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平成13年第二部決算特別委員会−10月04日-02号
平成13年第一部決算特別委員会−10月04日-02号

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  1. 札幌市議会 2001-10-04
    平成13年第二部決算特別委員会−10月04日-02号


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    平成13年第二部決算特別委員会−10月04日-02号平成13年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第2号)                 平成13年10月4日(木曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  荒 川 尚 次 君       副委員長   小 田 信 孝 君     委   員  高 橋 忠 明 君       委   員  大 越 誠 幸 君     委   員  武 市 憲 一 君       委   員  村 山 優 治 君     委   員  千 葉 英 守 君       委   員  上瀬戸 正 則 君     委   員  三 上 洋 右 君       委   員  馬 場 泰 年 君     委   員  勝 木 勇 人 君       委   員  鈴 木 健 雄 君     委   員  高 橋 克 朋 君       委   員  村 松 正 海 君     委   員  五十嵐 徳 美 君       委   員  湊 谷   隆 君     委   員  伊与部 敏 雄 君       委   員  西 村 茂 樹 君     委   員  大 西 利 夫 君       委   員  大 嶋   薫 君     委   員  藤 原 廣 昭 君       委   員  本 舘 嘉 三 君     委   員  柿 崎   勲 君       委   員  義 卜 雄 一 君     委   員  高 橋   功 君       委   員  青 山 浪 子 君     委   員  飯 坂 宗 子 君       委   員  小 川 勝 美 君
        委   員  井 上 ひさ子 君       委   員  坂 本 恭 子 君     委   員  岡   千 陽 君       委   員  田 中 昭 男 君     委   員  小 林 郁 子 君       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時 ○荒川尚次 委員長  ただいまから,第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,堀川委員は,勝木委員と交代する旨届け出がございました。  なお,審議に先立ちまして,審査方法について理事会で申し合わせをいたしましたので,ご報告をいたします。  質疑者及び答弁者は,起立して発言をしていただきます。  答弁を行います部長及び課長は,冒頭に職,氏名を名乗ってから発言をしていただきます。答弁が続行する場合は,最初だけで結構です。  また,効率的な審査を行うため,質疑及び答弁は簡潔を旨とし,内容の重複等は極力避けながら,定められた審査日程を予定どおり消化できるよう,よろしくご協力をお願いいたします。  それでは,議事に入ります。  議案第1号 平成12年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件中関係分ほか,付託議案5件を一括議題といたします。  最初に,第3款 保健福祉費 第1項 社会福祉費の質疑を行います。 ◆藤原廣昭 委員  私は,大きく6点質問をいたします。  その第1は,障害者団体の補助や委託事業について。第2は,点字図書の給付状況と点字毎日新聞への助成について。第3は,災害弱者対応防災マニュアルの作成の件について。第4は,知的障害者ガイドヘルパー養成派遣事業について。第5は,全身性重度重複障害者公的介護保障の充実について。第6は,精神障害者交通費助成制度の充実についてであります。  6項目ありますので,最初に前段の大きな3点を質問させていただいてから,後段に移らせていただきたいと思います。  最初の質問は,障害者団体の補助及び委託事業についてであります。  札幌市身体障害者協会が,法人化をされてから約30年ぐらいたつのではないかというふうに思うわけであります。また,いろいろな障害者団体もふえてきているわけであります。  質問の第1点目は,札幌市身体障害者福祉協会及びスポーツ協会の加盟団体数についてお伺いいたします。  質問の第2点目は,これらの協会を通す補助金などの理由についてお伺いをいたします。  続いて,点字図書の給付状況と点字毎日新聞への助成についてであります。  現在,本市にあります視覚障害者の団体においては,毎日,月曜日から金曜日まで日経新聞の新聞記事を参考にしながら,点字で記事を数項目打ち出して,翌日には希望者のところへ郵送をしている状況にあります。  また,最近は,中途失明者もふえてきているわけでありまして,こうした視覚障害者へのさまざまな福祉政策は,全国の市町村でも徐々にではありますが,少しずつふえてきております。私どもが調べた中でも,全国の市町村のうち約50カ所程度は,こうした点字毎日新聞などへの助成を行っているわけであります。  質問の第1点目は,本市における点字図書の給付状況及び点字毎日新聞の助成について,どのように考えているのかお伺いをいたします。  次は,災害弱者対応防災マニュアルの作成についてであります。  阪神・淡路大震災以降,本市でも防災計画が大幅に見直しがされました。今回,このような中で,防災マニュアルの作成に至ったと思うわけでありますけれども,質問の第1点目として,さらに具体的に,今回の災害弱者対応防災マニュアルの作成目的についてお伺いいたします。  質問の第2点目は,昨年12月号の広報さっぽろで市民から意見募集を行いましたが,年末の忙しい時期に,そしてまた,締め切りが12月28日までという状況になっているわけであります。私どもに寄せられた声では,こうした募集の時期がもう少し配慮できなかったのかというようなことも多く寄せられているわけでありますけれども,これらの作成計画がどのようになっていたのか,お伺いいたします。  3点目の質問は,この募集で,どの程度の意見要望が出され,その後どのようにこのマニュアルがまとめられていったのか。  まず,この大きな3項目についてお伺いをいたします。 ◎相沢 障害福祉担当部長  まず初めの障害者団体の件でございますけれども,現在,札幌市身体障害者福祉協会に加盟している団体数は七つございます。それから,札幌市障害者スポーツ振興協会には11の団体が加盟しております。  この協会を通しまして各種補助金等を交付しているわけでございますけれども,まず,身体障害者協会,これにつきましては,3団体に身体障害者福祉協会を通じて運営費補助金を出しております。  また,札幌市障害者スポーツ振興協会に対しましては,11の団体が加入しているわけでございますけれども,このスポーツ協会そのものが,障害者全体のスポーツを振興するために各障害者団体が自主・自立の精神で設立したものであり,障害者の各種スポーツ大会への参加補助金につきましても,この団体が主体的な窓口となることで加盟団体が合意しているものと,私どもは考えております。  次に,点字図書の件でございますけれども,昨年,私どもで給付しました点字図書につきましては,実施要綱に基づきお一人につき年間24巻を限度として給付している状況でございます。昨年度で申し上げますと,給付件数は48件でございます。  それから次に,点字新聞の件でございますけれども,点字新聞に対する考え方といたしましては,私ども,新聞というものは所得の多寡にかかわらず,どなたでもご自分で購読しているものであると考えますので,ご理解をいただきたいと思います。  次に,災害弱者対応防災マニュアルについてでございます。  まず,1点目のマニュアルの作成の目的についてでございますが,地震等の発生時において,障害のある方や高齢の方など,災害弱者と思われる方々の被害を最小限に食いとめるために必要な具体的事項をまとめ,災害弱者や地域の方々の防災活動の参考としていただくことを目的としております。  2点目の市民意見の募集とその意見の反映についてでございますけれども,一般の方からの意見の募集は,お話にございましたとおり,昨年の12月号の広報さっぽろで募集しました。また,ホームページにおいてPRをいたしますとともに,意見募集用紙の郵送,ファクス,Eメールなどにより,12月28日までの期限で募集したものでございます。  ご指摘のありましたとおり,今後,市民の方からの意見を募集するに当たりましては,募集期間について,十分留意してまいりたいと,このように考えております。  3点目の取りまとめた素案に対する再度の市民意見聴取でありますが,地域で活動している自主防災組織や福祉のまち推進センター地域防災ボランティアの方々などで構成する懇話会を設置し,検討,策定に当たったことで,この趣旨はご理解いただけたものと考えております。  以上でございます。 ◆藤原廣昭 委員  最初に,視覚障害者の新聞です。年間の購読料は2万円ぐらいで,月割にすれば安いとも高いとも言える数字ではありますけれども,点字毎日という新聞,1社しか点字として扱っていないわけですね。  先ほども申し上げましたように,札幌市の視覚障害者の団体の皆さんは,日経新聞を読んでいただいて,その重要なところを何項目かに限ってやっていると。しかし,毎週発行される部分については,かなりのボリュームがありまして,情報は耳でも聞こえますけれども,やはり点字によってまた何回も読み直すことができるという利便性もあるわけでありまして,これらについては,ぜひ,今後の検討課題としていただいて,実現に向けて努力をしていただきたいと思います。  次に,札幌市身体障害者福祉協会,またはスポーツ団体でありますけれども,私どもに寄せられている声の中では,ある団体に対して,運営費や補助金は別でしょうけれども,それ以外の助成あるいは補助を申請したお金が非常に遅いということが言われております。  例えば,ことしの3月の時点で,新年度のさまざまな事業等の打ち合わせをした際に,本州のA地区で開催をされる場合にはどの程度の費用がかかるか。あるいはこのぐらいが認められるということを,それぞれ当事者間の中で確認をしていると思うのです。それが,5月の末に行って帰ってきて,申請をしたけれども10月1日まで,つい最近まで払われなかったという事実があるわけであります。  協会の人方もいろんな仕事をやっていますからお忙しいことと思いますけれども,通常ではちょっと考えられない。  やはり,個人負担ですとかその団体のいろんな会費ですとか,そういう活用できるもので何がしのお金は工面をしているのでしょうけれども,やはり立てかえた個人の皆さんについては,いつそれがもらえるのだろうかと。  団体の責任者も,余りにも払われない期間が長いものですから,何か自分が疑われるというか,板挟みにもあって大変苦慮しているわけでありますけれども,この辺についてどのように考えているのか,今後の対策も含めてお伺いをしたいと思います。  また,災害防災マニュアルの関係でありますけれども,私どもが調べた中では,そうしたメールやファクス等に寄せられた市民の意見というものは10件に満たないのではないかというふうに調査をしているわけであります。たくさんあったからいいということではありませんけれども,先ほど,今後,そうしたことについての取り組みについては十分配慮をしたいということでありますので,今後,さらに気をつけていただきたいと思います。  災害弱者と言われる高齢者の皆さん,特に視覚障害の皆さんに,この防災マニュアルがどのような形で伝えられるのか,配付をされているのか,この辺についてお伺いをしたいと思います。 ◎相沢 障害福祉担当部長  補助金の交付がおくれていることと,その指導についてでございますけれども,一部の障害者スポーツ大会への参加補助金の手続きがおくれているものがありますことは,私どもも非常に残念に思っております。  したがいまして,補助金の取り扱い窓口であります札幌市障害者スポーツ振興協会へは,迅速で的確な事務処理を行うよう強く指導いたしますし,今後,このようなことのないように行ってまいりたいと考えております。  次に,防災マニュアルの配付先等についてでございますけれども,この防災マニュアルは,11月1日をめどに市民の方に配付を行えるよう,現在準備を進めているところでございます。また,この印刷は冊子型の本編4,000部とリーフレット型の概要版3万部を作成しようと思っておりますけれども,このほかに,点字版もご希望に沿えるよう配慮してまいりたいと考えております。  また,配付先といたしましては,連合町内会単位町内会,障害者や高齢者の団体,学校や会館などの避難場所や各消防署などに配付するとともに,区役所を通じまして,希望者に配付する予定でございます。  以上でございます。 ◆藤原廣昭 委員  要望を申し上げて,次の大きな項目に移りたいと思いますけれども,障害者のスポーツ団体が取り扱っている補助金などについて,いろいろお話を聞きますと,銀行振り込みではなくて,そこの団体の方が現金を持ってこられるケースが多いということなのですね。事務局の方もお忙しいと思いますし,また,部長の今の答弁のように,迅速というようなこともありますので,そういう多額のお金を扱う意味からも,やはり銀行振り込みなどによって,そういったことが適宜に行われるように要望をしておきたいと思います。  また,防災マニュアルの関係でありますけれども,今,点字なども一部製本をするということでありますけれども,やはり,中途失明者の皆さんはなかなか点字を読み取るということが難しい場合が多いのでありまして,ぜひ,希望があればカセットテープですとかそうしたもので,中途失明者以外の方も対応できますので,そうしたことも十分,今後実現できるように努力をしていただきたいと思います。  次に,知的障害者ガイドヘルパー養成派遣事業について,お伺いをいたします。  このガイドヘルパー養成派遣事業については,昨年7月7日に,厚生省の障害保健福祉部長より,従前の心身障害児(者)ホームヘルプサービス事業を廃止し,障害児・知的障害者ホームヘルプサービス事業として内容を明確にして取り組むべきだという通知などが出されて,実施をされたわけであります。  本市においても,ことしの7月から実施をされているわけでありますけれども,このガイドヘルパーの内容については,身体の介護に関すること,二つ目には家事に関すること,三つ目には相談,助言指導に関すること,四つ目に外出時における移動の介護,これは知的障害者に限るとなっているわけでありますけれども,そうした内容になっています。  本市でも,ことし4月に,札幌市知的障害者ガイドヘルパー養成派遣事業実施要綱などが定められて,7月からこの事業が実施されているわけであります。対象を見ますと,療育手帳のAの人しか対象になっていない,AにするかBにするかというのは,本市の判断である程度の拡大ができるわけでありますけれども,18歳以上という限定,いろいろお聞きをすれば,18歳以下の方は,親が世話をする義務があるというような国の考え方でありますが,家族の皆さんからは,やはり高校やあるいは中学校,あるいは小学校,中には障害の子供さんが1人ではない方もいらっしゃるわけでありまして,ぜひそうしたガイドヘルパーの活用などを年齢に関係なく,そしてまた,国の基準では通勤や通学,あるいは小規模授産所などへの通所は認められないということが加えられているわけでありますけれども,こうした状況の中で,本市では,7月1日からの実施に向けて,療育手帳Aの方がどの程度申請をされたのか,1点目にお伺いをしたいと思います。  今月の広報さっぽろにも,同ヘルパーの採用時研修というものが掲載をされているわけでありますけれども,この採用研修というものは,国の基準でも採用のときと1年間に数回行うということが明記をされているのであります。これまでのこうしたガイドヘルパーの研修養成がどのような状況になっているのか,お伺いをしたいと思います。  次に,全身性重度重複障害者の公的24時間ホームヘルプサービス事業の充実についてでありますけれども,これらの事業の基本的な考え方というのは,障害の軽い人には,それに見合う分のサービス派遣,障害の重い人には,個々に必要な介護を必要な量だけサービス派遣することだと言えると思うわけであります。  1994年度より,当時の厚生省は,ホームヘルプサービス事業における派遣上限の週28時間の撤廃を全国の市町村に指導してきたのでありますけれども,本市においては,平成12年度になってから初めてこれが解消されたわけであります。しかし,その実施要綱の中には,国の指導などに基づいて週28時間という上限を撤廃はするけれども,その内部規定の中には28時間という数字が生きておりまして,当事者の皆さん方からもこれらに対する陳情などが上り,厚生常任委員会でも審議をしてきたところであります。  本市においても,財政上の問題ですとか,介護保険との利用制限との整合性を図るためだというさまざまな理由で,これらの拡大がなかなか進んでいないわけであります。  こうした状況についてどのようにお考えになっているのか,お伺いをしたいと思うわけであります。  特に,内部規定の週28時間という枠を今後撤廃すべきだと思うわけでありますけれども,この点についてどのように考えているのか,お伺いをいたします。  質問の2点目は,先ほど申し上げたように,現在,四つの公的介護によって,当事者の皆さん方にサービスが営まれているわけでありますけれども,しかし,1日当たりに直しますと約13.7時間というごく短い時間でありまして,残りの11時間はボランティアの皆さんや,あるいは1人で孤独な状況となっているのが現状であります。  今後,この24時間の公的介護保障に向けてどのように取り組んでいく考えなのか,お伺いをしたいと思います。  次は,精神障害者交通費助成の関係についてであります。  本市においても,平成10年5月から精神障害者交通費助成を実施して,交付手帳1級,2級の対象の方には初年度は2万円,3級の方には1万円を助成し,今年度からは1級,2級の方には4万円,3級の方には2万円という状況になっているわけであります。  知的障害者身体障害者の皆さんにおいては,法的な根拠に基づいて交通費助成公的交通機関の交通費の割り引きというものが,かなり以前からされていたわけでありますけれども,精神障害者及び回復者の皆さんについては,法的な根拠がない中で,全国的にもいろいろな形で進められて,本市においても平成10年から実施をしてきているわけであります。  こうした取り組みを,今後どのようにされていくのかということでありますけれども,知的あるいは障害者の皆さんの福祉パスを見ますと,例えば,平成11年度と12年度の積算根拠は,乗車習慣,交通の単価というのが全く同じでありますけれども,平成13年度においては,市営交通バスが一部民間に路線を移譲したとはいえ,乗車習慣が平成11年度や12年度とかなり大きく違った数字で当てはめられているわけでありまして,単価についても同じようなことが言えるわけであります。  この福祉パスにかかわる乗車習慣,単価の定義というものがどういうものかについて,お伺いを申し上げます。 ◎相沢 障害福祉担当部長  まず初めに,知的障害者ガイドヘルパーの件でございますけれども,お話のとおり,知的障害者ガイドヘルパー養成派遣事業につきましては,実施要綱に基づき本年7月から新規事業として開始いたしました。現在,利用されている知的障害者の方は47名でございます。また,このガイドヘルパーの養成研修でございますが,実施要綱に基づきまして平成12年度から年2回,各回30人の定員で4日間のカリキュラムを実施しております。  研修の内容といたしましては,福祉制度の概要や障害者の方との交流など,実践的な活動,実習をしていただいております。  現在,79名の方がガイドヘルパーとして登録されております。  派遣対象の拡大ということでございますが,年齢の点も含め,ことし7月から始めた新規事業でございますので,今年度の派遣状況,利用状況等を十分に検証いたしまして,検討してまいりたいと考えております。  次に,全身性重度障害者ホームヘルプサービスでございますが,ホームヘルプサービス事業において週28時間を上限とする取り扱いにつきましては,さきの厚生委員会の陳情審査でもご説明いたしましたとおり,やはり予算上の制約からやむなく28時間という上限を設けたところでございます。したがいまして,ホームヘルプサービス事業を初め,四つの事業全体の時間数を確保する中で対応してまいりたいと考えております。  24時間のホームヘルプサービスでございますが,やはり24時間すべてを介護制度で埋めるということは,訪問看護制度などほかの制度もありますことから,現時点においては現実的ではないと考えております。したがって,これらのことも加味しながら,今後,具体的に検討してまいりたいと考えております。  次に,精神障害者交通費助成についてでございますが,平成12年度の利用実態を検証いたしました結果,交通事業者別乗車割合で見ますと,市営交通が72.1%,それに対しまして民間バス等が3社合計で27.9%の割合となっております。  精神障害者交通費助成につきましては,札幌市全体の交通体系を考えますときに,やはり民間事業者の理解,協力なくしてはできないものと考えております。  したがいまして,私どもは昨年度から各交通事業者と折衝を重ねてまいりましたが,本事業の実施については各事業者とも消極的でございます。その理由といたしましては,やはり今の厳しい各経営状況の中で,心身障害者と同様な方法で行うことは難しいということでございます。もう少し具体的に申しますと,精神障害者の場合の交通費助成について,心身障害者と同様な助成額では協力はできないと,それは難しいというのが主な理由であると私どもは推測しております。  いずれにいたしましても,私どもといたしましては,各交通事業者の理解を得るよう,今後とも粘り強く交渉を進めてまいりたいというふうに考えております。  以上です。 ◆藤原廣昭 委員  知的障害者ガイドヘルパー養成派遣事業については,ことしから始まったばかりではありますけれども,ぜひ,知的障害の当事者あるいは家族の皆さんから,先ほど申し上げたような強い声があることを十分承知していただいて,厚生労働省などにも,ぜひそうした声を反映していただきたいと思います。また,療育手帳Bの対象についても,この制度を実施をする中から,ぜひ拡大の方向で検討していただきたいというふうに思うわけであります。  続いて,全身性重度重複障害者の週28時間の上限の関係でありますけれども,こうした対象者の皆さんも,すべてが上限が撤廃されたから好きなだけこのホームヘルプサービス事業を使おうということは,毛頭考えていないというふうに思うわけです。本当に必要なときに,この週28時間枠にこだわることなく利用できる,利用してもらえる制度が,今早急に求められているのではないかと思うわけであります。  再質問の第1点目は,以上の視点に立ち,当事者の方々と今までもいろいろな話し合いの場というのを設けていると思うのでありますけれども,内部規定を廃止するに当たってのルールづくりに向けた協議,または正式な話し合いの場を一緒に持つべきではないかというふうに考えるわけであります。  このことについてどのように考えているのか,お伺いいたします。  この関係の再質問の2点目は,先ほども申し上げたように,現在,四つの公的介護サービスで,対象者の人が約67名ぐらい市内に生活をしているわけであります。在宅の公的サービスの費用は1人73万円で,年間約876万円,施設入所では1人当たり39万円で,年間468万円となるわけでありますけれども,仮に,これが24時間何らかの公的サービスによる1人当たりの費用は,年間約2,000万円で実施ができるというふうな試算が厚生委員会でも報告をされているわけであります。仮に,67人だとして,この2,000万円がある程度根拠のある数字であれば,13億4,000万円の本市の予算で,こうした全身性重度重複障害者の皆さんの希望に沿えることが可能になってくるわけでありますけれども,こうしたことについてどのように考えているのか,お伺いしたいと思います。  再質問の第3点目は,ご承知のとおり,これらの費用は,国が2分の1で,実施をする市町村が2分の1となっております。厚生委員会でも,私どもの伊与部議員が,北海道庁としての応分の負担をしていないと。やはり国民であり道民であり市民である,その観点から道についても一定の負担を求めていくべきではないかということに対する答弁では,他の府県,政令都市との関係なども調査をして,今後,道庁に対して働きかけていきたいということでありました。  すぐにできるとは思いませんが,今,道も札幌市と同じように予算編成の時期でありますので,こうしたことが伝えられているのかどうか,お伺いをしたいと思うわけであります。  続いて,精神障害者及び回復者の交通費助成であります。  これらについては,この間も4万円あるいは2万円のウィズユーカードがおおむね半年ぐらいでなくなってしまうということが,全体の60%ぐらいの数字として出ているわけであります。ただいまも交通事業者の協力が得られないということでありますけれども,先ほど申し上げたように,知的や身体障害者の皆さんは,法律でそうしたことが各交通事業者に義務づけられていて,また免許取得の際にもそういうことが課せられているわけであります。しかし,同じ障害者でありながら,精神障害者がこうした蚊帳の外に置かれているような状況については,やはり問題があるのではないかというふうに思うわけであります。  私どももあらゆる場を通じて,国などにもこうしたことを伝えていかなければいけないわけでありますけれども,例えば,現在の知的・身体障害者の皆さんが利用した際に,市営交通あるいは民間の交通機関に,国からその利用した分のお金が支払われているのかというと全く支払われていない。それは公的な交通機関としての義務として取り扱われているわけです。  確かに,今日の厳しい経済状況でありますから,本市の交通局や民間の交通事業者においても,そうした出費をこれ以上ふやすということは,経営上,大変問題もあるわけであります。  やはり精神障害者が他の障害者と比べて,長くそうした隔離政策,社会から持たれていた偏見をなくしていくためにも,そしてまた,アフターケアの面からも社会にどんどん出ていって,そうした取り組みをしていくことが,今強く望まれています。その中で,もっと市内あるいは近隣の交通事業者の,そうした視点での協力というものを,本市が強く理解と協力を求めていくことが必要ではないかと考えるわけでありますが,この点についてどのように考えているのか,お伺いをしたいというふうに思います。 ◎相沢 障害福祉担当部長  まず初めに,全身性重度障害者の方とのいろんな問題につきましての話し合いでございますけれども,今までも機会あるごとに話し合いの場を重ねてきたわけでございます。今後とも全身性障害者の方のご意見を謙虚に受けとめ,またどういうふうに反映させることができるか,そういう場を設けてまいりたいというふうに考えております。  次に,24時間のホームヘルプサービスでは,67名の方全員で13億4,000万円というお話でございますけれども,さきの厚生委員会でもお話ししましたとおり,49名中24時間を希望しないという方は31名でございました。といいますのとは,やはり多くの方が必ずしも24時間の介護は求めないと。  それにはいろいろ理由がございます。夜中にかぎをあけられてくるのは嫌だとか,いろんな理由がございます。いずれにいたしましても,先ほどお話ししたとおり,行政がすべてこの24時間という介護を埋めていくのか。ボランティアの方とか,まだほかに制度として活用できるもの,そういうものを活用しながら24時間という溝を埋めていくことが現実的でないかというふうに思っています。
