札幌市議会 2003-08-01
平成15年第二部議案審査特別委員会−08月01日-04号
平成15年第二部
議案審査特別委員会−08月01日-04号平成15年第二部
議案審査特別委員会
札幌市議会第二部
議案審査特別委員会記録(第4号)
平成15年8月1日(金曜日)
──────────────────────────────────
〇議題 付託案件の審査
〇
出席委員 33人
委員長 小 野 正 美 副委員長 長 内 直 也
委 員 小 谷 俵 藏 委 員 大 越 誠 幸
委 員 上瀬戸 正 則 委 員 宮 村 素 子
委 員 横 山 光 之 委 員 勝 木 勇 人
委 員 村 松 正 海 委 員 小須田 悟 士
委 員 伊与部 敏 雄 委 員 西 村 茂 樹
委 員 畑 瀬 幸 二 委 員 藤 原 廣 昭
委 員 林 家 とんでん平 委 員 峯 廻 紀 昌
委 員 柿 崎 勲 委 員 義 卜 雄 一
委 員 涌 井 国 夫 委 員 本 郷 俊 史
委 員 芦 原 進 委 員 阿知良 寛 美
委 員 小 川 勝 美 委 員 井 上 ひさ子
委 員 坂 本 恭 子 委 員 伊 藤 理智子
委 員 柴 田 薫 心 委 員 原 口 伸 一
委 員 五十嵐 徳 美 委 員 田 中 昭 男
委 員 佐 藤 典 子 委 員 佐 藤 美智夫
委 員 堀 川 素 人
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開 議 午後1時1分
○小野正美 委員長 ただいまから,第二部
議案審査特別委員会を開会いたします。
報告事項は特にございません。
それでは,議事に入ります。
最初に,第6款 経済費 第1項 商工費の質疑を行います。
◆
村松正海 委員 私は,札幌市の中国の
海外駐在員事務所についてお伺いしたいと思います。
まず,この厳しい経済状況の中で,
新規事業として中国に
駐在員事務所を開設するわけでありますが,なぜ,この時期に
駐在員事務所を開設するのか,早速ですけれども,その目的についてお伺いしたいと思います。
それと,開設地でありますけれども,開設先は北京とお聞きしております。中国には経済発展が著しい上海,あるいは本市との友好都市であります瀋陽市があるわけでありますが,この上海や瀋陽市ではなくて北京に開設するのか,2点目として,このことについてもお聞きしたいと思います。
そして,開設する事務所の職員数,概要についてもお聞きしたい。まず,3点お聞きしたいと思います。
◎池田
産業振興部長 お尋ねのありましたうち,まず,中国になぜ
駐在員事務所を置くのかという点についてお答えいたします。
中国市場は,ご承知のとおり,その開放が急速に進んでおりまして,
市内中小企業の中国への関心も高まっているところでございます。また,中国からの来訪者も,今後ますます拡大することが期待されているところでございます。
しかしながら,一方では,
経済交流を進めていく上で必要な情報を迅速に入手し,活用することが不可欠でございまして,そのための体制整備が大きな課題となっております。
このような背景を踏まえまして,本市では,昨年度,中国における
情報拠点体制のあり方について調査検討を行ったところであります。その結果,今後,中国との経済,あるいは観光面での交流を拡大していくためには,
中国国内に情報の収集・発信拠点を置き,中国の
政府機関や
経済団体との密接な関係を構築していくことが必要であるとの結論に達し,このたび
駐在員事務所の開設費の
予算計上に至ったものでございます。
また,お尋ねの2点目,なぜ開設場所を北京としたのかということでございますけれども,有益な情報はその多くが北京の
政府系機関に集中しているという事情,それからもう一つは,協力をいただける団体,例えば,
JETRO等の機関も北京に立地している。また,本市との関係の深い瀋陽市あるいは大連市とも地理的に近いなど,総合的に判断したものでございます。
事務所の概要でございますが,北京市内に,既に設置しております
財団法人日中
経済協会事務所のスペースの一部をお借りいたしまして,事務所を開設する予定でございまして,当初は,市から派遣予定の所長1名と現地スタッフ合わせて三,四名の体制で考えているところでございます。
◆
村松正海 委員 ほかの政令市の
海外事務所を見てみますと,8政令市で20都市に海外の
駐在員事務所を設置しているわけであります。その中で,中国には5政令市で6都市に
海外事務所を設置しているわけであります。それぞれ情報の収集やあるいは提供に努めているわけでありますけれども,一方,北海道はソウル,ロサンゼルス,サハリン,シンガポール,この4カ所に
駐在員事務所があるわけでありますが,中国にはありません。それだけに,中国における本市の
駐在員事務所というのは,
札幌市内だけではなくて,全道で大変期待をされているのではないかなと思っております。
そこで,再び質問ですけれども,先ほどご説明がありましたが,その体制はよくわかりましたけれども,どのような機能で,そして,どんな効果を上げていこうとしているのか,その点についてお伺いしたいと思います。
◎池田
産業振興部長 ただいまお尋ねのございました
中国駐在員事務所の機能と効果についてでございますけれども,大きく三つほど考えておりまして,1点目は
市内企業が必要とする
ビジネス情報等の収集,あるいは提供でございまして,
中国市場に参入することに意欲的な企業を側面から支援いたしまして,販路の拡大を図ろうとするものでございます。
2点目は,市内の
IT関連企業と北京市周辺に集積いたします
ハイテク企業等とのネットワークを形成したいというものでございまして,これによりまして,技術連携あるいは人材交流を進めまして,本市の
IT産業の一層の振興を図っていきたいと考えております。
3点目でございますけれども,継続的な札幌市の
シティPRを中国現地において積極的に展開したいと考えておりまして,それによりまして中国からの来客を大幅に増加したいと,このように考えているものでございます。
なお,この三つの機能を限られた体制の中で効果的に進めていくためには,
関係機関の協力,支援をいただきながら,より効率的に進めていくことが必要だと,このように考えているところでございます。
◆
村松正海 委員 中国人の方の団体での訪日が解禁されて以来,年間40万人ほど訪ずれているわけであります。そのほとんどが首都圏や関西方面に来ているわけでありまして,札幌,そして道内には,多分2%ぐらいではないかなと思っております。そんな中で,
中国事務所を開設して中国のそれぞれの
政府機関,関連のある機関に働きかけること,また,
旅行業者等々に札幌を売り込むことは大変効果的で重要なことではないかなと思っております。
そこで,今回の
事務所開設に当たって,期待される効果はどのくらい見込んでいるのか,具体的に聞かせていただきたいと思います。
◎渡邉
観光コンベンション部長 ご質問の中国からの来客の期待される効果についてでございますが,ご存じのように,中国は非常に目覚ましい経済成長を遂げておりまして,潜在的な
旅行需要が増加しております。あるデータでございますけれども,近い将来には世界一の
海外旅行者数に成長するというふうにも言われてございます。国内の各都市も,こうした中国に向けての
観光客誘致の
取り組みを強化しておりまして,
都市間競争が非常に激化している状況にありますが,札幌という街は中国の方々にとりまして,日本的な伝統文化とは別の文化性,異文化的といいますか,街の雰囲気を感じとることができ,気候,食文化,あるいは自然環境などの点で,国内の他都市にはない魅力をPRしていけると考えてございます。
こうしたことから,本市では,これまでも現地における
トップセールスによる
観光プロモーション,また
マスコミ関係者等の招聘,あるいは
旅行見本市への出展を通しまして,イメージの浸透による
観光客誘致を進めてまいったところでございます。
ご質問の
中国駐在員事務所の開設による効果でございますが,事務所の開設によりまして,恒常的に札幌の旬の魅力,これを発信することができるとともに,中国側の
旅行ニーズ,これをきめ細かく把握することが可能になると考えております。このことから,
団体観光旅行のみならず,
ビジネス交流や
コンベンションなど,多様な
旅行ニーズに対応した誘致をすることで,中国からの来札をより多く受け入れたいと考えておりまして,
訪日者数の約1割程度が来札することを当面の目標といたしまして,さまざまな事業展開をしてまいりたいと考えております。
◆
村松正海 委員 小澤助役にお聞きしたいのですけれども,東京に事務所を開設している国内の都市は,一つふえているかもしれませんけれども,多分67市ぐらいだったと思います。その中で,札幌市以外の都市でありますけれども,ほとんどの事務所というのは各省庁への要望とか,それから情報の収集とか,また上京者へのサポートといいますか,ほとんどの
東京事務所の業務はそういうことでありますが,札幌の
東京事務所はそのほかに,いろいろな形で
企業誘致や
コンベンション誘致,または先ほどありましたが
シティPR,
一般的売り込み,そして市税の滞納の徴収等も行っておりまして,1人当たり4億5,000万円も市税を滞納者からいただいたという実績もあるほどで,ほかの都市に比べると,札幌市の事務所というのは,東京で非常に先進的な役割をしているわけであります。
その中で,今回,中国に
海外事務所を設置するわけでありますけれども,今回の
補正予算で上がっているのが2,750万円,年間の維持費としては大体四,五千万円ぐらいになるのではないかなと思います。そういう費用対効果を考えると,私は,当初は
観光誘致とか,そういうのが大変重要になりますけれども,やっぱり
経済交流が目的でありますので,近い将来は,その
経済効果を上げるために,費用対効果を上げるために,観光だけではなくて,市内の企業に対して,中国の情報だとか,そういうものも当然提供していかないとならないと思っております。
ちょっと話が変わりますけれども,さっき言ったように,道の事務所がサハリンにあります。この事務所は,最初は
貿易センターでありましたけれども,途中から道の
駐在員事務所に,二,三年前から変わったわけでありますけれども,そこに何度も私も行ったことがありますが,非常に対応が悪くて,効果を上げていないわけであります。ですから,初期投資というか,先行投資をしても,現地からその事務所が信頼されていないので,いい情報とかその他いろいろなことが入ってこないわけであります。なぜいい情報が入ってこないかというと,やはり道の事務所というのは,あくまでも道内の企業の利益だけを優先して,追求をして,先ほど言ったように,向こう側から信頼をされていないからいい情報が入ってこない。幾ら投資してもそれを回収できないわけであります。
そこで,こういう事務所を開設するためには,特にロシアとか中国というのは,長年の歴史のいろいろな背景がありまして,いい悪いは別にしまして,そういう背景の中から相互に信頼し合って,それから
相互理解があって,それから相互の利益の追求,こちらもよくないとだめだし,向こうもよくないとだめだと,そういう気持ちで
相互理解,
相互信頼,
相互利益,この三つの原則を決して忘れてはだめでないかなと思っております。
そんな中で,先ほども述べさせていただいたように,札幌の
東京事務所は非常に画期的な事務所であります。今度は,この
中国事務所も,先ほど言ったように五つの政令都市がもう出ていまして,札幌はそれと比べると後発になりますけれども,東京事務に倣って,そういう先駆的な,先進的な役割を果たしていただきたい。そのことが,
経済効果,費用対効果を上げることで市民のためになると思います。
なぜ,助役さんにお聞きしたいかというと,
東京事務所にいて,そういう
シティPR,いろいろ
ノウハウがあって,ここまでやってこられたわけでありますので,そういう観点から,この
相互理解,
相互信頼,
相互利益について,新しくできるわけでありますから,
中国事務所をすばらしくするための,助役の決意とか,それをお聞きしたいと思います。
◎小澤 助役 私も
東京事務所勤務を経験させていただきましたが,ご承知のように,東京というのは人,物,金,情報の集積地でありまして,その中から有益な情報をもらって,札幌市の行政に反映させるというのが
東京事務所の大きな役割でありました。
特に,情報収集につきましては,いかに人脈をつくるかということが大事でありまして,つまり情報源をいかに多くの人に求めるかということが大事であります。人脈をつくるに当たって大事なことは,人間的に信頼される環境をつくるということだと思います。それは
東京事務所に限らず,北京の事務所でも同じことが言えるのだろうと思いますし,そういうことにふさわしい所長が派遣されることになると思います。
札幌市の場合は,既に
東京事務所という実績があるわけですから,そういう
ノウハウを
北京事務所でも参考にできるところは参考にして,より効果の上がる活動を展開するものと期待をしているところでありますし,そうさせていきたいと思っております。
◆林家とんでん平 委員 私からは大きく2点。
金融政策と観光について質問したいと思いますので,よろしくお願いいたします。
この二つは異なる内容でございますので,お許しをいただきまして,順次質問させていただきます。
まず,
金融政策についてお尋ねいたします。
このご時世でございますから,金融を取り巻く環境はここ数年大きく変化しております。本市におかれましても,資金を必要とする企業に十分行き渡っていないという声も多く聞かれるところでございますけれども,これは
皆さんご存じかと思います。そこで,本市の融資制度によりどのくらいの資金が
中小企業の皆さんに提供されているのか,まずここを確認したいと思います。
そこで,1点目の質問ですが,
融資残高について,
中小企業金融対策資金全体の15年3月末と14年3月末までとを比較すると,どのような状況になっているのか,これをまず1点伺いたいと思います。
そして,今回の補正では,預託金の新規分として98億4,000万円が計上されておりますが,既に
骨格予算等で計上されている分を含めると,新規分全体では148億4,000万円になると聞いております。ただ,これはあくまでも
金融機関に,市が預託する額でありますから,実際に
金融機関から企業へどのぐらいの資金が提供されているのか,確認したいと思います。
そこで,2点目なのですが,この148億4,000万円を,実際に企業が利用できる融資枠に換算すると幾らになるのか,お尋ねしたいと思います。
また,この予算額は年末などの資金繰りが厳しくなる時期にも十分に対応できるものなのか,あわせてお伺いしたいと思います。
続いて,札幌の経済を元気にしたいと,
元気基金,こうなのでございますが,名前もすごくいいなと私は思っております。
このたびの代表質問では,我が会派の
川口谷議員の方からお尋ねしました。その答えとして,今年度予定している
元気基金の調査では,
中小企業等の
ニーズ把握を行うとともに,実効性のある支援策を検討していきたい,また,市としても,生の声を極力酌み取っていきたいという答えがありましたけれども,そこで,確認も含めてご質問したいと思います。
まず,本調査を委託し実施することとした理由と,委託業務の遂行に当たっての基本的な考え方についてお伺いしたいと思います。
また,市みずからも,さまざまな形で企業のニーズを酌み取ると聞いておりますが,その具体的な内容について,あわせてお願いいたします。
◎池田
産業振興部長 それでは,私の方からお答えさせていただきます。
まず,お尋ねのありました
融資残高の比較でございますけれども,
一般中小企業振興資金,いわゆる
マル札資金と呼んでいますが,それと
特別資金を合わせた全体の
融資残高で比較してみますと,15年3月末では995億4,300万円でありまして,14年3月末では1,018億200万円でございました。したがいまして,率にして2.2%の減少となっております。
それから,ご質問の2点目,148億4,000万円の
新規預託により可能となる融資枠についてでございますけれども,ほぼ倍の296億3,000万円となります。
また,15年度の予算額で
資金需要に十分対応できるのかというお尋ねがございましたが,預託金の
新規分予算額では,昨年度を28.6%上回っておりまして,我々としては十分な予算額を確保したと考えております。なお,
金融環境は依然として厳しいものがございますので,融資の促進には,これまでにも増して積極的に取り組んでまいる所存でございます。
それから,次に,
元気基金に関するお尋ねがございましたので,お答えいたします。
まず,
札幌元気基金の
調査委託の理由でございますけれども,本調査は,
融資等金融に関する専門的な知識を要するということから,これを委託することにしたものでございます。ただ,調査に当たりましては,常に本市の指導に基づいて綿密な
打ち合わせを行うことを基本といたしまして,調査機関任せにならないよう我々も十分考慮してまいりたいと考えております。
また,経済局がみずから
ニーズ把握を行う具体的な内容についてお尋ねがございましたけれども,まず,例年2回ずつ実施しております札幌市
企業経営動向調査,これを活用いたしまして,企業1,000社を対象といたしまして,
金融制度に対する
アンケート調査も行いたいと考えております。そのほか,例えば,各関係課が所管しております商工業の団体あるいは
ベンチャー企業などからのヒアリング,さらには
金融機関の専門的な
ノウハウを活用するための調査,
打ち合わせを行うなど,みずから積極的に
ニーズ把握に努め,資金面での新たな支援策を検討するための基礎資料としていきたいと,このように考えているところでございます。
◆林家とんでん平 委員 特に,
元気基金については,例えば,今まで難しいと言われたけれども,今回,融資を受けることができたおかげで,企業が活動できて,継続できたという方々がどんどんふえるような,そういうことが多く聞かれるような,そこを期待しているところでございます。そのためには,今お話ししたとおり,きめ細やかな
ニーズ把握と大胆な発想による新たな資金の
枠組みづくり,ぜひそういうところに視点を向けて,積極的に取り組んでいただきたいと強く要望します。
続いて,観光についてお話を伺いたいと思います。
市長が掲げております,目指せ来客2,000万人というものがありますが,これを達成させることは,今現在,札幌市は集客人数が1,325万人という状態でございますから,結構大変かなと思うわけでございます。これを達成するためには,やはり圧倒的に比率の高い国内からの来客を増加させるとともに,先ほど
