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平成15年(常任)総務委員会−09月11日-記録

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  1. 札幌市議会 2003-09-11
    平成15年(常任)総務委員会−09月11日-記録


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    平成15年(常任)総務委員会−09月11日-記録平成15年(常任)総務委員会  札幌市議会総務委員会記録            平成15年9月11日(木曜日)       ────────────────────────       開 会 午後1時 ○山田一仁 委員長  ただいまから,総務委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,三上委員からは欠席する旨,高橋(克)委員からは遅参する旨,それぞれ届け出がございました。  議事に入ります。  最初に,市街化区域及び市街化調整区域との区域区分の見直し(第5回線引き見直し)についてを議題といたします。  ここで,理事者より説明を受けます。 ◎下平尾 企画調整局長  本日の総務委員会については,まず,先週9月3日の説明に引き続き,第5回の市街化区域と市街化調整区域との区域区分の見直し,いわゆる線引きの見直しについて説明し,その後,都市計画マスタープランについて説明します。線引きの見直しについては,前回,見直しの基礎となる人口収容計画について説明しましたが,本日は,これに基づく具体の見直し案について説明します。また,マスタープランについては,本市が定める札幌市都市計画マスタープランと北海道が定める都市計画区域の整備,開発及び保全の方針の二つがありますが,本日は,それぞれについて,このたび取りまとめた素案の内容を説明します。  なお,このうち,札幌市都市計画マスタープランについては,来月下旬から市民公表と意見募集を行う予定で,最終的には,必要な修正を経て,今年度末の決定を目指すものです。  本日説明する素案は,最終案に至る前段の1回目の説明ということになります。 ◎小澤 計画部長  前回に引き続き,第5回市街化区域と市街化調整区域との区分の見直しについて説明します。  まず最初に,平成10年3月に実施した,前回の第4回線引き見直しの特定保留箇所の開発の状況について説明します。  A4判の「第4回見直し特定保留区域の開発状況」という資料をごらんください。  前回,第4回の見直しでは,特定保留区域に位置づけられた区域は17地区でしたが,その後,区域の分割もあり,最終的には20地区となりました。そのうち,平成14年度までに計画的な市街化が具体化し,市街化区域に編入を行った地区については,表では黒い網かけをしている7地区です。具体的な位置についてはスクリーンに黄色で示しておりますが,札−19川北地区,札−20小野津幌川右岸地区の一部,札−21,22,24の清田A,B,D地区,それから,札−26手稲前田地区,札−27手稲山口地区の一部です。その他の地区のうち,表では斜めの網かけ,スクリーンでは赤色で示しております2地区,札−16あいの里南地区,札−17東苗穂北地区については,現在までに市街化区域に編入されていないものの,既に開発に着手している地区及び開発が実施されることが確実な地区として,今回の見直しにおいて市街化区域に編入したいと考えております。  また,表では白地,スクリーンでは黒枠とグレーで示している残りの11地区及び一般保留地区については,開発が具体化されていないものとして,今回の見直しで位置づけを解消することとなる地区です。  これらの地区の開発に至らなかった理由は,地価並びに宅地の需要の低迷ということが背景として共通しているほか,最終的な地権者合意に至らなかったものや,ディベロッパーやハウスメーカー等の体制が整わなかったことなどがあります。  なお,各保留地区に対しては,代表者からの同意状況,事業化に向けての問題点,想定スケジュール等についてのヒアリングを毎年行い,また,見きわめに当たっては,見きわめ基準,スケジュール等を示した上で,適宜,ヒアリングを実施し,今回の見きわめに対する理解を得るとともに,各地権者に対しても見きわめの実施及びその結果について郵送などによる文書通知を行ってきたところです。
     では,次に,第5回見直しについて説明します。  A4判の「『第5回 市街化区域と市街化調整区域との見直し』について」という資料をごらんください。  前回,9月3日の説明では,線引き制度,さらには,昨今の人口動態と人口収容計画等について説明しました。その内容については,1ページをごらんください。  本市の市街化区域内においては,基準年である平成12年から目標年である平成22年までの10年間で12万4,500人の増加を見込んでおります。現在の市街化区域内で11万9,500人の収容が可能と考えられますので,その数値を先ほどの12万4,500人から差し引き,今回の見直しにおける拡大人口フレームを5,000人と設定しました。  次に,5,000人の拡大人口フレームに対する地区選定にかかわる考え方について説明します。  2ページをごらんください。  今回の見直しについては,新たな拡大予定地区である特定保留区域は設定せず,次の条件に合致する地区を市街化区域に編入したいと考えております。  条件の一つ目は,前回,第4回見直しの特定保留区域のうち,随時編入には間に合わなかったものの,段階的な見きわめの結果,一体的な開発が確実と判断された地区,条件の二つ目は,平成11年8月より運用している都市計画法第34条10号イに基づく市街化調整区域の大規模開発で,区域の一体的な開発が確実と判断される地区,条件の三つ目は,市街化区域や公共施設等に囲まれ,周辺の市街化調整区域における市街化を促進せず,都市施設等がおおむね整備済みで,周辺と一体的で調和的な市街化が確実な区域というものです。また,その他,既決定の境界としていた地形,地物等が変更されるなど,境界を明確にすることが必要な区域については,境界の変更を行いたいと考えております。  では,具体の地区の詳細について説明します。  編入予定地区の一覧は資料の3ページ,位置図については4ページ,さらに,地区別の計画図については5ページから8ページに掲載しております。  なお,位置図については,スクリーンにも表示しております。  市街化調整区域の大規模開発で,区域の一体的な開発が確実と判断される地区として市街化区域に編入する4地区のうち,まず,「札−1新琴似南地区」「札−2新川新琴似地区」の2地区についてですが――5ページの図をごらんください。  これらの2地区については,昭和45年の当初線引きにおいて市街化区域となりましたが,昭和60年に市街化調整区域に編入,いわゆる逆線引きによって市街化調整区域となった地区ですが,その後,第4回見直し以降に開発が具体化しました。このうち,「札−1新琴似南地区」については,開発行為が平成15年5月15日に許可され,同年7月17日,9月4日に一部完了したところです。  開発面積は約5ヘクタールで,一部市街化区域を開発区域に取り込んでおります。  土地利用計画としては,低層戸建て住宅を基本とし,一部,新琴似2条通に面する部分には店舗等の沿道土地利用を想定しているところです。  配分人口フレームは300人です。  次に,「札−2新川新琴似地区」ですが,開発行為は,平成13年10月25日に許可され,平成14年7月24日に完了しております。  開発面積は9.4ヘクタールです。  土地利用計画としては,低層戸建て住宅を基本とし,一部,新琴似2条通と西野・屯田通に面する部分には沿道土地利用を想定しております。  配分人口フレームは600人です。  次に,第4回線引き見直しにおいて位置づけた特定保留区域のうち,一体的な開発が確実と判断した2地区――「札−3あいの里南地区」「札−4東苗穂北部地区」についてですが――6ページの図をごらんください。  まず,「札−3あいの里南地区」ですが,組合区画整理事業が平成15年3月18日に設立認可されております。  開発面積は50ヘクタール弱です。  土地利用計画としては,低層戸建て住宅を基本とし,JRあいの里教育大学駅周辺については,集合住宅,利便施設等を想定しております。  配分人口フレームは2,400人です。  なお,事業区域に隣接して,道立養護学校,地区公園が位置しており,今回はあわせて市街化区域に編入する予定です。  次に,「札−4東苗穂北部地区」ですが,埋蔵文化財の包蔵地区であり,現在,その調査を行っているため,造成工事については調査終了後の予定です。  開発面積は5.4ヘクタールですが,一部市街化区域を含んでおりますので,市街化区域に編入するのは,このうち3.7ヘクタールです。  土地利用計画としては,低層戸建て住宅を想定しており,配分人口フレームは200人です。  次に,市街化調整区域の大規模開発で,区域の一体的な開発が確実と判断される「札−5小野幌地区」「札−6真駒内南地区」についてですが――7ページの図をごらんください。  まず,「札−5小野幌地区」ですが,当地区については,開発が平成13年10月3日に許可され,本年秋には部分完了,全体完了は平成20年の予定です。  開発面積については28ヘクタールで,土地利用計画としては低層戸建て住宅を想定しております。  配分人口フレームは1,200人です。  また,「札−6真駒内南地区」についてですが,開発が平成14年7月17日に許可され,平成15年7月9日に完了しております。  開発面積は約6.5ヘクタールです。  土地利用計画としては,低層戸建て住宅を想定しております。  配分人口フレームは300人です。  次に,周辺の市街化区域における,市街化を促進せず,周辺と一体的で調和的な市街化が確実な土地の区域として市街化区域に編入する2地区――「札−7真駒内本町地区」「札−8ほしみ駅北口地区」についてですが――8ページの上段と中段の図をごらんください。  まず,「札−7真駒内本町地区」については,昭和45年の当初線引きの際に,防衛施設の区域として市街化調整区域としたものであり,周辺は市街化区域であったため,穴抜けの市街化調整区域となっておりました。今回,防衛庁から財務局にその一部が所管替えされたため,その一部について市街化区域に編入するものです。  土地利用としては,現状の防衛庁の官舎等です。  次に,「札−8ほしみ駅北口地区」ですが,JRほしみ駅に隣接しており,また,周辺の土地利用が固まっている中で,唯一,土地利用されていない区域として残っている地区です。  なお,道路等の基盤整備については,おおむね整備済みです。  土地利用としては,隣接する小樽市の市街化区域の用途地域が工業専用地域に指定されていること,また,駅前ということから非住居系とし,業務系の土地利用を想定しております。  次に,地形,地物の変更により境界の変更を行う「札−9清田配水池隣接地区」についてですが――8ページの下の図をごらんください。  当地区については,昭和45年の当初線引きにおいて,当時設定した地形,地物による線引き界が清田配水池の増設工事によりなくなるため,境界を変更するものです。  なお,若干,市街化区域に編入される部分もありますが,合計で0.6ヘクタールの逆線引きとなります。  以上,9地区の概要を説明しましたが,今後のスケジュールについては,前回,9月3日に説明した内容から変更しておりませんので,省略します。  なお,9月3日の委員会において,松浦委員から質問がありました農業の調整と都市計画について,この場で回答させていただきます。  市街化調整区域には二つの側面があり,第1次産業としての農業が展開される地域,もう一つは,都市を取り巻く緩衝帯,さらには,将来的な都市的土地利用の候補地としての性格です。これまで,都市が拡大,発展する中では,宅地が不足し,市街化区域内では間に合わず,市街化区域の外で確保しなければならない事態に至ったときは,農業サイドと都市計画サイドで調整し,線引き見直し等による市街化区域への編入を行ってきたところです。  しかしながら,昨今では市街地を拡大する必要性が低下していることから,今後は,市街地予備軍とは異なるあり方が求められるのではないかと考えております。  このような中で,農業については,現在でも市民に対する新鮮かつ良質な生産物の供給を担っており,重要な産業として振興支援が必要なものと考えることが基本であると考えております。  ただ,そのような状況にあっても,現実としては農地や農家が全体として減少傾向を示して,看過できない状況であると考えております。  生産活動の場としての農業の土地利用を都市計画としてどのように再評価できるのか,これが今後の重要な課題であり,市民の余暇活動やレクリエーションの場としての活用や,田園環境など景観的な要素に価値を見出すことも,方向性としてはあるのではないかと考えられます。  これについては,後ほど説明する都市計画マスタープランにおける力点の一つである市街地の外ならではの特質を生かす土地利用の検討として,取り組みの方向性を打ち出しているところです。 ○山田一仁 委員長  質疑を行います。 ◆村山優治 委員  このマスタープランは,当然,企画調整局計画部でプランニングをしたのであろうと思うのですけれども,私は,必ずしも現状に合ったプランニングにはなっていないと思っております。否定はしませんけれども,これからこのマスタープランに沿った街づくりを進めていく中で,また気がつけばいろいろな議論をしなければいけないだろうと思っております。  そこで,市域内を取り巻く数多くの農地の中に,農業振興地域に指定されて,さらに,環状グリーンベルト構想に入っている土地もあるのではないかと思っております。この農業振興法というものは一体どのようなものなのか――我々はどう解釈すればいいのか――農業をどう守っていくものなのか,お伺いします。  それから,市域内に農業振興地域に指定されている土地はどのくらいあるのかということが毎回,話題になっており――農業後継者がいない,あるいはまた,諸般の事情によって営農していけるような環境,状況ではないというところもあるものですから――その点をお伺いします。  そして,農業振興法ではさらにまた一つ上の段階がありますから,農地にそのような指定をかけていくということはどのような手続を経て適用されるのか,お伺いします。 ◎波田 経済局長  まず,農業振興法の目的は,法の第1条に書いてありますが,基本的には,自然的,経済的,社会的な条件を考慮して総合的に農業の振興を図ることが必要な地域,そして,農業の健全な発展に加えて土地の合理的な利用を目的として――要するに,農業を守り振興する,特に大事にしていこうというものです。  次に――おっしゃっていることは,おそらく,農業振興地域の中の農用地区域のことだと思いますけれども――これが一番大事な部分です。この農用地区域は,現在,市内に15地域,1,030ヘクタールあります。  そして,農用地区域の指定――網かけの手続ですけれども,おおむね5年に一度,全体の見直しを行い,そして,その中で指定していくということになっております。具体的な手続は,まず,対象となる農家の現地調査を実施します。その上で,農業委員会あるいは農協,北海道庁といった関係機関と協議を行い,そして,我々が素案を作成し,一定の縦覧期間を設けて,その後,告示するという手順になっております。 ◆村山優治 委員  農用地区域や農業振興法については,自給力の確保など,いろいろな作物のバランスをとるという国の考え方などがあるのだろうと思っているのです。優良で極めて生産性の高い,保全しなければならないような土地を農用地区域に指定しているという解釈でいいのでしょうか。 ◎波田 経済局長  農業振興法についての国の考え方についてですけれども,確かに優良生産農地であることが望ましいのですが,農業振興法の規定では,一方では集団性というものに強く着目します。これは,おそらく国家政策,食料政策と連動した考え方だと思いますけれども,20ヘクタール以上の集団性のある農地については,農用地区域に指定しなさい。また,20ヘクタール未満の土地であっても,いろいろな事業で国費の補助事業等を導入しようとするような農地についても指定をしなさいと――平たく言うとそのようになっております。ですから,集団性ということに非常にこだわっている部分があります。 ◆村山優治 委員  現在,15カ所,1,030ヘクタールが農用地区域に指定されているということでしたが,非常に厳しい環境の中で,国も,農業政策についてあらゆる角度から拡大を図っていかなければならないとしている最中です。これからどのようになっていくのか――それぞれの都道府県あるいは市町村におりてくるのだろうと思います。  ただ,本市は急速に発展を遂げた地域であり――年間に7万人,8万人あるいは10万人という人口増加の時期もあったのです。現在,何とか農用地区域の指定を外してほしいという内容の陳情も恐らく数多くあるのではないかと思うのですが,そのような要望があったのかどうか,お伺いします。  それから,1,030ヘクタールの農用地区域に指定されている土地についてですが,この中で生計を立てている方はどのくらいいるのでしょうか。どんどん宅地化が進んで何とか指定を外してほしいという要望がある中で,そのような調査を実施したことがあるのか,お伺いします。 ◎波田 経済局長  農用地区域の指定を外してほしいという陳情はあります。  農用地区域から外すということは,やはり他の土地利用目的があるということですから,通常,農用地区域からの除外と市街地編入の要望ということはセットで上がってきます。平成元年以降,およそ30件ほどあります。  それから,農用地区域の中で,実際に営農している農家のデータはただいま持ち合わせておりませんが,耕作を放棄している農地も見受けられます。 ◆村山優治 委員  そのような農地もあるのですから,やはり本市の農業経営のあり方というものを改めて考えていかなければならないというような時期に来ていると思うのです。この農用地区域の指定のあり方も含めてです。もう農業を営んでいけない,あるいは,後継者もいないという方もたくさんおりますから,要望を聞いて見直すということも行政の役割の一つですから,これは要望しておきます。  次に,農用地区域の指定手続について伺いますが,昭和46年か48年くらいに手稲区前田の農用地区域に指定されている,ある地域のことです。国から声がかかって北海道におりてきた。そして,北海道から本市におりてきた。恐らく割り当てがあったのではないかと思うのですが,本市は,農協に相談している。そして,農事組合という団体から指示を受けて農用地区域に指定したという経過があります。  本人も,また回って歩いた方々も,それから指定受けた土地の所有者もまだ存命で――当時の話を聞くと,将来的に市は見直したいときにはいつでも見直すから,とりあえずこの土地を農用地区域に指定させてくれないだろうかと言っていたということなのです。土地改良もしないで――要するに国の補助金も使わないで,ずっと農業を営んできた経過があります。しかし,道路を挟んだ向かい側では,国の補助金を目いっぱい使って,土地改良から農業用水整備など,いろいろな手法を講じてきたということなのです。今,そのような方々の話を聞くと,行政にだまされたと非常に憤慨しております。さらに,一生懸命に,何とか見直してほしいという要望,陳情も出しているが,なかなか取り合ってくれないということなのです。  その方の生活権もかかっておりますので,ぜひ各部局と検討して,理解していただきながら作業を進めていただきたいと要望します。  次に,企画調整局に伺いますが,この前回の線引きの際に特定保留区域に指定した17カ所の土地についてですが,平成10年3月31日付の,北海道の告示と本市の資料には数値のくい違いがあります。我々は439.1ヘクタールと認識していたのですが,北海道の資料では439.6ヘクタールとなっているのです。先ほどの小澤部長の答弁から推察すると,この中にも市街化区域が一部入っているのではないかという気がしますが,この点について確認します。  それから,一番下に一般保留ということで,篠路川右岸という記載がありますが,これも,北海道の告示にはないのですが,これはどのような扱いでどのようなものなのか,お伺いします。  次に,この17カ所の特定保留区域――細分して20カ所になったとのことですが――そのうちの10カ所が開発可能であると理解しました。そして,あとの白地の10カ所の区域は,もう開発の見込みはないというお話でしたが,その点をもう一度確認します。  というのは,これでは市が試算した拡大人口フレームとは,全然合わなくなってしまうのです。なおかつ,資料には439.1ヘクタールで平成12年には182万2,368人と載っております。それから,平成22年には194万4,000人になるというような数字を掲げております。この前段で,439.1ヘクタールで拡大する人口をすべて収容しようという前提がそもそもだめになってしまった。それでは,その収容しきれなくなった人口はどこに収容するのかという疑問が出てくるのです。  平成12年から平成17年の5年間で,人口の増加が9万5,632人としております。年で割ると,1年間に1万9,126人が人口増加していることになるのです。そして,平成17年から平成22年までの5年間は2万6,000人しか人口は増加しません。一年当たり5,200人なのです。5,200人といえば,本市の自然増程度です。  この点も含めてお伺いします。 ◎下平尾 企画調整局長  本市資料の439.1ヘクタール,それから,道の告示分の439.6ヘクタールという数値のくい違いについてですが,手元に資料がありませんが,おそらく,本市が上げた案から北海道が微調整したものではないかと思います。その数字についてはまた後ほど調べさせていただきます。  それから,一般保留と表示している篠路川右岸地区についてですが,市街化区域の線引きの際に,区域を定めて人口を確実にフレーム配分する,これが特定保留区域で,当時,この表に分割されたような形で「特定」と書いているものが,人口の配分計画を持ちながら,区域を特定して,その区域での開発計画に合わせて人口を配分していくという整理をしております。  篠路川右岸地区の一般保留区域というものは,茨戸川のちょうど合流点のところにあり,区域を定めないで,将来的に,福祉など,これからの街づくりの中で求められるようなものと住宅とがミックスした開発計画がきちんと立ち上がった場合には編入を認めていこうということで,面積を定めないで設定した地区です。これについては,今申し上げましたように,それぞれ開発計画が持ち上がらなくて市街化区域に編入できなかった白地で示した地区と同じように,最終的に開発計画が持ち上がらなくて編入することができなかったものです。  つまり,今回,提出した資料のうち,1枚物の資料ですが,黒い網かけ部分については,開発が実施されたということで,その都度,随時に編入していったものです。それから,斜めの網かけで示したあいの里,東苗穂地区については開発の見通しが十分にあるということで編入していくものです。  残余の地区については,当時,いろいろな形で開発をしたいということで,準備会や期成会をつくったり,地元住民は十分に意欲があったということで,話を聞きつつ,編入予定の特定保留区域としたのですけれども,数度のさまざまな見きわめやヒアリングでも,やはりどうしても開発の目途が立たないということで,これらについては,今回,解消するというものです。  次に,拡大人口フレームについてですが,前回の線引き見直しの際には,平成2年の人口動態等をベースにしながら将来目標を定めて,その上で,平成7年から平成17年の10年間における人口の将来像を設定したわけです。今回,この時点になって,国勢調査,それからその間の人口の動態を見ますと,郊外市街地では当時想定していたような人口増加が見られない――当初の予定よりかなり低くなっているということが判明しました。逆に,高度利用市街地については,高齢化,あるいは利便性の高いところへの回帰ということで人口増加率が極めて高くなってきている。このため,今回は,平成12年を初年度とする平成22年までの人口収容計画を新たに立てたものです。つまり,前回の数字は一たん解消して,新たに,今回,そのような人口動態をもとに収容計画を立てたものです。  したがって,その間,開発が進まなかった,人口動態も当初想定したとおりにはならなかったということでいろいろ指摘いただきましたけれども,私どもも,このような経済状況,開発動向,人口動向といった予測し得ない動向があったものですから,それにあわせて新しい市街地の設定をしていこうというものですので,ご理解いただきたいと思います。 ◆村山優治 委員  苦しい答弁で気の毒だと思います。  ただ,これは,行政責任のもとで,4回も公聴会まで実施しているわけでしょう。にもかかわらず,全く予測が外れているわけです。その意味はわかると思いますが,当初,試算をした数字,姿と,今回のものとはかなりかけ離れている。  そして,このマスタープランの中にも,コンパクト型,集合型の街づくりとなっているけれども,状況を少し考えていただきたいと思うのです。中央区というものは,現在,地価がどんどん下落して,マンション用地がふえてきているわけです。しかし,土地にも限りがありますから,いつまで続くかはわかりませんが,需要があって供給するというならわかるけれども,マンション業者がどんどんマンションを建てて,そして,近所の日影権,日照権の問題が発生して――しまいには4メートル道路のところに,中高層住居専用地域だからということで十数階のマンションを建てる――そのような無謀な集合住宅を建設してきているという現状があるのです。  地域住民は,議会やそれぞれの議員のところに行って,このようなものが建つけれども,何とかとめることができないだろうかと陳情しているわけです。そして,あげくの果てに,その集合住宅の住民は町内会にも加入しない。除雪や駐車違反,ごみの問題。上田市長も桂市長の時と同様に協働参画型ということを言っておりますが――みんなでまちをつくっていこうではないか――現在,そのように時代が移り変わってきているのです。  マンションがどんどん建つという傾向が見られるから,これは何とか変えなければならないということで都市計画を変更したのではないかと私は思わざるを得ないのです。むしろ,行政の仕事というものは,お年寄りも若者も小さな子供も,緑があって,公園があって環境のすばらしい――散策したりパークゴルフをしたり,水辺空間で野鳥の観察をしたり,そのような街づくりを誘導していくものではないかと思います。そのようなことが,企画調整局の仕事だろうと思うのです。ただ単に郊外へ拡大しないというだけでは通用しません。やはり郊外型の戸建て住宅も欲しいという方だっていると思うのです。この点についてはどのように考えているのか,お伺いします。  それから,439.1ヘクタールを特定保留区域としてきたのですが,実際には開発ができなかった。このときに,私の記憶では,約2,100ヘクタール,そして,地域数では70カ所近くものいろいろな方々から,ぜひ特定保留区域に指定してほしいと何回も何回も陳情された経過があります。  そして,企画調整局計画部は,慎重審議した結果,439.1ヘクタールを決定したけれども,なおかつ,面積でいうとその半分も開発が行われなかった。これだって大変な責任なのですよ。いとも簡単に言っていますけれども,前回の線引きの際にも今回と同様にこの総務委員会で議論を行い,その意を持って都市計画審議会に臨んでいると思うのです。  現在の都市計画審議会というものは――市長はまだ出たことはないだろうと思うので,一回出ていただきたいのですが――質問する方といえば,議員しかいないのです。私は一回出ましたけれども,女性が一回質問しただけで,あとは議員しか質問しませんでした。専門の高見識の方々が委員になっているのですから,街づくりをどうするのだという議論をもっともっとしなければならないと思うのです。しかし,このマスタープランでは――もっと整理しなければ持っていけませんよ。  都市計画審議会を延期してもいいから,やはり,納得いくような整理をすべきではないかと思いますがいかがか,お伺いします。 ◎下平尾 企画調整局長  住民によい環境を提供するような街づくりについてですが,これは本当にそのとおりだと思います。  私どもは,決して水と緑が調和した郊外住宅地を否定しているわけではありません。それは,開発計画のあるところについては今回も認めておりますし,従来から――例えばもみじ台や青葉など,公的な集合住宅も周辺にふんだんな公園緑地を形成しながら造成しております。しかしながら,そのような地区も相当程度に代がわりして人口が減少してきている,都心回帰してきているという状況があります。  これは,また,都心でマンション問題を惹起するということで,確かに,きのうの総務委員会でも,マンションでコンクリートジャングルというようなことを中央区の方がおっしゃっており,これは大変悩ましい問題だと考えております。しかし,私どもは,用途地域や地区計画,これからは提案型のいろいろな地区計画制度もありますし,地域の人たちが自分たちの住む環境をどのように誘導していくのかということをきめ細かく――マンション紛争の場合は都市局建築部のいろいろな条例などもありますから――いろいろなものを駆使しながら,高度に利用するところは利用するところでの調和のある緑地環境,それから,周辺地域は周辺地域ということで,やはり,それぞれの場所に合った土地利用計画人口収容計画を策定していくべきであると考えております。  それから,先ほどの特定保留区域のうち市街化区域に編入した区域は,今回の2カ所も入れて合計で約180ヘクタールです。編入できなかったところは仕方がないというようには私どもは思っておりません。やはり,我々職員が,そのような方々と本当に議論しながら,特定保留区域に指定したものは開発させることが一番好ましいことですから,そのためには,都市局の開発事業部や市街地整備部などのさまざまな部局とも協議しながら,いろいろ論議してきましたけれども,最終的に,やはり現在の経済動向等により断念せざるを得なかったということです。
     次に,都市計画審議会とマスタープランについてですが,審議会が活発ではないということは,私どもも,案の出し方や説明方法などいろいろ工夫して,せっかく公募して市民も入っていますし,学識者,そして議員にも入っていただいているということで,やはり,それぞれのお立場から活発な論議をしていただけるように運営していかなければならないと考えております。  それから,マスタープランについては,今回,一応,素案として取りまとめた報告ということで,論議をいただきながら,正すべきところは正しつつ策定作業を進めていきたいと考えております。 ◆村山優治 委員  今の前段の話で,青葉の人口は減っているということでした。市全体でいえばふえている地域と減っている地域というものは,やはりあるのです。しかし,減っているのではなくて,増加率が通常よりも低い,鈍化しているのだろうと思うのです。ですから,野山に囲まれて,すばらしい公園があって,すばらしい川があって,そのような,手稲地区も,人口は10区の中でも――中央区は,先ほど前段で議論しましたマンション,マンションということで急にふえましたけれども,そのようなものができなければ,やはり郊外,郊外へと増加をしていくのが常なのです。これは,質問にしませんから結構ですが,人口は,中央区の次に清田区が伸びている――たしか,そのようになっていると思います。  手稲区の山口は,特定保留区域に77ヘクタール指定しているのです。そして,何年もしないうちに,今度は大規模開発を承認しているのです。けれども,農用地区域の指定を外すことまでしているにもかかわらず事業化がなされていないのです。このことについてはどのように考えているのですか。本当に怒りさえ感じてしまうほどです。この5カ所――正直村などは,岩倉土地開発が開発することになった。しかし,しまいには岩倉土地開発は倒産してしまって,そのままになっているわけです。これは行政が認めたことです。このほかに大規模開発を何カ所認めているのか。箇所数と面積を示してください。 ◎下平尾 企画調整局長  市街化調整区域の大規模開発は,今まで5カ所,77ヘクタールの開発を許可しております。 ◆村山優治 委員  余りにもずさんですね。上田市長は就任したばかりだから――まだ余りわからないから,これからわかってくるのだろうと思うのですが――ひどいですよ,本当に。それは指摘しておきます。  それから,前田東の件ですけれども,手稲高校をつくり,手稲高等養護学校をつくり,そして,本市が,36ホールのパークゴルフ場をつくり,そして650台の駐車場をつくった。冒頭で話しましたが,一団で優良な農地を保護していこうと,農業振興法でうたっているにもにもかかわらず,行政が全部虫食いにしてしまっているのです。これは本市にも北海道にも,そして国にも責任があります。法律で守らなければならない農地を虫食い状態にしたという結果になっております。この間も省令と言いましたけれども,公共に供するものであれば省令でいいですとなっているけれども,営農している人からすれば,たまらないですよ。本当に行政を恨みたいくらいだと思うのです。  皆さんも絵は見ていると思うのですけれども,これからしっかり気をつけて――我々は,真正面から議論をしていく,そして,市民に不利益を与えてはいけない,生命と財産を守るという目的がありますから,これからまた議論していきたいと思います。市長,済みませんが,後で絵を見てください。行政の責任は非常に重いと痛感しております。  私は,この都市計画マスタープランの素案は,否定はしないけれども,余りいいものではないと思います。私は,これからの郊外のあり方というものは,企画調整局だけで判断するのではなくて――大規模開発というものはこれから出てくるかもしれませんが,これは,都市局の所管です。そして,線引きは企画調整局の所管です。さらには農地もかかわってくるかもしれません。ですから,これから,郊外を拡大するにしても,街づくりにしても,関係部局の皆さんにも参加していただいて,企画調整局だけが街づくりをするのだということではなくて,連携をきちんと密にして,将来の本市の街づくりのあり方を考えていただきたいと思っておりますから,このことを要望して,質問を終わります。 ◆飯坂宗子 委員  前回の委員会においても,今回の編入に当たって,住民から要望,意見などが市に上がっていないのかということでお尋ねしました。そのとき,箇所名はまだ具体的ではなかったのですが,眺望権,日照権などで要望があるということと,それから,住民の声は十分聞いていきたいという部長の答弁もありました。  きょうは,具体的な箇所づけが出ておりますので,それに沿って伺います。  一つは,あいの里南地区ですけれども,これは,先ほどの説明で,養護学校や地区公園も含めて60.7ヘクタールを市街化区域に編入したいという案です。これは,第4回の見直しで特定保留地区に指定されていて,区画整理事業で進んでいくということで,住民等の話し合いも既に始まっている地域だと思います。ここは,あいの里の駅前ということもありますので,いわゆる低層住宅として使う,あるいは集合住宅として使う,それをめぐって,住民の皆さんから,高層マンションが建ったら眺望権あるいは日照権が脅かされるのではないか,あるいは,緑地保全などに支障を来すのではないのか,そういう声が出ていると思うのです。  そこでまず,本市としては,住民にどのような説明をして,また,今回編入するに当たって,現時点で本当に合意が得られているのかどうか,お伺いします。  