企画調整局長 角 田 義 寛 君
財政局長 平 口 愛一郎 君
市民局長 谷 紘 子 君
保健福祉局長 宮 田 睦 彦 君
環境局長 三 井 尚 君
経済局長 小 川 敏 雄 君
建設局長 西 條 肇 昌 君
都市局長 角 尾 大 和 君
下水道局長 小 西 十四夫 君
市立札幌病院長 中 西 昌 美 君
消防局長 阪 下 征 哉 君
教育委員会委員 矢 野 義 和 君
教育委員会教育長 土 橋 信 男 君
選挙管理委員会委員長 岡 本 修 造 君
選挙管理委員会委員 青 木 護 君
選挙管理委員会委員 越 智 健 一 君
人事委員会委員長 朝 倉 賢 君
人事委員会事務局長 古 田 勝 榮 君
監査委員 川 越 公 夫 君
監査事務局長 南 槇 子 君
――――――――─―――――――――
〇
事務局出席職員
事務局長 金 野 信 夫 君
事務局次長 岸 稔 君
総務課長 渡 邉 惠 君
議事課長 福 島 康 則 君
調査係長 中 村 信 弘 君
資料係長 岩 谷 隆 博 君
議事係長 大 島 和 幸 君
記録係長 長谷川 万壽美 君
委員会一係長 酒 井 欣 洋 君
委員会二係長 吉 野 豪 君
書記 山 本 扶 美 君
書記 池 田 章 宏 君
書記 柴 井 康 君
書記 酒 井 智 美 君
書記 本 島 光 二 君
書記 松 崎 朗 子 君
――――――――─―――――――――
〔午後1時開議〕
○副議長(加藤齊君) これより,本日の会議を開きます。
出席議員数は,60人であります。
――――――――─―――――――――
○副議長(加藤齊君) 本日の
会議録署名議員として武市憲一君,本舘嘉三君を指名いたします。
――――――――─―――――――――
○副議長(加藤齊君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(金野信夫君) 報告いたします。
佐藤美智夫議長は,所用のため遅参する旨,届け出がございました。
本日の議事日程及び質問順序表は,お手元に配付いたしております。
以上でございます。
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○副議長(加藤齊君) これより,議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第15号まで及び議案第20号から第26号までの22件を一括議題といたします。
昨日に引き続きまして,代表質問を行います。
通告がありますので,順次発言を許します。
福士 勝君。
(福士 勝君登壇・拍手)
◆福士勝君 私は,ただいまから,新政クラブを代表して,市政の諸課題について質問をしてまいります。
最初は,財政問題について,資金の調達と運用の面から,3点お伺いをいたします。
質問の1点目は,
市債引き受けシンジケート団編成の見直しについてであります。
国においては,今後の
経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針,いわゆる骨太の方針を踏まえ,平成14年度予算の
概算要求基準の中で,財政面における
抜本的構造改革の第一歩として,国債発行額を30兆円以下に抑えるとともに,歳出全般にわたって聖域なき見直しを行うことを明確にしており,地方財政についても同様に,歳出を徹底的に見直し,その健全化を図るとともに,
地方公共団体が保障すべき
行政サービス水準の見直しなどに応じて,補助金や地方交付税を見直すことが検討されているところであります。
ところで,国,地方を通じた財政赤字の縮小や特殊法人の整理合理化を中心とした行財政改革の一環として,今年度から新しい
財政投融資制度がスタートし,郵便貯金や年金積立金の資金運用部への義務預託が廃止され,原則として,市場から資金を調達し,特殊法人等の財投機関や
地方公共団体に融資することとなりました。
この新しい
財政投融資制度のもとでは,
地方公共団体に対する公的資金の確保が大きな課題でありましたが,資金調達力の弱い
地方公共団体の資金確保のため,当面の措置として設けられた郵便貯金や簡保積立金からの直接貸し付けと,新たに財投債として市場から調達することとなった
財政融資資金等を合わせると,地方債計画に占める割合は約47%と,従来の政府資金と同程度の額が確保されたところであります。したがって,本年度についても,本市を初め,各
地方公共団体の資金調達に大きな影響は出ておらず,ひとまず安堵していると伺っております。
しかしながら,
財政投融資制度改善の議論においては,郵便貯金等の直接貸し付けを将来的には廃止していくべきとの指摘もあり,さらに,
地方公共団体の財政運営の自立性を高める観点からは,
財政融資資金の比率を引き下げ,公募債等による
民間金融市場からの自主的な資金調達を促すことが適当であるとの考え方が示されているところであります。
一方,平成10年5月に閣議決定された
地方分権推進計画では,地方債については,平成18年度に許可制から協議制へ移行することが明記され,資金調達の面でも国の関与を可能な限り縮小するといった地方分権のための改革が進展しつつあります。
このような状況の中で,
財政投融資制度とも相まって,従前以上に,
地方公共団体の資金調達について市場原理の導入を求める声が強くなっていることから,今年度に入り,総務省や
財団法人地方債協会が中心となり,
地方分権時代における地方債制度の将来像についての調査研究が始められていると仄聞しております。
いずれにいたしましても,昨年4月には
地方分権一括法が施行され,いよいよ分権の動きが本格化し,自主・自立した地方による個性ある地域間の競争の時代を迎える中,今後ますます民間資金,特に,広く投資家を募る公募債による資金調達が重要となっていくのではないかと考えているところであります。
そこで,質問でありますが,市債の
引き受けシンジケート団については,北海道拓殖銀行の経営破綻を契機に,平成10年度に,市債の安定消化と販売力強化の観点から大幅な見直しを行っておりますが,前回の編成から3年が経過したことから,本年,見直しが行われたとのことであります。昨今の金融業界の再編や地方債を取り巻く環境の変化を踏まえ,どのような観点から見直しを行ったのか,お伺いをいたします。
質問の2点目は,縁故地方債の商品性向上についてであります。
本市の民間資金の調達については,従来から公募債によるところが大きく,今後の地方債の将来を展望すると,その割合がますます高まっていくだろうと予測しているところでありますが,一方で,
地元金融機関を中心とした
シンジケート団引き受けの縁故地方債についても,平成12年度決算では230億円と,本市の
市債発行総額の14%を占める重要な調達手段であることは言うまでもありません。
ところで,この縁故地方債については,
金融ビッグバンの一環として
企業会計制度の改革が行われたことに伴い,昨年4月以降,時価評価の対象となっており,現状の超低金利下において引き受ける10年ものの長期債は,
金利上昇局面では時価が大幅に下落する
価格変動リスクを含んでおり,その意味で,金融機関側のリスクは相当大きなものとなっていると聞いております。
そこで,質問でありますが,これらの状況を踏まえ,金融機関の安定的な
引き受け体制を維持するためには,公募債で導入した償還年限の多様化など,縁故地方債の商品性についても早急に向上策を講じる必要があると考えますが,この点についてどのようにお考えか,お伺いをいたします。
質問の3点目は,減債基金の運用についてであります。
最近の低金利の長期化などを受けて,相対的に利回りの高い地方債に機関投資家などの人気が集まっており,さらには,来年4月のペイオフ一部解禁を控え,本市は言うに及ばず,他の
地方公共団体や財団法人などが預金から債券へ運用の重点を移すことが見込まれております。
一方,
地方単独事業の減少などにより,全国ベースでの
地方債発行額が減少傾向にあることから,昨年度,本市が実施した
競争入札方式では,運用のための債券を確保できない事態さえ想定される環境になりつつあることは,多くの
金融市場関係者から耳にするところであります。
そこで,本市では,今年度の
債券購入方法について,運用額の購入を確実にするため,昨年度の
競争入札方式にかえて,市債の
引き受けシンジケート団の証券会社15社に,あらかじめ購入額を割り当てる
予約購入方式を試験的に導入することを決めたと聞いております。このような方法は,他の
地方公共団体では,まだ行われていないとのことでありますが,新規発行の地方債などを市場実勢に基づく発行価格で確実に購入できるという点で,まさに,地方自治法第241条にいう確実で効率的な運用方法と言えるものであります。
このような本市独自の購入方法を導入することは,昨年度の競争入札の結果や最近の市場動向を踏まえ,目まぐるしく変化する金融環境に的確に対応する先駆的な試みとして評価するものであります。
