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平成15年第一部議案審査特別委員会−07月29日-02号
平成15年第二部議案審査特別委員会−07月29日-02号

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  1. 札幌市議会 2003-07-29
    平成15年第二部議案審査特別委員会−07月29日-02号


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    平成15年第二部議案審査特別委員会−07月29日-02号平成15年第二部議案審査特別委員会  札幌市議会第二部議案審査特別委員会記録(第2号)                平成15年7月29日(火曜日)       ────────────────────────────────── 〇議題 付託案件の審査 〇出席委員 33人    委員長   小 野 正 美       副委員長  長 内 直 也    委  員  小 谷 俵 藏       委  員  大 越 誠 幸    委  員  上瀬戸 正 則       委  員  宮 村 素 子    委  員  横 山 光 之       委  員  勝 木 勇 人    委  員  村 松 正 海       委  員  小須田 悟 士    委  員  伊与部 敏 雄       委  員  西 村 茂 樹    委  員  畑 瀬 幸 二       委  員  藤 原 廣 昭    委  員  林 家 とんでん平     委  員  峯 廻 紀 昌    委  員  柿 崎   勲       委  員  義 卜 雄 一    委  員  涌 井 国 夫       委  員  本 郷 俊 史    委  員  芦 原   進       委  員  阿知良 寛 美    委  員  小 川 勝 美       委  員  井 上 ひさ子    委  員  坂 本 恭 子       委  員  伊 藤 理智子    委  員  柴 田 薫 心       委  員  原 口 伸 一
       委  員  五十嵐 徳 美       委  員  田 中 昭 男    委  員  佐 藤 典 子       委  員  佐 藤 美智夫    委  員  堀 川 素 人       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時 ○小野正美 委員長  ただいまから,第二部議案審査特別委員会を開会いたします。  報告事項は特にございません。  議事に先立ちまして,審査方法について理事会で申し合わせをいたしましたので,ご報告をいたします。  質疑者及び答弁者は,起立して発言をしていただきます。答弁を行います部長及び課長は,冒頭に職,氏名を名乗ってから発言をしていただきます。なお,答弁が継続する場合は,最初だけで結構です。  また,今回は議案審査特別委員会ということで,日程も限られておりますし,出席理事者も,原則として付託議案に直接関係のある部局のみとなっておりますので,付託議案に限った,それに絞った質疑を行うようご協力をいただきたいと思います。また,効率的な審査を行うため,質疑及び答弁は簡潔を旨として,内容の重複などは極力避けながら,定められた審査日程を予定どおり消化できるようよろしくご協力をお願いをいたします。  それでは,議事に入ります。  議案第1号 平成15年度札幌市一般会計補正予算(第3号)中関係分ほか,付託議案7件を一括議題といたします。  最初に,第3款 保健福祉費 第1項 社会福祉費の質疑を行います。 ◆小須田悟士 委員  それでは,簡潔に質問をさせていただきます。  まず,障害者ITサポートセンター運営事業についてお伺いいたします。  昨今のITの急速な進展は,さまざまな情報を享受できることで,子供からお年寄りまで広く活用されております。札幌市でも,インターネットホームページを積極的に活用し,わかりやすく,便利な情報を市民に提供しております。市民向けIT講習事業も実施しており,今後,ますますホームページによる情報提供が進むと思われます。  一方,平成14年に行った保健福祉に関する障がい者のアンケート調査によりますと,障がい者のパソコン利用状況は極めて低いとのことです。今回の障害者ITサポート事業は,障がい者の情報活動能力を向上させるとともに,就業の促進など,新しい可能性を導き出すことが期待できると思います。  そこで,3点質問いたします。  まず,障害者ITサポートセンターについては,その運営を委託すると伺っておりますが,民間による障がい者へのIT支援状況はどうなのか。また,この事業を委託できるところはあるのか,まず伺います。  2点目として,委託先を選定するに当たって,どのような条件を考えておられるのか。  続いて3点目は,このITサポートセンターではどのような事業を行うのか。そして,300万円の予算は主に何を見込んでいるのか,お伺いいたします。 ◎岡田 障害福祉担当部長  1点目の委託先の関係についてでございますが,札幌市内では,障がいのある方へのパソコンの技術習得の援助などを行っている団体,あるいはパソコン作業を取り入れて活動している小規模作業所など,ITを活用した障がい者支援が活発となってきております。したがいまして,このような民間での活動状況等を勘案いたしますと,適切な委託先を選定することは十分可能と判断しておりまして,かつ,この事業の展開を通じまして,IT支援の中核となる団体等のさらなる育成も図られるのかなというふうに思ってございます。  2点目の委託先の選定条件についてでございますが,障がいのある方々へのきめ細かなパソコン操作技術の支援,あるいは相談等,こういった体制が整備されていること,また,これまでの指導実績がすぐれていることと考えてございます。これらを総合的に判断することといたしております。  3点目のITサポートセンターの事業についてでございますが,電話やファクスによるパソコンの利用法等の相談やパソコン利用による在宅就労等の相談,また,インターネットによる支援機器の紹介や雇用情報の提供,そしてIT講習会の実施などを主な内容としてございます。経費といたしましては,相談支援に当たる職員の人件費,それから講習会費等を見込んでおります。 ◆小須田悟士 委員  ただいまの答弁では,障害者ITサポートセンターの事業として,障がい者の就労支援に取り組むということですが,ITを活用した就労支援をどうやっていくのか。  最後にもう1点ですが,就労支援の今後の取り組みについてお伺いしたいと思います。 ◎岡田 障害福祉担当部長  1点目のITを活用しました就労支援についてでございますが,ITサポートセンターが行う電話等での就労相談やインターネットによる雇用状況の提供等を通じまして,パソコンを利用した在宅就労に結びつけていくこととしております。また,公共職業安定所など,就労にかかわる関係機関との連絡調整等を行い,障がいのある方々の就労の支援を行ってまいりたいというふうに思っております。  2点目の就労支援の今後の取り組みということについてでございますが,このITサポートセンターで実施する事業内容の充実とともに,ボランティアの方々の参加や協力を得まして,障がいのある方々のパソコン利用の広がりとITを活用しました在宅就労等の拡大に努めてまいりたいというふうに思っております。  いずれにいたしましても,障がいのある方々への就労支援に関しましては,国の動向等にも十分留意しながら,今後とも支援の充実を図ってまいりたいというふうに考えてございます。 ◆林家とんでん平 委員  私は,地域での高齢者,障がい者の自立支援の推進の中にあります,仮称でございますが自閉症者専門施設設計についてお伺いしたいと思いますので,よろしくお願いいたします。  まず,私が議員になろうと思ったそのきっかけが,実は,私の子供が途中で障がいを持ちまして,だんだんその障がいが重くなって1種1級の障がい者となりまして,それから生活ががらりと変わったわけなのです。障がいを持つとその生活自体ががらっと変わってしまうと。それで,例えば,親が,社会の中で変わっていくのを,今度,取り戻していかなくちゃいけないのではないかという,そういう生活環境に変わっていったものですから,今回,その強い思いで議員になったと思っていただきたいと,そう思っています。  それから,今回の障がいの違いはありますけれども,障がいを持つ親の立場,気持ち,声,そういうところを皆さんにぜひ聞いていただきたい,伺いたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。  平成11年に,第1種自閉症施設のぞみ学園入所者親の会から療育の充実を求める陳情がなされまして,当時,我が会派の大嶋議員でございますが,再編整備の必要性や緊急性を指摘してまいりました。そしてことし,1定の予算特別委員会においても,我が会派の西村議員が,なぜ,平成15年度骨格事業として計上されなかったのかと伺っております。それは皆さんご存じかと思います。平成12年度に,庁内関係部局による検討プロジェクト,そして,平成13年度には外部有識者にも参加していただきまして,検討委員会で調査検討を続けてその報告とか事例,調査研究を踏まえて,そこで今回どのような整備をするのか,二つほど伺いたいと思っております。  まず,施設の位置づけというのですか,基本方針,これはとても大事かと思っておりますが,それを1点。  それから,今回ずっと検討してきたわけでございますから,用地の選定もなされているとは思いますが,その用地の選定の経緯,この2点,まずお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 ◎岡田 障害福祉担当部長  1点目の施設の位置づけについてでございます。  本年3月に策定いたしました札幌市障害者保健福祉計画でも,病院あるいは施設から地域へという,地域生活への移行が掲げられておりますけれども,このたび設置いたします自閉症者専門施設においても,まさに地域生活への移行を目指し,必要な療育を行っていくものでございます。  具体的に,入所者を数年の療育訓練等により,グループホームなどに移行することを目指しました中間療育施設というふうに位置づけをしております。また,併設いたします自閉症・発達障害センターでは,自閉症の方々を初め,そのご家族や他の援護施設職員等,自閉症の療育にかかわる人を対象に相談・療育指導を行うことといたしております。さらに,医療機関及び他の受け入れ施設との調整を行うなど,自閉症支援全般についてサービスの提供を考えてございます。  2点目の用地選定の経緯についてでありますが,自閉症の方々及びそのご家族の方々の利便性を考えた場合,やはり中心部から至近距離にあるということ,それから十分な面積が確保できること,自然に恵まれた静寂な環境で,療育に適した立地にあるということで,東区の東雁来第2区画整理事業地区内を想定しているところでございます。 ◆林家とんでん平 委員  概要が見えてまいりましたので,そこで,いろんな障がい者がいらっしゃると思うのですけれども,今度ソフトの面をちょっと伺いたいなと思います。  たまたま,きのうテレビで夜9時から「自閉症の我が子へ」という番組をやっておりましたが,この番組で最終的に何を訴えていたかというと,地域社会のちょっとした気遣いで障がい者も調和して生活ができるのだと,きっとそういうことを何か訴えていたような気がするのです。いわゆる支え合いというのですか,そういうところがあったと思うのです。そこで,やはり自閉症という病気はどんなものなのかということを,まず理解し合うということだと思うのです。  その中で,例えば,建物をどういうふうにつくっていくか,その想像性があると思うのですが,そこで魂であるソフト,そこが充実していかなければ,つくっても同じ,何もならないのではないかと思うのです。そこで,やはり自閉症に対する処遇職員の体制,そこをまず1点と,あと医療の体制なのですけれども,やはり今,障がい者にとって医療体制はとても必要なことだと思うのです。  例えば,つい最近なのですが,養護学校で,舌がのどに入って,そして学校の中で何もできなくてというか,学校では医療行為をやってはいけないということになっていますから,ヘリコプターがすっと行ったのですね。ヘリコプターが4分で学校の方へ行ったので蘇生ができて,命が助かったという事例がありました。そういうこともありまして,医療体制はとても大切だなと思うのですが,まず,その医療体制について伺いたいと思います。  それから施設の機能,これも新しくつくるのでありますから,いろいろな特徴を持ってつくっていただければと思うのですが,私,たまたま3日前に宮城県のかんなりの丘というところに行ってまいりまして,知的障がい者の施設なのですが,これは大きな建物がありまして,六つ建物がとんとんとんとんとありまして,そこはいわゆる授産施設であったり,泊まれるところとかいろんな施設があってそれで生活をしている。これは普通あると思うのですが,しかし,ここではいろんなケースを考えているのだと。それは何ですかとお聞きしましたら,実は地元に戻すのだと。戻すということは,グループホームでそうやって生活できるような,ちょっとそういうことをやり始めていますよと。今現在,二つの場所に,グループホームに戻している状態で,しかも,年齢がすごく幅広くて,小学5年生から50歳ぐらいまで,その中で皆さんが暮らしているわけです。そういう特徴のあるこういう施設もありますけれども,今,こちらの施設として,何かこれから目指している特徴があるのかないのか。なければその特徴を生かしたそういう建物にぜひしていただきたいなと思うのですが,この3点お願いいたします。 ◎岡田 障害福祉担当部長  まず,1点目の処遇職員の体制についてでございますが,この施設を利用される方は,いわゆる強度行動障がいを有する自閉症の方々でございます。そんなことで,他の障がい者施設に比べ,心理療法士でありますとか看護師,そういった方々の手厚い処遇職員の体制が必要だというふうに考えております。  2点目の医療の体制についてでございますが,この施設は,基本的に医療を必要としない福祉型の施設でございますが,先生,ただいまご指摘のとおり,医療的ケアが必要な場合が十分想定されます。そんなことで,現在医療施設でありますのぞみ学園や他の医療機関とも十分な連携をとりながら,迅速な対応ができる体制をつくっていきたいというふうに考えております。  3点目の,これまた先生ご指摘の施設の機能と特徴についてでございますが,施設機能といたしましては,入所施設にショートステイ専用床を設けるほか,デイサービスセンター,自閉症・発達障害センター,市民の方々の理解と交流を深めるための地域交流スペースも併設したいというふうに思っております。  また,特徴といたしましては,より療育効果を高めることを目的に,入所部分につきましては全室個室,少人数制のユニット型という格好で整備をしたいなというふうに思っております。  さらに,退所間近な自閉症者の方々が,地域へスムーズに移行ができるようにということで,よりグループホームに近い形で必要な訓練を行う,そういうことができる別棟を設けることも検討の視野に入れてございます。 ◆阿知良寛美 委員  私からは,今議会に提出された補正予算の中に自閉症者の専門施設設計費が計上されておりますが,この施設整備について3点質問をさせていただきたいと思います。  自閉症は生まれつきの脳機能障がいであり,人種,国籍,地域,生活習慣に関係なくだれにでも発生する可能性があるというふうに言われております。また,その発生率は1,000人に1人ないし2人というふうに言われており,札幌市の人口からすると,少なくとも市内に1,800人程度の自閉症の方々がいると推計されております。  このことは,私ども,子を持つ親にとって強い関心を持っているところであり,安心して子供を持ち,育て,暮らせる環境,いわゆる社会のセーフティーネットとして,早くから自閉症の方々の専門施設の整備が望まれてきたところでございます。  本市には,先ほども委員から指摘がありましたけれども,自閉症の方々のための施設として,唯一医療型の児童施設のぞみ学園がございます。そののぞみ学園も,現在,入所者の多くが成人,成年に達し,本来の児童施設としての機能を十分果たせない状況のように聞いております。このような中,自閉症の方々やその家族にとって,一日も早い自閉症専門施設の建設が待ち望まれていたところでございます。  そこで,第1点目として,親御さんが待ちに待っていたこの自閉症の施設がいつ開設されるか,お聞きをいたします。  次に第2点目として,これまでの検討委員会や調査研究などで,どのような自閉症施設を整備していくのか,さまざま検討を重ねてきていることと思いますが,検討委員会の方々はどういうメンバーだったのか,お聞きをしたいと思います。また,その中でどのような方向性が提示され,市はその検討結果をどのように反映していくのか。  第3点目として,この施設の役割や使命をどのように考えているか,お聞かせ願いたいというふうに思います。 ◎岡田 障害福祉担当部長  1点目の開設スケジュールについてであります。  