委 員 井 上 ひさ子 君 委 員 坂 本 恭 子 君
委 員 岡 千 陽 君 委 員 田 中 昭 男 君
委 員 小 林 郁 子 君
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開 議 午後1時
○荒川尚次 委員長 ただいまから,第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項は特にございません。
それでは,議事に入ります。
本日は,本委員会に付託されました議案6件に対する討論及び採決を行います。
最初に,議案第1号中関係分及び議案第2号から第6号までの6件を
一括議題とし,討論を行います。
◆村松正海 委員 私は,ただいまから
自由民主党議員会を代表し,本
特別委員会に付託されております平成12年度各
会計決算につきまして,これを認定する立場から,簡潔に討論を行います。
新しいミレニアムの幕あけとなりました平成12年度は,
地方分権一括法の施行,あるいは
介護保険制度の導入など,地方全体にとりましても大きな変革期に当たり,また,本市におきましても,第4次
長期総合計画及び新しい5年計画がスタートした節目の年でありました。
平成12年度当初の我が国の
経済動向を顧みますと,平成9年10月から12月期以降,5・
四半期連続の
マイナス成長という,戦後初めての厳しい局面を経験し,それを契機とする数次に及ぶ
経済対策などにより,平成11年度の
実質経済成長率が1.4%のプラスに転換するなど,緩やかな改善が続いてきたものの,民間需要に支えられた
自律的回復には至っていない状況にありました。
そのため,平成12年度の
国家予算は,
我が国経済を本格的な
回復軌道につなげていくため,
経済運営に万全を期すとの観点に立つとともに,
財政構造改革の基本的な考え方は維持するなどの方針により編成されたところであります。
その後,政府においては,平成12年10月に,
景気自律的回復軌道の確立と多様な知恵の時代にふさわしい
未来型社会への出発の二つを目的とする「
日本新生のための新
発展政策」を決定し,同年11月には,その実施に向けた
補正予算が成立したのであります。
このような状況において,本市の平成12年度予算は,歳入の大宗をなす
市税収入が依然として厳しい状況が続くと見込まれる一方で,高齢化の進展や景気低迷の影響による扶助費の増,
市債残高の増大に伴う公債費の増など,
義務的経費の大幅な増加が避けられず,仮に政策的な経費を平成11年度並みに確保すると約230億円の
財源不足が見込まれるなど,かつてないほど厳しい状況での編成を余儀なくされたのであります。
しかしながら,こうした厳しい
財政環境にあっても,
社会経済の動向を十分見きわめ,多様化・複雑化する
市民ニーズや
少子高齢化,
地域経済の活性化など,本市が抱えるさまざまな
行政課題に的確に対応するとともに,新たな5年計画に盛り込まれる各種の政策を計画的に推進することが求められていたのであります。
このため,平成12年度の
予算編成に当たっては,
行財政改革推進計画を着実に推進することを基本として,
政策的経費に初の
マイナスシーリングを設定するなど,従来の枠組みにとらわれることなく
事務事業全般にわたる見直しと再構築を推進するとともに,限られた財源をより有効に生かすため,施策の優先順位を厳しく選択し,同時に,本格的な
地方分権時代を迎えて,各局の自主性や
調整機能の強化,組織横断的な課題などについて,積極的に取り組むことが基本方針とされたのであります。
その結果,平成12年度
一般会計予算は,経済の活性化及び
少子高齢化に対応した施策には特段の配慮がなされたものの,
介護保険制度導入に伴う
特別会計への
事業移行があったとはいえ,前年度比1.9%のマイナスと,
政令指定都市になって初めて当初
予算規模が減少したのであります。その後,国の「
日本新生のための新
発展政策」に関連して,
地域経済の回復を図るための
補正予算を中心に,総額249億円を追加した結果,
最終予算額は8,869億円となったのであります。
その執行結果であります決算を見ますと,歳入では,市税が
固定資産税の減などにより,前年度比5.2%の大幅減収と3年連続で減収となる中で,歳出は,
生活保護費を初めとする扶助費や公債費など
義務的経費が増加し,
国民健康保険事業や
交通事業の
財政支援の繰出金が多額に上るなど,
財政状況はより一層厳しさを増しております。
こうした状況にあって,
行財政改革推進計画の着実な推進を図るため,新たな項目についても見直しを行った結果,
一般行政部門において39億円,
企業会計を含めると61億円の
財政効果を生み出すとともに,特に
市債発行額については前年度比19.4%減の783億円にとどめ,平成5年度以来7年ぶりに800億円を下回ったことは,特記すべき成果と考えるのであります。
また,当初45億円の取り崩しを予定していた
財政調整基金についても,
財源確保の結果,取り崩しを行うことなく,逆に剰余金から10億円を積み立てることができたことは,
地域経済対策等の緊急の課題に積極的に取り組む一方で,厳しい
財政状況の中,将来を見通した
財政運営を行い,所期の目的を達成できたものと評価するところであります。
しかしながら,
財政力指数や
義務的経費比率などの
各種財政指標は軒並み悪化しており,さらに
一般会計の市債現在高が初めて1兆円を超えるなど,
財政向上の硬直化が懸念されるところであります。
また,さきに閣議決定された,いわゆる骨太の方針においては,
地方交付税や補助金の見直しについて言及されており,具体的な論議はこれからとしても,市税等の
自主財源が乏しく,
地方交付税等の依存度が高い本市が,少なからぬ影響を受けることであろうことは想像にかたくないものであります。
こうしたことから,複雑多様化する
行政課題の解決に取り組まなければならない本市の
行財政運営のかじ取りは,今後ますます難しい局面を迎えることと思われます。
そのため,我が会派は,本
特別委員会の審議を通じて,
少子高齢化対策,
産業振興施策,
交通事業の
経営安全化,ライフラインの
危機管理など広範な分野にわたり,さまざまな提言,要望等を行ってまいりましたので,ここは繰り返しませんが,今後の
行財政運営上特に重要な事項についてだけ述べさせていただきます。
最初は,
地方分権のための
財政基金の整備であります。
分権型社会を実現するためには,財政面における自治体の
自己決定権と自己責任の拡充を図るよう
