札幌市議会 > 2003-07-29 >
平成15年第一部議案審査特別委員会−07月29日-02号
平成15年第二部議案審査特別委員会−07月29日-02号

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  1. 札幌市議会 2003-07-29
    平成15年第一部議案審査特別委員会−07月29日-02号


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    平成15年第一部議案審査特別委員会−07月29日-02号平成15年第一部議案審査特別委員会  札幌市議会第一部議案審査特別委員会記録(第2号)                 平成15年7月29日(火曜日)       ────────────────────────────────── 〇議題 付託案件の審査 〇出席委員 33人(欠は欠席者)    委員長   笹 出 昭 夫       副委員長  高 橋   功    委  員  高 橋 忠 明       委  員  宮 本 吉 人    委  員  村 山 優 治       委  員  三 上 洋 右    委  員  馬 場 泰 年       委  員  鈴 木 健 雄    委  員  近 藤 和 雄       委  員  山 田 一 仁    委  員  細 川 正 人       委  員  湊 谷   隆    委  員  川口谷   正       委  員  猪 熊 輝 夫    委  員  大 西 利 夫       委  員  村 上 勝 志    委  員  三 宅 由 美       委  員  桑 原   透    委  員  藤 川 雅 司       委  員  小 田 信 孝    委  員  青 山 浪 子       委  員  三 浦 英 三    委  員  谷 沢 俊 一       委  員  飯 坂 宗 子    委  員  宮 川   潤       委  員  熊 谷 憲 一    委  員  小 形 香 織       委  員  高 橋 克 朋
       委  員  福 士   勝       委  員  恩 村 一 郎    委  員  小 林 郁 子       委  員  坂   ひろみ    委  員  松 浦   忠     欠 委  員  高 橋 秀 典       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時 ○笹出昭夫 委員長  ただいまから,第一部議案審査特別委員会を開会いたします。  報告事項は,特にございません。  議事に先立ち,審査方法について理事会で申し合わせをいたしましたので,ご報告いたします。  質疑者及び答弁者は,起立して発言を行うこと。答弁者は,冒頭に職及び氏名を名乗ってから発言をしてください。なお,同一委員への答弁が継続する場合は,最初だけでよいことといたします。  また,効率的な審査を行うため,質疑及び答弁はできる限り簡潔にお願いいたします。特に,本日は,発言通告がたくさんございますので,よろしくお願いを申し上げます。  内容の重複等は極力避けながら,審査日程を予定どおり消化できるよう,よろしくご協力のほどをお願い申し上げます。  それでは,議事に入ります。  議案第1号 平成15年度札幌市一般会計補正予算(第3号)中関係分ほか,付託議案8件を一括議題といたします。  初めに,平成15年度札幌市一般会計補正予算(第3号)中,歳入のうち一般財源,第2款 総務費 第1項 総務管理費中財政局関係分,第4項 税務費,第11款 諸支出金,議案第2号 平成15年度札幌市公債会計補正予算(第2号)及び議案第5号 札幌市基金条例の一部を改正する条例案について,一括して質疑を行います。 ◆近藤和雄 委員  それでは,質問に入る前に, 上田市長の2度にわたる市長選挙,大変でございました。おめでとうございました。  今回の質問は,補正予算編成についてお尋ねしたいと思います。  市長は,第2回定例市議会におきまして,総額634億円の補正予算を計上いたしました。内訳は,一般会計で620億2,200万円,高速電車事業会計で5,800万円,下水道事業会計で13億1,600万円となっております。この財源として,国庫支出金等の特定財源66億円,さらには,当初予算で計上保留した地方交付税の一部165億円,財政調整基金からの繰入金44億円でこの予算を賄ったわけでございます。この繰入金,財調の44億円は,言ってみますと,残念ではありますが,とらの子の貯金を取り崩しての予算編成でありました。  財政調整基金というのは,経済の不況等によって大幅な税収減に見舞われたり,災害の発生等によりまして思わぬ支出,そういう事態に余儀なくされたという場合に,収入減や不時の支出増加に備えて,長期的な視野に立った上で計画的に財政運営を行うために,余裕のあるときには積み立てをしていくというわけであります。  そこで,質問でございますけれども,1点目,上田市長は,当選後初の予算編成を行いました。財政調整基金残高112億円という,市民の税金であります,とうとい貯金の中から,4割に当たる44億円を取り崩していることに対しまして,相当な決意を持って決断されたと思われますが,どのようにこれを受けとめていらっしゃるのか,お伺いしたいと思います。  質問の2点目です。この場合,15年度予算執行期間は,まだあと8カ月残存しております。市長の公約の目玉であります行財政改革を不退転に実行しまして,経費削減の取り組みと連動することによって予算編成をすべきではなかったかと思いますが,経費節減によって財政調整基金44億円を取り崩すことなく,財政運営をやっていただきたいと強く思うのでありますが,このことにつきまして,市長のお考えをお伺いいたします。 ◎上田 市長  お答えいたします。  このたびの肉づけ補正予算の編成につきましては,これまで継続的かつ計画的に行われております事業につきましては,その必要性だとか,あるいは緊急性といったものを十分に吟味した上で所要額を計上するということの一方で,私が公約に掲げます重点事業につきましては,早期に着手をしたいというふうなことから,事業化の目途をつけると,こういうことに心がけて予算編成に臨んだというところでございます。  しかしながら,厳しい財政状況ということを反映いたしまして,私に与えられました留保財源というものが非常に限られたものであったということもございまして,結果として,平成14年度と同程度の,財政調整基金44億円を取り崩すということにしたところでございます。  その結果,平成15年度末の財政調整基金残高見込み額は68億円ということになります。今後の厳しい財政状況といったものを考えますと,全く不安がないとは言いがたいところでございますけれども,予算の執行に当たりましては,税収を初めとする歳入の確保,それから歳出面では可能な限り節約をすると,こういうことに努めてまいりたいというふうに考えております。そして,支消額というものを最少限にとどめるということなどを考えまして,基金残高の確保といったものに努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆村上勝志 委員  私からも,数点質問させていただきます。  ただいま,近藤委員からエールがありましたように,市長,おめでとうございます。  元気の出る札幌を目指しまして,質問させていただきたいと思います。  補正予算の概要によりますと,補正後の平成15年度一般会計予算では,歳入に占める市税の割合が31.9%,地方交付税が13.6%,国庫支出金が 15.4%などとなっていますけれども,地方自治体の歳入構造は,いわゆる三位一体の改革により,近い将来,その姿を大きく変えようとしていると思うのであります。  三位一体の改革の目指すところは,地方が決定すべきことは地方みずからが決定することでありまして,いわゆる地方分権一括法案の推進というものだと思いますけれども,今後,自主財源の充実を図ることが肝要であると思います。  そこで,まず,補正後の予算の本市の自主財源比率はどのようになっているのか,また,他の都市と比べてどのような状況にあるのかをお尋ねしたいと思います。  あわせて,調整機能としての交付税の重要性というのは,柱の一つになっていると思うのですけれども,地方交付税の交付額が札幌市の場合は1人当たり6万7,000円,比較的交付額が少ないと言われている川崎,千葉,横浜,ここは1人当たりどのぐらいになっているのかをお尋ねいたしたいと思います。  また,6月に閣議決定された,いわゆる骨太の方針第3弾では,国庫補助負担金を,おおむね4兆円程度を廃止,縮減し,その8割を地方に税源移譲することとし,その際は,基幹税の充実を基本とするとされております。  そこで,基幹税とは何を指すのか。また,実際の移譲税目としては,どのような税目が望ましいと考えているのか,お伺いいたします。  さらに,移譲される税目の占める割合が,政令市それぞれにおいて異なるなど,税収構造が異なるために,実際の移譲税目によっては,本市にとって必ずしも十分な税収とはならないケースも想定されるのではないかと思いますけれども,この点についてどう考えるかをお尋ねいたしたいと思います。 ◎生島 財政部長  私から,自主財源の関係についてご答弁申し上げます。  まず,本市の市税を中心とする自主財源比率でございますが,肉づけ補正後の数値では52.2%ということでございまして,歳入全体の約半分を占めるにとどまっております。したがいまして,残りが地方交付税国庫支出金など,国からの移転財源に頼っているという状況でございます。  これを他の指定都市との比較で見ますと,一番低いのは京都市でございまして,50.4%でございます。札幌市は,その次に低い状況にございます。それと,13指定都市の平均を見ますと,58.9%ということでございまして,平均に比較しても下回っておりまして,本市は,他都市に比べて財源基盤は弱い構造にあるというふうに考えてございます。  それから,普通交付税の人口1人当たりの交付額というお尋ねでございましたけれども,札幌市の場合は6万7,000円ということでありますが,例えば,一番少ないのは川崎市ということでございまして,4,000円,千葉市,8,000円など,そういうところに比べると札幌市はかなり多く交付税をいただいているということでございます。 ◎山本 税政部長  私から,基幹税目についてお答えを申し上げたいと思います。  まず,基幹税といたしましては,税収面において主要な地位を占める税を指すものでございまして,国税,地方税を通じまして十分な税収があり,税源移譲の対象となりますものは,個人所得課税法人所得課税,そして消費課税の税目が考えられるところでございます。  次に,望ましい移譲税目でございますけれども,税収の十分性,安定性等々を考えますと,地方といたしましては,指定都市の青本要望などでも税制改正を要望しておりますとおり,個人住民税,地方消費税,法人住民税での移譲が適当であると考えているところでございます。とりわけ,本市といたしましては,税源の偏在性が少なく,負担分任の性格を持ちます個人市民税の税源移譲が大変重要なものと考えているところでございます。また,大都市における消費流通活動等を勘案いたしますと,地方消費税の移譲も必要なものと考えているところでございます。 ◎生島 財政部長  4点目のお尋ねでございますけれども,税源移譲の関係で申し上げますと,たとえ地方全体で補助金の削減額と同額の税源が移譲されたといたしましても,委員のご指摘のように,自治体ごとに税収構造というのが異なっておりますので,移譲の対象となる税目の種類,移譲する割合などによりまして,地方自治体の実際の増収額というのは大きく変動してくるということでございます。  したがいまして,個々の地方自治体では,削減された補助金に見合う十分な税収増がされずに減収となると,そういうことも想定をされるわけでございます。特に,本市では,国庫支出金などの依存財源の割合が高いという状況にございます。一方で,逆に市民税などの税収基盤が弱いという状況でございますので,受ける影響は非常に大きいということが懸念されているわけでございます。  そのため,税源移譲につきましては,そういった税源の地域的偏在を考慮していただいて,減収ができるだけ生じないように要望していきたいというふうに考えておりますけれども,現実的に,地方公共団体は全国3,200あるわけでございますが,そのすべてに過不足なく税源移譲を行うということは,制度設計上はなかなか難しいのではないかなと。そのために,地方交付税が今持っておりますところの財源の保障機能,それと税源偏在の調整機能,この二つの機能が一層重要になると考えております。したがいまして,三位一体の改革に当たりましては,これらの二つの機能を分離することなく,双方を重視していくことについて,これからも強く求めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆村上勝志 委員  調整機能の部分は,今後とも堅持といいましょうか,重要な柱ということで,他の政令市と一緒になって,下げられぬようにといいますか,頑張るというお話でした。  2002年度の市税収入が26億円ふえたと,当初予算よりはふえたという大きな要因は,JRタワーが開業したことに伴う事業所税の増加だということがマスコミで報道されておりましたけれども,経済の活性化を図ることが税収の増になるということは,以前から私,主張させていただいたのですが,元気な企業を育てていくことや地場産業の集積を図るということが,将来の税収の確保のために必要でございますので,上田市長がおっしゃっている元気な札幌という部分から見ますと,財政当局というよりは,むしろ経済局が中心になって,産業興しや,いろいろな中小企業支援策を行っていかなくてはならないと思いますので,その実現のために,財政当局としても,言うならば,配分に力を入れて頑張っていただきたいと思っております。  そのことをお願いしつつ,先ほど質問させていただいた中に,人口1人当たり,札幌市が6万7,000円で,首都圏であるところの川崎,千葉がそれぞれ4,000円と7,000円と。もう一カ所,横浜もお聞きしたのですけれども,横浜が漏れたものですから,それだけお聞きして,質問を終わります。 ◎生島 財政部長  大変失礼申し上げました。  もう一度繰り返させていただきます。川崎市が4,000円でございます。千葉市が8,000円でございます。それと,横浜市が1万7,000円でございます。 ◆谷沢俊一 委員  先ほど,財政調整基金のお話がございまして,重複を避けたいと思います。  ただ,残高が68億円ということで,財源の平準化を果たすという意味合いもあるでしょうし,また,災害など不測の事態,特に北海道,札幌の場合は積雪寒冷地ということで,豪雪等があった場合,除雪費等がかさむという心配もあるわけでございます。また,財政調整基金,年度の剰余金の半分以上を積み立てるということになっておりますけれども,実際,今の厳しい財政状況の中では,これから基金への積み立てもなかなか大変だろうと,こういうふうに思います。  そういう中で,先ほど市長から,基本的には慎重に今後活用したいというお話がございましたので,これはよろしくお願いをしたいと思います。  他の基金の状況を見ますと,特に減債基金の残高,お伺いしますと,6月末現在で923億円に上っているということで,土地など特殊な基金残高は別として,減債基金は大変大きな額になっております。この減債基金は,将来の満期一括償還に備えて,各年度一定額を積み立てておりますけれども,この金額を見ますと,増加傾向にあるということで,この基金に限って言いますと,資金的には余裕があるのではないかと考えております。  まず,この多額の減債基金を現在どのように運用して,そして,その運用益はどの程度に上っているのか,これをまず第1点お聞きしたいと思います。  今後,減債基金の残高が,償還等々絡んでまいりますけれども,どのように推移していく見込みなのか,その見通しについて,まずお聞きしたいと思います。 ◎生島 財政部長  まず,第1点目の減債基金の運用でございますけれども,運用につきましては,長期的な運用として,国債や他の団体の地方債の購入による債券運用,そのほかに,短期的な運用として,預金運用や日々の支払い資金の不足に対応するための一般会計への繰りかえ運用などを行っております。  それで,この運用益がどの程度かということでございますけれども,これらの運用から得られる利子収入につきましては,市債の利払いの財源に充当するということにしておりますが,超低金利が続く中におきまして,その運用利回りは,平成13年度でいきますと1.018%,平成14年度の見込みでいきますと0.844%というふうに低迷をしておりまして,その利子収入金額もそれぞれ13年度が5億8,800万円,14年度が5億4,600万円にとどまっているところでございます。  それから,今後,残高がどんなふうに推移していくのかということでございますけれども,今後の市債発行の額にもよりますが,現段階では,向こう10年程度は増加を続ける見通しでございまして,10年後には2,000億円を超えるものというふうに推計しております。 ◆谷沢俊一 委員  今のご答弁ですと,10年ぐらいは増加して,2,000億円程度になるだろうという見通しのお話がございました。  この多額の減債基金を全額基金として積み続けなければならないのか。要するに,償還のために積み立てが必要なのはよくわかるのですけれども,市場公募債などの満期の一括方式の市債について,20年分割で積み立てをして,10年ごとに取り崩して償還しているということでございます。当面,少なくとも10年後ぐらいまでは,いわゆる底だまり的な資金が発生するというふうに考えております。  そういう資金があるのであれば,今後,市の財政が大変厳しいという中で,その一部について取り崩しをしながら,財源として活用する道というのはないものかどうか,この点ちょっとお聞きしたいと思います。  基金ですから,目的が条例で定められておりますけれども,もし取り崩して活用が難しいとしても,現在,基金の債券などの運用益が低迷しているというお話もございまして,例えば一般会計などに貸し付けるなどして,財源として有効活用することはできないか,その件についてお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。 ◎生島 財政部長  まず,第1点目の減債基金を取り崩して財源として活用できないかというお話でございますけれども,減債基金の積み立てにつきましては,総務省からルールが示されておりまして,市債を購入する機関投資家なども,地方債の元利償還に対する信用力を担保するものとして,その積み立て状況に着目をしているところでございます。  また,本市が,毎年東京都内で開催しております機関投資家向けの説明会におきましても,積み立て状況というのを逐一説明してきているところでございます。  したがいまして,減債基金を,確かに残高が非常に多くなっていること,また一定の底だまりがあることをもって,本来目的以外で取り崩して財源として使うということにつきましては,札幌市債に対する投資家の信頼を失うと,そういうおそれがございます。投資家の信頼を失うことになりますと,将来的な札幌市の資金調達に支障を来す可能性がございますので,行うべきではないというふうに考えてございます。  それから,それが難しければ,貸し付けなどができないかというお話でございますけれども,減債基金を財源としてほかの会計へ貸し付けることにつきましては,基金の運用の一形態ということで可能ではありますけれども,赤字補てん目的で貸し付けを行うということは,投資家の目から見ますと,やはり目的外の取り崩しというふうに誤解をされるおそれがあるというふうに考えております。  したがいまして,そのようなことのないように,10年ごとに借りかえをしているわけでございますけれども,例えば,10年ごとの借りかえの時期をとらえまして,借りかえ債の発行を抑制するための財源として活用するなど,対外債務残高を減少させるという減債基金の本来の目的に沿った活用方法の検討を,今後進めてまいりたいというふうに考えてございます。 ◆谷沢俊一 委員  10年たって,借りかえ債に切りかえているということで,その借りかえ債を少なくして,金利の分を一般会計から出しているわけですけれども,そういう努力の中で浮いた分については,結果として一般財源が浮いてくるわけですから,そういう運用を考えながら,市の予算をしっかり確保していただきたい。そのことをお願いしまして,終わりたいと思います。 ◆松浦忠 委員  まず,市長にお尋ねしますが,今回,財源として140億円を超える市債を発行したと。この予算編成に当たって,どのくらい予算があれば満足するかといったら,これはなかなか難しいことであります。今,市民が一番望んでいることは,余り借金をふやさないでくれと,少し借金を返す手だても考えてくれということでであります。  そこで,私は,今回の予算編成の中で,確かに市長は時間もないし,あるいはまた,行政の中に初めて入ってきたということで大変ご苦労されたと思うのですが,それにつけても,例えば経費の節減というようなところでいけば,昨年の実績ベースで言うと,超過勤務だけでも100億円前後のお金が支払われているわけですね。一方,職員の勤務実態というか,仕事の配分実態などを見ると,私は今までいろいろ指摘もしてきましたけれども,まだまだ有効な配置をして,業務を適切にきちっと処理していけるという方策は随分あります。  今回,市長がかわったことによって,そういったようなことに少しでも手をつけられるかなと思って見ていたのですが,残念ながら,そこのところには手がつきませんでした。先般の代表質問で,我が会派の堀川議員からもその指摘があったところであります。  先ほど,近藤委員も言っていましたけれども,今年度はまだ8カ月あると。そうすると,これから,仕事のやり方なども見直して,少なくとも2カ月ぐらい,前期のあと何カ月かは準備期間としても,後期の6カ月ぐらいで仕事のやり方を変えて,例えば,先ほど言ったような超過勤務を何十億単位で削減するとか,そういったような経費というのは出てくるわけですよ,やり方によって。そういうことについて,検討するいとまがなかったのかどうか。あるいは,検討しようとして,市長は助役以下スタッフに提起をしたけれども,検討が間に合わぬということでこういう結果になったのか,まずその点を1点,市長にお尋ねをしたいと思います。  それから,2点目。市長は,先般,交通局の事故に際して,市バス東営業所と地下鉄の乗務員区を特別訓示のために訪れました。市長は,就任して1カ月余が過ぎたのですが,職員の勤務の実態,それから市民に対する対応の問題,こういうものをどのように受けとめられたか,この点についてお尋ねしたい。  担当部局から,勘弁してくださいと言うから,私は部局の名前も出しませんし,職場の名前も出しませんけれども,この質問事項の中で,市民税,道民税の課税があります。毎年,私のところに,課税ミスをされた方から,注意をしてくれと文句を言ってきます。何を言ってくるかといったら,人間ですからミスはいいと,しかし,その後の処理が悪いと。何かといったら,電話で,コンピューターに入れるときの打ち間違いですと,こう言う。打ち間違いはいいというのですね。そうしたら,その後,かくかくこういうふうに訂正しまして,こうですよというような説明をした手紙,訂正した送付書の中に,間違った経緯がちゃんとわかるような,なぜ間違ったかというようなことがわかるような経緯のことが書かれればいいけれども,それは一枚も入ってこない。さらにまた,市民税,道民税が所得税に基づいて課税されてくると。そうすると,それに基づいて,例えば国民健康保険だとか介護保険だとか,連動して課税されてくる。それも全部,納税者の側から市役所に電話を入れて指摘をしなければ,訂正されないと。これは一体どういうことなのかと。こういうことが,去年もおととしもありました。ことしもありました。  本当は,私,その職場の名前も挙げて,ここで指摘したかったのですが,担当の課長と係長と担当者が当事者のところへ行って謝ったから,当事者が勘弁してやってくれと,こう言って,けさ電話してきたから,私はやめることにしたのです。  基本的に,地方公務員は全体の奉仕者です。その奉仕者としての職員の心構えがどうなっているのか,これについて,私は今まで随分指摘してきたのですが,市長は,就任1カ月余で,この点についてどのように感じられたか。この点について,感じられたことを率直に申し述べていただきたいのと,それに対しての教育は,具体的にどのように指示をしていこうとしているのか,まずこの点について,市長にお伺いしたいと思います。  続いて,入札関係について,担当の理事にお尋ねをいたします。  6月に,南区の下水道工事現場で,通学中の高校生が転倒して骨折負傷いたしました。そのときの事故の発生原因に対して,処分が下されました。その処分というのは,札幌市の内規で,通常1カ月の2分の1の15日間という処分でありました。  私は,この事故について一つは,道路交通法で,自転車というのは軽車両ということで,車道の最左側を通行するということが義務づけられています。私は,現場調査に行きましたら,実態としては,歩道を通行するように誘導されておりました。さらに,下り坂であります。下り坂の場合には,通常,工事現場のそばと,それから150メーターなり200メーターなり先に,もう一人,工事現場です,徐行してください,気をつけてくださいと言う誘導員が配置になっていると。これは,北海道も開発局もやっております。これが配置されていなかった。私が調査した限りでは,こういうような,発注なりあるいは現場での施工監督上の落ち度というものが見受けられます。この点に対して,まずどういうようなことから2分の1にしたのか,この点についてお伺いしたい。これが1点目。  2点目は,いつから始まったか,私も記憶が定かでないのですが,少なくとも昭和40年代前後ぐらいから,事故を起こした工事業者に対して,当該発注官庁が実際に仕事の指名の権利があるのに,指名を回避するという行為が行われております。これは,何の基準もないのです。どういう経緯でこれが行われていたかといえば,そういう事故を起こしたことに対して,新聞,テレビなどマスコミが,それらの業者に対する処分をすぐやらなきゃいかぬというような論調があって,それらに対して,主務的な発注役所がやった行為として,指名をしない,指名回避という言葉ができてきた。これは,極めてあいまいな措置であります。  請負業者にとっては,指名から外れるということは,給料をもらえないことに匹敵するのです。就労できないということなのです。就労の機会を失うということなのです。  今,上田市長は法律家でありますから,弁護士さんですから,したがって,そういう観点から考えてみて,この制度というのは不公平な制度だと思います。したがって,速やかに調査をして,それに対する落ち度があれば,指名停止などの処分をするということについては,私は速やかにやるべきだと思います。その処分に基づいて科せられた刑が発効するのは,処分発令からなのです。その前の実質的な指名回避という形の処分というのは,法治国家において,ましてや役所がとるべき措置ではないと思いますので,私は前から言っておりましたけれども,法律家の市長が就任したということを契機に,これは即刻やめるべきだというふうに思いますがいかがか,お尋ねをいたします。  あと,まだ幾つかありますが,たくさんありますから,この辺でやめておきます。 ◎上田 市長  まず最初に,私が,仕事のやり方について改革をする,そういう検討をしたかどうかと,こういうふうなお話でございます。勤務時間,超勤時間等についても,削減するような方向性で議論をしたことがあるのかというお尋ねでございますので,その点について。  もちろん,私,問題意識としては,役所の仕事のやり方というものについて,どういうふうにすれば一番効率的なのかということについて議論をしましょうということは,スローガン的には申し上げてきているところであります。どうしたら効率的で,市民への行政サービスがきちっと行き渡るかと,公平に行政が執行できるかということは,常に課題として持っていなければならないことであるという認識はございます。  ただ,この1カ月の間に,そのことを中心にして,私が市の職員に対して,もちろん一番最初のごあいさつというところでは明らかにしたつもりでございますけれども,それで十分であるわけではございません。これからの課題といたしまして,私の意識だけではなくて,今,市役所改革推進室というものを設けて,そこで,どういう手はずをとってそのような意識の変革を求める手順を重ねていくかということは,これからやっていくということでございますので,私は,委員ご指摘のような問題意識のもとに徹底していくことをこれから努力していきたいと,このように考えております。  第2点目でございますが,これもやや似たご質問かというふうに思います。市役所職員の仕事のやり方について,どういう感想を持つかと,こういうことでございます。  感想は,さまざまあるわけであります。しっかり頑張っておられる役所の職員の方は,もちろんたくさんおられます。ただ,苦情もあるということも現実であります。  そして,ただいまご指摘ありました税務等についての過誤に基づく請求行為があったというようなことについては,それは事務の手続ミスということでありましょうから,完璧を期して行うのが当然のことでありますけれども,私自身も一市民として間違えられたこともございますし,不愉快に思うことは重々わかります。そんなことがないように,しっかり適正な処理をするように努力するということは当然のことであります。  一生懸命やっているという気持ちは皆さん持っておられると思いますけれども,より慎重に意識を立てていくというような努力をしていかなければならないということは,地下鉄あるいは交通局の事故というようなことも,他山の石というとらえ方をちゃんとして,自分たちの職場にもそういうことがあり得ないかということをチェックしていただくということを,これからやってまいりたいというふうに職員にも呼びかけていきたいと,このように考えております。  ただ,これは手前勝手かもわかりませんが,ある市民からお聞きしましたところによりますと,ある区役所の窓口に行った際に,お客さんというふうに呼ばれたと,それでびっくりしたという話をお聞きしました。市民が窓口に行って,ちょっと呼びとめられるときに,お客さんというふうに職員から呼びとめられることというのは,大変な変化であると。ちゃんとサービスを提供しているという意識を持っている職員の方が着実にふえているというようなことも,そういう方からお聞きしますと,これも変化としてあるのではないかと。私は,特にそういうことを申し上げたわけではありませんけれども,市役所の職員も努力をしているということを感じ取ったわけでございます。  3点目でございます。請負先が事故を起こして,それに対する指名停止に先立つ指名回避という措置が現実にあるというご指摘でございます。  もちろん,事故の真相究明,責任の究明ということの事実調査をしっかりやった上で,しかるべき指名停止というふうな処分をすることになるわけであります。調査期間が必要なことは,だれもがお認めになると思いますが,その期間は,これは微妙な問題でありますけれども,一応ミスがあるかどうかということの疑いをかけられている期間であります。刑事事件などに例えると問題があるかもわかりませんが,捜査で嫌疑を受けているといいますか,そういう期間でありますので,その間,積極的に指名をするということまでは,なかなかいかないのではないかという感想を持ちます。しかし,それがいかにも調査が長い期間にわたるということであれば,事実上の処分があったと同じことになる可能性がありますので,事故があった場合には,速やかに調査を完了し,処分を通告するべきであると,こういう認識でございます。 ◎小林 財政局理事  ご質問のございました事故についてでございますが,工事の開始に当たりまして,作業帯を広げる準備をしておりましたところ,通学中の高校生が作業帯に侵入しまして,工事用の排水ホースに乗り上げて,バランスを崩し転倒しまして,右手首を骨折したというものでございます。  本件の事故の原因は,まずは業者側の安全管理の不適切でございまして,市民に負傷を負わせたということでございますので,この場合は,本市の指名停止基準で,通常は1カ月から3カ月以内の指名停止を行うことというものでございます。しかしながら,本件の現場の状況から,被害者側にも前方注意義務を怠っていたという過失があると考えまして,指名停止措置要領の第2条というのがございまして,これを情状酌量しまして,指名停止の期間を当該短期の2分の1まで短縮することができるという規定でございますので,その規定を適用いたしまして,1カ月の2分の1の15日としたものでございます。  もう1点,お話のございました自転車の走行についてなのでございますが,本件の事故の発生に,自転車が歩道を走行したことについての原因としての因果関係は,濃くはないと判断したものでございます。つまり,通常,歩道を自転車が走行することが,一般的に事故発生の原因と認識されているかということでございますが,こうした因果関係は濃くはないと判断したものでございます。  ただ,しかし,市民に損害を与えるということは,私ども,最大限に未然に防止しなければならないところでございますので,契約担当部局として,この点について,今後,工事担当部局と協議してまいりたいと考えております。  それから,指名回避につきまして,先ほど市長からご答弁いたしましたが,ご質問のように,指名回避ということについて,あいまいな概念があるということでございますが,事故が起きた場合に,機械的に,自動的に指名を行わないとするような指名回避を行う考えはございません。
    ◆松浦忠 委員  まず,市長に申し上げておきますけれども,きょうは交通局の審議でありませんから詳しくは申し上げませんが,私は,きのう朝6時から6時50分まで,点呼の状況を見に,交通局のバスの東営業所に行ってきました。市長が訓示したその内容については,要約して掲示板に掲出しておりました。市長は,極めて適切なことを,短い言葉の中できちっと訓示しておりました。しかし,残念ながら,やられていることは,運輸局から指摘を受けた内容のことが全く守られていない。そして,そこには交通局の立会人も来ていました。きょうは交通局の問題の審議でありませんから詳しくは申し上げませんが,その実態だけは市長に申し上げておきます。  なぜ,私がこういうことを申し上げるかといったら,市長は,極めて善良な市民から市長になられたと思います。しかし,残念ながら,市役所の中,私は,44年とは言いません。桂さんの,共産党を除く,当時で言えば自民党,社会党,公明党,民社党という自社公民4党の体制のできる2年前,14年間の,いわゆる,このおりが,こういう形になって市役所全体を覆っているという,そのことを改めて市長に指摘して,それが何なのかを,みずからの目で,決算議会までにもう一度検証いただきたい。このことだけは市長に申し上げておきます。  そして,先ほどの工事の指名回避についてでありますけれども,市長は刑事事件のことを出されましたが,刑事事件と行政側の指名停止ということとは,わけが違います。一つは,現在,工事は進行中なのです。工事業者が事故を起こしたら,それは市長が先ほど言ったように,一たん工事をとめて,安全にきちっと工事が施工されているかどうかということを,発注官庁の発注担当も含めて点検する,これは当然必要なことであります。点検した結果,以降,安全に工事を施工できるということが確認できれば,再開を許可して,工事をまた進めていただくと。これでいいのです。  ところが,指名回避について言えば,今までは調査期間もばらばらでありました。したがって,極端に言えば,今ので言ったら,最短2分の1で15日の指名停止であります。調査に20日を要しました。そして,2分の1の15日の指名停止だといったら,例えば,回避のところからさかのぼることにしたとしても5日間オーバーするわけですよ。そういう問題があるから,だれが決めたわけでもなく,当時の建設省や運輸省あるいは大蔵省などが3省と言われて,主な公共事業をやっている3省協定なんて昔はよくありましたけれども,こういったところが決めたわけでもない,何でもない,あるとき,どこかで事故を起こしたところが,マスコミの激しい指弾に遭って,次からそういうことを措置しましたということを発表したのが始まりなのです。  したがって,私は,この点については何度か,本市においても改めるべきだということを言ってきましたけれども,いまだ改まっておりません。したがって,先ほどちょっと小林理事も触れておりましたけれども,市長,これは分けて,早急に事故の原因をきちっと調査して,そして,できるだけ早くに処分を発表する,これが,現行の日本の法解釈として正しいあり方なのです。  したがって,上田市長が当選して,そしてこれを議題に上げたきょう以降,札幌市として,指名回避はやめる。このことをぜひ明言していただきたい。  僕は,法律家でなければ,ここで求めません。札幌市の顧問弁護士とも相談したりして決めてくださいと言いますが,市長は,弁護士さんで,先生と言われて25年です。したがって,こういうことについては十分にこたえ得るだけの知識と能力,経験をお持ちの方ですから,このことにこたえていただくことを求めておきます。私の調べでは,市長は請負工事業者の顧問弁護士もされておりました。したがって,間違いなくこたえられる能力はあります。  それから,二つ目は,小林理事,先ほど答弁をされた中で,過失の話がありました。この高校生に過失があったと言う前に,道路交通法では,自転車は車道を通しなさいということになっているのですよ。では,あなたは,設計書の補足仕様指示事項のところに,車道を通すか,あるいは歩道を通すのなら歩道を通すと,そして,歩道を通すには,こういうような安全工事できちっと警察の許可をもらって歩道を通しなさいと,こういう指示をなぜ出していないのですか。今まで,札幌市が道路を掘削する,あるいは通行をとめてする工事の中で,私の調べた限りでは,歩道を通すための工事指示というのは一件もされておりません。したがって,今回の事故を契機にして,これもきちっと直す。そして,今回の場合に,私が調べた範囲では,下水道局の工事設計あるいは現場での監督・指示にやはり落ち度があったと言わざるを得ません。  もし,その当事者の過失ということを言うのだったら,今までに何件も死亡事故がありました。そうしたときに,死亡事故に対して過失相殺などという言葉を,私の知る限りでは聞いたことがありません。これもまた,死んだ人に対して過失相殺があったかといったら,行政側では判定のつけようがないのです。最終的な判定というのは,司法当局に裁判で判定を求める以外に方法はないのです。したがって,もしここに過失を認めるとしたら,札幌市が当該の自転車に乗っていた少年を警察に訴えて,そして,きちっと刑事事件として,道路交通法違反事件として裁判所に判断をゆだねて,過失割合がどうなのかという判断を求めて,初めて過失という言葉が出てくるのです。したがって,私は法的な,私が知る限りの,私が専門家に相談して聞いた限りの範囲では,どうも今言った答弁は成り立たないというふうに思うのですが,もう一度,その点についてお答えいただきたいと思います。 ◎上田 市長  指名回避の点につきまして,原則的にしないということについては,それは結構だというふうに思います。そして,おっしゃるように,私も先ほど申し上げましたけれども,事故原因について速やかに事実調査をして,そして処分をするなら処分をするというふうに図るべきであるということは,そのとおりでありますし,私もそのように執行していきたいというふうに考えております。 ◎小林 財政局理事  先ほど答弁いたしました趣旨は,事故が起きて,業者を措置する際に,どういう視点から整理をしたか,判断をしたかということでございます。  繰り返しになるところもございますが,自転車が歩道を走行するということと事故が発生したということの因果関係については,濃くはないであろうという判断をしたということでございます。  ただ,市民に損害を与えるということを最大限,未然に防がなければならないと考えておりますので,発注部局として,今後,工事担当部局と協議をしてまいりたいという考えでございます。 ◆松浦忠 委員  これは指摘だけにしておくけれども,因果関係で言えば,あそこは工事が始まってから,一番広いところで1メーター2センチ5ミリですよ,くの字に曲がったところ。そこをずっと誘導して,工事の始まりから自転車も通していたのです。たまたま朝の段取りのときに,そこが通れない状況だったから,高校生はそっちへ行ったのです。