しかしながら,金利は日々刻々と変動しており,同じ地方債であっても銘柄間の利回りに格差があるのが現実の市場であります。
そこで,質問でありますが,このような市場の実態にかんがみ,少しでも利回りのよい債券で運用しようという考え方が重要であると考えますが,このような観点から,
予約購入方式の中で何か工夫をされておられるのか,また,減債基金以外の21の基金についても,相当額の現金部分があるとのことでありますが,
ペイオフ解禁を控え,今後の運用をどのように行っていくおつもりなのか,あわせてお伺いをいたします。
次に,ごみ減量化に向けた具体的な推進方策についてお伺いいたします。
20世紀を通じ,私たちは豊かな生活を送ってまいりました。それを支えたのが大量生産・大量消費・大量廃棄という
社会経済システムでありました。
21世紀は,そうした使い捨ての社会に別れを告げ,地球の資源を大切に使う循環型社会の形成に取り組む世紀であり,今求められているのは,ごみを出さないこと,やむを得ず出てしまったごみはできるだけ資源として使うこと,そして,どうしても使えないごみはきちんと処分することであります。
さて,本市が処理するごみの量は,バブル当時の平成3年度には118万トンにまで達し,その後も110万トンの大台を超えたままでありました。このため,平成5年1月,市長が1人1日100グラムからのごみ減量を呼びかけ,以来,大型ごみの
戸別有料収集への移行,中身の見えるごみ袋の採用,瓶・缶・ペットボトルの資源物収集や
プラスチック収集を開始するなど,ごみの減量・リサイクルについて先進的に取り組んできた結果,平成10年度以降は100万トンを下回る状況になっており,一定の成果が得られたものと評価するのであります。
しかし,先般,発表された「さっぽ
ろごみプラン21」年次報告書によれば,家庭ごみの量は,平成11年度には47万6,000トン,平成12年度は47万5,000トンと横ばい状況にあり,同プランに掲げた減量目標を達成するためには,今後一層の取り組みが必要なのではないでしょうか。
このためには,本市が,ごみの発生を抑制する
システムづくりを積極的に進めるとともに,市民がごみ減量・リサイクルについて理解を深め実践できるように,普及啓発や環境教育をさらに充実させる必要があると考えるのであります。ごみの発生をさらに抑制するためには,市民一人一人が,商品を買うときには包装が簡易なものを選んだり,日用品や食材は余すことなく使い切るなど,毎日の
生活スタイルを見直し,実践することが肝要であると考えますが,本市が,さらに新たな減量や
リサイクル手法を普及させることも大事なことと思うのであります。
例えば,家庭ごみの3割から4割を占める生ごみについては,堆肥化処理をすれば,かなりの減量効果が期待できると考えます。
ダンボール箱やコンポスターを使った方法,また,
電動生ごみ処理機など,さまざまな方法が提案されているようでありますが,このように,これまでにとられてきたごみ減量の手法にとどまらず,新たな手法を加えることにより,市民の選択の幅を広げることが実効性を高めていく上で大切なことと考えるのであります。
また,市民に対して普及啓発を行う場合に心がけなければならないことは,ごみ問題に対して関心の低い市民をいかにして啓発し,関心を持っていただき,ごみの減量やリサイクルを実践していただくかということであります。
この観点から考えますと,まだまだ情報の提供や環境教育が不十分ではないでしょうか。市民にごみ問題について取り組んでもらう
きっかけづくりとして,市民に対して,手軽にできるごみ減量の方法を紹介するとともに,さまざまなリサイクルの方法や
リサイクルルートを紹介するなど,
情報提供一つとってもさまざまな手法があると考えるのであります。
そこで,質問の1点目は,家庭ごみをさらに減量化し,さらにリサイクルを進めるために,具体的にどのように取り組んでいこうとしているのか,お伺いをいたします。
質問の2点目は,市民に対し,ごみの減量・リサイクルに関する情報提供や環境教育について,もっと積極的に取り組んでいく必要があると考えますが,具体的な方策についてお伺いをいたします。
質問の3点目は,ごみの減量・リサイクルを推進するためには,行政だけの取り組みでは不十分であり,市民との連携・協働,いわゆるパートナーシップによって進めていくことも大切であると考えますが,この点についてどのように進めようとしているのか,お伺いをいたします。
次に,防災対策についてお伺いをいたします。
近年,世界じゅうで,異常気象などの自然災害により,さまざまな被害がもたらされておりますが,我が国においても,毎年,各地で大雨などによる自然災害が発生し,甚大な被害をもたらしているところであります。特に平成11年6月,広島県で発生した土砂災害では,がけ崩れと土石流が同時多発的に発生し,県全体で24名もの犠牲者を出す大惨事となったところであります。
このようなことから,
地方公共団体に対して,危険区域における
住宅地開発等を制限したり,緊急時の情報伝達や警戒・避難体制の整備,避難場所・
情報伝達方法等を地域住民に周知することなどを求める
土砂災害防止法が本年4月に施行されたところであります。
本市においては,
土砂災害危険箇所として,129カ所のがけ地と138カ所の
土石流危険渓流が公表されております。これらへの対応策として,ハード面では,北海道あるいは国が行う急
傾斜地崩壊防止工事の施工や砂防工事が進められているほか,本市独自に,がけ付近における建築物の建築に関する指導要綱を定め,安全対策を指導しており,ソフト面としては,市民の防災意識の向上を目的に,パンフレットの配布や
自主防災活動の研修などを通して
土砂災害知識の普及啓発や注意喚起に努めているところであります。
こうした中,
自然災害対策として,昨年の水防計画に続き,本年度は,がけ崩れや土石流対策などについてまとめた
土砂災害対策計画や,効率的な避難場所の整備・運営のための
避難場所整備運用計画が策定されたところであります。今回の
土砂災害対策計画の策定により,連続雨量の数値をもとに警戒基準や
避難準備基準が設定され,警戒態勢や避難場所の開設準備などを行う
避難準備態勢をとる基準が明確になり,土砂災害に対する迅速で確実な避難指示が可能になったと伺っております。
このように,
地域防災計画の充実強化について積極的に取り組まれていることに対して高く評価するところでありますし,がけ地や土石流の危険区域を抱える手稲区の住民といたしましても,大変に心強い思いをいたしているところであります。
そこで,質問の1点目は,
土砂災害対策への今後の取り組みについてであります。
土砂災害のおそれのある区域に居住する市民の方に対する
緊急災害情報の伝達のあり方については,過去の災害事例からも,その体制整備については緊急な課題として提起されているところであります。
本市においては,車両等を活用して対応しているところでありますが,危険区域が山すその傾斜地に分散している実態を踏まえますと,限界があるのも事実であります。このようなことから,がけ崩れ,土石流等の災害発生の可能性が高い危険区域の住民に対しての緊急情報の伝達や避難勧告などの周知徹底のための
即時通報体制の整備と,土砂災害に対応した避難場所の整備が急がれると思うのであります。
また,土砂災害から身を守るためには,身の回りに危険を感じたときに,自分自身で危険性の有無を判断したり,自主避難などの行動に速やかに移行できることが重要でありますので,土砂災害に関する専門的な知識の普及や情報の提供を,これまでにも増して積極的に行っていくことが必要であると思うのであります。
そこで,質問でありますが,
土砂災害対策について,今後どのように取り組んでいかれようとしているのか,お伺いをいたします。
質問の2点目は,市民が主体となった防災訓練への取り組みについてであります。
本市においては,例年,
地域防災計画を初めとする各種計画を検証するため,総合防災訓練や各区防災訓練,さらには,1月の厳冬期には非常参集訓練を実施するなど,運用面に重きを置いたさまざまな訓練が実施されているところであります。
防災対策をより一層推進していくためには,災害を忘れずに,災害から何を学び,日ごろからどう備えていくかが大切なことであり,そのためには,市民が主体となって,それぞれの地域において防災に対して積極的に取り組んでいくことが必要不可欠であると思うのであります。
また,近年における他都市の災害においても,行政内部の連絡が徹底されなかったことや,降水量の状況や河川の堤防決壊などの情報が住民に適切に提供できなかったなどの例があり,こうした情報提供の不備は,市民の生命も奪いかねないことなどを踏まえますと,やはり,さまざまな計画に基づく運用面を重視した防災対策や,パートナーシップによる市民と企業,行政との役割分担が重要な課題と考えるのであります。
私は,これまでも,機会あるごとに
自主防災活動の推進や情報収集伝達システムの確立などについて提言してきたところであり,逐次こうした対策の整備が進められていることを承知しております。
