まず,知的障がいのある方が利用される
施設については,
入所,そして
通所施設,
小規模作業所,
グループホーム等があるわけでありますが,その中で本市における
入所及び
通所施設の
整備状況はどうなっているのか。また,ほかの
都市と比較して
現状はどうなっているのか。そして,今後の本市の
整備計画についてもお聞きしたいと
思います。
次に,ただいま
陳情者の方が述べられたように,
札幌市においては,知的障がい者の
方々のための
公立の
施設は2カ所あるわけでありますが,いずれも
通所施設であります。
入所施設については,今の
説明のように,
公立の
施設は1カ所もないのが
現状であります。そういう
状況の中から,
公立の
施設整備を求める声もたくさんあるわけであります。過去には,ほんの一部の
民間の
施設においてではありますけれ
ども,半ば強制的な
寄附金集めと誤解されるようなことが
指摘されたこともあったわけであります。今回の
陳情も,そういうことが
一つの
側面にあるのではないかなと
思います。
そこで,2点目の
質問でありますが,本市として,
公立の
入所施設の
必要性についてどのように考えているのか,お聞きしたいと
思います。
次に,今回の
陳情のように
入所施設を求める声もある一方で,障がいのある方やその
家族の
方々には,
施設から
地域への
移行を望んでいる声も同じぐらいあると私は
思います。そこで,
地域生活への
移行の手段の
一つとしては
グループホームが考えられるわけでありますが,日中の
生活や活動の場の提供も重要な
課題であるわけであります。
在宅施策としての
グループホームの
設置についても,どのような
計画を持たれているのか。
以上,3点お聞きしたいと
思います。
◎
岡田 障害福祉担当部長 一括して,ご
答弁をさせていただきます。
1点目の
札幌市における知的障がい
者施設の
整備の
現状と今後の
計画についてでございますが,現在,
入所施設につきましては17カ所,
施設定員は949人,
通所施設では18カ所,分譲も含めた
定員は915人となっております。
そこで,他
都市との比較についてでございますけれ
ども,18歳以上の
療育手帳の
交付者に対する
入所施設の
定員数との
比較割合は,これは13年度末の
数字でございますが,14.8%ということで,12
政令指定都市中,
整備率は一番でございます。また,
通所施設では13.3%ということで,8番目となっております。
また,今後の
計画についてでありますけれ
ども,過日,作成いたしました
札幌市
障害者保健福祉計画の中でも,
病院あるいは
施設から
地域への
移行推進ということを
重点課題としてございます。そのための
在宅施策を充実させるべく,
通所施設を重点的に
整備をしてまいりたいと考えております。
入所施設の
新設整備につきましては,障がいのある
方々のニーズの把握,あるいは国の
入所施設抑制方針というものがございますけれ
ども,これらとの
整合性を図りながら慎重に
検討していく必要があろうかと考えております。
次に,2点目の
公立の
入所施設の
必要性についてでございます。
委員がご
指摘のように,
札幌市には
公立の
入所施設は
整備されておりませんが,
先ほども申し上げましたけれ
ども,
社会福祉法人による
入所施設というのが17カ所ございます。また,この10月には,50人
定員の知的障がい
者入所施設が北区に開設されます。こういったように,
民間によります
施設整備が進んでおります。そんなことから,私
どもといたしましては,今後の
福祉の広がりということを考えた場合,こうした
民間主導による動きというのは十分尊重し,また歓迎すべきものであると考えております。
したがいまして,
公立施設につきましては,基本的には,
経費面でありますとか,
民間による
整備が極めて困難なもの,あるいは,現在,私
どもが
整備を進めようとしております
自閉症者施設,こういった専門的なものに限定せざるを得ないのではないかと考えておりますけれ
ども,なお,これにつきましては,軽々に判断することなく,慎重に
検討させていただきたいと思っております。
また,
委員がご
指摘になりました一部の
施設において,運営に適正を欠いたということにつきましては,まことに遺憾なことでございます。その重要な
社会的使命にかんがみ,かかることのないよう今後とも十分な
指導を徹底していきたいと考えております。
次に,3点目の
在宅施策としての
グループホームの
設置についてでございます。
これも,ことしの3月に
札幌市
障害者保健福祉計画を立ててございますけれ
ども,この中でも,
施設,
病院から
地域への
移行推進を
重点課題としてございます。そのための
施策として,
グループホームを今後10年間で200カ所
設置する
計画であります。
また,
先ほど委員の
お話にありましたように,単に
居住場所を確保しただけでは本当の
意味での
地域移行にはなりません。したがいまして,
日中活動の場としての
通所施設の
整備とか
デイサービス事業などの拡充を図っていく中で,
地域生活の
支援を十分にしていきたいと考えております。
なお,
グループホームの
設置に関しましては,
社会福祉法人等で構成されます
施設連絡協議会がこの7月に実施した
アンケート調査によりますと,
平成16年度から20年度にかけまして,この5年間で84カ所ほどの
