札幌市議会 2002-03-01
平成14年第 1回定例会−03月01日-05号
議案第7号 平成14年度札幌市
老人医療会計予算
議案第8号 平成14年度札幌市
介護保険会計予算
議案第9号 平成14年度札幌市
基金会計予算
議案第10号 平成14年度札幌市
公共用地先行取得会計予算
議案第11号 平成14年度札幌市
砂防用地先行取得会計予算
議案第12号 平成14年度札幌市
交通災害共済会計予算
議案第13号 平成14年度札幌市公債会計予算
議案第14号 平成14年度札幌市
病院事業会計予算
議案第15号 平成14年度札幌市
中央卸売市場事業会計予算
議案第16号 平成14年度札幌市
交通事業会計予算
議案第17号 平成14年度札幌市
高速電車事業会計予算
議案第18号 平成14年度札幌市
水道事業会計予算
議案第19号 平成14年度札幌市
下水道事業会計予算
議案第20号 札幌市職員定数条例の一部を改正する条例案
議案第21号 札幌市
証明等手数料条例の一部を改正する条例案
議案第22号 札幌市
市民情報センター条例案
議案第23号 札幌市
国民健康保険条例の一部を改正する条例案
議案第24号 札幌市
水道事業給水条例の一部を改正する条例案
議案第25号
札幌市立学校設置条例の一部を改正する条例案
議案第26号 札幌市
教育文化会館条例及び札幌市
教育センター条例の一部を改正する条例案
議案第27号 財産の処分の件議決変更の件(
芸術産業関係団地用地)
議案第28号 財産の処分の件議決変更の件(工業団地用地)
議案第29号 財産の処分の件議決変更の件(工業団地用地)
議案第30号 財産の処分の件議決変更の件(工業団地用地)
議案第31号 財産の処分の件議決変更の件(住宅団地用地)
議案第32号 財産の処分の件議決変更の件(
卸売業務団地用地)
議案第33号
包括外部監査契約締結の件
議案第34号 住居表示を実施する市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法を定める件
議案第35号 札幌市職員の勤務条件に関する条例等の一部を改正する条例案
議案第36号 札幌市基金条例の一部を改正する条例案
議案第37号 札幌市公害防止条例の全部を改正する条例案
議案第38号
札幌市営住宅条例の一部を改正する条例案
議案第40号 札幌市火災予防条例の一部を改正する条例案
議案第43号 財産の取得の件(火葬場用地)
議案第44号 財産の取得の件(
札幌コンベンションセンター用地)
議案第45号 財産の取得の件(公園用地)
議案第46号 市道の認定及び変更の件
議案第47号 平成13年度札幌市
一般会計補正予算(第7号)
議案第48号 平成13年度札幌市
土地区画整理会計補正予算(第2号)
議案第49号 平成13年度札幌市
公債会計補正予算(第4号)
追加日程 第1部及び第2部
予算特別委員会委員の選任
追加日程 第1部及び第2部
予算特別委員会委員長の選任
〇出席議員(67人)
議長 佐 藤 美智夫 君
副議長 加 藤 齊 君
議員 長 内 直 也 君
議員 五十嵐 徳 美 君
議員 村 松 正 海 君
議員 山 田 一 仁 君
議員 近 藤 和 雄 君
議員 村 上 勝 志 君
議員 藤 原 廣 昭 君
議員 三 浦 英 三 君
議員 青 山 浪 子 君
議員 坂 本 恭 子 君
議員 岡 千 陽 君
議員 恩 村 一 郎 君
議員 小 林 郁 子 君
議員 松 浦 忠 君
議員 高 橋 克 朋 君
議員 勝 木 勇 人 君
議員 鈴 木 健 雄 君
議員 堀 川 素 人 君
議員 横 山 光 之 君
議員 大 嶋 薫 君
議員 小 野 正 美 君
議員 涌 井 国 夫 君
議員 本 郷 俊 史 君
議員 高 橋 功 君
議員 岩 村 よね子 君
議員 熊 谷 憲 一 君
議員 宮 川 潤 君
議員 井 上 ひさ子 君
議員 馬 場 泰 年 君
議員 宮 村 素 子 君
議員 笹 出 昭 夫 君
議員 三 上 洋 右 君
議員 道 見 重 信 君
議員 上瀬戸 正 則 君
議員 原 口 伸 一 君
議員 畑 瀬 幸 二 君
議員 大 西 利 夫 君
議員 義 卜 雄 一 君
議員 武 藤 光 惠 君
議員 小 川 勝 美 君
議員 田 中 昭 男 君
議員 山 口 た か 君
議員 千 葉 英 守 君
議員 村 山 優 治 君
議員 宮 本 吉 人 君
議員 武 市 憲 一 君
議員 大 越 誠 幸 君
議員 猪 熊 輝 夫 君
議員 西 村 茂 樹 君
議員 川口谷 正 君
議員 森 健 次 君
議員 柿 崎 勲 君
議員 小 田 信 孝 君
議員 生 駒 正 尚 君
議員 飯 坂 宗 子 君
議員 福 士 勝 君
議員 高 橋 忠 明 君
議員 常 本 省 三 君
議員 柴 田 薫 心 君
議員 小 谷 俵 藏 君
議員 伊与部 敏 雄 君
議員 湊 谷 隆 君
議員 常 見 寿 夫 君
議員 本 舘 嘉 三 君
議員 荒 川 尚 次 君
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〇欠席議員(なし)
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〇説明員
市長 桂 信 雄 君
助役 千 葉 瑞 穂 君
助役 佐々木 喜 四 君
助役 福 迫 尚一郎 君
収入役 高 橋 登 君
交通事業管理者交通局長 片 桐 政 美 君
水道事業管理者水道局長 瓜 田 一 郎 君
総務局長 高 橋 賢 治 君
企画調整局長 角 田 義 寛 君
財政局長 平 口 愛一郎 君
市民局長 谷 紘 子 君
保健福祉局長 宮 田 睦 彦 君
環境局長 三 井 尚 君
経済局長 小 川 敏 雄 君
建設局長 西 條 肇 昌 君
都市局長 角 尾 大 和 君
下水道局長 小 西 十四夫 君
市立札幌病院長 中 西 昌 美 君
消防局長 阪 下 征 哉 君
教育委員会委員 丹 羽 祐 而 君
教育委員会教育長 土 橋 信 男 君
選挙管理委員会委員長 田 畔 満 君
選挙管理委員会委員 青 木 護 君
選挙管理委員会委員 越 智 健 一 君
人事委員会委員 大 塚 龍 児 君
人事委員会事務局長 古 田 勝 榮 君
監査委員 川 越 公 夫 君
監査事務局長 南 槇 子 君
――――――――─―――――――――
〇
事務局出席職員
事務局長 金 野 信 夫 君
事務局次長 岸 稔 君
総務課長 渡 邉 惠 君
調査係長 中 村 信 弘 君
資料係長 岩 谷 隆 博 君
議事係長 大 島 和 幸 君
記録係長 長谷川 万壽美 君
委員会一係長 酒 井 欣 洋 君
委員会二係長 吉 野 豪 君
書記 山 本 扶 美 君
書記 池 田 章 宏 君
書記 柴 井 康 君
書記 酒 井 智 美 君
書記 本 島 光 二 君
書記 松 崎 朗 子 君
――――――――─―――――――――
〔午後1時1分開議〕
○副議長(加藤齊君) これより,本日の会議を開きます。
出席議員数は,61名であります。
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○副議長(加藤齊君) 本日の
会議録署名議員として山田一仁君,宮川潤君を指名いたします。
○副議長(加藤齊君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(金野信夫君) 報告いたします。
佐藤美智夫議長,常見寿夫議員及び本舘嘉三議員は,所用のため遅参する旨,それぞれ届け出がございました。
本日の議事日程及び質問順序表は,お手元に配付いたしております。
以上でございます。
――――――――─―――――――――
○副議長(加藤齊君) これより,議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第38号まで,議案第40号及び議案第43号から第49号までの46件を一括議題といたします。
昨日に引き続きまして,代表質問を行います。
通告がありますので,順次発言を許します。
田中昭男君。
(田中昭男君登壇・拍手)
◆田中昭男君 私は,ただいまから,新政クラブを代表して,本議会に提案されました諸議案並びに市政の諸課題について,順次質問をさせていただきます。
初めに,財政問題について,資金の調達と運用の面から,2点お伺いをいたします。
質問の第1点目は,市債の個人消化についてであります。
本市の市債残高は,一般会計において平成12年度末に初めて1兆円を超え,全会計合わせて2兆1,000億円となっております。市債については,公共施設の建設等に際しての世代間の負担の公平を図るために必要不可欠なものでありますが,少子高齢化の進展による労働人口の減など,将来の返済能力等を考えますと,残高の累増は避けるべきものとだれしもが考えるところであります。
平成14年度の一般会計市債予算は,前年度比6.9%増の895億円となっておりますが,この中には,平成13年度から国の財源不足の影響を受けて発行することとなった
臨時財政対策債が前年の約2.5倍の222億円も含まれており,発行抑制もままならないことは一面で理解できるところでありますが,一方で,この資金を円滑に調達していくことが市政遂行のためにも必須であると感じているところであります。
ところで,日本の金融市場を欧米並みの国際金融市場として再生することを目指した金融大改革,いわゆる
日本版ビッグバンが進む中で,金融システムは,徐々にではありますが,間接金融から直接金融へとシフトしつつあります。このような流れに加えて,近年の低金利の長期化やペイオフ解禁を背景に,個人レベルにおいても資金運用に対する関心が高まりを見せる中で,折しも,マイカル債の債務不履行やMMFの元本割れなどが起きたことから,安全で有利な金融商品として公共債の人気が一段と高まっていると聞いております。
このような状況の中で,国においては,国債の確実かつ円滑な消化を実現する上で,個人保有率のアップを図るため,平成14年度中にも新たな個人向けの国債を導入する方向で検討を行っているとのことであり,また,昨年秋には,24年ぶりに人気女優による
テレビコマーシャルやポスターの掲示を行うなど,個人への販売促進を強力に進めているところであります。
一方,各自治体でも,地方債の個人消化の推進のためにさまざまな工夫を行っており,北海道では,リーフレットを作成し,各
取り扱い金融機関の店頭で配布したり,横浜市では,5年債を個人向け中心と位置づけ,引き受け
シンジケート団を再編成するなどの試みを行っていると伺っております。
地方債については,このような取り組みと,国債に比べ,住民に身近で,また一般的に利回りが高いということも相まって人気が増しており,12月発行の北海道債では即日完売の銀行もあったとのことであります。
また,総務省では,個人への販売を中心とした
ミニ市場公募債の発行を推奨しております。
ミニ市場公募債というのは,地域住民に限定して地方債を発行することによって,個人消化を進め,地方債の安定消化を図ることを想定した枠組みで,従来の公募地方債の条件を大きく緩和したもので,本市においても平成14年度中の発行を検討していると伺っております。本市でも,おくればせながら,平成13年度から個人消化を推進する方策を行っているとのことであり,11月債及び3月債の発行時には,これまでの広報さっぽろに加えて,新聞紙面への広告掲載を行うとともに,3月債の発行に向けては,さらにチラシを作成し,取り扱いの銀行や証券会社に加え,市役所や区役所でも配布しているとのことであります。
地方債の保有者における個人の割合が増加することは,安定した投資家層の確保につながることはもちろんですが,地方分権が本格化する中で,市民が投資家として市政に関心を持つ機会になるものとして,重要な意義を持っていると考えられます。
しかし,地方債購入という債券投資を行うことについては,個人個人が必ずしも十分な知識を持っていないと思われるのであります。例えば,国債と比べると流動性が劣り,途中売却が難しいこと,また,金利水準の変動によっては売却時に元本割れとなるリスクがあることも事実であります。個人消化を進めるに当たっては,これらのことについて本市がしっかりとPRしていくとともに,販売に当たる金融機関においても,十分に理解が得られるような配慮も必要となってくるのではないでしょうか。
そこで,質問でありますが,地方債の個人消化について,今後どのように取り組もうと考えられているのか,お伺いいたします。
また,
ミニ市場公募債について,その位置づけや発行時期などについて,現段階で考えているイメージについても,あわせてお伺いをいたします。
質問の2点目は,基金の債券運用についてであります。
地方自治体における基金などの公金預金に関するペイオフ解禁については,最近になって,国政レベルで例外措置の必要性について種々の議論がなされております。
しかしながら,現在のところ,一般の預金と同様,ことし4月から普通預金等の決済性預金を除き一部解禁となる予定であり,本市のペイオフ対策についても,平成14年度は全額保護対象である普通預金などの決済性預金を十分に活用しながら,平成15年度の全面解禁に向けて,預金と相殺できるよう市債の一部を証書借り入れに切りかえるとともに,基金については債券運用を拡大すると伺っております。
ところで,本市には1月末現在で22の基金があり,全基金合計で預金残高は約800億円にも上っておりますが,基金別では,減債基金や土地開発基金のように残高が100億円以上の基金がある一方,10億円未満の基金が約半数を占めております。もちろん,基金ごとにその規模や設置目的,取り崩しの時期や額が異なり,今後についても,それを十分に踏まえた運用管理を行っていくべきことは当然のことであります。
しかしながら,高い運用利回りを得るためには,10年物などの長期債券での運用が有利でありますが,長期債券を購入した場合,その資金が長期間固定化し自由に使えなくなることや,購入後の金利上昇などのメリットを得られないとされています。一方,資金や金利の固定化を嫌って短期債券のみで運用を行うと,非常に低い利回りしか得られないなど,債券運用を行うに当たっては種々の課題が考えられるところでございます。
また,基金の債券運用を先進的に行っている福岡市では,基金の大部分の約1,000億円について一括して債券運用に取り組んでいると聞いておりますが,複数の基金をまとめて債券運用をするなどの方法については,本市においても一考に値すると考えているところであります。
そこで,質問でありますが,かねてから我が会派では,基金の運用については代表質問でも取り上げ,平成13年第3回定例会で減債基金の運用について質問をした際,その他の基金についても各基金ごとの造成,支消の見通しを踏まえ,減債基金に準じた債券運用を検討するとの答弁をいただいたところでありますが,どのように債券運用を行おうと考えているのか,お伺いをいたします。
次に,
ワークシェアリングについてお伺いをいたします。
景気雇用情勢は,長引く不況のもと,極めて厳しい情勢にあります。先日発表されました完全失業率を見ても,国は4カ月連続して前年同月を上回り,さらに,道内における完全失業率も5.6%と高い割合を示しております。
道内における企業倒産も相変わらず高水準で推移しており,景気の低迷が続く中,企業における雇用の確保は厳しい情勢となっております。道内においては,企業規模も小さく,また,積雪寒冷地という北海道特有の季節的特性もあって,国における
公共事業発注削減の影響を強く受けている建設土木業は,とりわけ厳しい情勢となっております。
雇用をめぐる現況は,このような流れの中,大きな変化を生じており,従来型の
終身雇用制は形を変えつつあると考えられます。特に,ここ1年来,大企業を中心として大規模な早期退職が進められるなど,IT関連産業の例を見るまでもなく,主たる生計層である高年齢者を中心とした雇用調整が進み,現状では一段と厳しさが増しております。
このような中,国は,雇用保険,各種助成・支援制度の充実とあわせ,平成11年度から平成13年度までの3カ年にわたる事業として,特に中高年齢層を中心とした中途離職者などに対する一時的な雇用の場の確保に向けた
緊急地域雇用特別交付金事業を実施したところでありますが,引き続き,平成14年度から平成16年度まで3年間延長し,緊急的雇用の場の創出・確保に取り組む方針と聞いております。
諸外国で例がありますが,新たな視点に立った考え方として,一つの仕事をみんなで分かち合い,雇用の場を確保する,いわゆる
ワークシェアリングがあります。
雇用情勢が悪化する中,今,あらゆる分野での
ワークシェアリングを行うことで,これ以上の人員削減を防ぐための対応策として,この制度を取り入れる動きが民間では進んできております。雇用を確保するという考え方,そして,同時に,企業にとっても,これは退職させることなく一定の雇用の維持が可能な手法として有効であります。
特に,リストラによる影響は,主たる生計維持層である中高年齢層を直撃しているほか,企業にとっても自己防衛という観点もあって,従来の新規高卒者を対象とした求人ではなく,即戦力を重視した実務経験者の採用を重要視している傾向から,若年層の就職内定率が極めて低い状況となっております。
このような中,本年5月に新たに誕生が予定されている経済団体,
日本経済団体連合会の活動方針では,民間での取り組みにとどまらず,行政が主体となった雇用対策の切り札として,現在注目されている
ワークシェアリングを活用し,雇用の場の創出を求めていく考えも示しております。
道内の一部自治体においては,緊急避難的な立場に立って雇用の創出を打ち出しており,本市においても,去る2月4日に,新規高卒者を中心とする若年層を対象に,
緊急避難的措置として,平成14年度に約200名程度を
臨時的任用職員として雇用する旨の発表をしたところであります。
市内における雇用情勢は,既にご承知のとおり,厳しいものがあります。新規大卒者や高卒者の就職率は,前年度に比べますと低い割合を示していることは承知していますが,同時に,中高年齢者に対する雇用も極めて厳しい状況であることは申し上げるまでもありません。
このような中,行政としての立場での直接雇用という観点で,本市が雇用対策の一環として取り組むことについては,私どもとしても一定の評価をするところであります。
そこで,質問の1点目として,札幌市
版ワークシェアリングである今回の札幌市
緊急雇用創出施策の実施に当たっての基本的考え方についてお伺いをいたします。
質問の2点目として,平成14年度からスタートする国の新たな
緊急地域雇用創出特別交付金を活用した本市の事業の実施に当たっての考え方についてお伺いをいたします。
次に,
北海道住宅供給公社についてお伺いをいたします。
北海道住宅供給公社問題につきましては,北海道の検討委員会による公社のあり方についての昨年11月末の報告骨子及び去る2月22日の最終報告に基づき,当面の公社存続のための手だてが講じられようとしている状況にあります。
このような状況の中で,公社の継続事業の完成に必要となる新規借入金については,本市の街づくりと特にかかわりが大きい3事業について,本市が北海道とともに損失補償を行うことで合意されたということで承知しております。
