札幌市議会 2003-07-30
平成15年(常任)経済公営企業委員会−07月30日-記録
平成15年(常任)
経済公営企業委員会−07月30日-
記録平成15年(常任)
経済公営企業委員会
札幌市議会経済公営企業委員会記録
平成15年7月30日(水曜日)
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開 会 午後1時1分
○
五十嵐徳美 委員長 ただいまから,
経済公営企業委員会を開会いたします。
報告事項はございません。
それでは,議事に入ります。
交通局における不祥事についてを議題として,理事者から報告を受けます。
◎黒田
交通事業管理者 内容の説明に入ります前に,まずはおわびを申し上げたい,このように思います。
市営バスの酒気帯び運転による事故,そして,地下鉄の
居眠り運転の事故,その報告を怠ったということに関しまして,7月15日,さらには24日の2度にわたり,
北海道運輸局の
行政監察を受けるまことに異例な事態になったということにつきまして,上田市長も議場で陳謝をいたしたところでありますけれども,
交通事業の責任者であります私の方からも心からおわびを申し上げたい,このように思います。
このような
行政監察を受けるなどということは,市民の生命を預かる
公営交通事業という立場からすると,まことに恥ずべき話でございまして,その点も含めて,非常に遺憾に思って反省しているところでございます。ある意味では,事故に対する組織としての甘さ,そして体制の整備,その辺に起因するもの,このように深く反省をしております。
今後,かかることのないように,今,局全体を挙げてこの問題に取り組んでおりまして,事故の起きたときのその後の
即応対策としての
緊急管理体制の整備等々,二度とこのようなことがないように万全を期したい,そういったことも含めて,責任者であります私がトップに立って,今この問題の検討を進めております。その辺も含めて,
報告かたがた,まずは冒頭に陳謝を申し上げたいと思います。
大変申しわけございませんでした。
引き続き,私の方から,お手元に配付しました資料に基づきまして,内容についてご説明を申し上げたいと思います。
最初に,
北海道運輸局の
特別監査でありますけれども,まずは,3枚目の別紙1をごらんになっていただきたいと思います。
最初の別紙1は,
市営バスの酒気帯び事故についてであります。
最初に,事故の概要としまして,ことし6月10日,
自動車部営業課の
東営業所に所属する
バス運転手,54歳が,前日の飲酒が完全に抜け切っていないことの自覚がありながら勤務につきまして,そして,午前8時5分ごろ,
追突事故を起こしたわけであります。その
追突事故自体は接触程度のものでありましたけれども,
当該運転手は,追突に気づかず,そのまま運行を続けたため,
相手方車両の運転手から
当局営業所に通報があり,駆けつけた
当局関係係員,そして警察官による事情聴取の中で
アルコール検査が行われ,午前8時30分ごろ,酒気帯び運転で検挙されたわけであります。
なお,6月20日付で,当該職員につきましては
懲戒免職になったほか,私も含めて,
管理監督者もあわせて処分を受けてございます。
それから,その件に関しての
特別監査の結果でありますけれども,本件につきましては,
公営バスにおける酒気帯び運行という社会的に影響の大きい事故でありましたために,6月18日に
北海道運輸局札幌運輸支局の
特別監査が行われました。その結果,乗務前点呼が確実に実施されていない,それから,
点呼記録及び
乗務記録に不備があるなど,6項目の違反事実の改善命令とともに,在籍車両のうち,5台につきまして,38日間,7月22日から8月29日までの
使用停止,延べ190日/車を命ずる
行政処分が7月15日に出されております。
当交通局としましては,早速,
再発防止策を講じまして,以下,1から6とありますけれども,これらも含めて,違反事実の改善結果につきましては,報告書にまとめて,提出期限は8月15日までになっておりますが,これをもう少し早目にまとめて,近々,
北海道運輸局へ提出する予定でございます。これにつきましては,まとまりました段階で,また議会の方にも報告を申し上げたい,このように思っております。
1から6でありますけれども,1としましては,
対面点呼の徹底を図るために,乗務員が出勤してから点呼に至るまで,
アルコール検査の
チェッカーも含めて,自動的に流れるような動線の見直しを行いました。
それから,2としましては,前日の飲酒の有無に関係なく,それまでは本人に自覚があった場合,
対面点呼で酒臭かった場合にのみ
アルコールチェッカーを使用していましたけれども,そのときからは,全乗務員に対し,点呼時に
アルコールチェッカー,機器による
アルコール検査を実施することといたしました。
それから,3としましては,早朝の
点呼執行者の配置ですが,万全を期す意味でこれを2名から3名体制へ強化いたしました。
それから,4としましては,管理者なり
自動車部長名の
再発防止の通達を行っておりますけれども,それ以外に,
自動車部全職員,そして家族あてに,
事故防止の
協力要請文を発送したところであります。
それから,5としましては,
自動車部内に
飲酒運転防止対策委員会を設置いたしまして,今後とも,定期的な開催により,
飲酒運転の
再発防止に努めていくことといたしております。
それから,6としましては,
点呼記録,
乗務記録の様式等についても必要な見直しを行っているところであります。
これが
市営バスの酒気帯び事故の関係であります。
それから次に,別紙2としまして,
市営地下鉄における未
報告事故の問題であります。
未
報告事故で指摘されました事故の概要でありますけれども,平成13年9月6日午後5時29分ごろ,
地下鉄東西線新さっぽろ駅1番線におきまして,東西線の乗務区所属の運転手が,終点駅の
ホーム進入時に一瞬眠気を催しまして,慌てて
ブレーキを強目にかけまして,通常の
停止位置よりも約35メートル手前,ですから,車両でいくと大体2台分ぐらい手前で停車をしたところであります。
当該運転手は,
停止位置修正のため,列車を動かし始めましたけれども,
新さっぽろ駅は最終駅ということも含めて,
自動列車停止装置が,一定時間,約30秒前後ですが,働くことになっております関係で,その
自動列車停止装置が作動して急
ブレーキがかかり,そして,急停止による衝撃で乗客2名が転倒等により打撲の負傷を負ったわけであります。
二つ目としては,
特別監査の関係でありますけれども,札幌市全体に対する報道機関による
情報公開請求がございまして,その結果,ご承知のとおり,交通局の幾つかの事故が新聞報道されたわけであります。その関係で,
北海道運輸局が,
事故報告義務違反の疑いがあるとして,運輸局により,7月14日でありますけれども,
特別監査が実施されたわけでございます。
その主な
監査項目は,平成12年度から14年度の
事故報告書等に基づきましていろいろ監査を受けまして,最終的には,7月24日に,
事故件数トータル303件のうち,先ほどの事故1件,これは明確な
報告義務違反ということで,その原因も
基本動作等が遵守されていないことを指摘されたわけであります。それから,
報告義務そのものには該当しないけれども,やはり,基本的に
基本動作なり基本的な事項に非常に誤りがあると。
基本動作が遵守されていない事例が,先ほどの件以外に5件,確認をされているところであります。
その一つは,13年7月に,
駆け込み乗車をしようとしたときに,客の手首を挟んだまま五,六メートル発車をしてしまった東西線の大通駅の事故,それから,昨年14年3月に,今度は車掌室の落とし窓をあけようとして誤って
非常ブレーキを操作してしまったということで,列車一時修正時に急停止を行ったと。この二つは,いずれも
負傷者そのものはございませんでした。
それから,三つ目としましては,ことしに入って1月31日,東豊線の大通駅で,朝のラッシュで若干おくれぎみだった運転を
回復運転をする関係で速度を高めた結果,
ホーム進入速度超過で
非常ブレーキ操作をしてしまい,その
非常ブレーキ操作をしたことによって1名の負傷者が出たわけでございます。
それから,ことしの2月19日,今度は南北線の北34条駅でありますけれども,一瞬,眠気が差して
ブレーキ操作がおくれまして約70メートル過走しました。負傷者はなかったわけでありますけれども,そういった過走の事実がありました。
それから,ことしの3月に,今度は東西線の
新さっぽろ駅でありますけれども,通常の
ドア操作では使用しない
非常ドアスイッチを使用して,そういった
操作ミスで乗客が1名負傷しました。
こういった5件ですが,基本的に,いずれも
基本動作が徹底されていなかったということも含めて,改善の指示があったわけであります。それらも含めて,ここに書いてありますように3点の改善事項の指示がございました。
いずれも基本的な要素ばかりでありまして,1点目は
事故関係規程を見直して,的確に
事故報告を行う体制を整えること,
事故報告の体制の確立の問題が1点目。
それから,2点目は,
事故情報等を組織全体で共有する,そして,
再発防止体制を確立・徹底をするというのが2点目。
3点目は,職員の
安全意識,
事故防止意欲の高揚を図るとともに,
運転取り扱いに関する
基本動作の再徹底を図る。
こういう3点の基本的な事項について,改善・指導の指示があったわけであります。
この3点につきましては,改善内容をまとめて8月25日までに運輸局に報告するということになっておりまして,この件につきましても議会に対して報告を行いたい,このように思っております。
再発防止策は,また後ほど若干述べますけれども,その整備としては,
安全運行管理室を設置しまして,そして,一元的な情報収集,公表,
再発防止策の指示を行うとともに,現行の
事故防止検討委員会を軸として
再発防止対策を体系的に構築していきたい。それから,基本的な動作であります
非常ブレーキの適正な取り扱い,それから,適切な
運転指令への連絡など,乗務員としての
基本事項の再確認を行い,励行させる
取り組みをあらゆる機会に行っていく,さらには,乗務員の
健康管理の一環として,睡眠時無
呼吸症候群への
取り組みを行っていく,主にこのようなことについて既に検討を開始しているところであります。
そこで,1枚目に戻っていただきまして,ある意味では私自身が考えておりますことですが,なぜこういうことが起きたのかという反省点であります。ここには書いておりませんけれども,やはり,組織としての甘さの要因として,例えば部長なり管理者のトップへ事故が適切に上がってこない傾向が見られたということが一つの要素ではなかろうか,このように反省しております。それから,
マスコミ関係,それから
北海道運輸局等々への対外的ないわゆる対応につきましても,言葉をかえれば,交通局の自分たちにある意味で都合のいい考え方に基づいて解釈をして対応していた嫌いがあるように私は感じ取っております。
それから,三つ目は,いろいろな事故を起こしておりまして,個々の
ケースごとに,
懲戒処分も含めて,当時の
執行体制の中でそれなりに適切な処分をやっているところでありますけれども,行った
内部処分そのものが,全庁的な公表基準といいますか,公表の考え方,その実態に基づいて,実質的には
懲戒免職だけしか公表されていなかったと。その場合,私
ども公営交通事業という立場からして,特に乗客の信頼をかち取るということからすると,少なくとも運行上の事故についてはやはり適切にその事実を公表すべきでありました。そこも含めて,やはり,公表していなかったということについては十分に反省点があり,その点については少なくとも主体性を持って判断すべきであった,今,交通局ではそのように反省をしてございます。
そこで,1枚目の今後の対応についてでありますけれども,今回の事故をきっかけとしまして,より一層安全で,安全だけではなく,安心な
市営交通事業の実現を目指しまして,次の四つの柱を中心として誠意を持って取り組むことで市民の信頼の回復に努めたい,このように考えています。
先ほどの反省の要因として情報が上まで伝わっていなかったということも含めて,まず最初に,(2)の方の
安全運行管理室の設置につきましてご説明したいと思います。
安全運行管理室の設置という問題は,運行上の事故が発生した場合に,その事故の情報を迅速かつ一元的に集約しまして,
事故原因の調査等の指示,市民に対する公表,運輸局に対する対応等々など,その後の対応を迅速かつ的確に行うため,そして,
再発防止策の指示,その報告の内容の検証などを行うため,私,
事業管理者直轄の組織として,
事業管理部長をトップとした合計5人,
事業管理部長以外は,
人事労務担当課長,それから,交通3事業の課長,これは
高速電車,それから自動車,
路面電車の3事業の課長の計5人で構成をしたいと。とりあえずは今の人員でやらなければなりませんので,兼務ということにならざるを得ませんけれども,将来的には,その辺の正式な組織化の問題も含めて課題としてとらえてございます。
そして,
安全運行管理室では,現場での対応の徹底と。要は,いかに現場で,言葉は悪いですけれども,隠さずに上まで,
安全運行管理室まで事柄を報告するか。その内容,システムに早急に着手していく。もう既に着手をしてございますけれども,これを固めていきたい。
ですから,地下鉄の問題でいきますと,例えば,非
常用ブレーキ,
非常制動装置といいますか,
非常ブレーキが働いたときには,その原因が何であろうとも,一たんは速やかに