村松委員からもお話がありました,海外からの集客をふやす努力も必要であるのではないかなと思うわけです。
国内向けの
セールス活動ではいろいろ考えられますけれども,札幌への観光客が減少した平成4年度から
観光客誘致キャンペーン,いわゆる「さっぽろの夕べ」という事業を東京,大阪の2大都市圏のほか
全国主要都市で展開し,それから,
観光事業関係者や一般市民を対象に
誘致宣伝活動を実施しまして,
札幌観光の魅力を強くアピールしてきたということを伺っております。観光客の減少に歯どめをかけたと,そういう成果を聞いております。
この事業も,ことしで12年目を迎えたそうでございますが,そこで,他都市の状況は一体どうなっているのだろうかと。今,札幌市は1,325万人ですよね。京都は人口が約150万人で,約3,900万人の集客があるということなのです。そして姫路,ここには
世界文化遺産の姫路城がございますけれども,ここは人口が48万人でございますが,750万人,目指しているのが1,000万人ということでございます。
そして,隣の小樽ですが,小樽は人口15万人足らずでございますけれども,一体どのぐらいあるかというと,平成13年度は893万3,800人,14年度も同じような状態だということなのです。ということは,人口に関係なく努力すれば幾らでも変わっていくのではないかというところがあるような気がするのです。
小樽はなぜこういうふうに観光客がふえていったかというと,小樽もずっと斜陽化していった時代がございますが,皆様もご存じのように運河がございます。運河を埋め立てるか,あるいは保存するかという議論がありました。それで全国的に皆さんの目線が小樽に集まって,結果的に半分保存の半分埋め立てという形で,きれいに整備されて,そしてその後,倉庫群もありましたから,それを利用したということもありまして,すごくたくさんの方々がお見えになったわけです。だから,もしかしたら小樽は運がよかったというような,そんな気がするのですけれども,本当に目線が変わることによってどんどんどんどん変わっていくのではないかなと思うのです。
やっぱり最近は時代の流れが加速化していますから,いろんな方法が加わってくるのではないかなと思うのです。だから,ニーズに合わせた
観光産業のとらえ方,例えば,またいろんな話になりますけれども,皆さんも
ご存じように,カメルーンで有名なった中津江村,選手が来なかっただけで観光客がふえたという,それはやはりすごいのではないかなと。あと,これは盛岡でございますが,お
米ブラザーズという,これは市の職員が2人で漫才をやったと,それだけで集客がふえていったということなのです。そういうふうに,目先を変えることでいろいろ変わっていくと思うのです。
例えば,札幌市でいうと,札幌市長は歌をうたいますから,それをCDに入れて保留中の電話にそれを流すとか,いろんな方法があると思うのです。
そこで,ちょっと伺いますが,この事業の今後の実施計画の特徴について,聞かせていただきたいと思っています。
国内市場への
誘致活動の
取り組みを進める一方で,やはり海外からの集客を図ることも必要ではないかと思いますが,来客者の増加を目指す上で重要な
取り組みを考えますと現在では,国内各都市とも会議や大会を開催する
コンベンションや,海外からの
企業報奨旅行,いわゆる
インセンティブツアーの誘致にしのぎを削っていることを聞いております。この
インセンティブツアーは観光と
コンベンションの両方に通じ,集客やそれに伴う
経済波及効果の面で高い潜在力を秘めていると考えております。
特に,
インセンティブツアーの実施が盛んな
アジア方面からの誘致の必要性を感じていることから,先ほどもお話になりましたけれども,地域を絞ったり,そこにあわせたいろいろな
誘致活動を展開することも必要ではないかなと思っております。
そこで,今回の予算に計上されている
キャンペーン事業の中では,どのように
インセンティブツアーを誘致しようと考えているのか,ここも伺いたいと思います。よろしくお願いします。
◎渡邉
観光コンベンション部長 集客交流の振興に関してお答えをさせていただきます。
まず,
観光客誘致キャンペーン,いわゆる「さっぽろの夕べ」という事業でございますけれども,ことしの特徴とそのねらいでございます。
まず,場所につきましては,従来東京と大阪,それから道外主要都市において実施してまいったところでございますが,ことしは国内の潜在的な観光市場として非常に有力な東海地方,ここをターゲットとしまして,名古屋で開催したいと考えており,東京とあわせて北海道庁と共同で事業を展開してまいりたいと考えてございます。また,大阪につきましては,本市関係団体の主催により継続して開催することを予定してございます。
このキャンペーンでは,街頭宣伝や企業,マスコミ訪問によるPRに加えまして,旅行関係業者の企画担当者,こういう方々を集めまして,秋から冬にかけての札幌の魅力や
コンベンション開催のメリットなどに関するプレゼンテーションを行ったり,修学旅行誘致のセミナーなどを開催する予定でございます。
さらに,本市独自の
取り組みでございますけれども,メールマガジンを発行しまして,本市の魅力を通年で伝えていくとともに,大阪においては観光懇話会,これを別途開催し,今後の集客施策に反映させたいと,このように考えてございます。
次に報奨旅行,いわゆる
インセンティブツアーの誘致策でございますが,これまで韓国から4回,計2,000名,また,今年度以降香港から2件,計1,000名の誘致に成功してございます。これらの実績を踏まえまして,さらにこれを拡大するため,今年度では集客交流・
シティPRキャンペーンとしまして,
トップセールスや本市をPRするDVDを作成しまして,積極的な
誘致活動を進めてまいります。
また,
インセンティブツアーが非常に盛んでございます台湾それから香港,韓国を中心とする東アジア地域をターゲットに旅行モデルプランの提案を行うとともに,個別企業に対する現地セールス,あるいはキーパーソンの受け入れなどを通じて,訪問地としての優位性を訴えてまいりたい。さらには,現地の旅行雑誌などへの企画記事の掲載を通しまして,札幌の魅力を強くアピールしてまいりたいと考えてございます。
◆林家とんでん平 委員 せっかくお呼びした東アジアからの方々に,やはり札幌に行ってよかったとか,おいしいものを食べたとか,本当によかったと思えるような,そういう本当の札幌のよさを伝えていくには,おもてなしということがとても大切ではないかなと思っているのです。それでいろいろ資料を集めました。姫路の市長さんがお話ししていましたが,おもてなしの気持ちを持って来訪者を迎える人づくりがやはり大切なのだということをおっしゃっているわけです。いわゆるソフトの面ですね,そういうところが大切なのだと。そして押し売りでも押しつけでもなくて,自然なものが必要なのだということでございます。そうすれば,もう一度札幌に来てもらえる,その可能性が出てくるのではないかなと。そして身近な人にも札幌のよさを伝えてくれるかもしれないというところがあるのです。
そこで,質問なのですが,東アジアの観光客に対するおもてなしの充実のために,何か具体的な
取り組みを考えているかどうか,聞かせていただきたいと思います。
◎渡邉
観光コンベンション部長 東アジアからの観光客に対するおもてなしの充実のための具体策についてでございますけれども,東アジアからの観光客の皆様にとりまして,特に関心の高いものに温泉と雪がございます。それで,本市において,東アジアからの観光客をお迎えするに当たっては,定山渓温泉が重要なポイントとなると考えてございます。
そこで,本年度の具体的な
取り組みといたしましては,定山渓
観光客誘致関連事業の一つといたしまして,定山渓温泉に訪れる東アジアからの観光客に対するおもてなしの充実,ホスピタリティーと言いますが,これを目的とした研修セミナーを宿泊施設従業員などを対象に,地元関連団体との共同により開催してまいりたいと考えてございます。
◆林家とんでん平 委員 最後に,要望なのですが,たくさんの方々にお越しいただくには,やはりそういう実績を積んでいくということが必要かと思うのですが,札幌市の職員も約1万6,000人おりますけれども,その方々1人ずつが広報マンとなっていくことが,そうすることによって2,000万人という目標に達するのではないかなと思うわけでございます。
キャンペーンの中で,集客交流の一環として,
コンベンション事業にも力を入れているようですが,これをやみくもに
経済効果だけを追求する,そういうことではなく,事業名でも言っている,交流ということ,そういう面も心砕く
取り組みを期待したいと思うのです。
先ごろ行われました,宇宙のオリンピックとも呼ばれておりますが,約100カ国が参加しました国際測地学・地球物理学連合総会におきましても,中高生や市民向けのプログラムも多数開催されまして,本当に子供たちが博士とかいろんな方々の前でじかに話ができたと,これがすごく好評だということで,新聞にもたくさん取り上げられておりました。こういう理解を深めていくこともやはり必要ではないかなと思うのでございますが,結局は,今後,観光や
コンベンションなど,さまざまな手法で札幌への集客増を図っていく中で,
経済効果だけを追求するのではなく,もちろんそこもあるのでしょうけれども,広く市民文化や生涯教育の面など,社会的波及効果にも配慮した
誘致活動をしていただくことを強く希望したいと思います。これで終わります。
◆芦原進 委員 私の方からは,商店街等スポーツ連携型チャレンジ事業についての質問をいたします。
阪神タイガースの快進撃により大阪を初め,関西圏に大きな
経済効果があらわれております。この不景気な世の中に明るい話題を提供してくれております。北海道で生産された米,ほしのゆめが大阪,兵庫を中心に関西では売れに売れているといううれしい話題もございます。
阪神タイガースの夢は,北海道の私たちにもこのようなうれしいニュースを提供してくれております。応援していこうとするファンを大切にするスポーツ側の
取り組みも大切ですが,そのチームを応援する受け入れ側の商店街などの地域団体と地元住民が一体となった応援体制の確立も重要と思います。サッカーのコンサドーレ,そして来年はプロ野球の日本ハムが札幌ドームを本拠地にすることが決定しています。
そこで,質問いたします。今回,予算に計上されているスポーツ連携型チャレンジ事業の目的と具体的な内容,さらに,既に,本拠地としてプロスポーツチームを受け入れている他の都市ではどのような事業が展開されているのかを伺います。
◎池田
産業振興部長 ただいまの質問のうち,最初の商店街等スポーツ連携型チャレンジ事業のねらい,内容についてお尋ねがございましたので,お答えいたします。
まず,事業のねらいといたしましては,商店街が札幌市をホームタウンとするプロスポーツチームと協力し合い,新たなイベントや販売促進に取り組むことは,商店街の集客力の向上や活性化につながるものであり,市としても本事業が円滑にスタートできるよう支援するものでございます。このような活動は
経済効果のみならず,地域の連帯感や郷土意識の醸成にもつながっていくものと期待しております。
次に,事業の内容といたしましては,商店街がプロスポーツチームに関連した横断幕やパンフレットなどのPR媒体を制作して街区を装飾したり,来街者に配付したりする場合に補助するホームタウン整備事業と,それからもう一つ,プロスポーツチームと連携して,地域住民との交流を深めるようなイベントを実施する場合に補助する地域交流促進事業の二つの事業を考えているところでございます。
また,補助金額につきましては,ホームタウン整備事業が補助率2分の1,限度額100万円,地域交流促進事業につきましては補助率2分の1,限度額50万円と予定しているところでございます。
それから,2点目のご質問ございました他都市の状況でございますけれども,さいたま市,清水市,磐田市などでは,市からの助成事業を活用しながら街区内の装飾やイベントの開催など,地域とプロスポーツが連携した事業が行われているところでございます。
◆芦原進 委員 他都市ですが,特に地方に行きますと,九州では,佐賀にサガントスというプロサッカーチームがあります。弱いのですが,やはり一生懸命応援していると聞いています。札幌にはコンサドーレがございますけれども,プロスポーツと連携したさまざまな
取り組み状況を,今お聞かせいただきましてわかりました。しかし,プロ側と地元企業,それから商店街,また住民が理解し合い,また協力し合わないと成功はないと思います。そこで,当市プロスポーツの受け入れと
取り組み姿勢について伺います。
◎池田
産業振興部長 ただいまプロスポーツ側と商業側といいますか,経済界の方の動きについてのお尋ねがございましたので,お答えしたいと思います。
まず,プロスポーツ側といたしましては,日本ハムの企業応援団の募集やコンサドーレ札幌のサポートシップスポンサーの募集など,既にプロスポーツ側から個別企業に対する支援要請が展開されているところでございまして,それぞれ100社を超える企業が参加しているところでございます。
一方,経済界の中では,特に商店街の
取り組みといたしましては,例えば,日本ハムの練習場の近隣に位置する東区の商店街では,これまで斜め通り商店街としていた通りを,愛称をファイターズ通り商店街というふうに名前を変更して,壁掛けやポスターを各店に張り,応援ムードを盛り上げようとしていますし,夏まつりに選手を招いてオークションやサイン会を予定している商店街もございます。
また,このような事業展開を札幌市全体に拡大していくために,市内に商店街の連合体でございます札幌市商店街振興組合連合会では,プロスポーツとの連携をテーマとしたシンポジウムを既に開催しているところでございますし,プロスポーツに関係の深い商店街をメンバーといたします応援団を結成する動きが出ているなど,その機運が徐々にではありますけれども,高まってきていると認識いたしております。
◆芦原進 委員 最後でございます。
プロスポーツ側と商店側とがやっぱり話し合いをしまして,全市挙げて歓迎ムードを盛り上げていただきたい。しかし,単に商店街の利益誘導だけではなく,地域住民との連携の中で事業展開を図りながら,市当局もさらに積極的に連携し,この事業を推進することを強く要望し,私の質問を終わらさせていただきます。
◆伊藤理智子 委員 私は,コミュニティ型建設業について質問いたします。
長引く不況の中,中小建設業者は仕事の激減,倒産,賃金単価の切り下げによって,かつてないほど苦しい状況に置かれています。
札幌市内の建設業の現状について,1996年と2001年の比較を見ると,1996年には事業所数が7,579カ所に対し,2001年には6,765カ所と10.7%減っています。また,従業員数は1996年には10万3,819人に対し,2001年には8万1,262人と,21.7%減っています。
今後,中小建設業者を支援していく上でも,我が党は大型公共事業中心から,地域住民の要求にこたえた生活や福祉にかかわる分野での仕事をふやしていくという提案を行っています。地域密着型の公共事業を行っていくこととあわせて,コミュニティ型建設業の施策を実行していくことが求められていると思います。
そこで,質問ですが,まず第1に,建設業者に
アンケート調査を行ったと聞きましたが,経営の多角化や新分野進出に関する建設業界の現在の
取り組み状況についてお聞きします。また,今後,この
取り組み状況を受けて,どうコミュニティ型建設業に生かしていこうとしているのか,伺います。
第2に,コミュニティ型建設業はどのようなねらいがあり,どのような事業の内容を想定しているのか,伺います。
第3に,今年度実施する調査の内容について伺います。また,モデル事業はいつ実施できるのか,明らかにしてください。
◎池田
産業振興部長 それでは,数点ご質問ございましたので,順次お答えをさせていただきます。
まず最初に,建設業者に対する
アンケート調査の結果,新分野あるいは多角化への
取り組み状況ということでご質問がございました。実は,取り組んでいないというふうに言っているのが71.4%ということでございまして,その取り組んでいないという企業のうち約半数は,将来も新分野への進出は考えていないというふうに回答しております。
このように建設業の新分野進出等につきましては,現時点ではその多くが,残念ながら消極的な意向でございますけれども,しかしながら,ただいま委員からのお話もありましたように,公共事業の削減というような厳しい将来の見通しなどを踏まえますと,今後,他分野へ進出する企業が増加することも予想されるのではないかと考えております。
また,参考までに,企業はどんな分野に進出しているかということも
アンケート調査をしておりますけれども,それによりますと,分野別では建設業における他分野というのが35.6%と最も多く,次に廃棄物関係,次に不動産関係,次がIT関係と,こんな順になっているわけでございます。私どもといたしましては,今,進出分野といたしまして,建設業に関連する分野がこの
アンケート調査でも高いということがありましたので,それらの動向も踏まえての支援策が必要だと考え,今回のコミュニティ型建設業の調査に至ったわけでございます。
次に,2点目のご質問のコミュニティ型建設業のねらいと内容についてでございます。
まず,ねらいでございますけれども,公共事業費は,ただいま申し上げましたように,今後とも縮減するという見通しでございますので,建設業は公共事業に頼らない新たな分野への進出が求められていると考えております。一方,地域におきましては,今後,少子高齢化の進展などに伴いまして,地域における環境整備でございますとか家屋の改修など,今後,多様な需要が生じてくるものと思われます。
地域に密着した建設業の方々が,その持っております技術だとか人的資源などを有効に活用いたしまして,これらのニーズに対応していくことは,建設業の再生を促進するとともに,豊かな地域生活の実現にも寄与するものではないかと考えているところでございます。
次に,コミュニティ型建設業の想定する内容ということでございますけれども,ただいま申し上げました,地域から生まれるさまざまなニーズとそれに対応できる地元企業を円滑に結びつける,そういった組織づくり,いわゆるコーディネート組織をつくるといったことなど,今回の調査で,新たなビジネスモデルを構築していきたいと,このように考えているところでございます。
