委 員 坂 本 恭 子 君 委 員 岡 千 陽 君
委 員 田 中 昭 男 君 委 員 小 林 郁 子 君
委 員 佐 藤 美智夫 君
──────────────────────────────────
開 議 午後1時
○
義卜雄一 委員長 ただいまから,第二部
予算特別委員会を開会いたします。
それでは,議事に入ります。
最初に,お手元に配付のとおり,
共産党所属委員全員から提出されました,議案第1号 平成14年度札幌市
一般会計予算及び議案第6号 平成14年度札幌市
国民健康保険会計予算を撤回の上,再提出を求める動議を議題とし,
提案説明を受けます。
◆小川勝美 委員 私は,
日本共産党所属議員を代表して,議案第1号 札幌市
一般会計予算及び議案第6号 札幌市
国民健康保険会計予算を撤回の上,再提出を求める動議の
提案説明を行います。
まず,
一般会計予算の撤回,再提出を求める理由の第1は,
本市財政が厳しい中で,
大手ゼネコンや
特定企業を優遇するための不要不急の
大型開発を続け,
本市財政を一層悪化させ,そのツケを
市民福祉の事業の切り捨てに回しているからです。
本市の
財源不足が続く中,交付税率の引き上げがなされず,赤字公債の増額発行を余儀なくされ,新年度末の市債残高は1兆866億円にも上ることになります。このように
財政事情が厳しく,
市民生活も厳しい中,
市民福祉の事業を切り縮め,市民に新たな負担を強いながら,
財政悪化の原因である
ゼネコン奉仕型の
大型公共事業を依然として優先していることは,問題であります。
すなわち,
東札幌開発の目玉とされている
コンベンションセンター建設は,建設費117億8,000万円,
開設準備費2億5,365万円,計120億3,365万円が計上されています。この事業は,建設費だけでも150億円にも上る
大型開発で,その財源の86%,129億円を市債で賄おうとするもので,
用地取得費の90%,51億円がやはり市債であります。道や国の補助金がつかないこのような事業を180億円もの借金によって推進しようとすることは,工事を受注するゼネコンにとっては,よいもうけ口になっても,市民にとっては,借金増大が
市民福祉の切り捨ての要因になるものです。
コンベンションセンターは,オープンする2003年度には,2,000人を超える国際会議の開催は
国際測地学会の1回しか見込まれておらず,借金の元利償還と運営費の赤字補てんに毎年十数億円を20年間も投入し続けなければならないものであり,このような計画は,今日時点でも中止すべきです。
札幌駅南口の
熱供給施設建設のために,
北海道熱供給公社への
事業費補助金7億727万4,000円は,
特定企業に対する特別な支援であり,問題です。
株式会社札幌エネルギー供給公社への
事業費貸付金10億円と
事業費補助金1,785万円は,札幌駅北口の再開発ビルに対する便宜供与の性格を持つ公社が経営危機に追い込まれている中で,これにてこ入れするものであり,やめるべきです。
また,
北海道住宅供給公社への30億円の貸付金は,道の
包括外部監査でも,
長期保有地の含み損364億円,債務超過が460億円と指摘されている上に,金融庁の銀行検査で貸し倒れの可能性が高い不良債権を意味する
破綻懸念先に分類するよう指摘されているものであります。地方自治体の第三セクターを金融庁が
破綻懸念先と分類するよう指摘することは異例なことであり,本市が貸し付けを続けることは市民に大きな損失を与える危険があり,この3月末をもって回収し,新年度の貸し付けはやめるべきであります。
理由の第2は,むだ遣いにメスを入れることで財源を確保して,市民の暮らし,福祉,教育,中小業者の営業を守るための予算を確保すべきだということです。
乳幼児医療費助成制度について,
合計特殊出生率が1.05という実態から,
少子化対策として,就学前まで拡大すべきであります。
福祉除雪については,試行と言いながら,
生活保護世帯以外の
非課税世帯から5,000円,課税世帯から1万円もの負担を求めるもので,福祉の名に値しないものと言わざるを得ません。屋根の雪おろしを含め,無料の真の
福祉除雪を実施すべきです。
介護保険の保険料,利用料についてですが,我が党が何度も条例提案をしてきたように,
生活保護と同等水準以下の低所得世帯を対象に,
介護保険料と
利用者負担の全額を
福祉予算から助成を行い,負担の軽減を図るべきです。
また,4,000人を超える待機者を抱えている
特別養護老人ホームや,
高齢者生活支援ハウスと,39倍もの応募倍率の
市営住宅の増設など,市民の必要としている施設の増設を図るべきです。
保育所の待機児童と
定員超過入所の解消に向けて,保育所の新増設を進めるべきです。
民間学童保育所が先進的に障害児の受け入れを行っていますが,運営費の捻出には大変な苦労を強いられています。
障害児加算の大幅増額と,4年生以上の児童も事業の対象にして,補助金を引き上げるべきです。
厳しい不況と大型店の影響などにより,多くの個人商店が営業の危機にさらされています。商店街は地域の宝と位置づけ,緊急に支援を行うべきです。1
商店街振興組合当たり500万円の補助を行う
商店街緊急活性化事業補助金制度の創設を行うべきです。
予算を組み替える理由の第3は,新たな
市民負担の撤回についてです。
市長の専権事項だとして,4月から,
市営住宅の
家賃減免基準の改悪で,家賃免除の原則廃止や年金を給与とみなすなどで低所得者に家賃負担の強化を図り,2億7,097万4,000円の家賃の増収を予算計上していることは,断じて許されません。
次に,議案第6号
国民健康保険会計についてであります。
深刻な不況の中,
国保加入者の所得が一層低下し,高過ぎる国保料の支払いがより一層困難になる状況が広がっています。払えない世帯の
保険証取り上げが年々増加し,3月1日現在で,1万3,141世帯に
資格証明書,2万8,428世帯に
短期保険証を発行していることは,重大な問題です。
市民の暮らしと健康を守る立場から,
一般会計からの繰り入れをふやし,1
世帯当たり平均2万円の保険料の引き下げを実施すべきであり,この予算を撤回し,組み替えて,再提出を求めるものであります。
以上で,動議の
提案説明を終わります。
○
義卜雄一 委員長 ただいまの動議に対して質疑を行いますが,通告がありませんので,質疑を終了いたします。
次に,本委員会に付託されました議案23件並びに動議に対する討論を行います。
◆
五十嵐徳美 委員 私は,
自由民主党議員会を代表いたしまして,本
特別委員会に付託されました
市長提出による平成14年度予算にかかわる諸議案につきまして,これに賛成する立場から,
共産党提出による平成14年度
一般会計予算及び
国民健康保険会計予算を撤回の上,再提出を求める動議には反対の立場から,簡潔に討論を行います。
平成14年度の国の
経済見通しは,引き続き厳しいながらも,平成13年度第2次
補正予算を初め,デフレ問題への
取り組みなどの政策展開の効果や
アメリカ経済の改善が見込まれることなどから,
