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平成15年第二部決算特別委員会−10月07日-03号
平成15年第一部決算特別委員会−10月07日-03号

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  1. 札幌市議会 2003-10-07
    平成15年第二部決算特別委員会−10月07日-03号


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    平成15年第二部決算特別委員会−10月07日-03号平成15年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第3号)                平成15年10月7日(火曜日)       ────────────────────────────────── 〇議題 付託案件の審査 〇出席委員 33人     委 員 長  涌 井 国 夫       副委員長   坂 本 恭 子     委   員  小 谷 俵 藏       委   員  大 越 誠 幸     委   員  上瀬戸 正 則       委   員  笹 出 昭 夫     委   員  横 山 光 之       委   員  鈴 木 健 雄     委   員  村 松 正 海       委   員  長 内 直 也     委   員  小須田 悟 士       委   員  伊与部 敏 雄     委   員  西 村 茂 樹       委   員  畑 瀬 幸 二     委   員  小 野 正 美       委   員  藤 原 廣 昭     委   員  林 家 とんでん平     委   員  峯 廻 紀 昌     委   員  柿 崎   勲       委   員  義 卜 雄 一     委   員  本 郷 俊 史       委   員  芦 原   進     委   員  阿知良 寛 美       委   員  小 川 勝 美     委   員  井 上 ひさ子       委   員  伊 藤 理智子     委   員  柴 田 薫 心       委   員  原 口 伸 一
        委   員  五十嵐 徳 美       委   員  田 中 昭 男     委   員  佐 藤 典 子       委   員  佐 藤 美智夫     委   員  松 浦   忠       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時 ○涌井国夫 委員長  ただいまから第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,堀川委員から松浦委員と交代する旨,それぞれ届け出がございました。  なお,議事に先立ちまして,審査方法について理事会で申し合わせをいたしましたので,ご報告をいたします。  質疑者及び答弁者は,起立して発言をしていただきます。  答弁を行います部長及び課長は,冒頭に職,氏名を名乗ってから発言をしていただきます。答弁が続行する場合は,最初だけで結構です。  また,効率的な審査を行うため,質疑及び答弁は簡潔を旨とし,内容の重複等は極力避けながら,定められた審査日程を予定どおり消化できるよう,よろしくご協力をお願いいたします。  それでは,議事に入ります。  議案第1号 平成14年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件中関係分ほか,付託議案5件を一括議題といたします。  最初に,平成14年度札幌市病院事業会計決算認定の件の質疑を行います。 ◆小須田悟士 委員  市立札幌病院の改革についてお伺いいたします。  市立病院は,これまで時代の要請にこたえながら診療体制を整備し,市民へ質の高い医療を提供してまいりました。人材養成などを通して,札幌市の医療水準向上にも貢献しております。しかしながら,本市では,過剰と言われるほど医療提供体制が整備されており,民間で対応できるものは民間医療機関に任せるということを考えなければならないところでもあります。  こうしたことから,我が会派では,市立病院のあるべき姿について,これまでの代表質問などで,管理者制度の導入や地方公営企業の全部適用,市立札幌病院のあり方に関する懇話会での諮問事項や経営形態について質問を行ってきた一方で,市民が望んでいる周産期医療の充実や小児緊急医療体制の整備,また,小児精神科病棟整備などの推進を強く何度も主張してきたところであります。  そこで,質問でありますが,病院長の諮問機関として,昨年12月に,市立札幌病院のあり方についての懇話会を設置しておりますが,現在までどのような議論がなされ,今後,その議論がどういう方向に進んでまいるのか。また,本年第1回定例会の佐々木助役の答弁では,この懇話会の答申が,この秋ごろに予定されていると聞いておりますが,いつ発表なされるのか。さらには,この懇話会からいろいろな答申がなされた場合,病院長はそれをどうしようとしているのか。つまり,市立病院がみずからの改革プランなどを作成するつもりがあるのかどうか,お伺いいたします。  次に,平成14年度病院事業会計の決算についてお伺いいたします。  平成14年度の市立病院の決算は,医業収入が大きく落ち込んでおり,特に占床率と1日平均外来患者数を見てみますと,ともに減少し続けているところであります。そこで,入院や外来の患者数がこのように減少してきている理由は何なのか,また,今後の患者数の動向をどう考えるのか,伺います。 ◎高橋 事務局次長  ただいまのご質問に対してお答え申し上げます。  まず,市立札幌病院のあり方に関する懇話会についてお答え申し上げます。  1点目の懇話会の現在までの議論内容と今後の議論についてでございますが,昨年12月以降,現在までに7回の懇話会を開催いたしております。第1回から第3回までは市立病院の概要,診療内容,置かれている医療環境や,既に病院改革などを検討している自治体病院の動向,さらには臨床研修制度等について審議をいたしております。  また,第4回から第7回までは,救急医療,精神医療,小児医療,周産期医療,感染症対策などの個別項目について議論が行われたところでございます。今後につきましては,経営形態等について審議をしていただく予定となってございます。  2点目の答申の時期でございますが,本年12月中旬ごろにいただけるものと思ってございます。  3点目の懇話会から答申がなされた後の対応ということでございますが,懇話会での議論や答申を踏まえつつ,関係部局との調整などを行い,改革プランの策定について検討してまいりたいと考えてございます。  次に,本院におきます入院及び外来患者数の減少理由についてお答え申し上げます。  まず,入院患者の減少につきましては,入院患者の実数はほぼ同じでございましたが,急性期型病院ということで,診療環境の整備に努めた結果,13年度に比べ平均在院日数を18.7日ということで,1日短縮したことにより,延べ患者数が減少したものでございます。  次に,外来患者の減少につきましては,全国的には高齢者医療制度改定による負担割合の変更,あるいは診療報酬制度改定の影響等と言われている中で,特に,当院におきましては,処方せんの枚数が大幅に減少していることから,薬剤の長期投与が可能になったことによる来院回数の減少が最も影響しているものと考えております。  2点目の今後の患者数の動向でございますが,これにつきましては,急性期医療を担当する病院として,診療環境の整備に努めるとともに,地域医療機関との連携と機能分担を一層推進し,患者の確保を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆小須田悟士 委員  ただいま改革プランを策定するということは十分わかりましたが,それでは,この改革プランをいつごろまでに策定するつもりなのでしょうか。また,改革プランには患者数の落ち込みなど,非常に厳しい経営状況の中,病床数の見直しや診療科の再編成が必要だと思いますが,どうお考えになりますか。  さらには,従前より我が会派が代表質問等で強く意見を申し上げてきた事項を織り込むつもりがあるのか,再度質問いたします。 ◎佐々木 事務局長  改革プランの策定時期とその内容についてでございますが,ただいま委員からご指摘のございましたように,市立札幌病院の経営は,患者数の減少に加えまして,昨年度の診療報酬改定医療保険制度改革などによりまして,今後も予断を許さない大変厳しい状況が続くところでございます。  したがいまして,改革プランの策定の時期につきましては,札幌市全体の事務事業の見直しにあわせまして,できるだけ早い時期にその基本的な考え方を整理してまいりたいと考えております。  また,その内容につきましては,札幌市の医療環境の中で,市立病院に対し市民が求めている医療ニーズに的確に対応していくため,市立病院の担うべき役割を明確にするとともに,効率的で安心かつ質の高い医療を提供していくための経営手法の見直しや経営戦略の構築など,将来を見据えたものにしてまいりたいと考えてございます。 ◆伊与部敏雄 委員  私からも数点お尋ねいたします。  質問に入る前に,実は,先日の本会議におきまして,病院にかかわる代表質問のやりとりの中で,松浦議員が本会議で,富樫院長の答弁した内容について虚偽の発言があったと言われました。186万人都市の議会の本会議というのは,まさに権威のある,これは札幌市の予算・決算,その他すべての事項を決定する重要な場であります。そこで質疑がなされて,そして院長ともあろう者が虚偽の答弁をしたというふうに言われて,富樫院長はいかが思っているのか。  私,虚偽というのを,広辞苑その他大辞林で調べて見ましたら,真実ではないと知りながら真実であるかのように見せること,すなわちうそ偽りこういうふうに解釈をしている。  そこで,院長,松浦議員は,あなたに虚偽の発言があったと言われた。私は,うそを言う,偽りを言う院長と議論をしたくない。まさに真実で議論をしたい。そのことは,私だけではなしにここに来ている議員みんながそう思っていると思う。本当に虚偽の答弁をしたのですか,いわゆるうそ偽りの答弁をしたのですか。そのことをこの場でもう一度具体的に明らかにしていただきたい。 ◎富樫 病院長  松浦議員から虚偽答弁との指摘がございましたのは,市立札幌病院における医師の平均在籍年数と患者数との関連という質問に対する私の,特段の関連性はないという答弁を指しているものと思われます。  このことに関しましては,再質問においてお答えしましたとおり,今日のチーム医療においては,カンファレンス等により治療方針等が一貫しており,医師の短期の移動による治療上や収入への影響はほとんどないと考えております。  したがいまして,市立札幌病院における医師の平均在籍年数と患者数に関しては,特別な因果関係は存在しないものと判断してこのように答弁を行ったものであり,私は虚偽の答弁であるとの認識はしておりません。 ◆伊与部敏雄 委員  院長,わかりました。  院長は虚偽の答弁をしていないと,そういう認識をしていると。そのことについてはわかりました。  ただ,院長,この特別委員会のこの場所で,私はこのままでよいのかと。あなたは186万人都市の市立総合病院の院長,最高責任者です。その人がまさに虚偽の答弁をしたということで,本会議で名指しで言われ,まさに著しく名誉が損なわれたというふうに私は思います。ここに松浦議員もおりますけれども,この場所で,このままあなたの名誉が傷つけられっ放しで済ましてもよろしいのですか,もう一度答弁してください。 ◎富樫 病院長  先ほどもお答えしましたとおり,市立札幌病院における医師の平均在籍年数と患者数に関しては,特別な因果関係は存在しないものと判断しておりますので,虚偽の答弁ではないものと確信しております。 ◆伊与部敏雄 委員  委員長,いいですか。それでは,このまま何回繰り返しても同じ答弁の繰り返しだと思いますので,あえて着地的な発言をさせていただきますが,今,富樫院長がいみじくも虚偽の答弁ではないと,そういう認識をしているという答弁がございました。  そこで,私が,委員長にお願いしたいのは,本会議最終日で第二部決算特別委員会委員長報告があると思いますので,その報告の中に,富樫院長が虚偽の答弁はしなかったということを明確に報告をして,委員長報告としていただきたい。(発言する者あり)そのことを私は委員長に申し入れをして次に進みたいと思います。  いいですか。 ○涌井国夫 委員長  はい。 ◆伊与部敏雄 委員  それでは,私から数点質問をいたします。  私は,以前から,企業会計の中でも交通事業の次は病院ではないかというふうに,非常に危機感を感じながらこの病院問題を今日まで議論をしたり勉強させていただいてきました。特に,病院の財務はこれは極めて危機的状況にあると。橋本監査委員もおられますけれども,札幌市公営企業会計決算審査意見書,随分また丁寧に意見書を書いてもらって,149ページから181ページまで長々と,これを全部読ませていただきました。  これを読むと,端的に病院の実績,その他経営状態がわかる,判断できる。皆さんも全部読んでいると思いますけど,そういう中で,私は正直言って,これを読む前,これを読んだ後,いろんな個人的な判断といいますか見解を特に持ちました。正直言って,平成14年の病院の決算というのは大変重大なことになるのではないかというふうに注目をしてまいりました。  先ほど,佐々木事務局長のお話の中にちらっとありましたように,去年の4月に診療報酬のマイナス改定があった。同時にまた,昨年の10月から老人保健法の改定によりまして,老人患者負担が定額制から定率制に変更された。これらによって病院の診療収益は4億円を超える減収が想定されていたはずです。これは病院経営にとってはまさに逆風とも言える実に厳しい試練の年であったと私は思います。  総理大臣が三方一両損という言葉を使いました。要するに,患者も医療機関も,そして政府も一両ずつ損するのだと,痛みを分け合うのだと,そして日本の医療改革をするのだという発想でありました。しかし,ふたをあけてみれば,現在は,三方一両損ではなくて,政府は一両も損しないで,国民と医療機関だけが損をしているという状態になっているのではないかと。  だから,市立病院も相当ダメージを受けてひどい経営成績になるのだろうなというふうな予想をしていました。しかし,この決算審査意見書並びに病院会計の決算書を見ますと,いわゆる平成13年度から見たら,わずか1億円弱の悪化で,13年度よりも1億円よくなっているのですね。ただし,単年度で純損益は12億8,000万円の赤字,ここには累計は全然書いていないけれども,意見書の中にはちらっと書いていますけれども,合計したら約130億円の累積赤字が市立病院にはあります。  調べてみたら,市立病院には30科ある。30科のうち平成13年度までは3科しか黒字でなかった。助役,わかりますか,3科が黒字。30科のうち3科が黒字。教えましょうか,眼科と画像診療科,それから循環器科,この3科だけが黒字,あと全部みんな赤字,そういう状態であったのです。  今まで30科のうち3科しか黒字でない,27科が赤字だと。私は,今,小須田委員からお話があったように,これは民間の医療機関がどんどんふえているから,こんなもの半分にして民間に渡せばいいのではないかというような発想もあった。しかし,私は,今度は180度転換しました,後から言いますけれども。しかし,勉強したら,残念ながらこの3科が2科になった,14年度は2科になってしまった,黒字の3科が2科になってしまった。一つ赤字になってしまった,何が赤字になったかと。眼科と画像診療科は黒字,循環器科が赤字に転落してしまった。すなわち30科のうち28科が赤字になってしまった。そういうような状態の中で,私はますます大変な状態になるのではないかと思います。  例えば,北大も医大も社会保険総合病院も,来年から行政独立法人になってしまう。そういうふうになると大変な状態になるのではないかと思いますが,そこで,まず二,三点お伺いします。  一つ目は,先ほども言いましたように,13年度と14年度の決算を見ましたら1億円ぐらいよくなった,これは評価します。一生懸命内部努力したのでしょう。具体的にその成果の内容について,参考までに明らかにしていただきたいと思います。  二つ目は,今言いましたように,医大も北大も,国公立の病院が,今まで病院でなくて研究機関だった。そういう研究機関が独立行政法人になったら,これは逆に経営学を学んだ人をそこにぴしっと配置して,一丁,市立病院なんてぶっつぶしてしまうぐらいの迫力でかかってくる。独立行政法人になった場合,それに対してどういうふうに防衛するかということを,今から考えておかないと大変なことになるので,市立病院としては,どういう影響が生まれてくるのか,どういうふうに考えているのか,ひとつ明らかにしていただきたいと思います。  それから,三つ目は,国立病院の再編が非常に急がれています。平成19年3月には,南区簾舞の病院が廃止されて西区の病院に統合される。具体的な年数は明らかではないですけれども,菊水にある国立病院もがんセンターだけ残して,あとの一般病棟は救命救急センターを含めて西区に統合される。これは大変な状態になるのではないか。特に救命救急センターの役割というか,患者の確保については大変な状態になる。同時に,救命救急センターの設置場所は,豊平川を挟んでみんな以西になると,向こうになる,第3次救命救急センターがなくなってしまう。これは病院の責任ではないかもしれない。保健福祉部地域医療政策課の責任かもしれないけれども,そういう総合的な札幌市内全体の医療体制の配置,医療施設の配置,特に救命救急センターの配置,そこは病院としては答弁できないかもしれないけれども,これらを含めて,救命救急センターの役割,これについてどういうふうに考えているか。みんなこっちに来てしまうのだから。これをどういうふうに考えているのか,まずは,冒頭3点についてお答え願います。 ◎高橋 事務局次長  ただいまのご質問に対してお答え申し上げます。  まず,1点目,14年度決算が好転した理由でございます。  これは,13年度決算に対してもそれほど悪化していないですし,予算に対しては非常に好転しているということでございます。予算に対して好転した主な理由でございますが,収益では,診療収益が患者数の減等によりまして9億4,800万円の減少,その他精神病院の運営に係る繰入金等で7,700万円の減となりまして,合計で10億2,500万円の減となりました。しかしながら,費用の方におきましては,人件費で支給人員や退職者数の減などによりまして3億4,900万円の不用額を生じてございます。  また,材料費が患者数の減少や薬品等の価格交渉による単価の引き下げによりまして5億200万円,その他節減対策の強化等に努めた結果,光熱水費等で3億8,200万円,合計いたします12億3,300万円の節減を図ったものでございます。この結果,純損益では予算に対しまして2億800万円好転したということでございます。  それから,次に,市内の国公立病院独立行政法人制度を導入した場合の市立病院に与える影響でございます。市内には,国立病院,社会保険病院,あるいは大学附属病院等,国公立の中核病院が数多く設置されておりますが,これらの病院は近い将来,独立行政法人に移行することが想定されております。独立行政法人化に伴いまして,各病院では,委員おっしゃるとおり業績主義に基づく独立採算性が強く求められるということになりますので,全市的に患者獲得に向けた競争が激化し,当院を取り巻く経営環境も一段と厳しさを増し,したがって,より一層の経営努力が求められるものと認識をいたしております。  それから,国立病院の再編等に伴う今後の救命救急センターの役割とそれから患者の確保についてでございます。  札幌市内では,当院を加えまして4病院で第三次救急医療機関としての役割を担っております。その中にあって,当院の救命救急センターは,平成14年度で搬入患者数が1,624名,このうち入院患者数は1,238名となっていまして,他の病院に比べましても最も多くの受け入れを行ってございます。  また,医師が救急車に同乗して救急医療を行うドクターカーの運用につきましては,原則的に当院の医師が対応しておりまして,その数は平成14年度で370件に上っていることから,当院は救急医療の中心的役割を担っているものと考えてございます。  このようなことから,市立病院救命救急センターにおきましては,今後とも,消防局との連携を図ることはもちろんでございますが,市民が信頼し安心できるよう,質の高い救急医療を提供していくという役割を果たすことによりまして,患者の確保につなげていきたいと考えてございます。 ◆伊与部敏雄 委員  次長,わかりました。  そこで,今答弁あったように,経営成績では予算に対して収入で10億円のマイナス,収入減,同時にまた,支出では,今答弁があったように12億数千万円の節約をしたと。だから減収分相当分を節約することによって,病院の厳しい財政状態を最低限に抑えて,純損益は単年度12億8,000万円の赤字,赤字ですからね,頑張っても赤字なんだから,これは内部で大変な努力をしたという結果があらわれています。  同時に,この監査委員の審査意見書によれば,患者数はこの5年間で最低の成績であるというふうに審査意見書にも書いています。こういうふうに患者がどんどん減っていくということになれば,当然,国だとか道だとか,札幌市の繰出金というか繰入金というか,補助金というか,そういうものがなければとてもじゃないけれども病院は経営していけない。  そこで,今,国からだって,私が調べたら大したことないのですね,繰出金というか補助金が。次長,もう一度正確に国,道,それから札幌市の繰り出しも含めて,長期借り入れも含めて,具体的な数字をこの場で正式に答えてくだいさい。 ◎高橋 事務局次長  まず,繰出金の関係でございますが,国からの補助ということでございますが,国庫補助金といたしましては,臨床研修医指導に要する経費に対する補助金ということで910万円,二つ目に,臓器移植の円滑な推進を図るための補助金として340万円,合わせて国からは1,250万円いただいております。  それから,道の補助金でございますが,これにつきましては臓器移植の円滑な推進を図るための補助金ということで200万円ほどいただいてございます。  それから,次に,一般会計からの繰入金の状況でございますが,14年度といたしましては,総額で50億3,500万円余をいただいてございます。内訳といたしましては,企業債の支払い利息に要する経費が13億7,200万円,それから企業債の元金償還相当分として10億2,100万円でございます。このほかに精神病院の運営に要する経費及び感染症病棟の運営に要する経費が14億7,400万円,その他が11億6,800万円でございます。このほかに,長期借入金といたしましては35億5,700万円ございます。 ◆伊与部敏雄 委員  そこで,一番後ろに座っている渡邊財政課長,今,一般会計から全部で約85億5,000万円繰り出していますね。その中で,今次長から話があった約35億5,000万円の長期貸し付け,これはもう市立病院は,意見書でも出ていますけれども債務超過団体なのですよ,これ。これは金取れませんわ,率直に言って。35億5,000万円,取れない。取るつもりですか。 ◎渡邊 財政課長  病院に対する一般会計からの貸付金についてでございますけれども,市立病院が置かれている経営環境及び一般会計の財政状況を考えますと,貸し付けを継続する基本的な条件に残念ながら変化はございません。  しかしながら,現在,病院事業会計において,懇話会での提言を踏まえた上での改革プランを策定ということでございますので,この取り扱いについても,その中での経営健全化の議論をされる中で,一般会計と病院事業会計の負担のあり方というのは当然議論されると思いますので,その際に,この取り扱いについても協議してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆伊与部敏雄 委員  あり方懇話会に期待をするような,そんな財政課長じゃ終わっていますわ。なぜかというと,懇話会の委員のメンバーをあなたは知っていますか。委員が6人いる。上村委員,この人は結核予防会北海道支部常務理事,河西さん,札幌医師会副会長,白井さん,天使大学の看護栄養学部教授,丸山さん,札幌医科大学保健医療学部部長,村上さん,北海道医療新聞社,山田委員,北海道看護協会の副会長,この6人ですよ。