本市の
DV対策は,全国的にも評価されております。昨年,
総務委員会でも他の
自治体へ調査に行き――堺市で,取り組みについて伺ったところ,本市の方が先進的だというようなことも言われました。
そのような情報を――
正式ルートでは連絡がないということなのでしょうけれども,あらゆる角度から収集し,なおかつ前向きに――やはりこの間,本市が政策を充実,展開してきたように,今後もさらに推し進めていただきたいと要望しておきます。
そこで,陳情の項目が4点ほどあるのですが,そのうちの1,2,3の項目などは,ある意味では
法整備がなされれば,本市も非常に取り組みやすくなると思います。独自にはなかなか難しい面があるかもしれません。
ただ,4点目の
財政的支援については,現在150万円の補助を行っている実態もあるわけです。限られた予算になると思いますが,この点については,裁量の中で充実を図っていけるのではないかと思うのですが,どのように考えているのか,お伺いします。
◎千葉
男女共同参画推進室長 民間シェルターへの助成については,平成11年度から
補助金を交付しております。このほか,
民間シェルターの
皆さんには,
男女共同参画センターにおける
人権相談員や,あるいは,
DV防止にかかわる
講演会の講師をお願いしております。今後の
支援については――私どもも,
シェルターの
皆さんが非常に厳しい状況の中で運営されているということは認識しておりますので,
補助金を含め,どのような
支援ができるのか,今後も検討していきたいと考えております。
◆
藤川雅司 委員 これからの
予算特別委員会等での議論もあると思いますが,ぜひ充実という方向で前向きに取り組んでいただきたいと要望します。
最後に,きのうの
総務委員会でも若干議論になりましたし,今のお話にもありましたが,居場所を知られたくないということで,
住民基本台帳の閲覧の
公開性が,ある意味では,
DV被害者にとっては大きな壁というか,次の生活をする上での障害になっているのです。
住民基本台帳条例を制定する中でこの件についても,当然,検討されるのではないかと思いますがどのように考えているのか,お伺いします。
◎高本
市民局長 DV被害者保護という観点からの
住民基本台帳の閲覧についてですけれども,ご承知のとおり,現在,
住民基本台帳法では,正当な理由がある場合は公開するということが原則になっております。この問題がだんだん深刻になるにつれて,一部の
自治体では独自に閲覧を制限するような動きもあります。そのような動きを受けながら,現在,
総務省でも
研究会をつくり
ガイドラインを作成中です。本市は,新年度に
住民基本台帳条例の策定を検討する考えですので,国の
ガイドラインの動きなども見ながら,可能であれば,新たな条例に盛り込んでいきたいと考えております。
◆
藤川雅司 委員 DVの問題は,さまざまな角度で
支援したり,そのような
自立支援を行っていく必要があると思います。もちろん経済的な面もそうですし,
ソフト面での相談もそうです。自立した以降のいわゆる住まいの安全というか――総合的な施策を展開していただけるよう要望しておきます。
◆
小田信孝 委員 まず
陳情者は,
政令指定都市である本市が
自立支援に重点を置いた
DVサポートセンター,
自立支援センターを設置すべきであると述べております。
これまで,例えば,
精神保健福祉センターについては従来は
都道府県で設置しておりましたが,
政令指定都市でも設置できることになり,平成9年から本市の
保健所の中に
精神保健福祉センターを開設し,成果を上げております。いよいよ平成16年度に,合築ということで,新しい
保健所と,
精神保健福祉センター,それから
地域福祉生活支援センターができ上がります。
そのような計画もありますので,今後の推移を見守らなければならないと思いますけれども,西区に
北海道女性相談援助センターがありますが,本市も
政令指定都市としてこのような施設を設置できるようになっていく傾向にあるのではないかと私はとらえておりますが,その辺の動向を把握した現時点ではどのように認識しているのか,お伺いします。
それから,
北海道女性相談援助センターについてですが,そこで一時預かりした後の退所後の
支援の
あり方については,恐らく,本市に相当依存していると思います。具体的に言うと,
民生委員の
お世話になったり,あるいは,
学校関係ではPTAの
お世話になったり――具体的な現場ではやはり本市の
マンパワーに頼らざるを得ない実態だと思いますので,これは大変大きな課題なのです。
きょうは,
市民局が担当ということで出席されているわけですけれども,今後,この問題についてきちんと体制を整えていくということになれば,
保健福祉局などいろいろな部局と連携しなければならないということも十分に考えられます。そこで,
北海道女性相談援助センターや
本市各局との横の連携についてどのように考えているのか,お伺いします。
