札幌市議会 2004-01-27
平成16年(常任)厚生委員会−01月27日-記録
平成16年(常任)
厚生委員会−01月27日-記録平成16年(常任)
厚生委員会
札幌市議会厚生委員会記録
平成16年1月27日(火曜日)
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開 会 午後1時
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本郷俊史 委員長 ただいまから,
厚生委員会を開会いたします。
本日,審査を行います請願第3号については,本日までに1万3,794人の署名追加があり,
合計署名者数は3万1,052人となっております。
また,請願第3号の提出者から資料が提出されましたので,お手元に配付しております。
次に,請願第117号,第118号については宮川 潤議員,第119号については
坂本恭子議員,第120号については
飯坂宗子議員,宮川 潤議員,第124号については
坂本恭子議員が紹介議員として追加されております。
なお,委員会が長時間になる場合は,適宜,休憩をとりながら進めていきたいと思いますので,よろしくお願いをいたします。
それでは,議事に入ります。
現行制度での
敬老パス存続を求める請願第3号から第129号まで並びに現行の
敬老パス制度の存続を求める陳情第24号,第36号から第61号まで及び陳情第63号
敬老優待乗車証(
敬老パス)存続に関する陳情の合計155件並びに
敬老優待乗車証の
アンケート調査の結果についてを一括議題といたします。
提出者から
趣旨説明を受けるため,委員会を暫時休憩いたします。
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休 憩 午後1時2分
再 開 午後1時42分
──────────────
○
本郷俊史 委員長 それでは,委員会を再開いたします。
次に,
敬老優待乗車証の
アンケート調査の結果について,理事者から説明を受けます。
◎大町
保健福祉部長 私の方から,昨年,実施いたしました
敬老優待乗車証制度に係る
アンケート調査の集計結果につきまして簡単にご説明いたします。
1ページ目に,
調査概要を記載してございます。
調査の目的は,
敬老優待乗車証の今後のあり方について検討するための
基礎資料とすることであり,対象は,70歳以上2,500名,20歳以上70歳未満2,500名,計5,000名を無作為抽出し,郵送により調査票を発送し,回収いたしました。
調査期間は,11月14日から12月1日までとしました。
昨年12月の新聞紙上などでご存じかと思いますが,回収作業を始めたところ,70歳以上で80.8%,70歳未満で57.5%と高い回収率となり,この制度やこの間の市民議論に対する市民の皆さんの高い関心があらわれたものと感じております。
今回の
アンケートの質問事項は,大きく分けて19項目です。また,70歳以上の市民の方には,
利用状況をあわせて質問しております。
アンケートの集計は,各設問に対する単純な基礎集計,設問間の
クロス集計を行っております。また,
敬老パスの
利用回数に応じて五つの区分に分け,その区分に属する70歳以上の市民の間で意識や
利用状況がどう変化しているかを分析しております。
次に,実際の調査結果について要点をご説明いたします。
初めは,今回の
アンケート回答者の基本属性について述べられております。
2ページの
敬老パスの認知度ですが,直接の
制度対象ではない70歳未満においても知らない市民が3.4%となっており,市民の皆さんになじみの深い制度であることが裏づけされております。
2ページ目からは,
敬老パス自体の是非についての質問です。
(1)
敬老パスの
対象年齢につきましては,70歳以上,70歳未満ともに,
現行どおりが6割を超える結果となっております。
3ページの(2)
敬老パス利用者の一部
自己負担については,70歳以上では
利用負担なし,現行のままが41.2%でありますけれども,所得に応じて
自己負担が26.6%,一律負担が20.8%となっており,合わせて47.4%となっております。一方,70歳未満では,所得に応じ
自己負担が47.5%,一律
自己負担が20.3%となっており,合わせると67.8%となっております。
(3)月平均で負担できる額では,仮に
敬老パス利用者が一部負担を行うとなった場合,月平均で負担してもよいと思う金額について尋ねております。70歳以上では,現行のままでよいが最も高く26.2%,次いで1,000円程度が24.1%,500円程度が20.4%の順,一方,70歳未満では,1,000円程度が最も高く28.7%,次いで500円程度が15.9%,現行のままでよいが12.4%,2,000円程度が12.3%の順になっております。
(4)
利用限度額につきましては,70歳以上では現行のままでよいが最も高く41.2%と4ページのグラフではなっておりますが,上限として可能な金額を選択した方を合わせますと43.5%となり,現行のままを上回ります。また,同様に70歳未満では,現行のままでよいが最も高く38.0%であるものの,上限として可能な金額を選択した方を合わせますと45.7%となり,こちらも現行のままを上回ることがわかります。
(5)
敬老パスの
居住年数による制限についてです。現在の制度では,市外から転入された高齢者は翌月には
敬老パスを手にされますが,このことについて
居住年数による制限を設けた方がよいとお答えいただいた方が,70歳以上では50.3%と過半数を超えております。しかしながら,70歳未満では,逆に現行のままが52.4%で過半数を超え,
居住要件を設けた方がよいと答えた方は39.6%となっております。
次に,(6)の今後の
敬老パス制度につきましては,70歳以上で現行のままと回答した方が53.8%と最も高く,次いで見直しして縮小が35.0%,70歳未満では,見直しして縮小が45.8%と最も高く,次いで現行のままが29.3%でした。しかし,現行のままと回答した方のうち,70歳以上で約57%,70歳未満で約49%の方が
年齢引き上げや一部
自己負担,
居住要件制限に賛同する意見を持っていることがわかっております。
5ページの4では,70歳以上の方のみに
敬老パスの
利用状況を伺っております。
(1)の
敬老パスの交付の有無では,今回の回答者の88.6%が
敬老パスの交付を受けていると回答しております。
(2)では,交通機関の
利用頻度について尋ねております。
アの
利用頻度では,
敬老パス保有者の年間の
利用回数を調査しました。6ページのグラフを見ていただければ理解していただけると思いますが,
利用回数に大きな差があることがわかりました。
敬老パスの所有者の中では,年間の
利用回数が少ない方が多い一方で,延べ年800回以上乗車されている方も3.2%おられました。そこで,中央値は116.3回ですが,
利用回数の多い方に引っ張られる形で平均値は114.5回と,二つの数字に大きな差が見られます。
イの
敬老パスの
利用目的では,通院や買い物が多く60%を超えております。続いて,家族や友人などに会いに行く,趣味,レジャーとなっております。
ウの
敬老パスを主に使う時間帯ですけれども,10時から16時が最も高く61.0%,次いで特に決まっていないが12.4%となっております。
エの
敬老パスを主に使う曜日は,7ページのグラフのとおり,平日が最も多く57.4%となっております。
オでは,
敬老パスを持っていない方に交付を受けていない理由を尋ねておりますが,身体的な事情から利用できないためを挙げる方が56.8%でした。
○
本郷俊史 委員長 それでは,質疑を行います。
◆
村松正海 委員 今,
アンケート調査による結果報告を受けたわけであります。
先般,1月23日には数字だけ結果報告を受けました。その中身を見ますと,70歳以上が80.8%,そして70歳未満の方の回収率が57.52%と,大変高い回収率になっていると私は思います。それは,この問題に対し,きょうの傍聴の方の数を見てもわかりますけれども,市民の皆さんの関心がいかに高いかというあらわれではないかと思います。
今の説明を簡単に集約させていただきますが,やはり,
現行どおり存続という方が数字的にも大変多いのではないかなと思います。そして,使用頻度いいますか,使用目的には非常にばらつきがあるのではないかなと思います。
そこでまず,今,数値の報告をいただきましたが,この
アンケートの結果を精査されて,原局としてはどのように受けとめているのか,その辺をまず最初にお聞きしたいと思います。
◎大町
保健福祉部長 アンケートの結果の受けとめ方です。
今回の
アンケートを分析してみますと,市民の皆様は,意義あるこの制度をぜひとも継続してほしいと思っているということが一つ言えるのではないかと思っております。そのためには,将来的に存続可能な制度として,見直しもやむを得ないというお考えの方が多いと受けとめることができるのではないかと考えております。また,
敬老パスを利用される方の
利用頻度に大きな差があることなどから,
フリーパスであることそのものについても検討が必要であると考えております。
◆
村松正海 委員 今,原局の方から受けとめ方を報告していただきました。
私は,
アンケートの結果によってすべてを決定できるものではないと思います。以前の委員会でも申し上げたとおり,これほど重要なことでありますので,一つの調査結果のみでその制度のあり方を決めるのはいかがなものかと思います。ただ,これだけ貴重な
アンケートですので,当然,一つの重要な参考資料としなければならないと思いますが,その辺はどうなのか,お聞きしたいと思います。
◎大町
保健福祉部長 アンケートの結果により,どこまで決定するかについてですが,この結果は制度のあり方を検討するための
基礎資料でありまして,さらに具体的な議論を深めるための参考となるものと受けとめております。
◆
村松正海 委員 私は,存続なのか廃止なのかということもありますけれども,現実的には,
現行制度の存続なのか,あるいは,存続するために見直すのか,その2点ではないかなと思います。
ご承知のとおり,この制度は昭和50年1月からスタートいたしました。その趣旨,目的は,長年,社会に貢献した高齢者に,敬愛,敬老の精神を持って交付するということで,明るく豊かな老後の平等な生活の充実であったわけであります。そのことを考えると,仮にこの制度を存続するために見直すとしても,私は,今の段階では,例えば
交付対象者の方の年齢を
引き上げたり,また,所得による対象者の絞り込み,すなわち
所得制限は導入すべきではないと思います。
この
アンケート調査についても,今後も出前講座等々でいろいろ精査すると思いますが,今言ったように,スタートの目的に沿って
所得制限や年齢の
引き上げは考えるべきではないと思いますけれども,その辺はいかがか,お伺いしたいと思います。
◎大町
保健福祉部長 今後の制度を具体的にどうするかにつきましては,今回の
アンケートの結果を十分踏まえ,今後,高齢者の方を初め,市民の皆さんのご意見をいただき,さらに検討を進めてまいりたいと思います。
なお,ご指摘に
対象年齢の
引き上げにつきましては,今回の
アンケートでは70歳以上の方,70歳未満の方のいずれも,
現行どおりを希望される方が6割を超えており,市民の意向がある程度明確に出ていると認識しております。また,所得に応じた
自己負担やいわゆる
所得制限につきましては,社会貢献の意義,
負担能力の面などから最も議論のある重要な問題の一つでありますので,十分な検討が必要と考えております。
◆伊与部敏雄 委員 私からも,数点,お尋ねいたします。
今,
アンケート調査の報告書が出されました。これは,今,
村松委員からもお話がありましたように,これは全く
基礎資料というふうに書いてあります。そういうふうな受け取り方をしながら,これから,順次,質問をいたします。
