親制度そのものをもう少しいろいろなマスコミや市の広報誌も使って,多くの皆さんに協力や理解を呼びかけていく,そうした取り組みが必要でないかというふうに思うわけであります。この点についてどのように考えているのか,伺いたいと思います。 ◎大沼 児童相談所担当部長  ただいまのご質問でございますけれども,里親への委託につきましては,子供や保護者の状況及びその意向などを勘案しながら行っているところでございます。家庭的な環境の中で子供を養育するという里親制度は,特に乳幼児には大変有意義な制度でございますので,私どもといたしましても,この制度を積極的に活用してまいりたいと考えております。  また,週末里親についてでございますけれども,この活用についても,今後,研究してまいりたいというふうに考えております。 ◆藤原廣昭 委員  そういうことは大沼部長はよくおわかりだと思いますので,そうしたことが実現できるように,これから子ども未来局という新たに特化した局ができるわけでありますから,ぜひ前向きに検討していただきたいというふうに思うわけであります。  あとは,これを直接担当するのは障がい福祉部になるのですけれども,例えば,こうした子供がいろいろな意味で保護される場合に,健常児だけではなくて,知的障がい児も保護されることが結構多いのです。  私は,午前中の質問でも,障がい福祉部の方に知的障がい児の施設の必要性についてお尋ねいたしました。実際に,施設はつくっても子供を送り入れるのは,送り入れるといったら表現あれですけれども,それを判断するのは児童相談所なのですね。やはり施設をつくることは余り好ましくないのですけれども,札幌市全体を考えた場合にはそういう施設がまだちょっと足りないということなのです。やはり障がい福祉部としては,児相の判断を強く求めるというか,必要なのか必要でないのかということが,やはり参考資料というか判断材料としては非常に大きなウエートを占めるわけなのです。  それで,大沼部長には,特に女性という視点も含めて,このことについてどのように考えているのか,お伺いをしたいと思うわけであります。 ◎大沼 児童相談所担当部長  ただいまのどういうふうに考えているのかというご質問でございますけれども,確かに,現在の施設の配置は,地域的なバランスがとれていないということは認識してございます。  ただ,現在,定員に空きのある状況でございまして,措置には特段支障は生じていないという状況にあろうかと思います。 ◆藤原廣昭 委員  障がい福祉部も同じような答弁をされていたわけでありますけれども,やはり数だけあればいいというのではなくて,もっと施設として使い勝手のいいものに変えていかなければいけないと思うのです。ですから,そういう視点をもう少し持っていらっしゃるでしょうし,いろいろお立場もあるとは思いますけれども,ぜひそういうことについても,今度は局が分かれてしまいますが,関連性は十分にありますので,その必要性や重要性についての認識をさらに持っていただきたいというふうに思うわけであります。  特に,札幌市の状況を見ますと,施設で措置している子供というのは非常に多いわけであります。これは平成15年4月からことしの3月1日ころまでの調査でありますけれども,市内の養護施設に58名,市外の養護施設に56名,乳児院に16名,そして里親には48名となっているわけであります。先ほど言ったように,確かに市内でのそうした養護施設というのは限られているわけでありますけれども,やはり親が身近なところにいることとか,あるいは週末里親を十分に活用するためにも,市外の養護施設について,これ以上そういうことを特化していけば,これから少しずつ変えていくということが不可能になるわけでありまして,そちらが養護施設を重視しているというわけではありませんけれども,ぜひとももう少し里親制度を有効活用していく,そういうようなことを強く求めて,私の質問を終わります。 ◆芦原進 委員  私からは,支援費制度におけるガイドヘルパー利用拡大について質問をいたします。  障がいの有無にかかわらず,子供は未来の宝であると,私はいつもこう思っております。  実は私の友人に,障がいを抱えたお子さんをお持ちの方がいらっしゃいます。生まれたときは仮死状態でした。それに起因して身体に障がいが生じ,医者からは恐らく生涯寝たきりになるであろうと,このように言われた子供さんでしたが,両親のしっかりしたケアで少しずつ,はいながら立ち上がり,1歩2歩と歩けるようになりました。そして,今年小学3年生になると思います。私は,たまにしか会いませんが,会うたびに感動いたします。薄紙を剥ぐように,少しずつですけれどもよくなっているのです。その姿を見るときに私は本当に感動します。また,大きな勇気をいただきます。頑張っているな,すごいなと,こういう思いがふつふつとわいてきます。  そういう意味で,今回の平成16年度の予算に盛り込まれた,今まで15歳から17歳までだったガイドヘルパーの利用対象が,小学1年生から17歳までと大幅に拡大されると,こういう案になっており,障がいを持つ方がいる家族にとっては,100%とは言えないかもしれませんが,私は大きな前進だと思います。  だれも障がいを持ちたくて生まれてくるわけではありません。私たちが障がいを持った人たちと同じような思いに立って,また,手を添え,差し伸べることで,障がいを持った方が障がいに挑戦し,それを乗り越えることができるということを,私は友人を通して教えていただきました。  その友人に話をしました。今回,こういうふうに,小学1年生から17歳まで延びる予定だよと話をしましたら,非常に喜んでおりました。なぜなら,これまで以上に子供がもっと可能性を秘めて,社会参加ができるじゃないか,社会参加に挑戦できるという喜び。それから,365日ずっと子供さんにくっついているわけです。学校へ行くときもそうですが緊急の場合,やはりどうしても子供を預けたりすることができなくて対応できない。そういう意味で,今回,ぜひ実現していただきたいという,こういう声があります。  そういう意味で,今回,私は介護する側の立場に立って,2点ほどお聞きしたいと思います。  1点目は,利用者の人数,現在どのぐらいの人数がおられるのか。また,年齢要件を拡大することによって,どれぐらいの人数が見込まれるのか。  2点目,本市の移動介護の指定業者があると思います。これは現状どのぐらいあるのか。枠を拡大することによって,どれぐらいふえる見込みなのか。  この2点についてお伺いしたいと思います。 ◎岡田 障害福祉担当部長  1点目の年齢拡大に伴う利用人数の増加見込みについてでございますけれども,15歳から17歳までの児童の利用状況は,平成15年9月現在で162人というふうになっております。年齢要件を小学生以上に拡大した場合におきましても,おおむねこれと同人数の新規利用を想定しておりまして,児童全体で320人程度の利用を見込んでおります。  2点目の指定事業者数についてでございますけれども,児童の移動介護を行う事業者として,平成16年3月1日現在,81の事業者を指定してございます。今後も,指定事業者の増加が見込まれますことから,新規利用者へのサービスの提供につきまして,対応は十分可能というふうに考えております。 ◆芦原進 委員  利用者が162人から約320人と,倍の方が活用できるということで,非常にありがたいなと思いますし,また,事業者数は現在81ですが,これから十分対応できるというお話です。その辺は今後やってみないとわからない面もあると思いますので,どうかしっかりお願いしたいと思います。  障がいのある子供たちというのは家に閉じこもりがちで,外に出るときは,やはり両親とか家族がついていかないとなかなかだめだったのが,他人であるガイドヘルパーさんと一緒に外出するということになると,さっき言ったみたいに社会参加がふえてくるということであります。  そこで,若干視点を変えまして,介護を受ける側に立って2点質問したいと思います。  まず,1点目は,ガイドヘルパーの利用者を小学1年生まで拡大した場合,どのような利用方法があるかということであります。個々にいろいろなものがあると思いますが,それを聞かせていただきたい。  2点目は,やっぱり大人と違いまして,障がいを持つ多感な子供たちでありますので,ガイドヘルパーさんと一緒に外出することになりますと,やはり,何というのでしょうか,ガイドヘルパーさんの物の見方,考え方,そのときの精神状態等々が言葉となり,また,行動につながってくると思うのです。そういう意味で,非常に難しくて大切な役割を担っていただくことになると思うのですが,決して心に傷を負わせてはならない,これは大事なことであるし,逆に暖かさと希望を与えるようなガイドヘルプをしていただきたいと思うのです。  そこで,ガイドヘルパーの技術,安全・安心してできるように,どのような配慮をしていただけるのか。また,指定事業者ありますが,このガイドヘルパーの質の向上をどのように進めていただけるのか,これについて質問をいたしたいと思います。 ◎岡田 障害福祉担当部長  1点目の児童の利用方法についてでございますが,利用対象となる視覚障がい,全身性障がい,そして知的障がいの児童,それぞれで異なるというふうに考えておりますけれども,特に多くの利用が見込まれる知的障がいの子供たちの場合は,体育館ですとかプールなどの体育施設,あるいは動・植物園といった行楽施設への移動のほか,保護者の方が急に病気になった,そういった場合の通学ですとか通院等での介護が考えられます。  2点目の指定業者の指導についてでございますけれども,障がいのある子供に対する移動の介護については,先生がおっしゃったように,何よりもやはり安全性に十分な配慮が必要でございます。また,実際に携わるヘルパーの技術や子供に対するきめ細かな対応,そしてまた,信頼関係,そういったものが非常に大切であります。  したがいまして,視覚や全身性など障がいの特性に応じた移動介護従業者養成研修の実施を初め,事業者に対する説明会,あるいはあらゆる指導の機会を通じまして,ヘルパーの資質向上に十分努めてまいりたいというふうに思っております。 ◆芦原進 委員  質問ではありませんけれども,今回,事業者に対して,不適格という言い方はおかしいですが,やはりいろいろな問題を起こした事業者に対しては,今回取り上げておりませんが,今後これが進んで,拡大すればするほどいろいろな問題が発生してくると思うのです。そのときに,事業者に対してどういうふうな取り組みをしているのか,次回はぜひ事業者に対する質問をしていきたいと思います。今回は取り上げません。  そういう意味で,どうか障がいを抱えた家族の立場に立って,思いを共有してしっかり対応をしていただきたい。絵にかいたもちでなくて,義務的でもなく,事務的でもなく,血の通った温かい支援事業へと,質の向上を強く要望いたしまして,質問を終わります。 ◆伊藤理智子 委員  私から,保育所の問題と学童保育について質問します。  まず,保育所の待機児童の問題です。  待機児童解消については深刻な問題です。上田市長の公約では,重大政策として3カ年計画で待機児童を解消するということです。  質問の1点目として,現段階では待機児童を見込んで整備しても,近くに保育所ができたなら,子供を預けて働きに出ようと新たな要員が発生し,待機児童の解消を実現するのが難しい状況となってくるように思われますが,この点についてどう考えるのか,伺います。  質問の2点目は,札幌市の要保育率が17%弱ということで,他都市と比べてもこの数字は低いそうですが,要保育率の内容はどういうものなのか,伺います。  次に,保育所の補助金削減についてですが,地方自治法では,地方公共団体は住民の福祉の増進を図ることを基本にするという位置づけをしています。財政が厳しいといって,今,少子化が進んでいる中,最重点課題として保育所問題を考えているときに,補助金の削減は行うべきではないと考えます。今回出されている2億円の削減のうち,1億50万円が保育所の補助金削減となっていますが,その内訳について伺います。  次に,学童保育について質問いたします。  昨年の第2回定例市議会の代表質問で,日本共産党は,学童保育の障がい児加算について6年生までを対象とするべきであるという質問を行いました。今年度から学童保育所での障がい児受け入れ対象学年を6年生まで,児童会館や学校方式の学童クラブでの受け入れも5年生まで拡大されることになりました。障がいを持つ子供たちが集団の中で刺激を受けて育つことで,親も子供も成長することができ,発達を促す上でもこうした助成が拡大されることは本当に重要なことだと考えます。  障がい児対策が進む中で,国においても2001年度に障害児受け入れ促進施行事業が創設され,助成制度の加算項目として障がい児加算が加えられました。札幌市としては,国のこうした事業に先駆けて障がい児加算を行ってきていますが,2003年度には,国の助成制度の基準金額はそのままに,従来の4人以上から2人以上に変更されました。このことによって,札幌市の助成額が国の基準を下回ることになりますが,この点について,今後,札幌市としてはどうなさるおつもりか,伺います。 ◎福島 児童家庭部長  まず,1点目の待機児童対策で,施設整備を行ったとしても,新しい需要が生まれる,このあたりをどう考えているのかということでございます。
     確かに,平成14年度におきまして750名の定員枠の拡大を図らせていただきましたが,15年4月1日段階で,なお184名の待機児童が発生したということでございました。そういう意味ではご指摘のとおりの現象が起きております。  私どもは,これからも待機児童解消のため,できるだけ多くの定員枠の拡大に努めていきたいと思っております。  それから,2点目の要保育率のことでございますけれども,この要保育率につきましては,保育所に入所している児童数と待機児童数を合計した,いわゆる要保育児童数と就学前の児童数全体,これの対比でございまして,就学前の全児童数に占める要保育児童数の割合,これを要保育率というふうに私ども呼んでおります。保育所整備を進めるに当たっての一つの指標としてこれを使ってございます。  本市における要保育率は年々増加をしておりまして,平成15年4月現在では17%となってございます。ただ,政令指定都市の平均,平成14年度現在は22%になっておりますので,これからも当分の間,本市の要保育児童数の増加傾向というのは続いていくのかなというふうに見てございます。  それから,3点目の補助金の問題でございます。  平成16年度予算編成におきましては,札幌市がこれまで単独で上乗せをしてきました補助金について,一部見直しを行ったところでございます。まず,延長保育事業に対します単独上乗せ補助についてでございますけれども,例えば,午後7時までの1時間延長を行っております保育園で,6時以降に在園している児童数が10名ですと,1園当たり年間約652万7,000円が補助金として交付されていたところでありますが,国の基準は599万円となっており,札幌市が53万7,000円を単独で上乗せしていたものでございます。見直しはこの上乗せ分を平成16年度と17年度の2カ年で廃止するものでございまして,見直し額は単年度で1園平均28万7,000円の減少ということになります。  それから,一時保育事業に対する単独上乗せでございますが,1人の児童を1日預かると1件当たり2,600円が補助金として交付されていたところでございますけれども,国の基準は1,800円となっており,1件当たり800円を上乗せしていたところであります。見直しはこれを延長保育事業と同様に2カ年で廃止するもので,平均いたしますと1園当たり22万9,000円の減少ということになります。  それから,運営費等に対する補助金につきましては,従来から各施設の累積繰越金率に着目をいたしまして,これに応じて減額規定を設けておりましたが,この区分を変更いたしまして,従来よりも低い累積繰越金率の施設においても減額対象とさせていただくことにしたものでございます。これによりまして,1園当たり411万7,000円の減少ということになります。  これが補助金見直しの内容でございます。  それから,4点目の学童保育に対する障がい児加算の問題ですが,障がいのあるお子さんへの助成金加算につきましては,札幌市は国の助成制度に先駆けて導入いたしまして,常に国をリードする独自事業として障がいのある児童の育成に寄与してきたものというふうに考えております。確かに,ご指摘にございましたとおり,平成15年度におきましては,国の基準変更が急にございまして,札幌市の助成基準が初めて国の助成基準を下回るという結果になったことは確かでございます。これを受けまして,厳しい財政状況の中ではございますけれども,助成金の拡大を進めることは非常に難しいところではありますが,新年度におきまして,国の助成基準に準じた形で,障がい児2人以上から68万9,000円の助成金加算を行いたいと考えてございます。 ◆伊藤理智子 委員  待機児童の解消については,今後も整備に努力していくというご答弁だったというふうに思いますけれども,今後も整備に努力していくということにとどまらず,保育要求についての具体的な調査を行うべきと考えます。また,要保育率についてのご答弁では,保育所通園数と待機児童数を合わせた要保育児童数を,就学前児童数で割るという割合のことだというふうにお話がありましたけれども,この数だけで要保育児童数とするのでは,待機児童の全面解消にはいつまでも近づかないというふうに考えます。  