それから,
陳情者に質問したところ,当面は,自立のために
生活保護に頼らざるを得ないということでした。6割の方がやはり
生活保護に依存せざるを得ないということですので,DVに絡む
生活保護の今後の対応をもう少し充実していかなければならないと思います。担当は別の局なので,その辺に対する
市民局からの今後の連携の
あり方について,どのように決意しているのか,お伺いします。
◎千葉
男女共同参画推進室長 本市独自の
支援センター設置の見解についてですが,
配偶者暴力防止法の規定により,
自立支援の役割は,一義的には
都道府県の
支援センターで行うこととされており,現在,
北海道女性相談援助センターがその役割を担っております。その中で,一時
保護を初め,必要に応じてその後の
自立支援を行っているところです。したがって,本市独自の
支援センターの設置については,
法改正の内容を見きわめた上で考えていきたいと思います。
それから,
生活保護を含めた
自立支援についての横の連携についてですが,
生活保護に関しての
担当部局である
保健福祉局の
保護指導課とも,対応の
あり方については意見交換したり
情報交換も行っておりますので,今後と
もより連携を密にしていきたいと考えております。
◎中野
男女共同参画課長 北海道女性相談援助センターを退所した後の状況についてですが,平成14年度の160名を対象にした退所後の状況は,自宅に戻る方が28.1%,
生活保護を受給する方が32.5%という状況になっております。それから,この
センターは
自立部門も持っており,そちらに入所した方は2.5%,就労,自営により自立した方もいるのですが,非常に少なく1.3%となっております。
次に,このような機関との連携についてですが,
精神保健福祉センターや
北海道女性相談援助センターについても,平成9年に本市が設置した女性への
暴力対策関係機関会議というものに当初から参加いただいて,
被害者の
保護の
あり方や,どのように救済すればいいのかということについて,情報を共有ながら施策をいろいろ協議しつつ取り組んでいるところです。今後とも,この会議を有効に活用しながら,相互の連携を図っていきたいと考えております。
◆
小田信孝 委員 陳情者は,本市できちんと女性と子どもの
自立支援センターを設置してほしいと言っているのです。これについては,
市民局だけではなく,他の部局――子供については
教育委員会も関係してきます。そのような面では,この問題については相当広範囲に体制を整えていかなければならないのではないかと思います。
ぜひ総合的に,きょうの陳情にあるような体制を整えていくための手だてを,全庁的に――やはり,そのような時期に来ていると思いますので,その辺の考えをきちんとまとめていただいて,速やかに体制を整えていただきたいと思います。
それからもう一つは,要旨の4番目の
支援策についてです。やはり,
NPOは大変なのです。どの
NPOも大変ですけれども,まさに「女のスペース・おん」という団体は,10年間頑張ってきたという経過もきょうは十分に認識できましたので,
NPOに対する
支援策の充実も,今後,
市民局だけではなくて,本市全体として
充実策,体制を総合的に強化していただきたいと要望します。
◆
飯坂宗子 委員 DV被害者が暴力を振るう夫から逃れて,一時的に
緊急保護施設に駆け込むわけです。
民間施設の数字は
先ほど陳情者から聞きましたので,本市の母子緊急一時
保護について伺います。これについては,1999年度から2003年度まで5年間で82件の
保護実績があります。原則2週間の入所ですが,事情によってはその期間を超えた入所もあると思います。
その後,一時
保護施設を退所するわけですが,その退所理由についての情報もいただきました。これを見ると,自宅に戻る――暴力を振るわれて逃げてきたけれども,もとの自宅に戻るというケースが29%です。
先ほどの近藤さんのお話によると,民間の施設では1割ということでしたから,本市の一時
保護の場合は3倍です。3割近くが暴力を振るった夫のところに戻っているわけです。それから,離婚を予定して
生活保護を受けるという方が26%です。これは,
民間施設では6割を超えるということでしたから半分以下という状況なのです。この退所理由は――直接的には
保健福祉局が調査していて,そこから出していただいた数字だと思うのですが――
DV防止法に絡んで,直接,施策を進めている
皆さんとしては,この数字をどのように認識しているのか,お伺いします。
それから,4点の
具体的要望が
陳情者から出されました。
1点目は,市として
自立支援センターを設置してほしいということでしたが,近藤さんは建物を建ててほしいという言い方はしませんでした。そのような機能を現在の
男女共同参画センターの一画にでも盛り込んでいただけないかとおっしゃられましたので,