今年度基本設計を実施し,16年度に実施設計と工事の着手,17年8月に竣工,その後,開設準備期間を経まして,17年10月の開設を想定いたしております。  次に,2点目の検討委員会についてであります。  検討委員会は,自閉症児者親の会,それからのぞみ学園父母の会,小児精神科医,その他福祉施設の方などで構成されまして,平成13年7月より3回にわたって協議を重ねてまいりました。そこで,札幌市強度行動障害自閉症者処遇基本計画を策定していただきまして,平成14年1月に市長に報告をさせていただいたところであります。  この計画で示されている主な内容といたしましては,先ほども答弁させていただきましたけれども,一つ目には自閉症者専門施設のあり方として,定員30名の入所施設とすること,それにショートステイ専用床を設置すること。また,デイサービスセンターや自閉症・発達障害支援センターを併設すること。二つ目としては,施設の設置場所につきましては,交通の便がよく広い敷地を確保できる場所であること。三つ目は,施設の設置主体は札幌市とし,運営につきましては処遇の継続性あるいは専門等を考慮し,社会福祉法人とすることなどでございます。  以上の検討結果を踏まえ,私どもは十分これを尊重しながら施設整備を進めてまいりたいというふうに考えております。  3点目の施設の役割や使命についてでございます。  この施設は,入所後数年をめどにグループホームなど地域生活,あるいは他の援護施設へ移行するための訓練を行う,いわゆる中間療育施設とするほか,他の関係施設等への相談支援や療育プログラムの提供を行うなど,自閉症者支援の中心的な役割を果たすということを目指してございます。  いずれにいたしましても,自閉症者の方々やその家族が安心して暮らせることはもとより,この施設設置が多くの人々の自閉症についての理解を深め,地域で支え合うという,いわゆるノーマライゼーションの理念の定着にもつながっていくものというふうに考えております。 ◆阿知良寛美 委員  今の答弁で,自閉症支援の中核をなす施設を目指している,こういうことは非常に理解ができますし,また期待するところでございますが,ただし,幾ら立派な建物にしても,それを運営する人,また,直接処遇に携わる人がどれだけの熱意や責任感を持って,自閉症の方々,またご家族の支援をすることができるかにより,この施設の成否が問われることというふうに私は思います。  その意味でも,きちんとした職員体制のもと,効果的な療育を行うとともに,関連機関との連携を図り,自閉症の方々の支援に大きな役割を果たしていくことを最後に要望して,私の質問を終わります。 ◆伊藤理智子 委員  私は,地下鉄へのエレベーター設置について質問いたします。  地下鉄の全駅にエレベーターを設置してほしいという市民の願いは切実です。99年には南郷通17丁目地域の車いすの方が中心となって,地下鉄南郷18丁目駅にエレベーター設置を求める請願が議会に提出され,審議されてきました。夏の暑い日や冬の寒い日に,地下鉄エレベーターのある大谷地駅まで地上部の歩道や車道を車いすで移動する大変さの実態も詳しく話されています。設置が困難と言われていた地下鉄南郷18丁目駅に今回設計費が計上され,車いすの障がい者の方を初め,地域の方々は大変喜んでおられます。  地下鉄は開業当時,南北線や東西線にもエレベーターが設置されていませんでしたが,1982年に白石駅,大谷地駅に設置したのが最初で,整備が進んできています。地下鉄駅49駅中今回予算が計上された南郷18丁目駅,円山公園駅と現在工事中の駅を除いて残り7.5駅が未設置駅と聞いています。  そこで質問ですが,第1に,残る7.5駅への設置に向けた基本方針とこれまでの取り組み,その見通し,設置できない理由と今後の解決方法などをお示しください。また,現在未設置の菊水駅の地域には,国立札幌病院を初め,勤医協札幌病院など医療機関がたくさんあり,体調の悪い方や高齢者,障がい者,妊婦さんなどの利用も多いことからエレベーター設置の願いは切実です。地下鉄を利用して病院に通っていても,ぐあいの悪いときには地下鉄の階段を上ることができず,病院代も高い上にタクシーを利用しなければならないのでは本当に大変だという,お年寄りの声もたくさん寄せられています。  第2に,地下鉄菊水駅への設置見通しについて伺います。 ◎大町 保健福祉部長  ただいまのご質問に対しまして一括してお答えを申し上げたいと思います。  まず,地下鉄のエレベーター未設置駅の問題点等についてでございますが,ただいま委員からお話がございましたように,現時点では全49駅中41.5駅について設置のめどが立ったところでございます。残すところ7.5駅となりました未設置駅につきましては,以下のような問題を抱えている現状にございます。  例えば,地上部に空き地がない,あるいは地上部に駐輪場があり,構造上エレベーターの設置が可能と思われるが,その駐輪場をつぶすと減少する駐輪台数分のスペースをほかのところに確保することができない。あるいは民有地があり,用地の一部を取得できれば設置は可能であるが,その土地所有者の了解が得られない。駅舎自体が狭く既存駅舎内での設置が困難であるといった問題を抱えている状況にございます。  次に,エレベーター設置に向けた今後の取り組みでございますが,まず,ことし4月に公表されました札幌市交通バリアフリー基本構想の中で,重点整備地区が定められたところでございます。この重点整備地区内にある駅で,まだエレベーターが設置されていない駅が2駅ございます。この2駅については,優先的に検討を進めていかなければならないと考えております。  その他の駅につきましても,多くの利用者がエレベーター設置を望んでおり,また,駅によっては,特に体の不自由な方が利用する機会が多い駅も残されていますことから,駅舎の構造の検討やエレベーターの設置に適した土地の所有者との交渉を進めるなどして,少しでも早く全駅にエレベーターを設置できるよう,今後とも努力していきたいと考えております。  続きまして,菊水駅の状況でございますが,菊水駅の現在の状況につきましては,これまで出入り口周辺土地所有者と用地取得についての交渉打診を行ってきておりますが,合意には至っていないという状況にございます。  ご指摘のように,菊水駅周辺には国立病院等がありますことなどから,非常に要望が強い駅でございまして,エレベーターの必要性は強く感じておりますことから,今後とも力を入れて取り組んでいきたいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  未設置駅についてですが,今のご答弁では地上部に空き地がない,土地所有者の了解が得られないなど,問題もいろいろ出されていますが,構造上エレベーターの設置が可能と思われるが,駐輪場をつぶすことになるという駅もあると言われました。それで,調べてみましたが,99年7月に行われた厚生委員会地下鉄南郷18丁目駅にエレベーター設置を求める請願・陳情の審議の議論の中で,2層式駐輪場について検討できないかという質問が出されていました。その中で,琴似駅に2層式の駐輪場があるがほとんど利用されていないので2層式にしても難しいとの答弁でした。私も現地調査をしてきましたが,琴似駅の駐輪場の2階に上がる方法は,コンクリートの斜面を自転車を押して上がらなければならず大変です。利用もほとんどされていません。  札幌駅北口の2層式駐輪場は,サイクルコンベヤーが整備されているため,2階の駐輪スペースもいっぱいになるなどの利用状況でした。今後,2層式の駐輪場を整備する場合は,サイクルコンベヤーを整備するなど,利用しやすい駐輪場について関連部局とよく検討していただき,エレベーター設置についても前向きな検討をしてください。今までエレベーター設置をしてきた駅についても,困難な条件を乗り越えて整備してきた実績があるわけですから,今の大町部長のご答弁につきましても,前向きな答弁であったことも含めて,今後も引き続き市の粘り強い努力で,一刻も早く未設置駅にエレベーターを設置いただくことを要望して,私の質問を終わります。 ◆佐藤典子 委員  私は,障害者ITサポート運営事業について2点伺います。  まず,障がい者のIT活用と札幌市におけるこれまでの取り組みについてです。  ITは障がいのある人たちが自立や社会参加を行うために非常に有効な手段であることは,今や社会の認識になりつつあります。パソコンは私の宝物,道具にすぎないなどという寂しい言い方を決してしてほしくないとは障がいを持つ30代の女性の声です。  障がい者のITの利用実態について,北海道ノーマライゼーション研究13号の情報のユニバーサルデザイン及び高齢者,障がい者のデジタルネットワークの活用方策の研究,これは2000年10月の調査なのですけれども,これによると,道内の障がい者のパソコン所有率は約39%となっています。また,全国の障がい者のインターネット利用率は,郵政省の1999年12月調査なのですが,障がい者アンケートによると約35%となっております。いずれも40%近い障がい者がパソコンを持ち,インターネットを利用しているという数字がこのときは上がっておりましたが,平成14年度の札幌のアンケートなどを見ますと,かなり低い数字が出ております。  その理由の一つとして,障がいのある人にとって,ITが自分にとってどう役立つのか知らない,またわからない,そして勉強する場がないということが挙げられるのではないかと考えられます。  そこで,札幌市では,情報バリアフリーの推進として,障がい者のIT活用についてどのように考え,また,これまでどのような取り組みを行ってきたのかお伺いいたします。  続いて2点目は,障がい者ITサポート運営事業の委託先の選定基準についてです。  本年3月,地域で自立した生活を送ることができる共生社会の実現を目的に,札幌市障害者保健福祉計画が策定されています。この計画の目標の一つに,サービスの総合的な提供が挙げられており,そのために民間やNPOなどの市民団体によるノウハウ及び地域社会の支援,人材,事業,施設などを有効活用していくとされています。  市内には専門的な知識を持ち,自立を目指す障がい者,チャレンジドに,パソコンやインターネットの技術習得による社会参加や就労支援を行っているNPO法人があります。障がいのある当事者とネットワークを広げ,肢体障がいに限らず視覚,重度など,さまざまな障がい者に就労支援まで行っているこういう市民団体が,道内ではたった一つと聞いておりますし,また全国的にも数が少ないと聞いています。  そこで,本事業の委託先として,このようなNPO法人もまず対象に含めて選定すべきと考えますが,市の方ではどのような選定基準を考えていらっしゃるのかお伺いいたします。 ◎岡田 障害福祉担当部長  障がい者のIT活用とこれまでの取り組みについてでございますが,まず,障がい者のIT活用につきましては,パソコンの使用によりさまざまな情報を得ることができ,視覚障がいや聴覚障がいなど,そういった方々の情報入手,発信等の機会,さらに生活の場の確保,それから在宅就労など,社会参加の促進や自立に向け大きな可能性を有するものと認識いたしております。  そこで,IT関連の札幌市の取り組みといたしましては,平成13年度と14年度にIT講習会を実施しており,上肢,視覚,聴覚や知的障がいのございます474名の方々が受講されました。また,平成13年度からは,障害児者情報バリアフリー化支援事業を行い,重度の視覚や上肢障がいのある方々を対象に,障がい特性に応じた周辺機器ですとか,ソフト費用の一部を助成しております。平成14年度末までに86人の方々がこの制度を利用されております。さらに,昨年8月からは,日用生活用具の給付品目にパソコンを新たに追加するなど,IT活用の支援に努めているところでございます。  それから,第2点目の委託先の選定基準についてでございますけれども,ITサポートセンター運営事業を扱う団体といたしましては,一般的なITに関する知識や経験だけではなく,各障がい特有の支援器具の操作方法を初め,障がい特性に配慮した技能の向上支援や相談等に迅速に対応できることが必要となります。  このため,委託先の選定に当たりましては,障がいのある方々への理解があることはもとより, きめ細かな専門知識とITの指導実績等を勘案し,社会福祉法人やNPO法人等をその選定対象として考えております。 ◆佐藤典子 委員  障がいがあっても,やる気も能力もある人はたくさんいます。年金以外に収入を得るということは,その金額の多少にかかわらずうれしく楽しいものです。さらに,誇りを持って働き,税金を払って社会の支え手になるということは生きがいにも結びつきますし,だれもが生き生きと暮らせる社会をつくるためにも,障がい者の就労支援は大きな目標と言えます。  障がいのある人がITを活用することは,日常生活における利便性の向上にとどまらず,障がいのある人の能力を引き出し就労するなどの経済的自立を促す効果が大きいと期待されています。特に,在宅や小規模事務所などで仕事をするSOHOは,障がいのある人が誇りを持って働くことを実現する有効な手段となっています。しかし,そのためには,IT習得や就労訓練,雇用主,企業等の橋渡しなど,具体的な支援を行う機関や団体の存在が不可欠と言えます。  三重県では,行政だけではなく企業やNPOなど,多様な関係者の協働による支援を盛り込んだITを活用した障がい者の自立支援策を打ち出し,2002年8月,その推進役となる支援プロジェクトを立ち上げたところです。行政と支援プロジェクトが連携し,障がいのある人の就労意欲の向上,また障がい者雇用の促進を図るための就労訓練を目的に,双方の可能性を広げる取り組みとして,庁内の中の仕事を障がい者ワーカーに分けて,実験的に仕事に取り組むという実践がなされています。  この札幌市におきましても,障がいのある人への積極的な就労支援が求められていますが,そこで,市の方ではITを活用した就労支援について,今後,どのような取り組みをお考えか,具体的に聞けたらと思います。
    ◎岡田 障害福祉担当部長  ただいまの障がいのある方々の就労支援の関係でございますが,特に障がいのある方々の雇用ですとか就労の支援は,本年3月に策定いたしました札幌市障害者保健福祉計画の中でも重点項目ということで位置づけております。そのようなことで,関係機関との連携を強化しながら,障がい特性を踏まえた福祉的就労や一般的就労にかかわる施策の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。 ◆涌井国夫 委員  障がい者の情報バリアフリーの推進については,今,何遍も質問があったわけですけれども,端的に質問させていただきますが,まず,今回のITサポートセンター事業につきましては,国の方でも,また我が党でも,情報化推進については積極的に取り組むように働きかけてまいりました。そうした中で,昨年そして一昨年前と,このITサポートセンターについての障がい者へのIT支援については,私も積極的に進めて取り組むように何遍もお願いしていたわけでございます。  今回の国の15年度予算の中で,補助事業として障がい者のITサポートセンター運営事業というのが新規で,こうした背景の中で盛り込まれまして,本市も手を挙げていよいよスタートする,こういう方向になったというふうに思っております。  そこで,本市のITサポートセンター,先ほども委託先の選定についてNPO,北海道でただ一つしかないというようなことでお話をされておりました。今後,これからのIT関連の事業については,広範な事業者がどんどん出てくるふうにも思われます。そして情報の関連機器も含めて多くの企業がしのぎを削って,もっと使いやすい情報機器の開発を日進月歩で進めている,こんなふうにも思います。そういう意味から,広範な情報機器について,札幌としてもやはりしっかり情報を知っておく必要があるのではないか,あるいはまた支援していく方法があるのではないか。広範なさまざまな障がいをどのような情報機器を使って,その方の能力を最大限に高めて,そして何とか就労まで結びつけていくような,コーディネーターの役割がやはりそこに必要ではないかと,こんなふうに思っております。  そうした意味から,今回のサポートセンター運営事業内容について,具体的にどんな内容があるのか,考えておられるのか,まず明らかにしていただきたい。そしてまた,委託先についても,NPOではなくてさまざまな方たち,いろんな事業主の方たち,民間でいいわけでございますけれども,そうした方との連携も含めてどんなふうに考えているのか,もう一度明らかにしていただきたいと思います。 ◎岡田 障害福祉担当部長  ITサポートセンターの中身についてでございます。  先ほどもちょっとお話をさせていただきましたが,電話やファクス等によるパソコンの利用法等の相談ですとか,パソコン利用による在宅就労等の相談,また,インターネットによる支援機器の紹介,そしてまた雇用情報の提供等,それを主な内容といたしております。  それから,NPOを絡めた委託先のお話でございますが,最近になりまして,この種の事業というのは,少しずつすそ野が広がってきております。そういったような広がりの中で,私どもこの運営事業の重要性にかんがみまして,先生ご指摘の最新機器の情報でありますとか,あるいは雇用に結びつくようなそういう情報の集積ですとか,そういったことにつきましては十分配慮をしていきたいなというふうに考えております。 ◆涌井国夫 委員  国の補助事業の中身も余り詳しくは載っていないわけでありますけれども,私,いろんな各都市の情報,さまざまな取り組んでいる状況をいろいろ見てみますと,いわゆる派遣事業も行っているところもございます。情報機器については極めて専門的な知識が必要な場合が,操作の仕方についてもありますし,やはりその辺のちょっとした手助けができるような問題をクリアしていかないと,せっかく買ったパソコンが十分に機能していない,あるいはまた就労にも結びつけないということもあります。  こういったきめ細かなサポート体制といいますか,派遣事業も含めて,今後,事業内容の中にぜひとも盛り込んでいただきたいなとお願いしたいというふうに思います。  それから,もう一つは,パソコンリサイクル事業というのも,国の方で積極的に取り組むように補助事業としてございます。札幌市については,パソコンのリサイクル事業について,企業あるいは個人ユーザー等において不要になったパソコン機器を必要とする障がい者の方に提供する,無償であっせんをする,こうした事業もあわせてやっていくべきであると,こんなふうにも思いますが,この辺についてはどのように考えていくのか,お願いしたいと思います。 ◎岡田 障害福祉担当部長  まず,1点目のITの中身でございますけれども,ITサポートセンターは,先ほど先生ご案内のとおり,障がいのある方々の通信技術の利用の機会を広げる,あるいはその活用能力を高めるというようなことで,今年度から国の補助対象になった事業でございます。そのようなことで,今,ご指摘のございましたパソコンのリサイクル事業ですとか,そういったものにつきましては,これからも国と十分打ち合わせをしながら取り組んでいきたいなというふうに思っております。 ○小野正美 委員長  以上で,第1項 社会福祉費の質疑を終了いたします。  次に,第2項 児童福祉費の質疑を行います。 ◆峯廻紀昌 委員  私の方からは,少子化対策について何点かお伺いをしたいと思います。  近年,全国的に急速な少子化の進行は,将来の日本の社会保障制度や税制度等の基盤を揺るがすだけではなくて,その原因や背景そのものが広く社会経済の生活に影響を及ぼすことが懸念されております。この現状を踏まえ,国もこれまで,少子化対策推進基本方針の具体的実施計画である新エンゼルプランを初め,保育所待機児童ゼロ作戦など,少子化進行の傾向に少しでも歯どめをかけるために保育施策を中心とした対策を今日まで行ってきております。  しかしながら,最近の新聞等を見ても,少子化に関する記事は減ることなく,調査結果やその要因についての記事をよく目にいたします。また,この少子化傾向が社会的,経済的背景や国民の結婚や出産などに関する意識の変化に大きく起因しているところもあり,効果という面では抜本的な解決がなかなか難しいという現実もあろうかと思います。  このような現状を踏まえ,厚生労働省においては,昨年,少子化対策プラスワンにより,これまでの仕事と家庭の両立に向けた支援に加え,働き方の見直しや地域における子育て支援等を柱とした今後の方針を示し,さらには,今国会において,少子化対策の一層の推進を図るために,次世代育成支援対策推進法が制定されるなど,国を挙げての少子化の取り組みが,今後さらに期待されるところでございます。  そこで,お伺いをいたします。次世代育成支援対策推進法の成立を受けて,このたび予算案において行動計画の策定をするということになっておりますが,この法律はどのような内容なのか。まず,現時点でおわかりの部分でよろしいので,お答えをいただきたい。  次に,本市の状況は,皆さんもご存じのとおり,合計特殊出生率が政令都市の中でも最も低い状態になっております。このまま少子化が進行していくと,この札幌の街は経済や市民生活の面でも活力が低下して,寂しい街に変貌していくのではないだろうかということを危惧しているところでございます。また,本市における少子化対策は,今後の重要課題としてとらえていかなければならない,これは共通認識であろうかと思います。  そこで,次に伺いますが,この法律ができたことによって,本市が策定をする行動計画はどのようなものなのか,その具体的内容と策定のスケジュールについて,お伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。 ◎福島 児童家庭部長  まず,1点目の次世代育成支援対策推進法の概要でございますが,この法律は,急速な少子化の進行を踏まえ,次代を担う子供が健やかに生まれ,かつ育成される環境の整備を図るために,全都道府県及び市町村,それと一定規模以上の企業に対しまして,少子化対策推進の行動計画策定を義務づけようということで制定されたものでございます。今国会で審議がなされまして,今月9日に可決,成立したばかりの法律でございます。10年間の時限立法でございまして,地方公共団体及び企業における集中的かつ計画的な取り組みを促進しようというものでございます。  政府の方といたしましては,この法律に基づきまして,地方公共団体とそれから企業に対しまして,行動計画策定の指針を示すことになり,この指針につきましては,来月中にその内容が明らかにされる見込みというふうに伺ってございます。  それから,2点目の札幌市がこの法律に基づいて策定をいたします行動計画,この内容といいますか,どんなイメージのものになるのか,あるいはその策定スケジュールということでございますけれども,今回の肉づけ補正予算の中に,この行動計画策定費といたしまして540万円計上させていただいたおります。その計画の内容につきましては,近く国から示される策定指針,これが明らかになりました段階で,具体的な検討に着手をさせていただきたいというふうに考えてございます。  ただ,現在までに伺っております国が示す指針の素案といったものがございますけれども,それに照らして考えますと,私ども札幌市が策定いたします行動計画の骨子といたしまして,例えば, 地域における子育て支援の充実,母子の健康の確保と増進,子供の心身の健やかな成長に資する教育環境の整備,それから良質な住宅の確保等,子育てを支援する生活環境の整備,あるいは職業生活と家庭生活との両立の推進といった事柄などで構成されることになるかというふうに思われます。  いずれにいたしましても,幅広い分野に及ぶ計画になるものと想定されますので,関係部局挙げて取り組んでまいる予定でございます。  スケジュールの方でございますけれども,本来,法律が全国の地方自治体に義務づけておりますのは,平成17年度スタートの行動計画というものを16年度中に策定をすることという義務づけでございますが,私ども札幌市の場合は,厚生労働省の方からモデルとなるべき行動計画を1年前倒しで策定をする全国約50の市町村,この先行策定市町村のグループにぜひ加わってほしいといった要請をいただいておりますので,大変厳しい日程にはなるかと存じますが,来春までに策定をいたしたいというふうに考えてございます。  来月,国から指針が示され次第,市民ニーズ調査のアンケートですとか,それから市民懇話会などを開催の上,行動計画の内容について具体的にご検討をいただく,次世代育成支援対策推進協議会を立ち上げまして,幾たびか会議を重ね,それからまた,議会の方の少子化対策・青少年育成調査特別委員会でのご論議も踏まえながら,来春までに成案を得てまいりたいというふうに考えてございます。 ◆峯廻紀昌 委員  ただいまのご答弁によりますと,法律が成立したばかりということで,法律はできたけれども国の方針がまだ出ていないということもあって,策定指針が示された後に本市の具体的な行動計画に着手していくということでよろしいですね。  最後に,2点ほどお伺いをしますけれども,この行動計画づくりに際して,市民参加ということでお伺いをいたします。  今,街づくりを進めるに当たっては,市民との協働が求められるということは,これは言うまでもございません。また,市長も市政を進めるに当たっては,市民との対話を大事にしていくということを言っておられますが,この計画を作成するに当たり市民ニーズなどをどのように酌み取り,計画に反映していくのか,先ほどの答弁の中に,今後のアンケートということもありましたけれども,それとあわせてお答えいただきたいと思います。  また,平成11年度のときにも,少子化への基本的な考え方をまとめるための基礎的資料とするために,結婚,子育て,少子化への意識,あるいは少子化対策への期待度などに関して,若年層の20歳から34歳を含む6,000人を対象に市民アンケートが実施されております。それを受けて,翌年の2月25日にこの調査結果が公表されているわけでございますが,それ以降約3年半が経過しています。今日,こういう策定をしていく作業に当たって,この期間に,その調査結果をもとにどういう論議がされ,検討されてきたのか。また,さらに,これからの行動計画の策定にこのアンケート調査の結果をどのように反映をしていくのかということを若干お伺いしたいと思います。よろしくお願いします。 ◎福島 児童家庭部長  行動計画の策定段階におきまして,市民ニーズや意見といったものをどのように取り入れていくかということでございますけれども,国から示されます行動計画策定指針では,計画の策定段階において,地域住民等の意見を幅広く集約すべき旨の内容が盛り込まれる予定というふうに伺ってございますので,札幌市の行動計画策定に際しましても,市民への情報提供を行い,そして広くご意見を募集するなど,市民ニーズの十分な把握に意を用いてまいりたいというふうに考えてございます。  なお,既にことし5月から7月にかけまして, 各区において主任児童委員さんや児童会館の職員さんなど,地域の子育て支援に深くかかわる方々を交えて,その現状や課題等を述べていただく各区子育て支援検討会議のメンバーによります懇談会,こういったものも開催をしてきているところでございますし,また,今後につきましても,8月には,児童福祉関係団体の代表の方々や公募をさせていただきました市民の方々に広くご意見をいただきます市民懇話会を開催いたす予定でございます。  それから,先ほど申し上げましたニーズ調査でございますが,1万5,000人を対象とした子育てに関するニーズ調査,これなども実施することによりまして,行政サービスの量的あるいは質的なニーズの把握に努めてまいりたいというふうに考えてございます。  それから,これらの基礎調査の結果を踏まえながら行動計画の内容についてご検討いただく,先ほども申し上げました次世代育成支援対策推進協議会を立ち上げまして,具体的な検討に入っていくと,そんな手順で考えてございます。  それから,後段,峯廻委員からご指摘のございました,過去,私ども札幌市が行いましたいろいろなアンケート調査,これらを踏まえてどんな議論があったかといったこと,それからこれをどう生かしていくかという点でございますけれども,お話のアンケートにつきましては,その集約結果をもとに,社会福祉審議会で少子化対策の具体的なあり方ということでの答申をいただく計画がございまして,そういった中で十分な議論をされておりますし,そのような成果も踏まえながら,今後,議論を積み重ねていく中で,実態を把握するための重要な,ある意味での貴重な情報源というふうに考えておりますので,計画内容にきちんと反映していくように,今後の策定事務を進める中で十分配慮してまいりたいと考えてございます。 ◆峯廻紀昌 委員  内容的なものを含め,計画策定のスケジュールは大体理解をさせていただくことができました。  この計画の策定,本当に,繰り返してのお話をして申しわけないのですが,少子化への歯どめをかけるためには本当に重要な案件であると思います。先ほどの答弁でもありました,国からの指針が出るまでという部分での,ある意味でのタイムラグが若干ありますけれども,今日までのさまざまな取り組み,あるいはアンケート,そして支援検討委員会会議だとか,そういったものも開かれているということもありますから,そういった意味では,指針が出た以降,ある意味たたき台がある程度できているということは,今認識をさせていただきました。  そういった意味では,指針が出て,具体的にしていくことはそれは当たり前なのですが,先ほどの答弁にもあったように,それにかかわる人たちとの連携をきっちりとる中で,計画を具現化するときには,事がスムーズに運ぶ体制を今からぜひ構築をしていただきたい。そして,次世代の子供たちが健やかに生まれて,そして育つ上での環境整備のために,この制度が寄与するものへとつくり上げていくべきであることを強く要望して終わりたいというふうに思います。 ◆芦原進 委員  私からは母子緊急一時保護事業と母子家庭就労支援事業について,大きく2点に分けて質問させていただきます。  まず初めに,母子緊急一時保護事業についてお尋ねいたします。  今朝,あるご婦人の方から電話がありました。配偶者の暴力からの助け船の相談を受けました。その悲痛な叫びは我が耳朶に残っております。本当に胸が痛い思いでいっぱいであります。この母子緊急一時保護事業というのがいかに大切かということをしみじみと感じております。  本事業の早期実現につきましては,我が党が,平成10年第1回定例会第二部予算特別委員会で,多発しエスカレートする配偶者の暴力から身の安全を守るため,母子緊急一時保護施設としての母子寮活用についての質問をいたしました。市当局より,他都市の母子寮での緊急一時保護施設事業の実態調査をしまして,前向きに検討していきたいと思っておりますと,このような答弁がありました。平成11年4月より,配偶者等から暴力による緊急に保護を要する女性及びその方が監護する児童を一時的に保護し,必要な相談や指導を通して,緊急に生活の確保を図ることを目的として,1施設1室で,母子緊急一時保護事業が実施されています。  この間,13年10月には配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律,ドメスティック・バイオレンス防止法が施行されました。国及び地方公共団体が配偶者からの暴力を防止し,被害者を保護する責任と義務を有することが明記された我が国初の法律です。  本市では,母子緊急一時保護施設については,現在5カ年計画において,現在の1施設1室を2施設2室に増設することになっており,このたびの補正予算案に組み込まれています。  そこで,質問でございます。  開設から現在に至るまでの利用状況と増設の必要性について,お尋ねいたします。 ◎福島 児童家庭部長  まず,1点目の母子緊急一時保護事業のこれまでの利用状況でございます。市内1カ所におきまして,一時保護用居室として2DK,約35平米の1室を用意して,夫等の暴力により心身の安全が脅かされ,緊急避難が必要と認められる女性及びその同伴する児童を一時的に保護することを目的として,お話しのとおり平成11年4月1日からスタートさせておりますが,昨年度の一時保護の状況でございますけれども,入所件数が14件,平均の入所日数は13.6日,利用率は52.1%となってございますが,利用開始以来5年間の平均の利用率で申し上げますと65%というふうになってございます。  それから,今回増設をお願いして,補正予算を組ませていただいておりますが,その必要性でございます。施設が,ある母子の方にご利用いただいている最中であるために,次の申し込みの方々が一時保護を受け入れられなかったといった件数も相当数ございまして,もともと潜在の需要といいましょうか,その需要を含めました推定利用率は200%を実は超えてございますことから,この施設の増設はぜひ必要なものということで,このたび補正予算でお願いしているものでございます。 ◆芦原進 委員  増設される施設の計画概要についてお伺いします。 ◎福島 児童家庭部長  増設計画の中身でございますけれども,現在,緊急一時保護用の居室を整備している母子支援施設に,さらにもう1居室の増設を計画してございまして,その事業のスタートの時期は,補正予算の議決をいただきました後,所要の事務手続を経まして,ことし9月1日を予定してございます。  予算の補正額といたしましては,一時保護の方が日常生活をする上で必要となる寝具ですとか衣服等のいわゆる日常生活用品の整備,それから居室の光熱水費,また所持金のない一時保護者に対しまして,食費として支給する緊急生活資金等を含めまして,今回120万円計上させていただいてございます。 ◆芦原進 委員  わらをもつかむような思いで入所された親子のケア,特に多感な子供たちに対して,どうか心につらい,悲しい思いが残らないような,そういう配慮と対応を要望したいと思っております。  続きまして,2点目としまして,母子家庭等就労支援センター事業についてお尋ねいたします。  近年の離婚率は上昇しております。特に,本市の離婚率は,政令都市の中でも高いと言われる大阪よりもさらに離婚率が高くなっています。その結果,本市の母子家庭は増加を続けています。  政府は母子家庭対策として,14年11月に母子及び寡婦福祉法を改正し,これからの母子家庭対策として,従来から実施している現金給付型の支援から就業による自立を支援する方向が示されました。この法改正は我が公明党が13年12月に決定した,今後の母子家庭等対策についての基本方針に基づき,厚生労働省が14年3月に策定した母子家庭等自立支援対策大綱を具現化する内容となっております。この大綱の中で,母子家庭等の経済的自立のための就労支援は最も大切な施策であると考えております。  