我が国経済は,低迷を脱し,年度後半には,民需中心の回復に向けて緩やかに動き出すことが期待されるものの,引き続き,厳しい
経済状況を甘受せざるを得ないことに変わりありません。
今月の
月例経済報告の基調判断においても,景気は依然厳しい状況にあるが,一部
下げどまりの兆しが見られると,1年9カ月ぶりに上方修正されたものの,先行きについては,厳しい雇用・所得環境や
企業収益の動向などが今後の民間需要を下押しする懸念があると指摘しており,
我が国経済が自律的な回復基調に入るとは,とても言えない状況であります。
国においては,平成14年度予算を
改革断行予算と位置づけ,
国債発行額30兆円以下との目標を掲げ,歳出のむだを省きつつ,
予算配分を大胆にシフトすることにより,
経済構造の転換を促進するとの考えのもと,
一般会計予算総額及び
政策的経費に充てる
一般歳出ともに前年度
対比マイナスとなる中,
公共事業関係費を10.7%
マイナスとする一方で,
少子高齢化への対応,都市の再生,あるいは
世界最先端のIT国家の実現などの7分野については,重点的な
予算配分がされているところであります。
地方財政についても,ますます深刻化しており,平成14年度の
地方財政計画の規模を,現行の
地方財政制度始まって以来,初の
マイナスとしながらも,
財源不足を圧縮できず,通常収支の不足は10兆6,650億円に拡大し,恒久減税の影響額を含めると14兆円を超える
財源不足が見込まれ,その
補てん措置は,平成13年度に新たに導入された,自治体みずからが発行する
実質的赤字地方債である
臨時財政対策債を初め,その財源の多くを借り入れに依存しており,将来的な負担増など,極めて憂慮すべき事態となっております。
こうした厳しい状況の中,桂市長の現任期最後の
本格予算となる平成14年度予算は,約230億円の
財源不足が見込まれる中で,厳しい
地域経済の活性化など,本市が抱えるさまざまな
行政課題に適切に対応する必要があるとともに,5年計画の
折り返し点となる3年次目として,計画目標の達成にめどを立てる重要な年であるとの認識のもと,
予算編成に当たっては,
事業評価の結果を踏まえ,
事務事業全般にわたる見直しと再構築を推し進めるとともに,
協働型社会の実現に向けた行政の
事業領域について検討することとし,限られた財源の有効活用を図るため,施策の優先順位を厳しく選択の上,計画的,重点的な
予算配分を行い,組織横断的な課題への対応などについては,
予算編成の中でも取り組んできたところであります。
このような
基本方針に基づき編成された本市の平成14年度
一般会計予算は,対前年度
比マイナス2.7%の8,272億円という大変厳しいものであります。平成12年度に
マイナス1.9%という例はありましたが,これは,
介護保険制度導入に伴う
特別会計への
事業移行によるものであり,実質的に
予算規模が前年度を下回るのは,
政令指定都市移行後,初めてのことであります。歳入では,その根幹をなす市税が,
企業収益の悪化による
法人市民税の大幅な減収により,対前年度
比マイナス3.2%となる一方で,歳出では,
生活保護を初めとする扶助費や公債費といった
義務的経費の増加など,非常に困難な
予算編成を強いられたものと思うのであります。
こうした中で,我が会派が従来から主張しております
行財政改革を積極的に推進し,
一般行政部門において41億円,
企業部門では13億円,合わせて54億円の
財政効果が見込まれるとともに,定員管理,組織管理においても,既に目標を大幅に上回る実績を上げております。また,本市の将来を展望して緊急に取り組むべき,経済の活性化や
少子高齢社会に対応した
地域福祉の推進などの六つの施策を
重点政策課題と位置づけ,成果目標を設定し,積極的に予算計上されたことは評価するところであります。
しかしながら,
自主財源比率や
公債依存度などの
各種財政指標の悪化による
財政構造の硬直化が進む一方で,複雑多様化し,そして増大する
行政課題の解決に取り組まなければならない本市の
行財政運営は,今後,一層困難の度を増すであろうことは,容易に想像がつくのであります。
そのため,我が会派は,本
特別委員会の審議を通じて,
行財政改革や経済・
雇用対策,
少子高齢化対策,交通問題など市政の諸問題について,さまざまな観点,角度から提言,要望を行ってまいりましたので,ここで繰り返すことはいたしませんが,今後の
行財政運営に当たって,特に意を用いていただきたい事項について,若干申し述べさせていただきたいと思います。
最初は,
地方分権推進のための
財政運営の確立であります。
自治体の自主性・自立性を高めて
分権型社会の実現を図るという観点から,
地方税財源の充実・確保による
地方行財政基盤の構築が重要であることは言うまでもありません。
しかしながら,厳しい
財政状況の中,本市の
中期財政見通しによると,5年後の平成18年度には400億円を超える
財源不足が生じる見込みであることが,我が会派の代表質問で明らかになっております。
そのため,今後の
財政運営に当たっては,中長期的な
財政見通しを考慮しながら,
行財政改革の一層の推進による歳出全般にわたる徹底した見直しや行政の
事業領域の再検討,さらには,国に対して税財源の移譲を求めるとともに,市税などの収入率の向上,適切な
受益者負担など財源確保を図り,安定的な
財政基盤の構築を目指すべきであります。
2点目は,
行財政改革のさらなる推進と
協働型社会の構築に向けての対応であります。
極めて厳しい
財政状況の中で,市民の満足度の最大化を図るためにも,
行財政改革の推進は市政の不変のテーマであり,我が会派が,平成8年以来,4次にわたり
行財政改革臨時調査会を設置して,精力的に取り組んできたところであります。
本市では,平成10年から取り組んできた現行の
行財政推進計画においては,既に目標を大きく上回る職員数,
管理職ポストの削減を実現し,間もなく,新しい
都市経営の
基本方針が明らかになるであろうと伺っております。この新たな行革の
取り組みに当たっては,大胆な発想で,
民間企業や市民活動にゆだねるべきところはゆだね,また,成果重視の手法を取り入れていくべきであります。それとともに,市民の自主性,主体性を高め,さまざまな行政需要に的確に対応し,市民との多様な協働関係を構築することも重要になると思うのであります。
最後に,本市が直面する
政策課題,特に
地域経済・雇用問題への対応であります。
本市が平成14年度予算において経済の活性化を
重点政策課題として位置づけ,開廃業率の
マイナス解消,事業所数増加率の
プラス転換を
重点化目標に掲げ,
集客交流産業の振興,新
札幌型産業の育成など,活力ある
地域経済の発展を目指す施策や雇用機会の創出や雇用の維持・確保のための施策に特段の力点を置いていることは十分理解できるところであります。
しかしながら,北海道の昨年1年間の
平均完全失業率は5.8%と,全国平均を0.8ポイントも上回り,逆に,ことし1月の北海道の
有効求人倍率は0.40倍で,全国の0.51倍を大きく下回るなど,極めて厳しい雇用状況にあり,この一刻も早い回復は,本市が直面する