まず,札幌市の70歳以上の人は1月1日現在で約20万人います。その中で,
敬老パスを申請している人は約16万人です。すなわち,20万人のうち,16万人が申請して,4万人が申請していないと私は受けとめているのですが,この数字に間違いがないか。
それと同時に,平成15年度予算では,16万人に対して35億円の予算をつけたというふうに私は見ていますが,その数字に間違いがないか,改めて再確認をさせていただきたい。
◎大町
保健福祉部長 間違いございません。
◆伊与部敏雄 委員 そこで,さらに突っ込んで質問しますが,今,2月,3月の
予算議会へ向けて,
市長査定はもう終わったはずです。終わりましたね。いかがですか。
◎大町
保健福祉部長 市長査定につきましては,既に終了しております。
◆伊与部敏雄 委員
市長査定の中身について,私は質問したい。
市長は,あなたたちと査定をしながら,どういう査定をしたのか。すなわち,16年度の予算案としてどういう査定をして,その予算案をこれからどういうふうに議会に提案しようとしているのか。35億円で出すのか,37億円で出すのか。
今までの事前の勉強会の中で,我々はいろいろ勉強してきました。16年になると,70歳以上の人は1万人ふえると言っている。1万人ふえれば35億円から37億円になると言われている。そういう見通しのもとに,どう
予算査定されたのか。しかも,70歳以上という観点からどういう
予算査定をされたのですか。これを答弁してください。
◎大町
保健福祉部長 予算の査定額ですけれども,16年度予算につきましては現行の制度と同様の考え方で事業費を見積もりまして,約37億円を要求しております。
◆伊与部敏雄 委員 あなたたちが要求したと言うけれども,その査定について市長はどういう見解を示したのか。これでいい,このまま予算案として議会に提案するという答弁をしたのですか,しないのですか。どういう答弁をしたのですか。
◎大町
保健福祉部長 37億円をお認めいただいたというふうに思っております。
◆伊与部敏雄 委員 そうすると,我々議会には平成16年度の予算案として37億円が提示されるわけですね。したがって,37億円というのは,70歳以上という観点で,20万人から1万人ふえなかったら37億円にならないわけだから,そういう人数で計算した金額になるわけですね。いかがですか。
◎大町
保健福祉部長 そのとおりでございまして,あくまでもふえた人数分を換算して金額を決めたものでございます。
◆伊与部敏雄 委員 そうすると,16年度は
現行どおり行くということですね。
ただ,問題はこれからだ。今まで2年間ずつ制度を更新してきた。したがって,それは予算とどう整合するかとなると,これはなかなかしないわけです。なぜかというと,16年度の予算は来年3月31日までの予算でしょう。この制度は,9月30日まで,
現行どおりやるわけですね。制度がどういうふうに見直されるか見直されないか別にして,仮に見直されるとしたら,10月以降,来年3月31日までの予算についてはどうなるのですか。
◎大町
保健福祉部長 現在,議論されております本年10月以降の制度につきましては,まだ決まっておりません。その部分につきましては,暫定的な意味合いを持った予算として理解できるものと考えております。
今後,新しい制度につきましては,一定の結論が出された場合に,その事業費の増額または減額がある程度見きわめられた段階で,しかるべき
予算措置をとりたいと考えております。
◆伊与部敏雄 委員 要するに,一応37億円の予算を組んでおき,途中の10月1日からどういうふうになるかは別にして,その時点で財政措置を講ずるという見解を持っているということですね。
そこで,私が聞きたいのは,今,予算と制度の問題について質問しましたけれども,期間の問題です。今まで2年間ずつ更新してきたけれども,ことしの10月から,また2年間でもって発効する予定ですか,原局としてどうですか。なぜならば,パスのつくり方などがいろいろあると思うのです。そういう点で,
有効期間を2年間とする
現行制度を踏襲するのですか。
◎大町
保健福祉部長 一
たん交付を受けた方が,2年間,保有することにつきましては,現状では,交付を受けた方が転出されたり,あるいは亡くなられた場合において,事実上,お返しいただくことができない状況があります。そういう意味では,制度の適正な運用の面からも検討が必要であると考えております。
有効期間につきましては,具体的な形や制度,
交付方法にも関連する問題でございますので,今のところ,1年間にすることも含め,推移を見ながら検討してまいりたい。そして,最終的には市長の判断を仰いでまいりたいたいと思っております。
◆伊与部敏雄 委員 現行2年間の制度を,今,1年間にする検討を行うという答弁がありました。
これは,どうして1年間にするような方向で検討しなければならないのか。それから,1年間にしたら,事務的な負担その他を含めて財政的な負担が逆に多くなるのではないか。そう思うのですが,その辺はいかがですか。
◎大町
保健福祉部長 2年間保有することにつきましては,交付を受けた方が転出されたり亡くなられた場合などにおいて,事実上,お返しいただくことができないという状況が数多く見られまして,検討しなければならない一つに上がっていると思っております。
それから,経費の関係でございますが,これにつきましては,パスの作成経費あるいは
案内はがきの郵送料などで,一般的に一斉交付のときには2,000万円程度必要となっておりますけれども,制度の内容や
交付方法によって大きく事情が異なってくると考えられております。
◆伊与部敏雄 委員 あなたたちが制度を変えるわけではないから,制度がどういうふうに変わるかは別にして,変わらないかもしれない。そういう観点から言って,今,部長が言うのは,2年交付を1年交付でやった方が,事務方から言わせたら適正な措置ができるという判断のもとに1年間の検討をしたいということなのですね。
そこで,10月から発行するためには,何カ月も前から,21万人にはがきを出し,そのはがきを持って区役所やその他公共的な施設へ行ってパスと交換しなければなりません。そうすると,何月にその手紙を21万人に送ろうとしているのか。
そういうことを考えれば,
制度見直しその他を含めると,予算は
予算議会で通りますが,予算が通っても,その制度が変わったらはがきを変えなければならない。その辺の流れをどういうふうに考えていますか。
◎大町
保健福祉部長 一般的に,今度の10月には一斉交付の時期を迎えますけれども,その場合には,
案内はがきを9月上旬に発送いたしまして,本人のところにはそれから二,三日後に着き,本人は,それをお持ちになって
交付会場に行きます。大体,一般的には9月20日から30日の10日ぐらいの間に発行を受ける流れです。ですから,9月中には新しい
敬老パスを取りに行くことができます。
そういうことから考えると,私どもは期間につきましては5カ月程度の準備期間は必要と思っております。
◆伊与部敏雄 委員 要するに,原局では,9月に取りに来てもらい,10月から使えるような流れでいきたい,そういう姿勢でいることを今確認いたしました。
そこで,大きく三つ目に,37億円について,各業者に対する配分を示していただきたい。今まで,これは全然明らかにされていないのです。ということは,ことしの4月から
市営バスが全部なくなります。去年の10月から一部なくなり,ことしの4月1日からすべての
市営バスがなくなる。あなたたちは,地下鉄,バス,路面電車,
ロープウエー,大きく分けてこの四つの業種に37億円を配分しようとしている。今まで35億円はどういう配分をしてきたのか,これからの37億円はどういう配分をされるのか,これを具体的に明らかにしていただきたい。
◎大町
保健福祉部長 まず,平成15年度の配分の内訳から申し上げます。
地下鉄につきましては21億4,500万円ほどになります。
民営バスにつきましては11億9,000万円ほどになります。市電につきましては6,200万円ほどになります。
ロープウエーにつきましては870万円ほどになります。
市営バスにつきましては,
民営バスで移譲している部分もあって,それを引いた部分ということで1億1,200万円程度になります。それが15年度の実績でございます。
平成16年度につきましては,地下鉄が約23億円,市電が約6,000万円,民間バス約13億円,
ロープウエー約1,000万円という配分の内訳になってございます。
◆伊与部敏雄 委員 今,平成16年度の配分について明らかにされたけれども,例えばそのとおり具体的に実行しようとしているのか,していないのか。どうなのですか,
◎大町
保健福祉部長 今の段階では,私どもの16年度
予算要求ベースに乗った配分を行う予定です。
◆伊与部敏雄 委員 例えば,
ロープウエーで70歳以上の人は1年間で何人ぐらい乗っていますか。それで1,000万円払うと言っているのでしょう。
◎大町
保健福祉部長 ロープウエーにつきましては,人数的には延べ1万1,000人程度の
乗車人員になっております。
◆伊与部敏雄 委員 そこで,次の質問に行きます。
先ほどから,制度という言葉が非常に出てきていますが,先ほどの陳情者の竹中さんの
趣旨説明の最後に,議会から市長に対して勧告してほしいという言葉がありました。私は,この人は非常に勉強しているなと感じましたが,制度をわかっていない人はこういう言葉が出ないはずです。
制度ですから,
地方自治法第14条並びに第15条では,権利なり義務というものではなく,要するに制度,規則で給付しているという状況の中で,仮に制度の見直しをするとしたら時期的な限界はいつごろか。先ほど,9月からさかのぼって5カ月なかったらできないと言っていましたが,制度,給付をするのは市長の権限だと思いますけれども,市長の最終的な見解なり,方針はいつごろに求めたらいいのか。
先ほど
村松委員からもお話があったように,この調査結果報告は
基礎資料だとしたら,ほかにさまざまな判断材料を総合的に掌握して,そして判断する時期は原局としてどのぐらいに求めているのか。
◎大町
保健福祉部長 制度の形によりますけれども,3月いっぱいで形を決めることが一つの基準になっていると思ってございます。
◆柿崎勲 委員 私も,二,三,質問したいと思います。
非常に市民の関心が高いのは,先ほど来のお話にもありました。
私は,この間,随分やりとりをさせていただいたし,この前の
アンケートに関する
補正予算の審査のときにも,今,伊与部委員がお話ししたような意味の話をいたしました。しかしながら,時期も明確されずに今日まで至って,今の答弁で3月ごろまでには制度の形を決めたいということです。ここは,まさに
アンケートをやるに当たっても,答弁がありましたけれども,
現行制度を存続させて見直しをかけるというのが大眼目にあるのだろうと。そのことは言わずもがなで,現状維持なんてことは皆さんはさらさら考えていないのだというふうに私は受けとめる。市長のこれまでの言動を裏打ちすると,私にはそういうふうにしか見えないのです。
この間の
記者会見でも,高齢者の皆さんにご意見をちょうだいするような場面をこの後もつくっていきたいと。質問に答えて,
アンケート調査に基づいた具体的な提案として,皆さんはどうお考えをお持ちか探っていきたいというような
記者会見でした。その意見を聞く場面とか,具体的な提案というのは,これは市民に対してでしょう。それは,いつごろまでにどんなふうにして聞いていくのか。さっきの時期の話では,市長が3月までにこれを決定するのですね。
保健福祉局として,具体的にどのようなものを想定していこうとしているのか,伺っておきたい。
したがって,制度の変更というのは,市長の頭の中にも,財政的困難な折からというのでしょう。一部負担を求めたいというのが頭にあるから,今日ただいまの議論になってくる。何らかの負担という意味合いから言うと,
アンケートの結果でどのような判断になるのか,