現行法のもとで――あるいはこれから
法改正も予定されているのですが,そのようなことも想定しながら――現在ある
男女共同参画センターの一画に,このような
支援機能を持たせることが可能なのかどうか,お伺いします。
それから,2点目は,無利子・無保証・無担保の
自立支援基金制度の創設を
陳情者は望んでおります。四つの
要望項目の中でどれが一番大事かとほかの
委員が尋ねたところ,やはり
経済的支援が一番緊急かつ重要であると
陳情者はおっしゃっておりました。これは貸し付けですから,返さなくてはいけないと思うのですが,自立するための当座のお金を,もっと借りやすくしてほしいということだと思うのです。
この点について――これも
市民局がやりますとはなかなか言えない項目で,
経済局の所管なのかもしれませんが――どのように考えているのか,お伺いします。
それから,3点目の
ステップハウス事業についても具体的な提案がありました。これについては,どのように考えているのか,お伺いします。
4点目の
民間サポートグループに対する
財政支援措置についてですが,これは,1999年から
年ごとに50万円,50万円,100万円,100万円,現在は150万円の補助と,徐々には上がってきております。しかし,
先ほど500万円程度は必要だということでした。
そこで,この
財政措置というものは,議会との関係,あるいは市長への
予算要求との関係で言うと,項目を挙げて行うものなのか,それとも
市民局内部で幾らを充てるということになるのか。私は後者の範疇ではないかと思うのですけれども,
予算措置の方法について,お伺いします。
◎千葉
男女共同参画推進室長 退所の件数についての認識ですけれども,
委員お話しの
件数等については,私は詳しく把握しておりません。また,退所理由についての資料も持ち合わせておりませんが,
被害者がそれぞれの事情や経過がある中で判断した結果だろうと考えております。
次に,4点の陳情の
要望項目についてです。
1点目の本市独自の
自立支援センターの設置についてですが,
現行法では
支援センターの機能を果たすことができるのは
都道府県が設置する施設に限られており,
市町村の施設は
配偶者暴力相談支援センターとしての機能を有することができないことになっております。機能には,
施設面や
ソフト面も入っておりますけれども,法律ではそのような規定になっております。したがって,現在,道立の
支援センターでは一時
保護を初め,必要に応じてのその後の
自立支援も行っているということですので,この件については
法改正の状況などを見きわめていきたいと思っております。
2点目の
被害者のための
自立支援基金制度の創設についてですが,
被害者が一時
保護施設を出て自立生活するに当たっては,現在,
被害者のみを対象とした
貸付制度はありませんけれども,
生活保護制度を初め,母子・
寡婦福祉資金や,
生活福祉資金などの
貸付制度もありますので,
自立支援基金制度の創設については,これらの
貸付制度との
整合性や本市の
財政状況,また
北海道との
役割分担といった総合的に検討しなければならない課題が多々ありますので,現在のところは難しいのではないかと考えております。
3点目の
ステップハウス事業の整備についてですが,こうした施設においては,自立に向けた相談や指導,それから
被害者の安全を確保するための体制など,
施設整備を初めとして,人的な確保や
財政面での対応――また,これも
北海道との
役割分担ということも関連してきますので,これについても
法改正の内容や他
自治体の動向を見きわめていきたいと考えております。
それから,
民間シェルターへの
補助金についてですが,
補助金を含めてどのような
支援ができるのか,検討したいと思います。
補助金については,基本的には
市民局内部での検討により対応しております。
◆
飯坂宗子 委員 退所理由は詳しくは分析していないけれども,
被害者が経過の中で判断したことだという答弁でした。
DV防止法というものは――もともと家庭内の問題だということでなかなか社会的な問題にならなくて,
被害者が泣き寝入りしている状況が長くあったわけです。これが,ようやく
議員立法で,国も不十分ながらも法律をつくったのが3年前で,今回,
見直しを行っているというわけです。社会問題になって,女性の人権を守る立場からようやく法律ができたというものなのです。
それでも,潜在的な
被害者はたくさんいると思うのですけれども,そのような中で本当に耐えられないということで飛び出してきている方が圧倒的に多いと私は思うのです。いまだに我慢して暴力に甘んじている方もいると思うのです。そのような方が3割ももとに戻ってしまうという背景には――深く分析しなければわからないということですが――やはり,飛び出してきたのはいいけれども,経済的に自立できないということが大きな背景としてあるのではないかと思うのです。別に,離婚を促進すべきと言っているわけではありませんが,本当に純粋に自分の判断で決めるというよりは,やはり,経済的に自立できないことが大きなネックになっているのではないかと私は思います。そのような中で,