しかしながら,本市では,20年前の「56水害」以来,特に大きな被害を伴う災害が少ないこともあり,市民の防災に対する意識が必ずしも高いとは言えないのが現状であります。
防災の基本は,何にも増して市民一人一人が災害への心構えを持つところから始まるものと考えております。市民みずからが自宅周辺の避難場所や危険区域を日常的に把握し,災害時には,家族の身を守ることを初め,付近住民の方と協力して,災害弱者と呼ばれているお年寄りや障害のある方などへの援助や,少しでも被害を軽減できる対応などを安全かつ速やかに行われるようになることが最も重要であると思うのであります。
そのためには,行政が市民に対して,防災に関する高い意識や正しい知識の普及啓発を初め,的確な情報提供のほか,実践的な訓練の実施などを今後とも継続して効率的に展開していく必要があると考えるところであります。
私は,昨年の第4回定例会において,冬場における抜き打ち訓練の実施について提案したところでありますが,今年1月の訓練で早速採用され,その際,初の試みとして,一定の地域住民の方々が訓練に参加され,収容避難場所である小学校を中心として,実態に即した避難場所の運営を実際に体験できたことは,地域住民の方にとっても有益であり,大きな成果があったと伺っております。
申し上げるまでもなく,防災は市民すべてに共通した課題であり,街づくりの主役である市民みずからが,自分たちの街は自分たちで守るとの意識に立ち,日常生活の中で率先して防災訓練に参加できる環境をつくっていくことは,まさに災害に強い街づくりへの第一歩とも言えると思うのであります。
こうした中で,本市防災訓練の現状を見てみますと,地域住民の方が学校や公園などに集まる集合型訓練が主体であるため,参加者は固定化される傾向にあり,受け身の状態で訓練を行っているのではないかと思うのであります。
他都市においては,付近の通行人を含む参加者が,自宅を出た時点から訓練会場に至るまでの道路や空き地などにおいても,火災やけが人,生き埋めの状況などを設定して,住民みずからが,初期消火や応急手当てを体験できる発災対応型と言われる防災訓練を実施されていると伺っており,防災意識の高揚などに成果を上げているところであります。
本市においても,従来の集合型訓練に加え,こうした発災対応型の防災訓練を実施し,全市的に広げていくことが,市民一人一人の防災に対する意識づけを初め,さらなる災害対応力の向上につながっていくものと考えているところであります。
そこで,質問でありますが,市民が主体となった防災訓練への取り組みについて,市長のお考えをお伺いいたします。
次に,学校の安全対策についてお伺いいたします。
これまで,日本の社会は,どちらかといえば安全であると言われてきており,その中でも,とりわけ学校は子供たちが安心して過ごせる場所と考えられてきました。
しかし,去る6月8日に大阪教育大学教育学部附属池田小学校において,学校に侵入した者によって23名もの児童や教職員が殺傷されるという,まことに痛ましい事件が発生いたしました。生命を尊重する心や他者への思いやり,社会性や倫理観,正義感といった,生きる力の核となる豊かな人間性をはぐくむはずの学校で,8名の将来あるとうとい命が奪われるという,あってはならない事件であり,亡くなられたお子様のご冥福をお祈り申し上げますとともに,心からお悔やみを申し上げ,また,被害に遭われた方々には心よりお見舞いを申し上げる次第であります。
この事件の発生を受けて,文部科学省を初め,大阪教育大学などの関係機関が連携して,事件への迅速な対応が図られたと聞いておりますが,まずは何といっても,被害に遭われた児童や先生方及びその家族への対応に万全を期することが第一であると思うのであります。
突然,教室に侵入してきた者によって傷つけられた児童はもちろんのこと,かけがえのない友人を目前で殺傷されるという,大変大きなショックを受けている子供たちの心のケアに努めることが第一であり,さらに,保護者や学校関係者の心のケアにも万全を期する必要があると思うのであります。
今回の事件の発生を受けて,臨床心理士なども加わったメンタルケア支援チームを,事件発生のわずか2日後に結成し,あわせて,24時間体制のメンタルサポートホットラインを設置するなど,心のケアの体制を素早く整備したことは,私といたしましても大変評価しているところでありますが,こうした取り組みを,事件発生後の一時期に限定することなく,継続的に行っていくことが必要であると思うのであります。
また,こうした心のケアとあわせて,学校の安全管理の再点検が必要であると考えるのであります。
学校の安全管理については,平成11年に京都市の小学校で児童が殺害された事件をきっかけに,当時の文部省は,地域と一体となって幼児・児童・生徒の安全確保の方策を講じることが必要であるとして,都道府県及び政令指定都市等に対して,学校の安全管理に関する39項目の点検項目を示して,学校の安全管理の見直しについて通知しておりますが,今回の事件を受けて,文部科学省は,改めて39項目について緊急の再点検を通知し,本市においては,その通知に沿って,6月11日付で各学校長・幼稚園長あてに通知し,その徹底が図られるとともに,さまざまな安全対策が工夫され,講じられているとお聞きしております。
一方,国においては,ここ数年,地域ぐるみで学校教育を推進する学校開放に力を入れており,本市においても,体育館の開放など,学校の公共施設としての有効活用が図られているところですが,今回の事件で,こうした学校開放の動きが後退してはならないのであり,むしろ,学校を開放しながら安全を確保するためには何をすればよいのかが改めて問われていると思うのであります。
校門を原則として閉めてしまった学校,警備員を配置したり,保護者が地域の見回りをしたりと,安全の確保に立ち上がった学校,地域の人たちに自由に出入りしてもらうことで事件を防ごうという学校など,それぞれの学校が,開放と安全をどのように両立させるか,悩みながら対策に乗り出しているのであります。
私は,地域に開かれた学校づくりは,学校の教育活動を多様化,活性化するばかりでなく,地域の方に学校に対する理解と協力をより一層深めていただくためにも重要な取り組みであり,家庭,学校,地域の三者の連携こそが,今回のような突発的に発生する事件に対する備えにもなるとの考えのもと,開かれた学校づくりを一層推進し,子供たちを守っていくネットワークづくりが必要なのではないかと考えるのであります。
本市においても,開かれた学校の動きを後退させることなく,地域の中でいかに子供たちを守っていくのか,学校への侵入事件が頻発し,殺傷事件にまで及ぶ状況を考えますと,家庭,学校,地域の三者が一体となって,さらなる安全対策を講じる必要があるのではないかと思うのであります。
そこで,質問でありますが,今回の事件を受けて,教育委員会として,各学校,幼稚園において緊急対策を講じたと聞いておりますが,その内容及び対策の進捗状況についてお伺いいたします。
また,緊急対策に加えて,ソフト・ハード面を含めた中長期的な視点に立った対策について,町内会等の地域や保護者の協力を得ながら,開かれた学校と安全管理を両立させる観点から検討するべきと考えますがいかがか,お伺いをいたします。
次に,高齢者施設の今後の展開についてお伺いいたします。
本市におきましても人口の高齢化が急速に進んでおり,昨年4月に65歳以上の人口が15歳未満の人口を超え,それ以降,現在に至るまで,65歳以上の人口の割合はふえ続けているところであります。
昨年策定されました札幌市介護保険事業計画の中では,平成12年度から16年度までの5年間に,介護保険施設である特別養護老人ホームを493名分,老人保健施設を90名分,それぞれ整備することを計画しているほか,在宅での生活をサポートするホームヘルプやデイサービスなどの事業も利用の増加を見込んでおります。
高齢者の方が,年齢や住んでいる地域に関係なく,安心して健康な暮らしを送ることができるよう,在宅サービスや施設サービスをバランスよく提供していくことが,本市にとりましても今後ますます重要な課題となってくると思うのであります。
市内の高齢者の中には,不幸にも寝たきりなどになり,特別養護老人ホームに入居せざるを得なくなった方も多く,これまでに市内で36カ所の施設整備が計画的に行われたとお聞きしました。
厚生労働省では,今後の特別養護老人ホームの整備に当たっては,これまでの4人部屋主体の居住環境を抜本的に改善し,高齢者の尊厳を重視した介護を実現するために,居住福祉型の介護施設として,グループケアユニット及び個室を原則とする方針を打ち立て,積極的な整備促進を図ることとしております。
申し上げるまでもなく,グループケアユニットは,高齢者の方が施設入所による環境の急激な変化の影響を受けないよう,少人数の家庭的な雰囲気の中での処遇を行うため,徘回などの問題行動を抑制し,痴呆の進行を緩やかにする上で極めて効果的な方策であります。