安全運行管理室に上げていただくということがまずは大事でなかろうかと。それから,例えば非
常用ドアをあけてしまった,それから,危険を防ぐために
ホーム位置が変わったことなど,いろいろな理由があってホームの
停止位置が変わることもいろいろあるでしょうけれども,そういったような場合にはまずは
安全運行管理室に上げていただく,そういう仕組み,現場の徹底を図っていく。ですから,ある意味では,現場でそういった重要な事故が起きたときに,上に上げないという責任も今後はやはり問われることになるのかなと,このように考えております。そして,私が直轄をする
安全運行管理室が中心になり,速やかにどうするこうするという対応を決定して指示をしていく,そういう
危機管理体制の構築ということで,これは8月1日から設置したい,そして,既に検討が始まっていますけれども,設置をしながら早急に
体制整備を図っていきたい,このように考えております。
あわせまして,次のページの(3)を先にご説明したいと思います。
安全運行管理室ができ上がる,それでは,
安全運行体制の実施なり体制の強化なり,それから事前のいろいろな対応策も含めて,そういった
交通事故の
再発防止体制の確立のための組織としてですが,今までも,実は
交通局内に
事業管理部長を筆頭に
事故防止検討委員会という横断的な
検討委員会があって,その中に
事業管理部,
自動車部,
高速電車部,技術部という4
検討部会があったわけでありますけれども,事務局のあり方,その対応策の確立の仕方等々の面で,その辺の
責任体制の所在が若干明らかでない傾向が見られました。そういうこと,また
安全運行管理室の指示,そしてそれ以外の常日ごろも含めて,
再発防止訓練等の問題も含めた対応をするために,地下鉄,バス,それから
路面電車の3
事業ごとに,それぞれの部長を筆頭として,責任が持てる,持たせるといった組織を再構築していきます。これも,今のところ,8月1日を目指しながら,今,
内部検討を進めているところであります。
それから,そういった
再発防止の
体制整備という問題は,やはり,一交通局の内部だけできちんとしようとしてもなかなか難しい問題があります。ですから,また書きにありますように,他の先進的な
民間交通事業者,例えば既に
安全運行の確立を図られたJR北海道なり
営団地下鉄など,それから,他の大都市の
地下鉄関係からも,これはたまたま8月20日に会議がありますので,事前に資料を取り寄せて調査をしながら,その中から有効な手だてを導入して,そして体制を万全なものにしていく,このように考えてございます。
あわせまして,(4)の職員の
意識改革という問題でございます。
これはなかなか難しい問題がありますが,上田新市長が現場に行っていろいろなお話をしたときに,その中で,安全だけではなくて,安心感が持てる
公営交通事業ということの原点はやはり
意識改革だと,そういう話が職員の前で強くございました。これは,起きた事故に対してきちんと学習をしながら
意識改革を図っていくということも含めて,期待を込めて新市長が述べていたわけであります。やはり,原点は
意識改革です。これは,昔から言われておりますように,現実問題としてはなかなか難しい問題であるということは私も認識しておりますけれども,やはりきちんとやらなければならないというように私は覚悟を持ってございます。
ここに書いていますように,現在,交通局では三つの
経営理念というのがあります。その三つの
経営理念というのは,お手元には資料がなくて申しわけありませんけれども,ちょっと読み上げますと,一つは,笑顔と温かい触れ合いを大切にしますという
経営理念の中に,
あいさつの徹底,笑顔と感謝の言葉なり,お客様の立場に立って思いやりの言葉をかけるとか,それから,接遇面での苦情をなくすとか,そういったようなことが書かれています。同じように,二つ目の柱としては,理想と時間と努力を尊重します,それから,三つ目は,夢と若さにあふれた職場をつくりますと。
公営交通事業としての札幌市交通局にはこういう三つの
経営理念がございます。
実は,私は4月に着任をしまして,毎日朝礼をやっているわけでありますけれども,その朝礼時に,この三つの
経営理念を全員が復唱し,さらに,六つの
あいさつを復唱しながら礼をしていく,例えば,「おはようございます」「ありがとうございます」「お待たせいたしました」「お疲れさまでした」「失礼いたします」と,そういう標語を復唱しております。私は,率直に申し上げて,それを見て,
交通局そのものは,これはいけるのではないかというぐあいに感じたところであります。
そういったいいことを,それでは現場はどうしているのかと素朴に疑問に思いながら現場を回りましたけれども,やはり,現場の中では全員が集まる時間帯がないということも含めて,それがされていなかったというのが現状であります。しかし,職員みんなで知恵を出し,それを何とか現場で流すような仕組みをつくるべきではないかと。全員が集まって
あいさつができなくても,そういう理念で進んでいるのだということで,例えば1日二,三回はテープで流すとか,そんなような工夫をやってみたらというようなことも考えました。ちょうどそれを実行に着手する段階でこういった事故が起きたということで,私は大変残念に思っているわけであります。
そこで,ここの文章にも書いてありますけれども,この際,やはり,現行の三つの
経営理念を完全に一たん白紙に戻して,そして,安全面も含めて抜本的に内容を見直すと。その新たな
理念作成に当たっては,職場討議も含めて,全職員参加による
共通認識に立った理念を確立していくということが必要ではなかろうか,このように考えています。たくさんの理念を掲げても無理なわけでありまして,やはり,札幌市の
公営交通事業という立場で何をしなければならないのか,最低これだけは守らなければだめだというものを現場の意見を集約しながら最終的にまとめたいと。私には私の
経営理念がありますけれども,それを押しつけたのであれば,また同じことになるものですから,そういうことではなく,現場からと,また,そのやり方もどうするか,その工夫も含めて既に指示をしているところであります。
そして,その理念は,急いでも拙速になりますから,すぐにはできませんが,少なくともこの秋ぐらいまでには理念として固めたい。そして,
共通認識となった理念を幅広く市民の方々に公表をしていくとともに,市民の目に触れるところにそれを張り出すというか,掲示いたします。そうした上で,きちんともう一度改革をして,生まれ変わってそれに取り組んでいく。そんな中では,場合によってはそこに外れる部分もあるのではないかという指摘もあるかもしれません。その指摘をいい意味で反省材料にしながら,そういった声を
業務執行に反映させながら粘り強く職員の
意識改革を図っていく,そのように考えております。
それから,最後の3行にありますように,その
経営理念を職員に根づかせる
取り組みも必要なわけであります。
安全確保に視点を置いた業務手順の総点検,それから,お客様の立場に立ったサービスの実施,人材の育成研修の樹立,コミュニケーションの問題,これらのことについては当然のことながら並行してやっていく,このように考えてございます。
そこで,1枚目に戻っていただきまして,最終的に,それらも含めて,(1)にありますように,運行上の事故の公表ということで,その考え方をまとめた骨子がここに載ってございます。アからエまで四つありますが,そのような運行上の事故が発生した場合には市民に対して的確にその内容を公表していきたい,このように考えています。
一つ目は,運行上,多大な支障を生じた場合です。
具体例は,今精査をしていますけれども,例えば,既に話題になっておりますのは,
転落事故が起きたとか,それから危険物の持ち込みがなされたとか,またはその可能性があるとか,それから施設・設備上の不備で運行上の多大な支障が生じた場合です。それから,
北海道運輸局との報告の関係でいきますと,最低でも30分以上の支障が生じた場合には報告することになっていまして,今現在でもそういう場合には自動的に公表できるスタイルになっていますが,そのように,一定時間以上,支障が生じたような場合に,まずは,即刻,公表していくのだといったことが1点目です。
それから,
重大事故につながりかねない要素のあった事故です。
例えば,今回,新聞報道でいろいろご指摘を受けていますけれども,居眠りとか,それから,ホームの
停止位置を大幅に過走したとか,手前にとまったとか,それからドア挟みによって引っ張るとか,一つ誤ると重大な事故につながりかねない要素があるいわゆる
ぽか事故といいますか,そういったようなことも公表をしていくという考えであります。
それから,三つ目は,死傷者が生じた場合です。
いずれも地下鉄の場合の例でお話をしておりますが,これは,バスは地下鉄と違って運輸局の報告なども相当大幅に内容が違います。それと一緒になって話をしますとややこしくなりますので,地下鉄の場合で申し上げているわけであります。
死傷者が生じた場合には,基本的に,まず,けがをした人の名前なり連絡先をきちんと確認することが大事だというように考えています。例えば,打ち身はあるけれども,大したことはないということで病院にかからなくても済む場合があるかもしれません。しかしながら,事後のフォローもある程度やって,これはこういった判断なのだというようなことをきちんと評価をしていく。そのためも含めて,けがをした方のお名前と連絡先をきちんと聞いて,
安全運行管理室では,それを即公表するか,事故の
状況報告を待って相手の意向も聞きながらやるか,少なくとも明らかに傷害というようなケースは,この間もありましたけれども,救急車を呼ぶとか痛くてうずくまって自分で帰れないとか,そういった場合は明らかにこれは死傷の「傷」ですから,そういった場合にはまずは一報をすることになるだろう,このように考えてます。
それから,いろいろな角度の問題がありますけれども,エとしては,その事故の原因が職員の
懲戒処分の対象になるようなことが明らかに想定される場合です。そういう事故については,公表をしていきます。それから,いろいろな調査をしていく過程で最終的にいわゆる当事者に対する
懲戒処分をすることになるということで,最終的に決まるものもあります。いずれにしても,
懲戒処分に該当する事故については,その事故の内容と
懲戒処分の内容を公表していく,このように考えております。
それから,今,運行上の事故の公表ということにあえて限りましたのは,当然,
公営交通事業ということからすると市民に一番影響が大きいのは運行上の事故でありますから,その運行上の事故についての公表基準,考え方をまずは明確にする。それから,ここには書いていませんが,運行上ではないけれども,職務上の事故というものも当然あるわけであります。何があるかというとちょっとあれですけれども,例えば不正事故もまさしく職務上の事故なのだろうと。いずれにしても,運行上の事故でなく,職務上の事故の
懲戒処分については,総務局で今後どういう形になるかはわかりませんけれども,私どもとしては原則公開と。「原則」という言葉がつきますけれども,基本的には公開という考えで受けとっていただいて結構である,このように考えております。
それから,職務上以外に,例えば夜に酒を飲んでけんかしたとか,私的な事故に伴う
懲戒処分につきましては,これは,今,総務局が全庁的に考えている考え方に基づいて対応していくという考え方で,交通局の事故に対するトータル的な対応の考え方は,以上,述べたとおりであります。
○
五十嵐徳美 委員長 それでは,質疑を行います。
◆長内直也 委員 それでは,何点か,ちょっと質問したいと思います。
まず,先ほど,本市に対する
情報公開請求の結果,平成12年度から14年度まで303件の事故があったということでありました。この数と,今後,情報公開という中で運行上の事故の公表といったものでアからエまでありましたけれども,この基準に照らし合わせた場合に,過去3年間,この303件を超える件数があったのかなというふうにも考えられるのです。この基準に照らし合わせた場合,過去3年間,どれぐらい公表するべき事実があったのかということをちょっとお伺いしたいと思います。
それから,情報公開という中で,いわゆる事故後の事後の報告というものが大半のような今のお話だったのですけれども,その前の未然の防止の意味での情報公開,そういったものをどのように考えているのか,それについてもお伺いしたいと思います。
それから,組織の中にも甘さがあったというご報告がありました。そして,いわゆる上の方になかなか事実が上がってこないのだというお話がありました。ただ,監査された結果,303件という
事故報告が出てきているわけですから,その事実は内部にあるわけです。あるけれども,上がってこないのだというところが私にはちょっと理解ができないのですが,その辺は,あったにもかかわらずも,ある意味でみんなで隠していたのかとか,そういうふうに疑われても仕方のないことかなと思うのです。
その辺について,ちょっとお伺いしたいと思います。
◎千葉
高速電車部長 まず,303件の関係でございますけれども,これは,12年度から14年度までの事故件数の総数でございます。これは,全部,交通局の方に上がってきて,事故としてちゃんと処理をされているものでございまして,隠しているものではございません。
それから,この中で,公表すればどのぐらいになるかということでございますけれども,12年度につきましては,事故件数からいいますと総数で73件でございます。そのうち,負傷事故が20件でございます。それから,13年度は,総数90件に対しまして負傷件数が25件でございます。14年度につきましては,総数140件に対しまして負傷件数が22件でございます。