民間施設の場合はそれが1割ということは,
シェルターにいる間に本人との話し合いがよくなされているのだと逆に思いました。
それから,
生活保護制度は,国の制度ではありますが,本市が窓口を設けて,
DV被害者に限らず,生活困難な方は憲法第25条に基づいて
生活保護を受けられるということになっているわけです。それにもかかわらず,
民間シェルターを退所する方は,当座,
生活保護に頼らざるを得ないということで,6割を超えて自立の道を探っていくということで出発しているのですが,本市の施設の場合は26%しかいないのです。逆に言うと,余りにも低いのではないか――そのような制度を活用してでも
母子ともに新しく生きていきなさいという
サポートがされていないのではないかと私は思いました。
陳情者は,退所した後,やはり自立していけるようにいろいろな意味で
サポートが必要だということを10年間の経験の中からおっしゃられました。今の答弁では,最後の4点目だけは――150万円から増額することについては――
市民局内で検討すべきことなので検討するということでした。これはぜひ増額できるように検討してください。1,2,3番目の項目については,いずれも
法改正の内容を踏まえてという話でした。
そこで,
法改正を待って,それから新しい法律のもとで本市は何をするのかと考えるのではなくて,この
法改正に当たって,本市として,
男女共同参画推進室として,あるいは
市民局としてでもいいですが,現在の法律にはこのような欠陥があるので,このように改善してほしいという働きかけを行うことが必要ではないかと思うのです。
陳情者は,自身の経験,あるいは実際に
法改正に携わっているということで,かなりリアルな話をされましたが,本市の
男女共同参画推進室として,
現行法上の不備,あるいは,こう改善すべきではないのか――こう改善されれば本市としてももっと
自立支援を行いやすいという考えがあってしかるべきだと思います。
法改正に向けて,どのような動きをしようと考えているのか,どのような見解を持っているのか,お伺いします。
◎千葉
男女共同参画推進室長 現行の
DV防止法における
自立支援の規定としては,
支援センターの業務の一つに,
被害者が自立して生活することを促進するための
情報提供,その他の援助ということが掲げられております。その他の
自立支援の内容については特に明確にされておりません。したがって,
担当機関の連携や協力などが円滑に,そして有効に行われるためには,例えば,法律において
都道府県や
市町村の責務,役割を明確に規定することが必要ではないかと考えております。
◆
飯坂宗子 委員 もう少し具体的にお願いします。
◎千葉
男女共同参画推進室長 法律で明確に規定すべきだということを申し上げた一つの例としては,本市が独自に
支援センターを設置するにしても,
被害者に
保護命令を出すときに,どこに援助を求めて,どのような相談を行ったのか,どのような
保護を行ったのかということを――
裏書きと言っておりますけれども――そのようなことを記入しなければならないことになっております。その
裏書きができるのは,
現行法では
都道府県の
支援センターの職員と
警察職員に限られており,市で
被害者から
保護命令についての相談を受けた場合,
市職員に相談した,
保護を求めたということを書いても,それは書類の不備として受け付けられないことになります。その場合,例えば
公証人役場の
宣誓供述書を添付することや,再度,警察官や
都道府県の職員に相談しなければならないことになっておりますので,本市が
支援センターとしての業務をもし行ったとしても,法律に規定されているような機能は発揮できないことから,
法改正が必要だろうと考えているものです。
◆
飯坂宗子 委員 現行法の限界と,やはり市が関与していくためにはそのような
法改正が必要だということが一つ,具体的に示されました。
きょうは
自立支援に絞って質問しておりますけれども,
DV防止法自体,いろいろな不備があるわけで,具体的な本市の事例に照らしても今言ったような問題もあるということですから,ぜひ国に内容の具体的な
改正要望をしていただきたいと思います。
それから,陳情の項目を実現させていくためにも,
自立支援機能を本市に持たせるためには――例えば,1番目の
男女共同参画センターの中に
自立支援の機能を持たせようと思っても,法的に位置づけられないからだめだということでした。そうであれば,そのような機能を充実させるためにも,
都道府県だけではなくて,
市町村――せめて
政令指定都市にはそのような権限を持たせるように
法改正を求めていくことが必要だと思うのですが,その点についての見解をお伺いします。
