札幌市議会 2001-12-05
平成13年第 4回定例会−12月05日-02号
議案第6号 札幌市
下水道事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第7号
札幌市立高等学校授業料等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第8号
札幌市立高等専門学校の授業料等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第9号 財産の取得の件(公園用地)
議案第10号 訴えの提起の件(
市営住宅明渡し等)
議案第11号 平成14年度
当せん金付証票の
発売限度額を定める件
議案第12号 市道の認定及び変更の件
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〇出席議員(66人)
議長 佐 藤 美智夫 君
副議長 加 藤 齊 君
議員 長 内 直 也 君
議員 五十嵐 徳 美 君
議員 村 松 正 海 君
議員 山 田 一 仁 君
議員 近 藤 和 雄 君
議員 藤 原 廣 昭 君
議員 三 浦 英 三 君
議員 青 山 浪 子 君
議員 坂 本 恭 子 君
議員 岡 千 陽 君
議員 恩 村 一 郎 君
議員 小 林 郁 子 君
議員 松 浦 忠 君
議員 高 橋 克 朋 君
議員 勝 木 勇 人 君
議員 鈴 木 健 雄 君
議員 堀 川 素 人 君
議員 横 山 光 之 君
議員 大 嶋 薫 君
議員 小 野 正 美 君
議員 涌 井 国 夫 君
議員 本 郷 俊 史 君
議員 高 橋 功 君
議員 岩 村 よね子 君
議員 熊 谷 憲 一 君
議員 宮 川 潤 君
議員 井 上 ひさ子 君
議員 馬 場 泰 年 君
議員 宮 村 素 子 君
議員 笹 出 昭 夫 君
議員 三 上 洋 右 君
議員 道 見 重 信 君
議員 上瀬戸 正 則 君
議員 原 口 伸 一 君
議員 畑 瀬 幸 二 君
議員 大 西 利 夫 君
議員 義 卜 雄 一 君
議員 武 藤 光 惠 君
議員 小 川 勝 美 君
議員 田 中 昭 男 君
議員 山 口 た か 君
議員 千 葉 英 守 君
議員 村 山 優 治 君
議員 宮 本 吉 人 君
議員 武 市 憲 一 君
議員 大 越 誠 幸 君
議員 猪 熊 輝 夫 君
議員 西 村 茂 樹 君
議員 川口谷 正 君
議員 森 健 次 君
議員 柿 崎 勲 君
議員 小 田 信 孝 君
議員 生 駒 正 尚 君
議員 飯 坂 宗 子 君
議員 福 士 勝 君
議員 高 橋 忠 明 君
議員 常 本 省 三 君
議員 柴 田 薫 心 君
議員 小 谷 俵 藏 君
議員 伊与部 敏 雄 君
議員 湊 谷 隆 君
議員 常 見 寿 夫 君
議員 本 舘 嘉 三 君
議員 荒 川 尚 次 君
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〇欠席議員(1人)
議員 村 上 勝 志 君
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〇説明員
市長 桂 信 雄 君
助役 千 葉 瑞 穂 君
助役 佐々木 喜 四 君
助役 福 迫 尚一郎 君
収入役 高 橋 登 君
交通事業管理者交通局長 片 桐 政 美 君
水道事業管理者水道局長 瓜 田 一 郎 君
総務局長 高 橋 賢 治 君
企画調整局長 角 田 義 寛 君
財政局長 平 口 愛一郎 君
市民局長 谷 紘 子 君
保健福祉局長 宮 田 睦 彦 君
環境局長 三 井 尚 君
経済局長 小 川 敏 雄 君
建設局長 西 條 肇 昌 君
都市局長 角 尾 大 和 君
下水道局長 小 西 十四夫 君
市立札幌病院長 中 西 昌 美 君
消防局長 阪 下 征 哉 君
教育委員会委員 矢 野 義 和 君
教育委員会教育長 土 橋 信 男 君
選挙管理委員会委員長 岡 本 修 造 君
選挙管理委員会委員 青 木 護 君
選挙管理委員会委員 越 智 健 一 君
人事委員会委員長 朝 倉 賢 君
人事委員会事務局長 古 田 勝 榮 君
監査委員 川 越 公 夫 君
監査事務局長 南 槇 子 君
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〇
事務局出席職員
事務局長 金 野 信 夫 君
事務局次長 岸 稔 君
総務課長 渡 邉 惠 君
議事課長 福 島 康 則 君
調査係長 中 村 信 弘 君
資料係長 岩 谷 隆 博 君
議事係長 大 島 和 幸 君
記録係長 長谷川 万壽美 君
委員会一係長 酒 井 欣 洋 君
委員会二係長 吉 野 豪 君
書記 山 本 扶 美 君
書記 池 田 章 宏 君
書記 柴 井 康 君
書記 酒 井 智 美 君
書記 本 島 光 二 君
書記 松 崎 朗 子 君
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〔午後1時2分開議〕
○議長(
佐藤美智夫君) ただいまから,休会前に引き続き会議を開きます。
出席議員数は,65人であります。
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○議長(
佐藤美智夫君) 本日の
会議録署名議員として鈴木健雄君,常見寿夫君を指名します。
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○議長(
佐藤美智夫君) ここで,
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(金野信夫君) 報告いたします。
村上勝志議員は,公務出張のため本日の会議を欠席する旨,届け出がございました。
去る11月28日,議長は,議案第2号
公益法人等への札幌市職員の派遣等に関する条例案につきまして,
地方公務員法第5条第2項の規定により,
人事委員会の意見を求めております。
本日の議事日程及び
質問順序表は,お手元に配付いたしております。
以上でございます。
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○議長(
佐藤美智夫君) これより,議事に入ります。
ここで,日程第1,議案12件に対する代表質問に先立ち,日程に追加いたしまして,
皇孫殿下御誕生につき
天皇陛下並びに
皇太子殿下に賀詞を奉呈する件を議題といたします。
本件は,自民党,民主党,公明党及び
新政クラブ所属議員全員の提出によるものであります。
このたび,
皇孫殿下がご誕生になりましたことは,市民とともに,私どもの心からお喜び申し上げるところでございます。
つきましては,本市議会として慶賀の意を表するため,
天皇陛下並びに
皇太子殿下に賀詞を差し上げることとし,ただいまから,その案文を朗読いたします。
天皇陛下に捧げる賀詞
このたび
皇孫殿下のめでたく御誕生になりましたことは,市民のひとしく喜びとするところであります。
ここに
札幌市議会は,市民とともに,つつしんで慶賀の意を表します。
皇太子殿下に捧げる賀詞
このたび
内親王殿下のめでたく御誕生になりましたことは,市民のひとしく喜びとするところであります。
皇太子殿下,同妃殿下の御健勝と,
内親王殿下のお健やかな御成育を,お祈り申し上げます。
ここに
札幌市議会は,市民とともに,つつしんで慶賀の意を表します。
以上,案文の朗読を終わります。
お諮りします。
ただいま朗読いたしました案文のとおり,賀詞を奉呈することに賛成の諸君のご起立を求めます。
(
賛成者起立)
○議長(
佐藤美智夫君) 全員起立であります。よって,
皇孫殿下ご誕生につき,
天皇陛下並びに
皇太子殿下に,案文のとおり,賀詞を奉呈することに決定いたしました。
次に,賀詞の奉呈に当たっては,後日の命名の儀においてお決まりになられたお名前により奉呈いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
佐藤美智夫君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
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○議長(
佐藤美智夫君) 次に,日程第1,議案第1号から第12号までの12件を一括議題といたします。
ただいまから,代表質問に入ります。
通告がありますので,順次発言を許します。
横山光之君。
(
横山光之君登壇・拍手)
◆
横山光之君 私は,ただいまから,
自由民主党議員会を代表して,市政の諸問題について,順次質問いたします。
初めに,財政問題についてお伺いいたします。
質問の1点目は,景気・
雇用対策にかかわる
補正予算についてであります。
政府は,6月に閣議決定した今後の
経済財政運営及び
経済社会の
構造改革に関する基本方針,いわゆる骨太の方針に基づいて聖域なき
構造改革を進めております。私も,我が国の
財政構造を立て直し潜在的な成長力を生かすためには,経済の状況を見きわめながら,
構造改革を着実に推進していく必要があるものと考えるものであります。
国においては,11月の
月例経済報告で,景気は一段と悪化していると3カ月ぶりに基調判断を下方修正し,先行きについても,
同時多発テロ事件などの影響により,世界経済が同時減速する懸念が強まっているとの警戒感を示しております。
また,日銀が発表した経済・物価の将来展望と
リスク評価によりますと,今年度の成長率は
マイナス1.2%ないし
マイナス0.9%,来年度は
マイナス1.1%ないしプラス0.1%と,
デフレ経済が長期化するとの判断を示し,また,内閣府も,今年度の
政府経済見通しについて,GDPの伸び率を現行のプラス1.7%から
マイナス0.9%へと,大幅に下方修正する旨の報告をしております。
さらに,
雇用情勢も大変厳しく,さきに発表された総務省の
労働力調査で,9月の
完全失業率が5.3%と過去最悪を記録し,
完全失業者数も過去最高の357万人に達し,これを受けて
厚生労働大臣が
雇用情勢について緊急事態を宣言したことは,記憶に新しいところであります。
このような状況においては,
構造改革に矛盾しない形で景気を後押しする施策の実施が求められているところであり,こうした観点から,国は,
経済財政諮問会議で3,500億円規模の新たな
緊急地域雇用創出特別交付金の創設などを含む
改革先行プログラムを取りまとめ,それに基づき,
雇用対策や
中小企業対策などを柱とした
補正予算が今臨時国会で成立したところであります。
さらに,政府は,
構造改革を加速しつつ,
デフレスパイラルに陥るのを回避するために,11月26日の臨時閣議で第2次
補正予算の編成を決定し,来年1月召集予定である通常国会の冒頭に予算案を提出するとのことであります。
本市においても,財政状況が厳しい折とは存じますが,ここは,このたび成立した国の
補正予算に呼応して,あるいは本市独自でも,本市が置かれている経済・
雇用情勢に即応した取り組みを行うことも必要ではないかと思うのであります。特に,
地元中小企業は,公共事業の縮減などに伴って非常に厳しい経営状況にあり,今まさに
地元企業の受注機会を確保する施策が求められているのではないでしょうか。
そこで,質問でありますが,本市においては,
補正予算を早期にまとめ,今議会開会中に追加提案される方針と伺っておりますが,どのような観点に着目して予算を編成されるのか,お伺いをいたします。
質問の2点目は,本市の歳入の根幹たる
市税収入の見通しについてであります。
北海道財務局の10月の
管内経済情勢報告では,道内経済は,厳しさを増し,一段と弱いものとなっていると判断を下方修正したところであります。
雇用情勢では,7月から9月の
完全失業率が5.1%と,前年同期を0.4%上回っており,冬を前にして,現在15万人に上る失業者数が,今後さらにはね上がることが憂慮されるのであります。
このように,ことしに入ってからの国内,道内の大変厳しい経済・
雇用情勢を踏まえますと,本市の歳入の根幹である
市税収入が,果たして予算どおり確保できるかとの懸念を抱くのは,私だけではないと思うのであります。
国においても,本年度の当初予算における租税収入は50兆7,270億円を計上していましたが,
情報技術関連企業を中心とした
業績見通しの悪化による法人税などの減収で,このたびの
補正予算で1兆1,000億円を超える減額を余儀なくされたところであります。
そこで,質問でありますが,本年度の
市税予算額は,対前年度比2.7%増の2,732億円を見込んでおりますが,本市を取り巻く厳しい
社会経済情勢からすると,この予算額の確保についても予断を許さない状況にあると考えております。
また,市税の今後の動向については,来年度の
予算編成を大きく左右するものでありますので,この機会に,本年度及び来年度の
市税収入の見通しについてお伺いいたします。
質問の3点目は,
予算編成の基本的な考え方についてであります。
昨今の厳しい
経済情勢を考えますと,
市税収入が伸びていくことは当面期待できないと考えざるを得ませんし,また,国が進める
構造改革により,
地方交付税や
国庫補助金につきましても減少が見込まれるところであります。
こうしたことから,本市の来年度予算が,歳入の減により,前年度
比マイナスとなる可能性も否定できません。一方で,今後も,扶助費などの
義務的経費が年々増加していくことが予想され,また,
地域経済の活性化,
少子高齢化や環境問題といった課題にも適切に対応していかなければならないのであります。
すなわち,現在の状況は,いわば入りの確保が見通せない中で,出るを制するどころか,これが膨らむ要因を多々抱えて,大変困難な
財政運営のかじ取りを迫られていると言えるのではないでしょうか。
しかしながら,こうしたときにこそ,
地域経済の活性化や市民の雇用を確保していく観点からも,
地元企業を中心とした産業の振興により,新たな税財源の涵養を図っていく必要があると思うのであります。
本市はこれまでも,情報産業や福祉の分野を初めとする,いわゆる新
札幌型産業の育成に努めてきていることは私も承知しておりますが,私は,こういう厳しい時代であるからこそ,むだな経費を徹底的に削減する一方で,
地域経済の活性化などの真に市民が求めている緊急の課題については,重点的に投資をしていくという,めり張りのきいた予算配分が必要であると考えるのであります。
そこで,質問でありますが,現在,来年度の
予算編成に向けての準備が進められている時期かと思いますが,
予算編成に当たってどのような取り組みをされているのか,お伺いをいたします。
質問の4点目は,将来の
財政運営についてであります。
20世紀において,我が札幌市は,
冬季オリンピックや
政令指定都市への移行などを契機として計画的に
都市基盤の充実を図ってきた結果,人口183万人を擁する大都市へと成長してまいりました。
しかしながら,こうした
都市基盤や
公共施設の整備によって,市民にさまざまなサービスの提供が可能となった反面,今後,これらの膨大な諸施設を維持管理し,また,更新していくための財源措置は,必ずや将来大きな問題となってまいります。
平成11年3月に,当時の
総務局都市政策研究室が
公共施設の建てかえ年次と需要額を推計しておりますが,これによりますと,平成23年度に1回目の建てかえのピークが到来し,現在の約5倍,額にして500億円を超え,2回目のピークは,平成34年度で700億円を超えることが見込まれております。
本市では,これまで市営住宅については,建てかえ時期の集中を回避・分散化し,円滑な建てかえ事業を推進していくために,
市営住宅ストック総合活用計画を作成したり,学校についても,現行の耐震基準の適用前に建設された施設の
