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平成15年(常任)総務委員会−09月03日-記録

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  1. 札幌市議会 2003-09-03
    平成15年(常任)総務委員会−09月03日-記録


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    平成15年(常任)総務委員会−09月03日-記録平成15年(常任)総務委員会  札幌市議会総務委員会記録            平成15年9月3日(水曜日)       ────────────────────────       開 会 午前9時59分 ○山田一仁 委員長  ただいまから,総務委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,鈴木委員から欠席する旨の報告がございました。  議事に入ります。  市街化区域及び市街化調整区域との区域区分見直し(第5回線引き見直しについて)を議題といたします。  ここで,理事者より説明を受けます。 ◎下平尾 企画調整局長  本日は,都市計画行政のうち,第5回市街化区域及び市街化調整区域の区分の見直し――いわゆる線引き見直しの概要について説明します。  前回の見直しは平成10年3月でしたが,第5回見直しについては,線引きに関する都市計画決定権者である北海道が平成16年3月の変更告示を目指すとのことですので,6年ぶりの見直しとなります。  この間,本市では,平成12年に第4次長期総合計画がスタートしております。また,本市の人口増加が鈍化していく中で,都心周辺地下鉄沿線などの利便性の高い地域への人口回帰現象が顕著となるなど,線引きを取り巻く状況も前回と大きく変化してきております。  本日は,前段に,現在策定作業を進めている都市計画マスタープランについて若干説明した上で,線引き見直しに当たっての基礎となる市街地内の人口動態と,それを踏まえた人口収容計画について,さらには,拡大に当たっての編入地区考え方について説明します。 ◎小澤 計画部長  現在策定している都市計画マスタープランの概要について説明します。  A3判横の都市計画マスタープランの資料をごらんください。  都市計画マスタープランについては,詳しくは次回以降の委員会で報告したいと考えておりますが,線引き見直しを行う上で踏まえるべき今後の都市計画方向性にかかわりますので,本日は,その概要について,説明します。  現在策定中の札幌市都市計画マスタープランの素案については,検討過程の内容をまとめた概要版――今,お手元に配付している資料ですが,これまで,公募市民を対象とした勉強会の実施や,市民向けのニュースレターの発行などを通じ,市民意見を反映させながら,並行して,都市計画審議会,さらに,その中に設けたマスタープラン部会においても,意見をいただきながら策定作業を進めているものです。  お手元の資料は,全体が五つのパートに分かれておりますが,これは,現段階での素案の目次構成に対応したものです。  まず,左上をごらんいただきますが,「都市計画マスタープランとは…」という部分には,目的と位置づけというものに整理しております。本市の場合は,上位計画である第4次長期総合計画を受け,都市づくり全市的指針とするというものです。
     その下の大きな囲みの部分ですが,都市づくりの理念・原則と基本目標として,総論について整理しているものです。  ここでは,これまでの拡大型の都市づくりという歴史を踏まえ,さらに,現在は基礎的な都市基盤が高い水準で確保された一方で,これからは,人口増加の鈍化,さらには少子高齢化の進展,地球環境問題の深刻化という昨今の状況を踏まえ,都市づくり基本方向を見直す必要性について記述しております。  これまでの状況や現状を踏まえ――中段の枠になりますが――今後は,持続可能なコンパクト・シティへの再構築という理念,一人一人の暮らしの質の向上を支える,さらには,既存資源を上手に再生・活用するといった都市づくりの原則を示しております。  これらの考え方については,市民勉強会での意見交換の中で共通の認識として整理してきたものです。  そして,この基本認識を受け,今後の取り組みについて,右半分の三つの枠のとおり,それぞれ整理しております。  まず,右上の取り組みの全体像の部分ですが,「土地利用」「交通」「みどり」「その他の都市施設」といった分野ごとに今後の取り組み方針を概括しております。  このうち,土地利用については,市街地の範囲では,現状維持を基本とし,市街地内のきめ細かな更新を誘導しつつ,市街地外自然環境の保全を基本に,市街地外の特質を生かした活用を検討するとしております。  次に,右側中段のターゲットの設定ということで,これからの取り組みの力点を五つに集約しております。  1点目は,「都心の再生・再構築」です。2点目は,「多中心核都市構造の充実・強化」ということで,地域の生活拠点などの都心以外の拠点もバランスよく充実したいということを挙げております。3点目は,居住という側面に視点を当て,利便性の高い住まい方と郊外型の住環境との両面について質を高めていきたいということをうたっております。右側の4点目と5点目は相互に関連が強いテーマですが,市街地の外,すなわち調整区域での土地利用についての今後のあり方を見出す必要性と,オープンスペースのネットワークを強化したいということを挙げております。  以上が力点として整理したテーマです。  そして,右下の枠が具体的な取り組みを支える仕組みについて,協働というキーワードのもとで今後の方針を整理しているものです。  詳細については,次回以降の委員会での報告することでご了承願います。 ◎宮浦 都市計画課長  市街化区域市街化調整区域の区分――一般的には線引きと言われている制度について,A4判の資料をもとに説明します。  まず,1ページ上段の(1)をごらんください。  この線引き制度については,都市計画法第7条に規定されているものであり,無秩序な市街化の防止,計画的な市街化をもって効率的な公共投資を図るために定められた制度です。  この線引き制度は,法律上,政令指定都市を含む都市計画区域については,適用が義務づけられております。  次に,図−2ですが,本市の指定状況を示しております。  まず,本市の市域のうち,国有林などを除いた区域について,都市計画を定める区域として都市計画区域が近隣の江別市あるいは北広島市などと一体的に指定されております。この都市計画区域を,既に市街地が形成している区域及びおおむね年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域として市街化区域,さらに,市街化を抑制すべき区域である市街化調整区域の二つに区分するものです。  次に,この線引き見直しの概念図を下段の図−3に示しております。  これは,都市計画基礎調査の結果などに基づき,おおむね10年後の人口,産業を適切に収容する市街地規模を想定し,現在の市街化区域では不足する場合に市街化区域を拡大するというものです。  上段の図−4に,これまでの市街化区域の変遷を示しております。  中央に大きく黄色で示しているものが,昭和45年の当初線引き市街化区域とした区域で,オレンジ色の部分が昭和53年の第1回見直し,緑色が昭和60年の第2回見直しです。さらに,濃い青は第3回見直しで拡大した部分,少し薄い水色で示した第4回の見直しを経て,現時点では約2万4,800ヘクタールを市街化区域として指定しております。  (4)の下段にもありますが,第2回見直しからは,計画的な市街地整備確実性を図るために保留区域制度を活用しております。これは,線引き見直しの際に,開発の確実性を担保するために,必要な市街地面積のすべてをその時点で市街化区域に編入するのではなく,その一部を保留し,次の見直しまでの期間であれば,計画的な市街地整備の見通しが明らかになった段階で市街化区域に編入できるという制度です。  上段の図を再度ごらんいただきますと,第2回,第3回の見直しでは,大きく市街化区域が広がっておりますが,これらのほとんどが保留区域として位置づけられた上で,開発が具体化した段階で市街化区域に編入されたものです。  なお,この保留区域への位置づけに当たっては,第2回,第3回の見直しのころは,人口が年々大きく増加していく状況の中で,市街化区域編入議会陳情及び市長あての要望が多数寄せられておりました。こうしたことから,議会においても,陳情審査に当たっては,理事者側から,拡大規模の見込みや市長あて要望の状況,さらには編入地区選定に当たっての基本的な考え方などについて説明した中で,議会側としても基準を整備した上で陳情に対する審査が行われてきたところです。  前回,平成10年の第4回の見直しにおいては,市街化区域編入議会陳情指定道路団地からの1件であり,また,この陳情についても途中で取り下げられたという経過がありました。  この第4回見直しにおいては,最終的に17地区の特定保留区域を指定しており,現在までに市街化区域への編入を行ってきた7地区については,上段の図の中で薄い水色で示しております。  3ページをごらんください。  左上の図−5は,昨今の人口増加の推移について示したものです。  本市の人口増加は徐々に鈍化傾向を示しております。具体的な人口増加数は,濃い青い折れ線グラフで表記しておりますが,特に出生数と死亡数の差し引きである自然増加数は年々減少を続けております。自然増加数は黄色い折れ線グラフで示しております。  右側の図−6には,昭和50年から平成12年までの年齢別人口構成比率の推移を示しております。1歳から14歳の年少人口の占める割合が年々減少しており,その一方で,65歳以上の老年人口の割合が増加していることがわかります。  次に,左下の図−7ですが,このグラフは,赤が昭和50年時点,青が平成12年時点における年齢別人口を比較したものです。この二つの時点を比較すると,平成12年においては,昭和50年に比べて,ゼロから14歳の子供の数が減少しているのに対し,30歳以上の人口が大幅に増加していることがわかります。これは,まさに少子高齢化時代の本格的な到来を迎えた状況にあるということを示すものです。  次に,右下の図−8ですが,これは,昭和58年以降の地価指数の推移,特に住宅地地価指数の推移を示しております。地価については,特に第4回見直しの平成10年以降も大幅に下落を続けていることから,市街地開発に当たっては,事業採算性を確保することが非常に難しい状況となっていると考えられます。  4ページをごらんください。  その一方で,市街化区域内の人口の動態にも変化があらわれております。  昨今の人口の動態を把握するために――上段右側の図−9にありますが――これまでの長期総合計画をもとに,市内の市街地を大きく三つに区分し,その動向調査を行っております。この図の中で赤色で示した高度利用住宅地は,都心周辺や地下鉄駅沿線など,利便性が高く,今後も土地利用高度化が想定される高密度な市街地です。次に,黄色の一般住宅地は,集合住宅戸建て住宅の両者が併存する中密度な住宅市街地です。残りの緑色で示した郊外住宅地は閑静な戸建て住宅を主体とした低密度な市街地です。  図の左に,市街地区分ごと土地利用基本方針と過去の長期総合計画で定めている市街地区分別目標人口密度を示しております。昭和63年策定の第3次長期総合計画では,この三つの市街地区分目標人口密度として,高度利用住宅地で1ヘクタール当たり120人以上,一般住宅地で80人から120人,郊外住宅地では80人未満と定めておりました。これは,現在においても同様に参考にできるものと考えております。  この三つの市街地区分に基づく人口の動態を下段の左側の図−10に示しております。左側が平成2年,右側が平成14年の状況ですが,図−11においては,変化の状況がわかりやすいように人口増加数年平均の推移をグラフに示しております。  特に図−11の赤色の折れ線グラフ高度利用住宅地ですが,平成2年から7年は増加数マイナスだったものが,平成7年から12年では年平均約5,000人の増加,平成12年から14年では年平均7,500人の増加と,人口増加数が急激にふえております。  一方,緑色の折れ線グラフで示した郊外住宅地ですが,平成2年から7年までは,年平均約1万5,000人の人口増加数であったものが,平成12年から14年では約3,500人程度と大きく低下しております。  スクリーンをごらんください。  これは,平成12年以降のマンション建設状況をプロットした図です。  平成12年以降に建設しているマンションは,ほとんどが利便性の高い高度利用住宅地に立地しており,このように,現在の本市においては,郊外の新市街地よりも土地利用高度化による収容が人口増加の主な受け皿となっている趨勢にあることが顕著な傾向としてあらわれております。  以上のことから,今回の線引き見直しに当たっては,このような従前と異なる傾向を十分踏まえながら検討を行う必要があるものと考えております。  次に,線引き見直しの中心となる人口収容計画の検討の流れについて説明します。  5ページをごらんください。  検討のフロー図を示しております。  まず,上段の中央ですが,住宅地区分人口収容考え方について,長期総合計画などを踏まえて検討を行うとしたものです。  その上で,左側の枠ですが,国勢調査などをもとに,今回の線引き見直し目標年である平成22年における将来人口フレームを推計します。その一方で――右の枠ですが――現在の市街化区域内における人口,土地利用の動向,推移などをもとに,平成22年における現在の市街区域内におさまる人口の推計を行います。下に移って,これらの結果,現在の市街化区域目標年の人口を収容し切れない場合には,収容不可能な人口分市街地を拡大するという整理になるものです。これが拡大人口フレームと呼んでいるものです。  今回の見直しに当たっては,北海道より,国等との関係機関と調整を図る上で,札幌圏都市計画区域という圏域単位での客観的かつ合理的な根拠が示されるように,数学的な手法を用いて相関係数の高い推計を行う旨の指示があり,それに基づいて見直しを行います。  まず,目標年である平成22年における将来人口について説明します。  5ページの下段の表をごらんください。  将来人口の推計に当たっては,札幌圏都市計画区域,これは,札幌市のほかは江別市,北広島市,石狩市,小樽市の一部を含むものですが,この圏域全体の平成22年人口を日本全国の将来人口推計などで一般的に用いられているコーホート要因法を用いて推計しました。この都市計画区域全体の人口推計をもとに,各市単位人口推計結果などから,本市における平成22年の人口は194万4,000人で,これは,平成12年からの10年間で12万1,700人の人口増加ということで調整されたものです。  なお,この推計値については,第4次長期総合計画目標人口として設定している205万から210万の予測の範囲内よりも手前の推計値になりますが,その範囲内におさまるものと考えております。  次に,平成12年の総人口182万2,300人のうち,既存集落を中心とする市街化区域の外の人口は2万5,400人ということでした。