先ほどの全部で何件ぐらいを公表することになるかというご質問でございますけれども,これにつきましては,この負傷件数と大体近い数字が公表されていくことになるのかなと思っています。ただ,実際には,事故で負傷しなくても出ていくものがございますので,正確なことは言えませんけれども,これが大まかな目安かなと思っております。
基本的に,303件のほかに隠しているものがあるのかということにつきましては,
事故報告として処理されているものはありません。
それから,今言いました12年度,13年度,14年度として数がふえておりますけれども,交通局の中で事故があった場合につきまして,情報として,今までは各線区で処理されているものがありましたが,今現在,事故があったものにつきましては全部を交通局本局に報告しなさいという形にしております。ですから,報告されているものは全部上がってきているということで,今まで線区で処理されてきたものが全部上がってきたので件数がふえていると。ただ,先ほど言いました負傷事件につきましてはふえていない,大体横並びであるということにつきましては,事故そのものについては変わっていないというふうに理解をしております。
それから,未然の
事故防止ということで,いろいろな事故対策をして,それにつきまして情報公開をしてはどうかということでございますけれども,これは,事故対策
検討委員会の中でいろいろやりました中で,必要なものにつきましては当然公開をしていくというふうに考えております。
○
五十嵐徳美 委員長 あとは,内部事実の報告はどこまで認知をしていたかという部分です。
◎千葉
高速電車部長 今までの一般的な事故につきましては,過去においては,内部によっては軽微なものについては課長どまりで行われていました。それから,今現在につきましては,少なくとも部長までは来ております。そして,これからにつきましては,全部管理者のところまで全部上げるという形で考えております。
◆長内直也 委員 ちょっとわからない部分があります。
というのは,303件の事故が過去3年にあったということが事実として一つありますね。その中で,今後の公表基準というものに照らし合わせたら,負傷のものだけがそれになるという今のお話だったと思うのです。私は,この303件よりむしろもっとふえてくるのかなというふうに感じて質問をしているのですけれども,負傷事故がそれに見合う数だとすれば,アからエのうちのウの部分ですね。そうではない,事故につながりかねないようなものをどんどん公表していくのだということになれば,私は303よりもっとふえてくるのかなと思うのですけれども,これについてもう一回お伺いします。
それから,課長でとまっていたとおっしゃいますけれども,これは,組織としては非常に理解しがたいことなのです。その辺は,後で調べれば出てくるというものが課長までの下の人しかわからないという話は,僕は説明にならないと思います。
もう一回,その2点をお伺いします。
◎千葉
高速電車部長 まず,課長まででとまっていたという件でございますけれども,過去,平成12年まで,例えば乗務につきましては,各3線区のところに乗務区と課長職を配置しまして,そこで全部乗務の関係のものを取り扱っていました。そして,それに合わせて,その上に
高速電車部長がいたという形になっておりまして,軽微なものにつきましてはそこで実際にやられていました。例えば,ステップで転んでけがをしましたとか,そういうような事故につきましては,そういうところで行われていたという形がございます。それにつきましては,その後,今は
高速電車部長まで全部上がってくるような形に変えております。
それから,件数でございますけれども,事故件数が12年から14年度で303件あったと。全部出しても303件でございまして,それ以上ふえることはありません。その中から,この規定に合ったものを出すと。それで,先ほど言いました件数でございますけれども,これはウに該当するものでございます。確かに先生のおっしゃるとおりでございますけれども,これには,運行上多大な支障を生じた場合ということで,例えば投身などというものが入ってまいります。負傷事故とか人身事故でございますが,これが入ってまいります。それから,
重大事故につながりかねない要素というのは,例えば,ドアに挟んで引っ張ったとか,居眠りでオーバーランしたとか,こういうものにつきましても公表してまいりますけれども,これについてはそんなに多いものとは判断しておりません。そんなにたくさんあるとは思っておりません。ですから,公表するものは,まだちょっと最終的に集計したわけではございませんけれども,大多数が負傷事故になるのだろうというふうに思っています。
ただ,これについて,これから公表するときに,こういう事故については,全部,まず
安全運行管理室に届けを出す,そして,そこで全部チェックをするということでございますので,隠すつもりは全くございませんし,全部オープンにしていきます。ただ,件数としては,そういうようなことに近いものになるのではないかと判断しております。
◆長内直也 委員 そういう報告ですから,それを信用するしかないとは思うのです。
ただ,私は,何回も言いますけれども,実際に厳しい目で自分たちを見て,それを情報公開していくということになれば,私は件数がもっと多くなってくるのかなと思います。やはり,こういうふうになってくると,見る目は余計厳しくなってきますので,本当に,
意識改革と口だけで言うのは簡単ですけれども,今後,その辺をどういう形で対応していくのかということは,もうちょっと見えるように報告していただきたい。私は,今回のこの報告書ではちょっと不十分だと思っております。今後,何をするのかということをもう少し明確に記述しなければ,私は,本当の意味で反省したことにならないのかなと思っております。
◎黒田
交通事業管理者 確かに,長内委員がおっしゃるとおりであります。今,千葉部長も答弁しましたとおり,3年間で303件は,例えば車内で急病人が出たとか,そういったケースも一切合財入っています。14年度からデータベースに全部集めたのは,対応策をとるためにデータベース化しましたが,それは
高速電車部の功績だろうと。したがって,全然,隠すのは何もない。そのデータベース化の中で,それに基づいて,事前の対応策はどうしたらいいのかということも含めて考えなければならない。
それから,まさしく,運行管理室に全部出させますけれども,その中でも,特に留意すべき事故とそうでないものも出てくるだろうと。そういったことで,運用的な細則,具体例を全部つくって,それも含めて私は8月25日に運輸局に報告します。そういった具体的なものをつくらなければ現場も徹底できませんから,そういうことも含めて,並行してやって,徹底していきたい。必ずやります。
◆畑瀬幸二 委員 今の長内委員のやりとりを聞いてもう一度確認しますが,過去303件の事故があったと。そのうち,公表基準に基づいて公表しなければならないものは何件あって,そのうち交通局は何件を報告したのかということについて明らかにしてもらいたいと思います。その数字を聞かないと,今後の改善策に盛られている見直しの基準が行われたときに,どのような形になるのかという比較ができないのではないかというふうに思うからであります。
最初に,その点をお答えください。
◎千葉
高速電車部長 公表すべき件数というのは,この公表基準に照らして幾らになるか,何件になるかというのは,まだちょっと精査しておりません。今の303件の中で,新たにつくる公表基準に照らした場合に何件を公表することになるかというのは,大まかなものは先ほど長内委員に対して言いましたけれども,これを確実な数字として何件という形ではまだ出しておりません。
◆畑瀬幸二 委員 その数字が出ないと,何のために見直しをかけてこれまで以上に公表を多くするのかという比較ができないではないですか。現在,例えば平成14年度の数字でいいですよ。平成14年度の数字をとった場合に,原則公表に当たる事故は何件あって,そのうち交通局が公表したのは何件あったのか,最低限,これがわからないと,比較のしようがないのではないですか。
◎黒田 交通管理者 正直に申し上げます。
公表基準に該当するものですが,例えば,今やっている作業としては過去3カ年303件ありますけれども,実は,正直に申し上げて,それを当てはめると何件あるのかということをいわばトレーニングとして今まさしくやろうとしているところなのです。ただ,事故の件数の集約の塊からいくと,年間推定ですけれども,30件程度は公表義務が出てくるものがあるのかなと。これにつきましては,もう少し精査をして,また別途,各委員の方にご連絡を申し上げたいと。まさしく,3カ年の303件でトレーニングして,その公表義務は,運行管理室で303件すべてという前提になるでしょうけれども,そうなったときにどんな傾向でどうなるのかということをトレーニングして,具体例を確立して,運用細則を決めて,それを現場に流さなければ現場は混乱すると。まさしく,そういうことを懸念されていると思うのですけれども,そういうことをきちんとやっていきたい,こう思います。
◆畑瀬幸二 委員 具体的な質問に入りますが,まず,
市営バスの事故についてであります。
先ほど,管理者の方から,6項目の違反事実の改善命令,それから,在籍車両のうち5両について38日間の
使用停止を命じられた,そういう
行政処分が出たというご報告でありますが,この6項目の違反事実というのは一体どういう項目なのかということを明らかにしていただきたい。
それから,それぞれの項目に沿った形で,現時点における対応策,改善策と申しましょうか,それについてのお考えを示していただきたい。
それから,近々,報告するというふうにお話しされていましたけれども,このバスの問題についてはいつまでに運輸局に報告しなければならないのか,明らかにしていただきたいと思います。
◎新目
自動車部長 ただいまの
特別監査の指摘事項と改善状況でございますけれども,6点ございました。その6点を順次申し上げながら,それから,改善をしておりますので,その旨もご報告をさせていただきます。
まず,1点目は,運送約款を営業所に提示していなかったということで,これは直ちに掲示をいたしました。
それから,2点目は,
交通事業管理者の変更届けをしていなかったということで,これも直ちに届け出を行いました。
これらは,大変恥ずかしい話でございますが,事務的なレベルでの指摘事項でございます。
3点目は,乗務前点呼が確実に実施されていなかったということでございます。これは,改善策では,
対面点呼の徹底を図るため,
東営業所の乗務員の出勤から点呼に至る動線を見直しするとともに,早朝時の
点呼執行者の配置を2名から3名体制に強化をしております。また,全乗務員に対して,点呼時に機器による
アルコール検査を実施しております。
それから,4点目は,点呼の記録が不適切であったということでございます。これにつきましては,
点呼記録の様式を変更し,点呼時分を明記できるようにするとともに,指示伝達及び特記事項等の欄の見直しを行って記入をしております。
5点目は,
乗務記録が不適切であったことでございます。指摘されたのは起点発の時間あるいは着時分に記載の漏れがございましたので,改めて乗務員に周知徹底を図ってございます。
6点目は,乗務員に対する指導及び監督が不適切であったということでございます。改善につきましては,乗務員の指導研修計画について,国土交通大臣告示の指針を踏まえまして年間計画を策定いたしました。また,事故後,管理者以下の役職者の立ち会いの点呼を継続的に実施をして指導監督を強化しております。
以上のような改善を,実は6月10日以降,順次,実施しておりまして,これらの旨につきましては,運輸局の方に8月14日までに改善の報告をすることになっております。
◆畑瀬幸二 委員 8月14日までに,具体的な内容について,それぞれ今示された内容について報告をするということでありますが,バス事業については,ご案内のように来年3月に最後の移譲が完了するわけでありまして,その間,数カ月といえども残っているわけですから,その間の市民の安全輸送というのは基本問題でありますので,ぜひ,二度とこのようなことが起きないように徹底してもらいたいと思います。
そこで,次の質問でありますが,バス部門で改善命令が6点出されました。それから,地下鉄事故にかかわって,これは指示でありますけれども,3点の改善指示が出されました。運輸局から出された今回の命令並びに指示について,交通局側としては,その受けとめ方について運輸局と相違点があるかどうか。そのとおりだという形で受けとめているのか,念のために確認をしておきたいと思います。
その前提に立った上で質問するわけでありますが,地下鉄の関係につきまして,これまでは30分おくれの場合に公表してきたというお話を先ほどされました。今回の見直しに当たって4項目を述べられましたけれども,これまでの基準,30分おくれという部分が一体どういう形に変わっていくのだろうか,その形についてもうちょっとイメージを示していただきたい,こう思います。
それから,見直しを進めていく場合に,当然,情報公開ですから全部明らかにするということは結構なことでありますが,必ずプライバシーの問題がついて回ると思うのです。この点は,札幌市には制度がありますから,当然,交通局も該当するわけであって,この点をどうしていくかです。大変苦労なさるのでないのかなと。3事業一律の基準を設けるということについて,なかなか大変ではないのか。とするならば,3事業それぞれの見直しについて,プライバシーの問題も含めてやっていくことがよりベターなのかなと思うのですが,その点の見通しについて見解を伺っておきたいと思います。
