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  1. 札幌市議会 2003-10-03
    平成15年(常任)環境消防委員会−10月03日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成15年(常任)環境消防委員会−10月03日-記録平成15年(常任)環境消防委員会  札幌市議会環境消防委員会記録            平成15年10月3日(金曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時 ○近藤和雄 委員長  ただいまから,環境消防委員会を開会いたします。  報告事項は,特にございません。  それでは,議事に入ります。  最初に,議案第9号 札幌廃棄物の減量及び処理に関する条例の一部を改正する条例案議題といたします。  質疑を行います。 ◆宮川潤 委員  今回の条例改正案は,法律改正に伴ってということですけれども,簡潔に,どういう点が改正されて,どの点で強化されたのか。不法投棄防止とか悪質な業者の排除が期待されているわけでありますけれども,こういった点で期待できるものになっているのかどうか,その辺について答弁願いたいと思います。 ◎山本 清掃事業部長  このたびの法律改正につきましては,廃棄物排出量が高水準に推移していることに加え,青森・岩手県境不法投棄事件のような不適正処理事例が依然として問題となっており,さらなる不適正処理への対応が必要となるとともに,効率的な廃棄物処理を確保するための制度の合理化の2点が主眼となっております。  このうち,不適正処理への対応強化についてでありますけれども,まず,1点目は廃棄物であることの疑いのあるものについての報告聴取及び立入調査権限の創設であります。2点目としましては,不法投棄等未遂罪の創設であります。3点目としまして,県境の事件等を解決するために,国の責務として,広域的な見地からの地方公共団体の調整,職員の派遣を明文化したことであります。4点目は,欠格要件に該当することとなった者の許可取り消し義務化です。従来であればすることができる条項でありましたけれども,義務化ということになりました。  これらの規定の改正に伴いまして,不法投棄防止については一定の効果があるものと考えております。 ◆宮川潤 委員  今の不法投棄防止という点で期待が持てるものだ,あるいは,権限の強化がされたものだということについてはわかりました。  私は,産業廃棄物不法投棄が行われないように,土地所有者が努力するという義務が課せられているかどうかというのが,不法投棄を防ぐ上では重要なことだと思うのですが,この点については法律に盛り込まれているのかどうか。  あるいは,ごみ問題全体について言える問題ですが,拡大生産者責任というのは非常に重要ですし,これから求められる点だと思うのですけれども,この拡大生産者責任については盛り込まれているのかどうかについてもお示しください。 ◎山本 清掃事業部長  このたびの法律改正におきまして,土地所有者産業廃棄物不法投棄が行われないように措置する努力義務拡大生産者責任につきましては,盛り込まれておりません。  なお,土地所有者努力義務につきましては,本市の条例におきまして,廃棄物が捨てられないよう適正な管理義務を規定しているところであります。 ◆宮川潤 委員  土地所有者努力義務条例に盛り込まれているということですが,法律上は,実はそうではないのだという点では,拡大生産者責任とあわせて,法改正自体は不十分さを残すものだと思っております。
     しかし,前段の答弁でありましたように,未遂罪も含めて不法投棄の対策が強化されているということにおいては,少なくとも現行法よりは厳しい内容があるものだという点を確認できましたので,質問を終わります。 ○近藤和雄 委員長  そのほか,質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  なければ,質疑を終了いたします。  討論を行います。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  なければ,討論を終了いたします。  続いて,採決を行います。  議案第9号を可決すべきものと決定することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  異議なしと認め,議案第9号は可決すべきものと決定されました。  次に,議案第10号 札幌市緑の保全と創出に関する条例の一部を改正する条例案議題といたします。  質疑を行います。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  なければ,質疑を終了いたします。  討論を行います。