◎千葉
男女共同参画推進室長 先ほど申し上げた内閣府の
男女共同参画会議の中に,
法改正のための
施策状況調査を行う
専門部会が設けられており,今回の
見直しに関する論点ということで,当面の課題――それはもう早急に法律を改正すべきだろうということ――と,中期的な課題――改正の
必要性は認められるけれども,時間的な制約もあって今回は無理ではないか――ということ,長期的な課題ということで,将来にわたって研究,検討すべき事柄ということで,いろいろ整理しております。そのような中で,
都道府県レベルにヒアリングを行ったということも聞いておりますが,それらの経過を考えると,
改正法には
市町村がもっと
自立支援に向けての機能を発揮できるような項目というか,
役割分担的なことが明記されてくるのではないかとも考えられますので,そのような意味からも,やはり
法改正を見きわめた上で検討していきたいと思います。
◆
飯坂宗子 委員 法改正の動きがあるということは承知しております。そして,
現行法で不十分な点もあるということも
共通認識だと思うのです。問題は,
法改正されるのを待って,
改正法の中で何ができるかと考える――これは,結果としてはそうなるとは思うのです。
しかし,現在,いろいろ不十分な点があるわけですから,本市としても,このような点でこう改正してほしいという声を上げていくべきではないかと私は思うのですがいかがか,再度お伺いします。
◎高本
市民局長 この法律については,平成13年4月に
議員立法により制定されて,附則で3年後の
見直しということが明記されました。そして,今まさに,これまでの3年間の経過を踏まえて
問題点を整理しながら改正していこうという状況にあります。
先日,
北海道女性相談援助センターを訪問しました。そして,所長や
指導員とも直接会って,
相談内容や一時
保護の状況――3階には
自立支援センターもありますから,そのようなことも実際に詳しく見て話しをうかがい,また,入所する場合の具体的な状況もいろいろ聞いて,確かにとても深刻な問題だと改めて感じました。
そのような中で,現在,
北海道女性相談援助センターでは一時
保護と
自立支援という部門を持っており,訪問したときには,
自立支援については10室のうち4名しか入所していないという状況でした。その要因について尋ねると,入所者のいろいろな事情で,すぐ退所したいという方が多いということでした。それは,集団生活の問題など――確かにケース・バイ・ケースで実際に聞いてみなければわからないと感じました。
そこで,
法改正の中で本市としてどのようなことを具体的に要望するのかということについてですが,本市では,
暴力対策関係機関会議においていろいろ議論してきており,その中で具体的な
問題点なども出されております。
陳情者の近藤さんは,そのようなヒアリングなども受けているということです。近藤さんとも連携をとりながら今まで取り組んできたと伺っております。ですから,本市の
問題点などについては,現在,参議院の立法過程の中でも反映されているものと考えております。
◆
飯坂宗子 委員 民間が,行政に先んじて,待ったなしの
DV被害者の救済活動に取り組んできたわけです。そして,そのような世論背景の中で,ようやく
DV防止法もできたわけです。
局長の話を聞いていると,結局,近藤さんが頑張っているから,近藤さんが言っているのだからということで――要するに民間依存型から一歩も出ていないわけです。差し迫って手を差し伸べなければならないからということで民間が努力している,そこに必要な助成金を出す――現実にそうなっているのですから,これはこれで必要なことだと私は思うのです。
けれども,男女共同参画に関する条例も,計画もつくった本市が,みずからの課題として本市の
DV被害者の実態をきちんと把握して,現在,何が不足しているのか,何がネックになっているのか――それが法に縛られているために解決できないということであれば,それを突破するためにこのような改正を行ってほしいと言わなければ――待ちの姿勢では変わっていかないと思うのです。そのことを厳しく指摘して,質問を終わります。
◆小林郁子
委員 夫,あるいは恋人という場合もありますけれども,近い関係にある男性からの暴力に関する相談や一時
保護というものは,さまざまな取り組みを進めれば進めるほどふえてくるのです。そのような意味では,子供の虐待もそうですけれども,本当に大きな社会問題になっているわけです。
いただいた資料でも,
北海道では唯一の専門機関である
北海道女性相談援助センターも,現状は4年前と比べて,相談件数だけでも4倍程度になっております。それから,一時
保護についても2.5倍程度,そしてまた,
陳情者が努力されている民間の
シェルターについても,相談だけでも4年前と比べるとやはり4倍程度にふえているのです。