重要課題であるということは明白であります。
そのため,国の
緊急地域雇用創出特別交付金事業を活用した施策や,ワークシェアリングなどの緊急かつ臨時的な雇用創出に,当面,万全を期すべきであります。同時に,地場産業の経営基盤の強化や産業の高度化など,足腰の強い
産業構造への転換という息の長い
取り組みにも積極的に取り組むべきであります。
以上,平成14年度予算の評価及び市政の
重要課題について申し上げてまいりました。
理事者におかれましては,本
特別委員会の議論を通じた我が会派の提言,意見を十分にしんしゃくされ,平成14年度
予算執行を初めとする適正な市政運営に当たられることを強く要望して,討論を終わります。
◆大嶋薫 委員 私は,第二部
予算特別委員会に所属する
民主党委員を代表して,本委員会に付託された
市長提出による議案については賛成,荒川尚次委員外5名提出による動議には反対の立場で,簡潔に討論を行います。
本
予算特別委員会は,相変わらず将来像の見えない
小泉改革のもと,政令都市となって初めての前年
対比マイナスという厳しい状況の中で論議が進められてきました。
民間企業の決算期を控えての,いわゆる3月危機は辛うじて回避されたものの,
重要課題はすべて先送りされているのであり,自治体における
行財政改革は,その質とスピードが問われていると言えます。また,
地方財政計画における大幅な
財源不足をカバーするとして2年目を迎えた
財源対策債は,国の
地方交付税会計自体が借金で穴埋めされている現状を考えると,その運用には慎重さが求められます。
一方,鈴木宗男氏にかかわるさまざまな疑惑や元秘書の収賄容疑による加藤紘一氏の離党問題は,政・官・業の癒着やもたれ合いの構造の根深さを示しており,政治に携わる者すべてに倫理観や道義性が求められるのと同時に,政策決定や
事業選定の透明化や情報公開,市民参画へのより積極的な
取り組みが求められております。
すべての分野での改革が求められている今こそ,行政責任と市民との役割分担,協働のあり方を明確にした上で,効率的な
財政運営を図っていかなければなりません。
そこで,我が
会派委員が本委員会で質疑を行いました課題を中心に見てまいります。
まず,
障害者施策についてです。
社会福祉法人札幌育成園における
施設利用者の
障害基礎年金の流用問題は,その後,不明朗な
会計処理のみならず,職員給与,作業収入を含め,
法人運営そのものが福祉の理念から完全に逸脱していることが明らかになりました。
監査指導体制の不十分さを反省するとともに,理事長の兄弟が運営する宗教法人や
社会福祉法人百合の会との極めて不透明な資金の流れを含め,厳正な監査の実施と改善・是正に向けた毅然たる指導を強く求めます。
また,このように
福祉施設での人権侵害が全国で繰り返し起きる背景として,
在宅サービスの不足と
権利擁護に向けた
取り組みのおくれが指摘されています。
ホームヘルプサービスやグループホームなどの
地域生活支援にかかわる事業の充実や
支援サービス拠点とネットワークの整備を急ぐべきと考えます。
福祉基礎構造改革の最大の課題は
権利擁護であることを,
保健福祉局及び関係機関・団体が繰り返し確認することと,一丸となった組織的な
取り組みが必要であることを改めて指摘しておきます。
次に,
市内中小企業の支援についてであります。
これまで本市が取り組んできた
企業誘致や
IT化推進は引き続き重要でありますが,本市の企業のうち99%を占める
中小企業の元気がなければ,経済の活性化は望めません。新年度には,
財団法人札幌エレクトロニクスセンターを母体として新たに
札幌産業振興財団を設立し,広く
中小企業の支援,産業全般の振興・活性化を図るとされています。
企業が育ち,挑戦する力を培っていくためには,経営者が抱える経営や資金問題について適切な指導や助言を行えるような
コンサルティング機能の充実・拡大や
ワンストップサービスの実現,
民間専門家の積極的な活用が望まれます。また,国際化・情報化の時代に向かう急激な社会変化に対応するためには,
企業ニーズを的確に把握するのと同時に,情報提供や人的交流,
地域間交流に向けた事業の展開,関係部局のより緊密な連携が求められています。
次に,
街づくりについてです。
バブル崩壊以降の長期にわたる経済の低迷は,本市が公共目的を持ち,
都市計画上,欠かせないものとして取り組んできた事業にも大きな影響を与え,
財政負担の増加をもたらしています。金利も含めると実勢価格との差額が約68億5,000万円に達している札幌駅
南口土地区画整理事業で取得した保留地,
まちづくり推進基金での
買い取り時点と比して既に約42億円の目減りが生じている
団地会計から引き継いだ土地等については,賃貸等によって土地の有効利用を図るべきであります。
また,2度目の
事業計画の変更が行われ,事業費の増額と期間延長が提案されている手稲区における西宮の沢地区,富丘地区の
土地区画整理事業は,新たな負担や地域住民の不安が生じないよう,速やかな
事業執行が望まれます。
北海道住宅供給公社に対する貸し付けの継続と損失補償にかかわる債務負担は,本市の
街づくりに必要であり,やむを得ないものと考えますが,
あり方検討委員会が,最終的に生ずるであろう債務の責任の一部を札幌市にも負わせようとしているのは,極めて問題です。本市として,これまで最大限の協力を行ってきているのであり,経営責任はすべて北海道にあることを明確にすべきです。
次に,
市営バス事業の
民間移行についてであります。
バス事業が直面している構造的な問題と規制緩和の中で,昨年12月に示された
改革プランに沿って
市営バス事業の
民間移行が進められることはやむを得ないとしても,今後の進め方や
取り組みには多くの課題が残されています。
最大の課題である職員の処遇については,
定年退職予定者を除いた300人強を,わずか2年間で交通局内と市長部局への配置転換で対応するということですが,これまでの健全化や効率化の
取り組みとの整合性,職員の意向把握,
受け入れ態勢の整備等について,慎重かつ十分な配慮を求めておきます。
また,
環境対策として導入を図ってきた
CNGバスの
事業継続を初め,
バリアフリー対策など,政策的に取り組んできた課題については,今後とも
積極的推進が図られるよう,担当部局とともに働きかけを強化すべきと考えます。
このほか,我が
会派委員が本
特別委員会で取り上げた課題について順次述べてまいります。
保健福祉局では,保育所の
待機児童対策として新たに取り組まれる
認可保育所移行促進事業の考え方。
ホームヘルプや
ガイドヘルプ事業の利用者・事業者の拡大。
放課後児童健全育成事業における障害児の受け入れ。地域における介護予防の
体制づくり。
国民健康保険賦課方式の見直しと
医療制度改革に伴う
国保財政への影響。
エイズ検査体制及び
救急医療体制の充実。
地域健康づくりモデル事業の評価と
健康づくり基本計画。第2斎場建設にPFIを導入する計画の課題と今後のスケジュールについて。
市立札幌病院では,
一般会計からの繰入金の状況と