また,良質な居住環境を提供する個室は,高齢者の生活の質を確保する点からも大変望ましいものと考えるものであります。すなわち,寝たきりなどの高齢者にとって,特別養護老人ホームは生活の場そのものであり,これまでの集団処遇型のケアから,一人一人の尊厳と自立を尊重したケアへの転換が図られるものと考えるのであります。
このように,介護保険施設については整備が順調に進められ,また,高齢者の処遇の向上を図るため,施設の中身につきましても著しく充実されてきております。
しかしながら,要介護の認定に至らない高齢者も市内には数多くおられるわけであり,今のところは一応健康であっても,ひとり暮らしや老齢のために将来の生活に不安を感じている方も多いのではないかと思うのであります。
このような高齢者が入所できる施設として,生活支援ハウスやケアハウスという名称の比較的新しいタイプの施設が市内にも幾つか整備されているとお聞きしております。このほかに,市内には,有料老人ホームや高齢者向けの共同住宅などの施設もふえているようであります。
しかしながら,有料老人ホームでは,金銭面での負担が大きいこと,また,高齢者向けの共同住宅では,将来,介護が必要となった場合の不安が大きいことから,安定した社会福祉法人が運営するケアハウスなどへの期待は大きいのではないかと思うのであります。
そこで,質問でありますが,この生活支援ハウスやケアハウスは,要介護と認定されるに至らない高齢者の施設として,どのような特徴があるものなのか,また,これらの施設はどのような整備計画のもとで建設が進められているのか,お伺いをいたします。
あわせて,介護保険施設を含め,今後の高齢者向けの施設整備の方向性をどのように打ち出していくのか,お考えをお伺いいたします。
最後に,手稲区の街づくりについてお伺いいたします。
手稲地区は,明治13年に小樽−札幌間に鉄道が開通したのに伴い設置された軽川駅,現在の手稲駅を中心に商店街が形成され,次第に発展してきたところであり,昭和42年に札幌市と手稲町が合併し,平成元年に現在の手稲区が誕生したのであります。今では,人口の伸び率は市内でも2番目に高い区となっており,今後ますます発展が期待されるところであります。
このような発展著しい手稲区の中でも,とりわけ街づくりの中心となるべきJR手稲駅周辺地区では,現在,JRが実施している駅舎の橋上化やホームの改良が完成しつつあり,また,それに続く本市の事業である自由通路の工事が進んでおります。
さらに,今後,南北の駅前広場工事も本格化することになっており,日一日と変わり行く手稲駅を目の当たりにしますと,昭和62年の第4回定例会での,手稲駅北口周辺を中心とした開発計画の代表質問を皮切りに,これまで幾度となく議会等で早期実現を訴えてきた私といたしましては,大変感慨深いものがあります。
特に,南北の駅前広場と駅舎を結ぶ自由通路につきましては,その事業に至る経緯から私も大変関心を持ってきたところであり,これが完成を見ると,手稲区民の長年の夢をかなえるかけ橋となるだけではなく,都市計画決定において20メートルの幅員を有する通路として位置づけられていることから,多目的な活用も期待される,空中プロムナードと言っても過言ではない空間になると考えているのであります。
さらに,先ごろ,手稲区が中心となり通路の愛称を区民に公募したところ,600通近い応募があったとのことであり,この10月には愛称名が決定され,公表されるようでありますが,このことからも区民の関心の高さがうかがわれるのであります。
また,南北の駅前広場については,いずれも現在の約2倍に拡張されるほか,駅北側から手稲区役所まで続く空中歩廊についても,自由通路を経由して,さらに駅南側の二十四軒・手稲通方面へ延びる計画となっているとのことであります。
これらの施設がすべて完成いたしますと,まさに手稲区の顔となる新たなシンボルゾーンが誕生することになり,これまで以上に多くの人が行き交い,出会い,集う交流空間となるものと考えるのであります。
これら手稲駅周辺整備に当たっては,歩行者や自転車,自動車交通がふくそうする中で,仮設の駅舎や広場などの代替施設を設け,交通の安全性を確保しながらの整備であり,最終列車後の夜間施工も必要となるなど,さまざまなご苦労があるものと思っているところであります。
そこで,質問でありますが,今後,自由通路,南北の駅前広場,空中歩廊の整備が本格化する中で,各施設の整備スケジュールはどのようになっているのか,お伺いをいたします。
また,交通バリアフリー対応についてでありますが,平成12年に交通バリアフリー法が制定され,現在,本市でも平成14年を目途に交通バリアフリー基本構想を策定中であり,この中で重点地区を指定してバリアフリー化を推進していくとのことでありますが,札幌駅に次いで全道2番目の乗降客を誇る手稲駅には,区役所や病院など多くの市民が利用する施設が隣接しており,今後,重点地区として指定されることが期待されているところであります。
そこで,質問でありますが,自由通路や駅前広場については,バリアフリー化の理念を先取りして,高齢者や身体障害者の方も安心して利用できる施設整備を目指す必要があると考えますが,バリアフリー化についてどのように取り組まれているのか,お伺いをいたします。
次に,手稲山口・曙地区における道路問題についてお伺いいたします。
手稲区の北西に位置しております手稲山口地区につきましては,平成10年の市街化区域の見直しにおいて,その一部が特定保留区域に指定され,また,平成12年には,特定保留区域に隣接して大規模開発の許可がなされるなど,今後とも開発が見込まれているところであります。
しかし,これら手稲山口地区の開発を支える主な幹線道路は,下手稲通,曙通などしかなく,地域を連絡する交通がふえることも予想されることから,かねてから,幹線道路網の充実はこの地域の大きな課題となっております。
具体的に述べますと,大規模な開発が予定されている地区の中央に位置しております曲長通と,それに続く市道曲長線は,広域的な観点から,国道5号と国道337号を結び,曙通とともに,手稲区と小樽方面や石狩・厚田方面を結ぶ重要な道路であります。
しかしながら,現在の市道曲長線は,幅員が10メートルほどとなっており,片側歩道で幅員が約2.5メートルと狭く,稲西高校や稲北高校に通う生徒たちの通学に危険を伴うことから,平成10年には,地元の連合町内会からも拡幅の要望書が提出をされております。
さらに,手稲山口地区の幹線道路網を見ますと,下手稲通から道央新道,国道337号を連絡する都市計画道路が,星置駅前通から曙通までの約2キロメートルの区間にはないことから,この区域の中間に位置しております市道曲長線を,開発計画に合わせて都市計画道路として位置づけて早急に拡幅整備すべきであります。
次に,隣接する曙地区についてでありますが,手稲山口地区とJR手稲駅や都心方向を結ぶ位置にあり,手稲山口地区と同様に,開発に伴い交通量がふえると予想されている地域であります。
しかし,曙地区の道路網について見ますと,JR手稲駅方面に対して,曙通,樽川通と,南北方向に都市計画道路がありますが,都心方面については,下手稲通1路線しかなく,幹線道路網の充実が必要な地域であります。
こうした状況の中で,昨年から,下手稲通と平行している稲山通につきましては,石狩・手稲通から樽川通までの間について拡幅整備事業が着手され,早期完成に住民ともども大きな期待を寄せているところであります。
しかし,稲山通の延長部分について見てみますと,樽川通から曙通間につきましては幅員約14.5メートルの一般市道であり,都市計画道路とはなっておりません。この区間につきましては,JR手稲駅北口から樽川通を経由して稲西高校や稲北高校までのバスルートにもなっております。
したがいまして,早急にこの区間を新たに都市計画道路として位置づけて,将来の自動車交通の拡大に対応するためにも,現在の稲山通の整備に引き続き,曙通まで拡幅延長する必要があるのではないかと思います。
そこで,質問でありますが,手稲山口地区,曙地区の幹線道路網の充実について,先ほど述べましたとおり,今後の開発計画の進展に対応するために,曲長通の延伸,及び稲山通の延伸部分につきまして,都市計画道路として位置づけ,整備していく必要があると考えますが,ご所見をお伺いいたします。
以上で,私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(加藤齊君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(桂信雄君) 初めに,財政問題についてお答えいたします。
第1点目の
市債引き受けシンジケート団編成の見直しについてであります。
これに関連してですが,現在,金融機関,それから地方債をめぐる環境が大幅に変化をしている中で,今後,市場公募債による資金の調達を確実に行っていくためには,銀行による安定した引き受けに加えて,証券会社を通じた幅広い投資家層の確保が重要になってくるというふうに考えております。
