札幌市議会 2004-03-09
平成16年第一部予算特別委員会−03月09日-02号
平成16年第一部
予算特別委員会−03月09日-02号平成16年第一部
予算特別委員会
札幌市議会第一部
予算特別委員会記録(第2号)
平成16年3月9日(火曜日)
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●議題 付託案件の審査
●
出席委員 34人
委 員 長 宮 川 潤 副委員長 山 田 一 仁
委 員 高 橋 忠 明 委 員 宮 本 吉 人
委 員 三 上 洋 右 委 員 馬 場 泰 年
委 員 鈴 木 健 雄 委 員 勝 木 勇 人
委 員 近 藤 和 雄 委 員 細 川 正 人
委 員 村 山 秀 哉 委 員 湊 谷 隆
委 員 川口谷 正 委 員 猪 熊 輝 夫
委 員 大 西 利 夫 委 員 大 嶋 薫
委 員 村 上 勝 志 委 員 三 宅 由 美
委 員 藤 川 雅 司 委 員 桑 原 透
委 員 小 田 信 孝 委 員 高 橋 功
委 員 青 山 浪 子 委 員 阿知良 寛 美
委 員 谷 沢 俊 一 委 員 飯 坂 宗 子
委 員 熊 谷 憲 一 委 員 小 形 香 織
委 員 高 橋 克 朋 委 員 福 士 勝
委 員 恩 村 一 郎 委 員 小 林 郁 子
委 員 坂 ひろみ 委 員 松 浦 忠
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開 議 午後1時
○宮川潤 委員長 ただいまから,第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,
宮本委員からは遅参する旨,
三浦委員は
阿知良委員と交代する旨,それぞれ届け出がありました。
議事に先立ち,審査方法について理事会で申し合わせをいたしましたので,ご報告いたします。
質疑者及び答弁者は,起立して発言を行うこと。答弁者は,冒頭に職及び氏名を名乗ってから発言を行うこと。なお,同一委員への答弁が継続する場合は,最初だけでよいことといたします。
また,効率的な審査を行うため,質疑及び答弁は簡潔を旨とし,内容の重複等は極力避けながら,審査日程を予定どおり消化できるよう,よろしくご協力をお願いいたします。
それでは,議事に入ります。
議案第1号 平成16年度札幌市
一般会計予算中関係分ほか,付託議案16件を一括議題といたします。
初めに,平成16年度札幌市
一般会計予算中,歳入のうち一般財源,第2款 総務費 第1項
総務管理費中会計室及び
財政局関係分,第4項 税務費,第10款 公債費,第11款 諸支出金,第13款 予備費,議案第9号 平成16年度札幌市
基金会計予算及び議案第13号 平成16年度札幌市
公債会計予算について,一括して質疑を行います。
◆馬場泰年 委員 私の方からは,
入札制度についてお伺いをさせていただきます。
札幌市は,2000年度の
汚職事件で官製談合の発覚以来,
入札制度改革の一環として,平成13年度と14年度は
予定価格の
事前公表を
発注工事件数の50%にとどめて試行され,その結果を踏まえて,15年4月より100%の
事前公表を行ってきたという状況であります。
一方,国においても,2001年4月より,
公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律ということで,
通称入札契約適正化法を制定されました。この目的は,工事の品質の確保をするということが一つありますし,また公正な競争の促進や,さらには
不正行為の排除,そしてまた不良・不適格業者の排除等が盛り込まれております。
そんな中で,本市の
入札状況を見ますと,特に,昨年来,同額札の入札により,
くじ引きでの落札が非常に多くなっているということであります。
ことしの2月2日現在で,本市が発注する5,000万円以上の
公募型指名入札とそれから5,000万円未満の
指名競争入札では,合わせて216件が
くじ引きになっていると聞いております。ちなみに,14年度は1年間で37件であり,約6倍に上っているところであります。さらに,一つの物件で同額札を入れた企業数は,最多の30社を筆頭にいたしまして,21社,19社,18社と,10社以上が何と26件にもなっております。
このような状況は,異常な問題として,昨年来の
特別委員会や
常任委員会において,多くの議員から指摘されてきているところでありますし,マスコミにも報道されております。
このような状況は全国的な傾向でもありますが,このように,入札で
くじ引きの落札が多くなった大きな要因は,
予定価格の
事前公表を実施した結果,過去の経験から,いわゆる
最低制限価格が容易に割り出されることになったことが一つの要因かと思います。例えば,実際に,積算なしでも電卓一つで応札できることから,
最低制限価格の付近に札が集中して,
同額抽せんとなっていると思うのであります。
この点について,つまり,
くじ引き入札が多くなった主たる要因は何か,まずこの1点,市の見解をお伺いしたいと思います。
それから,このような状況が続きますと,一つには,低価格による工事の質の低下にもつながりますし,また,技術や経営の向上にまじめに努力しようとする企業の意欲をそぐものでもあり,大変危惧するところであります。ますます建設業の困窮と衰退を招くものであり,決して健全なことではないと思います。見積もりなくしても入札に参加できる,落札できる,中には積算する態勢になっていない業者も落札することがあるわけであります。
そこで,次にお伺いしますが,市は,このような事態をどのように受けとめておられるのか,お伺いをします。
また,一方,国では
予定価格を事前に公表しておりません。それに対して,なぜ本市では
事前公表の方法をとっているのか,国と市の相違についてお伺いします。
また,本市が
事前公表に踏み切った理由について,何をもって踏み切ったのか,この点もお伺いします。これについては,今までの
委員会等でも述べておられますが,時の流れも,
社会状況の変化もありますので,改めて確認の意味でお伺いいたします。
次に,5点目でありますが,
予定価格を
事前公表してからの入札は,本市の状況では,
最低価格が容易に割り出せることから,その
最低価格を暗示しての入札となり,つまりは
最低価格へ誘導する入札であり,本来の入札とは言いがたいものであると思うのですが,これに対する見解をお伺いいたします。
◎中村
管財部長 まず,1点目の
くじ引き入札が多くなった要因ということでございます。
予定価格の
事前公表も一つの大きな要因であると思っておりますが,
公共工事や建設業を取り巻く厳しい環境などさまざまな要因により,各
入札参加業者が利益を圧縮してでも受注したいという強い受注意欲のあらわれとして,こうした状況が生じているものというふうに考えております。
2点目の
くじ引きが多いという状況をどう受けとめているかということでございますけれども,それぞれ適正な入札の結果であるというふうに考えておりますが,多くの入札の結果が
くじ引きで決まるという状況につきましては,余り好ましいことではないというふうに考えております。
3点目の
予定価格の
事前公表に関する取り扱いが市と国で違う理由ということでございますが,国につきましては,予算決算及び会計令という政令におきまして,
予定価格を事前に公表することができないとされております。一方,
地方公共団体につきましては,そのような法令上の制限がないことから,平成13年4月に施行されました
公共工事入札契約適正化法に基づく,いわゆる
適正化指針というのが出ているのですが,これにおきまして,入札及び契約の過程における透明性を確保するため,自治体の判断で実施できるとされております。
なお,国におきましても,現在,
入札契約適正化の当面の方策として,
関係公団等において
事前公表の試行を行っているというふうに伺っております。
それから,4点目でございますけれども,札幌市が
事前公表に踏み切った理由ということでございます。
本市におきましては,
入札制度改善の一環として,
予定価格を探ろうとする不正な動きを防止するために,平成13年度と14年度の2年間は,全体の発注件数の半分程度,2分の1の案件で
事前公表の試行を行っております。落札率等の状況を検証しましたが,特に
落札価格の
高どまりの傾向が認められなかったということなどから,入札及び契約の運用状況を審議いたします
第三者機関,これは
入札等管理委員会と申しますけれども,ここから本格実施すべきであるとの意見がございまして,15年4月から,工事につきまして全件実施をしたところでございます。
それから,5点目の
最低制限価格ラインでの入札に対する見解ということでございます。
それぞれ,各
入札参加者の判断で入札した結果ではありますが,工事の適正な履行を確保するために,最低限必要な
工事費用を確保しようとする
最低制限価格の趣旨からしますと,この価格に集中するということは余り好ましいことではないなというふうに考えております。
◆馬場泰年 委員 ただいまのお答えで,
くじ引き入札が多くなった主たる要因は,
予定価格の
事前公表にあるということ,それから,建設業の環境の変化ということであります。
また,2点目の質問については,決して好ましいことではないと,健全なことではないと認識しておられるということです。この好ましいことではないということは,これに対して,好ましい方へ何らかの策を講じなければならないと考えておられることだとも思います。
それから,3点目の国と本市の違いについてですけれども,今ご説明のありました国の会計法上の問題と地自法での違いであり,国は法改正がなければ
事前公表ができないということであります。
実は,私は,過日,国の
入札担当官にお尋ねしました。国としては,現在,法改正までして
事前公表しなければならないという必要性を考えていないということでありました。つまりは,
不正行為につながっていないということを言っているのかなとも思うわけであります。
そこで,本市が
予定価格の
事前公表をとっている理由として,一つには透明性,一つには
不正行為の防止。それに,一つには,
高どまりの
入札価格になるのではないかというのが,試行した時点でならなかったということで,100%の方向に持っていったということであります。
そこで,1点目の透明性についてでありますが,現状の異常とも思える,この
くじ引きでの落札でありますから,何もかも透明にすればよいというものでもないと思っております。物事によっては,明らかにしないことが,結果として公平性にもつながり,透明性にもなるのではないかと。
それから,2点目の
不正行為の防止策ということでありますが,先ほども申し上げましたが,
事前公表していない国で,この数年,世間に言われるような
不正行為が発生しているのかということであります。それに,少なくとも札幌市の
汚職事件が発覚した以前と現在では,この
社会状況の中で,市の職員も企業も,さらには市民も,それぞれ意識が大きく変わってきていると私は思っております。それでも,万が一不正が働く,いわゆる悪徳企業や,守秘義務を守らない市の職員がいたとするならば,それはそれ相当の手厳しい,言うならば,二度と浮かび上がれないほどの処分を科すことも必要だと思うのであります。
市民の声の多くには,市が透明性と言っているのは,それにかこつけて業者というより市職員の身の保全に安易な方法を選択しているだけだと言う市民もいるわけであります。また,企業の多くは
事前公表の廃止を求めております。市民も理解しているところでもあります。
このような状況からして,私は,この際,
予定価格の
事前公表を廃止すべきと考えておりますが,市としての見解をお伺いします。
次に,
適正化法施行後,
予定価格を公表する自治体がふえ,全国的に
くじ引きが急増したため,
国土交通省では自治体の
実態調査に乗り出し,改善策を指導したいとしているようですが,その後の
国土交通省の動きに何か変化があるのか,この点お伺いします。
次に,入札での
契約方法についてでありますが,現在,本市では,随意契約を含め大きく4種類の
入札契約方式をとっております。そして,それらのほとんどは,金額札だけを入れての
入札方法となっております。私は,金額だけで競争するこの方法には,もう限界が来ているのではないかと。
公共工事において,業者が当初の設計より安くなる方法を工夫,提案する,いわゆる
VE方式,アメリカではこれが大変普及しているやり方だそうです。設計当初から提案型の
プロポーザル方式を本市でも一部採用しているようですが,平成14年度と15年度において,どの方法をどの程度適用したのか,それぞれお伺いをいたします。
◎中村
管財部長 まず,1点目の
事前公表の廃止に対する考え方ということでございます。
予定価格の
事前公表につきましては,先ほどもご答弁したとおり,
予定価格を探ろうとする不正な動きを防止するため,試行を経て,
入札等管理委員会からの意見を受けて実施に移してきたものでありますので,廃止する場合にあっても,
不正行為を防止する有効な手段とあわせて検討する必要があるというふうに考えております。
2点目の,
国土交通省が自治体の
実態調査をした結果による,その後の動きでございますけれども,現在のところ,
実態調査の結果というのは公表されておりません。今,その後の特段の動きは見えない状況でございます。注視してまいりたいというふうに思います。
それから,3点目の
入札方式,VEなり
プロポーザルの実施状況ということでございます。
平成14年度には,契約後
VE方式を工事で1件,それから
プロポーザル方式ですが,
設計業務がこれに向いているかと思うのですけれども,これについては4件適用しております。なお,契約後
VE方式を適用した工事でございますけれども,請負業者の方から
コスト縮減が可能となる技術提案,いわゆる
VE提案と言っているのですが,これが1件でございまして,それなりの縮減がされているところでございます。
また,15年度でございますけれども,契約後
VE方式を工事で1件,それから
プロポーザル方式を
設計業務で2件適用いたしているところでございます。
◆馬場泰年 委員 まず,
予定価格の
事前公表でありますけれども,多くの自治体が実施している流れであります。そこには,先ほど来お話しのとおり,
くじ引きという弊害が多く出てきており,今までのお話のとおりであります。
私は,札幌市として,多くの自治体が公表しているからといって,単に右へ倣えの姿勢ではなくて,このような弊害があるわけでありますから,公表を廃止するという勇気があってもよいのではないかと思います。市民も企業も,多くがそれを望んでいるわけでありますから,それでこそ上田市長の目指している,まさに市民との合意の街づくりの行政運営の一つになるのではなかろうかと。
そこで,一つお伺いしますけれども,法的に,
事前公表しないということは自治法の中で可能なことだと思うのですが,この辺を確認したいと思います。
そこで,本市が
事前公表を廃止しないということにこだわるならば,ほかにどのような手法でこの問題を解決していこうというお考えなのか。やろうとしているのであれば,それをいつまでに実施する予定なのか,お伺いをしたいと思います。
次に,
入札方式の件についてでありますが,
VE方式では,
制限付一般競争入札で,今,説明のありました14年度,15年度,それぞれ1件,その中で
VE提案が1件とのことであります。
プロポーザル方式では,設計のみで,14年度が4件,15年度が2件ということであります。
私は,工事の中でも,札幌市民の生命や財産の保全に直接かかわる案件は,できるだけ多く
指名競争入札として,単なる
入札金額の比較だけではなくて,同時に提案書も出せる,そういう金額や提案書の双方の総合点で落札者を決める,それを採用するべきではなかろうと。
また,今まで札幌でやっているのは,
設計業者に対して
プロポーザル方式をやっているわけでありますが,
プロポーザル方式で
設計業者から上がってきたその図面をもって,今度は施工業者に提案書を求める方法も考えられるのではないかと思います。
まずは,これらの方式を一件でも多く採用していく必要があるのではないかと私は思っておりますので,そういう方向に持っていくお考えがあるのかどうなのか,この点をお伺いしたいと思います。
◎中村
管財部長 まず,今,
事前公表しているものについて,法的に非公表にできるかどうかということは,もちろん非公表とすることも可能であります。
それから,2点目の
同額抽せんの解決方法ということでございますけれども,
同額抽せんの回避につきましては,これといった有効な手段はなかなかありませんが,何らかの手だてを講じる必要があるというふうに考えております。他都市でもいろんな対応策を検討しているということでありますので,そういうものも参考にしながら,時期のことも含めて検討してまいりたいというふうに考えております。
それから,3点目のVEや
プロポーザル方式など,こういった方式を積極的に取り入れてはどうかというご質問でございますけれども,ご提案の方式に限らず,企業の技術力をより反映できる多様な
入札方式を積極的に取り入れていくことは必要なことだというふうに考えておりますので,担当部局とも連携をとりながら取り組んでまいりたいというふうに考えております。
◆馬場泰年 委員 最後にしますけれども,
工事内訳書についてであります。
本来,
入札参加者は,
工事内訳書を提示することになっておりますが,本市では,現在,案件の3割程度を抽出して,そして,抽出された物件の
参加者全員から内訳書の提出を求めているということであります。また,その場で,提出された内訳書を職員がチェックするという方法をとっていると聞いております。
そこで,私は思うのですけれども,本来,
入札金額のもととなる
積算合計額は内訳書を集計されたものでありますから,
入札参加者全員に内訳書の提出を義務化してもいいのではないか,するべきではないかと思います。
そこで,提出された内訳書をその場でチェックするというのは膨大な量になりますから,なかなか全部をチェックできないと思います。そこで,私が申し上げたいのは,落札した業者の積算を翌日チェックすると同時に,もちろんチェックするときには相手の
現場担当予定者も決まっているわけでありますから,その方を呼んで説明を受けて,中身をしっかりと確認すると。そうすれば,先ほど来話のあった,積算もしないで札を入れるというようなことはなくなってくるわけであります。そうすれば,
入札参加業者は必ずみずから積算するようになりますし,品質の確保にも,不正防止にもつながるということになります。
聞くところによると,
国土交通省では,これはまだ不明確な話でありますけれども,近い将来,
工事費内訳書の提出の義務化を図るように検討しているというふうにも聞いているところでありますので,この辺のやり方を検討する余地があるのか,その辺1点お伺いしたいと思います。
それから,ほかに検討する要因としては,低
入札価格工事に対する
契約保証割合の引き上げをするとか,前払い金とも言われます前渡金や保証金の見直しを図ることなど,技術と経営にすぐれた企業が伸びていけるように,道や他の自治体,または海外の
入札制度をさらに研究しながら,だれもが納得のいく制度へ一日も早く対応していただきたい。このことを求めて,私の質問を終わります。
前段の部分のご回答をお願いいたします。
◎中村
管財部長 ご質問のような余地はあるかということでございますけれども,私ども,常日ごろから,
入札制度については常に見直ししていかなければならないというふうに考えております。今,ご質問にありました事柄につきましても十分検討させていただきたいというふうに思っております。
◆藤川雅司 委員 私も,
入札制度に関して幾つか質問をいたします。
今,
馬場委員からもるるご質問がございましたが,まず,私は,
電子調達についてお伺いしたいと思います。
国や自治体あるいは札幌市の
電子調達の動きについて,どうなっているのか。特に,
工事契約における
電子調達の目的,特徴といいましょうか,そしてその効果,
メリットについてどのように認識しているのか,まずお伺いをいたしたいと思います。
◎中村
管財部長 まず,1点目,他官庁の
電子調達システムの導入状況ということでございます。
主なところをお答えしますと,まず,既に導入が行われた箇所については,国においては
国土交通省,総務省など5省が
導入済みでありまして,自治体の中では,都道府県では,例えば東京都など9カ所,それから政令市では川崎市の1市でございます。その他,横須賀市など6カ所が既に
導入済みとなっております。
また,導入までには至っておりませんけれども,現在
システムの
作成作業を行っているというところとしては,国においては,例えば
経済産業省など6カ所,都道府県では宮城県など21カ所,政令市では横浜市など5カ所,その他では長岡市など4カ所が
システムの
作成作業に入っております。
このように,国においてはほとんどの省庁で
導入済みまたは作成中というふうになっておりますし,都道府県におきましても7割以上が,政令市にあっても5割程度が
導入済みまたは作成中というふうになってございます。
それから,本市の
取り組み状況ということでございますが,まず,私どもは,最も基礎的なデータであります業者の情報について最初に整理する必要がありますことから,平成16年度に,
業者登録管理システムというものについて開発に着手する予定としております。また,さらに平成17年度以降に,
電子入札システムなどのその他の
システムについても設計開発に順次取りかかり,平成20年度には運用できるようにしたいというふうに考えております。
それから,
電子調達の効果というか,
