委 員 五十嵐 徳 美 委 員 田 中 昭 男
委 員 佐 藤 典 子 委 員 佐 藤 美智夫
委 員 堀 川 素 人
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開 議 午後1時
○涌井国夫 委員長 ただいまから,第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項は特にございません。
それでは,議事に入ります。
本日は,本委員に付託されました議案6件に対する討論及び採決を行います。
最初に,付託議案6件を一括議題とし,討論を行います。
◆小須田悟士 委員 私は,ただいまから
自由民主党議員会を代表して,本
特別委員会に付託されております平成14年度各会計決算につきまして,これを認定する立場から簡潔に討論を行います。
桂市政12年間の集大成の年となりました平成14年度の予算は,平成13年9月11日に起こったアメリカにおける
同時多発テロを契機とした
世界同時不況の懸念や過去最高となった失業率,デフレの進行などにより,景気が一段と悪化している中で,本市においては企業収支の減に伴う法人,市民税の大幅な減少が大きく影響し,市税収入全体でも,前年度比でマイナスと見込まれる一方で,生活保護を初めとする扶助費の増,過去の経済対策などにより発行した市債の償還が本格化することによる公債費の増など,
義務的経費において避けがたい歳出がふえる要因があることから,財政構造はその弾力性を一段と失いつつあるという厳しい状況での編成を余儀なくされたものでした。
予算編成に当たっては,みずからの努力によって,責任ある財政運営を行っていくため,さらなる行財政改革を推進し,施策の重点化と成果重視の観点による優先順位の明確化によって,厳しく事業を選択することを桂市長は基本方針とされ,経済の活性化,
少子高齢社会に対応した地域福祉の推進など,七つの
重点政策課題を定め,財源が配分されたのであります。その結果,平成14年度一般会計当初予算は,前年度比2.7%減の8,271億円,政令都市以降後初めての実質的な減少となったところであります。
その後,経済対策や福祉関連などの補正を行い,職員費等の減額補正を含めて,総額約81億5,000万円を追加した結果,前年度からの繰越額を合わせた
最終予算額は8,597億円となったのであります。
その執行結果である決算を見ますと,予算編成時の見込みのとおり,歳入では市税が所得の減などに伴う個人・
法人市民税の落ち込みなどにより,前年度比約0.2%,6億2,000万円の減と,5年連続の減収となる中で,
生活保護費を初めとする扶助費や公債費などの
義務的経費が増加し,
国民健康保険事業や交通事業への財政支援の繰出金が多額に上っているほか,市債の
元金償還金の増など,財政状況では一層厳しさを増しております。
しかしながら,こうした厳しい財政環境にあっても,社会経済の動向を十分見きわめて,多様化・複雑化する市民ニーズや
少子高齢化など,社会構造の変化,地域経済の活性化への対応など,本市が抱えるさまざまな行政課題に適切に対応することが求められているのであります。
そのため,我が会派は,本
特別委員会の審議を通じて,当面する諸課題について指摘,苦言を含め,広範な分野にわたり提言,要望等を行ってまいりましたので,その主なものについて述べてまいりたいと思います。
最初に,福祉施策についてであります。
在宅重症心身障がい児・者の福祉施策についてでありますが,
重症心身障がい者が地域で生活するための
環境づくりとして
グループホームが有効であります。
重症心身障がい者やその家族の地域での生活支援をするためにも,本市独自の
グループホーム制度の創設に積極的に取り組まれることを強く求めます。
また,限られた財源の中で福祉施策を円滑に進めには,
ボランティアの確保が重要であります。
ボランティアの福祉環境をつくるためにも,自分の
ボランティア活動が将来還元される制度の確立が必要でもあります。
2010年の
フェスピック大会の誘致についてでありますが,本市には,
障害者インターナショナル世界会議札幌大会を開催をした実績,経験があります。財源や人員の確保など課題はありますが,こうした国際大会を契機として,街の
バリアフリー化が進み,加えて,市民の障がい者に対する理解もより一層深まり,心の
バリアフリーが広がるなどさまざまな効果が期待されるので,誘致に向けて取り組んでいただきたいと思います。
高齢者の
緊急通報システムについてでありますが,これまでも申し上げてまいりましたとおり,このシステムを利用したくても条件が厳しいために利用できない高齢者がたくさんおられます。利用条件の見直しや最新の情報機器を活用したシステムの改善を図るとともに,
民間事業者も積極的に活用するなど,高齢者の多様なニーズにこたえられる
システムづくりに努められるよう要望いたします。
乳幼児医療費助成についてでありますが,現在,北海道では対象年齢の拡大が検討されております。本市が道の補助額を超えて助成をしていることは評価いたしますが,他の政令都市においては県からの補助が全くない中で単独で助成をしているところもありますので,道の補助基準が改正された場合には,さらに一歩進んだ制度に改正されることを求めます。
次に,市立病院の改革についてであります。
市民の安全・安心を守るという観点から,我が会派は,これまでも
管理者制度の導入や
地方公営企業の全部適用,市立病院のあり方に関する懇話会での諮問事項や経営形態についてただす一方,周産期医療の充実や
小児救急医療体制の整備などの推進を主張してまいりましたが,市立病院の担うべき役割を明確にするとともに,効率的で安心かつ質の高い医療の提供に努められるよう強く求めます。
次に,道道
西野真駒内清田線の
交通安全対策についてでありますが,この道路のやや中間に位置にする小林峠は,急勾配,急カーブが連続しているため交通の障害となっており,特に,冬期間は路面が凍結し道路幅も狭くなるなど,大変危険な状況になっております。安全な通行を確保するため,道路の改良が不可欠と考えますので,自然環境にも配慮した道路整備を早期に進められることを求めます。
次に,
厚別清掃工場の解体工事についてでありますが,この解体工事は
ダイオキシン処理を含むことから,安全性に大きな不安があります。工事の特殊性を十分認識し,万が一のことのないよう万全の注意を払って取り組まれるよう要望いたします。
次に,
コンベンションの誘致についてであります。
本市の
コンベンションは,
コンベンションセンターの稼働率から見ても,観光の端境期にある初冬期から冬場にかけての誘致が難しい状況にあります。しかし,雪のない暖かい地域の人たちにとっては,雪そのものや温泉につかりながら楽しむ雪景色は大きな魅力でもありますので,そういう地域との交流を深めて誘致に努められるよう求めます。また,観光と
コンベンションは表裏一体の関係にありますので,観光の