この6人が札幌市の市立病院のあるべき姿,あり方懇話会をやって,何か6人が仲よしクラブみたく話しをして,これ答申できますか,何を答申できますか。  今,渡邊課長がいみじくもあり方懇話会の答申を得てなんて言う。この6人は,経営学を知らない人ばかりですよ。偉いお医者さんだとか看護師さんばかりなのです。本当に会社を経営したり病院を経営したり,こうやったら市立札幌病院は赤字から黒字に変わるというような人はだれも入っていない,はっきり言って。こんなことでもって市立札幌病院の経営がよくなるわけがないじゃないですか。  そこで,具体的に,渡邊財政課長,今35億5,000万円の長借りについては全部一括,あと50億円も毎年病院に一般会計から繰り出しているわけですから。市立病院へ診療を受け行かない人でも,毎年税金から50億円をあなたたちに納めているわけですよ。市立病院の先生方に診てもらわなくても,看護師さんに看護されなくても,毎年税金から50億円ずつ市立病院に出している。それでもなおかつ12億8,000万円赤字なのだから。さらにそれに加えて,35億5,000万円長期貸し付け,私は,橋本監査委員もおられるし,監査委員のご意見も聞きたいけれども,この35億5,000万円は債務超過団体市立病院からは取れないのではないかというふうに思います。  中でも,この35億5,000万円は二つに分類されるというふうに答えましたけれども,新しい本院ができたのは平成7年ですか,そのときに,この35億円のうち約20億円を足しているわけ。それは言うならば,自治省からの補助金を獲得するためのまさにマジック,テクニックの数字なのです。これは財政課長はよく知っているはずです。この20億円について,少なくとも,今日段階で,これはやっぱり病院の負担を軽減すると,そういう観点からいっても,これは削減をすべきではないかというふうに私は思いますが,いかがですか。 ◎渡邊 財政課長  建設に関する貸し付けにつきましては,委員ご承知のとおり起債対象外の2分の1については一般会計が出資をし,その残り2分の1について一般会計から貸し付けを行ったものでございます。したがって,その残り2分の1につきましては,本来的には医業収益で賄われるべきものでございますので,立場上,基本的には病院事業会計の経営も厳しいということは十分承知してございますけれども,一般会計におきましても,1兆円を超える市債残高を抱えているという,そういう状況の中にあってはこの35億円については貴重な財源であると,償還されるべきものというふうに考えてございます。  しかし,先ほども申し上げましたけれども,今後の一般会計と病院事業会計の負担のあり方について議論をされるときに,その際に,その分について協議をしたいというふうに申し上げたところでございます。 ◆伊与部敏雄 委員  財政課長,これは財政課長一人でもって判断できないかもしれないから,今後の課題として財政局長,財政部長も含めて,財政局全体としてこの病院問題について真剣に考えていただかなければ,一生懸命病院も頑張っておりますから。あなたたちは,50億円もやっているのだからという気持ちもあるかもしれない。しかし,貸付金についてはもう取れないから。取れないのをわかっていて何か数字だけ,毎年毎年,貸付金,貸付金というふうに出てくると,もう院長も重苦しいでしょう,これ。借金をしょって患者さんに対応するということは非常に重苦しいと思うから,その辺も含めて,財政課長,これは宿題にしておきます。  次に参りますけれども,病院経営で最も大事なのは,外来患者をもっともっと,ふやせふやせと私たちは言ってきた。しかし,外来患者は医療制度の改悪によって,去年から今年に比べて1日200人から250人ぐらいずんずん減ってきているのです。外来患者で勝負をかけたら,とてもじゃないけれどもこれは勝ちません。  したがって,私は何を言いたいかというと,経営資源のベッドの利用,ベッドの利用についてどう考えているか。やっぱり勝負はベッドですよ,ベッドは宝の蔵ですよ。これは本院には810床ある。救命救急センターには38床ありますけれども,そのほかに静療院が254床ある。このベッドの使われ方がどういうふうになっているのか。経営基盤の最も基礎となる入院ベッドの利用,経営資源の有効活用についてしっかりと認識してもらいたいし,このベッド,これをどういうふうに有効活用しているか,今現在,どういうような状態になっているのか,明らかにしてください。 ◎吉田 副院長  14年度の平均病床利用率は,本院では86.8%で,その内訳を申しますと,一般病床が88.2%,救命救急センターは58.1%でございます。静療院では76.6%,うち成人部門が80.1%,小児部門は65.1%となっております。ただ,入院患者さんの退院希望日は,土曜日,日曜日が非常に多いものでございますから,土・日以外の平日と土・日の利用状況にかなり差がございます。本院における一般病床では,平日は平均90.7%の利用率となってございます。空床数につきましては,土曜・日曜の休日を含め平均いたしますと,本院の一般病床で91床,静療院では60床が空床となっている状況でございます。ただ,この空床につきましては,既に翌日あるいは翌週入院の予定となっております,いわゆる予約のベッドを含めた数となってございます。 ◆伊与部敏雄 委員  これは,吉田副院長ね,驚きましたね。要するに,今,本院では実に91床が遊んでいる状態だと。それから静療院では60床が遊んでいる状態で,特に静療院の状態は,民間の精神病院では全く考えられない状態ですね,はっきり言って。本院だって91床あいているのだから。合計151床あいている。151床の病院だとしたら全部ががらあきだと言ってもいいような状態ですよ。ここに,ここ,まさに経営資源の有効活用をここに求めないと。151床を満杯にしたら,これは外来1,000人,2,000人集めるよりまだ点数が高いから収入は上がりますよ。私は,市立札幌病院にもうけれとは言わない,ちょんちょんになればいいのだと,はっきり言って,理想的には。がっぽり何百億円ももうけている民間病院もあるかもしれないけれども,そんなことは私は望まない。ちょんちょんであればいいのではないかというふうに思います。例えば,12億8,000万円年間赤字になる。この151床を満杯にしたらこれは黒字になりますよ,いかがですか,はっきり言って,これは大問題ですよ。ここに経営陣が指をくわえていたら,とてもじゃないけれども,幾らたっても市立札幌病院の赤字解消はできない。  何ですか,これ。先ほども懇話会の話を言ったけれども,さっき,前の委員から質問があったように,何か,懇話会が答申をことしの秋か冬かわからないけれども出すと言っているのだと,市長は,スピード,スリム,サービスの3Sを掲げているが,やっぱりスピードを持った運営,懇話会の答申。私は,さっき言ったけれども,懇話会の答申には余り期待していませんが,だけれども,やっぱり答申を早く出せと。これスピード違反何てないのだから。免許取り消し何てないのですから,これはどんどん早くやって答申を出して,どんな答申が出るかわかりませんけれども,この151ベッドを有効に活用するということが病院の経営にとって最大の課題だと。  特に,精神病棟の静療院,254床のところ60ベッドがあいているわけですね。民間の精神病院,例えば,北区の中江病院なんて満杯ですよ。新琴似の鈴木病院も満床ですよ。何で静療院だけが60床もあいているのか。  保健福祉部の岡田障害福祉担当部長から資料をもらったのだけれども,札幌市内には,40歳以上の精神障がい者は8月31日現在で4,500人いるのです。それから,40歳以上の知的障がい者はことしの3月31日現在で1,800人いるのです。それから身体障がい者は,ことしの3月31日現在で5万9,700人,これはいずれも障害者手帳を所持している数ですよ。40歳以上ではこんな数になっている。40歳以上ということになれば,それを在宅介護するお母さんやお父さんはもう70歳,80歳になっている。大変な状態です。だから1カ月でも2カ月でも,医療法によって長年入院できるかわからないけれども,入退院してもいいけれども,こういう障がいのある人は必ずと言っていいほど合併症を持っていますから,ですから,病院に安心して入院して,そしてお医者さんの,それから看護師さんの手当てを受けると家族も安心するのです。  私が今言ったような障がい者がこんなにたくさんいるのだから,しかも,私が今言ったのは40歳以上ですよ。そういう人たちを静療院並びに本院等々でもって収容できないか。これ,院長,どう思いますか。これをやらないと,満床にしないと病院の経営はますます赤字になってしまう。どう思いますか。 ◎佐々木 事務局長  精神や知的障がい者等で,重い疾患を抱えながら入院治療を必要とする患者さんについてでございますが,私どもも民間の医療機関において診療を受けられない,こういう事例があるということはお聞きしております。当院におきましては,ただいま委員がご指摘されましたように,障がい者で合併症を持つ患者さんの診療環境の改善を図る必要性につきましては十分認識をいたしてございます。  なお,本件につきましては,静療院を含めた市立札幌病院の方向性を左右する大変大きな問題でありますので,委員が述べられました一連のお考えを重く受けとめるとともに,当院の担うべき役割について諮問しております,あり方懇話会の答申も踏まえつつ,今後,十分に検討してまいりたいと考えてございます。 ◆伊与部敏雄 委員  先ほど言いましたように,40歳以上の障がい者がたくさんおります。その中でも,ぜひ入院治療させていただきたいという人もいると思う。そこで,私は,待っていてはだめだと。やっぱり能動的に地域の民間医療機関と十分に連携をとる中で,そしてお互いに患者さんも家族も病院がいいという,そういう体制をどうやってつくっていくのか。今,大きな問題だというふうに事務局長は指摘されました。これ,そういうことなのですよ。大問題なのです。  これを満床にするかしないかでもって病院の将来が左右される。だから,精神障がい者の40歳以上の方が4,500人もいるのですから,静療院はその中で空床の60ベッドをこれは十分に活用できるのではないかというふうに私は思う。同時にまた,本院は91床あいているわけです。91のベッドをワンフロアに集約して障がい者フロアをつくると。そして,知的障がい者,その他の障がい者のフロアをつくって,例えば,てんかんが起きたらすぐお医者さんが走って来るというような,そういう医療施設との併設が望ましいというふうに家族の人たちは言っているわけだから,一番いい遊休施設ですよ。これを遊ばせているのだから,90床を。しかも,点数がいいのだから,これを有効に活用しないと私はいけないと思うのだけれども,これは院長,どう思いますか。院長に答弁願います。
    ◎富樫 病院長  先ほど,事務局長がお答えしましたとおり,ベッドの利用につきましてのベッドの再編,その他を含めましての検討も現在真剣に討論しているところでございます。何度も申し上げますが,あり方懇話会の議論にも同じことが数回にわたって出てきておりますので,その答申を待ちまして,真剣に検討してまいりたいというふうに思っております。 ◆伊与部敏雄 委員  これは,十分しっかりと受けとめて,本院の90床の空床,これの有効活用,静療院は精神障がい者の家族だとか患者さんだとか,そういうさまざまな動向をきちっと掌握して,対応していただきたいし,本院は91床もあいているわけだから,それを集約して,そこに障がい者フロアをつくる,そしたら家族も安心できるから。そうすると病院経営も少しは前進するのではないかと思います。そのことを言っておきます。  最後に,先ほどからも言っておりますように,やっぱり民間の病院はみんな黒字なのですよ,赤字のところはほとんどないような状態,(発言する者あり)赤字のところも多少ある,みんなとは言わないけれども。特に精神障がい者だとか,そういうところは満杯です。私は障がい者のことを今言っているのだから。障がい者の施設なんてほとんど満杯ですよ,これは。  ですから,そういうことを考えた場合,民間のノウハウというものを病院にも投入した方がいいのではないかと。例えば,医大などは,もう来年から独立行政法人になったら大変だということで,経営学専門の職員を配置して,これからどうするかという経営学を学ぶのに職員を配置すると,そういう状態をつくると言っているのだけれども,市立病院でも,例えば,職員を民間のそういう施設に短期間でも長期間でもいいから,半年なら半年間行かせて経営学をしっかり学ばせても私はいいのではないかと,そう思うのですが,いかがですか。 ◎佐々木 事務局長  ただいまの病院における職員の経営手法等について習得をさせる研修でございますが,今日の自治体病院を取り巻く経営状況はご案内のとおり従前にも増して大変厳しいものがございます。また,国においても,地方独立行政法人化を含めた議論の真っ最中でございます。したがいまして,この難局を乗り切るためには病院経営のノウハウ等の習得が必要であることから,病院長以下我々幹部職員は日々その努力をしてございます。  これまでも,全国自治体病院協議会が主催をする病院経営研修会等に参加しているところでございますが,今後とも,委員ご指摘のような民間病院への研修を含めて検討してまいりたいと考えてございます。 ◆伊与部敏雄 委員  最後に,院長初め事務局長,副院長,一生懸命頑張っている姿は,この決算意見書でも明らかなように,努力しているという姿はわかりますよ,評価しますよ。しかし,評価するにしても,30科のうちわずか2科しか黒字になっていない市立病院,このことを毎日毎日真剣に考えて,(発言する者あり)考えるだけではなくて実行して,具体的に市民のために,また患者さんのため,家族のために頑張っていただくことを最後につけ加えて,終わります。 ◆芦原進 委員  私は,大きく2点に分けまして質問をさせていただきます。  まず1点目は,平成16年度からの新しい医師臨床研修制度についてであります。  現在,医師臨床研修制度は,インターン制度にかえて昭和43年度に制度化されたもので,研修自体が努力義務にすぎないものでありましたが,今回,種々の改正がなされ,来年度から新しい医師臨床研修制度としてスタートをすることになりました。こうした背景には,安全な医療に対する期待があります。地域医療の担い手となる人格を含めた質の高い医師の養成が求められること,また,研修医の長時間勤務やアルバイトによる収入確保といった実態が明らかにされたことなどが挙げられておりますが,国民の関心も大きくなっております。  そこで,新しい医師臨床研修制度は,今日の医療情勢を色濃く反映した内容だと思われますが,その概要についてご質問いたします。  また,市立病院は,昭和48年から臨床研修指定病院となっており,研修病院として長年にわたる実績があろうかと思いますが,今後も,医師臨床研修指定病院として継続して臨床研修に当たられるのか。もし,そうであるならば,受け入れ人員は何人予定しておられるのか。臨床研修医の指導にどのような体制で臨もうとしておられるのか,お尋ねをいたします。  2点目は,大規模地震に対する市立病院の施設面からの備えについてであります。  昨今,全国各地で大規模地震が発生しており,人身や住居,生活圏に大きな被害が出ております。札幌はもともと地震が少ない地域でありますが,先日の十勝沖地震の際,近年にない震度4を記録いたしました。近隣の市町村では震度5弱を記録しており,地震の少ない地域と悠長なことを言っておられない状況にあります。  一たび本市において大規模地震が発生した場合,市立病院には多くの重い患者さんが入院しているわけでありますし,手術中であったり,あるいは人工透析を受けている患者さんがいることもあり得ると思います。これらの患者さんに加え,地震発生とともに多くの市民が来院し,緊急手術が行われることも想定されるわけであります。そんなとき,電気が停電したり,水道管が破裂して断水した場合は大変な事態となり,どう対応するのかが問題になると思うのであります。  そこで,市立札幌病院では,昨年のワールドカップサッカー大会を契機として,大規模災害時における患者さんの受け入れ訓練等を実施されたと聞いております。施設面における市立札幌病院のそれらについて数点お尋ねします。  まず初めに,9月26日の十勝沖地震による病院施設の被害状況はどのようなものであったか。また,市立札幌病院の建物はどの程度の地震に耐え得ることができるのか。さらに,災害に備え,企業や病院のライフラインである電気や水を自家発電,地下水の確保等の備えもあるところがふえているが,大規模地震により,万が一病院の電気がすべて停電になった場合,市立札幌病院では電気の確保はどのように行うのか。  最後に,水道が断水した場合,水の確保はどのようになっているのか,お尋ねいたします。 ◎樋口 副院長  まず最初に,医師臨床研修制度についてお答えいたします。  今回の医師臨床研修制度の改正概要についてでありますが,プライマリーケア,すなわち疾病の初期治療を中心とした基本的な診療能力の習得のため,2年間で内科系,外科系,救急または麻酔,小児科,産婦人科,精神科及び地域保健・医療での研修を必修とする,いわゆるスーパーローテート方式を採用するとともに,また,国庫補助による報酬の安定化により,アルバイトをせずに研修に専念できる体制の整備を進めているところでございます。特に大学病院での研修偏重の是正のために定員枠を設定し,新たな受け皿となる病院を拡大するために臨床研修病院の指定基準を緩和し,全国公募方式を採用しているものであります。  次に,当院のかかわりでございますが,新制度に対する取り組みにつきましては,医師の育成は当院の重要な役割の一つと認識しており,今後も継続すべきと考えております。受け入れ人数は,当院の地域拠点病院としての使命及び研修医の要望等を勘案し,現時点においては,現在の1年目,2年目の研修に,年間20名強を40名程度に増員したいと考えております。また,研修体制につきましては,各診療部長が責任者となり,指導医の協力を得て研修を行うこととし,院内に設置したレジデント教育委員会においてローテーションの決定や研修評価を行うこととしております。 ◎高橋 事務局次長  私の方からは,大規模地震に対する施設面の備え等についてお答え申し上げます。  まず,第1点目の市立病院での今回の十勝沖地震による被害ということでございますが,震度4というかなり大規模な地震にもかかわらず,人的あるいは施設的な被害はございませんでした。  第2点目の,どの程度の地震に耐えられるかということでございますが,この病院の建物は平成7年の阪神・淡路大震災が起きた年にでき上がったものでございまして,それ以前の旧基準で設計されたものでございます。しかし,病院という最重要施設でありますことから,耐震構造としては震度7程度の地震には耐え得るように設計してございまして,専門家にも確認をいたしております。ただし,建物の壁,床等にかなりの亀裂等が入るでしょうし,設備の配管等は相当程度の損傷を受けることになるのではないかと思われます。  第3点目の電力会社の送電が停止した場合の電気の確保でございますが,市立札幌病院は常用と予備の2回線受電の契約をしておりますので,その2回線とも停電するということは考えられないことでございます。しかしながら,万が一直下型大規模地震等が発生をいたしまして,全部が停電になった場合には,自家発電機と非常用発電機を運転することにより,医療用,非常用の電気を賄うことができますので,通常の医療行為を行うことは可能でございます。  それから,第4点目の上水道が断水した場合の水の確保についてでございます。  本院には,地下水を汲み上げる井戸設備がございまして,空調設備の冷却水とトイレの洗浄水等に使用してございますが,非常災害時の飲料水にも転用できるシステムとして設計されております。しかしながら,平成14年の環境局の水質調査によって,地下水の成分中に飲料に適さないものが検出されたということのために,現在は飲料水として転用することができませんので,ライフラインの確保に向けまして,現在,地下水の飲料化システムを検討中でございます。 ◆芦原進 委員  私から再質問ですが,先ほど地震対策のお話を伺いまして,市立札幌病院ではライフラインの確保に向けてふだんから努力されているということについては理解いたしました。しかしながら,ライフラインでの復旧がおくれることもあります。そういう場合どういう対策を立てておられるのか,伺いたいと思います。  また,電力の復旧が大幅におくれた場合,市立札幌病院ではどう対応されるのか,お聞かせいただきたいと思います。 ◎高橋 事務局次長  電気の確保についてでございますが,先ほどもお答えを申し上げましたとおり,自家用及び非常用発電機で発電をいたしますが,自家用発電機は,通常都市ガスを燃料として運転をしてございまして,家庭用よりガス圧力が高いということから,太い配管で供給されておりますので,通常の地震ではトラブルは発生しないものと考えております。しかしながら,万が一このガス供給がストップした場合には,特A重油を代替燃料といたしまして,自家用発電機等の運転が可能となっておりまして,当院の地下重油備蓄タンクの容量は最も使用量が多い冬期間においても,最低でも約24時間の運転が可能でございます。 ◆芦原進 委員  最後に,お願いでございます。別に質問でございませんが,緊急時の入院,通院にかかわらず,その病気の方を最優先で,安心して安全な対応を何とぞよろしくお願いしたいと思います。 ◆小川勝美 委員  私からも,市立病院にかかわって,3点の質問を簡潔にいたします。  一つは,医療過誤の問題と,それから診療報酬改定問題,次に,病院が購入する医薬品等にかかる消費税の問題について,3点お尋ねします。  まず,最初に,医療事故の情報公開についてお尋ねをします。  全国的に医療ミスによる事故報道が増加をしてきておりますし,国民の間に医療に対する不信なども広がってきているところであります。そういう中で,全国的には,公立病院などで医療過誤について情報公開をしているところが増加をしてきているように認識をしております。  しかし,全体としては,医療過誤事件というのはなかなか表にあらわれない,こんな特徴もあるのではないかと思います。そんな中で,市立札幌病院も報道関係者から医療過誤や医療事故に関する情報公開を求められているのではないかなと,こんなふうに思うのですがいかがか。  そんな中で,大半は非公開としてきているというふうにもお聞きをしているのですが,この報道関係との間において,情報公開が求められても,そのほとんどは非公開にしている,そういう中で,異議申し立ても受けているというふうにも聞いているのですけれども,これが事実なのかどうなのか,まずこの点について具体的にお尋ねをしたいと思います。  それから,情報公開の2点目として,上田市長は,施政方針演説だとかそういう中でも,市民との対話,市民と一緒にと,こういうことを強調されております。そういうことから考えて,医療事故,医療過誤などについても徹底した情報提供,そしてそれに基づく対話,こう進めていくというのが市長の本来の政治姿勢でないかなと,こんなふうに思うわけでありますけれども,今市立札幌病院がとっているやり方の大半は,非公開にしていくと,こういうやり方については,市長の施政方針に反しているのではないかなと,こんなふうにも思うのですがいかがか,お尋ねをしたいと思います。  そして,医療過誤などの情報をどのような基準で今までは公開してきているのか。そして,そういう中で,異議申し立てを受けているわけですけれども,これを今後どういうふうに扱っていくのか。そして,今後は,今までの基準ではなくて,上田市長の政治姿勢でもある,徹底した情報公開というふうに進んでいこうと,こういうようなことで進まないのかどうか,まず最初にこの点をお尋ねしたいと思います。 ◎佐々木 事務局長  まず最初に,報道関係者からの医療過誤,事故等に関する情報公開請求への対応についてでございますが,現在,2件の異議申し立てを受けており,市立札幌病院から札幌市情報公開審査会に諮問をしているところでございます。  2点目の市長の施政方針との整合性についてでございますが,もちろんこれは尊重をしなければならないものと考えてございます。しかしながら,一方では,病院としては患者さんの診療に関する情報は,個人のプライバシー保護の観点から厳重に守るべきものであり,それも患者さんとの間の診療契約の重要な要素でもございます。したがいまして,その取り扱いは他の行政情報とは別にすべきものと考えております。  