次に,東苗穂北部地区についてです。  これは,面積が5.1ヘクタールで開発行為ということなのですが,先ほどの説明では,3.7ヘクタールですか,低層住宅地として市街化区域に編入したいということでした。ここも,既に木などが立っている現状になっていると思うのです。そこで,やはり自然林を生かしてほしい,余り切らないでほしいという要望なども私の耳にも届いております。  そこで,今度の開発に当たって,その辺の自然林の扱いなどについては配慮されるのかどうか,お伺いします。 ◎小澤 計画部長  あいの里南地区についてですけれども,この地区については,委員お話しのとおり,前回,第4回の線引き見直しで特定保留区域に位置づけされた地区ということです。前回,特定保留区域に位置づけるときに――平成10年度の見直しですから,その前年の平成9年になりますけれども――その時点で広報さっぽろに掲載して,市民には周知しているところです。その後,現在,具体的にもう事業化が進んで,区画整理組合も設立されており,区画整理組合が地元住民への説明に入っていると聞いております。  そして,説明により理解いただいていると聞いております。  次に,東苗穂北部地区についてですけれども,開発に当たっての自然林の保護については,民間のゴルフ練習場が隣接しており,住居系の土地利用として開発する際には緑地を残してバッファーとするということにしております。また,本市の緑の保全と創出に関する条例において,当該地区については,里地という位置づけであることから,開発の際には緑化率20%以上と義務づけられており,その確保のために開発区域に緑地を残しているということです。 ◆飯坂宗子 委員  東苗穂北部地区については緑地を残すという考えであるということが示されたのですが,考え方として――「第4回見直し特定保留区域の開発状況」という資料では札−17が5.1ヘクタールとなっております。「『第5回 市街化区域と市街化調整区域との区分の見直し』について」という資料では,札−4というものがこれと同じ地区になりますけれども,3.7ヘクタールとなっております。差し引きの1.4ヘクタールが緑地として残ると考えていいのかどうか,確認します。  それから,あいの里南地区です。平成9年に広報さっぽろなどで説明した――さらに区画整理組合などでも住民に説明して理解が得られていると認識しているということなのですが,私はそのように聞いていないのです。これは,住民がまだ納得していないと聞いているのです。  そこで,今回は都市計画審議会が17日にあります。特定保留区域のうち,開発行為のめどが立ったということで市街化区域に編入するということでした。しかし,いわゆる用途地域については,それはそれでまた別問題というか,次元が変わってくると思うのですが,市街化調整区域から市街化区域に編入するときに,用途地域も定めて編入するのかどうか,お伺いします。 ◎小澤 計画部長  東苗穂北部地区についてですけれども,5.1ヘクタールと3.7ヘクタールの違いについては――6ページの図をごらんください。右上に黒い実線があります。それから,茶色が分断されて縦方向に黄色の線がありますけれども,この線から右側は,現状で市街化区域になっている部分です。つまり,開発面積としては5.1ヘクタールですけれども,編入の面積としては3.7ヘクタールということです。 ◎宮浦 都市計画課長  後段の用途地域の考え方についてですが,まず,今回のあいの里南地区については,土地区画整理事業での施行を予定しており,一般的に,土地区画整理事業の場合は,事業着手当初で土地利用計画が完全に固まるものではなくて,仮換地指定という手続を経て土地利用計画が固まっていくことになります。したがって,市街化区域編入時点では,暫定的な用途地域ということで,第一種低層住居専用地域という用途地域が指定されます。これは,土地利用が固まるまでは極めて厳しい用途地域の制限をかけた上で,後年次に土地利用計画が具体化した段階で将来的な用途地域に指定変更していくという考えです。ですから,その段階でまた都市計画変更の手続ということになるものです。  そのような意味では,その段階で周辺住民への周知も同時に図られることになります。 ◆飯坂宗子 委員  あいの里南地区についてですけれども,今回の市街化区域編入に当たっては,暫定措置として第一種低層地域という用途指定をかけて編入するということですね。  住民が心配していることは,集合住宅地として利用されるのではないかということです。図面なども示されているものですから,住民は,すぐにマンションが建つ,そのような計画を隠していると受けとめるわけです。ですから,そこが行政と住民の理解が一致しない一つのネックになっているのだと私は考えているのです。当然,用途地域の変更をしない限りはマンション等は建たない,今回はそのような条件つきで市街化区域に編入すると――現時点ではそのような考えだということですね。 ◎宮浦 都市計画課長  はい。 ◆飯坂宗子 委員  それから,東苗穂北部地区ですけれども,1.4ヘクタールはもう既に市街化区域になっており,残りの3.7ヘクタールを今回編入して,合わせて5.1ヘクタールになるということですね。  そうすると,先ほど言った20%を緑地として残すということは,今回入れるこちらの3.7ヘクタールの地域の中で2割の緑地を確保するという考え方なのかどうか,確認します。 ◎宮浦 都市計画課長  開発区域には,資料の6ページの下の絵で色をつけている以外にも関連区域というものがあり――黄色い部分が宅地の部分ですけれども,その外側に緑地があります。この緑地については,直接的に市街化区域に編入する必要性もない部分もありますので,市街化調整区域のまま残して,開発の関連区域として緑地として保全をされます。民有地のままですが,きちんと担保された緑地として残るということで整理しております。宅地になる部分だけを市街化区域に編入していき,開発区域としてはもっと外側に緑が残るような組み立て方になっております。 ◆飯坂宗子 委員  私は20%のことを聞いたのですが結構です。あわせて,もう一度伺います。  要するに,今回,6ページの下の図の黄色で示した地区の外に,市街化調整区域のまま緑地を残すということですね。だから,それはこの面積には――3.7ヘクタールには入っていないわけですから,どれくらいになるのか,もしわかれば教えてほしいということです。  それから,さっき20%以上の緑地を残すと言ったのは,私は,開発行為に伴ってそのような縛りがあると理解したのです。そこで開発されるところの外にあるということではなくて,内数として入れているのではないかと思ったのですが,違うのですか。もう一度確認します。 ◎宮浦 都市計画課長  緑地部分の面積ですが,外側で1ヘクタール前後になると聞いております。  そして,開発区域全体で20%残すということで,市街化調整区域,市街化区域合わせて全体の2割を残すという考え方です。  現状変更行為ということで,手をつけたところの対象面積の2割ということが基本になります。 ◆飯坂宗子 委員  2割ということは,5ヘクタールあったら1ヘクタールで2割ですね。 ◎宮浦 都市計画課長  そうです。 ◆飯坂宗子 委員  そうすると,既に外側にある1ヘクタールの緑地を残すとなれば,こちらの黄色の部分の3.7ヘクタールはそのまま全部住宅地にしても,今言った基準をクリアすることになってしまうのですか。 ◎宮浦 都市計画課長  数字上はそのようになります。  この図の外に緑地が残っているということが表示されておりませんけれども,そのようなことです。 ◆飯坂宗子 委員  やはり,住民は,なるべく緑を残してほしいのです。これは,先ほども議論がありましたけれども,当然,そう思うのです。それから,だんだん宅地開発を進めていったときに,貴重な緑は意識的に残さないとなくなってしまうと思うのです。後で街づくりという大きな話になると思うのですが,今は具体の場所で私は聞きましたけれども,やはり,市長も30%の緑地をつくるということで非常に精力的に政策にもうたっておりますので,ぜひ一つ一つの開発行為のときに,自然,緑地が十分に残るような配慮を今後も強めていただきたいということを申し上げて,終わります。 ◆松浦忠 委員  先ほど来,農業振興法についての議論がいろいろありましたけれども,私は,20年前に初めて議席を得たときに,私は農家の出身ですから,都市農業についてどのような状況になっているかということに非常に関心があり,いろいろ調べました。その当時でも,市街化調整区域になっているかなりの農家が,年齢的なこと,後継者がいないということで営農を断念する。そして,農用地から雑種地への地目変更を申請しても,当時は,ヤナギの木が背丈以上に自生していなければ,農業振興地域に指定されていない土地でも農用地からの転用は認めないということが農業委員会の一つの判断基準としてありました。  ところが,食べていくには,土地を売るしかない。しかし,農地の買い手はもちろんない。そんなことから,資材置き場に貸すというようなことをしておりました。  何度か,農業委員会に,農地転用,地目変更の申し入れをする,そうすると,農業委員会は,その当時,農林水産省の指導として埋め立てた農地を全部もとに復して水田に返しなさい。そして,なおかつ,ヤナギの木が人の背丈以上に生えたら,その現状によって初めて検討の対象になっていくということでした。私は,それが非常に理不尽で,当時,道庁とも話をしましたし,さらに――当時は農林省と言いましたが――農林省の担当の課長とも,直接,電話で何度か話しました。しかし,一向に,変えるなんていう気配にはなりませんでした。  そこで,大ざっぱに言って,現状は,本市の農用地区域に指定された地域も,指定されていない地域も含めて,市街化調整区域内の土地の何割くらいが実際に営農されていると把握しているのか,お伺いします。 ◎波田 経済局長  いわゆる耕作地ということでは,平成14年度のデータでは3,110ヘクタール程度だったと記憶しております。全体の3割程度だったと思います。 ◆松浦忠 委員  きょう市長に出席いただいたのは,資料の最後のページに――8月12日の都市計画審議会で事前説明が行われた。8月26日に関係部長会議が持たれた。そして,8月29日に企画調整会議が開催された。9月3日に総務委員会,そして,9月5日に市長・助役会議,9月11日に総務委員会,9月17日に都市計画審議会に諮問……というスケジュールがここに記されているわけです。このことは何を意味するかといえば,事務方のすべての手続が終わってから,ようやく9月3日に議会に説明があったということなのです。  今までは,もちろん議会側に陳情もありましたから,相当早い段階から説明があって,議会との意見も十分に調整して進められてきました。  まず一つは,このようなことでは議会との関係は非常によくないと私は思っております。黙っていれば,そのまま議会に諮らなかったのではないかという気もしているのです。したがって,市長,このような点では,内部の仕事の進め方というものをきちんと点検していただきたいということを申し上げておきます。  それから,1969年に都市計画法が一部改正されて,1970年に今のような市街化区域,市街化調整区域という線引きが行われたわけです。ちょうど33年が経過しました。その間,1999年に,今度は20ヘクタール以上の大規模開発も認めるという通達があった――このような経過を経てきております。  都市計画法のうちの線引きという制度は,当時,1960年代の池田内閣以来の高度成長の中で,日本列島のあらゆる地域をばらばらとどんどん開発していく,そして,そこに,今度は税金で道路をつくる,上下水道を整備するということに対して,とても効率が悪いからまとめようということでできたのがこの線引き制度です。  しかし,今,33年が経過しておりますが,その29年目に――既に市街化調整区域の中で20ヘクタール以上まとまれば開発を認めるということすらも出てきたということは,はっきり言うともはや線引きが意味をなさなくなったということです。  さらに,そのことを裏づけるものは,線引きが始まった当初は,市街化調整区域には,例えば,違法な建物を建てても,電気も通電させない,電話ももちろん引かせない,水道も下水道も整備しない,道路に至っては市では砂利一つ入れてやらないという状況だったのです。それが,その後,市街化調整区域にも下水道を整備しますということになって一部水道も整備しますというようにだんだん変わってきたわけです。今日の実態からいえば,もはや線引きの意味合いはない。  それからもう一つは,本市について言えば,先ほど経済局長が答えたように,基本的には,市街化調整区域の中の大部分は山林を除いて農業適地です。畑作を含めた農用地です。そのうち3割程度しか営農されていないという実態にあるわけです。そして,仮登記をして既に売ってしまって金はもらったけれども,農地のままだというような幾つかの問題があるように,この33年間に,生計を立てるがために法を犯してでもそうせざるを得ないという状況が起きているわけです。  弁護士をしていた市長ですから,そのように市民全体が抱えている問題なども,市街化調整区域の住民も市民ですから――この際,きちんと解決して,街づくりをどうしていくかを考える。私はこれが本来の都市計画のあるべき姿だと思っているのです。  その中で,都心部では――つい数日前の北海道新聞の投書欄に,植物園の周りについては,一定距離の間は高層建築物を規制しなさいというような市民の意見も出てくるようになっているのです。  そのようなことを含めて,きちんと総合的に考えた上で,それでは,市街地というものはどのぐらい必要なのか,あるいは,市街化調整区域もどのような形で活用していくかということを考えるべきなのです。例えば,他の自治体で行っているように,500坪,1,000坪単位の一画を畑作用地として売って,退職した人にそこに住んでもらうというようなことなど,あらゆる方法で,市街化調整区域で長年農業を営んできて,現在,農業では生活できなくなった人たちも,やっぱりそのような中で――それは33年前に引かれた線によってそのようなことになったわけです。それもやはり今ここで,きちんと――これは,きのうきょうに起きている問題ではなくて,20年前から起きている問題なのです。したがって,それらもやっぱりこの中できちんと議論して,そして――本市だけではできないことがあるけれども,国にも働きかけてそれらの解決の道筋をつけていくなどというようにして33年たったこの線引き制度の大きな矛盾点を解消するということが,札幌市長に課せられた大事な役割だと私は思っているのです。  そのような問題について,市長は,担当部局からどのような説明を受けて,どのような掌握のもとに判断しているのか,お伺いします。 ◎上田 市長  都市計画法の趣旨等についてですが,私は,全体的,概括的な理解はしているつもりですけれども,線引きの問題については,どうしてそのような話になったのかということになると――もちろん乱開発を防止しようということ――乱開発,例えば飛び飛びに開発すると,インフラ整備が非効率的になるということもあるのでしょう。そのような意味で,統一的な街づくりのプランをきちんと立てていくということが――都市計画法でそのような区域をつくっていく,あるいは用途というものを定めていくということで,ある意味では私権を制約していくということになったのだと思います。そのためには――私権の制限ということですので――さまざまな手続を経て,多くの合意を得た上でなければできませんので,そのような形になっているのだろうと私は理解しているところです。  具体・個々的な問題として――それでは,ここまで線を引けばその隣はどうなるのかという問題が必ず出てくるわけです。その問題については,大きな枠組みの中で方針を決めて,その約束の中で私たちは生きていかなければならないわけですので,その意味では,道路を一本越えた隣までで,そこに線が引かれている,どうして私のところはできないのかというような議論は常にあることだと思います。しかし,それは,社会の流れの中,いろいろな情勢の中で再検討していくという形で,すべての合意を得られるその都度,解決していくしか方法がないのだろうと私は思います。  そのような意味では,線引きそのものが不要だというところまで,現在,議論が及ぶかどうかということについては,少々疑問に思います。 ◆松浦忠 委員  前段の話は,私も,法律というものがつくられる過程というものはそのとおりで――それは十分にわかっているのです。昭和45年に最初に線を引いて,その十四,五年後にはもはやそのような問題が本市において起きていたわけです。それは,私も,決してきょうここで上田市長に初めて言ったのではなくて,今までも私は議会でその問題を取り上げて,そして,議会だけではなくて,北海道庁あるいは当時の農林省の担当の課長にも直接電話して何度も話してきたのです。  しかし,こうやって33年たって,もはやこのままの状態で放置しておいて済む話ではなくなったということなのです。したがって,街づくりというものはそのようなことも含めてきちんと考えなければならない――見直すときは見直さなければだめだということなのです。  それからもう一つは,この都市計画法の見直し,線引きの見直しというものは,当初5年ということだったのですが,実際は5年では行われていないわけです。かなり間延びしながら行ってきているのです。今回が5回目ですから,33年で5回ということは――間延びしているということです。  それから,今回,全国一斉かといえば,どうもそうではないようなのです。だとすれば,私は,北海道の中で,このような都市内の市街化調整区域における農業者の問題,あるいは,農地が抱えているそのような問題などというものは,まさに本市だけにある問題ということだと私は思うわけです。  したがって,この問題について,この機会に本市がきちんと国に求めて解決を図っていく。