魅力アップにも努めていただきたいと思います。
次に,
若手農業者への支援についてでありますが,農業は国内外の産地間競争による農産物価格の低迷,農業者の高齢化と
後継者不足,さらには都市化が進む中での営農環境の確保など,多くの課題を抱えております。農業を守り育てていくためにも,特に,
市街化調整区域の
若手農業者を対象として,期間を限定した補助金等の経済的な支援を実施するなど,希望を持って農業に取り組んでいくことができるような支援を講じられるよう要望いたします。
農業委員会事務局の見直しについてでありますが,本市農業の振興に当たっては,
農業委員会と農務部が連携し,一体化した取り組みが必要であります。事務局の兼務化など効率的な施行体制の構築を求めます。
また,
農地法違反への対応についてでありますが,違反を是正,抑制するためには,処分や告発など厳しい対応が必要と考えます。違反建築物を強制撤去できるようにするなど,農地法の改正を国に働きかけることを要望いたします。
次に,
地下鉄経営基盤の安定化についてでありますが,赤字の大きな要因となっているのは,建設時の負債であります。利息負担の軽減を図るための企業債の借りかえや補助制度の改善などによって,地下鉄を運営している各都市とも連携を図りながら,国に対して積極的に働きかけを行うよう要望いたします。
同時に,
ウィズユーカードに付加価値をつけて販売の促進を図るなど,増収対策に取り組むとともに,業務委託の推進や
施設補修経費の制限などにも努め,営業収支のさらなる改善を図られるよう求めておきます。
定期券の
魅力アップと利用促進についてでありますが,公共交通の利用者が減少している原因の一つに,
定期券利用者の減少があります。割引率の引き上げや新たな定期券の設定,ICカードの導入など,市民が利用しやすい魅力ある商品を提供することは,
公共交通利用者の増加につながります。交通局のみならず,関係局とも連携をとりながら積極的に取り組まれるよう強く要望いたします。
最後に,
水道事業経営の効率化についてであります。
我が会派は,これまでも機会あるごとに,新たな観点からの業務の見直しや民間活力の導入による委託の拡大を求めてまいりましたが,より一層の効率化を進めるためには,
民間的経営手法の積極的な導入が必要であります。
第三者委託制度の活用や
公設民営方式の導入,さらには
地方独立行政法人による運営など,新たな経営手法も含めて慎重に見きわめ,将来の事業経営に反映させれるよう要望いたします。
以上,平成14年度決算及び市政の当面する課題等について申し上げましたが,理事者におかれましては,当委員会の論議を通じた我が会派の提言,意見を十分考慮され,市政執行に当たられるよう強く求めて,私の討論を終わります。
◆林家とんでん平 委員 私は,第二部
決算特別委員会に所属する民主党・市民の会を代表して,本
決算特別委員会に付託されました市長提出による議案について,すべて賛成の立場から討論を行います。
2002年度決算は,前市長が,本市を取り巻く経済情勢や社会構造の変化などに関連して,緊急に取り組むべき経済の活性化など,七つの重点政策を柱に編成した予算を執行したものです。
振り返ってみますと,年度当初予算は長引く景気低迷により,前年度比2.7%減の8,271億5,000万円と,本市が1972年に政令都市以降後,初めて実質的な減少となりました。本市はこのような中で国の
改革加速プログラムを受け,
経済対策関連の補正として
一般会計総額で約59億円,
債務負担行為を含めると約88億円,職員費の減額補正も含めて補正総額は約82億円,
最終予算額は約8,597億円となりました。
しかし,自主財源を確保し,自主的な財政運営を行うにはいまだ立ち至っていない現状で,今後とも市税や交付税などの一般財源の増収が見込まれる中で,扶助費や公債費などの業務的経費が大きく増加することが予想され,新年度以降も毎年100億円から300億円の収支不足が生じる可能性があります。そこで,今後の本市の健全な行政運営に資する立場から,厳格に審査を行ってまいりました。
以下,我が会派委員が代表質問及び
決算特別委員会で取り上げました主な課題について触れてまいります。
初めに,福祉施策についてです。
現在,市内には
特別養護老人ホームが38施設ありますが,同施設全体の
累積繰越金は,昨年度で約67億5,700万円,そのうち1億円以上の施設は22施設であり,中でも大友恵愛園の同残高は13億2,500万円と突出しています。通常,繰り入れは法人会計から施設会計に行うなどが基本ですが,同法人は,逆に施設会計から約2,700万円を昨年度繰り入れさせており,毎年度同様の傾向にあります。まさに,これは福祉を食い物にしている典型的なものと言わざるを得ません。本市は,
累積繰越金の今後の使用等も含め,監査指導を強力に行うことを強く求めます。
また,同様のケースが,
社会福祉法人札幌恵友会でも行われていることが,今年10月,北海道による特別監査により明らかになりました。同法人は,市内に福寿園など
介護老人福祉施設や身体障がい者施設など7施設を運営しております。
恵友会本部に,昨年度2億6,400万円を繰り入れ支出しています。本市が昨年同施設の監査を実施した結果,
特別養護老人ホーム利用者を身体障がい
者養護施設に移動させたことへの文書指導,また,
職員給与体系が,他法人施設と比較して非常に劣っていることに対し,改善の口頭指導が行われていますがいまだに改善されず,逆に,通勤手当等が削減されるなど,本市の指導を無視しています。本市は北海道と連携し,入所者や職員の処遇改善と同法人並びに各施設の運営が適正に行われるよう強く指導すべきです。
全身性重度障がい者の中には1日24時間常にケアがなければ安全な生活ができない方もおります。本市では二つの現行制度と生活保護,障がい者加算,
他人介護料を加算しても,1日18時間が最高限度となっています。他都市では24時間介護を実施しているところが多くなってきていますので,本市においても24時間ケアを必要とする方々に,生きる権利として一日も早く必要なだけの介護保障を実現すべきです。
痴呆性高齢者の処遇として最もふさわしい住まいと言われている
グループホームは,
介護保険事業計画を大きく上回る規模で急増しています。今後,空き室も生まれ経営破綻する事態になれば,利用者に多大な影響を与えることになりますので,何よりも処遇の改善,質の向上に向けた取り組みがさらに重要です。本市がこれまで実施してきました
痴呆介護実務研修や
グループホーム管理者連絡会議をさらに充実するとともに,各経営者への指導と
外部評価体制の確立を強く求めておきます。
障がい
者福祉サービスが
支援費制度に変わり,知的障がい者の
ガイドヘルパーについては,児童15歳未満の適用は各自治体の判断で可能となっていますので,早急に対象年齢の拡大を図るべきです。
児童虐待は年々複雑化し,対応困難な事例が増加する傾向にありますので,国の基準に基づく