それから次に,職員の
意識改革,これが両部門に求められているところでありますが,現行の
意識改革と比較して何をプラスしなければならないのか,そこら辺を明らかにしていただきたい,こう思います。
◎黒田 交通管理者 運輸局と交通局の考え方に相違点があるのかという問題であります。
1点目は,まず,バスの問題でありますけれども,ご案内のように,本人は前の日の夜,お酒を飲んで,お酒が残っていることを自覚しながら,7分ぐらい遅刻をして,そして,きちんと
対面点呼をすべきところを,または,本人がアルコールの自覚をしているわけですから,
アルコールチェッカーを使わなければならないという義務があるにもかかわらず,本人が遅刻をしてきた痛みの問題も若干ございまして,それから,現場の運行管理者も,事前に少しおくれるかもしれないという電話が入って,ダイヤの確保で,運転手の確保の問題で,本人を見かけて出勤確認はしたけれども,大分時間が遅れたことも含めて,本人もすぐ現場の車の方に行ってしまったと。不十分ながらもそれなりに
対面点呼をやっていたと,こういう若干交通局側の判断もありました。
しかしながら,それは正しい意味での点呼ではないということで,今回,指摘を受けたわけでありまして,指摘を受けた内容については,まさしくそのとおり,重く受けとめて,どんな理由があろうともきちんと
対面点呼をしなければならない。そのときに,今回,
アルコールチェッカーの義務づけもあわせてやったと。現場では,その日以降,
アルコールチェッカーの使用も含めて非常にスムーズに流れている実情でございます。食い違いといえば,そういったところなのかなと。
それから,もう一つの地下鉄の問題は,居眠りが原因で35メートル手前でとまってしまった。当然,そこではお客さんがおりないわけですから,もとの位置に行こうと思って発進したところ,自動制御装置が働いて急
ブレーキがかかり,2人がけがをしたと。それで,2人がけがをした内容は,自動制御装置が働いた,急
ブレーキが働いたということだと。実は,鉄道事業に基づく安全の報告の義務の省令がありまして,その中で自動制御装置が働いた場合の傷害は報告しなくてもいいという文言になっているわけです。しかし,今回の判断の甘さ,それから運輸局の判断の正しさという問題は,あくまでも急
ブレーキを働かせた,自動制御装置が働いたという問題の原因が居眠りであること,居眠りによって傷害者,けが人が出たという判断で,あくまでもそれは報告義務があるのだということで考え方を正されました。そういうお話は,まさしく指摘どおりで,全くそのとおりだというぐあいに私どもは真剣に受けとめたという流れでございます。
◎千葉
高速電車部長 それから,今までの30分おくれという地下鉄につきましては,利用者に対していろいろなマスコミを通して周知をしていたということでございます。
そこで,これからどうするのかということでございますけれども,現在,いろいろ内部で検討をしております。ただ,基本的に考えて,今,内部で話題になっているのは大体10分程度というようなイメージでおります。ただ,これはまだ確定したものではございませんけれども,今それぐらいのイメージで
内部検討をしてございます。
◎黒田 交通管理者 それでは,3点目と,4点目は私の方からお答えします。
プライバシーの関係でありますけれども,一つは,地下鉄,バス,それから路面軌道で運輸局の報告内容が全然違います。密度が違うといいますか,当然のことながら,3
事業ごとにその対応をどうするかという運用細則を決めなければなりません。これは,あくまでも公表を前提としてです。
そのときに,プライバシーの問題でありますけれども,基本的には,一生懸命やって起きる事故も多々あるわけでありまして,一時的には,運転手,その事故当事者の名前を公表することは今のところ考えておりません。その事故の事実そのものをきちんと受けとめて,その内容を公表する,こういった方向に持っていきたい。
ただ,それが
懲戒免職に該当するとか,相当悪質な場合についてはどうするかというのは別問題であります。原則としては,そういうことでプライバシーといった意味でのことは守りたい,このように思っております。
それから,
意識改革で何が原点で必要なのかなということでありますけれども,私は,4月以降でまだ経験が浅いわけでありますが,その浅い中での私の考えとしては,少なくとも公務員として
公営交通事業を預かっているプロの運転手であると。そのプロの運転手として,勤務時間がどうこうといういろいろな問題は別問題として,少なくとも生命を預かる,その運行する時間帯,その時間帯は,きちんとした節度を持った緊張感でプロの意識で仕事する必要があると。やはり,そこの最低必要な気持ちの持ち方ということだけはきちんと持つように――持っていると私は思ってはいますけれども,それ以上に持つような自覚を促すことが必要ではないか,このように考えています。
◆畑瀬幸二 委員 これまで,地下鉄では30分おくれのものについて原則公表してきたけれども,今後は,およそ10分程度から公表したいということになるならば,過去3カ年間の平均で年303件あったものが,どの程度公表対象になってくると推測をしているのか。この点を聞いておきたいと思います。
それから,2点目には,プライバシーの問題でありますけれども,これは職員の問題と利用客側の問題の二つが出てくると思うのです。私は,特に利用客側の問題を重視したいと思っているのです。この点についての見解が必ずしもなかったように思われますので,この点も,再度,お答えをいただきたいと思います。
それから,三つ目には,職員の
意識改革でありますけれども,先ほどのご報告によれば,地下鉄の中で,1年半後に居眠り事故を原因とするものがまた起きてしまったと。つまり,同じ原因でもう一度起きたということになりますと,これはちょっと見逃せない問題だと思います。同じ原因での事故は二度と起こさない,私はこの徹底しか事故を減少していく方法はないのではないかと。
したがって,まず,これまで起きた事故の原因と,同じものについては二度と起こさせない,徹底して調査をして教訓化していくということが必要だと思いますので,ぜひこの点は意識して進めていっていただきたいなと思います。
◎黒田 交通管理者 私の方から,2点目,3点目をお答えしたいと思います。
プライバシーの問題で,被害者,負傷した方のプライバシーの問題も確かにあります。被害者の方もいろいろな考え方の方がいらっしゃいまして,一つは,大したことはないと言う方もおりますし,けがはしたけれども,そこまではいいよと言う方もいろいろいらっしゃいます。基本的には,やはり,ひどい事故については事故の公表はしますけれども,氏名等のプライバシーといいますか,そういった問題はきちんと相手の意向も踏まえながら守っていく必要がある,このように考えております。
実は,2日ぐらい前にちょっと接触事故がありました。それは,年齢は言いましたけれども,私ども交通局として,被害者の名前まで知ってはおりますけれども,それまで言う必要はないということで被害者のプライバシーは守ったということで考えています。
それから,3点目は,やはり一度起きた事故が二度起きてはいけないわけであって,まさしく,それを学習の材料としてきちんと全体が意識を共有することが大事でありまして,まさしく委員が今おっしゃったことは肝に銘じて対応してまいりたい,このように思っています。
◎千葉
高速電車部長 303件のうち,10分以上のおくれは推定でどのぐらいあるかというご質問でございますけれども,やはり80件程度かなというふうに考えております。
◆畑瀬幸二 委員 いずれにしろ,今,検討過程でありますので,ぜひ,札幌市営交通ならではの安全対策,公表基準の見直しというものを確立していっていただきたい。
これは,他都市の例であるとか,
営団地下鉄だとか,JRとか,そういうところと横並びの発想ではなかなか対応が無理になるのではないかなと思われますので,ある意味ではこの事故を教訓化して,札幌市としては,この問題については国内で先駆的な対応をしているというような状況をつくっていただきたいと思います。
いずれにしろ,一連の事故は,市民の信頼を大変失墜させることになりました。回復には時間がかかると思いますけれども,やはり,徹底して安全重視の視点に立った
再発防止というものを進めていく以外に信頼回復の道はないと思いますので,管理者を先頭にしてこの問題に対応していってほしい,こう思います。
◆芦原進 委員 ちょっと3点ほど,質問というよりもお願い事項でございます。
まず,これは私の考え方でございますので,押しつけるつもりはございません。
やはり,人間の生命の尊厳というのが非常に軽視されているのではないかなと思います。人の命はとうといのだということをしっかり認識していきたいなと思いますし,また,人の一生というものも非常に重たい。そういう命を預けて安心して乗っていて,そこで事故を起こす。命に及ぶことはなかったけれども,万が一,これがあったら大変なことだと思いますので,ここはやはり,考え方として生命尊厳というところから出発していただきたいなと私は思います。
また,当たり前のことが当たり前に実行できる,私はこれが大事だと思うのです。当たり前だから軽視すると,それは大事故につながる。小事は大事につながるとよく言われますけれども,当たり前のこと,基本をしっかり徹底していただきたい。
私は,民間に30年勤めてまいりました。そういう意味で,民間の会社というものは,安全対策一つ間違って事故を起こしますと会社の存亡にかかわるという意識でやっております。会社というのは,工場でも現場でもそうですが,絶対無事故・無災害を標榜しまして,現場,工場に,何日間無事故を続けているということを公表しながら,職員,社員,従業員に,またはそこで働く人に目で見せて,安全というものに対して大きく確認をさせながら日々の仕事に取り組んでいるというのが民間でございます。
今るるお聞きしましたが,本当に,当然やっていなければならなかったことが今までなされていなかったということがやはり大きな原因です。私は済んだことをとやかく言うつもりはありませんが,それでは,これからどうしていくかということについて若干お尋ねしたいと思います。
まず,民間で学んだことでございますので,当たるか当たらないかは別でございますが,まず,さっき言った絶対に事故を起こさないという意識を持ちながら,
事故防止のために,会社では就労前,就労後によく安全確認,または安全チェックをいたします。きょう一日はこういうモットーで安全に頑張っていこうようなことを必ず確認しながら一日を出発する。そして,終わったら,その一日の安全について反省をして,無事故を報告して帰路につくというようなことを確実にやっております。交通局のそういうシステムとは合わないかもわかりませんが,就労前,就労後のそういう安全確認にどういうことを取り入れようとされているのか,これをお聞きしたいなと思います。
もう一点目は,この間,ちょっと所用で地方へ参りました。そのとき,タクシーに乗りましたら,タクシーの運転手さんが,まず出発するために右側にハンドルを切るときは,右を見て安全確認をして「安全オーケー」と言って声をかけて出発する。そして,交差点に来ると,「信号青,赤」という声を出し,指さし呼称をしながら安全を確認して,そしてお客を目的地まで運ぶということを運転手さんみずからがやっておられました。そういう姿を見て,指でさして声を出すことが自分の意識の中に安全というものを一番確立させることではないかと思います。
そういう意味で,そぐわないかもわかりませんが,そういう指さし呼称というようなものをどのように考えておられるのか。
この2点をお聞きしたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
◎千葉
高速電車部長 まず,第1点目の
事故防止のために,業務の始まる前,始まってからの確認,それから反省ということでございますけれども,現在,乗務員の指示・命令につきましては,出勤時,乗務時,それから退勤時,これについて点呼を行っております。重要事項につきましては,
点呼執行者から,毎回,指示・伝達をしております。また,日常の注意事項,一般的な伝達事項などにつきましては,職員個々に与えております乗務手帳に記入をし,出庫点検及び折り返し時の確実な機器操作,駅進入・進出時の待ち合い客に対する注意の励行など,指定項目を復唱させているということでございます。そのほかにも,春と秋には全国の交通安全運動というものによりまして,確実な機器の点検,
基本動作の励行などを各職場で自主的に行わせております。それから,年末年始につきましては,運輸局の方から,その都度,指定項目がございますので,これに合わせて1カ月にわたる点検を行っております。
それから次に,乗務員の指さし呼称でございますけれども,指さし呼称につきましては,機器を操作する際の作業ミスを減らすための基本的な動作という形で考えておりまして,乗務員の指さし呼称につきましては運転呼称心得という規定を持っております。そして,車掌は,列車がホームに到着したときに,まず,停車位置を確認して,扉を開くときに「開閉,よし」と,その後,扉を開き車側灯の点灯を確認し「側灯,よし」と。それから,乗客を収容した後,扉を閉じ車側灯の消灯を確認し「側灯,滅」,その後,ホーム上の安全を確認し,運転手に対し発車ベルを鳴らすという手順になってございます。それから,運転手は,ドアが完全に閉じていることを知らせる戸閉め知らせ灯の確認,それから,車内に進行信号を知らせる制限速度信号の確認をして,「戸閉め,よし。出発進行」と,これを指さし呼称して発車をしてございます。