財政基盤を充実強化する必要があることは言うまでもありません。しかしながら,
地方分権一括法の施行等により権限移譲は進んだものの,それに伴う税源配分の
見直し等の
財源移譲は極めて不十分であります。
そのため,国に対して
税財源移譲の早急な検討を求めるのは当然でありますが,まずは,いずれも
政令指定都市中最下位に甘んじている市税や
国民健康保険料の収入率の向上を図るなど,
財源確保に全力を傾注するとともに,税財源の涵養・拡充に取り組むべきであります。
2点目は,新たな
行財政改革の推進であります。
財源の健全化を図り,また,現在の厳しい
社会情勢に的確に対応できるよう,みずからの体質を強化するためにも,
行財政改革への
取り組みは不可欠であります。そのため,我が会派は,平成8年度以来,3次にわたり
行財政改革臨時調査会から
行財政改革につきましてさまざまな提言を行ってまいりました。
本市では,平成10年2月に,平成14年度までを
取り組み期間とする
行財政改革推進計画を策定し,積極的に
行財政改革を進めており,特に数値目標を設定した
定員管理及び
組織管理では,既に目標を上回る職員数・
管理職ポストの削減を達成するなど,その
取り組みを評価するものであります。
しかしながら,低迷する景気の影響を受け,人員削減,
給与カットなどを余儀なくされている
民間サイドからは,本市の
行財政改革はまだ不十分ではないかという声が寄せられているのも事実であります。こうした市民の声に真摯に耳を傾けながら,限られた財源と人的資源の重点配分,
事務事業全般の
簡素効率化を念頭に,時代を先取りした新たな
行政改革に積極的に取り組むことを強く求めるものであります。
また,本市が目指す
協働型社会の実現のために,情報の共有化により市民の市政に対する理解を得ることが不可欠であります。そのため,
事業評価システムによる
事業成果の公表,
公開制度への
事業会計手法の導入による
財務情報の提供などを実施しておりますが,市民にわかりやすい
情報提供の観点からはまだ改善の余地があります。
各会計の
連結バランスシートの作成など,さまざまな工夫を凝らして,行政の
アカウンタビリティー機能を充実させるよう求めるものであります。
最後に,当面する本市の
政策課題の対応であります。
厳しい
財政状況のもと,本市は,
少子高齢化,ITの急速な発展,地球環境問題といった新たな
政策課題はもとより,深刻な
地域経済,雇用状況の一刻も早い回復という,極めて重い命題に直面しております。こうした課題を解決するために,行政みずから
自己改革を遂げ,既存の
組織システムに拘泥することなく,戦略的・
経営的視点と市民本位の立場に立ち,柔軟かつ的確に対応し得る組織横断的な体制を確立することと,より計画的・重点的な
予算編成の執行を要望いたします。
以上,平成12年度決算及び市政の
重点課題についても申し上げましたが,理事者におかれましては,本
特別委員会の議論を通じて,我が会派の提言,意見を十分しんしゃくされて,市政執行に当たるよう強く求めて,私の討論を終わります。
◆藤原廣昭 委員 私は,
民主党議員会を代表して,第二部
決算特別委員会に付託されました2000年度
決算関係の議案第1
号関係分及び議案第2号から第6号までを認定する立場から討論を行います。
今回の
決算対象である2000年度予算は,第4次札幌市
長期総合計画及びこれを具体化する新5年計画がスタートする年でありました。決算書の中からは,市債の発行額が7年ぶりに800億円を下回ったことなど,本市が進めている
行財政改革推進計画に沿った
財政運営を各局が心がけ,努力したことがうかがえます。
しかし,全会計で
市債残高が約2兆1,000億円に達し,今後,市債の元利償還の増嵩や
政令指定都市移行期前後に建設された
公共施設の更新等を控え,一段と厳しい
財政運営が求められています。特に,本市の歳入の根幹である
地方交付税等の見直しによっては,今後の第4次札幌市
長期総合計画に基づく5年計画の各事業への影響も懸念されます。
民主党議員会は,厳しい
財政状況が続くことが予測される中で,負の遺産を極力残さない一層の努力と,未来に希望と生きがいの持てる施策の展開に向けて取り組むよう,代表質問に引き続き,本
特別委員会で積極的な意見や提言を行ってきました。
以下,課題別に申し上げます。
1点目は,
市立札幌病院の医師のモラルと
再発防止についてです。
市立札幌病院の医師職の無届けによる他
医療機関での医療従事及び
救命救急センターにおける
歯科研修医の
医療行為は,本市の
保健行政及び
市立札幌病院に対する市民の信頼を大きく損なうとともに,開院132年の歴史に大きな汚点を残したといえます。今後は,
再発防止策の徹底と医師の
新規採用者等における
オリエンテーション等の講師は,部外者の活用も含めた
取り組みを求めます。
また,市内の各病院等を指導・監督する立場にある本市の保健所は,
市立札幌病院における
歯科研修医の
医療行為を他の病院などでも起こらないようにするための具体的な指導と
取り組みを求めておきます。
2点目は,
北海道住宅供給公社についてです。
北海道住宅供給公社に対する
包括外部監査報告でも明らかなように,同公社の理事会は形骸化し,役職員の現状認識は不十分で,北海道庁への依存体質が強く,
管理体制に問題があるとされています。また,金融機関へ多額の優良資産を担保提供しているにもかかわらず,
情報開示をしないなど,放漫経営といっても過言ではありません。このような中から生まれた債務超過約460億円になっている同公社に対し,本市はこれ以上の
財政支援を避けるべきであり,30億円の
貸付金返還を要請すべきです。また,同公社が所有する
長期保有地にかかわる含み損364億円のうち,本市北区の季実の里団地の含み損約38億円について,
支援要請があっても,本市は毅然とした態度を表明すべきであります。
3点目は,高齢者,障害者問題についてです。
介護保険を実施するに当たり,
民主党議員会は,かねてより将来にわたる保険料の軽減,各事業者に対する適切な監査・監督と指導,良質な
サービスの安定供給と
ヘルパー等の資質向上に向けた研修会,労働条件の改善・充実についての具体策を提言してきました。
しかし,ことし8月1日より,札幌圏の
療養型医療施設においても,定員総数に対し残余床数があるとして増床されました。このことは,施設から在宅へという
介護保険制度の基本理念に逆行するものであり,
福祉先進国では,
介護保険における