そこで,今回の見直しにおきましては,投資家への販売力を重視して,銀行団から証券団へ引き受けシェアを10%程度シフトすることにいたしました。そのほかに,新たに一定の条件に適合した外資系の証券会社など2社をメンバーに加えて,証券団の一層の充実を図ったのであります。
第2点目の縁故地方債の商品性向上ということでありますが,縁故債シンジケート団につきましては,本市の資金調達先として今後とも重要な役割を担っていくものと考えております。
そこで,償還年限の短期化によります縁故債シンジケート団の引き受けリスクの軽減と市債の商品性向上を図るために,昨年度,市場公募債で導入をいたしました5年債を縁故債においても発行することについて現在検討を進めているところであります。
第3点目の減債基金の運用についてでございますが,本年度から実施をしております債券の
予約購入方式は,
ペイオフ解禁を控えて債券確保に主眼を置いておりますが,より有利な利回りの債券の納入実績を翌年度のシェア配分に勘案することによって,業者間の競争を促す仕組みを導入したのであります。また,減債基金以外の基金の現金部分についても,基金ごとの造成,支消の見通しを踏まえ,減債基金の運用に準じて債券を主体とした運用方法を検討しているところでありまして,今後とも,基金全般について,より確実かつ効率的な運用に努めてまいりたいと考えております。
次は,ごみの減量化に向けた具体的な推進方策についてお答えいたします。
1点目のごみの減量・リサイクルに向けた具体的な取り組みについてでございますが,ごみプラン21に掲げた目標を達成するために,新ごみ減量化・資源化行動指針の策定作業を進めております。この行動指針を広く市民・事業者に周知,浸透させて,定着するように取り組んでまいりたいと考えております。
特に,家庭系の生ごみの減量を図るために,今年度,手軽にできる
ダンボール箱を用いた生ごみ堆肥化の普及を進めてまいりましたが,この手法のほかにも,市民のモニター結果を見た上で,より効果的な手法の普及に努めてまいりたいと思います。
2点目のうち,まず,情報提供につきましては,現在,再生製品を取り扱ったり,店頭で資源ごみを回収している店舗の情報をデータベース化しておりますので,年内には市民へその情報提供ができるものと考えております。
次に,環境教育につきましては,今年度,小学校全学年に副教材を作成,配付したところでありますが,さらに,年度内には教員用の解説書も整備することとしております。
また,リサイクルプラザの市民スタッフなどによるリサイクル体験室の充実も図ってまいりたいと考えております。
3点目の市民との連携・協働ということでございますが,各区のクリーンさっぽろ衛生推進協議会との連携をさらに強めて,地域における美化活動やごみ減量化運動の自主的な輪が広がるように努めてまいります。
また,リサイクルプラザを中心に,市民団体とのネットワーク化を図って,市民各層が連携・協働しやすい環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
次は,防災対策についてお答えをいたします。
1点目の
土砂災害対策の今後の取り組みについてでございます。
突発的に生命,財産に大きな被害を及ぼす土砂災害への取り組みにつきましては,本市の防災対策の推進を図る上でも大変重要なことと認識をしております。このようなことから,本年度,
土砂災害対策計画を策定したところであります。
この計画の実効性を高めるために,土砂災害のおそれのある区域の方に対して,その区域に最も適した情報伝達手段の整備について,現在,検討をしております。また,避難場所の周知につきましても,今後,あらゆる機会を通じて徹底してまいりたいと思います。
さらに,市民一人一人の防災意識の高揚が重要でありますので,引き続き,がけ地付近の居住者へのダイレクトメールの送付,それから,宅地防災展とがけ地相談の同時開催など,防災知識の普及と情報提供に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
2点目の市民が主体となった防災訓練への取り組みということでございますが,本市におきましては,地域における災害対応力の向上を図るため,これまでも,さまざまな想定のもとで各種の訓練を実施してまいりました。
ご提案にありました発災対応型防災訓練についてでございますが,町内会など一定の区域全体を訓練の場として,そこに居住している方が,さまざまな被災状況に対して,みずからが判断して対応するという,より現実的な対応力の向上が期待できますことから,今後の防災訓練に取り入れてまいりたいと,このように考えます。
以上でございます。
○副議長(加藤齊君) 千葉助役。
◎助役(千葉瑞穂君) 私から,手稲区の街づくりについてお答えいたします。
1点目のJR手稲駅周辺地区の整備についてでありますが,整備スケジュールといたしましては,橋上化されたJR駅舎,南北を結ぶ自由通路及び南口駅前広場は来春の供用開始を予定しております。続く平成15年度には,立体駐車場を含む北口駅前広場の整備が完了する予定であります。
次に,バリアフリー化への取り組みについてでありますが,高齢者や身体障害者の方々を含め,多くの市民が日常的に利用する公共空間であることから,自由通路にはエレベーターやエスカレーター,また,バスやタクシー乗り場にはシェルターやロードヒーティングを設置するなど,だれもが安全で快適に利用できる歩行空間の整備を進めているところでありまして,交通バリアフリー法の理念が具体的に実現されるものと考えております。
2点目の手稲山口地区,曙地区における幹線道路網の充実についてでございますが,まず,曲長通の延伸部につきましては,今後の良好な住環境や交通環境の確保のため,地域の開発状況に合わせて都市計画決定の手続を進めてまいりたいと考えております。
また,稲山通につきましても,幹線道路網の拡充を図るため,都市計画決定に向けた調査検討を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(加藤齊君) 佐々木助役。
◎助役(佐々木喜四君) 高齢者施設の今後の展開につきまして,私からお答えを申し上げます。
1点目は,生活支援ハウスやケアハウスの特徴と整備計画についてでございます。
生活支援ハウスは,原則として個室であり,自炊で生活するものでありますが,この施設は,要介護認定の結果,介護保険施設から退去せざるを得なかった方の受け皿として,高齢者保健福祉計画の中で,5年間で100名分の施設整備を計画したものでございます。この計画に基づき,今年度末までに,市内に4施設80名分の整備が終了する予定でございます。
他方,ケアハウスは,生活支援ハウスとほぼ同様の設備となっているほかは,食事の提供が行われるという点が大きく異なっております。この施設は,5年間で500名分の施設整備を計画したものでありますが,今年度末までに130名分の整備が終了する予定であり,既存のものと合わせますと12施設760名分となります。
2点目は,今後の高齢者向けの施設整備の方向性についてでありますが,老齢化や病弱などの理由で生活に不安を持つ高齢者がふえている現状を踏まえ,高齢者の意向なども把握しながら,平成14年度に策定を予定しております次期の高齢者保健福祉計画あるいは介護保険事業計画の中に反映してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○副議長(加藤齊君) 土橋教育長。
◎教育長(土橋信男君) 私からは,学校の安全対策についてお答えいたします。
まず,1点目の緊急対策の内容及び進捗状況についてでありますが,幼稚園及び1階に教室が配置されている小学校には,携帯防犯ベルを夏休み前に配備し,さらに,幼稚園,小学校,中学校,養護学校を対象に,玄関に人感センサー・モニターつきインターホン,遠隔操作錠及び管理錠の設置を夏休み中に完了しております。
また,各学校ごとの取り組みとしては,定期巡回の回数増や,来客の受付簿の設置,名札の着用,商店等への避難協力の要請など,さまざまな対策を行っております。
次に,2点目の開かれた学校と安全管理の両立についてでありますが,今回の事件の重大性や類似事件の再発防止の観点から,中長期的な視野に立った,より一層の安全対策が必要であると考えており,学校を利用する立場の地域,学校を管理する立場の学校及び家庭の三者から成る学校管理運営検討委員会を設置し,学校の安全管理と開放の両立の観点から検討を行っております。
教育委員会といたしましては,検討委員会での議論を踏まえながら,開かれた学校の動きを後退させることなく,むしろ学校施設を積極的に活用していただけるよう,学校休業日の管理方法も含め,地域の方々が利用しやすいルールを検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(加藤齊君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
