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  1. 札幌市議会 2004-03-04
    平成16年(常任)経済公営企業委員会−03月04日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成16年(常任)経済公営企業委員会−03月04日-記録平成16年(常任)経済公営企業委員会  札幌市議会経済公営企業委員会記録            平成16年3月4日(木曜日)       ────────────────────────       開 会 午前10時 ○五十嵐徳美 委員長  ただいまから,経済公営企業委員会を開会いたします。  報告事項は,特にありません。  それでは,議事に入ります。  まず初めに,札幌市地下鉄事業経営健全化計画についてを議題として,理事者から報告を求めます。 ◎黒田 交通事業管理者  私の方から,詳細を説明する前に,国が新しく定めました制度創設の背景,新設に至った経緯について,まずご説明申し上げたいと思います。  今回の地下鉄健全化対策につきまして,各都市の地下鉄はいずれも大きな赤字を抱え,資金不足,すなわち不良債務の額も深刻な状況にありますことから,経営健全化の努力を行って,資金不足の解消と経営の安定化を目指す団体に対しては,一般会計による財政支援の枠組みを明らかにするといった制度を,今回,国が創設して,国としても支援するといった中身のものであります。  本市としましても,これまで,市独自で経営健全化計画,回復策,交通事業改革プランなどの効率化策の展開,それから一般会計からの財政支援などを受けまして経営の健全化を目指してまいりましたが,このたびの経営健全化対策の制度は,こうした各地方独自の経営健全化取り組みを国の制度として明らかなものにすることによって,地方の努力の中で公営地下鉄全体の健全化を図っていくといったことが主眼となっております。  そういったことから,本市としましても,他都市の動向もございます,それから,国の指導のもと健全化を目指す団体として経営健全化への具体的かつ積極的な取り組みを行いまして,そして,今後の効率化策などを確実に進めることとして,去る2月19日の福迫助役を議長とする交通事業経営改革会議で決定し,そして,その後,申請を行ったものでございます。  そこで,健全化対策の計画に掲げました内容としましては,実は,お手元にこういう形で札幌市市営地下鉄事業10カ年経営計画(素案)ですけれども,参考につけておりまして,この中の財政計画の部分を,今回,健全化対策の中に盛り込んだものでございます。そういったことからしまして,この素案の位置づけなり中身を,お手元に要約版もございますけれども,かいつまんで,この素案の位置づけもあわせて私の方から説明をした方がいいかと思いますので,お時間をいただきたいと思います。  ご案内のように,私ども交通局は,交通事業改革プランを,近々,平成14年から18年までの計画で平成13年度に策定をいたしました。この改革プランそのものは,実は代表質問藤原委員からもご質問がありましたように,地下鉄の今後の進むべき枠組みをある意味では決めたもので,端的に言えば,不良債務30億円をこれ以上ふやさない,経営努力する中で一定的な支援をしていこうではないかと,本当に枠組みを決めただけでございました。そういった意味から,ご指摘を受けた改革プランを,より効果的,それから具体的に,中長期の見通しに立って,経営計画として,すなわち実行計画として位置づけをすることが必要だということで,昨年,私が着任しましてからそういうことが必要だという前提で,交通局内部で相当時間をかけてもんでまいりました。そのもんだ形が,まだ素案という形ではございますけれども,札幌市交通局の素案としての10カ年経営計画,すなわち改革プランを,より効果的,具体的に中長期の見通しを持ってやるのだといったものをつくり,交通改革会議にもかけまして,大筋におきましてはその改革会議でも流れとして認められたものでございます。  そして,この素案がついているという意味合いでございますけれども,一つには,この素案を,いずれかの段階で,これまで非常に厳しい状況というデータも含めて載ってございます。そのデータももう少し整理し,そして,健全化対策は,国が最終的にどういった結論にするかということもこの素案の中に織り込んで,そして,素案段階で一たんまとめ上げ,一度,市営企業調査審議会交通部会にも報告を申し上げる必要がある,このように思っています。それから,交通部会の意向も踏まえながら,簡略化したわかりやすいものをつくり,それを市民にも公表して,地下鉄はこうやっていきたいというものを発表,公表もします。そして,それらに市民の意見も入れながら,最終的に進むべき方向性の今後の10カ年経営計画を,もう一度,交通改革会議にかけまして,最終的には札幌市の地下鉄としてこういう形で進んでいくという形でオーソライズさせていきたいと。こういうような流れがあるものですから素案という言葉がついているわけであります。  したがいまして,健全化計画というのは,国の新しい制度の創設に基づいて,大きな枠組みとして,ある意味では国の指導のもとでありますけれども,きちんとそれを守って健全化に着実に1歩でも2歩でも進めていく。その大きな枠組みをきちんと実行し,なおかつ,でき得れば少しでも前倒しに健全化できるような実行プランを,この10カ年計画で一たんスタートをしながら,時代はいろいろ流れてまいりますので,3カ年ごとに中身を見直して,そして,それが後ろ向きではなくて,健全化対策がより確実になるような形の実行計画を3年ごとに見直しをして進めていく,そういう位置づけがここに入っている,このようになってございます。  ここで,せっかくですからもう少しお時間をいただきまして,この要約版に沿って,できますれば素案のページもめくっていただきまして,若干,ご説明をさせていただければと思います。それらを踏まえながら,後ほど,久保財務課長の方から健全化対策の方の計画について説明をしたいと思ってます。  要約版とこのページの関係でいきますと,まず1ページ目を開いていただきますと,これまでの経緯が載ってございまして,その中に,要約にもありますように,(2)に,札幌の場合,地下鉄の3線総建設費が約7,000億円かかっております。当時と今では,国の補助なり出資金の扱い等々も含めて制度が全然違うわけでありまして,当時のルールからいったときの建設費の借入金利息は約6,000億円ということで,約1兆3,000億円という多額の経費がかかっているということを(2)に書いております。そういった意味も含めて,札幌の貴重な都市財産だということが言えるかと思っています。  それから,(3)にありますように,残念ながら,利用者数は,後ほどまた資料もありますけれども,当初の計画を大分下回っている問題,それから,当初見込んだ料金改定もなかなか情勢変化で難しいというような状況で,非常に厳しい状況にあるというのが現状です。
     それから,(5)に行きまして,平成13年12月に交通事業改革プランの策定をしまして,基本的に,これまでそれに着実に取り組んで進めていくことにしているということが書かれております。  それから,次のページに行きまして,この交通事業改革プランを発展させる経営計画の策定ということが経営計画の10カ年計画策定の背景にあります。そういった意味で,先ほど冒頭で説明しましたように,(2)に,改革プランではいわゆる枠組みというだけなので,具体的に今後の進むべき方向性なり,整理した計画を策定する必要があるという問題,それから,(3)には,やはり,時代の流れで社会的な要請が相当ございます。当初想定しなかった火災対策,バリアフリー,ホームさくの問題,それからICカードの問題と,これはやはり社会的要請の中でやらなければならない,やるべきことはやるということを計画の中に組み入れる必要性もここで書かれているわけであります。  そんなようなことが書かれている状況でございまして,そして,若干飛ばしまして,次の3ページ目は,現状の経営環境と課題ということです。  地下鉄が昭和46年にでき上がって,平成14年の決算までの収支の状況を全部足した数字がこの収入と支出にあらわれております。乗車料収入は7,161億円であり,人件費と経費はその中では十分賄われているわけでありますけれども,減価償却費企業債利息がありまして,一番右側にありますように,3,233億円という累積欠損金が出ているという仕組みになってございます。  それから,収支の状況の折れ線グラフがありますけれども,黒のダイヤモンド型が営業損益,薄い四角が経常損益でありまして,おおよその傾向としては,ここ三,四年,営業損益も向上し,経常損益も向上の傾向にあります。平成14年度の決算の数字でいくと,営業損益が初めてゼロを上回る黒字になったということがこの折れ線グラフでわかります。  それから,(2)で,新線建設費の中身として約7,000億円かかっているわけでありますけれども,地下鉄は,ご案内のように,いわゆるトンネルに該当する地下を掘るということで,通常の道路をつくるようにはいきませんで,トンネルなどのインフラの部分だけで,そのトンネル関連といいますか,特に地上の部分よりも金がかかる部分で7,000億円のうち5,000億円も占めているということです。それから,建設費の財源として当初は8割以上が借入金ということでございます。ここには載っておりませんけれども,今,地下鉄をつくろうとすれば,全体を100としたときには,出資金が2割,国の補助,それから市の協調補助,そして,企業会計の借金が約3割弱ぐらいで済むのでありますけれども,私どもがやったときには8割の起債といった背景も実はございます。  それから,次の4ページ目に行きまして,若干はしょりますが,円グラフがあります。この円グラフというのは企業債の借入状況でありまして,左側の円グラフが平成14年度末の利率別の企業債残高です。総額で4,882億円,その中で金利7%を超えるものが561億円,全体の11.5%あります。それから,利率5%から7%が936億円で19.2%もあります。今の常識からいくとほとんど3%以下でありますけれども,5%以上のものを全部足しますと1,496億円で,残高でいけば全体の30.7%を占めています。  しかし,これを,支払いの単年度の利息の内訳,例えば平成14年度の支払い利息は204億円でありますけれども,その中で5%を超えるものを両方足しますと,204億円のうち二つ足すと104億円,51.2%を占めている。したがって,5%を超える起債残高は30.7%ですけれども,実際には51%が金利5%を超えるものが占めている状況であります。  その下に,企業債の元利償還の見通しということで,元金の返済そのものは,平成17年をピークに大きく減っていくという一つの背景がございます。当然,それとともに金利も利息も減っていきます。ですから,こういったことが,ある意味ではこの10カ年の健全化に向けての一つのプラスになる背景です。  それから,5ページ目では,上の棒グラフは省きまして,下の方の輸送人員乗車料収入の推移で,ちょっと見づらい表ですが,要は地下鉄,東豊,東西,南北の3線の1日平均輸送人員,年間乗車料収入,年度末の職員数という形で分かれております。1日の平均輸送人員は薄いひし形になっています。それから,年間の乗車料収入もここ五,六年はほぼ横ばい,細かく言うと微減の傾向にあることがこれでわかります。しかし,年度末職員数は減っています。  それから,次の6ページ目に行きまして,これも何度か議論になっていることですけれども,輸送人員の計画と実績です。計画から大きく乖離しているのではないかということがよく指摘されます。一番上の折れ線グラフは,全線足した部分の1日平均輸送人員の計画と実績でして,残念ながらこのように乖離をしています。それから,路線別に見ますと,各線路ごとに,当初の計画,それから,延長した段階でそれぞれの計画を見直していますので,路線延長以降は計画を見直した数字に置きかえた数字になっていますが,南北線も,これは一概に言えませんけれども,計画とは若干乖離をし,なおかつ,東西線は,延長もやっても,やはり計画と乖離し,その乖離が一番著しいのは東豊線と,この折れ線グラフでその傾向はわかるかと思います。  それから,次の7ページ目は,(6)で社会経済状況,(7)で新たな取り組みの必要性と。これは,さっきも言いましたように,いろいろな対応をしなければならないことがまとめて書かれております。  それから,8ページ目に行きまして,当然,地下鉄の社会的使命ということで,公共的役割が四つ書かれ,なおかつ,最終的に,私ども交通局の使命としては,公共交通ネットワークの基幹であり,市民の足である地下鉄を守ることが使命であると交通局は考えております。  