アンケート結果をどう受けとめているのか,さらにまた,負担の方法としてどんな方法が効果的だと考えているのか聞きたい。
◎大町
保健福祉部長 1点目の皆様からどういうような形で内容をお聞きするのかということについてのお答えでございます。
高齢者の皆さんからご意見をちょうだいする場面につきましては,まずは,本日,陳情書を提出されております札幌市老人クラブ連合会を構成する各区老人クラブ連合会すべてに出向いてご意見をいただくこととしております。
また,
アンケート調査に基づいた具体的な提案につきましては,市民の皆さんが制度をイメージしご検討,ご議論をいただけるよう,いろいろな制度を参考にしながら幾つかの形をお示しし,ご意見をいただいてまいりたいと考えております。
続いて,負担の方法についてでございますが,一律にご負担していただくか,あるいは,所得に応じて
負担能力を考慮したものにするか,先ほども申し上げましたけれども,最も議論の多い問題の一つでございますので,議論を深めていく必要があると考えております。
◆柿崎勲 委員 この後,お年寄りの皆さんに,どういうふうにしたら皆さんにとっていいのかというご意見を聞く参考資料として,まさにこの
アンケート調査も一つの材料だと。それから,いろいろな制度を参考にして提示すると言ったけれども,いろいろな制度というのはどういう制度なのか。
所得制限を加えるとか加えないというのは,費用も大幅に増加したから制度を維持していくのは大変困難になったので一部負担を求めたいのだということをおっしゃりたいのですよ。一部負担を求めたいとするならば,効果あらしめるように,負担というのは,市民の皆さん,お年寄りの皆さん,まさにこういうふうにして負担していただけますかというシミュレーションを提示しなければならないでしょう。そういうものを提示しないと,お年寄りだもの,なかなか理解しがたいのではないか。市民の皆さんは,関心事だから理解しようと努めるだろうと思いますけれども,それは何通りあってもいいのですよ。判断の材料というか,どういう方法があるかということは,市民に明示しなければならないのではないか。
そこで,具体的にはどんな案があるのですか。これは,今始まった話ではなく,随分前から負担を求めているわけですから。負担を求めているとすれば,我が方の案としてはこういう案があるということを,市民にも,議会にも,市長の判断を仰ぐのなら市長にも提示する必要があるのではないのか。いかがですか。
◎大町
保健福祉部長 いろいろな形と申し上げたわけでございますが,イメージとしましては,他都市の制度を参考に幾つかの形をお示ししたいということが,まず一つ,具体的な形として言えると思います。
それから,札幌市の具体的な見直し案についてですが,まず,制度の基本的な形について市民の方からご意見をいただき,それらを総合的に検討し,お示しすることが必要と考えております。
◆柿崎勲 委員 よくわからない。
先ほどのお話にあったように,広報さっぽろの11月号で,こんな大変なのだ,市民に対してびっくりしてくれというふうに,年間35億円かかっているぞ,2億円ずつふえていくぞ,事業費は27倍ふえていくぞ,あれでもか,これでもかみたいに,まさにおどかしみたいなものだ。
広報さっぽろで,私はちょっと腑に落ちないというふうに思って見たのは,民間バス事業者からこんな声もというのがあります。当社は,年2回,一定期間に
敬老パスの利用実態を調査し,年間の利用者を割り出していますが,最近の調査では,市から支払われる額の4倍の利用実態があるという結果が出ております。もはや,一民間事業者として負担の限界を超えています。輸送サービスの提供に対する当然の対価として,利用実態に見合った額を負担していただきたいと。限界の4倍を超えているから,市から見合った額をくれということなのです。
もし,民間バス事業者が,年2回,一定期間に利用実態調査をやっていると言うのなら,広報さっぽろに載せたのだから,皆さんも聞いていると思うので,どんな利用実態なのか,それを教えてください。我々は聞いておりません。
◎大町
保健福祉部長 民間交通事業者からのデータにつきましては,各社からいろいろな数字が上がってきておりまして,それに基づいて私どもも検討を始めたところですが,その中身につきましては,今の段階では民間事業者の許可を得ていない関係がございまして,この場で申し上げることはできません。
◆柿崎勲 委員 広報に載せるということは,数字が明らかだということだし,先ほど言ったように,市民の皆さんにびっくりしてくれということだ。我々も4倍もあったら本当にびっくりする。大変なのだ,事業者も泣いています,年2回,一定期間,利用実態を割り出すために調査しているのだ,4倍もあるのだと。その数字が明らかでこういうふうにわざわざ載せているのに,この資料を出さないなら,本当にいいとか悪いとか,ふえたとかふえていないとか,4倍あるのかないのかがわからないのではないか。
今,答弁できないのなら,あるいは,事業者の了解をとっていないから出せないというふうにおっしゃるのであれば,委員会に資料提出をお願いしますが,そのことを答弁してください。
◎大町
保健福祉部長 各事業者ごとの数字につきましては,大変申しわけございませんが,今の段階ではちょっと公表できないような状況になっております。しかし,一般論として,広報さっぽろに出ている4倍という数字はどういうふうに換算したかという方法につきましてはお話しできます。
◆柿崎勲 委員 答弁するなら答弁してください。資料としては別に出してもらうけれども,今は答弁できる範囲内で答弁してください。
◎中田 高齢福祉課長 事業者からは,実績についてそれぞれデータをいただいております。
調査の仕方は,各社でそれぞれ異なっておりますけれども,例えばある時期の一定期間,春,夏,冬の1週間といった形で調査したものと格差が出ております。バス関係では,路線とか各社の状況によって違いますが,おおむね2倍から4.4倍です。それから,市営交通は,地下鉄で約1.4倍,バスで3倍程度,その他の交通機関は市電含めて3.6倍程度というデータを手元にいただいております。
◆柿崎勲 委員
アンケートの
利用目的の中では,通院を挙げるお年寄りの皆さんが3分の2になっている。その意味から言うと,これは皆さんもそうおっしゃっていますが,この制度そのものは,敬老というようなことにプラスして,介護予防にも役立っているのは事実なのです。だから,目的も,単に敬老の精神ということだけでなくて,ほかにもいろいろ意義ある制度だ,変わってきているのだと思うのです。ですから,昭和50年の制度開始の精神は精神として私も評価するのですが,制度を改正するに当たって,今の時代に合った目的あるいは制度の考え方を整理する必要があるのではないかと思うのです。
さっき伊与部委員から,これは給付事業だという話ですけれども,要するに,条例,要綱,規則で今日までずっと続けてこられた。しかし,規則の中では,高齢者の敬老だけではなくて,健康増進とか介護予防とか生きがいというようなことにはなっておりません。まさに,29年もたって,時代おくれです。それで35億円も使っている。私にしてみれば,37億円という巨額の予算を投じようとしているこの事業が,そういう規則で行われていていいのかという疑問です。そして,規則ですから,真に我々議会が可否を決することにはならないでしょう。条例であれば,議会にしっかりかけて議論をしていただこうということにもなるわけです。今,大変な市民議論をして,制度の変更を行おうかということであります。しかし,この中では,規則の施行について必要な事項は
保健福祉局長が定めるとなっている。勝手に定められる。私は,そんな裁量で制定している規則というよりも,詳細についてもしっかり規定をしていく必要がある,内容もそうしていくべきだというふうに思いますけれども,いかがですか。
◎大町
保健福祉部長 条例化の関係でございますけれども,この制度につきましては,高齢者の皆さんに敬老の気持ちをあらわすこととあわせまして,これを活用して生活充実を図っていくという目的は,当初から現在まで変わっておりません。さらに今,委員がご指摘のとおり,介護予防の視点からも評価されております。私どもといたしましては,制度の改正については,市民合意が得られた暁には,新しい時代に合った制度としての考え方を改めて整理して表現することを検討してまいりたいと考えております。
条例化についてでございますが,
敬老優待乗車証制度は,市民の関心事であり,大きな問題でありますので,条例化し,手続的にも正式に議会における議論をすべきというお考えもあると思いますし,あるいは,予算額も大きくなっておりますけれども,私どもが所管しております他の高齢者保健福祉サービスの多くの給付事業が現在のところは規則で実施されていることを考慮しますと,私どもとしましては,現在のところ,特に条例化することは必要がないと考えております。
なお,他の政令指定都市の状況を見ますと,
敬老優待乗車証の交付時に有料化を導入したところにおきまして,金銭の授受の関係から条例で定めているところもあると伺っております。
◆柿崎勲 委員 条例化は必要ないとのいうことだけれども,他の政令指定都市の例を見るとということで,多分,横浜の例をお話ししているのだろうと思います。横浜も,今まで無料だったものを一部負担を求めることからして,まさに,市民負担,金銭的な負担を求めるということからして,今まで要綱でやっていたものを条例にした。僕は,こちらの方が正しい姿だと思います。先ほどと同じことを言いますけれども,この横浜の条例の中には,別表で幾ら幾らと金額もしっかり書いてある。申請した時点で一部負担を求めるというようなことが書いてある。
それを相も変わらず規則でやる,負担を求めるということであるならば,
敬老パスそのものについて市民の理解はなかなか求められない。ましてや,今後,皆さんがどんな負担を求めていくのか,私はわかりません。でも,大幅な負担なんてことはよもやあるはずがありませんから,手直し程度の負担を求めるようなことであれば,決めたとしても,また5年後には同じような改正騒ぎが行われるのです。その都度,市長がかわればまたどこかで変わるというようなことがあってはいけないと思う。
それから,他の高齢者サービスの給付事業が規則で実施されているから,これも同じたぐいでいいのだという話は成り立たない。ほかの給付事業というのは,多分,国庫補助がついている事業であるとか,少額な高齢者サービスの事業だから規則でも間に合うのだと思う。皆さんは,高齢者,お年寄り予算の3分の1を
敬老パスは使っているのだと言うのです。そんなに声高に言うのであれば,なおさらのこと,条例化を求めたい。いかがですか。
◎大町
保健福祉部長 条例と規則の考え方につきましては,基本的には
地方自治法に規定されているところです。やはり,条例となりますと,義務あるいは権利関係が中心となった決め事,あるいは,内容的にそういうものが必要な決まり事をこの中で決めていくのが一般的でございます。そういう意味で現在の
敬老パス制度につきましては給付事務の性格が強いことから考えますと,今のところ,条例化するところまでは必要ないのではないかと考えております。
◆柿崎勲 委員 議会とのかかわりで,規則であれば皆さんが得手勝手に変更が可能だけれども,条例においてはそれはできません。皆さんは,先ほどの敬老精神だけではなくて,介護予防だとか生きがいだとかというような理念もしっかり盛り込みたいという話をされたのでしょう。そういうことからすれば,制度の運用や負担のあり方は,きちんと条例として決めるのが筋だというふうに私は思います。
納得できないけれども,終わります。
○
本郷俊史 委員長 審査の途中ですが,この後まだ質問者が大分続きますので,最初に申し上げたとおり,一たん,休憩を挟みたいと思います。
──────────────
休 憩 午後2時54分
再 開 午後3時10分
──────────────
○