     それから次に,道の負担関係でございますけれども,確かに札幌市の全身性重度障害の方はかなりの数とまではいきませんけれども,他市町村,道外からお見えになっている方もいらっしゃいます。この件につきまして,二,三の指定都市にお伺いいたしましたところ,やはりどのような理由があっても,市民となった以上は,その自治体で見ていくというのがやはり筋ではないかというご意見でありましたし,私もそういうふうに考えております。  交通事業者に対する協力を求めていくべきということでございますけれども,やはり,先ほども申しましたとおり,この事業を心身障害者と同じような方法にするためには,確かに法律的,制度的な不備もございます。私どもとしては,少しでも心身障害者と同じような方法にしていただきたいという障害者の方の熱いご要望もございますので,ウィズユーカード方式がいいのか,それとも心身と同じような福祉パスというものがいいのか,これらも含めて十分に検討してまいりたいというふうに考えております。  以上です。 ◆藤原廣昭 委員  今の答えの中では,全身性重度重複障害者の24時間の巡回型の夜間のサービスなどについてアンケートを行ったけれども,31人の方がいろいろな理由で,これについては余り望まないという回答が寄せられたということでありますが,これは複数回答でやっているわけでありまして,57人の方を対象に49名の回答があったわけであります。夜のみにこうしたものをもっと充実をしてほしいという声は,逆に35人の方が回答をしているわけでありまして,そして31人が24時間のそうしたホームヘルプサービス事業は希望しない。  その具体的な理由の一つに,夜寝ているときに他人が入ってこられるのは嫌だとか,かぎを他人に渡すのは嫌だという,それは理由で,やはり半分の35名の方が何らかの形でこれを望んでいるわけであります。必ずしも少数の希望ではないわけでありますから,ぜひ財政的にも限られた問題でありますし,部長の答弁にありましたように,私もすべて公的な介護ではなくて,その中にボランティアの皆さんが活躍していただく時間,場というものも残していかなければいけないと思うのです。  しかし,本市としては,この28時間という上限を名目上は撤廃しているけれども,実質的にはこれがまだ生きているという状況の中で,部長は先ほど,そうした協議の場を今後も設けていくということでありますけれども,もう一度確認をいたします。  そうした内部規定を廃止する前提に立って,そしてまた,将来どのような範囲の中で公的介護が時間的に確保されていくのか。そうしたことも総体的にきちっと議論できるような話し合いの場にしていくのか,もう一回確認をしておきたいというふうに思うわけであります。  もう1点,精神障害者交通費助成の問題でありますが,平成10年度に,法律にも位置づけられていないものを,他都市でもやっているけれども,本市がなぜ実施をしたのか。そこの精神にしっかり立ち返らなければいけないと思うわけです。その辺をもう一度,どのような視点でこれを実施するに至ったのか,明らかにしていただきたいと思います。  もう一つの質問は,1994年4月の札幌市長選挙の際に,桂市長が立候補されています。その際に,こうした精神障害者の団体の皆さんから,候補者に対して交通費助成についてどう考えるのかという趣旨の公開質問状が出たわけであります。  要約をいたしますと,回答の中では,精神障害者への交通費助成を早急に障害の区別なく公平感を持っていただけるような制度の施行を約束したいと,そうした趣旨の回答が市長から寄せられているわけであります。そうして当選をされた市長でありますから,こうしたことを,ことしの平成13年には,それぞれアップがされてきているわけであります。しかし,現状はまだまだ知的・心身障害者の皆さんと比べると,ほど遠い状況になっているわけであります。  こうした市長公約について,私どもも一気にこれをすることが望ましいわけでありますけれども,段階的にするに至っては,やはりきちっとした目標を定めていかなければいけないと思うわけであります。  こうした市長公約を受けとめて,今後どのようにこれを充実・改善をされていく考えなのか,お伺いをいたします。 ◎相沢 障害福祉担当部長  まず初めに,全身性重度障害者の方との話し合いでございますけれども,先ほど申しましたとおり,障害者の方々とは定期的にといいますか,ご要望に沿ってお話を進めていかなければならないというふうに思っております。その中で,やはり,将来の展望とかそれから介護時間数,これにつきましてはご要望に沿えない点もございますので,本当に誠心誠意,なぜ現状でできないのかということをお互いに話し合って,理解を求めてまいりたいというふうに考えております。  次に,精神障害者交通費助成についてでございますけれども,やはり,るるお話があったとおり,精神障害者につきましては,特に,この交通費助成につきましては,社会参加を積極的に行っていただくという趣旨から実施したものでございます。やはりこれについては各年増額を図ってその充実に努めたところでございますけれども,まだ格差があるということを,先ほど申しましたとおり認識しておりますので,その充実に向けて努力してまいりたいというふうに考えております。  また,市長の公約でございます公平感を持っていただけるようなということでございますけれども,先ほどからお話をしているとおり,心身と精神では,やはり依然として,交通費助成の面においても格差があるということで,まだ公平感を持っていただけないというふうに思っておりますので,その溝を埋めるように今後とも努力してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆藤原廣昭 委員  最後に,助役にお伺いをしたいと思いますけれども,助役も財政部などを経験されてきたわけであります。  やはりこうした重度重複者の公的な介護サービス,あるいは精神の交通費助成については,当事者が求めていることがそれぞれ一気に実現できればいいわけでありますけれども,そうした可能性というのは,先ほども申し上げたように大変低いわけであります。しかし,当事者の皆さんは年を年々とってきて,将来に対する公的介護や,あるいは社会的にどんどん出ていきなさいといっても,なかなかそうした交通費助成の問題でも制約があるという状況の中,ある意味での不安も感じているわけであります。  5年計画でこれを小出しにするのではなくて,一定の時期に,当事者が求めている現時点の方向にきちっと目標設定をして,それに到達して,本市として財政的な面や原局や関係機関とも努力をしていく,そうしたことがなければ,これは10年たっても20年たっても,私は,公的サービスが24時間になるのが正しいとは言いませんけれども,20時間になるのさえおぼつかない状況だと思うわけです。  そんな意味では,ぜひこうした制度に対して改善の達成目標をしっかり示して,財政局やあるいは関係局との調整を図って実現をしていく,こうした視点が必要だと思いますけれども,担当助役の見解をお伺いしたいと思います。 ◎佐々木 助役  今までの藤原議員のご質問の中で,相沢部長の方からいろいろご説明申し上げました。  全身性重度障害者への24時間の支援ということでございます。  行政がどこまでやるのか,それからまた,民間といいますか,市民と共同の中でどういう形でやっていくのかということがいろいろあろうかと思いますが,ホームヘルプサービスだけではなくて,いろんなサービス事業,看護もありますので,そういうものも活用しながら,できるだけご要望にこたえていくということで私どもも考えておりますし,また,相沢部長もそのようにご答弁したとおりでございます。  それから,精神障害者交通費助成につきましては,確かに法的な不備とかそういう面もあります。あるいは歴史的な経過もございまして,現時点で心身障害者との格差は厳然としてあるというふうに私ども認識しております。  そういう中で,昨年,ことしと,厳しい財政状況の中で逐一増額を図ってきたところでございまして,いつまでにどうするというのは今時点で申し上げるような状況にはございませんけれども,先ほど来申し上げているとおり,公平感のある,市長の公約に向かって最大限の努力をしていくということは考えておりますので,そういうことでご理解をいただきたいと思っております。 ◆飯坂宗子 委員  私も,精神障害者交通費助成について,お尋ねしたいと思います。  今ほどもやりとりがございましたので,それを踏まえながら簡潔に行いたいと思います。  2000年度の決算を見てみますと,予算額8,194万3,000円に対しまして,決算額は8,181万8,000円ですから99.85%,ほぼ100%の執行率というふうになっているのが,この交通費助成でございます。内訳は1・2級でウィズユーカード年額3万円の方が2,502件,3級の方は年額1万5,000円で457件,合計2,959人の利用実績,これは予算ベースのときは2,900人を見込んでいたのですが,決算では59人プラスということで執行されたわけです。  今も質疑がありましたように,この制度を98年度から本市はスタートさせたわけですが,徐々に改善を図ってきているということは承知をしております。しかし,当初から問題になっていたのは,他の心身障害者との格差是正,これをいかに図っていくのか。  関係者はスタートの時点から,当然,10割助成をしてほしいと。他の障害者と精神障害者を差別しないのだという国の法律もできたということも踏まえて,当然,スタートのときから10割助成を願っていたわけですよ。ところが,なかなかそうなっていないわけです。私自身も,この議会で何回も取り上げていまして,98年の1定の代表質問,あるいは99年の決算特別委員会,そして,昨年の予算特別委員会でも繰り返し繰り返し10割助成を求めて質問をしてまいりました。  関係者の強い願いでありますこの10割助成,これは待ったなしの課題だというふうに考えますが,これまでも議会答弁の中で理事者は,他の身体知的障害者との制度の格差があってはならない,こう言い切っているのです。そして,10割助成の必要性については,十分認識している,こうも答弁しています。そして,格差是正をすべく最大限の努力をしてまいりたい,このことも繰り返し答弁してまいりました。ところがいまだに格差が存在しているわけです。  この格差が解消されていない現状について,努力をしてきているのだから,改善を図ってきているのだからやむを得ないと,こういうふうに判断しているのか。やはりこの格差が厳然としてあると,この現状についてどのように認識しているのか,まず改めて伺いたいと思います。それが1点です。  2点目は,先ほどもお話しにありましたが,99年の市長選で,再度,桂市長の公約では,公平感を持っていただけるような制度を施行するため努力をすると,このように関係8団体に対して公約しているわけです。それからもう3年目になっているわけです。そして,制度がスタートしてから4年目を迎えているのです。桂市長の今期予算編成でいうと2002年度,来年度の予算編成が最後のチャンスになることから,関係者は,来年こそはこの公約を守っていただけるのではないかと,こういう熱い期待を寄せているわけです。  ところが,過日の厚生常任委員会では,この段になってから,乗車習慣の利用実態を調査してから検討する,こういう答弁,あるいは10割助成に向けてクリアしなければならない課題が幾つかあるなどと答弁していますね。  市長公約から3年,制度スタートから4年がたっているのに,なぜ今ごろになって乗車習慣の実態調査をやるということになるのですか。10割助成は必要だ,格差是正しなければならぬ,最大限の努力をする,こういうことを繰り返し答弁していたのに,今から乗車習慣を見て検討するというのでは,これは本当にやる気になっているのかどうか,ここの姿勢が非常に問われるというふうに思うのです。  本市の取り組みがなぜ今そういう実態になっているのか,この点について,いま一度明らかにしていただきたいと思います。 ◎相沢 障害福祉担当部長  精神障害者交通費助成についてでございますけれども,先ほどもお話ししましたとおり,まだ他障害者とは格差があるものと認識しております。  それから,2点目の問題についてでございますけれども,さきの厚生委員会の中でも,平成12年度の利用実態等を見ながらというふうに答弁を申し上げましたが,先ほどの藤原委員の中でもお話ししたとおり,12年度の分析結果におきましては,市営交通72.1%,民間バスが27.9%ということで結果が出ております。また,ウィズユーカードの使用実態も明らかになったところでございます。  だた,ここで問題なのは,回収率が23.数%と非常に低いことで,これが正確な数字かどうかということは言えませんが,ただ傾向としてはこの傾向は続くと思いますので,これをもとに,市営バスだけではなくて市内の全路線を管轄する民間バスについても協力を求めていかなければならないという趣旨で,現在折衝を重ねているところでございます。  以上でございます。 ◆飯坂宗子 委員  格差があるというのはだれしもわかっているのです。その格差がまだ是正されていないことについてどう認識するかと聞いたのですが,そのお答えがありませんでした。  乗車習慣の実態調査をして,各交通事業者と協議をするためにもっと調査をするのだというような,今のご答弁でしたけれども,精神障害の現在の乗車割合については,先ほど市バスが72.1%,民営バスが27.9%,そういうお答えでしたね。  そして,他の心身障害者の福祉パスの場合は,市営交通が59%,民営バスが41%,こういう割合でルールを決めて事業者負担,市の負担を決めていますよね。  問題は,国の5割助成がない中でルールを決めようといっても,先ほど言ったように,市営交通も民営事業者もなかなか自分のところが持つと言ってくれないということで協議が難航しているやに聞こえたのですが,他都市はどうやって実施をしているかというと,一般会計で10割持って,国の制度はないのだけれども,それを補足する形で,いわゆる福祉のサイドから一般会計で予算化して,10割助成というのを多数の指定都市が実施しているわけです。  ですから,本市も,やはりその視点に立って,障害福祉の方で予算を持って10割助成をやるのだというふうになれば,これはできるのではないですか。その視点に立つかどうかを私は問われているというふうに思うのですけれどもいかがか,伺いたいと思います。 ◎相沢 障害福祉担当部長  先ほどお話ししましたとおり,今現在,各バス会社とも折衝する中で,乗車習慣の率もございますけれども,それでは幾らで,心身と同じような助成額で協力してくれるのか,それとも心身の2倍を払わなければ協力してくれないのか,その辺もやはり向こうの意見も聞きながら,また財政的な制約もございますので,その辺も含めてどのような形が望ましいか,折衝を進めているところでございます。  以上でございます。 ◆飯坂宗子 委員  本市が本気で10割助成をやる気かどうかというのが,最後に問われてくるというふうに思うのです。このルールづくりのための調査をするから,10割助成の年次がおくれるということになってはならないというふうに思うのです。  実は,最初,2万,1万でスタートしたときにも,今までなかった制度をつくったわけですね。その当初,この制度をつくったら4,100人ぐらいの方が利用するだろうというふうに見込んで7,900万余り予算を組みましたね。ところが,実際はそうならなかったということもあって是正をしてきているわけですけれども,この間のやりとりの中でも,10割助成にかかる費用として最大見ても3億円ぐらいじゃないかと,こういう議論もされてますよね。ですから,そういうふうに組みながら,民営バスあるいは市交通との協議というのは必要であればやってもいいのですが,要は,10割助成を市長公約にのせたわけですから,2002年度の予算編成にしっかりこれを盛り込むという姿勢に立って,この協議を進めるかどうか,ここが問われているというふうに思うのです。  そういう点で,担当部長は一生懸命やっているとは思うのですが,局長,どうですか。来年度予算編成に市長公約どおり10割助成に向けた予算をしっかり組むと,そういう姿勢に立って取り組んでいただきたいのですが,いかがでしょうか。 ◎宮田 保健福祉局長  部長が一生懸命やって,局長は何もしていないというように受けとられるようなご発言でしたけれども,保健福祉局一丸となって取り組んでおります。  平成10年にスタートしましたこの精神障害者交通費助成制度でございますけれども,ご存じのとおり2年後の12年は増額し,また13年度も増額してまいったところでございます。  この間の市の置かれた財政状況等々は非常に厳しい状況だということも,またご承知のことだと思います。その中で,少しずつ二つの他の先行する障害者に並ぶべく努力をしてきたわけでございます。  これからの取り組み等々については,相沢担当部長の方からご答弁申し上げましたけれども,今後とも,二つの障害者と精神障害者の間の交通費助成において差があることは十分認識し,また,市長公約にあるように,格差是正に努めていきたいという姿勢は微々とも後退はしておりません。気持ちは一生懸命やっていきたいと。今委員がおっしゃられたその意を体して財政局と交渉してまいりたいと思っておりますし,交通事業者等々関連機関の方々にも,同じことを繰り返しているわけですが,時間はかかるかもわからない,相手は強力かもわからないけれども,とにかく継続は力なりということでやってまいりたいと思います。  以上です。 ◆小林郁子 委員  それでは,私からは療育支援体制と自閉症児・者への支援について,お伺いをいたします。  障害のある方の出生から成人に至るライフサイクルを通じた福祉と医療と教育と労働にわたる総合的な支援について,私は障害児教育の基本計画の中で,教育委員会と何どかやりとりをしてきたところです。  札幌市の療育システムのあり方について,99年11月ですけれども,療育支援体制基本計画検討委員会というところから答申が出されておりまして,私は,今後の施策展開に大いに期待をしているところです。  この答申を極めて大まかにまとめますと,一つは障害児・者の相談,医療・福祉等の総合的な支援を行う総合支援センター,これを中心に置きながら地域療育センターを4カ所と,それからさらには,地域で通いやすい場所での療育支援の拡充,それから四つ目は,保育センターにおけるさっぽ保育センターが,発達に心配のある子供や育児不安,虐待の児童を含めてソフトな広がりをもって対応していくと。そのような中で,幼児人口の3%を目標にしながら,総合的な療育支援体制が必要であるというふうに答申はまとめているわけです。  そこで,1点目にお伺いをいたしますが,療育支援体制づくりに向けてでございますけれども,これは,答申はどういうふうになっているかといいますと,札幌市療育支援体制基本計画答申となっているものですから,私はこういう基本計画を市がつくるのかなというふうに理解をしていたのですが,今回の長期総合計画の5カ年計画にはそういうことが出ていないと,見えづらいわけです。この答申の実現に向けて,今どのよう取り組みがなされているのか,それを1点目にお伺いをいたします。  それから2点目は,自閉症児・者への支援ですけれども,のぞみ学園が医療の児童施設,医療型であるにもかかわらず,成人が半数以上を占めていると。しかも入院が長期化しているということが以前から指摘されているわけですが,こののぞみ学園を含めて,自閉症児・者への支援ということについて,市では,昨年から内部のプロジェクトをつくっていらっしゃるということですけ。また,今年度予算を見ますと,強度行動障害,自閉症児・者への処遇の基本計画策定費というものがついております。  そこで,市内部の検討結果がどうなっているのか,そして,自閉症児・者の親の会の方々も入っておりますけれども,検討委員会での検討状況がどうなっているのか,そこのところをお伺いいたします。  それから,3点目になりますけれども,のぞみ学園の見直しが今なされております。それとあわせて自閉症者の施設として自閉症センターが計画されているわけです。このセンターの機能としまして,そこに入所している方の処遇だけではなくて,私は,在宅の自閉症者への支援ということもあわせて,トータル的な機能を持っていただきたいと思っているわけですが,その機能について今どういうふうにお考えになっていらっしゃるか。  それからまた,運営についてですけれども,これは公営か民営かということがあると思いますが,いずれにしてもノウハウを持っているところに委託するのがいいのかなと思うのです。ただ,何分この分野の専門家が少ないと伺っております。この運営についてどのように考えていらっしゃるか,お伺いをいたします。  それから,4点目には,この自閉症センターは本当に待たれているわけですけれども,設置のスケジュールはどうなっているのか。  以上,お伺いをいたします。 ◎竹内 児童福祉総合センター所長  ただいまお尋ねの1点目の札幌市の療育支援体制基本計画の答申をもらった,その進捗状況ということでございますけれども,ただいま委員ご指摘のとおり,本市の障害者の療育支援体制基本計画につきましては,各界の有識者で構成する札幌市療育支援体制基本計画検討委員会から平成11年に答申をいただいたところでございます。  この内容は大きく二つございまして,障害児・者の総合支援センターを設置することと,市内をおおむね五つぐらいの地域の療育圏に分けて,地域ごとの療育機能の整備をすると。これは民間施設を含めて療育体制の整備を進めるのだと,そういうふうな方向性が示されております。  そこで,この提言の具体化に向けて,ことしの2月に札幌市地域療育推進協議会というものを発足をさせており,今年度は7月にこの協議会を開催しております。今後とも,いろんな各層の保護者であるとか関係者等の意見,意向を反映した利用しやすい療育システムの構築をするための意見交換であるとか,協議をさらに進めていくというふうな考えでおります。  以上でございます。 ◎高本 保健福祉部長  ご質問のありました2点目の,のぞみ学園の改善を含む自閉症者対策について,現在どこまで検討が進んでいるのかという点と,3点目の新設を予定されている自閉症者の施設の機能はどういったものかと。また,運営主体はどのように考えているのか。それと,4点目になりますが,そういった施設整備の今後のスケジュールというご質問だと思いますので,この3点についてお答えをいたします。  まず,1点目の自閉症児・者に対する処遇の改善につきましては,お話にございましたように,昨年の7月に,関係部課長による内部プロジェクトを組織いたしまして,のぞみ学園の今後のあり方と強い行動障害をあわせ持つ自閉症者への処遇のあり方などを重点課題といたしまして検討を重ね,ことし3月までに一定の考え方を取りまとめています。  そこで,検討いたしました結果の要点について申し上げますと,一つには,のぞみ学園の現状を早期に改善をする必要があるということであります。2点目は,強度の行動障害をあわせ持つ自閉症者の処遇に配慮した専門施設が必要であるということであります。そして,3点目は,この専門施設においては,ショートステイとかデイサービスといった在宅事業の実施を考慮する必要がある,こういったことが骨子になっております。  こういった点を基本的な方針といたしまして,今年度に入りましてから6月に本市の関係部長,私を含めて5名のほかに,のぞみ学園入園児の親の会代表の方,それから札幌自閉症児者親の会の会長,それから自閉症者の専門施設の施設長,それから専門家であります心療内科専門のお医者さん,そういった方を加えまして検討委員会を設置いたしまして,これまでに2回の委員会を開催しております。  この委員会では,昨年度の内部プロジェクトで得られた方向性をより具体化するために,自閉症者の専門施設がどうあるべきか,あるいは在宅生活支援方策,のぞみ学園の今後のあり方,そういったことについて幅広く議論を進めているところでございます。  次に,2点目の新設を予定している施設の機能についてでありますが,昨年度のプロジェクトでの検討結果と,これまで2回開催をいたしました検討委員会での議論から想定される機能の概要を申し上げますと,まず第1といたしましては,30人程度の自閉症者の入所施設を考えております。また,自閉症者を対象としたデイサービスだとかショートステイ,そういった家族に対する専門的な相談を行う機能,そういったことも想定をしております。  こういったように,入所施設と在宅サービス事業を効果的に組み合わせることによって,地域における在宅生活を可能とさせるために,自閉症児・者のための総合的な支援センターの役割を果たすべき,そういった施設を考えております。  次に,運営主体の件でありますが,施設を運営する場合,専門的な知識それから技能を有する職員を継続的に確保するということが必要となりますことから,これを市直営で行うということは困難であるのかなというふうに思っていますので,自閉症者の処遇に実績があり,あるいはノウハウを十分持っている社会福祉法人,そういったところに委託することなどを視野に入れながら,現在検討を進めているところであります。  今後のスケジュールでございますが,現在,検討委員会を2回開催しており,年度内に基本計画の策定を予定しております。そういった状況でございます。  以上でございます。 ◆小林郁子 委員  それでは,療育支援体制のことについて,再度お伺いしたいと思いますけれども,今のところ,地域療育推進協議会で検討中とのことでございました。  私は,この療育支援体制づくりに期待していると,最初に申し上げましたけれども,総合支援センターと地域療育圏構想というものが答申の中で出ておりますが,それらがこういうような構想のもとで本当に進められていくものなのかどうなのかということがあります。そして,幼児から成人までのライフスタイル,一生にわたる支援体制になるのかどうなのか。それからまた,よく福祉と教育との連携がなかなか難しいといつも言われておりまして,このあたりのことが少しでも解決されていくのかどうなのか,そのあたりをもう一度,今度の検討の中で方向性として持っていけるものなりかどうなのか,そこを確認しておきたいということが一つございます。  それからもう一つは,地域療育推進協議会を今現在やっているわけですけれども,これの開催状況を市民にわかるようにホームページや広報でぜひお知らせをいただきたい。  それからまた,そこに対して市民意見を募集してもらいたいということがございます。また,シンポジウムなんかもやっていただいて,市民の理解を高めていただくというようなこともあるかと思いますが,そのようなことが考えられないのか,お伺いをいたします。  それからあわせまして,自閉症センターの機能の件ですけれども,重要な機能としまして,今いろいろおっしゃっていただいた中で,もっと細かくなりますが,私は,コーディネート機能が非常に重要だと思っております。福祉のサービスとか保健医療のサービス,そしてまた,教育サービス,就労サービス,こういうことをきちんと理解しながらつなげていけるコーディネーターの存在というのは非常に大きいと思います。また,今,部長の方から,地域の生活の中での支援もしていきたいということがございます。そうすると,地域の中で日常生活を送っていくのがなかなかうまくいかない,そういう方を支援する生活のコーディネートみたいなものも考えられますし,またもう一つは,大学の研究機関との連携がありまして,そういうところでの研究をもとにして,家庭とか施設とか地域で実践していく,そういう意味でのコーディネートも必要かと思っているのですが,このコーディネート機能について,もう一度どのぐらいのことをお考えなのか,お聞きをしたい。  それからもう一つですが,今,そこまで考えていらっしゃるかどうかですが,施設は30人規模ぐらいだとの考えを今おっしゃっていただきましたけれども,多人数でというか,30人全体で処遇をするというよりは,グループホーム的なものが求められてきているわけなのですけれども,そういう施設の中でグループホーム的な機能も入れながらできるのかどうなのか,そのあたりのお考えがありましたらお伺いをしたいと思います。 ◎竹内 児童福祉総合センター所長  1点目の総合支援センター構想の内容ということですので,もう少し詳しくお答えを申し上げます。  この検討委員会に,私どもが諮問いたしましたことは大きく二つございまして,まず1点目は,障害の早期発見と療育訓練に至る発達支援体制の整備ということ,それからもう一つには,児童期から成人期に至る障害の療育を見通したシステムのあり方について検討をお願いしたところでございます。その結果につきましては,先ほどもお答え申し上げましたけれども,障害児・者にかかわる相談,医療・福祉等の総合的な援助センターとして障害児・者の総合支援センターの設置をしたらいかがかということでございます。  このセンターの内容につきましては,児童部門,成人部門,診療部門,それからいろんな情報の公開をするという部門,それから研修部門,そういうものが網羅された内容で,そして保護者への支援であるとか,また,難聴幼児等への対応など,児童から成人に至る生涯療育の中核的役割を果たす施設というふうに答申をいただいております。私どもも,今,そのことのより具体化を進めるために,先ほど申しました地域療育推進協議会の中で,この協議会の構成員といいますか,お集まりいただいておりますのは,いろんな障害者の親の会の代表,いわゆる保護者の代表,保育者,幼稚園などの団体の代表,障害児施設の代表であるとか学識経験者,医師会,それから私ども行政側の職員とで構成されております。この中でより実現に向けていろんな細かいところを検討していくというふうに考えております。  それから,先ほどの療育推進協議会の公開をしてはいかがかということでございまして,ご指摘のように,ホームページの掲載やいろんな保護者,関係者からのご意見等を受けると。  それからこの協議会の公開につきましては,決して非公開でなければならないというものではございませんので,これから検討させていただきたいと,そういうふうに思っております。  以上でございます。 ◎高本 保健福祉部長  施設の機能の内容について,もっと詳しくというご質問かと思います。現在,委員会の中で検討中でございますので,まだ内容は固まっておりませんが,これまでの委員会で出された委員の方の主な意見について申し上げますと,入所施設につきましては,自閉症者が安定した人間関係を保ち,問題行動の軽減や社会性,集団行動力などを養成できるよう,お話がございました少人数単位での生活を基本としたグループホーム的な手法を取り入れるなど,処遇面での配慮を十分検討すべきでないかと,そういったような意見も出ています。  また,先ほど申し上げました在宅サービス事業のほかに,地域での生活を支援するためにコーディネーターを置いてボランティアの育成であるとか,あるいは地域住民に対する啓発活動,施設と相談機関との調整にコーディネーターが当たると,そういったことも取り入れたらどうかというようなご意見もございます。  また,自閉症児・者を抱える学校であるとか施設などの職員に対する研修などについても,施設の中に組み入れたらどうかと,そういったようなご意見も出されております。  今後,これらの意見を十分取り入れた施設という形で取りまとめていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆小林郁子 委員  今,部長の話を伺って新たに期待をしておりますけれども,自閉症センターにつきましては,本当にそれが真に機能するのは,コーディネーターの役割というのが大きいかなと思っております。  上磯町にある第二おしま学園は民家を利用したような決して立派なところではないのですけれども,コーディネート機能がすぐれているということで評価のあるところです。私は,札幌にもしこれができましたら,本当に道内から期待されるものになると思いますので,万全な準備をしていただきたいなと思います。  そして,現在,自閉症の方を含めまして,障害のある方にとりましては,地域で生活するということが,本当に進んでいるといいますか,望まれている傾向があるわけです。地域生活支援というのが,ある意味で,これからの究極の目標かなという感じがいたします。