それから,9ページ目に行きまして,経営ビジョンということで,もう一度,経営ビジョンについてみんなで議論させていただきました。時間の関係で細かいことは割愛しますけれども,五つの柱ということで,安全・安心面,利用しやすいという意味での快適さ,効率化,生産性の問題,環境の問題,市民と職員が創造する地下鉄ということで創意工夫の問題,こういう五つのビジョンを掲げております。  それから,10ページ目に行きまして,その中の安全運行管理は省かせていただきます。安全運行管理の問題は,1から5までありますように,さまざまな対応をとっているつもりであります。それから,これからも進めていこうと思っています。  それから,(2)のサービスの充実ということで,わかりやすい地下鉄の提供,快適な地下鉄の提供,利用しやすい地下鉄の提供ということで,これをさらに深めていく。それから,きょう最後にご報告したいと思っていますが,職員の意識改革ということでの行動指針も,今後,こういうところに入ってくるのかなと思っております。  それから,11ページ目の(3)の抜本的なコストの削減ですが,これは,健全化対策の方の説明で行いますので省略をいたします。  それから,収益の確保という意味合いで,1から6ということでドニチカキップの問題,それから,私自身は,定期券の魅力アップというか,定期券の利用率が非常に減ってきていると思っております。定期券を持つということは固定層をふやすということにもなりますものですから,定期券の魅力アップと。さらに,利便性の高いICカードの導入,ICを利用した各種商品なり割り引きサービスの検討,利用促進のキャンペーン,それから,いろいろな財産の有効活用という意味での検討を掲げております。また,ここには書いておりませんが,新年度は,事業管理部の中に営業係というものを新設して,営業戦略を具体的に実施する体制もとることになっております。  それから,12ページ目に行きまして,(5)で経営体制の強化ということで,役割の明確化,リーダーシップをとってやっていくというようなことを掲げながら,縦割りを是正して横の連携を密にし,全体で進んでいくような経営体制の強化,それから,(6)の活力ある組織の構築等々が書かれております。  それから,13ページ目の財政計画ですが,これについても,健全化計画の方の中身に重複しますので割愛をさせていただきます。  最後の14ページ目に行きまして,(3)(4)も健全化対策の方で説明をいたしますので省きますけれども,最後に進行管理ということで,冒頭に言いましたように,健全化対策は国に対してこういう形でやっていくという大枠をお約束し,そして,10カ年という実行計画の中できちんと進行管理をし,3年ごとに,悪い方向ではなく,いい方向に見直しを行いながら的確に対応していくような位置づけにしております。まだ,素案の全部はまとまっておりませんけれども,こういったものに基づいて健全化計画が成り立ったということで,説明を終わります。  この後は,本来の経営健全化対策の中身について,久保財務課長の方から説明させます。 ◎久保 財務課長  私の方から,地下鉄事業経営健全化対策につきまして,お手元の資料に基づいてご説明させていただきます。  まず,1ページ目の1番目の経営健全化に向けた取り組みですが,ただいま管理者から説明したとおりです。  2番目の地下鉄事業経営健全化対策の内容ですが,制度の概要につきまして,そこの囲みの中にありますように,先ほど管理者からも説明いたしましたが,経営健全化の努力を行い,不良債務の解消と経営の安定化を目指す団体には,国が財政措置を行うといった制度を創設して支援を行うものです。  (2)ですが,この制度を利用する要件といたしまして,まずは経営健全化計画を策定し,総務大臣の指定を受けるということが一つです。経営健全化期間につきましては,最長10年間ということで,10年以内の計画をつくることになっております。あわせて,経営計画期間内に償却前営業収支を5%以上改善させなさいということが一つです。最後に,計画開始前の前年度末の不良債務,札幌市の場合は30億円になりますが,その不良債務のうちの2分の1は,計画期間内に一般会計出資金で解消しなさい,残りの2分の1については交通局の自助努力で解消しなさいということになっております。  この制度に基づく財政措置ですが,(3)のところで,計画開始前,前年度末の不良債務累積債務と呼ばれるものですけれども,この債務の2分の1については一般会計からの出資が認められます。また,この累積債務以外に計画期間中に発生する不良債務,単年度に発生する不良債務の4分の1は一般会計からの出資が認められます。あわせて,単年度に発生する不良債務の4分の1を超える部分につきましては,交通局で緩和債を発行することができます。ただし,現行どおり,緩和債については建設債の利息額が限度ということで,札幌市の場合も限度額が適用になっておりまして,4分の3の部分で足りないものは一般会計の補助金をもって充てることになっております。  最後に,一般会計の出資につきましては,一般会計で出資債の発行を認めることになっております。ただし,従来の出資と異なりまして,地方交付税措置はないという形で今回の制度ができております。  こうした制度に参加するに当たり,国からの関与がいろいろございます。(4)ですが,計画の実施状況等について,年に2回,6月と9月ですが,国に報告しなさいということになっております。この報告に基づき,国の方で必要があると認めるときには必要な措置を講ずる,あるいは必要な助言をするということで,健全化に向けた指導を受けることになっております。  こうした制度を受ける対象団体の要件ですが,一つには,不良債務と,先ほど説明ありました緩和債の残高の合計額が営業収益の倍以上ある団体となっております。緩和債につきましても,当年度に発生する不良債務の相当額ということですから,不良債務全体が営業収益に占める割合が2倍以上ということで,札幌市の場合は3倍以上になっております。2番目には,経営健全化の努力の中で不良債務を解消する,あるいは償却前営業収支を5%以上向上させる団体,そういったことができる計画を持っている団体を対象とすることになっております。こうした対象団体については,札幌を初めとしまして,横浜,名古屋,京都市の4都市で,いずれの4都市も,今回,総務省の方に申請しております。  2ページ目でございます。  経営健全化の策定ということで,まず1点目には,方向性,どういうことを目標として策定するのかということです。囲みの下の方にありますように,札幌市としましても,健全化を目指す団体として,この制度を積極的に活用し,これまでの取り組み,そして今後の効率化策などを着実に進め,将来的に安定した経営を確実なものにする,そういった目標の中で今回の計画を策定しております。計画の位置づけについてでありますが,先ほど管理者から説明したとおり,素案ですけれども,10カ年経営計画で検討を行っている新たな効率化策並びに施設の安全対策といったものを昨今の情勢の変化にも対応したものとして策定いたしました。  次に,今回の計画の基本的な考え方ですが,交通事業改革プランに見込んでいない新たな効率化策の展開により,営業損益の黒字を確実なものにしたい,あわせて,条件となっておりました償却前の営業収支を5%以上改善させる。2点目には,平成15年度末の不良債務30億円というお話をいたしましたが,これを制度に基づいて計画期間終了までに解消させる。3点目には,年度末にあります不良債務以外の単年度に新たに発生する不良債務についても最大限の抑制を行う。最後に,こうした厳しい状況の中にあっても,先ほど管理者から説明をいたしました,社会的要請の強い輸送の安全対策等といった事業については中期的に実施をしていこうということで策定をいたしております。  続きまして,3ページ目でございますが,今回策定いたします経営健全化計画の内容であります。  まず,計画期間につきましては平成16年度から25年までの10年間といたしております。  一つ目に,計画をつくるに当たっての収支の改善目標ですが,償却前営業収支は,制度の条件的には5%という枠がございますけれども,今回,私どもの計画の中では10年後に9%の改善をしようということでつくっております。営業収支につきましては,平成15年度25億円ということですが,10年後には64億円程度を目指す改善をしていこうという計画です。あわせまして,支払い利息を含めました経常収支につきましても,平成23年度には黒字化を目指したいということであります。それから,年度末に発生しております不良債務30億円の部分については,10年間で全額を解消していきたい。あわせて,支出の削減額ですが,10年間の累積削減額として111億円を見込んでおります。この111億円につきましては,括弧書きにあるように,改革プランに見込んでいない新たな効率化策から生まれた削減額ということで,改革プランからの上乗せ分でして,その下の括弧書きにあるように,人件費,経費削減額の総額で申しますと267億円となります。  続きまして,主要項目算定条件でございます。  まず,収入につきましては,増収対策等取り組みは,先ほど管理者が申し上げたとおり積極的に進めていきたいと考えておりますが,収入そのものは,今回の計画が長期計画となるということもありまして,改革プランよりもさらに厳しく見込んでおります。輸送収入につきましては,平成13年に作成いたしました改革プランのときに調査しましたコンサルタントの調査結果をもとに推計いたしておりまして,年平均0.7%,1日平均で申し上げますと2,600人程度落ちる見込みの中で,平成32年度まで見込んだ計画となっております。これに伴いまして,料金収入輸送人員が年平均0.49%の減ということで1億8,000万円程度落ちるという計画の中で策定いたしております。あわせまして,広告料等の収入につきましても,近年の減少傾向を勘案して,年平均2%程度落ちる計画で策定いたしております。  3番目の支出の部分であります。  支出につきましては,先ほど申し上げた安全対策等費用増加要因を見込みながらも,費用全体の縮減に努めていきたいということで見込んでおりまして,人件費につきましては効率化等による削減数を見込み,10年間の削減予定では456名,平成15年度には999名だったものを543名という形で計画を見込んでおります。経費,建設改良費につきましては,近年の情勢を踏まえ,物価上昇等は見込まず推計をいたしておりますが,改修サイクル等を勘案し,あわせて費用の平準化等も考慮して計上してございます。  続きまして,増収対策は,先ほど管理者からも説明いたしましたが,今回新たに考えております主なものとして,1点目には,休日割引1日乗車券の事業化を平成16年度から始めたいということであります。これによる増収額は,平成25年度までの10年間で約3億円程度出てくるだろうと見込んでおります。2点目には,コンビニエンススアの誘致ということで,南北線の大通駅コンコースに誘致をしたいをいうことで,使用料等を含め,平成25年度までの累積増収額は2億円程度あるだろうという形で計画を策定しております。  4ページ目ですが,主な効率化策ということで,10年間の効果額累計として,これも改革プランからの上乗せ分という形で数字を整理しておりますけれども,111億円程度を見込んだ計画となっております。  まず,1点目には,工場業務の一部外注化ということで,地下鉄3線の整備工場,大谷地,真駒内,二十四軒とありますが,こちらの工場業務の一部,当直業務等について外注化を進めていきたいと。これによりまして,職員の削減が24名,平成25年度までの累積効果額として約4億円を見込んでおります。  2番目には,駅業務の委託化と業務体制の効率化ということで,平成12年に49駅のうち20駅を既に委託していますが,残りの29駅につきまして,平成16年から20年までに全面的な委託を進めたいということで,これによる職員の削減予定人数が373名,累積の効果額は188億円と見込んでおります。このうち,委託先の効率化ということで,44億円を見込んでおります。  続きまして,3番目の管理部門の職員削減ということで,1番目,2番目でお話しいたしましたように,効率化が進む中で,管理部門も職員の削減を行っていこうということで,平成17年度以降に10名の削減を予定していまして,平成25年度までの累積効果額として7億円程度を見込んでおります。  4番目には,ワンマン運転化です。これは,下の方の安全対策ホームさくと関連いたしますが,ワンマン運転を,東西線では平成21年度,南北線では平成25年度,東豊線は平成30年度から実施したいということで予定しております。