調査係長 武 田 章 憲 君
資料係長 山 越 英 明 君
議事係長 大 島 和 幸 君
記録係長 長谷川 万壽美 君
委員会一係長 酒 井 欣 洋 君
委員会二係長 中 村 俊 樹 君
書記 山 本 扶 美 君
書記 池 田 章 宏 君
書記 柴 井 康 君
書記 酒 井 智 美 君
書記 本 島 光 二 君
書記 松 崎 朗 子 君
――――――――─―――――――――
〔午後1時開議〕
○議長(
高橋忠明君) ただいまから,休会前に引き続き会議を開きます。
出席議員数は,64人であります。
――――――――─―――――――――
○議長(
高橋忠明君) 本日の
会議録署名議員として
鈴木健雄君,
本郷俊史君を指名いたします。
――――――――─―――――――――
○議長(
高橋忠明君) ここで,
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(岸稔君) 報告いたします。
上瀬戸正則議員は,
公務出張のため,道見
重信議員は,所用のため本日の会議を欠席する旨,それぞれ届け出がございました。
去る10月8日及び9日,市長及び
教育委員会委員長から,
松浦忠議員の
文書質問17項目中,残余の部分に対する答弁書が,また,去る10月15日及び23日,市長から,10月7日に送付した
文書質問に対する答弁書がそれぞれ提出されましたので,その写しを各
議員控室に配付いたしました。
本日の
議事日程は,お手元に配付いたしております。
以上でございます。
――――――――─―――――――――
○議長(
高橋忠明君) これより,議事に入ります。
日程第1,議案第27号を議題といたします。
提案説明を求めます。
桂市長。
(市長桂 信雄君登壇)
◎市長(
桂信雄君) ただいま上程をされました議案第27号 権利の放棄の件につきまして,ご説明申し上げます。
これは,本年7月4日に
民事再生法に基づく
再生手続開始の決定がされました
北海道国際航空株式会社エア・ドゥに対する
貸付金等の一部にかかわる債権を放棄するものであります。
エア・ドゥの
再生計画案につきましては,去る10月10日に
東京地方裁判所から本市に送付されたところでありますが,この
計画案は,本市が
貸し付けました5億円並びにこれにかかわる利息及び
遅延損害金のうち,4億5,127万4,794円並びに本年7月4日以後の利息及び
遅延損害金の全額につきまして免除を求めるものとなっております。
本市といたしましては,
エア・ドゥがこれまで果たしてきた役割を考慮するとともに,この
計画案が,
全日本空輸株式会社との提携のもとで低
コスト運航会社へ変革し,今後も低
価格運賃の提供を通じて
地域経済の振興に貢献する内容となっておりますことから,これを受け入れることとし,来る11月6日に開催されます
債権者集会におきまして,この
計画案に賛成する議決を行いたいと考えておりますので,
地方自治法第96条第1項第10号の規定により,本案を提出したものであります。
以上で,ただいま上程をされました議案の説明を終わります。よろしくご審議のほどをお願い申し上げます。
○議長(
高橋忠明君) これより,質疑に入ります。
通告がありますので,順次発言を許します。
高橋克朋君。
(
高橋克朋君登壇)
◆
高橋克朋君 私は,民主党,公明党,
新政クラブ及び自由民主党の4会派を代表いたしまして,ただいまの提案に関して,3点質問をさせていただきます。
エア・ドゥは,東京―札幌間に低
価格運賃で参入することにより,
北海道経済の
活性化に寄与することを
創業理念に掲げ,平成10年12月の就航以来,厳しい
経営環境のもとで低
価格運賃での運航を続けてまいりました。
このたび,
民事再生により会社の再生を目指すという極めて厳しい事態に至ったものでありますが,
北海道経済や
本市経済への貢献など,これまで果たしてきた役割については大きく評価しているところであります。
そこで,質問でありますが,1点目は,これまでの
エア・ドゥへの支援の判断についてであります。
本市では,これまで
エア・ドゥへ2回の融資を行っております。
1回目は,
航空事業に
新規参入した
エア・ドゥが,
航空事業のノウハウについて
日本航空から提供を受けるための費用として,平成11年1月に3億1,350万円を融資し,これは平成13年度末に役割を終えて返済されております。2回目は,
空港カウンターの移設など,搭乗率の向上にかかわる事業の費用として,平成13年4月に5億円を融資しております。この5億円の
貸付金について,今般の
エア・ドゥの
再生計画案において90%の
債権放棄が求められているところであります。
そこで,質問でありますが,これまでの
エア・ドゥへの支援の判断について,市長は,さきの
代表質問において,その時点,時点で適切な判断をしてきた旨の答弁をされておりますが,ただいま権利の放棄の議案を提案されたことを踏まえ,これまでの