施設重視策の失敗から,在宅にシフトを置いた施策が主流となっているにもかかわらず,国はもとより,保険者である本市は,市民に対する
在宅介護への誘導策をこの間何ら具体化しなかったことは遺憾であり,早急に誘導策を示すよう求めます。
低所得者への
保険料軽減に向けて,現在の5
段階区分方式を拡大することは,本市の
課税標準額の区分からも十分可能であり,実現に向け具体的な検討を求めます。
介護保険の実施により,市内にある36の
特別養護老人ホームの中で,28施設における昨年度決算の
資金残高総額は20億2,333万円,その以前も含めると合計43億7,271万円になります。この資金について13施設は合計約7億円を
借入金返済に充てています。従来の
制度内容と変わったとはいえ,本来,こうした利益は施設の
安定的運営と利用者の
サービス向上及び職員の処遇改善に使用すべきといえます。
一方,
ヘルパーの勤務実態は,移動時間も賃金加算されないなど極めて劣悪な状況にあり,やめる人も多く,このままでは
ヘルパーのなり手が不足し,利用者に良質な
サービスが安定供給されるのか不安を抱かざるを得ません。本市として,国に対する
ヘルパー等の賃金単価の見直しを要請するとともに,各事業者に対しては
ヘルパー職員等の
労働条件改善を保険者として求めるべきです。
ノーマライゼーション,
バリアフリーの理念に基づいた施策が実行に移されていますが,日常における生活,介護,外出等のさまざまな不安にこたえ,個別の制度のすき間を埋めなければ,施設から在宅への
政策転換は,単なるかけ声倒れに終わります。
本市が進めてきた福祉の
まち推進事業は,幅広い市民の
福祉活動により,だれもが安心して暮らせる
地域づくりを目的としており,今後の活動の
ステップアップを図るためにも,
コーディネート役である各
地区社会福祉協議会の体制強化と
リーダー役を担う人材育成が望まれます。
また,障害者の
地域生活支援にかかわる拠点整備を初め,
全身性重度重複障害者の24時間
公的サービスに向けた
取り組みや,桂市長が
公開質問状に答えている,
精神障害者,回復者への
交通費補助の格差是正などは極めて立ちおくれています。目標年次を明確にして推進することを強く求めておきます。
市営住宅における高齢者,
障害者用住宅整備は,民間の
賃貸住宅市場では供給されにくいこと,また,入居を断られる例も多くあり,ニーズが急速に高まっており,
地域サービスの拠点としての整備も含め,積極的な供給増を要望いたします。
4点目は,子供の問題についてです。
国は,昨年3月に保育所の
設置主体制限を撤廃しましたが,資金的な支援がないためほとんど実績が上がっていないのが現状です。また,小泉首相は15万人の
待機児童解消構想を発表したものの具体策はいまだに示されていません。本市としても,この問題に対する桂市長の積極的な姿勢が市民に見える形とするためにも,年度途中における待機状況の改善,解消策の具体化と,現在,国が進めようとしている内容とは別枠で実施することを強く求めます。
児童虐待は,本市においても昨年度処理件数252件と,前々年比の約2倍となっています。幼い子供の命を奪ったり,子供の人格形成上に大きな悪影響を及ぼす
児童虐待の防止策は急務であり,機動的,専門的に対応できる課と
児童福祉司の大幅な増員及び
精神科医の常勤配置を求めます。また,本市の特徴である
ネグレクト傾向の分析と防止策を検討する委員会の設置を強く求めておきます。
5点目は,
福祉除雪と今冬の除排雪についてで
す。
今冬における
福祉除雪の特徴は,試行であるものの実施区域は市内全域となり,窓口は
各区社会福祉協議会に一本化され,
地域協力員として協力を要請する対象者及び
福祉除雪サービスの範囲が若干拡大されました。このような中で,各区社協の
地域協力員の確保に向けた対応にばらつきが見られるので,災防協に対する要請は安易にすることなく,
登録事業者の
事業形態を十分配慮し,
協力要請をするとともに,
関係部局の連携を強く求めておきます。
今冬の具体的な
除排雪計画の
実行予算は,年度初めに支出した
雪堆積場処理費を除いた,約108億8,500万円で編成し,特に
パートナーシップ排雪等については,前年度実績に見合った事業量と予算を配分するよう求めておきます。
6点目は,
公共事業についてです。
新たな
入札制度の導入により,本市の
公共事業入札においても,落札率の低下傾向が強まる中で,
手抜き工事とならない適切な
品質管理と検査,監督体制の強化が求められています。また,
下請企業等では赤字覚悟で
当該事業を受けざるを得ない状況も生じており,業界の健全化を図る上でも,元請企業に対する指導をすべきです。さらに,落札率の低下に伴い生じた
事業予算額と執行額との
契約差額金約18億円は,新たな事業化による
地元中小企業者に向け活用を図るよう強く求めておきます。
民間研究機関に委託していた第2
斎場建設事業への
PFI導入手法の具体的な
調査報告では,20年間で約8億6,700万円の
経費削減が見込まれています。しかし,現在の税制度では,20年間に約41億円の税金負担が,
維持管理運営費に含まれることになり,本当に市民にとってメリットがあるのか,疑問のあるところです。
また,最近の厳しい
経済状況の中で,PFIに参入する企業が出てくるのかも懸念されるとともに,20年後,本市に同施設が無償譲渡された際に,そこで働く社員の身分保障などの課題がありますので,PFIありきではなく,市民の声も聞くなど,議会における議論を十分にすることを求めておきます。
7点目は,街づくりについてです。
札幌駅南口西5丁目の
市保有地,350坪の簿価は,現在約77億2,000万円ですが,実勢価格は約9億4,000万円と,約67億8,000万円の乖離が生じています。また,同駅の
駅前広場建設に当たり,用地確保のため,本市の
土地開発基金から借り入れ支払った金額の利息が現在約7億2,000万円となっています。土地価格の低迷は将来も予測され,隣接する
市所有地の普通財産約450坪と合わせ,
定期借地権方式などを使用し,
民間企業の参入による開発を積極的に導入するよう要望します。
ことし9月26日,
札幌地方裁判所で売却決定が確定した旧
札幌テルメの施設と跡地は,
市街化調整区域にあり,
都市計画法第42条に基づく規制の対象となりますので,所有者から正式な再活用方法及び用途変更にかかわる事前協議や許可申請の提出に当たっては,市民に説明できる判断をされるよう求めておきます。
8点目は,産業の活性化についてです。
IT関連の