これにより132名の職員の削減を予定しており,平成25年度までの累積効果額としては12億円を見込んでおります。  運行ダイヤの見直しも,ただいま申し上げました東西線のワンマン運転は平成21年からの開始を予定しておりますが,これにあわせて運行のダイヤの見直しを行いたい。ワンマンが行われることにより,ホームさく等も整備をしようと計画しておりますが,こういった整備の中で,さくの動作時間等が停車時間に追加されますので,こういったことから運行ダイヤの見直しを行っていくということで,見直しを行う中で82便の減,これに伴う職員の削減予定が8名ということで,平成25年度までの累積効果額が4億円という形で見込んでおります。あわせて,82便の減ということで,車両の編成数も各線で1編成ずつ削減できるだろうと見込んでおりまして,更新時における削減費用効果としまして,東豊線は30年度なので入ってございませんが,25年度まででは18億円という形で削減の効果額として見込んでおります。  続きまして,次の6番目にあります券売機,改札機,精算機のIC化ということで,平成20年度を目標にして,利用者サービスの向上と事業者の費用の低減を目指して実施をしてまいりたいということで,平成25年度までのカード作成費等の削減効果で20億円を見込んでおります。  最後に,7番目の庁舎業務の見直しということで,これは平成16年度から進めようと考えております。事務所等の清掃業務ですが,供用部分等につきまして毎日行っているところを1日置きに行うといったような見直しを行うことによりまして,平成25年度までの削減効果額として4億円を見込んでおります。  こういった効率化策を行う中で,先ほど申し上げた社会的な要請の強い主な施設の安全対策等についても実施をしていかなければならない。費用の増加要因にはなるのですが,効率化を進める中で安全対策等を進めていくということで,まず,1点目には火災対策です。避難通路の整備ということで15駅が対象となっておりますが,今後10年程度で15駅全駅の整備を行いたいということで,総事業費として55億円を見込んでおります。  2点目には,バリアフリー化を進めていきたいと。平成12年度に交通バリアフリー法が施行され,平成22年度までを目標にバリアフリー化を進めることになっておりますので,これにあわせて,全駅において,誘導タイルの敷設,トイレの改修,音声案内といったようなバリアフリー化を進めてまいるということで,総事業費20億円を見込んでおります。  3番目には,ホームに非常停止ボタン並びにインターホンを設置するということで,転落事故の際の停止ボタンやインターホンの設置ですが,平成13年度から既に事業を始めており,平成17年度までには全駅に設置をしていきたいということで,総事業費4億円を見込んでおります。  4番目は,先ほどワンマンの話のところにも出てまいりましたが,安全対策といたしましてホームさくの設置も進め,これに合わせてワンマンの運転化も行っていくということで,東西線は平成21年度,南北線は25年度,東豊線は平成30年までに整備を行ってまいりたいと考えておりまして,総事業費は153億円を予定してございます。  5番目に,南北線高架部の耐震補強ということで,高架部の部分の単柱橋脚は全部で128本ありますが,このうち未実施の部分が67本ありまして,ここの部分につきまして,施設の地震に対する安全対策という観点から,平成20年度までに全柱を補強してまいりたいということで総事業費5億円を見込んでおります。  最後に,券売機,改札機,精算機の更新です。これは,車いす等のバリアフリー対応となっておりますが,これとIC化も進めてまいるということで,今後10年程度で全駅に整備してまいりたいということで総事業費84億円を見込んでおります。  最後に,こういった効率化策なり増収対策,あわせて,安全対策等の施設整備を行った結果,計画期間中10年間の一般会計からの繰入額がどうなるかということです。財政支援の所要額といたしまして,今回の計画では845億円と。今までの計画の中では,今回の効率化をする前の計画では967億円であったものが,122億円,さらに所要額が減りまして,これは効率化を進めた結果だという形で考えております。その下は,一般会計からの財政支援の所要額,既存の補助金等も含めた総額でございますが,新計画では10年間で1,725億円と,従来の計画では1,775億円でありましたので,50億円ほど減少した形で計画をつくっております。  最後のページは,長期収支の見通しということで,今回の計画開始前の平成15年度と25年度を比較した表を作成いたしました。  まず,乗車料収入でございますが,先ほど申し上げましたように,近年の減少傾向を加味いたしまして,366億円あったものが344億円ということで,10年間で22億円のマイナス,4.9%,5%近い落ち込みになっております。しかしながら,支出の方で人件費を見ていただきますと,先ほど来申し上げております効率化策等によりまして,平成15年度に116億円必要であったものが60億円ということで56億円の減となっております。この結果,収入から支出を差し引きました営業収支で申し上げますと,先ほど管理者からもお話がありましたように,25億円から64億円という確実な黒字を見込めるような形で今回の計画を策定いたしました。  この結果,今回,5%という償却前営業収支の条件的なものがありましたが,今回の計画の中では176億円から192億円ということで16億円の効果がありまして,9%の増になっております。これに営業外収支,企業債利息を加えた経常収支で申し上げますと,平成15年度にはマイナスの99億円だったものが平成25年度には24億円ということで,これは先ほど申し上げたように平成23年度には黒字になって,その後,黒字基調で来まして,平成25年度には24億円ということで,経常収支は10年間で123億円の好転を見込んだ計画となっております。  この結果,累積欠損金については,平成15年度には3,332億円あったものが,平成23年度までは赤字が続いておりますことから258億円ほどの増加になるという形で3,590億円の累積欠損金が残る計画となっております。これに資本的収支等を加えまして,緩和債の発行額も79億円から58億円ということで減っておりますし,不良債務については,計画終了後にはこういった効率化策を進めることによって,平成15年度末の31億円のものが,条件にもありましたとおり,計画上もきちんとゼロにする形で整理をいたしております。  最後に,一番下にあります職員の予定数については,456名の削減をいたします。あわせて,営業収益についても,増加基調にあり,職員の予定数が減ることもありまして,1人当たりの営業収益では39億円のものが68億円ということで,29億円の改善が見られるような見通しとなっております。 ◎黒田 交通事業管理者  今の説明で全部尽きますけれども,効率化策で,例えばワンマンをやります。ワンマンの関係でいくと,4ページですけれども,東西線,南北,東豊といくわけです。これは,車両の更新時に合わせなければ非常に効率が悪い関係で,したがって,車両の更新に合わせた形でこういった計画になります。そのワンマンの関係で,防護さく等々の経費がかかりますけれども,それらの経費をのみ込んで,なおかつ平成25年度までを見てみると効果が12億円上がります。差し引きですので,そういった意味合いで見ていただければありがたいと思っています。  もう一つ,一方,ICの問題の券売機,改札,精算機で効果が約20億円と。実は,その下の施設にかかる経費で,バリアフリーなりもろもろの関係で84億円かかりますけれども,これは,ちょうど改札機の更新時とぴったり合わせてIC改札機を導入していこうということです。そうしなければ二重の手間になるものですから,したがって,かかるものはかかるけれども,黙っていてもかかるものと。しかしながら,IC化によって削減効果額は20億円ということになります。 ○五十嵐徳美 委員長  それでは,質疑を行います。 ◆長内直也 委員  今,ご説明いただいたのですけれども,まずは国の事業でありますが,これは非常に厳しいものだと私は思っております。  それはなぜかといいますと,健全化計画の期間は最長10年間ということでありますから,10年でそれだけの結果を残せということが前提だと思います。そうだからなのかもしれませんけれども,今回,交通局の方で,たしかこの制度の締め切りが1月末でしたが,ちょっと延ばしてもらっているとこの前に聞いていたのです。これに一つの決断を下すまでにも,やはりいろいろと悩んだのかなと思います。また,今までいろいろな経営健全化計画,回復策,交通事業改革プランを順次やってきましたけれども,悪く言ってしまうと,ある程度期限を決めて計画を出し,それでも思わしくないということでさらに先延ばしをしてきた経過があるわけです。ただ,これは,ある意味で今後10年間で一つの最後通告と私は認識をしております。  そんな中で,これは18年度までの交通事業改革プランだったわけですけれども,今までの交通局の説明といいますと,効率化その他でいろいろ質問しましても,18年度までの改革プランの進捗状況を見守ってもらいたいというような中身でした。これが出てきたものですから,この制度を使うに当たって,急遽,平成16年度からの10カ年計画と短期間でつくり上げたのかなと私は思っているのです。これがうまくこのとおり機能しなければ,その先はないぐらいの気持ちでやらなければならないと思うのですが,まず,この制度を使うに当たって,その決意というか,これだけでは余り伝わってくるものがないし,今までのプランとの違いは特別ないのかなと私は思うのですけれども,その辺をお伺いしたいと思います。 ◎黒田 交通事業管理者  まさしく,今回の10カ年は,最後通牒といいますか,そういった位置づけになろうかと思っています。  冒頭に私の方から説明しましたように,改革プランそのものは,実は順調に進んでございます。収支だけで見ますと,平成14年度の決算で182億円の赤字が,155億円の赤字に,約27億円ぐらい圧縮されている。それから,平成15年度は相当厳しく執行管理をやってきたつもりですけれども,15年度の今の決算見込みは,改革プランの計画では195億円の赤字だったものが,まだはっきりはわかりませんが,約100億円ぐらいの赤字に圧縮できるだろうと。それから,平成16年度の予算で今提案しているのも,改革プランの段階では174億円の赤字が出ると見ていましたけれども,86億円ぐらいの赤字で済むと,ある意味では改革プランそのものはきちんと順調に進んでいます。  その要素は,やはり,これまでの過去の改善策なり回復策は右肩上がりで見ました。それでは,二,三年ですぐに収入の見込みが予想を大きく下回って,言葉をかえればこけてしまったということでありまして,そういうことのないようにという基本的な原点が改革プランにはありました。  その改革プランは,平成18年度までで,それも,本当に大枠の中の不良債務30億円をそれ以上に発生させないように,交通局,頑張れ,経営改善をきちんとやれということだけだったのです。しかし,それでは,これからの地下鉄を考えたときには,企業と考えたときには,それでは耐え切れないだろうということで,具体的に,議会にも,対市民にも,お約束できるような,それも3年や5年ではなくて,少なくても10年というスパンで要るだろうということで,去年の春から,交通局内部としては交通局の経営会議の中に重要課題という位置づけをして,各セクションで相当議論をして,相当時間をかけて,それの素案が,相当詳しい資料もありますけれども,それをまとめてきたという経緯です。そして,それを改革会議でも議論をしてきました。  そういった中で,12月末に,国が新しく創設する健全化支援の枠組みの具体的な内容が示されたものですから,改革会議の中では,それはそれとして,では,次に健全化に乗るか乗らないかという議論をしてまいりました。  きっと各委員もいろいろ考えていると思いますけれども,私どもも,出資は認めるが,交付税の裏打ちがないということで,ある意味では大所高所に立った国の実質的な支援がない制度で,なおかつ,年2回の報告義務ではありますけれども,そういったことで本当にどうしたらいいのかと。  しかし,国も資金的な問題は厳しい,札幌市も厳しいという状況の中で,一つ,出資という問題が新しく制度として認められる。それから,国も,角度を変えてみれば,経営の悪い4都市については心配しているぞ,だから,この際,きちんと各自治体の中で議論をして,それをどうするか決めなさいと来ているわけであります。