一方,今回の処理方策の中で,当面の最も大きな課題となっている既存借入金の低利の借りかえ融資と,これに伴う損失補償については,北海道と金融機関の間で協議が行われる中で,本市に対しても既存借入金の損失補償措置の要請があり,これに対して,本市は,対応は困難であるとの考え方を回答したと聞いております。
私は,新規資金の借り入れについては,事業を最後まで完成することで本市の街づくりに貢献するということであれば,苦渋の選択を行うこともいたし方ないと考えており,また,この意味で,公社の処理方策が円滑に実施されることを期待するものであります。
しかしながら,既存の債務については,今までの過去の公社の経営戦略により生じたものであり,本市内外の事業について,その都度公社が経営上の判断を行いながら,北海道の指導・監督のもとに事業化を推し進めてきた結果と言わざるを得ません。
また,公社の事業が本市内で行われている割合が高いことをもって本市の責任を問う声も一部にはあるとのことですが,このような事業の偏りは,人口や経済規模などから本市内での事業展開が公社にとって有利であるとの公社の判断が積み重なったことの結果であり,本市内の事業量と本市の責任を単純に結びつけること自体,根拠のない主張であると考えるものであります。
したがって,公社の既存借入金に対して本市が損失補償を行わないとした考え方は賢明であると理解するものでありますが,北海道は,既存借入金の借りかえに伴う損失補償を本市が行えないのであれば,これに相応する協力を求めているとも聞いております。この相応の協力を行うということは,結局,本市が,一部にしろ,北海道の経営責任の一端を負うことになり,損失補償を行うことと同様の意味合いとなりかねないことから,その点について私は強い懸念を抱いております。
いずれにしても,このような公社の経営上の問題で市民に負担を強いることは,決してすべきではないと私は考えます。
そこで,質問ですが,これまでの北海道と金融機関との間の既存借入金の借りかえについての協議状況をどのように認識しているのか,また,これに関連して,北海道からは既存借入金の損失補償について具体的にどのような要請があったのか,これに対して本市はどのように考えているのか,今後における方向性も含めてお伺いをいたします。
次に,都心整備の今後の進め方についてお伺いをいたします。
第4次長期総合計画の魅力的で活力ある都心の整備を受け,都心のまちづくりビジョンと都心交通ビジョンが昨年提案され,さらに,まちづくりビジョンを具体化した都心のまちづくり計画や,中心市街地活性化基本計画の策定に向けた取り組みが鋭意進められており,都心の街づくりが目に見える形で進展することを期待するものであります。
私は,21世紀の都心整備に関連して,観光都市としての都心の街づくりと都心交通ビジョンの今後の展開,この二つの観点から質問をさせていただきます。
まず,観光都市としての都心の街づくりについてであります。
私は,これからの時代の都心を考えるとき,観光都市さっぽろの顔となるべき都心を,いかに美しく魅力的なものにしていくかという観点が,最も重要な課題の一つであると考えております。世界都市さっぽろというのは,市長が最近よく口にされるキーワードでありますが,抽象的な概念でもあり,なかなか焦点が定まらないと思っております。
私は,世界の都市の中で札幌の存在を強くアピールしていくためには,世界じゅうから多くの人々が訪れる一大観光都市を目指すことが必要であると常々考えております。年間1,300万人の観光客が訪れる札幌は,経済の発展や文化の振興を図るためにも,観光客を中心とする来訪者を資源としてとらえ,その活用によって都市としての発展を目指すべきであります。本市が力を入れている集客交流産業の振興も,この観点に立ったものと私は理解をしております。
そのためには,札幌ドームやコンベンションセンターといった施設を最大限に活用することとあわせて,都心の美しさ,魅力を飛躍的に高めることが重要であります。イベントやコンベンションで訪れる人々が,その目的以外にも,さまざまな楽しい時間を過ごせることが用意され,それが非常に美しい街並みの中に組み込まれていることが観光都市の真の魅力であります。
長い歴史を背景にしたヨーロッパの都市,経済的隆盛を競い合うかのようなアメリカの都市,莫大なエネルギーをそのまま表現するアジアの都市などでは,それぞれに個性的な街並みがつくられております。
翻って,日本の都市を思い浮かべますと,とりわけ大都市の街並みは東京の縮小版的なイメージにとどまっていると言わざるを得ないのであります。
札幌の都心について,いわゆる絵になる場所が減ってしまったとの指摘がしばしば出されるのは寂しい限りでありますが,比較的歴史が浅い札幌といえども,個性の背景となる有名・無名の歴史遺産や精神風土があることは確かでありますし,とかく無機質的と言われる格子状の街路網による直線的な街区風景を,通りの特性を強調しながら個性化していくことも十分可能であります。
都心においては,観光都市としての魅力を備えるため,個性的な街並みを整えていくことが極めて重要であると考えますが,都心のまちづくり計画の素案では観光という言葉が入っていないこともあり,この点がストレートに見えてこないのであります。
そこで,質問の1点目でありますが,市長としては,観光都市の顔である都心の個性的で美しい街並みの創出についてどのように認識され,都心のまちづくり計画を策定しようとしているのか,お伺いをいたします。
また,この計画は,策定後にさまざまな施策を段階的に具体化していくプログラムを示すものとされております。街づくりにかかわる計画というのは,最終的な目標となる絵を描くだけでなく,それに向けてさまざまな施策・事業に優先順位をつけながら戦略的に展開することが必要であり,そのような計画として策定されようとしていることは評価をしたいと考えます。
そこで,質問の2点目でありますが,このプログラムの中で,都心の街並み整備への取り組みをどのように進めようとされているのか,お伺いをいたします。
次に,都心交通ビジョンの今後の展開についてであります。
都心交通ビジョンは,都心の街づくりを交通面から支えるという観点から,魅力的で活力ある都心の実現を図るため,歩行者や環境を重視するといった理念と今後の都心交通の望ましい姿を広く市民に提案したものであります。その骨格となっている考え方は,札幌駅前通,大通及び創成川通の3軸において,都心を訪れた人々が楽しく移動したりくつろげるなど,その魅力を享受できる歩行者空間の拡大を図るというものであります。
また,都心交通ビジョンが目指す方向性は,中心市街地の活性化や都市環境改善の観点から既に欧米の各都市において採用されており,姉妹都市であるドイツのミュンヘン市などでは,自動車がはんらんしたことにより衰退した都心部において,目抜き通りを歩行者専用道路にすることでにぎわいを取り戻すなどの効果を上げたと言われております。
こうした海外での先進事例は,今後の取り組みを進める上で大変参考になるものと考えますが,ここで注目したいのは,先進都市の多くが,都心の機能を生かす土地利用政策,歩行者空間の拡大に伴い必要となる迂回道路の整備や公共交通の改善に取り組むなど,新たな課題の解決に向けた施策を並行して行っているという点であります。
都心交通ビジョンでは,歩行者空間の拡大に合わせ,都心に流入する自動車をその目的に応じて抑制することとしており,このため,都心を通過するだけの自動車に対しては,創成川通連続アンダーパスの整備,環状通など,迂回道路の機能強化を図ることとしております。また,都心へのアクセス手段の確保としては,乗り継ぎ利便性の向上やパークアンドライド駐車場の充実など各種施策を行い,都心内の移動については路面電車やバスを活用し,スムーズな移動を確保するなど,自動車から公共交通への転換を促すこととしております。
しかしながら,この都心交通ビジョンが提案されて以来,これらさまざまな施策のうち,歩行者空間の拡大による自動車の都心流入抑制ばかりが象徴的な形で理解されており,都心の商業者などからは,これまで以上に客足が郊外に流れ,都心の衰退を招くのではないかと懸念する意見も出されております。この理由として,都心交通ビジョンの提案では,例えば,公共交通の利便性向上策をどうするかなど具体的施策が示されず,公共交通離れが進む中で,本当に都心への来訪者をふやすことができるのかなどの疑問を持たれたためではないかと考えられます。
地球環境への負荷を小さくし,人間性を重視した魅力ある21世紀型の都心を考える上で,都心交通ビジョンの理念を実現することは重要なことであると考えます。このことから,本市としては,歩行者空間の拡大と,これに伴う自動車の利用抑制をどのように進め,また,そのことがどのような効果を及ぼすのかを市民や関係者に説明し,理解と協力を得ていくことが何にも増して必要なことではないでしょうか。
そこで,質問の第1点目でありますが,歩行者空間の拡大と,これに伴う都心への自動車流入抑制が都心の活性化にどうつながるのか,その基本的な考え方をお伺いいたします。
次に,都心交通ビジョンでは,おおむね20年後を目指し,歩行者,自動車,公共交通,道路機能の向上などさまざまな施策が一括して提案されておりますが,その実施に向けては効果的に取り組みを進めていく必要があるものと考えます。
そこで,質問の2点目でありますが,この都心交通ビジョンについて,今後どのような取り組みを進めていく考えなのか,お伺いをいたします。
次に,区の目指すべき方向性についてお伺いをいたします。
少子高齢化や地方分権の進展など社会環境の大きな変化を踏まえ,今後,より豊かな地域社会の実現を図るためには,市民と行政のパートナーシップによる街づくりを進めることが必要であり,その担い手としての市民の役割が一層重要になってきております。
本市においては,市民に身近な行政機関である区と連絡所の今後のあり方についてさまざまな市民議論を経て検討が進められ,昨年5月に区の機能強化に向けた指針となる区の目指すべき方向性がまとめられました。その中で,市民主体の街づくりを推進するために,市民と行政の情報共有化を進めることや,その活動を支援する機能の強化を図るとともに,行政が地域ニーズを把握して,これに応じた事業展開を推進する仕組みづくりに取り組むことなどが挙げられており,私も,これからは,市民と行政が連携・協働していくことが重要になると考えるところでありますが,これまでのこうした地域における街づくり活動は,主にそれぞれの地域の町内会が担ってきていることについては,今さら申し上げるまでもありません。
町内会は,全市のおよそ4分の3の世帯が加入する地域の基礎的な団体であり,その活動は,住民の連帯感の醸成に始まって,交通安全,防犯,防災,防火,環境衛生,福祉,青少年健全育成など広範囲にわたる地域活動に主体となって取り組み,成果を上げてきております。そのような町内会活動に加え,近年は,市民活動団体による地域の街づくりに対する企画段階からの参加や,福祉や環境問題でのボランティア活動など,新たな街づくり活動が高まりを見せております。市民一人一人が地域を愛し,知恵を出し合いながら主体的にさまざまな活動を行うことは,今後,地域の魅力ある街づくりにとってますます重要性を増していくものと思われ,これからの展開に大いに期待をしているところであります。
しかしながら,地域における街づくり活動について現在の状況を考えたときに,活動範囲がその団体にとって関心を持っている身近な分野のみの活動であったり,団体の活動が個々に行われ,町内会も含めた他の団体との連携を持った活動につながっていかないという面があります。また,行政の一定の枠組みの中で活動が行われ,なかなか市民の自立した活動になっていかないといった面も見受けられます。
私は,広範な住民の参画と合意という観点から,地域における街づくり活動は,行政及び他の市民活動とも連携しながら,幅広い視野から進められるべきと考えます。
そこで,質問でありますが,地域における市民の主体的な街づくり活動について,今後どのような方針で取り組まれようとしているのか,市長のお考えをお伺いいたします。
質問の2点目は,連絡所の問題についてであります。
連絡所は,現在全市で85カ所ありますが,市民の行政に対する理解を深め,行政を一層身近にするために大きな役割を果たしている,本市独自のすぐれた出先機関であります。これまでの連絡所は,おおむね連合町内会単位で設置され,町内会との結びつきを強めながら,地域活動の振興,地域に対する市政情報の提供,地域要望の収集など,本市の街づくりに重要な役割を担ってきております。
しかしながら,このたびの区の目指すべき方向性では,NPOやボランティア,PTA,商店街などの新たな街づくり活動を支援し,これらと連携していくことに取り組む一方で,連絡所の統合や連絡所の住民組織との関係の整理,検討など,これまで培ってきた町内会との結びつきを弱めてしまうようにとらえられる面もあります。
町内会は,地域が共通の身近な課題をみずから克服していく上で重要な役割を担う団体であり,地域における幅広い市民と行政の連携・協働という観点からすると,これまで以上に期待されることも大きいと思います。
そこで,質問でありますが,私は,連絡所には,このような新たな街づくり活動を活発にし,幅広い市民の参画を促しながら,地域全体が連携・協働するように働きかけていくため,むしろ連絡所機能の強化が求められているものと考えますが,市長は,今後の連絡所のあり方についてどのようにお考えか,お伺いをいたします。
次に,株式会社北海道フットボールクラブへの財政支援について,お伺いをいたします。
我らがコンサドーレ札幌は,昨年,J1リーグにおいて,並みいる強敵を相手に厳しい戦いを繰り広げつつも,見事にJ1残留を果たしてくれました。名将岡田監督の冷静沈着な指揮のもと,選手たちのひたむきなプレーは多くの市民に感動と夢を与えてくれるとともに,忘れかけていた連帯感や郷土愛を大いに高めてくれました。さらに,地元選手の活躍やチームの活動が新たな形での地域の振興や活性化に結びつくなど,スポーツの魅力とすばらしさを改めて感じさせてくれたと思うのであります。
3年前,低迷するコンサドーレ札幌の監督に就任し,チームの強化,フロントの経営改善に粉骨砕身尽くしていただいた岡田監督には,敬意を込めて,心からのお礼を申し上げたいと思います。
柱谷新監督は,優勝をねらうという高い目標を掲げておりますので,見事にJ1で勝ち抜き,コンサドーレ札幌を市民・道民の一層の元気の源として,地域に密着したチームにつくっていってほしいと願うものであります。
さて,昨年のチームの戦績を見ますと,J1の16チーム中11位ではありましたが,いずれも,最後まであきらめない感動的な試合ばかりでありました。こうした戦いぶりや,過密なスケジュールを縫ってのサッカー教室の開催などが,青少年の健全育成や市民・道民の連帯感の醸成など,社会的効果と都市のイメージアップをもたらすことはもちろん,宿泊,購買,飲食などの消費拡大や,JR・地下鉄・バスなどの交通需要を呼び起こすといった経済効果にも大いにつながっていると思うのであります。
一方,下部組織であります中・高校生による,ユース,ジュニアユースの活躍も目を見張るものがありまして,昨年の全日本クラブユースサッカー選手権では,強豪のユースチームを相手に準優勝という見事な成績をおさめたのは記憶に新しいところであります。このことは,サッカーを志す青少年には大きな励みであり,サッカー関係者にはまことに誇らしい成果であると言えるのであります。
一方,ここでチームを支えている力を経済的な側面から見てみたいと思います。
コンサドーレ札幌の運営会社である株式会社北海道フットボールクラブにつきましては,設立6年目で29億円の累積赤字を抱えながらも,平成12年度で初めて7,500万円の単年度黒字,平成13年度においても単年度黒字を達成できるとの見込みが伝えられております。市と道からの補助金があるとはいえ,自立の芽が少しずつ育ってきているなというのが実感であります。この陰には,幹部の方の無報酬での働きや,選手人件費を極力抑えるなど,チーム一丸となっての大変な努力があったものと推察申し上げる次第であります。
市民・道民の皆さんによる草の根の資金的支援活動の協力や,さまざまな団体からの支援の動きも活発で,かなりの実績も上がっているというのも心強いことですし,ホームスタジアムである札幌ドームでは平均3万7,000人という観客を集め,入場料収入の大幅な増額につながっていることもクラブ運営には大いに明るい材料と言えると思います。
いろいろな支援の中でも,公的支援について考えた場合,本市は,これまでにも数々の支援策を講じてきており,Jリーグチームをホームタウンチームとして抱える他の自治体と比較しても遜色なく,既に十分な役割を果たしているところであると思うのであります。
そこで,質問の1点目として,他球団に対するそれぞれの自治体の応援状況はどうなっているのか,また,本市が直接行う経済的な支援以外にも有効な支援があるのではないかと考えますが,所見をお伺いいたします。
また,質問の2点目として,コンサドーレ札幌には,その公益性部分に着目した支援はある程度継続していくべきものと考えますが,ドーム効果やサポーターの熱い支持に支えられ,経営に希望が持てる状況となりつつある今,今後の支援のあり方についてどのようにお考えなのか,お伺いをいたします。
次に,環境問題についてお伺いをいたします。
まず,本市における低公害車の導入についてであります。
現在,札幌市内で約97万台の自動車が登録されております。これは,市民2人に1台という割合にまで普及していることになりますが,私は,車に起因する大気汚染から市民を守るためには,低公害車を普及させることが最も効果的な方策であると考えております。
昨年5月に,小泉総理大臣は,国の一般公用車を平成16年度末までにすべて低公害車に切りかえていくことを打ち出しました。私は,公用車に低公害車を導入することについては,かねてからその必要性を訴え続けているところであり,総理のこうした決断は当然の結果と考えております。
また,平成13年4月にグリーン購入法が施行され,地方自治体においても,低公害車等を含めた環境に優しい物品の調達に努力義務が課せられたところでもあります。
国全体で公用車を低公害車へかえていこうとする中,本市の導入状況は,低公害車普及計画において平成12年度末で中間目標として50台を掲げているのに対し,約半分の27台にとどまっているという状況であります。本市の公用車の数がおよそ2,000台と伺っておりますので,わずか1.4%であり,これは他の政令都市の導入状況に比べても十分なものとは言えず,今後の本市の率先した導入が強く期待されるところであります。
一方,私は,低公害車の導入を進めるということは,その目的から,同時にディーゼル車を早期に代替していくことであると考えています。
ディーゼル車は,首都圏で乗り入れ規制などが検討されており,その排気ガスが問題とされているにもかかわらず,技術開発が進んでいないのが現状であります。
自動車による大気汚染は,自動車の技術開発を待ってはくれません。そのための当面の措置として,例えばプロパンガスを燃料としたトラックなど,より排出ガスがきれいな車や,ガソリン車でも低公害車と遜色のない車が開発されており,車両価格も現在ある車と比較しても大きく変わらず,車種も多彩になってきていることから,これらを実質的に低公害な車として導入車種に加えていくべきだと考えます。