そういうような歩道を自転車で通るように,本件ばかりではなく,長い間,札幌市はそういうことをやっていたのです。私が警察と話をしたら,基本的には道路交通法は変わっていませんと言うのですよ。自転車は軽車両で,道路の一番左側を走ってくださいということなのです。交通量がふえて,実態としては危ないから,実際はみんな通っていることも,私はわかっています。それは,先般,市長の代表質問に対する答えでも,自転車の走行帯など含めて,早急に検討して整備を進めていきたいと言うから,私もそれは同感で,ぜひやっていただきたいと思っているのです。  したがって,役所の側の手抜かりということについて,認めるものはちゃんと認めて,余り認めたら,また処分しなければいかぬからと役所の人も思うのだろうけれども,そこを私は言いません,これについては,何もこれが初めてでないですから。以前からずっとやっていたから,そのことについては言わぬけれども,少なくとも役所の側で,工事設計の段階で,あの下り道だったら見張り員は150メーターないし200メーターに1人,それと,すぐそばに1人と,2人は要る。積算されていなければ,業者は人をつけるわけにいかないわけですよ。それから,現場で監督が指示したら,当然設計変更して,見張り員の積算増をしなければいかぬですよ。そういう指示がきちっとされていないという手抜かりがあったよということを指摘しておくので,今後,そういう現場の通行帯のあり方,特に自転車の,これを十分に道路交通法を守って行われるように,もし守れぬ場合には,警察からちゃんと許可をもらって,そしてその表示をして,適法に施工するようにきちっと取り組んでいただくことを求めて,終わります。 ○笹出昭夫 委員長  歳入のうち,一般財源等の質疑を終了いたします。  次に,議案第6号 札幌市税条例の一部を改正する条例案の質疑を行います。 ◆飯坂宗子 委員  私は,市税条例の一部を改正する条例案についてお尋ねをしたいと思います。これは,地方税法の一部改正に伴うものでありますが,その中で,配偶者特別控除上乗せ部分の廃止に関連して伺いたいと思います。  個人市民税について,現在は,給与収入,年収103万円未満の配偶者を対象に33万円の配偶者控除があります。さらに加えて,配偶者の給与に応じて,最低3万円から最高33万円まで,7段階の上乗せの特別控除が行われております。今回の条例改正は,05年度から,配偶者の控除のうち,上乗せして適用されている特別控除を廃止しようとするものであります。  そこで,端的に伺いますが,1点目は,本市の場合,上乗せ部分の廃止によって影響を受ける市民は何人ぐらいと想定しているのか,明らかにしていただきたいと思います。  2点目は,配偶者特別控除の上乗せ部分の廃止によって税収増になると思いますが,本市は,どの程度の税収増を見込んでいるのか,明らかにしていただきたいと思います。  まず,以上2点です。 ◎山本 税政部長  まず,今回の改正によります影響人員でございますけれども,対象者数は約22万7,000人程度でございます。  また,増収規模でございますけれども,金額で言いますと,約32億3,700万円程度でございます。 ◆飯坂宗子 委員  ただいまの部長ご答弁では,22万7,000人余りの市民が影響を受けると,そして,32億3,700万円ですか,税収増を見込んでいるということでした。つまり,32億円余りが新たに市民負担増になるということですよね。  そこで,お尋ねしますが,大変長引く不況で市民の暮らしが深刻になっている今日,配偶者控除の上乗せ部分の廃止で,05年度から,さらに32億 3,700万円程度負担増になるということに対してどう認識しているのか,伺いたいと思います。つまり,札幌市にとっては税収がふえるのだから,いいことなのだというふうにご認識されるのか,市民生活に影響を与えるけれども,国が変えた法律に基づく条例改正なので,やむを得ないというふうに考えるのか,その辺の認識について伺いたいと思います。 ◎山本 税政部長  ただいまの市民生活に与える影響でございます。  今回の配偶者特別控除につきましては,昭和62年の税制改正の際に,主に専業主婦世帯を念頭に置きまして,納税者本人の所得に対する配偶者の貢献というものを配慮いたしまして,税負担の調整を図る観点から創設されたものでございます。しかし,その後の経済社会情勢の変化によりまして,共働きの世帯数が専業主婦世帯数を上回るようになってございまして,また,女性の就業状況にも,世帯主の補助的な就労から本格的な就労への移行傾向が見られる状況になっているところでございます。こうした背景の中で,個人所得課税については,広く,公平に負担を分かち合うとの基本的な観点から,今回,控除の見直しが図られたところでございます。  配偶者控除の上乗せ部分につきましては,納税者本人や他の扶養親族に対する配慮と比べまして,配偶者に二重に配慮を行う結果となっている。こういうことから,今回の税制改正において廃止されたものと認識しておりますので,ご理解をいただきたいと思います。 ◆飯坂宗子 委員  22万人ということで,本市で言うと,世帯数で82万世帯ぐらいですか。ですから,配偶者控除ということで,世帯で見ますと4分の1強の方が影響を受けるというふうになろうかと思います。  部長のご答弁では段々の経過があってということなのですが,しかし,直接的には,特別控除が廃止されることによって市民生活が直撃を受けるわけですね。現実問題として,32億円ということで。ですから,私どもとしては,こういう中での市民の負担増というのはいかがなものかなということで,立場をというか,見解を述べまして,この質問を終わらせていただきます。 ○笹出昭夫 委員長  これで,議案第6号の質疑を終了いたします。  ここで,説明員交代のため,委員会を休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後2時5分       再 開 午後2時8分     ────────────── ○笹出昭夫 委員長  それでは,委員会を再開いたします。  次に,第2款 総務費 第1項 総務管理費中総務局関係分の質疑を行います。 ◆小田信孝 委員  私から,1問だけ,簡潔に質問いたしますので,ひとつ真剣な取り組みの決意のほどをお伺いしたいと思います。  今回の主な補正予算の項目の中に,市役所改革諮問委員会運営費として200万円が計上されました。従来からも,行財政改革についてはきちっとやって,それなりの成果を上げてきたと思いますけれども,今回の改革諮問委員会につきましては,説明にありますように,公募による市民委員を中心とした市役所改革諮問委員会を設置して,市民の視点で市役所を改革しますよと,ここがすばらしいと思うのであります。  そこで,私は,この質問については,この後何人かの方が質問を希望されているようですけれども,最初にご指名いただきましたので,改革の中身につきましてはこれから検討されて,いろいろな検討の柱が立ってくると思いますが,きちっと意見を集約して改革していくということで,どのような改革の柱を考えておられるか,現時点で考えておられることをまずお示しいただきたいと思います。  行財政改革,これは待ったなしです。全国の,国会であろうが,都道府県であろうが,市町村であろうが,改革は断行しなければならない時代であります。そこで,市長さんもかわったことでございますから,ここは,今までにない厳しい改革案をまとめ,そして,それに果敢に挑戦していく,これが非常に大事なことだと思います。市役所改革推進室の初代室長でありますから,大いに期待したいと思いますけれども,ぜひ,今考えていることをまずお示しいただきたいと思います。 ◎深谷 市役所改革推進室長  私が改革推進室長という重い辞令をいただきまして,3週間経過いたしました。この3週間の間に大勢の市民の方とお会いし,たくさんのお話を伺うことができました。その中で感じましたことは,市役所改革に対する市民の期待が大変大きいというものであります。  私は,多くの市の職員というのは,市民のため,そして札幌市のために大変頑張っているというふうに感じております。しかし,また一方で,その一生懸命やっている努力がなかなか外に伝わらないと,表にあらわれないというもどかしさも感じております。この理由はいろいろと考えられるところでありますけれども,市民に身近で信頼される市役所であるためには,やはり職員の意識改革というものが必要であろうと思います。  現在,国会におきましては,地方分権あるいは三位一体の改革というものが論議されております。このことは,札幌市におきましても大変大きな影響が予想されております。これからの厳しい財政運営を進めていく上で,各自治体の力量が試され,創意工夫が求められている,こういう時代の大きな転換期であればなおさらのこと,市民と市の職員がともに考え,ともに行動していくということが大変大事になってくるだろうというふうに感じているところであります。  そのために,職員一人一人が情熱を持って仕事に取り組み,市民指向,そして生活指向で市民の負託にこたえるということが肝要であります。そのために,元気ビジョンの中でうたわれております「市民のために!挑戦する市役所」,こういうスローガンのもとに,職員一丸となって取り組む先導役に,市役所改革推進室は全力を傾注して努力してまいりたいと,このように決意しているところであります。 ◆小田信孝 委員  今,室長さんがお答えになったのは,第2回定例会の市長提案説明の中に触れられている文言がそのまま出てきて終わっているのですよ,答弁としてはですね。  それで,私は,改革の方策については,これから,公募した市民委員からいろいろ聞きながらやりますよということですから,現時点では,どのような改革の柱を立てて,どうやっていくかということはまだまとまっていないと思います。ただ,今考えておられることで,大体このようなことになるのかなというようなことがあれば,お示しいただきたいのです。  今の室長さんの答弁は,市長さんの施政方針演説そのままなのですよ。私が市長に就任してから1カ月がたちました。わずかな期間でありますが,一生懸命頑張っている職員が実はたくさんいるということに気づきましたと。問題は,その努力が市民にきちっと伝わっているかどうかということで,ずっとこれは,今,室長さんがおっしゃったことと,市長さんが施政方針演説で言っていることと同じなのです。  それで,このスローガンもわかっております。ただ,市長さんはこういうふうに言っています。「市民のために!挑戦する市役所」というスローガンで職員みんながしっかりと行動すれば,市役所改革という山登りは8合目まで到達したと言っても過言ではないと思いますと,このように断言されています。  室長さんが答えにくいのであれば,局長さんでも助役さんでも結構ですけれども,この改革の柱を大体どういう方向で考えているかということを,ある程度,きょうのこの場で話ができるのであれば,お示しいただきたいのであります。 ◎深谷 市役所改革推進室長  今,小田委員からお話がありましたように,まずこれから,公募の市民委員を中心とした仮称市役所改革諮問委員会というものを立ち上げまして,その中で幅広い意見をいただき,私どもができることから順次取り組んでいこうと,このように考えております。  また,諮問委員会以外の部分でも,市独自に取り組むことにつきましては,逐次取り組んでいきたいというふうに思っております。  現在考えておりますのは,例えば,市長が地区に出かけていって,一応タウントークという名前をつけておりますが,9月ごろから,逐次,各区で実施していきたい。それから,市民の意見を幅広く取り入れるために,例えば市長のホームページを使って意見を集約できないかとか,そういった細かい取り組みにつきましては,今現在,鋭意検討中でございます。 ◆小田信孝 委員  わかりました。  きょう,これ以上質問を継続しても,これからのことで,柱は出てこないようですからやめますけれども,私は,ぜひこの視点を絶対に欠かさずに,きちっとやっていただきたいということが一つあります。いろいろありますけれども,一番大事なことは,市の職員が市民とともに考え,市民とともに悩み,市民とともに行動する。このことによって,窓口の対応が変わり,サービスが向上する。地域の課題を共有し,相互の理解が深まる。あるいは,さまざまな場面で対話が深まり,信頼関係を築けてこそ,市役所改革が達成されると。この認識は,この議会も行政側の皆さんも全く同じであるというふうに思います。  私は,特に職員の皆さんの意識改革というものを強調したいのであります。機構改革とか定数見直しとか,いろんなことをこれからやるのでしょうけれども,大きくは,職員の皆さんの意識改革をぜひきちっと実りあるものにしていただきたい。  なぜこういうことを言うかといいますと,私の手元に苦情が来ております。どういう苦情かといいますと,特に弱者の方,身障者の方であるとか,あるいはいろんなハンディを持っておられて,一番身近な区役所に足を運びます。そのときの職員の態度。先ほど言いましたように,ほとんどの方はまじめに働いて,まじめに対応しているのですが,一部の方に非常にまずいなと思われるような態度があれば,10人中9人がまじめにやっていても,1人がふまじめであれば,非常に大きな不満となってはね返ってきます。ですから,この点については,特に職員研修などを充実していただいて,今後,頑張っていただきたいのですけれども,特に弱者対策は,きちっと話を聞いてあげて,相談に乗ってあげて,どうすればいいかということを真摯な態度で対応していただきたい。  どんなことに怒っているかということを申し上げますと,いすの上にあぐらをかいて,ふんぞり返り,見下した言い方をしたり,とてもでないけれども,聞いていられないような言葉を吐く,暴言を吐く。こういう職員の方がいまして,どこのだれとはきょうは申し上げませんけれども,こういう職員がやっぱりいるわけです。これは,ただの感情論で言っているのではなくて,いろんな機関の方が感じているので言っているわけです。  例えば,病院関係のソーシャルワーカーの方が,たまたま患者さんかだれかのことで相談に行ったのだけれども,けんもほろろ。こういういろんなことがありまして,ほかの医療機関からも非常に強い怒りと不満を抱いております。この人も,中には対応が誠実な方もいらっしゃるのですがと言っていますよ。言っていますけれども,こういうことをきちっと改善しないといけませんねと,何とかしてください,こういう市民相談であります。  私は,今回,大変いい機会でございますので,公募による市民委員を中心とした市役所改革の中で,こういう職員に対するいろんな不満あるいはご意見を今まで以上に真摯に受けとめて,まず市役所改革,そしてまた区役所改革,職員の意識改革,こういうものをきちっと進めていただきますように,そして,改革案がまとまりましたら,できるだけ早く議会の方にもお示しいただきたいと思います。  以上,要望して,終わります。 ◆高橋克朋 委員  今,小田委員からもお話がありましたが,私もそれに関連して,市役所改革について数点お伺いをしたいと思います。  改革というのは大変いい言葉でもありますし,私どもの小泉総裁も,構造改革なくして景気回復なしと,こう言っておりますけれども,最近,景気回復なくして構造改革はできないというようなことを言う人もいますが,そういう意味では,小田委員が言われたように,ぜひ改革というのを進めていただきたいと思っているのです。  それで,7月4日付で総務局長から,市役所改革推進室の新設に伴う機構改革ということで通知がなされております。私もいただいたのですが,その内容だけでは,実際に推進室というのはどのような業務を担っていくのか,具体的にわからない部分がありますので,改めてお伺いをしておきたいと思います。  さらに,推進室が総括的役割というふうになっていると思いますけれども,実際に,幾ら推進室が頑張っても頑張っても,担当部局だとか事業部局がそれに賛同していかなければなかなかできない,こういうふうに思っているのですよ。  そこで,事業部局との役割分担はどういう形になっていくのか,お伺いをしておきたいと思います。  さらに,従来,我が党も行政改革を推進しておりますから,そういう意味では,役所側としても改革を進めてきたという経緯があるかと思いますが,その流れは一体どうなっていくのか。さらに,今後の改革の進め方はどう違うのか,お伺いをしておきたいと思います。  もう1点,4点目。今,小田委員から柱がなければという話がございました。そこで,私としては,改革を進める部分において,柱と同じようなものかもしれませんが,何を優先課題として取り組もうとされているのか。まずは,この4点お伺いをしておきたいと思います。 ◎若林 改革担当部長  改革推進室の役割について,数点ご質問いただきました。  ただいま,ご質問の中にもありましたとおり,改革推進室は,市役所の改革を推進するための中核組織ということで,去る7月7日付で総務局内に設置をされたところでございます。  この組織の担うべき役割あるいは業務内容についてでございますけれども,まずは,その名前のとおり,市役所改革を進めていくための統括的役割というものがございまして,これは,改革に向けて市長などによるトップダウンと各局からのボトムアップを有機的につなぎ,より大胆で実効性のある取り組みの推進役を担っていくということであります。  もう一つは,市長公約などを踏まえて,市政全体の経営方針を調整していくという役割でございます。これは,お金や人など,限られた行政資源を効果的に活用するために,どういう分野をどのように重点化していけばいいのか,市長などのトップの考え方も踏まえながら,整理,調整していくということでございます。  これらの市役所改革と経営方針の問題は,いずれも表裏一体の関係にあります。したがいまして,具体的には,市長,助役等で構成する経営改革会議で協議,決定の上,進めてまいりますけれども,市役所改革推進室はその事務局として,その動きを補佐していくということになります。  それから,次に,他の事業部局との役割分担についてでございますけれども,強力かつ迅速な市役所改革を実現するためには,それぞれの局・区が,まずこれに主体的かつ積極的に取り組むということが必要かと思います。改革推進室は,これに対して,市長,助役などトップと各局との橋渡し,あるいはさまざまな環境整備などで,あるときは調整役として,あるときは推進役として,全庁一丸となってこれを推進していくためのまとめ役という役割というふうに認識をしております。  それから,今までの改革の流れとの関連でございますけれども,本市では,昨年,新たな都市経営の取り組み,いわゆる「wave!プログラム」というものをスタートさせております。これは,協働都市を目指す,あるいは市役所を変えるという二つの宣言をして,市役所改革に向けて取り組んできたわけですけれども,こうした流れは,今回,上田市長が元気ビジョンの中で打ち出しました市役所改革の方向とほぼ一致しているというふうに理解をしております。  ただ,もし今後の進め方で従来と変わる部分があるとすれば,それは,やはり市民にさらにわかりやすい形で,あるいは,さらにスピードアップした形でということになろうかと思いますが,いずれにしても,今後は,従来の「wave!」の動きを今後の市役所改革の動きの中で一体化しながら,より具体的かつ強力に,なおかつ迅速に,市民にわかりやすい形で進めていきたいというふうに思います。  それから,4点目の市役所改革の優先課題についてでありますけれども,改革のためには,人づくり,組織づくり,システムづくりなど,いろいろな課題がありますが,改革推進室としては,まず,仮称ではありますが,先ほどお話もございました市役所改革諮問委員会をできるだけ早く立ち上げて,その委員会も踏まえながら,市民の視点に立った市役所改革を進めていきたいと,このように思っております。 ◆高橋克朋 委員  今,それぞれ答弁がありました。改革を継続しながら,これからも実行していくということでありますが,今回の補正予算の中に,先ほど来,話が出ております諮問委員会運営費ということで,200万円出ております。上田市長がよく言われますが,市民の視点とか,市民の意見を聞いてと,こういうことになろうと思いますが,この委員会は,実際にどういった中身になって,構成等はどういうふうになっていくのか。まだこの時点では,私どもにはまるっきりわからないわけですから,そういった構成についてお伺いをしておきたいと思います。さらに,今後,その委員会の日程はどういう形を考えていくのか。これが,また1年も2年も3年もかかるようだと,市長の言うスピードということにはならないわけですから,どんどん推進していかなければならないと思っておりますので,日程についてお伺いをしておきたいと思います。  さらに,公募ということでございますから,公募の方法というのでしょうか,どういった形で市民の皆さんを公募して,諮問委員会というのをスタートさせていくのか,この3点お伺いをしておきたいと思います。 ◎若林 改革担当部長  仮称ですけれども,市役所改革諮問委員会についてのお尋ねでございます。  これは,市民の視点に立った市役所改革をしっかりと,しかもスピードをもって推進していくと,そのための第三者機関というような位置づけというふうに考えております。  委員の構成につきましては,現在のところの想定ではありますが,総数を10から15名程度とし,市民の視点,生活感覚を改革に反映するためにも,公募委員を主体とする構成としたいというふうに考えております。ただ,市役所改革にも専門的な見地からの検討の必要もありますので,有識者の方々にもこの中に参加をいただきたいと思っております。  また,選考に当たりましては,一般市民と有識者の方々のバランス,あるいは性別,年齢,活動分野などの構成にも配慮が必要だというふうに思っております。  日程についてですが,この組織については,この秋をめどに立ち上げを行って,この議論の中から実践できるものはスピーディーに実施をしていくという基本的な姿勢で臨みたいと思っております。  それから,公募委員の公募方法でございますけれども,一般の市民の方を対象に,広報さっぽろ9月号に募集のお知らせを掲載するという予定でおりますが,このほか,市のホームページ等を大いに活用しながら,幅広く募集をしていきたいというふうに思っております。 ◆高橋克朋 委員  諮問委員会の中身の構成というのは,大体わかってまいりました。  改革ですから,今のままでいいとは,だれも思っていないと思うのですよ。もちろん,上田市長も先ほど言われたように,「市民のために!挑戦する市役所」ということで,スローガンを挙げてやってきたわけですから,だれも,今のままでいいというふうに認識していないから改革するわけですから,そういったことも理事者の皆さんに理解をしていただいて,行政改革を含めて,市民の意見を十分に聞いて改革を進めていただきたいと思います。  この委員会の中身でも,情報公開をどんどんどんどんしていただいてやらなければ,委員の人たちもわからない部分もあろうかと思いますので,そういった公開もしていただいて,この委員会でいろんな議論ができるようにしていただきたいと,このように要望して,終わります。 ◎田中 助役  ご要望でございますけれども,先ほどの小田委員のことも含めまして,若干発言をさせてください。  7月7日に助役に就任いたしまして,月日が流れました。大変短い期間でございますけれども,この議会に向けて,市長とさまざまな議論をさせていただきました。そういう面では,補正予算の内容も含めて,市長の姿勢が果たして全部出たかといいますと,それは,時間的な余裕がない中で,完全とは言い切れない。若干制約のある中で,ある程度の方向性を市長は見せたと思います。  そういう中で,市長が一番問題にしておりますのは,改革という言葉でございますけれども,大変使いやすい言葉ではありますが,これが全く難しい,大変な事態でございます。先ほどありましたように,職員の意識改革ということが大前提にあって,初めてできるものでございまして,先ほど例示でございました,いわゆるふんぞり返って大変聞きにくい言葉を吐くというような,そういう職員がいること自体,我々は大変な恥としなければなりません。そういう面では,職員が一丸となって,新たな体制で,内部にこの改革推進室を設けました。そして,我々のやっていることが果たして本当に,市長は「あたりまえ宣言」と言っておりましたけれども,当たり前に市民の皆さんに通用するのかと。そのことを第三者に見ていただいて,評価していただいて,きちっと指摘をしていただく,そういう機関ということで,第三者の諮問委員会などを設けて,きちっとこたえられるような対応を我々がしていくと。二者が相まって市役所の改革をしていく。結果的には,市民が市政の主体であるということを,我々がきちっと意識の中に置いて,市民とともに新しい市政に向かっていくということでのスタートでございます。  小田委員からは,具体的な今後の改革のプログラムということでお示ししていただきたいということでございますけれども,当然,我々は今まで行政改革,「wave!」をやってきました。それを踏まえつつ,なおグレードアップして,我々の試案をつくって,第三者の諮問委員会の方にお見せして,それを問うていくと。それは,今,高橋委員の質問にございましたとおり,きちっと市民の方におこたえし,そしてまた,多くの市民からもご意見をいただくと。そんなことをやりとりしながら,迅速に改革の方向性をまとめ上げ,それが実行されて,きちっと市民に評価されるような対応に努めていきたいと,そういう決意でおります。 ◆恩村一郎 委員  私の方から,国際部所管の事項について1点,お伺いしたいというふうに思います。  国際部の方では,観光振興の観点から,これまでもミュンヘン・クリスマス市  in Sapporoですとか,さまざまな事業を展開されてきております。私も,これまでの4年間の議員生活の中で,何度か,そういった関連のことを質問させていただきましたけれども,端的に言いまして,今回,新規事業として計上されております東アジア都市間文化交流事業の具体的な中身と,その目的とするところは何であるのか。また,今回の事業を計画するに至った取っかかりといったものは何だったのか。通常,一つの事業を計画して,実行に移す場合というのは,それなりの事業としての採算性といいますか,そういったものを当然考えるわけなのですが,そのような観点から,まず1点お伺いしたいと思います。  それと,もう1点,実は,所管は経済局の方になろうかと思いますけれども,北京に開設されます駐在員事務所との関連性といいますか,連携はどのようにとられるのか,その点についてもお伺いしたいと思います。 ◎中田 国際部長  今,ご質問のありました東アジア都市間文化交流事業につきまして,お答えをさせていただきます。  まず,この事業のきっかけと申しましょうか,取っかかりというご質問がございました。この件につきましては,ご承知のとおり,今日,政治や経済などさまざまな面におきまして,アジア地域,特に中国,韓国などの東アジア地域の重要性が非常に増しているところでございます。
     また,一方,こうした中で,本市といたしましても,昨年策定いたしました札幌市国際化推進プランにおきまして,私どもがこれまで北方都市市長会等で培ってまいりました交流実績あるいはノウハウを生かしながら,中国,韓国を初めとする東アジアにおける新たな都市ネットワークの構築を積極的に進めるべきであるとしております。  そうしたことから,この東アジア都市間文化交流事業につきましては,そのような方向性を踏まえまして,東アジア地域の都市との文化交流を積極的に進めていこうとする事業でございます。  具体的な事業といたしましては,北方都市市長会の会員都市であります中国の長春市がございますが,長春市につきましては,中国最大の映画撮影所がございます。また,2年に1度,隔年でございますが,長春国際映画祭を実施している都市でございます。そういったことから,私どもといたしまして,映画の街として知られております長春市から,映画監督あるいはカメラマンといった映画関係者を招聘いたしまして,それらの方々による講演会,さらには映画の上映会等を行うほか,また,本市の魅力的な撮影スポットの紹介をそれらの方々に対して行うなど,札幌市内の映画関係者との交流等もさらにあわせて実施をしたいと,このように考えておりまして,今後,長春市側と積極的に検討,協議を進めてまいりたいと思っております。  また,最終的なこの事業の目的は何かというご質問でございますが,私どもといたしましては,今まで進めてまいりました北方都市市長会のネットワーク,さらに姉妹・友好都市交流,これらの交流のノウハウを生かしながら,中国,韓国など東アジア地域と北方圏の諸都市との交流の拠点都市を札幌市としては目指していきたいと,このように考えておりますし,また,札幌市には交流の拠点都市になり得る可能性,潜在力があると,このように思っております。そうした意味で,この事業の実施によりまして東アジアとの都市ネットワークの充実につながっていくと,このように考えております。  また,あわせまして,私どもの最終的な目的になるかとも思いますが,長春市の映画関係者に対しましては,撮影した札幌の映像等を,長春市を初めとした中国国内の映画関係者あるいは映画ファンにできる限り紹介をしていただきたいと,このような希望も持っております。  そういうことを考え合わせますと,現在,札幌市が全庁的に取り組んでおりますシティPRあるいはフィルム・コミッション等における人的ネットワークの構築にもつながっていく事業であると,このように思っておりますし,また,表現をかえましたら,海外におけるシティPR事業につながるということも思っております。  それから,北京事務所との関係についてはいかにということでございます。  中国の駐在員事務所につきましては,経済局所管でございます。観光客誘致のためのPR事業,あるいは市内企業の対中国ビジネス支援のための情報収集等を目的に,10月ごろをめどに開設したいということで認識しております。したがいまして,札幌市の事務所の開設時期,あるいは東アジアのこの事業が長春市との映画交流事業であることなどを考えますと,今年度における連携につきましては,なかなか難しい面があろうかと思います。しかしながら,この事業の目指すところは,シティPR,また,私ども国際部が持っております人的ネットワーク,あるいはこの事業を通しまして得られる人的ネットワークも含めまして,関係部局への移転ということも含まれておりますので,今後,北京事務所も含めまして,オール札幌として情報の共有化ができるべく,できる限りの連携を図ってまいりたいと,このように思っております。 ◆恩村一郎 委員  今,お話を伺いまして,ある程度の状況といいますか,概要が見えてきたなという感じがするのですが,今回,事業展開されていく中で,基本的に,どのくらいの期間を一つの目標とされているのかなということを,まず1点お伺いしたい。  確かに,目のつけどころはいいと思うのですね。今,札幌はフィルム・コミッションを進めようとしている。そういう中で,東アジアにおける中国映画ですとか,韓国の映画ですとか,今,非常に話題性の高いものをたくさんつくっていらっしゃいます。それこそ,作品的にも非常にすぐれた作品というのが出てきています。そういった部分での交流を深めていく。日本における札幌が,その中で一つの中心的な役割をもし担っていけるのであれば,大変結構なことですし,札幌の観光という部分で,北海道に来られて,観光でいろいろ撮影等になっても,ともすれば札幌以外のところでの撮影が非常に多いというのが現実だと思いますので,そんな意味では,札幌がもっと注目されるようになっていただければ大変ありがたいなと思うのです。  それと同時に,交流をする場合に,まさに空の便の確保といいますか,足の確保ですとか,そういった問題というのは,これから先,大きな問題になってくるのかなと思うのですね。今,航空各社は非常に景気が悪いという中で,直行便やなんかの廃止とか,休止とか,そういったものも随分言われております。そんな中で,こういう事業を展開していくというのは,なかなか大変な部分があるのかなと思うのです。  とりあえず,オール札幌ということでやっていきたいということなので,私もぜひ応援したいなと思うのですが,先ほど申し上げました1点,事業の展開の期間といいますか,大体どのくらいのものをめどとしてやっていかれようとしているのか,その点について,1点お伺いさせてください。 ◎中田 国際部長  この事業につきましては,映画産業,しかも中国に対して,少しでも札幌市の知名度向上をねらいとするという側面もございます。したがいまして,短期的に効果を得ることは難しいと思われますので,当面,3年程度をめどに,長春との映画交流の事業を継続していきたいと思っております。  ただ,それは一つの,映画という切り口でございます。中長期的には,冒頭申し上げました東アジア地域とのネットワークの強化・充実を進めていくという観点から,芸術・文化あるいはスポーツ,あるいは生活環境など,さまざまな切り口があろうかと思いますが,私どもがネットワークを広げていく中で,東アジアにおけるそれぞれの都市文化には特徴がございます。それぞれの特徴や文化を配慮しながら,交流推進の先導的な役割を担っていきたいものだと,このように思っております。 ◆恩村一郎 委員  そういった意味では,まさに継続は力なりだと思います。市長も,盛んに芸術・文化の振興ということで,力を入れていらっしゃいます。私は,文化という部分で日本全体を見ると,札幌はまだまだ低いかなと,そんな意識を持っておりますので,ぜひとも事業の展開に向けてしっかりと頑張っていただきたい。エールを送って,終わります。 ◆松浦忠 委員  私の方から,数点お伺いします。  一つは,総務費の中で,航空機内誌利用広報事業費360万円というものが掲載をされております。これについて,どういうことをするのかということでお伺いをしましたら,例えば,日本航空が発行して,日本航空の航空機に積んでいるwindsという機内誌があります。この機内誌に,札幌市の広告を1ページ載せると,それが200万円だと言うのです。それらだという話なのです。  これは日航が飛んでいる全路線に積んであるのですが,機内誌を見ましたら,とりたてて,この広告を見て,札幌に観光に行こうかというようなことが書かれている雑誌ではありません。広告の内容などを見ますと,これは単にPMFがありますよ,雪まつりがありますよ,ドームがありますよ,音楽ホールがありますよ,そしてYOSAKOIがありますよという,写真の下にちょっとそういったことを紹介している文章なのですね。  今,これを見て,本当に札幌に旅行客が来るのかといったら,私は,これでは,来る人はそういないのでないかと思います。これらは旅行会社が団体募集などのいろんなプランの中に,北海道,札幌を中心として,いろんなコース紹介の中で,このコースですよとか,それぞれ一生懸命宣伝しております。私は,なぜこういうところにこういう広告費を出すのかなと。私は,もし200万円の金を使うとすれば,むしろ旅行に来る人がどういう本を見てくるのかなと思って,よく行ったり来たりする人に聞いてみました。  そうしたら,例えば旅行誌の「じゃらん」だとか,旅行を扱っている専門誌を買って,その中で紹介されている,ここへ行ってみたいなというところが入っているプランのあるツアーに結構応募してくると,こういうことをよく聞きます。それから,私の近所の方も,結構旅行に行きます。どういうことで旅行に行くのと言ったら,今みたいな話が結構多いのですね。  したがって,私は,予算の組み立て,執行というものに当たって,この広告を載せるのなら,なぜ載せたかということが説明できる予算編成であってほしいと思うのです。その説明できるという根拠は何かといったら,例えば日航に頼んで,日航機から千歳におりてきた北海道旅行をする方について,あなたは何の機会で札幌方面に旅行に来ましたかというアンケートをして,日航のこれを見て来たという人が何ぼかいたと,これは効果があるぞということなら,私は,載せるに値するだろうと。しかし,私らが一般的に考えても,これではどうも余り値しないのでないかと。これが一つであります。  それから,二つ目は,首都圏でのシティPRで1,330万円予算を組んでおります。これによりますと,いわゆる観光客,コンベンションなどの誘致,都市のイメージアップを図るため,イベントや地下鉄全車両貸し切り広告など,首都圏でのシティPRを実施するということなのであります。私は,これもやっぱり同じことだと思うのですね。したがって,そういうようなことで,大手の旅行会社はいろんな方法で取り組んでいると。  では,東京という,首都圏という大きな人口のマーケットで,どういうところに目をつけるのか。旅行会社も中小まででなくて,むしろ零細・微細の旅行会社を集めて説明会をやって,札幌を中心にして,例えば旅行会社は日本航空,2泊3日で1人このぐらいのお金で来られますよ,そして,こことこことこういうプランがあって,何回来れば,大体周辺全部を見られますよとか,そういうようなプランを皆さんが立てて,そして,東京事務所がそういうところを訪ねて,集まってもらって説明会をする。こういうようなことに,そのお金が使われていく。そのためのパンフレットをつくって,お渡しする。こういうことならば,私は効果のある方法だと思うのです。  しかし,今まで,皆さん方の予算の編成,それから予算の執行というのは,今ここに私が指摘したようなこういう提示の方法で,今までずっとやってきているのです。  先般,我が会派の堀川議員が,前の桂市長が組んだ骨格予算と,そして組んでおきながら実際にはちょっと横に置いておいたものを補正に組み入れて,市長が新しく組んだのは一体何ほどあるのだという質問をしましたけれども,市長は明確に答えませんでした。  私は,一つ二つ言うと,こういうことは上田市長の考えではないと思っているのです。したがって,これは組んで提案しているから,私は,今さらやめれとは言いません。しかし,この執行に当たって,ここに書かれているようなことばかりでなくて,私が今指摘したようなことを,来年の決算議会のときには,この補正予算で組まれた内容が指摘を受けてどうだったと聞かれて,きちっと答えられて,そして,これだけの効果が上がったという,そういうような使われ方でなければならぬと思うのです。そういうことを我が会派は,この間,本会議で,市長に質問をしているのです。  したがって,私は,田中助役以下に求めたいのは,この予算編成について,時間がなかったからこの内容でやったということは,それはそれでしようがないとしても,これからのところできちっと効果が上がるような,今までと違う予算の執行を求めたいと思うのですが,田中助役,どう考えますか。助役,一発答弁。 ◎田中 助役  先ほどもご答弁申し上げましたが,時間的な制約の中で,上田市長との議論の中のものがすべて通ったということになっていないと,それは認識してございます。  今後でございますけれども,市長が言われています市民主体の市政,そのためには,各事業がございますが,それを検証しつつ,事業成果が必ず上がるものを厳選してやっていきたいと思っております。 ◎梶原 広報部長  松浦委員の質問の中の前半の部分,航空機内誌におけるシティPRについてお答えさせていただきます。  順番がちょっと逆になるかと思いますが,まず最初に,機内誌のシティPRに関する事業の効果,それから効果的なPRのためのアンケートをしなさいという点,それからPRのためのパンフレットなんかを機内誌に載せたらどうかということ,それから「じゃらん」という話も出ましたけれども,旅行雑誌等を利用したシティPR,最後に,昨年の雪まつりあるいはYOSAKOIではなくて,もっと違うイベントのPRをしたらどうかという点についてお答えさせていただきます。  まず,事業の効果といいますか,意義についてでございますが,今日のように都市間競争が厳しい中,札幌市に集客を図っていくためには,あらゆる機会を通じて,国内外の方々に札幌の魅力を紹介し,そして札幌のイメージアップを図っていくことが必要だと認識しております。  今,お話のありました航空機内誌を活用したシティPRの効果についてでございますが,航空機内誌は,観光客やビジネスマンを初め,幅広い各層の多くの方々を読者としており,しかも,航空会社のほぼすべての路線の航空機に最低1カ月は常備されていることから,私どもといたしましては,PR効果の高い広報媒体であり,また,他の媒体に比べても安い経費で全国的に本市のイメージアップを図る媒体というふうに思っております。お話はよくわかりますけれども,そういうことから,一応,意義については,松浦委員にもぜひお認めいただきたいというふうに思います。  それから,次に,より効果的なPRを行うためのアンケートの実施についてでありますが,本年2月のさっぽろ雪まつり期間中に,市内の主要観光施設の来場者を対象に,来札観光客の満足度調査を行いました。