特に,小泉総理大臣は,特区構想などを含めて,現状との矛盾については解消していこう,あるいは,特別な方策を講じていこうという姿勢です。やっぱり,私は,そのような点をきちんと街づくりを行う中で取り組むということが大事だと思います。  そのような農家の生計にどう手を差し伸べていくかといえば,やっぱり,その土地をいかに都市として活用して――その中でその人たちの生計も立てていかなければならないと私は思うのです。  東米里地区は,長い間,農用地区域に指定されており,そして,既に営農できない人が大分出ているにもかかわらず,市は,国からの割り当てがあるからということでその指定を外さなかった。しかし,平成5年のあるときに,突然,指定を外して,そして,白石清掃工場と東部下水処理場をつくるという計画を平成6年にすぐに発表したのです。そして,その代替として,清田区の有明地区の有明小学校の付近を農用地区域に指定したわけです。  ところが――先ほど公聴会という話がありましたが,意見を聞くときに,開拓2代目の70歳前後の農業従事者で,失明した人がいて反対した。しかし,聞き入れてもらえなかった。その人は,農地を何とか転用しようとヤナギを植えて,そして,何とか転用して,資材置き場にして,それで生計を立てたのです。  たまたま縁があって私はその人と話す機会がありました。そして,私が,当時の農務部あるいは農業委員会事務局と話すと,国から言われるから,やむなくその地域全体を農用地区域に指定してしまったということでした。それでは,どうするのかと聞くと,その人は,その土地を農地として貸して,それで生計を立てて,それで間に合わなければ土地を売ればいいのだと言うのです。そして,その金がなくなれば生活保護を受ければいいというのが,平成5年当時の本市の農業委員会事務局並びに農務部の職員の意見でした。札幌市民の生活の仕方,市民の幸福というものを考えたときに,果たしてこれでいいのだろうかと,私は非常に強い憤りを覚えました。  このようなことがあったから,わざわざ市長に出席いただいたのです。この問題を,今回,ここで解決せずしてどうやって解決を図っていくのか。その矛盾が,既に4年前に,20ヘクタール以上まとまれば大規模開発として市街化調整区域に編入していいという制度になって現れているのです。このようなことを国が認めて通達しているわけです。もう完全に線引き制度そのものが破綻を来しているのです。もう意味がなくなってきているのです。本市で言えば,平成10年に,市街化調整区域の一定集落は飛び団地であっても市内7カ所では家を自由に建てられることとしました。言ってみれば特定の区域に指定されているのです。  そのようにして,はっきり言うと,この制度そのものが8割方は内容がもう変わってしまっているのです。したがって,これを機にこの制度を変えて,そして,市街地の中も,住宅地の使い方についても,もっと多様な使い方をして――営農したい人はできるように,農業で生活できなくなった人についてはそのような自由な活用ができるというようにしなければならないという強い思いが私にはあるのです。ですから,市長に直接このような問題を聞いてもらって――事務方の皆さんだけに任せるのではなくて,市長がみずからこのような意見を聞いて,そして実際に現状を見てきて,どうするかということを検討するということにならなければ,市長が言っている行政というものを事務方の皆さんは本当の意味で受けとめて進んでいかないのです。  私は,なぜこのような話をするかというと――9月3日の議論の中で私が思っていたことは――あるいは,きのうも中央区の職員住宅跡地の利用に関する陳情があったのですが,市長が選挙公約に掲げた市民の意見を聞いて市政に反映させるということについて,局長以下と質疑をしていると,どのような意見のくみ上げ方をして,どのようにすればいいのか,どうも市長の意向が十分にわかっていないと思ったからなのです。  市長は,就任以来,例えば,都市計画のこのような問題で,助役を初めとする職員と,どこまで,どのような議論を行ったのか。今,私が指摘したような問題が上がってきて,市長は承知の上でこのようなスケジュールで進めようと言っているのか,お伺いします。私は,このような問題に対して,幹部職員と十分に検討していないのではないかと思うものですから,きょうの委員会に出席を求めたのです。市長はこの問題についてどの程度,どのような検討を行ったのか――私が指摘したような農地の問題などを含めて,どのように承知していたのか,お伺いします。 ◎上田 市長  これは,一つの制度の中でどのように適用するのかという適用の場面での非常に大きな悩みということです。ご指摘のような事態があり,例えば農業の後継者が本当にいなくて,資産として今まで生計の具としてあった土地の利用について,その目的に利用することができなくなったときにどのようにしてみずから生産性をつくり上げていくのかという悩み,それから,後継者だけでなくて,ほかの事情から営農を続けられないという事態が発生した場合に,持っている財産を有効に利用することができないという悩みを持っている方々がいるということは,よく理解しているところです。  それは,都市計画法あるいは農業振興法等の法律の理念と現実の不一致,そごが出てきたといった場合にどう調整すればいいのかという問題であります。今,松浦議員は8割方は理念と現実が一致しなくなったのだというご指摘でしたが,私は,8割かどうかは別にして,現にそのような矛盾があるということについては,これは悩ましい問題ということで――当事者にとってみれば悩ましいどころの話ではないということになるかもしれませんけれども,行政の立場から言えば,やはり悩ましい問題であると言わざるを得ないと思います。  今回,さまざまな線引きの問題等について議論をする際に,そのような個別・具体的な問題についてどこまで配慮することができるのかという問題だと思いますけれども,なかなか線引きそのものについて,全体の都市計画という一つの理念――どの範囲で都市としての機能を持たせるかという理念の問題として,私どもは,コンパクトな街づくりというものを目指していこうとしているのです。これからの人口動向などを考えると,本市のあるべき都市のサイズについては,少し抑制的に考えるべきであるという議論のもとで,私は今のような線引きの議論がなされていると理解しているところです。 ◆松浦忠 委員  法律に対する考え方については,市長も法律家ですから――私は,法律というものは,今つくれば今は適合しているけれども,一日一日適合しなくなっていくものだというふうに考えております。そう教わりました。したがって,今,33年たって,適合しなくなった現実に,行政の側で――例えば下水道などは,下水道局が市街化区域の中で仕事がなくなったから市街化調整区域にも整備しようとしてきたということが現実です。  そのような適合しない段階になれば,手をこまねいているのではなくて,国に対して,このような矛盾があるから,法改正してほしいという要請をきちんと上げていく。そうしなければ,いつまでたっても――一たんつくった法律は,適合しなくなっても,50年たとうが100年たとうが生きているというようなことではよくないと私は思うのです。  したがって,このような矛盾点をはらんでいる問題ですから,先ほど村山委員が指摘していたように,営農できない,あるいは,将来的には農地を宅地にしていこう。しかし,自分たちが元気な間は後継者がいなくても営農しようということで,国の補助事業なども入れないで延々とやってきた。しかし,もう年をとって農業ができなくなったからまとまって宅地開発して市街化していこうということになれば,その期待にこたえる,生計を立てるためにこたえるということが市民に対する行政としてのあり方なのです。  その辺のところは,今までは市役所の内部出身の市長がずっと続いて,そのような中で,特にこの12年――桂市長は,市職員が考えたことについては,すべてOKするという基本的な姿勢でした。これがいまだに続いている。上田市長は,就任されて日は浅いけれども,職員は何が頭にあって,市長が考えている何を理解しているかということを,私から見ればまだ全くわかっていない。この辺をきちんと掌握して,この問題は早急に……。(発言する者あり)  やっぱり早急に問題点を整理して,国と協議して,どう解決を図るのかという道筋を求めていく。この解決を図らずして,私は,今回の線引きもマスタープランもよしとするわけにはいかないと思います。  したがって,国に対して解決の道筋を求めていく意向があるかどうか,お伺いします。 ◎上田 市長  この土地の利用の問題については,今は線引きの問題,都市計画法の問題を議論しておりますけれども,農地の問題だけではなくて,商業地域や住宅地域にしても,いろいろなレベルで問題が発生するわけです。買った当初は住居地域であったけれども,隣接地がどんどん商業化して,商業地域にしてほしいという問題が出てくることだってあります。これは,自分の所有している土地ですので,本来自由に使えていいはずのものでが,用途が限定されているという問題もあるわけです。さらに,全体の問題として,宅地としてならば高く売れるけれども,農地では安くしか売れない,あるいは,譲渡制限により,だれにでも売れるわけではない,農民でなければだめだという限定もあるわけです。  そのようなことは,すべて,法律の理念といったものが本当に今日的に全然意味のないものなのかどうかということをしっかり検討した上でなければ――私は,個々の具体的な悩ましい問題,深刻な問題については,お聞きして,その都度,具体的に運用の問題として解決できるものについては,そのように対処すべきだと思いますけれども,その運用を一つ変えると,法の理念に反したことになってしまうというような事態が発生することになるところまで想定できるかどうか――要するに運用でできる問題かどうかというところを外れて,直ちに法改正という話になるかどうかということについては,今,村山委員,松浦委員から指摘いただいたようないろいろな問題があることを踏まえた上で,さらに検討しなければならないと思います。 ◆松浦忠 委員  これは,全国的な画一的な問題ではなくて,北海道で言えば本市だけ――大都市であるがゆえの問題なのです。私は,なぜこのようなことを市長にしつこく言うかといえば,何があったか知らないけれども,平成11年には市街化調整区域の中で20ヘクタール以上あれば開発を許可する。本市でも,先ほど言ったように5カ所で許可したということでした。国は,そのように自分たちで自由自在に法の精神を曲げて,地方にこれをやりなさいと言ってきているわけです。せっかく線引きしてここの中でと言っていたものが,その制度が出てくれば,そこをまたやるわけです。国だけが一方的にどこに理屈があるかわからないようなことをやるのです。しかし,地方では,現実にこのような,市域の中に住んでいる市民がみずからの土地を自由に活用できずに生活にあえいでいる。法律によって規制されてあえいでいるという現実があるわけですから,これに対して,地方は――本市として,法律をこのように――あるいはその適用なら適用でいいですから,通達でも通知でも何でもいいですから,そのようなことができるようにしてもらう。本市の市街化調整区域に住んでいる――農地を持っている市民の生活の実態に合うようにする。  そして,もう一言言えば,今回についても,何カ所か,市街化調整区域の中でまとまって市街化区域に編入してほしい,開発したいという地域があれば,許可してきちんと救済する。一つの都市計画の線引きの中で,その予定地に入れることによって救済されるわけです。そのように市長の裁量でできることはやるべきではないかと私は思うのです。  それに対して,市長はどのように考えているのか。今,特定保留区域の指定を外したと言っている何カ所かの地域の中で,先ほど村山委員が言ったように市街化区域に編入してほしいという地域があったということなのです。それでは,このようなものは,今の議論を受けて,市長はもう一度検討してみるという考えがあるのかどうか,お伺いします。 ◎上田 市長  今回の措置についても,全体の街づくりということで私どもの内部的な検討における基準の中での判断ですので,きょう伺った事情については理解できないわけではありませんけれども,方針を変えるというところまでは至りません。 ◆松浦忠 委員  議会と市長との関係というものは――議会に陳情が提出されて,議会で採択すれば,市長はこれを変えなければならないのです。陳情は出てこないけれども,そのような問題があると村山委員も指摘しているのです。今までも何度も話をしたと私は聞いております。しかし,そのようなものに耳は傾けない。そして,自分たちが決めたものは絶対だと――その絶対が,過去には――先ほど説明があったような大きな読み違いもあっていろいろなそごを来している面もあるのです。このようなことがあるわけですし,市長がきょう出席して,我々からこれだけ指摘を受けたのですから,少なくともきょうは持ち帰って,もう一度,市長自身も調査を行って,その上でどうするかという結論を出すということが民意を聞くという上田市長の基本的な姿勢ではないかと私は思うのですが,そのような考えがあるかどうか,お伺いします。(「関連」と呼ぶ者あり) ◆湊谷隆 委員(関連)  前回の見直しの際に指定した特定保留区域の中で,市街化区域への編入を断念した地区の中で,市が説得したことにより取り下げられた地区はあるのでしょうか。  私は,先般からの説明を聞いて,特定保留地域に指定したのですから,市でも何とかしてこのまま開発を進めて市街化区域に編入していきたい。しかし,地権者の都合等において断念したと私は理解しているのですけれども,その点はどうなのか,もう一度お伺いします。 ◎小澤 計画部長  前回,特定保留地域に指定した17カ所――最終的に20カ所になりましたけれども――そこで現実に開発が起きなかった地域については,私どもの方から取り下げてほしいというようなことを言っているわけではなくて,あくまでも開発者の都合,事情によってできなかったということです。 ◎上田 市長  きょうお聞きしている問題については,既に私は検討した上で判断をしているということで,その結果を申し上げているわけですから,初めて聞いた話ではありませんので,これからもう一度検討するという考えはありません。 ◆松浦忠 委員  先ほど農地が30%程度しか使われていないということでした。それでは,使われていないほかの約70%の農地はどのように使われているのか,市長はご存じですか。どのように使って生計を立てているか,ご存じですか。 ◎上田 市長  すべてについて認識しているわけではありませんけれども,私も,弁護士時代にそのような悩みを持った方々がどのようにして生活しているかということについては,多少は存じ上げております。 ◆松浦忠 委員  私は弁護士時代の話を聞いているのではないのです。就任してからきょうまでの時間があれば――これは街づくりの基本の問題ですから――市長はこのような問題について十分に検討したと私は思ったのです。そして,先ほどの市長の答弁で,私が指摘したことも十分に検討した上で,この結論を出したと言ったけれども,私が,現在,具体的に,約7割の農地で,営農していない土地がどのように使われて,どのような生計の立て方をしているのか知っているかと尋ねたところ,弁護士時代に……という答えがありました。答弁が矛盾しているのです。はっきり言うと,市長はわかっていないのですよ,私から言わせれば。その二つの答えは矛盾している――わかっていないのです。  20年前からずっと,市街化調整区域の中で生計を立てるために,都市計画法に違反していろいろな建物が建てられて,そして,そこから収入を得て皆さんは生活しているのです。その違法行為に対して,法律では,札幌市長は裁判所に代執行を求めて,その判決によって強制的に撤去させることもできるけれども,しかし,この法律ができて,33年間,札幌市長はただの1件もそのような手続きをとったことはないのです。このような違法状態が延々と続いて,その中で生計を立てざるを得ない農業者,農用地を持った人たちの悩みをきちんと解決してあげることが,民間から選ばれ,とりわけ法律家である上田市長の大事な役割だと私は思っているのです。