3点目の医療過誤などの情報公開に関する基準についてでありますが,当院では,いわゆる医療事故と言われるもののうち,当院の医療行為上の過誤に起因し,その内容について両当事者間で確定したものを医療過誤と考え,このことについて両当事者が合意の上,文書にあらわした和解契約書等を対象文書としております。  その他の医療事故についても,相手方との間で紛争化し,院内における医療安全対策をつかさどる医療安全対策会議で審議したものを対象と考え,当該会議の審議内容報告書を対象文書としております。  また,札幌市情報公開条例に基づき,患者等の個人を特定し得る情報や事故の概要等を公開した場合に,種々の支障を生ずるおそれのある情報に該当するものは非公開としているものでございます。  なお,これらの考え方について,今後の異議申し立てに対する札幌市情報公開審査会の答申内容にもよりますが,今のところ変更する必要はないものと考えております。 ◆小川勝美 委員  情報公開審査会の答申内容にもよるがという答弁が最後にありました。答申自体は,諮問がされて今審議されているわけです。答申がいつごろされて,その答申によっては,先ほどの基準が見直しされるということも含めての局長のご答弁だったのか,この点をお尋ねをしたいと思います。  なお,この問題については,先ほど,個人のことでもあるということですから,この程度で審査会の答申等を待って,しかるべきときに再度質問するようにしたいと思いますので,最後,この点についてのみお尋ねをしたいと思います。  もう1点つけ加えておきたいのは,医療過誤の問題とのかかわりで,この間,上田市長は,弁護士としても医療過誤問題を最も熱心に取り上げてきた弁護士であるということも考慮するならば,今までの基準どおりでいいのかなと,こんなことも思うものですから,そういう点も含みおきをしながら,再度ご答弁をいただきたいと思います。  次に,診療報酬の改定にかかわってお尋ねをしたいと思います。  先ほども段々の質疑がありました。昨年度は診療報酬が,平均でマイナス2.7%の引き下げが行われました。特に,そういう中で,私たちからいえば,医療保険制度の改悪,老人の患者負担が定額が定率に改悪されるということなどもあって,また全体として景気が悪い,そういうことから出費を抑えるということでの受診の抑制なども全体として起こっているのではないかなと思いますが,そんな中で,市立札幌病院におきましても,外来患者を中心に患者数が減少してきている,こういうことが明らかでありますし,先ほども質疑がありました。  そこで,何点か簡潔にお尋ねをしたいと思います。  1点目は,そういう診療報酬の改定等を受けて,14年度決算において影響額がどのくらいになっているというふうに見込まれているのか。それから,15年度ももう既にかなり進んできているわけですけれども,今年度の決算見込みはどのように見通しされているのか,この点をお尋ねしたいと思います。  それから2点目,診療報酬の改定の中で,これをうまくやれば収入増になるのかなという項目では,珍しい項目の一つとしてあったのが,後発医薬品の使用についてであります。後発医薬品の使用を行うと。診療報酬改定の中には,促進するためということで処方せん料に差をつけるということが書かれて,後発医薬品を使う処方せんについては点数が高くなるというふうになっております。  私たちは,今までも後発医薬品の使用について何度か質問をし,これが普及すれば医療費の抑制になるし,患者さんの3割の自己負担で薬分にかかる自己負担も軽減されると,こういうことで,より一層後発医薬品を使うべきでないかなと,こんなことを何度か質問してきているところであります。しかし,市立札幌病院の場合,全体として後発医薬品の採用割合がおおむね4%弱というふうに聞いております。なぜ,後発医薬品の採用が進まないのか。  今回の診療報酬の改定で,市立札幌病院の場合は,今院外処方せんを大量に出すようになってきているわけですから,後発医薬品を使えば,処方せん料が上がり,収入増にもつながるのではないかなと思うのだけれどもさっぱり使われないで,わずか4%弱と,こんなふうになっているのはいかがなのかなと思っております。どうしてこれが拡大されないのか,この点についてお尋ねをしたいと思います。  それから3点目,さっきも病院の財政問題が指摘されておりました。今,市立札幌病院だけでなく,全国の自治体病院というのは非常に経営が苦しくなってきている。全道の自治体病院協議会の状況を見ますと,北海道内の自治体病院の6割が赤字経営と,より一層経営が悪化してきている状況になっているのではないかなと,こんなふうにも思います。そんな中で,市立札幌病院を初めとする,そういう自治体病院の経営実態から,国に対して,やはり病院経営をしっかり守っていけるような診療報酬の改善がなされるように働きかけていくべきだと思うのですけれども,国に対してどのように診療報酬の改善を働きかけてきているのか,その重点的な中身,事項は何なのか,この点について明らかにしていただきたいと思います。 ◎佐々木 事務局長  まず初めに,医療過誤,事故の点でございますが,現在,異議申し立てがなされておりまして,情報公開審査会の答申が出た暁には,私どもはその答申を尊重したいと考えてございます。  それから,市長の施政方針との整合性についての再度のお尋ねでございますが,札幌市が保有をする行政情報は非常に多種多様でございまして,市民に対する説明責任を果たすためには,確かに原則これを公開することが望ましいことではございます。しかし,一律に取り扱うべきでない場合もあると考えております。  特に,病院における医療事故,医療過誤等に関する情報は,多くの場合,患者さんのプライバシーに抵触するものであり,いたずらに請求があればすぐ公開するという性質のものではなく,個別,具体的に判断をしていくべきものであって,必ずしも市長の方針に反しているものではないと私どもは考えてございます。 ◎高橋 事務局次長  私からは診療報酬改定にかかわる1点目と3点目についてお答え申し上げます。  まず,1点目の診療報酬引き下げに伴う影響額ということでございますが,委員ご指摘のとおり,平成14年度は患者数が減少し,それに伴う診療収益も大幅に落ち込んでいる状況となってございます。これには,委員もおっしゃるとおり種々の原因が重なり合っているものと考えられますが,診療報酬改定の影響額を推計いたしますと,約4億円ほどになるものと考えてございます。  また,今年度の決算見込みはということでございますが,現在,決算見込みの作業中でございますので,この辺はご理解をいただきたいと思います。なお,現在までのところ,外来患者数が昨年度より若干減少しているという状況にございます。  それから,3点目の国に対する働きかけということでございますが,委員おっしゃるとおり,昨年度の診療報酬改定,あるいはまた医療保険制度改革などによりまして厳しい経営状況となってございます。  そこで,良質な医療を供給していくためには,経営基盤の安定が不可欠でございますので,当院といたしましては,全国自治体病院協議会北海道支部や北海道公立病院連盟などを通じまして,国に対し診療報酬の総枠拡大の措置を講じるよう要望しているところでございます。  また,その重点項目といたしまして,技術医療を中心とした大幅な引き上げにより,実態に即した適正な診療報酬体系となるよう要望しているところでございます。 ◎高橋 薬剤部長  2点目のいわゆる後発医薬品の採用についてでございますが,ご存じのように後発医薬品につきましては,効果あるいは安全性の面からの品質保証の点,あるいは安定した供給が得られるかどうかという問題,あるいは迅速かつ適切な医療情報の提供について,それらの問題が言われてございます。そのほか,現在服薬中の先発医薬品から後発医薬品に変更することに対して,患者さんの理解をどうしていくかというような点がございまして,道内の市立病院におきましても,昨年あるいは今年度においての推移も余り変化はございません。そういう問題がございまして,その使用については慎重に取り扱っているところでございますが,今後ともこういうような環境整備の状況を正確に把握しながら,さらには患者さんの理解を得るように考えまして,その採用について検討してまいりたいと考えてございます。 ◆小川勝美 委員  財政の関係はわかりました。高橋薬剤部長,後発医薬品は値段が全然違うのです。医学的に効能は検証されているから厚生労働省も認可をしているわけです。そして値段が全然違う,10分の1,20分の1と,こんな状況になっていて,なお進まないというのはちょっとおかしいのではないかと。まして,今回の中で,診療報酬の改定で後発医薬品を使うようにとわざわざ政府厚生労働省でさえ処方せん料に差をつけてきているのに,市立札幌病院の比率がわずか4%弱と,国会で厚生労働大臣が答弁している国立病院の比率の半分ですからね。これはやっぱりどこかで検討していただいて,改善に取り組んでいただきたい,こういうふうに述べておきたいと思います。  次に,最後の質問をさせていただきます。  市立札幌病院が購入する医薬品,院内で使う薬であるとか,あるいはガーゼ,包帯とか,医療機器,こういうものなんかについて同じ消費税がかけられております。消費税というのは所得の低い人に非常に重い不公平税制であります。しかも,今,大きな議論になっているのは,この消費税の税率を2けた台に上げていこうという状況が政治の大きな課題になってきております。  そんな中で,病院にかかわる消費税が,病院の経営にどんな影響を与えているのか,これらについて5点ほど簡潔にお尋ねをしたいと思います。  そこで1点目,病院が購入する医薬品や医療機器への課税は,実際にはどんなふうになっているのか,具体的にお示しをいただきたいと思います。  2点目,それではその消費税の額,市立札幌病院の場合,年間の支払い消費税金額はどの程度になっているのか,これも明らかにしていただきたい。  それから3点目,診療報酬には消費税がかかっておりませんので,1割ないし2割,そして健保本人のように3割自己負担する人は,3割を負担しているわけで消費税は払っていません。診断書料なんかを払ったときには5%の消費税分も払っておりますけれども,一般的にはいろんな医薬品にかかっている消費税は転嫁ができていないと思うのであります。転嫁できない消費税相当額の補てん措置がどうなっているのか。  それは結局,診療報酬というのは内税になっているから,もう補てん何かないと,初めからそうなっているのだと,こういうことなのかどうなのか,この点をお聞きしたいと思います。  4点目,補てんがされない,あるいは補てん措置はないのかどうかわかりませんけれども,一般会計やその他から補てん措置というのは全く考慮されていないのか。あるいは交付税措置何ていうことはされていないのかどうか,これもお尋ねをしたいと思います。  5点目,消費税の問題について,結局,病院がかぶってしまうというようなことになっているのではないかと思うのですけれども,この診療報酬の改善要望に向けて,この点を国にどう働きかけて取り組んできているのか,明らかにしていただきたいと思います。  以上,5点です。 ◎高橋 事務局次長  消費税の関係についてお答え申し上げます。  まず,1点目の医薬品あるいは医療機器,材料費等につきましては消費税は課税となってございます。  それから,2点目の年間の支払い消費税金額ということでございますが,消費税相当額は約4億100万円となってございまして,このうち控除できるのは約1,200万円のみで,残りの3億8,900万円が病院の持ち出しとなってございます。  また,医療機器等の購入にかかる消費税相当額は約4,300万円となってございまして,このうち控除できるのは約130万円のみで,残りの約4,170万円は控除対象外消費税として,翌年度から6年間で償却をいたしておるという状況でございます。この結果,控除できない消費税が病院経営を圧迫する大きな要因の一つになってございます。  それから,3点目と4点目の消費税相当額の補てん措置ということでございますが,一般会計あるいはその他からの補てん措置というのはございません。  それから,最後の改善要望ということでございますが,関係機関を通じまして,国に対して病院が購入する医薬品,医療機器等の消費税の補てん措置を講じ,病院の負担の解消を行うというような趣旨で要望しているところでございます。 ◆小川勝美 委員  今,市立病院で消費税が3億8,900万円も持ち出しになっていると。そして,機械の分では4,170万円というのを,結局,翌年から6年かけて損金で償却していくと,こんなふうになって,全体として市立病院にかかってきている消費税が経営を大きく圧迫すると。毎年3億8,900万円もこんな形で持ち出しになっていくのなら,皆さんが本当に一生懸命努力して経営改善しようとしても,政府によって経営が次々と圧迫,痛めつけられると,消費税でこんなふうな姿になっているのが病院経営だと思うのです。  これは市立札幌病院だけではなくて,全国の病院が同じように診療報酬に別枠で消費税を取っておりませんから,支払いはするけれども消費税は転嫁できないと,こんな状態になっている。これをさらに,今5%の消費税を10%に上げていくなんていう論議は到底許されることではありませんので,この点については,ぜひ病院経営がきちっと行えるような形で,より一層強力に国に改善方の努力をしていただきたいということを申し上げて,私の質問を終わります。 ◆佐藤典子 委員  私は,痴呆性高齢者の看護の観点から,何点かお伺いいたします。  今,急激に高齢化社会が進んでおり,痴呆の問題は非常に深刻な問題になっております。2002年9月末,厚生労働省が行った推計によれば,介護保険サービスにおける介護認定で,要介護また要支援とされた高齢者は約340万人,そのうち約45%の149万人に痴呆が認められ,施設の入所者では8割,居宅でも3人に1人の痴呆が認められるということが明らかになっております。  痴呆症の高齢者を抱え,在宅介護を進める介護が精神的にも身体的にも大きな負担になり,そしてついには高齢者虐待,また家族そのものが壊れてしまうといったような悲惨な経緯,また,そのケースを身近に見たり聞いたり,そうしたことは決して少なくない状況にあります。  こうした家族の悩みに支援の手を差し伸べつつ,痴呆になった高齢者も自立した一人の人間として,人生の最期まで尊厳を持って生きることができるような,そういう地域の仕組みや環境づくりを急がなければならないと考えております。  そこで,まず最初に,市立札幌病院静療院の老人性痴呆疾患センター及び老人性痴呆病棟についてお尋ねします。  老人性痴呆疾患の患者さんとして静療院に通院,あるいは入院している患者さんがどれくらいいらっしゃるのか,実情をお伺いします。  また,痴呆への対応には,まず家族の正しい理解が必要です。そして,人間としての尊厳を思いやる心,また,それらに対するフォロー,そしてケアが求められているわけですが,静療院では,ほかの機関と連携しながら家族等への働きかけをどのように行っていらっしゃるのか,伺います。  あわせて,痴呆性疾患センター及び老人性痴呆病棟の果たす役割をどのように考えておられるのか,伺います。  次に,それを踏まえまして,一般病棟に痴呆の患者さんが入院されるという場合も多々ふえてきているのではないかと思います。けがやほかの疾病を併発して,痴呆症状のある患者さんが一般の患者さんと同じ病棟に入院する,また入院してから痴呆の症状が出てくる,そういう場合も多々あるかと思います。  実際,私も痴呆症状のある親を一般の病棟に入院させた経緯がありまして,受け入れてくださる病院側の患者に対する態勢が最も大きくかかわっています。そうした中で,患者さんが徘回したり不穏な行動をとる,また,そういうために夜間は手を縛るとか睡眠薬を飲ませる,また,やむを得ない対処かもしれませんが,そういったさまざまなことによってどんどん痴呆の症状が重くなる,そして残された自立する力とか,人間として生きる,そういう力がどんどん衰えていくというのを目にしたこともあります。  そこで,伺いますが,市立札幌病院では痴呆症状のある患者さんを受け入れるに当たって,どういうふうにとらえ,把握しているのか。また,痴呆症状のある患者さんは,現在,何人くらい入院しておられるのか,伺います。  そして,痴呆症状のある患者さんに対して,どういうふうな対応を行っていらっしゃるのか。あわせて,一般病棟に入院中の患者さんの治療,また家族に対する精神的なケアをどのように行っていらっしゃるのか,伺います。 ◎安田 静療院長  お答えします。  1点目の静療院に通院,または入院している老人性痴呆の患者さんの数ですが,平成14年度で見ますと,外来は年延べ996人,入院は年延べ1万1,429人です。  2点目の患者さんの家族や他の関係機関との連携についてですが,静療院では医療ソーシャルワーカー等の専門職員を置く総合的な相談窓口として老人性痴呆疾患センターを設置し,患者さん,家族の援助,各区の保健福祉部,民間の福祉施設等関係機関との連携に努めているところです。
     そこでは,痴呆なのかどうかわからない,施設や病院を利用したいがどうすればよいかといった本人,家族からの個別具体的な相談に応じているほか,関係機関が抱える処遇困難事例について,家族も含めた協力体制のもとで処遇方針の検討,施設紹介などに応じております。14年度では,電話での対応を含めて1,450件の利用がありました。また,要請があればこうした関係機関が行う研修会等へも職員を積極的に派遣しております。  3点目の老人性痴呆疾患センターと老人性痴呆病棟の役割についてですが,まず,老人性痴呆疾患センターについては,先ほど申し上げましたが,患者さんの家族にはもちろん,公立や民間の保健福祉の関係機関との連携を図る上での中核となる総合相談窓口として位置づけております。今後も,それにふさわしい一層の活用を図りたいと考えております。  また,老人性痴呆病棟は精神神経科の専門医により,入院による医療上のケアが必要と診断された患者さんを受け入れる入院病棟です。基本的には,早く社会性を取り戻していただくため,短期集中的に医療サービスを提供する場と考えておりますが,現在は介護福祉施設等で精神症状のために処遇困難な老人及び同様な状態にある単身の独居老人も受け入れている状況です。 ◎多田 看護部長  本院における痴呆疾患等の患者さんの把握とその人数についてお答えいたします。  このような患者さんの様子につきましては,看護師が巡回した際などに確認し,その情報を日々管理日誌に記録することによって各病棟や看護管理室で把握し,共有するというシステムをとっております。なお,現在,8名の患者さんが入院されているところであります。  次に,現在行っている対応ですが,看護師等が患者さんにつきっきりでいることは困難ではありますが,看護師同士が連携をとりながら,できる限り患者さんのそばに行くよう心がけております。患者さんによっては,ご家族に了解を得て監視カメラのある病室に入っていただく,日中ナースステーションで過ごしていただく,あるいは病室の前を通るたびに室内の様子を見たり,声をかける等の対応を行っております。  さらに,徘回や見当識障害等で特に注意を要する患者さんには,ベッドを離れようとするとナースコールが作動するセンサーを設置して対応しております。また,人工呼吸器や持続点滴等の管類を患者さんが抜いてしまう,そのことで生命に危険が及ぶような病状の患者さんには,安全確保のため,必ずご家族に了解を得てから,やむを得ず必要最小限度の範囲で身体の抑制をせざるを得ない場合もございます。患者さんによっては,医師の指示にて精神神経科を受診していただく場合もあります。  次に,患者さんの痴呆症状の治療に関しましては,主治医や担当看護師が精神神経科の医師と連携をとりながら行っております。  精神的ケアについてですが,患者さんご本人には看護師ができるだけ声をかけるようにしております。また,ご家族には看護師から患者さんの日々の様子をお伝えすることに加え,患者さんの精神的な安定を図るため可能な限り来院してもらい,会話をしていただくようお願いしております。それにあわせまして,ご家族には痴呆に対する認識を深めていただくとともに,心配事ですとかさまざまな相談をお受けして,精神的な重荷とならないよう対応させていただいているところでございます。 ◆佐藤典子 委員  痴呆症といっても,アルツハイマー型とか脳血管型というものがあって,脳の病気としては130障害あるとか聞いています。そして,その8割から9割が脳血管型と言われていて,脳血管型の場合は適切な治療,そして中度までは薬で対応できると聞いています。私の体験でもそうですが,薬を適切にいただくということは非常に大事ですし,家族の心配を受けとめていただくところがあるというだけでも,痴呆の家族を抱えるものにとっては非常に大きな心の支えとなっています。  そういう意味でも,静療院が持つ役割というのは非常に大きいと考えておりますので,適切な治療,また充実した家族へのケアを今後とも続けていただきたいと考えております。  そして,今後の一般病棟での痴呆症状のある患者さんに対する対応についてですが,今後,さらにどういうことをお考えか,伺いたいと思います。  そして,看護体制のあり方として,特に私などは,男性の看護師がもっといていただけたらいいなと思うようなところも多々ありまして,そのことについてどのようにお考えか,伺います。  また,ほかのけがとか内臓疾患が完治して地域に戻るとき,そうしたときのケアにどのような対応を考えておられるか,精神的なフォローも含めまして,あわせて伺いたいと思います。 ◎多田 看護部長  初めに,痴呆疾患のある患者さんに対する今後の看護体制のあり方についてですが,現在の看護体制を継続する中で,患者さんの尊厳を守るとともに,身体機能を低下させることなく,入院前の環境に復帰していただくことを目標に,今後ともよい方法がないか学習を深めたいと考えております。  なお,男性の看護師のことが,今,委員の方からお話がありましたけれども,現在,男性の看護師は本院に8名,静療院に24名勤務いたしております。私も男性の看護師の採用ということは,委員と同様に考えておりますので,このこともあわせて今後の検討にさせていただきたいと思っております。  退院時の支援やフォローの状況ですが,現在,看護相談室に4名の看護師を配置しております。主治医,担当看護師等と相談・協議した上で,ご家族に退院後の生活環境等を考慮した療養方法をお示ししたり,転院先病院や在宅で療養される場合の訪問看護ステーションなどの紹介を行うとともに,患者さんからの幅広い相談を受け,退院後の療養にかかわるさまざまな問題解決に当たっております。  また,退院後の経済面での支援につきましては,医事課に福祉制度,助成制度に精通した医療福祉相談窓口が設けられており,看護相談室と連携して患者さんに最も適したアドバイスを行っているところでございます。 ◆佐藤典子 委員  最後に,これは要望ですが,痴呆症の高齢者がどんどんふえてくるということで,介護の問題は本当に私たち家族や女性だけが担えるものではないというところで,静療院におきましてもそうですし,また医療のあり方も社会全体で考えなければならないと思っています。  今後も,男性看護師をふやしていただいて,体格のいい方のケアに当たるとか,そして女性のお年寄りでもいろんな方とおしゃべりをすると心が和むとかということがありますので,もう女性だけとか,そういう性別にかかわらず,地域社会で考える仕組みをつくっていけたらと思っておりますので,今後とも積極的にいろんな方面で協力していただきたいと思っています。 ◆松浦忠 委員  私の方からは3点について質問をいたします。  まず最初に,医者と患者のかかわりについてであります。  院長は先ほどの答弁や本会議での答弁でも,医者と患者のかかわりについて,特に医師の経験年数だとか,あるいは在籍年数について関係がないという答弁をされました。富樫院長は,その答弁をどういう基準で関係がないというふうに判断されているのか,その点について,院長の考え方,判断された基準をひとつ明らかにしていただきたいと思います。これが一つであります。  2点目は,平成14年度市立札幌病院において,医師と患者のいわゆるトラブル,治療をめぐって,あるいは対応をめぐってのトラブルが何件あったのか,それはどういうところに起因したと思われるか,明らかにしていただきたい。  それから,チーム医療ということを院長は言っておられたけれども,チーム医療というのはどこまでをチーム医療で対応するのか。