この中で,委員からもお話がございました札幌を選んだ直接のきっかけは何かという質問に対して,複数回答でございますが,旅行雑誌,ガイドブックが31%でございます。そのほかが29%。友人・知人からの口コミというのが22.5%でございます。直接,機内誌を見てという質問はございませんけれども,間接的に言えば,これらの回答の一要素となっていると思います。  アンケートについては,具体的に航空機内誌を見てというご指摘がございました。アンケートをとるということは,どういうPR方法がより効果的であるかを知る手がかりとなると思いますので,アンケートについては検討してまいりたいというふうに思います。  それから,本市のPRパンフレットの航空機への搭載でございます。パンフレットを航空機の中に搭載することにつきましては,発着の間の時間が短く,パンフレットの整理に要する手間が煩雑ということもあって,現在,航空会社では行っておりません。  最後に,旅行雑誌等を活用したシティPR,私も今「じゃらん」を買ってまいりましたけれども,旅行雑誌そのものは,主に特定の場所や特定の店に限った案内を掲載しており,個々人の観光客に来ていただくことを目的としているようでございます。しかし,街の魅力をより具体的に伝えていくという点でも,より有効な媒体の一つと考えておりますので,今後,どのように活用できるか,考えさせていただきたいと思っております。  それから,最後になりますが,航空機内誌に掲載する広告の題材でございます。委員のお話がありましたwindsでございますが,ここにありますように,ご指摘のとおりでございます。  これは,たまたま昨年がワールドカップを開催した年ということもございまして,若干,私どもが欲張っていろんなイベントを入れたという傾向にございましたけれども,今までも,その時々の状況によって選定したわけですが,昨年はそうい状況でございました。今後も,大規模な施設やイベントなど,新たに札幌の魅力に加わった題材を中心に,時宜に応じて,広報効果の高いものを選定してまいりたいと思います。 ◎樺沢 東京事務所長  ただいま,首都圏におけるシティPRについてのご質問でございますが,PRにつきましては,媒体広告のほか,いろいろな手法を活用して多面的に行う必要があると考えております。企業やコンベンションの誘致,あるいは観光客の誘致に関しましても,何年にもわたる地道な活動の結果,徐々に成果があらわれてくると考えております。  今後とも,こうした息の長いPR活動とともに,ただいま,委員ご指摘のように,旅行代理店など各種の団体ですとか,あるいは学会,これらのキーパーソンにターゲットを絞ったような形で,PR方法など,費用対効果を考えながら,各種の日常活動をさらに強化して,新しい東京事務所の機能を最大限に生かせるよう努力してまいりたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  航空機の機内誌については,率直に言って,私は反対です。なぜかといえば,航空機を利用して来る,旅行会社を通さないで北海道,札幌に旅行に来る方よりも,旅行会社を通してという方が圧倒的に多いと思うのです。したがって,少なくともあなたの方で,今の私の質問に対して,例えば旅行会社と,それから旅行会社を通さないで飛行機を使って札幌に入ってくる客の比率がこのぐらいありますと,その比率がこうで,旅行会社を通さないで来るよと,その人のうちで機内誌を見て来るようになったよという人がいたということが証明されるなら,私はいいと思うのですが,全くこれが立証されない。  そして,ここに載せている雪まつりだとか,PMFだとか,YOSAKOIも,ドームも含めて,そういったような施設が札幌にあるということは,日本じゅうの主な旅行会社だとか主な人は,大体何らかで見ていると,そんな感じがあると思うのですよ。したがって,わざわざ航空機内誌でそんなことを紹介するということでなくて,その金をもっと別なことに有効に使うように知恵を絞った方がいいと。これは何かといったら,骨格予算をつくる段階で,100%予算をつくって,残っていたやつをこうやって載せるからこういうことになっている。  だから,私があえてこの二つを抽出して,こうやって指摘しているということは,上田市長になって,その考え方をあなた方が受けて,どう効果的に使うかということできちっと組んだ予算でないから。前につくっておいたやつを,市長に,ただ,はいと出して,こうですと説明した予算だから,こういうことになっているということを指摘しているのですよ。  したがって,執行に当たっては,先ほど田中助役に求めたように,単にそれだけに使うということでなくて,もっと効果的に,要は集客のための宣伝なのですから,それに使っていく,これから知恵を働かせて執行していく。  例えば,田中助役はこう答えましたよ。時間がなかったから,予算編成で市長の意向を十分に酌み切れなかった部分もあると答えている。ならば,私は言うよ。それでは,一,二カ月ずらして,とりあえず肉づけ予算の第1次はこれだけにして残しておいて,2カ月なら2カ月以内に,あるいは9月の決算議会のときに,残りの部分を2次補正でやりますと,こういう手だってあるわけですよ。しかし,あえてそういうことを私は言わぬけれども,助役以下の皆さんは,市長は民意によって選ばれたのですから,選ばれた意向をしっかり受けとめて,市長がかわったわけですから,今までと違う考え方に立って予算の組み立てをちゃんとしていくという,このことがされていないから,こういう問題を指摘しているのです。  したがって,今後,執行に当たって,その中身が十分生かされていくことを助役以下に求めて,終わります。 ◆近藤和雄 委員  私から,行財政改革による200億円の経費節減につきまして質問をいたします。  平成13年度の指定都市における財政状況につきまして,財政力指数が11番目,これは12指定都市の中ででございます。経常収支比率が10位,歳入総額に占める地方交付税の割合が1位でございます。財政が交付税に非常に頼っているということで,悪い方の1位でございます。歳出総額に占める義務的経費の割合が9位。人口1人当たりの市税総額が12位と,どんじりでございます。このように,大変危機的な状況にありまして,さらには地下鉄の赤字が4,122億円,さらには借金残高が2兆円,交付税措置があったとしても1兆5,000億円強はあると思います。そして,さらには14年度の税収の予算計上は2,645億円,この数字は10年前の税収の見込みでございます。  上田市長は,公約の中で,市役所改革につきましては,市民の皆様のために,変えるべきものは思い切って変えていくことが使命と言い切っております。我が党の横山議員の代表質問へのご答弁は,市民公募委員を中心に第三者機関により進める,その中で,70歳以上の敬老パス交付見直しを,十分な市民議論を行いながら検討したいというお答えもいただいております。  私は,市長は,敬老パスの交付見直しの前にやるべきことがとことんあるのではないかと思います。私は,200億円という目標に対して,大変失望を感じております。4年間で経費削減200億円というのは,余りにも控え目な数字ではないか,目標設定数字が甘いのではないかという感じがいたしてなりません。  そこで,質問ですけれども,1点目ですが,桂前市長の,平成10年度から5年間で経費削減363億円に近づけてしかるべきではないかということ。目標は,より高く,より困難である方がやりがいがあるということ,そういう発想が民間の発想だと考えます。私は,民間で38年間勤務しておりましたので,そのことは十分,目標は高いほどやりがいがあります。財政削減目標200億円は余りにも控え目な数字ではないかと思いますが,市長のお考えを伺いたいと思います。 ◎上田 市長  施政方針演説あるいは代表質問等でも何度かお答えを申し上げておりますけれども,私は,市役所改革については,本当に熱い期待を寄せている市民がたくさんおられるということを十分理解しているつもりでございます。その皆様方のご期待に全身全霊をもっておこたえしていこうと,こういう決意でいることを,再び表明させていただきたいと思います。  ただいま,ご指摘ありました200億円という数値目標は甘いのではないか,もっと頑張れと,こういうお話でございますけれども,甘いかどうか,あるいはそこら辺の評価については,受けとめ方というものもあるだろうというふうに思いますが,私は決して簡単なものだとは考えていないというふうに申し上げたいと思います。むしろ,横山議員の代表質問にお答えいたしましたように,これまでの桂市政の中で相当な努力が払われているわけでございますので,その努力に加えて削減をしていくということでございます。同じ金額でも,これまでの削減とは,いささか様相を異にする。もっともっと努力をしなければ,その削減ができないというふうな困難さも伴うものであるということを考えながら,200億円というふうな額を設定させていただいたということでございます。  しかしながら,困難ではあっても,私が市民の皆さんとお約束をした目標でございますので,その達成に向けて,全庁一丸となって,目標達成のために努力をしていくというふうに決意を申し上げておきたいと思います。 ◆近藤和雄 委員  再質問は2点でございます。  先ほどから申し上げておりますように,44年ぶりの民間出身の市長でいらっしゃいます。満を持して登壇されたというわけですが,市民のための市長ということでは,ここで,何としても200億円を超える削減目標を明示していただけないものかと思います。  二つ目ですけれども,厳しい財政の中で,当市は経営改革会議を設置しております。市長を初め,財政,総務,企画調整の各局長がメンバーで,経費削減のための命題を掲げて取り組んでおられます。  民間では,長引く不況のために何が起こっているかと申しますと,2000年以降,住宅ローンで破綻された個人の方が,年間2万人おります。さらには,ボーナスの支給が4社に1社はゼロでございます。このような状況下,先日,ハウスメーカーのセールスの方にお話を伺いました。今,住宅ローンが組める対象は,公務員の方のみでございます。そういうことでございます。  私は,身内のみで考える経費節減・削減には,おのずから限界があると判断しております。  私は,4年前,初めてこの仕事をいただきましたけれども,いつも市民はお客様,会う方みんながお客様という思いでやってまいりました。札幌市の一番の問題点は,1万6,000人の職員が勤務しておりますが,競争力は何も必要ないこと。そして,企業で言えば,大企業病になっているわけであります。さらには,市制が施行されまして,昨年で80周年ですね。長い歴史の中で,一人一人が本当に埋没してしまったのではないかという危機感が,4年前にすぐ感じた私の感想でございます。  そこで,市長は,市民公募委員を中心に,第三者機関の設置を考えているということですが,第三者機関というのは,プロの民間コンサルタント会社にお金を払ってきちっと委託して,札幌市の現状の健康診断を期間を定めてしっかりとやってもらって,財政状況を洗い出して,職員の定数削減,職員給与の見直し,ごみ収集の民間委託とか事務の民営化ができないかどうか,あるいは出資団体の見直し等,現状評価と今後のあるべき姿を徹底的に調査して,問題点をあぶり出していくことが,私は絶対に必要ではないかと考えるわけです。このことについてご提案をしたいと思いますが,市長のご意見をお聞かせいただきたいと思います。 ◎上田 市長  まず,200億円については,先ほど申し上げましたように,非常に困難だとは思うけれども,頑張っていこうというつもりでやっております。しかし,努力の成果が200億円を超えることを私は禁じているわけではございません。目標としては,もっともっとやっていきたいということは申し上げたいわけでありますが,ただ,目標数値をあらわせと言われるのは,いささか私はちゅうちょを覚えると。200億円をひとまず頑張っていこうと,こういうことでございますので,ご理解を賜りたいと思います。  それから,市役所改革の第三者機関であります諮問委員会に,私どもが期待するところは非常に大きいものがございます。専門のコンサルタントに対してこの役割をお願いするという考えは,今のところ,ございません。しかし,そのようなプロフェッショナルな知識と経験を持たれた方々に,この諮問委員会委員の中の入っていただくような仕組みを考えていきたいというふうに,現在のところ,考えているところでございます。  委員ご指摘のように,市役所の業務全般にわたって,第三者の目で見て,市民の目で見て,本当に適切なのかどうなのか,そのことをしっかり点検していただきながらご提案いただき,我々も内部的には市役所改革推進室での議論をしっかり展開しながら,ご期待にこたえるような改革をやっていきたいと,このように考えているところでございます。 ◆藤川雅司 委員  私の方からは,今,何か経費節減がすべてだというご発言がありましたけれども,どこまで節減すればいいのか,いささか疑問であります。私も,市の職員を21年やっておりました。この点につきましては大変論議をしたいところですが,積極的な議論ということで,東京事務所について大きく二つお尋ねをしたいと思います。  伺いますと,これまでもシティPRの分野で,先進的な取り組みを展開してきている東京事務所が,新年度から体制を強化して,首都圏における札幌の窓口機能をさらに充実していくというふうに聞いております。  今,国においては三位一体改革が進められて,地方自治体への地方分権によって,今後,ますます都市間競争の激化が予想されるわけであります。私は,このような中で札幌をPRする意味で,強化策は非常に時宜を得たものだと考えているわけです。すなわち,東京事務所は,民間企業で言うと,東京支店,支社に相当するものでありますから,本社の経営戦略にのっとって,大市場である首都圏に効果的にマーケティングを展開することが任務であると。特に,本社の経営環境が厳しい今の時期に一層の奮闘を求められるということは,当然のことだというふうに思います。  こういった観点から見ますと,今,東京事務所に求められている機能は,単に今までの,総務局の一部門としてとらえるのではなくて,札幌市が首都圏に設置した総合的な戦略室として位置づ け,いわば支店機能を最大限に発揮させることが求められているというふうに思います。  特に,近年,アジア地域を中心とした海外からの観光客は増加傾向にありますけれども,上田市長も観光客2,000万人を目指すと言っておられるように,観光やコンベンションなどの集客交流産業が,今後,本市の一つの大きな基幹産業として重要な産業だというふうに考えております。東京におけるコンベンションの誘致活動や観光振興等を目的としたシティPR活動は,相応の資源を投入して,さらに積極的に取り組むべきだというふうに考えます。  また,本市に集積する優秀なIT企業や,今後躍進が期待されるバイオ関連の企業などの首都圏におけるビジネス活動を,さらに積極的かつ効果的に支援していくことこそが,新しい東京事務所に期待されているものだと,私は思っております。  このように,先ほども一部ご指摘がありましたけれども,シティPRと称される分野が,ややもすると一般的な広報宣伝活動にとどまっておりましたが,最近は,より具体的な任務を帯びたものに変質してきているというふうに考えております。今後は,産業振興の視点で,さらに機能を強化して,具体的な効果が発揮されるように,積極的に誘導していくことが求められます。  したがって,社会情勢の変化に柔軟に対応し,かつ地域特性を生かした産業構造を構築,そして自立した経済社会を確立していく。そのためにも,関係部局としっかりとスクラムを組んだ形で,機動性のある首都圏セールスの拠点を整備していく必要があると,こう考えております。  そこで,質問でありますが,新しい東京事務所の機能及び体制の強化について質問をいたします。  東京事務所の活動につきましては,永田町や霞ヶ関を中心とした国会,省庁との連絡調整のほかに,最近ではコンベンション誘致あるいは観光振興,企業誘致,企業の首都圏活動,そういった支援に積極的に取り組んでおりまして,そのことによって民間企業との接触が急増していると聞いております。そういったことからも,ますます機能の強化を図る際には,ハード・ソフトの両面において官民交流の拠点にふさわしい,開放的で情報性にあふれたものにすべきだと考えているところでございます。  さらに,東京事務所は,従来の省庁の連絡調整の仕事にプラスして,シティPR,コンベンションの誘致や企業活動などに積極的に取り組んでいるようであります。  東京事務所の政策的予算を見ますと,平成11年度の300万円から,平成14年度は5.5倍の1,650万円と急増しております。今年度については1,960万円となっており,これに職員数をふやすことなく取り組んできたわけですから,事務事業の高い効率性,さらには職員の高い専門性とノウハウの蓄積があって,初めて可能だというふうに思います。特に,コンベンションや企業活動支援については,すべてマーケティング活動でありますから,知識と経験に裏打ちされたプロフェッショナルな仕事であるというふうに思います。  そこで,質問でありますけれども,東京事務所を麹町から有楽町に移されたようですが,移転を契機とした新しい東京事務所の機能についてと,また,新年度は,係長職1名を課長職に格上げしたというふうになっておりますけれども,どのような分野に取り組んでいこうとしているのかをお聞かせ願いたいというふうに思います。  大きな2点目は,コンベンションセンターの開設による東京事務所での会議誘致活動とシティセールス活動に係る成果であります。  本年6月にコンベンションセンターが新設オープンいたしました。首都圏には,コンベンションの主催者や学会の事務局など数多くあるわけでありまして,首都圏における営業活動は極めて重要だというふうに思います。来客2,000万人以上を目指すという目標を持って,東京事務所での役割は非常に高いと思います。そして,シティセールスは,日々の地道で粘り強いセールス活動が前提となるわけでありまして,一回の飛び込み訪問で成約するものではないというふうに思います。種をまき,水をやり,収穫するような長期的な戦略が不可欠となりますので,事業評価といった観点からも,具体的な成果が求められるということは当然だというふうに思います。  そこで,東京事務所では,これまでどのよな誘致活動を展開してきたのか。そして,大変厳しい質問かもしれませんが,本市の東京事務所で取り組んでいる仕事で,具体的に成果が出ているもので数字に示せるもの,例えばコンベンションの誘致件数や企業誘致の成約件数などについてお答えいただきたい。 ◎樺沢 東京事務所長  2点のご質問,1点目が新しい東京事務所の機能,それと体制強化についてでございます。  まず,機能についてでございますが,東京事務所では,コンベンションの誘致など,シティPR活動に精力的に取り組んでございます。昨年度からは,首都圏に販路を求めるIT企業等に対する支援策などを開始したりだとか,あるいは,セールスの拠点としての機動力が発揮できるように心がけてきたところでございます。  本年5月には,首都圏では最高の立地環境にあり,知名度も高い,JR山手線・有楽町駅前の東京交通会館ビルに事務所を移転しております。新しい事務所では,情報交流の場として,会議の打ち合わせルームの拡充や開放的で明るい接客スペースを用意するなど,より多くの人との出会いを大切にするオフィス環境を実現できたものと思っております。今後とも,首都圏の総合窓口として,地元と連携を図りながら,さらに東京事務所の機能強化を図っていく必要があると考えております。  ちなみに,東京交通会館ビルの中には,北海道の物産を販売するアンテナショップでありますどさんこプラザを初め,多くの地方のサテライトオフィスが入居するなど,東京事務所の新しい機能を十分に発揮できる理想的な場所と考えており,情報発信拠点として,一層取り組んでまいりたいと考えております。  次に,新しい東京事務所の体制強化ということのご質問でございます。  ご案内のとおり,本年度からビジネス支援担当課長を配置しております。これによりまして,昨年度から取り組みを開始いたしました首都圏におけるサッポロバレーIT関連企業の販路拡大,こうしたマーケティングの支援に一層強化が図られたものと考えております。また,新東京事務所の恵まれた立地環境を最大限に生かし,札幌の企業にプレゼンテーションの場を提供したり,販路拡大につながるセミナーや交流会なども開催を始めております。今後,さらに首都圏における札幌の情報発信拠点として,積極的に展開してまいりたいと考えております。  次に,大きな2点目でございます首都圏でのコンベンション誘致活動について,あるいはシティセールス活動に係る具体的な成果ということでございます。  まず,コンベンション誘致活動でございますが,集客交流産業が札幌市の主要な産業となってございます。  札幌コンベンションセンターがこの6月に開業したばかりでございますから,財団法人札幌国際プラザと東京事務所が緊密に連携しながら,総力でセールス活動に取り組んでいるところでございます。  また,これまでの政府系国際会議ですとか,あるいは学会などの誘致に加えまして,民間企業における表彰式などの式典,あるいは社内大会または成績優秀者に対する報奨旅行などの誘致につきましても,これからの有望なコンベンション市場ととらえております。これにつきましても,精力的に案件の洗い出しなどを始めているところでございます。  さらに,ことし1月には,需要が極端に落ち込みます冬の時期におけるコンベンションの魅力をアピールすることを目的にいたしまして,首都圏でのコンベンション関係者約30名を札幌に招聘いたしました。体感ツアーを実施いたしまして,冬のコンベンションのよさを実感していただくこともできました。今後とも,効果的な手法を考えながら,積極的に誘致活動を展開していくことといたしております。  最後に,シティセールス活動の成果でございます。  コンベンションの誘致活動によりまして,昨年度1年間で160件に及ぶ誘致の交渉案件がございました。このうち12件は,本市での開催につながっております。集客交流を強力に推進するに当たっては,大型コンベンションの誘致がこれから非常に重要になってきます。その点につきましても,首都圏でのコンベンション誘致活動は徐々に大きく実を結びつつございます。  コンベンションの誘致活動のほかには,横浜赤レンガパークでの観光集客イベントや地下鉄1編成を札幌のイメージポスターで埋め尽くす地下鉄ジャックなど,各種の広告媒体によりまして,約180万人の首都圏の方々にミュンヘン・クリスマス市を初めとする札幌市の新しい観光資源をアピールしております。  それと,企業誘致でございますが,東京事務所と経済局が連携いたしまして,コールセンターの誘致に努めてまいりました。この結果,既に20社,21カ所の誘致に成功しておりまして,約3,000人の雇用を創出しております。また,地元企業の首都圏における販路拡大の支援も同時に行っております。  東京事務所では,今後とも,このようなコンベンションの誘致活動,イベント,各種広告媒体によるPR,企業誘致に積極的に取り組みまして,首都圏におけるシティPRの窓口として十分に機能するよう,本市の集客交流の促進及び産業振興に最大限力を発揮してまいりたいと考えております。 ◆藤川雅司 委員  最後に,総務費ということですから,東京事務所に注目をしまして発言しましたけれども,やはり札幌市民,札幌市職員あるいは議員一人一人が全員で札幌をPRしていくと,このことが今求められていると思います。市長も出席でございますので,今後,そういう気持ちで,全力で,力を合わせて取り組んでいただきたいし,いきたいと,こういうことを申し上げて,質問を終わります。 ○笹出昭夫 委員長  これで,第1項 総務管理費中総務局関係部の質疑を終了いたします。
     ここで,おおよそ20分間,委員会を休憩いたします。 ────────────── 休 憩 午後3時26分 再 開 午後3時51分 ────────────── ○笹出昭夫 委員長  それでは,委員会を再開いたします。  ここで,第2款 総務費 第2項 企画調整費の質疑を行います。 ◆宮川潤 委員  私は,創世1.1.1区(さんく)計画及び駅前通地下通路について,市長に質問をいたします。理事会での確認どおり,時間の節約のために,ここで一括して質問をいたします。  まず,創世1.1.1区(さんく)計画についてです。  7月24日に代表質問をし,その再質問で,これまでの国際ゾーン構想,創世1.1.1区(さんく)計画と,上田市長が考えているこれからの創世1.1.1区(さんく)計画とは違うのか,大型開発という点で違いがあるのか,また,今までの計画には国際会議場やホテル,大型駐車場などが構想に入っていたが,これはやめた,つくらないと言えるものがあるのかと質問いたしましたところ,その答弁は,今まで言われたことがなくなるのか,どうなるのか,完全にそれに拘束されるわけではないとのことでした。この答弁の内容について,さらに伺いたいと思います。  まず,総事業費2,400億円,市費800億円と言われてきた国際ゾーン構想は,1988年,札幌フォーラムそうせい2000基本構想,すなわち21世紀都心のあり方についての基礎調査報告書の機能断面イメージ図では,スカイウエーとスカイブリッジによって結ばれている地下5階地上60階もの,二つのビルが描かれ,その中には,インテリジェントオフィスのほか,インターナショナルスカイホール,国際放送センター,情報通信プラザ,市民アートホール,メモリアルコンサートホール,国際交流プラザ,コンベンションホール,国際催事場,アトリウム,コンベンションロビー,インターナショナルアベニュー,そして地下には巨大な駐車場がかかれています。最近は,こういうことをかいた資料はだんだん減ってきましたけれども,こういう巨大な開発を否定するということも書かれてはいません。  私どもは,こういう巨大開発,都心に人と車を集中させる計画に反対をしてきました。  市長の答弁は,拘束されるわけではないということですから,大通西1街区での市民会館,NHK,ライブラリー,イベントスペースと大通の東伸,創成川の親水化を除いて,建設すべき施設についてはすべて白紙ということなのか。あるいは,ことしの第1回定例会予算特別委員会で,私の質問に,都心まちづくり推進室長が,今後,都心に求められる,いわゆる国際会議機能といったものの必要性,あり方について,引き続き検討してまいりたいと答弁されていますが,国際会議場だけを検討し,ほかは白紙なのか。導入すべき施設として検討の対象にしているのは何と何か,具体的に明らかにしてください。  次に,大通西1街区についてですが,市長は,本会議で,大通西1街区への導入機能を述べながら,事業手法も検討する旨答弁しておりますが,都市みらい推進機構では,市所有部分1万6,000平方メートル,NHK所有部分1万6,000平方メートル,共有部分が1万平方メートルで,その半分を市の負担と想定して建設費を試算しているそうですが,どれほどと試算しているのか,お示しください。  次に,駅前通地下通路ですが,私は,代表質問の再質問で,市長の,十分市民論議を尽くし,論議の動向を見きわめ,事業化について判断したいとの答弁を引きながら,論議の動向によっては一定の長期にわたって凍結もあり得るということを視野に入れているのか,あるいは,供用開始の時期は変えないことを念頭に置いているのかと伺ったところ,市長は,想定していない,議論が煮詰まるのを待たなければならないとのことでした。  今回,補正で提案されている駅前通地下歩行空間等検討調査で,市民のための検討資料作成及び市民理解を深めるPR,既存並木の保存移植の検討とされ,景観や歩行環境に配慮した工事方法の検討や,さらに工事方法を踏まえた工期の検討も行うこととされていますが,これらの調査や検討の結果はいつごろをめどに出されるおつもりか,めどをお示しください。また,工期の検討とありますが,工期の延長も,検討次第であり得るのか,この点もあわせてお示し願いたいと思います。 ◎上田 市長  お答えいたします。  まず,創世1.1.1区(さんく)の問題でございますが,例示をされました,いろいろな大型の建物を建てる等々の構想というのは,昭和63年に策定いたしました札幌フォーラムそうせい2000で述べられている各種施設であろうかと思います。これは,当時考えられるものすべての機能を具体的に,イメージとして盛り込んだものであるというふうに,私は認識をいたしております。それを全部実現するということではないように,理解をさせていただいているところでございます。  その後,創世1.1.1区(さんく)の関係地権者と共同いたしまして,平成9年3月に,札幌国際ゾーン街づくり指針が取りまとめをされているところでありますが,今後は,この指針に示された理念に基づきまして,創世1.1.1区(さんく)計画を進めていく必要があるというふうに考えております。そして,この指針の中には,街区別の機能配置の基本的な方向が示されているわけでありますが,具体的な施設の配置をしたわけではないというふうに思います。  今後,具体的な導入施設の検討に当たっては,宮川委員がご指摘されました,さまざまな施設に拘束されるわけではございませんで,各地権者の事業計画を尊重しながら協議,検討を重ねて,新しい時代に向けた都心の街づくりを進めていく必要があるというふうに考えているところであります。  また,大通西1丁目における市民会館の建てかえ等に要する事業費についてでございますけれども,NHKとの共同事業の進め方など,今後,設計を進める中で決めていくことになろうかというふうに思います。  なお,参考までに,どの程度かかるのかということでございますけれども,全国の主なホールの建設費は,1平方メートル当たりの建設費が60万円から70万円ぐらいになると言われていることを,参考のために申し添えさせていただきます。  それから,もう一つ,駅前通地下歩行空間整備についてでございますが,人と環境を重視した都心の街づくりを進める上で,その有用性は十分認識しているところでありますけれども,事業化に向けてはさらなる市民の理解が必要ではないかと考えたというふうに,前回,代表質問でお答えしたところでございます。しかし,今年度,都心の交通計画などを策定する中で,都心の街づくりの位置づけや地上のあり方などについて十分な市民議論を行って,理解を深めてまいりたいというふうに考えているところであります。  今回計上いたしました調査費につきましては,これらの取り組みに伴ってさまざまな市民論議の場が設けられますので,それぞれの場面で適切な情報提供ができるように,予算の成立後速やかに調査に着手し,できるだけ早い時期に取りまとめをしていきたいというふうに考えているわけであります。  そして,工期の延長ということなのですけれども,これまでの議論の到達点といったものを踏まえて,私は,議論を重ねていきたいというふうに考えておりますので,当初の予定があったものとの関係で,できるだけ詰められるところは詰めて,延長するということまでは考えの中に入れていないというふうにご理解いただきたいと思います。 ◆宮川潤 委員  まず,創世1.1.1区(さんく)でありますけれども,いろいろな施設計画について,これは古い計画でありますけれども,1988年,札幌フォーラムそうせい2000の中に書かれた施設計画だというご答弁でありました。  私,過去にも,国際ゾーンや創世1.1.1区(さんく)については何度か質問させていただいておりますし,その都度,いろいろ資料もいただいておりますけれども,札幌フォーラムそうせい2000以降,例えば,1994年に札幌国際ゾーンについてという資料をいただきましたが,その中でも,大型の開発になるような,ゾーンで期待される施設というふうに書かれておりまして,国際催事場,放送会館,多目的ホール,国際貿易センター,オフィス,ホテル,バスターミナル,駐車場,地域冷暖房施設,アトリウムと,こう書いてあるわけですよ。95年の資料を見せていただきますと,これも同じように,ゾーンで期待される施設ということで,やはり同じようなものが書いてありますよ。その後いただいた資料に,やはり同じような施設がずっと書いてあります。  つまり,札幌フォーラムそうせい2000の中で,たった一回出された施設計画ということではなくて,その後も何度も私たちに示されてきた施設計画ということですから,私どもはこれを取り上げて,たまたま入れられるものがあったら何だろうかということを書いたものではなくて,ずっと継続して,そういう考えで進んできた計画だというふうに今までとらえてきたわけです。ですから,その点について市長はどうお考えになっているのか,まず第1点であります。  それから,今までの施設計画に拘束されないというような答弁がまたありましたけれども,先ほど伺った中で,私が第1回定例会の予算特別委員会で質問をして,その答弁で,都心まちづくり推進室長が,国際会議機能ということを答弁されていることや,都心の国際会議場については,東札幌にあるということを踏まえて,大型でなくても豪華なものだとか,VIP向けのものだとか,そんな話も聞いております。拘束されないということについて,国際会議場も拘束されないものというふうに考えてよろしいのですか,それとも,国際会議場についてだけは検討しているということなのでしょうか,この点についてもあわせて伺いたいと思います。  それから,市民会館の試算について,1平米当たり70万円ということで答弁をいただきましたけれども,札幌市の所有部分が1万6,000平方メートルで,共用部分が1万平方メートルで,その半分ということになりますと,計算すると150億円ぐらいということで確認させていただいてよろしいかどうか,この点についても伺います。  施設のことでありますけれども,先ほど申し上げました札幌フォーラムそうせい2000の基本構想の中で,いろいろ具体的な施設も挙げましたが,考え方として,高容積と多機能を計画的に配置した複合大空間の創出というふうにも言われていますし,超高層化された建物の配置を検討すべきというふうにもされています。この点については,この基本構想で示された考え方を引き継ぐのか,あるいは大きく転換するとか,こういう考え方は廃棄するだとか,どう考えておられるのかもお示しください。  それから,NHKと市民会館の合築で,本会議場でPFIの手法を検討するというような答弁もありました。私は,NHK放送会館はPFIにはなじまないと思うのですけれども,いかがですか。このPFIについての答弁は,市長でなくてもどなたでも結構であります。  それから,地下通路についてであります。  調査結果については,できるだけ早くというような答弁もありましたけれども,検討調査の結果を踏まえて,遅くともいつまでには事業化ですとか,遅くともいつまでには供用開始というような期限を考えていらっしゃるのか,その点お示しいただきたいと思います。 ◎上田 市長  お答えいたします。  札幌フォーラムそうせい2000という計画は,先ほど申し上げましたように,昭和63年の段階で策定をされております。それから9年たちました平成9年に,約10年後に地権者による国際ゾーン街づくり指針というものが出されたわけであります。委員のご指摘のように,札幌フォーラムそうせい2000と国際ゾーン街づくり指針というのがぴったり同じものであれば,このようなものをつくる必要はないというように私は思うのですが,ここでやはり文字化されているというところが,時代の流れの中で精査をされてきているのだというふうに理解をいたします。  この中で,手元にある資料で言いますと,国際ゾーンという,開発目標というふうに言っている将来像の実現を目指すということの中に,5点ほど書いてございます。これは非常に抽象的な書き方でありまして,市民交流の中心となる交流機能の整備だとか,札幌独自の芸術・文化の創造だとか,世界に向けての情報発信機能の整備だとか,国際交流の舞台となる拠点の形成だとか,経済振興交流空間の形成だとか,どこかの公約で聞いたことがあるような話もたくさん書いてあるのですけれども,しかし,このような抽象的なものとして,こういう方向で行こうよということを,平成9年の段階で,地権者を含めて合意をした一つの指針だというふうに理解をするわけであります。ここから,大型の建物をどういうふうにつくるかというようなことは,まだ全然出てきていないというふうに私は思います。  札幌フォーラムそうせい2000の文書の中には,私もちらっと見せていただきましたけれども,あったらいいなというふうなイメージがたくさん書かれていて,議論を活性化させるという目標であったのだというふうに思いますが,それが10年たって,このような札幌国際ゾーン街づくり指針という形にまとめられて,またここから考えていこうというふうな大枠を示しているのだというふうに思います。  ですから,委員ご指摘のように,ここから大型開発がどんどんでき上がってくるということになるかどうかについては,これからの議論になるのだろうというふうに私は思いますし,時代との関係で,そういうことができるのかどうかということも,地権者との議論の中で決まってくることだろうというふうに考えます。  それから,駅前通地下歩行空間の問題につきましては,今まで議会の中でもたくさん議論がされて,ただ,市民の間では,私は特に不勉強で,インターネットを使ってこの問題についての議論がどこまで行われているか,あるいはそういうことについてアクセスをするというふうな市民ではなくて,一般の市民としては,広報さっぽろで読むしかないのですね。広報さっぽろで,平成13年に,創世1.1.1区(さんく)と地下歩行空間の議論が特集されていると。それから3回ぐらい出ておりますが,議論の経過が十分認識できるというような状況ではなかったということが,事実としてあります。  ただ,議会の中で非常に煮詰められて,地下歩行空間につきましては既に都市計画決定がされているという,そこまで議論が煮詰まり,手続も進んでいるという状況の中で,地下空間部分についてはそうですけれども,では,地上の部分について,目に見える部分について,市民がどういう認識,議論をしたらいいのかということについては,もうちょっと議論したらいいのでないかというふうな趣旨で,私は,今回,調査費をつけさせていただいたというわけであります。  それで,時期の問題については,もちろん今までの計画があったわけでございますので,それとの関係で,私どもが議論をする際には,時期との関係を含めて,限界なく,いつまでも議論するというふうな考え方ではないということをお答えさせていただいているわけであります。 ◎猿田 都心まちづくり推進室長  私の方から,PFI等に関しましてお答えをいたします。  今後,いろんな公共施設を建てる場合に,建設費及びその後の維持管理費も含めて,できるだけ低廉なものを目指していきたいということで,ここにつきましては,PFIを導入するということではなくて,PFI的なものも検討の視野に入れながら,今後,NHKと協議をしてまいりたいというふうに考えてございます。  また,市民会館建てかえの概算事業費のお話が出ておりましたけれども,先ほど市長からお話ししましたように,全国のホールの建設費を見ますと,1平方メートル当たり60万円から70万円ということで,例えば市側の施設の床面積が2万平方メートルと仮定しますと,掛けて120億円から150億円という試算になろうかと思いますが,それらにつきましては,今後,いろんな事業計画を立てていく上での参考とする数字ということで,現時点では,そういった形で建設費を試算しているということではございません。 ◆宮川潤 委員  まず,市長に,先ほどの質問でもあったのですけれども,確認したいと思いま す。  札幌フォーラムそうせい2000の基本構想で書かれている高容積,多機能を計画的に配置した複合的大空間の創出,超高層化された建物の配置を検討すべきと,この考え方は廃棄したと。これを確認させていただきたいと思うのですけれども,どうかということであります。  それから,地下通路について,都市計画決定もされたとおっしゃいましたが,都市計画決定されて,事業化が何十年もされていないというものもたくさんありますよ。都市計画決定されたら,直ちに事業化ということではないと私は思うのですけれども,この点についてはどうかと思うのであります。  それから,事業費について,これは意見ですけれども,私は,札幌市として事業費が幾らと考えているのかという質問をしたのではなくて,札幌市が委託して,都市みらい推進機構が数字をはじいていると思うので,それを言ってほしいということだったのです。違う数字をおっしゃられたので,札幌市は,都市みらい推進機構がはじいた数字を受け入れられないと考えているわけではないと思うのですよね。そこら辺は,指摘だけにとどめておきたいと思います。 ◎上田 市長  札幌フォーラムそうせい2000の超高層云々というところが拘束力,拘束力という言葉が不適切かもわかりませんけれども,別にこれはオーソライズされたものではないと私は思っております。むしろ,国際ゾーン街づくり指針の方が地権者を含めて議論をした上で決めたものでありますので,そこに書かれている方向で考えるということだというふうに私は理解をしているというお答えでございます。  それから,都市計画決定があって,直ちにやるかやらないかは,また別の問題だというご指摘,そういう事例もあるかと思いますけれども,私は,この問題について,それなりの議論が重ねられてきたという事実を無視するわけにはいかぬというふうに考えているというわけであります。 ◆宮川潤 委員  創世1.1.1区(さんく)計画ですけれども,国際ゾーン構想として出発して,巨費を投じる都心改造計画,あるいは人と車を集中させる,過密と混雑を助長するという点では,今まで調査費を積み重ねてきましたけれども,その大きな基本は変わらずに,調査してきたものというふうに私どもはとらえています。バブルの時代の計画でありますから,そのままでは進まなくなるというのも当然だというふうに私は思います。  市民会館は老朽化が著しいため,改築は差し迫った課題ですが,市民本位で,かつ経費を節約するということを心がけながら,むだな開発はやめるということで,その点きっぱりと,はっきりわかりやすい形でぜひ示していただきたいと思います。方針転換をはっきりと示して,名前もかえていただきたいというふうに思います。  地下通路についてでございます。  私どもは,地下通路について,むだなものというふうには言っておりませんが,本市財政状況にかんがみて,一時凍結,先送りを求めてまいりました。上田市長が,今回,調査検討ということで予備設計を先送りしましたけれども,事業化について,先に結論ありきでなくて,市民の意見に耳を傾けて,厳しい財政状況を十分踏まえて,慎重に検討するように求めて,終わります。 ◆松浦忠 委員  最初に,都心の街づくりについて,市長は今度の選挙で,緑を30%ふやしたいという公約を掲げました。私は,議会にかかわってから20年になるのですが,今まで,札幌市の大きな公園はほとんど市街化調整区域につくると,そして,市街化区域の中は,わかりやすく言うと,今は街区公園と言っていますけれども,昔は児童公園と言いましたが,子供が遊ぶ小さな公園で,せいぜい300坪ぐらいと。大体こんなことが,札幌市が公園計画で進めてきたことであります。  そこで,今,宮川委員から,いろいろ都心の再整備計画の議論がありました。私は,今回,市長もかわったところで,ひとつ都心の部分を,空の上からきちっと俯瞰図的なカラーの航空写真を撮って,そして,一体この都心に緑をどういうふうにつくるのかという緑の配置をまず考えると。それから,もう一つは,札幌市の長い都市計画の中で,厚別副都心が始まって,その次には地下鉄が敷かれる段階で北24条かいわいの副都心化,それが延長して麻生付近と,こういうようなことで,186万人の幾つかの生活圏を中心にした,生活機能を集積した構想というのが出されてきているわけですね。札幌市は,大きな街になって,市役所の組織も大きくなった。即,国の縦割り組織が局別に入ってくると。こういう形の中で,市長がいての地方自治体,いわゆる市長を中心にしての独立した行政自治体でありながら,都市計画ということについて言えば,全くされていない,これが実態であります。  どういうことかといえば,20年の長期計画を立てた。この文書を読んで皆さんおわかりだと思うけれども,抽象的なことしか書いていない。こうあればいいなということで,それも具体的なことは何一つ書いていない,抽象的。5年計画で,そのときの政権を担っている市長が,いかに経常経費のほかに事業費を確保するかということで,それぞれの部局が頑張って,中央省庁の補助金の出る事業を集めて,そして,札幌市の負担は,金がなければ借金をしてと,こういうことでやってきたのが実態であります。  そこで,ここは大きな歴史の転換点ですから,私は,そういう点に立ってひとつ考え直してみてはどうかと。  一つは,市内の4小学校を統合した学校跡地,それから,かつて私が主張して整理,廃止にした職員住宅の跡地,隣には開発局の職員住宅の跡地もあります。こういったまとまった土地,札幌市が以前に,会社で言えば,安い原簿価格で購入した土地を使って,ここに緑を集中的に配置し,都心の森的なものをつくると。そして,そういう中で,今度は,市内に対する交通乗り入れ規制をどういうふうにしていくのかということを抜本的に考えて,その上で今の都心の計画などもどうするのかというようなこと,今まで進めていた個々の事業を発生させる,投資誘発するという発想に立った街づくりから,本当の意味で,都心に住んでいる市民が生活しやすいような街づくりの発想に変えていってはどうかと。これについて,まず市長はどう思うか。  それから,もう一つは地下通路,いろんな議論があります。さっき,都市計画決定という話がありました。今,私のうちのすぐ横を通る平和通は,都市計画決定が昭和40年ですよ。来年,40年たって,それがようやく完成ですよ。これが札幌市の都市計画決定の進め方なのです。したがって,都心の地下通路だけが,都市計画決定しているからといって,今ここですぐ進めなければならぬなんていうものではない。私は,都市計画費のところでは発言はやめますから,あわせてちょっとやっておきますけれども,したがって,そういうような考え方に立ってやる。  それから,今度,札幌市の地盤というのは,函館本線を一つの大きな境にして,北側の方は泥炭地質の地盤です。札幌市の8メーターあるいは10メーターの生活道路は,まだ50%をちょっと超えて6割弱の永久舗装にしかなっていません。市長も,ことしは選挙戦で回っておわかりだと思うけれども,そういうところへ行ったら,4月の段階で,車が20キロ以上で走れば飛び上がるような道路の状態です。公平な行政を進めるとすれば,こういったようなところに,まず最低限の市民生活のレベルを上げる投資をしていく。全体的に最低限の底上げができたら,次は,都心をどうするかというところで,では,地下通路もつくろうかと,こういうところに話がいって,初めて公平な市政の運営ということになっていくのですよ。  私は,そういう点で,板垣市長が就任以来,歴史で長く評価される一つは,膨張していく札幌市の中で,どんどんふえていく生活道路,泥炭地も含めて悪い砂利道を,何とかご婦人のハイヒールが傷まないようにといって,特殊な配合によるアスファルトを考案して,とにかく,全市くまなく敷こうということで,婦人のハイヒールのかかとを傷めないという施策を徹底させたということは,歴史に残る大きな足跡の一つだったと思います。  そういう点で,今回は,市長,そういう発想に立って,大通の地下通路ももちろん凍結して,そして見直しをして,本当の意味で整合性のある計画をしっかりと策定して,それから都市計画というものを進めるべきでないかということをまずお尋ねするのですが,市長の考え方をお聞きいたしたいと。これがまず一つであります。  それから,次に,具体的なところでは,情報化推進部のところの総合行政システム共通機能設計という8,030万円の費目があります。よくよくお話を聞きましたら,実は今,札幌市には,給与電算システムから始まって,例えば知的障害者更生相談所台帳管理システムとか,あるいは,今,問題になっている交通局輸送管理システムなどを含めた235のそれぞれの業務別のシステムがあります。これらを一つのコンピューターのもとに全部集めて,どこでも,何でも引き出せるようにしようと,こういうシステム化を,8,030万円をかけて今年度は進めていくと。ことしだけで進むわけではないのですが,まずそこに手をつけようと,こういう内容であります。  これについては,私は,国が定めている住民基本台帳ネットワークの札幌版だと。これをやるに当たっては,多くの市民の個人情報もここに取り込まれているわけですから,したがって,札幌市がやっている235の業務を一元化して,コンピューターで,庁内の中でどこでも,だれでもが引き出せるようなシステムをつくるということについては,一言で言えば,住民基本台帳の札幌版と,こういうことだというふうに私は見たのです。  したがって,これについては,取り組んで進んでいこうとする内容を十分に公開して,その上で,市民の方も職員の方も,我々議員も,ここに,議員の給与,経歴管理システムも全部入っているのです。こういうことについて,全部出して,そして十分な意見をいただいて検討して,その結果を集約して,どういうふうに,この事業を進めるかということを,その意見を集約した上で進めるべきだと思うわけですけれども,それについて,これを盛り込んだ担当部局はどういう考え方であったのか。これは,恐らく上田市政がまだ誕生する前の,前政権時代につくられたものだというふうに私は推測するわけですが,ひとつこの説明を求めたいというふうに思います。  大きく分けて,以上2点であります。 ◎上田 市長  まず,緑の30%の問題でございますけれども,これはかなり厳しい目標設定であるということはご理解いただけると思います。  ただいま,松浦委員からご指摘ありましたように,これから街の中の緑をふやしていくにはどうしたらいいのかということについては,本当にこれから考えなければならないことでありますので,ご指摘いただいたような,例えば学校の跡地あるいは公務員住宅で既に廃止されている部分の空地をどうするかというようなことについても十分検討に入れて,私どもが,都心に,街中に緑をどうやってふやしていくかということの検討材料にさせていただきたいと,このように思います。  それから,地下歩行空間の問題でございます。  先ほどから申し上げておりますように,もちろん,全体のバランスの中で,予算をこちらに使った方がいい,あちらに使った方がいいという異論があることは,承知をいたしているところでありますけれども,この数年間に議会で議論が積み上げられ,そして市民的な意見も,それなりにアンケートをとったりということをやって,計画を立てているという事実もまた一つございます。私は,まだ足りない部分もあるという判断で,今までされてきた議論の到達点に立った上で,もう少し市民の目に見えるような,そんな議論をしたらどうかというふうな提案をさせていただいているというところでございますので,その点ご了解いただきたいというふうに思います。  それから,最後のご質問については,私以外の者が答弁させていただきます。 ◎下村 情報化推進部長  ただいま,委員の方から,私どもがこれから逐次開発を進めていきたいと考えております総合行政情報システムにつきましては,今,住基ネットの中でさまざまな議論がされていますような懸念もありますので,このシステムの事業執行に当たりましては,市民の議論を十分すべきだというご指摘でございます。私どもとしましても,お話のように,市民の個人情報を保護するという意味から,札幌市の情報保護についての考え方ですとか仕組みにつきましては,市民の皆様のご意見等をお聞きしながら進めていくべきであるというふうに考えております。  したがいまして,この取り組みの中でも特に重要な位置を占める,個人情報を含む本市の保有する情報の取り扱い及び保護についての基本的な考え方を示すセキュリティーポリシー,基本方針,対策基準というものでございますが,これにつきましては,広く市民の皆様の意見が反映されるような形で策定を進めていきたいというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  恐らく,一つにすれば随分能率化できるなということで考えたのは,私は,コンピューターを活用していく意味では間違いではないと思うのです。  ただ,昭和30年代から,私は直接やりませんけれども,もといた職場では,やっていて,コンピューターのシステムにいろんな問題がありました。結局,とどのつまるところ,機械の防御には絶対はないと。必ずだれかがその機械に内蔵される資料を盗み出すことができるというのは,当時から言われているのです。それは,今も変わりない。それから,もう一つは,人間がかかわると,必ずまたそこでそういうことが起こり得る。  したがって,個人情報にかかわるものは,札幌市の場合に,統括的にたくさんの端末でどこでも出せるというような仕組みをつくることについては急がないで,もう少しいろんな状況を調べて,あるいは,今,住基ネットの議論もありますから,そういうものも含めて十分調査した上で取りかかっていくということの方が,私は間違いないと思います。特に,市役所レベルでのこういうものの統合化というのは,直接,すぐ隣の人の個人情報がうちに入ってくる,うちの個人情報が3軒隣に入るということが起きるわけでありますから,したがって,ここは慎重にした方がいいということです。  政権もかわったことですから,ひとつ慎重にそういうことを検討して,そして,急ぐことはないですから,予算を残して,また来年に繰り越しても結構ですから,したがって,そういうことで検討していただきたいというふうに思いますが,部長,いかがですか。 ◎下村 情報化推進部長  ただいま,委員の方からご指摘ありましたように,私どもも,関係方面の方のご意見,それから時代の技術革新,また市民の皆様方のご意見,こういったものを十分に検討しながら,慎重に進めてまいりたいというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  それでは,最後に,意見を申し上げておきます。  例えば,今まで調査をして,泥炭地層の地盤の悪い道路で生活している札幌市のおよそ4割ぐらいの皆さんは,いろいろ苦情があって,道路を早く直してと言っても,なかなかそれが届いていかないと。どちらかというと,都心の格好のいい,そしてまた大規模な開発のところにお金がつぎ込まれていって,生活者のところに来ないと,こういう不満が多く寄せられているのですよ。そして,私ら議員に対する批判もあります。おまえら,選挙のときには,ここの地域の生活をよくするよと,こう言って公約して出ていくと。出ていったら,やっていることは,どっちに賛成しているかといったら,都心の地下道の方に手を上げて賛成していると。一体どうなっているのだ,議員はと,こう私たちも批判を受けております。  そこで,私は終始一貫,批判の内容に,これにはそちらが先だよと,今,主張したようなことを言っているのですが,市長はそういう立場に立っての公約でありますから,市長の公約が実現されることを市民は大いに期待をしておりますから,ぜひひとつ努力をしていただきたいということを申し上げて,終わります。 ◆藤川雅司 委員  私からは,市立大学の設置について,2点お伺いをいたします。  大学を取り巻く環境につきましては,少子化に伴って18歳人口の減少,あるいは厳しい地方財政といった非常に厳しい課題があるというふうに思いますが,約1年間にわたる市民議論の結果を踏まえて,今回,市長が大学の設置を表明されたことについては大きな期待を寄せておりますし,これが成功するかしないかというのは,札幌の将来にとって非常に重要な課題だというふうに私は受けとめております。  私は,大学設置,とりわけ高専の大学化に関心を持っております。なぜデザインと看護なのかという疑問もありましたが,昨年の大学化を考える市民フォーラムに参加をいたしました。そこで,グッドデザイン賞の審査委員長を務めておられる名古屋市立大学の川崎和男教授の講演を聞きました。高齢社会が進展する中,すべての人に優しいユニバーサルデザインというものがますます需要を増していくと,こういうお話を聞きまして,デザインと看護,いわゆる医療の分野でのユニバーサルデザインというものの重要性を確信したところでございます。  そこで,私は,この大学が地域に優秀な人材を輩出し,知識や研究機能を提供することによって,初めて地域産業の活性化や芸術・文化の振興,そして豊かな市民生活の実現に貢献するものだと,こう考えているところでございます。  したがいまして,市民に開かれた大学として地域に貢献するということについては,何を置いても卒業生が,地域,北海道,全国,あるいは全世界で活躍していくということが重要だというふうに考えております。  そうした点について,特にデザイン系学部に絞って2点質問をいたします。  1点目の質問ですが,デザイン系学部卒業生の就職の見通しについてお伺いいたします。  大学で育成される幅広いデザイン能力を持った人材が地域で存分に活躍をするには,地域にデザイン系分野の十分なニーズがなくてはいけないと。つまり,卒業生を活用する企業があるかどうかということが極めて重要です。しかしながら,不況が長期化する中で,現在の新規学卒者の就職を取り巻く環境は大変厳しい状況にあると。特に,道内の大学を卒業した学生のこの春の就職率は79.0%と,全国平均92.8%より10ポイント以上低い水準にあるということでありまして,大学から最初の卒業生が輩出されるのは平成22年3月と,まだ先のことになりますけれども,デザイン系学部卒業生の就職の見通しについてどのように考えているのか,お伺いしたい。  2点目は,学生が会社を起こすこと,いわゆる学生の起業に対する支援について伺います。  目覚ましい速さで変革を続けております社会情勢の中で,経済を活性させていくということは,新しい技術や発想によって市場を開拓していく起業家の存在が欠かせないわけです。アメリカでは,シリコンバレーにあるスタンフォード大学が学生の起業を支援することで,ヒューレット・パッカード社に代表される世界的な企業を幾つも生み出してきております。  国内においては,経済産業省が,大学発の特許取得数を10年間で10倍,大学発ベンチャー企業を3年間で1,000社にすることを目標にしておりまして,ベンチャー企業の育成を重点的な施策としているということであります。文部科学省においても,新時代の産学官連携の構築という観点から,大学発ベンチャー企業の創出に向けた組織的な支援体制の強化,あるいは大学における起業家育成の充実に取り組むべきとしているところであります。  私は,札幌の市立大学においても,研究室や施設の提供,起業家教育プログラムといった,学生の起業に対する支援機能の充実に積極的に取り組むべきと考えているところでありますが,札幌市立大学における学生の起業に対する支援についてどのように考えているのか。以上,2点お伺いいたします。 ◎橋本 大学設置準備室長  1点目のデザイン系学部卒業生の就職見通しについてお答えいたします。  大学卒業と同じ学位が取得できる市立高等専門学校専攻科の卒業生の例を見ますと,この春の就職率は道内の大学卒業生の平均を上回っており,デザイン系人材に対するニーズは比較的高い状況にあります。  近年,デザインニーズを見ましても,製品の付加価値の向上やブランド化など,企業活動の全般にわたり,デザインの重要性が増しているところでございます。さらに,子供からお年寄りまで,あらゆる人が使いやすいユニバーサルデザイン,環境に配慮したエコデザイン,IT分野の情報デザインといった新しいデザイン領域の拡大も見込まれているところでございます。  こうしたデザインニーズの高まりを背景に,市立高専の大学化については,これまで印刷業や情報関連産業など,各企業・団体から支援表明をいただいており,大きな期待が寄せられているところでございます。
     デザイン系学部卒業生の就職の見通しにつきましては,決して楽観はできませんが,支援表明をいただいた各企業・団体を初めとする地元産業界の意見をお聞きしながら,また,経済局で進めておりますデザイン産業の振興と連携を図り,卒業生が地域で存分に活躍できるような取り組みを進めてまいりたいというふうに考えています。  次に,2点目の,学生が会社を起こす,いわゆる起業に対する支援についてお答えいたします。  起業に対する支援につきましては,札幌市といたしましても,デジタル創造プラザや産業振興センターの整備など,その重要性を認識して取り組んできたところでございます。  市立大学におきましては,学生の新たな発想や着眼点から生まれる多様な技術やビジネスモデルが,地域経済の活力を生み,時代を先導する新しい産業の創出につながるものと期待しているところでございます。そうした新しい事業がビジネスとして成立していくためには,新しいアイデアや技術だけでなく,やはり経営上のさまざまな課題に対応する必要があると思います。大学では,こうした課題の解決に向けた支援を行い,学生の起業しようとする意欲を大いに伸ばし,はぐくんでまいりたいと考えております。  具体的には,研究室や施設の提供,起業に対応したカリキュラムの編成,ベンチャー企業を対象にしたインターンシップの実施や相談窓口の開設など,市立大学における支援策について積極的に検討してまいりたいと思います。 ◆藤川雅司 委員  冒頭でも言いましたように,大学化というのは,札幌市の将来を左右するぐらいの,すごい影響力があると判断して進めなければならない課題だと,こういうふうに私は思っているのです。したがって,大学設置に向けて万全な取り組みを行って,その結果,優秀な人材が地域に輩出され,札幌発のさまざまな分野で,デザイン系あるいは看護系の人たちが,全国,全世界でその役割を果たすというふうになるように,そして,札幌地域の経済の活性化が図られるということを目標に,全力で頑張っていただきたいと,こういう思いを述べまして,質問を終わります。 ◆青山浪子 委員  私からも,市立大学の設置について質問をいたします。  このたび,上田市長から提案されました補正予算案に,市立大学の設置に向けた基本計画策定費6,200万円が盛り込まれました。従来から,市立高等専門学校と高等看護学院を大学化すべきとの立場をとってまいりました我が会派といたしましても,大いに賛意を表明するものでございます。  市立大学の設置に当たりましては,既にある高専・高看の校舎を最大限に活用すると聞いておりますが,市の大変厳しい財政状況を考えると,大学の設置経費を節減するという点で,私は大変望ましいことだと思います。  さらに,それぞれのキャンパスを見てみますと,デザイン系の学部が置かれている芸術の森キャンパスは,大変豊かな自然環境に恵まれ,また,本市が世界に誇れる芸術・文化の施設であります札幌芸術の森に隣接し,日常的にすぐれた芸術・文化に接することのできる,とてもすばらしい教育環境にあります。また,一方,看護系学部の置かれている桑園キャンパスは,看護学習の受け入れ先ともなる市立札幌病院に隣接するという好条件に恵まれております。このように,二つのキャンパスは,それぞれの学部の特性にふさわしい環境が整っておりまして,学生さんたちのキャンパスライフの充実に大いに寄与するものと期待をしております。  ただ,私は,大学のキャンパスが芸術の森と桑園の二つに分かれてしまうことについては,若干懸念もあります。それは,デザインと看護の連携・協働で,ユニバーサルデザインや高齢社会に向けた新たな教育・研究領域に取り組む大学として,一体性が確保できるのかということでございます。また,このように校舎が離れて立地する状況の中で,一つの大学として,教育・研究面や学生,教員の意識の一体性を確保することが大変に難しいのではないかと思う点も,実は心配をしております。  そこで,質問でございますが,大学としての一体性をどのように確保されるのか,お伺いをいたします。 ◎橋本 大学設置準備室長  ただいまの,大学としての一体性の確保についてお答えいたします。  この点につきましては,デザイン系学部と看護系学部の二つの学部間で,教育・研究の両面において人的交流,知的交流を促進していくことによって,大学としての一体性を確保してまいりたいと考えております。  具体的に申し上げますと,教育面では,人文科学,社会科学及び芸術など,教養科目を初め,人間工学やユニバーサルデザインなど,両学部で共通して学ぶ科目について,共通教育として,芸術の森キャンパスで行っていきたいと考えております。両学部の学生が芸術の森キャンパスという恵まれた自然環境の中で,机を並べて,触発し合って,教育上の相乗効果が生まれると同時に,両学部の学生に求められる豊かな感性の育成にもつながるものと考えております。  また,研究面では,福祉型街づくり,医療機器,介護機器,バリアフリー住宅など,両学部の専門性を生かせる学際領域について共同研究の場を設け,積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  こうした研究の推進によって,教員間の交流も深まり,大学として一体感が確保できるのではないかと考えております。 ◆青山浪子 委員  ただいまの答弁の中で,キャンパスが分かれていることにつきましては,運営面の工夫などによって,大学としての一体性を確保されるとお聞きいたしましたが,環境が違う二つのキャンパスが持つ立地上のメリットを教育・研究に生かし,市立大学としての大きな個性にしていただきたいと思います。  私は,市立大学に関しましては,ことし2月の予算特別委員会でも,学生への配慮という観点で質問をさせていただきましたので,引き続き,その点につきまして再質問をさせていただきます。  デザインと看護の両学部の共通教育を芸術の森キャンパスで行うことになりますと,看護系学部の学生さんたちは,共通教育を受けるために,芸術の森キャンパスまで通わなければならないことになり,移動に少なからず負担がかかることになります。  そこで,再質問でございますが,こうした移動に伴う学生さんたちの負担についてどのような配慮をされているのか,お伺いをいたします。 ◎橋本 大学設置準備室長  学生の負担に対する配慮についてお答えいたします。  学部キャンパスが分散している事例は,全国的にも多く見られるところでございます。その中で,看護系学部の学生が複数キャンパスを移動しながら修学している例としては,名古屋市立大学や千葉大学などがあります。これらのキャンパスの運用例を参考にしながら,カリキュラムの編成や履修方法を工夫してまいりたいと考えております。  具体的には,同じ日に二つのキャンパスを移動することのないように時間割を組んだり,キャンパス間の移動回数を減らすために,短期集中型の授業を開講したり,学生の負担を軽減するよう十分に配慮してまいりたいと考えております。 ◆青山浪子 委員  最後に,要望でございますが,私は,今の質問の中で,大学のキャンパスを芸術の森と桑園に限って質問させていただきましたが,市が設置をする大学は,生涯学習施設はもとより,芸術・文化,産業振興,さらには保健福祉,医療施設など,多様な市有施設のネットワークを学生さんたちの実習に活用するなど,教育・研究の場を広げることができると思うわけでございます。  市民に開かれ,地域に貢献する大学の姿は,私は,まさに札幌市全体が大学キャンパスになることだと思っております。そんな構図がぜひとも描かれる,夢のある大学になることを期待申し上げまして,私の質問を終わらせていただきます。 ◆三浦英三 委員  私は,公共施設への新エネルギー導入について質問させていただきます。  市長の施政方針,さっぽろ元気ビジョンによりますと,地球温暖化防止に向けて,CO2の排出量を10%削減することを目指して,自然エネルギー,未利用エネルギーの有効利用や新たなエネルギーシステムの導入,省エネルギーの取り組みを促進するとともに,市民,事業者が主体的に行動を起こしていくような取り組みをすると言われております。  札幌市では,平成13年度に策定をしました札幌市温暖化対策推進計画で,地球温暖化対策として,省エネルギーの取り組みとともに,環境への負荷が少ない新エネルギーの導入を進めることとしております。具体的には,積雪寒冷地の特徴であります雪冷熱を初め,太陽光発電,ごみ発電,コージェネレーション,燃料電池などの新エネルギー導入目標をその中で設定しております。  私は,せっかくこのように立派な目標を設定しても,二酸化炭素の排出量がなかなか削減されないのが現状であると思います。計画どおりいくのか,非常に心配をしているところであります。  本市では,これまで,公共施設への新エネルギー導入を進めてきておりますけれども,市民が新エネルギー導入の意義を理解し,後押しをしてくれるようになってもらうために,身近な公共施設への種々の新エネルギーの導入をさらに進め,市民一人一人に実感してもらうことが重要であると,このように思うわけでございます。  そこで,質問でございます。  先導的に公共施設へ新エネルギーを導入するために,その基礎となる調査や普及啓発のための事業費を計上したと,我が会派の代表質問に市長は答弁をされました。新エネルギー導入モデル調査として計上しております2,000万円の新規事業について,環境省が今年度新設した特別会計を活用するとのことでありますけれども,どのような補助制度なのか,これが1点目でございます。  2点目に,新エネルギー導入モデル調査は,どのような調査を行うのか。また,調査にあわせて,市民PRや意識調査も行うことになっていますけれども,その内容はどのようなものなのか。  3点目に,この事業を実施することにより,今後の公共施設への新エネルギー導入において,どのような効果が期待できるのか。以上,3点お願いします。 ◎小島 企画部長  公共施設への新エネルギー導入についてお答えいたします。  1点目の今年度から新設された環境省の補助事業についてでございますが,従来,経済産業省が所管しておりました石油特別会計の制度が見直されまして,新たに地球温暖化対策として環境省所管の補助制度が成立したものでございます。このことによりまして,環境省は,地方公共団体が二酸化炭素の排出抑制対策を行う事業に対しまして,今年度から補助できるようになったというものでございます。  補助の対象となる事業は,バイオエタノールなどの利用促進,生ごみからのメタン製造施設整備や地中熱を利用する施設整備など,大きく5項目に分類されてございます。新エネルギー導入モデル調査は,この対象事業のうち,定額100%の補助率である二酸化炭素排出抑制普及啓発補助事業を活用するものでございます。  2点目の新エネルギー導入モデル調査の内容についてでございますが,公共施設への新エネルギーの導入には,施設の規模や設置場所,エネルギー利用量の変動など,施設ごとの特性を十分把握した上で検討を進める必要がございます。国の研究機関や企業が示している各種新エネルギーの性能やコストのデータは,ある程度参考になりますが,札幌市にそのまま当てはめることはできないというような性質のものでございます。そこで,この調査では,札幌市の学校,区役所,児童会館などの公共施設をモデルに,太陽光,風力,木質バイオマスなどの新エネルギーを導入する場合の設置・運用コスト,それから二酸化炭素の削減量などを客観的に評価することにより,どのような施設に対し,どのような新エネルギーの導入の可能性が高いのかを体系的に整理することとしております。  公共施設の種別によりましては,新エネルギー導入が,既存システムに比べ,ある程度割高になるという調査結果も想定されるところでございますが,その課題を乗り越えながら導入を進めるためには,市民の皆様の理解が欠かせないところでございます。そこで,この調査結果をホームページなどで市民の皆さんに公開することにより,新エネルギー導入の効果とコストをお知らせしたいと考えております。アンケートなども検討してまいりたいということでございます。  3点目の事業実施による効果についてでございますが,各種の公共施設へ新エネルギーを導入する場合の効果やコストを体系的に整理し,市民の皆様からの理解が得られるということになれば,今後の具体的な施設整備計画を立案していくことが可能になりますし,公共施設への新エネルギー導入が加速されていくのではないかと考えているところでございます。公共施設へのこのような取り組みは,規模の近い民間施設へも十分応用できますので,広く全市的に波及していくことが期待できるということでございます。 ◆三浦英三 委員  ただいま,部長から答弁をいただきましたけれども,私は,温暖化対策推進計画による新エネルギー導入目標を着実に達成するためには,今回の調査等も踏まえて,具体的なアクションプログラムを作成する必要があると,このように思うわけでございます。今回,新エネルギー導入モデル調査によりまして,新エネルギーに対する市民の理解が深まって,そして,導入アクションプログラムの呼び水になっていくということも,大いに期待される大事な調査であると,このように歓迎をしているところでございます。今後とも,新エネルギーの普及推進に向けて,積極的な取り組みをぜひお願いしたいと思います。  あわせて,今,国際的な二酸化炭素削減に向けた取り組みについて目を向けてみますと,近々,ロシアが京都議定書を批准する,このように見られております。いよいよ,京都議定書の発効が見込まれることから,各省庁が地球温暖化対策のための施策を強力に推し進めていく方向が見えてきております。  よって,札幌市としましても,各省庁としっかりと連携して,市民,事業者とともに新エネルギー導入に取り組むさらなる施策の展開を希望いたしまして,私の質問といたします。 ○笹出昭夫 委員長  以上で,第2項 企画調整費の質疑を終了いたします。  次に,第7款 土木費 第4項 都市計画費の質疑に入ります。 ◆恩村一郎 委員  5時も回りまして,超過勤務手当削減の上からも,端的に質問したいと思います。  札幌市では,これまでにも,緑豊かな街づくりを目指して,さまざまな施策を講じられてきたわけなのですが,今回,本年度の都心街づくり関連予算として,都心交通計画関連事業と緑を感じる都心のまち並み形成推進計画策定,この二つの事業が挙がっているわけなのですが,そこで,この二つの計画はどのような連携が図られるのかといったことと,具体的な策定フローについて,まずお伺いしたいと思います。 ◎金澤 都心交通担当部長  都心交通計画と緑を感じる都心のまち並み形成計画の二つの計画は,ともに人と環境を重視した都心の街づくりを目指しているものでございます。特に,街づくりと交通というのは密接不可分の関係にございまして,それぞれに,これから計画策定委員会を設置いたしますが,お互いにそごを来さないように,両委員会の連携を図りながら取り組んでまいろうと考えてございます。  それで,都心交通計画は,都心の街づくりを交通面から支える,新しい時代の都心交通の創出と,都心の活性化に寄与する交通対策としまして,おおむね10年間で実現可能な交通施策を15年度末までにまとめる予定で,今,取り組んでございます。さらに,これと並行いたしまして,中長期的な課題の調査検討も進めてまいりまして,都心の将来像を目指してまいりたいと考えてございます。  それから,もう一方の緑を感じる都心のまち並み形成計画は,都心交通計画をベースとしまして,道路,公園,建物敷地内の広場など,こういったオープンスペースをネットワークしまして,それから駅前通,そして創成川通など,都心の骨格軸について具体的な空間像をまとめるもので,これは16年度末までに策定を予定しているところでございます。  都心につきましては,より多くの市民に関心を持っていただき,市民の理解を深め,それから認識を共有することが重要でございます。このため,市民との意見交換が必要であり,大規模な市民ワークショップやプレワークショップなどで市民の評価を受けとめながら,両委員会での計画策定につなげてまいりたいと,このように考えております。 ◆恩村一郎 委員  今,10年間で実現可能な施策ですとか,16年度末までにある程度まとめるといったようなお話が出ていたわけなのですが,これらの計画策定のため,市民とのコンセンサス形成という意味で,実は今,ワークショップを開催するといったお話がございました。ワークショップというのは,具体的にどういった内容でおやりになられるのか,この点についても教えてください。 ◎金澤 都心交通担当部長  ただいまの大規模ワークショップにつきましては,この11月に,2日間にわたって都心部のイベント会場を借り受けまして,全国的にも例がない規模なのですが,延べ1,000人程度の市民参加を目指す大規模なワークショップを今計画しているところでございます。内容につきましては,現在,詳細を検討中でございますが,都心について総合的にご理解が得られますように,都心の交通施策や交通の方向性などがテーマになるだろうと想定しているところでございます。  参加者は,これまでの市民議論に参加していただいた方,これからまたさらにいろんな議論があるわけですが,そういった場に参加していただいた方にご案内するとともに,新聞などのメディアを積極的に活用しながら,広く公募による呼びかけもしながら,実施してまいりたいと考えてございます。  そして,大規模ワークショップなどで出された市民意見につきましては,都心交通計画策定委員会に逐次報告してまいりますし,都心交通計画の策定に反映されるように取り組んでまいりたいと考えております。 ◆恩村一郎 委員  ただいまのお話で,イベント会場を使って,1,000人規模のワークショップを開かれるということなのですが,正直言って,1,000人集めるといったら大変なことですよね。今までの経験者といいますか,かかわった方たちを集めたとしても,到底それには及ばないでしょうし,そういった意味で,公募という格好もとられるのだろうと思うのですけれども,公募でおやりになられる場合に,どうしても偏りが出てしまう危険性が非常にあるのかなと思います。  今,新聞等を使ってというお話もありましたけれども,1,000人規模でやるというのは,ほかのところを見てもほとんどないことだろうと思いますので,きちっとした格好でやっていただくためにも,より積極的なPRといいますか,広報活動もしなければいけないでしょうし,十分な形で,むしろ1,000人以上集めてやるのだと,それぐらいの意気込みでぜひ取り組んでいただきたい,そのように思います。これの経緯といいますか,進行状況を見守っていきたいと思います。 ◆坂ひろみ 委員  引き続き,私からは,都心交通計画策定への市民参加についてお尋ねをいたします。  札幌市は,平成12年度からスタートした第4次札幌市長期総合計画において,魅力的で活力のある都心整備を目標として掲げ,平成14年度に街づくりの長期的な展望を示した都心まちづくり計画を策定いたしました。さらに,都心の交通についても,都心交通の望ましい姿に向けた理念と,今後,おおむね20年間に取り組むべき主な施策を都心交通ビジョンとして市民に提案いたしました。今後は,都心交通ビジョン懇談会の提言や都心交通検討会の報告等を受けて,実現可能な交通対策をまとめた都心交通計画の策定を予定しています。  今までの都心交通は,道路整備など自動車交通の円滑化を重視してきましたが,これからの都心交通は,快適な歩行者空間の創出など歩行者や環境を重視したものが求められます。  私は,新たな都心の街づくりのキーワードは,協働による街づくりと考えます。大切なのは,そこで暮らす私たち市民がどんな街を望み,その街づくりに多くの市民が関心を持って,どう参加・参画していけるかということです。新しい時代の都心づくりを実際に進めるためには,市民,企業,商店街組織,NPO,行政等のさまざまな主体が協働して取り組むことが不可欠であります。また,こうした市民の新たな動きが,上田市長が目指す「市民自治が息づくまちづくり」にもつながるのではないでしょうか。  都心交通計画策定に向けて,フォーラムやワークショップ等が多数計画され,市民参加の場として大規模な市民ワークショップが開催されることについては,高く評価できるものであり,大いに期待をするところであります。しかし,本来の市民参加は,NPO活動のように,自主性が求められるものであり,行政が用意したシナリオにただ乗って承認するだけの議論ではなく,市民が自主的に考える場づくりを進め,主体的にかかわることが重要だと考えます。  そこで,質問です。  都心交通計画の策定に当たって,市民の自主的な活動は予定されていないのでしょうか。また,市民が自主的に考えるきっかけとなる取り組みをどのように進めるおつもりか,あわせて伺います。 ◎金澤 都心交通担当部長  2点のご質問でございましたので,1点目の市民の自主的な活動につきましては,大規模市民ワークショップに先だって開催が予定されております,連続ミニフォーラムという企画がございます。これは,平成13年からことしの春まで開催しておりました都心交通ビジョン懇談会がございまして,そこに参加された市民団体や都心の商業者から成る有志の方々が,その懇談会であった提言の内容を広く市民にPRすることを目的として結成した市民団体が,今回開催するものでございます。  この連続ミニフォーラムは,大規模ワークショップに向けまして,さまざまな立場の団体が,都心の交通ということをキーワードにしまして,各団体の考え方や問題意識を広く市民にアピールするという内容で,現在,各団体に呼びかけしているところと聞いてございます。  