グループホームの
設置予定があり,今後とも,
入所施設を運営する
社会福祉法人においても
地域への
移行を目指していくと聞いてございます。
◆
村松正海 委員 私は,
福祉というのは,
先ほど述べさせていただいたように,
サービスを受ける者が
自己選択するというか,
自己決定する,
施設なのか
在宅なのか,みずから選択できることが大変重要なことだと思っております。そんな中で,今回の
陳情にある,
高齢の知的障がいのある
方々の将来を考えると,大変深刻な訴えではないかと私は
思います。
今後とも,今回の
陳情を真摯に受けとめていただいて,そして,人に優しい
まちづくりといいますか,ひいては
福祉の
まち札幌の実現を目指して,
全力投球といいますか,今までもそうでありますけれ
ども,今まで以上に
福祉施策を行っていただきたいと
思います。
◆伊与
部敏雄 委員 私からも,数点お尋ねします。
まず最初に,
先ほど佐瀬さんから
お話があったように,去年も,
高齢知的障がい者の
入所施設の
新設を求める
陳情が,
あかしあ
学園の
あかしあグループから出てきました。今回は,
高齢知的障がい者の
入所施設建設期成会という
団体名で出されてきています。
失礼でしたが,
先ほど私は
陳情者に
年齢を聞いたけれ
ども,71歳の
お母さんが41歳の
子供さんを
通所しながら
在宅で介護しているとの
お話でした。問題は,「
高齢」ということ,
高齢知的障がい者の「
高齢」ですが,あなた
たちは,知的障がい者は何歳から
高齢と
認識しているのか。
高齢と言ってもいろいろあります。知的障がい者の
高齢というのは何歳以上を「
高齢」と言うのか。
行政側は,どういう
認識に立ってこの「
高齢」という受け取り方をしているのか,冒頭にそこをお聞きしたい。
◎
岡田 障害福祉担当部長 老人福祉法等による
サービスの
対象者は原則として65歳以上,あるいはまた,
介護保険の
適用年齢も65歳以上となってございます。そんなことで,一般的に,
高齢者とは65歳以上の方と
認識をしてございます。
ただ,国による知的障がい者の
高齢化対応検討委員会の
報告書があるのですが,その中には,知的障がいのある方には,一部ではありますけれ
ども,
早期老化の傾向があるという報告がなされております。こういったことから,65歳というのが必ずしも
高齢知的障がい者に当てはまるとは考えにくいという面はございます。
◆伊与
部敏雄 委員 原則的にはとか,一般的にはと,65歳以上というのは
特別養護老人ホームでも入れるような
年齢です。ここであえて「
高齢知的障害者の」という位置づけで
陳情しなくても,65歳以上になったら一般的には
介護保険制度の適用もされるし,
老人福祉法も適用される。今,
部長が言っている65歳の人なら,さっきの
佐瀬さんの
説明を例に挙げますと,41歳の
子供さんがこれから24年たって65歳以上にならなかったら,
介護保険とか
老人福祉法が適用されない。65歳以上ということになれば,親が何歳になるのですか,九十何歳になりますよ。九十何歳のお年寄りが65歳まで
子供の面倒を見れますか,ずばり言って。私は見れないと思う,はっきり言って親が死んでしまう。100歳まで生きて,100歳まで
子供の面倒を見るというのは,これはなかなか大変なことだと私は
思いますよ,率直に言って。だから,
高齢知的障がい者の「
高齢」の
認識として,
部長が今
説明した,そんな65歳なんていう
言葉が出てくるようでは,あなた
たちは心が入っていないのですよ。
お父さんや
お母さんが若くて
子供が小さいときは何とか面倒を見ていけるけれ
ども,40歳になって親が70歳,80歳になったら,面倒を見たくても面倒見切れないのが問題なのだ。
子供さんは,知的障がい者に産んでくれと頼んで産んでもらったわけではないのだから,親だって,知的障がい者を産もうと思って産んだわけではないのだから。
そういう中で,今現在どういう
状況にあるかといったら,これは大変なことで,やはり
行政が手を差し伸べてやらなかったら,親が死んだらこの
人たちはどうなるのか。
佐瀬さんのうちの
お母さんが亡くなったら,41歳の
子供さんはどうなるのですか。どうすればいいのですか,具体的に。だれも介護する人がいなくなってしまうのだから,介護するのは困難でしょう。だから,私は,少なくとも知的障がい者は40歳が限度だと思っている。
ところが,語弊があるかもしれないけれ
ども,昔は,平たく言うと知的障がい者は
健常者よりも早く亡くなるという風評がありましたよ。今は,社会的にも医学的にも進んで,50歳も,60歳も,70歳まで,知的障がい者でも長生きしている。
そういう
状態の中で,親が面倒を見られる
年齢の
限界といったら,僕は,知的障がい者の
子供さんは40歳が
限界でないかなと,私自身はそういうふうな感じで受けとめている。
行政として,あなたはさっき
高齢知的障がい者は65歳と言ったが,そんな
認識ではだめだと私は
思います。40歳以上になったら,親はもう80歳,90歳になってしまうのだから,親はもう面倒見切れない。
そういうことを考えれば,
部長,
行政として
高齢知的障がい者の
年齢の
限界はどの辺に置くのか,いま一度
答弁してください。
◎
岡田 障害福祉担当部長 一般的という考えから
お話をさせていただいたのでございますけれ
ども,
委員がおっしゃるように,確かに,