需要減速感などにより,
情報関連産業に陰りが出ている中で,札幌の特徴を生かした観光産業への積極的な
支援施策を求めておきます。さらに,
中小企業に対する
融資制度については,弾力的な運用と
取り組みを要望します。
また,今年度から始まった
産学官共同研究開発チャレンジ事業は,産・学の
共同研究開発の意欲を高めるために,各年度ごとに新規公募する予算の確保を強く求めておきます。
9点目は,
公営企業会計についてです。
市立札幌病院の
包括外部監査では,九つの診療科における事項について強く指摘がされていますが,今後は,各科ごとの
診療科別原価計算制度と,
診療科別予算制度の導入を強く求めておきま
す。
市営交通3部門については,現在,
市営企業調査審議会交通部会において,意見の取りまとめが行われていますが,
バス事業においては規制緩和,電車では車両更新と路線の延伸,地下鉄では重い
資本費負担等,それぞれが抱える課題のほか,
バリアフリー対策,環境問題,将来の
交通体系など,総合的な論議が求められています。市民の足を守り,
経済活動の血流としての大きな使命を果たし,新しい時代のニーズにこたえていくためにも解決すべき課題を明確にし,議会及び市民論議を広く行うことを強く要望します。
水道局においては,今後も給水収益の大幅な改善が見込めない中で,さらに
借り入れ依存体質からの脱却,自己資本の充実に
取り組み,
現行水道料金の維持を強く求めておきます。また,これまで留保してきた
資産維持費の活用については,議会で十分議論し,市民の理解を得ていくことを求めます。
当別ダムの建設については,市民への
本市水道局及び
石狩西部広域水道企業団の
情報提供不足が誤解を招くことにもなりますので,
情報提供を十分にし,市民の理解と協力を求めるよう強く要望します。
このほか,我が
会派委員が本委員会で取り上げた課題について,順次述べてまいります。
保健福祉局関係では,札幌市
身体障害者福祉協会及び同
スポーツ協会加盟団体への
補助金等の支払いについて。
災害弱者対応,
防災マニュアルについて。
知的障害者の
ガイドヘルパーについて。
ホームレス対策について。がん検診のあり方について。
遺伝子組み換え食品の検査機器について。狂牛病問題と市民への
情報公開について。
市立病院では,
定期監査報告書で指摘されている4項目の改善について。
病院ボランティア国際フォーラムについて。
建設局では,道路管理センターの地下埋設物管理図面について。札幌市工事調整要綱の見直しについて。
都市局では,東茨戸区画整理事業について。株式会社札幌エネルギー公社について。
経済局では,さとらんどパークゴルフ場の料金について。
水道局では,危機
管理体制と事故対応時の情報管理について。
ただいま申し上げたほかに,本
特別委員会で我が
会派委員が指摘をし,提言を行ったものについては,今後の市政執行,とりわけ新年度予算に的確に反映されますことを強く要望し,
民主党議員会を代表しての討論を終わります。(拍手)
◆青山浪子 委員 私は,ただいまから公明党議員会を代表し,市長から提案されております平成12年度各
会計決算につきまして,これを認定する立場から簡潔に討論を行います。
昨年4月に,いわゆる
地方分権一括法が施行され,いよいよ自己決定・自己責任を原則とした分権時代を迎え,自治体を取り巻く社会環境は,厳しい税
財政状況に加え,
少子高齢化,グローバル化,IT革命など,大きく変化してきております。
こうした中,平成12年度の本市の
財政環境は,国と一体となった
経済対策の
取り組みにもかかわらず,景気は依然として先行きに予断を許さない状況にありました。そのような状況において,本市の平成12年度予算は,市税等の一般財源の大幅な減少が見込まれる中で,第4次
長期総合計画と第1次5年計画の初年度であることから,歳入歳出全般を大きく見直し,予算を重点配分したほか,国の政策に関連した追加補正等を行い,編成されたものであります。
その執行結果である決算を見ますと,歳入ではその基幹をなす市税が個人市民税の減等により,総額で前年度比5.2%の減収となり,歳出では扶助費や公債費などの
義務的経費が増加し,
国民健康保険事業や
交通事業への
財政支援の繰出金も依然として多額に上っていることが
財政状況を一層厳しいものとしております。
こうした状況にあって,
行財政改革の3年次目として,
行財政改革に積極的に取り組まれ,事務事業の見直しや経費節減等で
一般行政部門において約39億円の
財政効果を生み出すとともに,
市債発行額を前年度比19.4%減の783億円にとどめ,また,当初45億円の取り崩しを予定していた
財政調整基金についても,
財源確保の結果,取り崩しを行わなかった一方で,厳しい
地域経済の状況を踏まえた
経済対策,
少子高齢化対策や環境問題への対応,総合交通対策の推進に取り組むなど,予定していた事業をほぼ実施し,所期の目的を達成できたものと評価するところであります。
しかしながら,ただいま述べましたような厳しい
財政状況においては,今後,市税等の収入に大きな伸びは期待できず,一方,歳出面では,これまで発行してきた市債の償還が本格化することに伴う公債費の増大,さらには,将来確実に増加する職員の退職手当や
公共施設の維持・更新費の増大が予想されています。
このほか,
特別会計や
企業会計の健全化も求められていることから,今後は,中長期の視点を持った
行財政運営に努め,事務事業の一層の見直しや経費の節減に積極的に取り組む必要があります。
そのためには,既存施策の再評価や行財政システムの再構築はもとより,市民や企業とのパートナーシップの推進やPFIの導入など,新たな
取り組みも重要であります。したがって,これからの
行財政運営には情報の共有化が必須となり,公会計制度への
企業会計的導入により,市民にわかりやすい財政情報の提供など,市民に対する説明責任機能の一層の充実を強く求めるものであります。
それでは,本委員会の審議を通じて我が会派が取り上げてまいりました諸課題等について,提言,要望等を含めて述べてまいりたいと存じます。
最初に,子育て支援策についてであります。
さっぽろ子育てサポートセンター事業については,より市民が利用しやすい
サービスとするため,市民へのPRをより一層進めるとともに,会員相互の交流会を設けるなど,利用しやすい仕組みづくりに努めていただきたいのであります。
また,保育所における一時保育事業については,地域に根差した子育て支援として,もっと気軽に利用可能になるよう,さらなる整備拡充に取り組んでいただくことを求めておきます。