このような市民の自主的な活動は,大規模ワークショップの参加意識を高めるとともに,機運を盛り上げていくという役割も担っているわけですが,参加を希望する市民が事前に基礎知識や論点を理解しやすくなるなどの効果も期待できますことから,私どもは大変有意義な市民活動と受けとめているところでございます。  それで,2点目は,市民の皆様が自主的に考えるきっかけにというお話でございましたが,まさに今回の一連の取り組みがきっかけになるものと私どもは考えておりまして,これからの市民活動に大いに期待しているところでございます。 ◆坂ひろみ 委員  今月22日から,モエレ沼公園でイサム・ノグチ展が開催されております。この展覧会は,札幌市とモエレ沼公園の活用を考える会の共催です。いかに市民がノグチ氏の精神を受け継ぐ場にするかとの呼びかけに賛同した約20名が会を結成し,開催費用1,200万円は,札幌市と考える会が同額負担となっています。  考える会の代表は,完成で終わりでは意味がない,その後の運営こそ大事ですとおっしゃっています。また,生前,ノグチ氏も,芸術は日常生活に入り込まねばならないと話していました。  これからの新しい時代の街づくりは,パートナーシップのもと,市民や企業,行政等が対等な立場で話し合い,それぞれの自主的な活動を基盤とした役割分担と協調によって進めることが大切であり,また,こうした取り組みは,都心の街づくりだけではなく,各区の街づくりにも生かしていくことが,今後ますます必要になってきます。  豊平区では,2000年に,ごみ環境区民会議を設置し,多くの区民がかかわる中で,生ごみの堆肥化やごみの発生抑制に向けたエコ的手法によるイベントの開催,また,小・中学校の環境をテーマとした総合学習への支援などを行いました。さらに,今年度は,子供たちの地域への愛着心やふるさと意識をはぐくみ,豊平区や地元の街づくりに対して興味を持ってもらうために,子どもふるさと教育事業を実施いたします。  このように,身近な地域の中で区民が主体的に参加し,行政主導ではなく,ともに手を携えて一緒に進められることが真の協働による街づくりであり,最も重要なことだと考えます。  今回の計画に向けても,こうした市民の自主的な活動があるとのお答えでしたので,そのような市民活動に対して,活動費用を含めた札幌市からの支援が必要と考えますがいかがか,伺います。  また,計画策定後においても,市民参加の場を継続的につくり,最後まで市民を参画させ続けることが最も重要なことと考えますがいかがか,伺います。 ◎金澤 都心交通担当部長  1点目の活動に対する支援でございますが,このような自主的な市民活動は,大規模ワークショップへの参加意識,それから機運を高めるなどの効果が期待できますことから,本市としましても,活動の自主性を尊重しつつ,広報や情報提供などの側面的な支援を行ってまいりたいと,このように考えてございます。  また,市民参加の場の継続につきましては,都心交通計画策定後も,事業化や社会実験の実施などに当たって,市民の皆様との協働が重要でございます。したがって,継続的な市民議論の場が必要であると認識しておりまして,これからも市民団体を初めとする関係者の方々と十分協議をしながら対応してまいりたいと,このように思っております。 ◆坂ひろみ 委員  ただいまの答弁をお聞きしまして,街づくり計画,都心交通計画,本当の意味での協働に向けた議論ができるのではないかということで,大きな期待を持つことができましたので,ぜひとも実現をしていただきたいと思います。  私は,議員になってまだ3カ月ほどですけれども,以前から行政に対して感じていることを含めまして,私の要望として,3点ほど最後にお話をさせていただきます。  まず1点目に,札幌市の多くの事業計画の前に設置される審議会や検討会,懇談会等々で出された貴重で重要な提言やまとめが,実際に生かし切れていない現状がありますので,行政の皆様には,ぜひとも街づくりの計画の策定や事業自体に生かす努力をしていただきたいということです。  2点目に,今回のような街づくりという大きな視点での総合的な計画になりますと,交通以外にも文化や芸術,環境や福祉といった,さまざまなことが関係してきます。行政内では異なる部局が担当しますが,いまだ縦割りの枠組みを外し切れずにいる現状から,ぜひとも連絡会等で密なる連携をとって進めていただきたいと思います。  最後に,街づくりについては,都心部だけでなく,各区ごとの身近な街づくりにおいても,区民が主体的に参加・参画できる仕組みやルールが必要です。各区においても,さまざまな場面での行政支援を広くとっていただきますよう要望しまして,私の発言を終わります。ありがとうございました。 ◆山田一仁 委員  私の方からは,再三,いろいろ提言されております札幌駅前通地下歩行空間について,市長の方にお伺いさせていただきたいと思います。ちょっと字が長いものですから,地下通路と言うときもあろうと思いますけれども,ひとつご容赦のほどをお願いしたいと思います。  この地下通路は,市長もご存じのように,この議会で,いろいろな場所で取り上げられて,我が会派も,都心再生を図るという大きな目標のもとに議論をされてきた。そういう中において,いろんな意見がありましたけれども,最終的に,本年3月には都市計画決定されたのであります。  そこで,まず,ここに至る過程というのはいろいろありましたけれども,基本的には市民合意というのが十分にあったと我々は思っているわけですから,この部分は,原局の方に改めてお聞きするのですが,都市計画を決定するまで,今日まで市民とどのようにかかわってきたか,市民に十分理解していただけるようにかかわってきたか,その辺の経緯を,まず1点,原局の方にお伺いしたいと思います。  次に,市長の方にでございますが,代表質問等でもいろいろご答弁がございました。我が会派の横山議員の代表質問あるいは再質問,再々質問等に対し,市長は,十分な市民論議をし,理解を深めて,その論議の動向を見きわめ,事業化を判断したいと答弁をされております。今申し上げましたように,我が会派は,十分に論議をされ,合意を得られているという認識を持っておりまして,その意味で,都市計画がされたわけであります。ということは行政が地下通路の事業化を決定したということでありますから,これを即座に実行していくということが,都市計画決定の重みではないかなと思います。市長の答弁の中に,都市計画決定の重みということを十分にと市長はおっしゃいましたが,その辺の重み,確かに口では重いということを言われましたが,重みとはどんなことなのか,まずこの1点をちょっとお伺いしたいと思います。 ◎高宮 総合交通対策部長  私の方からは,都市計画決定に至るまでの市民とのかかわり合いということでご説明申し上げたいと思います。  最も早いのは,平成12年度に地下歩行空間についての市政モニター調査や高齢者アンケートなど四つのアンケート調査と,さらに身体障がい者団体による既存地下空間の現地調査を行っており,計画に対する考え方や施設への要望などについて意向把握を行いました。引き続き,平成13年度には,公募市民50人による地下通路のあり方についてのワークショップを行い,具体的な地下歩行空間のイメージなどをつくってきた経過がございます。平成14年度には,広く市民に計画の内容をお知らせするため,各区役所などを使いまして,パネル展などで市民に広くPRをしてきたところでございます。  これらの経過の中で,地下歩行空間の必要性は高いと判断し,市民意向をもとにして,施設の内容を検討いたしまして,本年3月に都市計画決定をしたところでございます。 ◎上田 市長  お答えいたします。  従前から申し上げておりますように,地下歩行空間につきましては,私といたしましては,人と環境を重視した,魅力的で活力あふれる都心の再生を進める上で大きな意義のあるものとして,その有用性は十分認識しているというのが基本でございます。  これまで,議会においてもいろいろなご議論をいただいたということも承知をいたしておりますし,ただいま,担当者からも答弁ありましたとおり,市民によるいろんなワークショップ,アンケート等も実施されていたということも理解をしているところであります。その上で,この3月に地下部に関しての都市計画決定を受けているということ,これも十分認識しているところであります。しかしながら,2回にわたります市長選の議論で,新聞報道等を見ますと,必ずしも市民に正確な情報が届いていないのではないかというふうに認識をさせていただいたわけであります。  地上部の車線数の問題だとか,あるいは,30年間育ててまいりました札幌のシンボルとも言うべきハルニレの扱いについて,不安の声も聞かれたところでございます。そこで,事業化に向けては,さらなる市民の理解が必要ではないかというふうに考えまして,調査費を計上させていただいたというわけであります。  今後は,今年度中の都心の交通計画などを策定する中で,都心全体の街づくりについての位置づけや,地上部分の再整備のあり方など,十分な議論を尽くして,理解を深めていくことにしたいというふうに考えているわけであります。  したがいまして,私といたしましては,この事業を一から見直すという考えはございません。今日までの議会や行政が積み上げてきました,その到達点というものがあるわけであります。この到達点に立ちつつ,地上,地下を含めて,さらに都心部の総合的な交通体系の観点から市民議論を行って,その動向を見きわめて,できれば,予定していた完成時期を目指して努めてまいりたいというふうに考えているという趣旨でございます。  幸いに,先ほど別の方の質問に対しても,いろんなワークショップがこれから行われるということの報告があったと思いますが,その中で,これはこれ,あれはあれではなくて,創世1.1.1区(さんく)の社会実験とかそういうものを含めて,この問題も,全体の意見を徴収する一つの項目として利用していきたいというふうに私は考えております。 ◆山田一仁 委員  今,市長の答弁をお聞きしますと,我が会派の横山議員の代表質問のときには,今年度に予備設計を実施する予定でありましたが,私としては,地下歩行空間の整備に対する市民理解が,現段階において十分にと書いてある。先ほどの質問等を聞いていますと,どうも地上と地下と分けられているなと。今回は地下通路に対する都市計画が決定されたのです。地上部ではないのです。地上部は,今言われるように,市長は何回も説明を聞いているはずで,計画があるのです。地上部分もこれからやるのです。地下を前提として都市計画されているわけです。そうですよね。それをご理解していただきたい。  だとするならば,地下の方は,市長は市民理解が十分されているということを理解されているのですね。地上は理解されていない,しかし,地下は,市民が理解されていると。今,原局がきちっとやってきたことは,十分にやってきたことは認めると。そういうことでよろしいのですか,市長。 ◎上田 市長  地下を掘るためには,地上を工事せざるを得ないということになりますので,工事のありようというものも含めて,やはり市民の理解を得なければならないというふうに私は考えているわけであります。
    ◆山田一仁 委員  市長は,このスケジュール表をもらわれて,原局からも説明を受けていると思います。どういうふうにやるかは聞いているはずです。今回の予備設計がおくれると,全部おくれるのです。あしたから穴を掘るのではないのです。ですから,予備設計をやりながら,市長が言うように,地上をこれから市民議論をみんなでやりましょうということを言っているわけです。何も今すぐ市民意見を聞かないで,地上部を一遍にと。先ほど,ハルニレの木を市長は,何かたたき切られるように心配されているのではないかと。地上部が極端に変わるのではないかと。それは,これからやろうとしているわけであります。だとするならば,何も今回の地下通路に関しては,当初計画どおり進めていいわけだ。なぜ当初の計画どおりいかなかったのか。  言うなれば,地下通路に関しては,市長は,市民議論は十分にされていることで理解をしているということですね。地上部だけの問題だということを,もう一度お伺いしたいと思います。 ◎上田 市長  そこのところは,2回目の選挙のときにも,3人の候補がいずれもそのことについては消極的だったというこの事態を,私は,いろんな方の意見を聞かなければならないという観点から,そのような申し上げ方をしたということでございます。(発言する者あり) ○笹出昭夫 委員長  静かにお願いします。(「聞こえない,答弁が」と呼ぶ者あり) ◆山田一仁 委員  今,市長に一つ聞いたのは,地下に対する市民議論は十分にされた,これは理解されているということでよろしいのですかと,地下に対しては。 ◎上田 市長  地下に関する議論はされているというふうに思います。ただ,時期の問題というのも,もちろん計画があるということは承知をしておりますけれども,それは地上の設備といいますか,つくり方との相関関係もあるというふうに私は認識しておりますので,そういう意味で,市民議論をさせていただきたいと,こういうふうに言っているわけであります。 ◆山田一仁 委員  ということは,地下は理解された,では,地上の方は理解をされていない。この部分がまだまだ足りないから,市長としては,一体であるから,この辺はおくらせようと。ということは,やるという前提があるということですね,当然。 ◎上田 市長  もちろん,その方向で私は考えているということであります。 ◆山田一仁 委員  では,やるということになったときに,(発言する者あり)やるということに変わったのです。やるということを言ったのです。今までは,全くやるとは言われなかった。ただ,やるのが,この計画でいくならば,(発言する者あり)いや,やると言っているのです。(「違う,違う,ちょっと待て」と呼ぶ者あり)質問しているのは私ですよ。やると言っているのです。 ○笹出昭夫 委員長  山田委員の発言中ですので,静粛にお願いします。静粛にお願いします。(「宮川質問の答えと食い違っている」と呼ぶ者あり)  山田委員の発言中ですので,静粛にお願いします。 ◆山田一仁 委員  (続)市長は,大変前向きな答弁でありました。そこは評価したい。我々も,それには一緒に応援していきたい。  ただ,市長,それならば,この予定表をあえてずらさなくてもいいわけですよね。予備設計は,今期に入ったって,十分に市民議論できるのではないですか。予備設計がおくれると,それだけ工期がおくれるわけです。(「そんなことはまだ言っていないのだよ」と呼ぶ者あり)これは,私の想像かもしれない。けれども,当初どおり計画はできるわけですよね,今,市長が言っているのだから。  あえて,なぜここで,それじゃ,こうしてきたか。地下はいいのですよね。地下前提だということもわかりますよね。地下前提の都市計画なのだと。まさか違うとは言いませんよね,これは事実ですから。だとするならば,この計画で,地下を前提にして,市民の皆さんとこれから議論をして,そして,この地上の方は,皆さんが理解できるようなものをこれからやっていくわけでしょう。それは,原局が,現場の人間が,本当に土木に精通した人が考えれば,知恵を出せば,札幌市の職員はすばらしいですよ,どんな知恵を出してでも,工夫してでもやりますよ。それがやれるのですから。その方向で,市長にやっていただけないのか。  なぜずらさなければならなかったのか,この部分とはまた違う,この部分はこれからやるのです,市長が言うように。やります。(「石崎さんもそう言っていた」と呼ぶ者あり)候補者がそう言ったら,みんなだめなのか。そんなこと言っても話にならないじゃないですか。どうなのですか。(「委員長,議事進行」と呼ぶ者あり)(発言する者あり) ○笹出昭夫 委員長  静粛にしてください。(「委員長,議事進行」と呼ぶ者あり)(発言する者あり) ◆山田一仁 委員  (続)この計画どおりに,なぜできないのですか,やるとするならば。(「議事進行」と呼ぶ者あり)(発言する者あり) ○笹出昭夫 委員長  山田委員が答えを求めています。(「議事進行」と呼ぶ者あり)(発言する者あり)  上田市長,ご答弁をお願いします。 ◎上田 市長  先ほどもご答弁申し上げましたように,予定している完成時期を目指して努めてまいりますというふうにご答弁申し上げております。もちろん,やるということが頭の中に一つあってそういう話をしているわけでありますから,これ以上の,確実にそこまでなるのかどうかという話は,私は目指して頑張ると言っているわけですよ。そこら辺でご理解いただかなければというふうに思います。 ◆山田一仁 委員  これは,都市計画が決まったのです。目指して頑張るではないのです。地下は,計画した事業をしていかなければならないのです。ところが,地上は,今言われるように,話をこれからしていかなければならないのです。都市計画は決まったのです。決定したことを重く受けとめる,これだけ言っていただけたのですか ら,これはやっていかなければならないのです。だとするなら,目指していくではないのです。(「こんなの,市長の答えでないですよ」と呼ぶ者あり)これはやるのです。市長,そうですよね。 ○笹出昭夫 委員長  まだ質問中です。(「出せや,だめだ,委員長,職権で」と呼ぶ者あり) ◆山田一仁 委員  (続)市長,この辺をもう少し。いろいろわかります。けれども,市長,ここで,やると,この一言をお願いします。 ◎上田 市長  いろいろご理解いただいていると思いますけれども,本当に私は,選挙の際に相戦った候補の方々の意見,要するに,2回目の選挙は47%の投票率しかありませんが,その47%の人たちは全部,反対だと言っている人たちに投票しているわけです。こういう現実があるわけであります。  私は,専門的に,上と下を分けて議論するのはおかしいとか,いろいろお話はあろうかと思いますけれども,ただ,市民議論を尽くさせてくださいというふうに申し上げているわけであります。  それから,基本的に,一から始めますよということを言っているわけではないわけであります。最後に残った工事を現実にやるとした場合に,地上の部分は,あの景観自体も市民的な財産でありますので,そういうことをちゃんと市民が議論した上で進めさせていただきたいと,私はこういうふうに申し上げております。 ◆山田一仁 委員  市長,私の言っていることは,地上の部分は,議論をやってくださいと言っているのです。  ただ,この計画は地下通路が前提でもってやっていくから,この計画書になっているのです。実際に,これを市長は見られているわけでしょう,説明を受けられているわけでしょう。すぐあしたからやるのではないのです。予備設計から入るのです。今回は予備設計。我々が言うなら,原局が計画したように,当初の1億円をやるべきであると。それから,予備設計に入り,次に実施設計です。工事はそれからです。その間に,十分に議論はできるはずです。何もそこを変えることはない。だとするならば,きちっとできるじゃないかと。(発言する者あり) ○笹出昭夫 委員長  静かにお願いします。 ◆山田一仁 委員  (続)それと,市長が,投票率が何だったとか,他の候補者が何だかんだと言ったって,これを計画した桂市長だって,当時は市民から負託された市長で,堂々と60万票取っている市長ですよ。その人がいたときに決めたやつですよ。そのとき,議論もやりましたよ。そのときやったやつはだめなのかと。今でなければだめなのかと,そうはならぬでしょう。(発言する者あり) ○笹出昭夫 委員長  静粛にお願いします。 ◆山田一仁 委員  (続)4年前にやったやつは全部だめなことになります,そんなことにならぬでしょう。計画がそんなことだったら,そんなことは違いますよ。(発言する者あり) ○笹出昭夫 委員長  松浦委員,静粛にお願いします。(「静粛にと言う前に,少し論理立って物しゃべっているの」と呼ぶ者あり) ◆山田一仁 委員  (続)だから,市長,その辺を私が聞いているのです。何も市民議論なんかしないでくれとか,市長だめだと言っていないですよ。  市長,やり方なのです。(発言する者あり) ○笹出昭夫 委員長  松浦委員,済みません,山田委員が発言していますので,お静かに聞いてください。(「議事録精査させろ,議事録精査」と呼ぶ者あり)  質問してください。 ◆山田一仁 委員  (続)市長,その辺は,今,確かに言っていることも(「議事録精査させろ,本会議の」と呼ぶ者あり)議事録精査,何を。 ○笹出昭夫 委員長  質問してください。(「この間の本会議に,議長は,横山議員と柴田議員 の,本会議で他力本願」と呼ぶ者あり)  質問してください。 ◆山田一仁 委員  (続)それでは,市長,この予備設計,最初の計画のここから,市長が言うのは,7月から設計だと,今,ちょっとおくれるかもしれないと,こう言う。これがだめだったということになるね。下にいったわけですね。なぜこの部分が,市長としては,ここの議論をやるのですか。議論をやってもだめなのだということなのか。議論をやっても,予備設計はやめなのかと。そうすると,この工事は,市長として,前提で言われたのですから,市長は,21年完成は絶対やると言ってくれるのですか,お願いします。(発言する者あり) ○笹出昭夫 委員長  静粛にしてください。 ◎上田 市長  先ほど来,同じ答弁で恐縮なのですが,完成を目指すということを申し上げているわけです。それ以上,私は,今までの本会議でも代表質問にお答えする中で,どうしてそういう判断をしたかということについては何度も申し上げているわけであります。市民がもう一回議論をした方がいいという立場で,ここはまじめに考えて,根本的に見直せというところまで,そういうふうにはならないと思いますよ。  要するに,地下部分について,計画を初めから考えるなんていう,そういうことにはならないと思いますよ。ならないけれども,しかし,地上部分については,これは一体のものとして考えてくださいということを公約として挙げた方々が選挙に出て,直近の選挙でそういう判断が下っているわけですね。私は,それを大事にしないといけないということであります。  しかし,もう一つでは,完成を目指して頑張りますよということを言っているわけです。それ以上の,そういう答弁でございます。 ◆山田一仁 委員  市長も,完成を目指して頑張りたいと。この計画どおり,21年までに市長はやろうとしている。そういうことがわかる。  ところで,福迫助役にわざわざご出席願いまして,本当にありがとうございました。  福迫助役は,当時,桂市政のときの駅前通地下通路の担当助役として,議会等でいろいろ答弁をされております。当時,今の過程があって今日が来たということは,福迫助役はご存じのはずでございます。  さて,このたび,新しい上田市長ということに相なりました。その上田市長の要請を受けまして,再度また助役にご就任をされて,今日いらっしゃるわけであります。市長がかわったから,恐らく助役の考えもころっと変わるとは思えないし,もちろん市長同士の考え方がある程度変わるのはやむを得ないことであります。もちろん田中助役も,もしかするなら,ある一面では,今までの意に反したことでも,今度は上田さんとやろうかなというのがあったのか,これは想像の中で申しわけないけれども,こうなる。でも,福迫助役は,継続している助役であります。  ことしの1定での助役の答弁が,ここにございます。全部読んでいくと長いですから,最後の1行だけ,「工夫を凝らしながら積極的に取り組んでいく必要があると考えています。」,これは地下歩行空間の,これを読むと,助役に本当かと言われるかもしれないけれども,これは議会事務局からもらった本物であります。今日も福迫助役は,この3月にされた都市計画に対して,そのとおりやるべきだと。よもや変わっているとは思わないのですが,このときは正しいと言うのですね。今も変わっていないですね。 ◎福迫 助役  私は,桂市長から請われて市役所の中に入れていただいて,そして,桂市政を支えるために,ずっと2年間やらせていただきました。その後,桂市長がおやめになって,そして,我々助役,それから特別職は辞表を出させていただいたわけであります。その後,また上田市長から,いろいろな面でということで請われて,この立場を与えていただいたわけであります。  今の時点では,上田市長が,4年間に1回ある非常に大切な選挙で,札幌市民から選ばれた。選ばれたというのは,いろいろな施策,あるいは,どういうふうな札幌市をつくっていくかということをはっきりさせられたことに対して,市民がジャッジされて,そして,市長が選ばれたわけであります。市長は,いわば大統領でございますので,その大統領から私は指名いただいて,この職にあるわけです。  ですから,基本的には,市長は市民から選ばれ,私は市長から選ばれたわけでありますから,市長が考えておられる施策を最大限の努力をして進めていくというのが,今のスタンスだと思っております。 ◆山田一仁 委員  ある一面では,確かに任命権者は市長ですから,助役はその考え方がありますけれども,福迫助役,今までは,桂市長と意見がお合いなったから助役を受けたのですよね。全く意見が反したら,助役なんか受けませんよね。考え方に余り相違がない,同じような考え方だから,桂市長を助けながら,助役をやって頑張っていこうということであって,それで受けたわけですよ。そういう考えで受けたのでないのかと,僕はそうだと思うのです。もしも自分と考え方の相反する人に助役をやってくれと言っても,行動が変わってくるわけでありますから。そうですよね。当然ですよね。あっちもこっちもというわけではない。(発言する者あり)  そうするならば,今,ちょっとその辺がわからないのですが,本来は,自分が声出して,上田市長に,我々は正しいからこうやってきたのだと。最終決断は,もちろん市長です。助役が言ったって,だめだと言われれば,それまでかもしれないけれども,当然,今まで福迫さんが言ってきたことを市長に進言し,市長,何とかこうしてくれと説得する。そういうことになりますよね。やはり責任を持って,上田さんとその話をしてもらうと。  この答弁のとおり,福迫助役がそのときは信念を持って答えたことですから,ある一面,その辺は,上田市長に堂々と進言し,この計画が,きょうは少し前向きになったのではないかなと僕は思いますけれども,これからは,そういう面では進言していただきたい。この辺は,改めて福迫助役に要望しておきます。  この議論,市長とやりますと,どうもちょっと違っているのは,市長は上と下を全部一体だと。地下は,確かに認めてくれたのです。けれども,最初の都市計画のあり方は,市長は,どうもだめだと,そういうことですね。都市計画を前提として予備設計はできないわけですよ,今の市長で言うと。そういうことですね。  この部分に関しては,きょう,ここでまだ議論をしても,ちょっと平行線になりますから,この辺は終わります。この部分に関しては,今回,私どもの会派としていろいろありますので,また二部の方の建設委員会等でも多分質問が出ると思いますので,その辺はまた市長にいろいろな形で質問させていただくことになろうと思います。  ただ,最後に,私どもは市長に何遍も聞いているでしょう。地下通路の計画は,街づくりにおいて大変大きなことなのです。それも理解していただける。商店街だって,待っているところもあるのです。それを反対すると困るでしょう。100%全員が賛成なんていうことは,いまだかつて札幌市においても1カ所もありません。しかし,多くの人が賛成していることは確かであります。沿道のビルだって,期待して待っているビルがあるのです。実際に待っているのです。やってほしくないというのも,二十何棟に1戸あるのかないのかわからぬけれども,あるのです。そういうのも,事実あるのです。そういう面を考えると,どうしても私どもはこれをやっていかなければならない。  そういう意味で,きょうは委員会で市長に質問させていただきました。一部,結論は出ません。 ただ,我が会派としては,あくまで当初の予定どおり予備設計を行っていくことを強く求めるものであります。今後,市長の方の必要な予算が計上されない,あるいは日程的なものにずれがあるとするならば,我が会派としてしかるべき措置をとっていく意思があるということを申し述べまして,私の質問を終わらせていただきます。 ◆藤川雅司 委員  大分議論が白熱しておりますが,私も,駅前通地下歩行空間についてご質問したいというふうに思います。  私は,市民的合意が不十分ということで,市民理解を深めるためのPRを実施するということは当然のことだと,こういうふうに思います。といいますのは,実は私は,先ほどもお話がありました平成12年の地下歩行空間に関するモニター調査の1モニターに当たりまして,回答したところであります。そのアンケートの内容等についてもいろいろ疑義がありましたが,それには触れません。そして,アンケートの結果について報告がありましたけれども,その後どうなったかというのは,アンケートを答えた人にも結果を通知していないと,こういうような現状もあるわけです。  そして,さらに,私は地下歩行空間がどうなるのかというイメージもわかなかったわけで,この間お聞きしました。その件は議会で議論されたようですから,ここではお聞きしませんが,地域にはやはり疑問の声もあるわけでありまして,不安や疑問のある人に安心をしてもらう。巨額の費用を投ずるわけですから,本当に市民的合意を得て,札幌市単独負担80億円と言われますけれども,お金を使っていいのかどうかについて議論をするということが大事だというふうに思います。  それで,2点。将来に大きな負担が残ることが心配だという声があるわけでありまして,維持管理費は,今後どのようにかかっていくのか。それは,どこが責任を持っていくのかについて。  さらに,こういった事業については,事業費がだんだんだんだん膨らんでいくと,こういったことが懸念されるわけですけれども,その辺について予想をお聞きしたいと思います。 ◎高宮 総合交通対策部長  1点目の,将来に大きな負担が残る,そのための維持管理費はどのようになっているかということでございますが,昨年度,基本設計の段階で,他都市の地下歩道を参考事例といたしまして,約2億3,000万円と試算しているところでございます。  なお,地下歩行空間は,歩くための空間と憩いの空間により構成され,憩いの空間では,さまざまなイベントや展示,オープンカフェなどに広く使えることとしており,その使用に当たっては,使用料を徴収することによって維持管理費の軽減につながる要素もございます。今後,さらにこれらの詳細を詰めていく中で,維持管理についても明らかにしてまいりたいと考えております。  二つ目の事業費が膨らむことはないかということでございますが,全体事業費約200億円につきましては,地下歩行空間本体工事と地上部分の再整備に係る費用を含め,昨年度の基本設計の段階で算出したものでございます。より詳細な事業費につきましては,今後,予備設計,実施設計など設計の精度を高めていく中で確定していくこととなりますが,コスト縮減に努めてまいりたいと考えております。 ◆藤川雅司 委員  今,お聞きしますと,維持管理費についても今後精査しなければいけないと,こういったことなので,市長は退出されましたけれども,市長からもありましたように,地上部分のあり方,あるいは都心に関するさまざまな議論がされているわけですから,そういうことを市民と議論をして,市民と一緒につくっていこうというふうになった上で進めていただくよう要望して,発言を終わります。 ◆小形香織 委員  私は,この補正予算の中にある都市計画費の都心交通対策推進費の中に,路面電車優先信号実験事業という項目が盛り込まれていることに関連いたしまして質問をいたします。  これまで,98年の路面電車活用方策調査検討委員会で,ループ化,延伸などの検討が行われております。2001年の総合交通対策調査審議会答申では,魅力ある都市の創造に寄与する都市の装置として,その機能の向上や延伸を進めるとされるなど,時間をかけた議論,調査が行われ,市電が再評価されています。  私は,こうしたこれまでの議論を踏まえると同時に,ことし1月に行われた市民アンケートの結果,そして,ことし6月に北海道新聞社で行ったアンケート結果など,市民の皆さんの中にも,市電を守り広げてほしいという願いが根強くあふれていると認識しております。  これまでの討議の中で,市電の延伸,ループ化など,市電をさらに広げる検討を進めていくのだという方向づけをしていたにもかかわらず,その一方で,2001年12月に出された交通事業改革プランには,事業の存廃を含めたあり方を検討すると,廃止の可能性も否定しない表現になっています。  こうした中で,今回,実験事業を行うわけですけれども,まず,この実験はどのような区間を,どのような優先信号の仕組みで行うかなど,具体的な内容について伺いたいと思います。 ◎高宮 総合交通対策部長  今年度予定しております路面電車優先信号実験事業は,北海道運輸局と札幌市が主体となり,北海道開発局や道警などの関係機関と連携して,路面電車の利便性向上を目的として行うものでございます。  内容といたしましては,乗降人員が最も多く,また信号待ち時間及び待ち回数が多い南1条通の区間におきまして実験を行う予定であり,電車の運行に合わせて,青信号開始時間を調整するなどの方法で,秋以降,数回にわたり実施することを考えております。  また,この実験にあわせて,優先信号導入による効果,影響を把握するため,電車の走行調査と交差点における自動車交通量調査をあわせて実施する予定でございます。 ◆小形香織 委員  今回の優先信号の実験事業を,南1条線という最も電車の進みづらい混雑した場所で行うと。そこを選んで行うわけですから,交通難が優先信号によって解決される,そして,それが解決できれば,市電の方が早く目的地に着くということにつながるのではないかと思っております。  そこで,二つ目の質問ですが,優先信号を設置した場合に,市電がどのように便利になると予想されているか,お聞かせください。 ◎高宮 総合交通対策部長  電車の運行に合わせて青信号開始時間を調整した場合,南1条通の区間のおきましては,内回り及び外回り,ともに約10%の時間短縮効果が予想されておりますことから,路面電車の利便性を向上させ,より利用促進を図ることが期待できるものと考えております。 ◆小形香織 委員  今,約10%近く短縮効果があると予想されているというふうにご答弁いただきました。これは,優先信号をつければ,市電はもっと便利になって,利用客がふえるかもしれないという,存続を前提にした発展の方向性を探る実験だと思います。市電は遅いと感じている人が,優先信号機の設置によって,電停から電停までノンストップで行けると実感できれば,乗客もふえるのではないかと期待できます。  桑園方面には市立病院,そして東北や苗穂方面には厚生病院やサッポロファクトリーなど,多くの方が利用する施設があります。ここに路面電車を再配置させ,JRの桑園駅や苗穂駅とつなげる,そして,今は途切れていますけれども,西4丁目とすすきの駅をつなげて環状化させる,そういう方向で,総合的に交通網を整備していくべきではないかと考えます。  とりわけ,緑の保全計画の推進,市街地での緑の確保,これも大事です。排気ガスなどの有害物質を出さない街づくりが求められているときに,市電が果たす役割は大変大きいものがあると思いますし,発展の方向性も示されております。そして,市民の願いも大変根強いものがあります。  上田市長の選挙公約には,市電の積極的な活用というのが入っております。活用するからには,私は,廃止はあり得ないと思っております。そういうわけですから,これまで示された方向に沿って,路面電車を存続,再配置させるべきだということを強調いたまして,私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○笹出昭夫 委員長  以上で,第4項 都市計画費の質疑を終了いたします。  ここで,説明員交代のため,委員会を休憩いたします。    ──────────────     休 憩 午後5時58分     再 開 午後6時    ────────────── ○笹出昭夫 委員長  委員会を再開いたします。  次に,第2款 総務費 第3項 市民生活費の質疑を行います。 ◆恩村一郎 委員  私の方から,端的に質問させていただきたいと思います。  2007年に札幌で開かれますノルディックスキー選手権大会についてお伺いしたいと思います。  2007年2月,札幌でジャンプ,複合,クロスカントリー,合わせて3競技21種目にわたって,現状ですと,40カ国余りが参加されて,ノルディックスキー選手権大会が開かれるということになっております。これに関して,今回の予算を見ておりましたら,札幌市から1,000万円の出捐を行うというふうに書かれておりました。組織委員会の概要及び出捐金の内訳について,まずお伺いしたいと思います。  あわせて,事業費の補助金として約3,300万円余りが提案されているわけなのですが,その内容についてもお教えいただきたいと思います。  あわせて,大会の全体予算の見通しというのはどのようになっているのか,それについてもお教えください。