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  なければ,討論を終了いたします。  続いて,採決を行います。  議案第10号を可決すべきものと決定することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  異議なしと認め,議案第10号は可決すべきものと決定されました。  次に,議案第11号 財産無償譲渡の件(手稲山冬季オリンピック関連施設等)を議題といたします。  ここで,理事者から補足説明を受けます。 ◎松宮 緑化推進部長  議案第11号の財産無償譲渡の件について,補足説明をさせていただきます。  市長からの提案説明にもありましたが,手稲山におけるロープウエー等索道事業並びに手稲研修センターイベント開催等事業は昨年度末で終了いたしまして,事業廃止後の施設の処分を検討しておりました。この間に,加森観光株式会社から無償譲渡を受けたいと申し出があり,協議を重ねてきたところでございます。  ご承知のとおり,手稲山は,自然環境の資源が豊富であり,特にこれからの時期は美しい紅葉を見ることができます。また,冬になりますと二つのスキー場ウインタースポーツ等が盛んに行われるなど,市民に大変親しまれ,札幌のシンボル的な山となっております。  加森観光株式会社は,この施設を譲り受けた後,この自然環境に十分に配慮しながらロープウエーなどを運行し,また,その他の施設を有効に利用し,市民に安らぎと憩いの場を提供する事業手稲山を活性化することに資する事業を展開することといたしております。  本市といたしましても,今回の譲渡により,研修センター等施設が自然を楽しむために活用され,ロープウエー,リフトの運行が再開されることで,さらに手稲山に人が集まり活性化していくことが大変望ましいことであると考えております。したがいまして,市民サービスの面,施設解体撤去費用が不要となるといった財政的な面からも譲渡が適当であると判断し,敷地所有者の了解も得られましたので,これらの施設加森観光株式会社無償譲渡しようとするものでございます。 ○近藤和雄 委員長  質疑を行います。 ◆大西利夫 委員  今の説明で私はわかるのですけれども,無償譲渡するということは,これは解体費用がかかり,売った場合と解体費用との差し引きにおいて,譲渡した方が有利だという判断をしたから譲渡することにしたのでしょうから,やはり,市民皆さんにはその辺のことをもう少し補足しておいた方がいいのではないでしょうか。売った場合や,解体した場合にはこれだけ費用がかかる,譲渡した場合には,差し引きこれだけ費用がかからなくて済むからこれは譲渡なのだというふうに説明していただけませんか。 ◎松宮 緑化推進部長  広報等を通じまして,十分にその経過をPRといいますか,ご説明いたしていきたいと考えております。 ○近藤和雄 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  なければ,質疑を終了いたします。 討論を行います。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  なければ,討論を終了いたします。  続いて,採決を行います。  議案第11号を可決すべきものと決定することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  異議なしと認め,議案第11号は可決すべきものと決定されました。  次に,議案第12号 財産取得の件(公園用地)を議題といたします。  質疑を行います。 ◆大西利夫 委員  私は,この議案第12号のうち,丘珠空港緑地用地取得についてお尋ねしたいと思います。  これは,ご案内のとおりでありますが,ここまで来るまでに大変な賛成,反対両論の議論が地域住民皆さんの中でございまして,それらを経て,今日,滑走路延長ということに落ちついたわけであります。そのときに,住民の皆さんから,滑走路の延長については認めるけれども,この場合,滑走路周辺に公園をつくってほしいという要望があって,了解をされたという経緯のものでありまして,その用地取得するためのものだと理解をしております。  そこで,質問の第1は,大変長時間にわたり,しかも,賛成,反対両論でかなり激論を交わした問題であるだけに,この土地の取得に当たっては,何か問題がなかったのかということについて,お尋ねしたいと思います。  それから,2点目は,本件の用地取得進捗状況について,今後の予定も含めて説明していただきたいと思います。  次に,この用地取得に関連をして幾つかお尋ねします。  一つは,取得価格は総額28億3,500万円となっておりますが,この価格には移転補償にかかわる部分の費用が含まれていないように私は思うのですけれども,その辺についてどうなのか。