長期借入金の解消策。
第三者機関の設置による診療体制の見直し。
歯科口腔外科医の研修のあり方。院内感染や医療事故の防止体制について。
建設局では,
道路除雪費残額の
年度内執行。
路面管理手法の変更によるロードヒーティングの停止計画。流雪溝の利用と管理のあり方。
生活道路における
交差点排雪。
繰越明許費に占める用地費の金額と
用地取得業務のあり方。道道
西野真駒内清田線の整備計画及び安全対策について。
都市局では,
札幌テルメ跡地の再
利用計画。
東茨戸地区での組合施行による
土地区画整理事業の今後の取り扱い。札幌ドームの落雪対策について。
経済局では,産学官共同研究チャレンジ支援事業のレベルアップ。eシルクロード構想の推進。WTCサッポロのこれまでの
取り組み状況と課題について。
交通局では,資産の活用実績と
改革プランでの考え方。地下鉄駅の空きスペースの有効利用。職員配転による
財政運営上の見通しについて。
水道局では,貯水槽水道における衛生管理の充実強化。水道管凍結事故における修繕体制と課題について。
以上,本委員会における我が
会派委員の指摘や要望について,今後の施策に積極的に反映されることを要望して,私の討論を終わります。
◆青山浪子 委員 私は,ただいまから,公明党議員会を代表し,本
特別委員会に付託されました
市長提出による平成14年度予算にかかわる諸議案につきまして,これに賛成する立場から,また,
共産党提出の平成14年度
一般会計予算及び
国民健康保険会計予算を撤回の上,再提出を求める動議には反対の立場から,簡潔に討論を行います。
平成14年度の国の
経済見通しは,過去最高となった失業率やデフレの進行などにより,景気が一段と悪化していることから,構造改革の推進やデフレ問題への
取り組みなどの政策による改善効果に期待はするものの,なお引き続き厳しい状況とならざるを得ないものと思われます。
また,今月の
月例経済報告において,依然厳しい状況にあるが,一部
下げどまりの兆しが見られるとの表現で,景気判断が1年9カ月ぶりに上方修正されたものの,先行きについては,雇用・所得環境の厳しさや
企業収益の悪化から,民間需要が低迷することへの懸念さが示されております。
地方財政についても,長引く景気低迷等による税収の大幅な落ち込みと,これに伴う巨額の
財源不足により,ますます悪化してきております。平成14年度においては,昨年同様,14兆円を超える
財源不足が見込まれ,その
補てん措置が
地方財政対策により講じられたものの,地方自治体みずからが発行する特例地方債の占める割合が大きくなってきており,今や構造的な危機状況にあります。
こうした厳しい状況の中,第1次5年計画の折り返しとなる3年次目として,本市の平成14年度予算は,
一般会計で前年度に比べ2.7%減となり,実質的な事業の減で
マイナスになるのは,昭和47年の
政令指定都市移行後,初めてであります。市税についても,前年度当初予算比で3.2%減の2,645億円を見込まざるを得なく,地方交付税については,
臨時財政対策債222億円への振りかえなども勘案し,前年度比1.1%増の1,276億円を計上する一方で,市債発行も,
臨時財政対策債や減税補てん債が含まれているものの,6.9%増の895億円となっており,過去に発行した市債償還の本格化による公債費の増と合わせて,
生活保護を初めとする扶助費の増など,
義務的経費に避けがたい支出増要因があり,
財政構造の弾力性が一段と失われつつあります。
こうした中にあって,
行財政改革については,
一般行政部門においては約41億円,
企業部門で約13億円,合計約54億円の
財政効果が見込まれるとともに,定員管理,組織管理においても,既に目標を上回る実績を上げています。
また,5年計画の計画達成にめどをつける重要な年であることから,経済の活性化,
少子高齢化,環境問題,総合交通対策,文化・スポーツ及び市民・企業・行政のパートナーシップの六つを
重点政策課題として
予算編成され,将来を展望して,今取り組まなければならない施策について積極的に予算計上したことは評価するところです。
しかしながら,本市を取り巻く経済・財政環境は,今後ますます厳しさを増すことが予想され,新たな行政需要が増大する中で,みずから財政の健全化と行政改革に努めながら,本市が抱えるさまざまな
行政課題に適時適切に対処していかなければならないことは言うまでもありません。
そこで,本
特別委員会の審査を通じて我が会派が取り上げてまいりました主な課題について,助言,要望等を含めて述べてまいりたいと思います。
最初に,
社会福祉法人札幌育成園問題について,改善に向けてしっかり取り組んでいただきたいと思いますが,今後,監査指導室という名称を,監査を受ける側の自浄作用が働くように,きつい表現に改めたり,本市の監査権限がもう少し広がるように努めるなど,厳しい指導・監査が行われるように求めておきます。
また,高齢化する知的障害者が安心して暮らせるような施策を,見直しが予定されている障害者福祉計画に盛り込むとともに,障害者への成年後見制度について,障害者に対する支援を強めるため,条例制定すべきであると考えます。
児童扶養手当に係る事務について,本年8月から,北海道から本市に移管されますが,児童扶養手当は,経済的に苦しい母子家庭にとって命綱とも言えるものでありますので,十分な準備を行って,遺漏のないよう体制の整備に努めてほしいと思います。
次に,少年問題について,子供たちの非行化防止に当たっては,地域において子供たちが安全で安心して暮らせることができる環境づくりが何よりも重要なことであり,また,子供の安全を守るためにも,学校や家庭だけではなく,地域全体で子供をはぐくみ,見守る環境づくりが求められております。今後とも,少年アシストセンターを中心に地域の連携をさらに支援し,次代を担う子供を市民全体ではぐくむ
体制づくりに積極的に取り組んでいただくよう要望しておきます。
児童虐待問題に関しては,児童虐待の防止の啓発や市民への相談機関の周知の徹底と専門里親制度の積極的な
取り組みを求めておきます。
次に,高齢者等寝具洗濯乾燥事業について,利用実績が落ちていますが,対象者に十分周知されていないことも原因として考えられるので,利用拡大に向けて,もっと積極的なPRが必要であると考えます。
次に,アレルギー性疾患対策と思春期ヘルスケア事業についてですが,アレルギー性疾患実態調査が本年秋ごろに実施されることは,一歩前進であります。今後,アレルギー性疾患を持つ患者やその家族の方々が安心して相談できる体制が一日も早く整備されるよう,切に願うものであります。また,思春期ヘルスケア事業については,今後とも,思春期の子供にかかわる保健と教育の関係者が,より一層連携を深めながら,着実に事業を推進されますよう要望いたします。
次に,商業振興施策についてでありますが,商業の振興と商店街の活性化のために,民間と行政が一体となって
街づくりに取り組むことは,重要な視点であります。今後,都心部におけるTMO構想に基づく事業が積極的に進められ,また,地域の商店街における空き店舗を活用した事業などへの積極的な支援を求めておきます。
