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  1. 札幌市議会 2003-05-29
    平成15年(常任)環境消防委員会−05月29日-記録


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成15年(常任)環境消防委員会−05月29日-記録平成15年(常任)環境消防委員会  札幌市議会環境消防委員会記録            平成15年5月29日(木曜日)       ──────────────────────── 開 会 午後1時39分 ○近藤和雄 委員長  ただいまから,環境消防委員会を開会いたします。  報告事項はありません。  それでは,議事に入ります。  最初に,議案第8号 平成15年度札幌下水道事業会計補正予算(第1号)を議題といたします。  質疑を行います。 ◆猪熊輝夫 委員  久しぶり環境消防なものですから,当を得た質問にならない面があったらお許しいただきたいと思います。  いわゆる処理場焼却灰資源利用施設基本計画策定にかかわる調査とか,下水汚泥焼却灰資源利用調査とか,いろいろと調査研究するという予算補正で組んでいます。  そこで,炉が従前の階段式ストーカー炉循環流動炉との違いという状況の中で,要するに,今度は焼却灰ということになるのだと。いわゆる粉状況になるという点で,そのまま放置できないから,それをどういう形で再利用する方法があるか,ないか,あるいは,考えていることが可能か,可能でないかというようなことで,独自で研究をするための予算なのだと。的確ではないかもしれませんが,およそそういう説明をいただいた。  そこで,僕は,札幌市だけの問題なのかなと率直に疑問を抱いたのです。確かに,粉末状態になった部分を再利用するときに,それぞれ地域差なりが生ずるということはある面であるのかもしれないけれども,これは全国的問題だろうと,粉状になった部分の再利用をどうするかという点で。だから,基本的には,札幌市があえて予算を設けて独自の研究をするよりも,中央段階でこのことについて基本的なことを研究すると。それから,地域差があるとすれば地域差も考慮した上で,新たに環境に優しい炉を開発したという点で,そのことが有益になるような方向で,全国的な問題点というものを全部把握した上で,国とその炉を開発した部分とが,どういう形にせよ,それぞれの自治体で使うとすれば,そういうことをまとめて研究すべきではないのかという気がしてならぬわけです。  およそ3,000ある自治体すべてが調査をしているのかといえば,決してそうではないと思いながらも,大量に出るそういうものに対してどうするかという点で,ある面では,大都市,またはそれに準ずるような都市でこういう調査研究をしているのかもしれませんけれども,これは,本来,国,あるいは,炉を生産しているところがやるべきではないかという思いが強いのですが,どうですか。 ◎今井 建設部長  ただいまの件ですけれども,確かに,お話がございましたように,焼却炉というよりも,焼却灰,言いかえますと汚泥最終処分,これは,特に大都市におきまして非常に大きな課題となってございます。その課題に対応して,大都市は,特に焼却して,いわゆる焼却灰という形で有効利用する,あるいは埋め立てをして,その都市実情に合わせて処分しているということでございます。  全国的に見ますと,焼却の炉の問題につきましては,選択肢といたしまして,ストーカー炉,これはごみ焼却で採用されている炉ですけれども,そういう炉と,それから,流動炉というパウダー状になる炉,大きくこの2種類がございます。そして,その都市実情に合わせて選択するということでございます。  また,札幌市におきましては,従来,コンポストという有効利用もございますけれども,大量の焼却灰を,ごみの埋め立て飛散防止だとか,あるいは,下水道の独自の埋め立て覆土材ということで利用しておりました。このたび,特に東部処理場の炉の選定に当たりましては,最終処分を踏まえて,維持管理面コスト面,それから,灰そのものの取り扱いやすさとか,その辺をトータル的に評価いたしましていずれかを選ぶということで今走っているわけでございます。  それで,そんなものは国でやって,調査しなくてもわかるのではないかという見方もございますが,先ほど申し上げましたけれども,やはり,いろいろな面で札幌に応じた炉の選択ということをもっと詰めて検討しなければならないということで,他都市調査も含めまして調査をしたいということでございます。したがって,当然,私どもは各大都市状況調査をしてございます。例えば,東京あたりであれば,最終処分の形態がちょっと違いまして,セメントの原料にするとか,そういうふうに立地条件に応じた有効利用がそれぞれさまざまなのでございます。  そういうことで,繰り返しになりますけれども札幌実情に応じて,より適正なといいますか,よりベターな選択というものを,今,調査も踏まえて検討しているということでございます。