     そこで,教育と医療と福祉と労働,こういう分野にかかわるわけですから,私も,今回,児童福祉総合センターの方とか,福祉施設課の方とか,障害福祉部の方とか,いろんな方とお話をしてきたわけですが,では,本当に総合的なところをどこが考えているのだろうかというふうに疑問に思ったわけです。  今,大局・大部制をとっておりますので,関係のあるところが集まっているというのは非常にいいことだと思いますが,ただ,その中で,総合的に考える人なり頭脳がどこかにないと,せっかくの大局・大部制も生きてこないと思うのですが,組織のあり方,あるいは体制のあり方について,これは部がまたがりますので,局長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ◎宮田 保健福祉局長  大局・大部制のよさを発揮しながら一生懸命やってまいりたいと思っているところでございます。しかしながら,その欠点もあろうかということでのご指摘と考えます。先ほど,関係する部局,福祉と教育の連携がうまくいっていないのではないかというご指摘もございました。そういうことで,全庁的にこの問題についての忌憚のない意見が交換できて,前進できるような,そういう検討結果を出していきたいと思っております。  以上でございます。 ◆大嶋薫 委員  今,地域療育支援等のあり方についてのやりとりがありましたけれども,私の方からは,地域生活支援ということから,福祉のまち推進事業のあり方,そして障害者の在宅生活支援という2点について伺わせていただきたいと思います。  まず,福祉のまち推進事業についてでありますけれども,これは1995年からスタートした事業で,地域福祉計画にのっとって,地域の中で,当初の主な目的といいますか,少子高齢化社会に向けて施設から在宅へと大きく流れが進んでいく,地域の受け皿づくりをどういうふうにつくっていくかということからこの事業はスタートしたのだと思います。  その意味で,大体の目標を88地区,連町単位ということを基本にして整備を進めてきて,今現在で85カ所が整備が終わっていると。ほぼ100%に近づいているということでありますから,この事業の今後のあり方について,やはりしっかりともう一度論議していく必要があるのかなと思っています。  それぞれの福祉のまち推進事業,地区の福まちというふうに略させていただきますけれども,この活動を見ますと,かなりまとまりを持って事業をきちんと組み立てて,論議をしながら進めているという地区もありますけれども,一方で,どういった活動をどういうふうに組み立てていけばいいのかわからない,形はできたけれども,なかなか中身が伴っていないという,ちょっと酷な言い方かもしれませんけれども,そういうような感じがする地区も多数見受けられるし,そういう悩みも実際聞くわけです。  地区の推進センター自体が町内会をベースにしてつくられている,町内会の役員の方々が何とか形づくりといいますか,組織を立ち上げるために役員を兼任しているというところもありまして,町内会の役員の皆さんにとっては,かなり活動の負担感みたいなものがあるのかなという気もしております。  まず,福祉のまち推進事業,ほぼ,先ほど言ったように整備が進んだという中で,今後,その活動の核になっていく人材をしっかり育てていくことがまず第一条件かなという気がします。このリーダー育成,あるいは活動の核となる人の育成等について,現在,どのような考え方を持っていらっしゃるか。これまでの取り組みも含めて,まず,伺いたいと思います。  それから,障害者の在宅生活支援ということについてです。  この件につきましては,今回の代表質問で私どもの大西議員の方から,地域生活支援のあり方ということで3事業にかかわってと,それから地域にいる相談員の方々との連携ということの考え方について伺わさせていただきました。現在,札幌市内の在宅で生活している方の数は身体障害者の手帳を持っていらっしゃる方が7万4,900人余,そのうち在宅生活の方が大体7万4,000人というふうに資料でなっております。知的障害者の場合は,療育手帳を持っていらっしゃる方が7,978人,在宅生活が約6,000人,精神障害者の方々,これは保健福祉手帳を交付されている数が約3,700人で,通院している方が約2,000人というふうに把握されておりまして,精神障害者の方々は年々ふえているという数字も,市の方の資料で明らかになっています。  いわば,在宅で生活している方が多数いるわけですけれども,この支援体制は代表質問で指摘したように,今,相談員が各地域,各区に配置されておりますけれども,この相談員体制は,基本的には,いわば行政のいろんな支援メニューといいますか事業がありますから,そういう事業と結びつけるというようなことが,これまでの取り組みというか,相談員の重点的な業務内容になっているのだろうというふうに思っています。  先ほど言ったように,施設から在宅へというふうな大きな流れ,あるいはこれまではサービスを提供する側のいろんな都合といいますか,財政の問題とかがいろいろあります。国の事業もそれぞれ縦割りに組み立てられていて,なかなか風通しがよくないというようなことも随分指摘されていましたから,いろんな事業があるそのすき間をどうやって埋めていくのか。  24時間地域で生活しているわけですから,施設の場合は何かあればすぐ職員が駆けつけて対応する,あるいはじっくりと施設の職員が時間をとって,いろんな相談に乗るというようなことができているわけですけれども,地域生活の場合は,なかなかそういう体制ができていないというふうに思います。  代表質問では,代表的な3事業について伺ったわけですけれども,きょうは知的障害者の在宅支援ということにちょっと絞って伺いたいと思っています。  今,地域障害者の在宅支援センター機能,これが障害児(者)地域療育等支援施設事業というメニューと,それから知的障害者地域生活支援事業というメニューがあって,札幌市内ではそれぞれ2施設がセンター機能を果たしている。生活支援の事業を行っているということになっております。一方,障害者プラン7か年戦略の中では,いわゆるプランの中で30万人に2カ所という設定になっていますが,札幌市は障害福祉圏域を四つに分けまして,その四つを基本として,他の事業も含めて整備を進めるというふうな考え方になっております。そうすると,療育等支援施設事業,これが8カ所,生活支援事業については1カ所ずつ,計4カ所の整備というふうなことが目標になっているわけですが,目標と現状ではかなり乖離があるという点について,代表質問でも指摘させていただきました。  この在宅生活支援,いわゆる安心して地域で24時間暮らせる仕組みをつくっていくための基本的なものだというふうに私は考えているわけですが,これがきちんと進まなければ,やはり,この場合は,知的障害者の在宅生活をきちんと支える,親御さんがいろんな不安を抱えていることは,いろんな相談で見受けられるわけですけれども,そういうことにきちんとこたえていくための体制づくり,これはきちんと計画的に進めなければならないと改めて思うわけです。  この考え方,代表質問で一応の答えは伺いましたけれども,どうも答えを聞いた中で本当にこれからの5年事業,あるいは次の5年事業等々の中で,きちんとした整備を行っていけるのかどうかという不安を持っていますもので,その考え方をまず伺いたいと思います。 ◎宮崎 総務部長  私の方から,福祉のまち推進事業の関係につきましてお答えいたします。恐縮ですが,長い名称ですので略させていただいて,福まちと呼ばせていただきます。  福まちの推進事業に関連いたしましての人材育成ということでございますけれども,この事業は区役所との連携のもとに,区社会福祉協議会が中心となって行っているものでございます。今,委員ご指摘の,地域のリーダー育成ということについては大変重要なことと考えておりまして,区社協の研修会を通じまして,また町内会あるいは民生委員の方の協力を得まして人材発掘に努めているところでございます。  また,昨年5月に設置いたしましたボランティア研修センターでは,福まち関連の研修に特に重点を置いていただいておりまして,例えば,12年度の全体で見てみましても,講座数で78,受講者は2,500人ほど,いずれも4分の1が福まち関連の方で占めているという状況でございます。また,受講が終わりました方には,活動希望登録カードを配付いたしまして,登録の受け付けをしているところであります。  このように,区社協における研修あるいは情報提供,こういうことを初めといたしまして,研修センターでの人材育成など,今後も地域のリーダーづくりを積極的に推し進めていくという意味で,努力していきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◎相沢 障害福祉担当部長  障害者の在宅支援施策についてでございますが,まず第1点目の障害者の方に対する支援・相談体制でございますが,現在のところ,市町村障害者生活支援事業所が1カ所,障害児(者)地域療育等支援施設事業所が2カ所,知的障害者生活支援事業2カ所,そのほかに精神障害者地域生活支援センター1カ所の3障害のそれぞれの地域生活支援事業のほかに,各区保健福祉サービス課や地域保健課の相談体制がございます。このほかに,各種相談員といたしまして,身体障害者相談員が87名,知的障害者相談員が20名,盲人相談員が1名,聾唖者相談員10名を配置し,障害者の各種相談に対応しております。さらに,障害者あんしん相談事業により,障害者の権利擁護に係る相談も行っております。  2点目の支援事業,あるいは在宅支援事業整備の考え方についてでございますが,知的障害者に係る地域療育等支援施設のうち,1カ所はこの10月に新たに開始したものでございます。これらの事業と申しますか,相談体制につきましては,文字どおり地域の在宅生活支援の核となるものでございます。  今,ここで明確な数的整備目標値をお示しすることは困難でございますが,今後とも,その整備に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆大嶋薫 委員  まず,福まちについての再質問ですけれども,今,地域の人材育成については,ボランティア研修センターでの研修事業の中で積極的に取り組みを行っているというふうなことでのお答えでございました。地域にこれからの高齢社会を支えていくいろんな人材をしっかり育てるということは一番大切な事業であると思いますので,よりこの事業にしっかり取り組んでいっていただきたいというふうに思います。  これからの福まちということでいろいろ課題があるのかなというふうに私は考えております。先ほど,前段でお話をした課題もありますけれども,もう一つ,やはりこれからのありようとして,これまでどちらかというと高齢者対策は,地域のひとり暮らしのお年寄りであったり,あるいはご夫婦で暮らしていても,どちらも多少地域からの支援が必要だったりというような方々に対する,支える体制づくり,どういうお手伝いが可能かというような視点で行われてきたのだろうというふうに思います。これはこれで大事なことだろうと思っています。  ただ,これから一歩その活動の輪を広げていくといいますか,ある意味で,地域の福祉ということをテーマにした街づくりの核になっていくということを考えますと,地域には,2点目で伺った地域での障害者の人たちの在宅支援,核となるセンター機能のことですけれども,ある意味でそのすき間,地域に住んで身近に支えるような仕組みが一方で求められていくのだろうと思っています。  そしてまた,小規模共同作業所が,障害者が地域で生活するという上での大事な事業として,札幌でも積極的な支援を行ってきています。これは3障害含めると100カ所を超える規模で,年々5カ所,6カ所という規模でふえて膨らんでいる。あるいは,いろんな医療施設があり,グループホームがありというようなことがありますから,そこをしっかりとコーディネートしていく,ある意味で行政の側から積極的に支えていくような仕掛けがないと,なかなかきちっとした組み立てができていかないのではないかという気がしています。  そこで,今,センター機能といいますか,区の社会福祉協議会が行っているわけですけれども,現状の体制を伺いましたが,そういう機能をきちんと持っていくためにはかなり手薄な状態なのだろうと,非常に頑張っていますけれども,現状の事業をこなすのにやっぱり四苦八苦している。プロパーの職員の方も育ってきていますし,新たに福祉除雪の窓口にもなるということですから,かなりしっかり人員,体制を拡充していかないと,その機能を支え切れないだろうという気がしています。  そこで,区の社会福祉協議会の体制強化について,どのような方向づけをされようしているのかという点について伺います。  2点目の障害者の在宅支援についてです。  この間,皆さんもご承知だと思いますが,Y君というふうにこの場は頭文字で言わせていただきますけれども,レッサーパンダの帽子をかぶって,女性の後をつけて,あやめてしまったという事件,この方は札幌出身でありまして,事件は事件として厳しくその罪は問われなきゃならないというふうに思うわけですが,一体,27歳になるまでどういうふうな生活をしていたのだろうと。学校生活,あるいは学校を出てからの地域生活,就職もしているわけですけれども,そこに,きちんとした支えがあったら,ああいう事件を起こさないで済んだのではないかというような問題意識を持って,いろんな施設の職員の方々,あるいは弁護士さんも含めてですけれども,裁判を通じてそういうことをきちっと考えていこうという会をつくっておりました。私,たまたまいろんなつながりがありまして,その一員に加えさせていただいています。  この中でいろんなことが見えてくるわけですけれども,基本的には,やはり学校を卒業してから一たん就職をして,そこまではある程度学校と就職先ということでつながっているのですけれども,そこから転職してしまうともう糸がぷっつり切れてしまう。どういうサポートが必要なのかということ以前に,その個人には,どういう生活歴があり,どういう教育の体制で,あるいはどういうふうな悩みを抱えているのかというようなことも含めて,やはり接点が切れてしまって,こういう事件に至ったということであります。  やはりそこをきちんとつないでいく作業,1人1人の悩み,これは,当然個人的な問題もありますし家族の問題もあります。そういうことにしっかり寄り添った形で相談できるような仕組みが求められているのかなというふうにつくづく考えさせられています。  そこで,いわゆる学校での,卒業後の支援のあり方といいますか,就職した,あるいは地域で在宅生活するという場合のつながり,支援のあり方について,これまでどのようなつながりを持って取り組まれているのかという点をまず1点伺わせていただきます。  それと,今指摘したように連携あるいはネットワークのあり方等々について,かなり問題があるのだろうと。施設の方々は実際に彼らといろんな形で接している,支援している方たちの口から改めて支援のあり方,連携のあり方についてみずから問う発言もいろいろ出てくるわけです。そういう今後の連携,ネットワークづくりのあり方について,どのように考えていらっしゃるのかという点について伺います。 ◎宮崎 総務部長  それでは,私の方から区社協の組織強化についてお答えいたします。  福まちを初めといたします地域福祉活動,これを推進していくためには,いろいろとお話がありましたとおり,仲介あるいはお世話をする調整役と申しますかコーディネート役ですね,こういうことを発揮する方々が必要なわけであります。その役割の中心としてサポートしたり支えているのは区社協ということでございます。したがいまして地域のさまざまな団体,それから個人とのネットワーク,こういうものを築いて,これらをうまく機能させていくことが重要でございまして,そのためには,委員ご指摘のとおり区社協自体の体制強化,これがやはり必要だというふうに思っております。  このため,区社協におきましては,従来,区の市民部長が常務理事を兼務しておりましたけれども,この10月から区社協の事務局長がその役割を担うこととしております。また,こういうことによって,社会福祉法人としての自立性,独立性を発揮していただくということを意としているところでございます。また,事務局の組織体制を強化するという面の検討を現在進めているところでございます。さらに体制を図るべく検討を進めているということでございます。  また,こういうことによりまして,区社協のコーディネート機能をさらに一層充実を図っていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◎相沢 障害福祉担当部長  障害者の在宅支援施策の教育,福祉の連携についてでございますが,軽度の障害者の方につきましては,養護学校を卒業後,一般企業に就職する方,通所授産施設等に通所される方がおられると思います。企業のうち,社団法人札幌市知的障害者職親会に登録されている企業につきましては就労相談主任が,また,通所授産施設におきましては,それぞれの指導員が就労や日常生活の相談指導に当たり,自立の援助を行っております。  このほか,主として,福祉施策の相談は各区保健福祉サービス課が,地域での生活支援につきましてはお話にありましたように地域生活支援事業の施設職員等が対応いたしますほか,知的障害者相談員等が各種の相談に当たっている現状にございます。  いずれにいたしましても,教育サイド,福祉サイドが密接な連携をとりながら,支援していくことが必要であると考えますので,そのための支援のあり方について,今後,検討してまいりたいと考えております。  以上であります。 ◆大嶋薫 委員  今,福まちについては,社会福祉協議会の体制強化について,これからしっかりと取り組んでいきたいというお答えでありましたから,ぜひ進めていきたいわけですが,ただ,一方で,先ほどもいろんなやりとりの中でお話があったように,極めて厳しい財政状況にあるということですから,政策的にかなりきちんとした位置づけを持って進めていかないと,必要性はあるけれども財政の方がなかなか追いつかない,後ろに財政局の方もいらっしゃいますけれども。  本当の意味での福まち,あるいは地域で在宅生活を支える,これは先ほど障害者の地域生活支援ということで少し触れましたけれども,子供にとっても必要なわけですね。子供に,障害のある方たち,それから高齢者,これを社会的にしっかり支える仕組み,制度が一本にだんだんできてきていますし,地域で支える仕組みのベースになっていくだろうというふうに思います。  ですから,これは体制強化を進めるというお答えをいただきましたけれども,福田理事の方からきちんと方向づけを,短期間で目標を持ってしっかりと進めていくのだというような決意も含めて,改めて理事からのお答えをいただきたいと思います。  それから,障害者福祉生活支援にかかわってですが,今,教育と福祉の連携についての現状についての取り組みがどうなっているかということについてお答えをいただきました。ある意味で,一番支援を必要としている方たちは,多分,比較的軽度で,私たちが話していてもそれほど知的障害があるというふうにはわからないけれども,きちんと生活習慣も含めて社会的な対応,いろんなトラブルが起きたときの対応等々ができるかというと,なかなかその部分が困難になって,それを理由としていじめに遭ったり,あるいは職場を首になったりというようなことが非常に多いのだろうと思っています。  今回の論議の中で,いわゆる新しく犯罪に手を染めるといいますか,年度年度で,再犯でなくて新しく刑罰を受ける方々の全体の数の割合からすると,知的障害者というと一応いろんな判定基準がありますからあれですけれども,法務省の基準に従っての振り分けで,約4分の1ぐらいが新規の刑法犯罪者,そのうちの約4分の1ぐらいが知的障害と思われる方たちだというふうな数字が出てきています。これはみずから加害者になってしまうということと同時に,ある意味で,被害者でもあろうという気がします。生活面でトラブルが起きたときの支援がきちんとされていない。したがっていろんなトラブルに巻き込まれ,犯罪行為にも至ってしまうというような例が多いのだろうというふうに思っていまして,そういう部分での支援のあり方というのが,今,問われているのだろうというふうに思っています。  そういう意味で言うと,すぐ具体的にどうするという結論は,なかなか出ないわけですけれども,いろんな形の取り組み,保護者の方それから施設の職員,あるいは教員の方々等々のいろんな支え,論議を含めて連携のあり方をきちんとつくっていかなければならないのだろうと思いますけれども,そのあたりの考え方,これからどのように方向づけをされようとしているのかという点を1点。  それからもう1点は,いわゆる生活支援ということでいいますと,先ほど少し触れました,地域にある小規模作業所,小規模授産所というふうにも言いますけれども,これが大きな役割を果たしている。そこの職員がかなり生活全般に当たっての相談を受けて頑張っているというふうに思うわけです。  この小規模作業所の指導員の配置基準,これはいわゆる法人による施設と比べて,果たして,きちんとした配置基準なり対応がされているのかどうかという点が気になります。これからの地域生活の核として考えていくのであれば,きちんとした整備,配置が行われていかなければならないというふうに考えているわけですけれども,そのあたりが現状どうなっているのかという点について伺います。 ◎福田 保健福祉局理事  福祉のまち推進事業についてお答え申し上げます。  福祉のまち推進事業につきましては,札幌市にとりましても大変重要な施策であると,このように認識しております。地域活動を進めるに当たりましては,地域において人材を生かせる仕組みをつくるということが非常に大切なことだと,このように思っております。  幸い,札幌市民のボランティア活動への意識も高く,私ども,その方々が地域で十分活動できるよう積極的な支援はしていきたいと,このように考えております。  在宅福祉ということがございますけれども,この福まちも含めて,これからの札幌市の地域福祉はいかにあるべきかと,この点につきましては局の重要な課題といたしまして,実際に活動されている方々のご意見等を伺いながら,局内で十分検討し,その上実行に移したいと,このように考えております。 ◎相沢 障害福祉担当部長  まず,1点目の知的障害者に係る制度の確立と申しますか,充実につきましては,国に対し各種の施策推進の中でお願いしてまいりたいと考えております。  また,各種相談事業の連携や地域におけるネットワークづくりにつきましては,障害当事者,父母等の介護者,関係者等の協力関係を一層密にし,進めてまいりたいと,このように考えております。  2点目の小規模授産施設の配置基準についてでございますが,小規模授産施設におきましては,要綱に基づき利用人員に応じて三つのランクを設定し,2名以上の指導員を配置しております。このうち,常勤指導員につきましては,法定の知的障害者授産施設の配置基準におおむね見合った基準を設定し,各施設に1名以上を配置しております。  また,法定施設の生活指導員,作業指導員については,特に資格要件は定められておりませんが,小規模授産施設の常勤指導員につきましては,60歳未満で社会福祉主事の資格を有することなど資格要件を定め,全般的な指導の充実を図っております。  したがいまして,小規模授産施設の指導員の配置につきましては,現状においては適切な水準にあると考えております。  以上でございます。 ◆大嶋薫 委員  簡単に要望で終わらせていただきます。福まちについては,私もこの事業を評価してきたつもりです。地域でいち早くそういうネットワークをつくり上げて,ベース,基盤となる地域のつながりをつくっていくという先進的な取り組みを行ってきたというふうにも考えていますので,やはりこれを次の時代に,一歩,どういうふうにパワーアップするかという点で,今福田理事のお答えもいただけましたので,ぜひ頑張っていただきたいと思います。  それから,障害者の地域生活支援ですが,かなり,いろいろ難しい課題はあろうかと思います。ただ,冒頭で言いましたように,やはり地域生活をする上で制度のすき間をきちっと埋めていくためにどうするのかと,それが利用者の生活を安心して支える仕組みにつながっていくのだという視点で,いろんな論議を積極的に進めていかなければならないのかなと,そういう努力をしっかり行っていただきたいと思っております。  それから,小規模作業については,これは改めて別な機会に問題点,課題について論議をさせていただきたいとは思いますけれども,ただ,今の補助の中で,本当に,安定的に一定程度の能力を,研修あるいは勉強,資格を持った人たちが指導員として長期に働く環境になっていくかというと,そうではないことは部長の方も十分ご存じだと思います。  それをどういうふうに,これから支えていけばいいのか,あるいは小規模福祉法人という新しい国の考え方も出されてきました。そういうものとどういうふうに,折り合えるのか折り合えないのか。小規模作業所が,安定的にこれからしっかりと障害者の地域生活の核になっていくためにどうあればいいのかということについて,また改めて論議もさせていただきたいと思いますし,原局では,障害福祉の観点から論議も進めていただきたいと思います。  以上です。 ◆岡千陽 委員  ガイドヘルパー養成派遣事業と,それから障害のある方を対象としたIT講習会について伺います。  まず,ガイドヘルパー養成派遣事業について伺います。  この事業は,身体障害者手帳の交付を受けた18歳以上の方で,外出時に必要な介助者が得られない方にガイドヘルパーを派遣するというもので,1976年からは視覚障害者,81年からは全身性障害者の方に開始されています。  これまで月20回,60時間以内という利用制限の中,今年度からは,月20回という回数の制限がなくなりました。利用状況を見てみますと,2000年度は1カ月の平均が全身性障害者で1,165時間,視覚障害者が960時間だったものが,今年度は,1カ月の平均を見ますと,全身性で1,598時間,視覚障害者で1,196時間,利用時間数が,全身性では月に433時間,視覚では月に200時間と,ともに伸びています。回数制限が外されたということで,やはりより利用しやすいガイドヘルパー養成派遣事業になったことが,今の利用状況にもあらわれていると思います。  けれども,ガイドヘルパーさんの利用できる時間帯に関してみますと,原則9時から5時という時間の制限があって,この時間の延長を望む声が多くなっています。例えば,病院に行く場合なのですけれども,朝9時からというのは,病院に着くと,もう既に何人もの患者さんが受け付けを済ませているので待ち時間も長くなってしまうために,朝9時というのをもう少し早くしてもらえたらなという本当に切実な願いです。  そこで,伺います。  まず,1点目としては,他の政令指定都市の状況を見ますと,横浜市では朝8時から夜8時まで,北九州市では朝8時半から夜9時まで,そして福岡市では制限なしとなっております。本市でも,このようにぜひ時間の拡大を実施して,より利用しやすい事業にすべきと考えますが,いかがでしょうか。  それから,2点目は,派遣対象者に関してなのですけれども,ガイドヘルパーの派遣は健常者と同居している場合は,外出時は家族が付き添えるということで対象にはならず,申し込んでも断られるという状況が起きています。しかし,健常者と同居しているとはいえ,例えば,ご主人が視覚障害者の場合,奥様が働いているとか,さらに同居の家族が高齢化のために付き添えないとか,こういった場合には,ヘルパー派遣の対象となるように,対象の条件を拡大していくべきと思っていますがいかがでしょうか。  質問の3点目ですけれども,障害の範囲の拡大です。  この事業では,脳性麻痺者と全身性障害者の1級または2級,視覚障害者1級または2級となっていますが,障害の拡大を行って,例えば,自閉症や行動障害の方などへの適用を認めていただけると,医療機関などの通院に家族が付き添えない状況のとき,本当に助かるという要望を出されておりますので,対象となる障害の格差をなくすべきと考えますがいかがでしょうか。  以上,3点伺います。 ◎相沢 障害福祉担当部長  まず,1点目の通院のための時間の拡大ということで,広く言えばガイドヘルパーの時間の拡大ということでございますけれども,これにつきましては,今後,十分に検討させていただきたいと思います。  2点目の派遣対象者でございますけれども,まず,18歳未満の方につきましては対象とならないのでございますが,この理由は,国がこれを対象としておらず,国庫補助の対象となっておりませんことから,現在のところ対象に加えることは非常に難しいというふうに考えております。  次に,障害の範囲の拡大ということでございます。今現在,重度の知的障害者の方が派遣対象となっているわけでございますが,例えば,知的障害を伴う自閉症の方につきましても派遣が可能でございます。なお,特に強度の行動障害をお持ちの方など,医学的な面など非常に慎重な対応を要するケースについては派遣できない場合もあると考えられますので,ぜひご理解いただきたいと思います。  それから次に,介護者が突然倒れたとか,そういう場合についてでございますが,ガイドヘルパーの派遣につきましては,まず登録をしていただくことが原則でございます。登録に当たっては,介護者がいない状態が一定程度続いていることが要件となります。介護者が突然入院,倒れたりした場合についてですが,このような場合につきましては,社会福祉協議会登録のボランティアヘルパー等を活用していただくことになりますし,また,極めて緊急な場合で,単独での生活自体が困難な場合については,施設への入所も可能でございます。また,家族が働いている場合等につきましても,もちろん派遣は可能でございます。  以上でございます。 ◆岡千陽 委員  まず,時間の拡大に関しては十分に検討するということで,特に病院に行かれるときの要望がたくさんの方から強くなっていますので,来年度からは実施できるように,本当に前向きにご検討いただきたいと思います。  それから,家族が仕事をされている場合ということで,実際に断られているということも起きていますので,ぜひ実態を調査していただきまして,家族がお仕事を持っている場合はいいですよということを周知徹底していただきたいと思います。  それから,範囲の拡大に関してなのですけれども,やっぱり障害のある方が,社会生活上,外出が不可欠なとき及び社会参加促進の観点から日常生活上外出が必要なときにガイドヘルパーを派遣して,外出の手段を確保するというふうに要綱の目的にもなっておりまして,ぜひ強度行動障害の方なども含めて検討していただきまして,派遣事業の中身を拡大して,喜ばれる制度にしていただきたいということを強く要望します。  次に,障害のある方を対象としたIT講習会について伺います。  国の情報通信技術講習推進特例交付金によって,ことし6月から実施されたIT講習会も10月から来年の3月までの後期分が開催されています。健常者の方々は市内の区民センター,地区センター,小中学校や専門学校,パソコン教室などの講習会場を利用して受講されており,障害のある方は二十四軒にある身体障害者福祉センターで受講することになっています。  そこで伺いますが,まず1点目,この障害のある方のIT講習会に関してどのような方法で周知をしているのか伺います。また,講習会場が身体障害者福祉センター1カ所となっていますが,全市の障害のある方を対象としている中で,西区二十四軒のこの会場1カ所だけではなくて,会場をふやすことはお考えになっていないのかどうか,2点目伺います。 ◎相沢 障害福祉担当部長  このIT講習会の周知の方法でございますが,広報さっぽろ,それからテレビ,さらには各区役所にパンフレット等を置きましたほか,具体的に申しますと,STV放送のの広報番組で周知を図ったところでございます。  それから,会場の件でございますが,委員もご承知のとおり,このIT講習に係る,特に障害をお持ちの方に対する講習会については,非常に特殊な装置が必要でございます。その装置につきましては移動がなかなか困難でございますので,やはり一番交通至便な身体障害者福祉協会に限定して行っているところでございます。  以上でございます。 ◆岡千陽 委員  周知徹底の方法なのですけれども,広報さっぽろだとかテレビ,あと区役所などにパンフレットを置くということだったのですが,実際には,参加した人から聞いて初めてわかったという方が多くて,だったら行きたいな,でも,前期が終わっちゃったというような声も聞かれるのですね。特に,視覚に障害のある方というのは,ラジオを聞きながらいろいろ作業をしたりだとかが多いようなのです。もう後期に入ってきているのですけれども,ぜひラジオの市民の皆さんへの札幌市からのお知らせというようなところを活用いたしまして,ラジオなんかも幅広く利用してほしいという,これは要望しておきます。  それから,講習会場についてなのですけれども,募集定員が肢体不自由の方6人,それから視覚障害で2人,知的障害4人,聴覚障害6人で,1日3時間で,月4回の受講となっているのです。例えば,視覚障害の方の場合は,定員2名で1日,午前,午後,夜間それぞれ2人ずつの枠しかないので,月に6人しか受講できないのです。月に4回という受講回数をふやしていただくか,あとは会場をふやして1カ月の受講人数をふやしていただかないと。前期分で申し込んで,落選している方がでているのです。  さっき,機器のお話をされたのですが,いろいろ特殊で機器の台数が限られるという点では,今年度,障害者情報バリアフリー設備整備事業で市内の障害者施設21カ所に機器を整備したということもありますので,この施設に協力をお願いするなどして,会場をふやすなどのことは検討できないかどうか,1点目伺います。