このたびの補正予算として提案された母子家庭等就労支援センター事業は評価できるものであり,児童扶養手当制度とリンクする大切な施策であります。  そこで,質問の第1点でございます。今回計画している母子家庭等就労支援センター事業の概要と母子家庭の母親が就労するために資格取得を目的とした自立促進講習会について,現在までの実施状況についてお尋ねいたします。 ◎福島 児童家庭部長  まず,母子家庭等就労支援センター事業の概要でございますが,実施の場所といたしましては,社会福祉総合センター内に設置してございます母子寡婦福祉センターでの実施を予定してございます。  実施内容の事業といたしましては,専任の就業相談員を配置いたしまして,就業に関する相談を受け付けること,それからハローワーク等と連携を図りまして就業情報を収集し,希望者の方々に提供をさせていただくこと,それから従来から実施しております自立支援講習会をより一層充実をいたしまして,就業に役立つ資格取得を希望する母子家庭の母親を支援すること,現在,6科目14講座でございましたけれども,これを7科目16講座に拡大をし,ふやすものといたしましては,最近脚光を浴びております福祉住環境コーディネーター講座といったものを新たに新設をしたいというふうに考えてございます。  それからまた,相談者や講習会受講者のために専任の保育士を配置いたしまして,同伴の児童の保育を実施すること,それから就職や離転職を予定する母親のために,必要な情報を提供するためのセミナーを開催することなどを計画いたしてございます。  それから次に,これまでやってまいりました自立促進講習会の実施についてでございますけれども,母子家庭の母親ですとか寡婦の方々が経済的自立を果たすために有利な資格を取得していただくということを目的に,昭和48年度からずっと実施をしてきているものでございまして,現在まで約5,200人ほどの方々に受講をいただき修了いたしてございます。  講習会の科目につきましては,簿記ですとか建設経理事務,調理,パソコンあるいはワープロ,ホームヘルパーの6科目につきまして,年間14回ほど実施をしてきたという状況でございます。 ◆芦原進 委員  今のご答弁いただきました中に,講習会の中でホームヘルパー2級講習会というのがございますが,非常に受講者が多うございまして,申し込んでもなかなか受講できないという声があります。このホームヘルパー2級講習会につきましては,今後,増設の計画があるのかないのか,お尋ねしたいと思います。 ◎福島 児童家庭部長  介護保険制度開始のずっと前と,開始の前年,あるいは開始した年とで応募状況が大きく異なりまして,介護保険制度開始の直前から直後にかけては応募率が10倍を超えるといった状況がございました。これに対応して,私どもも枠を拡大してまいっておりまして,今,何とか3.1倍とか4.9倍といったところに落ち着いてきてはございますけれども,依然として高倍率であることは事実でございます。  この事業を実施しております母子寡婦福祉センターの収容定員の問題などもございまして,これを容易に枠拡大するには難しい問題もございますが,今後の倍率の状況,まだまだ高い状況が続くというようなことでございますれば,何とか他の科目の見直し等も含めまして,前向きに検討させていただきたいというふうに考えてございます。 ◆芦原進 委員  最後でございますが,母子家庭等就業支援センター事業を運営する中で,母子家庭の母親が希望する資格や職業を把握した上で,実施する講座の選定に反映させること,及び講座終了後の就労状況等の把握をしっかり実施することと,さらに充実した事業の展開を強く要望し,私の質問を終わらせていただきます。 ◆坂本恭子 委員  私からも,次世代育成支援地域行動計画策定事業にかかわって,3点質問をさせていただきたいと思います。  我が党は,代表質問でも取り上げましたけれども,少子化対策,これは今札幌市の合計特殊出生率が1.04,全国は1.32,北海道でも1.22ですから,それを大きく下回って,政令市では最低になっている。しかも,人口置換水準,今の人口を維持するための水準ですけれども,これが2.08,この半分になっているという中で,本市の少子化対策は待ったなしの本当に重要な課題だというふうに言えると思います。  少子化の最大の原因は,やはり子供を産み育てるという社会を維持していくための基本的な条件と環境がないがしろにされてきたことにある,少子化の克服のためには,女性が働き続けることと子供を産み育てることを無理なく両立できる,そういう社会にしていく,それが必要不可欠だというふうに考えております。  次世代育成支援地域行動計画に向けてですけれども,今,札幌市にも子育て支援計画がありまして,これの見直しをしていこうという動きの中で,この国の法律の成立とリンクさせる形でこの地域行動計画が策定されるというふうに理解しているところですけれども,現子育て支援計画の中で,理想の子供の数を持てない理由として,市民アンケートでは,経済的な負担感の多いこと,これを第1に指摘しているところです。  ところが,この計画の中では負担感の軽減というものが後景に追いやられていた,そういうふうに言わざるを得ないと思うのです。この8年間,子育て支援計画が行われてきたにもかかわらず,保育部門であるとか,いろいろな多面的な施策が行われてきたにもかかわらず,少子化に歯どめがかからなかった。  このアンケートが行われたときには,札幌市の合計特殊出生率は1.18だったと記憶しておりますけれども,これが1.04にまで下がってしまう,こういう歯どめがかからない状況というのは本当に深刻だというふうに思うのですが,やはり今求められているのは,経済的な負担,一般的に子育てにお金がかかる,それから教育にお金がかかる,そういう負担感を取り除いていくことだというふうに思います。  そこで,地域の行動計画策定に当たりまして,やはりこれを第一義的な具体的な支援策として掲げるべきというふうに思います。計画にこれを盛り込み,しっかり本市としてこれを支え,実施していくべきと思うのですけれども,この点についていかがか,まず最初に伺いたいと思います。  それから,この次世代育成支援対策推進法は,行動計画の策定が義務づけられているのは,自治体とともに301人以上の規模の企業にもこれが義務づけられているということで,企業との連携について質問をしたいと思います。  この301人以上の義務づけられている企業の行動計画ですけれども,女性が働き続けながら子育てを両立させていく,そしてまたさらには,男性が子育てに参加できる,そういう環境を整備するために,やはり企業の果たす役割というの大変重要だというふうに思っております。計画の策定と実施に当たって,企業の部分では,次世代育成支援対策推進センターというのが国レベルで設置をされ,そして相談,援助を行うということに法律の中でなっておりますけれども,同時に,事業所がある自治体ともこの企業は密接に十分な連携を図ることが必要であるというふうにうたっております。この点について,本市としてどのように具体化させていくおつもりなのか,お聞かせいただきたいと思います。  それから,3点目です。  子供の権利条例について伺いたいと思います。代表質問の答弁でも,子供の権利条例については制定に向けて市民議論が高まるよう取り組んでいきたいと,そういう市長からの表明もございました。そしてまた,市長ご自身の選挙公約でも,子供の権利条例については表明をされているわけですが,やはり子供を権利の主体と位置づけてこそ,次代を担うにふさわしいシステムというものが構築されるというふうに考えますが,行動計画には子供の権利条例をどのように位置づけて取り組んでいくのか,条例は早急に制定すべきと思うのですけれども,この点についていかがお考えか伺いたいと思います。 ◎福島 児童家庭部長  まず,第1点目の子育てに伴います経済的負担感の軽減に,この行動計画づくりを通じて,札幌市としてまず第一に力を入れるべきではないかという点でございますが,確かにいろいろなアンケートを見ましても,子供を多く持ちたいけれども,制限する気持ちに至る理由の第1は経済的負担感だというような結果が出ておりますので,少子化を防ぐ一番のキーポイントは,経済的負担感の軽減であろうと私どもも考えてございます。  ただ,昨年4月に出されました,札幌市の社会福祉審議会の少子化への具体的な対策についてという答申の中でも,この点について触れながら,なお,自治体単独で経済的負担感の解消を行うことが果たしていいのかどうか,他の自治体との均衡等を考えますと,いわば経済的負担感を解消するために社会全体で担うべきことの重要性は確かにあるのだけれども,まずは国レベルでの論議といったご指摘もいただいてございます。そんな意味から,私ども,現に国の方でも児童手当の拡充につきまして,今,議論が進められているというふうにも伺ってございますので,そういった国レベルの議論の動向を見守ってまいりたいと考えております。  それから,2点目の企業との連携でございますけれども,国から近く示されます地方自治体が策定する行動計画の策定指針,この中におきましても,職業生活と家庭生活との両立の推進について,この行動計画の中に盛り込むべきといったことが示される見込みというふうに伺ってございますので,例えば,働き方の見直し等に関する企業経営者の方々への行政からのPR,啓発の推進などといった何らかの方策を私どもの行動計画の中に盛り込んでいくということになろうかとは思いますけれども,具体的な中身につきましては,今後,広く市民の皆さんや有識者などのご意見を踏まえながら検討してまいりたいと考えてございます。  それから,3点目の子供の権利条例の制定をこの行動計画の中にきちんと位置づけるべきではないかといったお話でございますが,確かに委員ご指摘のとおり,子供の権利条例の制定につきましては,重要な課題の一つであるというふうに認識をしてございます。ただ,条例制定後の実効を期するためには,あらかじめ時間をかけた十分な市民論議が不可欠というふうに考えてございます。  それから,私ども策定する行動計画に盛り込むべき具体的な中身につきましては,先ほど来申し上げておりますように,国から示されます指針を受けて,その後に検討に着手したいと考えておりますので,この行動計画の中に権利条例の制定をどう位置づけるべきかといったことにつきましても,計画策定の過程で十分検討を進めさせていただきたいというふうに考えてございます。 ◆坂本恭子 委員  経済的な負担感の問題については,一番のキーポイントであるというご答弁もありながら,やはり国レベルの動向を見守っていきたいということだったと思うのです。  現子育て支援計画の中でも,ここについては言及をされておりまして,児童手当であるとか児童扶養手当,この拡充を国に対して積極的に求めていくのだということについては述べられているわけです。それとあわせて,乳幼児医療費の助成の拡大というようなものも載せられているわけですけれども,やはり先ほど言ったように,それでも少子化に歯どめがかかっていかないという現実を受けとめたときに,札幌市としてどうしていくのかということは本当に重要な点だというふうに思います。  児童手当については,国の方で拡充の見直しも行われているということは承知をしておりますけれども,やはり札幌市として,これはまたさらに強力に求めていっていただきたい。それから児童扶養手当については,既に所得制限等が設けられて改悪をされている,そういう中にあって,これをまたもとに戻していく,さらに改善をさせていくということで市として力を尽くしていただきたいと思うのですけれども,その点,どういうふうにお考えなのか,改めて聞きたいと思います。  それから,あわせて乳幼児医療費の助成についても,1歳拡充はされましたけれども,それについても所得制限が設けられるという中で,保険医療制度の改定によりまして,2歳未満児の窓口負担が3割から2割にということもありまして,それを振り分けて医療費助成の拡充ができないかというようなことも検討すべきということで,この間取り上げてきておりますが,改めてこれについてもお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。  それから,企業の部分についてなのですけれども,私はやはり企業との連携は非常に重要な課題だと思っているのです。この間ずっと次世代推進法,それから少子化対策法,議事録なども取り寄せまして,ずっと国会のやりとりなども見ているのですけれども,その中で,今,厚生労働省は長時間労働と出生率の低下の相関関係について言及をしている段階になっています。やはり長時間労働というものが男性,女性を問わず,子育て,あるいは子どもを産むということに対して大きく影響しているというふうに言わざるを得ないと思うのです。企業経営者に対してPRあるいは推進啓発をしていくというようなご答弁だったと思うのですが,例えば,男性も含めた育児休暇の取得,それから子育て期間中の残業の削減といったような実効性のある具体策を計画にどう盛り込んでいってもらうのかというようなところでは,やはり本市が主体的にかかわっていくべきところは多々あるだろうと。  先ほど言いましたように,事業所があるその管内の自治体とは緊密に連携をとってやっていきなさいというのが厚生労働省の考え方ですから,やはり札幌市内にあります企業,事業所に対してそういうものを求めていくということは必要だと思うのですけれども,この点について改めてお聞きをしたいというふうに思います。  それから,計画策定の義務が課せられているのは301人以上の企業ということですから,300人以下の部分に対しては,計画の策定と実施というのは努力をしなさいと,努めなさいというような中身になっておりますけれども,札幌市内のこういった中小企業,事業所に対して計画を策定するように促していくことになるのかどうなのか。特に,小規模事業所は本当に経営が大変という中で,実際に育児休暇が取れるのか,残業を削減していくことができるのか,実施していく上でさまざまな問題があるとは思うのですけれども,この計画策定の実施に当たって,何らかの支援が必要となると思うのですが,この点について現段階でどう考えていらっしゃるのか,伺わせてください。  それから,子供の権利条例についてですけれども,時間をかけた市民論議を行っていくと。厚生労働省からの指針を受けてどう盛り込むのか考えていきたいというお話だったと思うのですけれども,中間報告ですから変わっていく可能性はあるのだろうと思うのですが,ことしの3月に,地方公共団体における少子化対策にかかわる行動計画のあり方に関する研究会というところで出しているものの中に,子供や子育て支援に関する条例の制定,宣言,それから議会の決議等というものを地域で位置づけて検討していきなさいということが書かれております。  今,広く議論をしていくと,もちろん子供を中心に据えた市民議論を行っていくということは,必要不可欠な要件だというふうに私も考えているところですけれども,今,他都市でも幾つか,もう既に子供の条例,あるいは権利条例が制定されているところがありますが,そういうところでは条例を制定するための検討委員会だとか協議会だとか,いろいろ市民懇話会のようなものが開かれて,そして条例制定の動きがつくられていくという流れになっていると思うのですが,この行動計画策定とは独立して,改めて条例検討の委員会なり協議会といったものを設置すべきというふうに思うのですけれども,この点についていかがお考えになりますでしょうか,お聞かせください。 ◎福島 児童家庭部長  まず,第1点目の児童扶養手当の改正ないし乳幼児医療費の対象年齢の拡大といった事柄でございますけれども,例えば,児童扶養手当の問題につきましては,まさに国政レベルでご論議をいただくべきことでございましょうし,乳幼児医療費の問題につきましても,道庁との関連の中でいろいろ考え方を詰めていかなければならない部分があろうかと思いますが,いずれにいたしましても,そういった事柄も含めて,札幌市としてこういった部分について,どう考え方のスタンスを決め,そして国等への要望を含めた行動をしていくのか,そういったことも含めて,行動計画策定の中で,より議論を深めていきたいというふうに考えてございます。  それから,2点目の企業との関係でございますけれども,確かに私ども行動計画策定の中で,企業における労働環境,つまり子育てしやすい労働環境への改善,これをどう働きかけていくか,これも位置づけたいと思ってございますが,この次世代育成支援対策推進法のもう一本の柱に,行政の取り組みに加えて,まさに坂本委員がおっしゃったような企業内の労働環境を改善するための取り組みを企業みずからに取り組んでもらおうということで,企業にも行動計画策定を義務づけておるところでございます。ですから,当然,そういったことについて,まず企業みずから考えていくといったことになろうかと思います。  それから,実は企業への要請に加えて,この法律の中では,例えば,国とか,私ども地方公共団体とか,いわば行政の側が,直接個々の企業の行動計画づくりに相談にのせていただくとか,何らかの指導をさせていただくとか,そういったことになじまないような事柄,例えば,勤務体制のことですとか,労使が自主的に決定する事柄なども多々あるであろうということから,この法律が今想定しておりますのは,先ほども坂本委員のお話にもございましたけれども,次世代育成支援対策推進センターを経済団体,例えば,日本商工会議所ですとか,あるいは日本経済団体連合会などに担っていただく。もちろん地方の道経連ですとか札幌商工会議所ですとか,そういった経済団体にむしろ担っていただくべきといったことでの位置づけもされてございます。もちろん,かといって,私ども行政が,企業が取り組むことに対して全くノータッチでいいというふうには受けとめてございませんが,そういった問題もございますので,社会全体でどう進んでいくか,それも含めて,私どもとしてできる範囲のことをしていきたいというふうに考えております。  それから,子供の権利条例の関係でございますけれども,もちろん行動計画づくりと別にどう判断すべきかといったこともあろうかと思いますが,まさに来年春までにこの行動計画を策定したいという課題を持っております私どもにとりまして,子供の権利条例制定のありようについても,あわせて検討させていただくということでご了解いただきたいと思います。 ◆坂本恭子 委員  やはり本市としての独自性と,それから本当に緊急性ということで言うと,指針待ちで行動計画策定ということではなくて,本当に今あるノウハウだとかそういうものを積み上げながら,やはり広く市民議論をしながら,ニーズもつかまえながらと,本当にやることがたくさんある中で,今年度末までには策定をしていかなければならないということでは,ご苦労はおありかなとは思うのですけれども,本当に最重要,最優先課題というような位置づけでしっかりやっていただきたいというふうに思っているところです。