そこで,質問でありますが,本市公用車の低公害車普及計画に掲げる目標の達成見込みについてお伺いをいたします。
また,二酸化窒素排出量が多く,黒煙の問題があるディーゼル車について,一気に低公害車への代替が難しい場合には,プロパンガスや,ガソリン車の中でも低公害な車を含めて転換を図るべきだと考えますがいかがか,あわせてお伺いをいたします。
質問の2点目は,ごみ減量化に向けた施策についてであります。
本市では,平成12年3月に,具体的なごみの減量やリサイクルの目標値を盛り込んださっぽろごみプラン21を策定し,この目標を達成するために昨年末にさっぽろごみダイエットメニューを策定するなど,種々の取り組みを進めていると聞いているところであります。
この中で,私は,具体的な減量施策として生ごみの減量化に注目をしております。
本市における生ごみの排出量は,一般家庭から出るものが約20万トン,事業系,いわゆる食品流通業や飲食店から出るものが8万トンであり,合わせて28万トン程度となっております。また,廃棄物全体に占める割合を見ると約4割弱と,大きな割合を占めております。したがって,これらの生ごみをリサイクルすることは,ごみの減量という面にとどまらず,限りある資源の有効利用という点からも,積極的に進めていくべき施策の一つであると考えております。
本市の生ごみの中で,事業系生ごみについては,家畜や養殖業の飼料として再生利用する本格的なリサイクルシステムを稼動させ,現状では事業系生ごみの約2割を処理していると聞いており,全国の状況と比べると,本市はかなり再生利用が進んでいるとの一定の評価をするものであります。
一方,一般家庭から出される生ごみについてでありますが,これの減量方法につきましてはいろいろな方法が紹介され,選択肢がたくさんあると認識をしております。具体的には,従来から普及しているコンポスターを使った方法,ダンボール箱を使った堆肥化の方法,EM菌を使った方法などを含め,枚挙にいとまがありません。
これらの方法の中で,昨年本市が7,000セットを用意して市民に配ったダンボール箱の方法について,実施しただけで終わらせてはならないと考えますし,また,今年度,モニター調査を行っている電動生ごみ処理機についても,他都市では購入助成制度の実施により5%を超える世帯普及率になっているところもあるとのことですが,この方法も調査結果を踏まえた対応が必要ではないでしょうか。
しかしながら,これらの方法もまだまだ改良の余地があると聞いており,絶対によいという方法はまだ見当たらないと思うのであります。
そこで,質問でありますが,家庭から出る生ごみの減量化・資源化を総合的に進めるために,今後,具体的にどのような取り組みをしていこうとしているのか,お伺いをいたします。
質問の3点目は,生活環境の確保に関する条例における化学物質対策についてであります。
現在,日本国内だけでも,5万種類以上の化学物質が流通していると言われており,今や,私たちの豊かな消費生活は化学物質によって支えられていると言っても過言ではありません。これらの化学物質については,個別に環境基準や排出基準などが定められている物質もありますが,大部分の化学物質については,環境ホルモンに代表されるように,いまだ十分なリスク評価がなされておらず,環境中への排出実態も解明されていない現状にあります。
そこで,国では,このような問題のある化学物質を個別に法律で規制することには限界があることから,化学物質排出把握管理促進法,いわゆるPRTR法を平成11年7月に制定したところでありますが,本市の場合,法の適用を受けない中小規模の事業者が多い現状から,環境中へ排出される化学物質の状況を的確に把握し化学物質の排出削減を推進するためには,PRTR法だけでは不十分であり,何らかの方策により補完する必要性があるのではないかと考えていたところであります。
幸い,今議会に上程された生活環境の確保に関する条例中には,法の対象とはならない事業者に対しても,事業活動における化学物質の適正管理を目的とした新たな規定が設けられており,今後,この制度の円滑な運用とさらなる推進により,化学物質の排出削減が図られることを期待するものであります。
そこで,質問の1点目でありますが,本市内の事業所において,PRTR法及び条例の対象となる事業所数と,それらの事業所から環境中へ排出される化学物質の種類と量はどれくらいであるのか,お伺いをいたします。
次に,質問の2点目でありますが,条例対象となる事業者は比較的規模の小さい事業者であり,排出量の算出や化学物質の適正な管理の方法,ひいては,環境中に排出される化学物質の削減方法などについて十分な知識を有していない事業者がほとんどであります。そのような事業者に対して,本市はどのように条例内容等を周知されていくお考えか,お伺いをいたします。
さらに,質問の3点目でありますが,本条例中には,市長は,必要と認める化学物質について環境の状況を調査し公表する旨の規定がありますが,どのような場合にいかなる調査を実施するお考えか,お伺いをいたします。
次に,ことし6月に迫った2002年FIFAワールドカップについてお伺いをいたします。
昨年12月1日,韓国釜山で行われた本戦抽せん会において試合の組み合わせが決まり,札幌で対戦する6カ国中イタリア,ドイツ,アルゼンチン,イングランドの4カ国は,過去のワールドカップにおいて優勝した経験を持つ強豪国であり,他の開催地からうらやましがられるすばらしい組み合わせであります。サッカーファンのみならず,世界の注目を集めるのに十分な好カードが札幌ドームで開催されることは,札幌の名前を大いに世界に再認識していただく絶好の機会になると期待するものであります。
しかし,好カードであればあるだけに,いわゆるフーリガンの心配もあるわけで,昨年末以来,テレビで暴動シーンが数多く放映され,不安になっている市民も少なくないと思います。もちろん,日本組織委員会や警察との連携のもと,万全の体制をとることとは思いますが,関係する地域住民や商店街などにも事前に説明する機会を持つべきと考えます。
開催まで90日余りと迫っておりますが,準備の面でもかなり進んでいると思いますので,現在の状況について,3点お伺いをいたします。
まず,質問の1点目は,チケットに関する情報についてであります。
日本国内では,既に2次販売まで完了しているとのことですが,海外での販売状況については余り報道されていないようであります。
しかしながら,チケットの販売状況から,観客や関係者が一体どこからどのくらいやってくるのかという情報が見えてくると思いますし,この情報は準備をする上で欠かせないものであり,商店や宿泊関係者,ドーム近辺の市民にとっても大変関心があるところだと思います。
そこで,質問でありますが,海外も含めたチケットの販売状況と購入者に関する情報について,現在公表できる範囲でお伺いをいたします。
質問の2点目は,観客の宿泊についてであります。
例年6月は,YOSAKOIソーラン祭りや北海道神宮祭が行われ,修学旅行の時期でもあります。季節としても年間を通じて札幌の最高のシーズンで,通常でもかなりの観光客が札幌に入ってきていると思われます。ワールドカップには,観客だけでなく,世界各国,そして,国内の報道機関を初め,さまざまな関係者が訪れるということで,市内の宿泊施設で受け入れが十分なのか,不足することはないのか,心配しているところであります。
また,多くの観客が市内に宿泊し,食事や買い物をしたりすることでワールドカップサッカーの経済効果が生まれるわけですが,日本の宿泊費は高いと言われておりますので,国によっては,ホテルの予約などをとらずに,とりあえず札幌へ来て安い宿泊施設を探すという人もいると思います。
サッカーファンは若い人たちが主体ですから,最悪の場合は,夜が明けるまでの数時間,市内で過ごすということも考えられます。試合の終わった後,このような若者たちが,多数,市内の公園等で徘回することになれば,市民の安全にとっても問題がないのか,懸念されるところであります。
そこで,質問でありますが,札幌に来訪する観客の宿泊は十分に確保できるのか,また,予約状況などの情報は把握されているのか,お伺いをいたします。
質問の3点目は,いわゆるフーリガンに対して,警備とホスピタリティーについてであります。
イングランド,ドイツはフーリガンが多いことで有名ですし,イタリア,アルゼンチンは熱狂的なサポーターで知られているところであります。サッカーファンやサポーターのすべてがフーリガンでないことは承知していますが,テレビで盛んに放映されているフーリガン騒動の様子を目の当たりにすると,だれしも不安を覚えるのではないでしょうか。
一方で,ワールドカップは,札幌を世界にアピールする絶好の機会であり,世界が注目する中で,市民を挙げて観客の皆さんをお迎えすることは,この事業のみならず,今後のイベント・コンベンション誘致の成否を握るかぎでもあります。
警備については,警察と連携し,万全の体制を目指して準備されていると思いますが,安全を確保することはもとより,多数の観客を温かくもてなすこと,いわゆるホスピタリティーを発揮して大会の雰囲気を盛り上げていくことも極めて重要であり,そのためには市民の理解と協力がぜひとも必要であると考えます。
そこで,質問でありますが,警備についてはどのような体制で臨むのか,また,ホスピタリティーを発揮していただくために,市民に対してどのように理解と協力を求めていくのか,あわせてお考えをお伺いいたします。
次に,環境・エネルギー教育についてお伺いをいたします。
今日,地球温暖化防止のための温室効果ガス排出削減など,環境保全にかかわる問題が国際的な課題となっておりますが,私は,学校教育におきましても,地球規模の環境問題の解決に向けて環境教育を推進することがますます重要になってきていると考えております。
昨年7月に内閣府が調査した,地球温暖化防止とライフスタイルに関する世論調査によりますと,地球環境に関心のある者は82.4%となっております。
しかし,私がとりわけ注目しておりますのは,日常生活において地球温暖化防止に取り組もうとする者が80%と,大変高い割合であるにもかかわらず,実際の生活では,家庭などでのエネルギー消費量が伸び続ける一方だという現状についてであります。環境問題に関する国民の意識の高まりは見られても,実際の生活にはなかなか反映しないことの難しさを痛感させられています。
さて,私は,平成9年の第1回定例会の代表質問におきまして,事業者の環境活動評価プログラムに基づく取り組みについて質問し,その中で,本市が環境に対するみずからの取り組みを進めていく必要性を述べたところであります。
その後,昨年11月に,本市は,全庁的な取り組みとしては政令指定都市において全国で初めてISO14001の認証を取得し,みずから環境に優しい行政執行に踏み出したことは大いに評価するものであります。行政が率先してISOの認証を取得したことで,市民や企業の意識が高まり,地域全体でエネルギー大量消費型の生活スタイルを転換する契機になるよう強く期待するところであります。
さらに,私は,先ほども述べた平成9年の代表質問におきまして,学校などにおいても環境評価プログラムに取り組むことが,生きた環境教育として意義深いことであることを提案いたしました。私は,特に,将来を担う若い世代への省エネルギー型の生活スタイルの浸透,定着が,循環型社会の構築には重要な課題であると考えておりまして,学校における環境教育の重要性を再認識し,これまでにも増してその取り組みを充実させていくべきであると思うのであります。
そこで,質問でありますが,本市がISOの認証を取得したことを受けて,学校における環境教育の今後のあり方をどのように考えているのか,お伺いをいたします。
質問の2点目は,環境問題に関連したエネルギー教育についてであります。
今日では,温暖化に代表される地球環境の問題は,環境の復元能力を超えて人類がエネルギーを大量に消費したことが原因であることは広く認識されておりますが,一方で,現在の豊かな生活はエネルギーの大量消費によって成り立っていることも事実であります。私は,ジレンマとも言えるこの課題を認識し,私たちは今,生活のあり方を環境との調和という観点で見直す必要に迫られていると思うのであります。
とりわけエネルギー問題は,現在の人々の営みが子孫の生活を大きく左右するとも言える世代を超えた長期的な課題であることから,次代を担う子供たちにエネルギー問題について学ぶ機会を提供することは極めて重要であります。
近年,学校においてもさまざまな取り組みがなされておりますが,エネルギー資源が限りあるものであることや,エネルギーの消費が環境に負荷を与えるという観点から,エネルギー問題を総合的にとらえ,省エネルギーと環境保全のための実践的な態度や行動力を育成することについては,私はまだまだ十分ではないと思うのであります。
そこで,質問でありますが,エネルギーに対する正しい見識と環境に対する豊かな感受性を持つ人づくりこそが,エネルギー問題の解決のための確実な方法であり,その意味からも,学校におけるエネルギー教育が今こそ求められていると思いますが,教育委員会のお考えをお伺いいたします。
以上で,私の質問のすべてを終了いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(加藤齊君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(桂信雄君) 初めに,財政問題についてお答えいたします。
1点目の市債の個人消化についてでございますが,ただいまのお話にもありましたように,個人が,とりわけ本市市民が市債の所有者となるということは,投資家という立場で市政に参画をするということでもありまして,協働型社会を実現する上で大きな意味を持っているものと考えております。
したがいまして,これまでにも増して,市債の個人消化を推進していくために,販売時期に合わせて,地方債の仕組みなどを含めた適切なPRに努力するとともに,引き受け会社に対しましても可能な限りの協力を要請してまいりたいと,このように考えております。
また,
ミニ市場公募債につきましては,資金調達手段の多様化を図る上で,これは意義あるものと思っております。これを個人消化を促進するための市債と位置づけまして,市民にも購入していただきやすい比較的短い満期とすること,それから,平成14年度の後半に予定をしております5年債や10年債の購入につながるよう,年度の前半に発行することなどについて現在検討をしているところであります。
2点目の基金の債券運用についてでございますが,基金の取り崩しの見通しなどを踏まえまして,長期運用が可能な基本基金や霊園基金などにつきましては,10年物など長期債券による運用を行うこととする一方で,土地開発基金やまちづくり推進基金など短期運用が望ましい基金につきましては,1年以内の短期債券による運用を行うこととしております。特に,長期運用に当たりましては,個別の基金の取り崩しに柔軟に対応するとともに,運用効率の向上を図るため,複数の基金の資金を合わせて共同運用した上で債券の組み合わせを工夫することといたしております。
次は,
北海道住宅供給公社問題についてお答えをいたします。
公社の既存借入金の借りかえに関する北海道と金融機関との協議につきましては,これまでに,道内行を中心として大筋の合意がなされて,当面の公社存続に向けて金融機関の一定の理解が得られつつあるものと認識をいたしているところであります。
また,ご質問にありました既存借入金につきまして,北海道から本市に対し,損失補償対象額345億円のうち70億円の損失補償,あるいは,これに相応する協力を求める旨の要請がありました。しかし,この損失補償措置は,公社の経営について指導・監督権限を有する北海道の責任において対応するようお答えをしたところであります。
本市といたしましては,今後においても,必要に応じて北海道と協議をしてまいりたいとは考えておりますが,公社の経営責任にかかわるような負担を行うことは極めて困難であると,このように考えております。
次に,都心整備の今後の進め方についてでございますが,1点目の観光都市としての都心の街づくりについてお答えいたします。
本市が目指します世界都市さっぽろの実現に向けて,札幌の個性や魅力の向上のための各種施策を積極的に展開しているところであります。都心は,その中心的な拠点でありまして,人々の心に札幌の印象を強く刻む場所でもありますことから,それが個性的で美しい街並みをつくっていくことは極めて重要であると,そういう認識に立ちまして計画を策定しております。
また,街並み整備の進め方についてでございますが,都心の街づくりは,民間都市開発,それから商店街等の主体性に負うところが非常に大きいことから,計画に位置づける予定の骨格軸や交流拠点の特性に応じて,地元事業者の皆さんとともに街づくりの指針を策定する中で,整備目標や手法について検討してまいりたいと,このように考えております。
次に,2点目の都心交通ビジョンの今後の展開についてであります。
まず,都心への自動車流入抑制と都心活性化についてでございますが,都心の活性化を図るためには,商業,娯楽,交流など各種の都市機能の向上とあわせて,訪れる人々にとって都心が魅力的で快適な空間であるということをつくり上げていくことが重要であると思います。
このために,都心内の限られた道路空間の効率的な活用に向けて,その機能の明確化を図り,通過交通への適切な対応や都心に目的のある自動車交通の移動の確保などに配慮しながら,歩行者を優先した空間の創出を目指すことにしております。
あわせて,公共交通機関によるアクセス性の向上や都心内における気軽で便利な移動手段の提供など,訪れやすい環境を整えることによって都心の活性化が図られるものと考えております。
次に,今後の進め方についてでございますが,これは,市民議論を継続して行うとともに,具体的施策につきましては,地元商店街,運輸業界などの関係団体,それから関係行政機関との協議,調整を行いながら,さまざまな場を通じて,その合意形成を図りつつ段階的に進めていく必要があると,このように考えております。
次は,北海道フットボールクラブへの支援についてであります。
第1点目の他の自治体における支援の状況,それから,本市が直接行う経済的な支援以外の有効な支援についてであります。
地域に密着した運営を行う球団に対しては,他の自治体におきましても,本市と同様に補助金の交付や運営資金の貸し付けのほか,競技場使用料の減免措置などを行っているようであります。行政が直接行う以外の支援といたしましては,市民や企業のボランティアによる試合運営への協力,市民・道民ぐるみの観戦応援,後援会からの寄附や市民持ち株会からの出資など,いろいろな立場と形での支援が有効に働いているように思います。
本市といたしましては,このような活動がさらに拡大,充実していくように支援をしてまいりたいと思います。
第2点目の今後の本市の支援のあり方についてでございますが,今後は,入場料やJリーグの分配金などで収入増が見込める状況になりつつある一方で,J1で戦い続けていくためにも,育成部門の強化,トップチームにかかる経費も増加してくるものと思われます。
本市といたしましては,北海道フットボールクラブができるだけ早く債務超過を解消して経営の健全化が図られるように,なお一層の自助努力を促すとともに,その状況を見きわめながら適切な支援策を講じてまいりたいと,このように考えているところであります。