指さし呼称は,
事故防止のポイントとなる重要な事項であります。こういう基本的事項がなされていないという運輸局からの強い指摘がございましたので,これについては,今後とも徹底を図っていくという形で考えてございます。
○
五十嵐徳美 委員長 バス,電車の方も確認は必要ではないですか。
◎新目
自動車部長 自動車の
事故防止の指示・命令の部分で,出発時の
安全確保の指示・命令についてでございますけれども,営業所では職員の出勤時間が変則でございます。個別の点呼の際に,各乗務員に,運行経路における道路工事の状況,あるいはイベントに伴う通行規制の状況などについて伝達するとともに,急発進,急
ブレーキを避けるなど安全運転に心がけるよう,運行管理者から――これは係員でございますけれども,指導を行っております。このほか,定期的な乗務員の研修,あるいは,今回の事故を受けて公休別の研修,実は職員に研修するというのは最低7日間かかりますので,そんな形で研修をするとともに,管理職が早朝点呼に立会をしまして
安全確保の指導強化を行っております。
それから,2点目の指さし呼称の問題でございますけれども,営業所から出庫する際の指さし呼称につきましては,当部では実施を義務づけていないのが実情でございます。ここは鉄道とちょっと違うのかなと思います。乗務員個人の
事故防止のための
取り組みとしては,職場研修において事故の事例の研究を通して職員の
安全意識の向上を図っているほか,特に最近努力をしておりますのは,デイライト運動の実施,それから月間
事故防止標語の策定及び掲出,あるいは,バス座席への転倒
事故防止ステッカーの貼付などをしながら,1人でも1件でも
交通事故を減らすようそれぞれの職場を挙げて取り組んでおります。
◆芦原進 委員 今まで,朝の点呼のときの安全指導というのでしょうか,これはどなたがやっておられたのでしょうか。課長さんとか,そういう管理職の方が早朝に出てきてやっておられたのか,これからそうしていくのかということです。
それからもう一つ,先ほどから民間,民間と言って申しわけないのですが,本当に,きょうで何日無事故・無災害だということを張り出しているわけです。そして,毎日,「きょうも無事故だった。無災害だった」ということを意識するようなものを,何かみんなで見て確認できるようなものを,職場のみんなが見えるところに張り出すようなことはお考えになられないのでしょうか。申しわけないですが,若干,民間と違いがあるかわかりませんが,そういうことはいかがなのでしょうか。
◎新目
自動車部長 ただいまの1点目の管理職を含めた形の中でだれが指示をしているのかというお話でございますが,実質,事故前は係員が――これは,それこそ法律にのっとった形で,運輸大臣の方から指定を受けている運行管理者という制度がございまして,その運行管理者が係員なのですけれども,実は2名体制でやっておりました。先ほどもご説明申し上げましたように,それを2名から3名にしたということがございます。
ただ,今お話しされているような形の管理職ではないものですから,管理職が不在だというのはやはり問題があるということで,毎朝,管理職が点呼に立会をしているというのが実情でございます。
それから,2点目の掲示の部分につきましては,バス事業は今始まったわけでございませんので,従来から,交通安全,それこそお客様の生命を守るということは事業の根幹でございますので,そういう掲示,あるいは警察署からの掲示も含めて,スローガン等については各営業所にも掲示しておりますし,もちろん点呼室にも掲示をしているという状況でございます。
◎千葉
高速電車部長 だれが点呼をしているかということでございますけれども,2名体制で,助役――助役というのは事務職員でございますが,やっております。ただ,今現在,点呼をする場所のそばに係長職がいるとか,事務関係の職員を置いている事務室のところでやっているという形でございます。
それから,次の掲示の問題でございますけれども,鉄道事業でどのようにやればいいのかというのは,これからちょっと検討させていただきたいと思っております。
◆坂本恭子 委員 私からも何点か質問させていただきたいと思うのですけれども,まず,バス部門についてお聞きをしたいと思います。
今回,報告されております事故についてですけれども,6月10日の早朝に事故が起きているという中で,実際に公表されたのは,報道も含めて,私どもの手元に報告書が届いたのも次の日の6月11日でありました。今回の
安全運行管理室の設置の中でも,迅速かつ的確というようなことで言われているのですけれども,早朝の事故であったにもかかわらず,この時点で公表がおくれたのはどうしてなのか。やはり,迅速に対応すべき問題ではなかったのかというふうに思うものですから,この点について伺いたいと思います。
それから,先ほど来,地下鉄の事故件数について3年間で303件ということを言われておりますけれども,バスの部門でも本当に事故の件数が多いのです。2001年度に205件,2002年度が149件ということで,このときは4営業所で系統を持っておりましたけれども,バスの保有台数が371台ということで言いますと,2台に1件の割合で事故が起きていることにもなるのかなというふうに思います。
同時に,バス事業を行っている他都市との走行距離の比較におきましても,札幌市が断トツで群を抜いているというふうに言わざるを得ません。6都市の比較で出ておりますけれども,2001年度は,10万キロメートル当たり走行距離の事故件数で札幌が1.76,これに次いで大阪が1.62というふうになっておりまして,それ以外は1.03,1.01,あとは1件未満というような数字になっています。本当にこういう異常な状況であるというのは,この数字を見ただけでも明らかだというふうに思うのですけれども,今回の事故が発覚するまでといいますか,なぜ放置をしていたのか,この時点で異常だというふうに思わなかったのかどうなのか,その点について改めてお聞きをしたいと思います。
それから,先ほど
事故防止検討委員会というのは部会に分かれているというご報告がありましたけれども,これだけの事故が起きている中で,この
検討委員会の部会はどのような機能をしていたのか,この点について確認させてください。
それから,これはバスと地下鉄の両方にかかわることだというふうに思うのですけれども,管理体制の問題です。
先ほどのやりとりの中でも出ておりましたが,バス部門での違反事実です。「大変お恥ずかしいことですが」という報告もありましたけれども,運送約款を掲示していなかった,それから,特に二つ目ですが,
交通事業管理者の変更を届けていなかったと。管理者は4月からご着任になっているわけですから,監査が入った時点でもう2カ月以上経過をしているという中で,このようなことすら行われていないということは,本当に管理体制の問題に大きくかかわってくることだというふうに思うのです。
事故の報告が課長段階でとまっていたということ,それから,今回の
飲酒運転についても,遅刻をしてきて点呼を受けずにすり抜けていった,さらに,点呼の記録も不実記載と言ってもいいと思うのですが,そういう記入,記載がされている,不備があるという状況だったわけです。こういうことが日常的に本当に行われていたのかという思いで,市民の皆さんはもちろんそうですけれども,本当に驚愕する事実というふうに私自身は思っております。今回は
東営業所が監査の対象ということですが,このときには四つの営業所があったわけですから,その時点でほかの営業所すべてにおいてこういうことが行われていたのか。
これは,もちろん地下鉄部門でも同様です。この間,地下鉄部門でも職員の職務上のいろいろな不祥事というのがあったと思うのです。そういうこととあわせまして,やはり,職員の
意識改革というのはそのたびに出てきた言葉だと思うのです。例えば,先ほどの三つの基本理念という中で,接遇の改善だとか笑顔だとか
あいさつだとか,そういうことがいろいろ出てきていますけれども,信頼を回復するために職員の
意識改革を行っていくというのは本当にそのたびに出てきた言葉だったわけですから,まさしく管理体制に問題があるというふうに言わざるを得ないと思うのです。
この点について,どういうふうにとらえていくのか。結局,これから先のことを考えていくに当たっては,これまでがどうだったのか,どこに不備があったのかということを真剣に考えていかなければならないというふうに思いますので,改めてお聞きしたいと思います。
◎新目
自動車部長 ただいまのご質問の4点ほどについて,初めの方からお答えをさせていただきます。
まず,今回の酒気帯び運転の事故の公表がおくれた理由でございますけれども,事故当日の6月10日午前8時30分ころより,当該乗務員は酒気帯び運転の疑いで警察署において午後4時過ぎまで長時間にわたる事情聴取を受けておりました。内容は,酒気帯びと事故との因果関係等であろうと思います。その後,当局に戻ってまいりまして,本人へ事情聴取をしたわけでございますが,終了したのが10日の夜半になっておりました。そんなことから,発表が翌日になったものであります。したがいまして,公表をおくらせたわけではございません。
それから,2番目の事故件数が多くて異常ではないのかというお話でございますが,委員の方からも数字がちょっと示されましたけれども,走行10万キロ当たりの事故件数は,それぞれの数値の部分についてはいろいろな事情から必ずしも一律ではないというか,条件が同じではない部分があろうかと思います。有責事故については,札幌は大阪に次いで高い数値でございますけれども,これは10万キロ走って事故が何回起きるのかという数字でして,大体1件あるいは1件ないという形で実は数値が上がっております。その中で,札幌を含めて出されている大都市の中では,大阪に続いた形の中で高い数値ではあります。
ただ,札幌は積雪寒冷地でございまして,他都市と走行環境も違いますし,やはり一概に比較はできないのかなと思います。特に,14年度の有責事故102件のうち,12月から3月の降雪期間に54件の事故がございまして,53%ほどになりますけれども,冬場に集中しているというのやはり地域の特性があるのかなと思っております。
また,異常ではないのかというお話でございます。これにつきましては,先ほど来お話をさせていただいておりますように,
安全運行ということにつきましては私どもの使命でございますので,これは,少しでも,1件でもなくするような形の中で,それこそ無責,有責にかかわらず努力していかなければならない部分であろうかと思いますので,私の口から多いぞという話にはならないかなと思っております。
それから,3点目の対策委員会が機能していたのかという部分でございますけれども,これにつきましても,やはりある程度機能していないことの反省を踏まえて,先ほど管理者の方からご説明をさせていただきましたように,今までではだめなのではないのかということで新たにそういう枠組みづくりをしようということでございますので,その辺のことをご理解いただきたいと思っております。
それから,
行政処分の中で指摘された事項について,基礎的な部分がおかしいのではないのかと。約款の部分,あるいは,管理者のことが届けられてないというご質問でございますけれども,これにつきましても,本当に事務的な部分でのおくれがあったと。やはり,気の緩みがあったのではないのかと言われますと,その部分については認めざるを得ないと思っております。
ただ,指摘事項にありました点呼の不実記載の部分とか,あるいは,点呼表の様式について国から言われているものが直されていないという部分につきましては,やはり長い歴史の中で,それも管理者の方からお話をさせていただきましたが,自分たちにいいように解釈をしていたと。例えば,14年1月に,実は酒気帯びという欄を設けてチェックをしなさいという形で運輸局の方から通知がありましたけれども,従前は健康という形でチェックをしておりました。ですから,ある意味では健康という段階には酒気帯びも入るのだという感覚で,当然,健康でないのと酒気帯び,お酒を飲んでいないということをイコールに考えた形の中でチェックをしていたというようなこともあったと思います。
今回からは,指摘を受けて直ちに直しまして酒気と呼気という欄を設けましたけれども,実はそういうことが現実の問題としてありまして,それを正していくということでございます。
◎黒田
交通事業管理者 最後の管理体制の問題をどうとらえているかということでありますけれども,まさしく委員のご指摘どおりで一言もないわけであります。私の感想も若干含めてですが,地下鉄の関係で改善指示があったということで,逆の角度から見ると,報告漏れが1件あったということではないかという見方ができないわけではないのでありますけれども,この内容は,そういうことではなくて,報告漏れは1件だと,しかしながら,三つの事故がありますように基本的な事項が成り立っていないのではなかろうか,もう一度,やはり基本的なことから再構築すべきなのではなかろうかということで,私どもは,真剣に,真摯に受けとめているわけであります。そういうことからすると,これまでの管理体制は不十分だったと言わざるを得ないし,ある意味では,これからは,私が全責任を持って,今後の問題をどうするかということについてきちんとしなければならないということでご理解をいただきたいと思います。