そういった中で,せっかく経営計画10カ年の議論をずっとしてきたのであれば,どうせならばそれをそこの枠の中にきちんと組み込んで,枠は枠として国に出してきちんと理解をしてもらおうと。  それと,経営の10カ年は別だぞと。一たんは,これで出発するけれども,さらにまたいろいろな増収対策なり,さらに効率化なり,それから,10年で全部固めてしまうのもよくない話ですから,ある意味では前倒し,前倒しで少しでもよくなるような実行計画をローリングしながらより強化なものにしていく,そんなことをきちんとやる必要があるという議論を重ねながら,1カ月待ってもらって,最終的な判断をしたという経緯があります。 ◆長内直也 委員  昨年春から準備していたのだということでありますので,それはそれで,本当に最後の通告だと私は思いますし,まさに実質的な支援がないという現状でありますので,厳しい中でやっていくのだなと改めて思っています。  この素案の中で,全く出てきていない部分といいましょうか,私が気になりましたのは,例えば施設の改修とか車両更新といったものも必要になってくる,一方で増加要因もあるのだということがありました。  では,その中で,例えば民間のものを利用するとか,あるいはPFI的な要素とか,まさに今,電車の方でこれからやっていくでありましょうPPPといったようなものも,当然これから取り入れていかなければならないと思うのです。そういったことも,素案ではありますけれども,やはりどこかにないと,そういうことは余り考えていないのかなとも思うのです。代表質問等でもいろいろありましたけれども,そういう新しい方法などについて,制度上は難しいのでできませんという答えではなく,やはり,できるもの,できないものを判断するにはしっかりとした検討が必要なのではないかなと思っております。  それから,増収策についてもこの二つだけしかのっていないのですが,まだまだ知恵を絞ってやれることは一ぱいあるのではないかと思っております。  もう一つは,外的な要因のことがあります。経済環境が悪化しているのでなどと書いてあるのですが,これは,民間もそうですけれども,悪く言えば,だめな企業が理由づけにする最高の言い回しであります。では,みんなの市民生活がそれだけ下がっているのかといったら,ここにもあったように車は2倍になっています。ですから,必要性とか,市民が利用しやすいものになっていないから伸びていないのだと,みずからの過去を振り返って外的な要因のせいにしないような書き方をしてもらいたいと思います。  その辺について伺って,終わりたいと思います。 ◎黒田 交通事業管理者  当然,大きな流れとしては,これから地下鉄を経営していくという視点で,交通局の直営だけでどこまでどうできるかというのは,やはりいろいろな経費の問題で限界があります。そういった意味で,交通事業財団を活用しながら,財団と交通局本体の2本柱でこれから運営していくことが中心になるだろう,このように考えてます。  ですから,例えば新さっぽろ管区で78名の駅員がいるところは,黙っていれば78名を財団で採用しなければならない。そうであれば,それは単なる安上がり行政になる。そうではなく,財団は民なのだ,財団は民間という一つの役割をどう果たすかということで,財団を受けとったときに,今回は最低36人の採用で済ますことができたわけでありますが,それらは,今度の駅務の財団で対応する場合の勤務時間も,例えば24時間体制にするとか,それから,財団としての責任で券売機の部分の見直しをするとか,いろいろな形で見直しする中で人数の総枠もと。ですから,さっきの効率化の中で,駅務の関係で累積188億円,そのうち財団としてみずから効率化を編み出したのが44億円という意味合いです。  それはそれで進めていきますけれども,当然,一方では,やはり本当に今のままの運営でいいのかどうかという問題があるでしょうから,それは,国の方なり公共交通の協会等々でもいろいろな課題になってございます。そういった状況の中では,並行してそういった可能性も十分に検討,研究していくことが必要だと思っています。  それから,外国の事例という話も出ましたけれども,あれはあれとしましても,あの件も協会の中で一つ話題にしながら可能性を追求していこうと思ってはいます。  いずれにしても,そんな感覚も十分に持ちながらやっていく。そういった感覚を持つことの必要性について,もしも足りないのがあれば,その素案の中に書き加えたいと思っています。  それから,増収策は不確かなのではないかということですけれども,できないことを金額であらわすのは今回はやめなさいと私は指示しました。素案の中では,六つぐらいのメニューがあるわけですけれども,まだ金額に見えないものは出すなと。  ことしの1月4日の新年初めで,交通局は,みんなでことし1年間の増収をどうやってやるかということにターゲットを絞ってやっていこうではないかと。今,ワーキングループをつくりながら,一つは財産の活用,地下鉄乗車人員の増など三つか四つのテーマを決めてやっています。それをやることによって少しでも増収すれば,そのことによって結果として資金不足も解消されるわけですから,そういった意味では重要な要素ですので,それはそれできちんとやっていく。  特に,ことしは日ハムの問題がありますから,ある意味では体裁を考えずにきちんとやっていこうではないかと。  例えば,たまたまコンコースに一つの商店会をということで載ってますけれども,あれも,今まで規制の問題があってなかなか認められなかったのですが,やっとそれが少し打破できそうだと。それが一つできれば,もう別の機関が来ていますけれども,一つ打破できればまたいろいろな形が出てくるだろうということで,とりあえず今回は金額としてお約束できるものだけを明示したということでご理解をいただければと思っています。  外的要因という問題はよくわかりますので,それを踏まえながら,私どもは整理するものは整理をしていきたいと思っています。 ◆長内直也 委員  最後に,この10年間を本当にきっちり見ていきたいなと思うのです。やはり,これをきっちり終えた後は,私は,市が直接やる一つの役割も終わっているかもしれないなと実は思っております。そんなことも考えながら,この経営健全化計画は最後の計画だと思いますので,これが終わったときには民間にそのまま移行できるぐらいの気持ちがないと僕はできないと思っております。  今回,市営バスがすべて民間に移りますけれども,なぜ半分の経費でできるかということはやはりもう一回考えなければいけないのではないのかなと。これは,単に,給料が倍だからというだけではないと思うのです。やはり,その辺の甘えといったものがどこかにあるのではないか。これは,これからもますます厳しく見られていくと思いますので,ぜひよろしくお願いしたいと思います。 ◆藤原廣昭 委員  私からも,数点,質問をいたします。  基本的な部分については今,長内委員から質問がありました。  先ほどの説明では,国が制度を創設して支援をすると。先ほどの答弁でも,黒田事業管理者は,国の実質的な支援はないと。この資料にもありますように,財政的な措置を講ずる,さまざまな緩和策というか,軽減策がとれるというような趣旨なのです。今,国が進めている三位一体の改革の視点からいけば,確かに制度を弾力的に認めるということは多少の評価はできても,先ほどの説明にもありましたように,非常に高い金利が,金利以外にもそうですけれども,それが大きな負担になっているというような状況です。国も財政は厳しいのでしょうけれども,少なくとも政令指定都市を中心とするこうした地下鉄事業の公営交通の中では共通の課題だと思うのです。今回の四つの申請を,札幌市含めた以外のところも,ある程度の黒字にはなっていたとしても,そういう金利というのはかなりのウエートを占めているわけで,これから,国に対して,少なくとも5%以上の金利の軽減をするような働きかけを,政令指定都市の公営企業がしっかりと,今までも言ってきていると思いますけれども,さらにそうしたことを強く主張して実現していくべきだと考えておりますが,まず1点目に,その辺の考えについて伺いたいと考えております。  それから,2点目は,いろいろな数字が出てきました。例えば,償却前の営業収支を国の制度の条件としては5%以上ですけれども,本市としては9%を実現をするとか,いろいろな資料に基づく効率的な累積効果額というのでしょうか,各項目が出ておりましたが,これらは,試算した上で,最大限努力をしたものとしての数値なのか,それとも最低限の数値なのか,あるいは中間的な数値をとったのか,この辺の数値のとり方についてどのように理解をしたらいいのか,2点目に伺いたいと思います。  3点目の関係は,財政との絡みでありますけれども,一般会計で支出を行ってもいいです,あるいは,地方債の発行も構いませんということなのです。福迫助役を中心とする改革会議の中で議論されたわけですから,当然,本市の財政局や関係の部局の責任者も含めた判断と思いますけれども,今回の素案に示されたさまざまな財政的支援の裏づけというようなものは今の段階でどのように担保されているのか,具体的に説明をしていただきたいと思います。  4点目に,先ほどの説明ではこれは素案であるということです。今後,交通部会に報告をし,さらに市民にもこうしたものを開示して意見を聞き,最終的にまた改革会議でまとめて,これを正式な案にしていくということですけれども,その時期はいつごろを目標においているのか。  あわせて,5点目に,1ページ目の制度に基づく財政措置の中で,緩和債を発行できるけれども,現行の建設債利息額を限度とするということです。札幌市の場合にはどのぐらいの枠の額が残されているのか。
     この5点について,最初に伺いたいと思います。 ◎黒田 交通事業管理者  金利の悩みは委員がご指摘のとおりでして,市長も大変びっくりしております。昨年の交通事業者会議を札幌でやったときに,あえて私はお願いして上田市長に出てもらって,このままでいいのかという投げかけをしてもらいました。金利の問題は,今,実は交通事業管理者レベル,地下鉄協会,公営交通協会レベルで国にきちんと要望して,一部ですけれども,わずかながら借りかえを認めて,小出しにして出しているという実情です。  私としては,これからその議論をもう少し深めて,今度は指定都市の市長レベルまで持っていこうと思っております。それをもう少し大きな声で言うようなことはできないかどうかということで,確約はできませんが,そういった働きかけをしていく必要があるなと考えております。  それから,いろいろな効果額の数字のとり方でありますけれども,各セクションでそれぞれ詰めた額でして,少なくともそんなに無理をした額ではないだろう,ただ,当然,最低額ではない,これはこれできちんと議論をしていけばできる額であろうと。この額も,ここ一,二年の額はまず問題ありませんけれども,例えば5年先はどうだろうというのはあります。それは,総枠の中できちんとやる前提で進みますけれども,一つの流れの中で,例えば30億円の効果が28億円に減ったと。それはそれで,トータルとして効果を生み出す。そのときに,例えば経費の削減の方に求めるか,別な方の事業費を圧縮するか。今の段階の計画ではそういった形でまとめていますけれども,状況の変化が生じた場合には,トータル的にはきちんとしたものを履行していくというスタンスでいきたいと思っております。  それから,改革会議で,当然,国の実質的な支援がないということも含め,相当な議論がありました。それから,財政も中長期的に厳しいという状況もあります。しかし,これはこれで,国の健全化対策に乗って申請はするけれども,やはりこれからの札幌市の財政状況はどうなのかということは,当然のことながら,個々の各年度ごとに物事を見なければなりません。それは,今までも見て,厳しく査定を受けています。市の財政の余裕の問題,それから,実際の効率化のまた次なる効率化が求められるだろうなと,このように思っています。  しかし,今の効率化そのものは,ワンマンも含め,相当な重い課題でありますけれども,そこはそこできちんと責任を持ってやっていく。ただ,それだけでなく,別な課題も見つけながらやっていくといった姿勢は必要だなと思っております。  それから,素案をとれる時期でありますけれども,交通部会に1回か2回かけてですから,大体ことしの秋ぐらいには素案がとれる時期が来るのではなかろうか,このように考えてます。ですから,その段階でとれて,平成17年度は起債の返還のピークにもなりますから,そこでどういうふうにクリアするかということは,やはり来年度の財政状況も含めながら,各論の中で詰めていくことになるだろうなと。それもこれも含めて,大きな流れそのものはことしの秋ぐらいには固めてきたいと思っております。 ◎久保 財務課長  緩和債の枠について,私の方からお答えいたします。  緩和債につきましては,当年度に増加が見込まれる不良債務相当額につきまして,建設債の利息相当額まで発行できますという制度です。建設債の利息相当額ということで,現在,札幌市では枠が決まっておりまして,平成15年度につきましては79億円ほど発行の予定です。平成16年度についても,72億円ということで,利息相当額ということで枠が決まっております。ですから,これから先はどんどん減ってまいりまして,平成25年度には58億円程度になるものと予測しております。 ◆藤原廣昭 委員  最初の質問の中で,一般会計との絡みということでは,答弁では単年度ごとに一般会計の財政も厳しいのでということであります。当然,厳しいのは僕らも承知していますが,ここが崩れてしまうと,この10年計画そのものが大きく崩れていくということであります。そこは,交通だけを特別扱いというわけにもいかないでしょうけれども,中でも,市民の生活,足を守っていくためにはどうしても必要な再建計画ですから,今後,私どもとしてもできる限りの支援をしていきたいと思います。ぜひ,単年度ごとの中で,計画が大きく崩れることにならないような取り組みも,交通局自体としてもしっかりと,私が今さら言うことでもありませんけれども,そういう取り組みをしていただきたいと考えています。私ども民主党・市民の会としても,できる限りの対策を側面から支援していきたいと考えています。  そこで,今後の経営体制と,それから効率化に伴うさまざまな施策が出されておりますけれども,中でも,ワンマン運行の関係について質問をしたいと思います。  私も代表質問でこの関係をしましたし,私どもの民主党の政審でも本州の先進地についての視察をしてきたところであります。きょうの新聞などにも,計画の目玉そのものがワンマン運行のような書き方をされているのですけれども,私は決してそうではないと。確かに新聞の見出しは見出しでしょうけれども,先ほど報告されたように,まず,これからの交通地下鉄事業のあり方の中で,安全対策,あるいは利用者の皆さんのことを考えた中でのホームの安全さくというのでしょうか,そうしたものを導入していった上でのワンマン運行につながってくると私は考えるわけです。  改めて,今回の計画における安全さくや,それに伴うワンマン運行の位置づけを確認しておきたいと考えます。  それから,素案の資料の12ページの経営体制の強化というところには,1ということで,交通事業管理者と部長職で構成する経営会議で経営の判断をしていくとあります。今までもそのような形のものがとられてきたと思うのですが,これから始まりますから,余り具体的なことや,最終的にこうだというようなことは言えないのかもしれませんけれども,素案で示された中でどういったような会議にしていくのか,もう少しわかりやすく具体的に説明していただきたい。  それから,同じく,3年ごとに検証をしていくということですけれども,やはり,検証の仕方,あるいは,当然,今言ったような経営会議で判断していくのでしょう。  しかし,私どもとしては,当然,部外の第三者機関などを含めた中で検証しながら進行させるべきではないかと考えているわけですけれども,この点についてお伺いをしたいと思うわけであります。  それから,何と言っても利用者を含め,あるいは,料金についても据え置きで行くということであります。ドニチカキップとかさまざまなことがされていると思うのですけれども,やはり,いかに利用者の減を最小限に食いとめ,維持して,それを拡大の方向に向けていくかということが大きな柱だと思います。この辺の制度について,これだけではないと思うのですが,それ以外に何か食いとめていく考え方があればお伺いしたい。  それから,再質問の最後として,長内委員からも,この計画が到達した暁には民営化を進めるべきではないかということであります。今の制度の中では,上下分離方式は認められていないわけであります。今の法律の中では,すべての債務を解消しなければいけないと。この中で,さまざまなものが解消されるということではあるのでしょうけれども,私は,安易に民営にするようなことは,今の時点からそういう発想を持って取り組むことがどうなのかと考えるわけです。やはり,今回のバスの問題でも指摘されているようないろいろな問題が出てきているわけでありまして,公営企業としてのさらなる努力をして,地下鉄を市民の財産として,札幌市の財産としてどうやって守っていくのかがまず大事なことでありますので,その辺の管理者の考え方について,改めてお伺いしたいと思います。 ◎黒田 交通事業管理者  まず,ワンマンの問題でございます。  ワンマンの問題は,実はワンマンありきではなく,私が去年の4月に来た段階以前から,札幌の場合,投身事故が非常に多い。東京の場合は,地下鉄の投身がほとんどなくて,逆にJRの方で多いのですが,札幌の場合は地下鉄に集中している。それから,投身ではないけれども,転落そのものも多い。15年度も既に15件の投身,転落を含めると四十三,四件に及びます。それから,そのほかに携帯と落としたとかいろいろな問題があって,非常に神経を使うところです。やはり,乗客の安全,安心という問題からは,交通局全員の願いでホームさくをぜひということで去年4月の段階で相当強い声がありました。  本当にそれができるかどうかということで,実は自分の目でも確かめに行ってきました。既にやっているところが結構あって,それはいけるなと。それは,安全,安心,それからバリアフリー法の関係も含めた対応がまず一義的に大事だろうと。そういう前提で,しかし,今の厳しい状況の中で,多額の事業費をどうやってやるかということは,簡単にクリアできる問題ではないということでした。その事業費の解消ということを考えると,ほかの都市でも一部やっているように,ワンマンという問題の検討を並行して進めていかなければ,やはり,トータルとしての認知は難しいだろうということになりました。そこで,その経費も全部出し,トータル的に行けるだろうと判断をして,今回の素案にのせました。これは,今,我々職員も同じ考えでいるということをご報告申し上げたい。そういった意味で,まずは調査費を平成16年度の予算でつけて,具体的なものとしてまとめ上げたいと思っています。  それから,二つ目の経営会議の位置づけであります。経営会議という名称はこれまでも交通局内部にありましたけれども,実質上は作動してはいなかった傾向にありました。やはり,経営責任という大げさなことは言えませんけれども,これからはそういった感覚はぜひ必要で,いい意味でのリーダーシップ性が必要だろうと思います。そうしたときに,一個人という問題ではなく,最大のポイントは,縦割りをなくして,経営課題をいかに共有化し,局全体のテーマにして実施していくかといった意味で,部長も含め,管理者も含めた形の中で意思疎通を十分図りながら,そして,その事柄に応じながら,方向を決めながら課題事項を解決していく仕組みが必要だろうと思います。  これは,何でもかんでもやるわけではなく,その年度の課題の大きな点を二つか三つ掲げながら,その問題については経営会議で方向性を出しながら,下におろしながら,またフィードバックしてもらいながら,全体の力を結集してやることですけれども,きっかけとしてはそういうことで経営会議を運営していこうと思っています。ですから,当然,大きなテーマであります防護さくの問題もこれから経営会議の一つのテーマになるでしょうし,それから,平成15年度では,事故が多発して,安全運転管理,事故検討委員会のあり方の議論とか,それから予算の執行方針も決めるとか,そういうことをやっていく。それ以外にも,当然,課題はたくさんありますから,情報交換の意味で毎週月曜日に課長職以上の会議をきちんとやる,そんな使い分けをしながらやっていこうと思っております。  それから,三つ目の3年ごとの検証について,検証は第三者を入れてということであります。健全化対策の進捗状況がどうなっていくかというのは,ある意味では経営会議の一つの大きな課題でもあると思っています。当然のことながら,予算を組むときにそれを上回るような後ろ向きな予算は組めません。そういう意味で,経営会議の一つのテーマになります。  その検証を経営会議でやりながら,なおかつ,当然のことながら,議会にも,予算,決算の段階でその評価はどうなのかということをきちんと報告する必要があるなと。それから,予算,決算を組み終わった後に交通部会にもかけていますけれども,その中にもきちんとした報告をして,その中でもご意見をいただくことをやっていこうと,そうした進行管理が大事だと思っております。  それから,四つ目の利用者拡大ということで,料金据え置きという問題はありますけれども,料金据え置きという問題は,10年間,料金を上げないという意味ではなく,今の段階で料金を上げることを前提にして収支を組むわけではないということです。経済などのいろいろな情勢,あるいは他都市の状況がありますから,それはそれで何とも言えませんけれども,一たんはそういうことで計画を組みました。  それから,利用者増という問題は,大きな意味では街づくりをどうするかという問題が非常に大きな要素があるなという気がして,改革会議でも議論をしています。しかし,直接の当事者である交通局からすれば,先ほど言いましたように,やはり日ハムが札幌ドームで年間53試合やってもらうことは非常に大きな効果をもたらすものだと私は期待しています。日ハムの幹部ともいろいろな意見交換しておりますが,そのときに,さっぽろ駅,大通駅,福住駅をどう使っていくかという問題も含めて,ぜひ乗客増のきっかけにしていきたいということで,もう少しお時間をいただきたいと思っております。  それから,10年後の到達後には民間でというお話であります。そういった要素を全く否定することはいかがなものかという気はします。ただ,交通局としては,この健全化をきちんとやっていこうというみんなの意思の高揚は,やはり交通局が本流でやっていこうという意義づけといいますか,そういう意気込みでこの効率化を今やっている状況であります。それから,鉄道事業法の関係とか国土交通省のいろいろな関係とか,それから財産の扱いとかいろいろな問題がありますので,そんなに簡単にできる話ではない。それはやはり,頭から払拭することなく,しかし,きちんと本流は本流で守っていくという意気込みで,まずは健全化に取り組んでいくことが最善であると思っております。  それから,人員の計画を見てわかるとおり,約半減するわけです。それから,その後もワンマンが別の路線で進みますからさらに減っていく。ですから,私自身は,せめて乗務部門と教習部門,それの管理部門,それから,技術部門では地下鉄そのものの技術の継承という部門では責任を持つ必要があるのかなと,私自身は現段階でそう思っています。 ◆藤原廣昭 委員  2点,伺います。  今のお答えの中では,3ページに書いてある主要項目算定条件の収入の中には料金改定を見込まない数字で計算をしたということですけれども,先ほどの答弁の含みの中には,今後10年の中に,もしかしたら料金改定があるかもしれないと理解できるような含みのある答弁でした。この辺について,もう少し明らかに,ここの主要項目の中には料金改定は見込まないと出ているわけでして,それは,別に私は値上げをしたらだめだと言っているわけではなくて,やはり市民の皆さんにも,せっかく素案が出たわけですから,上げる上げないは別にしても,どう考えているのかは,当然,市民も関心のあるところだと思うわけであります。  それから,二つ目は,経営を民間に移行するということですけれども,私も代表質問したように,単純に建設費などのさまざまな返済を除けば,今までも乗車料収入で賄うことが十分に可能だと思うのです。ですから,民間企業のどこかに運行をお願いすることになれば,そういう面では可能かと思うのでけれども,これに対する膨大な設備投資を今後も将来的に繰り返していくことになる場合には,必ずしもすべてを民間には,いわゆる設備部門は市が責任を持って,運行だけ民間に行くような形にもなりかねないと,いろいろなケースがあると思うのですが,そこについては,管理者からも,まずはこの計画を到達することが目的だというようにありますので,ぜひこれに取り組む上で,職員の皆さん方も気落ちすることのないような,これをやることによって将来も公営企業としても残れる可能性があるのだということで自信を持っていくようなことにしないと,この計画の意味が半減するのではないかと思います。  その点について,意見も含めて最後に申し上げましたが,料金の方についてどう考えているのか,お伺いしたいと思います。 ◎黒田 交通事業管理者  今回の収支を見込むときに,人員の伸びの問題も含めて,やはり,計画倒れにならないように,厳しい目で収入は見ていく必要があるだろうと。