札幌市議会 2003-10-17
平成15年第二部決算特別委員会−10月17日-07号
平成15年第二部
決算特別委員会−10月17日-07号平成15年第二部
決算特別委員会
札幌市議会第二部
決算特別委員会記録(第7号)
平成15年10月17日(金曜日)
──────────────────────────────────
〇議題 付託案件の審査
〇出席委員 33人
委 員 長 涌 井 国 夫 副委員長 坂 本 恭 子
委 員 高 橋 忠 明 委 員 大 越 誠 幸
委 員 上瀬戸 正 則 委 員 笹 出 昭 夫
委 員 横 山 光 之 委 員 鈴 木 健 雄
委 員 村 松 正 海 委 員 長 内 直 也
委 員 小須田 悟 士 委 員 伊与部 敏 雄
委 員 西 村 茂 樹 委 員 畑 瀬 幸 二
委 員 小 野 正 美 委 員 藤 原 廣 昭
委 員 林 家 とんでん平 委 員 峯 廻 紀 昌
委 員 柿 崎 勲 委 員 義 卜 雄 一
委 員 本 郷 俊 史 委 員 芦 原 進
委 員 阿知良 寛 美 委 員 小 川 勝 美
委 員 井 上 ひさ子 委 員 伊 藤 理智子
委 員 柴 田 薫 心 委 員 原 口 伸 一
委 員 五十嵐 徳 美 委 員 田 中 昭 男
委 員 佐 藤 典 子 委 員 佐 藤 美智夫
委 員 堀 川 素 人
──────────────────────────────────
開 議 午前10時
○涌井国夫 委員長 ただいまから,第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,小谷委員からは
高橋忠明委員と交代する旨,届け出がございました。
それでは,議事に入ります。
最初に,第3款
保健福祉費 第3項
老人福祉費及び
介護保険会計決算について一括して質疑を行います。
◆原口伸一 委員 私からは,敬老パスにつきまして,数点質問させていただきたいと思います。
この事業は,皆さんご案内のとおり,昭和50年1月から,ちょうど板垣市長の時代にスタートいたしました。最初は,市電,市バス,ロープウエーと,以後,地下鉄とか中央バス,それから現在のジェイ・
アール北海道バスであります国鉄バス,それからじ
ょうてつバス,夕鉄バスと,だんだん路線が拡大してまいりましたし,平成10年には,それまで民生委員が各該当者の自宅を訪問して手渡しで交付をしていたという交付制度から申告制度に変わったなど幾つかの変遷をして今までこの制度が堅持されてきたわけです。ですから,高齢者にとりましては,本当に行政の温かみが肌で感じられるそういう制度ということで,大変喜ばれてきております。
その間の札幌市の高齢化率を見てみますと,昭和50年には高齢化率が5.3%だった。ところがことしの4月1日の統計によりますと高齢化率が15.7%に上がった。高齢化率が3倍にもなってきたという社会的な変化もあるわけであります。
桂市長から上田市長にかわられまして,今回は補正で敬老パスのあり方を,市民の皆さんに
アンケートをとって調査するということで600万円が予算計上をされてきたわけであります。聞きますと,11月から
札幌市民各層にわたって5,000人の方々に
アンケート調査を行うのだというようなことになっておるわけでありまして,そういうことで,満70歳以上の高齢者の方,それからまた,これから満70歳に達して,いよいよ私も敬老パスがもらえるなというようなときの
見直し論議でございますから,(発言する者あり)そういう人にとっても大変関心があるわけであります。
こういうことが,今現在,例えば,
老人クラブに行きましても大変な関心事でありました。該当者の皆さんにとっては,市政の中で今一番関心があるのはこの敬老パスの問題だというふうに,私はいろんなところでお聞きをして,そう感じるわけです。
そこで,ちょっと敬老パスの基本的なことについて数点ご質問させていただきたいと思うのですけれども,敬老パスの交付対象となる70歳以上の高齢者の人,それと実際に敬老パスを交付している交付枚数について,平成10年度から申告制になったわけです。それまでは70歳以上の人みんなに無差別に交付をしていたわけでありまして,平成10年度とそれから平成14年,そしてことしの予算に35億数千万円が計上されているわけでございますけれども,今年度の推計値,それをまずお尋ねをいたしたいというふうに思っています。
2点目として,これから将来,交付を受ける高齢者の数,これをどのように見込んでおって,予算上で毎年毎年,巷間2億とかというふうに言われておりますけれども,実際はどうなのか,その辺についてまずお尋ねをいたします。
◎大町
保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えを申し上げたいと思いますが,1点目の
敬老優待乗車証の対象者と交付の実績,それから平成15年度の見込みについてでございます。
まず,平成10年度でございますが,対象者数は14万8,689人,交付枚数が11万7,770枚,14年度につきましては18万9,833人が対象者数で,交付枚数が15万2,287枚です。15年度の見込みについてでございますけれども,対象者数が20万1,519人,交付枚数が16万1,659枚という状況になってございます。
次に,2点目の交付者と金額の増加についてでございますが,委員ご指摘のとおり,高齢社会の進展により,70歳以上の方々も年々増加することが予想されております。今後,交付を受ける方は毎年約1万人,金額でいいますと2億円ずつ増加するものと見込まれております。
◆原口伸一 委員 この敬老パスの事業費というのは,毎年交通局も含めて
民間事業者と協定を結んで金額を決めているというふうに聞いておるわけでありますけれども,平成14年度と15年度の対象者数,それと実際に交付を受けている枚数といいますか,人数というのかな,そういう比率はどういうふうになっているのか,1点目お尋ねいたします。
2点目として,平成15年度,今年度の予算では35億2,198万円と,こういうふうになっておるわけでありますが,35億何がしの予算を計上した根拠といいますか,どういう理由で,どんな基準で算定しているのか,算定方式をぜひ教えていただきたいと思います。
◎大町
保健福祉部長 ご質問にお答え申し上げます。
対象者と交付枚数の比率,いわゆる交付率についてでございますが,平成14年度,15年度ともに80.22%の交付をしております。この数字は,直近に行われた平成14年9月の一斉交付時の交付率であります。その理由につきましては,年度途中の70歳到達や市外転入,反対に市外転出や死亡等の理由によりまして交付枚数が常時変動するため,直近の一斉交付時の確定した数字を使用することにしてございます。
続きまして,予算算定の基準についてでございますが,ちょっとわかりづらいのですが,
敬老優待乗車証の交付枚数に,市民全体の乗車回数から推計した70歳以上の方1人当たりの
年間平均乗車回数と基準単価を掛け合わせた金額を基礎としまして,札幌市交通局を含め,事業者6社と協定を交わした額の合計と,
定期券作成等に要する費用約120万円を合わせた金額でございます。
◆原口伸一 委員 なぜ,この予算額について,どういう算定基準でやっているのかと聞くのかといいますと,これから
見直し論議をしていく上で,その算定基準というのがきちっとしていないと,私はこの論議が深まっていかないと思いますし,何もわからないで,市民が
アンケートに答えるというようなことにもなってくるし,我々議会でも深まった議論というのはできないというふうに思っておるのです。算定基準をはっきりするということが,議論の入り口だというふうに私は思っているからこれをお尋ねいたしておるわけであります。
それで,今の答弁で,市民の
平均乗車回数,こういうお話がありました。それで,協定額の算定においても,
平均乗車回数というものが出てきておるわけなのですけれども,それでは,70歳以上の利用している方々の
平均乗車回数というのは,利用している方というか,70歳以上のお年寄りの皆さん方の年平均の乗車回数というのを市電,市バス,地下鉄で何回と見ておるのか,これをひとつ明らかにしていただきたいなと思います。
◎大町
保健福祉部長 ご質問にお答えいたします。
平成15年度の
協定額算定に用いました数字は,札幌市交通局を例に挙げますと,市電で年2.3回,市バスで年3.6回,地下鉄で年62.5回となっております。
◆原口伸一 委員 今,そういう回数の答弁をちょうだいいたしました。それ以上乗っている人もいるでしょうし,まだまだそんなに乗っていないという人もいるかもしれません。
この
敬老優待乗車証交付事業,これについては,それでは中央バスはどうなのだ,ジェイ・
アール北海道バスはどうだ,じ
ょうてつバスはどうだということも聞きたいのですけれども,これは札幌市と協定を結ばれている,そんなことで信義則もあるでしょうから,これは1定でもお尋ねをしたいと思いますが,いずれにしても,市当局としても,こういう数値,これをはっきり市民の前に出して議論をしていかないと,これからの敬老パスの本当のあり方というのは出てこないというふうに私は考えます。
そんなことで,ぜひひとつ,これからの議会の場でも,数値をはっきりと情報公開をしていただいて,1定でもっと論議が深まるように,私は要望させていただきたいというふうに思っております。
アンケート調査に当たりましても,多くの市民の皆さん,特に,お年寄りの皆さん,それから60代の皆さん,それから若者の意見等もよく聞いて,
アンケート調査を進めていただきたい。こんなことを要望して,きょうはさわりだけで終わらせていただきます。
◆佐藤典子 委員 私は,介護予防の観点から大きく2点,高齢者への
配食サービス事業についてと高齢者に対する
移送サービスについて伺います。
まず,
配食サービス事業についてです。
本市では,1995年から
配食サービス事業を行っていますが,みずから食事をつくることができない,また,
ひとり暮らしのお年寄りにとって大変重要な
サービスとなっています。2002年2月の札幌市
高齢者意識等調査の報告書によりますと,高齢者が今後利用してみたい
サービスとして,福祉除雪の次に
配食サービスが挙がっており,期待度の高い事業になっております。
また,配食と同時に,一声かけて安否確認をすることになっており,地域の中で暮らす利用者の安心にもつながる事業として大きな意味を持っていると考えております。
高齢化が進み,今後,
ひとり暮らしの高齢者や
高齢者夫婦のみの世帯がふえていくことから,
配食サービスの利用者は,ますますふえてくるであろうということが予測されます。
そこで,1点目は,現在の
配食サービスの利用状況についてどうなっているのか。また,事業開始当初からの利用件数の伸びはどうなっているのか,伺います。
そして,2点目は,食の
自立支援事業としての
配食サービスについて伺います。
2000年度から高齢者の自立支援と介護予防,介護保険の健全運営に資する目的で,介護予防・地域支え合い事業が実施されています。これまでの
配食サービスは,
生活支援事業のメニューの一つとして国の補助事業となっていますが,国は,2002年度より食の自立の観点から,十分な
アセスメントを行った上で,
食関連サービスを計画的,また有機的につなげて提供する食の
自立支援事業として変更し,目下,その
体制整備期間中であると聞いています。
本市においては,従来からの
配食サービスを続けておりますが,今後,国が進める食の
自立支援事業の
配食サービスとしては,どのような内容になるのか,お尋ねします。
続きまして,高齢者に対する
移送サービスについて伺います。
介護予防の観点から,寝たきりではないが1人では外出できない,また,
公共交通機関の利用が困難な虚弱なお年寄りがふえている,そういう状況の中で,
移送サービスというのは非常に重要な
サービスと考えています。
そこで,1点目に,要介護認定で自立及び要支援と認定された人の数,また,
介護予防事業における
ウィークリープランなどを作成している対象者の数をお聞きします。
2点目は,閉じこもり予防のための
移送サービスを,札幌市としてはどのようにとらえ,考えておられるのか,伺います。
そして,現在,具体的な
移送サービスとして,どのような事業を実施しているのか,また,今後,これらの事業の充実をどのように図っていくのか,お考えを伺います。
◎大町
保健福祉部長 ただいまの数点のご質問にお答えを申し上げたいと思います。
まず,
配食サービスの利用状況についてでございます。
従来,夕食の配食を月曜から金曜の週5日実施しておりましたが,平成13年度からは土曜日の実施をふやし,週6日の配食を実施し,現在に至っております。
平成14年度の登録者数は2,194人で,配食数は延べ29万9,000食を超えております。これは前年と比べ,登録者数で20%,
延べ配食数で16%伸びております。さらに,全区で事業展開できるようになりました平成9年度は,配食数約10万7,500食でしたので,当時と比べると約3倍の伸びになっているという状況になってございます。
2点目の国の食の
自立支援事業の内容でございますが,従来の
配食サービスは,でき上がった食事を届けることに主眼が置かれておりまして,このことが,食事をつくるための能力などを逆に減退させているという面もあるとの指摘をしております。そこで,食事をするためには,買い物,調理,片づけや栄養管理といったことが伴うものですが,可能な限りそれらの能力を維持し,自立的にやっていただくために,総合的に支援していこうとするものであります。
そのためには,どのような支援が必要なのかを判断していくため,利用者の心身の状況,生活環境,また地域の実情などを総合的に調査・分析,評価する手法である,いわゆる国が表現として用いております
アセスメントを行い,支援すべき
サービス内容を調整する中で,
配食サービスを利用していただくことになるものでございます。
札幌市としましても,平成14年度と15年度は
体制整備期間とされておりますので,平成16年度からこの意向に沿った
配食サービスを実施すべく,現在事務を進めているところでございます。
続きまして,高齢者に対する
移送サービスについてでございます。
1点目の要介護認定で自立,要支援と判定された方の数でございますが,平成15年3月末現在で,第1号被保険者の
自立判定者は1,378名で,要
支援判定者は6,083人でございました。
また,
介護予防事業における
ウィークリープラン作成対象者の数でございますが,対象者は,要介護認定で自立と判定された方のうち,
生活支援型サービスを利用し,本人の同意を得た方となっており,平成14年度の作成数は95人でございます。
2点目の閉じこもり予防のための
移送サービスをどのように考えているかということについてでございますが,閉じこもりの要因としましては,さまざまな理由が考えられますが,足腰が弱り外出に介助が必要な要
援護高齢者にとって,
移送サービスの利用は,社会参加を促す上で有効な手段と考えております。
それから,現在,実施している
移送サービスについてでございますが,
介護保険制度や障がい福祉の制度以外に,
社会福祉協議会が実施している
送迎ボランティアによる
移送サービスや,
在宅福祉サービス協会の
協力員派遣事業等があります。
また,これら事業の充実につきましては,今後,
サービスを必要としている方が,より円滑に活用できるよう,関係機関と協議してまいりたいと思います。
◆佐藤典子 委員 今,自立判定は1,378名,そして要支援が6,083名いらっしゃるということで,介護予防の問題は,地域社会全体で考えなければならない非常に大きな課題と考えています。そして,少しでも外に出られるような,そういう手段には,たくさんの
サービスがあると今伺いましたが,川崎市の方では,NPOが
移動サービスのワーカーズなどを立ち上げており,行政だけではなくて,市民とともにそういう
サービスをつくり出すという必要性がある時代に来ているのではないかと考えます。そしてさらに,行政の方でも,充実した高齢者の
移送サービスにするように要望いたします。
そして,
配食サービスの方ですけれども,札幌市としましては,2002年と2003年度で利用者への
アセスメントを行い,2004年度から国の言う,食の
自立支援事業として
配食サービスを実施すると,今聞きました。
そして,利用者が当初から比べると約3倍,そして,今,29万9,000食をつくっておられるということで,利用者がどれだけ楽しみに食を考えているかということがわかります。
高齢者にとって,この食の問題は大変重要であり,命や健康を維持するということだけではなくて,高齢期の大きな楽しみの一つがこの食であり,生活の質の向上などにも大きな役割を果たすものだと考えています。
その意味で,答弁にありましたように,これからは利用者の生活能力,また,自分が持っている力などを維持し,またそれが発揮できるような,そういう身体状況や生活環境などの実態把握,調査,そしてそれを踏まえて,本当にその人に合った適切な
サービスを調整していくというのが,これから求められていくことと考えています。
そこで,再質問としまして,今おっしゃられました評価,
アセスメントは,札幌市としてどのように進めていかれるのか。また,
配食サービス以外の面では,食の自立に関してどのように取り組んでいこうとされているのか,伺います。
◎大町
保健福祉部長 お答え申し上げます。
まず,
アセスメントの具体的な進め方でございますが,国の動きを踏まえまして,札幌市におきましても,平成16年度から,現在
配食サービス事業を利用している方と,新規に配食を希望される方を対象として実施することとしております。
アセスメントの実施方法としましては,
配食サービスを受けている方の約75%が
介護保険サービスを受け,
介護支援専門員が
ケアプランをつくっておりますので,その情報を活用したいと考えております。
また,残りの約25%に当たる方は,
介護保険サービスを受けておりませんので,
在宅介護支援センターが行っている
介護予防プラン作成の際の調査に合わせまして,食に関する
アセスメントの実施を依頼することにしたいと考えております。
次に,
配食サービス以外の食の自立支援に関する取り組みについてでございますが,これら食に関する
アセスメントなどを通じ把握した個々の情報を,
すこやか倶楽部など他の
サービスにも生かしながら,総合的に取り組んでいくことが必要と考えております。
◆佐藤典子 委員 超高齢社会を前に,高齢者の介護予防とか自立支援というのは,本当に地域社会全体で考えなければならない大きな課題になっています。そういう中で,地域における
介護予防事業として,殊に,食の自立を支えるこの
配食サービスは,今,大きな意味を持って,地域の
サービスの一つとして役立ってきています。2002年度は,2,194人の方が
配食サービスを利用されているということで,現在,利用されている方,また,今後利用希望される方へ,ぜひ,丁寧に事業の評価,
アセスメントを進めていただきたいと考えています。
住み慣れた地域で,健康で安心して暮らしていく,そういう意味からも,この事業の優位性をまず利用者の方にわかっていただく,そして進めていく,また,それが生活の質の維持・向上を促す本当の意味での
自立支援事業になっていくと考えますので,ぜひそこのところを踏まえて,丁寧な
アセスメント,また,事業の展開を要望しまして,私の質問を終わらせていただきます。
◆長内直也 委員 それでは,私からは,高齢者の
緊急通報システムについて質問させていただきます。
昨年も何度か質問させていただきましたけれども,再度質問させていただきたいと思います。
まず,簡単に背景だけ申し上げますけれども,65歳以上の高齢者,平成15年度で28万9,223人という数字をいただいております。また,平成12年度の国勢調査によりますと,
高齢単身者数というのはそのうちの17.7%であるということでありますので,ここから推計をいたしますと,現在は
高齢単身者数が5万1,192名に上るということであります。
一方,本市の
緊急通報システムの利用世帯でありますけれども,平成14年度の数字で1,237世帯であり,これを割り返しますと,
高齢単身者のわずか2.4%という数字であります。事業費は2,732万円ということです。
また,一昨年の高齢者の意識調査によりますと,高齢者のうち
緊急通報システムをぜひ利用したいという人は11.7%いるということであります。11.7%の希望者がいるのに,利用はわずか2.4%だというふうに考えていいのだと思うのですけれども,これは,やはり再三申し上げておりますが,現状のシステムでは,利用者の対象が余りにも絞られ過ぎているのではないかというふうに私は考えております。
これは,
高齢単身者に限らず,やはり見守りというか
安心サービスというか,そういった需要というのは非常に大きいと思っております。ですから,現状のこのシステムと利用者側とのニーズには,相変わらず大きな乖離があるのではないかというふう考えております。
また,例えば,旭川ですと2,500世帯とか3,000世帯とかが利用しております。比率からいっても,札幌市で考えると,単純に6倍ぐらいでもおかしくないわけですから,1万人,2万人の利用者がいて当たり前の話であります。ただ,逆にいうと,それだけの数をこのシステムで維持できるのかと,私はちょっと難しいのかなと思っております。
と言いますのは,今
ペンダントを貸し出す方式でやっていますけれども,それを押すと,いわゆる直接消防局につながるということでありますので,ぐあいが悪いときに救急車が来てというような対応だと思うのですが,そういう場合だけではなくて,ちょっとぐあいが悪いとか,そういった場合にどういうふうな
安心サービスをしていくのかということが,私は重要だと思っております。
そんな意味で,まずは,世帯数が現在1,237世帯にとどまっている現状をどのようにとらえているのか,また,実際には,もっと希望する方は多いのではないかというふうに私は思っていますけれども,その辺の認識も伺いたいと思います。
そしてまた,利用の条件が,65歳以上で
ひとり暮らし,心臓疾患,高血圧等の慢性疾患のために日常生活上注意を要する方ということが主な対象でありますけれども,利用の条件がちょっと厳しいのではないかというふうに思っておりますが,これについてもお伺いしたいと思います。
それから,続きまして,情報機器の発達ということは,まさに日進月歩でありまして,現状の
ペンダントも,私は,もう既にとっくに古いもので,過去の産物になってしまっているのではないかなというふうに思っております。
また,まさに救急車を呼ぶまでもないような,そういうときにも,やはり使いたいという方もいるでしょうし,また,外出時なんかでも,今は携帯電話にGPSがついていますから,そういうものでどこにいるかということはすぐ確認できるわけでありますから,そんなシステムは,どんどん新しくなりますので,本市で
ペンダントを貸し出すという,それ自体がもう成り立たなくなっているというふうに思っております。
そんなことで,最新の情報機器を積極的にもっと使っていくべきではないかというふうに思っておりますけれども,この2点についてお伺いしたいと思います。
◎大町
保健福祉部長 お答えを申し上げます。
まず,現在,
緊急通報システムを利用している世帯数をどうとらえているか,そのことについてでございますが,
緊急通報システムは,
ひとり暮らしの高齢者などに安心を与える,将来ともに大切な事業であると認識しております。この
サービスの利用者も年々増加してきており,今後も増加していくと思われます。一方,事業対象となっていない世帯,委員ご指摘の,例えば,心臓疾患等の慢性疾患がなく現在は健康な世帯であっても,家族が離れていて不安がある高齢者世帯など,潜在的な需要もあると考えられます。
また,利用条件についてでございますが,消防局に直接つながる公的なシステムでございまして,緊急時の迅速な対応を目的としているため,対象となる世帯には一定の条件として,
ひとり暮らしの65歳以上で,心臓疾患,高血圧等の慢性疾患のある方,または65歳以上の2人で構成される
高齢者夫婦世帯等で,いずれか一方が寝たきり,かつその介護者が病弱な世帯という要件を加えております。
2点目の最新の情報機器の活用についてでございますが,情報機器の進歩を
緊急通報システムに有効に生かしていくことは,この事業の充実につながるものであり重要と認識しております。
現在のシステムにおける情報機器の更新,活用に当たりましては,消防局の防災システムと関連することから,消防局とも協議しながら,
民間事業者による緊急通報関連機器を活用したシステムへの取り組み等も含め,検討してまいりたいと考えております。
◆長内直也 委員 ただいま,部長から答弁いただきましたが,私が考えていることとほぼ同じ認識を持っているかなというふうに感じております。まさに,このシステム自体が,今後このままでは,なかなかうまくいかないのかなというふうに私も思っております。
そんな中で,再質問ですけれども,やはり民間の事業者をもっと活用していくべきではないかと,これも前から申し上げているとおりであります。あえてまた言いますけれども,タクシー会社では,まさに24時間車が走っているわけであります。また,警備会社など,そういったところもどんどんこういった取り組みをしております。また,ホームヘルパーを養成したりといったことも対応していまして,いわゆる高齢者ばかりではなく,障がい者への方の対応ということも十分できていくわけであります。
それから,緊急というとらえ方を,そういった安心ですとか,見守りですとか,もう少し広げて考えていっていただきたい。そんな中で,
民間事業者へもっと参入の機会を促すと。そしてまた,多様なニーズにこたえていくべきではないかと,それが民間であれば可能であるかなと思っております。
また,事業費が,今回の決算で2,732万円ということでありますけれども,現実には,消防のシステムの中にこれを組み込むためにお金がかかっているわけであります。これは数字は出てきませんが,中に含まれている数字であります。また,民間との対比で考えると,当然人件費もこの中に入ってくるわけでありますから,現実にはもっともっと多くの予算を使っているわけであります。
そんなことで,もう少し使いやすいシステムで,もっとすそ野を広げると,そのためには,やはり
民間事業者をどんどん活用する,それを促すための努力をしていただきたいと思うのですけれども,これについてお伺いしたいと思います。
◎大町
保健福祉部長 民間事業者の活用についてでございますが,先ほども申し上げました潜在的に利用を希望している方々や,今後,札幌市のシステムの利用を希望される方の増加に対応するためには,
民間事業者の参入を促進し,全体として
緊急通報システムの充実が図られるべきと,そのように考えております。
その意味から,公的な
サービスと
民間事業者による
サービスのあり方,また,その対象者について,身体状況や家族状況など,どういった観点から
サービスの対象者としていくか検討してまいりたいと考えております。
◆長内直也 委員 ただいまの答弁は,そういったことを検討していきたいということでありますが,言葉にはなかったのですけれども,恐らく前向きに検討するのだというそんな気持ちを私は受けとめましたので,また,今後ともぜひとも協力をですね,私たちも頑張っていきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
◆小野正美 委員 それでは,私の方からは,痴呆症高齢者のグループホームの課題について質問をします。
10月10日の新聞報道で,気温は氷点下,徘徊2日の79歳女性を無事保護,新得町ということで,気温が氷点下まで下がり,冷え込みが厳しい中での生還に関係者は驚いているという記事がございました。
実は,私の母親も65歳ごろからアルツハイマーの痴呆症で,3年前,72歳で他界をしたわけでありますけれども,私の最初の選挙が8年前で,その前の年は,大変暑い夏,猛暑でありました。そんな中,一晩帰って来なかった,いわゆる行方不明になったのですが,2日目の夕方,手稲区から離れた石狩新港の工業団地でうずくまっているところをダンプの運転手に発見されたわけであります。
そうした中で,95年1月に,ノテ福祉会が月寒に開設したグループホームに1年ほどお世話になったことがあるのですが,当時は,厚生省の調査研究の委託事業で,このグループホームについて,全国8カ所のうち北海道3カ所,札幌市内で2カ所がこのモデル事業として先進的に取り組んできた経過があるわけです。その翌年には,制度化に向けた緊急
アンケート調査が全国20カ所で行われました。
そういった中で,96年6月,私にとって初の代表質問で,この問題を取り上げまして,当時の桂市長の答弁は,一定の効果があると聞いているが,調査結果を参考に判断をしたいと,こういうことにとどまっていたわけであります。
そういう面では,今から思うと非常に隔世の感がするわけであります。痴呆症の高齢者にふさわしい処遇のあり方として,介護保険の給付対象にもなりまして,この間,事業所あるいは定員が相当ふえてきています。
そういった中で,ことしの4月15日の新聞報道でありますけれども,グループホームが急増している,新設自粛を要請,札幌市,質の低下懸念となっているわけです。相当ふえてきていると。ただ,部屋に空きが出るなど受給バランスが崩れ始めており,札幌市は事業者に対し,新設を見合わせるように要請する方針だという報道もされているわけです。
まず,最初の質問でありますけれども,札幌市内のグループホームの整備状況は,特に介護保険の給付対象になったということで相当伸びてきているのですが,介護保険導入時と現在の数の推移について明らかにしていただきたいと思います。
それから,介護保険事業計画でも,利用見込み者数について,当然,介護保険の財政にもかかわってくるわけでありますから,いろんな議論がされています。
この利用見込み者数と現状の定員数及びその格差といいますか,差についてどのような認識をしているのか。それから,この報道にあるように,空き室が生じてきているというわけですが,その状況はどうなっているのか。あるいは新設自粛,つまり増設の抑制を考えているわけですけれども,この点,どのようになっているのか,お聞きをします。
◎大町
保健福祉部長 数点のご質問にお答えを申し上げたいと思いますが,まず初めに,痴呆性高齢者グループホームの整備状況についてでございます。
平成12年4月の介護保険導入時の事業者数は9カ所,101人の定員でございましたが,その後,毎年,前年の約倍になる勢いでふえ続けており,本年10月1日現在,97事業所,定員1,383人という整備状況でございます。
2点目の介護保険事業計画での利用見込み者数と現状の定員数の差についてでございますが,平成15年度からの第2次介護保険事業計画では,平成19年度末で1,030人を見込んでおりましたが,本年10月段階で既に1,383人分が整備されております。