以上です。
○副議長(加藤齊君) 千葉助役。
◎助役(千葉瑞穂君) 私から,
ワークシェアリングについて,区の目指すべき方向性についてのご質問にお答えをいたします。
まず,
ワークシェアリングについてであります。
1点目の本市の
緊急雇用創出施策の実施に当たっての基本的考え方でありますが,雇用・経済情勢は依然として厳しく,企業を取り巻く経営環境も悪化していることから,若年層,特に高校・短大等新規学卒者の就職率が年々低下している状況にあります。
このため,平成14年度において,本市単独の
緊急雇用創出施策として,高校・短大等新規学卒者200名程度を臨時的に新規雇用することによって,実務経験を通じて今後の就職活動に役立ててもらいたいと考えているところであります。
2点目の新たな
緊急地域雇用創出特別交付金事業の実施についてであります。
国は,平成14年度からの新たな特別交付金事業の実施に当たっては,事業費に占める人件費割合の設定など従来の交付基準等の見直しを図っておりますが,本市といたしましては,内容の改善について引き続き国に働きかけるとともに,今後ともより一層の雇用創出を図るよう積極的に取り組んでいきたいと考えております。
次に,区の目指すべき方向性についてでございます。
1点目の地域における市民の主体的な街づくり活動についてでありますが,これからの街づくりを進めるに当たっては,行政や市民活動団体が相互に連携しながら,多様化,高度化する地域課題に的確に対応していくことが,より求められてくるものと思われます。したがいまして,このような街づくり活動を一層促進するため,市民の主体的な参画に向けた市民と行政の情報共有化や,街づくりにおける市民と行政の協働に向けた仕組みづくり,さらには,さまざまな地域の活動団体が連携したコミュニティネットワークの形成の促進などに取り組んでまいりたいと考えております。
2点目の今後の連絡所のあり方についてでありますが,連絡所は市民に最も身近な行政機関として,これからの街づくり活動の拠点となるものと考えており,町内会を初めとした多様な市民活動の連携強化に向けて,地域情報交流や街づくり活動支援の機能などの充実に努めていきたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(加藤齊君) 福迫助役。
◎助役(福迫尚一郎君) 環境問題につきまして,私よりお答えさせていただきます。
1点目の本市における低公害車の導入についてでございますが,最近は,ハイブリッド車の種類が大幅にふえまして,より導入しやすい状況が整ってきております。このことから,平成17年度までに公用車150台を導入するという計画目標はおおむね達成できると考えております。
それから,ディーゼル車につきましては,プロパンガス車や低公害ガソリン車など,より環境への負荷の少ない車種にできるだけ代替していきたいと考えております。
それから,2点目の家庭から出る生ごみの減量化・資源化の今後の取り組みについてでございます。
議員ご指摘のように,いろいろな方法が紹介されております。ダンボール箱を使った生ごみの堆肥化の方法につきましては,来年度さらに研修会等を通じまして,実践者へのフォローを行ってまいりますとともに,小学校で生ごみの堆肥化を体験してもらいますほか,父母にも働きかけてまいります。また,現在モニター調査中の電動生ごみ処理機につきましては,調査結果を検証いたしまして適否を判断してまいりたいと考えております。
それから,3点目の生活環境の確保に関する条例におきます化学物質対策についてでありますが,本市におきますPRTR法及び条例の対象事業所数につきましては,法対象の約400カ所を含めまして,条例対象といたしましては約1,000カ所の事業所を想定しております。
また,それら事業所から環境中に排出されます化学物質の種類と量でありますが,平成12年度に本市で実施いたしましたパイロット調査では,1年間に38物質,約8,400トンという結果になっております。
次に,対象事業者への周知についてでありますが,関係する業界団体等と連携いたしまして説明会を開催したり,さらには,印刷物の発行,インターネットへの掲載等によりまして周知を図ってまいりたいと考えております。
環境状況調査の実施についてでありますが,特に排出量の多い化学物質や,少量でありましても地域的に集中して排出される化学物質などにつきまして調査を実施するものであります。
以上でございます。
○副議長(加藤齊君) 土橋教育長。
◎教育長(土橋信男君) 私からは,2002年FIFAワールドカップサッカーについてお答えいたします。
1点目のチケット販売状況と購入者に関する情報でありますが,今大会の一般販売は海外,国内各50%の割合になっております。国内においては,日本組織委員会から既に1次,2次販売とも完売であるという報告を受けておりますが,海外販売については,残念ながら,現在のところFIFAから十分な情報が得られていない状況にございます。
先般,国土交通省が各開催地における観客動向の推計値を公表しておりまして,これによりますと,札幌での1試合当たりの観客数は,道内観客が約1万5,000人,道外観客が約9,000人,それから海外観客が1万5,000人となっております。ただし,この数値はチケットに関する基礎データが不十分であることから,今後の海外チケットの販売データを踏まえて,より精度の高い資料が各開催地に提供されるということになっております。
2点目の観客の宿泊確保と予約状況についてであります。
平成12年度の札幌市全体の宿泊定員は約4万4,300人となっており,平成12年5月から6月の定員利用率は50%から60%となっております。ことしはワールドカップということで,一般観光客や修学旅行がある程度この時期を避けることを想定したとしても,すべての宿泊需要を満たすには,小樽,苫小牧,それから千歳あたりまで視野に入れる必要があると考えております。今大会では,チケットはすべて国際サッカー連盟と組織委員会が販売し,航空券,宿泊などとセットになったツアー販売は行われていないことから,状況把握は非常に難しいということで苦慮しております。私どもも,宿泊に関する情報はぜひ把握いたしたく,引き続き,旅行・宿泊関係者とも連携をして情報の把握に努め,本市東京事務所も6カ国の大使館と接触して,さらに関連情報収集に努力をしているところでございます。
3点目の警備とホスピタリティーについてであります。
警備については,北海道警察が質・量とも過去最大規模の体制で,硬軟どちらにでも対応できる準備を進めていると,そういうふうに伺っております。
本市といたしましても,市長を本部長とするワールドカップサッカー安全対策推進本部を設置し,北海道警察を初め,関係機関・団体とも連携を図りつつ,安全かつ安心な大会の運営に努めてまいりたいと考えております。
また,この大会を安全に成功させるためには,観客と市民とのコミュニケーション不足で誤解が生じないようにし,ホスピタリティーに十分配慮することが必要であると考えております。そのため,会話ができなくても,コミュニケーションがとれるような指さし会話集というものを作成するほか,市内の札幌駅,大通駅,すすきの駅周辺などにインフォメーションブースを設置して,ボランティアにより交通アクセス,シティPR,ワールドカップ情報等の各種情報を提供してまいります。
また,市民の方々のご理解とご協力をいただくため,札幌ドーム周辺町内会,中心部の商店街,町内会に逐次説明会を始めておりまして,今後,関係する業界,団体にも説明の機会を設けてまいりたいと,そのように考えております。
次に,環境・エネルギー教育についてでございます。
1点目の学校における環境教育の今後のあり方についてでありますが,教育委員会といたしましては,環境教育を学校教育の重点の一つとして位置づけておりまして,環境教育に計画的に取り組んでいる小・中学校は,既に95%に及んでいるなど,学校でもその重要性についての認識が年々高まっていると考えております。
本市がISO14001の認証を取得したことを契機として,学校におきましては,環境保全に配慮した態度を一層深めるため,児童・生徒自身が活動に取り組むとともに,保護者や地域と一体となって循環型社会への参加意識が高まるよう,今後とも,環境局等と連携を図りながら学校を支援してまいりたいと考えております。
2点目の学校におけるエネルギー教育についてでありますが,環境教育において児童・生徒がエネルギーについての理解を深めることは,大切なことであるととらえております。エネルギーについての基礎的な知識を身につける学習は教科に位置づけられておりますが,来年度から全面実施される総合的な学習の時間の中で,各教科等の学習で得た個々の知識を日常生活と結びつけて,実践的な態度を培う取り組みを充実させてまいりたいと,そのように考えております。
以上でございます。
○副議長(加藤齊君) ここで,およそ15分間休憩いたします。
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休 憩 午後2時17分
再 開 午後2時36分
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○議長(佐藤美智夫君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。
小林郁子君。
(小林郁子君登壇・拍手)
◆小林郁子君 私は,市民ネットワーク北海道を代表し,本定例会に上程されました諸議案並びに市政の諸課題について質問いたします。
21世紀を迎えた私たちの前にあるのは,かつて経験したことのない未曾有の難局であります。国,地方合わせて700兆円近くに達する膨大な財政赤字と環境破壊に加え,小泉構造改革のもと,一層深刻な大失業時代が到来すると言われています。もはや,旧来型の政治経済社会の延長線上に未来を展望することはできない状態です。果たして,この難局の解決は可能でしょうか。
市民ネットワークは,この困難を逆手にとって,競争社会から協働社会へ,さらに中央集権から地方主権へ,大きく方向転換する契機とすべきとの立場から質問をいたします。
初めに,地域経済対策についてです。
本市の2002年度予算案を検証しますと,引き続き低迷を続ける経済・雇用状況を背景に,歳入においては,法人市民税の減が大きく,市税収入は,前年度比マイナス3.2%,87億円減という大変厳しいものとなっています。一方,歳出は扶助費などの義務的経費の増加が見込まれ,苦しい予算編成であったことがうかがえます。
加えて,1月の太平洋炭鉱の閉山,BSEの影響による畜産・食品関連産業の大幅な減収,追い打ちをかけるかのような食品業界における表示改ざんなどで本道経済の足元は大きく揺らいでおり,今後,本市への影響もはかり知れないものがあると考えられます。
しかしながら,少子高齢化や環境問題など,引き続き重要課題は山積しており,いささかの後退もできないという状況であり,以前にも増して,施策の重点化,行財政改革の実効ある取り組みが強く求められています。
そこで,地域経済対策について伺います。
最新の道内の労働力調査によりますと,完全失業率5.6%,有効求人倍率0.39という厳しい雇用状況が続いており,ハローワークは職を求める人であふれています。日本型雇用としての終身雇用制は崩壊しつつあり,市民の間には雇用不安が高まり,一層消費が抑制されるという悪循環に陥っていると言えます。
このような状況にあって,自治体としては,可能な限り景気に左右されない地域の自立,地域経済力を高める施策に力を尽くすべきであります。地域に根差した農業や食品などの地場産業,環境や福祉分野など生活に必要なサービスを提供するコミュニティビジネスは,地域において多数の雇用を生み出す可能性を秘めており,これらに対する支援策も有効であると考えます。
そこで,伺いますが,新年度予算で,地域経済対策として,市長はどのような考えのもと,どのような施策を立てられたのか,具体的にお示しください。
あわせて,コミュニティビジネス振興のための取り組みについても伺います。
2番目に,協働社会づくりについてです。
市長は,2月5日の新年度予算に関する記者会見に際し,現在の市民に対するサービス以上に,将来の市民の幸せ,より豊かな生活を今のうちに道筋をつけておくこと,前提として協働型社会でそれを実現したいと言われています。そのためにも,官から民へ仕事を移し,小さな政府を目指す上で,新たな公益を担うNPOの育成は,時代の要請となっています。
経済財政諮問会議が昨年まとめた骨太の方針でも,介護福祉,街づくり,リサイクルなど社会事業を担うNPOの支援強化を図るとうたっています。
そこで,協働社会づくりに向けて,本市のNPO等市民活動促進策について伺います。
1点目は,市は,昨年,市民活動促進に関する指針を策定し,促進体制の充実,市民活動への支援,市民活動との連携・協働の三つの方針を出していますが,これらの実現のための具体的な行政手法が示されていないことから,事業部局において市民活動との協働が進まない状況が生まれています。方針を具体化する施策づくりを行うべきと考えますがいかがか,伺います。
2点目は,市長は,99年の選挙公約に,NPOなど市民活動団体への業務委託を進めることを挙げていますが,この3年間にどれだけの委託がなされたのか,伺います。
あわせて,業務委託を推進するために,宮城県などでは,NPOが本来事業を行う場合には,NPOの特性を考慮した独自の発注システムを設けていますが,本市においてもこのような措置が必要とされますがいかが,伺います。
3点目は,北8西3地区に設置予定の市民活動,女性,環境,消費者の複合施設のような,市民が主体的に利用する施設については,その機能を十分に発揮できるよう,NPOに運営委託すべきと考えますがいかがか,伺います。
4点目は,道を初め,仙台市などにおいても,市民活動を街づくりの重要な柱と位置づける市民活動促進条例が制定され,それをもとに協働社会づくりを進めています。本市において同様の条例を制定することについての市長のお考えを伺います。
3番目は,住民基本台帳ネットワークシステムについてです。
99年8月に住民基本台帳法が改正され,本年8月より,都道府県,市町村,国の機関がコンピューターで結ばれた住民基本台帳ネットワークシステムが稼働することになります。今後は,国民すべてが11けたの番号をつけられ,その番号のもとに記録された氏名,住所,性別,生年月日などの情報が全国的に利用されることとなります。
このシステムについては,住民票の広域交付などが利点として強調されてきましたが,かねてより,国民総背番号制へつながりかねないことが危惧され,昨年の第1回定例会代表質問において,個人情報の保有先の拡大は,プライバシー情報漏えいの危険性が増大するばかりでなく,地方分権推進にも逆行するものであることから,慎重な対応を求めてきました。
日本弁護士会連合会が昨年11月に3,247市区町村を対象に行ったアンケート調査を見ても,住基ネットの今後の拡大について,賛成は282,反対,どちらとも言えない,わからないが合わせて1,511という結果であり,圧倒的多数の自治体が,明確な位置づけができていないことがわかります。
このような現状にありながら,総務省は,2月25日の記者会見において,この活用範囲をさらに拡大し,パスポート発給,不動産登記など150件程度の事務を加えることとし,今国会で法改正を提案する意向を示しました。自治体の意向を無視し,改正法の施行前にさらに法改正を行うことは,なし崩し的に民間への利用や多目的利用へつながりかねないとの批判を免れず,民主主義の根幹にかかわる重大な問題です。
そこで,質問です。
1点目に,今回の総務省の住基ネットの活用拡大方針について,市長はどのようにお考えか,伺います。
また,住民のプライバシーを守る責務を有するとして複数の自治体が慎重な対応を求めていますが,本市としても国に意見を述べるべきと考えますがいかがか,伺います。
2点目に,杉並区では,住基ネットの稼働により区民の基本的人権が侵害されるおそれがあるとして,住民基本台帳に係る個人情報の保護に関する条例を制定しています。
札幌市の個人情報保護条例も住基ネットを想定したものとなっていないことから,条例改正や杉並区条例に準じた条例を制定し,市民のプライバシー保護を図るべきと考えますがいかがか,伺います。
4番目に,女性政策についてです。
配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律,DV防止法が成立し,昨年10月より施行されました。ここ数年,年間約130人の女性が夫や恋人などから殺害されています。
道立の女性相談援助センターにおける相談状況を見ますと,2000年度は3,204件で,5年前の1.7倍であります。内容は,夫,恋人からの暴力の相談が23%と高い割合を占めています。一時保護入所理由でも,夫からの暴力が53%で最も高くなっています。今後は,さらに被害が顕在化し,相談や一時保護の需要が増加することが見込まれます。
しかし,現状では,道立女性相談援助センターは常に満室で,居室以外のところにも複数家族が同居しているという非常に劣悪な環境であり,また,子供との同居を前提としていないため,子供は児童相談所へと分離される例も多数あります。あわせて,センターへ避難してくる女性の49%は札幌市民であり,本市における一時保護施設の増設が急務であると考えます。
そこで,1点目の質問ですが,新たな女性センターの設置の必要性を議会でも表明されながら,新年度予算には盛り込まれていません。その理由と,民間シェルターに委託する場合も含め,早期設置を図るべきと考えますがいかがか,伺います。
2点目に,DV防止センターの設置についてです。
これについて,昨年の1定での代表質問に対し,法の制定や国の動向を見ながら対処したいとのご答弁でありましたが,その後,法第2条には,国と地方公共団体は,配偶者からの暴力を防止し,被害者を保護する責務を有することが盛り込まれました。
本市として,DV専門の相談や援助を行うセンターが必要と考えますが,法第2条に関してどう対応されるか,お考えを伺います。
3点目に,医療機関との連携についてです。
東京の市民団体・身近に起こる女性への暴力を考える会では,このたび,夫,恋人からの暴力被害と医療に関するアンケートを実施しました。その結果,40%以上の医療機関でDV被害者の診察をしていることがわかりました。しかし,診療時間が短く十分聞き取れない,プライバシーの配慮から深く立ち入れないとの回答もあり,必ずしも医療機関で十分な対応がされているとは言いがたい現状でした。
このことについては,本道でも同じ傾向がうかがえます。道立女性相談援助センターへの一時保護入所者の経路別受理状況を見ますと,本人からの依頼が52%ありますが,医療機関からは0.4%,1件であり,適切な連絡や取り次ぎがなされていないと言えます。
しかし,医療機関は,配偶者暴力相談支援センターか警察官へ通報することができるとされており,その役割は重要です。
そこで,質問ですが,医療関係者に,DV被害者の発見,通報などの協力を求め,連携してDVに対応することが必要であると考えますがいかがか,伺います。
5番目に,福祉政策についてです。