この市街化区域外の人口の平成22年における推計値は――これも数学的手法による推計ですが,2万2,600人,平成12年からは2,800人のマイナスと推計されます。したがって,平成22年の市街化区域内における人口は,行政区域全体の194万4,000人から市街化区域外の2万2,600人を引いた192万1,400人となり,平成12年からの増加数としては12万4,500人となります。  6ページに人口の収容計画を示しておりますが,同様のものがスクリーンにありますので,こちらをごらんください。  まず,スクリーンの左側ですが,平成12年の全市人口が182万2,300人ほどになります。この内訳としては,まず,市街化区域内においては179万6,900人,市街化区域外が2万5,400人という構成になっております。これが,平成22年には,全市人口が194万4,000人となり,このうち市街化区域外の人口は2,800人をマイナスした2万2,600人と推計されますので,差し引き192万1,400人が市街化区域人口となるものです。これは,平成12年と比較して12万4,500人の増加となります。  この増加人口がどこでどのように収容されるかということを示したものが,左側上段高度利用住宅地プラス一般住宅地の部分です。ここでは,高度利用が進むことにより,最終的には5万2,000人,さらには,この区域内における未利用地が転換することで2万2,900人,合わせて7万4,900人がこの高度利用住宅地一般住宅地の中で人口増加が見込まれると推計しております。  次に,中段の郊外住宅地ですが,この地区は,戸建て住宅主体土地利用を想定する地区であるために,高度利用は直接的には見込んでおらず,未利用地がどのように転換するかということを推計する中で今後収容される人口を推計し,結果としては4万500人と設定しております。  一方,郊外住宅地では,このほか,基準年である平成12年以降に市街化区域に編入した地区があり,これについては,ベースの統計調査等には反映されていないため別途足し合わせることとし,その計画人口4,100人を合算し,未利用地への人口収容を4万4,600人と推計しました。  この7万4,900人と4万4,600人を,10年間で増加すると見込まれる先ほどの12万4,500人から差し引くと,最終的に今回の見直しにおける拡大人口フレームは5,000人となります。  なお,前回の見直しにおいては,2万3,000人の拡大人口フレームを持っていたので,これと比較すると小規模な見直しになるものと言えます。  次に,この5,000人の拡大人口フレームに対応する地区選定にかかわる基本的な考え方について説明します。  これまでの線引き見直しにおいては,まず,災害防止農業振興緑地保全等の観点から市街化区域に編入することが望ましくない区域を除外した上で,現在の市街化区域に連檐し,市街化区域に編入することが適当な地区を選定するとともに,あわせて,計画的な開発が確実となった段階で市街化区域に編入する保留区域制度を活用してきました。  しかし,今回の見直しにおいては,拡大人口フレームが小さいことに加え,平成11年8月より運用している都市計画法第34条10号イに基づく市街化調整区域での開発行為が行われている地区が既に数地区あるなど,これまでの見直しとは異なる状況にあることを踏まえる必要があるものと考えております。このようなことから,今回の見直しにおいては,次の三つの条件に合致する地区をもって拡大人口フレームに対応したいと考えております。  もう一度,スクリーン人口収容計画フロー図をごらんください。  一つ目は,前回第4回見直し特定保留区域のうち,現在までに市街化区域に編入されていないものの,段階的な開発の見きわめの結果,既に計画的な開発に着手している地区及び開発が実施されることが確実な地区を市街化区域に編入したいと考えております。  この第4回見直し保留区域の見きわめの経過については,後ほど説明します。  次に,2点目ですが,平成11年8月より運用している都市計画法第34条10号イに基づき,市街化調整区域開発許可がなされた地区です。市街化調整区域の大規模開発許可制度については,計画的な市街化を図る上で支障のない一定の基準に合致した開発計画について許可し得るというものであり,線引きとは別の制度となっておりますが,これらの地区においては,市街化区域と同等の市街地が形成されつつあり,土地利用が可能な状況であることから,今回の見直しにおいては,市街化の状況を踏まえつつ,市街化区域への編入を検討したいと考えております。  3点目は,小規模な土地で,周辺の基盤がおおむね整備されており,特に開発を行わなくても土地利用を図ることができる地区のうち,市街化区域とすることが合理的であり,周辺の市街化を促進しないものについては,線引き境界を明確化し,整形化を図るべく,市街化区域に編入することを考えております。  したがって,今回の線引き見直しにおいては,拡大人口フレームが小さいこと,市街化区域及び市街化調整区域の先行的な開発許可地区から供給される戸建て住宅のストックが相当数存在していること,さらには,地価の長期的な低落局面の中で郊外住宅地需要の低迷などの要因を勘案すると,さきの三つの観点からの対応により拡大人口フレームに十分対応可能であり,これまでのように特定保留区域をもって新たな開発計画地位置づけることは困難な状況であると考えております。  次に,第4回見直し特定保留区域に対する段階的な開発の見きわめの経過について,資料の7ページに基づいて説明します。  まず,一番上の枠ですが,第4回の見直しにおいては,特定保留区域を17地区,439ヘクタール指定しており,うち3地区において区域の分割を行った結果,最終的には20地区となっております。  右下の枠に移りますが,このうち現在までに開発が具体化した地区は7地区あり,この地区――合計106ヘクタールを市街化区域に編入しております。  左側の枠に示している,いまだ開発に至らず未編入となっている13地区については,従前より線引き見直しにあわせて,その指定を解消してきており,今回も同様の対応となります。  ただし,このような特定保留区域の中には,関係機関や地権者との調整などの状況から,随時編入の手続には間に合わなかったものの,次の見直しまでには開発の見通しが立つ地区もあります。このような地区については,これまでの見直しにおいても,次の見直しの機会における市街化区域編入の措置を講じてきたところです。  今回についても,線引き見直しの検討に並行して,昨年来,段階的に特定保留区域開発具体化に関する見きわめを行っております。まず,昨年8月末の段階で第1次の見きわめを行い,明らかに協議等の進んでいない地区については指定を解消することとし,1次見きわめで開発の可能性があると判断した地区については,関係機関との協議の状況,法的な手続の状況などをもとに,ことしの1月末の段階で第2次見きわめを行っております。このような段階的な見きわめの結果,最終的に,2地区については開発が確実に行われると判断し,今回の見直しにおける市街化区域への編入を予定しております。  なお,具体の編入地区の案については,現在,関係機関との調整,あるいは,市の内部的な調整を行っている状況ですので,次回,9月10日の委員会において,線引き見直し本市素案とともに,前段で説明した都市計画マスタープランの説明とあわせて報告したいと考えております。  最後に,スケジュールについて説明します。  7ページの一番下の表をごらんください。  現在,国や北海道等との調整を進めており,今後,本市の都市計画審議会において,線引き見直し案についての諮問を行い,北海道に案を送り込むことになります。その後は,北海道において公聴会の開催や国との協議・調整,さらには北海道都市計画審議会などの手続を経て,平成16年の春には決定告示される予定となっております。