メリット,そういったことについてのご質問でございますけれども,いろいろ
メリット,効果がございますが,例えば競争性の拡大であるとか透明性の拡大,さらに,環境負荷等社会的なコストの縮減であるとか
事務コストの改善などがよく挙げられているところでございます。
具体的な競争性の拡大ということでは,一般に,
入札参加者が多くなることによって競争性が非常に高まるという
一般競争入札,これを
電子調達システムの導入によりまして,事務量をふやすことなく実施することが可能となるといった
メリットがあるということです。したがって,
一般競争入札を大幅に拡大していく可能性が高まるということでございます。
また,透明性の拡大といった点では,さまざまな情報をインターネット上に公開することによりまして,業者の方のみならず,市民の皆様にも
入札契約の情報が簡単に入手できるようになるという
メリットがございます。
さらに,環境負荷等社会的なコストの減少効果がございます。これは,通信でやりとりするということになりますので,人の移動が大幅に減少することによって,例えば,自動車からの排出ガスの抑制であるとか,都心部における渋滞の緩和とか,そんなことが見込まれます。あわせて,紙資源の節約にもつながるものというふうに考えております。
また,当然,
事務コストの改善効果というのがあり,入札,開札,定型的な書類作成などの単純な事務が自動化されることから,事務効率が向上するというふうに考えております。
◆藤川雅司 委員 私は,この間の
入札制度のいろいろな改善が,特に競争の激化,そして低価格での競争といったものへの影響が非常に大きいと,こういった視点できょうは質問したいと思っています。
今説明がありましたように,
電子調達が進むというか,整備がされれば,より低価格での競争が激しくなることが予想されるといったこともあります。一方で,やはり地場産業の育成という観点からの条件づけ,あるいは,先ほどもありましたように,
くじ引きがふえることによる受注意欲の減退といったようなことも現実には起きているわけです。
そういった面では,受注意欲への配慮など,
電子調達がすべてバラ色だというふうに私は受けとめられないものですから,今言った地場産業の育成,あるいは受注意欲の配慮という観点からの工夫が必要ではないかというふうに受けとめたのですが,その点についてどう考えているか,お伺いいたします。
◎中村
管財部長 一般競争入札の適用範囲を拡大した場合でも,地場産業の育成というのは大きな問題でございますので,そういった育成に配慮した発注については,引き続き行っていく必要があると思いますし,その他いろいろ工夫できるものについては工夫をしていきたいというふうに考えております。
◆藤川雅司 委員 それで,この間,
入札制度の改善についていろいろ議論をされました。その結果,先ほど
馬場委員からもありましたように,
くじ引きが多く発生している,あるいは低価格での競争の激化といったような問題,課題が出ているわけです。そもそも
入札制度の改善は,談合や役所による割り付け,情報の漏えい,贈収賄を防止するといったような視点で改善を図ってきましたが,結果として,
くじ引きの発生が多くなったと。これを少なくするという答弁がありましたので,改善する努力を早急にしてもらいたいというふうに思います。
先ほどの繰り返しになりますが,低価格での競争が激化していると,このことによって,企業の力,要するに技術力が評価されないという意味での業者の体力の低下,あるいは,そこで働く人たちの労働条件の悪化といった現象が出ているわけです。
そこで,質問ですが,今の
入札制度の基本は,価格だけで判断をするといったことが主流になっているわけですけれども,法の改正等によって,価格以外の要素,例えば,地場産業の育成の観点,あるいは技術力,特に北海道札幌では積雪寒冷地といったゆえの特殊性もあるわけですから,全国的に一律な制度ということではなくて,除雪あるいは災害対策など,これらの事情も考慮した,地域に対する貢献など政策的な配慮を含めて総合的に評価をするといった制度を根本から検討すべきだと,こういうふうに思うわけです。このことが談合の防止,ひいては低価格での競争というものも防げるのでないかというふうに考えるわけですが,この点についてお考えをお伺いしたいと思います。
◎中村
管財部長 価格以外の要素を含めた総合的評価による
入札制度についてでありますけれども,この導入に当たりましては,どのような内容の契約に適用させるべきなのか,また,評価項目として,どのような技術的評価や地域への貢献度などの評価を取り入れるべきかなど,結構課題の整理が必要でございますので,今後,他都市の導入状況等を十分参考にしながら,検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
◆藤川雅司 委員 ある意味では,今までの発想とはかなり大きく違う観点での,
入札制度改革の問題提起だというふうに私も思っています。そして,るるやりとりしましたが,特に低価格競争による問題の対策,これが,しつこいようですけれども,重要だというふうに思っています。
したがいまして,今,種々検討すべき課題は,大変難しいことがあると思いますが,それらの検討とあわせて,さらに公契約条例の検討の中でも,特に低価格競争によって,そこで働く人たちの労働条件,あるいは企業がやっていけなくなる,あるいは,それによってサービスの質の低下につながる,こういうことを防止する視点で検討していただきたいということを要望し,最後に1点だけ質問して終わりたいと思います。
経常共同企業体の組みかえについてでございます。
昨年の決算委員会でも,制度の活用を検討してまいりたいとの答弁がありましたが,今,建設不況の中で,企業体を組んでいた中で倒産会社が発生した場合など,条件を緩和すべきと考えますがどうか,これをお聞きして終わりたいと思います。
◎中村
管財部長 経常共同企業体の登録の弾力化ということでございますけれども,現在,経常共同企業体の登録は2年に1度受け付けを行っております。1企業が登録できる企業体というのは,土木,建築,舗装などといった5工種で,それぞれ3企業体までとしておりまして,合わせると最大15企業体まで結成することができるという状況になっております。
また,登録後に,構成員の倒産による構成員そのものの組みかえでありますとか,新規登録の業者さんで新たに経常共同企業体を結成したい場合などを対象に,1年に1度,追加登録を行うこととしております。
今後の登録の弾力化につきましては,経常共同企業体のあり方ですとか,追加登録の時期などについて,さらに検討を加えさせていただきたいというふうに考えております。
◆谷沢俊一 委員 私から,財政の問題について二,三ご質問をさせていただきたいと思います。
まず,中期財政見通しにおける試算を出されておりますけれども,その考え方についてお尋ねをしたいと思います。
本市の中期財政見通しでは,平成20年度には最大,最悪といいますか,800億円程度の収支不足が発生する見込みであると,このように試算されております。財政悪化に悩むのは札幌市のみならず,例えば北海道では,このままでは近く財政再建団体に転落するのではないかという危機感を持っているという報道もございました。また,道のみならず,北海道の都市の中にも,予算編成に大変苦慮しているという状況が報道されております。
財政再建団体に陥った場合には,当然,財政運営上のさまざまな制約を受けるということで,特に,市で行っているさまざまな単独事業,あるいは自主事業等が大きく制約されてくると,こういうことになると思います。
財政再建団体への転落ラインというのは,市町村では標準財政規模の20%と言われておりまして,実質収支における赤字が発生する場合でございますが,本市に当てはめますと,ちょうど800億円の赤字がその転落ラインになるであろうと,このようにお聞きをしております。こうなりますと,本市の財政見通しで最悪をいった場合,20年度でほぼ800億円の収支不足が発生するという予測を立てております。そういうことで,今後の財政運営が非常に厳しい状況であるということは明らかであります。
そこで,まず,収支不足がこれほどまでに拡大するのはなぜなのか,以下2点について具体的にお伺いしたいと思います。
1点目は,16年度に地方交付税,臨時財政対策債が大幅に減額されると見込んでおりますけれども,17年度以降の交付税あるいは臨時財政対策債はどのような考え方で試算されたのか,お伺いをします。
2点目に,歳出面では扶助費が当初より大きく上回り,昨年暮れの見通しから見ると,さらに上回ってきているわけでありますけれども,この場合,何が違ってきたのかということについて,具体的にお示しいただきたいと思います。
◎生島 財政部長 まず,1点目の地方交付税,それと臨時財政対策債の17年度以降の試算方法についてでございます。
地方交付税と,その振替財源でございます臨時財政対策債につきましては,国におきましては,経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003,これに基づきまして,平成18年度まで地方歳出の抑制を図ると,こういう方針のもとに,平成16年度において地方交付税などの総額抑制が図られたところでございまして,本市におきましても,16年度予算において大幅な減額を余儀なくされたところでございます。
したがいまして,今回の試算では,従前のやり方でございます16年度と同額に見込むという場合のほかに,新たに17年度及び18年度についてもそれぞれ今回と同様の規模で交付税が減額されるという仮定をした場合にどうなるかということを試算して,お示ししたものでございます。
それから,2点目の歳出面における扶助費がふえていることの理由,違いでございますが,扶助費につきましては,半分以上が生活保護費でございます。
この生活保護費について見てみますと,中期財政見通しをつくるときに,過去3年の平均の伸び率を使うことになっているわけでございますが,平成15年度の決算見込みの伸びが非常に大きくて,その関係で,過去3年の平均伸び率が大きくなったことから,平成16年度以降も大きな伸びになったものでございます。前回の中期財政見通しをつくったときの最終年度でございます平成19年度を今回と比較して見てみますと,扶助費総額で約97億円の増,こういう大幅な増加になっております。
◆谷沢俊一 委員 国の交付税あるいは国庫補助負担金が大きく減ってきているということもありまして,今回の中期見通しの試算で収支不足が拡大した要因というのは,まさに今,国が進めている三位一体の改革における影響が大きいということが言えるわけであります。
そこで,まず,国庫補助負担金の一般財源化の影響でございますが,具体的に,本市においてはどのような項目が一般財源化されて,その影響額はどのくらいであったのか。また,本市への影響額が大きかったのはどのような項目であったのか,1点目お伺いします。
次に,これらの国庫補助負担金が一般財源化されたことに伴って,新たに所得譲与税の交付を受ける,暫定的にこういう措置が行われることになりました。この所得譲与税は,具体的にどのような基準で配分されているのか。また,譲与税方式ということについてどのように評価されているのか,お伺いしたいと思います。
◎生島 財政部長 まず最初に,一般財源化の影響でございます。
まず,平成16年度は,三位一体改革の初年度といたしまして,札幌市の関連で申し上げますと,国の予算額で4,749億円に上る国庫補助負担金の一般財源化が行われました。これに伴いまして,本市の影響額は,平成15年度の予算ベースでいきますと17億円に当たる国庫補助負担金が削減されるものでございます。このうち,影響額が大きいものといたしましては,公立保育所運営費に係る国の負担金が約6億7,000万円,それと介護保険事務費交付金が3億8,000万円,軽費老人ホーム事務費補助金が2億6,000万円,公営地下高速鉄道事業助成金が1億6,000万円,児童手当に係る事務取扱交付金が1億円で,1億円以上のものを挙げますと,以上のような順になってございまして,公立保育所に係る国庫補助負担金の影響が一番大きかったということでございます。
次に,2点目の所得譲与税の配分方法とその評価ということでございます。
ご指摘のように,税源移譲によりまして新たに所得譲与税という制度を暫定的に創設することになりました。本市では,所得譲与税として,平成16年度予算で30億4,900万円の譲与を受ける見込みでございます。
この所得譲与税の配分方法でございますけれども,全国総額でいきますと4,249億円でございます。これを都道府県と市町村に対しまして,それぞれ総額の2分の1を譲与すると。4,249億円を半分に分けて,その半分が都道府県分,半分が市町村分ということになっております。都道府県分,市町村分のそれぞれの譲与基準は,人口割で配分されるということでございます。
それと,税源移譲への評価ということでございますけれども,実は,ここまで来るのにいろいろ紆余曲折がございました。と申しますのは,昨年末に,政府税制調査会では,移譲税目としてたばこ税が挙げられていたわけでございますけれども,地方6団体では,基本方針2003に基づいて,あくまでも基幹税による移譲を強く求めてきたところでございます。そうした中,国の基幹税である所得税から移譲が行われたという点は,暫定措置とはいえ,一定の評価をするものでございます。
今後,平成18年度までに,所得税から個人市民税への本格的な税源移譲を実施する方針が示されておりますことから,早期に本格的な税源移譲が実現されるべきものであるというふうに考えております。
◆谷沢俊一 委員 札幌市の場合,自主財源が非常に乏しいということもありまして,国のそうした三位一体改革の決定に大きく影響を受けるという実態が明らかになっております。そこで,他の政令指定都市などと連携しながら,その都度,札幌市も,議会も含めて意見を表明してきたところであります。
この改革が地方に負担を押しつけられると,こういったことであってはならないわけでありますけれども,三位一体の改革が真の地方分権につながる改革となるように,今後とも引き続き国への働きかけというのが大切になってくるだろうと,このように思いますし,そのように努めていただければと思います。
もう一方で,こうした国の動向とともに,やはり収支の均衡を図るために,本市独自の取り組みも求められているわけであります。
歳出の削減については,市長も聖域を認めないということで,事務事業の見直しあるいは組織のスリム化といったことに取り組まれております。
そこで,歳入面での本市の増収に向けた取り組みをどのようにされるのか,考えがあれば,お示しいただきたいと思います。
◎生島 財政部長 歳入面での取り組みについてということでございますけれども,これをやればという決定的な解決策は大変難しい状況でございます。したがいまして,今,ご指摘がありましたように,歳出面での事務事業の見直しにあわせまして,さまざまなやり方,さまざまな手法を組み合わせて,いろいろやっていかなければならないなというふうに考えております。その代表的なものといたしまして,やはり税源を涵養して税収を上げていく,収入率の向上というような問題もございます。このように歳入の確保に努めるということでございます。
それとともに,市民議論を踏まえまして,行政サービスのレベル,市民負担のあり方,そういうものの見直しというものも必要ではないかなというふうに考えております。
委員のお話もございましたように,歳出面では聖域なき事務事業の見直しということでありますけれども,これにあわせまして,全庁一丸となって歳入の確保に努めて,財政収支の均衡を図る取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。
◆谷沢俊一 委員 国,地方を合わせて,現在,700兆円とも言われる膨大な借金を抱えておりまして,今後,地方交付税あるいは国庫支出金等々が大きく伸びることは期待できないと言っても過言ではないと。そういう意味では,札幌市がこれまでに経験したことのない厳しい財政運営がこれから求められると,このように考えております。
こうした状況にあっては,あれもこれもという時代から,あれかこれかと選択しなければならない時代に入っていくだろうと思います。
したがって,これまで以上に,市民に対して徹底した情報公開あるいは理解を求めながら事務事業を推進していくように,これを要望して,終わりたいと思います。
◆飯坂宗子 委員 私からは,三位一体改革の本市への影響と新年度の予算編成について質問したいと思います。
まず,三位一体改革についてお尋ねします。
小泉内閣のもとで,昨年6月に閣議決定された経済財政運営と機構改革に関する基本方針2003,いわゆる骨太第3弾ですが,その三位一体改革といたしまして,一つは,国庫補助負担金を06年度までにおおむね4兆円削減する,二つ目には,地方交付税総額を抑制し,財源保障機能を縮小する,そして三つ目には,税源移譲は8割程度を目安とするという内容でした。新年度を初年度とするということですけれども,2004年度は国庫補助負担金が全国ベースで1兆300億円削減され,また,地方交付税は臨時財政対策債も含め2兆8,000億円の減となっております。
そこで,質問ですが,本市への影響額に対する評価についてです。
ただいまもやりとりがありましたけれども,本市の影響額は,国庫補助負担金で約17億円削減されております。また,地方交付税とその交付税の不足を補う臨時財政対策債を合わせて,124億円の大幅減少となっております。そして,所得譲与税が一般財源化され創設されており,30億円が税源移譲されるということになっておりますが,これら三つを差し引きいたしますと,合計で111億円の減収となっているわけです。国の三位一体改革によって,本市におきましては111億円も減収したことについて,これは不当なものとお考えにならないのか,どのように評価しているのか,伺いたいと思います。
2点目は,財政調整基金の取り崩しについてです。
新年度は,税収不足を補うために,財政調整基金59億円を取り崩しています。三位一体改革は,これから3カ年で行うということになっておりますから,翌年度以降もさらにこのような減収が続けば,財調の取り崩しだけでは対応できないという事態になりかねません。04年度末では,基本基金を上積みしても残りは42億円と伺っておりますので,翌年度以降,どのように対応しようとされているのか。
まず,この2点についてお伺いいたします。
◎生島 財政部長 まず最初に,三位一体改革の評価ということでございます。
年末に示されました平成16年度の三位一体改革の姿では,暫定ではございますけれども,所得譲与税という形で,基幹税からの移譲が実現したことについては評価をしているところでございますが,一方,地方交付税総額の抑制,臨時財政対策債の削減が非常に大きくて,各地方自治体の予算編成に多大な影響を与えたものと認識しております。
本市におきましても,結果的に財政調整基金を取り崩さざるを得なかったところでありまして,引き続き厳しい財政運営が求められているものと考えております。
それから,今後,こういう交付税の減額が続いた場合の対応ということでございますけれども,委員ご指摘のとおり,このままでいきますと,16年度末の財政調整基金の残高は42億円ということになりまして,今後の財政運営のことを考えますと,不安がないと言い切れるものではございません。
したがいまして,さきの代表質問におきまして市長からもお答えいたしましたとおり,今後とも,市民の視点による第三者評価制度の活用を図りながら,事務事業のさらなる見直しを行うとともに,市民議論を踏まえた上で,行政サービスのレベルや市民負担のあり方などにつきましても,検討を行っていかなければならないと考えております。
◆飯坂宗子 委員 ただいま生島部長からは,過日の代表質問よりは若干踏み込んだ,多大な影響を与えるものだとか,あるいは厳しい財政運営を強いられるとか,若干本音が出たのかなというふうに思うのです。
3月2日に我が党が代表質問したとき,市長のご答弁は,国の立場を非常におもんぱかって,客観的な答弁にとどまっていたかなというふうに思ったものですから,市長は本音を言い切れていないのでないかなと思いまして,きょう,お呼びしたのです。
それで,部長からはこういうご答弁があったのですが,市長が本格予算を組むに当たって,国から111億円も税収が減らされるという,かつてない減収ですよね。こういう中で大変ご苦労されたと思うのですけれども,三位一体改革が地方政治に与えている影響,とりわけ本市に与えている影響について,代表質問ではちょっと触れられなかった市長の本音を述べていただければと思いまして,まずそこをお聞かせください。
◎上田 市長 本音を述べると改善されるというのであれば,幾らでも本音を述べるのですが,非常に限られた厳しい状況の中にあってですね,私どもは,ひたむきに努力を重ねていくことしか方法論を見出せないというところで,答弁もかなり控え目に申し上げているところであります。
ただ,こういうことは予想されるだろうということで,予算の内示があった昨年12月21日の段階で,指定都市市長会でも,やはり,三位一体改革で,一定の基幹税から譲与税という形で移譲されるということについては,方向としては歓迎する。しかし,そのはざまで,本当に三位一体ですとんと落ちるのであればいいのですけれども,減らされるのは大変困ると。こういう表現を使っております。地方自治体の自由度の拡大よりも,国の財政再建を優先したものであり,評価できるものではないというところまで,市長会の会長名義で申し上げているところであります。これは,私ども13指定都市の市長会の議を経て,どこも反対がなかった文言でございますので,正直なところを言えばそういうことであるというふうにご理解いただきたいと思います。