そのような中で,夫のもとから逃げてくるのに――用意周到に準備してくる人は余り援助が要らないのかもしれませんけれども,そのような人は余りいないと思うのです。やはり,夫が不在のわずかなすきをみて子供を連れて出てくることもあります。そのような実態の中で,出てきたはいいけれども,生きていくためにどうするか――そのときには,身体的にも傷ついている,精神的,心理的にも傷ついている,そして,経済的には困っている,子供もケアが必要な状態ということであれば,多面的な
支援の体制が必要になるということがこの問題の特徴だと思うのです。
そのような中で,近年,いろいろ努力されてきて,一時
保護については,本市を見た限りでは整いつつあるかと思います。やはり,これからは,相談機能も含めて,
自立支援の
必要性が大きいのだということが
先ほどから議論されていると思うのです。
今回の
法改正でも,陳情にある
自立支援センターやステップハウスというものも含めた
自立支援ということが大きな焦点になっておりますけれども,なかなか今すぐの取り組みというものは――先を見てからでなければ難しいのだという
先ほどからの答弁です。そこで,本市が独自の努力でこれからも取り組んでいけることについて質問します。
まず,一時
保護から自立に向けてということでは,相談援助機能を充実させることについて,心身の状態が傷ついている,健康を回復しなければならないという意味では病院も紹介しなければならない,また,カウンセリングもしなければならない。それから,夫との関係を整理するためには,公的ないろいろな手続の指導をしなければならない。あるいは,経済的には生活費の
サポートも必要です。このようなことを一人で行うことはとても無理です。ですから,相談を受けたときに,相談だけで終わるのではなくて――ここに行ってくださいと言うだけではなくて――みずから
サポートする,あるいは関係機関とコーディネートするような機能がこれからは非常に求められてくるのではないかと思うのです。
現在,本市の母子寡婦福祉
センターの中にある緊急の一時
保護施設については,その
センターの中にあるからこそ,そのような機能がある程度果たされているのかと思うのです。けれども,現在,多くの相談を受ける中で,そこにいる方々だけというわけにはいかないのです。ですから,専門的なコーディネートができるような人材を初めとする機能を確保していく必要があると考えるのですが,どのように認識しているのか,お伺いします。
それから,これまで見過ごされてきたと思うのですけれども,
法改正の今回の一つの焦点になっている障がいのある方の援助についてです。
これは,DPIの関係者も言っているのですが,やはり,障がいのある方は被害に遭いやすいということがあります。目が悪い,あるいは耳が悪いということで,掃除の仕方が悪いと夫に怒られるということもあるようです。このような障がいのある方は,どうしても,自分が悪いから怒られる――暴力に遭うのだと思いがちですが,一方で,どこに行けば相談できるのかということや,あるいは,その手段すら持ち得ないということがあると思うのです。
本市の現状を見ると,いろいろパンフレットなどをつくって取り組んでおります。しかし,このパンフレットを見ても,話せない人には厳しい状況になっているのです。電話番号しか書いていないのです。住所などは,当然,知られると困るので書いてありません。しかし,電話番号だけではどうにもならない場合があるのです。ですから,これからはファクス番号も載せるべきではないかと思うのです。あるいはまた,このパンフレットを今はいろいろな施設で配布しておりますけれども――病院などでも配布されているのかどうかわかりませんが――もし配布していないのであれば,病院でも行う必要があるのではないかと思うのです。あるいは,相談窓口の職員については,障がいの特性を理解できるような研修が必要ではないかとも思います。また,現在,本市の一時
保護施設は,バリアフリーにはなっていないのです。これについても,将来的には改善していく必要があるのではないかと思うわけです。
そこで,障がいのある方への対応について,どのように考えているのか,お伺いします。
◎千葉
男女共同参画推進室長 本市の
自立支援に向けての調整機能――コーディネーターの配置についてですが,
被害者が抱えるさまざまな問題に対応するためには,やはりコーディネーター的な役割は必要だろうと考えております。これもまた,
北海道との
役割分担,人材の確保や配置,それから,当然,財源などの課題はいろいろありますけれども,私どもとしても,
委員お話しのような調整機能,コーディネーターの
必要性については認識しておりますので,
法改正の内容を見きわめながら検討していきたいと考えております。
また,障がいのある方への対応についてですが,確かに,ファクス番号等はこのリーフレットには記載しておりませんので,今後検討したいと思います。また,施設職員の研修については,関係部局に申し入れを行い,協議していきたいと考えております。