     また,前期受講した方から再度受講したいという声もたくさん要望が上がってきているのですけれども,再受講に関しては後期分受け付けていただけるのかどうか,伺います。  それから3点目,障害のある方のパソコン機器に,全身性重度障害者の方が,まぶたの動きで操作できるような器具も取りそろえられているようなのですけれども,実際には,活用できていないのです。全身性の方は,会場まで足を運ぶことが困難な場合も多いので,希望があれば自宅で講習を受けられないかなということもあるのですけれども,自宅への出張講習などの方法は,後期分で考えられないのかどうか,伺います。 ◎相沢 障害福祉担当部長  まず,定員につきましては,委員のご指摘のとおり,視覚障害2名,あと聴覚障害と肢体障害がそれぞれ6名,軽度の知的障害が4名という枠になってございます。そして確かに視覚障害の方のご希望が多いことも承知しております。  それで,まだ定員に埋まらない,例えば知的障害の部分とかを振りかえて実施していきたいと思っております。それから開催の日時につきましても,もう少し回数をふやすように努力してまいりたいというふうに考えております。  次に,会場の件でございますが,やはり先ほど申しましたとおり,いろいろ制限されるものですから,今のところ私どもとしましては会場をふやす考えはなく,また,身体障害者福祉センターは,この講習のためだけではなくて,ほかの設備も整っているものですから,そこがIT講習の場としては最高ではないかというふうに考えております。  再受講の件でございますが,これについても可能となるよう検討してまいりたいと思っております。  それから,自宅出張でございます。自宅への講師派遣ということでございますが,今回のIT講習では,公共施設または民間施設などの会場を設けて実施しなさいという国からの通知もございますので,ぜひこの点についてはご理解いただきたいというふうに思っています。  以上でございます。 ◆岡千陽 委員  国の交付金によるこの事業は,政府によると,すべての国民が享受できるIT立国の形成を目指してとなっています。障害を持つ方にとっては,パソコンなどを活用することでコミュニケーションの手段が今よりもっと広がるということにもなりますので,その点でも,このIT講習会の果たす役割は大きいと思います。  会場はふやせないけれども,回数は検討というふうにご答弁がありましたので,ぜひこれは後期分はもう始まっていますが,急いで検討していただきたいということと,それから出張講習が無理ということであれば,まぶたなどを使う機器もあるよということを広く知らせて,もしかすると介助者がついて,二十四軒まで来れる全身者の方もいらっしゃるかもしれないので,そういう機器に触れるというチャンスもつくっていただきたいなというふうに思います。  国からの交付金が今年度1年限りのために,IT講習自体も今年度で終了となってしまうのです。けれども,せっかく機器もそろえたわけですし,それから再受講をしたいなというふうに人気も出てきていますので,来年度IT講習事業が終了した後も,ぜひ機器の活用を積極的に行っていただくことを強く要望して,終わります。 ◆坂本恭子 委員  私からは大きく2点。DPI世界会議札幌大会と地下鉄駅エレベーター整備について伺います。  まず,DPI世界会議札幌大会についてです。この大会は,来年,2002年10月15日から18日までの4日間の会期で,北海道立総合体育センター「きたえーる」を会場として,国内から1,000人,そして海外からも100国近くから1,000名の方が,ボランティアなども含めると2,500名から3,000名の参加が予定されている大変規模の大きな大会です。  大会組織委員会では,この大会の開催と準備によって,北海道そしてこの札幌市をだれもが住みよい地域に発展させるために,バリアフリー,ユニバーサルデザインの意識を高める,そういうきっかけをつくっていきたいという大きな目標を掲げております。特に,今回の大会の課題の一つとしてホテル,会場,街づくり,そして交通機関など,ハード・ソフト両面でのバリアフリーの推進を上げています。  前回,大会が行われたメキシコでは1万カ所,これだけ多くの段差の解消が図られる,そしてリフトつきの路線バスが導入されるというようなことで,大変バリアフリーが大きく前進したというふうに聞いております。  そしてまた,本市でも1998年,札幌市福祉のまちづくり条例が制定され,建物などの構造による物理的障壁,意識上の障壁等を取り除き,だれもが等しく社会参加することのできる福祉のまちづくりを積極的に推進しなければならないと,この条例の前文でうたわれています。  今,大会参加者の大半が車いすによる移動を必要とするところから,特にこの面でのバリアフリー対応が強く求められていると考えております。4日間の大会に加え,時間が許せばさらに本市での滞在期間が長くなるということですから,宿泊施設がいかに快適なものであるかというのが重要なポイントになるのではないかと,そういうふうに思っております。  大会参加者は,全体としては2,500名から,3000名,宿泊者は1,500名から2,000名というふうに予想されていると多分思うのですけれども,大会参加者の宿泊施設として,市内のホテルをある程度確保したと,指定をしたというふうに聞いております。民間ホテルのバリアフリー対応の客室は,実態としてはまだまだ不足をしているというふうにもとらえておりますので,大会に向けてどのように対応していくのか,伺いたいと思います。  それから2点目,大会期間中の参加者の移送体制について,伺いたいと思います。  先ほども言いましたように,海外から1,000名を超える方が参加し,その中でも800人ぐらいの方が車いすを利用する方だという予測を立てているということを聞いております。大変多いわけですが,ホテルから地下鉄,あるいは地下鉄から会場である「きたえーる」,市内各所に行くのに,公共交通機関はもちろんですけれども,大会の会場にあわせて,時間にあわせて移動するなどということになれば,大量輸送をしなければならない。これに対して万全の体制を果たして確保しているのかどうなのか。  交通局ですとか民間バス会社から,車いすですからノンステップバスだとか,あるいは他の大型バスを貸していただくと。あるいはリフトワゴンですとか,車いすが乗せられるワゴン車については,区の社会福祉協議会や福祉施設からも借りるなどというようなことも検討されているというふうに聞いておりますけれども,現状,どのような状態になっているのか。十分に対応することができるのか,それをお聞きします。  それから,例えば,ノンステップバスの台数はそんなにあるわけじゃないですから,今,路線バスとして運用されているわけです。それから,社協や福祉施設のワゴンについても,これは日常的に使われているものですから,これを大会期間中にお借りするということになると,当然,日常生活での利用者ですとか,市民の皆さんに対して不便をかけるという事態が想定されると思うのですけれども,ここについてどのような対策を講じているのか,伺いたいと思います。  それから大きな2点目,地下鉄駅のエレベーター整備について伺います。  この問題については,議会でも繰り返し取り上げてまいりました。市民要望も大変強いものです。この市議会に対する陳情・請願が合わせて9件,昨年,一昨年,要望もそれぞれいろんな駅に出されているのですけれども,24件,総数出されております。1996年議会で,全駅にこのエレベーターを設置しようということを採択をして以来,いまだ49駅あるうちの9駅,平岸駅の片方を入れればもう半分ふえるということになりますけれども,未設置のまま残されているということになります。  そこで,改めて伺います。  残された9駅について,この間どのように検討が進められ,どこに課題があるのか,これを具体的にお示しください。  それからまた,保健福祉局と交通局との協議の中で計画が進められていくというふうになっておりますけれども,交通局との協議は,日常的にはどのような体制で行われているのか,しっかりとした協議体制をもって緊密に連携をしているのかどうか,この点についてもあわせて伺いたいと思います。 ◎相沢 障害福祉担当部長  DPI世界会議札幌大会の宿泊施設についてでございますが,DPI世界会議札幌大会の組織委員会では,大会参加者を2,000人と想定しまして,このうち市内での宿泊者数を1,500人と見込んでおります。これに対応するため,参加者の宿泊施設として7ホテル及び2次候補施設として8ホテルを指定したところでございます。指定しましたホテルについても,一部バリアフリー化されていないホテルもございますので,ホテル従業員への介助研修,ボランティアの配置,バスルームドアの取り外し等の検討,簡易スロープ等の設置等々,ホテル側の全面的な協力を得ながら宿泊に万全を期してまいりたいというように考えております。  2点目のDPI札幌大会に係る移送体制でございますが,参加者の移動については,運営準備の中でも大変重要な問題であると私どもも認識しております。移動手段といたしましては,大会期間中1日当たりノンステップバス,ワンステップバスを含め大型バス65台,リフトつきワゴン車50台程度が必要と計画しております。  これらを交通局及び民間バス会社から借り上げますとともに,特に,リフトつきワゴン車につきましては,市内及び周辺市町村の各福祉施設から借用する予定であると聞いております。  お話にもございましたとおり,車両の借り上げに伴いまして,市民に迷惑をかけない手段でございますけれども,リフトつきワゴン車につきましては,障害者の送迎等に使用している車両でありますことから,障害者の送迎等に支障がないよう事前に各施設にアンケート調査を実施しまして,施設側の意向を確認する作業を行うと聞いております。  また,交通局からノンステップバス9台を借り上げる予定でありますが,市民の方に対しては,大会期間中バスを貸し出し中である旨を停留所の時刻表に掲示する予定であります。  あわせて,障害のある方々がノンステップバスを利用する際には,事前に各営業所に連絡をもらうシステムとなっておりますので,期間中,障害のある方々の利用については,適切に対応してまいりたいと,このように考えております。  以上でございます。 ◎高本 保健福祉部長  地下鉄駅のエレベーター設置につきまして,お答えいたします。  今,委員の方からもお話がございましたように,現在,49駅のうち未設置駅につきましては9.5駅,この0.5というのは地下鉄駅の行きと帰りのホームが違うところで,先ほどもちょっとお話がございましたように,平岸の片方部分を入れますと,未設置駅については9.5駅となっております。  それで,今後の見通しについてでありますが,いずれも駅舎が狭い,あるいは地上部に設置をする用地がない,そういった難しい問題を抱えております。  そこで,どういう検討をしているのかということでありますけれども,主に設置場所の確保が課題である駅に対しましては,民地を取得したり,あるいは民間建物に合築する等民間に協力を求めるほか,例えばバスターミナル内での設置なども検討しております。  また,駅舎の構造上課題がある駅に対しましては,地下鉄駅施設の機器の更新時期であるとか,駅舎改良事業等,そういったことにあわせまして駅舎構造を変更するなどの方法を検討しているところでございます。  いずれにいたしましても,地下鉄全駅にエレベーターを設置することにつきましては,お話がございましたように,平成8年度の議会においても,全駅設置を求める陳情が採択されておりますので,それを重く受けとめて,条件の整った駅から設置を進めてまいりたいというふうに考えています。  それと,交通局との検討体制はどうなのかというご質問でございますが,基本的には,保健福祉部と交通局が共同でこの設置に当たっております。具体的には,現地へ足を運んだ上でそれぞれの検討状況であるとか,あるいは駅周辺に係るいろんな情報を随時共有をいたしまして,必要に応じて検討会議を実施して進めております。  今後も,これまで以上に連携を密にしまして,できるだけ早い時期での全駅設置に向けて,お互いに知恵を出していきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆坂本恭子 委員  まず,DPI世界会議についてですけれども,ホテルの方は,1次指定,2次指定,合わせて15のホテルが選定されています。ホテルの選定に当たっては,組織委員会の方が昨年の1月から2月にかけて,市内54のホテルに対して,ホテルアクセス調査についてというアンケート調査を行っており,ホテル内の施設整備では障害者への対応がどうなっているのかについて実態調査を行っています。このアンケートの,障害者に利用しやすいホテル施設になっているかという問いに対して,利用しやすいと答えたのが54ホテルのうち七つだったのですね。車いす利用者についての項目ではホテル入り口の状況について,フラットになっているだとかスロープがあると答えているのが38,車いす用トイレがあるというのが25などとなっていました。  その一方,視覚障害者についてのアンケート項目では,案内表示が点字表示になっているかということで,なっているというのが54のうち10カ所,いろんな案内,表示等があるというのが1カ所,あと温泉案内があるというのが3カ所というふうになっていまして,視覚障害者への対応が本当におくれているというのが,このアンケートでも浮き彫りになっているのだなというのがよくわかるのです。  それから,ハンディーキャップルームを持っているか,障害者用の個室があるのかという問いに対しては54のうち10ホテル,全体の19%にこれがとどまっている。そして,今後の設置計画が全くないというのが43のホテルでした。  前段お話をしました福祉の街づくりは,条例はつくったけれども,本当に,この道のりがまだまだ長いという感じは否めません。福祉のまちづくり条例の中には,市の責務,事業者の責務というのが明記されております。市は,この条例の目的を達成するため,福祉のまちづくりに関する総合的かつ計画的な施策を策定し,及び実施する責務を有する。市は,事業者及び市民に対して必要に応じて支援する措置を講ずるものとするとなっています。事業者は,積極的に福祉のまちづくりを推進するよう努めなければならない。市の施策に協力しなければならないというふうにあります。  先ほど申し上げたように,民間施設でのバリアフリー対応は非常におくれている。この改善を進めていくためには,今,いろんな施策が行われていますけれども,例えば融資制度の枠を広げるだとか,より実効性のある施策というのが不可欠なのではないかというふうに思います。  どのように,この福祉のまちづくり,バリアフリー化を実現するおつもりなのか,このDPI大会をよい機会としてとらえて,この辺をどのようにお考えなのか,お聞かせをいただきたいというふうに思います。  それから,先ほどのご答弁の中で,バリアフリー対応をされていないホテルの取り組みについて,バスルームドアの取り外しの検討であるとか,ベッドの配置がえをして,車いすが転回できるようにするだとかというようなことを行っていくというふうにありましたね。  先ほどのアンケート調査を行った後に,これは郵送での調査だったのですけれども,実際にホテルで実態調査が行われております。障害者の方も実際に行って,その施設の点検をしてくるというような調査だったと聞いておりますけれども,15の宿泊施設,民間ホテルが指定された経緯では,障害者の声がどのように反映されたのか,どこまで届いているのかということが大変気になっております。数は確保される,15ホテルですから大体これで宿泊客の分は確保できているのかなと思いますけれども,やはり施設整備の面が進んでいかないと。そして,ボランティアやホテルの職員の方たちの研修等も行い,本当に障害を持った方,大会に参加される方が利用しやすいものになるのかどうなのか,そこら辺を札幌市がどのようにサポートをしていくのか,この点について改めて伺いたいと思います。  それから,地下鉄についてですけれども,交通局と連携をして精一杯頑張っていきたいというご答弁がありまして大変うれしく思いました。  個別の駅についてちょっとお聞きしたいなと思うのですが,例えば南郷の18丁目駅,ここは要望が大変強い駅です。もちろん陳情や請願も出されておりますけれども,南郷通に面したこの18丁目駅,2番出口なのですが,駐輪場の反対側,東側の方に土地が若干確保されているのですが,例えばここに設置をすることはできないのか,検討はしていないのかについて伺います。  それからまた,中島公園駅についてなのですが,昨年1定で荒川議員の質問に対して,当時の大長助役が交通局も含めて地権者との話を進めているところだということをご答弁されております。その後どのように進展しているのか。少し具体的にお聞かせいただければと思うのですが,お願いいたします。 ◎相沢 障害福祉担当部長  まず,1点目のバリアフリー整備への助成についてでございますが,昨年から,福祉のまちづくり施設整備資金融資制度を設けましたことから,この制度の活用を積極的に企業等に働きかけてまいりたいと,このように考えております。  次に,ことしの2月に実施しました調査で,障害者の方にとりまして,使いにくいホテルの客室があることが明らかになったところでございます。やはりこれらにつきましては,私どももあらゆる機会を通じまして,ぜひ,その改築,また物的な面だけでなくて,ホテル従業員に対する介助研修等を通して,改善に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◎高本 保健福祉部長  ただいま未設置駅の個別の検討状況についてのご質問でございますが,まず,南郷18丁目駅についてでございますけれども,以前,北海道銀行とバスターミナル3番出入り口の設置を検討いたしましたが,現在の建物の基礎部分への影響の問題が予想されるということで設置は困難となっています。現在は,お話のございました2番出入り口の東側にある交通局用地内への設置について,構造的,技術的な検討を行っているところでございます。  次に,中島公園駅についてでございますが,この駅につきましては,電気室の更新工事にあわせて駅舎の構造を変更することによって,中島公園側の1番出入り口部分に設置することができないかどうか,現在,検討を進めているところでございます。 ◆坂本恭子 委員  DPI世界大会の方なのですけれども,組織委員会が主体になってこの大会は運営されていくということで,組織委員会の自主性・主体性を尊重しつつ,しかし,市としては,きちんと役割を担って大会成功の牽引役をしっかりと果たしていただきたいというふうに思います。  その意味では,バリアフリーの対応ができていないホテルについて,バスルームのドアを取り外してカーテンレールでそれを仕切っていくというような対応の仕方も検討されているというふうに聞いているのですが,やはり,そういうことではなくて,街づくり条例に基づいた施策なども活用しながら,参加された方,大会を担っていく方たちが,本当に快適に過ごせるような,そういう手助け,役割をしっかりと果たしていっていただきたいということを申し添えておきたいと思います。  それから,地下鉄駅では,今,南郷18丁目と中島公園駅についてお答えをちょうだいしました。これで最後にいたしますけれども,東西線の菊水駅,それから南北線についてちょっとお話を伺いたいなと思うのです。  南北線については,きのう10月3日付の北海道新聞で,これは交通局の分析ということで大きく報道されておりました。この中で交通局が言っているのは,今,南北線の乗客が減っているという中で,高齢化にしっかりと対応する整備をしていきたいと。これは具体的にはエレベーターを整備して,高齢者に配慮をし,利用者の増を図っていきたいという調査に基づいた分析を載せているわけです。  そういう意味では,未設置9.5駅のうち5駅が南北線ということで,ここは30年前に開業した地下鉄線ですから,本当に老朽化も進んでいるという中で,当時はバリアフリーの考えも浸透しておりませんでしたので,本当に構造上エレベーターがつきづらいという状況になっています。また,北海道新聞の記事でも言っておりますけれども,この地下鉄線周辺の高齢化というのが大変進んでいるわけです。特に,北18条,北12条というのは,早くエレベーターを設置してほしいと,そういう声が本当に大きくなっているところなのです。ここでこそ保健福祉局がしっかりとイニシアチブをとって,交通局と協議を進めていただきたいというふうに思っています。  それで,北18条それから北12条の進捗状況をお聞かせいただきたいということが一つ。  それから,東西線の菊水駅と,今言った南北線の北12条駅ですけれども,これは両方とも大変大きい病院が近くにあります。特に,北12条駅は北大病院があり,ここは12条駅にエレベーターがないために,札幌駅からタクシーに乗ってわざわざ北大病院にかかっているというような状態なのですね。今,本当に医療費の負担が大変な中で,タクシー料金もみずから負担をして病院に通わなければならないということでは,本当に深刻な声が出されているところです。菊水駅についても同様なことが言えると思うのですけれども,ここについては保健福祉局として,最優先に,一刻も早く設置に踏み切るべきというふうに考えるのですけれども,どのような認識で取り組んでいらっしゃるのか,最後にお聞かせいただきたいと思います。 ◎高本 保健福祉部長  地下鉄駅の未設置駅について,また改めて菊水駅と南北線の北18条・12条駅の進捗状況についてのご質問ですけれども,先ほど申し上げましたように,現在,未設置の駅につきましては,一つには設置場所の確保が困難であるということと,もう一つ,駅舎の構造上に大きな課題があるということであります。  そういう意味で,北18条駅,北12条駅につきましては,これは駅舎そのものが非常に狭隘でありますので,駅舎構造の大きな改修なども視野に入れながら検討しているという状況でございます。  また,菊水駅につきましては,こちらの方は地上部分に用地を確保できないということで,民有地の取得を含めた設置の方法について検討しているという状況でございます。  いずれにいたしましても,冒頭申し上げましたが,地下鉄全駅にエレベーターを設置することについては,非常に大きな課題だと受けとめておりますので,できるだけ条件を整備しながら取り組んでまいりたいと,そのように考えています。 ○荒川尚次 委員長  以上で,第1項 社会福祉費の質疑を終了いたします。  ここでおよそ20分間委員会を休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後3時45分       再 開 午後4時6分     ────────────── ○荒川尚次 委員長  委員会を再開いたします。  次に,第2項 児童福祉費及び母子寡婦福祉資金貸付会計決算について,一括して質疑を行います。 ◆藤原廣昭 委員  私は大きく3点について質問いたします。  その第1は,保育所の待機児童対策について,第2は,児童会館での障害児の受け入れについて,第3は,児童虐待防止法にかかわる具体的な対策についてであります。  以下一括して質問をさせていただきます。  初めに,保育所の待機児童対策についてであります。  本市は,今次5年計画で,安心して子供を産み育てられる環境づくりを重点施策として掲げ,その具体的な支援策として,待機児童解消を図ることとし,保育所の新設,増改築等を行い,705名の定員増を図ることになっております。特に,計画の初年度となった昨年度は,405人という大幅な定員増を行ったわけですが,ことし7月1日の待機児童数は全市で344人,昨年の399人と比較し55人の減少となっており,一定の効果はあらわれているものの,抜本的な解消には至っておりません。  質問の第1点目は,待機児童の内容として,各区ごとの人数,年齢別の状況,現在の保育状況についてお伺いいたします。  次に,さきの代表質問で,市長は,待機児童の早期解消に向け最大限の取り組みを行っていくといった力強い取り組み姿勢を表明されたことに,私どもとしても一定の評価をしているわけですけれども,ことし4月及び7月の待機児童数の状況を見ると,この10月には約600人前後の待機児童が発生するものと思われます。今次5年計画については,まず,年度当初の待機児童解消を図るということでお聞きしておりますけれども,代表質問における市長の強い取り組み姿勢が示されたことで,今後,新年度予算の要求作業を進めるに当たっては,このような年度途中における待機児童も視野に入れながらその解消を図るために,5年計画を思い切って前倒しするといった積極的な取り組みを進めるべきだと考えます。  質問の第2点は,待機児童の解消は,もはや我が国全体の最優先課題の一つであると言えますが,本市の新年度予算に向けた取り組み姿勢についてお伺いいたします。  続いて,児童会館での障害児の受け入れについてお伺いします。  本市の児童会館における放課後児童健全育成事業は,留守家庭児童に一定の配慮をしながらも,すべての児童の放課後生活の充実に努め,一定の成果を上げてきました。この事業は,現在の子供たちの置かれている環境を考えると,より一層の充実が求められているものであり,中でも,障害児の放課後生活の充実を図ることは急務であると考えます。  ことし,2月27日の本市第1回定例会代表質問で,民主党は児童会館での障害児の受け入れ姿勢について考えをお伺いしました。これに対する答弁は,放課後の居場所として,より身近な施設となるよう努めたいとのことでしたが,これに関連して質問をいたします。  質問の第1点目は,児童会館における障害児の受け入れ態勢の強化と受け入れ状況についてお伺いします。  質問の第2点目は,障害があり特殊学級に通っている児童などが,自宅に帰ることなく学校から直接来館することができるようにするとの答弁がありましたが,その状況についてお伺いいたします。  質問の第3点目は,現在整備を進めているミニ児童会館についてですが,学校の中に整備されることで,放課後に仲間と一緒の時間を過ごすことができるため,特に障害児にとって放課後の居場所として必要なものであり,今後,積極的に整備を図っていくべきと考えます。しかしながら,現5年計画で29館の整備計画に対して,今年度も含めてこれまでに6館という整備状況であり,現計画の中での整備達成が非常に厳しいように思われますが,今後,どのような考えで整備をしていこうとしているのか,お伺いいたします。  次に,児童虐待問題について,お伺いいたします。  民主党は,現在開会中の本市第3回定例会の代表質問において,年々増加傾向にある児童虐待の防止対策について,具体的な提言も交え質問を行ってまいりました。特に,児童相談所の体制の強化充実については,昨年11月20日施行されました児童虐待防止法の第4条で,行政の責務が明記されたことから,全国の約4分の1の都道府県及び政令指定都市で,児童相談所内に機動的かつ専門的に対応する課や係などのプロジェクトチームが編成されております。  また,本市は,児童福祉司も国の基準より3名少ない17名の配置となっています。本市におけるこれらの対応を求めたところ,答弁では,専門性が十分に発揮できる体制の充実に努めていきたいとの内容でありました。  質問の第1点目は,先ほど申し上げた児童虐待対応課などを新設した場合,現在と比較してどのようなことが具体的に対応できるのか,あわせて,これらの新設に向けてもう一歩踏み込んだ考えをお伺いしたいと思います。  質問の第2点目は,本市における児童福祉司の配置は,政令指定都市の中でも下位にあり,児童虐待が年々増加する中で,業務量も増大しており,このまま推移することは本市の虐待防止等に対する姿勢が問われかねません。増員に向けての考えを改めてお伺いいたします。  初めに,以上7項目についてお伺いいたします。 ◎平井 保健福祉局理事  私の方からは,保育所の待機児童対策についてご答弁申し上げます。  7月1日現在の待機児童344名のうち,区別の内訳についてでございますが,北区と西区がそれぞれ77名と最も多くなっておりまして,以下,東区75人,厚別区44人,手稲区32人などとなっております。