本郷俊史 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き,質疑を行います。
◆小川勝美 委員 それでは,私から,何点か質問いたします。
敬老パスの問題は,私たち日本共産党は,この間,本会議の代表質問などでも何度もお尋ねをしてまいりました。改悪をすべきでないということを一貫して主張してきましたが,この点について,私たちは請願者,陳情者の趣旨の立場に立って何点か質問をいたします。
まず,第1点は,先日の
補正予算のときもお尋ねしましたけれども,そのとき,私は記憶で質問をしましたが,大町部長からは明確な答弁がなされませんでした。きょうは,会議録も持ってまいりました。昨年の2月24日,私たちの地方選挙の直前の予算特別委員会で
敬老パス問題が論議されました。そのとき,大町
保健福祉部長は,「まず,改定に向けてのスケジュールでありますけれども,あるのかないのかについてのご質問につきましては,そのようなスケジュールは作成していません」と。
敬老パス見直しのスケジュールはないというふうに答弁しております。そして,再質問に答える形で,「先ほどもご答弁申し上げましたが,現在,この
敬老パス交付事業の制度を改正するなどの検討は行っていません」,こういうご答弁でした。
にもかかわらず,昨年7月,上田市長になって初めて開かれた第2回定例市議会の中で,上田市長の施政方針演説が行われ,そして,施政方針さっぽろ元気ビジョン,市民の力みなぎる,文化と誇りあふれる街を目指してという文書が私たち議員の議場に配られました。市長の言葉からはこういう言葉はなかったのですが,私たち議員の議場に配られたさっぽろ元気ビジョンなるものの中に,市役所改革の方策というものが3番目にあります。そして,(1)で人づくり,(2)で組織・システムづくり,(3)で行財政改革とあり,市役所の内部努力で200億円の経費節減を目指すということが書かれております。そして,その後に,例えばすこやか健診や
敬老優待乗車証(
敬老パス)など,行政のサービス水準と市民負担のあり方について,市民と十分な議論を行いながら検討を進めていくという文言があります。
昨年2月の選挙前のときには
保健福祉局で全く検討していないことが,44年ぶりの民間出身の市長になったら,桂市政の一昨年5月に出されていた新行革方針と同じことが行財政改革項目となって,例えばと言って
保健福祉局の事業であるすこやか健診や
敬老優待乗車証,
敬老パスという具体的事例を挙げての見直しが出てきました。
これは,上田市長になってから,具体的にこういうことを
保健福祉局で検討しろということになったのかどうか。いつ,どんな形で,上田市長から
敬老パス見直しについての指示,方針が出されたのか,まず,具体的に明らかにしていただきたい。
もう一度言うと,1点目は,大町部長の昨年2月24日の答弁は間違いないですね。議会にうそをついたわけではありませんね。そこをまず確認し,そして,上田市長の元気ビジョンでまた同じことが出されてきたわけですから,改悪に向けた具体的な取り組みの方針や指示,保健福祉部の方に
敬老パスの見直し作業に取り組めという上田市長の指示は,いつ,どんな形で出されたのか,この2点だけ,先にお尋ねをしておきます。
◎大町
保健福祉部長 まず,1点目に,私自身の問題でうそをついていなかったかどうかでございます。
うそをついたというふうに言われると非常に心外でございまして,うそではございません。その当時は,具体的な検討は全くされておりませんでした。
◎福田
保健福祉局理事 2月24日の時点では,大町部長は確かに白紙であると答弁いたしました。私ども事務方といたしましては,物事を検討する場合にいろいろなことを検討しております。事業自体がどうなのか,その有効性がどうなのかと。そういう中で,2月24日の時点では確かにそうでございました。
なおかつ,札幌市内においても,上田市長がなられたことももちろん大きなことでございますけれども,行政内部としても,今この厳しい時代に何をすべきか,何をどうすべきかということは各原局ごとにいろいろ検討しているのも事実でございます。それが,新市長の上田市長になりまして,その辺のことを全部踏まえた上で上田市長が判断されたということでございます。
◆小川勝美 委員 私が質問したのは,各原局はそれぞれ検討したけれども,そんなことはしなくていいと。上田市長は
敬老パスを見直すなんていう公約は何もしていませんからね。にもかかわらず,行政のサービス水準と市民負担のあり方について,市民と十分な議論を行いながら検討を進めていくということで,例えば,すこやか健診や
敬老優待乗車証と,
保健福祉局の事業を二つも挙げて,上田市長はあえて元気ビジョンに書いているわけです。それは,上田市長の指示があったのか,それとも,皆さん方が持っていったのを,上田市長が,よしこれはやっていこうというふうになったのか,どういうことなのか,わかるように説明してください。
◎福田
保健福祉局理事 そういうことからしますと,私ども札幌市の組織は継続性を持って仕事をしています。今,
敬老パスあるいはすこやか健診と,私ども
保健福祉局からするとこの2点がたまたま例示されてますけれども,そのほかにもまだたくさんあります。そういう中で,行財政改革という札幌市の大きな目標に向かってどうすべきかという論議をしなから,こういうものに課題があるとか,こういうものはきちんと意見を聞いて見直さなくてはならないというもともとの発議はどこにあるかと言われましたら,それは
保健福祉局にあります。
◆小川勝美 委員 そうしたら,2月24日のときには白紙で検討しておりませんというのはうそではなかったのですか。うそではなくて,上田市長になってからそういう検討をされたのですか。しかも,今言ったのは,たまたま二つだけ挙げただけで,まだたくさんありますというのなら,たくさんあるものを全部挙げてください。
◎福田
保健福祉局理事
保健福祉局の現状をちょっとお話しさせていただきます。
保健福祉局は,市民の生命とかいろいろなものに直接かかわる事業をたくさんやっております。そういう中で,
敬老パスを一つの例にとりますと,皆さんもご承知のように,70歳以上の方が1万人毎年ふえています。また,事業費が毎年2億円ふえるという見込みもございます。
そういう意味では,今,実際に事業点検,見直しをやっていて,各事業について,どういうところに有効性があるのか,どういうところだったらもう少し見直すことができるのか,それはすべての事業について検討しております。
◆小川勝美 委員 きちんとお答えになりません。
たくさんあるということですから,
敬老パスとかすこやか健診などと同じように,特に
保健福祉局という市民の医療や福祉にかかわるところで,さまざまな見直しにより,この後,連続的に改悪が出てくるのが上田市長の市役所改革の方針なのですか。
◎福田
保健福祉局理事 札幌市にはいろいろな局がありまして,おのおのの局でこれに取り組んでおります。たまたま
保健福祉局では,すべて改悪というお言葉を使いましたけれども,私は決してそう思っておらず,いかに有効に効率的にやるかということで,それは行政を執行する側の当然の責務だと考えております。それで見直しという言葉を使いました。
◆小川勝美 委員 そういうことで,この後も次々と市民負担の強化路線が襲いかかってくるのではないかと予想させる答弁であるということだけ指摘をして,次に行きます。
では,具体的に
敬老パスの問題に進みます。
先ほどもありましたけれども,
敬老パスの
アンケートに添付された資料,あるいは広報さっぽろでの宣伝,これは,初めから
敬老パスを見直そうということのもとに,市民負担強化の方向で改悪しようということでさまざまな税金を使った宣伝が行われてまいりました。広報さっぽろ11月号がしかりであります。
その中でも,
敬老パスの
アンケート自体は600万円の市税を投入したものであります。この
アンケートの中で,
敬老パスは,事業開始当初より27.5倍にも膨らむ事業だ,最近は年2億円ずつ増加と,非常に市民を驚かせることを強調し,宣伝しながら,まず改悪ありきということになっていると思うのです。まさに,市税を使った改悪に向けた世論誘導ではないかと思うのですけれども,そのようにお考えにならないのかどうか,このことをお尋ねしたいと思います。
しかも,それは一方的だと思うのです。
敬老パスの事業が事業開始当初よりも27.5倍になった,こんなことを宣伝しておりますけれども,
敬老パスが50年に始まったときは市電,市バスしか使えなかったのです。なぜ,市電,市バスを中心にして
敬老パス事業が始まったか。それは,昭和48年に,一般交通事業札幌市営交通事業が公営交通の再建に関する法律の指定を受けて再建指定を受けたことから,不良債務を国と札幌市の一般会計で補てんしていくということをやりました。それでも大変だからということで,
敬老パスをスタートさせて,
敬老パス事業で一般交通会計に何らかの負担を入れていこうと,大坂がやっていた手法を取り入れてスタートさせたのが当時だと思うのです。
そうすると,市電,市バスだけではだめだからという市民の声が出て,地下鉄に拡大をされました。その後,地下鉄と市電,市バスだけで,月寒方面の中央バスが全く使えない
敬老パスでは困る,手稲方面の国鉄バスが使えない
敬老パスでは困るという市民運動が大きく広がる中で,民間バスや国鉄バスにも拡大されました。その時点と比較をするならば,何もそんなにふえていないのです。ごく少数の市電,市バスしか使えなかった時代と今日を比較をして,27.5倍だ,さあ大変だと,これはおどしです。非常に作為的な宣伝だ。こんなふうに思うのですけれども,この点はいかがか。
しかも,この間,
敬老パスの事業費がふえてきたと言っても,それはインフレもありましたから,予算だってふえています。民間バスにも拡大されたときの一般会計の予算が2,500億円で,今日は8,300億円です。お年寄りの方もふえてきています。しかし,一般会計に占める割合は,当時0.2%だったのが今は0.4%です。当然の伸び程度であって,本当にやりくりがつかないような話ではない。
しかも,この
敬老パスの事業がふえてきたのは,札幌市営交通の料金値上げがやられるたびに膨らんできたのではないですか。例えば,
敬老パスがスタートしたときの市電の料金は30円,市バス事業は均一料金で50円,そして,地下鉄が昭和51年1月からスタートしましたが,そのときの地下鉄料金は1区50円です。その後,次々と市営交通料金の値上げが行われて,今日の市電で言うと170円,バスで言うと200円,地下鉄初乗り1区間200円となりました。しかも,札幌市内の交通料金というのは,市営交通を上げれば民間バスもそれに同調して進む,市営が主導して料金値上げをやってきたのです。そのことによって,
敬老パスの負担もふえてきたのだと思うのです。
敬老パスの事業費がふえてきた要因は,市営交通料金の値上げもあると広報などに示さなければ,市民は間違って,お年寄りの
敬老パスのおかげでこんなことになったのかと思います。しかも,当初で言うと,赤字再建指定を受けた一般交通の再建のために,公営企業法で独自に一般交通会計にお金を入れることができないから,
敬老パスを使って一般会計から一般交通会計に支援していくという方法でスタートしたのがこの
敬老パス事業ではなかったですか。
このことをどういうふうにお考えになって,こういう広報とか
敬老パスの
アンケートへの添付資料がつくられたのか,この点についてお尋ねをしたい。今回の広報さっぽろを使っての宣伝とか
アンケート調査は,
アンケートは600万円の市税を使ってやったものですけれども,これらは改悪先にありきの立場に立った誘導質問,誘導のための一方的な宣伝ではなかったのですか。この点についてお尋ねをしたいと思います。
◎大町
保健福祉部長 アンケートの内容は,市民の意向がどの辺にあるかをできるだけ正しく把握するために,設問もさまざまな角度から分析できるよう十分な検討を加え,公平・公正なものとして実施できたと考えております。