非常にタイトなスケジュールとなっておりますが,ご理解いただきたいと思います。 ○山田一仁 委員長  質疑を行います。 ◆村山優治 委員  前回の見直しのときに,特定保留区に指定をした17地区があるのですが,これは人口の収容の関係などもいろいろ絡んでくるのだろうと思いますけれども,どことどこが開発可能で,どことどこが不可能なのか,もう少し具体的にお示し願います。 ◎宮浦 都市計画課長  既に編入が済んでいる区域について説明します。  資料の2ページをごらんください。  まず,手稲区方面からですが,薄い水色の部分が既に編入されている地区です。一番左側の薄い緑色は,山口地区です。それから,その右側の,小さな薄い水色の区域――面積は5ヘクタール程度しかありませんが,手稲前田地区にも市街化区域に編入した地区があります。この図では,緑色に包まれた中の小さな地区ですが,ここが編入済みの部分です。  次に,白石区ですが,川北地区に小さな薄い水色がありますが,ここが編入されている地区です。それから,図の右側ですが,新札幌と書いている部分の少し上に水色の地区があります。これは,小野津幌川右岸地区です。これが4地区目です。  それから,図の少し下にも小さく薄い水色が見えますが,清田方面でも3地区,編入されている地区があります。これが清田のA地区,B地区,D地区です。  以上,7地区が編入済みの地区です。 ◆村山優治 委員  この資料によると,これからの交渉次第によっては,特定保留区の指定を解消するということですが,前回の見直しの際に行政にぜひ特定保留区に推定してほしいと要望した地区が2,000ヘクタール程度ありました。どのような基準でこの17カ所,439ヘクタールが開発確実と見きわめて特定保留区域に指定したのか。指定されなかった中にも開発可能という地域があったのではないかと思いますがどのように考えているのか,お聞かせください。 ◎小澤 計画部長  前回の第4回の見直しのときにもさまざまな要望はありましたけれども,我々としては,議会とも協議しながら,その時点で開発の確実性を判断した上で特定保留区域を決めたものと認識しております。 ◆村山優治 委員  開発を要望していて,間違いなく開発できた地域がほかにもあったと思います。開発が確実として指定を行ったにもかかわらず,開発されなかった,現時点でも開発の見込みがないということになると,これは,行政が見きわめを誤ったということになります。この行政責任についてはどのように考えているのか,お伺いします。 ◎小澤 計画部長  その時点では開発確実だという判断をしたわけですけれども,その後の経済状況の変化により開発が不可能になったものであり,これは,やむを得ないものと考えております。その原因は――宅地需要が非常に低迷しているということ。さらには,平成10年の第4回見直し時においては,平成7年までの人口動態といったものをもとに拡大人口フレームを推計しているわけですが,その時点では,都心部の高度利用住宅地よりも,郊外の住宅地において人口増加が相当多かった。都心部では逆にマイナス傾向であった。そのような状況のもとで推計した拡大人口フレームであり,特定保留地域の拡大だったのです。  しかし,その後,状況が変わり,平成10年以降については,郊外よりも都心部という傾向もあると思いますし,さらには,地価が下落してきたということで,事業採算性等の問題もあって,このような状況に変化したものと考えております。 ◆村山優治 委員  いいかげんなのだよ。  経済状況や社会状況の変化の中で都心型に変わってきた。そして,コンパクトな街づくりを行っていこうというように変化してきているのです。しかしながら,今,地価が下落してマンションが乱立している状況なのです。当然,企業も,一つの土地に対して,戸建ての住宅を建てて採算がとれるのか,集合住宅を建てて採算がとれるのかという判断をします。そんな中で,既存の密集している住宅地マンションが建つことによって迷惑,被害,弊害を起こしているということも一方にはあるわけです。  そのようなことは全然関係なく,ただ単にコンパクトな都心型の街づくりをしていくというような考え方でこの案が出てきたのではないかと思いますがどのように考えているのか,お伺いします。行き当たりばったりの政策で,我々としては,本当に行政を信用していいのかどうか,疑問に思います。どのような認識でこの都市計画マスタープランの策定を初め,街づくりを行っていくのかお伺いします。 ◎小澤 計画部長  コンパクト・シティというマスタープランの考え方についてですけれども,これは,抑制するということではなく,あくまでも適正な規模の市街地を保っていくということです。  さらに,都心部に人口が増加してきているという問題についてですけれども,あくまでも住環境は保護していくということが前提であり,高度利用住宅地ではマンション等の集合住宅がこれまで多数建設されております。そのようなこれまでの傾向を踏まえながら,今後の展望を予測すると,現状の既成市街地の中で,統計上,相当老朽化が進んでいる住宅が多いというデータもあり,それらがさらにマンション等に建てかえられていくだろうといったことを予測した上で,都心部の人口の収容を推計しているところです。 ◆村山優治 委員  前回の見直しの際に特定保留地域の指定を受けた,この17カ所のうちの7カ所しか開発が行われていないとのことでした。しかし,事前に,この17カ所は開発ができるという想定で拡大人口フレームを組んでおります。それで7カ所しか開発できないとすると,あとの10カ所で収容しようとした人口をどこに振り分ける考えなのか,お伺いします。
     それから,このほかにも市街化調整区域において大規模開発を行っておりますが,これはどの地区で何カ所,また,何ヘクタールで行っているのかお示し願います。  また,北区に近藤牧場があります。市は,一度,これを市街化区域に編入しましたが,その後,牧場主からの申し出により市街化区域から再度外した経過があります。そして,さらにその後,市は大規模開発を認めた。市街化区域であれば,固定資産税など相応の市民負担をしてもらわなければならない。本来,もらうべきものをもらわないで,そのような大規模開発を認めるということは,行政が,市民に不利益を与えることになるのではないかと思います。この点についてはどのように考えているのか,お伺いします。 ◎小澤 計画部長  第4回見直しで開発がなされなかった特定保留区域のフレーム枠をどう配分するのかということについてですけれども,これは,今回の見直しの中で,現時点での社会情勢,人口動向といったものをもとに,改めて10年後,平成22年の人口を推計することで,新たな枠の設定を行いますので,前回の保留区域のものについては,今回の見直しによりクリアされることになります。  次に,近藤牧場の件についてですけれども,これは,市街化区域に囲まれた5ヘクタール以上の農地のうち,地権者の営農心がかたく,おおむね10年以上開発の見込みがない区域について,政令において,一たん市街化区域に編入されたものでも,逆に調整区域にするということがうたわれております。  そのため,このような穴抜きで逆線引きした区域については,周辺が市街化している状況もあり,一体的な市街地を形成する観点からは,開発の見込みが立つのであれば市街化区域に編入することが望ましいと考えたものです。  これまでの見直しの中で,近藤牧場については,昭和60年に市街化区域から調整区域に逆線引きしたわけですけれども,その後,平成3年の第3回見直し,さらには,平成10年の第4回見直しの際には,地権者に対し,営農継続の意思確認をしてきましたが,本人の意思は営農するということで変化がなかったため,市街化調整区域となっていたものです。  