老朽化状況を調査し,計画的な改築・改修等を行うための
健全度調査などを行っていることは承知をしております。
しかしながら,これからは市の所有する施設全体についての中長期的な整備資金を持つことも必要であり,また,
公共施設の更新需要の年度間の財源調整として
財政調整基金を積み増しするなどして,その活用を積極的に検討していくことも一つの方法ではないかと考えるのであります。
また,こうした施設を建設する財源として貴重な役割を果たしてきたのは市債でありますが,本市においては,平成12年度決算で一般会計の市債残高が初めて1兆円を超え,全会計では2兆1,000億円に達しております。
市債については,
公共施設の建設など資産の価値が長期間にわたるものについて,財政支出を平準化し,世代間で負担を分かち合う役割を果たしてきました。しかしながら,この市債の過度な発行は,将来,市民に大きな負担としてはね返ってまいります。
さらに,ここ数年の景気対策に伴って増発をされた市債の
元利償還の本格化などにより,今後,公債費がピークに向かって増加の一途をたどってまいります。一般会計で見た場合,
元金償還額は,平成12年度の497億円から,ピークである平成26年度には965億円と,約2倍にもなると推計されております。
また,
政令指定都市移行を機に大量に職員を採用した本市では,今後,いわゆる団塊の世代の職員が定年を迎え始め,これによる退職金の増加も予想されるところであり,全会計で見ますと,平成21年度には,本年度に比べ約1.5倍の約800人が退職し,退職金も現在より100億円ほど多い250億円程度と推計されております。
民間企業では,経営不振から
大手電気産業を初めとして,
希望退職を募集し,組織のスリム化を図っております。本市でも,平成12年度から2年間の予定で,団塊の世代を含めた職員を対象として
希望退職を募集し,既に51名が退職していると聞いておりますが,今後ますます増加する退職金を平準化していくためには,さらなる
希望退職制度の実施なども必要ではないかと考えるのであります。
このように,
公共施設の更新,市債の
元利償還,そして職員の退職金,この三つのピークが徐々に近づき,その
かじ取りいかんによっては,本市財政の屋台骨を揺るがす事態にもなりかねないと思うのであります。
これらは,本市が北の理想都市として成長を遂げるために払ってきた,いわば20世紀の負の遺産とでも言うべきものであります。
しかしながら,いずれも当時としては必要であった投資を行ったのであり,現世代の私たちは,真剣に受けとめて解決していかなければならない問題であります。
そこで質問でありますが,
公共施設の更新や公債費,退職金などの財政負担が増加していく中で,今後の
財政運営についてどのように取り組んでいこうとしておられるのか,ご見解をお伺いいたします。
質問の5点目は,
北海道住宅供給公社問題についてであります。
多額の債務超過を抱える
北海道住宅供給公社につきましては,北海道が,本年4月18日に
北海道住宅供給公社の
あり方検討委員会を設置し,今年中に抜本的な対応策を検討することとされておりますが,先月26日に4回目の公社の
あり方検討委員会が開催され,
北海道住宅供給公社のあり方に関する基本的な考え方についての報告がなされました。
この内容を見ますと,公社事業の整理縮小,組織の大幅なリストラ,無利子または
低利長期融資措置による金利負担の軽減,これに伴う
損失補償措置などを講じることとしており,また,含み損等の抜本的な
負債処理スキームに関しては,継続中の建設事業が完了する平成16年度をめどに確定することとして,実質的な先送りを行うこととしております。
このうち,
損失補償措置については,北海道と本市において行う必要があるとされており,総額420億円にも上ると聞いております。
そこで,この
公社借入金に対する
損失補償について,具体的にどのような要請を受けたのか,また,この
損失補償の協力要請に対し,本市はどのように対応を考えているのか,お伺いをいたします。
次に,都心の
街づくりについてお伺いいたします。
第4次
長期総合計画に魅力的で活力ある都心の整備という一項が盛り込まれるなど,近年,都心の活性化についてさまざまな場面で取り上げられていることに,長年,都心の重要性を主張してきた一人として非常に意を強くしております。
私は,21世紀前半の札幌の
街づくりは,いわゆる
コンパクトシティーが最も重要なキーワードになると考えております。
これまで,本市は,急増する人口や急成長する産業を的確に受け入れつつ,効率的な都市活動を維持するという観点から,新たな
市街地整備と
社会資本整備を,他に例を見ないほどのスピードで,しかも極めて計画的に進めてまいりましたが,21世紀に入り,
街づくりをめぐる課題は大きく転換をしてまいりました。人口増加の鈍化あるいは減少ということが想定される中,地球環境への負荷低減や環境と調和した
経済的発展をいかに進めるかが中心課題となり,さらに,急速な高齢化に対応して,市民が日常生活をなるべく身近な範囲で送れるようにすることや,
財政的制約の中での行政事務の効率化,
公共交通機関の利用促進など,街全体の構造にかかわる課題も多くあります。
これらの課題を多面的にとらえるとき,今後は市街地を拡大していくのではなく,既存の
都市基盤を有効に利用し,都市全体として,また,日常的な生活圏の広がりとしてもコンパクトな街としていくことが重要になるのであります。同時に,都心についても,本市の誇れる顔として,多様な選択性と高度な都市機能が凝縮された魅力ある21世紀にふさわしいものであるべきと考えるのであります。
言うまでもなく,札幌の都心は,北海道内で生活する人々にとっても重要な活躍の場であり,また,世界的な都市間競争の中で本市が確固たる地位を築く意味でも,非常に重要な場所であります。したがいまして,こうした広く大きな視点からも都心をとらえていくことが求められているのであります。
このように都心の
街づくりを精力的に進めることが,今後ますます重要になってくるわけでありますが,その具体的な展開には,市民や企業の理解,協力が不可欠であります。その意味で,市長が都心のまちづくりビジョンや都心交通ビジョンを提案されたことは,市民が考え,議論を始める大きなきっかけになり,また,10月に開催された都心まちづくりフォーラムで,市長みずからが都心の再生にかける思いをお話しされたことは,非常に有意義なものであったと評価をしております。
さらに今年度は,都心のまちづくりビジョンを受けて,その展開プログラムを明らかにする都心のまちづくり計画を策定するとともに,中心市街地活性化基本計画や商工会議所によるTMO構想の策定も予定されており,具体的に都心整備の展開方向が明らかになるものと大いに期待をしているところであります。
現在,札幌駅周辺の整備が急ピッチで進められ,旧北海道拓殖銀行本店ビルや旧札幌合同庁舎跡地など,民間開発が活発化しつつありますし,南1条地区等の
街づくりを目的とした組織的な活動も着実に根づいております。
昨今の
経済情勢の中では,このような民間による都市開発や
街づくりの動きを積極的に誘導,支援して,都心の活力を高めていくための大きな力としていくことが重要であります。そのためには,
街づくりの先導役としての行政が,都心の活動を支えるために必要な基盤づくりを積極的に進めていく必要があります。
また,現在,具体的な検討段階にある創成川通連続アンダーパスや創世1.1.1区(さんく)計画,さらには駅前通地下通路などの基幹的な都市整備は,その計画内容や事業スケジュールが関係する民間開発に大きな影響を及ぼすものであります。
したがって,民間の力を最大限に生かしながら都心の
街づくりを効果的に進めるためには,これらの計画を早急に明らかにし,民間の動きにブレーキがかからないように迅速に事業を推進する必要があります。特に,駅前通地下通路については,だれもが楽しく,かつ,安全快適に利用できるものにしていく必要がありますし,さらには,公募市民とともに行われているワークショップでも多くの意見が出されているように,にぎわいのある空間とするために,沿道の民間ビルと十分連携して計画を進めることが非常に重要であります。
都心の
街づくりは,さまざまな主体による事業が,手法やスケジュールを異にしながら複合的に展開されて進むものであります。したがって,共通の目標像を持ち,相互に調整されたプログラムの中で個々の事業展開がなされるような計画づくりや推進体制づくりも重要な課題であると考えられます。
また,国の都市再生プロジェクトとの連動や市民を交えたフォーラムの活用など,多方面からの支持を得ながら都心整備を展開するということも積極的に取り組む必要があります。今後の都心の
街づくりに当たっては,これらを十分に踏まえて果敢に取り組んでいただきたいと考えるのであります。
そこで,質問でありますが,本年度は,都心のまちづくり計画と中心市街地活性化基本計画の二つの計画を策定し,来年度から本格的に始動することとなるわけですが,計画を具体化するために,どのような点について重点的に取り組むべきとお考えか,お伺いをいたします。
次に,北方都市市長会についてお伺いいたします。
本市では,初めて
長期総合計画を策定した昭和46年から,北方圏の拠点都市として北の都市機能を創造することを基本理念として掲げており,第4次
長期総合計画におきましても,引き続き,この理念に基づき,さまざまな分野における交流と創造的な都市活動を一層活発化させ,北の拠点都市としての機能を強化していくことがうたわれております。
この基本理念に基づいて行っている具体的な事業の一つとして,北方都市市長会が挙げられるのであります。
本市は,気候風土の似ている世界の北方都市が集まり,厳しい気象条件を有する都市に共通する課題について話し合うために,昭和56年に北方都市会議の開催を提唱し,翌57年に第1回会議を本市で開催いたしました。その後,会議は継続して開催され,各都市がさまざまな課題について先駆的な都市の知恵と経験を共有してまいりました。
さらに,平成6年には,それまでの北方都市のネットワークを強化するために会費を徴収することとし,北方都市市長会という会員制の組織を設立し,桂市長がその会長の職につかれております。現在10カ国の19都市が加盟しており,アジア,北米,北欧の北方都市間に築いた独自のネットワークとして高い評価を受けていると伺っております。
本市は,この北方都市のネットワークを通じて得た情報や技術を
街づくりに取り入れており,スタッドレスタイヤ,常緑樹の街路樹への活用及び中島公園の歩くスキーの常設コースの整備などもその大きな成果であります。また,冬の都市環境,観光促進などの課題についても,会員都市間で共同研究を行い,その成果を北国の暮らしに役立つ情報として集約し,本市の
街づくりに活用してまいりました。
このように,北方都市市長会は,冬を活用した本市の
街づくりに大きく貢献してきたところであり,来年2月に青森市で開催されます第10回会議で20周年という節目の年を迎えます。
しかしながら,20年という時間の経過とともに,市長会を取り巻く世界の環境は大きく変わってきたのではないかと私は考えております。事実,近年,カナダや北欧の都市が退会し,当初ほど積極的な活動が見られなくなったとの指摘も耳にしております。私は,今後もこの傾向が強まり,本市長会の運営に大きな支障を来すのではないかと大変危惧しております。これは,今の市長会が抱えている大きな課題であり,この課題を解決するためには,加盟することのメリットを明確にしていく必要があると考えております。
そのためには,本市長会が新たな展開を図り,例えば,市長だけではなく,市民を交えた幅広い活動を通じた交流を積極的に推進することなどにより,活性化を図り,会員都市の市民や議会の理解を得ていくことが必要不可欠であります。
確かに,20年前は,北方都市会議のような国際会議を開催すること自体に意義があり,会議に参加することで新たな知識や経験を他の都市から享受することが大きな成果でありました。しかしながら,国際化の進展とともに,外国との交流が日常的に行われるようになった今日,海外との交流は,単なる知識や経験の交換にとどまらない関係が求められていると考えております。
また,今日のような高度情報化社会においては,世界の情報をリアルタイムに入手することが可能になりました。このような時代の変化により,北方都市市長会,札幌市,ともに新たな時代に対応したあり方が求められていると考えるのであります。
そこで,質問の1点目は,本市における北方都市市長会の意義についてであります。
本市は,この20年間,北方都市との交流を主要事業として位置づけ,北方都市市長会のさまざまな活動を通じて,北方圏の拠点都市としての基礎を築き上げてきたところであり,その点では,本市がこれをリードしてきた意義は大きかったと考えております。
しかしながら,21世紀を迎え,国際化,高度情報化が急速に進んでいる今日,本市の行政を推進する上で,本市長会が今後どのような役割を果たしていくべきか,この機会にその存在意義を明確にしておく必要があると考えるのであります。
そこで,このような観点から,本市における北方都市市長会の意義について市長のお考えをお伺いいたします。
質問の2点目は,北方都市市長会の今後のあり方についてであります。
本市の冬の市民生活の向上に,その活動が大きな役割を果たしてきたのは事実であり,その点では,従来の活動は高い評価を得てまいりました。しかしながら,今後,本市長会がさらに効果的な成果を上げるためには,さきに述べましたように,新たな時代に対応した展開を図っていく必要があると考えるのであります。
そこで,本市長会を今後どのように展開していこうと考えておられるのか,北方都市市長会の今後のあり方に対するご見解をお伺いいたします。
次に,交通事業についてお伺いいたします。
我が会派は,これまでも,市営バス事業の民営化については政策要望などでも最優先の課題として取り上げ,幾度となく早急な対応を主張してきたところであります。
また,国におきましても,
構造改革の中で,民間が自由に経済活動が行える社会の実現を目指して,民営化・規制改革プログラムが進められております。つまり,民間でできるものは民間へ任せることが結果として国民の利益につながるとの観点から,民間の自由な経済活動を阻害してきた法的な規制を撤廃し,競争原理を働かせ,経済活動を活発化させようとするものであります。
特に,来年2月に迫った道路運送法の改正により,バスやタクシー事業において,これまでの需給調整規制が撤廃され,参入,退出,運賃の設定などの自由度が増すことになります。その結果,事業者間の競争原理により,利用者サービスの向上が期待できるのであります。
一方,本市における行政改革の取り組みも,こうした国の動向と整合性をとりながら進められるべきであり,今後の行政運営においては,どうしても行政でなければならないのかという発想から事業を見詰め直す必要があると思うのであります。すなわち,市民・企業・行政が協働して,公共の福祉を実現していく手法をつくり出す必要があると考えるのであります。
さきの定例会でも,これまでの取り組みを踏襲するのではなく,行政の体質そのものを改革し,協働型社会の実現を目指して都市経営を行っていくとの市長答弁もございました。今後の市営交通事業のあり方について,まさにその実践を行う時期にあると考えるのであります。
特に,バス事業におきましては,乗客の減少と人件費の増加に伴う収支の悪化が事業経営を圧迫し,市民負担が増大していく状況となっております。規制緩和を前に,民間事業者との競争にさらされることは確実であり,これまでも指摘されているとおり,運営コスト面では,もはや民間事業者に太刀打ちできる状態ではないと言わざるを得ないのであります。