◆飯坂宗子 委員 上田市長の本音を聞かせてもらいました。
そこで,再質問として,具体的に本市の影響について,それぞれ三つの角度から質問したいと思います。
まず,1点目は,国庫補助負担金の削減の影響についてですが,先ほど来述べておりますように,17億円の減少ということになっているわけです。その内訳を見てみますと,例えば,公立保育所運営費6億7,000万円余りが削減されて,一般財源化されているわけですね。これは,国がこれまで一定の基準を定めて,その基準に基づいて運営費の国庫補助負担金として出されてきたものが,一般財源化してしまうわけですから,そうなると,地方の裁量に任されて,国の責任そのものが後退する,あるいは放棄されるということにつながらないのかどうか,お聞きしたいと思います。
また,一般財源化されたことによって,保育所などのサービス低下,あるいは保育料の値上げなど,住民への負担増をもたらすことはないのかどうか,これも確認しておきたいと思います。
そして,新年度は公立保育所のみが一般財源化されて,民間保育所の運営費は従来どおりという扱いになっておりますので,この機会に公立保育所をやめて,民間保育所へという流れが加速されることが,全国的に懸念されているのですが,本市におきましては,もともと公立保育所というのは少ないですから,私は,公立保育所は現状をしっかり維持すべきだと考えますがいかがか,伺います。
2点目は,地方交付税の大幅削減についてです。
地方交付税と臨時財政対策債を合わせて,全国ベースでは2兆8,000億円の減額です。本市の影響額は124億円の減ということで,対前年度比8.2%の大幅削減となっております。
さて,この大幅削減になった主な要因として,国の地方財政計画で歳出規模を抑制するということがありまして,その一つ目として,地方単独の公共事業を大幅に削減すること,そして,二つ目には,職員の削減を図ることで財政支出を減らすと,こういう特徴があります。
骨太方針第3弾では,3年間で,全国で職員を4万人減らす,それから,単独事業を1990年から91年の水準以下にする,こういうことを決めております。この職員大幅削減というのが市民サービスの後退につながると私は考えますが,いかがか。地方交付税の大幅削減について,改めて認識をお伺いしたいと思います。
それから,3点目は,税源移譲についてです。
この問題では,過日の代表質問でもお尋ねしましたが,ご答弁では,この改革は国と地方を通じた行政のスリム化を図るものと,こういう言い回しがありました。三位一体改革の中でも,税源移譲の前提として,地方に対して徹底的な効率化を求めているわけです。
そこで,二つお伺いしたいのですが,行政のスリム化イコール効率化イコール民間委託と,こういう流れが一層促進することにはならないのかどうか,お尋ねしておきたいと思います。
また,所得譲与税が一般財源として創設されているのですが,本市の場合30億円ですね。その中には,ただいま申し上げました国庫補助の削減分が一般財源として含まれていると思うのですけれども,公立保育所運営費や介護保険事務費の補助金で削減された分が30億円に入っているというふうに思いますが,当然,新年度は,そういう措置を従前どおり行うべきだというふうに思いますけれどもいかがか,お尋ねします。
◎生島 財政部長 今,さまざまなご質問をいただいたのですが,まず,一般財源化が市民サービスに影響を与えるのではないかという観点のご質問でございます。
三位一体改革では,地方でできることは地方にゆだねるという,地方分権を進めるための財源ということでございます。地方の自主性,自立的な判断にゆだねることにより,地域の実情に適合した効果的な,効率的な事業執行によって歳出の抑制にもつながるということでございますので,地方では,国庫補助負担金の一般財源化によって地方単独事業にするべきだと,一般財源化をするべきだと,こういうことを常々求めてきたわけでございます。
したがいまして,今回の国庫補助負担金の一般財源化によりまして,その対象事業につきましては,今後,国の補助基準による制約を受けることなく,地域のニーズに応じまして,必要なサービスのあり方を自主的に判断していくことになるというふうに受けとめております。
したがいまして,適切な住民サービスをやるということがもちろん前提になってございますので,サービス低下につながるものではないというふうに考えております。
それと,公立保育園のお話が出てきましたが,我々がさまざまな事務事業の見直しをやるという中では,特にどれと決めてかかるわけではございませんので,公立保育園のあり方につきましても,さまざまな事務事業の見直しの中で検討していく課題ではないかというふうに考えております。
それと,それ以外に大きく削減されていくという地方財政の姿について,効率化の進展と住民サービスの確保という観点からどうなのかというご質問だというふうに受けとらせていただきますけれども,今,国と地方を合わせた借入金の残高というのは,15年度末で690兆円,16年度末でいきますと700兆円を超えるという状況にございます。それと,地方交付税が足りないときに,交付税特別会計というところでお金を借りて地方交付税を交付してきたという歴史的な経過がございまして,その借入金残高だけでも50兆円に上ると,日本の国全体がそういう状況になっているということでございます。したがいまして,国と地方を通じた行財政改革というのは当然進めていくべきであろうと,そうしなければならないのではないかというふうに認識しているわけでございます。
国におきましても,改革断行予算を継続して,小さな政府を目指すという努力を続けておりまして,こうした努力につきましては,地方自治体においても共通して取り組むべきものではないかというふうに考えております。
本市におきましては,これまでも行財政改革等による経費節減や事務の効率化に取り組んできたところでございまして,さらなる効率化を進めて,健全な財政運営に努めていく必要があると考えております。また,その際には,民間委託等による効率化と行政のサービス水準のあり方,そういう課題が出てくるわけでございますけれども,これにつきましては,より一層の情報公開,それに基づく一層の市民議論を行うことによって検討を進めていくことが,今まで以上に必要になってくるというふうに考えております。
それから,最後でございますけれども,補助金の一般財源化に伴って17億円分が削減されたわけですけれども,それらの事業につきましては,所得譲与税が30億円交付されておりますので,公立保育園の運営費等々,必要な事業については必要な予算措置をしたところでございます。
◆飯坂宗子 委員 段々のご答弁がありました。
それで,国の三位一体改革初年度のもとで,どのような予算編成をするのかというのが大変注目されていたというふうに思うのですけれども,これは市長にお聞きしたいのです。
実は,桂前市長時代の12年間で,開発優先の逆立ち政治が続いておりまして,一般会計の借金は,90年度末で4,910億円だったものが,2002年度末には1兆683億円と2倍以上に膨らんでいたわけですね。新年度の市債発行額は,臨時財政対策債の大幅減によりまして,対前年度比で13.8%減少しております。だから市債の発行は大変抑えられたというふうに見えるのですが,しかし,2004年度末の一般会計の市債残高は,累計で見ますと,今年度末見込みを上回って,143億円ほど増加することになるのですね。額で言うと,一般会計で1兆1,979億円となる見込みです。市民1人当たり64万円相当。特別会計と企業会計を合わせると2兆2,762億円ということですから,1人当たり122万円にも上ります。
今,桂前市長時代の借金財政を上田市政が負の遺産として引き継がざるを得ないという現状からスタートしているわけですけれども,借金をこれ以上ふやさない市政運営というのが大変重要かと思いますが,その点について,市長のお考えをお聞きしておきたいと思います。
さらに,新年度予算編成について,2点お尋ねします。
市長は,過日の我が党の代表質問の答弁で,市民生活に関連の深い重点政策課題については,積極的な予算配分をしたと,こういうふうにおっしゃいました。中でも,保育所を初めとする社会福祉施設や市営住宅などの整備につきましては十分配慮したと,こういうご答弁でした。
しかし,例えば保育所で言いますと,待機児童と超過入所で2,600人を超えております。新年度は,新設2カ所,増改築5カ所,それから認可外を認可保育所へということで,これを全部合わせても660人の増にしかなりません。2,600人に対して660人ということです。
市営住宅につきましては,着工は240戸ですけれども,建てかえ120戸,住みかえ40戸を除けば,純粋に新たに入居できるのは,真駒内本町の80戸のみということです。市営住宅に対する市民ニーズも大変高くて,新築で21倍,空き住で50倍となっておりますから,実際に純増でふえるのが80戸というのは,余りにも少ないのではないかというふうに思います。
また,特養ホーム建設も,国庫補助のめどがついたのは1カ所70床のみです。現在,4,000人近い方が待機していると伺っておりますので,これも市民ニーズに見合っていないと思いますけれども,これらについて十分とお考えなのかどうなのか,お尋ねしたいと思います。
また,一方では,駅前通地下通路の予備設計費等2億円余りが計上されております。ご存じのように,通路部分465メートルだけでも200億円の事業費がかかるという,大変巨費を投ずる公共事業となっております。
先ほど,市長が,三位一体改革のところで,指定都市市長会のアピールのことに触れられましたが,同じく,ことし2月23日の全国市長会で,三位一体改革に関する緊急要望というのを出しております。その中には,大幅な歳入不足の中で,事業の先送りなど,骨身を削る歳出の削減に努めているという言い回しがあります。そういうことと照らし合わせますと,骨身を削る歳出の削減に努めるというふうに言いながら,一方で,急ぐ必要のない地下通路の予備設計費を計上し,2009年度完成を目指して踏み出そうというのはいかがなものかと。こういう事業こそ先送りすべきだと考えますがいかがか,伺います。
◎上田 市長 市債残高に対する認識の問題でございますけれども,大分多くなっているというご指摘で,今年度末も懸念されるところだということでございます。もちろん,そこのところは,財政当局といたしましても,なるべく少なく抑制していくという方向で努力をしていることは,数字上も明らかというふうに思います。
ただ,必要なものについては,世代間の公平負担というふうなこともございますので,その必要性,そして,無理のない返済ができるという見通しをきちんと持った上で,それなりの運用をさせていただかなければ財政運用はできない,あるいは,街づくりをしていくお金がないということでは何もできないということにもなろうかと思います。ご指摘の点については,十分な視点を持ちながら運用に努めてまいりたいと,このように考えております。
それから,市民生活等に十分な予算配分をしたかということで,さまざまなご指摘がございました。十分と言えるかどうかということについては評価の問題でございまして,完全に十分だというふうには,もちろん言えないと思います。しかし,予算の範囲で,やれる限度でできるだけ可能にしていくという,我々はそういう努力を続けるということしか方法を持たないという立場でございますので,ご指摘のように,市営住宅が80戸しか純増しない,あるいは保育所についても660人しかないじゃないか,特養もしかりだと,こういうふうなご指摘はまことにもっともなことでございますけれども,しかし,そういう努力をしながら,今後も市民ニーズを大事にしていきたいということで,お答えとさせていただきたいと思います。
さらに,駅前通地下歩行空間等について,今お金がないのに,なぜだというふうなお話でございますけれども,これも,市民との議論の中で,それなりに必要性というものが検証なされたということ,そして,従前からの計画があって,もちろん建設費にお金がかかるわけでありますが,それによる効果,あるいはまちづくり全体に対する影響といったことを考えますと,この事業を執行するということは,市民のご理解を得られたというふうに私は理解いたしております。
大型事業であるから,今,必ずしも必要ではないのでないかというふうなご意見ももちろんございましたけれども,それを乗り越える必要性といった市民議論があったということと,国の補助事業という観点から考えまして,やるなら今という判断をさせていただいたというところでございます。
◆飯坂宗子 委員 予算編成についての具体論につきましては,各原局の質疑のときに改めてまた深めていきたいというふうに思いますので,きょうは,それ以上の質問はしません。
それでは,最後に局長にお尋ねしたいのですが,今回の三位一体改革というのは,地方分権にも反して地方自治を破壊する地方財政削減だという指摘もいろいろありますよね。そういう中で,本市としてはっきり声を上げていくべきだというふうに思うのです。
地方自治体の本来の仕事いうのは,言うまでもなく,住民の福祉の増進を図るということですよね。そうしますと,本当に税配分が見合うものになっているのかどうなのか。私は,税財政制度調査
特別委員会でも議論させてもらいましたけれども,現在の税配分というのは,国と地方で3対2ということになっているのですが,実際の行政支出はその逆で,国対地方が2対3と逆転しているわけですよね。だから,地方分権と言うのであれば,地方自治体の仕事に見合う税源を移譲するというか,そういうふうに変わってくるのが本来の姿だと思うのです。
先ほど来議論していますように,税源移譲も非常に不十分と。これまで出してきた国庫補助負担金も減らして一般財源化するとなっているわけですから,やはり,これでは本来の地方自治体の仕事はできないのではないかと思いますので,この点,今後,札幌市として国にどう働きかけていくのか。要するに,国が配分を減らしたから,少ない中でやりくりしようと,これは現実対応として必要なのかもしれないけれども,それだけでは,
この先,本当の仕事はできないのでないかと私は思いますので。局長と言ったのですが,市長か,どちらかにお答えを願いたいと思います。
◎平口 財政局長 三位一体改革につきまして,るる質問等ありましたけれども,前提として,国,地方を通じて借金が非常に多いという状況というものを理解した上で,物事を考えなければいけないと思います。その上で,国と地方の役割分担を見直すことで,国,地方を通じた行政のスリム化を図ると,そういう方向が一方であると思います。その中で,市長がおっしゃられたような,国の財政再建を優先したものであってはならないと,それはおっしゃるとおりだと思います。
そういうような観点から,国庫補助負担金の見直しと同時に,引き続き地方が行うべきものについては,安定的な行政サービスの提供ができて,真の地方分権につながるような,本格的な,十分な税源移譲の実現を求めていくとともに,地方交付税の持つ財源調整,それから財源保障の両機能が今後とも確保されるように,今年度も関係団体と一緒になって要望してまいりましたけれども,また来年度以降も引き続き,国に対してちゃんと意見を述べていきたいと思います。
◆恩村一郎 委員 私の方からも,
入札制度に関してお伺いしたいと思います。
この問題に関しては,さきの代表質問の場でもお話しさせていただきましたので,端的に数点だけお伺いしたいというふうに思います。
さきの代表質問において,
入札制度の現状について問題点等をただしたところですが,実は,その中で,各区役所並びに土木センターの清掃業務の入札実態に関して,平成16年度から清掃業務の指導・調整の一元化を行い,より適正な執行について検討してまいりたいというご答弁がございました。
そこで,改めてお伺いしたいと思うのですが,ご答弁にありました,より適正な執行という言葉は,現状に対するどのような認識に基づくものなのか,まずお伺いしたいと思います。
次に,2点目として,なぜこれまで一元化ができずにいたのか,その理由をご説明願いたいと思います。
さらに,3点目として,今回,どのような判断から一元化を図ろうとの考えに至ったのか,お伺いしたいと思います。
◎中村
管財部長 最初に,どのような認識を持たれているかということのご質問でございますけれども,実際に区役所なり土木センターなりの清掃業務の執行ということで,具体的には,今,総務局で所管しているわけでございますが,内容については,それぞれ適正な調査なりを実施した上で判断された結果だろうというふうに考えております。
それから,2点目の一元化できずにいた要因ということでございます。
現在,市有施設の維持管理業務につきましては,総務局の庁舎管理総務部で総合指導・調整をやっているわけでございますけれども,それ以外の契約事務というのは,私どもの財政局管財部の方で行っているということで,いろいろ事務が錯綜するということもございまして,できるだけ早く一元化してはどうかという話は,従前から出ておりました。ただ,いろいろ具体的な体制であるとか,中身であるとかの整理がなかなか難しい面がございまして,若干時間がかかったということでございます。
このたび,全体の条件が整ったということで,来年度から一元化に踏み切るということにいたしたところでございます。
◆恩村一郎 委員 条件が整ったということ等,今,お話があったわけなのですけれども,基本的に,総務局が最終的な所管であるということで,そちらの方の責任になるのかなということです。
一般市民の目から見ておりますと,この前指摘した問題に関しては,正直に言いまして,平成12年に起きた不祥事の教訓というのが生かされていないのではないのかなと。僕は正直言って,所管である総務局自体が,その後の改善に対する認識が一番甘いのではないのかなという思いでおります。
というのは,区並びに土木センターの実際の発注の金額等を見ていった場合,恐らくだれが見たって,これはまともな金額でないなと思うと思います。それに対して,総務の方では全然チェックされていないという実態があったと思いますし,契約という部分で
工事契約の方に関しては,そういった意味では,非常に神経をとがらせてやってこられたのかもしれないのですが,一元化ができていなかったことによって,従来からのものがずっと引き続いて残っていた,そういう印象を私自身はぬぐえないわけなのですけれども,その点に関して,最終的な責任のある総務局の方に質問して,ただしたいというふうに思います。
その金額云々というのを見てみますと,やはり税金を使ってやっていることに対しての意識が非常に欠如しているなという,そんな思いが実はしております。
その点に関しては,わかりました。いずれにしても,そちらの立場としては,条件が整ったのでやっと一元化に踏み切るということですので,より適正な執行をしていただけるように臨んでいただきたいというふうに思います。
それと,もう1点,工事に関する
入札制度に対して,透明性,適正化を図るということで大変ご努力されているかと思うのですけれども,先ほど来ございました
馬場委員の質問に対しても,抽せんが多いのは好ましいことではないというお話でございましたし,私の代表質問の際にも,増加していることに対して検討を要する状況も生じているというご認識でございました。
そこで,もう1点だけお伺いしておきたいのですが,今後,具体的にこの状態を,いつごろまでに,どのような形で改善を図っていくお考えでいらっしゃるのか。
16年度に関しても,ある一定の時期になれば一斉に発注業務等が行われるわけでしょうし,そういうものを前にして,きちっとした体制が整わないと意味がないのではないかというふうに思うのですが,その点についてはいかがなのでしょうか。
◎中村
管財部長 今,
同額抽せんを回避させる方法であるとか,先ほど各委員からお話のありました積算努力がなされていない,積算内容が妥当かどうかというのを判断するような仕組みであるとか,検討しなければならないことがたくさんあるのですけれども,いずれにしても,こういう好ましくない状態が長く続くというのはまずいというふうに考えておりまして,こういった内容の検討が済み次第,できるだけ早い時期に対応していきたいというふうに考えております。
◆恩村一郎 委員 できるだけ早い時期というのは,今年度の発注に間に合うということなのでしょうか。
◎中村
管財部長 今年度と言いますと,あと数週間,実際には,16年度分の発注というのは,債務負担の部分につきまして随時出ていっている状況にございますので,16年度分の全部にはなりませんけれども,できるだけ早く実効が上がるような仕組みを考えていきたいというふうに思っております。
◆恩村一郎 委員 今のお言葉をしかと受けとめて,期待したいというふうに思いますし,市民の目から見ますと,ともかく市役所全体でこういう問題をしっかりと徹底していっていただきたい。
先ほど申し上げましたように,総務局だけが独立して,ずっと違う格好でやっているといったようなことで,私は,当然,あの事件以降,そちらに関してもきちっと行われているのかと思っていたわけなのですが,実態が全然違ったということは,やはりゆゆしきことだなと思いますし,全市を挙げて,入札全体の透明性,適正化に向けてご努力いただきたいと強く要望して,終わります。
◆小林郁子 委員 私からは,公共施設総合マネジメント
システムについてお伺いをいたします。
現在,社会はIT化が急速に進んでおります。国は,2000年度に電子政府を目指し,e−Japan戦略を発表しております。札幌市でも,2001年には,札幌市IT経営戦略を策定しまして,電子自治体というものを目指しているわけです。その具体的な施策として本市が推進していますのが,総合行政情報