エア・ドゥへの支援の判断についてどのようにお考えか,改めてお伺いをいたします。
質問の2点目は,
債権放棄及びこれに伴う
歳入欠陥に対する責任と今後の対応についてであります。
エア・ドゥの
再生計画案において本市に求められている
債権放棄額は,
貸付金の元金と
再生手続開始決定前の利息を合わせた額の90%に相当する約4億5,000万円となっており,残り10%については,平成15年度から3年間にわたって弁済されることになっております。
今年度の
歳入予算には,年度末に返済される
貸付金の元金と1年間の利息を合わせた5億550万円を計上しており,この全額が
歳入欠陥となるわけでありますが,この財源の補てんをどうするのか,そのために既往の
事務事業に支障は出ないのか,
住民サービスの低下は引き起こさないのか,非常に懸念されるところであります。
また,市長は,さきの
代表質問において,
経営環境の急激な変化を見通せなかったことは大変残念に思っている旨の答弁をされておりますが,我々としては,
エア・ドゥへの
財政支援に賛成してきた立場として,そういったことを見通せなかったことは,市長と同じ思いを持っており,我々としても重く受けとめているところであります。
そこで,質問でありますが,市長は,
財政支援を議会に提案した立場として,
債権放棄と,これに伴う
歳入欠陥について,どのように考えておられるのか。また,
歳入欠陥に対する今後の対応についてどのように考えておられるのか,あわせてお伺いをいたします。
質問の3点目は,
エア・ドゥの
創業理念は,
民事再生による会社の再生後も堅持されるのかという点についてであります。
エア・ドゥは,就航後間もなく,
大手航空会社から
エア・ドゥ便の前後の便に
対抗運賃を設定されたり,また,
空港施設の面でも,
搭乗カウンターの
設置場所やボーディングブリッジなどの面でハンディキャップを負うといった厳しい環境の中ではありましたが,常に
大手航空会社よりも低価格の
航空運賃で運航を続けてまいりました。
このような中で,
大手航空会社の運賃の低価格化が
エア・ドゥ便の前後の便以外にも広がっていったことはご承知のとおりであります。
エア・ドゥの
新規参入が
大手航空会社の運賃も引き下げたことを含めて,その
経済効果は,
札幌市内において年間約163億円と民間のシンクタンクが試算を行っております。
その内訳は,一つ目は,
エア・ドゥの参入により
航空運賃が低下したことによる
市民負担の軽減であり,これが年間約82億円,二つ目は,
航空運賃が低下したことにより,道外から本市を訪れる旅行者などが増加したことによる
経済波及効果であり,これが年間約62億円,三つ目は,
エア・ドゥの本社の
営業活動による
経済波及効果であり,これが年間約19億円となっております。
航空便を利用されない市民の方々には,なかなか実感として感じることは難しい部分ではありますが,
経済波及効果といった形で着実にメリットが及んでいるわけであります。
また,札幌市職員の
東京出張時の旅費や,
エア・ドゥの就航以来,
エア・ドゥ運賃で支給されていることによる
出張旅費の
削減効果が今年度末までの見込みとして約2億5,000万円になるとの説明も伺っております。
したがいまして,東京−札幌間に低価格の
航空運賃で参入することにより,
北海道経済の
活性化に寄与するという
エア・ドゥの
創業理念が
民事再生による会社の再生後も堅持されるということになれば,今後も,
本市経済や
本市財政への貢献が期待できることになります。
そこで,質問でありますが,
エア・ドゥの
創業理念が
民事再生による会社の再生後も堅持されるのかどうか,市長の見解をお伺いいたします。
以上,3点質問いたします。(拍手)
○議長(
高橋忠明君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(
桂信雄君) 私から,ただいまの3点のご質問に対してお答えいたします。
まず,1点目のこれまでの
エア・ドゥへの支援の判断についてでございますが,
エア・ドゥが東京−札幌線を低
価格運賃で運航することによりまして,本市にとりましても,市民の
旅行費用の軽減,観光客などの増加による
集客交流産業への貢献など,
本市経済にも大いに寄与するといった公益的な性格を考慮いたしまして,一
民間企業ではありますが,
官民一体となった支援の広がりの中で,議会での審議をいただきながら融資を行ったものであります。
この場合,
エア・ドゥの果たしている役割や効果と,それに対する
財政支援の考え方につきましては,きちんと区分して対応してきたつもりであります。つまり,経営に直接かかわるのではなくて,
エア・ドゥに多くの方に乗っていただくことが結果的には
本市経済の
活性化にも役立つとの観点から,搭乗率の向上に資する事業などに着目をして,その時点,時点で判断をし,融資を行ってきたものであります。