また,ご質問の最後の方になりますけれども,コミュニティ型建設業の調査の概要でございますけれども,地域住民のニーズとしてどんなものが生まれてくるのかと,この辺をしっかり把握するとともに,企業の意向調査,動向調査などを行う予定でございます。
また,ご質問のございましたモデル事業につきましては,今年度そういった調査とともに,この事業可能性調査を行いまして,それを踏まえて,できれば来年度から実施していきたいと,このように考えているところでございます。
◆伊藤理智子 委員 このコミュニティ型建設業の考え方は,地域住民にとっても期待の声が寄せられていますが,家屋の補修については,工事がきちんとされているのか,専門的な知識がない中で,悪徳業者に多額な請求をされ困ったという高齢者の方など,私も相談を受けた事例もあります。
そこで,質問ですが,地域住民と建設業者を結ぶコーディネーターの役割が重要だと思いますが,どういう役割を果たすのか,また,専門知識を持った人が配置されるのか,具体的にお聞かせください。また,あわせて,行政のかかわり方についてもお聞かせください。
次に,建設業には,家族経営など小規模な零細業者も多いと思いますけれども,こうした業者についても,対象として考えているのかどうか,伺います。
◎池田
産業振興部長 まず,ただいまご答弁申し上げましたコーディネート組織の役割についてお尋ねがございました。
具体的には,このたび行います調査の中で検討してまいりたいというふうに思っておりますけれども,ただいまお答えしましたとおり,さまざまな地域のニーズと地元企業を円滑に結びつける,これが基本的な役割ではないかと思っています。委員のお話にもありましたように,安心して頼める,そういった地域にとって心強い存在になって,また,建設業にとっても,専門的知識を持つ人の配置というお話もありましたけれども,そこここの企業ごとでいろいろな
ノウハウを持っていますから,そういう力を合わせて個々の企業が連携して,その力を十分発揮していける,そういうような役割を担う組織となることが望ましいというふうに我々は考えております。
それから,業者のかかわりについてでございますが,この新しいビジネスモデル自体は,企業と地域住民の経済活動ということでございますから,そこに直接行政が関与するということは考えておりませんけれども,コーディネート組織等,企業が連携した組織づくりを進めたいと,そういうような場合に当たっては,市といたしましても,側面からの支援は行ってまいりたいと,このように考えております。
それから,こういったコミュニティ型建設業に零細企業も対象になるのかというようなお尋ねがございました。先ほどご答弁いたしましたとおり,企業がそれぞれ持っております技術や
ノウハウを生かして,地域のニーズにこたえる事業というものでございますので,企業の大小といったような規模にかかわらず,当然,小規模のものであっても参加できる事業であるべきだと,このように考えているところでございます。
◆伊藤理智子 委員 前段でもお話ししましたが,本来,地域密着型の公共事業を行って,中小建設業者の仕事をふやしていくことが,今後,力を入れるべき課題だと思いますけれども,それと並行して,この施策も実りあるものにしていただきたいと思います。
最後に,家屋補修についての要望など,住民の声をよく聞き,実態に即した調査を行っていただきたいと思います。また,中小業者や現場で働く人たちの声もしっかりと聞いていただき,モデル事業についても,少しでも早く実施することを要望いたしまして,私の質問を終わらせていただきます。
◆五十嵐徳美 委員 私から,コールセンターの件について質問いたします。
経済の活性化ですとか,
IT産業の振興,さらには雇用の促進という観点から,札幌市においても,平成12年度からコールセンター誘致の
取り組みをしてまいりました。14年度末時点では20社21カ所が開設をして約3,000名の方々の雇用がされているということで,3,000名という数字は,本当に多い数字なのか,少ない数字なのかと,いろんな見方がありますが,3,000名もの方を雇用するということは地域経済にとっても大きな意味があったのではないかと思います。
さらには,ことしの初めにも新聞に,JRタワーの中にも新たにコールセンターが開設されて,順次この秋まで約200名規模の雇用をするということが載っておりました。
しかしながら,今現在,この札幌市を含めて北海道においても,また各県単位もしくは市単位で,このコールセンターの誘致にどこも同じように取り組んでいて,さまざまな誘致の条件設定を,札幌市以上にいい条件で設定しているところもたくさんあるわけです。そういった意味では,同じ感覚でどこの街でも取り組んでいるのが現状であり,
観光誘致もそうなのですが,改めて
都市間競争というのがさらに激しくなっているというのも現状かと思います。
そこで,まずことしの誘致の見通しについてお伺いをします。そして,その誘致に向けた具体的な
取り組みの現状,さらには,先日,新聞広告などに8月7日にコールセンターの合同企業説明会を開催すると載っておりましたけれども,主催者の中に札幌市も含まれておりますが,その趣旨についても,あわせてお聞かせいただきたいと思います。
◎池田
産業振興部長 それでは,私からお答えをさせていただきます。
まず,最初の質問のコールセンターの今年度の誘致見通しでございますけれども,現時点では新たに3社開設される予定となっておりまして,300名程度の雇用が創出されるものと考えております。これを含めますと,これまでに誘致したコールセンターは23社,24カ所となりまして,その雇用総数は約3,300名となります。
次に,誘致の具体的な
取り組みでございますけれども,これまでさまざまな形で本市の優位性をPRしてまいりましたし,北海道とも連携し,進出企業の設備費用などについて助成を行ってまいりましたが,お話にもありましたように,今後,
都市間競争が一層厳しくなっていきますことから,今年度から新たにオペレーターの能力向上の研修事業を行う予定でございまして,今後ともすぐれた人材が集積している札幌市の優位性というものを生かして,一層の誘致の促進に努めてまいりたいと,このように考えているところでございます。
また,コールセンター合同企業説明会の趣旨についてお尋ねがございましたけれども,コールセンターの事業内容というのは,求職者の方々にまだ十分知られていない面もありまして,実は雇用のミスマッチも生じているということもございます。そういった意味で,コールセンターへの理解を深めて,雇用の促進を図る目的で,国,北海道,札幌市の連携事業として,今回初めて開催するものでございます。今回は15社のコールセンター企業が参加し,合わせて450名もの求人が見込まれますことから,多くの雇用創出につながることを,我々としても期待しているところでございます。
◆五十嵐徳美 委員 こういった
取り組みは一朝一夕に効果が出ないと思うものの,ことしも含めてわずか数年間で3,300名という数字は本当に大きく期待ができると思います。
しかしながら,さらにコールセンターの誘致について取り組んでいくということでありますけれども,この
補正予算の中に,もう既に名称としてポストコールセンターとあります。コールセンター事業が完了しているわけではないけれども,
都市間競争が厳しい中で,もっとしっかりと取り組むには,次をにらんでいるといいながら,コールセンターには申しわけないタイトルかなと。ポストコールセンターですから,忘れかけるかのような,新たなる雇用創出の新産業分野のどうしたこうしたということだったら,非常に説得力があるのですが,いずれにしても,
都市間競争が激しいということで,現状でもいつまでもそういう雇用の増大を見込めない部分も既にあるのかと思います。
そこで,新しい雇用環境で,さらには,2003年問題と言われておりまして,主要都市のビルの空室問題などというものも,本当にさまざま言われております。そんな意味では,今建設業が衰退をして雇用もだんだん先細りしているという中で,いろんな知恵を使って新しい産業を創造するためにこういった調査費が計上されているかと思うのです。
そこで,その調査のねらい,それからその調査の結果に基づいて,今後どういう方向性を持って取り組むのか,お尋ねいたします。
◎池田
産業振興部長 まず,ポストコールセンターの調査事業のねらいでございます。
近年厳しいデフレ不況の中で,国内の企業の多くは,経営の合理化,効率化を進めるために,経理ですとかデータ入力,あるいは資料発送等の間接業務,いわゆるバックオフィスと呼ばれている部門でございますけれども,これを外部委託化するという,そういう動きが積極的に進められている状況にございます。これらの業務については,コールセンタービジネスと同様,コストの低廉な,しかも人材の豊富な地域への転換が進むと言われております。
本市といたしましても,そういった人材の優位性等を生かしながら,大きな雇用効果が期待できる新たなビジネスの誘致に積極的に取り組む必要があろうかと,このように考えておりまして,このような企業の動向を十分調査・分析し,またその誘致の可能性等について検討するため,このたび調査費として費用を計上したものでございます。
また,この調査結果を踏まえた今後の方向性ということについてでございますが,誘致の対象事業やさまざまな支援策を検討した上で,コールセンターはコールセンターで頑張っていきますけれども,これについては,今後の
企業誘致の新たなテーマとしてまた取り組んでいきたいと,このように考えているところでございます。
◆五十嵐徳美 委員 この札幌は,1次,2次産業という分類でいくと,特にサービス業が大きく占めておりますが,経済対策と,今言うところの雇用という問題とが表裏一体ではないかと思うのです。地方自治体が取り組む経済対策が,全体の雇用効果に即なるのかというと,非常に難しい側面も持っていると思います。本市においては,今経済局が取り組むそういったことによって雇用創出が発生しているものの,雇用の部分だけを専門とするところがないのも実情だと思います。
ハローワークとかは道の所管であるというふうな見解をお持ちの部分もあるかと思うのですけれども,いずれにしましても,札幌市は勤労市民課という失業対策の部分のセクションが今あるのですが,やはり経済と雇用というのは表裏一体ですから,改めて助役に,事前に言ってはおりませんでしたが,この経済対策と雇用対策を絡めて,僕は将来的に雇用創出という部分で市民局ではなくて経済局が所管をして,もちろんできるその施策の範囲というのは限られているのですが,経済局全体でという,そういうとらえ方を今後検討すべきと思うのですけれども,ご見解をお聞かせください。
◎小澤 助役 そのことについては,まさに検討しなきゃいけないと思っています。私どもは基本的には,こういういろんな社会状況の変化にあわせて,組織の形をいかにすればいいのか,またそういう組織をつくることによって,市民サービスがいかに迅速,かつ効率的にできるかという観点から組織のあり方を検討するということは,常に必要なことだと思っております。そんな観点から,今の問題提起についても検討させていただきたいということであります。
◆佐藤典子 委員 私は,福祉関連についてと集客交流について,2点質問させていただきます。
まず,福祉関連産業振興についてお伺いします。
近年の社会経済状況の変化,本格的な少子高齢化を背景に,ことし3月,札幌市においては,地域福祉社会計画が高齢者保健福祉計画,また障害者保健福祉計画とともに策定されています。これらの基本理念は,地域で暮らし続けるということです。先日の代表質問でも取り上げさせていただきましたが,豊かな地域社会の実現に向けて,今,まさにすべての人が暮らしやすい,ユニバーサルデザインは欠かすことができません。
このような中,福祉関連産業は,産業振興の観点からも,今後,特に成長が期待できる分野として重要な位置を占めていると考えられます。
先般,厚生委員会では,北九州市の総合保健福祉センター,アシスト21を視察してまいりました。保健・福祉・医療の一体的サービス体制を実現しようとするもので,それぞれの専門施設が入った複合施設であります。
中でも,介護実習・普及のためのテクノエイドセンターでは,1,200点にも上る福祉用具の展示とともに,福祉用具の改良,開発も行っているとのことで,非常に興味深く見学してまいりました。
札幌市においても,産・学・官の連携による福祉用具開発プロジェクトを設置し,開発した保護帽を商品化し,ことし2月には,北の生活産業デザインコンペティション大賞を受賞したと聞いております。札幌発信の福祉関連産業をつくっていく上でも,このプロジェクトの活動について非常に興味深く,また,関心を持っていたところです。
そこで,まず1点目の質問ですが,この福祉用具開発プロジェクトのこれまでの経過と活動内容について,まずお尋ねします。
また,その活動実績に対する評価や今後に向けた課題についても,あわせてお聞かせください。
質問の2点目としましては,このたびの予算に福祉関連産業振興費が,札幌発信のユニバーサルデザインの福祉用具を開発,商品化するための研究負担費として計上されておりますが,今年度予定している具体的な
取り組みについてもお伺いします。
◎池田
産業振興部長 それでは,数点ご質問がございましたので,まず最初のご質問でございますけれども,この福祉用具デザイン開発・研究プロジェクトの経過と活動内容についてお答えをいたします。
札幌市の長期総合計画では,福祉関連産業を本市が進める新産業の一分野として位置づけているところでございます。このプロジェクトは,これを受けてその具体的な
取り組みとして,だれでも使いやすく,札幌の風土・特性に合った福祉用具などの商品開発を目指し,平成12年に立ち上げたものでございます。
その活動内容といたしましては,本市そしてインダストリアル・デザイン学科を有します市立高等専門学校,それと社団法人日本福祉用具供給協会北海道支部,この3者が連携して,雪国で生活する人のための新しい帽子の開発にまず取り組んだところでございます。
この帽子は,障がいをお持ちの方の頭部を保護する,従来からありました福祉用具に機能性,デザイン性の面から大幅な改良を加えたものでございまして,昨年8月にアボネットという名称で商品化をしたところでございます。
次に,その評価と課題についてご質問ございましたが,産・学・官が連携し,札幌発のデザインと福祉を結びつけた新しいタイプの商品開発を行った点については,ただいま委員からお話もありましたように,大きな賞を受賞するなど,評価をいただいたものと思っております。
ただ,その一方で,商品として広く市民に使用してもらうという面ではまだまだ十分とは言えず,PRやマーケティングなどの視点も取り入れた
取り組みを行っていくことが,今後の課題ではないかと考えております。
ご質問のありました2点目の今年度の
取り組みについてでございますけれども,前回に引き続きまして産・学・官の連携により,高齢化社会に対応した商品開発を進める予定でございます。具体的には,家具メーカーにもご参加いただき,高齢者向けに木のぬくもりのある室内で使用する歩行器,これは歩く際につかまるカートのような補助具でございますけれども,この歩行器の開発を進めたいと考えております。
◆佐藤典子 委員 札幌の風土・特性を生かすということ,そしてデザインと福祉を結びつけたということは,本当にすばらしいことだと思いますし,これがこれからの札幌の新たな産業になるという期待を大きく抱くものです。既に商品化しました保護帽や,今言われました木のぬくもりを感じる歩行器など,それぞれが積雪寒冷地という札幌の地域特性を考慮した物づくりであるということ,また,先ほど申し上げましたが,市立高等専門学校,企業との連携で,実用性,デザイン性にすぐれた商品開発が進められていると聞き,本当に評価するところです。
一方,今後の
取り組みとしましては,この商品の単発的な開発で終わってしまうことがないよう,利用者である市民の評価をしっかり受けとめて,さらに改善,改良を加えていく継続的な
取り組み,また事業となることが大切であると考えます。
そこで,質問ですが,これまでの活動経過や今年度の
取り組みを踏まえまして,今後,この事業をどのような方向性で発展させていくのか,その将来展望と新たな産業として本当にやっていけるのか,その見通しについて伺います。
◎池田
産業振興部長 このプロジェクトの将来展望と産業化の見通しというお尋ねがございました。今後とも,本市の風土・特性を生かした,だれでも使いやすいユニバーサルデザインの製品開発をまずこれからも継続的に進めてまいりたいと思っております。
また,それとともに,開発あるいは商品化,さらにはPR,そして利用者の評価,こういったものがより有機的に結びついて機能していくように製造から販売,流通に至る総合的な体制づくりを進めて,新産業の振興を図っていきたいと考えておりますし,また,札幌市民の新しいライフスタイルとして発信することを目指していきたいと,このように考えております。
◆佐藤典子 委員 ただいまこの事業の将来展望としましては,本市の風土,地域特性を生かし,総合的なユニバーサルデザインとして開発し,提案する体制を目指していくとの答弁があり,うれしく思っております。
今回の開発プロジェクトの中で,キーマンとなりましたのは,やはり市立高等専門学校のデザイン科の先生方ではないかと思っております。もちろん職員の皆様,また企業の皆様も大変ご苦労されたかと思うのですが,この市立高専の先生方のパワーをまたフルに活用し,デザインと福祉を融合させた新しい形の製品開発を,今後も積極的に行っていただきたいと思っております。
また,この事業の成果としまして,障がい者や高齢者だけではなく,広く市民に利用しやすいものであることが求められております。私事ですが,私の母もパーキンソン病で,なかなか自分で御飯を食べられないというような状況になっていく中,福祉用具の開発というのは本当に望まれることです。
札幌から発信する札幌ならではの福祉関連産業を育てていくためにも,市民評価が次の商品開発につながり,フィードバックされるよう,市民の目線に合ったシステムをつくることを要望しまして,この関連についての私の質問を終わらせていただきます。
引き続きまして,集客交流・
シティPRキャンペーンについてお伺いします。
集客交流・
シティPRキャンペーンにつきましては先日も伺いましたが,この間の資料によりますと,おもてなしプロジェクト,ビジュアルプロジェクト,
コンベンションプロジェクト,この三つを柱としまして,来客2,000万人を目指し取り組むとのことです。札幌市では,これまでも観光行政をさまざま行っておりますが,ここ10年ほどは来客数1,300万人台が続いているということで,今後の