    ◎北野 スポーツ部長  初めに,組織委員会の概要についてお答えをいたします。  2007年ノルディックスキー世界選手権大会の札幌開催の決定によりまして,国際スキー連盟と交わしました大会の主催契約書の中では,大会の準備,運営に係る一切の業務を行う法人格を持つ地元組織委員会を設立することが求められておりますことから,主催契約者であります全日本スキー連盟と本市が主体となり,このたびの財団法人を設立しようとするものでございます。  次に,出捐金の内訳についてでございますが,本財団法人の設立に当たりましては,認可庁であります北海道教育委員会との事前協議におきまして,3,000万円の基本財産が求められたところでございます。この基本財産につきましては,北海道及び地元経済界から,それぞれ500万円,計1,000万円の協力が得られましたことから,残りの2,000万円を大会の主催契約者である本市と全日本スキー連盟が等しく出捐することといたしまして,本市について1,000万円の出捐金の補正をお願いするものでございます。  なお,経済界からの出捐金につきましては,経済4団体を初めといたします地元経済界の10団体から,おのおのご協力をいただくことになっております。  次に,今回補正をお願いしております2番目の事業でございますけれども,事業費の補助金の内容と,大会の全体予算の見通しについてお答えをいたします。  まず,事業費補助金の内容でございますが,大会の運営を担う主催契約の当事者として,組織委員会に対して,今年度,課長職1名,係長職4名,一般職1名を,いわゆる派遣法に基づいて派遣することとしておりまして,この派遣に伴う6名分の人件費相当分を補助金という形で支出するものでございます。  なお,財団法人の今年度の組織体制は,本市からの6名に加え,スキー連盟からの出向者等8名を合わせて,計14名の予定となっております。  次に,大会予算の見通しについてでありますが,現時点での大会予算案は,組織委員会の職員費を除き26億5,000万円と見込んでおりますが,この大会予算案につきましては,今回設立されます組織委員会において十分な精査を加え,大会開催に向けての準備を進めることとしております。 ◆恩村一郎 委員  ただいま,出捐金についてお伺いしたわけなのですけれども,一応,出捐金については,経済界の方からは,10団体から協力を得られるということなのですが,道が500万円,経済界が500万円,市とスキー連盟が1,000万円ずつ,正直言いまして,経済界の額が意外と少ないなという感じを受けるわけなのです。  いずれにしても,今後とも,大会への協力が得られるように,もっと努力をしていただければというふうに思います。  平成15年度の派遣体制といいますか,今,3,300万円の事業費の補助金は,実際に組織委員会の方に派遣される6名の人件費という格好で出てきたわけなのですが,平成16年度以降の組織体制というのは,今度,どういうふうになってくるのか,その点についてもお伺いしたいと思います。  また,大会の収支予算は26億5,000万円ということなのですが,前に国際化推進調査特別委員会の場で話された報告から,進展が見られていないということで,これまでの対応と今後の見込みについても,あわせてお伺いいたします。 ◎北野 スポーツ部長  まず,平成16年度以降の組織体制についてお答えをいたします。  平成16年度は,事業の実施計画及び各種ガイドラインの策定を行う準備期間と考えておりまして,国際スキー連盟から求められております14項目にわたる各種実施計画及びガイドラインの策定を行う必要がありますことから,さきにご説明をいたしました設立時の人員を含め,30人程度が必要と考えております。  そして,平成17年度は,本大会に向けた各種マニュアルの策定及びプレ大会を通じた各種研修を行う試行期間,平成18年度は,準備作業の検証を行った上で,いよいよ大会本番,大会を開催する実施期間と考えております。  したがいまして,平成17年度から大会本番時並みの体制が必要になると考えているところですが,過去のユニバーシアード大会を参考にして,本大会の開催に必要な各部門の人員を積み上げますと,全体で60人程度が必要になると考えております。  なお,この組織委員会の業務には,メディア,プレスへの対応ですとか,マーケティング,あるいはセキュリティー,宿泊,輸送及び競技運営など,専門的な知識と経験を有する職員を必要とする部門も多くありますことから,今後の職員の派遣に当たりましては,本市の担う役割を踏まえて,その業務量及び業務内容に応じた適正な人員配置となるように対応してまいりたいと考えております。  次に,開催決定時から現在までの対応についてでありますが,これまで,大会の準備,運営を円滑に進め,広く各界からの協力をいただける組織づくりに鋭意取り組んできたところでございます。平成14年10月には,北海道知事にもご参加をいただきまして,組織委員会設立準備委員会というものを立ち上げました。さらに,平成15年5月には,広く経済界,マスコミ,放送関係,地元企業及び関係機関など,さまざまな分野の方々にご参加をいただき,任意団体としての組織委員会を設立したところでございます。  なお,このたびの財団法人の設立に当たりましても,これらの団体の方々に,今回の財団法人の理事及び評議員就任の内諾をいただいているところでございます。  最後に,大会収支予算の今後の見込みについてでございますが,今後は,大会運営の責任主体となります財団法人の組織委員会として,この収支予算について,収入がより多く得られるような努力と工夫を行わなければいけない。あわせて,当然のことですけれども,支出をできる限り抑制する。そして,実行性のある予算となるよう,十分な精査を行っていく必要があると考えてございます。 ◆恩村一郎 委員  今,るるご説明いただきました。ノルディックスキー選手権大会は,冬季オリンピックそしてユニバーシアード大会に続いてということで,大会自体は非常に大きなものだというふうに思うのですが,残念ながら,ノルディックに関しては,正直言いまして,全国的な人気の度合いからいくと低いのかなと,そんな思いもしております。  ただ,ヨーロッパでは,ノルディックの大会というと,非常に知名度の高い大会なのですが,カナダに続いて,要するに,ヨーロッパから出てということでは,当然日本では初めての,アジアでも初めての大会ということで,ぜひとも成功させてもらいたいなと,そのように思っております。  と同時に,今後,マスコミ等も含めて,いろんなPRが行われると思いますけれども,ともかく収支面の工夫が必要だという部分では,実は放送権料なんかは非常に高いと言われておりますので,そんな意味で,組織委員会自体もよほど腰を据えてやらないと大変なことになるのではないのかなと。最後は赤字で,それを埋めなければならないために,税金を投入しなければということにはならないように,十分な精査を行いながら,ぜひ頑張ってもらいたいということを申し述べて,終わります。 ◆小林郁子 委員  私からは,市民活動の促進につきましてお伺いいたします。  市財政が厳しい状況を迎えまして,行政のアウトソーシング,行政の外部化が言われるようになりました。そのような中で,公益分野でも,行政のやっていることを民間とかNPOに任せようという動きが出てきているわけです。  そこで,民間の企業とか業者に任せていくという方法につきましては,現在,既に業務委託のマニュアルだとか,それからまた入札の方法が定まっておりますから,仕組みとしては十分にあるというふうに思っております。  一方,NPOについてですけれども,NPOが現在注目されますのは,公共的なサービスを提供していると,それからまた,福祉や環境など多様なコミュニティビジネスを展開している,そしてまた,新たな雇用の機会を創出して,地域の中で活性化を図っているということにあると思います。しかしながら,NPOに業務委託をしようという市長の方針がありましても,NPO自体が非営利で,そして活動の分野も法律で定められているということがありますので,具体的にNPOに任せていくという仕組みが,札幌市にはまだできていないというふうに私は思っております。  そこで,NPOの支援と業務委託のことにつきましてお伺いをしたいと思います。  今回,補正予算に計上しておりますけれども,市民活動サポート推進事業に400万円ついております。これは,NPOのレベルアップとか交流の拡大を図るために,そういう事業をまずNPOに企画,提案してもらって,そしてまた,実施についてもNPOに委託をするということですけれども,このようなNPOへの研修だとかレベルアップは重要でありますが,さらにもっと進めてNPOに対する委託を,市とNPOとの協働ということで考えるのであれば,これから業務委託ということをやはり真剣に考えていただきたいというふうに思うわけです。  そこで,伺いますけれども,委託ということにつきまして,私どもの代表質問に対する答弁は,最も効果的・効率的に目的を達成できる方法がNPOへの委託である場合には,これまでも委託を行っており,実績を年々ふやしておりますということですが,それでは,どのような分野で,今まで,どのくらいの実績があるのか,まず1点目, お伺いいたします。  それから,2点目になりますが,答弁の中で,今後,委託を進めるために,NPOと各部局がそれぞれ必要な情報を公開していくと,得られるように仕組みをつくっていくということですけれども,具体的にどのような方策を考えておられるのか,お伺いいたします。  それから,3点目ですが,NPOに業務を委託する,発注するという場合に,現在,契約方法はどうなっているのか,お伺いいたします。 ◎石原 地域振興部長  まず,NPOへの委託の実績分野の関係でございますけれども,NPOへの業務委託の状況につきましては,社会福祉法人や財団,社団法人などといったものを除きまして,NPO法人あるいはボランティア団体など,いわゆる市民活動団体への委託実績としまして,平成11年度から14年度までの分を一応集計しております。この4年間では,件数で63件,金額で約1億4,600万円になっております。年度別に見ますと,11年度は10件,12年度は12件,13年度は14件,14年度は27件と,委託件数,金額とも年々増加してきております。  また,委託業務の分野でございますけれども,昨年度の実績で申しますと,福祉関係のサービス提供や調査業務等が13件と,約半分を占めております。このほか,文化や環境関係の調査業務,あるいは地域の街づくり関連の各種業務,市民活動に関する情報収集,整理業務などを行っているところでございます。  それから,2点目のNPOの委託推進に関する具体的な仕組みの問題でございますけれども,先ほど委員がおっしゃいましたとおり,委託の考え方の基本といたしましては,その業務を委託するに当たりまして,最も効果的・効率的な手法として考える場合に,NPOへの委託という形を考えていくということが基本になろうかと思います。そのための手法といたしまして,団体,それから市内部における情報の共有というものが非常に重要になってくるのでないかというふうに思っております。  具体的には,多様な分野の団体情報を収集いたしまして,庁内において共有するような仕組み,あるいは,各部局がNPOへの委託など協働を進めようと考えている際に,的確に各団体の状況などの情報が得られるような仕組みといったこと,庁内的には団体情報あるいは委託実績等を周知するような方法,あるいは,NPO団体に対しましては,市の内部でどのような業務を委託しようとしているのか,協働先を求めるような,そんなような情報をホームページあるいはメールマガジン,あるいは専用の情報誌等の発行なども考えながら,情報提供に努めていきたいというふうに思っております。  それから,今現在のNPOへの業務委託の方法でございますけれども,事柄的にどうしても専門的なといいましょうか,特殊な業務ということになりますので,基本的には,今までやっていた契約内容はすべて特定の随意契約に基づいて行っております。 ◆小林郁子 委員  NPOへの業務委託ということにつきまして,ご努力をされているということはよくわかります。  最後の業務委託の発注の仕方ですけれども,すべて随契ということなのですが,私は,NPOに任せるとなると,ある意味で随契しかないのではないかというふうに思うわけです。  今,競争入札でやろうとしますと,入札参加資格という申請を出して,登録されて,そしてやっていくということですね。しかしながら,競争入札というのは,要するに価格競争ですから,NPOのように,非営利でやっているような,しかも活動分野が法律で定められているというようなところにつきましては,私はなじまないというふうに思っているのです。  市の方も,今,言われましたけれども,NPOに任せようという,ふさわしいという分野があっ て,そういうものを任せていらっしゃるのだと思うのですね。だとすれば,各部局でNPOに委託をしやすいように,それなりの,競争入札とは別の仕組み,もう一つの枠をつくってやっていかなければできないだろうというふうに思うのです。  それで,幾つかの都市ではそういうような仕組みをつくっているのですけれども,例えば宮城県などでは,あらかじめ各部局でNPOがやるのがふさわしいという事業を選定しておきまして,NPOの中から選んで,進めていくというガイドラインをつくっておりますし,また大阪府の箕面市の場合には,入札参加資格登録と同じように,NPOだけを登録しておきまして,委託を受けたいというNPOにつきましては,市の方が登録をしておいた中から選ぶというような形でやっているわけです。  札幌が,これから本気でNPOに委託を進めようというのであれば,私は,このような具体的な仕組み,方策が必要ではないかと思いますがいかがですか,お伺いいたします。 ◎石原 地域振興部長  NPOへの委託推進のための仕組みづくりということでございますけれども,今,委託をする場合には,市の競争入札の参加資格として,NPO資格で登録することもできることになっております。現在,既に1件,登録されている団体もございます。  業務内容といたしましては,今,委員おっしゃいましたように,NPOなればこそという分野というのは確かにあろうかと思いますけれども,その分野を今の段階で確定的に整備するという状況には,まだなっていないというふうに思っています。  それで,今回の補正にもお願いしておりますけれども,実際にどのような分野で,どのような活動ができるのか,NPOの方からの企画,提案みたいなことを受けまして行っていくというような事業も今回考えておりますので,そういう点の実績を積み重ねながら,どのようなものができるのか,箕面市あるいは宮城県の例なんかも参考にさせていただきながら,今後,検討させていただきたいと思います。 ◆小林郁子 委員  札幌のNPOの数というのは,全国の指定都市の中でも4番目に多いのですね。札幌は,NPOの活動が盛んなところなのです。だから,それをもっともっと推進していったらいいと思うのですけれども,今,部長は,まだこれからレベルアップを図り,それから交流,そういうようなレベルの事業の企画のお話をされたのです。私は,それではやはり遅いのではないかと思うのです。もっと具体的に委託する方策を考えてあげないと,NPOが幾ら頑張っても,これ以上はなかなか伸びられないというものがあるのではないかなと思いますので,これにつきましては,ぜひこれからも考えていただきたいというふうに思います。  NPOの活動を伸ばしていくためにも,市民活動の促進について,いろいろな方策を入れた条例が必要ではないかなというふうに,私は思っております。市の方では,私どもの議会での質問に対しまして,検討しますということを,これまでもずっと言い続けているのですが,本当にそれでいいのかなという思いが今しているわけです。今,市が抱えている課題としまして,地域づくり,それから雇用を生み出すということであれば,NPOというのは,今,雇用を生み出す非常な力を持っているわけですから,ぜひ条例とかを定めて,推進していってもらいたいというふうに思います。  それで,条例の制定につきまして,具体的なスケジュールをお示しいただきたいと思いますがいかがか,お伺いいたします。 ◎石原 地域振興部長  市民活動支援のための条例の関係でございますけれども,さきの代表質問でも市長からお答えしましたが,今,札幌市では,市民活動の促進に対する指針というものを定めまして,それに基づいて,全庁的にいろんな事業の展開をしております。  また,この9月には,札幌エルプラザに新しく市民活動サポートセンターという施設もオープンいたしますので,その中でどのような活動がされていくのか,また,どのような分野についてサポート体制が必要なのか,いろんな検証ができていくのではないかと思います。  また,市民活動という範囲をどうとらえるかということになった場合,もう一方で,市民のありようと言ったら変ですけれども,市の基本方針みたいな形で定める自治基本条例の議論もこれから進めていく,取り組みをしていく方向で,全市的に展開されていくというふうに思いますので,市民活動のありようと自治基本条例の中での役割みたいなことの整合,そういったことも含めた検討が必要でないかと思います。  ですから,現在の時点で,スケジュール的に,いつをめどにということについてはまだ申し上げられませんけれども,そういったことの実績を積み重ねながら,今後,進めていきたいというふうに思います。 ◆小林郁子 委員  条例の制定につきましては,上田市長の公約でもあるわけです。そういう意味では,ぜひスケジュール的なものをお示しいただきたいというふうに思っております。  自治基本条例との絡みでということをおっしゃいましたけれども,自治基本条例というのは,議会なり,行政なり,市民のあり方,札幌市の憲法的なものを定めるというものですね。市民活動促進条例というのは,市民の活動を促進する条例なのですよ。ですから,性格が少し違うのです。そういう意味で,違うということをご認識いただきながら進めていただきたいというふうに思います。それを要望して,終わります。 ◆細川正人 委員  私からは,札幌の彫刻ガイド作成費1点についてお伺いをいたします。  ガイドブックの作成ということでございますが,まず,この具体的内容をどういうふうに想定されているのか,お伺いをいたします。 ◎大村 生活文化部長  彫刻ガイドについてでございますが,芸術の森では,シンボル彫刻3点を含めまして,現在,77点の野外彫刻作品を設置しておりまして,開設当初から,彫刻作品の鑑賞に力を入れております。  そこで,市民の皆様に彫刻作品により親しんでいただくことを目的にいたしまして,今回の補正で,彫刻ガイドを制作したいということで提案させていただいております。  内容につきましては,芸術の森だけではなくて,市内各所に設置されております屋外彫刻作品を主に取り上げまして,その見どころや作品にまつわるエピソードなどを盛り込みまして,見て楽しく,読み物としても魅力あるものといたしまして,市民の皆様に実物を鑑賞するために足を運んでみたいと思っていただけるようなガイドブックにしたいと考えております。  また,公共空間にございます屋内の彫刻作品もできるだけ紹介する予定でございまして,常時彫刻作品を見ることができる美術館やギャラリーの情報も盛り込みたいと,このように考えております。 ◆細川正人 委員  ただいま,内容をお聞きしまして,エピソードですとか,そういったことで,内容がかなり濃くなっているなという気がいたしました。  そこで,予算の概要を見ましたところ,今回,札幌芸術の森美術館の学芸員の方が執筆をするというようなことで拝見させていただいたのですけれども,札幌市には,彫刻家の方々や彫刻家にゆかりのある方,または彫刻に造詣のある方が多数いるのではないかと思います。こういった方々が執筆に参加をすることによりまして,屋外に置いてある彫刻に関して,より広く網羅することができるのではないかというふうに考えられますし,また,こうした方々が執筆あるいはワーキングだとかに参加をすることによって,その方々のネットワークが形成されまして,札幌市の芸術・文化の進展にも寄与するのではないかと,こういうふうに考えるのですけれども,こうした方々を参画させるというような考え方をお持ちなのかどうか,その点についてお伺いをいたします。 ◎大村 生活文化部長  彫刻ガイドの企画,制作につきましては,今,お話がございましたように,芸術の森美術館の学芸員を中心に行う予定でございますが,委員からのご質問のとおり,内容をより豊かにするために,それぞれの作品あるいは彫刻家にゆかりのある方,それから造詣の深い方々にも執筆をお願いすることを検討しております。  このガイドブックの制作を通しまして,彫刻の専門家同士の協力関係が一層深まりまして,情報を共有することにより,芸術・文化についての新たな情報発信にもつながると私どもも思っておりますので,ぜひその方向で考えたいと思っております。 ◆細川正人 委員  最後になりますが,彫刻ガイドの作成ということで,今回取り上げられたところでございます。そこで,多くのことを要望すると,これからまたあれだと思いますので,1点だけ。  こうして,札幌市内の芸術・文化が振興していくということなのですけれども,これからは,こうしたものを外へ発信していくということも必要になろうかと思います。先ほど,総務局関係の審査の中でも,シティPRですとか観光振興策,そういったのも含めてやっていかなければならないというような議論もございました。そうした総務局ですとか観光部門との連携も図りながら,このガイドブックはかなり重たいものになるのかもしれませんが,そこで,ご検討いただきながら,外部の方に発信をしていくツールとしてご検討いただきますように要望して,終わります。 ◆藤川雅司 委員  発言回数が多くなってございますが,簡潔に,市役所の分権改革についてお伺いしたいと思います。  この間,区のあり方などの議論が内部でされてきたというふうに思いますが,新市長は,区役所への権限移譲や地域での街づくり,協働型社会を開く人づくり,仕組みづくりを行うと,こう言っておられます。区役所への権限移譲は大変重要なことだというふうに思いますが,しかし,現状を見ますと,本庁の主管部局の事業実施に当たっては,区との連携が全くないと言っても過言ではないのではないかと。地域への説明を行うにも,地域と日常的にかかわりのある区とは関係なく行っていると,こんなような状況も見受けられます。  また,一方で,区においても,企画や事業部門が十分ではない。したがって,区への権限移譲といっても,そうたやすいことではないと思いますが,しかし,市役所の区への権限移譲のスピードも求められるわけでありまして,できることから始める。例えば,主管部局と事業部の中に区の職員も一緒にかかわっていくなど,お互いのノウハウをつなぎ合わせて,積み上げていくことも必要でないかと,このように考えております。  したがって,今後,区への権限移譲への具体的な進め方についてお伺いしたいと思います。 ◎石原 地域振興部長  区の権限強化の関係についてでございますけれども,これからの地域活動,街づくりを考えた場合に,市長が申しています,いわゆる市民自治の実現ということで考えたときには,住民の方々が主体的に街づくり活動を活発に展開できる,そのようなことを側面から支援する区あるいは連絡所の機能というのは,これからますます大事になっていくというふうに認識しております。  市の方といたしましても,平成13年5月に区の目指すべき方向性というものを定めまして,これからの区・連絡所のありようについて方向性を見出しております。  今後は,この目指すべき方向性に掲げた方針を基本といたしまして,さらに,先日の本会議で施政方針として市長が述べました,さっぽろ元気ビジョンに掲げます「市民自治が息づくまちづくり」というものに向けまして,区及び連絡所が地域の活動に対する支援や地域の方々との対話を重ねながら,市民参加や役割分担のあり方などについて検討していく,そのようなことに取り組んでいきたいというふうに思います。  具体的に,区の権限強化に向けた施策としましては,これまでも,区における総合行政の推進に関する規則というものがございますし,それから,一昨年からは,事業について区の意見を反映できるような予算要望システムというようなものにも取り組んできております。今後は,そういったものを具体的な形で展開しながら,少しずつでも見えるような形で事業を進めていきたいというふうに思っております。 ○笹出昭夫 委員長  理事者の皆さん方には申しわけありませんが,審査時間が長くなっているものですから,ここで,約30分間,休憩をさせていただきたいと思います。休憩をいたします。     ──────────────       休 憩 午後6時32分       再 開 午後7時4分     ────────────── ○笹出昭夫 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き,質疑を行います。 ◆三浦英三 委員  私の方からは,藤野野外スポーツ交流施設の利用についてお伺いいたします。  藤野野外スポーツ交流施設,愛称Fu'sでありますけれども,リュージュ競技場を含む約33万平米の広大な敷地を,自然体験型の通年施設として,平成13年12月にオープンいたしました。当施設は,本市初の総合地域スポーツクラブの活動拠点として,冬はスキーやスノーボード,夏はマウンテンバイクやオリエンテーリングなど,幅広くスポーツが楽しめる,魅力いっぱいの施設としてスタートいたしました。その藤野野外スポーツ交流施設の整備費として,今回の補正で2,100万円が計上されております。  そこで,質問をいたします。  1点目に,藤野野外スポーツ施設整備費追加の概要とその理由について説明をしていただきたいと思います。  また,あわせて,当施設は,スキー場としては2シーズン目を終了いたしましたが,その利用状況について,シーズン比較でどのようになっているのか,お伺いをいたします。 ◎北野 スポーツ部長  まず,藤野野外スポーツ交流施設整備費追加の概要でございますが,施設の安全確保のために,施設内にございます管理用道路の整備工事に向けた測量及び山頂のり面崩落部分の復旧工事に向けた実施設計を行おうとするものでございます。  管理用道路の整備工事に向けた測量業務につきましては,当該施設の中腹から山頂にございます管理用道路が急勾配の上,岩肌がむき出しになっておりますことから,安全管理の面で支障を来してございます。そこで,切り土や盛り土を必要最小限とするなど,効率的な整備を図るために,実施設計に必要な資料として,管理用道路の周辺において高低差を把握する等のため,横断及び縦断測量を行うものでございます。  次に,山頂のり面崩落部分の復旧工事に向けた実施設計についてでございますが,冬はスキーコース,夏は登山などに利用されている山頂部分ののり面が一部崩れてございまして,利用者の安全を確保するためにも,早急に手当てを行う必要がありますことから,今年度中に実施設計を行うものでございます。来年度は,改めて工事予算をご提案させていただいて,議会の承認をいただいて,工事を実施してまいりたいと考えてございます。  次に,2点目のスキー場として2シーズンを終了した時点での利用状況でございますが,所管官庁へ報告をしてございますリフトの延べ輸送人数でご説明させていただきます。  まず,全体の輸送人数でございますが,平成13年度は,施設の開設準備のために12月末のオープンということでスタートしたところでございますけれども,最終的に69万4,000人の利用となりました。平成14年度は,12月上旬のオープンを予定してございましたが,あいにく積雪不足のため,平成13年度とほぼ同時期のオープンとなったところでございますけれども,それにもかかわらず,最終的には82万6,000人の利用がございまして,前年度に比べて13万2,000人の増加となってございます。  また,特に小・中学生につきましては,平成13年度は23万2,000人のところ,平成14年度には36万7,000人となり,増減は年度比で申し上げますと,13万5,000人,1.6倍の増加となったところでございます。 ◆三浦英三 委員  今の部長の説明で,特に小・中学生の利用が,13年度,14年度比で1.6倍と,このように著しく増加しているということでありますけれども,その要因をどのように考えているか,お伺いしたいと思います。 ◎北野 スポーツ部長  小・中学生の利用が著しく増加している要因でございますが,一つには,ジュニアスキー教室参加者がふえたこと,二つには,家族連れの短時間滞在型でご利用なさる方の増加が挙げられるのではないかと考えてございます。  まず,ジュニアスキー教室参加者の増加でございますけれども,平成13年度は,Sports ClubSapporoが実施いたしました133回の教室に延べ1,229人の参加がございました。平成14年度は,スキー教室167回で2,110人となり,増減で申し上げますと,881人の増加となってございます。さらに,教室を利用していただいた方は,近隣の小・中学生の皆さんが多くいらっしゃいまして,これらの子供さんが,教室以外でもリピーターとしてこの藤野の施設を利用していただいていることが,主な要因ではないかと考えております。  また,リフトの券種に,いろいろな時間券がございます。1時間,2時間,3時間,6時間あるいは1日といった券がございますけれども,その中で,3時間利用券の発売枚数が,平成13年度の8,949枚から平成14年度は9,898枚と,特に増加してございます。  その利用実態を見てみますと,この施設は市街地に隣接して,気軽に利用できるということ。また,家族連れでの短時間滞在型利用者がふえておりますので,このことも小・中学生の皆さんの利用を増加させた一因ではないかと考えてございます。
    ◆三浦英三 委員  今,種々説明ありましたけれども,私は,市がスキー場を運営するということで,家族連れとか子供が安心して利用できる,また,身近で気軽なスキー場になったことが増員の結果につながったものと,このように思っております。  そこで,ウインタースポーツの振興の底上げのためにも,小・中学生の利用をさらにふやしていく必要があると考えておりますので,最後に,今後,この点についてどのように取り組んでいくのか,お伺いをいたします。 ◎北野 スポーツ部長  小・中学生のさらなる利用促進についてでございますけれども,まずは,交通手段の確保が大変重要な要素になると考えてございます。したがいまして,現在,当該施設と地下鉄真駒内駅の間でスキー教室参加者のための送迎バスを運行しておりますが,来シーズンからは,バスの台数を1台ふやして2台とし,小・中学生を初めとする利用者の皆さんの利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。  また,そのほかの対応といたしましては,ジュニアスキー教室の数をさらにふやしていきたいと思っております。加えて,スキー,スノーボード,リュージュですとか,いわゆるニュースポーツと言われる中のスノープル,スノーシューというものがございますけれども,こういった新しいスポーツの体験教室もさらに拡充いたしまして,スキー授業を取りやめた中学校なども今現在ございますが,そういった中学校にも利用を働きかけるなどいたしまして,小・中学生の利用促進に努めて,ウインタースポーツの振興を図りたいと考えているところでございます。 ◆三浦英三 委員  最後に,ちょっと要望しておきたいのですけれども,今,小・中学生の利用促進策についての説明がありまして,交通手段の確保という点から送迎用バスの増便を図るとか,また,総合的な学習の場として,いろいろなことを考えて,それを提供していくと,大変大事な促進策だと思っておりますが,ぜひ1点検討してほしいことがございます。  それは,スキー場のリフトの利用料金,レンタル品の料金について,ぜひとも見直しをお願いしたいと,このように思うわけです。  当施設は,先ほども述べましたけれども,文部科学省が提唱する総合型地域スポーツクラブの施設であります。地域の子供から大人まで,だれもが参加可能で,継続的活動ができる施設でもあります。また,学校週5日制に伴って,土・日に子供たちが札幌市の施設に通う,利用するということが多くなりました。青少年科学館とか動物園等の施設利用について,小・中学生は無料という方向になってきております。そういう意味から,利用者の中からは,市営なのにリフト料金等が民間と余り変わりがないと,こういう不満の声がありますので,ぜひとも検討してくださいますよう要望いたしまして,質問を終わります。 ◆熊谷憲一 委員  私からは,文化活動練習場のための学校開放事業について質問をさせていただきたいと思います。  上田市長は,施政方針のさっぽろ元気ビジョンの中で,芸術・文化,スポーツを発信する街さっぽろという項を改めて立てて,その中で,市民が至るところで芸術・文化の楽しみを享受し,発信できる文化の薫る街づくりを進めていく。このためにも,だれもが気軽に参加できる身近な芸術文化活動の振興に向けて,これらの活動に取り組んでいる市民やNPOなどの活動拠点を支援すると述べております。この文章のキーワードは,至るところで,身近な,活動拠点を支援すると,こういう文章になっております。  今回,市は,文化活動練習場としての学校開放事業の拡大を行おうとしておりますけれども,学校開放事業は,身近な活動拠点として,市民による文化団体,演劇団体などに,非常に大事な役割を果たしております。学校開放事業の利用状況をお聞きしますと,非常によいと,100%近いところが多くある。演劇や音楽などの舞台芸術の練習場が足りないために,市民の間から非常に要望が強い,こういう状態が利用状況にあらわれていると思います。  文化活動の練習場のために,空き教室を利用した学校開放事業をやっているところは,政令都市では札幌市以外にないというふうにお聞きをしましたけれども,このことは,実は誇るべきものではないのであって,公的練習場がないために,苦肉の策として編み出した方式とも言えるのではないかというふうに私は思います。しかし,今,公的な施設がない状況のもとでは,練習場を安価に提供できる学校開放事業をさらに進めるべきであると考えます。  そこで,質問でありますけれども,札幌市は,今後も学校開放事業のみでこの事業を進めようとしているのか,それとも,学校開放事業だけではなく,その他の手段でも考えていこうとしているのか,伺います。  質問の2番目は,札幌市芸術文化ホール建設基本構想をつくられましたけれども,そこで構想化された,舞台芸術の中核施設である演劇専用ホールや能楽堂の建設計画についてお伺いをいたします。現在,札幌の文化行政の報告の中では,調査検討を進めているとされております。どのような検討がなされて,どのような展望を考えているのか,お聞きをいたします。 ◎大村 生活文化部長  文化活動の練習や発表ができる身近な施設の整備についてお答えいたします。  まず,文化活動学校開放事業でございますけれども,昭和54年度から,市民の皆様が文化活動の練習や発表をすることができる身近な施設といたしまして,現在の5年計画では3校の開放を予定しておりましたが,順次拡充に努め,昨年度2校の開放を実施いたしまして,現在,9校を開放しております。今回の補正予算で残り1校の開放に係る経費につきまして予算化をお願いしているところでございますが,開放が実現した場合には,一たんは,計画ベースでは計画達成ということになります。しかしながら,今,お話にございましたように,この事業の平均利用率が昨年は83%ということで,市民の皆様に大変好評をいただいておりますことから,今後も,この制度の拡充に向けて努めてまいりたいと思います。  それから,それ以外の施設ということでございますが,まず,既存施設の活用について検討しなければならないと思っておりまして,市有施設につきましては,これを増改築する機会をとらえまして,文化活動の練習や発表の施設の設置が可能かどうか,検討や働きかけをこれからもしてまいりたいと考えております。  現在,教育委員会で,来春の開校を目指して建設が進められております都心部の統合小学校につきましては,文化活動の練習場としても使用できることを考慮していただくようにお願いしておりまして,今のところ,意を酌んでいただける,そのように考えております。  次に,舞台芸術専用ホールの整備についてでございますが,札幌市芸術文化ホール建設基本計画を平成3年に策定したところでございます。この構想に基づきまして,最初に,音楽専用ホールといたしまして,現在の札幌コンサートホールKitaraの整備計画に着手いたしまして,平成9年にオープンいたしました。  残りの演劇及び能楽につきましては,平成7年6月に北海道が道立劇場の設置を表明したことから,本市といたしましては,その誘致活動を進めてきたところでございます。その結果,平成13年2月に,北海道は,札幌市を立地場所といたしまして北海道劇場の基本計画を策定する旨,正式表明がございまして,昨年7月に北海道劇場基本計画を策定し,公表しております。現在,PFI方式導入の可能性について調査をしていると聞いております。本市といたしましても,この北海道劇場基本計画の実現に向けて,必要な支援・協力に努めているところでございます。 ◆熊谷憲一 委員  学校開放事業以外に,公的な施設での検討を考えているというふうにお聞きをしたのですけれども,それでよろしいでしょうか,ちょっと確認だけさせてください。 ◎大村 生活文化部長  既存施設の学校以外の市有施設ということですね。 ◆熊谷憲一 委員  今,学校開放だけでなく,札幌市の公的な施設の中でも練習場の検討を考えるということだと思うのですけれども,それでよろしいでしょうか。  札幌市以外は,学校開放事業を使わないで,例えば名古屋市では,各区ごとに公的な小劇場をつくっていくと。そこに,演劇専用のホールをつくって,一定期間,専用して使えるようなホールがあるわけですけれども,今の学校開放だけに頼る方式では,やはり市民の要望にこたえられないというふうに考えますので,その辺については,既存の施設,空き倉庫だとか,あるいは空き店舗だとか,空きビルなどで展開をするということも含めて,ぜひ考えていっていただきたいというふうに思います。  それから,演劇専用ホールのことですけれども,北海道劇場を展望して,充実させていきたいということですけれども,例えば福岡でも仙台でも,あるいは名古屋でも,やはり市専用の演劇ホールがあって,多くの人が,この施設があるために文化の水準が落ちないというふうに評価をしておりますので,北海道劇場は札幌市民だけが使うというわけにはいかないと思うのですけれども,札幌市としても,ぜひ早急な充実に力を尽くしていただきたいと,このことを要望して,終わりたいと思います。 ◆小田信孝 委員  私も,同じく芸術文化振興にかかわる諸問題の予算について質問させていただきたいと思い申し出ておりましたけれども,先ほど彫刻ガイドの作成費補助の質問が出ましたし,ただいまも学校開放事業の質問が出ました。私は,重複したくないので,質問をやめようかと思ったのですが,ただ,今回,市長さんがかわられて,私が一番感動している1行は,市長さんが芸術・文化に対して,一つの大きな柱として,豊かな札幌づくりを進めますということで,非常に熱心な,前向きな姿勢を示されました。まさに,今までの市長さんにはなかった,大変すばらしい考え方でございます。きょう,これを使うのは2回目ですけれども,第2回定例会の市長提案説明の一番最後,「札幌が芸術と文化に満ちあふれ,他のどの都市にも負けないすばらしい環境を備え,市民一人一人が豊かに暮らしていける,そんな街にするために,市民の皆さん,議会の皆さん,今こそ元気に出発しようでありませんか。」,これは,今までにない,市長さんの文化あふれる非常にすばらしい文章で締めくくっておられます。  主な補正項目一覧を見ましたら,今の学校開放も含めていろんな事業,今回,いろいろ補正を組んでおられるのですが,金額にしますと,ちょっと小さいな。今,学校開放が出ましたけれども,200万円。彫刻ガイド作成費も300万円と,この程度ですよね。10月に行われる国際音楽の日の助成にしても,たった100万円,この程度でございます。  今回は補正ですから,本格予算ではございませんので,この程度かなと思いますけれども,せっかく市長さんがここまで熱意を込めて,今,大きな柱に据えているわけですから,今後,芸術・文化に関するあらゆる部や局が連携をとり合って,ぜひ頑張っていただきたいと思います。  一つだけ,ダブらないので質問させていただきたいのですが,文化活動学校開放事業の中で,先ほどお答えがありましたけれども,昭和54年の中央小学校から始まりまして,利用状況を調べましたら,大体二十二,三年から24年ぐらいかかって,ようやく8校ですよ。実に寂しい状況です。しかも,手稲区と清田区は学校開放が一つもない,こういう状況になっております。  先ほども話がございましたように,利用状況は非常に高いです。平均でも83%の利用状況ですから,今後,学校開放が進められれば,利用される方がどんどんとふえて,いわゆる芸術・文化に関するすそ野を広げる大きな役割を果たすことができるのではないかというふうに思いますけれども,この点について,ダブらない質問でございますので,答弁をいただきたいと思います。 ◎大村 生活文化部長  文化活動学校開放事業のご質問でございますけれども,ご承知のとおり,学校の敷地内に利用者のための駐車場を確保することは困難でございまして,したがいまして,利用者の方には,原則として公共交通機関を利用していただくこととしておりましたことから,開放校につきましては,最寄りの駅などから徒歩で来られる学校であることや,市内各方面から集まる利用者の利便性を考慮いたしまして,これまでは,地下鉄駅周辺の小学校を中心に,開放校として選定してきたところでございます。  今,ご指摘にございましたように,清田区と手稲区にはまだ整備されておりません。したがいまして,今後は,利用者の選択範囲ができるだけ広がりますように,地下鉄に限らず,JRや路線バスなどの公共交通機関についても,その利便性が高い地域にある小学校につきましては,他の要件も勘案しながら,全市的な配備計画の中で,開放校の候補として検討させていただきたいと思います。 ◆小田信孝 委員  この短い議案審査という中で,私は質問したかいがあったなというふうに,今喜んでおりますが,この先は要望にさせていただきます。局長さんもおられますし,助役さんもおられますので,助役さんはそれぞれ担当が別々ですけれども,ぜひ要望申し上げたいと思います。  我が党,我が会派は,これまで,文化芸術振興基本法の制定に頑張ってきましたし,もちろん自民党さん,民主党さんも国会で賛成してくださってこの基本法が通りまして,昨年度は,文化庁の予算が大変ふえました。ただ,残念なことに,本物の舞台を児童生徒に見せようという授業があるのですが,札幌市は全然手が挙がっていませんし,来ておりません。ことしも,札幌市は手が挙がっていないのです。これは市教委の問題ですから,質問の場所を変えて私はやりたいと思いますけれども,せっかく基本法ができ,いろんな制度ができて,これから活用できるメニューが準備されているにもかかわらず,札幌市では,これを呼ぼうとか,生徒に見せようとか,あるいは,一緒に参加して児童生徒が芸術に触れられる行事の参考にさせてもらうとか,こういう熱意が果たしてどうなっているのか,見えないわけです。  ですから,今後,局長さん初め皆さんにぜひ検討していただきたいことは,国の基本法ができまして,北海道には芸術・文化の振興条例がございます。札幌市にはございません。また,ほかの政令都市も調べましたけれども,まだ条例化されておりません。そこで,札幌市は率先して,国の指針も明確に示されておりますので,今後,早急に芸術・文化の振興条例をきちっとやると。そしてまた,札幌市民の中から優秀な芸術家を育て,海外に送り出す。これには,国家予算の補助もあるわけです。また,いろんな交流ができますので,用意されている国の予算を大いに活用して,今後,芸術・文化のすそ野の広がりを積極的にやっていかなければ,せっかく基本法ができて,国が方針をあらわして,いろいろきちっとメニューがそろっているのに,それを生かさないということは,言葉はちょっと悪いのですけれども,怠慢になってしまいます。  せっかく市長さんが大きな柱の一つとして,今後,芸術・文化で豊かな札幌市をつくりますよ,こういうふうに前向きに取り組もうとしているわけですから,このチャンスを生かして,札幌市の幹部の皆さんは,横の連携をしっかりとっていただいて,今後,頑張っていただきたいなというふうに思います。  それから,文化庁の予算というのは,市で言いますと,市教委になってしまうのですね。これを市民局でやるということになると,市教委と市民局でいろいろと打ち合わせをしなければならない。