私は,基本的には,外来の患者で言えば,診察に当たった医師と患者との最初の出会いのところからが治療で,その診察に当たる医師のすべてが患者との関係をつくっていくというふうに,今まで多くのお医者さんともかかわってきましたけれども,ほとんどの方がそのように答えております。  チーム医療で,個別の患者との対応で信頼関係が築けるというふうにとれる答弁もされておりましたけれども,それはどういう対処の仕方でそういう関係が築けるのか,明らかにしていただきたい。  あと,医師の募集方法と経営にかかわる問題,研修にかかわる問題とありますけれども,特に,この問題については,先ほど議会での答弁の修正なども伊与部委員から出ておりますから,まずこの問題から一つ一つ,3点整理していきたいと思いますので,ひとつまずこの問題からお答えいただきたいと思います。 ◎富樫 病院長  お答え申し上げます。  在籍年数とそれから患者数との関連について,これは関連がないという私たちの考えは,3番目のご質問と関連するところでございますので,そういう点から申し上げますと,チーム医療というのは,各科が複数の医師で成り立っておりまして,ある患者さんが治療を要するということになりますと,その診療部長とそこに属する医師とが連携をとりまして,そして一つの治療方針というものを立て,そして診療部長が責任を持って主治医というものを指名して,その主治医と患者さんとの間で医療が行われていくということになっております。  そこで,その主治医がいろんな理由でやめるようなことがございましたら,その医療の引き継ぎは,その診療科のチームの医療で行われるということで引き継ぎが行われておりますので,そういうことで治療方針が一致しているというふうに申し上げたつもりでございます。  14年度における医師と患者のトラブルの件数については,私,現在のところ資料を持っておりませんので,不明でございます。 ◆松浦忠 委員  富樫院長,例えば,入院をした1人の患者が,複数の疾患を持っているという場合について,チームを編成してその治療に当たるという,これは一般的にチーム医療と言われております。それから,一つの病気でも,例えば,アレルギー疾患だとか,余り今までに例のなかったような病気が出てきて,それにどう対処するかといったようなときに,関係の人たちが集まって,お互いに研究し合って治療に当たるということは,これは今までも行われてきております,一般的にも。  さて,初診の患者が来て,当日の診察医がそれぞれ診察室におりますから,そうすると,特別に患者が医師を指定しない限り順番に診察室に入っていって診察を受けるわけです。ここからいわゆる患者と医師との信頼関係の問題が出てくるわけです。そこでどのように患者に対処するかということが,その病院に継続して治療に行くか行かないかという患者の大きな判断になってくるわけです。  したがって,富樫院長,患者と医者との関係で,どの病院を選ぶか,どの医師を選ぶかというのは,医者の方が選ぶのではなくて患者の方が選ぶわけです。そして,患者が選ぶときに,今まであらゆる本など,あるいはいろんなことで言われているのは,まず患者の方が,そのお医者さんがどのぐらいの経験を積んでおられるか,例えば,どういうような症例の手術があったかと,そういうようなことをいろいろ考えて,まず患者側は医者を選ぶ,その前に病院を選ぶとなるわけです。これはどなたに聞いてもそれは変わりないのです。  私は,市立病院は去年も何件かトラブルについて市民から訴えがありまして,中に入りました。そのお医者さんというのはどういう方かといったら,勤続年数の短い若い医者でありました。患者さんの方は非常に憤りを感じていて,そして,その医者に対して,当然これは謝罪を求めなきゃならぬと,病院長にきちっとどう対処するのか抗議したいと,こういう話がありましたけれども,担当の事務の課長などが中に入って,いろいろ骨折って穏便におさめてもらったのです。  私は,富樫院長自身が長い経験をされていて,特に,院長は小児科が専門でありますから,ほとんど意思表示ができない,言葉がしゃべれない子供が専門ですから,特に患者の心理的なものを読むことは,ほかの科のお医者さんよりは勉強されて,たけておると私は思っているのです。その院長が,勤続年数だとか経験等は関係ないという答弁をされる,これ以降もされていくとすれば,私は長々とやりとりはするつもりはありませんから。  院長ね,それでは,市立病院に来ている患者に対して,私と院長とで共同でアンケートをとって,患者はどういうことで病院に来るか,(発言いる者あり)これは笑い事ではないのですよ,患者が何を求めて市立病院に来るのかと。このことをきちっと掌握せずして,その経営も何もないのですよ,これ。経営も何も。院長,これはぜひやりましょう。  それからですよ,私への虚偽答弁があるかないかという問題に結論を出すのは,私は,率直に言って,院長は虚偽答弁をしている。本心ではないけれども虚偽答弁をしている,今でも私は確信を持っています。言った言わない,思った思わないは,当事者のお互いの気持ちの問題でありますから。  したがって,何で市立病院を選んで来るか,何で医師を選ぶかということを,お互いきちっと共同でアンケートを作成して,市立病院の患者に対してやってみましょう,これ。その結果,院長の言うように,医師は関係ないと,設備がよくて来ておるのだと,あるいはチーム医療がすばらしくて来ているのだということになったら,私は院長に対して言った言葉について,取り消すと同時に陳謝いたします。これは大事なことですから。したがって,頭を丸めるのもいいでしょう,何でもしましょう,それは。  しかし,こういう大事なことを横に置いておいて,表向きのことだけでやっていって経営なんかうまくいくわけありません。だから私は申し上げているのです。  したがって,ぜひそういうことでやりたいと思いますが,院長,いかがですか。 ◎富樫 病院長  お答え申し上げます。  ただいま委員ご指摘ありましたことにつきまして,大部分,私と一致しているご意見だと認識しております。医師の技量と申しますか,医師対患者さんとの対話,または診療ということにつきましては,日々世の中の医療情勢がどんどん進んでまいりますし,若い医者であっても,また,年をとった医師であっても,その技量を高めるという経験を毎日積み,研さんしているところでございまして,そういう医師の向上心というところに,若い人たちに寛容なお考えもいただきたいというふうに存じます。  それから,市民または患者さんがどのようなことをお考えであるかということに関係してのアンケートは,私たちの病院で複数回やっておりまして,そのご意見に沿って,私たちの病院を向上させようというふうに日々努力しているところでございます。この件に関して,松浦議員と,もしお互いに歩み寄れる,そういうアンケートの内容がございましたならば考慮したいと存じます。 ◆松浦忠 委員  私は,別に私が一方的にやると申し上げておりません。院長とお互いに考えて,そして連名で一つのアンケートをつくってやりましょうと,こう言っているのですよ,(発言する者あり)院長,私が言っているのは。私はそう言っているのです。一緒にやりましょうということはそういうことですよ,院長。(発言する者あり) ○涌井国夫 委員長  静粛に。 ◆松浦忠 委員  (続)だれが税金使っているの,私の調査研究費でやりますよ。それが調査研究費というのですよ。 ○涌井国夫 委員長  質問してください。松浦委員。 ◆松浦忠 委員  (続)じゃ,ぜひそれやりましょう。  さて,そこで院長,続いてこのことに関連して,実は,今,北海道大学に,教授から始まって医師と言われる大学院生,研究生までで1,000名います。今,この方々にアンケートをしております。もう80人くらいから回答が返ってきて,その中の1通にこういうのがあります。京都の大学を出て北大に来たと,その方が,このアンケートの中に書いておられるのですが,札幌の医師のサービスは京都の10年前のレベルだと,こう書いているのです。多くは申しません,後でお見せしますから。私は,市立病院が院長を初めとして,ここのところをどうするのかということをもっと考えていかないと,私が本会議でもこの間指摘をしましたけれども,いわゆる6年で大学を出て,医師の国家試験が受かってですね,義務はありませんけれども,努力義務の2年間の任意の研修を受けて,その後,市立札幌病院に一人前の医師として現在19名います。いわゆるこの19名は,各医学会が行っております専門医の認定試験にまだ合格前の,そういう意味では,医師の世界では研修と言うそうですけれども,研修の方が19人います。これは定員の中にいます。そして,医長と言われる職員の方までで平均3年2カ月だと。そうすると,病院の中で一番働き盛りの人といえば,医長クラスまでの副医長あるいは一般医も,その辺のところが一生懸命働かなければならないところなのすよ。  それが平均して3年足らずぐらいで交代していくと,信頼関係ができません,これ。もっとわかりやすく言えば,医師全体の7割前後が北海道大学医学部から派遣されてきている,いわゆる医局派遣の基幹中心病院の一つが市立札幌病院だと。そういう中で,お医者さんが順番に回っていくという,そういう過程の一つの病院が市立札幌病院だということでは,この市立札幌病院で患者と医師との信頼関係が希薄だと,患者が余計来ないと。そして,出た赤字は市民が負担をする。病院の責任者は市長だと。そして負担責任者は市民だと。そうしておいて,医者の派遣だけは北海道大学の医学部が責任を持ってやっていると,これでは市立病院の経営が成り立たないから,私はこの問題を指摘しているのです。よく肝に銘じてこの問題の解決のためにひとつやっていただきたい。  そこで,2番目に,医師の採用のあり方であります。  医師は地方公務員ですから,公に募集をして医師を採用するということが一般だと思いますが,今まで市立札幌病院の医師の採用はどのようにしておられたか,この点についてお尋ねします。  それから,経営問題であります。  経営問題については,先ほどからも話がありましたように,懇話会がありますけれども,皆それぞれ専門職の方ばかりであります。私は,この懇話会のメンバーを見たときに,これはむしろ病院の中の診療体制をどのようにするかということを相談するメンバーかなというふうに,実は思ったのです。  経営を相談するとなったら,やはり病院経営の専門家,そしてさらに,患者として市民の意見を取り入れていくために,市民の代表などを含めた,きちっとした経営委員会という位置づけにしたものをつくって,きちっと経営に当たっていくということが私は大事でないかと思うのです。これらについて,今までそういう考え方で検討したことがあるかどうか,お答えをいただきたい。今後,その辺について,経営委員会として,そういう方向を取り入れていこうとするかどうかをお尋ねしたい。  それから,3点目は,来年から始まる市立病院の研修でありますけれども,きょういただいた北海道大学の教官からの回答では,来年卒業する100名の医学生のうち,研修で市立病院を希望する人は50%を超えているということであります。したがって,ほかの大学や本州の大学から帰ってくる人もいるでしょうから相当な数が来るようになると思います。これらについて,さっき40名という枠の話があったのですが,40名の枠を設定したということは,例えば,北海道大学医学部とあらかじめ希望などをとって,このぐらいはうちで請け負うかというようなことで決められたのか。それとも,ふえるだろうということで倍増されたのか,その点についてお尋ねします。 ◆小谷俵藏 委員  (関連)今の松浦委員の質問に関連で少しさせていただきたいと思います。  申し上げるまでもなく,私も市立病院に,10年以上,大変お世話なって現在に至っているわけであります。そういう患者という立場も含めながら,今の質疑について若干私なりに意見を述べさせていただきたいと存じております。(発言する者あり)今,その質問をしますから。  それは,どういうことかといいますと,私は病院の経営者,病院長を中心とする経営側の認識,患者の認識,これは当然,残念ながら違うところがあってもこれは否定すべきものではないと思っております。  患者は自分のかかった病院,先生を信頼して命を預けている立場であります。したがって,その病院の先生がほかに移られる,転院される,あるいは開業される,そういったときに,続けて病院にかからなければならない場合は,その先生に,可能な範囲において,そちらへついていく患者さんもたくさんおられるということを私は承知をいたしております。  しかし一方,公立の,この市立札幌病院,ベテランのお医者さんももちろん重要だと思います。中堅のお医者さん,そして新進気鋭の,これからこの医療界の中で,だんだんと腕を磨きながら,多くの患者と接しながら知識を得ていかなければならない先生も必要なわけでありますから,そのためには,人事異動でお医者さんが動くということは当然あり得ることだと私は思っております。  問題は,そのローテーションであります。ローテーションが過去と現在と相当違うのか違わないのか。違うとすれば,どういう認識で変わってきているのか。私は余り変わっていないというふうに理解をいたしておりますけれども,その辺をお聞かせをいただきたいと思います。 ◎佐々木 事務局長  1点目の採用方法についてのお尋ねでございますが,私ども市立札幌病院における職員の採用でございますが,これは当然,地方公務員法にのっとりまして採用いたしてございます。地方公務員法の第17条では,人事委員会を置く地方公共団体においては,職員の採用及び昇任は競争試験によるものとするという定めがございます。ただし,ただし書きがございまして,人事委員会の定める職について,人事委員会の承認があった場合は選考によることを妨げないと,こうなってございます。この規定を受けまして,札幌市職員の任用に関する規則で,一定の資格または免許を必要とする一般技術の職については,人事委員会が指定をして,選考による採用を認めております。医師職については,この規定をされている選考採用によって採用しているところであります。  この選考というのは,特定の者が特定の職につく適格性があるかどうかを確認した上で採用するということになっておりまして,私ども医師職については一部臨床研修医を除いて,非公募で採用しているところでございます。 ◎富樫 病院長  あり方懇話会にかえて,病院経営のために経営委員会などを設けるつもりはないかどうかというご質問でございますが,病院経営のために市民の意見等を反映すべきということにつきましては,今後,その方法を研究してまいりたいと考えております。 ◎樋口 副院長  レジデントの人数についてのご説明をさせていただきます。  来年度の人数は一応20人を予定しております。この決定に関しては,そのうち10人はいわゆる公募,全国的な公募ということで10人を予定しております。残りの10人は北大,医大,それから旭川医大合わせて,大学との関係でちょっと難しい話になるのですが,たすきがけということで,大学に1年いる,それから我々の病院に1年いるという,2年間を半分ずつ分ける形で,そういう特殊な形を半分,10人,10人というふうに決めております。  現在,我々の研修医は,1年目,2年目合わせて20数名でございます。この研修というのは人間を育てることですから,口で言うほど簡単なことでありませんので,とりあえず教える方の問題ということと,それからやっぱりお金がかかります。ですから,そういう経営的なことも踏まえて,一応国の方からは,我々の病院の規模でしたら研修をたくさんするようにという指示もありまして,いろいろ考えまして前年より約2倍近い40人という,2年間ですけれども,20人,20人をとると,そういうふうに考えました。  ただ,4月からこの制度が始まっているのですが,非常にあいまいなことが多くて,今ようやく少し数字がはっきりしてきたのですけれども,マッチング方式と称して,全国的にどの人が来るかというのはまだ決まっていません。そういう非常に複雑なことが来年から始まりますので,特に1年目ということで,我々としてもどうなるか非常に不安な状態で来年の4月を迎える状態です。  いずれにしても,1年間20名を一生懸命教えていきたいというふうに考えております。 ◎富樫 病院長  小谷委員からのご質問についてお答え申し上げます。  私たちの病院の勤務医のローテーションについて,昔と変わっているかどうかというご質問だと思いますが,昔と大きな違いはございません。各診療科の関係医局から,転勤または開業される先生の後を推薦いただき,先ほど事務局長が申し上げましたような選考をして,来ていただくということになってござています。  最近,社会問題化しております医局の人事の整合とか,そういうことにつきまして,当院については全くないというふうに認識しております。 ◆松浦忠 委員  まず,採用の問題で,市立札幌病院に勤務したいというお医者さんもかなりいるのです。私は,やはり市立病院の経営上の問題を考えたら,一定の経験のある人の比率をふやしていかなければだめだと。それには公募で市立病院の試験をして,それを受けて入ってくるお医者さんは,少なくとも2年や3年でかわるなんていうお医者さんは入ってきません,公募をしたら。  したがって,そういう公募で一定の医者をとって,特に来年から,厚生労働省は研修の人たちにお金を払って,そして基本的に市中病院で研修ということになっているわけです。今度,研修の指導医をつけるということになっているわけです。そうするとやっぱりベテランのそういう一定の経験年数を持ったお医者さんもある一定の数がいなかったら研修もしていけないわけです。  そういうことから考えたら,少なくとも来年の春から,市立病院の医者の採用については,ちょっと北大の方に,申しわけないけれども,今までの3分の1はやめさせてもらうからと言って,そして公募して,きちっとその指導もできるような技量を見きわめた医者,経験を持った医者を採用していくということを,私はぜひすべきと思うのです。そうでないと,今のような回しの中で来ているお医者さんの経験年数からいったら,とてもではないけれども,受け入れた医者のだれもが研修医を指導していけるということにはなっていかないと思います。  したがって,これは,私は来年からそうすべきだと思うけれども,院長は,今のままで,厚生労働省が考えている指導体制をですね,今の一般の診療に全く影響を来さないできちっとしていけるという確信はあるのですか。これは院長が確信があると答えたって,私は経験年数を含めてみたら,そうはいかないと思います。  それからもう一つは,市立病院を受験したいという希望者がいるわけですから,そうしたらその希望者をやっぱり受け入れていくというですね,いわゆる北大の医学部を中心としたこの回しの中だけではなくて,いろんな病院へ行って経験を積んで,子供もほどほどに成長したから,札幌に居を構えて,今度はひとつ,市立札幌病院に骨を埋めようかと,こういうお医者さんだって結構いらっしゃるわけですよ。そしたらですね,みんなで,これはなかなかいいぞという人を,ちゃんと適性を見てとっていけばいいわけですよ。  私は,院長に聞きますけれども,先ほど事務局長が適性を判断してと言いましたけれども,それでは今まで,古くは言いません,少なくともここ3年のうちに北海道大学から推薦を受けて,ちょっと適性に合わないからといってご遠慮いただいたという方はいましたか。何人いましたか,具体的に言ってください。 ◎富樫 病院長  委員ご指摘のようなお断りしたという,そういう実績はございません。 ◆松浦忠 委員  院長,返ってきた約80通のアンケートの回答の中に,教官が多いのですが,この教官の一人がこういうことを書いています。「医局でずっといろんな病院に回していって,実はやってみたら,医者としてやぶまでいかないで,タケノコもいかないと。ササノコぐらいのお医者さんがいて,医局制度をなくしたら,もう一回この人たちをどこで教え直すのだ」と,こういうことが書いてあるのです。こういうのをまた引き取って,医局でもう一回勉強を教え直しているというのです。書いてきているのは教官ですよ,これが実態なのです。だから,市立病院に来ているお医者さんの中で,7割方北大から医者が来ているわけですから,お医者さんの中にそういう医者がゼロだったなんていうことは,私は統計学的に言うとあり得ないと思っているのです。  したがって,院長,これは来年からはぜひ,全部とは言いませんけれども,一部やっぱり公募をして,より優れた医者を採用して,そして市民に安心感を与える。そしてさらに,患者がふえて経営上の安定につながるという,こういう体制をつくるべきだと思います。  院長はいろいろと言いづらいことがあるから言わないのでしょうけれども,私の方からちょっと申し上げると,例えば,耳鼻咽喉科なんかは,何人かの先生がいらっしゃるけれども,ある先生のところでは,朝に行った患者が,昼も食べられないで2時ころになってようやっと診てもらえたと。予約して行っても2時間ぐらいおくれると,救急の人が入ったりして物すごいと。同じ耳鼻科でも物すごく少なくてですね,お昼になったら12時から1時までお休みよと,こういう医者もいらっしゃると。これがいわゆる医者と患者との信頼関係の問題なのです,これ。ほかの科にもあります。  それからもう一つは,大学との関係で,10年この方,恐らく科別の医師の定数の配置も変えていないでしょう。私の調べたところではここ数年変わっていません。こういう問題も,大学の医局とのつながりの中で変えるに変えられないことで,こういうふうになってしまっているという。本来の市立札幌病院としての経営上の科別の医師配置はどうあるべきかと。そういう判断から動かしていないというのが,私が調べた99%の確率の実態で,これを指摘しているのです。これについて,院長は,いや,そうでないと。院長の意思で科別の医者を患者の増減によって変えるのだぞというような考えであって,これからもそうしていくと。今までもしたというのなら,どこの科を減らしてどこをふやしたか,それらも含めて答えていただきたいというふうに思います。 ◎富樫 病院長  いろいろご指摘いただきましたことを真摯に受けとめまして,将来にわたっても,また,今すぐできるようなことについても検討して,実行できるものはしていきたいというふうに存じております。 ◆松浦忠 委員  そこでですね,院長と連名でアンケートをするということになりましたから,(発言する者あり)したがってですね,委員長,先ほど,(発言する者あり)そこで,涌井委員長に申し上げますけれども,先ほど,伊与部委員が言った,院長のいわゆる疑惑はなかったということについて,きちっと報告してくれということについては,それは私は保留を求めます。このアンケートの結果によって,私が陳謝をするか,それから院長がそれを認めるか,これはその結果によってということにしましたから。したがって,さっきの伊与部委員の発言については保留をしてください,これは。(発言する者あり) ○涌井国夫 委員長  ただいまの松浦委員の件につきましては,理事会で取り扱いを決めさせていただきたいというふうに思います。  以上で,病院事業会計の質疑を終了いたします。  ここで,およそ20分間委員会を休憩いたします。  ――――――――――――――――――      休 憩 午後3時27分      再 開 午後3時50分  ―――――――――――――――――― ○涌井国夫 委員長  委員会を再開いたします。  次に,第7款 土木費 第1項 土木総務費,第2項 道路橋りょう費及び駐車場会計決算のうち関係分ついて一括して質疑を行います。 ◆峯廻紀昌 委員  私の方からは,今冬における雪処理計画,その中でも雪堆積場について質問をさせていただきます。  この問題につきましては,皆様も共通認識のとおり,市民のニーズが大変高い問題でございます。そういった面では,どういう状況下に置かれようとも,市としては万全の体制で取り組む,構築をする,そういう義務があるというふうに考えます。  そこで,まず,14年度の堆積場の実態を分析したいと思いますが,昨年の計画では,この札幌市の除雪した雪を運び込む堆積場は56カ所,そして計画搬入量については,1,270万立米という形で計画をされております。しかし,実績でいきますと約1,520万立米で,計画に対して約119.8%の実績だったと。当然,計画の容積からいって,まだその場所の一つ一つは少し多く積めるでしょうから,概算的には要は約1,600万立米ぐらいの処理ができる能力の中で,昨年度はどうにか処理し得たということで分析をしております。  しかし,今年度につきましては,東区のモエレ南地区,あるいは西区の五天山地区が公園造成地のため,また,厚別区の山本北地区についても,ごみの埋立地として準備に入るために,今年度から雪堆積場としては使えない状況になるというふうに聞いております。今,お話しした堆積場の部分については,本年まで本市が利用していた堆積場の中でも非常に大規模な部類に入ります。そして,昨年の搬入量につきましては,モエレ南地区が約49万立米,そして山本北地区が約53万立米,五天山地区については約54万立米となっており,この三つを合計しますと約150万立米の容積があるわけでございます。この部分を例えますと,現在ある札幌ドーム,本当にこれが満杯になってしまう容積分が,今年度から使用できなくなるというふうになっております。