取り組みが期待されるところです。
今回のキャンペーンでは,札幌を訪れる人をどうやったらふやせるかということですが,やはり行政や観光にかかわっていらっしゃる一部の方だけが一生懸命取り組むのではなく,市民一人一人の観光都市札幌に対する意識の盛り上がり,さらには市民参加による集客交流拡大が大きな力になると考えます。
そこで,質問ですが,集客交流に対する市民参加のこれまでの
取り組みと,今回のこの
キャンペーン事業での
取り組みとがどう違うのか,お聞きします。
また,先日の代表質問でも取り上げさせていただきましたが,宿泊日数の増加について,市長からは大型
コンベンションの積極的な誘致や本市の持つ芸術・文化,スポーツやイベントなどの多面的な魅力を積極的にPRするとともに,終日安全で安心な都市環境と食の楽しみなどもアピールしていくとの答弁を得たところです。
中でも,安全で安心な都市環境をアピールしていくことは,札幌のイメージを高めていくために大変重要であると考えます。
札幌の観光名所としましては,主なところでは大倉山ジャンプ場,札幌時計台,北海道庁旧庁舎,そして羊ケ丘展望台など,やはり絵はがきに出ているようなところが喜ばれる傾向にあります。
あともう一つ,札幌に来たらちょっと行ってみたいというところに,関東以北最大の歓楽街であると言われる薄野があります。ここも観光客の多くが訪れる札幌の重要な観光スポットの一つであり,この地域が市長の言われる安心,安全であれば,札幌の魅力はますますアップすると考えられます。ひいてはまた,宿泊日数の増加にもつながるのではないかと考えます。このキャンペーンは,市民や企業の積極的な参加,また協働という考え方を掲げております。
そこで質問ですが,安全で安心な街薄野をつくるために,具体的にどのような
取り組みをされているのか。また,その
取り組みには市民や企業がどのように参加しておられるのか,まずお尋ねします。
◎渡邉
観光コンベンション部長 まず,ご質問の集客交流・
シティPRキャンペーン事業におけます市民参加型の事業についてでございます。
ご存じのように,これまでも市民の皆さん方には観光ボランティアによる大通公園や雪まつり会場での臨時観光案内所,こういったところでの活動に加えまして,ライラックまつり,ただいまやっております夏まつりなどのイベントを支えていただいてきてございます。
今回のキャンペーンでは,観光ボランティア体験といたしまして,従来の登録制度に加えて,だれでも参加しやすいプログラムを用意して,実際に観光客を案内していただくようにしまして,ボランティアの間口を広げていきたいと考えてございます。
また,札幌の魅力ある風景などを絵はがき,いわゆるポストカードと言われているものでございますが,こういったものを市民にお渡ししまして,市民の方から市外の友人や親戚の方などに送付していただきまして,市民みずからが
観光客誘致の一翼を担っていただくことを計画してございます。
さらには,集客交流にかかわる企業との戦略懇談会,また,市民によるアイデア会議も予定しておりまして,多くの方々から率直な意見をいただきまして今後の事業展開に生かし,協働による集客交流の促進を目指してまいりたいと考えてございます。
2点目の薄野における市民や企業の参加を生かした集客について,お答えをさせていただきます。
薄野は市民のみならず,観光や
コンベンション,あるいはイベントなどで来札されるお客様が多数訪れる,札幌にとっては欠かすことのできない大変重要な観光資源であると考えてございます。従来から,すすきの観光協会など地元の方々が主体となりましてさまざまな
取り組みを行っております。平成14年度からは安全で安心な街づくり,さらには薄野の集客力を高め,活性化を図るために,TMO事業の一環としてすすきの活性化協議会を設立いたしまして,この中で薄野にも総合案内所の設置に関する検討を行ってございます。
このほかにも,市民のボランティア団体でございます「アラ!あずましい会」というのがあるのですが,こういう地域主体の組織が街の魅力を高める
取り組みを進め,市民がみずからこの地域の活性化に取り組む動きが活発化しており,こうした動きは,本市としましても大変歓迎すべきものであり,側面的支援をしていく必要があると考えているところでございます。
◆佐藤典子 委員 すすきの活性化協議会というのはとても興味のあるところで,独自で薄野を元気にしようというふうに頑張っておられるということで,今後の活動が特に期待されるところです。
今回のキャンペーンの中のおもてなしという部分における市民参加についての一つの
取り組みとしまして,今,薄野の地域活性を目指して独自の
取り組みを始められたその実例を聞きました。ぜひ,安心,安全な街づくりに向けて積極的に活動を進めていただきたいと考えております。
また,札幌の大きなイベントとしまして,初夏のYOSAKOIソーラン祭り,また冬の雪まつりが挙げられますが,それらの集客状況,また
経済波及効果もわかっている範囲で結構ですので,
お答えください。
そして,YOSAKOIソーラン祭りでは,観光客が飛び込みで踊れるという企画ができ,参加型,体験型のイベントとして,楽しかったということが口コミで広がっておりまして,今やシンガポールなどからも日本人学校の子供たちを連れてYOSAKOIソーラン祭りへの参加があったという話も聞いています。そして,観光客にも非常に好評であるということを聞いております。
そこで,お尋ねしますが,このほかに観光客の方に来てよかったと思ってもらえるようなおもてなしのできる体験型の施策として,札幌市としましてはどのようなことをお考えか,お聞かせください。
◎渡邉
観光コンベンション部長 初めに,YOSAKOIソーラン祭りとさっぽろ雪まつりの観客数とその
経済波及効果についてお答えいたします。
まず,YOSAKOIソーラン祭りについてでございますが,本年第12回を迎えたわけでございますけれども,お客様の数は202万人でございまして,その
経済波及効果が212億円となってございます。
雪まつりでございますけれども,ことし行われた第54回の観客数は223万人となってございます。
経済波及効果でございますけれども,最近の調査は,11年に開催しました第50回,このときに調査してございますけれども,そのときの観客数が220万人でございまして,その
経済波及効果が268億円となっております。ことし行われました第54回についても,入り込み数がほぼ同数でございますので,その
経済波及効果も同程度の額と推定してございます。
それから,観光客におもてなしを感じていただくといいますか,参加型の施策についてお答えをさせていただきます。
近年,観光客のニーズは非常に多様化してございます。その中でも体験観光は,観光メニューの新たな選択肢として非常に関心が高まっていると認識してございます。このため,こうしたメニューの豊富さを提示し,誘致に役立てていくことが集客を進める上で非常に重要であることから,昨年度は定山渓地区における体験メニューを紹介する定山渓わくわく体験ガイド,これを定山渓観光協会と共同で作成し,観光客と地元住民との触れ合いも生まれ,大変好評を得ているところでございます。
今年度の新たな
取り組みといたしましては,雪まつりのときに,さっぽろスノーメモリアル雪だるまづくりという,市民も観光客も気軽に雪だるまづくりに参加できるというイベントを行っておりますが,これに財政的な支援を行う予定でございます。今後も,こうした市民も観光客も一緒になって,一体となって楽しめるような体験型観光メニューの拡大を図り,集客につなげていくよう努力してまいりたいと考えてございます。
◆佐藤典子 委員 私は,来客2,000万人を目指すための一つの方法として,できるだけ多くの市民が主体的に集客のための
取り組みに参加していくことが大きなかぎになるのではないかと考えております。
例えば,口コミによる宣伝ということも,実は非常に大きな役割を果たすものです。市民一人一人が札幌の魅力を認識し,札幌っていいよと身近な人たちにそれを伝えていく,そしてさらには,また札幌に来てねとつけ加えていくことが,地道なようで一番の宣伝効果を発揮するのではないかと思っております。
キャンペーンの中でも市民参加の視点をできるだけ取り入れ,市民一人一人に浸透していくような
取り組みを進めていただきたいと思います。
あと,もう一つの大切な切り口は,そこに住む人の優しさだと思います。DPIのとき,車いすの方が大勢ホテルに宿泊され,ホテル側も,車いすの方が泊まれるような手当てをされて大変だったと聞いております。また,昨日の委員会でも出ましたが,歩道のバリアフリー化を進める,また,先ほど質問にも取り上げさせていただきましたが,福祉関連産業の振興など,私たちがこれから取り組むものについては,人の優しさの中で息づくものがたくさんあり,またそれに触れて,もう一回札幌に行きたいなと思う人がふえるのではないかと考えております。
来客2,000万人に向けて,私も声を出して札幌に来てねと言っていこうと思っています。また,今後とも,皆さんと力を合わせて,協働で観光都市札幌を実現するように取り組んでいきたいと思いますし,行政の方でもそのような
取り組みを進めていただきたいと思っております。これで質問を終わらせていただきます。
◆阿知良寛美 委員 私からは,建設業対策広報事業,それから建設業対策特別相談補助,中小建設業IT化促進事業について,2点質問をさせていただきます。
先日,開催されました政府の経済財政諮問会議において,来年度の公共事業費は全体で3%削減の方向が打ち出され,本日閣議決定されますが,今後も公共事業についてはますます削減されていくものと考えます。
傾向を調べてみますと,石狩管内の工事請負金額がピーク時の平成10年が3,936億円ございました。平成14年度は2,363億円と約40%減少しております。こうした背景から,建設業界の競争も非常に厳しく,本市発注工事の落札率を見ますと,12年度が96.34%あったものが13年度には92.22%と下がるなど,利益率が相当低下していると考えます。
また,先日,総務省から発表された道内の4月から6月までの完全失業率が6.2%と,同じ時期での過去最悪の数字であったことは,この建設業の不況が少なからず影響しているものと思います。また,産業別の就業者数についても,建設業が本年1月から3月期に比べ1万人減少するなど,雇用面でも大変大きな影響が出ている状況でございます。
こうした現状を受けて全庁的なプロジェクトを組んで,不況業種対策を検討してきたことは評価できるものであります。このプロジェクトを進めるに当たって,業界の生の声,そういう
アンケート調査なども実施した上で支援策の検討を進めたというふうに聞いております。そういう部分では期待をしてまいりたいと,このように思います。
そこで,第1点目として,経済局が実施するこの事業,広報事業,特別相談補助,IT化促進事業などの事業費が計上されていますが,これらの事業の趣旨や内容について,また,アンケート結果の反映状況なども含めてお聞かせ願いたいというふうに思います。
◎池田
産業振興部長 このプロジェクトですが,全庁的な形で進めさせていただいておりますけれども,私ども経済局といたしましても,ただいま挙げていただきました事業を直接所管していきたいというふうに考えておりますので,その部分についてお答えをしたいと思います。
まず,建設業対策広報事業でございますけれども,ホームページの作成,あるいは建設業界に対する説明会などを通じ,本市の
中小企業支援策や今回
予算計上いたしました建設業向けの支援策のPRに積極的に努めるとともに,建設業の方々には,今後の公共事業の厳しい見通しなどをお伝えして,経営判断の参考にしていただこうというものでございます。
このような事業に踏み切りましたのは,このたびの調査結果によりますと,実は,本市の
中小企業支援策の活用状況に対して,利用したことがないというのが実に9割を超えておりまして,また,その理由についても,どんな制度があるかわからないといったような声もありました。我々としては,
中小企業支援策の周知度が極めて低い状況だということを重く受けとめまして,このような事業を展開したいというふうに考えております。
また,建設業対策特別相談補助でございますけれども,これにつきましては,札幌商工会議所の
中小企業相談所を活用して実施する予定でございまして,一般的な経営相談に応ずるほか,企業連携や合併などの専門的な相談にも対応してまいりたいと考えております。
これは,アンケートの中では,まだごく少数でございましたが,今後,やはり建設業の組織力を高めていくという面で合併,あるいはいろいろな企業連携という部分も出てこようかと思いまして,そういったことに対応するという考えでございます。
それから,中小建設業IT化促進事業でございますが,電子入札制度の導入も検討されているところでございまして,このたびの
アンケート調査の中でも,情報化を進めてコストを削減していきたいという声も聞かれておりますので,その点も踏まえまして,財団法人さっぽろ産業振興財団の
ノウハウも活用しながら,中小建設業のIT導入について支援しようというものでございます。
◆阿知良寛美 委員 今,お答えの中に,何点か
アンケート調査結果の説明がありました。その中で回答がありましたけれども,制度の活用経験がないというのが91.2%,複数回答ではありますけれども,その存在自体知らなかった,また,どんな制度があるかわからないというのが70%(「半数です」と呼ぶ者あり)複数回答でありますからね。要するに,行政のこういう制度というのは,ほとんどは申告制度なわけですから,これだけじゃなくてですよ。ですから,そういう面では如実にPR不足だということが一つあるというふうに思います。もちろん経営者の資質の問題もあります,これは。役所ばかり悪いわけではないですけれども,そういう部分では制度の周知にしっかり取り組んでいただきたいということが1点あります。
それから,先ほどの答弁で,一般的な建設業に対する支援策としてはわかりましたが,建設業の規模は零細なところが非常に多い,こういう状況です。市内の建設業を規模別に見ますと,従業員が20人以下の事業所が,市内建設業全体の85.9%を占めております。さらに,10人以下についても65.7%,こういう比率でございます。
したがって,一口に建設業といっても,その規模というのはさまざまでありますから,またそれぞれ状況が違う,多くの中小零細企業ではさらに厳しい状況にあるということでございます。融資などの相談にしても,借りたくても融資が受けられないような状況になっていることも多いというふうに聞いております。
最近,私も同僚議員とともに,元気アップセミナーというのを開催しました。
中小企業の方に集まっていただきまして,本当に小さい企業の方ですけれども,さまざまな融資制度を知っていただく,また活用方法なんかも工夫していただいて,元気になろうと,こういうセミナーを開いたわけです。そういう内容で開いたわけで,終了後,質問会を持ちました。
例えば,資金繰り円滑化借換保証制度,これは我が公明党が強力に推進して,2月10日からスタートしまして,短期間でありますけれども,全国で14万件くらいの利用があるという報告を受けておりますが,例えば,ご承知のとおり保証つきの融資の借りかえを行うという制度でございます。複数あれば一本化した上で,返済期間を最大限10年まで延ばすことができて,月々の返済額を減らすという制度でございます。
この説明が終わって,ほかの制度の説明も終わり質問会に入ったときは,その場で手を挙げないのです。1回目が終わった後個別に来たのです。ところが2回目をやったときに,こういう話がありました。阿知良さん,どんなにすばらしい制度でも,銀行に行って,金を貸してくれと言ったら,まず保証協会へ行きなさい,保証協会でうんと言ったら貸してあげますよと。次に,保証協会へ行ったら,銀行へ行って,銀行が貸してやると言ったらいいですよと。どんなにすばらしい制度でも借りられないのではどうしようもないと,こうやって嘆いていました。それだけ非常に厳しい。
また,最近は,相談にいらっしゃる方も100万円,いや50万円でもいい,その金があればつぶさなくてもいいと,こういう相談が最近は多いのです。本当に現場は,我々が思っている以上に非常に厳しい状況でございます。
そういう部分では,こういう事業を進めるに当たっては,企業の規模などの実態を十分踏まえた上で,中小零細の建設業者にとって利用しやすい事業となるよう細かな配慮が必要だというふうに思いますけれどもいかがか,お聞きしたい思います。
◎池田
産業振興部長 ただいま,中小零細の建設業者に配慮した
取り組みについてのお尋ねがございました。
まず,相談事業という面でお答えいたしますと,市内に6カ所ございます札幌商工会議所の中央企業相談所の支所におきまして,地域に密着した特別相談会を実施する予定でございます。その実施に際しては,タイムリーなテーマの講習会をあわせて開催するなど,なるべく多くの建設業の方々が気軽に相談できるように配慮していきたいというふうに考えております。
また,もう一つのIT化促進支援につきましては,特に小規模な建設業者の方々を対象といたしまして,パソコンなどのIT機器の導入にかかる助成を行うというだけではなくて,ITの使い方ですとか,あるいはそれを活用した経営改善につきましても,専門員が親身に相談に応ずるなどのそういった配慮をしてまいりたいと考えております。
◆阿知良寛美 委員 そういう相談には,実は,どうしようもなくて来る方が一番多いのです。そういう部分では,相談コーナーというか,相談員がその企業の経営内容なども含めて,ここを改善しなければ,もうだめだよというようなことをしっかり言う,これは目新しいことですから,しっかり推し進めていただきたいというふうに思います。
また,今後,建設業が建設業として生きていくためには,先ほどもお話がありましたけれども,技術力や組織力を高めていくことが必要だというふうに思います。
そのためには,技術力を重視した入札方法,また研修システムなどを構築して,また,先ほどお話がありましたけれども,会社の組織力を高めるためにも,企業の合併とか連携などの促進策,これは非常に大事だというふうに思います。
今回の
補正予算の中でそれらに対応するものもありますけれども,まだ十分とは言えません。そういう部分では,経済局だけで進めることができない性質のものもございますから,今後とも引き続き庁内を挙げて,こういう支援策を実施していただきたい,このことを強く要望いたしまして,私の質問を終わります。