システムであるというふうに思っております。これは,大きく二つの部分に分かれているというふうにとらえておりますけれども,一つは,文書,財務などの事務全般にわたる基幹の
システム,それからもう一つが,個々の事務に即した業務系
システムということです。この業務系
システムの中の一つとして,今回,公共施設総合マネジメント
システムというものがありまして,来年度,2,030万円の予算がその構築のために計上されているわけです。
公共施設としましても,建物だけではなくて,道路とか,水道とか,下水道というふうに,公共施設全般にわたり,その建設工事とか管理というものについてのマネジメントをするというふうにとらえられているわけですけれども,そこで,公共施設総合マネジメント
システムについて,2点ほどお伺いをいたします。
1点目としまして,この
システム化を図るに当たり,どのような範囲といいますか,対象を公共施設としてとらえて,やっていこうとされているのか。また,もう一つは,この
システムを構築することによってどのような効果があると見込んでおられるのか,お伺いいたします。
それから,2点目としまして,電子入札について先ほど来質問がございますけれども,
国土交通省で推進していますCALS/ECというのがあります。これは,入札から始まりまして,設計とか,工事とか,施工監理とか,そしてまた納品などの一連のものを電算化して,Eメールを介した情報共有であるというふうに聞いているのですけれども,公共施設総合マネジメント
システムというのは,これと関連が深いと私は思うのですが,CALS/ECとはどういうような関連に立つのか,この2点お伺いをいたします。
◎桜庭 工事監査室長 ご質問の公共施設総合マネジメント
システムについてお答えいたします。
まず,1点目の
システム化の対象範囲についてでございますけれども,建物や道路,公園,水道,下水道などを含めました公共施設全般にわたる技術情報を対象にしております。現在,まだこの
システム全体の概念とその汎用性を検討している状況でございます。したがいまして,現時点では,
システムの範囲は確定しておりませんが,今後,費用対効果や有効性などを見きわめながら,できるだけ広範囲なものにしていきたいと考えてございます。
次に,その効果についてでございますが,この
システムは,
国土交通省が推進しますCALS/ECを包含し,IT化により,おのおのの部局で管理している技術データを共有化し高度利用することで,事務の効率化や適切な維持管理,あるいは事業計画支援などの業務改善を行います。さらに,若手技術職員への技術の継承や,職員数の減少を補完することも視野に入れてございます。具体的な効果といたしましては,他部局へ出向いて資料収集などを行う移動コストの軽減も図れますし,類似設計や既存のデータを活用することにより,経費の削減を行います。さらには,これらのデータを指標化いたしまして,新しい計画の策定にも生かせるものと考えてございます。
次に,2点目のこの
システムとCALS/ECの関連でございますが,このマネジメント
システムにつきましては,計画,調査,設計,工事,維持管理という公共施設のライフサイクル全般にわたるものでありまして,このうち,調査や設計,工事の各段階におきましては,CALS/ECである電子納品や電子入札,これらのものから集められたいろいろな情報が出てきます。この情報を施設台帳などに蓄積いたしまして,その後の維持管理,あるいは新しい計画等に生かされるものでございます。
◆小林郁子 委員 今,お話を伺いますと,かなり広範囲にわたるものを考えておられるということですし,また,CALS/ECと深くかかわってくるということでございます。
CALS/ECの全国的な状況を見てみますと,
国土交通省では,CALS/ECを国の機関から市町村までの全国的な展開へ考えているということで,都道府県,政令市の導入は今年度既に一部運用を開始して,2008年度の本格的な運用を目指すことにしているというふうに聞いております。また,ほかの政令市を見ますと,横浜市とか名古屋市では,CALS/ECのアクションプログラムを策定していると。そしてまた,ほかの市でも電子入札とか納品の具体的な検討,試行を開始しており,取り組みが始まっているという状況も見受けられます。
また,一方で,これからは,建設より維持管理が重視される時代になってくると思います。施設の延命化や,適切な再建設時期を決定することだとか,また同じ道路を何度も掘り返すというようなむだの防止や,設計,調査などでも重複を防ぐなど,マネジメントの必要性ということは高まってくると思います。
そこで,お伺いいたします。
1点目としまして,公共施設総合マネジメント
システムの必要性を今るる述べられましたけれども,そういうことであれば,早ければ早いほどいいのかなという気はするのですが,導入スケジュールはどのようになっているのか,お伺いをいたします。
また,2点目になりますけれども,この
システムの開発だとか管理ということになりますと,通常は民間に委託をしてということになると思います。コンピューターを使っての
システムの設計というのは,初めが非常に大切だというふうに言われております。途中で事情が変わって,一部変更しようということになりますと,
システムの修正だけでも何千万単位というお金がかかってくるというのが実態です。また,開発ということが民間主導になってしまいますと,その企業の仕様だとか特色,そういうものによって制約を受けるとか,結果としては市にとって使いづらいようなことになってしまったり,また開発とか管理の費用についても割高となってしまう。そういうことが起こってくるのではないかというふうに思っているのです。
そこで,お伺いいたしますけれども,それらの防止には,庁内的に,組織的にどうするのか整備をしていく必要があると思いますし,また,もう一方では,民間の開発者と同じぐらいの,あるいはそれ以上のレベルのITに精通した市の職員の育成ということも必要だというふうに思います。そのことについてはどのようにお考えか,2点お伺いをいたします。
◎桜庭 工事監査室長 1点目の
システムの導入スケジュールについてでございます。
施設台帳など基礎的な部分と,それから指標化の基礎的なデータを高度利用する部分は,開発年次が若干異なりますので,年度的には重複がございますが,平成16年度から17年度には,概要設計として情報範囲や
システム化の機能などを決定し,平成18年度から20年度には,基本設計及び詳細設計としてハード・ソフトの選定やプログラムの仕様の決定をいたします。さらに,平成19年度から21年度には,プログラムの作成と試行運用を行い,順次構築を進めてまいりたいと考えてございます。
次に,2点目の組織と職員の育成についてでございますが,委員お話の不整合が生じないように留意しながら進めているところでございますけれども,検討が基本設計あるいは詳細設計に進むにつれまして,業務量の増や専門性が高まるものと想定してございます。したがいまして,今後につきましては,情報化推進部とも十分に連携を図りながら,組織的なあり方や職員育成について検討してまいりたいと考えているところでございます。
◆小林郁子 委員 今までのお話の中で,公共施設総合マネジメント
システムというのは,対象範囲が非常に広くて,また,もしこれができれば,さまざまなところでばらばらにやっていることがマネジメントできるといいますか,むだが省けるということなのですけれども,それには大変時間がかかるということもまたあるというお話でした。
今の段階で,例えば,建築では建築の部門で既にいろいろ構築されていて,そしてまた,水道では水道でやっていると。このようなことがあるかと思うのですけれども,そういうことを考えますと,早い時期の構築が望まれるわけです。早い時期といいますか,時期的にもなるべく効率よく進めていただきたいというふうに思います。
また,職員の育成ということのお話がございました。そのことも情報化推進部と十分連携をとらなければならないことだと思いますけれども,ぜひ進めていただきたいというふうに思います。
以上,要望して,終わります。
◆松浦忠 委員 私は,まず歳入の増加について,市の方でもそれぞれ税の未納対策だとか,日ごろ,いろいろ努力されていることは承知をしております。しかし,一部資産の活用で,どうも社会一般の実態からすると極めて不適切な実態が見受けられます。具体的に申し上げますと,市役所庁舎の向かい側に北一条駐車場がございます。この駐車場は,料金収入が1億7,000万円余ございます。そして,管理費としてかかっているのは7,900万円余であります。それらを除いて入ってきているお金,札幌市に実質的に一般会計に繰り入れられているのは9,000万円余と。こういうことで,実に管理費は46.5%ですが,パーセンテージよりも,あそこで1億7,000万円の収入を上げるのに7,900万円を超える管理費がかかるということは,どう考えてもかかり過ぎであります。これは,どこが管理委託を受けているかといったら,札幌振興公社に札幌市が委託をしているのであります。
また,もっと極端な例は,月寒駐車場であります。ここは,1,150万円余の収入に対して,委託管理費が700万円余かかっている。実際に入ってきているお金は148万円ぐらいで,13%ぐらいだと,こういう実態であります。
これらについて,昨年の改選後の議会以来,出資団体の見直しなどを含めていろいろやっておりますが,平成16年度のこれら資産の活用についてどのような見直しをしたのか。それからまた,この契約内容について,どういうような考え方でこういう内容になって契約しているのか,その点をまずお尋ねいたします。これが1点目であります。
続いて,2点目でありますけれども,川下公園に温泉入浴施設がございます。ここは,障がい者の方については,付き添いも含めて,福祉対策ということで,入湯料700円を無料で入浴としております。ところが,障がい者の方から,同じく札幌市長の懐に入る,法で定められている入湯税というのがあり,日帰りは100円でありますが,この100円の入湯税をなぜただにしてもらえないのだろうかという疑問と,そして,ぜひただにしていただきたいという要望が,数年前から私のところに届けられております。この入湯税について,福祉対策として,おふろに入る料金700円をただにしたのに,どうして同じ札幌市の収入となる100円の入湯税をただにしなかったのか,その理由についてお尋ねをいたします。これが2点目であります。
さて,3点目は,市長にお尋ねをいたします。
先ほど,飯坂委員からも歳出削減についての話がありました。私どもの会派は市政改革クラブで,名前のとおり,今の市の行政執行の中で徹底的にむだなものは見直して,そして必要なところにお金を使っていくというのが,我が会派結成の最大の目的であります。
市長は,先ほどの答弁の中で,駅前通地下歩行空間について,世代間の負担という言葉を使われました。これは,戦後,国が建設国債はいいけれども,一般会計での国債は財政法上発行しないのだと言ったのを,ある時期に,たしか福田内閣だと思いましたけれども,これを転換した。そのときに国が言った言葉が,その言葉なのです。
そして,どんどんどんどん膨らんできている。だれが考えても,もはや市民1人当たり百二十何万円なんていう金は,どうやったって払うのが大変だと。世代間ということになると,人口構成からいったら,ことしの1月1日現在では,60歳以上の人が40万7,000人で4分の1いるのです。僕も64歳ですからそうですけれども,この世代はこの世からだんだん別な世界に行く世代なのですよ。そうすると,少子高齢化で生まれてくる人たちは少ないということで,今の認識をずっと続けていくと,これから生まれてくる世代の人,あるいは今の子供は大変なことになってきます。
したがって,世代間の公平な負担ということがよく年金でも言われておりますけれども,こういうことを考えるならば,人口の年齢構成の推移を見た上で借金の額をどう減らしていくかということを考えることが,非常に理知的で合理性に富む上田市長の発言になってこなければならないのでないかと僕は思うわけであります。
そういうことから,駅前の地下空間もあったらいいでしょう。しかし,今,あそこに200億円の金をかけてやる,そして,いまだに,沿道のビルですぐ利用しますよと言って接続を意思表明しているのはごく一部。こういうことからしたら,私は,これはそういうことにならないのでないかというふうに思うのですが,改めて市長の世代間の負担という考え方についてお尋ねをいたします。
それから,4点目は,今,予算編成が終わり提示されて,市民の中から出ている声の中に,市長はいろいろ市民の意見も聞いてくれるし大変いいと,しかし,一つ大事なことを忘れていないかという意見があるのです。何かといったら,市長は,市役所の身内に切り込んでいないのでないかと,こういう意見が多く私に寄せられております。
具体的に何なのと言ったら,例えば,先般,市長が出資団体の
特別委員会で表明した幹部職員の再就職,俗に言う天下りの問題,こういったことに何ら切り込んでいない。さらに,出資団体などへの委託金など,こういうものへの切り込み方が不十分ではないかと,目に見えていないのではないか,こういう指摘がされております。さらに,具体的に申し上げると,今,札幌市の職員には,その仕事に従事することによって支払われる118項目の手当があります。例えば,車を運転すれば車運転手当だとか,室内勤務の人が外に行ったら外勤手当だとか,そういったような手当が118項目あります。こういったような具体的なことについて,今般の予算編成の中で何ら出てきていないのではないかと,こういう市民からの指摘がありますし,市役所を退職した方々からも,もうそろそろそういうものも整理しなければならぬ時期に来ているなと,こういう意見もあります。
これらついて,市長はどのように検討されて,今回の予算編成で見送られたのか,この点についてお尋ねをいたします。
以上,4点について質問をします。
◎高橋 建設局維持担当部長 ご質問の北一条駐車場並びに月寒駐車場でございます。
北一条駐車場につきましては,昭和41年から立体駐車場を始めておりまして,この駐車場が使用に耐えないということで建物を解体して,平成10年12月28日に竣工し,現在の収容台数180台の平面駐車場になってございます。
いずれにしましても,札幌市の駐車場条例で制定されているところでございまして,料金収入でございますが,北一条駐車場につきましては,平成14年度は1億7,470万7,100円,そのうち支出が7,931万892円となってございまして,全体の収入に占める割合としましては,約5割ぐらいでございます。
それから,月寒駐車場につきましては,月寒地区の公共施設,これは月寒公園,公民館,南税務署でございますが,及び付近商店街の買い物客への利便を図るために,駐車規制の強化に伴う交通緩和を促すために,郊外における初の公共駐車場として,国有地を借り受けて設置しているものでございます。収容台数は80台,昭和49年に供用開始してございます。先ほど,これの収支状況のお話が出ましたが,平成14年度収支につきましては,収入が1,151万6,208円,支出につきましては704万3,883円となっており,全体の約6割が支出されております。
それで,月寒につきましては,近くの商店街と地下鉄利用といった形でかなり利用されておりますので,規模的には少し小さいので,北一条と比べますと,若干の収支の差がございます。
◎中村
管財部長 1点目の資産の活用で,16年度はどんなことをということでございますけれども,委員のお話にもありましたように,財政状況は非常に厳しく,今後ますます厳しくなることが予想されております。
市が保有している土地を少しでも多く活用して,財政に寄与していくことが急務だというふうに考えておりまして,管財部におきましては,用地関連の組織を16年度から見直すことにいたしており,利活用の担当係長を2名配置しまして,土地関連事務のスピードアップなどを図りながら,遊休地の売り払いを含めた利活用を推進してまいりたいというふうに考えております。
◎山本 税政部長 私から,川下の温水利用型健康運動施設,いわゆるリラックスプラザを利用する障がいのある方の入湯税の課税免除についてでございますけれども,入湯税は一般的に公衆浴場における入湯行為に対しまして,その入湯者に課する行為税でございまして,その入湯行為が有料であるか,または無料であるかとを問わないものでございます。
本市での入湯税の課税免除につきましては,条例で,学校教育上または保健衛生上などの公益上の理由から,修学旅行の小・中学生,また公衆浴場や
地方公共団体等が設置する福祉施設における入湯行為に限って免除しておりまして,当該施設における障がいのある方の入湯行為は免除の対象となってございません。
そこで,委員ご指摘のリラックスプラザは,市が設置しているものの,温泉の利用形態がレジャー施設に併設されているなど,民間の日帰り温泉施設と同様のものでございまして,また,その利用者である障がいのある方の入湯行為の目的も,民間の温泉施設と同じであると考えられますことから,入湯税の課税の公平性を考慮いたしますと,市の施設だから,または使用料を無料にしているからということで入湯税を免除することにはなっていないということになっております。
◎上田 市長 市債の発行についてのご質問でございます。世代間の公平な負担ということが,もう使い古された議論であって,今はそんなことを言っている時代ではないのでないかというふうなご指摘でありました。
しかし,市債を発行することの意味というのは,まさに建設国債の場合には,そういう機能を持つことは間違いのないことだというふうに思います。ただ,それが負担の限度を超えている,あるいは,人口構成等から考えて,公平な負担をしていただく対象者がどんどんどんどん少なくなってしまうということになると,これはまた公平さという観点からいえば,制限を加えていくべきことであろうというふうに考えます。それは,当然のことながら,支払い能力,負担能力ということは,割り算をすればそれなりのことはわかるわけでございますので,そのことも考慮に入れた上で,この理念のもとに公平な負担ということが可能になるような仕組みで,債券発行の運用をさせていただきたいと,このように考えます。
それから,市役所改革について,身内に切り込みが足りないのではないかというふうなご質問でございます。職員の再就職の問題,委託金の問題,委託金の問題は,先ほどの駐車場の問題についても同じようなことが言えるのかと思います。それから,職員の手当の問題,この辺の問題提起は,以前から松浦委員のご指摘があったということは私も承知をしております。
今,三セクの評価委員会というものをつくって,いろいろ考えていくという一応の手だてを構築しつつあるところでございまして,市役所改革についても市民議論をしていただくということで,市民会議の中で議論をしていただいているところであります。いずれも,この問題については,私どもは問題意識をきちっと持っているつもりでございます。ただ,一朝一夕になかなか解決できないという限界を抱えているということも申し上げておかなければなりません。その意味で,この問題については,今後,しっかりと取り組んでいくということでご勘弁をいただきたいというふうに考えております。
◆松浦忠 委員 まず最初に,市有地の関係ですけれどもね,北一条駐車場は条例で決まっているのは皆さん承知のことなのです。
去年から,
札幌市議会が始まって以来ですね,初めて出資団体などの見直しの
特別委員会ができて,そして,歳入がだんだん不足してきていると,だから,できるだけ歳出も削ろうよということで検討しているわけです。一々議会から個々に指摘されるまでもなく,皆さん方はそれを業として仕事をしているわけですから,当然,一つ一つできることをやっていくことが見直しだと私は思うのですよ。そのために改革推進室もできているのでないですか。
これは,改革推進室ができる以前の話ですよ。例えば,こういう駐車場について,駐車場の管理はだれでもできるのですよ。何も特別な規制もないのです。皆さん方は,札幌市として条件を示して一般に管理を募集しようかということを,今までに内部で検討されたことがあったかどうか,まずそれを聞かせていただきたい。これが一つ。
それから,二つ目は,もはや16年度の委託については,今の振興公社だとか外郭団体への今までのような無条件の委託方式を改めて,そして,これは公募による管理委託の競争入札をやって,そして委託先をきちっと決めていくべきだ,こういうふうに私は思うわけですけれども,この点についてどうか,お答えをいただきたい。これが,市有地活用の問題点で私が問う結論の一つであります。
それから,二つ目は,川下公園の問題ですけれどもね,税政部長が答弁したことは,国の法律でもそういうふうに決まっていることですし,札幌市の条例の第110条でそのようにちゃんと決まっております。私が問いかけているのは,そういうことでないのですよ。
あそこをレジャー施設なんて言ったら,あなた,とんでもないことだよ。あれはレジャー施設でないですよ。あれは何かといったら,健康増進のための施設ということでね,国から補助金をもらって建てたものなのですよ。レジャー施設でありませんよ。あそこは健康増進施設ですよ。間違えないように,これ指摘しておきます。
それから,税の関係ですけれども,当時うっかりしたのでないかなと私は思っているのです。なぜかといえば,札幌市に入る収入のうち,利用者が払う入浴料700円を無料にして,市税の100円だけを徴収する。それが,税の公平云々なんていうことだけの議論ではないと思うのです。障がいのある方々を無税にするということは,慈しみの心から無料にするわけですよ。そうしたら,当然,税法で無料にしていいよということがちゃんとそこに書かれているわけですね,それに基づいて
地方公共団体が条例で定めているわけですから。