2点目の
債権放棄及びこれに伴う
歳入欠陥に対する責任と今後の対応についてでございます。
まず,
債権放棄に至った責任についてでございますが,
エア・ドゥは,本市が平成13年4月に5億円の
追加融資を行った後に,7月には道の
追加支援も決まり,
利用者サービスの向上や
経営改善に取り組み,改善の兆しも見えていたところではありますが,9月に発生いたしました
米国同時多発テロに伴う
航空保険料の大幅な負担増や
航空業界再編の動きの中での激しい
価格競争による収入の減少などから,12月以降,経営が急激に悪化し,本年6月に
民事再生手続の
申し立てを行う事態に至ったものであります。
エア・ドゥの経営に対して,本市としてできることにはおのずと限界がありますが,
経営環境の急激な変化を見通すことができずに,こういった事態を避けることができなかったということは大変残念に思っております。
今後は,
エア・ドゥが再生を果たし,
北海道の翼として飛び続けることが何よりも大切であると考えておりますので,そのための側面的な支援は,本市としてできる限り努力をしてまいりたいと,このように考えております。
また,
債権放棄に伴いまして,結果的に
本市財政に
歳入欠陥が生じることにつきましては,
エア・ドゥは,これまで
本市経済に大きな貢献をし,今後もそれが期待されるところでありますが,その責任を痛感いたしております。
今後,既往の
事務事業に支障を来すことのないように,
既定経費の節約等,今後の
予算執行の中で対応してまいりたいと考えております。
3点目の
エア・ドゥの
創業理念が
民事再生による会社の再生後も堅持されるのかとのご質問についてでございますが,
再生計画案におきまして,低
コスト運航会社への変革による低
価格運賃の提供を通じた
地域経済の振興への貢献,これが
事業理念とされております。このことにつきましては,全日空との
業務提携に基づく
収支構造の大幅な改善,
公正取引委員会が注視する中での全日空との
共同運航の実施,
エア・ドゥを含めた
新規航空会社に対する国の育成策の充実など,経営や
周辺環境の改善が見込まれますことから,
エア・ドゥの
創業理念は今後も引き続き堅持していただけるものと考えております。
私といたしましては,
エア・ドゥが一日も早く
民間企業として自立をし,
北海道の翼として飛び続けていただくことを期待しているところであります。
私からは,以上でございます。
○議長(
高橋忠明君) 次に,
宮川潤君。
(
宮川潤君登壇)
◆
宮川潤君 私は,
日本共産党を代表して,ただいま市長が提案をいたしました議案第27号権利の放棄の件,すなわち,本市が
北海道国際航空株式会社,
エア・ドゥへの5億円の
貸し付けの
元利合計5億141万6,438円の90%,4億5,127万4,794円,及び
再生手続の開始が決定されたことし7月4日以降の利息と
遅延損害金の全額を放棄することに関して,質問をいたします。
日本共産党札幌市議団は,
エア・ドゥへの
貸し付けについては一貫して反対してまいりました。
1997年第3回
定例会で,新千歳−羽田間への
航空会社の
新規参入とその育成について触れている
北海道国際航空株式会社に関する
意見書の採決で反対したのは,我が党のみです。我が党の一貫した
特定企業への肩入れ,
貸し付けへの反対に抗して,また,
意見書に促されるようにして,1998年度から本市は
エア・ドゥに3億1,350万円を
貸し付けてきました。これは2001年度に返済されましたが,同年度から,本市は改めて5億円の
追加融資を行ったのです。
最初に,
補正予算で3億1,350万円の
貸し付けが提案された1998年第4回
定例会では,荒川尚次議員が,討論で,
エア・ドゥに本市が
事業費貸し付けを行うことは一
民間企業に対する異常な肩入れであり,我が党は容認できませんときっぱり反対を表明し,ことしの第1回
定例会でも,
岩村よね子議員が,
エア・ドゥの
経営危機が表面化していることに触れ,本市の
貸し付けは一
民間企業への行き過ぎた支援であり,返済の見通しも明らかでない中,再
貸し付けは問題ですと
反対討論を行いました。この第1回
定例会で
反対討論を行ったのは,唯一,我が党だけでありました。
このたび,
東京地裁から送達された
監督委員の
意見書では,
破綻原因は,高
コスト体質及びこれに対する改善策が低
価格競争の進捗に対応し切れなかったためとされていますが,市長は,
追加融資を提案した昨年3月の第1回
定例会の本
会議答弁で,新たな支援に当たりましては,
北海道や
地元経済界による具体的な支援の枠組みが固まったこと,また,人事の刷新により
社内体制が確立されたこと,さらに,新体制のもとで新
経営計画が策定されたことなど,
経営再建に向けた条件が整ったことから
追加融資をするとされていたのであります。