◆小川勝美 委員 私からも,
中小企業の金融対策と,それから市長の選挙公約でもあります
元気基金,この二つについて,お尋ねをしたいと思います。
この問題については,先日も我が党の宮川議員が本会議の代表質問を行ったところであります。そして,上田市長から答弁があったところでありますけれども,改めてお尋ねをしたいと思います。
特に,札幌は
中小企業の街であります。そして,この間の
金融機関の不良債権の処理ということで
中小企業に対する融資,これは非常に厳しいものがあります。それを示すような形で北海道財務局の北海道金融の統計,これを見ましても,
中小企業に対する貸し出し残高というのがこの間ずっと低下し続けている。特に,制度融資なんかが対象にされております北海道信用保証協会の保証つきの融資の残高を見ますと,これは平成12年8月からずっと今日まで,貸し出し残高が減少し続けていると,こういう状況になっています。まさに,長期化するデフレ不況の中で,
中小企業の皆さんに金が回らない,そこにもってきて,政府の不良債権加速処理なんていうことで,より一層,加えて貸しはがしであるとか貸し渋りであるとか,さらには,実際には既存の融資でありますから,
中小企業が融資を受けているわけですから,実質銀行と契約をしている行為であると思うのですけれども,これが
金融機関側の一方的な通告によって,リスクが大きいからということで,金利の引き上げなんかもやられているという状況にあります。
市の制度融資も,
金融機関に市のお金を原資として預託をして,銀行などの
金融機関を窓口にして,
金融機関との協調融資制度を行ってきています。そして,実際に,市の制度融資だからといっても,
中小企業の皆さんが銀行などに行くと,これは市の制度融資だけれども,あなたに貸すのは私の銀行ですよとこう言って,なかなかそう簡単に貸してくれないというのが,現場における実態と私たちは聞いているわけです。
そんな中で,市の制度融資であっても,銀行の不良債権処理がなされる中で,この間,貸し出し件数も,市の制度融資の貸し出し残高も,年々減少してきているというふうに認識をしているのですけれどもいかがなのか,この点についてお尋ねをしたいと思います。
そういう中で,先日,テレビで報道されて,おっと思ったのが,この4−6月期になって,信用保証協会の保証承諾の融資が変わってきて伸びてきたと,こういう保証承諾の実績が上がってきている,こういうようなニュースが流れておりましたけれども,札幌市の制度融資の中でこのような変化,影響が出てきて,今までずっと減少傾向であったものが,4月以降新しい変化が起こってきているのかどうか,この点についてお尋ねをしたいと思います。
次に,地元の中小零細企業が厳しいデフレ不況の中で大変経営に困っている,そういう
中小企業の経営者,あるいはそこで働く従業員の人たちにとって,今回の2回における市長選挙で,上田市長候補が打ち出した500億円の
元気基金,これは上田市長が当選したら札幌の
中小企業にとってプラスになるのではないかなと,こういう希望の星のようにも映ったのではないかなと,私たちも見ているところであります。
上田市政が誕生して,市長も今回の選挙公約を実現するということで,
補正予算の中に
元気基金の調査費ということで300万円の調査費が出されています。どんな調査をするのかわからないし,500億円という融資枠の設定と,こういうことも述べられておりますけれども,具体的に,この市長の選挙公約の500億円の
元気基金,そして,市の今までの制度融資との関係について,お尋ねをしたいと思うのです。
現行の
中小企業の融資制度でさえ,今年度の予算ベースの融資枠は1,600億円を超えているわけです。今までの制度融資はそのままにして,別枠で500億円の新たな融資枠を持つ
元気基金,しかも,なかなか銀行が貸さなかった,こういうところを対象にして500億円の融資枠をつくっていくと,こういうことなのかどうなのか。そうではなくて,今まである札幌市の制度融資でいうと,マル札の中でも小規模事業資金であるとか,あるいは倒産関連企業資金であるとか,あるいは独立開業資金であるとかと,そういういろんな融資枠があります。それを
元気基金枠にすっと移行させてしまうと,そして,今までの1,600億円ある融資枠の方は500億円削って,
元気基金枠に500億円新しくつくられたと,これだったら,衣がえだけになって,何だ,これはおかしいじゃないかと,こういうことになると思うのです。
そうではなくて,やはり今までの融資枠はきちっと確保しながら,今までそう簡単に制度融資では貸してくれなかった,こういうところに500億円の融資枠をつくっていくというふうにすべきだと思うのですが,いつからこういう500億円の融資枠を受け付けできるような,制度化していくことができるのか。そして,この500億円というのは,一遍に500億円ということにならないと思いますけれども,なかなか貸してくれないところ,貸し渋りの対象になっているところ,あるいは新しく事業を起こすところ,新しい創業者の皆さん,こういうところも対象にしていくのだ,NPOも対象にしていくのだと,こういうふうに市長も提案説明,所信表明演説なんかでも言われておりますので,今回は300万円の調査費しかついておりませんけれども,具体的にいつからこの
元気基金というのが使えるようになるのか,
中小企業あるいは零細企業の人で,本当に上田市長の
元気基金に希望と期待を込めて1票を投じた人たちにどうこたえるのか,ぜひお答えをしていただきたいと思います。
◎池田
産業振興部長 まず,最初の
中小企業融資の現状,あるいは変化についてのお尋ねがございましたので,それについてお答えいたしますけれども,まず,融資実績につきましては,制度全体の残高について3月末で比較いたしますと,平成14年3月から減少傾向にございまして,15年3月末と14年3月末を比較いたしますと,金額では2%の減少で,件数におきましても,1万1,505件から1万1,469件へと0.3%ではございますが,減少ということになっているところでございます。
また,保証協会のことし4月から6月分については上回っているというようなこともあるけれども,その影響や変化が札幌市の融資制度の中でもあるのかというお尋ねでございまして,これを
マル札資金の直近の利用状況で見てみますと,2月から始まりました保証協会の借りかえ保証制度の利用が進んでいるということを背景に,ことしの3月から5月にかけての新規融資の合計額は,昨年度同時期の実績を2割ほど上回っているという状況にございます。
次に,
元気基金についてのお尋ねがございましたので,お答えいたします。
まず最初は,
元気基金と融資制度の関係はどうなのかというお尋ねでございます。
中小企業の方々に資金が十分行き渡るようにという趣旨で,新たな
金融制度の
枠組みづくりを行うということでございまして,当然,既存の融資制度との整合性も十分保っていきたいと思いますけれども,新たな金融支援制度の枠組みを行うという形で,今回の調査を行うものでございます。
また,いつから実際に実施するのかということでございますけれども,今年度実施するのは調査ということで,その調査結果を踏まえまして,具体的な方策も検討の上,早期に実施してまいりたいというふうに思っております。
また,500億円というものをいつ達成できるのかというお尋ねもありましたのでお答えいたしますが,達成時期につきましては,新たな
資金需要の規模がどのくらいあるかというようなことにもかかわりますけれども,市長の任期中を一つのめどに考えているところでございます。
◆小川勝美 委員 制度融資については,保証協会の借りかえにも保証がつくような形になったということで,3月−5月期で2割ほど伸びているということであります。今回の
補正予算でも,融資枠でいうと3割増と,こういうような
補正予算が組まれているのですけれども,この借りかえによる融資の増が伸びたとしても,今3月−5月期というご答弁がありましたが,年間通してこういった場合でも3割増で十分対応できるのかどうか,この点について,もう一度ご答弁をいただきたい。
それから,今回,制度融資の補正が行われておりますけれども,昨年度に比較をして何らかの新しい対応がされたものがあるのかどうか,ありましたらお示しをいただきたい。
そして次に,これは今ご答弁ありました
元気基金についてでありますが,新たな融資の枠組みをつくっていくということで500億円つくり,早期にと,来年度と言わないで,今,池田部長は早期に実施したいと,そして500億円の達成は任期中だというから,もう市長の任期は半年終わっていますから,早くやってもあと3年半しかないということでありますけれども,早期にというのは,早ければ12月の
補正予算ででも頭出しをするというふうな理解で,NPOに対する融資枠は,今までの
中小企業でやっていたのとちょっと変えた形で,NPOには12月から貸し出しをしていくとかというようなことが念頭にあって早期にというご答弁になったのか,あるいは来年4月から別枠で500億円の融資枠ということで,信用保証協会に
元気基金枠の枠を設定してもらうと。あるいはそれらを窓口にして銀行協調融資ですから,そういうことも含めてやっていくという,本当に新たな
取り組みとして,今までの制度融資と違うようなことを実際にやっていかなかったら,今までの制度融資を申し込もうと思ったのが,そうではなくて
元気基金に申し込んで,
元気基金枠で融資を受けただけになってしまうようなことであっては,上田市長の公約が本当に生かされたことにならないと思うのです。
そういう意味で,一番大事なのは,市長は500億円の
元気基金枠をつくって,今の金融の引き締めというか貸し渋り,貸しはがし,あるいは一方的な金利の引き上げ,こういう中で札幌の中小零細企業の皆さんが大変苦しんでいる,そういう人たちに本当に勇気と希望を与えて,元気になってほしいと思って
元気基金枠をつくったのだけれども,これを実際に運用するのは,何のことはない経済局の皆さんですから,皆さんが抵抗勢力になって,そうではないようなことになってしまうとこれは絶対実現できません。そういうことで,中小零細企業の皆さんに,本当に安心して経営ができる,よかったなと,こう言われるような
元気基金枠をどのようにつくっていくおつもりなのか。これから調査されると言うので,具体的に言えといってもなかなか難しい側面もあるのですけれども,この点についてご答弁をいただきたいと思います。
◎池田
産業振興部長 最初のご質問でございますけれども,既存の融資制度の関係で2点ほどご質問がございました。
一つは,ただいまご答弁いたしましたが,保証協会の借りかえ保証制度の利用というようなこともあって,ここ数カ月は実績が伸びていると,そういう状況にありますけれども,今回の予算措置で十分足りるのかということでございますが,我々としては,そういったような増加も見込みながら,去年の予算よりも3割増しということで,厚く積んでおりますので,十分対応できるものと考えております。
それから,新しい融資制度の中身としては,近年環境に対する動きというのは大変大きくて,企業の中でもISOを取得する,これは9000とか14000とかいろいろ企業によってありますけれども,そういう動きが大変多うございますので,そういった際に,結構これは取得するためにお金もかかるということもありますので,低利でそれを融資するというような部分で,新しい制度も加えているところでございます。
それから,
元気基金の関係につきましては,どのような内容にしていくのかと。本当に困っている
中小企業の皆さん方にお金が流れていくようなシステムにするのかというお尋ねがございました。
これにつきましては,代表質問で市長も答弁しておりますけれども,調査を進めるということでございますが,一口に
中小企業の皆様方のニーズと言いましてもさまざまなニーズがございます。そういったいろいろなニーズ,それから,最近では市民の方もNPOというような活動の中で資金を必要としている,そういった団体もございますので,そういったニーズを幅広く酌み取りながら,それぞれのニーズに対応した実効性のある支援策を検討していきたい。そして,新たな金融支援制度の
枠組みづくりを行ってまいりたいと,そのように考えているところでございます。
◆小川勝美 委員 最後に,小澤助役,今,池田部長からいろいろと
中小企業の皆さんのニーズを聞きながら
元気基金枠をつくっていきたいということなのですけれども,既存の金融の手法とは異なる手法を用いて,貸し渋りとか貸しはがしに苦しんでいる
中小企業の皆さんにお金が回っていくような,今までとは違う,さらに工夫された,市も頭を使った,こういう
元気基金枠という金融支援策,こういうのをぜひ
元気基金枠で展開をしてほしいと思うのです。
それを上田市長の思いを本当に補佐していくのが小澤助役の仕事であり,小澤助役と一緒に経済局長なり部長たちの皆さんが,それを具体化していくのだと思うのです。そういうことで,小澤助役の
元気基金枠,上田市長の思いをどうやって実現していくのか,具体化していくその決意,これについてお尋ねして,私の質問を終わります。
◎小澤 助役 非常に厳しい経済状態の中で,先ほど小川委員からるるお話がありました。非常に経済状況が厳しい。企業の経営に苦しんでいる経営者がたくさんいらっしゃる。また,私どもも調査いたしますけれども,その調査の中では,同じような声がたくさん寄せられるのだろうと思っております。そういうような声に,先ほど部長からお答え申し上げましたように,きちっとこたえ,熱意のある内容の制度をつくっていきたいというふうに思っておりますし,そのことのために,私,それから経済局長なども含めて,全力を傾けて事務に当たってまいりたいというふうに思っております。
◆本郷俊史 委員 私からも,集客交流・
シティPRキャンペーン事業について質問をさせていただきたいと思います。
この質問の中身に入る前に,先ほど来やりとりがございました来客2,000万人構想,これについて,まずお伺いをしたいと思います。
ただいまも
札幌元気基金の話がございました。市長の提案説明の中でも,文化と誇りあふれる街と,街づくりの姿勢が示されたわけでありますけれども,その中で,今,早急に取り組まなければならないこと,これは何といっても市民の暮らしを守ることであると。したがって経済・雇用対策なのだというお話がありまして,一つ目は,今お話のあった
札幌元気基金,そして二つ目の大きな柱として,観光・
コンベンションを札幌の基幹産業にすると。そして来客2,000万人を目指していくのだというお話でございました。
この観光関連産業は,大変波及効果の大きい産業でございまして,日本においても,
IT産業と並んで21世紀の大きな産業に成長していくということでございます。平成13年度の
経済波及効果,これで見ましても,観光自体の直接の消費20.6兆円,生産波及効果48.8兆円,約50兆円と,そして雇用創出も約393万人と,これも,今,国としては観光立国ということで,将来的には100兆円産業へということで,市長の来客2,000万人構想というふうになっていると思うのです。ただ,実際にこれを振り返ってみますと,先ほど来お話がございましたが,札幌はここ数年大体1,300万人台で推移をしてきているのだというお話をされるわけですけれども,この間には,有珠山の噴火やあるいは同時多発テロ,ことしで言えばSARSの問題等々,
観光産業にとっては大変厳しい状況もあったわけでございます。
そういう中で,さまざまな努力をして,ハードの面で言えば札幌ドームができた,
コンベンションセンターもつくった,そして先ほどあったYOSAKOIも雪まつりに匹敵するような祭りに成長してきた。こういうことがあって,実は1,300万人が維持をされていると。こういうことがなければ,むしろ今の状況からすると減っていると。平成2年に札幌市は観光基本計画,この21世紀の札幌の目指すべき観光の姿をつくって,今,取り組んできているわけです。
平成2年の札幌市の観光の入り込み客は1,260万人ぐらいでしょうか,昨年度が1,325万人ということなりますと,12年たって60万人しかふえていない。こういう中で,今申し上げた2,000万人の来訪,これだけ来れば確かに
経済波及効果は大きいわけですけれども,これに対して,原局の観光
コンベンション部としては,この2,000万人という数,どのように受けとめているかということをまずお伺いしたいと思います。
◎渡邉
観光コンベンション部長 ただいまの市長の公約にございました,目指せ来客2,000万人構想に対して,この数字の部としてのとらえ方ということでございますが,まず,先ほど委員の方からもお話がありましたように,集客交流産業は本市の基幹産業である,これは皆さん方どなたも揺るぎない考え方だと思います。多くの方々に来訪していただくことによって,経済の活性のみならず,新たな価値が生まれるといった,多面的な効果があるということも疑いのないところだと考えてございます。この2,000万人という数字は,非常に目標値の高いハードルでございますけれども,目標を高く設定することで,将来を見据えた施策展開を内外に示すことができると,このように考えてございます。
◆本郷俊史 委員 何か聞かない方がよかったのかなと,これは,ほとんど2,000万人達成は難しいと。ただ,今,お話ししたみたいに,国としてもこれは全面的に取り組んでいくと。
ビジット・ジャパン・キャンペーンということで,ことしの1月,首長の施政方針演説がございまして,今,日本から海外に出ていく観光客が1,600万人,大体中国と同じぐらいで,世界で10位と。しかし一方,日本に入ってくる外国の方々は,500万人と3倍の開きがあると。収支でいうと約3.5兆円の持ち出しになっていると。これを2010年までに倍の1,000万人にするのだということで,今,
取り組みを初めているところですね。先ほど話がありました上海にも事務所を出して,扇大臣みずから8月に乗り込んでいくというようなことでございます。
予算書を見まして,先ほどもありました観光の夕べだとか,今回の補正でないですけれども,さまざま
取り組みもされていますが,これはあくまで1,300万人の中の話,いわゆるこれを1,400万人,1,500万人にしていくというためには,新たな
取り組みというかプロジェクトといいますか,必要になってくるわけです。今回の補正を見ますと,集客交流・
シティPRキャンペーン事業が
新規事業3,450万円となっているわけでございまして,まず,この事業が従来の
取り組みとどう違うのかと,事業の目的を含めて1点お伺いをいたします。
それから,そうは言っても,この2,000万人構想の