しかし,その後,営農の意思を示していた地権者が,平成10年の第4回見直し後に亡くなり,相続人の意思により,平成11年から運用を開始している市街化調整区域での大規模開発を行うことになったものです。  したがって,私どもとしては,見直し時点で意思確認した地権者は,あくまでも営農の継続を希望していた,また,期間的にもおおむね10年以上経過しているということで,取り扱い上の誤りはなかったと認識しております。 ◎宮浦 都市計画課長  大規模開発の許可済みの地区の状況についてですが,全体で,これまでに5地区許可しております。面積は77ヘクタールです。 ◆村山優治 委員  その大規模の開発を行っている77ヘクタールの中でどれだけの人口を収容できるのですか。これをもう一度,お伺いします。  また,近藤牧場についてですが,市はここを市街化区域に入れると説明した上で編入したわけです。しかし,生涯,ここで酪農をするから,市街化調整区域に戻してほしいということになった経緯があるのです。相続が発生したから,ここを処分しなければならないという気持ちもわかるのです。しかし,この間の固定資産税等は莫大な金額になるのです。この点は,これからきちんと整理していかなければならないのではないかということを申し上げておきます。 ◎宮浦 都市計画課長  大規模開発を行っている5地区の計画人口についてですが,おおむね3,500人程度になります。 ◆村山優治 委員  第5回の見直しでは,平成22年に194万4,000人になるとの推計でした。そして,これからまた,企画調整局の所管外において,市街化調整区域における大規模開発がいろいろな地区で許可されるのだろうと思います。今後は,企画調整局でこのような街づくり,都市計画を考えているということを基盤にしながら進めていかなければならないと思うのです。  そこで,例えば,大規模開発を行いたいという申し出があり,かつ,開発局の諸条件にかなっている場合には,どのような考え方で対処していくのか,お伺いします。 ◎小澤 計画部長  現行の大規模開発制度においては,計画的な市街化を阻害しないものであれば許可することになっておりますけれども,先ほどのマスタープランの説明中にもありましたが,コンパクト・シティを念頭に置いた街づくりを行うということで,線引きでのフレームとは別個の大規模開発というものは本来矛盾するわけです。ただ,法制度上,そのような制度がありますので,現状ではやむを得ないと思いますけれども,新たに都市計画マスタープランも策定するので,今後,その中での運用について,どのように扱っていくのかということを考えていかなければならないと考えております。 ◆村山優治 委員  この都市計画マスタープランというものは,本当にすばらしく描かれているけれども,他部局との横の連携というものは行われているのでしょうか。緑,上下水道,交通,公園など,いろいろ書かれているけれども,これを見ると,企画調整局だけで見ばえのするプランニングを行っているのではないのですか。今までは住宅が建てば下水道や交通網の整備を行うという手順で街づくりを行ってきた経過があるのですが,これからは,先を見越して,このような社会整備を行っていかなければならない。そろそろ発想を転換していかなければならないだろうと思うのですが,他部局との打ち合わせは十分に行われているのですか。 ◎小澤 計画部長  これは,当然のことながら,札幌市の都市計画マスタープランとして定めるものですので,企画調整局だけでプランニングできるものではありません。当然,他局とも調整を行っております。 ◆村山優治 委員  とにかく,一生懸命に取り組んでもらわなければ困ります。これまでが余りにもいいかげん過ぎる。このことを指摘しておきます。  ばらばらな都市計画で街づくりをしてもどうにもならないわけですから,他部局と一心同体で連携してこれからの街づくりに奔走していただきたいということを,要望しておきます。 ◆湊谷隆 委員  前回の第4回見直しの際に,特定保留地域に指定した17地区のうち7地区,106ヘクタールが市街化区域に編入されました。そして,残りの保留地域について第1次,第2次見きわめという話がありましたが,これは,市の施策の変更で見直しを行ったのではなく,開発業者が諸般の事情に基づく中で開発に至らなかったということで今回の見直しに間に合わなかったということで第1次,第2次に分けて締め切ったと認識しております。  そこで,平成15年1月現在,残りの13地区はどのような状況になっているのか――完全に開発が見込めない地区がどれだけあるのでしょうか。このことを聞かなければ議論が進められませんので,まず説明願います。 ◎宮浦 都市計画課長  第4回見直し特定保留区域見直しの経過について,説明します。  まず,平成10年3月に特定保留区域に指定し,そこで各保留区域は,開発に向けてさまざまな合意形成を整えるべく動き出すのですが,行政側としては,年に一度,ヒアリングを実施してきました。これは,私どものほか,区画整理を所管する部局と開発行為を所管する部局が合同で,それぞれの地区の開発がどのように進んでいるかということを確認し,あるいは,何が問題になっているかということなどを聞きながら対応してきた経過があります。  そして,いよいよ次の線引き見直しが見えた時点で,第1次見きわめ,第2次見きわめということに至ったのですが,その前に,ある意味では,開発主体の方々あるいは関係地権者も含めて,どのような認識を持っているかということも十分に調整しながら,本当に開発を行うのか,それとも今回はあきらめるのかというような見きわめを行ってきました。そして,昨年の8月末段階では,その時点で明らかに動きのない地区,開発の展望を持てない地区――通常は,開発するとなれば,その準備だけで短くて半年,長くて1年から2年かかるものですので,そういった残りの期間を逆算した上で本当に事業化に踏み切るかどうかということの整理をしてきました。その結果,第1次見きわめの段階では3地区が残り,残りの地区は,保留解除ということで,市街化区域編入を前提とした期間内での開発はほぼ断念したという状況になりました。  ただ,断念はしましたが,保留区域全体で開発するのではなくて,できる範囲で部分的にでも開発したいという意見など,さまざまな動きがありますので,本市としては,大規模開発の許可制度もありますので,保留区域ではありますが,この制度による開発もできるということも含めて指導してきました。  第2次見きわめの段階で,3地区のうち1地区がやはり開発合意が整わず断念ということで,最終的に2地区残ったという経過です。それを踏まえて,私どもとしても,開発主体――期成会のようなところだけに周知するのではなくて,関係地権者にも郵送により周知しながら調整を図ってきました。 ◆湊谷隆 委員  やはり,手続,手順というか――委員会で,まず,第4回見直しのときの区切りを一度説明した上で第5回見直しについての説明があれば,我々もスムーズに理解できたのです。  話は変わりますけれども,大規模開発について,先ほど来,矛盾しているとの話がありましたが,10日に具体的な線引きが示されるとのことですが,大規模開発は,その条件に合致すれば認めざるを得ない。しかし,これは今後もどの地区で行われることになるのかわからないものですから,当然,この拡大人口フレームの中にも入ってこないだろうと思います。そのことが矛盾していると指摘されているのです。  これは,ここで答弁を求めても,皆さんも矛盾を感じている中でこの場に来ているので,あえて尋ねませんが,もう少しその点について,第4次見直しでこぼれたところが大規模開発制度によって救われる余地はあるのでしょうか。