――――――――─―――――――――
休 憩 午後1時53分
再 開 午後2時25分
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○議長(佐藤美智夫君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。
五十嵐徳美君。
(五十嵐徳美君登壇・拍手)
◆五十嵐徳美君 私は,一昨日の我が自由民主党議員会・宮村素子議員の代表質問に引き続き,今定例会に提案されております諸議案並びに市政の諸問題について質問をさせていただきます。
初めに,教育問題についてお伺いをいたします。
質問の第1点目は,教員の資質向上についてであります。
今日,グローバル化の進展など,我が国を取り巻く社会経済の環境が大きく変化する中で,今後の進むべき方向があいまいになり,社会全体に閉塞感や目標の喪失感が漂っていると言われております。
どの時代においても教育の果たす役割は不変であり,将来を見据えて,私は,このような時代こそ,その果たす役割は大変大きいものと考えるのであります。次代を担う,可能性を持った子供たちの能力を最大限に伸ばすことが,豊かで活力ある社会の創造に不可欠の最重要課題であり,今こそ,新しいフロンティアを切り開いていくために必要な力をはぐくむ教育の実現が求められていると思うのであります。
文部科学省は,本年を教育新生元年と位置づけ,教育改革を迅速,果断に実行する意欲を示しております。さきの通常国会におきまして,教育改革関連法案が成立したことにより,予算措置などの条件整備も整い,いよいよ具体的な教育施策の実現に向けた国レベルでの動きが活発化していく一方で,それと連動しながら,地方自治体としての主体性をどう発揮していくかなどについても,今後,ますます注目が集まっていくものと思われます。
学校段階での教育改革も,新学習指導要領が来年度から完全実施となることから,いよいよ本格化してきており,これまで以上に学校や教師一人一人の意識改革が求められております。このことは,文部科学省が今後の教育改革の具体的な施策などを示した21世紀教育新生プランの七つの重点戦略,いわゆるレインボープランの中におきましても,教えるプロとしての教師を育成しますと高らかに掲げられております。
私は,今日ほど,教員の資質や能力,指導力が問われる時代はないのではないかと感じております。いじめや不登校など,解決の糸口を見出しがたい問題がある一方で,教員への信頼を揺るがすような事件もふえております。最近も,大阪で中学1年生の女子生徒が,高速道路に手錠をかけられたまま転落し,死亡した事件で,現職の中学教諭が逮捕されました。まことに言うべき言葉もない事件であり,このような事件が起こるたびに,大きな憤りを感じるとともに,教員に対する信頼が薄らいでいくことを大変憂慮しております。
この事件を起こした教員は,報道によりますと,休職中とのことでありますが,私は,不祥事を起こした教員が厳正に処罰されるのは当然でありますが,このような教員を生み出さないための努力を積み重ねることも重要な課題であると考えております。そのためには,教育という仕事を通して悩み苦しむ教員の心のケアを厚くするとともに,意欲を持って子供たちのために頑張っている教員を適正に評価し,生き生きとした学校の雰囲気をつくることが何よりも大切だと思うのであります。
子供や保護者からの信頼なくしては,教育は成り立たないことは言うまでもありません。信頼を得ることができる学校づくり,それは,すなわち教員づくりであり,このたびの教育改革の成否を握る一番のかぎは,教員の資質や指導力であります。
私は,教員の正当な勤務評定づくりは,意欲ある教員を育成し,教育改革を推進する上では避けて通れない問題と主張してまいりました。教員の勤務成績の評定に関する計画の策定は,制度上,北海道教育委員会の所管事項でありますが,本市として,北海道教育委員会に計画策定を積極的に働きかけるべきであり,任命権者である本市教育委員会として,人事面においても適正な対応に取り組むべきであると考えるのであります。
また,いわゆる指導力不足教員にかかわっては,他の職種に配置転換が可能とする地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正がなされたこともあり,本市においても,児童・生徒に適切な指導ができない教員の資質向上について,具体的な方策を立てるべきであると考えるのであります。
いずれにしましても,これまで,本市におきましては,さまざまな研修や施策によって教員の資質や指導力の向上を図ってきたわけでありますが,現状を見ると,対症療法的な対策では抜本的な改革は難しいと思うのであります。
そこで,質問でありますが,教員の指導力や資質を高めるための総合的なシステムの確立が今こそ必要であると思いますが,教育委員会のお考えをお伺いいたします。
質問の2点目は,新学習指導要領の全面実施に向けての諸問題についてであります。
新学習指導要領は,ご承知のように,子供たちに基礎的・基本的な内容を確実に身につけさせることとあわせて,みずから学び,みずから考える力などをはぐくむことを基本的なねらいとしております。総合的な学習の時間の創設を初め,体験的,問題解決的な学習活動の重視,児童・生徒個々に応じた指導の充実など,新しい教育の実現に向けたこうした取り組みは,行き過ぎた平等主義による教育の画一化や過度の知識の詰め込みなどといったこれまでの教育の基調を大きく転換したものとして,私は高く評価するものであり,新学習指導要領の趣旨を生かした教育の実現に大いに期待を寄せるところであります。
しかしながら,このように改革の柱が矢継ぎ早に出される一方で,懸念される問題も浮上してきております。ゆとりや子供たちの自主性を強調する余り,基礎的な学習が軽視されたり,総合的な学習の時間が,何を活動として取り入れるかという面ばかりに目が行き,活動のねらいがあいまいになるなど,新学習指導要領の考え方を誤解した扱いが一部でなされているのではないかなどの指摘もされております。
新しい教育の実現は,確かに一朝一夕にはいかず,さきにも述べたように,教師一人一人の意識改革なしでは先に進まない難しい問題でありますが,このような指摘に対して,学校としてどう対応するのかといったことについて,今後ますます学校の説明責任,結果責任が問われていくものと考えられます。
また,その学校をどう支えていくかという観点から言えば,教育行政としての役割も大変重要になってまいります。教育委員会としては,各学校において,教育課程の編成のあり方,適切な評価,指導方法などを含めて,新学習指導要領の趣旨を踏まえた教育活動が一層充実するよう,ぜひともバックアップしていただきたいと考えるのであります。
そこで,質問でありますが,新しい教育の実現に向けて,教育委員会はどのような手だてを講じておられるのか,お伺いをいたします。
次に,教育改革のもう一つの柱であります児童・生徒の評価に関して質問をいたします。
先日,クラス全員が5をとれるかもという大変衝撃的な見出しの新聞記事を目にいたしました。子供たちの学籍の記録や学習の記録を残す指導要録の改善において,いわゆる5,4,3といった評定が,従来の相対評価から絶対評価へと変わることにつきましては,このたびの教育改革のもう一つの目玉として大変大きく取り上げられております。
評価は,子供たちの学習の状況をとらえるのみならず,教師側の指導のあり方を振り返る重要な役割を持っております。今まで,どんなに頑張っても,集団のレベルが高ければとれなかった5が,今度は,目標に十分達していれば,だれでも5がとれるということですから,絶対評価に変わるということは,子供たちに自分でもやれるという気を一層喚起させるとともに,達成度の低い児童・生徒に対してどのように指導していくかという点で,教師側にとってもその力量が厳しく問われていくことになり,私は,この相対評価から絶対評価への転換は,教員の学習指導の質の向上に果たす役割もまた大きいと考えるのであります。
ただ,学校においては,これまでの評価のあり方が大きく変わることから,大変混乱しているのではないかと推察するのであります。実際,総合的な学習の時間にかかわっては,数値的評価はしないことになっていることから,子供たちがどう育ったのか,どんな力が身についたのかといった評価の観点があいまいになり,本当に子供のよさを引き出すことができているのかという話もよく耳にするところであります。
来年の4月から,新学習指導要領に基づいた指導が行われるわけでありますが,指導と評価の一体化という観点から言えば,評価の改善についても,学校においては一刻の猶予もできない重要な課題であると考えるのであります。
そこで,質問でありますが,各学校での評価の改善に対応した取り組みが円滑に行われていくために,教育委員会としてどのような手だてを講じておられるか,お伺いをいたします。
次に,保育所の待機児童対策についてお伺いいたします。