介護力等々から,そういう見方や
側面もあろうかと思ってございます。
◆伊与
部敏雄 委員 ようやく40歳以上という声が出てきました。
そうすると,これは私が原局からいただいた資料ですけれ
ども,今,18歳以上の障がいを持っている人は5,621名,未満を入れると7,706人,
市内市外を含めて知的障がい者の
入所,
通所を含めて2,645人,その中で,
先ほどご
答弁にあったように17
施設でわずか949人,そういうふうな
数字が手元にあります。40歳以上の知的障がい者を
高齢者とした場合,現在,こういう
施設に
入所している要するに40歳以上の
高齢者,これはどのぐらいおりますか。
そしてまた,40歳以上の
方々を,市は
行政としてこれからどのように取り扱おうとしているのか,ひとつこれをお聞かせください。
◎
岡田 障害福祉担当部長 委員がご
指摘のとおり,ことし4月1日現在における
市内の知的障がい者の
入所施設は17カ所,
定員949名ということで,
入所者数は942名でございます。
ちなみに,その
年齢構成についてでございますけれ
ども,10代から20代までが262名,30代が242名,40代が212名,50代の方が155名,60代以上の方が71名となってございますが,
先ほど委員がおっしゃられました40歳以上の方の人数といいますと,438名ということで全体の
構成比は46.5%と計算をしてございます。
そこで,これらの
方々に対する処遇についてでございますけれ
ども,
先ほど来お答えしておりますが,
デイサービスや
ホームヘルプなどの
在宅施策の充実,あるいは
グループホームの
整備等により
生活の場を確保し,そして,
地域生活への
移行を促進していけるような体制の
整備,また,その
基盤整備を図っていきたいと考えてございます。
◆伊与
部敏雄 委員 部長,私は今40歳以上と言いましたけれ
ども,40歳以上は全部で46.5%になると。これは,現時点でそうなのでしょう。来年になったら,39歳の人は40歳になるのです。再来年になったら38歳の人が40歳になる。どんどんどんどんふえていくのですよ,率直に言って。
そこで,今,
部長は
地域生活への
移行を促進すると言っていますけれ
ども,一方で,
入所施設が必要な
方々はだんだん圧倒的に多くなっていくのです。だからと言って,
公立の
入所施設を
設置するには,どうしても土地だとか建物だとか,それから
ランニングコスト,
入所しての
維持管理費,これは相当かかると思うのです,はっきり言って。ことし
基本設計に入る東雁来に建つ
自閉症の
施設では,
静療院から
移行して
年齢の高い
方々が30人入れる
施設をつくろうとしているのですが,30人の
施設を
一つつくるとしたら,
土地代,
建設費,それから
ランニングコストはどのぐらい必要なのですか。
◎
岡田 障害福祉担当部長 公立で
施設を
設置した場合の
費用,経費についてでございますけれ
ども,
委員のご
指摘がありました
自閉症者専門施設は今年度に
基本設計を行ってございまして,これはあくまでも
試算でございますが,
建設費で約11億円,
用地取得費として約6億円を想定してございます。また,
ランニングコストにつきましては,これは
基本設計が完了しなければ
試算が困難でありますが,
既存の
公立通所更生施設ということで第二
かしわ学園を例にとりますと,これは
人件費が主になるのでしょうけれ
ども,年間約1億3,000万円となってございます。
◆伊与
部敏雄 委員 要するに,
土地代,
建物代,
ランニングコスト,これは相当
費用がかかるということです。
そこで,私も,こういう今の
札幌市の
現状を見て,財政的にも非常に厳しい
状況で,すぐ何十億円というお金を右から左に使えるような
状況でないことは知っています。だから,あなた
たちはみんな頭がいいのだから,もっと工夫というか,工面を考えられないかというふうに私は思う。例えば,
札幌市の持っている
遊休施設ですが,これは本当にいろいろあります。中央区にもあるし,
先ほど陳情者が言った
交通利便なところで遊んでいるところもたくさんある,はっきり言って。そういう
遊休施設とか
既存施設を何か有効に使うことを考えたことがありますか,ないですか。
◎
岡田 障害福祉担当部長 今,
委員からご
指摘がございました主に
遊休施設を利用してということでございますけれ
ども,これにつきましては,本当に貴重な提言だということで,
十分検討させていただきたいと考えております。また,
既存の
入所施設におきましても,
施設の改築あるいは
改修等に当たっては,
バリアフリー化などの
高齢化仕様といいましょうか,
高齢化対応を視野に入れた
施設の
あり方について関係の
事業者とも
十分検討をしてきたいと考えてございます。
◆伊与
部敏雄 委員 最後になるかもしれませんが,いずれにしても,親が面倒を見られるときは
自分の
子供は何とか
自分の手で育てていこうという親の
思いは,だれだって同じだと
思います,率直に言って。特に,知的障がいのある方の
高齢化への
対応は,
施設をつくればいいという問題ではない。しかし,
施設はつくらなくてはならないのです。どうしても
入所しなくてはならない客観的,
社会的状況が必ず生まれてくるわけです。知的障がい者は病人ではない,薬を飲ませても,注射を打ってもなかなか治らない,ずっとそのままになっている。財政的にも非常に厳しい