次に,難病患者支援対策についてであります。
難病患者支援対策については,我が党としても高い関心を寄せている課題でありますが,ことしの6月から難病患者等地域支援対策推進事業が,また10月からは居宅生活支援事業の2事業がそれぞれ開始されて,本市における難病患者支援対策が体系化されました。しかしながら,難病患者や家族の方から,職員の応対や連携が悪いという苦情,不満の声が,昨年度実施された難病患者実態報告書の中に寄せられております。
今後も,安心感,満足感を持って,この事業を大いに活用していただけるよう,職員の方々が十分に研さんを積んで接遇が改善され,市民
サービスが向上されることを要望いたします。
次に,シックハウス対策についてであります。
本市では,本年4月に,札幌市健康快適居住環境の指針を策定されましたが,今後は,市民向けのリーフレットを初め,展示会や講習会のほか,ホームページに掲載するなど,さまざまな機会を通じて,さらに積極的に居住環境に関する知識の周知・啓発を図っていただきたいと思うのであります。
次に,生涯を通じた女性の健康支援についてであります。
女性の健康をめぐるさまざまな問題に対する相談窓口について,市民が気軽に出向けるような名称に改めて,保健センターの相談体制が広く市民に周知され,悩んでいる多くの女性を支えていただきたいのであります。また,父親の育児参加推進のための
情報提供として,母子健康手帳の父親版のようなパンフレットを制作し,広く市民に配布していただくよう要望いたします。
次に,ひとり暮らし高齢者の緊急通報システムについてでありますが,高齢者の方々が地域で安心して生活し,また離れている子供たちも安心して父母などの生活を見守ることができるように,ぜひ病弱な単身高齢者や夫婦に対する新たな緊急通報システム導入の検討を進めていただきたいのであります。
また,
福祉除雪についてでありますが,除雪ボランティア制度を柔軟に運用し,地域コミュニティの醸成,地域福祉の一層の向上を図るとともに,実施主体は社会福祉協議会ですが,ぜひ区役所を初め,各局が一丸となって事業を成功するように努めていただきたいと思うのであります。
寝たきりの高齢者等への訪問美容
サービスについては,今年度内の早い時期に実施予定とのことであり,評価したいと思います。また,介護予防については,心の支えや地域のコミュニケーションが重要になると思いますので,地域における支え合いという要素を,より一層推進していただきたいのであります。
次に,
経済対策についてでありますが,都市型農業担い手確保対策について,我が会派も,これまで代表質問で取り上げてまいりましたが,ことし新たに担い手を養成するために開設されたさっぽろ農学校から,一人でも多く立派な農業者が育ってほしいと思うのであります。
また,商店街に対する支援策について,地域の核となる商店街の果たす役割は大きなものがありますので,活用実績のない空き店舗対策事業を強化して,より使いやすい制度に改めていただくよう求めておきます。
中小企業支援センターについては,新たに法人化されることに伴い,支援事業のより一層の充実強化と制度融資の弾力的な見直しに取り組んでいただくよう要望いたします。
次に,不法占用看板等の対策についてでありますが,道路占用上違法に置かれ,かつ歩行者の安全な通行を阻害している看板の対応については,行政の公平な観点からも,道路占用適正化事業が最も有効だと考えますので,できるだけ短期間で強力に推進していただくよう求めておきます。
また,歩道の凍結路面対策については,ぜひ早期に歩道散布の機械を完成して,歩道対策の強化を行うとともに,都心に置かれている砂箱を簡易で低廉なものにして,散布や管理は市民が担うパートナーシップ型の手法を確立していただくよう要望しておきます。
次に,住宅政策についてでありますが,
市営住宅における環境共生の
取り組みを環境共生住宅市街地モデル事業の趣旨に沿って積極的に進めるとともに,下野幌団地建てかえに当たっては,自然エネルギーの活用をぜひ図ってほしいと思うのであります。
また,
市営住宅の除雪支援事業について,平成10年に我が党からの質問を受けて,その年度から試験的に実施されてきていますが,早急に事業を予算化して,本格実施するように求めておきます。
市立札幌病院に関しては,医師のアルバイト問題について,二度とこのようなことが起きないよう,事の重大性をしっかりと認識していただきたいと強く求めるとともに,院外処方の全面発行に伴う検証に関連して,余剰となった薬剤師の業務転換とそれに伴う患者
サービスについては,薬害防止や医療事故防止のためにも,薬剤管理指導業務を全病棟,全入院患者に拡大して進めていくことを要望しておきます。
交通事業に関しては,
バス事業の分野を民間事業者に任せることの検討やイベントなどとのタイアップによる需要喚起及び促進策などの
取り組みを求めておきます。また,地下鉄車両連結部の転落防止対策について,とりわけ早期の改造計画のない東豊線車両に対して何らかの工夫をして,早期に対策を講じていただくとともに,地下鉄車内での携帯電話使用禁止強化策について,現状では十分とはいえないので,より一層指導強化を図るように要望いたします。
水道事業に関しては,検針制度の見直しについて,これまでも2カ月検針・2カ月収納サイクルへの早期移行について要望してまいりましたが,当局のご協力により移行期間が2年ほど短縮されることになりました。今後も,円滑な移行に向けて着実に準備を進めていただくよう求めておきます。
また,市民にとって,おいしい水の確保は大変関心が高く,市民
サービスの観点からも,札幌の水のおいしさをもっとアピールし,全国に誇れる水を供給していただきたいと思います。
以上が,本委員会の審議において,我が会派が取り上げてまいりました質疑等の概要であります。理事者におかれましては,提言や要望を十分にしんしゃくされ,市政執行に当たられるよう強く要望いたします。
終わりになりますが,21世紀を迎えた今日,時代は大転換期の真っただ中にあり,新たな時代にふさわしい将来を見据えた弾力的な
行財政運営が求められております。そのためにも,新しい柔軟な発想のもとで,新たな仕組みや手法を積極的に取り入れながら,来年度からの新たな
行財政改革には出資団体における改革を含めて取り組んでいただくことを強く求めて,私の討論を終わります。
◆岡千陽 委員 私は,日本共産党を代表し,本