また,札幌市内のバス輸送は,民営事業者の企業努力により,そのサービス水準においても十分に公共的な役割を果たしているところであり,先日,市長に提出された市営企業調査審議会からの意見書においても,市営バス事業については,民営事業者への移譲が適当と判断される旨の意見が示されております。
その意見書の中で,市営交通3事業の今後の運営のあり方について提言されておりますが,基本的には,やはり,民間でできる分野については極力民間に任せるべきとの考え方がうかがえるのであります。私も,
構造改革の推進の観点から,民間の力を最大限に活用し,利用者サービスに努めるべきと考えるものであります。
現在,市営交通の今後のあり方について,交通事業経営改革会議を立ち上げ,全庁的な検討を行っていると聞いておりますが,審議会から出された意見書の趣旨に沿った事業運営のあり方の検討や,特にバス事業については,市営事業としての存廃について市長の英断を強く望むものであります。
それと同時に,規制緩和の結果として,民営事業者であっても収支がとれない路線については廃止することも予想され,将来にわたって路線が確保されるのかという不安はぬぐい去れないのが市民意識であろうかと思うのであります。そのため,審議会の論議の中にもありますように,こうした市民の不安を生じさせないように,行政の責任として的確な対応を望むものであります。
いずれにしましても,
少子高齢化が進行する中で,本市としては,これまでの右肩上がりの需要予測で交通事業を維持するとした経営計画から,確実な需要予測に基づく収入と最大限の効率化を図った運営コストにより,安定的な輸送提供を行う地に足のついた経営計画が必要とされているのであります。そうした観点からも,今までにない抜本的な事業経営の見直しと改革が必要であると思うのであります。
そこで,質問でありますが,市営交通事業の今後のあり方について,現在,その改革案の策定作業を進めておられると思いますが,改革に当たって,審議会の意見書や,先ほど申し述べましたように,市民の足を確保するという行政としての重要な役割を踏まえた基本的な考え方についてお伺いいたします。
次に,教育問題についてお伺いいたします。
本市は,児童・生徒の激増に対応すべく校舎新設に追われた時期があり,先ほど,将来の
財政運営の質問の中でも述べましたが,今日の社会経済状況や進行する少子化の中で,子供の視点に立ちながら,今後の改築需要にどのようにして対応していくかが大きな課題となることは間違いありません。
平成11年の第4回定例会の代表質問において,我が会派の山田議員が,今後の小・中学校改築の基本的考え方について質問した際には,学校施設をより長く活用するという観点からの計画的な修繕を行いつつ,財政負担を和らげるよう適切な改築時期を見定めていく必要があると考えている旨のご答弁がありました。
確かに,現有施設をより長く活用し,改築による財政負担を平準化していくことは必要でありますが,私は,学校改築については,耐用年数という観点,あるいは耐震という観点からのみではなく,総合学習や少人数学習など多様な学習形態への対応や,情報教育など教育内容の改革が進むことによる施設・設備の整備,例えば新世代型学習空間の整備など,新しい教育形態に応じた施設整備という観点からも考えていかなければならないと思うのであります。
学校の改築は,本市の将来を担うであろう子供たちへの大変有意義な先行投資でありますし,我々大人の世代が保障しなければならない共通のコストであると言うことができます。学校施設は,新しい教育内容に対応していかなければなりませんし,かけがえのない人的財産を育成する場を整備するという意味で,単に改築需要の抑制,平準化を考えるだけでなく,必要な施設整備は積極的に進めるということも考えていくべきであると思うのであります。
そこで,質問でありますが,学習環境の整備という観点も踏まえて,今後の学校改築をどのようにお考えか,お伺いをいたします。
質問の2点目は,少人数学習への対応についてであります。
学校改築による学習環境の整備に関しては,少人数学習など,多様な学習形態への対応もということを述べてまいりました。来年度から全面実施される新学習指導要領では,いわゆる基礎・基本をしっかり学習させることとしておりますが,画一的な授業では十分に基礎学力を身につけることのできない児童・生徒が生ずるのではないかと危惧するものであります。
学級の機能の一つは,集団生活における人間相互の関係や規律の形成を図る場としての生活集団としての性格であり,この機能を期待するためには,一定数以上の集団を形成することが必要でありますが,一方で,少人数学級による教育ということが盛んに言われるようになってきており,ことし4月には,公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律が改正され,各都道府県は,児童・生徒の実態を考慮して,特に必要があると認める場合には,1学級の児童・生徒の数の基準については,国の定める標準を下回る基準を定めることができるようになりました。
本市においても,チーム・ティーチングの実施など,各学校の実情に応じた弾力的な指導が行われておりますが,学級は,子供たちの学習要求にこたえる学習集団としての性格も持っており,基礎・基本をしっかりと身につけさせるためには,効果的な人数による学習集団を考えていかなければならないと思うのであります。
少人数学級についての研究成果として,ことし6月に国立教育政策研究所が公表した児童生徒の学習状況及び学力形成とクラスでの生活意識に及ぼす学級規模の影響に関する調査結果によりますと,算数,数学や理科の学力調査では,20人以下の学級が他の規模よりも比較的高得点を得たとあるものの,学級規模による明確な差は見られなかったとのことであります。この結果については,少人数であるにもかかわらず,多人数のときと同じ授業をしているからではないか,学級の人数を減らすのであれば,指導方法も少人数にふさわしいものに改善する必要があるのではないかといった指摘がなされております。
そこで,質問でありますが,本市としても従来の学級の概念にとらわれることなく,少人数学習の積極的な推進に向けて検討する必要があると考えるのでありますがいかがか,お伺いいたします。
次に,周産期医療における市立病院の役割についてお伺いいたします。
本市においては,近年,2,500グラム未満の未熟児の出生割合が増加の傾向にあり,特別な医療が必要な未熟児,母体や出生児に危険を及ぼす可能性の高いハイリスク妊娠などに対する医療の充実が求められております。そのため,妊娠,出産から新生児期に至る周産期医療を体系的かつ効果的に提供していくための周産期医療システムの確立が急がれているのであります。
国は,平成11年12月に策定した新エンゼルプランの中で,16年度までに都道府県すべてに周産期医療システムの整備を計画しておりますが,12年度末で14都府県にとどまっていることから,整備を急いでおり,北海道も本年4月に北海道周産期医療システム整備計画を策定したところであります。
この計画は,総合周産期センターを全道6ブロックに,地域周産期センターを21ブロックに,それぞれ原則1カ所を整備し,これらのセンターと周産期を担う道内の医療機関がネットワークを構築することによって,リスクの高い母体や新生児に対して適切な医療を提供することを目的としております。
この中で,市立札幌病院は,道央圏の総合周産期センターとして,現行の施設,診療体制で本年10月に北海道の認定を受けたところであります。市立札幌病院は,平成7年10月の移転新築を契機に,未熟児センターや産婦人科のベッドをふやすなど,施設・設備面で充実を図ってまいりました。
我が会派の宮村議員が平成8年の第1回定例会において周産期医療へのさらなる取り組みを求め,これを契機に,平成9年10月,未熟児センターに新生児集中治療室6床の整備と医師2名,看護婦4名が増員され,診療体制の充実が図られてきたところであります。
私は,市立札幌病院は,周産期医療はもとより,救急医療,臓器移植など,政策医療をより充実させ,公的病院としての医療にもっと重点を置き,将来的には,国の基準である周産期集中治療室6床,新生児集中治療室9床の施設基準を満たす総合周産期センターとして整備すべきであり,そのために,国,道に整備に対する働きかけを行うなど,札幌市として最大限の努力をすべきであると思うのであります。
既に,大阪府立母子保健総合医療センター,県立広島病院などにおいて,さらに最近では,北九州市立医療センターで,国の指定を前提とした施設・体制を整備するなど,自治体の周産期医療体制の整備が顕著になってきております。
私は,かつて大阪府立母子保健総合医療センターを視察し,リスクを抱えた親子への懸命な医療と看護により,母体と小さな命が救われていることに深く感動したことを覚えております。
市立札幌病院の母体搬送の受け入れ数は,平成11年は79人で道央圏の35%,札幌圏の42%を担っておりますし,院外出生児の受け入れ数は136人と,道央圏の37%,札幌圏の71%を受け入れており,道内における周産期医療の中核を担っていると思うのであります。
市立札幌病院では,新生児部門の充実は図られてきておりますが,母体,胎児を守る産科部門は慢性的な病床不足であり,年間約70人の母体の受け入れを断らざるを得ない状況であるとも聞いております。総合周産期センターとしての機能を果たす上でも,病床不足により危険な状態にある母体を受け入れられない事態は,早急に解消していくべきであります。
市立札幌病院が多くの院外出生児を受け入れている実績は,だれしも認めるところでありますが,危険な状態の未熟児を短時間であっても院外に搬送することは,幼い命を危険にさらすことになり,むしろ各医療機関の産科とのネットワークを構築して,積極的にリスクを抱えた母体と胎児を受け入れ,一刻も早く適切な医療を行うことが重要であると思うのであります。
母体搬送受け入れに必要な産科部門のベッドを確保するために,例えば,利用率の低い病棟の再編成や人員配置の見直しを行うなど,現行体制の中でも取り組むことができると思うのであります。
そこで,質問でありますが,周産期医療に対する公的医療機関の担う役割は,ますます大きくなるものと思われますので,市立札幌病院の周産期部門,特に産科の充実を図るお考えはないのか,お伺いをいたします。
最後に,北区の諸問題についてお伺いいたします。
質問の1点目は,北区内の地下鉄駅エレベーターの設置についてであります。
北区には,北から麻生,北34条,北24条,北18条,北12条の五つの地下鉄駅がありますが,そのうち,既にエレベーターが設置されているのは北34条と北24条の二つの駅のみで,半数に満たない状況にあります。
このような状況の中,本年度,麻生駅についてエレベーター設置のための設計予算が計上され,具体的に動き出したことは,この地域における長年の大きな要望がまた一つ実現に向け一歩を踏み出したものであり,大変喜ばしく受けとめているところであります。今後,設計が終了した後は,一日も早い工事の着手と市民への供用開始を願うものであります。
そうなりますと,残すところは,北18条と北12条の二つの駅ということになるわけですが,本市の基幹的
公共交通機関である地下鉄駅のエレベーターは,障害者や高齢者,さらには妊産婦など,行動上の制限を受ける者にとっては,日常生活やさまざまな社会活動に必要不可欠な施設であります。
ご存じのとおり,北18条,北12条両駅の近郊には北海道大学や北海道における最先端医療を担う附属病院といった施設があります。その意味では,本市のみならず,道内全域からさまざまな方が利用する駅であり,地域的な要望もさることながら,全市的な観点からもエレベーター設置が強く望まれている駅と言えるのではないかと考えるのであります。
しかしながら,この北18条,北12条両駅とも,駅の地上部に設置用地がなく,また,駅舎自体も非常に狭いことがエレベーター設置上のネックになっていると伺っております。
一方,昨年9月に供用開始となっております北34条駅については,駅周辺の住民の協力で民有地を取得することによりエレベーター設置が可能になったものでしたし,今年度設計が行われております麻生駅についても,民有地の活用が可能となって一気に設置に向け動き出したということであります。
この二つの駅の例に見られるように,北区民は地下鉄駅エレベーター設置に関しては非常に協力的でありますので,北18条,北12条両駅についても,これまでの考え方から少し発想を変えて,駅周辺の民有地の活用といったことを検討していくことで,設置に向けた打開策が見えてくるのではないかと考えるものであります。
また,エレベーター設置については,市内部のみで検討が進められてきておりますが,今後は,それを地域の問題としてとらえ,住民も一緒になって検討していくようなオープンな検討方法を取り入れていくことも効果的ではないかとも考えるのであります。
そこで,質問でありますが,地下鉄北18条,北12条両駅のエレベーター設置に向け,設置方法や検討手法について今後どのように考えていくおつもりか,お伺いいたします。
質問の2点目は,新琴似地区の道路問題についてであります。
新琴似地区は,一部の地域には計画的に開発された街並みもありますが,大部分は,古い北海道開拓の歴史の経過の中で徐々に市街化が進んできた地域であります。そのため,街の骨格となる道路を見ますと,道路網としては形成されているのですが,それぞれは幅員が狭く,
街づくりの主軸となる幹線道路網の機能が十分に発揮できない状況となっております。
また,JR学園都市線がほぼ南北に通っており,この鉄道の踏切のため,地域の分断や朝ラッシュ時における交通渋滞は著しい状態が続いておりましたが,長い間の住民の夢でありました鉄道高架事業が平成8年に着手され,平成11年8月には,鉄道高架の完成に合わせ,踏切の解消がなされたところであります。
また,高架事業に合わせて新たな都市計画決定された新琴似6番通を初めとした6路線,約3.6キロメートルの幹線道路につきましても,順次事業に着手されており,道路混雑の緩和と,あわせて,新たな
街づくりの機運も非常に高まっております。私は,これらの幹線道路網整備に合わせた住民を中心とした
街づくりが,さらに推進されることを強く期待しているところであります。
特に,交通量が多い主要幹線である西5丁目・樽川通の北側を平行に通っております新琴似6番通につきましては,バス路線でもあり,新たな幹線道路としての機能を担うため,平成8年に琴似・栄町通から新琴似通間を幅員21メートルに拡幅する都市計画決定がなされ,引き続き,平成10年には,その先である西への延長として,新琴似通から新琴似第5横線間につきましても都市計画決定がなされたところであります。
その整備状況を見ますと,平成11年度から用地買収が進んでいるところでありますが,新琴似6番通では,町内会や6番通中央商工振興会を主な構成メンバーとする新琴似6番通まちづくりクラブが,道路整備の促進と合わせて魅力と活気に満ちた住みよい
街づくりに向けて積極的に取り組んでいるところでありますので,私は,これらの道路が早期に整備されることを強く期待するものであります。
しかしながら,新琴似地区全体を見てみますと,幹線道路の機能を有すべき道路でありながら,道路幅員が狭いなどの理由により,その機能が十分に発揮されていない道路が見受けられます。特に,屯田,新琴似地区を南北に通っている屯田第2横線と,それに続く新琴似第3横線については,一日100便を超える重要なバス路線であるにもかかわらず,幹線道路として都市計画道路の位置づけがなされておらず,一部区間の幅員が狭小等により,バスの定時運行にも支障を来している状況にあります。そのため,かねてから地域住民から拡幅整備について強い要望が出されてきたところであります。