計画段階では,受給バランスも考慮し,適正数量を見積もったつもりでございましたが,制度上,開設を規制できない背景がありまして,伸びが予想をはるかに超える結果になったものでございます。
また,3点目の空き室の状況でございますが,この10月1日現在,168室が空いております。一方,待機者も121人おります。オープンしたばかりのホームも含まれておりますので,一概に多いとは判断できませんが,月を追うごとに空き室数が多くなってきており,経営面で苦慮しているとの声も聞こえてきております。
次の増加を抑制できないかということにつきましては,グループホームの指定権限は都道府県にございまして,都道府県も届け出を拒否することができないという制度上の問題から,決め手となる抑制策がないのが現状でございます。
しかし,増設が続きますと,経営破綻するグループホームも出てくることが予想され,利用者に多大な影響を与えますので,今後とも,抑制策について北海道と協議を続けてまいりたいと考えております。
◆小野正美 委員 非常に大変な勢いでふえ続けて,毎年倍々でふえていると。本市の15年度からの介護保険の計画の中でも,いわば5年先ですよね,19年度末。この5年先の見込み数を,現在,既に大きく上回っているわけであります。
お聞きしますと,この4月の新聞報道が逆にきっかけとなって,これから規制をされるのではないか,新設することができないのではないかと,そういう心配から,駆け込み的にふえているということです。今,10月現在の数字が示されましたけれども,お聞きしますと,この11月1日には新たに15カ所,定員で約300人分が新設されるということであります。
私の母親が世話になっていたころは,モデル事業でありましたし,古い1戸建ての民間住宅4LDKをリフォームして,高齢者が利用しやすいようにスロープにしたり,手すりをつけたりとか,そういうリフォームをして,3人がそれぞれの個室を利用して,世話をしてくれる方がボランティアの方も含めて24時間いてくれていたわけであります。
本市の資料にも,このグループホームとは,これまで暮らしていた空間とかけ離れることのない状況をつくり,痴呆性高齢者のみずからの力,いわゆる残存能力ですね。このみずからの力を生かし,穏やかで安らぎのある生活ができるような環境,つまり,家庭の延長としての在宅,自宅ではないけれども在宅,これがグループホームのよさということも示していますし,私自身もそのことを痛感してまいりました。特養のショートステイを利用していたときもあるのですが,このときは,なぜここにいるの,一緒に帰りたいと,玄関先で騒ぐこともありました。しかし,このグループホームで生活をしているときは,私たちが帰るときには,また遊びにおいでと見送ってくれるわけですね。本当に穏やかな表情になっていたわけであります。
そういうグループホームのよさをみずから経験してきたということで,議会でも何回か取り上げてきました。しかし,最近,急増しているグループホームを見ますと,定員9名でワンユニット,それをツーからスリーユニットで開設をされているところが多くて,幾つかいろいろと見ますと,特養の小型版のような感じで,これが本当に本来のグループホームの姿かなという疑問を持っています。
10月9日,読売新聞の高齢者虐待という連載記事がありまして,その中に,野放しの素人介護という見出しで,ことし5月,京都府は,NPO法人京都グループホームの介護
サービス事業者の指定を取り消した。この法人が運営する痴呆性高齢者ためのグループホームに対し,元職員や入所者の家族から苦情が相次ぎ,余りにお粗末な実態が明らかになったからだと。ホームを取り仕切っていた法人理事長の男性47歳は,元学習塾講師で,豪華な3階建てのホームを開設し,ことし1月に指定を受けたものの,介護の知識がないのも同然だったという記事もあります。
こういう経過と実態の中で,いろいろと心配をされることがあるのですが,そこで質問でありますけれども,このグループホームの設置者は,法人格があればだれでも参入ができるわけでありますし,特養などの,そういう社会福祉法人も,あるいは病院や老健施設の医療法人のほかに,特に,最近は株式会社や有限会社,いろんな会社が,公共事業が減ったため,新たな仕事として,このグループホームに着目をしている傾向もあると思うのですが,そこで,本市の現状の設置者の区分と数について明らかにしていただきたいと思います。
それから,グループホームの処遇の質の確保について,本市としてはどのような取り組みをしているのか,この点明らかにしていただきたいと思います。
◎大町
保健福祉部長 グループホームの設置者の区分と数についてでございますが,本年10月1日現在の開設者別の数でございますけれども,複数の事業所を開設している法人もありまして,七つの社会福祉法人が10事業所,八つの医療法人が16事業所,17の株式会社が21事業所,41の有限会社が48事業所,二つの合資会社が2事業所となっております。
また,質の確保についてでございますけれども,札幌市では,管理者等の責任ある介護職員に対しまして,痴呆介護実務者研修を実施するほか,介護保険導入後は,二月に1度のグループホーム管理者連絡会議を開催しまして,最新情報の提供や各施設間の意見交換を行い,よりよい処遇のための研修の場として活用するなどの方策を講じております。
◆小野正美 委員 非常にふえ続ける施設,なおかつ,介護,福祉などに経験のない株式会社,有限会社などが非常に多くなってきているということです。そして,指定権限は都道府県だと。文書で申請すれば設備や人員基準を満たしている限り認めざるを得ないと,札幌市は意見書を出すだけと,こういう状況です。
先ほどの新聞記事にも,行政のチェック体制は追いついていない,痴呆ケアには高度な専門性が必要とされるが,国の規制緩和で,法人格さえあれば,介護に実績がない会社でも設置できるというわけであります。
そういった中で,本市としてどのようにチェックをし,あるいは,本当に適切な処遇がされるように指導をしていくのかということで,非常にご苦労をされていることは認識しています。特に,グループホームの新設者に対して,グループホームのケアのあり方や注意点,具体的な人員,設備,運営の基準などについて,こういう書面を示して,それぞれ適合しているのかどうかということをチェックをする欄なども設けています。さらに,札幌市のお願い,独自指導と,非常に遠慮した表現で,札幌市としてはさらに追加してこういうことも考えてほしいのだよということを示して,開設者に対する指導を行っているということです。
それから,今,回答のあった痴呆介護実務者研修や管理者連絡会議,この取り組みも厚生労働省で認められて,全国会議で先進的な取り組みであるという報告をしているということをお聞きしました。
さらに,グループホームは,小規模で家庭的であることがよさでもあるのですけれども,逆に,小規模であるがゆえに,余りいろんな人の目に触れない,密室化するということで,経営者だとか管理者などの考え方によっては,不適切な処遇があり得るというか,それが外部の者には見えない,わからないという,大変危険な状況もあるわけであります。そして,先ほどの新聞記事を例に出して悪いですけれども,レベルの低いケアをしている施設では,負の連鎖で暴力などの虐待も起こりやすいという指摘もあります。
本当にこういった面では,制度上難しいわけでありますが,よりよい処遇が行われるように,間違っても虐待などが起こらないような,そういう対応なり指導が必要だと思うわけであります。
そこで,2点質問しますが,さきの代表質問でも明らかにされていますけれども,この痴呆性高齢者のグループホームに関して,外部評価が導入されたと聞いているわけでありますが,その現状と今後の見通しについて示していただきたいと思います。
それから,適切な処遇には,その施設の管理者あるいは介護計画作成者,あるいは職員などがよくても,経営者の考え方によって大きく影響を受けるといいますか,経営者,管理者と職員のあつれきといいますか,そういうものも生まれてくるわけです。管理者連絡会議などで,現場の方々へのいろんな経験交流などを通じて,質の向上などの取り組みをしているわけでありますけれども,経営者に対する指導については,本市としてどのよう行っているのか,伺いたいと思います。
◎大町
保健福祉部長 まず,外部評価についてお答えをいたします。
平成14年10月より導入されておりますけれども,都道府県が行うこととされております評価機関の立ち上げ,調査員の養成が間に合わないという状況にありましたため,平成16年度中までに各所1回実施すれば足りるとされております。
北海道に確認いたしましたところ,現在,札幌市内で外部評価を実施したグループホームは2カ所だけということでございます。ただ,道内で80余名の調査員の養成研修が終了いたしておりまして,今後は,順調に実施できる見込みであるという情報を得てございます。また,経過期間が終了する平成17年度からは,年に1度の義務づけとなります。
2点目の経営者の意識,考え方が処遇に影響するのではとのご指摘でございますが,確かに経営者の考え方は,利用者への処遇にとって大変大きな要素であると考えており,グループホームを経営する事業者に対しまして,痴呆ケアの本来の意味,また,グループホームの経営の基本を理解してもらうために,経営者を対象とした研修会の開催を本年度中に行うよう検討しているところでございます。
◆小野正美 委員 私自身も,痴呆性高齢者の処遇のあり方として,グループホームが適切で好ましいものとして認識していますし,このことがふえていくことを否定するものではありません。将来的にも施設から地域へという中で,このグループホームが拠点,核となるということで期待もしているわけであります。それだけに,きちっとしたチェック体制といいますか,よりよい処遇が行われるような指導を,本市としてもいろいろな制約がありますけれども,ぜひ引き続き努力をしていただきたいと思います。
特に,外部評価は,約100近い施設があるけれども,現状はまだ2カ所しか行われていないという中で,本格的には17年度以降になろうかと思いますけれども,ぜひ,それまでの間も努力していただきたいと思います。
最後に質問した,経営者に対する教育といいますか,理解を深めていただくという点では,ぜひ今年度中に,私も何回か訪ねましたし,いろいろとお会いをしてきた経過もありますけれども,このグループホームの草分け的な存在であります函館あいの里の林崎さんですね,今,北海道痴呆性高齢者グループホーム協議会の会長をされていますけれども,ぜひ,そういった方の力もおかりして,努力をしていただきたいと思います。
◆芦原進 委員 私は,高齢者理美容サービス事業について質問をいたします。
平成14年4月での札幌市の65歳以上の高齢者は27万6,000人,高齢化率は15.2%,15年度は15.8%,19年度は33万7,400人の17.9%が見込まれると伺っております。高齢者の方は年々増加してまいりますし,まさに高齢者が主役の時代だなという,こういう思いもいたします。反面,体力の低下,病気等の高齢者の対策は,さらに重要な本市の施策となってまいります。
高齢者の在宅福祉サービスの中で,理容サービス事業は,昭和54年度から実施され,現在,利用者は1回470円,年4回の
サービスを受けることができます。
高齢者の増加に伴い利用される方も増加しているものと思いますが,高齢者の中で,特に在宅で寝たきり,または同様に近い状態の方にとっては近所の理美容店へ出かけていけないため,訪問
サービスを受けられることはとてもうれしいことであり,この訪問
サービスは非常に重要な事業だと思います。
私ごとですが,私の母は80歳を超えておりまして,一面どうでもよいと思いますが,いつまでも美しくありたい,また,子としては美しくあってほしいと願っております。男女の差は多少あると思いますが,だれでもいつまでも美しくありたいと思うのはごく当然のことだと思います。
また,婦人は,理容店ではなく美容室を長年利用してきたわけですが,理容と美容では整髪の違い,手法の違いがあり,男性は定番でぱっと切ればいいのですが,女性はなかなかいろんな希望がありまして,カットだ何だとなかなか難しいそうであります。そういうふうに違いがあるようです。
やはり,在宅
サービスを受けるとしても理容ではなく,女性の方は美容の訪問
サービスを望まれるのが当然ではないかと思います。
高齢者の女性の皆様の声を大切にし,公明党は美容の訪問
サービスを提案し,平成13年11月から訪問美容
サービスが実現し,開始されました。訪問
サービスの質の向上という面からも意義があるものと考えております。
そこで,質問をいたします。現在の美容
サービスの利用状況と利用者の評価はどのようになっているかをお尋ねいたします。
◎大町
保健福祉部長 ご質問にお答えをいたします。
平成13年11月から従来の理容
サービスに加えまして,美容
サービスを開始し,現在,札幌美容協同組合加盟の事業者84店の協力を得まして,寝たきりの高齢者を対象として実施しております。
13年度は,これまで理容
サービスを受けていた方を対象に,美容
サービスへの移行申請を受け,年度末までで22人の登録があり,利用回数も22回でございました。14年度に入り,新規の利用者からの申し込みを受けまして,登録は59人,利用件数も延べ91件となっております。
また,利用者の声としましては,
アンケートなどの調査は実施しておりませんが,美容師が自宅へ来て,洗髪,ブローなどの
サービスを受けられるということで,ご婦人には好評であると伺っております。
一方,寝たきりの状態にありましても,過ごしやすい髪型にしたい,また,むだ毛をなくすため顔そりをしたいとの要望も強く,それが可能な理容
サービスの方を希望する方も多いと聞いております。
◆芦原進 委員 利用状況,また評価について伺いました。13年度から見れば14年度はかなりふえております。しかし,先ほどありましたように14年度利用者が59名,利用件数が91件と,非常に少ないなと,利用実態はこんなに少ないのかというのを若干疑問というか,これでいいのかなという気がいたします。
私は,大阪,横浜,東京,札幌とずっと暮らしてまいりましたが,札幌市は他市と比較して,そういうすばらしい制度がいっぱいあると私は思っております。しかし,運用面で果たしてどうなのかという,やはり若干の疑問が残ります。
市民の皆さんは,この理美容
サービスがあることを知らないのではないかと,この実態を見れば思わざるを得ませんが,本当に周知されているのでしょうか。理美容
サービス開始以降,どのような方法で周知徹底を図ってこられたのか,お尋ねをいたします。
◎大町
保健福祉部長 市民への周知方法でございますが,事業を開始した平成13年度につきましては,主に,それまで理容
サービスを受けている方を対象としまして,美容
サービスへの変更を実施ましたので,理容
サービスを受けている方のうち,女性登録者全員に訪問あるいは電話で説明するか,または案内文を送付する方法により,周知を図ってまいりました。
また,一般市民向けには,広報さっぽろに在宅福祉
サービスの一つとして掲載しているほか,本庁,各区役所の総合相談窓口などで配布している在宅福祉
サービスのパンフレット,お役に立ちますシルバー
サービスや札幌市のホームページの高齢者の保健福祉情報にも掲載しております。
この事業の対象者が,寝たきりの高齢者でありますので,区の総合相談窓口へ来られる家族の方などへ
サービスの説明をしているほか,
介護支援専門員からも説明するよう依頼して,周知を図っているところでございます。
◆芦原進 委員 いろいろと周知に努力されていることは,今のお答えでわかりましたが,先ほど話がありましたように,この事業は寝たきりの高齢者を対象にしたものです。市内では,要介護認定の4の方が約4,500人,5となっている方が約5,000人,計約1万人おられると聞いております。その中で,女性の方が68%と伺っております。この数字から推測して,美容
サービスを希望する市民の方はもっとたくさんいるのではないかと思います。
そういう意味でも,さらに強力に周知徹底を図り,利用の促進につながるように努力をしていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。ご見解をお尋ねし,私の質問を終わります。
◎大町
保健福祉部長 本事業は,今,おっしゃられておりますように,寝たきりの方を対象としておりまして,ほとんどが介護
サービスの利用者でございます。このことを考えますと,
介護支援専門員へ美容
サービス事業に対する周知と理解を求めることが一番効果的であると考えますので,今後,
介護支援専門員の関係団体などを通じ,美容
サービスを必要とする方の把握と適切な利用につながるよう一層努めてまいりたいと考えております。
◆井上ひさ子 委員 私の方からは,介護保険について,保険料の問題と特別養護老人ホームの建設について伺います。
この4月から介護保険料が引き上げられて,基準額で3,790円,20.6%の値上げが行われました。全国平均が11%ですので,札幌は2倍の高さになります。高齢者はこの間,医療費の自己負担の引き上げ,そして初めて年金が0.9%引き下げられるという,こういう深刻な状況になっています。
また,厚生労働省の施行規則の改正によりまして,第5段階の対象所得を250万円から200万円に引き下げることによって,札幌では1万3,000人以上の方々が,第4段階から第5段階に移行するという,こういう状況になりました。市民の中には大変不安の声が大きく出ております。
それで,今年度の納付書の発行時,また,ちょうど10月15日が年金の支給日となりましたが,これについて市民からの問い合わせ,苦情など,どのような声が寄せられたのか,伺いたいと思います。
二つ目は,保険料の減免についてです。
保険料20.6%値上げの中,市民の強い要望でありました減免制度が4月にスタートしております。第2段階で所得の少ない方の保険料を第1段階に軽減するものです。3年間で1万7,000人を減免適用者として見込んでおりまして,既に第1号保険料の基準額に上乗せしてこれが徴収されています。今年度についてお聞きしますと,約3,300人と見込んでいると言われておりますが,今時点でどれぐらいの適用者数になっているのか,伺いたいと思います。
◎浅野 介護保険担当部長 私の方から,保険料につきましてお答えいたします。
まず,1点目の保険料の値上げに対する高齢者の反響というような質問かと思います。
まず,6月の介護保険料の納入通知書を送付した後の問い合わせですとか,相談件数についてでございますけれども,発送後2週間で各区の問い合わせ,相談は合計で9,978件来ております。
その内容といたしましては,介護保険料が高いというものが約50%の5,229件,制度の仕組みの説明を求められたものが約18%の1,780件,
介護保険制度そのものに対するものが約20%の2,075件,その他が894件となっております。
また,特別徴収の場合は,今回の保険料改定に伴う本徴収がこの10月から始まるわけでございますけれども,社会保険庁からの年金振り込み通知書が送付されてから,本庁や区役所へ問い合わせがふえていると,そういったような状況でございます。
その内容といたしましては,10月から徴収される保険料がこれまでよりも増額になるということから,どうしてなのかという理由を問い合わせるものがほとんどでございます。これらの問い合わせや相談を寄せられました高齢者の皆様に対しましては,制度の仕組みですとか,介護保険事業の現状について,わかりやすく説明するとともに,保険料に関しましても,ご理解が得られるよう努めているところでございます。
2点目の今年度から保険料の低所得者減免ということで実施してございます,それの適用者の数でございますけれども,9月末現在の適用者は972名(223ページで訂正)と,こういうふうになってございます。
◆井上ひさ子 委員 ただいま介護保険料の納付書が交付されてから9,978件という,こういう問い合わせ,保険料が高いという問い合わせが50%を超えている。そういう中で,今度は10月から,10月,12月,2月は今までの倍の保険料が徴収されるという,1年間の値上げ分が合わせて徴収されるということで,本当に負担感が大きく感じられて,そういうふうになったと思うのです。やはり全国的に見たら2倍の保険料の重さが,ずしりと高齢者に負担がかかっているというふうに思います。
それで,当初の計画で3,300人を減免の対象に見込んでおられたと。それについては,972人と非常に大きな乖離があるというふうに思うのです。この原因をどのようにとらえているのでしょうか。
それと,今始まったばかりですけれども,この時点で基準などの拡充もやっぱり検討すべきではないかというふうに私は思っているのですが,これについてお聞きしたいと思います。
特別養護老人ホームの整備の問題について質問します。
入所申込者の状況を見ますと,2003年6月末では4,328人が申し込んでおりまして,重複する申し込みの方を除いても3,125人となっています。その中でも要介護度5の人については,396人の方が入所したい,しかし,入れないで待っている。要介護度4では586人,要介護度3では653人,要介護度2では780人,要介護度1では702人が待機となっていて,その方々は,在宅で970人,老健施設で922人,病院で629人の方が入所を待っています。
そこで質問ですが,今計画では,5年間で700床をつくるという,そういう計画で,今年度は80人定員を2カ所というふうにお話を聞いておりますが,こういう人数では入所の見通しが立たないというふうに私は思います。
この現状をどのように受けとめておられますか。今後の対応についてお尋ねしたいと思います。
それと,あわせまして,この4月から特別養護老人ホームの優先入所について基準を設けてスタートしました。入所を希望する人の要介護度や精神状況,それから障がいの状況や介護者の状況などを判断されるというふうに聞いておりますが,緊急を要する人を優先的に入所させる,この新しい基準に基づいて行った4月から6月までの入所状況についてどのようになっているのか,伺います。
また,その方々がどこで待機されているのかも,伺いたいと思います。
◎浅野 介護保険担当部長 先ほど,保険料の減免の適用者を927名と,私答えていましたけれども,ちょっと言い間違いで972名でございます。済みませんでした。
その上で,先ほど質問にもございました平成15年度予算におきます減免適用者数の見込みということでございますけれども,確かに約3,300名予定しておりました。これは,第2段階に属する被保険者が住民税非課税者ということで,所得情報が把握できないということがございます。それから,被扶養者の状況,資産,そういった要件につきましても,把握することがなかなかできないということで,見込みを立てるのがかなり難しいということがございました。そこで,既に実施しております他の政令指定都市の状況を勘案して見込んだものでございます。
減免の適用者の申請状況を見てみますと,6月の納入通知書発送後から急増いたしておりまして,その後も継続的に増加しております。この10月の特別徴収の本徴収でさらに増加するということが見込まれ,始まってから半年ということなので,もう少し状況を見てみたいなと,こんなふうに考えております。
次に,減免の適用の拡大というご意見でございました。低所得者の減免の実施につきましては,市民参加による検討の場でございます,介護保険事業計画推進委員会で議論を行いまして,この中で,第2段階に属する被保険者の収入の幅ですとか,実態調査による保険料負担感,そういったものを勘案いたしまして,他の被保険者の負担感が余り大きくならない程度の最小限の範囲で実施することが適当であるというご意見をいただき,これを踏まえまして,札幌市独自の減免制度を導入したものでございます。
こういった減免の適用を拡大することにつきましては,減免にかかる財源を第1号被保険者全体で負担していただくということになりますので,この点も十分考慮しなければならないと考えておりますし,制度がスタートしてまだ日が浅いということもありますので,今後とも,広報等によるなお一層の周知を図るとともに,納付相談に参りました高齢者に対しまして,該当される方には積極的に制度の説明をしてまいりたいと,このように考えております。
◎大町
保健福祉部長 特別養護老人ホームの整備につきまして,お答えを申し上げたいと思います。
まず,現状認識でございますけれども,委員ご指摘のとおり,介護保険導入以降も施設志向は依然として強い状況にございますが,入所希望者の状況は,介護度,待機場所,ご家庭の事情などによりさまざまでございまして,特別養護老人ホームなど介護保険施設だけでなく,痴呆性高齢者グループホーム,あるいはケアハウスなども含めた多様な
サービス形態をもって利用者の状況に即した対応を進めていくことが必要と考えております。
なお,特別養護老人ホームにつきましては,計画に基づき着実に施設整備を進めているところでございます。
また,過去の入退所実績の状況から見まして,年間の既存施設の定員の2割程度が新規入所可能となりますことから,新たな施設整備と合わせまして,相当数の入所希望者への対応が可能と考えております。
続きまして,入所指針に基づく入所状況についてお答えをいたします。
札幌市では,委員ご指摘のように,ことし2月に特別養護老人ホーム入所指針を策定いたしました。この入所指針は,委員からお話がありましたとおり,要介護度を初めとする四つの基準による総合評価により,必要度,緊急度が高いと判断される方の優先的入所を可能としたものでありまして,平成15年4月入所分から適応しております。
入所指針に基づく平成15年4月から6月の入所者は,最も必要度の高いAランクの方が65名,Bランクの方が64名,Cランクの方が16名の計145名となっております。要介護度1または2の方につきましても23名入っておられまして,この方たちも総合評価で必要度,緊急度が高いと判断され,入所していただいております。
次に,入所前の待機場所でございます。在宅が最も多く56名,病院が35名,老人保健施設が28名,療養型医療施設が16名などとなっております。なお,要介護度が1また2の方につきましては,23名中18名が在宅,または病院での待機となっております。
◆井上ひさ子 委員 今,保険料の減免については,始まったばかりで,状況を見たいというふうなご答弁がありました。そういう中で,皆さんがどのようにこの減免について述べてきたかといえば,世帯階層別の五つの段階に設定して,低所得者に対して一定の配慮をしていると。収入基準の幅が広い第2段階については,札幌市独自の保険料減免を実施すること,こういう形で保険料の軽減策を述べてきているのです。
それが,この4月にスタートして,予測3,300人に対して972名,そういうふうな状況だということで,本当に第2段階の減免を受けなければならない方々が,相当数受けていない状況だというふうに私は思うのです。
これについては,今スタートしたところですので,その辺の状況を踏まえて検討して,そして,他都市の状況を見て予測したというふうに先ほどおっしゃっておりますので,大阪などでは,2002年度の件数は,6,000件超えていますよね。そういうところもありますし,所得でも預貯金のところを大きく拡充しているというところもありますので,その点も含めて検討すべきことを求めておきたいと思います。
それと,特養ホームのことについてであります。
計画に基づいて着実に整備をしているというふうなご答弁だったのですが,今,介護保険が導入されて,施設を希望する方がふえているというのが実態ではないかと思うのです。緊急での優先入所について,私はこれを否定するものではありません。本当に大変な状況の中にいる方々を,こういう形で入所させるということは大事なことです。
しかし,満杯に入れていますので,いざ,入れなければならないというときには,どなたかが亡くならなければ入れないような状況に,今なっているというふうに思うのです。それと,いまだに介護度1で在宅という,やっぱり介護度の低い方々は,そういう中で入れない,そういう状況になっているというふうに私は思うのです。
それで,なぜ施設を希望するかというのは,先ほどもグループホームのことが出ておりましたけれども,やっぱり在宅で満足な
サービスを受けようというふうになりましたら,大変な自己負担がかかるのです。そういう中で,選べない状況になっているという実態もあります。ですから,私は,今のままでいきますと,介護保険を利用して
サービスを受けようという人たちが,措置から契約に変わって選べるのだというふうに言って,繰り返し繰り返し皆さん訴えてきておりますけれども,やっぱり
サービスが選べるような状況ではない,それが今お話をした特別養護老人ホームの待機者の実態ではないかなというふうに思うのです。
ですから,ぜひ,実態に見合った,こういう施設の建設も行っていくように,新しい介護保険の第2次が,この4月からはスタートしておりますので,状況を見まして,その辺を早急に検討されることを求めて,私の質問を終わりたいと思います。
◆伊与部敏雄 委員 私からは,特別養護老人ホーム,さらにまた,知的障がい者更生施設の問題について,数点お尋ねいたします。
今もお話がありましたけれども,
介護保険制度が平成12年から始まりました。その
介護保険制度というのは,簡単に言うと,施設から地域へをスローガンに掲げて制度が新しくできたわけです。実際ね,福祉予算をずっと分析すると,施設に比べると在宅に予算の配分が回っていない。そういう現状が本当に明らかになってきている。後ほど数字で具体的に言いますけれども。
同時に,施設を運営し,経営している人たちは,中には本当に命がけで福祉をやっている経営者もおりますけれども,福祉産業,福祉事業,福祉を食い物にして,金もうけの手段にしている人たちも中にはおります,ずばり言って。
そこで,伊藤室長にずばり聞きますけれども,札幌市内には特別養護老人ホームが平成14年度決算で38施設ある。この38の施設で資金残高合計はどのぐらいありますか。
委員長,知的障がいの問題は,後からやりますので別々にやらせてください,いいですね。
◎伊藤 監査指導室長 ただいまの伊与部委員の質問にお答えいたします。
私ども,平成14年度末の特別養護老人ホーム38施設の資金残高を集計をしておりますが,まず,実態ベースということでお話をさせていただきますと67億5,700万円ということになっております。ただし,この67億5,700万円は実態ベースということで,この中から,例えば,設備の償還金,それから運営の償還金,これが現実に支払われておりますので,それを差し引きますと資金的には61億5,000万円という数字になってございます。
◆伊与部敏雄 委員 これ,驚くね,はっきり言って。平成13年度は55億円だった。今,伊藤室長が実態ベースだとか資金ベースだとかと,そういう専門的な話をしましたけれども,実態的に67億5,700万円,こんなに資金残高があるわけですよ。1年間に12億円も実態ベースでふえている。
1億円以上の残高を持っている施設はどれぐらいありますか。5,000万円以上の残高を持っている施設はどれぐらいありますか,38施設で。