     また,そのほかにも,小規模でありますけれども,東区の長沼東地区,そして雁来処理場跡地が閉鎖となる。さらには,北区の新琴似3番でも約10万立米程度面積が縮小するというお話を聞いております。それを総合的に計算しますと,昨年度に約200万立米処理した分が今年度においては使用できなくなる,堆積場を確保することが非常に大変な状況にあると思いますし,今冬の体制については,若干心配が先立つものがございます。  そこで,まず質問いたしますが,平成15年度の除雪事業計画が間近に出されます。そういった中において,この状況を踏まえて,ことしの雪処理計画がどのようになり,また,区ごとの雪処理は,なくなった部分をどこに持っていくかとかいろいろあると思いますが,そういったことについての計画を,まずお伺いいたします。 ◎志賀 雪対策室長  ただいまの峯廻委員の今冬の雪処理計画についてでございます。  ご存じのように,雪の搬入量につきましては降雪量によって異なります。平年ベースで考えますと,今のご質問の中にも出たように,約1,600万立米の容量が必要という形になってきてございます。堆積場の中には公募型と民活型と,それから施設型という形で,例えば融雪溝,そういうような話がございます。今冬の公募型の雪堆積場は36カ所で,昨年度より4カ所少のうございます。民活型の雪堆積場につきましては,昨年度より4カ所多い20カ所を採用したところでございます。したがいまして,全体の箇所数につきましては,昨年と同数の確保ができたというふうに考えているところでございます。  これらの堆積場の雪処理量につきましては,公募型36カ所で880万立米,それから民活20カ所で600万立米,さらに融雪施設の雪処理量,これは新規に東区の伏古川融雪管と,それから西区の新川融雪槽を含めまして約120万立米ということになります。このことから,その三つを足しますと,平年並みの全市総量1,600万立米の雪が受け入れ可能だというふうに考えているところでございます。  次に,ご質問の区ごとの雪処理量はどのようになるかということでございます。先ほどの話のように,三つの大きな雪堆積場がことしからは使えなくなるということでございまして,特に東区,厚別区,西区において昨年より下回る予定量とならざるを得ないということでございますけれども,これらの不足分につきましては,例えば,西区の方から近接する手稲区の方に,平たく申し上げますと玉突き状態というような形で,なるべく距離を短くするような形の中で,隣接区に運搬するというような形を用いまして,いわゆる全市的な枠組みの中で何とか調整して対応させていただきたいというふうに思っているところでございます。 ◆峯廻紀昌 委員  ただいまの答弁で,おうかがいするところ,今年度については,新たな堆積場も含め新川融雪槽の新設,あるいは伏古川融雪管の関係も含めて,どうにか昨年並みの処理が可能であるというお話がありましたので,いずれにしても,今年度はその部分での体制はまず万全につくり上げていただきたいというふうに思います。  それで,今回,この堆積場について問題提起をさせていただいた部分では,昨年まで市が確保をしていた堆積場の中身をちょっと分析をさせていただきました。それによりますと,使えなくなった部分もありますけれども,昨年の分でいきますと,56カ所ある堆積場の中で札幌市が所有している土地,これが16カ所です。そして,河川敷地が17カ所,残り23カ所が地主さんから借りている借地なわけです。そういった部分も含めて56カ所の内訳になっております。  そういった中では,この河川敷地や借地の部分で,ほかの方からそういった部分で力をおかりして処理している堆積場の割合が全体の7割を占めると,そういう状況であるのではないかと思います。そういった意味では,この河川敷地についても環境問題等により,これからもしかしたら使えなくなるかもしれない予測もありますし,なおかつ,借地については,地主さんが貸さないということにいつなるかもわからない,そういう不安定要素があるというふうに,まずご指摘をしたいと思います。  そういった中で,今日まで,雪対策基本計画のアクションプログラムの中でも,雪処理の中核的な施設,それは市の郊外や河川敷地に配置される雪堆積場と位置づけており,さらに施設型雪堆積場や融雪槽を配置して,平成21年度までには1,696万立米を処理できる能力をこのプログラムの中で進めております。しかし,このプログラムを策定している今日的状況の中では,こういった河川敷地や,あるいは借地の部分が使えなくなるということが想定されてはいないのではないかなというふうに思います。全くゼロとは言いません。しかし,ある意味,そういったことに頼っている部分を,いつまでも続く要素として考えていたのではないかなと思います。  そういった意味では,今,お話ししたこの河川敷地あるいは借地についてもいつ使えなくなるかわからない,そういった不安定要素を考える中で,この雪問題,そして堆積場問題をこれからどうしていくのかということが大きな課題としてあるわけです。  簡単に言いますと,アクションプログラムに基づきまして交差点の除排雪やパートナーシップの推進,何ぼ雪をはねる仕組みを確立をしても,投げる場所がなくなったら,これはパンクなわけです。そういった意味では,寒冷性気候であるこの札幌市の中で,この雪問題,緊急事態になったからその場で対応できるということは絶対あり得ないわけですから,今からある意味,そういう今までの考えを払拭する中で,札幌市が雪堆積場をどう確保していくか,これは本当に大きな課題だと思っております。  それで,例えば,一つの例で,今まで札幌市は先行取得で学校用地を確保してあるのです。そういったところで,これは部分的にはいろんな部分で,その用地に建つ計画にもなっておりますけれども,売却されたものもありますが,いずれにしても,そういう学校を建てる予定で先行取得していた土地で,学校を建てる計画になっているのが二つしかないと。あとの部分は未定,あるいはこれから新設するという形で取り組まれております。そういった部分では,学校誘致については住宅街ということもあるでしょうから,簡単に,じゃ,そこを堆積場に使うということは不可能であっても,あるいは今,札幌市の財産である保有している土地を,そういう各部局にまたがった中でいかに活用していくか。あるいは売れるものなら売ればいいし,ただ,地価は大分下がっていますから,ある意味での不利もありますけれども,そういったプロポーザルでやっているような借地にするだとか,いろんな手法があると思うのです。ですから,そういった部分,今,一例を挙げて学校用地のお話をしましたけれども,そのほかにも市にたくさんあるその土地を活用して,この雪問題の堆積場確保に向けて取り組んでいかれる部分があるのか,まず,お伺いをしたいと思います。 ◎志賀 雪対策室長  今,委員おっしゃられている雪堆積場の確保でありますけれども,我々としても,ご指摘のとおり非常に頭の痛い問題であります。  年々雪堆積場の確保が難しくなっているということも,これもまた事実なものですから,そういう安定的な雪堆積場を確保するというのは肝要だというふうに思っているところであります。  ご指摘をされております公有地の未利用地,こういうような形の中で,雪堆積場がどうなのかという話でございます。いろいろですね,学校用地とか住宅地に,当然,当初使おうとしていた,いろいろな形の中で,用地を確保しているというのが多うございます。市街地付近住民の方については,はっきり申し上げて,雪堆積場そのものが近くに置かれますといろいろという話がございまして,その辺も難しい要素の一因になってございます。  そういう難しい側面はございますけれども,ただ,我々としても,非常に困っている問題でございますので,その辺の未利用地の話につきまして,今後も一生懸命関係部局と調整をとりながら,適地を探しながら検討させていただきたいと思っております。 ◆峯廻紀昌 委員  いずれにしましても,今使っている土地が,これからも恒久的に使えることはないということを,まずこの時点で改めて認識いただく中で,そういう危機になっても,雪処理の体制として整える状況にしておくためには,先ほどお話しした堆積場の比率ですよね。札幌市有地以外は3割,民活あるいは河川敷地を利用しているものが7割,このウエートをやはり少しでも多く札幌市が持つ形で土地を確保していかない限り,いつまでたっても安定的な堆積場の確保ができない,そのように思います。  そういった意味で,一例を挙げて学校の用地の話をしましたけれども,全市の中にあるそういう保有地を含めて,どういう形でこの堆積場の確保ができるのか,全体の中でまず論議を深めていただく中で,この雪問題について本当に真剣に,ことしはどうにか乗り切っていくことができるというお話でしたから,それ以降はまたわからないわけですので,早急にそういった部分も含めて万全な体制ができるようにやっていただくことを要望しまして,私の質問を終わりたいと思います。 ◆芦原進 委員  私からは,自転車対策につきまして質問させていただきたいと思います。  気軽で便利で手軽に買えるのが自転車であります。市民の足として歓迎されている一方で,放置等の問題が社会に大きくクローズアップされております。放置自転車を減らそうと条例を制定して強制撤去を行っている自治体は,2000年の内閣の調べでは635に広がっております。その撤去台数は何と260万台にもなります。そのうち,112万2,000台が引き取り手がなく,その処理費用は年々かさんでいます。  東京23区の自転車対策費は,1982年度は駐輪場建設費も含めまして6億5,000万円だったのが,2002年度は約17倍の113億円にも膨れ上がっております。札幌市としましても,同様に自転車の対策費は年々増加し,財政負担も厳しい状況になっております。  そこで,札幌市としての自転車対策について,大きく3点に分けて質問をいたします。  1点目は,札幌市内での通勤・通学等での自転車路外,路上の乗り入れ総台数,駐輪場数,収容可能台数及び駅前等での路上駐輪数はどの程度あるのか。  2点目は,放置及び路上駐輪への取り組みとその経費,さらに放置自転車の処分の方法。  3点目は,商店街で独自に駐輪場を設置している商店街があるのかないのか。  以上,3点をお尋ねいたします。 ◎田中 管理部長  自転車対策について3点ほどご質問がございました。  1点目のご質問でございますけれども,平成14年度の調査で,地下鉄あるいはJR周辺に乗り入れている自転車の総数でございますが,約5万1,000台になってございます。  次に,駐輪場の整備状況でございますけれども,平成14年度末の数字で,駅周辺で247カ所,約4万台分の施設整備を行っているところでございます。そういうことから,現在,路上で駐輪している自転車の台数でございますけれども,約1万台程度というふうに我々は押さえているところでございます。  次に,2点目の路上駐輪への取り組みについてでございますけれども,自転車対策の必要な札幌市内の各駅に,自転車誘導整理員を配置いたしまして,駐輪場への誘導,あるいは自転車利用者への駐輪マナーの啓発等を鋭意行っているところでございます。特に,路上放置自転車の多い都心部におきましては,昨年度に引き続きまして,今年度も歩道上に無秩序に放置された自転車の整理,誘導等を行いまして,快適で安全な道路空間の確保を図っているところでございます。  特に,今年度につきましては,放置禁止区域,市内の9駅を指定いたしておりますけれども,その中で,地下鉄琴似駅と新さっぽろ駅の2駅地域でございますけれども,区域内において,自転車を駐輪場に誘導する措置,あるいはパンフレット等によります駐輪マナーの啓発を行ってございまして,1カ月間にわたりまして,路上放置自転車の移動,撤去を実施したところでございます。これによりまして,放置禁止区域の意義の周知徹底を図るとともに,区域内におけます歩道の安全確保に努めております。  なお,路上駐輪対策にかかわる経費の質問がございましたけれども,札幌市におきましては,平成14年度決算において,東京とは比べものになりませんが,約7,000万円ということになってございます。  また,放置自転車の処分の方法についてでございますけれども,本市では,駐輪場内の長期放置自転車でございますが,年2回撤去を実施してございます。平成14年度に撤去をいたしました自転車の総数でございますけれども,約1万1,700台ほどでございます。このうち,所有者に返還された台数は約1,000台,留学生に譲渡ですとか,あるいは市役所内の活用が約600台ほどになります。それと,入札によりまして,古物商への売り払いを行っておりますが,これは約5,000台ほど,残りの5,000台余りは廃棄処分ということになってございます。  3点目の独自に駐輪場を設けている商店街があるかというご質問でございますけれども,市内にこのような施設が設けられているかどうかを含めまして,現在まだ調査をいたしておりません。残念ですけれども,数字を押さえておりません。 ◆芦原進 委員  自転車等駐車対策マスタープラン策定後,先ほどの回答と若干ダブりますが,13年,14年の2年間で,総撤去台数が2万819台となっておりますが,その中で,先ほど言われました市でリサイクル利用しているのが2年間で444台あります。そのうち環境局が230台となっており約50%強,ところが他の部局では一番少ないのが2年間で3台となっております。なぜ,このような差があるのか,ちょっとよくわかりませんのでお答えしていただきたいと思います。また今後,さらに全部局にこのようなリサイクルを周知徹底されるのか,お尋ねします。  もう一つ,先ほど商店街の調査はまだと言われましたけれども,地域の商店街と連携していく,商店街,駅前等々に自転車が置いてありますと買い物しにくいということで,たくさん苦情が出てまいります。どうしてもそうなると郊外の大きなスーパー等々に行ってしまう,地域の商店街が活性化しないということもあって,何か自転車対策を講じていくならば,地域の商店街と一つになって,こういう駐輪対策を実施すれば効果があるのではないかと思いますが,何か取り組んでおられないのか,お尋ねをしたいと思います。 ◎田中 管理部長  1点目の私ども市内部でのリサイクル自転車の部局間での利用格差の問題でございますけれども,撤去いたしました長期放置自転車のリサイクルを図るため,年2回全庁的に活用の呼びかけを行っております。ただ,これらを利用する各部局の業務内容によることだと思いますが,申し込み台数等に差があるということも事実でございます。今後とも,積極的に働きかけまして,有効活用を図ってもらうべく,我々もやっていきたいというふうに思っているところでございます。  2点目の地域商店街との連携,いわゆるアダプトを含めまして,駐輪対策がとれないのかというご質問でございますけれども,商店街と協働による自転車対策でございますけれども,現状を考えますと,自転車利用マナーの啓発ですとか,路上自転車を整理整とんするといったようなことまではできるのかなというふうに私どもも考えているところでございます。現在,中央区の商店街でございますけれども,私ども市と市民,あるいは商店街が協働いたしまして,自転車利用マナーの啓発及び路上の自転車の整理整とんを行いまして,安心,安全に歩ける道路環境づくりを目指した社会実験を,本年の10月末から約1カ月間にわたって行う予定でございます。  この実験の成果を検証いたしまして,これを改善あるいは検討を加えながら,市民協力による放置自転車対策の実施というものの可能性を探っていきたいというふうに考えています。効果があるということでしたら,全市的に広げていくようなことも含めまして考えてまいりたいというふうに思っているところでございます。 ◆芦原進 委員  ぜひ,地域商店街とタイアップして進めていただきたいと思います。  最後ですが,私ごとで恐縮でございますが,私の姉が九州におりまして68歳になります。ぜひ一度北海道に行きたいと,札幌へ行きたいというのが願いであります。そのように,日本の,また世界のあこがれ札幌であるわけです。このすばらしい札幌の街を,さらにロマンあふれる札幌にしていきたい,国の内外からのお客様をお迎えするためにも,札幌駅前から薄野の間の駅前通をすっきりとした街並みにしていきたいなと,これは個人的に思っております。  そこで,そのためには,やはり利用者にマナーの向上のご協力をしっかりお願いするとともに,本市のマスタープランのさらなる推進を図ることは当然でありますが,駅前通を駐輪禁止区間とすることができるのか,これを強く要望して,私の質問を終わらせていただきます。 ◆伊藤理智子 委員  私は,スパイクタイヤと凍結路面対策について質問いたします。  91年にスパイクタイヤ粉じん発生の防止に関する法律ができ,施行後,車粉が88年当時1平方キロ当たりの降下煤じん量は131.8トンだったものが,94年には11.2トンと12分の1に減少しました。道路清掃では,87年当時,道路を清掃して集めるじんかいの量は5万6,000トンでしたが,93年には9,000トンに激減しました。この成果は大きいものです。しかし,ここ数年の間に販売店でスパイクタイヤや類似品の販売が増加しています。つるつる路面やブラックアイスバーンなどでスリップするという大きな不安が市民の中にあり,90年当時の車粉のひどさを知らない世代などが,スパイクタイヤを利用する状況がふえてきているということです。  10月2日付の新聞で,スパイクタイヤの装着率が上昇しているという報道がされました。その中で,札幌市の装着率は10年前の調査の0.5%と比べて,スパイクタイヤで1.6%,類似品で1.9%と合わせて3.5%にもなり,7倍にもなっています。今日,販売店で売られていることを考えると,今後,ますますスパイクタイヤの装着率が上昇することが予測されます。  そこで,質問ですが,車粉のひどかった16年前は,建設局でもスパイクタイヤ規制対策費を計上して,雪道安全運転対策や各種PR,装着率調査などを行い,93年度までスパイクタイヤに関する対策費を使っていました。その後,スタッドレスタイヤが定着し,車粉公害もほとんどなくなりました。しかし,スパイクタイヤ装着率が上昇している今日,この装着率調査は環境局に移ったということですが,道路管理者である建設局として,スパイクタイヤがふえてきている問題に対してその対策がとられていませんが,スパイクタイヤが廃止された経緯を知らない世代などへの啓蒙活動やPR活動などを含め,建設局としても必要な対策を講じるべきと考えますがいかがか,伺います。  2点目に,凍結路面対策として,94年には凍結路面対策試験舗装の冬期路面調査を行い,舗装を改良する研究が,実際の路面を使い2年間にわたり行われ,その報告書が出されていますが,その報告書の中で,ロードヒーティングや散布剤に比べて建設費が安く,維持管理についても容易だとの利点があり,今後,研究開発を進めていく必要があると書かれていました。  そこで,質問ですが,その後,この研究はどこまで進んでいるのか。既に,凍結路面で滑りにくい効果があるとして実用化されているのか,今後の方向性について伺います。 ◎志賀 雪対策室長  ただいま伊藤委員の質問の第1点目の建設局としてもスパイクタイヤの自粛に向かってPR,啓蒙をすべきではないかという話でございます。これは環境的な話になりますので,所掌としましてはやっぱり環境局になるとは思います。ただ,そういう意味では,縦割りというのはこれはいけないという話になりますので,連携をとりながら,そのような話についてやっていきたいなというふうに思います。ただ一義的には環境局の方でやっていただくという形になろうかと思います。  それから,2点目のこれまでの凍結路面対策の取り組みであります。  これまでは,除排雪だとか凍結防止剤だとか,それから凍結抑制舗装だとか,そういう形の中で多岐にわたって検討を行ってきてございます。この検討の結果,例えば,凍結抑制舗装というものにつきましては,一定の効果はございましたけれども,作業性だとか耐久性,コスト,こういうものに課題があったということでございます。  現在,札幌市としては,そういう形の問題に取り組んでございませんけれども,北海道開発局の中で,他の機関において研究が継続されてございますので,市としましては,今後もそういうような情報収集に努めてまいりたいというふうに思っています。  ただ,この凍結路面対策の手法の今後の方向性ということで,最後にお聞きになられましたけれども,やはり我々は,今の段階では,凍結防止剤の散布だとか小まめな除雪,こういう形で適切な凍結路面に対しての対応というもので考えていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆伊藤理智子 委員  ただいまのご答弁で,環境局と一緒に連携していくというお話もありましたけれども,スパイクタイヤがふえてきているということで,タクシーの運転手さんやトラックドライバーさんなど,仕事で一日じゅう車を運転している方々から,スパイクタイヤを履いている車が前にいて,急にとまられたら追突してしまう,スパイクタイヤが禁止になったころと比べてふえていると実感しているなど,スパイクタイヤはつくらず,売らず,履かずが一番いい,これをやらないと3割,4割と必ずふえていくというお話を聞いています。  環境問題としてだけではなく,市民の安全や命にかかわる問題としても,建設局としてしっかりと考えるべき問題です。また,札幌市だけでなく,旭川や江別,北見などの装着率も上昇していることから,他市からスパイクタイヤを装着した車が札幌市に流入し,通過するということも考えられるわけで,道路の維持管理者である建設局として,国,道,環境局と連携して取り組むべき問題だと考えますがいかがか,お聞きします。  次に,先ほどのご答弁で,凍結路面対策として,具体的に凍結防止剤などを散布しているというご答弁がありましたので,そちらの方の質問をさせていただきます。  札幌市の中では,三つの方策が示されていますけれども,その中で,凍結防止剤は凍結路面が発生しやすい交通量の多い幹線道路やバス路線,踏切を対象に散布している。札幌駅前通や地下鉄駅,JR駅周辺の人通りの多い交差点に砂箱を設置しているとありますが,まだまだ各地域の状況は万全だとは言えません。12月から3月までにつるつる路面で転倒した市民は,消防局が搬送した人で850人に上り,私も骨折された方を何人も知っています。私の地域にあるJR白石駅もつるつる路面で,ひどい時期には,交差点のちょっとした段差でも身動きできないほど危険な状態になってしまうことがあり,地域住民からは凍結路面対策を行ってほしいという声が強く出されています。  JR駅周辺の交差点を初め,交通量が多いのに砂箱が設置されていない箇所などでは,市民の要望があればこの冬から設置していくのか,雪対策室としての具体的な対策をどう計画的に進めていくのか,伺います。 ◎志賀 雪対策室長  まず,1点目の国や道などとの連携を図るべきではないかという話であります。確かに,スパイクタイヤというものは車でございますので,広域的に問題が波及することだと思います。そういう意味では,今後,この問題につきまして,報道にもありましたけれども,国とか道,それから市,先ほどのも含めて,それぞれの役割を担いながら,関係機関との連携を図っていくことが必要ではないかというふうに思っております。  2点目の,特にJR白石駅周辺の砂箱を例に挙げられていましたけれども,その砂箱の設置のことでございます。従前,この砂箱の話についてはお答えを申し上げましたけれども,雪対策基本計画で計画的に砂箱を設置していきたいというふうに思っていまして,現在のところ,歩道の砂箱につきましては322個の設置を終えてございます。これは雪対策基本計画のスピードを上回って設置をしてございます。  本市としましても,市民要望の高いこの取り組みについて,今後とも積極的に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆伊藤理智子 委員  スパイクタイヤについては,環境局が調査する装着率の変化に注意を払って監視し,さらなる増加の傾向があれば,今ご答弁にもありましたように,建設局としても,スパイクタイヤを規制する対策を責任を持って進めていただきたいと思います。  