そういった収入を厳しく見る一環の中で,料金改定を見ないということで,今回,収入を見込んだという趣旨であります。ですから,料金改定が今後どうなるかという問題は,これはいろいろな状況の中でどうなるかわからない状況です。今の中ではそういったことで算定したということでご理解いただければということです。 ◆芦原進 委員  手短にしたいと思います。  13ページの財政計画でありますけれども,平成16年度から平成25年度まで輸送人員,それから乗車料は,年々横ばい,もしくは減っていくと書いてあります。一番上に,公営企業と民間企業の違いなのかわかりませんが,長期収支の見通しに増収を見込んで計画を組むことは経営を誤るおそれがあるためと。私は,それを見込まなくて民間会社の社長が持っていったら,これは突き返されると思うのです。私もずっと民間をやっておりましたけれども,何だと,会社の発展がないではないかとまず言われます。  これは,公営企業でいいかと思います。しかし,年度年度に数値が出ていますけれども,これをどうクリアにしていくかということで,しっかりバックの計画を持たないと,計画は,今,右肩上がりでもありませんし,人口が186万人から260万人にふえるわけでもないと思うのです。そういう意味であれば,やはり乗客をどうしてふやしていくかということ,どうして増収するかということを,きちんと年度年度に,裏として,バックとして積み立てていく必要があると思うのです。  この辺は,ただこのままで行けば恐らく達成できないのではないかなと。なぜなら,計画というのは計画であって,それが100%,バブル期みたいに150%になることはまずあり得ないわけです。そのためにはどうしたら人がふえるか,こうして人をふやしていって,増収していきたいという計画が裏にないと,これは達成できないと思うのです。  この辺のバックデータは,これからつくっていかれるのか,いや既にあるということであれば,お聞かせいただきたいと思うのですが,いかがでしょうか。 ◎黒田 交通事業管理者  過去にいろいろな計画がありまして,右肩上がりで見ました。残念ながら,結果として二,三年でそれが達成できなくなり,それはまた見直しをするような状況も何度かありました。  増収対策は,街づくりの要因もありますけれども,それはそれできちんとやらなければならない。やるつもりでおります。体制も既に内部で組んでございます。今回は,確実に健全化を達成していきたい。ですから,増収の問題は,怠けるという意味ではなくて,やるけれども,収入として人員,乗車料の見込みはこういう形でと。実は,改革プランをつくるときに民間の三菱総研がつくったデータをもとにして,それをさらにもう一度厳しく見直して出た数字であります。これは,少なくとも達成しなければだめだということで,最低の努力目標として置いています。これが,結果として頑張ってふえれば,その分だけ借金が減るわけでありますから,そういった努力をしていきます。そういう意味合いでこの数字をご理解いただければ大変ありがたい,このように思ってます。 ◆芦原進 委員  やはり,平成16年度,17年度,ふやすという計画を立てて,その目標に向かってどう努力するかということがない限り,切る分は切って,減らす分は減らしておいてと。一番手っ取り早いのは従業員を減らすことが簡単なのです。要するに,直接的に一番金がかかるのをよそに持っていけば,だから,リストラするのが一番早いわけです。そうではなくて,それはそれとして,やはり,増収するためには今年度はこうしていかなければいけないというものが要ると私は思うのです。その中で,結果的にクリアできましたということになると思うのです。最終目標ではなくて,もっともっと高い目標を掲げないと,やはり目標達成は難しいと思います。  それから,さっきおっしゃっていましたが,余り実現性のない増収対策は出さないのだという話がありましたけれども,余りにも受け身的な発想ではないか。もっともっと積極的に民間の会社の中に行って,飛び込んで行って,会社ぐるみで定期券を買わせるとか,いろいろな方法があるのです。また,役所も一ぱいあるわけですから,役所ぐるみで定期券を買わせて,割り引きして,そうすれば役所も経費が減るわけですから助かります。そして,増員できるというような,いろいろなことができると思うのです。もっと視野を広げて,もっともっと挑戦していただきたいと思うのです。そういうふうに努力をお願いしたいということであります。 ◆坂本恭子 委員  私からも,何点か質問させていただきたいと思います。  実は,10カ年の健全経営計画,それから今回の健全化対策の内容ということで見せていただいたときに,私は評価できるなという点が2点ありました。  その一つは,地下鉄ホームさくの設置です。これは,私たち日本共産党としては,障がい団体の皆さん等を含めて,投身自殺という要望ももちろんありますけれども,本当に多くの利用されている障がいを持った方たちが望んでいたものですから,これが,年次計画として具体的に計画の中に上がってきている,新年度予算で検討の調査費もついているということで非常に喜ばしく思っております。現に,障がい団体の方たちも非常に喜んでいるということを,ご報告も兼ねて最初に申し上げます。  それからもう一点,評価したいと思ったのは,実は乗車料金の値上げをしないということについてであります。  先ほど,料金が上がることは否定しないという発言もあったものですから,あえて一言,申し上げておきたいのです。92年,97年でしょうか,公共交通料金の値上げが行われて,しかし,情勢に見合っていない中での料金改定だったという経過も反省として書かれておりました。ですから,私は,本当に利用していただきたい,市民が利用しやすい地下鉄を考えたときに,乗車料金の値上げなどということは到底あり得ないだろうということは,改めて指摘をしておきたいと思います。  それから,先ほど来,出ております乗車人員の増加,増収策についてどういう対応をとっていくのか,具体策が少ないではないかということは,私も同じ思いでおります。定期券の割り引きについては,私たちもかねてから申し上げていることでありますし,今,私自身も地下鉄通勤をしておりまして,昼割カードとかウィズユーカードを使っているのですが,S.M.A.P.カードへの移行という点では,ウィズユーカードは廃棄までの経費として1枚当たり35円から40円かかるということも聞いております。1万円の高額のものを買うと,必ず印字をしなければならないので2枚目が発行されるという不合理もあるということで,これは,企画調整局も含めてICカードの調査研究が進んでいると思いますし,今,総務省の方で全国的に奨励されているものだと思いますので,やはり民営バス業者ときちんと協議をして,乗り継ぎのシステムをきちんと導入していく,市電はもちろんということで,これもしっかりと対応していっていただきたいと思います。  それから,経営改革会議の中で六つほどメニューがあったけれども,金額的にどういう反映ができるかわからないのでのせなかったとありましたが,その中身も含めてお聞きをしたいなと思います。  やはり,管理者がさっきおっしゃっていたように,街づくりという観点で,本当に地下鉄が輸送機関の根幹をなしていくものとして位置づけられていく,そして,都心への車の乗り入れ規制も含めて,いろいろな形で関係部局と連携して対応していくべきだと思っているのですけれども,ここら辺のことを改めてお聞かせいただきたいと思います。  それから,安全対策ということで,先ほど可動フェンスの話もいたしましたが,一方,火災対策についてです。  今回,排煙設備も含めて,今後10年間で避難通路も含めて全駅で整備というご報告だったかなと思うのですが,実は,地下鉄の火災対策というのは1975年に基準が設けられていたと思うのです。それでもなおかつ,古い路線に限って15駅が残されていたということなのかと改めて思ったものですから,そこら辺の経緯と,それから,10年ということではありますが,総務省の方でもこれは早急に整備をしなさいということで国会でも議論がされておりますので,ここについて改めてお話を伺いたいなと思っています。  それから,さっき国からの財政的な支援がない中で厳しいのだというお話をされておりまして,政令市長会でも借りかえなどについてしっかりと意見を言っていけるようにしたいというお話がありました。  経営計画の3ページのところに,昭和46年から2002年までの収支の状況ということで載っておりますけれども,乗車料収入の中で人件費とか経費を賄えるというのは,これを見れば明らかです。どこが重荷かと言えば,減価償却に対する考え方,建設債,それから,特例債が出て,緩和債が出て,今度は出資債も出せるということで,特に緩和債というのは建設債の利息に対して起債できるものですから,利息を返すためにお金を借りて,またそこに利息をつけてやるのは,雪だるま式に返済額だけがふえていくということで,制度自体が問題だと思っています。  私たち日本共産党は,ここについて,しっかり国の責任を求めていきなさいというお話を一貫してきました。やはり,企業会計に対する一般会計からの繰り出しといいますか,出資ができるよという新しいルール,枠組みをつくるということで,結局は借金の返済の出どころと形を変えて先送りにすると,私は,今回の健全化対策はそういう本質を持っているのではないかなと思います。また,札幌市としては,これを機に,何とか10年間で交通事業を健全化していきたいというお気持ちはわかりますけれども,先ほど言った火災対策であるとかバリアフリー化というようなことをオブラートにして,委託も含めて999人の職員のうち,456人,46%の削減をしていく,結局,国にお墨つきをもらってリストラを進めていくことになるのではないのかと思うのです。  先ほど,公営で10年後も頑張るという方向性がないと職員の士気が落ちるというお話がありましたけれども,私は今回の効率化策,リストラ策自体が職員のやる気,それから,地下鉄というみずからの仕事にかける意欲だとか意気込みをそいでいく結果につながっていくだろうと言わざるを得ないと思うのです。安心,安全,快適ということを企業理念として掲げられ,公営交通としてその役割を全うしていきたいのだというお話をされていましたけれども,やはり私は,今回の職員の減,効率化,合理化については,安心,安全ということを考えても,とても納得のいく計画ではないと思うのです。  その点は,安全対策も含めてどういうふうにお考えなのか,改めてお話を聞かせていただきたいと思います。 ◎黒田 交通事業管理者  私の方から,街づくりの関連と,最後のいわゆるリストラ,安心,安全の問題にお答えをして,せっかくですからICカードの状況と火災対策をそれぞれ所管の方からお答えしたいと思います。  やはり,公共交通は,これからバスがなくなって,地下鉄を基幹交通として,地下鉄とバスの総合交通ネットワークをどうやって維持していくか,そこに乗り継ぎ制度を絡ませてと,これは大変重要な要素でございまして,そういったことは本当に重要な事項です。その実現をより効果的にするために,それから地下鉄の乗客をより伸ばすために,やはり街づくりということは非常に大きな関連があると考えています。それは,企画調整局サイドもそういう考えですし,市のトップも同じような考えです。ただ,それは一足飛びにすぐできる問題ではない。そこを念頭に置きながら,できるものはできるような形で進めていく必要がある,そういう理念,方向で今進んでいるという状況が一つであります。  それから,緩和債の発行も,10年たてば余り額は大きくなく,それから,単独支援もそんなに大きくなく,10年たったら結構いい姿になると思ってはいます。国の責任という意味合いでいくと,借りかえの問題も含めて,ぜひという気持ちは私ども事業者としても持っていますし,それはほかの都市もみんな同じであります。  ただ,ここの難しいところは,企業債の発行の借りかえという問題は,交通だけではなくて,病院もあれば市場もあれば水道も下水もみんな同じような状況です。その中で,では地下鉄だけが借りかえを,早目,早目にやってくれてはいますけれども,全部が全部ということは国の制度からいってもなかなか難しいのかなと。そういった中で,国としても,交通と地下鉄の関係の借りかえの問題を部分的に認めてくれたり,それから,今回,出資債という制度も,ある意味では地下鉄だけの問題ですが,そういった意味では,不十分であるけれども,何もやっていないかといったら,そうではないだろうということになるのかなと思います。  それから,リストラという言葉は私も好きではないのですが,これは,リストラというよりも,ちょっと詭弁かもしれませんけれども,効率化と考えております。