この不況の中,働く場所があったら働きたいという要求も多くなってきているので,アンケート調査などを行い,市民の保育要求について具体的に把握し,そして対策を講じるべきだというふうに考えますし,それをもとに計画的に待機児童の解消に向けた取り組みを行うべきだと思いますけれども,保育要求についての具体的な調査を行ったことがあるのかどうか,伺います。  次に,補助金削減についての再質問ですが,補助金が出ていても,超過入所の問題,長時間保育や一時保育など,今,削減がされていない状況でも現場では本当に大変な苦労をされている。こうした中で,子供たちの健やかな成長を保障するために,子供たちに負担がかからないように朝夕の体制も保育士が手薄にならないような努力など,各保育所で持ち出ししながら頑張っている実情をわかった上での補助金削減とは思えないのですけれどもどうなのか。そして,現場の苦労を認識していると言うのなら,全庁挙げて2億円削減を検討するときに,保健福祉局としてどのような努力をされてこの結果となったのか,伺います。  次に,学童保育の再質問です。  国にあわせて68万9,000円の助成加算を行うということですので,これについては重要なことだというふうに受けとめます。札幌市が今まで国に先駆けて取り組んできたこの障がい児加算を,今後,1施設1人から行うべきと考えますがいかがか,このことについても伺います。 ◎福島 児童家庭部長  まず,保育事業について,いわば潜在的な需要もきちんと押さえるような取り組みをしているかということかと存じますが,今後の保育所の施設整備を進めるに当たりまして,潜在的な保育ニーズをどのようにとらえて反映していくかは確かに重要なことかと存じております。  本市では,現在,次世代育成支援対策推進法に基づきます札幌市の行動計画を策定中でございまして,その整備目標の設定に当たりましては,ニーズ調査に基づいて設定することといたしてございます。このニーズ調査は,昨年10月に就学前児童の保護者1万人と,小学校1年生から3年生までの児童の保護者5,000人を対象に実施をいたしまして,4割を超える方々から回答をいただいたところでございます。  このうち,小学校入学前のお子さんがいるご家庭に対しまして,保育サービスなどの利用で,子供を預けたいという場合のその理由,あるいは週に希望する日数はどのぐらいかといった点,それから希望する時間帯ですとか,保育サービスの種類等々についてアンケートをとらせていただいたところでございます。  現在,このニーズ調査の分析をしているところでございまして,今後はこの調査の結果に基づき,待機児童解消に向けた施設整備に当たっていきたいというふうに考えてございます。  それから,私ども,確かに保育現場における園長さん以下,スタッフの方々のご苦労は承知をしているつもりでございます。こんな中での補助金削減ということで,大変申しわけないなというふうに思ってございます。  札幌市といたしましては,待機児童解消のため積極的な施設整備を進めてきておりますが,そんな中で,延長保育ですとか一時保育のニーズが非常に高いということから,新規の施設,あるいは今まで未実施の既存の施設にもこの延長保育,一時保育に取り組んでいただいて,より多くの市民の方々のニーズにこたえることが必要というふうに考えてございます。  16年度の予算編成方針では,ゼロシーリングといった枠が,私ども保健福祉局に対してございました。それから事務事業総点検の中での視点の一つといたしまして,国の制度等に基づいてサービス水準が示されているものは,原則として国基準との整合を図るという視点を踏まえる必要がございました。こういった中で,事前に市内の各保育園さんの意向を調査いたしましたところ,延長保育では13施設,それから一時保育では9施設から新規に取り組みたいという希望をお示しいただいたところでございます。  従来は予算の制約がございまして,新規に実施を希望する保育園さんのすべてに補助を拡大することが困難でしたけれども,この16年度におきましては,希望するすべての園に拡大できるように種々検討した結果が,いわば補助単価の見直しに至ったというところでございます。  大変厳しいお願いということは認識しておりますが,そういった市民の広いニーズに総体としてこたえていくためのやむを得ない措置ということでご理解をいただきたいというふうに考えてございます。  それから,学童保育における障がい児加算の件でございますが,1人からの障がい児加算の導入ということでございますけれども,国の動向ですとか社会情勢に,今後,十分注意を払いながら,将来的な課題として検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆伊藤理智子 委員  待機児童については,保育要求についての調査を行っているということですので,待機児童や超過入所を解消する上でも,今後,こうした調査を生かしていくことが必要になっていくと考えます。保育要求が市民の中にどれくらいあるかについて,札幌市としてしっかり把握し,安心して保育が受けられるように,待機児童解消のための整備を引き続き行っていくよう強く求めておきます。  補助金削減については,昨年の12月,国では公立保育所の国庫負担金について一般財源化する方針が決められ,今国会で法案が通されようとしています。一般財源化されれば,公立保育所だけでなく,民間保育所の補助金もカットされるということが言われていますが,今回の札幌市の保育所補助費削減はその先を行くように思えます。これについては撤回するべきと考えます。  また,延長保育や一時保育など,いろいろサービスの拡大をしていくということで,今ご答弁がありましたように,保育園での希望をするサービスの拡大ということは本当に大切なことだと思いますけれども,そのサービスの枠を広げていくということと,また,補助金を削減していくということになりますと,量を広げても質が低下してしまうことになると思うのです。本当の意味で,子供たちの心と体を健やかに育てるためには,年齢に合った保育所を配置し,きめ細かい働きかけをしていくことが重要です。  子供たちは物ではありません。私たち社会にとっての希望です。補助金を削ってサービスを広げても適正な保育士の配置ができず,安全の面でも問題が出てくると考えますが,補助金削減はやめて,保育実態にあった援助をさらに充実させるべきではないでしょうか,もう一度ご答弁をお願いします。  学童についてですが,1人からの障がい児加算を行うべきという点では,今後,検討するとの答弁ですが,障がいのあると思われる児童の受け入れ状況は,1996年のときに,学童保育所,児童クラブ,学校施設方式の合計で26カ所,35人だったのが,2003年度には72カ所,164人と5倍近くふえています。さらに,障がい児の受け入れを行いやすい環境にしていくべきと考えます。  私は,学童保育所の皆さんと懇談をして,たくさんの切実な要求があることも伺っております。こうしたことからも,1施設1人からの障がい児加算を今後の検討課題として考えていただくことと,学童保育の施策についても,さらにしっかりと取り組んでいただくことを強く求めておきます。 ◎福島 児童家庭部長  先ほどご答弁申し上げましたとおり,延長保育事業の見直し影響額は,1施設当たり単年度で28万7,000円,それから一時保育の見直し影響額は,1施設当たり単年度で22万9,000円となってございますが,このことによります保育所運営,特に児童処遇といった方面に与える影響は,いわば最小限の範囲にとどまるものというふうに私ども理解をしております。確かに各保育園さんには大変ご苦労をおかけすることになるとは思いますけれども,先ほど申し上げました新規の施設においても,延長保育ですとか一時保育などのサービスが提供できるように見直しをさせていただいたところでございますので,ご理解を賜りたいと存じます。 ◆伊藤理智子 委員  保育所問題を少子化対策の最重点課題と位置づけていても,補助金削減を中止しなければ,本当の意味での少子化対策を進めていくことにはならないと考えます。  この問題については,保育関係者や市民からも,2月19日に行われた厚生委員会で7万筆を超える署名が寄せられています。昨日は,保育所の補助金を削減しないでという内容で,上田市長との懇談を要望する署名が,2週間という短期間で6,633筆寄せられたそうです。  こうした切実な声をしっかりと受けとめていくべきであり,財政の厳しさについては,国から地方への借金のつけ回しに対して強く抗議し,地方への負担押しつけを撤回させるよう,札幌市として国に取り組むべきであって,福祉切り捨ての補助金削減は撤回するべきであるということを再度強く求め,私の質問を終わらせていただきます。 ◆田中昭男 委員  私の方からは,先ほど来児童虐待の問題が出ておりますが,重複を避けて1点だけ,児童福祉司の配置人数,この問題に限ってお伺いをしたいというふうに思います。  整理をいたしますと,こういうことになるだろうというふうに思いますが,地方交付税の算定基礎としての各自治体の人口に応じた児童相談所における児童福祉司さんの数としては,ここ数年来,国はこの基準を大幅に引き上げてきております。札幌市レベルでいきますと,平成11年度は17人でよかったのですが,以降,12年度が18人,13年度が20人,14年度が23人,そして15年度が25人というふうに,ある意味では国レベルにおいても,児童虐待に対するこうした側面からの取り組みを強めてきていると。さらに言えば,先ほど来お話がございましたように,警察力も使えるような形にしようという動きも今出てきているわけでございます。  札幌市がこの国の基準に対していかなる対応をしてきたかということになると,常にマイナスです。平成11年度は1人,12年度は2人,13年度は3人,14年度が3人,15年度が4人未達ということがあって,16年度は先ほどの話で22人に1人ふやしますということでございますが,1人でいいのかと聞いたら,児童相談所としてはせめて2人増員してくださいということでお願いしたのだけれども1人に削られましたと,こういうふうな形になっているわけでございます。  全国的に見てどうなのだということなどがさっきもちらっとありました。新聞にも出ていましたが,都道府県は別といたしまして,政令市はどうなっているかということで,ちょっと資料をもらって勉強させてもらいましたが,国の基準より上回る数字で配置されている政令市が相当ございます。  仙台はプラス3人,川崎が7人,名古屋は3人,京都に至っては11人,大阪は何と15人,神戸が6人,福岡が1人と,こういう数字になっておりまして,国の基準以上に児童福祉司を配置している政令市も結構あると。関西方面が多いのはいろいろ想像できる部分もありますが,未達のところもあるということでございます。どこだということになると横浜が2人,広島が1人,そして,北九州が3人ということでございますから,15年度に限っていうと,札幌のマイナス4というのは,この数字だけから言うと全国で最低というふうに言わざるを得ないと。逆に言いかえれば,児童福祉司の配置の数だけについて言えば,札幌は全国で一番不熱心な市というふうに言わざるを得ないという数字になっているわけでございます。  それはまあ,いろいろな言い方があって,児童虐待の相談件数が必ずしも多くないとか,あるいはまた,保健センターさんがいろいろ頑張って努力してくれているとか,そういう言い方はあるにしても,数字だけで言うとそういうことになるということです。そういう意味では,こんなことでいいのですかという質問をせざるを得ない。そういうことになって,先ほど来の質疑になっているというふうに思うのです。  そういう状況で,16年度はせめて2人増員してくださいということに対して,1人削られたけれども,1人は増員されたということになっていますが,問題はそういうことでございますから, やっぱり何だかんだといいながら,今のこの時期における児童虐待の問題に対する児童福祉司さん,もちろん児童虐待の問題だけを担当されるわけではありませんけれども,しかし,そういうことでございますから,せめて25人,国の基準に今まで一回も到達したことがないのですから,満たしたことがないのですから,札幌市は。これはやっぱりやるべきだというふうにならざるを得ないと思います。  先ほどの大沼部長の答弁では,部長の立場としては本市の状況を踏まえながら関係部局に要望してまいりたいと,そういう答弁だというふうに思います。保健師の配置については,とにかくまず25人増員することを優先したいと,こういう答弁もありました。当然のことだろうと思うのですが,そこで,助役にお伺いしたいのだけれども,助役,さっき,宮村さんの質問に答えて,保健師の配置について,今はその状況にはないというようなことを冒頭言われましたが,助役が今はその状況にないと言われても,これをだれが判断するかというと,やっぱり助役にここのところは一番頑張ってもらわなければならない,そういうところではないかなというふうに思います。  そういう意味で,助役,どうします,この25人。もちろん,22人にしたって3人不足なのだから,直ちに今3人ふやしますと言ってもらえればいいけれども,今はその現状にないと言われたらどうしようもないということなのだけれども。さて,どうされようとするおつもりなのか,いつごろといったようなことも含めて,ちょっとお伺いしたいと思いますが,ご答弁をお願いいたします。 ◎小澤 助役  きょうのこの保健福祉局の審議の中で,児童福祉司の適正配置ということが,先ほど来から質疑のあったところでありまして,今の児童の虐待にかかわります児童福祉司の果たす役割の重大さといいましょうか,期待されているものが非常に大きいということは,私ども十分認識をしているところでございます。  ただ,一方で,職員の増員につきましては,非常に財政状況が厳しいということ等々がある中での判断になるものですから,先ほど田中委員からのお話にもございましたように,札幌は一回も上回ったことがないし,今回も25人のところが22人という状況で,極めて厳しい残念な結果になっているのもまた事実であります。  しかしながら,一遍に3人をふやすということは,これはなかなか至難のわざでございまして,各職場の定数要求なんかを見ますと,必ず増員で出てまいります。それぞれの職場にはそれぞれ事情があって出てくるわけですから,その中でその要求に全部理解を示すということは,これは到底無理な話でございまして,それぞれの職場実態を見ながら,ある程度我慢してもらうところは我慢していただくというような,現実的な判断をして,今日に至っているというのが現実でございます。  今,ご指摘のありましたように,児童虐待というのは本当に深刻な問題であるということは,先ほど来申し上げておりますように十分認識をしております。今回の1名増員ということも,そういうことを背景にして,1名増員という措置になったというふうに理解をしていただきたいと思います。また,その努力は引き続きさせていただきたいというふうに考えております。 ◆田中昭男 委員  そういうことなのですけれども,それで,私は申しわけないけれども,子ども未来局というのはわからないのですよね。何で,今この時期に,給料の高い局長職を一つつくらなければならないかと。こういう問題を放っておいて,局長職を一つつくるという,その発想がどうも余りにも形式的過ぎるのではないかということで,その問題との見合いでわからないのです。ですから,それはよく言葉で言うめりはりをつけてということですけれども,その辺はやっぱりきちんとつけるところはつけてもらいたいというふうに思いますが,これはやっぱりこのままいつまでも放っておくというわけにいかないので,やっぱりある程度いついつまでにどうこうしますという答弁ができるようにしていただきたいなというふうに思います。子ども未来局をつくったらすぐやるから心配しなくてもいいというのだったらそれでいいのですが,そういうことでございます。  要望という言葉以外の,それ以上何か強い言葉はないのかなと思うけれども,強く申し入れをして終わります。 ◆佐藤典子 委員  私は,4月にオープンされます複合施設の子育て支援総合センターに関連しまして,全市的な子育て支援ネットワークづくりの必要性と父親への育児支援について,この2点を簡潔に伺います。  この複合施設には,資生館小学校,保育園,そしてミニ児童会館との併設で子育て支援総合センターが開設されますが,一つの建物にこのような複合施設が入ったものは,全国でも初めてとのことで期待をしているところです。  本市においても,現在,少子化対策としまして,次世代育成支援対策推進行動計画の策定に向けた取り組みが進んでおります。そこで,この複合施設は,共働き家庭への支援,また,放課後の児童育成のための,ミニ児童会館の新設,そして,さまざまな子育てをさまざまな角度からサポートする子育て支援総合センター,そして小学校,こういう形で一つのところにあるということですから,この推進行動計画におけるシンボルにもなるのではないかと考えております。  そうした中で,この子育て支援総合センターは,子育てに関する不安や悩みにこたえるとともに,地域における総合的な子育て支援の機能を持つ施設として,私どもも大変期待しているところであります。  そこでまず1点目に,全市的な子育て支援ネットワークづくりの必要性について伺います。  近年は共働き家庭を対象にしました従来型の保育所のサービスなどだけではなくて,子育て中の母親が集まってつくります子育てサークル,そして中高年の方々による子育てボランティア,また,ワーカーズコレクティブなど,NPOによる子育て支援の動きが地域で活性化し,また,活発に動き出しているというふうに見ております。  現在,これらの子育て支援活動は,それぞれのグループが個々に行っているというのが現状ではないでしょうか。