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平成16年(常任)厚生委員会−01月23日-記録

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  1. 札幌市議会 2004-01-23
    平成16年(常任)厚生委員会−01月23日-記録


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    平成16年(常任)厚生委員会−01月23日-記録平成16年(常任)厚生委員会  札幌市議会厚生委員会記録            平成16年1月23日(金曜日)       ────────────────────────       開 会 午前10時2分 ○本郷俊史 委員長  ただいまから,厚生委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,西村委員からは欠席する旨,また柿崎委員からは遅参する旨,それぞれ連絡がございました。  それでは,議事に入ります。  市立札幌病院あり方に関する懇話会からの答申についてを議題といたします。  理事者から説明を受けます。 ◎富樫 市立札幌病院長  お忙しい中をお集りいただきまして,まことにありがとうございました。  本日は,昨年12月12日ですが,市立札幌病院あり方について答申をいただきましたので,私から,これまでの経緯などについて簡単にご説明申し上げ,引き続き,事務局次長から本答申の概要をご報告いたします。  ご承知のとおり,少子高齢化の急速な進展などに伴い,医療に対するニーズも高度化,多様化している状況にあります。また,当院の経営状況は非常に厳しいものとなっており,これに加えまして,昨今の医療制度改革など医療を取り巻く環境が大きく変化しているところです。さらに,都市部の自治体では,その財政状況医療環境の変化などから,地域の医療供給体制に応じた自治体病院あり方について種々の検討や見直しがなされているところです。その一方で,地域の医療水準向上のため,本年4月からスタートする新たな医師臨床研修制度に備えるなど,若い医師を育成,指導していく必要があります。  このような状況にあって,市立札幌病院が,今後も市民に信頼され,かつ質の高い医療を効率的に提供し続けるためには,札幌市の医療供給体制の中でどのような役割を果たすべきなのか,その役割を果たすためにはどのような経営形態をとるべきかなどについて,いま一度,当院としての考え方を整理,検討すべきものと考えておりました。  このため,地域医療の実情に詳しい専門家から意見を伺うこととし,一昨年の12月ですが,病院長私的諮問機関として市立札幌病院あり方に関する懇話会を立ち上げました。その後,当懇話会におきまして,約1年間にわたり11回の審議がなされ,このたび答申に至ったものでございます。  私どもといたしましては,この答申を真摯に受けとめ,早速,私を本部長とする病院改革対策本部を設置いたしました。今後につきましては,この対策本部におきまして答申内容を十分に検討させていただき,その上で関係部局関係機関などとも協議しながら,参考とさせていただくものは参考とさせていただきながら,当院の実態に即した病院改革プランを,みずからの考えのもと,策定してまいりたいと考えております。  それでは,答申の概要について,事務局次長からご報告させていただきます。 ◎高橋 事務局次長  委員の皆様は既にご承知のことと存じますが,お許しをいただき,私から市立札幌病院あり方に関する懇話会の答申の概要についてご説明させていただきます。  お手元にお配りしております1枚物の資料をごらんいただきながらお聞きいただきたいと思います。  最初に,懇話会の委員ですが,財団法人結核予防会北海道支部常務理事の上村氏を会長とする6人の委員で構成されております。
     次に,審議期間と答申日ですが,一昨年12月9日に第1回目を開催し,昨年12月1日まで計11回開催いたしております。12月12日に答申をいただいたところでございます。  続きまして,懇話会諮問事項ですが,一つには,市立札幌病院が担うべき役割,二つには,その役割を果たすための経営形態,三つには,新臨床研修制度への対応の3項目でございます。  次に,答申の概要ですが,まず,市立札幌病院が担うべき役割の基本的な考え方として,一つには,他の医療機関では対応が難しく,専門性や質の高い急性期医療,二つには,他の医療機関では対応していない,あるいは,量的に不足する政策医療及び行政的医療を主に担い,医療の質と患者サービスの向上を図ることです。  今後,検討が必要とされる事項といたしまして,一つには,市内に第3次救急医療機関が4病院あることから,救命救急センターの役割の検討,二つには,小児医療や周産期医療体制の拡充などの少子化対策医療の充実,三つには,身体的合併症を持った精神疾病患者への対応などの精神科医療見直しでございます。  次に,今後の具体的な取り組みといたしましては,一つには精神科医療見直しに伴う静療院の廃院などを含む診療科及び病床数の見直し,二つには,人件費の削減,三つには,地域医療機関との連携強化など機能分化への対応でございます。これらの役割を果たすための経営形態といたしましては,地方公営企業法の全部適用であり,企業管理者を設置することにより,人事,給与,予算等の権限強化経営責任を明確にすることであります。  続きまして,新たな医師臨床研修制度の対応といたしましては,今後とも臨床研修指定病院としての役割を果たし,医療水準の向上を図ることであります。  最後に,懇話会として当院へ求める対応といたしましては,職員一人一人のコスト意識を高めるとともに,経営の効率化を進め,病院改革プランをみずから作成し,平成18年度までに具体的に着手することであります。 ○本郷俊史 委員長  それでは,質疑を行います。 ◆宮村素子 委員  それでは,私の方から,ただいまの答申の説明を受けまして,質問をいたしたいと思います。  最初に,院長が,今,冒頭にお話ししました中で,みずからの責任といいますか,考え方でしっかり病院をこれから立て直していきたいと言いました。私たち自民党といたしましても,ずっと,市立病院あり方につきましては機会あるごとに発言してきたところです。  その中で,一つには,病院が新しく移設されましたときに,私は周産期医療がどれだけ展開されるのかなと思いましたけれども,そのときには未熟児センターという位置づけでスタートしました。そのとき,札幌市内の周産期医療において札幌市立病院に求められる声は大変に大きかったと思います。私たちは他都市もいろいろ見てきまして,そして訴えまして,周産期センターとしての位置づけで今日に至っているわけです。  市立札幌病院は,それから地域医療との病病連携とか,病診連携といった地域医療との連携との中でも急性期医療の役割を果たす,それは従来からのスタンスですので,それも私たちは重要なことだと申し上げてまいりました。それから,少子化に至りまして,小児救急あり方も訴えてまいりまして,この4月から小児救急が札幌市でも整備されるといった状況にありますけれども,まだ十分ではない状況です。  この答申にあります,資料の中で,市立札幌病院は,小児に関して,やはり救急で受けてからそのまま入院になっていくケースが大変に多いです。ですから,その分野での必要性も十分理解できますし,私たちも訴えてきたことです。  さらに,精神科医療あり方につきましても,かねてから本院の方に組み入れ,そして,小児精神科,これは,疾患として見るか,生育から見るか,または環境から見るか,大変に複雑になっております。単純に子供の精神科というのは,従来のような枠組みの中で考えてはいけない状況になってきておりまして,これは,やはり市立病院が担うべきとして,そして,これはやはり環境としては本院の中でやるべきだと思います。それから,各科にわたる精神科のサポートが必要な分野もございますので,今,本院の中で静療院のドクターが各科にわたる精神科的なアドバイス,また,治療が必要な部分も出向いて行っているのは承知しておりますけれども,しっかりその体制を整えていって,そして精神科救急をしっかりやるべきだ,そして,情報提供または情報を得て,精神科重複疾患を持っている患者さんのたらい回しを回避するようにと私たちは自民党として訴えてきた。それは,病院のあり方としてそうすべきだと訴えてきたところでございます。  今回の資料の中でも,例えば周産期部門につきましては,183件の母体搬送の依頼を受けながら,受け入れたのは61件,約30%です。これは,ベッドがない,けれども,あいているベッドに入れても周産期の場合は24時間の医療が必要で,大変に煩雑になって管理体制上うまくいかない,それも十分理解できます。ですから,受けられない。  私は,札幌市内で周産期を整えている病院はない状況で,少なくとも市立病院が周産期を標ぼうしている。