状況の中ですが,そういう
社会的弱者に対して温かい手を差し伸べてやるというのが
行政です。さらに,
行政だけでなしに,
議会も市民も,みんなで一体となって取り組んでやらなければならない問題だ,僕はそう
思います。
したがって,我々
議会も真剣に受けとめますけれ
ども,この
陳情を
行政としてどうしっかりと受けとめて,今後どのような
対応をしていくつもりか,これを
最後に聞かせてください。
◎
岡田 障害福祉担当部長 今後の
対応についてでございますけれ
ども,
委員がご
指摘の点については,私
どもも十分理解してございます。そんなことで,今後とも,知的障がいのある方やそのご
家族の声には謙虚に耳を傾けていかなくてはならないと思ってございます。
そこで,私
どもといたしましては,さまざまな角度から総合的に分析をさせていただき,
高齢知的障がい者の
支援についてどうあるべきなのか,あるいはどうすべきなのかということにつきましては,
十分検討をさせていただきたいと思っております。
◆伊与
部敏雄 議員 前向きに
検討してください。後向きで
検討するのではなくて,ひとつ十分に前向きな
検討をしていただくことを要望して,終わります。
◆
柿崎勲 委員 今の話を聞いていて,
陳情者が求められている公的な
入所施設というものは,
大変お金がかかるし,なかなかきついのかなという印象を受けました。
しかしながら,
陳情者の
公的施設を建ててもらいたいのだというもともとの
思いというのは,
陳情者の
お話にもありましたように,
運営費の不適切な使用とか,
年金寄附の取り扱いについての
不信だとか,そういうものが
民間施設に対してあって,親としては何とか
公立でなければ
自分たちの
思いが届かないのだという
思いがあって
公立施設をお願いしている。
私立の
社会福祉法人の18カ所目をこのたびつくるのだということで,19カ所,20カ所というふうになっていけば,
入所待機の
人たちも十分に入っていかれるのでしょう。けれ
ども,まずもって
不信とか,
子供たちが人質にとられているという
状態の
お話を間々聞かされることから,さっきの
答弁のように,今後とも
指導を徹底していきたいとか求めるという
お話だけでは,やはり
公立施設が必要だとなりますよ。現実として,
先ほどの
お話のように,第二
かしわだとか,それぞれ
自分の
子供を
通所させている
人たちの
仲間が集まって
期成会をつくられています。これは,そういう
方々の
思いとして,
仲間で口々に
不信を
お話しされているからこそ,
自分たちがやらなければということでつくられているものなのだろうと思うのです。
そこで,2度と出てはいけないということで
議会の中で何回も
お話をされているのでしょうけれ
ども,
年金寄附行為をさせている
事柄等について,親御さん,預ける側に,断じてそんなことはない,
民間も
公立もそういう
意味では同じだというふうな
お話でなければ,これからもずっと
公立を求めるということになりはしないかと思うものですから,ご
答弁いただきたい。
◎
岡田 障害福祉担当部長 基本的に,
民間であれ
公立であれ,やはりその使命というのは
福祉という形の中で大変重いものがあろうと
認識してございます。
先ほどもご
質問にお答えいたしましたけれ
ども,そういった
社会的使命にかんがみれば,いささかなりともそういう信頼を損なうような行為があったとすれば,これは本当に遺憾なことでございますので,
先ほどの
答弁の繰り返しになるのかもわかりませんが,その辺はしっかりと受けとめて,
関係部局とも
十分連携をとりながら,そのようなことのないようにしていきたいと思っております。
◆
柿崎勲 委員 監査指導室もあって,
民間施設に対する
指導というのはそういう方面からもしっかりやっておられるということは存じ上げているのですけれ
ども,要するに,具体的に今も聞くのですよ。私は具体的には言いませんが,今もどこかの
施設で聞くということは,
子供を持っていない私
たちでさえも聞くわけですから,持っている
人たちは,なおさらのこと,切実な
思いをされて,それは,
施設そのものに対する
不信ではあるけれ
ども,
指導が行き届かない
行政に対する
不信につながってくることになるのだろうと
思います。
これ以上の
答弁は求めませんけれ
ども,
不信を払拭するほどの徹底した
指導を求めたいというふうに
思います。
◆
小川勝美 委員 私も,今の問題が一番大事な点で今回の
陳情が出ているのではないかなと,こんなふうに思うのです。
市立の
かしわ学園に
子供を通わせている方,それから第二
かしわに通わせている方,いわゆる
市立,
公立の
通所施設に通わせている方がいて,その
子供たちが30代,40代になってきた,そして
親たちも70歳を越えてきた,
自分が亡くなった後,この
子供は安心して
生活し,本当に
在宅で生きていくことが可能なのか,
在宅ではやはり無理だろう,そうであれば,親がいないときには安心できる
施設に預けられて,
自分の亡き後もこの
子供がそこで安心して
生活できるようにしてほしい,これが
佐瀬さん
たちの切実な声だと思うのです。そのときに一番大事なのは,
自分たちは今は
公立の
あかしあ
学園とか第二
かしわに入れている,
私立の
施設では,障がい者のために出ている年金が,
父母会を通じての