     今,少なくとも,今回の見直しに当たって市長ができる範囲というものは,例えば,陳情が出ていなくても,まとまった農地として,今回,市街化区域に編入してほしいという申し出が市役所に何件か来ているはずです。そして,全く聞いてもらえなかったという話も聞いております。  したがって,率直に言うと,そのような土地は市街化区域に編入すれば救っていけるわけです。拡大人口フレームなどというものは,ある程度の推測にすぎないものなのですから,皆さんが決めたものが絶対だなんていうことではないのですから,そのような点について,再度,考えるべきだと思います。先ほどの市長の答弁は全く矛盾しているのです。市長は,本当にわかっているのですか。 ◎上田 市長  どこまで知っているかということは,全部知っていなければ知らないことだということであれば,それはわかっていない部分もあると思います。その点で,謙虚に知らないことを教えていただくことについては,私は何も恥ずかしいとは思いません。  しかし,私の全人生の中で知り得た事実を私がこれから札幌市政を運営していくときに利用するということは,また当然の話ですので,私は,弁護士時代にそのような経験をしたことがあり,そして,多くの農家の方々が困っているということも存じ上げているということを申し上げただけで,何も矛盾したことを申し上げているつもりはありません。  もう一つ,今は制度の問題をお話ししているわけです。先ほど来,松浦議員が指摘することは,線引き制度などは必要ないのだという話ですので,その点については私は違うと申し上げているのです。理念との矛盾はもちろんあるけれども,しかし,それは今直ちに線引き制度を撤廃しろという話にまではならないという見解だということを申し上げているわけです。 ◆松浦忠 委員  市長,いいですか,市街化調整区域の中農地は,約7割が耕作されていない。そして,違法な建物がずっと建てられて,それで生計を建てている。約7割の面積を所有する市民がそのような状況にあるわけです。この際,このような問題も,札幌市域内の土地の活用とあわせて,この線引きの中で,例えばその廃止を求めるか,あるいは,国との関係で一気に廃止とはいかなくても――はっきり言うと,国がそうやって通達を出せば何でもやるわけです。それでは,本市は,この際,このようなものを解消するためにこのようなこともしてほしいという協議を国と十分に行って,きちんと対応策を求めていく。それが札幌市長としての務めだと私は思うのです。  ところが,事務方の話を今まで聞いていても,そのようなものは一向に見られない。ただ単に,そのときめぐりめぐってきた線引きの見直しだから,人口推計をして,今回はこの程度にするか,傾向としてはこうだ――この程度のことなのです。例えば,もみじ台や青葉町の人口が減っているのはなぜかといえば,建てた市営住宅が古くなって,現実には,現在の住宅事情からいえばみんなが敬遠する。あのもみじ台の大きな団地がそのような状態にあるから人口が減っているのです。  したがって,そのようなことを考えれば,必ずしも郊外型が減っているということではないと思うのです。住みかえということは,確かに世代の交代ということであります。しかし,そのようなことを考えていけば,多様な住み方,土地の利用の仕方というものがあるわけですから,市街化調整区域の中の活用の仕方をきちんと整理して,そして,違法行為を解消する。約7割の土地が違法行為に近い状況を強いられている。完全な違法状態の土地もかなりある。やはり,この際,国と協議してこれを解消する。私はこれを解消しなければならないと思うけれども,解消しようという観点に立って取り組むかどうか……(発言する者あり)  いやいや,線引きは全部にかかってくるのです。線引きしたがために農地の多くが違法状態になっていったのです。 ○山田一仁 委員長  松浦委員,冗長になっておりますので,端的にお願いします。 ◆松浦忠 委員  33年前に線引きを始めたからこのような問題になってきたのだから,この33年間,違法状態をずっと拡大してきているということなのです。だから,私はある意味で線引きを取り払ってしまわなければならないと言っているのです。市長は,違法状態をこのままずっと見過ごしていくのか,それを解消して,その土地を活用して生計を立てられるようにするのか――これはもう避けて通れない問題なのです。だから,今回,市長の出席を求めて私は議論しているのです。皆さんも,もう少し歴史的な――北海道における土地の――農業者がどのような形でやってきたのか,本市はどのように膨張してきたのか,法律がいつできたのか――その辺の経過をきちんと知って――このような大事な問題というものは,その上で議論しなければならないものなのです。 ◎上田 市長  そのような矛盾を解決する一つの方法として――十分かどうかは別として――5年をめどに線引きを見直していくという制度があるのだと思います。そのときに,希望に沿えない方も出てくることは確かであるということはわかります。  しかし,線引き制度そのものが全然機能しない,街づくりの中で意味をなさない,あるいは,違法状態を放置するもとになっているのだというところまでは――私は,そこまでは認識は一致できません。 ○山田一仁 委員長  松浦委員,端的にお願いします。同じことの繰り返しになっております。 ◆松浦忠 委員  市長,5年に1度と言うけれども,私は20年前からそのように指摘しているけれども,市長の言うような議論が,当時の板垣市長,桂市長と交わされたことはただの一度もないのです。大体,委員会に出てこないのです。今までは与党が出さなかった。今回は,自民党が野党になったから初めて出てきたのです。(発言する者あり)  市長,これが本当の市民の声です。市民の声を聞くということはいろいろな形があると思うけれども,特に市長は人権派の弁護士なのですから,違法行為を犯して生活せざるを得ないように,昭和44年6月30日の法改正によって追い込まれてしまった現在の市街化調整区域の住民は――約7割の住民は歴史的に言うと被害者なのです。そのような被害者を,線引きの役割の大半が終わった現段階において,ここでずっと違法行為をせざるを得なくて苦しめられている人たちを救済していかなければならないと私は思っているのです。したがって,市長,これはぜひ――少なくともこの機会に,きちんと国に向かって,このような問題を解消するための案を出すべき,求めるべきだと私は思うのです。  それもできない,5年後まで待つということであれば,何のために選挙で選ばれた市長なのか――何でも国の言うことを聞くだけなのか,法律をずっとただ守らなければならないのかということになるわけです。  そのような意味で,この際,きちんと整理してまとめて,そして,国に対して,このような違法な状態を解消してほしいと求めて,そして,本当に農業ができない人たちに対して,祖先が開発して自分も苦労してきたこの土地で,少なくともその土地を活用して生計を立てられるような土地の活用のあり方を実現する。これが,私は市長としての当然の責務だと思います。 ○山田一仁 委員長  松浦委員,端的にお願いします。 ◆松浦忠 委員  端的にと言うけれども,よく説明しなければ理解できないから私は説明しているのです。 (湊谷委員「委員長」と呼び,発言の許可を求む) ◆湊谷隆 委員  先ほどから我々が聞いていても意味不明なことの繰り返しになっているものですから,委員長は,質疑を打ち切ってください。 ◆松浦忠 委員  市長,これは求めるべきだと私は思うのだけれども,市長はまだ理解できないのですか。  市長が理解できないのであれば,この委員会が終了後に,市長みずから,調査してください。その上で,またこれから決算議会もありますから,その上で市長に見解を求めます。 ◎上田 市長  理解の仕方にもいろいろあると思います。私なりの理解で言えば――それはもとのもとをただせば,線引きの問題も――それは原因としてあるとおっしゃっているわけですから,そのもとのもとをただせば問題が全部解決する――それはそうかもしれませんけれども――それでは,線引き制度を設けたことの理念と,それによって都市計画というものをつくっていこうというその理念はどうなるのか。制度を撤廃することによって失う利益もまたあるわけです。それをどうやって調整するかということで多くの人が悩んでいるという問題ですので,私は,今直ちに線引き制度を撤廃するようにということで――国の制度の問題として進言するというところまではいかないと考えております。 ○山田一仁 委員長  松浦委員,端的にお願いします。 ◆松浦忠 委員  今,直ちにいかないなどという――札幌市長として,札幌市域の――市長は北海道のことを考える必要はないのです。札幌市域の中で,その法律ができたことによって,市街化調整区域の営農できていない7割の土地の所有者は違法行為をしていることになっているわけです。なぜこうなったかと言えば,33年前に線を引いた,そこから来て……。 ○山田一仁 委員長  松浦委員,繰り返しになりますので,端的にお願いします。何度も同じことを繰り返しております。 ◆松浦忠 委員  そしてその役割が本市ではもはや終わってきていると,札幌では。(「だから,それが言えるかということです」と呼ぶ者あり)  都市計画上は,それで,きちんと乱開発しないような――許認可制度にして,宅地開発も一定面積以上は許認可制度を残していけば,それで十分に用は足りていくのです。したがって,そのようなものについて,法律を廃止すると同時に,乱開発にならないような手直しもきちんと行っていく。そして,違法状態を解消する。そのようなことをきちんとしなければならないということです。市長,次の決算議会までに,ぜひ実情を直接見て,そしてよく調べて,勉強して,そしてまた決算議会でこの点について議論しましょう。(発言する者あり) ○山田一仁 委員長  質疑を終了いたします。(発言する者あり)  ここで委員会を10分間休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後3時18分       再 開 午後3時32分     ────────────── ○山田一仁 委員長  委員会を再開いたします。  次に,都市計画マスタープランについてを議題といたします。  ここで,理事者より説明を受けます。 ◎小澤 計画部長  お手元に配付した「都市計画のマスタープランについて」という資料に基づいて説明します。  資料1ですけれども,左上の囲みに,計画の位置づけを整理しております。右の列に,本市の計画体系を示しておりますが,基本構想と第4次長期総合計画という上位計画があります。このうち,都市づくりに関する事項,すなわち,主としてハード面での整備に関する事項をまとめたものが,今回説明する都市計画マスタープラン(市マス)です。このマスタープランを策定すると,用途地域を初めとする本市決定の都市計画については,これに即して定めることになります。また,都市計画以外の地域街づくりなどについても,これを踏まえた展開が求められるものです。  一方,左の列は,北海道が定めるものです。まず,上段に,今回あわせて説明する都市計画区域の整備,開発及び保全(区域マス)の方針があります。これにつきましては,下の米印で示しておりますが,札幌圏都市計画区域というものについて定められる広域のマスタープランです。  これを受けて,既成市街地の再開発のマスタープランとなる都市再開発方針というものがあり,これら三つのマスタープランは,相互に整合を図ることが必要となります。  さらに,前段で説明した線引きについては,北海道が決定する広域・根幹的な都市計画として,区域マスに即して定められるものです。  なお,北海道決定の区域マス,都市再開発方針,線引きの三者については,従前は線引きの都市計画として一体のものでしたけれども,平成12年の都市計画法の改正により,それぞれに都市計画の手続を経て定めるよう分離,独立したものです。  このうち,区域マスについては,法律上,来年の5月までの策定が義務づけられていることから,現在,市マスの検討もこれと並行して進めているものです。  次に,右上の囲みをごらんください。  マスタープランの内容の対応関係を説明します。  まず,右の市マスですが,今回の市マスについては,長期総合計画に合わせて目標年次を2020年としております。内容の組み立てについては,下の囲みに示しておりますが,まず,総論として理念・原則と基本目標があります。これを受けて,分野別の方針,都市づくりの力点,取り組みを支える仕組みといったものを整理したいと考えております。  このうち,赤枠の部分になりますが,今回の市マスにおいては,基本目標や分野別の方針を掲げるに当たって,単にその結果だけでなく,それが導き出される背景としての現状や課題認識を詳しく説明しております。これによって都市づくりに関する問題意識を市民と共有し,個々の施策展開につなげたいということです。  一方,左の区域マスですけれども,これは,目標年次を2010年とすることが北海道から示されております。  内容の構成ですけれども,下の囲みのとおりで,まず,目標年次での人口,それから市街化区域の規模などを示すこととされており,この部分については,左下へ向かう矢印につながる線引きの検討と一体のものとして行っているものです。  次の主要な都市計画の方針についてですが,市マスの分野別方針と対応するものですが,赤枠で表示しているように,都市施設と市街地開発事業に関しては,予定している事業のうち,熟度の高いものや既に事業を実施中のものを具体的に表示することが求められております。この点について,市マスと異なる整理をしているところです。  次に,下段のスケジュールの欄ですけれども,まず,上段の市マスですが,これについては,平成8年度から基礎的な検討に着手しており,平成9年度からは,公募市民との勉強会を開催し,意見交換を重ねながら検討を進めてきたところです。途中,平成12年には,第4次長期総合計画を策定し,また,都市計画法の改正で区域マスタープランが創設されたことから,これと整合を図るために取り組み期間を延長しておりますが,検討作業は継続しており,平成14年度には,再度,市民勉強会を開催して意見交換を行っております。今後は,9月下旬からさらに幅広く素案を公表して意見募集を行う予定であり,その過程では,パネル展を開催して市民周知に努めることも考えているところです。そして,この市民意見を踏まえて,素案の修正を行い,最終的には年度末の決定,公表を予定しているところです。  なお,中段に都市計画審議会での説明予定を示しておりますが,まず,9月17日に素案を説明します。さらに,11月には市民意見の概要の報告,そして,2月には市民意見を踏まえて修正した案を説明していく予定としております。  また,この欄には記載しておりませんが,当総務委員会においても,修正案に至る過程で,その都度,説明したいと考えております。  一方,中段の区域マスについてですけれども,線引きとともに,9月の審議会に本市案を諮問し,その後,北海道での手続が進められ,今年度末に決定される予定となっております。  なお,そのプロセスにおいて,北海道が公聴会を開催する予定と聞いているところです。  続いて,裏面の資料2についてですが,この資料については,9月3日の委員会において説明済みですので,省略します。 ◎宮浦 都市計画課長  資料3をごらんください。  1ページに,目的と位置づけを整理しております。これは,概要版の第1章で説明している部分です。2ページと3ページには,計画の前提としての目標年次や将来人口をうたっております。  4ページと5ページをごらんください。  5ページには,今回のマスタープランの構成ということで,第1章から第5章の章立てについて全体の関係性を表現した図を載せております。  6ページからが都市づくりの理念・原則と基本目標ということですが,まず,これまでの都市づくりを振りかえるということで,6ページから9ページまでは,開拓使設置以来の本市の市街地の変遷を簡単に載せております。  10ページをごらんください。  現況,動向,課題ということで,現在の本市の現況について触れております。特に世界的にも有数の多雪寒冷な大都市である本市は,基礎的な基盤整備の水準は非常に高いレベルにあります。このような中でも人口増加の鈍化,少子高齢化等が進むということが11ページまで,12ページには,地球環境問題の深刻化,あるいは,左隅には,急激な都市の拡大の終えんということで,市街地の拡大自体もどんどん鈍化傾向にあるということを示しております。  13ページの下段には,財政状況の制約ということで,厳しい財政状況にあることを整理した上で,14ページ,15ページは,その中で,本市において生じている現象・課題を示しております。いずれも,これまでの都市の拡大期における課題とは異なる傾向として5点ほど整理しております。  16ページですが,こういった現状や課題,現象を踏まえて,改めて,これまでの拡大・発展期の都市づくりからの基本的な方向転換の必要性ということで整理しております。特に,下から2つ目の段落ですが,多雪寒冷の大都市である本市は,多くの社会的費用を要し,環境への負荷も大きくなる現状があり,今後は高い水準で確保された都市基盤を適切に維持,活用していくことが必要であるということで,拡大・発展型の都市づくりからの転換ということをうたっております。  17ページには,その上で重視すべき観点ということで,4点ほど掲載しております。  次に,18ページですが,その上で,都市づくりの基本理念としては,持続可能なコンパクト・シティへの再構築を目指したいということを示しております。  その上で,19ページ,20ページには,都市づくりの原則ということで,これからは,このようなことに対してはこのように考えていこうという原則を幾つか示しております。この原則の抽出に至る過程においては,上位計画から導かれるもの,あるいは,生じている現象,課題から導かれるもの,あるいは,これまで進めてきた市民勉強会等の中で出された部分からのもの――特に20ページの左ですが,三つの囲みがあって,米印で「市民意見をもとに整理」と表記しております。これについては,資料3の一番後ろのページをごらんください。  83ページと84ページに折り畳んだ図表がありますが,これは,実は市民勉強会の中で出された市民意見の主なものをこの左側に整理して,そこから取り出されるキーワードで今回の原則の設定に至るということを示したものです。  21ページからは,その取り組みの原則ということで,目標系の三つの原則,進め方系の二つの原則を示しております。  まず,原則1としては,一人一人の暮らしの質の向上ということをうたっております。それぞれ背景,必要性並びに原則を構成する要素ということでまとめております。例えば,1−1では,暮らしの質の向上の中には,人口密度の回復・維持・向上という部分,あるいは,1−2には身近な利便性の確保,1−3には多様な住まい方の選択肢の保障ということを原則として掲げている部分です。  さらに,次の22ページには,北の風土特性を尊重するということで,構成要素の一つ目には環境への負荷の低減,二つ目には市街地の外延的拡大の抑制と自然環境の保全・創出ということをうたっております。  さらに,23ページの原則3においては,多くの人が集まり交流する場の空間づくりを特に大事にしたいということで,それぞれの原則を整理しているところです。  24ページと25ページは,進め方系の原則ということで,原則4としては,既存資源を上手に再生・活用するという観点,原則5は施策の総合化,重点化と協働を重視するということをうたっているものです。  26ページと27ページは,基本目標ということで,全市的な都市構造の維持,強化等について整理している部分です。  