札幌市議会 2003-07-25
平成15年第 2回定例会−07月25日-04号
議案第6号 札幌市税条例の一部を改正する条例案
議案第7号 札幌市
証明等手数料条例の一部を改正する条例案
議案第8号 札幌市
母子福祉資金及び
寡婦福祉資金の償還の免除に関する条例及び札幌市
社会福祉総合センター条例の一部を改正する条例案
議案第9号 札幌市
心身障害者扶養共済制度条例の一部を改正する条例案
議案第10号 札幌市
と畜場法施行条例の一部を改正する条例案
議案第11号 札幌市緑の保全と創出に関する条例及び札幌市
屋外広告物条例の一部を改正する条例案
議案第12号
札幌市営住宅条例の一部を改正する条例案
議案第13号
札幌市立学校設置条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例案
議案第14号 町の区域を変更する件
議案第15号 市道の認定及び変更の件
追加日程 第一部及び第二部
議案審査特別委員会委員の選任
追加日程 第一部及び第二部
議案審査特別委員会委員長の選任
日程第2 諮問第1号
人権擁護委員候補者推薦に関する件
追加日程 意見書案第1号 国から地方への税源移譲を基本とする「
三位一体改革」の実現を求める意見書
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〇出席議員(67人)
議 長 武 市 憲 一
副 議 長 西 村 茂 樹
議 員 細 川 正 人
議 員 小須田 悟 士
議 員 峯 廻 紀 昌
議 員 桑 原 透
議 員 藤 川 雅 司
議 員 林 家 とんでん平
議 員 谷 沢 俊 一
議 員 芦 原 進
議 員 阿知良 寛 美
議 員 小 形 香 織
議 員 伊 藤 理智子
議 員 佐 藤 典 子
議 員 坂 ひろみ
議 員 長 内 直 也
議 員 村 松 正 海
議 員 山 田 一 仁
議 員 近 藤 和 雄
議 員 勝 木 勇 人
議 員 三 宅 由 美
議 員 村 上 勝 志
議 員 三 浦 英 三
議 員 青 山 浪 子
議 員 坂 本 恭 子
議 員 熊 谷 憲 一
議 員 五十嵐 徳 美
議 員 恩 村 一 郎
議 員 小 林 郁 子
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 横 山 光 之
議 員 馬 場 泰 年
議 員 宮 村 素 子
議 員 笹 出 昭 夫
議 員 藤 原 廣 昭
議 員 小 野 正 美
議 員 涌 井 国 夫
議 員 本 郷 俊 史
議 員 高 橋 功
議 員 宮 川 潤
議 員 井 上 ひさ子
議 員 高 橋 克 朋
議 員 堀 川 素 人
議 員 三 上 洋 右
議 員 上瀬戸 正 則
議 員 村 山 優 治
議 員 宮 本 吉 人
議 員 畑 瀬 幸 二
議 員 大 西 利 夫
議 員 柿 崎 勲
議 員 義 卜 雄 一
議 員 小 川 勝 美
議 員 飯 坂 宗 子
議 員 原 口 伸 一
議 員 田 中 昭 男
議 員 福 士 勝
議 員 松 浦 忠
議 員 大 越 誠 幸
議 員 高 橋 忠 明
議 員 小 谷 俵 藏
議 員 猪 熊 輝 夫
議 員 川口谷 正
議 員 伊与部 敏 雄
議 員 湊 谷 隆
議 員 小 田 信 孝
議 員 柴 田 薫 心
議 員 佐 藤 美智夫
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〇欠席議員(1人)
議 員 高 橋 秀 典
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〇説明員
市 長 上 田 文 雄
助 役 田 中 賢 龍
助 役 福 迫 尚一郎
助 役 小 澤 正 明
収 入 役 牧 野 勝 幸
交通事業管理者
交 通 局 長 黒 田 隆 樹
水道事業管理者
水 道 局 長 小 川 敏 雄
総務局長 濱 田 雅 英
企画調整局長 下平尾 文 子
財政局長 平 口 愛一郎
市民局長 高 本 光 藏
保健福祉局長 宮 田 睦 彦
環境局長 中 野 淑 文
経済局長 波 田 正 明
建設局長 田 中 透
都市局長 千 葉 守
下水道局長 仁 科 聰
市立札幌病院長 富 樫 武 弘
消防局長 藤 林 義 廣
教育委員会委員 千 葉 瑞 穂
教育委員会教育長 松 平 英 明
選挙管理委員会委員長 青 木 護
人事委員会委員 諏 訪 裕 滋
人事委員会事務局長 宮 崎 芳 幸
監査委員 川 越 公 夫
監査事務局長 南 槇 子
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〇
事務局出席職員
事務局長 岸 稔
事務局次長 長 岡 大
総務課長 高屋敷 智 彦
議事課長 大 島 和 幸
調査係長 武 田 章 憲
資料係長 山 越 英 明
議事係長 出 井 浩 義
記録係長 長谷川 万壽美
委員会一係長 酒 井 欣 洋
書 記 菅 原 正 子
書 記 柴 井 康
書 記 堀 川 秀 樹
書 記 酒 井 智 美
書 記 本 島 光 二
書 記 松 崎 朗 子
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〔午後1時2分開議〕
○副議長(西村茂樹) ただいまから,本日の会議を開きます。
出席議員数は,61人です。
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○副議長(西村茂樹) 本日の
会議録署名議員として
大越誠幸議員,
青山浪子議員を指名いたします。
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○副議長(西村茂樹) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(岸稔) 報告いたします。
武市憲一議長は,所用のため遅参する旨,届け出がございました。
本日の議事日程,質問順序表は,お手元に配付いたしております。
以上でございます。
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○副議長(西村茂樹) これより,議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第15号までの15件を一括議題とします。
昨日に引き続き,代表質問を行います。
田中昭男議員。
(
田中昭男議員登壇・拍手)
◆
田中昭男議員 私は,ただいまから,新政クラブを代表して,新市長に対して何点かの質問をさせていただきます。
上田市長におかれましては,史上,類を見ない政令市での再選挙という関門をくぐり抜けられ,186万人の札幌市の市長として当選されましたことに,まずもってお祝いと敬意を申し上げます。
私
たち新政クラブは,新しく誕生いたしました上田市長に対して,大きくは支持する立場に立つものであります。しかしながら,私たちの会派は,地方議会の中で,過度に政党にこだわることをよしとはせず,とにかく市民の立場に立って,案件ごとに私たち自身の目で判断させていただくことを基本とする会派でございますから,今後,市長から打ち出されてくる諸案件に対しては,是々非々の立場で対応させていただくことも申し上げておきます。
それでは,順次,質問に入らせていただきます。
まず,市長の市政運営の基本姿勢についてお聞きをいたします。
最初に,今次市長選挙に際して,市長のポスターについては,多くの方々の話題となったこともございますので,これについてお聞きをいたします。
市長は,4月の選挙において,「脱・不公平」「
あたりまえ宣言」というのを2大スローガンとされまして,また,再選挙に当たっては,「脱・不公平」というのを外されて,「
あたりまえ宣言」のみとされておりました。
しかしながら,何をもって不公平として,何を当たり前ではないとするかということについては,行政施策の中で判断基準というのは必ずしも一様ではないと考えますし,容易なものばかりではないわけであります。
そこで,質問の第1点目でありますが,4月の選挙において市長が使われた「脱・不公平」というのは,一体どんな基準で,何をもって不公平の存在としたのでありましょうか。また,再選挙で,「脱・不公平」を外されたのはどのような理由があったのでしょうか。
「
あたりまえ宣言」というのも,また,何をもって当たり前とするかは,その判断基準だとか,あるいは,行政の場であれば行政施策の限界ということにも関係すると思いますけれども,市長が使われた「
あたりまえ宣言」の中には,過去及び現在において,市長が当たり前と思っているのに,そうなっていない点があるからだと思いますが,何をもって当たり前のことが当たり前になっていないと認識をされておられるのか,その例を幾つかお聞かせいただきたいというふうに思います。同時に,今後も含めて,その判断基準をどのように考えておられるか,あわせてお聞きをいたします。
質問の2点目は,市民の視点を取り入れた市政についてであります。
市長が公約の中で述べておられる情報提供と市民との対話重視ということについては,それはそれでよしとするものであります。市民との対話は,いつの時代も地方自治体の運営で否定されるべき概念ではありません。
市長の市民との対話重視というお考えは結構なことでありますが,大変失礼ではありますけれども,市長は,選挙で選ばれたと言われても,有権者のわずか5分の1の信任しか得ていないのであります。まずもって,このことをどのように認識されておられるのか,お聞きをいたします。そして,市長を信任しなかった5分の4の有権者に対して,市長はどのようなスタンスをとられ,対話をされるのかされないのか,あわせてお聞きをいたします。
さらに,この問題では,市長が表明されました
施政方針フレームの中で,市民との
タウンミーティングや職員による出前講座の実施を表明されております。大変結構なこととは思いますけれども,市長の立場で実施をされるということになりますと,その参加者というのは広範なものであって,なおかつ,公平なものであるべきだと考えますが,具体的に参加者選定の方策はどのようなものを考えておられるのでありましょうか。
また,
タウンミーティングや出前講座で出された市民意見を,市長だけが占有するというのも好ましいことではないというふうに考えます。そうした場で出されたすべての意見,すべての市長とのやりとりについては,定例の記者会見のように,細大漏らさず,市民に対しても,また我々議会側に対しても公開されるべきだと考えますがいかがか,お聞きをいたします。
さて,ここで,過日の市長の議案説明の中の基本理念に触れて申し上げます。
市長は,提案説明の冒頭で,そして昨日の答弁でも繰り返されましたが,地域の人と人のきずなや汗を流す喜びという大切なものが希薄になっているという認識を示され,あるいはまた,地域の大切さや自分の街への愛着と誇りを失いかけているのではないかとの憂いを持たれているということを表明されました。これに対して,私は,ちょっと異論を申し上げておきたいと思います。
確かに,最近,痛ましい事件の報道が続いておりますから,そうしたこととの兼ね合いもあっての表現かとも思いますけれども,市長の認識とは別に,私の目には,それが町内会の活動であったり,あるいはまた,それを初めとする各種の地域の活動であったり,あるいはまた,趣味の分野であったり,
市民スポーツの分野であったり,実に多くの市民の皆さんが地域を大事にされて,人と人とのきずなを大切にされて広められているというのが,これが私の目には見えております。
そうした多くの市民の皆さんのことを思いますと,市長がどうしてあの表現をされたのか,ちょっと理解に苦しむところであります。
そうした,地道に,長きにわたって活動をされてきている人たちのことが,市長の目に見えていないことに起因しているのかとも思いますけれども,そうした市民の皆さんに対して,市長がそのような認識で対応されるとしたら,市長が望まれるような対話を成立するというのは,なかなか難しくなることも考えられます。
どうか,市長,ひとつ市民との対話に当たっては,そうした多様な地域活動,市民活動をされてこられている皆さんを,まずは慰労され,評価をされ,敬意を表されるところから対話を始められますように,これは老婆心ながら申し上げておきます。
次に,これは,市長の選挙中のホームページで披露されている政策内容の中にございますが,
予算編成プロセスの公開に言及をしておられます。一部の自治体,例えば神奈川県の逗子市がそうだと思いますが,既にこれを実施されているようですし,横浜も一部実施されているように聞いております。これは大変好ましいことと受けとめております。
特に,予算編成時の市長査定を初めとする経過などもすべて公開をされ,市長が,どんな考え方で施策の選択を行われ,どんな基準で予算を計上され,あるいはまた計上されなかったかということをすべて公開することは,市民の皆さんはもちろんでございますが,我々議会としても,市長との論議をより活発化させることにつながると考えますので,これは公約どおり,ぜひひとつ実施していただくことをお願いいたしますけれども,この問題について市長のお考えをお聞きしたいと思います。
次に,質問の3点目は,行政のスリム化についてであります。
行政のスピード化,スリム化,
サービス向上の三つのSで市役所を変えていくと,市長はその決意を述べておられます。我が会派も,市長のこうした決意には基本的に賛成をいたします。
しかし,最近はマニフェストという言葉もありますから,市長が言われるスピード化あるいは
サービス向上ということについて,どういった施策を,特に数値的にどういう目標としているのか,改めてお聞きをいたします。
そして,協働型市政を目指して,行政のスリム化,これは大胆に進めるべきだと考えます。最近,流行語化している行政のアウトソーシングに,それぞれの自治体も模索,検討されているようでありますから,市長はそのことも念頭に置かれた上での表現もあるだろうと思いますが,民間企業やNPOなどへの事業の委託化,PFI手法での事業展開の推進,こういったものを具体的に何からどう手をつけていくつもりか,お聞きをいたします。
次に,質問の4点目でございますが,200億円の経費の節減についてであります。
行政のスリム化については,過去,桂市長のもとで一連の行財政改革が実施をされてまいりました。その成果は大きなものがあったと評価しております。
特に,平成10年に策定をされました札幌市
行財政改革推進計画以降,定員管理では,5年間で5%,900人の削減を目標とされました。この目標に対しては,増員もありましたけれども,純減1,201人,6.8%減の実績ということになり,目標を上回る実績を上げられました。これにより,本市の
一般行政職員数は,他の政令市と比較をいたしますと,人口10万人当たりの職員数では412.1人でございます。大阪市の842.5人と比較して半分であります。最も人員削減に努力をしているというふうにも言えるかと思います。
こうした実績の上に立って,市長は,なおかつ経費の削減に対してご努力をされるということでございますから,その姿勢には賛意を表しておきたいというふうに思います。
このことについて,市長は,再選挙に当たっての重点公約の中で,人員削減や
政策事業評価などで2006年度末までに200億円の節約と表現されているのであります。
しかし,当選後の
施政方針フレームによる表現では,施策や事業に対し
政策評価制度を導入し,200億円の経費節減という表現になっており,一たんは人員削減という文字が消えたのでありますが,去る17日の市長の施政方針では,
人員の削減や事業の効率化を進め,歳出全般にわたる見通しを行う中で,200億円の経費節減と表現されております。人員削減という文字をめぐって,考え方が二転,三転している感じがいたします。
したがって,改めてお聞きをいたします。200億円の中身というのは一体何なのか,人員削減というのは薄まることはないのか,お示しをいただきたいと思います。
さらに,いま一つ,200億円節減という選挙中の市長の表現に対して,多くの市民の皆さんから,市職員の給与レベルについてのお話もよく聞かされたものでございます。
したがって,この際,改めて,市長のこの問題についてのお考えをお聞きいたします。人件費の水準という問題になりますと,民間との比較もありますけれども,
国家公務員給与ベースとの比較では,よく
ラスパイレス比較の話が参考として出されます。当否は別として,各都道府県や指定都市との比較数字でもありますから,他政令都市と比較する意味では一つの参考にはなるというふうに思います。
総務省の発表によります平成14年度の札幌市の
ラスパイレス指数は103.5であります。指定都市全体は103.4ですから,おおむね全国平均並みとは言えそうではございますけれども,必ずしも実態はそうではございません。札幌市の103.5は,政令市の中で4番目に高い数値になっております。
本市職員の給与ベースのレベルということになると,総務省ではこのように把握をしているようだということを改めて私の口から申し上げさせていただくと同時に,市長としては,この総務省の
ラスパイレス指数について,本市は政令市の中でどれくらいの数値になるのが妥当なのか,お考えをお示しいただきたいと思います。
ちなみに計算いたしますと,指数が1低下するためには,職員構成などを現状のままという仮定の幾つかを置いて,本当に概算でございますけれども,約1%の給料減額が必要であり,その削減額は対象7,700人の
行政職ベースで約3億円強になるようであります。
次に,景気・雇用対策についてお聞きをいたします。
改めて,今次
統一地方選挙を振り返りますとき,私
ども地方政治においても特筆的に留意しなければならないのは,景気・雇用対策であるということであります。3月上旬であったかと思いますけれども,
統一地方選挙に何を望みますかという問いに対して,何と景気・雇用対策が,福祉も教育も抑えて断然のトップでありました。これは,市長の再選挙についても同じでございました。現在,市民の皆さんが最も要望されているのが景気・雇用対策であるということを,私ども市政に携わる立場として最も留意しなければならないと改めて感じる次第であります。
市長におかれましても,こうしたことから,重点的に取り組む施策に,元気な経済が生まれ,安心して働ける街さっぽろを掲げられ,その決意を示されたことに,まずは賛意を表しますとともに,この件についての市長の特段のご尽力に期待をいたします。
その上に立って,2点,お聞きをいたします。
まずは,市長の景気対策,経済対策の目玉とも言うべき500億円の元気基金についてであります。
市長は,今次補正予算において,その調査費を計上されたところでありますが,
中小零細企業や強い開業意欲を持つ市民などに対して,円滑に事業資金が行き渡ることを目的とされ,過日の答弁では,従来の
中小企業融資制度では取り扱うことが困難であった,担保力に恵まれないことなどの理由で融資を受けられない企業や
ベンチャービジネスなどに対しても,資金調達の道を開いていくための元気基金であるということであります。これは,ぜひ実現をしていただきたいと期待をしているところであります。
基金の500億円という数字に一部心配されるところもあるようでございますが,私としては,後ほど述べますように,
本市財政運営の考え方によっては十分確保可能な数字ではないかと考えております。
その上でお聞きいたしますけれども,現在,私どもの耳に入っている話では,設備投資など前向きな事業にもかかわらず,十分な担保がないという理由で融資が実行されなかったり,意欲はあっても金融機関に事業計画の話さえ聞いてもらえず,悔しい思いをされたという話もあります。これではやる気のある企業の芽をつぶしてしまいますし,創業を志す人も委縮されたりして,本市の経済振興にとってマイナスであります。
しかし一方では,金融機関の方からは,貸し渋り,貸しはがしなどと言われるのは心外であって,貸し広げをしようとしているのだけれども,綿密な事業計画や十分な準備もないままに,単純なアイデアの思いつきでやってみようという程度では,現実の
ビジネス社会の中で成功することは困難で,加えて,不良債権問題もあって,融資について二の足を踏まざるを得ないこともあるというふうにもお聞きをしております。
したがって,元気基金も,返済の確実性が乏しかったり,事業の継続性が疑わしいと判断される企業までもが,適切な審査を経ることなく制度を利用すると,貸し倒れが発生する危険がありますし,それが最終的に市民全体の負担となってしまうおそれについては,これは留意せざるを得ないと考えます。
元気基金は,やる気のある芽を伸ばすとともに,貸し倒れの危険性を減らす方法を検討し,制度化する必要があると考えます。この意味では,これまでのように,金融機関の審査に任せるばかりではなく,例えば,第三者による審査機関を設け,企業の将来性や技術力,財務内容,商品の予想などについて,金融機関以上の目ききができるシステムを構築することによりまして,融資の利用促進を図るべきだと考えます。さらに,中小企業がどんな融資を望んでいるかというニーズも十分に酌み取って,常により利用しやすい制度にする必要があると考えますが,今後,この元気基金について,審査機関のあり方など,どのような内容で調査を実施されようとしているのか,お聞きをいたします。
次に,雇用対策についてお聞きをいたします。
道内における完全失業率は,平成14年度平均で6.1%と,近畿地方の次に高い数字を示しておりまして,同時に,ことし1月から3月までの冬期間を見ると過去最悪の8.1%と,北海道における冬期間の雇用状況の厳しさを,過日の総務省の発表でも見ることができます。日本の失業率のとり方は欧米の算定と異なっておりまして,欧米並みで計算すると倍ぐらいを見てもいいという説も一部にありますから,それらを考えますと,通年で10人に1人は失業中とも考えられ,これは,身近な人々を思うとき,あながち過大な数字でもないと思っております。
こうしたことから,さきにも述べましたように,市民の皆さんからは雇用対策を求める声が圧倒的に強いのでありますが,この雇用対策については,私なりに過去幾度となく取り上げてきておりますけれども,折々に,理事者からは,雇用対策はどちらかというと国もしくは道の専管事項に属するもので,札幌市の仕事としては限界があり過ぎるという答弁があって,極めて不満を持っておりました。
したがって,まずもって市長の雇用対策にかける決意を改めてお聞きをいたします。
同時に,札幌市における雇用対策の数値目標の設定についてであります。
国においては,530万人雇用創出プログラムの推進,530万人という数値を掲げております。北海道においては,平成11年から3カ年の5万人の雇用創出に向けた実施方針を定め,情報,福祉,環境,観光などの関連分野で新規事業展開や,道や市町村による臨時応急の雇用・就業機会創出,人材育成などで,目標の5万人に達することを予想しておりますし,加えて,平成14年度から実施をしております北海道雇用創出プランを見直して,平成15年度,16年度の雇用創出の目標を年2万5,000人に変更する案を今検討していると聞いております。