これは,道との関係があるとはいえ,札幌市で,今,お子さんを産もうとしている人の周産期医療への対応は決して十分とは言えないのです。ベッドがないからと言ってしまえばそれまでかもしれませんけれども,札幌市の方が,片や室蘭まで搬送されているのです,リスクが高い方が。それは,私は札幌市で産まれようとしているお子さん母体搬送に関しては,全面的に受け入れる体制を整えなければ,市立病院の役割としては十分ではないというふうに私は思っております。  さらに,今,きょうの報告の中にもありましたけれども,役割を果たす経営形態ということで,私たちは,これも地方公営企業法を全部適用して,病院長がきちんとした権限を持って,一つのビジョンで病院をきちんと経営していく方向に持っていくべきだと,そのことも申し上げてまいりました。今回の答申もそのように出てございます。  また,新たな臨床医の研修ということは,例えば,市立病院がある分野に特化したから臨床医の研修は受けられないというのではなくて,臨床医の研修で何を求めるかという国の考え方は,一つには,人間性,全人的に患者さんを診られる力を養うことと,そして,それをもとに,自分の進むべき医師としての方向性をしっかり身につけていくということがその研修制度の中に求められております。  最初から本当に専門分野に組み入れられて,そこをずっとやっていたときに,その専門的な視野でしか患者さんを診られない,それが多くの医療事故につながっていることも指摘されてます。単純な熱射病でありながら,それが大変な脳の疾患と思い,その薬品を使ったために,中学生がなくなったケースがあります。それは,最終的には熱射病だったのですけれども,そんなふうに専門的に診ていくということではなくて,全人的に,そして,まずはゼネラルに,きちんとこの疾患は何なのかということを診られる力をということであれば,市立病院の中で担う臨床研修は,ある特化した部分を中心とした医療にあっても,外来を中心にといった研修が必要かということは打ち出さなければならないというふうに思います。研修ありきで病院の形態をこんなふうにと考えてはならないと私は思っております。  そして,今後求める対応として,職員の意識改革と,そして,病院改革プランにつきましても,私は,早期に改革プランを打ち出して一歩一歩前進させるべきだと申し上げてまいりましたけれども,これは答申が出てからということで据え置きの答弁をいただいております。  そうしたことから,私は,この答申は大変に評価しております。私たちが訴えてまいりましたことの多くが網羅されていると判断して評価しておりますが,病院長としてどのようにこの答申を評価されているのか,まずは1点目にお伺いしたいと思います。  もう一点は,改革プランの策定についてですけれども,院長はこれを参考としてみずからの考え方でと申しましたが,本当に改革プランの中に答申をどう生かしていくのか。全面的に生かしていくのか,お考えをお示しいただきたいと思います。 ◎富樫 市立札幌病院長  周産期医療小児救急精神科医療などがこれらの答申に盛り込まれている点を評価するというご意見は,非常にありがとうございました。  私は,当懇話会の委員の皆様には,平成14年12月から約1年間,いろいろな課題について,ただいま委員が指摘された問題を含めて議論を重ねていただきまして,このたび答申をいただき,私たちとしては非常に感謝しております。  当院のあり方について,こういった形で外部の方々の意見を伺う機会はこれまでなかったことです。その内容も,私たちにとりまして大変インパクトのあるものでした。私どもとしては,この答申を真摯に受けとめ,これに対応させていただきたいと考えております。  また,2点目は,どのように活用しようとしているのかということですが,答申の内容を十分検討させていただき,その上で,診療体制や予算上の問題などがありますことから,当院の実情に即した改革プランを策定してまいりたいと考えております。 ◆宮村素子 委員  病院の予算,それから実情に応じて改革できるところは改革していきたいとの答弁です。  改革プランを策定するのだという気持ちはわかりましたけれども,これだけ大きな規模の病院ですし,私は,一つには本当に改革していけるだろうかという気持ちでいます。ぜひ改革していかなければならないわけです。  それで,私は,経営形態の中で,院長が病院の中でどういった権限を持つかということと同時に,医療界の中で,例えば道との関係,それから医師会との関係,それから各医師の教育機関との関係,今度は医局制度を廃止する流れになっております。これは,絶対に今までの経過というのは引きずるだろうと私は思っています。それから,病院の院長の権限として病院経営を考えていって,やはり優秀な医師を得られなければならない。そうなりますと,優秀な医師を,病院の方向に沿った医師を得ようとするときに,やはりいろいろな調整をしていかなければならない。ただ公募して,来る人はいらっしゃいということで済むのかどうか。  そんなところも大変に危惧するだけに,私は,改革していくのはそういった外部との関係もしっかり調整をしなければいけないと思います。もちろん,中の意識改革をして,病院を単年度黒字に絶対持っていく意識も必要です。患者が減ってきている,そして医療費も上がっていく。今,市民は,できたら自分はなるべく医療を受けないで健康を増進したいという気持ちでいますし,片や保健福祉局の活動も地域にずっと浸透してきております。ですから,健康への意識が大変高くなっていくと,病院に行くのは最小限にとどめようという意識になり,それは大変望ましいことです。そうしますと,病院の患者が減ってくるのは当然です。そんな中で,病院の単年度黒字に持っていくような方向をどうしていくかとなりますと,外との関係,内の中の改革は本当に難しい。  院長がやるという意識だというのはわかったのですけれども,本当に頑張ってもらえるのかどうか,なさるのかどうか,同じ質問ですけれども,もう一度,伺いたいです。 ◎富樫 市立札幌病院長  大変大切なアドバイスをいただき,本当にありがとうございました。  今後,当然,道も含めて,それから医師会,それから既存の医局というもの,これがいろいろな形で今議論されておりますけれども,そういうところなど,外部とのいろいろな調整が非常に大切になろうかと思います。もう一つは,内部の意識改革だということで,これが両輪だというふうに思いますので,それらについて,これから改革プランを真摯な態度で進めていきたいというふうに思います。 ◆宮村素子 委員  それでは,この答申の中で,今後求める対応として,病院改革プランの策定と18年度までの具体的な着手となっておりますが,改革プランスケジュール,いつにはどうしていくということはもう内々でお考えでしょうか。それがあれば,伺いたいと思います。  そして,再度,同じ質問をして,院長からこの答申を真摯に受けとめてしっかりやりたいというご意向も伺いましたので,ぜひそのように進めていただきたいと思います。  これで,私の質問を終わりますが,もう一度,今後のスケジュールについて伺います。 ◎佐々木 事務局長  改革プランスケジュールですが,十分な検討のもと,まず平成16年秋ごろまでに改革プランの骨子を取りまとめ,17年秋ごろまでに事務事業見直しやその手法などの実施計画を立て,改革プランを策定してまいりたい,こう考えております。 ◆伊与部敏雄 委員  私からも,数点お尋ねいたします。  まず,市立札幌病院あり方に関する答申は,昨年の12月12日に富樫院長懇話会から出されたと聞いております。  この答申の中身に入る前に,私は非常に疑問な点が一つあります。それは何かというと,この上村さん,山田さん,河西さん,白井さん,丸山さん,村上さん,6人の懇話会の委員が,院長,あなたに12月12日にこういう答申を持ってきたわけですね。ところが,北海道医療新聞というのがあります。12月5日の北海道医療新聞に,先ほど高橋次長が概要を説明したものと全く同じことが新聞に出ております。1週間前にです。院長,あなたがこの答申を見る前に,北海道医療新聞に答申の内容,概要が全部出ている。院長がわからないうちに,不特定多数がこれを見ているわけです。答申というのは何なのですか,答申はあなたに持ってきたのでしょう。あなたが見ていない1週間前に答申の内容が全部出ているのはどういうことなのですか。  しかも,あげくの果てに,懇話会上村会長コメントまで具体的に載っている,具体的にこの新聞に。答申とは何なのですか。そして,1カ月以上たったきょう,厚生委員会に答申の内容を説明する。これは茶番ではないですか。  院長,あなたが知らない間に出ている,厚生委員メンバーも知らない間に,答申の内容が世間に全部出ているわけです。我々の知らない間に,新聞でもって答申の内容を全部わかっている人が多いのですよ。我々が聞いたってわからない。これをどう思います,院長。まず,これから答弁してください。 ◎富樫 市立札幌病院長  この懇話会は,私,病院長私的諮問機関でございまして,審議内容原則公開で行われたとはいいましても,私どもが取材を受けたわけではございません。しかしながら,答申前にこのような報道がされることを事前に察知できなかったことについては,まことに申しわけなく思っております。  今後につきましては,このようなことがないように十分注意してまいりたいと考えております。 ◆伊与部敏雄 委員  院長,今,木で鼻をくくったような答弁をしているけれども,これは重く受けとめなかったら大変なことになりますよ。あなたに答申を出す前に,もう,この新聞をとっている人は答申の内容が全部わかっている。我々厚生委員北海道医療新聞なんてとっていないから,わかりません。読んでいる人から聞かれても,我々は答弁できません。12月12日にあなたに出したのが12月5日に全部出ているのだから,これは,私は許せない。許すことができない。  だから,これはあなたが謝るのではなくて,あなたの諮問機関懇話会の6人が責任を持って何らかの対応をしてもらわなかったら。こんな答申,まさに茶番でしょう。答申にも疑惑を感じます。こんな慎重さのない,しかも,この6人の中には,報道関係者ということで,一番下に書いてあるように,北海道医療新聞社代表取締役社長の村上さんが入っているではないですか。  答申を出す前に,少なくとも,その新聞社からお尋ねがあった場合は,12日に富樫院長に答申を出しますので,答申を出した後にコメントをいたしますので,その時期になって明らかにしますからという態度が必要ではないのかと私は思います。院長,どうですか。 ◎富樫 市立札幌病院長  おっしゃる趣旨は十分わかります。しかしながら,私がこの記事の取材を受けたわけではありません。ただ,そういうことを事前に私が察知できなかったことについては非常に遺憾に思います。  しかしながら,このような事実が起きましたので,今後,改革プランを進めていく中ではこのようなことがないように十分注意してまいりたいと考えております。 ◆伊与部敏雄 委員  院長,実はこの答申書は15ページまでページ数が書いてあります。その後ろの16ページに,市立札幌病院あり方に関する懇話会設置要綱が出ております。  わずか1年の懇話会に,聞くところによりますと1時間1万円ずつの金を出して1年間やったというけれども,わざわざ設置要綱までつくって懇話会を設立して,その6人の中に北海道医療新聞代表取締役も入っているわけだ。要綱を設置して,そして院長に答申を行ったわけだ。だから,議会軽視も甚だしい。委員会をやる前に新聞に出ているわけだから,この委員会で何をやるのだと。報告なんてする必要がない,新聞に出ているのだから。読めばわかる,概要も全部わかる,全部出ている。きょうの厚生委員会で何をやるのだ。報告して,あなたたちは何を議論してもらいたいのか。  今,院長が答弁したけれども,例えば上村会長に対して,今後厳しく対応していきたいというような口だけでなく,具体的に,上村会長を筆頭にした懇話会の6人に対して抗議するべきです。上村さんは前の市役所の衛生局長だったのだから,そういう人が会長になったのだから,マスコミへの対応は一番よく知っているはずです。はっきり言ってこれは軽率です。そんな軽率な人が6人集まって,1年間,1時間1万円ずつもらってやった懇話会,そして答申を出した,この内容を我々が今説明を受けた,次長が概要説明をした,これを受けとめてきょう議論してくださいというのでしょう。  もう一回,この報告について,院長,この懇話会に対して,会長その他に対して,きちんとした厳しい姿勢でもってやりますという一言で済ませていいだろうという気持ちがすごくあるのです。こんなことを議論していてもしょうがないけれども,これは本当に厳しく対応しないといけないと私は思います。  それでは,質問に入ります。  院長,この6人は,常日ごろ,設置要綱をつくって形式的に1年間やってきたと言うけれども,この懇話会の委員というのは,皆さん,あなたが懇意にしている人ばかりではないですか。ふだんから接触できて,病院をどうしたらいい,ざっくばらんにあなたの意見を聞かせてくれと言える人間関係のある人たちばかりではないですか。だから,外部の人と院長は言うけれども,病院にとっては外部であって内部の人みたいなものです。常日ごろ出入りしている人たちばかりだ。  だから,もっと別な角度で,この6人の中で経営者というのは新聞社の社長ぐらいしかいない。あと,医療経営に携わった人もいないでしょう。(発言する者あり)6人の中に開業医が1人いるのですか。それぐらいなものでしょう。  第1点目は,この6人は市民を代表した人だというふうに院長は思いますか。まず,この6人を選んだ基本的なスタンスです。あなたは市民の代表を6人選んだと言うけれども,本当の市民は何もかかわれないではないですか。本当の意味の市民の代表,市民の意見を聞く懇話会というのであれば,もっと別の角度から人を選ぶべきではないかと私は思いますけれども,この6人を選んだ経緯について明らかにしていただきたいことが一つです。  二つ目は,先ほどから改革プランがとかなんとかとわけのわからないことを言っているけれども,病院改革対策本部をつくると言っているわけでしょう。病院改革対策本部というのは,今,佐々木局長が日程を説明したけれども,日程を説明する前に,どういうメンバーで立ち上げるのか,だれがメンバーなのか。あなたたちがメンバーなのですか,この6人も入るのですか。6人は答申を出しっ放しで,あとはさようなら,やるのはあなたたちがやりなさい,それで終わりというものなのか。改革本部メンバーについて2点目にお尋ねしたい。  3点目は,先ほど宮村委員からも話がありましたけれども,病院問題については,本当に何十年もいろいろな病院改革について議論してきました。病院挙げて経営健全化対策委員会なんてつくって,平成8年からずっとやってきて,ほとんど内部努力内部効率を徹底的にやってきている。病院がこれまでやって,しかも,外部監査を中に入れて指導を受けたこともあります。そんなことは全部やってきた。  だから,今の答申を全部読んだら,基本的なスタンスとして職員の削減や人件費の削減ばかり目につくのです。そんなことは平成8年から全部やってきた。約1,300人の職員,その中で約300人が嘱託だと言っているけれども,正職員は990人ですか。そんなのは全部やってきたのだ。今度の答申には,なぜか職員の人件費,削減というものが非常に目につくけれども,これはどう思いますか。  とりあえず,この3点を明らかにしてください。 ◎富樫 市立札幌病院長  1点目について,私からお答え申し上げます。  各事業の推進に当たり,市民の意見を反映させることが非常に大切なことだと認識しております。したがいまして,今後,病院改革プラン策定作業の中で具体的な方法を考え,検討してまいりたいと思います。 ◎佐々木 事務局長  2点目の病院改革対策本部メンバーの中身ですが,まず,答申の内容を検討することとしておりますので,その内容に合わせまして,四つの部会を院内に設けることにしております。一つは,診療体制・組織見直し検討部会で,吉田副院長を部会長としております。次に,静療院見直し検討部会で,樋口副院長を部会長としております。三つ目に,地域医療機関連携推進・新医師臨床研修制度対策・少子化対策医療推進部会で,佐野理事を部会長をしております。最後に,経費節減対策・患者サービス向上部会で,富樫理事を部会長としております。各部会は,医師を中心として,放射線部,検査部,薬剤部,看護部,事務局の各部からメンバーを選抜して構成してございます。  最後の人件費の件についてですが,今回,懇話会から厳しい内容の答申をいただいたものと考えております。私どもといたしましては,病院の効率的運営を図るため,第1にコスト意識の醸成を含めた職員の意識改革に努めなければなりません。その上で,病院改革対策本部において,人件費を含めた全体的な観点からの改革プランの検討と関係部局との協議を進めていく必要があるものと考えております。 ◆伊与部敏雄 委員  そういうことで,改革本部を立ち上げて,そして先ほど言った日程に合わせてやるということですね。  私は今までずっと二十数年間見てきたけれども,院長というのは二,三年でくるくるくるくる変わる。やめていった院長は,過去のことだから全然責任持たない。市立札幌病院の動向について,外からただ見ているだけです。あなたがいつまで院長をやっているかわからないけれども,院長時代に,この答申に基づいてしっかりと実行するべきです。この答申はすばらしいと思います,でも,だれが実行するのか,だれが責任を持つのか。実行と責任がなかったら,こんなものは絵にかいたもちです。文章で何ぼでも書ける。ずっと昔のある事務局長は,数字だけずっと何十年計画をつくったことがある。それはもう全然使い物にならない。やめてしまったら,配置転換されたら,全然,責任ありません。だれが実行して,だれが責任を持って,この答申に基づいて改革本部を設置して,そして改革をしていくのか。