多様な子育て支援のニーズにこたえていくためには,地域の子育てのための資源を有機的に結びつけて,ネットワークとして機能させることも片方では求められております。  市では,現在,各区で子育て支援の検討会議を開催しており,子育て支援活動の実践が活発化するとともに,この子育て支援検討会議の構成メンバーも少しずつ広がり始めていると聞いております。  少子化が進み,また多様なライフスタイルの中で,共働き家庭のみならず,母子・父子家庭など,すべての子育て家庭を対象として支援するとともに,育児の孤立化による育児不安の解消など,地域におけるさまざまな取り組みの充実を図っていくべきと考えます。  そこで,子育て支援総合センターが発足しますことから,子育て支援における全市的なネットワークをつくり,福祉・医療・教育機関などが有機的な連携を図って,子育てに対する専門的な支援の仕組みづくりと,また,これに伴う取り組みを連携して行う必要があると考えますが,まずそのことについて1点お聞きします。  そして,2点目は,今,求められております父親に対する子育て支援についてです。  職場における長時間労働など,父親が子育てにかかわることを困難にするさまざまな要因の中で,子育てにおける父親不在が言われて久しくなります。その結果,母親の子育ての負担が増し,先ほど来出ております子供への虐待,この一因となっているとの指摘もあるのです。  家庭生活は男女がともに協力して築き,また,子育てに父親参加が求められる,そういう中で,乳幼児を連れて休日に気軽に出かけることができる施設,そうしたものもこの札幌にはまだ少ないですし,区の事業なども,平日の日中行われるといったものが多くて,なかなか父親の参加が難しいという状況にあります。  そして,最近では,子供への接し方がわからないという親御さんもいて,また,しつけや子育てに自信のない若い親も少しずつふえてきているという,こういう状況の中で,気軽に子育ての相談に乗れる場所,また,学習のできる機会を提供するという,そうした取り組みも求められていると思います。  そこで,本市におきましては,特に現在のこの場では,父親への子育て支援につきまして,子育て支援総合センターは,今後,どのような役割を果たしていくことを予定されているのか,伺います。その2点お答えください。 ◎福島 児童家庭部長  まず,全市的なネットワークづくりについてでございますが,ご指摘のとおり,これまでは区単位の子育て支援検討会議を中心にネットワークづくりを推進してまいりました。今後は,子育て支援総合センターがいよいよ開設いたしますので,これにあわせまして,学校,保健センター,私立保育園・幼稚園などの連合会,それから青少年育成委員会など,子供の関係機関の代表ですとか,あるいはNPOを初めとする市民活動団体など,さまざまな分野の方々を構成員といたします全市レベルの子育て支援検討会議を設けまして,各関係団体の有機的な連携,これを結んでいただくための場とし,まさに子育て支援を強力に推進してまいりたいというふうに考えてございます。  それから,2点目の父親に対する子育て支援についてでございますが,この子育て支援総合センターは,特定の曜日を休館にした場合,保護者の勤務形態の多様化によりまして,子育て支援事業ですとか,育児相談などに参加いただけない方が生じることから,年末年始の休日以外毎日開館をいたしまして,父親などすべての方が利用できるようにする予定でございます。  さらに,休日も利用できる親子で触れ合う場の提供ですとか,初めて親になる人を対象にした講座や父親向け講座といったものの開催,それからインターネットによる子育て相談など,父親が参加しやすい事業の展開をいろいろとしていくことにいたしてございます。 ◆佐藤典子 委員  今,1点目につきましては,これまでは区単位でそうしたネットワークづくりをされていたけれども,今後は学校や保健センター,私立幼稚園や公立幼稚園,そして育成委員会,NPOなど,育成,子育てにかかわっているさまざまな諸団体が連携し,強力に子育て支援をバックアップしていく体制をつくるということでしたので,ぜひ,それを積極的に進めていただきたいと思います。  もう一つ,この子育て支援のネットワークづくりの重要性は,先ほど来出ております虐待の早期発見につながることだと私は思っております。保健所におきまして,乳幼児健診のときに,虐待をしている可能性はないだろうかということから取り組みが始まったということでありますので,ここの支援センターでのネットワークづくりにおいても保健センターの保健師さんの役割は重要で,そのような虐待が広がらないようにするネットワークづくりとしても大きな意味を持つことだと思いますので,そういう観点からも,ぜひ充実したネットワークづくりを進めていただきたいと考えております。強く要望させていただきます。  そして,2点目の質問ですが,父親に対する子育て支援ということで,年末年始だけこの支援センターがお休みになって,あとは,いつでも気軽に行けるような状況をつくっておくというようなことだったと思います。PRを十分していただきまして,父親が気軽にここに来たり,また,さまざまな行事にも参加し,子育てを楽しみながら母親とともに子育てに当たるという状況が広がることを望んでいます。  そこで,この支援センターでの父親への取り組みはわかりましたが,各区ではこれまで父親への子育て支援がどのように行われてきたのか。また,各区が一番身近なところであるわけですから,そこでは,今後,どのような取り組みをされるおつもりなのか,お聞かせください。 ◎福島 児童家庭部長  各区における,父親が参加できる事業なり制度でございますけれども,これまで父親に限定した事業というのは特にございません。各区で行っております子育てサロンですとか,子育て講座でのお父さん方の参加というのは,現実わずかでございます。  そこで,休日に出向けるような触れ合いの場などがあれば利用したいという声が,かねてから寄せられていたところでございます。  そんなことで,私ども平成13年度から日曜サロンとして,日曜日に子育てサロンを開催をしてきております。この事業は,各区年間2回程度の実施にとどまってございますが,一応参加者の半数以上は父親という状況になってございます。  今後は,子育て支援総合センターの開設に伴い,休日にご利用いただける交流の場の提供ですとか,父親向けの子育て講座を開催することにしておりますので,父親が育児に参加する機会,子供と触れ合う時間,これがもっともっとふえていくといったことを期待しております。 ◆佐藤典子 委員  区におきまして,今後も積極的にさまざまな事業を展開していただきまして,父親参加の子育てというのを積極的に広げていただきたいと考えております。  最後に,要望ですが,この複合施設は,先ほど申しました小学校,保育園,そして学童保育,またこの子育て支援ということで,今,子育て支援センターにつきましては,多角的なネットワーク,また,全市にわたるネットワークで子育てをサポートする,そういう仕組みをつくっていこうというのが見えます。そして,学童保育におきましては,この近辺に住む子供たちが来るということですので,その充実を図っていただきたいと思います。  そして,保育園についてですが,この資生館保育園におきましても,先ほど来から出ております延長保育をするというふうに聞いております。そして,ゼロ歳児から就学前までの120名のお子さんたちがこの保育園に来るということです。先ほども出ておりましたが,保育園の延長保育,一時保育の補助金のカットということで,私はそういう,子育て支援をするというときに,反対に補助金をカットすることは,これから延長保育をしようとか,一時保育を進めたいと思っている保育園に対する意欲を欠くのではないかというふうに心配しています。  ところが,今の報告を伺いますと,延長保育を希望された保育園は13施設,そして一時保育も9施設が希望されているということで,現段階では,そういう子育てへのサポートをするという保育園が新しく出ているということで,まずは,そういうふうに受けとめさせていただきました。  しかし,今後,やっぱり延長保育,一時保育というのは,私たち女性が安心して働くということをサポートする上でも欠かせないことだと思っています。これからの推移を見させていただきたいと思っておりますが,そういう意味でも,トータルに子育て支援ということを考えていただきまして,延長保育,一時保育に関しても,保母さん,皆さんの声も聞いていただきまして,保育の充実というところでは,また今後どういうバックアップができるかということも考えていただきたいということを強く要望しまして,質問を終わらせていただきます。 ◆堀川素人 委員  私の方から,福祉とは何なのか,行政というのはどうあるべきなのかと,こういうふうに問われるような問題に最近出くわしましたので,その件を取り上げて質疑をしたいと思っております。  13歳の男の子がおります。プライバシーの関係もありますので太郎君と申しておきます。その太郎君は13年間社会の中でどういう状況に置かれていたのか。このことについて,まずはお話をしたいと思います。そして,社会のその子に対する支援がどうであったのか,本来はどうあるべきだったのか,このことについてお話をいたします。  まず,札幌市がこのたび,この件に対しまして,厚生労働省の方に問い合わせをした文章を読んで説明の始めにしたいと思います。  問いとして,生まれたばかりの身よりのない児童太郎は,ここではAとなっておりますけれども,太郎を引き取り,12年間自分の子のように養育している女性,B,69歳が,児童扶養手当の受給を希望しています。13年前,女性Bはボランティア活動を通じて世話をしていた女性のC,当時17歳,孤児施設で生育,Cが未婚のまま妊娠したことから,自分の家に泊めて面倒を見ていましたが,Cは太郎を出産直後に家を出て行方不明となり,それ以来,Bが太郎を養育してきました。Bは69歳の女性で,亡夫の遺族年金により生活をしていますが,その遺族年金には児童太郎の養育費が含まれておらず,さらに,太郎とBとは親族関係にないことから,親族里親制度の利用もできないため,経済的に困窮状態が続いています。  このたび,Bが児童太郎と養子縁組を結び,児童扶養手当の申請に訪れたものの,児童扶養手当法第4条第3項第2号により支給要件から外れるため,手当を受給することができません。身よりのない児童を引き取り,養育している善意の申請者に対し,一律に公的年金との併給制限を適用させることは,児童の健全な育成を図るという手当の趣旨からかんがみると疑問が残ります。  つきましては,以下の2点についてお伺いをいたします。このケースに対して,公的年金との併給制限の適用外として扱い,手当を支給してよろしいか。この加算のない,子供加算ということでしょうね,この加算のない年金を受給する者については,公的年金併給制限の対象外として手当を支給するよう制度の改正を行う考えはないかと。  おおよそわかっていただいたかとは思いますが,もう少し簡単に説明しますと,心の里親をしていた関係で,17歳の子が,妊娠をしてからそこの家に転がり込んできたと,そこでもって出産をした。そして,そこでは生活保護だとかの手続もして,そして子供ができたと思ったらすぐいなくなって,子供の養育を放棄した。こういう件なのです。  それで,養育者はその子供に対して,子供みんなに当たっている児童手当を支給をしてほしいと。それは当時は3歳までの支給だった,それを役所の方とやりとりをしているうちに親子の関係がないということの中でなかなか適用を受けられなかった,でもいろいろなやりとりの中でおよそ1年間の支給を受けて,3歳になった時点で,その給付が停止された。そして,今度は児童扶養手当の申請をしたのですけれども,これについては,やはり親子の関係がないということなので,それをずっと断り続けて,そして去年の11月に,養子縁組をしました。その養子縁組をするときも,あれは家庭裁判所でもって最初に審議されますから,家庭裁判所に出した。そうしましたら,養子縁組は認められなかった。  その女性は異議ありということで,高等裁判所に訴えを起こしました。高等裁判所は,その女性の主張を認めるという形で棄却の決定をしまして,家庭裁判所に差し戻しをしました。そしてようやく認められたのが去年の11月なのです。  この間,ほとんどの期間にわたって,この子供は国民健康保険も使えない状態で病院に通わせなければならないという状態でした。保育園に入れるのも親子関係がないということで一度断られます。そして今,養子縁組ができて,それで児童扶養手当をいただきたいという申請をしたならば, 公的年金の受給者は,児童扶養手当というものが年金の補完措置としてあるのだということでもらうことができないのです。今,ようやく養子縁組して,もらえたのは国民健康保険で,家族と同じ名前の保険証なのです。  そういう中で,いよいよ質問に入りたいと思います。  まず,児童手当,それから児童扶養手当の概要を説明していただきたいと思います。  それから,児童扶養手当不支給,なぜ不支給かということの確認をどうやってきたのかということについてお聞きをしたいと思います。  それから,この法が正しい法であるかどうか,悪法でも法だと,こういう言葉はありますけれども,一般に考えたならば,他人の子供を育てる費用というのは,その人の年金の中に含まれているものではないと私は思うのです。それなのに,他人の子供を育てているという大変すばらしい,崇高なボランティアですよ,これをしている人に対して,あなたがもらっている年金の中に,この子供を育てるための扶養手当の部分が含まれているのですよと考える人は,僕はだれもいないと思う。  これについて,札幌市としては,先ほど言いましたように,厚生労働省に,それはいかがか,適用除外をしてくれと,こう言っております。僕はそれは全く正しいと思っているのです。それじゃ,どこがやはりおかしいのか。あなた方はどういう確認をされて,それをおかしいとして,今回,厚生労働省にその意見を出したのか。この件については,既に12年,13年前に,これはおかしいといって,今の申請者が札幌市に対して,時間は多少かかってもいいから,この件のこういう考えについて改正するように国に働きかけてもらいたいというお願いをしている。ところが,いまだにそれは全然なされていなく,今回問題になって初めてやっている。なぜおくれたのか。その時点で札幌市は,この事件に対してどういう受けとめ方をしたのか,それについて聞かせていただきたい。 ◎福島 児童家庭部長  まず,1点目の児童扶養手当の概要でございますけれども,児童扶養手当は,死別の母子家庭が受給いたします母子福祉年金というものを受けられない方,すなわち離婚等による生別母子世帯のための社会保障制度として,昭和36年に発足をいたしております。年金の補完的制度としてつくられた制度でございますことから,母親もしくはその児童を養育されておられる方が,遺族年金などの公的年金を受給している場合は,二重の社会保障給付になるということで,これを避けるため,児童扶養手当は支給できない規定となってございます。  児童扶養手当制度は,国がその役割において,全国的に画一的な取り扱いを図るべきものとして定められております法定受託事務でございまして,本市といたしましては,法令に従って判断をいたしているところでございます。