こうした中で,最大の懸案課題としての雇用対策について,この札幌市が数値目標を示さないというのは,これは市民の皆さんに説明できない状況だと思っております。国や道の数値とリンクする部分もリンクしない部分も織り込んで,やっぱり市としての数値目標を提示すべきだと思いますけれども,市長の見解をお聞きいたします。
次に,来客2,000万人構想について伺います。
現在のところ,本市観光客の入り込み状況はおおむね1,300万人台で推移しており,その内訳は,市内おおむね1,100万人,定山渓おおむね200万人,イベントとしては,雪まつり230万人前後を初めとして,夏まつり160万人,また,観光施設としては,円山動物園の70万人,大倉山の65万人,藻岩山の53万人が上位です。今後は,サッポロさとらんど,JRタワーなど,こうしたところの健闘が期待をされるところであります。また,コンベンション関係では,札幌ドームや東札幌のコンベンションセンターなどの活用もまた期待されるところですが,こうした現状の1,300万人に対して,市長は来客2,000万人と目標をされました。
現状と比べると相当に強気の数字かと思われますけれども,現状との差約700万人をどのような施策で目標を達成されようとしているのか,まずもってお聞きをいたします。
また,2,000万人達成のため,市長は道内各市町村との連携を図るとしておられますが,今後,新たにどのような道内各市町村との連携を図られるおつもりか。また,この問題での市民,企業との協働とは具体的に何なのか,お聞きをいたします。
さらに,観光客の誘致・PR活動の強化も言われておられますから,新たにどんな強化策をお考えか。そして,コンベンションの誘致・開催の支援も言われておりますから,新たなる支援策とはどんなものなのか,それぞれ目標数値もご提示いただきながらお示しをいただきたいと思います。
さて,私は,ここで改めて市長にお考えをお聞きいたしたいと思います。それは,藻岩山の再開発についての市長のお考えであります。
来客2,000万人構想の中でも,現在も,また将来も,観光産業の振興に期待をするのは,市長もそのようでございますし,私もまた観光振興にかける思いは強いものがあります。
しかし,押しなべて,これは札幌市もそうかと思いますし,北海道全体もそうだと思いますけれども,いわゆる観光資源的なものは,自然景観も含めて,北海道全体も札幌もいいものをいっぱい持っていると認識しております。しかしながら,その我々が,この街が持っているものを,観光産業的に言って,その資源と価値を十分に自覚をし,特定をしていないことがまず根源にあるのではないかと思います。
そして,その次には,自覚と特定が十分でないことに起因すると思いますが,その資源に対する付加価値づけが全く不十分であります。何によらず,道も市も付加価値をつけるということは本当に不得手であります。このことは,1次産業分野においてもまた多くの言葉で語られております。
そして,三つ目には,発信力の不足がございます。
資源の特定が十分でないこと,その付加価値づけも,そして発信力も十分でないこと,このことが,今後の観光と言え,またコンベンションの誘致と言え,本市が持っている課題だと思っておりますが,そのシンボルが藻岩山だと主張して久しいのであります。
藻岩山の夜景は,道内観光ベスト10の中で函館山の夜景に次いで2番目であります。しかるに,ある経済界の方から直接言われましたが,札幌にVIPの方に来てもらったときに,薄野もいいけれども何度も行かれているし,本当は藻岩山の夜景や展望を,ジンギスカンでもいいから食事を楽しんでもらいながら,札幌らしい,いい雰囲気を味わってもらいたいと思うのだけれども,あの藻岩山の展望台ではお連れする気にもならない,本当に宝の持ちぐされだ,何とかならないものかということでございます。
あの展望台はバリアフリー仕様だとは思われませんし,使っている地下水は本当に安全なのか,下水の処理はあのままでいいのか,展望台には多くの課題があります。また,ロープウエーやリフトの老朽化も著しいものがあります。
こうしたことから,私は,長年にわたって藻岩山の再開発を図れと提言しているのでありますが,そして,ようやく昨年の3定の特別委員会で,2年以内に再開発プランをつくるとの回答を引き出すに至っているのであります。
今回,補正予算に計上されました1,000万円はよしとしても,その事業名が藻岩山観光魅力アップ調査となっておりますから,私が申し上げたような全部ひっくるめた再開発あるいは再整備とは異なるのかどうか。変な意味で矮小化されているのではないかとの心配もございます。
そこで,改めて,市長にお聞きをいたします。
魅力アップ調査とは,再開発とそのニュアンスが異なるのかどうか,再開発,再整備全体に対する方向性を市長はどのようにお考えになっておられるのか,お聞きをいたします。
さて,こうした市長の公約に基づき,財源の確保と,市長が思い描かれているであろう財政運営の考え方についてお聞きをいたします。
財政運営ですから,いつのときも,入るをはかり出るを制するということですし,出るを抑えることについては,前にも述べました行政のスリム化を初め,どう抑えるかということに尽きます。これはこれで,申し上げましたように期待をいたしますけれども,入るをはかる場合,まず,どうしても申し上げておきたいのは,本市で検討中となっている雪目的税のことでございます。
この雪目的税は,現在,各自治体が法定外税としてもろもろ検討している動きの中で,本市がその候補として検討しているものであります。一昨年の3月,桂市長が設置をいたしました札幌市財源に関する研究会が,その報告書で提言されたものであります。この報告書の要点は,経済を活性化させるためにと言っておりますから,恐らく,幹線道路の除排雪をより充実させるためかと思いますけれども,そのために20億から40億の費用を第二の市民税的にいただきたいということでございます。これは,企業に負担を求めるのではなくて,あくまでも個人,市民に対してであります。その論拠は,市民の皆さんが市に求める市政アンケートの中で,除排雪の充実が常にトップだからということであります。
しかし,市民の皆さんが求めておられるのは,生活道路の除排雪であって,決して幹線道路の除排雪ではないのであります。その上,研究会の報告書では,生活道路の除排雪などというものは,公共性が低く,便益が一部の住民に偏ると切って捨てているのであります。全くもって,都合のいいところだけを持ってきて,その論拠としているのであります。
その一方で,私たち市民は,全市で7割の町内会が,地域の生活道路の町内会排雪に対して,パートナーシップなどの制度により,年3,000円から5,000円の負担をしているのであります。この上,第二の市民税的に幹線道路の除排雪のために負担をお願いすると,それこそ不公平極まりないと思うのであります。
以上から,私は,この報告書が出されて以来,報告書が言うような雪目的税には反対であると主張し続けてまいりました。今回の選挙期間中も,私は,この問題を市民の皆さんに提起し続けさせていただきました。本当に多くの市民の皆さんが,そんな問題があったとは知らなかった,とんでもないことだ,ぜひ反対し続けてほしいという声を本当にたくさんいただいたところでございました。
そこで,改めて,市長にお聞きをいたします。
市長は,この雪目的税構想に対してどのようなお考えをお持ちなのか,お示しをいただきたいと思います。
さらに,財政運営全般について考えてみますと,市長の掲げておられる公約の実現には新たな財源措置が必要と思われる部分が多く見受けられます。元気基金を初め,福祉にしろ環境にしろ,新たな財源措置が必要と思われますけれども,市長は行政のスリム化で浮いた分の活用とも言っておられますが,それで間に合うかどうか,少し心配をしております。そこで,私なりに,改めて
本市財政運営を考えさせていただきました。
本市の財政運営は,板垣市長,桂市長時代を通じて,堅実を旨としての財政運営でありました。その結果,現在の財政状況がどんな状態にあるかを平成13年度決算で見ますと,財政基盤の強さを示す財政力指数は,札幌市は0.634と,12市の中では北九州市に次いで低く,政令指定都市平均の0.784を大きく下回っておりまして,財政基盤は極めて脆弱であると言わざるを得ません。
一方で,財政の硬直性を示します経常収支比率は85.0%と,政令都市平均の89.5%を5ポイント近くも下回っておりますから,健全性は相当高いというふうに言えます。また,一般家庭の貯金とも言える財政調整基金の残高につきましては94億円ございまして,名古屋,京都,大阪,神戸は実質ゼロでございますから,本市は4番目に多いという状況であります。
要は,収入が少ないことから,これ以上の借金はとにかくできるだけ抑えよう,貯金はできるだけ残しておこうということであったかと思いますし,それはそれで考え方であろうと思いますし,私どもも,それを支持してまいりました。
しかし,あるとき,市長が言われましたように,景気や雇用対策の緊急性もあって,やれることは何でもやるという考え方に立った場合,本当にこれ以上の借金はできないのか,貯金は取り崩せないのかということを検討してみると,もう少しは余地があるのではないかという考え方もあり得ると思われるのであります。
例えば,平成13年度決算による本市の公債比率は15.9%であります。政令市の中では,低い方から3番目であります。千葉,横浜,名古屋,京都と18%前後の市が多いことを考えまして,本市の公債比率約16%,これを18%に高めますと,応分の経常経費の削減を図ることを前提にして,公債費約88億円に相当する新たなる財源が確保可能だというふうにも考えられます。
またさらに,本市には2,000億円を超える基金の残高がございます。その多くは,市債の満期一括償還などのために積み立てている減債基金だとか,公共用地の先行取得資金である土地開発基金であります。これらを除いても,400億円を超える基金残高があります。特に,基金の運用益を事業費の一部に充当する,いわゆる果実運用型の基金などは,この超低金利時代に本当に有効な使い方なのか,疑問を感じざるを得ません。必要な投資に向けた財源として活用することの方が有益ではないでしょうか。
したがって,市長の公約の実現のためには,財政悪化を招くことはあっても,それを積極財政という表現を使って,市長の責任において財政運営をされるという考え方もないわけではないと考えられますけれども,市長は,一体,今後の本市の財政運営にどのようなスタンスで臨まれようとしているのか,お聞きをいたします。
最後に,教育問題についてお聞きをいたします。
大きくは二つ,教員の人事考課制度と国旗・国歌についてであります。
まず,教員の人事考課制度について,教育委員会にお聞きをいたします。
この春,私は,東京の千代田区と足立区の教育委員会を訪ねさせていただきました。千代田区では学校活性化支援事業,足立区では開かれた学校づくりネットワークの実態の調査でしたが,調査の目的はもう一つございまして,それがお聞きをいたします教員の人事考課制度の東京都における実施状況でございました。
東京都教育委員会では,2年間の検討の末,平成12年4月から都23区と27市で一斉に実施されているものであります。その特色は,自己申告制を導入することにより,教員個々の評価が双方向的になったという,従来の勤務評定との相違や,自己申告に際しては具体性を持たせるため数値目標に力点が置かれていること,さらには,評価者である教頭,校長の権限の条例化などでありました。
この教員の人事考課制度については,文部科学省が今年度,各都道府県・指定都市教育委員会に対して,教員の評価に関する調査研究の実施について委嘱をされているものであり,平成15年度から平成17年度までの3年間を実施期間としております。
翻って,本市教育の中でこの種の問題の現状を見ると,1950年代後半から広がった勤務評定自体がいまだ実施されていない現状であるわけですが,民間企業に勤める立場からは,評価導入は当たり前のことでありますし,教師も,評価が教育向上に大切だという新しい視点を持つべきだと,そういう現場の声も全国的な流れとなってきていると認識しておりますが,本市教育もこの流れの中で適正な検討をするべきだと考えます。
したがって,この問題に対する教育委員会の取り組みの現状と今後についてどのように考えているか,お聞きをいたします。
さらに,国旗・国歌についてお聞きをいたします。
まず,教育委員会にお聞きをいたします。
この春,近くの小学校の卒業式に出席いたしました折に,式に先立ちまして校長先生から,教頭が開式の辞を述べますので,その際にご起立ください,起立したままで,教頭が国歌斉唱と発声をし,その後国歌が流れますという説明がございました。私は,校長先生に,開式の辞というのはどうでもいいけれども,国歌斉唱,全員ご起立くださいではないのですかと尋ねますと,実は,職員会議でいろいろな議論がございましてというお答えでございました。
職員会議の議論の結果そうなったとしたら,それこそ問題だと言わざるを得ないと感じた次第でございます。意図的に,国歌斉唱,全員ご起立くださいに対する異論が出されて,要は国歌斉唱のときに起立をしていればいいのだということで,この式次第になったというわけでございます。
これについて,教育委員会の取扱要領を改めて見てみますと,式の流れの中で斉唱が行われるように位置づける,司会者が国歌斉唱について発声を行うと表現されているだけでございますから,別に起立する必要も,国歌斉唱,全員ご起立くださいでなくてもいいのだということにはなります。そのことが,職員会議の中で正式な論議になったというわけであります。全くもって,国歌斉唱という当たり前のことが,本市の教育現場では否定をされているというこの現状を,私は大変に遺憾なことだと思っております。
国旗・国歌について,身近で感じた例の一つを申し上げましたけれども,国旗の掲揚の位置,その掲げ方,国歌については,斉唱するのは来賓と父兄の一部,児童生徒も斉唱しないし,教職員もまず斉唱しない,こういう現状の問題なんかがいつも指摘をされているところであります。
この問題についての教育委員会の歴史的な努力は十分承知しておりますが,いまだ正常化には隔たりがあるこの現状に対して,教育委員会としてどう考えているのか,お聞きをいたします。
次に,これは市長にお聞きをいたします。
市長は,さきの記者会見で,国旗・国歌について,マスコミからの質問に答える形でコメントをされました。内容については私からは申し上げません。私は,大変な驚きを持ってこの記者会見の部分を読ませていただきました。即座に,これは教育委員会制度そのものに対する挑戦ではないか,否定ではないか,侵害ではないかというふうに思いまして,とても容認できるものではないと感じた次第でございます。
改めて,本問題に対して,過去の私と教育委員会とのやりとりも振り返りながら整理をいたします。
本問題は,平成元年,国旗・国歌法に先立つ学習指導要領が改訂,告示をされて,小学校においては平成4年,中学校においては平成5年に施行されたところからスタートをいたします。この学習指導要領は,本来,明確に法的拘束力を持つものであります。そして,その要領の中には,小・中・高等学校の特別活動の部分において,入学式や卒業式などにおいては,その意義も踏まえ,国旗を掲揚するとともに,国歌を斉唱するよう指導するものとすると記されているのであります。その後,成立をした国旗・国歌法というのは,この指導の根拠を改めて明確にしたものと受け取るべきであって,強制問題も,この要領の中にあるような指導であります。
したがって,過去,教育委員会が強制はしない,指導はするというふうに答弁してきたのは,そのとおりということでありました。
法的拘束力を持つ学習指導要領に,指導すると明確に定められたゆえに,本市教育委員会がその実施に向けて努力するのも当然のことでございまして,教育委員会としては,機会あるごとに教職員の理解を得るよう十分な時間をかけて話し合いを継続してきたところでございました。どれくらい時間をかけたかというふうに申し上げますと,何と10年近くにわたるものでございました。その結果,どうであったかと言いますと,このあたりは,私も幾度か議会で取り上げ,早期実施を主張いたしましたけれども,大変残念ながら,本市の国旗掲揚率,国歌斉唱率は全国最低の状態から脱するに至りませんでした。
平成11年度の卒業式で見てみると,小学校の国旗掲揚率は,全国平均99.7%,本市92.3%,全国で最低,国歌斉唱率は,全国平均95.4%,本市46.9%,全国で最低,中学校の国旗掲揚率は,全国平均99.3%,本市80.4%,全国で最低,国歌斉唱率は,全国平均93.6%,本市は何と12.4%,もちろん全国で最低と,このような状態でございました。
ここに及んで,本市教育委員会が,平成12年9月,校長に対する職務命令という断を下すのであります。遅きに失した感こそあれ,当然のことと受けとめました。そして,翌年春の入学式,卒業式以降,さきに述べましたように,まだまだ完全な正常化とは言えないまでも,長年の教育委員会の努力が実りつつある現状と認識をしております。
こうしたことから,私としては,記者会見における市長の認識には同意できないことを申し上げておきます。
さて,問題は,市長の見解の表明と教育委員会制度との関係であります。
申し上げるまでもないことですが,教育委員会制度というのは,古く昭和31年に制定をされました地教行法に基づいて,その中立性と安定性を維持・確保するため,自治体の長から独立した行政委員会として設置されたものでありまして,その権限は,公立学校の設置管理を初め,大半の事務をつかさどるものであります。
一方,自治体の長は,大学,私立学校に関すること,財産の取得処分,契約関係,予算関係及び議会の同意を得て行う教育委員の任命に限られているのであります。まあ,わかりやすく申し上げれば,自治体の長は,教育委員会に対して,君臨すれども統治せず,より小さい権限と認識するのが適当だというふうに思われます。
したがって,国旗・国歌問題というのは,ひとえに学校の管理運営にかかわることでございますから,完全に教育委員会の事務であって,市長が口を出していい問題ではないと考えます。私は,ここであえて市長の本問題についての改めての見解を問うことはいたしません。市長が権限外のこの問題に安易に触れることは,それこそ,学校現場に新たな混乱を巻き起こすことにつながりかねないからでございます。もう既に混乱が始まっているよという声も聞いておりますけれども,その混乱の過程で,それこそ広島の例のように,本市教育現場で痛ましい犠牲者が出る事態になることを恐れるからでございます。
ただ一つ,申し上げましたように,市長は,教育委員会制度というものに対していかなる認識をお持ちか,そのことだけをお聞きいたします。
以上で,私の質問のすべてを終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(西村茂樹) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 田中議員のご質問にお答えいたしたいと思います。
まず,私から,お答え申し上げます。
初めに,私の市政運営の基本姿勢についてでございますが,第1点目の今回の市長選挙における「脱・不公平」と「
あたりまえ宣言」の考え方についてというお尋ねでございますので,この点についてお答えをさせていただきます。
私は,25年間にわたります弁護士活動や市民活動を通じまして,私自身いろいろな思いを持っていたところでございますが,市長選挙に立候補するということのために,多くの方と対話をし,さまざまな意見をちょうだいいたしました。
これらを踏まえまして,公約をつくっていく作業をしたわけでありますが,その中で,基本理念として大切にしなければならないと思ったことは,社会の不公平なことを一つずつでも解決すること,あるいは,みんなが当たり前と思うことがきちんと通る,そんな社会を目指すということでありました。
例を挙げてということですので,申し上げます。例えば,男女の不平等の問題,障がいのある方の社会生活のありよう,歩行者と自動車交通の問題,行政への市民参加の障壁など,さまざまなことを挙げることができるわけであります。
いずれも,その考え方の基準というのは,市民の視点,市民の生活感覚に照らして考えてみるということでございます。そして,「脱・不公平」と「
あたりまえ宣言」の二つのスローガンは,実は重なり合っているというふうにご理解いただきたいと思います。市民感覚で,不公平と思われることを是正することは,これは,まさに当たり前のことが通るようにするということであります。再選挙では,スローガンを絞り込むということもありまして,「
あたりまえ宣言」の方に一本化したという経過がございます。
このたび策定いたしました施政方針には,この二つのスローガンは言葉としては使っておりませんけれども,その理念は十分に生かしていると,これから進める街づくりに反映していきたいと,このように考えているところでございます。
2点目の市民の視点を取り入れた市政についてでありますが,まず,選挙結果の認識と市民との対話のスタンスについてお尋ねでございますので,お答えいたします。
補正予算案の提案説明の冒頭でも申し上げましたとおり,私自身,政令指定都市では初めてという再選挙を含め,2度の選挙をくぐってきた者として感じていることというのは,選挙結果はもちろんのこと,他の候補者の政策等も謙虚に受けとめなければならないということであります。したがって,私を支援し貴重な票を投じていただいた方は言うまでもなく,それ以外の市民の方々を含めて,186万すべての札幌市民のための市長という立場で全力を尽くしていく,そして,全力を尽くして働く決意であり,その意味で,可能な限り多くの市民との対話を進めていくことは当然のことであると考えているところであります。
次に,タウントーク,それから出前講座の参加者選定の方策についてでありますが,タウントークについては,参加者を固定的なものだと考えているわけではございません。サークルあるいは町内会等の何かの集まりがあるときに行うこともあるでしょうし,テーマを決めてから参加者を募集するということも考えられます。いずれにいたしましても,各区の独自性を尊重しながら,幅広く参加者を募り,実施してまいりたいと考えているところであります。
また,出前講座については,札幌市がさまざまなメニューをあらかじめ用意いたしまして,市民の要請に応じて,市の職員が,ある程度の人が集まった場所に出かけていって講座を実施し,さらに,出席者から意見を伺うというようなことを想定しているところであります。できるだけおもしろく,できるだけ興味を持っていただけるような,そんな出前講座にしていきたいと,このように思っておるわけであります。
市民からの意見の,市民だとかあるいは議会への公開についてでありますけれども,広報さっぽろやホームページなどを通じて,その概要についてお知らせしていきたいというふうに考えております。