そして,病院が札幌市民その他を含めて,命と健康をしっかりと守っていく機関として設置できるような,そういう運営形態をつくっていかなければならないと思います。  同時に,私が4点目に質問したいのは,この答申を二,三回読ませてもらったけれども,この中に欠けていることが一つある。この答申の中に,全然,1字も触れていない。それは何かというと,薬ですよ。薬剤,医療材料,このことについては一切触れていない。  私は,この前,深夜にテレビを見ていた。横浜かどこかわからないけれども,聖路加国際病院の92歳の日野原理事長さんが出ていた。日野原さんは,92歳で夜中に医療材料企業の人を呼んで,92歳の理事長さんが交渉していました。聖路加国際病院は530ベッドあるけれども,黒字です。市立病院というのは民間ではないから,公的医療機関の任務もあるから,金もうけをどんどんせよとは言いません。言わないけれども,毎年12億円も赤字を出すようなシステムではだめだ。なぜかというと,一般会計から50億円も出しているわけだから,はっきり言って。貸付金が35億円,合計85億円を市民の税金から毎年出しているわけです。それは,公的医療機関としての任務,役割があるから出しているわけです。しかし,それにしても毎年十二,三億円の赤字があって,累積130億円の赤字がある。こういうことを改革していこうということで答申が出されているわけでしょう。  薬剤,医療材料については,一切,これは1字も載っていませんよ。調べたら,市立病院の薬剤を納めているのは問屋6社です。6社だったら,6人集まったら談合でも何でもできる。年間28億円使っている。外来の人はまた別な地域の薬局へ行って,処方せんを持っていって購入します。しかし,市立病院だけで年間28億円もの薬剤を使っています。これは,公定価格はないです,対面交渉です。あなた,何ぼでこの薬を入れてくれますか,この注射器を何ぼで入れてくれるかと対面交渉して,そして買っているわけです。  薬剤担当部長はきょう来ていますか。これは,あなたが責任を持って28億円も買うのですか。だれが交渉して買うのですか。92歳の日野原理事長は,直接みんなを集めて交渉しています,もっとまけろと。1割まけてもらったら2億8,000万円も出さなくて済むのです。そんな交渉をしたことがあるか。言われっ放しで,はい,わかりましたという調子で買うのか。  この薬剤の件について,ほかの民間の病院,普通の公的医療機関も含めて,どういう購入の仕方をしているのか。市立病院の購入の仕方がいいかどうか。これを調べたことがあるか。同時にまた,院長を先頭にして病院の改革対策本部を設置するというのだから,薬剤,医療材料の購入についてどういうスタンスでこれから対応しようとしているのか。薬といっても28億円ですから,これを一つ聞きたい。  それから,おととしまでは,札幌市立病院に30科ある中で3科しか黒字になっていなかった。去年からは1科減って,2科しか黒字ではない。だから,札幌市には民間の医療機関が非常にふえてきたのだから科を減らしてもいいのではないかという発言をしたことがある。今,30科のうち眼科と画像診療の二つだけが黒字で,あとはみんな赤字だから減らしもいいのではないかという議論を私はしたことがある。  私はずっと勉強して,いろいろな人から話を聞いたら,やはりこれは,総合病院として30科をきちんと堅持してやるべきだと,そういう発想というか,私のスタンスが変わったのです。その場合に,条件がある。今,市立病院には本院は810床,静療院は254床です。この中で本院は90ベッドあいている。静療院は50ベッドあいている。こんな状態では,とてもではないけれども,総合病院としての価値判断というのは半減している。これだから赤字が出る。満床にしたら黒字になるのですよ。  186万人の中で,病院に入院させたい人もたくさんいる。例えば,私は決算議会でも言ったけれども,知的障がい者,知的,精神,身体という障がい者は,家庭で在宅介護をして,しかも,知的障がい者なんて,40歳を超えたら,その介護をする父兄も年いっているから,もう手間がかかって大変な状態になっている。そういう人たちには必ず重複している病気を持っている人がいるのです。例えば,心臓が悪い,肺が悪い,循環器系統が悪いとか,併合している病気を持っている人を入れて,1カ月なら1カ月,2カ月なら2カ月,交代で入れるような措置をとったら満床になるはずなのです。満床になったら黒字が出る。黒字が出たら,職員も患者さんとか,市民サービスができる,相乗効果になるのです。赤字が出たら,これも削減,あれも削減といって,赤字が出ているからサービスできない,サービスしないから患者も来ない。卵が先か鶏が先かの理論ですよ。だから,満床にするためにどうしたらいいか。  院長,これを答弁してほしいけれども,90ベッドあいている。50ベッドあいている。これを満床にしたら,単年度で黒字になるかならないか,これを答弁していただきたい。  それともう一つ,院長に聞きたいけれども,今は職員の資質の向上その他というふうに答弁をしましたが,職員の中でも,富樫先生だとか吉田先生とか優秀な先生がいるけれども,患者さんは医者を選んで来るのです。医者が,それこそ真剣に親身になって患者に対応していれば,患者さんはふえる。患者さんがふえたら,ベッドが埋まる。これが基本です。看護師も含めて,本当に真剣に病気を治してやる,命を助けるという気持ちが身も心も一体となって対応すれば,ベッドは埋まるはずだ。例えば,民間の精神病院でもみんな満床でしょう,どこへ行っても満床だ。救命救急センターの38ベッドを別にしても,札幌の市立病院だけ,なぜか本院がいつも90ベッドあいている。静療院は50ベッドあいている。これを満床にしたら,私は黒字になるのではないかと思う。そのためには,医師と看護師の心をしっかり変えない限り,黒字にはならないのではないかなという感じがするのです。率直に,気持ちではなくて,具体的な実行と責任について院長はどう思っているか,これを明らかにしていただきたいと思います。 ◎高橋 事務局次長  薬剤,医療材料の関係ですけれども,これらの購入費の削減のための取り組みというのは,委員がご指摘のとおり,非常に重要なものと考えております。経費節減の観点からも,この取り組みは当院におきましても従前より実施しております。今後におきましても,この取り組みを継続していくとともに,経費節減対策を検討する部会も改革対策本部の中にありますので,その中において他の医療機関も参考にするなど,さらに検討してまいりたいと考えております。 ◎吉田 市立札幌病院副院長  空きベッドの件ですけれども,この答申の中におきましても,精神疾患を持った方の精神医療の中で,先ほど委員からお話のありました循環器のほかにも,透析中の患者さんとか,悪性腫瘍の手術を必要とする患者さんとか,骨折,外傷の患者さん等の合併症を持った患者さんについて対応するようにというのは,非常に強く答申の中でもうたわれております。ただいま委員から承ったご意見も参考として,改革プランの中でどのように対処していくかということは,考えなければならない非常に重要なことだと思っておりますので,検討してまいります。 ◎富樫 市立札幌病院長  三つ目のお話ですが,実行と責任はだれがやるかということは,私が本部長としてしっかり最後まで見ていきたいと思っております。  それから,医師の意識改革ですが,いろいろな職種が私たちの病院の中にありますけれども,特に医師の責任意識とか改革の進め方につきまして,病院経営の基本は何といっても医師の診療に対する姿勢に強くかかわっているということはご指摘のとおりです。したがいまして,改革対策本部のもとに設けます各部会は,両副院長や理事のほかに部長クラスの医師を加えております。このことによって,病院経営の担い手である自覚を持たせることはもちろんですが,あらゆる機会をとらえて,全職員にも意識改革を進めてまいりたい,このように考えております。 ◆伊与部敏雄 委員  きょうは答申の報告ですから,これはまた予算議会もありますので,それまで,私はまたじっくりあらゆる角度から勉強しながら,予算議会で鋭く長時間にわたって質問させていただきます。そのつもりで対応していただきたい。  きょうは,これで終わります。 ◆小川勝美 委員  私からも,何点か質問したいと思います。  今もお話がありましたけれども,答申で,人件費比率を60.3%を50%以下にしていく,そして,医師職を初め,すべての職種において可能な限り嘱託職員に切りかえていくべきだというこれは,非常に問題の多い内容が入っているなと思います。今,人件費の問題がありましたので,これは質問しないで,この後どんな形で出て来るかを注目したいと思うけれども,これはちょっと問題があるなということは指摘をしておきます。  3点だけ質問したいと思います。  一つは,静療院の廃止の問題です。  合併症だとか何かの問題は本院の方に持っていくということですけれども,静療院については長期の入院患者がいるのではないかと思うのです。