しかし,結局,4億5,000万円以上もの市民の血税を失わせることになったことは重大であり,市長の市民に対する責任は免れることはできないものであります。市長は,どう責任をとるおつもりか,市民の前に明らかにしてください。
以上で,質問を終わります。
○議長(
高橋忠明君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(
桂信雄君) 私の責任についてでございますが,本市が5億円の融資を行った後の
エア・ドゥの
経営状況の推移は,ただいま申し述べたとおりでありますので,改めて申し上げることはいたしませんが,
エア・ドゥが
民事再生の
申し立てに至った直接の原因は,昨年9月に発生した
米国同時多発テロに伴う
航空保険料の大幅な負担増や
航空業界再編の動きの中での激しい
価格競争による収入の減少など,
経営環境が急激に悪化したということであると認識をいたしております。
したがいまして,先ほども申し上げましたが,このような
経営環境の急激な変化を見通すことができないまま,こういった事態を避けることができなかったということは,大変残念に思っております。
また,
エア・ドゥは,これまでに
本市経済に大きな貢献をし,今後もそれが期待されるところでありますが,
債権放棄に伴って,結果的に
本市財政に
歳入欠陥が生じるということにつきましては,その責任を痛感いたしており,今後,既往の
事務事業に支障を来すことのないように,
既定経費の節減等,今後の
予算執行の中で対応してまいりたいと,このように考えております。
以上であります。
○議長(
高橋忠明君) 次に,
松浦忠君。
(
松浦忠君登壇)
◆
松浦忠君 市長に端的にご質問をいたします。
当初,この道民の翼は,いわゆる運賃を下げるという目的で,道民の,それぞれ個人の浄財なども集めて飛行機を飛ばす,それに対して,
北海道や,あるいは札幌市などを中心とした幾つかの市町村も税金を投入する,こういうことで始まった
航空会社でありますが,今日,提案された
再生内容,そして今後の全日空との
業務提携,こういう経緯からすると,当初の
航空会社の目的から全く,100%外れました。
したがって,まず,残る5,000万円についても即刻引き揚げるべきであります。この点について,目的から外れ,こういう状況の中で,なぜ引き揚げないのか。
なぜ,目的から外れているか。今,
航空業界は,
日本航空と全日空と
国内業界は大きな二つの流れに再編吸収されようとしております。これはもう既に,新聞,テレビなど,マスコミを通じても明らかにされているところであります。そういう中で,
航空業界の大きな二つのうちの片方の会社,その系列に融資を続けていくということは,
自由競争の
航空業界に対する間違った融資ということを言わざるを得ません。
したがって,目的から外れるわけでありますから,これは即刻引き揚げるべきだと思いますが,市長のお考えはいかがでしょうか,お尋ねをいたします。
二つ目,この4億5,000万何がしのお金については,これは,私は市長に
弁済責任があると思います。
なぜかといえば,今,裁判で係争中でありますけれども,かつて,下関の市長が釜山と結ぶ第三セクターの船会社に対して8億4,500万円の融資を議会の同意を得て行いました。結果として,この会社は倒産しました。住民監査請求が出され,行政訴訟で,一審で市長は敗訴をし,8億4,500万円の賠償責任が下されました。そして今,高等裁判所の判決も出されました。高等裁判所では,当時の市長に対する3億4,100万円の支払い決定が出されております。現在,最高裁で係争中であります。
こういったような事例から推してもですね,この問題については,私は,当然,市長が4億5,000万円余の放棄する債権を提案しているものについては,市長の責任で弁済すべき義務があるというふうに考えますが,市長は,いかがお考えでしょうか。まさに行政責任を問うというのは,このことであります。
そして,さらに政治的な責任であります。
私は,市民の大切な税金をこのように,当時の状況判断からしても,だれが考えても,既にこのデフレの下で激しい運賃競争,低
価格競争が行われている,これは単に
エア・ドゥが出たから起こったということではなくて,それぞれの
航空会社で今1回乗り切り1万円,こういうようなことが昨年から既に実施をされております。
北海道に東京方面から入ってくる運賃については,既に低
価格運賃が導入をされております。
観光客の入り込みについては,もう十分,
エア・ドゥが出る前から,冬期間など,低運賃で運んできておりますから,このことによる効果がそんなに大きいというふうに私は考えられません。そんなことからしたら,まさに当初から,ここに公金を,税金を融資するということは全くの見当違いの話であったというふうに思います。
したがって,市長は,そういった問題に対して,どう政治的責任をとられようとしているのか,行政責任,4億5,000万円の弁済とあわせてお尋ねをいたします。