この点は,まことにご指摘のとおりでありまして,私と直接お話をしたことが,その方だけの経験,そして私だけの経験にとどまらないように,多くの市民の方に,こんな意見があるのだ,こんなことが行われたのだということを広報することこそ大事なことであると私は考えているところであります。
次に,
予算編成プロセスの公開についてでありますけれども,その目的は,行政が説明責任を果たしていくことのほかに,何といいましても,市民への徹底した情報提供を通じて市民議論を活性化させる,活発化させる,市政に市民の意見を反映していくということにあります。
このような観点から,予算編成における必要な情報の公開のほかに,
政策評価制度の導入など具体的な取り組みについて,今後,他都市の取り組みも参考にしながら検討してまいりたいと考えているところであります。
3点目の行政のスリム化についてであります。
市役所改革については,ただいまのご質問にありましたとおり,行政のスピード化,スリム化,
サービス向上,この三つのS,これを踏まえて,今後,数値目標のあり方も含めて,市民の皆さんの意見を伺いながら,具体的な施策について検討を進めてまいります。
また,民間企業やNPOへの事業の委託化などにつきましては,行政のスリム化を図るためだけではなく,市民による街づくりを進めるという視点からも,今後,幅広く検討を進めてまいりたいと考えているところであります。
4点目の200億円の経費の削減についてでございます。
施政方針フレームは,今後の街づくりの大まかな枠組みと,15年度の重点政策を中心にまとめたものであります。施政方針などとの間に表現の差異が生じたものもございますが,その内容については,本会議の所信表明で明らかにした施政方針にもありますとおり,定員の適正化ということや事業の効率化を進めるということでございまして,歳出全般にわたる見直しを行う中で200億円の経費節減を目指すということであります。
また,ご指摘の地方公務員の給与に関する
ラスパイレス指数についてのお尋ねでございます。
給与水準を比較する指標の一つであります
ラスパイレス指数は,国家公務員と,経験年数や学歴あるいは役職者割合などの職員構成の違いによって,これは大きく影響を受けるという側面もございます。したがいまして,どのくらいの数値がよいかを判断するのは非常に難しいものがございますが,今後とも,その推移などにも配慮しながら,総人件費の抑制に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
次に,来客2,000万人構想についてお答えをいたします。
1点目の構想達成に向けての施策等についてであります。
この構想は,集客交流産業を札幌市の基幹産業と位置づけまして,多くの方々が訪れる魅力あふれる街にしたいという決意を2,000万人構想としてあらわしたものでございます。
そのためには,市民・企業・行政がそれぞれの役割分担のもとに,一丸となって集客交流に取り組むということが不可欠であると存じます。市民の方々には,来客者に対して,おもてなしの気持ちを持っていただき,企業の方々には,集客交流資源の開発やサービスの向上に取り組んでいただきたいと考えております。
札幌市といたしましては,これまでの集客交流資源に芸術・文化,スポーツなども加えて,シティPRに努めるとともに,従来の国内・国外観光の促進事業に合わせまして,本年度より,市民・企業・行政が協働で行います集客交流・シティPRキャンペーン事業を展開してまいります。
そして,近隣市町村とのネットワークも,石狩地方にとどまらずに,小樽あるいは富良野,こういうふうに日帰り圏内のエリアにも広げて連携を図ってまいりたいと考えております。
また,コンベンションにつきましても,ことし6月にオープンいたしました札幌コンベンションセンターの好スタートを足がかりにいたしまして,平年時の稼働目標達成のために私みずからトップセールスを行うなど,積極的な誘致活動に取り組んでまいりたいと考えております。
2点目の藻岩山観光施設の再整備についてでございます。
藻岩山は,多くの観光客や市民が訪れます札幌市の重要な集客交流資源であるとともに,天然記念物であります自然豊かな原始林が残る貴重な市民財産であると認識をいたしております。
したがいまして,再整備に当たりましては,集客交流関連業界との協議はもちろんのこと,市民との幅広い議論が必要であると考えております。
そうしたことを踏まえて,再整備のあり方については,法的規制等の課題の整理を行うとともに,魅力アップのための方策などについて,今あります施設の所有者と協議を行いながら,調査検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
次に,財源の確保と財政運営の考え方についてお答えをいたします。
1点目の雪目的税についてであります。
冬の市民生活環境の充実・確保のために,道路の除雪費を含めた雪対策費用といたしまして毎年,百数十億円の経費がかかっているところであり,厳しい財政状況にある札幌市において,その費用の有効な確保策として雪対策のための税,これが考えられるところでございますけれども,その一方で,直接,市民の皆様に新たにご負担をいただくことについては,いろいろな課題があると認識をしているところでございます。
しかしながら,いわゆる骨太方針2003においても,課税自主権の拡大について言われておりますとおり,雪対策のための税を含む法定外税につきましては,財源の確保を図るという面,さらには,地方分権を推進していくという面からも有効な手段の一つであると認識しておりますので,引き続き,国や他の自治体の動向なども踏まえながら,検討を進めていく必要があると,このように考えているところであります。
2点目の今後の財政運営の考え方についてでありますけれども,札幌市の財政状況につきましては,現在のところ,その健全性を示します指標は,他の政令指定都市に比較して上位に位置しているというものの,近年は徐々に悪化の傾向を示しているところであります。
また,その財政基盤は極めて脆弱でありまして,国における三位一体の改革によりましても大きな影響を受けるということが懸念されているところであります。近い将来には,市債の元金償還,退職手当,さらには公共施設の更新のピークを迎えるということなど,今後ますます厳しい財政運営が強いられることが予想されるところであります。
このように札幌市の置かれている厳しい財政状況を踏まえまして,今後の財政運営に当たりましては,成果主義の観点から施策の重点化や効率化を図ることはもちろんのこと,議員ご指摘の市債や基金につきましても,中長期的な財政見通しを考慮しながら十分に活用して,私の施政方針に掲げます市民の力みなぎる,文化と誇りあふれる街づくりを積極的に進めてまいりたいと考えているところであります。
教育問題についてお答えします。
3点ございますが,私の教育委員会制度に対する認識についてのお尋ねでございます。ほかの2点も私はお答えしたいのでありますけれども,特に3点目の教育委員会制度について絞ってということでございますので,教育委員会制度に対する認識についてお答えをさせていただきます。
教育委員会が法令の規定に基づいた独立した執行機関として位置づけられているということ,またその趣旨は,教育の中立性と教育行政の安定性を確保するためのものであるということは,私としても十分認識しているところであります。
一方で,行政としての総合的・一体的な運営を確保することも重要なことでありますことから,お互いに連携を十分に図りながら市政の執行に当たってまいりたいというのが私の考えでございます。
以上であります。
○副議長(西村茂樹) 小澤助役。
◎助役(小澤正明) 景気・雇用対策につきまして,私からお答えをいたします。
まず,1点目の札幌元気基金についてでございます。
札幌元気基金の趣旨は,先日も市長からご答弁させていただきましたとおり,厳しい経営環境に置かれている中小企業の皆さんや,新たに事業を起こそうと挑戦する市民の皆さんを元気づけ,本市経済の活性化を図ろうとするものでございます。
本年度実施を予定している調査の内容といたしましては,このような趣旨を踏まえ,中小企業の皆さんなどの声を十分反映できるようニーズの把握を行うほか,その実効性のある支援策についても検討を進めてまいりたいと考えており,ただいま議員からございました,審査機関のあり方などについてのご意見も貴重なご提言として受けとめさせていただきます。
2点目の雇用対策についてであります。
まず,雇用対策につきましては,さっぽろ元気ビジョンの中でお示ししたとおり,安心して働ける環境づくりの実現に向けて,全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
次に,数値目標の設定についてでございますが,雇用対策につきましては,労働政策や経済政策,あるいは教育政策など,さまざまな面からの検討が必要でありますし,また,国などの関係機関との連携も大事なことであります。
したがいまして,一定の数値を示すことは非常に難しいものがありますが,今後,北海道や他都市の状況などを参考にしながら研究をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(西村茂樹) 松平教育長。
◎教育長(松平英明) 私から,教育問題についてのご質問の1点目と2点目についてお答えを申し上げます。
1点目の教員の人事考課につきまして,今年度,本市におきましても,文部科学省から,教員の評価に関する調査研究の実施について委嘱を受けてございまして,教育委員会内に検討委員会を設置するとともに,他都市の状況を調査し,先進地の事例を参考にした教員の評価に関する現状と問題点の分析,自己申告制度や評定要素の分析など,評価システムの検討及び評価結果の人事管理への活用方法の検討などを行うこととしているところでございます。
一方,現在,国におきまして,公務員制度改革や県費負担教職員制度の見直しなどの検討が進められるなど,教育制度を取り巻く状況は大きく変わりつつあります。
本市といたしましては,これらの動向にも十分留意をしながら,より適切な評価システムの構築に向け,調査研究を進めてまいりたいと考えてございます。
次に,2点目の国旗・国歌についてお答えをいたします。
子供たちが日本国民としての自覚と誇りを持ち,国際社会に生き,活躍する上で,国旗及び国歌に対して正しい認識を持たせ,それらを尊重する態度を育てることは,重要なことであると認識いたしております。
教育委員会といたしましては,これまで,各学校に対して,学習指導要領に基づきまして国旗・国歌が適切に実施されるよう指導に努めてきたところでございます。今後とも,各学校と教育委員会が一体となって努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
(
田中昭男議員「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○副議長(西村茂樹)
田中昭男議員。
◆
田中昭男議員 いろいろお答えいただき,いろいろ申し上げたいことはございますけれども,ちょっと絞って申し上げます。
予算編成プロセスの公開の問題でございますが,要は検討するということでございます。大事な問題で,私も非常に関心が強い問題でございますので,検討されるということでございますから,私は,その検討のプロセスをこれから注視をしてまいりたいということだけ,この問題では申し上げておきます。
雇用対策でございます。冒頭でも申し上げましたが,市長も景気だ,雇用だというふうにおっしゃっている割には,結果的に今までの答弁と何一つ変わっておらぬということでございまして,雇用対策にかける市長の決意というのはあの程度の表現にしかならないのかということで,ちょっとこれは残念に思います。
元気基金の500億円だとか,集客交流2,000万人とか,200億円節減もある,そしてCO2は10%だとか,かなり大胆な数字を市長は出されているのですね。雇用対策について,何で数字が出てこないのかね,これ。難しいというのは,今までもずっと難しいと言ってきたのだ。だけど,今回もまだ難しいという,今この期に及んでという感じが正直言ってします。
それでですね,何が難しいのかということが一つ。そして,難しいけれども,難しいままでほかっておくのか,ある程度検討する時間をもらえれば出せるということなのか,この二つをちょっと再質問させていただきます。
それから,教育委員会制度は,市長は言いたいこともあるのだけれどもと言われましたが,言いたいこともあるだろうけれども,言わない方がいいですよ,本当に。言うと問題がおきて,本当に広島の例みたいになるから。基本的に市長の権限でないのだから,教育委員会の教育行政というのは。
それでですね,きのうまで,私としてはとか,そういう表現を使われましたけれども,きょうも,一方でというふうな表現を使われました。さっきの答弁では,総合的・一体的というのは,これは何のことかわからないのですが,そういう答弁をされると,余計また現場が混乱をするということになります。
それで,端的にお聞きをいたします。これは,ルールをつくらせていただいて,丸かバツかでお答えをいただきたい。三角だとかですね,私としてはとかですね,一方でとか,そういうことはなしというルールにさせていただきます。
それでは,質問をいたします。
先ほどの市長の答弁の趣旨はですね,教育行政というのは,独立をした執行機関としての教育委員会の権限に属するという趣旨はそういう趣旨ですか。教育行政というのは,独立した教育機関としての教育委員会の権限に属するという趣旨の答弁でありましたかということでございます。マルかバツかでお答えをいただきたいと思います。
マルということなので,答えは不要です。
じゃ,雇用対策だけ。
○副議長(西村茂樹) 小澤助役。
◎助役(小澤正明) 先ほどの答弁の繰り返しになりますが,雇用対策が上田市政の極めて重要な課題であるということは,私どもも当然に認識をしているところでございます。その目標数値を出すことにつきましては,先ほどお答え申し上げましたように,さまざまな状況の変化の中で,どのように設定するかということは非常に難しい要素であるというふうに考えております。(発言する者あり)
それで,そういうことがありますけれども,雇用の促進を図るために打ち出した政策が,結果として有効であったというふうに評価されるように努力をしてまいりたいということでご理解をいただきたいと思います。(発言する者あり)
○副議長(西村茂樹) ここで,およそ20分間休憩します。
――――――――─―――――――――
休 憩 午後 2時8分
再 開 午後 2時33分
――――――――─―――――――――
○副議長(西村茂樹) これより,会議を再開します。
代表質問を続行します。
佐藤典子議員。
(佐藤典子議員登壇・拍手)
◆佐藤典子議員 私は,市民ネットワーク北海道を代表し,本議会に提案されました諸議案並びに市政の諸課題について質問いたします。
初めに,これまで44年間続いた市役所出身市長の流れを変え,大都市において初めての再選挙を勝ち抜いて当選された上田市長に対し,心から敬意を表します。
市政及び市役所改革に対する市民の期待は,大変大きいものがあります。市民ネットワークは,これまで12年間にわたり,身近な暮らしの中からさまざまな問題を提起してまいりました。市長の言われる当たり前の市民感覚が生きる市政,対話を重視する市政を目指し,最大限,努力することをここに申し上げます。
さて,市長の発表された施政方針及び補正予算について見ますと,市政に市民参加の道を開き,徹底した情報の公開と共有を図ることによって,市民の知恵と力を生かし,活力あふれる新たな札幌の街づくりを始めようとされていることにつきまして,大変評価できるところです。
しかし,この実現のためには,行政執行システムや予算配分等における新たな視点での見直しが求められます。
そこで,行財政改革について伺います。
1点目は,市民参加のシステムづくりについてです。
市民ネットワークは,1999年から,議会において,市民の意見や要望を積極的に市政に反映させるとともに,市民に対する説明責任を果たすために,基本的な計画の策定等に当たっては,パブリック・コメント手続を実施するよう訴えてきました。
既に,国及び道においても,また,大阪市や名古屋市でも実施しているところであり,自治基本条例の制定を視野に入れていらっしゃる中で,パブリック・コメント手続の導入についていかがお考えか,伺います。
あわせて,財政改革に関連し2点伺います。
本市の財政状況は,年々厳しさを増しており,5年連続で市税収入の減少が続いています。地方交付税は全国市町村の中で最も多く,指定都市の中でも財政基盤の弱い都市となっています。現在,国において
三位一体改革の動きが本格化する中で交付税の見直しが進められており,本市財政にとって,先行き不安な状況にあります。
本市の5年先までの中期財政見通しでは,一般会計では,一般財源の伸びが見込めない一方,扶助費などの義務的経費が増大し,この先,最大で400億円の収支不足が発生するとしています。今後は,現行の行政水準の維持すら困難になることも考えられ,2008年以降,市債の元金償還費と退職手当がピークに,また,老朽化した公共施設の更新経費の増大も見込まれており,財政状況は大変厳しくなってまいります。
市長は,行財政改革による200億円の削減を予定されていますが,これらの厳しい財政状況を,むしろ新たな街づくりの契機とする発想の転換をされていると思いますし,そのためにも地方自治の確立こそが解決の道であると考えます。
そこで,1点目は,
三位一体改革など地方分権が不十分ながら進む中で,札幌の自治の確立のため,市長は,国及び北海道に対してどのような政治スタンスで臨まれようとされているのか,伺います。
2点目は,補助金の見直しについてです。
市長は,各種団体への補助金交付のあり方を透明性,合理性,公平性の観点から見直すことを表明されています。
157の各種団体への補助金は,今年度は昨年度より1割減少したものの,約244億円に上ります。62%の団体が20年以上補助金を受け続けており,また,40年間受け続けているところもあります。40年前と現在とでは,行政需要も行政の責任分野も変化している中で,補助金が市民生活に真に生かされているか,再検討する必要があります。一方で,福祉や環境などの公益分野で新たな行政需要にこたえる活動団体もふえており,このような市民の活動を補助することにより,市民との協働による街づくりの推進を図る必要があります。
このようなことから,今後の補助金交付のあり方について客観的な審査機関も必要と考えますが,補助金交付の見直し方策について伺います。
次に,区役所,連絡所のあり方についてです。
本市に区制がしかれてから30年以上が経過し,各区におけるハード面の都市基盤も整備され,区民意識も醸成されつつあります。このような中で,今後一層,市民生活の豊かさや快適性を高めるためには,区ごとの地理的条件や歴史による街並み形成の違いなどに配慮し,地域の特性に合わせたきめ細かで多様な街づくり方策が必要になっています。
また一方で,みずからの手で地域のさまざまな問題にかかわり,解決に向けて行動を起こそうとする市民活動や市政参画への関心を持つ市民がふえています。市民がみずから知恵と力を生かしていくことがなければ,街づくりの目的も達成されない状況になりつつあります。
今,連絡所は,全市で85カ所あり,およそ2万人に1カ所配置され,戸籍業務等の取り次ぎや町内会の運営にかかわることを行い,他都市に例を見ない本市独自の地域体制を築いています。これからの連絡所のあり方について,2001年に策定された区の目指すべき方向性においては,連絡所では連合町内会の対応が中心で事務局的な仕事ばかり多くなっているという現状を見直し,連絡所を地域における街づくり活動の拠点と位置づけ,幅広い住民の協働による街づくりを推進する方向を打ち出しました。
また,区役所に関しては,本庁の縦割りの事業部局からの事業を行っている現状について,市民の視点から個々の事業を横断的にとらえ,総合的な対応を行うなど,地域住民と本庁部局とのコーディネーター的役割を強化するとともに,区や連絡所が把握する地域ニーズや特性に応じた事業を展開していくことのできる仕組みをつくることが求められています。
そこで,伺います。
1点目は,連絡所に街づくりコーディネーターの役割を持たせ,地域特性や人材,地域の課題などを把握することとし,職員配置も,今後は,課長職から若手職員,あるいはNPOなどの働き手に変えていくことが適切と考えますがいかがか,伺います。
2点目は,庁内分権を進め,区の独自施策や懸案事項に係る予算要求権を付与し,区の要望事業が積極的に事業化される方向を目指すべきと考えますがいかがか,伺います。
次に,市民活動支援についてです。
少子高齢化が一層進行し,経済の低迷が続く中で,市民は将来に対する不安を募らせています。
また,いや応なく進む社会構造の変化に,官僚制度や企業のあり方を含め,現在の社会体制は制度疲労を起こしています。公共事業に典型的に見られる企業活動を行政が支えるという構造では,もはや社会の活力を維持していくことは困難であり,市民が主体的に社会参画するシステムづくりが早急に求められます。
1998年にNPO法が施行され,市民と行政が協働で行うのがふさわしい分野において市民活動が活発化し,行政だけでは公共サービスを十分に提供できなくなる中で,福祉,環境,街づくりなどで市民活動が欠かせなくなっている現実があります。
現在,札幌市には,NPO法人が,法人格申請中のものも含めて約230あり,全国的に見ても活発な活動をしています。
しかしながら,本市が行った市民団体等に対する調査や国が行ったNPO法人の活動や運営に関する調査などからも,市民活動団体が活動資金,場,情報の収集・提供,人材の面などで課題を抱えていることがわかります。
市長は,公共的なサービスについて役割分担を見直し,市民・企業・行政など都市の構成員が公共サービスを担い合う協働型の社会づくりを本格的に始めようとされています。そのためにも,NPOの活動しやすい環境を整備することは社会の要請となっています。
そこで,伺います。
1点目に,本市においては,2001年に市民活動促進に関する指針が出されていますが,さらに協働作業を具体化させなければならない段階にあります。協働を進める方策としてNPOへの業務委託があります。それを促進するための基本的方針及び方策を定めるべきと考えますがいかがか,伺います。
2点目は,これからの札幌を,市長が言われる市民の力がみなぎる街,市民自治が息づく街にするには,市民と行政が協働できる仕組みが必要です。市長は,市民活動支援条例の制定を掲げておられますが,このための取り組みを今後どのように進めていくお考えか,伺います。
次に,住民基本台帳ネットワークシステムについて伺います。
6月9日,市長は住基ネット選択制導入の意向を明らかにしました。
既に,全国では,国立市や横浜市,杉並区など六つの自治体が住基ネットに不参加,または選択制の導入を行っています。また,5月28日,長野県の本人確認情報保護審議会では,外部と接続されている住基ネット端末が多数あり,住基ネットのネットワーク接続に,セキュリティー上,重大な問題があることなどを中間報告にまとめ,当面,住基ネットから離脱すべきとしています。