この件については,これからまたいろいろあるでしょうけれども,整合性というものがもう少しなければ,我々が,幾ら理論的に,あるいはまた,いろいろな資料をもらって説明を受けても,なかなか理解できないのです。そのことを私からも指摘しておきます。 ◆飯坂宗子 委員  第5回の線引きは今年度中ということで,北海道では来年3月までに決めるということで,それに先立って今月17日に本市の都市計画審議会を開催し,その場で,事実上,札幌市としての考え方を決める。それに先立って,きょうと10日の総務委員会で事の推移について私どもが説明を受けて審議するということなのです。  きょう,理事者からの説明等で明らかになったことは,今回の第5回線引きでは,人口5,000人分をふやすという丸めた説明なのです。前回,第4回のときには2万3,000人分だったので,それに比べればかなり小規模であるという説明で,具体的な地区については10日にしてくださいということなものですから,正直に言ってなかなか質疑をしづらいのです。  ほかの委員も言っておりますが,実質,総務委員会の審議は10日であると私も判断しているのです。  具体的な地区名やどのような経過で市街化調整区域から市街化区域に編入したいという詳細な話は10日に出てくると思うのですが,付近の住民から,線引きを変えることに対して,現時点で市に意見や要望などが上がっている地区があれば,その点についてきょう明らかにできるのであれば明らかにしていただきたいと思います。箇所数だけでもいいですから,明らかにしていただきたい。それから,10日の時点では,その事実経過についても詳細に説明をいただきたいと思いますがいかがか,確認しておきます。 ◎小澤 計画部長  第4回線引き見直しの際の特定保留区域の中で既に開発に着手している地区ですけれども,一部住民から,集合住宅用地としての土地利用を想定している部分について,高層の集合住宅が建設された場合の日照や眺望の問題,さらには,緑の保全の観点から開発に対して反対する旨の主張,要望が出されている地区は1地区あります。  詳細については,次回の委員会において,箇所の説明の中で行いたいと思います。 ◆飯坂宗子 委員  数年前に,円山公園周辺に15階建てのマンションの建設が予定され,住民からの反対陳情が議会に提出されたことがありました。そのときも私は総務委員でしたが,そのもとをたどると,結局,あれは住民に知らされないまま用途地域が変更されていたという点に大きな問題があったわけです。建設する側は,もう用地地域は変更になっているわけですから,建築基準法上は問題ないと突っ張るわけです。住民側は,眺望権や日照権なども含めて都市の緑をどう守るのかということで大議論になった経緯があります。  それだけに,やはり,どのように用途が変更になるのかということも含めて,とりわけ市街化調整区域から市街化区域に編入する段階で,住民への説明を事前に十分行う責務が行政にはあると思うのです。後で物が建ったときに,そのもとをたどっていけば実はもう建設可能になっていた――これではだめだと思うのです。  そのような点で,市民からいろいろ意見が上がっている地区があるということですから,その辺の経過も含めて,私は10日にもう一度議論したいと思いますが,行政側に,そのような市民の意見をきちんと聞く,それにこたえるという姿勢があるかどうか,確認します。 ◎小澤 計画部長  新市長も,市民参加の市政を進めていくということですので,私どももその姿勢を貫いていきたいと考えております。 ◆小林郁子 委員  今回の見直しについては,都市計画基礎調査の結果などをもとにしておおよそ10年後の人口,産業を収容できる市街地規模を想定したということです。そのもとになっている人口推計ですけれども,5ページを見ると,およそ10年後,2010年の人口推計が出ております。先ほどの説明では,長期総合計画は2020年の人口を見ているから,その範囲内にあるのだということでした。長期総合計画では――同じ方法だと思いますが,コーホート要因法で推計して,高位,中位,低位というものがある中で中位の数字を採用したと思うのです。今回,示されている2010年の数字は,線引きのための数字をはじき出しているわけですけれども,長期総合計画の高位,中位,低位の三つの中でいけば低位にあるのだと思います。それは,国勢調査の最近の結果などを見てということです。  そこで,5ページの一番下の表の中で,全体的な人口増加で10年後は194万4,000人になるということを示した中で,さらに,市街化区域とその他の区域を分けております。先ほどの説明では,その他の区域を先に説明して,およそこの程度の人口と推計されるから,市街化区域はこの程度の人口になるという説明だったと思うのです。市街化区域とその他の区域は,内訳まで出しておりますが,その推計の根拠をもう一度具体的に説明願います。  それから,資料の4ページで,高度利用住宅地一般住宅地郊外住宅地――便宜的にそれぞれA,B,Cと呼びますが,その5年ごとの推移を表の中で示しております。そのときに,10年たって平成2年から平成12年までの動向が変わっていることが今回の線引き見直しの大きな要因になっているわけです。その中で,高度利用地区が減少から増加に転じているということが示されているわけですが,A,B,Cそれぞれについて,2010年,10年後はどのような見通しを持っているのか,お伺いします。 ◎宮浦 都市計画課長  人口推計の根拠について,まず,第4次期長総合計画の段階での考え方についてですが,長期総合計画の前には,平成10年に議会の議決を経て策定した基本構想があります。この段階において,まず,上位,中位,下位のうち中位推計をもとに,幅を持たせて205万から210万人という人口を設定したと聞いております。これがまず第1段階です。  さらに,基本構想は平成10年にできているのですが,統計調査的には平成7年までのデータをベースに推計していたと聞いております。第4次長期総合計画は平成12年に策定しておりますが,その段階においては,その後の平成7年から10年までのデータも加味して上限値を210万とし,その上で,幅を持った無理のない趨勢値として205万から210万人という数値を決定したという経緯があると聞いております。  さらに,今回の線引き見直しにおける推計は,その後の平成10年以降の趨勢を加味して,札幌圏全体をコーホート要因法により整理し,本市分として配分を受けたものです。これは,第4次長期総合計画が幅を持って設定していた205万から210万人の間の数値におさまっているということを確認しているものです。  次に,収容力による区分であるA,B,C区分の平成22年における値についてですが,基本的に,AとBは拡大する市街地とは考えておりません。内部の土地利用転換や高度利用によって人口が収容されていくものと考えておりますので,基本的にはA,Bは拡大せず,Cの区分の市街地が拡大するという考えです。  したがって,今回の拡大人口フレームは,Cの拡大となりますので,これを面積に換算したものを加えた数値が平成22年におけるCの規模になります。 ◆小林郁子 委員  2010年のA,B,Cのおよその数値というものは出てこないのでしょうか。 ◎宮浦 都市計画課長  まず,Aは約5,000ヘクタール,Bは約6,700ヘクタール,Cが残りの1万2,000ヘクタール少々と考えております。このCの部分が平成22年には,さらに拡大すると考えております。 ◆小林郁子 委員  A,B,Cは,人口的にはどうなると考えているのですか。 ◎宮浦 都市計画課長  平成22年におけるAの人口は約66万1,000人,Bは約48万5,000人,Cは約77万6,000人ほどを見込んでおります。 ◆小林郁子 委員  A,B,Cの見通しがこれから本当に大きなポイントになってくるのだろうと思うのですけれども,そのような意味で,今回の線引きの基本的な考え方は,市街化区域についてはこれ以上余り広げないで最小限に抑えていく。これからの財政状況もありますけれども,人口構造などの中で,現在の都市能力――交通や道路,除雪などといったサービスを適正に維持していくためにも,また必要だという考え方であるのだと思っているのです。  その意味では,従来の拡大志向を変えて,これからは市街化区域の中をいかに充実させ,いかに快適なものにするかという方に力を入れていくことになるのだろうと思うのです。そして,次回説明のある都市計画マスタープランに始まって,さらに用途地域の設定や変更という流れになってくるのだろうと思うのですが,それらのスケジュールについてはどのように考えているのか,お伺いします。 ◎小澤 計画部長  都市計画マスタープランについては,本年度中の決定を目指し,現在,素案を策定中ですけれども,10日の総務委員会で説明した後,9月17日の都市計画審議会に素案を説明します。その上で,今月の下旬から10月いっぱいくらいまでは都心,さらに全区においてパネル展などのイベントを開催しながら市民意見を募集して,その意見を取り入れながら,案の修正すべきところは修正して,都市計画審議会総務委員会にも説明しながら,最終的には本年度末に決定したいと考えております。  また,その後の用途地域の見直しについてですけれども,都市計画マスタープランの策定後,検討を進め,平成17年以降に見直したいと現時点では考えております。 ◆小田信孝 委員  今の小林委員の質問の中で,部長から答弁があった市民意見の反映について伺います。もちろん民間の意見,市民意見の集約というものは大事なことですが,従来の企画調整局のパターンとしては,官主導で全部決めていけばいいのだという考え方が主流にあると私は認識しております。ところが,現在は,時代の流れによって環境が変化しており,きょう,説明された都市計画マスタープランの素案の概略中にもありますが,A3判の資料の右側の一番上に,「取り組みの全体像を定めよう」ということで「土地利用」「交通」「みどり」「その他の都市施設」ということでこれはほとんど官主導により行われる施策です。  現在,時代の変化に伴って,地域のいろいろな構造が変化しております。それによって,考えている以上に人口移動の速度が上昇しております。例えば,民間で言うと,商業地域は現在大変な不況にあって,大型店がどんどん閉鎖しております。土地の高度利用マンションが建って人口がふえていったということがありますけれども,現在,経済不況という時代の流れの中で民間の動きが激変しております。  このことを踏まえると,9月17日に審議会が開催されるわけですけれども,そのときに,あるいは,それ以後の市民意見,民間意見の集約については,今まで以上にその反映について考えていかなければならないのだと思います。そうしなければ,官と民の考え方が根本的にずれてしまうと私は強く感じるのですけれども,その点について,どう認識されているのか,お伺いします。 ◎小澤 計画部長  市民意見の件ですけれども,この都市計画マスタープランについては,平成4年の法改正により制度化されたということで,その後いろいろな状況があって若干おくれておりましたが,平成8年から検討を開始しております。その中では,公募による市民委員を委嘱することにより,市民意見を長期間にわたり取り入れております。「土地利用」「交通」「みどり」の問題にしても,市民とさまざまな意見を交換する中で,共通の認識として出てきたものを整理してきたものであり,現在の素案についても市民意見は相当程度反映されていると認識しております。9月17日の都市計画審議会以降,さまざまな手段で市民に公表して,意見を伺い,さらなる民意の反映を目指していきたいと考えております。 ◆小田信孝 委員  次回の10日にまた詳しく質問したいと思いますけれども,全庁的,横断的な意見調整というものは,企画調整局がかなり頑張らなければならないと思うのです。マスタープランですから,基本的な計画を定めればいいわけですから,その点では気が楽かもしれませんけれども,今のような時代になると,かえって横の連携を密にしなければ大変なことになると思います。その中で,企画調整局も,今までの認識よりも,全庁的な意見の集約をさらに深化させていかなければならないと思います。その意味で,10日の委員会では,ほかの局にも絡む質問が出る可能性がありますので,横の連携を深化させていただいて,全庁的,全市的な取り組みについてのやりとりももう少しできるようにしていただきたいと要望しておきます。 ◆松浦忠 委員  まず最初に,都市計画と市民生活とのかかわりについて,企画調整局長は,今回の人事異動で就任して,どのように考えているのか,どのようにとらえているのか,お伺いします。 ◎下平尾 企画調整局長  都市計画と市民生活とのかかわりについてですが,都市計画は,街づくりの根幹になる基本的な計画ですので,その目的は,当然,市民が健康で文化的な生活を営んでいけるような場をどのように設定し,それらをどのように調整していくかということだと思いますので,それをさらに,現時点から長期的にある一つの目標に向かってつくり上げていくために必要なものであると思います。極めてベーシックに市民にかかわっていくものであると考えております。 ◆松浦忠 委員  なぜ私がこのことをお尋ねしたかといえば,議会側に対する説明がきょうになって初めて行われる,そして,9月17日には都市計画審議会で決定ということです。これはどういうことなのか。都市計画というものは,市民のすべての生活にかかわることです。したがって,本来的には,もっと早いうちに議会にきちんと説明し,意見を聴取して,その中で市長と議会との調整を図り,都市計画審議会に持ち込む資料を決定するという手順を踏むべきなのです。  今回は,総務委員会に報告する気配すらなかった。そこで,担当の田中助役に,一体これはどういうことなのか,議会との協議というものをあなたは助役としてどう考えているのかと私は尋ねたのです。その結果,ようやくきょうの総務委員会の開催ということになりました。皆さんは,桂市政12年間のオール与党に近い体制の中で,とにかく議会もほどほどに……という体制になって,このように,本来やるべきことを全く軽視した状況になっているということを指摘しておきますから,ここは認識をきちんと新たにしてください。  それから,9月17日に本市として都市計画決定するということですが,それでは,9月10日までに,きょうの質疑内容などを整理して,一体どのように議会に説明するのですか。例えば,新たに市外化区域に編入しようという地区などを含めて,議会として――我々議員も市民の意見を反映するとすれば,少なくともその地区の状況を視察したりしなければならないということになるわけです。したがって,今日,初めて説明を受けて……ということでは,極めて時間的な余裕がない。  本来であれば,都市計画審議会の日程を変更しなければなりません。議会との議論を十分に行った上で,市長との間で修練して,案をまとめて,その上で,都市計画審議会で本市としての決定をして,そして北海道にその計画を提出する――このような手順を踏まなければならないことなのです。したがって,その辺の認識が皆さんは希薄だ――端的に言うと,なかったと言っても過言ではないと指摘せざるを得ないわけです。  したがって,次回の10日には,新しい市長が街づくりということについてどのように考えているのかという点について,都市計画審議会を開催する前に,私は市長に伺いたいと思っておりますから――これは改めて委員長に申し上げておきますけれども,10日の委員会には市長の出席を求めます。  