したがって,私はこれも議論の余地があると思うのです。あそこは車いすの人が入れるような施設になっているのですよ,そうすると,健康増進施設であると同時に,もう一つは福祉施設的な要素もあるのではないかと,そういうふうな解釈だってできるわけですよ。
あなた方はね,身内の,市役所職員の幹部の皆さんがやめてから行く出資団体などには,いろんな規則や何かを非常に広げて解釈して,いろいろ優遇しておりますけれども,こういう人たちに対しての解釈というのは極めて狭義な解釈しかしません。
したがって,これについては市長にお尋ねしますけれども,ここを利用する障がい者は年間1万3,000人ぐらいということなのですが,金額にしても130万円ぐらいのことです。したがって,ぜひひとつ,これについては,市長ね,どうしても条例を改正しなければならなかったら条例改正をして,そして,100円を無料にしてあげる,入湯税は免除してあげるということをやっていただきたいと思うのですが,市長の考えをお聞かせいただきたいと思います。
それから,次に,世代間の問題についてはいろいろまた議論がありますから,引き続き議論することにしまして,とにかく市長に申し上げておくことはですね,建設国債であれ何であれ,市債をできるだけ抑制していくという市長の最初の考え方は,本当に掛け値なしに考えているなと私は思っております。ぜひですね,これからもうふやさないという抑制の決意でやっていただきたいということを要望しておきます。
それから,身内に切り込む問題については,これ,市長ね,組合との交渉もあることですから,市民議論を待ってということになると,市長の今任期中,4年の時間は過ぎてしまうという懸念もあります。したがって,こういう問題については,できるところから一つずつ,組合側にも提起して理解してもらって,ぜひひとつ市民に納得いただけるようにやっていただきたい。
今,市長ね,市民の中ではこういう批判もあるのですよ。市役所の職員の人が道路などのいろいろな現場を見に来るときに,どうして職員の運転手つきで来るのですかと,みんな免許を持っているのでないですかと,こういう率直な疑問を私らに呈してきます。答えに窮します。したがって,市長ね,手当の問題を含めて,できることをぜひやっていただきたい。
私は,昭和58年から今まで,この議会に17年こうやって出ておりますけれども,1回だけ手当を三つ削ったのがあった。何を削ったかといったら,直轄の除雪業務を全部業者に外注するようにしたということで,仕事がなくなったから,それに関係する手当を削った。三つだけであります。あとは,ずっといろいろ私も指摘してきたけれども,桂さんはただの一回もやらなかった。何でかというと,市役所の労働組合からも推薦を受けている,こういうことなのです。市長も,市役所の労働組合が勝手に推薦したようでありますけれども,それはそれとしておいて,話せばわかるのですから,したがってですね,ぜひひとつ話していただいて,これをやっていただきたいと思うのですが,改めて市長の見解を伺いたいと思います。
◎高橋 建設局維持担当部長 第1点目の市有地の活用ということでございますが,これは,私どもがお答えする立場にありませんが,駐車場の関連で答弁させていただきたいというふうに思います。
歳出の削減に向けた検討を行っているかということでございます。私どもは,各年度における収支計画書の提出を受けた時点で,経費削減に向けた指導を行っているところでございますが,今後とも引き続き十分指導をしてまいりたいと思います。
それから,2点目の平成16年度から駐車場の管理を公募してはどうかというお話でございますが,指定管理者制度というものがございまして,平成15年に地方自治法が一部改正になってございます。附則ですが,猶予期間が3カ年あります。これらの改正がありましたので,今後,この管理者制度の導入を踏まえて検討してまいりたいと思います。
◎上田 市長 駐車場等の問題については,今,部長が申し上げましたように,検討対象であるということについては基本的な認識を持っておりますし,そのような議論もさせていただいているところでございます。
それから,税の問題ですが,政令指定都市の中でも免除しているところもあるというふうにお聞きいたしております。検討対象として議論させていただきたいというふうに考えております。違う観点から,問題は,国税との関係でどうなのかということの議論もあるようでありますので,さまざまな観点からいろいろ検討を加えていきたいというふうにお答えさせていただきます。
それから,もう一つの改革の方向でございますけれども,もちろん,市民議論を経るまでもなく,改革の必要なものについては早急に改革をしていくというふうな考え方でおります。労働条件の問題もありますので,これまでの経過等について,十分議論を重ねていかなければならないことでもあります。そして,それが今まで行われてきたことが,市民にとって理解できることなのかどうかという視点で考えれば,解決すべきものはおのずと解決できるというふうに私は考えておりますので,ご指摘の点を含めて,私の方では,この問題についても順次取り組んでいきたいというふうに考えております。
◆松浦忠 委員 市長ね,私が市長に期待しているのはですね,国がいろんな制度を定めます,しかし,国が定めても,地方では不十分だということもあります。市長は,市民の利益を守るために,場合によっては,国と論判しても頑張っていきたいということを言っておられました。したがってですね,そういう観点からいくと,先ほど指定管理者制度の話が出ましたけれども,この駐車場の管理委託なんかの問題について言えばですね,それはそれとして,今,一般の公募なんかでやると相当安くできるという実態も世の中の実態としてあるわけですからね,こういう点については,ぜひ国と協議して,それを適用してやっていって,これで初めて市民の利益になる具体的な問題になっていくのです。こういうことについて,ぜひひとつ取り組んでいただきたいということを要望しておきます。
それから,もう一つは,先ほどの川下公園の障がい者の問題でありますけれども,税のありようをめぐって,あるいは公平をめぐってなんていうことではなくてですね,これは当時,無料にしてほしい,では無料にしようというところで,ついうっかり100円のところを見逃したのでないかなというのが,所管部局と話をいろいろする中での私の率直な感想です。したがって,ぜひひとつ早急に,条例改正がもし必要であればして,そしてやっていただきたいということを市長に申し上げて,これは要望しておきます。
最後に,歳出の削減のところで,私は大きな問題が一つあると思うのですね。それは何かといったら,
入札制度の問題であります。
札幌市は,平成12年に入札をめぐっての部長職の
汚職事件があって以来,そういうことを防止するためにということで,さまざまな方策を凝らしてきました。例えば,指名業者を非開示にする。そうしたら,都市調査研究所という研究所がパソコンを使って,年会費2万円でパスワードを渡して,指名されたらパスワードを入れて見てみる,そうすると,指名業者が全部出てくると。そして,そこでお互いに連絡をとり合うということをやっておりました。これを,先般,私は議会で指摘しました。
そうしましたら,私のところにまたコピーが来たのです。1回目に情報研究会という,いわゆる談合のパソコンの元締め組織をつくりました。これが,議会で取り上げられて,市も解散させなければだめだと言って,その会社に注意を解散喚起をした結果,解散したと。そうしたら,今度こういう文書が来ました。
お知らせ。情報研究会が解散することになりました。業務は平成16年1月1日より,情報サービスのM&Rデータサービスに引き継がれることになりましたので,お知らせいたします。閲覧の方法は,現在と変わりませんが,再度登録作業が必要となりますので,サービスの継続をご希望の方は,2ページ目の申込書に必要事項を記入の上,必ず振込済み書を──お金は,前の研究会のときには会費が1年間2万円だったのですが,今度は5割アップで3万円です。──3万円を振り込んだ振込書を添付の上,ファクスでお申し込みくださるよう申し上げます。1月1日より1年間の情報閲覧料は3万円となりますので,よろしくお願いをいたします。そして,この中ほどには,こういうこともご丁寧に書かれているのですよ。補足。札幌市発注工事受注票を閲覧する場合,お知らせのページと表示されている画面の右上の工事受注をクリックすると,ネットワークパスワードの入力画像があらわれるのでと,こういうふうにですね,ちゃんと4枚になって来ているのです。次から次へとこうやって,コンピューターなりパソコンを使って,頭のいい人はいろんなことを考え出すのです。
そこで,市長にお尋ねいたしますけれども,市長は本当にね,本当に談合はよくないと腹の底から思って,これは絶対にさせてはならぬというふうに思っていますかどうですか,この点について,まず一つお尋ねします。
◎上田 市長 もちろん,不当に取引を制限するものでありますので,独禁法との関係からいえば,そのような公正な取引を妨害する,あるいは競争を抑止することはいけない。談合は,また別途,処罰の対象になるということでありますので,当然のことながら,そのような行為がなされないように管理,監視をしていくということが必要であるというふうに考えております。
◆松浦忠 委員 そこで,小林理事にお尋ねします。
以前に,この
特別委員会で調査研究所の問題を指摘して,皆さん方は対応しました。情報研究会が解散して,これを引き継いだM&Rデータサービス,まず,これを知っていたか知っていないか。知っていたとしたら,どういう対処をしたか,これについてお尋ねいたします。
◎小林 財政局理事 今お話のございましたM&Rデータサービスの情報は得ておりました。
それで,今お話がございましたように,引き継がれることとなりましたという文面がございましたので,前にご指摘のあった業者に事情聴取をいたしました。それとともに,インターネットのアドレスが書いてありますので,そのアドレスへアクセスできるかどうかということでは,情報を得たときには,まだアドレスにアクセスできませんでした。動きがあるかどうかをずっと注視しておりますが,現時点では,まだインターネットのアドレスにアクセスができない状況でございます。
あわせまして,この会社がどんな会社なのか法務局の方に行って調べてみましたが,その時点ではまだわかりませんでした。
それから,これに関して情報を得ましたので,捜査機関や公正取引委員会などの機関と相談しております。協議をしていますけれども,詳しいことはちょっと差し控えさせていただきます。これが談合の準備行為に当たるかどうかということで,今,いろいろと協議し,詰めているところでございます。
◆松浦忠 委員 このお知らせの文面に,引き継ぎましてとわかりやすく書いているのです。準備行為に当たるかどうかというのは,この文章からいけば,最初の団体がまさにその行為を実施していたわけですから,それを引き継いだということですから,これは準備行為です。
調べるのは簡単ですよ。振込銀行は北海道銀行鳥居前支店,普通口座番号をちゃんと書いてありますね。これを捜査機関に提示して調べれば,その口座の開設者はだれかということがわかるはずであります。
したがって,こういうことが次から次へとコンピューター社会の中で行われていく。これを防止するためにどうするかといったら,単純なのです,これ。戦後,地方自治法が改正施行されて
入札制度が決められたときに,何と書いてあったかといったらですね,
地方公共団体の入札は
一般競争入札によると,これしかなかったのです,これしか。上限も下限もなければ,何もなかったのです。だから,私らの年代の大体60歳を過ぎた人は記憶にあるかと思うのですが,東宮御所新築するときに,昭和33年ごろだと思いますけれども,間組が1万円で入札したというのが,新聞の1面トップで全国話題ニュースになりました。そういうことがあって,製造業,建設業について今日のような規制が出てきたり,
入札制度のいろんな改正が決まった。
そして私もこの仕事につく前はそういう役所的なところで仕事に従事しておりましたから,この改正をずっと歴史的に見てみますと,
入札制度の改正というのは何かといえば,全部,役所のOBが天下って,そして入札を有利に取り計らうように,談合をしやすくするための改正でありました。
したがって,私は,きょうは余り時間をとるとあれですから別の機会にしますけれども,文書質問で何を求めたかといったら,入札の落札率を全部求めました。一言で言うと,例えば公募型でも,あるいは土木のA1でも,落札率の高いところを皆さん調べてごらんなさい,全部,皆さん方の仲間,かつての市役所の幹部職員が再就職して入っている。入っていないところは,ごくまれ。これが実態であります,これ。
したがって,市長ね,出資団体のときに,再就職,営業活動を1年停止するとか2年停止するとか,国もそんなことを言っています。全然こんなのね,営業というのは,昼中の8時45分から5時15分だけでないのです。昔の仲間が集まって語ろうじゃないかと言って,杯を酌み交わして,晩に昔の仲間の懇親会もあるのですね。これは営業行為でありません,懇親会です。
皆さんご存じのことだと思うのですけれども,そういうようなことですから,ぜひこれについてきちっと調べて,特に落札率の高いところについて,市役所の職員が再就職しているかしていないか調査をして,議会に提出してください。これを求めておきます。
○宮川潤 委員長 ここで,おおよそ20分間,委員会を休憩いたします。
──────────────
休 憩 午後3時26分
再 開 午後3時45分
──────────────
○宮川潤 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き,質疑を行います。
◆近藤和雄 委員 私からは,税収確保についてと出資団体に関する補助金につきまして質問をいたします。
まず,平成15年度の納税対策と決算の見通しについてでありますが,市税収入につきましては,ここ数年,景気が非常に低迷している影響等で,平成9年度の市税2,960億円をピークにいたしまして,以後,減少を続けております。
一方では,税収確保に当たりまして,助役を本部長としまして特別納税対策本部の設置,特別滞納整理対策室の設置,また,さらには納税対策担当係長の配置ということで,税務組織が一体となって納税対策を推進しているわけであります。その結果,平成7年度から12年度までは,資料によりますと,91%台で低迷していた収入率が,13年度におきましては93.3%,14年度には94.0%まで上昇したということで,14年度は政令都市の6位ということで,大変躍進をしたわけでございます。結果が大変よかったわけで,これにつきましては,収納を担当している職員のご苦労が目に見えてあらわれているのだなと思いまして,改めて敬意を表したいと思っております。
平成15年度の税収確保については,これまで以上に税務組織が一体となりまして,さまざまな納税対策を強化する必要があるのでないかと。特に,誠意の認められない者に対しましては,差し押さえの強化,または,新たな対策として歳入確保対策事業を実施していると伺っております。
そこで,質問でございますけれども,平成15年度における差し押さえの実績と,歳入確保対策事業の具体的な取り組みとその成果について伺いたいと思います。また,平成15年度の市税決算の見通しにつきましてお伺いいたします。
続きまして,平成16年度の納税対策についてであります。
平成16年度の市税予算は,家屋の新増設によりまして固定資産税の増収が見込まれております。ただ,長引く景気の低迷ということがあり,一方では,個人市民税は減少に転じておりまして,2,588億円にとどまると伺っております。
そこで,質問でございますけれども,厳しい納税環境を踏まえまして,これまで以上に納税対策を強化していかなければならないわけでありますが,どのような具体策を講じるのか,質問をいたします。
◎山本 税政部長 まず,1点目の,平成15年度の納税対策におきます差し押さえの実績と,歳入確保対策事業の成果についてのお尋ねでございます。
いずれも,今年度の重要な納税対策として,積極的に取り組んでいるところでございまして,1月末までの差し押さえの実績は,差し押さえ件数570件,金額は約5億6,000万円でございます。その内訳は,給与,預貯金などの債券の差し押さえが170件,5,000万円,不動産の差し押さえが400件で5億1,000万円となってございます。不動産の差し押さえは,一般に抵当権など権利関係がふくそうしておりまして,容易には税収に結びつかない場合が多いわけでございますけれども,ことしの1月には,約8年ぶりに不動産公売を執行いたしまして,約300万円を滞納分に充てることができました。
次に,歳入確保対策事業の成果についてのお尋ねでございますが,今年度は,例年よりも夜間・休日勤務をふやしまして,通常の業務の中ではなかなか折衝困難な日中不在者の滞納者約1万7,500人を対象に,電話や訪問による催告,薄野など特定地区のローラー作戦,一斉納税相談日の設定などに積極的に取り組んでまいりました。その結果,約40%に当たる7,000人と直接納税折衝を行うことができました。約5,700万円を徴収することができましたほか,分納約束など,一定以上の成果を上げることができたわけでございます。
2点目の15年度の決算見通しについてのお尋ねでございますけれども,現時点では,確定的なことを申し上げることはできませんが,予算額の2,580億円の確保はできる見通しでございます。引き続き出納閉鎖の5月まで,残り少ない期間ではございますが,税収の確保,収入率の向上に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
次に,平成16年度の納税対策についてのお尋ねでございますが,委員ご指摘のとおり,景気の低迷により,企業倒産や失業者は依然として高水準で推移していることから,市税を取り巻く環境というのは,16年度においても引き続き厳しいものと予想されます。
そこで,新年度の納税対策については,これまで積み重ねてきた納税対策を一層充実強化するとともに,新たな対策として,効率的・効果的な滞納整理ができるような徴収体制の整備を図りたいと,そのように考えているところでございます。
具体的には,平成13年度に高額累積案件の整理促進を目的に,6区に配置いたしました10名の納税対策担当係長のうち,3名を税政部にあります特別滞納整理担当課に配置がえをいたしまして,大口高額累積案件の整理のほか,市外滞納案件の整理や不動産公売などの強化を図ってまいりたいと考えているところです。特に,市外の滞納対策といたしましては,東京事務所に専任の係長1名を新たに配置いたしまして,2名体制で,関東一円の滞納整理に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
このような取り組みによりまして,これまで以上に滞納事案に応じたきめ細かな,めり張りのきいた納税折衝や的確な財産差し押さえを行うとともに,担税力を喪失した案件の整理を促進し,一層収入率の向上,収入未済額の圧縮に努めてまいります。
16年度は,収入率94%の半ばを目指し,税務組織が一丸となって税収確保に全力を挙げてまいりたいと,そのように考えているところでございます。
◆近藤和雄 委員 続きまして,滞納整理事務の効率化についてでありますけれども,これまで,税収を確保するために,さまざまな納税対策を講じて,収入率の向上,収入未済額の圧縮を図っていただきました。札幌市の税収は,今後ますます厳しい状況になっていくのではないかということが予想されます。そのためには,効果的で効率的な納税対策を一層推進して,さらに成果を上げる必要があるのではないかと思います。
そこで,質問でありますが,残念ながら,これから人員が増加することは期待できないのではないかという状況下で,滞納整理事務の効率化が必要と考えるわけですけれども,具体的に,滞納整理事務の効率化をどのようにやっていくお考えなのか,伺いたいと思います。
◎山本 税政部長 ご指摘のとおり,非常に限られた人員の中で,これまで以上に収入率の向上を図り,税収を確保するためには,事務の改善が不可欠であると考えてございます。
本市では,平成4年度に税務のオンライン
システムを導入いたしましたけれども,このオンライン
システムの改善をさらに図るため,ことしの10月稼働を目指しまして,現在,新たな滞納整理
システムの開発に取り組んでいるところでございます。この
システムの導入によりまして,滞納整理事務が一段と効率化,そして省力化が図られ,これまで以上に滞納者に対するきめ細かな折衝が可能となりますので,滞納整理の促進,収入率の向上が期待できると考えているところでございます。
◆近藤和雄 委員 次に,出資団体に関する補助金についてでありますけれども,代表質問の中で,平成16年度予算において,指定団体に対する補助金を約9,000万円見直ししたということを確認しております。その主な内容についてお聞かせいただきたいと思っております。
さらには,財政局よりいただいた資料でありますが,平成16年度出資団体への財政的関与総括表を分析,調査いたしましたところ,40の指定団体に対する本市の補助金は,全体で3億170万7,000円増加しております。その理由につきまして,お聞かせいただきたいと思います。
◎生島 財政部長 まず,出資団体に対する補助金の見直しの具体的な内容についてでございますけれども,派遣職員の引き揚げ等による人件費に係る見直しを行ったものが7団体ございました。それと,団体事務の効率化促進等により,補助対象事業費の縮減などを行ったものが5団体となっております。