また,冬の季節が長い都市,札幌での凍結路面対策は,本市の努力により一定の成果が出ていると思いますが,自然環境との戦いなので,毎年同じ路面状況とは限らず,まだまだこの問題については研究を進め,対策を講じる必要があると考えます。市民の皆さんが安全に冬期間を過ごせるような街づくりを積極的に進めていくよう求めまして,私の質問を終わります。 ◆五十嵐徳美 委員  私からは,除雪の機械について質問をさせていただきます。  先日の代表質問の中でも,市長の方からは,除雪を担う企業における,除雪機械のあり方についても重要な課題であるというふうにご答弁をいただいております。私は,昨年の交通・雪対策調査特別委員会でも質問をさせていただいているところなのですが,やはり長引く景気の低迷によって,公共事業の減少,それに伴う競争の激化など,企業そのものの夏場の体力が消耗しておりまして,このまま続くと,実際,除雪に参加していただける企業が少なくなり,さらには応募がなくなるということも危惧をしなければいけないというふうに思っています。  今年度についても,地区マルチは今公募中,募集をしているところだというふうに伺っておりますけれども,幹線マルチについては再公募によっても1企業体の応募という現状であるというふうに聞いています。いずれにしても,この除雪の機械,新雪の除雪が始まるときには,全市で約1,000台くらい稼働するというふうに聞いておりますが,今言った現状では,除雪機械の更新であったり,新規購入が非常に困難になってきているのも実情であるかと思います。  そこで,市としては民間の保有機械の調査をするというふうに伺っておりましたが,まず,その分析結果と,それから,除雪にはグレーダーですとかショベルとか,いろいろ機種がありますけれども,その機種ごとの課題についてもお伺いいたします。 ◎志賀 雪対策室長  ただいまの五十嵐委員から,民間における除雪機械の保有実態状況調査と,それから機種ごとの課題というご質問でございます。  その分析調査でございますけれども,除雪事業における機械の保有割合につきましては,本市が約2割,それから民間が約8割という形になってございます。昨年度,道路除雪業務の受託企業体が登録しました機械の機種別ごとに調査をいたしますと,除雪グレーダーは210台ほど登録されてございますが,購入後約20年を経過したものが多くございます。グレーダーにつきましては機械購入価格が高いということから,更新が難しく,老朽化が進んでいるのではないかというふうに思っているところでございます。  それから,歩道用のロータリー除雪車につきましては,本市保有が約7割を占めてございますけれども,民間が保有する約3割の機械におきましては,購入後15年以上を経過しているというものが多くて,同様に老朽化が進んでいるというふうに思っております。  また,生活道路などを除雪するタイヤショベルにつきましては,約660台登録されてございまして,購入後8年ほど経過しているものが多くなってございます。これにつきましては,現時点では必要台数についておおむね確保されているのではないかというふうに思っているところでございます。 ◆五十嵐徳美 委員  例えばグレーダー,それから歩道用のロータリーというのは,冬の間しか使わないような機械になりますね。タイヤショベルにつきましては,建設業の中では夏場の使用もあるというふうに聞いているのですが,いずれにしても,市民要望では,除雪が二十数年来第1位の問題で,ある意味では,公共事業の入札という方法ではあるのですけれども,この市民サービスに対して,建設業を担う方々が本当に仕事ができなくなると,ニーズの多い除雪業務が市民に向けてサービスできないと,本当に切実な課題があるというふうに思っています。  今,お話を聞きますと,民間の機械が約80%で,役所が持っているのが2割ということですが,例えば,今言ったグレーダーですとか歩道用のロータリーについては,本当に汎用性がないことになりますから,国の補助金をいただいて更新,新規の購入というふうにしているのですが,我々自民党第二会派及び自民党も,国に対して働きかけていきますけれども,この積雪寒冷地に生活する人の感覚でしかわからない,そういったものですから,ぜひ行政としても,強く積極的に国の方にも働きかけていただきたいと思います。  そして今,いろんな現状,老朽化をしているということでありますから,改めてこれからの除雪に向けて,この機械の整備計画を打ち出す必要があるのではないかと,そう思っているのですけれども,今後,こういった機械の確保に向けて,現場としてはどのように考えているか,伺います。 ◎志賀 雪対策室長  今,委員もおっしゃられていましたが,この除雪機械のあり方については,早急にやっぱり取り組むべき課題だというふうに認識してございます。  そこで,平成16年度の補助事業の予算におきましては,特に除雪グレーダー,それから歩道用ロータリー除雪車の増強につきまして国に要望しているところでございます。また,確保に向けた整備計画なのでございますけれども,今後の本市の除雪機械についての計画は,早期に策定をしたいというふうに考えているところでございますので,今後,関係部局と早急に調整を図っていきたいというふうに思っています。 ◆五十嵐徳美 委員  市民の皆さんは,除雪をしていただいて当たり前という感覚がどこかにありますけれども,現場を預かる側からすると,実際,こういった課題があるということも,ぜひ市民の皆さんに広く伝える必要があるのではないかと,そんなふうに思っています。  そこで,局長にお尋ねをしたいのですが,この除雪の業務は本当に冬期間,代表質問では複数年契約という考え方がとれないかと言うと,市長は,現時点では考えられないと,そんなふうに言っているのですが,ある意味では,夏場の建設業の方々がほとんどこの除雪に従事をしていると。まさに公共事業も本当にだんだん削減をされて体力が低下していると。そのためにすべて官が業者を育成すればいいということにもならないのですけれども,現実の問題として,建設業そのものがやはり体力の低下をしながら,この除雪業務を維持しなければいけないというその現状について,今,どういうふうに認識をしておられるのか。  さらには,今後,本当にこの除雪業務をするためには,やっぱり健全な建設業の育成というのも絶対不可欠であると,そんなふうに思いますから,今後の取り組みを局長から伺って,質問を終わります。 ◎田中 建設局長  現在の除雪に関連する業界の,企業の体力の低下,そういったものについてお答えいたします。  除雪につきましては,現在,地元のいわゆる中小と言われる建設業者に対する依存度が大変高いというのが実情でございます。一方,委員が言われますように,建設業界は,大変長い構造的な不況の中で,極めて厳しい状況下にあるということも十分認識しております。  したがいまして,このような地元の中小企業の中で,意欲があり技術力の高い建設業者が,企業として経営力を高め成長していけるように,現在,全庁的に建設業等構造不況業種対策プロジェクト,こういった各種施策を取り組んでおります。これを建設局といたしましても積極的に実施してまいりたい,このように考えてございます。 ◆小須田悟士 委員  私からは,南区の住人として,長年興味を持っておりましたことについて質問いたします。  道道西野真駒内清田線の交通安全対策についてであります。  ご承知のとおり,あの路線は西区から南区に,起点は国道5号線なのでしょうが,豊平区福住を連絡するという路線であります。全長25キロと伺っておりますが,特に南区から中央区盤渓を抜けて西区へ向かう路線でありますが,都心とか住宅地を通らないで,市街地を通らないで両地域を結ぶ最短ルートでもあり,重要な路線であります。この25キロの道の中間地点に小林峠というのがあります。これは急勾配,急カーブが連続しているため,交通事故が大変多くて危険な道でもあります。特に,冬期間は路面が凍結し,加えて雪でかなり道幅が狭くなるという道路環境の悪いところでもあります。  私自身,南区に住んでいて西区に抜けるときに,それこそ大型車があずって,全然上れなくて1時間も渋滞,そのまま後ろにいたという経験もあります。そしてまた,石山通を抜けて西区,手稲区の方へ行ったという経験も何度もあるのです。ですから,この道路を何とかしたい,これは住民の皆さん方から本当に強い希望,要望が長年あったと思います。平成13年にITVカメラと情報板を設置して,いろいろな道路情報をドライバーに提供するなど,対策もいろいろと講じておるのですが,何せ七曲がりで,つづら折りの道でもありますので,除雪や凍結路面の管理は容易ではなく,おのずと限界があるものと考えられます。  一方,きのうもちょっと通ったのですが,この道路の交通量は,本当に多いなという実感をしております。先ほど峯廻委員が言っていました,西区福井に五天山公園ができる,パークゴルフ場もできると。そうすると,今後も,より一層交通量がふえるものと考えられます。  そしてまた,聞いた話なのですが,大規模自転車道路としても位置づけられていますので,このように,この道路の重要性と現状を考え合わせますと,安全な通行確保のため,根本的な解決策が必要であると思われます。すなわち,この峠の急勾配,カーブ,これを解消する道路の改良が不可欠であると考えます。  そこで質問ですが,小林峠の交通安全対策について,今後,どのように対応していくつもりなのか。また,道路の改良について平成13年ごろより検討されてきたと聞いております。この課題をどう解決していくのか,お答えをお願いしたいと思います。 ◎高柳 土木部長  小林峠の交通安全対策についてお答えいたします。  委員のお話のとおり,小林峠は曲線半径が100メートル以下のカーブが9カ所あり,縦断勾配も約8%の区間が連続しており,この路線の隘路区間となっております。このため,私どもも安全確保のため,隘路の解消とともに,自転車通行可能な歩道の設置も必要であると認識しており,道路改良に関する調査検討を進めてきたところであります。  現在までのところ,小林峠前後の約2.8キロメートル区間の高低差が170メートルあるという地形の条件を勘案いたしますと,トンネルを用いた線形が最も望ましいと考えております。峠をトンネルで直線的に通過することによりまして,曲線半径100メートル以下の急カーブがすべて解消され,縦断勾配も8%から5%まで緩和が可能となります。  また,道路延長も4.3キロメートルございまして,トンネルになりますと約2.8キロメートルと,1.5キロメートル短くなりますことから,交通容量が増加しても対応ができるということになりますし,渋滞の緩和,ひいては二酸化炭素の排出量削減にもつながるものと考えております。したがいまして,小林峠の交通安全対策の一つとして道路の線形改良を行うこととし,トンネルを用いた整備を基本として進めてまいりたいと考えております。(発言する者あり) ◆小須田悟士 委員  今,いつやるのかなという質問が出ておりますが,いつから工事を着工して何年かかるかというようなことを,もしできましたらお願いいたします。  小林峠周辺は,北海道自然環境等保全条例に基づく環境緑地保護地区ということで指定されているとも伺っております。大変緑豊かな地域でもあり,希少な野生動植物,いわゆる重要種も多いのではないかと思います。私,南区なものですから,八剣山トンネルのところを,せっかくいいトンネルができても,白川の方に向かう道が,希少動物がいるために全然開通ができない,そしてワ回路ができている,今つくっていますね。そういうこともありますので,この峠の交通安全も大変必要なのでしょうが,一方は,豊かな自然への影響が懸念されるところでもありますので,どうかそこはひとつ気をつけていただきたい。  そこで,平成13年度から今年度まで3年間にわたって環境調査を行ってきたと聞いております。この調査結果はどうなっているのか。また,今後,進めようとしている道路改良が自然に与える影響についてどう考えているのか。本格的な整備に向けて,今後の予定を聞かせていただきたいと思います。これで私の質問を終わります。 ◎高柳 土木部長  まず,環境調査の結果についてでございますが,これまでの調査の結果によりますと,植物で422種,動物で742種を確認しており,このうち重要種としては32種を確認しております。  次に,道路改良に伴う影響でございますけれども,トンネル工法の採用により,掘削の範囲を最小限に抑えることができ,地形の変化がトンネルの出入り口周辺に限られますことから,自然に対する影響は小さいものと考えております。  次に,今後の予定でございますが,この事業は大規模となることが想定されます。このため,トンネルルート決定など,整備計画策定に当たっては,国土交通省が平成14年8月に策定いたしました市民参画型道路計画プロセスのガイドラインを参考にいたしまして進めてまいりたいと思います。具体的には,学識経験者のほか,地域住民や道路利用者の代表などで構成する委員会を中心に,アンケート調査や地域住民との意見交換などを実施して,委員ご心配のような八剣山トンネルのような形にならないように解決しながら進めてまいりたいと。市民の理解と協力を得ながら,何とか事業を進めていく考えでございます。
     この市民参画による道路整備計画を来年度の早い時期までに策定し,地質調査や実施設計,用地買収に取りかかり,早ければ平成17年度には工事に着手し,早期の完成を目指してまいりたいと考えております。 ◆小野正美 委員  それでは,私の方からは,生活道路の計画除雪について質問いたします。  現状,本市の除雪は一定の基準,降雪10センチ以上を設定して,一斉に早朝出勤時間帯前に実施をする新雪除雪を基本に,状況に応じて路面整正や拡幅除雪を行っているわけです。  そこで,計画除雪ということで1994年,平成6年度に西区西野地区に始まり,数カ所のモデル地区で,さまざまな方法で試行実施をしてきているわけです。この計画除雪は,新雪除雪の回数を減らして,地区ごとに,ごみ収集のようにあらかじめ曜日を決めて,日中時間帯に路面整正や拡幅除雪を集中的に実施することによって,時間に余裕を持っての作業で,住民の間口処理作業の軽減,あるいは夜間の騒音振動の軽減などの改善を図るとされているわけです。  そこで,2000年度に策定しました雪対策基本計画の重点施策として,2009年度までに約3,000キロのうち約1,000キロの目標を掲げて,現在の除雪方式からの転換を図るとされてきているわけです。こういった中で,作業手法については,当初は,氷結路面切削機のラットシェーバー,あるいは氷結路面切削機プラスロータリーのラットモグ,これは大変高価な機械で,通常の機械よりも1,000万円ほど高くなるという機械なわけでありますけれども,そういったもので試行してきたと。さらに,その後,タイヤショベル2台の組み合わせ,あるいは最近はタイヤショベルと小型ロータリーとの組み合わせの作業方法を実施してきているわけであります。  そこで,質問でありますけれども,こうした試行を重ねてきた作業手法は,現在,どういう状況にあるのか。そして,この作業手法として確立をすることができたのか,明らかにしていただきたいと思います。  それからまた,実施地区に対してアンケート調査を毎年行っているようですけれども,市民の評価はどうなっているのか。  また,これらの中から示されている課題に対して,対応策をどのように考えているのか,明らかにしていただきたいと思います。 ◎志賀 雪対策室長  ただいまのご質問の1点目の除雪手法の確立,どういう形で確立されているのかと。いろんな機械を使いながらやってきていましたけれども,その確立がされているのかというご質問でございます。  計画除雪につきましては,委員おっしゃるとおり,定期的に路面管理を主体とした日中除雪を行うということで,次第に雪山が高くなったり,それから圧雪手法にたまたま改善の余地がございますけれども,今現在考えているところにつきましては,平成13年度から始めましたタイヤショベルと小型ロータリー車を組み合わせた手法というものが,計画除雪の中では標準的なものではないかというふうに考えているところでございます。  それから,もう少しつけ加えますと,先ほどのようにラットシェーバーだとかラットモグ,これはご指摘のように非常に高価な機械ということにもつながって,効率的な形のものもタイヤショベル,それから小型ロータリーを組み合わせることによって,間口の除雪の雪を残したというようなものもすくって持っていけるというふうに考えているところでございます。  それから,2点目のアンケート調査の結果でございます。アンケート調査で1,300世帯から回答を得ました。その中で,昨年より除雪方法がよくなったと感じた方が31%,変わらないと感じた方が36%,逆に悪くなったというふうに感じられた方が33%いらっしゃるということであります。  その中で,悪くなったというふうに感じられた多くの方につきましては,内容を分析してみますと,決められた曜日に降雪がなかったため除雪を実施しなかったということが,計画どおりに施行していないよというようなご意見でございました。これについては,そうではなくて,先ほど委員のご指摘のように,計画除雪というのは月曜日なら月曜日,火曜日なら火曜日とブロックごとに決められた形になっていますから,たまたま1週間の間に降雪がなければ,その週は入らない場合もあるということでございます。したがって,そういうようなことを,今後PRに努めれば,この辺の話についてはある程度解消できるのではないかというふうに思っています。  一方,よくなったと感じた方を,年齢別で見てみますと,高齢者の方ほど間口の雪処理が軽減できたというような意見が多くございました。そういうことから,この計画除雪については,今後の高齢化社会に適応した手法ではないかというふうに判断しているところでございます。 ◆小野正美 委員  作業手法についてですけれども,現状の新雪除雪であれば,ラッセル車が雪をかき分けて玄関先に雪の山を置いていくということで,その後の間口処理が大変だということなわけですけれども,計画除雪では,大変雪が降ったときはそりつきのバケットですか,これで押さえつけるとか,いわゆる圧雪をしておいて,計画除雪の日にタイヤショベルで削り取って,それをロータリーで積み上げていくと。その際に,玄関の間口なども処理をしていく。なおかつ機械台数も大変多く所有しているタイヤショベルとプラス小型ロータリー除雪車の組み合わせでやれるということで,標準的な作業手法としてほぼ確立されたという理解をしていいわけですね。  その上で,いろいろとアンケート調査なども行ったところ,確かによくなった,変わらない,悪くなったというのが3分の1ぐらいずつということでありますけれども,特に高齢者の方々が,間口処理が軽減できたということで,おおむね好評であるという点を考えると,これからの高齢社会に対応した除雪方式として考えることができると思います。また,除雪作業車で働くオペレーターの方なども高齢化をしているということが事業者の方からも言われていまして,いつ降るかわからない中を待機しているとか,あるいは夜中,暗い中で短時間で作業を行わなければならないとか,こういった現状の労働環境を改善するためにも,大変好ましい除雪作業手法と考えるわけであります。  ただ,先日の代表質問で,雪対策基本計画アクションプログラムが,全体的には順調にいっているけれども,計画除雪は進捗ペースがおくれているという回答があったわけです。  そこで,質問でありますけれども,計画除雪の進捗状況はどうなっているのか。遅れているということでありますけれども,その要因をどのように考えているのか,明らかにしていただきたいと思います。  あわせて,日中の除雪作業なわけですから,中央区などの都心部では交通量が多いので難しいとすれば,郊外部でこの計画除雪を1,000キロを目標に進めていかなければならないわけであります。ちなみに助役がお住まいの手稲区,私も住んでいるわけですけれども,その手稲区の場合,どの程度この計画除雪を導入しなければならないのか。現在は1地区の1町内会で,6.8キロで実施をしているわけですが,この手稲区の生活道路の除雪対象キロのうち,計画除雪を何キロ程度実施していかなければ,このアクションプログラムに到達しないのか。それは何%ぐらいを目標とするのか,この点明らかにしていただきたいと思います。 ◎志賀 雪対策室長  まず,1点目の全体的な計画除雪のおくれということでの数字はどういう形になっているのかということでございます。数字だけ申し上げますと,平成14年度までの年次目標というのは約300キロといたしておりますが,現在のところ約190キロしか実施されていません。 進捗率については63%でございます。したがいまして,代表質問の中でも,多少遅いペースで進んでいますということでございます。  このおくれている原因ということが2点目のご質問かと思います。これは計画除雪というのは,我々除雪する側と,それからそれを受けていただく市民の方々,こういう形でございます。  そこで,市民の方々もなかなか新しい手法に踏ん切りがつかないという部分もあるかと思います。そういう中で,いわゆる計画除雪というのが浸透されていないといいますか,ご理解をしていただく部分がまだ少し足りないのかなというようなところが一つの原因ではないかというふうに思っております。  それから,3点目の手稲区における計画除雪の最終目標延長でございます。これは,手稲区におきましては274キロぐらいございますけれども,そのうちの約130キロを設定をさせていただきたいというふうに思っているところでございまして,その率につきましては約47%ということでございます。 ◆小野正美 委員  今,手稲区の話がありましたけれども,全体として3,000キロのうち1,000キロを目標としていて,地域によっては,ほぼ半分に計画除雪を導入していかなければならないということなわけですね。手稲区で1カ所,1997年,6年ほど前から実施をしている新発寒の町内会長にお会いして聞いてみましたけれども,確かに不満もあると,特に,町内会長などの立場からすれば,現状から変わることは避けたいのだと,新しいことをやっていろいろ批判や不満が出たら本当に困るのだというのが本音のところなのですが,しかし,将来の札幌の除雪のことを考えると,この方式は必要だと,理解をしよう,協力をしようということで受け入れているということであります。  そういった意味では,恐らく地域からこの計画除雪をぜひやってくれという形で手を挙げてくることは,ほぼないと思うのです。よっぽどこっちが腹を据えてというか,本当に必要なのだと,こういういい面があるのだと,これからこの除雪を実施をしていかなければならないのだという思いというか決意というか,そういう姿勢で取り組んでいかなければならないと思うわけであります。  特に,実施状況を見ると,多くは町内会単位で行われているわけでありますけれども,今後,この計画除雪を積極的に進めるとすれば,対象地域をマルチ単位,あるいは少なくとも連合町内会単位で取り組んでいかなければならないと思うわけです。この点,これから残された約7年で,約800キロの転換を図っていかなければならないわけでありますが,どのように取り組んでいるのかお聞きをしたい。  特に,除雪事業者の方にも理解をしていただかなければならないと思うわけですけれども,確かにマルチゾーンの中で一つの町内会というか,一部分だけ計画除雪でやるとすれば,当然,それに対応した機械装置の取りかえなども含めてやらなければならない余計な手間がかかるわけです。ですから,そういう面では,マルチ単位で効率的な機械の運用などができるわけですから,この点,事業者の方々がどのように受けとめられているのか,あるいはその事業者に対して,今後どのように対応していくのか,その点お聞きをしたいと思います。 ◎志賀 雪対策室長  まず,今後の取り組み方を一体どういう形で取り組むのかということでございますけれども,計画除雪の話については,先ほど申し上げたとおり,行政と市民のパートナーシップという中でやるということでございます。ですから,我々の方で一方的に,この地区は計画除雪に入りますというのは,かなりこれは,私としては少し難しいというか,やらなければならないのですけれども,そこまで踏み込む話ということではなくて,やっぱりご了解のもとにやるという話がまず大前提だと思います。パートナーシップというのはそういう形になるのではないかと思います。  