また,改悪を目的に実施したのではないかということですが,平成10年に申告制を導入して,それ以降も,
敬老パスにつきましては,市民の声を聞く課や私どもの所管課にいろいろな形でご意見がありました。しかし,それが実態としてどうなのか,情報が断片的なもので……。
◆小川勝美 委員 委員長,もう一回,質問しますから,私の質問に的確に答えてほしい。
私は,広報さっぽろや
アンケートに添付した資料のことについてお尋ねをしているのです。
アンケートの中身は入っていません。それは,これからお尋ねします。
ここに,改悪先にありきのような形で,事業開始当初との数値比較などと言って,
敬老パス事業が27.5倍にも膨らんだという宣伝は,少しいかがなものかと。間違った資料を提供して,大変だ,大変だと,オオカミ少年のようなことを税金を使ってやっているのではないのか。しかも,27.5倍に膨らんだ大きな要因は,札幌市長が市営交通料金の値上げをやったことが予算を膨らませた中心的な理由ではないのですか。
このことをお尋ねしているのです。まず,そこについてお答えください。
◎大町
保健福祉部長 札幌市の厳しい財政状況が何によるものかにつきましては……。
◆小川勝美 委員 そんなことは聞いていない。質問に答えてください。財政状況の質問まで入っていない。
福田理事,答えてください。私の質問に答えてください。
◎福田
保健福祉局理事 私どもとしましては,現状を理解するためには,当然,過去の推移を載せませした。委員がおっしゃった市営の交通料金云々は,社会情勢とかいろいろなことがございますのでそこは答えられませんけれども,私どもの目的は,あくまでも現状がどういう状況にあるか,過去はどういう状況にあるかということで,それは客観的な事実で説明したつもりです。
◆小川勝美 委員 それは,客観的とは言わないのです,一方的データなのです。客観的だったら,等しいものを比べて27.5倍と言うならわかります。しかし,そのときは市電と市バスしか使えないのが,今,夕鉄バスまで使えるようになったのを比較して,そのとき圧倒的多数の人たちは
敬老パスは使えないのですから,そのときと比較して27.5倍などと言うのは市民を惑わす宣伝だと思うのですけれども,違いますか。
本当に正当な資料を提供して,賢明な市民の皆さんにこういうことですから判断してくださいということだったら,この間,交通料金の値上げが何回もありました,30円の市電が170円になったこともありますということがなかったら,市民は間違った判断をするでしょう。これは,初めから改悪するための世論誘導のために税金を使ってやったのではないですか,
敬老パスの事業費が膨らんできたのは市営交通料金の値上げが大きな要因ではなかったのですか,そのことがこの中には何も触れていないのはどういうわけですか,こういうことを聞いているのです。
◎福田
保健福祉局理事 確かに,発足当初は,委員がご指摘のとおり交通機関が少なかった,現状はふえているという部分の説明はどうなのかとおっしゃられると,その部分での説明の仕方が足りなかったと言わざるを得ません。ただ,限られた紙面の中できちんとした……(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)
額的なものとかについては,事実をきちんと説明しております。
◆小川勝美 委員 短い言葉で,27.5倍にも膨らむ事業費と,こんな形で大見出しをつけられたら,誤解とか偏見を抱かせる宣伝物です。これは,おかしいです。やはり,片方では一般会計の予算もふえてきているし,インフレもあるわけです。一般会計の比率では,51年には0.2%でしたが,高齢者もふえている中で今回は0.4%になったというだけならいいけれども,27.5倍などというのは市民に対するおどしです。多くの市民はそう受け取っているけれども,
保健福祉局の人はそういう受け取り方を全くしない頭を持っているのですか。その点をお尋ねします。
◎福田
保健福祉局理事 今,委員からご指摘がありましたけれども,私どもはそういう表現の仕方が適切だと思ってやったつもりです。
◆小川勝美 委員 言葉足らずだ,不十分だったと言いながら,そう言うのは開き直りというのです。こんなのはおかしいです。
それでは次に,
アンケートそのものについてお尋ねをしてまいります。
600万円も使った今回の
アンケートでさまざまな形で市民の世論誘導をやりながら,何とか改悪に向けた回答を引き出そうと苦肉の
アンケートであったなというふうに私は思います。
上田市長になってから,第1回市民
アンケートが行われています。同じ
保健福祉局の
アンケートでありますけれども,札幌市のさまざまな
アンケートの場合は,設問にこういう答えをした方は次のこちらの設問に行ってくださいというふうになっています。これは,保健福祉部がつくった質問であります。「あなたは,毎日食べている食品の安全性についてどのように感じていますか。次の中から当てはまるものに一つ丸をつけてください。」「心配である」「やや心配である」「どちらとも言えない」「全く心配ない」「余り心配ではない」とあります。そして,「心配である」「やや心配である」と答えた方は,問い1の1に進む。問い1の1では,「心配である,またはやや心配であると答えた方にお聞きします。あなたはどのようなことが心配ですか。次の中から当てはまるものを幾つでも選んでください。」と。
普通,企画調整局や何かでやっている
アンケートはこういうものになっております。
敬老パスの
アンケートだけ,異常な
アンケートになっているのです。あなた方は,
敬老パスの改悪先にありきで,
アンケートをとって,それに答えた市民の
アンケート結果がさも公平であるかのように装うための苦肉の策がここに込められていると思うのです。
ほかの
アンケートと違う
アンケートをしなければならなかった最大の理由は何ですか。
◎大町
保健福祉部長 アンケートのやり方についてですが,これは,設問の単純集計だけではなく,設問のクロスを示して,市民の意向がどこにあるかを可能な限り正確に把握したいと考えてつくったもので,初めから誘導することを考えてつくったものではございません。
◆小川勝美 委員
厚生委員会で600万円の
補正予算の審査が行われたときにも,私は,これは意図的な宣伝に使われるのではないかという質問をしました。ほかの委員は,現状どおりいくのか,見直すのか,見直しするのだったら,その中に,年齢の
引き上げとか,あるいは,一部負担の導入とか,
所得制限の導入という
アンケートにしなさいと,わざわざ
アンケートの内容の質疑までやりました。そして,こちらの委員は,
アンケートを発送する前に厚生委員に全部示しなさいと言ったにもかかわらず,委員会に諮らないまま発送してやりました。非常に意図的だったと思うのです。初めから一定の意図を持って,
敬老パスの改悪をしよう,そのために市民は必ず改悪賛成だという方向に持っていこう,一部負担させよう,あるいは,組み合わせでいろいろな改悪をやっていこう,そういう結論を導き出すための手法としてやられたのではないかなと思っている。
上田市長は,23日の
記者会見で,
アンケート調査結果についてこういうふうに言っています。「ほかにいろいろな条件の中で回答をちょうだいし,それをクロスさせると真意がわかるのではないかということで,統計学的にもこのような手法がとられたのであります」と言っています。統計学的な手法をとって,普通に市民に聞いただけでは,
敬老パス改悪,一部負担がいいのだというふうにはならない。したがって,これでは改悪に向けての
アンケートとして困るから,いつもやっている
アンケートとは違うやり方でそういう結論が出るような方法で意図的にやったのではないかと思うのです。
上田市長は自分で言っていますよ。上田市長は,その上に立って,利用者の方に何らかの形で負担をお願いすることを含めて,さらに具体的な検討を進めてまいりたいというふうに述べている。しかも,上田市長は何て言っているかというと,NHKの記者の質問に答えて,「選択可能な提案をさせていただいて」と言っています。そうすると,この後,高齢者の意見を聞くと同時に,選択可能な方法でというふうに何ぼかの改悪案を示しながら,その改悪案の中からあなたはどれを選びますかということをやろうというのですか。これなら,改悪案の中から,こちらの改悪案がいいのか,そちらの改革案がいいのかと,これだと最初から悪魔の選択を迫ることになる。上田市長はそういうことをやろうということを23日の
記者会見で述べたのですか。この点について,はっきりお答えください。
市長が言っているのですよ,皆さんも見ましたでしょう。市長の
敬老パスの
記者会見のとき,
保健福祉局はだれも立ち会っていないわけでないですね。私たちは,これは広報部からいただきました。その中にこういうことが書かれてあります。上田市長がしゃべったのだということで,文言の整理等もしていますということですが,市民に伝わるようにはこういうふうな言い方をしましたと。上田市長は,統計学の手法を使って,深層心理を確かめるためだと言っています。仮にという設問に答えさせるようなやり方をやって,そして,この後,改悪案を何通りか示して高齢者に選んでもらう。これは,Aという改悪案がいいか,Bという改悪案がいいのか,Cという改悪案がいいのか,この改悪案の中から選んでいただきたい,こういうことを述べているのですよ。選択可能な提案をさせていただくということで,どれを選んでいただくのかということです。これは,悪魔の選択を迫ることにならないのですか。そうでなくて,現状維持というものもあるのですか。見直し案で言っているのですよ。違いますか。上田市長が言っていませんか,選択可能な提案をさせていただくと。
◎大町
保健福祉部長 手法的にはそういう言い方をされていると思いますけれども,改悪案で悪魔の選択を迫っているのかということについては,そういうことを意味しているものではないと思っております。
◆小川勝美 委員 私がわかりやすく言ったのが大町部長は気に入らなかったのかもしれないけれども,上田市長は,「私はこういう
アンケート調査に基づいた具体的な提案を,選択可能な提案をさせていただきながら,どういう考えを皆さん方がお持ちなのか探っていくといいますか,選んでいただくというようなことがこれから進めるべきことではないかと思い,具体的にやってまいりたいと思います」,こういうふうに話しているのです。具体的な提案,選択可能な提案をさせていただくというのです。何ぼかのものがあって,その中から選んでいただくことだと思うのです。それは,きょう,傍聴している人たちから言えば,
アンケート調査に基づいて具体的な提案をするというのですから,先ほど,
所得制限の導入だとか,年齢の
引き上げなどは対象外だと大町部長が言われたから,一部負担の導入という中で,そういう選択肢を盛り込んだ案を示して,高齢者の皆さんから選んでいただくことになるのですかと。
先ほど老人クラブ連合会の皆さんは現状どおり維持してほしい,そして,ほかの人たちも
敬老パスは
現行どおり存続してほしいと言うけれども,上田市長は,初めから意図的な
アンケート結果に基づいて,利用者負担,見直しが必要だ,その上で選択可能な提案をさせていただくと言っています。そうすると,改悪案を何通りか示して,それを選んでいただくことにならないですか。改悪案を並べて,その中から選んでいただくことになれば,悪魔の選択を迫ることにならないですかと,私はわかりやすい言葉で言っているのです。
福田理事,お答えください。
◎福田
保健福祉局理事 市長の
記者会見の関連ですけれども,私ども原局といたしましても,この