一般精神や老人性痴呆の慢性疾患患者については,民間医療機関に任せるべきだとして廃院するということですから,今,入院している人たちはどこかへ持っていくということでしょう。廃院すれば市立病院の本院の方に持ってくると,そういうことが書かれているわけですが,この資料から見ても,現に一般精神でも152床のうちの81.7%が入院しているわけでしょう。そういう人がいるし,静療院の場合については,長期の人では20年,30年と入院している人がいるのです。そして,自宅はもうないのです。家財道具も全部処分してしまって,親はもう死んでいるし,兄弟はどこかにいるけれども,在宅なんていうことは絶対難しいと。そういうふうに,静療院を生活の場として20年,30年という長期にわたって入院している人たちは,静療院を廃止する,ほかの病院に移れと言って本当に大丈夫なのかなと,この点は非常に心配なのです。しかも,外来でも患者さんは結構来ています。そんなときに,本院に移すということで問題ないのかなと思うのですけれども,答申のとおり静療院を廃止するつもりなのか。その場合,今,入院している患者さんとか通院している患者さんをどうされようとするのか,この点をまず第1点目にお尋ねしたいと思います。  それから,静療院を廃止するという関係で,いわゆる本院の在院日数の短縮,平均在院日数を20日から17日に短縮すると115床が新たに空床になるから,あわせて静療院を廃止しないと困るということなのか,これもあわせてお尋ねをしたいと思います。  それから,2点目として,資料に載っておりますけれども,病院の医業収益の急速な落ち込みです。  23ページを見ますと,11年度決算で183億円あった診療収益が,昨年度決算では161億円ということで,22億円も短期間の間に減少しているのです。これはひどいなと思います。私が思うのは,医療制度が次々と改悪されましたね。一昨年10月からは,お年寄りの医療費の定額負担から1割ないし2割の自己負担に改悪され,去年の4月からは健保本人も3割負担というふうなことになりました。あるいは,整形のリハビリで何回やっても金にならないような診療報酬の改悪とか,そういう一連の医療制度の改悪,そして,薬も今まで2週間だったものが1カ月分出せるという改悪で,外来も月2回来ていた人が1回になってしまうわけですから,そんな医療制度の改悪が病院の診療収益の大幅な落ち込みになってきています。何ぼ病院が健全化計画を立てて一生懸命努力しても,国の方の医療制度の改悪によってどんどん悪化していく。また,今ここに新しい改革プランをつくっても,この後でまた国の方で医療制度の改悪をやったら,それこそざるで水をすくっているような形になっていくのではないかと思うのです。  こうした国の相次ぐ医療制度の改悪についてどう考えているのか,この点も院長にお尋ねをしたいと思います。  3点目は,この資料を見て,今もお話がありましたけれども,こんなので本当にいいのかなと思うことは,答申があるなしにかかわらず,これは改善しなければならないなというふうに私は思うのです。こんなのは,改革プランができてからではなくて,この春からでも早く手をつけるべきではないかなと思って,なぜこうなっているのかお尋ねをしたいと思います。  それは,病院の占床率です。市立病院全体で占床率が86.6%と,今言われたような形であいているのだということですけれども,17ページを見ますと,診療科目によって,泌尿器科は106.1%,精神内科115.9%,形成外科102.7%というふうに,耳鼻咽喉科まで5科については100%を超えているのです。その一方で,腎移植科は13床あるけれども,48.3%,皮膚科は9床あるけれども,28.7%,そして,口腔外科は8床あるけれども,46.5%と。きちんと100%超えているようなところだと,本来,早いうちに入院して手術しなければならないのに,ベッド待ちだといって1カ月も2カ月も入院を待たされている科がきっとあると思うのです。その一方で,こうやってがばっとあいている。  これは,ベッドのとり方に問題があるのか,どういうことなのか。これはもう少し工夫することはできないのか。そうすれば,全体としての市立病院の病院の占床率も向上するのではないかと思うのですけれども,この点はどうなっているのかもお尋ねしたいと思います。 ◎富樫 市立札幌病院長  答申におきましては,精神科見直しや施設の老朽化などから静療院を廃院すべきという内容になっております。  冒頭に私から述べさせていただきましたように,まず,答申内容を十分に検討させていただき,改革プランをこれから策定する中で,現在の静療院における診療体制や,現在果たしている役割なども十分考慮し,本院の診療体制を含めた今後の方向について考えてまいりたいと思います。  2点目の医療制度の改革ですが,一連の医療制度改革は,病院経営に少なからず影響を与えるものと考えております。良質な医療を供給していくためには,経営基盤の安定が不可欠であり,当院としては,全国自治体病院協議会北海道支部や北海道公立病院連盟などを通じ,国に対して経営の改善や安定を図るための措置を講じてもらえるよう要望してまいりたいと考えております。 ◎吉田 市立札幌病院副院長  空きベッドの件です。  当院では病棟を診療科別に区分しておりますけれども,看護部を中心といたしまして,日々,弾力的に調整を行って病棟,診療科にかかわらず運用しております。ですから,100%以上の科が存在しているわけです。その科の病棟ではなく,いろいろな病棟の方に患者さんを弾力的に入れておりますので,100%以上の数が出ております。
     ベッドを全部埋めればいいだろうというお話ですが,これは,入院の数だけではなく,手術をするためには手術室の数をふやす必要もあります。それから,先ほど宮村委員のお話にありました周産期でも,とればいいだろうというお話ですが,とっても未熟児センターベッドに小さい何百グラムの赤ちゃんが入りますと40日も50日も入ります。そうすると,ベッドがなくて,受け入れたくても受け入れられないという各種の事情があってこのようなことになっております。  それも含めまして,さらに検討していきたいと思います。現在も,月に1回,病床検討委員会という会がございまして,いろいろな問題があるところの病床の検討,重症室の運用等について,適宜,病院内で調整しております。 ◆小川勝美 委員  3点目の質問を吉田副院長にもう1回お尋ねしますけれども,皮膚科はなぜ28.7%ですか。これは,もともとベッドが多過ぎるのでしょう。これなどは5床にすればいいのではないかと思うのです。そうしたら,占床率が28.何ぼなんていう数字が出てこなくなるでしょう。なぜ,そういうことは臨機応変に変えられないかと思って,その点をお尋ねします。 ◎吉田 市立札幌病院副院長  臨機応変に変えることはできますが,時として,一時的に例えば帯状疱疹の患者さんがいっぱい入ったときには満床になるときもあります。それはベッドの数で例えば予算を分けているわけでもなく,その数はあくまでも一時的な数で,何年かに1回は見直しております。その数にとらわれず,今の皮膚科の病棟につきましては,耳鼻咽喉科と形成外科と歯科口腔外科,皮膚科が一緒に持っている7階東病棟という病棟になっておりますが,病棟自体としても非常に高い数で空床を非常に少なく運用しております。それは,そこに一緒に入っている科及びそれ以外の科,例えば神経内科の患者さんも,入れない場合は順次入れていくと。そういう枠を取り払って運用しておりますので,特に皮膚科の数を下げることによって全体の病床の空床率が少なくなるというものではございません。その数にこだわった形では,一切運用しておりません。 ◆佐藤典子 委員  私も,何点か質問させていただきます。  市立札幌病院におきましては,毎年10億円を超える赤字を計上しているということでは,市民にとっても非常に大きな課題だと考えております。今後も,診療報酬改定とかさまざまなことから好転は見込めないということで今回の答申に至っているという現状の中で,今後は,地域医療機関との連携の強化,そしてまた,急性期医療の充実,そして政策医療とか行政的医療などを主に担うことが札幌市立病院の今後の基本的な役割であるというふうに先ほど説明を伺いました。こういう中で,直ちに行われなければならないことは,徹底した効率化を進めることであるということも先ほど伺いました。  このような中で,先ほど院長が言われた市民に信頼され,質の高いサービスを供給し続けるということは,ちょっと不安を感じているというのが私の感想です。というのは,急性期医療ということで,これまで,本当に市立病院が好きだ,何年も通ってきているという慢性的な病気を抱えていらっしゃる方々が,急性期医療を充実していく中でどのようになっていくのかという不安がございます。それについて,まず,どういうふうにお考えか,お答えください。 ◎富樫 市立札幌病院長  私たちの病院では,従前から,国の政策の中で,病院と診療所の機能分担を推進する観点から,地域の中核病院として急性期医療を担わなければならないと考えております。