28ページ以降は,分野別の取り組み方針ということで,土地利用,交通,緑について示しております。  きょうは,前段の議論もありますので,土地利用の部分について少し説明します。  まず,28ページですが,基本方向ということで,この組み立ては他の交通も緑も同様ですが,これまでの取り組みをまず一度振り返ってみる。その上で,現況,課題がどうなっているか,今後の基本的な方向はどうあるべきかという構成にしております。特に,土地利用については,これまで郊外部への市街地の拡大をどんどん続けてきた,そして,計画的に市街地整備も進めてきたという経過を踏まえて,ただ,いよいよ都市としての安定・成熟期に移行している中では,大幅な拡大は恐らく必要としないような段階になる。その中では,既存の市街地を有効に活用しながら,都市全体の魅力と活力を高めていく必要があるのではないかということを整理している部分です。  31ページをごらんください。  例えば,線引きにかかわる部分ですが,市街地の範囲ということで整理した部分があります。ここも,これまでの取り組みと現況,課題というものを整理した上で,下段において取り組みの方向ということで,「ア」として線引き制度の適切な運用,線引きの見直しによる市街地の拡大は必要最小限にとどめるというようなことを掲げているものです。また,「イ」においては,同時に,市街化調整区域における開発の動きへの適切な対応ということで,一定の方向性を整理しております。特に,中段以降になりますが,市街化調整区域における今後の開発というものは,都市活動を維持する上で不可欠でありながら市街地内で行われることがなじまないものや,市街化調整区域の特質を踏まえたものにすることを基本に,開発許可制度等の適切な運用を図りたいということを示しております。  32ページをごらんください。  市街地の土地利用ということで,ここからは住宅市街地についてです。本市では,基本的にこれを高度利用住宅地,一般住宅地,郊外住宅地という三つに区分した上で――33ページの取り組みの方向性ですけれども――これらの市街地類型に応じた基本的な土地利用ルールの設定,あるいは,「イ」では,きめ細かな土地利用ルールの運用による住宅市街地の質の向上ということを目標に掲げております。  また,34ページですが,「エ」として,郊外住宅地の維持・保全です。先ほど郊外のニュータウンの人口減少ということがありますが,やはり,統計的にも人口減少という傾向は出ており,これについての必要な対応についても少し方向性を見たいと考えております。  36ページ以降は拠点の整理です。  第4次長期総合計画で位置づけられている各種拠点がありますので,それぞれについての基本的な取り組みの方向性について整理しているものです。  40ページからは工業地・流通業務地です。  42ページは,幹線道路の沿道ということで,特に道路沿いの土地の使い方,沿道土地利用の範囲の適正化ということで,基本的な考え方を整理しております。  次に,44ページですが,ここは,市街地の外の土地利用ということで,線引きによる市街地の拡大の傾向が少なくなっていったときに,市街地の外がどうあるべきかということでの取り組みの方向性として何点か整理しております。  まず,44ページの左の下の取り組みの方向の「ア」ですが,自然環境の保全と創出ということが基本になる。その上で,45ページの「イ」ですが,優良な農地との健全な調和。ただ,ここでは,農業の維持,発展を支えるということが基本ですけれども,その使い方も,例えば,純粋な農業ではなくて,都市住民への農業機会を提供する観点から農業関連施設の計画的な誘導等ということで,多少のバリエーションもあるのではないかという内容を含んだものです。あるいは,「オ」として,秩序ある都市的土地利用の誘導ということで,単純な保全ということではなくて,都市活動を維持する上で不可欠ではあるが,市街地内での立地がなじまない施設等,あるいは,支障のない施設等についてはいろいろなメニューを考えていく。市街地の外ならではの特質を生かすという観点で適切な対応をしていきたいという方向性を整理している部分です。  以上が土地利用の部分です。  以下,46ページ以降が交通,緑となりますが,基本的な考え方としては,現在ある基盤資源の有効活用を図りながら,その質の充実を図っていくという流れの中で今後の方向性を整理している部分ですが,説明は省略します。  67ページをごらんください。  都市づくりの力点ということで,今回,基本的に,都市計画の枠組みの中でいわゆる分野別方針の整理をするわけですが,その中でも特に力点を置きたいということで5点を挙げております。  1点目には,都心の再生・再構築,2点目には,都心以外の拠点の充実強化ということです。3点目には,多様な住まい方を支える質の高い都市居住の実現ということで,利便性の高いところにおける居住のあり方,あるいは,郊外住宅地の維持・保全ということも中心に据えていきたいというものです。4点目には,市街地の外の自然環境の保全と活用ということで,特に重点化という中では,外の土地利用のあり方の検討ということも今後の方向性として見ていきたいということです。さらに,自然環境といいますか,自然緑地系以外のオープンスペース・ネットワークの骨格強化ということも力点の中に置いている部分です。  80ページからは,最終章ですが,取り組みを支える仕組みということで,いわゆる協働というテーマの都市づくりにおける認識,都市づくりにかかわる情報の共有,提供,それから,都市計画制度運用における透明性の確保等について整理したものです。  以上が,都市計画マスタープランの素案です。  これについては,今後,公表し,市民意見を募集していきたいとを考えております。
     続いて,資料4をごらんください。  これは,線引きの都市計画と一緒に決定されていく札幌圏都市計画区域として最終的に案がつくられますが,都市計画区域の整備,開発,保全の方針についての本市分の案ということです。この内容は,先ほどの全体の関係性の中でも話しましたが,分野別方針を端的にまとめたもので,あるいは,線引きの前提となる条件について整理しているものです。  そのほか,10年以内に予定される主な事業ということで,特に,市マスには事業系がまとまっておりませんが,この区域マスでは――例えば17ページになりますが,おおむね10年以内に実施予定の道路の整備箇所を示しております。これは,すべて,事業中のもの,事業がすぐに予定されているもの,あるいは間もなく事業が始まるもの等,既に調整済みのもののみ10年以内の実施予定ということで整理しております。また,面整備においては,25ページに,同様におおむね10年以内の実施予定ということで,市街地開発事業,区画整理事業等を整理しております。 ○山田一仁 委員長  質疑を行います。 ◆藤川雅司 委員  一つは,これをどのように議論していくかということについてですが,これは用途地域の問題にも影響する,あるいは,地域の街づくりの基本になるものです。そのような観点から言うと,直接,企画調整局の所管ではないのかと思いますが――今,市長も,地域の街づくりの拠点としての連絡所のあり方について提起しております。私も,中央区の14カ所ある連絡所のそれぞれの所長から話を聞いていると,やはりそれぞれの地域事情が違うのです。もちろん,10区それぞれが違うと思います。  ですから,そういった事情なども含めて,地域の目的を分けていくということです。20ページには地域の価値観の明確化とありますが,地域の街をどのようにつくっていくかという拠点づくりを一方で行い,そして,マスタープランも一方でつくるというところの議論のすり合わせ――整合性をどのようにとっていこうと考えているのか,お伺いします。  それから,都心部に人口が集中しているということについてです。すべて高層マンションが悪いということではないのですが,その地域,地域でどのような街が望ましいのかということについては,このベースでいくと,自分の地域は自分たちで考えるということですので,そのようなことも展望しながら,きめ細かな土地利用ルールの運用ということもありますので,どのような形で議論の中に組み込まれていくのかということです。  具体的に言うと,これから,逆の用途地域の変更,今までは高層マンションが建っていたけれども,建てられなくなるということもあり得るのかどうか――これはちょっと予想の範囲ですけれども,そのような議論が可能なのか,お伺いします。  それからもう一つは,都心部に限って言うと,人口の推計の話も前回にされましたが,今までの議論の流れを見ると,特に私がこだわっているのは,中心部の小学校4校の統合です。これを一方で行いながら,都心のあり方をこれから議論していくということについて,いささか矛盾が生じているのではないかと感じますが,その辺についてはどういったスタンスなのか,お伺いします。  それから,17ページについてですけれども,「今後重視すべき観点」の「ア」の「成熟社会を支える都市づくり」のところで,「少子高齢化の一層の進展や多様化するライフスタイルなどを支えるため」という表現をすると,少子高齢化の一層の進展を支えるということになり,表現が適切といえるのかどうか――これについては今後の議論の中で検討いただきたいと思います。 ◎小澤 計画部長  人口推計,都心のあり方の中での4校統廃合についてですが,確かに,全市の人口が1万2,000人程度増加する中で,70%近くが都心でふえているという状況にあります。ただ,その増加の内容を見ると,単身者や老人世帯などという世代の増加が多いということで,直接,就学児童を含んだ家庭の増加ということではないと判断しておりますので,例えば,このまま都心で人口がふえるにしても,さらにまた学校が必要ということには恐らくならないだろうと想定しております。  次に,資料の17ページの表現についてですけれども,この点については,今後,市民意見を募集するというステージもありますので,そのような中で意見を伺っていきたいと考えております。  次に,地域のルールづくりについてですけれども,今回のマスタープランについては,あくまでも市域全体としてどのような基本方針で街づくりを行うかということを定めたものです。今後,地域の中で,そのような街づくりなどいろいろ具体的な動きが出てくると思いますけれども,それについては,このマスタープランをもとに我々がいろいろな支援をしていくということで調整を図っていきたいと考えております。  次に,用途地域の問題についてですが,高層マンションについても,我々は,高度利用住宅地というもので相当収容するという計画を立てておりますけれども,将来的にマンションが建たなくなればどうするのかということかと思います。  その点については,今回の本市のマスタープランについては,正式な都市計画として定めるマスタープランにはなっておりませんので,柔軟に,そのような状況の変化に応じてある程度内容を変更していくという対応ができるものと考えております。 ◆藤川雅司 委員  高層マンションが建ってもいい地域,あるいは,ここは今までの街並みを残してほしい地域ということの中で,どれほどの高さが適当なのかということが地域ごとに決められるような街づくりのマスタープランを検討していただきたいと思います。  それから,都心部の小学校統廃合の話は,それはそれで一つの見解なのでしょうが,裏を返すと,そこには,子供がいる家族は都心部に来なくてもいいと受け取られかねないということを言っておきたいと思います。 ◆小田信孝 委員  よくこれだけたくさんの課題をまとめているということでは敬意を表したいと思います。  ただ,本市のプランですから,どうしてもインフラ中心の都市計画プランにならざるを得ない――これはやむを得ないことです。  ただ,今後,このプランをいろいろな市民意見を吸収しながら深化させていく過程の中で,ぜひ最近の状況を踏まえながら深化させていただきたいと思います。  まず,21ページの目標系の「一人ひとりの暮らしの質の向上を支えます」という原則についてです。  これはこのとおりで,特に,1−2「身近な利便性の確保」の買い物についてです。これは,私は前回の委員会でも申し上げましたけれども,経済というものは生き物ですから,景気のいいときもあれば不景気なときもあります。従来は,高齢者が足を運んで毎日の買い物ができるような商業地域が身近にあったのです。ところが,流通革命で大型店が出店して,街の身近な商店街が片っ端からつぶれてしまった。このような時代を経過しながら,現在,どうなっているかというと,もっとひどいことになっていて,せっかく自分のついの住みかをいろいろ探して,マンションならマンションを買った。そのときに,周辺の商業地域を調べて,ここにはこのような総合的な商業施設があるという安心のもとに集まってきたような地域も結構あるわけですが,実は,これがまた経済変動で片っ端から大型店がつぶれるという状況があり,高齢者は,車を持っていない方が多いということで,毎日の買い物に非常に困っているのです。  このようなことについては,一人一人の暮らしの向上というところに観点を置くと非常に重要な問題なのです。これは,まさに民間の問題ですから,市のインフラ整備の中では非常にうたいづらかったのかもしれませんけれども,このような問題を,今後きちんと都市計画のプランの中で――例えば,昔は,商業施設がない地域については,公設市場を設けて地域住民に商業サービスを提供していたという時代がありました。これは,全部,整理されて今は1軒もありませんけれども,行政がやろうと思えばそこまでできるわけです。  私は,何でも先祖返りをすればいいと言っているわけではありませんけれども,このような不便を感じている方々――特に高齢者,あるいは若い子連れの母親は大変ですよ。このような身近な利便性の確保を今後どのように図っていくかということについては,これはぜひ議論していただいて深化させていただきたいと思いますが,その認識についてお伺いします。  それから,23ページの3−3で,「きめ細かな公共的空間の配置とその多面的な活用」ということで,これは大変いいことをうたわれております。特に,規制緩和で,いろいろな公園の使い方,あるいは,いろいろな市の施設があります。児童会館などいろいろあります。この中で,地域住民が,もっと空き時間を利用してこのように使いたいという希望はあるのですけれども,市である程度使用目的が決まっているものですから,壁があります。このようなところは,現在,規制緩和の時代なのですから,もう少し地域住民の使い勝手がいいように――また利用時間の延長などもぜひきめ細かく対応していただきたいと思います。  しかし,そうなると,管理が大変なのです。でも,市の職員が閉館まで全部管理しなければならないということにはなっていないのです。ボランティアを募って,例えば5時以降はボランティアの方が責任を持って管理するということで募集すれば集まってくるわけです。そのような時代になってきているのです。ですから,そのようなことを考えながら,もう少し使い勝手のいい公共施設のあり方というものについて議論を深化させていただきたいと思います。  次に,49ページの公共交通ネットワークの活用についてですが――特にバスの問題です。  これは,今後,2年かけて市営バスが民間事業者に移譲されます。そうすると,一つの心配は,今まで路線が確保されていて,市営バスの場合は停留所には屋根つきの待合所がありました。ところが,民間バスの停留所の施設については,経営状況が厳しいものですから,屋根つきの停留所などということにはなかなかなっていかない。ましてや,路線の問題については,今後は赤字が大きければ廃止される,整理されるという不安があります。  そこで,バスの問題については,今までどのような議論をされてこのようなきめ細かなサービスの確保を図るという結論になっているのか――私は非常に不安を感じるものですから,その点の認識についてお伺いします。 ◎下平尾 企画調整局長  まず,都市計画マスタープランの性格についてですが,これは,今後,街づくりの基本的な理念として,市民にも共有していただく,そして行政も――行政といっても他の行政機関にも――共有していただくということで,策定後,いろいろな形で普及したりベースにしていきたいと考えております。  策定の中でも,市のそれぞれの部局といろいろな話し合いをしてきました。  そこでまず,1番目の「身近な利便性の確保」です。これは,本当に,基本的にこれからの高齢社会の中で望ましいあり方だということになります。ただし,郊外にいろいろな大規模ショッピングセンターができることによって,地域の商店街が疲弊してきているということも事実です。  そのような中で,やはり,街づくりを考える部門,あるいは商業政策を考える部門が,何とか地域の中でこのような商店街が生き残っていけるような,あるいは,もう一回戻していけるような方策がないのかということを,これからいろいろな形でこのマスタープランをベースに考えていかなければなりません。また,都市計画のあり方としては,開発許可制度の中で郊外の大規模店舗が許可されていくという実態がありますので,このようなことについてもさらに議論していかなければならないと考えております。やはり,基本的にこのマスタープランをバックボーンにしていかなければならないと考えております。  それから,「きめ細かな公共空間の配置とその多面的な利用」についてですが,これも,従来型のいろいろな公共施設の配置論というのはマスタープランの中できちんとうたうのですが,その使われ方について,やはり,配置したはいいけれども,市民にとって必ずしも利用しやすいものではないということで,これについても,ご意見にあったような利用の延長など,バリアーを外していく,あるいは,民間やボランティアの方々が管理運営していくという方向に持っていくということが望ましいだろうと思います。