次に,指定団体全体で補助金がふえている主な理由でございますけれども,2007年FISノルディックスキー世界選手権札幌大会組織委員会に補助金を出してございますが,3年後に迫った本大会の開催に向けましてリハーサル大会を実施することなどから,大幅に補助対象事業が増加したことや,キタラファーストコンサートやベンチャー支援事業などのさっぽろ元気ビジョンに掲げる事業を実施するための新たな補助金によるものが,主なものでございます。
◆近藤和雄 委員 出資団体に対します補助金については,予算編成の中で,各局が見直しを行ったというわけであります。しかし,その程度の見直しでは,上田市長が選挙公約に掲げました市民の目線で市役所改革を進めますという中で,外郭団体への補助金をゼロベースで見直しますということにはほど遠いものがあり,私も出資団体の
特別委員会の委員といたしまして,非常に残念だなという思いがございます。
札幌市として,団体に対するかかわりや評価など,基準をより明確にして,出資団体に対する補助金の見直しをし,市役所は変わったなと,市民の皆様の目に見える形でしっかりと進めていくべきではないかと思いますけれども,そのお考えがあるかどうかをお聞かせいただきたいと思っております。
最後に,いろいろと出ておりますけれども,今後の財政運営の考え方でございます。
今後,歳入の大きな伸びは期待できないだろうというわけで,このままでは,現在の市民の皆さんに対するサービスの維持すらなかなか困難になって,厳しい局面も予想されるのではないかと,懸念する一人であります。歳出全般にわたる総点検をやっていただいたり,行政の果たすべき役割,あるいは民営化ということも含めて,受益者負担ということも考えていただいていると思いますけれども,課題解決に向かって強力に取り組むことが求められていると思います。
16年度の財源不足を補うために,とらの子の財政調整基金59億円を取り崩す予算を組んでおります。それによって,16年度末の財政調整基金の残高は42億円ということになってしまいます。中期財政見通しでは,市税や交付税などの一般財源の伸びが見込めないというわけですから,平成17年度から平成20年度の各年度において200億円から500億円,さらには,三位一体の改革によって交付税の見直しが行われた場合,400億円から800億円の財源不足。16年度予算の概要を拝見いたしまして,大変厳しいというよりも,それを越しているような感じ。この表紙に,誇りあふれる街の実現を目指していると載っておりますけれども,私にすれば,寒さあふれる街になってしまうのでないかなという心配もあります。なぜかと申しますと,予算編成で,年賀状の発送先の見直しで43万円を減らしたり,それから監査委員あるいは農業委員会の予算計上を減らしたりと,大変な努力をしているわけですが,それにつけても,札幌市全体を見てみますと,職員の方には何となく切迫感の状況がないなと,私は感じているわけでございます。
そこで,質問でございますけれども,私は,事務事業の見直しでは限界があると判断しております。1歩も2歩も踏み込んで,待ったなしで見直しをかけていかないと。本当は,市長は,16年度の予算編成からやっていかないといけなかったのではないかなと。財政局は,物わかりのいい方ではなくて,鬼になっていただいて,きちっとした予算を構築するべきではなかったかなと私は感じております。
そういうことで,事務事業の見直しでは限界があると私は判断しておりますが,財政局の決意のほどをお聞かせいただきたいと思っております。
◎生島 財政部長 まず最初に,出資団体に対する補助金の見直しについてでございます。
団体を所管する各局において,不断の見直しを行うということはもちろんでございますけれども,全市的な基準を設定して,見直しを行うことも必要であるというふうに考えております。
このことから,委員ご指摘の各団体に対するかかわりに加えまして,補助金の交付目的や,団体が行っている事業の再評価などを含め,事業評価
システム等も活用しながら,さらなる見直しを図ってまいりたいというふうに考えております。
それから,今後の財政運営について,鬼になれというご指摘でございますけれども,今までも,確かに本市は徹底した行財政改革に取り組んできたところでございます。ただ,委員ご指摘のとおり,今後,さらに厳しい財政環境が見込まれる中で,収支不足の解消を内部的な事務事業の効率化のみで対処するというのは不可能であるというふうに考えております。
したがいまして,人件費や扶助費,さらには国民健康保険や地下鉄事業を初めとする他会計繰出金などの義務的な経費につきましても,聖域化することなく,行政サービスのレベルや市民負担のあり方,さらには行政の事業領域の見直しなどにつきましても,全庁的な議論を行うということは避けて通れないものでございまして,全庁を挙げて取り組んでいく。そのときに,私が鬼にならなければならないというのであれば,鬼になって頑張りたいというふうに思います。
◆村上勝志 委員 私からは,三位一体改革にかかわって質問いたします。
04年度
一般会計予算で,前年度に比べて約30億円,率にして0.4%増の8,128億円の計上。生活保護費などの扶助費が大幅に伸びる見込みがあったけれども,上田市長の唱えるさっぽろ元気ビジョンに掲げる事業を,重点化事業分として積極的に予算を計上したことに,高い評価を与えると。一方で,国の三位一体の改革に基づいて,地方財政計画における歳出の徹底的な見直しが行われ,全国総額で,地方交付税及びその振替財源である臨時財政対策債が大幅に抑制され,05年以降の本市財政は,より厳しさを増す。政府が推し進めようとしている三位一体改革について,権限や財源は抑制基調にあり,その中で,地方自治体としての手腕が問われていると,この3月1日の代表質問で,我が党の藤原議員が指摘したところであります。
国の三位一体改革では,今後,06年度までに,所得税から個人住民税の本格的な税源移譲を実施することとされており,地方自治体の歳入構造は大きくその姿を変えようとしていると思うのであります。
この税源移譲は,国庫補助負担金の廃止にあわせて,引き続き地方が主体となって実施する必要のあるものについては,移譲されることとされておりますけれども,実際に実施された場合,全国の総額では,廃止された国庫補助負担金の全額が税源移譲されたとしても,個別の自治体においては,税収構造が各自治体によって異なるため,実際の税収増の度合いでは格差が生じることになると思うのであります。
例えば,東京都など関東圏の自治体の方が企業や人口が集中しているために,有利になると思うのであります。そのため,そうした財政力格差を調整する地方交付税は,税財源移譲が実施された後であっても,ますます重要になると思うのであります。
しかしながら,地方交付税は全国総額で,03年度の18.1兆円から04年度はマイナス1.2兆円,6.5%減の16.9兆円に抑制されており,今後,どのような改革がされていくのかが懸念されますけれども,その見通しはどうなのか。格差を調整する財源調整機能などは維持されていくかなどについて,お伺いをいたしたいと思います。
大きな2点目は,予算配分における経済活性化のための重点化についてであります。
こうした税源移譲で国税の割合が低下し,地方税の割合が高められれば,景気の回復などによる税収増があっても,例えば,先ほど言いました関東圏の自治体だけが景気回復による恩恵を受けるなど,地域経済の差による格差がさらに生じやすくなると思うのであります。
こうしたことから,今後は,さらに地場産業の足腰を強化し,元気のよい企業群をつくっていくことで,地域経済の活性化を図ることがより重要になると思うのであります。その点から見ますと,今回の04年度予算案では,市長の公約でもある経済活性化の施策は拡充されており,雇用と経済活性化には資する内容となっていると受けとめております。05年以降の予算編成においても,引き続きこうした面での配分の重点化が必要と思うのであります。さらには,03年7月29日の第一部議案審査
特別委員会で,元気な札幌市をつくるために,財政当局も頑張ってくれと申し上げましたけれども,そのことも踏まえまして,この点をどう考えているのか,お伺いいたしたいと思います。
さらに,三つ目として,地方債の発行条件の改善についてであります。
三位一体改革に当たっては,地方の自立に向けた改革となるように,指定都市では共同で白本,青本などの要望を行っておりますが,本市財政にとっては,地下鉄の建設などに伴う過去の高金利の市債が大きな負担の一つとなっており,この書きかえができる範囲を拡大してほしいなどの要望を,市長みずからが他の政令市と一緒になりまして国への要望を行ってきております。
こうした地方債の発行条件などについて,04年度には改善が図られる見込みがあるのか。また,具体的に改善される点があれば,お伺いをいたしたいと思います。
◎生島 財政部長 まず,第1点目の,三位一体改革に伴って地方交付税が今後どうなっていくかということでございますけれども,地方交付税につきましては,昨年6月に示されました基本方針2003におきまして,平成18年度までに,国の歳出の徹底的な見直しと歩調を合わせつつ,地方財政計画の歳出を徹底的に見直すことによって,地方交付税の総額について抑制していくと,このようにされております。
また,財源調整機能につきましては,税源移譲を踏まえますと,さらに重要な機能になるというふうに考えておりますが,この点につきましては,基本方針2003におきましても,必要な行政水準について国民的合意を図りつつ,地域間の財政力格差を調整することはなお必要であると,このように明記されておりまして,財政調整を行う仕組みについては,今後も維持されていくものと考えております。
これに加えまして,本市といたしましては,地方交付税の見直しに当たりましては,こうした調整機能とともに,標準的な行政サービスを安定的に提供するための財源保障機能につきましても,分離することなく,双方を重視することを国に要望しているところでございます。
それから,予算配分の関係で,経済活性化のための重点化ということでございますが,平成16年度予算におきましては,政策課題対応型の予算編成を行うこととして,新たな取り組みを行いました。その中で,市長プレビューを実施し,さっぽろ元気ビジョンに掲げる事業につきまして,重点化事業群として積極的に予算計上したところでございます。
お話にありますように,雇用と経済活性化はさっぽろ元気ビジョンの重点分野の一つでございまして,16年度予算におきましても,さっぽろ元気基金の創設,就業サポートセンターの開設といった予算を計上いたしました。17年度以降につきましても,その重要性は変わらないものと認識しておりますし,重点化を図るべき分野であると,このように考えております。
それから,3点目は,地方債の発行条件の改善がどのように図られているのかということでございますけれども,政府資金と公営企業金融公庫資金に関する地方債の発行条件の改善につきましては,従前から,さまざまな要望を展開してきたところでございます。
そこで,具体的なことで2点申し上げます。
1点目は,借りかえについてでございます。
近年,公営企業金融公庫につきましては,経営状態が一定水準以下の公営企業に対する一定以上の高金利地方債の借りかえが認められておりまして,平成16年度予算では,本市の地下鉄事業において約33億円の借りかえを行う予定になっております。また,償還期間の延長ということも,一つ大きな課題になっているわけでございますけれども,平成16年度には,財政融資資金において,電車事業が従来の10年償還から13年償還に変更されるなど,幾つかの事業においても延長が認められたところでございます。
今後とも,公債費負担の軽減が図られるよう,引き続き要望を続けてまいりたい,このように考えております。
◆村上勝志 委員 本市の財政状況は,三位一体改革によりまして,地方交付税の大幅削減が見込まれる一方,生活保護費などの経費の増加などによって非常に厳しい状況にあると。今回示された中期財政見通しでも,国において,06年度までに,地方交付税総額の抑制が今年度並みに行われるとすれば,先ほど近藤委員からお話がありましたように,400億円から800億円という収支不足が見込まれております。
このような状況においては,これまでのような臨時的経費を中心とするマイナスシーリングを設定するだけでは対応し切れないと思うのですけれども,今後の収支不足の対応について,基本的な考え方をお伺いいたしたいと思います。
◎生島 財政部長 中期財政見通しで,今後,収入不足が見込まれているということで,この委員会でも何回かお答えしておりますけれども,このたび試算いたしました中期財政見通しというのは,平成16年度予算案をベースに,一定条件のもとで試算したものでございます。
試算結果のような財政環境になりました場合には,委員のご指摘がありましたように,これまでと同じようなマイナスシーリングの設定ということと,内部的な事務事業の見直しのレベルでは,想定される収支不足を解消することは極めて困難だろうというふうに考えているところでございます。
したがいまして,これまで義務的な経費とされております人件費や扶助費,さらには準義務的な経費であります他会計への繰出金につきましても,そのあり方や行政サービスの水準なども含めまして,庁内的な議論を行うとともに,歳入の確保につきましても,収入率の向上のみならず,受益者負担の適正化についても取り組んでいかなければならないと,このように考えているところであります。
◆村上勝志 委員 昨年7月29日の第一部議案審査
特別委員会の中で,私への答弁で,自主財源比率は52.2%であって,京都市の50.4%に次いで低く,13指定都市の平均58.9%に比べて財源基盤が弱い構造にあると,こういうことをおっしゃっていました。また,そのことを証明される数値として,普通交付税の交付額が,川崎で4,000円,千葉市で8,000円,横浜市で1万7,000円,これに比べて札幌市は6万7,000円と,依存度が高いということが答弁の中からも見てとれると思います。
また,2000年の第4回定例会の代表質問で,私は,税財源の確保を国に働きかけるとともに,製造業の育成,企業誘致,それに観光産業の活性化など,本市みずからが税収増のために環境整備に積極的に取り組んでいくべきだと,こうお話をさせていただきました。また,自主財源の拡充策をお尋ねしましたけれども,その後,どのように取り組まれ,どのようになっているのかについてもお伺いいたしたいと思います。
◎山本 税政部長 ただいまの自主財源の拡充策についてのご質問でございますが,平成13年3月に,札幌市財源に関する研究会から提言を受けました法定外税につきまして,庁内にいろいろワーキンググループを設置いたしまして,関係部局の課長による検討会ということで,導入の可能性,課題等についていろいろ検討を行ってきたところでございますけれども,さまざまな課題がございまして,これについては,今後とも引き続き検討していかなければならない課題であると,そのように思っております。
法定外税については,骨太の方針2003の中でも,課税自主権の拡大については,地方分権を推進していく面からも有効な手段の一つであると言われております。そういう意味では,引き続き,国や他都市の動向等を踏まえながら検討してまいりたいと,そのように考えているところでございます。
◆村上勝志 委員 先ほどの谷沢委員の質問の答弁にも,歳入面でも極めて難しいものがあると,歳出抑制等も含めて考えていかなければならないとおっしゃっていました。一方で,税源の涵養を図っていくというお話もございまして,私も全くそのとおりだと思いますし,上田市長が掲げるさっぽろ元気ビジョンのさらなる発展といいましょうか,実現のために,財政当局としても大いに後押しをしていただきたいと,そのことを申し上げて,質問を終わります。
◆阿知良寛美 委員 初めに,新年度に向けて,ゼロ市・ゼロ国など,早期発注に関係する職員が一生懸命努力をしていることに感謝を申し上げるとともに,精いっぱいのエールを送っていきたいなというふうに思います。
私も,2年前のちょうど今ごろ,2月,3月,4月と,公募型の設計を夜遅くまで,何百枚にもなる設計書でございますが,一生懸命やっていたことを思い出します。そういうことで,設計書もしくは積算,それから工事について,自分なりの考えを持っておりますので,その観点から質問をさせていただきます。
初めに,新規業者の参入について。
指名競争入札における新規業者の参入が非常に少ないと,委員会などでたびたび指摘されておりますし,企業の方からもそのような声を聞いております。公募型
指名競争入札の場合,他都市の
公共工事や民間の工事であっても工事実績として認められ,条件さえ合えば,だれでも参加できるようでございますが,通常の
指名競争入札の場合,工事実績がないと条件から外されるわけであります。市発注工事が減っている中,当然,新規業者が実績を積む少額工事も少なく,結果,経験を積むことができず,参入できないのが現状であります。
このことが,委員会でも指摘され,改善の方向で検討すると回答されておりますが,どの程度改善されているのか,まず1点お聞かせ願いたいというふうに思います。
2点目については,ISOの認証取得業者の評価についてであります。
公共工事の適正な施工と品質の向上を図るため,ISO認証取得を入札の条件に加えるなどして,本市としても,取得の推進を図っております。企業は,多額の費用と多くの時間をかけ取得しておりますが,取得したことによる入札時の支援策としてどのような評価をしているか,お伺いをいたします。
3点目は,合併支援策についてでございます。
銀行や大手の企業は,生き延びるため,有効な手段として再編,いわゆる合併を行っているが,
公共工事が減少し,少ない工事を低額で取り合い,体力が落ちていると言われている中小企業にあっても,今後,合併が進む,合併を選択せざるを得ないと考えます。現在,本市では,合併したことによる優遇措置がないわけでありますが,今後どのように考えているか,お聞かせ願いたい。
4点目は,公募型
指名競争入札申し込み時の配置予定技術者の緩和措置についてであります。
公募型
指名競争入札工事は,応募から入札まで1カ月以上を要していますが,この間,配置予定技術者が落札できるかどうかわからない申し込みの工事に縛られ,同じ技術者では他の工事に応募できない制度となっております。多くの職員を雇用している企業であれば問題ありませんが,昨今の厳しい状況下では,多くの中小企業はそうはいきません。したがって,多くの受注機会を得るよう,同じ技術者で他の工事に応募できる制度に変えるべきと考えるが,いかがか。
以上4点,まずお答え願います。
◎中村
管財部長 まず,1点目の新規参入の関係ですけれども,どのように改善されているのかということです。
もともと,入札における新規参入の促進ということで,平成13年10月に,新規業者の受注意欲の確認調査に関する基本方針というものを策定いたしまして,札幌市に登録している市内の業者さんのうち,過去3年間1度も指名を受けたことのない業者の方を対象に,申し出の手続を整備いたしております。具体的には,対象となる業者の方から,指名を希望する工事内容であるとか,当該工事に関する施工状況などを申し出ていただきまして,これを審査して,各工事発注部局に審査結果等を流し,選定する際の資料として活用してもらうこととしているわけでございます。
ただ,実態的には,なかなか新規で申し出をしてくる業者さんというのは少のうございます。例えば,14年度では,全工種で20社ですので,1工種当たりでいきますと数社ということになりますし,15年度については12社です。ですから,本当に数社の申し出があったということでございます。
したがいまして,今後とも各工事発注部局と十分協議を行いながら,新規業者さんが積極的に活用されるような形には,どんなことができるのか,十分検討していきたいと思いますし,私ども契約担当の部署にありましても,例えばPRのあり方の問題であるとか,いろいろ工夫してやっていかなければならないのかなというふうに考えてございますので,そんなことも含めて対応してまいりたいというふうに考えております。
2点目に,ISOを取得した業者さんに対して,どんな評価をしているかということでございます。
ISOの評価については,
指名競争入札方式における業者選考に使用しております選考素案作成支援
システムというのが稼働しているわけでございますが,この場合に,ISO9000シリーズと14000シリーズの認証取得企業に対しましては,それぞれ付加評価点は40点になるのですけれども,加点する措置をとっております。
3点目の合併の支援策でございます。今後,どんなことを考えているのかということでございますが,建設業者さんに対する合併支援策については,企業同士が合併することによって技術力の向上を図ろうとする場合などに対しまして,私どもも積極的に支援をしていく必要があるだろうというふうに考えております。具体的には,合併によってランク,いわゆる等級を上げるとともに,合併前のランクにも一定の条件のもとで入札に参加できる,ですから,レンジが広がるといいますか,応募できる部分が広がるようなことでインセンティブを与えていければなと。そういった入札資格などの面において,弾力的な対応を行いながら,合併の一層の促進を図っていこうというふうに考えてございます。
4点目,公募型
指名競争入札の技術者条件の緩和ということでございます。配置予定技術者の扱いということでございますけれども,公募型の対象となる工事等の規模とか内容は,技術的に高度なものが多いということでございます。したがって,その施工等に当たりましても,より適正な技術者を配置することが求められているということもありまして,あらかじめ配置予定技術者を特定することによって,適正な技術者が配置されるかどうかの判断が行えるものというふうに考えております。