取り組みの中で,2,000万人という数字に対して,この
キャンペーン事業はどの程度寄与できるのかとその数値的な目標,これを持っていればお示しを願いたい。
それから,この事業は,3カ年で三つのプロジェクトを進めていくということでございますけれども,細かく説明すると大変長くなるかと思いますので,特に重点的に取り組んでいくものをご説明願いたいと思います。
◎渡邉
観光コンベンション部長 3点のご質問がございました。順番がちょっとずれるかもわかりませんけれども,まず初めに,従来の
取り組みとの違い,そして力点,重点を置いているところ,まずこの点についてお話しさせていただきます。
特に,力を入れている点でございますけれども,本市では,これまで集客交流に向けてさまざまな観光振興策を実施して,集客増に努めてまいったところでございますが,しかしながら,市が行っている施策そのものが,市民あるいは企業の皆様方に必ずしも十分認識いただいているとは言えないところもございます。
そこで,市民・企業の皆さんに一層のご理解をいただくとともに,行政を含めてそれぞれが役割を担い,四季を通じてにぎわう集客交流都市を目指すことを,このキャンペーンの大きな目的としてございますけれども,従来との
取り組みの違い,つまり力点でございますが,これまでのいろんな個々の事業別の
取り組みに比べまして,三つのプロジェクトを持つ事業を相互に連携させながら展開していくという大きな点がございます。
もう1点は,
キャンペーン事業の各種事業について時期を単年度ではなくて3年間とする点がございますし,特に重点を置いている点は,三つの
キャンペーン事業が,事業実施と並行して集客交流産業に携わる企業や市民との懇談会,あるいは意見交換会というものを実施しまして,多くの方々から意見をいただくということでございまして,市民参加型の事業であるという点でございます。
それから,来客2,000万人構想との関係でございますけれども,このキャンペーンでは集客交流促進プランの実践事業としまして,平成17年度までに新たに180万人以上の集客交流が生み出されることを目標としてございまして,将来目標としての来客2,000万人の達成を目指す上で,その足がかりとなる具体的事業の一つとして取り組んでまいりたいと考えてございます。
◆本郷俊史 委員 事業の中身については,まだまだ議論しなければいけないと思いますけれども,今までの桂市長時代の集客交流産業の,いよいよその実践として,今,数値目標として,この3年間で180万人以上ということは,1,320万人から1,500万人へというお話しなのですけれども,それにしてもかなりハードルが高いわけです。そして2,000万人と掲げてしまったものですから,どうしてもということもございますけれども,そうではなくして,将来的に基幹産業として位置づけをされるということなわけですから,この3年間でさまざまな
取り組みをしながら,例えば,ことしの2月の雪まつりのときに,観光客に対して満足度調査を実施されております。その中で,やはりいろんな観光客からの不満とか,あるいはよかったところ,こういった把握を積み重ねながら,札幌市として10年後とか,将来どうするのだということを,きちっとつくり上げていくことが大事でないかというふうに思うわけです。
北海道では平成13年10月に,北海道観光のくにづくり条例を制定しまして,今,計画をつくっております。期間は平成14年から19年の6年間,この中でさまざまな数値目標も掲げていると。5,000万人から6,500万人を目指すと。道外からの観光客も600万人から800万人,札幌市に比べれば達成できそうだなと,3割アップぐらいで,年数もあると。さらには,今私が申し上げたような
アンケート調査をやり,今,観光客の食事の満足度は60%なのです。これを80%に持っていくだとか,特に北海道観光でよく言われる接客のマナーの悪さ46.7%,これも何とかして,この機会に向上を目指すのだとか,あるいは
コンベンションの開催件数だとかを細かく目標設定して,そのために何をするのかと,こういう施策を組んでいっているわけでございます。
そこで,今,私が申し上げたこの3年間で,平成2年につくった観光基本計画なるものは平成17年までということですので,当然,これの改定も必要になってくる,その中に,今私が申し上げたようなことを取り入れて,将来の札幌の観光,しかも,単に観光基本計画というようなことではなしに,札幌は観光を基幹産業にしていくのですよということを,内外はもとより,先ほどから話があった市民の一人一人に伝わるようなメッセージ性のある,そういった計画をつくっていくことが必要ではないかというふうに思うわけですけれども,その点についてお伺いいたします。
◎渡邉
観光コンベンション部長 ただいまの質問でございますけれども,まず,もうちょっとその
キャンペーン事業を展開する上で,マニフェスト的な目標数値を持って,17年度までの現在の基本計画に反映していってはどうかという質問ととらえまして,お答えさせていただきたいと思います。
この集客交流・
シティPRキャンペーン事業の最終的な目標でございますが,先ほど委員からもお話がございました満足度調査,これは本市では初めてことしの雪まつり時期にやりまして,14年度ですが,この観光客の満足度が84.5%だったものを,キャンペーンの最終の17年度には90%以上に持っていきたいと,まず1点こう考えてございます。
それから,2点目のことでございますが,ボランティア体験参加者数,先ほどキャンペーンの中で,おもてなしキャンペーンというプロジェクトのお話もさせていただきましたが,この中で,今現在,観光ボランティアの方は380人ほど登録していただいてございますけれども,この登録者数ではなくて,いろいろな一般市民の方々,基本的にだれにでもボランティアになっていただくということで,この3年間に延べ1万人以上の参加をいただくことを目指してございます。
こうした
キャンペーン事業,この三つのプロジェクトの事業を通じまして,将来目標でございます2,000万人構想の実現に向かって努力してまいりたいと考えております。
それから,新基本計画との関係でございますけれども,当然,このキャンペーンが終わりましたらどうするかということにもなるわけでございますが,この事業全体の達成状況の検証を行いまして,個々の事業の継続,あるいは見直しなんかも判断しまして,当然,次の展開へと結びつけていくわけでございます。ここでこの3年間のフィールドといいますか実験で得られたものを,今後,予定してございます新たな観光計画という名称がいいのか,どういう名称がいいのかは別でございますけれども,そういったものにも反映させていきたいと,このように考えてございます。
◆本郷俊史 委員 今,観光ボランティアのお話もございました。バブルのときに,これは北海道だけではないですけれども,テーマパークだとかリゾート開発だとか,さまざまなことがありまして,確かにその時代というのは,ゴルフ場をつくって,スキー場をつくって,そこに大規模リゾートをつくれば観光客が来るということで日本各地でつくられて,今はほとんどそれが大変に重荷になっていると。私は,
観光産業を本当に支えていけるプロの方々,人材ですね,こういった部分がないままに推移してきたことも一つの原因ではないかというふうに思っておりまして,札幌市が進めていくプロジェクトにあっても,やはりそういった人材の育成ということが欠かせないことだというふうに思っております。
幸いにといいますか,大学の中で観光学部を持っているのは日本で二つしかございません。その一つが,札幌にある国際大学でございます。例えば,その中でさまざまな研究をされている教授の方もいらっしゃいます。そこで高等教育を受けて出てくる方々,こういった方々の育成ということが,今後,欠かせないことになってくると思いますので,この点について1点。
札幌にそれだけの観光客を呼ぼうとすると,これは観光
コンベンション部だけでなし得ることではないと,わずか27名の職員しかいらっしゃらない,ほとんど日常的にいろんなイベントに携わっている。むしろ,街づくりという観点からすると企画調整局であったり,あるいは市長が言う文化・芸術もその観光の資源にしていきたいということであれば市民局も絡むでしょうし,そういった意味で,本当に,札幌で集客2,000万人構想をやるのだという思いなのであれば,むしろそういった全庁的なプロジェクトで取り組んでいくということが必要になるかと思いますので,この2点について,助役にご質問したいと思います。
◎小澤 助役 1点目の専門の人材の育成ということでございますが,今,委員からお話がございましたように国際大学にそういう学部があるというふうに聞いておりますし,もう一つは,近々札幌に観光学会というのが設立するというふうに聞いておりますので,そういうところとも連携を図りながら,官と学が連携しながら,そういう問題について,戦略戦術を含めて検討して,専門的な人材の育成を図っていかなければならないというふうに考えております。
それから,二つ目の観光を経済局の1セクションだけで担当するというのではなくて,それは私もそのとおりだと思いますし,旅行に来られる方が期待するのは,やっぱり札幌の街の人情であったり旅情であったり,あるいは文化等を含めた事情であるというふうに,3情が大事だという話をよく言われますけれども,そんな意味では,そういうような旅行客の方が期待する三つの情に対して,経済局だけでこたえられるものでもありませんので,それは先ほどお話しのありました市民文化課とか,あるいは外郭も含めて,芸術の森とか,いろんなセクションがあろうと思います。そんな意味では,それぞれのセクションが連携をとりながら対応していくということが非常に大事なことだというふうに考えております。
○小野正美 委員長 以上で,第1項 商工費の質疑を終了いたします。
次に,第2項 農政費の質疑を行います。
◆小谷俵藏 委員 それでは,私から農政費に関連をいたしまして,質問をさせていただきます。
大きく1点でございます。これはサッポロさとらんど整備ということで,予算書に載っておりますし,また概要にもそれなりに詳しく説明が入っております。
20億3,100万円,説明としては16年4月の2期エリアオープンに向けた多目的交流施設の周辺整備のほか,3期エリア用地を取得と,こうなっているわけでありまして,この概要書で見ましても,一般
補正予算が約620億円,それから企業あるいは特別を加えまして約634億円になっているわけでありまして,これらの中で大宗を占めているのは大きくは除雪費が110億円,それから道路新設改良事業費が79億円,そして街路事業費が約106億円,さらには,先ほど来質疑のありました
中小企業金融対策資金貸付ということで98億4,000万円,実はこういう数字になっておりまして,一つの事業として20億円というのは,ほかのそれぞれの項目に比しますと大変大きな数字に相なっているわけであります。
したがって,私がここでつけ加えておきたいことは,当初予算,すなわち骨格予算でなくて,これは肉づけ政策予算として出されてきております。これは時期の問題として,当初補正の中でこれを見ていきたいという考えなのか,あるいはこの事業費の全部ではなくても,大宗がこれは政策予算,新市長のもとに判断をして出すものと考えたのか。
ということは,これは継続事業とはなっておりますけれども,第1期,第2期,第3期と,これは3期の始まりでございます。そういうことから見ますと,この3期事業地域につきましては,今までいろいろ論議がされてきた経過があります。したがって,まずこの辺を先に教えていただきたい。
◎渡辺 農務部長 ただいまのご質問で,20億円の補正につきまして,肉づけにした理由というのは,これは今委員がおっしゃるとおり,3期の用地を初めて買い取るということで,新しい市長に査定をいただくという趣旨で肉づけに回したものでございます。
◆小谷俵藏 委員 それから,具体的に,これは用地費が100%でないですね。ですから,さらに用地費のほかはどういうものかということも含めてお願いいたします。
◎渡辺 農務部長 20億円のうち,用地費が17億6,000万円と,ほぼ90%が用地費でございます。残りは先ほどお話がございましたように,来年の4月オープン予定しております2期エリアの周辺整備ということでございます。
◆小谷俵藏 委員 私もこのことについては,今まで,長年の経過の中で現在に至ったと,この事業が平成4年に始まったわけでありますが,それ以前,昭和の後半,60年前後から,このことについては,ぜひ札幌にもこうした農業公園をつくりたい,実はこういう思いがありました。神戸はどちらかというとこの種の先進地域でありまして,私もそこに幾度となく,そのほかの都市も含めて視察に行ったことを思い起こしながら,札幌で複数の候補地を考えながら,そして現在の場所に結局絞ったという経過がありました。
現在の地に絞った当時の最大の理由というのは,やはりその周辺エリアが帯状に長く,丘珠それから篠路方面にかけては,酪農あるいはタマネギを中心とした純然たる優良な農地が非常に多いと,こういったことを背景にして,そこに設置をすることを決めたというふうに,当時伺っていたわけであります。
当時の農業公園,札幌ではさとらんど,これは目的が二つあります。公園を中心に考えるのであれば,これは環境局の緑化推進部ということになるわけです。そしてまた,これらについての観光,これは経済局の観光
コンベンション部が中心なる,こういうことになりますが,やはり農政がメーンになってやっているということは,申し上げるまでもなく,農業振興に寄与していくと,これが根底に強くあったわけでありますし,現在もそうでなければならない。
しかし,残念ながら農業振興は衰退の一途をたどっているという現状を考えたときに,今のあの農業公園で多くの市民が集い,そこで農業を知る。農業を知るというより農作物を知るという方が現実には当たっているかもしれませんが,そのことのみならず,農業振興に大きく寄与していくというスタンスが積極的に求められなければ,かつてのような宅地ブームもすっかりさめてなくなって,本市の農業は衰退の一途で,これからどうしたらいいのかと,高齢な農業者,そして一方では,農地は荒廃の一途をたどっているという現状を踏まえたとき,ここでしっかりとその原点に立ち返って,両方のバランスをしっかり考えながらやっていかなければならない,こういうふうに考えておりますが,詳細については,きょうはこのさとらんどの用地の取得ということでありますから,この程度にしておきますが,決算議会等には農業行政を包括して質問をさせていただこうと思っております。ひとつ,何とぞそういう趣旨を十分踏まえて,今後対処していただきたいと,このように要望を申し上げて終わります。
○小野正美 委員長 以上で,第2項 農政費の質疑を終了いたします。
ここで,おおよそ20分間委員会を休憩いたします。
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休 憩 午後3時27分
再 開 午後3時50分
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○小野正美 委員長 それでは,委員会を再開いたします。
次に,議案第3号 札幌市高速電車事業会計
補正予算(第1号)の質疑を行います。
◆畑瀬幸二 委員 私からは,大きくは2点,一連の不祥事と路面電車問題について伺います。
最初に,不祥事でありますが,この件の詳しい報告と今後の対応策については,一昨日の経済公営企業委員会で集中審議をした経緯がございますので,今回はそれと重複しない課題に絞って質問をいたします。
まず,1点目は,新たに設置する安全運行管理室にかかわってでありますが,事業管理者直轄の組織として管理部長をトップに,課長職の総勢5人で構成することにしております。その役割は,事故が発生した場合に一元的に情報を集約し,市民に対する公表やその後の対応を迅速かつ的確に行うなどとなっております。
そこで,質問でありますが,管理室メンバーは,営業時間の早朝から深夜近くまで勤務しているわけではないと思います。事故は時間に関係なく発生するわけでありますから,メンバー不在の時間帯の対応について,果たして迅速に対応できるのかという不安を感じるのでありますが,この点についての見解を伺っておきたいと思います。
2点目は,事故の公表にかかわってでありますが,一昨日のやりとりの中で,公表基準については,これまでは30分以上運行に支障を及ぼした場合というのを,今度は10分以上に改めることを明らかにすると同時に,地下鉄では,過去3年間の事故件数303件中,公表すべき事案は約30件に上る,見直し後はそれが約80件程度になるとの見通しも明らかにいたしました。
そこで,質問でありますが,実際,直近の2002年度,平成14年度ではどのような公表状況になるのか,明らかにしていただきたいと思います。
3点目は,トータル的な事故防止対策であります。
事故を起こした場合,主たる原因はどちらにあるのか,運行側にあるのか,乗客側などにあるのか,現行の統計上では出てまいりません。しかし,事故を減少するためには,原因が判明していなくては有効な防止策を講じることができません。今後は,主たる原因がどちらにあるのか,最低限の分類はしておく必要があると思いますが,この点についてのお考えを伺っておきたいと思います。
また,運行側に原因がある場合は,徹底した再発防止を立てることはもちろんでありますが,同時に,乗客側などに原因があった場合,広く乗客にも協力を求めていかなければ,トータル的な事故抑制につながらないと考えます。この点の
取り組みはどうしていくのか,最初に伺っておきたいと思います。
◎重松 事業管理部長 私の方から1点目の安全運行管理室の勤務時間外,要は不在のときの対応はどのように行うのかという点についてお答えをいたします。
この安全運行管理室は,きょう8月1日で発足をした組織でございます。私,事業管理部長をトップに,人事労務担当課長と交通の3事業の課長ということで,通常の勤務時間は,日中の勤務時間になります。今,委員ご指摘の不在時の対応についてでありますけれども,これについては携帯電話などを活用して,事故が発生した箇所の責任者から,まずは私に連絡を速やかに入れる,事例によっては交通事業管理者まで情報を伝達する,そして初動時の措置,あるいは公表について必要な指示を行っていきたいというふうに考えております。
また,必要に応じては発生箇所なり,あるいは交通局の本庁舎に管理メンバーを招集して対応してまいりたいとも思っております。