定山渓地域の振興について,整備した施設が地域での経済効果を上げ,今後,地元と密接に連携して,一層の振興を図っていただきたいと思います。
また,フィルム・コミッション事業の推進に当たっては,市民の理解と協力が不可欠であり,目的や効果を市民へ周知するように求めておきます。
農政に関しては,JAS法に関する食品の不当表示問題については,本市としても厳しい対応をすべきであります。
花の生産振興については,札幌の花を打ち出して観光客誘致につなげるなど,一層の振興に努めてほしいと思います。
さっぽろ農学校運営事業については,受講生の中から一人でも多くの農業者が育っていくように求めておきます。
次に,雪対策における環境配慮についてであります。
昨年11月のISO14001,環境マネジメントシステム認証取得に伴い,雪対策事業が公共工事の一つとして位置づけられ,雪対策環境配慮ガイドラインが定められ,この中で,低公害除雪車の導入,雪堆積場からの排出負荷の低減,運搬排雪作業の効率化など,六つの具体策が設定されております。
いかに環境に配慮して環境負荷を低減するかということは,今後ますます重要なことになるので,こうした施策の実現に向けて,しっかり取り組んでいただきたいのであります。また,地域密着型融雪槽は,環境に配慮した最も有利な施設と思いますので,その整備促進をあわせて求めておきます。
次に,住宅施策についてです。
高齢社会が着実に進行している中で,新規にスタートする高齢者向け優良賃貸住宅制度については,高齢者向け賃貸住宅の供給促進に貢献し,これを契機として,今後,高齢者向け共同住宅への入居機会が積極的に展開するよう,予算戸数を順次ふやすなど,事業の充実強化が必要であると考えます。
次に,
市立札幌病院に関しては,電子カルテの導入について,我が会派もこれまで要望してきておりますが,こうしたIT化施策によって,医療の質の向上や情報開示の促進が図られることになりますので,保健・医療分野の情報化の流れにおくれることのないように,導入に向けた具体的な
取り組みの推進を求めておきます。
また,不妊相談の体制整備について積極的に取り組まれるよう要望いたします。
このほか,クリティカル・パス,いわゆる診療日程表について,これが本格導入されますと,患者はもとより,病院にとっても医療の質の向上につながる,双方に有益な治療方法でありますので,今後さらに適用の拡大を図っていくべきであると考えます。
次に,交通事業に関しては,交通事業
改革プランについて,
バス事業の民営化は,規制緩和の中で,より
市民負担の少ない公共交通サービスの提供のために時宜を得た改革でありますが,市営バスの廃止によって
市民生活に重要な公共交通に混乱が生じないよう,その維持・発展に向けて積極的な
取り組みを望みます。
また,地下鉄駅構内の環境ホルモン調査について,結果については,できるだけ早く公表して,市民の不安解消に努めていただきたいと思います。
最後に,水道事業に関しては,我が会派がこれまで提言してきた検針制度の見直しについて,隔月検針・隔月収納がようやく3年計画で実現いたしますが,今後とも,引き続き市民サービスの充実・向上に努めるとともに,電話受付センターのさらなる機能の充実と障害者福祉への
取り組みを求めておきます。
また,緊急貯水槽の整備について,今後とも的確に実施し,手稲区においては,現在,整備する計画が進められている市民交流広場にぜひ設置されるよう要望いたします。
以上が,本
特別委員会の審議において我が会派が取り上げてまいりました質疑等の概要です。
理事者におかれましては,助言や要望を十分にしんしゃくされ,適正な市政執行に当たられるよう強く要望して,私の討論を終わります。
◆坂本恭子 委員 私は,日本共産党を代表して,本
特別委員会に付託されました議案23件及び
日本共産党所属議員提出の組み替え動議について討論を行います。
我が党は,議案第1号
一般会計予算中関係分,議案第2号 土地区画整理会計予算,議案第3号 団地造成会計予算,議案第6号
国民健康保険会計予算,議案第7号 老人医療会計予算,議案第16号 交通事業会計予算,また,芸術産業関係団地用地の財産処分にかかわる議案第27号,工業団地用地の財産処分にかかわる議案第28号ないし第30号,住宅団地用地の財産処分にかかわる議案第31号に反対し,残余の議案12件と議案第1号
一般会計予算及び議案第6号
国民健康保険会計予算を撤回の上,再提出を求める動議については賛成する立場から,以下,その理由に触れながら討論を行います。
まず,議案第1号
一般会計予算中関係分についてですが,極めて深刻な景気の低迷と戦後最悪の雇用情勢のもとで,個人市民税,
法人市民税がともに落ち込み,税収不足が進行する中,国が赤字地方債を押しつけるなど,不当な
地方財政対策をとっていることもあって,本市の財政も新年度の市債残高が1兆866億円にも達しようとしています。ところが,新年度予算には,我が党が繰り返し反対してきた
コンベンションセンター建設費117億8,000万円,
コンベンションセンター開設準備費2億5,365万円が計上されています。総額206億円にも上るこの施設建設の財源の87%に当たる180億円は市債であり,返済は元利合わせて年13億5,000万円にもなります。管理運営費の3割から4割程度しか料金収入を見込めない現状から見ても,センターの赤字運営により,次々と税金を運営費の補てんとして投入することになるのは明らかであり,
大手ゼネコンなどのためだけの
大型開発を推進し,
市民福祉切り捨ての要因となるこの事業はむだ遣いそのものであり,建設の中止を強く求めるものです。
札幌駅北口のビルなどへの熱供給を行う札幌エネルギー供給公社への
事業費貸付金と補助金,都心部のビルに熱供給を行う
北海道熱供給公社への
事業費補助金など17億2,000万円余は,都心部とその周辺のビルなど
特定企業に対する便宜供与的な特別支援であり,問題です。
北海道住宅供給公社事業費貸付金30億円については,2004年までで役割を終えることとなっている同公社が,事業規模を縮小し,廃止に向かっている中で,回収不能となる危険性があり,新年度貸し付けを行うべきではありません。
市営住宅の家賃減免制度の改悪についてです。
今回の改悪では,全額免除を無収入世帯に限定し,さらに年金を給与にみなし所得計算するため,これまで減免を受けていた約4,000世帯の95%に当たる世帯が平均5,800円もの負担増となるものです。また,免除世帯は,これまでの約3,800世帯から,わずか200世帯以下へと激減します。年金収入の高齢2人世帯で,今月までは家賃全額免除であるのに,減額でも対象外とされ,4月から月3万3,000円の家賃負担となるケースも出ています。このような低所得者への家賃負担の強化は,断じて許されるものではありません。撤回を求めます。
次に,本会議や本委員会で我が党が指摘した主な課題について触れてまいります。