初めに,高齢者福祉について伺います。
介護問題については,介護保険制度の仕組みが整いつつあるとともに,課題もまた明らかになってきました。その一つに,サービスの質の向上を図ることが挙げられます。
介護保険は,どのサービスをどこから得るのかの決定権を行政から利用者に移したことに,これまでの福祉制度と違う最大の特徴があります。その自己決定権を実効あるものとするには,利用する側にサービスについての十分な情報提供がなされていることが前提となります。
現在,介護保険指定事業者は,道内に約3,700ありますが,これらによるサービス内容の評価については,道による事業者の自己評価基準があるのみです。しかも,自己評価を行い,評価結果の公表に応じているのは,指定事業者中,訪問介護と介護老人福祉施設の合わせて311であり,事業者全体の1割にも満たず,サービス選択の情報としては極めて不十分です。
このような自己評価にはおのずと限界があることから,サービスを選ぶときの基準としては,第三者による公正な評価が望まれるところであり,その第三者も,生活者の視点に立った地域に密着した団体,機関である必要があります。
指定都市の状況を見ますと,神戸市と北九州市は既に実施しており,福岡市では,第三者機関の評価に加えて,重層的に介護事業者や利用者の視点も加えた評価システムを導入しようとしています。
そこで,質問ですが,本市においても,介護保険制度の利用者本位の理念の実現を図る上で,第三者機関によるサービスの評価の仕組みをつくることなどにより,利用者にサービス選択の情報を提供し,同時に,事業者のサービスの質の向上を図ることが必要と考えますがいかがか,伺います。
続いて,障害者福祉についてです。
初めに,療育支援体制の整備について伺います。
障害児・者の療育支援体制の構築については,99年に札幌市療育支援体制基本計画検討委員会から答申が出されています。その内容は,障害児・者の総合支援センターの設置と,市内を五つの地域療育圏に分け,療育体制の整備を進めるべきとの方向を示したものです。
現在の児童相談所や障害福祉施策にないことで,今求められているのは,保護者が子供の発達に不安を持ったときから始まる専門相談と,その後の成長に伴う一貫した指導であり,年齢段階ごとに,教育機関との連携や地域生活,就労などへの支援が必要とされています。さらに,保護者は,自分が亡くなった後の障害のある子供のことも心配しているものであり,総合的な支援体制の構築は一日も早くと待たれているものです。
そこで,質問です。
現在,療育支援体制の基本計画について札幌市地域療育推進協議会で協議しているとのことですが,答申後,既に2年経過しており,総合支援センターの設置や地域療育圏の整備に向けて具体的な施策を早期に講じるべきと考えますが,どのような見通しのもとで進めようとされているのか,伺います。
あわせて,策定中の障害者福祉計画において,生涯にわたる総合的な支援体制の整備を図るべきと考えますがいかがか,伺います。
続いて,強度行動障害・自閉症児者福祉についてです。
自閉症は,言葉を通じてのコミュニケーションが成り立ちにくく,行動障害が伴うなど,治療も教育も対応が難しい障害であると言われています。1,000人に1人発症するとされていますが,現状では,市内に自閉症者がどのくらいおられるのか,また,その生活実態についても十分に把握されておらず,わずかに,99年現在で,知的障害者施設における自閉症者や自閉症的傾向にある方が325人と把握されているのみです。
昨年の決算特別委員会において,今年度内に自閉症者処遇基本計画を策定すること,あわせて,想定される自閉症者入所施設の規模や機能を明らかにしています。
そこで,自閉症者の処遇及び本市における強度行動障害をあわせ持つ自閉症者専門施設について,順次伺います。
1点目は,具体的な施策の構築に当たっては,自閉症児・者が在宅や施設でどのように生活し,何を望んでいるのかなど,自閉症児・者の実態と意向の把握が必要です。今後の重要な施策展開に当たって,実態把握調査を実施すべきと考えますがいかがか,伺います。
2点目は,今回,国が全国8カ所に開設する自閉症発達障害支援センターの一つが,上磯町にあるおしまコロニーを運営する社会福祉法人侑愛会に委託されることになりました。ここが選ばれた最大の理由は,療育方法として,自閉症者が理解しやすい視覚情報を用いるティーチプログラムを実践し,大きな成果を上げていることにあります。私のところにも,自閉症児を持つ親から,おしまコロニーに入所させることによって,子供に大きな効果が認められたという話が寄せられています。
本市で設置予定の専門施設においては,自閉症の治療・療育方法として世界的にも評価の高いティーチプログラムの導入が望まれますがいかがか,伺います。
3点目は,専門施設における在宅支援機能についてです。
自閉症児・者,家族,関係機関等に対し,専門的な相談,療育,就労支援などを行うことや,日常生活を営むのに困難な自閉症児・者のいる家庭に対するホームヘルプサービスなどが必要と考えます。施設は,このような地域生活を支援する専門的・総合的な機能を備えるべきですが,その実現に向けた取り組みを伺います。
4点目は,専門施設の運営と,その設置場所及び時期についてです。
施設の運営については,常に自閉症児・者や保護者の意向が反映される仕組みを持ち,専門性と経験を有する社会福祉法人等への委託が望まれます。運営主体並びに設置場所及び時期について具体的にお示しください。
6番目に,環境政策について伺います。
初めに,環境関連産業の育成・振興についてです。
市長は,日ごろから環境文化都市を目指すと言われています。昨年,ISO14001を取得した際にも,国際的にも評価される都市でありたいと言われました。環境ISO14001を取得し,事務事業すべてにわたり環境配慮の視点を持ち込むことは,大きな前進であり,また,環境と産業のかかわりとしては,グリーン購入による環境負荷の少ない商品を選んで優先的に購入していく取り組みもなされつつあります。
しかしながら,環境文化都市の本来の姿は,このような環境保全の取り組みに終わるものではなく,環境保全にかかわる研究開発の文化を根づかせることにあります。
札幌市は,早くから情報関連産業に着目し,エレクトロニクスセンターに多大な投資をした結果,今日の本市にふさわしいIT関連産業の振興があると考えます。同様に,環境問題の解決に企業の果たす役割は大きく,環境保全関係の技術開発,製品化に取り組む企業との連携,支援体制をつくることを重点的に実施することが重要となっています。
そこで1点目に,本市は,環境など本市の特性を生かした新札幌型産業の育成・振興を経済活性化の柱の一つに挙げています。その基本的方策について伺います。
2点目は,具体的な施策として,環境保全に意欲的な企業がグリーン購入として届け出て評価をしてもらう窓口の設置,環境保全に関心のある地場企業の情報を収集し,公開していくシステムの整備,環境保全に取り組む地場の中小企業を引き合わせ,新規の技術開発を支援していく仕組みが求められますが,それらへの取り組みについて伺います。
次いで,合成界面活性剤の問題についてです。
私たちを取り巻く環境汚染問題は,日常生活に深く入り込んでいる多くの化学物質がその原因となっています。環境省が2000年度に実施した化学物質に関する意識調査によりますと,身の回りに存在するさまざまな化学物質に対して不安を抱いている人の割合は,実に70%を超えています。
私たちに一番身近な化学物質は,毎日の洗浄に使用される合成洗剤であり,洗浄剤だけでも1人1日約40グラムを消費しています。合成洗剤の場合,多い場合には,そのうち45%が界面活性剤であると言われており,生活排水として環境中に排出されています。
札幌市は,1984年に,市有施設における洗剤取扱いの基本方針を出しています。その内容は,無燐合成洗剤か石けんを使用するようにというものですが,これは,当時,湖などの富栄養化が問題となったことから,燐のみに着目したものです。しかし,現在,合成洗剤に含まれる界面活性剤はおびただしい量になっており,それらが持つ化学物質としての問題をきちんと把握し,総量で規制しなければならない時代になっています。
合成洗剤の主成分である界面活性剤の代表的なものにLASやPOERなどがあり,これらは,いずれもPRTR法の中で,人の健康を損ない,動植物の生育に支障を及ぼす有害化学物質として指定された第一種354物質の中に含まれています。
本市は,調理員の合成洗剤による手荒れ問題に取り組み,学校給食施設での石けん使用率は,現在100%になっていますが,率先して石けん使用に取り組むべきである保育園で55%,福祉施設で16%,水道局庁舎で9%など,極めて低い状況です。
そこで,伺います。
1点目は,現状の環境問題に適応しなくなっているさきの洗剤に関する基本方針を見直し,市有施設において石けんの使用の徹底を図ること,及び市有施設の清掃や食堂等の委託業者に対しても同様の指導をすべきですがいかがか,伺います。
2点目は,家庭科の授業で石けんと合成洗剤の違いを習ったときの生徒の作文に,合成洗剤を薄めて使うものとは知らなかった,環境のために洗剤の適正使用を守ることから始めますとあります。この生徒さんのように,ごくわずかでいいはずの合成洗剤の使用量を守っている家庭は少ないと思われます。家庭からの合成洗剤の排出量を削減するために,市民に合成洗剤の適正使用と石けん使用拡大を積極的に呼びかけるべきと考えますがいかがか,伺います。
7番目に,教育問題について伺います。
新学習指導要領についてです。
本年4月より実施される新学習指導要領は,これまで旧文部省が推進してきた教育改革の総仕上げと言うべきもので,学校5日制の完全実施と授業時数の縮減,総合的な学習の時間の創設などを主なポイントとしています。
遠山文部科学大臣は,1月17日の全国都道府県教育委員連合会総会において,確かな学力の向上のための2002アピール「学びのすすめ」を発表しました。それには,昨年12月に発表された経済協力開発機構,OECDの生徒の学習到達度調査の結果を引用し,我が国の生徒の,宿題や自分の勉強をする時間が最低であること,最も高いレベルの読解力を有する生徒の割合がOECD平均程度にとどまっていること等を挙げた上で,宿題の強化など,補充的な学習を進めることなどを具体的に提示しています。新年度を間近に控えたこの時期のアピールについて,一部では,国が,急遽,路線転換を図ったと報道されました。
しかし,市民ネットワークでは,これまでも,新学習指導要領について,日の丸・君が代の強制や道徳教育の強化を初め,国家に貢献する人材育成をねらっていること,指導要領自体,法的拘束力があるとして,大綱的基準としての弾力的運用を否定するもので,教育現場を拘束し,自由な空気を奪うものとなっていること,この間の指導要領は,ゆとり教育の名のもと,教科の内容と授業時数の削減を続けてきた結果として学力低下を招いていることを指摘し,子供を教育される対象だけではなく学ぶ主体者ととらえ,学校に真のゆとりと学ぶ楽しさを取り戻すことが,今最も重要であることを訴えてきました。
今回のアピールは,その問題のある学習指導要領体制をさらに補完,強化することをねらったものであり,子供たちを一層追い詰めることが危惧されるのであります。
そこで,以下5点伺います。
1点目は,このアピールは制度的な効力を持つものではないと考えますが,教育委員会のお考えを伺います。
2点目は,アピールでは,学習指導要領は最低基準であり,理解の進んでいる子供は発展的な学習で力をより伸ばすとされていますが,このことは,一層の習熟度別授業などの差別・選別教育につながるのではないかと考えますがいかがか,伺います。
3点目は,ゆとり教育についてです。
学力低下批判に対抗するかのように,アピールでは補習授業や宿題の強化が盛り込まれ,既に公立学校での講習体制強化や,学習塾や民間に土曜日の受け皿づくりの体制確立を求める動きなどもあります。これについては,本当の意味でのゆとりある豊かな学校に逆行する,また,子供たちが楽しく生き生きと学べるのかとの声も大きくなり始めています。
教育委員会として,この保護者の不安にどうこたえようとしているのか,伺います。
4点目として,子供の自主的活動の保障についてです。
学校5日制や授業時数確保のための大きな問題として,これまで土曜日に多く設定されてきた親子レクリエーションなどPTA活動や,学習発表会などの行事の準備活動,生徒会活動の時間の確保が困難になると言われています。
しかし,子供は,遊びや行事を準備することを通して,協力すること,相手の立場に立つことなどの人間関係を学んでいくのであります。
そこで,学校の教育課程に任されている大きな柱の一つであり,大変重要である行事の時数確保と,生徒会など生徒の自主的・自治的諸活動の保障についてどのようにお考えか,伺います。
5点目に,総合的な学習についてです。
総合的な学習は,情報,福祉,環境,国際理解の4分野について,小学校で1年間に130時間,中学校で105時間も当てられます。しかし,学習課題があいまいで,どこの学校でも試行錯誤であり,単なる体験学習で終わる危険性も指摘されています。
学校ごとの創意工夫を生かすと文部科学省はうたっていますが,この学習のためには,従来よりはるかに多くの情報や資料収集が必要であり,教師にそのための時間が確保されるのかも疑問です。
そこで,市内では,専門性を有する環境や福祉のNPOが活発に活動しており,それらとの連携が重要と考えますがいかがか,あわせて,総合的な学習の予算はどのようになっているのか,伺います。
最後に,エア・ドゥについて伺います。
就航以来3年,道民の翼として,エア・ドゥ,北海道国際航空に対しましては,本市はこれまで有形無形の支援をしてまいりました。
今年度,エア・ドゥとして経営改善計画を策定し,自助努力をしてきたとのことでありますが,9月11日の米国での事件の影響により,航空保険料などの高騰,航空業界再編に伴う低価格競争の激化を初めとした予想外の事態により,計画達成は極めて困難になっています。そのことを理由に,エア・ドゥは,昨日28日,道に対し17億円,市に対し3億円の融資を要請しています。多数の道民の熱意に支えられ離陸したエア・ドゥですが,極めて厳しい状況に置かれていると言わざるを得ません。
そこで,エア・ドゥに対する基本的認識と今後の経営見通しについてのお考えを伺います。
あわせて,昨日28日の要請にどう対応されるのか,お示しください。
以上で,私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございます。(拍手)
○議長(佐藤美智夫君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(桂信雄君) まず,私から数点お答えいたします。
最初は,本市の経済対策についてでございますが,本市の経済は,依然として厳しい状況にありますことから,これに対処するために,新たな産業の創出・育成を図るとともに,地場産業の経営基盤の強化に積極的に取り組んでまいりたいと,このように考えております。
そこで,このため新年度予算におきましては,デザインやバイオなど,札幌が持つ地域特性や優位性を生かせる分野で,新しい地域産業の育成・振興に取り組みますとともに,新年度早期にオープンいたします札幌市産業振興センターを中核として,地場企業に対して,融資や人材育成など,総合的な支援を行ってまいる予定であります。
なお,コミュニティビジネスにつきましては,その事業主体や事業内容も多種多様なものがございますので,今後,どのような施策が効果的であるのかなどについて,関係する部局で調査研究してまいりたいと思います。
次は,協働社会づくりについてであります。
1点目の市民活動の指針を具体化する施策づくりと,それから4点目の条例制定については,あわせてお答えいたします。
市民活動は,関連する部局が広範囲にわたっておりまして,事業の具体化は,各部局の施策の位置づけの中で進めているところでありますが,基本的な取り組み姿勢につきましては,指針に沿った共通認識を持って進めてまいります。また,各部局の施策を効果的に進めるために,関連部局の事業の取りまとめを指針に沿って行いながら,共通する課題は横断的な組織で調整を図ってまいります。
そこで,条例制定についてでありますが,したがって,まずは指針に基づく取り組みを全庁的に徹底するよう推進していくことが何よりも重要であるというふうに考えております。
2点目のNPOなどの市民活動団体への業務委託についてでございますが,行政業務につきましては,その業務の成果を上げるために最適な方法を常に目指していかなければなりませんが,その一つに委託という方法があるというふうに思います。委託先といたしましてNPOが適切と判断される業務につきましては,これまでもNPOに委託をしてまいりましたし,今後もそのように進めてまいりたいと考えております。同時に,NPOに対する庁内での情報の共有化や認識を一層深めていくとともに,NPOが自立し,力をつけていけるような環境づくりをこれからも続けていきたいと考えております。
3点目の市民利用施設の運営についてでございますが,施設には,それぞれ用途,機能などによって異なる特性がございますが,共通して言えることは,利用者にとって使いやすい施設運営をしていかなければならないということであります。そのため,施設の特性に合った運営方法をそれぞれに選択していく必要があると考えております。そうした中で,市民との協働によって,機能がより効果的に発揮されたり,施設目的が達せられる場合などは,運営のあり方にも今後さまざまな形が生まれてくるものと考えております。
次は,福祉政策についてお答えをいたします。
1点目は,高齢者福祉についてであります。
介護サービス事業者に関する情報提供は,利用者が事業者を適切に選択する上で大変重要なことであると認識をいたしております。
しかしながら,第三者機関による事業者評価は,事業者の協力や客観的な評価基準の確立など,なお検討すべき課題があると思いますので,今後,研究してまいりたいと思います。
2点目は,障害者福祉についてであります。
まず,療育支援体制の整備につきましては,民間施設の有効活用を図りながら,保護者にとっても利用しやすい療育支援のあり方等,札幌市地域療育推進協議会のご意見をいただいて進めてまいります。
また,障害者福祉計画の見直しに当たりましては,生涯にわたる総合的な支援体制につきましても検討してまいりたいと考えております。
次に,強度行動障害・自閉症児者福祉についてでございます。
本市では,自閉症者への総合的な施策のあり方を検討するために,昨年6月に,札幌市強度行動障害・自閉症者処遇基本計画検討委員会を設置いたしまして,基本計画の策定に向けて検討を進めているところであります。
1点目の自閉症児・者の実態把握調査につきましては,この障害の特性や,またプライバシーの問題から,これは難しいものと考えております。
しかしながら,検討委員会の中には,札幌自閉症児者親の会代表,自閉症者専門施設長,それから札幌市のぞみ学園入園児親の会代表に加わっていただき,自閉症児・者の現状を把握し,施策に意見や要望を反映させているところであります。
2点目の自閉症治療療育方法としてのティーチプログラムにつきましては,既に市内におきましても実績を上げている施設がありますので,これを導入する方向で検討しております。