◆小林郁子
委員 コーディネート機能については,
法改正の行方を見てという話でしたけれども,これは,力を入れて取り組もうと思えばできることではないかという気もしますので,ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。また,今後,パンフレットをつくる際には,ぜひいろいろな工夫を凝らしていただきたいと思います。
そのような意味では,多面的な
支援が必要だということで,本市は1997年から
暴力対策関係機関会議を立ち上げており,現在,18の機関が参加しております。いろいろな機関が参加していて,お互いに実態を共通に認識し合いながら,どのように連携していくのか,あるいは,必要によってはケースごとのチームをつくったりもしているようです。
そのような中で,今後――現在もそうですけれども――必要なこととしては,この関係機関会議に病院関係者が参加していないのです。これは,医師会などにお願いする必要があると思うのですが――ぜひ医療機関の参加を求めていただきたいと思うのです。やはり,身体的に傷つけられた人は,病院に行ったときにみずから暴力に遭っていると語ることは余りないと思うのです。医師が,状況を見て,気づけばいろいろな関係機関に通報して,救済されるということもありますので,医療機関についてもやはり参加を求めていただきたいと思います。
それから,夫と別れるためにはいろいろな法的手続が必要です。そのような場合に,司法関係者の理解も必要だと思うのですが,これについてはどのように考えているのか――関係機関会議の充実に向けた取り組みについて,お伺いします。
◎千葉
男女共同参画推進室長 暴力対策関係機関会議の構成メンバーについてですけれども, 司法関係については,今年度から札幌地方裁判所にオブザーバーとして参加いただいております。
また,医療関係については,
被害者の心身の健康の回復を図るための指導という面からも,医師会にはぜひ参加いただきたいと思っておりますので,今後とも医師会に対して会議への参加を要請していきたいと考えております。
◆小林郁子
委員 そのような意味では,ぜひ充実を図って連係がとれるようにしていただきたいと思います。
先日,新聞に,
DV防止法ができて1年たってどのような状況かという全国の
保護命令の申立件数に関する記事がありました。1年間で大体1,000件程度あるということで,
都道府県ごとの数字が出ていたのですけれども,その中で一番多いのは大阪府,その次に
北海道,そして千葉県となっておりました。
この件数は,そのような実態が多いというよりは,体制が整っていればいるほど多いと分析されているのです。例えば,
北海道の
支援センターは1カ所ですが,大阪府には9カ所もあります。そしてまた,
北海道で言えば,本市も,あるいは民間の方が
緊急保護施設を7カ所も開設している。ですから,体制が整えば整うほど,件数が多くなって救済される人がふえてくるということなのです。
それから,3番目の千葉県では,どこに相談に行っても,だれがどうすればいいかわかるようにマニュアルをつくっているということです。そこで,本市でも,
暴力対策関係機関会議もある中で,今後,どの関係機関に相談に行って,どう対応すればいいか,担当者がかわってもすぐにわかるようなマニュアルをつくる必要があるのではないかと思っているのですが,どのように認識しているのか,お伺いします。
◎千葉
男女共同参画推進室長 マニュアルの作成については,過去には
暴力対策関係機関会議で検討した経過があるようですが,現在,案件としては特に上がっておりません。いろいろと他
自治体の状況を調べながら,関係部局あるいは関係機関とも協議していきたいと考えております。
◆小林郁子
委員 その意味では,
法改正を待ってということもあるかもしれませんけれども,現在できるいろいろな取り組みを進めていただきたいと要望して,終わります。
◆松浦忠
委員 本市が
政令指定都市になってから30年が過ぎましたけれども,私がずっと疑問に感じてきたことは,やはり,本市の市域内における
北海道と札幌市の
役割分担についてです。例えば,道路行政は,道道の財産権は
北海道にあっても,維持管理や工事は本市が全部行っております。この問題も――札幌市域内については,実際に住んでいる住民が中心に施設を利用するわけですから,札幌市が全面的にこれらの事業に当たるというような
法改正を国に求めていくべきではないかと思うのです。そのようなことによって,より行政を身近に感じることにつながっていくのではないかと思います。
都道府県の役割というものは,基本的には,国との間に立って
市町村を統括していくというものです。そのような意味では,行政をわかりやすくしていくということで,このような問題について,国に対して,
市町村が事業を実施できるように