寄附というようなさまざまな名目で強制的に巻き上げられている,そういうことが今までも新聞で報道されたり,また,この
議会で何度か議論されたりしてきている,それならやはり安心できない,だから,
札幌市立で
通所施設を2カ所つくっているのだから,
公立で,
札幌市立で
入所施設もぜひつくってほしい,こういう
思いがあるのだと思うのです。
先ほどの
部長の
答弁だと,
市内には17の
民間施設もある,そして,ことしは北区にさらに50人
定員の
施設が1カ所できるのだと。しかし,今
お話がありましたように,これも含めて
民間ですね。それから,いろいろ
計画を立てているけれ
ども,
グループホームも
公立ではない。全部,
福祉法人であったり,
グループホームの場合はNPOであったり,場合によっては
有限会社でもやれるようなことになってきているのでしょう。利益を目的とした
株式会社でもやれる。そんなところで200人も
定員がふえていくのだなんで言われても,今
陳情している
人たちにとっては本当に安心できるのだろうか。逆に,
株式会社や
有限会社などが
グループホームに参入してきたら余計不安になるのではないか。
福祉法人でさえ,
父母会だとかいろいろな形でトンネルにしながら,
先ほどの
佐瀬さんの
言葉をかりれば,「子
どもがとられている。だから泣き寝入りしている」という
言葉を使われています。だから,泣き寝入りしていて表に出ていないという
可能性もあるわけです。
民間の
福祉法人が全部そんなことをしているとは私は思わないけれ
ども,そういうことがあるものだから,それ以外のところに拡大していくのは余計不安になる。やはり,
公立施設がつくられてほしいのだという
思いが,去年の
提出なり,今回の再
提出になっているのではないかと思うのです。
こういう
佐瀬さん
たちの
公立でつくってほしいという
思いについて,どんなふうに受けとめられておられるのか。
また,
先ほど,
公立については慎重に
検討していきたいという
答弁がありました。
在宅福祉が重視されていくのはよくわかりますけれ
ども,必要なときに
施設に入れるという安心感があって初めて
在宅福祉が成り立つのです。希望しても
施設に入れない中で,やむなく
在宅にいるということであったら,
在宅では安心できないわけです。
その辺のことも含めて,まず第1点は,こういう
陳情に対してどういう
思いで取り組んでいかれるのか,どのように思って受けとめられているのか,お尋ねしたいと
思います。
◎
岡田 障害福祉担当部長 公立,
民間を問わず,私
どもは,あくまでも,決して
入所施設を看過したり,あるいは,もうこれでいいということではなくて,依然として
入所施設が必要な方もおられる考えております。国の方針なり時代の流れの中で
在宅サービスへとシフトは変わってきておりますけれ
ども,その辺のことは両にらみをしながら
十分検討させていただきたいと
先ほどからお答えしているのであります。
それから,
先ほど柿崎
委員の方からも
お話がございましたけれ
ども,私
どもは,これに連動いたしまして,
民間施設を活性化していく,あるいは,
民間施設を有効に利用していくということになってきますと,その表裏一体として,そういう不祥事といったようなことはあってはならないことであります。それなりの
行政責任も痛切に感じてございますので,
先ほどもご
答弁させていただきましたように,絶対にそういうことのないように私
たちもしっかりと受けとめていきたいと思っております。
◆
小川勝美 委員 公立に通わせている父母が中心ですし,もちろん
通所で親のところから通っているわけですから,いわゆる年金の流用だとかなんとかというのはないわけです。しかし,
施設に入ったら,この
議会でも何度か報告になったり論議されたような形で,障がい者に出ている障害年金を
施設が全部取り上げてしまう,流用してしまう,親は,わかっていても,
佐瀬さんの
言葉をかりれば「泣き寝入りしている」と,こんな
状態が,今まで問題になった
施設だけではなくて,ほかでもあるなどということになったら絶対に許されないことだと思うのです。そういう面では,
公立でやられている必要な
サービスと同じことが,
福祉法人の
施設でもきちんとやられていく,適正な運営がやられる,このことについては本当に市がきっちりやって,親の
不信が生まれないようにしていくことがまず大前提なのです。そうでなかったら
公立で建ててくれと言うのは当然ですから,ここはそういうことをきちんとやってもらうように強く求めておきたいと
思います。
それから,
在宅にシフトしていくということですけれ
ども,
お母さんがいるうちはいいです。しかし,ことしから
支援費になって自己責任だ,契約だと言われても,知的障がいの
人たちにすると,
家族がいなくなっていったときに,成年後見
制度などがあるけれ
ども,実際にそれがうまく使われていくかどうか。これら
高齢の知的障がい者の方
たちが
在宅で安心して
生活できるサポート体制がきちんと
整備されているのか,あるいは,これから仮に親が亡くなったとしても,
支援費によってひとりで
在宅生活をしている
人たちに不利益なことが起こらないような形で成年後見
制度がきちんと活用されていくのかどうか,大丈夫だ,
在宅で安心だと言い切れるのか,この辺のお考えについてお尋ねをしたいと
思います。
◎
岡田 障害福祉担当部長 判断能力が十分でない知的障がい者の方に対して適正な