乳幼児医療費助成に関してですが,新年度,国による乳幼児医療費の1割軽減策が実施されれば,本市の乳幼児医療費助成額が約2億5,000万円軽減されることとなります。医療費助成の対象が4歳児以上となっているのは,12政令指定都市中5市に上り,道内でも34市中7市が既に拡大しています。
合計特殊出生率が1.05と,政令市で最も低い状況を克服するためにも,国による医療費助成軽減分を対象年齢拡大のために充当し,あわせて,就学前までの本市独自の拡大を強く求めておきます。
身体障害者手帳の6級以上,または精神障害保健福祉手帳の軽度以上で所得税や住民税の障害者控除の適用が受けられることについて,手帳の交付を受けていない人が除外されている実態を指摘しました。障害者の手帳がなくても,市が,障害者控除対象者認定書を交付することにより,税法上の控除申告を行うことができるよう,要介護認定の際に,要介護度1から5の対象者には,申請に基づき,速やかに交付するよう,各区の窓口での対応とともに,この制度を
介護保険の各事業所やケアマネジャーに周知するよう,改めて求めておきます。
保育所の整備については,1,000人近い待機児童の解消,さらに,定員を上回る1,600人もの超過入所解消のため,新増設を早急に行うべきであり,このことは,働く女性の権利を守るとともに,
少子化対策としても緊急の課題です。
学童保育所での
障害児加算は,4年生までではなく6年生まで行うべきです。また,障害児だけでなく,学童保育の対象児童を6年生まで拡大し,補助金も大幅に引き上げることを求めておきます。
福祉除雪については,除雪路線の間口のみでなく,高齢者,障害者の切実な願いにこたえて,除雪路線以外の
生活道路にも対象を拡大し,屋根の雪おろしを含めて無料実施を行うべきです。
生活保護世帯への就労指導にかかわって支給される求職活動の交通費は,実態に即して支給されるべきです。2000年3定において指摘したにもかかわらず,十分に是正されていません。早急な改善を重ねて求めておきます。
勾配が6%未満の坂道ヒーティングを廃止しようという計画は,経費削減だけを目的とする安易な対応であり,このようなやり方で冬道の市民の安全を守ることはできません。即刻中止すべきです。
長引く不況のもと,仕事を失ってやむなくマイホームを手放さなければならないという困窮した
市民生活の実態から,
市営住宅への入居を希望する市民は年々ふえ続けており,10回以上応募しても入居できない市民が続出しています。市民の切実な願いにこたえて,少なくとも年500戸のテンポで
市営住宅の新設を進めるべきです。
市営住宅の修繕については,これまで本市の責任と負担で行われていた計画修繕が,入居者には何の通知もせずに入居者負担へと変更されていた問題を指摘しました。計画修繕にかわって,経年劣化によるものは随時修繕を行うとの委員会答弁がありましたが,要望のある
市営住宅に対しては,速やかかつ適切に対応するよう求めておきます。
深刻な消費不況と大型店の出店ラッシュにより経営が圧迫されている地域の商店街を活性化するため,1
商店街振興組合当たり500万円の補助を行う
商店街緊急活性化事業補助金制度を創設すべきです。
深刻な不況下で,中小零細業者の経営を守るために,昨年4月から,市の新たな制度融資として,経営改善の小規模事業資金,いわゆる無担保融資制度がつくられました。しかし,これを利用すべく,商工会議所の経営診断のもとに改善計画を立て,信用保証協会の保証もつけて,市のあっせんで金融機関に申し込んでも,焦げつく心配が全くないにもかかわらず,融資が拒否されています。このため,融資枠7億5,000万円を確保して創設したこの制度の実績は,今年1月末でわずか43件,1億1,700万円にとどまり,必要な中小業者に有効に利用されない状況にあります。即刻,貸し渋りをやめるよう,金融機関への指導を強化して,制度融資が正常に機能するよう,改善を強く求めます。
次に,議案第2号 土地区画整理会計予算についてです。
18.4ヘクタールの工業団地を抱える東雁来第2
土地区画整理事業において,2000年度に,事業年度を8年間延長する変更が行われ,市費投入が当初計画の139億5,400万円から219億1,000万円へと,79億5,500万円も増加することになりましたが,このような本市の負担増を招く
事業計画は,容認できません。
議案第3号 団地造成会計予算及び議案第27号ないし第31号については,高い土地を取得して団地造成を行った結果,地価下落と不況の進行の中で,市民の財産である
まちづくり推進基金に売れ残りを抱えさせ,その基金からの繰り入れで新年度も草刈り等の維持管理と広告宣伝を行うものですが,この
団地会計の事業は,市民に重大な損失を与えてきているもので,市長の結果責任が問われる問題として,反対するものです。
議案第6号
国民健康保険会計予算についてです。
本市の国保料は,社会保険の3倍,市職員共済の2倍にもなっています。
国保加入者の平均所得が1990年度の280万円から,2000年度は140万円へと半減している現状で,2003年度から,所得割の比率を4ポイント削り,均等割に上乗せし,その上に所得割の賦課方式を市民税所得割方式から住民税方式に変更する賦課方式の見直しを行って,収納率の低い中間所得層など21%の世帯の負担を軽減する一方で,大多数の低所得層に対して負担増を押しつけるやり方は不当であり,行うべきではありません。
国に対して
国保財政の抜本的な改善を求めるとともに,差し当たり
一般会計からの繰り入れをふやし,負担能力の限界を超えた国保料そのものを1
世帯当たり平均2万円引き下げるべきです。
また,国民健康保険法の改悪もあって,
資格証明書を3月1日現在で1万3,000世帯を超えて大量発行していますが,このようなやり方は,国民皆保険制度を突き崩し,市民の命を奪うことにつながり,許されません。資格証の大量発行などは,すべきでないことを強く求めておきます。
議案第7号 老人医療会計については,今国会で審議されている医療保険制度改悪にかかわって,この10月から,老人医療の自己負担を大幅に引き上げることが前提とされておりますので,反対するものです。
議案第14号 病院事業会計予算では,市立病院内の保育所について,民間委託はやめて,直営で維持すべきです。年度がかわると同時に,園長を初め,すべての職員が入れかわるというような状態で,正常な保育が実現できるはずがありません。子供たちの健やかな成長を保障する保育のために,指名競争入札による保育事業の委託化は解消するよう,強く求めます。
議案第16号 交通事業会計予算についてです。
昨年12月に策定した交通事業
改革プランの特徴は,市バスの民営化,地下鉄業務の委託推進,正職員の大幅削減となっています。特に
バス事業では,公営交通としての役割は今後も変わるものではないと,繰り返し表明してきたにもかからず,本年2月施行の改定道路運送法による規制緩和を理由に,経済性の発揮がより期待できると全面民営化を決め,公共性を放棄したことは,問題です。ジェイ・アール北海道バスは,2月4日,早くも全道40の赤字路線の廃止を決定したことからも明らかなように,市バスの完全民営化を強行すれば,路線の赤字を理由に,将来,市民の足を切り捨てることにつながるのは必至です。全面民営化計画の撤回を強く求めます。