また,移転補償について,その額に含まれていないとすれば,移転補償の額はどのぐらいになるのかということについてお尋ねします。  次に,この用地取得価格は,周辺土地価格,すなわち実勢価格との比較の上で今回取得をする価格は適当なものになっているのかどうか,この辺の状況についてご説明いただきたいと思います。  次に,取得のための財源措置についてであります。  本件につきましては,恐らく国庫補助道費補助というものが含まれているものと理解をいたしますが,これについてどのようになっているのか,お伺いします。  また,この事業は,自己資金を伴うと思われますが,その金額はどの程度になるのか,28億3,500万円の財源の内訳についてお伺いします。  さらに,自己資金については,何をもって充てようとしているのか,お伺いします。 ◎松宮 緑化推進部長  大きく3点について,私の方からお答えいたします。  まず,丘珠空港緑地事業に関して,地域との間で問題等は生じなかったかという質問でございます。  委員のお話の中にもありましたとおり,この丘珠空港の延長については賛否両論いろいろございまして,時間も相当かかったという経過があります。ただ,最終的には,平成10年ですが,これは地域皆様方も入られた形で「丘珠空港周辺まちづくり懇談会」といった中でいろいろ議論,討議を重ねた結果,「丘珠空港周辺まちづくり構想」というものがまとまりまして,その中でこの丘珠空港緑地については位置づけされてきたという経過があります。さらに,この丘珠空港緑地事業化に当たり,企画調整局の方で,平成11年度に地域の方々に対して事業説明を行った経過がございます。また,緑化推進部におきましては,この緑地整備に当たり,平成12年度に,これは地権者の方々を対象としておりますが,用地取得に向けた説明会を数回開催しております。段々の経過の中では,この緑地整備に関しては特に問題等はありませんでした。また,平成13年度からは具体的に用地取得の折衝に入っておりますが,地権者の方々の本事業に対するご理解をいただいておりまして,円滑に取得の業務を進めてきたところでございます。  それから,用地取得状況でございます。  用地取得に関しましては,当初,計画どおり平成13年度から着手しておりますが,昨年度までに10.8ヘクタールを取得いたしました。今年度は,全体の計画取得予定面積24.7ヘクタールのうち,累計になりますが,83%に当たる20.5ヘクタールの用地取得を完了する予定であります。また,残りの用地は4.2ヘクタールということになりますが,平成17年度には終了する予定でおります。  2点目は,用地関連移転補償費の関係でございます。  取得価格につきましては,28億3,500万円と提案しておりますが,委員ご指摘のとおり,この額の中には移転補償費は含まれておりません。その額につきましては,今回の用地買収に伴う支障物件として住宅,倉庫等が5棟ありまして,その総額は約2億2,800万円と見積もっております。  次に,取得価格周辺の地価,実勢価格との対比においてどうなのかという質問でございます。  価格決定に当たりましては,北海道開発局が行っております滑走路拡張用地等取得価格,その他周辺売買実例地価公示等によるものを参考としまして,不動産鑑定士に鑑定をお願いしており,その価格に基づき決定していますので,実勢価格を十分に反映した価格である,このように考えております。  それから,3点目の財源の関係でございます。  ご指摘のとおり,この事業につきましては国庫補助北海道補助が入っております。用地費につきましては,3分の1の国庫補助を受けております。残り3分の2のうち,70%を起債,30%を一般財源という組み立てで行っています。このうち,起債につきましては20%が後年次に交付税措置がとれるようになっております。また,交付税措置がとられる部分を除く起債,それから一般財源を対象としまして,その3分の1の額に対して北海道から補助をいただくことになります。これら国庫補助,それから交付税による戻り分北海道補助等を合計しますと,用地費の61.7%をそういった財源で充てることになりまして,実質的な市の負担,持ち出しについては38.3%ということになります。  この持ち出し分財源につきましては,前段で申し上げましたとおり,起債一般財源で充当するという仕組みになっております。 ◆大西利夫 委員  自己資金については,起債によって賄うという答弁でございました。  そこで,起債についてですが,起債にもいろいろな種類がありまして,この起債の種類と償還期限について,どういう内容になっているのか,お尋ねします。  次に,本事業の全体整備計画について,全体の整備費はどの程度を予定しているのか,お伺いしたいと思います。  2点目に,本事業施設整備は,いつから始まって,いつに完了するのか,このスケジュールはどのようになっているのか,お尋ねします。 ◎松宮 緑化推進部長  起債についての質問でございます。  