サービスを供給する場合の法的な
支援としては,
先ほど委員がおっしゃられました成年後見
制度ということがまず挙げられます。そのほかに,私
ども札幌市の社会
福祉協
議会で実施してございます
地域福祉権利擁護事業ですが,これは,今ほどの成年後見
制度を補完するものでありますけれ
ども,そういったものを利用していただいて,そんな中で
福祉サービスの情報提供とか利用の援助を受けることができることになってございます。
また,障害者安心相談事業ということもやってございまして,これは専門のカウンセラー,弁護士といった
方々による相談でございますので,その辺は大丈夫なのかなと
思います。さらに,
地域療育等
施設支援事業は,今年度,
議会の承認を得まして,箇所数を何カ所かふやさせていただきました。このように,障がいのある
方々の
在宅の
地域生活を支えるために,いわゆるコーディネーターの方が中心になって各種の相談に応じるということも充実してございます。
そういった
方々といいましょうか,そういう
施策,事業を有効に結びつけていく中で,いささかなりともそういう漏れのないような体制は図っているつもりですし,これからもそれについては努力をしてまいりたいと考えております。
◆
小川勝美 委員 今の成年後見
制度の件ですけれ
ども,弁護士を頼めば弁護士に対して報酬を払っていかなければなりません。しかし,現実には,障害年金だけで
在宅で
生活することになります。あるいは,親の遺産があってという方もいるかもしれないけれ
ども,普通であればそうではなく,障害年金で不足する部分は
生活保護を受けながらということになると,
生活保護の中で成年後見
制度を使って弁護士報酬を払っていくのは非常に難しいのではないかと
思います。実際にそのようなことを容易に利用できるのかどうか,その辺のことについてまずお尋ねをしたいと
思います。
それだけに,
陳情者が
陳情を出されているように,
在宅で暮らすよりも,安心できる
施設に入れば,そういうことも含めて本当に安心できるのだということになると思うのです。そういう面で,
高齢になってくると,65歳を過ぎれば
介護保険が適用になっていくわけですけれ
ども,
介護保険だと今度は要介護認定が問題になります。いわゆる調査項目でいきますと,
高齢の知的障がいがあるからといって高く判定が出るということになりません。また,
札幌で言うと,この4月から,特養には優先入居
制度ということですが,介護度が4とか5で,介護度5なんていうのは寝たきり
状態ですけれ
ども,そんな人でなければ特養には入れない。そうなると,
特別養護老人ホームということではなく,どうしても障がい者の
施設をきちんと
整備をして,必要な方には障がい
者施設に入ってもらうことにならざるを得ないと思うのですけれ
ども,この辺の考え方もお尋ねしたいと
思います。
◎
岡田 障害福祉担当部長 まず,
先ほどの成年後見
制度ですけれ
ども,せっかくそういう
制度がありますが,
費用的な関係からなかなかそれを利用できない人もいるのではないかというようなお尋ねでございます。
札幌市では,こうした場合を想定しまして,成年後見
制度利用
支援事業ということで,身寄りのない知的障がい者の方もこの事業を利用されておりますし,
生活保護を受給されて負担能力のない方についても,
札幌市がかわってその
費用をお支払いするというような仕組みになってございますので,これは,
費用の負担能力によって利用をすることができないということにはなっておりません。
それから,
委員がおっしゃられているのは,
支援費の関係と介護の関係だと
思いますけれ
ども,
介護保険につきましては65歳から適用なります。ただ,
介護保険の方で,例えば移動介護といった固有の
サービスについては
支援費の方にありまして,抱き合わせで利用できるということになっております。また,
ホームヘルプサービスにつきましても,
介護保険制度での支給量が少ない場合は,
介護保険と
支援費制度の併用によって支給量を確保できるようになってございますので,
介護保険と
支援費,特養に入る入らないといったような格好での有利,不利はないと考えております。
ただ,
委員が段々の中でおっしゃられておりますが,有利,不利というのは,それぞれ固有の
制度でございますから,違いがあるのは当然なのでしょうけれ
ども,
委員もご存じのとおり,
介護保険制度というのは何年かかけて本当にじっくり論議をしながら
制度を発足させたという経緯もございます。しかし,措置費につきましては,短期間で,いわば見切り発車といいましょうか,こういうことを言うと語弊があるかと
思いますけれ
ども,そういったこともございまして,なかなかわかりづらいと。そして,いまだにいろいろなことで混乱が生じているという部分が全くないわけではありません。そんなことで,私
どもは,常々,国とのやりとりの中で,事務レベルではこれはおかしいのではないかといったようなことも話し合っております。これにつきましては,
政令指定都市の主管局長会議あるいは課長会議というようなことで,
支援費全般にわたってそごのないようにお願いをしたいと訴えております。
ちなみに,
介護保険制度は,これは正式な報道ではございませんが,5年経過という中で
平成17年度には見直しをされるのだというようなことを聞いてございますけれ
ども,その際に,