◎伊藤 監査指導室長 お答えいたします。
1億円以上の累積繰越金がある施設は,20施設ということなっております。5,000万円以上につきましては11施設ということです。
◆伊与部敏雄 委員 1億円以上20施設,それから5,000万円以上も含めると,31施設が5,000万円以上の残高を有していると。これは設備資金を全部省いたほかですよ,これ。償還支出も設備資金償還も運営資金償還も,全部省いたほかにこれだけの金があるのですよ。いいですか,この残った金から設備だとか,建てたときに金を借りた,それを償還している償還支出,それから設備資金,それから運営資金,これ全部省いたほかに5,000万円以上持っている,剰余金を持っているのが,38カ所のうち31カ所ですからね。例えば,具体的には言いませんが,去年できた特別養護老人ホーム,1年間で3,000万円,まさに償還資金だとか設備資金だとか,全部払っても3,000万円残していますよ,これは。
だから福祉を食い物にして,福祉はもうかるというような,そんな発想でもってしているのがいるのですよ,中には。(発言する者あり)
具体的に言いますと,大友恵愛園は今幾ら残っていますか。
◎伊藤 監査指導室長 お答えいたします。
先ほどの実態ベース,資金ベース,このことについての説明には,ちょっと省かせていただきますけれども,いろんな償還資金を支払う前の繰越金ということになりますが,これによりますと13億2,500万円です。この法人は,全く借金のない法人ですので,そのままこの額が繰越金ということで残っております。
◆伊与部敏雄 委員 大友恵愛園ね,約13億2,500万円,13億2,500万円ですよ。今,室長が言っているように,償還支出はゼロ,設備資金償還もゼロ,運営資金償還もゼロ,これで13億2,500万円残っている,はっきり言って。昭和55年にできて今日までの約20年間で13億2,500万円残っている。
こればかりでないのです。私の調査によると,ことしの大友恵愛園の貸借対照表,これを見たら,このほかに,固定資産5億数千万円,その他を含めて約19億5,300万円が施設会計で残っていることになっている。そのほかに,施設会計から法人会計の方にお金は幾ら行っているのですか,1年間で幾ら行っているのですか,今までの累計でどれぐらい行ったのですか。
もう一つある。減価償却費というのがある。減価償却費の累積を幾らため込んでいるのですか。明らかにしてください。
◎伊藤 監査指導室長 お答えいたします。
昭和55年に設立してから総額で幾ら繰り入れられたかということにつきましては,ちょっと私ども,何といいますか,大変長い期間にわたっているせいもありまして,数字的には現在とらえておりません。
減価償却費につきましては,積み立ては1億3,600万円というふうになっております。
◆伊与部敏雄 委員 これ,室長,減価償却費は,毎年8,700万円も減価償却して,累積で10億円ですよ,これ。けた間違えているんでないですか。1億円でないでしょう,10億円でしょう。けた間違っているんでないの,あんたたちの資料の一番下に書いてあるよ,どこ見ているの。(発言する者あり)これはね,知ったふりをしてぺらぺら言って,こっちが間違ったら大変なことになるから,やっぱり公式の場ですから,これは,議事録にきちっと出るのだから。
それから,今,私は単年度を聞いているのです,単年度。20年度前からの話を聞いているのではないよ。繰入金,これは幾ら法人会計に入っているのですか。
◎伊藤 監査指導室長 ただいま,減価償却費の積み立て預金の額についてお話をさせていただきましたが,委員のご指摘の部分については,
介護保険制度になりまして,会計制度が変わったということもありますが,私どもの方でとらえております貸借対照表によります減価償却費につきましては,移行される前,それから移行時を合算しますと,今申し上げました1億3,600万円という数字になって整理されております。
ただいまご指摘のありました10億円という数字につきましては,仮定の中で積み立てをするというふうに私ども理解しております。
単年度の繰り入れの合計額でありますが,これにつきましては,合計2,700万円という数字になっております。
◆伊与部敏雄 委員 これ全部,我々,国民,道民,市民の税金なのですよ。あなたたちのお金でない。全部税金なのです。税金から行っているのです。
今,約2,700万円ぐらい法人に行っている。本来は経営者の法人から施設に来なければならないのです。これが普通の福祉法人だとか福祉施設をやっている一つの流れなのですよ。しかも,13億2,500万円も剰余金を残しておいて,さらにここから法人に毎年2,700万円ぐらい行っていると。だから大友財団という財団つくっているじゃないですか,別財団を。別財団から福祉施設の方に入ってくるのならいいですよ。持っていっているのだから。これは大友恵愛園だけでないかもしれないけれども,さっきいろいろな私語が出ましたが,本当に真剣にやっているところもある。あるかもしれないけれども,結果的に数字は67億5,000万円も38施設の中で残っている。こういう実態ですよ,これは。
大友恵愛園は毎年2億円ずつふえてきているじゃないですか──毎年2億円と言ったら,大町部長のところで扱っている敬老パスの2億円と同じですわ,この数字は。大友から毎年ふえる2億円をもらってきたら,何もこの制度変えなくてもいいんじゃない,これ,はっきり言って。そういう計算になるよ。大町部長,笑っているけれども。
先に進みますけれども,そういう状態の中で,いずれにしても,減価償却費については,今何だかわけのわからないことを言っていましたけれども,毎年,単年度で8,700万円も減価償却費を見ているわけですから,貸借対照表を見るとね,それを20年間累積としていったらどうなるのですか,これ。減価償却費を累積1億円なんて,そんなことはあり得ないでしょう。1年間で8,700万円も減価償却費見ているのだから。貸借対照表に載っているのだから。
累積で1億数千万円とはどこの数字を見ているの,あなたたち。あなたたちは監査指導室だよ,監査指導室はしっかり数字を見て指導しなきゃならないんだ,これ。指導されているんじゃない,これ。指導監査室の名前変更した方がいいよ,これ,はっきり言って。
同時に,今まで20年間の中で,施設長は何人かわりましたか。
◎伊藤 監査指導室長 私どもの方にあります資料によりますと,今現在12代目の施設長さんということになっております。
◆伊与部敏雄 委員 38の施設の中で,20年間で12名も施設長がかわるような施設はどこにありますか。過去,そんな事例がありますか。あったらお示しください。20年間うちに大友理事長の息子さんが5年間やっているのです。平成7年から平成12年まで。20年間のうち5年間やっているのですよ。あと15年のうち11人かわったということになるでしょう,これは。そのうち,一番最初は,議会事務局長がいた,昭和55年6月から昭和55年8月でわずか2カ月でやめてしまった。平成13年7月から平成15年3月まで,これも議会事務局長さんだ。議会事務局長は非常に縁がある。それから,市民局の市民部長も行っているのだ,これ。それから民生局高齢化対策推進部長も行っているのだね。それから今行っているのは,元の保健福祉局の障害福祉担当部長,これ何年もつかわからないけれども。こういう優秀な人が行っているにもかかわらず,ばたばたとやめる,何が原因なのですか,これは。
◎伊藤 監査指導室長 大変答えづらいお話なのですが,正直言いまして,過去11代の方々が退職に至った経過,これは承知をしておりません。基本的には,いろんな事情の中でおやめになったのかなというふうに推測をいたしております。
◆伊与部敏雄 委員 伊藤室長の心中わかりますよ。何かこの前,農務部長が,胸がしくしくしていますという答弁をしていたけれども,胸がしくしくか,ちくちくかわからないが,そういう思いで答弁に立っているのではないかと思いますが,これ,大友恵愛園は,きょうは大友恵愛園に集中してやるから,理事会というのがあって,理事長が大友正吾さん,そのほかに我が市役所の助役出身が2人入っている。合計7人で構成されているのです,はっきり言って。
大友正吾さん,これは直近の理事会でまた承認されたのですが,去年の6月1日に承認されているのですが,去年の6月1日から何回理事会やって,大友正吾さんは,理事長が理事会に何回出ていますか。
◎伊藤 監査指導室長 まず,理事会の開催回数でありますが,このことについて,今ちょっと時間をいただいてカウントしたいと思います。その中で,大友理事長の出席状況ということになりますが,昨年度につきましては,理事会への出席はございません。
◆伊与部敏雄 委員 理事会は理事長が中心になって理事会をやって,理事会が運営,その他,施設長も全部入って運営方針をしっかり維持管理,運営方針をぴしっと理事会で決めるのが法人の理事会,いわゆる役員会ですよ,民間で言うと。社長がいて,専務がいて,取締がいて,そしてそこでもって会社の方針を決めると。運営を決めると,ここに社長が一回も去年は出ていない,ことしも一回も出ていない。こんな理事長は,これ,やめてもらった方がいいのではないですか。84歳の理事長も病院に入院していたら,どういうことになるのですか,これ。老人ホームに入っていたらどうなのですか,はっきり言って。指導なんてできないじゃないですか。そして,片や累積で13億2,500万円といったら大変なものですよ,これはっきり言って。みんな我々の税金なのですから。38カ所で67億5,700万円も我々の税金が使われていなくて余っているわけですから。大友恵愛園だけでも13億2,500万円,そのほかの累積が,私の分析では10億円の引当金,さらに毎年2,700万円の施設から法人へ逆に繰り入れしている。これらを考えたら,福祉を食い物にしていないと言えますか,はっきり言って。これらは正面に出てきた金だけですよ。裏金が何ぼあるかわからない,はっきり言って。だから,裏金ばれたら大変だということで,20年で十何人も施設長が,
理事長とけんかしてやめたか何をしてやめたかわからないけれども,こんな状態なのです。
福田理事,これね,これどう思います。
理事長についてはね,私ね,何年か前にね,桂前市長が助役だった当時ですよ。そのとき私とやりとりして,大友正吾さんはね,これはもうやめさせた方がいいんじゃないかと,こう言ったら,私の責任でやめさせますと答弁したの,責任持ってやめさせますと答弁したのですよ,これは。ところが,残念ながら,私ちょっと突っ込みが弱かった。なぜかというと,日時を私は聞かなかった,日時を聞かなかったものですからね,今でも桂さんに会ったら,私は今でもやめさせる気持ちはありますと。私が日時を聞かなかったものだから,突っ込みが弱かったものだから,今思えば。
これやめさせる覚悟ありますか,はっきり言って,どうですか。
◎福田 保健福祉局理事 今,理事長の件についてご質問ございましたけれども,率直に申し上げまして,今の段階で,やめさせるとかやめさせないとかという判断は,私の口からは申し上げるべきことではございません。ただ,理事会に出ていないというその事実に対しましては,適切なことではないと,そう思っています。
それと,理事長自身の進退については,当然,理事会が主体的に判断すべきことだと,そういうこともございますので,現段階では,非常にあいまいと思われるかもしれませんけれども,答えられるのは以上でございます。
◆伊与部敏雄 委員 それは福田理事ね,理事会でもって最終的に決定するのだけれども,しかし,監査・指導という立場もありますから,そういう観点から,理事会に理事長が2年間で1回も出ていないという,それはいかがなものかと,こういうふうに私は言っているわけですよ。
それから,もう一つ,室長,聞きたいのですが,この67億数千万円の剰余金,これ,おのおの38カ所に残っているけれども,これはどういうふうに使えというか,ただ黙って抱っこしても金はふえないのですよ,今,金利も安いですから。
これ,どうやって使えという指導をしているのですか。
◎伊藤 監査指導室長 お答えをいたします。
特別養護老人ホームにおきます剰余金の取り扱いということで,実は,昨年度,会計検査院が改善を厚生労働省に申し入れをしております。
この理由と申しますのは,介護保険に移行する際に,それまで特別養護老人ホームに蓄積された資金,これは特別積立金ということで,特定の理由があれば使うことができるということで,言うなれば,条件つきで保有を認めたという資金でありますが,これが全国で1,300億円と,そんな数字になっておりました。
この取り扱いについて,本年の7月,厚生労働省から有効に活用するという観点から通知が出ておりまして,これまでの取り扱いは,この繰越金を取り崩す際には,行政との事前協議がいるという条件がありましたが,その事前協議を外して,理事会において取り崩しの決定をしてよろしいと,その使途としましては,施設の改修とか地域の高齢者への介護予防等を目的とする事業の取り組み,それから,いろんな意味で高齢者福祉の一層の増進を図る,そういう目的を持って使用する際には,今申し上げましたように,理事会の中で取り崩しについて決定できると,取り扱いを非常に緩和したという状況がございます。
そういう観点から,札幌市におきましては,現在,関係法人,施設に対しまして,使途について照会をしているという状況がございます。まだ最終結果が出ておりませんが,幾つかの法人からは,既にご回答をいただいています。今現在,大変議論になっている大友恵愛園からも,その回答をいただいているという状況がございます。
◆伊与部敏雄 委員 どんな回答が来たか,これはしっかり見せていただきたい。ここで議論しても時間ばかりたつから,これはいいだとか悪いだとか,うるさく言ったってどうしようもないですから,その回答書を後から持ってきてください。
それから,委員長,知的障がい者の施設のことをやろうと思ったけれども,時間ももう12時になりますし,次に,真打ちの西村委員が出ますので,ここでやめておきます。知的障がい者の件については。
ただ,一言言いたい。知的障がい者の施設についても,今言ったような特別養護老人ホームと同じような傾向があります。私は,去年,おととしも,育成園だとか平和学園だとかについて,がんがん議論したことがありますけれども,それと同じようなこと,例えば,障害基礎年金を寄附させているような傾向がありますから,具体的に私はつかんでいますから,これは警鐘を鳴らしておきますよ,室長。この次やりましょう。
○涌井国夫 委員長 ここで委員会を暫時休憩いたします。
――――――――――――――――――
休 憩 午前11時58分
再 開 午後1時
――――――――――――――――――
○涌井国夫 委員長 委員会を再開いたします。
質疑を続行いたします。
○坂本恭子 副委員長 私からは,
敬老優待乗車証,いわゆる敬老パスについて,代表質問に引き続き質問をさせていただきたいと思います。
前段もやりとりがありましたけれども,この敬老パスの問題は非常に市民の関心が高い,現に利用していらっしゃる方もそうですし,もうすぐ70代,この利用対象に近づくという方も,改悪されたら大変だと,そういう思いで皆さん推移を見守っているというふうに思います。何とかこの制度のまま維持をしてほしいというのが,市民の皆さんの切実な願いではないでしょうか。
そこで,質問をしたいと思うのですけれども,この間の市長の言動についてです。タウントークで,市長はいろいろ市民との対話集会をやっておりますけれども,この中で出てくるのが,札幌市の財政難の強調です。2兆3,000億円という借金があるという話をしながら,その後に敬老パスの問題を話題提供として出している。こういう中で,私は,市民議論を尽くそうという姿勢が見られない,これは単なる財政難を理由にした敬老パス改悪の世論誘導なのではないかと思うのですけれども,この点いかがお考えでしょうか。
それから,現行制度のまま敬老パスを存続させる努力をやはり初めから否定をしている。そして,改悪の方向性までタウントークの中で示している。やはり,私は,これは問題だというふうに思うのです。実際に,9月6日西区のタウントークでは,札幌市の財政が非常に厳しいということと,その厳しさの中で制度を存続させていくということを前提とするならば,負担できる方には負担をしていただきたい,こういう発言をしております。
それから,18日の中央区でのタウントークでは,2兆3,000億円という莫大な借金を持っている,その後に敬老パスの話をして,収入がありパスをもらわなくても大丈夫だと,そういうふうにおっしゃっていただける方にはご遠慮していただいてもいいのではないか。あるいは所得制限をするとか,乗る回数に少し上限をつけるとか,こういうような形で改悪の方向を誘導している。極めて問題があるというふうに思うのですけれども,原局としてこれをどう受けとめているのか,よしとしているのか,伺いたいと思います。
◎大町
保健福祉部長 ただいまのご質問にお答えを申し上げたいと思いますが,1点目のタウントークの話題提供の仕方についてでございます。
敬老優待乗車証につきましては,高齢社会の進展により,これからも費用が増加するというこの事業自体が持つ課題を背景に,行政の
サービス水準と負担のあり方について,市民と十分な議論を行いながら検討を進めていこうとしているものであります。
今,委員からご質問がありました,西区から始まりましたタウントークにおきましては,市民の方々の関心も高い札幌市の重要な課題であります財政状況,
敬老優待乗車証,札幌駅前通地下歩行空間整備を取り上げ,タウントークの冒頭で,市民の皆さんにこの順番で語りかけたものと伺っております。
2点目のタウントークでの市長の発言についてでございます。
敬老優待乗車証のあり方につきましては,今後も対象者が増加すること,その一方で,若い世代の人たちが減少していることなど,21世紀の超高齢社会に向かっていく中で,市民の皆さんにそのあり方を問う必要があると考えております。タウントークで市長が述べた件につきましては,他都市で行われている類似の交通費助成を参考に,幾つかの方法を例示したものであり,この制度をどう変えるかということを前提として,市民の皆さんに語りかけたものではないと伺っております。
○坂本恭子 副委員長 市民と十分な議論を行いながら検討をしていきたい。制度のあり方を問う必要があるというようなご答弁でしたね。それから,市長の発言については,どう変えるかという前提をもっての発言ではなかったというご答弁でした。
しかし,今回の制度のあり方の検討というのは,まさに行政改革の対象から出てきている。ですから,これは前桂市政のときに,昨年の5月,中期財政見通しと今後の財政運営の考え方という中で,敬老パスを初めとする具体的な4項目の市民負担増というものが示されて,そしてなおかつ,上田市長の施政方針であるさっぽろ元気ビジョンの中でも,行政改革の対象として,例えば,すこやか健診や敬老パスなどということで挙げられている。やはりここにあるのは,財政難を理由にして,行政改革の対象としてこの敬老パス制度の改悪を図っていくのだということに私はつながるというふうに思っているのです。
そういう意味で,敬老パスのそもそもの発祥といいますか,起源を考えてみると,これは全く行革の対象にはなじまないものであるというふうに考えるのですけれども,この点について,もう一回明らかにしていただきたいと思います。
それから,前段もお話をしましたように,いろいろな機会をつかまえては,敬老パスの制度のあり方について極めて誘導的な話をしている,そういう世論誘導をする中で,今回,600万円の予算をつけて,市民に対する
アンケート調査を行うことになりましたけれども,先ほどもご答弁の中に出ておりましたが,この
アンケートを実施するということで,支える者と支えられる者,そういう二つの分断状態,構図というものをつくり出していくということにはならないのか。
行財政改革の方向を善意の市民の手にゆだねてしまう,そして,市民の皆さんの思いとは離れた方向に,心ならずも進んでいくということになるのではないかと思うのですけれども,いかがでしょうか。
この間,市長は,市民参加とか市民議論とかという言葉を繰り返し繰り返し,これは選挙の前からですけれども,使っていらっしゃいます。行財政改革の方向性を市民の手にゆだねる,この市民が悪政に加担するというような道を,市民参加という形で促すということになるのではないかと思いますけれども,その点についてのお考えもお聞かせください。
◎大町
保健福祉部長 お答えを申し上げます。
行政改革になじまないのではないかと,そのことについてのご答弁でございますが,先ほども申し上げましたが,この制度の実情を市民の皆さんにお示しし,十分な市民議論を行いながら検討を進めようとしているのは,社会経済状況の変化の中で,行政の
サービス水準と負担のあり方の観点から,将来に向かってどのような形の制度がよいのかを検討するためでございます。
それから,
アンケートにつきましての手法が,
世代間の分断,あるいは対立を生じさせる形になるのではないかというお話でございますが,
アンケートを実施することによって,世代間を対立させることにはならないというふうに考えてございます。それにつきましては,
敬老優待乗車証に限らず,高齢者施策に係る課題は,市民のだれもがかかわりのある大きな問題でございます。そして,高齢者施策は,制度の対象となる方々とこれを支える方々の合意のもとで進めていく必要がございます。
敬老優待乗車証の今後のあり方に対する市民議論は,幅広い世代の市民の皆さんを対象とし,この制度についての合意形成を得るために必要であり,客観的なデータを得る一つの手段として,
アンケート調査を行うものでございます。
○坂本恭子 副委員長 敬老パス制度の問題は,市民のだれもがかかわりのある大きな問題であり,支える者,支えられる者の合意のもとで進めていく必要があるのではないか,そのために,合意形成のために
アンケートを行うというご答弁でした。最後の方では,客観的なデータを得る一つの手段として,
アンケート調査を行っていくと。
今回の
アンケート調査の補正予算については,既に厚生常任委員会で具体的なやりとりをしておりますので,ここではあえて踏み込みませんけれども,客観的なデータが得られる
アンケート調査に本当になっていくのかどうなのか,タウントークの発言同様,改悪ありきというような
アンケートの中身になるのではないのか。現行制度も残すべきという市民の意見が反映されるような,そういう
アンケート調査になるのかどうなのか,この点を確認させてください。
それから,もう1点お聞きしたいのは,これも代表質問の中でただしましたけれども,敬老パスが始まったのは1975年1月です。その翌年の決算委員会で,敬老パスのことについて,自民党の議員の方から,金持ちも敬老パスでただで乗ってけしからんというような趣旨の発言があり,そのときの局長さんが,敬老の精神でお渡ししているものなので,さまざまな制限をつけるというようなことはいたしません,そういう発言をしております。敬老パスの本来の目的,趣旨を維持していくことこそが必要だというふうに私は考えているところです。
老人福祉法という法律がありまして,多分,札幌市の
敬老優待乗車証の交付規則の趣旨のところにも,この老人福祉法の目的が,基本理念が載せられているというふうに思うのですけれども,ここには,老人は,多年にわたり社会の進展に寄与してきた者として,かつ,豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに,生きがいを持てる健全で安らかな生活を保障されるものとする,こういうふうに老人福祉法には書かれています。そして,これをもとに,敬老パスの交付規則,高齢者に対してパスを交付するというところには,明るく豊かな老後の生活の充実を図るためと,こういうふうに書かれているわけです。私は,行財政改革の対象ではなくて,本当にこの制度の本来の趣旨に立ち返って,この目的をしっかりと遂行していく,これが今札幌市に求められていることだと思います。
札幌市の発展と安定は,今,高齢者と言われる方たちの知恵と知識と経験,この裏づけによって築き上げられてきたものだというふうに思いますけれども,この点についていかがお考えか,伺いたいと思います。
◆堀川素人 委員(関連) 今,いろいろお話がありましたけれども,老人の無料乗車証について,これはきちっと正面を向いて議論をしなければならぬ。今,32億円とか35億円とかと,こういうふうに毎年2億円ずつふえていく,この無料乗車証に対する負担がどんどんふえてきている,これをだれが払うのですかと。今,2兆2,000億円あるこの借金をだれが払うのかと。
僕は,市長がいたら市長にも聞きたい。あなたは2兆2,000億円のお金をどうやって払うつもりなのかと。札幌市の経営者として,借りたものを返す計画なしで,札幌市長,経営者が務まるのか。
今のこの乗車券の問題もそうですよ。我々は我々の世代で増税をして,そして無料にしていこうと,我々の世代で決めてやるのならいいですよ。ところが,この借金は未来の人が払わなければならない。これ以上未来に負担をかけていいのかと。年金なんかの仕送りもしてくれ,この負担をする人数は少なくなるが,その仕送りと,それから今度は,この太った借金を返せというのは,僕は未来に対する犯罪ではないかと思うのです。
このことをきちっと正面を向いて,市長も,最近は,制度を残すためにどう変えるかみたいなことを言っているけれども,そうじゃないのですよ。この無料乗車証が未来の世代の人方の合意を得られるかどうか,ここにかかっている,だからしっかりここでもって見直すのだと。こうしないで,票だけ欲しくて,こういうことをきちっと議論しないでやっていては,僕は政治家は務まらないと思う。ことわざの中に,政治家は未来を見る,政治屋は足元の選挙を見る。こう言われるけれども,僕はやっぱりこの問題は,まさに未来にかかわってくる問題だと,このことをしっかり札幌市の方で受けとめて議論をすべきだと思うのです。
そのことについて,そういう考えがないのか,それで,そういう議論が,この保健福祉局の中で,こういう今みたいな,僕が言ったような議論がなされたことがないのかどうか,このことについて聞きたいと思います。
◎大町
保健福祉部長 まず,坂本委員のご質問にお答えを申し上げます。
アンケートについてでございますが,
アンケート調査は,この事業についての市民の皆さんのお考えを,広く公正に中立の立場でお聞きするものであります。
したがいまして,
アンケートの中には,廃止や,現行のまま存続を希望される方のご意見を反映できるようにしなければならないと考えてございます。
それから,敬老パスの本来の目的を考えて維持すべきではないかというご質問に対してでございますが,
敬老優待乗車証の本来の目的,性格を維持することについては,社会の発展に貢献された高齢者の方への敬愛の気持ちをあらわすとともに,健康の維持増進や社会参加に役立っている大変有意義な制度であると認識しております。
しかし,先ほども申し上げましたが,急激な少子高齢化,経済構造や雇用環境の変化,生活様式の多様化など,制度開始の当時と状況が大きく変わってきております。
したがいまして,この意義ある制度を将来も健全に継続していくためには,どのような形が望ましいかについて検討を行う必要があると考えたところでございますので,ご理解願いたいと思います。
それと,堀川委員のご質問についてでございますが,段々の経過の中で,今お答えを申し上げましたように,いろんな角度から,私ども保健福祉局としまして,この制度についてどうあるべきかを検討している最中でございます。(発言する者あり)
○坂本恭子 副委員長
アンケートについてはわかりました。
制度については,健康の維持増進,それから社会参加に役立つ大変有意義な制度という認識だったと思うのです。
それで,意義ある制度を将来も健全に継続していきたいと,しかし,社会情勢も変わっているので,形を変えなければいけないというご答弁だったと思うのですけれども,意義のある大切な制度というご認識がおありならば,なぜ,現行のまま続ける努力をなさらないのか。
私は,やはり財政問題を引き合いに出して,超高齢化ですとか,少子化という言葉を使っていらっしゃるけれども,(発言する者あり)結局,財政問題の中で,これがどう位置づけられているかという問題だと思うのです。
先ほど来出ています35億円という数字,それから,これから毎年高齢者が1万人ずつふえていって,2億円ずつ敬老パスの経費がふえていくのだよと,こういう数字ですよね。あるいは
老人福祉費に占める割合が33%,3分の1になっている,そういうような数字というものが先回りして,ずっとこの間市民の中に浸透してきているというふうに思うのです。
タウントークとの間に行われた9月17日の市長の記者会見ですけれども,市長は,ここでも敬老パスについて質問をされているのですが,
アンケートの項目について,市長自身が,誘導的ではなく,きちんと意見をちょうだいできるような項目に工夫いたしまして,公平・公正な市民意見の集約といったものをしていきたい,こういうふうに言っているのが9月17日です。そして,その次の日の18日が中央区のタウントーク,これがさっきご紹介した,2兆3,000億円の借金があって大変だから,敬老パスの見直しをしていかなければならない,こういう展開で市長はお話をしているのです。これは,他都市の例を参考として挙げたというようなものでは全くないというふうに言わざるを得ないと思うのです。
それから,財政問題についてですけれども,確かに昨年度と比べますと,敬老パスは予算ベースで2億円弱伸びております。今,札幌市全体の財政規模に対して0.4%を敬老パスが占めているというのが実態ですね。それで,去年,平成13年度は0.37%でした。0.3%台というのは,実は平成4年からずっとこの数字が続いていて,そして,昨年初めて0.4%台に突入をした。0.37%から0.4%に上がったというのは,一般会計の決算額ですけれども,平成13年度が8,464億円,そして平成14年度が8,136億円ということで,決算額自体が落ち込んでいる中で0.37%から0.41%に敬老パスの事業費が上がっているというのが数字の正確なとらえ方なのです。
それで,今回は,今議会の補正予算がすべて予算の中に盛り込まれたとして8,328億円,それに対して35億円ということで,概算で0.42%を敬老パスの事業費が,一般会計の総予算の中に占める割合ですよ,0.42%。昨年に比べても0.01%しか上がらない。たった2億円,この数字をどうとらえるのかという問題だと思うのです。単独事業なので,札幌市の財政の中でこれを解決していかなければならないということを,上田市長は機会あるごとに盛んに言っておられますけれども,果たしてこの2億円というお金,総予算の中に占める0.4%という数字が,どれほど札幌市の財政を厳しくしている原因となっているのか,その辺の根拠がどこにあるのかということを,私は改めてお聞きしたいと思います。