     部長ご自身もこの検討委員会のメンバーでいらっしゃるということでは,やはり全国のそういう貴重な経験であるとか,いろいろな情報交換をする中で先進例を札幌でつくっていくことが可能だというふうに思っておりますので,しっかりと対応していただきたい。  それから,市役所自体が特定事業主ということで,市役所の職員の皆さんの働き方自体も計画策定をこれからしていくということになりますと,やはりなじまない事柄もあって,企業とは直接というふうにはなかなかいかないのかなというお話もありましたけれども,みずからが範を示していく,率先してその道筋をつけていくということでは果たす役割が大変大きいと思いますので,私たちも少子化対策の調査特別委員会の中で,議会としても十分に議論を尽くして,行動計画策定に向けて,私たちも市民の代表としてしっかりと声を上げて,これを反映させるために全力を尽くしたいというふうに思いますが,実行力ある行動計画を策定していきたいし,いっていただきたいというふうに思います。 ◆佐藤典子 委員  私も,次世代育成支援地域行動計画策定について2点ほど伺わせていただきます。  1990年に合計特殊出生率ががくっと下がりまして,1.57ショックと言われて,少子化が社会問題として認識され始めてから15年がたちますが,都市化や各家族化など,子育てのしづらい社会状況は深刻化するばかりで少子化に歯どめをかけることができません。  このような中,今回,次世代育成支援対策推進法が,児童福祉法の改正とともに今国会で成立しました。少子化対策は女性に産むことを求める人口政策のアプローチだけではなく,産み育てたいと思っている人たちが,本当にその時に安心して産み育てることができるような環境を総合的に整えていくことが急務だと考えています。  札幌におきましては,1996年から2005年までの子育て支援計画を策定しておりまして,子育て支援都市さっぽろ実現を目指してという項目を挙げ,各種施策を実施してまいりました。先ほどからも出ておりますが,昨年,計画を2年前倒しして15年度中に改定準備をし,16年度には公表すると聞いております。札幌市がほかの自治体に先駆けて1年前倒しで策定準備を進める方針ということですが,従来,これまで続いて計画を実行しておりました子育て支援計画と今回の次世代育成支援の行動計画策定についての関係をお話しくださればと思います。 ◎福島 児童家庭部長  私ども,今お話の札幌市子育て支援計画,これは平成8年度から17年度までの10年計画でございますが,この計画に基づいてもろもろの子育て支援施策を展開してまいりました。ただ,ここに来て,子育て環境の変化への対応が必要と,あるいは少子化対策のより一層の推進を図る必要があるということから,この子育て支援計画を2年前倒しをして,実は今年度中に改定する予定でこれまで事務を進めてきたところでございます。  しかしながら,次世代育成支援対策推進法の成立に伴いまして,行動計画を策定するということが義務づけられましたので,この行動計画策定と,それから当初,改定を予定していた子育て支援計画の改定計画づくりは大方が重複をする,むしろ包含をするということから,今回申し上げております行動計画の策定をもって,これまで予定しておりました子育て支援計画の改定計画策定というものにこれを置きかえるというふうに考えてございます。 ◆佐藤典子 委員  今後,子育て支援の具体的な行動計画策定に向けて,ニーズ調査や市民参加の懇話会が実施されるというのは,先ほどから伺っているとおりです。そして,地域社会が子育て支援の受け皿となるような市民と行政と,また事業者の本格的な協働作業も求められているところだと思います。そして,最も大事だと思うのは,地域ごとの次世代育成支援地域対策を協議するための次世代育成支援地域対策地域協議会のあり方だと思っています。  計画づくりには,地域の主体である市民参加は欠かすことができませんし,そのメンバーにつきましても地域で子育て支援やネットワークづくりを進めてきた市民団体,NPO,そしてそこの実情や子育てのニーズ,また地域サポートのノウハウや実績を蓄えた中での議論が進められるべきであると考えています。  そこで伺いますが,懇話会や協議会のメンバーに,私はぜひ女性を半分以上入れていただきたいと思いますし,地域で長年子育て支援の実績を持つ市民団体や,またNPOのメンバーを構成員としていただきたいと考えますがいかがか,お答えください。 ◎福島 児童家庭部長  協議会の構成メンバーでございますけれども,私ども現在想定いたしておりますのは,保育ですとか教育,あるいは母子保健などの関係者の方々を初め,実際の子育て最中の方,それから広く子育て経験等も有した一般市民の方々,あるいは現に子育て支援活動を行っておられますNPOの関係者の方々,それから学識経験者,あるいは関係行政機関の代表などを視野に入れながら,今後,構成員の人数等を含めまして検討してまいりたいと考えてございます。  その結果として,女性が半分以上というふうになるかどうか,できるだけ女性の声を広く取り入れるための工夫をさせていただきたいと思います。 ◆佐藤典子 委員  2000年4月に介護保険ができましてからは,介護の社会化というのが一般的になってきました。子育てというのは,まだ家庭で子供を育てるものだと思われていたり,まだまだ女性が担うものだという認識が強いと考えています。子育ての社会化がこれから本当に始まるのだということをすごく感じていまして,この計画の策定には期待をしていますし,大きな意味があると考えています。どうぞ,私たち女性の声も十分取り入れていただきまして,それを踏まえて,この子育て計画を進めていただきたいということを最後にお願いしまして,質問を終わらせていただきます。 ◆勝木勇人 委員  私からも,児童福祉費のうちの総務費のうちの委託料1,155万4,000円のうちの次世代育成支援地域行動計画策定に伴うニーズ調査405万円ですね,これについてお伺いいたします。  先ほど来,少子化が大変だという話がずっと出てきているのでこれ以上しません。端的に聞きます。状況が大変だということで,我が会派としては,フランス式の現金給付,これを札幌市に当てはめると総額でどのぐらいの金が必要なのかというの試算してみようとしたのですが,大まかにはできたのですが,細かなデータが出てこないとだめなんです。これは何が出てこないかといいますと,市内における一人っ子世帯,2人兄弟世帯,3人兄弟,4人兄弟,それぞれの世帯の数分けの中で,例えば,2人兄弟世帯のうちの子供が16歳以上の子が何世帯あるかとか,年収が500万円以上だと何世帯になるのかとか,300万円以下で子供が3人で,上の子は18歳以下だというような,そういったような細かい振り分けの中での数字が出て来ないのです。データが出て来ない。だから,フランスの現金給付制度にきれいに当てはめて正確な数字を出すということができなかったというところがございます。  それで,今度行われるニーズ調査に405万円もかけるのであれば,こういった実態調査的なこともやってはどうかなと思ったのですが,その辺は何かアンケートばっかりいっぱいやるみたいですけれども,声を聞くというほかに,子育て中の人たちはどうやって暮らしているのだというような実態部分も調査した方がいいのではないかなと思うのですが,その辺のこともこのニーズ調査に含めて行われるのかどうか,これ1点聞きたいのと,あと一つ,行動計画策定の義務のある301人以上の従業員の企業,この数がどのぐらいあるのか,この2点お伺いしたいと思います。 ◎福島 児童家庭部長  私ども行動計画策定作業の過程で予定しておりますニーズ調査の中で,札幌のお子さんをお持ちのご家庭の家族構成といいますか,そういった点の調査をやるのかどうかということですけれども,アンケート項目が多数ある中で,家族状況についてお伺いをしたいとも思ってはございます。ただ,それが全世帯に対する悉皆調査ではございませんものですから,いわゆる1万5,000世帯を住民基本台帳から無作為で抽出をさせていただいて,協力を要請したいというふうに考えてございますが,悉皆調査でないということでいきますと,勝木委員が今お話の,フランス並みの諸手当給付を札幌でやるとした場合に,一体どのくらいかかるかの基礎データとなるべきこういった世帯の数がどのぐらいあって云々という全部の数を把握するということは,このニーズ調査をもってしても難しいというふうに考えてございます。  それから,企業の数でございますが,実は,私どもは,札幌市内にこの法律で行動計画策定を義務づけられる301人以上の企業が何社あるかの把握はいたしておりません。札幌市では,事業所統計調査という調査は行ってございます。この場合の事業所と申しますのは,例えば,北洋銀行でいいますと,本店もあるほか,麻生に麻生支店というのがある。その麻生支店も1事業所,本店も1事業所ということで,その事業所単位で何人ぐらいそれぞれ働いていらっしゃるかだとか,その実情,売り上げがどうかだとかといった調査はなされてございますが,北洋銀行そのものとか,それから幾つかの拠点も持っておられる北海道電力全体で従業員数が何人いて,どういう云々かという形の統計調査というのは行われていないものですから,正確に札幌の301人以上の企業が幾つどこどこにあるといった把握はできない状況になってございます。 ◆勝木勇人 委員  企業の数はわからないと。もう既にそういう法律が制定されているのですから,こういう数字というのは,本来もう既に出ていないといけないのかなと思うのですが,ちょっと手続がおくれているのかなという感じもします。  それと,先ほど言いました世帯別の細かなデータ,これはやはり子育て中の札幌市民の皆さんの経済情勢,それからどういう形で育てているかという実態を把握するためには非常に重要なといいますか,どうしても必要なデータだと思うのです。個人を特定するわけではなくて,どういう世帯がどのくらいいて,どういう収入なのかと。これは子育て支援とか少子化というものを考える上では最低限必要なデータだったのではないのかなという感じがするわけですが,今回のこのニーズ調査に絡めてということでなくても,今までそういう調査を全然してこなかったと。素朴にこれはどうして調査してこなかったのかと疑問に思うのですが,ちょっとお伺いしたいと思います。 ◎福島 児童家庭部長  今回も子育て中のご家庭の実情,あるいは思いとするところといいましょうか,どんな子育て支援の行政サービスを現に使われておられるかとか,どんなご要望をお持ちかといったようなこと,それを悉皆調査,全家庭に当たるということでなくて,限界がございますので,抽出調査という形でご協力いただけるご家庭からご意向をお示しをいただくという予定にしてございますので,その中から,ある意味で,札幌の子育て中のご家庭の方々がどんな思いをされておられるかは推察をすることができるかなというふうに思っております。  それから,過去,この種の調査はどうなのかということでございますが,先ほどもちょっと他の委員さんにお答え申し上げましたが,平成11年度にも,私ども少子化といった点に関して市民意識がどういったところにあるか,子育ての問題を含めて,これは6,000人規模ではございましたけれども,アンケート調査をさせていただいております。 ◆勝木勇人 委員  要するに抽出みたいなことしかやってこなかったと。現金給付なんていうことは考えたこともない,視野にも入れてこなかったということなのだろうなというふうに思います。児童家庭部としては,個々の世帯がどうであろうが,とりあえず声のでかい人たちの話を聞いて,国の方針にのっとって待機児童対策として保育所さえふやしておけばいいのだと。我々もそれに近い主張をこれまでしてきたわけなのですが,(発言する者あり)ここで一つ新しい情報もありますので,ちょっと申し上げますけれども,数年前,アメリカの国立衛生研究所が,保育についての大規模な調査を行ったことがあります。これは米国の10都市において,乳幼児1,364名の育っていく過程を10年間にわたって追跡調査したと。  その調査によりますと,生後3カ月から4歳半までの時期に保育園などに週30時間以上預けられた子供の17%が幼稚園で他の子供に乱暴をしたり,先生に反抗したりする傾向が強かったと。対象となった子供の託児時間は平均で週26時間となっており,週10時間以下の子供が保育園で問題行動に走るというケースは6%以下となっていたと。預けられた先が保育園でも託児所でもベビーシッターでも,結果は同じであって,子供の性別や家計,そういったものも,つまり生後3カ月から4歳半までの時期に保育園などに週30時間以上預けられた子供の17%が幼稚園で問題行動に走ったという結果とは無関係であると。要するにどんなに血筋がよくても,親が立派でも,またいかに手厚い施設に入れても,託児時間の長い子は攻撃的になりやすいという数字的なデータが出ております。  それで,保育行政に力を入れてきたスウェーデンの話になるのですが,ここ数年の間に犯罪の発生数が急増しているそうです。1995年の資料では,スウェーデンの犯罪発生率はアメリカよりも低かったのですが,最近の話によりますと,人口10万人当たりの平均犯罪数はアメリカの4倍にはね上がっていると。強姦事件については日本の20倍,強盗については100倍以上ということが出ております。これらのデータはあくまでも海外の保育制度に関するものでありまして,そのまま日本に当てはめるというのは非常に危険だと,誤解を招くこともあるのだけれども,なかなか公に言うことははばかられて,これまで表に出てこなかった話なのかなという感じもします。ただ,やはり実際の保育ということに関しては,100%信頼できるのかということによりますと,こういうデータもあるぞという一つの話でございます。  日本もこれまではスウェーデンのやり方を見習う形で,世界中それが一番いいのだといって,保育,保育という形できたわけですけれども,実態の話をちょっと調べてみますと,スウェーデンが一時期ぐっと出生率が上がったのは,保育行政がうまくいったというよりは景気がよくなったということらしくて,景気が下がるのと同時に出生率も,何ぼ保育行政をうまくやっても落ちていったということもあるそうです。 ○小野正美 委員長  質問に変えてください。 ◆勝木勇人 委員  (続)もちろん,現代は男女共同参画時代でありまして,現金給付なんか要らないから働かせてほしいと,働くことで社会に参画して,そういう自信と誇りを持って暮らしているのだという女性の方もたくさんいるわけで,そういう方々のためには保育行政も必要不可欠だと,これを否定するものではないのですが,ただ,保育所に子供を預けているお母さんたちのほとんどは生活費が足りなくて働いているような感じがします。現に,認可保育所で受け入れている子供のお母さん方というのは,高額所得者の場合は基本的には受け入れなくなっているわけですから,基本的には生活が苦しいという前提でもって行政で面倒を見ているということになっているわけですが,認可保育所が出した数字を見ますと,定員90名のモデルケース的な認可保育所の場合,その運営費は子供1人につき月額で7万4,000円だと。もっと払っている場合もあるわけで,子供2人では14万8,000円になるわけです。  これだけ払うのであれば,そのお金を直接親に出してあげれば子供を預けない人も多数出るだろうと,そうすると保育所もそんなに必要なくなるんじゃないかと,現金給付と保育所とどっちかを選択ができるような形をとることができれば,がばっと待機児童は減って,一気に解決するかもしれないなということも思われるわけです。  そこで,質問なのですが,次世代育成支援地域行動計画の策定に当たっては,20名か30名から成る協議会を設置すると聞いていますけれども,これも国の方針に合わせた実施計画を練るだけのものなのか,それともいろいろ先ほど言ってましたが,現金給付などを含めた幅広い方策を視野に入れて,本市独自の少子化対策を検討するものなのか,その枠組みについてのそちらの腹づもりを聞きたい。