これは,本当にマスタープランのベースの部分ですのでこのような形で設定しておりますけれども,現在,本市でも,いろいろな部門の若手職員が集まって,例えば公園や道路などの使い方をもっと規制緩和していこうという動きが実際に出ており,できることからやっていこうということでこれから進めていこうとしております。また,公共施設の民間管理についても法律的にも道が開かれてきております。したがって,このマスタープランを一つのベースにしながら,市全体の中でもそのような議論が現在進んできておりますので,その方向をより定着させていきたいと考えております。 ◎宮浦 都市計画課長  今回,交通部門の計画をまとめる中で,かなり中心的な議論として,公共交通をどのように表現するかという議論がありました。端的に言うと,今回のマスタープランの交通面における軸は,公共交通を維持するという主張の部分です。  特に,49ページには公共交通のネットワークということを示しました。地下鉄のみが公共交通機関ではなくて,それにつながるバスのネットワークということも非常に大事です。これは,確かに,委員がおっしゃったように,民営化という流れの中にあるわけです。しかし,地下鉄を骨として,バスのネットワークを枝として構成する今の公共交通機関の体系を基本的に維持したいというものが今回のマスタープランの中心的な部分です。これをいかに効率的に使いながら――あるいは,使いやすくするために努力していきたいということを基本的な方向の中で整理しております。 ◆小田信孝 委員  ただ,私が大きな不安を持っているのはバス交通,市民に対する公共交通としてのサービスの維持ということです。  市営バスだと,いろいろ議論しやすいですし,議会の意見も反映できます。しかし,全部民間事業者に移譲してしまうと,議会の意見も全く遠ざかってしまうわけです。直接,物を言えなくなってしまうのです。  そのような中で,現在,いろいろ不安な要素をたくさん抱えているわけです。現在,バスはいろいろな制度を利用しながら運営しているわけですけれども,今おっしゃった市民に対するバスのサービスレベルを下げないという担保については,どのように話し合って今のような答弁になっているのか――その裏づけがあるのか――私はその辺を心配しているものですから,今一度答弁願います。 ◎宮浦 都市計画課長  この議論は,我々が継続的に行ってきた部分なのですが,最終的に――例えば事業や経営などという部分に対しての担保というところまでは,残念ながら,我々も力を持ち得ない部分です。それが率直なところです。  ただ,計画的な観点で言えば,これは本当に大事なものであって,そのことを放棄するわけにはいかない。いかに,現実の民営化が進もうとも計画論としては放棄するわけにはいかないという部分で,しっかりとこのような理念の部分で位置づけたいということとして整理しております。このような考えをベースとしながら,具体の議論の中で,どのように展開していくかということになるかと思います。  残念ながら,直接,都市計画課そのものがこのことについてどうこうと言うことはできないのですが,ただ,少なくとも,交通計画的な観点からいって,このような骨と枝という部分での体系,ネットワークということは大事であるということを位置づけたいと認識しております。 ◆小田信孝 委員  時代の要請ですから,いろいろ改革はしていかなければなりません。いろいろスリム化しなければならない。企画調整局でも,この路線に沿って,いろいろな問題についてもある程度改革をしながらスリム化に向かって取り組んでいかなければならない。  その中で,今後,いろいろと議題が出されて議論されていくわけですけれども,今後,バスを中心とした公共交通のあり方,住民サービスの維持,レベルダウンをしないというところの見解について,お伺いします。 ◎下平尾 企画調整局長  市営バス事業の民営化という問題については,企画調整局には総合交通対策部があり,交通局は事業,そして企画調整局は全体の交通のマネジメントという部分で,今までも両輪で施策を進めてきました。  サービスを低下させないということで,路線の変更などという問題については,移管した民間バス事業者からも,その都度協議を受ける立場にありますので,その点については,利用者,地域住民の立場に立って意見を申し上げていきたいと考えております。 ◆飯坂宗子 委員  今回の都市づくりの理念としてコンパクト・シティの再構築ということが何度も出てきます。具体的には,市街地の拡大は必要最小限にする,中身を充実させるのだという理念がずっと貫かれていると思うのです。そこで,高齢社会の話も出ておりましたが,いわゆる都心一極集中型の街づくりではなくて,やはり,地域で高齢者から子供たちまで安心して暮らせるような街づくりというものが必要なのだろうと思います。  前段の委員のやりとりの中でも,現状はそうなっていない,商店街にしても,マンションの問題にしても,いろいろ問題があるという指摘がありました。  私も,同じような問題意識を持っているのですが,とりわけ高齢社会では500メートル圏内に,店がある,それから福祉施設,公園もある,文化・スポーツ施設,多目的施設などもある――徒歩圏内で十分に生活できるということが理想的だと思うのです。  ところが,なかなかそうなっていない。特に,186万人もの人口を抱えると,都心には集中して立派な施設があるけれども,周辺部には高齢者,障がい者の施設があるのに自分の地域にはない,あるいは,障がい児学級も非常に不足しているなど,いろいろあります。そのような現在抱えている課題を,マスタープランの中でどのように是正して理想の形に近づけていくのかということが非常に大事だと思うのです。  そこで,文章一つ一つは余り間違ってはいないと思いますが,現在抱えている課題をどのようにしてクリアしていけばこれに近づけるのか――そのプロセスなどというものも,当然,含めて検討していると思うのです。具体的に言うと,マンションラッシュの話が先ほども出ました。今は,建築基準法に違反していなければ――用途地域に適していれば,建てられる。そこで,15階建てマンションの隣にまた15階建てのマンションを建てる。そうすると,入居当初はよかったけれども,同じ業者がすぐ隣にマンションを建てて,すぐに日影の問題が生じるということになります。そうしたときに,本市がどれだけの力を発揮できるかというと,その縛りはできない,規制はできないということになってしまうと,幾らきれいなことを書いていても,現実に効力を発揮できないわけです。  そのような問題をどのようにしてクリアしていくのかということもあわせて取り組んでいかないと,例えば市民の要望にこたえて快適な住環境を整えるといっても――そのような問題が現実に市内にあるのです。この問題をどうとらえ,どう解決しようと考えているのか,お伺いします。  それから,商店街の話は先ほど小田委員からもありました。私も本当に深刻だと思います。今は,大型店同士の競争です。商店街対大型店という時代はもう過ぎて――いいだけつぶれて,大型店同士の競い合いですから――既存の大型店がなくなると,かなり遠くまで行かなければ買い物ができないということになってしまっているわけです。もう生活権が保障されていないのです。これは,違法ではないから食いとめられないと言っているだけでは,ますます拍車がかかっていくと思うし,売り場面積でいえば,6割,7割を大型店が占めているというのが本市の現状ですから,これを放置したままで本当に街づくりができるのかという懸念を私も非常に持っています。  それから,銭湯なんかもどんどんつぶれていって,銭湯に行きたいと思っても徒歩圏にはないというような問題などがいろいろあるのです。  ですから,本当に高齢社会に適応した街づくりを進めていくということになると――車に依存しないで生活できるような街づくりが果たしてこのプランの中でできるのか。そこはやはり公共交通を使っていくなどといったことを含めてですが,マイカーのない人たちが本当に安心して住み続けられるような街づくりというものが,子供たちにとっても高齢者にとっても障がい者にとっても優しい街づくりになると思うのです。その点で,私は現状でそういう問題が幾つかあるということを指摘したのですが,法律を上回る条例はつくれないと言っているだけでは,これは解決しないのです。  そこで,本市として,そのような課題をどのようにしてマスタープランの中で掲げながら解決を図っていこうと考えているのか,お伺いします。 ◎小澤 計画部長  マンションの問題についてですけれども,委員お話しのとおり,それぞれの計画というものは,敷地帯でも最大の容積,利潤を追求していくというのが一番の問題なのです。その中で,本市でも一定の中高層建築物についての条例を定めて取り組んでいるわけですけれども,その条例については,近隣との調整というものが主であり,なかなか規制することまではできていないということが現状です。  その中でも,実際に,高さを一律に制限する条例というものは,やはり私権の制限という問題もありますので,なかなか難しいと考えます。その中で,解決する方法としてどのようなことがあるかというと,都市計画の制度の中で,地区計画や高度地区など,地域ごとにそのような規制をかけていく手法もありますので,地域住民の発意のもとに,そのような制度を適用していくということが現在考えられる最良の方法だと考えております。そのような面では,現在,都市計画の提案制度などもできておりますので,市民に情報の提供を十分に行っていきながら,そのような方向に誘導していきたいと考えております。  次に,今後の街づくりの課題への取り組みについてですけれども,今回のマスタープランについては,即時的にどうするということまで示しておりませんので,あくまでも基本の理念や方針などを示したものです。今後,いろいろな部局で街づくりなどいろいろな事業が起きてくると思いますけれども,その計画策定等に際しては,このマスタープランに即していくということで,私どもとしても,つくりっ放しではなくて,つくった後もじっくり調整していきたいと考えております。 ◆飯坂宗子 委員  都市計画の関係では,地区計画で,例えば,高さ制限は住民合意が得られればそのような方法があるということですが,それは私もよく知っております。  しかし,これは,その地区の住民が全員一致できたときに,その地区を地区計画で高さ制限するというものです。今回,市街化区域に編入する地区の中にもそのような地区がありますから,それはそれでよしとするものです。  しかし,それを待っていたのでは,現在起こっている問題が解決しないわけです。ですから,先ほど藤川委員も,用途地域を高度利用から逆に低層にというような,従来と逆の用途変更もあるのかと質問していましたけれども,そのようなことも含めて――風致地区の拡大などというものはまさにそのような考え方に立っていると思うのです。ですから,これ以上の乱開発,住環境の悪化を招かないために,住民が一致することを待っているのではなくて,行政側が見渡して,ここはまずいと思えば,そのような網かけをするなどといった取り組みを行っていかなければ守れないのではないかと私は思っているわけです。  既にそのような問題が起きているところでの住民合意というものは,地主さんと周辺の人とはなかなか意見が合わないのです。全部,住民に投げかけられると大変なのです。その辺は,やはり,市の方が計画的に緑を守る,住環境を守るなどという立場に立って,用途地域の見直しなどを含めてしっかり網かけをやり直すということも含めて,積極的に取り組むべきではないかと思います。  具体論についてはそれぞれの部局がマスタープランに沿って具体化を図るものだという答弁ですが,課題が現実としてあるわけです。ですから,やはりそれがクリアされるような手だてをしっかりとっていく中で,このプランが生きてくると私は思います。市民議論にも付すということですから,いろいろ意見も聞きながら,私も,次の段階でもまた意見を申し上げたいと思います。その点はしっかり取り組んでいただきたいということを申し上げておきます。 ◆小林郁子 委員  目標年次についてですが, 市マスの目標年次は20年となっております。そして,長期総合計画に合わせているということなのですけれども,私の理解では,市マスというものは,長期総合計画を少し具体的にして,分野別の方針や,都市づくりの力点などに触れているものであると思っているのです。そして,区域マスというものは10年なのですが,そのあたりの整合性はどうなのかという思いもあるのですが,私は,今の時代ではせいぜい10年が限度ではないかという気もしておりますがいかがか,お伺いします。 ◎小澤 計画部長  マスタープランの目標年次についてですけれども,マスタープランというものは,あくまでも議会の議決を得た基本構想に基づく第4次長期総合計画を踏まえて策定するということで,長期総合計画の目標年次である2020年に合わせているということです。  さらに,区域マスタープランが10年ということについてですけれども,これについては,あくまでも北海道が札幌圏の都市及び区域という圏域として定めるということで,これは,北海道の方針として10年間と定めたものであり,内容の目次立てについてもすべて北海道から指定されている中で,本市の市マスから方針部分を抜き出して区域マスに掲載しているということです。これは,あくまでも北海道の方針として10年ということになっているものです。 ◆小林郁子 委員  市マスを区域マスに反映させる――手続としてはこうなっていくわけですね。その意味で,市マスが長くて区域マスが短いということはどうなのかという思いがあります。  ただ,20年だからどうこうということではないのですが――環境基本計画についても20年計画で策定されているのですけれども,六,七年たった今,既に見直しが必要ということです。ですから,このような時代に20年というのはなかなか難しいのではないかと思ったわけです。  そこで,内容について少し具体的にお伺いしますが,分野別の方針が示されております。14ページ,15ページにありますけれども,まず,現在生じている現象,課題をいろいろと書き出しております。そしてまた,市民意見をもとにして整理した求められる都市生活像と,それを踏まえながら分野別の方針を示しているのだと思うのです。  先ほど来あった高層マンション問題ですが,私はあえて質問しませんけれども,本当に大きな問題が,現在,私の知っている範囲では中央区で発生しております。円山公園の入り口のところに物すごい高層マンションが林立している。そしてまた,今度は北海道神宮のところに28階建てのマンションが建とうとしている。このようなものを見て,市民が本当に都市計画はどうなっているのだろうと思うことは,私は当たり前だと思うのです。  ここに書いてある市民が求める都市生活像の中にも,環境や自然,景観や歴史などが書かれておりますが,現在の都市計画,土地利用の仕方はそのような市民が求めるものと全く合っていないのではないかと思うのです。ですから,そのあたりは,これからつくる計画の中でそのようなことを解決していくということなのでしょうか。そのようなことが起きない計画づくりをぜひともしていかなければ,何のための都市計画かということになると思うので,私はそのあたりをぜひ要望しておきたいと思います。  そのことに関連してですけれども,都市計画の提案制度というものは,ことしの1月から可能になりました。そのあたりは,本市でもやっていける可能性があるというふうに考えなのかどうか。それをこの計画の中でも考えているのか,お伺いします。  それから,景観についてです。これからは都市づくりの重要な要素になってくると思うのですが,これも,ことしの7月に,国土交通省が美しい国づくり政策大綱というものを発表しております。その中で,景観アセスメントシステムの導入や,景観に関する基本法制の制定を目指し,それには自治体の責務も盛り込むというようなことも言っております。この景観に配慮した街づくりについては,このマスタープランで具体的にどのように担保していこうと考えているのか,お伺いします。  それから,歴史を生かした街ということについてです。本市は130年の歴史しかないといっても,それはそれなりに歴史があるわけで,山鼻や琴似,白石など,古い街があります。そのような歴史を生かした街づくり,歴史が感じられる街づくりについては,今回はどのようになっているのか,お伺いします。  あわせて,交通の関係で,車優先の道路づくりが,現在,反省の時期に来ていると思うのです。歩行者の優先,歩行者のあり方と自転車道のあり方について,それは,サイクリングロードや大きなオープンスペース的なものもあるでしょうけれども,いわゆる生活圏の中での自転車道の整備のあり方,歩行者道のあり方についてはどのように考えているのか,お伺いします。 ◎小澤 計画部長  都市計画の提案制度についてですけれども,これは,委員お話しのとおり,本年1月から制度化されたものです。いろいろ要件がありますが,地権者の3分の2の賛成があれば提案可能ということになっております。全国的に見るとそれほど事例はありませんけれども,本市においても――地区計画もそうですが,いろいろな場面で案として出てくることは可能であると考えております。 ◎宮浦 都市計画課長  景観についてはどのような整理をしているかということについてですが, 今回,マスタープランをつくる中で景観という項目をつくろうか――いわば交通や緑などというものと横並びで景観という項目を置くかどうかということについて内部的にも十分に検討しました。そして,最終的には,原則の中の各部分に,景観に配慮するということを散りばめるような構成にしようという整理を行いました。  都市づくりの理念と原則の項目をごらんいただきますと――22ページ,23ページで,原則2に,「自然と共生し北の風土特性を尊重します」の部分では,2−6で「自然環境や風土特性に配慮した都市景観づくり」ということで原則の中に盛り込んでおります。