以上であります。
○議長(
高橋忠明君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(
桂信雄君) お答えいたします。
最初の,
エア・ドゥは既に創立目的を失ったと,したがって,全額返済を求めるべきであると,こういう話でありますが,これについては,先ほどもお答えしましたように,今回の
再生計画案の中に,低
コスト運航会社への変革による低
価格運賃の提供を通じた
地域経済の振興への貢献ということが
事業理念でうたわれているところであります。これは,当初の理念をそのまま受け継いだものであります。したがって,私は,今回,
債権放棄をお願いしているわけであります。
それから,残りの5,000万も返還してもらうべきだという意見でありますけれども,仮に私ども札幌市が
民事再生法に基づく
債権放棄に合意をしなかったとすれば,その結果は,
民事再生手続による再生よりも,もっと深刻な大きな被害を大勢の方々に及ぼすことになる,そのことを私は避けるべきであるというふうに思った次第であります。
それから,市長が賠償責任を負うべきであるということでありますけれども,私は,個人として,これを賠償する責任は考えてはおりません。
それから,政治責任についてでありますけれども,これは,先ほど来お答えをしておりますように,
歳入欠陥になってしまう部分については,既往の計画に支障を来さないように
事務事業の見直しを進めながら,それらを補てんする,そのために努力をしていきたいと,こう考えております。
以上です。
(
松浦忠君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(
高橋忠明君)
松浦忠君。
◆
松浦忠君 市長から,低
価格運賃を目的とする
エア・ドゥの会社設立目的が失われていないという答弁がありました。全日空の系列下に入る,こういうことが今後の経営方針として明らかにされております。
それでは,市長にお尋ねしますが,全日空の系列傘下に入った
エア・ドゥが,東京−札幌間において全日空よりも安い運賃で運航するという確約は得られているのかどうか,この点について,まず1点,お尋ねします。
2点目は,この債権5,000万円を回収すべきだ,回収したときに,
民事再生法ではなくて,場合によっては会社清算,こういうこともあり得る,被害が及ぶと言っておられるけれども,先般,ついおとといですか,行われた株主説明会では,新聞報道によると,多くの株主から厳しい意見と失望,そして,もはや道民の翼ではないという指摘が出されております。そしてまた,むしろ清算すべきでないかという意見もあったというふうに報道されております。
私は,9割放棄をして,残る1割で運航してみて,残る1割で,何がどの程度,市長は被害があるというふうに考えておられるのか,その被害の内容を具体的にご説明いただきたい。
以上,2点です。
○議長(
高橋忠明君)
桂市長。
◎市長(
桂信雄君) まず,全日空の傘下に入って低
価格運賃を維持することができるのかという質問だと思います。
今回の提携というのは,
エア・ドゥにとっては,シェア割りによりますけれども,全日空料金とは別な料金を維持することも可能な中身であります。ですから,全日空と常に同じでなければならない,そういう中身にはなっていないわけであります。
それから,仮に
民事再生手続によらないで,会社が破産という方法になったとすれば,例えば,札幌の債権の90%減額以上の厳しい結果になるはずだと私は思っております。
(
松浦忠君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(
高橋忠明君)
松浦忠君。
◆
松浦忠君 市長はですね,私の問いに正確に答えていない。
私は,少なくとも
エア・ドゥの設立目的というのは,東京−札幌間で,
日本航空や全日空より,あるいはJASよりもですね,既存の運航会社よりも大幅に安い運賃で運航する,これが目的でありました。そして,その目的が破れました。そして今,全日空の傘下に入って営業を続けていくという段階で,それでは,その目的が継続されるとすればですね,当然,少なくとも全日空よりは,東京−札幌間は常に安い運賃で運航しますという確約がない限り,5,000万円の融資も私はしていくべきではない。可能性があるというだけでは,当初,この会社を設立したときに,運賃を安く,そしてもうかる可能性がある,そういうことで会社を設立し,多くの出資者を集め,札幌市も,市長も,その求めに応じて,これは乗ったわけであります。
1回失敗してですね,今の経済状況からいったら,だれが考えたって,この会社が,さらに安くしてもうかるなんていう仕組みでないことは,今の再建計画の中で,おとといの,この,社長の株主に対する説明会でも,会社の高