特に,東15丁目・屯田通から新琴似6番通までの区間については,バス路線としての整備と道路網の充実を図るためにも,新琴似6番通の整備に合わせ,早急に拡幅整備していく必要があるのではないかと私も強く考えているところであります。
そこで,質問でありますが,バス路線の走行環境の改善や沿線の地域の
街づくりのために,屯田第2横線と新琴似第3横線の東15丁目・屯田通から新琴似6番通間について,早急に都市計画道路としての位置づけをし,整備する必要があると考えますがいかがか,お伺いいたします。
質問の3点目は,市営住宅幌北団地の建てかえについてであります。
この幌北団地を含む地下鉄北24条駅周辺については,戦後間もない昭和22年に,本市によって,主に樺太からの引揚者のために,北24条・25条西3丁目に木造住宅が建設されたのが地域の発展の始まりと言われております。その後,昭和37年から47年にかけて現在の幌北団地約500戸が建設され,住宅地としての基盤整備が進められてきております。
昭和46年12月,地下鉄南北線の開業を契機に,マンション,ホテル,飲食店ビルなどが急増し,また,区役所を初め各種の公共機関が開設されたこともあり,北区を中心核として,この地域は爆発的に飛躍,変貌し,現在に至っております。
しかしながら,地下鉄開業後30年を経て,地域の
少子高齢化の著しい進展,あるいは,再開発事業や新たな商業・業務施設の立地も思うように進まないという問題も生じており,その最大の要因が,この幌北団地の老朽化であります。
地元では,この問題がテーブルに上がってからかなりの歳月がたっておりますが,浴室もないなど,現在の居住水準に全く合わず,また,その建物も老朽化し,周辺地域から見ますと,何か場違いの感すら抱くのであり,北24条の商店街の発展にとっては,現状では,むしろ阻害要因となっているのではないかとさえ思うのであります。
私が,平成8年第3回定例会の代表質問において,この地域の再整備に当たって中心的な役割を担う幌北団地の建てかえ事業の実施時期や取り組み方針などについてお尋ねしたところ,今次5年計画の中での事業着手や,どのような方策が
街づくりに貢献できるかを検討していきたい旨の答弁をいただいております。
本市におきましては,ことしの5月に,今後10年の既設市営住宅の建てかえ改善などの計画として
市営住宅ストック総合活用計画を策定され,幌北団地については,改めて建てかえの手法により再生していくと位置づけられたところであります。また,その取り組みについては,地下鉄北24条駅周辺の6ブロックに分散している市営住宅について,土地の高度利用を図りながら集約して余剰地を生み出し,地区の特性に応じた土地利用転換を検討するとし,事業の実施時期については,10年計画の後期の5年間である平成18年から22年の間に着手したいとされております。
私は,地域における
少子高齢化の著しい進展問題や地域活力の停滞などの諸問題の解消,また,本市
長期総合計画で位置づけられている地域中心核としての再整備を進める上で,幌北団地の建てかえ事業は,まさに起爆剤になるとの思いを改めて強くしております。
また,建てかえ計画の策定に当たりましては,市営住宅街区の再編による余剰地の活用も考えておられるわけですから,お年寄りにとっても住みやすい地域にするための社会福祉施設や商業・業務施設,あるいは,高次都市機能の導入も視野に入れながら進めていく必要があるのではないかと考えております。
そこで,質問でありますが,これらの新たな機能をどう付加するかについては,当該地区の特性をぜひとも生かすべきであり,そのためには,地元住民の方や関係機関の声を十分に踏まえる必要があります。既に,地元では市営住宅の老朽化問題や地域の活性化対策などについて懇談会も実施されておりますことから,建てかえ計画策定に当たっては,これらの意向を反映させながら進めていくべきと考えますがいかがか,お伺いいたします。
質問の4点目は,分区の考え方についてであります。
本市は,昭和47年の区制施行後,人口の著しい増加に対応して,平成元年に厚別区及び手稲区を,平成9年に清田区を分区し,10区体制となっております。
このような中,北区については,新琴似,屯田,篠路地区などの農業・酪農地帯の市街化や,あいの里地区などの住宅開発が行われたことに伴い,人口が着実に増加し,現在,市内10区で最大の人口約26万人を擁する区に成長しております。また,第4次
長期総合計画の中で地域中心核として位置づけられている篠路地区においては,JR篠路駅を中心に,土地区画整理事業や鉄道高架事業を基幹とする総合的な
街づくりの実現に向け,地域においても議論が進められております。
しかしながら,一方では,近年の人口増加率は鈍化し,ここ数年の北区における年間人口増加数は2,000人前後,年間人口増加率も0.6%ないし0.8%と,今次5年計画策定時の将来推計値よりもさらに低い伸び率となっております。仮に,このままの増加率で人口が推移すると,これまでの分区の目安となっております人口30万人に達するのは平成30年代になることになります。
このような状況の中で,先日,北区及び東区の一部を含めての分区に関する新聞報道があり,分区が想定される地域住民は,いつごろ分区になるのか注目しているところであります。
分区につきましては,住民にとって身近な行政サービスの拠点が整備されるとして期待される一方で,区役所庁舎や区民センター,保健センターの施設整備など,費用負担が生ずることも事実であります。
そこで,質問でありますが,現段階において,市長は分区についてどのように考えておられるのか,お伺いいたします。
以上で,私の質問のすべてを終了いたします。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
佐藤美智夫君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(桂信雄君) まず,私から,数点についてお答えいたします。
最初は,財政問題についてでございます。
第1点目の景気・
雇用対策にかかわる
補正予算についてでございますが,大変厳しい状況にあります地元経済や
雇用情勢を踏まえて,このたび成立をいたしました国の
補正予算を受けた緊急地域雇用特別交付金事業,それから,保育所待機児童対策及び学校情報化のための校内LANの整備などに取り組むこととしております。
また,厳しい財政状況にはありますけれども,
地元中小企業の受注機会の拡大に資するために,施設の修繕などの単独事業についても一定の事業量を確保するほか,工事の早期発注による企業の受注額の確保,そして,事業執行の平準化を図るために債務負担行為の設定も行いたいと考えております。
第2点目の
市税収入の見通しについてでありますが,現時点でこれを確定的に申し上げることは困難ではありますが,景気低迷等によりまして法人市民税を中心に大幅な減収が見込まれ,今年度の当初予算額の確保は極めて難しい状況にあるものと認識しております。このため,10月から,納税強化対策として,日中不在者に対する夜間及び休日の折衝強化並びに債権差し押さえの強化を図り,税収確保に向けて全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
また,来年度の
市税収入見通しにつきましては,基幹税目であります個人市民税や法人市民税において,所得や企業収益の伸びが期待できないことから,市税全体では相当に厳しい状況になるものと考えております。
第3点目の
予算編成の基本的な考え方についてであります。
平成14年度は,ただいま申し上げましたように,
市税収入の厳しさが見込まれることに加えて,
地方交付税や国庫支出金についても先行きが不透明であることから,財源確保に向けての努力はもちろんでありますが,より一層の事業の重点化や効率化が必要であると認識しております。
このため,今まで以上に成果重視の観点に立って事業評価を活用するとともに,助役を筆頭にしたトップマネジメントによる政策の重点化に取り組むほか,行財政改革のさらなる推進を基本において,経済の活性化,
少子高齢化,環境などの重点政策課題の解決に資する予算を編成してまいりたいと考えております。
第4点目の将来の
財政運営についてであります。
ただいまご質問にもありましたとおり,
公共施設の更新を初めとして,公債費や退職金などの
義務的経費の増加が本市
財政運営の大きな課題となってまいりますので,平成13年度中には将来の財政状況を見通した試算を取りまとめて,これまで以上に中長期の視点を持ちながら,現在及び将来の財政需要や財源の確保について総合的に検討を進めてまいりたいと考えております。
次は,第5点目の
北海道住宅供給公社問題についてであります。
このたびの本市に対する北海道からの要請内容は,公社の借入金に対して,北海道とともに
損失補償を講じてほしいというものであります。
本市といたしましては,この公社の借入金への対応は,公社の設置者である北海道が主体的に責任を果たすべきものであると認識をいたしておりますが,公社の事業が中断した場合の
地域経済への影響等をも考慮し,公社の事業のうちで本市の
街づくりとのかかわりが特に大きいと認められる事業につきまして,現在,北海道とその支援措置等について協議を進めているところであります。
次は,都心の
街づくりに当たっての重点的な取り組みについてであります。
都心の
街づくりは,商店街組織や各企業,行政など,さまざまな主体の協働的な取り組みが不可欠であると考えており,そのための基本的な
街づくりプログラムを,今年度策定する都心のまちづくり計画と中心市街地活性化基本計画で明らかにしたいと考えております。
これらの計画を着実に具体化し,そして,都心の魅力,活力を高めていくためには,行政が行うべき基幹的都市整備を迅速に進めるということはもちろんでありますけれども,民間による都市開発や商店街などの自主的な取り組みなどに負うところが非常に大きいことから,それらがダイナミックに展開されるよう,都市計画上の規制緩和や
街づくり活動への助成等により支援していくことが極めて重要なことだと考えております。さらに,各種事業の調和を図りながら,一体として進めるために,
街づくりの主体間の連絡調整体制を整えることにも積極的に取り組んでまいりたいと思います。
次は,北方都市市長会についてのご質問にお答えいたします。
第1点目の本市における北方都市市長会の意義についてでありますが,この市長会は,「冬は資源であり,財産である」というスローガンのもと,世界の北方都市の市長が集まって,それぞれ共通する都市問題について話し合うことを目的としておりまして,その話し合いの結果を
街づくりに生かしていくという本会の持つその意義は,20年を経た今でも変わるものではないと思います。
しかしながら,グローバル化,情報化という近年の急速な時代の変化の中で,時代に即した形で北方都市市長会の新たな活用を図って本市の
街づくりに反映させていく必要があります。すなわち,単なる知識や経験の交換にとどまらず,この市長会を通じて北方の都市との交流を深め,冬や雪に対する技術や文化を創造するとともに,世界の都市に向けて発信するという交流,創造,発信の循環をつくり出して,札幌の魅力と活力を高め,快適な北の
街づくりに役立ててまいりたいと考えているところであります。
第2点目の今後のあり方についてでございますけれども,本市長会の活動は,これまでも各会員都市の
街づくりに有形無形の成果をもたらしてまいりました。基本的には,今後も長期的な視点から会員都市の
街づくりに貢献できる活動を行っていかなければならないと考えております。あわせて,この市長会が新しい時代に対応して短期的な面でも具体的な成果をつくり出すことができるように,現在,会議の活性化について検討をしているところであります。具体的には,市長会議のテーマをより明確化するとともに,行政の実務者レベルによる論議,それから専門家による調査研究,これらをさらに拡充してまいりたいと考えております。また,会員都市の市民がこの市長会の活動に参画できる機会をふやして,市民とともに冬を活用した快適な
街づくりについて考える場としたいと思っております。
これらの方向性につきましては,明年の2月に青森市で開催されます第10回会議におきまして,他の会員都市の市長とも議論を交わし,北方都市市長会の活性化を図ってまいりたいと考えております。
次は,交通事業についてであります。
交通事業の見直しに当たりましては,いただきました意見書の内容を十分尊重しながら,事業を取り巻く環境の変化や,行政と民間の役割分担の視点を踏まえ,効率的な運営を基本としてまいりたいと考えております。
この場合,バス路線の確保につきましては,規制緩和の実施も目前に迫っていることから,市民に不安を与えることのないよう責任のある取り組みが必要である,このように考えているところであります。
私からは,以上であります。
○議長(
佐藤美智夫君) 佐々木助役。
◎助役(佐々木喜四君) 周産期医療並びに北区の諸問題につきまして,私からお答えをいたします。
まず,周産期医療における市立病院の役割についてであります。
周産期医療対策事業は,本来,都道府県が行うべきものとされておりますが,このたび,北海道の整備計画の中で市立札幌病院が道央圏の総合周産期医療センターとして位置づけられたものであります。市立札幌病院の役割は,今後,一層重要になっていくものと考えておりますので,産科部門の適正な病床数及び人員配置等について検討を進めるとともに,北海道と十分協議しながら,総合周産期医療センターとしての機能を果たすことができるよう努力してまいりたいと考えております。
次に,北区の諸問題についてであります。
1点目の北区内の地下鉄エレベーター設置についてでありますが,地下鉄北18条,北12条の二つの駅は,いずれも駅舎が狭く,また,地上部に設置用地が確保できないといった問題を抱えております。
地下鉄駅エレベーターの設置につきましては,全駅設置に向け,条件の整った駅から設置を進めていく考えでありますので,民有地の活用や駅舎構造の大きな改修なども視野に入れ,精力的に駅周辺の情報なども収集しながら検討してまいりたいというふうに考えております。
2点目の新琴似地区の道路問題についてであります。
屯田第2横線と新琴似第3横線の東15丁目・屯田通から新琴似6番通間につきましては,バスの走行環境の改善を図るとともに,幹線道路としての機能を強化するため,都市計画道路として位置づけし,拡幅整備する必要があると考えております。したがいまして,早急に都市計画決定に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
3点目の市営住宅幌北団地の建てかえについてであります。
当該団地の建てかえ事業は,地域が抱える
少子高齢化への対応や活性化対策に寄与し得るものであり,地域中心核として位置づけられている北24条の再整備につながる事業であると認識をいたしております。
第4次
長期総合計画において位置づけられている地域中心核は,集積する機能,創出される空間,そこで展開される活動などが多様であることから,それぞれの地域特性を生かしながら,住民や企業とともに
街づくり計画を立案することとしております。
したがいまして,幌北団地の建てかえ計画の策定に当たりましても,関係する自治会や商店街の振興組合などに参加をいただき,建てかえのあり方や新たな機能をどう付加するかなどについて,意見,要望を十分にお聞きしながら進めてまいりたいと考えております。
4点目の分区の考え方についてであります。
分区につきましては,さまざまな要素を総合的に勘案する必要がありますが,本市は,昭和47年の区制施行以来,1区の人口は15万人から20万人,これを超えても30万人を上回らない程度が適正な規模であると考え,この考え方に基づき分区を実施してまいりました。