◆坂本恭子 委員 1点目の公表の問題についてですけれども,警察の事情聴取があったので時間的にその分を食ったのだというようなことだと思うのです。意図的ではなかったと言いながら,では,そういうことも含めて,今後はどういうふうにしていくのかという問題はあるのかなというふうに思いますので,今そこら辺をどういうふうに考えておられるのか。現時点の考えでいいですから,お答えください。
それから,事故件数の問題についてで,他都市との比較で,冬期間に多いのでというご答弁だったと思うのですけれども,冬道の
安全確保ということもあわせて,安全が使命であるということから言いますと,やはり気象条件が違うので比較はできないというようなことではないのだろうというふうに思うのです。事故の起きる確率ということで言えば,数字から言えばそうでしょう。しかし,事故は1件も起こしたくない,安全を守る,確保するのが使命だというお立場から言いますと,やはり,そういう見方というのは私は承服できない。それは,改めて言っておきたいと思います。
それから,
検討委員会,部会の問題ですけれども,今までうまく機能していなかったから管理室を立ち上げてうまく軌道に乗せていくのだというお話でした。そうであれば,どこがだめだったのかということを,今,8月18日以前に報告を上げなければいけないわけですから,そのことについての現段階での評価といいますか,検討を改めてお話しいただきたいなと思います。
それから,先ほど事故件数のお話をしましたけれども,今年度に入ってからもバス部門で既に18件の事故が起きています。今回の事故が6月15日ですけれども,これ以前に起きているのが11件で,これ以降に起きている事故が7件,既に7月に入ってからも起きているということです。今,公開の基準を決めるだとか,迅速に対応するだとか,
事故防止に努めるだとか言っている間にも,現場では事態というのは進行しているわけです。そういうところで,これは本当に真摯に受けとめて,本当に真剣に取り組んでいっていただかなければならないことだと思っています。
各委員の声も共通でしたけれども,やはり今回の報告だけでは納得できない,具体的なものを,目に見えるものを,数値目標でもいいですし,そういうものをきちんと出していきなさいというのが私たち委員共通の意見だと思うのです。それは,もちろん市民の皆さんもそういう思いで見守っているというふうに思うのですけれども,この点についてどういうふうにお考えになっているのか,改めてお答えをいただきたい。
それから,地下鉄の部分ですけれども,事故の件数303件,3年間でというのがずっと言われております。ちょっと粗い数字なのですけれども,この事故の中で人身事故が28件,ホームからの転落が49件,それから,ドアに挟まるとか,例えば視覚障がいの方のつえがドアに挟まるという事故なども起きているわけです。きのう,おとといですか,高齢の方がけがをなさいましたけれども,何ていうのですか,どう頑張ってもなかなか防げないというようないろいろなことであるとは思うのです。
やはり,私たち日本共産党として,この間,ホームの転落防止対策を早急にとっていきなさいということを一貫して求めてまいりました。それは,どちらかというと,障がいを持った方に対するケアという部分でお話をさせていただいておりましたが,改めてこの数字を見ますと,
転落事故というのがいかに多いのかということが明らかになっております。ですから,本当に一般のお客様というか,利用される方も含めて未然に事故を防いでいくという観点から言えば,今,いろいろなところで普及しております可動式の安全フェンス,地下鉄のドアと連動してホームのフェンスが開閉するようなシステムが導入されているわけですから,そういうことに積極的に取り組んでいくと。これを契機にと言うのはおかしいですけれども,そういうハードの整備というところでもしっかりと対応していっていただきたいというふうに思うのですけれども,その点についてお考えを伺いたいと思います。
◎黒田
交通事業管理者 私の方から,酒気帯びの関係がなぜおくれたのか,もう少し釈然としないという問題と,それから,目標設定の問題の2点についてお答えをしたいと思います。
1点目の酒気帯びの問題は,当然,事故が起きた段階の一報を受けたときには,当然それは公表に進むべきだという前提で,まずは進みました。しかし,先ほど答弁したように,本人が拘束されて所轄署の中にずっといたということで,本当に道路交通法上の酒気帯びに該当するのかどうかという事実確認が難しいこともあって,公表前提に所轄の警察署と私どもが話し合いをしました。意見交換をしました。正式に会ったわけではありませんけれども,公表についてどう思うか,私ども交通局もまだ事実確認をしていないけれども,どうなっているのだろうかと。一つは,まだ捜査上の秘密という問題が所轄署の方でありました。これは,あくまで推定ですけれども,きっと当て逃げという問題がその場で――実際上は,最終的には当て逃げではなかったわけでありますが,そういうことも含めて単純な酒気帯びということではなくて,トータル的な捜査があったという視点で,所轄の警察署は今公表すると混乱を来すので待っていただきたいというやりとりがあったことも事実です。それから,私どもとしても,何が具体的に指摘事項,公表事務に入るのかどうかという確認もやはりする必要があるということで,その日遅くまでやって,そして,私どもは翌日,警察の方も翌日という流れになりました。
当然,刑事事件の関係は,基本的にはまず速報で流す考えではありますけれども,刑事事件に関係すればするほど,所轄署との連携はやはり避けて通れないなと。少なくとも,今後,
安全運行管理室で判断をして,できる範囲の中での一番早い段階で対応をするという考え方は変わらないと思ってございます。あえて言えば,反省する点が全くないかと言えばそうではないかもしれませんけれども,それが事実関係です。
それから,目標設定という問題は,これはまさしく先ほど畑瀬委員からも話があったように,もう確かでございまして,その内容を具体的に分析をして具体例を挙げながら運行管理室に上げる,それから,公表していく,そんなことの具体例を掲げながら,そして,そのことによって最終的にはこれまでと今後ではどう違うのかという目標管理設定も含めて,今月25日に運輸局に報告するまで具体例を全部詰めていきたい,このように考えております。
◎新目
自動車部長 2点目の事故の件数で,私の答弁では納得されないという部分でございますが,実際問題とした形の中で有責事故の部分の有責,無責の考え方ですけれども,当局の過失割合がゼロ%のものを無責,それ以外のものを有責というという考え方をしております。先ほどの委員の数字で相当高いのではないのか,札幌の事故件数が多いのではないかなというお話でございますけれども,10万キロを走行して1.76という数値は無責も含めての数値でございまして,有責では実は他都市並みでございます。
それから,現実の問題として,現実の数値ということでお話をさせていただくならば,平成13年には冬の大雪でやはり1週間で25件もの事故が発生しているというのは事実かなと思います。答えにならないかもしれませんが,状況とすれば,私どもはそういうふうに認識しております。
それから,4番目になろうかなと思いますけれども,現実に15年度になってからも事故がふえていると。新たな枠組みの中で,それをどうとらえていくのだというお話でございますけれども,先ほど来ご質問に出ておりますように,地下鉄の場合とはまたちょっと違って,バスの場合は地上の交通でございます。やはり,有責,無責の部分を含めてプライバシーの問題というのは,我々がこれから基準をつくっていく中で大きく立ちふさがっているハードルだろうと思います。それらは,やはり整理をしていかなければならないということが一つです。
それから,実を言いますと,自動車の場合につきましては,自動車
事故報告規則というのが運輸省の方から示されていて,そういう基準に基づいて実は報告をさせていただいておりますので,それらの基準も考えながらやっていかなければならないだろうと,公開をするという部分につきましても,公開をしていかなければならないだろうという考え方がございます。今すぐ形の中で出てこないというお話でございますけれども,今後,そういう形で検討をしていきたいなと,早急にということでございます。
◎千葉
高速電車部長 ホームドアの件でございますけれども,先ほど委員のおっしゃいました投身事故は28件,3年間でございます。12年度から14年度303件の事故件数のうち,投身事故は28件,走行路面転落49件,そのほかにも,一昨日ありましたような列車への接触事故,こういうものもございます。こういうホームでの事故を防ぐ最も有効な方法というのは,確かにホームドア,ホームさくというふうに考えております。ただ,今現在の交通の状況やなんかということがございますので,経営の効率化を十分見きわめながら検討していきたいと思っております。
◆坂本恭子 委員 これで最後にしますけれども,いずれにしても,本当に市民の信頼感を一度大きく失わせてしまったと,そういう事実をしっかりと受けとめながら,現場の皆さんと十分協議をしながら安全運転,安全管理に努めていっていただきたいというふうに思いますし,本当に市民の立場に立って,運行管理室でのこれからの検討がなされるということを心から期待して終わりたいと思います。
◆小谷俵藏 委員 それでは,私の方から少しくお聞きをし,あるいはまた,要望を申し上げておきたいと思っております。
きょういただいておりますこの資料1,そして,2に対して(1)から(4)というふうにあるわけでございまして,それぞれが重要な事柄である,このように認識をいたしているわけであります。
まず,最初にお聞きをしますが,この(1)から(4)の中でどれが一番大切であるか,このことをお尋ねしたいと思います。
◎黒田
交通事業管理者 どれかというと,なかなか全体に四つの柱が絡み合っているという問題でありますけれども,私としては,やはり(1)が大事だと。やはり,運行上の事故は公表するのだ,公表しながら,学びながら,その
再発防止に努めるのだ,こういうことが一番大事だというように私は認識をしております。
◆小谷俵藏 委員 そこで,私は決して(1)だとは思わないわけであります。
まず一つには,運行体系,ダイヤ,乗務体系が無理でなかったのかどうなのか。今回のバス事故についてお聞きすると,夜の10時台いっぱいくらいまで乗務にあった,翌日は6時そこそこだったと。この間,帰宅をし,そして就眠をし,朝出てくる。たまたま翌朝早い出勤であるにもかかわらず,飲んでしまった。酒が抜けないままであった,こういうことであります。基本的には,これは本人の意識が非常に不備であったということがありますけれども,1日の乗務時間は平均しますと約6時間ぐらいですか,そういった中で夜遅くまで乗務をし,早朝勤務,こういう体系が本当に安全のために適切な運行体系であったかということが一つ,これについて改めてお聞きをしたい。
それから,私は,(1)から(4)までの中でどれが一番必要かというと,(4)と申し上げざるを得ない。職員の意識の改革なくして,これからの
安全運行はあり得ない。大勢の皆さんの市民の命を守りながら運行させるバス,あるいは地下鉄,電車といったものにかかわる職員一人一人が,きちんと責任と自覚を持つ,これなくして
安全運行はあり得ない,その上で,管理体制なり,そういったものがきちんと的確になされていくことが非常に大事である,私はこう言わざるを得ない。したがって,4番目にあるのが,私はむしろ1番に来てもいいのではないか。現場を担当するそれぞれの立場の人の
意識改革なくして改善はあり得ない,こう考えますが,いかがでしょうか。
加えて,冒頭に,管理者初め幹部部長の合わせて5人の方が立ってご
あいさつをされました。そこのことは当然のことでございますが,私は,こういった問題が起きたときは,少なくともきょうここにお座りの交通局にかかわる関係職員の皆さんがこぞって立って
あいさつをすべきだったのではないかと。これも,問題は,管理者の方々が,重要な役職にある方々が,報告がなされていなかったと言いながらも,その結果は,5人の幹部の方々が立って最初に
あいさつをされ,ほかの方々は座っておられる。きょう,ここにお座わりの方々が悪いというのではなくて,それぞれのセクト,それぞれの関係する立場の方々皆さんの責任というものがいかに重大であるかということを認識していただかなければ,ただ,トップ幹部の方々がそうした姿勢だけでは物の改善にならない。したがって,(4)について,先ほど申し上げた私は見解を持つわけであります。
特に,バス事業に関して申し上げますと,残すところ札幌
市営バスの運行は8カ月ほどと相なったわけであります。どちらかというと,気持ちとして,その後の仕事の問題,職業の問題であるとか,いろいろと気も散漫になりかねない今の状態にあっても不思議ではない。むしろ,それをばねにして,逆に札幌
市営バスとして有終の美を飾るのだという意識の高揚が,今後の
事故防止に大きくつながり,市民の皆さんに大きな期待と喜びを持っていただける最大のことではないかと私は思いますが,これについても見解をいただきたい。
◎黒田
交通事業管理者 バス事業の運行体系の問題は,
自動車部長からお答えをいたします。
今,小谷委員の方から4番目が大事と,それは私もよくわかります。4番の
意識改革が必要なことは,場合によっては一番先かもしれません。そういうことを十分に踏まえながら,
意識改革に全力を挙げてやってまいりたい,このように考えております。