     次に,年齢別の待機状況でございますが,3歳未満の低年齢児が175人,3歳以上児が169人となってございます。  また,待機児童の保育状況についてでございますが,母親が保育を行っているものが6割強を占めており,認可外保育施設への入所,祖父母が保育しているものがそれぞれ1割強となってございます。  2点目の来年度予算に向けた取り組み姿勢でございますが,地域ごとの保育需要をさらに細かく分析いたしまして,ただいまご提案の趣旨等も踏まえ,待機児童の早期解消に向け,積極的,最大限の取り組みを行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎三浦 少年育成担当部長  児童会館での障害児の受け入れについてお答えいたします。  ご質問の1点目,障害のある児童の受け入れ態勢の強化と受け入れ状況についてでございますが,児童会館,ミニ児童会館における障害のある児童の受け入れに当たりましては,身辺の自立が見込まれ,意思疎通が図れること,危険な行動の防止または抑制が可能なこと,保護者の理解と協力が得られることなど,その児童の障害の種別や程度などを把握し受け入れをしているもので,必要に応じて指導員を配置する体制をとっております。  また,障害のある児童に関する職員の研修を継続的に実施しているほか,専門的知識を持った巡回指導員による相談・指導を行うことにより,指導員の資質の向上にも努めているところであります。  次に,障害のある児童の受け入れ状況についてでありますが,児童クラブの受け入れ状況としては,平成12年度には18カ所,23人,平成13年度当初30カ所,38人であったものが,9月末では32カ所,44人となっており,着実に進んでいるものと認識しております。  2点目の特殊学級等に在籍する児童などの直接来館についてのご質問でございますが,これは本年度から取り入れた制度でございます。4月を周知の期間とし,5月から実施しているものでございます。障害があり,特殊学級から直接児童会館に来館している児童は,年度当初の5月には7人であったものが現在は11人となっており,この制度が次第に定着してきているものと考えております。  3点目のミニ児童会館の今後の整備についてのご質問でありますが,近年の新興住宅地域や,あるいは共働き家庭の多い地域からの設置要望が年々増加している現状にあります。現5年計画の中で,こういった需要の高い地域を優先して整備を進めてまいりたいと考えております。しかしながら,需要の高い地域の小学校には必ずしも余裕教室が存在していないという厳しい状況もありますので,今後の整備方法については教育委員会等とも十分協議し,できる限り計画の目標に近づけるよう努力してまいりたいと考えております。 ◎青山 相談判定担当部長  児童虐待問題について,私の方からお答えさせていただきます。  まず,1点目ですけれども,児童虐待対応課等の新設についてでございます。  ここ数年,児童虐待の相談件数が急増していること,また,家庭裁判所の審判を要するなどの困難ケースが増加してきていること,それから先生のご指摘のように,児童虐待防止法の施行に伴いまして,児童相談所が児童虐待の中核機関として位置づけられたことによりまして,より迅速,的確な対応と専門機関としての専門性を強く求められているのが現状でございます。  この対策といたしまして,他の政令指定都市の数カ所におきましても,先生がおっしゃられましたように,児童相談所内で児童虐待対応を専門的に行う部署を設けておりますが,私どももこれらの都市の状況を参考にさせていただきながら,本市の実情に合った相談体制の整備を進めるよう,関係部局と協議してまいりたいと思います。  なお,これらの部署をつくった場合の比較でございますけれども,現状と違うことは何かと申しますと,一番大きいところは,通報者から通報をちょうだいしたときに,統一的な初期の対応ができるということであります。  もう1点は,児童相談所の中で子供を引き揚げなければならない事態が生じたときに,これは現行の状態でいきますと,指導をしていかなければならない職員と子供を引き揚げなければならない職員が,同一の職員でやらなければならないというのが実態でございます。こういうようなものを対応していくときには,別々に分けた中で,片方が引き揚げをして,片方が親子に対する指導ができるというようなことが大きな違いになってくるかと思います。  続きまして,児童福祉司の増員についてでございます。  1点目でも児童虐待対応の児童相談所の現況を申し上げましたが,児童福祉司の業務が質・量ともに年々増加してきております。昨年度と本年度におきまして,各1名の増員を行っておりますが,先生もご指摘のとおり,国が示す算定基準に減の状態でございますので,この基準に合った人員配置ができるよう,関係部局とさらに協議を重ねてまいりたいと思っております。  以上であります。 ◆藤原廣昭 委員  待機児童対策について再質問をさせていただきます。  本市においては,定員外で超過して入所を認めており,その数はことし9月1日現在で総定員の約10%,1,381人となっております。定員を超えて過大な受け入れをすることによる入所児童の処遇の低下が懸念されております。私は,児童の受け入れについて,基本的には定員内での対応を図るべきであり,少なくとも年度の中間,10月ぐらいまでは定員内で対応すべきと考えるわけであります。  こうした視点に立ち,再質問の1点目は,この定員外入所の位置づけと今後の対応についての考え方をお伺いいたします。  次に,国においては,昨年3月に保育所設置主体制限の撤廃等の規制緩和を行ってまいりましたが,これにより学校法人やNPO法人,株式会社,個人等の資格でも基準に見合う施設であれば,保育所の認可を受けることが可能になったわけであります。  本市においては,ことし4月から新たに認可要綱を定め,これらの設置主体についても認可を図ることとしております。しかしながら,社会福祉法人以外の設置主体による,その後の認可数については全国的にも少なく,規制緩和の効果はほとんどあらわれていないのが現状であります。  その大きな理由として,社会福祉法人以外の設置主体については,整備費の補助が行われないためであります。  再質問の2点目は,私の試案ではありますが,緊急的な待機児童対策として,例えば,二,三年程度の期間を定め,認可施設への移行などを前提として保育遊具の購入であるとか,児童用のトイレや沐浴設備の設置といった初度調弁のための費用補助のような呼び水的な支援策の導入も含め,規制緩和を最大限活用した整備を進めるべきと考えますが,この点についてどのような考えを持っておられるのか,お伺いをいたします。  引き続き,児童会館の障害児受け入れについての再質問であります。  先ほどの答弁では,障害児の受け入れについて,積極的に取り組み,着実に利用が伸びていることは,大きな前進であると一定の評価をしたいと思います。また,児童会館に直接来館することができる制度については,現在,障害があり特殊学級に通っている児童が11人ということでありましたが,さらに利用者がふえ,児童会館が障害児にとってより身近な施設となることを期待するものであります。  しかし,障害児とその保護者の放課後生活を思うと,学年が上がるごとに行動半径も活発になり,児童会館に直接来館することができるとしても,保護者としては,さらに指導員との連絡が密である児童クラブへの受け入れを求めているわけであります。  このような視点に立ち,再質問の1点目は,校区内の学校に特殊学級がなく,校区外の学校に通わなくてはならない障害児は,校区の学校にミニ児童会館がある場合,児童クラブに登録をすることはできるのか,お伺いをいたします。  再質問の2点目は,1999年の札幌市地方社会福祉審議会の答申にも触れられておりますが,4年生以上の障害のある留守家庭児童の児童クラブへの受け入れを進める考えはないのか,お伺いをいたします。  再質問の最後は,児童虐待防止対策についてであります。  児童福祉総合センターへの精神科医の常勤配置についてであります。  代表質問に対する答弁では,被虐待児に対しては,ある程度のカウンセリング体制が整っているとのことでありました。被虐待児は,一時保護や養護施設,里親制度やカウンセリング等で心のケアができたとしても,虐待者である保護者へのカウンセリング等をしっかり行わないと,子供が再び保護者のもとで生活する際に同じことが繰り返されることになるわけであります。児童相談所運営指針でも示されている精神科医を常勤させていないのは,代表質問でも触れましたけれども,政令指定都市の中で本市を含めて5都市となっているわけであります。  再質問の第1点目は,このような視点から,精神科医の常勤及び兼務配置について,当面の対策と今後の方針についてどのように考えているのか,具体的にお伺いをいたします。  次に,児童虐待の傾向と内容についてであります。  虐待の内容は,身体的虐待,心理的虐待,性的虐待,ネグレクト,いわゆる療育拒否の四つに分類されるわけであります。全国的な傾向の第1位は身体的虐待で9,337件,49.7%ですが,道内ではネグレクトが173件,44.8%,本市では129件,51.2%と,全国のネグレクト6,869件,36.5%より高い現状を示しているわけであります。また,主な虐待者は実母が多く,全国で1万1,598件,61.6%,道内では223件,57.8%,本市は168件,66.7%という状況になっているわけであります。  再質問の2点目は,一般的に虐待はどのような要因によって起きるのか。あわせて,本市における虐待の内容として,ネグレクトが多い理由と今後の防止対策をどのように考えているのか,お伺いいたします。 ◎平井 保健福祉局理事  まず,1点目の定員外入所の位置づけでございますが,私どもといたしましても,超過入所は,基本的には年度途中の弾力的な受け入れ策として推進すべきものと考えておりまして,待機児童の早期解消と相まって,保育所の適切な整備を進めて,児童がより快適な環境で保育されるよう,その改善に努力をしてまいりたいと考えております。  2点目の規制緩和を活用した施設整備でございますが,国の方も平成12年に規制緩和をいたしましたけれども,社会福祉法人以外には施設整備費が出ないということで,新年度はこれを促進するためのいろいろなメニューを考えているようでございます。私どもも国のメニュー等もいろいろ考えながら,今後,整備に当たっては認可保育所への意向を希望する認可外施設,あるいは幼稚園,そういったものも対象として施設整備を図っていきたいというふうに考えております。 ◎三浦 少年育成担当部長  校区内にあるミニ児童会館での児童クラブへの登録についてでございますが,ミニ児童会館は校区内のすべての小学生を対象としておりまして,特殊学級や特認校に通うため校区外に通学している児童も,居住区のミニ児童会館の児童クラブに入会できるシステムになってございます。なお,この件については周知不足の面もあるため,広報に努めてまいりたいと考えております。  次に,障害児の4年生以上の児童クラブへの登録についてでございますが,委員ご指摘のとおり,さきの答申でも指摘されている内容であります。4年生以上の障害のある児童の受け入れについては,私どもも非常に大きな課題であると受けとめておりますので,さらに検討を進めてまいりたいと考えております。  なお,現段階におきましては,直接来館できる制度を利用していただくことで対応をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎青山 相談判定担当部長  精神科医師の常勤についてお答えさせていただきます。  虐待をした保護者へのカウンセリングの必要性は,代表質問でもお答えしたように,重要な児童虐待対策の一つであると考えております。したがいまして,当面の対応といたしましては,嘱託の精神科医によるカウンセリングを,児童相談所内で実施できるようにしていきたいと考えております。  次に,常勤医の配置でございますが,現在,保護者に対しまして,本市の精神衛生保健センターや居住地の近くの精神科病院を受診していただき,カウンセリングを受けていただいておりますので,児童相談所内で行わなければならない件数がどれくらいあるのか。また,医師の業務内容等を十分調査研究させていただきながら,医師の常勤または兼任体制を検討させていただきたいと思っております。  続きまして,虐待の原因とネグレクトに対する対応についてでございます。  虐待の原因といたしましては,親自身が虐待を受けて育ってきた場合,また,夫婦関係がいつも不安定な状態で,一方が支配的でその配偶者が服従的な関係にある場合,近隣関係とトラブルを起こしたりするために,親戚や社会から孤立しがちな場合,育児不安や不満等から精神的な安定性を欠く親の場合,子供に問題性があり,手のかかる子,育てにくい子を持った場合などなどでありますけれども,いずれも親が精神的に不安定となる要因を抱えている場合に虐待につながっていくと考えられております。  ご指摘のとおり,本市の場合,ネグレクトが虐待件数の半数強という状態にあります。養育拒否や監護不適当がネグレクトに相当するわけでございますけれども,このネグレクトに対する防止策につきましては,親が子供を邪険に扱っていたり,子供が同じ服を何日も来ていたり,給食をがつがつと食べたり,食事時間にも家に帰らないなど,子供の様子を見ていると比較的判断しやすいということでございます。したがいまして,学校,幼稚園,保育所などの機関チェックと,昨年度から実施しております児童虐待予防地域協力員に地域内での問題を抱えた家庭を把握していただき,親子のかかわり方の支援,または,生活環境の改善指導を各関係機関との連携強化を図り,防止に努めてまいりたいと考えております。  以上であります。 ◆藤原廣昭 委員  最後に,要望を申し上げて質問を終わりたいと思います。  最初に,待機児童対策についてでありますけれども,国でも待機児童ゼロ作戦に基づき,今後15万人程度の待機児童対策計画が打ち出されております。桂市長の待機児童の早期解消に向けた取り組み姿勢が,市民に具体的に見える形となるためにも,年度途中における待機児童の解消を図るために,具体的な取り組みを求めておきます。  また,市長の待機児童対策が,さきに述べた国の対策とは別枠で実施をされ,一層,待機児童解消が図られるよう要望をしておきます。  次に,児童会館における障害児の関係でありますけれども,障害児は家庭以外の遊び場を,保護者は相談できる相手を求めているわけであります。  そこで私は,1点目に,児童会館はすべての児童の施設であり,障害児にとっても遊び場であることを積極的にPRすること。2点目は,悩みのある保護者からの相談を受けることができるよう,専門医による巡回指導を強化すること。3点目に,障害児にとって児童会館が過ごしやすく,ともに成長できる場となるよう,現場の指導員に身近で役に立つ研修を実施するなど,障害児の受け入れ態勢のより一層の充実を図り,ぜひ,4年生以上についても児童クラブの登録を受け入れるよう強く要望いたします。  最後に,児童虐待防止対策についてでありますけれども,1点目に,新年度の機構改革の中で,機動的かつ専門的に対応できるプロジェクトチーム等の設置と児童福祉司の大幅な増員及び精神科医の常勤配置を求めておきます。  2点目は,本市のネグレクト傾向の分析と防止対策を学者や専門家による委員会の設置をし,対策を講じていただきたいと思います。また,国の新年度予算の状況にもよりますけれども,専門里親制度に対する諸準備を今から進めるよう求めて,私の質問を終わります。 ◆高橋功 委員  私からは,子育て支援策の観点で2点お尋ねをしたいと思います。  1点目につきましては,さっぽろ子育てサポートセンター事業,国ではファミリー・サポート・センター事業と,こういうふうに呼んでいるようでございますが,本市では,さっぽろ子育てサポートセンター事業という事業名でございます。今,申し上げた国のファミリー・サポート・センター事業の枠組みを活用いたしまして,いわば市民がお互いに子育てを助け合う,こういう事業だと理解をいたしております。  他の政令市の状況なども見ますと,本市を初め,もう既に9都市でこの事業を展開しておるようでございますし,今年度中にも実施予定がある,さらには実施に向けた調査を進めている,こういうところも3市あり,ほぼ全政令市で実施並びに実施予定と,こういうことでございます。  この事業は,いわゆる仕事と家庭の両立,働くお母さん方の云々と,こういうことだけでなくて,まさに在宅での子育て家庭を含め,札幌市内すべての,子供さんを今現在育てていらっしゃる子育て家庭が利用できる,そういう意味では大変利用価値の高い支援策だと,こういうふうに認識しております。我が会派におきましても,第1回定例市議会で,さっぽろ子育てサポートセンター事業の取り組みについて質問させていただいたところであります。  このサービスにつきましては,本年7月から早速開始されたわけでございますし,市においてもこの事業は大変重要な施策としてとらえていると,こういうふうに私どももとえらておりますし,その姿勢については評価をしたいと,こう思っております。  そこで,今申し上げたこのさっぽろ子育てサポートセンター事業,この事業が,子供さんを育てておられる市民の皆さんが,実際に利用しやすいサービスにするためには,何といってもできるだけ近隣の地域で援助活動がされるような会員数の確保というのが,これは不可欠といいますか最重要だと思っております。  そこで,現時点での会員数,それから実際のサービスの利用状況,それに対する市の認識,この点をお示しをいただければと思っております。  2点目は,保育所における一時保育事業についてお尋ねをしたいと思います。  もう今さら言うまでもありますが,近年は本当に女性の社会進出は目覚ましいものがございます。  先ほど来議論になっております国においても,待機児童ゼロ作戦,こういうものを打ち出して,何とか子育てと仕事の両立を支援する,そういう観点で,保育に欠ける児童の受け入れ枠の拡大,この必要性というのは私も十分承知しております。市においても,その認識でほぼ一致しているのだろうと,先ほどの平井理事からその旨のご答弁もございましたし,それはそれで大事な観点だと思っております。  一方で,近年,パート就労だとか就労形態というものが随分多様化してまいりました。昔のように9時5時とか,こういうことだけではなくなってまいりました。保育所の入所要件であります,日々保育に欠けると言わないまでも,一時的な保育を必要としている児童は,やっぱり私は年々ふえているのだろうなと,こう思っております。  さらに,保護者の,例えば病気だとか,場合によっては冠婚葬祭だとか,そういう緊急的な保育の対応,さらには,先ほど藤原委員の議論にもありましたけれども,育児に伴う心理的,身体的負担の軽減,こういったもの,それから,いわゆる仕事は持っていない専業主婦のお母さん方でも,日ごろ保育所を利用していない,そういう保護者にこそ子育ての支援というものが,一方で重要な観点ではないかと,こう思っております。そういう意味では,専業主婦の皆さん方ももっと気軽に保育所が利用できるような,そういうふうな一時保育事業の整備拡充はやっぱり必要だと,こう感じております。  そこで,こうした一時的な保育を必要とする世帯に対する保育事業について,子育て支援施策としてどういう位置づけをされているのか。さらに,今申し上げた一時保育の実施施設,利用児童数のこれまでの推移等をお示しをいただければと思います。 ◎平井 保健福祉局理事  2点のご質問でございますが,まず,1点目のさっぽろ子育てサポートセンター事業についてでございます。  会員の登録状況は9月末現在で,依頼会員165名,提供会員341名,依頼と提供の両方に登録している会員が40名,合計546名となっておりまして,この事業は順調にスタートできたなというふうに感じております。  利用状況につきましては,7月から9月の3カ月で87件でございまして,その内容といたしましては,保育園等の送迎が全体の51%,提供会員宅での預かりが33%,また依頼理由といたしましては,仕事の都合が全体の63%,それから各種講習会の受講のためが9%,リフレッシュのためが5%などとなっておりまして,仕事の都合だけでなく私的な理由にも利用されているということは,子育ての精神的負担の軽減に役立っているものというふうに認識をしております。  次に,一時保育についてでございますが,先生もおっしゃいましたように,一時保育は三つの形態がございまして,一つは短時間のパート就労等と就労形態の多様化に対応するもの,それから二つ目は,保護者の急病や冠婚葬祭等など,緊急な事態が発生した場合に保育を必要とする方を対象としたもの,それから保護者が心理的,肉体的に育児に疲れるなどリフレッシュを必要とする場合。この三つの場合に保育所でお預かりする事業でございまして,いわゆる専業主婦等もこの事業を使えるということで,まさに保育所の機能を利用した地域の子育て支援の一環という形で私どもは位置づけてございます。  次に,本市における一時保育の状況でございますけれども,平成11年度には12カ所,平成12年度には19カ所,それから今年度は28カ所と,年々,実施保育所も増加しております。また,利用状況につきましても11年度は6,060人,12年度は1万982人ということで,年々,利用状況も増加の傾向にございます。  以上でございます。 ◆高橋功 委員  まず,最初に伺ったさっぽろ子育てサポートセンター事業,今ご答弁いただきましたが,会員数については,言ってしまえばわずか半年足らずで546名と,こういう意味では順調に確保されているなというふうに思います。  理事からも大変順調ですというニュアンスのお話もありましたが,それだけなら何も私はここに立たないわけで,今お話のあった,利用件数はどうかというと87件だというお話ですよね。そういう意味では546名が順調なのかどうかという,またいろいろ議論はあるのかもしれませんが,まずまずだと思います。ただ,やっぱり87件というのは,せっかくこれだけの事業を展開していながら,3カ月ですから,もう少し見てくれと言われればそれまでかもしれないけれども,やっぱりもうちょっと,ちょっと少なくないですかと,私はこの点を心配しているのですね。そんな意味では,もうちょっと皆さんが利用できるようなことをしっかり考えないと,せっかく立ち上げたのに,手は挙げてくれたけれども,実際使っていないなんていうことになりかねないぞという観点で,もう一度,要するに今後どうするかということです。今後どういうふうに進めていくのかということをいま一度認識をお尋ねしたいと思います。  それから,2点目の一時保育,これもいま段々のご答弁をいただきました。12カ所,19カ所,28カ所と,ふえていっていますと,実施施設についてもですね。それはそれで大いに評価もいたしますし,ただ,やっぱりこれからは,先ほどもちょっと私申し上げましたけれども,どんどんどんどん都市化それから核家族化の進行が予想され,よく言われますけれども,お父さんが朝会社へ行ってしまうと,子供さんとお母さんが,密室のマンション,マンションとも限りませんが,あの狭い部屋で朝から晩までずっと一緒なのですね。公園でも行ってくれたらまだいいのだけれども,そういう意味から言うと,まさに二人きりで過ごすということが精神的にも大変な負担になる。ひいては,先ほど議論のあった児童虐待につながりかねないというか,そういう危惧も抱くものです。  そういう意味では,せっかく,昔は保育といったら仕事をしていなきゃだめでしたから,それがこういう観点で進んできているわけですから,いわゆる専業主婦の方々,日ごろ保育所を利用していない保護者も,本当に子育て支援を必要としているのだなと,こう考えますので,ぜひともさらなる整備拡充といいますか,この観点に,今も力を入れていますが,もっと力を入れて実施施設の拡充ということについて,ぜひお願いをしたいというか,やるべきだと,こういうことでお答えをいただきたいと思います。 ◎平井 保健福祉局理事  さっぽろ子育てサポートセンター事業は,7月からのスタートということで,夏休み等が入ったこともございますけれども,確かに利用件数は,私どもも少ないなというふうに感じております。そのこともありましょうけれども,まだまだ市民に行き渡っていないということを感じておりますので,市民への広報活動をより一層強めて,ぜひ利用拡大に努めていきたいと思っています。  また,依頼内容なども分析するとともに,登録制でございますので,会員相互の交流を深める機会なども設けまして,この事業のさらなる拡大を図っていきたいと思っております。  それから,一時保育事業でございますけれども,実は,今次5カ年では16年までに40カ所の実施園を計画してございますので,各区の利用状況,それから配置バランス等に考慮しながら,今後も拡充を図ってまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆岡千陽 委員  留守家庭児童対策について伺います。  働く女性がふえて,核家族がふえている中で,共働き家庭や母子・父子家庭などの小学生の子供たちは,学校から帰った放課後を親が仕事をしているため,子供たちだけで過ごすことになります。このような子供たち自身の放課後生活を充実させて,子育てを支援し,そして親も安心して仕事を続けられる環境をつくることが重要と考えます。  本市の留守家庭児童対策は,民間施設方式児童育成会,学校施設方式児童育成会,児童クラブの3形態で実施されております。現在,児童健全育成事業実施要綱,留守家庭児童対策実施要綱,そして児童クラブ運営要領と,要綱,要領も3種類となっています。  まず初めに伺いますが,学童保育が法制化された中で,今日の本市としての留守家庭児童対策についての基本的な考えをお示し願います。 ◎三浦 少年育成担当部長  本市おける留守家庭児童対策の基本的な考え方でございますが,ただいま委員からお話があったように,三つの形態で実施していまして,今後も続けていきたいというふうに考えてございます。  近年,この留守家庭児童対策の利用状況を見ますと,共働きの増加や女性の社会進出などを背景といたしまして,小学校低学年児童数が減少する中で,三つの形態で実施している合計登録者数が非常に増加の傾向にあります。この傾向は今後においても持続していくものと思われますので,私どもといたしましては,施設面ではミニ児童会館の整備を中心に空白校区の解消を進め,また運営面においては,帰宅後保護者が不在となる低学年児童にとって,安心して放課後を過ごせる心地よい居場所となるよう,施設及び運営の両面において施策の推進を図っていく必要があると,このように考えております。 ◆岡千陽 委員  今,お話がありました3形態の方式を今後も続けていくということなのですけれども,3種類の要綱,要領が現在あるわけです。留守家庭の子供たちの放課後生活を豊かにしていくという根本的な目的というのは,今,答弁にもありましたけれども,3形態共通のものだと考えます。  そこで伺いますが,運営のハード面ではそれぞれ異なっていると思います。運営上でいろいろ異なる部分もあると思いますが,3形態の連携など,ソフト面では一つになることで,より向上していく部分があるのではないかと考えます。例えば,指導員の交流や合同の研修会や学習会,また,一緒に行事を開催するなど,このような点で横のつながりの連携を図りやすくする,そのようなお考えはないでしょうか。まず1点伺います。  次に,民間施設方式児童育成会,共同学童保育所に関して伺います。  まず,学童保育所への助成金に関してです。  民間の運営は,現在大変困難な状況です。指導員の方々や父母の皆さんもフリーマーケットやバザー活動などを行って努力されておりますけれども,施設の老朽化など修理が必要な部分にも思うように資金が生み出せず,また指導員の給与も正職員の分の保障が困難となっている,そういった学童保育所がほとんどになっています。  このような状況の中でも,地域の皆さんや父母の皆さんの力に支えられて,子供たちの豊かな放課後生活を願って運営に努力をしていますが,現在平均1万3,500円前後の保育料のこれ以上の引き上げは,父母の皆さんにとっても負担が重く困難です。  そこで伺いますが,助成金の引き上げを行って父母負担の軽減を図り,指導員の人件費を確保できるよう改善ができないかどうか,伺います。  また,障害児加算に関してですけれども,学童保育は,これまで障害のある児童の受け入れについて大変先駆的な役割を担ってきており,障害児の受け入れ状況は,各年度の4月末時点の数で見て99年は22人,2000年では42人,2001年度は44人と,この数を見てもふえてきている状況です。障害の重い児童を抱える保護者にとっては,学童保育への期待も多くなってきているところです。  現在,3年生までの児童の2名以上で加算となっておりますが,障害のある児童に対して指導員を専任で配置しなくてはならないのが今の実態です。また,4年生以上の障害児は市の助成の対象とはなっていませんが,3年生までの障害児は受け入れるけれども,4年生になったら受け入れられないという線引きを行うことはできないと思いますし,実際は4年生以上を受け入れている学童保育もふえています。