そちらが,いや,これは今回は国のあれですからと,ぎゅっと枠を囲って保育所の仕方,内容,その件だけに限定して討議してくださいとやったらそうなっちゃうわけですよね。そうでなくて,現金給付も含めていろんな形式も含めて協議するのか,その協議会をどういうふうに設定するのか,そちらの腹づもりを聞きたい。  そして,協議会の結論と,これから始まる少子化対策・青少年育成調査特別委員会の,今,副委員長も現金給付の話をしていましたけれども,こちらの特別委員会の出した意見が協議会と食い違った場合,これはそちらとしてどういうような処理といいますか仕方をするのか,その辺を聞きたいなと思います。 ◎福島 児童家庭部長  国が近く示すという予定になっております策定指針に縛られるのかどうかということでございますが,私ども縛られるというふうには思っておりません。ただ単に行動計画なるものをつくりなさいという法律ができたぞという通知だけですと,それぞれの自治体も戸惑いがあるだろうということから,ある意味でモデルとしてお示しをいただけるものというふうに考えてございます。  したがいまして,例えば,現金給付のような施策も我が札幌でといった議論が成り立ち得るのかどうか,そういったことは当然ご議論としてあるとすれば,ご議論いただける形になろうかとは思います。  それから,協議会で出した結論と議会の方の少子化対策・青少年育成調査特別委員会の結論とにギャップがあった場合はどうするかということでございますが,私ども最終的には,札幌市として責任ある計画を策定したいと思っております。そこで協議会におけるいろんなご議論,それから議会におけるご議論,それを十分拝聴として,しかるべき結論を導きたいと思っております。 ◆勝木勇人 委員  しかるべきというのが,どういうふうにしかるべきなのか,もう一回お願いします。 ◎福島 児童家庭部長  いろいろな議論が出されることとは承知してございます。それを並列に並べてどこかで切るということではなくて,いろいろなご意見が出る過程においても,多くの皆様方の思いとするところがどこに強くあるのか,それはそれなりに私ども受けとめさせていただけれるものと思いますので,そこの線に沿って物事の判断をさせていただきたいというふうに思っております。 ◆勝木勇人 委員  私の意見を尊重するというふうに言っていないので,今後の方向についても覚悟して私も頑張っていきたいなと思っておりますので,よろしくお願いいたします。 ○小野正美 委員長  以上で,第2項 児童福祉費の質疑を終了いたします。  次に,議案第8号 札幌市母子福祉資金及び寡婦福祉資金の償還の免除に関する条例及び札幌市社会福祉総合センター条例の一部を改正する条例案及び議案第9号 札幌市心身障害者扶養共済制度条例の一部を改正する条例案の質疑を行いますが,通告がございませんので,質疑を終了いたします。  ここで,おおよそ20分間委員会を休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後3時7分       再 開 午後3時26分     ────────────── ○小野正美 委員長  それでは,委員会を再開いたします。  次に,第5項 健康衛生費の質疑を行います。 ◆阿知良寛美 委員  私からは,大きく3点にわたり質問をさせていただきます。医療情報のWebシステム開発事業について,アレルギー性疾患普及啓発事業について,児童虐待発生予防・育児支援強化事業についての3点でございます。  まず初めに,医療情報のWebシステム開発事業について,1点目の質問でございますが,このWebシステムの内容について,また,現在,札幌市保健衛生情報ホームページを立ち上げておりますが,この情報Webシステムとの違いについてお聞かせ願いたいというふうに思います。  2点目として,保健衛生情報ホームページについて,昨年度における利用状況,またどのページが一番利用されたかについても,あわせてお答え願いたいというふうに思います。 ◎竹谷 医療調整担当部長  お答えをいたします。  1点目の医療情報Webシステムの内容と札幌市保健衛生情報ホームページの違いについてでございます。今回開発する医療情報Webシステムでは,札幌市医師会が保有する医療機関に関するデータベースをもとに,インターネット上で市内の医療機関の名称,所在地,電話番号に加えまして,診療時間や地図情報等も自由に検索できるようにする予定でございます。  また,現在開設しております札幌市保健衛生情報ホームページの救急当番医療機関のお知らせのページでは,毎日救急当番医療機関に限定をして,その名称,所在地,電話番号を1週間分表示をしております。  2点目の札幌市保健衛生情報ホームページの利用状況についてでございますが,このホームページでは健康づくり,感染症,医療,それから食生活と栄養,食品衛生,環境衛生などにつきまして,健康で快適な暮らしを送るための情報を市民に向けて公開をしております。  昨年度の利用件数でございますが,合計で3万7,825件というふうになっております。1日当たり約104件の利用というふうになっております。そのうち,救急当番医療機関のお知らせのページの利用件数でございますが1万5,990件というふうになっております。1日当たりにいたしますと約44件の利用ということなります。これは札幌市保健衛生情報ホームページ全体の利用件数の約42%でございまして,最も多い利用件数となっております。 ◆阿知良寛美 委員  ただいまのお答えにありましたように,救急当番医療機関のお知らせのページが一番利用されているというお答えでございますが,今回,新たに作成されます医療情報Webシステムについても,この緊急当番の医療機関とのリンクをさせるべきだというふうに考えますがお答え願います。 ◎竹谷 医療調整担当部長  医療情報Webシステムにおける救急当番医療機関の情報提供についてでございますが,現在の救急当番医療機関のお知らせのページの利用状況から推察をいたしますと,医療情報Webシステムを利用される方の中には,この救急当番医療機関の情報を必要とする方も大勢おられるというふうに思われます。したがいまして,このような方々の求めに対応するために,医療情報Webシステムのページから救急当番医療機関のお知らせのページを見ることができるように検討してまいりたいと考えております。 ◆阿知良寛美 委員  次に,アレルギー性疾患の普及啓発事業についてお伺いをいたします。  アトピー性皮膚炎,ぜんそく,アレルギー性鼻炎など,アレルギー性反応が原因で起きる疾患はいわゆるアレルギー性疾患と呼ばれますが,近年,アレルギー性疾患は世界的に増加傾向に見られます。  厚生省が1992年から96年に行ったアレルギー性疾患の免疫に関する研究の結果によりますと,何らかのアレルギー性疾患を持っている人は,乳幼児が28.3%,小・中学生が32.6%,成人が30.6%とおよそ国民の3人に1人がアレルギー性疾患を持っていることが判明しております。  このアレルギー性疾患は,遺伝的な要因のほか環境の要因,ストレス等のさまざまな要因が関与し,症状も多岐にわたっていることから,患者家族の悩みも,治療とかスキンケア,食生活,生活環境にかかわるものなど幅広く,かつ,個別性が高いのが特徴でございます。  このような中で,我が会派においても,平成13年7月に,市民を対象としたアンケート調査を実施するとともに,平成12年の1定予算特別委員会,平成13年の4定代表質問,平成14年の1定予算特別委員会において,このアレルギー性疾患に関する実態調査の実施と相談体制の充実について求めてきたところでございます。  そこで,次の点について質問をいたします。  1点目は,札幌市が平成14年の1定予算特別委員会で実施するとしていた実態調査はどのような方法で実施されたのか。また,アレルギー性疾患の実態はどのような結果であったのか。さらに,市民が悩んでいることはどのようなことであったか,お聞かせ願いたいと思います。  2点目は,調査結果を踏まえて,保健センターにおける相談の質の向上をどのように図るか,お聞かせ願います。 ◎北村 健康づくり担当部長  お答えいたします。  アレルギー性疾患普及啓発事業についてでございますが,1点目の実態調査の方法についてでございますが,札幌市では,昨年9月から10月にかけまして,1歳6カ月児及び3歳児健康診査の対象児の保護者約5,000人に対しまして,北海道と共同でアンケート調査を実施し,79.4%の方から回答があったところでございます。  結果といたしましては,アレルギー性疾患の症状がある子供は1歳6カ月児で12.7%,3歳児で21.4%であり,全国的な調査結果28.3%と比べて低い傾向となってございました。また,疾患の種類としては,アトピー性皮膚炎が62.7%を占め,以下食物アレルギー,ぜんそくが続いてございます。また,父母にアレルギー性疾患の症状がある場合に,子供の疾患のある割合が高くなってございまして,遺伝的な影響も見受けられるところでございます。  相談先といたしましては,医療機関が90.5%を占めてございます。アトピー性皮膚炎の子供は90%以上が医療機関で治療を受けておりました。  また,治療等に関しさまざまな情報がある現状を踏まえ,国が一定の治療指針を示しましたアトピー性皮膚炎治療ガイドラインについては,92.6%の方が知らなかったとしており,認知度が低い状況となってございます。  市民が困っていることとしては,正しい情報がわからない,治療法や予防法がわからない,薬について正しい情報が得られにくい等の回答が高くなってございまして,市民要望として適切な情報提供を求めることが明らかになっているところでございます。  2点目の保健センターにおける相談の質の向上についてでございますが,この調査結果を踏まえまして,相談活動に従事いたします医師,保健師,栄養士等が正しい情報提供を行うことができますよう相談マニュアルを作成いたしますとともに,職員に対する研修をさらに充実し,アレルギー性疾患で悩む方々の相談に的確に対応してまいりたい,このように考えているところでございます。 ◆阿知良寛美 委員  先ほども申しましたが,およそ国民の3人に1人がこのアレルギー性疾患を持っているということで,大変大きな課題だというふうに思います。  国においても,免疫・アレルギー科学総合研究センターの整備など,その研究費等に大きな予算を充て,アレルギー制圧に向け取り組んでおりますが,まだまだ時間がかかる状況でございます。  そこで,地方自治体として取り組むべきことは,市民を対象にしたセミナーの開催,また,相談の窓口をいかに充実させるかということだと思いますが,この点どのようにお考えか,お答えを願います。 ◎北村 健康づくり担当部長  ただいまの相談窓口の充実につきましてでございますが,市民からの窓口相談や電話相談に随時応じております。また,市民を対象とした講演会において,専門家による個別相談も実施しているところでございまして,今年度は5月31日に家庭医学講座といたしまして,アトピー性皮膚炎について,また,来る10月25日にアレルギー性鼻炎について,医師会のご協力のもと実施することとしてございます。今後ともこのような取り組みを継続してまいりたいと考えております。 ◆阿知良寛美 委員  最後に,児童虐待の発生予防と育児支援の強化事業について,2点質問をさせていただきたいと思います。  児童虐待の防止等に関する法律が,平成12年11月20日に施行以来,全国の児童相談所に寄せられる虐待の相談処理件数も,ここ数年の間に急増し,平成13年度においては児童虐待防止法が施行される前年の平成11年の約2倍となる2万3,000件にも上っていることが報告されております。また,本市の児童相談所における虐待相談受理件数についても,平成8年以降5年間で約4倍に急増している状況であります。  児童虐待の相談受理件数の詳細を見てみますと,主たる虐待者は実母が約7割であり,被虐待児童の年齢構成では,就学前の乳幼児が約4割となっておる状況でございます。児童虐待は,子供の権利の侵害であるとともに,心身の発達にはかり知れない傷跡を残し,その後の人格形成にも重大な影響を与えることから,その発生数は極めて重要であるというふうに思います。  児童虐待防止法の附則におきましても,法律の施行後3年をめどとして,施行状況等を勘案し検討が加えられ,その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすると規定されております。この規定を踏まえまして,厚生労働省では,児童虐待の防止に関する専門委員会を設置し,児童虐待防止制度見直しの基本的な視点や今後の具体的な取り組みの方向性が整理され,本年6月18日に報告書が出されております。  その報告書では,従来の早期発見,早期対応,保護,支援に加えて,発生予防が主要な柱となっております。虐待予防に関する保健師の専門的な支援については,支援を望む人に幅広くから,支援を必要とする人にきめ細やかへと,従前の考え方を転換し,支援の重点化を図るべきであると述べております。発生予防から虐待された子供の自立に至るまで,関係機関による切れ目のない支援体制の整備が必要と指摘されております。このような状況の中で,本市におきましても,児童虐待発生予防,育児支援強化事業を実施することは極めて意義深いものと考えております。  そこで,第1点目として,今回,計上されている児童虐待発生予防・育児支援強化事業は,医療機関との連携に基づき実施されるとのことでありますが,具体的な事業内容について,また6月からの実施状況について,情報提供件数やどのような対象者の情報提供がなされたかについてお聞かせ願いたいというふうに思います。 ◎北村 健康づくり担当部長  児童虐待発生予防・育児支援強化事業についてお答えいたします。  ご質問の1点目の具体的な事業の内容についてでございますが,市内の産婦人科,小児科において,育児に不安を抱える,困難を感じているなど,育児支援を必要とする親子を把握した場合に,本人の同意を得た上でその医療機関から保健センターへ書面による情報提供をしていただき,保健師等が家庭を訪問して育児の相談に応ずるものでございます。  また,家庭訪問での相談内容等につきましては,依頼された医療機関へ報告することとしており,保健センターと医療機関が情報の共有化を図りながら,適切な育児支援を継続して行う事業でございます。  次に,2点目の事業の実施状況でございますが,本事業は,本年6月から実施してございまして,この1カ月間の情報提供件数は9件となってございます。  その内容といたしましては,母親の育児不安や精神的な疾患に対する支援等を依頼されているものでございます。また,子供の年齢を見ますと,生後1カ月以内の事例が9件中6件,さらにそのうちの4件は生後2週間以内でございまして,早期の育児支援に結びつけることができたものと認識してございます。 ◆阿知良寛美 委員  この事業におきましては,児童相談所との連携をどのように図るのか,また医療機関への事業の周知方法についてどのように実施されたか,お聞かせ願いたいと思います。 ◎北村 健康づくり担当部長  ご質問の児童相談所との連携についてでございますが,本事業を通じて把握された親子の中で,子供に発達のおくれがある事例などに対しましては,適切な療育を行うために,児童相談所との連携を図ってございます。また,虐待が強く疑われる事例につきましては,速やかに児童相談所へ通告し,処遇方針の決定に基づき,児童相談所,医療機関等の関係機関で構成いたします,区児童虐待予防・防止ネットワーク会議を開催し,事例検討会を行いながら地域での支援体制づくりを進めてまいるところでございます。  次に,医療機関に対する周知方法でございますが,市内の約200カ所の産婦人科及び小児科医療機関に対しまして,事業マニュアルの配付を行うとともに,出産数の多い医療機関につきましては個別に事業説明を行ってございます。また,医師会会員に対する研修会等の機会を活用いたしまして,事業の周知と協力要請を行ってまいりました。今後とも,事業の効果的な運用を図るために,関係機関に対する周知に努めてまいりたいと考えてございます。 ◆阿知良寛美 委員  最後に,本事業の実施の際には,担当医や保健師が記入する依頼書及び報告書がハイリスクの母子について詳細に記入されていることから,個人情報の保護の観点に立ち,守秘義務のさらなる徹底をお願いしたいと,このように思います。  また,親が子育てに責任を持つことは当然のことですが,加えて,地域社会が子育てを支援していくことも大事なことであります。現実問題として,子供や子育てをする親たちにとっては,地域の連携の希薄化,核家族化などによって,共生社会でなくなっているのが実情です。子供は社会の宝との意識を取り戻し,地域の子育て力を向上させること,そして,世代を超えて児童虐待を社会からなくそうという意識を育てることが大切であろうと,一言添えて私の質問を終わらせていただきます。 ◆井上ひさ子 委員  私の方からも,児童虐待発生予防・育児支援強化事業についてお尋ねしたいと思います。今,お話がありましたので簡潔にしたいと思います。  