住基ネットについては,個人プライバシーの漏えいなど,さまざまな問題が指摘されており,市民ネットワークでは,2001年の第1回定例市議会の代表質問において,個人情報の保有先の拡大は,プライバシー情報漏えいの危険性が増大するばかりではなく,地方分権にも逆行するものであるとして,市に慎重な対応を求めてきました。また,2002年の第1回定例市議会の代表質問においても,住基ネットを想定した個人情報保護条例の条例改正を行い,市民のプライバシー保護を図るべきであると訴えてまいりました。2002年12月に出された日弁連意見書では,十分に実効性のある個人保護法制の整備がなされていない状況において,市町村が住基ネットから離脱することは合法であるとの意見を公表しています。
そこで,質問です。
1点目に,このたび,上田市長が選択制を打ち出し,市民に対し住基ネットの問題提起をされたことについては,大変評価できるところですが,住基ネットのシステムそのものに対する市長の基本的な考えを伺います。
2点目の質問は,セキュリティーについてです。
長野県での報告にも見られるように,住基ネットにおけるセキュリティー確保は極めて難しいことが指摘されています。市長は,セキュリティー確保について,予算面を含めてどのように対処すべきだと認識されているのか,お伺いします。
次に,経済政策についてです。
初めに,観光・コンベンションについて伺います。
札幌市の観光状況を見ますと,来客数は昨年度1,325万人で,1996年度に初めて1,300万人を超えて以来,ほぼ横ばいの傾向が続いています。そのような中で,市長は来客2,000万人を目指すと言われており,観光・コンベンションを本市の基幹産業の一つに位置づけています。
札幌市の観光政策は,1990年に観光基本計画が策定され,昨年,当面重視する施策の方向性を示す集客交流促進プランが策定されています。集客交流を促す本市のコンベンション開催状況は,ここ数年,800件前後で推移しており,中でも,国際会議の開催状況は,2000年に対全国シェア4.0%で,10年前とほぼ変わっておりません。
そのような中で,本市の近年の特徴は,アジア地域,特に台湾,韓国,香港からの来札者が急増しており,さらに,経済成長の継続見込みなどから中国からの来札者の増加が期待されます。これらの地域での誘致等,積極的な取り組みが求められます。
また,本市観光における課題として,来札者の宿泊日数が短いことがあります。道外からの観光客で平均1.6日,海外からの観光客は,12年前の2.2日から2000年には1.2日へと減少しており,経済波及効果の面からも,宿泊日数の増加への対応が求められます。
そこで,伺いますが,本市の今後の観光・コンベンションにとって,アジア地域に対して重点的な取り組みが必要と思いますが,それらの地域で,今後,来札者数の増加を図るためにどのような施策をお考えか,お示しください。
あわせて,来札者の宿泊日数の増加策についても伺います。
次に,フィルムコミッションに関連して伺います。
市長の愛する言葉に,I Love 札幌があります。市政世論調査によりましても,札幌市民の90%以上が,札幌が好きだと答えています。今後,観光・コンベンションの振興を図る上で,広く国内外に札幌のよさを知ってもらう方法として,映画やテレビなどの映像によるPRは極めて有効です。
本市は,予算2,150万円を投入して,ことし4月に国際プラザ内にフィルムコミッションを設立しており,本格的に撮影の誘致やコーディネーター業務を展開しようとしています。フィルムコミッションによる札幌を舞台とする映画などの誘致は,札幌の知名度を高め,経済効果をもたらす点で地域の活性化に寄与するとされています。映画監督の崔洋一さんは,撮影部隊などとの異文化交流も生まれ,心の活性化であり,地域を強くするものであるとも言っています。
そこで,2点伺います。
1点目は,フィルムコミッションのあり方についてです。
札幌は,都会性と自然環境に恵まれるなど,立地条件に非常にすぐれています。今,フィルムコミッションは国際的な競争の時代を迎えており,すぐにでもほかの場所に取ってかわられる状況にあります。今後,地域力をつけるようなフィルムコミッションのあり方として,市民参加による事業を取り入れるなど幅広い展開が必要と考えますが,今後の本市のフィルムコミッションのあり方についてお考えを伺います。
2点目は,撮影した後の支援についてです。
今,撮影したフィルムの編集や音入れなどの作業はデジタル化が主流となっており,これらの作業のほとんどが道外でなされているというのが実態です。IT産業の集積がある札幌においては,このポストプロダクションの振興を図ることが,今後の札幌のフィルムコミッションにおける優位性の確立とIT産業の振興にとって必要と考えますがいかがか,伺います。
次に,福祉政策について伺います。
2003年3月,札幌市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画,また,札幌市障害者保健福祉計画など部門別の計画が策定されました。これらの基本理念は,地域で暮らし続けるということです。高齢になっても,障がいを持っても,また子育ても,住みなれた地域で安心して暮らし続けることができる街づくりを実現するためには,市民の力を生かすことが不可欠です。
そこで,市長に伺います。
1点目は,介護予防施策についてです。
地域における介護予防事業として,在宅介護支援センターが行ってきたすこやか倶楽部については,2003年度からNPOの活用が考えられてきました。NPOの活動は,地域に密着し,専門的な知識を持って進めており,きめ細やかな介護予防施策を行うためにも欠かすことができません。今後,地域における介護予防事業にNPOを積極的に活用すべきと考えますがいかがか,伺います。
2点目は,ガイドヘルパー派遣事業についてです。
本市では,在宅で,重度の視覚障がい,全身性障がい,あるいは知的障がいの方を対象に,さまざまな社会参加を進めるためにガイドヘルパーの派遣事業を行っていますが,単独での外出が困難な方にとって,このサービスは必要不可欠なものになっています。
本市のガイドヘルパー派遣事業の対象年齢は15歳以上となっていますが,極めて高いニーズがあるこの事業について,将来的には全年齢に対象を広げるべきだと考えますが,市長のお考えを伺います。
3点目は,ユニバーサルデザインの街づくりについてです。
ユニバーサルデザインというのは,例えば,段差のないノンステップバス,缶ビールの点字表示,そして多機能トイレなどのように,障がい者や高齢者ばかりではなく,すべての人々のためのデザインのことです。昨今,バリアフリー化に対して,だれもが使いやすいデザインを初めから取り入れておこうとするのが,このユニバーサルデザインの考え方です。
三重県では,福祉部にユニバーサルデザインチームを置き,住民参加でバリアのない街づくりを積極的に進めています。
本市におきましても,これまでのバリアフリーの実践をさらに発展させ,進化させていくものとして,ユニバーサルデザインの街づくりを明確に打ち出し,推進すべきと考えますがいかがか,伺います。
4点目は,情報のユニバーサルデザインについてです。
ホームページ,パンフレットなど,情報提供のためのユニバーサルデザインは欠かすことができません。情報のバリアをなくすためのユニバーサルデザインの取り組みについて伺います。
次に,子供政策について伺います。
近年,都市化や核家族化の進行,地域に対する意識の希薄化などにより,子育てのしづらい社会を迎えています。子育てに関する負担感や閉塞感を軽減するために,早急な取り組みが望まれます。
NPO法人北海道子育て支援ワーカーズがまとめた2002年度地域新産業創造活動補助事業報告書によると,親子でいつでも気軽に出かけ,自由に遊び,交流ができる場,一時預かりの場,子育ての情報の場など,さまざまなニーズに対応する集いの広場を求める在宅育児者の姿が浮き彫りになっています。
札幌市では,保育所入所の待機児童ゼロを目指し,両立支援の緊急整備事業が進められています。一方で,在宅で子育てを行っている家庭向けの支援としては,さっぽろ子育てサポートセンターや子育てサロンなどを実施していますが,利用時間が限られているなどのさまざまな課題があります。
そこで,1点目は,子育てプラザについて伺います。
行政サービスだけでは対応できない部分を解消し,きめ細やかな対応をするには,NPOなどとの協働の支援が不可欠です。上田市長が言われる,身近な小学校区に設置する予定の子育てプラザについては,地域に密着した子育て支援を実践しているワーカーズや市民団体を生かした運営を積極的に進めるべきと考えますが,市長のお考えをお聞かせください。
2点目は,相談窓口の充実についてです。
現実に問題を抱えて困っている場合,児童相談所や育児相談などはいつでも相談できる場として非常に大きな役割を担っています。民間でもさまざまな相談窓口が開かれ,来年5月には,子供の胸のうちを電話で聞く子供専用の電話,チャイルドラインが札幌でも開設されることになっています。こうした窓口は,相談してよかったと思えるものでなければ意味はなく,相談員の資質が問われるところです。
一方で,相談員の精神的なストレスは想像以上に大きく,サポートするシステムが不可欠です。質のよいケアを提供するためにも,ケアをする相談員のケアシステムを札幌方式としてつくってはいかがでしょうか,市長に伺います。
3点目は,子供の権利条例についてです。
市民ネットワークは,1991年より,子どもの権利条約について議会で取り上げ,学校での取り組みや子供オンブズマン制度の導入を求めてまいりました。しかし,子供は一人の人格を持つ権利の主体であるという,この認識を社会全体になかなか広げることができず,子供の虐待や体罰が後を絶ちません。
また,先日の長崎の幼児誘拐殺人事件や沖縄の少年殺人事件など,やり切れない心の痛い事件が続いています。
市長は,子供の権利条例を制定し,子供の意見表明権を守ると言われていますが,条例制定に向けて,今後の具体的な取り組みについて伺います。
次に,環境政策について伺います。
ことしは地球を救う多分最後のチャンスとなろう,これは,1992年,国連環境計画のトルバ議長の言葉です。地球環境の破壊は,一般に知られているよりはるかに深刻です。
市長は,地球温暖化対策にみずから取り組む街の実現として,CO210%削減を挙げています。CO2削減のために,市長みずからノーカーデーには自転車に乗って通勤しておられますが,市民1人当たりの排出量の推移では,1990年度1.71トンから1997年度には1.89トンと,何と10.5%増加しており,市民の問題認識が具体的な行動に結びついていないことがわかります。こうした現状から,10%削減は非常に厳しい目標数値と思われます。
しかし,本市におけるCO2排出量を構成比で見ると,家庭やビルなどの民生部門のCO2の割合が高いことが特徴となっていることから,市民一人一人の意識改革が必要不可欠ということがわかります。市民がCO2削減に取り組むことで効果が上がり,また,今すぐ行動を起こさないと,私たちの生活に多大な影響を及ぼすことなどを正しく理解することが重要です。
そこで,1点目の質問です。
これまでも,市の環境白書やさまざまなパンフレット,シンポジウムの開催などが行われてきました。今後は,余り関心のない人たちに事の深刻さを理解してもらう必要があると考え,数年がかりで継続して,環境問題のロングラン講演会の開催などを行い,常に,一般市民がそのような情報に接することができるようにすることが大切であると考えます。
また,このような行動を起こすことで,CO2がこの程度削減でき,家計にもプラスになる,逆に,行動を起こさなければ深刻さが増すといったようなことをわかりやすくまとめて,市民に対して情報提供すべきであると考えますが,これらの取り組みについてのお考えを伺います。
2点目に,さっぽろストップ・ザ・温暖化キャンペーン事業について伺います。
市民の具体的な行動を支援する手法として,NPOのインターネットを利用した環境家計簿と連携するホームページを作成するとされております。市民の多くが,環境家計簿というのは大変面倒で取り組みづらいという印象を持っています。
多くの市民に呼びかけるには,簡単で,取り組み成果がCO2の削減量となってすぐにわかることや,市民が参加したときに頑張りの度合いがお互いに比較でき,札幌市全体ではどれくらい成果が出たかわかるようになっていることが必要と考えます。
また,インターネットを利用した環境家計簿ということですが,インターネットを使えない人もいますので,紙の様式で参加し,その成果が全市の成果として取り組まれ,公開されるような仕組みも必要であると考えますが,こうした取り組みについて市長のお考えを伺います。
次に,教育に関してです。
本年3月,札幌市特別支援教育基本計画が策定されました。2000年3月に札幌市特殊教育振興審議会から障害児教育推進の今後のあり方についての答申が出されて以来,文部科学省の動向を踏まえ,同審議会や教育委員会内部での議論と市民シンポジウムを重ね,時間をかけてつくられたものです。これは,市民一人一人のニーズに応じた多様な教育を展開するとの基本方針のもとに,生涯を見通した継続性のある専門的な教育と地域で学び育つための教育の推進を基本方向としており,子供の一生を視野に入れたものとなっている点は評価いたします。
しかしながら,札幌市が,ノーマライゼーション社会を目指すなら,現在の分離教育を見直し,特別支援教育のみでなく,いわゆる普通教育もまた見直すことも視野に入れて計画を立てるべきではないかと考えるところです。
今,障がいのある人のことをチャレンジドと呼ぶことがあります。神からチャレンジという使命を与えられた人という意味です。この言葉には,障がいをマイナスにとらえず,障がいを持っているために体験する出来事を,自分自身だけではなく,社会のために生かしていこうとの思いが込められています。このような視点に立つならば,健常者,障がい者という区分は意味をなさず,これがユネスコが世界各国に求めているインクルージョン社会であり,基本計画の多様な教育も,これを土台に展開すべきであると考えます。
その実現のために,人は一生地域で生きるものであり,地域の中で,障がいを持つ子供たちに学校教育はどのような支援をすべきかの視点に立つ必要があります。
そこで,特別支援教育基本計画について,3点伺います。
1点目は,当初は障がい児教育という名前で計画の策定作業を進めていましたが,最終的には特別支援教育となっています。そこには,計画策定段階で重要な認識の変化があったと思われますが,特別支援教育という名称を使用した趣旨について伺います。
2点目は,この計画は,長い時間をかけて徐々に現状を変えていこうとするものですが,個々の施策には目標年次を設け,積極的に推進していく必要があります。そこで,この計画の実行に当たり,どのような方針のもとで臨まれるのか,また,その考えのもと,早急に取り組むべきものとして何を予定しておられるか,伺います。
3点目は,教員に対する研修の実施についてです。
文部科学省の調査においても,現在,普通学級の中に,学習障がい,自閉症,注意欠陥多動性障がいなどの特別支援教育の対象となっている児童・生徒が少なからず在籍するという実態が明らかになっています。
このような環境の中で,教員の精神的,身体的な負担も大きいものがあり,教員に対する支援や教員の専門性や資質,能力の向上を図る必要があります。そのために,教員に対する研修の実施についてのお考えを伺います。
次に,丘珠空港についてです。
本市は,1996年に丘珠空港のジェット化を断念した後,航空会社に対して,YS11以上の座席数を持つプロペラ機による路線の存続を要望し,翌97年から滑走路の延長を図るべく住民説明会を開始しました。98年の第5回住民説明会において,滑走路延長は100メートルとする,運航便数は現在の2倍,44便程度を想定するなどの5項目から成る地元案を作成し,一定の理解を得たとして99年2月に説明会を打ち切った経緯があります。
その後,住民説明会にかわって,地元連合町内会の会長6人から成る丘珠空港連絡会議を設置していますが,その位置づけは,市の方針の説明と意見交換にすぎず,増便などの状況変更に対しての住民への説明は極めて不十分なものとなっています。
丘珠空港は,都心部から6キロメートル圏内にあり,周辺は住居専用地域に指定され,高層マンションや幼稚園,学校,病院などの公共施設が60カ所以上もある住宅密集地です。住民は,騒音のみならず,絶えず排気ガスによる健康への影響や事故の危険を感じながら暮らしています。
現在,同空港の使用状況はYS11の後継機がダッシュ8―300となり,今後,さらに小型のSAAB340の就航が予定されるなど,大型化を期した本市の意向とは逆の傾向にあります。
その一方で,同空港が札幌都心部に近い利便性を利用して,昨年は2往復,計4便,この8月にはさらに3往復,計6便の増便が予定されており,道内のコミューター航路の新千歳から丘珠への移行が進む傾向にあります。市でも,その活用にはおのずと限りがあるとしている同空港ですが,その位置づけがあいまいにされようとしています。
そこで,伺いますが,1点目は,今後の丘珠空港の位置づけについてです。
住宅密集地にある同空港の特殊性を考慮し,環境が今以上に悪化することのないよう,その使用において限界があることを明確に位置づけていくべきと思いますがいかがか,伺います。
2点目は,丘珠空港周辺の住環境及びそこに暮らす市民一人一人の生活が,就航状況によって左右され,絶えず影響を受けていることを考えますと,同空港のあり方については常設的な住民との協議の場が必要です。
そこで,現在の丘珠空港連絡会議を改編し,公募の住民も入れた協議会を設置すべきと考えますがいかがか,伺います。
3点目は,増便など丘珠空港の使用状況に重大な変化があるときは,事前に地元で説明会を開き,住民の意見を反映させるべきと考えますがいかがか,伺います。
次に,札幌市における平和行政について伺います。
ことしの6月に成立した有事法制に続き,今国会でイラク新法が成立すると,これまでになく危険度の高いイラクへ自衛隊が派遣されることになります。日本が行おうとしている支援について,札幌学院大学の坪井主税先生は,ガラガラ蛇に毒液を送り込む役割を日本が担うのだと言っています。
日本は,唯一の被爆国として,二度と同じ戦争の過ちは繰り返さないと誓いました。今まさに,戦争ができる国へとまっしぐらに進んでいるように思えてなりません。あくまでも,国連中心の人道復興支援にこそ大きな役割を果たすべきであると考えます。
小泉内閣の目指す軍備増強による備えでは,世界から戦争はなくなりません。今こそ,憲法の国民主権,平和主義,基本的人権の尊重の理念に基づき,地域から平和をつくることが求められています。
そこで,平和を愛し,憲法9条の歌を歌う市長に伺います。
1点目の質問です。
市長の施政方針のさっぽろ元気ビジョンに,国際平和交流を推進し,戦争に反対する立場を国内外に示していくとあります。1999年に成立した周辺事態法の第9条に自治体,民間への協力要請が明記されていますが,市長は,これに対してどのように対応されるのか,お答えください。
2点目は,平和を訴え,ともに考える活動拠点についてです。
札幌には,丘珠空襲や朝鮮人を強制連行して建設した藻岩発電所など,さまざまな戦争の歴史があります。平和を願う気持ちはだれもが共有すべきものですが,戦争の記憶は,継承され,学ばなければ風化する一方です。最大の人権侵害である戦争を再び繰り返さないための平和教育が重要です。
市民ネットワークは,1993年から,議会で,平和な社会の構築に向けて,戦争資料の収集や保存,展示,戦争体験の伝承のみならず,平和を推進する市民が交流し,未来を見据えて平和問題を学ぶ場の必要性を訴えてまいりました。
戦後60年を迎えようとしている今こそ,平和都市宣言の趣旨を生かして,平和を訴え,ともに考える活動拠点が必要と考えます。厳しい財政状況の中で,新たな建物をつくるのではなく,空き校舎や空き教室,空きスペースなどを有効活用し,設置できないでしょうか。市長のお考えを伺います。
私は,今回,初めて,この場で代表質問をさせていただきました。上田市長が市長になられ,初めての議会でこういう場を得ることができまして,本当に感激の気持ちでいっぱいです。これを感激だけにとどめず,今後の札幌市政に私も全力で取り組みたいと思っています。
長い時間,ご清聴いただきまして,ありがとうございました。(拍手)
○副議長(西村茂樹) 答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 佐藤(典)議員のご質問に対して,まず,私が最初にお答えを申し上げたいと思います。
初めに,行財政改革についてでございます。
1点目の市民参加のシステムづくりについてでありますけれども,札幌市においては,これまでも,必要に応じて条例の制定や改正,あるいは計画の策定などについて,パブリック・コメント手続に準じた措置を講じてきたところでございます。
このような取り組みは,市民参加のシステムを確立する上で非常に重要な取り組みでありますし,より一層の充実を図る必要があると考えておりますので,今後,自治基本条例の検討とあわせて,その手続の制度化を検討してまいりたいと考えております。
2点目の財政改革についてであります。
まず,国及び道に対する政治スタンスについてでありますけれども,地方自治体の事務事業は,必要な財源のかなりの部分が国からの補助金,交付税等に頼らざるを得ないということのために,計画から実施に至る細部まで,国が決めた枠組みの中で行わなければならない。そのような仕組みの中では,地方自治の理想が十分に達成されないというふうに認識をいたしております。
私は,真の地方自治の確立には,まず,地方にできることは,地方にということを基本理念にいたしまして,地方の権限と責任を大幅に拡大するとともに,あわせて,必要な税財源の移譲を実現することが必要であると考えております。
このようなことが実現されることにより,地方の実情に合った自治体の創意工夫,むだな支出の削除,コストの低減などが可能となり,市民の視点に立ったサービスの充実が図られる,ひいては,地方自治体が直面する財政問題の解決につながっていくことができるというふうに考えております。
したがいまして,以上のような観点から,国,道に対しましては,引き続き権限や責任の拡大,税財源の移譲について粘り強く働きかけていく所存でございます。
次に,補助金交付の見直し方策についてでありますが,ご承知のとおり,各種団体に対する補助金は,その事業や活動に対して公益上必要があると認められる場合に交付するものでありまして,そのことにつきましては,これまでも事業評価システムの活用などにより,順次,見直しを進めていたところでございます。
一方,佐藤(典)議員のご指摘にもありますとおり,新たな行政需要にこたえることができる団体もふえつつありますことから,これらの団体とともに札幌の街づくりを進めていきますことは,極めて重要なことであると認識をいたしております。