その仕事を全部なくすという意味ではなくて,ワンマンの問題も,ワンマンでもきちんと対応できるという設備投資をするわけです。そのことによって,安全,安心が担保できるという前提で進めようとしております。それから,駅務の問題も,これは安全,安心という問題からいけば,実施主体が財団に移るだけであって,財団がもう少し自由な感覚,責任ある感覚でいろいろな形でやっていくということで,安全,安心そのものについては基本的には変わらず,より万全を期していくことになろうかと思っています。 ◎岸 技術部長  私の方から,火災対策についてお答えいたします。  確かに,委員がおっしゃるとおり,この法律は昭和50年にできています。今回該当する15駅は,南北線が7駅で東西線が8駅で15駅ですけれども,両線とも施行認可の時期はそれ以前ということでやっていたわけです。その後,遅々として改良が進まないのではないかというお話かと思いますけれども,建設費あるいは土地の問題とか物理的な要素がありまして,大規模改良時に改修しなさいというご指導があったのですが,なかなか手をつけてないのが実態です。  今回,15駅ありますが,今年度は既に4駅で基準に合致するように進めておりまして,残り11駅については,先ほど申しましたように用地買収など絡めて,順次,積極的に進めてまいりたいと思います。  同時に,避難通路だけつくればいいのではなく,駅としての形態,駅としての運用上の問題が現実にありますので,そういう意味で利用者の利便というか,使いやすいような形態,あるいはエレベーターの問題もありますので,あわせて,今,計画を進めてまいりたいと思っていますので,よろしくお願いいたします。 ◎大原 調整担当課長  ICカードの共通化ということでお話がありましたので,私の方からお答えさせていただきます。  まず,ICカードのメリットといたしましては,当然,パスケースとか財布に入れたまま改札も通れます。そういった点では,お年寄りや障がいをお持ちの方にとっても便利なものかなと思っております。また,今広く使われているウィズユーカードよりも改札の処理時間が短いというメリットもあります。また,バス,電車でも,当然,処理時間が早いわけですから,乗降時分の短縮ができるということで,それぞれ電車,バスの定時性の確保につなげていけるのかなとも考えております。さらに,これまでの磁気化タイプのカードと違いまして,改札機等では非接触という形で処理が可能となりますので,機器の補修費用の軽減も図れます。また,繰り返し利用ができまして,環境負荷の低減にもなりますし,先ほど委員の方からお話がありましたように,カード作成費の軽減も図れると考えております。  そういった利用者サービスの向上だけではなくて,事業者にとりましてもさまざまなメリットがあると考えております。そういった中で,現在,札幌市内部では,企画調整局をコーディネータという形で,交通局と他の交通事業者との間で協議会を立ち上げ,現在,札幌圏の公共交通機関を1枚のICカードで乗車できるようにする場合の課題といったものについて,検討,協議を進めているところです。また,運輸局の主催の協議会も立ち上がっており,そちらの方も定期的に開催されている状況です。いずれにいたしましても,今後,具体的なサービス内容とかスケジュールについて議論を深めていくことになると考えております。 ◆坂本恭子 委員  管理者の方からは,安全は担保できる形でワンマンカーとか,詭弁かもしれませんがとみずからおっしゃっていましたが,効率化を進めるというお話しでした。例えば,今,東京の営団地下鉄でもワンマン化が計画されていると思うのですが,やはり,現場の運転手さん自身が,乗降客の安全確認は非常に難しいというような話も実際に私は聞いております。今の火災対策についても,今でさえ駅構内,ホームに職員を見かけるのは非常に少ないわけです。車いすの方が乗られるときに板を持って待機しているぐらいでしか見かけないものですから,やはり,安全さく,可動さくがあるからすべてそこで安全が担保されるのかというと,私はそうではないと思います。火災対策,避難通路だとか排煙装置も,本当に計画に整合性を持たしていく中で進めていっていただかなければ,本当の意味での安心,安全とはなっていかないだろうと思います。必要な人材はちゃんと確保して,そして,効率化とおっしゃるのであれば効率化を進めていけばいいと思うのです。  あわせて,やはり乗車料金値上げをせずに,どう増収を図っていくのかということでは,先ほどお話があったICカードの問題であるとか総合交通,都市交通ビジョンなどいろいろなところで検討されておりますけれども,そういうところとしっかりと協議をして,地下鉄に乗っていただく,公共交通機関を利用していただく体系づくり,街づくりというところに知恵も力も注いでいただきたいなと私は思っておりますので,それを申し上げて,終わらせていただきます。 ◆田中昭男 委員  時間も来ましたので,質問一つに,意見は二つにします。  これは総務省の事業ですが,国土交通省はどういうことになっているのか,これが一つ。  そして,国の関与の中で,国はちゃんとやっていないところに必要な助言をすることができると書いてあるけれども,総務省が助言するのか,国土交通省が助言するのか。もし仮にそうなった場合に,総務省でも国土交通省でもいいのですが,どういうことを助言されるか,推測される助言の内容があったら教えてもらいたい,これが質問です。 ◎黒田 交通事業管理者  総務省と国土交通省の役割ですけれども,総務省は,公営企業室の中でいわゆるトータル的な全国の全企業の営業の総括管理といった意味合いを持っており,どういう形で経営をしているのか,管理といったら言葉が悪いですが,そういった関係で,必要な地方債の発行の権限も含めて,財政的な収支計画の権限を総務省が握っております。それから,国土交通省は,例えばバリアフリーとか,車両の更新とか,個々の事業の補助メニューといいますか,そういった枠組みをきちんとつくり,その中で起債の部分があれば,総務省の了解をとって,個々の事業の財源内訳の確保という観点での立場であります。  それから,総務省の助言の推測でありますけれども,年2回,6月と9月ですが,大きな意味合いでは計画の大きな枠が守られているかどうかという形の助言しかないだろうと私どもは考えてます。総務省の役割は,全体の収支計画がどうなのかという役割を持っていますから,そういった意味での国土交通省の方の助言そのものはない,こういう状況,中身であります。 ◆田中昭男 委員  総務省の方は,こういうのは普通はあめとむちと言うのですが,あめがなくてむちばかりだという感じがしないでもないですけれども,頑張ってもらいたいなと思います。  それから,横浜,名古屋,京都の地下鉄の財政状況です。特に欲しいのは,札幌は50キロだけれども,地下鉄のキロメートル当たりの乗車人員数,至近年度でいいですから,残りの3都市はどんな数字になっているのか。これは後でいいです。  あと二つは意見にしておきますが,やはり,街づくりの一環だと管理者も言っているし,乗車人員,お客さんをふやすためには街づくりとの関係が重要だと,これは私がずっと言い続けているのです。私が特徴的に言っているのは,札幌市の公共施設と地下鉄の駅の関係がとられていなさ過ぎる。最近の例で言うと,東札幌のコンベンションセンターがそうです。あれをつくるときに,地下鉄の菊水駅との関係はどうとるのかと聞いた。そうしたら何て言ったか。このコンベンションセンターは地下鉄を当てにしていません,みんな車で来てもらいますと,だから,あれは相当広い駐車場を持っている。  何でそういうことが平然とまかり通るかということで,コンベンションセンターに先立つ前にも,同じようなことを,本当に財政問題をどうするのということで交通局の幹部の皆さんに聞いたら,この施設は交通局のためにつくるのではないという庁内の論議があって,いつもそこが壁になるのだということでしたから,私もそれをずっと言っている。先ほどの管理者の話によると,企画調整局も街づくりの一環だと言っているということを聞いたから,もしそれが本当だとしたら相当に時代が変わったなという感じがします。  要は,公共施設との関係,あるいは,それら施設だけではなく,イベントや何を含めてもいいのですが,地下鉄の財政赤字という問題で,お客さんをふやさなければならないということが全庁的なテーマになっていないということです。先ほど管理者も市長に言ったと言っていたけれども,これはもっともっとPRしなければならない。これは,本当になかなかわかってもらえなくて苦労されている経過は十分承知しています。しかし,これは言い続けなければならない。公共施設の関係がなさ過ぎる。昔,大長さんだったと思うけれども,前の助役に言ったら,そうですかと首を傾げていました。そういう認識がないのです。だから,この計画だって,いいか悪いかは別にして,すごく苦労してつくられたけれども,これがどこまで全庁的な位置づけになっているかというのは,私はこの種のプランのときいつもそう思うのですが,必ずしも全庁的なものになっていないのではないかなという感じがします。  ですから,お客さんの数をふやすということについては,そういったことになお意を用いてほしい。きょうは助役がいないけれども,助役にもまた改めて言わなくてはならないと思います。ほかの方では何回かやりましたが,そういう努力を引き続きお願いするしかないなということです。  それから,先ほど藤原委員が言われた経営会議です。管理者から,先ほど来,るるお話をいただいていますが,リーダーシップはリーダーシップでいいですけれども,優秀な部長だし,あるいは職員もたくさんおられるわけだから,本当に交通局が一丸となってということであれば,それぞれの持ち分でのそれぞれのお力が十分発揮できるように,管理者は,ご苦労されてここまでつくられたのだから,もうコンダクターでいいのではないかと私は思います。あとは,本当に,それぞれの部長,課長たちの力で,優秀な人たちばかりですから,ぜひひとつ,最大限に力を発揮できるような交通局運営になるように,この経営会議がいい雰囲気で運営されていくように要望して,終わります。 ○堀川素人 副委員長  僕は,今のやりとりを聞いて何とも理解ができなかったのは,普通,規制の中に身を置くということは嫌なことなのではないかなと。その規制の中に身を置いて,そこで何かを得なければ,そこには行かない。そこにわざわざ入っていく利益は何なのか,これがどうしても理解できないのです。先ほど言われた助言というのは,大したことがないというか,単なる助言程度のものであれば,そんなものは要らないではないかと思う。なぜ,年に2回の報告書を出すのか。そこまでして,何もないならばそこの枠に入る必要がない。だから,入るということは何かがあるのだと思うのです。やはり,このことを明らかにしなければだめではないかなと思います。  これは,一般会計からの支援を楽にすることなのか,緩和債のことなのか,それから,後々,例えば市民債みたいなものを発行して,それで今までの金利を安くする中で便宜を図ってもらえる可能性があるとか,何かがあると僕は思うのです。幾ら何でも,利益のないところにわざわざ規制だけを求めて入るということはあり得ないと思うので,そこについての答えが欲しい。  それから,さっき最後通牒というような,長内委員の言葉で言えば最後通告,これはどういう意味を持った最後通告なのか,これを明らかにしてほしいと思います。 ◎黒田 交通事業管理者  1点目の規制の中にあえて身を置くという意味合いであります。  本当に積極的メリットがあるかどうかとなりますと,メリットは少ない,ないに等しいということになるかもしれません。ただ,今回の新しい制度の目的は,各自治体で一般会計からの支援を含め,いろいろな健全策をやってきているだろう,しかし,それで本当に健全になるのかどうか,何回もつぶれているだろうと。今回,国が新たな出資債の発行の問題も含めて枠組みを設けるし,そういったことの前提の中で,不良債務も一掃しなければならない,営業損益を5%以上改善しなければならないという幾つかの条件をつけて,それをそれぞれの地下鉄の事業者と一般会計ときちんとその内容をオーソライズして,10カ年で健全化になるような自助努力を,言葉をかえて言えば,国にいかに約束するのか。国は,そういうことが出てくれば,一つのルールとして,起債の許可も含めて一定の措置をしようではないかと。ですから,各都市でやる健全化の動きそのものを,国の制度を使いながら,ある意味では約束をしていく。そういった意味では,言葉をかえれば最後通告と。それぞれの自治体は何としてもそれをやり遂げなければだめだぞという位置づけになるのかなと思っております。 ○堀川素人 副委員長  それでも,意味がわかりません。  