支援費制度についても,どうあるべきか,どう続けていくべきかというようなことが並行審議されるかと思ってございます。
◆
小川勝美 委員 介護保険制度は,障がい者であっても,65歳を超えると,障害
施策よりも
介護保険の給付を優先するというふうになっているのです。そういうことから,
高齢知的障がい者が65歳以上になると,
施設入所が必要な
人たちは要介護認定を受けて,介護度が1とか2というふうになったりします。この4月から
札幌市がやった優先入居
制度では,
介護保険で言うと4とか5の人しか特養ホームに入れなくなっていますから,そうすると,
高齢の知的障がい者の場合,知的障がいがあっても要介護認定が低かったらなかなか入れないということになってしまいます。それなら,特養ではなく,
支援費にかかわっての
施設入所という形で,
高齢になって65歳過ぎても,要介護認定を受けずに
支援費で障がい
者施設に
入所していく道を選ばないと,
介護保険を使ったら逆に不利になるのではないかという心配をするものですから,お尋ねをしております。
同時に,そのために障がい者の
施設をきちんと
整備していかないと,この
人たちも,みんな40歳から入れないのに
介護保険料を障害年金の中から払わなければいけないのです。それでいて実際には
サービスを受けられなくなりますから,その辺のことも含めて,やはり必要な障がい者の
施設整備はきちんとやるべきだと
思います。
この点,改めて,もう一回お尋ねをしておきます。
◎
岡田 障害福祉担当部長 委員から段々の
お話がありましたけれ
ども,そういったような整理を行い,いろいろな場面,
状況といったものを両にらみしながら,不足するといいましょうか,足りない部分についてはそれを補うような格好で国なり何なりに要望していきたいと思っております。
◆佐藤典子
委員 2003年3月に,
札幌市
障害者保健福祉計画が策定されています。その目的は,
地域で自立した
生活を送ることができる共生社会の実現ということで書かれています。そして,今,
佐瀬さんがご
自分の
年齢を言われましたけれ
ども,71歳の方が41歳のお子さんの介護をするという非常に厳しい
状況の中で,ご
自分も介護が必要であるにもかかわらず,お子さんのことが心配であるという本当に悲痛な
思いで今回の
陳情を出されているというふうに私も受けとめています。
そして,
先ほどから出ておりますが,
入所者数の約半分が40歳を超えているというように,
高齢知的障がいを持たれている方の
状況が広がっている中で,
札幌市としては,
高齢知的障がい者への
施策を具体的にどのように考えておられるのか,これまでの
質疑と重複するかもしれませんが,まず,お聞きしたいと
思います。
◎
岡田 障害福祉担当部長 札幌市では,
先ほども
お話ししましたけれ
ども,ことし3月の
障害者保健福祉計画の中で,
施設から
地域への
移行推進ということを
重点課題としてございます。そんなことで,
高齢あるいは
高齢化した障がい者の方も含めて,
グループホームなどの
地域生活の場の確保ですとか,
ホームヘルプサービス,あるいはショートステイということで,
地域で暮らすための
支援の充実を図っていきたいと思っております。また,
施設サービスそのものにつきましても,
高齢化に
対応できるよう,引き続き,関係
事業者と
検討していきたいと考えてございます。
◆佐藤典子
委員 先ほど,
在宅の方がいらっしゃるということでしたが,
入所されている方が1,651人ですから,5,621人からそれを引きますと約3,970人ぐらいの方が
在宅ということになります。それで,
高齢の中でも,
在宅の
支援ということで具体的な取り組みとして積極的に進めていきたいものとしてどういうことをお考えなのか,お聞かせください。
◎
岡田 障害福祉担当部長 先ほどの話とも連動しまして,今後の
在宅における取り組みということだと
思いますけれ
ども,
先ほどの
ホームヘルプやショートステイあるいは
デイサービスなどの
在宅施策の充実,それからまた
グループホームの
整備促進ということで,
先ほど来言っておりますように,
地域への
移行が可能な方につきましては
地域での
生活を継続してできるような
整備を図っていきたいと考えております。
◆佐藤典子
委員 先ほどから,
施設から
地域への
移行推進ということで,
グループホームや
ホームヘルプ事業を進めるということ,そして,
公立の建物は経済的にもいろいろな
状況で厳しいという
お話が出てきたところで,
グループホームというのは,これからの
高齢知的障がい者の方へも非常に大きな位置を持つと私は思うのです。
そこで,
グループホームというものに対する意義についてどういうふうにとらえられているのか,また,その
整備状況についてお聞かせください。
◎
岡田 障害福祉担当部長 1点目の
グループホームの意義ということでございますけれ
ども,障がいのある方が
地域で共同
生活をする場を提供し,
支援体制を確保する
地域生活援助事業,これをいわゆる
グループホームと称しておりますが,障がいのある方が,
地域社会の一員として,障がいの有無を超えてともに
生活をするという性格のものでございます。そんなことで,
移行がスムーズに行けば,これは,まさにノーマライゼーションの理念に沿ったものだと考えております。
それから,
整備状況でございますけれ
ども,現在,