敬老パス事業を存続させるためには,財源が限られた中で,何らかのことをしなくてはならないという意識を持っているのは事実でございます。そういう中で,市長の言葉というのは,例えばほかの政令指定都市の状況を見ましても,各都市でいろいろ悩みながら工夫をしております。札幌市は,今までずっと29年間,この形で来ましたが,その中で例えば仙台方式とかいろいろあります。そういう方式がある中で,存続するためにはどのような形をとればいいのだろうかと,各政令指定都市の類型を見ながら札幌市のあり方を考える。そのために,その方式を一つの例として市民の意見を伺いたい,そういう趣旨でございます。
◆小川勝美 委員 そうしたら,上田市長は初めに改悪ありきという立場なのですね。それをまず一つお聞きしたい。
次に,この意図的な結論が出るような
アンケートをつくった3人の大学の先生がいます。深層心理を確かめて,見直しが必要だという結論になるような
アンケート調査をつくるのに,600万円の予算の中から3人の学者の皆さんに幾らずつ払ったのですか。これを明らかにしてほしい。それから,3人の方の氏名も明らかにしてほしい。少なくとも,市が今までやっている市民
アンケートとは違う手法で,改悪に向けた結論が出るように,そういうものをやるために市民の税金が使われたわけですから,この3人の大学教授は,どこの大学の先生で,何という人で,だれに幾ら払われたのか,明らかにしてください。
◎大町
保健福祉部長 3人の教授のお名前を申し上げますが,まず,杉岡直人さん,北星大学の教授でございます。それから,原 俊彦さん,東海大学の教授でございます。それから,飯田俊郎さん,札幌国際大学の助教授でございます。回数は7回の集まりを持ちまして,その都度,附属機関の委員報酬に基づいて1万2,500円のお金をお支払いしているということです。
◆小川勝美 委員 1人,1回,1万2,500円で,7回やって,3人にそれが支払われた。では,総額は幾らになるのですか。
◎大町
保健福祉部長 26万円程度でございます。
◆小川勝美 委員
敬老パスを改悪するためには,札幌市の職員ではこういう
アンケートをつくれないから,大学の教授の力もかりて,26万円ぐらいの先生方の報酬も払って,統計学的手法でこういう結論が出るような
アンケートをつくったということですか。そういうふうに理解してよろしいですか。
◎大町
保健福祉部長 金額の多寡ではなくて,その方々の専門的な意見を十分取り入れながらやったつもりでございます。
◆小川勝美 委員 非常に問題のあるやり方だと思います。先ほどの誘導的な宣伝,一方的な意図的宣伝,そして,
アンケートの中身も,初めから改悪に至る結論を導き出すような誘導質問なり意図的な質問構成が行われています。
そして,
アンケートそのものの問題点です。この
アンケートは,非常に多額の金を使った
アンケートですから,非常に意図的につくられています。問い10ですが,「現在の
敬老パスの問題点として考えられることは何ですか。次の中からあなたの考えに近いものを二つまで丸をつけてください。」と。八つあります。初めから「現在の
敬老パスの問題点」とありますが,なぜ
敬老パスに問題があるのですか。そして,「問題なし」という項目がないのですよ。これは本会議で聞いても,市長も助役もだれも答えなかったのです。初めから
敬老パスには問題が多過ぎるというあなた方の都合のいい前提のもとで,問いの中からどれかを選ばせる。「高齢化が進むため市の負担がふえる」,こういうことを選ばせるような質問をつくっているのです。こんなのだったら,
敬老パスに問題点はない,むだな大型開発だとか市役所の天下りを規制して
敬老パスをしっかり守ってほしいということが何もないのだ,この
アンケートは。
◎大町
保健福祉部長 一つ一つの問いだけで
アンケートをとらえるのではなくて,流れの中でやっていると考えております。
それから,少なくとも私が知っている限りの
アンケートの手法につきましては,
アンケートの結論を誘導する考え方というのは,質問の中で否定的なことを言って,それに対して質問をするという文言のつくりを誘導と言うのであって,こういうような形のやり方は誘導ではない。それから,回答の順番も,回答のレベルが違っているものについては誘導になるかもわかりませんけれども,この場合は回答のレベルが違っていないと判断しておりますので,そういう意味では学術的には何ら誘導となっていないと考えております。
◆小川勝美 委員 これは,善良な市民を惑わすためにつくった
アンケートですよ。初めから,現在の
敬老パスの問題点として考えられることは何ですかと。善良な市民を惑わして,どれかに丸をつけさせて,高齢化が進み市の負担が大変だ,交通局やバス会社の負担がふえる,鉄道,JRが使えない,利用できない。こんなところに丸をつけさせるように初めからねらっている質問でしょう。違いますか。問題はないという項目がここにないのです。初めから問題があるのだという意図があってやっていることだ。
もう一つ,「仮に一部負担となった場合,あなた自身は月平均どのぐらいの負担でよいと思いますか。一つだけ丸をつけてください。」と。500円程度と。500円といったら,年間にしたら6,000円ですよ。「あなた自身は月平均どのぐらいの負担をしていいと思いますか。」と,「仮に」と言っている。現状どおりと言っている54%の人たちに,「仮に」と言って,また答えさせる。一番低いので500円程度だよ。これは月ですからね。1年にして6,000円と書けばもっと正直なのだけれども,そういう書き方はしないのです。こういうふうに意図的なのです。
さらに,5番目は4,000円以上負担していいと。4,000円といったら12カ月で何ぼになりますか。
敬老パスは,今,2万2,000円か2万3,000円しかかかっていないのに,これでいったら4万8,000円も金を取ろうというのですか。2万2,000円しかかっていない
敬老パスなのに,4万8,000円も取ろうと。こういうことを,仮に一部負担と言っている。一部どころか,余っておつりがくるぐらい取ろうだなんて,こんな設問はないですよ。
これを答えてください。
◎宮田
保健福祉局長 今までの議論でございますけれども,個々の質問は非常に恣意的で,最初から改悪とか悪意に満ちたという言葉で始まることに関して,我々は誠意を持ってやっているのに,そういう感情を交えた言い方はいかがかと私は思います。
今の小さな問題ですけれども……。(「これが小さな問題だと言うのなら……」と呼ぶ者あり)個別の問題です。(発言する者あり)
こういうやじの中で議論するのはいかがなものかと私は思います。
今の設問13についてのお話でございますが,私から言うと,委員はひきょうな質問のされ方をしておられます。
というのは,この質問の中では,1カ月の負担として1の500円からずっと出ております。5番目に4,000円以上となっておりまして,その合計は4万8,000円を負担させるところまで丸をさせようとしているという質問でしたけれども,その次の質問をごらんください。現行のままでよいというものも丸をできることになっているのです。それを言わないでやることはひきょうです。
◆小川勝美 委員 そうしたら,2万2,000円か3,000円しかかかっていない
敬老パス事業に,あなたは5番目の4万8,000円以上という負担を求めるような設問をなぜつくったのですか。なぜそんなことを設問にしたのですか。
◎宮田
保健福祉局長 お答えいたします。
設問ですから,可能な限り広く意見を求めるということでいいのではないでしょうか。この場は,1カ月4,000円の負担がいい悪いを議論する場ではないと私は思っております。個々の選択の一つでございます。
◆小川勝美 委員 何か学術調査の
アンケートをやっているのではないですよ。
敬老パス見直し事業の
アンケートを600万円の市税をかけてやっているのですよ。そのときに,4,000円以上という項目自体,2万3,000円しかかっていない中で,なぜ4,000円以上,4万8,000円も負担することに丸をつけるような質問をしなければならないのですか。
それは選択だからいいのだと。また,現行のままでいいという項目もあると。それは,10月2日の委員会で私が言ったからつくったのですよ。こんなむちゃな
アンケートの質問は余りにもひど過ぎるのだ。この点について,何を考えているのか,はっきり示してください。(発言する者あり)
それでは,もう少しお尋ねをします。
4,000円以上だとか3,000円程度という質問です。3,000円だったら3万6,000円です。こんな設問をして,そこに丸をつけさせる
アンケートをなぜやらなければならないのですか。それも選択だと言うけれども,そんなのは答えになりませんよ。2万3,000円しかかかっていない
敬老パス事業に,4万8,000以上の負担を求めたり,3万6,000円以上というのは一部負担ということになりますか。この設問が,仮に一部負担ということになりますか。
◎大町
保健福祉部長 利用実態に基づいて数字を割り出したい気持ちがあったのは事実です。そういう意味で,利用実績,
利用回数,それらを
クロス集計した結果,先ほどご説明申し上げた数字が出てきているという状況です。ですから,そういう数字をつくる背景として,利用実績の乖離の部分を指摘されていましたので,そういうものをとらえていきたいと考えました。
◆小川勝美 委員 これが利用実績についての
アンケートならいいのです。これは,仮の設問ですよ。仮に一部負担を行うとしたらという設問の中で,今の金額より大幅に上回る3万6,000円だとか4万8,000円の答えが出てくること自体おかしいのではないかと思うのです。選択だなんて言うけれども,それは選択ではないと思う。なぜこうなるのか。
○
本郷俊史 委員長 小川委員,質問と答弁が繰り返しになっております。
◆小川勝美 委員 余りにもこの
アンケートがひど過ぎるということを指摘して,次に行きます。
先ほどの質問との関係でお尋ねをします。
先ほどは,見直しをして一部負担をすることについて,3月いっぱいに何らかの形を出したいという話でした。予算は,この間の
市長査定で37億円と決められたということですから,2月25日の本会議に提案する新年度の予算案では,
敬老パス事業としては37億円の予算が提案されることになると思いますが,いかがか。
それから,先ほど柿崎委員の質問に答えて,条例化はしないということであります。そうすると,市長は,規則を変えて一部負担を取ろうということになるのかなと思うのです。その場合に,議会との関係では,議会には,4月から来年3月31日まで
敬老パス事業は37億円かかるので,この予算を審議し,議決をしていただきたいということで市長は提案をするわけです。37億円ということで,来年3月まで
現行制度をしっかり守りますと言って議会に予算を提案するわけですね。(発言する者あり)
37億円という予算は予算でしかないのです。
そうすると,議会では3月30日に37億円という来年度の
敬老パス事業の予算を議決をしておいて,規則で勝手に見直して予算を余すということですか。どういう手法を講ずるのですか,議会の意思はどういうふうになるのですか。
◎大町
保健福祉部長 先ほどの伊与部委員のご質問にもお答え申し上げたのですが,16年度予算につきましては37億円を要求しております。それは3月31日までのものでございますが,本年10月以降の制度はまだ決まっておりませんので,その部分につきましては暫定的な意味合いを持った予算として理解してほしいということでございます。
◆小川勝美 委員 それでは,見直し案が決まったとき,この37億円の予算はどういう手法で変更するのですか,補正するのですか。減額をするのですか。
○
本郷俊史 委員長 先ほど答弁が終わっております。
◆小川勝美 委員 あと,上田市長の元気ビジョンの市役所改革の中に行財政改革の項目があって,そして,
敬老パスやすこやか健診の見直しが入っているのです。しかし,多くの市民が望んでいる市役所改革は,公共事業の見直しをやって,市民の暮らしや福祉をしっかり守るために行財政改革をやってほしいというふうに思っているのではないかと思うのです。