決算特別委員会に付託されました2000年度の決算認定議案6件中,議案第1号 各会計歳入歳出決算認定の件中関係分,議案第2号 病院事業会計,議案第3号 中央卸売市場事業会計,議案第4号
交通事業会計の各決算認定の件については,反対の立場から,議案第5号 高速電車事業会計及び議案第6号 水道事業会計の決算認定の件については,賛成の立場から討論を行います。
まず,議案第1号 各
会計決算のついてです。
2000年度は新5年計画の初年度の予算として編成されましたが,その執行結果の特徴は,
行財政改革推進計画に基づき,老人クラブなどへの団体等補助金約1億円を初め,生活保護世帯へのお盆と年末の見舞金の法外援護を廃止するなど,特に弱い立場の人々を対象とした市民福祉の事業の抑制と切り捨てを進めるとともに,ポリオ予防接種,飲食店・喫茶店などの営業許可申請手数料,高等看護学院の授業料などの値上げを行い,桂市長の選挙時の任期中は公共料金は値上げしないの公約に違反し,市民負担を強化したことです。
その一方,総額200億円もの不要なコンベンションセンターの建設を行い,また,
北海道住宅供給公社に,昨年度から新たに20億円の貸し付けを行ったことなどは容認できないところです。
さらに,昨年9月には,都市局の建築技術担当部長が収賄容疑で逮捕され,道警の捜査を通して,市発注の建築工事において,市主導の組織的な落札業者の事前割りつけという,地方自治法違反・独占禁止法違反が繰り返されていたことが明らかになりましたが,これは結果として,市民に多大な損害を与えた行為でもあり,許されることではありません。このような内容の決算を認定できないのは当然です。
また,この都市局の本命割りつけ談合には,
市立病院や静療院の工事及び中央卸売市場の立体駐車場新築工事などが含まれており,我が党が,議案第2号 病院事業会計と第3号 中央卸売市場会計の決算認定に反対する理由でもあります。
次に,
一般会計と
特別会計にかかわる決算について,局別に主な反対理由や意見を述べます。
まず,保健福祉局についてです。
昨年度から試行的に実施した
福祉除雪ですが,公道部分の間口除雪を行うのに対して,市民税課税世帯1万円,非課税世帯5,000円の費用負担を強いたもので,市の利用見込みを大幅に下回った実態からも,費用負担が利用を妨げていることを物語っており,改めてこの冬の試行については無料で実施すべきことを指摘しておきます。
次に,保育所の整備ですが,ことし1月時点で890人もの保育所待機児童がおり,この解消のための保育所整備は緊急課題であり,待機児童の多い地域に急いで保育所の整備をすることを求めるとともに,公立と私立との保育費用の格差の是正を図るよう求めるものです。
次に,
介護保険についてですが,昨年10月から,1号被保険者の保険料半額徴収が始まり,この10月からは保険料の全額徴収とともに,保険料滞納者への制裁も開始されることから,低所得者に対する保険料の減免は緊急課題です。
既に6段階方式で基準額の25%でスタートさせた横浜市に続き,川崎市,大阪市,神戸市が,独自の
保険料軽減を実施し,この10月からは,仙台市,千葉市,京都市,広島市が,低所得者の
保険料軽減に踏み出しました。
横浜市は,低所得者の在宅
サービスの利用料についても福祉の予算で助成し,3%や5%の利用料に引き下げることも行っています。国に
介護保険制度の低所得者対策の改善・充実を求めるとともに,本市独自の軽減対策の速やかな実施を強く求めておきます。
次に,国民健康保険についてです。
深刻な不況の中,失業などで社会保険を離脱した市民の国保への加入が急増し,また国保加入者の所得も低下しています。その結果,国保加入者の1世帯当たりの所得は1992年,280万円であったものが,ついに昨年は141万円へと半減するに至りました。このような中で,
介護保険に移行する高齢者医療に伴う
一般会計の負担が25億7,000万円減るのに,その半額の12億8,500万円しか
保険料軽減に振り向けず,40歳から64歳までの国保加入者は介護分1万8,227円がプラスされ,1世帯平均でも1万1,795円値上げされたのです。
既に社会保険の3倍にもなっている高過ぎる本市の国保料引き下げを図るために,国に制度の抜本的改善を求めると同時に,市の繰り入れをふやし,保険料の軽減を図るべきです。高過ぎる保険料が保険料滞納世帯をつくり出していますが,これら滞納世帯に,この9月時点で実質的に病院にかかれない資格証明書を1万1,799世帯にも発行し,また,3カ月の短期保険証を1万4,900世帯に発行するなどは,余りにも冷たい市政であり,犠牲者が出ることさえ懸念されるものであり,速やかな改善を求めておきます。
しかも,本委員会で指摘したように,今年度一度もおくれることなく保険料を納めている世帯に,行政処分などと書いた特別催告書を発行し,事務的なミスとの答弁でしたが,市に対する不信感を増幅させていることは問題です。
次に,建設局についてです。
雪対策についてですが,札幌市雪対策基本計画に基づく10年計画であるアクションプログラムの問題点について,代表質問及び本委員会で取り上げました。
生活道路延長の約30%に当たる1,000キロメートルを計画除雪の名による週1回の除雪で済ませようとしていることや狭小道路用共同利用型融雪槽の導入で,市民負担を当然とするやり方は問題です。狭小道路も市の管理道路でありますから,市の責任で除排雪を徹底することを求めておきます。
また,坂道ロードヒーティングについてですが,勾配6%以下の84区画を対象に,凍結防止剤の散布に切りかえようとしておりますが,
経費削減先にありきではなく,安全性を優先して対応すべきであり,ロードヒーティングの廃止計画は撤回し,市民の願いにこたえ,勾配4%以下であっても,必要な区間には今後も増設するよう求めておきます。
次に,都市局についてです。
都心部熱事業についてですが,本年10月1日,株式会社北海道熱供給公社と札幌駅南口エネルギー供給株式会社が正式合併しましたが,本市は,熱供給公社に1986年以降6億円の出資を行い,駅南口エネルギー供給株式会社には,99年7,500万円,2000年1億5,000万円の出資をしてきました。
さらに今後,札幌エネルギー公社を合併していく計画になっていますが,同公社に対して86年以降,本市は5億4,000万円を出資し,95年以降毎年3,000万円の補助金を支出して,赤字の埋め合わせに市費を投じています。
既存の熱事業に多額の資金援助を繰り返し,黒字にして,民間の北ガスに都心部の熱事業全てを譲り渡すというやり方は,大企業に対する特別な支援として問題であります。
次に,