     そこで,3点目伺いますが,障害のある児童の放課後生活と,その保護者の働く権利を保障する上で,障害児加算を1名からとして,また4年生以上の障害児について助成対象となるよう拡大できないかどうか,伺います。 ◎三浦 少年育成担当部長  1点ですが,要綱の一本化とソフト面の共通点を何とか共有しながらいいものにできないかというご質問だと思いますが,今,委員の質問のとおり,要綱につきましては,留守家庭児童のみを対象にした児童健全育成事業実施要綱と,もう一つは,すべての児童の健全育成を図るための施設である児童会館及びミニ児童会館など公的機関が実施するものに限定した留守家庭児童対策実施要綱がございます。留守家庭児童のみを対象にした要綱につきましては,学校及び民間方式への助成,その他必要な事項について定めることを目的とし,助成対象団体,運営委員会及び運営委員会の業務などを取り決めたものでございます。  したがいまして,二つの要綱はそれぞれ性格を異にするものでありますので,これの一本化については難しいものと考えておりますが,ただ,指摘のありましたソフト面での共通する点を一緒にやるように努力したらどうかということにつきましては,ご指摘の点を踏まえながら,今後,研究してまいりたいと考えております。  次の民間施設方式に対する助成金がどうにかならないかというようなご質問でございますが,民間施設方式に対する助成金の交付につきましては,児童健全育成事業実施要綱を制定し,留守家庭児童の保護,指導については,保護者と行政がともに責任を分かち合うと,こういう基本的な観点から,その活動を助成するための標準的な運営費を定め,その2分の1以内を民間施設方式に助成することとしているものでございます。  本市の助成金は,他都市と比較しても高い水準にあるものと考えておりますが,今後,物価の変動,社会情勢などを的確に見きわめながら,この点についての検討もしてまいりたいと考えております。  次に,障害児加算を1人からということでございますが,国が本年度から創設した障害児受入促進試行事業,これにおいては障害のある児童が4人以上の場合から補助の対象としているものでありますが,本市の場合は,委員も指摘されたように,2名からということになってございます。それで,今の考えでございますが,従来と同様に2名以上の受け入れがあれば助成の対象にしていきたいというふうに考えてございます。  また,4年生以上の問題についてでございますが,先ほどお答え申し上げましたように,非常に大きな課題と私どもは受けとめております。今後,さらに検討してまいりたいというふうに思っておりますし,障害児の加算等の問題につきましては,国や他都市の今後の動向を見ながら検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆岡千陽 委員  子供を育てる環境の充実,また子供が育つ場所づくりをしなければ,この今の少子化に歯どめをかけることはできないと思います。子育てを支援して地域社会と連携を図る上で,本市に求められていることは大変大きいと考えます。今ご答弁ありました,3形態のソフト部分での共通をしていくということは研究課題だとおっしゃいましたが,この3形態の横のつながりなどの充実を図って,ともに向上していけるように,行政としてもこれはぜひ取り組んでいただきたいと思います。  また,助成金の引き上げの部分なのですが,他都市と比較しても高い水準にあるけれどもというお話でしたが,実際は,先ほどもお話ししましたが,運営の面では,本当に皆さん頑張っても頑張っても大変な状況になっておりまして,他都市と比較して高い水準にあるというところにとどまらず,だからこそ,もっと札幌市が,札幌ではこんないいことをやっているよというような,全国として目指していけるものになっていただけたらと思いますので,現状の声も聞いていただきたいなというふうに思います。  また,障害児の4年生以上は,ぜひ,本当に急がれる課題になっておりますし,要望も多いので,ここも検討してください。  あわせてですけれども,児童クラブや学校施設方式それぞれの施設面での破損や老朽化,また,じゅうたんのにおいが激しくて衛生面ではどうだろうかというような改善の声も出されているのです。ぜひこういったところも,現場に伺って直接声を聞いていただきたいというふうに思います。  21世紀を迎えて,国の緊急課題としての少子化対策,また子育て支援の中で,国と自治体とそして関係者が手をつないでこそ,よりよい施設,内容づくりに取り組んでいけると思いますので,そういった立場に立っていただくことを強く求めて終わります。 ◆小林郁子 委員  私からは,子育て支援事業と,それからもう一つは,母子生活支援施設における家庭内暴力からの保護施設,この2点に大きく分けて伺います。  初めに,先ほども出ておりましたけれども,子育て支援施設事業の子育てサポートセンター事業,これにつきまして私からもお伺いをいたします。  ことし7月から現在まで,利用件数が87件ということが先ほど出ておりました。これは依頼会員と提供会員がマッチした件数ということですので,実際には,利用したくて問い合わせている件数はもっとあるのではないかと私は思っています。それは,この制度が提供会員の家に子供を連れていかなければならないということがあったり,保育園などへの送り迎えが多く,50%以上がそうだということなので,できれば近い人にお願いしたいということがどうしてもあると思うのです。  それからまた,障害のあるお子さんについては,どうしても担い切れないということがあるということで,問い合わせているのだけれども,なかなか利用に結びつかないということがあると思います。  問い合わせの件数が全体でどのくらいあるのか。そして,実際に結びつかない場合,どこかほかのところをきちっと紹介されているのかどうなのか,そのあたりの対応についてお伺いをいたします。  それからもう1点目は,提供会員のことなのですけれども,このサポートセンター事業というのは,在宅福祉サービス協会の協力員事業に非常によく似ているのですが,協力員の方に対してサービス協会は,毎年健康診断を義務づけているわけなのです。それは,もし高齢者に何かうつしたら困るし,また逆にうつされていても困るということがあるわけです。  そして,この提供会員についても,私は同じことが言えるのじゃないかなと心配をするわけなのです。何か自分でも気づかない病気があって,お子さんにうつしたりするということがあっては困ると思うのですが,その辺で提供会員の健康のチェック体制はどうなっているのか。そのあたりをお伺いいたします。  それから,3点目は,こういう子育て支援は,いろいろと本当の意味で,情報提供というのが今求められているのかなと思うわけなのです。その情報提供,いろいろな子育て支援にかかわる機関を網羅した子育てガイドという名称だと思いますが,そういうものをつくっておられるということなので,大変待たれていると思うのです。これがいつごろできるのか,また,どういうところに配付をされるのか,それをお伺いしておきます。  それから続きまして,同じ子育て支援事業ですけれども,地域子育て支援事業というのがありますね。これは,児童会館を利用して行っている子育てサロンというものなどがあるわけですけれども,この子育てサロンについては,年々,利用者がふえているようです。登録,記録を見ましても年々ふえているということがわかります。  また一方で,サークル登録数だとかサークルの支援件数というのは減少しているということです。子育て支援事業,これは仲よし子ども館の後事業として始まって5年目になるわけですけれども,今後,特に子育てのサロン的なものをどうしていくのか,ふやしていくのかどうなのか,そのあたりのことをお伺いいたします。  それから,3点目になりますが,創成小学校のところにできる都心の4小学校を統合した新しい学校に併設の形で,子育て支援施設というのができるということで,この前,8月に発表されたわけですけれども,その機能を見ますと,親子の活動とか交流の場の提供ということが挙げられているわけです。それで,この子育て支援施設については,どのような人を対象にして考えているのか,どんな体制で行うのか,運営はどういうふうに考えていらっしゃるか,それをお伺いいたします。  それから4点目に,女性への家庭内暴力のシェルター機能についてなのですが,家庭内暴力の相談件数とか保護件数というのはふえ続ける一方です。本市におきましても,現在,母子生活支援施設でシェルターとして利用しているわけなのですけれども,それが今どのぐらいの利用状況なのかということをお伺いいたします。  それからさらに,現5年計画で増設するというふうになっているのですが,そのあたりの進みぐあいは,今,どうなっていますか。この大きく4点をお伺いいたします。 ◎平井 保健福祉局理事  まず最初の,子育てサポートセンターの事業でございますけれども,サービスを提供した件数は,先ほども申し上げましたが87件となっておりまして,希望の日時や場所で活動できる提供会員が確保できなかった件数は3件,サポートセンターで対応していないサービス内容であったことなどから,他の非営利団体のサービスを紹介した件数は約10件となってございます。  それから,提供会員の健康管理でございますが,現在は,登録に健康な方という条件を盛り込んでおりますので,現時点では提供会員本人の申告で把握をしておりますが,今後につきましては,その健康管理の方法等について検討してまいりたいと考えております。  次に,子育てガイドでございますが,子育てに関するさまざまな情報を盛り込んだ子育てガイドを,これは前回,平成9年のときにつくっております。さらに関係機関なり情報を充実させまして,今月中旬には完成させる予定となっておりまして,今年度分は1万5,000部作成し,母子健康手帳の交付の際などにお渡しするほか,区役所等で配付する予定でございます。  次に,子育て支援事業の現状でございますが,私どもの行っております子育て支援事業は,子育て世帯そのものに対する支援と,それから子育てを支援する人,あるいはネットワークづくりという二つの大きな目的を持って事業をやってございます。  そこで,子育てサロン,あるいは保育園の園開放などの自由な交流の場は,まさに,最初の子育てを行っている方々を直接支援するということで,平成12年度は児童会館100館と保育園7館でそれぞれ週1回ずつ実施し,延べ12万人を超える親子が参加しております。  一方で,ここに集まった方々にサークルづくりを勧めたり,サークルリーダーを養成したりしておりますけれども,このサークル活動の参加者は,委員ご指摘のとおり減少傾向となっておりまして,このことは,余り制約されずに自由に触れ合う場が求められているのだなというふうに感じております。  それからもう一つ,子育てを支える人づくり,ネットワークづくりの方でございますが,平成10年度から開始した,子育て支援検討会議などの場を通して,子育て関係機関とのネットワークづくりを進めておりまして,地域の方々にも子育て支援の必要性についてご理解いただけるようになってきており,現在,各地域では町内会や福祉のまち推進センターボランティア団体などが主体となって,親子の交流の場を運営する動きも広がってきております。  今後も,こういった地域の方々と連携協力しながら,親子が集まれる場所の拡充を図ってまいりたいと考えてございます。  それから,学校の統合によりまして,創成小学校の地に,都心の複合施設の建設を予定してございますが,その中で開設を予定しております子育て支援施設でございますが,これは現在の事業に時間的制約から参加できない方や,地域を超えた交流を求める方,こういった方々も含めまして,全市から利用していただけるような施設にしていきたいというふうに考えております。  また,この複合施設全体が,土曜日,日曜日も含めて市民に開放することを大きな柱としておりますので,子育て支援施設もそれにあわせた運営を行いたいなというふうに考えております。  さらに,複合施設という特徴を生かしまして,学校,保育園,地域の方々やボランティアの方々のさまざまな市民の方にかかわっていただきながら,交流事業も行ってまいりたいと考えてございます。  いずれにしましても,その運営体制につきましては,今申し上げたいろいろな要素を勘案しながら,今後,具体的に検討してまいりたいと考えております。  それから,私どもが実施しております緊急一時保護事業でございますが,昨年の実施状況は,これは現在1カ所,1室を用意してございまして事業を実施しておりますが,昨年の実施状況は,入所件数は19件,本人が19名,同伴する児童は18名,平均在所日数は12.9日,最短は1日,最長は29日,利用率は67.4%となっております。  また,今年度8月末で11人,同伴する児童は14名の利用がございます。それで,今次5カ年の中で,この施設の建設をもう一つ予定しておりますけれども,この実施時期等は,女性に対する暴力の担当部局でございます市民局男女共同参画推進室と連携を図りながら,その実施時期等も具体的に詰めてまいりたいと思っております。 ◆小林郁子 委員  今,お答えいただきました中で,子育てサポートセンターで受けられないものといいますか,問い合わせがあって受けられなかったというのは3件とか10件とか非常に少ないのですね。そうすると,先ほど高橋委員がおっしゃったように,やっぱりまだ,PRがもっと必要なのかなというふうに思うわけなのですが,その受けられないというものについては,ぜひほかのところにきちんとつないでいただきたいというふうに思います。  それから,提供会員の健康チェックについてですが,在宅福祉サービス協会などのヘルパーさんは,自分は全然自覚症状がないけれども結核の病巣が発見されたとかいうこともありますので,ぜひその辺のところは慎重にやっていただきたいというふうに思います。その2点は,ここでとどめておきます。  そこで,子育て支援事業についてですけれども,先ほどからも説明がございます。子育てサロン自体はふえていると,それから市立の保育園でやっている遊びの広場とか保育園開放ということもふえていると。これはいずれも,親が子供を連れてきて自由に遊ばせる,親同士が会話をしながらいろんな情報交換をして,そこに専門的なアドバイスを少しずつ入れていくというような,自由な雰囲気が好まれているのではないかと思うのですが,そういうものがこれから望まれていて,利用件数の増にあらわれているのではないかと,私は思っているのです。  札幌の状況を見ますと,虐待件数が非常にふえているわけです。統計にあらわれてくる件数は,まことに氷山の一角だということを伺っていますし,札幌の特徴として転勤者が多いということで,若いお母さんたちが孤立をしてしまうということもあります。また,気候の関係から,春や秋は風が強くてなかなか子供を外に出せない,ましてや冬は外には出せないということで,札幌の特徴として,どうしても母親が部屋に閉じこもって孤立をしてしまうということがあるのではないかと思っているのです。  そういう意味で,子育てサロン的なものが今本当に求められているのではないかと思うのです。先ほど来,各児童会館100館の利用で,100館をフル回転しても週1回。しかも10時から11時半までという時間帯でしかできないと。それからまた,創成小学校のところに1カ所つくると。これは都心部だということで,そこまで行ける母親というのは,なかなか少ないのではないかと私は思うわけです。  ですから,市がこれ以上力いっぱいやって,これだけだということであれば,市民の力をかりて身近なところでできるだけ多くの回数をやることが望ましいわけです。常設が,1カ所でも2カ所でも身近なところにあれば本当にいいわけですから,市民事業として,今専門的なNPOもありますので,そういうところに任せていくことは考えられないのか,そのあたりのことをお伺いいたします。 ◎平井 保健福祉局理事  この事業が本格的にスタートして5年で,実質上軌道に乗ってやってきましたのは3年程度です。それからサロンについていえば,週1回でございますが,なかなか児童会館に入れなかった,そのきっかけづくりということでサロン以外の日にも,児童会館は幼児も利用対象者でございますので,それをきっかけにお母さん方が午前中児童会館を利用されているというようなことで,利用件数もふえております。また,先ほど来,子育て家庭を支えるいろいろなネットワークづくりも地域で進んできておりますので,そういった方々の力もかりながら,子育て家庭そのものが孤立するのではなく,地域みんなでそれを支えて子供たちがすくすくと健全に育つような,いわゆるネットワークづくり,そういったものも,今後,地域の動きを大切にしながら,また,それぞれの地域の社会支援をいたしながら,いろいろな形で展開を図ってまいりたいというふうに考えております。 ◆小林郁子 委員  国の方では,今,小泉内閣が子育てということに非常に力を入れておりまして,今,来年度の予算を国で編成しているわけですけれども,札幌でいう子育てサロン的なもの,集いの広場として,今,補助事業としてやろうとしているということも私たち聞いているのですけれども,そのようなものを利用しながら,札幌でもこれでいいということではなくて,やっていくことは考えられないのかと私は思っているのです。  市民事業として広域的なもの,しかも効率の悪いところですから,民間の企業はなかなかできないですね。そういう専門性もある程度持ちながらやっていく市民事業を,これから活用していくということを,私はぜひしてほしいと思っているのです。  今の市の方針ですと,子育てサロンは児童会館で週1回やって,それは本当にきっかけをつくるのだと,あとはそれを機会に町内会とかなんとかで,市民がやってくださいということだと思うのですが,私は,本当にそれでいいのだろうかと思うのです。今,市が本当に力を入れて子育てを支援しないと虐待もなくならないし,少子化もなくならないというふうに思うわけで,これはぜひ検討してもらいたいということを強く要望しておきます。  それから,家庭内暴力に対するシェルターについてですが,市民局の方で中心的に考えるということで,私も,母子生活の支援施設だけが,いわゆるシェルターとしての施設ではないと思うのです。それが今利用がいっぱいで使えないということであれば,民間のアパートなりマンションの一室を借りるとか,あるいはまた,今,市内の女性団体で専門的にやっているところがありますから,そういうところに委託なり補助をしてやっていくということも考えられると思います。市民局と十分連携して,その辺についてはやっていただきたいということを要望して終わります。 ◆五十嵐徳美 委員  私は,少年アシストセンターについてお伺いをいたします。  現在の子供たちにかかわる問題として,一昔,二昔前から,例えば,校内暴力であったり家庭内暴力,いじめ,それから学級崩壊,不登校,最近では引きこもりというような言葉もあらわれて,さらには,昨今,バスジャック事件であったりとか,一家の殺傷事件だとか,非常に凶悪な少年犯罪がふえております。さらには,例えば,喫煙,万引き,薬物乱用,売春などの低年齢化の傾向がどんどんどんどん出ていると。そして,普通の子供に見える,または真面目と思われるような子が,突然キレたり,そういった事件を引き起こす,いきなり型というような非行が非常に目立ってきているということで,非常に危惧をしている現状ではないかと思います。  多分,子供自身は,生まれたときにはもともと持っていないはずなので,生まれ育つ過程の中で,環境ですとか,いろんな要因によって,そういったもの,社会的な影響も必ず反映しているのではないかと。そんな部分では,やはり基本は家庭でありますけれども,行政としても,そういった対応・対策は必要なのではないかというふうに思っています。  そんな中で,この4月に,少年アシストセンターがスタートをしておりまして,従前の,少年に対しての補導業務から,相談業務に重点をシフトさせたと伺っております。相談の内容もお聞きしましたが,例えば,先生とか親,友達にも相談できないような,そんな子供たちが伺っているというふうに聞いておりまして,ある意味では,子供の心の中まで踏み込んでいろんな相談をしていくことも重要であり,また,そういった部分を地域ぐるみで解決をしていくことも大事じゃないかということで,現在,少年アシストセンターで,さまざまな少年問題をどのようにとらえて,そしてどのように対応しているのかを,まずお聞きしたいと思います。 ◎三浦 少年育成担当部長  ただいまの少年問題の現状認識と,アシストとしてのその対応ということだと思いますが,ただいま委員からご指摘がありましたように,子供を取り巻く環境が非常に変化しておりまして,その中でストレスや対人関係が上手にいかないと,また,感情をコントロールすることができない,そういった心の問題が大きな問題になっていると考えております。  このような認識に基づき,少年アシストセンターでは,本年度から悩みを抱える子供たちには,初期の段階での対応が必要であると考え,相談業務を中心として育成事業を進めております。  また,従来からやっております巡回指導でございますけれども,これについても,例えば,街頭で,喫煙している子供,歩道に座り込んでいる子供たちに対しては,必ず声をかけながら,子供たちの非行防止の支援を行うと。これを徹底しております。  今後も,子供たちとの対話を重視しながら,かつ,いろいろな機関が子供たちのためにできておりますので,そういう機関との連携をとりながら,相談・指導業務を進めてまいりたい,このように考えております。 ◆五十嵐徳美 委員  今,言ったように,子供を取り巻く環境が大きく変わっているといえば変わっているのでしょうけれども,多分,子供そのものは,前と変わってはいないような気がするのです。  それで,例えば,今お話があったように,たばこを吸っている子供だとか,座り込み,大人から見ると決してみっともよいものではないけれども,本人たちにとっては普通だというふうに思い,行っている部分があるのでしょう。  一方で,今いろんな地域で,子供たちが変質者であったり,又は不審者から被害を受けているという実例が相当耳に入ってくるのです。僕の住んでいる近くの学校区の中で,夕方,暗がりに子供が連れ込まれたといったようなこともありまして,現実的に,子供たちの環境というのが,本当に今,大きく変わってきているのです。  現実問題,子供たちを守る,安全とか安心というものをとらえたときに,周りの大人がどうサポートするか,同時に,例えば,被害を受けた子供,または同級生等周りの人たちが,話を聞いただけでも非常に不安になって,外に遊びに行くこともままならなくなるような部分がありまして,特に,記憶に新しい大阪の池田小学校の殺傷事件というものは,本人はさることながら,画面を通じて見た我々も含めて,その傷が非常に大きく残っているのが実情でないかというふうに思っています。  そういった意味では,今,アシストセンターがいろんな連携をとりながら子供たちを守っていくということなのですが,いずれにしても,家庭でも地域でも,子供は社会の宝ですから,そういった意味では,社会全体で守っていかなければならないという考えが当然あると思うのですけれども,そういったことを認識した上で,今,アシストセンターとして子供の安全対策というものをどのようにとらえて対応しているかということを次にお伺いいたします。 ◎三浦 少年育成担当部長  子供の安全対策についてのご質問ですが,子供たちの安全・安心を脅かす事件,これは本市においても非常に増加の傾向にあると考えております。不審者,変質者によるいたずらや痴漢行為などは,ただいま委員がご指摘されましたように,子供たちに深い傷を負わせるだけではなくて,放置することによって,被害者,加害者,両側に立つおそれもある,非常に大きな犯罪につながるということが懸念されるところであります。  そんなことを考えながら,アシストセンターとしては,青少年育成委員会,PTA,また関係部局と協力しまして,ことしは異例だったのですが,2回の緊急会議をこの問題において開催してございます。  それに基づきまして,巡回パトロールなどを強化し,今,各区にお願いしているのですが,これらの事故,事件の発生場所等の実態調査をしているところであります。また,これらの実態調査をもとに,関係機関との協議と連携を深めていくわけでございますが,この事故,事件の発生箇所がわかる地図,私どもは危険マップと呼んでいますが,地域地図を作成し,啓発用看板の設置,パトロールの強化等,子供たちが安全で安心できる事業を一層強化していかなければならないなと,このように考えてございます。 ◆五十嵐徳美 委員  今,言った行動は,本当に子供を持つ親,身近にそういう年代の子のいる人と,またそうでない人によって,現実問題,随分認識が違う部分があるのですね。PTAであったり,青少年の健全育成委員会というのはやっぱりそういうのに携わっている部分,さらに地域の中では,例えば町内会という単位であったりとか,直接的にはかかわりませんけれども,民生委員児童委員協議会があったりとか,その地域で活動しているいろんなところがあるのですね。やはり社会全体で子供たちを守って育てていくということを考えたときに,札幌市全体で物をとらえるときには,今のようにアシストセンターが全体を掌握し,把握して,当然,いろんな情報を収集したり,また情報提供をする必要があるのでしょうが,そういったときに,それぞれの地域で,固有のそういった現象があったときに,そこだけに特化されてしまう部分がありまして,大方,例えば,自分が住んでいないで,いろんなことがあったときになかなか連携がとれない,情報が入ってこないということも考えられるものですから,そういった意味では,このアシストセンターがいろんな地域のそういう諸問題なり課題を吸収して,そして,今言ったように,いろんな地域にまず情報を発信するべきではないかというふうに思っています。  さらには,いろんな機関がそれぞれやっているのですが,なかなか連携がとれているようでとれてない部分がたくさんあるのです。そういった意味では,行政の役割とすると,とかく行政が何でもかんでもやれというようなイメージがありますけれども,私が考えるには,そういったいろんな組織のコーディネーター役,これが最も行政に求められる部分ではないかと思うのです。  そんなことを考えていきますと,このアシストセンターの役割というのはますます重要になってくると思いますので,その存在自体をまだまだ知らない地域の方々が多いと思いますので,これからどんな広報活動をしていくかということと,今言ったような観点で,地域のいろんな組織との連携を,今後どういうふうに図っていくかということを最後にお尋ねして,質問を終わります。 ◎三浦 少年育成担当部長  アシストセンターの役割として,広報活動を強めながら,また地域社会と連携がとれるような体制,そこでのコーディネーター役を行うべきでないかというご質問でございますが,私もそのように考えております。いずれにしましても,行政だけでできる問題ではございませんので,地域の皆様方のご協力を得るためにも,地域教育力をさらに高めていく必要があるというふうに考えております。  このため,広報としては,機関紙を発行して広報活動をしていくと。それから,市民の学習の場として,サークルなどの小グループを対象にした出前講座,要望があればこちらの方からいつでも出ていくと,こういう出前講座の体制をとりたいと。また,一般市民を対象としたアシスト講座や研究会を積極的に開催していきたいと。  そんな中で,少年問題を市民とともに考えながら,さらに地域との連携を強化していくと,こういう循環をつくってまいりたいなと。その中で,私どもとして与えられた使命でございますが,本市における青少年の健全育成をより積極的に推進してまいりたいと,このように考えております。  以上です。 ◆井上ひさ子 委員  私の方からも,保育所の問題について質問したいと思います。  まず,1点目は,待機児童の解消についてですが,保育の需要をどのようにとらえて計画に反映させるかということです。出生率が低下し少子化が社会問題化する中で,保育所の待機児童はふえ続けています。