ほかにむだ遣いはないのですか。上田市長は200億円を,スリム化を図って,経費節減していくのですと,そのようなお話もしていらっしゃいますけれども,ほかにむだ遣いされているところはないのか。本当に高齢者に対して,年にわずか2億円の伸びというものを抑えなければならないほどの理由があるのかどうなのか,ここをきちんとやはり市民にわかるように説明していただかないと,私は本当の意味での,広く公正・中立な
アンケート調査とさっきおっしゃいましたけれども,そういう市民議論はできないというふうに思います。
この財政問題で,敬老パスの位置づけというのがどれほど重要なものなのか,札幌市の借金財政の足を引っ張っているものなのか,このことについてしっかりとお答えできるのでしたらお答え願いたいと思います。助役,ご答弁お願いできますか。
◎小澤 助役
保健福祉部長からお答えしたとおりなのですが,敬老パスにかかわる予算の比率が大きいとか小さいとかということは本質的な問題でありませんで,基本的に,こういう事業というのは,受益と負担の関係でとらえたらどうなのかというようなことが本質的な議論につながるのだろうと思います。
そんな意味で,今のこの札幌市の置かれている状況,それから先ほど
保健福祉部長が申し上げた年間1万人,2億円の金が毎年ふえている,こういう状況の中で,この制度を維持していく。維持していくというのは,先ほど坂本副委員長からお話がございましたように,お年寄りに対する敬老の精神をこういう形で継続させていくためにはどうしたらいいのかと。
そのための問題提起を,市長はあらゆる場面でさせていただいているということでありまして,そのことはマスコミ等にも取り上げられておりまして,既にいろんな反響が寄せられております。中には,一部負担とかいろんなご意見がありますけれども,市長はそういうことも踏まえて,選択肢としてはそういうこともあるのかなという形での問題提起と受けとめております。
○坂本恭子 副委員長 予算の中でどういう割合を占めるのかは本質的な問題ではないというふうにご答弁なさいましたけれども,受益と負担の関係を考えていくというのは,やはりこれは最終的には行革の方向に向かっていくということだと私は思うのです。敬老の精神を大切にするという言葉のもとで進められていくのは,結局は,お年寄りや弱い者を切り捨てていく,そういう政治の流れをつくっていくことにつながるというふうに私は思います。
先ほど言いましたように,老人福祉法それから地方自治法の中にも,住民の福祉を増進する,これに努めなければならない,こういう項目がありますけれども,そもそものこの敬老の精神を尊重するのであれば,現行の制度そのままで存続すべきということを改めて強く主張して,私の質問を終わります。
◆西村茂樹 委員 私の方からは,社会福祉法人の問題について,質問させていただきます。
午前中の質疑の中でも,伊与部委員の方から社会福祉法人,とりわけ特別養護老人ホームの会計をめぐっての質疑がございました。そういったことも含めながら,私は全般的にこの社会福祉法人の運営のあり方についてどうなっているのか,その点について質問をしてまいりたいと思っております。
とりわけ,平成12年から老人福祉については,措置費から,
介護保険制度が導入され,介護保険の報酬をもとにして,社会福祉法人が特別養護老人ホームを運営をしていくという状況になってまいりました。したがって,この監査指導室についても,こういった施設の運営について,それぞれ毎年毎年,監査を行いながら指導をしていると思うのでありますけれども,まず,札幌市の全体的な老人福祉施設の監査結果についてどのようなっているのか,お示しをいただきたいと思うのであります。
特に,たくさんの施設が札幌市内には存在をしております。その中でも,特に,札幌恵友会の関係について,この中でどういう状況になって,どのような監査結果になっているのかも含めて,ここでは全般的なものと部分的に恵友会の関係の施設について,ひとつ報告をお願いしたい。
◎伊藤 監査指導室長 ただいまの西村委員の質問にお答えをいたします。
まず,全体的な監査の結果,それから恵友会という社会福祉法人の経営します施設の監査の結果と分けてお答えをいたしたいと思います。
全体的な部分につきましては,これは平成14年度の監査結果ということでお聞きをいただきたいと思いますが,まず,法人に関します監査の結果につきまして,文書指導が2件,口頭指導が15件ということになっております。また,施設の運営に関しましては文書指導が2件,口頭指導が44件,合計しますと63件の指導結果ということになっております。
その内容としましては,簡潔にお話ししますと,例えば,法人に関しましては,役員の理事会への出席不足だとか,監事監査が適切に実施されていないということがございますし,施設の運営につきましては,経理,利用者への処遇,職員の処遇と全般にわたっておりますが,中には本部会計の繰り入れの超過,給与に関するもの,あとは利用者への居室確保の違反,定員の超過入所,こんなこともございます。平成13年度の合計数が19件でございましたので,増加の傾向にございます。
介護保険制度は,導入されてもう3年目を迎えております。制度への理解も十分進んだと判断しておりますが,一部においてこのような残念な結果もございますので,こうした結果を踏まえまして,15年度の監査につきましては厳しく対処してまいりたいと存じております。
もう1点,恵友会におきます監査の結果ということでございますが,法人の監査につきましては,札幌市の所管ということでございませんので,施設の運営ということでお答えさせていただきますと,恵友会は,札幌市内で老人福祉入所施設を7カ所運営しております。平成14年度の結果についてでありますが,文書指導が2件,口頭指導が17件となっております。先ほど申し上げました全体での札幌市の指導件数が46件ということになっておりますので,その比率からしますと,指導件数が多い法人施設というふうになろうかと思います。
特に,その内容的なものでございますが,特養の利用者の居室を,併設しております身体障がい者の施設へ移動して,処遇していたというケースがございまして,これは基準上大変問題だということであり,この件につきましては文書指導をいたしております。そのほか,定員を超過して入所させていたという事実も確認をされております。
また,職員の給与体系が,他の施設と比較しまして大変見劣りするという状況がございます。例えば,毎年の昇級格差が1,000円程度というような状況になっておりまして,大変低い額だというふうに私どもは認識をしておりまして,長期間勤務してもなかなか給料が上がらない,そんな状況になっておりますので,これにつきましては,改善するよう指導をしたという経過がございます。
◆西村茂樹 委員 今の報告を受けながら,やはり
介護保険制度に移行してから,そういった意味では指導する中身もふえてきたと,増加の傾向になってきたということがうかがえるわけですけれども,とりわけ,私は,今,札幌恵友会の関係について7施設が札幌にあると。これは全道的にそういった施設を持っている札幌恵友会でありますけれども,札幌には七つあるというのはどこどこかというと,これはご存じのように,特養老人ホームとして三つあります。これは福寿園,新川エバーライフ,そして,2年前にできましたたんぽぽの丘という三つの施設,そのほかに,札幌には軽費老人ホームとして茨戸ライラックハイツ,ケアハウスの新川サニープレイス,身体障害者療護施設としてのつばさ,老人保健施設としての茨戸アカシアハイツと,この七つが実はあるのです。
そこで,今言われたように,七つの施設に対してそれぞれ文書指導並びに口頭で出したと,こういうことですね。それは14年度の監査の結果だったのですね。なぜこの話をするかというと,最近,新聞に,ここは施設が全道にまたがっていますから,したがって,法人を監査する主体は北海道,ですからこの北海道で特別監査に入ったと。なぜかというと,やはり北海道も法人の監査で,今までずっと一貫して指導なり,あるいは改善をするようにということで注意をしてきたけれども結果的に改善されていない,そういったことでやはり問題がある。特に,恵友会の定款には,法人業務は理事会が決定し,日常の軽易な業務は理事長が決定すると,こうなっているけれども,まさにすべてワンマンで,何が軽易で何が難度なのか,何が大事なのか,そのこととは関係なく,理事長の一存で決めているという,運営しているという,こういった実態がどんどん表面化してきて,北海道も,これは見過ごすわけにはいかない,看過できない。単なる注意だとか,あるいは指導だけでは済まないから,特別監査を実施することになったということが,実はこの前のマスコミでも出ているわけであります。
そこで,そういった状況の法人が抱えている施設が,札幌には7カ所ある。これらの園で,やはり同じように施設運営の中でも監査をしたときに,今言われたような形で,定員超過をしていた,あるいはまた,他のところに入所をしていたという,こういったことを指摘し,改善するようにさせたけれども,果たしてどうなっているのかと。
もう一つは,職員の処遇の面,他法人のレベルから見て,大変低いという話が今された。したがって,そのことについて,今日現在,しっかりと改善をされたのかどうかなのか。当然,これは北海道の特別監査が入ったわけであります。札幌も定期監査とは別に,恐らくこの辺について入ったと思うのですけれども,その結果についてどうであったのか,改めてお伺いをしたい。
◎伊藤 監査指導室長 お答えをいたします。
新聞報道で既にご承知とのことでございます。ただいま,西村委員からのお話もございましたが,北海道がその権限に基づきまして,10月3日札幌恵友会の法人本部に特別監査ということで行っております。その際に,私ども札幌市に対しましても,札幌市が施設の監査を所管するという立場でございますので,連携して監査の実施ということで協議をいただいて,札幌市も,とりあえず臨時的な施設監査を実施したという状況がございます。
対象の7施設につきましては,10月3日,8日,10日の3日間にわたりまして実地調査をしたという状況がございます。今回,新聞に取り上げられた問題につきましては,これは委員のご説明にありましたように,法人本部の運営実態に関することということが大きなテーマというふうに私どもは理解しておりますが,施設運営についても問題がないか,そんな立場で緊急に調査を行ったということでございます。
現時点での調査結果で判明したものについてご説明させていただきますと,昨年度の改善指導ということで指示をした件について,どのような対応がなされたのかということを中心に監査をした次第でありますが,残念ながら給与の件につきましては,全く未実施という状況になっておりました。ですから,給与の低額での昇級という問題については,依然解消されていないということが確認されました。そのほかにも,一部には,職員の処遇の低下ということもございました。これについてもやはり大きな問題というふうに考えておりまして,全体的なものにつきましては,今,北海道がその全容を解明すべく連日にわたって調査を継続しているというふうに聞いておりますので,資料を分析し,結果が判明するにはもう少し時間がかかるのではないかなというふうに思っておりますが,札幌市の関係分については,以上の状況になっておりました。
◆西村茂樹 委員 結果的には,札幌市が施設運営について,とりわけ職員の処遇の問題について改善するようにという指導をしているにもかかわらず,これがされていないと,こういうことがいまだに起きているのです。私は,今回の経過の中で,先ほど伊与部委員が言ったように,今の法人会計がどうなっているのかと。札幌だけで見ても,先ほどの話ではないけれども,全体的に67億5,000万円という資金残を持っていると。いわゆるお金を持っていると,保有していると。
それでは,この札幌恵友会は幾らあるのだと,あるいは施設の収支はどうなっているのだと,こういったことになっていくのですね。直接
サービスをしてもらわなければいけない利用者,施設入所者,そういった人々のことを考えると,やはり職員の待遇というのが一番大事なのです。しかし,本当に職員が,劣悪な状況に置かれている。ましてや,平均的なレベルならいいけれども,平均以下の状況にされていると。
それでは,この法人は,どのような形になっているのか。私は,具体的に,今改めて問うのですけれども,七つの園で,施設の決算でどれだけ法人に行っているのですか。
加えて,法人の役員の関係,法人本部は確かに道の監査ですから,これはどうしようもないと言いつつも,しかし,これは昨年来から北海道が監査指導をされている,あるいはまた,内部からも指摘をされている役員の報酬,理事長は相当高額な報酬をもらっていると,こういうことも具体的に指摘されているのです。
私の聞いた範囲では,年収3,000万円以上ももらっている。しかし,片や職員は,平均的なレベルよりも低い金額で働かされていると,こういった実態。あるいはまた,勤務をしたことのないような理事にも理事報酬が払われているという,こういったことも言われているのです。挙げたら切りがない。そして,職員にはどうかというと,先ほど言ったように,確かに給与規定の初任給は大変低いです。その中で,1年1年の定期昇給は1,000円と言いましたけれども500円もあるのですね。1,000円ならいいのですよ,1年で500円なのです。わずか500円の定期昇給で勤めていかなければいけないというこんな状況になっている。これでは,果たして本当に良質の
サービスができるのだろうかと,こんな心配がある。
一体これ,理事長の報酬は幾らなんですか。役員の報酬はどうなっているのですか。理事会はどうなっているのですか。これを聞きたいのですけれども,札幌市は,監査に直接及んでいないということですけれども,どのように聞いているのか。私は,ここのところの解明をしなかったら,なかなか施設の運営面,実際に運営している皆さん方は大変だと。
もう一つ,こういった状態だから職員の人も長期間ここにはいないのではないかと思います。短期間でやめていく人たくさんいる,こう聞いていますけれども,その辺の実態なんかはどうなっているのですか。特に,札幌市にある三つの特養には,診療所もあるわけであります。当然,医者の配置はどうなっているのでしょうか。そういったことも,やはり一つ一つ施設の運営面で札幌市の責任として,実際に利用する皆さん方のことを考えたときに,恐らくそこまで監査もしているのだろうと思うのですけれども,その辺は一体どうなっているのか。
もう一つは,私は,ここの社会福祉法人の理事長,この人はもう一つの理事長もやっているのですね。医療法人社団恵誠会札幌恵北病院,ここの理事長も務めている。まさに,そういった人が社会福祉法人の中へ札幌の施設からその法人へどれだけお金を繰り入れしているのかどうなのか,その辺を改めて明らかにしていただきたいと思います。
◎伊藤 監査指導室長 お答えをいたします。
何点かにわたっておりますので,順次お答えをさせていただきたいと思います。
まず,1点目としましては,札幌市内におきまして,7入所施設を経営されているということでございますが,その施設全体から法人会計に幾らぐらいが繰り入れとして支出されているのかということでございました。14年度の数字ということになりますが,約2億6,400万円という数字になっております。(発言する者あり)
それから,役員の報酬というお話でありました。特に,理事長の報酬ということでありましたが,これは西村委員もお話をされましたとおり,私どもは,法人の運営というものにつきまして関与する立場にないということもありまして,具体的な数字を直接確認するということはできておりません。いろいろ聞くところによりますと,相当高い金額をいただいていると。西村委員が3,000万円というお話をされておりました。特に,医療法人の理事長も兼ねているということもあろうかと思いますが,その辺の高い数字になっているということは聞いたことがあります。大変,抽象的な回答で申しわけないのですが,お許しをいただきたいというふうに思います。
それから,職員処遇が非常に低いのではないかと,そういうことがあって職員の定着が悪いのではないかということについてのご質問でありますが,例えば,14年度職員の異動をちょっとカウントしました。また,15年度の上半期におきます状況をカウントしてみますと,14年度中に7施設で退職された方が44名ということになっておりまして,15年度はこの6カ月の間に51名の方が退職されている。この退職の理由は,いろいろな理由があろうかと思いますが,今回のいろんな意味での法人の運営上の問題,それに関連します職員の処遇低下,こんなこともやっぱり背景としてあるのではないかなと,そんなような推測をしております。ただし,この件につきましては,私どもは,まだ詳しい監査,この定期監査が12月以降という予定を組んでおりますので,その状況は,その監査の際にきちんと把握できるのかなというふうに思っております。
それから,7施設には,当然,嘱託医というのがございまして,嘱託医が通常1名配置をされているという状況がございます。その嘱託医の勤務状況ということになりますと,大体週に二,三度施設へ出向いて,言うなれば入所者の健康管理に当たるという状況がございます。嘱託医の派遣元といいますか,所属する病院は札幌恵北病院ということになっております。
◆西村茂樹 委員 今の答弁の中で,2億6,400万円が7施設から法人の方に繰り入れられたと。7施設ですから,いま一つ細分化していただきたいのですけれども,七つの施設をそれぞれ個別に,例えば,福寿園が幾ら,あるいは新川エバーライフが幾らと,こういうようになってくると思うのですが,どの園からどの程度法人の方に繰り入れられているのか,これも具体的に数字を明らかにしていただきたいと思います。
それから,きょう,保健所長にも出席を求めておりますけれども,今言った段々の話の中で,私が問題としている恵友会,この七つの老人施設の中に診療所を設けていると。そして,この社会福祉法人の理事長が,同じように今の病院の,恵誠会の理事長もやっているということで,報酬がですね,なかなかわからない,3,000万円以上もらっているのだけれども,給料がわからないと,こう言うのだけれども,一体,その辺,それじゃ医療法人からどの程度のお金が出ているのか,そのことも含めて,恐らく定期検査もしているのだろうと思いますけれども,いつ定期検査をしたのか。9月4日という話を聞いているのですけれども,9月4日,定期検査をしていますけれども,この医療法人への検査ですね,これはどうだったのか,問題なかったのかどうなのか。
もう一つは,定期検査以降,それを受けてさらに検査をやったことがあるかないか。これについてもお答えをいただきたいと思うのであります。
それから,もう一つ,聞くのを忘れましたけれども,職員の処遇の問題で定期昇給の話,500円から1,000円ということでやっています。この中でも,通勤費の支給額の問題,これも恐らく改善の一つとして指摘しているのではないかと思うのです。そのことがどうなっているのか。
これも給与規定の中に書いていますけれども,非常に低い通勤費の限度額,これがさらに変えられた形跡があるのです。これを把握しているのかどうなのか,これも含めてお聞きをしたい。
それから,ボーナスや寒冷地手当,これも給与規定の中に入っています。このボーナスなり寒冷地手当が,現在,一体どのようになっているのか,これも具体的に明らかにしていただきたい。これを改善するように求めたときと,求めた以降,現時点でどうなっているか,これも含めて具体的に明らかにしていただきたいと思います。
◎伊藤 監査指導室長 お答えをいたします。
私の関係する分について,とりあえずご回答させていただきます。
まず,繰り入れの各施設ごとの金額は幾らかというお話でありますが,福寿園が1億3,300万円,新川エバーライフが3,660万円,特養のたんぽぽの丘では逆に約5,000万円を法人から繰り入れをしていて,そのほかに軽費老人ホーム茨戸ライラックハイツが135万円,ケアハウスのサニープレイスが1,500万円,老人保健施設の茨戸アカシアハイツが1億2,670万円,トータルとしまして,2億6,400万円。つばさというのは身体障害者療護施設,これはゼロというふうになっております。7施設で合計2億6,400万円ということになっております。
それから,職員の処遇低下の一つとして挙げておりました項目に通勤手当の件がございました。私どもは,当初,通勤手当は1万9,000円というふうに昨年度の限度額を確認をしておりましたが,直近の状況におきましては,限度額は1万5,000円というふうな数字に変更されているという状況があるようです。ただ,この金額につきましては,今回の緊急な監査の中で十分実態の把握がされていない場合もありますので,これは引き続いてきちんと確認をさせていただこうと思っております。
ボーナスの件でありますが,これにつきましても,就業規則,給与規定の中で取り扱われている分について,昨年度の実態は把握しておりますが,今年度,その後の改正といいますか,取り扱いの変更等につきましては,具体的な事実関係は把握しておりません。今後,また引き続き調査の中で確認をしていきたいというふうに思っております。
◎高瀬 保健所長 質問にお答えいたします。
まず,第1点目の医療法人から理事長に報酬がどのくらい払われているのかという点でございますが,医療法人の設立認可や運営に関する検査,処分等につきましては,北海道がその権限を有しておりますことから,本市では把握いたしておりません。
それから,2点目の定期検査以降に検査をしたかどうかというご質問でございますが,保健所は医療法人社団恵誠会の運営する医療機関に対しまして,医療法に基づきまして,9月4日に定期立入検査を行いました。その後,9月及び10月の計2回臨時の立入検査を行いました。
◆西村茂樹 委員 所長,定期検査の後に2回行ったと。これはやっぱり何か特別な事情があったから行ったのですよね。したがって,私は,その調査のした結果,行ったことはわかりました。問題は定期検査した後に,やはり2度入っていますという話をしました。私は重要なポイントだと思うのです。やはり恵友会と同様に,何かがあったから入らざるを得なかったのかなという気がするのですけれども,もし,そういった問題点があるのであれば,明らかにできるものであるならば明らかにしていただきたい。これがまず1点です。
それから,今,段々の話の中での処遇の問題で,通勤費の問題,1万5,000円になっているということで,もう一度確認をしたいということですけれども,給与規定からすると,当初の限度額は額がもっと多いのですね。私は,1万5,000円が1万円になったというぐあいに聞いているのですけれども,これも改めてもう一度監査をしていただきたいと思いますけれども,通勤費が下げられているという,こういった状態が実は伝えられていますから,ひとつ確認をしていただきたいと思います。
それから,監査の中で改めて重要視しているのは寒冷地手当,これも情勢によるということで,介護報酬が少なくなったという理由で,寒冷地手当を廃止したという,こういった話も実は私のところに情報として来ているのです。これもぜひしっかりと監査をしていただきたい。まさにそういった,先ほど言ったように,ほかの施設から見ても処遇が大変低いレベルにありながら,介護報酬が減らされたから,したがって,ここの分についてはカットするということで,どんどんと人件費が削られる。そして,今大変ですよ,医療法人の方への2億6,400万円のうち福寿園は1億3,300万円も行っている。(発言する者あり)そして,新川エバーライフは3,660万円,もう一つ大変なのは茨戸アカシアハイツですよ,これ。1億2,670万円も医療法人に行っているのですね。(発言する者あり)これで本当に施設の運営というものが十分になされたかどうかということが,私は逆に言うと心配になってくるのです。
そして,先ほど言ったように,職員の定着率というのが大変低い。この老人福祉施設の最大の
サービスというのは信頼と安心でしょう。そこにはやはり
サービスを提供してくれる介護士や看護師のこういった人々との直接の触れ合いでしょう。現場の人方の定着率が低くてどんどん入れかわっている。看護師にしても介護士にしても,何級何級という資格の中でやっていますから,みんな同じレベルでやっているのだからいいのだという,そんな理屈も成り立つでしょう。しかし,実際に
サービスを受ける側にしてみれば,長年提供してくれるという定着率の高い,その安心と信頼があってこそ良質の
サービスということになっていくのではないでしょうか。
ところが,先ほども言ったように,理事長の給料を含めて理事の給料,報酬も解明できないままに,この実態,現場の状態というものがこんな状況に置かれて,果たして本当に良質な
サービスが保たれているかという,私は,こういう心配がますます増大してくるのです。
ところで,理事の構成は,一体どうなっているのですか。私は,理事は何人いて,どういった人方がこういった理事の構成をしているのだろうかと,このことをぜひ具体的に明らかにしていただきたいと思います。
◎高瀬 保健所長 お答えいたします。
立入検査の結果,どうであったかのかというお尋ねでございますが,立入検査の結果につきましては,現在のところ,調査を継続中でございまして,結論が出ておりませんので,申し上げることはできません。(発言する者あり)
◎伊藤 監査指導室長 理事の構成についてのお尋ねでありますが,現在,この法人の理事は15名ということになっております。監事が2名,評議員が31名,この31名中15名は理事が兼務をしているという状況にございます。(発言する者あり)理事のお名前ですが,理事長は船木理事長でございます。副理事長が三國という方でございます。これは恵北病院の病院長ということになっております。常務理事は三上重之という方でありますし,同じく常務理事に徳田という理事が就任をしております。そのほか理事名は見延道議,それと道見氏,それから佐藤氏,木本氏,鈴木氏,この方は弁護士ということでありますし,荒島,角川,浅野,村木,高山,大河内と,このような方々が理事に就任をいたしております。
◆西村茂樹 委員 私は,今の理事の中に,やはり道議も元市会議員も入っていると,こうであればなおさらのこと,社会福祉法人の役割だとか,任務,その責任,私は重々しっかりと認識しながら運営していかなければいけないと思うのです。まして常務理事の三上さん,これはひょっとしたら札幌市のOBでないですか,保健福祉局の局長職で,当時,民生局だったかな,いたでしょう。少なくともこういった人方が理事の構成をしていながら,こんな状況は,私は許せないですね。やはり厳しくやっていかなければいけない,指摘をしていかなければいけない,こう思うのです。
ただ,問題は,私は,この
介護保険制度になって,前の措置の時代には,札幌市で職員の人数,あるいはまた給与の面,処遇の面,全部それはできましたね。しかし,私は,
介護保険制度に切りかわってから,社会福祉法人そのものが経営戦略,いわゆる先ほど伊与部委員がいみじくも言いましたが,福祉産業,福祉事業に変わったのではないかという気がするのです。福祉の
サービスというのは現場の人ですよ。その肝心の人件費を,これを企業という意識のもとで低く抑えて,利潤を上げるために法人会計に持っていって,法人がさっき言ったように,役員の報酬をどんどんふやしていく,これが企業という体質であれば,私は本当にこの状況でいいのかどうなのか,今,根本的な
介護保険制度の見直しをしていると言いますけれども,かえって前の措置費の方が,市の監査をもっと厳しくできたと。今はもう措置費でなく介護報酬だと。どんどん介護報酬をもらったら,あとは企業としての体質に切りかわったのではないかという気がするのです。すべてとは言いませんけれども。
まして,先ほど伊与部委員が言った大友恵愛園,それ以上にこの恵友会は,大変な法人でないかと私は思わざるを得ない。こんな企業的な体質を持った法人,いま一度,社会福祉法人とは何なのかということを,やっぱり理事長,役員が,いま一つしっかりとやっていかなければいけないと思うのです。ここで演説しても始まらないのですけれども。
そこで,措置費から介護報酬に切りかわったけれども,監査指導室として,これからの指導のあり方,そのことも含めて,どのように指導をして,どういう対応をしていくのか,このことについても,具体的に明らかにしていただきたいと思います。
◎伊藤 監査指導室長
介護保険制度への移行ということでのいろんな問題点,今,委員からご指摘がございました。改めて私どもの方で申し上げさせていただきますと,経営そのものという観点から見た場合になりますが,基本的には従前の措置制度,つまり厳しい制約の中の福祉制度から,原則として経営上の自由裁量を認められている保険制度への移行と,そういう
介護保険制度への移行ということでございます。
この結果としまして,例えば,ただいまお話のありました,職員の処遇の問題につきましても,基準上は臨時職員やパート職員でもよくなったという状況がございますし,本部会計への繰り入れの問題,これにつきましては大きな問題として,今ご指摘がありましたけれども,この制限につきましては,原則的には資金の使途の制限というのが外されました。なくなったということでございます。施設運営の立場から見ますと,いろんな意味で大きく緩和されたという状況がございます。
国から私ども行政に対する説明の中に,
介護保険制度への移行に伴う会計の取り扱いの変更という説明が手元にあるので,これを簡単にお話をさせていただきます。
契約制度へ移行したということで,従来の措置制度から,利用者からの利用料に基づいて経営をするのだということを言っておりまして,経営努力の成果として生じた剰余については,従来のような厳しい制約を設けず,法人の自主的な経営判断により使用できることとしたと,このような表現をしております。このような観点から,大変緩和されたことになろうかと思います。(発言する者あり)
制度が変わったということの中で,多くの法人は,措置制度の時代と同じように,適切な福祉施設の運営ということに,本当に熱心に取り組んでおられる法人が大部分であります。しかしながら,一方で,緩和された制度を過大に評価すると,そういう向きも確かにございます。
このことを私ども監査をする立場から申し上げますと,監査というのは,実施する際に根拠としておりますのは社会福祉法という法律でありますし,関係の法律はほかにもございます。国からの通知というものもございますが,監査の際に,社会福祉法人の経営者,施設の管理者に特段の理解をお願いをする原則がございます。
若干説明させていただきますと,社会福祉法の第24条に経営の原則というのがございます。これによりますと,社会福祉法人は,社会福祉事業の主たる担い手としてふさわしい事業を確実,効果的かつ適正に行うため,自主的にその経営基盤の強化を図るとともに,その提供する福祉
サービスの質の向上及び事業経営の透明性の確保を図らなければならない,こういう大きな原則が課せられております。また,同じように法の第61条には,事業経営の準則というのがございまして,国,地方公共団体は,社会福祉法人に対して法律に基づく責任を転嫁してはいけないとか,財政的な援助を求めてはいけないということがございます。さらには,国,地方公共団体は,他の社会福祉事業を経営する者に対して,その自主性を重んじ,不当な関与を行わないことということも定められております。また,社会福祉事業を経営する者は,不当に国及び地方公共団体の財政的,管理的な援助を仰がないこと,このような規定が現実にはございます。