したがいまして,今後とも,地域の医療機関から信頼される急性期病院としての役割を果たすための努力をいたしますが,それが,今まで当院になれ親しんだ患者さんを排除することにつながるものとは考えておりませんし,また,そのようなことがあってはならないと考えております。また,当院にございます地域医療室を活用することにより,患者さんへの不安を与えないように,病院,診療所との連携を進めてまいりたいと考えております。 ◆佐藤典子 委員  それは,ぜひ丁寧に対応していただきたいと思います。それは,要望とさせていただきます。  あと1点ですが,先ほどから出ておりましたが,これは市民にとって大きな課題だと考えております。そして,懇話会あり方も,伊与部委員が先ほど言われましたが,市民の声とか市民の視点が少し欠けているのではないかと思います。17年の秋までに計画を立てるということでしたが,今後,この中に市民の声を具体的にどのように取り入れ,盛り込んでいかれるか,具体的にもう一度お聞かせください。 ◎樋口 市立札幌病院副院長  うちの病院では,現在,業務改革委員会というものを去年の夏からやっておりまして,私はその代表をやっているので,お答えいたします。  患者さんのサービスというのは,病院にとって非常に重要なことですけれども,具体的にどういうことをするかは,非常にたくさんのことがあって難しいです。現在,ご意見箱というのがありまして,そこからの投書,電話,メール,その他ありとあらゆるところで患者さんのクレームその他の情報をいただいて,それを我々の業務委員会で,月1回,みんなで分析して,できるものは,それこそあしたからでもやれるようなことを具体的に分けてやっております。  そういうことをそのまま続けていくことと,それからもう一つは,先ほど言いましたように,患者サービスという大きな柱が改革プランの4本柱の中の一つに入っております。富樫理事が中心となってこれからやられると思いますけれども,いろいろな意味で患者さんを顧客と考えてサービスをやると。我々は今までそういうことが非常に欠けていたのですけれども,今,必死に勉強中だとご理解ください。 ◆佐藤典子 委員  ぜひ,そのように丁寧に進めていただきたいと思います。  最後に,要望ですが,先ほども出ましたけれども,静療院の廃院ということもすごく心配しています。これは,子供たちの精神的な部分を診るということでは北海道でも唯一です。今後,計画のプランの中にも精神科医療見直しということで,小児等の精神科医療の機能充実ということが掲げられておりますので,そういう分野におきましてもぜひ強化して進めていただきたいと思います。  そして,重ねて申し上げますが,市民の目線をぜひ丁寧に取り入れていただき,市民に愛される市立病院であってほしいということを希望しまして,要望と質問を終わらせていただきます。 ◆柴田薫心 委員  るるお話を承りまして,これは,伊与部委員がおっしゃるとおり,長年の懸案であります。たまたま,懇話会の答申について,12月5日の北海道医療新聞に出ていることは知らなかったのです。うちの会派には持ってくる人がいなかったものですから,実はびっくり仰天をしました。  人間関係としては,ここに出ている人もかなり古い議員はみんな知っているものですから,なかなか難しいことがあると思いますけれども,せっかくここまでスタートを切って,4部会に分けて改革部会をつくって進めようというふうになってきた機運はよくわかりました。しかし,私は,果たしてという疑問を持っている一人であります。  悪いのですが,お医者さんに経営能力があるかというと,ドクターとしては札幌市のお医者さんはみんな立派な方だと思っていますけれども,経営という面になりますと,僕はやはり疑問を持つ一人です。一般の医療法人の大きな病院もたくさんありますが,お医者さん,ドクターがイコールの人もいますし,ドクターではない方が経営をやっているところもたくさんあります。ただ,成功しているとなってくると,どっちが多いかなというと,僕はちょっと疑問があるわけであります。  そういう意味からも,改革プランの中には,経営形態ということで,4部会の中で,どの先生か忘れましたが,理事がトップになってやるということでありますから,私はその中にぜひ織り込んでほしいと思うものがあります。院長イコール企業管理者というのでしょうか,私はその辺が疑問なのです。なぜかというと,そこに佐々木局長がいる前で悪いのですが,やはり行政職はかわるのです,プロパーではないのです。では,一般行政職で採用されて,その病院側に回されて果たして点数を計算できる人がいるか,医療事務の人がその中に入っているのか。素朴な疑問かもわかりません。医療事務を知らない者がぽんと行って,そこでお医者さんから点数が上がってくる。その計算は見ればわかるけれども,経営の中に突っ込んでいけるかというと,ドクターから上がってきたものについては,一般職は経営なんてできないと思うのです。  そういうことをいろいろ考えているとかわりますから,二,三年でかわってしまうわけですよ。佐々木さんだって,ようやくわかってきたなというときにかわるわけです。そういうことでは,いつまでたっても経営ができない,健全経営にならない,こう思っている一人ですから,プロパーを育てるとか,ぜひその点も考えてほしい。僕は消防の局長もそうだと思っている一人なのです。一般行政から入っていて,プロパーからは上がっていません。私は,その辺は,この何十年間,不思議でやりきれないままずっと来たわけです。言う機会がなくて,たまたまこういうことになりましたから,この中には公営企業の適用ということも出ていますから,ぜひその点も考慮して,大きな器の中で進めていただきたい。  これは質問ではありません,私は,質問をするかと言われてしないと言ったものですから,これを含めて部会の中で検討してほしいと要望して,また精査をさせてもらいたいと思います。 ◆松浦忠 議員  病院については,私も昭和58年からずっと注目していろいろ見てますが,大分時間がたっていますから,きょうは答申についてのみ質問をします。  一つは,病院開設者である市長に答申を提出して市長の意見を求めたかどうか,これが1点目であります。  なぜ,私が意見を求めたかどうかを聞くかといえば,病院の開設者,経営責任者は市長であります。したがって,改善に向かって,病院長私的諮問機関とはいえ,公費を支出した公的な委員会であります。したがって,当然,答申が出たら,市長に対してこういう方向で答申が出たと提出をして市長の意見を求めることは当然のことであります。このことが行われたかどうか。  2点目は,答申の中を見ると,医師の部分について全く触れられていない。診療科30科体制が多いのか少ないのか,これに全く触れられていない。そこで,院長は,答申のときに,あるいは審議会の中で,30科体制を含めた医師の側の体制についてどんなふうに懇話会に話をされたか。全く懇話会で話をしないで,上村さんは衛生局長をやった人ですからよくわかっているから,それにまるきり任せて,向こうは全く意見なしでこういうふうに答申を出したのか。口を挾む余地がなかったのか。あったとすれば,どういう意図で医師の診療体制についての話が一言も触れられていないか,これについてお尋ねしたいと思います。  もう一つは,経営形態について最後にいろいろ言われております。病院の経営形態について,企業体だとか,あるいは責任を持たされていないから病院の改革が進まないみたいなことが出ているわけです。私は,そんなことではないと思っております。  なぜか,例えば埼玉県立病院は,公募をして,熊本の病院の院長先生が来て,かなり改革をして経営がよくなった。あるいは,一昨年になるけれども,岡山の市立病院では,院長を公募して,東京の私的経営の院長が応募して,かなりの業績を上げ,その業績の2分の1をボーナスでもらうということで何億円かもらったと新聞やテレビでも話題になりました。  これは,やる気になったら富樫院長だって佐々木事務局長だってできるのです。問題は,本人がやるという意思を持つか持たないかの問題であります。私は,この20年間,いろいろなところを調べてそう見ております。例えば,私は12月26日に幌加内の町立病院に調査に行ってきました。ここはベッド50の病院ですけれども,佐賀医大から3人の医者が来て,3年間で交代していくという体制でやって,非常にうまくいって病院は累積黒字です。行って話を聞いて,なるほどなと思いました。やればできるのです,今まで皆さんはやっていないです。  今,院長,あなたの体制のもとでだって,人件費削減云々と出ていましたけれども,私が20年前に議員になったときには,札幌市立病院事務局長は部長職だったのです。本庁舎にしか局長職はいなくて,他の機関は,全部,部長職でした。今は,同じように局長職に格上げして,なおかつ,経理課と管理課の中に事務局次長も部長職もいる。