それから,私ども管理者と4部長合計5人が
あいさつする問題で,後ろの方は
あいさつしなかったと。これは,後ろの課長職の人たちも全く私どもと同じ済まない気持ちでいっぱいでありまして,そういった前提で,毎日,反省点のことも踏まえながらいろいろな議論をしてございまして,気持ちとしては,管理者以下,これは管理職だけではなくて,末端も含めて,今,そういった方向にいい意味で変わろうではないかという機運が高まっておりますので,そういった形で真剣に
意識改革を中心にしながらきちんと取り組んでまいりたい,このように考えております。
それから,バスの問題は,74年というまさしく輝かしい歴史を持ってございまして,それが来年3月で,いろいろな時代の流れで終わりを告げようとしているということで,私も,本当に,4月1日に着任してすぐ,各営業所を回りながら,皆さんに,何とか最後の1年,先輩方が築いた栄光のあるバス事業であるけれども,どうしても終わらざるを得ない,いい意味で最後の1年を立派な形で終えんさせよう,そして,最後はみんなで別れを惜しもうではないかということで声をかけながらやってきましたが,残念ながらこういうことになったと。
しかしながら,今からでも,今からでもやはり何とか来年3月まで,もう一度,いい意味でふんどしを締め直して,きちんと歴史に恥じることのないような体制で頑張っていきたい,こう思っていますので,ご理解をいただきたいと思っております。
◎新目
自動車部長 乗務員の勤務形態に問題があるのではないかというご質問でございますけれども,バス乗務員の勤務の種類としましては,基本的には,一つには早朝に出勤する,私どもはA番勤務と申しておりますが,それが一つです。二つ目には,午前のラッシュ帯と午後のラッシュ帯を組み合わせた形の中で勤務する中休勤務,これは途中に休憩が長く入る勤務でございます,それが二つ目です。三つ目には,日勤に勤務するC番勤務で,どちらかというとC番勤務は少くのうございます。それから,4番目には,午後に出勤して夜の終業まで勤務するB番勤務という4種類の勤務がございます。そして,勤務の回りを作成する場合,これら4種を組み合わせた形の中で勤務をつくっておりますけれども,基本的に,1週間はB番,中休,中休またはC番,A番,A番となります。そのうち,今回のような形でB番勤務から翌日の中休――我々は中休のAと言っておりますけれども,朝のラッシュの時間帯に出勤をするという形でございますが,中休勤務に入るのは
東営業所では全体の勤務のうち大体16%ほどございます。この勤務の場合,退勤時間後,翌日の勤務まで休息期間を8時間以上与えなければなりませんけれども,今回の当該乗務員の勤務は,事故の前日がB番勤務で,退勤時間が22時09分でございました。当日が中休勤務で,出勤時間が6時13分でございました。この間の休息期間は8時間4分ございます。したがいまして,厚生労働省の基準に定められた8時間以上の休息時間は確保されているのかなと,勤務形態そのものについては問題がないのではないかなという認識をしております。
◆小谷俵藏 委員 今,部長のご答弁の中で,8時間強は確保されているということで問題はないのではないかと。
しかし,現実に,帰宅をして,そしてまた勤務をする。これは,それぞれの職員の方々によって距離の関係等々いろいろまちまちだと思いますが,やはり,そういったことを踏まえた場合,そこに寄宿舎でもあって寄宿する場合は別でしょうけれども,そうでない場合は,こういった勤務体系というのは私は無理があったのではないかと。多分,この酒気は,帰って疲れを癒すために一杯飲んで,翌日まで覚めなかったという現象で,その時間はやはりその勤務体系時間との関係です。基本的には,それは,短い時間の中でお酒を飲んだことの本人の自覚そのものが足りなかったことが第一義ではあるけれども,しかし,こういった勤務体系で,実質の休む時間というものがそれでいいのかどうかということは,これを機会にこれから検討する必要があるのではないだろうかと,そういうことを申し上げておきたいと思っております。
いずれにいたしましても,先ほど管理者からお話がありましたように,立つ立たないは別として,みんな同じ気持ちだと。それは,もちろん,私もそのように理解をしております。ただ,姿勢として,このことは,管理者に,あるいは幹部の方々に重大なミスがあったというのではなくて,むしろ一番先頭に立って現場で仕事をされている方に問題がある。そして,それは,いわゆるそれぞれの営業所,これは
東営業所長さんのところでとまっていたということだろうと思いますが,そういうものの報告というものがなかったと,このような話でございます。私は,やはり,気持ちはわかるけれども,むしろ,現場に近い立場の方がいらっしゃるとすればなおのこと,私は,きちんと同じ姿勢で立って
あいさつをしていただきたかった,非常に残念だと。通常のことであれば,代表される方々が立ち,代表者が
あいさつされるのは当然でございましょうが,こういう不祥事の場合は,決してそうであってはならないということで,私はあえて苦言を申し上げて,終わらせていただきます。
○堀川素人 副委員長 それでは,私の方からも何点か質問をさせていただきます。
今回,大変不名誉なことになったと。この中で,責任のとり方についてちょっと聞きたいなというふうに思うのです。
それからもう一つ,まず,一番先になぜ運輸局の方に報告をしなくてもいいと判断をしたのか。先ほどちょっと言いましたけれども,大分時間がたちましたので,もう一回,改めてお聞きをしたいと思います。
◎千葉
高速電車部長
北海道運輸局への事故の報告に係る取り扱いにつきましては,鉄道事故等の報告規則及び事務取り扱いに基づいて行うことになっております。このたび,
報告義務違反という指摘を受けましたことにつきましては,この規則や事務取り扱いの解釈に対する認識が交通局として誤っていたというものでありまして,これは深く反省しているところでございます。
今回,指摘を受けました事故について説明いたしますと,運転手が一瞬居眠りをしたことで通常の
停止位置の手前で停止をした,その後,
停止位置修正の途中で
事故防止のための
非常制動装置が自動的に働き,急停止し,そのことが原因によりまして乗客が負傷したものでございます。この事故が発生した時点で,鉄道事故等の報告規則の事務取り扱いに規定されております非常制動による場合は除くとの解釈基準に基づき,交通局は届けの必要はないものと判断したものでございます。
しかし,
北海道運輸局の見解は,この事故の原因は居眠りであり,事務取り扱いの除外項目に該当しない事例であるから報告すべきである,このように判断をされました。
今後につきましては,運輸局の指導に基づきまして,運輸局との連絡を密にし,遺漏のないように対応してまいりたい,このように考えております。
○堀川素人 副委員長 つまり,手前でとまってしまった,それで,居眠りをしていたので慌てて当たり前の停車位置にとまろうと電車を動かした,ところが,自動装置でもって2メートルぐらい行ったらそこで動かなくなって,その勢いで負傷者が出たということですね。それで,それを届けなくていいと判断したのは,僕らが考えたら,一連の行為の中で,とまるまで居眠りをした,そして,自動装置が働いてとまるまで,こういう中で事故が起きた,それで負傷者も出ている中で,届けなくていいと思ったというのは理解ができないのですけれども,届けなくていいと思ったということですね。それは,組織の意思であると,届けなくてもいいというのは組織としての意思であると考えていいのですか。意思であったということで。
◎千葉
高速電車部長 残っている書類を見ますと,当時,届けるか届けないか,この起案につきましては,当時の
高速電車部長までの決裁で届けないという形で間違った判断をしたというふうな形で残っております。
○堀川素人 副委員長 そうするならば,今,皆さんが何人立つか,僕は基本的に立って謝るというのは一人で十分と思っています。皆さんが大変反省をされて頑張っておられることだ,こう思っています。
そういう中で,当時の部長が間違った判断をして,結果的には,札幌市民がある意味では大変恥をかいた,交通局の職員にも本当に多大な迷惑をかけた,こう思うのですけれども,その部長はそういう届けなくてもいいという判断をした。でも,これについては,職員を処分しています。職員を処分していますよね。とすれば,これは,だれが職員を処分したのですか。
◎重松
事業管理部長 私の方から,だれが処分をしたかということですけれども,平成13年9月6日の事故につきましては,当然,事業管理者みずからが事故を起こした運転手本人も
懲戒処分にしておりますし,それから,管理監督の立場である部長,それから課長,係長も処分をしております。
○堀川素人 副委員長 そうするならば,処分をしたということは大変重大なことで,そしてまた,今問題になっている
北海道運輸局の方に届けるべきかどうかという判断を迫られる中で,当時の部長はしなくてもいいと判断をしたと。ところが,実際にはその判断は間違っていて,でも,ここでもってこの部長さえも処分をしているのですから,管理者はこの事件についてわかっていたということですね。
◎重松
事業管理部長 管理者に報告されていたというふうに聞いております,この事故につきましては。
○堀川素人 副委員長 事故は報告されたとしても,処分しているのですから,事故が報告されたということではないですよ。一定の判断をしたから処分がなされるわけですよ。その処分をなした本人は,最高責任者であって,その人も運輸局に届けなくてもいいという判断をされた。結果,こういう問題になってきた。この当時,判断をされた方々が,極めて――僕はさっきも言いましたように,この一連の事件というか,行為は,1回とまった,とまってから今度は発進して,そしてまたとまった,こういうふうにして二つに分けて考えることではない。つまり,これは,知られたくなかったと考えるべきなのではないでしょうか。その知られたくないことを,僕は,意識的に,当時の部長たちは,要するに管理責任者というか事業管理者ですが,その人方がわかっていたのではないか,こういうふうにして今の事実からとらえるわけです。
わかっていないわけがない。そして,その考え方として,分断して考えるようなこんなおかしなことはない。なぜ,わざわざそれを分断して考えたのか。知られたくなかったのではないでしょうか。
こう考えたときに,僕は,その当時の責任ある立場の人間,やはりこの人方の責任を問わなければならない。前に代表質問で言いましたけれども,現在ある人方に責任をとらせるような今の仕組みですから,そのときにポジションになった人は,おれのときだけはつつがなきやと言って責任をできるだけとらないような体制で,それがずっと進んだならば今みたいな隠ぺい体質になってしまう。ところが,僕は,やはり,その当時に責任のあった人にとらせるべきだ,こう思っています。
ちなみに,この責任ある方というのは,当時の部長と管理者であって,ここの責任というのは極めて大きい。では,その人方は今どこにいらっしゃるのか。札幌サンプラザに天下りをしている。それから,もう一人は札幌副都心開発公社に天下りをしている。これは,札幌市が大変な比率で出資をしている団体です。もしその責任があるとするならば,札幌市全体の責任として,ここはやはり,今ある立場でもってどう考えるか,どういうふうにするか。ここの部分をそのままにさせておいていいのかと。こうしたしっかりした信賞必罰がないことが職員の
意識改革をおくらせる結果になろう,僕はこう思っているのです。幾ら根性論で一生懸命頑張らなくてはだめだ,頑張らなくてはだめだと言っても,これはそのとおりですけれども,それに伴う見えるものがなければ,やはり一生懸命頑張る人もなかなか頑張れない。こんな体制かとあきらめてしまったら,
意識改革というのもできないし,札幌市の交通局の改革もできない,僕はこう思っています。
もう一つ,形の見えるもの,見せなければならないということの一つは,札幌市であろうが,どこでもいろいろと公務員の方々の特別昇給制度があって,交通局でもそれが適用されています。その適用は,およそ5年に一回りをして,すべての人が昇給するような形になっている。本来,この昇給制度というのは,公務員が働いても働かなくても同じ給料しか当たらないということの反省の中でつくられた法律なのです。一生懸命やる人にはやはりそれなりの待遇をしてあげようと,こういう中でつくられたものが,5年たてばみんな一緒に上がるというのは,これは一つの法律違反でなかろうか,または脱法行為ではないだろうかと僕は思うのです。そういう信賞必罰があり,そして待遇に差がつく,やはり交通局もこういう緊張感の中で考えていかなければ,そこの部分で,ただ一生懸命やります,今やったやつについて点検をしっかりしますとかではなくて,今ある体制,バックにある仕組みそのものを見直していかなければならないのではないかなと思うのですけれども,その点についていかが考えておられるか,お聞きしたいと思います。
◎重松
事業管理部長 特別昇給制度につきましては,勤務実績あるいは貢献度,それから出勤状況などを評定要素として考えて,各所属から勤務成績等の内申を受けて決定しているものでありまして,その趣旨としては,まさに職員の士気向上,それから公務能率の向上を目的に今取り組んでおります。
○
五十嵐徳美 委員長 あとは,責任の所在のありかです。
◎黒田
交通事業管理者 私の方から,1点目の方をお答え申し上げます。
私も,事実関係を自分なりにきちんと精査をして,評価したつもりであります。
個々の事案ごとに,