    猪熊輝夫 委員  札幌に合ったというよりも,全国的に,対応の仕方として基本的にはこういうものがありますよと。しかし,条件の違うところによってはこういったものが考えられるし,こういうデータを持っていますと,調査をした結果,あるいは,いろいろな改良を施した上で。そういうようなことは,僕は,本来,国がやってしかるべきだという気がするのです。そして,自治体は,施行,そして管理だと。  しかし,下水道事業というのは,汚泥という副産物があるものだから,その処理ということで来ているけれども,それはどこの地域だって必ずあるわけですから,処理の仕方というのはどうするべきだということは,国が責任を持って――国が責任を持てないのなら,国が金を出せということです,国が。札幌市が持ち出して研究をするというのは,おかしいと思う。札幌は特殊だから,国で研究をする枠を越えてしまうから札幌市独自でやってくれ,そのかわり,国は金をつけます,人は自賄いでやってくれよというような感じだったら,一方で理解できるのです。  そうではなくて,常にすべてが独自というか,もちろんそれに伴って,交付金になるのか,補助金になるのか,一定の国のお金というのはあるのだけれども,いずれにしても単費持ち出しでという感じでやっていっている考え方はいかがなものかと,この思いは解けないのです。  それからもう一つ,ここで気にしているというか,いいのかなということで感じているのは,今度は,下水の管を布設するときに,その基礎部分汚泥の一部を利用しているという話を説明の段階で聞いたのかなという記憶があります。  しかし,いわゆる布設がえなどなど,一定の期間で,技術が向上していくことによってそういったものが循環するということが考えられます。そのときに,そういう汚泥一定処理過程を踏んで管の下に敷かれたとすれば,その分が地上に上って,それが下水残土処理としてされていったときに,地上で動き出しはしないか。動いていったときに,結果として,畑その他というようなことで,長いサイクルの中でそれが人体に影響していくようなことになるのではないだろうか。  しかし,それはそうではないのだと,下水の下に敷いたものは,布設がえするようなときには条件がついていますということなのか。  それからもう一つは,今度は,下水管の周りに地下水が走りますね。地下水が走っていったときに,下に敷いたものの中からそれらがいろいろと――何て言ったらいいかわからない。元素かわからないけれども,そういう悪いやつが地下水に乗っかって動き出すような心配のない状況にまで化学変化をもたらしているものなのかどうなのか,そういうようなことを含めてちょっと説明してください。 ◎今井 建設部長  最初の大きな1点目ですけれども焼却灰汚泥処理に関する国とのかかわりでございます。  基本的には,国の方では,全国の状況をいろいろ踏まえたといいますか,いわゆる標準的な設計指針といいますか,そういうものを定めまして,建設に当たりましては,私どもはもちろん設計も含めまして補助金をいただいていますので,あとは,各自治体実情に応じて,きちんと調査研究も含めて適正に物をつくりなさいというようなスタンスでございます。それは,現実的にはもう百都市百様という表現にもなりましょうか,それぞれ有効利用の形態も違う,何をどこに持っていくか,最終的にどうおさめるかといったようなのは確かに違うと思うのです。ですから,その辺は自治体責任を持ってきちんとやりなさいと。こういうことで私どもは進んでおりますし,これまでもそうでございます。これが1点目でございます。  それから,2点目の焼却灰を管渠の埋め戻し材にするということで,一部,実験も含めましてやってございます。これは,議員がご心配なのは環境の問題,安全性の問題ということかと思いますが,私どもも無条件でやっているわけでございませんし,基準というか,ガイドライン,例えば土壌環境基準という特に農用地の汚染を監視するガイドラインでございますけれども,そういうものに照らして,そして,私どもが試験をやりまして,それでクリアできているというチェックを経てやってございます。  もう1点,2点目は地下水の関係でございます。まず,一義的には土壌の環境基準をクリアしているということが1点ございまして,基本的には問題はないというふうに理解しておりますけれども地下水につきましては,環境部局で,地下水の汚染に対する監視ということで定期的にモニタリングをやって監視してございますので,その辺も抱き合わせて管理できているというふうに考えてございます。 ◆猪熊輝夫 委員  僕は,国の責任をある面では自治体に転嫁している,おまえらの責任でやれよというぐあいになっているという理解をしたから,今の説明で。全国規模,あるいは,地区規模という感じでとらえなければならぬ問題に対して,自治体責任という枠組みが果たして適当かどうかというところは,どこかでやってもらうしかないのだなという理解をしました。  それからもう一つは,基準の範囲ということで処理していますと。それは今の基準であって,時代が変わればそれは変わってくる。ゼロではないわけだから,そういうような点で,結果として畑を変えていくような,そういうぐるっと回る可能性のある使い方というのは,やっぱり好ましいことではないと。そういう点での考え方の整理というか,規制というか,そういうようなものは多少厳しくやっておかないといけないのではないのかなという気がするのです。  ただ,何せかんせ,久しぶりに来た委員会ですから,勉強不足ですので,今後また,いろいろと教えてください。一応,不安を感じるということだけ申し上げて,終わります。 ◎今井 建設部長  済みません。説明漏れがございました。  先ほど国責任でという表現もあるのですけれども,現実的には,国と,それから各都市が寄り合って意見交換をし,あるいは,それぞれ分担して調査研究もしてという組織もございます。そういう中から,先ほど申し上げました標準的な設計指針とか,そういうものが確立されてきているということでございます。一方的に,国が,おまえらがやれということではございませんので,その辺はご理解していただきたいというふうに思います。 ◆猪熊輝夫 委員  そうでもないです。  そこまで言うのだったら,しりぬぐいまできちんとやるべきであって,一番後々に怖いやつはおまえらが研究してやれよということになっていることは逆に問題です。国もやっているのだったら,完全にしりぬぐいまでして,オーケーですという感じでこの炉はいいですと。だから,今までは処理にお金がかかった,しかし,パウダーというか,粉になれば,有効を含めて,コスト面有害度も全然違うのですというような感じでやるのならいいのだけれども,決してそうではないわけです。お金的なもの,経済面では一定のものはあるけれども,それは違うわけですから,国が最後まで責任をとれるようなことをやるべきだと。それに地方自治体協力するというのならわかる。人材を派遣したり何なりするのでやるのならわかります。しかし,そうではない。それは,都合のいい,いわゆる設置基準程度のものは全国で統一しておこうというぐあいに僕には聞こえるのです。  だから,後々,教えてください。とりあえず,こういった点で慎重に検討されて予算を組まれたことでしょうから,よくわかりました。 ○近藤和雄 委員長  ほかに質疑はございませんですか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  それでは,質疑を終了いたします。  討論を行います。  ございませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  なければ,討論を終了いたします。  続いて,採決を行います。  議案第8号を可決すべきものと決定することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  異議なしと認めまして,議案第8号は可決すべきものと決定されました。  ここで,理事者の交代を行いますので,委員会を暫時休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後1時57分       再 開 午後1時59分     ────────────── ○近藤和雄 委員長  委員会を再開いたします。  次に,議案第1号 平成15年度札幌一般会計補正予算(第2号)中,関係分を議題といたします。  質疑を行います。 ◆大西利夫 委員  私は,この補正予算にかかわって,学校ビオトープについてお尋ねをしたいと思います。  本件は,さきの5年計画の中で,本市全体で10カ所の小学校設置するということを決定されております。既に,5カ所について設置が終了しているとのことであります。私は,ビオトープについて異議を差し挟むという考えはありませんが,今後の整備方針との関連も含めて,数点,質問をしたいと思います。  まず,質問の第1でありますが,都会で生活する子供たちが,水辺空間,あるいは緑の空間といったところに親しみを持つことは,教育上,大変大切なことだというふうに理解をしてございます。そこで,今申し上げたように,昨年度までに五つの学校について既に設置が終わっているというふうに承知をしてございますが,設置が終了している学校において,どのように活用され,そしてまた,どのように評価を受けているのか。