北区の分区についての考え方についてでありますが,人口の推移を初めとして,土地の利用状況,住民の要望など,諸般の状況を見きわめながら慎重に検討していく必要があるというふうに考えております。
以上でございます。
○議長(
佐藤美智夫君) 土橋教育長。
◎教育長(土橋信男君) 私からは,教育問題についてお答えをいたします。
まず,第1点目の学校改築の考え方についてでありますが,今後,耐震強度や劣化度に関する
健全度調査の結果をもとに,長期的な改築・改修計画を策定することとしておりますが,この計画の策定に当たりましては,議員のお話にもございました総合的な学習等の多様な学習形態への対応など,新しい教育形態に応じた施設設備という観点につきましても十分に考慮してまいりたいと考えております。
2点目の少人数学習への対応についてでありますが,文部科学省においても,第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画の中で,基礎学力の向上ときめ細かな指導の充実を目指して,その推進を図っているところでございます。
本市におきましては,この改善計画に基づいて,平成13年度は小学校に183名,中学校に110名の教員を加配しておりまして,少人数指導やチーム・ティーチングなどの指導方法の工夫・改善に既に取り組んでいるところであります。
また,平成14年度から全面実施となります新学習指導要領は,基礎的,基本的な内容の確実な定着と個性を生かす教育,その充実を図ることをねらいの一つとして改訂されておりますので,少人数指導は,こうした学習指導要領の改訂の趣旨を実現する観点からも大変有効な指導方法の一つであることと認識をしております。
したがいまして,教育委員会といたしましては,基礎学力の向上ときめ細かな指導の充実を目指して,少人数指導の積極的な推進を図り,実践を積み重ねてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(
佐藤美智夫君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
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休 憩 午後2時18分
再 開 午後2時53分
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○副議長(加藤齊君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問を続行いたします。
藤原廣昭君。
(藤原廣昭君登壇・拍手)
◆藤原廣昭君 私は,民主党議員会を代表して,2001年第4回定例市議会に上程をされました諸議案並びに当面する諸課題について,順次質問をしてまいります。
最初に,財政問題について伺います。
このたび,地方自治体が行う公共事業の事業量に応じて交付税を配分する,いわゆる事業費補正や,団体の規模に応じて割り増しする段階補正などに関する,総務省の
地方交付税制度の見直し案が明らかになりました。
まず,事業費補正の見直しの主な内容は,第1に,補助事業で地方自治体が発行する地方債の
元利償還費に対して交付税で手当てする割合について,現在の60%から70%を,30%に引き下げ,単位費用に振りかえる標準事業費方式に変更する。第2に,地方単独事業の中でむだな施設建設を助長するとの批判が強い地域総合整備事業債,いわゆる地総債を廃止して,原則として箱物整備を除外した上,環境,
少子高齢化,都市再生など重点7分野を対象とする新たな財政措置制度をつくるとしています。
また,小規模な市町村ほど
地方交付税を割り増す段階補正については,割り増し率を算出する際の基準を,全自治体の平均から,効率的な
財政運営をしている上位3分の2の団体の平均にかえて,割り増し率を抑制するとともに,税収確保の努力を強めるため,市町村では現行25%となっている留保財源率を引き上げ,これに見合う分だけ基準財政需要額を圧縮するというものです。
これらの見直しのうち,段階補正については,本市のような大都市に直接の影響はないと伺っていますが,事業費補正については,2000年度ベースの本市交付税額算定のもととなる基準財政需要額の約10%の350億円を占めていることから,その見直しが全国市町村の中で最も多くの交付税を受けている本市財政に大きな影響を与えることは必至であります。
また,地域総合整備事業債は,地方公共団体の自主的・主体的な
街づくりを進めるために必要な
公共施設の整備事業に充てる地方債であり,充当率も高く,
元利償還費の交付税算入率も財政力に応じて最高55%が適用されることから,本市としても,札幌ドームや「ちえりあ」などの建設に積極的に活用してきたところであります。
私は,国,地方を合わせて2001年度末で約666兆円と,国内総生産の1.3倍に上る多額の借入金残高を抱える中で,財政
構造改革の必要性を否定するものではありませんが,一方で,市民の福祉に多大な影響を及ぼす見直しについては,地方自治体として,国に対し明確に意見を反映すべきと考えるものです。
そこで,質問の1点目ですが,これらの見直しが本市の交付税にどのような影響を与えるとお考えか,伺います。
質問の2点目に,地総債が廃止された場合,現5年計画事業の執行にも支障が生じてくると思いますが,市長の見解を伺います。
次に,こうした国の見直しによる本市の財政見通しについて伺います。
2000年度決算で,
市税収入が前年度に比べて147億円,5.2%の減となるなど,現在の厳しい
経済情勢からすると,今後とも歳入の伸びを期待できる状況にはなく,その一方で,ここ数年の景気対策などに伴って増発してきた市債の償還費や生活保護費の増などによる
義務的経費が増加してくることに加え,国民健康保険や交通事業への多額な一般財源からの投入が重い負担となっております。
さらに,本市財政の,いわば貯金とも言える
財政調整基金も,2000年度は幸い取り崩しせずに済みましたが,同年度末の残高は93億円で,今年度末にはこれが72億円にまで落ち込む見込みとなっております。この
財政調整基金の残高は,ピーク時の1981年度には287億円あったこと,また,昨今の景気の状況や
少子高齢化の進行などから,今後の税収に大きな伸びが期待できないことを考えますと,現在の残高では大変心もとなく,これからの
財政運営が大丈夫なのかと懸念されるところであります。
さて,去る10月5日に,本市は,主要公共事業に初めて20%減のシーリングを設けるなど,来年度の
予算編成方針を発表しました。この方針によりますと,来年度の財源不足は230億円に上り,これに対応するため,公共事業などの
マイナスシーリングによって42億円を削減し,さらに不足する分は,事業の見直しや
財政調整基金の取り崩しなどで埋めるとのことであります。
歳入の伸びを期待できず,一方,歳出で
義務的経費を初め多くの増加要因を抱え,かつ,
財政調整基金の残高が減少傾向にある現状からすると,2002年度に限らず,今後も財源不足はますますふえてくることは想像にかたくありません。したがって,私は,これからの時代は,単年度の予算だけではなく,もっと中長期の展望に立った
予算編成が重要になってきていると思うのであります。
そこで,質問の1点目ですが,本年第1回定例会で,我が会派の代表質問に対して,市長は,今年度中に中期財政を見通した試算を取りまとめ,今後の
財政運営に活用していく旨の答弁をされましたが,この間,どのような検討を進めてきたのか,その進捗状況と今後の策定スケジュールについて伺います。
質問の2点目は,今後の執行に当たり,明らかに財源不足が出てきた場合,それに対してどう取り組もうと考えているのか,伺います。
3番目は,
北海道住宅供給公社問題についてであります。
我が会派では,かねてより,公社の経営と本市のかかわりのあり方について懸念される課題を指摘してまいりました。
市長の基本的な考え方については,先ほどの質疑の中にもありましたが,事業継続に当たっての
損失補償枠は今後3年間にわたって150億円にも上ることから,債務負担行為の要請があったとしても,対象事業を厳しく吟味すべきと考えます。
また,道議会に示された累積債務処理に当たっての基本スキームでは,本市の出資金及び30億円の貸付金の返還に不安が残るばかりか,新たな本市の負担が懸念されます。道との協議に当たっては,本市の立場を明確にし,新たな財政負担を生じないように行うべきと考えますがいかがか,伺います。
次に,介護保険について伺います。
介護保険がスタートして1年半が経過し,10月からは1号被保険者の保険料全額徴収も開始されました。本市では,介護保険事業計画推進委員会において,進捗状況や当面の課題についての論議が適宜行われており,また,高齢者意識等調査,介護保険事業実態調査の実施によってさらに制度の充実が図られ,今後の制度見直しの論議に反映されるものと期待されます。
一方,給付実績の推移を見ますと,認定者数とともに在宅サービス利用者の月次増加数もふえており,区分支給限度額に対する利用率も,徐々にではありますが,上昇傾向を見せております。
しかし,いまだにその利用率は40%程度にとどまっており,2004年度の利用率を60%台と見込んでいる本市の介護保険事業計画とは大きな開きがあります。
そこで,在宅サービスの利用促進を図る上での課題について伺います。
質問の1点目は,介護支援専門員,ケアマネジャーに対する支援についてであります。
介護保険制度を支える大きなかぎは,優秀なケアマネジャーをどれだけ育成・確保できるかにかかっておりますが,現場の第一線で活躍するケアマネジャーからは,「サービス担当者会議の開催が困難」「対応困難事例にかかわる相談先がない」「利用者や家族からの介護保険サービス以外の相談が多く,対応し切れない」などの声が多く聞かれ,業務支援体制の整備,資質の向上についての支援策が求められております。
事例研究や制度の運営にかかわる知識・技能の習熟など,現任研修を充実することによってさらなる資質の向上に努めるとともに,地域のケアマネジャーに対して定期的,継続的な支援を行うリーダーの養成が必要と考えますがどうか,伺います。
質問の2点目は,福祉用具・住宅改修の活用についてであります。
在宅介護の継続のためには,福祉用具・住宅改修の活用によって要介護者の日常生活の自立や介護負担の軽減を図ることが重要であります。しかし,利用者やケアマネジャーにその活用に関して十分な認識がなく,また,活用に際しても,個々の身体状況に適合していないことがあったり,情報量が少ないなど,住宅改修の実施に当たってケアマネジャーとの連携が不十分なまま施工され,利用者の状況にそぐわない場合があるなどの問題が指摘されております。
相談に応ずる専門家の登録,活用など,身近な相談体制の強化,ケアマネジャーやOT,PT等に対する専門研修が必要と考えますがどうか,伺います。
質問の3点目は,介護相談員の養成についてであります。
介護保険制度が利用者本位の仕組みとして定着するためには,高齢者が自分自身のニーズに合ったサービスを適切に選択し利用できる環境を整備することが必要です。施設においてはサービス評価基準がつくられ,NPO団体によるオンブズマンの養成・派遣事業がスタートしました。在宅サービスにおいても,介護相談員が身近な地域に存在することにより,現場を訪問し,気軽な雰囲気の中で利用者の介護サービス等に関する疑問や不満にきめ細かに応ずることで,苦情に至る事態を未然に防止するとともに,市民の目を通してサービスの実態等を把握し,介護サービスの質の向上や事業の円滑な運営につながることが期待されると考えますがどうか,伺います。
質問の4点目は,利用料の軽減についてであります。
国の特別措置によって低所得者の利用料の減免が可能になっており,本市においても,国の補助制度を利用して積極的な取り組みが行われておりますが,利用が広がらない現状にあります。対象サービスを現在のホームヘルプサービス,デイサービス,ショートステイ,施設入所の4サービスから拡大すること,事業主体を社会福祉法人に限定せず,民間事業者にも広げること,事業者負担を緩和することなどによって,利用促進につなげることが必要と考えますがいかがか,伺います。
次に,成人の地域健康づくりについて伺います。
我が国の平均寿命は,昨年で,女性が84.62歳,男性77.64歳と年々延びているものの,急速な高齢化とともに,食生活,運動習慣等を原因とする生活習慣病に伴い,痴呆や寝たきりなどの要介護状態の人が増加し,深刻な社会問題となっています。
厚生労働省が発表した1999年度の国民医療費は約30兆円と,国民所得の約8%,このうち老人医療費は約10兆円と,医療費全体の3分の1を占め,中でも糖尿病などの生活習慣病にかかわる医療費は医療費全体の32.4%と,年々その割合が上昇しつつあります。このための医療費の軽減対策として,保健事業の先進自治体では,成人の地域健康づくりを有効な手だてとして展開してきました。
このような中で,本市における昨年度の国保総医療費は約2,340億円,加入者1人当たり約48万円となっており,国民健康保険会計の累積赤字は約85億円に,年度の一般会計からの繰り入れも約255億円に及んでいます。この原因を保健事業の面から分析しますと,次のことが挙げられます。
1点目は,健康保険を国やマスコミが医療保険と表現するように,医療の分野を重視し,一次予防が軽視されてきたこと。2点目は,保健事業が近年の高齢化,傷病の変化に対応できず,相変わらず従来型の個別指導サービスの域から脱却できなかったこと。3点目は,大都市の特性に合った地域健康づくりの手法と展望を構築できず,保健の今日的課題であるヘルスプロモーションによる地域健康づくりに着手できていないこと等です。
従来の保健事業は,全国画一的な展開,予防と治療の分離,行政や医療関係者からの一方的な指導という傾向が強かったわけですが,地方分権時代を迎え,従来の保健事業の評価を行い,札幌らしい保健行政を再構築する時代に来ていると言えます。
そこで,質問の第1点目は,成人の札幌市地域健康づくりモデル事業についてであります。
この事業は,1999年度から,当時の厚生省の地域保健推進特別事業の一つとして補助を受け,取り組まれたものですが,桂市長の連絡所を拠点とした保健活動視察を契機として,予算化されたと聞き及んでいます。
参加している市民に伺ったところ,保健センターに気軽に出入りできるようになったこと,ふだん町内会活動に参加しない方が参加者総数103名のうち57名を占め,男性の参加者も45名と,従来と異なる成果が示されています。
また,この事業による医療費削減効果を東北大学医学部関係者のご支援をいただき検証した結果,45名の運動習慣の低調な市民のうち,34名に歩行歩数の改善等が見られ,これら34名の生涯医療費削減効果は合計で約2,000万円,1人当たり約59万円と試算されています。このことは,成人の地域健康づくりが医療費軽減効果を生んだ,大都市では初めての実践事業と,高い評価を得ています。
このモデル事業の実施目的,及び従来と比較して視点,手法をどのように変えて実施したのか,また,同事業をどのように評価しているのか,伺います。
あわせて,このモデル事業の成果を踏まえ,新年度の全市展開をどのように考えておられるのか,伺います。
質問の2点目は,大都市札幌における保健行政のあり方についてであります。
よく保健・医療・福祉の連携強化が必要であると言われますが,市民に保健所や保健センターの仕事について尋ねると,食中毒や乳幼児健診を挙げる人が多く,成人の健康づくりや保健婦の存在が知られていないのが現状です。特に成人の分野では,地域健康づくりの認識度は低く,保健の顔が見えないと言われています。