児童福祉司の動員を早急に図るべきです。また,児童虐待問題に精通した弁護士との連携,活用と,国が示している
児童相談所運営指針に基づき,精神科医の常勤配置を強く求めておきます。
本市の
健康づくり基本計画には,これを具体化する実行計画が全くなく,過去20年間における反省を十分に生かしていません。早急に実行計画を作成するとともに,これを推進するために市長または助役直轄の
プロジェクトを設置することを強く求めております。
今後の
福祉除雪地域協力員を幅広く確保する上で,本市職員の
ボランティア休暇制度の活動を初め,郵便局や組織力のある企業,団体へ働きかけるべきです。
次は,市立病院の経営改革についてです。
市立札幌病院には,昨年度,一般会計から補助金が約50億円,これまでの長期借入金が35億円,合わせて約85億円の税金が投入されていますが,12億8,000万円の赤字となりました。こうした背景には,昨年4月に実施された診療報酬及び同年10月からの
老人保健法の改定による定額制から定率制に変わったことも要因の一つと言えます。
しかし,根本的な問題は,現在,同病院の30科のうち,眼科と
画像診療科以外はすべて赤字になっていることや,本院の
ベッド利用数は772床に対し88.2%,91床が空き床,分院の静療院は254床に対し76.6%,60床が空き床となっている状況に危機感を持ち,病院経営の改革に向けた具体的な取り組みをすべきです。
次は,除雪体制の充実と環境対策についてです。
生活道路における新雪の
除雪出動回数は,除雪の公平を期すために出動回数の高い方に合わせて改善を図るべきです。また,凍結路面の発生を抑制するとともに,近年,
塩化物系凍結防止剤が増加していますので,
安全性確保のために
環境影響調査を継続的に実施すべきであります。
このほか,我が会派委員が本
特別委員会で取り上げた課題について,順次述べさせていただきます。
保健福祉局では,聴覚障がい者の重要な
情報伝達手段の
CS障害者放送の受信装置の給付事業と新設される
情報文化センターにおける体制整備,
国民健康保険料の収納体制の改善,待機児童の解消と
保育ママ制度の再開,公共施設における
シックハウス発生抑制と測定検査の取り組み,
感染症予防法の改定に基づき,第一種及び第二種
感染症指定医療機関のあり方と財源,新しい
救急医療体制の改善点,障がい者の
小規模作業所の
法定施設移行に向けた支援策の検討,
自閉症者専門施設への
精神科医常勤と同施設退所後の
受け入れ施設等の充実。
建設局では,法定河川の権限移譲に基づく今後の整備基準,生活道路の
計画除雪促進に向けた住民合意の形成,雪堆積場の確保。
都市局では,新たな
住宅基本計画における,
仮称プラットフォームの具体化,JR白石駅周辺の基盤整備と街づくり,市営住宅の事故空き家の有効活用と再募集,東雁来第2
土地区画整理事業と
工業系保留地の
賃貸制度導入。
経済局では,
都市型農業と若い
農業経営者の
嘱託職員化,
中小企業融資制度の充実と
取り扱い金融関係の拡大。
交通局では,
ウィズユーカードなどの販売促進と販路拡大。
水道局では,札幌市
水道長期構想の策定に当たっての市民の意見の反映などです。
以上,本委員会における我が会派委員の指摘や提言について,今後の施策,とりわけ新
年度予算編成に積極的に反映されるよう求めて,私の討論を終わります。
◆阿知良寛美 委員 私は,ただいまから
公明党議員会を代表し,本
特別委員会に付託されました平成14年度各会計決算につきまして,これを認定する立場から簡潔に討論を行います。
平成14年度予算は,桂前市長の3期12年の総決算の年として,市民一人一人の暮らしの充実とそれを支える街づくりと,環境と調和した活力と創造性に富んだ街づくりの実現に向けた諸施策を推進するとともに,本市を取り巻く経済情勢や社会構造の変化などに関連して,経済の活性化や
少子高齢化に対応した地域福祉の推進など,緊急に取り組むべき
重点政策課題を施策の柱に編成が行われました。その執行結果である決算を見ますと,歳入では
市税収入額が5年連続で前年度の比較で減少し,一方の歳出では,扶助費や公債費などの
義務的経費が増加するなど,本市の財政状況が一段と厳しさを増していることがうかがわれます。
こうした状況にあって,札幌市
都市経営基本方針などに基づき,行政の事務領域や
事務事業全般にわたる見直しの中で,経費の節減に努める一方,施策の重点化と優先順位の明確化によって財源の重点配分を図り,停滞が許されない
地域経済施策や間断なく対応すべき福祉などの
市民生活関連施策に配慮するほか,環境との調和,
総合交通対策,市民文化の創造と
スポーツ振興など,諸施策,課題に対し積極的に取り組んだことは評価するところであります。
しかしながら,今後の財政状況は企業収益の減や地価低下の影響を受け,市税などの収入に伸びが期待できない一方で,市債の償還費や退職手当,公共施設の維持・更新費用の増加が見込まれるなど,ますますその弾力性が失われつつあります。加えて,国の
三位一体改革の行方によっては,本市により厳しい影響を与えることが予想されます。
したがいまして,今後の
行財政運営においては,より一層事務事業の見直しや経費の節減に取り組むとともに,優先的に集中して実施する施策,事業を計画化し推し進めるという戦略性の高い事業の執行が必要であります。
市民・企業・行政など,都市の構成員が公共を担い合う協働型の市政の推進を図るためにも,公会計制度への
企業会計的手法の導入や
施策評価制度の導入などによる
説明責任機能の一層の充実を強く求めます。
それでは,本委員会を通じて,我が会派が取り上げてまいました諸課題などについて提言,要望等を含めて,述べてまいります。
最初に,全身性重度障がい者の介護についてでありますが,地域で生活している全身性重度障がいを持つ方には24時間介護が必要であります。処置制度が
支援費制度へと,障がいを持つ方の立場に立った新たな制度が導入されましたが,介護時間数は改善されておりません。在宅福祉を推進するためにも,さらなる
公的介護サービスの拡充に努められるよう要望します。
次に,障がいを持つ方に対する
交通費助成制度についてでありますが,現在,交付されている
福祉タクシー券の枚数では足りないとの声が多く寄せられます。この制度は,障がいを持つ方の社会参加を目的とする制度でありますので,外出がより困難となる冬場だけでも半額助成を追加するなど,制度の拡充に努められるよう要望します。
次に,
高齢者理美容サービスについてでありますが,寝たきりの高齢者にとりましては大変重要な事業であり,とりわけ我が党が提案し実現した
訪問美容サービスは,サービスの質の向上の面から意義のあるものであります。
介護支援専門員に事業の周知を図るなど,さらなる利用の促進に向けて努力されるよう要望します。
次に,すこやか健診についてでありますが,