今の答えから言うならば,国が監視をするからできるので,みずからできないということをみずから言っていることになるではないですか。5%,経営を改善するということをやらなければできないのだと国から言われて,そうですねというなら,みずからやればいいではないですか,国の枠組みに入る必要がないではないですか。  それで,最後通告というのは,今,僕が聞いたのは,これができなければ国はどうすると言っているのですかということなのです。この地下鉄をもうやめなさいということなのか,国は仕方ないから支援に乗り出しますと言っているのか,どちらなのですか。 ◎黒田 交通事業管理者  国の制度をちょっとこちらに置いておきまして,改革プランが平成18年度でなくなるという問題も含めて,交通局として自主的に10カ年計画で健全化をしていこうと,こういう形で去年の春から相当に時間をかけて内部努力をして議論をやってきました。そして,それと並行して12月末に経営健全化の新しいルールづくりというものが出てきた。その問題を,国の制度をあっちに置いておいて,では,交通局のつくった素案を札幌市トータルとして位置づけて,そのまま自主的に札幌市独自でやっていくかということを,その形で進むかという議論は改革会議で相当議論をいたしました。最終的に,何度も何度も健全化,健全化という形で計画を塗りかえるのではなくて,10カ年できちんと健全化になる目安をつけるような事柄を市民の前にも出しましょうということも含めて,決意を固くして,そして,国の指導という問題はあるにせよ,出資債という新たな資金繰りの問題も出てくるわけですから,それにのった形でやっていく。それは,今,その改革会議の中でも,単純に申請はするけれども,それをもう少し早める中でもっと健全化を先どりをしながら実質的に導入しながらやっていこうではないかと。  ですから,こんなことを言って怒られるかもしれないですけれども,国にどうこう言われるようなことは札幌は生じないだろう,こう思っています。といいますのは,ほかの都市では乗客の収入増なり広告費も増でみんな出しているのです。総務省も,ヒアリングで,本当に大丈夫なのかということを懸念するぐらいです。札幌市は,きちんと経営健全化対策で国へ出しながら,実行計画として経営10カ年計画を導入してやっていくことによって,きちんとお約束した健全化に向けて着実に一歩でも早めてやっていくということでありまして,そういった形で逆に制度を利用しながら先に進めていくというふうにご理解をいただければありがたいと思います。 ○堀川素人 副委員長  最後にしますけれども,正直に言いまして,今の説明でもわかりません。  その制度を利用するというのは,利用のメリットは何なのかということがなければ,国の規制があって,我々は緊張してやらなければならないと,せいぜいそのことだとするならば,緊張してやることについては今のこの計画をきちんと遂行する中でできる,国の関与はない方がいいと僕は思うのです。  なぜそう言うかといえば,例えば今の金利の表にも出ていましたけれども,二百何億円のお金を払う,あれは今の金利からいくならば,ほぼ半分になるではないですか。それを自由にさせないでいて,地下鉄の経営のことを心配していますなんて,国は自分の都合は自分の都合であれをする,お金も出さないで口だけは出す。でも,僕は,こんなことに乗る札幌市の交通局ではないですし,黒田さんではないと思っているのです,何かあるからだと思うのですよ。その何かを明らかにして,国の規制の中に入ってこういうことをやりますと,ここまで言わなかったら市民は納得をしないと僕は思います。  これは,当たり前のことではないですか。ここの部分をきちんと言うこと,市民に説明責任を果たす,そこまで言わなければ説明責任を果たしたことにならない。でも,今のこの取り組みについては,僕は極めてまじめにつくられていると評価をしています。今までと違って,数字を合わせるために売り上げを上げるようにしてつくっていない。これまでやっているもので乖離が一番大きいのは利用者の数ではないですか。実際に職員の数とかなんとかいうのは節減してやっている。ところが,数字を合わせるために利用者の数をふやして,一番先は健全計画,回復計画というものをつくってやってきて,すぐに乖離が出るようなことをやってきた。そういうものから見たら,僕はこれは非常にまじめだと思う。  でも,今,せっかくここまでやるならば,なぜ国の規制の中に入るのかということをきちんと明らかにしなければ,我々の職務も果たせないということを言って,終わります。 ○五十嵐徳美 委員長  ほかにございませんか。
     (「なし」と呼ぶ者あり) ○五十嵐徳美 委員長  なければ,質疑を終了いたします。  ここで,理事者から札幌市交通局の行動宣言について報告したい旨の申し出がありますので,これを認めます。 ◎黒田 交通事業管理者  これから説明する話は,昨年,いろいろ不祥事も起きまして,意識改革で何をどうやってやるかということで,やはり,お客様に守れることを確実に,着実にやっていこうではないかということで,全員参加できちんと市民にお約束をしようではないかと,そういった行動宣言をつくろうではないかということで相当議論を積み重ねて,今回まとまり,4月1日よりスタートしたいという中身であります。  もう少し詳しく,総務課長の方から説明をさせます。 ◎櫻井 総務課長  お手元の資料の中で,最後に表裏1枚の紙を用意いたしました。  表側は,札幌市交通局の行動宣言ということで,今回,交通局の内部でつくり上げたものでございます。裏面の方で,その背景なり趣旨,また策定の経過,今後の周知,広報の概要について述べております。  裏面の方から簡単にお話しさせていただきたいと思います。  まず,背景の関係ですけれども,行動宣言をつくるに至った背景としまして3点を挙げております。一つ目としては,今,管理者からもお話がありましたように,平成15年に不祥事が続いたということで,利用者の信頼が損なわれていたこと,それから,市バス廃止,路面電車の存廃判断,他都市においては民営化議論が起きていることから,非常に厳しい経営状況が続いていること,それから,今後においてはバス事業が廃止になるということで,地下鉄を中心とした2事業の体制に変わるということで,大きく転換するという転機を迎えているきっかけであるということが挙げられます。  このような背景の中で,交通局が安全,安心,確実な市民の足という使命を引き続き果たしていくためにはお客様の信頼が不可欠でありまして,職員の意識改革を進める決意を込めまして,全職員が参加して10の約束をつくり上げ,これを札幌市交通局の行動宣言ということでお客様に公表していくこととしたものであります。  これを公表しようとした考えの中では,まず,職員の側の自覚としまして,最も必要なことはお客様本位のサービス提供をしていく意識,それから,業務遂行に当たっては基本動作を徹底していくという意識が必要だということであります。こうした自覚を個人的にも強く持つと同時に,お客様にもチェックしていただくことにより,さらに強く意識改革を促していこうと考えました。また,これをきっかけに,より多くのお客様の方から意見をいただき,これを業務に反映させていく契機にもしたいと考えております。  策定の経過としましては,2003年10月,この行動宣言の策定自体が意識改革運動と直結するということ,それから,策定がなぜ必要なのかということを職員に周知し,動機づけを行うとともに,現場を中心にして,係長以下,各職域代表,若手の連中を18名集めましてプロジェクトを結成いたしました。全職員の参加ということで難しいお題をちょうだいしておりまして,交通局のほとんどが変則職場であるということから,全員がなかなか一堂に会して会議をやったり討議をやったりすることはできない事情がありまして,アンケートによってそれぞれの方に参加していただこうということを計画いたしました。  12月に2回のアンケートを行いまして,1回目のアンケートでは,まず簡単なところから,職員一人一人がお客様に約束できる最も大切なキーワードは何だろうかということでアンケートを行いました。この問いかけに対しましては,安全,安心,便利,快適,親切,思いやり,サービスというのが上位に来ました。後からご説明しますけれども,このキーワードを中心にしてこの形ができているものでございます。今度は,それをもとに,2回目のアンケートによって,上位キーワードを使った文章を考えてもらう試みをいたしました。この中では,1回目のアンケートの参加人員89.1%,2回目は72.5%ということで,文章を考えるのは少し難しかったのかなというところですが,これは非常勤も入れた数でやっておりますので,正職員についてはほとんど全員の方が参加をして積み上げてきたものであります。  それをプロジェクトの方で分類,整理し,職員の意識を10の約束ということでまとめ上げました。これで試案をつくりまして,職場にフィードバックし,最終的には2月23日の経営会議の中で決定するという過程をたどったものでございます。  表面に行きまして,今回の行動宣言につきましては,経営の姿勢とお客様への約束という2点ででき上がっております。  経営の姿勢につきましては,効率的な事業運営を行い,公共交通ネットワークの中核として,市民の足を守るという社会的使命を果たしますということで,非常にシンプルな中身にしました。職員の側から,現場の個々の職員を中心にして一から積み上げてきたお客様への約束ということを三つのジャンルに分けまして,先ほど申し上げたキーワードから,「安全で安心な運行をお約束します」を第1の文章にしました。この中では,「乗り心地の良いスムーズな運転を心掛けます」「安全確認は,きびきびとした態度で指差呼称します」「車両や施設の小さな異常も見逃さず,確実な点検・整備に努めます」ということを安全,安心というキーワードに盛り込みました。  2番目の「便利で快適なお時間をお約束します」というところでは,「お客様の時間を大切にし,定時運行に努めます」「正確で聞き取りやすい車内アナウンスを行います」「駅や車内をきれいに保ちます」を2番目にいたしました。  3番目としまして,「親切で思いやりあふれるサービスをお約束します」と。この中では,「あいさつを大切にし,お困りの方には進んで声を掛けます」「ていねいに分かりやすくスピーディーにご案内します」「清潔な身だしなみで礼儀正しく接します」「お客様の声に耳を傾けます」の3ジャンルで10の約束という形にさせていただきました。  皆様もごらんになったらわかるように,これは当たり前のことではないのかとか,ちょっと表現がつたないなという部分があろうかと思います。けれども,これは,現場の職員の声を一から積み上げて,10の約束として結実させたものですので,その辺はひとつ大目に見ていただきたいと思います。問題となりますのは,これから全職員が一丸となってこういったスローガンを掲げながらやっていくことだと考えておりますので,ご理解をお願いいたします。  今後につきましては,地下鉄の車内に張るとか,各駅のお客様から見えるところにパネルとして張って,お客様にもそれを見ていただきながら,私たちも心を一つにして頑張ってまいりたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。 ○五十嵐徳美 委員長  この件に関して,質問はございませんか。 ◆小谷俵藏 委員  結構なことだと思うのです。これは,交通局職員のアンケートの結果で,当然,こういう答えが返ってくることは想像できますし,いいことだと思うのです。  先ほど,芦原委員から質問がありましたが,やはり。営業ということをどんどんやっていかなければ,売り上げで自分の給料が出ているのだ,売り上げが落ちれば給料が出ないのだと,幾ら公であっても企業という前提に立って,いかに売り上げを伸ばすか。  かつて,今から12年ぐらい前であったかと思いますが,市の職員の方が,ウィズユーカードを10枚,20枚とさばかなければならないのだと言って,わざわざ足まめに歩かれてさばいていた姿を思い起こしました。そのとき,個人であれ企業あれ,どこでも歩いていたと思います。そういう姿勢でこれからどんどん行って,交通局の職員は頑張っているなと思われる努力も一生懸命にやっていただきたい。  これは答弁は要りません。要望を申し上げておきたいと思います。 ○五十嵐徳美 委員長  ほかにございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○五十嵐徳美 委員長  なければ,質問を終了いたします。  以上をもちまして,委員会を閉会いたします。     ──────────────       閉 会 午後0時27分...