保健行政のレベルアップには,従来の戸別訪問,個人指導を中心とした点的発想の事業展開は,大都市では限界であります。地域を対象とした面的展開へと発想を転換するなど,札幌独自の保健行政のあり方を構築することが急務と考えますがいかがか,伺います。
質問の3点目は,札幌市健康づくり基本計画策定の進め方と事業評価についてであります。
市民の多くは,健康日本21についてほとんど知らないのが現状です。私は,計画策定や事業の実施については,各地域が中心になり,市民や地域の医療関係者や企業,保健センター等がみずから各地域に合った健康づくりの実現に向けて論議をし,実施していくことが大事と考えております。本市は,健康づくり基本計画を進めるに当たり,市民懇談会や策定委員の公募を行っておりますが,少人数のメンバーによって生活習慣改善の手法を打ち出し,それを各区におろして地域で進める手法は,健康日本21の目指す市民参画のヘルスプロモーションの理念に反すると言えます。
本市では,1987年から,地域健康づくりの重要な担い手として,地域ボランティアとしてのリーダー養成研修を実施し,昨年度までに3,193名を養成しています。しかし,養成しっ放しで,リーダーとして活動している人も少なく,新規のリーダー養成を中止している区も続出し,成人の地域健康づくりは壁にぶつかっている状況にあります。
この打開策として,次の5点を提言したいと思いますが,いかがでありましょうか。
1点目は,地域ごとに地域の医療関係者等を入れた市民による実行計画づくり。2点目は,福まち等の地域組織と連携した地域健康づくりの推進。3点目は,計画,実行,評価,改善を取り入れたパートナーシップ型健康づくりの実現。4点目は,国保財政改善の効果を出していくために国保における地域の健康づくりを指導していくための組織強化。5点目は,医療費の削減,
街づくりを視野に入れた地域健康づくり実現に向けた職員の意識改革研修の充実であります。
また,第3次国民運動としての健康日本21に基づく本市の基本計画策定に当たっては,過去20年間の第1次・第2次国民健康づくり運動に基づく本市の事業をどう評価し,策定していくかが肝要です。さらに,保健事業全体の評価を行い,事業の見直しやレベルアップを図り,本市に合った保健の再構築をすべきと考えますが,市長の見解を伺います。
このような視点に立ち,質問の4点目は,本市独自の健康づくり推進条例の必要性についてであります。
さきに述べたように,桂市長が決断されたモデル事業は,大都市におけるこれからの地域健康づくりのあり方や健康日本21の先取り,国保財政改善を視野に入れた全国に誇れる取り組みであり,そのリーダーシップと先見性を高く評価するものです。
21世紀を迎えた今,すべての市民が健康寿命を延ばすことができる
街づくりに取り組む必要があります。そのために,市民,地域,企業,行政等のパートナーシップに基づき,保健衛生の分野だけでなく,社会生活環境や自然環境の整備・保全も含め,一人一人の健康づくりの取り組みを社会全体で支援していくシステム構築を目指した健康づくり推進条例が,国保財政改善の面から必要と考えますが,先ほどの提言を含めて,国保と保健の両面から市長の考えを伺います。
次に,交通バリアフリーについて伺います。
我が国においては,急速に高齢化が進んでおり,2015年には国民の4人に1人が65歳以上となる本格的な高齢社会が到来すると予測されています。また,ノーマライゼーションの理念に基づき,障害者の社会参加を促進するための施策が強く求められています。
民主党は,高齢者や身体障害者の自立と社会参加を促進するため,安全で,かつ円滑に
公共交通機関を利用できることを目的とした,高齢者,身体障害者の移動を確保する法律案を作成するとともに,シンポジウムの開催,パブリック・コメントの募集など,幅広く市民の意見を集約し,常に交通バリアフリー法制定の動きをリードしてきました。
民主党が特に重要視した項目の1点目は,交通バリアフリーの方針や計画などを作成するに当たり,高齢者や身体障害者の意見を聞くこと。2点目は,市町村が,地域の実情に応じ整備基本構想を定められるようにすること。3点目は,高齢者や身体障害者に必要なバリアフリー情報を提供すること。4点目は,国がバリアフリー施設補助制度を設け,交通事業者負担の大幅な軽減を行うことであります。これらは,法案成立後に国が定めた「移動円滑化の促進に関する基本方針」に取り入れられ,施策を進めていく上で重要な柱となっています。
本市では,これまでも,地下鉄駅におけるエレベーター設置や,昨年4月の札幌市福祉のまちづくり条例の施行,さらに,明年のDPI世界大会の開催に向け,福祉都市を目指した取り組みを進めていますが,国の交通バリアフリー法の施行と,これに基づく札幌市交通バリアフリー基本構想の策定を機に,より一層積極的な取り組みが求められています。
質問の1点目は,基本構想策定の取り組み状況についてであります。
私は,バリアフリー化の成功のかぎは,実際に移動する際に不便を感じている高齢者や身体障害者などの当事者に計画策定の初期段階から参画していただき,その方々の意見を取り入れた構想づくりができるかどうかにかかっていると思います。また,施設整備に直接かかわる公共交通事業者,道路管理者,公安委員会など,事業者や関係行政機関も,高齢者や身体障害者の意見を尊重し,環境整備に積極的に取り組まなければならないと言えます。
本市では,来年度中に基本構想を策定することになっていますが,現在の取り組み状況と,その中で高齢者,身体障害者などの意見をどのように構想へ取り入れていく考えなのか,伺います。
質問の2点目は,バリアフリー化の一層の推進についてであります。
急激な高齢化の進展や身体障害者の社会参加促進などの観点からも,交通バリアフリー化はなるべく早期に,そして広範囲に実現することが必要であります。国の基本方針では,重点整備地区について一定の基準を定めていますが,その選定に当たっては,乗降客数など規模の大きさだけでなく,高齢者や身体障害者の利用状況などを勘案して行うべきだと考えます。
現在,本市には,地下鉄,JR北海道を合わせて鉄道駅が72駅ありますが,これらの駅については,重点整備地区に選定されるかどうかにかかわらず,バリアフリー化を促進すべきと考えますがいかがか,伺います。
質問の3点目は,視覚障害者誘導用ブロック,いわゆる点字ブロックについてであります。
視覚障害の方にとって,点字ブロックと白いつえは,日常生活における歩行の確保や危険回避のため必要不可欠なものであります。現在,点字ブロックは,鉄道駅や歩道,公園などにおいて着実にふえてはいるものの,未設置箇所も数多くあります。市内には,現在,3,113基の交通信号機が設置され,そのうち中央警察署管内には372基設置されていますが,その交差点にも未設置箇所があります。今後,視覚障害者に必要な点字ブロックを,早急に,しかも確実に設置する必要があります。
これまで,点字ブロックは,その突起の形や数,配列などの形状において統一化された基準がありませんでしたが,ことし9月に点字ブロックのJIS規格が制定されました。今後,歩道や交差点を初め,
公共施設内外に点字ブロックを設置,あるいは改修するに当たっては,このJIS規格に統一することが視覚障害者の利便性に資するものと考えますが,これからの設置計画及び民間施設所有者への協力要請等について伺います。
次に,ワールドカップサッカー札幌開催にかかわる大会運営と安全対策及び国際都市さっぽろのアピール等について伺います。
アジアで初のFIFAサッカーワールドカップが日韓共同で開催されるまで,残すところ177日となりました。ワールドカップは,テレビ視聴者を含めると400億人が観戦するという,単一種目のスポーツイベントとしては,まさに世界最大の大会であります。
この大会の予選リーグ会場に札幌が選ばれ,世界の国々から人々を迎えることができることは,我々にとって何より光栄で喜ばしいことであります。それだけに,この大会を無事,成功裏に終了させなければならないわけであり,関係者にとっては日増しに緊張感が高まっていることと思います。
しかし,この大会を取り巻く国内外の状況は,9月11日の米国中枢テロ事件以降,まことに厳しいものとなり,大会開催そのものを危ぶむ声が上がるなど,緊迫したものとなりました。
こうした状況のもとで,先月末に本大会に出場する代表32チームも決まり,去る12月1日,桂市長みずからが参加した韓国での抽せん会では,札幌大会に出場する6チーム,6月1日のドイツ・サウジアラビア,3日のイタリア・エクアドル,7日のアルゼンチン・イングランドが確定いたしました。
これら国を見てまいりますと,優勝候補の一角に挙げられるアルゼンチンを初め,ドイツ,イングランド,イタリアなど,いずれも超一級の強豪チームであり,熱烈なサポーターの応援も予想され,それぞれ個別のきめ細かな対策が必要であります。
そこで,質問の1点目は,大会開催の見通しであります。
国際サッカー連盟のブラッター会長は,テロに屈することなく大会を開催するとの決意を示しておりますが,手段を選ばない国際テロ集団が存在する以上,あらゆる事態を想定し,万全の体制で大会を運営しなければならないものと考えますが,現時点での開催見通しはどのようになっているのか,伺います。
質問の2点目は,大会がこのまま開催される場合,海外から入国しようとするフーリガンやテロ集団に対する警備は,米国での事件を境に一段と強化されなければならないと思いますし,また,札幌にやってくるチームの中にはフーリガンの活発な国も含まれており,これらはこれまでにも各国で事件を起こしております。こうした出場国の顔ぶれも踏まえた警備対策が必要と考えますがいかがか,伺います。
質問の3点目は,札幌ドームへの入退場についてであります。
札幌ドームは,この6月にオープン以来,既に100万人を超える観客動員を達成し,順調に運営されているように見受けます。これまでの各種大会やイベントでの経験,ノウハウは,この大会に生かされるものと考えますが,実際に行われた4万人規模のイベントでは,地下鉄福住駅に向かう歩道橋手前の北側通路に観客が二,三十分滞留する状態が続いております。
来年の大会では,外国人が多いこと,試合時間が深夜に及ぶことを考えますと,いかに安全かつスムーズに観客誘導を行うかが大きな課題であると思います。
これから札幌ドームの構造を大きく改めることは困難かと思いますが,ワールドカップに向けた対応策について伺います。
ワールドカップは,今世紀中に再びアジアでは開催されないとも言われております。その点から見るならば,本市は,いわば世界にアピールする千載一遇の機会を与えられたものととらえることができます。
札幌市は,過去に,1972年の
冬季オリンピックを受け入れることで,世界にその名が知られるところとなり,同時に,本市独自の社会基盤整備が飛躍的に進みました。今回は,世界初と言われる室内ドームでの天然芝球場という話題性や,最も気象条件に恵まれた季節に,花々が咲き乱れる豊かな自然に囲まれた札幌を披露できることは,格好のセールスチャンスであると考えます。
そこで,質問の4点目は,この機会をとらえて,全市的なシティPRの視点に立ち,市民がはぐくんでいる文化を幅広く紹介するとともに,観光やIT産業など,本市の主要な魅力を大々的に宣伝すべきだと考えます。どのような対策を準備されているのか,伺います。
次に,国際化推進基本指針について伺います。
クローバリズムによる国境を越えた人と物の移動,温暖化や化学物質,エネルギーをも含めた地球環境問題,IT革命による情報の多元化,国際協調による戦争とテロの抑止など,世界は今,解決すべき大きな課題に直面しています。一人一人が地球市民としての自覚を持った行動を求められており,自治体もまた,国家という制約を超えて,市民の行動を支え,それぞれの個性を国際社会に発信していかなければなりません。
私は,これからの国際化を考える場合,次のような課題があると考えています。
第1に,近年,顔の見える国際協力を目指して活発な活動を展開し,豊富な人材とノウハウを蓄積しつつあるNGOなど市民団体との協働。第2に,外国人市民の増加,多様化に伴い,基本的人権を保障する内なる国際化を進めるとともに,お互いを理解し尊重し合う多文化共生社会をつくり上げること。第3に,アイヌ民族が築いてきた「自然と共生」という歴史と文化,積雪寒冷地の
街づくりで培った知恵を世界に発信していくことです。
本市では,全国的に見ても草分け的な取り組みであった1959年のポートランド市との姉妹都市提携を初めとして,ミュンヘン,瀋陽,ノボシビルスクの4都市との活発な交流を進めており,ホームステイやボランティア制度は全国的にも高い評価を得ております。
また,札幌市が提唱して1982年にスタートした北方都市会議は,
街づくりに関する共通の課題の解決を目的として,独自の都市ネットワークを築いてきております。
少年交流事業やJICA研修生の積極的な受け入れなどの人づくりに加えて,ことし,FIFAワールドカップの会場となる札幌ドームがオープンし,2003年にはコンベンションセンターが完成するなど,国際コンベンション都市としてのインフラも整備され,札幌の
街づくりは国際化というキーワードが欠かせないものとなってきております。
このような中にあって,第4次札幌市
長期総合計画が示す「市民が支える世界に開かれたまちづくり」を総合的かつ体系的に進めるものとして,国際化推進基本指針の策定作業が進められています。
そこで,質問の1点目は,指針策定の意義についてであります。
このように,本市においては,さまざまな形で国際化への努力を積み重ねてきており,他の自治体においても個性のある取り組みが行われております。自治省から95年に自治体国際協力推進大綱の策定に関する指針が出され,現5年計画の中では「グローバル化の進展とともに,都市レベルにおいても国際交流,国際協力があらゆるまちづくりの分野で深くかかわりを持つ時代を迎えている」としておりますが,本市がこの時期に基本指針を策定する意義について,改めてその基本認識を伺います。
質問の2点目は,指針に盛り込まれる内容,方向性についてであります。
近年,ますますグローバル化が進展し,国家はもちろん,地域の自治体の未来も,世界の各地域との密接なつながりなくしては考えられない時代を迎えています。また,地方分権や都市間競争など,新たな対応を迫られる課題に直面しており,本市の国際化は,このような課題にこたえるものでなくてはなりません。具体的には今後の策定作業にゆだねられるわけでありますが,どのような視点,あるいは方向性を持って論議が行われているのか,伺います。
質問の3点目は,交流主体の多様化についてであります。
国際交流は,これまでの行政主体のあり方から,市民一人一人が主役である時代に移ってきており,今後,国際化の推進に当たっては,市民の積極的な参加,関与が必要条件となります。したがって,行政,市民,NGOなどの市民活動団体,企業など,交流主体の多様化に伴い,それぞれの位置づけや役割をどのように考えておられるのか,伺います。
次に,モエレ沼公園の今後の利用促進について伺います。
モエレ沼公園は,環状グリーンベルト構想における平地系4ゾーンのうち,北東部緑地ゾーンに属する拠点公園であり,本市の都市公園の中で最大の規模を誇るものであります。この公園の特徴は,ごみ埋立地の跡地を利用したことに加え,世界的に著名な彫刻家イサム・ノグチによりデザインされ,この公園自体が広大なスケールの景観を呈した作品であるということです。1982年から造成が開始され,現在の進捗率は7割以上となっていますが,同じくイサム・ノグチが設計,監修に携わったアメリカ・マイアミ市のベイフロントパークと姉妹公園提携をしたのを機に,1998年に仮オープン式典を行って以来,多くの市民に利用され,現在に至っております。