     それから,2点目のこの考え方,二重給付に該当するという考え方のどこがおかしいのか,国へ照会,要請等を行っているのかという点でございますが,遺族年金などの公的年金に,そのお子さんの養育費が含まれていない場合についても,一律に二重給付であるとして支給を制限することには,私どもも疑問が残るというふうな思いがございます。このため,先ほど堀川委員から紹介のような,厚生労働省への照会をさせていただいたところでございます。  ただ,その回答といたしましては,公的年金との併給制限の適用外として扱うことはできないということでございます。私どもといたしましては,今後,政令指定都市の会議等を通じて,国に対して制度見直しを要望していきたいというふうに考えてございます。  それから,このような取り組みをなぜ今までしてこなかったのかという点でございますけれども,私ども,養育者の方からのご相談を十数年前から区役所等でお受けをいたしました。その時々で,組織としてしかるべき検討を行って,それぞれのその段階その段階の状況の中で,可能な対応を図ってきたものというふうに考えてございます。  確かに,国への制度改正,あるいは法改正も含めた改正ということで働きかけをいたしましたのは,今回が初めてでございます。 ◆堀川素人 委員  それで,僕が先ほどから言ったのは児童扶養手当,さりげなく親子関係が不存在だから受けられないのだということで話をしました。親子関係がなければこの児童扶養手当というのは受けられないのか。それと公的年金の問題は別ですよ。公的年金をもらわないでいる人が,親子関係ということを言った。親子関係がなければ本当にもらえないのですか,どうなんでしょうか。 ◎福島 児童家庭部長  親子関係がなくても,いわゆる養育関係があれば受給資格はございます。 ◆堀川素人 委員  そうするならば,今までこの子を育てている養育者には,ほかの子供に当たっている権利がこの子には一つも当たっていない,私たちは養育費が欲しいから言っているのではないのだ,この子に権利を与えたいからこの主張をしているのだと。こういう中で,児童扶養手当がもらえる方法はなかったのか。今,この家庭には,福島部長もご存じのように,69歳の女性と,その女性の娘さんがいます。そして今の太郎君がいる。普通からいったら,子供からいきましたら,おばあさんであって,お母さんであってという,ほとんどそういう年代ですよ。そうしたならば,違う方法,こういうふうにした場合にとれるのですよ,こうやったならば,児童手当が当たるというかもらえる,こういう可能性がありますよということを,その人に説明した事実はあるのですか,お伺いをします。 ◎福島 児童家庭部長  この児童扶養手当の支給に関しましては,基本的に申請をいただいて,要件に該当するかどうかの判断ということになりますけれども,そういった意味では,今,その養育をされておられる方ご自身は遺族年金を受けておられますので要件からは除かれると。支給の対象外ということになります。恐らく今の堀川委員のご質問の趣旨は,例えば,養育されている方の娘さんを申請者にするというような方法をしてはどうでしょうかと,こういうような,いろいろな選択肢についてのご説明をきちんとしたかどうかという点では,そこまで踏み込んだご相談はしていなかったというふうに認識をいたしてございます。 ◆堀川素人 委員  ちょっと話はそれますけれども,僕の,ここ二,三日の中で持ち上がった問題ですが,僕も我が事務所によろず相談所と看板をかけておりますので,いろいろな相談が来ます。この間も相談が来ました。そうしましたら,顔がぶくぶくにはれ上がった人の相談です。何とか生活保護を受けたい,こう言って,いろいろなやりとりをし,役所に連れていって手続をとるべくやっていました。いろいろなことを僕らは聞こうとします。聞いている中に何か言葉ではあらわせれない問題が後ろに隠れているのではないかというふうに想像をしながら,一生懸命話を聞くようにするわけです。そうしたら,何があったかと聞けば,それは,仕事の中で倒れて傷ついたという話だったのです。本人もそう言う。一緒についてきたほかの人もそう言う。ところが,いろいろ聞いている中でおかしいぞと思ったのは,殴られてそういうふうになっているのです。  人の話を聞くというとき,特に行政,しかも福祉という中では,何を一番大事にするかといえば,オウム返しでもいいから,その人が言いたいことを聞き出すことです。今,どういう環境にあるのか,これはどうやって何を訴えたいのか,そうするならば,今言ったようにいろいろな方法が浮かんでくると思うのです。それをしないような今の行政,先ほどの行政はどうあるべきかといった中で,僕にすれば,こんな簡単なこと,これが聞き出せないというのはとんでもない話だと思う。  今,まずは児童手当のこと,福島部長が,この間,あらゆる方法ということでいろいろなものを僕らに提示をしてくれました。大変ありがたいと思っています。今後,そういうような気持ちで事に当たっていただきたいと。しかも,対象となる人は,どちらかといったら弱い立場の人です。ぜひそのことをお願いをしたいと思います。  次に,この件の中で,児童扶養手当,こういうものの受給資格があるかどうか,今,国の判断は併給はできないと,こういう判断。それを札幌市は,それはおかしいじゃないか,何とか制度を変えようと,こういう中で声を出してくださった。  次に,児童相談所の方に話が行きます。  さっきから話を聞いていますと,児童相談所で里親制度というものがありますよね。この件も児童相談所にも持ち込まれた。当然,児童相談所でもわかっていた。自宅の方へも訪れたりもした。そういう中で,里親制度のことも話になった。それで,結果的に養子縁組も裁判所で認められた。さっき言ったように家庭裁判所では,1回目それは認められなかった。何が原因かといえば,すべてがそうではなくても,認められない要因になったものが児相から出ている。児相に問い合わせがあった。この,里親になるのに適任かどうかという点を中心にして聞いたときに,いい返事が出ていない。そのために1回目は家庭裁判所で,養母として不適任だということの中で認められなかった。でも,13年間他人の子供を育てた人間が,養育者として不適任であるかどうか,それを高裁の裁判官が棄却をしたのですよ。  そう考えたときに,実際に10何年間どう子供が育っているかという実態も調べないで,なぜそのような報告をするのですか。初めの彼女と児相とのやりとり,これを中心にして伝えて,裁判所でもって求めたことに正確に答えようとして家庭訪問を1回もしていないじゃないですか。  それで,この間に聞いて確認をした。そうしたら,今,彼女が里親になるといって申請をしたとするならば,札幌市では認めるのかと聞いたら,それは認めますと。極めてね,裁判所に出した結果と,今,いろいろのやりとりの中で認めること,これが全く違う。僕は不真面目にもほどがあると思う。  この件は,養子縁組になったけれども,養子縁組を最大の喜びとして養子縁組をしたわけではない。この子に与えられる最少の権利を守ってやりたい,この気持ちが養子縁組というふうにさせたのですよ。本来であるならば,扶養手当や,それから里親制度の支援資金というものをもらって,そうして子供が育っていく,こういうことを一番望んでいた。しかし,保険も出ないという中で,それを選んだのだけれども,なぜ,そのときに里親として不適任だと。  そのときも里親の話になった。そうしたら順番待ちですと。言葉は悪いけれどもばか言ってるんじゃないですよ。今の里親というのは,全然知らない子供を里親として受け入れるかどうかと順番を待つのとは違うのですよ。既に子供を育てている,そういう中で,本当の,産んだ親もある意味では了解をし,本人もそうやって里親になるということを了解をしているのに,順番待ちだとかと言って待たせるという話はないだろうと思うのです。  その里親について,親子関係がないから里親と言うのですけれども,そのときに,里親になれる資格だとか基準というものはどういうものがあったのか。  それから,その基準だけが絶対的なものなのか,それとも基準として違う部分も,ケース・バイ・ケースでもって要件が変わる余地,この余地が十分あるのかどうか。このことについて答えてください。 ◎大沼 児童相談所担当部長  まず,里親の認定の要件についてでございますけれども,一つは札幌市内に居住すること,心身共に健康であること,児童の養育について理解と熱意を有していること,また,児童に対して豊かな愛情を有していること,経済的に困窮していないこと,児童の養育に関し虐待等の問題がないこと,児童福祉法及び児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の規定により,罰金以上の刑に処せられたことがないこと,特別養子縁組を希望する里親になろうとする場合は,配偶者のあるものであること,これが認定要件となっております。  次に,里親の登録手続でございますけれども,里親として登録されるためには,まず里親希望者から里親になりたいとの申請が必要でございます。  次に,当所の職員が家庭訪問などによりまして,里親の登録条件に合致するかを調査させていただいております。その後,札幌市社会福祉審議会児童福祉専門部会で里親登録について承認をいただいてから里親登録という手続になってございます。  また,里親への委託につきましては,子供の状況,親権者の意向及び状況を勘案した上で行っているところでございます。 ◆堀川素人 委員  申請主義と言うが,申請というのはどれをもって申請というのか。文書に書いたから申請というのか。じゃ,文書に書けない人は申請ができないのか。少なくとも,あなた方は専門家,こちらは素人,そうするならば,困った人を見て,申請があればしますよというのではなくて,私はこういうことで里親にもなりたいと,口頭でこう申し出たことを申請と言って構わないのではないですか。そうするならば,あなた方は,次にこうしなさい,こうしたらいいんじゃないですか,または今の状況,周りの状況も聞いて,あなたの場合は,こうしたらその希望にかなうのではないでしょうかというようなアドバイスをできないのですか。したらだめということになっているのですか。  さっきそういうふうに,血の通った,痛みを共有する,こういう福祉行政でなければならないということがほかの委員からも出ています。女性に言わせたら,断ることを前提にやっているのではないのかと,こう言われる。そうじゃないでしょう。あなたがそう思うならばこうやってくださいと,それで,あなたの今の話を聞いた中で,適性に欠ける部分,要件はここにありますけれども,これはこういう方法でひょっとしたらできるのではないでしょうかと。もちろん,違法なことをしろと言っているのではないですよ。こういうアドバイスまでして一人前の行政だと僕は思うのです。それを順番待たなければならないと。さっきの何ぼですか,122組が登録してある。  繰り返さないけれども,そんな問題じゃないでしょう。実際に育てている人が,養子縁組をしたい,親の許可も得て里親になりたい。なぜそれができないのですか。そんな冷たい行政をやって,今,札幌市が市民の負託にこたえられると思いますか。そういう行政で。しかも,人は痛みを感じているのですよ。  次に,今,里親制度の話の中でやってあげれることはあったのではないかということで,この間確認をいたしましたよね。里親として,最終的には今までの13年を考えたならば,その人が養育者としてふさわしいということについては,当時その状況にあった人たちも,結果とすれば間違いだったかなと,こういう話も出ましたよね。そして,福島部長がその人に丁寧におわびをしたと,僕はこういうふうに理解をしていますけれども,もう一度ここで皆さんに考えていただきたい。  やはり僕は,痛みを感じている人,生活保護を申し込みに行く人に必ずついていきます。なぜかといえば,彼らは受けるという中で心の負担を感じている。その傷口に塩を塗る職員がいるということなのです。だから,そういうことがないようにひとつお願いしますと,ある意味では来るだけでも負担を感じて来ているのですと,こういうふうにしてお願いをするのですけれども。  今回の件について,例えば,お金のことを言って誤解されたら困る,でも,1カ月およそ7万数千円,親がもらうわけですけれども,それを通して子供に支給をされる。今までのことを考えたならば,歯医者に行かせたくても,行く回数を減らしたり,行けなかったりしたと。こういう状況があった。13歳の子供ですよ。その痛みを感じていただきたい。  なぜ,このことを大きな声を出して言うかといえば,その子供は,親から養育をある意味では放棄された,大人や親に対しても不信を持つ。でも不信を持って大人になってしまったら困るのだ,大人はやっぱり信じられるものだと,世の中というものは信じられるものだと,こういう気持ちがなかったら,世の中で尽くせる人にはならないのです。だから,我々は早く彼に,大人というのは信用できるものだと,太郎君,おまえをきちっと守っているよと,こういう状況を早くつくってやらなければならない,僕はそう思っているのです。  それで,今の里親制度についても問題があった。それで,この次に,国民健康保険証,これが出ますよね。彼が5歳のときかな,これが一時出た。そしたら国民健康保険証の中に家族として名前が載った,育てている方の苗字はBというわけです。ところがその子供は戸籍上からいったらBではないのです。Cという苗字なのです。子供がそのことを気にするので,役所の方にこの名前をBといつも呼んでもらえるようにお願いができないかと。こういうときに,そんなものはできないという答えで,そんな健康保険証は子供に使えないと,彼女は使わなかった。そうするならば,今,僕が聞くのは,健康保険証の中で,例えば,Bという苗字で一緒に暮らしている,家庭の都合によってBという形で登録ができないか,これは学校が家庭の事情でもって戸籍上の名と違う名前で呼んでいるのと同じように解釈ができるのではないかと。これは法律とか何とかというのではなくて,行政裁量でできることだと思うのですけれども,いかがでしょうか。 ◎福島 児童家庭部長  申しわけございません。今,即答できません。  国民健康保険担当のセクションと,そういった方向での検討が可能なのかどうか,協議をさせていただきたいと思います。 ◆堀川素人 委員  それについては後で回答をください。  それで,まとめといたしまして,僕は先ほども言いましたけれども,今,行政に求められているものは不作為,何もしない,しなければ楽と,そういう構図の中で行政が動くということに対して,非常に厳しく言われる時代になりました。でも,札幌市の場合は,いろいろなところで本人も気づいていながら不作為が何か随分まかり通っているなという気がしております。また,ほかにもたくさん例があるのです。でももうやめますのでそれは言いません。でも,今回の件についても,何か痛みを皆さんも感じていたと思う。感じていたと思うけれども踏み出す勇気がなかったというか,それともふだんの勉強が足りないから一歩踏み出す自信がなかったというか,僕はそうでないかと思うのです。  それで,よく言われる,行政は最大のサービス産業だと,ある県の知事が,今代議士になっていますけれども,言ったと。行政は地域の最大のサービス産業である,僕もこう思います。この最大の産業がどれだけ市民に向かって有効に働くか。これは札幌市民の幸せと深くかかわっていると僕は思うのです。  それで,僕がお願いとするのは,このことを学んだ行政の皆さんが,このことを忘れることなく仕事に励み,そして今困っているこの太郎君に何ができるのか。さっきも言ったのですけれども, 就学援助はどうなるのですかということについても,このことについても聞いたら,いや,今わかりません。この一件を聞いて,すべてを理解しようとする気持ちがあってほしいなと,そういう気持ちで行政に携わっていただきたい,このことをお願いをして質問を終わります。 ○本郷俊史 委員長  ここでおおよそ20分間委員会を休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後3時7分       再 開 午後3時29分     ────────────── ○本郷俊史 委員長  委員会を再開します。  休憩前に引き続き,質疑を行います。 ◆小野正美 委員  それでは,私の方は放課後児童健全育成事業にかかわって質問をします。  本市が児童会館100館構想で,いわゆる1中学校区に1館の児童会館という形で進めてまいりまして,1997年にちょうど100館目が手稲区金山に建設をされました。現在,03年度で103館ということになっています。  そういった中で,1997年,平成9年にミニ児童会館が初めて菊水小学校,それから南小学校で開設をされたわけです。当時は教育委員会の所管で,たしか平井理事が担当部長の時代であったと思いますし,私も文教委員会に所属をいたしておりました。このミニ児童会館,開設の際には北海道新聞の社説などでも高く評価をされまして,その後,毎年3館ほどの開設で,今年度末には21館となっています。私どもこのミニ児童会館について当初から高く評価をし,位置づけをしてきたわけでありますけれども,いわゆる中学校区に1館の児童会館は,小学校区外に存在をする場合も含めて,子供たちからすれば家庭から非常に遠距離の場所に,あるいは通学路と大きく異なる,そういう物理的な問題点もございました。もちろん,ソフト面での課題も幾つかあったわけでありますけれども,その点,ミニ児童会館の場合には,何よりも学校の空き教室を活用するということで,2教室分ぐらいを整備,改修をして開設されるわけでありますけれども,授業が終わって友達と一緒に誘い合って行くことができる,あるいは留守家庭の子供もそうでない子供も,一緒に通い合って,異学年,異年齢の子供たちの触れ合いを通じて社会性などを養っていくということでありましたし,何よりも児童会館の場合には,土地代を含めて約5億円かかると。ミニの場合には空き教室の改修で約800万円ぐらい,その他備品などで200万円,合わせて1,000万円ほどで整備をすることが可能であるという中で,このミニ児童会館の整備を促進するようにということを主張してきた経過がございます。  それで,最初の質問でありますけれども,今後のこうした児童健全育成事業においての施設整備,この基本的な考え方について明らかにしていただきたいと思います。  具体的に,来年度どのような整備計画にあるのか,具体的な数及び箇所について明らかにしていただきたい。  それから,現在の空白区,つまり小学校区において児童会館あるいは民間の学童施設もない放課後の留守家庭の子供たちの居場所がない,そういう校区が幾つぐらいまだ残っているのか,明らかにしていただきたいと思います。  あわせて,こうしたミニ児童会館を整備していく上で,とりわけ学校側,あるいは教育委員会側との間での課題が存在していたわけでありますけれども,この点,今日現在,どのような課題の状況にあるのか,明らかにしていただきたいと思います。 ◎福島 児童家庭部長  放課後児童対策としての施設整備の基本的な考え方ということでございますけれども,私ども基本的には,今,小野委員のお話のとおりミニ児童会館の整備ということに力を入れてまいりたいというふうに考えております。一応,このミニ児童会館につきましては,児童会館のいわゆる本館の補完的な施設といたしまして,児童数ですとか地理的条件,また,地域の要望等を勘案しながら,その必要性ですとか緊急性を見きわめた上で,基本的には年に3校から5校ぐらい,その整備を進めてまいりたいというふうに考えてございます。  2点目の16年度の整備でございますが,資生館小学校でこの春オープンをいたします。それから,16年度に整備をし,開館を予定しておりますのはそのほか,豊平区のあやめ野小学校,同じく豊平区の東園小学校,それから南区の定山渓小学校,これにつきましては新規の整備ということで手がけたいと考えております。  