我が国は,急速な少子化の進行により,いまだかつて経験したことのない少子高齢社会を迎えようとしております。我が国においては,出生率が人口を維持するのに必要な水準を下回る状況が既に四半世紀にわたって続いており,21世紀を迎えた我が国の社会にさまざまな影響を与えることが懸念されているところであります。
全国の14歳以下の子供の人口は,本年4月1日現在,1,834万人と20年連続で減少し,戦後最低を更新し,総人口に占める割合は14.4%と27年連続で低下しております。本市においては,その割合はさらに低く13.6%となっており,特に合計特殊出生率の低さにも象徴されるように,子供の人口減少に歯どめがかからない深刻な状況となっております。
子供が未来の社会を担う存在であることを思えば,子供を産み育てることを社会的に支援していくことは,極めて重要な課題であり,国家百年の計として,総合的な施策を我々は早急に確立しなければなりません。
本年5月7日,国民の圧倒的な支持を得て,聖域なき構造改革を進める小泉首相の所信表明演説があり,その中で待機児童ゼロ作戦が掲げられました。長い国会の歴史の中で,所信表明演説で保育所問題が取り上げられたのは初めてのことであります。今日の国民の期待と関心の高まりを象徴するとともに,現実に待機児童を抱えて困っている多くの親にとっては,一つの希望となったのであります。
その後,6月19日には,政府の男女共同参画会議から仕事と子育ての両立支援策についての最終報告があり,7月6日には閣議決定され,待機児童ゼロ作戦について,最少コストで最良・最大のサービスをという基本方針のもとに,平成14年度中に5万人,16年度までには10万人,合わせて15万人の受け入れ児童数の増大を図るという目標が示されたのであります。
現在,政府においては,来年度予算の編成作業が進められておりますが,
概算要求基準で少子高齢社会への対応を含む,いわゆる重点7分野に約2兆円が振り向けられる予定となっており,今後,どのような施策が具体的に盛り込まれるのか,大いに注目されるところであります。
本市におきましては,昨年度からスタートした5年計画に基づき,保育所の新設や増改築などの整備により,12・13年度の2年間で480人の定員増が行われておりますが,本年7月の待機児童は344人と,昨年同期と比べると55人減少したものの,抜本的な解消には至っていないというのが現状であります。少子化傾向が続く中において,保育所の利用を希望する市民は増加しており,仕事と子育ての両立支援の基本となる保育所の整備を今後も強力に推し進めていくことが必要であると考えるのであります。
そこで,質問でありますが,国が今後進めようとしている待機児童ゼロ作戦に関し,本市としてどのような認識を持っておられるか,お伺いをいたします。
質問の2点目は,規制緩和を活用した今後の認可保育所の整備についてであります。
首相の諮問機関である総合規制改革会議は,このほど,規制改革の方針をまとめた中間報告を決定いたしました。このうち,福祉,保育分野については,社会福祉法人の改革と民間企業を含む多様な経営主体の市場参入の促進を図ることにより,消費者の多様な選択肢を拡大する必要性を指摘し,保育サービスの拡充と質的向上などを示しております。
市内には,本市が把握しているだけでも100カ所程度の認可外保育施設があり,熱心に日々の保育が実践されていますが,親御さんが安心して大切な子供を預けることのできる認可保育所を整備してほしいという声は,依然として根強いものがあります。
昨年3月に,当時の厚生省児童家庭局長通知により,平成11年3月に閣議決定された規制緩和推進3か年計画などに基づき,全国的な待機児童の解消などの課題に柔軟に対応できるようにする観点から,社会福祉法人以外の学校法人,株式会社なども保育所の設置主体となることが可能となる,いわゆる規制緩和措置が実施されたところであります。
その内容といたしましては,民間保育事業について,これまで,原則,社会福祉法人を設置主体としていたものを,社会福祉法人以外の参入を可能とする設置主体制限の撤廃,土地,建物について自己所有または国及び
地方公共団体からの貸与を原則としていたものを,一定の要件を満たす場合に賃貸形式を認める施設自己所有規制の緩和,小規模保育所の定員を30人以上から20人以上に変更する定員要件の緩和という3本の柱から構成されております。
しかしながら,民間企業などが設置主体となる場合,施設整備費の補助が受けられないため,規制緩和の効果は全国的にもほとんどあらわれておりません。現在,厚生労働省では,公設民営方式による保育所の建設事業,保育所までの送迎施設の駅前設置事業,また,経済産業省では空き店舗の活用事業など,国においては今後に向けた新たな施策も検討されており,少しずつ規制緩和の効果があらわれる環境が整いつつあります。
全国の待機児童は,昨年4月時点で約3万3,000人に上っておりますが,その大部分が東京,横浜,川崎などの大都市に集中していることもあり,横浜市では,平成9年度から横浜保育室制度,東京都では本年度から認証保育所制度を,それぞれ独自に制度化しているところであります。
本市の待機児童数がこうした大都市の中では比較的少ない方であり,取り巻く環境も異なっておりますので,こうした施策そのものの適否については,保育の質の問題,安全管理の問題など,慎重な議論が必要であると思いますが,今後どのような手段で増大する保育需要にこたえていくのか,各自治体の対応に関心が集まっていくものと考えるのであります。
そこで,質問でありますが,地方を含めた我が国の厳しい財政状況を踏まえると,今後の認可保育所の整備については,企業や地域における認可外施設,幼稚園といった既存の社会資源などにも着目すべきであり,認可保育所への移行を希望する施設に対しては,移行を前提にそのステップアップに向けた支援策の導入なども含め,規制緩和措置を可能な限り有効に活用し,進めていくことが必要であると思いますが,本市としてどのようにお考えなのか,お伺いをいたします。
次に,2007年ノルディックスキー世界選手権大会の札幌招致についてお伺いいたします。
全日本スキー連盟が2007年のノルディックスキー世界選手権大会を札幌へ招致することを決定し,国際スキー連盟に正式に立候補の届け出をしたとのことであります。札幌への招致は,1993年,2001年,2003年の大会に続き,4度目ということになります。
ノルディックスキー世界選手権大会は,1924年,第1回オリンピック冬季大会と同時に始まり,北欧諸国を中心に発展した歴史と伝統を誇る大会であり,世界トップレベルの選手たちが,2年に一度,最高の技術を競い合う国際大会であります。大会では,ジャンプ競技,クロスカントリー競技,複合競技が行われますが,ノルウェーでは古くから複合競技の優勝者をキング・オブ・スキー,すなわちスキーの王者と呼んで称賛しているところであります。
フィンランドのラハティで行われたことしの大会は,37カ国,選手及び役員約1,000人が参加して盛大に開催されたとのことで,1991年に本市で開催されたユニバーシアード冬季大会の35カ国,約1,200人に並ぶ規模の大会であります。また,大会のレベルとしても,オリンピックに匹敵する世界最高水準の国際大会であり,まさに札幌に招致するにふさわしい大会であると考えるのであります。
しかしながら,これまでの開催地の状況について過去の5大会ほどを見てみますと,1993年はスウェーデンのファールン,95年はカナダのサンダーベイ,97年はノルウェーのトロンヘイム,99年にはオーストリアのラムソー,そして,ことしはフィンランドのラハティとなっており,ヨーロッパ以外で開催されたのはカナダのサンダーベイの1回のみであります。ノルディックスキーの本場がヨーロッパであり,この大会がヨーロッパを中心に開催されているという事実や,過去に3度,招致がかなわなかった経験から,この大会を札幌へ招致するのは必ずしも容易でないと思うのであります。
しかしながら,昨年8月に出された国の保健体育審議会の答申の中では,スポーツを見て楽しむことは,スポーツ振興の面だけではなく,国民生活の質的向上やゆとりある生活の観点からも有意義であると述べられており,また,本年3月の札幌市スポーツ振興審議会の答申である「札幌市におけるスポーツ振興の今後のあり方」の中では,国際的なスポーツイベントの開催の重要性について,選手の極限へのひたむきな挑戦,その結果として生まれる記録が,見る人すべてに大きな夢と感動を与えるとともに,心身の健康と生涯にわたる身近なスポーツライフの実現への動機づけを与えると述べられております。したがいまして,このような国際大会を本市において開催し,世界のトップレベルの選手たちが持てる技術のすべてを尽くして競い合う姿に間近に触れ,共感することがスポーツの醍醐味であり,また,生涯スポーツの振興という観点から,国際大会を積極的に招致する意義もここに求められると考えるのであります。