あわせて,未整備校への整備についていろいろな要望などがたくさんあるのだというふうに思いますが,これらについてはどのようになっているのか,お尋ねをいたします。  2点目であります。  このたびのビオトープ事業は肉づけ予算でございますが,なぜこの時期に補正予算として提案されているのか,この理由についてお尋ねをいたします。  あわせて,既に実施する学校は決まっているのではないかというふうに思われますが,この点についてもお答えをいただきたいというふうに思います。 ◎原田 環境活動担当部長  まず,学校ビオトープに関する評価についてでございますけれども整備済みの5校からは,環境学習に非常に活用しているというふうに伺っております。例えば,苗穂小学校では,ビオトープにカモが飛んできたのだそうであります。子供たちが大変喜んだのですけれども,カモはビオトープの池のヤゴを全部食べてしまったというようなことで,子供たちががっかりしたのだそうであります。しかし,これも自然の食物連鎖の生きた教材というようなことで,よかったというように言っておられます。  また,このほかに,休み時間あるいは放課後の子供たちの遊び,あるいは観察を通じた自然との触れ合いの場になっている。また,地域の方から,魚あるいは植物の提供,あるいはボランティア協力もあって,地域連携のよい事例も見られてきているというようなことで,多方面にわたって効果が見られるということで,おおむねよい評価をいただいているのかなというふうに思ってございます。  また,整備されていない学校でありますけれども環境学習利用だけではなく,子供たちクラブ活動,あるいはPTA地域との連携,それから,子供たち情操教育にも役立つというようなことから,整備を望む声があるというふうに承知しております。  それから,今回の補正対象とする理由は何なのかということでございますけれども学校ビオトープ小学校における工事でございます。したがいまして,事故防止というのは大変重要でございまして,重機を入れての工事ということになりますと,夏休み期間中にやらなければならないというようなことで,今回,補正予算として審議をお願いしているものでございます。  それから,実施する学校はもう決まっているのかということでございますけれどもビオトープは,整備した後に学校にちゃんとうまく活用していただけるかどうか,それから,地域の方の支援が得られるかどうかといったことも学校選定の大きな要素になります。したがいまして,毎年,年度当初に小学校校長会が開かれますので,これは4月に開かれますが,その場に私どもが出向いていって,事業説明をして,希望する学校を募集するというようなことをしてございます。今年度は4校が希望したいということで出てきておりまして,現在,現地調査,それから学校の活用の予定の聞き取りなどを終えたところでございます。今後,この結果をもとに,なるべく早く実施校選定し,予算が認められ次第,業務を発注したいというふうに考えてございます。 ◆大西利夫 委員  今聞きましたら,設置校についてはまだ決めていない,これからだというお話であります。  私が考えますのは,この計画については,5年計画で,既に年次別で何年度は何カ所ということで決まっていることでありますし,工事そのもの夏休み期間中にやるということは,今言われたような趣旨から当然のことであります。したがって,これは事前に想定できるものというふうに私は考えております。  そういう意味では,設置校選定についてはもう少し早目に進められればと。例えば,設置に当たって,学校側,あるいは地域ボランティア,あるいはPTA,そういう方々のご協力をいただくという点でも,やはり早目選定をしておくということが有効ではないかというふうに私は思うのでありますが,この点についていかがか,お伺いをいたします。  2点目に,このビオトープについては,全国的にいろいろな取り組みをされているというふうに聞いてございます。そしてまた,部長からも今ございましたように,本市においても5校の経験からいろいろな取り組みがなされているということも聞いてございまして,私は,この種のものは,行政主導ということよりも,むしろ,地域皆さん学校を含めて,PTAなどの方々のご協力のもとで進められるということがより好ましいのではないかというふうに考えてございます。  そこで,そういう点での全国的な取り組みの特徴,あるいは,本市でも5カ所で取り組んでございまして,それらの特徴的なことをお尋ねしたいというふうに思います。 ◎原田 環境活動担当部長  ご指摘のように,5年計画では,整備を行いたいということで計画をしているわけでございますけれども,実際には,各年度の予算が決定されるまでは実施すると言い切れないという事情もございます。また,夏休み工事を間に合わせるということからは,年度当初に希望する学校を募集しましても十分に間に合うというようなことがございまして,今の形をとってきたところでございます。  