それから,白石区の白石小学校にも開設をしたいと考えてございますが,ここは留守家庭児童対策の一方式でございます学校施設方式,児童育成会からミニ児童会館への転換という形で整備を進めたいと考えております。  いわゆる空白校区につきましては35カ所,この16年度の取り組みが具現化された段階で35カ所になるというふうに考えてございます。  それから,今後の課題でございますけれども,やはり財政面での課題が第一にございます。それから,二つ目といたしましては,需要の多い地区ほど空き教室が少ないという厳しい状況もございます。これらの課題につきましては,今後とも教育委員会など,関係部局などと十分に協議をいたしまして,この整備計画の前進に向けて努力してまいりたいと考えております。 ◆小野正美 委員  基本的な施設整備の考え方には一致するわけでありますし,特に,児童会館については,これから地域における青少年といいますか高校生なんかも含めた,そういう青少年の健全育成の拠点施設として,子育て支援などのことも含めた活用をしていく必要があると思いますし,そういう面では,留守家庭を含めた小学校の子供たちには,何よりも学校の中にこういう施設整備をしていくことが重要であろうと思います。  過去,この間の経過の中で学校側,とりわけ校長などを含めた管理者側の理解が,自分たちの手を離れたら,授業が終わったら基本的には子供たちには帰ってもらうわけなのだけれども,その後も学校の中にいるということでの管理上の問題とか,そういういわゆる考え方の課題もあったかと思っているわけでありますが,これもだんだんと学校の中にミニ児童会館が存在をしていると,そういう実態が広がっていけば,そういう抵抗感もなくなってくるのではないかと思いますし,現在もそういう状況にあるだろうと思います。  それで,今部長が言われたように,需要の多いところほど空き教室が少なくて整備ができないということであります。確かに,資生館小学校の場合は新築で,この前,私も見てまいりましたけれども,玄関のすぐそばに,あらかじめミニ児童会館としてふさわしいレイアウトでつくられていますし,すぐ隣に図書室もあると,非常に放課後の子供たちが過ごす場所としてふさわしいものとしてつくられているわけであります。  そういう形をこれからの望ましい姿として,例えば,来年度屯田地区に小学校が開設をされます。ご承知のとおり新興住宅地といいますか,新設校ですから,当然ながら若い世代のそういう留守家庭の子供たちが多い,こういう需要が多いわけであります。それから,改築の際,これも来年度ですが,手稲東小学校が改築をされて,ここもまた児童会館,あるいは民間の学童も含めて存在をしていない空白校区なわけです。それで,ここの屯田地区の小学校及び手稲東小学校に開設をすることでの努力をしてきたのかどうか,あるいはその可能性がこれから残っているのかどうかを含めて,明らかにしていただきたい。  それから,例えば,話として,私ども会派の中で,こういう空き教室がないけれども需要があるのだというところには,軽量鉄骨といいますか,プレハブなどを建ててでも整備をすべきではないのかという指摘もしてまいりました。その際,こういうプレハブのところ,最近,非常に技術的にも進んでいるわけで十分可能なことかと思いますが,例えば,学校の中には教材などを置く場所とか,あるいは週に何回も使わない会議室とか,そういうものがあるわけでありまして,ここを移して,子供のための学校でありますから,何としてもそういうものを生み出す努力をする必要があると思うのですが,これらのことを検討されたことがあるのか,あるいはそのことも含めて教育委員会などとの協議が行われているのか,お聞きをしたいと思います。  それから,次に,こうしたミニ児童会館を含めた障がい児の受け入れについてです。  このことについては,私自身も障がい児を持つ親の一人としてさまざまな取り組みをしてまいりました。特に,校区から離れた養護学級,養護学校に通う障がいのある子供たちは,なかなか近所に友達がいないと。そして,どうしても親あるいは兄弟,そして親といっても母親との限られた関係になりがちで,何としても放課後など,障がいのある子供たちが健常児と一緒に遊べる場をつくることができないのかという努力もしてまいりました。より身近で安心して,しかも公的な施設である児童会館にこの期待が大きいわけでありまして,この点について,平井部長にも手稲区役所の方にお越しをいただいて,こういう障がい児を持つ親から直接いろいろなお話を聞いていただく,そういう話し合いの場も設けることがありました。障がい児を連れて児童会館に行ってどういう思いをしたのか,嫌な思いといいますか,だんだんと子供を連れて行きたくなくなってきた経過などの話も含めて,率直にやりとりをしてきた経過があるわけです。  そういった中で,先ほども話がありましたが,この民間施設方式に,障がい児の加算を1999年,2人以上という形で制度化をすることができました。また,児童会館の児童クラブやあるいは一般来館においても,この障がい児の受け入れが進められてきましたし,この間の努力には私自身は敬意を表するわけでありますけれども,そこで質問でありますが,99年に民間施設方式に障がい児加算が制度化されて以降,どのように障がい児の受け入れが進んできているのか,その数の推移などを明らかにしていただきたい。99年度に比べて今年度ですから,5年後の経過といいますか,その数字を明らかにしていただきたいと思います。 ◎福島 児童家庭部長  来年新築オープンが予定されております屯田地区の小学校,それから改築が予定されております手稲東小学校,ここでの新築,改築にあわせてのミニ児童会館の設置につきまして,私どもも何とかその方向でという努力をしてきたことは確かでございます。  ただ,資生館小学校の場合は,いわゆる特例というようなことで何とかやらせていただけたところなのですが,原則はやはり既存の学校の空き教室利用ということでございまして,非常に厳しいものがございます。  その改築にあわせて一定の整備予算を投入してミニ児童会館をつくるという手法でいきますと,そういう意味で大変厳しゅうございますが,これからも教育委員会さんとも粘り強く協議をいたしまして,場合によっては,できた新しい校舎の一部スペースを,ミニ児童会館のスペースとして建築時確保したわけではないけれども,ミニ児童会館をそこの中に組み込むみたいな工夫が何とかできないか。非常に厳しいお願いをすることなのでございますが,そういったことも含めて,なお努力をさせていただきたいと思っております。可能性としては非常に厳しゅうございます。  それから,もう一つ,いわゆる校舎内の余裕スペースに,例えば,プレハブなどでもということでございますが,個々の学校におけるさまざまな状況を勘案する必要があると考えておりまして,その中で子供たちへの配慮を第一に,何とかそのような方向が模索できないか,これからも関係部局との協議を重ねる中で柔軟な対応を図ってまいりたいというふうに考えております。  それから,3点目の留守家庭児童対策における障がい児の受け入れの実績でございますけれども,平成8年におきましては児童クラブ,それから学校施設方式,民間施設方式の3方式の合計で26カ所,35人であったものが,平成15年度は72カ所,171人と着実に増加をしてございます。  箇所数で約3倍,人数で約5倍に伸びてございます。これは児童会館における障がいのある児童の受け入れ態勢の充実ですとか,児童クラブにおける受け入れ学年の拡大,それから民間施設方式に対する障がい児加算の成果があらわれてきているものと受けとめております。 ◆小野正美 委員  ミニ児童会館の開設については,厳しい状況があるわけですけれども,できるだけ工夫,努力をしていただきたいと思いますし,学校側によっては,空き教室がそれなりにあるのに,あるいは地域に開放しているのに,子供たちのミニには開放されなかったという,逆に非常に厳しいけれども,確保してくれた学校,私の身近な経験でもございますし,そういう面でのいろいろな努力が必要かなと思いますので,さらにお願いをしたいと思います。  それから,障がい児の受け入れでありますが,今,トータルで言われましたけれども,この5年間を見ても,児童クラブで7.3倍,民間方式で3倍,3方式合計で約4倍になっていると,私の手持ちの資料ではそうなっていますが,いずれにいたしましても,こういった中で来年度,先ほどもありましたが,民間学童においては障がい児加算の対象年齢を5年生から6年生まで引き上げると,さらには2人以上,4人以上という二つの区分に分けていたものを2人以上からすべて同じ金額で助成をするという,いわゆる底上げが図られるわけでありまして,大いに評価をしたいと思います。その中で,民間学童が5年から6年まで,対象年齢が拡大されているわけですが,児童クラブの受け入れ対象はどのようになるのか,その点を明らかにしていただきたいと思います。  それから,児童クラブの受け入れの場合にも,いろいろな形で母親が働いているわけですから,子供たちだけで児童会館,児童クラブに行ったり来たりしなさいよということになるのですが,障がいのある子供の場合,やはり送り迎えということも必要になってくるわけで,これを地域のボランティアの方の活用などで取り組んでいると,そういう事例があったかと僕は思っているのですが,これらの事例について,把握をされていれば明らかにしていただきたいと思います。  それから,一般来館での障がい児の受け入れ,傾向としてどのようになっているか。恐らくふえていると思うのですが,これらを含めて,そこの指導員,職員に対する指導研修といいますか,このことについて,たしか五,六年前から養護学級を退職した先生などを巡回指導員という形で配置をしてきた経過があると思います。当初1人でしたけれども,その後2人に増員をされたとお聞きをしているわけですが,現状,この点の巡回指導員などを含めた,障がい児を児童会館,児童クラブに受け入れるに当たっての職員の研修体制などについて,どういった取り組みをされているのか,明らかにしていただきたいと思います。 ◎福島 児童家庭部長  まず,児童クラブにおけます障がい児の受け入れの対象学年拡大でございますが,新年度から児童クラブとそれから学校施設方式の方もあわせまして,現在の4年生を5年生までと,1学年拡大をしたいと考えております。  それから,障がいのあるお子さんの児童会館の行き帰りの送迎などに関するボランティアさんたちの動きについては,申しわけございません。具体的に把握はいたしておりません。  ただ,このことにつきましては,さまざまな支援事業との連携も含めて,関係部局と協議を深めながら,今後,検討を進めていかなければならないと考えてございます。  それから,児童会館等での障がいのあるお子さんの受け入れ,それに当たって,職員の指導研修の関係でございますが,現在はすべての児童会館で障がいをお持ちのお子さんを受け入れること,これを基本としてございます。各種研修を行っておりますほか,指導員配置の拡充や,専門知識を持ちます2名の巡回指導員,それから別に3名の専門指導員による巡回指導といったことも行い,具体的な事例をもとにした職員研修の充実を図っているところでございます。こういった指導研修を通じまして,指導員の資質の向上を図り,児童会館が障がいのあるお子さんにとって,放課後の居場所の一つとして,より身近な施設となるよう引き続き努力をしてまいりたいと考えております。 ◆阿知良寛美 委員  私からは,母子家庭及び寡婦自立促進計画策定事業について,2点質問をいたします。  国では,離婚による増加を続ける母子家庭対策として,一昨年11月に改正され,昨年4月に施行された母子及び寡婦福祉法では,母子家庭の自立支援策について,国が基本方針を示し,その方針に基づいて,都道府県が自立促進計画を策定するよう求めております。  また,昨年8月には,母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法が整備されました。同法が整備された背景には,厳しい経済情勢下,子育てと生計の維持を1人で担わなければならない母子家庭の母は,就業面で一層不利な状況に置かれていることに加え,平成14年8月に施行された改正児童扶養手当法により,受給開始5年経過後の減額措置が2008年4月より適用されることとなったことなどから,これまで以上に安定した収入を得られる就業確保が求められている状況にあります。  このため,同法は2008年3月末までの時限立法とし,約4年半における集中的な施策の充実を促しております。しかしながら,長期化する景気低迷の中で,母子家庭の母親が幼い子供を抱えながら,時間の制約を受け職を求め,生活することは容易なことではありません。  こうした中で,昨年の第2回定例市議会において,補正予算として決議した母子家庭等就業支援センターの今後の事業展開の成果に期待するものであります。  そこで,質問の第1点目として,昨年10月から開始した母子家庭等就業支援センター事業における就業相談や就職状況の実績について。  質問の2点目として,母子家庭及び寡婦自立促進計画の中に盛り込まれる具体的な内容についてお答えを願います。 ◎福島 児童家庭部長  まず,1点目の母子家庭等就業支援センター事業についてお答えをいたします。  この事業は,大通西19丁目にございます社会福祉総合センターにおいて実施しているものでございますが,事業を開始いたしました昨年10月1日からことし2月末までの実績を申し上げますと,就業に関する相談は493件,また,就職希望者として登録をされた方は202名に上っております。さらに企業等からの求人件数は86件,391名分であり,実際に就職をされた方は36名となってございます。  それから,2点目の母子家庭及び寡婦自立促進計画,新年度策定をさせていただく予定でございますが,この具体的な内容についてでございます。  この計画は,一昨年の母子及び寡婦福祉法の改正の際に新たに盛り込まれ,都道府県ですとか,私ども政令指定都市等が策定できることとされたもので,具体的な計画の内容でございますけれども,大きく分けて二つ,一つは,札幌市の母子家庭や寡婦に関する現状と問題点です。それから,二つ目には施策の基本目標策定と具体的施策,この2点を盛り込む計画としたいと考えてございます。 ◆阿知良寛美 委員  ただいまの相談申し込みが493件,そのうち仕事をしたいということで202名の方が登録して36名ですから20%の方が就職をされたということですね。その就職の中には,常勤とそれから非常勤とがあると思いますけれども,それぞれその内訳はどのようになっているかをお答え願います。 ◎福島 児童家庭部長  就職をされました36名は,いずれも全員非常勤でございます。ただ,これは厚生労働省の統計上の分類でございまして,勤務実態といたしましては,大方の方が常勤での勤務であり,ただし,採用につきましては1年更新で,ただ,長期の勤務が可能といった状況でお勤めいただいていると伺っております。 ◆阿知良寛美 委員  スタートしたばかりですから,まだまだ非常勤というのは非常に多いということで,要するに長期的に安定した生活,そういう安定した収入を得るということですから常勤にこしたことはないわけですから,今後,自立支援にはまだまだほど遠いという気がしますけれども,より一層努力をしていただきたいというふうに思います。  ところで,厚生労働省では5年に一度,母子世帯の実態調査をしておりますが,平成10年のデータで申しわけないのでございますけれども,それによりますと,母子家庭の平均年収229万円,末っ子,引き取った子供の年齢ですね,一番下が5.4歳,離婚母子世帯における父親からの養育費の状況,現在受けているが20.8%,受けたことがある,これは16.4%,受けたことがない,60.1%,合計して8割近くの母子が養育費を受け取っていない,こういう実態があります。母子世帯になる前の就業状況,就業していたが63.5%,就業していないが35.3%,悩み,困っていることはないかと,これによりますと,家計,仕事,合わせて74.6%がこのことについて悩んでいるという回答を寄せております。  このことを見ますと,長引く不況であることから,札幌ではもっと厳しい状況にあるというふうに推察をされますし,特に年収平均229万とありますけれども,大半が200万未満だろうというふうに思います。そういう面では,母子世帯になる前には職についていた方ばかりではなくて,むしろ育児とか出産とかも含めますと,職業経験が乏しい方が生活のために働かざるを得ない状況になるわけで,その意味から,法改正により母子家庭の母親が就職する際に有利となる資格取得を支援するために創設された高等技能訓練促進費などの母子家庭自立支援給付金制度,この活用が今後の母子家庭の経済的自立に非常に有効であるというふうに思います。  つきましては,この自立促進計画の中で,母子家庭自立支援給付金制度の導入をしっかり盛り込んでいただくよう強く要望いたしまして,私の質問を終わります。 ◆井上ひさ子 委員  私の方からも,児童の虐待について,簡潔に2点質問したいと思います。  先ほど来いろいろな角度からの質問が出ておりますので,まず札幌市の平成14年度,2002年度の虐待の特徴についてです。私も事前に資料をいただきましたけれども,件数も若干減っているのと,内容が身体的な虐待,ネグレクト,そしてその主たる虐待をしているのが実母という,こういう状況だというふうに見ました。その中で,年齢構成を見ますと,ゼロ歳から3歳未満児までのところがこの間減少しているという,こういう傾向になっています。この背景,また,要因についてどのように受けとめておられますか,これを1点お聞きしたいと思います。  それと,児童相談所における一時保護についてです。