いずれにいたしましても,私をトップにして,関係課長で形成するこの組織,交通事業管理者直轄の組織として十分機能するように,しっかり努めてまいりたいと思っております。
◎千葉 高速電車部長 平成14年度の事故件数を公表基準に当てはめた場合に何件公表に該当するのかというご質問でございます。
平成14年度の事故件数140件を公表基準にあわせて精査しました結果,合計で35件であります。その内訳につきましては,投身事故,人身傷害などで,死傷者が生じたもの16件,車両故障による運休,10分以上のおくれがあったもの10件,重大事故につながりかねない要素のものといたしましては,運転取り扱いミスが原因によりましてけが人が発生したもの2件,その他線路内に立ち入ったものが6件,シェルターの窓ガラスが破損して列車に影響があったもの1件,以上でございます。
その次に,お客様が起因となる事故でございますけれども,140件の事故中6割弱の82件ということになっております。内訳といたしましては,走行路面転落が17件,ホーム上におけるけがや急病人措置が15件,車内急病人が出たものが13件,線路内に立ち入ったものが11件,投身事故によるものが11件,それから戸袋事故7件,その他酩酊客の介護等のものが8件ございます。
このような状況を公表することによりまして,お客様に注意を喚起するなど,事故防止の啓発を図りたいと,このように思っております。
それから,次に事故防止対策でございますが,列車長を超える場所の安全柵の設置,ホーム進入口の照明の増設,事故防止用ポスターの掲示,大型ミラーの取りつけ,こういうことを行っておりますほか,事故発生時の被害軽減のために,車体下に巻き込まないために排障器やホーム走行路面の改良を進めてまいりました。さらに,連結部での転落を防ぐために取りつけます「そと幌」の設置につきましては,南北線は全車完了し,東西線につきましては車両更新のときにあわせて設置をしております。
現在,ホーム転落時に,緊急に列車を停止させるための通報設備として,非常列車停止装置を計画的に設置しておりまして,平成17年度には全駅の設置が完了する予定でございます。
ホームからの転落事故や列車接触事故の防止対策としましては,可動式ホーム柵の設置が最も有効な方法の一つであると認識しております。今後,この検討を加えていく必要があると考えております。
◆畑瀬幸二 委員 事故防止対策につきましては,ソフト面・ハード面の両面あろうかと思いますが,この間,交通局では経営の効率化を随分と進めてまいりました。このことに固執いたしますと,とかくハード面の対応が控え目がちになるかもしれません。今回の事故を教訓といたしまして,できるだけ総合的な判断をして,必要な対策は講じていくと,そういう姿勢で臨んでいただきたいと思います。
そこで,続いて質問いたしますが,まず1点目は,一連の事故を分析いたしますと,基本動作の再徹底や職員の教育訓練が重要になってくることがよくわかります。もちろん,札幌市でもさまざまな教育訓練を用意していると聞いておりますが,果たしてそれが期待にこたえたものになっているのか若干疑問に感じます。再構築の必要性について,この際,見解を伺っておきたいと思います。
2点目は,改善についての議会への報告であります。このたびの事件につきまして,道運輸局から改善命令,改善指示について8月中旬及び下旬にかけて報告をせよとの指示が来ているところでありますが,議会には,いつ,どのような形で報告するのか,伺っておきたいと思います。
◎千葉 高速電車部長 まず,基本動作の徹底をどのようにしていくかということでございますが,まず一つ目といたしまして,運転に必要な基本となる運転法規や信号保安,作業安全などを反復してマスターさせるために,教育支援システムを各乗務係に導入しようと思っております。また,年2回の定期教育訓練の中で,基本知識の理解度,どれだけ理解しているかを把握すること,それから職員の参加型の研修に変えていこうと,そして充実を図ってまいりたいと思っております。
それから,三つ目でございますが,点呼時において事故の内容を伝え,注意を喚起するとともに,注意事項を指示することにより基本動作の励行に努めさせる。また,事故情報は全乗務員及び駅にも流し,同様の事故を防ぐ。
それから,四つ目といたしまして,添乗指導は乗務員の運転技術に沿った適切な指導を心がけるよう改善を図っていきたい。
以上のことをまず実施するほか,先進事業者の実態を学びまして,これを取り入れてまいりたいと,このように考えております。
◎重松 事業管理部長 市議会への報告についてお答えをいたします。
北海道運輸局に対する改善措置等の報告は,バス事業については8月14日まで,地下鉄事業については8月25日までの期限で回答するということになっております。それで,現在,既に実施済みの改善措置も含めまして,再発防止策の取りまとめを鋭意進めているところであります。
市議会への報告につきましては,北海道運輸局への報告後速やかに,その内容を経済公営企業委員会にご報告したいというふうに考えております。
◆畑瀬幸二 委員 私としては,二度にわたって質問させていただきましたので,相当な分量をやらせていただきました。また改めて経済公営企業委員会に報告をするということでありますので,今回はこの程度にしておきますけれども,この際,事業管理者に見解を伺っておきたいと思います。
このたびの一連の事故は,市民の信頼を大きく失墜させることになりました。その主たる原因については,何回も述べられておりますけれども,基本動作が遵守されていないと,職員の安全意識はもとより,交通局の安全管理機能に問題があると,こう指摘されているわけであります。したがいまして,事の重大性を十分認識して,確実な再発防止策を講じていかなければなりません。
そこで,管理者は,一昨日の集中審議ときょうの特別委員会での論議を踏まえまして,現在,どのような認識に立っているのか,この際,見解を伺っておきたいと思います。
◎黒田 交通事業管理者 常任委員会2日後の,今現在の心境ということも含めてでございますけれども,一昨日経済公営企業委員会で多くの建設的な意見,ご批判等をたくさんいただきました。まさしくそういった批判にこれからどう対応していくかということも含めて,実は一昨日,四つの対応の柱,それをご説明申し上げました。
一つ目は,公表基準の確立の内容の発表,それから二つ目は,先ほど重松部長がお話をしました安全運行管理室をきょうから発足させると。私の直轄の組織としてその組織が十分に機能するような背景に持っていく,その前提で既にもう2件ぐらい公表してございますけれども,そういった形でより進めていく。それから,安全防止対策としての交通3事業のそれぞれの事業ごとの責任をきちっと明確にする。事業ごとの安全防止対策検討委員会をそれぞれ立ち上げていく。そして,安全運行管理室の指示に基づき,または指示がなくても事前の対応,もろもろを進めていくというような柱,それから,やはり意識改革という面では,既に交通局に経営理念がありましたけれども,その経営理念を一たん白紙に戻して,全員参加型,職場討議含めた新しい経営理念を,シンプルな理念を確立しまして,それらを市民の方々にすべて公表をし,そしてその公表に基づいていろんなご批判を受けながら意識改革を粘り強く進めていくと,このような四つの柱を一昨日説明したところであります。
いずれにしましても,交通局自体,今変わらなければ変わる時はないと,こういった意識のもとに,私が率先して反省し,そして行動しながら,全体が一丸となって取り組んで,少しでも早く信頼回復できるように粘り強く進めていきたいと思っています。それが今現在の心境であります。
◆畑瀬幸二 委員 ぜひ,市民の信頼を回復するために努力をしていただきたいと思いますし,その基本的な心構えというのは,過ちはすなわち改めるにはばかることなかれ,この姿勢が大切ではないかと思っております。今後,徹底した安全重視の視点に立って,再発防止を進めていただきたい,そのことを重ねて申し上げておきたいと思います。
次に,路面電車の問題に移らさせてもらいます。
路面電車の存廃問題につきましては,市は2003年度末までに結論づけたいとの基本姿勢を明らかにしております。
そこで,伺いますが,本件を検討しております交通事業経営改革会議は,2001年12月にスタートいたしております。メンバーは助役をトップに関係局で構成されています。既に1年半が経過いたしました。この間の検討状況の特徴について伺っておきたいと思います。
2点目は,路面電車は人と環境に優しい乗り物であることから,近年注目をされてきております。都市の中には,外国も含めてでありますが,一度路面電車を廃止した街で,その後復活させているというところも少なくありません。その理由は,ほとんどが車社会の限界からの転換であります。しかし,一度失ったものを復活させるには相当のエネルギーと再投資が必要になります。本市も同じような道を歩まないでほしいと,こう願っているところであります。
そこで,検討会議でさまざまな検討をしているようでありますが,本市の路面電車事業を廃止をし,仮にそれを復活しようとした場合,どの程度の再投資額が必要になるのか,そんなことを試算したことがあるかどうか,見解を伺っておきたいと思います。
3点目は,路面電車のループ化,延伸化による営業収益の見通しについて,どのような試算をされてきたのか,してきているとするならば,その見解を伺っておきたいと思います。
◎重松 事業管理部長 路面電車についてお答えいたします。
1点目の交通事業経営改革会議,その検討の経過の特徴についてということからお答えをさせていただきます。
路面電車の存廃につきましては,ご承知のとおり今年度末でその方向性を結論づけるとしております。具体の検討でございますが,昨年度から北海道運輸局と共同で路面電車の機能向上や拡充などの活用方策を検討するとともに,市民フォーラムや沿線住民及び路面電車利用者への
アンケート調査を実施してきております。
また,本年1月には,全市的な市民アンケートを実施し,その中で,歴史があり街のシンボルにこの電車がなっている,ループ化,延伸により市民全体が活用できる交通機関になる可能性がある,それから,もちろん環境に優しい交通機関であるなどの理由を挙げて,過半数を超える市民の方々が路面電車を存続させるべきという回答をいただいているところであります。
路面電車の位置づけにつきましては,街づくりや総合交通政策,環境対策,いろいろな観点から将来の都心のあるべき姿の検討と関連するものでありますが,一方では,企画調整局が中心となって,今年度,都心交通計画策定委員会を設置するという動きもあり,広く市民からご意見をいただきながら,将来の都心交通のあり方をまとめていく予定であると聞いておりますので,その動向も十分見きわめていく必要があるなというふうに考えております。
交通局といたしましては,今年度から局内の重要な案件については,その方向性を決定していくための管理者を筆頭とする経営会議というものを設けております。その経営会議の中で,この路面電車を交通局としてどう担っていくかということについて,テーマとして掲げて検討しており,この路面電車を維持していくことを前提としまして,収支分析や経営手法,あるいは30年代の,既にかなり老朽化した車両の更新,またその更新に当たってバリアフリーを考えた低床型車両の導入が可能かどうか。さらには,路盤というか,レールの基盤の建設改良のあり方などの検討も進めていきたいと,現にその検討を開始しているところであります。
2点目のこの路面電車というものを一たん廃止をして,再整備をした場合の再投資の費用ということでございますけれども,今のところ交通局でしっかりと試算したことはありません。一定の条件をもとに概算で算出してみますと,軌道敷設だとか,電気整備関連費用については1キロ当たり20億円から25億円,あるいはバリアフリーに対応した低床型の車両を整備した場合は1台当たり2億円程度,その他車両基地関連費用など,かなり多大な費用を要するものというふうに推測しております。
それから,3点目の路面電車のループ化や延伸した場合の効果ということでありますが,札幌市では,平成10年度から企画調整局が中心となって,路面電車の活用方策について調査研究を行ってきております。その中で,路面電車のループ化や延伸による効果について,都心の活性化だとか,あるいは環境の改善の寄与だとか,それから高齢化社会への対応,そういう視点から幾つかのケースに分けて分析をして,報告書として取りまとめをしております。
その結果をもとに,当時の試算で利用者がどれだけふえるかという面で効果を算出しておりまして,それを見ますと,ループ化について,ケースとしては西4丁目駅とすすきの駅間,札幌駅前通を結ぶというループ化をした場合,1日当たり1,400人増加するだろうと。また,延伸の場合について,西15丁目駅からJRの桑園駅,市立札幌病院があるところですけれども,JR桑園駅までレールを延ばすとすると,1日当たり2,200人の増加,それからすすきの駅からJRの札幌駅まで,駅前通をずっと札幌駅まで延伸する案では1万900人の増加になると,そういう推計結果が報告されております。
◆畑瀬幸二 委員 再投資額については試算をしたことがないということでありますが,逆にいうと,廃止の方には余り積極的にならないで,存続の方に積極的に検討していると。だから,そういうことについては,今さら検討する必要もないのだというふうにも解釈できるわけで,勝手に解釈すると,ある意味では,何となく現在の札幌市交通局の姿勢がうかがえるわけであります。ぜひ,私が感じた方向で論議をしていってもらいたいなと思っております。
そこで,この際,管理者に伺っておきたいと思いますけれども,路面電車事業が厳しいということは,だれもが承知しているところであります。しかし一方で,本市を見てまいりますと,この間,自動車交通を基盤とする都市づくりから公共交通を基軸とする都市への転換を推進するという基本目標,大目標があるわけであります。この目標はとてもとうといものだと考えております。
この立場を堅持しようとするならば,路面電車を活用するということはあっても,廃止をするということは本市の方針に逆行するのではないかと考えますが,この存廃問題について,新任の事業管理者はどのようなお考えを持っていらっしゃるのか,聞いておきたいと思います。
◎黒田 交通事業管理者 路面電車の問題でありますが,若干感想も含めてということになるかもしれませんが,私個人は路面電車大好き人間でありまして,全国各地の路面電車はほとんど乗っている。路面電車そのものが,その都市その都市に非常に根づいていて,いわゆる観光の案内も含めた一つの風物詩になって定着をしている,そういうことは私も十分認識をしております。
ただ,その路面電車がある各都市では,路面電車そのものが基幹交通になっているわけであります。基幹交通になっているということは,当然のことながら,そこの都市の駅を必ず終着点,始発点,または経由しているということで,私どもが行ったときも,観光客としても非常に利便性のあるものになっている,そこがひとつ札幌市とは違う面なのかなということを,個人的には考えております。
しかし,今,委員からお話がありましたように,まさしく第4次長期総合計画の問題,それから総合交通審議会の答申等々では,将来の都心部の街づくりの装置として有効であるという,大きな流れではそんな方向も出ているわけでありますから,したがいまして,企画調整局が主宰をします都心部交通の全体の流れの中で,抜本的な活用策なり,そういったものが議論をされていくことになろうかと思っております。
ただ,私,交通事業管理者としては,当然,路面電車の交通事業を担っているわけでありますから,したがって,単純にただ廃止をするという視点ではなくて,重松部長が先ほど話をしましたように,経営会議の中の重要案件として取り入れて,そして何とか交通事業で,今の状況の中で,もう少し工夫をして維持ができる手だてがないものかどうかということを真剣に議論をさせています。
私の分析としては,いわゆる企業会計ですから,単年度の資金不足が一番致命的であります。資金不足は年間で約2億円ぐらい出てくるというように,もう既に分析は終えております。やはりその資金不足の2億円をせめて交通局の内部で工夫をする必要がまずあるだろうと。それがないうちに新しい建設改良がどうこうということは,今の財政状況の中ではなかなか難しいだろうと。そうしますと,料金の収入が今約10億四,五千万円,それから人件費が9億円強,経費も含めますと非常に今のままでは苦しいことは否めないわけであります。
したがって,今,電車事業も含めて全体的に,せめて2億円を何とか吸収できるような,将来的な運営形態も含めて,やはり交通局内部できちっとした議論をして,責任事業者として,今,そんな検討を進めているというところであります。
それから,15年度末までに事業の一定の方向性という前提は,実は,来年度には累積の資金不足が発生するということは,企業会計ですから軌道事業の場合は不良債務が発生をするという前提で相当急いできた経緯もあります。ただ,これまでも改革プランの見直し,経営の効率化も含めて14年度の決算等々を見て,これから先行きを見た場合に,その累積欠損の,累積債務赤字,資金不足といいますか,その不良債務が発生するのが18年ぐらいに延びそうだということもございます。しかし,これは急ぐ問題でありますから,少なくとも交通局としては15年度末までに,やはり今の体制の中でいろんな工夫をしながら,何がどうできるかということの方向性はきちっとまとめていく責務があると思って,今取り組んでいるところであります。
◆畑瀬幸二 委員 今,事業管理者のお話を聞いておりまして,相当突っ込んだ検討をし,そのことを受けとめながらお話をされているなと,こう受けとめました。この問題については,街づくりの視点,環境の視点,都市政策の視点,長期的な視点,これらがうまくかみ合って重要な判断ができると思いますので,ぜひ,市民の期待する方向でこの問題が決着していくように強く要望して,私の質問を終わります。
◆芦原進 委員 私は,南郷18丁目駅,円山公園駅,福祉のまちづくり環境整備事業工事について質問をします。
多くの人の1日の出発は,駅から始まり駅で終わります。優しく送り出し優しく迎えてくれる,まさに,私たちの住む地域の駅は我が家の玄関のようなところです。日々の生活の中で切っても切り離せない大切な駅です。バリアフリーやユニバーサルデザイン等の安全な社会環境の充実などの,生活者に優しい社会づくりが,私の最も大切な使命だと思っております。
本年度
補正予算で5,800万円計上されている南郷18丁目駅,円山公園駅のエレベーターの設置についてお尋ねいたします。