ただ,ご質問の趣旨のように,地域ボランティアPTAなどの協力をいただくためには早目対応が望ましいというのは,私もそのとおりであろうというふうに思ってございます。現計画モデル事業という位置づけでありますけれども,この終了後は,また次なる展開を考えていく必要があるというふうに考えてございますので,そういった中で検討をさせていただきたいというふうに思っております。  それから,いろいろな事例ということでございますけれども,他都市では,費用負担についても,環境セクション予算のほかに,学校予算,あるいはPTAの浄財,あるいは民間からの資材提供を受けて実施している例もあるというふうに聞いております。また,整備に当たりましても,児童・生徒,先生,PTA地域方々ボランティアとして参加しているという例もあるというふうに聞いてございます。札幌市でも,1校ですが,東区の栄緑小学校において,開校20周年事業ということで,PTAが浄財を集めまして,地域事業者の方もボランティア参加をするというようなことで整備をされた事例がございます。整備に当たっては,植栽も,かつて地元に咲いていたオオウバユリやエゾノコリンゴというのを植えまして,自然環境保全やふるさとに関する学習に役立てるというような工夫もされているというふうに聞いてございます。また,維持管理につきましても,地域の方の協力をいただきながら学校管理をするというように,うまく連携したやり方がとられておりまして,すばらしい事例であるというふうに考えてございます。 ◆大西利夫 委員  今聞かせていただきましたように,全国的には,これらの事業学校ぐるみ地域ぐるみPTA会ぐるみという形で進められているということで,大変有益な話も聞かせていただきました。  私は,この事業そのものをもっと発展させるという立場に立って考えますと,今,札幌市では200の小学校があるわけでありまして,計画は10カ所であります。そうすると,これをさらに拡大していくということになりますと,札幌市の厳しい財政状況の中で対応が大変厳しくなっていくのではないかと。特に,環境局としての財源だけでは,とてもとても賄い切れるものではない。  こう考えてまいりますと,今申し上げたように,地域皆さんPTA皆さん学校関係者皆さん,あるいは企業,こういう方々のご協力をいただくということは私は大変大事なことだというふうに思ってございまして,ぜひ,これからの整備方針の中に,私が今申し上げたような視点も加えてお考えになって進めていくべきだと要望しておきたいというふうに思います。 ◆小形香織 委員  私も,議案第1号で,学校ビオトープ関連につきまして質問させていただきます。  今,大西委員からの質問に対してご答弁がありましたように,子供たちは大いに学習利用している,そして,地域の住民からも植物や植栽の寄附なんかもあって,地域住民方々学校を結びつける新たな効果も生んでいる,そして,情操教育にも役立つからつくってほしいという要望も出ていると。こういうことですので,本当に環境学習だけにとどまらない教育効果を生んでいるというふうに思いまして,私は大変すばらしいことだと思っております。  まず,最初質問したいのですけれども,つくられていないよその学校が,授業の一環として,既につくられたビオトープ利用したとか,また,よその学校児童たちが来て活用をしているというケースはあるかどうか,教えていただけませんでしょうか。 ◎原田 環境活動担当部長  近くのよその学校からということだと思いますが,よその学校からの利用についてでございますけれども子供たち学習としてそのような利用があったというふうには伺っておりません。  ただ,校長先生,あるいは,一般のといいますか,先生が視察というような形で来られているという例がある。それから,近くの幼稚園や保育園が散歩や外遊び利用したことがあるというふうには伺っております。 ◆小形香織 委員  ビオトープ整備された小学校では,環境教育に大変役立っているし,情操教育ども含めて,地域との連携が深まっているという大きな効果が生まれている一方で,整備された小学校というのは各区に1校というやり方です。そして,今ご答弁がありましたが,そこの学校生徒たちには大きく活用されていますけれども整備されていない学校生徒たちは全く触れる機会がないということです。  5カ年で10カ所という計画ですから,計画どおり進めていただくことがまず大事だと思いますけれども,同時に,札幌市内には211の小学校があるという現実に照らせば,ごくごく一部,まだ5%にも満たない小学校にしか整備されていないということになります。教育現場からはビオトープを我が校にも整備してほしいと毎年たくさん手が挙がっている中から,設置する環境局の側が厳選しなくてはならないという実情になっていると思います。  