市営住宅についてですが,深刻な不況で市民所得が低下する中,
市営住宅の入居希望が大幅にふえ,競争倍率が56倍にもなる団地すら出ています。
市民ニーズにこたえて,
市営住宅の供給計画を見直し,拡大強化を図るとともに,緊急に整備を進めるよう強く求めておきます。
また,家賃減免制度の改悪を自民党がたびたび要求していますが,公営住宅法は憲法第25条に基づき制定された生存権保障の住宅対策です。生活保護基準と同等以下の世帯が家賃の免除を受けるのは当然であり,我が党議員の追及で家賃減免制度の改善を,当時の建築局長が約束していながら,財政難を理由に,減免対象家賃を1982年以来20年という長期間にわたって,政令月収を3万8,000円に据え置き,生活保護基準の引き上げとの乖離をつくり出していることこそが問題であり,家賃減免制度の改悪ではなく,対象世帯を広げる拡充改善こそ強く求めておきます。
次に,団地造成会計についてです。
篠路地区住宅団地は,昨年度で会計が閉鎖されましたが,造成分譲対象区画801区画のうち,昨年度中までに分譲できたのは264区画のみで,戸建て住宅地517区画,その他20区画は未分譲のまま96億8,000万円でまちづくり推進基金に所管がえがなされ,また,この間の分譲基準単価を引き下げてきた結果,基金の損失を3億6,700万円も生じさせており,市長の結果責任を問う立場から,決算の認定は容認できません。
次に,経済局についてです。
商店街対策についてですが,市長は,我が党の代表質問に対する答弁で,小売業者は近年の消費低迷や大型店の出店による影響などから,厳しい状況にあるとの認識を示しながら,一方で東区のジャスコ元町店の出店は建築基準法の特例許可までして認めているのが問題です。地元商店街の閉店や既存大型店の撤退なども含め,住民生活に深刻な影響を与える身勝手な大型店出店に歯どめをかけるためにも,大規模小売店舗立地法にもかかわる街づくり条例をつくることを強く求めておきます。
次に,議案第4号
交通事業会計決算についてですが,我が党の反対を押し切って,市営
交通事業の経営健全化回復策によって,市営バス路線の3分の1に当たる25路線を民間バス会社に移譲する計画が建てられ,2000年度はその初年度として,一部移譲の3路線を含む11路線がJRバス,じょうてつバス,中央バスに移行されました。
来年2月からの規制緩和後は,これら移譲路線が市営のときと同じように維持されるのかは不明であり,市民の足である生活路線が不採算路線として切り捨てられるなど,市民
サービスの低下を招く懸念もあり,これらを内容とする決算は容認できないところであります。
以上で,私の討論を終わります。
◆田中昭男 委員 私は,ただいまから新政クラブを代表し,本委員会に付託をされました平成12年度各
会計決算につきまして,これを認定する立場から簡潔に討論を行います。
平成12年度予算は,新たにスタートする5年計画の初年度という重要な年に当たり,策定中の計画に盛り込まれる各種の施策を計画的に推進するとともに,
行財政改革推進計画を着実に推進することを基本として,
事務事業全般の見直し,再構築を進め,限られた財源の有効活用を図るため,施策の優先順位を厳しく選択し,計画的・重点的に予算配分したものとなりました。
この予算の執行に当たっては,
市税収入が景気低迷等による個人市民税の落ち込み等により減少する一方で,扶助費や公債費等の義務的な経費の増大により,非常に厳しい
財政運営を強いられる中で,歳入については収入状況を的確に把握した上で,可能な限り早期の増収に努め,歳出については,その効率的・効果的な執行に努めた結果,決算においては,各会計ともに所期の目的を達成したものと評価するものであります。
そこで,本委員会において,我が会派が質疑,提言してまいりました諸課題等につきまして,述べてまいりたいと存じます。
最初に,コールセンターについてであります。
本市は,札幌の特性を生かした産業の振興策として,コールセンタービジネスの振興・誘致事業を積極的に推進してきており,私はこれまでの雇用数を含む誘致実績に対して大いに評価をするものでありますが,今後は,本市の優位性をさらに高めるためにも,補助制度を拡充強化するとともに,こうした明るい話題については,市民にもっと積極的にPRするよう,施策として取り組むことを求めておきます。
また,藻岩山観光振興ビジョン策定事業については,函館山に劣らないすばらしい夜景を持つ藻岩山は,観光資源として十分に生かされていないと思いますので,自然と調和したビジョンの策定をできるだけ早期に実現するよう強く要望いたします。
次に,雪目的税についてであります。
私は,ことしの予算
特別委員会及びさきの第2回定例会における代表質問において,札幌市財源に関する研究会の報告にある雪対策のための税について,反対の立場で質問してまいりました。本市の雪対策における除雪パートナーシップ制度は,現在,本市が進めている市民,行政とがお互いに役割を担いながら協働していくパートナーシップのまさに先駆けとなるもので,大いに評価するものであります。
こうした中,市民への理解,議論が不十分なまま雪目的税が導入されると,税の二重払いという反発とともに,本制度の根幹を揺るがし,除雪業務そのものに支障を来すのではないかと懸念をしております。したがって,建設局として慎重に対応することはもとより,本市としても研究会という機関だけによる検討ではなく,法定外税導入のプロセスについては,より十分な検討を求めておきます。
次に,小野幌川にかかる佐藤橋下流の新設橋梁の整備についてであります。
この新設橋梁については,地域住民の合意を得るため,10年以上長い期間を要しておりますが,交通安全上,また地域発展のためにも,非常に重要な橋梁であると考えますので,早期に工事着手され,一日も早い完成を強く要望いたします。
次に,
市立札幌病院の医師による営利企業等従事制限違反等にかかわる公務員倫理の徹底についてであります。
私は,昨年の第3回定例会の代表質問において,不祥事に対しては厳正な措置と徹底的な原因究明,そして
再発防止に全力を尽くすべきであり,そのためには,職員の意識改革に取り組むべきであると質問いたしましたが,今回,
市立札幌病院において,8診療科15名の医師がアルバイト診療を行っていたとして,営利企業等従事制限違反等により処分を受けたことは,通常の不祥事とは違う構造的な組織としてのモラルハザードがあると考えるのであります。