生活習慣病の早期発見や予防を目的とするこの事業は受診率も年々上がり,健康診断を受診する機会が少ない方に大きな役割を果たしております。市民の健康保持,維持増進を図るためには,重要かつ欠かせない事業と考えますので,気軽に適正な料金で,今後とも多くの市民が受診できるよう継続されることを要望します。
次に,
重症急性呼吸器症候群,
SARS対策についてであります。
今のところSARSは一応終息していると思われますが,これから気温が下がる冬場に向けて再流行が懸念されるところであります。再発の予防に積極的に取り組まれるとともに,市民に対してもSARSに関する的確な情報を提供されるよう求めておきます。
また,SARSの感染を容易に判定できる検査キットの開発に成功したようでありますが,実用化された場合には,2次感染の防止のためにも積極的に活用されることを求めておきます。
次に,
アレルギー性疾患対策についてでありますが,我が党は
アレルギー疾患対策プロジェクトを立ち上げて,これまでもさまざまな取り組みを進めてきたところであります。本市においても相談体制の充実に取り組まれ,あわせて相談マニュアルを作成されますが,患者を抱える保護者の方々への正しい情報提供と患者の側に立ったわかりやすい市民用のマニュアルの作成について検討されるよう要望します。また,思春期,大人になってから発症した方は症状が重くなる傾向にあります。成人の方々に対する対応には十分配慮されるよう要望します。
次に,資金繰り円滑化借換保証制度についてであります。
我が党の主張により創設されたこの制度は,返済の負担を軽減することができるとともに,新たな融資を受けることも可能な場合があるという使いでのある制度であります。制度の利用促進を図るため,PRや相談体制の強化に積極的に取り組まれるよう要望します。
次に,企業の開業率を高めるための取り組みについてであります。
中小企業挑戦支援法という商法の特例法が施行され,企業設立の挑戦がしやすい環境になりました。企業の開業は雇用の促進にもつながりますので,その努力が実るように資金の援助も含めて,しっかりとした支援をしていただくことを強く要望します。
次に,藻岩山の観光振興についてであります。
藻岩山の自然保護には十分配慮する必要がありますが,ロープウエーなくして藻岩山振興を考えることはできません。老朽化の著しいロープウエーの整備に限らず,山麓駅の
バリアフリー化や電車からのアクセスなど,周辺地域の整備も含めて,全庁一丸となって早急に取り組まれることを強く要望します。
次に,市民農園についてであります。
BSEや無登録農薬の使用,食品や産地の虚偽表示の問題を背景に,食の安全や安心に強い関心が高まり,また,厳しい社会経済情勢が,自然との触れ合いに,心のいやしを求める流れを大きくしております。市民農園に対する意識の高まりを見せており,市民ニーズへの対応や都市近郊農業への理解を深めるためにも,公有地の空き地などを活用した高齢者への農園の無料提供などを検討されるよう要望します。
また,市民農園ともかかわりのある農業体験学習についてでありますが,食事や食習慣の乱れが指摘される中で,食べ物やそれを生み出す農業について学習する場を設けることは大きな意義があります。事業を拡大していく上で受け皿となるNPO法人を初め,多くの市民団体の協力が必要となりますので,助成を含めた支援の拡大を要望します。
次に,自転車対策についてであります。
自転車は市民の足として歓迎される一方で,放置や路上駐輪に悩まされております。札幌の街をさらに美しいロマンあふれる札幌にしていくためにも,札幌駅から薄野までのメーン通りをすっきりとした街並みにすべきであります。本市マスタープランの推進や利用者のマナー向上の啓発を図ることはもとより,この区間を駐輪禁止区間とされるよう強く要望します。
次に,雪対策についてであります。
我が会派がこれまでも機械除雪が困難な未除雪路線については,受益者負担を前提とした共同利用型融雪層を整備すべきであると主張してまいりました。冬の快適な生活環境をつくるためにも早急に制度を確立し,事業化を図られるよう要望します。
また,地域密着型融雪槽についてでありますが,この融雪槽は,単に地域内の雪処理施設であるというだけではなく,未利用であった下水道熱を利用するという環境への負荷が小さい融雪施設であります。環境に配慮した施設として月寒公園や伏古公園隣接地だけではなく,より多くの場所で整備されるよう要望します。
次に,町内会が管理する施設街路灯についてであります。
街路灯については,現在,街路灯の整備に関する基本方針に基づき,整備引き継ぎが進められておりますが,町内会では維持管理に大変苦労しており,管理の早期引き継ぎを望んでおります。町内会が管理する施設街路灯の実態調査を早急に実施し,実情に合った効率的な引き継ぎを進められるよう強く要望します。
次に,新川水系の河川整備についてであります。
都心に位置する琴似川流域の早急な治水対策の必要性は理解します。しかし,その治水対策として進められている界川の地下貯留池整備事業については貯留池の設置場所を変更するなど,地元の理解を十分に得て取り組まれるよう要望します。
次に,市営住宅についてでありますが,昭和40年代に建設された住宅は,建物の老朽化が進むとともに,入居者も高齢者が多くなり,インターホンがない,あるいは浴槽が高い,段差や階段が多いなど,支障を感じながらの日常生活をやむなくされております。これらの設備の
バリアフリー化に向けて早急に改善されるよう強く要望します。さらに,入居者の高齢化に伴い,自治会の活動や冬の除雪などにも支障が生じております。若い世代の方々とも交流ができるように,全市的な取り組みの中で検討されるよう要望します。
また,市営住宅に長年応募し続けながらなかなか入居できない人がいます。将来への不安も年々大きくなってくるものと思われますので,希望の持てるような優遇措置を講じられるよう強く求めるとともに,この人たちのためにも,入居基準に違反する収入超過者や高額所得者に対して毅然とした対応をとられるよう要望します。
次に,分譲マンション対策についてであります。
建物の維持管理など多くの課題を抱える分譲マンションについては,我が党の提案により,マンション管理適正化法が施行され,マンション管理制度や管理業務主任者制度なども創設されました。マンションを社会的資産として位置づけ,良好にストックしていくためにも,専門知識を有する資格者などと協力・連携し,相談窓口の充実や情報提供に努められるよう要望します。
また,マンションの建てかえを円滑に行うため,マンション建てかえ円滑法の施行や区分所有法の改正が行われております。しかし,マンション管理適正化法を含め,これらの法律が管理組合や区分所有者に十分認知されていない状況にありますので,関係者の意識啓発や法令の周知徹底に努められるよう要望します。
次に,
市立札幌病院事業であります。