調べましたところ,初年度の平成12年度には,六つの小学校から希望があって,東区の苗穂小学校につくった,そして,翌平成13年度には,既に東区にはつくられたので,東区を除いた小学校から募集をして,九つの小学校から申し出があって北区と南区につくったと。そして,その翌年には,東区と北区と南区を除いた小学校に募集をかけて,六つの小学校から申し出あったということで手稲と清田につくった,こういう経緯ですね。このように各区に1校という計画では,既にビオトープ整備された行政区の小学校では,自分の学校ビオトープ設置してほしいと思っても,そもそも手を挙げることができないということになっています。また,先ほどのお話のとおり,設置された学校は大変高い効果が生まれているけれども,されていない小学校にはその効果が及ばない。そうした点から考えますと,学校ビオトープは,もっと多くの小学校設置して充実を図る必要があると思います。  そこで,もう一つ質問なのですけれども,来年度は,残る3校について整備されるのでしょうか。  それから,この5年計画が終了して10校に整備が終わった後も,希望する小学校ビオトープ整備していくという積極的な推進の方向をお持ちかどうか,伺いたいと思います。 ◎原田 環境活動担当部長  今後の整備についてでございますけれども,今計画している10校につきましては,当初の計画どおり,残る区を対象に整備をしていきたいというふうに考えてございます。  また,その後につきましては,これまでのビオトープ評価あるいは整備要望状況等を勘案しまして,次期5年計画の策定に向けて検討してまいりたいというふうに考えてございます。 ◆小形香織 委員  平成13年の第1回の定例議会でも,当時の環境活動担当部長が,「自主的な学校ビオトープづくりができるだけ多くの学校に広がっていけばと考えておりまして,そのための支援についても今後検討してまいりたい」と,このように答弁されております。子供たちにも学校の現場からも喜ばれて,我が校にも設置してほしいという要望があるわけですから,ぜひとも,学校ビオトープを,1区1校の設置だけで終わらせることなく,もっと多くの小学校設置できるように推進していただくことを要望いたしまして,私の質問を終わりにいたします。 ◆猪熊輝夫 委員  関連してちょっと聞きたいのは,これは,どの学年を対象にというか,重点的にというような感じで意識されていますか。  あわせて,それは,3年生とか4年生とかというのではなくて,1年生から3年生とか,1年生から5年生という感じになるのか。  その場合に,どういう答弁になるのか想定していませんから,あえてもう一つ質問したいのは,これは,1年サイクルというか,雪が解け雪が降るまでだと思う。越冬をどうやっているのか知らないけれども,このときに,先生と子供との関係の中で,池なりその周辺部との関係で,どんなかかわりの中で何を学ぼうとするのかというようなことについて,一定程度のマニュアルというか,そういうものが学年ごとにあるのがよかれと。それは,地域差もあるし,立地条件の違いも出てくることは十分承知しながら,池周辺とどういうかかわりをするかという部分をやっぱり一定程度指し示すと。  また,それは,環境局で指し示すことができるかといったら,難しいと思う。なぜかというと,教育委員会指導室の担当教員など,それから,理科の担当になるか社会の担当になるか,多分,生物関係になるかと思うけれども,そういう部分との専門的な打ち合わせの中で,どういったところに関心の目を向けさせていくか,理解を深めさせるかということが大事だと思うのです。実験過程とか試行的に10カ所というときにこそ,そういったものがつくられていくのが次へのステップになるのだろうと思うし,皆さん方のねらいが生かされていくのではないか,こういう思いがするのですけれども,その辺はどんな整理の仕方をしているのですか。 ◎原田 環境活動担当部長  まず,何年生ぐらいを対象に想定しているかということでございますが,実は,学校ビオトープをつくり始めるに当たって,私どもは,初めての経験ですから,初めは造園的につくりましょうということでやっていったのですけれども,実は,希望校を募ってくる中で,学校の方で,例えば,学校で蛍の飼育に取り組んでいたのでビオトープの中でそういう展開をしてみたいとか,あるいは,トンボ池みたいなことでトンボの飼育をしてみたいとか,それぞれ思いが出てきております。  例えば,苗穂小学校の例を申し上げますと,ビオトープを活用した環境教育ということだと思いますが,3年生が総合学習の時間ということでやっています。それから,1年生,2年生は,生活科という時間で,もうちょっと遊びに近く,落ち葉で遊ぼうとか昆虫の越冬基地をつくろうだとか,そういう取り組みをされたり,それから,3年生から6年生ぐらいのところでは,理科の時間で季節と動植物の変化というような取り組みがされているところです。