     これは,18歳までの子供さんに関するさまざまな問題をここの中で担っているということで,本当に大変なことだというふうに思います。虐待だけではなく,非行,不登校,障がいを持っている子供たちの問題,また,しつけの問題,子供に関するあらゆる問題,こういう中で,私は相談所における一時保護についていえば,定員もあるというふうに聞いておりますし,その中での職員の配置基準についても,施設に準じてということでしたけれども,なかなかこの間,この辺がふえてきていないのではないかなというふうに思うのです。やっぱり虐待を受けた子供たちに対する職員の対応というのは,受けた虐待によっても本当に一人一人異なりますし,そういう中で,ここのところが十分な体制になっていけるようにと思うものですから,この辺について今の実態をお伺いしておきたいと思います。 ◎大沼 児童相談所担当部長  まず初めに,14年度の児童虐待の状況をお答えいたしたいと思います。  虐待または虐待があるとして受け付けた件数は372件でございます。このうち虐待として認定したものが226件で,13年度よりも75件減少しております。北海道も同じ傾向であり,また,国も微増にとどまっている状態でございます。また,内容といたしましては,身体的虐待が64件,心理的虐待が15件,性的虐待が8件,養育拒否や怠慢などのネグレクトが139件でございます。13年度と比較いたしますと,身体的虐待が111件から64件と減少し,また,虐待を受けている子供では,就学前の乳幼児が147件から89件と大幅に減少をしております。  この背景といたしましては,児童虐待防止法が施行されまして,児童虐待ということが広く市民の方々に周知されてきたこと,また,関係機関のネットワークによる連携が強化されてきた,こういうことが効果を上げてきているのではないかなというふうに推測しております。  次に,一時保護所でございますが,一時保護所の定員は30名でございます。職員につきましては児童養護施設の職員の配置基準に準じて配置しているところでございます。先ほど委員からご指摘ございましたように,一時保護所におきましても,さまざまな問題を抱えた子供たちをお預かりし,行動観察をしたり,今後の処遇を考えたり,心のケアを行ったりいたしておりますけれども,とりわけ,ここに虐待を受けて保護された子供たちにつきましては,児童福祉司,心理判定員,一時保護所の職員が一体となりまして,協力しながら心のケアに努めているところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  今,児童虐待防止法が施行されて,そして,それがしつけではなく本当に子供たちに対する虐待だと,そういうことと,それから本市においては乳幼児健診などが行われる中で,早い時期にそういうことが相談の体制になったり,先ほどから問題になっておりました保健師さんの問題,看護師さんの問題,そういう中で関係団体のネットワーク,これが早い時期によい方向に少しずつ広がってきているのではないかなと思っているのです。  そこでですが,子供さんが大きくなればなるほど心の傷も本当に深く大きくなります。私は,学校教育の中で,教育だけがこれを負うものではありませんし,責任を持たせるものではないというふうに思うのですが,その中で,やっぱり虐待を発見できる場でもあるというふうに思うのです。そういう中では,虐待防止の機関の中に教育関係の方々も入っているというふうに思うのですが,今,傾向でいえば小学生からの虐待も多くなっている。こういうことを考えたときに,やっぱり児童相談所と連携をとりながら,そういう対策も持つべきだというふうに考えています。これについて再度お尋ねしたいと思います。 ◎大沼 児童相談所担当部長  お答えいたします。  まず,学校との協力関係なのですけれども,これは大変重要なことと認識しております。まず,虐待のケースにつきましては,日常的に連携を密にとっているところでございます。  次に,委員のご指摘にございましたように,会議へのご参加をいただくということで,全市的レベルでは,札幌市児童虐待予防防止連絡会議,あるいは区レベルにおきましては,各区児童虐待予防防止ネットワーク会議,この会議の中に市立小学校,中学校,あるいは高校の代表の方々にご参加いただきまして,それぞれの機関からの活動報告や,あるいは情報交換などをしていただきまして虐待についての認識を深めていただく,そして連携をとっていただくということを行っております。  また,3点目に,新任の教頭先生に対しまして,研修に組み込んでいただいております。これは児童虐待について,やはり発見,予防,いろいろ連携をとる中で認識を深めていただくということで,組み込んでいただいているところでございます。  どちらにいたしましても,学校との協力,あるいは地域との協力というものは欠かせない状況でございますので,今後とも連携を密にして取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆井上ひさ子 委員  児童虐待防止法が改正されるということで,私も,この間,胸を締めつけられるようないろいろな事件が起きて本当に心配しております。私ども共産党も,そういう苦しんでいる子供たちをどうやって救うか,また,虐待してしまった親をどうやって支援していくかと,こういう立場でこの間臨んでまいりました。先ほどの児童福祉司の問題でも,私は本当にこれは検討してほしいなというふうに思うのですが,例えば,伊藤議員が質問をしたように,保育所の国の基準を上回る補助は,国基準に引き下げていくという,こういう一歩をやっているわけですね。ところが国の基準から下がっているものに対してはなかなか一気に上げられないというところでは,大きく財政の問題が厳しいというふうに,皆さんが先ほどおっしゃっていたというふうに思うのです。これについていえば,本当にお金にかえられない重大な問題ですので,働く人たちが意欲を持ってそれに対応できるような,そういう職員の充実を私は心から求めて,質問を終わりたいと思います。 ◆坂本恭子 委員  私からは,自閉症児施設であるのぞみ学園について,そして青少年健全育成にかかわってと,大きく2点の質問をしたいと思います。  まず,自閉症児施設であるのぞみ学園について,2点伺いたいと思います。  現在,23名が入所しているのぞみ学園ですが,このうちの約半数が2005年度に新しく開設される自閉症者専門施設へ移行すると聞いております。また,市立札幌病院の改革プランが,今後,策定されることになっておりますが,質問の1点目として,もし,静療院が廃止もしくは移転ということを仮定した場合でも,今後ものぞみ学園として,現在の定員32名,これを維持して施設の運営を行っていくのかどうか,基本的なところを伺いたいと思います。  それからまた,質問の2点目ですけれども,現在ののぞみ学園は施設の老朽化,それから入所者の加齢から,居室の基準が現状に合わない,狭いというようなことで,よい療育環境を保っているとは言いがたい状況にあるというふうに思うのですけれども,今後,どのような改善を図っていくおつもりなのか,この点についてお聞きをしたいと思います。  それから,青少年健全育成にかかわって,まず2点質問をしたいと思うのですけれども,昨日,本市の市政世論調査報告書というのがちょうど配られておりましたので,興味深く拝見させていただきました。この報告書のメーンテーマが,札幌市民の子供観ということで,いろいろな分野でアンケートをとっていらっしゃいますけれども,子供を取り巻く課題として関心のあること,これの1番目として,複数回答ですけれども,少年犯罪というのが55.5%,それから,先ほど来,皆さんから質疑されております児童虐待についてが42.9%というようなことで,本当に今世相を反映して大変厳しい状況が,子供を取り巻く課題ということで寄せられているというふうに思うのです。そして,55.5%の少年犯罪という答えとあわせまして,この少年犯罪がふえてきているというふうに思う方が84%という高い数字になっております。  先日の新聞報道でも,道内で昨年1年間に刑法ですとか,特別法などの罪を犯した少年が6,389人ということで,前年比15.3%増ということが報道されておりました。それからまた,飲酒や喫煙などで補導された少年も,これもまた前年比18.3%増ということで,1万1,648人に上っているということです。非行や犯罪だけではなくて,いじめ,引きこもり,不登校など,子供を取り巻く状況は本当に厳しく深刻だというふうに思っております。  そこで,1点目の質問ですけれども,2001年4月に開設されました少年アシストセンターの取り組みについてです。センターの主な業務である相談業務ですけれども,保護者からのものも大変多く,その内容も多岐にわたっているというふうに聞いております。先ほどの世論調査報告書でも,非行や少年犯罪が起きる原因として,親子の触れ合いが少ないこと,大人のモラルが低下していること,そして家庭でのしつけがよくない,こういうようなことが挙げられております。  それからまた,身近にいる子供から相談を受けたことがあるという大人が11.8%で,受けたことがないという大人が88.2%というふうになっております。それから,さらに札幌市が子供にとって優しい街と思わないという方が全体の3割に上っているということです。  私は,この報告書の冒頭で,一番着目したいと思ったのは,子供たちにとって今の社会が先行き不安であるというふうに,大人自身が答えているということなのです。やはり,このようなことからも,子供と保護者を含む大人を丸ごと支援していくということが本当に求められているというふうに感じますけれども,これに対して,アシストセンターとしてどのように取り組んできたのか,この点について伺いたいと思います。  それから,青少年育成にかかわっての2点目の質問ですけれども,子どもたちの健全育成や親を支援するためには,地域社会での家庭,学校,そして地域の方々がしっかりと連携するという必要がやはりあるというふうに思うのですが,どのように地域社会との連携を図っているのか,現状をお示しいただきたいと思います。  さらに,今後はどのような事業展開の方針をお持ちなのか,この点についてもお聞かせください。 ◎岡田 障害福祉担当部長  1点目の静療院が廃止,もしくは移転をした場合に,今後,のぞみ学園はどういうような運営をしていくのかということについてでございますけれども,静療院につきましては,市立札幌病院の改革プランの中で検討されるというふうに聞いておりますが,のぞみ学園につきましては,私ども保健福祉局所管の第一種自閉症児施設として,今後も自閉症のお子さんの療育に努めていきたいというふうに考えております。  2点目の施設の改善についてでございますけれども,委員ご指摘のとおり,現在ののぞみ学園は築後22年という経過の中で老朽,狭隘化してございます。必ずしも良好な療育環境にあるとはいえない状況というふうに認識してございます。したがいまして,今後につきましては,静療院を含む市立札幌病院改革プランにあわせまして,施設の改修や改築も視野に入れ検討していきたいというふうに考えてございます。 ◎福島 児童家庭部長  子供たちの問題行動への対応といった面での子供と保護者に対する支援策ということで,お話にもございましたとおり,私ども平成13年度に少年アシストセンターを開設いたしました。それ以前の補導業務中心から,むしろ逆に相談業務中心に軸足を移しまして,子供たちやその保護者が,いわゆる子供の思春期における悩みを気軽に相談できる体制を整えてきたところでございます。  まず,アシストセンターにおける相談業務の分析から,子供の問題行動の主な原因が,子供の成長段階に応じた親や周りの大人の適切な対応の不十分さですとか,それから親子関係そのものの不調和といったようなことからくる問題といった認識を持ってございまして,このため,私どもといたしましては,具体的な相談事例に基づいたさまざまな事柄について,PTAですとか,子供を取り巻く育成者の方々などを対象にした,いわゆる出前講座なども実施をいたしてございますほか,あしすと通信,あるいはホームページを通じて,最近の子供たちの動向などをアシストセンターからの情報提供ということで対応させていただいております。  それから,子供たちに対しましては,電話等の相談のほかに,巡回指導におきまして喫煙などの問題行動ですとか,様子が気になる子供たちに声かけを行いまして,抱えている悩みなどを少しでも解消できるように支援をしているところでございます。  それから,2点目の地域の連携でございますが,子供たちが健やかに成長するためには,やはり地域の大人が子供を見守り,支援していくことが不可欠でございます。これまでも,子供の健全育成事業を実施しております,青少年育成委員会や,それから中学校区青少年健全育成推進会という組織がそれぞれに役割を認識し,そして連携を図りながら活動を展開してきていただいております。  私どもといたしましては,この青少年育成委員会,民生・児童委員,それから保護司会,PTAなどの団体と,今後ともより一層連携を図りながら,そして地域独自のネットワーク化への取り組みというものに対しましても,私どもの方からさまざまな情報提供をさせていただき,それら自主的な活動を支援させていただきたいというふうに考えてございます。 ◆坂本恭子 委員  のぞみ学園についてですけれども,今後も自閉症児の療育に努めていきたい,それからまた,施設の改修や改築も視野に入れて検討していきたいというご答弁でした。のぞみ学園の将来についてといいますか,今後について,市はどのようなビジョンを持っておいでなのか,この点について伺いたいと思います。  やはり,のぞみ学園は医療とは切り離すことができない施設だというふうに思うのですけれども,例えば,市立病院の平岸分院として受け持つようなことになっていくのか,そうなれば,夜間の医師の当直体制とか,そういうことはどうするのかというような課題もあると思いますし,あるいは安定した子供さんだけを処遇して,往診だけで医療の部分は対応していくのかというように,いろいろ想定もされるわけですけれども,医療型施設として,どのような位置づけにしていくのか,今後についてのお考えを伺っておきたいと思います。  それから,青少年育成にかかわって,主に少年アシストセンターの取り組みについて,それから地域では青少年育成委員会であるとか,PTAであるとか,さまざまなネットワークの中で連携を図ってというようなお答えだったかなというふうに思うのですが,改めて,代表質問でも伺った質問なのですけれども,子どもの権利条約について質問をしたいと思います。  ご承知のとおり,1994年にこの条約を日本は批准をし,同じ年に国内で発効している,そして96年には現状の報告というのを国連子どもの権利委員会に提出をし,その2年後に国連の方から所見と勧告が出される。この所見の中には,極度に競争的な教育制度のもとで,子供がストレスにさらされ,発達のゆがみを来しているという,有名な文言がありますけれども,そういうふうに指摘をされております。そしてさらに,ことしの1月に,2001年に提出をされておりました第2回の日本政府の報告に対して,また新たな所見と勧告が出されましたけれども,この間の政府の対応については,十分な進捗はなかった,こういうふうに国連では批判をしております。  特に,子供の意見の尊重という項目については,子供に対する社会の伝統的な姿勢が,家庭,学校,社会全般において,子供の意見の尊重を制限している,こういう懸念が表明されました。かつて,地域にはおじさんとかおばさんとか,面倒見のいいお兄さん,お姉さんというのが,親とか教師とはまた違う立場でいて,いわば横とか縦の関係ではなくて,斜めの関係というのがあって,そこで大人たちが子供であるとか若者,青少年の成長をサポートするという環境があったというふうに思うのです。  子供が大人になっていくためには,この身近な人たちと共感し合ったり,あるいは反発し合ったりという自分の思いや願いを表明しながら,自分自身というか自分らしさというものをつくっていくというふうに思うのですけれども,今,思春期の子供たち,青少年が豊かな人間関係をはぐくむことのできる場所,それから機会というのが地域から姿を消している。大変憂慮すべき状況ではないかというふうに思っております。  そこで,伺いたいのですけれども,子どもの権利条約に基づいた国連からの第2回目の所見,勧告に対して,本市の子供たち,青少年の置かれている状況をどのように認識されていらっしゃるのか。先ほどご答弁がありました地域でのネットワークですとか,本市の健全育成の活動ということがご答弁にありましたけれども,今後の方向性というものがそれで十分改善されるというふうにお考えなのかどうなのか,この点についてお聞きしたいと思います。 ◎岡田 障害福祉担当部長  のぞみ学園の将来のビジョンについてでございますけれども,先ほどお話がございましたが,現在,整備を進めております自閉症者専門施設や他の知的障がい児施設,また,市立札幌病院を初めとする医療機関との緊密なネットワーク,そういった連携のもとに,医療型の自閉症児の療育を行う専門施設として,その核といいましょうか,中心的役割を担っていくものというふうに考えてございます。 ◎福島 児童家庭部長  ことし1月,いわゆる第2回目の勧告及び提案,ここでは日本政府が取り組んだ立法措置ですとか行政措置などについて一定の評価を得ている一方で,総体的にはまだまだ取り組みは十分ではないと,ご指摘のとおりでございます。そのような勧告を広範な分野にわたって確かに受けたところでございます。  