来年度からスタートする新しい医師臨床研修制度の背景には,安全な医療に対する期待と地域医療の担い手となる人格を含めた質の高い医師の養成が求められる一方で,研修医の長時間勤務やアルバイトによる収入確保といった問題があります。研修医の指導に当たっては,これらのことを踏まえた指導体制の整備を図られるよう求めます。
また,大規模地震に対する備えについてでありますが,災害時には,入院されている患者さんに加え,多数のけがをされた市民の方が運ばれます。施設の耐震性はもとより,医療を行うには電気や水などが必要不可欠でありますので,ライフラインの確保に万全の体制をとられることを求めておきます。
次に,交通事業であります。
地下鉄の火災対策についてでありますが,乗客が安全で安心して利用できる公共交通機関として,地下鉄の火災対策は急務であります。駅施設等の早急な改善を図るためにも,財政支援を含めて国に積極的に働きかけるとともに,全市的に取り組まれることを要望します。
また,避難誘導など,緊急時における職員の対応は重要であります。さまざまな状況に応じた訓練を実施し,乗客の安全確保に努められるよう求めます。
次に,バス・地下鉄車内などの広告事業についてでありますが,景気低迷の影響を受け,広告収入も減少してきております。スポンサーのニーズを的確に把握し,ニーズに合った媒体の開発や販売に努めるなど,さらに増収対策に取り組まれるよう要望します。また,訪れる観光客へのサービスとして,公共施設の車内放送案内について検討されるよう求めます。
次に,水道事業であります。
緊急貯水槽の整備についてでありますが,緊急貯水槽は地震などの災害時に備えた飲料水の確保という大きな役割を担っております。緊急時に有効に使用されるためにも,付近住民へのPRに努めるとともに,さらに計画的に整備を進められるよう求めます。
また,避難場所となる公共施設などに供給する管路については,地震に強い耐震継ぎ手の採用を検討されるよう要望します。
以上が,本委員会の審議において,我が会派が取り上げてまいりました質疑等の概要であります。理事者におかれましては,提言,要望を十分検討され,市政執行に当たられるよう強く要望して,私の討論を終わります。
◆井上ひさ子 委員 私は,日本共産党を代表して,本
決算特別委員会に付託されました2002年度の決算認定議案6件中,議案第1号 各会計歳入歳出決算認定の件中関係分,議案第18号 交通事業会計決算認定の件については反対の立場から,残余の議案第16号 病院事業会計,議案第17号 中央卸売市場事業会計,議案第19号 高速電車事業会計 議案第20号 水道事業会計の決算認定の件については賛成の立場から討論を行います。
まず,議案第1号 各会計歳入歳出決算についてです。
2002年度末の一般会計市債残高は1兆683億円にも上り,むだな大型開発が本市財政を圧迫してきました。その典型として,我が党が繰り返し反対してきた
コンベンションセンターは,ことし6月にオープンしましたが,既に赤字運営を補てんするため2億1,830万円の予算計上がされております。この
コンベンションセンターの昨年度の決算額は,建設費114億5,190万円,用地取得費1億8,650万円及び開設準備費2億4,000万円であり,この後も市費投入でさらなる市民負担を招くものであり反対です。
札幌駅北口熱供給プラントの増設に対する補助等を名目にした札幌エネルギー供給公社への事業費貸付金及び補助金と札幌駅南口熱供給施設建設に対する北海道熱供給公社への補助金など,総額16億9,590万円は都心部とその周辺のビルなど,特定企業に対する便宜供与的な特別支援であり容認できません。
市営住宅の家賃減免制度の改悪が昨年4月から強行されましたが,生活保護基準以下の低収入世帯からも家賃を徴収するものであり反対です。
北海道住宅供給公社事業費貸付金30億円についてですが,我が党は,回収不能の危険を指摘し,貸し付けに反対してきましたが,その危険が現実化してきます。同公社の債務整理のための特定調定が進められていますが,14億7,000万円の今日時点の損失補償残高と合わせて,市民の血税がむだに失われることは許しがたい行為であり,本市の対応が厳しく問われることを改めて指摘しておきます。
土地区画整理会計決算についてですが,東雁来第2
土地区画整理事業において,2000年に事業年度を8年間延長する変更が行われ,市費投入が当初計画の139億5,470万円から218億3,970万円へと78億8,500万円も増加することになりました。このような本市の負担増を招いた事業計画は容認できないところであります。また,年内にも再見直し案が固まろうとしておりますが,さらなる本市の負担増にならないように強く求めるものであります。
団地造成会計決算では,米里北,新川工業団地の造成に当たり,高い土地を取得して造成を行ったものの,その後,地価が下落したため,造成原価を割る価格で分譲したものです。さらに,篠路住宅団地も加え,売れ残った土地を市民の財産であるまちづくり推進基金に抱え込んで,次々と目減りをつくり出しているものであり反対するものです。また,ハイテクヒル真栄については,日本電気,日立,リコーが用地分譲を受けながら12年間を過ぎても,いまだ企業の立地がされていない問題も指摘しておきます。
国民健康保険会計決算では,失業者,年金生活者,無職者の比率が増大し,加入者の所得が90年度268万円であったものが,ことしの保険料賦課時には126万8,000万円にまで低下し,実質的所得から見ると2倍以上の値上げが行われたことになります。国の負担率を緊急にもとに戻すなどの対策を強く求めて,保険料の引き下げを図るべきであります。
10月1日現在,1万4,110世帯に資格証明書が発行されていますが,資格証明書の発行は国保に対する加入者の不信をつくり出し,多くの保険料支払い拒否世帯を生み,さらに収納率を低下させることになります。また,市民の命を奪うことにつながり許されません。資格書の大量発行の手引書である資格証明書交付実施要綱を改正し,人の命や健康を大切にした人間味のある温かい対応を強く求めるものです。
議案第18号 交通事業会計決算の件についてです。
交通改革プランに基づいて,市営バスのすべての路線が民営バス事業者に移譲されるのが来年3月末です。移譲に当たっては現行サービスを低下させないと言っていますが,将来の不採算路線の存続は,現在の合意書と今後の協議にゆだねられ,市民生活に大きな支障を来すため反対です。
次に,本委員会で我が党が取り上げた問題について局別に触れてまいります。
まず,
保健福祉局についてです。
敬老パス制度についてですが,昨年5月,桂市政のもとで,受益と負担という観点から検討を行うことを打ち出し,上田市長は,ことし7月に発表した施政方針,さっぽろ元気ビジョンで,行政のサービス水準と市民負担のあり方について検討を進めると述べ,行財政改革の名のもとで敬老パス改悪を推し進めようとしています。