法改正を求めていくべきであると思いますが,どのように考えているのか,お伺いします。
それから,市長の予算査定が既に終わっているわけですけれども,その中で
先ほど近藤さんがおっしゃるには,
民間サポートグループに対する財政
支援を500万円程度に増額してほしいということでした。
市民局で,既に市長に説明し,一定の査定を受けたもの,あるいは,まだペンディングになっているものとがあると思うのですが,この件については,市長査定の中で,
陳情者の願意に沿えるようになったのどうか,お伺いします。
◎高本
市民局長 陳情項目の4点目の
民間サポートグループへの財政
支援の強化についてですが, この
予算措置については,
市民局内部では最終的には私が判断することになります。
先ほど来,
陳情者から聞いた状況,各
委員からの意見も踏まえて――最終的な整理はまだ完了しておりませんけれども――希望に沿えるように何らかの形で努力していきたいと考えております。
ただ,金額的には――500万円という話がありましたけれども――現在,
補助金についてはゼロベースからの査定という状況ですので,どの程度のことができるか,現時点では具体的な金額を申し上げられませんが,前向きに対応していきたいと考えております。
◎千葉
男女共同参画推進室長 国に法律改正を求めていくべきではないかということについてですが,現在,
法改正に向けて動いているさなかであり,
DV防止法が参議院の
議員立法により成立したという過程や,7月の参議院選挙の前までに通常国会に上程しようという動きを踏まえて,現段階ではそのような法律の改正状況を見きわめていきたいと考えております。
◆松浦忠
委員 市長は,立法機関である国会に対して法律の改正を求めるだけではなくて,当然,国会議員に対して――
先ほどの話を聞いていると,近藤さんは
DV防止法についての札幌市長の特別顧問かと思ったのです。そのような役割を果たしているように私には聞こえました。
私は,札幌市長としても,関係議員に対して――予算のだけを国会議員に足しげく通って陳情するのではなく――このような生活にかかわる大事な問題が
議員立法で行われるとすれば――議員に陳情しても,政府との間での予算などはまたいろいろと話し合いが持たれてということがあるのですけれども,この場合は
議員立法ですから,関係する議員に陳情して,
政令指定都市については,二元的な行政ではなく,直接行政になるように
法改正してほしいという働きかけは,当然,行わなければならないことだと私は思うのです。
その意味で,
先ほどからの答弁を聞いていると,動きを待ってということで,極めて受動的に――何でも国が決めたことに従うという姿勢なのです。これでは,上田市長の選挙公約の――ただ与えられたものだけでやっていくのではなく,市民の求めるものについては積極的に国に意見を言っていく,あるいは,
法改正なども求めていくという選挙公約,そして,上田市長を選んだ市民の意向から考えれば,
皆さんはその点をしっかりと――近藤さんに任せるだけでなくて――近藤さんは当事者ですから一生懸命取り組んでいる,これはこれで大変な苦労だと思います。しかし,市長として,やはりこのことを行わなければならないと思うのです。
したがって,
市民局長,ぜひこの
委員会終了後に,市長と相談して,働きかけを行っててください。そのことを要望しておきます。
それから,予算についてですけれども,市長は,今回の予算編成については,編成前に市民に方針を開示して,編成後は,その内容についても一定期間開示して意見を受けて,最終的に市長案を決めて議会に提示するという手順にすると表明しております。ちょうど今,
皆さんが積み上げて市長の査定を受けたものについて,市民からいろいろ意見を受けている期間にあるものと思います。
そのような市長の考え方からすれば,近藤さんが500万円必要と言って,
市民局長は,ゼロベースから査定するということで大変だと言っているけれども――やはり,めり張りということは何かといえば,今まで踏襲してきた予算の配分の方法を,もう一度,本当にゼロから考え直し,必要なところにはつけよう,思い切ってやめるところはやめようということなのです。したがって,額を聞けば500万円ということですから,本市の一般会計の予算規模から考えればそれほど多い数字ではないのです。この程度はぜひ満たしてあげられるように考えていただきたいと要望しておきます。
最後に,
委員長,これが
議員立法で成立した――そして,現在,附則に基づく3年に1度の改正ということですから,本市議会としても,できれば,今度の第一回定例市議会で意見書を可決して,現在取り組んでいる参議院の関係議員に要望,陳情すべきではないかと思うのです。
ぜひ
皆さんの意見を聞いて,取りまとめていただきたいと思います。
○
山田一仁 委員長 ただいまの松浦
委員からの要望については,検討させていただきます。
ほかに質疑はございませんか。