長引く不況の中で,仕事も家族もと願う女性の当たり前な願い,こういう思考も今大変強くなっています。  預けられたらすぐ働きたいという切実な状況が広がり,入所を希望する,こういう方がふえているということです。本市の7月の保育所の月報を見てみますと,3歳児入所児童数は2,948人ですが,一方ゼロ歳児1,051人,1歳児と2歳児を合わせて4,547人となっています。そして,待機児童の5割は0・1・2歳児。子育て中の働く女性がふえる中で,今の3歳児並みの入所率を低年齢児において想定しますと,その潜在的な保育需要は私は大変大きいと思います。これをどのように認識されていますか。  先ほど,超過入所のことについてお尋ねがあったと思うのです。年度途中で弾力的な受け入れをするというふうなお答えだったと思うのですけれども,国は定員枠を次々と払ってしまっています。そういう中で,これまでも,子供たちの安全性から見ても本当に大丈夫なのかという,そういう問題が大変あるというふうに思うのです。これについて言えば,私どもも大変重大なことだと思います。定員枠がある中で20%,25%,それ以上の枠を超えるということは,私はやめるべきだと思います。  やはり,待機児童を解消していくということは,保育所の建設計画を軸に,緊急の整備を進めていくことなしには対応できないというふうに思いますので,今後の見通し,決意を改めてお聞かせいただきたいと思います。  2点目は,公私間格差の是正についてです。  予備保育士については,札幌市は正職が3人,臨時職員が1人,そして調理パートで1人となっていますが,民間ですとこれが逆転しまして,正職1人に対して臨職3人,調理人1人となっています。いただいた資料を見ますと,働く時間を見ましても,1時間15分の開きがあり,民間の方が長時間になっています。その中で賃金格差もあります。この格差是正について,どのように改善されていこうと考えていますか,お尋ねしたいと思います。  今,現場の保育士は,子供たちの超過入所や未満児の増加,それから延長保育の実施など,多様なニーズにこたえて,小刻みのローテーションの中で働いています。そういう中で,父母の労働を守り,よりよい保育を目指して頑張っていますけれども,大変きつくなっているというのが現状です。調理人についても,お話を聞きましたら,O-157の問題があり,予防のための点検,それから給食の内容,食材の制約,また延長保育の間食づくりとか,そういう新たなことも含めまして,職員増がされない中で仕事がふえてきているというのが実態です。  少しずつ改善されてきているというふうには思うのですけれども,保育士の配置などは,最低基準の引き上げをやはり強力に国に求めて,本市としても補助の引き上げを早急に行うべきと考えますがいかがですか,お尋ねしたいと思います。  3点目は,先ほど来もありましたので重複を避けますけれども,一時保育促進基盤整備事業についてです。この助成についてです。実は,4月,5月を平均して6名以上を超えたら330万円,以下ですと158万4,000円という,こういう補助が出されています。保育所の話を聞いても,子供たちがふえるのは7月以降,そして12月にかけて。その中で,私は大変頑張っているなと思ったのは,障害を持っている子供さんも受け入れているということなのです。その中で,やはり何か災害が起こったときに,そういう人的体制はきちんと保障していくというのが,子供たちにとっても大事なことだというふうに私は思うのです。それで,実態に見合った体制と補助が求められているというふうに思うのですが,その考えがおありでしょうか,お尋ねしたいと思います。 ◎平井 保健福祉局理事  3点のご質問でございますが,まず1点目,待機児童解消に向けた今後の見通し,保育所の超過入所は,先ほども申し上げましたが,年度途中の受け入れ対応のために必要なものということで,私どもも定員内での入所というのが希望でございます。そういった意味で,現在,待機児童もおりますので,早期解消,超過入所の改善ということもにらみながら,規制緩和等も活用し,今後,地域別,年齢別の保育状況というのも十分に把握,分析しながら,認可保育所の定員拡大,増設に向けまして最大限の努力をしてまいりたいというふうに思っております。  それから,2点目の公私格差でございますが,私どもとしても公立の保育所と民間の保育所に公私格差があるということは認識しておりまして,札幌市単独でも,これまでも可能な限り努力をさせていただいておりますけれども,しかしながら,この公私格差の改善というのは,本来的には国における運営費の内容や職員の配置基準の改善によって改善されるべきものと考えておりますので,政令市の主管局長会議等の機会等を通じ,国に対して運営費や職員の配置基準の改善等を,引き続き強く要望してまいりたいと考えております。  それから,一時保育事業でございますが,この事業に対する国の補助基準は,委員おっしゃられましたように6人以上と6人未満ということになっておりまして,3分の1が国の助成となっております。それで,6人以上は国と同額でございますが,6人未満につきましては,実は本市の助成額は国の基準を大幅に上回った額となってございます。この一時保育事業は,先ほども申し上げましたように,私どもは保育所の機能を利用した地域子育て支援の一環と考えておりますので,当面はまずは需要がふえておりますので,開設箇所の増設に向かって努力をしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆井上ひさ子 委員  公私格差の問題ですけれども,これについていえば,実は私どもも繰り返しこの問題を取り上げてきています。大きく民間に依拠している本市のこの保育行政,やはり公私同じ仕事をしながら格差があってはならないというふうに思いますし,そのことが,未来に向かって,今,伸びている子供たちを本当に保育する,そういう気持ちにつながることだというふうに思いますので,ぜひとも改善することを求めておきたいと思います。  それと,一時保育についてですけど,私は,今,実態に見合った体制と補助が求められているというふうに言ったのは,大変保育所では苦労されているのですね。1年間ぐらい話し合いをしながらこれに踏み切ったというところもあります。そういう中で,組みかえなどもあわせて,どんな方法でこれを募っているのでしょうかといったら,登録をしているというところも幾つかありました。そこの園では50人ぐらいの子供さんが登録をされて,それをパートで働く人も含めて回していると。その中で,障害を持っている子供たちを療育機関,集団の中に入れてやりたいというふうに願っても,並行して通園する場所がない。しかし,近くにある保育園では遊びに来てくださいというふうにして,何とか言われたのですけれども,黙って遊びに行って,大変なときにはやっぱり行けないと。しかし,こういう形で短時間でも行けるということでいえば,その子にとっては大変いいことだということなのですね。  だから,これは今,延べでいうと163人の子供さんになっているのですけれども,本当にそういう体制がやっぱりきちんとなければ,そこの園ではボランティアのようなものですというふうにおっしゃっていましたけど,地域に住んでいる障害を持っている子供さんが,そこに通ってきてくれるということで,保育士は今本当にそれに励まされてやっているという状態でした。これはスタートして間もない事業ですけど,やはりきちんとした体制をとりながら,私は進めていくべきだということを強く求めておきたいと思います。 ○荒川尚次 委員長  以上で,第2項 児童福祉費及び母子寡婦福祉資金貸付会計決算の質疑を終了いたします。  次に,第4項 生活保護費の質疑を行います。 ◆坂本恭子 委員  私は,ホームレス問題について質問いたします。  まず初めに,実態調査についてです。  99年の3定,そしてことしの1定と,小川勝美議員がホームレスについて取り上げ,これに伴って本市の実態調査が一昨年12月,昨年12月と行われてきたものです。この調査は,ホームレスの実数の確認や寝泊まりしている場所や状況の把握,さらには健康状態,路上での生活期間,相談窓口を知っているかという聞き取りも行っています。今後は,この2回の調査を踏まえ,ホームレスの生活支援,自立支援を行うために,さらにどんな実態を把握する必要があるのか,何がわかれば自立への手助けがより可能になるのか,ぜひこの立場で調査を行っていただきたい,そういうふうに思うのですが,本市として,ホームレス実態調査ではどのような目的を持ってやってこられたのか。また,今年度の調査に当たっては,従来どおりのやり方なのか,新たに取り組むことはないのか,伺います。  また,ホームレスの生活保護の申請にかかわって質問しますが,さきの聞き取り調査の1項目,区の相談窓口があることを知っているかについて,62%の方たちが知っていると答えています。しかし,実際にはなかなか1人では行きづらい,こういうことがあるようです。私も何人かホームレスの方とお話をしましたけれども,相談できるということは知っているというふうにおっしゃっていました。そしてまた,実際に保護を受けた人がいると,そういうこともわかっているよというお返事だったのですね。だけれども,自分は行かない,行きづらいのだというふうにおっしゃっていました。実態として,実際にこの方はお話を伺った方なのですが,相談に行ったのだけれども申請はできませんでしたと。あんたはだめだよというふうに言われて帰ってきたというような方もいらして,そういうお話が広がっていく中で,実際,行ってもだめなのではないかと。お話は聞いてくれても,実際手だてをやってくれないというか,申請は受けてくれないというようなことで,皆さん消極的になっている,行きづらいというようなお話でしたね。本当にこういう思いというのが少なからずホームレスの皆さんの中にはあると。そして,特にホームレスの場合には,相談に行くこと自体が本当に勇気のいることなのじゃないかということを,実際,私もお話を聞かせていただきながら実感をしたところでした。  以前,エルムの里公園で,ボランティアの方が役所に相談に行きたい人はいないかいというような形で声をかけたところ,1人,2人と手が挙がって,最終的には10人ほどにふえて,じゃみんなで行こうということで区役所へ行ったという話をお聞きしました。これには,実際どのように対応したのか,ぜひこれをお聞かせいただきたいなというふうに思うのですが,相談窓口がありますよと,そういうことではなくて,もっと相談しやすい方法というのを考えるべきだというふうに思うのですが,この点いかがか,あわせて伺います。  それから次に,救護施設についてなのですけれども,ホームレスの緊急入所に対応する施設として,この救護施設が受け入れ枠2名を昨年度からとっております。果たしてこれで十分なのかと,足りないのではないかというふうに考えているのですがいかがでしょうか,お考えをお示しいただきたいと思います。 ◎宮崎 総務部長  ホームレスの関係についてお答えいたします。
     まず,第1点目のホームレス実態調査の目的ということでございますが,その主なところは,一つは当然でございますけれども,対策を立てるためには実数の把握ですとか,それから,その過程を通じて要援護者の発見をすると。同時に相談窓口を周知をしたり,あるいはそういうことを通じて行政とのつながりを確保したいということでございます。この調査結果については,今後も,当然でございますけれどもホームレス対策に反映していこうということです。  12年度の調査項目は,先ほど委員ご指摘のとおりでございまして,ことしのまた同時期に,12月に実態調査をする予定でございます。さらなる対応策につながるような,そういう項目を内部的にいろいろ検討して,それで,特にホームレスの方の切実な要望といいますか,そういうのはどこら辺にあるのか,そういうことをよく把握をしたいという考えでおります。  次に,2点目の相談の関係で行きにくい,そういう雰囲気があるのではないかというお話でございますが,相談をされても申請につながらないのが大部分だというご指摘なのですが,やはり保護を受けたいという要望はあるのでしょうけれども,その方のお持ちになっているいろんな生活環境というか条件といいますか,いろいろ多々ございます。サラ金の問題ですとか,あるいは逃避といいますか,いろんな家庭環境なり,病的なことなり,さまざまでございます。そういうことで,相談は受けるのですが,いわば生活保護制度のルールといいますか,そこに救済される形で条件が整ってくるかということもございまして,結果的には申請に至らない場合もこういう状況で出てくるということで,こういう点をひとつご理解をいただきたいと思っております。  また,12年度も12月に実態調査をやりましたけれども,この折に相談窓口の周知といいますか,ビラもちゃんとお渡しをして,忘れないようにということで,いざという場合にはといったものも渡していまして,こういう工夫もしておりますし,また,その場では考えなくても,必要があればいつでも我々としては相談に応じるようにお話もしております。  また,おいでになる場合でも,お1人で来る場合もありますし,それから先ほどお話にありました,ボランティアさんの手をかりてといいますか,あるいは指導を仰いでおいでになる方もいるのですけれども,当然ですが,一般市民と分け隔てなく,我々としては誠実に対応し,相談に応じているということでございます。  それから,ボランティア団体のご指導で10名程度相談に来たケースの対応ということでございますけれども,ことしの1月に中央区役所の相談窓口の方に7名の方,それから北区の方に2名の方が生活保護を受けたいということだと思うのですが,来庁したことがございました。特に,中央区の場合,ボランティアの方を含めて14名という方が一時的に大勢でおいでになりまして,そういうことで事務的な混乱は避けたいということもありまして,別室を用意の上,地区担当係長に急遽応援させて,それぞれの個別の相談に応じたということでございます。  ただ,一堂に,こういう形で事前の連絡がなくお見えになったものですから,我々として,他の相談者の相談に応じるのに障害が生じたという実態もありますので,できれば事前に連絡をとっていただいて,十分な相談体制をとれるよう,そういうふうにしていただければというのが,我々の率直な感情でございます。  なお,この相談の結果なのですが,女性援助センターへの入所が1名,それから医療機関を受診された方が1名,それから救護施設に2名の方を急遽緊急入所として収容をしたと。そのほかの5名の方につきましては,順次救護施設の入所を待ちまして対応したということでございます。  それから4点目の救護施設の枠がこれで十分かというお話かと思いますけれども,ホームレスの緊急入所につきましては平成10年度から実施しているわけでございますけれども,当初は,年末年始の,こういう札幌の積雪寒冷地の気候もございますので,緊急時の対応策として行っていたわけですけれども,その後,そういうことで取り扱い件数も平成10年は1件,11年は7件と,こんな数字でございました。12年度においては,ホームレスの数もある程度ふえてきたということもございまして,年間で2名の受け入れ枠を用意しております。  それから,居宅生活が可能な方については,居宅への移行といいますか,相談にのりまして,その結果,一応21名にこの救済の対応策を活用していただいたと。一時的に2名ということですから,この枠を超える場合には使用が困難になるわけでございますけれども,現在のホームレスの数から見まして,現状で回しながらといいますか,こういうことで対応は可能というふうに私どもとしては考えております。  以上でございます。 ◆坂本恭子 委員  ご答弁の中で,相談に行ったけれども,申請させてもらえなかったということについては,一般的な生保全体のことでご答弁いただいたのかというふうに思うのですけれども,私は相談窓口,門戸が開かれていないだとか,受け入れてもらえないのではないだろうかとか,そういうふうに現状は認識しておりません。ただし,相談窓口はありますよ,来たい人はどうぞ来てくださいと,そういう姿勢からいま一歩踏み込んだところで,よりよい対応といいますか,そういうものをしっかりと検討していただきたいということをお話し申し上げました。  それから,3番目の質問の救護施設のことについてですが,回しながらやっているので足りているのではないかというようなご答弁がありましたが,その前段,ちょっと大人数で区役所の方に相談に見えられた方が,実際,その後相談を受けて申請をして,そのときに,やはり救護施設に入所したいということで,今,入所待ちが5名というご答弁なさいましたよね。  昨年度の救護施設の緊急入所,延べ21名というご答弁がございました。資料を見せていただきましたら,最短入所日数2日の方から長い方は67日ということで2カ月強の方がいらっしゃるわけですが,平均すると13.1日というふうになっておりました。ただし,月別で見ますと,やはり冬場が大変混んでいるといいますか,満杯になっている。12月が3名,ことし1月から2月にかけては4名ということで,真冬の時期ですよね。さっき言ったように,区の保護課の方から緊急入所させたいのだと。ホームレスの方からご相談があって,申請を受けて,これに対応してほしいということについて,満床だから,いっぱいだから受け入れられないということになっているのではないかというふうに思います。  先ほどのご答弁の中でも,入所待ち5人という具体的な数字も出ていますから,まさにこれは事実としてあるだろうというふうに思うのです。受け入れ態勢の困難さと救護施設側の困難さもあるのかなというふうに思ったりもしますが,やはり必要な分というのはしっかりと確保して対応することが必要なのではないかというふうに思います。改めてこれを伺いたいと思います。  それから,今日のホームレスの問題というのは,今のこの不況下ですよね。これだけ長引いた不況の中で,仕事も家も失って,そしてやむなく路上生活をせざるを得ない,こういう方たちが全国的にも非常な勢いでふえているということじゃないでしょうか。きちんとした対策をとっていけば,その方たちの自立を促していくということは可能だと思います。早期にもとの生活に戻すためには,やはりこれまでの対応では不十分ではないかというふうに思っております。ことしの1定でも求めてまいりましたけれども,全庁的な支援体制をとっていくと,これが重要なのではないでしょうか。  先ほどの救護施設が足りない問題についても,例えば,空き市営住宅の取り扱いなどを都市局と協議しながら,そこを緊急入所場所として確保するというような検討が進められないのか。あるいは職業安定所と連携をしまして,生活保護を受けさせるということだけではなくて,例えば,体力的にも意欲的にも働くことが可能な人というのはいるわけですから,そういう方たちには,例えば,宿舎のついている建設現場をあっせんするとか,従業員寮を持っている職場を紹介するだとか,そういう手だてというのも十分にとっていけると思うのです。もう一歩踏み込んだ対応というのがやはり求められる,全庁的な体制をしっかりとつくっていっていただきたいと思うのですが,この点についても改めてお聞きします。 ◎宮崎 総務部長  救護施設の関係で不十分でないかというお話でございますけれども,確かに2名の枠ということなので少ないとお思いかもしれませんけれども,緊急の場合には,我々の方といたしましては,ほかにも救護施設もございますし,そういうところの協力も得ながら,緊急の場合にはきちっと対応できる体制はとっておりますので,その点は大丈夫かと思っております。  それから,ホームレス対策の自活したもとの生活に戻すことが大事だというお話でございますが,全くそのとおりでございまして,私どもは生活保護を受けることによって足るとは思っておりません。やはりこれは一時的なもので,この制度を活用していただきますけれども,究極は,やはりきちっと自活をし,自立した生活を送っていただくことにありますので,そういう視点で我々も努力していきたいと思っております。  以上でございます。 ◆勝木勇人 委員  私からは生活保護に関連しまして質問させていただきたいと思います。  まず,現状認識にずれがあったら困るなと思いますので,二,三,まず確認させていただきたい事項がございます。  生活保護受給者のうちの過去5年間の扶助費の推移,これがどういうふうになっているのかと。過去5年といいますと,平成8年から12年ですね。とりわけ全体枠も聞きたいわけですが,生活保護受給者のうちの健常者で働けるのに働いていない,専門用語でいいますと,稼働阻害要因のない稼働年齢層と言うそうですが,その人たちの人数または世帯数の推移がこの5年間でどうなったか。それから,1世帯当たりの平均扶助額,これがどういうふうに推移してきているのかと。さらに,それに対応するケースワーカーの人数の推移はどういうふうになってきているか。あと,ケースワーカー1人当たりの担当件数はどんなぐあいになっているのかと,とりあえずこれをお聞きしたいと思います。 ◎宮崎 総務部長  生活保護の関係の実態ということでございます。  まず,過去5年間ということなのですが,金額的な面で見ますと,生活扶助費の決算額,平成8年度でございますが,約541億でございます。平成9年度以降が前年度に比べまして非常に増額をしておりまして,7%程度の伸びを示していると。12年度では706億ということで,非常に大幅な増額,165億ふえてますね,5年間で。こういう状態になっております。  それから,被保護世帯の推移の関係でございますけれども,総世帯数,平成8年度で1万9,441世帯,12年度では2万4,681世帯と約1.3倍,5,240世帯増となっております。特に,今,委員ご指摘のとおり,働ける層もその中に入っている部分なのですが,稼働阻害要因のない18歳から59歳までのそういう方々が多く含まれているその他の世帯というのがございます。この構成比が一番多いという状態でございます。この構成比の伸びなのですが,12年度では,8年度と比較しまして1.7倍ということで,全体の12%を占めているということで状態であります。  なお,ちなみに1世帯当たりの保護費,これは全く平均値でございますが,12年度では286万円程度となっております。  それから,ケースワーカーの実態ということなのですが,ご承知かと思いますけれども,被保護世帯数80世帯に対して職員1名ということが,社会福祉事業法の規定に基づきまして標準として定められたと。いずれにしましても,職員の算定に当たりましては,過去5年間のそういう平均の伸びを予測しながら職員の配置を80世帯に対して1名の割合で配置しているという状態でございます。  13年度のケースワーカーの定数でございますけれども,322名ということで,5年前に比べますと80名の増ということでございます。1人当たりの持ちケースの関係は,10年度以降1人当たりおおむね85世帯を担当しているという状況にございます。  以上でございます。 ◆勝木勇人 委員  5年で165億の増と,7年前から数えると,たしか200億の増になっているというふうに聞いております。ちょっとこれはどんなふうなことなのかと思いまして,この間,市民の声を聞く課というところにちょっと訪ねて,聞いてきました。生活保護に関する相談や苦情の件数を聞いてみたわけですが,平成12年度におきまして,相談,その他の件数全部が8,842件,このうち保健福祉局に関連するものが978件,そして生活保護に関するものは58件というふうになっておりました。そして,その58件の内訳が,生活保護の制度に関するものが15件,受給者に対する指導を求めるものが14件,そしてケースワーカーに対する苦情,これが15件というふうなことだそうです。詳しくは教えてもらえないわけなのですが,そのケースワーカーに関する苦情については,ケースワーカーが親身になって相談を受けてくれないというような話ですとか,要するにプラバシーの問題があるので全部詳しく教えられないのですが,児童手当支給額を後になって突然,保護費から差し引くと言われたとか,そういうことであるそうです。  そして,受給者に対する指導を求めるというものとしては,受給者が朝から酒を飲んだり,パチンコをしている,元気そうな受給者が遊んで暮らしている,強く指導してもらいたいというようなものがあるようでございます。それらの苦情については,受給者側の無理解とうものが含まれているのだろうなというふうに感じるわけですが,実際に,ケースワーカーの方の説明能力といいますか,対応の仕方といいますか,そういうのに問題がある場合もあるのではないのかなというふうに思います。そのあたりの実態がどんなふうになっているのか知りたいわけです。  聞くところによりますと,新採用の職員がいきなりケースワーカーになるということもよくあるような話を聞きました。これが本当なのか。それから新たにケースワーカーに配属された職員の研修というのがあるそうなのですけれども,これはどんな形のどのような研修を受けてからケースワーカーになられるのか,その間のことをちょっと教えていただきたいと思います。 ◎宮崎 総務部長  ケースワーカーの人事配置,それから研修をどうやっているかという話ですが,ことしの4月の人事異動の例で申し上げますと,今年度は87名の職員が新たにケースワーカーとして配置されています。要するに経験がなく初めてケースワーカーをするということなのですが,このうち新採用職員は約半数の41名という形になっております。これは全員大学を出ております。  ケースワーカーの仕事は,当然でございますけれども,毎日,保護を受けている方々といろいろとお会いしまして,自立に向けた指導・援助,こういうことを行うことでございますけれども,ご指摘のとおり,制度の趣旨をよく理解し,正しくわかりやすく説明する,そういう力といいますか,当然求められております。また,相談者の要望ですとか,あるいはいろんな批判的な思いもあるのかもしれませんけれども,そういうものも謙虚に受けとめて,きちっと職務を遂行していくという心構えが大事かと思っております。  そういう意味で,特に,新たにケースワーカーとして配置された職員に対しましては基本的能力の向上を図るということを念頭に,年間の研修計画を作成いたしまして,これに基づいて各区での職場研修ですとか,あるいは我々保健福祉局主催の集合研修,こういうことを行って能力向上に努めているところであります。  今後とも,研修の内容ですとか実施方法ですとか,より効果を発揮するように,さらにまた基本的ケースワーカーの専門的技術というのもやはり必要かと思いますので,こういう点についても,その習得についてより一層徹底をするよう,努めていきたいというふうに考えております。 ◆勝木勇人 委員  いろいろ頑張っていらっしゃるというふうな感じがいたしまして,高く評価したいとは思うのですが,生活保護を受けている人たちにはいろいろな類型があるようです。高齢であったり,母子家庭だったり,障害があったり,病症,単身,いろんな形の人たちがいろんな形で生活保護を受けておられる。ここのところ,それらの被扶助者といいますか,受給者からケースワーカーの方が暴力を振るわれるという事件などもちょこちょこ起きているというように聞きます。いろんなケースがある中で,かなり難しいパターンの世帯といいますか,受給者もあるのじゃないのかなというふうに想像いたします。  今,聞いたところによりますと,札幌市では,地域で分割してケースワーカーを配置して,ケースワーカー1人がおおむね85世帯を担当していると。規定としては80ケースを担当するというような,地域別でやっているようなのですけれども,北九州市なんかでは,ケースの類型,要するに老人ばかり行く人がいたりとか,そういうような仕事の分担の仕方をしているところもあるやに聞いております。そういう意味では,難しいケースがだんだんふえてきている札幌市も,もうちょっとケースワーカーの対応の仕方,配置の仕方,そういったものを柔軟に扱って,フレキシブルな形をつくってはどうかなというふうに思うわけです。  ちなみに,今のやり方でいきますと,各ケースワーカーが単独で,個人プレーで各世帯を回るというような形のように聞いているわけですが,これをチームワーク制といいますか,チーム制にしてみたらどうか。1人80ケースという決め方ではなくて,5人で400ケースとか6人で480ケースとか,何かそういうような形をきちっとつくって,横の連携をとりながら,単独で1ケースを担当するというのではなくて,相談しながら,そしてケースワーカーにもやっぱりそれぞれ得意の分野があると思うのです。そういう得意の分野に応じたきめの細かい対応,そういうのができないものかなというふうに感じるわけです。  また,暴力を振るわれるといったような非常に難しいケース,恐らく新採用でぼっと行った人なんかはとても対応できないだろうなと思うわけなのですが,そういう難しいケースを専門的に扱うような専門チームのようなものも,これは難しいかなと思うのです。その難しいケースばかり,来る日も来る日も担当させられても,また厳しい話だろうなとは思うのですけれども,そういう部分も何とかフォローしていけるようなものができないものかというようなことを含めまして,今後の対応はどんな方向で考えていらっしゃるのか,ちょっとお聞かせいただければと思います。 ◎宮崎 総務部長  処遇困難ケースの対応ですとか,あるいは担当方法についていろんなご提言がございました。まずは処遇困難ケースの対応ということで,一例を申し上げますと,今お話がありましたとおり,暴力を振るう方が間々おります。これについては,ケースワーカーという個人だけでなくて,保護の実施機関として組織的な対応を行うこととしておりまして,この点は,要は警察にきちっと報告し,連携を取りながらやっていきたいと。要するに毅然とした対応をとっていきたいということでございます。  ただ,ことしの例で申し上げますと,大変残念なことなのですが,既に3件,職員が暴行を受けるという事例が発生しておりまして,この点非常に深刻に受けとめているところでございます。