さらに,新年度から本市で使用される中学校の美術教科書には,モエレ沼公園が2ページにわたり取り上げられており,イサム・ノグチが次の世代に託した思いが,今,札幌の子供たちに着実に根づこうとしています。
そして,多くのマスメディアに登場しているモエレ沼公園は,Kitara,芸術の森とともに,芸術文化の薫り高い札幌の顔として,また,PMF,雪まつり,YOSAKOIソーラン祭りなどの祭典とともに,シティー・セールスの大きな要素となり,全国的に知名度を高めつつあります。
2年後の夏に供用が開始される予定のガラスのピラミッドは,モエレ沼公園の拠点施設であり,内部には,レストランを初め,公園利用者の休憩スペースとなるアトリウム空間や,イサム・ノグチの仕事とモエレ沼公園に関する展示室等が設けられることになっており,多くの市民が完成を待ち望んでいます。
そこで,質問の1点目は,このモエレ沼公園の拠点施設であるガラスのピラミッドが完成し,供用が開始されるのを一つの区切りとして,オープニングセレモニーを実施してはいかがかと思うのであります。これは,モエレ沼公園が持つ魅力や特色についてアピールするのに非常に効果的であり,本市の文化的なイメージをさらに高め,利用促進につながることが大いに期待できるとも考えるからであります。
また,造成開始から20年に及んだモエレ沼公園建設も,2005年にはすべての施設が完成する予定となっています。この長期にわたった事業の記念行事についてもぜひ実現すべきと思いますがいかがか,あわせて伺います。
質問の2点目は,現在建設中のガラスのピラミッドの名称についてであります。
ガラスのピラミッドという名称は,議会の質疑や予算説明書にも使用されていますが,私ども仲間の間では,省略して「ガラピ」とも呼んでおります。この公園のシンボルとも言える建物が,より多くの人から親しみを持たれ愛着を抱いてもらえるように,さらには,モエレ沼公園に対する市民の関心と思いが増し,何度も公園を訪れてみたいという気持ちにつながるように,ガラスのピラミッドの愛称を公募する考えはないのか,伺います。
質問の3点目は,モエレ沼公園に造成している,いわゆるモエレ山についてであります。
既に,公園内には,造成が完了し供用を開始しているプレイマウンテンと呼ばれる高さ30メートルの人工の山があり,四季を通じ,親子や若者たちに利用されています。モエレ沼公園には,このプレイマウンテンより大きく高い,完成時には標高50メートルの,いわゆるモエレ山の造成が進められており,次第に遠くからでもその姿が目にとまり,東区のランドマークとなるべく全景を徐々に整えつつあります。
私も,昨日,造成中のモエレ山に登ってみましたが,完成した頂上からの360度の大パノラマを想像すると,イサム・ノグチがこの大地に立ち,思いをめぐらせたことを感じずにはいられません。
大阪市の西南部にある天保山は,標高が4メートル50センチしかないにもかかわらず,2万5,000分の1の地図に表示されています。イサム・ノグチのモエレ沼公園に対する思いと,東区における唯一の山が正式に誕生し,認知され,モエレ沼公園の象徴となるよう,このモエレ山の名称をガラスのピラミッドと同様に市民から募集し,正式に名づけ,地図上に記載されるよう国土地理院に働きかけるべきと思いますがいかがか,伺います。
次に,市立高等専門学校・高等看護学院の大学化とデザイン産業の振興について伺います。
高専と高看の大学化につきましては,デザイン系学部と看護系学部から成る1大学2学部を想定し,ことし11月に1回目の大学化懇話会が開催され,具体的な論議が始まったところであります。大学化に当たっては,地元産業や地域看護を初め,広く市民,地域への貢献が期待できることから,札幌の将来に結びつく,しっかりとした構想としてまとめられることが望まれます。
特に,依然として低迷する北海道そして札幌の
経済情勢を踏まえるとき,私は,本市が大学化の方向性として産・学連携の強化を通じた地元産業の振興を挙げていることに注目しております。
全国の企業と国立大学の産・学連携による共同研究の実績を見ますと,昨年度は4,000件以上と,前年度比で30%近く増加し,過去最高の件数となっており,企業の産・学連携への強い期待がうかがえます。また,その3分の1が中小企業との共同研究であったことに,私は強い関心を持っています。本市における高専の大学化につきましても,デザインを通じた産・学連携による地元産業の振興,ひいては
地域経済の活性化が大いに期待できると思うのであります。
デザイン産業は,他の産業と連携して付加価値の高いものづくりを推し進める高付加価値型の産業であり,あらゆる分野の生活関連産業にかかわりを持つものであります。私自身,北九州市の福祉用具研究開発センターを視察した際,マーケットニーズに対応した製品開発に当たってはデザイン系の人材が不可欠であるとの話を伺い,改めてデザインの重要性を実感いたしました。
本市においても,既に,
地元企業と高専が連携した,福祉用具のデザイン開発・研究プロジェクトによる成果の第1号として,転倒から頭部を守る保護帽があります。10月に東京で開催された国際福祉機器展において,その機能に加えて,これまでにない高いデザイン性が評価され,福祉関連の販売会社から商品化や取り次ぎの要望など,大きな反響があったと聞いております。高専と高看の大学化においても,例えば在宅看護におけるバリアフリー住宅のデザインや生活用品のユニバーサルデザインなど,看護分野との連携の中で新たなデザイン開発の可能性があると大いに期待しているところであります。
また,昨年の第2回定例会の代表質問で,私は情報関連産業の中でも,特にデジタルコンテンツ制作の分野について大きな成長が期待できると申しましたが,この分野におきましてもデザインは大変重要な要素となっています。
一方,道内の
雇用情勢を見ますと,公共事業の先細りや景気の低迷などから全国平均を上回る
完全失業率となっていますが,そうした中でも,北海道労働局のことし4月から8月までの産業別新規求人統計を見ますと,昨年同期に比べ,情報サービス業の求人は高い伸びを示しています。これは,札幌テクノパークやエレクトロニクスセンターなど,15年以上にわたる本市の情報産業の振興策によるところが大きいと考えます。即効性のある
雇用対策が求められている一方で,私は,このように将来を見据えた札幌らしい新たな産業興しに取り組むことが非常に重要であると思うのであります。
そこで,質問の1点目は,大学化における産・学連携についてであります。
地元産業の振興に向け,本市が設置する大学ならではの産・学連携が期待されます。大学ができてから連携の相手先を模索するのではなく,大学化の検討と並行して,今から計画的に産・学連携に向けた
地元企業,特に中小企業とのネットワークづくりを図っていくべきと考えますが,大学化における産・学連携の基本的な考え方とあわせて伺います。
質問の2点目は,デザイン産業の振興策についてであります。
高専・高看の大学化の本格的な検討が始まった今こそ,
地域経済の活性化に向けて,知識集約型,都市型産業であるデザイン産業を本市の重点産業として位置づけ,その振興に積極的に取り組んでいくべきと思いますが,どのように考えておられるのか,伺います。
次に,司書教諭と学校図書館について伺います。
近年,教育改革についての論議が進められる中で,総合的学習の時間の導入や子供たちの活字離れなどから,改めて学校図書館の重要性が指摘されています。学校図書館法では,学校教育において欠くことのできない基礎的な施設であり,子供の健全な発達を図り,学校教育を充実することを目的とするとしており,また,1992年に,全国学校図書館協議会創立40周年を記念して採択された学校図書館憲章では,学校図書館は学校の情報センターであり,学習センターかつ読書センターであると,新たな時代への役割を強調しています。
しかし,その中心的な役割を果たす司書教諭については,法の成立から44年が経過した1997年に,ようやく一部改正が行われ,2003年4月より,11学級以下の小規模校を除く学校に教員業務と兼務で配置することが制度化されたものです。
一方,本市の小・中学校では,学校図書館の運営を教員と図書クラブなど子供たちで行っているところや,PTAなどを中心とした地域の市民がボランティアとして活動する学校図書館地域開放事業に取り組んでいるところがあります。
学校図書館地域開放事業校では,学校図書館で整備する蔵書と開放事業で整備する蔵書があり,子供たちは両方を利用することができます。また,ボランティアの方たちは,図書整理や貸し出しなどの図書館運営のみではなく,読み聞かせなどの活動を通じて本を読むきっかけづくりや読書の楽しさを学習する事業を行ったり,総合的な学習の時間に子供たちと共同で大型かるたを作成したり,子供たちが利用しやすいように本を配架,展示する工夫や,子供の問い合わせに答えるなどの努力を行っているとも聞いております。
したがって,学校図書館には,地域との協力や連携,他の図書館や文化施設とのネットワークづくり,子供や教員への適切な情報提供,図書館と授業カリキュラムの橋渡しなど,多面的な機能が求められており,司書教諭の配置を含めた体制の整備を急がなければなりません。
そこで,質問の1点目は,司書教諭の配置についてであります。
私は,学校図書館の教育活動の充実のためには,専門的な知識を持った常勤の学校司書の配置が不可欠であると考えますが,教育長は,昨年,第2回定例会において,校務の一つとして分掌するものであり,専任化は考えておりませんとの方針を明らかにされております。
しかし,さきに述べた学校図書館の役割を踏まえると,司書教諭の学校における役割を明確にし,その活動を十分に保障し支える体制づくりが必要と考えますがいかがか,伺います。
質問の2点目は,司書教諭の養成についてであります。
2003年4月の配置を控え,教育委員会では,養成講習会の受講等を支援して資格取得者を計画的に養成していると聞いておりますが,スタート時には何名の有資格者を確保することになるのか。また,実際の配置に当たっては十分な研修が必要でありますが,どのような研修を予定されているのか,伺います。
質問の3点目は,学校図書館の活用についてであります。
図書館を有効に活用して子供たちを豊かにはぐくんでいくためには,学校図書館地域開放事業をさらに拡大するのみならず,読み聞かせや読書会,あるいは教科書に書かれている内容の体験調べ学習などの取り組みを,市内すべての小・中学校で進めていくことが求められています。
そのためには,これらの活動を実施するに当たっての具体的な指導方法の研究やプログラムの作成,さらには,人材情報の収集・提供が必要となってまいりますが,総合的学習の時間での取り組みなど,学校教育における考えを伺います。
以上で,私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(加藤齊君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(桂信雄君) まず,私から,数点お答えいたします。
まず,財政問題についてお答えいたします。
第1点目は,
地方交付税制度の見直しに関してでございます。
平成14年度の
地方交付税総額は,年末の国の
予算編成に合わせて,その規模等が明らかになるものでありますが,地方財政計画における歳出の規模が見直された場合には,本市においても縮小の方向で影響が出ることが考えられます。そのため,見直しに当たりましては,地方の自主性や自立性を高める観点に立って,国庫補助負担金や法令等による国の関与の廃止,縮減等が行われた上で,交付税制度が持つ財源調整や財源保障の機能を適切に果たすための所要額の確保が図られるように,強く国に働きかけてまいりたいと考えております。
次に,地域総合整備事業債が廃止された場合の5年計画への影響についてです。
今後,いわゆる箱物,これは対象外とされるなど,従前までの地総債を前提とした整備は困難になると見込まれます。しかし,既に着手している事業については支障が生じないとされておりますし,また,地総債にかわって策定される新たな財政措置や既存の事業債の活用などを図りながら,5年計画に計上された事業の着実な実施に努めてまいりたいと考えております。
第2点目の今後の財政見通しについてでありますが,まず,中期財政を見通した試算の策定状況であります。
現在,国において見直しが進められております
地方交付税や,昨今の経済状況を反映した
市税収入の落ち込みなど,先行きが大変不透明な中ではありながらも,現時点で想定できる将来的な歳入・歳出の見込みをもとに収支の試算作業を進めているところであります。明年の2月の
予算編成までには策定してまいりたいと考えております。
次は,財源不足への取り組みについてであります。
本市の財政は一段と厳しさが増していくことが見込まれますことから,税源の涵養,国からの税源移譲,
市税収入率の向上,課税自主権の活用,適正な受益者負担などのあらゆる分野にわたる歳入確保の検討を行うとともに,行財政改革や事務事業の効率化による経費抑制に加えて,事業評価など新たなシステムを活用した歳出全般にわたる見直しに取り組んでいかなければならないと考えております。
また,こうした取り組みに加えて,今後策定をいたします中期財政見通しと整合するように,各年度の
予算編成を行うなど,より一層計画的な
財政運営に努めて市民福祉の向上を図ってまいりたいと,このように考えております。
次の第3点目の
北海道住宅供給公社問題についてでございますが,先ほども答弁いたしましたとおり,本市といたしましては,この公社の借入金への対応は,公社の設置者である北海道が主体的に責任を果たすべきものであると認識をいたしておりますが,この場合,公社の事業が中断した場合の
地域経済への影響等をも考慮しながら,本市の
街づくりとのかかわりが特に大きいと認められる事業につきましては,財政負担をも十分配慮しながら,北海道と支援措置等について協議を進めているところであります。
次に,介護保険であります。
1点目の介護支援専門員に対する支援についてでございますが,北海道が継続的に現任研修を実施しておりますほか,本市におきましても,ケアプラン作成等の研修などによって介護支援専門員の知識,技能の習得に努めているところであります。引き続き,研修内容の充実に努めながら,その資質向上を図ってまいりたいと考えております。
また,介護支援専門員に対する地域での支援体制の強化策といたしましては,北海道との連携のもとに,今後,本市におきましても介護支援専門員への助言,指導などを行える指導者を養成してまいりたいと,このように考えております。
2点目の福祉用具や住宅改修の活用についてであります。
要介護者が在宅生活を継続していく上で,福祉用具や住宅改修の活用ということは重要な事柄であり,これまでも機会をとらえてその周知を図ってまいっております。今後は,福祉用具や住宅改修についてのパンフレットを新たに作成するほか,介護支援専門員など専門職の方々に対する研修をさらに一層進めてまいりたいと考えております。
3点目の介護相談員の養成についてでございますが,介護相談員は利用者とサービス事業者の間に立って,サービスの質の向上へ向けた提言を行うことなどを役割としております。本市におきましては,札幌市社会福祉協議会に設けた福祉サービス苦情相談センターや区役所の相談窓口がその役割を果たしておりまして,これを有効に機能させてまいりたいと,このように考えております。
4点目の利用料の軽減についてでありますが,現在,本市では,対象となる約1万人の方々に対して,社会福祉法人による利用者負担の軽減など,何らかの形で利用料の軽減を図っております。現時点で直ちに対象サービスや事業者の拡大を図らなければならない状況にあるとは考えておりません。