最初に,交通バリアフリー法及び福祉のまちづくり条例に基づく駅づくりで,このたび両駅に設置されるエレベーターが,一般的に設置されるものと比較し,高齢者や障がいを持っておられる皆様に対応するために,どのような創意工夫がなされているのか,質問をいたします。
◎千葉 高速電車部長 地下鉄駅のエレベーターの設置に関してでございますが,交通バリアフリー法が平成12年11月に施行され,平成13年8月に国土交通省から,公共交通機関における移動円滑化に関する整備ガイドラインが示されました。また,本市においても,平成10年12月に,札幌市福祉のまちづくり条例が制定され,高齢者の方や障がいのある方などの声を反映した施設整備に関するマニュアルが整備されました。地下鉄駅に設置されるエレベーターは,これらを遵守することを基本として,交通局はもちろんでありますが,保健福祉局に寄せられた声も貴重な意見として取り入れ,仕様を確定させております。
具体的に説明いたしますと,エレベーターの大きさでございますが,11人用を採用してございます。これは車いすの方がエレベーターの中で方向転換するのに必要な広さであることから選定しております。また,車いすの方でも操作ボタンを押せるように低い位置に副操作盤を増設,それから出入り口の幅を90センチと広くするほか,鏡を設置して利用しやすい設計となっております。
視覚障がい者への対応といたしましては,操作ボタンに点字の案内を行うほか,扉の開閉やエレベーターの行く先を知らせる音声案内設備があります。また,聴覚障がい者を中心とした設備といたしまして,エレベーターの現在位置や停止する階をランプにより表示する機能があるほか,手すりを設置するなどして,利用しやすいエレベーターとなるよう考慮した仕様としております。
このほか,地上からホームまでのエレベーターを利用するための経路に視覚障がい者への対応として,誘導用ブロックを敷設し,安心して地下鉄をご利用いただけるようになってございます。
◆芦原進 委員 既設の駅でもありますし,狭いエリア内での設置作業でございますので,大変ご苦労があるかと思いますが,エレベーター設置位置の選定とトイレ,それから改札口との位置関係につきまして,どのような配慮がなされているか,お尋ねします。
◎千葉 高速電車部長 既存の駅にエレベーターを設置する場合につきましては,地上部の用地確保はもちろんのことでございますが,駅構内における他の施設との位置関係が重要となってまいります。これまでも状況に応じて,既存の各種設備を移設して,エレベーター設置に必要なスペースを確保してまいりました。しかし,移設するスペースを確保できない狭隘な駅もございます。また,既存設備の移設を含めた工事全体について,地下鉄の営業に支障することなくできるかという問題もございます。これらの問題を解決するめどが立ったところで,初めて設置場所を決定していると,こういうことになっております。
これらの制約のために,必ずしも理想的な位置に設置できない場合もございますけれども,可能な限り利用者の使い勝手を配慮した視点で,地下鉄駅周辺の公共施設や観光施設,公共交通機関とのアクセスなどに便利な位置に設置したいと,このように考えて設置しているところでございます。
◆芦原進 委員 最後に要望でございますが,高齢者,障がい者の皆様,そしてだれもが安全で安心して誇れる我が街,我が駅,人に優しい札幌の駅の建設と,それから,絶対無事故で完成していただきたいことを強く要望し,私の質問を終わります。
◆堀川素人 委員 それでは,私の方から,今回の交通局の不祥事について質問をさせていただきたいと思います。代表質問,それから一昨日の常任委員会の中で質問等をしてまいりましたけれども,いまだに僕自身が納得しかねている部分がありまして,それで再度確認をしながらお聞きをしたいと思います。
まず,市長は,代表質問の答えの中で,隠ぺい体質があったと,こういうふうにお話をしておりましたけれども,この隠ぺい体質,これ本当に隠ぺい体質なのかどうか疑わしくなってきまして,そうではなくて,僕は無知から生じたのではないかと,ここにきてこういう心配をしているわけなのです。
実際に,地下鉄の6件の事故なのですけれども,運輸局の鉄道部の方で調査をした6件の事故,この中で,3件のうちの2件が,同じ人が厳重注意処分ということで乗務員に処分をしているのですが,その人に,「なぜ,あなたは処分をしたのですか,これを運輸局の方に届けなくてもいいのですか,どう思いましたか,同じ性格の事故であって,負傷者も出ているのに,なぜ,注意処分で終わったのですか。」というふうな話をしましたら,彼は大変素直に答えてくださって,ですから名前を言うつもりはないのですけれども,自分は詳しくわからなかったというのです。何を運輸局の方に報告すべき,届けるべきなのか,それから,この種のこういう事故があった場合に,これからの運行に重大な支障を来す,こういう事故であったのかどうかも正直言ってわかりませんでしたと。実は,私が来てから1年で私はここを移りましたと,今までに交通局にいた経験がありますかと言ったら,ありませんと,こうおっしゃるわけです。そうしたならば,これは隠ぺい体質からきているのではなくて無知からきているのかなというふうに一つは思うのです。
今回の届けなかった件,これは市長にお聞きをしたいのですけれども,市長は隠ぺい体質があったのではないかと言うのです。それは上司に報告をしないと,でも上司には間違いなく報告をしているのです。市長が報告をしていないというふうなこと,これについて言ったのかどうかは別ですけれども,今回の届け出をしなかった部分については部下を処分しているのです,部長以下を。だれが部長以下を処分するかといったら管理者しかいないわけです。管理者が知っていて処分をして,それが運輸局の方に報告しなければならない事故であったかどうかと,今の部長の話ではないですけれども,今度は管理者の話,このことを,管理者がそのこと自体を本当に知っていたのかどうか,知識があったのかどうか。それから,そのときの部長自体も,これは届けなければならないということを知っていたのかどうかというのが非常に疑わしい。これは隠ぺい体質ではないのではないかと。隠ぺいではなくて無知からきているこういう報告義務違反,そういうことなのではないかと。
それから,一昨日,黒田管理者の方から聞きました,本当にそういう意味では勉強していないというか,こういう話なのですけれども,ここの部分をきちっと
○小野正美 委員長 堀川委員,付託議案でもありませんので,簡潔に質問していただけませんか。
◆堀川素人 委員 (続)まず,一つ大事なのは,この事故から我々が何を学ぶかということなのです。
○小野正美 委員長 ですから,簡潔にお願いします。
◆堀川素人 委員 (続)それで,今こういうことをきちっと分析をしていかなければ,本当の原因に行き当たらない。だからあえて時間を費やしながらこのことについて調べているのです。基本的に黒田管理者を初め,今回,一連の改善に取り組む姿勢というのは,僕はやろうとする意思を強く感じています。やろうとするならば,なおさら正確にやっていただきたいと,こう思うから僕なりに調べて,今質問をするわけなのですけれども,管理者が処分をしていて,これが上に伝わっていないということはないと思うのです。それについては,市長が僕の代表質問の中で答えておられる
○小野正美 委員長 ちょっと,同じことを,先ほどから繰り返してますから,まとめてください。
◆堀川素人 委員 (続)だから,そのことを市長が,そういうふうに僕に答えるときに,市長はこのことについて大変重大なこと,恥ずかしいことですよ,札幌市にとって。そのことについて,どういうふうな報告を受けられて,代表質問に対する答弁の中で隠ぺい体質が原因だというような言い方をしているのですけれども,僕は今言いましたように違うと,そのことについて報告はどう聞かれたのか。
◎黒田 交通事業管理者 私の方から,事実関係の整理をさせていただきたいと思います。
北海道運輸局の方からは,最終的に13年9月6日,大変申しわけない,居眠りが原因での負傷事故があったと,これに対して報告が漏れていると,こういう指摘があって,そしてそれに対して必要な措置をとるように指示があったわけであります。この件につきましては,私も全部さかのぼって調査をいたしました。それで,起案も全部見ました。その起案を見たところ,一昨日もお話をしていますけれども,事故の報告という形では,当時の高速電車事業部長までしか決裁としては事柄は上がってはおりませんでした。
そこで,堀川委員の組織として,事柄がわかっていないのではないかというお話でありますけれども,事故そのものはそういうことで部長まででとまっていて,したがって,それを,運輸局に報告する,しない,その判断を当時どこまで議論されていたかわかりませんけれども,ある意味では知識がなかった,逆に言えば判断そのものを最初から勘違いしたという要素もございますが,いずれにしても,高速電車部長段階でとまっていた。
しかしながら,今度その問題をやはり事故,それから関係者に対する監督処分という視点から見たときに,当然のことながら別な時点で,別な次元で交通事業管理者にそのことがわかり,そして本人が減給1カ月を含めて管理監督者の訓告処分も含めてされていたということであります。
それで,市長がこの間の代表質問でお答えをしましたのは,私が言うのもあれですけれども,隠ぺいということではなくて,今回のやっぱり大きな要素は,事柄として情報がきちっとトップまで上がっていなかった,そのトップの段階での判断のシステムも含めて非常に甘さがあったと,こういう答弁であったと,私はその場で聞いておりました。ですから,事実関係で言えばそれが事実だと,私はそう思います。
◆堀川素人 委員 この件で言いますと,事故が起きたのが平成13年9月6日なのですね。それで,部長,課長,係長が処分されたのが同じ年の13年12月27日なのです。ですから,この中で事業管理者が処分をするものとして,しかも,自分の部下を処分しているわけですから,中身を知らないわけがない。もし,知らなかったとするならば,大変大きな問題で,これは知っていたとして考えざるを得ない。知っていて処分をしているわけです。そうするならば,これは二つ考えられるのです。
一つは,意識的に報告をなさなかったか。それとも,要するに,さっき言ったように知らなかった。届け出なければならないということを知らなかったから届けなかったのか。そうするならば,どっちにしても大変重い責任が管理者にあるということです。知らないということを前提にして,組織が成り立っているのではないのです。
ここで市長は弁護士ですから,例えば,法律なんかでも,知っているのを前提にして法律というのがあると。こういうことについても知っていることが前提ですよ。これを知らないで管理者をやっていたとするならば極めて問題である。また,これを届けるべきをわかっていて届けなかったとするならば,これもまた大変厳しい処分を受けなければならないこと。ひとつその辺についても,もう一度答えをいただいて,その次,この問題を起こした人間,例えば,部長や管理者,この人方に責任をきちっと問うことができないのか。
前管理者は,今どこに勤めているかといえば,札幌市の外郭団体,(「質問と関係あるのか」と呼ぶ者あり)管理者が札幌副都心開発公社にいる,前部長が札幌サンプラザ。これほど重大な問題を引き起こしていて,外郭団体に天下りをしている。そうでなくても,天下り自体が社会の大変厳しい批判を浴びている。どっちにしましても,大きなペナルティーを受けなければならない人間がこういうふうにしている,僕は,こういうところにいるからこそ,今,札幌市が責任をとらせることができるのではないかと,こう思うのですけれども,さっき言った事実関係の部分と,それから今の部分についてのお答えを願いたいと思います。
◎黒田 交通事業管理者 まず,事実関係の復唱と,もう一度,前管理者なり前部長への処分の問題について,私の方からお答えをしたいと思います。
先ほどちょっと事実関係を申し上げましたけれども,平成13年9月6日の居眠りによる負傷事故ということで,北海道運輸局に対する報告をすべきところをしなかったと。それについて指摘をされたと。特別監査も入ったということであります。
それで,この事故につきましては,その時点で事故を起こしたその本人も含めて,委員もご案内のように,減給1カ月の処分をしましたし,それから管理監督者への処分として厳重注意なり訓告などの処分もしたところであります。そこで,今回の……(「きちっと分析してからやれよ」と呼ぶ者あり)
○小野正美 委員長 静かにしてください。
◎黒田 交通事業管理者 (続)ご指摘の運輸局への未報告につきましては,委員のご指摘だと,知らなかったと,無知だという言葉かもしれませんけれども,我々は,交通局内部で法令解釈そのものに根本的な誤りがあったと,私はこのように考え,分析をしました。交通局内部の法令解釈で,結果としてあってはならない判断の誤りをしてしまったということになろうかと思います。そうしたこともあって,運輸局から報告漏れに対する改善指示を受けたものであります。
そこで,今回の事故の事実関係は先ほども述べましたが,あくまでも部長どまりであったとしても,その報告をしなければならないということを部長までとの判断をしてしまって,それは法令解釈の誤りで,結果としてああいうことを起こしたと。管理者は知らなかったと。しかしながら,組織のトップとして知らないということでは済まされないわけでありまして,そういった意味で,当時の管理者は,情報がそこまで上がってはいなかったけれども,処分の問題ではありませんよ,報告の関係ですよ,報告の関係でそのことの情報が,逆に言えば管理者までの協議にいっていなかったけれども,結果として,組織としての重大な判断の誤りがあったわけでありますから,当時の管理監督者にも,やっぱり何らかの責任が生じるものと,私としても,そういった意味ではそう考えています。
しかしながら,当時の管理者,それから当時の高速電車事業部長,この2人は既に本市を退職してございまして,そういった意味では,地方公務員法上の法的な責任追及ということは困難であると,このように判断をしています。
それから,一昨日も申し上げましたけれども,今後は私直轄の組織ですから,そういったことで,事故情報を一元的に集約するわけですから,したがって,事故処理対応などに問題があった場合には,当然,最高責任者である私に大きな責任があると,このように考えておるところであります。
○小野正美 委員長 堀川委員に再度言いますけれども,本委員会の初日に,審査方法として
議案審査特別委員会として,限られた日程と限られた出席理事者のもとでやっていますので,付託議案に絞って審議をしていただきたいと。ただし,関連することや緊急性のあるものについて,その質疑を阻むものではありませんけれども,お聞きをしますと,一昨日の経済公営企業委員会,その常任委員会で堀川委員も委員として,今と同様な質疑をされているようですので,先ほどの畑瀬委員と同様に重複を避けた質問に絞っていただきたいと思います。
◆堀川素人 委員 今,委員長がおっしゃったことの中で,代表質問に対する答えと明らかに違う部分,つまり勉強しているかしていないか,この勉強を徹底させなければならぬという問題に行き当たったわけです。
要するに,僕は無知という言葉が適切かどうかはわかりませんけれども,余りにも勉強をしない,こういうことが,今回,報告を忘れたと,報告をしなかったという原因になっているということを,今,黒田管理者はおっしゃっていると僕は思うのです。それがわかっていたならば,きっとしたはずであろうと。つまり,悪意はなかったと,でも勉強不足であったと。これが管理者から部長,こういう人方全体が,何を自分の仕事として,どれだけの知識があってやっているのか,ここに緊張感がなければ,実際に,その部下に対してきちっとした指導はできません。そうならば,本当に今回の件でたくさんの反省をしていただきたい。そして,隠ぺい体質がもしあるならば,その隠ぺい体質がこれからは出ないようにしていただきたい。
それから,もう一つは,無知ならばやっぱり勉強をする,研修をする,このことをきちっとやっていくことが大事なので,一方的な隠ぺい体質とだけ言っていたならば,この勉強の方がおろそかになりますから,ですからあえて僕は言ったのです。
本当にこれからも安全運転の問題で,まだまだこれで十分かどうかわかりません。僕もこれをもっと深く僕なりに追跡をしながらやっていきたいとも思いますけれども,本当に,きちっと皆さんが心を一つにして努力をしていただきたい。本当に皆さんに期待をして,質問を終わります。(「何で市長を呼んだんだよ」と呼ぶ者あり)
◎黒田 交通事業管理者 まさしく,今の堀川委員のおっしゃることはよくわかりましたので,全力を挙げて頑張ります。
○小野正美 委員長 堀川委員から上田市長に出席要請がありましたけれども,質問がありませんので,終了いたします。
◆堀川素人 委員 今,僕は市長に聞いた。でも,市長は,実際事実を十分にわかっていない,黒田管理者にかわった,それを僕はよしとしようとして,わざわざ質問しないのですよ。そういうようなことを言ったらだめですよ。
◎上田 市長 せっかくでございますので,大変重要なご指摘があったというふうに私も認識をいたしております。人が規範といいますか,やっていいこと,悪いことという,そういう規範に直面しているかしていないかという重要な局面でのお話であります。しかし,規範を知らなければならないという,そういう立場にある者がそうではなかったということについては,それは隠ぺい体質というふうに私は言葉的には申し上げたつもりはございません。ただ,後ろ向きな,あるいは内向きな気持ちが勉強をおろそかにしたということはあるのではないかと,そのように私は思います。
やはり市民の交通に対する安全,そして安心感というものを一番大事にしなければならない,公共交通機関の責任ある者の態度としては,いささか欠けるところがあったのではないかということ,今,委員からご指摘ありましたことを十分に肝に銘じて,今後,管理者とともに,市民からの信頼を回復するための努力をしていきたいという決意を申し上げまして,お答えとさせていただきます。
○小野正美 委員長 以上で,議案第3号の質疑を終了いたします。
本日はこれをもって終了し,次回は8月4日午後1時から,本委員会に付託されました全案件に対する討論及び採決を行いますので,定刻までにご参集ください。
それでは,散会いたします。
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散 会 午後4時50分...