3点目の専門施設における在宅支援機能につきましては,住みなれた地域での生活を支援する施策が必要であると認識をいたしておりますので,取り組んでまいりたいと考えております。
4点目の運営主体につきましては,社会福祉法人のノウハウを活用することも視野に入れて検討を進めておりまして,平成14年度の早い段階で設置場所を選定し,また,開設時期につきましては,国との協議等を経て決めてまいりたいと考えております。
次は,エア・ドゥについてお答えいたします。
1点目の基本的認識についてでありますが,これまでも申し上げてまいりましたように,航空運賃の低価格化による道内経済への貢献など,エア・ドゥが果たしてきた役割は,これを高く評価いたしております。
2点目の今後の経営見通しについてでございますが,昨日提出いただいた文書によりますと,平成15年度には収支均衡が達成できるとされておりますが,さらに,その内容を十分精査してまいりたいと考えております。
3点目の支援要請への対応についてでありますが,北海道の対応を注視しつつ,本市としての支援あり方について検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(佐藤美智夫君) 千葉助役。
◎助役(千葉瑞穂君) 私から,住民基本台帳ネットワークシステム,女性政策についてのご質問にお答えをいたします。
まず,住民基本台帳ネットワークシステムについてお答えいたします。
1点目の住基ネットの活用拡大方針に対する見解などについてであります。
平成11年8月の法律改正によりまして,このネットワークシステムを通して国の行政機関などに提供される本人確認情報につきましては,利用できる事務の分野は10省庁所管の93の事務とされているところでありますが,現在,国においては,電子政府及び電子自治体構想も視野に入れ,新たに150を超える事務についても利用できるよう法案提出の準備を進めていると聞いております。追加予定の事務を見ますと,年金や旅券発給など給付や資格付与の事務で,国民生活にかかわりの深い行政事務となっており,住民負担の軽減やサービスの向上などがより図られるものと考えております。
今後,国会審議の場におきまして,利用範囲の拡大などにつきまして十分審議がなされるものと思いますので,その推移を見守っていきたいと考えております。
2点目の本市の個人情報保護条例の見直しなどについてであります。
この条例は,本市が保有するすべての個人情報の適正な取り扱いの確保を図るために制定したものであり,通信回線を通じて個人情報の電子計算機処理をする場合についても想定をされており,住民基本台帳ネットワークシステムもその対象となるものであります。
なお,条例の見直しが必要であるかどうかにつきましては,今後の国における個人情報の保護に関する法律等の整備の状況を見守っていきたいと考えております。
次に,女性政策についてであります。
1点目の緊急一時保護施設の増設につきましては,現5年計画におきまして1施設1室の拡充を予定しており,現在,その整備に向けて検討を進めているところであります。
2点目の,いわゆるDV防止センターについてでありますが,DV防止法では,都道府県に配偶者暴力相談支援センターの設置が義務づけられており,4月から,北海道立女性相談援助センターがその機能を果たすものと聞いております。また,この法律の規定につきましては,施行後3年をめどとしまして,この法律の施行状況等を勘案し,見直しが図られることとなっておりますことから,その推移を見ながら検討することが必要と考えております。
3点目の医療関係者との連携についてでありますが,本市におきましては,従前から,女性への暴力対策関係機関会議を設置しており,今後,この組織の構成員として医療関係者にも参加を働きかけ,より有機的なサポート体制の連携が図られるよう努めていきたいと考えております。
以上でございます。
○議長(佐藤美智夫君) 佐々木助役。
◎助役(佐々木喜四君) 環境政策につきまして,私からお答えをいたします。
1点目の環境関連産業の育成・振興についてでありますが,基本的方策につきましては,札幌が持つ特性を踏まえ,新しい技術開発を産・学・官の連携により行うなど,環境関連産業の振興を進めているところであります。
また,具体的取り組みについてでありますが,来年度は,企業に対し,良質な環境コンサルティングを提供するエコプロフィット事業に実験的に取り組むほか,環境分野における技術開発の支援をすることとしており,今後とも,さらに施策の拡充に努めてまいりたいと考えております。
2点目の合成界面活性剤の問題についてでございます。
まず,市有施設における石けんの使用の徹底等についてでありますが,国では,合成洗剤の安全性につきましては,適正に使用する限り,問題ないとの見解を示しております。また,本市では,これまで河川等の調査を行ってきたところでありますが,現段階では問題ないと考えております。
したがいまして,今後とも,市有施設における洗剤取扱いの基本方針に基づき,用途に応じて洗剤を使い分けるとともに,あわせて,委託業者への指導も行ってまいりたいと考えております。
次に,市民に対する啓発についてでありますが,引き続き適正な使用を呼びかけるとともに,適切に洗剤を選択できるよう,必要な情報提供を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(佐藤美智夫君) 土橋教育長。
◎教育長(土橋信男君) 教育問題については,私からお答えいたします。
1点目,2点目,3点目のご質問につきましては,関連いたしますので,一括してお答えいたします。
新学習指導要領は,ゆとりの中で個に応じた指導の充実に努めることにより,生きる力を培い,確かな学力の向上を図ることを基本的なねらいとして改訂されたものであります。本アピール自体は,制度的な効力を有するものではありませんが,この新学習指導要領の趣旨を改めて確認したものであると,そのように受けとめております。
教育委員会といたしましては,各学校を初め,保護者や地域の方々を含めまして,その趣旨が十分理解されるよう,今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
次に,4点目の子供の自主的活動の保障についてでありますが,教育課程は,教科,道徳,特別活動及び総合的な学習の時間のそれぞれの授業時数を適切に確保しつつ,バランスよく編成することが大切であり,各学校は,このような考え方に基づき,教育課程の編成に当たっているところであります。
最後に,5点目の総合的な学習の時間についてでありますが,NPOなどを含めた地域の教育資源の活用は,総合的な学習の時間のみならず,これからの学校教育の推進を図る上で大切なことと認識しております。
また,その予算についてでありますが,平成13年度は,各学校で取り組んできた試行の状況を踏まえ,外部講師や教材整備にかかわる支援を行ってきたところであります。本格実施となります平成14年度につきましては,各学校での特色ある学習活動がより一層充実するよう,さらに支援してまいりたいと,そのように考えております。
以上でございます。
○議長(佐藤美智夫君) ここで,およそ15分間休憩いたします。
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休 憩 午後3時23分
再 開 午後3時40分
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○議長(佐藤美智夫君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。
馬場泰年君。
(馬場泰年君登壇・拍手)
◆馬場泰年君 私は,一昨日の我が自由民主党議員会・原口伸一議員の代表質問に引き続き,今定例会に提案されております諸議案並びに市政の諸問題について質問をいたします。
最初に,建設工事の発注にかかわる入札制度についてお伺いをいたします。
本市では,一昨年12月,入札制度改善委員会から市長に提言された,工事等にかかわる入札制度等改善策に基づき,入札制度の透明性,客観性,公平性及び競争性の向上を目指すため,昨年4月からさまざまな改善策が実施されております。
私は,本市の限られた財源を活用して執行される公共事業において,その発注の前段となる入札制度が適正に運用されることは極めて重要なことであると考えております。
ただ一方で,昨今の建設業を取り巻く社会情勢を見ますと,長引く景気低迷の中で,民間投資の落ち込みが見られ,公共工事の請負額もこのところ連続して前年度を下回るなど,ますます厳しい経営環境にあります。また,本市の平成14年度一般会計予算においても,国の公共投資関係費の縮減等を受け,普通建設事業費が前年度予算比6.7%減となっております。
こうした厳しい経済情勢と相まって,さきに述べた入札制度の改善の影響により,平成13年度に入って,入札における競争が非常に激化しております。
具体的に申し上げますと,平成13年度の平均落札率は,工事については12月末現在で91.82%となっており,これは昨年度と比べ4.52ポイントも低下しております。また,設計,測量等の委託業務においては,79.36%となっており,平成12年度より実に14.09ポイントも低下している状況にあります。さらに,大型工事を対象に実施している低入札価格調査の対象となる工事は,過去,年間1件あるかどうかだったものが,平成13年度は12件も発生し,最低制限価格未満の入札をして失格するケースに至っては数え切れないほどあると聞いております。
現在の厳しい財政状況を考えますと,ある意味では,公共事業が低廉な価格で執行されることは望ましいことであります。しかしながら,行き過ぎた競争が続くことにより,手抜き工事や下請への不当なしわ寄せ,労働条件の悪化など,さまざまな問題が起こってくるのではないかという懸念を抱かざるを得ないのであります。
また,私は,平成12年度から試行的に実施している予定価格の事前公表も,低価格入札を助長する一因となっているのではないかと考えております。すなわち,積算もせずに,ただ予定価格に一定の割合を掛けて入札している企業も見受けられるのであります。採算を度外視して,ただやみくもに受注することだけを目指すような企業が,本当に良質な都市基盤を整備することができるのか,私は疑問を持っております。このような企業に対しては,発注者として厳しく対応していくべきではないかと思うのであります。
また,私は,地域経済の活性化や地元企業の健全な育成も,地方公共団体にとって重要な使命であると考えております。こうした観点から,現在,工事の内容に応じて設定している最低制限価格の基準を引き上げるなど,適正な施工を確保しつつ,企業が自社の技術力の向上を図り,健全に発展できる環境を整えることも考慮すべきではないかと考えているところであります。
さらに,最近,工事担当部局では,建設業者の方が事務室内に立ち入ることが厳しく制限されており,技術的な相談をしたり,自社の得意分野をアピールしたりということが気軽にできないという悩みも聞いております。このことについては,ただ単に名刺配りのような業者側の営業活動も抜本的に考え直す必要があるとは思いますが,地元企業の育成という点から制限を緩和すべきではないかと考えております。
そこで,質問の1点目でありますが,低価格入札が続出する現在の状況について,市長はどのように認識されているのか,お伺いをいたします。
質問の2点目は,先ほども申し上げましたが,予定価格の事前公表や最低制限価格など,現在行われている入札制度の見直しが必要と考えますが,市長はどのようにお考えなのか,また,どのように対処されるのか,お伺いをいたします。
質問の3点目として,建設業者が担当部局の職員とより相談しやすい環境づくりを進める必要があると考えますがいかがか,お伺いいたします。
次に,札幌市地域福祉社会計画の見直しについてお伺いをします。
本市の地域福祉社会計画は,地域福祉の推進を目的に,計画期間を10年とし,平成7年に策定され,この計画に基づいて,福祉のまち推進事業や地域子育て支援事業など,さまざまな地域福祉施策を展開してまいりました。現在も,現行計画の計画期間中でありますが,このたび,地域福祉を一層推し進めていこうという趣旨で見直しを図り,改定作業に入ったとのことであります。
現行計画改定の背景には,平成12年6月に施行された社会福祉法が挙げられます。これにより,市町村地域福祉計画が法定化され,平成15年度から施行されることになったわけであります。
地域福祉の必要性は,これまでもさまざまな場面で言われてきております。少子高齢社会のもと,ひとり暮らしの高齢者が安心して暮らしていくために,また,障害のある方が地域で自立して生活していくためには,地域の身近な方のちょっとした支え合い,助け合いといったことが最も大切なのであります。また,昨今の児童虐待への対応や子育てへの支援などといった,地域の中での支援体制は,今後ますます重要になっていくものと思うのであります。
そこで,質問の1点目は,地域福祉社会計画の役割と位置づけについてであります。
これまで本市では,市民・企業・行政が,街づくりにおけるそれぞれの役割を認識し,連携・協働するという考え方に基づいて街づくりの展開を図ってまいりました。このことは,福祉の分野でも当然言えることであります。高齢者や障害者の方が地域で自立して生活していくためには,行政や事業者が提供する福祉サービスに加え,福祉のまち推進センターや町内会,各種ボランティア団体といったさまざまな立場の方から幅広い支援の輪が広がっていくことが必要であり,そういった協働型の福祉の街づくりが,今まさに求められているのではないでしょうか。
また,現在,本市では,地域福祉社会計画に加えて,高齢者保健福祉計画並びに介護保険事業計画,障害者保健福祉計画,さらには健康づくり基本計画といった保健福祉行政の根幹となる主要計画について,同時進行で策定作業中であると伺っております。それぞれの計画は,各分野の施策を推進するための個別計画ではありますが,例えば,高齢・介護関係の計画が在宅介護サービスを主軸にした地域福祉を推し進めていくものであるなど,いずれの計画も地域福祉という点では共通するものであります。したがって,各計画が他とは関係なく独自に実施されていくものではなく,地域福祉という観点から,十分な相互連携に基づき,総合的に展開されていくことが非常に大切になってまいります。
そこで,質問でありますが,私は,地域福祉社会計画こそが,協働型の福祉の街づくりを進める上で中心的な役割を担っていくべきと考えておりますが,その点についてどのように認識しておられるのか,また,保健福祉関係の各種個別計画とのかかわりの中で,地域福祉社会計画がどのように位置づけられるのか,お伺いをいたします。
質問の2点目は,市民参加の実現についてであります。
地域福祉をより推進していくためには,地域住民を,福祉サービスの受け手であるとともに,地域福祉の担い手であると明確に位置づけ,支え合い,助け合いといった地域福祉の精神を養っていく必要があります。そのためには,地域住民が福祉施策や地域の福祉活動に関心を持ち,具体的な活動に参加する機運を高めていくことが大切になってまいります。その点で,私は,本計画の策定作業そのものが福祉活動への参加機運を高める契機に十分なり得るものであると認識しております。
そこで,質問でありますが,福祉活動への参加機運を一層高め,市民のさまざまな意見を積極的に取り入れるために,本計画の策定において市民参加をどのように実現していこうと考えておられるのか,お伺いをいたします。
次に,豊平川への新たな架橋についてお伺いをします。
本市は,ご承知のとおり,豊平川の扇状地上に発展してきた都市であり,付近の山ろく及び石狩平野をもその市域に包含しているところであります。現在,180万を超える市民が生活しておりますが,豊平川によって西側の中央区や東区方面と,東側の白石区や豊平区方面とに大きく分断されております。本市における発展にとって,この二つの地域間の移動をスムーズにさせることは重要な行政課題であり,その地形的な分断の影響をできるだけ少なくするため,これまで豊平川を横断する橋梁の整備が順次なされてきたところであります。
豊平川に初めて橋がかけられたのは明治4年で,現在の国道36号であります豊平橋の位置でありました。その後,市街地周辺部については,昭和37年に南二十二条大橋が完成するまでは,東橋,一条大橋など四つの橋が整備されたにすぎなかったわけでありますが,本市が大きく発展した昭和47年の冬季オリンピック前後の時期に,多くの橋が新設,またはかけかえられ,交通の利便性の大幅な向上が図られたのであります。現在は,中央区と白石区を結ぶ平和大橋について整備が進められており,これが完成しますと,豊平川を横断する都市計画道路のほとんどについて整備がなされたことになります。
このように,市民生活の向上と交通の利便性を確保するため,橋梁整備がなされてきたところでありますが,豊平川を横断する道路の交通状況を見てみますと,まだ混雑している区間があります。一般的な平地部の道路であれば,生活道路や生活幹線等の道路網が充実していることから,別ルートでも目的地に行くことができますが,豊平川を横断しようとする場合は,必ず橋梁を通らなければ対岸に行くことができないことから,当然,自動車交通が集中するのであります。
自動車交通の流れは,大きく分類すると二つの形態があり,都心部から郊外部方面に放射状に流れる交通と,郊外と郊外とを結ぶ環状系の交通があります。
現在整備中の平和大橋について見ますと,放射状の交通である都心部と白石・厚別方面を結ぶ交通を担うものであり,並行する国道12号などの混雑緩和が期待されております。
次に,もう一つの交通の流れである環状系の交通について見てみますと,本市の環状系の交通対策としての重要な役割を担うべき道路であります,白石区方面と東区方面を結ぶ札幌新道や環状通は,近年の環状型交通の増加に伴い交通量が増加しており,特にピーク時には混雑が激しく,車が実際に走行できる速度も低下してきております。また,環状通については,さきに本市が提案した都心交通ビジョンにおいても,都心通過交通の受け皿として重要な道路であると位置づけられております。
したがいまして,その環状型道路機能の強化を図るため,現在,環状通の高規格化に向けて具体的な検討がなされているところでありますが,その実効性を高めるためにも,環状通自体の交通混雑の緩和や交通の分散化を図る必要があります。
また,都心周辺における橋梁は500メートル程度の間隔で配置されておりますが,札幌新道と環状通間については約1.6キロメートルもの間隔があり,距離に比べて,橋,つまり道路の本数が少ない状態となっております。そのため,道路混雑の大きな要因ともなっております。
私は,札幌新道,環状通の豊平川の橋梁部における混雑解消のため,この二つの道路の中間部に架橋が必要であると考えており,平成10年第3回定例会の代表質問においても,新たな架橋の必要性について強く訴えたところであります。ちょうどその地域には,東区側に宮の森・北24条通があり,その先は藻岩山麓通や白石・藻岩通につながり,これらが連携して環状系の道路網をなしていることから,この道路を延長し,豊平川に架橋することにより,環状系道路網の機能を大幅に拡充強化することが可能となるのであります。