起債の種類は,これは総務省所管になりますが,一般会計債の中の公園緑地事業というものであります。  内容ですが,償還期間は,最初の3年間は据え置かれ,この据え置きを含め20年償還となっております。償還利子につきましては,借り入れ時の金利で計算されることになっておりますので,今年度については借り入れ時点で金利が確定いたします。参考までに,昨年の利率につきましては1.1%という利率になっております。  2点目に,本事業施設整備計画という質問でございます。  施設整備費につきましては,現在のところ,総額約21億円を見込んでおります。  施設整備スケジュールですが,平成16年度からの造成を計画しておりましたが,空港拡張区域の方で埋蔵文化財が確認されたことによりまして,この公園緑地部分につきましても埋蔵文化財が確認される可能性が出ておりますので,昨年度から調査を実施しております。この調査の終了後に整備スケジュールを確定することになりますが,現在のところ,平成17年度以降の整備着手,完了につきましては平成22年度をめどとして取り組んでいるところでございます。  続きまして,施設整備内容についてでございますが,空港騒音等緩衝機能苗穂丘珠通防風雪機能など,この緑地が果たす役割や航空法に基づく高さ制限等を踏まえまして,築堤,芝生広場植栽及びレクリエーション施設等整備予定しております。今後,緑化推進部の方で,基本設計実施設計を行い,施設整備に着手いたしますが,地元の皆様方のご要望等もあるかと思いますので,地域皆様方事業内容理解をいただくとともに,ご協力をいただきながら事業を進めてまいりたい,このように考えております。 ○近藤和雄 委員長  ほかに質疑はございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  なければ,質疑を終了いたします。  討論を行います。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  なければ,討論を終了いたします。  続いて,採決を行います。  議案第12号を可決すべきものと決定することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  異議なしと認め,議案第12号は可決すべきものと決定されました。  次に,札幌水環境計画の策定についてを議題といたします。  ここで,理事者から説明を受けます。 ◎原田 環境活動担当部長  私の方から,札幌水環境計画の概要について説明をさせていただきます。  お手元に,「札幌水環境計画概要版」というパンフレットと「札幌水環境計画」というタイトルのついた資料が配布されていると思います。この二つを使って説明させていただきます。  まず,資料の1ページをお開きください。  こちらの方に,水環境計画策定の趣旨ということを要約しておりまして,これに従って説明させていただきます。  1行目の後段の方に書いておりますけれども,水は,太陽エネルギーを受けて海や陸から蒸発し,雨や雪となって地表に降り注いでくる。そして,土壌水地下水として保持され,地表に湧出した後に,川を下り,海に注いで,蒸発し,また雨になるといったように,自然の中で大きな循環を繰り返しているわけであります。この循環が,熱の移動,物質の運搬,水質の浄化,多様な生態系の維持といった機能を持っているわけであります。そして,こうした水循環の機能によってさまざまな恩恵を受けているわけでございます。  札幌市は,北の拠点都市として目覚ましい発展を遂げてきたわけでありますけれども,中段のところに,「しかし一方で」と書いてあるところがありますが,宅地開発に伴う緑地,農地の減少,あるいは道路の舗装化といったことが雨水等地下浸透を妨げるほか,河川流量減少地下水位の低下,地盤沈下,あるいは,降雨が地下浸透せずに一挙に河川下水管に流入するといったことに伴う都市型水害などの新たな現象が起こってきているわけです。それから,河川改修による護岸などのコンクリート化,あるいは,河畔林減少といったようなことで,かつて子供たちが遊び親しんでいた水辺減少,あるいは,魚,鳥などの生物生息環境に影響を与えるといったような問題も生じさせてきているわけでございます。  こうした状況を踏まえて,下から3行目ですが,良好な水環境を保全・創出するための基本的な方針と目標を示して,市民の共有の財産として将来の世代へ継承するために,市民事業者・行政の協働による取り組みを一体的,総合的に推進するためにこの計画を策定したというのが趣旨でございます。これまで,個々・単独に実施されてきた事業を,水環境計画という中に体系化して実施していくというところに一つの大きな意義があると考えております。  それでは,この概要版というパンフレットを使ってさらに説明させていただきますが,見開きのところを開いていただきたいと思います。  