懲戒処分も含めて,今回は減給1カ月ですけれども,対応はしています。今の堀川副委員長のお話は,報告義務をしなかったその責任は,やはり当時の
管理監督者がとるべきではないかというご指摘です。
堀川副委員長のお話もわかるわけでありますけれども,私がいろいろ調査をして評価をするところでは,先ほど千葉
高速電車部長も話をしましたように,事故のあった報告書は当時の部長でとまっていたと。事故が起きた段階での報告書です。事故がこう起きましたという報告書は,部長段階でとまっていた。そのときに,では,組織ぐるみでその報告をあえて隠したのではなかろうかというご指摘ももっともだと思います。
しかし,私がきちんと精査をした中では,やはり,
高速電車部自体におけるいわゆる国土交通省省令の解釈そのものが,全然誤った判断,自分に都合のいい方向で判断をして,そして報告をしていないというのが一つです。したがって,その段階では管理者には報告されていない。しかしながら,当然,それは重大なミスだから,本人に対する
懲戒処分をしなければならない。
懲戒処分をしなければならないという段階では,当然のことながら,管理者のところに行っている事柄の話であります。その段階で,管理監督責任も含めて,その当時の段階で一定の処分の判断をしたのだろうと。その報告漏れという問題は,結果的に,組織としての甘さも含めて,何らかの一定の対応は要ると私は思います。しかし,この本件をさかのぼって,当時の報告漏れということを,組織ぐるみも含めて,結果責任も含めて,当時の管理者に問うことはなかなか難しいのではなかろうか。
私は,堀川副委員長のお話もわかりますけれども,今度,新しい体制をつくって,ある意味では上に重い結果責任が問われる,そういった時代に来ているし,そういったことに向かうべきだと私は思っているものですから,そういった体制でやっていきたいと。今度はそういった体制で組んでいきますので,その辺で全体のご理解をいただければありがたいと思っています。
○堀川素人 副委員長 この間,黒田さんを中心にして努力をされている姿は,本当に涙ぐましい努力だと,こういうふうに評価はいたしますけれども,こういう事件があったときに我々は一つのことからどれほどの多くを学ぶべきか。過去は未来の道しるべ,このことを考えたときに,つらくても学ばなければならないことは学ばなければならない。
そういう中で今,黒田管理者の話の中身は,正直に言って1点間違いがある。それは何かというと,管理者が知っていたかいないか。これは,事故が9月6日に起こっています。7月13日のドアでもって手を挟んだという事故と一緒に,9月6日に居眠り事故があって,そして,それの処分を平成13年の12月27日に行っているわけです。処分をするときに,ただ報告だけを聞いて,自分のかわいい部下を簡単に訓告とか厳重注意という処分をする人はいないと思うのです。やはり,これだけの処分をしなければならないときには,その事故はどういう事故なのか,そう考えて処分をするものだと思うのです。
ですから,彼が知らなかった,当時の事業管理者が知らなかったということは,僕はあり得ないと思う。ただ,今は退職されている方ですから,最終的にどういう処分というか,どういう方法をとれるかどうかは僕も正直に言ってわかりません。
しかし,少なくとも,彼らにはきちんと責任があった,そして,今,彼らは札幌市の三セクに,出資団体に天下りをしている。この天下り自体が大変厳しい批判を浴びているときに,これほどの重大事件を見過ごした,または隠したとするような人間が,その立場でいいのかどうか。今,この事故だけの問題ではないです。これは札幌市全体に問われる問題なのです。ですから,僕は,同僚でいた人をかばう気持ちはよくわかりますけれども,かばってしまったら本当に再出発ができないのですよ。このことについて,もう一度,どう思われるか。
◎黒田
交通事業管理者 先ほどの答弁に若干不足する点があったので補足してお答えしますけれども,運輸当局に報告をしなければならなかったということは
高速電車部長以下も,それから管理者としても,その意識はなかった。しかし,重大な事故を起こしたと。これは,事故そのものに対して結果責任を問わなければならないということで,軽重はありますけれども,減給1カ月も含めて
懲戒処分をしている。そして,結果として,組織の対応の判断の甘さに対して,今回,
特別監査が入った。その結果責任は,私は,今後は問うことになるだろうと,私はそう考えています。ですから,堀川副委員長のお話は理解できる面もありますが,本件,このことに関して,13年の事実の関係で,今もう既に退職されている方にそれを問うことはできないということで大局的にご理解いただければと,このように思っております。
○堀川素人 副委員長 最後にいたしますけれども,僕は,今回,
北海道運輸局がそういう一連の行為を一連としてとらえるのだ,これを二つに分けてとらえるなんていうことはおかしいということなのです,最終的に。ですから,処分が来た。管理者の方でも,あの文章をよく読んでください。どうして,あれを二つに区切るなんでばかなことが考えられるのですか。居眠りがあったからとまったのではないですか。慌てたから出発しようとしたではないですか。これが,一連ではなくて,そこだけ割って,信号装置が働いたそこだけを取り出して,それだから報告しなくてもいいのだというような考えであったら,僕は全くおかしいと思います。
ただ,きょうはここでもってやめますけれども,今の黒田管理者のお話はやはり間違いです。こんなことを言ってやったらだめだ。きちんと反省すべきものは反省する。役所だって間違いはある。間違ったら謝る,そして出発することです。僕はそう思う。このことだけ言って,終わりたいと思います。
◆松浦忠 議員 私は,黙っていようと思ったけれども,ずっとここ1時間ぐらい聞いていて,あなた方はまさに議会の経済公営企業委員を全く軽んじた答弁をしている。したがって,私は,かつて国鉄で24年仕事をして,使用関係,なかんずく世界で一番安全を確保して,その列車整備の仕事,安全の仕事を私はやってきた。
黒田管理者,あなたに事前に言ったはずだ,4月,
事業管理部長。にもかかわらず,こういう答弁をして,委員の皆さんを愚弄している。(発言する者あり)
いいかい,具体的に私が言うよ。何が愚弄しているか,私が具体的に言うよ。(「番外」と呼ぶ者あり)
◆松浦忠 議員 いいから,番外であろうと。(発言する者あり)
○
五十嵐徳美 委員長 松浦議員,番外であっても,質問は質問で……。
◆松浦忠 議員 質問をするって,だから質問を。その点を具体的に質問する。
○
五十嵐徳美 委員長 簡潔にお願いしますよ。
◆松浦忠 議員 まず一つ,自動車で,私は,28日に,おととい,朝6時7分から50分まで点呼に立ち会ってきた。点呼は,運輸局が指摘しているとおりの点呼がされていない。17日にも,私は2回行って立ち会いしてきた。全くされていない。これが,一つ。
二つ目。
地下鉄のこの報告義務をしたしないの事故,これについて,先ほど私は,運輸局の野村課長と再確認をした。そうしたら,負傷者があった事故については報告するということが明確になっているということを言っている。
路面電車も含めて,軌道事業というのはもう何年もなりますか。地下鉄だって30年です。そういうことが明らかになって,運輸局との間でそうなっている。きのうきょう始めた地下鉄ではない。わからぬはずがない。(発言する者あり)
したがって,そういうこともあなた方はわからないで,運輸局が明確に言っていることがわからないで,それが見解の違いですか。判断の違いですか。その程度の認識で,たくさんの人の毎日輸送に当たっていたのですか。この点について,まず一つ,あなた方はどう考えているのか。
まず,自動車の点呼,それから,2点目は,先ほどの事故の判断の問題。運輸局は明確にしている。判断の疑義が生じるようなことではないと言っている。
○
五十嵐徳美 委員長 質問はそれだけですか。
◆松浦忠 議員 もしそれが,いいですか,それがそういうようなことで来たとしたら,あなた方はどういうようなときに報告しようとすることがこの内規にあったのか,それを明らかにしてください。これが2点目。
3点目,先ほどから,事故を起こした職員が第一義的に責任がある,そこに大きな責任がある,管理者に余りないという発言もあった。全く違う,これは。(発言する者あり)
これは,いいですか。管理体制が悪いからこういう事故が起きるのです,管理体制が。そこのところをちゃんと認識して,管理体制をしっかり点検していればこういう問題は起きない。やっていないからこういう問題が起きるのですよ。いわゆる職員の
意識改革なんていうことではなくて,管理者を先頭にして具体的にどうするのかと,管理する人間の側が。おととい,私は,点呼に立ち会っている人は何をしているのかと思って,黙って見ていた。運輸局から指示された……
○
五十嵐徳美 委員長 松浦議員,松浦議員,3番目の質問を明確に整理をしていただいて……。松浦議員,既にいろいろな審議がされておりますから,重複している部分もたくさんありますので,整理をしてください。(発言する者あり)
◆松浦忠 議員 運輸局から指示された点検項目についてチェックをしていない。したがって,これらについてあなた方はどのように掌握しているのですか,きのうまで。それをお答えください。
◎黒田
交通事業管理者 私の方から,2点目と3点目の問題についてお答えします。
地下鉄の事故に対してのいわゆる報告義務の報告漏れでありますけれども,私どもは,松浦議員ご指摘にあるとおり,その当時はそのぐらいの認識しかされていなかったというのは事実であります。それを謙虚に受けとめて,組織体制の整備をまさしく今やっているところでありますので,それは,もう一言も私どもは抗弁するものはありません。(発言する者あり)
たまたま,先ほど,どう食い違ったのかということで言われたものですからお答えをしただけで,基本的な考え方は全く松浦議員と同じであります。(発言する者あり)
それから,そういうことも含めて……(「あんた,そんな認識で仕事をしているからだめなんだよ」と呼ぶ者あり)
○
五十嵐徳美 委員長 答弁をお聞きください。
◎黒田
交通事業管理者 そういうことも含めて,3番目のいわゆる個々の事故の問題は職員の
意識改革もあるけれども,管理体制の不備と。それは,それで私は否めないと思っております。それは,十分認識しております。
◎新目
自動車部長 1点目の点呼について,事故後も今回の運輸局の
特別監査での指摘事項がちゃんと守られていないというご指摘でございますけれども,実際には,先ほどご説明をさせていただきましたように,8月14日の報告までの間,今回,
特別監査の入りました運輸支局で,支局の総括監査官初め,何名かが,実を言いますと23日に東,それから30日に,きょうの朝でございますが,新川に抜き打ちで監査に入っております。その段階での評は,こういう形で監査を指摘された事項は守られているようだと。「こういう形で点呼をされているのであれば事故はなかったですね」という評を一応いただいております。
ただ,議員の行かれたときはそんなことが見られないことがあるのかもしれませんので,今,新しい方法で点呼もやっておりますので,再度,14日までの間,我々も含めて,きちんと,毎日,運輸局の指摘事項が守られる形の中でやれるようにチェックをさせていただきたいと思っています。
◆松浦忠 議員 では,最後にするけれども,委員長,最後にする。
○
五十嵐徳美 委員長 質問ですか,意見ですか。
◆松浦忠 議員 いやいや……
○
五十嵐徳美 委員長 松浦議員,質問ですか,意見ですか。
◆松浦忠 議員 質問はしない,意見だけ言っておく,最後に。
○
五十嵐徳美 委員長 では,手短に,簡潔にお願いいたします。
◆松浦忠 議員 これからまた予算特別委員会も,それから決算議会もあるから,私は機会を改めてやるけれども,管理者,この間,社会保険庁が,いろいろ不正事項があって,そうしたらそれがみんな退職している,そのことに対して遡及して処分するということを言っている,社会保険庁は。この問題は,意識がなかったから,だから免責なのだということではない。意識がないことに対する処罰ですよ,これは。そのために月給をもらっているのですよ,みんな。そこが基本的に間違っている。あなた方はそこのところの認識がないから,だから,こういうことを何回繰り返しても繰り返しても起こってくるのだ。私は,平成8年の年ですよ,ほとんどの職場,バスの職場,朝の点呼に歩いたのです,勤務の問題とかいろいろあって。だから,そのときに指摘して,何年もたたぬうちにこういうことがまた起きている。それが何だったら,管理体制の甘さです。管理者を初めとして,管理者の責任です,これ。したがって,それを明確にするのが堀川副委員長が言っている管理者の責任ということなのです。さかのぼって処分をどうするかということなのです。
したがって,これは,あなたが考えることではなくて,市長が考えることだから,改めて私は別な機会にやるけれども,そういうふうに下の方がどうとか意識がなかったなんていう全く的外れな責任逃れの答弁をしているようでは,まだまだあなた方自身の認識が足りぬということを指摘しておく。
機会を改めてやる。
○
五十嵐徳美 委員長 ほかにございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
五十嵐徳美 委員長 なければ,質疑を終了いたします。
以上をもちまして,委員会を閉会いたします。
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閉 会 午後3時30分...