コスト体質が,いわゆる原価が高いという体質が今日の状況を招きましたという説明をして謝っているのです,これ。そういうものがどのように是正されて,安い運賃になるという確証を市長は持っておられるのですか。
少なくとも1回失敗して,なおかつ,2度目の失敗に足を踏み入れんとしているから,私はここで,市長,待ちなさい,やめた方がいいですよと言ってとめているのですよ。
したがって,それについて,市長はどこまでの確証を得られているのか。今の可能性ありでは,到底,市民は納得しません。再度,ご答弁ください。
○議長(
高橋忠明君)
桂市長。
◎市長(
桂信雄君) 私の答弁の仕方がもしまずいのだとすれば,それは直したいと思いますけれども,私は,決して
エア・ドゥがですね,全日空と同じ
航空運賃で行かざるを得ないというようなことを言っているわけではなくて,全日空とは違う料金,もちろん,それは高い料金でありませんよ,安い料金で運航することもできるのだと。こういうことが全日空との提携の中でうたわれているのです。そのことを申し上げたのです。ですから,そこをよくお調べになっていただきたいと思います。
それから,全日空と提携することによって,
エア・ドゥとしては,経費の節約,収入の増というものを図りつつ,新しい出資金をですね,20億ないし30億円を得ることによって,低
価格運賃による
北海道の翼として飛び続けよう,こういうふうにして
民事再生手続に踏み切ったわけですから,そこのところは,やはりよく知っていただきたいと思います。
(
松浦忠君「議長」と呼び,発言の許可を求む)(発言する者あり)
○議長(
高橋忠明君)
松浦忠君。(発言する者あり)
◆
松浦忠君 少なくとも,これは,急遽出された,市長の在任中の失政であります,失政。まさに失政であります。この失政案件に対してですね,私は,きちっと市長は答える義務がある。(発言する者あり)これに対して,今の可能性だけ,そして
航空業界の再編の中で,片方にくみしていくという,これは結果としてなっているわけでありますから,そういうことに公金を融資していくというですね,そこの認識への見解が全く出されていない。こういうことでは,ただ単なる,自分が今まで失敗したことも含めて,さらに細々とでも正当性を主張していこうということにすぎないという査証であります。
そしてまた,もう一つは,この責任について全く本人は何の責任もとらない。
○議長(
高橋忠明君) 松浦議員に申し上げます。(発言する者あり)
◆
松浦忠君 (続)こんなことでは市民は納得しない。(発言する者あり)
○議長(
高橋忠明君) 松浦議員に申し上げます。
簡潔な質問をしてください。(発言する者あり)
◆
松浦忠君 (続)このことはですね,再度,市長の責任問題も含めて問います。答えてください。(発言する者あり)
○議長(
高橋忠明君)
桂市長。
◎市長(
桂信雄君) 私が今までお答えをしたことで十分納得いけるはずです。
○議長(
高橋忠明君) 以上で,質疑を終結いたします。
(村山優治君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(
高橋忠明君) 村山優治君。
◆村山優治君
委員会付託の動議を提出いたします。
ただいま議題とされております議案第27号を総務
委員会に付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
高橋忠明君) ただいまの村山議会運営委員長の動議に対して,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。
動議のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
高橋忠明君) ご異議なしと認めます。よって,議案第27号は総務
委員会に付託されました。
――――――――─―――――――――
○議長(
高橋忠明君) ここで,報告をいたします。
去る10月7日の本会議の討論における
松浦忠君の発言について,後刻,当職において議事録を精査の上,一部削除させていただきます。
――――――――─―――――――――
○議長(
高橋忠明君) お諮りをいたします。
本日の会議はこれをもって終了し,あす10月25日から28日までは
委員会審査等のため休会とし,10月29日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
高橋忠明君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
――――――――─―――――――――
○議長(
高橋忠明君) 本日は,これで散会いたします。
――――――――─―――――――――
散 会 午後1時41分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 高 橋 忠 明
署名議員 鈴 木 健 雄
署名議員 本 郷 俊 史...