以上を踏まえまして,今後,各団体に対する補助金のあり方については,合理性や透明性,さらには公平性の観点からどのような見直しができるか,検討してまいりたいと考えているところでございます。
区役所,連絡所のあり方についてお答えをいたします。
第1点目の連絡所の体制についてでございますが,新しい連絡所に必要な機能と,それを踏まえた人的体制,設備や施設の整備については,地域の状況など,さまざまな要素を勘案して取り組んでいくことといたしており,ご提言のありました手法も含めて今後検討してまいりたいと考えておるところであります。
2点目の区の予算要求権についてでございますが,区の予算要求権を考えるに当たっては,予算の要求及び執行を担います区の組織体制や人員,さらには,全市的な予算システムの変更などの課題について十分な検討を行う必要があります。
しかし,昨年度から区の予算要望システムを導入いたしまして,区の要望を反映した事業展開に向けて踏み出していることもございます。今後,このシステムの運用を行いながら,区の予算請求権について,庁内分権ですね,庁内で分権をする,その庁内分権の取り組みとあわせて引き続き検討を行ってまいりたいと考えているところであります。
次に,市民活動支援についてお答えいたします。
1点目のNPOへの業務委託の推進についてでありますが,各部局がそれぞれの業務を執行するに当たって,最も効果的・効率的に目的を達成する方法がNPOへの委託であるという場合には,これまでも委託を行ってきておりますし,実績は年々ふえているところでございます。
今後,さらに委託を進めるに当たっては,情報の共有化を一層深めることが大切でありますし,NPOと各部局がそれぞれ必要な情報を得られるような仕組みの充実を図るとともに,NPOが自立し,そして力をつけていくために,研修や相談など市民活動への各種支援策を進めてまいりたいと考えているところでございます。
2点目の市民活動支援条例の制定についてであります。
札幌市におきましては,2001年度に策定いたしました市民活動促進に関する指針に基づきまして,さまざまな施策・事業を全庁的に連絡調整しながら進めているところであります。条例の制定に当たりましては,まず,このような市民活動促進に関する各部局の横断的な取り組みを積み重ねていくことが重要であると考えているところです。
また,市民自治の仕組みづくりを目指します自治基本条例制定に向けた市民議論にも今後取り組んでいくことといたしておりますので,あわせて,市民活動支援条例のあり方についても検討してまいりたいと考えているところであります。
次に,住民基本台帳ネットワークシステムについて,ご質問の1点目の住基ネットそのものに対する基本的な考えについてのお尋ねでございます。
さきに自民党の横山議員,民主党の川口谷議員のご質問にお答えいたしましたとおり,私といたしましては,昨年の1次稼働において,札幌市には,500件ほどの住民票コード通知書を返上した市民がおられることを,しっかりと受けとめなければならないと,このように思っております。
また,ご質問の2点目のセキュリティーの問題でございますけれども,長野県の審議会は,県内の一部自治体において住基ネットとインターネットが接続されており,セキュリティー上の不安があることから当面の離脱ということを報告いたしましたが,これに対し,総務省は,住基ネットは極めて安全なシステムであり,これまでも問題のない運営が行われている,あるいは,昨年8月,本年1月と2回にわたり,全国の市町村を対象に安全性についての点検を実施し,適切な管理運営の徹底が図られているなどと反論をするというような議論がなされたところであります。
このような長野県と総務省との間の論争については,来月の5日には,長野県の審議会と総務省の調査会との間で討論会が行われる予定だというふうに認識をいたしておりますので,その結果などを参考にし,さらには,他の都市を含めた2次稼働後の状況を見きわめながら,そこで提起される問題点があるとすれば,これを札幌市に当てはめて,札幌市ではどうなのかと,適切な対応をとってまいりたいと,このように考えているところでございます。
次に,子供政策についてお尋ねでございますので,お答えいたします。
第1点目の子育てプラザについてでございますけれども,一昨日の代表質問にもお答えいたしましたように,子育てプラザは,子育て家庭の不安の解消などのために,乳幼児を持つ親同士の自由な交流や親子遊びの場として,また,子育て経験豊かな地域の人たちとも触れ合う身近な場として考えております。そして,子育て支援を通じてできた人と人のネットワーク,これを核といたしまして,市民運動の輪をつなげていきたいと考えているところであります。
この子育てプラザにかかわる事業といたしましては,現在,札幌市が99の児童会館を会場として行っている子育てサロンのほかに,NPO法人,あるいは地域の各種団体やボランティアなどが中心となっている事業などを含めますと,市内で合計142の会場で実施されておりまして,年々各地域で活発化あるいは拡大傾向にあるところであります。
今後は,地域住民やNPO,民間団体等のより一層の参加をいただきながら,小学校区単位に広げてまいりたいと考えているところであります。
2点目の相談窓口の充実についてでありますけれども,現在,行政や民間の子供に関する相談機関において,子育て中の親や子供自身からの悩み事,その相談に対応しているところであります。
札幌市においては,相談体制をより充実させるため,行政,民間を問わず,各種相談機関同士が情報交換をする,あるいは事例の検討をする,そして研修等を行う相談機関のネットワーク化を進めているところであります。今後とも,各相談機関と緊密な連携をとる中で,相談員の資質の向上と精神的なストレスの軽減を図られるように適切な対応をとってまいりたいと考えているところであります。
ご質問の3点目であります子供の権利条例制定に向けての今後の取り組みについてでありますが,昨日の代表質問にもお答えいたしましたように,今後も,子供の権利条例制定に向けて,さらに市民的な議論が高まるよう引き続き啓発活動に取り組んでまいりたいと考えているところであります。
平和行政についてお答えいたします。
1点目の周辺事態法第9条に対する対応についてでございますが,平和というものは,市民が幸せに生活をするための本当に基本であります。したがって,これを乱す戦争には反対をするということを明確にしておきたい,そして,その思いを内外に明確に示していく,これが私の基本的な信条であります。この基本的な考え方については,多くの市民の皆様にも賛同いただけるものと思っているところであります。
この考え方に基づいて,私は,周辺事態法9条による国からの協力要請に対しては,これは法的な義務ではないということ,それから,市民生活や地域経済活動への影響なども考えますと,市長の立場として極めて慎重に対応しなければならないと考えているところでありまして,このような事態にならないことを強く願っているところであります。
2点目の平和を訴え,ともに考える活動拠点についてでございます。
平和に対する取り組みには,いろいろなアプローチがあると思います。例えば,札幌市においては平和パネル展などの啓発事業を行っておりますし,市民団体などでも平和に関するさまざまな取り組みがなされております。これらの取り組みは,平和のとうとさを市民の方々に広く訴える意味でも大変に重要なことであると私は思っております。
そこで,これらの取り組みを支援するための活動拠点を設置してはどうかというご質問でありますが,これにつきましては,その施設が果たすべき役割や期待される機能を初め,札幌市の関与のあり方など課題も多いと思いますので,今後,研究していきたいと考えております。
私からは,以上でございます。
○副議長(西村茂樹) 福迫助役。
◎助役(福迫尚一郎) 環境政策と丘珠空港問題につきましては,私の方からお答えをさせていただきます。
まず,環境政策についてでございます。
1点目の情報提供の取り組みについてでございますが,これは,より多くの市民の皆さんに対しまして,地球環境問題の深刻さをお伝えし,正確に理解していただくためには,議員のお話しにありましたように,継続的な講演会の実施や,わかりやすい形での情報提供,例えば,市民の皆さんがすぐにでも取り組んでいただける省エネ行動を例示するなどの手法が効果的でありますので,そのような観点に立って行動計画を立てて,速やかに実行に移してまいります。
2点目のさっぽろストップ・ザ・温暖化キャンペーンについてでありますが,この事業で予定しておりますインターネットを利用した環境家計簿は,だれもが簡単に取り組め,そしてまた,省エネは自分自身の経済的なメリットにもなるという,そうことが一つの動機となりまして,それが市民の皆様の間に広がっていくことが大切だと考えております。そのためには,楽しみながら実践できるような工夫や,そしてまた,紙の様式での参加ができることも必要であると思いますので,そのような点も含めて積極的に取り組んでまいります。
次に,丘珠空港問題についてでございます。
1点目の丘珠空港の使用について限界があることを明確に位置づけていくべきであるとのご質問についてでございます。
札幌市といたしましては,定期便の運航便数につきましては,航空機騒音の環境基準を超えない範囲としているわけでございまして,低騒音型機での運航において22往復,44便以内という基準を設定しているところであります。今後とも,この環境基準内での使用を守っていくべきものと,このように考えております。
2点目の丘珠空港連絡会議のあり方についてでありますが,この丘珠空港連絡会議につきましては,平成10年12月に北海道と札幌市でまとめました空港整備の基本的な考え方が,総体的な地域の理解を得られたとの判断のもとに,その後も地域への情報提供や意見交換を行う場が必要であるとの認識に立ちまして,常設機関として設置したものでありまして,今まで空港と共生する街づくりにかかわるさまざまな意見をいただくなど,その機能を果たしてきているものと,このように考えております。
しかしながら,丘珠空港の現状及び将来に対しまして不安を抱いている市民の方々もおられますので,丘珠空港連絡会議の機能を通じて幅広い市民の声をお聞きし,今後とも理解が深められますよう努めてまいりたいと存じます。
3点目の住民説明会の開催についてでございます。
札幌市といたしましては,先ほど述べましたように,空港整備の基本的な考え方の範囲内で行われる事柄につきましては,丘珠空港連絡会議で意見を交換いたしましてご理解をいただいているところでありますので,改めて住民説明会を行うことは考えておりません。
しかし,市民団体などからの説明要請がありましたなれば,今までも,直接,地域等に説明に伺っているわけでありまして,今後とも同様の対応によりまして,地域住民の皆様方との信頼関係のさらなる醸成を一層進めてまいりたいと,このように考えております。
なお,丘珠空港連絡会議での協議内容についてでございますが,地域への周知のため,今回,札幌市のホームページへの掲載,そして町内会で回覧していただく丘珠空港ニュースを発行しているところでございます。
以上でございます。
○副議長(西村茂樹) 小澤助役。
◎助役(小澤正明) 私から,経済政策と福祉政策についてお答えいたします。
初めに,経済政策についてです。
1点目のアジア地域からの来札者増加の取り組みについてでありますが,近い将来,多くの観光客の入り込みが期待されます中国,韓国を重点地域として,これまでもさまざまなプロモーション活動を積極的に展開してきたところであります。本年度は,北京市に開設予定の札幌市の海外事務所を活用し,より積極的にPR活動を行い,観光客の誘致に努めてまいりたいと考えております。
また,減少する宿泊日数を増加させるために大型コンベンションの積極的な誘致に努めるほか,札幌市の持つ芸術・文化,スポーツやイベントなどの多面的な魅力を積極的にPRし,加えて,終日,安全で安心な都市環境や食の楽しみなどもアピールしてまいりたいと考えております。さらに,日帰り圏内の市町村への交通手段の改善に向けた働きかけを行い,周遊の利便性を積極的にPRするなどの方策により,札幌市での宿泊日数の増加につなげてまいりたいと考えております。
2点目のフィルムコミッションについてであります。
札幌市のフィルムコミッションは,市民参加を中心とした事業展開をその特徴としております。現在,ボランティア・エキストラの登録数は約2,700名を数え,さまざまなロケの要望に対応してきております。こうした実績を踏まえ,今後とも,市民の一層の参加と協力を得られるよう,フィルムコミッションの啓発活動を通じて,この事業における札幌市の優位性を高めてまいりたいと考えております。
また,撮影後の支援についてでありますが,札幌市では,札幌デジタル創造プラザを中核として,ITを活用し,映像や音楽などの創作や加工を行うデジタルコンテンツ系の企業の育成に努めているところであります。お話しにありましたように,撮影後の編集,加工などの多くを地元で行うことができれば,フィルムコミッション事業の促進はもとより,デジタルコンテンツ産業の振興にも弾みがつくものでありますので,札幌市としても必要な情報提供や企業紹介を行ってまいりたいと考えております。
次に,福祉政策についてであります。
まず,1点目の介護予防施策についてでありますが,高齢になっても,住みなれた地域で,できる限り介護を必要とせず自立した生活を送ることは,市民のだれもが望むところであり,その意味で介護予防は大変重要であると考えております。
札幌市では,これまでも,在宅介護支援センターを拠点として,保健・医療・福祉の専門機関や町内会などの地域福祉活動と連携しながら,介護予防事業の総合的な推進を図ってきたところであります。
今後,介護予防の重要性がより認識されるとともに,きめ細かな事業展開に対する市民の期待は一層高まるものと考えられますので,地域に根差したさまざまな活動に積極的に取り組んでいるNPOなどとも連携しながら,介護予防事業のさらなる充実を図ってまいりたいと思います。
2点目のガイドヘルパー派遣事業についてでありますが,本年4月からスタートした支援費制度の中で移動介護として位置づけられ,新たに18歳未満の児童の方も利用が可能となったところでありますので,今後,対象年齢の拡大に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
次に,3点目と4点目のユニバーサルデザインに関するご質問につきまして一括してお答えいたします。
札幌市においては,これまでも,都心まちづくり計画,交通バリアフリー基本構想,公共サイン基本計画などにユニバーサルデザインの考え方を取り入れて策定してきたところでございます。また,情報のユニバーサルデザインにつきましては,すべての人にわかりやすいホームページづくりをするためのガイドラインを今年度中に策定するため,現在検討を進めているところであります。
今後とも,ユニバーサルデザインの考え方を街づくりの根幹に据えて取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(西村茂樹) 松平教育長。
◎教育長(松平英明) 私から,札幌市特別支援教育基本計画についてお答えを申し上げます。
1点目の計画の名称に特別支援教育を使用した趣旨についてございますが,障がいのある子供の教育につきましては,従来の特殊教育の対象だけではなく,学習障がい,注意欠陥多動性障がい,高機能自閉症などを含めて,障がいのある子供一人一人の教育的ニーズに応じて適切な教育的支援を行うという考えに基づきまして,計画の名称に特別支援教育を使用したところでございます。
次に,2点目の計画の実行に当たっての基本的な方針といたしましては,一人一人の子供の生涯を見通し,社会へつなぐための継続した専門的教育と,子供が地域で学び育つための家庭・学校・地域がともにはぐくむ教育の二つの方向性を達成すべく教育の枠組みづくりを行いまして,それに基づき,各施策を推進してまいりたいと考えているところでございます。この考えのもとで,早急に取り組むべきことといたしまして,各学校における継続的な支援体制づくりや地域で学び育つための地域学習校の選定を進めているところでございます。
次に,3点目の教員に対する研修の実施についてでありますが,養護学校や特殊学級ばかりでなく,通常の学級におきましても,それぞれの教員が一人一人のニーズに応じて子供たちを支援できるよう,職務や役割に応じた計画的な研修を実施してまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
○副議長(西村茂樹) ここで,およそ20分間休憩します。
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休 憩 午後3時42分
再 開 午後4時6分
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○議長(武市憲一) これより,会議を再開します。
代表質問を続行します。
堀川素人議員。
(堀川素人議員登壇)
◆堀川素人議員 私は,市政改革クラブを代表し,市政に関する諸問題について質問をいたします。
まず,激しい長い戦いを勝ち抜いて札幌市長になられた上田新市長には,心からお喜びを申し上げます。
そして,それとともに,上田市長に対し,大きな期待をしていることも明らかにしておきたいと思います。
当然ながら,上田市長は,市民との対話を通し,市民自治の確立を目指すとしております。市長は,札幌市に住む市民の意思を的確に把握し,それを市政に反映させ,もって市民の生活の向上を図らなければなりません。
景気低迷の中,北海道全体が,産業経済の落ち込みが激しく,雇用問題も,多少の落ちつきが見込まれる状況になりつつあるとはいえ,いまだ厳しいことには変わりありません。道都と言われる札幌市は,北海道の先頭に立って,この厳しい状況を克服していかなければなりません。
また,市長は,地方自治についても,市長選挙に出るずっと以前から,強い関心を持っておられたことを私は知っております。そして,当選後は,地域分権的発想及び区役所の分権,連絡所の見直しにより,街づくりの積極的な参加を明らかにしております。
地方自治の発展は,市民との対話なしには成り立ち得なく,その地域地域に住む人々の市政への責任ある参加が何にも増して街づくりには必要であります。みずからが考え,みずからが決定し,みずからが責任をとる,つまり,自己決定・自己責任が明確でなければ,地方自治の発展はありません。
今,札幌には,2兆円をはるかに超える借金があります。この2兆円を超える借金をだれが返すのでしょうか。ここまで借金をしてしまったのだから,今さら考えてもいたし方がない,国から地方交付税をもらい,補助金を可能な限り受け,ここしばらくは耐え忍ぼうというのが,今の札幌の姿ではないのか。私は,こんな不安に駆り立てられるわけであります。
では,交付金をふやすことが本当に可能な状況なのか。また,補助金が出るといっても,100%の補助金があるのか。結局,今までのままでは借金がどんどん膨らんで,膨脹する借金にピリオドを打つことができません。
一方では,ほかの自治体も借金漬けの状態で,全国共通している現状なのだから,いつか国が何とかしてくれるという他力本願,無責任な声も時々聞きます。
しかし,世界がグローバル化し,世界経済が網の目のようにリンクしている今日,国が手品を使って借金を棒引きにすることができるとでも思っているのでしょうか。我が国の新たな借金,つまり,国債の発行は,瞬時に世界を駆け回り,国際経済に大きな影響を与えます。だから,国の借金にも限度があり,これまでのような国と地方の関係をいや応なく見直さざるを得なくなっております。
地方分権議論がなされ,地方交付税や補助金のカットが
三位一体改革論議の中で言われております。本来は,地方のための分権論議でなければならない
三位一体改革でありますが,実際のところは,国の財政再建の論議から始まり,いまだにその流れが続いております。今,私たちは,返せないほどの借金をしてしまいました。この借金を後生に払わせてよいのでしょうか。
これからの100年間は人口が減少に向かい,今世紀の終わりには,日本の人口は7,000万から8,000万と言われてもおります。人口増加による経済の発展,それは,とりもなおさず,幸福をつくり出すかのように言われてまいりました。しかし,現実は人口が減り,日本経済は緩やかに減少に向かっていると言わなければなりません。
このことを考え,同じ借金の額であったとしても,将来は今以上に負担感を増して迫ってまいります。ましてや,増加から減少の過渡期のほぼこれからの50年間は,少子高齢化の進行に伴って,国,地方を問わず,財政的には想像以上に厳しい局面の連続であろうと思われます。
もう一度言います。札幌市は2兆円をはるかに超える借金があります。今までのような借金体質の財政運営では,早晩やりくりがつかなくなります。私は,赤字再建団体になるのではないか,それに向かっているのではないかと心配をしております。
市民は,だれ一人として,そういう状況になることを望んではおりません。しかし,私は,今の札幌市の財政運営はその道を歩んでいると,こう思っております。
公債費比率が15.9%,16%以上になると危険だと言われております。そしてまた,我が札幌市の財政力というのでしょうか,この財政力は,政令指定都市の中で下から2番目であります。
それほど悪い状況ではないということも,役所の中から反論として聞こえてまいります。それは,一般会計だけの結果であって,全会計の結果ではありません。企業会計,特別会計,つまり,交通局,市立病院,国民健康保険等の赤字,これらは,今日では恒常的赤字状況を呈し,ある意味では悪化の一途をたどっているのです。また,札幌市の不良債権とでも言っていい団地造成の売れ残りの土地の問題,また,近い将来,必ず問題化するであろう団塊世代職員の退職金の問題等々を考えたときに,札幌市全体としての資金繰りは相当厳しいものになるだろうと言わざるを得ません。
私は,先ほど上田市長にお祝いを述べ,期待の表明をいたしました。そして,私は,上田市長とは古い友達でもあります。そういう中で,上田市長には,しっかり市政に取り組んでいただいて,輝かしい活躍をしていただきたいと心から願っている者でございます。
しかし,札幌市の財政を考えたときに,おめでとうございます,こういうのんきなやりとりをしている場合なのかと考えたくもなるほど,本市財政は厳しいと認識をしております。
官出身の市長の続いた44年間は,日本にとって最もよい時代であり,所得倍増時代に始まり,高度成長の時代,特に列島改造景気,バブル景気,桂市長の時代は,厳しい時代に差しかかったとはいえ,バブルの余韻を残すまだ豊かな時代であったと思います。
しかし,上田新市長の幕あけは,まさに厳しい,先行き不透明,先行きに明るい光さえも見出せない状況の中での船出が始まりました。私は,上田市長の果たさなければならない,時代が要請する最大の課題は,財政再建に道筋をつけ,新しい時代の街づくりの基礎を築くことであろうと思います。