ただ,一方では,我々も今後の除雪のあり方を考えますと,やはりこの計画除雪は推進していかなければならないと思っていますので,例えば,除雪のシーズン前とシーズン後にやります除雪連絡協議会,ここの中で,企業,町内会の皆さん,市の職員,こういう三者で除雪のあり方,それから今冬の除雪の反省会ということを踏まえてやっていることもございます。そういう中で,今後,もう少し踏み込んでいろいろ話し合いをさせていただいて,拡大をしていければなというふうに思っています。  また,もう一つは,ホームページだとか広報誌だとか,またいろいろマスコミに対してPRをさせていただきたいというふうに思っているところでございます。  それから,企業の方では,計画除雪というものをどういう形で受けとめているのかという話でありますけれども,委員ご指摘のとおり,例えば,10センチ程度ぐらいの雪が降ったときに,それはバケットに歯をつけながら圧雪をするという手法を使っていますけれども,これは確かにアタッチメントだとかそういう形のものを取りかえながらやるということもあります。また,それをしなければ,別に機械を用意しなければならないということもありますので,マルチ単位ごとだとか,連合町内会ごとにこれをやれれば,そういう手間もなくなるのではないかというふうに思っています。今のところは部分的な話で推移していますので,そういう手間がありますが,今後は,マルチ単位ごと,連町ごとの形を目指しながらやれば,その辺は企業の方も協力していただけると,協力していただいていないとは言いませんけれども,より一層協力していただけるのかなというふうに思っているところでございます。 ◆阿知良寛美 委員  私からは,雪対策について2点質問をさせていただきます。  1点目は,共同利用型融雪槽についてであります。  我が会派では,未除雪路線について,協働による取り組みとして,受益者負担を前提とした共同利用型融雪槽を整備し,解消を図るべきであると主張してきたところでございます。また,平成12年度から平成21年度を事業期間とする札幌市雪対策基本計画にも,市が設置費用を,利用者が維持管理費用をそれぞれ負担する狭小道路用共同利用型融雪槽として施策提言が盛り込まれているところでございます。この共同利用型融雪槽の実現について,一昨年の予算特別委員会で,現5年計画において,他都市の事例を参考にモデル施設を設置し,検証するとの答弁をいただいております。  そこで,まずお伺いをいたします。今年度調査検討を行うと聞いておりますが,どのような目的,規模,内容なのか,お聞かせ願いたいと思います。 ◎志賀 雪対策室長  ただいま委員からご質問の共同利用型融雪槽でございます。  まず,共同利用型融雪槽の調査検討内容でございますけれども,これは共同利用型融雪槽という話につきましては,道路幅員が狭小な,いわゆる機械除雪が困難な道路で未除雪になっているという方々のところに,例えば,町内会等への支援策として,何とかこういう形の中でできないかということをこれまで検討してまいりました。その結果,ことしにつきましては,今,何とか一,二カ所ぐらいでできないかということを踏み込んだ形で検討してございます。  具体的な内容でございますけれども,使用するルールだとか,いわゆる管理するルール,これを自主的に,町内会に制定していただくということで,それを前提としまして,本市が用意しました移動型の融雪槽を町内会の方に数台お貸ししまして,一方ではその維持管理費,いわゆる灯油代だとかそういうものについては,利用される団体の負担とさせていただきいというふうに思って,基本的な考え方はそういうことで,ことし実際に使ってもらって,台数だとか,それから融雪能力だとか,かかる燃料代だとか,使い勝手だとか,ルールづくりだとか,それから運用面の課題だとか,そういうものを実際にやっていただいて,検証していきたい。そういう形でことし考えてございます。 ◆阿知良寛美 委員  次に,地域密着型融雪槽についてであります。  地域の雪は地域内で処理できる仕組み,いわゆる地域内の雪処理システムを確立するため,雪対策基本計画では地域密着型融雪槽の整備を進めるとしておりますが,この融雪槽は,融雪が可能な下水道幹線に隣接する比較的規模の大きい公園などのオープンスペースを利用した中小規模の融雪施設で,対象としているのは,パートナーシップ除排雪を行っている一定の地域の排雪であります。  昨年の予算特別委員会において,月寒公園と伏古公園に整備を予定しているとの答弁をいただいており,また決算特別委員会において,施設の建設を担当する下水道局より,建設局が主体となり周辺の地元町内会や公園管理者などとの協議,調整を進めているところであり,これらの関係機関との協議が調った時点で事業に着手するとの答弁をいただいているところであります。  そこで,質問をいたします。  昨年の質問より時間が経過していることから,整備計画が定まっているものと思いますので,この地域密着型融雪槽の整備計画についてお聞かせ願います。 ◎志賀 雪対策室長  ただいまのご質問の地域密着型融雪槽の整備計画ということでございます。委員のお話にもございましたように,月寒公園それから伏古公園の融雪槽を計画してございますけれども,特に,伏古公園の話につきましては,隣接する地元町内会だとか月寒公園も含めてですけれども,公園管理者との協議がほぼ調ってございます。  そこで,これらの整備計画につきまして,担当する下水道局とも打ち合わせをさせていただいていますけれども,その結果,これが補助事業において,平成16年度には月寒公園の整備に着手して,冬には供用できるのではないかというふうに思っています。それから,伏古公園の隣接地につきましても,平成17年に整備を行いたいという予定で,今進めているところでございます。 ◆阿知良寛美 委員  2点の共同型の融雪槽とそれから地域密着型の融雪槽,平成16年度は月寒公園,平成17年度は伏古公園と供用されることも理解いたしましたが,地域密着型融雪槽は,単に地域内の雪処理施設であるというだけではなく,未利用であった下水道熱を利用した融雪施設であり環境への負荷が小さい,こういうことから大変評価をしているところでございます。  そこで,再度お伺いをいたしますが,それぞれ月寒公園とか伏古公園の隣接だけではなくて,さらにより多くの箇所に施設を設置すべきと思いますがいかがか,お聞きをいたします。 ◎志賀 雪対策室長  地域密着型の融雪槽についてはもっともっと進めるべきではないかということでございますが,我々もそういうふうには思っておりますが,しかしながら,この融雪槽の話については,やはり条件がございます。  例えば,融雪能力のある下水管に隣接していることだとか,それから生活道路の排雪を行っている地区に隣接していることだとか,それからダンプトラックの搬入路があるだとか,それから堆雪のスペースがあるだとか,そういうような条件があります。また,一方では,ご存じのように,我が市には,財政上も大変厳しい状況にあります。いろんなさまざまな課題はございますけれども,前段で申し上げたとおり,私も効果のある施設だとは思いますので,そういう意味では,今後とも可能地の調査など,関係団体だとか部局とも協議をしながら,これについて進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆阿知良寛美 委員  この2カ所以外にも,条件はたくさんあるというふうに思いますが,ぜひ設置を要望しておきたいというふうに思います。  また,共同利用型融雪槽についてでありますが,狭小な道路であるがゆえに除雪も入らず,不便な思いをしている住民の方も非常に多いというふうに思います。この制度が確立されれば,労力や維持費の負担はあるけれども,地域に雪の山が少なくなると,こういう利点もございますから,ぜひ進めていただきたいというふうに思いますし,我が会派が,平成15年度予算編成に対する要望書で示したとおりに,早急に制度を確立して事業化を図っていただきたいと,このことを要望いたしまして,質問を終わります。 ◆井上ひさ子 委員  私の方からは,建設局における地震対策について質問したいと思います。  まず,9月26日に十勝沖地震で被害に遭われた方々に,本当に心からお見舞い申し上げたいと思います。  消防局から送られてきました報告を見ますと,被害は200件を超えて,建設局関係でも液状化によって市道の陥没,道路の隆起,また歩道のずれ,亀裂など,そして現在も通行どめになっているところもあります。とりわけ,災害対策に当たられた現場の職員の皆さんのご苦労もあったというふうに私は思いますけれども,建設局における災害時の初動態勢,これはどうだったのか,伺いたいと思います。  また,道路,橋梁の被害の状況についても伺いたいと思います。  既に,地震から10日がたっているわけですが,現在も工事が行われているというふうに思うのですけれども,どのように復旧されてきているのか,今後の見通しについても伺いたいと思います。  2点目は,1996年の豊浜トンネルの崩壊事故を契機に,道路防災の総点検が行われてきました。これは落石や崩落,地滑り,こういうところです。本市においても対策が必要だというところが135カ所もあり,この間,その対策が講じられてきたというふうに思います。今回の地震では,その箇所は大丈夫だったのか,被害はなかったのかどうか,伺います。  また,今後,残された未整備の箇所について,どのように取り組まれるのか,お尋ねしたいと思います。 ◎高橋 維持担当部長  ご質問にお答えする前に,私の方からも,このたびの地震により被災されました方々に,心よりお見舞いを申し上げたいと存じます。  さて,建設局の体制でございますが,各区及び土木部の初動態勢については,地震が平成15年9月26日午前4時50分ごろに発生いたしまして,それに伴い,午前5時30分に,消防局に札幌市緊急災害対策実施本部が設置されまして,建設局といたしましては,災害時の建設部建設庶務班として本部に詰め,建設局内の各課においても,午前5時30分から午前6時までに総勢6名が職場に参集し,各区からの被害情報の収集,本部との連絡調整を行ったところであります。  また,各区土木センターにおきましても,午前5時30分から午前6時までに総勢35名が各職場に参集し,市民からの情報収集を行い,引き続き参集しました職員がそれぞれの管内のパトロールを実施し,被害の有無,それから被災の状況などの把握をして,被災箇所につきましては,逐次交通規制などを実施するなどいたしまして,周辺住民の方々,それから道路利用者の方々の安全確保に努めたところでございます。  次に,道路及び橋梁の被害状況,その復旧状況についてでありますが,道路につきましては,9月26日に災害対策実施本部で集計いたしましたところ,被災箇所は10カ所というふうに伺っております。被害の状況でありますが,陥没4カ所,隆起2カ所,地割れ2カ所,段ずれ,湾曲がそれぞれ1カ所ずつとなっております。  これらの復旧状況でありますけれども,清田区の美しが丘地区の液状化現象の箇所を除いては,その日のうちの復旧作業を実施いたしまして,通行に支障のない状況になっております。現在,通行どめをしております清田区美しが丘3条6丁目市道里塚199号線の約30メートルぐらいにつきましては,地盤が軟弱状態であったため,下水道の復旧工事に少し時間を要しておりました。しかし,10月4日にこの工事は完了したところであります。引き続き道路部分の復旧につきましては,10月8日に復旧工事を実施するべく現場着手し,来週中には完了させたいと考えております。  なお,他の路線につきましてもパトロールや市民からの通報等により発見された箇所がありますが,それらにつきましても,引き続き通常の維持補修として対応し,地元住民の皆様方の不安を解消するべく努力をしてまいりたいと思っております。  橋梁につきましては,地震発生当日,各区に対しまして,災害時における第1次緊急輸送路に指定されております24橋につきましては,その当日17時までに目視で緊急点検を実施するよう指示いたしました。また,第2次緊急輸送路に指定されております168橋につきましては,3日以内に同様の点検を実施するようあわせて指示をしたところでありますが,いずれも異常なしという報告を受けております。  次に,お話のございました道路防災総点検箇所の対策についてでございますが,まず,対策状況についてでありますが,道路防災総点検,お話のとおり平成8年,これは豊浜トンネルの崩落事故が起きた年でございますが,この年に国土交通省,当時の建設省から全国的に点検をするよう要請を受けまして,国が定める点検要領に基づきまして調査を実施しているところであります。  この点検要領に基づき,実態調査を行いまして,現在のところ対策の必要な箇所は135カ所であることが判明しております。平成9年度より緊急度の高い落石,のり面崩落箇所を中心に対策事業に着手しておりまして,平成14年度までに96カ所,全体の70%の対策が完了しておりまして,今年度においても6カ所の対策工事を予定しているところであります。今回の地震につきましては,これらの箇所については被害があったというふうには聞いておりません。  それから,今後,残されている未対策箇所,これは33カ所ございますが,これらについては早い時期に対策を講ずるよう努力したいと思います。その間における安全対策を図るため,今後ともパトロール,こういったもので観察,監視を強化してまいりたいと考えております。 ◆井上ひさ子 委員  地震の初動態勢については,30分で,本部も,また各土木センターでも対応されて,管内をパトロールされて安全確保に努めたと,今,そういうふうなことが報告されたというふうに思います。  私は,被害の状況をこの間お聞きしてきましたら,被害が集中していた清田区の美しが丘,下水道局の中で,液状化となった水とか砂とか土砂,それを取り除いて,道路についても復旧が進んでいるというふうにずっと聞いていたものですから,きのう現地を見てきたのですね。そうしますと,道路の縁石とかカラーブロックなども,仮舗装というか応急的にアスファルトで埋めているというふうな状況で,まだそこはきちんとされておりませんし,40センチほど崩落したところが,舗装はされていますけれども本当に生々しいそういう状況でした。ここはいまだに通行どめになっています。消防局が来たり近所の方が来たり,また,私のように見に来られている方もいまして,その周辺の雰囲気は,何というのでしょうか,まだ地震の傷がいえていない,生々しい状況でした。  今,道路について言えば,10月8日,来週中にも復旧されるということなのですが,そこは液状化しまして,下水の方で水抜きなどもしたというふうに思うのですけれども,今までのような形の原状に復帰するというふうに考えてもいいのですか。  やはり一日も早くそこを直していただきたいというのと,地震で周辺の方々が大変不安になっているのです。こういう工事でこういうことをしますという説明などのお話をしながら,市民の皆さんの声をぜひとも聞いていただきたいというふうに私は思います。  それと,今回の土木関係の橋梁,道路関係では,地震でどれぐらいの被害があったのか。まだ,起きてから10日ほどですが,およそどれぐらいの被害金額を想定しているのか,そこのところをもう一度お聞きしたいと思います。  それと,道路防災の対策です。135カ所あったところを,この間,計画的に進めて33カ所が残っていると。私,見ましたら,そのうち落石,崩落があって,そういう対応が必要なところは33カ所のうち30カ所なのです。ですから,今回は何事もなくて本当によかったなというふうに思うのですけれども,これについても,これまで本当に努力してお金もつけてきていますので,速やかに対策を講じまして,市民の安全を守っていく,そういう立場でやっていくべきだというふうに思いますが,これについてもう一度伺いたいと思います。 ◎高橋 維持担当部長  先ほどの美しが丘の,今現在通行どめになっているところでございますが,家がいろいろちょっと不安定な状況になっています。住民の方々も振動に非常に神経質になっておられるというふうに聞いておりますので,復旧する方法としましては,縁石もつけて,勾配ももとの高さにきちっと一度で完全復旧をしたいというふうに考えております。2回も3回も仮復旧と分けますと,いろいろ工事車両の通行によって振動だとか,またそういったことでご迷惑をかけ,また不安をお持ちになっても困りますので,一度にやりたいというふうに考えてございます。  それから,地元の方々への説明ですけれども,私がちょっと聞いているところによりますと,清田区の土木センターを初め,市民部も含めて,そちらの工事につきましては,土木センターの方から地元の方に説明に行ってお話をするというふうに聞いてございます。  それから,被害金額でございますけれども,正確なところ私もつかんでおりませんけれども,先ほどいろいろ調べたところによりますと,維持の関係で,特に,道路関係で,区の方から,被害の状況を伺った範囲の中では,大体約3,000万円程度というふうに聞いております。  それから,道路防災総点検の最後の33カ所につきましては,これは極力早い時期に対応していきたいと思っております。 ◆井上ひさ子 委員  わかりました。被害の金額はおよそ3,000万円ということでお金もかかります。これについては,本当にきちんと予算をつけて対応されることを求めておきたいと思います。  また,十勝沖地震は大きな被害が出まして,宅地開発が進められているこの地域を選んで住まわれた方々は,本当に大きな思いがあって,大変大きな衝撃を受けております。やはり,今後の対応について言えば,道路だけではなく,建設局,都市局,宅地開発も含めて,万全な体制をとるように求めておきたいと思います。市民の声に耳を傾けて対応されますことを,私も強く求めて,質問を終わりたいと思います。 ◆畑瀬幸二 委員  私からも,除雪事業について伺います。  質問の第1は,生活道路の新雪除雪出動回数についてであります。  本市の除雪出動基準は,ご承知のように降雪10センチメートルを大原則にしているわけでありますが,昨年度10センチメートル以上の降雪日数というのは,全市平均で18.7日であり,それに対する出動回数は15.1回になっております。したがって,出動割合は平均80.74%になっておりますが,降雪日数と出動回数の間に約2割の差が生じておりますが,その理由を伺っておきたいと思います。  質問の第2は,凍結防止剤についてであります。  私は,凍結路面対策というのは,冬期間の社会的な活動や経済活動を支える上で重要な施策と考えており,いわゆるつるつる路面の発生はできる限り抑制すべきであると考えております。  札幌市は,この10年余り,凍結路面対策として環境に優しい凍結防止剤,CMA40を主体とした取り組みを行ってまいりました。このCMA40は弱点もありますけれども,雪を長時間固まりにくい状態に保つ効果を持っておりまして,この効果がつるつる路面の発生を防止すると認識しております。  一方,私の調査では,最近このCMA40に加えて,塩化物系の凍結防止剤の使用がふえてきている状況にあります。実態は98年度は106トンであったものが,2002度には1,851トンと,この5年間で17.5倍に膨らんでおります。ちなみに昨年度の凍結防止剤の全体使用量は4,396トン,内訳は酢酸系で2,545トン,塩化物系で先ほど申し上げましたように1,851トンになっております。  そこで,質問でありますが,塩化物系凍結防止剤を強化してきた理由について,見解を伺います。  質問の第3は,北郷流雪溝についてであります。  白石区初の流雪溝に当たるわけでありますが,ようやく今冬供用開始される状況になりました。当初計画より3年おくれの竣工になるために,地元の関心を集めているところであります。そこで伺いますが,北郷流雪溝の管理運営方法と今後のスケジュールを伺います。  以上,最初に3点についてお答え願いたいと思います。 ◎志賀 雪対策室長  ただいま畑瀬委員の方から三つご質問がございました。  まず,1点目の降雪日数と除雪の出動回数に差があるのはなぜかということでございます。この件につきましては,生活道路における10センチ以上の降雪日数と新雪除雪の出動回数の差につきましては,今,お話のあったように,10センチ以上の降雪日数の中には,原則的に出動するということでございますけれども,例えば,日中断続的に雪が降り続くと。その結果,10センチオーバーをしたというようなこともありますし,また,朝方急な降雪があったという中に,この降雪日数は含まれてございます。このようなときには除雪自体を見合わせると。既に車等,それから歩かれて,たまたま10センチ内外の雪が圧雪されてしまっているというような中で見合わせるというようなこともありますので,ご指摘のような差が生じているというところでございます。  それから,2点目の塩化物系の凍結防止剤が最近ふえてきたということでございます。確かに我々とすれば,塩化物系CMA40ほかに塩化物系の凍結防止剤をふやしてございます。なぜかといいますと,凍結路面対策というのは,毎年市民要望の中に多くございまして,冬期の路面管理において重要な課題というふうに思ってございます。凍結路面につきましては,気象状況だとか除雪後の路面状況によって異なりますけれども,特に,昼夜の気温差が激しい初冬期において,非常に滑りやすいブラックアイスバーンが発生するということでございます。このため,初冬期の凍結路面対策ということで,従前,CMA40と,それから緊急的に凍結防止剤ということで対応してまいりましたけれども,平成13年度からは,初冬期の要望を踏まえまして,初冬期のブラックアイスバーンの一層の対応策としまして,融雪効果が高くて即効性があるさびどめ剤入りの塩化物系凍結防止剤を,計画的に散布しているということでございます。  それから,3点目の北郷の流雪溝の管理運営方法と,それから供用開始の時期であります。この北郷の流雪溝の管理運営の話でありますけれども,管理運営協議会というのは,流雪溝を安全に,そして効率的に運用していただくということでの必要な組織でございます。現在,地域町内会と私ども市の方と一体となりまして,流雪溝の利用方法だとか協議会の運営について協議を行って準備を進めているところでございます。  今後につきましては,地元の利用される方々に対しての説明会を開催して,会員などを募集させていただきたい,12月下旬を目途に管理運営協議会を正式に立ち上げていきたいというふうに思っております。  流雪溝の供用の開始時期についてでありますけれども,年内には工事を完了いたしまして,その後,通水試験などを行って,最終的な確認を行った上で,平成16年1月の中旬には供用を開始させていただきたいというふうに思ってございます。 ◆畑瀬幸二 委員  再質問をいたします。  まず,質問の第1は,新雪除雪の出動回数でありますが,降雪日数と出動回数の割合の差については,断続的な雪の降り方,あるいは朝方の雪の降り方などでそういう差が生じるという市の理由についてはわかりました。しかし,10区の中ではばらつきがあります。出動割合の一番多いのは南区の140%になっておりますが,他の9区と単純比較できない側面がありますので,今回は比較いたしません。その次に多いところと比較をしてまいりますと,清田区の87.5%になります。逆に一番出動割合が少ない区は厚別区の65%になっておりまして,その差は22.5%の開きが生じております。もちろん,各区の降雪量の違いというのは,降雪日数でカウント済みでありますから,出動割合面では,各区余り差がないように出動していくことが除雪の大前提でなければならないと考えるのでありますが,この点についての見解を伺っておきたいと思います。