例えば,ここなんかも,次長職を一つ外して直接の課にするとか,あるいは管理課と経理課を一つにするとか,あるいは,職員の人件費についても,職員部の方と話をして,比較的人件費の安い若い職員を入れてもらうとか,やり方はまだいろいろある。そういうやれることをやっていない。それから,科の統廃合も,例えば今のお医者さんはそれぞれ単体の部分しか勉強していないから全体を診られないというのは私もわかります。だとすれば,内科なら内科を一つにして,そうすれば医長は1人で済みますし,看護師長の数を減らすこともできる。  こういったことが幾つかできるわけです。そういうことについて今まで取り組んでこられたかどうか,そういうことについて何も触れられていない。そういった幾つか基本的なことが触れられていない。そして,皆さんはどのように考えているかわからないけれども,市立病院そのものは,資料13ページに出ている区別の受診者を見たら,西区が一番多くて22.2%,その次が北区で21.2%,中央区は15.5%,そして東区は9.6%です。上位3区で58.9%,東区を入れたら68.5%で,まさに3分の2を超えています。人口は市民の半分以下の対象者で,利用者は3分の2にならんとしている。こういう実態からいったら,市立病院が果たして30科を持ってやらなければならない体制なのかどうかということについて,市民からいろいろ疑問が出てきているのです。  したがって,やはり市立病院といえども,端的に言うとある一定距離内の病院と。市立病院を中心にして,半径何キロ以内の病院という数字がこの中に出ているわけです。そして,この答申書の2ページには,2行目から,人口10万人当たりの病院の医師数も他の政令指定都市と比較して札幌市は高い方だ,逆に診療所が少ないということが出ているわけです。そういうことからしたら,基本的な市立病院あり方に対する答申というのが全くなされていない。  したがって,私は答弁を聞いてからも言いますけれども,これをこのまま受けとめて,これで改革をしていくなんていったら,先ほど伊与部委員が指摘をしたけれども,茶番以外の何物でもないです。こんなものは,市長が民間の上田市長にかわっていこうというときに受けとめられていくものではない,それをどう認識しているか。  それからもう一つ,例えば経営形態について言えば,院長を公募というのは,今,富樫さんがいますからいかないけれども,事務局長の公募はできるわけです。  そういうことも含めて,どう考えているか,お答えをいただきたいと思います。 ◎富樫 市立札幌病院長  第1点目の市長に対して報告,意見を求めたかというご質問ですが,昨年の答申を得ましてからすぐ,日にちは詳しくは記憶しておりませんけれども,12月中に1度と,本年になってからも意見を求めるために一度お会いいたしました。  それから,第2点目の答申の討議中に医師の意見を求めたかというご質問です。これは,答申を審議する内容が前もってわかりますので,その内容に応じて関係する科の医師に幅広く会場に来ていただき,意見を求めるということでお答えになろうかと存じます。  3番目の経営形態について,もう少しほかのいろいろな意見を聞くようにということです。経営形態は,現在のところ,設置者が市長でして,一部適用ということで,私,院長がやれる範囲が限られていることもあって,この答申の中にあるように,全部適用ということがもう少し経営に医師が参画できるための手段ではなかろうかと存じております。  なお,例に挙げられました埼玉の事業管理者は全部適用でありますし,武先生と申しますが,非常に個人的な知り合いでもございますので,よく意見を聞き,それを参考にさせていただきたいと存じます。  最後に,医師,それから事務局の公募についてです。これは,現在のいろいろな仕組みに縛られておりますので,今後,研究しなければならないことかなと考えております。 ◆松浦忠 議員  市長に意見を求めたら,市長はどう言っておられたか,その市長の見解をお聞きしたいと思います。  それから,私が聞いた診療体制は,私は30科でいいと思っていません,多過ぎると思っています。したがって,先ほど宮村委員からも出ていたけれども,全人的にできるだけ診なければならぬと,市立病院は初期診療ですよ。そうすると,できるだけそれに持っていくためには,大学では偏った教育しかされていないけれども,市立病院に来て経験を積んでできるようにする体制をつくるべきです。医師というのは,免許からいって全人的に診られるのが当たり前です。したがって,私に言わせたら,大学教育というのは偏っているのです。  いわゆる全体的な医師として資格のある教育がされていない。それを,初期診療である市立病院でどのように,やはり一般の市民の初期診療患者をできるだけちゃんと診るような体制をつくるかといったら,器をちゃんとしなければならないのです。それには,内科なら内科を一つにまとめて,そして,そこにお互いの大学で専門に勉強してきた人たちを入れて,お互いに実際の患者を診ながら勉強し合っていく,そういう体制をつくって,初めて医師というのは経験を積んでできるようになっていくのです。  そういうことをなぜしなかったのか,これが私が聞きたかった診療体制の話なのです。これについて,病院長としてどんなふうに懇話会に意見を申し上げたか,この点について聞かせていただきたい。  それから,経営形態について言えば,私は,今のままでも,例えば事務局次長は要りません,経費節減で減らしてくださいと言えば減らしてくれるのです。何一つ,当てがいぶちで院長が何もできないなんていう感覚は,今の北大の医局から病院の医者が全部当てがいぶちで来ているからこういうことになっているのです。北大の医局から,それ以外の推薦は今までありましたか。あるいは,北大の医局以外に求めたものがありましたか,あったら言ってください。  あるいはまた,現行の体制の中でも,例えば事務局長を公募することも,市長と相談すればできるわけです,外部採用は何ぼでもできるわけです。あるいは,先ほど私が言ったようなことを何一つしていない。そうしていて,毎回,毎回,何か事を行ったようにして時間を過ごして終わりにしている。そのうちに院長は退職していく。これが病院の今までの実態なのですよ。  したがって,この点について,院長,私が再質問した事項についてどうしたか,答えてください。 ○本郷俊史 委員長  松浦議員,あとそれ以外にありますか。 ◆松浦忠 議員  この点についてきちんと答えてもらわなくてはだめです。答えられないのなら,きょうは保留にしておいて,また予算委員会がありますから,予算議会で。 ◎富樫 市立札幌病院長  市長の意見がどういうものであったかということについてのご質問です。  私の記憶にある範囲で申し上げますと,患者さんの意見もちゃんとよく聞いてこれからの改革プランを立ててはいかがかというご意見をいただきました。これがご意見の一つかと思います。もっとほかにもあったかに存じますけれども,そういうご意見がありました。これについては,四つの部門でそういうことを検討する部会がありますので,そちらで実際に改革プランを進めてまいりたいと思っております。  それから,30科が非常に多いというご指摘ですが,このことにつきましても,診療体制診療科の再編も含めてということで一つの部会でやらせていただきます。確かに,初期診療ということが医師のどうしても最初にやらなければいけない技術ですが,やはり,地域のいろいろな医療機関が私たちの病院に患者さんを紹介してくる一つの理由は,極めて高度な医療技術を持っていることも一方でございます。したがって,私たちは,高度な医療の提供も今後しっかりとやらなくてはいけない私たちの一つの役目と考えます。  それから,経営形態の中で,医局の当てがいぶちと,私たちはそういうふうに考えていないお言葉で表現されておりましたけれども,私たちの病院は決して北大の医局の支配下にあるつもりは毛頭ございません。私たちの病院は,北海道大学,札幌医科大学,それから旭川医科大学の三つの北海道にある教室から若い先生たちをいただいておりますし,全国からお出でになっている方もございます。 ◆松浦忠 議員  市長が患者の意見を聞いてということは,今の市長は何をやっていますか。当選してから,各種の市民の意見を聞く会を立ち上げて意見を聞いています。はっきり言うと,懇話会は,上田市長が誕生した時点で市長の方針がそう出れば,病院の開設者がかわったのです。したがって,そこで開設者の意向を踏まえて,病院のあり方をどうしますかと意見を聞いて,懇話会メンバーそのものもかえなければならないのです。あなたはそれを怠っている。市長の使用人としてそのことを怠っている。  そして,今,市長が言った意見というのは,四つの部会で聞いてと。先ほどの話を聞いたら,投書箱だとか苦情で来たものをよく聞いてと言っている。それだけではないでしょう。やはり,きちんと市民から公募するなり,あるいはいろいろな方法で選んで,そして市民の意見をきちんと聞くと。患者あっての,市民あっての病院なのです。  今の市立病院というのは,周産期だとか特定疾患は別にして,一般の初期診療の人は大半が限られたエリアの人たちです。