したがって,私は,札幌新道や環状通の交通混雑の緩和等を図るため,宮の森・北24条通を延伸し,豊平川に新たな橋を設置すべきものであると考えるのであります。
そこで,質問でありますが,平成10年の代表質問においては,地域の交通実態の把握に努め,将来の都市計画道路網のあり方の中で,その必要性について検討するとのご答弁をいただいておりますが,その後どのような取り組み状況になっているのか,お伺いいたします。
次に,人と環境に優しい公園づくりについてお伺いいたします。
本市は,昨年11月に全庁を対象にしたISO14001の認証取得を達成したわけでありますが,21世紀が環境の時代と言われているところでもあり,私も,まさに時宜を得たものと思い,高く評価するものであります。
また,認証取得の一環として,まず,平成12年9月5日には,市長の決意表明とも言える環境方針が打ち出され,これを受けて,市民にとってかかわりの深い道路,河川,公園などの公共施設の工事についても,札幌市公共工事環境配慮ガイドラインが策定され,計画,設計,施工など,各段階において環境への負荷を低減する取り組みが現在進められております。
今後,このような視点でさまざまな取り組みが展開されていくと思いますが,まだ一般の市民の方には理解されていないようにも感じられるので,さらにPRに努めるべきと考えるのであります。
さらに,本年の10月には,本市において,障害者団体であるDPIの世界会議が開催されます。札幌の街並みが障害のある方に対していかに優しいかを示さなければなりません。多くの公共施設において,バリアフリー化や,それをさらに拡大した人に優しいユニバーサルデザインの展開が求められております。
そこで,質問の1点目でありますが,市民にとって最も身近で,あらゆる年齢層が日常的に利用する公共施設の一つは公園ではないかと考えます。本市の公園は,政令指定都市はもとより,全国的にもトップレベルの状況にあると思うのでありますが,ただいま申し上げましたような21世紀の公園づくりと申しますか,人と環境に優しい公園づくりをどのように進めていくのか,具体的な手法についてお伺いをします。
質問の2点目でありますが,このような施設づくりには市民の理解や協力が必要不可欠と考えるのであります。とりわけ市民参加については,公園に対する愛着を深めて大事に使ってもらうことや,公園を介して地域のコミュニティーの形成を図ることができるということからも積極的に取り組むべきと思いますが,市民参加についてどのようにお考えか,お伺いをいたします。
質問の3点目は,平成14年度から創設される国土交通省の都市公園事業の施策である自然再生緑地整備事業についてであります。
この事業は,都市における自然再生や,多様な生物の生息・生育基盤の確保等を推進するために,廃棄物の埋め立てや投棄等により良好な自然が消失した地域において,環境の保全や再生を積極的に図るものと伺っております。この事業により,環境負荷の小さい,快適で持続可能な都市づくり,自然と共生する魅力的な都市の実現を図ろうとするものであります。
私は,この話を聞いたとき,本市が計画している環状グリーンベルト構想を思い浮かべたのであります。この構想は,ご存じのとおり,市街地周辺約100キロメートル,面積1万6,400ヘクタールに及ぶ公園・緑地の壮大な配置構想であります。これらの拠点公園として,今後,手稲区の山口地区や厚別区の山本地区,それに白石区の東米里地区のごみ埋立地の公園計画が進められるところであります。
私は,国土交通省の重点施策である自然再生緑地整備事業を活用して,今後,計画づくりを進めていく山口地区,山本地区,東米里地区の公園計画策定の際には,自然再生を重要な柱と位置づけ,積極的に事業展開を図るべきではないかと考えるのであります。
そこで,質問でありますが,札幌市民の心に潤いと安らぎを与え,都市の快適な環境づくりに大きな効果が期待できるこの事業によって,さらに本市の人と環境に優しい公園づくりが推進されると考えるのでありますが,市長のお考えをお伺いいたします。
次に,歯科保健対策についてお伺いをいたします。
私たちが健康であるためには,歯が健康であること,長く自分の歯を保つことが重要であり,歯を失うことは生活の質の低下を招き,健康寿命にも影響を及ぼすものであります。
歯を失う最も大きな原因は虫歯と歯周病でありますが,この発症には個人個人の生活習慣が大きくかかわっており,これらの予防には,乳幼児から高齢者までの各年代に応じた対策が必要であります。
昭和40年・50年代は,子供の間に虫歯が蔓延しており,歯科保健の最大の課題は,子供の虫歯予防でありました。その後,1歳6カ月・3歳児の歯科検診などを通じた保護者への歯科保健指導や,希望者へのフッ素塗布による歯の質の強化などを重点としたさまざまな虫歯予防対策が実施されてまいりました。その結果,本市においても,昭和40年代には3歳児で虫歯を持つ子供の割合は約80%と極めて悪い状況でありましたが,30年を経た平成12年度では,3歳児で虫歯のある子供の率は29.1%と大幅に減少しております。これは,この間に歯科医療が充実してきたこと,あるいは,歯科保健対策の充実とともに,社会,家庭における理解が深められた結果であると評価できるものであります。
さらに,近年の歯科保健の取り組みを見ますと,国は,平成元年に「8020」運動を提唱いたしました。これは,ご承知のとおり,80歳で20本の歯を保とうというスローガンでありますが,言いかえますと,この「8020」運動は,歯周病予防を目指しているということであり,我が国の歯科保健の重点課題に位置づけられたということであります。
平成11年に国が実施した歯科疾患実態調査で「8020」の達成状況についても調べておりますが,80歳から84歳で自分の歯を20本以上保っていた方は13%と,目標の達成にはいまだほど遠い状況でありました。高齢社会の到来に伴い,市民一人一人の生活の質を向上させ,健康寿命の延伸を図るためにも,歯科保健,特に歯周病対策の充実が急がれると思うのであります。
そこで,質問の1点目は,今後の歯科保健対策についてであります。
保健衛生行政の課題は,時代とともに変化してきたところでありますが,歯科保健についても同様に,子供の虫歯予防から,高齢社会を背景とした歯周病予防へと課題が拡大されてきたのであります。
そこで,このような状況を踏まえ,本市として,今後の歯科保健対策をどのように進めていかれるのか,お伺いをいたします。
質問の2点目は,歯周病対策についてであります。
歯周病を予防するためには,年に1回程度,歯科医のもとで歯や歯茎の健康チェックを受けるのが有効であります。しかし,社会に出てからは,虫歯でやむを得ないときは別として,歯科医院に足を運ぶことはなかなか実行できないのであります。
私は,歯周病検診を公的な制度として実施し,歯周病の早期発見を図ることが,多くの市民の歯の健康を保つ上で必要なことと考えております。政令指定都市12市の中で,札幌,福岡,横浜の3市を除く9市が公的な歯科検診を実施しており,未実施の横浜市でも現在検討中であると聞いております。本市においても,公的な検診体制の整備を検討する時期に来ているのではないかと考えるところであります。
そこで,「8020」運動を推進する上で,歯周病の予防をどのように進めるのか,歯周病検診を含めた取り組みについてお伺いをいたします。
次に,完全学校週5日制についてお伺いをいたします。
ご承知のとおり,本年4月から,完全学校週5日制がスタートいたします。同時に,小・中学校においては,総合的学習の時間の設置などを定めた新しい学習指導要領が全面実施されます。完全学校週5日制の実施は,子供たちがゆとりのある学校生活を過ごす中で,みずから考え,課題を解決していく,生きる力をはぐくむことをねらいとしており,学力偏重の教育から,豊かな人間性を養う教育への大転換を図るものであります。
ところで,新たに生まれるゆとりの時間を,子供たちはいかに使い,どのように過ごしたらよいのか,いろいろと議論されてきたところでもあります。もちろん,子供たちの本音は,新たに休みの日となる土曜日は,遊んだり寝ている時間に当てたいということかもしれませんが,このゆとりの時間の活用については,我々大人たちの責任として,学校はもちろん,特に家庭や地域にはみずからの問題として改めて考えてもらうことが必要であります。
家庭においては,学校に任せきりになりがちな子供の教育を振り返り,自分たちの子供が将来に何を望み,そのために家庭の教育がどうあるべきかということを,子供との対話を通して考えていくよい契機とすべきであると考えるのであります。また,PTAや子ども会など地域の諸団体においては,子供たちの健全育成につながる取り組みについて,今までにも増して,家庭や学校等と密接な連携を図ることが求められます。
完全学校週5日制については,ともすれば,授業時間が少なくなるという側面が強調され,学力低下の懸念という問題だけが取り上げられがちでありますが,豊かな人間性をはぐくむために子供の教育をどうするかということを学校,家庭,地域に問い直す点にこそ,大きな意義があると考えるところであります。
本市における週5日制へ向けた取り組みとしては,平成11年度から,各区の体育館,青少年科学館等の体育施設や社会教育施設の小・中学生利用を無料化し,子供たちの活動環境が整えられてまいりました。さらに,それ以前からも,家庭教育や健全育成の取り組みを支援するため,家庭教育学級の実施や児童会館の設置など,さまざまな施策が展開されているところであります。
しかし,今後は,こういった従来の取り組みに加え,勉強中心であった子供たちに,ゆとりの生まれた時間の中で,豊かな人間性をはぐくんでもらうための新たな事業展開が望まれるところであります。それも,むしろ学校や勉強という枠を一たん離れた取り組みが重要ではないでしょうか。
例えば,人が社会の中で生きていくということはそもそもどういうことなのか,そして,生きていく上で友達や仲間がなぜ必要なのかといった,日ごろの勉強では答えが得られない疑問や,算数,理科,社会といった教科にとらわれずに,広く天文,科学,歴史など,子供たちが個人として興味を持っている物事についてこたえていく機会を設けるべきではないでしょうか。
私は,こういった疑問や興味,関心を持っている子供たちは少なくないと思いますが,このようなことにこたえていくには,学校教育の場だけでは限界があると思うのであります。
そこで,質問でありますが,完全週5日制の実施により生じるゆとりの時間を,子供たちの豊かな人間性をはぐくむために役立てていくには,家庭や学校における取り組みが今まで以上に求められることはもちろんですが,家庭や学校を離れた,いわば子供に対する生涯学習の視点からの取り組みも重要であると考えますが,どのように認識しておられるのか,お伺いをいたします。
また,平成14年度予算に,週5日制対応の一つとしてジュニア・ウィークエンドセミナー事業が計上されておりますが,現状では,人生や友達,社会といったことについての子供たちの疑問にこたえたり,学校などで興味や関心を持ったことをさらに広げていく機会が十分に用意されているとは言えないのであります。
そこで,週5日制を機会に,子供たちの積極的な生き方につながるように,生涯学習の観点からウィークエンドセミナーや関連する事業に取り組んでいくべきと考えますがいかがか,お伺いをいたします。
最後に,JR白石駅についてお伺いをします。
本市の街づくりを支える交通体系の今後のあり方を考えますと,都市の持続的発展を目標とし,少子高齢社会への対応や環境への負荷低減,あるいは,拠点の整備,育成などを主要な課題として,総合的な交通体系の構築を目指すことが重要になってくると思うのであります。
このため,本市では,公共交通中心の交通体系の維持・充実に向けて,地下鉄駅舎へのエレベーター設置や学園都市線の複線高架化,最近ではJR手稲駅の橋上化及び駅前広場整備など,公共交通のバリアフリー化や利便性向上に取り組んできたところでありますが,今後もこういった施策を積極的に推進していくべきと考えております。
そこで,JR白石駅の現状を見てみますと,1日平均1万2,000人が利用し,札幌,手稲,新札幌,琴似,桑園に次ぐ利用者の多い駅となっております。明治36年の駅開設以来,南側の駅前地区には商店街が形成され,白石の中心的な役割を担ってきました。しかしながら,近年,地域全体の活力が相対的に低下してきており,住民にとって課題の一つとなっております。
また,北側の北郷地区と駅前地区は,近年,自動車や歩行者の交通量が増加しているにもかかわらず,JR函館本線及び千歳線によって分断されており,両地区を結ぶのは遮断時間が長い踏切と駅に隣接して設置された人道橋だけであり,スムーズな往来が妨げられております。
踏切に関しては,現在,北郷通の立体交差化に向け事業が進められており,自動車の往来がスムーズになると期待されるところでありますが,駅へのアクセス動線として重要な人道橋は,老朽化しており,屋根もなく吹きさらし状態であり,また,道路幅員が1.5メートルしかなく,上りおりには階段を用いるなど,バリアフリーの観点からも大きな課題があります。加えて,北郷地域からの利用者が全体の6割,1日当たり約7,000人いるにもかかわらず,北口駅前広場と駅前通が未整備となっていることも大きな課題の一つであります。
こうした課題に対して,地域住民は,南北一体の街づくりを推進することで地域の活力を取り戻そうと,平成11年1月に,JR白石駅周辺地区街づくり協議会を設置しております。この協議会では,本市と協力しながら,街の目標像をつくることや,先進的な事例の調査など,地域住民による主体的な取り組みが進められているところであります。
本市でも,平成12年から,JR白石駅周辺地区市街地総合再生基本計画の策定に着手し,この街づくり協議会と協力して住民ワークショップを開催するなど,地域の実情や住民意向の把握に努めながら街づくり計画をまとめてきているところであります。
本市と地域が一丸となって街づくりを目指したこのような取り組みを進めていることは,まさに市長が目指すパートナーシップによる街づくりであると受けとめており,計画の柱である,駅を中心とした南北一体の街づくりについては,ぜひとも実現を目指すべきと思うのであります。
先ほどのワークショップにおいても,参加者のだれもが駅舎橋上化や自由通路などの,一日も早い実現を望んでおりますし,また,その意思統一もされております。この機運の高まりを受けて,住民交流の促進と地域活力向上を目指す意味でも,また,公共交通中心の交通体系確立に向けて,人に優しく使いやすい駅をつくり上げていく意味でも,JR白石駅の橋上化と自由通路,そして南北駅前広場の一体的整備は早期に推進していくべきものと思うのであります。
そこで,質問でありますが,私が昨年の予算特別委員会においてJR白石駅の整備に向けた取り組みについて質問したところ,できるだけ早く取り組みを進めるべくJR北海道と折衝したいとのご答弁をいただいておりますが,現在の進捗状況と今後の見通しについてお伺いをいたします。
以上で,私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(佐藤美智夫君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(桂信雄君) まず,私から最初にお答えいたしますが,最初は,入札制度に関する一連のご質問についてですが,これはまとめてお答えをさせていただきます。
国を初め,公共事業予算が減少する中で,企業間の受注競争が激化し,そのあらわれとして,落札率の低下等の状況が続いて,また,最低制限価格による失格,低入札価格調査の対象となる工事が増加をしているということは十分認識をいたしております。
また,入札の結果につきましては,それぞれの会社が,工事等の内容や,また経営状況等を勘案の上,厳しい努力をされた結果であると真摯に受けとめております。
しかしながら,低価格入札の結果,工事等の質の低下など,危惧されるようなことがあってはなりませんので,本市といたしましては,昨年の10月に施工体制の点検要領を策定して,適正な施工体制の確保に努めているところでありますが,現在の入札制度等改善策は,一部試行の部分もありますので,実施状況を検証の上,今後とも,必要があれば適時適切に見直しを行い,適正な入札契約制度の執行に努めてまいりたいと,このように考えております。
また,建設業者の方々が相談や営業等のために事務室に来られた場合には,これまでも,関係職員に対して,できるだけ対応するように指導しているところでありますが,事務室への入室につきましては一定の節度が必要であるとも考えておりますので,企業の皆様にもご理解,ご協力をいただきながら,今後とも,より相談しやすい環境づくりに努めてまいりたいと,このように思います。
次に,札幌市地域福祉社会計画の見直しについてであります。
1点目の本計画の役割と位置づけについてでありますが,少子高齢社会に対応して,市民一人一人の生活を豊かで質の高いものにしていくためには,地域住民や福祉活動関係者,さらには事業者などが,行政と連携・協働して地域福祉を推進する必要がありまして,本計画は,そのための基本的な役割を担うものであります。
また,他の計画との関係では,この計画が,高齢者,障害者,児童といった対象ごとの計画に共通する地域福祉の理念や方向性を明示して,各計画の地域福祉活動を結びつけることによって総合的な保健福祉の推進を図ろうとするものであります。
2点目の市民参加の実現ということですが,地域福祉の推進には,市民一人一人が自立と支え合いを通じて地域の中で安心して暮らせるように力をつけていくことが必要であると思います。そのため,公募委員を含む地域福祉関係者等から成る計画策定委員会を設置して,市民意見を本計画に十分反映させていくこととしたものであります。
今後とも,地域福祉への理解と市民意識の形成を図るために,シンポジウムの開催ですとか,地域住民,福祉活動関係者との交流会,さらにはインターネットの活用等によりまして,市民との対話,意見交換といった市民参加の場を積極的に設けてまいりたいと,このように考えております。
次は,人と環境に優しい公園づくりについてですが,まず,1点目の具体的な手法に関しましては,建設発生土や再生資材の使用のほか,剪定した枝などを資源化するとともに,維持管理において太陽光,風力,雪冷熱等の自然エネルギーの活用を進めてまいります。また,バリアフリー化の推進につきましても,だれもがより一層利用しやすい公園となるように積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
2点目の市民参加につきましては,計画段階でのワークショップの導入,また,造成時には市民による植樹なども行っているところでありますが,今後,造成後の市民とのかかわりがより重要なものになってくるものと考えております。
そこで,現在,計画・造成段階から管理運営に至るまで,継続して市民参加を図る仕組みづくりについても検討しておりまして,今後とも市民の主体的な参加を促すように努めてまいります。
次に,3点目の自然再生緑地整備事業についてでございますが,この事業は,自然と共生した札幌の街づくりの実現のためには極めて有効な施策であると考えております。今後,環状グリーンベルト構想の拠点公園において,その事業化に向けて積極的に検討してまいりたいと,このように考えております。