あるいは,「多くの人が集まる場を大事にします」という原則の3においては,3−4として「人が集まる場にふさわしい都市景観づくり」ということで,個別のいろいろな項目の中に景観的な要素を盛り込むという構成を考えたところです。  ただ,国レベルでは,いろいろな意味で,現在,大きな流れがありますので,その辺は今回のマスタープランの策定過程の中でどのようなことを取り込めるかということも,今後,勉強していきたいと考えております。  次に,歴史を生かした街についてですが,これも,直接的には,委員がおっしゃるとおり,実際に本市の中でいろいろ進められている街づくりの中では,地域ごとにいろいろな歴史性を踏まえた形で街づくりに生かそうという動きがあります。恐らく,原則としてきちんと整理するのに足る内容ではないかと思いますので,このような観点についても,市民意見の整理の過程で,極力,原則の中に盛り込んでいくような検討したいと,委員のご意見を受けて考えております。  それから,自転車道,歩行者道のあり方についてですが,基本的な考え方としては,いわゆるオープンスペース・ネットワークというものの中にそのような自転車道も構成要素の一つとして上げるという基本的な考え方はうたっているのですが,どのようにどのような場所に配置していくかということは,具体の計画の中での整理ということになりますので,直接的にこのマスタープランの中で配置を考えるというところまでの表記はしておりません。  しかし,今後は,歩行者と自動車との配分や,同じ道路にしても,有効活用という観点では道路自体をどのように配分していくかということも重要であるという要素は盛り込んでいる部分もありますので,この辺も,マスタープランベースでは具体的に示しにくいものの,観点としては重要なものであると考えております。したがって,これもまた,今後の整理の過程で考えていきたいと思います。 ◆小林郁子 委員  ただいまの答弁で理解しました。これからも,ぜひ具体的なものに生かしていただきたいと思います。  先ほど申し上げたとおり環境基本計画が見直しに入ったということなのです。そのほかに,緑の基本条例や,緑の基本計画,それから都市景観条例などが本市にはあります。それらとマスタープランが,これから先,どのように関係していくのか,お伺いします。 ◎宮浦 都市計画課長  今回,この素案に至る過程では,庁内的にもかなり広範に議論しながら整理しております。特に,今回のマスタープランにかかわる交通や緑,環境などという部門における調整というものは並行して進めております。その中で,いろいろな意味でオーソライズされている内容で,共有認識として持てるものをこのマスタープランにも盛り込むというような考え方で来ております。例えば,整理していく中では,22ページの原則2において,原則を構成する要素の2−1に,「環境への負荷の低減」ということを最上位に置いておりますけれども,これは,庁内整理の過程で,環境基本計画等に配慮する中で改めてこれを最上位に持ってきたという経過もありました。  そのような形で,ほかの部門別計画もこれからいろいろな意味で見直し等が行われていくと思いますが,それらに対応してマスタープランも,方向性が大きく変わる中では,連動する形で見直すということは今後あるものと考えております。 ◆松浦忠 委員  皆さんは非常に頭がいいから,作文は上手です。絵もカラーできれいに印刷しているし,できばえはいいです。  しかし,現実は――本市は,ずっと今まで第1次,第2次,第3次と長期総合計画をつくり,第4次の長期総合計画もつくってきた。そして,このような長期総合計画や,マスタープランなど,いろいろ考えるけれども,全部が非常に抽象的なのです。そして,条例では法律を上回る規制ができないからということで,ほとんど肝心なことはできていないということが実態なのです。  これまで――例えば,それぞれの生活圏を中心にして,副都心や,核をつくっていく,生活圏の核をつくるということで,最初に新札幌に厚別副都心をつくりました。そして,地下鉄を延長すれば北24条かいわいや,さらに延長すれば新琴似のあたりを……ということでそれぞれつくっていった。そして,結果的に,それらが十分に機能するところまでいかないうちに,一方では都心部の再開発を行う。そして今回は,都心にコンパクトな街づくりを行うということです。そうすると,結果としては,ずっと金をかけてきているけれども,きちんとしたものが長期的にできてきていない。  高齢社会を迎えて取り組まなければならないことは,やっぱり「街」ではなくて,「町」づくりをどうするかということなのです。これをどうつくるかということをきちんと考えなければならないのに,今までも生活圏の整備をきちんとされていない。そして,このマスタープランにもそれをどうするかということが余りよく示されていない。だから,そのところをもう少しきちんと――生活圏における「町づくり」というものを示さなければならないのです。小田委員の話にもあったとおり,かつて本市には公設市場がありました。私が議員になってからは,公設市場の整理を行いました。最終的に,板垣市長の時代に公設市場を全部売却しましたけれども,あれはあれで一つの時代の流れでした。今は,逆に言えば,そのようなものをつくるのか,つくらないのかということや,市場はつくらないけれども,そのような機能をどのようにつくるかということなどをやはり具体的にこのマスタープランの中で示して,そして,それに向かって取り組むということでなければならないような気がするのです。その店で,これは非常に総花的で,国で言えば憲法みたいなものです。そうではなくて,大事なことは市町村ですから,各論の法律や,各省庁の通達,通知など,本市において言えばこのようなことが具体的なものになっていくわけです。したがって,そのようにもっと具体性が見えるものをこの中に示していかなければならないのではないかと私はこれをざっと見て思いました。  それからもう一つは,1969年6月30日に法律が成立し,翌年7月1日に法律が効力を発して,同年に線引きを始めて以来,ずっと33年間,市街化調整区域の中で違法状態がずっと続いているわけです。これをいつまでも放置するというわけにはいかないから,きちんとその解消策を国側と協議する。そして,農地のうち,営農できなくなった土地がありますが,現在,高齢者が増加する中で,多くの人が家庭菜園を求めて,本市に住みながら,地方の都市まで出かけて結構な面積の菜園をつくっているというような方も結構おります。  ですから,例えば500坪なり1,000坪なりの土地つきの家庭菜園型住宅なども造成し,そのような形でこれからの高齢社会における住民の多様な要求に市がこたえていく。そして,市域内の土地所有者の方々の活用もまた考えていくということがこの中に示されてこなければならないのです。そのようなものについて,文章ではさらっと書いてあるけれども,具体的にどのように実現しようと考えているのか,お伺いします。  それからもう一つは,バスの問題です。これは,民間事業者に移譲すると経営的に大変になるから,路線の廃止,間引き――間引きはまだいいです。市内でも廃止という話が必ず出てきます。このときに,やはり市として,どのような形態をとって市民の足を確保するのか。少なくともこのマスタープランは20年間の計画ですから,このような場合にはこう対応をしたいということを具体的に示していくべきではないかと思いますが,どのように考えているのか,お伺いします。  それから,私は,市民が一番不平等だと思っていることは,板垣市長時代に一生懸命に知恵を絞って取り組んだ簡易舗装と,現在,全市でまだ6割に達していないA級舗装です。舗装されているところとされていないところがあって,市民は非常に不満を感じているのです。  これらについても,都市計画の中で市民生活の向上をうたうならば――使う金の総体が決まっているわけですから――そうであれば,これは何年くらいで解消するということなど,今後20年内には全部解消するということなど,こういうことも具体的にうたっていく――それが,市民から見て,あるいは参画して街づくりを行うということになる。市民が参画するということはそのようなことなのです。  そのような点についてはどのように考えているのか,お伺いします。 ◎小澤 計画部長  マスタープランの中に「町」といったものの具体的なことまでもっと書くべきではないかということですけれども,このマスタープランについては,都市づくりのいわゆる憲法的な――あくまでもそのような方針として定めたものであり,具体に,即地的にこの箇所ではこうするというようなことまで記載しているものではありませんので,ご理解いただきたいと思います。  次に,先ほどの市街化調整区域の問題は,市長も先ほどの松浦委員との議論の中で十分にお答えしたと思います。家庭菜園型住宅のようなものについて提言がありましたけれども,その辺のことも,77ページに,「市街地の外ならではの特質を生かす土地利用の検討」ということで,今後検討していくということでうたっているところです。具体的には,庁内で検討のプロジェクトを設けて検討しているところです。  次に,バスの問題ですけれども,これは,そのような利便性を確保するという意味では,交通局や企画調整局も含めたいろいろな関連部局で,利便性を損なわないために努力していかなければならないと考えております。
     次に,道路の舗装についてですけれども,これも1点目と同様に,このマスタープランは即地的にどこでどうするということをうたっているものではありません。あくまでも,このマスタープランの理念や方針の趣旨にのっとって,各事業部局がその実現のために実際の実施計画などの中で取り組んでいくということになると思います。  具体的には,現在,新まちづくり計画を策定するわけですので,そのようなことは,当然,その中で実現していくことになると思います。 ◆松浦忠 委員  私は,前から丘珠空港問題が出たときに言っているけれども,丘珠空港は,大都市に空港は必要だから,ジェット機も乗り入れるべきだと思っているのです。それには緩衝緑地をつくるなどといったきちんとした計画を立てて,取り組んでいかなければならない。例えば20年,あるいは50年計画くらいでそのような整備を進めていく――そのようなことがマスタープランだと私は思っているのです。やはり,具体性のあるものがマスタープランの中にあって,これとこれとこのくらいのものは長期にわたってずっと変わらずに取り組んでいく。多少,人口の増減があっても,大都市には空港がどうしても必要だということになれば整備していく。そのようなものがマスタープランの中で具体的に示されて,それが10年のものもあれば,20年のものもあれば,30年,50年のものもある。このようなことがマスタープランの中になければ,ただ単に一つのお絵かきをして,それできれいにできましたというものにすぎないということになるわけです。  だから,もう長期総合計画も第4次まできているのですから,少しそのようなものを具体的につくることに心がけるべきだと思うのです。別に今までを踏襲して,それだけでなくてもいいわけですから,札幌市は札幌市として,このマスタープランの中に,これとこれについてはこのような計画で長期にわたってこのくらいかけてやるというものが具体的に出てくるということでなければならないと私は思うのです。そうでなければ,単に時間を使って,皆さんもたくさんの労力をかけてお絵かきしたということだけで終わってしまうわけです。そうでなければ――例えば用途区域にしても,線引きにしても――線引きなどは一定の期間で見直しをする,用途区域もいろいろ市民から意見があればまた見直しをしていく――みんなそれぞれこうなるわけです。  したがって,やはりきちんと実効性のあるものを策定するということにもっと心がけていただきたいと要望しておきます。 ◆村山優治 委員  前段の線引きに関する資料の最終ページに手続のスケジュールが書いてあります。これは,公聴会は北海道が主催するとなっているけれども,なぜ本市が公聴会を主催できないのか。やっぱり,北海道が主催する公聴会と,本市が主催する公聴会では,市民の集まり方,考え方が違ってくるのではないかと思うのです。したがって,北海道に任せてしまって,本市は何もしないということはないだろうと思いますがいかがか,お伺いします。  それから,このマスタープランは八十何ページもあって,委員会が始まってからのこの短時間に検討しろと言われても困るのです。やっぱり,我々に提示してから,3回,4回と委員会で審議してから都市計画審議会にかけるという手続にしなければだめだと思いますがどのように考えているのか,お伺いします。 ◎小澤 計画部長  公聴会についてですけれども,線引きについては,北海道が札幌圏の都市計画区域,本市を含めた石狩市,北広島市,江別市,それから小樽市の一部ですけれども,圏域として北海道が広域的に定めるという都市計画ですので,私どもは北海道から委託された本市分を案として提出します。それを北海道が圏域としてまとめて都市計画として定めるということですので,本市としては,あくまでも北海道に案を出した時点であとはすべて北海道の手続という流れになります。したがって,北海道が住民の意見を聞く公聴会を開催して,以後の手続を進めていくということになっているものです。 ◎宮浦 都市計画課長  現実的にはそのように進んでいきますが,実態としては,圏域の各自治体が協力しながら公聴会を開催することになりますので,主催は北海道ということになりますけれども,実際は周辺の各自治体が協力しながら公聴会の開催に至るという形になります。 ◎小澤 計画部長  このマスタープランを短時間で審査することはできないのではないかということについてですが,今回,説明しておりますのは,あくまでもこれから市民の意見を受けるための素案段階のもので,これで最終決定ということではありません。これから,市民からも意見を受けながらいろいろ修正を重ねていくことになると思いますが,その過程で改めて総務委員会にも説明させていただきたいと考えておりますので,ご理解いただきたいと思います。 ◆村山優治 委員  それでは,市民にはどのようにこのプランを公開する考えなのか,お伺いします。  それから,線引きの公聴会についてはわかりました。本市の考え方もわかりました。これは,トップダウン方式で,上から北海道が勝手に入れる,そのようになった場合には,それは北海道が勝手にやることだということで理解していいのですね。 ◎宮浦 都市計画課長  法律上の手続としては,北海道が圏域の原案をつくった後に,市に意見の照会があります。本市としてどう考えるかという意見を聞かれるステージがあります。ですから,そのまま進むということではありません。 ◆村山優治 委員  だから,もとに戻ってしまうけれども,地域住民も――我々は,原局と何度となく話し合ってきているわけです。ですから,もうこれ以上議論しても――議論を尽くしてしまっているから,それでも余地があるというのであればいいけれども,全然ないということであれば,やはり,国に勝手に入れさせる,あるいは北海道に勝手に入れさせるというような手続ということも一つの方法ではないかと思います。意見だけは本市にも聞くけれどもと――そうなればみっともない話でしょう。  ですから,見定めを誤った分については,やはり,今あれだけの部分がないから,そこで終了してはどうかという話をしているのです。  わかりました。これについては答弁は要りません。 ○山田一仁 委員長  答弁漏れがあります。このマスタープランを市民にどのように公開する考えなのかということについて,答弁願います。 ◎小澤 計画部長  市民の意見の公募についてですけれども,今後,各区,それから都心部においてパネル展を開催する中で,素案と概要版を配布し,概要版には意見を記入する用紙もつけておりますので,そのような手段により意見を受けることになります。さらには,Eメールやファクスでなどでも受け付けたいと考えております。 ◆湊谷隆 委員  資料4の幹線道路等において,具体的な道路名がおおむね10年以内の実施を予定する主要事業ということで示されております。おおむね10年以内ということですが,これ以外に,幹線道路で計画されている道路があるのかどうか,お伺いします。 ◎宮浦 都市計画課長  この都市計画は北海道が決めるものであり,ここに掲載している主要な道路事業は――番号を見ていただければわかると思いますが,道路に番号がついており,「3・1・1」などと書いてあります。この3つの数字のうち最初の「3」という数字は,幹線道路というかなり強い骨格的な道路について都市計画区域マスタープランに記載するというルールになっております。  ただ,これ以外に,札幌市内で整備予定の都市計画道路は,ほかにもたくさんあります。3ナンバー以外の道路である補助幹線道路はたくさんありますが,これについてはここに記載する必要がないということで省略しております。 ◆湊谷隆 委員  3ナンバーの幹線道路のことで確認したいのですけれども,3ナンバーの道路で整備予定の都市計画道路は,この資料に示されている以外にはないということなのですか。 ◎宮浦 都市計画課長  そのような前提で調整しております。 ◆湊谷隆 委員  資料に示されている以外の3ナンバーの道路が現実に計画されているのです。ですから,私は,前段の線引きの中で,人口増加が少々鈍ってきて,郊外の市街化がこれからどうなっていくかという中で,今までは長期総合計画に載っていた――しかし,時のアセスメントにより,人口が減少していくのでそのような道路の計画は消えたということもあるのかと思ったのです。その点をもう一度確認します。 ◎宮浦 都市計画課長  どのような内容なのか,後ほど伺いたいと思います。 ○山田一仁 委員長  ほかにございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○山田一仁 委員長  なければ,質疑を終了いたします。  以上で,本日の委員会を閉会いたします。     ──────────────       閉 会 午後5時5分...