私ども札幌市といたしましても,先ほどご答弁申し上げました,地域地域における子供を見守る大人たちの連携,これだけで子供の権利が十分担保されるというふうにはもちろん思ってございませんので,今回,国連子どもの権利委員会から示されました勧告,提案を札幌市としても真摯に受けとめ,自治体として,子供の視点に立って保障されるべき権利というものを,いわゆるかみ砕きながら現実生活の中で生かし,実現していく作業に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ◆坂本恭子 委員  のぞみ学園についてですけれども,自閉症児の専門施設として,医療機関や他の施設とも連携して,核となって中心的役割を担っていきたいということですが,医療型施設として,多様な症状を持つ自閉症児を療育する大変重要な施設ですし,平岸高台小学校とか平岸中学校の院内分校といいますか,のぞみ分校としての役割もあります。教育委員会とのかかわりですとか,特に,先ほど来出ております市立病院ですとか静療院とのかかわりというのが,今後,どうなっていくのかまだ先がわからないというところもあろうかと思いますけれども,現在,入所されている方々の処遇を第一に考えて,そしてまた,その親御さんの気持ちもしっかりと受けとめて,やはり核として,医療型施設としての役割をしっかりと担っていくように,今後もそのように対処されていくように求めておきたいと思います。  青少年育成にかかわっての子どもの権利条約について伺いましたけれども,この世論調査の報告書の中で,子供の権利とはという設問があるのですけれども,この中で,これも最も近い考えのものにということで,全部で13項目ありますけれども,ここで,そう思う,どちらかといえばそう思うということで,8割を超える項目として,だれとも差別されないこと,それから子供の安全を守るためのもの,自分の意見をきちんと言えること,それから悩みを他人に相談できること,ほかにもいろいろ数字が出ていますから,きちんと読み取りはまだできていないので,ちょっと特徴的なところだけ挙げておりますけれども,こういうことが挙げられているのです。  共通しているのは,やはり国連の勧告にもあるように,子供の意見表明権にかかわる分野だというふうに思うのです。先ほど来のやりとりで,児童虐待の問題も出ておりましたけれども,やはり青少年の育成については,先ほど言った縦横ではない斜めの関係といいますか,そういう子供がいつでもどこでも自由に自分の思いだとか願いを表明できる,それを受けとめる大人がいるということが,やっぱり大切なのだろうというふうに思っておりますし,安心と信頼の人間関係で結ばれてこそ,子供の成長だとか発達というものが保障されるのではないかというふうに思っております。  子供が自分自身の人生を主体的に生きる,あるいは目的を持って生きるための地域の居場所づくりということが求められているのではないかなというふうに思うのです。居場所といっても,単なる物理的な施設ではなくて,子供であるとか青少年,若者の悩みや願いを受けとめて,彼らの間のコミュニケーションを促進する人が配置されている場所でなければならないというふうに思っているのですが,その点はどのように考えていらっしゃるのか,ちょっとお考えをお聞きしたいというふうに思っています。  それからまた,今後は,子供の権利条例の制定であるとか,また,現在,作業が進められております次世代育成支援の行動計画に,子供を含む青少年の居場所づくりという点が盛り込まれる方向性が必要なのかなというふうに思っているのですが,この点いかがお考えなのか伺いたいと思うのです。  お答えをいただいて,質問は終わりたいと思うのですけれども,青少年育成ということでいうと,子供を見守る大人ということで,今,策定中の行動計画の素案にも出てまいりますし,部長のご答弁にも何度も出てまいりましたが,やはり青少年,それから子供の健全育成には,子供自身が尊重される,それから意見を言うことそれ自体が尊重されるという,自分の意見が考慮に入れられるということを実感できるような,雰囲気づくりというか環境というのが,やはり私たち大人の側には非常に求められています。それをいかに地域の中で,あるいは学校で実践をしていくのかということでは,やはり今の体制ではまだまだ不十分だというふうに私は思っております。子供の権利条例そして行動計画の策定の中で,これらのものを皆さんと一緒に具体的なものにぜひしていきたいと思っておりますので,その立場から,最後に2点だけお考えを伺わせていただきたいと思います。 ◎福島 児童家庭部長  今,坂本委員のお話にもございますように,子供の居場所づくりというのは,単に施設づくりだけで済むものではないと,確かにそのとおりでございます。もちろん,私ども児童会館を中心に居場所づくりとして整備を進めてまいったところでございますけれども,いわゆる子供にとって家庭そのもの,あるいは学校でも勉強するところだけではないということで,それから地域ということで,それぞれ子供のその状況状況に応じて,その子にとって居場所というのはいろいろな種類のものが考えられると思います。  そんな中で,お話のございました周りの大人がどう子供たちをしっかり受けとめるのかといったことが重要というお話もございましたけれども,その観点から,私ども,先ほど申し上げたような家庭の親,それから学校,それから地域の子供たちを見守る大人たちが情報を共有しながら,子供たちをしっかり受けとめられるような体制づくりを進めていきたい。そのことが,いわゆる子供たちにとっての居場所づくりにつながるというふうに考えております。 ○本郷俊史 委員長  以上で,第2項 児童福祉費,議案第5号及び議案第25号の質疑を終了します。  最後に,第4項 生活保護費の質疑を行います。 ◆芦原進 委員  私の方からは,生活保護受給者の就労支援について質問をいたします。  私ごとですが,よろず相談何でも受けます。三日以内に必ず回答,こういうキャッチフレーズで市民の皆さんから相談を受けております。解決にはなかなか至りませんが,何らかのご返事は三日以内にするということでしっかり取り組んでおります。  特に,そういう中で多いのが生活相談,特に生活保護に関する相談が最近非常にふえてまいりました。それはやはりバブル崩壊後の構造的な不況からいまだ脱却できていないし,不安定な状況がまだ続いていると。その影響でリストラ,倒産,そして失業と,悪化の現象に歯どめがかかっていない。多少15年度は若干上向いてきたと,こういう発表もありますが,札幌はまだまだそういう実感はございません。  そこで,ここに資料をいただいたものがありますので,数字の上から若干検証してみたいと思います。  一つは,11年から15年,5カ年にかけてどういう推移になっているかということでございます。一つは,常用有効求人倍率の推移ということで,全国,北海道,札幌と比較してみたいと思います。11年度,全国でこの求人倍率が0.47,間を飛ばします,時間がありませんので。15年は0.77と,北海道は11年が0.35,札幌は0.29,15年度は北海道は0.47,札幌は0.43と,非常に数字が落ちております。  また,失業率の推移でございますが,平成11年度は全国が4.7,北海道は4.9,15年度は全国では5.3,北海道は6.1と,15年度は若干12月に4.9は下がっていますが,北海道はずっと上昇傾向でございます。それに,反比例するように,被保護人員,世帯保護率の推移を計上しますと,保護率だけを申し上げますが,平成11年は人口1,000人当たりに19.7,保護費の決算額が約660億円,これが15年度になりますと保護率が25に上がります。そして,これは見込みでございますが約845億円,このように上昇しております。  それと,最後に,4点目ですが,被保護世帯の稼働率の推移,これは保護世帯というのは高齢,母子,障がい,傷病,その他という全部が含まれておりますので一概に言えません。しかし,稼働世帯が11年度は16.4%と。12年,13年,14年は17.2%ということで大体推移が安定をしております。ということは,高齢が40%近くありますので,それを差し引くとかなりの方が生活保護を受けながら一生懸命働いていると。また,就労支援が実っているということにつながってくるのではないかと,このように思います。  生活保護を望んでいる人はだれもおりません。しかし,いろいろな事情で一番苦渋な選択をしていると思います。憲法にも,だれも健康で文化的な生活維持のための最低限度の生活の保障とありますし,また,一方では,自立支援の目的もあわせて明記されております。  そこで,3点について質問をしたいと思います。  一つ,自立支援の一つである就労支援について。就労支援の相談員を配置されておりますが, 現在,どこの箇所に何人配置されていますかということであります。  2点目に,今後,ふやす予定があるとすれば,どこの箇所に何人配置されますか。  3点目には,相談員にはどのような人が相談に当たっておられるか,この3点について,まず,お尋ねしたいと思います。 ◎土屋 総務部長  就労支援相談員についてのご質問でございます。  1点目の相談員の配置状況でございますけれども,平成14年に初めて豊平区に配置いたしました。その後,15年の4月からは西区と東区にそれぞれハローワークに対応するような形で増員を図り,都合3名になっております。  それから,16年度でございますけれども,非常に効果があるということでございますので,これも1名また増員し4名体制で,これは北区を考えておりますけれども,そういった状況で活用を図っていきたいと,このように考えております。  相談員の職業等でございますけれども,やはり生活保護を受けられている方というのは,いろいろ仕事のキャリア,それから資格とか技術とか,それから健康状態もありますし,さまざまなハンディを持っております。したがって,仕事とのマッチングというのは非常に難しい対応になると思いますので,ハローワークのベテランのOBの方を中心に採用させていただいて対応しているところでございます。 ◆芦原進 委員  そこで,被生活保護者のケースワーカー,この方は区で多い方で1人で大体七,八十人ご担当なさっていると伺っております。1人でこれだけ持つというのは非常に大変だと思うのです。大変心身ともに苦労があると。これは私はわかります。やっぱり1人2人相談を受けるだけでも大変疲れるのに,七,八十人持ったら大変なことだと思うのです。こういうケースワーカーというのは専門職であるべきと,私個人的には思っております。がしかし,現在は専門職でない人,または若いケースワーカーさんもたくさんふえていると伺っております。中には一生懸命というのが災いして,相手方によかれと思って取り組んだことが,逆に誤解を招いてトラブルの原因になったり,双方とも辛い状況になるということを多々聞きます。  私も,本当に未熟さゆえに体験したことですけれども,相談を受けまして,経験不足と認識不足,これが高じて,信頼をして相談をしてくださっているのに,相手の方に感情的になって傷をつけたこういう辛い思いがあります。私はこれは生涯ぬぐい去れないと自分自身に言い聞かせております。1人であってもそういう思いをさせたことに対して非常に心を痛めております。  そういう意味で,私はこのケースワーカーについて,2点質問したいと思います。  被生活保護者の支援の接点であるこのケースワーカーの資質向上のために,どのように取り組んでいかれるのか。また,今後の就労支援の考え方と具体的な取り組み方について質問いたします。 ◎土屋 総務部長  お答え申し上げます。  ただいま委員から現場のケースワーカーが大変苦労しているということで,ご理解のあるお言葉,現場のケースワーカーは大変うれしく思うと思います。感謝を申し上げます。  そこで,ケースワーカーの資質向上策でございますが,大変保護世帯がふえているということで,どうしても新採用も多いということで若年化は避けて通れません。それからいろいろな職員の問題がありまして,4年サイクルということで全庁的に人事異動もしておりますので,そんなことでハンディを持っているということでございますけれども,今,お話がございましたように,さまざまな問題を抱えて来る方に,真に必要な方には保護する,しかし,生活保護の原則に立って的確に対応するという非常に難しい仕事でございますので,そういったことにつきましても,日々研修をしながらやっていかなければならないと思います。そういった面では,我々もかなり研修をやっておりますけれども,今後も力を入れてやっていきたいと思いますし,それからちょっとハードになりますけれども,監査を通しまして,これは指導監査という側面を持っておりますので,そういった面で,職員の資質向上につなげていきたいと思っております。  それから,就労支援相談員の問題でございますけれども,大変効果が上がっておりまして,去年の4月からこの1月までで120名が就労を開始し,うち40名が廃止になっております。この大変厳しい状況の中では大きな成果かなと思っておりますので,そういった中で,先ほども申し上げましたけれども,1名の増員を図って4名体制でしっかりやる。と同時に,この就労支援相談員,単なる就労指導だけでなくて,若いケースワーカーに対しても面接の仕方とか,それから履歴書の書き方,その他もろもろの具体的な技術がございますので,その辺も含めて研修講師として活用していきたいと思いますし,それから手引書をつくろうと思っています。今,お話のような中身を盛り込みまして,ケースワーカーに対して現場で活用できるようなそういう手引書もつくって,今後,大いに研修等で活用を図っていきたいと思っております。 ◆芦原進 委員  今,答弁いただきましたように,しっかりした研修,また監査,また手引書等々しっかりつくって,本当に実のあるものにしていただきたい。  若干外れると思いますが,保護費というのは,年々ふえているからこれはまずいのだという,そういうとらえ方もあると思うのですが,一方で,土木とか建築というのは,これは札幌市外,道外もいっぱい受注するわけです。そういう面では,土木建築なんていうのは外に出ていってしまう,そういう費用だと思うのです。しかし,保護費というのは年々上昇をたどっていますが,確実にこれは,一部,見方ですよ,事業費の見方として,地元にちゃんと評価されているという見方が私はできると思うです。そういう意味では,非常に大切な支援だと思っております。  そういう意味でしっかりやっていただきたいし,やってやるとか,また,してやっているとかこういう姿勢ではなく,だれもがやはり自立を望んでいるのは事実であります。そういう意味で,働きたくても働けない環境の人もたくさんおります。そういう意味で,一人一人の状況をしっかり把握をしていただいて,相手の立場に立った就労支援の実現にしっかり取り組んでいただきたい。  先ほど1区ふやして4区にするとのお話がありましたが,近い将来全区にやはり相談員を配置していただいて,さらなる自立支援をお願いしたいことを要望しまして,質問を終わります。 ◆原口伸一 委員  私は,数点についてお尋ねをいたします。  本市の生活保護費ですね,平成12年に700億を超えました。706億でございました。そのとき議会では,700億も超えたのかと,みんなびっくりしました。今年度,平成15年度の生活保護費は補正を含めて845億計上されておりますし,今議会に提案されております平成16年度の予算案では887億と,こういうふうになっていまして,平成12年から16年のこの5年間で181億もふえている。こういうことになるわけですね。これはいろいろな原因があるのだろうと思いますけれども,それはきょうはお話をしませんで,現在,本市の保護世帯,直近の数字でいいと思いますけれども,保護世帯数はどのくらいあって,それと人員はどのぐらいあって,保護率はどうなっているのか,これについてお聞きをいたしまして,あわせて,夫婦2人,子供1人のいわゆる標準3人世帯で,支給額は夏と冬,幾らずつになっているのか,これをまずお聞きをいたします。  あわせて,最近,生活保護制度を悪用して不正に受給しているということが議会でも報告をされておりますし,我々のところにも実例をもって,申し出てくる人,我々に情報を入れてくれる人もおります。そういうことで,現在,生活保護の不正受給の件数はどのくらいあって,そして,金額としてはどのくらいなのだと。そして,不正受給の中身といいますか,その内容はどうなっているのか,これもあわせてお尋ねをいたします。 ◎土屋 総務部長  1点目の直近の保護動向でございますが,平成15年12月末日で,世帯数が3万832世帯,人員は4万7,251人,保護率が25.4パーミルとなっております。  また,標準3人世帯における保護費でございますけれども,住宅扶助を含めてみましたところ,夏の場合で月額20万3,200円,冬の場合で23万9,300円となっております。  それから,不正の件数等でございますけれども,平成14年の実績で申し上げますと,不正受給件数は262件,金額では総額1億9,000万円になっており,ここ数年200件台で推移しているところでございます。  その内容といたしましては,稼働収入の無申告,または過少申告が全体の6割を占めております。 ◆原口伸一 委員  今,不正受給の件数が262件と言われましたが,1億9,000万,大変な金額でありまして,これは本当にこういう数字を聞いて正直申し上げて驚きます。我々のところにも,いろいろ生活相談に来て,こんなに苦しいのだったら,おばあちゃん,生活保護をもらった方がいいよと言っても,私はお上の世話にはなりたくないのだといって,受給申請をしない人もたくさんいらっしゃいます。  