そうすると,非常に不便なところもある。これは一つの方向性ですけれども,市民局の文化部を市教委の方に一元化する,こういうことも考えて検討していかなければならないのではないだろうか。その方が,かえって文化・芸術に関しては,事柄が進むのではないかというふうに私は思います。この点については質問にしませんで,要望にさせていただきますので,ぜひ前向きに,積極的な検討をしていただきますようにお願いしまして,質問を終わります。 ◆飯坂宗子 委員  私は,藤野野外スポーツ施設について,数点伺います。  今回の補正予算に,藤野野外スポーツ交流施設整備費として2,100万円計上されております。2,100万円で何をするのか。先ほどの質疑で,北野部長は,山頂付近のり面の崩壊部分の補修と管理用道路の整備に向けた測量実施,そのための予算である,そして,来年の夏に補修工事を予定しているというご答弁でした。  そもそも,民間が経営していた藤野スキー場を本市が購入することになったのは01年です。文部科学省のミレニアム起債を活用し,総合型地域スポーツクラブモデル事業の拠点施設として,自然体験型体育施設を設立するためということでした。  私どもは,01年の第2回定例市議会で,山林9ヘクタールを買収する費用として8億7,400万円は,余りにも高過ぎる,まるでスキー場を救済するために唐突に組まれたような補正予算は,市民感覚からしても認められるものではないと厳しく指摘をして,補正予算に反対した経緯がございます。  さて,このとき買収したのは藤野スキー場のふもとから中腹までであり,中腹から山頂まで,現在,借地となっております。借地部分の地主は岡本興業株式会社を中心に12名でありますが,民間スキー場時代にも,オーナーが借地として利用しておりました,01年11月1日から,札幌市が借地人として土地所有者と契約をしております。  本市は,借地料として,12名の地主に,合わせて年約650万円,そのうち岡本興業株式会社に年間200万円の借地料を払っております。借地面積は,合わせて14万4,249平方メートルでございます。  さて,今回の測量対象地域は,岡本興業株式会社が所有している土地,つまり,本市が借地している場所であります。  そこで,3点質問いたします。  1点目,なぜ山頂のり面が崩壊したのか。札幌市が借用する以前,すなわち,民間スキー場時代からのものではないのか,伺います。  2点目,管理用道路の整備がなぜ必要なのか,明らかにしていただきたいと思います。  3点目,今回は測量のための予算,2,100万円の補正予算でございますが,来年夏に本格工事を実施するとなると,一体どれぐらい費用がかかると見込んでおられるのか,お示しを願いたいと思います。  まず,3点です。 ◎北野 スポーツ部長  初めに,現状ののり面の崩れが,いつ発生したのかということについてのご質問でございますが,借地契約をいたしました平成13年,2001年11月の時点では,多少ののり面崩れは確認をいたしておりましたものの,施設の運営管理上において支障のない程度のものと判断しておりましたが,昨年秋の調査で,崩れの度合いが大きくなりまして,管理用道路ののり面やスキー場の防風ネットの支柱付近まで達しておりますことから,現時点では,早急な安全確保が必要であると考えております。  2点目の管理用道路の補修の必要性についてでありますが,リフトを夏場に整備するための機材ですとか,草刈りをするための草刈り機などを,山頂まで運搬するための作業用車両の安全走行のために,ぜひ必要であると考えてございます。  3点目ののり面の補修工事費についてでありますけれども,実施設計の中で,工法も含め検討することとしております。例えば,比較的安価に急なのり面の崩れを抑えることのできる布団かご工法というものがございますが,この工法で補修できるとすれば,現在の試算では,およそ3,000万から4,000万円程度と考えております。  また,管理用道路の補修費につきましては,今後実施しようとしております測量の成果を踏まえて,管理用道路の経路自体のあり方ですとか,その工法などを精査しなければならないと考えておりますので,現時点では,まだ補修費についての積算をすることができない状況にございます。 ◆飯坂宗子 委員  まず,山頂のり面の崩壊についてです。  私は,26日の土曜日の午後から現地に出向きまして,実際にこのスキー場を登って,調査をしてまいりました。確かに,のり面が崩れている箇所が数カ所見受けられました。  なぜこうした崩壊が起きるのか。それは,現地の人とも一緒に見てきたわけですが,民間スキー場時代に,山頂付近は大変な急斜面であるということで,上級者はそこを滑って来られるのですが,初級者用のコースをつくるというために,わざわざ山肌を削り取ったので,そこが,今,崩壊が起きている場所になっているのですよ。要するに,こういう山だったところを一部削ったわけです。ですから,鋭角になっているわけですね。ここに草が張りつけば,それはそれで持ちこたえたのでしょうが,鋭角になっているものですから,なかなかそのようにならないということで,この崩壊が生じているわけです。  初心者コースをつくったのは,民間スキー場であります。そもそもの原因は,山肌を削ってコースをつくった,そのことに起因しているわけです。札幌市が借地人になったのは,01年11月1日からです。そのときから急激に起こったというものではございません。そこを,今,借地人である札幌市が市民の税金を使って補修しなければならない,この根拠について伺いたいと思います。  それから,再質問の2点目は,道路整備についてです。  ただいまの部長のご答弁では,夏場のリフトの点検及び草刈りの作業用の車などが通るので,整備が必要だということでございました。事前に説明を受けたときには,一般市民の方も,夏場,山登りする方がいらっしゃるのですと,そういう人たちのためにも,この道路の整備が必要なのですということもおっしゃっておりました。  そこで,私は現場を見てきたわけですが,実際に市民がどの程度活用しているかというと,スキー場全体は,02年度の実績で言うと,年間で11万人です。冬場の利用が10万3,000人。そして,5月から10月までの夏の利用者は延べ7,573人ということで,登山は536人というふうになっております。11万人の年間の利用者から見ると,一応登っている方が500人余りと,登山コースではないと私は思うのですが,ごくわずかなわけですね。  私が調査に行ったのは,26日土曜日の午後でしたが,実際に出会ったのは,たった3人です。2時半から4時半ぐらいまで往復しましたけれども,男性1人と中学生2人。これくらいしか出会いませんでした。  マウンテンバイクだとか広場の利用とかというのは,中腹からふもとにかけての利用ですから,今,山登りで言っているのは,それからさらに上,山頂を目指してということです。民間スキー場時代,当時の夏期の利用というのは,広場の部分でゴルフ場をやっていたということで,中腹からは登れないという,立入禁止になっていたというふうに伺っております。  そこで,市民の皆さんが登っていることを否定するわけではありませんが,夏場の利用が圧倒的に少ないという中で,山に登る市民のためという理由は当たらないなと思っております。なぜかといいますと,大きな石がごろごろしている道路をわざわざ歩いていかなくても,その道路の横に草原があるわけです。そこを私どもも登ってきたのですが,そこを歩けば十分ですから,これは市民のためというよりは,今言ったように,管理というか,作業用のためということだと思うのです。  いずれにしましても,山肌の崩れ,それから作業用の道路のでこぼこ解消のために市民の税金を使うということについて,どうお考えなのか,お答えをいただきたいと思います。 ◎北野 スポーツ部長  まず,山頂からの初級者コースが造成されましたのは平成二,三年ごろと聞いておりますけれども,私どもは,今回,のり面の崩れについて,特に原因調査を行っておりませんので,コース造成のために山を削ったことが,現在ののり面の崩れを発生させたかどうかについては,わかっておりません。  先ほどもお答えしましたけれども,借地契約をした時点では,多少ののり面の崩れはございましたが,施設の運営管理上においては支障のない程度のものと判断しておりました。  いずれにいたしましても,借地契約の目的物はあくまでも土地でございます。スキー場のゲレンデとして整備された状態のものを現在の地権者から札幌市が借りているのではないというのが,私どもの基本的な考え方でございます。そして,借りた土地に対して,今まで,スキー場を経営していた民間についても,あくまで所有者の承諾を得て,みずからの負担でスキー場,ゲレンデの施設を整備しておりました。借地人の立場で整備をしたものについて,札幌市は,その施設をそのまま引き継いで,藤野野外スポーツ交流施設として市民の皆さんにお使いいただいているわけですけれども,現在の施設の設置者である札幌市として,安全に市民の皆さんにご利用していただきたいという必要性から,整備をしたいと考えているものでございますので,税を使うということについては,皆さんのためということでご理解をいただきたいと思います。  それから,管理用道路につきましても,あくまでも,特に利用者の多い冬のスキー利用におけるリフトの安全性を確保することが最大の使命ということと,それから,実は以前,山頂付近の急斜面はなかなか雪がつきづらいというような,利用しづらいような面もあったという状況がございましたけれども,草刈りを小まめにやると,夏場の草刈りは当然として,特に雪の降る前なんかに,急斜面のゲレンデの草刈りをある程度やれば,雪がつきやすくなるというようなこともあります。したがって,そういった作業は,この施設を安全に,快適にご利用していただく上で,ぜひとも必要なものであって,その車が,山頂に適正に登っていくことができるための道路を整備することが,あくまでも今回お願いしている整備事業の目的でございます。  そうやって整備された部分について,山登りを楽しまれる方が通っていただくというのも,飯坂委員がいらっしゃったときには余り利用者はいなかったようでございますけれども,ここは,いつでも,だれでも,いろんなスポーツができるということで,取り組んでいる施設でございますので,管理用道路を車が走っていないときには,そういった利用にも大いに使っていただきたいものだというふうに考えてございます。 ◆飯坂宗子 委員  ここに,土地の賃貸借契約書というのがございます。その第9条に,保全義務ということで,乙というのは借地人ですが,乙はこの土地を善良な管理のもとに維持保全しなければならない。そして,維持保全に要する費用は乙の負担とする。今現在は,市が借地しているわけですから,市のお金で補修するということになると思うのですが,それ以前は,民間オーナーが借地していたわけですね。そのときに,保全義務というのをきちんと果たしていたのかという問題があると思うのですよ。  先ほど部長は,札幌市が借地権を譲られたときには,崩壊が余りなかったとおっしゃっているのですけれども,あれは明らかに山を削ったために崩壊が起きているわけですから,市が借地権を譲っていただく前の民間スキー場時代に要因があるということは,はっきりしているわけです。要するに,山を削る行為をした,それから,管理用道路も大きな石がごろごろしている。これは,前オーナーが第9条の義務を怠っていたと。そして,それを市が借地人として譲り受けたときに,お金をかけて補修していくということに今回なっているわけですよ。  そして,先ほどのご答弁では,今回は測量の実施だけですから,2,100万円ですよ。ところが,本工事に入りますと,のり面だけでも3,000万から4,000万円かかる。道路部分を入れましたら何千万,あるいは億を超えるかもしれない。こういう工事になってきますよね。これは,来年1回工事すれば終わりというのではなくて,札幌市が借りている限り,これからも,のり面の補修などが生じてくるというふうになるのですよ。この点は,どんどん税をつぎ込んでいくということになるのかどうか,これも確認しておきたいと思います。 ◎北野 スポーツ部長  どんどんつぎ込むかどうかはわかりませんけれども,あくまでもこの施設を皆さんに安全に使っていただくために,その管理上,支障となるような状況が生ずるとすれば,今回と同様の措置をしていかなければならないと考えてございます。 ◆飯坂宗子 委員  中腹からふもとまでの9ヘクタールの部分は,約9億円かけて既に買収してしまったわけです。さらに,借地料を毎年650万円かけて借りております。加えて,補修に何千万あるいは何億円,これからかかるかもしれません。こういうこと自体,問題なのですが,将来,中腹から山頂,今の借地部分14万4,000平方メートル余りを買わされる,こういうことになる懸念も私は大いにあるというふうに思うのですが,その点はいかがですか。 ◎北野 スポーツ部長  現在締結しております借地契約は,期間が20年間で,地権者の方の同意を得てこの事業を進めておりますので,この期間内での買い取りは考えておりません。 ◆飯坂宗子 委員  現在,20年間は借地でいくということでございました。今回は補修のための測量実施の補正予算という議案審査ですから,私は,このことに絞ってきょうは質問させていただきました。しかし,藤野野外スポーツ施設につきましては,管理運営面など,さまざまな課題を含んでいるというふうに私どもは考えております。  今後,改めまして,予決算委員会等でこれらの問題についても総合的に取り上げていきたいということを申し上げて,きょうはこれで終わります。 ○笹出昭夫 委員長  以上で,第3項 市民生活費の質疑を終了いたします。  次に,第5款 労働費の質疑を行います。 ◆藤川雅司 委員  私は,雇用対策就労支援につきまして,労働費の再就職支援事業を含めて質問したいというふうに思います。  雇用対策問題につきましては,この統一自治体選挙におきましても,市民の関心は大変高いものでありました。実は,4年前の選挙におきましても,市長選等に何を望むかといった中では,市民の多くが雇用対策をというような状況でありました。その後,小泉改革が決して景気回復に向かっていないという中で,基本的には国の責任でありますが,札幌市はさまざまな雇用対策の充実を図ってきたと,このように思っております。  しかし,今回も補正予算という限られた予算の中で,再就職支援事業の530万円は若年層を対象にするということですが,具体的にはどういうことに取り組むのか,1点お伺いしたい。  さらには,代表質問で我が会派が提起をいたしました,市長を本部長とする仮称札幌市経済雇用活性化本部を,早期に,できれば年度内に設置をし,来年度以降の高卒あるいは大学卒等の新卒者の就職支援も含めて,本腰を入れて取り組むべきだと考えますが,そこら辺のお考えを2点お聞きしたいと思います。 ◎葛西 調整担当部長  1点目の再就職支援事業についてでございますけれども,今年度,新たに始めた事業でございまして,対象となりますのは,一たん就職した後に離職し,現在,求職活動中の方,あるいはフリーターと言われる層の方,その若者を対象として計画しているものでございます。  そこで,今回,これにかかわる予算をご審議いただいているところでございますけれども,この支援事業につきましては,セミナー,職場体験,それからカウンセリングを組み合わせたプログラムを実施することになっております。また,その後の本人の就職活動をサポートするために,定期的なカウンセリング,指導,こういったことを継続的な就職活動支援ということで行っていきたいというふうに考えております。  それから,2点目の対策本部の設置についてでございますけれども,川口谷議員からの代表質問に対します市長答弁の中にもございましたとおり,昨今の深刻な雇用状況などから,市民の皆さんが安心して働ける雇用環境づくりを,全庁挙げて重点的に取り組んでいくことが必要であるというふうに考えてございます。したがいまして,いわゆる雇用対策本部の設置につきましては,現在既にございます札幌市雇用対策連絡会議の中で,早急に検討してまいりたいというふうに考えております。 ○笹出昭夫 委員長  これで,第5款 労働費の質疑を終了いたします。  次に,議案第7号 札幌市証明等手数料条例の一部を改正する条例案中,市民局関係分の質疑を行います。 ◆松浦忠 委員  それでは,市長にお尋ねをいたします。  市長の選挙公約の中に──国が住民基本台帳法の一部を平成11年8月に改正して,法律を公布すると。そして,去年の8月に,国民一人一人に背番号をつけて,政府が一元的に管理運用するという試行が始まり,そしてこの8月25日に2次稼働実施というところに来たわけであります。この住民基本台帳法は,歴史的に振り返ると,1936年にアメリカのルーズベルト大統領がニューディール政策で,アメリカもたくさんの失業者が出て,社会保障政策をしなければならぬということから,失業保険など,社会保障の支払いに落ち度のないようにということで,その後,コンピューターが進んでいたアメリカで,初めて背番号制が導入されるという,これが歴史の始まりであります。そのアメリカが,1972年,ニクソン大統領の再選を目指す共和党が,民主党の候補に対して,選挙妨害を目的に国民総背番号を機械的に盗聴して,いわゆる盗んで選挙妨害を図るという,俗に言うウオーターゲート事件が発生して,2年後の1974年に,プライバシー法,8原則が制定されたのは,市長もご存じのとおりであります。  その8原則の内容というのは,一つには,公開の原則。いわゆる,個人データがあるということを本人の知らぬところであってはならぬという,公開の原則。2番目には,個人アクセスの原則。自分自身の記録を見る権利,またコピーを入手する権利が個人に与えられる。3番目には,個人参加の原則。不確実な自己情報に異議を申し立て,訂正・修正させる権利が個人に与えられている。4番目には,収集制限の原則。個人に関して,組織が収集できる情報の種類に制限を設けること。いわゆる,第2のニクソン事件を起こさないということであります。5番目には,使用制限の原則。ある目的のために得た情報は,その個人の同意なしに他の目的に用いてはならないこと。6番目には,提供制限の原則。あらかじめ同意をしていない外部の者への提供を制限する権利が,個人に与えられていること。7番目には,情報管理の原則。個人情報記録組織は,情報の収集,保管,使用が合法的であって,情報の最新性,正確性を保証できる情報管理であること。8番目に,責任の原則。個人情報記録組織は,個人情報記録の保管方針,業務,システムに責任を負うことという,これらを内容とする,日本語で言うと,個人秘密に関する法律ですね,アメリカではプライバシー法と言っていますが,これが,74年に制定をされて,アメリカではそれらが一元的に,税も含めた総背番号が運用されている。ヨーロッパではいろんなことがあります。  さて,翻って,我が日本国の平成11年8月に制定された法律は,どういう経緯を歩んできたかといえば,古くは1970年3月の佐藤内閣のときにまず検討が始まり,そして,31年ぐらいを経て,ようやく稼働というところに来たという経緯であります。そこで,まだ日本では,個人保護に関する法律が,アメリカのような内容で制定をされていないというふうに私は理解するのです。  そこで,市長に1番目の質問は,今の日本で施行されようとする住民基本台帳法に基づく個人個人の秘密というのは,市長は,今のプライバシー法で守られているというふうに判断をしているのかどうか,この点について,まずお尋ねをいたします。  それから,2番目であります。長野の審議会でいろんな指摘をされております。その指摘の1番目は,住民基本台帳法というのは,この問題が起きる前から,地方事務であるという国の法律で規定をされておりますと。今回は,国の法律の一部を改正したと。したがって,住民基本台帳法の今回のネットワークの問題は,基本的には地方事務であるというふうに私は認識しているのですが,市長はどのような認識をお持ちか,この点について市長の見解をお伺いしたい。  3番目は,そういう観点からいくと,地方自治体に対して,住民基本台帳に関する情報を提供しなさいということについての国の指示というのは,法的な拘束力があると理解しているか,ないと理解しているか。私は,この法体系からいったら,ないというふうに理解しております。市長はどのように理解されているか。これが3番目であります。  4番目,運用上,秘密漏えいなど事故が起きたときに,その責任は,運用主体である実際の窓口業務をやっている市町村にあります。どこからが事故かというと,市町村の端末のところで何かを盗まれたとか,いろんなことがあれば,あるいは中央でどこからか入ってきて盗まれたといっても,提供して運用しているのは市町村ですから,市町村にあると,こういうふうに長野の審議会も答申しておりますけれども,その場合,国民の一人一人あるいは市民の一人一人は,市長に対して国家賠償法に基づく請求をいたします。それに対して市長は,おれはそんな責任ないよと,こう思っておられるのか,責任あると思っているのか,これについて答えていただきたい。  それから,次に,きのう,これに関する陳情が出されて,いろんな議論がありました。その中で,日本国は法治国家ですから,したがって,憲法が一番上にあって,その次に国の法律があって,その次に都道府県,市町村の条例があると。そういうことからいったら,市長が提起している選択制ということについて,私ども議会が条例を制定することができるか,できぬかという議論がありました。私は,この法体系からいったら条例制定はできると,こういうふうに判断しているのですが,市長はどのようにお考えでしょうか。  以上について,まず市長にお尋ねします。  続いて,所管している担当部局にお尋ねをいたします。  まず,私は,白石区役所に行ってみました。そうしたら,予備を含めて,並列につないだ端末機が2台置かれていました。窓口業務の後ろのところに,カバーをかけて,ちょこんと置いてありました。私は,よく理解できないで,480人以外の札幌市民は登録されているわけですが,その安全を確保するとすれば,当然きちっとした独立した部屋の中に端末機を入れて,そこには特定の人しか入れない,いわゆる日本語で言う錠前,がっちりした錠前装置をつくって,そして運用していかなければならぬと思うのですが,今のような状態をどのようにお考えでしょうか。  それから,もう一つは,光ファイバーケーブルの使い方について。札幌市内については,札幌市が敷設した専用回線を使っていると。これはよしとしましょう。しかし,道と札幌市,北海道と国を結ぶ回線は,NTTの光ファイバー回線を使っている。それも,1本単独ではなくて,その1本で大容量の信号が送れるわけですから,そのうちの一部を使っているということなのであります。これに対して,どのような安全確保ができているのか。より分け装置があるわけですから,したがって,私は,ここは非常に危険を感じているのです。この点についてどういう認識をお持ちか,まずその点についてお尋ねをしたいと思います。
    ◎上田 市長  5点,私にご質問でございますの で,お答えいたします。  個人の秘密,セキュリティーというふうに言われておりますけれども,セキュリティーが守られているかどうかということについての私の認識でございますが,既に482人でしたか,483人でしたか,市民の方々がご心配になっているという現実がございまして,そのご心配を私が解消する積極的な論拠を持っていないと,こういう認識であります。  2番目の長野の審議会が指摘しているような,本件の住基ネットワークシステムが地方事務かどうかということの認識でございますけれども,法体系上の問題からいえば,地方事務であるというふうに私は理解をいたします。  それから,住基法の中に,提供せよという規定がございますが,それが義務かどうかということについてでございますけれども,その点については,法律上義務だと書いてあるという現実を認識しているというふうにお答えさせていただきます。  4番目の事故が起きたときの責任はだれがとるのか,国賠法の規定により,市長みずからが個人責任を負うということになりはせぬかというご指摘でございますけれども,これは,事故の対応,それからどこに帰責事由があるかというふうなことで,いろいろ違ってくると思います。漏えいをして,セキュリティーがどこで破られたのかというところとの関係で,私の管理責任範囲内の事故なのか,そうではなくて,道あるいは中央のセンターでの問題なのか,そこの問題等がございますけれども,私が管理を十分しなければならないという立場にある,そういうところからの漏えいであれば,私の責任,法律上は,国賠法の体系上はそのようになっているだろうということを,申し上げることができると思います。  5番目の選択制導入について条例制定ができないかという問題でありますが,これは少し議論を要するところだというふうに,現在のところ,まだ検討中というふうにお答えしておきます。  私に対するご質問は5点だったと思いますが,よろしゅうございましょうか,以上です。 ◎石原 地域振興部長  区役所におきますコミュニケーションサーバーの管理の問題ですけれども,現在,各区には2台から3台コミュニケーションサーバーを配置しております。これらのセキュリティー管理につきましては,限られた少数の職員に操作用のICカードを配付しておりますし,個別のパスワードによる厳格な管理を行っております上に,操作記録をすべて保存することで,不正使用を防止できているというふうに考えております。これらのコミュニケーションサーバーの端末につきましては,既に各区で機能しております,既存の住基システムの端末と同様に管理しておりますので,安全性については確保されているというふうに考えております。 ◎下村 情報化推進部長  先ほど,札幌市の内部は専用線を使用していて安全だけれども,道と市,道と国はNTTの回線で,しかも大容量の回線の一部を使っていて,非常に危ないのでないかというご質問でございました。市町村コミュニケーションサーバーと都道府県センターのサーバー間,都道府県センターサーバーと全国センターサーバーのネットワークの問題ということになりますが,これにつきましては,全国のネットワークのセキュリティーのことでございますので,私どもの方で余り詳細には承知しておりませんけれども,全国の住基ネットワークシステム担当課長会議における国からの説明では,各サーバー間の通信はすべて専用回線及び専用交換装置で構成されたネットワークを介して行っているという説明がされております。  また,この件につきましては,私どもも,慎重なセキュリティーの確保ということも考えておりますので,改めて地方自治情報センター,LASDECと申しますけれども,そこに対しまして直接確認してみましたところ,同様の回答があったものでございます。 ◆松浦忠 委員  私と市長の認識には,そう差がありませんが,日本で1970年3月,佐藤内閣のときにこれを始めようとして,いろんな曲折があって,そのときは,当時の電電公社の労働組合,全電通,それから市町村,都道府県の職員団体組合,自治労,これらが中心になって,政党も巻き込んだ国民総背番号制反対の大運動があって,私らも参画しました。それで,これはとんざしたと。とんざしたが,また頭をもたげてきて,くるのに30年かかったと。しかし,昨今は,小泉さんも大変信奉しているアメリカで,72年の大統領選挙で起きたウオーターゲート事件というものが,この法律の制定過程の中で,これを具体的に参考として導入した個人情報保護に何らなっていない。個人の秘密が守られる施策が講じられていないという,極めて危険なものだ。  こういうことに対して,政府はもちろんそういう説明はしないし,それから,札幌市の前市長もそういう説明はしなかったし,そういう中で,何となく私と共産党を除いて,オール与党の中でこれらのことが粛々と進められていった。  したがって,この問題について,今,ここで改めて,弁護士25年の経歴を持つ,人権を中心にやってきた上田市長が,住基ネット法の問題点をわかりやすくきちっと解説した市民広報誌の別冊をつくって,全戸に配布をして,そして,みんなが本当にこれでいいのかという問いかけを,その責任を負う立場の札幌市長として──地方自治法では,ご存じのように,去年の3月までは,市長の責任だとか決裁をした自治体の課長以上の管理職へ,住民監査請求によって,裁判を通じて個人の賠償請求権があったのですよ。それが,去年の3月に,政府・与党や一部賛成したいろんな議員もいましたけれども,国会で改正されて,地方自治体,市町村の管理職に,市民から見て不作為行為があったというときには請求はできるけれども,払う相手はだれかといったら,札幌市という団体なのですよ。私が不利益を受けたら,私が市長相手に訴訟を起こして,市長が払うのではなくて,私が納めた税金から損害を払うのですよ。こういうばかな制度に,去年,この国は変えたのです。これを,与党を中心にしてやったわけですよ。  そういう中で,今度の住民基本台帳法で,私どもの権利というのを一体だれが守るのか。これはですね,人権弁護士として長く活動をした市長が,そのことを公約に掲げて当選したのですから,私は,当然,市民にまず広くその実態を明らかにして,そして,市民がこれをどう判断するかというその判断材料を提供する。法律は,国民の過半数以上の意見によって,国会議員選挙を通じて,いつでも変えることができるわけでありますから,したがって,そういう権利をきちっと市民に持っていただく,そのための情報提供をする,このことを,私は,市長の選挙公約の最大の市民に対する責務だと思っているのです。市長は,それをどのように考えておられるか。480数名の人が去年から,これに参加しなかった。ただ単に,その人たちの思いを,権利意識を考えてやりたいということだけの問題ではないというふうに私は認識しているのですが,市長はどのように認識されているか。公約は何であったのか。このことについて,市長にお尋ねしたいと思います。  それから,担当部局にお尋ねします。先ほどの回線の関係でありますが,まず,各区役所の専用の端末は同じような状態で置かれていると思います。これについて,ICのパスワードだとかなんかを持たせて,特定の職員と言いますけれども,そんなのが安全だったら,世の中に,今までハッカーだとかなんとかいろんな人が出てきて,頭のいいのが出てきて,そういうコンピューターの事故なんて起きないのです。  それから,保守だってそうでしょう。民間会社に委託するわけでしょう。そして,この法律を見たら,罰金100万円以下,懲役2年以下でしたか,そういう程度の法律の規定しかないわけでしょう。その程度の保護しか,国民はされていないのですよ。そんなような状況の中で,国がそれをやったからといって信用して,それだけで安全が確保できるなんて言ったら,私は認識違いだと思うのですよ。  したがって,少なくともそれぞれ専用の端末をきちっと管理する部屋をつくって,そこにしっかりとかぎをかけて,そして特定の人しか入られないよと。なおかつ,保守管理の人については,その都度,各区役所の責任者がパスワードで立ち上げて,保守をやっている間は立ち会って,終わって帰ったら,閉めるというところまでやらなかったら,昔から言われているのは,かぎ職人が泥棒の親玉だったなんていうのが,よく講談にも出てくる話。したがって,そこまでやらなかったら安全確保はできない。このことについて,どういうふうに考えているか。  それから,次に,道庁と札幌の間の回線について。札幌市のボックスを出たところからずっといって,道庁のボックスがある。原因を絞ってきたら,そのボックスの間でいろんな方法を講じて情報が盗まれた可能性があると。特定はできぬけれども,どうもそういうことが推定されると。そのときに,そのケーブルはだれの責任範囲になっているのか。道庁なのか,札幌市なのか,これについて明らかにしてください。 ◎上田 市長  住基ネットの問題点について,もっと積極的に知らしめよと,こういうご意見であります。  今,その問題点については,8月5日に総務省と長野県の審議会との間で討論が行われるというふうな情報を得ております。その結果を踏まえて,もちろん,そこではマスメディアも参画ができるということになっているようでありますので,さまざまな報道がされるだろうというふうに思います。  私は,一般論として,もちろん持ち合わせておりますけれども,参加者から直接,あるいは報道機関を通じて情報を得ながら,その問題性といったものを具体的に,現時点における住基ネットのシステム上の問題等について,実際に技術者を交えて議論するということですから,その情報をちょうだいした上で,これから検討していきたいというふうに考えております。 ◎石原 地域振興部長  セキュリティー対策の関係,安全性のことに関しては,ここまででいいということはない,やるにこしたことはないというふうに思っていますけれども,今現在,住基ネットの関係のコミュニケーションサーバーのほかに中間サーバーなどを設置して,外部からの侵入等の対応策については,札幌市独自の手当てもさせていただいております。  それから,先ほど申しましたけれども,既存の住基システム等々の管理においても,現在の対応の仕方の中で適正な管理ができている,セキュリティー対策ができている。今までの運用の中でも問題が特に起きておりませんので,現段階では,今の対応で安全性は守られるというふうに考えております。 ◎下村 情報化推進部長  先ほどの札幌市から道のサーバーにかけての接続の部分につきましては,道が敷設しまして,道の責任下にあるものでございます。  ただ,そうは言いましても,接続する各市町村等にある物理的接続ポイントの保守管理,運用というのは,委員がおっしゃいましたとおり,適正,厳正になされなければ,本来の機能を十分に果たすことは困難になりますので,そういった意味からも,本市は,言うまでもなく,他の市町村の担当者や関係機関の職員と連携をとっていきたいというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  私は,長野の議論を待つのも大事ですし,当然,そこまでの時間はもうわずかなことですから待ってもいいと思うのですが,長野の議論が終わったら,札幌市もいろんな広報を出しているのですから,PR,PRと随分広報予算をとっていますけれども,大事なことにちゃんとお金をかけて,そういう問題点がわかるように,各区に配布をしてあげるということは大事なことだと思うのです。終わったら,ぜひひとつそのことをやっていただくように,私は市長に求めておきます。  それから,安全性の問題については,部長は随分自信のあるようなことを言ったけれども,それはあなた,ちょっと言い過ぎでないの。私ははっきり言うけれども,国が言っている受け売りは,ほどほどにしておかなかったら,今まで,コンピューターのメーカーが,これは絶対安全だと言って,コンピューターの中に盗人が入らなかったですか。日本語で言うと,盗人ですよ。いろいろ知恵を絞って,盗人が入ってきているわけですよ。  したがって,国の受け売りで大丈夫だと,国はこう言っていると言うなら,私はわかるけれども,あなたの今の答えだったら,あなたが自信を持って答えていることになるわけ。国はそう言っているけれども,私はわからないと言うのなら,わかるよ。したがって,余り自信を持つのでない。  それから,私は,下村部長が答えたのは適切だと思っている。国はこう言っているけれども,しっかりやらなければいかぬと思っていると。したがって,私がさっき言った各区役所の端末機を置く保管場所,運用する場所,これについてはぜひ検討して,もしこうやって端末機を置いておいて万が一のあったときには,国家賠償法に基づき市長に請求が出たときには,国がかわって払ってやるぞと,こういう言質がとれたのなら,私はそれでいい。とれないのなら,きちっと市長と相談して,そしてきちっとお金をかけること。  なぜ私がそれを言うかといったら,先ほどの飯坂議員の山の議論を聞いていて,私はあれを瑕疵担保だと思っているのですよ。あれは,前の使用者からもらうべきだと思っているけれども,それは言わなかったが,それぐらい金がかかるのだったら,市民のためなのだから,こっちの方にもしっかり金をかけて。  コンピューターの安全管理に関しては,例えば小箱を箱の中に入れるやつがありますが,あれと同じように,本当に玉手箱の中をあけてあけて,何重もあけて,ようやく宝物にたどり着くという,そのぐらいの施設の安全を講じても,何らやり過ぎでないと。そのぐらいが,コンピューターというものなのです。皆さんは,それをひとつしっかりと認識して,市長とよく相談して,各区役所の端末はこれでいいのかどうか検討して,間もなく決算議会もありますから,それまでによく検討しておいてください。  今,長野の審議会と総務省との対応もありますから,その中でもそういうことも出されますから,そのことを求めて,私は終わります。 ◆三上洋右 委員  議案第7号の証明等手数料条例の一部改正に関連して,新たに始まる住民基本台帳カードでのサービス提供について質問いたします。答弁は,市長にお願いいたします。  今回のこの条例改正案においては,住民基本台帳カードの発行手数料を500円と定めることとなっています。これは,8月25日に予定されている住民基本台帳ネットワークシステムの第2次稼働に対応するものと考えますが,当初から予定していたとおり,8月25日からは住基ネットのサービスが提供されると,そのための所要の規定整備を提案したということでしょうか。つまり,8月25日からは,ネットワーク上に住民基本台帳のデータが流れ,例えば,私がカードを持ってお隣の小樽市の市役所の窓口に行って,住民票の交付を受けることが可能となると,こう理解してよろしいのか,まず第1点であります。  次に,市長は,さきの代表質問において,選択制の導入の可能性を探ると,ただいまもそのような答弁をなされておりますが,この場合,住基ネットのサービスを希望しない市民の情報は,8月25日以降もネットワーク上に流れないという理解でよろしいのか。  また,その場合,流れないのは,昨年の段階で住民票コード通知のはがきの受け取りを拒否した483人だけなのか,あるいはもっと多いのか。この3点,まず市長にお答えいただきたいと思います。 ◎上田 市長  1点目は,8月25日に2次稼働する,それを利用できるのかというご質問ですね。それについては,そのようになるというふうに思います。現在,昨年の8月5日から全員について接続しているわけでありますので,8月25日以降は本格稼働ということで,隣の町でも,全国どこからでも取れるという状態になるということだと認識をいたしております。  もう一つは,ちょっと聞き間違いかもわかりませんが,希望しなくても,その人の情報は載っているのかというご質問だったでしょうか。もちろん,現在の……(「サービスを希望しない市民の情報は流れないのか」と呼ぶ者あり)流れております。希望しないということで流れないのであれば,一番望ましいわけでありますけれども,それが,そうではないところに悩みがあるということであります。 ◆三上洋右 委員  もう一度確認いたしますけれども,その場合,483人だけなのか,希望しない人の分も全員のが流れると,そこだけ確認しておきます。 ◎上田 市長  全員のが流れているという状況でございます。 ◆三上洋右 委員  今のご答弁では,8月25日の段階において,全市民のデータが住基ネットに流れるというお答えであります。すなわち,市長の今のお答えによりますと,これまでの方針どおり,住民基本台帳ネットワークに参加していくということでありまして,これは,我が会派としても大変歓迎し得る判断でございます。  しかし,今,私は,選択制の導入でなく,これは参加するという意思の表示と受けとめたのでありますけれども,まだ,それは違うのですか,接続はするけれどもと。もう一度。 ◎上田 市長  私の認識では,現在,既に全部つながっているものですから,利用可能な状況になっているということであります。それから,離脱するかどうかという問題があります。それから,選択制が法的に許されるかどうか,あるいは現実的に許されるかどうかという問題は,さまざまな観点から,できるのだということであります。  483人についても,去年の段階で登録を拒否するというふうに希望が出されましたけれども,そして,はがきを返却されたという事実はありますけれども,載っていることは載っているのであります。そういうことであります。 ◆三上洋右 委員  それでは,市長,今,お答えのように,つながって,25日以降はこのカードで隣の町や村で住民票を取得できると。しかし,なお,この後,さらに選択制導入の可能性を探っていくという意味でありますか。  それでは,毎年毎年ずっとそれに参加しながらも,選択制導入の可能性を探っていくのだと。8月5日の時点で云々というのが先ほどのご答弁に少しありましたけれども,25日になるのですか,5日になるのですか。