学校によっては,4年生であったり5年生,6年生ということがございます。  そこで,今の2番目の質問で,池とその周辺で何を学ぶかということがありますけれども,通常は,池があって,草地があって,水路でつながっていて循環されてということが標準的な形なのですが,ビオトープといってもつくり方によって大分違ってくるところがございます。例えば,昨年,富丘小学校整備されまして,そこでは,近隣の野山の植物の種をまいて,そこから育ってくる過程を学びましょうというようなこともやっています。また,池によっては,池から乾いている草地まで,湿地からだんだん乾いていくようなつくり方をしているところがあって,そういうところでは,恐らく水辺にふさわしい植物はどうなのかというようなことも観察できるのではないかなというふうに思います。つまり,ビオトープの場合には,どうもこれがビオトープだという標準的なものというのがないのです 。 実際に,札幌の場合には,これは中の話になりますが,60平米から70平米ぐらいの規模で始めましたが,実は,初めは我々もやり方がわからなかったので,こんなものだろうということでいろいろと設計を組んで,言うならば,緑化推進部に予算委託をして工事発注というような格好でやっていました。ところが,希望校を募ってくると,うちはこういうことをやりたい,ああいうことをやりたいというようなことがいろいろと出てきましたものですから,また,金額も設計で大体このくらいということがわかってきましたので,それであれば,その額で設計コンペをやって学校が一番望むものができるような形ということで実は試行してきております。今,いろいろな取り組み例が出てきておりますので,そういうものも集めて,また,地域のかかわり方もいろいろですから,その活用の仕方,使い方みたいなことで,札幌のものも,一回,そういう整理をしたいと思います。  それから,他都市の例では,横浜で40を超えるようなビオトープがあるのですが,実はその7割は50平米未満で,小さいものだと5平米ぐらいというのです。ですから,2メートル角くらいの,恐らく単なる池みたいなものではないかなというふうに思うのですが,穴を掘って水をためておくだけで,トンボが飛んできて卵を産んでと,自然の小さな生態系が見られるわけです。  ですから,つくり方によっていろいろな見方だとか活用方法があるのだろうと思っています。先ほど大西委員からも,これから先を考えるとき,いろいろな活用の仕方を考えるべきだというお話がありましたけれども,そういった他都市事例も勉強して,標準的にやっている60から70平米の今のつくり方がいいかどうかということもございますので,そういう中で検討していきたいなというふうに考えております。 ◆猪熊輝夫 委員  大西委員が発言したけれども予算が決まらなければ場所を決められないという答弁をされました。  しかし,そういう組み立てのやり方というのは,PTAの参加とか,先生の思いを含めた意見反映とか,協働型という言い回し方の街づくり論からいったら,ある面では従前の形の街づくり論,学校づくり論なのですよ。  だから,少なくとも,前の年,あるいはその前の年ということで,PTAや,場合によっては老人クラブということ,あるいは,学校によっては交通安全推進委員会で関連する単位町内会が全部かかわっている学校もありますから,そういうようなところの参加をいただきながら,少なくとも口の参加ができるような状況の中で形をつくっていくというようなことを踏んで,そして,そのことで次への予算化ということでいけば,自分たちがつくったということになりますね。そこで,それでは何年生にどの時期で何をというようなことで,親御さんや年寄りを含めて,積極さにほだされて,先生方の思い入れにさらにプラスするような形で,子供とそこのかかわりに,どういうサジェスチョンというか,刺激を与えるかというようなことで具体化していきますよ。  それは,部長が言ったとおり,なかなかわからなくて,発注してどんといった,いろいろ出てきてここまできたのだと言われたから,多分,素直な答弁だと思うのだけれども,ぜひ,そんな点で――今回だって,一応の表向きはまだ決まっていない,おおよそ今出てきた,これから選ぶ,こう言っているわけです。しかし,それは,極めて短期間に選定していくということですよ。そうすると,やっぱり,参加してみんなでつくるというところへ思いを配慮した形には,なっていないと言ったら失礼だから,不十分だと。  そういう点で,予算が決まらなければできないのだというのは,決して硬直していないと思うけれども,そこにとまらないで,もうちょっと時間をかけるのだというような形で行けるような配慮を何かやっていくことが,僕は10校から200校へ展開できるところへ結びつくのではないかと。  