     次に,凍結防止剤についてでありますが,ただいま室長の答弁では,凍結路面に対する市民要望が高いことやドライバーが冬道になれていない初冬期のブラックアイスバーン対策として散布していることは理解をいたしました。しかし,塩化物系の凍結防止剤には,塩化物が多く含まれているわけであります。欧米では,塩化物の散布によりまして橋梁などの構造物であるとか,樹木に被害を与えた事例,いわゆる塩害が発生したと聞いております。  札幌市におきましても,同様の事態が発生するのではないかと私は危惧をいたしております。この点,札幌市は,凍結防止剤の散布と並行して環境影響調査を行っていると聞いております。  そこで,質問でありますが,近年,塩化物系の凍結防止剤が増加してきているわけでありますが,環境への影響がないものなのか,この点を伺っておきたいと思います。  第3に,北郷流雪溝についてでありますが,来年の1月中旬に開始して,そのために管理運営協議会を立ち上げて対応していくとのことでありますが,白石区初の流雪溝であると同時に,流雪溝はどこでも建設できるという性質のものではありません。それぞれの地域に合ったモデル事業的性格の施設でもありますので,その効果を最大限生かされるように,今後,対応していただきたいと思います。この点は要望にとどめておきます。 ◎志賀 雪対策室長  まず,1点目の新雪除雪回数のばらつきを各区においてなくすべきではないかという話でございます。それから2点目,周辺環境について,塩化物系についてどうなのかという話でございます。  1点目の除雪回数のばらつきの話でございますけれども,新雪除雪につきましては,ご存じのように札幌市は広うございます。それで降雪の分布は一様ではないということや,地理的条件もございます。川を挟んだり,それから山ありということで,いろいろ影響が異なるということで,また,ちょっと言いわけになりますけれども,降雪の状況が刻々と変化するということも,これまた事実だと思います。そういうことで,出動する判断というのは非常に難しいと思っております。  そういうことで,委員ご指摘のように,マルチごと,それから区の話について,出動に差が出るのはおかしいよという話につきましては,私も,そういう意味では,区内外の隣接するマルチゾーンで判断する,出動するときの情報交換を充実させるだとか,それから区同士での連絡という話も含めて,極力情報交換について努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  それから,2点目の環境調査の話であります。塩化物系の凍結防止剤による環境への影響につきましては,凍結防止剤の散布が本格的になりました平成5年から土壌それから構造物に対する影響,河川の水質についての調査を行っております。さらに9年度からは,周辺植物を加えた4項目の調査を行っているところでございます。  この環境調査の中では,経年変化を見ましても環境への影響については,現在のところ認められていないというところでございます。 ◆畑瀬幸二 委員  第1の出動回数についてでありますが,微妙な判断を要する部分もありますので,出動割合を一律にすることは困難な側面があると思います。しかし,先ほど申し上げましたように,22.5%も開きがあるというのはやっぱり公平ではないと思うのです。私は,最低でも,その出動割合の差については,1けた台にまで縮小すべきだと考えます。その場合,低い方に合わせるのではなくて,高い方に合わせることが肝要だと考えますので,この点も含めて,今後の事業に反映されるよう強く求めておきたいと思います。  次に,凍結防止剤についてでありますが,ただいまの答弁で,凍結防止剤の散布が環境に与える影響は短期間で判断できないものでありますから,今後とも調査を継続していくべきと考えますが,まず市の見解を伺っておきたいと思います。  また,本市が購入する凍結防止剤についての規格や安全性を確保するために,基準を定めていると聞いております。凍結防止剤はWTOの政府調達に関する協定の対象となっておりますから,多数の企業が入札に参加できるわけでありますので,さまざまな産地の製品が納入されることも考えられます。  そこで,質問でありますが,実際に購入される凍結防止剤の規格や安全性の確認をどのような方法で行っているのか,最後にお伺いをいたします。 ◎志賀 雪対策室長  2点のご質問でございます。  まず,1点目の環境影響調査の継続についてでございます。このことにつきましては,やはり私どもの方も短期間で判断するということはできない,長期的な追跡が必要と思っていますので,今後ともこの調査を継続してまいりたいというふうに思ってございます。  次に,凍結防止剤における本市の規格だとか,安全に対する検査の確認がどうなっているのかというご質問でございます。この凍結防止剤の入札審査の際に,製造メーカーの方から提出された規格に関する材料成分分析試験や安全に関するシアンや鉛などの含有成分試験,それから皮膚に対する刺激性試験などの報告内容について,本市の基準に合っているかどうなのか,これをまず審査をいたします。また,納入後につきましては,実際に市の職員みずからがランダムにサンプルを取り出して,凍結防止剤の成分分析を専門試験機関に委託をして,材料の規格確認を行ってございます。これまでの検査につきましては,規格外となる凍結防止剤はございません。今後とも,この検査について行っていきたいというふうに考えているところでございます。 ◆畑瀬幸二 委員  ロードヒーティングの一部撤退なども含めますと,今後,凍結防止剤の使用量というのはさらに増すものと推測をいたします。したがいまして,散布による環境への影響というのを低くする方向で配意しながら,事業を推進していただくことを強く求めて,私の質問を終わります。 ◆本郷俊史 委員  私からは,施設街路灯の引き継ぎについて質問をさせていただきます。  札幌市の場合,平成3年に街路灯の整備に関する基本方針というものを策定いたしまして,それまでの街路灯整備の方針を転換されて今日に至っていると。平成3年以前は幹線道路については市が整備をして,生活道路については町内会が整備をすると。この方針を策定して以降は,市が管理する道路の街路灯については,本市が主体的に積極的な整備をしていくと。この基本方針の第2条第2項に,既存の私設街路灯は,別に定める基準に基づいて市が逐次引き継ぎを行うと。ですから,条件にかなった町内会の街路灯については順次引き継ぎを行ってきていると,こういうことでございます。  平成3年,市の管理と町内会の管理の割合は3対7,これを平成17年度まで7対3にするという目標で進んでまいりまして,現在,平成14年度末で66%まできたと。大体年間2ポイントずつ上がっていますので,ほぼ計画どおりいくのかなと。平成17年度以降のこの計画達成以後の引き継ぎ計画についてどう考えているのかということを1点お伺いしたいと思います。  あわせて,今,市長がかわられまして,各種事務事業の見直しということが盛んに言われているわけですけれども,15年かけてやってきたこの事業,町内会さんがようやく基準に合う器具に取りかえて引き継ぎを行ってきた,そうやって整備をされてきた町内会等がたくさんあるわけです。残っているところもまだあると。こういったことで,平成3年につくった基本方針を今後も変えないでいくのかということをあわせてお聞きをします。  それから,質問の二つ目は,整備率の推移ですが,今言ったとおり,平成14年度で66.44%ですから平成16年度には大体70%,目標にいくのかなと思いますが,札幌市全体としてはこの目標でいいわけですけれども,今,除雪回数の話が出ましたが,この街灯の整備率についても,各区によって大変差がある。ちなみに手稲区はもう78%もいっていると。中央区が60%,白石区が62%と,18ポイントぐらいの差がある。これは4年前の資料ですが,平成10年度で見ても大体18ポイントぐらい差があります。平成14年度の私設街路灯の引き継ぎ状況を見ますと,一番進んでいる手稲区で180基の引き継ぎを行っている。あるいは2番目に進んでいる北区でも255基の引き継ぎを行っていると。しかし,比率の低い白石,あるいは中央,豊平,この辺は二けたの引き継ぎになっているわけです。各区によってこの率に格差が生じている理由と,あわせて是正措置を考えられておられれば,その点についてお伺いしたいと思います。 ◎高橋 維持担当部長  街路灯の引き継ぎについてのご質問でございます。  17年度以降の街路灯の引き継ぎも含めてのお話だと思いますが,平成14年度末の街路灯の管理の割合につきましては,委員ご指摘のとおり,管理比率割合は札幌市が66%,町内会が34%となっております。したがいまして,平成17年度以降,これは整備方針に基づいての整備計画でございますけれども,これは市長がかわりましても,今後,この整備方針については変更しないでそのまま引き継ぎを行ってまいりたいと考えております。  街路灯につきましては,長期間に及びまして,町内会も多数ご負担しております。市が主体となって積極的な整備を進めることはもちろんでありますので,私設街路灯の引き継ぎだとか補助事業,こういったものを実施していって,負担の軽減を図っていきたいと思っております。  それから次に,各区のいわゆる街路灯の管理比率の件でございます。委員ご指摘のとおり,現在,町内会の街路灯の管理比率が低いというのは,要するに町内会の持ち分が少ないということです。手稲区が21%,それから続いて厚別区が26%,最も高い区で中央区が40%になってございます。相当な格差があるのはこれは事実でございます。  この格差の理由としましては,各区におきまして街並み形成,それぞれいろいろ特性がございまして,例えば,手稲区,厚別区などにつきましては,新興住宅街が非常に多い区でございまして,開発行為に伴う宅地造成時において,市の基準に沿った街路灯の設置を義務づけております。これを完了時に移管を受けていると,こういう理由もございます。  それからまた,中央区では,商店街が所有する街路灯が約3,400灯と,いわゆる私設街路灯の約半数を占めていますことが特徴的でありまして,市全体として町内会が管理する街路灯を優先的に引き継ぎを進めていることなどで,管理比率に影響しているものというふうに考えてございます。 ◆本郷俊史 委員  今,ご説明をいただいたわけですけれども,この整備方針については変更しないと,これを堅持して今後も進めていかれるというお話でございます。それで,平成17年度,7割が市の管理となった場合でも,まだ4万数千灯が町内会等の街路灯として残るわけです。過去10年の推移を見ますと,毎年,大体1,500灯の引き継ぎになっているわけです。したがって,市が管理する道路,4万灯すべて市の街路灯にしていくということを考えますと,かなり時間的にかかるのかなと。  しかし,一方で,引き継ぎ以外に,いわゆる管理部の予算でつけている街灯だとか,区画整理の街路灯の引き継ぎだとか,年間4,000灯ぐらい引き継いでいるということを考えれば,大体10年単位ぐらいのスパンで,ある程度この事業も進められるのかなと。先ほど申し上げたとおり,平成17年度で一応の整備が終わるわけですので,したがって,平成16年にそれ以降の計画というのをつくる必要があるというふうに思うわけです。また,今部長が答弁された,例えば,商店街等で持っていて引き継ぎができない,これらも今,私設街路灯の実態を完全に把握しているわけではありませんから,この辺の調査をきちっとされて,17年度以降の計画を立てるということについて,再度答弁をお願いします。 ◎高橋 維持担当部長  今,町内会も含めて,札幌市の持っている街路灯も含めて,もう少し実態を調査していったらどうかというお話でございます。  私どもの方も,もう17年度に,計画が達成間近になっておりますので,今現在,また,新たな街路灯の計画目標,こういったものを委員ご指摘のとおり策定していかなければならないというふうに思っております。  そのためには,やはりこれから街路灯の実態を調査して,それに基づいて,いわゆる管理比率の是正も含めて,効率的な街路灯の引き継ぎ計画を考えていくことが重要だと思っておりますので,これら調査に対しまして,町内会のいろいろご協力をいただきながら,鋭意,調査を進めてまいりたいと思っております。 ○涌井国夫 委員長  以上で,第1項 土木総務費,第2項 道路橋りょう費及び駐車場会計の質疑を終了いたします。  次に,第3項 河川費の質疑を行います。 ◆本郷俊史 委員  私の方から,新川水系の河川改修事業について質問をいたします。  本市は,昭和56年8月の台風によって大変大きな被害を受けたわけですけれども,中央区の山間丘陵地帯,これを含む新川水系の河川整備についてお伺いしたいと思います。  ことし,8月9日に北海道を襲った台風10号で,死者・行方不明者11名という大変大きな被害を受けたわけでございます。日高地方を中心に大きな被害があったわけですけれども,総雨量400ミリ,時間降雨量70ミリを超える記録的な降雨量だったわけですが,私も現地に行ってまいりまして,震災の直後の神戸に行きましたけれども,地震の被害とはまた違った自然災害の恐ろしさということを実感をしてきたわけでございます。  現在,平成9年の河川法改正を受けまして,北海道の方でこの3月に新川水系河川整備基本方針,こういうのをもとに,現在,新川水系における新たな河川整備計画の策定作業を進めていると,こういう状況でございます。この河川整備計画の内容と策定までの見通しについて,1点お伺いいたします。  また,この計画に盛り込もうとしている本市の事業河川の進捗状況もあわせてお聞きをいたします。 ◎青木 河川担当部長  新川水系の河川改修事業についてお答えをいたします。  1点目の新川水系の河川整備計画についてでありますが,この計画は従来からの改修事業を継続しながら,河川管理者であります北海道において並行して策定作業を進めているものであります。  計画の内容は,事業中の河川や早期に事業化を図る河川について,これまでの治水対策に加えて河川環境の保全等に関する目標や各河川の整備内容と実施場所,維持管理の基本方針等についてであります。  また,計画の策定見通しにつきましては,平成11年度に学識者や地元代表者を委員とする新川河川整備検討会を組織して,計画の取りまとめを行っておりまして,その後,策定に向けて国との協議を重ねた結果,年度内の策定を目指していると聞いております。  次に,2点目の本市の事業河川の整備状況についてでありますが,新川水系の河川整備計画には,従来からの改修事業を進めてきた8河川を位置づける予定であります。このうち,旧中の川や西野川など,継続して工事を進めている5河川については,平成14年度末までに整備計画延長13キロメートルのうち9キロメートルの整備を終えまして,率にして73%の進捗となっております。  残ります中央区の界川等の琴似川流域の改修につきましては,既成市街地内でありまして,一般的な河道拡幅が難しいことから,洪水を一時貯留する方式で今年度の着工を予定していたところでございます。 ◆本郷俊史 委員  河川整備計画は年度内の策定ということでございますけれども,本市の河川整備状況は,郊外部と言ったら語弊がありますけれども,西区,手稲区方面は河道の拡幅も可能であるというようなことで,かなり進捗率が上がっていると,整備が進んでいると。一方,既成市街地の方はなかなかそういった手法がとれない。そういったことで整備がまだこれからであると,こういうお話でございます。しかし,台風あるいは洪水による被害が,一たん市街地に起きますと,経済的にもそうですし,大変大きな被害を生む。特に,この流域は地下鉄東西線沿線中心に,中央卸売市場,こういった施設があるわけでございまして,先ほどの答弁の中で,いわゆる貯留池,一時的に増水したときに水をためるということで,中央区の南10西23,緑ヶ丘公園の地下に,この2万トンの貯留池を整備する計画であったと。しかし,ことし7月に開催された地元での住民説明会ではさまざまな意見が出て,事業の必要性やあるいは近接して小学校,中学校があるということで,子供の安全,あるいは公園が使えないと,こういったようなことで,今年度の着工を見送って,再度計画の見直しを含め検討するということでございます。  事業化に向けて,現在,地元との間でどのようなことが課題となっていて,再度地元に対する説明会の開催の時期も含めて,今後,どのように進めていこうとされているのか,お伺いをしたいと思います。 ◎青木 河川担当部長  界川貯留池の整備にかかわる地元との課題と今後の進め方について,お答えいたします。  1点目の地元との課題でありますけれども,事業に対する地元の理解と協力を得るため,計画概要がまとまった平成13年度以降,関係町内会役員に対する説明会を5回,それから地域住民に対する説明会を2回開催しております。これまでの説明会では,地元の理解を得るまでには至っておりません。  現在,地元との間で課題は大きく分けて三つございます。一つ目は,界川におきましては,昭和56年の水害以来現在まではんらん実績がなく,事業の必要性に対する疑問があります。それから,二つ目は,建設予定地である緑ヶ丘公園におきまして,工事期間中の4年間,公園機能が損なわれることに対しまして,代替機能を確保してほしいという要望がございます。それから,三つ目といたしまして,工事期間中,近隣する小・中学校の学童の安全対策や周辺環境に与える影響への不安の声がございます。  続きまして,2点目の今後の事業の進め方についてでありますけれども,貯留池は流域の洪水対策として,早期に整備を行う必要がございます。事業に対する地元の理解がなければ円滑な事業の執行は難しいものと考えております。今後は,説明会において出されました事業への意見に対しまして,現在,補足的な調査を行っているところでありまして,施工箇所の変更も含めた施設計画の見直し等の検討も行いながら,できるだけ早い時期に再度説明会を開催しまして,地元住民の理解を得て,早期に着工に向けて努力をしていきたいというふうに考えております。 ◆本郷俊史 委員  河川整備,治水対策,特に市街地内については,これは当然必要であるということは論をまたないわけですが,今,お話があったとおり,緑ヶ丘公園は中央区の中でも一,二の広さを持つ近隣公園として,地元の小学校の運動会の会場になっておりますし,あるいは少年野球チームの野球場にもなっている。あるいは町内会の各種行事等幅広く使われている公園,こういうことでございまして,これが工事期間中使えないという,これは住民の方々の意見ももっともでございまして,私としても,地域の選定を含めて再度検討されることを要望したいと思います。  また,今,お話のあったとおり,住民の方々に対する説明も資料を整えてきちんと理解を得られるような取り組み,こういったことを要望して終わります。 ◆畑瀬幸二 委員  私からは,法定河川の権限移譲問題についてお尋ねをいたします。  2000年の河川法の改正によりまして,現在,知事が行っております,法定河川であります一級河川及び二級河川の河川管理を政令指定都市の長が行うことができるようになりました。このことから,河川の整備であるとか管理の一元化,あるいはさまざまな手続がありますが,それらが簡素化される,今後の河川行政というのが市民にとってわかりやすくなるなど,大きな期待が寄せられているところであります。  札幌市におきましても,北海道と協議会を組織をして,一・二級河川の権限移譲に向けて努力をされていることは,節目,節目の特別委員会等の議会質疑で承知をしているところでありますが,この問題もいよいよ大詰めを迎えてまいりました。具体的な論議ができるようになったと思いますので,この機会に何点か質問をいたします。  まず,1点目として,本市が移譲を受けるに当たっての基本的な考え方を伺います。  2点目は,北海道や国との調整を進めてきたと思うのでありますが,どこまで進んでいるのか,その状況を伺います。  3点目は,今後のスケジュールについて,どのように考えているのか,明らかにしていただきたいと思います。  また,この権限移譲につきましては,政令指定都市の長が要望して行うことになっておりますが,他の政令指定都市はどのように取り組んでいるのか,あわせて最初に伺いたいと思います。 ◎青木 河川担当部長  法定河川の権限移譲についてお答えいたします。  まず,1点目の移譲にかかわる基本的な考え方でありますけれども,一つ目といたしましては,移譲対象河川についてであります。本市内には一級河川及び二級河川合わせて62河川,354キロメートルがあります。このうち,移譲の対象となる河川としましては,他市町に流域がまたがる河川や砂防指定のある河川等を除きまして,本市が都市基盤河川改修事業として整備を行った河川や北海道が整備した河川のうち,今後の街づくりで必要な河川となる合わせて38河川,145キロメートルが対象となります。  この内訳といたしましては,本市が都市基盤河川改修事業で完了もしくは将来的に完了する見込みのある河川が29河川,98キロメートル,それから北海道が整備した河川が9河川,47キロメートルであります。  それから,二つ目としましては,移譲の時期についてですが,管理事務の増,また本市の財政的な負担等も考慮しまして,本市が実施した都市基盤河川を優先しまして,段階的に移譲を行うことであります。  それから,三つ目としましては,用地問題が解決していない等,管理上未解決な問題がある河川については,その整理を行ってから移譲を受けることであります。  それから,2点目の関係機関との調整状況についてでございますけれども,平成12年度に北海道と札幌市で河川管理協議会というものを設けて,協議,調整を行ってきております。これまでの調整結果,今述べました基本的な考え方に即して,当面,5年をめどに7河川について移譲を受け,平成16年度には北区の安春川及び中央区,南区にあります山鼻川の2河川について,まず移譲を受けることで協議が調ってきております。これらのことについては,北海道開発局にも事前説明を終えてございます。  それから,3点目の今後のスケジュールについてでございますが,10月下旬の協議会において,この2河川について,平成16年4月に移譲を受けるべき国土交通省への事務手続や台帳の引き継ぎ,市民への周知等の詳細について確認する予定でございます。  これを受けまして,11月下旬には,北海道と移譲に関する文書協議を行いまして,河川法に基づく指定手続について,国土交通省に対しまして要望する予定であります。  それから,4点目の他都市の状況でございますが,今年4月に大阪市が4河川,それから横浜市が2河川について,初回の移譲を完了しまして,政令指定都市として初めて一級河川の管理者になっております。他の政令都市については,平成17年度以降の移譲に向けて,府県との調整を鋭意行っていると聞いております。 ◆畑瀬幸二 委員  ただいまの部長の答弁の中で,基本的な考え方を初め,来年4月に安春川及び山鼻川の2河川について移譲を受けること,政令指定都市としては大阪,横浜に次いで札幌市が3番目に移譲を受けることがわかりました。  今の説明の中で,今後5年間で7河川の移譲を受けると述べられましたが,それでは,平成17年度以降の移譲河川についてはどうなるのか,差し障りのない範囲内で明らかにしていただきたいと思います。 ◎青木 河川担当部長  平成17年度以降の移譲河川についてでありますけれども,本市が整備した東区の苗穂川,それから厚別区の山本川並びに白石区の北白石川等の河川について移譲を受けることで協議を進めております。なお,移譲時期についてでありますけれども,先ほど述べました基本的な考え方に即しまして,年度ごとに国及び北海道と協議をしてまいりたいと考えております。 ◆畑瀬幸二 委員  今後の移譲を進める予定の河川については理解をいたしました。河川の権限移譲につきましては,本来的には,水系一貫の管理を行うという観点からいたしますと,一括して移譲を受けることが理想であると思います。しかしながら,個々の河川の整備水準や特殊性というものを十分考慮する必要がありますし,また,厳しい本市の財政状況を考えますと,段階的な移譲を受けることも理解できるところであります。  次に,観点を変えて質問いたしますが,この権限移譲を受けることによって,札幌市として,また札幌市民にとってどのようなメリットが生じるのか,最後に伺っておきたいと思います。 ◎青木 河川担当部長  移譲を受けることでのメリットでございますけれども,都市基盤河川は,河川法に基づいて河川管理者であります北海道と協議を行い整備しているところですが,その中には,本市が維持している河川がありまして,その経費は本市の単独費により行っております。  この経費についてでありますが,ことし4月に移譲を受けた大阪市及び横浜市については,国からの地方交付税が措置されたと聞いております。本市も同様に措置が図られるものと考えております。  二つ目のメリットとしましては,市民参加の川づくりや街づくりと一体となって整備を行う上で,市民の意向を反映した,よりきめ細やかな整備や管理が,本市独自で可能となること等が挙げられます。 ○涌井国夫 委員長  以上で,第3項 河川費の質疑を終了いたします。  最後に,公共用地先行取得会計決算のうち関係分及び砂防用地先行取得会計決算について一括して質疑を行いますが,通告がございませんので,質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し,次回は9日午後1時から,都市局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。     ──────────────       散 会 午後6時16分...