ところが,3期12年の桂市政のもとで,板垣市政の最後のときの一般会計の借金残高が4,900億円だったのが,桂市政の最後では1兆600億円と2.2倍に膨らんだのです。これは,市民福祉のやり過ぎで市の借金残高がふえて,今,年間900億円という借金の元利償還で苦しんでいる,こんなことになってきておりますが,その中心的なものが,私たちが問題だと指摘したコンベンションセンター建設206億円です。借金は180億円,そして,完成したら毎年2億円ずつ管理運営費の赤字による投入です。こういうことをやって,180億円の借金の元利償還,11億円ずつ20年間,こういうことをやるわけです。こういうお金の使い方にメスを入れていくならば,
敬老パスの事業などはしっかり守っていくことができるのではないか,我々はこんなふうに指摘してきました。
また,さきの12月の第4回定例市議会では,108の市の出資団体に,
保健福祉局が関係する団体も含めて,年間,補助金だ,委託料だ,貸付金だと440億円も行っているのです。そこに市のOBが何人も天下りして,天下りのための補助金,委託料もあるのです。そこにもメスを入れれば,
敬老パスの見直しなんかしなくてもしっかりやってくれるのではないか,ここにこそ,本当の市役所改革があるのではないかというふうに多くの市民が望んでいると思うのです。
敬老パス担当部局として,そういうことこそやって,
敬老パスをしっかり守る,
現行制度をしっかり守る,そのことを市長に要求すべきだと思うのですけれども,どうでしょうか。この点をお尋ねしたいと思います。
◎福田
保健福祉局理事 行政改革を含めた市長の提案事項の全般的な話については,確かに各局でいろいろな見方を持っています。
保健福祉局といたしましては,先ほども若干答弁いたしましたけれども,当然,いろいろなすべての事業について,もう一回,あり方をきちんと検討しようというスタンスで向かっております。そういう意味で,私どもでは
敬老パス事業を存続するためにはどうするかという論議をしておりますし,大きな意味ではおのおのの局でそれを検討しているという言い方しかできません。
◆小川勝美 委員 最後に,
敬老パス事業というのは70歳以上のお年寄りに本当に喜ばれている事業であります。そういうことから,
現行制度できちんと存続していく。まずこれが大事なのであって,上田市政になって,初めから存続はなし,見直しというのはおかしいと思う。これは,上田市長になったら,
敬老パス事業が軽い老,軽老になってしまう。こんなふうに私は思わざるを得ないのです。
敬老パスなどという事業は絶対に行財政改革の対象にすべきでなくて,
現行制度でしっかり守っていくよう強く求めて,きょうは質問をやめておきます。
◆佐藤典子 委員 私も,何点か質問させていただきます。
まず,この
アンケートですけれども,3ページの
自己負担の比率は,現行のままでいいが41.2%,所得に応じて
自己負担するが26.6%,一律に同じ額を
自己負担するが20.8%,合わせると47.4%ということで,ほとんど半々ですが,若干,
自己負担が多いという報告がさっきありました。もう一つ,3ページの下の
利用限度額についても,現行のままでよいが41.2%と,これは
自己負担のところでも利用者負担なしの現行のままと同じ数です。そして,
利用限度額を設けてもいいということで,1,000円から2,000円程度,3,000円までということで47.3%と,これも,ほとんど半々ではありますが,若干,数字が高いということが出ております。
先ほどからの質問の中に,今後,区老連に出向いてお話しをされる。そのときの資料として他都市の制度を参考に持っていきたいというお話がございましたし,局長のお話の中にも,各自治体でも悩みながら
敬老パスに似たような制度を行っていると。
そういう状況がある中で,一部
自己負担,また
利用限度額を行っている政令指定都市はどのくらいあるのか,そして,それが本当に札幌市にとって参考になるのかどうか,まず,そのことをお答えください。
◎大町
保健福祉部長 各都市の
敬老パスの状況につきましては,その都市の特徴を生かしながら実施しておられます。そのため,即,本市の制度に参考にできない側面もありますけれども,その中で考え方を生かすことができる面もありますので,参考にできるものは参考にしながら,各都市の状況を生かしていきたいと思っております。
それから,一部
自己負担などの内訳ですけれども,一部
自己負担をとっているところは仙台,横浜,神戸の3市です。中身につきましては,各都市の状況に応じてそれぞれ違っています。
利用限度額につきましては,4市で,仙台,千葉,広島,福岡です。これも,一律ではなく,それぞれ特徴を生かしながらやられている状況です。
◆佐藤典子 委員 地域事情によってということなので,やってはいるけれども,その中身については札幌市独自で検討しなければいけないというご答弁だったかと思います。
今後ですが,今回,
アンケートが出ました。そして,きょう,皆さんから,3万7,000筆に近い署名が添えられた陳情が上がり,多くの市民の声が寄せられています。このほかに,以前,ホームページに出すとおっしゃっておりましたが,そういうところにどのような意見が何件ぐらい上がってきているのか,教えてください。
◎大町
保健福祉部長 市民の意見,要望についてですが,昨年7月に元気ビジョンが示されて以降,昨年12月末までに,市民の声を聞く課や高齢福祉課,各保健福祉サービス課等に手紙やファクス,Eメール,電話等で寄せられたご意見,ご要望は1,000件以上に上りました。このうち,広報さっぽろの特集記事に寄せられた625件を見ますと,現状維持は約1割で,見直し,縮小は8割を超えております。見直しの内容は,
自己負担が5割,
年齢引き上げや利用上限,
居住要件を求める方はこのうち約2割となっております。このほか,市長あてに,
敬老パスを守る連絡会から,69団体170人の現行存続を求める要望書や出前講座の参加者からのご意見もいただいております。
◆佐藤典子 委員 私も,
敬老パスは本当に市民の関心の高いものでありまして,市民議論を十分にした上で方向性を出すべきだと思っています。
市長も十分な市民議論を踏まえてとおっしゃっておられますので,今回の陳情の声,
アンケート,それから今のような声をきくことと思いますし,今後,区老連の皆様のところに説明に上がるという先ほどのお話でした。そこで,先日,1,000人ワークショップがありましたが,ああいう形でもっと広く市民の声を聞くワークショップとか,さらに市民の声を聞く方法として何か具体的にお考えかどうか,お聞かせください。
◎大町
保健福祉部長 一般市民を対象とした市民議論の場についてですけれども,内容は早急に決定したいと思っております。現在,内部で検討しておりますのは,約300人程度の方にお集まりいただき,数名の方に具体的な制度についてのご意見を発表していただき,さらに会場からもご意見をいただきながら議論していく形を考えております。具体的には,2月13日にエルプラザでの開催を想定し,市長の出席も検討しております。
◆佐藤典子 委員 先ほどの区老連の説明は,いつから行かれるのですか。
◎大町
保健福祉部長 スケジュールとしては,あす以降,2月上旬をめどに説明会を開催する予定です。
◆佐藤典子 委員 最後に,
アンケートについてもう一度お聞きします。
5ページ目に,
敬老パスの
利用状況ということで,
敬老パスを利用している,受けているという方が88.6%と
アンケートでは上がっております。秋口に一度伺ったときは,約8割の方が
敬老パスを利用されているということで,今回の
アンケートでは利用されている方が多かったのだなというふうに思います。また,受けていない方が7.2%,無回答も4.2%あります。そして,最後の7ページのオに,
敬老パスの交付を受けていない理由として,身体的な理由から利用できないためが半数以上の方,それから,外出をしない,そして自家用車やタクシーを利用している方もたくさんいらして,制度を知らないという方はさすがにいらっしゃいません。
それで,私は,きょうの
趣旨説明者の竹中さんの言葉がすごく心に残っています。今すぐに
敬老パスの結論を出すのではなく,高齢者市民を守り,元気な高齢社会のあり方への政策を提言すべきだという意見がすべてを物語っているのではないかと思います。
敬老パスのことは
敬老パスで,私も,それを使って外出されて,生きがいを持って元気でいていただきたいです。その存続については,本当に平等で,皆さんにとって納得できるあり方について,今後,市民議論で詰めていくべきだと思います。
そして,もう一つ忘れてはいけないのは,外出したくてもできない方がこれだけいらっしゃるということです。それを踏まえて,高齢者の方の移動をどう保障していくかが,この制度を考える上でこれから考えなければならない大きな課題になってくると考えます。ぜひ,同時に,動きたくても動けない方もいらっしゃることを踏まえて,
敬老パス,また高齢者の移動サービスを提言していただくように要望して,質問を終わります。
◆松浦忠 議員 それでは,今まで長時間にわたって各会派の代表の方から質疑がされましたが,質疑したことによってわからないことが出てきましたので,まず,そのことについて質問いたします。
まず,答弁の中で,民間バスなどの利用実態は公表できないけれども,調査をしたら地下鉄もバスも市電も含めて平均で3.6倍になったと。この調査の時間帯は何時ごろ調査したのか,これについて掌握しているかどうか,このことについてまずお答えをいただきたい。掌握していなければ,していないでいいです。
二つ目は,今回のこの調査は5,000人でありました。前回,当時の桂市長は何人を対象にして実施をされたか。
アンケート調査は平成9年にもやっておりますから,この対象人員を明示してください。
三つ目は,今回の
アンケートは5,000人で,前回は,私から教えてあげますが,1万人です。そこで,前回の1万人の
アンケート内容と今回の5,000人の答えの中で,一部負担をすべきだという意見は前回の1万人
アンケートの回答者のうち何%を占めたか,今回は何%であったか,その対比を明らかにしていただきたい。
それから,4点目は,平成9年10月8日の第二部決算特別委員会で,私は,当時の吉本民生局長に,
敬老パス見直し問題でこういう質問をしております。十数万人の乗車に対する割り引き交渉です。私は,混雑する通勤時間帯に使う人はいないでしょう,日中の閑散とした空気を運んでいる時間帯に乗車をするでしょう,したがって,私は値引き交渉をしっかりやるべきだ,2分の1より,むしろ3分の1ぐらいでいいはずだという指摘をしました。それに対して,当時の吉本局長は,バス協会と話し合いをして2分の1に決めましたという答えをしているわけです。
その後,今回の見直しに当たり,2分の1の負担率について,混雑度合いや乗車時間帯とあわせて,それぞれの交通事業者と切り下げるような交渉をしたのかどうか。
私がこのことをなぜ申し上げるかというと,前回,交通局のあり方を考える懇談会というのが全市的に持たれました。この懇談会の中で,交通局の幹部から,交通局に
敬老パスで28億円の乗車賃が支払われてくるのは大変ありがたいことだ,したがって,皆さんも何とかこれを確保するように交通局に力をかしてくださいという発言がありまして,私はそのことを指摘しております。当時は28億円でありました,今は35億円,今度は37億円です。そういう多額のお金を払っていくときに,当然,乗せる時間帯によって乗る側との交渉は本来あって当然なのです,あるから2分の1になっているのです。その後,その交渉をしたかどうか,その点を明らかにしていただきたい。
まず,この4点についてお尋ねをいたします。
◎中田 高齢福祉課長 まず,ご質問の1点目でございます。
民間事業者が利用実態を調査した時間帯でございます。1社につきましては,全時間帯で調査していると伺っております。もう1社につきましては,
敬老パスをカードとして通すものですから,フルタイムでデータをとっていると私どもは受けとめております。