だから,苗穂の話ともう1校の話はされたけれども,ほかの学校の話はしていない。それは,まだまだ不十分だったのかもしれないし,ここは言いたくないというところがあるのかもしれない。しかし,それは別にして,いやいや,全部がそれぞれおもしろいことをやり始めたなと,そういうふうになるようにするのが目的だと思うから,あえて前段の時間をかけてあげるということが大変大事なことではないかなと。  それからもう一つは,そんな意味での基本的なマニュアルというのはあっていいと。基本的なものがあって,それから応用していけば,あるいは,立地条件で大いに振ればいいわけですから,そういうようなことで,かかわりみたいなものの指針を教育委員会との連携の中で指し示す。ここが指し示す必要はなくて,指導室で指し示していけばいいわけです。そういうようなことで,有効活用できるように,ぜひ奥行きのある判断をしてほしいと要望しておきます。 ◆坂ひろみ 委員  ビオトープに関してですが,学校の方からの要望がかなり高く出てきているということで,5年計画で10校ずつということなのですけれども,このままの計画で行きますと,先ほど小形委員が言いましたように,211校ある学校の中でなかなか進まないと思うのです。  先ほどから出ていますように,地域の中で,学校を中心にPTAの方などの連携協力のもとで進めていくというところでは,東区の栄緑小学校の例が出ていましたように,本来ならば,こういう形でビオトープができていくと,本当に地域の中に根差した地域PTA学校がというところでの連携したビオトープ管理,維持もできていくと思うのですね。  今回の5年計画の終了後も計画していきたいというようなご答弁でしたけれども,このような形で,市の方から何カ年計画でつくってあげるよという形ではなかなか整備が進まないと思うので,先ほど申しましたように,地域の中で,いろいろな方たちが連携する中でつくっていく,また,そういうつくり方を,今,もう既にしかけている学校もたくさんあるわけです。そういったところに対する支援という部分も含めて,札幌市としてこれからビオトープ事業を進めていく中で,札幌市が5年計画をつくってあげるのではなくて,地域の方,PTA学校が中心となって,子供たちを中心にみんながつくっていくのだと,自分たちのものなのだというふうに自分たちで実感できるようなつくり方を札幌市の方としてはどのようにお考えなのか,お尋ねしたいのです。 ◎原田 環境活動担当部長  今のご質問は,基本的には,大西委員の要望の部分,それから,猪熊委員が今おっしゃられたことと同じだというふうに思っています。  それで,やはり,これから先も拡大していきたいというのが私たちの気持ちでありますので,そのときに,地域の方の意向,それから学校の意向がうまく反映されることが必要でありますから,事業の進め方につきましてもそういうことを踏まえて検討していきたいというふうに考えてございます。 ◆坂ひろみ 委員  ビオトープという言葉は,一般のお父さんたち,お母さんたちの方にはまだまだ浸透していないかなと思うのです。先ほど4月の校長会の方でというお話がありましたけれどもPTA全体に向けたビオトープ事業というもののPRみたいなものは,市の方からどの程度されているのでしょうか。 ◎原田 環境活動担当部長  いわゆるパンフレットみたいなものでは出してございませんけれども,ホームページには載っていまして,事業紹介みたいなことはしています。  ただ,そういうことではなくて,もっと広く,わかりやすく伝えて広げていくべきだというご趣旨のご質問ですね。 ◆坂ひろみ 委員  そうです。 ◎原田 環境活動担当部長  そういった意味では,9月に環境プラザがオープンしますけれども,ここは,まさしくそういう情報発信をして,連携しながらいいものをやっていこうというところでありますので,そういったところからわかりやすい情報の発信をしていきたいというふうに考えております。
    近藤和雄 委員長  ほかによろしいですか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  それでは,質疑を終了いたします。  討論を行います。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  なければ,討論を終了いたします。  続いて,採決を行います。  議案第1号中,関係分を可決すべきものと決定することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○近藤和雄 委員長  異議なしと認め,議案第1号中,関係分は可決すべきものと決定をいたしました。  以上で,本日の委員会を閉会いたします。     ──────────────       閉 会 午後2時33分...