札幌市立病院はたくさんの市民が利用している病院ではないです。したがって,そのことを考えたら,市立病院として存続をしていきたいというのなら,市長がかわったということは,上田さんという人を市民が選んだのですから,みんなの声を聞くという人を選んだのです。そうしたら,当然,そこで懇話会メンバーもどうあるべきか,あるいは,市立病院あり方もどうあるべきかということも,当然,聞いて,その上で病院のあり方について意見を求めるなら求める。あなたの時代につくったこれは懇話会ではないわけです。前院長の時代につくったものですね。  したがって,その辺のところをあなたはその時点でどう考えたか,それを一つお答えいただきたい。  それから,3点目の経営形態と医師の全人的な診療のところで,一つは,あなたは公募のことについて触れました。公募は,私が前回の7月の特別委員会でもこのことを指摘しました。あなたは,今,北大も来ている,あそこも来ている,ここも来ていると言ったけれども,これは全部,医局に推薦を依頼してでしょう。本州の大学から来ていても,北大の医局,あるいは,医大の医局,あるいは旭川医大の医局に所属をして医局推薦で来ているわけです。札幌市立病院に勤務したいという医師はたくさんいるのです。  それでは,聞くけれども,3大学のお医者さんは,今入っている医師定員101名のうち,何人が北大医局で,何人が旭川で,何人が医大ですか。これをお尋ねする。  それからもう一つ,高度医療と初期診療体制のことについて院長は答えられました。私は,答申書の6ページから何ページかにわたって,いわゆる救急医療のことが書かれております。9ページの救急医療の関係で言えば,3次救急で市立病院と国立札幌病院と北海道大学病院と札幌医大の附属病院と四つが救急をやっているわけです。特に,札幌医大病院は高度救急救命病院の指定を受けています。そうしたら,札幌市内で二つの大学病院と国立札幌病院と札幌市立病院の公立病院の四つが救急をどのようにしているのか。これだけが果たして必要なのかどうかという議論も市民にはあるわけです,こういうこともどう考えるのか。  それからもう一つは,市立病院は,どの分野は高度をやって,どこは初期診療で行くか,そのすみ分けをしなければ,初期診療から高度まで全部持ったら,高度の腕を持ったお医者さんを抱えて,その高度の治療を必要とする患者が少なかったということになったら,その部分の人件費は赤字になるわけです。だから,市立病院は,どこの部分は高度で持たなくてはならないのか,どこは初期診療で行くのかというすみ分けもちゃんとしなかったら,病院の経営というのは成り立っていかないわけです。  富樫院長はそういうことをきちんと考えて,そして,病院の中として,経営として考えなければだめだ。そのことを考えられたかどうか,お答えいただきたい。 ◎富樫 市立札幌病院長  最初の市長がかわった時点でこの懇話会メンバーを考えなかった,これについては,私たちはそういうことを考えませんでした。ほかの他都市の懇話会も参考にして,このメンバーでこのままやっていただくということを決めました。  それから,医師の職員の割合ですが,現在のところ,101名中,70%が北海道大学からで,25%が札幌医大,そのほかが5%でございます。  また,高度医療をどういう科で特別化していくか,それから,必要のない科というような振り分けは,私はそのようなことが必要であるとは考えておりません。 ○本郷俊史 委員長  松浦議員,大分時間が経過しております。 ◆松浦忠 議員  委員長,私どもの会派は厚生委員がいないし,それから,これは時間の問題ではなくて,大事な病院のこれからのあり方に関するところで,経営形態の答申を受けての審議ですから,いま少し時間を貸していただきたいと思います。 ○本郷俊史 委員長  簡潔に願います。 ◆松浦忠 議員  これで委員会を打ち切るとしたら,まさに議会自身が本来の審議をしないということになるから,それは気をつけてください。 ○本郷俊史 委員長  結構ですので,簡潔にお願いします。 ◆松浦忠 議員  1番目はわかりました,市長に聞いていないということです。  私は,もっと市長にきちんとこれはどうあるべきかという意見を聞いていただきたい。病院の経営形態の検討に当たって,端的に言うと,この構成メンバーの答申をもとにしてやっていいかどうかということをはっきり市長に聞いてください。院長が聞けないとすれば,私は,特別委員会に市長を呼んで,院長のいるところでこれを聞きます。少なくともこんな答申で,私に言わせたら,20年も前のようなこんな答申で,今までと同じようなことで,よくもこれに基づいてやりますなんておっしゃいましたなと,これが率直な感想です。  それからもう一つ,医師のところで他の5%というのは,「他」は何ですか。はっきり言ってくださいよ,「他」というのは何ですか。 ◎富樫 市立札幌病院長  出身大学のことについて,きょうは詳しい資料を持ち合わせておりませんけれども,旭川医大を初め,本州の大学出身者でございます。 ○本郷俊史 委員長  松浦議員,かなり繰り返しになっています。 ◆松浦忠 議員  きちんと答えないからですよ。  私が聞いたのは,委員長,質問者が質問したことに的確に答える気がなかったら,答弁保留なら保留にして,次の委員会で答えるから待ってくれとか,そう答えるなら私はそれでやめます。いいかげんな答弁,あいまいな答弁をするからわかるまで質問するのです。そこのさばきはきちんとしてください。  私は,他の5%というところは,医局に推薦を依頼したのでしょう。他の5%というのは,本人が病院を頼ってきて,採用してくれと言ったから採用したのか。どっちなのか。私は出身校を聞いているわけではない。 ◎富樫 市立札幌病院長  その経緯につきましては,少なくともいろいろなケースがあろうかと思いますので,ここでにわかに答えることはできません。 ◆松浦忠 議員  その点についてはわかりました。  それからもう一つ最後に。  今,市立病院には,医師免許を取ってから1年から4年までの人がそれぞれ10人ずつ,臨時職員として採用している人がおよそ40人います。私は,来年度から始まる新しい研修体制について聞きます。これは答えられる範囲で,答えられない部分についてはまた後日に聞きますから,答えられないと答えてください。  研修体制について,私は,実は去年の夏の段階で,北大の医学部の方から,非公式な調べでは卒業生のおよそ半分ぐらいが札幌市立病院で研修をしたい,こう言っているというふうに聞いていたのです。札幌市立病院というのはやはり大した人気があるのだな,信頼されているのだなと思っていたのです。ところが,厚生省の指導のもとに,コンピューターにそれぞれの各研修受け入れ病院の研修内容を掲載して,全国の卒業予定者がそれに基づいてコンピューターで僕はどこに行きたいと選んだら,20人を予定していたのが8人しか来なかったという実態でした。これをどのように受けとめられているか。一方,室蘭の日鋼室蘭病院は定員オーバーで選考して選んだということが新聞に報じられておりました。これは,一体何なのだろうか。これを,どう受けとめられているか,具体的にお答えいただきたいと思います。 ◎樋口 市立札幌病院副院長  委員がおっしゃったことは我々にとっても非常なショックなことでした。ただ,一つ訂正しますけれども。10人の予定が8人というふうに,20人応募されて,8人が入ったというふうに訂正いたします。  それから,どうしてかというのは,委員がおっしゃるとおり,我々としては,来年以降ずっと続いていくわけですから,ことしではなくて来年は全部入れるようにとか,どういうふうにしたらいいか必死に考えているところです。多分,プロトコールが非常にあいまいだったので,今まで既知にやられていた室蘭とか,それから札幌の恵仁会病院とか,研修システムが非常にユニークできちんとしているところに負けたのではないかと思っております。  ただ,たすきがかけと称して,北大から,そして医大からそれぞれ10人以上の学生さんが入ることになりましたので,全体の人数としては20人ちょうどとなっております。 ◆松浦忠 議員  いずれにしても,市立病院は人気なかったということは間違いない。それが何だと言えば,やはり研修体制に問題があるということです。  したがって,後日でいいですから,早急に,今まで過去3年分ぐらいの研修した内容,具体的にどういうことをやったか,研修内容をまとめて提出してください。  それからもう一つは,私は院長にぜひ求めておきますが,今,研修をやっている研修生に研修体制の問題で調査に入りたいと思いますので,ぜひひとつご協力をいただきたいということを求めておきます。 ○本郷俊史 委員長  ほかにございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○本郷俊史 委員長  なければ,質疑を終了いたします。  以上で,委員会を閉会いたします。     ──────────────       閉 会 午前11時56分...