そういうような状況ですから,この不正受給ということについては,私は非常に厳しく対応していかなければならないというふうに思っておりますし,こういう不正受給が発覚した場合に,本市としてはどういう対応を今までしてきたのか。これについてお尋ねをいたしますし,また,先般,厚生委員会でこの不正受給金額の返還請求訴訟を起こされたということも聞いておりますので,この事件のその後の経緯について,どんなふうになっているのか,あわせてお聞かせをいただきたいと思います。 ◎土屋 総務部長  1点目の不正受給に対する対応についてでございますが,第1には未然防止が一番肝要だというふうに考えております。したがいまして,生活保護者に対しまして開始時はもとより,あらゆる機会をとらえて収入申告などの届け出義務を周知することが重要であるというふうに思っております。今後とも指導を徹底してまいりたいと思います。  第2点目は調査でございまして,早期発見ということが大事でございますので,開始時の預貯金やその他資産調査,毎年行っております課税収入調査,年金受給に関する随時の社会保険調査等を実施しているところでございまして,これも今後も徹底してまいりたいと考えております。  それから,もう一つ重要なのは,不正受給を発見した場合の対応でございまして,不正により受給した金額については警察への告発,被害届けの提出を行うとともに,今後とも厳正に返還させるということが肝要であると考えております。  それから,大きな2点目の今のお話にありました実際に起きた不正受給のケースのその後の経過でございますけれども,障害基礎年金受給の事実を長年にわたって隠してこれを蓄財しており,発覚後も不正受給の額を返還しないという悪質なケースでございますので,これを告発したところでございます。その後,昨年の9月に詐欺罪により1年6カ月の実刑判決が出て,現在服役中でございます。  この事件にかかわる返還金でございますけれども,昨年の11月に財産の仮差し押さえを行い,あわせまして,昨年の第4回定例会でご議決をいただきまして,不正受給の658万円の支払い請求の訴えの提起を札幌地裁に行ったところでございますが,この2月26日におかげさまで勝訴することができました。近々の強制執行へ向け準備を進めているところでございます。  生活保護行政におきましては,市民の信頼を勝ち得ると,それから,受給しておられる方の公平性の確保をするということが大事でございまして,こうした視点に立って,今後とも厳正に対応してまいりたいと,このように考えているところでございます。 ◆原口伸一 委員  これで終わりますけれども,とにかくこういう不正受給ということにつきましては,納税者である一般市民にとっては許しがたいことなのですね。ですから,これからも厳正な対応をされるようにお願いをしまして,質問を終わります。 ◆横山光之 委員  私からは,本市のホームレス対策について伺います。  もう大分長くなりましたので,簡潔にやります。  本市はこの4月から市内のホームレスの中で勤労意欲のある人が就職や住居が見つかるように手助けをする自立支援事業に着手をするということであります。  そこで,私からホームレスに関して何点か質問いたします。
     初めに,JR高架下のエルムの里公園から退去いたしましたホームレスのその後の状況について伺います。私の住まいのすぐ近所でありますが,北6条西8丁目の高架下にあるエルムの里公園にホームレスがテントを張って住みついておりました。いわゆる定住型のホームレスということで,近隣住民から苦情が寄せられ,また,公園としての本来の機能が失われるなど問題となっておりました。その後,本市の関係部局の大変なご努力で平成13年中にはすべて退去し,現在は運動公園として見違えるような整備をされました。地域住民から大変喜ばれております。私も時々出かけておりますが,ここで備えられた器具を使って健康づくりに励んでいる人々を見るたびに,本当によかったなと感謝をしているところであります。  その折もホームレスの退去を求めるに当たって,この人たちのその後の生活がどうなるのか。ただ追い出しただけでは問題の解決にはならないと。定住型のホームレスと違って,普通のいわゆる移動型のホームレスは,冬期間は凍死,それを避けるために夜は眠らないで歩き続けて,朝地下街や公共施設があくと,そこに入って昼の間は眠るという人もいるのだというふうに聞いております。人道的にも公園を退去した後のことがどうなるのか,関心を持たれていたわけであります。  私は,一昨年の予算委員会でこの問題について質問をいたしましたが,当時,エルムの里公園を退去したホームレスは16名いたわけですが,この人たちがその後どうなっているのか。そして現在,どのように暮らしているのか,1点目お伺いをいたしたいと思います。  2点目ですが,当時,エルムの里公園以外に,札幌市内にいるホームレスについては数十人規模と報告されておりましたが,最近,大通公園や地下街でホームレスとおぼしき人を見かけることが多くなってきているように思いました。現在では,札幌市内にどのぐらいのホームレスがいると把握しておられるのか,伺います。  次に,3点目であります。平成14年にホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が成立をいたしまして,この中で,地方公共団体は,国が策定する基本方針に即して施策を進めるべきことが定められたわけであります。国では全国を対象に実態調査を行って,その結果に基づいて15年7月に国の基本方針が出されたとのことでありますが,その内容はどのようなものか,お伺いいたします。  4点目であります。札幌市はこの国の基本方針を受けて,札幌市としてのホームレス自立支援事業を行うということであります。ホームレス問題の解決には,居宅の確保や生活保護の支給も大切でありますが,何といっても,職について自力で生活できることが第一であります。ボランティア団体の昨年行ったアンケート調査でも,きちんと就職をしたいという人が60%を超えており,行政の支援を受けながらでも,軽い仕事でもいいからしたいという意見も含めると70%の人が働きたいという希望を持っているわけであります。今は路上生活を送っていても,やはり人間として就労をして,自力で生活をしたいというのが大勢の皆さんの気持ちだと思います。  したがって,今回の国の方針を受けての札幌市の取り組みは大きな期待が寄せられていると思うのであります。具体的に,札幌市としての取り組みについて,どのようなお考えか,お伺いをいたします。 ◎土屋 総務部長  1点目の平成13年にエルムの里公園から退去したホームレスの方々のその後でございますけれども,1名の方は自力で退去しましたので15名が残りましたけれども,この方々につきましては,生活保護施設へ一時入所していただき,その後,アパートを借りて順次生活保護による居宅での生活に移行しているところでございますが,その後,稼働により自立した方もおりますので,現在は13名が保護を受けまして療養に専念する,または求職活動をしているということになっております。  それから,2点目のホームレスの現在の数でございますけれども,平成15年1月に実施いたしました全国の調査では88名,それから昨年の12月に行った札幌市の調査では91人と,このようになっております。  それから,国の基本方針でございますが,ただいまお話にございましたように,昨年の7月にこの方針が国から出されたところでございます。この内容の主なものでございますけれども,就労する意欲はあるが失業状態にある方,あるいは医療・福祉等の援護が必要な方など,それぞれの実情に応じながら,就労,住居,それから保健・医療等の各分野にわたって関係機関や民間団体との連携を図りながら,総合的かつきめ細かに政策を実施すると,こういうような内容になっております。  それから,こういった基本方針を受けて,札幌市ではどのように取り組むかということでございますけれども,まず第1点目といたしましては,相談体制の充実でございます。健康診断を含む健康相談,それからハローワークによる就労相談,弁護士によるサラ金等の法律相談,それから区の生活保護相談担当者による生活福祉相談を内容とした総合相談会を定期的に実施するとともに,加えて新たに専門の相談職員を1名配置いたしまして,これは嘱託でございますけれども,街頭に出ていく巡回相談を行うことにより,広くきめ細かな相談体制の充実を図りたいと考えております。  2点目といたしましては,今,お話がございましたように,就労でございまして,就労を積極的に支援する仕組みづくりをしたいと思っております。就労による社会復帰を希望する方に対しまして,新たに市内の救護施設1カ所に就労を支援するため4名から6名の枠を設け,3カ月をめどに専門の指導員のもとに,規則的な生活の訓練や職安との密接な連携によって就労を実現し,自立を目指す事業に取り組みたいというふうに考えております。  それから,3点目は,これは従来から継続しているものでございますけれども,高齢,障がい,傷病等により福祉的な援助をしている方につきましては,これも生活保護施設への緊急一時入所等を通して,生活保護による対応を図ってまいりたいと,このように考えているところでございます。 ◆横山光之 委員  1点目のエルムの里公園から退去したホームレスのその後でありますが,自立したものが少なくて,大部分,結局居宅生活へ移行した後も生活保護を受けているということであります。望ましい形とは言えないとは思いますが,とにかく路上生活から脱出をしたという意味では大きな前進かなと,こう思うところであります。  これらの人々が再びホームレスの生活に戻らないように,行政としてもフォローをしていただきたいなと,こんなふうに思うところであります。  2点目の札幌市内にいるホームレスの数ですが,昨年12月で91人とのことであります。ボランティア団体が昨年7月に行った調査でも88人ということでありますから,夏冬を通じて約90名の路上生活者がいるということであります。これは,暖かい夏と同じ数の人が,真冬の厳しい寒さの中でも路上で生活をしているということであります。本市のホームレス対策の緊急性,重要性をこの点からも思い知らされると,こう思うのであります。  3点目,4点目についてでありますが,ホームレス自立支援法に基づく国の基本方針を受けての札幌市の取り組みでありますが,専門の相談職員を配置して,街頭で巡回相談を実施するとのことであります。これは札幌市としてぜひ力を入れてやっていただきたいと,こう思うのであります。ホームレスの人々が助けを求めに来るのを待っているだけではなくて,進んでこちらから声をかけて,実態を把握する中で積極的に相談に乗ってあげるということで事態の改善が図られるのではないかなと,こう思うのであります。  また,新規の事業として,就労支援入所が行われるということでありますけれども,今回の目玉ともいえる事業であろうと思うのであります。先ほど質問で申し上げましたように,就労支援による自立こそが問題解決にとって不可欠であります。  私は,平成12年に東京都が台東区に設立をいたしました自立支援センターであります台東寮を視察したことがあります。やはり3カ月入所をさせて,ここを住所地として,居宅探しと職探しをさせるというものでありますが,大変規模の大きな立派な施設でありまして,これは東京都が抱えるホームレス問題の重大さを思えば,それも当然かなと納得をしながら感心をして見てまいったわけであります。  昨日のニュースでは,都が民間アパートを借り上げて,月3,000円の家賃でホームレスに貸すことによって,住所を確保する政策に乗り出すということであります。東京都は大変力を入れているということでありますが,札幌市の場合は,既存の休業施設を利用するわけでありますが,何とかホームレスの人々にとって,自立の大きな契機をつくるものとなっていただきたいと,こう思うところであります。  しかし,初めに聞きましたとおり,エルムの里公園からの退去者もその多くが今もなお生活保護を受けているということでありますから,経済的な自立という社会復帰を果たすまでにはなかなかたどり着くことのできない困難な状況にあるように思うのであります。  そこで,質問でありますが,本取り組みを進める上での課題について,どのように考えておられるのか,お伺いをしたいと思います。  次に,民間支援団体ボランティアの活動についてお伺いをいたします。  ホームレス問題の対応には,民間支援団体の活動が極めて重要な役割を果たしていると,こう思うのであります。定期的に炊き出しをしたり,物資の配付を行ったり,あるいは生活保護相談を受けるために,区役所の窓口への同伴など積極的な活動を行っているということであります。  札幌市は,これまでもホームレスの救済のためによく取り組んできたとは考えておりますけれども,私が直接支援団体の方から聞いた話でありますけれども,やはり保証人の問題などで住宅の確保が非常に困難である,あるいは本人の才能といいますか,そういう問題もあって,自分の状況を十分に伝えるだけの能力をなかなか持っておられない,あるいは書類をつくれといっても,さっと一人前につくれないといったようなことで,必要な行動をとれないというような人も多いということなのであります。  そこで,特に,一度生活保護を受けたけれども,居宅生活に適合できずにまた戻ってしまうというような人もあるのだそうでありまして,窓口でも,こういう方に対してはどうしても,何でまた戻ってきたのかと,なぜ再びホームレスに戻ったのかということで,再度の申請のときには,前回の失敗を責められるというようなこともあるということであります。これは私が支援団体から聞いた話でありますので,事実として確認をしているわけでは決してないのでありますけれども,そういった意味で,ホームレスに対する対応というのは,かなり根気がいるといいますか,寛大にならなければできない仕事ではないかなと,こんなふうに思うわけであります。  したがって,窓口での柔軟な対応というのを大変望んでおりました。3月25日に民間団体に対する市からの説明会があるということでありますので,その辺の要望も十分に聞いてあげていただきたいと思うのであります。  ホームレス対策には,やっぱり市民の理解と協力が重要でありまして,支援団体自身も行政でなければできないこと,民間団体であるからこそできること,こういうことがあって,役割分担をして,互いに協力してやっていきたいと,こういうふうに言っているわけでありますけれども,この民間団体との役割分担,協力について,どのようにお考えか,お伺いをしたいと思います。 ◎土屋 総務部長  まず,1点目の今後取り組みを進めていく上での課題でございます。  新たに取り組みます生活保護施設での就労支援を行うに当たっては,定住場所を持たないホームレスの方々と連絡をとることが難しいことも考えられます。この場合,常に支援活動を行っている民間団体との協力を密接にしていく必要があろうかと,こういうふうに考えております。  また,求職活動を援助していくには,その方の職歴等さまざまな難しい問題もございますし,それから本人の就労希望を踏まえた対応も必要でございますので,きめ細かな就労支援が必要であろうというふうに考えております。  先ほどお話もありましたけれども,札幌市の場合,現状では,他の大都市と比較いたしましてホームレスはまだ少ないという現状でございますので,今の段階で1人1人にきめ細かな対応をして,こういった実績を積み上げていくことが重要でないかなというふうに考えております。  それから,2点目の民間支援団体との関係についてでございますが,ホームレス自立支援特別措置法には,国民の理解と協力とともに,民間団体の役割の重要性と,その能力の積極的な活用についてもうたわれております。今,お話がございましたように,ホームレス問題は市民の理解と協力のもとに進めるべきものと考えておりまして,これまでも民間団体と懇談会を開くなど意見を交換してきたところでございます。  民間団体では,炊き出しや見回りを行うなど,大きな役割を果たしてくれておりますことから,今後におきましても,こうした団体の協力なくしては進められないものと考えておりますので,連携を深めながら適切な対応に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆横山光之 委員  本市のこのホームレス対策については,民間団体の方でもよくやっておられるのだと,だけれども,より一層きめ細かい対応をしていただきたいというような要望でありましたし,私もまた同じような評価をするものであります。  東京,大阪といいますと,数千人のホームレスを抱えて,気の遠くなるような対策を今やっているわけでありまして,この問題を解決するには,とても一朝一夕ではできないということであろうと思うのであります。しかし,本市の場合は,その人数からいっても,本気で取り組めばホームレスを根絶するということも決して不可能ではないと,そんなふうに私は思うのであります。その気になるかどうか,やる気の問題ではないかと,こう思うのであります。  今回,本格的な就労支援による自立事業に乗り出すということに当たっては,一人のホームレスも残さないという強い決意で臨んでいただきたいと,このように要望するところであります。終わります。 ○本郷俊史 委員長  以上で,第4項 生活保護費の質疑を終了します。  本日はこれをもって終了し,次回は明後日18日午前10時から,保健福祉局関係のうち保健福祉部,健康衛生部,衛生研究所及び高等看護学院の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会します。     ──────────────       散 会 午後5時13分...