そこで,質問ですが,先ほどの質疑の中で,平成11年8月から,20ヘクタール以上の大規模開発が許可されるようになったが,線引きとの整合性はどうなのかという質問に対して,矛盾しているので,今後の対応を考えていかなければならないとの答弁がありました。  私は,これもまた法律を無視した答弁ではないかと思うのです。現在のいわゆる線引き制度の中で行っていることだけでは都市計画は十分ではない。そこで,市街化調整区域であっても,大規模な開発――20ヘクタールということは一定の人口が集積する住宅地の開発になりますが,そのようなものについては認めていこうというように――昭和44年に都市計画法が施行されて以来,長期間,都市計画を行ってきた結果,ひずみが出ていて,それを修正する意味合いでそのような制度ができたと私は思うのです。  今の答弁では,線引きとの整合性がとれなくなるから,大規模開発を認めるか認めないかということについては運用面で考えていかなければならないという発言でした。そこで法律の解釈について市長にそこまで権限があると考えているのか,お伺いします。  それから,現在,市民の生活スタイルの多様化が進んでおります。その中で,例えば,退職した市民には,市外の農業地域に出かけていって,畑を借りて,農作業を行っているという方々もかなりおります。他の自治体では,農地開発を行い,そこへの移住を認めるという施策を行っていると聞いております。本市でも,例えば,市街化調整区域で営農している方々の中で,後継者もいない,その土地からはもはや農業としての生産も上げられない,だからといって農用地区域に指定されているから他に転用もできないという方々がかなりおります。  そのような観点からすると,市民の多様な生活スタイルをきちんとくみ上げて,企業にでも結構ですから,農園つきの住宅区画の開発を認めていくべきではないかと思います。そのように現在の多様な市民の生活スタイルにこたえる街づくりをすべきではないかと思いますがいかがか,お伺いします。  それから,9月1日は,全国的に地震対応の防災訓練が行われました。本市には幾つかの活断層があると言われておりますけれども,活断層地域をきちんと調査,公表して,その地域については高層住宅の建築を規制するというようなことなどをしていくべきではないかと思いますがどのように考えているのか,お伺いします。  それから,特に農業振興法について本市としてどのように考えているのか。国は,もうかなり昔からこの法律で,北海道に一定の指定面積を割り当てております。そして,北海道は,本市に割り当ててきます。しかし,現実には,もはや高齢に加えて後継者もいないため営農できなくなってきている方も存在しているのですが,このことについて本市としてはどのように考えているのか――この問題について検討したことがあるのかどうか,お伺いします。 ◎小澤 計画部長  大規模開発については,法律上の制度ですので,完全にやめるということではなくて,市街化調整区域の大規模開発については,今後は市街化調整区域にふさわしい開発を行う。市街地では立地できないようなもの――例えば,静脈産業や委員から提案のあった農園つきの住宅区画の開発などを行う。単純な住居系あるいは商業系といった開発ではなく,開発の方向を少し転換してはどうかという認識を今回の都市企画マスタープランの中にも示しております。  次に,活断層の件についてですけれども,本市の地域防災計画の中では,活断層というものはあくまで想定にすぎません。本市は,現在,市内の3カ所に高深度の地震計を設置して活断層の調査ということで3年計画で観測しております。その中で,活断層が確定してくれば委員ご指摘のような話にもなろうかと思いますけれども,現時点では,明確な断層ではなく,あくまでも防災計画上の想定であるとの認識です。  次に,農業振興法の問題点についてですけれども,これは非常に難しい問題であると考えております。現在,大規模開発が進んでいる地区については,一応,農業振興法の問題はクリアしている地区だと認識しております。 ◆松浦忠 委員  活断層の関係は,例えば,過去に発生した地震から,地域別の統計などを調べることができます。そのような統計や記録などを調べて,多発している地区では高層住宅を規制するなど,さまざまな方法があると思います。地震計によって調べるだけでは,これから起きることに対処することができません。したがって,もっとそのように調べてみるべきだと思います。  それから,農業振興法については――例えば一つの例を挙げれば,長い間,地域住民が農用地区域から外してほしいと強く要望しても外さなかった東米里地区の指定を平成5年度に突然外して,そして,平成6年には白石清掃工場,東部下水処理場を建設するという計画が発表される。そして,地域住民はこれに反対するけれども,市は強行する――このようなことがありました。そして一方では,有明地区がその代替として農用地区域に指定されました。  ところが,その有明地区の営農者で,失明して農業ができなくなっていた人がいました。そのため,その人は農用地区域の指定に反対したけれども,結局指定されてしまった。そのため,5年後の見直しで,その地区だけを,指定から外したということがありました。  このように,本市においては,農業振興法の適用が実態にそぐわない部分がかなりあるのです。したがって,そのようなものを札幌市の都市計画の中でどう見直すか,国とどう協議するかということを,きちんと考えなければなりません。単に,農務部,経済局の所管事項の問題だということではないのです。街づくりの基本にかかわる大事な問題なのです。  その当時,有明で代替指定された人から苦情が来て,関係部局と話をしたところ,営農できないのであれば土地を売ればいいではないか。食えなくなったら生活保護を受けたらいいではないかと――これが市の意見だったのです。そこで,私は,認識が違うと指摘したけれども,やはりその程度が行政の認識かと思いました。それは,今もそう変わっていないと思っております。したがって,そのようなことも都市計画の中できちんと状況を見て,そしてとらえていかなければならない。  本来であれば,市長はきょうの委員会に出席して,どのような観点で今度の街づくりを考えているかということを,議会側に説明してしかるべきだと思うのです。  きょう改めて,皆さんはどのような認識で街づくりに携わっているのかということを尋ねました。企画調整局長の答弁は,まさに模範的な答弁です。しかし,現実に直面している市内のそのような状況をどのようにとらえて,それをどのように変えようとするのか。農業振興法について言えば,それが全く考えられていない。それから,線引きの内容についても,先ほど今までと違う特色のある大規模開発についてはぜひ許可していきたいと言うけれども,法律上,そのようなことができるのですか。  市長にそこまでの裁量権があるのであれば,それは大いに結構なことです。我々もそのような角度で市民の意見をくみ上げて,市長に対して,大いに取り組んでいただきたいと,いろいろ提起していきたいと思います。  そこで,農業振興法については,今回の線引き見直しの中で,どのように審議会に諮ろうと考えているのか。きょうの段階で方針が決定しているのであれば,お示し願います。 ◎小澤 計画部長  10日の総務委員会までに整理させていただきたいと思います。 ◆松浦忠 委員  10日でなければ審議が深まらないようですから,10日の委員会における市長の出席を求めて終わります。 ○山田一仁 委員長  以上で,本日の委員会を閉会いたします。     ──────────────       閉 会 午前11時43分...