本定例会の補正予算では,5,000人を対象にアンケート調査を行うとして600万円計上されていますが,この間,マスコミを通じて市民に提供されるいるデータは,年間事業費が35億円にも上り,今後,毎年2億円ずつ増加していく老人福祉費の3分の1を占めているなど,あたかも敬老パスが本市財政を圧迫している元凶のような印象を与えるものであり,各区でのタウントークでの市長の発言も,2兆3,000億円の借金財政の中で,もうむだ遣いはできない,収入があってパスはもらわなくても大丈夫という方にはご遠慮いただいてもいいのではないかと,敬老パス存続には受益者負担が必要であることを方向づけているのは問題です。
本市の交付規則は老人福祉法に基づくものであり,同法の基本理念には,老人は多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として,かつ,豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに,生きがいの持てる健全で安らかな生活を保障されるものとあります。本市が継続してきた敬老パス制度は,すべて70歳以上の高齢者に何一つ差別も制限も加えることなく平等に付与されてきたものであり,人類の多年の希望として医学の発展とともに実現された高齢社会に当たっては,健康の維持・増進や介護予防,さらに社会参加に役立つ有意義な制度として,誇りを持って現行制度のまま存続すべきことを強く求め,行革の対象とすべきでないことをあわせて指摘しておきます。
次に,保育所行政についてです。
毎年,1月現在で800人もの保育所待機児童がつくり出され,加えて,定員を上回る異常な超過入所が1,500人を超える状況が続いています。保育所の新増設によって,待機児童の早期解消はもとより,超過入所も速やかに是正されるよう強く求めるものであります。また,長期にわたる公立と私立の予備保育士の格差についても,早急な解消を図るよう指摘しておきます。
次に,福祉除雪についてです。
戸建て住宅の福祉除雪については,一部有料という問題を含みながら実施されておりますが,低所得のため,戸建て住宅に入居できずに民間アパートに入居する除雪困難世帯を対象から外し,大家の責任などと実態を無視し続けることは許されません。速やかに民間アパートに住む高齢者や障がい者なども対象にするよう拡充すべきであります。
次に,妊婦健診の拡大についてです。
13政令都市のうち,2回の健診を実施していないのは札幌市と京都市のみです。政令指定都市の中で最も少子化が進行している札幌でこそ,新年度から速やかに少子化対策の一環として妊婦健診を1回から2回へ拡充すべきであります。
次に,介護保険についてです。
今年度から,介護保険料の20.6%も値上げが強行され,65歳以上の第1号被保険者の負担が重くなっており,滞納者も増加しています。一方で,導入された減免制度では対象者を3,000名と想定,1人当たりの保険料に月額20円を上乗せしていたにもかかわらず,申請した人は900名程度にとどまっています。介護保険料減免取扱要綱を改正し,減免制度の拡充を図ることを強く求めておきます。
次に,経済局についてです。
コールセンター誘致事業が行われ,この間,3,300人の雇用の拡大が図られたことは是としますが,理事者の答弁でも明らかなように,7割がパート労働などの契約社員です。そのために,年間賃金も本市のひとり暮らしの若者の生活保護基準額を下回るような低賃金であり,安定就労に向け賃金の引き上げなどの労働条件の改善が急務であることを申し上げておきます。
以上で,私の討論を終わります。
◆五十嵐徳美 委員 私は,ただいまから自由民主党第二議員会を代表して,本
特別委員会に付託されました平成14年度各会計決算につきまして,これを認定する立場から簡潔に討論を行います。
平成14年度予算は,長引く経費の低迷を背景に,歳入の基幹をなす市税収入を前年度比でマイナスと見ざるを得ない状況の中,第4次札幌市長期総合計画における第1次5年計画の折り返し地点となる3年次目として,計画の目標達成にめどをつける重要な年と位置づけ,行財政改革をさらに推し進めるとともに,施策の重点化と成果重視の観点による優先順位の明確化による財源の重点配分を基本として編成されました。
歳入につきましては,市税の収入率は納税対策強化の効果を反映し,前年度より0.7ポイント増の94%となったものの,収入額は所得の減などに伴う個人及び
法人市民税の落ち込みなどにより,前年度に比べ0.2%減となりました。また,歳出では,
生活保護費を初めとする扶助費や公債費が大幅に増加したほか,
国民健康保険事業や交通事業への多額の財政支援の継続などにより,財政状況は一層厳しさを増したものとなりました。
このような状況のもと,地方交付税などの財源確保には最大限の努力を払うとともに,行財政改革推進計画を着実に推進することを基本として,限られた財源を有効に生かすため,事務事業の再構築や徹底した経費の節減を図るなど効率的な執行に努め,予算に計上した事業についてはほぼ所期の目的を達成したものと評価するものであります。
しかしながら,今後の財政状況はなお厳しい状況が続くものと認識せざるを得ず,市税などの収入に伸びが期待できない一方で,
生活保護費を初めとする扶助費や公債費といった
義務的経費の増加が見込まれることから,我が会派が強く申し上げてきた行財政改革をより一層推し進めるとともに,産業振興など経済基盤の充実に努められることを求めておきます。
それでは,本委員会を通じて,我が会派が取り上げました諸課題等につきまして,提言,要望なども含め述べてまいります。
最初に,敬老優待乗車証についてでありますが,この制度は高齢者に大変喜ばれているものであり,制度のあり方についての検討は市民の大きな関心事であります。市民の理解を得るためには,事業にかかわる数値などを市民に示しながら論議を深めることが必要と考えておりますので,議会などの場を通じて積極的に明らかにされるよう求めます。また,アンケート調査に当たっても,若年層から高齢者まで幅広い年代層で実施し,広く意見をとりまとめられるよう要望いたします。
次に,農薬取締法の改正についてでありますが,無登録農薬の流通・使用問題が明らかになったことなどを背景に,輸入者や製造者,販売者に対する規制だけではなく,新たに農薬の使用者に対する規制も強化されました。本市で生産される農産物の安全な供給のために,関係機関とも連携を図り,農業者に対して適切に指導に当たられるよう求めます。
次に,都市環境調和型農業についてでありますが,健康,安全,安心を求める市民要望は高まっており,低農薬や減農薬,無農薬農産物を求める市民ニーズは大きなものがあります。本市の農業で大事なことは,市民に安全で安心して食べていただくことでありますし,少しでも農薬を減らし,環境に配慮した栽培技術の普及,指導に努めらるよう求めます。また,地産地消の取り組みを学校給食に取り入れていくということは,地元の農業理解にもつながり,食育という教育的効果も大きいものがあります。教育委員会や学校給食栄養士との連携を強め,札幌産の農産物をもっと学校給食に取り入れられるよう要望いたします。