こういう法律制度の中で,先ほど来申し上げております介護保険事業の経営は,非常に自由裁量でございます。しかし,一方で,社会福祉法人が社会福祉施設を運営する場合に,今申し上げましたようないろんな原則がございます。
私どもといたしましては,この原則と自由裁量という部分の両方の制度の趣旨をいかにバランスよく両立というか,これを維持するかという大変難しい選択をさせられることも多々ございます。
しかしながら,何といいましても,社会福祉または介護保険事業,これにつきましては,あくまでも利用者あっての制度でありますので,利用者への処遇向上のため,これらの原則の理解をいろんな場面を通じてきちんと指導していかなければならない,そういうことも事実だというふうに受けとめております。
こんなこともございますので,各法人施設には,社会福祉事業の本来のあり方をいろんな機会を通じて深く理解をしていただいて,よりよい運営に私どもは心がけていきたいというふうに思っております。
◆西村茂樹 委員 今聞いていて本当に腹立たしく思っているのですけれども,まるっきり
介護保険制度ができてから自由裁量経営という手法が取り入れられることによって,現場の実態というのは大変な状況に置かれているという,すべてではないとしても,上に立つ者の判断によって大変なことになってくるという,このことが今現象としてあらわれていると思うのです。
私は,札幌市は施設の監査をしているのですね,でも,これは,施設だけでは根本的な解決はなかなかできないと思う。今,道が特別監査をしている,実際にやっている,札幌市もこの施設をしっかりと良質なものにしていく。そこに働いている人方が,いい環境のもとで
サービスを提供できるという,こういった施設の運営をしていくには,私は,道と一緒にこれを解決していく努力が今求められているだろうと思っているのです。
法人をしっかりとしたものにしていかなければ,施設もだめです。理事長の今の状態,状況は,これ言っていないですけれども,大変な問題をはらんでいる。だからこそ,特別監査が入っているのですね。
あの理事長,財産すごいですよ。車が8台ある,外車ね,大変なんですよ,これ。1人で8台もね,何で,どうなるのですか。ですから,そういったことを一つ一つとえらていくと,何で1人だけそんなに財産がふえてくるのだろうかと,こういったことにもなってくるんですよ。そこで働いている人がそんなことを知ったら,あるいはそこに入所している皆さん方が知ったときに,本当にこれはつらい思いをするんですよ。
ですから,道にもしっかり法人監査をしてもらう,そのために札幌市もタッグマッチを組んで,施設の職員の処遇の問題は,もっともっとレベルアップをさせていく,そして,施設をいい方向に持っていくという努力を私はすべきだと思うのですけれども,ぜひ,その辺の見解についてお伺いをしたいと思います。
◎伊藤 監査指導室長 お答えをいたします。
ただいまの西村委員のご指摘につきましては,本当に全くもって当を得た指摘というふうに私も実感をいたしております。今回の新聞報道によりまして,職員それから利用者に対して,不安,これは大変大きなものを与えたのではないかなと,そのように感じております。適正な処遇を行うということは,本当に施設にとって最も大事なことでありますので,札幌市といたしましても,この法人ができるだけ早く体制を整えて,適切な運営をされることを強く望んでおる次第であります。
札幌市としましても,北海道と連携を強化して,法人の適正な施設運営のために取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○涌井国夫 委員長 以上で,第3項
老人福祉費及び
介護保険会計決算の質疑を終了いたします。
次に,国民健康保険会計決算の質疑を行います。
◆林家とんでん平 委員 私からは,札幌市の国保の収納制度,収納体制に関係して数点質問をしたいと思います。
平成14年度の札幌市国保会計決算によりますと累計赤字額が95億円,前年度から見ますと約7億円赤字がふえているということでございますが,この赤字の大きな要因としては,予算で見積もった収納率87.06%に対して,実際の収納率が82.81%と大幅な減となっていることなどが挙げられます。
札幌市の国保収納率は,2年連続して前年度を下回りまして,平成14年度は対前年比マイナス0.46ポイントの82.81%で,未収額が約73億円,そういうことになっております。また,2年を経過して時効となった,いわゆる不納欠損額が約54億円と,大きいですね。
依然として危機的な状況にあるといっても過言ではありませんけれども,国保収納率の低下には現在の厳しい社会,そして経済情勢など構造的な問題があると考えます。
そこで,まず1点目質問をいたしますが,滞納要因についてどのように把握されているか,これまず1点です。
次に,年齢階層別の滞納状況についても,あわせてお伺いします。
次に,ほかの政令都市の収納状況について調べた結果,11市の中で10市が前年度を下回るというような結果なのですね。ですから,かなり収納率は低下していっているのですが,それでも政令指定都市の平均が88.4%,札幌市が82.81%ですから,札幌市はぐっと下がっているわけですね。この一段と低い収納率は,果たして北海道経済の低迷という地域事情だけで説明し得る問題なのかどうか。ほかの政令市と比べて,札幌市の収納制度,収納体制に改善の余地はないのだろうかと思うのです。
この問題については,昨年度の
決算特別委員会でも,我が会派が,名古屋市の特徴的な集金体制の例も示して,今後の検討を求めていたところではあります。
そこで,もう一つ,札幌市では,これまでどのような収納制度,そして収納体制をとってきたのか。
以上,3点をまず伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
◎岡村 国保収納対策担当部長 お答えをいたします。
1点目の滞納の要因については,構造的に低所得者などが多く,さらに長引く景気の低迷などにより,失業者の加入がふえていることなどがその要因と認識をしております。
2点目の年齢階層別滞納状況についてでございますけれども,加入世帯に対する滞納世帯の割合は70歳以上で3.4%と最も低く,年代が下がるにつれて滞納割合が上がる傾向にございます。30歳代は24.2%,20歳代は22.4%となっております。
3点目の現行の収納制度,収納体制についてでございますけれども,本市では,自主納付制度をとっていることから,滞納発生後の対応が業務の中心となっておりまして,収納体制としては,職員のほか,外勤業務を主に行う保険員と,電話督励を主に行う納付督励員により滞納整理事務を行っております。
また,未然の滞納防止の観点から,積極的に口座振替の勧奨を実施しているところでございます。
◆林家とんでん平 委員 今,お聞きしたとおり,予想どおりというか,やはり経済情勢というのもあって,あと,低年齢層というか,年齢が低い部分ではなかなか収納率が悪いということでございます。そこで,自主納付制度のお話を今しておりましたが,名古屋市とか北九州市では,新規加入時点で,全課を挙げて積極的な口座振替の推進を徹底して行い,また,それ以外の方は集金訪問を徹底することによりまして,90%を超える極めて高い収納率を維持しているということなのです。
これはどういうことかというと,住民のところに行って直接お話をして,それが功を成していると。いろんな効果があるらしいですね。いないところがあっても,隣の方がよく知っていたり,そういういろんな条件が効果を上げている。
その効果の一つは,口座の加入率なのですが,例えば,北九州が市67.3%,名古屋市が64.49%,札幌市が44.88%ですから,両市は20ポイント高い成績を上げているということなのです。一般的に,口座加入率の高い保険者は収納率も高いとの相関関係が認められているということですから,なるほどなと思うのですけれども,本市においても,外勤専門の嘱託員などがいるわけですけれども,少し具体的なお話にもなりますが質問したいと思います。
本市と名古屋市の嘱託員制度にどのような違いが認められるか,これをまずお伺いしたい,これが1点ですね。
また,札幌市において,名古屋市とか北九州市と同様な嘱託員体制をとろうとする場合,人員と新たな財政負担が必要になると思われますが,その際,どのくらいの人数が必要になり,必要経費は現行よりどのくらい増額となるか,あわせてお伺いしたい。
そして,本来であれば交付金が,たしか120億円もらえるはずのものが,収納率が低いために国からペナルティーの普通調整交付金11%が削減されておりますから,金額として約13億円が削られるわけです。例えば,対前年比で1%上がったとしたら,普通調整交付金の減額された金額の2分の1が交付されることになりますよね。このペナルティーを解除することは,間違いなく札幌市の今の財政には大きなプラスになると,そう思うのです。
そこで,収納率の向上を図るため,札幌市も名古屋市のような方法を参考にして,現在の収納体制全体を抜本的に見直すことが急務であるような気がするのですけれども,札幌市の厳しい現状を考えると,ぜひとも来年度からでも早急に取り組むべきだと思うのですが,どう考えているか,この3点お願いいたします。
◎岡村 国保収納対策担当部長 お答えをいたします。
1点目の本市と名古屋市の外勤を専門とする嘱託員制度の違いについてでございますけれども,本市では,現在,外勤専門の嘱託員39名を配置しておりまして,一部滞納世帯などに対する集金や納付指導を主な業務としております。
一方,名古屋市におきましては,現在140名の嘱託員を配置しておりまして,完全地区割制のもとで,加入世帯をくまなく網羅するとともに,滞納発生前から集金希望世帯については各納期ごとに集金を行っております。また,一部ですが,国保に関する各種申請書の仲介など,市民
サービスなどについても取り組みを行っているとお聞きしております。
2点目の名古屋市と同様の嘱託員体制を導入した場合の必要人数,必要経費についてでございますけれども,必要人数につきましては,加入世帯数から試算いたしますと,本市では約120名が必要となります。また,報酬にかかわる必要経費につきましては,名古屋市の平均的報酬額をベースに単純に計算いたしますと,所要見込み額が約4億円余りということになりまして,現状よりも約1億5,000万円余りが必要になります。
それから,3点目の収納体制全体の抜本的な見直しということでございますけれども,高い収納率を維持する名古屋市,あるいは北九州市における未然の滞納防止対策に力点を置いた取り組みも参考にしながら,本市といたしましても,よい点については積極的に取り入れるよう早期実施に向けて取り組んでまいりたいと思います。
◆林家とんでん平 委員 私としては,好感触を感じているのですけれども,ぜひ,先ほどお話をしたように,1%上げることによって随分変わると,そういうところをよく考えていただきたいと思うのです。
現在の高齢化の進展や医療技術の進歩などに伴い,国保の医療費は年々増加する傾向にありまして,現状のままでは国保財政は危機的な状況にあると思うのです。このような中で,収納率を向上させるために,ある程度の,今1億5,000万円と言いましたが,ある程度の増額になったとしても,収納体制の早急かつ抜本的な見直しを求めたいと私は思うのです。
集金体制を充実させることは,滞納の未然防止を図るとともに,滞納者との折衝の機会を確保することとなりまして,収納率の向上につながるとともに,加入者のさまざまな情報,先ほどお話をしたように,いろんな会話がなされ,温かい話ができるようになるということになって,今後の収納対策を構築する上で貴重な資料にもなるのではないか。ひいては,総合的な福祉施策への活用も期待できるものと思いまして,本市の収納制度,収納体制について,先進都市の例を参考に検討しているとのことでございますが,今後の積極的な取り組みを強く求めまして,質問を終わります。
◆小川勝美 委員 私からも,国保についてお尋ねをいたします。
この問題につきましては,さきの本会議の代表質問で坂本議員がお尋ねをしているところでありますけれども,重ねてお尋ねをしたいと思います。
私は,国保の問題で大きく5点ほどお尋ねをしたいと思います。
一つは,今日の国保加入者の実態,これについてお尋ねをしたいと思います。
昭和34年に国保の制度が発足したときには,国民健康保険というのは,農家の皆さんや自営業者の皆さんなど,今まで保険にカバーリングされていない人たち,そういう人たちにも国民健康保険をつくって加入していただく,これによって国民皆保険制度になるのだと,こういうことでスタートしたわけであります。
しかし,近年の国保加入者の実態を見ますと,国保加入者の大半が定年で退職された方,あるいはご主人が亡くなって遺族年金で生活されている方,障がいのために障害年金で生活されている方,リストラ解雇された方,倒産で失業している方,こういう人たちの比率が非常に高くなってきていると思うのです。
先日の本会議の代表質問で,ことしの札幌市の国保の賦課時の数字をお示しいたしました。そのときで,定年退職による年金生活者が31.0%,遺族年金,障害年金,無収入など,所得のない世帯が34.4%,所得のない世帯が国保加入世帯の中の分類で一番多いと,こういう状況になっています。給与所得者,これは26.0%です。結局,年金生活の方と所得のない世帯を合わせますと65.4%と,こんな状況になってきております。毎年ポイントが上がっているのですね,年金生活の人と所得のない世帯のポイントが毎年上がって,間もなくこの二つの層を合わせただけで70%を突破すると,こんな状況になろうかなと思うのですけれども,この点についてどんな見通しをお持ちなのか。
国保加入世帯の皆さんは,失業者や年金生活者,無職者,そして給与所得者は26.0%で,この層の中での給与所得者はどういう人が入っているかというと,アルバイトの人,フリーターの人,パートタイマーの人,こういう人たちです。
先日,経済局の決算審議のときに,札幌市が一生懸命誘致しているコールセンターで3,300人の新たな雇用増があったと,こういうふうなご答弁がありました。そして,この3,300人の雇用増のうち,正職は3割,7割はパートタイムの契約社員ということのようです。その契約社員の中には,雇用保険は掛けられているけれども,社会保険には加入できないで国保に残っている。しかし,年収130万円を超えているから親などの扶養家族にはなれない,国保に独自に入らなければならないと,こういう人たちが多数います。この3,300人のうちの多くの人が年間収入150万円ぐらいの契約社員ですよ。これらの人たちが国保に残っている。札幌市の場合,生活保護世帯で
ひとり暮らしだったら,働きながらというと勤労控除もありますから年間170万円を超えるのですけれども,それを下回る収入の世帯なのですよ,コールセンターで働いている人は。
今,そういう人たちが国保加入世帯の大半を占めている,こんな状況になってきていると思うのですけれども,この点,国保の実態についてどのようにお考えなのか,お尋ねをしたいと思います。
そういう中で,この問題も何度もお話をしていますけれども,90年度の札幌市の国保の賦課時で1世帯平均の所得は268万6,922円,ことしの賦課時は126万8,000円と半分以下になるという,国保の加入世帯の所得です。今言ったような無職の人であるとかパートタイマーの人,遺族年金だけの人,障害年金だけの世帯という状況になってきておりますので,国保加入世帯の1世帯平均の所得が268万円から126万円,47%と半分以下に下がってきています。札幌市の国民健康保険料は値上げをしないで頑張っています,据え置きますと言って,新年度も今年度も1世帯平均14万1,597円の保険料を掛け,しかも,賦課方式の改悪をやられたものですから,先ほど言った所得の低い人たち,フリーターなどの人のところでは30%の国保料の値上げという形で納入通知書が行っているのです。
1世帯平均の国民健康保険料を据え置いているのだからいいということにはならないだろう,国保加入者の所得が半分に下がったなら,それに見合った形で,あらゆる努力をして引き下げていくということをしなければ,国保加入世帯の生活が非常に圧迫されるのではないかと,こんなふうに思うのですけれども,国保料を引き下げるべきだという私の考えについて,今後,どう取り組んでいこうとされているのか,どうお考えになっているのか,お尋ねをしたいと思います。
もう一つは,国保料を下げていく上で,この間,逆行する作用として大きく働いてきているのは,国保に対する国の負担割合の大幅な引き下げです。
ここに,札幌市の国保,昭和56年度決算版という古い資料を持ってきたのですが,昭和54年度,55年度,56年度決算と,57年度予算,こんな資料が載っておりますけれども,昭和56年度の国保会計の決算額に占める療養給付費の国庫負担金と,先ほど質疑がありました財政調整交付金,これを合わせた決算額に占める国庫支出金の割合は60.23%です。14年度決算の札幌市の国保に占める国庫支出金の割合は幾らになっていますか。なぜ大幅に下がってきているのか,この点についてお尋ねをしたい。
そして,国保に対する国の国庫負担金,補助金の大幅削減が国保財政悪化の一番の要因になっていると思うのですけれども,この点についてどうお考えなのか,まず最初にお尋ねをしたいと思います。
◎山田 保険医療担当部長 まず,1点目の国保の加入者の構造が大きく変化してきているのではないだろうかと。これの今後の見通しはどうかということでございます。
国保発足当時と比べまして,加入者の構造が極めて大きく変化してきていることはご指摘のとおりでございます。それで,今後,このまま厳しい経済状況が続いた場合,なおかつ少子高齢化も今後とも急速に続いていくと,こういうふうに考えた場合,この構造的な変化というのは,今後とも続いていくのではないだろうかというふうに私は考えております。
加入者の中で給与所得者は26%ということで,全体の率としてはそれほど大きく変わってきてはおりません。ただ,その中身については,委員ご指摘のような変化というのはあろうかと思います。
14年度の国保の加入者の異動状況ですが,年間およそ10万人の方が新しく入ってこられて,7万人以上の方が出ていかれると。新しく入ってこられる方の6割以上が,社会保険を脱退されて国保に加入されてくると,そういう状況を考えても,給与所得者の中身が今後とも少しずつ変わっていくのではないだろうかというふうに危惧しております。
それから,2点目の所得の変化については,大きく低下していると,これも事実でございます。このことによって平均保険料を据え置いているとはいえ,実質的な値上げではないのだろうかと,この件についてでございます。
まず,先ほど申し上げましたように,構造的な変化に伴う加入者の方のいろんな状況,あるいは,当然,裏返せば保険者の難しい状況,困難な状況がだんだん増していると,こういうことにもなるわけでございますが,まず,構造的な問題につきましては,これはまずもって国の医療保険制度の抜本的な改革,これが必要ではないかというふうに考えております。
そうは申しましても,現在,私どもが預かっております大切な国保制度でございます。これを何とか円滑に運営していくと,これが大事なことでございまして,そこで,現行の保険料水準はどうなのかと,こういうことを考えるに当たりまして,だれがどのように負担するかという財源の問題ももちろん重要な問題ではありますが,何と申しましても,保険料を決める際,最も基本になるのはやはり医療費でございます。そういう面もあわせて総合的に考えていく必要があります。
そこで,私どもといたしましては,15年度から,医療費の抑制という観点で,健康づくりのための国保ヘルスアップモデル事業,これをスタートさせております。
また,保険料の負担の問題に関しましては,特に負担が集中していると思われます中間所得層,この部分の負担緩和を図らなければならないということで,議会のご承認も得まして賦課方式の変更を実施したところであります。何とか保険料水準,これを維持していかなければならないと,こういうことで努力しております。(発言する者あり)
それから,3点目の国庫負担の引き下げの問題でございます。まず,平成14年度の療養給付費の決算総額に占める国庫支出金の割合はどの程度かということでございますが,14年度末で35.3%,これはもちろん事務費も含めたおよそ1,380億円に占める国庫支出金の割合ということです。
そこで,このことが今の札幌市の国保の財政状況を厳しくしているのではないかと,こういうことでございますが,私どもとしましては,この厳しい国保の財政,これを何とか見直していくためには,国に対して,国庫負担率の引き上げ,こういうことを含めまして,必要な財政措置の充実強化,こういうことについて,あらゆる機会を通じて国に対して要望しているところでございます。
◆小川勝美 委員 国保加入者の構造が大きく変わってきていると,この点については,今認識が一致しているということであります。したがって,国保加入者自体が,無収入者だとか無職者,あるいは低賃金労働者とかパート労働者,こんな状況になってきて,所得が10年前の半分以下に下がってきているわけですから,それに見合った形で国保料も賦課をしていくことが重要だし,今の国保加入者の実態に見合ったような形で国に改善を求めていくことが大事だと思うのですね。
そして,国は,前から国保は大変な状態だということで,いろんな部門で差し当たり検討はされているのですけれども,なかなか国保に対する改善がなされない。そして,一番問題なのは,この間,医療保険制度とか何かが変わるたびに,国保に対する国の負担,国庫支出金の割合が減少する。それで,先ほど部長の答弁がありましたが,14年度決算では事務費も含めて35.3%が国保の決算額に占める国庫支出金の割合はだと。先ほど私は事務費は含めていないで言っているのです。事務費を含めますと,昭和56年でいうと61.7%が国庫支出金なのです。国保会計全体の61.7%が国庫支出金で占められていたのです。
それが,昭和57年に第2臨時行政調査会が設置されて以降,昭和58年からの臨調行革,福祉切り捨て路線が始まって,国保に対する国庫支出金がどんどん下がって,札幌市の今の実態でいうと,14年度決算で35.3%まで下がってきているのです。
したがって,これはやっぱり国保加入者の実態に合うような形の制度設計を国に求めていくと。新しい制度をつくる,そして,国保に対する国庫支出金は,少なくとも,差し当たり,もとに戻していくようなことをやっぱり求めていくべきだと思うのです。
改めてこの点について,先ほど部長から,国保負担率の引き上げを含めてというようなご答弁がありましたけれども,もう一度ご答弁をしていただきたい。
それがないままで,国保料の問題については,先ほど現行水準を維持していかなければならないと,これは,14万1,597円を今後もくまなく,何ぼ国保加入者の所得が低下していっても,この14万1,597円は維持していかなければならないということを意味してのご答弁だったのか,まず,この2点お尋ねをしたいと思います。
◎山田 保険医療担当部長 まず,国に対する要望の件ですが,この状態を考えますと,やはり抜本的な制度改善,これがどうしても必要ではないかと考えております。
そこで,国ではことし3月,基本方針ということで閣議決定されまして,その中で,保険者の統合・再編など3点について基本的な方向を示しております。それに基づきまして,今,国保再編・統合推進委員会,あるいは社会保障審議会の医療保険部会などでいろんな審議を行っております。
私どもといたしましては,これに対しまして全国市長会,あるいは指定都市,そういったようなあらゆる機会を通じまして関係団体と連携をとりながら,抜本改革を前提にした,必要な財政的な措置の拡充強化につきましていろいろ要望行動を行っておりますし,今後とも,必要な意見を強く言ってまいりたいと,こういうふうに考えております。
それから,保険料の問題です。
確かに保険料水準という言葉を使っております。そして,保険料自体がどうなのかと見るときに,平均保険料というのは,やはり極めて重要な一つの指標となるわけですが,ただ,別な視点からは,いわゆる保険料が安いかどうかといった部分もあろうかと思います。
そういう部分から考えますと,例えば,よく応能応益割合と言っております。例えば1人当たり,あるいは1世帯当たりという形でいただく応益割合,それから所得に応じていただく応能割合,これらの比率がどうなのかという問題がございます。それから平均所得,この比較におきましても,平均所得とは別の各所得の分布状況によりまして,例えば,札幌市のように低所得階層のところに比較的多く分布し,逆に高所得のところが薄いということになれば,どうしても中間所得層のところにしわ寄せといいますか負担が集中してくると。あるいは,軽減制度というのは,一定の所得以下の方については7割,5割,2割の軽減をするという制度でございます。
そういったような部分で,組み合わせによって,保険料が払いやすいかどうかと,こういったような問題にやはりなろうかと思います。そういう面をとらえまして,先ほど申し上げたような,いわゆる中間所得層の負担緩和,これによる負担の公平,そういったようなものをするための賦課方式の変更というものを昨年実施しているわけです。
◆小川勝美 委員 財政の関係で,指定都市,あるいは全国市長会などが抜本改革に向けて,特に,財政的に拡充強化を要望している,この点については了解しておきたいと思うのです。
しかし,今,国保加入者が本当に大変な状態になっているときに現行水準で,保険料水準を維持していくということで,去年抜本改革をしたのだというのだけれども,あれは,加入者の所得が下がっても,1世帯当たりの保険料は今までどおり取ると。そして,中間所得層の負担を低所得者の方につけかえするという,それだけの話で,所得の低い人がより重い負担になると。したがって,実質的に中間層18%ぐらいの人たちは保険料は下がるけれども,8割近い人は,ことしは1世帯平均が据え置かれているのに国民健康保険料は上がっていると。特に,年金生活の人なんかは,ことしは年金が引き下がっているのに国保料が8%から10%ぐらい上がっていると,こういうことで非常に負担が重くなってきているわけです。
加入者の実態に合わせた形で,保険料引き下げに向けた最大限の努力というのをしていかないと,この10年間で加入者の所得は半分以下の47%に下がっているのですから。
そうすると,市の財政のことについては一生懸命考えるけれども,市民の暮らしや生活は何も考えない,考慮しない,こんな政治を,国保行政をやっていくということにならざるを得ないのかどうなのか,この点について再度お尋ねをしたいと思います。
次は,そういう国保の実態の中にあるのでありますけれども,そんな中で,今,国保の3割の自己負担を減免。国保加入者の場合,本当に低所得者が非常に多く,さらに一層増加傾向になっております。そんな中で,本当に困っているときに入院をした,医療費の3割の自己負担もなかなか困難だ,払えないと,こういうような人たちのために国保の一部負担金の減免,こういう要領がつくられている。昭和59年10月1日から実施されております。
しかし,この間,医療費の一部自己負担の引き上げなどが行われて,平成9年2月1日に改正したまま据え置かれていて,結局,一部負担金の減免が実態に合わなくなってきている。いわゆるこの間,さまざまな医療保険制度が改悪されて,一部自己負担が引き上がってきたりしております。さらには,70歳以上の老人保健法対象が75歳に引き上げられたと,こういうこともあり,70歳から74歳の方の一部負担の比率は,また違う限度額,高額療養費が設定をされたと。
そういうことになりますと,収入が,生活保護基準プラス3万5,400円以下については,3割の自己負担は免除しますよと,また,3万5,400円を超えて6万3,600円を下回る世帯は一部減額措置をしますよという,これも今の実態に合わせた形で見直しをしていくべきだと思うのですけれども,この点についてどのようなお考えを持っているのか,お尋ねをしたいと思います。
大きい3点目は,本会議の代表質問でもお尋ねをしましたし,この間,私たちは何度も資格証明書の発行はやめるべきだと,こういうことを強く求めてまいりました。先日,坂本議員の代表質問に対して,小澤助役から,個々の生活状況や納付資力を十分把握した上での対応が重要であると考えております。また,関係要綱の,関係要綱というのは資格証明書発行のための要綱で,この改正に関しても,このような視点での改正作業を現在進めているところでありますと,こういうご答弁をいだたきました。
それで,きょうは
決算特別委員会ですから,より具体的にお尋ねをしたい。現在作業を進めているというのは,代表質問の答弁であります。
国民健康保険証については,12月1日の切りかえでありますから,11月の下旬にはもう発送しなければならない,そうすると,このときに,資格証明書の取り扱いなどは実際どうするのか,こういうことになろうかと思います。
特に,この間,介護保険法の制定と一緒に国民健康保険法が改悪されて,1年以上滞納した世帯に対しては保険証の返還を求めて資格証明書を発行しなければならない。こういう義務規定がされたことをもって,札幌市の場合は,先ほど言ったような要綱に基づいて資格証明書の大量発行をやっている。上田市政になってから資格証と短期証合わせると過去最高の数字がつくり出されてました。それだけに,この間の代表質問では,こんな状態をやめるべきだと,こういう立場に立って要綱の改定を強く求めたわけですけれども,今,検討作業を進めていると,こういうことであります。
特に,資格証は,10月1日に札幌市内の国保加入世帯のうち,1万4,110世帯に交付されているわけであります。今回の要綱改正が行われて,12月1日の保険証の切りかえ作業が行われると,1万4,110世帯に資格証明書が大量に発行されるというようなことはなくなるだろうと,そういう期待を込めて質問をしているわけでありますけれども,今回の要綱改定の中身,ポイントはどうなっているのか。
特に,資格証明書の大量発行と並行する形で国保の収納率の低下と,こういうことにつながっています。
先ほど,国保料について,名古屋市は収納率が2番目にいいという事例を挙げての話がありました。名古屋の場合は,資格証明書の発行世帯はたった7世帯,そんな状況です。納付折衝の機会を求めて,その中で,何らかの形できちっと納付をしていただく,こういうことで資格証明書を発行しなくてもよくなっているのです。
札幌市の場合は,そのことが十分やられていないために,逆に資格証明書をとっととっとと機械的に発行する。そうすると,より国保に対する不信が広がって収納率はさらに下がる,こんな状態になっているがゆえに,この要綱をきちっと改正して,本当に札幌市の国保加入世帯の命や健康を守るにふさわしい制度へと図っていくべきだと,こう思いますので,この点についてお尋ねをしたいと思います。