そこで,質問でありますが,市長は,札幌市の財政をどのように認識しているのか,また,赤字再建団体,これに陥るようなことが考えられないのか,このことについてお聞きをいたします。
次に,一般会計だけを見ても,本市の負債は1兆円を超えました。その債権に対する平成14年度の返済は913億円であります。このうち,元金返済分は601億円,利息支払いが312億円です。新しい借金は940億円で,ほとんど返済されていないばかりか,実際には339億円の借金となっております。上田市政は,どんな財政運営をして,本市の借金を減らす道筋を考えておられるか,明らかにしていただきたいと思います。
次に,上田市政は,この4年間で,一般会計での本市の借金を幾ら削減しようとするのか,目標数字を挙げてお示しをいただきたいと思います。
また,補正予算は140億円以上の借金を前提にしています。この補正予算は,桂予算としたならば理解できますが,財政再建を公約した上田予算とは信じがたいものであります。あなたは,市長就任間もない中で,本補正予算とどのようなかかわりを持ったのか,ご説明願いたいと思います。
次に,上田新市長の人事についてお聞きをいたします。
市民は,上田文雄を市長に選びました。上田市長は,選挙での公約を実現するためにどんな新体制をつくるのか,大いに注目をされました。
結論から申し上げますと,大いに失望するものでありました。助役,収入役,教育長,この5名の特別職人事でありますが,このたび就任した方々は,今までのおつき合いの中で,それぞれ優秀な方であることは私も認めるところでありますが,市民は選挙において,変化,つまり改革を求めたのであります。
しかし,このたびの人事は,その期待にこたえたものではないと思うのであります。上田文雄を選んで変化,改革を期待した人々に対し,はっきりと見える形で人事をなさなければならなかったと思います。
しかし,結局はできなかった。上田新体制は,多くの予想に反し,旧体制の箱の中からすべてを取り出した人事をいたしました。その責任は,時間が十分とれなかったとはいえ,すべてあなたにあります。期待を裏切りながら,そして,期待にこたえようとするならば,これまで以上に,上田市長はもちろんのこと,助役,収入役,教育長になられた方々が一致団結をし,上田市長を守り立て,市長の声に耳を傾け,その期待にこたえるべく懸命な努力をしなければなりません。皆さんの努力が,市民から高く評価される結果を生むことを,私自身も期待するものであります。
特別職人事後の局長職等人事については,議会として口出しをすることではありませんが,いろいろな方面からの危惧が現実になりました。率直に申し上げますと,新体制の上田人事ではなく,既に用意された旧体制の人事であると申し上げておきます。
そこで,質問でありますが,多くの市民は,特別職人事について,民間人登用,また女性の登用,これらの登用を不可避と考えておりました。しかし,上田市長の選択は違いました。これまでの44年間の市役所体制を批判し,市役所改革を掲げて当選したあなたが,なぜ旧体制の箱の中からしか人材を求めなかったのか,市民の前に明らかにしていただきたいと思います。
次の質問ですが,率直に言って,上田新体制は,このままでは分厚い旧体制にのみ込まれ,改革を望んだ多くの市民の期待や時代の要請にこたえられず,いつか,旧体制と軌を一にするのではないかと危惧されております。
そこで,市長に,これからの市役所改革についての決意を改めてお伺いしておきます。
次に,市長がしばしばお使いになる市民自治についてお伺いをいたします。
市長は,7月17日の本会議において,議案説明に先立ち,「私は,2度の選挙を経て当選させていただきました。この二つの選挙を通して強く感じたことは,多くの市民の方々が,市政のあり方に必ずしも満足せず,市役所の改革に熱い期待を寄せているということでありました。44年ぶりの民間出身の市長として私に課せられた責務は,市民の視点,市民の生活感覚をしっかりと持ちながら,伸ばすものは伸ばし,変えるべきものは思い切って変えていくということが使命であると思っております。」と言っております。
上田市長の基本理念もお聞かせいただきました。その中で,市民自治,地域自治,自治基本条例等々,自治とか市民という言葉が幾度となく使用されています。また,対話,市民参加,協働という言葉も出てきております。私たちにとりましては,結構聞きなれた言葉であります。市民も,また同様かと思うのであります。実は,桂前市長時代の文章にも,市民,自治,対話,参加,協働という言葉が至るところで使われております。
国や町を治めることを統治と言います。統治には,基本的に二つしかありません。役人が治める官治,市民が治める民治,この二つしかありません。しかし,この中間として過渡期的にあらわれるのは民治的官治,つまり,体裁上または仕組み上は民主的であるが,意識の上では戦前の官僚主義から抜け出せない統治のことを言います。
民治とは,つまり自治のことを言います。市民自治の市民は,単にその街に住んでいる人というだけではなくて,自分で考え,自分で決定し,自分で行動し,その責任をみずからとる,こういう人々のことを市民と言います。つまり,自己決定と自己責任を果たせる人ということでございます。
そこで,市長にお伺いいたしますが,上田市長の市民自治とは,桂前市長の市民自治とどのように違うのかをお示しください。
次に,これからは,市役所も議会も市民も,市民自治の考えをしっかり持たなければなりません。そこで,市長は,市民自治に基づく街づくりをどのように進めようとするのか,そのイメージをわかりやすくご説明ください。
次に,市立高等専門学校と高等看護学院の大学化に関してお伺いをいたします。
今回の補正予算の中で,市立大学の基本計画策定費として6,200万円計上されました。市立高専と高等看護学院を発展的に解消し,1大学2学部による札幌市が経営者となる大学をつくるための基本計画策定費です。つまり,札幌市は,市立大学設置に動き出そうとしております。上田市長も,記者会見においてその旨のお話をなされました。
しかし,この問題については,もう少し慎重であらなければならないと思います。これまでの議会の議論や大学化検討懇話会の議論及び市民議論だというフォーラムの議論にも目を通してみました。デザイン教育及び看護教育の双方に共通する意見は,経済,文化,医療の分野での社会のニーズ,要望が,高度化し広域化している,今のままでは社会の要望にこたえることが難しくなってきている,そのためには深い知識や判断力や哲学的な教養が必要であり,大学化が必要である,こう言われております。デザインの分野は,経済を初め,医療や環境等の分野でも需要が見込まれる。看護の分野では,地域看護,地域介護がますます強まる中で,看護教育の大学化はその人材養成に必要である。こう言われてもおります。極めて雑駁な表現で相済まないのでありますが,これまでの議論はこう総括できると思います。
私は,これまでの議論のほとんどが,大学ありきを前提にした役所主導の議論であると考えています。市民議論と言われるものも官主導で行われてきた,こう認識をしております。懇話会メンバーの中に,当初,大学ありきでの議論に対して,驚きをあらわした委員もおりました。全体として,大学はよいもの,つくると決まっているならば,こんな大学をつくりたい,市民を説得するにはこんな主張とこんな資料という議論であったなあ,そう感じております。
私は,最も大事なことが欠落していると思います。それは何かといいますと,札幌市の財政問題です。財政に余裕があるならば,大学をつくって,市民の学習・研究ニーズに大いにこたえるべきだと私も思います。それは,決して間違った考えではありません。
しかし,今,札幌市には2兆円をはるかに超える借金が存在します。そのことを忘れてはならないと思うのです。このことがまず,第1点目。
第2点目は,大学設置の費用シミュレーションが余りにもアバウトということであります。イニシアルコスト,つまり大学化に伴う校舎建設等にかかわる初期費用約60億円とされておりますが,説明を聞いた限りでは大幅にふえる可能性があります。ランニングコスト,つまり大学を運営するのに毎年かかる費用も増加が見込まれる。なぜそのような計算になってしまったのか。理由は二つあると思います。
一つは,大学の設置目的が明確になっていないために,どんな教育,どんな研究をどんな質で,つまり,どんなレベルでするのか,そのことがはっきりしておりません。そのために,どんな研究施設などが今後必要なのか,これが明らかになっておりません。私が得た資料によりますと,大幅に計算が変わってくる場合もある,こういうことが言われております。基本的な考えを忘れて,大学化を急いではならないと思います。
もう一つは,財政難の折,予算が膨らむことによって,市民の反発等により計画が進めづらくなる,そのことをおそれて経費を縮小させたのか,こうも心配をしております。
つまり,市立大学の設置については,民間がするような厳しい明確な計画になっておらず,もし民間法人がするならば,必ず大学設置の明確な目的を持ち,計画を進めるか否かを判断するため,調査費をつけて調べます。計画を実行に移すか否かは,その結果に従おうということになります。
これまでの本市は,過大な見積もりや過小な見積もりがしばしばあり,結局ここまで事が運んだので,いたし方なしとして済ませてきたことがたくさんあります。
次に,そもそも市立高専と看護学院の大学化には無理があります。板垣元市長の壮大な夢が,今日の時代とミスマッチの中で実現しようとしていることです。昭和62年,板垣元市長は,市立芸術大学,専科大学設立構想を明らかにいたしました。芸術の森を大学キャンパスとして,札幌から世界に向けて芸術・文化の情報発信をなし,もって,国際都市さっぽろを実現し,北海道のみならず,北方圏の大文化都市にすることが彼の一つの夢でありました。PMFも彼の夢の一つなのです。
しかし,彼は,国との戦いに破れてしまいました。市立大学はとんざしました。しかし,彼はあきらめませんでした。市立高専を経ていつか札幌市にも市立大学をとの思いで,市立高専を立ち上げ,開校を桂前市長に託しました。しかし,時悪く,桂前市長の就任と軌を一にして,バブル景気の崩壊が明らかになりました。
しかし,桂前市長は,景気崩壊を逆手にとって,本市の経済対策も兼ね,札幌ドーム,音楽ホールKitara,そしてコンベンションホールなど,次々と大型事業を完遂し,残された板垣元市長の夢,札幌市立大学の実現に一定の目鼻をつけ,この4月,勇退をいたしました。
これからが問題です。上田新市長は,就任間もなく,市立大学化を認め,記者会見で発表までいたしました。
私は,時代背景を考えたとき,板垣元市長が市立大学構想を持ったとしても,あの時代であれば不思議はないと思っております。なぜならば,日本経済はほぼ一方的右肩上がりであり,大学への進学率の上昇は目をみはるものがありました。他都市においても,大学誘致や公立大学の設置が相次ぎました。また,彼の札幌の街づくりへの哲学は,今でも高く評価できます。桂前市長においては,その後継者として板垣元市長の夢を実現しようとしたとしても問題はありません。選挙においても後継を名乗り,公約もし,そして当選してきたからです。
上田市長は,どのような立場で当選なさったのでしょうか。財政再建,札幌市役所改革を掲げて当選されたのではないでしょうか。就任早々,借金前提の大きな買い物をしてしまってから,残りでの財政再建論では説得力を持ちませんし,市民の期待を裏切ることになります。
私は,今からでも遅くないと思っております。もう一度,この大学構想を再検討なさったらいかがかと思います。大型事業をすべて中止せよと言っているのではありません。もう少し落ちついて,いわゆる時のアセスメントをくぐらせたらいかがでしょうか。
ここで,質問でありますが,札幌市で問題になっている大型事業,駅前通の地下通路問題,創世1.1.1区(さんく)計画問題,当別ダム問題についても再検討すべきであると考えております。大学化構想も見直すべきと考えておりますが,そのつもりがあるかないかをお伺いいたします。
次に,大学を取り巻く環境は極めて厳しいものがあります。大学の独立行政法人化構想も明らかになり,ここ札幌でも,北大を初めとして各大学が頭を悩ませております。上位30校を選別し,国の大学支援もさま変わりさせようとする遠山プラン。18歳人口が減少し,学生が大学を選ぶという時代,つまり,大学の再編は避けて通ることができない時代になりました。
大学の生き残りをかけて,知恵を絞らなければなりません。これまでの本市の大学化議論は無責任極まりない,こう私は申し上げます。民間企業レベルでは,札幌市の現在の調査段階で,大学化ゴーなどという状況には全くなく,全く白紙の状態であらなければなりません。極めて厳しい財政状況,また大学のサバイバルという時代を考えた場合,実施は極めて厳しいという認識に立たなければなりません。
板垣元市長の大学設置に対する情熱は,高い理念に裏打ちされたものであったと思います。しかし,このたびの大学化の理念,理想は何なのか。市民の貴重な税金を使い,財政厳しい中で,あえて今,本市で大学を持つ必要があるのか。大学大衆化が言われて久しいのでありますが,中途半端に大衆化した大学は,もう必要がない時代であります。中途半端な大学をつくったならば,その負担が市民に残ります。
看護学院で学ぶ生徒は,一生懸命勉強する生徒であると前から私は聞いております。時代の変化,医療の高度化のため,勉強したいという願いを持つのは当然でありましょう。その願いを実現するとするならば,あと1年間を保証してあげればよいと思います。その方が,3年で勉強を終わり,早く現場で働きたいという希望を持っている学生の希望も保障できます。また,民間教育機関の医療学習機関も利用できます。もし,費用負担が大き過ぎるとするならば,奨学資金の充実を図って負担の軽減を図ればよろしいのではないかと思います。広い教養が,これからの時代,看護の従事者に求められているとも言われておりますが,もし,1年間の勉学の延長があったなら,それも満たし得ると思います。
また,高専については,卒業後,専攻科という制度をつくり,その中で学習の充実を図ってまいりました。しかし,この制度は中途半端であるとして,他大学に進学する人もいるということを聞いております。
しかし,その道も現実に存在はしているのです。
私は,財政再建という観点から言うと,今あるものを大事にして,その充実を図るべきであると考えております。大学を設立し,生き残ろうとするならば,まだまだ十分なお金をかけ,優秀な先生を集め,その力をかりて優秀な学生を集め,立派な社会人を世に送り出し続けなければなりません。公立大学とはいえ,これだけの金額で後発大学が生き残っていくことができるのでしょうか。
そこで,市長にお伺いをいたします。
市長は,大学とはどんなところとお考えなのか。そして,大学の生き残りが厳しい中で,これほど後発の公立大学が,中途半端にならず,税に見合った立派な社会的役割を果たせるとお思いなのかをお聞かせ願いたいと思います。
次に,市長の公約であります200億円の経費削減問題についてお伺いをいたします。
市長は,再選挙での追加公約で,経費200億円を削減するということを盛り込みました。市長候補者上田文雄は,民主党や市役所労働組合の支援を受けて本当に行政改革ができるのであろうかという不安が,市民の中に当初から根強くありました。再選挙で当選するためには,無党派層への食い込みは必須でした。200億円の経費削減公約は,そのときにでき上がってきたと言っても間違いありません。
なぜ,皆は無党派で戦おうとするのか,政党支援をもっと明確にして戦うべきであるとまで市長は述べたと記憶をしております。民主党の推薦を支持に変えさせ,再選挙公約は上田市長の最終的公約であり,市長の政策規範となります。
私は,北海道知事選で,仲間と一緒に,出馬を促すためにニセコの逢坂町長のところを訪ねました。彼の出馬断念宣言の2週間ほど前です。彼は私に言いました。私にはお金も組織もない。その人間がお金と組織を頼って選挙をし,当選した後,その組織にほかの組織と同じような距離を保てと言われても,なかなかそれは一人の人間としてできないことである。それが私が出馬をちゅうちょする最大の理由ですという話をされました。時間の経過とともに,その言葉は私の中でより大きくなってすみ続けております。
そこで,質問をいたします。
上田市長は,市役所改革において,200億円の経費削減を公約いたしました。どことどこをどのように改革し,200億円の経費削減を生み出すのか,職員の給与,特別昇給,手当等の関係に触れながら,わかりやすくご説明願いたいと思います。
経費削減という観点から,第三セクター等の出資法人のかかわりについて,今後どのようにすべきと考えるのか,お伺いをいたします。
次に,自衛隊と札幌市の関係についてお伺いをいたします。
市長は,市長みずからが歌う第9ロックというCDを発表しております。第9とは憲法第9条の戦争放棄を意識し,憲法前文を繰り返し歌い,反戦の意思を明らかにしております。私は,個人上田文雄がどのような意思を持っても基本的に自由であると考えております。
しかし,市民が,市長がどんな考えの持ち主であり,どんなリーダーであるかを知りたく思うのも,また当然でありましょう。上田市長は,当選後間もなく,新市長として,札幌市と深くかかわる個人,団体を訪ねてあいさつ回りをいたしました。
その中で,自衛隊北部方面総監を訪ね,短時間ではありましたが,ごあいさつをされました。その後,第11師団司令部も訪ね,雪まつりへの協力をお願いしたと聞いております。
正直言いまして,私は安心をいたしました。札幌市民は,自衛隊と札幌市の信頼ある関係を望んでいます。市長の反戦,平和主義が反自衛隊主義でないことを強く望むものであります。
そもそも自衛隊は,国を守るという崇高な使命のもとに存在しております。また,戦争という国際問題だけではなく,災害救助等,国民の生命,財産を守るという面でも目覚ましい活躍をしていることは,だれしもが認めるところであります。
今,国会で問題になっているイラク特措法では意見が分かれておりますが,区別をしなければならないのは,この問題は専ら国会で論じられるべきことであって,自衛隊はそこで決められた決定に粛々と従うという立場にあり,その覚悟をしているのみです。つまり,イラク特措法の問題は,現時点では国会の問題であり,専ら政治の問題であると言うことができます。
何を言いたいかと申しますと,自衛隊の存否は,基本的には国の統治権の問題で,地方の問題ではありません。上田市長に対し,隊員の中には,自分たちを理解しない市長ではないのかという心配,不安があります。
そこで,市長にお伺いをいたします。
市長は,札幌市にとって自衛隊はどんな存在であり,今後どのようなおつき合いをすべきと考えておられるのか,そのお考えをお示しください。
自衛隊は,災害救助や雪まつりイベントで札幌市に多大な貢献をしております。自衛隊側としては,地域社会への民生協力という目的を持って,さっぽろ雪まつりなどは特に積極的に参加してきました。この結果,さっぽろ雪まつりは世界にも有名な冬のイベントとして発展してまいりました。
昨年,桂市長は,わざわざ自衛隊に出向き,雪まつりの協力に対して感謝状を送り,お礼を申し上げたと聞いております。初めてのことだそうです。隊員の多くの皆さんの喜びは大変なものであったと聞いております。
第11師団は,近い将来,旅団化され,名実ともに規模が縮小される予定になっております。その関係もあって,ことしの雪まつりは,残念ながら,これまでの大雪像協力4基が3基になりました。今では,大雪像抜きでのさっぽろ雪まつりは考えられません。民生協力と雪まつり,お互いに目的を十分に満たし,信頼あふれた関係を構築していただきたいと願うものであります。
市長は,市民との対話を大事にし,街づくりにつなげる決意を言われております。札幌の隊員の多くは,札幌の市民です。隊からの命令とはいえ,本市の最大のイベントの雪像づくりに真心を込めて参加しております。ぜひとも,市長には,その姿を直接見ていただき,声をかけてあげてほしいと思います。隊員は,民生協力という名のもとに,市民に理解され,愛される存在でありたいと心から願っている人たちです。
そこで,市長にお伺いをいたします。
市長は,1年に1度くらい,自衛隊のトップの方々と,災害救助や雪まつりだけではなく,街づくりも含めて,ゆっくりと懇談され,また,隊員との対話の時間を持つべきであると私は考えますが,その点,市長はどのようにお考えになっておられるのかをお聞きいたします。
次に,子供の問題についてお伺いをいたします。
市長は,さきの所信表明において,ゆたかな心と創造性あふれる人を育む街さっぽろの実現を政策の5本柱の一つに掲げました。今日,教育は,時代の変化の中で大きな転換点に差しかかっております。沖縄での中学生による同級生殺害,あるいは,長崎での12歳,中学1年生による幼児殺害,さらに,渋谷での4人の女子小学生監禁事件など,この1カ月を見ても,これまでの常識や価値観が大きく覆させられるような子供をめぐる事件が相次いで起きております。
国旗・国歌法の成立により日の丸・君が代の強制,教科書問題,14年度から始まった新学習指導要領によるゆとり教育を目玉とした学校週5日制や,総合的な学習や習熟度別クラスの導入,奉仕活動の義務化など,一連の教育改革と教育の自己責任を求める流れにより,子供たちは追い詰められる一方で,急激な情報化社会の進展によって,ゲームや携帯電話やパソコンが急速に普及し,子供の情報交換,情報入手の手法が激変しています。子供自身,何に価値を置き,どう生きるべきか,このことをつかみ切れないでいるのではないでしょうか。教育をめぐる言説には,いわゆる右から左まで実に多様な言説があふれており,教育現場も大人もまた大きく揺れ動いている中で,子供たちは,まるで大海に浮かぶ小舟のように悩み,震え,助けを求めているように私には見えます。
それは,とりもなおさず,大人社会の反映であります。政治家や官僚や企業の不祥事は後を絶たず,児童虐待,家庭内暴力,児童買春は増加をしています。今こそ,次代を担う子供の健やかな育ちを支え,自己実現できる社会をどうつくっていけるのか,我々自身が問われていると言えましょう。私は,教育こそ,地域全体で取り組むべき最重要課題の一つであると考え,市長のお考えをお伺いする次第であります。
そこで,初めに,今日の子供をめぐる諸問題について,どのような認識をお持ちなのかをお尋ねいたします。あわせて,今回の事件で,少年法のさらなる厳罰主義が議論されていますが,学校において子供の管理が一層強化されることはないのか,お伺いをいたします。
2点目に,所信表明の具体化についてです。
市長は,所信表明の中で,学校,家庭,地域が連携しながら,子供をはぐくむ街づくりを進め,教育基本法の精神に基づいた教育を進めると述べておられますが,連携の具体的な施策をどう考えていらっしゃるのかをお伺いいたします。
また,新学習指導要領は,奉仕活動の義務化など,子供の主体性を尊重するというよりも,管理の対象,指導の対象としてしか見ていない,そういう子供観が基底にあります。教育基本法と相入れないものであります。子どもの権利条約を軸とした教育の実現が,今こそ求められると考えております。子供の権利条例制定についてのお考えをお伺いいたします。