次に,除雪機械についてでありますが,民間企業は長引く景気の低迷による公共事業の減少やそれに伴う競争の激化により体力が低下し,除雪機械の更新や新規の購入が困難になってきております。安定的な除雪体制を維持するためにも,除雪グレーダーや歩道用ロータリー除雪車の状況について,国に対して積極的に予算要望されるとともに,除雪参加企業がこれ以上減少しないよう企業の育成に取り組まれることも強く求めます。
次に,東雁来第2
土地区画整理事業についてでありますが,この土地利用の見直しに当たっては,河川防災ステーションを設置するよう提案してまいりました。安全で安心して暮らせる街づくりのため,国との協議を進め,具体化されるよう強く求めます。
同時に,
スポーツ振興の観点から提案をいたしますが,本市には天然芝のサッカー場が少なく,全道規模の大会においては,ほかの地域の競技場も使わざるを得ないという現状であります。スポーツの振興を図るためにも,この地域に天然芝のサッカー場を整備することを真剣に考えていただきたいと思います。
また,事業区域内における市営住宅の建設でありますが,入居者の利便性を考えると商業施設が必要であり,出店を促すためには建設時期を明確にする必要があると思います。計画年度内に完成させるためにも,全庁挙げて取り組まれるよう強く要望いたします。
さらに,区画整理事業の推進と同時に,公営住宅の供給という観点から,借り上げ市営住宅の建設も有効な手法と考えます。建設促進に向けて制度の見直しを検討されるよう求めます。
以上が,本委員会の審議において,我が会派が取り上げてまいりました質疑の概要であります。理事者におかれましては,提言,要望を十分検討され,市政執行に当たられるよう強く要望して,私の討論を終わります。
◆田中昭男 委員 私は,ただいまから新政クラブを代表して,本
特別委員会に付託をされました平成14年度各会計決算につきまして,これを認定する立場から簡潔に討論を行います。
平成14年度の予算は,桂前市長12年間の最後の年として,まさに総決算の年であるとともに,5年計画の3年次目として目標の達成に向けた重要な年となりました。また,緊急に取り組むべき七つの課題を重点政策として位置づけるなど,将来を展望して取り組まなければならない施策について積極的に予算計上する一方で,厳しい財政環境の中,さらなる行財政改革を推進し,施策の重点化と成果重視の観点による優先順位の明確化により事業を選択し,財源の重点配分を行ったものとなりました。
この予算の執行に当たっては,市税収入が長引く景気低迷等による個人・
法人市民税の落ち込みなどにより,5年連続減少する一方で,扶助費や公債費などの義務的な経費の増大により,非常に厳しい財政運営を強いられる中で,効率的な執行と経費の削減に努められたこと,また,札幌駅南口関連施設の完成などによる事業所税の増を初め,市税が予算額以上に確保できたことや納税対策の強化により,収入率の向上に努められた結果,決算においては各会計ともおおむね所期の目的を達成したものと評価をいたします。
しかしながら,市債発行額については,その抑制について取り組まれましたが,平成14年度は新たに臨時財政対策債などの特別な市債の発行があったとはいえ,対前年度比10.0%増の940億円に増加し,一般会計市債現在高は前年度比3.3%増の1兆683億円となりました。
こうした財政構造について,上田新市長が,今後展開されようとする各種施策と照らし合わせながら,どのように対応されていかれるか,注目してまいりたいと思います。
また,代表質問では,敬老優待乗車証,いわゆる敬老パスの問題と国保収納対策にも触れさせていただきました。敬老パスの問題は,低迷する景気,市税収入も減少する財政状況下においては,事業の継続はなかなか難しいものとなっていることも理解をいたしますが,この敬老パス制度は高齢者福祉事業の中で最も親しまれ,喜ばれてきた制度であります。
そう考えますと,アンケートの実施は事業をいかに継続させるかという立場で行われるものとお聞きをしており,当然のことと思いますが,事業の継続のためには広く市民に意見を聞くことはもとより,一方で事業を支えてきた,特に,民間の交通事業各社の声を十分反映していただきたいと思います。
国民健康保険についても,景気の低迷による失業者の増大の影響などを受け,加入世帯,滞納者,短期証交付世帯,資格証明書交付世帯,いずれをとっても増加しております。こうした状況下においては,未然に滞納防止対策や滞納者の早期発見,早期対応が強く求められることから,収納制度体制の抜本的見直しを行うとともに,滞納処分などの強制徴収の手法も積極的に取り入れるよう求めておきます。
そこで,本
特別委員会において,我が会派が質疑,提言してまいりました諸課題について述べてまいります。
最初に,雇用対策についてであります。
本市がコールセンターの誘致など,雇用の創出に努力をしてきているのは承知をしておりますが,今後,展開されようとする産業の誘致,あるいは育成という中で,目標とされるべき雇用者数は示されておりません。産業政策や経済政策と雇用との関係をもう少し研究してみるべきであります。難しい条件はあろうかと思いますが,例えば,福祉産業や環境産業の育成においてもある程度は可能ではないかと考えます。厳しい雇用情勢が続く中で,国も道も雇用の創出に数値目標を掲げて取り組んでおりますので,札幌市も数値目標や雇用対策の方向性を示すべきであります。目標を達成するには相当の困難も予想され,また,戦術的な取り組みや戦略的な取り組みが必要になると思いますが,とにかく本市の雇用対策の方向性を策定し市民に示すことについて,特段の努力がなされるべきであることを強く申し上げておきます。
次に,福祉にかかわる問題についてでございます。
障がい者による政策提言サポーター制度についてでありますが,市長に提出される提言書は,障がい者の目線に立つサポーターの自主的な判断,自立的な運営によってまとめられるものでありますから,その内容については,制度の趣旨に沿い,速やかに予算化,政策化されることを強く求めておきます。
また,提言書をまとめるに当たっては,サポーターに寄せられた意見や要望などについてもすべて公開し,議論の透明性を図るべきと考えます。
オストメイト対応トイレについてでありますが,これを必要とされている方は年々ふえてきております。我が会派が取り上げて以来,市役所本庁舎を皮切りに主要施設については順次整備されてきておりますが,まだまだ十分とは言えない状況にあります。特に,大通公園への整備は関係者の強い希望がありますので,早期に設置されることを求めます。また,オストメイト対応トイレの設置場所を示すマップは,利用者にとって極めて有効性の大きいものであります。このトイレを必要とする方々に,安心して外出していただくためにも,早急に作成していただきたいと思います。