◎山田 保険医療担当部長 保険料の関係でございますが,保険料は本来,医療費に基づいて決定されることが基本でございます。ただ,本市におきましては,医療費が非常に高いために加入世帯の負担に配慮いたしまして,これまでも一般会計から多額の繰り入れを行い,最大限保険料の軽減抑制に努めてきたところでございます。
したがいまして,加入世帯の所得の変化だけをもって保険料の水準を論ずることはこれはなかなか難しいのではないかと考えております。
そこで,先ほど申し上げましたように,今後とも保健事業も含めまして,この保険料水準の維持に何とか総合的な面から努力を続けてまいりたいと,こういうように考えております。
それから,2点目の一部負担金の減免についてでございます。
この一部負担金の減免につきましては,ご指摘のように,要領を59年に制定いたしまして,自来19年が経過しております。この間,取り巻く状況が非常に変わってまいりまして,医療保険制度につきましても数次にわたる大きな改正がございました。
そこで,やはりこうした変化に対応する制度,これに変えていく必要があろうということで,委員からご指摘のありました点も一つの重要な論点といたしまして,現在,要領の見直しを行っている最中でございます。
◎岡村 国保収納対策担当部長 資格証関係要綱の改正内容ということでございますけれども,資格証明書の交付,あるいは解除に当たっては,滞納者との納付折衝を通じて,個々の生活状況,あるいは納付資力,さらには納付姿勢といいますか納付誠意といいますか,そういったものを総合的に勘案した上で,政令に定める特別な事情の有無,あるいは納付約束への応諾状況など,滞納者の置かれている状況や納付姿勢に応じた判断の徹底が図られるように今回改正を行ったものでございます。
◆小川勝美 委員 国保料の問題では,先ほどの部長答弁と違って,所得水準の低下のみで云々ということではなくて,保険料については現行維持すると同時に,総合的に勘案して努力したいと,最後にそういう言葉がありましたよね,総合的に勘案して努力をしたいと。これはもしかしたら,今の国保加入者の実態に見合った形で,繰り入れをふやしながら保険料の引き下げを図ると,こういう姿勢のあらわれかなと,こういうふうに期待をし,この問題についてはこれ以上の質問はやめておきたいと思います。
また,3割の自己負担の減免の問題については,私の質問した点も一つの重要な論点として見直すということでありますから,これはぜひ,特に他の医療制度に大きな変化が起こっておりますので,今の国保加入者の,その点についてちゃんと整合性が保たれたものへと改善を図るように,見直しを図ることを求めておきたいと思います。
それで,最後に,今,岡村部長の方から,資格証だとか短期証の要綱の改正内容について大まかな説明がありました。
各区役所で,現実にそういう立場に立って,滞納している国保加入世帯とさまざまな形で折衝を図り,そして,納付の約束をする。今までいろんな事情でなかなか納めることが難しかったけれども,今後はきちっと分割をしてでも納付をしていきたいと,こういう約束をした場合は,資格証を解除して,差し当たりは短期証を交付,そして約束どおり半年守られた場合には,今度は正規の保険証を交付するとか,何かそういうふうな細かな内容をこの要綱で定めるのか,それとも,先ほど言われたようなことを,現場の窓口で担当者が判断をして,この方は誠意があるのだなと,それじゃ資格証明書を発行するのはやめて短期証にしよう,あるいは正規の保険証にしようと,こういうふうなことになるのでしょうか。
今までの要綱だと,資格証明書の発行については細かく定められているけれども,解除の仕組みが何もない。したがって,区役所によってばらばらということであったわけです。今度は,資格証明書は発行しない,先ほど言われたように,本当に国保加入者の個々の生活状況や納付資力,これらを十分把握した上で対応していくと,単に滞納者として見るのではなくて,その人の,生身の人間の生きた生活を見て,保険証の発行について対応していくと,こういうふうに受け取っていいのかどうか,この点,確認的なお尋ねをしたいと思います。
◎岡村 国保収納対策担当部長 要綱の内容で,資格証の解除という点について取り上げてご説明いたしますと,資格証を交付している世帯について,滞納額の解消,あるいは著しい減少というのものがあれば,現在でも資格証を解除しているわけですけれども,これに加えまして,一定額の納付,あるいは納付約束の履行継続,こういったものでその滞納額が著しく減少すると認められるものについても,資格証を解除することができるものというふうにしております。
いずれにいたしましても,滞納者との納付折衝を通じて,個々の状況を把握し,納付姿勢を見て総合的に判断すべきものというふうに考えております。
◆小川勝美 委員 部長ね,一番大事なのは,国民健康保険というのは,今,前段で話をしましたように,年金生活者,失業者,遺族年金で暮らす方,こういう人たちが大体7割を占めているわけです。本当に厳密に計算するから生活保護を受けられないのですけれども,月わずか4万円の国民年金だけでの生活,しかし,死んだときに息子たちに迷惑かけないようにと,たまたま葬式代だけ50万円だ70万円だと貯金している。生活保護を受けられるのですけれども,この貯金額がちょっと多過ぎる,そういうことから生活保護を受けないで,国民年金4万円で生活している81歳のおばあさん,こういう人なんてたくさんいるのですから。
そういう人たちが,何かで生活リズムが狂う,人の葬式に行った,親戚の葬式に行って金がかかった,こんな形で支払い困難になったり,いろんなことが起こってきます。そして,たまたま入院しなければならなくなった,今のお年寄りの方はまだ自己負担が1割ですからいいのですけれども,自己負担3割の人が何らかの都合で入院する,そうしたらやっぱり医療費が大変で,まして国保に加入している人たちは,先ほど言ったように給与所得者の中でも1時間850円なんていうパートの契約社員で,そして更新,更新です。コールセンターで働いている人も1時間850円ぐらいという状況です。そういう人たちが入院なんかしたら収入は途絶える,しかし,医療費は3割の自己負担がある。そんな中でやむなく金を借りて払った,それが大きく膨らんで払えないとかいろんな状況があります。
そういう実態をよく見て,それを機械的な対応でなくて,本当に先ほども言いましたけれども,生身の人間の実態にふさわしい,そして本当に説得力を持った形で折衝をして,納付約束もしながら,保険証も発行していくと,こういうふうな親切な対応で,ぜひ,人の命や健康にかかわるものを扱っている,そういう立場に立った対応をしていただくよう求めて,質問を終わります。
○涌井国夫 委員長 以上で,国民健康保険会計決算の質疑を終了いたします。
次に,老人医療会計決算の質疑を行いますが,通告がございませんので,質疑を終了いたします。
ここで,およそ20分間委員会を休憩いたします。
――――――――――――――――――
休 憩 午後3時7分
再 開 午後3時30分
――――――――――――――――――
○涌井国夫 委員長 委員会を再開いたします。
最後に,第5項 健康衛生費の質疑を行います。
◆佐藤典子 委員 私は,一昨日も社会福祉費で質問しましたが,身体障害者補助犬法の施行に当たり,補助犬の同伴について,そして,引き続き遺伝子組みかえ食品の検査について,この2点をお尋ねいたします。
まず,身体障害者補助犬法の施行に当たりましては,先日,お話ししましたとおり,周知されていないという現実に当たり,ぜひ,情報を広く知らしめ,広く理解を求められるよう積極的に周知をしていただくよう要望させていただいたところです。
また,そのときに北海道盲導犬協会の街頭
アンケートのことをちょっとお話をしました。法律ができれば受け入れるという方,そういう方もいらっしゃれば,盲導犬が来たとき不安,それから,衛生上ほかのお客さんとかに不安を感じさせるというような声が,多く聞かれたと聞いております。しかし,衛生上ほかのお客さんに不安というのは,一般の方からみましたら90%の方は不安がないと答えられたそうです。つまり,事業者の方が不安に感じておられるということです。そして,事例でも申し上げましたが,道内を旅行中に盲導犬を連れてお店に入ったところ,その事業者の方は法をご存じだったけれども,お断りをしたという事実があったということを伺っております。
このように,補助犬法ができたけれども飲食店で利用を断ったというそういう不安は,この衛生上に問題があるという観点から感じておられる方が多いのではないかと思います。
そこで,札幌市では,補助犬が飲食店に入るということが,衛生上どういう問題があると考えておられるのか,その認識について,まず1点目伺います。
そして,2点目は,これらの業者,また業界に対して,食品衛生の立場からの周知を積極的にすべきと考えますが,それについてもお考えをお聞かせください。
また,3点目は,こうした補助犬に対し,札幌市では何らかの支援策を考えておられるのか,この3点を補助犬の同伴に関する質問とさせていただきます。
次に,遺伝子組みかえ食品の検査についてです。
皆様もご存じのとおり,昨日,豊平区の北海道農業研究センターで,240株の遺伝子組みかえ稲の刈り入れを終えたということで,私もその場に行って見てきました。そして,作物などに対する不安ですけれども,私たちは消費者としても非常に大きな危機感を感じている,こういうことが,本当に大勢の母親や市民からの声で上がっているのです。
そして,先日,元北海道大学教授が,モンサント社のラウンドアップレディ大豆を95%以上原料にした「納豆のススメ」という納豆を11月から通信販売を始める予定であるということで,インターネットなどでも報道されていたと思います。
しかし,これに対しても,消費者の抵抗が強いことから,納豆メーカーが製造を拒否したため,急遽みずから製造をするというようになったということが,日経のバイオテクノロジーの新聞に掲載されております。そして,これまで遺伝子組みかえ作物の輸入が1996年に始まりまして,2000年にスターリンクという安全性が認知されていない遺伝子組みかえのトウモロコシが検出されるという事件が起きております。そして,2001年に遺伝子組みかえ食品の表示が始まりましたが,このすぐ後,未承認の遺伝子組みかえジャガイモの混入事件が起きているという実態があります。
そして,2003年に食品安全委員会ができまして,国民の食の安全を守る観点からさらに検査などをし,遺伝子組みかえ稲の消費者の不安を除くために,そういう委員会を設置したという実態があります。
そういう流れの中で,食品安全委員会へ審査が移行したこの7月1日現在で,承認されている遺伝子組みかえ食品の数は6作物55品種に上っていると聞いております。そうした中で,今述べましたような95%遺伝子組みかえ大豆を使った納豆をつくるというような動きもある中で,札幌におきましても,遺伝子組みかえ食品の検査というのは非常にやらなければならない大きな一つの検査であると思っています。
そして,さきの委員会で,機械を購入し,検査を始めるというふうに聞いておりますが,まず,どのような検査をされているのか,今の現状はどうなのかということを伺います。そして,それに伴いまして,もちろん検査が行われているのかどうか。そして,他都市の検査の実施状況についても伺いたいと思います。
◎大川 健康衛生部長 ただいまのご質問にお答えいたします。
まず最初に,身体障害者補助犬法に基づく補助犬の同伴についてでございます。
1点目の補助犬が飲食店に入ることでの食品衛生上の問題についてでございますけれども,補助犬につきましては,一般の飼育犬とは違いまして,一定の訓練を受けて,厚生労働大臣が指定した機関から認定された犬でございます。飲食店等の客席におきましても,自由に動き回るというようなことはない犬でございますから,特に,食品衛生法上問題があるものとは認識しておりません。
それから,2点目の関係業界等に対する食品衛生の立場からの周知でございますが,昨年制定されました身体障害者補助犬法等の施行に伴いまして,昨年8月,旅館,ホテル,あるいはレストラン,そうした関係の8団体に対しまして,法の趣旨をご理解いただいて,補助犬を同伴した方の利用が妨げられることのないよう周知を図ったところでございます。あわせまして,先ほど客席で同伴するというようなお話もございましたので,私どもが出しております食品衛生情報誌「キッチンメール」に,この補助犬の同伴についても載せまして,周知を図ったところでございます。
委員のお話は大変残念な事例でございますので,今後とも,食品関係者を対象としました各種講習会の場を利用いたしまして,周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
それから,3点目の補助犬に対する支援策でございますが,これは既に,盲導犬に対する畜犬登録手数料,あるいは狂犬病の予防注射済票交付手数料,これらの減免措置を講じております。このほか,関係する札幌市小動物獣医師会等に対しまして,予防接種や検診などに当たり配慮していただけるようにご協力をお願いしているところでございます。
次に,遺伝子組みかえ食品の検査でございますが,1点目の遺伝子組みかえ食品の検査の実施の有無でございますが,承認されていない遺伝子組みかえ食品が混入していないかどうかを確認するために,先日,10月15日に製造施設やスーパー等の販売店から,トウモロコシとその加工品4検体を抜き打ちで採取いたしまして,現在,札幌市衛生研究所におきまして検査を開始いたしております。
どのような検査かということでございますが,これは承認されていないものが含まれているかどうかという,定性試験という検査でございます。
二つ目の他都市の検査の実施状況についてでございますが,札幌市を除く12政令指定都市のうち10都市が検査を実施しております。また,北海道におきましても,この10月から道立衛生研究所におきまして検査を開始するというふうに聞いております。
◆佐藤典子 委員 補助犬に関しましては,既に周知を図っておられるということですが,まだまだ徹底がされていないということで,引き続き積極的に周知徹底を図っていただきたいと思います。
今,札幌には21頭の盲導犬がいると先日聞きました。そして,日本全体では927頭の盲導犬,そして,介助犬は北海道では北見市に1頭いるだけです。日本全体では37頭,そしてまた,聴導犬は日本には15頭いるけれども,道内にはいないという状況であります。これから徐々にそのような介助犬や聴導犬もふえてくるかと思います。ぜひ,この法律の周知徹底をお願いし,要望させていただきます。
それから,遺伝子組みかえ食品の検査についても,今4検体を採取して,承認されていないものが含まれていないかということを検査されているということです。
そこで,再質問ですが,まず,遺伝子組みかえ食品の検査結果はいつ判明するのか。そして,2点目は,その結果をどのように公表されるのか。そして3点目は,今4検体を検査されているということですが,今年度はもまだう少し時間がありますので,ほかにどのような検査を予定されているのか,そして来年度以降の検査予定について伺います。
◎大川 健康衛生部長 ただいまの1点目の検査結果がいつ判明するかということでございますが,10月15日に検査を開始いたしました検体につきましては,11月上旬には判明する予定でございます。
それから,2点目の情報公開ということで,検査結果の公表でございますが,これは従前どおり札幌市のホームページや食品衛生情報誌「キッチンメール」などの広報媒体を通じて公表したいと考えております。
なお,万一違反を発見した場合,すなわち承認されていない遺伝子組みかえ食品の混入が判明した場合には,食品衛生法に基づきまして回収を命じるなど,厳正に措置するとともに,報道機関等を通じまして,速やかに公表させていただきたいというふうに考えております。
それから,今後の検査予定についてでございますが,今年度は,さらにトウモロコシの加工品11検体について検査を実施するほか,承認されている遺伝子組みかえ食品の表示が適正かどうか,こういったことを確認するために,大豆5検体について検査を実施することとしております。
最後に,来年度の検査予定についてでございますが,札幌市の検査計画素案をホームページ,あるいは広報さっぽろでお知らせするなどしていわゆるパブリック・コメントを求めるなど,広く市民の皆様のご意見をお聞きした上で,来年度の検査計画を確定したいと,このように考えております。
◆佐藤典子 委員 農林水産省と厚生労働省から出ている「正しく知ろう遺伝子組換え食品!」の裏にも,加工食品については表示義務が義務づけられているというようなことが出ておりまして,その中でも主な原材料,そして原材料のうち,占める重量の割合が上位3位までのもので,かつ,原材料に占める重量の割合が5%以上のものについて表示しなければならないということになっております。
先ほど伺いましたのは,承認されているものの表示,それについての検査ということで,今度は重量に引き続き検査が移られると思いますが,そこのところの情報公開もしっかりしていただきたいと思っております。
それから,今,パブリック・コメントを求めて,そして来年度の計画を立てていくということでありましたが,ことし7月,食品安全委員会というのが国にできまして,その中に,設立の経緯として,経済社会の発展に伴い国民の食生活が豊かになる一方,遺伝子組みかえやクローンと,新たな技術が開発され,また,食品流通の広域化,国際化が進展するなど,我が国の食生活を取り巻く環境は近年大きく変化してきています。このような変化を受けて,2001年BSEの発生,それから輸入野菜における農薬の残留,大企業による食品の偽装表示といった食の安全を脅かす事件が相次いで発生し,国民の食に対する不安感がこれまでにないほど大きいものになっています。そして,食品安全基本法が制定され,この食品安全委員会が設置されたというふうになっております。
その中で,この委員会の任務が,まず,健康影響評価の実施,それから関係大臣への勧告,そして二つ目に,リスクコミュニケーションという表現なのですが,幅広い情報や意見の交換,リスクコミュニケーションを実施するというふうに書かれております。そういう意味からも,ぜひ,パブリック・コメントは大事ですし,こういういろんな意見を広く聞くという態度でこの検査に臨んでいただきたいと思っております。
この検査には,消費者としてもすごく期待するところが大きいものですから,キッチンメールやいろんな方法で情報公開の徹底をしていただきたいと思います。それを要望にかえさせていただきます。
◆長内直也 委員 私からは,乳幼児の医療費助成についてお伺いしたいと思います。
現在,札幌市の場合は,入院が6歳未満児まで,通院が4歳未満児までということでありまして,平成13年10月に道の補助枠を超えて1歳上乗せする形で,単費で4歳未満まで通院の医療費助成を拡大したということであります。これは厚生委員会の方でもいろいろ議論したことでありますけれども,このようにさらに上乗せをしたということは評価をしているところであります。
まず,確認の意味も込めまして,3歳児の通院助成費を上乗せした分でありますけれども,単費で助成している通院助成費についてお伺いしたいと思います。
それから,道の補助枠に対して1歳プラスしたわけでありますけれども,当然,今後,段階的に順次引き上げていくのかなという期待を持っておりますが,それでは,通院対象年齢を1歳拡大するのにどれだけの経費がかかるのかということを次にお伺いしたいと思います。
それから,入院費の助成が現在6歳未満でありますけれども,ほかの都市の例を見ましても,就学前までという形が多いのでありますが,この入院とそしてまた通院,それぞれの対象年齢を就学前まで拡大した場合どれくらいの所要費がかかるのか。これをまず確認の意味も込めましてお伺いしたいと思います。
◎山田 保険医療担当部長 1点目の乳幼児の医療費助成における3歳児の通院につきましては,現在,北海道の補助枠を超えて本市単独で助成しているわけですが,その助成費は平成15年度予算で約5億6,000万円となっております。
2点目の対象年齢の拡大にかかる所要経費についてであります。
本市単独で通院対象年齢を1歳拡大する場合には,平成15年度予算ベースで約5億8,000万円の経費が必要となります。また,入院も含めまして就学前まで拡大する場合には,約14億7,000万円の経費が必要と推計しております。
◆長内直也 委員 ただいまご答弁いただきまして,3歳児の分を追加するのに5億6,000万円を単費で持ち出しているということであります。これをさらに5歳未満まで,4歳児の分も拡大しますと5億8,000万円。そしてまた,入院を含めて就学前まで拡大しますと14億7,000万円ということであります。
そんな中で,たしかにこれを一気に,14億7,000万円を新たに持ち出すということはなかなか簡単なようで難しいことかなと思いながらも,先日,10月8日でありますけれども,道議会の方で,公明党の稲津議員の質問に対しまして,高橋知事が答えておりますが,道の方もこの年齢を拡大していこうというような前向きな答弁が出ております。
そうしますと,これをちょっとそういう形で試算しますと,来年以降に道の補助金が出て,半分になるということですから,14億7,000万円を半分にすると札幌の持ち出しは7億3,500万円,そしてまた,3歳児分でありますけれども,今単費で5億6,000万円の部分,これが半分になりますと,2億8,000万円分浮くと,それを差し引きしますと4億5,000万円で済むという形になります。入院,通院とも一気に就学前まで拡大しても,道も同じような基準になって補助金が出れば,1歳上乗せするよりも安いというか,少ない金額で全部一気にできてしまうと,こういう計算になるわけであります。道の方が何歳まで拡大するかということはまだ明言しておりませんけれども,恐らくこれは順次拡大していくことになると思っております。
そんな中で,この道の対象年齢を拡大した場合,当然,札幌も追随して拡大していくべきだと思うのですけれども,この辺についてご答弁いただきたいと思います。
◎山田 保険医療担当部長 委員ご指摘のとおり,北海道におきましては,子育て家庭を経済的に支援する乳幼児の医療費助成の充実は重要な課題であり,対象年齢の拡大については,できるだけ早期に結論を出していきたいという考えであると聞いております。
そこで,本市の医療費助成制度でございますが,これは従前から北海道の補助内容を基本といたしまして実施してきたところであります。今後,北海道が対象年齢の拡大など,補助基準の改正を行った場合には,本市といたしましても,その内容を十分勘案した上で対応してまいりたいと考えております。
◆長内直也 委員 ただいま,道が拡大していった場合には,当然,拡大する意向であるというお話をいただきました。
そこからなのでございますが,もし,道が一気にそこまでいかないという場合でも,やはり私は今1歳上乗せしているわけですから,そういった意味では,道よりも先に一歩進んでもいいのではないかなと思っております。
また,札幌市は通院費の助成を1歳拡大したと,これが道のそういう引き上げていこうということを誘ったような部分もあるかと思いますので,ぜひとも前向きにこれからも考えていただきたいと思っております。
また,他都市の状況ですけれども,千葉ですとか大阪,北九州,福岡,これらは県とか府の補助が全くない中で,単独でやっているわけであります。大阪は,全く市の予算だけで就学前までやっていると,そんなようなことも考慮しながら,ぜひとも前に進んでいただきたいと,そんなことを期待しながら終わりたいと思います。
◆藤原廣昭 委員 私は,3項目について一括質問いたします。
1項目めは,感染症予防法の改正に基づき対応する医療機関について。2項目めは,新しい救急医療体制のあり方について。3項目めは,国の健康日本21に基づく本市の向こう10年間の健康づくりについてです。
初めに,感染症予防法について伺います。
感染症は,ご承知のとおり,新感染症,指定感染症及び1類から4類の感染症の6種類に分類されているわけであります。最近の感染症では,ことしの冬に流行した新型肺炎SARSのほかに,これまでO-157感染症やエボラ出血熱などの新興,あるいは再興感染症が出現するなど,新しい形で人類に脅威を与えてきているわけであります。これまで,国内感染症対策は,1897年制定の伝染病予防法などにより行われてきましたけれども,先ほど申し上げたような感染症の背景を踏まえて,厚生労働省は新しい時代の感染症対策を進めるために,1999年4月1日から感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律を施行いたしました。
改正された感染症予防法では,先ほど申し上げましたエボラ出血熱やペストなど,感染力が強く,病気にかかった場合の病状が重いなどの総合的な観点から見て,危険性が極めて高い感染症患者を入院させる施設として,第一種感染症指定医療機関,これは都道府県に1カ所,北海道の場合ですと病床数が2床となっているわけであります。また,これ以外の,いわゆる病状などが少し軽いというか低いというか,そうした細菌性の赤痢やコレラなどの患者を入院させる施設として,第二種感染症指定医療機関を2次医療圏に1カ所,札幌圏では本市及び石狩支庁管内が対象となっており,基準病床数は10床で,それぞれ知事が指定をすることになっているわけであります。
第一種及び第二種感染症指定医療機関の打ち合わせを,市立札幌病院を前提の一つとして,本市の保健福祉局を窓口に,また,市内の国公立病院にも道は打診をしていると思うわけでありますけれども,本市の場合におきましては,現在,第二種感染症指定医療機関として,法の改正により市立札幌病院の南ヶ丘診療所が,同法の附則第8条の規定に基づいて,その特例措置として,来年3月までですけれども5年間北海道知事から指定を受けているわけであります。来年4月からは,感染症法の基準に合致する病院が指定要件であり,診療所は指定の対象外となるわけであります。
質問の1点目は,本市は,第一種及び第二種感染症指定医療機関の整備について,北海道と交渉などをしていると思うわけでありますけれども,これまでの交渉などの時期及びその都度の交渉の具体的な内容についてお伺いすると同時に,本市は北海道に対してどのような意思表示をしているのか,感染症について初めに1点伺います。
次に,本市の救急医療体制について伺います。
本市は2001年の10月18日に救急医療体制検討委員会を設置して,約2年間かけて新しい救急医療体制のあり方について検討し,ことし9月26日にその具体的な内容が明らかになりました。私も同検討委員会の報告書を読ませていただきましたけれども,表現になかなかわかりづらいところなどもありまして,改めて質問をしたいと思うわけであります。
質問の1点目は,新たな救急医療体制のポイントとその内容について,わかりやすく説明をしていただきたいと同時に,特に,我が会派を初め全会派が,市内の医療空白時間というのでしょうか,診療空白時間については,これは今回の見直しのときに少なくとも100%解消すべきだということを,この間の厚生常任委員会やさまざまな場で,そうした質疑のやりとりがあったわけでありますけれども,この点についてはどのようにこの報告書に基づいて改善をしていこうとしているのか,あわせて伺います。
質問の2点目は,新たな救急医療体制への移行とともに,本市の夜間急病センターも新築されるわけでありまして,その役割の一部を担うわけであります。
この夜間急病センターにCTを導入したいという本市の意向があるわけでありますが,市民から見ますと,1次医療機関,とりわけ夜間急病センターは診療所という位置づけになるわけでありまして,夜間のそうした市民の対応に大きな役割を担っているわけでありますけれども,そうした夜間急病センターにCTがなぜ必要なのか,改めて伺います。
3項目めは,本市の向こう10年間の健康づくりについてであります。
厚生労働省は,2000年3月,過去20年間の健康づくりを踏まえて,向こう10年間の国民健康づくり,すなわち健康日本21を策定いたしました。本市もこれを受けて,2001年から札幌市健康づくり基本計画作成に着手をし,2002年12月に同基本計画を策定いたしました。
質問の1点目は,本市における過去20年間の健康づくりの取り組みの成果と教訓というものをどのように踏まえているのか,改めて伺います。
また,質問の2点目は,同基本計画の目標や推進方法についてであります。資料を見ますと,推進方策などについては抽象的なものになっていたり,市民の参加がしやすいイベントだとか,そうしたものが基本計画の中に乗っているわけでありますけれども,こうしたことだけではやはりこうした計画の実効性が上がっていかないと思うわけであります。
まずは,同基本計画の目標と推進方策について2点,健康づくりについて伺います。まず,最初の質問として,3項目それぞれお答えいただきたいと思います。
◎舘 保健指導担当部長 私から,感染症指定医療機関についてお答えいたします。
北海道との交渉経緯についてということでございますけれども,市立札幌病院南ヶ丘診療所の第二種感染症指定医療機関の特例措置としての指定につきましては,委員ご指摘のとおり平成16年3月31日をもって失効することから,平成11年度から今日に至るまで,北海道と協議を重ねてまいったところでございます。
その間,平成12年度には,北海道から,札幌市が感染症指定医療機関を設置すべきであるとして,市立札幌病院での指定の同意を申し出られたこともございます。
しかしながら,札幌市といたしましては,感染症法に定めるとおり,指定の権限を有する者は北海道知事であり,札幌市のみが設置の義務を負うものではないことから,新たな感染症指定医療機関の選定に向け連携を図ってまいりたいとの考え方を明確に示してきたところでございます。
さらに,ことしの3月には,北海道に対しまして,札幌圏の感染症指定医療機関の確保について要望書を提出したところでありますが,今現在,北海道におきまして,関係医療機関と協議を進めていると聞き及んでおります。
◎竹谷 医療調整担当部長 新たな救急医療体制の内容につきましてご説明をいたします。
新たな救急医療体制につきましては,委員のお話にもございましたとおり,平成13年度に,札幌市医師会役員,救急医療関係者及び本市の職員等で構成をされました札幌市救急医療体制検討委員会を設置いたしまして検討が行われてきたところでございまして,先月,同委員会の委員長から市長に報告書が提出されたところでございます。その報告書に記載されました新たな救急医療体制の主な内容につきましてご説明をさせていただきます。
まず,初期救急医療体制についてでございますが,現在,休日当番医療機関におきまして,小児科の患者数が非常に多いという状況がございまして,それに伴いまして待ち時間が長いなどの課題が生じております。このため,新しい救急医療体制では休日当番のうちゴールデンウィーク,それから年末年始などの小児科の当番施設を1施設増加することとしております。さらに,夜間急病センターの小児科では,現在,準夜帯におきまして1名の医師で対応しておりますが,土曜日,休日の準夜帯は特に患者さんが多いということでございますので,新たな体制では2名の医師が対応するということとしております。