ご指摘のありました配置予定技術者として申請している間は,他の公募型の案件に申請できないということで,技術者が少ない企業にとりましては,公募型の申請数が限られてしまうということも生じるわけですが,一方で,適正な履行を確保するという観点もまた重要なことでございますので,当面は,現在の方法を維持する必要があるのではないかというふうに考えております。
いずれにいたしましても,工事担当部局とも十分連携を図りながら,対応していく必要があるというふうに考えてございます。
◆阿知良寛美 委員 新規業者の参入の答えなのですけれども,発注部局で,要するに工事をさせるのに不安だということでチェックするのですよ。だから,結局,はじかれてしまうのですね。ここを変えない限り,新規業者は入れないのです。この辺を変更してもらわないと困ると思うのですね。
企業が育ちませんよ。従業員を雇って,市税を納めて,技術力もある,そういう人が札幌にたくさんいる。ただ,たまたま100%民間工事をやっているから実績がないだけですね。その辺をしっかり見ていただきたい,このように思います。
それから,合併支援についてですけれども,ランクを上げて,例えばA2に上がったと。A2のランクの仕事もできるし,もとのBランクの仕事もできるということですね。何年ぐらいの猶予期間を考えているのでしょうか。
◎中村
管財部長 今,道などのやり方とか,いろいろ検討しているところですけれども,5年とか,そういう年数を考えていきたいなというふうに思っています。
◆阿知良寛美 委員 次に,
入札制度の改善についてお伺いをいたします。
先ほど,各委員からお話がありましたけれども,もう一度,確認の意味でお話しさせていただきます。
2000年に,発注部局の職員が起こした不祥事件以来,
入札等管理委員会や
入札制度改善委員会を設置し検討された結果,
入札制度により一層の透明性,公平性,競争性を求めるため,指名のランダムカットや,昨年4月から,入札工事の
予定価格を全面的に
事前公表しております。この間,推移を見守りつつ,議会でも委員会でも,たびたび論議をされていたところでございますが,自治体の発注する
公共工事には何よりも不正があってはならない,これは当然だと私も思います。
しかし,はっきりしてきたことは,この問題については,どうも役所の側に,企業と一体となって札幌市の街づくりをしようという意欲の崩壊,つまり,姿勢が疑われるなら,いっそ何があっても見ざる,聞かざる,言わざる,あるいは,寄るな,さわるな,ほっとけと,役所の本来のやるべき姿勢が放棄されている,こういうふうに言わざるを得ない。
例えば,自治体の入札の透明性を義務づけた2001年の
公共工事入札契約適正化法施行後,先ほども再三質問がございましたように,
予定価格を公表する自治体がふえている。この結果,どうなったか。全国的に,同額による
くじ引きが急増しているということであります。本市においても,全く同じであります。
そこで,質問いたしますが,先ほど,
馬場委員から質問があって回答したときに,担当部長は,試行期間中,
高どまりは認められなかったと,このように回答されています。
それで,例えば
予定価格の公表,ここに資料がありますけれども,国の適正化法に関する指針には,
予定価格については,入札の前に公表すると,
予定価格が目安となって,競争が制限され
落札価格が
高どまりとなる,建設業者の見積もり努力を損なわせること,談合が一層容易に行われる可能性がある等をかんがみ云々と書いてあります。国の指針では,
予定価格は
高どまりになる,談合のおそれがあると,だから,していない。法律が変わっていないこともございます。それを,札幌市では,
予定価格の公表というのを選んだ。この食い違い,どっちを信じたらいいのかというのが1点。
それから,試行期間のときに,多分,国も
高どまりを予想していた,それから,発注者側も
高どまりを予定していたというふうに思います。しかし,現実はそうならなかった。この不況下で,これだけ
公共工事が少なくなっているわけですから,当然,
最低制限価格に近づくというのは,皆さんの経験であれば,十分予測がついたと私は思います。その辺の意見をお聞かせ願いたい。
それから,もう1点,13年4月から,
入札等管理委員会が設置されました。これは,弁護士,公認会計士,大学教授が3名,5人のメンバーで構成されておりますが,年間3回ぐらいやっているそうですけれども,そのたびに,
くじ引きの問題が取り上げられている。当然,意見書として,札幌市長にその意見を具申しているわけですが,答申を受けた市長は,この問題について,どういう意見を持っているか,また,どういう指示をされたか,お聞かせ願いたい。
この3点,まずお願いします。
◎中村
管財部長 国と市で違いがあるのはおかしいということかと思いますけれども,私どもの試行の段階での工事の状況,結果,落札率の状況というのを見ますと,そこに余り特徴的な差がなかったと。
高どまりになったというような顕著なデータがなかったということから,管理委員会も含めて,実施に移していいのではないかというふうな判断をされたのだと思います。
それから,
最低価格ラインで入札が殺到するというようなことは,予想がついたのではないかということでございます。
私どもも,13年,14年,いろいろ試行段階では,4%ライン。それまでも抽せんがなかったわけではないのですけれども,
最低価格ラインでという部分では,余りなかった。様子を見ていて,だんだん上がってくるという傾向が強くなりまして,特にことしは15%ラインまで上がってきました。当初からそういうことを予想できたのでないかということに対しましては,我々,急激に変化するというところまでは,ちょっと予想がつかなかったということでございます。
それから,管理委員会の方で
くじ引きが取り上げられて,どういう対応をしていたかということでございますけれども,
くじ引きにつきましては,13年,14年という段階までは,それほど件数が増加するというような,15年度のような状況というのはまだ見られていませんでしたので,様子を見るというか,いろいろな意見はございまして,私どもも,その意見に対して危惧するというか,そういうお話もさせていただいております。
15年度につきましても,先日,管理委員会が開かれておりますけれども,その中では,抽せんの問題というのは大きな問題だと,そこら辺についての対応というのが必要ではないかという意見も出ておりまして,これは,管理委員会で動いてまとめられる中で整理して,私ども,市長に対してご意見が出た段階で,またさらにそれを踏まえて対応せざるを得ないと思います。今は,意見をまとめている最中だというふうに思っております。
◆阿知良寛美 委員 ということは,市長まで,まだ意見書として出されていないということですか。
◎中村
管財部長 これまでのご意見につきましては受けておりまして,我々もそれなりに対応してきております。ただ,これまでの答弁でもお話ししておりますけれども,なかなかこれといった決定打がないものですから,これまで,他都市の状況だとかを十分見ながら,何かいい手はないかということで検討してきておりますが,本当に,決定打というのが,今,なかなか見当たらないという状況でございますので,さらにそれに,(発言する者あり)これについてはもちろん,市長に伝えたかということにつきましては,当然,市長に具申されるというか,意見書が出るわけでございますので。
◆阿知良寛美 委員 それで,市長に意見を具申して,市長はどういうことを,皆様に,改善を頼むとか,どうするかという指示はなかったのですか,さっきからそのことを聞いているのです。
○宮川潤 委員長 1点ですか,質問は。ほかにもしあるのであれば。聞いてからですか。
◎中村
管財部長 市長も,
入札制度の改善といいますか,より透明性の高い,公平性の高い制度にしていくべきだということで,機会あるごとにいろいろお話しいたしておりまして,そういったご意見をお持ちですので,我々もそれを受けて,今,可能な限り透明性,公平性,そういったものも含めて対応しているところでございます。
◆阿知良寛美 委員 先ほども
馬場委員からありましたけれども,東区の中学校の改造工事,建築工事で松浦委員から提出要請された資料を見ても,建築の方は,
くじ引きが7割近いですよ。ほとんどが85%。要するに,この中学校工事では,
予定価格が7,648万円に対して,35社が応募して30社が同額,6,500万8,000円,横並びです。全く異常です。
先ほど,公正,透明とお話ししていますが,この現状を見て,こういう状況が果たして公正,透明なのかと。それが一つあります。
そして,本市では,以前から,受注企業に対して積算能力を高めなさいと指導してきたわけでございます。ですから,こういうような状況で,本市が求める技術力が維持できるのかどうか,チェックしているかどうか,確認させていただきたいというふうに思います。
◎中村
管財部長 公平,透明なのかといいますと,抽せん自体は非常に公平性,透明性のあるものでございます。抽せん自体が悪いというのでなくて,
予定価格はもちろん公表しているわけで,計算式がオープンにしていくということで公表されていますので,そのことによって
最低制限価格が計算できてしまう,または容易に予測がつくと。特に,建築に関しては,
最低制限価格の85%以上に設定できないということもあって,85%以下ですので,ほとんど84%とか83%に集中するという状況がございます。
したがいまして,先ほども答弁申し上げているのですが,
最低制限価格ラインで抽せんされるということについては非常に好ましいことではないと思っているのですけれども,特段,これといった決定打が今はないものですから,我々も苦慮しているという状況でございます。
それから,積算能力がない,そういう業者さんが入ってくるのでないかというようなことでございます。それにつきましては,実際に設計したかどうかというのがまた一つあるわけですけれども,積算はしたが,応札するときというのは,またそれとは違って,一緒に指名を受けて参加している業者さんの顔を見ながらといいますか,そこで価格をもっと下げる必要があると。業者さんが,経営努力した上で何とかそこまで下げられるとか,いろいろ判断が出てきます。したがって,必ずしも積算したから入札額を
最低制限価格に入れないのかというと,そういうことではありません。
積算している方がほとんどだろうと思うし,皆さんは積算をしてきているのだろうというふうに思っておりますけれども,入札の実態というのはそういうことでございますので,そこら辺,積算していないからどうだというのは,我々もなかなか判断しづらいというか,どなたが積算していて,どなたが積算していないかということも,なかなか判別しづらいという部分もございます。したがって,例えば積算内訳書だとか,そういったものを少し活用しながら,よりよい対応をしてまいりたいというふうに考えております。
◆阿知良寛美 委員 今,積算チェックを多分していると思うのです。ところが,皆さんが持ってくるのは工事用の設計書ですよ。契約課さんでチェックするのはこれなのです。直接工事費がぼんと来て,あとは間接とか共通仮設費,現場経費,一般管理費と。
僕は,
くじ引きが悪いなんていうことは言っていませんよ。同額なのですから,決めるには
くじ引きしかないのです。そのことをだめだとは言っていないのです。
こういう計算をしっかり積算しないで,
予定価格から割り返すことができるのです。これは,私もできます。ですから,積算をしないで,運よくば,
くじ引きで仕事を取ると。本当にできるかどうかわからないで,行っている方もいらっしゃるだろうと思うのです。大事な税金で物をつくる。完成しただけで終わるわけでないです。何十年も使って,そして維持管理をしていかなくてはいけない。それによって,そういうことがしっかり守れるのですか,そのことを心配しているのです。
ですから,そういう部分では,私の提案ですが,同額の場合,工事用の設計書だけでなくて,内訳書までしっかり出させて,そして,契約事務の皆さんがチェックするのではなくて,発注部局がしっかりと,正しいかどうか,きちっと積算されているかどうか,時間がかかるかもしれないけれども,そういう体制が大事なのでないですかと。そうしなければ,能力がない人も直接予定制限価格まで行って,くじを引ける,こういう状況になるのでないですか。そのことを改善していただきたい,そういう思いで話しているわけです。そういう面では,チェック体制をしいていただきたいということ。
それから,もう一つは,最後になりますけれども,企業評価
システム,これは経営事項審査評点という,いわゆる経審の点数が非常に偏重されているのだというふうに私は思います。一般的に,債務があったり,機械を買ったりした場合,評点が下がるというふうに言われています。これであれば,無借金か,すべての機械の償却が終わった企業か,雇用もせず社会的な責任も果たしていない丸投げ企業だけが喜ぶわけであります。まじめに従業員を雇用して,設備投資をして,そういう企業は今は仕事が取れない状況です。そういう部分では,もっと根本的な,長年にわたるその企業の施工能力,現場管理能力,工事成績といった重要な要素をどういうふうにとらえているのかというのが1点。
それから,環境の維持や交通の確保など,技術提案に基づき,価格に加え,価格以外の要素も総合的に評価して落札者を決める総合評価方式の導入をどのように考えているか。
また,最後に,このように
最低制限価格であれば,当然,丸投げも予想されます。僕が非常に残念だったのは,このことをずっと担当者に,水道にも,下水にも,建設にも,土木にも聞きました。認識がばらばらでした。ある人は,これだけ
最低制限価格で落として大変だなと聞いたら,何も,下請がかぶるのですと,こういう感覚の職員がいるのですよ,平の職員ではないですよ,役職を持っている人ですよ。こんな話を企業の人が聞いたら,どういう思いになりますか。(発言する者あり)いやいや,私の意見を言っているのですよ。何を言っているのだ。
○宮川潤 委員長 質問を続けてください。
◆阿知良寛美 委員 (続)私はそう思うのです。
ですから,大変難しい問題でしょうけれども,本当に企業にとっては大変な問題です。それから,本市にとっても,きちっとした成果品ができるかどうか,長年,使用に耐え得るかどうかということもあるというふうに思います。そういう部分では,大変な問題でしょうけれども,しっかり努力をしていただきたい,このことを最後にして,質問を終わります。
○宮川潤 委員長 確認しますけれども,
阿知良委員の質問は,答弁を求めてはいないのですね。(発言する者あり)求めているのですか。
◆松浦忠 委員 (関連)今までの各会派の入札をめぐる質疑を聞いておりますと,平成12年に,談合問題に絡んでいく収賄事件だとか,あるいは談合問題が各種あって,私も今までそのことを随分指摘してきました。私は,皆さん方に,小林理事に尋ねたいのは,今までの質問を聞いておりますと,82%だとか84%だとかの低価格の落札で,
くじ引きがあったから,いかにもけしからんという質問ですけれども,そして,今の質問の中に,きちっとした工事ができないのでないかという指摘も数々ありました。
今までの
入札制度の中で,低価格で競争入札をしたもので,工事にふぐあいがあってやり直しをさせたとか,そういうような事実があったかどうか,具体的に答えてください。
◎中村
管財部長 重要な指標等をどんなふうにとらえて取り組んでいるのかということでございますけれども,我々は,街づくりであるとか,札幌市に対していろんな貢献していらっしゃる,そういう部分というのは,先ほどもありましたけれども,防災であるとかいろいろあるわけでございまして,それらについて,どのように評価していくかというのは,現実的にはなかなか難しいという問題がございます。どれをどのように評価すれば,これはどのぐらいという,総合的に,全体的に評価基準のようなものを定めて進めるというのは,我々もなかなか難しいというふうにとらえております。ただ,そうはいっても,そういったものを何とか取り入れられないかというようなことで,一生懸命考えております。
したがいまして,そういったものについて,今後とも引き続き取り入れられるような内容はどんなものか,十分検討させていただきたいと思います。
また,総合評価方式のようなものをもっと積極的に導入していくべきでないのかというご質問でございますが,これにつきましても,先ほども答弁させていただいているのですが,総合評価方式というものに限らず,多様な
入札方式がありますので,そういったものを組み合わせて導入していくこともまた大事かなというふうに思っています。そこら辺は,十分検討させていただきたいと思います。
◎小林 財政局理事 ただいま,部長が答弁したところとダブるところもありますが,
入札制度というのは,これが絶対というのはございませんで,社会の状況,経済情勢に応じて,日々,改善していかなければならないものだというふうに思っております。お話のございました総合評価方式ですとか,いろいろな観点を取り入れながら検討を続けてまいりたいと思います。
くじ引きが多発するという状況については,余り好ましいことではないと。
最低制限価格というのは,これ以下であればダンピングの可能性もあるということで設定しておりまして,したがって,落札率の低い工事については,施工監督をする工事担当部局でも慎重に監督をしているという点があろうかと思います。そういった意味では,落札率が低いから直ちに工事の状況が悪いというふうに結びついていないと認識しております。
ただ,今,申し上げましたように,
くじ引きが多発するというのは好ましい状況ではありませんので,いろいろな試行を来年度にやっていきたいと思います。積算努力を反映する手法がないのかということもあわせて,試行を考える段階で検討してまいりたいと,そういうふうに考えております。
今,答弁の中で,
最低制限価格というのは,これ以下であればダンピングの可能性があるのではないかということで,ラインを設けているものでございます。
それで,
最低制限価格に近いから,あるいは,
くじ引きが行われたからということで,直ちに施工状況が悪いということには,状況としては結びついていないということで,お答えしたところでございます。
◆松浦忠 委員 (関連)きちっと答えてもらわないといかぬのは,今の答えの中で,低落札率だったら,例えば,最低で
くじ引きをしたら,監督の方で注意するとかいろいろあったけれども,監督は,そうであろうとなかろうと,注意はちゃんとしておかなければならぬことでしょう。注意を怠っているから,あの下水道工事のような問題が起きるわけですよ。注意をちゃんとするのは当たり前のことなのです。
それから,皆さん,税の執行をしているわけですから,したがって,一定の条件を定めて,その条件の中で競い合うのが競争社会の常ですから,競い合うということはちゃんと決められているわけです。競い合って,例えば同じ点数になったと。議員だって,選挙をやって同じ点数になったら,くじを引いて決めるわけですから。それが悪いと言ったって,これはしようがないでしょう。何か聞いていると,
くじ引き抽せんが悪いみたいなことを言っているけれども,我々の選挙だってそういう決め方があるわけですよ。(発言する者あり)これは,同じだよ。したがって,あたかも
くじ引きが悪いような印象を持つような答弁をするということは,問題がある。(発言する者あり)
したがって,小澤助役に聞くけれども,税の執行に当たって,公平な競争入札をやって,
くじ引きが出るなんていうことは,どの観点から好ましくないという答えになるのか,答えていただきたい。
◎小澤 助役 税の執行に当たっては,公平・公正さを確保するということは大前提でございます。ただ,今,段々のご議論の中にありましたように,
くじ引きが非常に多くなっている現状,それから積算の問題とか,いろいろあるものですから,その辺については,市民の皆さんが見たときに,きちっと積算をして入札するということがはっきりわかるような形が望ましいのだろうということで,財政局としては,契約事務について,日々,改善するための検討を行っているということでございます。
○宮川潤 委員長 歳入のうち,一般財源等の質疑を終了いたします。
次に,第1款 議会費の質疑を行いますが,通告がございませんので,質疑を終了いたします。
次に,第2款 総務費 第5項 選挙費の質疑を行います。
◆桑原透 委員 私の方から,投票率向上の取り組みについて質問させていただきます。
昨年は,4月の統一選挙に始まり,政令都市初めての市長再選挙,そして11月の衆議院選挙,ことし1月の西区での市議補欠選挙があり,選挙の年であったわけでございます。その投票結果につきましては,憂慮すべき結果と言わざるを得ないというふうに考えているところでございます。
まず,統一地方選挙の投票率は,全国的に低下傾向が見られます。札幌市の場合においても,市長選挙を例にとってみますと,1951年の78.93%をピークに,それ以降,一時わずかに上昇した時期があったものの,低下傾向を示しており,昨年の市長選挙では57.32%と,過去最低となったところです。この傾向は,地方選挙ばかりでなく,衆議院選挙においても同様の傾向を示しており,50%台の投票率は過去にあったものの,おおむね60%台を保ってきたものが,昨年11月の総選挙の小選挙区で59.07%という結果でした。
1997年の不在者投票事由の緩和,投票時間の延長等,投票環境の向上のための公職選挙法の改定があり,このことは,投票率の向上に寄与したものではないかと考えますが,これとても低下傾向に歯どめはかかっておりません。
また,昨年11月には,投票所での男女の区別がなくなり,性同一性障がい者に対する取り組みがなされました。しかしながら,このことについても,まだ一部に意識改革が必要であると考えます。このことも,周知徹底をお願いしたいなというふうに考えております。