まだずっと,今晩一晩考えないとわからないということではないと私は思うのですよ。お考えはあると思うのです。  ただ,私が思うには,実際に参加するということですから,選択制導入の可能性を探るという答弁でなく,はっきりお答えして,参加するのだと言った方が結果責任を果たしたことになるのではないかなと思うのです。 ◎上田 市長  ちょっと誤解があると申しわけないのですが,札幌市は,もう既に住基ネットサービスの中に参加をしております。それは,昨年の8月5日に参加をしている。これは,全部データを送っているわけであります。そこが,つい先日までの横浜と違うところであります。横浜は,参加する前に,参加を一度拒絶した上で選択制というのを探るということでありましたけれども,その後,希望しない方については除いて接続したというのが経過でございまして,横浜と札幌は全然違うという,事実はそういうことでございます。 ◆三上洋右 委員  市長,私から言わせれば,矛盾するのですね。接続しているのですから,選択制も何もなく,もう既に実施されているのだということでよいのではないかと思うのですが,どうですか。 ◎上田 市長  現在,実施されているのです。ただ,嫌だというふうに言っておられる方がいるわけですから,そして,483人だけではなくて,そのほかにも,私の方に要望書とかそういう形で届けられている方もたくさんおられます。それを問題として,現在,この方々のそういう意思をどうしたらいいのかということ,無視するわけにいかぬということで,私は答弁させていただいているわけであります。  そういう方々の意思を,どういうふうにできるかということを今検討しようではないか,これから検討していかなければならないというふうに私は考えていると。ただ,それが制度的に可能なのかどうかということも含めて,考えていきましょうということで申し上げております。 ◆三上洋右 委員  私は,今の市長の答弁で,可能性を探ると言っても,何でも言葉としては言えますけれども,現実の問題として,可能性はないと思っています。法治国家において,法を遵守するという建前からは,心情としてそういう気持ちがあっても,今は市長になられて,公人となられたわけですから,いかにもできそうなことを市長さんみずから,こういう説明ならいいと思うのですよ。心情としてはわかるけれども,今の法体系の中ではそれは無理だと。そこのところをきちんと明言された方がわかりやすいと思う。それが,選択制の可能性を探るというふうに文字が踊ると,上田市長は何かやってくれるのだというふうに,本当に選択制が可能かと。私は,法律家でない市長さんでしたら,あえてこういう質問はしないのですけれども,十分知っての上ですから。  最初は,選択制の導入と公約を掲げて,市長は当選されました。市長になられてから,だんだんだんだんトーンダウンしてきているのですよ。それは,現実というものをおわかりになったと。だとすれば,かえって,選択制導入を視野に検討したけれども,現実にはそれは不可能だったというようなことを明言した方がよろしいと思いますけれども,いま一度答弁をお願いします。 ◎上田 市長  私は,代表質問に対してもこのようにお答えをさせていただいております。今後,横浜市の状況や,8月5日に開催が予定されております長野県本人確認情報保護審議会と総務省の調査会との討論会の結果等を踏まえて,また8月25日の2次稼働の状況を見定めながら,法律論も含めて,どのようなことが可能なのかということを検討してまいりたいと,このようにお答えをさせていただいております。  できそうもないというふうに断言をされますけれども,法律の世界というのは,法律があれば,それですべて解決かというと,そうでもないというところもございます。大変弊害が大きくて,法律を改正しなければならないという場合ももちろんあるわけであります。特に住基ネット,こういうコンピューター関連のことについて,我々は知識がないと言うのが正しいと思います。その弊害というものが,社会の中において,どれほど重大なことが起きるかということについては,素人では想定できないことがたくさんあると私は思っております。  そういうことを本当に十分に吟味した上で,この制度を法律としてまとめたかというと,国民に対して法律をつくる際に,こんな弊害もあるよということを政府はちゃんと答弁してきたと,私は必ずしも思わないのです。私が疑義を感じていることがすべて正しいかどうかについても,自分でチェックすることはできません。  ですから,多くの専門家のお話を聞きながら,そして,特に8月5日の長野県の審議会と総務省との討論会というのは,総務省もその討論に応じるという,そういうところまで来ている問題であります。総務省自身が,それを説明しようというふうにされているわけですね。  私は,それをちゃんと見た上で,そして2次稼働ということになりますと,もっと弊害が出る可能性だってあるわけであります。その動向を見ながら,本当に札幌市民の方々が心配されておられることについて,私が私の責任において,これは大丈夫だよというふうに言えるかどうか,そこの判断を今迫られているという認識でございますので,そこのところは,私のさきの答弁とあわせてご理解いただきたいと,このように思います。 ◆三上洋右 委員  これ以上は平行線になると思いますので終わりますけれども,また,8月25日までは,まだ若干の余裕がありますので,今この場では,これ以上は申し上げません。  我が会派としては,これまでの考えどおり,25日,市長としての住基ネットへの対応を,選択制の可否も含めて,はっきり決定されるものと,このように思っておりますけれども,ぜひ決断していただきますように要望して,終わります。 ◆藤川雅司 委員  私からは,8月25日からの第2次稼働に向けて発行されますカードの問題点について,幾つかご質問したいというふうに思います。  まず,カードの発行手続に関すること,あるいは不正使用の禁止,カードの容量など,これらを含めた札幌市としてのカードの位置づけ,利用方法,こういったものを規定した条例をつくるべきだと考えております。  質問の1点目ですけれども,例えばこういうカードができるようになっていて,たしか32キロバイト,約8,000文字を自治体独自で入れられると,こういうふうになっておりますが,なぜ容量を32キロバイトに決めたのか。今後,何に使うのか,一切決められていないにもかかわらず,札幌市としては,なぜその容量に決めたのか。もっと少ない方がいいと言うかもしれない,あるいは,もっとたくさん入れられる方がいいと言うかもしれない。それを,だれが何の根拠に基づいて決めたのか,お答えいただきたい。  次に,未成年,子供がカードをつくるときの要領等を見せていただきますと,法定代理人,父母などが申請をしたり交付を受けたりというような規定になっているようでありますけれども,カードの申請時には住民票コード,いわゆる総背番号の番号が必要ですし,番号は個人についているものであって,世帯主といえども子供のことについての権利はないと,私はそういうふうに思いますし,さらには暗証番号も法定代理人がつけられるというふうになっているわけですよ。  これは,今,住民基本台帳の決定的な問題になっていますけれども,世帯員の中に起きるDVですとか子供の虐待ということで,基本台帳そのものも問われている中で,親といえども個人の番号あるいは暗証番号をつくれるかどうか,このことは大変疑問なのです。  そこで,まず,カードに係る費用,それから発行枚数はどのぐらいを予想されているのか,お聞きしたい。  さらに,カードの発行手続を具体的に説明していただきたい。その際,本人の確認方法,未成年者の場合については,私が指摘したところと重複してもいいですけれども,具体的にどのようになるのか,3点目の質問です。  次に,カードの重要性とその機能についてお伺いしたいと思います。  先ほど見せた写真つきのカードは,金融機関の本人確認証明書として,公的な証明機能があると。今,金融機関へ行って預金口座をつくるときに,何か証明書を持ってきてくださいと言われますね。要するに,架空名義をつくらないようにするためのカードとして使えると。総務省がその通知を出すと,こういうふうに言っているわけですが,果たしてそれは,札幌市が発行する身分証明書としてきちんと責任を持てるのかどうか,大変疑問があります。  といいますのは,例えば,紛失したと言って再交付される,あるいは,有効期限が10年というふうに聞いておりますが,転入・転出を繰り返す間に,1人に何枚ものカードが発行される事実が起きてくると思うのですね。それは,確認しますけれども,そういった場合,どのカードが一番信憑性があるかということについて,金融機関は判断ができなくなる。こういう事態が発生すると,そのように私は考えております。  したがって,質問の4点目ですけれども,紛失すると悪用されるおそれ,そのようなこともあるというふうに思いますが,カードの紛失,返却の方法について説明をしていただきたい。  そして,私が今指摘したように,カードがたくさん存在し,証明書としての信憑性がなくなるというふうに思いますけれども,そのおそれがあるかどうか。あるいは,その場合,札幌市として,カードが正しいかどうかの責任を持てるのかどうか。  とりあえず,その4点についてお答え願います。 ◎石原 地域振興部長  カードの選定に当たって,32キロバイトという容量の関係ですけれども,まだ今の段階では,委員ご指摘のとおり,何に使うということを具体的に決めたものではございません。ただ,一般的な汎用型として妥当であろうという範囲で選定しているものでございます。(「だれが決めたのですか」と呼ぶ者あり)それは,市の方で決めております。(発言する者あり) ○笹出昭夫 委員長  答弁を続けてください。 ◎石原 地域振興部長  (続)それから,2点目,発行の費用,枚数でございますけれども,現在,予定しております発行枚数,初年度としましては,市民証の発行例等を参考といたしまして,人口の3%,5万4,000枚を予定しております。発行に係る経費でございますけれども,15年度の経費としましては,およそ6,400万円ぐらいを見込んでおります。  それから,カード機能の信憑性についてでございますけれども,住基カードにつきましては,本人固有の4けたのパスワードを設定することになっております。利用するためには,本人しか知り得ないパスワードで本人かどうかの照合を行い,他人が本人になりすますような行為については防止できるというふうに思います。また,もし万が一他人が使うような場合についても,照合に連続して3回失敗しますと,カード機能がロックされるというふうな機能も持っております。  このように,カード機能といたしましては,情報内容がそのままでなしに,暗号化された形で登録されたり,あるいは不正な改ざん等を行おうとした場合には,それらに対する防止対策もとられておりますので,カード自身の安全性についてはかなり高いものというふうに考えております。  それから,多数のカードを持つ可能性ですけれども,委員ご指摘のとおり,規定上は,引っ越し等々の場合については返却することを義務づけておりますけれども,返却しないということも実際的には考えられるかなというふうに思います。その場合でも,カード内容については新しいカードに変更されますので,カード内容自体については,新しいものしか使えないことになります。  ただ,表面に記載されています証明機能の部分につきましては,運転免許証やパスポートなどと同じように,そこに記載されているものが証明事項として通用するといいますか,認められるというような動き方になりますので,複数持たれた場合に,どれがということについては,確かにその段階での判断というのは非常に難しいものがあるかと思います。ただ,これは住基カードの問題ばかりではなしに,運転免許証だとかパスポートなどでも同じ状況が起こり得ると思いますので,全体としては非常に少ない悪用の例といいますか,そういうことをもって全体の信憑性が下がるということはないのではないかというふうに考えております。  それから,発行の手続等につきましては,吉田戸籍住民課長の方からお答えさせていただきます。 ◎吉田 戸籍住民課長  住民基本台帳カードの発行についてでございますけれども,希望する市民の申請に基づき,市区町村長が有料で貸与する形になってございます。交付申請は,本庁の2階の窓口で一括して行いたいと考えているところでございます。本人の希望によりまして,写真つきのものと写真なしのものの2種類のカードを選ぶことができます。  それで,カードの交付申請の問題ですけれども,カードの申請手続でカードを申請できる方については,本人及び未成年者または禁治産者,成年被後見人等の法定代理人,それから申請者本人に頼まれた任意代理人,こういった方が申請できる方になろうかと思います。それから,必要書類としては,写真つきのカードを希望する方は,カード交付申請書に6カ月以内に撮影した写真を添えて申し込みいただくことになります。  それから,カードの交付に際しましては,基本的には,印鑑登録と同じような形で本人確認,例えば運転免許証で確認するですとか,郵送において回答書を持参していただいて本人確認をするような形で,窓口の方で本人確認をします。それから,法定代理人が来庁した場合については,法定代理人である旨,戸籍謄抄本ですとか健康保険証等を提示いただいて,その人であるかどうかを確認させていただき,カード交付する際に,本人または法定代理人が数字の4けたのパスワードを入力して交付するという形になります。  なお,15歳未満の方については,法定代理人が,父母になろうかと思いますが,住民基本台帳カードの交付を受けることになります。おのずから,先ほどと同じように,その方がパスワードを入れるということになります。  それから,交付申請者が任意の代理人の場合は,本人からの回答書,委任状,それから任意代理人の本人確認書類を持参していただくことになります。この場合については,市役所の方の戸籍住民課の職員が,本人からの回答書,一部シールが張ってありますけれども,それに暗証番号が書かれておりますので,その暗証番号をこちらの方で入力して,そしてカードを交付するというような手続になってございます。 ◆藤川雅司 委員  それで,32キロバイトを,いつ,だれが,どういう権限で決めたのかということを再度質問したいと思います。  それから,今,何に基づいて発行手続をするのか,要領なのか要綱なのか,その決裁はだれがするのかということ。  それから,先ほど,パスポートと運転免許証と同じだと言いましたけれども,パスポートはパスポートなりの理由,運転免許証は運転免許証なりの目的があるわけです。それを本人の身分証明書として活用しているというだけであります。今回の場合は,これは公的身分証明書ですよと言っているわけですから,パスポートや運転免許証とは全然違います。もっと言いますと,それぞれパスポートにはちゃんと番号がついている,運転免許証にもちゃんと番号がついていて,それで管理されているのです。そういったことも含めて,それが動いているわけですよ。  ですから,私がさっきから言っているのは,転出入を含めて,言われましたように数多くのカードができ,10年間有効です。その間に離婚や結婚とか養子縁組とか,戸籍の届け出によって変更され,同じ人間であっても違う名前,違う住所のカードが何枚もできる可能性があるわけです。そのことによって,例えば預金口座をあちこちにつくることができるわけですよ。しかし,金融機関は,カードのどれが最新のものかというのは,これを見ただけではわからないわけですよ。そういうようなカードを,信憑性があるといって,札幌市が証明の責任を持てるのですかと,こういうことを聞いているのです。  その3点,お伺いします。 ◎石原 地域振興部長  まず,カードの決定の経過でございますけれども,ICカード利用の専門委員会というのが庁内にございまして,そこで協議の結果,決めたものでございます。  それから,カードの証明能力の問題ですけれども,今回のカードについては,いわゆるICの中に記載している情報と,それから表面の方に写真つきで住所,氏名等を記載する部分が任意の選択になっております。  それで,カード自体がすべての証明能力を持っているということではなく,写真入りで選択された方のカードについては,ある程度の法的な証明能力があるというふうな認め方をされると考えております。  ですから,委員ご指摘のように,ケースによっては,複数のカードを持つというのはあり得る。通常の場合,変更した場合については,先ほど申しましたとおり,返却することを義務づけておりますので,かなりの悪意と言ったら変ですけれども,そういったような形の場合が考えられますが,全体としては極めて少数ではないかなというふうに考えております。(発言する者あり)  それから,カード発行の根拠ですけれども,これは改正された住民基本台帳法に規定されているものでございます。細部については,施行令あるいは規則の中にも関連の記載がございますけれども,発行に関しましては,住民基本台帳法に規定されております。(発言する者あり) ◆藤川雅司 委員  それで,皆さんもいろいろお気づきだと思うのですけれども,私はもう一回言いますが,悪意を持ってやろうと思ったら,そういうことは可能になるのですよ。返却する義務があっても返却しなかった場合,そのカードは本人の手元に残るわけですよね。そういった議論が全くなされていない。利用されないだろうだとか,それはケースは少ないだろうとか,そういう問題ではないのですよ。事件が起きてからでは遅いのですよ。  ですから,この際,手数料条例の提案の前に,カードについて,要領だとか,今後の使用目的及び法の基本にかかわる札幌市の条例を制定することが必要だと思います。この際,広く市民から意見を聞いて,審議会などを開いて,札幌市のカードに関する条例を制定してから手数料条例を提案すべきだと考えますけれども,その辺はいかがでしょうか。 ◎石原 地域振興部長  カードの発行に関しましては,先ほど申しましたように,基本的には住民基本台帳法で規定をされておりまして,発行に伴ういろんな細則の部分については,施行令それから規則等で決められております。さらに,総務省からの通知によりまして,事務取扱要綱も定めることになっておりますので,今,委員ご指摘の点につきましては,そういった中で整備ができるものというふうに考えております。
    ◆藤川雅司 委員  今まさに,8月25日からカードを発行しようとして手数料条例を出しているにもかかわらず,要綱やそういうものをこれから整備していくというのは余りにも甘過ぎる,そう思います。  ですから,私は,最後に意見を言いますが,手数料条例が提案されていますけれども,手数料条例の前に札幌市の住基カード条例を制定する。その際に,広く市民から声を聞いて条例を制定するための手続をとるべきだというふうに主張して,終わります。 ◆小田信孝 委員  私も,この住基ネットの問題につきましては,すっきりとさせてほしいなというふうに願っている一人であります。  実は,昨日,市議会の総務委員会で陳情が出されまして,審議いたしました。選択制についての初めての見解だというふうに新聞報道されておりますけれども,このときの総務委員会の席上で,市民局の幹部が答弁された。どういう答弁をされたかというと,選択制については,法解釈は,各市でされているので裁判で判断されるでしょうと。こういうふうに,きのう答弁があったのですが,実はこういう報道がされる新聞があるかと思えば,ちょうど機を同じくして,昨日,北海道でこの問題が取り上げられまして,全く違う新聞記事が出てしまい,両方を読んだ市民は大変に悩んでいるのではないかというふうに私は感じます。  上田札幌市長さんの住基ネットの選択制導入についてどういう見解かというふうに質問されたところ,道の総合企画部長さんが,答弁として,住基ネット選択制は違法であると,こういうふうに明確に言っているわけですよ。  そうすると,きのうの総務委員会の局長の答弁がもう一つあります。そして,道の方で,同じく委員会で質問がされて,見解がもう一つ出た。この二つの見解がまるっきり違う。しかも,きょうのやりとりを聞いていると,札幌市と道とは緊密な住基ネットで結ばれる。そういうことになってしまうと,法解釈をめぐって,どっちがどうなのだということで,今,市民の皆さんが非常に不安を持っているのでないでしょうか。  この辺はどういうふうに説明されるか,私も非常に注目しなければならないなと思いまして,きょう質問させていただきました。  それから,2点目は,今,質問が出ましたように,いよいよ住基カードの発行が,8月25日からですから,もう1カ月を切っておりますね。この住基カードにつきましては,先ほどパンフレットを示しながら質問されましたけれども,パンフレットを持っている方はどういうものかというのをわかっていますよ,2種類あるのです。写真を張るものと張らないものがあるのですよ。PRをされていませんから,一般の札幌市民はわからないですよ。しかも,500円取られるということも知らないかもしれない。1カ月を切っている現時点で,一体どんなPRをしてきたのですか。  市民の皆さんは,500円取られるということも知らないし,2種類あるということも知らない。そして,もう既に2次稼働まで1カ月を切っている。こういう時点で,非常に不手際があるなというふうに思うのです。  この辺について,いろいろな面でPR不足ではないだろうか。戸籍住民課のホームページを見ても,住基カードの発行については,検討中と表示されているだけであります。札幌市として,2次稼働に向けたPRをどのように行うつもりでしょうか,質問いたします。 ◎高本 市民局長  昨日,総務委員会において陳情がありまして,その中で問われたことについて回答しておりますけれども,住民基本台帳事務は自治事務かどうかということでございました。住民基本台帳事務につきましては,自治事務でございます。そうした場合,地方自治体の条例で制定できるかどうかについては,先ほど市長もお答えしましたように,慎重に検討する必要があるということでございます。  それで,住民基本台帳は自治事務でございますけれども,全国共通に行われている事務でございまして,住民基本台帳法で基本的なことが定められています。住民基本台帳法におきましては,30条の5の規定によりまして,住民基本台帳に登載したものについては,全住民情報について,4情報と住民コードと変更情報でございますが,市町村は通知をするという規定がございます。この一時的な解釈につきましては,所管である総務省が,いわゆる有権解釈ということでするものでございます。  しかし,現在,全国の自治体の中で住基ネットを離脱している市町村が2カ所ないし5カ所ありますし,横浜市も段階的な接続でありますが,いわゆる選択制を導入するという現実があります。そういう中で,法の解釈はどうなのかという問いでございましたので,現実に,今,裁判も起こされている状況でございますので,基本的に,一般的に,最終的な法の解釈は司法が行うと,そのようなことで申し上げたところでございます。その後で,札幌市が,今,現実に選択制を導入することができるかどうかという質問がございまして,やはり国や道の同意が必要であるというお話を,きのうの時点で申し上げたところでございます。 ◎石原 地域振興部長  25日の2次稼働に向けましてのPRの関係でございますけれども,この問題につきましては,きょうもそうですが,いろいろご意見,ご議論があるところですので,どのような形のPRがふさわしいのか,これまでもいろいろ内部で検討してまいりました。25日からスタートいたしますので,2次稼働に向けまして,今後,具体的なPRを行うべく準備を進めているところでございます。  具体的な体制としましては,去年の1次稼働のときには住基ネット専門のコールセンターを設けましたけれども,その後,市全体のコールセンターが立ち上がっておりますので,今回,そこで対応できるように,必要な情報の提供を行っていきたいというふうに思っております。  そのほか,広報誌8月号には,具体的な内容についてPRさせていただくような広報記事を載せる予定でございますし,ポスター等の掲出も地下鉄などで行っていきたいというふうに思っております。  それから,委員ご指摘のホームページによるPRでございますが,今現在,まだ内容の整理ができておりませんけれども,近日中に,2次稼働に向けた内容の整理をいたしまして,掲出するような形で進めたいというふうに思っております。 ◆小田信孝 委員  もう目の前に来ているのですよ。  それで,たまたま市長選挙があって,この問題を札幌市民の皆さんが知るようになった。選択制もあり得るような,そういうイメージを抱くような,受け取るような,そういうムードもできてしまった。こういうところに,いきなりここに来て,道の見解は違法だと,片一方で言っているのですよ。市の方の見解は,今,総務局長がおっしゃったとおりです。そうすると,見解が二つ同時に存在しながら,8月25日を迎えるわけですね。そうすると,これは非常に問題が大き過ぎる。  こういうことも記事に出ているのですが,国は,地方自治体の首長が法律の規定を独自に解釈し,住基ネットに参加しないということはできないと自治体に通知していると,新聞記事に出ているのですが,札幌市にも通知が来ているのですか。そして,この通知によって,どういうふうに市長さんたちと話し合って,総務局の見解として今,我々に示されているのでしょうか。その辺,どんな経緯になっているのか,お示しください。 ◎高本 市民局長  まず,札幌市の現状について,先ほど,市長に対する質問の中でもございましたけれども,札幌市では,昨年8月5日から,全市民の情報について住基ネットに接続しております。そういう状況の中で,今回,カード手数料の条例を提案させていただきましたが,住基カードについては,その交付を受けるかどうか市民みずからが選択をするということで,そういう意味で,今,市長が申し上げております住基ネットも,今後,選択制の可能性を探るということについての矛盾はないというふうに理解しております。 ◆小田信孝 委員  そうしますと,市民局の見解としては,道が示された住基ネットの選択制は違法であるという解釈については,これは道の解釈ですから,これについてはきちっと札幌市としては承服できませんと。先ほどから論議があるよう に,住基ネットというのはつながるわけでしょう。そうすると,その前提として,法解釈が違うまま,このままいくのですかということは,我々には不可解に思えるのですよ。  法律もきちっとしている,ネットの接続もきちっとしている,そして,市民も納得して,有効なカードを申し込んで取得する,こういうふうになっていくのが自然だと思うのです。今の見解では,何かあやふやなまま,道と市が対立した見解のまま,いかざるを得ないということになると,市民にとっては不満,不安があるのですが,どういうふうに見解を出されるのでしょうか。  これは面倒くさい話ですけれども,局長さんか,助役さん,答弁していただきたいです。 ◎田中 助役  大変微妙な,また課題を多く抱えている問題だと思います。そういう意味では,道の見解が,現在の住民基本台帳法に沿って解釈をすれば,接続を前提に全国的にネットワークするという大前提であれば,札幌市がそういう接続をしないで,選択制をとるということの考えは,やはり法が予定しているものではないという形でありますので,それは違法であると言えるかもしれません。しかしながら,法も万全ではございませんし,ましてや8月25日に稼働されますので,実態的に,国民的に,また中央のレベルでいろいろ考えていることについて,今,藤川委員がご指摘されたような具体的な実例が出てまいります。その前に完璧を期すことは非常に大切でございますけれども,しかしながら,ネットワークに接続することによって国民の利便性が高まるという大前提でやるという方向性が出ておりますので,札幌市は接続しております。  その中で,今後,接続すべきでない,また,私のプライバシーが侵されると,そういうことを望まない市民に対してどういうことができるのか。それは,選択制であるのか,または法そのものを変えていただくのか,または違った方法があるのか。広くそういう情報を示しながら,改めて考えていく中でやっていきたいという市長の考えでございますし,我々もそういう前提で仕事をしていかなければならないと思ってございます。  そういう意味では,5日に,技術的な部分で総務省と長野審議会の公開討論会がございます。これは,セキュリティーという大事なエンジン部分での議論でございますので,国民的に注視していく必要があると思います。その内容いかんによっては,もしかすると,道が違法であるという私たちの考えが,もしかすると違った方向で,その技術の中で生かされる方法があるかもしれませんし,市長がおっしゃられるとおり,きちっと注視をしていかなければいけないと思います。  そして,先ほど言いました8月25日以降のカードの状況,でき得れば,問題が生じるような方向での類例が余り出ないようにと望んでおりますけれども,出た場合にどうするかということの対処も含めて,今後とも,広報で,または稼働することについてのPRも含めて,問題があることも前提にしながら,幅広い論議の中で,札幌市としてのきちっとした対応を定めていきたいと思っております。 ◆小田信孝 委員  最後にします。  先ほどから出ている住基カードは,いろいろ多目的に利用できるように検討していたのですけれども,残念ながら,今のところは,副次的な利用として,身分証明書になるぐらいのお話しかお伺いできておりません。これは,今後,進化していくのだと思います。  カードについては,特に高齢者の方は運転免許証がない,あるいは身分証明書がない,そういうときに住基カードが非常に役立つという答弁でございますから,何とか希望者にはきちっと発行できるようにしてもらいたい。  そこで,先ほどPRと言いましたけれども,ポスターとかというのは,張られている場所でないと見られないということですよね。私は,今はテレビ時代ですから,ラジオとかテレビで,8月25日から稼働になるのですよと,カードも発行するのですよということをスポットで流すようなことで,早急に広めるようにすべきではないかと思いますけれども,最後に,1点質問します。 ◎石原 地域振興部長  マスコミ媒体を使ったPRの拡大ということでございますけれども,現在,主要4紙についての新聞広告でのお知らせを考えております。ただ,テレビ・ラジオ等も考えてということになりますと,経費の問題もございますので,なかなかそこまで広げてということは難しいかなと思います。  ただ,きのうの代表質問も含めて,この問題については,非常に市民の関心も高い問題だというふうに思います。マスコミの方々についても,いろんな形で取り上げていただいていますので,いわゆるパブリシティーといいますか,報道番組等の中で,ニュース性を持った問題としてPRしていただけるような,PR効果が上がるような情報提供も考えていきたいというふうに思っております。 ◆小林郁子 委員  それでは,住基ネットにつきまして,私からもご質問させてもらいます。  2001年,2年前から,私どもは住基ネットの問題を議会で取り上げてまいりました。そういう意味で,今,これまでの認識を初めに申し上げたいと思いますけれども,住基ネットシステムというものの目的が,いまだに明らかでないと,国も明らかにしていないと私どもは思うのです。住基ネットの用途は明らかになりつつあります。そして,264項目に使うということ,だんだん用途を広げてきているということはわかってまいりました。  そして,このシステムのために,試算によれば8,000億円ぐらいかかると言われているのです。国の方の初期投資で400億円,それから,毎年の維持管理で200億円。そして,それがさらに各自治体ですから,100億円ずつプラスされると。そしてまた,カード発行の費用1,900円から500円を引いても1,400円,それの国民分です。それから,さらに総務省がカードのためにIT装備都市研究事業で170億円,そしてまた,地方自治情報センターがカードの開発実証実験で36億円,こんなものが足されますと,8,000億円ぐらいかかると言われているのです。  そしてまた,市町村においては,事務が非常にふえるということがありますし,さらに,全国3,215の市区町村において,例えば,このために職員が3人取りかかるとしても,1万人ぐらいの人がかかわるわけですね。その中で,全く一人もおかしいことをする人がいないという保証はどこにもないと,リスクがあるものだと私どもは認識をしております。  私は,住基の最後の質問者ですので,重複を避けてお尋ねをしたいと思いますけれども,まず,住民基本台帳カードについてですが,札幌市はこのカードに何を入れるのか,明らかにしていただきたいと思います。  そして,先ほどもありましたけれども,これは,IC機能,集積回路を持って,コンピューター機能を持っているわけですから,8,000字くらい入ると。ですから,国の方では,行政に対しても,民間に対しても,このカードを大いに使ってくださいと言っているわけですね。  そういうことで,札幌市の方でやろうと思えば,福祉サービスだの,印鑑登録のサービスだの,図書館のサービス,民間のサービス,いろいろできるわけです。それらを含めて,もっと将来的なことを考えて,防犯のためだとか,病歴の管理のためだとかと言えば,そのカードにそれを組み込むことができる。条例でやれば,それができることになりますけれども,札幌市は,将来,そういうことを一切考えていないのかどうか,そこをはっきりとさせていただきたいと思います。  それから,さらにもう一点伺いますけれども,カードをつくる機械,それからまたカードを持って来た人に対するカードを読み取る機械,そういうものを,今,札幌市だけではないですけれども,すべての市町村が業者に発注していますね。仕様書から全部お願いして,発注している。そういうときに,その業者がやろうと思えば,市と全然関係なく,そのカードを自分のところでつくれるわけですね。  だから,偽造されるという心配がないのかどうか,そのあたりは杞憂であればいいのですけれども,お伺いしたいと思います。  まず,カードについてお伺いいたします。 ◎石原 地域振興部長  カードに何を入れるかということですけれども,札幌市独自で何かをということについては,現在のところ,考えておりません。したがって,ICチップの中に入るものは,住民票コードと暗証番号ということになるかと思います。 ◎下村 情報化推進部長  先ほどの質問の1点に,住基カードにまだ容量があるので,何に使うのかというご質問だったと思いますが,これは,住民基本台帳カードの多目的利用と言われる部分でございます。  総務省からは,平成15年1月21日付の事務連絡で,自動交付機による,証明書の交付を受けるサービスですとか,申請書の自動作成サービスなど,15分野におけるサービスが例示されておりますが,本市といたしましては,セキュリティーの面も含め,市民の皆様のご理解を十分にいただくということから考えますと,本当に市民の皆様にとってどういう利用が可能なのか,また適当であるのかということを,今後,十分慎重に検討してまいりたいと考えております。  したがいまして,ことし8月の交付開始にあわせて,多目的の利用は導入いたしません。また,今は,まず行政サービスを前提とする多目的利用の導入にはどういうことが可能なのかということを検討しておりますので,民間サービスでの利用ということは考えておりません。 ◎石原 地域振興部長  カードリーダー等の受託業者における偽造対策の問題ですけれども,表面的な偽造はカード作製業者であっても可能だと思いますが,そこにデータを書き込む作業については行政の方で行いますので,カード全体としての偽造,すべての機能を含めた偽造ということについては,不可能だというふうに思っております。 ◆小林郁子 委員  住民基本台帳ネットワークシステムにつきまして,国の方では,メリットはこういうものがありますよと言っているわけですけれども,その一つに広域交付というのがあります。どこでも取れますよということなのですけれども,それが,今,どこの自治体も,役所が開いている9時−5時ではなくて,札幌市でも大通の地下街とかでやっているような,時間を広げてやろうとしている。そうしたら,コンピューターが動いている時間しか使えないのではないかなと思うのですが,そのあたりはどうなのでしょうか。そこが,1点あります。  それから,また,転出・転入手続が簡略化しますよと,これが国で2番目に言っているシステムのメリットなのです。転出・転入が1回で済みますよと言うのですけれども,今でも,1回で済まそうと思えば済ませられるのです。郵送で転出届を出せばいいわけで,そして,転出の証明書を郵送でもらうということができますから,今でもそれはできると思うのです。  そういうことを考えますと,このシステムが札幌市民にとってはどんなメリットがあるとお考えなのか。また,市の行政にとって,このシステムはどのようなメリットがあるとお考えなのか,そこをお聞かせいただきたいと思います。 ◎石原 地域振興部長  ネットワークのメリットについては,今,スタートしたといいますか,基本的には,これからのIT立国,電子政府を目指していく社会の中で,基幹になるシステムというとらえ方をしておりますので,そのメリットについては,これからどんどん拡大をされていくのではないかなというふうに思っております。  広域交付の関係につきまして,時間外の交付は,ネットワーク自体の稼働時間というのは,基本的には5時までの通常の開庁時間の範囲ということになりますけれども,交付時間,開庁窓口の拡大とかなんとかというのは,それぞれの市町村の中で,別の問題としてまた議論されるべきものではないかなというふうに思います。  それから,転出サービスについて,今回のサービスの一つのメリットというふうにとらえられているということで,その部分については,今でも1回でできると。これは,確かに郵送その他の手続をとりますとできることになるかと思いますけれども,これから拡大していくサービスの一つというとらえ方をしております。 ◆小林郁子 委員  そういう意味では,今の段階では,国が言うほどのメリットはないと。しかも,多額なお金をかけているのに,メリットがないというふうに私は思うわけですね。そしてまた,反面,物すごいリスクがあるというふうに考えるのですけれども,そこで,お伺いをしたいことが一つあります。  どうもだれかに自分のコード番号を知られているようなので,変えたいというときに,変えることができると言っているのですけれども,変えても,前のコードがそのまま残っていくというような,消されるわけではないのだということを聞いているのですが,そのあたり,おわかりになれば教えていただきたい。  それから,最後にしますけれども,先ほどから選択制の問題が出ております。今,既に,道を通して,国の地方自治情報センターにつながっている。それを望まない人は削除するというようなときに,削除ができるのかどうか,そこを1点お伺いしたいと思います。  それから,機械的あるいは人為的にそれはできないということであれば,今後,望まない方にとっては,データを更新しないということができますね。これは,札幌市がやろうと思えばできると思うのですけれども,そうなった場合にどうなるのか,それをお聞かせいただきたい。 ◎石原 地域振興部長  コード番号変更の希望についての対応ですけれども,希望があれば,変更することは可能です。その場合の旧番号については,変更記録の中に残る形になりますけれども,通常のネットワークの中では,表には出てきません。  それから,削除の可能性ですけれども,今のシステムの中では,市町村が削除するということは,技術的に,システム的にはできないことになっています。  それから,希望されない方のデータの未更新ですけれども,これは,横浜がまさにそういう形の方法をとっているというふうに理解しておりますが,希望されない方については,それなりのフラッグを立てまして,この方の記録については変更されていませんというふうな処理をしているというふうに聞いていますので,そういったことについての対応は,市のレベルでも可能であるかと思います。 ◆小林郁子 委員  私どもは,この問題をずっと扱ってきたということもありまして,市長の慎重に取り扱わなければいけないという姿勢を支持いたします。これからも,私どもは問題提起をしてまいります。 ○笹出昭夫 委員長  以上をもって,議案第7号中市民局関係分の質疑を終了いたします。  次に,議案第14号 町の区域を変更する件の質疑を行いますが,通告がありませんので,質疑を終了いたします。  以上で,本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが,7月31日午後1時から,教育委員会関係の質疑を行いますので,定刻までにご参集ください。  本日は,これをもちまして散会いたします。     ──────────────       散 会 午後9時30分...