また,初期救急医療体制におきましては,一般医療機関と夜間急病センターとの間の診療の空白時間ということが問題になっておりましたが,これにつきましては,急病センターで対応するということではなく,新しく整備をいたします2次救急の当番医療機関で年間全日対応することにより,その解消を図っていくとしております。
次に,2次救急医療体制でございますが,2次救急医療機関は,主に入院が必要となる重症の患者さんに対応する医療機関でございます。現行の脳神経外科,循環器・呼吸器系,それから消化器系,小児系,この四つ診療系に加え,新しい体制では,けが・災害の外科系,泌尿器系,産婦人科系の三つの診療系を新たに整備するということとしております。また,現行の2次救急医療体制は,基本的には休日のみの体制でございますが,新たな体制では年間全日で運営をするということとしております。
本市といたしましては,この報告書に記載をされました内容を尊重いたしまして,その実現に向けて努力をしていきたいというふうに考えております。
2点目の夜間急病センターにおけるCTの導入についてでございます。
新しい夜間急病センターでは,必要な検査を行い,的確な診断を行った上で,その病状に最も適合した診療科を有する後方支援病院に患者さんを引き継ぐということにしております。また,ただいまお話を申し上げました検討委員会から提出された報告書では,現在,平日に対応しておりません2次救急医療体制を,新しい制度では年間全日対応するということと,それから診療系も現行の4診療系に加えて,ただいま申し上げましたように外科系,泌尿器系,産婦人科系ということで,
細かく整備をするということとしております。
したがいまして,初期救急医療機関である夜間急病センターから,適切な2次救急医療機関に患者さんを転送するためには十分な検査を行い,的確な診断をする必要があるということでございますので,CTの導入が必要であるというふうに医師会からは求められております。
また,小児科においても,お子さんは症状を正確に表現できないということで,CTは子供さんを診断するためにも非常に有効な機器であるというふうにお聞きをしております。また,医学教育の中で,画像を駆使して診断を行う教育がなされておりますことから,夜間急病センターにおきましても,今後,画像による診断を行う医師がますますふえてくるというふうに医師会からお聞きをしておりますので,CTを導入する必要があるというふうに伺っているところでございます。
◎北村 健康づくり担当部長 私から,健康さっぽろ21の関係についてお答えをさせていただきます。
第1点目のこれまでの健康づくりの取り組みについてでございますが,札幌市では,昭和53年と昭和63年の国の第1次及び第2次国民健康づくり対策を受けまして,健康診査を初めとする保健事業の充実,連合町内会を単位とした地域組織の育成や健康づくりリーダーなどの人材養成,普及啓発など,健康づくりを進めるための各種事業に取り組んできたところであります。さらに,国におきましては,平成12年度から第3次国民健康づくり対策,いわゆる健康日本21が提唱され,本年5月には健康増進法も施行となり,1次予防の重視と健康づくりを支援するための環境整備などが主要な課題となってきております。
札幌市におきましても,同様の認識を持ち,健康さっぽろ21を昨年12月に策定したところでございまして,これに基づき,市民一人一人の健康づくりを支援するとともに,地域,企業,職域など,多様な実施主体との連携・協働による健康づくりの推進を図っているところでございます。
続きまして2点目の目標と具体的な取り組みでございますが,目標についてでございますが,健やかに産み育てる健康寿命の延伸,健康な地域づくりを基本目標とし,乳幼児から高齢者までの市民の主体的な健康づくりを支援することとしてございます。
具体的な取り組みについてでございますが,これからの健康づくりは,疾病の早期発見・早期治療だけでなく,生活習慣を改善して疾病を予防する1次予防や個人の健康づくりを社会全体で支える環境が重要となってございます。したがいまして,今後は,従来の健康教育,健康相談,健康診査などの保健
サービスをさらに充実し,市民が身近で気軽に健康づくりが実践できるよう支援するとともに,地域,職域,企業などと連携・協働して市民の健康づくりを支援する環境整備に努めてまいります。
特に,関係機関との連携・協働を推進することにより,市民が正しい知識,情報を得て,みずからの健康について考える機会がふえることから,市民の意識,行動の変容へもつながるものと考えております。
また,健康さっぽろ21を推進する組織でございます札幌市健康づくり推進協議会において,市民,保健医療関係機関,企業などとの連携を深めてまいりたいと考えております。
具体的な推進に当たりましては,地域における活動が中心となりますことから,各区におきましても,仮称でございますが,区健康づくり懇話会を設置し,市民,関係団体などによる連携・協働した健康づくりを推進できるよう体制整備を進めているところでございます。
◆藤原廣昭 委員 まず,感染症指定医療機関について,再質問をいたします。
先ほど,道との折衝というか交渉の中身については伺いました。
再質問の1点目は,北海道知事による感染症指定医療機関の最終指定というか打診というのが,近々予定をされているというふうに思うわけです。その時期がいつごろになるのか。
そしてまた,仮に,本市として,感染症指定医療機関の整備のあり方についての基本的なスタンスというものを明確にしていく必要があると思うのです。先ほど,平成12年とかことしの3月に,そうした対応をしたということをお聞きしたわけでありますけれども,そうした基本的なスタンスについて,この時点においてどう考えているのか,改めてお伺いをしたいというように思いますし,こうしたことは,先ほどもお聞きをしましたけれども,先ほど言ったようなことと同じなのか,最終局面に来て,改めて本市のスタンスというものをお伺いをしたいと思います。
再質問の2点目は,道が所管をするところでありますけれども,札幌医大があるわけであります。札幌市民は道民でもあるわけでありますが,札幌医科大学の附属病院がありながら,なぜそこに感染症病棟を設置をしないのか疑問を持っている方も多いわけでありますけれども,このことに対して,本市は,北海道に対して具体的にただしたことがあるのかないのか。あるのであれば,北海道の考えはどうであったのか伺いたいと思います。また,このことをこれまでただしたことがないのであれば,最終局面に来たときに,本市としてはこういう問題を何らかの形で主張していかなければいけないと思うわけでありますけれども,この辺について,再質問の2点目として,お伺いをいたします。
再質問の3点目は,第二種感染症指定医療機関の整備は,余り時間も費用もかからないというふうに思うわけでありますが,逆に第一種の場合は,陰圧の専用施設や独立した空調や排水設備など,感染防止のための諸条件が求められているわけであります。そのために,第一種だけは,どこの医療機関が行うにしても一般的に新たな施設の建設が必要になると思われるわけでありますけれども,今から建設をしたとしても,来年の4月1日には間に合わないわけであります。
そんな意味では,この間5年間あったわけでありますけれども,余りめどがついていないという北海道の対応については,我々としても遺憾に思うわけでありますが,新たな施設が完成するまでの間に,仮に第一種の施設が必要となる感染症患者が発生した場合には,どのような対応をされるのか,伺いたいと思います。
次に,救急体制についての再質問でありますけれども,先ほどの答弁では,医療の空白時間についてはすべて解消していくということで,この間の,私ども議会のやりとり,考え方というのが,そしてまた,市民の皆さんの要望というのが大きく実現をしたことは評価をしたいと思うわけであります。そういう前進面もありますけれども,この中で,報告書を見ますと,例えば,現在の脳神経外科2次救急及び3次救急医療機関を含めた20施設の病院の常時協力体制から,予定されております新制度では,3次救急医療機関を除いた4施設の輪番制になることや,また,循環器や呼吸器が2施設から1施設となっており,対応する施設が減少しているというふうにも受けとめられるわけでありますが,この辺についてお伺いをしたいと思います。
あわせて,このような体制になった場合,救急車で搬送したり,あるいは他の方法で,当該病院に行く場合に,やはり対象病院が少なくなるために到着までの時間が今よりかかって,市民の生命に大きな障害にならないのかというようなことも含めて,再質問の1点目,お伺いをしたいと思います。
再質問の2点目は,消防局の搬送体制についてであります。
報告書の現行制度の課題の中でも,消防局の患者搬送体制の検討ということが,数項目のところで記載をされているわけでありますけれども,新制度の改善点のところには具体的な内容が示されておりません。
その課題とは,具体的に何であって,どのように改善をしようとしているのか,改めて伺います。
再質問の3点目は,市民要望の把握と反映についてであります。
私は,以前にも,この必要性について取り上げて質問をしてきましたけれども,それを踏まえて,2002年6月の広報さっぽろに,救急医療体制にご意見をとのタイトルの市民要望を求める記事があったわけでありますけれども,こうしたものがどのような内容になっているのかお伺いをしたいと思うわけであります。
また,再質問の4点目は,先ほども小児科の充実が強調されていたわけでありますけれども,夜間急病センターでは,現在,19時から23時までの準夜の勤務時間帯は小児科医も配置されておりますが,それ以降の深夜勤務時間帯は,調べたところ,必ずしも小児科医ではなくて内科医が2名配置をされているというような状況もあるわけであります。これはいろいろな事情があってそういうことが重なる場合もあるわけでありますけれども,やはり深夜勤務時間帯においても,極力内科医と小児科医を配置すべきように改善をすべきだと思うわけでありますが,この点について伺います。
健康づくりについての再質問でありますけれども,特に,今回の健康づくりの中には,ヘルシーコミュニティ促進事業というものが強調されているわけであります。この事業の目的についてお伺いをしたいというふうに思うわけでありますが,やはり以前,前市長のモデル事業の東区の取り組みなどでは,費用対効果というのが求められていたわけであります。しかし,今回のヘルシーコミュニティ促進事業の中では,事業評価というそういう字句は見られるわけでありますけれども,費用対効果というのが求められていないわけであります。一つの団体へ3年間に限って年間5万円の助成金が出るということであります。そんな意味では,貴重な税金を投資するわけでありますから,事業評価だけではなくて,費用対効果をきちっと出していくことが必要ではないかというふうに考えるわけでありますけれども,この点について,なぜ費用対効果を求めようとしないのか。
また,きょうは財政局もおりますけれども,こうした予算化をする際に,財政局としてはそうした費用対効果について求めてこなかったのか,今後,財政局としても新年度予算を編成する上で,そうしたことを考えていないのか,両部局に伺いたいと思います。
また,ヘルシーコミュニティ促進事業については,この事業は10年間健康づくりが進められていくわけでありますけれども,実施期間はいつまでを現時点で想定をしているのか,お伺いをしたいと思います。
それから,再質問の3点目は,大学や地域との共同研究であります。
他都市では,こうした取り組みも進められているところがあるわけでありますけれども,本市でも,今年度から国保の分野で,先ほどの質疑にもありましたが,国保ヘルスアップモデル事業というのが2005年度までの事業として取り組まれているわけであります。こうした取り組みについては,一定程度評価をするわけでありますが,健康づくりの視点から,本市も一定の地域などを対象に,大学や地域との共同研究でこうした取り組みをする考えや,また経済産業省の健康
サービス産業創造研究会の報告書なども参考にしながら,こうした取り組みについて考えていく意向はあるのかどうかについて,以上,再質問をいたします。
◎舘 保健指導担当部長 感染症指定医療機関についてお答えいたします。
3点ございましたが,1点目の北海道と関係医療機関との協議の時期及び札幌市の基本的スタンスについてでございます。
北海道が現在進めております関係医療機関との協議がいつ終了するかということにつきましては,道からはいまだ明らかにされていないところでございますけれども,この協議が不調に終わり,札幌市に第一種及び第二種感染症指定医療機関について,市立札幌病院への設置を正式に依頼された場合につきましては,札幌市民に対する責務としまして,生物テロですとか,重症急性呼吸器症候群,SARSなど,新たな対応が迫られております昨今の状況も踏まえた上で,札幌市民の生命と安全を守るためという視点から,最低限必要な病床数ということを考えまして,同病院に整備できるよう北海道と協議してまいりたいと考えているところでございます。(発言する者あり)
2点目の札幌医大への設置についてでございます。
感染症指定医療機関の設置につきまして,その進捗状況を北海道に聞きましたところ,札幌医大と協議をしたということについては聞き及んでおります。しかし,その協議内容につきましては,指定権者である北海道の責務において進められるものでありますので,札幌市にはその詳細は明らかにされてはおりません。
3点目の第一種感染症医療機関が未整備である現在の状況において,1類感染症患者が発生したときの対応についてでございます。感染症法では,緊急その他やむを得ない理由があるときには,市長は,特定及び第一種感染症指定医療機関以外の医療機関に入院させることができると規定されております。
したがいまして,患者の状態等を考慮した上で,他都府県にある第一種感染症指定医療機関に移送するか,あるいは道内の第二種感染症指定医療機関等で対応することになります。
◎竹谷 医療調整担当部長 お答えをいたします。
まず,1点目の2次救急医療体制の中の脳神経外科系とそれから循環器・呼吸器系の施設数についてお答えをいたします。
脳神経外科系につきましては,現在,3次救急医療機関の4施設を含めた20施設による常時協力体制により運営をされております。新しい体制では,2次救急医療機関と3次救急医療機関の役割を明確にした上で,3次救急を担う4施設は,本来の機能である3次救急医療に専念をしていただくということで,残りの16施設について2次救急を担う医療機関に位置づけをしております。
この16施設のうち,毎日4施設を輪番制とすることによりまして,その日の当番施設が明確となりまして,患者の搬送がより一層円滑になるということでございます。
なお,当番に当たっていないほかの12施設につきましても,現在と同じく患者の受け入れが可能となっておりますので,十分な体制が確保されることになります。
次に,循環器・呼吸器系の1日当たりの施設数が2施設から1施設に減少しているのではないかということでございますが,循環器と呼吸器,両方に対応できる医療機関が,現行の制度発足当時より相当数増加をしてきております。また,現在の患者数を勘案しても,1施設で十分対応できるというふうにお聞きをしております。
さらに,現行の休日のみの体制から,今度は年間全日体制に拡大されるということに伴いまして,医療機関の当番回数が増加をして,過重になるということにも配慮をした体制になっております。
次に,2点目の消防局の患者搬送体制について,何も書かれていないのではないかというご質問ですが,消防局の患者搬送体制につきましては,効率的な患者搬送が課題となっておりまして,これを検討するためには,新しい体制がどのようになるのかということを見据えた後に検討するという必要がありますことから,今後,消防局が設置をしております救急業務検討委員会におきまして検討を行い,本年度中に結論を出す予定であるというふうにお聞きをしております。
次に,3点目の市民意見の反映についてでございます。
救急医療体制検討委員会は,会議そのものを報道機関等にずっと公開をしてやってまいりました。また,その会議結果及び問い合わせ先につきましてインターネットで公表するなどして,市民からのご意見をいただけるように配慮をしているところでございます。
また,昨年の6月に,広報さっぽろにより,新たな救急医療体制に関する意見募集を行ったところでございます。このほか,これまでに本市や札幌市医師会夜間急病センターなどに直接寄せられましたご意見も含めて,合わせて20件以上のご意見等がございました。これらのご意見等につきましては,すべて検討委員会に提示をいたしましてご検討をいただいたところでございますので,市民意見が反映されたものというふうに考えております。
小児科の件でございます。4点目の深夜帯における小児科医の配置の必要性についてでございます。現在の夜間急病センターは,毎日準夜帯に小児科医を配置しておりますが,深夜帯は医師の確保が難しいために必ずしも小児科医が配置をされているわけではございません。多くの場合は,内科と小児科両方の診療ができる医師が小児科患者の診療を行っているという実態でございます。
委員のご指摘の点や,あるいは市民の要望等を考えますと,新しい夜間急病センターで深夜帯にも小児科医を配置するというのは望ましいことであるというふうには考えますが,年間全日の深夜帯に小児科医を確保しなければならないという問題がございますので,この点につきましては,その実現の可能性について,札幌市医師会と引き続き協議をしてまいりたいというふうに考えております。
◎北村 健康づくり担当部長 まず,第1点目のヘルシーコミュニティ促進事業の目的と費用対効果の関係でございますが,まず,目的といたしましては,健康づくりを目的とした自主活動グループの運営や活動に対して助成金を交付いたしまして,また,活動を始めようとするグループには相談などによる支援をしながら,地域住民の自主的で継続的な健康づくり活動を推進することを目的としてございます。また,これらがネットワークを築くことによりまして,健康づくりが地域全体に広がり,地域コミュニティーの活性化につながることも期待しているところでございます。
また,費用対効果などの検証についてでございますが,助成金の交付グループに対しましては,実施計画及び報告書の提出をいただくほかに,
アンケートにより,グループの自己評価と活動を支援している保健センターによる活動評価を行いながら,事業の効果判定をしております。
本事業を開始してわずか1年ではございますが,グループの自立度の向上,それから活動内容の充実,参加者の意欲の向上が図られるなどの効果が見られ,おおむね事業のねらいどおりに進捗しているものと考えられます。
この事業を通して,参加者一人一人の生活の質の向上を図ることが,健康づくりの目標となっておりますことから,個人の価値観や健康観,満足度なども効果判定の重要な要素であると考えております。
評価につきましては,札幌市健康づくり推進協議会において協議することとしておりますので,事業の費用対効果という視点も含め,検討してまいりたいと考えております。
また,2点目のこの事業の実施期間についてでございますが,本事業は,健康さっぽろ21の推進方策の一つとして14年度から実施してございますが,新まちづくり計画の事業評価との整合性も図りながら,健康さっぽろ21の中間年をめどに事業評価を行い,その後の事業のあり方について検討する必要があると考えております。
それから,第3点目の大学との共同研究の必要性についてでございますが,これまでの大学などにおける研究では,個別ニーズに応じた健康支援プログラムの提供及び科学的な効果分析などは,個人の意識,行動の変容を図る上で有効な方法であると報告されております。このような科学的根拠に基づいた保健
サービスの提供を行うことは,これからの地域の健康づくりを進める上では重要なことでございまして,今後の課題と考えております。
また,国保ヘルスアップモデル事業の医療費効果の結果を見まして,その他の保険者への普及などについて検討してまいりたいというふうに考えてございますし,さらに,産業との関係でございますが,どちらかというと企業を主眼にしているため,どこまでの協働ができるかという点について経済局と話し合いを行っている状況にございます。
◎渡邊 財政課長 再編成における費用対効果の視点がないのかということについてのご質問でございますけれども,再編成といいますか,事業の実施の可否を判断するに当たって,当然にして費用対効果の視点というのは欠くべからざるものだと思っています。しかし,費用対効果と申しますときに,費用というのは予算でありますから,すぐ金目で幾らというのは見えます。ただし,効果というのは100の予算を使って120の効果が上がったという簡単に定量的に見える部分と定性的なものがありますので,効果と言葉では言うのですが,なかなかそこの部分の判断というのは難しいところがあるというのが実情でございます。
◆藤原廣昭 委員 財政課長の答弁でありましたけれども,そういうことを踏まえて,東区でやったモデル事業のときには,そうしたことがきちっと検証できる方策というものを前提にして,3年間取り組もうということでやってきたわけですよね。ですから,今言われたように,私も1年単位というものを求めるという気はありません。先ほど申し上げたように,申請すれば,1団体が3年間で15万円もらえるわけですから,やはり3年たった時点で,少なくとも費用対効果がきちっと判断できるような手法というものがなくてはいけない。
私は,この間の委員会での質問や代表質問の中でも,やはりそうしたことについての必要性というものを強く主張してたわけでありまして,部長からはそうしたことを検討していきたいということであります。ぜひ,財政局としても,そうしたものを今後関心を持っていただきたいというふうに思うわけであります。
続いて,感染症指定医療機関についての質問をいたします。
部長からは,もし,他の機関がすべて断った場合には,最低限度の施設を札幌市としては判断をしなければいけないということであります。調べてみましたら,第一種のベッドには年間300万円,第二種のベッドには年間100万円と,北海道の場合を例にして,仮に100%札幌市が受けた場合に,第一種はベッド数は2床,第二種は10床ですから,年間1,600万円のそうしたお金が札幌市に来るわけでありますけれども,これだけでは,当然,維持管理も含めてできないと思うわけであります。私ども民主党としては,基本的に,やはり道立の医大の附属病院などもあるわけでありますから,そういったところに前向きに検討してもらうべきだというふうに考えているわけであります。しかし,仮にいろんな事情があって,部長の言われるように最低限受けざるを得ないという状況になったときに,建設費はもとより,完成後の維持費用というようなものは市立札幌病院に一切負担をかけないということを約束ができるのかどうか,そのことについて,1点のみ伺いたいと思います。
それから,夜間急病センターの関係ですけれども,これはCTの関係だけに絞って再質問をさせていただきたいと思います。
この間も,私は,主張,提言も含めてさせていただきましたけれども,医師会では,今,古い装置かもしれませんけれども,エックス線の装置を持ちながら,技師を準夜帯までは置いているけれども,深夜帯は置いていないわけです。やはり,本当に医師会が幅広い年齢層の命を守っていくのだとすれば,いろんな事情があるにしても,例えば,肺に水がたまったとか,腸がねじれたとか詰まったとか,エックス線でも大方のものはわかるというふうにされているわけであります。そういう患者が来るかもしれないわけでありまして,夜間救急病院の性格からすれば,なぜ,そうしたものがこれまできちっと取り組まれていなかったのか。また,運営主体は医師会であったとしても,札幌市もそれに必要な補てんをしているわけでありますから,そうしたことをなぜ要請してこなかったのか非常に疑問の残るところであるわけであります。
また,画像診断が必要だという答弁でありました。それも当然だと思いますけれども,それであれば,もっと市民の命を大切にして,2次医療機関に搬送するのであれば,多少お金がかかっても仕方ないと思うわけでありますが,では,画像診断の医師などもそこに置くような努力ということはないのか,改めてお伺いをしたいと思うわけであります。
最後に,健康づくりの関係でありますけれども,先ほど来から部長からもいろいろ新しい札幌の健康づくりの内容について,報告と答弁がありました。しかし,いろいろ基本計画だとか関係の資料を見てみますと,これはあくまでも基本計画であって,これを具体化する実行計画というものが全く明らかにされていないわけであります。基本計画の中にも,先ほど部長の答弁にあったような推進施策は出ておりますけれども,望ましいとか必要だとかいう表現に終わっていて,行政として,その企業や地域に何をしていくのかということが全く明らかになっていないわけであります。健康日本21の具体的な手引きを見ても,できれば基本計画とあわせての行動計画が望ましいと記されているわけであります。やはり,過去20年間の札幌市の健康づくりにおいても,そうした具体的な実行計画がなかったがゆえに,いろいろなものが途中半端に終わっていたのではないか。多少成果のあるものもあったと言えると思います。
こういう状況の中で,私は,改めて20年間の札幌市の成果と教訓というものをお聞きをしたわけでありますけれども,その中に実行計画がなかったという教訓の言葉が出てこなかったことは大変残念に思うわけであります。
そんな意味では,この実行計画をつくる予定があるのか,予定があるのであれば,いつごろをめどにして取り組む考えなのか,あわせてお伺いいたします。
また,私は,代表質問の中でも,こうした健康づくりを進めていく上では,5点の重要な課題というものを提言させていただきました。今申し上げた実行計画もそうでありますけれども,やはり健康づくりの計画,実行,評価,改善を取り入れたパートナーシップ型の健康づくりの実現というものを図っていかなければならない。これは本市のISO14001の中でもそうした基本的な姿勢が示されているわけでありますけれども,本市の健康づくりの中には,部長の答弁では,5年後の中間年に見直すということでありますが,どのような手法においてこれを見直し,評価をして,改善をしていくのかということが明らかになっていないわけであります。始まったばかりだと言うのかもしれませんけれども,本市がこの基本計画をつくるのに2年かかっているわけでありまして,またさらに数年の時間を必要とするのであれば,もうあっという間に中間年が来てしまうわけであります。
この点について,どのようにこの計画の見直しを評価していくのか,それを改善していくのか,その手法について,今後,どのように考えていくのか,再質問の2点目に伺います。
3点目は,札幌市健康づくり推進会議設置要綱というのが,ことしの2月19日に局長決裁で出されているわけであります。これには,学識経験者や市民団体,そしてまた地域の代表ということで,何人かの方の枠が保証されているわけでありますけれども,一般市民の公募という,そういう枠が保証されていないわけであります。やはり,私ども民主党としては,こうした健康づくりについては,幅広く多くの皆さんが参加していく意味で,早急に局長決裁の設置要綱というものを見直して,市民の公募も取り入れるようにすべきだと思うわけでありますけれども,どのように考えているのか,3点目にお伺いいたします。
最後の質問でありますけれども,今まで申し上げましたように,皆さんが一生懸命取り組んできたことは私も認めるわけでありますけれども,やはり実行計画というものがなかったがゆえに,なかなかその方向性が定まらないという問題も一方ではあったと思うわけであります。
いろいろ調べてみますと,助役直轄のプロジェクトチームや推進会議というのもあるわけであります。私は,この健康づくりというのは,市長がこれから進める街づくりの上で極めて重要な位置にあると思うわけであります。そんな意味では,今,市長の改革プランや新まちづくりプランの中でも,そうした項目の大きなくくりの中でプロジェクト的な扱いはされておりますけれども,これはあくまでも新しい街づくりのプランの中での位置づけでありまして,向こう10年間この健康づくりをどう具体的に実行計画に基づいて推進をしていくのかという,プロジェクトチームという表現がいいのか,あるいは推進会議というのがいいのか,同じような似た名前の機関は保健福祉局にもありますが,具体的に実行していく,助役をトップとしたこうした会議を設置をして進めていかないと,私はまた過去のような過ちを繰り返すのではないかという危惧をするわけでありますが,この点については助役の方へ,どのように考えているのか,以上,質問いたします。
◎舘 保健指導担当部長 市立札幌病院の財政負担についてでございます。
整備に伴う工事費や運営後の維持管理費などにつきましては,保健福祉局,市立札幌病院,財政局によりまして,どのような形で予算づけしていくことが札幌市として効率的で,かつ,実際的かなどの視点を持ち協議を進めてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても,札幌市への設置について,北海道と協議が必要になる場合には,市立札幌病院を含め,札幌市全体が過度の負担を強いられることのないよう,北海道に対しまして整備費補助金や運営費などによる相応の財政負担を強く求めてまいりたいと考えております。
◎竹谷 医療調整担当部長 CT導入に対する考え方でございますけれども,夜間急病センターは,新しい夜間急病センターの整備と新たな救急医療体制の整備,これが相まった時点で,今よりもさらに充実した体制をとっていこうという考えでございます。
繰り返しになりますけれども,夜間急病センターに来られる患者さんに的確な診断を行った上で,新しく整備されます2次救急医療機関に適切に搬送をするということと,先ほど申し上げましたが,小児科の患者さんはなかなかうまく症状が表現できないということで,そういう患者さんへの対応,あるいは画像診断を必須とする医師が今後ますますふえてくるというような,実際に救急患者さんをごらんになる現場のご意見も踏まえて,さらに,今後,緊急医療の専門家のご意見等もお伺いをしながら,CTの導入について検討してまいりたいと思っております。
当然,技師等の人の配置についても,あわせて検討すべき事項であるというふうに認識をしております。また,読影のために専門に医師を配置する必要がないのかというお話でございましたが,現在の夜間急病センターにおきましても,CTの読影ができる医師はたくさんおられるというふうにお聞きをしております。また,ふだんの診療でCTをお使いになっていない医師につきましても,医師であれば数日の研修で読影が可能になるというふうにお聞きをしております。