3点目に,開かれた学校についてです。
市長は,選挙戦のさなか,北区で行われた子ども議会を傍聴されたとのことであります。市政への子供の意見反映と同様に,学校運営への子供参加,市民参加など,地域の風を学校へ取り入れるべきことは,閉塞状況にある教育界にあって大変重要なことであると考えております。
教育委員を公募制として,市民参加による教育委員会などを考えてはいかがでしょうか。
また,PTAを再評価し,保護者も学校運営,意志決定過程に参加できる本来の機能をよみがえらせるべきと考えますがいかがか,伺います。
4点目に,少人数学級についてです。
ゆとり教育を掲げた今回の教育改革が,先ほど申し上げたように,むしろゆとりに逆行している実態があります。山形県教育委員会の少人数学級を実施した学級でのアンケート結果が公表されております。それによりますと,「子供との対話がふえた」84%,「子供のワークシート,作品等をじっくり見ることができるようになった」98%,「個別指導ができた」79%など,子供と教師とのかかわりが大きく変化していることが浮き彫りになりました。横浜市では,今年度から,新1年生の中でも,児童数の多い学級に非常勤講師を配置する複数担任制を導入することとしております。
本当のゆとりを実現するために求められているのは,一人一人に向き合ったきめ細やかな教育であり,子供のやる気を引き起こすことができる教育であると思います。
本市においても,1年生からでも少人数学級をスタートさせるべきだと考えますが,いかがでしょうか。
次に,交通局の問題についてお伺いをいたします。
職員のたるみによる事故ですが,バス運転手が酒気帯びでバスに乗務,運行中に事故,地下鉄では,運転手が列車運行中に居眠りをし,停止位置を大幅に越えて停止。車掌はドアの開閉を所定の操作をせずに非常コックで開閉し,乗客の手が挟まり負傷。このほか,人身事故多発,すべて交通局から外部に漏らさず隠ぺいをしてまいりました。
先般,一部新聞報道をきっかけに事故が明らかになり,北海道運輸局の監査を受けることとなりました。
市政改革クラブでは,この問題を調査した結果,交通局自動車部は,旧運輸省時代から,新聞報道で発覚するまで,長年にわたって国の定める規則の違反を続けてまいりました。
その結果,バス事業においては,北海道内のバス会社では初めての,バス5両38日間の使用停止処分を受けました。処分量刑の内訳は,乗務員に対する指導監督義務違反60日両の2倍,120日両,点呼の実施義務違反20日両掛ける2倍,点呼の記録義務違反10日両,酒気帯び確認事項が点呼簿に印刷されていなかった,これが今の3番目の点呼の記録義務違反になります。国が,平成14年2月,規則を改正して,こういう項目が,しなければならないこととしてついております。そしてまた,点呼記録の不実記載10日両,乗務等の記録義務違反10日両,合計190日両です。これを5両で割って,5両38日間,合計190日間の使用停止処分となったわけであります。
事故発生原因は,対象事故を見てみますと,交通局の管理体制が,基本の部分で守られていないことが一目瞭然であります。すなわち,管理職による職務の怠慢と申し上げても間違いございません。
次に,地下鉄に対して北海道運輸局が7月14日に実施した特別保安監査の結果,鉄道事業法第19条に基づく事故などの報告がなされていない6件の事故が新たにわかりました。その概要は,平成13年7月13日,東西線・大通駅,事故発生内容,旅客の手首をドアに挟んだまま発車し,6メートル進行した。乗客負傷。平成13年9月6日,東西線・新さっぽろ駅,事故発生内容,運転士が居眠りをしたことにより,停止位置から35メートル手前に停止した。正規の位置に停止しようとして指令の指示を受けずに移動,停止信号を受けて急停車。乗客負傷。この二つだけを読みましたけれども,そのほか,同じような事故が3番目,4番目,5番目,6番目としてあります。
7月24日,北海道運輸局長から,安全管理体制について,3項の指摘を受けております。その3項の指摘の前に,安全管理体制の確立について,これが黒田交通局長に渡されたわけでありますけれども,これがきのうでございました。それに何と書いてあるかといえば,安全管理体制の確立について平成15年7月14日に実施した貴交通局の鉄道事業にかかわる特別保安監査の結果,平成13年9月6日に東西線で発生した鉄道人身傷害事故について,鉄道事業法第19条に基づく事故等の報告がなされていないことが判明した。この事故については,基本動作等が遵守されていないことに起因するものであり,また,報告の対象とならない事故についても同様な事例が確認されている。このことは,鉄道事業法に抵触するばかりではなく,職員の安全意識,事故防止意欲が不十分で,貴局の安全管理機能に問題があると言わざるを得ない状況であり,看過することができないものである。したがって,貴職において,事の重大性を十分認識し,早急に下記事項にかかわる所要の措置を講ずるよう指示する。なお,未提出の鉄道運転事故等の報告については,速やかに手続を行うとともに,講じた措置については,平成15年8月25日までにこの内容を報告されたい,こうあります。そして,3項目にわたる指示がなされております。
この内容を見ますと,古くからこういう事故に対する隠し立てがあって,これがずっと続いている,もうそういうことでは見過ごすわけにはいかぬ,しっかりやってもらわなければだめだ,こういう国からの強い指導を受けた。札幌市としても大変恥ずかしい限りであります。
私は,今回の件の中で,黒田事業管理者がこの4月にその地位につきました。そして,こういうことが出てまいりました。黒田局長に厳しいことを言うのは大変つらいのでありますけれども,ここで,やはり,この事故をずっと隠し通してきた人方の責任はどうするのか,このことを問うていかなければならぬと思います。
役所というのは,その立場にいるとき,ある事件に出くわした。そうしたら,責任をとらされる。ですから,我がそこにいるときはつつがなきやというような形の中で,安全,安全と,自分の安全を中心にして考えて,その職をこなすという人がたくさんおるような気がいたします。
私は,ここで,やはり,事件がいつ起こって,そのときの責任者はだれなのか,このことを明確にしてその責任をとらせるべきだと考えております。そして,その原因は何だったのかもきちっととらえなければならないと思うのです。中途半端な解決をしてはならないと思います。
そこで,我が市政改革クラブでは,この件について,一つの提案をしたいと思います。その提案というのは,今後,事故が起こらないために,交通局安全監視委員会というものを設けまして,2年ほどの時限措置におきましてこの問題を徹底的に解明し,職員に対する徹底した指導や管理の体制をつくる,こういうことがまず必要だと思います。
その中で,私が考えるのは,北海道にはJR北海道,ここは安全で世界でも有名,日本の鉄道全体がそうでありますけれども,そういうところから3名ほどの人材を派遣していただいて,交通局安全委員会をつくったらどうか,こう考えますし,交通局内部においても,局長または局長クラスの人が責任者となって,そして,部長2人くらいで安全管理室をつくる。そして,事故があったらそこに情報が全部集まってくる,こういうような仕組みをきちっとつくらなければだめかなと,そんなふうに考えております。
そしてまた,JR北海道にも,JRの安全綱領,こういうものがあります。ここでは全部を読みません。一つだけ読ませていただきます。安全は輸送業務の最大の使命である。もう一つ読ませてもらいます。安全の確保は規程の遵守及び執務の厳正から始まり,不断の修練によって築き上げられる。そして,3,4,5とあります。やはりわかりやすく,こういうものを札幌市でもつくったらいかがでしょうか。そして,安全の徹底を図っていく,こういうことが必要かと思います。
これらの問題を,我々は大事な教訓として生かしていかなければならないと思っております。そのためには,市長を初め,交通局のこれからの大いなる努力,つらい立場ではあったとしても,これは,市民,そして多くの人々の交通の安全を図るという中で,こんなでたらめをしていてはならぬ。こういう中で,皆さんが力を合わせて安全確保のために努力されることを心から願いまして,私の質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
(柴田薫心議員「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(武市憲一) 柴田議員。
◆柴田薫心議員 ただいまの堀川議員の財政問題についての発言中,宗教用語を間違えて発言いたしました。よって,議事録精査のため,暫時休憩を求めます。動議です。
○議長(武市憲一) 柴田議員,発言の内容がよく聞き取れませんでしたので,再度,お願いします。
◆柴田薫心議員 ただいまの堀川議員の財政問題の質問中,宗教用語を間違えて使いました。よって,議事録精査のため,暫時休憩を求める動議です。内容は,他力本願,財政問題について,他力本願のようなという発言があったのです。そういうことでございますので,精査を求める動議です。(発言する者あり)
○議長(武市憲一) 確認をいたします。
ただいま柴田議員の動議に対し,賛成の方の確認をさせていただきます。
ただいまの柴田議員の動議に対して賛成の方は発言をいただきます。(発言する者あり)
賛成の方はありますか。
確認をさせていただきます。
ただいまの柴田議員の動議に対し,所定の賛成者がおるかどうか,確認をいたします。
(村山優治議員「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(武市憲一) 村山議員。
◆村山優治議員 大変恐縮でありますが,私の方からも,暫時休憩をお願いさせていただいて,調整をさせていただきたいと,こう思いますので,よろしくお願い申し上げたいと思います。(発言する者あり)
○議長(武市憲一) それでは,暫時休憩をいたします。
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休 憩 午後5時9分
再 開 午後6時10分
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○議長(武市憲一) これより,会議を再開します。
本会議休憩中に,議会運営委員会において,その取り扱いについて協議をされましたが,他力本願という用語には,宗教用語としての意味のほかに,一般的に使われるようになった意味もございますので,二通りがあり,堀川議員の発言内容は一般的な意味として使用されており,不適切な部分は認められなかったため,議事を続行いたします。(拍手)
答弁を求めます。
上田市長。
◎市長(上田文雄) 堀川議員のご質問に対して,まず最初に,私からお答えを申し上げます。
最初に,財政問題についてでございます。
第1点目の財政状況に対する認識についてであります。
札幌市の財政状況は,これまでの堅実な財政運営の結果,財政の健全性を示す指標は,他の政令指定都市と比べると現在のところは上位に位置しているものの,近年は徐々に悪化をしており,総じて厳しい財政状況に置かれていると認識しておるところでございますが,ご指摘のような状況は財政再建団体のことだと思いますが,それに陥るということは当面はないというふうに考えております。
2点目の今後の財政運営の考え方と3点目の市債の削減目標については,一括してお答えいたします。
今後の財政運営に当たっては,市役所みずからが内部努力をして歳出全般にわたる経費の節減を図ることはもちろんのこと,
政策評価制度の導入など,成果重視の観点で施策の重点化や効率化を図ってまいりたいと考えているところであります。
市債の発行につきましては,川口谷議員にもお答えいたしましたとおり,その発行抑制に努めておりまして,減税補てん債や臨時財政対策債を除きますと,平成14年度予算の773億円から,肉づけ後の平成15年度予算では531億円と前年度比で31%の減としたところでございます。
また,現在,三位一体の改革により,国,地方に通ずる税財政制度が再構築されていることなどから,市債の削減の目標数字を示すことについては現時点では困難でありますけれども,既に発行した市債はルールに基づいて確実に償還にしていくとともに,今後につきましても,中長期的な財政運営を見据えた上で,将来大きな財政負担をもたらすことがないように節度ある市債の発行に努めてまいりたいと考えているところであります。
4点目の今回の補正予算編成についてでありますけれども,市長就任直後の6月17日に,肉づけ予算の編成方針であります
施政方針フレームを発表し,予算編成に臨んだところでありまして,今回提出しております補正予算案のすべての項目について査定を行い,予算案を編成したところであります。
人事についてお尋ねでございます。
特別職の人事と市役所改革に対する決意について,あわせてお答えをいたします。
私が二度の選挙を通して強く感じましたことは,市役所改革に対する市民の皆さんの熱い期待でありました。これを踏まえて,市役所の実情を検証し,伸ばすものは伸ばし,変えるべきは思い切って変えていくことが民間出身の市長である私に課せられた責務だと考えております。
先般の第3回臨時市議会で議決をいただきました特別職人事は,その体制づくりの第一歩でありましたけれども,今回の市長戦が再選挙となったために,山積する課題に着手すべく,特別職の人選もできるだけ速やかに行うことといたしました。そこで,民間人,女性の起用も含めさまざまなご意見を伺う中で,総合的な観点から検討した結果,4名の方が特別職として適任だと判断したところでございます。
今後は,この新しい体制の中で,市の職員が一丸となって,市民の視点,市民の生活感覚といったものをしっかり持ち,市役所改革に取り組んでまいりたいと強く決意をしているところであります。
次に,市民自治についてお答えをいたします。
市民自治の考え方と,これに基づく街づくりの進め方についてでありますけれども,市民自治とは,市民が地域のことをみずから考え,課題の解決に向けて行動すること,言いかえますと,市民一人一人がみんなで札幌の街をつくっていくことと私は考えており,これは,私のみならず多くの方が共通して理解していることではないかというふうに思っております。
また,イメージについてのお尋ねでございますが,私は,市民への徹底した情報提供と対話を通じて,市民と共に考え,共に悩み,共に行動することを大切にしながら,市民との協働をさらに実践していくとともに,自治基本条例の制定など,市民自治の推進に必要な仕組みづくりに取り組んでまいりたいと考えております。
また,地域にあっては,市民みずからが地域の課題を考え,問題の解決や目標の実現に向けて行動できるよう連絡所の改編などを行ってまいりたいと考えているところであります。
次に,200億円の経費節減についてでございます。
1点目の経費削減の内容についてでありますけれども,これは,定数の適正化を中心といたしました人件費総体の削減や事業の効率化を進めるなど,歳出全般にわたる見直しを行う中で200億円の経費節減を目指すということでございます。
2点目の出資団体等とのかかわりについてでありますが,出資団体は,民間活力の導入と公共性を図るために重要な役割を果たしていると認識をいたしております。
このために,札幌市では,出資団体が行う方がより効果的で,市民サービスの向上につながる事業等について,団体に委託し,また補助をしてまいりました。この補助金や委託金については,これまでも,毎年度の予算編成の中で,事業の必要性や内容を精査するとともに,昨年度導入いたしました出資団体評価システムにおいても,補助金の必要性や,その削減可能性等,市の財政的関与について評価を行っておるところであります。
さらに,今後は,この評価システムを充実させ,団体の必要性と経営状況の検証をより厳格に行いながら,出資団体の改革を進め,経費節減につないでまいりたいと考えているところであります。
自衛隊の問題についてのご質問でございます。
先週末に発生いたしました九州地方での集中豪雨における自衛隊の救助活動,これを見ましても,災害発生時における自衛隊の存在は非常に心強く,市民としても頼もしく思うところでもあります。また,札幌市においては,災害救助の支援や雪まつりの支援協力など,市民生活と深くかかわりを持っているものと考えているところであります。
今後についても,自衛隊の方々との対話の機会を拡大していくということを含めて,引き続き良好な関係を築いていくよう努力をしてまいりたいと考えているところであります。
子供の問題についてのご質問でありますが,私からは,1点目の子供の諸問題についてのお尋ねの中の子供をめぐる諸問題についての認識について,それから,2点目の所信表明の具体化について,3点目の開かれた学校についてのお尋ねの中の教育委員の公募制についてお答えを申し上げ,その余は教育長の方にお任せをしたいと思います。
初めに,子供をめぐる諸問題についての認識でございますけれども,ご指摘のとおり,最近,子供たちにかかわる痛ましい事件が相次いでおりまして,私といたしましても大変心を痛めているところであります。
札幌市においても,少年犯罪や不登校は増加の傾向を示しておりますし,少年アシストセンターへの各種相談件数も昨年に比べ大きく増加してきております。
こうした状況の背景には,一昨日の代表質問にもお答えいたしましたとおり,日本の社会全体が,いまだに経済成長と物の豊かさを機軸に動き,心の豊かさが置き忘れられているということが根底にあるからだと考えております。また,少子化と核家族化が進行し,地域社会とのかかわりも薄れがちになるなど,子育て環境の変化もその背景の一つにあると認識をいたしているところでございます。
私の所信表明の具体化についてでありますけれども,学校,家庭,地域社会が連携しながら子供をはぐくむ街づくりを進めていく具体的な施策についてでございますが,従前から,PTAや地域のボランティアの方々の協力を得て実施しております学校図書館地域開放事業や家庭教育学級,子供たちが安全で安心して住める街づくりのための子ども110番の家等の制度や,地域における青少年育成委員会,学校,PTA,町内会等で構成される連絡協議会の取り組みなど,各種事業の充実に引き続き努めてまいります。
さらに,現在,モデル事業として実施されております学校開放地域活動事業において,学校,家庭,地域の方々によって構成される運営委員会が子供向けの事業などを行っておりますけれども,これまでの実施内容の検証を踏まえて,より一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
次に,子供の権利条例制定についてでありますけれども,昨日及び先ほどの代表質問にもお答えいたしましたように,今後も,子供の権利条例制定に向けてさらに市民議論が高まるように,引き続き啓発活動に取り組んでまいりたいと考えております。
教育委員の公募制についてお答えをいたします。
教育委員は,人格が高潔で,教育,学術及び文化に関して識見を有する者のうちから,地方公共団体の長が議会の同意を得て任命することとなっております。また,平成13年の法改正におきまして,保護者や地域住民の多様な意見をより的確に反映するために,年齢,性別,職業等に著しい偏りが生じないように配慮するとともに,委員のうちに保護者が含まれるように努めるということが規定されたところでございます。
具体的な人選に当たりましては,公募制という方法も考えられますけれども,人格が高潔で幅広い識見を有する人材を各界各層からバランスよく求めることが基本であることを考え合わせますと,現在のところ,選考により人選し,議会にお諮りすることが望ましいと考えているところであります。
次に,交通局の問題についてお答えをいたします。
先日の補正予算案の提案説明の前に,私から,交通局を含め一連の不祥事につきましておわびを申し上げましたけれども,特に交通局の事件につきましては,公共交通事業者として市民の信頼を大きく損なうこととなり,私としても重く受けとめているところであります。
北海道運輸局から指摘のありましたバス事業における酒気帯び運転事故に関しましては,再発防止策を既に講じているところであります。また,昨日,北海道運輸局から指導のありました地下鉄の事故におきましては,指摘を受けました3点の改善事項につきまして,交通局の組織全体の課題として真摯に受けとめ,その内容を報告期日までに取りまとめたいというふうに考えております。また,取りまとめをいたしました内容につきましては,議会にもご報告をしたいと考えております。
そこで,1点目の安全運転体制の整備についてでありますが,今回の一連の不祥事を考えました場合に,事故そのものの情報が適正にトップに報告されていなかったということが大きな要因であると考えております。
これに対する体制として,事故発生時の一元的な情報集約,そして,迅速な市民への公表及び再発防止策の速やかな指示などが組織的に的確に行われるための組織として,当面,兼務ではありますけれども,事業管理部長を筆頭とする安全運転管理室を,近々,
交通事業管理者に直結する形で新設する考えであります。
また,ご提案のありました安全監視委員会については,これを設ける考えは今ございませんけれども,再発防止策の確立に向けては,先進的な組織でありますJRなり東京都の営団地下鉄などの状況を調査し,必要な対応策を取り入れてまいりたいと考えているところでございます。
2点目に,ご提案のありましたJRの安全綱領を交通局の職務規程に取り入れることについてでありますけれども,札幌市交通局では,安全確保の理念を確立し,輸送の使命を達成するために,安全運転規範として,高速電車の運転の安全確保に関する規程を定めているところであります。これは,運輸省の定めた運転の安全の確保に関する省令に基づき定めたものでありまして,先ほどご指摘のありましたJRの安全綱領とほぼ同様の内容となっているものであります。
したがいまして,今後は,運行業務に従事するすべての職員に対して,この規程を常に意識し業務に当たるよう,その徹底を図ってまいりたいと考えております。
私からは,以上であります。
○議長(武市憲一) 福迫助役。
◎助役(福迫尚一郎) 市立高等専門学校と高等看護学院の大学化につきましては,私の方からお答えさせていただきます。
1点目の大学化について見直すべきとのご質問についてでございます。
市立高等専門学校と高等看護学院の大学化につきましては,第4次長期総合計画の中で位置づけられておりまして,その実現に向けて調査研究を進めてきたところでございます。
この間,さまざまな形で市民論議を重ねてきたものでございます。具体的に申し上げますと,市民公募の委員を含めました大学化検討懇話会を平成13年11月に設置しまして,約1年間に20回に及ぶ議論を行いました。そしてまた,その内容につきましては,インターネットあるいはニュースレターなどを通じまして徹底した情報公開を行いまして,幅広く市民の皆様方の意見を求めたものでございます。さらに,大学化を考える市民フォーラムなども開催いたしまして議論を深めてまいりました。