なお,ことし1月の西区における補欠選挙では,昨年12月1日から施行された期日前投票が行われ,選挙人の方々にとりましては,従前の,不在者投票時の投票用紙を内封筒に入れてから,それを外封筒に入れ,封をして自分の名前を記入する煩雑さから開放され,投票日当日の投票所と同様に,投票用紙をそのまま投票箱に投函できる簡素化は好評のようでございました。
さらに,ことしの3月1日からですが,郵便等による不在者投票の対象者が拡大され,介護保険法上の要介護者で要介護状況区分が要介護5の人は,郵便等による不在者投票ができるようになりましたし,郵便等による不在者投票ができる人で,身体障害者手帳,上肢または視覚の障害の程度が1級の人という条件はありますが,その人にかわって記載できる代理記載人が創設されるなど,投票環境の整備も進められているところでございます。
投票率の低下傾向の背景には,政治的無関心層の増加や若者の政治離れ,投票に対する意識の変化という義務感の減退など,さまざまな要因が考えられますが,それに対する抜本的解決策に苦慮しているのが実態のように見受けられます。しかし,このまま投票率の低下傾向が続けば,民主主義の基盤,根幹にかかわる問題であり,極めて憂慮すべき問題であると考えております。
そこで,質問でございますが,1点目として,投票率の低下について,選挙管理委員会はどのような取り組みをされてきたのか,まずお伺いいたします。
2点目として,ことしの夏に参議院通常選挙があるわけですが,具体的方策等があれば,お示しをお願いしたい。
三つ目として,参議院選挙から実施される要介護者を対象とした不在者投票について,どのような周知を考えているのか,お示し願います。
◎小村 選挙管理委員会事務局長 ただいま,3点のご質問をいただきました。
まず,1点目でございますが,投票率向上のため,選挙管理委員会はどのような取り組みをしてきたのかという点でございます。
近年の各種の選挙を通じまして,本市の投票率は,他の大都市の場合と同様に,低下傾向の状況にありますので,選挙管理委員会といたしましても,その状況をとらまえた対応をしていかなければならないと考えております。
そこで,常日ごろから行っている常時啓発でございますが,まず1点目は,啓発機関紙白ばらを発行し,全世帯回覧をさせていただいております。
それから,2点目でございますが,小・中学生を対象にいたしました明るい選挙啓発作品展というものを催してございます。
3点目でございますが,特に若年層の方の投票率が悪いものですから,新成人に向けたパンフレットの配布,これは,お一方ずつに配布させていただいております。
それから,4点目でございますが,雪まつりや成人式等における啓発を行ってございます。
それから,5点目でございますが,啓発を行う啓発指導者を対象とした研修会の開催等を行っております。
また,臨時啓発ということで,選挙時におきましては,主として5点ほどございますが,選挙啓発用チラシの配布,あるいは啓発看板や横断幕の掲出,公共的な施設でのポスターの掲示,広報車での巡回啓発,広報さっぽろによる選挙制度の周知などにより,投票参加,不在者投票や期日前投票制度の活用の呼びかけなどを行ってきたところでございます。
次に,2点目にございます,参議院選挙における投票率向上のための具体的方策とはどのようなものかというお尋ねでございますが,参議院選挙における具体的な方策につきましては,時期的にも,現時点ではまとまっている状況ではございませんので,今後の検討となりますが,引き続き,市区の選挙管理委員会及び市区明るい選挙推進協会と一層の連携を図りながら,臨時啓発を実施してまいりたいと考えております。
なお,広報さっぽろ等により,期日前投票制度と新しい選挙制度の周知を図りながら,投票参加を呼びかけてまいりたいと考えております。
3点目にございました,要介護者を対象とした不在者投票の周知はどのように行うのかというご質問でございますが,新しい郵便等投票制度の対象となる方々への周知方法につきましては,個別周知が望ましいとは思いますが,その対象となる方々の個人情報を選挙管理委員会は有しておりませんので,選挙管理委員会が個別に案内をすることができないところです。このようなことから,関係部局の協力をいただきながら周知を図ってまいりたいと考えております。
◆桑原透 委員 今の答弁で,投票率向上について,多岐にわたる取り組みが行われているのだということは理解しました。
次に,投票環境の法的整備ばかりでなく,選挙人の投票の利便を向上させることによって,投票率アップが図れないかということです。
衆議院選挙時の投票所数は302カ所で,最小の投票区は南区の第20投票区,北方自然教育園です。3月2日現在,選挙人名簿登録者は67人です。最大の投票区は西区の第16投票区,西小学校で9,696人となり,3月2日の登録者数は151万5,852人ですので,平均しますと,1投票所の登録者数は5,000人程度となります。
そこで,私の住んでいる清田区の例で申しわけないのですが,第8投票区,平岡南小学校で登録者数が7,955人おります。この投票区には480世帯規模の市営住宅,里塚団地があるわけですが,そこにお住まいの方にお話を伺ったときに,ここに住んでいる人たちは,年齢が高い方が大変多くて,平岡南小学校に行くには,距離も往復5キロくらいあり,駐車場も狭く,そして,車のない人は急な坂を上がり下りをしなければならず,もっと近くに投票所を設置していただければ助かるのだがということでした。5,000人からの人が投票に利用する施設としましては,小学校など,距離的にも,規模的にも最適であるのは間違いありませんが,この地域には中学校もございませんし,小学校は本当の外れにあるところでございます。選挙人の投票しやすい投票所の設置も考えてもいいのではないか。そのことが,投票率のアップにもつながるのではないでしょうか。
そこで,質問なのですが,投票所を設置する基準といいますか,目安みたいなものがあれば,お示しをお願いいたします。
また,平岡南小学校につきましては,地域の事情などを考慮いたしまして,投票所の分割や児童会館,町内会館での投票ができるような方策がないか,お伺いをいたします。
◎小村 選挙管理委員会事務局長 1点目の投票所を設置する基準でございますが,実際には,区の選挙管理委員会の権限によって投票時の設置,投票区の分割,こういうものを行っているところでございます。
おおむね次に申し上げるような状況を総合的に勘案して,増設の判断をすることになります。大体8点ほどございまして,まず1点目は,投票区の選挙人の数でございます。2点目は,投票所までの距離。3点目は,長期間にわたって使用が可能であること。選挙の都度,投票所が変わるというのは,選挙人の方にとっては大変わかりづらくなってまいりますので,そういうことが必要になってこようかなと思います。4点目でございますが,解散による衆議院の総選挙や,補欠選挙等の突発的な選挙であっても使用できること。5点目でございますが,札幌の場合,統一地方選挙,これは四つの選挙を同時に行いますので,こうした場合の選挙でも対応できるようなスペースが必要であること。6点目でございますが,投票所が1階にあって,土足のまま使用できること。7点目でございますが,選挙人の方がよくわかっている場所でなければということがあろうかと思います。それから,8点目でございますが,投票区域が,河川,道路等を境界とすることができる,地域的にまとまりのある区域であることというような,まず条件的なものがあります。
また,これは別に付加されることでございますが,投票所をふやすことによりまして,投票事務従事者あるいは投票立会人が増加しますので,その確保の関係,あるいは人件費と機材購入に要する経費の確保など,種々の要素を考慮しながら判断しているところでございます。
そこで,具体的に例のございました清田区の平岡南小学校の件でございます。清田区の第8投票区でございます平岡南小学校につきましては,投票区の増設について,地元からも清田区選挙管理委員会に要望が出されていると聞いております。この投票所は,区域がやや広目ということもございまして,有権者もおおむね8,000人程度ございます。また,今後も増加が見込まれるというようなこともございまして,清田区選挙管理委員会では,投票所の増設を視野に入れ検討しているところでございます。
◆桑原透 委員 ありがとうございます。今の答弁で,投票所の増設を視野に入れて検討するということですので,ぜひ参議院選に間に合うようにお願いしたい。
しかしながら,今,聞きますと,そこに場所があるのかどうかという判断になりますと,大変厳しいとは思いますが,投票率を上げるということにもつながりますので,ぜひよろしくお願いします。
最後に,新しい制度につきましては,周知の徹底を要望して,質問を終わります。
◆高橋功 委員 私は,今,桑原委員からありましたが,期日前投票に限ってお伺いをいたしたいというふうに思います。
前置きは省きますが,いずれにしても,昨年12月1日から公選法が一部改正になって,期日前投票がスタートしたと。従来の不在者投票にかわっての制度ですから,私は画期的だというふうに思っております。何が画期的かというと,先ほどお話がありましたけれども,自分で投票箱に入れられるというのは,まさに画期的ですね。今までは,内封筒に入れて,外封筒に入れて,管理者に持っていって,管理者が入れていたわけだから,自分で投票したなんていう感覚にはなりませんね。そういう意味では,今回の期日前投票というのは,確かに西区で1月に補欠選挙がありましたから,西区ではもうスタートしていますけれども,全市的,全区的には,この夏に予定されている参議院選挙が本格的な本市における期日前投票という私の認識でございます。
そこで,先ほどの桑原委員の質問は,投票所をふやしてくれという話ですけれども,私は,期日前投票所をふやせという話なのです。なぜかというと,まず,公選法の規定でも,市町村の判断で複数の期日前投票所を設けることができるのだと,こういうふうになっております。制度の変わり目というのは,最大のチャンスなのですよ。先ほどからあるように,周知徹底はいろいろな手法でやられるのでしょうけれども,選挙人というのですか,有権者にしてみれば,期日前投票というのが導入されるときが最大のチャンス。ここを生かさない手はない,私はこう思います。
投票率がだんだんだんだん低下している中で,いろいろ理由はあるでしょうけれども,期日前投票所の複数化をぜひ図るべきだと私は思っておりますし,そのことで多少なりとも投票率の向上を図れないかと思っております。
そこで,期日前投票所の複数化についての選管の考えをお伺いしたい。この夏予定されております参議院選挙における期日前投票所を,今,どこに設置をされるご予定か,何カ所設置する予定なのか,まずこの点を先に伺っておきたいと思います。
◎小村 選挙管理委員会事務局長 ただいま,ことしの夏に予定されてございます参議院選挙における期日前投票所の設置箇所数等についてのご質問がございました。
参議院通常選挙における期日前投票所につきましては,昨年11月に行われました衆議院議員総選挙の際の不在者投票会場とほぼ同じ場所に設置する予定でございます。したがいまして,区役所または区民センターなどに,各区1カ所の期日前投票所を設けることを予定してございます。
◆高橋功 委員 実は,これに出ているのだよね。さっきあったように,期日前投票制度のパンフもつくって,各区役所または区民センターの期日前投票所となっている。要するに,昨年と同じですよね。あえて確認の意味で,今,聞いたのだけれども,昨年と同じ。要するに,私が先ほど申し上げたように,期日前投票という制度が変わったということは,全く意識もしていないし,今までのように,各区1カ所だと。さっき,桑原さんの質問の中で,投票所は302カ所だと言った。そうしたら,期日前投票所は10カ所だそうですね。それは,余りにも違い過ぎませんか。
先ほどの清田のように,いろんな地域があるでしょうけれども,そんなことを言ったら,南だって北だって,そんなところはいっぱいある。小学校は大体200だから,基本は小学校区より小さいのだ。僕は,そのことは言いませんよ。でも,期日前投票は,感覚的に毎日が投票日なのですよ。公示もしくは告示になったら,毎日が投票日なのですよ。そのぐらいの感覚になっていかないとだめだと僕は思う。
そういう意味では,局長,さっきも聞いたから多分同じ答えだと思うけれども,期日前投票所の条件というのは何なのですか。期日前投票に何が必要なのですか。同じなら同じでいいけれども。
◎小村 選挙管理委員会事務局長 期日前投票を意識していないというご指摘もありましたが,選挙管理委員会といたしましては,期日前投票は極めて意識しております。便利な制度になったものですから,投票日にご都合の悪い選挙人の方々は,ぜひ期日前投票の制度をご利用いただきたいと,そういうことを強く思ってございます。
そこで,期日前投票所を複数化する場合の条件ということでございますが,第1点目に,施設的なことがございます。
まず,選挙の都度,必ず使用できる施設であることが非常に大事でないかと思います。これは,投票所と同じでございまして,選挙の都度,あっちに行ったりこっちに行ったりということは,選挙人の方にとっては非常に不便を感じることでないかと思います。そんなようなことで考えてみますと,一般的に期間的なものを考えますと,市の施設が最も適当であると,こういうことが言えようかと思います。市の施設ですと,無理もきくということがございますけれども,学校等を長期間にわたって借りるということは,まず無理な話でございますので,限られた施設が該当するのかなと,こんなふうに思います。
次に,先ほども投票所の関係でお話を申し上げましたが,統一地方選挙の場合などを考えますと,今度,期日前投票所に投票箱を四つ用意しなければなりません。そんなことを考えますと,四つの選挙に対応できるようなスペースが必要だと。それから,やはり選挙人の方がよくわかっている施設,これも大事なことではないかと。それから,投票所が1階にあり,土足のまま使えるということになってこようかと思います。
それから,第2点目でございますが,これは大事なことでございます。選挙の管理,執行上の問題でございまして,人的な問題があろうかと思います。1点目は,投票事務従事者,投票立会人の確保。通常の投票所と同じような感じで投票事務が行われるものですから,もちろん投票管理者もおりますし,職務代理者,それから,今,申し上げました投票事務従事者,立会人,こういう方たちを確保しなければならないということと,それから,期日前投票事務を処理するための市の職員も必要であろうということも考えられます。
他の政令指定都市の従来の不在者投票の会場でございますが,この例を参考にいたしますと,期日前投票所を増設する場合は,支所,出張所などのような施設で,市職員が勤務しているところが適当な施設と考えられるのではないかと,このように考えております。
◆高橋功 委員 決して軽んじていないのだみたいな話を最初に言われましたけれども,現実に昨年と同じであれば,局長の思いは思いとしても,やっぱり目に見えなければだめなのだ。
今,お話のあった中で,私もいろいろ聞いてみましたら,他の政令都市ではこれからやるのだけれども,結構検討しているみたいですよ。横浜,川崎,名古屋,京都,北九州,福岡,この辺が検討に入っているやに聞いていますよ。それも札幌にはありませんけれども。それぞれの支所とか出張所とか,連絡所とさっきありましたけれども,連絡所といったら,またちょっと違うかもしれない。札幌は札幌独自のものでしょう。せめて今の例からいったら,出張所なんかはいいじゃないですか。北区の篠路にあるし。(発言する者あり)遠いところの問題でない。定山渓にもある。出張所は二つある。市の施設だし,今,言われたようなことからいっても。
一遍に全部ふやせといっても,なかなか難しいでしょう。でも,風穴をあけることは大事なのですよ。今,区民センターか区役所しかないのだから。それを,もう一カ所,せめて複数。どこというふうに言いませんよ。でも,出張所とか,いろんなものが考えられるでしょう。そういうことを検討することは考えていないのですか,それとも,複数化ということについて見通しはどうですか。一遍に100も200もと言いませんよ。
◎小村 選挙管理委員会事務局長 ただいま,お話がございましたが,出張所に期日前投票所を設けるのはどうかと言うのは,一つの具体的な例かと思います。他の指定都市の例や区の選挙管理委員会事務局の機構を参考に考えてみますと,施設的,機構的には出張所が適当な場所となりますが,そこのところで,他の指定都市の支所,出張所に比べて,本市の場合の出張所の職員数は,先ほど,人的な問題があるというふうに申し上げましたが,職員数が大変少のうございます。出張所の人的問題は,そういう点からいいますと,非常に難しいものがあるということでございます。
また,本市の出張所に期日前投票所を設けた場合の話でございますが,いずれの出張所も期日前投票所として使用できる会議室等,そういうスペースがあるかということでございますけれども,実は2階にしかないわけでございます。出張所の方には,エレベーターもないという状況でございます。こんなことからも,出張所ということに関しますと,施設的にも極めて難しいと考えております。
したがいまして,今,委員のお話もございまして,今後,十分に調査研究をしてまいりたいと考えております。
◆高橋功 委員 これ以上言ってもあれなのでしょうけれども,私は,期日前投票所を複数化したらどうか,予定があるかと聞いたら,予定していませんでしょう。では,どういうものを期日前投票所として考えられるのか,必要条件は何かと聞いたら,かくかくしかじかと言われたでしょう。そして,では,出張所がいいのでないかと言ったら,いや,出張所は職員は少ない,2階がどうだ,何だかんだでしょう。要するに,やらない理由を挙げたら,5でも10でも100でも200でも,200も挙げられるか知らぬけれども,やらないという前提に立てば,それはおっしゃるとおりだ。だけど,期日前投票制度というものになったときに,これは,委員長にぜひ伺いたい。
委員長,今まで,いろいろやりとりをお聞きになって,確かに後ろからも,人をふやしていいのかとかいろいろあるけれども,大事なのは有権者だ。選挙人にとって便利になるかどうかということの観点が大事でないですか。皆さん方が煩雑になるとかならないとか云々かんぬんということよりもと,僕はそう思うね。ですから,委員長に答えてもらったからといって,飛躍的な答弁になるかどうかわからないけれども,(発言する者あり)そうか,ただ,委員長,ぜひ重要な課題だという認識を持ってほしい,本当に。
期日前投票というのは,僕は本当に画期的だと思うよ。これを,去年の衆議院と同じですと。ことしの参議院も一緒ということは,これからはずっと一緒ということですよ。その辺,最後に委員長にぜひ聞きたい。
◎越智 選挙管理委員会委員長 期日前投票所の複数化につきましては,委員のご指摘にもありましたように,選挙人の利便性の向上に効果的なものと考えております。
今後とも,種々の問題について調査研究をしてまいりたいと考えております。
○宮川潤 委員長 以上で,第5項 選挙費の質疑を終了いたします。
次に,第2款 総務費 第6項 人事委員会費の質疑を行いますが,通告がございませんので,質疑を終了いたします。
次に,第2款 総務費 第7項 監査委員費の質疑を行います。
◆松浦忠 委員 1点であります。
監査委員会の事務局の体制について,昨年の3定の議会で,14年度の下水道局の包括外部監査の指摘の中で,20数項目のうち事務的な指摘が大半であったということで,なぜ札幌市監査委員会として,事務的な,極めて初歩的なことを指摘されなかったかという質問をしたら,代表監査委員は,事務局の人たちは複式簿記の事務に精通していないということから,そういうことがあったので,4月から勉強会も始めているという答えでした。
私は,そのときに,市役所の職員に税理士などの資格を持った方もおられるので,ぜひそういう方を人事異動で求めて,そして監査事務局の本来の機能が適切に果たせるようにすべきではないかということで求めていたわけでありますけれども,4月は人事異動の時期であります。この点について,職員部の方と具体的に協議をされて,それが実現されていく方向にあるのか,それとも無理なのか,お答えいただきたいと思います。
◎南 監査事務局長 昨年から,複式簿記2級を持っている職員が2人配置されております。それと,人事当局に対しまして,専門職のそういう資格を持つ職員がおりましたら,配置していただくように要望しているところでございます。その返答は,まだ来ておりません。
◆松浦忠 委員 私の知っている方にも何名か,税理士の資格を持った方がいらっしゃいます。ぜひひとつ特段の処遇をして,監査事務局に迎えて,そして,しっかりと,代表監査委員は日本国に認知された公認会計士でありますから,その公認会計士を頂点とした監査委員の監査が,外部の監査で,帳簿の記載など,極めて初歩的なことを指摘されないように,来年の監査結果報告を待ちたいと思っています。そういうことで,ぜひひとつしっかりと話をして取り組んでいただくことを求めて,終わります。
○宮川潤 委員長 以上で,第7項 監査委員費の質疑を終了いたします。
以上で,本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが,3月11日午後1時から,総務局及びオンブズマン事務局関係の質疑を行いますので,定刻までにご参集ください。
本日は,これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後5時31分...