また,医師会では,必要があれば研修等を行ってレベルアップを図るというお考えもあるようでございますので,読影のためだけに専門の医師を置く必要はないというふうにお伺いをしております。
◎北村 健康づくり担当部長 実行計画,それから改善のサイクルについて,それからこれがいつごろまでにできるのかということでございますが,実行計画の策定,それから改善のサイクルについてでございますが,健康さっぽろ21は,市民一人一人が生涯を通じて健康を実現するための指針として策定したところでございます。札幌市では,健康さっぽろ21を推進する方策として,「地域の特性を生かして」「関係機関が連携して」など,五つの基本戦略を掲げてございますが,その具体的な展開方法などを明らかにした事業計画の必要性については認識しているところでございます。現在策定中であります新まちづくり計画ですかとか,次世代育成支援対策推進法に基づく市町村行動計画との整合性を図りながら,今後,札幌市健康づくり推進協議会におきまして改善サイクルにつきましても,あわせて検討を進めてまいりたいと考えております。
ただ,時期の明示でございますが,なるべく早期にとは考えてございますが,現段階では明示できる状況ではございません。
それと,3点目の札幌市健康づくり推進協議会への市民の参加につきましては,現在,設置しております推進協議会には学識経験者,保健医療関係者,それから健康保険団体,市民団体に加えて,市民の代表として地域組織の代表者の方々にも参加していただいております。また,健康づくりの推進に当たりましては,主体でございます市民の参画が重要でありますことから,各区で開催することとしてございまして,仮称でございますが,区健康づくり懇話会におきましても,積極的な参加を求めてまいりたいと考えております。
◎小澤 助役 健康づくりというのは,地域の住民組織がまず主体になるわけですけれども,その地域住民組織と行政が協働で進めていくということが何よりも肝心なことだと思っております。
そこで,行政の中の組織はどんなのがいいのかということについてでありますが,上田市長がおっしゃっています,スピード,スリム,それから
サービスの向上というような観点と,行政の施策が効果的に進められていくという観点から,どんな形がいいのか検討してまいりたいということであります。
◆本郷俊史 委員 SARS対策とアレルギー性疾患対策について,2点お伺いをしたいと思います。
重症急性呼吸器系症候群,SARSにつきましては,まだ記憶が新しいところでございますけれども,ことしの2月から5月にかけまして,短期間のうちに全世界で32の国・地域で,可能性例も含めて発生状況は8,422例で,そのうち死亡された方が916名ということで,大変世界的脅威になったわけでございます。
最後まで感染地域として残っていた台湾について,この7月にWHOで指定解除になりまして,一応は終息という感もするわけですけれども,しかし,ウイルスがなくなったわけでは当然ないわけでございます。先ほども質疑がございましたけれども,これに対する対策を当然していかなければいけない,こういうことかと思います。
そこで,まず第1点,国の方でことしの4月に感染症予防法に基づく感染症,こういうふうに指定をいたしまして,道の方でも行動計画をつくりましたし,本市においても,この6月にSARS対策の行動計画を策定をされたと。また,患者が発生した場合の搬送用の専用の寝台,アイソレーター,これも購入をされて,さまざまな取り組みをされていると思いますけれども,最初に,本市におけるこれまでの対策について確認をさせていただきたいと思います。
それから,アレルギー対策についてですけれども,1995年当時の厚生省の調査で,乳児において29%,幼児において39%,小学生35%,成人においては21%,実に国民の3人に1人が何らかのアレルギー性疾患があると,いわゆる現代病,あるいは国民病,こういうふうに言われているわけでございます。根本的な治療法というのがまだ確立されていない中で,さらに増加をしていると。こんなことで1999年,公明党としてアレルギー疾患対策プロジェクトを立ち上げて,これまでさまざまな取り組みをしてまいりまして,アレルギー制圧10カ年戦略,これも立てさせていただきました。この間,国立相模原病院に免疫・アレルギー専門の臨床研修センターが新設をされ,国の方でも対策が進んでいるわけでございます。
本市におきましても,昨年の9月に,本市において初めてアレルギー性疾患に関する実態調査が実施をされました。1歳6カ月健診,それから3歳児健診にあわせて5,000名の方を対象に実施をいたしました。その結果,1歳6カ月児で,アレルギーの診断がありと答えられた方が19.7%,約2割,3歳児においては31%と,本当に先ほどの話のとおり,3人に1人というくらいの割合でございます。また,疾患の種類でいうと,アトピー性皮膚炎が断トツに多いわけであります。あわせて,困っていることの中では,やはりなかなか正しい情報がわからない,あるいは間違った情報も大変はんらんをしているという,こういうことが挙げられているわけでございます。
今,アレルギー性疾患普及啓発事業ということで,保健センター等での相談体制の充実だとか取り組みをされるということですけれども,あわせて相談用のマニュアルを作成されるということでございますが,現在作成している相談用マニュアル,この内容と配布先について,まずお伺いをいたします。
◎舘 保健指導担当部長 私から,重症急性呼吸器症候群,SARS対策についてお答えいたします。
これまでの札幌市の対策についてでありますが,委員からもお話をいただきましたけれども,札幌市では,札幌市重症急性呼吸器症候群対策行動計画を策定いたしまして,これに基づき対策を講じてきたところでございます。
未知の全く新しい感染症であるSARSに対する市民の不安を解消するため,広報さっぽろやホームページによりまして,SARSに関する情報をお知らせするとともに,保健所,保健センターにおける相談体制の整備を図ったところでございます。
さらに,ホテル等の宿泊施設関係者及び医療関係者に対しまして,研修会などを通じSARSに関する情報提供に努めてまいりました。また,SARS患者の発生地域では,医療機関内での感染拡大が多く認められたことから,SARSの疑い症例の初期診療を市内8カ所の特定病院で外来対応し,院内感染の防止を図るとともに,SARSの所見があった場合には,陰圧の病室を有する市立札幌病院南ヶ丘診療所を入院医療機関とする体制を整備してまいりました。
そのほか,7月には,外来対応病院,南ヶ丘診療所,消防局,保健福祉局で実地訓練を共同実施し,SARS患者の発生に備え,関係機関の連携を強化したところでございます。
◎北村 健康づくり担当部長 私の方から,アレルギー性疾患対策についてお答えをさせていただきます。
相談マニュアルの内容と配布先についてでございますが,内容につきましては,アトピー性皮膚炎,食物アレルギー,ぜんそく,アレルギー性鼻炎の4疾患に関し治療法,日常生活上の留意点等につきまして,国が開催しているアレルギーの四疾患相談員養成研修会のテキストなどを参考にして作成いたします。
マニュアルは,保健センターの医師,保健師,栄養士など,相談業務に携わる職員及び新生児訪問指導に従事する訪問指導員,教育委員会などの関係者に配布し,広く内容の周知を図りたいと考えております。
◆本郷俊史 委員 まず,SARSについてですけれども,先ほど申し上げたとおり,今現在は終息をしているわけですけれども,特に,気温が下がる冬にこの感染力が強くなるという研究報告もございます。したがって,冬場の再発予防といいますか,こういったことが特に大事になってくるかと,初期症状は大変インフルエンザと似ていて,くしゃみ,発熱ということで,そういった意味では,特にインフルエンザの流行が懸念される冬場に対して対策を講じていかなければならないというふうに思っているわけです。
国の方では,インフルエンザワクチンを対前年比で4割増,今一生懸命ワクチンをつくっていると,こんなような記事もございます。要するに,インフルエンザの予防接種を受けておくことによって,そういった症状が出たときに,SARSの可能性も早期に発見できると。
本市でも,1999年でしたか,インフルエンザが大変流行して,全国的に高齢者が亡くなるということがあって,この予防接種を1,000円で実施できるということで取り組んでいらっしゃるわけですけれども,そういったことも含めて,今冬の再流行に向けた対策が必要と思うわけですが,その対応についてお伺いをしたいというふうに思います。
それと,今回は,幸いに,日本では患者が発生しなかったわけですけれども,感染した台湾人医師が国内を旅行したということで大変問題になりました。特に,SARSの場合は,感染力というよりは,いわゆる咳とかくしゃみ,そういった飛沫による感染ということで,特に,患者が泊まったホテルだとか,あるいは飲食店だとか,こういったところから,例えば,患者が発生したり,あるいは感染した観光客が来札をしたといったとき,そういったホテル名だとか飲食店名の公表,これは当然,2次感染を防ぐために必要なわけですが,一方,風評被害ということもあるわけでございまして,この辺についての見解を2点目にお伺いしたいというふうに思います。
それから,アレルギー対策についてですけれども,今,お話がございましたけれども,今後の対応についてであります。
昨年,実施をした
アンケート調査,実態調査で,
アンケート調査のほか別に自由記載欄に要望や苦情を書いてくださいという項目がございまして,ここに約240件ぐらいさまざまな書き込みがございました。
今,マニュアルについてご説明がありましたけれども,これはやはり医師だとか栄養士だとか保健師だとか,そういった方たちのためのマニュアルでございまして,最初に申し上げた,いわゆる正しい情報を欲しいという,患者を抱えるお母さん方,この方たちは,マニュアルを見ても実際に自分が知りたい情報,病院だったり,あるいは薬に対する知識だったり,そういったことは今のマニュアルではなかなか難しいのかなと。したがって,もっとわかりやすい,患者の側に立ったマニュアル,せっかくつくるわけですから,その中から治療法などを抜粋して,そういった市民用のマニュアルの作成ということを考えられないかと。
それから,
アンケートに多かった中で,病院ですね,特にアトピーの場合は,一番多いのは皮膚科,小児科にまず通うわけですけれども,病院によって治療方法がまちまちであったり,お母さん方に対して親切に説明してくれないだとか,なかなか苦労されているわけでございます。こういった病院の情報,そして,今言いました薬の情報,特にステロイドの正しい使い方だとか副作用もきちんと説明する,そういった情報,また,やはり子供さんのためにと,多額なお金を使って誤った民間療法に行ってしまったというようなこともございます。
市民に対してこういったことの正しい情報の提供をどう行っていくかということをお聞きしたいと思います。
あわせて,私もいろんな懇談会に参加する中で,アレルギーの子供さんを抱えて大変苦労されているお母さん方,自分もアレルギーで,なおかつアレルギーの子供さんを3人も抱えていて,講演会だとか,そういったところへ聞きに行きたいのだけれどもなかなか行けないと,こういうお母さんの悩みも聞いております。
そういった中で,保健センターの役割,保健師の役割,これに関して,
アンケートの中で結構厳しい意見がございます。相談に行っても保健師さんは,教科書的な話で通り一遍のことしか言わない,もっと具体的なアドバイスをもらいたいのだけれどもそういう知識,勉強が足りないと。あるいは,もう二度と来てほしくないというような強烈な意見もあって,もっと保健師はきちっと勉強をしてほしいと,このようなお話もございました。
このようなことも含めて,そういった患者のお母さん方に対するケア,あるいは保健師に対するレベルアップといいますか研修といいますか,この点について,あわせてお伺いいたします。
◎舘 保健指導担当部長 1点目の今冬の再流行に向けた対策についてでございます。
この冬にもSARSの再流行が懸念されておりまして,さらに,SARSの発生とインフルエンザの流行が重なった場合,委員ご指摘のとおり症状が似ていますことから,SARSに感染している人がみずからインフルエンザと誤認し,感染を拡大させてしまうおそれもございます。
このようなことから,市民に対し,広報さっぽろやホームページにより,再度,SARSに関する情報提供を行うとともに,インフルエンザの予防につきましても,注意喚起してまいりたいと考えております。
また,患者発生時に迅速かつ適切な対応を図り,2次感染の拡大を最小限に抑えるため,7月に実施した医療機関,消防局との合同訓練に続きまして,保健所,保健センターによる疫学調査の訓練を11月に行うなど,SARSに関する危機管理に引き続き取り組んでまいる所存でございます。
続いて,2点目の患者発生時の対応についてでございます。
海外旅行から帰国した市民や札幌市を訪れた観光客などから,SARS患者が発生した場合は,札幌市の行動計画に基づきまして,陰圧の病室を有する市立札幌病院南ヶ丘診療所に患者を移送するとともに,患者や接触者に対する疫学調査や患者利用施設の消毒指導などSARSの蔓延防止のために必要な措置を迅速かつ適切に講ずる所存でございます。
また,市民の不安軽減を図るとともに,無用な混乱を避け,不必要な不信,不安を招かないために,患者が発生した場合は,人権に十分考慮した上で,患者の性別,年代,国籍,渡航地域,病状などについて情報提供をいたします。
さらに,ホテル名,飲食店名などの公表につきましては,SARSの蔓延防止のため公表する必要がある場合には,対象施設等の協力を得て,個別の名称についても公表いたしたいと考えております。
◎北村 健康づくり担当部長 私の方から,アレルギー性疾患対策に対する今後の対応についてでございますが,まず,正確な情報という点につきましては,保健センターで相談に従事する職員が,マニュアルに基づく知識を踏まえながら,相談者の状態に応じた適切な情報提供が行えるよう職員に対する研修をさらに充実してまいります。
また,市民に対する正しい情報提供の方法として,保健福祉局ホームページに病院情報ですとか薬に関する問い合わせに対応するため,アレルギー学会のホームページをリンクして活用したり,冊子の配布などを検討してまいりたいと考えております。
また,次に,母親の心のケアについてでございますが,個別,専門的な治療にかかわる悩みにつきましては,医療機関で対処していただくことが基本となりますが,保健センターの乳幼児健診などの機会を活用し,母親の悩みを受けとめ,心の負担を軽減できるよう支援してまいります。
保健師の資質につきましては,今後とも,マニュアル等に基づきまして,相談の質の確保に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
◆本郷俊史 委員 9月29日の新聞の記事でございますけれども,SARSの感染を30分以内に8割以上の精度で判定できる検査キットの開発に厚生労働省などの研究班が成功したという記事がございました。特に,2次感染を防止するためには初期の段階で,これはインフルエンザなのかSARSなのかということを判断しなければならない。今の判定方法であれば半日以上かかってしまうことから,空港で検疫所を通る間にはわからない,そういったことで,台湾の医師の話もあるわけです。こういったキットが開発をされたと,そして,検査1回当たりの費用は数百円以内,大がかりな機器は必要ないということなのですけれども,こういった情報についてどの程度把握をされていらっしゃるか。そして,もし,これが実用化ということになれば,本市として,このキットの活用についてどのように考えているかということをお伺いしたいと思います。
それから,アレルギー性疾患についてですけれども,今回札幌市で行った調査は,いわゆる乳幼児を対象にした
アンケート調査でございました。しかし,私がいろんな団体の方々と懇談をしていく中で,いろいろお聞きすると,思春期になってから,あるいは大学に入ってから,生活の環境の変化でアトピーが発生して,逆に成人になってから発症した方が症状が重いというようなことでございます。こういった成人の方々に対する対策といいますか対応といいますか,この辺について,最後にお伺いしたいというふうに思います。
◎舘 保健指導担当部長 検査キットの状況でございますけれども,SARSを判断できる迅速検査キットにつきましては,試験室段階での有効性が確認されたところで,臨床応用に向けてさらに検討を進めているところというふうに,厚生労働省の方に確認したところでございます。
今後,この検査キットが実用化されることとなりました場合には,SARS疑い症例の初期診療を行う外来対応病院などに十分供給されるよう,必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
◎北村 健康づくり担当部長 思春期から,大人になってから発症するケースへの対応についてでございます。従来から電話や窓口での相談には随時対応しているところでございますが,今後とも,マニュアルに基づき相談の質の確保に努めるとともに,保健福祉局ホームページの活用などを図ってまいりたいと考えております。
◆井上ひさ子 委員 私の方からも,SARSの対策についてと妊婦健康診査について伺います。
SARSのことについて言えば,今,段々のお話もありまして,行動計画に基づきながら進めているというのがよくわかりました。それで,簡潔に具体的なことをお聞きします。
千歳空港でSARSが発生したと,観光客などから患者が発見された場合,その対応について伺います。
それと,検疫所との関係ですが,水際で第一にとらえて,そこで対策を打つということが本当に大事だというふうに思うのですが,この検疫所との連携をどのようにとられるのか,伺いたいと思います。
次に,妊婦健康診査について伺います。
現在,母子健康手帳の交付を受けますと,その中に,女性が安心して妊娠,出産をするための大切な検査を受ける受診票が1枚とじ込まれています。これを利用して問診及び診療,それから梅毒血清反応,超音波の検査など,8項目にわたる検査を1回だけ無料で受けることができます。安定期に入るまでは月2回受診が必要であり,大変大きな負担になっています。この健康診査を他の政令都市では,前期と,それから体が大きく変わり子供さんも成長する時期の後期に分けて2回無料で行っている,こういうお話を聞いておりますが,政令市の中で,札幌市のように1回のところがあるのかどうか。また,実施状況についてお尋ねします。それと,受診率についても,伺っておきたいと思います。
◎舘 保健指導担当部長 SARSの対策についてお答えいたします。
1点目の千歳空港で患者が発見された場合の対応についてであります。
全国の検疫所では,SARSの流行に対する水際対策として,伝播確認地域からの入国者に対し,質問票を航空機内で配布するとともに,体温測定を行うなど,健康状態の確認体制を強化していたところであります。今後,SARSが再流行し,千歳空港でSARSが疑われる入国者が発見された場合には,小樽検疫所の千歳空港検疫所支所が,検疫法に基づく患者の入院等を委託している市立札幌病院南ヶ丘診療所へ搬送し,診察や入院等の必要な措置がとられることとなっております。
2点目の検疫所との連携についてでございます。
千歳空港でSARS患者が発見され,患者が札幌市民,または外国人観光客等で,南ヶ丘診療所に入院の場合には,千歳空港検疫所支所から検疫法に基づく通知が札幌市にございますので,これを受け,直ちに保健所が患者に対する疫学調査等を実施することになります。
また,SARSのような事態に備えるため,札幌市と小樽検疫所,北海道厚生局,北海道の四者により,大規模感染症対策北海道連絡協議会を設立し,情報の共有化や患者発生時の協力・連携体制を構築しているところでございます。
◎北村 健康づくり担当部長 私の方から妊婦健康診査についてお答えをさせていただきます。
他の政令指定都市の実施状況についてでございますが,健診項目につきましては,各都市ともおおむね血液一般,尿検査,肝炎ウイルス検査,梅毒血清反応検査などを実施するとともに,出産予定日において35歳以上の妊婦に対しましては,超音波検査を実施しているところであります。
実施回数につきましては,札幌市と同じところとしましては京都市がございます。また,受診率についてでございますが,平成13年度の札幌市における受診率は95.6%であり,政令指定都市の中では4番目に高い受診率となってございます。
◆井上ひさ子 委員 今,千歳空港が一番こういう確率が高いなというふうに私はお聞きしました。これについて言えば,札幌市では感染症対策連絡協議会を開催して,小樽検疫所も含めてそういう体制に入っているということですので,そういう方向で万全の対策で臨んでほしいと思います。やはり,今,疑いのある患者さんを見分けるという,そこのところが本当に大事であり,第一線で活躍している病院の先生,看護師さん,そういう中での院内感染を防ぐ,これが,やっぱり市中に拡散していくのも防ぐという,そういう立場でのSARSの対策が私は一番大事なポイントになるというふうに思うものですから,万全の対策で臨むことを求めておきたいと思います。
妊婦健診についてなのですが,ほとんどのところは2回実施されていますね。やられていないのは京都市と札幌市ということで,体が大きく変わるときと2回健診するということが本当に求められているのかなというふうに思うのです。受診率についても,一番高いのが仙台,広島,そして札幌は4番目のところにきています。この健診は,
お聞きしましたら8,000円から1万円の負担がかかっているのですね。こういう中で,札幌市においても,やはり他都市並みに妊娠,出産にかかる負担を軽減していく,そういうふうに考えて,本当にこれを見直して,2回やっていくということが,私は今求められているのではないかというふうに思うものですから,改めて伺います。
◎北村 健康づくり担当部長 妊婦健康診査の健診回数をふやすことについてでございますが,母子の健康を守るために重要なことと認識してございますが,健診回数の増加には多額の財政支出が伴いますことから,慎重な検討を要する課題であると考えてございます。
◆井上ひさ子 委員 きょうの新聞ですが,札幌市の2002年の合計特殊出生率が1.04から1.06になったと,歯どめがかかったと。私もそういう方向でいってほしいなというふうに思うのですけれども,やはり,なぜ子供を産み育てることができないのかという,それが大変な,そういう社会になっているというところなのです。ですから,今のご答弁では,本当にいただけないなというふうに思いますので,ぜひともこれは検討していただきたいと思います。
そこで,他都市を私は見てみました。札幌と同じ検査項目で行っている川崎とか横浜,大阪,ここは検査の項目が一緒なのです。他のところでは検査項目が違うのです。これは医療機関と連携をとりながらそういう形で進んできたのかなというふうに思うのですけれども,調べましたら,札幌市において,流産,早産や妊娠中毒症など,この原因になる甲状腺機能検査というのを受けている方が大変多いのです。この健康手帳にもそういう検査もありますよということで書かれておりまして,この数字を見ますと,2002年で9,474人,59%のお母さん方が受けておりました。2001年度は56.9%,6割の方が受けて,この間,3ポイントほど下がって減少しているのがちょっと気になるのですが,これは,多くの方が流産とか早産,後期に起こる妊娠中毒症を防ぎたいという中で,実費で1,000円かかるということですけれども受けているのです。
この辺について,医療機関との連携もとりまして,検査の項目などをやはり一度検討していただきたい,そういう考えをお持ちかどうか,伺っておきます。
◎北村 健康づくり担当部長 健診項目の拡大に関する考え方についてでございますが,委員ご指摘のとおり,医療機関において,母体,胎児の安全及び感染予防などの面からさまざまな検査が実施されているところでございまして,検査項目の追加につきましても,専門医の意見を聞きながら,各検査の有効性などについて研究してまいりたいというふうに考えてございます。
◆井上ひさ子 委員 今,研究してまいりたいということなのですけれども,ぜひとも検討に変えていただきたいというふうに思うのです。ちょうど近所におります,来年3月にお産する方に聞いて,医療機関ではどうなっているかということを私は知ったのですが,無料券を使って受診をしましたら,お金は余りかからないので検査しませんかと勧められまして,その中で甲状腺機能検査と風疹,血液等四つぐらい受けて,そして会計窓口に行きましたら9,300円ですと言われてびっくりしたのですけれども,検査を受けて,何ともなくて安心したと言うのです。無料の受診と一緒に合わせて,やはりお医者さんとしても必要なところ,そして母体としても,先ほど言った甲状腺機能検査というのは勧められると,やっぱり皆さん受けていくのですね。だから,1回無料の受診分というだけではなくて,いろいろと重なって,そういうふうな金額の支払いをしているという,そういうことがわかったのです。
私は,こういうことを考えたときに,本当に少子化にはいろんな対策が必要だというふうに思うのですけれども,こういうところにも実際に目を向けていただいて,検討していただくことを強く要望して終わりたいと思います。
◆芦原進 委員 私で最後でございます。
つるべ落としの質問をさせていただきたいと思いますので,どうかよろしくお願いいたします。
私は,市長の元気ビジョンの中に,すこやか健診の見直しということがありましたので,若干これに触れて質問させていただきます。
生活習慣や社会環境の変化に伴って糖尿病,高血圧,心臓病などの生活習慣病が増加しています。特に,糖尿病は放置しますと,ご存じのように脳卒中だとか,また足を切断したとか,また目が見えなくなったというような合併症状が起こってくる非常に怖い病気であります。
生活習慣病は日ごろから健康的な生活習慣を身につけ,また,心がけをすることが大事だと思います。あわせて,健康診断などを定期的に受診し,健康管理と病気の早期発見が何よりも大切なことだと思います。
本市では,こうした生活習慣病の早期発見と予防を目的として,ふだんなかなかこのような健康診断を受診する機会が少ない,40歳以上の市民の方を対象にした,すこやか健診を昭和62年から実施しております。年に1度の健診によって,その受診結果から自分の健康状態が把握できるわけであり,市民の皆様の健康保持・増進を図る上で重要で欠かせないものと考えております。
そこでまず,3点について質問をいたします。
1点目,過去5年間のすこやか健診の受診率はどの程度になっているのか。2点目,受診率は事業計画での目標値に対してどの程度達成しているのか。3点目,他の政令都市と比較して本市はどの程度の状況なのか。
以上,3点お願いいたします。
◎北村 健康づくり担当部長 すこやか健診についてお答えいたします。
すこやか健診の現状についてでございますが,まず,過去5年間の受診率につきまして,平成10年度は28.6%,11年度は31.9%,12年度は34.7%,13年度は37.8%,14年度が42.2%となってございます。
次に,目標値に対する達成度でございますが,現在,すこやか健診にかかわる目標値といたしましては,ことし4月からスタートした本市における健康づくり指針でございます健康さっぽろ21におきまして,10年後の平成24年度でございますが,受診率の目標値を50%としてございます。現在までの状況を見ますと,ただいま申し上げましたとおり,受診率は毎年約3ポイント程度の伸びを示しており,平成14年度で42.2%でございますから,このままでいきますと計画目標の50%は目標年次までに達成できるのではないかというふうに考えてございます。
次に,他の政令指定都市との比較における本市の位置でございますが,他の政令指定都市と比較いたしますと,仙台市が54.3%,名古屋市が54.0%,千葉市が45.6%,大阪市が42.9%,これに次いで,12都市中5番目という状況でございます。
◆芦原進 委員 今,ご答弁いただきまして,受診率が年々非常に上がっていると。13年度は自己負担が500円から800円に上がったのですが,やっぱり伸びていますということで,非常に伸びているということはよくわかりました。また,目標が10年後に50%という目標でありますが,やはり市民の健康管理でありますから,もっと高い目標値を持ってもいいのではないかと,そういう思いもいたします。
また,政令都市では,上の方にランクされていると。私の手元の資料によりますと,仙台市は先ほど話がありましたように54.3%,これは受診料の自己負担が2,300円なのですね。札幌市は800円ということで,仙台市は高いけれども受診率はいいという,そして,神戸市は無料なのですが26.1%というように,お金の大小にかかわらないなと,何が違うのかなと,これはしっかりと私も仙台市の方を勉強してみたいと思います。
次に,今は健診にかかる費用が800円の自己負担になっています。今後もさらに見直しが検討されるのか,お尋ねしたいと思います。
それとともに,我が党の青山議員より代表質問で,敬老パスの見直しについて質問をしました。このすこやか健診も敬老パスと同様に,行政
サービスの水準と市民の負担のあり方についての検討を進めていく事業の一つとして示されていますが,今後,どのように検討されようとしているのかも,あわせてお尋ねいたします。
◎北村 健康づくり担当部長 お答えいたします。
自己負担金に対します今後の検討方法についてでございますが,すこやか健診は,ただいま委員ご指摘のように,元気ビジョンにおいて,行政
サービスの水準と市民負担のあり方について検討を進めていく事業の一つとして,敬老パスと同様に例示されているところでございます。この場合,すこやか健診は,既に一定の負担をお願いしている事業でございまして,受益者負担をお願いしていない敬老パスと違いがございます。
したがいまして,自己負担金の今後の検討に際しましては,すこやか健診と同様の位置づけにある他の使用料,手数料との均衡ですとか,他都市の動向などを踏まえまして,市民の意向把握に努めながら,現在の負担金額が適正かどうかの検討を進めていきたいと考えてございます。
◆芦原進 委員 最後に,これは要望でございますが,すこやか健診は,先ほども申し上げましたように,市民の皆さんの健康保持と増進に大きな役割を担っているわけですから,どうか一人でも多くの市民の皆様が気軽に受診できるように,また,適正な料金で健康診断が受診できるように継続されるよう,要望して終わりたいと思います。
○涌井国夫 委員長 以上で,第5項 健康衛生費の質疑を終了いたします。
本日はこれをもって終了し,次回は21日午後1時から,交通局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。
それでは,散会いたします。
──────────────
散 会 午後5時28分...