次に,先ほど
提案説明がありました議案第1号
一般会計予算中関係分及び議案第6号
国民健康保険会計予算を撤回の上,再提出を求める動議については,これまで指摘してきたように,借金財政の大きな原因となっている
大型開発事業を抜本的に見直し,むだを省いて本市の財政危機を打開するとともに,大企業本位の予算から,市民の暮らし,福祉,中小業者の営業を守る予算に改めるために提案されたもので,可決すべきであることを主張するものです。
以上で,私の討論を終わります。
◆田中昭男 委員 私は,ただいまから,新政クラブを代表して,本
特別委員会に付託されました
市長提出による平成14年度予算にかかわる諸議案につきましては,これに賛成する立場から,
共産党提出による,平成14年度
一般会計予算及び
国民健康保険会計予算を撤回の上,再提出を求める動議には反対の立場から,簡潔に討論を行います。
平成14年度は,5年計画の3年次目の
折り返し点として,計画の達成にめどを立てる重要な年であるとともに,桂市長の今任期最後の
本格予算を編成する年でもあります。
このため,平成14年度予算は,札幌市の将来を展望する上で極めて重要な予算でありますが,歳入の大宗をなす市税収入が前年度比で
マイナスと見込まざるを得ない一方で,
生活保護を初めとする扶助費や,過去の経済対策などにより発行した市債償還の本格化による公債費の増といった
義務的経費が増大する中で,中長期的な
財政見通しを考慮の上,施策の重点化と成果重視の観点による優先順位の明確化によって厳しく事業を選択し,財源の重点配分を行っているものと考えるのであります。
特に,
一般会計予算規模が,
政令指定都市移行後,初めて実質的に前年度比で
マイナスとなる中で,本市の将来を見据えて,今まさに必要な経済の活性化や
少子高齢化社会に対応した
地域福祉の推進を初めとする六つの重点施策については,組織横断的に取り組まれ,積極的な予算計上に努められたものと評価をいたします。
また,我が会派が従来から主張しております市債発行の抑制については,
一般会計での市債発行額は,
臨時財政対策債が222億円に上ったこともあって895億円となり,平成10年度から14年度までの発行見込み額の累計は4,843億円となり,
行財政推進計画における目標額の4,412億円を431億円上回り,総額においては目標達成は困難な状況になっております。
しかしながら,その中には,地方交付税の振りかえとも言うべき
臨時財政対策債や,市税の振りかえ財源としての性格を持つ減税補てん債,減収補てん債といった特別な市債などが,総額で590億円含まれており,これを除くと計画額を159億円下回ることになるのであります。また,これらの特別な市債を含んだ5年間の発行額累計でも,前5年間に比べて47億円下回ることになり,市税を初めとする一般財源が伸びない中にあって,市債発行抑制の趣旨は達成できたものと評価をいたします。
しかしながら,市債残高に目を転じますと,平成12年度末に初めて1兆円を超えた,
一般会計における市債残高は,平成14年度末においては1兆866億円となる見込みであります。公債費の増大によって財政の弾力性が失われ,その結果,真に必要な行政需要への対応に支障を来すことのないよう,中長期的な
財政運営を十分見据えた上で,将来の
市民負担を勘案しながら,今後とも市債発行の抑制を初めとする
行財政改革に積極的に取り組まれるよう要望をいたします。
次に,本
特別委員会において我が会派が質疑,提言してまいりました諸課題等のうち,その主なものについて簡潔に述べてまいりたいと思います。
最初は,
地域経済・
雇用対策についてであります。
本市の
中小企業融資制度の金利につきましては,これ以上の引き下げが困難とのことでありますが,大変厳しい経営環境にある
市内中小企業の経営安定のために,金融機関並びに北海道信用保証協会との連携を密にして融資促進を図るよう,強く要望いたします。
また,コールセンターの誘致については,本市の
雇用対策として有効と考えますが,全国的な誘致競争が激化していますので,組織強化,補助制度の拡大等により,積極的な
企業誘致,人材育成を進めるよう求めます。
次に,
北海道住宅供給公社についてであります。
この問題に関しては,本市は,公社の既存借入金の損失補償は行わず,また,公社の経営責任にかかわるような負担は行わないとのことであり,これを是とするところであります。
しかしながら,北海道においては,本市の出資者としての経営責任を問い,さらなる協力要請が行われることが懸念されるのであります。公社の設置者としての北海道の経営責任と,本市の
街づくりの観点からの支援の問題とは峻別して考えるべきであり,経営責任にかかわる問題については,最終的な処理策も含めて,北海道が全責任を持って解決に当たるべきと考えますので,それを十分踏まえた上で対応されるよう要望をいたします。
最後は,交通事業
改革プランに関してであります。
路面電車は,人や環境に優しい都市の装置であり,基本的には,将来にわたって存続させるべきと考えますが,延長,ループ化については,現実的な収支計画を前提にした慎重な判断が必要です。今後は,活発な市民論議を期待するとともに,適切な情報提供を求めます。
また,地下鉄事業については,現在,国において経営健全化のための制度改正が検討されているとのことですが,本市の基幹交通である地下鉄の経営効率化に向けての職員一丸となった
取り組みを強く求めます。
以上,平成14年度予算及び関連する諸課題について,提言や要望を申し上げてまいりました。
理事者におかれては,これらを十分考慮されて,適正かつ効率的・効果的な事務事業の執行に努め,将来を見据えた
行財政運営に一層努力されるよう求めて,私の討論を終わります。
◆小林郁子 委員 私は,市民ネットワーク北海道として,第二部
予算特別委員会に付託されました議案中,議案第18号 平成14年度札幌市水道事業会計予算及び平成14年度
一般会計予算及び
国民健康保険会計予算を撤回の上,再提出を求める動議に反対し,残余の議案には賛成の立場から討論いたします。
新年度予算は,市民税,特に
法人市民税を対前年比20%減と見込むなど,歳入が全会計でも1.6%
マイナスとなる厳しい状況になっています。それに伴い,
義務的経費比率が上昇,起債制限比率が11.1%になるなど,財政の硬直化が進んでいます。そのような中で,
市民生活の安定と質的向上を確保するには,市民による外部の目を入れた徹底した事務事業の評価や広域分野で活動するNPOとの役割分担が急務となっていますが,この点における本市の
取り組みは不十分です。このことから,議案の審議に当たっては,事業の優先性や市民意思の反映,費用対効果,今後の課題などの観点から臨んでまいりました。
以下,費目ごとに見解を申し上げます。
初めに,保健福祉費についてです。