それから,2点目の平成9年の市政モニターですが,5,392の回答を得ております。
また,
敬老優待乗車証の一部負担という問いではありませんが,見直し,制度の変更,縮小などをした方がよいと思う事業を三つ選んでくださいということで市の各事業を掲載している中で,
敬老優待乗車証に丸をつけた方は36.1%でございます。
◎大町
保健福祉部長 それから,値下げ交渉はしておりません。
◆松浦忠 議員 前回の1万人
アンケートでも,私は菊水地区で10の老人クラブを対象にした調査
アンケートを実際にとりましたが,これと市のやった
アンケートでは大きな開きがありました。今回も大きな開きがある。これは,対象の人とそうではない人で開きがあるのは当然です。それはそれでいいです。
それから,値下げ交渉ですが,35億円とか37億円もの金を払うのです。前回,平成9年のときに菊水地区で560人ぐらいの方が回答をして,通勤時間帯に使っていたのは3人です。去年の秋にやった
アンケートでは,通勤時間帯の利用はだれもいません。したがって,少なくとも札幌市長として,空バスを走らせるのか,それとも安くても乗せるのかという議論を交通事業者としなければだめなのです。
なぜかといったら,今,ハイヤーもそうですが,運賃というのは自由化されているわけです。運輸大臣の許認可制から届出制になっております。したがって,どの時間帯に高齢者の敬老優待パスが利用されるのか,市はしっかり調べると。そして,日中の空気を運んでいる時間帯ならば,ただとは言わないけれども,1円から始まって交渉していくのが税金の適切な使い方のあるべき姿です。
そういうふうに私が4年前に指摘したことが全くされていなくて,またぞろ,こういうものが安易に出されてきました。上田さんは,選挙で終わったすぐですから,市の行政実態もよくわからない中であたふたと第2回定例会の
補正予算の編成にかかったということで,私は,あの予算の評価をマスコミから求められたとき,まだ予算を評価する段階にない,市長の評価をする段階にないと答えました。そういう意味で,これは,上田市長の責任というより,あれは,原局の皆さんが,
保健福祉局という組織が,平成9年にやって失敗した,この際,何とかこれをまたやりたいということで,引き続き,市長を乗せてそれを出したにすぎないと私は思っているのです。
しかし,出すにしてはお粗末過ぎる。なぜかというと,私が指摘した今の運賃交渉などをやっていない。そういうことをきちんとやって,その結果,バス事業者,鉄道事業者はどうしてもこれに応じてもらえない,ここまでがぎりぎりだ,その上で,お金がこうなるのでこうだというようなことがあるならば,私はまだ救いがあると思うのです。
しかし,そういうことが全くされないで,2分の1はそのままで,業者の側,乗せる側のやった実態調査の数字を札幌市の広報誌に載せる。札幌市の広報誌に載せるということは,札幌市長がその数字を認めているということなのです。先ほどの部長の答えでは,これは不確定なとかいろいろなことを言っていました。あるいは,公表したらだめだ,業者に公表してもいいという内諾をとっていないと言っていましたけれども,私は,この広報誌に載せるとなったら,少なくとも市長として,きちんと責任ある数字,市民に説明できる数字を載せ,それに対する市民の評価をいただく,これが上田市長の言っている公平で正しい情報公開のあり方ではないですか。
その点について,
保健福祉局長はどういうふうに思いますか。先ほど,あなたは,小川委員との質疑に対してあなたの言い分を言っておられた。それはそれで,言い分ですから言っていいと私は思います。ただ,私の指摘をあなた方がやっていないことに対してどう思いますか。答えてください。
◎宮田
保健福祉局長 当時のことは,私は今この場で正確に答えられません。私は直接この仕事をしておりませんでした。そういうことで,当時,バス事業者等と交渉すべきだという指摘があって,民生局が交渉するというお約束をしたのかどうか,それは私は承知しておりません。
大町部長は,先ほど答えましたが,彼の在任中においては業者と交渉しておりません。これをどう思うかと言われても,私は,まずは事実関係を調べなければ,私は今すぐお答えできないという答えしかできません。
◆松浦忠 議員 当時,私は,決算特別委員会で質疑をして,その議事録の写しを持っております。そのとき,私は,最後に,こういうことについて市の財政が非常に逼迫した段階で次に何を考えるかといったら,市長は,当然,こうした値切り交渉などのいろいろなことをやって,その上で,さて制度に手をつけざるを得ないということが手順ではないか,このことを指摘して終わるということで質疑をやめているのです。重大なことは,
保健福祉局長が,平成9年に,議会との間でどういう質疑があったのか知らないことです。
当時も,見直しということでその意図は一部負担を求めようとしたのです。けれども,皆さんの反対に遭いました。今は少数与党ですが,当時は,今よりも与党体制は強固でした。自民と今の民主党,それから公明党と,議会で5分の4に近い絶対多数を占める与党の中で提案したものが,市民議論などが盛り上がって,その結果,この手直しを断念して,ただ,支給の方法について,民生委員が配って歩くものから本人が連絡所に取りに行く,希望しない者には上げない,取りに行かない者には上げない,こうした制度へ変わっただけに終わったのです。
今は,与党は民主党1党の少数与党です。その当時でも通らなかったものが,今回,そのことをきちんと精査もしないでこういうことを出してきたというのは,あなた方は,市長が上田市長にかわって,心を入れかえて仕えるのならまだしもです。福迫助役は,この間の議会の議案審査特別委員会で,あなたは桂さんに仕えて今回も辞表を出したのに,どうしてまた引き続き残ることになったのかという自民党の質問に対して,私は上田市長に請われたから,上田市長の方針に基づいてやろうと決意してやることにしましたと答えているのです。
したがって,局長個人は,当時,仕事していなくても,今,あなたは局長という職にあるのです。そうしたら,平成9年に出して失敗したのだから,当然,今度はその轍を踏まないように,ちゃんとその経過を精査をした上でこういうものを出してくるのが本当ではないですか。それなのに,あなたは,私は担当ではなかったから全く知らなかったなんて,
保健福祉局長が以前のことはかかわりがないなんていう認識でこの問題を取り扱っているとすれば,これは全く問題外の話だと私は思うけれども,あなたの認識をもう一回聞かせてください。
◎宮田
保健福祉局長 先ほどお答えしたとおりで,知らないものは知りません。
◆松浦忠 議員 宮田局長,知らないものは知らないでいいなんて,局長職としてそんなふざけたことを言うのか。
それなら,私は,あなた方を相手にこの時間まで残って質疑をしようなんて思わなかった。市長を呼びますよ。
私は委員長に尋ねたいけれども,きょうの議論を聞いて,こういう議論をするのに,あなた自身,なぜきょうは市長を呼ばなかったのか。市長を呼ばないで回答できるようなものが一つでもありますか。委員長に聞くけれども,あるところが市長の選挙公約を頒布してくれました。この市長の選挙公約の脱不公平,上田文雄という中に,公平な行政を執行すると言っているのです。きょう聞いていたら,一番大事な市長の脱不公平にかかわる議論がされていない。それは何かといったら,再三,私が指摘をしておりますけれども,私は,この問題をやるときに,なぜ
敬老パスだけやるのかと。先ほども小川委員から指摘されていたけれども,そのほかに,天下りの問題,あるいはまた,札幌市の職員は国家公務員と比べて3.5%給料が高い,年間50億円を超える問題とか,まだまだあります。こういったような問題に何一つ手をつけないで,なぜこの
敬老パスだけ出してくるのか。これらの問題も全部並べて,その中でどれから順番に見直しましょうかと市民に
アンケートするのが,上田市長が選挙公約としている,ポスターにもある脱不公平の原点です。
このことについて,今来ている局長以下に尋ねたって答えようがないです。委員長は,きょうの大事な
敬老パスの審査のときに,なぜ市長の召喚をしなかったのか。そのことをまずあなたに尋ねます。あなたは,委員長として,当然,出されている陳情の質疑に対して適切に審議できるようにするべきなのだけれども,どうして呼ばなかったのか,答えてください。
○
本郷俊史 委員長 お答えをいたします。
これは,
厚生委員会が受けた陳情でございまして,
厚生委員会から市長の出席要望はなかったということでございます。
◆松浦忠 議員 そういうことだと,実は,私は,たくさんのところから相談を受けていますけれども,別途,陳情を出していません。なぜ出していないかというと,7月の第2回定例会のときに,菊水の10の団体の
アンケートに基づいて,六百数十人のクラブの会員の方が市長とこの問題でぜひ直接対話をしたいということで,その後,市長との間で出席するという確約をいただいておりますから私は陳情を出していませんでした。
しかし,議員として,議会の場で議論しなければならないことがあります。これは,議員の本分であります。だとすれば,今度は,私の方は陳情なり請願なりを出して,市長の出席を求めて,再度,近々に議論する場を持たなくてはならないというふうに思っていますから,きょうはこれにてやめます。
◆田中昭男 議員 先ほど,これから説明するときに,一部負担があるかなしかといった問題も含めて,他都市の例もあわせて市民の皆さんに情報提供するというお話がありました。それはそれでいいのです。ただ,そのときに,その方式はいいのですが,それぞれの都市の総額もきちんと出しておいてください。初めの方にその資料が出たけれども,最近は見かけておりません。
というのは,私どもは,35億円という数字はほかの政令指定都市に比べて飛び抜けて高いとは認識していないのです。名古屋市の130億円を筆頭にして,もっと出している政令指定都市はいっぱいある。ですから,35億円は大変だと皆さんは言うけれども,全国の政令指定都市との比較で見たら,35億円は,必ずしもずば抜けて全国で一番負担しているのではないということがわかるような資料をきちんと市民の皆さんに出してあげていただきたい。これは要望だけにしておきます。
それから,市長は,この問題についてタウントークで市民の皆さんと随分やりとりをされました。それはそれでいいですが,この問題の最終の仕上げのときに,市長は,市民の皆さんの前にどう出すかというテーマがあります。タウントークであれだけ市民みんなの意見を聞いたわけですから,おれは意見を聞くだけ,つくった案についての説明は
保健福祉局で全部やれということにはならないだろうと私は思っています。先ほどワークショップと言っていたけれども,それは,多分,案をつくる前の段階のワークショップだろうと思うのです。案をつくった段階では,市長は市民の皆さんに対してそれなりの説明が必要だと思います。あれだけ市民の声を聞くと言っている市長だから,聞くだけではだめだ。やっぱり,つくった案を市民の皆さんに責任を持って説明してもらわないとだめです。
これも要望して,終わります。
○
本郷俊史 委員長 ほかにございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
本郷俊史 委員長 なければ,質疑を終了いたします。
取り扱いについてお諮りいたします。
(「継続審査」と呼ぶ者あり)
○
本郷俊史 委員長 請願第3号から第129号まで並びに陳情第24号,第36号から第61号まで及び第63号の合計155件を継続審査とすることにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
本郷俊史 委員長 ご異議なしと認め,請願127件及び陳情28件は継続審査と決定いたしました。
以上で,委員会を閉会いたします。
──────────────
閉 会 午後4時45分...