また,処分理由の他の医療提供施設からの依頼による医師としての使命感による行為という表現について,実態とかけ離れており,単なる言いわけや弁解に過ぎないものであると指摘せざるをえません。
今回の件について,医師職というとらえではなく,組織全体の問題として徹底的な
再発防止に向けた
取り組みを求めておきます。
以上,平成12年度決算及び関連する諸課題について,提言や要望を申し上げてまいりました。理事者におかれては,これらを十分考慮されて市政を執行されるよう要望いたします。
終わりになりますが,本市の財政を見ますと,
市税収入は引き続き厳しいと見込まれる一方で,歳出は,扶助費や公債費といった
義務的経費の大幅な増が避けられないなど,依然として厳しい
財政環境の中で,
少子高齢化社会への対応,
地域経済の活性化,循環型社会構築の要請など,多くの行政需要に今後とも的確に対応していくことが必要であります。
したがって,今後の
行財政運営に当たっては,将来を見据えて,これまで以上に徹底した新たな
行政改革を推進するとともに,事務事業の適正かつ効率的・効果的な執行に一層努力されることを強く求めて,私の討論といたします。
◆小林郁子 委員 私は,市民ネットワークとして,第二部
決算特別委員会に付託された議案について,認定する立場から討論いたします。
2000年度は,
市税収入が前年度費5.2%減,歳入総額においても4.7%減となるなど,厳しい歳入状況が続いています。その中で,支出の節減を図るなどにより,実質収支は18億円のプラスとなっていますが,起債制限比率が10.5%と年ごとに高くなっており,将来的には財政構造の硬直化が大いに懸念されます。そのような中で,市民ネットワークは事業の優先性や市民意思の反映,費用対効果,市民参加度,今後の課題などの観点から,委員会審議に臨んでまいりました。
以下,費目ごとに見解を申し上げます。
初めに,保健福祉費についてです。
社会福祉費について申し上げます。
障害児の療育支援体制について,療育支援体制基本計画検討委員会の答申が出てから2年近くたちますが,答申内容にある総合支援センターの設置や五つの地域療育圏に分けての療育体制整備が進んでいない状況です。
現在,地域療育推進協議会で協議しているとのことですが,乳幼児期から成人に至るまで,生涯の療育を見通した支援システムが求められています。また,施策の策定に当たっては,保護者から意見を聴取するなど,幅広く検討するべきです。
自閉症者の支援対策については,本市にある児童のための自閉症施設のぞみ学園に成人してからもとどまらざるを得ない状況から,自閉症センターが計画されています。
その機能として,医療,福祉,教育,労働の分野における相談・援助を行うコーディネーターを配置すること,入所施設と在宅
サービス事業を効果的に組み合わせることにより,地域での生活を可能とさせる総合的な支援センターとしての役割を担うものとするべきです。
児童福祉費についてです。
児童虐待件数が99年度は137件,2000年度は252件と年ごとにふえる状況にあります。しかも,この児童相談所の扱う件数は氷山の一角とも言われています。地域のつき合いも薄れている社会状況の中で,孤立する若い母親が子育てに悩む姿が浮かんできます。
本市は,児童会館100館,保育園7園を利用して子育てサロンを実施していますが,各館週に1回10時から11時半までという極めて限られたものであり,子育て不安が社会問題化している中では不十分な展開となっています。
東京都などでは,身近なところに常設で,子供と母親のたまり場を設置しており,厚生労働省でもつどいの広場事業を来年度補助対象事業として予算化する予定です。いずれの場合も,NPOなどに運営を委託して行うものです。
子育てサロンの参加者が増加している現状は,つどいの広場的な事業が求められている証左であり,身近な児童会館などを利用し,地域で活動するNPOの力を活用して,常設のものを早急に設置するなどの対策を講じるべきです。
老人福祉費及び
介護保険会計についてです。
昨年4月に,
介護保険制度が導入され,高齢者福祉が大きく変わりました。
介護保険外の市独自の施策としては,介護予防観点からの施策の展開が重要になっています。現在,ミニ・デイ
サービス機能を持つすこやかクラブとB型機能訓練が実施されていますが,多様化するニーズにこたえるには十分とは言えない状態です。今後,きめ細かく柔軟な
サービスを行うためには,生活者として地域ニーズを把握しているNPOの存在は欠かせないものであり,NPOと協働で高齢者で地域で支え合う介護予防事業を推進していくことが重要と考えます。
介護保険制度については,開始後1年半経過し,幾つかの課題が明らかになっています。在宅
サービスの要と言えるホームヘルプ
サービスの報酬が,身体介護,家事援助,複合型に分類されていることの非合理性,移動や事務などにかかる間接経費の問題,さらに札幌の地域性からくる積雪など,冬期間の移動や除雪にかかる時間と経費の問題などを指摘いたしました。ことし10月から実施されている
サービス利用者調査などにおいて実態を十分把握し,
介護保険事業計画推進委員会などの場で,市民議論を経て改善策を検討すべきです。
保健衛生費に係る高等看護学院の大学化構想についてです。
9月に,市長から大学化構想が発表されましたが,このように企画の段階から公表し,市民議論に付していく施策遂行のあり方を評価するものです。
国の看護職員の需給見通しによりますと,2005年には全国で5,000人余,うち北海道はその3分の1に当たる1,700人程度が供給不足になるとしております。また,高等看護学院の入学志願倍率が2000年度は8倍,卒業者の約1割が看護系大学に進学するなどの状況を見ても,高等教育に対する需要は高いと思われます。
看護職員を取り巻く環境は,臓器移植など医療が高度化するとともに,病院や在宅で療養する方への全人的な介護業務が期待されており,看護職には医療の知識に加え,心理,人間関係など,幅広い知識と教養が求められています。このような社会の要請にこたえるとともに,札幌市みずからが大学化する意義として,地域への貢献が重視されなければなりません。
今後,超高齢化社会を迎えるに当たり,
介護保険計画などの政策立案や現役の看護職員が常に研さん学習する場として,また地域で働く看護職員を支援する機能を備えることなどを十分考慮すべきです。
次に,土木費についてです。
現在,道路特定財源の見直しについて,国で議論されていますが,この結果によっては,毎年,特定財源の地方費だけで194億円,全体で300億円以上歳入している札幌市の道路行政も見直しが必要になります。