私からは,以上でございます。
○議長(佐藤美智夫君) 千葉助役。
◎助役(千葉瑞穂君) 私から,2点のご質問につきましてお答えをいたします。
まず,豊平川への新たな架橋についてお答えをいたします。
宮の森・北24条通の延伸と新たな架橋につきましては,その必要性について検討を行ってきたところでありますが,本市の環状型交通網の機能強化と環状通及び札幌新道の道路混雑緩和を図るための有効な手だてであると判断したところであります。したがいまして,平成14年度より,既存道路との接続や河川占用上の課題等につきまして具体的な調査に着手する考えであります。
次に,JR白石駅についてお答えいたします。
駅周辺地区の整備のあり方につきましては,地域の皆様方とともに市街地総合再生基本計画を策定中であり,現在取りまとめに入っているところであります。この中で,JR白石駅は,南北市街地を結ぶ重要な核として位置づけられ,公共交通の利便性向上やバリアフリー化促進の観点から,駅舎の橋上化や南北駅前広場について整備が必要とされており,JR北海道と整備に向けた具体的な協議を進めているところであります。
今後につきましては,橋上駅舎や駅前広場等について概略の設計を平成14年度に行うとともに,施設規模や事業手法についてJR北海道や国など関係機関との協議を進め,早い時期の事業化に向けて取り組んでいきたいと考えております。
○議長(佐藤美智夫君) 佐々木助役。
◎助役(佐々木喜四君) 歯科保健対策につきまして,私からお答えを申し上げます。
1点目の今後の歯科保健対策と2点目の歯周病対策につきましては,関連しておりますので,一括してお答えをいたします。
市民の生活の質の向上や健康寿命の延伸を図るには,歯の健康を高めていくことも重要でございまして,今後の歯科保健対策につきましては,現在策定中の仮称札幌市健康づくり基本計画の中で総合的に検討しているところであります。
特に,歯周病予防につきましては,従来から,歯科医師会などとの連携を図りながら対応してきたところでございますが,引き続き,歯科保健対策の重要な課題として取り組んでまいりたいと考えております。
また,歯周病検診は,ご指摘のとおり,歯周病の予防を図る上で有効な方策であると認識をしており,他都市の状況などを含めて,今後いろいろと検討してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(佐藤美智夫君) 土橋教育長。
◎教育長(土橋信男君) 完全学校週5日制への対応については,私からお答えいたします。
完全学校週5日制の実施によって生まれるゆとりの中で,子供たちの豊かな人間性をはぐくむためには,まず,各家庭において,子供との対話を通して取り組んでいただくことが大切であると,そのように考えております。
子供に対する生涯学習につきましては,学校教育とは別な視点で,子供たちが興味や関心を持っていることについて自主的に学ぶことができる多様な機会が得られるよう,教育委員会といたしましても,その充実を図っていくことが重要であると考えております。
そのため,週5日制に向けては,これまでさまざまな施策を講じてきたところでありますが,さらに,新年度から子供向けの生涯学習事業として実施をいたしますジュニア・ウィークエンドセミナーにおきましては,芸術文化やスポーツ,実業界など幅広い分野から講師を求め,そして,ご自分の人生経験や職業経験を題材に,子供の目線で語ってもらうということを通して,子供たちの自己形成につながるような内容を検討してまいりたいと考えております。
また,学校,家庭,地域で子供をはぐくむ関連事業等につきましては,全庁的な連絡体制のもとで地域での取り組みを支援していくため,総合的に情報提供していく考えであります。
以上でございます。
○議長(佐藤美智夫君) ここで,およそ10分間休憩いたします。
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休 憩 午後4時30分
再 開 午後4時41分
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○議長(佐藤美智夫君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
松浦忠君。
(松浦忠君登壇・拍手)
◆松浦忠君 質問の1点目は,今,全国的に注目を集め,話題となっている市立札幌病院松原医師告発と歯科医師研修についてお尋ねをいたします。
市立札幌病院歯科医師,一部医師においては,中西病院長,宮田保健福祉局長,桂市長に対する不信がきわみに達しています。さらに,全国の歯科医師も,市立札幌病院歯科医師に呼応して,今回の告発に憤慨し,裁判闘争を支援する多額の義援金を寄せていると聞いています。まさに,全国歯科医師対桂市長,宮田保健福祉局長,中西病院長の総力戦の様相を呈しています。
なぜ,中西病院長が標的となるのか。それは,病院の責任者として,臨床研修医教育委員会で,口腔外科藤原先生の要請に基づき,歯科医師の救命救急センターでの研修を決定した報告を受け,承認をしております。にもかかわらず,一部新聞報道で指摘された救命救急センターでの歯科医師研修の問題点について適切な対応をせず,なかんずく,宮田保健福祉局長,桂市長,あるいは厚生労働省医事課に対して,十分な理解を得る努力をしなかった。その結果,告発,歯科医師研修中止となり,口腔外科診療中に突発する救命事態に対処することができない事態となったのであります。これでは市民の命を十分守る体制とはならない,それが主な理由と聞いております。
私がなぜこの問題を取り上げたか。それは,このような異常な状態が続けば,医療事故も懸念されます。さらに,市立病院に対する不安感が広がり,市立病院離れが進めば,今でも赤字の病院経営に深刻な打撃を与えることとなります。以上の観点からであります。
そこで,中西院長に,2点についてお尋ねをいたします。
1点目は,医師監督下で行う研修については,監督下の解釈に相当な幅があると思うがいかがか,お伺いします。
2点目は,中西院長は,歯科医師研修中に,研修の方法について何か問題があると承知をしていたか,お伺いをいたします。
宮田保健福祉局長にお伺いします。
歯科医師は,高齢者社会を迎えた今日の段階では,歯科診療中の突発救命事態に対応できる救命研修を受けておくべきと考えるが,臨床経験の豊富な宮田保健福祉局長はどのようにお考えですか,お尋ねいたします。
次に,桂市長にお尋ねをいたします。
この問題は,雇用責任者である桂市長が業務遂行結果責任をとらなければならない問題であります。松原医師を医師法違反で告発し,問題の本質を矮小化したものであります。職員の雇用責任者であり,病院開設者である市長は,研修内容についても最終的責任を持つ立場にあります。厚生労働省の意向に沿った今回の告発は,市民の救急救命方法の一端を放棄したものと言わざるを得ない。
そこで,今後,歯科医師の研修について,関係自治体病院と連携し,厚生労働省に,歯科診療中の突発救命事態発生に対応できるよう,研修内容の策定について働きかけていく考えがあるかどうか,お伺いをいたします。
質問の2点目は,市立札幌病院における高齢者総合診療科開設と各区保健センターとの連携についてお尋ねいたします。
日本における老年医学と診療のパイオニアと言われている,小澤利男高知医科大学名誉教授・東京都老人医療センター名誉院長をお招きして,鉄東連絡所と菊水連絡所で高齢者総合診療について講演会を行い,そのとき,アンケート調査も実施をいたしました。市立病院における高齢者総合診療科開設について,174名中,実に153名が求めています。この割合は88%であります。参加者174名中154名が60歳以上であります。
そこで,質問ですが,市立病院に高齢者総合診療科を開設する場合,道内には高齢者総合診療科の専門医はおりませんので,高齢者総合診療科の日本における中心である東京都老人医療センターから医師を招き,開設すべきと思いますが,中西院長の見解をお伺いいたします。
2点目は,各区保健センターは,地域で高齢者健康相談を連絡所単位で開き,高齢者総合診療受診が適当と思われる人は紹介し,治療が安定した段階で居住地のかかりつけ医院を紹介する。また,継続的に保健センターで健康チェックを定期的に行っていくなどの取り組みによって,高齢者に楽しくはつらつと暮らしてもらう環境をつくることが大切であります。
医療費は,この取り組みの結果として,後から数字となるものであります。日本の老年医学のパイオニア,小澤利男先生はそうおっしゃっておりました。
そこで,質問ですが,以上申し上げた体制について,中西院長は早期実現に取り組まれるかどうか,お伺いをいたします。
以上で,終わります。(拍手)
○議長(佐藤美智夫君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(桂信雄君) ご質問のうち,ご指名がありました,歯科医師の救命研修に関する厚生労働省への働きかけについて,私から答弁いたします。
救命研修は卒後の臨床教育の一環でありますことから,これは,歯科医療にかかわる教育機関でありますとか,あるいは,関係団体において検討いただくことが最も適切ではないかと,このように考えております。
以上です。
○議長(佐藤美智夫君) 宮田保健福祉局長。
◎保健福祉局長(宮田睦彦君) 私から,歯科医師の救命研修の必要性についてお答えいたします。
歯科医師の救命研修は,医師法及び歯科医師法を遵守する形で行われるのであれば,積極的に実施されるべきものと,このように考えております。
○議長(佐藤美智夫君) 中西
市立札幌病院長。
◎
市立札幌病院長(中西昌美君) 私に対しまして,2点,最初にご質問がございましたので,お答えいたします。
1点目の歯科医師研修における研修のとらえ方と研修方法の問題についてでございますが,今回の研修は,優秀な歯科口腔外科医の育成を目的として行っていたものであり,指導医のもとで行われる研修は,医師法違反に当たる行為とは考えておりませんでした。また,研修方法に問題があったという報告は受けておりません。
しかし,今回,起訴という検察庁の判断を厳粛に受けとめまして,今後につきましては,公判の動向を見きわめながら適切な対応を図ってまいりたいと考えております。
次に,市立札幌病院における高齢者総合診療科の開設と各区保健センターとの連携についてでございます。
1点目の高齢者総合診療科の開設についてでありますが,医療を提供する体制はもとより,高齢者への対応はさまざまな分野で求められているところであります。したがいまして,市立札幌病院のあり方に関して,今後,関係機関等との協議を進める中で,高齢者を含め,患者さんの多様なニーズに対応できる診療体制について,人材の確保も含めて検討してまいりたいと考えております。
2点目の高齢者医療にかかわる環境整備についてでありますが,市立病院のみならず,総合的な病院と地域のかかりつけ医療機関や保健センターとの連携,いわゆる病病連携と病診連携については,重要であると考えているところでありますので,今後とも,当院の地域医療室の利用促進など,札幌市医師会との連携を図りながら,引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
(松浦忠君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(佐藤美智夫君) 松浦忠君。
◆松浦忠君 まず,中西院長に申し上げますが,高齢者医療,総合診療の問題についてはですね,院長に,私が調査してまいりました東京都の老人医療センターの資料,あるいはまた,小澤先生がお書きになった本,さらにはまた,東京都にある,日本でただ1カ所の財団法人東京都老人総合研究所など,こういった資料等をお預けして,お読みいただいて,私とですね,2度にわたって,これらの内容についてお話をしました。
しかし,今の答弁では人材育成を検討と言っておられますが,北海道に三つの医学部がありますが,老年学をやっている大学はですね,つい最近,北大の大学院で,名古屋大学から教授を招いて,老年学を始めたばかりということで,どこでどう検討するのですか。どう人材育成するのですか。
今の答弁では,私と話し合った経過からすれば,全く詭弁の答弁でありますね,これは。したがって,私は,これ以上,ここで,皆さん方も院長もですね,何日も何日もかけて私の質問に対する答弁を書いたわけでありますから,夕べも遅くまでかかって書いたわけでありますから,ここで再質問をしても,これ以上の答えは出ないと思いますから,これはこの程度にしておきます。また,引き続きやります。
そこでですね,院長,私は,歯科口腔外科の救命救急センターにおける研修内容についてですね,やはり,先ほど申し上げたように,院長に対する不信感というのは,ぬぐい去ることができません。これは,皆さんが持っています。私は,何人もの歯科医師にも会いましたし,それから,何人ものお医者さんにも会いました。
したがってですね,この点をきちっと皆さんが納得できるように院長が態度で示すことが,まず,病院の中でのですね,人心が安定することであります。人心が安定しなければですね,これは医療事故になっていくのでありますから,そのことを早期にされることを求めておきます。
次に,市長でありますが,市長の今の答弁を聞くと,まあ,なるべくああだ,こうだと言われんように答えておこうという,その1点に集中していると思います。
それで,今の答弁ではですね,歯科医師の診療中,突発救命をすることができない,市民にできないということを,市長の答弁ではそれを積極的にですね,今,告白したこととは別問題として,歯科医師がですね,それをどうやったら,きちっと突発的な事態に どのような研修内容がいいか,そのことについて関係自治体と相談をして,そして,厚生省に求めていくというのは,だれが考えても市長の態度としてですね,それはやるべき,市民の意向を踏まえた態度ということになるのですよ,これは。
ところが,それは厚生省や学識経験者が考えることだから,全くわしは関知しないというのはね,このような態度というのは,極めて,私はいただけない。
したがって,ただ一つ,きょう,私が質問で得たことは,桂市長は,少なくとも口腔外科の歯科医師が診療中に突発的な心肺停止などの状況が起きたときにですね,それに対応するだけの研修を受けさせて,市民の命を守るという,その考え方に立っていないということだけははっきりいたしましたので,私は,議員の責務として,このことをこれからしっかりと市民に伝えて,市民とともにですね,厚生省に向かって,今度は,この改定に向けた取り組みをしていってと申し上げて,終わります。
○議長(佐藤美智夫君) 以上で,代表質問はすべて終了いたしました。
(村山優治君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(佐藤美智夫君) 村山優治君。
◆村山優治君 特別委員会設置及び委員会付託の動議を提出いたします。
ただいま議題とされております議案46件のうち,平成14年度の予算にかかわる議案については,それぞれ委員33人から成る第一部及び第二部予算特別委員会を設置し,各位のお手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に,また,その他の議案については,同表のとおり関係の常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(佐藤美智夫君) ただいまの村山議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。
動議のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(佐藤美智夫君) ご異議なしと認めます。よって,ただいま議題とされております議案46件のうち,平成14年度の予算にかかわる議案については,それぞれ委員33人から成る第一部及び第二部予算特別委員会を設置し,各位のお手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に,また,その他の議案については,同表のとおり関係の常任委員会にそれぞれ付託されました。
〔付託表は巻末資料に掲載〕
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○議長(佐藤美智夫君) ここで,日程に追加いたしまして,ただいま設置されました第一部及び第二部予算特別委員会の委員の選任を議題といたします。
本件につきましては,委員会条例第5条第1項の規定により,当職からお諮りします。
各位のお手元に配付の委員名簿のとおり指名いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(佐藤美智夫君) ご異議なしと認めます。よって,委員名簿のとおりそれぞれ選任されました。
なお,第一部及び第二部予算特別委員会における発言のための委員の交代は,先例によりまして,両特別委員長の許可を得た上で行っていただくことといたします。
〔名簿は巻末議決事件等一覧表参照〕
――――――――─―――――――――
○議長(佐藤美智夫君) さらに,日程に追加いたしまして,第一部及び第二部予算特別委員会の委員長の選任を議題といたします。
(村山優治君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(佐藤美智夫君) 村山優治君。
◆村山優治君 第一部及び第二部予算特別委員会の委員長の選任につきましては,指名推選の動議を提出いたします。
第一部予算特別委員長には上瀬戸正則君を,第二部予算特別委員長には義卜雄一君をそれぞれ選任することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(佐藤美智夫君) ただいまの村山議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。
動議のとおり決することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(佐藤美智夫君) ご異議なしと認めます。よって,第一部予算特別委員長に上瀬戸正則君が,第二部予算特別委員長に義卜雄一君がそれぞれ選任されました。
――――――――─―――――――――
○議長(佐藤美智夫君) お諮りします。
本日の会議はこれをもって終了し,あす3月2日から4日までは委員会審査等のため休会とし,3月5日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(佐藤美智夫君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
――――――――─―――――――――
○議長(佐藤美智夫君) 本日は,これで散会いたします。
――――――――─―――――――――
散 会 午後4時58分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議長 佐 藤 美 智 夫
副議長 加 藤 齊
署名議員 山 田 一 仁
署名議員 宮 川 潤...