いずれにいたしましても,高齢者が住みなれた地域で生活をしていくことが介護保険の理念でありますので,在宅サービスの利用促進に向けて,今後とも努力をしてまいりたいと思います。
次は,成人の地域健康づくりについてであります。
1点目の地域健康づくりモデル事業についてでございますが,従前から実施をしてまいりました健康づくり運動推進地区事業も踏まえて,大都市における市民主体の健康づくりの手法を確立することを目的として,東区と手稲区において単位町内会や連合町内会ごとに,地域ボランティアの協力もいただきながら実施をしているものであります。
参加者の行動変容が図られるなど一定の成果が得られておりますが,自主的活動のあり方等については,今後さらに検討していく必要があるものと考えております。
また,モデル事業の成果を踏まえた新年度の全市展開についてですが,市内の各地域において自主的,継続的な健康づくり運動が促進されるとともに,パートナーシップやコミュニティーの形成といった視点に立った新たな方策について取り組んでまいりたいと考えております。
2点目の大都市札幌における保健行政のあり方についてでございますが,少子高齢社会を迎えて,虐待防止や生活習慣病の予防,難病対策等の新たな課題に対応するための個別的な事業を初め,地域を対象にした健康づくりへの対応など,保健行政の重要性が増していく中で,今後ともバランスのとれた事業の展開を図っていく必要があると考えております。
3点目の札幌市健康づくり基本計画策定の進め方と事業評価についてであります。
現在,公募による市民や各関係機関の専門家によって,健康日本21の理念に沿って計画策定作業を進めているところであります。計画に定められる各種の施策を着実に実行するためには,医療費削減の関連からも,国民健康保険事業との連携など全庁挙げての取り組みが重要でありまして,既存の事業や組織体制の見直しなども考慮に入れながら,計画的・総合的に推進する必要があると考えているところであります。
4点目の健康づくり条例についてでございますが,具体的な目標値を掲げて実施に当たる健康づくり基本計画の進捗状況も見ながら,その必要性について,なお検討してまいりたいと考えております。
次は,交通バリアフリー基本構想の策定についてお答えをいたします。
1点目の取り組み状況でありますが,現在,市内の鉄道駅やバスターミナルなどの乗り継ぎ施設を初めとして,駅周辺の
公共施設配置状況の把握など,基本構想策定に向けた基礎調査を行っております。
これとあわせて,重点整備地区の選定や施設の整備方策などについて検討をするために,学識経験者や高齢者,身体障害者の方々,交通事業者,道路管理者,公安委員会などで構成する構想策定協議会の設立準備を進めているところであります。
また,高齢者や身体障害者の方々の意見の反映についてでございますが,重点整備地区の具体的な整備計画を検討する段階で,実際に対象となる地区を見て具体的な助言や意見をいただくことや,これまでのバリアフリーに関するアンケート結果を参考にするなど,その十分な反映に努めてまいりたいと考えております。
次に,2点目のバリアフリー化の推進についてでございますが,本市では,平成10年の12月に福祉のまちづくり条例を制定し,交通関連施設や
公共施設,公園などの施設について,新設の場合はバリアフリー化を義務づけ,既存施設についてもバリアフリー化の促進を図ることとしているところであります。
ご質問にありました地下鉄駅につきましては,これまで行ってまいりましたエレベーター設置を今後とも着実に進めるとともに,JR駅につきましては,大規模改修や橋上化の際に,事業者とともにバリアフリー化に向けて取り組んでまいります。また,案内表示や段差の改善などにつきましても,事業者にさらなる働きかけを行ってまいりたいと考えております。
3点目の点字ブロックについてでございます。
視覚障害者の方々にとっては,突起の数や形が同一のブロックによって整備されているということが利用上好ましいものと考えております。このたび,JIS規格が制定されたことは,その意味では大変意義があることだと思っております。
今後,本市におきまして,歩道や
公共施設などの新設,改修に当たりましては,制定されたJIS規格品を使用していくことが必要であると思います。また,民間の方々に対しましても,このJIS規格品の周知を図りますとともに,その積極的な使用について働きかけてまいりたいと,このように考えております。
私からは,以上でございます。
○副議長(加藤齊君) 千葉助役。
◎助役(千葉瑞穂君) 私から,国際化推進基本指針についてお答えいたします。
まず,1点目の指針策定の意義についてであります。
本市におきましては,従前から,国際化を積極的に推進しており,さまざまな分野で多くの実績を上げてきたところであります。国際化推進基本指針は,21世紀の冒頭に当たり,国際化の意義,目的を明確にし,今後どのような分野に重点を置いて取り組むべきかを体系的に示そうとするものであります。昨年,第4次
長期総合計画がスタートしたのを受け,今まで培ってきた都市間ネットワークや交流の蓄積を生かすとともに,都市間競争の激化,グローバル化の進展等に対応していくため,新たな国際化の方向性や今後の国際都市さっぽろのあるべき姿を示していくことが,この指針を策定する意義であると考えております。
2点目の指針に盛り込まれる内容,方向性についてであります。
現在,有識者で構成する国際化推進懇話会からご意見をいただきながら検討を進めているところでありますが,行政が国際化を推進するということは,
街づくりや市民生活に実質的なメリットがなければならないと考えております。21世紀の札幌の発展のためには,都市の特徴を伸ばし,魅力と活力を高めていくことが必要であり,国際化をそのための有効な手段として活用するとともに,札幌が世界を結ぶ交流の拠点となることを目指すことが,基本的な方向性ではないかと考えております。
3点目の交流主体の多様化についてでありますが,本市の国際化を推進していくためには,市民・企業・行政などさまざまな主体がその特性を生かして,国際交流の担い手となっていただく必要があります。特に,市民,NGOなどの市民活動団体は,草の根的な国際交流,国際協力において,まさに主役となっていただくことが期待をされております。指針におきましても,それぞれの主体の役割や位置づけについて明らかにしていきたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(加藤齊君) 福迫助役。
◎助役(福迫尚一郎君) モエレ沼公園の今後の利用促進と市立高等専門学校・高等看護学院の大学化に関するご質問に対しては,私からお答えさせていただきます。
まず,モエレ沼公園の今後の利用促進についてでございます。
1点目のモエレ沼公園の今後の記念行事でございますが,ガラスのピラミッド完成時に伴いますオープニングセレモニーについては,PMFのコンサートなど,モエレ沼公園にふさわしいものにして開催したいと,このように考えております。
それからまた,モエレ沼公園の全面完成に伴います記念行事でございますが,皆様方のご意見をいただきながら,今後検討してまいりたいと思っております。
それから,2点目のガラスのピラミッドの愛称公募でございますが,既に先ほど先生から「ガラピ」という愛称の一例をご披露いただきましたけれども,ご提案の趣旨を踏まえまして,実施に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
それから,3点目のモエレ山の名称と国土地理院発行の地図への記載でございますが,これは,市民の皆様に関心を高めていただくという上でも,ぜひ必要なことだと思いますので,実現に向けて検討していきたいと思っております。
次は,市立高等専門学校・高等看護学院の大学化とデザイン産業の振興策についてであります。
1点目の大学化における産・学連携についてでございますが,まず,基本的な考え方につきましては,本市が設置する大学であるという,そのメリットを最大限に生かしていく必要があります。
地域経済の活性化に向けて,総合的,多面的な観点から取り組みを考えております。
具体的には,既に設置されておりますエレクトロニクスセンター,それからデジタル創造プラザ,来年度開設予定の産業振興センター,こういうものを活用いたしまして,産業振興拠点と一体となった取り組みや,
地元企業に対しまして大学の研究機能を提供する産学共同デザイン研究センターの設置などを想定しております。
こういったことにつきましては,今後,大学化懇話会におきまして,さまざまな角度から十分に議論していただくつもりでおります。
また,中小企業を初め
地元企業とのネットワークづくりについてでありますが,来年度以降,フォーラムの開催や企業との研究会を設置するなど,産・学連携の仕組み,また運営方法のあり方等につきまして,企業とともに考える場を設けまして,ネットワーク化に向けて段階的かつ計画的に取り組みを検討してまいりたいと思っております。
次に,2点目のデザイン産業の振興策についてであります。
デザインは,札幌において生産される製品の付加価値を高めるものでありますし,製造業のみならず,先ほど先生からもお話がありましたが,サービス業等々ほかの産業振興の上からも大変に重要であると認識いたしております。札幌らしい産業として重点的に振興を図りたいと考えております。
また,デザイン産業の振興策でございますが,今後,デジタル創造プラザなどを活用いたしまして,高等専門学校とも連携しながら,今言いましたデザインに関する情報の提供,あるいはデザイナーと企業との交流を積極的に図るなど,デザインを通じてさまざまなビジネスが広がるようなそういう施策を検討してまいりたいと思っております。
以上でございます。
○副議長(加藤齊君) 土橋教育長。
◎教育長(土橋信男君) 私からは,ワールドカップ札幌開催にかかわる諸問題に関して,並びに学校図書館に関することについてお答えをいたします。
まず,2002年FIFAワールドカップ札幌開催にかかわる諸問題についてお答えをいたします。
1点目の大会開催の見通しについてでございますが,米国同時多発テロの直後に開かれた日本組織委員会の理事会で,国際サッカー連盟のブラッター会長のメッセージが紹介されました。
議員のご質問にもありましたとおり,同会長は,「スポーツは世界の平和と連帯の象徴であり,テロに屈してこの大会を中止することはない。もちろん,万全の警備体制のもとで行うことは言うまでもない。国際サッカー連盟は,今後予定しているすべてのイベントを中止することなく実施していく」と明言しており,この方針は今も変わっておりません。
また,ご承知のとおり,市長が釜山へ参りまして,新たなゲームの具体的な計画が整いました。これを実施していくことについては変わっておりません。
2点目の大会時の警備対策についてお答えいたします。
日本組織委員会では,これまでもテロとフーリガンを念頭に置きまして,警備計画の策定,準備を進めているところでございます。しかし,アメリカの事件を受けて,テロ対策の強化を最緊急課題として警備計画を見直すとともに,警備対策費を増額し,関係各方面との連携を強化しながら,万全の体制を構築するべく準備中でございます。ご承知のとおり,YOSAKOIソーランまつりの計画を変更して,警備の方の対策を講じているところでございます。
事柄の性格上,詳しいことは申し上げられませんが,今臨時国会で出入国管理法が改正され,法的体制も整備されましたので,関係各国と連携してフーリガン等の出入りを水際で阻止するほか,特別検索隊の設置や金属探知機あるいはエックス線検査機を導入した厳重な手荷物検査などを行うということを伺っております。
本市としても,日本組織委員会の警備計画に基づきまして,北海道警察,その他関係機関とさらに密接な連携を図って準備を進めているところでございます。
3点目の札幌ドームへの入退場についてお答えをいたします。
大会時には客席が4セクターに分割されていることから,観客の動線はセクターに合わせて極力分離し,集中しない方法を検討しているところでございます。既に,1回,このことにつきましては試行をいたしてございます。また,ドーム歩道橋に通じる北側通路での滞留抑制のため,同通路階段部分と国道36号線,札幌ドーム前バス停におりる階段の拡幅工事が既に進められておりまして,これからもそれを活用してまいる考えでございます。
次に,ワールドカップ札幌開催にかかわる諸問題のうちの4点目,国際都市さっぽろのアピール策についてお答えをいたします。
ワールドカップサッカー大会では,多くの観客や報道関係者の皆様にじかに本市の魅力を知っていただき,また,世界にPRする絶好の機会であると考えており,ご指摘のとおりでございます。
本市では,重要なシティPR活動の機会ととらえ,市民のホスピタリティー活動,つまり市民の心温まるもてなし,また,市民交流を図るとともに,観光魅力の広報活動など,積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に,司書教諭と学校図書館についてお答えをいたします。
1点目の司書教諭の配置についてでございますが,司書教諭は,本や読書活動の指導についての専門的知識及び技能を備え,学校図書館の活用や読書活動の指導における学校内の協力体制の中心になることが期待されている役割を持っております。司書教諭は,こうした専門性に基づいた役割を十分に発揮するためには,各学校において,司書教諭の役割と学校図書館の活用についての共通理解が不可欠でございまして,司書教諭を学校運営上の組織に位置づけることにとどまることなく,校内の協力体制及び指導体制の整備もなされるように,各学校長に対して指導してまいりたいと考えております。
2点目の司書教諭の養成についてでありますが,スタート時の有資格者の確保については,これまでも積極的に養成を図ってきたことによって,現在,有資格者は269名となっております。来年度につきましても,資格取得の支援を継続する予定でございまして,また,新規採用者にも有資格者が見込まれることによって,平成15年4月の時点で,対象校に司書教諭を配置することが可能な見通しとなっております。
また,司書教諭の研修につきましては,札幌市教育研究協議会の教育資料特別委員会の活動や,教育センターの学校図書館に関する研修講座を充実させてまいりたいと,そのように考えております。
3点目の学校図書館の活用についてでありますが,学校図書館地域開放事業につきましては,子供の情操をはぐくみ,学校教育を支援する大きな効果を生んでおり,我が国において,最もすぐれたボランティア活動であり,学校図書館利用活動というふうに承知をしております。当面,小学校におきまして,従前どおり,拡大をしてまいりたいというふうに考えております。
また,学校図書館の運営や教育活動における活用を地域と連携協力を図る中で進めるために,この事業や,地域ボランティアと連携した学校図書館の運営や活用を図っている実践例を,人材,情報を含めて提供するなど,学校での取り組みを支援してまいりたいと考えております。
以上であります。
○副議長(加藤齊君) お諮りします。
本日の会議はこれをもって終了し,あす,12月6日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(加藤齊君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
――――――――─―――――――――
○副議長(加藤齊君) 本日は,これで散会いたします。
――――――――─―――――――――
散 会 午後4時13分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議長 佐 藤 美 智 夫
副議長 加 藤 齊
署名議員 鈴 木 健 雄
署名議員 常 見 寿 夫...