左上に,「計画策定基本的事項」と書いたところですが,その右の真ん中辺に計画目標年次を書いております。これは,もともとは札幌環境基本計画計画策定がうたわれておりまして,この環境基本計画に準じて,平成29年度を目標年度とする15年計画という形をとっております。  それから,その下に対象とする水環境が書いてあります。ここでは,河川,湖沼,湿地,湧水池及び人工的につくられた水路,池などの水域,それから,水域と一体となった周辺域である水辺地,そして,それを取り巻く環境としております。ここでいう水辺地というのは,そこに生息する生物,あるいは生息環境,また,人との触れ合いの場としての水辺というものを含んでおります。それから,取り巻く環境としては,周辺緑地などの土地利用状況,それから,水循環という観点からは地下水,地盤の状況,あるいは,人為的な水循環システムである上下水道といったところまで含めた大変広い概念でとらえております。従来,水環境というと,どちらかといえば河川水質というようなとらえ方をしておりましたけれども,そういうことではなく,広い概念でとらえて施策を体系化するという形をとっています。
     そこで,右の上に「札幌市の水環境の現状と課題」と書いたページでありますが,その中段ぐらいのところに「水環境の現状と課題」と書いておりまして,水環境を考えるときに三つの視点からとらえております。  一つは,(1)の水の流れ,水量であります。水量というところで見ると,上流域河川はかなり豊かな水量を保っています。それから,河川中流域下流域でありますけれども,上流で水道として取水し,まち中で使って,下水に運ばれて処理して流れるというような格好になっておりますので,水量が減ってきているというようなことであります。そこで,人々が憩う場としての姿が失われているところもあるということで,そうした憩いの場の創出といったようなことが課題になっているわけです。それから,地下水でありますけれども,やはり地下水位が年々低下する傾向にあるということでありまして,これをとめることが一つ課題になっているわけです。  次に,水質であります。まず,大きく水道水源ということをとらえております。水道水源水質は大変良好でありますけれども,廃棄物不法投棄といったようなことも見られますので,その水道水源を保全する取り組みを継続して進めていく必要があるという状況になっています。それから,地下水であります。札幌市の地下水水質については,一部で環境基準を超えているところがあります。そこで,健康影響防止対策として,新たな汚染の防止に向けた取り組みが必要となっていることが課題になっております。それから,上流域以外の河川水質ですけれども,これもおおむね良好な水質になっております。しかしながら,下流域の水源がなく流れが緩やかな河川などでは水質の改善が必要なところもある。また,札幌市の場合には合流式下水道整備されておりまして,この場合,雨天時に一気に雨水が下水に入り込んで,処理能力を超える場合には処理されずに川へ流れるようなことがありまして,この対策が必要となっている状況にあります。  それから,3番目は,生物生息,あるいは,水辺とのふれあいというところであります。  生物生息というところでは,多様な生物がいるわけでありますけれども,一方で生物生息しにくい河川構造や流量となっているところも見られることから,こういうところの改善が課題となっているわけであります。  それから,右の「水辺とのふれあい」というところでは,上流域においては豊かな自然が保全され,また景勝地などもあって,貴重な水環境を有しているという状況にあります。それから,中流域下流域にあっては,住宅地で親水に配慮した整備が進められているようなところもありますけれども,一方で,人が近づきにくい構造のために水辺への関心が薄れて不法投棄の場所になっているようなところもあります。  こういった状況を踏まえて,左の「計画の基本的な考え方」というところに書いておりますけれども,三つの望ましい水環境として,これは,今の水量水質生物生息水辺との触れ合いという三つの視点からの水環境像と,それに対応する九つの水環境目標を掲げて,そのための施策を体系化するという形になっているわけであります。  今ごらんのところをさらに開いていただきたいと思います。  一番左の,「望ましい水環境像1」に「豊かな水量をたたえ,健全に水が循環する都市」と書いております。これは,水量をとらえた水環境像でありまして,これに対応する水環境目標三つ掲げてあります。  そこで,この水環境目標のところでありますけれども,この中には長期目標というものが書いてあります。これは15年計画でありますのでおおむね15年,あるいは,それを超えるという考えです。ただ,実際に事業の進行管理をする上では,中期目標ということで,これは本書の中に書いてあって,ここには書いておりませんが,おおむね5年くらいの事業を想定した目標と,そういう組み立てになっております。  