昨年の12月だと思うのですけれども,21世紀の母子保健の方向性を示す,健康さっぽろ21が策定され,目標として育児の不安軽減,また安心できる育児環境をつくること,それから子供を事故から守る,そして,虐待をなくすこと,これは目標値も設定されました。これに基づいてこれから進められていくというふうに思うのですが,先ほどもお話があったのですが,いただいた資料を見ますと,母親が育児を拒否してしまうネグレクト,これが実に61.5%もあって,そして実母が70.8%,また小学生になってからの発見が42.5%になっている。こういう中で母子保健サイドから,今こういうハイリスクな親を早期に発見して,不安定な子育てに支援するという,こういう訪問型の支援サービスというのが,私は本当に求められているというふうに思います。先ほどのお話にありましたけれども,6月から始まって,早期の育児支援をして,生後1カ月,こういうところに既に9件もこれが発生しているという,その支援に結びついたという,今こういうお話を聞きまして,本当に大事な部門だなというふうに思いました。  それで,札幌市においては,この間,乳幼児健診で保健センターと結びつくのは9割を超えているというふうに聞いています。この健診の状況について,また,新生児の訪問指導,これをこの間進めておりまして,今,2子目も,合わせて訪問を行って継続して見届けている,こういうこともお聞きしておりますので,この実施率などについてはどのような状況なのか,お尋ねしたいと思います。 ◎北村 健康づくり担当部長  お尋ねの乳幼児健康診査及び新生児訪問指導の実施状況についてお答えをいたします。  札幌市では,乳幼児健康診査として4カ月,1歳6カ月,3歳児健診を実施してございます。平成13年度の各健診の受診率についてでございますが,4カ月健診は99.1%,1歳6カ月健診が89.4%,3歳児健診は87.9%でございます。また,新生児訪問指導の実施状況についてでございますが,訪問指導の対象者は,従来,第1子及び生後1カ月以内の新生児というふうにしてございましたが,平成13年5月から,第1子及び第2子以降の必要な者に拡大し,訪問指導の期間を生後4カ月以内としたところでございます。  このことによりまして,平成12年度の訪問実施件数は6,440件でございましたが,平成13年度には9,174件と増加してございます。  さらに,第1子の出生数に対する訪問実施率を見ますと,平成12年度には78%でしたが,平成13年度の実施率は90%と推計してございまして,新生児訪問指導事業が有効に機能しているものと認識してございます。 ◆井上ひさ子 委員  乳幼児健診も4カ月,1歳6カ月と,若干下がっているかなというふうに思うのですけれども,これについても伸びているというふうな状況なのかなというふうに思うのです。
     それと,母子保健訪問指導実施についても,第1子だけではなくて,やはり2子目も育児不安を抱えている,そういうところにも訪問して,今,78%から90%に継続してやっている。私は,こういう状況は議会でも繰り返し取り上げられてきましたし,保健センターを初め,本当に保健師の皆さんの,先生の皆さんの努力の中でこういうふうに受診率が上がってきているというふうに思うのです。しかし,これを受診されない,これにかかわってこられない,そういう子供たちがおりますし,訪問指導も受け入れないという,拒否してしまうというのでしょうか,そういうこともありまして,これらのところに児童虐待の可能性が隠れているのではないかなと私は思うのです。  これらの対策,今回,保健と医療を結ぶこういうネットワークをつくられたということと,それから保健師さんを,予算的には1.5人分というふうにお聞きしたのですけれども,そういう予算もつけて事業が進むわけでありますけれども,今後,そういう未受診のところも含めて,その対策をどのように進めようとしているのか,お尋ねしたいと思います。 ◎北村 健康づくり担当部長  乳幼児健診等の未受診者に対する対策についてのご質問にお答えいたします。  乳幼児健康診査における未受診者対策でございますが,札幌市では,まず4カ月,1歳6カ月,3歳児の健診対象者約4万6,000人ぐらいございますが,これに対しまして,事前に健診のご案内を郵送させていただいております。  4カ月健診の未受診者に対しましては,全区で再度通知をお出しするとともに,保健師の家庭訪問等による受診勧奨及び状況把握を行っているところでございます。また,1歳6カ月児健診及び3歳児健診につきましては,10区中6区で再度通知を行いまして,保健師の訪問等による勧奨及び状況把握は,その6区中3区で実施しているところでございます。なお,他の区におきましても,経過観察を必要とする事例につきましては,担当保健師が家庭訪問等により対応しているところでございます。  また,新生児訪問指導における未訪問者対策でございますが,母子健康手帳交付時に出産連絡票についてご説明をさせていただきますとともに,平成15年度からは出生届け時に出産連絡票の提出を勧奨し,対象者の把握に努めてございます。また,保健と医療が連携いたしました本事業を実施することによりまして,早期に育児支援を必要とする親子の把握が可能となり,新生児訪問指導を一層充実することができる,このように考えているところでございます。 ◆井上ひさ子 委員  乳幼児健診についても,10区中6区で状況把握されているというお話で,されていないところについても,今,計画を持って進めるという答弁だったと思うのです。  3歳児で見ますと,健診を受けていない子供さんが,実数で見ると1,882人というふうになっているのです。これは子育てに心配事があるかどうかという,母子の実態調査の中で70%の方が3歳児で心配事があると,そう述べられているのです。そういうところを見ますと,不安定な子育て,自信のない中,そしてまた,さまざまな原因が虐待に結びついていると思うのです。  ですから,そういうことを考えますと,本当に保健センターと医療が,そして,そこの中での連携というのが,私はこれからますます求められていくというふうに思います。  今のこういう時代ですから,この不景気の中で仕事を失うとか,そういう経済的な不安の中で,こういう問題が起こってくるというふうに思います。子供たちが本当に社会の宝としてやっていけるような,そういう援助が求められていると思っております。  それと,これは先ほどお話がありましたので,アレルギーのことで一言だけ申し添えておきます。この実態調査は,私も大変興味深く感じました。その中で父母の声が相談窓口の充実,それから的確な情報の提供をしてほしいというところが行政に示されたというふうに思います。大変専門的な分野のことにかかわることもありますので,これもまた医療機関につなぐ,その前段での保健センターの役割というのが,私は求められているというふうに思います。体制の充実も含めて,こういう事業に当たられますことを求めて,質問を終わります。 ◆原口伸一 委員  私からは,ようやく997万円が補正として計上されました歯周疾患検診事業についてお尋ねをいたしたいと思っております。  この問題につきましては,私どもの自由民主党も長い間これを要望してまいりました。最近では,平成14年の1定で,自民党の馬場議員が,歯周疾患の問題について質問もさせていただきました。自分の歯を長く保つということは,健康保持の上でも食べ物をそしゃくするためにも,また発音をする上でも容貌や,また自分の脳を活性化する上でも大変大事なことであります。  今までも,日本では3歳児健診とか学童・生徒,そういうところでは学校の歯科検診というのがあったわけでありますけれども,平成6年までは成人の歯科検診というものは認められておりませんでした。しかし,一方では,平成元年に国は8020運動,80歳で自分の歯を20本持とうと,こういう運動の提唱をいたしました。そして,平成7年になりまして,老人保健法の国庫補助事業の中に,一般の健康診査の項目のほかに,そのとき初めて成人の歯周疾患検診というのと骨粗しょう症の検診が加えられたわけであります。しかし,それも同一の医療機関で検診をしなければならないということで,歯科のある総合病院でしかその検診は認められませんでした。そのために調べてみましたら,歯周疾患検診というのは非常に受診率が低くて,実際にこれは役立っておりませんでした。そういう制度を国がつくったのですけれども動かなかった。  そこで,平成7年に,国は保健事業実施要領の全面改正ということで,歯科の検診単独でもいいというようなことになったわけであります。今までは日本の歯科検診というのは齲歯,いわゆる虫歯が対象でありました。しかし,最近では,もう十数年前から,歯周病疾患というのが我々日本人が一番歯を失う大きな原因になっておるわけであります。  国はやはりそこに目を向けて,歯周病を何とか防いでいこうということで,歯周疾患検診という制度を単独でも認めたわけであります。それで今回,997万円という予算が計上されました。恐らく歯科の医療機関でこれを実施するのだろうというふうに思いますが,まず,その実施方法と実施項目は何なのか,それを教えていただきたいと思いますし,具体的に市民にお知らせをする場合に,どういうふうな手法をとって周知徹底を図るのか,これについてまずお尋ねをいたします。 ◎請井 歯科保健担当部長  歯周疾患検診についてお答えいたします。  まず,1点目の歯周疾患検診の実施方法と検診項目でございますが,この検診は委員ご指摘のとおり老人保健法に基づきまして,40歳,50歳の方を対象として歯科医療機関で受診していただく個別検診として実施をいたします。また,実施形態につきましては,札幌歯科医師会に委託を予定してございます。  次に,検診項目の中身でございますけれども,歯の健康状態,あるいは生活習慣などを聞き取ります問診,それと歯や歯茎の状態を見ます歯周組織検査となってございまして,この結果をもとに歯周疾患検診の早期発見と適切な歯磨きの方法などについて,保健指導を行ってまいる予定でございます。  次に,市民への検診の具体的な周知方法でございますけれども,この検診の重要性あるいは検診の内容について,十分に周知を進めていくことが重要なことであると認識してございます。したがいまして,市民の方が受診機会を逸することのないように,広報さっぽろの活用,ポスターの掲示,チラシの配布,ホームページの活用に加えまして,例年国民健康保険加入者に郵送しているすこやか健診の受診勧奨の際に,歯周疾患検診を合わせて周知するほか,各健康保険組合とも連携しながら,継続的で効果的な市民周知を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆原口伸一 委員  今,お答えがございました。市民への周知というようなことにつきましては,私,各政令市の検診状況,受診率,そういうようなものを調べさせていただきました。残念ながら札幌市は,政令指定都市の中で一番最後なのです。今まで14年度末までに実施していなかったのは札幌市と横浜市だけでした。横浜市が本年10月からこれを実施することを決定して,今その準備を進めておるわけでありますけれども,残念ながら札幌は横浜より後になって,最後になってしまった。新しく政令市になったさいたま市はわかりませんが,そういうような状況でございました。  そこで,受診率を調べますと,例えば仙台市は3.5%,千葉市は9.3%と非常に低いのです。広島市が4.2%,こんなふうになっています。ただ,名古屋では,札幌で言えばすこやか健診みたいな制度で,なごやか健診というのがあるのだそうです。私,よくわかりませんが,なごやか健診の中にこの歯科検診が一緒になっていると。今申し上げたのは平成13年度の受診率でありますが,名古屋市では36.2%,こういうふうに非常に高い,ほかの政令市から見ると10倍くらい高い受診率になっておるわけでありまして,私はそういう面では札幌市も40歳,50歳の人だけに,今対象を絞っておりますけれども,私は将来的には,これは年齢を拡大をしてやっていくべきであろうというふうに思っておるわけでありまして,そういう面で,すぐこの制度がこれから始まるということで,とりあえずは40歳と50歳の人に通知をしていただきたいのです。ぜひ,受診率を高める上でも,市民への周知方法というのは,いろんな制度やなんかが新しくできましても,広報さっぽろに書いてあるといっても,なかなか皆さん細かく見ていただけない。  そういうことで,これはすこやか健診の制度というがあるわけでありますから,そういうものと一緒に市民へ漏れなく通知をし,40歳や50歳になったら,そういう検診が受けられるのだということを,ぜひ,市民に広くPRをしていただきたいなというふうに思っております。  それともう一つ,歯周疾患検診,これは保険ではできないわけでありますから,国庫補助事業ということでやるわけでございまして,これはトータルで1検診どのくらい費用がかかって,そのうち受診者1人当たりは幾らくらいの費用負担をしなければならないことになるのか,この点についてお知らせをいただきたいと,それをお聞きして,私の質問は終わります。 ◎請井 歯科保健担当部長  この検診につきましては,老人保健法に基づいた検診というふうに考えてございます。この検診事業ですが,保健事業費等国庫負担交付基準単価というのがございまして,それによりますと,15年度は1人当たりの検診が4,227円ということになってございます。また,自己負担も,基準がございまして,国の基準では1,300円ということでございます。ただ,これにつきましては,免除といたしまして,生活保護法によります被保護世帯に属する者,また市民税の非課税世帯に属する者と,この方々は免除ということでございます。 ◆宮村素子 委員  児童虐待発生予防・育児支援強化事業につきまして,ただいまいろいろと質問がございましたので,私からは1点だけ質問させていただきたいと思っております。  この児童虐待につきましては,区の児童虐待防止ネットワークの皆さんの大変な活動によりまして早期発見,そして早期療育といいますか,児童相談所におけます対応がスムーズに図られてきているというふうに思っております。件数も札幌市は大変増加してきているのは,ほかの都道府県と同様でございますけれども,しかし,早くに発見されるという状況になってきていると,そんなふうに思っております。  そして,私はやはり発見から予防につなげていくべきだというふうに,これは平成12年10月の決算特別委員会におきましても考え方を述べさせていただいたところでございます。いかに母子保健が重要であるかということを,そのときに主張したわけです。そして,産院を退院してから新生児の1カ月健診までの間,いかに母子が孤独な状況に置かれているか,または育児の不安で,本当にこれでいいのかという思いを持っている母親の気持ちの負担を軽減してあげる,また,育児の仕方を助けてあげるということが大事で,その時期はブラックボックスになっているということも主張させていただきました。  それ以来13年度から母子保健係も新設されましたし,新生児の第2子以降への訪問も拡大されました。先ほど数字が大変伸びているという状況でございましたし,それから早期に新生児の訪問をするということで,これもまた,先ほどは9件ですか,生後1カ月以内の虐待発見につながる,もしくは育児の問題を抱えている親という状況を把握できて,うまく対処されたということでございました。  早期発見も大事ですが,もっとやはり予防できるものは予防していこう,これは健康さっぽろ21の中でも,札幌市が主張していることでございますので,積極的に今後も取り組んでいっていただきたいと思います。  そして,そのときに,医療機関との連携の必要性も主張したわけでございますが,そのときの答弁では,大変にプライバシーにかかわると,そういったことで,要研究という答弁でございまして,もしかしたら,これは研究ということですので,なかなか取り組まないのではないかと,そのように思ったわけですけれども,今回,実際に医療機関と連携をとって,早期に予防につなげていきたいという,そういった今までの経過を含めて,今回の取り組みに対しても大変に評価するところでございます。やはり予防できるものというような観点を強く持たなければならないというふうに思っておりまして,今後,ぜひこの事業を発展させていただきたいというふうに思います。  質問に入ります。一番大事なことは,平成15年6月に出された社会保障審議会児童部会においても,児童虐待の防止等に関する専門委員会の報告書もやはり虐待の発生の予防,虐待のリスクのある家庭の把握が重要だと言っております。早期の訪問によって,ちょっと危ないなと思う人をいかに把握するかということ,そして把握した後,育児の負担を軽くしてあげると同時に,ウエートとしては母性愛,父性愛というのをその中で芽生えさせてほしいというふうに思います。その役割が絶対大事だというふうに思います。  多少いっときの負担が軽くなったからといって,赤ちゃんがかわいいとか,お父さんもお母さんも抱いて放せなくなるような,そういった母性愛,父性愛というのが芽生えない限り,いっときの手ほどき,いっときの援助というのは,そのときだけのことでしかないのです。それにプラスして,いかに愛着行動を助長させていくか,それを大きくしてあげるかということが大変に重要なことで,このことはまた別の委員会のときにしっかりと論議しなければならないというふうに思っています。  それともう一つは,客観的なデータです。