それで,私どもの方も毅然とした対応ということを申し上げましたけれども,全庁的に各区の保健福祉部と連携いたしまして,この辺の対応について申し合わせをいたしましたし,さらに,組織的対応は当然でございますけれども,さらなる警察との連携強化,こういうことをきちっとやりましょうということで申し合わせもしているところであります。  また,暴力的行為を行うものについての個別の対応策というのはなかなか難しいのですけれども,可能であれば専門的知識と経験を持つ,そういう人材の方を確保いたしまして,ケースワーカーへの助言,あるいは協力,こういうことも考えられますので,こんなことも少し検討していきたいと思っております。  次に,担当方法についてでございます。  当然ですが,ケースワーカーの基本というのは訪問調査活動にあるわけでございますけれども,本市の場合には,訪問の効率性ということを考えまして,地区担当制とこう申しておりますけれども,こういう方法をとっております。最近では,委員ご指摘のとおり,北九州市それから大阪市もそうなのですが,世帯類型という形で担当しているところも出てきておりまして,これは生活に対する支援に重点を置く高齢者世帯,なかなか一たん保護を受けると抜け出られないという本質があるわけですね。ですからこういう世帯と,それから自立助長に重点を置く稼働年齢層,こういうことを集約化して担当していただくと。このことによって,それぞれの技術面,専門的知識なりも合わせて有効に活用できるということにもつながってまいりますし,集約・高度化といいますか,そういう面でメリットもあるのかなと。そういう状況もありますので,委員ご指摘の,ご提案の内容も含めて,他都市の状況もよく調査し,それから十分検討をし,どのような工夫ができるのか,今後,考えてまいりたいと思っています。 ◆勝木勇人 委員  警察との連携という話が盛んに出ておりましたけれども,一説には,ケースワーカーとして警察OBを採用するというような話も聞いたことがあるのですが,そうでないのかなと,ちょっと不安になりましたが,なかなかまだこのケースワーカーの配置,その他のことに関して,自治労系といいますか,組合系の方の圧力もいろいろあって調整が大変なのだろうなと想像しますので,これ以上は追及しませんけども。(発言する者あり)  小泉内閣は痛みを伴う構造改革,これを推進しておりまして,公共事業の10%カットと果敢な決断を下しております。今のところ,旧態依然とした建設業者を救済するためだけの補正予算,これは組む予定がないというような雰囲気でございます。失業者対策としてのセーフティーネットの充実などをやるという話ではありますけれども,札幌市の経済構造,これを見てみますと,非常に官依存型ということは皆さんご承知のとおりでして,そういうものを基盤にしているのが札幌市の経済構造でございます。それらの中から10%カット,その他の影響で失業者がどどっと出てきたときにはかなり厳しいのじゃないかと。  ちなみに,10%カットというのは発注額を10%カットではなくて,固定費も含めた霞が関側全体の10%カットだという話もあります。そうだとすると,発注額そのものはもっと20%とか30%近くカットになる可能性があるわけです。そういうのは札幌みたいな経済構造ですともろに影響を受けるだろうと。そういった中から失業者がどっと出てきたときに,なかなかセーフティーネットというようなものでも救いづらいのではないだろうか。そういったケースのほとんどが,ほとんどということはないかもしれないですけども,そういう失業者が生活保護の方に流れ込んでくるのではないのかなと,そういう危惧があります。特に,来年ぐらいからかなりそういう動きがひどくなるのではないのかなと予想されています。  私は,生活保護の制度,社会的弱者の健康で文化的な最低限度の生活を保障すると,このことに異を唱える気は毛頭ございません。ただ,稼働阻害要因のない稼働年齢層,働けるのに働いていないという人が生活保護を受けて,いろいろ事情はあるのでしょうけれども,働く意欲をいつのまにか失ってしまって,制度を利用するだけ。そういう境遇に甘えてしまうというような人がふえますと,これは地域経済の活性化の面にも非常に大きなマイナス効果になるだろうというふうに感じます。  札幌市の民間経済も,これからは官にぶら下がるだけではなくて,自助努力といいますか,たくましく生き残っていくような精神を培ってもらって,養ってもらって,そして市場における競争力,こういうものを育てていってもらいたいわけですが,そういう浮遊民といいますか,言い方はいろいろあるのでしょうが,変な雰囲気が充満してしまうとなかなか難しくなるのじゃないのかなと。そういう意味で,受給者への対応の仕方も,これからは一考を要するようになるのではないかと思われます。すなわち,生活保護を受けている稼働阻害要因のない稼働年齢層に対しては,自立支援の部分に大きな力を注ぐ必要がこれから出てくるだろうと。  ちなみに,アメリカのクリントン大統領時代の話ですけれども,生活保護制度を大きく見直しました。要するに扶助を受けている期間,これを5年に限定したのですね。要するに障害を持っておられる方とかは別なのでしょうけれども,稼働阻害要因のない稼働年齢層に関しては,最高5年以上は生活保護は出さないぞと。その扶助を受けている期間の条件もあるのです。就労のための技能訓練が義務づけられる,そしてさらに,3年連続で扶助を受けた場合,4年目は1回打ち切られるのです。人生トータルで5年しか受けられないというようなことになっているようです。相当厳しい。自助努力の精神を養えとかということもあるのでしょうけれども,きつい見方をすれば,弱者の切り捨てというところにもつながるかと思いますし,この辺はなかなかそう簡単に日本でもやれという話ではないと思うのですが,小泉政権も,痛みを伴うと言いつつも,ここまで厳しい政策転換をする方向にはないようです。  私もそう思うわけですが,経済基盤の脆弱な札幌市においては,保護政策の最終段階の部分,これをやはりきちっと固めておかないと,先ほども言いましたけれども,働く意欲を失った敗北者的な意識の人ばっかりがふえてしまいまして,新しい産業の育成といったようなことも絵にかいたもちのようになってしまうおそれがある。そうなってしまってからでは何もかも手おくれという感じがしますわけで,困窮するのは市民の方だということでございます。この点に関してのこれからの保健福祉局の方針がどういうふうになっているのか。  私の見解を言わせていただくなら,まず,生活保護受給者のうちの稼働阻害要因のない稼働年齢層の数 ○荒川尚次 委員長  勝木委員,そろそろまとめて質問に入ってくだいさい。 ◆勝木勇人 委員  (続)これは,先ほどその他というところに含まれていると言っていましたが,正確な数を把握していない。これをまずきちっと把握して,それらの自立助長に向けての数値目標,これを設定してもらいたい。そして,他部局との連携を図って,ケースワーカーがその自助助長に向けての技量,そういうものを助長していくための技量をもうちょっと強化していくような特別な研修,こういうものもこれからやっていっていただきたいというふうに思うわけですが,教えていただきたいと思います。 ◎宮崎 総務部長  自立支援についての目標を定めて取り組めというご指摘かと思います。  当然のことでございます。生活保護の目的というのは最低生活の保障ということになるわけですが,同時に,るるご指摘されましたとおり,自立といいますか,自立助長,これが一方の目的でもございます。  そこで,稼働能力を有する被保護者,こういう方々への就労指導ということについては,当然でございまして,重要な柱として全市的に取り組んでいるところでございます。ご承知のとおり非常に厳しい現下の経済状況,あるいは雇用情勢,こういう中で就労に至るための方策というのは非常に難しいものもございますけれども,今後とも一層強化をしていく必要は当然あるものと認識しております。  そういうこともありまして,今年度は,稼働年齢層の就労を積極的に推進するため,全ケースワーカーに対しまして,「雇用情勢と就職活動の実際」というようなことで,焦点を絞った研修をしてきておりますし,また,公共職業安定所のご協力も得まして,この場での就労行政といいますか,そういうことの実地研修,今こういうことも予定をして,そういう対策につなげていこうと思っております。  また,新たな方策でございますが,こういう方面の専門的見地からの助言だとか,あるいは就職先情報の提供を得たいということもございまして,人材の確保ということで,これは北海道労働局の方と現在,具体的に協議を進めているというところでございます。  また,強いご指摘がありました自立支援なり助長に向けての数値目標の設定ということでございますが,私どもは,毎年1月から3月に全ケースの総点検ということを行っておりまして,この場でケースの実態を把握しているわけでございますけれども,従来から実施しておりますこの自立に向けた重点指導世帯の選定,これに当たりましては,特に稼働による自立ということに焦点を絞りまして選定を行ってまいり,この層への重点的な指導を今後,徹底してまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◆勝木勇人 委員  先ほども言いましたけれども,組合との対応,いろいろ大変でしょうけれども,何とか切り抜けて頑張っていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。 ◆大嶋薫 委員  社会状況の変化ということで起きている扶助費の上昇,あるいは先ほど坂本委員とのやりとりの中にありましたホームレスの問題等々,これからどういうふうに体系づけて,この問題に当たっていくかという点においては,やはり国側のきちんとした制度,政策がつくられて,そこに地方自治体がどうやっていろんな知恵を出していくのかということが,今後の課題になってくるのかなというふうに思ってやりとりを聞いておりました。  私の方からは,先ほど坂本委員とのやりとりが少しありましたホームレスの問題について,重ならない範囲で簡潔に二,三質問をさせていただきたいと思います。  これまで,ホームレス対策,いろんな論議がされてきておりましたけれども,ようやく国の方でも99年5月に,関係省庁によってホームレス問題連絡会議からの答申といいますか,対策が具体的に出された。そしてまた,昨年11月ですか,自立支援事業ということで,国の方で,事業メニュー,この事業については予算措置をしますよという形での対策を出してきたということですから,これから法制化等の問題についても本格的に課題が出されてくるのだろうと。民主党の方でも臨時措置法案の要綱ということで,既に出させていただいて,この問題について,やはりこれまでも人道的・倫理的な観点からの法外援護という形で取り組まれたものを,きちんとした法律的な裏づけをもって,対策を立てていかなければならないのではないかという視点を出させていただいているわけです。  まず,これまで,ことしの1定,昨年の3定の中でいろんな論議がされてきたわけですが,札幌市として,このホームレスの問題に対する基本的な姿勢をどのように考えておられるのか。そしてまた,これまでどのような対策を行ってきたのかということについて1点伺います。  それから,この問題はある意味でこれまでも東京,名古屋,大阪等,かなりホームレスが集中している地域の中では,NPO団体を含めて民間のグループがいろんな形で支援を行ってきています。特に,冬季,冬場に差しかかる時期に,全国からいろんな支援を募りながら炊き出し活動を行う,あるいは医療的な相談を行うというようなことを行っていまして,札幌でも北大の学生を中心としたグループ,あるいは二,三,そういうボランティア団体が積極的に取り組まれているというふうに聞いているわけですが,このボランティア団体とどのような具体的な連携を行っているのかという点について,まず2点伺います。 ◎宮崎 総務部長  ホームレス対策の関係でございますが,大きく分けまして二つあるかと思います。一つは実態を把握するための調査を行ったということと,これに応じた対応策をとってきたと。具体的には,実態を把握するために,平成11年度から,12月に深夜のホームレス調査を実施しておりまして,昨年度は68名の数を確認したという状況になっております。この折に,高齢者等の方については施設の入所を促したり,あるいは相談の窓口の周知に努めてきたということでございます。  また,ホームレス対策につきましては,積雪寒冷という,こういう札幌の地理的特性もございますので,冬期間での対策に重点を置きまして,高齢者,障害者,あるいは入院を要する病弱者,こういう方々を対象に生活保護の適用と既存施策の組み合わせ,こういうことを取り組みまして援護を実施してきたということでございます。  次にボランティアとの連携の関係でございますが,ホームレスに対する支援を行っているボランティアは,私どもが承知しているのは二,三ございます。この中で健康相談ですとか,あるいは食料の配付などを定期的に行っているという学生によるボランティアが一つございます。  本市では,このグループの方と12年度には2回,それからことしは6月でございますけれども,何か連携ができないかということで話し合いを継続しているところでございます。ホームレス問題については協議を重ねているところでありますけれども,やはりそれぞれの考え方といいますか,あるいは立場の違い,こういうこともございまして,必ずしも全面的にスクラムを組んでということではございませんけれども,お互いその役割を果たしながら,可能な限り連携を図って,本市のホームレス問題の解消に取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆大嶋薫 委員  基本的には,きちんとした実態調査を行って,その上で命といいますか,かかわるいわゆる人道的・倫理的な部分についてのカバーをどうしていくか。そしてまた,先ほど坂本委員とのやりとりがありましたように,基本的には法の制度,生活保護という一つの施策の中での取り組みを基本として考えていらっしゃるのだろうというふうに思います。  ただ,行政がどこまで責任を持つことができるかという点については,なかなか難しい判断が必要なのだろうというふうにも思います。先ほど言ったように,まだ,法外援護ということでの取り組みにならざるを得ない。また,実態がどういうふうに今後推移していくのかということについて,各関係部局との連携のあり方等々についても,具体的な対策等についてこれからの課題になってくるだろうというふうにも思います。  とはいえ,いわゆる命にかかわる部分,特に医療的な部分について,何とかこれを行政の責任において取り組むことができないのかという点が私は非常に気がかりといいますか,何とかできないものかなという気がしておりまして,この点についての考え方をお示しいただきたいと思います。  それからもう一つ,1定の論議でしたか,部長のお答えの中で,このホームレス対策・対応,札幌市としての施策を行っていく場合に,市民に理解をいただくということがやはり前提になるだろうというようなお答えがありました。この市民の理解を得るための方法として,現在,どのようなことを考えていらっしゃるかという点について伺います。 ◎宮崎 総務部長  ホームレスの医療相談の関係かと思いますが,私どもこれまでも実態調査の時点で,健康面の相談窓口の周知に努めてまいりました。また,ボランティアの団体に対しましても,この相談窓口の関係ですとか,あるいは各区の保健センターでの健康面での相談は可能であるということで,その情報提供を行ってきているところでもあります。  また,今年度12月の実施予定のホームレス実態調査におきましても,相談窓口のさらなる周知を図りたいと思っておりますし,健康状態の聞き取りなどもこの折に行いたいと思っております。こういうようなことで,例えば,街頭での相談と申しますか,そこまでは現在のところ考えていないということでございます。  次に,市民の理解を得るための周知方法でございますけれども,本市のホームレスの数は68名ということで,他都市に比べると極めて少数でございます。そういうことで,まだ社会問題化という状態には至っておりませんことから,特にホームレスに焦点を絞った対策ということにつきましては,市民の理解をやはりきちっと得て,その上で実施する必要があるものというふうに認識しております。  そこで,市民の方に状況をお知らせする方法といたしましては,マスコミ等の報道を活用させていただくということにしておりまして,個人情報の保護ですとか,あるいは守秘義務,こういうことに反しない範囲において,ホームレスに関するいろんな情報を積極的に提供し,市民の理解も得ていきたいというふうに思っております。  以上でございます。 ◆大嶋薫 委員  これから冬場に向かって,改めてきちんとした実態調査といいますか,その上で医療的な相談の窓口等々についてきちんと周知していきたいということでありますから,札幌市としては,ある意味で現状の中では生活保護法を含めた法の枠内で最大限の努力を行っていくということだろうと思います。ただ,先ほど坂本委員とのやりとりにありましたけれども,なかなかみずから足を運ぶということが不得手といいますか,なかなかできない方に対してどのような対応をしていくのかという点については,一つの課題であろうと思います。これはある意味で言えば,ボランティア活動を行っている方々とのいろんなきちんとした連携の中で,そういう促しをしていくというようなことも多分必要なことなのかなという気もいたしております。  最後ですけれども,先ほど自立ということに関する論議がありました。国の方で先ほど示した自立支援事業という中で,自立支援センターをつくるということが示されておりまして,この中身は,やはり就労についてきちんと支援プログラムをつくって支援していく,あるいはその中で医療的な問題,あるいは住居の問題も一定程度解決していくというようなことが大きな中身になっているのかなという気がしておりますけれども,この自立支援センターという,他の都市では既に取り組んでいるところもあるわけですが,本市としてこの事業に取り組む姿勢があるのかどうか。そしてまた,その目的としている事業内容について,本市としての考え方について,最後にお示しをいただきたいと思います。 ◎宮崎 総務部長  自立支援センターの関係でございますけれども,これにつきましては,国におきまして,本州の大都市は非常にホームレスが多いということもございまして社会問題化している実態がございます。そういうことで施策が打ち出されたわけでございますけれども,同センターの設置基準というものは200名以上のホームレスがいるということが要件になっておりまして,本市の場合はこの適用の対象になっていないという現状にございます。  そこで,本市のホームレス対策の関係でございますけれども,委員がご指摘されましたとおり,生活保護の制度を重点として,既存のいろんな本市で取り組める施策を組み合わせながら,今後とも対応をしていきたいというふうに思っております。例えば,平成12年度の例でございますけれども,70名の方に対して生活保護を実施しておりまして,ケースワーカーの指導・助言の結果7人の方が年金の受給ですとか,あるいは稼働を開始したというようなことで自立もしておりますし,こういう実績もありますので,今後とも粘り強く助言・指導を行いながら,自立のための援助をしていきたいというふうに考えております。 ◆高橋克朋 委員  最後ですので,簡潔に質問させていただきたいと思いますが,私も生活保護費について質問をしたいと思いますが,この生活保護の目的は,先ほどもお話がありましたけれども,国が生活に困窮するすべての国民に対してその程度に応じて保護を行って,最低限度の生活を保障すると。そしてその自立を助長するというのが目的でございます。しかし,一方で,昨年の4定だったと思いますが,補正予算を組んで,本市も700億を超えたと,こういう予算でありまして,保健福祉費の中でもトップでございますし,対前年比でも12%もアップしているということでございますし,政令指定都市の比較でも一般会計に占める割合はトップでございます。私も会合のたびに700億を超えた生活保護費という話をすると,一般市民の方はびっくりしてあいた口がふさがらないと,こういう状況でもございます。  まず,基本的なことをちょっとお伺いをしていきたいと思いますけれども,最近の生活保護費の動向,さらに受給者数の増加の要因についてお伺いをしておきたいと思います。さらに,先ほどの目的の中にもございましたが,自立を助長するわけですから,どれぐらいの方が生活保護から自立をされているのか,その状況について,まずお伺いをしておきたいと思います。 ◎宮崎 総務部長  生活保護の動向,それから受給者増加の要因等についてご説明申し上げます。  最近の動向ということで,本年8月の状況でございます。被保護世帯は2万6,061世帯,非保護人員は4万142人,保護率は21.9‰と,こういう状態でございます。平成9年度の途中から非常に増加傾向が著しくなってきておりまして,本年の8月と平成8年の同月を比較してみますと,世帯数で6,743世帯,人員で1万441人,保護率で4.9ポイントの増加と,こういうことになっております。  開始理由を見てまいりますと,やはり社会経済状態と申しますか,こういうことを反映しているかと思いますが,失業ですとかあるいは稼働収入の減少,こういう理由が大きく伸びているということでございます。平成8年度は297件でございましたけれども,12年度は749件ということで,この理由によるものが2.5倍ふえているということです。  本年度の予算の増加に触れられておりましたけれども,やはり受給者数の増,これが圧倒的な理由でございます。  また,保護の廃止世帯の数でございます。平成8年度からほぼ横ばい状態ということになっておりまして,12年度には2,595世帯となっております。この廃止の理由には,就労の開始ですとか,あるいは年金の受給ですとか,あるいはお亡くなりになっただとか,こういう理由がございますけれども,やはり積極的な自立である就労開始,あるいは就労収入の増加によるものが最も多いということで,平成8年度は691世帯,12年度は705世帯,こんなふうになっており,廃止数全体に対する割合は各年度とも約26から27%前後,こういうことになっております。このほかの理由としては,仕送りの開始ですとか,あるいは増額ですとか,施設の入所,あるいは親類縁者の引き取り,こういったものがございます。 ◆高橋克朋 委員  自立を助長するということで,本年8月は全体が2万6,000世帯余りの中で12年度は2,595世帯が廃止になったということでございますけれども,実際,積極的な就労開始や就労収入などの増加によって自立をしたというのは,12年度では705世帯ですから,全体の3%にすぎないのがこの自立をされたという数字だと,私はこう思っているのです。  なかなか目的の自立を助長するというところまではまだまだ遠い数字なのかなと,こんなふうに感じております。そこで,生活保護世帯には,一体どういった各種料金における減免制度があるのか,この1点をまずお伺いをしたいと思いますし,また,生活保護世帯の中にも,子供さんがたくさんいるところもあれば,おじいちゃん,おばあちゃんがいるところもあるわけでありまして,それぞれ家庭の事情が違うわけですけれども,一体一番もらっている世帯というのはどれぐらいの金額になるのか,お示しをいただきたいと思います。 ◎宮崎 総務部長  生活保護の給付と減免の状況ということに関してでございますけれども,被保護世帯で,いわゆる他施策ということになるかと思いますけれども,各種事業の利用料ですとか,そういうものが減免されたり,あるいは負担金が減免されたりということがございます。具体的に列挙いたしますと,例えば,NHKの受信料,それから下水道料金,公営住宅の家賃の関係,それから認可保育園の保育料,大型ごみ処分手数料などがございます。もちろん公租公課の関係もございますけれども。これはいずれにいたしましても被保護者の最低生活上の負担,これを軽減するという趣旨でございます。  それから,2点目の扶助費の支給額の関係で,一番高い例ということでございます。  当然のことながら世帯の状況というのはまちまちの条件を有しておりますので,適当な例なのかどうかというのはちょっと私も悩むのですが,これはそういう意味では極めて特別な例だと思いますけれども,40代の両親がおいでになって,そのご主人は1級の身体障害者ということでございます。この方に,高校生を筆頭といたしまして5人の子供と祖母の8人家族ということで,3世代ですね。この場合は,夏で49万円,それから冬で約53万7,000円ぐらい,これは本当に特殊な例でございますので,一般的と比較するのはいかがと思いますが,こういう実態でございます。 ◆高橋克朋 委員  今の特殊な例をお示しいただきましたが,年収にすると,夏冬合わせていくと約600万ぐらいになるのかなと。税金は引かれないわけですから,かなりの数字なのかなと,こう一般的に思うわけですけれども,これはいろんなルールというか計算方法があって,こういう制度になっているものですから,これはやむを得ないのかなと,こんなふうにも思っておりますが,一般的には本当に高いなと,こういうイメージを受けております。
     そこで,生活保護世帯の小・中学生の児童・生徒のいる家庭について,教育の扶助ですね,どういったものが給付をされているのか,お伺いをしたいと思います。  また,生活保護世帯には扶助費以外に一体どのようなものが支給をされているのか,お伺いをしておきたいと思います。 ◎宮崎 総務部長  生活保護の給付等の関係かと思いますけれども,1点目の教育扶助の関係でございます。義務教育を受けるということで一般的に必要な経費というものが教育扶助ということで支給されているわけでございます。例えば,内容的には学級費の関係ですとか,あるいは給食費の関係ですとか,スキー,スケート,中学生の場合ですと辞書代ですか,それから入学準備金といたしまして小学校,中学校,そういうような折にそれぞれ給付をされると。おおむね一般的な経費相当分として見てまいりましたのが,小学生では2,100円ぐらい,中学生では4,100円ぐらい,こんな平均になろうかと思います。  それから,保護世帯に対する扶助費以外の支給給付ということでございますけれども,本市の場合とそれから北海道の場合の法外援助ということがございまして,本市の場合には,現在は小学校入学祝い金ということで,これは1万円でございます。中学校の卒業祝い金ということで3万円,修学旅行のバッグ代,これは小学生が3,000円,中学生が5,000円,それから小・中学生へのお年玉それぞれ3,000円と。このほかに北海道が実施しておりますものとして,母子世帯に対する慰問品,これは図書券で支給されておりますけれども,入学祝いで小学生が3,000円,中学生が5,000円,中学校の卒業祝いということで8,000円,こういう内容になっております。 ◆高橋克朋 委員  本市の部分では,小学校の入学祝い金1万円だとか,中学校の卒業祝い金3万円だとか,あるいはお年玉まで出るという,こういう制度になっているようでありますけれども,今,教育費の扶助の問題で,学校給食費なんかは,これ教育委員会にお伺いをしますと,生活保護を受けている世帯に一般的にその金額が,月約3,300円から500円ぐらいになるのでしょうか,給食費として渡っているわけですね。ところが,教育委員会でちょっと調べていただいたところによると,生活保護を受けている家庭の未納額というのが年間約2,000万円ぐらいあるのです。ですから,単純に言うと,言い方は悪いかもしれませんが,着服あるいは詐欺といっても過言ではないと,私はそう思っているのです。個人的にその金額が家庭に行っていて,そして学校にその金額が払われていないということですから,私はこれはどうかなと,こういう気がしてなりません。  しかし,一方で,学校によっては,校長先生がその家庭に理解をいただいてもらっている学校もありまして,そういった学校は,生活保護者の家庭の未納額というのはゼロという数字が出ております。多い学校によっては年間85万もの未納額が出ている。私は,これは教育委員会に問題があるのか,あるいはこの保健福祉局に問題があるのか,いろいろ議論があるかと思いますが,やっぱり出ているところはこの保健福祉局ですから,私は,ここで生活保護費に対してしっかりと監視をするというか,やはり指導をしなければ,なかなかこの生活保護費というのは減っていかないだろうと。現に725億の予算になっているわけですから,そういったことを踏まえて,私もこれからもずっとこの問題を追いかけていきたいと思いますけれども,最後に,部長のこの見解について答弁を求めて,私は終わります。 ◎宮崎 総務部長  ただいまの生活保護に関連して,給食費の滞納の関係でございます。保護受給世帯で,今申し上げましたような例が少なからずあるということは私どもも承知しておりまして,扶助費で支給されている給食費を学校に納めずに,結局他に使ってしまうということでございますので,保護制度の趣旨からいってもこれは許されることではございません。そういう意味で,給食費の関係につきましては,区の保護課から今委員ご指摘のとおり,学校に直接納めるという方法も法的には可能でございますので,これまでも,一例としては取り組んできた例も現実にございますけれども,今後,より一層,やはり学校長の協力も必要でございますので,教育委員会や学校との連携を密にしまして,滞納の防止,あるいは解消に今後しっかりと取り組んでいきたいと思います。 ○荒川尚次 委員長  以上で,第4項 生活保護費の質疑を終了いたします。  本日はこれをもって終了し,次回は,あす5日午後1時から,保健福祉局関係のうち,保健福祉部,保険医療部,保健衛生部,生活衛生部,衛生研究所及び高等看護学院の審査を行いますので,定刻までにお集まりください。  それでは,散会いたします。     ──────────────       散 会 午後6時56分...