それから,数値目標として掲げられるものは掲げるという考え方をとっておりまして,これが四つございます。中身を説明させていただきますと,まず,「水環境目標1 川に水の流れを取り戻す」ということであります。長期目標は,流れを失った川に水の流れを取り戻すということで,主な取り組みとしては,河川水などの導水,あるいは,水の有効利用の促進といったようなことで川の水の流れを少しでも取り戻していきたいという考えであります。  次に,目標の2は,「水生生物生息に必要な流量(水深)に配慮する」ということであります。河川の流量という見方をすると,大きくは景観,水質生物生息環境などにかかわってくるわけでありますけれども,ここでは,魚類が生息,移動できる流量,あるいは,水の深さ,水深の確保を目指してみたいということを長期目標にしております。主な取り組みとしては,水源の保全ということで,例えば水源涵養林の保全とか,そういう水源の保全,それから,生物に配慮した河川整備の推進といったようなことを掲げております。  次に,目標の3ですが,「地下水位の低下を止め,地盤沈下防止する」ということです。ここでは,長期目標は,地下水涵養量の増加と揚水量の削減により,地下水収支の均衡を図るという目標を掲げております。具体的な数値目標として,平成12年度の地下水水量の4,000万立方メートルを基準として,年間揚水量を700万立方メートル削減するという目標を掲げております。具体的な取り組みとしては,地下水使用の適正化,あるいは,地下水涵養の促進というようなことを掲げております。  次に,水質に着目した水環境像で,「安全できれいな水を有し,安心して生活できる都市」ということに対応させた目標を四つ掲げております。  一つが,「水道水源水質を保全する」ということです。長期目標は,水道水源の現状の良好な水質を維持し,さらに水質の向上を目指すということで,主な取り組みは,水源の保全,あるいは,監視体制の充実というようなことを取り上げております。  次に,「公共用水域における水質目標値を達成・維持する」ということです。長期目標は,水質汚濁物質の排出量を削減し,水質目標を達成するということで,環境基準などの達成率を100%にするという数値目標を掲げております。主な取り組みは,下水道の整備,汚濁排出源の対策等でございます。  それから,「雨天時に公共用水域に排出される汚濁負荷量を削減する」ということです。長期目標は,合流式下水道からの降雨に起因する排出汚濁負荷量を削減するということで,ここでは,そのための合流改善施設整備の前後でおおむね2割程度の汚濁負荷量を削減するという数値目標を掲げております。主な取り組みは,合流式下水道の改善,それから,面的汚濁負荷の削減の検討といったことを掲げております。  それから次に,「新たな地下水汚染を防止する」ということです。長期目標は,有害物質の適正な管理によって新たな地下水汚染を防止するということで,数値目標は,有害物質取扱事業場における新たな地下水汚染を起こさないということにしております。主な取り組みとしては,有害物質対策等で,実は生活環境確保条例がこの2月に施行されておりますけれども,この中でそういう規制を既に講じているところであります。  次に,「水や緑や生物などの自然と人がふれあい,うるおいと安らぎが感じられる都市」として,二つの目標を掲げており,一つは,「地域で親しむことができる水辺を創出し,維持する」,もう一つは,「生物生息できる水辺を保全・回復する」ということであります。  まず,親しむことができる水辺の創出のところですが,その裏をめくっていただきたいと思います。  表表紙のすぐ左側の上の方に「地域別の水環境」と書いてあり,実は,札幌のエリアを地域区分と流域区分で分けております。点々で囲ったところですけれども,流域としては豊平川流域,新川・星置川流域,茨戸川流域の三つに分け,地域の区分は山地系緑地住宅地域,都心・都心周辺地域,平地系緑地と,これを重ねて全体を11の地域に区分しております。  ここにそれぞれイメージ的なものを載せておりますけれども,計画書本書の中では,地域の概況,水量水質水辺,それからどんな生物がいるか,また,協働の取り組みとして,公共主体の取り組み,あるいは,地域主体の取り組みはどんなことが進められているかということが計画書の中に紹介されております。  ここで,またさっきのところにお戻りいただきたいのですが,水環境目標の8のところでは,長期目標に,「人々が水辺とふれあい,親しむことのできる地域を広げていく」というようになっております。ここでは,地域の目指すべき水辺像というものを設定して,それを創出していく。そして,そこをできれば地域住民が主体となって決定して進められると望ましいと考えております。