もしかしたらこの人は虐待のリスクがあるというふうに見なければならないかというのは,医療機関の中で心理学ですとか,いろんな今までの事例の集積,または精神学なんかをもとにして一つの考え方と勘に頼っている部分もあるのです。ですけれども,その勘に頼っているところの情報交換であれば,もしかしたらそのお母さんやお父さんに一方的な見方になっては困る,そんなふうに思いますので,このデータを出すときに,できるだけ客観的なデータでやっていくべき,評価,判断を加えた方法を取り入れていくべきだと思っております。  そういったことから,福岡市で平成13年5月から実際に施行しているというふうに聞いておりますが,新生児訪問指導におきますエジンバラ産後うつ病自己評価表票いうのがあるのです。これは大変新しく開発されたもので,外国のものでございますけれども,これをもとに,お母さんも自分の状況を把握する,それから医療機関もしくは保健センターの皆さんも客観的にそのデータを利用することによって,お母さんもここを助けてもらえば私はできるという一つの見方ができるものなのです。ですから,これをぜひ積極的に使って予防につなげていくべきだと思うのですがいかがでしょうか,伺います。 ◎北村 健康づくり担当部長  新生児訪問指導ですとか,児童虐待発生予防・育児支援強化事業におきます客観的指標の活用ということであろうと思いますが,委員ご指摘のとおり,出産後の母親というものは身体的,精神的にも不安定で,育児不安の最も強い時期であると同時に,マタニティブルーですとか,産後うつ病等の発症時期でもございます。これらの兆候を客観的な指標を活用することで早期に把握し,育児支援を行うことは重要であり,また共通の判断基準に基づく支援を行うことは相談の質を向上させることにもつながることから,その必要性を認識しているところでございます。しかしながら,適切な評価方法の選択,また精神科医療機関との連携のあり方等さまざまな課題もありますことから,今後,十分に検討をさせていただきたいと考えてございます。 ◆宮村素子 委員  今,産後のうつ病の発症頻度は10から15%と言われていますし,それからマタニティブルーも50から80%発症するというふうに言われています。これはいっときのこととはいえ,ぜひとも精神科医療機関と,この方法がどんなふうに有用かということをぜひ実験して,実験というと人に対しての実験ということではございませんけれども,十分検討していただきまして,できたら早急に取り入れるように要望いたしまして,終わります。 ◆藤原廣昭 委員  私の方からも,先ほど質問のありました医療情報Webシステムに少し関係をしながら,夜間急病センターの関係について質問を数点いたします。  札幌市の新夜間急病センターを初めとする4施設の複合施設の基本計画報告書を見ますと,夜間急病センターの今後の課題として,診療機能の充実や相談機能,支援機能や情報機能のそれぞれの充実というものがうたわれておりまして,先ほどのWebシステムなども,そうした情報機能の充実の一環かなというふうに理解をするわけでありますけれども,先ほどもいろいろな数値で出ましたが,よく使われてるIT弱者というか,そうした皆さん方に対して,きちっとした対応をこれからはしていかなければいけない。現在も相談機能の中では電話相談などがあるわけでありますけれども,その辺,さらに,新しい夜間救急センターの中で,そうしたインターネットなどをお持ちでない方,あるいは使用できない方などについて,その点についてどのように考えているのか,お伺いをいたします。  それに関連をいたしまして,夜間急病センターでありますけれども,この報告書を見ますと,少し古い数字でありますけれども,1999年度には5万4,989人,1日平均151人の方が夜間急病センターを利用されているということでもあります。また,札幌市の消防局の搬送状況を見ますと,平成14年では,このセンターに搬送された方は2,723人と,消防局総体の4.4%がここに搬送をされているわけであります。その中で,診療機能の充実という中では,いろいろなものが考えられるわけであります。  そこで,この新夜間急病センターの機能については,札幌医師会との間での意見交換や協議をしていくと思うわけでありますけれども,今後,これらの最終段階の結論を出す時期はいつごろになるのか。きょうの朝刊にも載っておりましたけれども,本市の救急医療体制についても,夜間急病センターとは表裏一体だというふうに思いますので,この辺の機能についての最終的な結論を出す時期というのはいつごろになるのか,2点目として伺います。  3点目には,夜間急病センターで,現在診察や治療を行っているわけでありますけれども,ここは1次医療機関でありますから,2次医療機関などに移送された患者さんは,どのような状況になっているのか。  4点目には,搬送をした理由として,さらに検査が必要であったのか,あるいは入院が必要だったのかというような,そういうような具体的な搬送理由などについても,わかれば合わせて,以上4点お伺いをいたします。 ◎竹谷 医療調整担当部長  お答えいたします。  1点目のIT弱者に対する対応についてでございますが,ご指摘のとおりIT弱者の立場におられる方,なかなか情報が得にくいという状況があることは十分理解をしております。例えば,ファクスによる情報伝達であるとか,さまざまな手法が考えられると思いますので,これからよくそういう方のご意見をお聞きをして,実施可能なものから実現をしていきたいというふうに思っております。  それから,2点目の夜間急病センターの機能について,いつごろまでに結論を出すのかというご質問でございますが,この新しい夜間急病センターの機能につきましては,現在,夜間急病センターに関する懇談会というものを札幌市医師会との間に持っておりまして,現在までに約10回これを開催をしております。この懇談会では,基本計画の理念をどのようにすれば実現できるかというような視点で,例えば,部屋の配置はどうするかとか,それから機器などもどのようにしたらいいのか,あるいは人員の配置体制はどうするのがいいのかというような検討を行っているところでございます。これらの機能の内容の詳細につきましては,今後とも精力的に札幌市医師会と協議を重ねながら,年内には決定をしたいというふうに考えております。  それから,3点目でございますが,現在の夜間急病センターから2次医療機関に移送された患者さんはどのような状況になっているかというご質問であったと思いますが,診療科別,あるいはどのような診療科にどういう患者さんが搬送されたという統計につきましては,札幌医師会の夜間急病センターでとっておりませんことから詳細なものについては把握をしておりません。しかし,平成13年度において,夜間急病センターから他の医療機関へ移送した患者さんの数は1,514人というふうになってございます。  それから,4点目でございますが,2次医療機関に移送した理由というものがどんなふうになっているかということでございますけれども,これは申しわけございませんが,その理由と内訳,あるいは件数については,これらの統計を急病センターで取っておりませんためにお答えすることができません。 ◆藤原廣昭 委員  わかりました。  基本計画の報告書の中にも,CTの導入というようなものが記されているわけでありますけれども,再質問の1点目としては,1次医療機関に指定をされております夜間急病センターにどういったような理由というか,CTというものが必要なのかと。私はCTそのものを否定するものでありませんけれども,やはり1次医療機関,あるいは2次医療機関との役割分担を考えていくためには,市民の皆さんにもそうした視点をしっかり見えるようにしておくことが必要ではないか。  先ほどご答弁にもありましたように,年内にそうした機能も含めた結論を出すということでありますけれども,再質問の2点目については,今の時点でこうしたCTの導入というものは,どのような契約方法を考えておられるのか,再質問,以上2点伺います。 ◎竹谷 医療調整担当部長  お答えをいたします。  1点目の初期救急医療機関において,CTの導入は必要なのかという趣旨のご質問だったと思いますが,新しい夜間急病センターでは必要な検査を行いまして,診断を的確に行った上で,その病状に最も適した診療科を持つ後方支援病院にその患者さんを引き継ぐということにしております。これは基本構想,あるいは基本計画の中にも理念として述べられているところでございます。また,現在,札幌市救急医療体制検討委員会という中で,救急医療体制の見直しを行っているところでございますが,その中で,現在の2次救急医療体制は平日には対応しておりませんので,これを新しい体制の中では,年間全日に拡大をするということと,それから2次救急医療体制の中の診療科につきましても,現在は脳神経外科系,それから循環器・呼吸器系,消化器系,それから小児系というものがございますが,新体制ではこれに加えまして,新たに外科系,それから泌尿器系,産婦人科系を整備する方向で,現在検討をしているところでございます。  これによりまして,もしこれが実現をいたしますと,急病センターから搬送するようなケースの患者さんを受け入れる2次救急医療機関が充実するということになろうかと思います。したがいまして,初期救急医療機関である夜間急病センターから適切な2次救急医療機関に患者さんを転送するためには,先ほども申しましたとおり,十分検査を行って的確な診断をするという必要があることから,CTの導入が必要であるということで求めております。  また,急病センターは小児科も持っておりますが,ご承知のとおり赤ちゃん,子供さんはどういうふうにぐあいが悪いのかという症状を自分の言葉で的確に表現できないという状況がございますので,CTは子供さんを診断する際にも有効な機器であるというふうにお聞きをしております。  さらに,医学教育の中で,画像診断に関する教育が十分なされてきておりまして,画像診断を駆使をして診断を行うというような教育が医学部の中でもなされているというふうにお聞きをしております。札幌市医師会からは,これからますますそういうドクターがふえてくるということで,急病センターにもそういう医学教育を受けた医師が診察に当たるということになるため,CTは必要な医療機器であるというふうに伺っております。  もう1点,導入するとしたらどういう契約にするのかというご質問だったと思います。導入をするということになりますと,今のところリース契約が適当ではないかというふうには考えております。この種の機種は,もし買い取ることになりますと,これは性能が日々新しくなりまして,気がついたときにはもう古くなっているというようなこともあろうかと思いますので,もし,入れるということなりますと,買い取りよりはリース契約が適当ではないかというふうに考えております。 ◆藤原廣昭 委員  今後,引き続き検討がされるということでございますので,きょうはこの程度にとどめますけれども,言えることは,例えば,今の夜間急病センターにもX線の装置があって,技師もいらっしゃいます。しかし,夜の19時から午前零時ぐらいまで,いわゆる準夜と呼ばれるような時間帯にはX線技師も常駐をしておりますけれども,その後は常駐をしていないと。今,部長が言われたように,小さな子供とか,症状を訴えにくい人,そういう意味では,例えば,X線でも急性腹症とかイレウスというか,X線があればそれなりの判断がつくと。しかし,現状としては,深夜時間帯には装置はあっても,それを操作する技師がいないという課題も残っているわけでありまして,今後,それを導入する際には,そうした技師の取り扱いなども当然問題になってくると思いますが,それらについては,今後の検討委員会なり懇談会との協議を,逐次また決算議会などでも報告を求めて,議論をしてゆきたいというふうに思います。 ◆伊藤理智子 委員  私は,遺伝子組みかえ分析機器の導入に関連して質問します。  7月22日に農水省がインターネットを使って,消費者に調査を行ったという報道を見ました。その中で,消費者の6割以上が遺伝子組みかえ食品の安全性に不安を感じ,購入を控えたいと考えていることがわかりました。  約600人に聞いた内容は,組みかえ作物の生産者は,健康と環境に対する潜在的危険性を配慮しているかとの問いには約65%の人が全く思わない,余り思わないとの回答でした。また,従来の食品と比べてかなり安い場合でも約68%の人が購入を控える姿勢を見せたそうです。栄養価が高い,低価格肥料,低農薬で生産した食品であっても,約60%の人が購入に消極的であるという結果が出ています。いかに消費者が遺伝子組みかえ食品の安全性について不安を感じているかがはっきりとわかる結果です。遺伝子組みかえ食品が混入しているかどうかについての表示もすべて行われているとは言えない現状の中で,市民の遺伝子組みかえ食品についての検査をしっかりとやってほしいという要求が強くなっています。札幌市においても,遺伝子組みかえ分析機器を導入することは,市民ニーズにこたえていける一歩となると思います。  そこで,質問ですが,第1に,いつこの分析機器を導入して,いつから分析するのか,伺います。  第2に,分析業務を担当する職員の研修準備体制はどうなっているのか,伺います。 ◎藤田 衛生研究所長  遺伝子組みかえ食品の検査体制についてお答えいたします。  1点目の機器購入予定でございますが,未整備の機器につきましては,予算配当後早急に発注することにしております。  納品までに要する期間も考慮しますと,10月下旬には機器及び施設も整備できる予定でございます。  それと,検査開始時期でございますが,承認されていない遺伝子組みかえ食品が出回っていないかの検査につきましては,10月下旬ごろから開始できると考えております。また,承認されている遺伝子組みかえ食品の検査については,機器及び検査法の習熟に時間を要しますが,できるだけ早く開始するよう努めてまいります。  2点目の担当職員の研修など準備体制についてでございますが,国が行いました技術研修については既に受講しております。さらに,今後とも技術研修会等に職員を派遣し,検査体制の充実を図ってまいりたいと考えております。 ◆伊藤理智子 委員  前段での調査結果でも明らかなように,遺伝子組みかえ食品については不安の声も多く,安全性についての詳しい情報が必ずしも提供されているとは言えない状況です。そういう中で,札幌市民が利用する食品について,遺伝子組みかえ食品が混入しているのかどうかも含めて,しっかりと検査をしていただきたいと思います。  そこで,質問ですが,第1に,検査数は年間どれくらいの検体を予定しているのか,分析する主な食品の対象はどのようなものか,対象食品をどのようにして集めるのか伺います。  第2に,検体の採取方法はどうするのか,抜き打ちによる検査は行えるのか伺います。  第3に,検査の結果,表示と異なる食品を調べることができるのか,また,検査の結果で表示違反の食品があった場合,その対応はどうするのか伺います。 ◎大川 健康衛生部長  ただいまのご質問にお答えいたしますが,1点目の札幌市における今年度の検査予定数でございますが,ことしは初年度ということもございますので,製造施設や大型スーパー等の販売店よりトウモロコシや大豆など,20検体を検査する予定でございます。  2点目の検体の採取方法でございますが,食品衛生法に基づく通常の抜き取り検査と同様に,当該施設に抜き打ちで立ち入りまして,食品衛生監視員が検体を採取することとしております。  3点目の表示と異なる食品を調べることが可能か,また表示違反の食品が発見された場合の対応についてのお尋ねでございますが,この検査の主な目的は,承認されていない遺伝子組みかえ食品が混入していないかどうか。また,承認されている遺伝子組みかえ食品の場合は,その表示が適正であるかどうかを検査するものでございます。  検査の結果,表示違反の食品が発見された場合等,違反が発見されました場合には,食品衛生法に基づきまして販売の停止命令,あるいは回収命令など,厳正に措置いたしますとともに,速やかに公表することといたしております。 ◆伊藤理智子 委員  今のご答弁も聞きまして,2001年の6月にはスナック菓子から未承認組みかえポテトが検出されるなど,遺伝子組みかえ食品については,まだまだ安全性について問題があります。2001年から農水省により遺伝子組みかえ食品の表示を実施していますが,それはごく一部の限られた食品にとどめられていて,9割近くの組みかえ食品は表示をしていないというのが実態です。そういう中で,札幌市でも遺伝子組みかえ分析機器で検査ができるということは,未承認組みかえ食品を使用させないためや不当表示を防止する上でも重要な役割を果たすことを期待しまして,私の質問を終わらせていただきます。 ○小野正美 委員長  以上で,第5項 健康衛生費の質疑を終了いたします。               ヽ         最後に,議案第10号 札幌市と畜場法施行条例の一部を改正する条例案の質疑を行いますが,通告がございませんので,質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し,次回は31日午後1時から,建設局及び都市局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会をいたします。     ──────────────       散 会 午後4時35分...