以上,平成14年度各会計決算について,提言や要望を申し上げてまいりましたが,理事者におかれましては,これらを十分考慮されて市政を執行されるよう強く要望し,私の討論を終わります。
◆佐藤典子 委員 私は,市民ネットワーク北海道を代表し,本
決算特別委員会に付託されました議案第1号関係分,また,2003年第2回定例市議会議案第16号から議案第20号まで,2002年度各会計決算についてこれを認定する立場から討論いたします。
2002年度は3期12年の桂市政最後の年となりましたが,その間,高度経済成長が終わるとともに,産業の空洞化と知識集約型産業への移行が進み,それに対応する経済社会システムの構築のおくれから経済の低迷が長引き,一方では
少子高齢化が急速に進行しました。
そのような中で,本市も歳出構造の見直しを余儀なくされたとはいえ,従前の行政主導による
行財政運営を変えるまでには至らず,事業評価も行政内部での実施にとどまり,事業の優先性,合理性,効率性の観点からは不十分であったと言わざるを得ません。
2002年度一般会計決算は,依然として低迷を続ける景気の影響から市民税収入が落ち込み,市税収入は前年度に比べ0.2%の減となり,歳出については,扶助費や公債費などの
義務的経費がふえ,財政運営は一層厳しいものとなりました。
そのような中,長引く景気低迷に対する新たな観点に立った地域経済対策や
少子高齢化への対応などが本市の重要な課題であるとの立場から,予算の執行状況を検討してまいりました。
以下,当委員会で取り上げました課題を中心に提言を交え,簡潔に述べてまいります。
まず,保健福祉費についてです。
本年10月,身体障害者補助犬法が全面施行となりましたが,十分な周知及び理解がされておらず,飲食店で盲導犬の同伴拒否などがありました。今後は,飲食店など事業者を初め,広く市民に対し法律の正しい理解が進むよう,啓発など積極的に行う必要があると考えます。
高齢者配食サービスについては,現在,約2,300名の方が利用しておられます。2002年度より食の自立支援事業として位置づけられており,今後,これまでの配食サービス事業の評価アセスメントが実施されますが,高齢者の生活の質の維持・向上となるよう,本当の意味での食の自立支援事業として丁寧な対応を強く求めます。
介護予防の観点から,寝たきりではないけれども,1人では外出できない虚弱な高齢者に対する支援として,移送サービスの充実がますます求められています。今後は,現在の移送サービスに加え,NPOなどと協働で事業の充実を図っていくことも視野に入れるべきであるということを求めておます。
遺伝子組みかえ食品については,現在4検体の検査が行われており,今年度中には全部で20検体の検査が行われる予定と聞きました。市民の食の安全や健康に対する意識の高まりから,また,食の安全を守るためにも,遺伝子組みかえ食品の的確な検査の充実と検査結果の情報公開の徹底を強く求めます。
次に,経済費です。
豊平区にある北海道農業研究センターにおいて,遺伝子組みかえ稲の試験栽培が実施されました。安全性の確立されていない遺伝子組みかえ作物に対する市民の不安は大きいものがあります。また,クリーンな都市農業を進めるためにも,同センターにおける遺伝子組みかえ作物の実験栽培の情報収集・提供を積極的に行うべきであることとを強く求めます。
次に,土木費についてです。
既存の市営住宅の耐震対策は建てかえ,改修時に進められるとのことですが,新耐震基準以前の建物には耐震性が低いとされる団地も一部あることにより,できるだけ早い対応が求められます。また,建てかえ団地においては,既存の樹木や緑を最大限保存し,積極的に入居者や市民に親しまれる潤いのある団地づくりを進めるべきと考えます。
厚別清掃工場解体においては,ダイオキシンの飛散に対する周辺住民の強い不安があることにより,市民参加により松葉でのダイオキシン調査の実施を強く求めます。
次に,病院事業会計についてです。
老人性痴呆の問題は,高齢化が進む中でますます深刻になっています。痴呆老人を抱える家族への精神的フォローなどの支援も欠かすことができません。また,痴呆症状のある入院患者が自立した一人の人間として,人生の最期まで尊厳を持って生きることができる看護体制の充実を強く要望いたします。
次に,交通事業会計についてです。
バリアフリーの街づくりを目指し,地下鉄での視覚障がいの方への対応について取り上げました。エレベーターや点字ブロックの整備,転落防止さくを設置するなど,これまでの点の整備から幅広く線の整備への施策を移行し,視覚障がいの方はともより,だれもが利用しやすいユニバーサルデザインの地下鉄,また,だれにでも優しい公共交通になることを強く要望いたします。
最後に,水道事業会計です。
2004年度より実施される新水道水質基準に,市民ネットワークがかねてから基準化を指摘してまいりました非イオン界面活性剤が加わりました。今後も,市民が安心して飲める安全な水を供給していただけるよう水質の厳しいチェックを求めます。また,地球環境問題が深刻化する中で,経営の内容を環境面から評価する環境会計が注目されています。札幌市においても,本年5月,2001年度の決算版環境会計を作成し,環境保全活動の紹介などとあわせて,環境報告書として市民に公表していますが,今後は,市民にもっとわかりやすく記載するとともに,事業運営に活用できるようさらに充実させることを強く求めます。
以上,諸課題を述べてまいりました。本市の中期財政見通しによりますと,来年度以降200億円前後の収支不足が発生するとの結果が出ています。このような財政状況と行き先不透明な
三位一体改革により,自治体の財政運営は自立を迫られています。このため,事務事業について優先性,市民参加度,外部の評価などを見きわめた徹底した見直しが求められます。
現在,来年度予算の編成期を迎えていますが,市民に対し個別施策の原価計算や事業の採算性,出資団体等も含めた連結財政なども公開していくことが必要と考えます。今後,これらの提言を施策に反映されますことを強く求め,討論を終わります。
◆堀川素人 委員 私は,市政改革クラブを代表し,本議会に提案され,第二部
特別委員会に付託されました案件に対し,認定する立場で討論をいたします。
日本経済は株価に見られるように,底を打ったかの感はありますが,北海道の経済は依然として厳しいものがあります。官民挙げてこの苦境を乗り切らなければなりません。
ことしは44年ぶりに民間出身の上田市長が誕生いたしました。官から民への移行ということがよく言われます。官から民への移行だけの問題ではなく,高度成長から低成長への移行,人口の増加から減少への移行,そして未曾有の高齢化と未曾有の少子化問題,経済活動の基準の国際化,そして不良債権の顕在化とその処理,インフレ時代から,一時的ではあると思いますがデフレ時代があらわれています。ある意味では,日本全体のすべての仕組みの見直しを迫られているといっても間違いございません。札幌市においても,また同様であります。