その過程におきまして,デザイン系と看護系,この二つを組み合わせることの意義,そしてまた,大学の設置運営にかかわる経費のあり方,そういうものにつきまして,大学化に関する基本的な問題について検討をいただいたものでございます。既に,印刷関連業協議会あるいは看護協会といった各種の関連団体,そういう六つの団体から,奨学金であるとか,あるいはインターンシップであるとか,そういうような支援の表明をいただいているところでもございます。そうした市民論議の経過,そして世論の機運も踏まえまして,大学の設置を判断したものでございます。
次に,公立大学の社会的役割についてでございます。
大学は,学校教育法にもありますように,学術の中心として広く知識を授けるとともに,深く専門の学芸を教授,研究することを本来的な目的としております。さらに,自治体が設置します公立大学は,そうした目的に加えまして,地域のさまざまな課題に的確に対応するなど,何よりも地域社会への貢献が求められております。そしてまた,大学が存在することによりまして,市民の生涯学習の場としても生かされる可能性,そういうものも追求してまいりたいと思います。
札幌市が設置いたします大学につきましては,生活空間デザイン,情報デザインなど,幅広いデザイン部門と看護部門それぞれが専門性を生かした取り組みを行いまして,さらに,これらを相乗させ合いまして,この大学がつくり上げていきます知的資源を地域に還元する,そういう仕組みをつくりまして,市民文化の向上や街づくりなどに大きな役割を果たすことがその使命であると,このように考えているところでございます。
私からは,以上です。
○議長(武市憲一) 松平教育長。
◎教育長(松平英明) 私から,子供の問題についてのご質問のうち,3点につきましてお答えを申し上げます。
1点目は,子供の諸問題についてのご質問のうち,学校における子供の管理強化についてでありますが,学校教育におきましては,子供と教師との信頼関係のもと,一人一人が互いにかけがえのない人間として尊重し合い,支え合い,励まし合う温かい人間関係の中で,心豊かにたくましく生きる力をはぐくむことが大切と考えて教育活動を行っているところでございます。
今回の一連の事件を受けまして,教育委員会では,事故の未然防止について各学校に通知し,児童生徒への指導及び保護者への啓発を行ったところでございます。また,各学校におきましても,これまで以上に子供たちに注意を喚起しておりますが,このことが学校における管理の強化につながるものと考えているところではございません。
続きまして,2点目でございますが,開かれた学校についてのご質問のうち,PTAの機能,保護者の学校運営等への参画についてでございます。
学校運営につきましては,あくまで校長の権限と責任において進められるべきものでございますが,PTAは,児童生徒の健全な成長を図ることを目的といたし,学校及び家庭における教育の理解とその振興,地域における教育環境の改善を促進するために必要な諸活動を行う社会教育関係団体でございまして,学校と連携協力をして子供の健全育成に取り組んでいるところでございます。
学校運営を進めるに当たりましては,教育活動に関する情報を積極的に保護者に知らせるとともに,保護者の意見を十分に聞くことは大切なことでありまして,今後,さらに保護者との連携を深めるよう努めてまいりたいと考えております。
3点目は,少人数学級についてでございます。
昨日の代表質問でもお答えしてございますが,札幌市においては,きめ細かな教育の実現に向け,国の第7次教職員定数改善計画に基づく複数教員による少人数指導を積極的に進めているところでございます。また,学級の少人数化による効果などを把握するため,北海道が昨年度から実施をしております小学校低学年少人数学級モデル校事業に本市1校がモデル校として指定を受け,参加しているところでございます。
したがいまして,少人数学級編制につきましては,今後とも,国及び北海道の動向を見守るとともに,引き続きこのモデル事業に参加し,実践や研究をしてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
(堀川議員「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(武市憲一) 堀川議員。
◆堀川素人議員 およそ順番を追って再質問をしたいと思います。
まず,第3番目に質問した市民自治についてでありますけれども,桂前市長の市民自治と上田市長の市民自治,言葉は大変似ておりますので,ある意味では,それを批判して出てきた,市役所改革と言って出てきた上田市長の市民自治というのは何なのかということが一つで,これが答えられておりません。
次に,市立高等専門学校と高等看護学院の大学化についてでありますけれども,この中で,大学化検討懇話会の検討内容も見せていただきました。
先ほども申し上げましたけれども,ここでは,今,こういう財政が厳しい中で,この財政の状況を話して検討をしたということが全く出てまいりません。ですから,第1回目の懇話会の中で,大学化が既にある,つくるのだという中で議論が始まっていて,ある委員は,その話ができないのですかというみたいな話をいたしました。それで,その後,財政との関係で,大学をつくっていいのかどうか,こういうことが話し合われた形跡は見られないのです。もし,財政も含めて話したと言うならば,どこで,いつ,この件が話し合われたのか。
財政の問題があるから,僕は質問をしたわけです。財政がどうなっているか,そういう中で大学が検討されたことがあるならば,いつなされたのか,お知らせください。
それから,200億円の経費削減の問題でありますけれども,一昨日からこの問題を聞いておりまして,初めの質問は,たしか自民党さんの質問だったと思いますけれども,4年間で200億というようなことを言って,それに上田市長が答えられていたと思いますが,この200億というのは,私は,これから1年間で,毎年経費を節減するという中で,これが出てきたのではないかと思っているのですが,4年間でというならば,これは,ある意味では大変簡単だなと,こう思っています。
ですから,再度,いつまでに200億を節減しようとするのか,このことについて,その考えをお知らせいただきたいと思います。
それからもう一つは,交通局の問題です。これは,先ほども言いましたけれども,非常に隠す体質があります。
これは,交通局ばかりでありません。教育委員会でも,子供6人でしたでしょうか,たばこの火を押しつけて,それが新聞に出て問題が明るみになった,こういう問題もある。その後,調べてみましたら,2年間で35件ですか,体罰,わいせつ罪の事件も含めて35件もある。文教委員会にさえ報告されない。つまり,議会に報告されないで処分が終わっている。これも,仲間をかばう。交通局の問題もそうでありますが,こういう形,要するに,仲間をかばい合う形が今まで続いてきた。
例えば,調整手当,それから職員給与をめぐって,ラスパイレスでもって4%,今は3.5%ですか,これが昭和47年から続いてきているのですよ。現在までどれだけの影響額が出ているかといえば,これだけで1,000億円にもなるのです。これが,国から勧告を受けても続けてきた調整手当であり,(「質問,質問」と呼ぶ者あり)それから,そういうことの中で出てきた1,000億円なのです。(「質問をしているのかい」と呼ぶ者あり)今,質問をしているのですよ。(「質問をしているよ」と呼ぶ者あり)
それから,きのう,おとといかな,道では退職者に2号俸を上げて,退職金を払う。札幌市はどうかといったら,13年度まではやっぱり2号俸だった。14年度は1号俸下げている。じゃ,その年間の影響額というのは幾らかといえば1億円を超えている。
それから,特別昇給制度,こういうものもあります。これは,およそ4年から5年で一回転します。この特別昇給制度というのは,しっかり働いた公務員と余り働かない公務員,これが同じであってはならぬということで,あえてこういう制度を設けた。それが5年に1回
○議長(武市憲一) 堀川議員に申し上げます。
質問に沿った再質問をお願いします。
◆堀川素人議員 (続)はい。
今,もう少し聞いていてください。何を言うかといえば,例えば,
○議長(武市憲一) 端的にお願いいたします。
◆堀川素人議員 (続)はい。
次に,天下りした役所の人方がおります。これも問題になりました。次に,組合幹部の人がずっと歴代社長をやっていて,次から次と交代で社長をやっているような会社もある。つまり,何を言いたいかといえば,今の役所の仕組みは官に都合のいい形になっている,こういうことを僕は言いたいのです。
そうするならば,今の交通局の問題も,隠す体質というものがあって,それが外に出せないような中身が,もうそうなってしまっている。これを変えることが大事であり,先ほど言いました,こういう体制を官治と言うのですよ。官が利益を得る体制のことです。
そうならば,これを今どうするのか,民治にしなければならない。上田さんは市民自治と。ここが非常に大事であります。このことについて上田市長はどう考えるのか,お聞きをしたい。
聞くことは,以上です。
○議長(武市憲一) 上田市長。
◎市長(上田文雄) 市民自治の視点が今の最後のご質問にも反映するべきだというふうなご趣旨で私はお伺いいたしました。
その意味で,市民自治というのは何なのかというのは,やはり市民に,市民の視点で判断をできる資料がちゃんと与えられているということが一番の前提であります。それは情報公開だということだと思います。
それは,今まで桂前市長がやってこられた市民自治,あるいは協働という提唱があり,それなりの,それなりのと言ったら失礼ですが,活動をされてきたと私は思います。
ただ,私も,今までの市民活動だとか弁護士活動の中で培ってまいりました,みずから動くという,そして,ともに考えようと,そして,痛みはみんなで悩みながら解決していこうじゃないかと,こういうふうなムーブメントといいますか,運動としてとらえていかなきゃならないというところが,新しいと言えば新しいのかもわかりません。
どこが違うかと言われても,それは,私自身が評価をするわけではなくて,やっぱり,私がやっていること,やろうとしていること,みんなに呼びかけていることを市民の方々にご判断いただくということで,とにかく一緒にやっていきましょうと,こういうことを言っているわけでありますので,ご理解をいただきたいというふうに思います。
それともう一つ,隠す体質との関係で言えば,まさに,それは情報公開の問題でありまして,今までの市交通局の古い事件がぼつぼつと公表されてきたということについて,今,大変なショックを市民の皆様方も持っておられるということは,重々,私もわかります。
私も,その意味では,隠す体質がなかったかといえば,そうではない,ご指摘のとおりだというふうに思います。その意味では,市民の目がしっかり届くような,そういうシステムをつくっていかなきゃならないということで,今まで現場で起こった事故については,トップまで上がってこなかったということを先ほど申し上げました。トップに上がってきたら,これはきちんと公表するのだと,これからやりましょうということで,そういう機構もつくっていきましょうということを,今,私どもは本当に実践的にやっていきましょうということを内部的に合意をしているところであります。
もう少し時間的な余裕をちょうだいして,改善をする努力を後ほどご評価いただきたい,このように思います。
それから,200億円の問題でございますけれども,これは単年度で200億か,1年間で200億か,それとも4年間で200億かという非常に本質的な問題であります。
私の当初考えておりました200億というのは,これは人件費が,毎年400人ぐらいの方が定年でおやめになっていくということを一つのベースにして考えていこうと。400人おやめになったから400人定員を補充するのではなくて,必要な適正な人員配置,人員というものを考えていくならば,全部を補充しなくてもいいだろうと。その方がやっておられた業務を他の民間にお願いをすることができるものであれば民間に,あるいは,NPOにお手伝いいただけるものはNPOにというような形で整理をしていくことによって,不補充がどこまで可能なのかということを追求する過程で,毎年それだけの人員がおやめになっていくわけでありますから,それを不補充することによって,段階的に,これは本当の例でありますけれども,ことしは50億円ぐらいは削減できる,来年は,初年度から見れば100億円ぐらいは削減できるというようなことになるだろうと。こういう想定のもとに,4年後には,初年度から見れば200億円の削減になるだろうと,こういうふうな算定をして,私は200億円ということを公約で上げたわけであります。
それを現実の問題としてどれだけできるかということについては,これから私どもの改革推進室でしっかりプランニングを立てて,いろんな関係者との間の協議をしながら実現に向けて頑張ってまいりたいというふうに,この点についてはご説明をさせていただきたいと思います。
市立大学の問題については,助役の方からご回答申し上げます。
以上であります。
○議長(武市憲一) 福迫助役。
◎助役(福迫尚一郎) 財政の件でございますが,大学化検討懇話会,それから市民の論議を通じまして,財政負担の増加などの問題も含めて徹底した情報公開を行った上で一定の市民合意を形成してまいったというふうに理解しております。
その資料等でございますけれども,堀川先生もお持ちではないかと思いますが,どういう資料を大学化検討懇話会で配ったかということは,全部資料がついておりますが,例えば,お持ちの資料にもありますように,43ページでございますが,大学設置経費の試算,それから,それが一般会計の中でどういうようなものになるか,そういうものも全部示した上で,最終的な提案がなされたものでございます。
以上でございます。
(堀川議員「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(武市憲一) 堀川議員。
◆堀川素人議員 今,質問に誠実に答えていただきました。
でも,認識が随分違う。今の大学設置懇話会の話なんかでも,もちろん,イニシアルコスト,ランニングコストも出ていますけれども,それは,もう少し,今度は場を改めまして,特別委員会の方でもまた議論をさせていただきます。
なお,交通局の問題につきましても,特別委員会の中で,また市長の出席も得ながら,この問題についてやっぱりまたしっかり議論をしていかなければならぬなと,こう思っておりますので,その場にこの議論を移したいと思います。
ありがとうございました。
○議長(武市憲一) 以上で,代表質問はすべて終了しました。
(三上洋右議員「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(武市憲一) 三上洋右議員。
◆三上洋右議員 特別委員会設置及び委員会付託の動議を提出いたします。
ただいま議題とされております議案15件については,委員34人から成る第一部議案審査特別委員会及び委員33人から成る第二部議案審査特別委員会を設置し,お手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(武市憲一) ただいまの三上議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。
動議のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(武市憲一) 異議なしと認めます。したがって,ただいま議題とされております議案15件については,委員34人から成る第一部議案審査特別委員会及び委員33人から成る第二部議案審査特別委員会を設置し,お手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に付託されました。
〔付託表は巻末資料に掲載〕
――――――――─―――――――――
○議長(武市憲一) ここで,日程に追加しまして,ただいま設置されました第一部・第二部議案審査特別委員会の委員の選任を議題とします。
本件につきましては,お手元に配付の委員名簿のとおり指名することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(武市憲一) 異議なしと認めます。したがって,委員名簿のとおりそれぞれ選任されました。
なお,第一部・第二部議案審査特別委員会における発言のための委員交代は,先例によりまして,両特別委員長の許可を得た上で行っていただくこととします。
〔名簿は巻末議決事件等一覧表参照〕
――――――――─―――――――――
○議長(武市憲一) さらに,日程に追加して,第一部・第二部議案審査特別委員会の委員長の選任を議題とします。
(三上洋右議員「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(武市憲一) 三上洋右議員。
◆三上洋右議員 第一部・第二部議案審査特別委員会の委員長の選任につきまして,指名推選の動議を提出いたします。
第一部議案審査特別委員長に笹出昭夫議員を,第二部議案審査特別委員長に小野正美議員をそれぞれ選任することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(武市憲一) ただいまの三上議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。
動議のとおり決することにご異議ございませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(武市憲一) 異議なしと認めます。したがって,第一部議案審査特別委員長に笹出昭夫議員が,第二部議案審査特別委員長に小野正美議員がそれぞれ選任されました。
――――――――─―――――――――
○議長(武市憲一) 次に,日程第2,諮問第1号を議題とします。
本件は,市長の提出によるものであります。
提案説明を求めます。
上田市長。
(上田文雄市長登壇)
◎市長(上田文雄) ただいま上程をされました諮問第1号
人権擁護委員候補者推薦に関する件につきまして,ご説明申し上げます。
札幌市を職務区域といたします人権擁護委員であります江本秀春,中島祥一の両氏は,来る8月31日をもって,また,牧下徳子,長尾勝美の両氏は,来る9月30日をもってそれぞれ任期満了となりますので,江本秀春氏につきましては,引き続き推薦することを適当と認め,また,牧下徳子氏の後任者といたしましては小沼肇子氏を,中島祥一氏の後任者といたしましては新田 博氏を,長尾勝美氏の後任者といたしましては藤田武治氏をそれぞれ推薦することを適当と認め,議会の意見を求めるために本案を提出したものであります。
江本秀春氏は,昭和45年4月に弁護士の登録をされ,平成12年9月から人権擁護委員に就任されている方であります。
小沼肇子氏は,生活設計アドバイザーとして家庭生活全般にわたる相談活動等をされ,平成2年4月から札幌家庭裁判所家事調停委員をされている方であります。
新田 博氏は,株式会社北海道新聞社編集局文化部長等を歴任され,現在は,同社論説委員室論説主幹をされている方であります。
藤田武治氏は,長年,法務局に勤務され,旭川地方法務局旭川東出張所長等を歴任された方であります。
以上で,ただいま上程をされました案件についての説明を終えますけれども,何とぞ原案のとおりご同意いただきますようお願い申し上げます。
以上であります。
○議長(武市憲一) これより,質疑・討論の通告がありませんので,採決に入ります。
本件については,推薦することを適当と認めることにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(武市憲一) 異議なしと認めます。したがって,諮問第1号については推薦することを適当と認めることに決定いたしました。
――――――――─―――――――――
○議長(武市憲一) ここで,日程に追加して,意見書案第1号 国から地方への税源移譲を基本とする「
三位一体改革」の実現を求める意見書を議題とします。
本件は,税財政制度調査特別委員会所属議員全員の提出によるものであります。
提案説明を求めます。
小野正美議員。
(小野正美議員登壇)
◆小野正美議員 ただいま案件とされました税財政制度調査特別委員会所属議員全員の提出による意見書案第1号 国から地方への税源移譲を基本とする「
三位一体改革」の実現を求める意見書について,提案の趣旨を説明いたします。
去る6月27日,いわゆる骨太の方針第3弾が閣議決定されました。この中で,基幹税の充実を基本とした税源の移譲,補助金の縮減,廃止に伴う国から地方への移譲の割合などについて方針が示されておりますが,詳細についての明確な記述はなく,地方へ負担が転嫁される懸念が残るなど,その内容は十分とは言えないものとなっております。
そこで,税財政制度調査特別委員会では,三位一体の改革に関して,理事者から説明を聴取するとともに,さまざまな議論を行ってまいりました。その結果,地方が真に自立した行財政運営を行っていくためには,地方の税財源を充実強化することが不可欠であり,地方交付税の現行制度を堅持しつつ,国の関与を縮小していくことが重要であるとの結論に至りました。
また,ご承知のとおり,今期,調査特別委員会を設置するに当たり,その調査内容と結果について具体的な形で議会全体に反映すること,市民にわかりやすい形で明らかにしていくべきとの申し送りもありました。
したがって,これらのことから,今回,国から地方への税源移譲を基本とする
三位一体改革の実現に向けて着実な取り組みを進めるよう,本意見書案を提案した次第であります。
以上,意見書案の提案趣旨を申し述べましたが,議員各位のご賛同をお願いして,提案説明を終わります。
○議長(武市憲一) これより,質疑・討論の通告がありませんので,採決に入ります。
本件を可決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(武市憲一) 異議なしと認めます。したがって,意見書案第1号は可決されました。
――――――――─―――――――――
○議長(武市憲一) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し,明日7月26日から8月5日までは委員会審査等のため休会とし,8月6日午後1時に再開したいと思いますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(武市憲一) 異議なしと認めます。したがって,そのように決定しました。
――――――――─―――――――――
○議長(武市憲一) 本日は,これで散会いたします。
――――――――─―――――――――
散 会 午後6時59分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 武 市 憲 一
副議長 西 村 茂 樹
署名議員 大 越 誠 幸
署名議員 青 山 浪 子...