社会福祉費については,新年度より,精神障害者に対して10割助成の福祉乗車証が交付されることになったことを評価するとともに,福祉パスか,福祉タクシーに加え,障害者が真に移動しやすい環境を整えるため,選択の幅を広げ,ガソリン代などの給油券交付方式を,2003年度の実施を目途に準備を進めることに対しても,大きな前進と受けとめます。この実施に当たっては,現在,既に移送サービスを行っている団体等との連携が十分図られることを要望いたします。
自閉症者施策については,強度行動障害・自閉症者処遇基本計画検討委員会から出される基本計画を着実に実行し,ティーチプログラムの導入や
ホームヘルプサービスなどの在宅支援機能の充実を図るとともに,なお残る課題として,早期発見・早期療育の
体制づくり,生涯にわたるトータルケアシステム,グループホームの実現を目指すべきです。
児童福祉費についてです。
児童健全育成事業である学童保育については,児童クラブの温かみを増すための質的充実と野外活動などにおいて民間のよさを発揮している民間方式への助成の拡大が課題です。特に,民間方式の運営で大きなウエートを占める家賃と,保護者の帰宅時間が6時を過ぎることが多い現実に合わせた開設時間の延長に対する助成の拡大を図るべきです。
老人福祉費についてです。
次期
介護保険制度に向けて,新年度から見直し作業が本格化します。そのかなめとなるのが
介護保険事業計画推進委員会ですが,この委員会のあり方については,地域委員や公募委員から,会議の規模が大き過ぎる,時間の制約があるなどのため,自由に意見を交換し審議する場になっていないとの指摘があります。また,各区で設けられる市民意見交流会についても,昼間の開催のみで,意見の集約には限界があるなど,市民みずからがつくるという
介護保険制度の趣旨を生かすためのこれらの重要な手続において,大きな課題があると言わざるを得ません。改善を求めます。
あわせて,現在,市内に急速に増加している痴呆性高齢者対象のグループホームについて,サービスが適正に確保されているか,市独自で立入調査を行うとのことであり,この結果を市民へ情報提供する方法を講じることを求めます。
次に,病院事業会計についてです。
市立病院における臨床研修については,市立病院臨床研修要綱の定めにより行われているとのことですが,臨床研修医については,その身分や勤務実態は,全国の状況と同様,あいまいであると言わざるを得ません。また,
歯科口腔外科医の研修については,研修の範囲をどこまでとするかなどが明確でないまま今日に至っており,医療現場での熱意と工夫に任されているのが現状です。このような中で,現在,組織的に決定されて行われている研修に対して,1人の医師が医師法違反に問われていますが,市立病院は,研修機関として,その不当性や研修ガイドラインの策定につき,国に働きかけていくべきことを主張しておきます。
土木費についてです。
電柱や街路灯などに張られた張り紙や張り札などの違反広告物が年々増加しており,今年度だけでも除却件数が49万枚に上ります。また,質的にも悪質なものが多くなっていますが,これらは,札幌の景観を損なうだけでなく,コンベンションシティーを目指す上でも障害になるものであり,特別な対策を必要とする時期にきています。新年度は,大規模イベントの開催に合わせ即時除却などを行ったり,町内会などとの連携も深めるとのことですが,張り紙などが張れない材質の研究や,あわせて,道路上に置かれたのぼり旗についても規制の強化を図るべきです。
厚別清掃工場の廃止に伴う代替熱源については,ごみ固形化燃料,RDFに決定し,新年度は,地域暖房株式会社のRDFボイラープラント設置に係る補助金が予算化されています。RDFの選択に至ったのは,住民の負担増を避け,かつ会社の存続を図るための次善の策であり,この選択に至る経過については,一つに,RDF製造過程における安全性が未確定であること,二つに,地域暖房株式会社に対して,プラント設置への補助金以外にも,RDFの購入価格の低減や貯蔵庫の設置,燃焼灰の処理費の軽減など,会社存続のために税金を投入していること,三つに,限られた一地域にこれだけの多額の経費をかける地域暖房のあり方そのものが問われなければならない問題を持っていることを指摘しておきます。今後は,RDFにかわり,街路樹の剪定枝などの木質バイオマスの使用実現に向けて積極的に検討を行うべきです。
経済費についてです。
コミュニティー及び商店街の再生が急務となっている今日,地域活性化の核としての役割を果たし,周辺住民の期待にこたえる商店街としていくため,NPOとの協働が重要になっています。空き店舗活用事業についても,単に商店街の発想による事業の展開のみでは,地域の発展効果の面で限界があり,子育てや高齢者福祉に取り組むNPOと連携することにより,商店街やコミュニティーに必要なサービスや業種について,コミュニティビジネスとして起業することが考えられます。新年度本格化する空き店舗活用事業について,NPOとの協働など,柔軟な対応を求めておきます。
来年6月オープンする
コンベンションセンターについては,現時点で25%の稼働率という予約状況では,目標である大ホール70%稼働率及び経済波及効果110億円が達成できるのか,危惧されます。コンベンション誘致の都市間競争が年々激しさを増している中,毎年,運営費だけでも約3億円の市費を持ち出すに見合う経済効果を生み出すためにも,関係者の熱心な
取り組みが問われます。
交通事業会計についてです。
交通事業
改革プランにおける
バス事業の
民間移行については,市民の中に,運行サービスが低下するのではないかという大きな不安があります。料金制度の継続や運行便数の確保,加えて,エコキップなどについても市民サービスの維持・向上を確保すべきです。また,市内民営バス3社は,これまで,地下鉄の乗り継ぎや各種制度の共通化を図るなど,市営と共同して公共交通ネットワークを築いており,民営化後も一層の連携が必要とされます。今後は,路線の廃止や新設など,
市民生活に大きな影響を与えるものについては,引き続き,市の責任ある関与を求めておきます。
水道事業会計についてです。
当別ダムについて,石狩西部地域広域的水道整備計画案がまとまりましたが,計画改定の要因となった札幌市の水需要予測の見直しは,2035年に約10万人分の水需要に相当する4万8,000立方メートルが不足するというものです。これは,出生率が低下している日本の人口推移や,知識集約型に
産業構造が変化し,業務用の水需要が減少している中で,過大となる可能性が多分にあるものです。
このたびの改定に当たって,本市は,18億円の原因者負担をしていますが,今後も人件費や材料費等の高騰が予想され,市民に見通しの立たない負担を強いることにもなります。
また,ダムの近くに当別断層と呼ばれる活断層が存在することも北海道の調査で明らかになっており,危険な地域にあえてダムをつくることの是非は,市民に改めて問うべきです。
5年ごとの事業再評価に当たっては,需要見通しと需要実績が乖離した場合には,見直しや中止も検討すべきであり,当面の凍結を求めます。
以上,要望を交え,諸課題について申し上げました。
理事者におかれましては,十分勘案され,市政執行に当たられることを求めまして,討論を終わります。