市内に64カ所ございます。そして,260名の方がここで
地域生活を送っておられます。
◆佐藤典子
委員 今,
グループホームの意義というのが障がいの有無を超えてということでしたので,重度の方も軽度の方も,これからそれを使えるような,使いやすいものにしていくというようなことだと
思います。
そして,
グループホームの世話人なのですけれ
ども,その資格についてどういうふうに考えておられるのか,また,外でいろいろな仕事をして帰ってくると
グループホームというのは
自分の家と同じようになるわけですから,世話人の方の資質とか,ほっとできる場であるということは言うまでもないと思うのです。また,そこでいろいろなトラブルが起きたりすることもあると考えられます。そういう
意味で,世話人の方の資格とか,それから,これ以上にまた資質を上げるためにどういうことを考えられているのか,お聞かせください。
◎
岡田 障害福祉担当部長 まず,
グループホームの世話人についてでございますけれ
ども,利用者への食事の提供とか健康管理,あるいは金銭管理など,必要な援助を行うことになっております。そんなことで,特に資格要件はございませんけれ
ども,障がい者の
福祉に非常に熱意があって,利用者の日々の
生活に対して適切に援助できる方ということが世話人の資格といいましょうか,現在,そういった
方々が当たっております。
それから,世話人の方の資質の向上ということでございますけれ
ども,第一義的には,運営主体が自主的に行うことになっております。しかし,
先ほど委員がおっしゃいましたように,やはり四,五人の
方々をお預かりするというような重要な役割を果たしているということで,世話人の資質向上についてはその
意味で大変重要なものだと考えてございます。そこで,
施設が自主的に行う研修のほかに,関係する職員については積極的に参加するよう私
どもも強く
指導をしていきたいと思っております。
◆佐藤典子
委員 最後に,2点ほどお聞きします。
これまで
公立の
入所施設はできないということだったのですが,そうであれば,現在の第二
かしわとか
あかしあ
学園の周辺に
札幌市が
グループホームをつくるとか,また,
先ほど伊与部
委員の方からもありましたけれ
ども,あいている
施設を使ってそういう
グループホームをつくられるというお考えはないのかどうか,まず,それをお聞きしたいと
思います。
それから,10年間で200カ所の
グループホームをつくる目標でいるということで,年平均にすると20カ所であります。いろいろな
意味で,
グループホームをつくるというのも本当に簡単ではないと思うのです。経済的にもいろいろな補助の面などがあると
思いますが,
札幌市としては,1年に20カ所つくるということを実現するための具体的な方策としてどういうふうにお考えか,お聞かせください。
◎
岡田 障害福祉担当部長 1点目の
公立での
グループホーム設置についてでありますけれ
ども,現在,
社会福祉法人が積極的にこれに取り組んでおりまして,現在64カ所になっております。この数というのは,
政令指定都市の中で比較しますと上位3番目になるといったことで,
行政が主体的にこれを
設置するということについては考えてございません。したがいまして,今後とも,
民間事業者の協力を得ながら
整備を促進していきたいと考えております。
それから,2点目の
計画の実現に向けての方策についてでありますけれ
ども,
社会福祉法人の
設置計画を調査いたしましたが,今後5年間で80カ所というような数が出てきております。さらに,ほかのNPO法人等からもやってみたいというような相談も寄せられております。そんな関係で,年20カ所という目標数値についてはある程度可能な数値と考えてございます。
それから,助成措置ということでのご
質問かと
思いますけれ
ども,私
どもは,低所得者の方あるいは重度の方もスムーズに
グループホームに
移行できるように,入居者の家賃の負担軽減,あるいは,世話人――現在は1人でも結構なのですが,世話人の複数化のために補助単価を上げていただきたいといったようなことを,今までも国に対して要求してございますし,今後とも継続して要望してまいりたいと考えてございます。
◆佐藤典子
委員 すべての人が
地域で安心して暮らせることは,本当にだれもの願いであります。そして,今,
公立の
入所施設についても財政的には難しい,そして慎重に
検討したいというようなお答えがありましたので,ある人は
グループホームが合うかもしれないし,ある人には
入所施設がほっとできる場であるかもしれないということを念頭に置いて,今後,
計画を進めていただきたいと
思います。
そして,
グループホームの質とか
あり方ですけれ
ども,どの
グループホームも質が上がるということはすごく難しいことだと思うのです。そこで,第三者が評価するシステムを取り入れるとか,それからまた,
支援費制度をうまく使って,
先ほど小川
委員の方からも出ましたけれ
ども,
グループホームに暮らして,世話人さんが
支援してくれて,そして個別のヘルパーさんが土曜日や日曜日は一緒に出かけられる,そして
通所にも行ける,そういうふうに
地域ぐるみで
支援していく仕組みづくりを積極的に進めていただきたいなと思っています。
佐瀬さん方の気持ちというのは本当に深刻で重いものがあると
思いますので,ぜひ,積極的に取り組んでいただきたいと
思います。