ここで,子供たちのスポーツの動向を見てみますと,その中心的な役割を担っているスポーツ少年団について,スポーツ白書によりますと,近年の少子化の影響もあり,全国において平成8年度から登録者数が100万人台を割り込み,平成11年度の登録者数は90万4,182人となっております。本市のスポーツ少年団の登録者数を見ても,平成8年度は9,680人であったものが,今年度は8,872人と減少し,特に冬季種目全体では,106人から87人に減少してきております。
これは,子供の遊びの段階からの生活習慣の変化や,技能を高めていく上での指導の問題が大きく起因していると,私は考えております。
一方,北欧諸国の状況を見ますと,吹雪の中でも外へ出て歩くスキーに取り組んでいる人や雪遊びを楽しむ子供たちの姿が至るところで見られ,地元でクロスカントリー大会が開催されるときには,子供から高齢者,あるいは親子連れなど,幅広い年齢層の人たちが参加しております。参加者の中には,乳児の乗ったそりを両親が引っ張りながら走る光景が見られたり,応援をしながら大会を楽しんで見ている人や,何万人もの観客がコースの周辺に長い列をつくる光景もよく見られるのであります。
この冬季スポーツの人気の背景には,自分の健康は自分で守るという健康の保持増進に対する高い意識や,スポーツを予防医学の一つの手段として,親の世代から子供の世代へ確実に受け継ぐことが,家庭での教育の根幹にあるなど,冬季スポーツが生活に密着した文化として根づいていることがあると考えられるのであります。
また,この大会の運営ボランティアの募集をするときにも,数多くの人たちが集まり,しかも,一人一人みずからが主体的に仕事を進めており,ボランティア活動そのものに生きがいと楽しさを感じている様子がうかがえます。このボランティア活動には,シーズンオフに入った種目のトップレベルの選手たちが参加することもよくあり,一般ボランティアとの作業を通して,選手と触れ合う機会になるとともに,市民が選手を身近に感じてその活動を支援しようという動機づけにもつながっております。
このように,北欧諸国では,冬季スポーツ大会が,日ごろの練習の成果を発揮する場としてばかりではなく,スポーツ活動を見て楽しんだり,大会運営を手伝って楽しんだり,人々の生活を豊かにするために,なくてはならない重要なものとなっております。
ヨーロッパ諸国のスポーツ事情のお話をさせていただくときに,日本の文化とヨーロッパの文化とは違うのだから,同じようなスポーツの振興はできないといったことがよく言われます。しかし,本市でもプロスポーツのホームタウンチームができ,そしてそれを応援するサポーターたちや大会運営を支えるボランティアの活動の様子を見ていると,ライフスタイルに応じて,生活の一部としてスポーツを楽しむことが市民の中に根づきつつあるのではないかと思うのであります。
また,来年開催されるワールドカップサッカーに集まる世界のトップレベルの選手たちの華麗なプレーは,子供たちに夢や感動を与え,生涯スポーツの動機づけやスポーツ選手としての目標を持つことなど,青少年の健全育成に寄与するとともに,市民の生活を豊かで生きがいのあるものにし,さらに,世界じゅうの人々に札幌の国際都市としての魅力を伝えるなど,街づくりにも多大な貢献をするものと考えております。
このような観点から,私は,長い歴史と伝統を誇り最高の技術を競うノルディックスキー世界選手権大会の雪国札幌での開催が実現できたら,大変すばらしいことであると思うのであります。2007年の開催地決定は,来年6月,国際スキー連盟の総会において,チェコのリベレツと争うことになっており,先日26日は,連盟の視察団が本市を訪れ,調査を行ったところであります。
そこで,質問ですが,本市は,今まで3回の立候補をしてきましたが,今回の招致の考え方についてお伺いいたします。
また,札幌開催の実現に向け,今後どのように取り組んでいくお考えなのか,お伺いをいたします。
次に,民間土地所有者などが建設する賃貸住宅を市が一定期間借り上げる,借り上げ市営住宅制度への今後の取り組みについてお伺いいたします。
国においては,21世紀の豊かな生活を支える住宅・宅地政策はいかにあるべきかについて,昨年6月に住宅宅地審議会から答申を受け,本年3月には,平成13年度から17年度までの第8期住宅建設5カ年計画が閣議決定されたところであります。
この住宅建設5カ年計画は,21世紀初頭の住宅政策のあり方を提示する住宅政策に関する基本的,総合的な計画として位置づけられ,次の四つの視点を留意して策定されております。
その内容は,良質で長持ちする住宅ストックを形成し,それを適正に維持管理するとともに,リフォームなどによって既存ストックを有効に活用する,いわゆるストック重視の考え方が第1点であります。2点目は,民間を主体として市場機能を活用しつつ,公的主体が市場を補完する市場の重視。3点目は,急速に進展する高齢社会に対応し,住宅のバリアフリー化を促進するなど,高齢者が安心して居住できる環境整備を推進する高齢社会への対応。最後の4点目は,職住接近の良質な住宅,住環境整備を推進するとともに,新たな居住ニーズにも対応した住宅供給を推進する都市居住,地域活性化への対応であります。そして,
地方公共団体及び公社,公団などが適切な市場の環境整備,誘導,補完を実施していくこととしており,良質な住宅ストック及び住環境を支える公共的な基盤の整備を促進するとともに,住宅の性能評価,表示制度の普及などによる住宅市場の環境整備を推進すること,さらには,民間主体との連携と協調を深め,質の高い住宅供給を総合的に推進することとしております。
そこで,私は,本市が今後住宅政策を進めるに当たりまして,市場重視の観点から,民間にゆだねられるものはできる限り民間へということで,
地方公共団体などはその補完をしていくことに着目し,次のとおり,借り上げ市営住宅制度について所見を述べさせていただきます。
本市においては,住宅に困窮する低所得者などに対する良好な住宅の供給として,市営住宅の整備事業を行っているわけですが,平成10年度からは,民間土地所有者などが建設する賃貸住宅を借り上げる借り上げ市営住宅の供給も展開しているところであります。
この借り上げ市営住宅制度が生まれた背景としては,大都市地域を中心として公営住宅に対する根強い需要が存在する一方で,低落傾向にあるものの,依然,地価は高水準で推移していることなどから,
地方公共団体が新たに土地を取得して公営住宅を建設することは財政的にも困難な状況となっていることが挙げられます。
そのため,平成8年の公営住宅法の改正を受け,本市においても,平成10年4月から,札幌市借り上げ市営住宅制度が実施されたわけでありますが,この制度開始以降の事業化実績について調べたところ,計画初年度である平成10年については計画戸数200戸に対して事業化されたのは59戸,平成11年度は計画戸数200戸に対して5件165戸,昨年度は200戸の計画戸数に対して3件77戸が事業化されておりますが,いずれの年度も計画戸数を割り込んでいる現状にあります。
事業化に至らなかった主な理由については,平成10年度は制度採用の初年度ということもありましたが,その後におきましても,制度に対する事業者の認識や借り上げ料金の問題,さらには,建設方法の仕組みへの理解不足などが挙げられると聞いております。
この間,議会などにおいて,計画戸数達成に向けさまざまな意見,要望が出ている中で,本市としても,平成11年度の募集から借り上げ料の基礎額の引き上げや,公募時期を早めて早期事業化を図るなど,制度の一部が改められております。
本年度の募集に当たっては,事業内容の周知徹底を図るため,新たにパンフレットを作成して建設業協会や金融機関など関係方面に配付したり,事業者の掘り起こしに努めてこられたことは承知いたしております。さきに述べましたように,国においては,住宅建設5カ年計画において,これまでの公営住宅や戸建ての住宅の供給を中心としたフローの政策から,既存の住宅ストックの有効活用とあわせて,民間の住宅市場を活用する政策へと大きな方向転換を図り,新たな住宅政策を推進しようとしております。
本市においても,少子高齢社会の進展,都市周辺における木造賃貸住宅の老朽化や入居者の高齢化,持ち家と借家の居住水準の格差拡大,あるいは,高齢者が民間賃貸住宅へ入居する際の諸問題など,他都市と同様に住宅にかかわる多くの問題や課題が顕在化しております。
そこで,質問ですが,国におきましては,民間住宅の整備にかかわる政策を強力かつ早急に推進するため,新たな法律や制度を整備しているところであり,本市の今後の住宅政策を進めていくに当たりましても,国の民間活力の活用という方向性を十分に見据えた展開を図っていくべきと考えますが,そのご見解をお伺いいたします。
また,民間の住宅市場の活用例として最も有効と思われます借り上げ市営住宅制度の普及に向けた今後の取り組みについて,どのように考えておられるのか,お伺いをいたします。
最後に,モエレ沼公園とサッポロさとらんどの一体化についてお伺いいたします。
署名議員 本 舘 嘉 三...