そのときに,先ほど紹介したようなことを見ながら,それぞれの実情に合わせて設定をしていく,その上で親しめる身近な水辺の創出でありますとか景観の保全といったことをやられていく,そういう取り組みを進めたいということであります。  それから,最後は,「生物生息できる水辺を保全・回復する」ということです。長期目標は,地域の住民が主体となって身近な生物生息環境を保全するとともに,生息できる環境の場を広げていくということで,生息環境の情報の収集・発信,あるいは,その保全といった取り組みをしていくということであります。  大きく言うと,こういった目標を掲げて施策を体系化しているわけであります。  次に,一番右のところでありますが,実際に進めていくに当たっては,協働による水環境の保全ということが重要になってまいります。  そこで,一番右上のところに,「協働による取組みの方向性」と書いております。ここでは,やはり,市民意見の把握と,それを施策に反映していくということが大変重要になってきます。そのため,模式的に「これまでのしくみ」「これからのしくみ」と書いておりますけれども,これまで,市民意見というのは,例えば連絡所や区役所を介して担当部局へ上がってくる,あるいは,市民の声を聞く課というようなところを通じて上がってくるということがありますが,こういったものは当然,継続・発展をしていくわけであります。さらに加えて,これからの仕組みということで,本年9月1日にオープンした環境プラザですが,これは情報の集まるところでありますので,そういうところでの情報交換,それから,環境局が調整窓口となる関係部局連絡会議といったようなものを設けていきたい。それから,関連組織との連携を図っていくことと同時に,場合によっては市民の方と意見交換会といったようなことも実施しながら,いろいろな意見,要望を施策に反映する仕組みにしていきたいという考え方であります。  それから,その下の「啓発,情報交換,環境教育のあり方」ということで,やはりここに環境プラザが出てくるわけでありますけれども,下に模式的な絵がかいてあります。グレーの楕円のようなところに,環境プラザ,環境局というのがあって,その上の方でホームページとかその他広報さっぽろ等で情報発信をしていきますと。それが,市民,町内会,PTAその他の団体に情報が行き,そういうところとの情報交換が環境プラザあるいは区役所といった場で展開され,さらに,関係部局,関係行政機関,それから北海道の組織である環境サポートセンター,あるいは,市の市民活動サポートセンターといったところと連携を強化して情報を共有化し,その中で,環境教育の推進,あるいは,保全活動のすそ野を広げていくといった進め方をしたいという考え方であります。  最後に,一番下の計画の進行管理のところでありますけれども,札幌市という四角い箱がありまして,ここで目標達成に向けた取り組みをしていきます。それから,その右の方に市民事業者とありまして,ここも「目標の達成に向けた取組み」と書いてありますが,このときに情報を共有し,意見交換をしながら進めていきましょうと。その下の関係行政機関とも必要な連携を図っていく。札幌市のところでは,達成に向けた取り組みをし,その内容調査,把握を行い,達成状況を評価し,計画の進行状況を公表していく,こういったことを毎年進めていきたいと考えております。それから,新まちづくり計画などのいわゆる中期計画の策定時にこの全体の見直しをしていきたい。大きくは,このような考え方で進めていきたいと考えているところでございます。 ○近藤和雄 委員長  それでは,質疑を行います。 ◆猪熊輝夫 委員  水環境目標の6番で分流式に劣らない程度で雨量が増したときの合流式での対処というようなことが3行の中に凝縮して書いてありますが,自信を持って書いているのか,これから研究するということで書いているのか,期待と不安で質問します。 ◎原田 環境活動担当部長  ここの数値目標に掲げておりますように,合流改善施設整備前後で2割程度の汚濁負荷の削減はできると所管している下水道局の方で言っておりますので,こういう効果は期待できると思っております。 ◆猪熊輝夫 委員  それから,これは,とりあえず,安心して水と親しむという前提を強調した感じになっていますね。全体の流れでは,一たび水が暴れたらどうするかという側面には余り触れていない。資料としてはありますけれども,治水という点です。  国有林,里山を含めて,いわゆる水道水の涵養林の保全ということはうたっているけれども,山全体の水の保水力を低下させないような形での対策が大もとにあって,里山から都市のこの辺はどうなるのかという形について一つ一つ具体化されていくということは理解しているつもりなのです。しかし水道水の涵養林だけは少し触れていますが,その大もと対策みたいなものは,具体的に触れていないような気がするのです。それは,別なエリアで考えられていて,これとセットになったらすばらしい計画案になるのだということなのか,あるいは,実はそこはあえて触れておりませんということなのか,それはどうなのですか。 ◎原田 環境活動担当部長  今のところは,確かに水源の涵養ということでありますが,それだけではなくて,この水環境目標でいきますと,「豊かな水量をたたえ」という水環境像の目標2で,これは流量の話をしておりますけれども,主な取り組みの中に水源の保全ということがあります。これは,必ずしも水道水源だけではなくて,降ってきた雨は,森林があることによって土壌に蓄えられ地下水に涵養され,それがまた地表に出てくるという大きな循環がありますので,お話しのとおり,そこのところの対策が一番重要だと認識をしています。  ですから,施策として行おうとすると,市民の森事業でありますとか,できるものは買収していくようなことがありますけれども,できるところからそういうことを行っていくようなことになろうかと思います。 ◆猪熊輝夫 委員  今の説明だと,従来型ですよ。要するに,里山の買えるところは買う,あるいは,市有林としての山づくりというようなことで。  そこで,協働型という形でうたい上げながら,国有林にも,涵養林というか,水道水を安全に確保するという点で,それは国有林だけれども,その部分は札幌市水道局が流域設定の中で一定程度の発言力や行動はとれることになると思うが,それ以外の部分に対しても,下流域にある住民あるいは自治体が,相当の意識をした形で施策の具体化をせざるを得ないところまで,現状としてなっているという気がしてならぬのです。なぜかというと,例えば定山渓の国有林というのは,今から20年前は300人以上の人がいて維持管理を含めて守られていました。今,現実は10人いませんよ。そうしたら,短時間で水量がどんとふえたときに,林道などは大変な状態になっています。そういうことを含めて,山の維持管理というのは大変なことになっている。  少し前のテレビ放映で,ある雨量に達したら札幌市内はどうなるかということをシミュレーションで放映したことがありました。僕はたまたま見たのですが,テレビ塔の付近まで水がどっと押し寄せる映像です。そういうことを含めて,札幌ではどの程度の水量になったときにどのような状況になるかということを想定して,その対応として,何をしなければならないかということの押さえをしっかりする。そして一方では,日常的にこういった水辺空間や水と親しむというような政策も行っていくということがあって,水環境に対する施策としては充実していくと。まだ一面的かもしれませんけれども,こういう政策というのはそういったことも含めて具体化すべきではないかという思いがあるのですが,どうでしょうか。 ◎原田 環境活動担当部長  少なくとも,安心して生活できるということが重要でありますから,災害を受けないという対策は一番の基本になると思います。  ただ,一番初めに委員がお話しされたとおり,水環境計画という本書の中で治水について触れております。既にごらんになっておられると思いますけれども,治水対策というのは当然やらなくてはいけないことなので,その場合にもここにのっているように環境に配慮するという組み立てで考えられています。ですが,今のお話のように大もとのところの対策は当然必要になると思いますけれども,この水環境計画の中では,治水というのはその前段にあるものという位置づけをしておりますので,具体的にどうしてというような今の議論は,残念ながらしておりません。ただ,そこのところは,河川管理者もこの中に入っておりますので,そういう視点から必要なことは行っていく必要があると思います。また,水源涵養林については,これは主体が国になりますけれども,こういう考え方の中で,必要な要請あるいは協力をお願いしていくようなことになろうかなというふうに思っております。 ◆猪熊輝夫 委員  治水といったら護岸というような感じのところが強いのですよ。だから,山づくりというか,保水力というのがとても意味合いのあるものだという形で押さえて,そこに下流域市民がどうかかわるか,かかわっていかねばいかぬが,それを協働型でいこうと。そして,国有林を初めとする山の所有権を持っている部分と連携をとりながら,国有林だから国有林野事業に任せるだけではなくてみずからやるというようなことを含めて,これからは展開が必要になるのではないか。任せておいたら大変な山になってしまいますから,そういう危機意識があるものですから,あえて発言をさせていただきました。  すばらしい方針を立てられたという前提で発言をさせていただいていますので,どうもならぬというようなとらえ方だけはしないように,意見を申し上げて,終わります。 ○近藤和雄 委員長  ほかに質疑はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  なければ,質疑を終了いたします。  以上で,本日の環境消防委員会を閉会いたします。     ──────────────       閉 会 午後1時55分...