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平成13年第 3回定例会−09月27日-04号

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  1. 札幌市議会 2001-09-27
    平成13年第 3回定例会−09月27日-04号


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    平成13年第 3回定例会−09月27日-04号平成13年第 3回定例会                平成13年    第3回定例会           札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 4 号 )                平成13年9月27日(木曜日)           ―――――――――――――――――――――――─ 〇議事日程(第4号)  開議日時 9月27日 午後1時 第1 議案第1号から第15号まで及び議案第20号から第24号まで(市長提出)  議案第25号及び議案第26号(共産党所属議員全員提出)           ―――――――――――――――――――――――─ 〇本日の会議に付した事件 日程第1 議案第1号 平成12年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件  議案第2号 平成12年度札幌市病院事業会計決算認定の件  議案第3号 平成12年度札幌市中央卸売市場事業会計決算認定の件  議案第4号 平成12年度札幌市交通事業会計決算認定の件  議案第5号 平成12年度札幌市高速電車事業会計決算認定の件
     議案第6号 平成12年度札幌市水道事業会計決算認定の件  議案第7号 平成12年度札幌市下水道事業会計決算認定の件  議案第8号 平成13年度札幌市一般会計補正予算(第4号)  議案第9号 平成13年度札幌市公債会計補正予算(第2号)  議案第10号 札幌市体育施設条例の一部を改正する条例案  議案第11号 札幌市議会議員及び札幌市長の選挙における選挙運動に要する費用の公費負担に関する条例の一部を改正する条例案  議案第12号 札幌市税条例の一部を改正する条例案  議案第13号 札幌コンベンションセンター条例案  議案第14号 札幌市自転車等駐車場の設置等に関する条例案  議案第15号 札幌市地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例案  議案第20号 財産の取得の件(札幌市藤野野外スポーツ交流施設用地スキー場施設)  議案第21号 訴えの提起の件(市営住宅明渡し等)  議案第22号 町の区域を新たに画し,及び変更する件  議案第23号 札幌市区の設置等に関する条例の一部を改正する条例案  議案第24号 市道の認定及び変更の件  議案第25号 札幌市介護保険料及び利用者負担の助成に関する条例案  議案第26号 札幌市福祉除雪事業条例案 追加日程 意見書案第1号 米国における同時多発テロ事件に関する意見書  意見書案第2号 米国の同時多発テロ事件に対する政府の対応に関する意見書           ―――――――――――――――――――――――─ 〇出席議員(66人) 議長          佐 藤 美智夫 君 副議長         加 藤   齊 君 議員          長 内 直 也 君 議員          五十嵐 徳 美 君 議員          村 松 正 海 君 議員          山 田 一 仁 君 議員          近 藤 和 雄 君 議員          村 上 勝 志 君 議員          藤 原 廣 昭 君 議員          三 浦 英 三 君 議員          青 山 浪 子 君 議員          坂 本 恭 子 君 議員          岡   千 陽 君 議員          恩 村 一 郎 君 議員          小 林 郁 子 君 議員          松 浦   忠 君 議員          高 橋 克 朋 君 議員          勝 木 勇 人 君 議員          鈴 木 健 雄 君 議員          堀 川 素 人 君 議員          横 山 光 之 君 議員          大 嶋   薫 君 議員          小 野 正 美 君 議員          涌 井 国 夫 君 議員          本 郷 俊 史 君 議員          高 橋   功 君 議員          熊 谷 憲 一 君 議員          宮 川   潤 君 議員          井 上 ひさ子 君 議員          馬 場 泰 年 君 議員          宮 村 素 子 君 議員          笹 出 昭 夫 君 議員          三 上 洋 右 君 議員          道 見 重 信 君 議員          上瀬戸 正 則 君 議員          原 口 伸 一 君 議員          畑 瀬 幸 二 君 議員          大 西 利 夫 君 議員          義 卜 雄 一 君 議員          武 藤 光 惠 君 議員          小 川 勝 美 君 議員          田 中 昭 男 君 議員          山 口 た か 君 議員          千 葉 英 守 君 議員          村 山 優 治 君 議員          宮 本 吉 人 君 議員          武 市 憲 一 君 議員          大 越 誠 幸 君 議員          猪 熊 輝 夫 君 議員          西 村 茂 樹 君 議員          川口谷   正 君 議員          森   健 次 君 議員          柿 崎   勲 君 議員          小 田 信 孝 君 議員          生 駒 正 尚 君 議員          飯 坂 宗 子 君 議員          福 士   勝 君 議員          高 橋 忠 明 君 議員          常 本 省 三 君 議員          柴 田 薫 心 君 議員          小 谷 俵 藏 君 議員          伊与部 敏 雄 君 議員          湊 谷   隆 君 議員          常 見 寿 夫 君 議員          本 舘 嘉 三 君 議員          荒 川 尚 次 君  ――――――――─――――――――― 〇欠席議員(1人) 議員          岩 村 よね子 君  ――――――――─――――――――― 〇説明員 市長          桂   信 雄 君 助役          千 葉 瑞 穂 君 助役          佐々木 喜 四 君 助役          福 迫 尚一郎 君 収入役         高 橋   登 君 交通事業管理者交通局長 片 桐 政 美 君 水道事業管理者水道局長 瓜 田 一 郎 君 総務局長        高 橋 賢 治 君
    企画調整局長      角 田 義 寛 君 財政局長        平 口 愛一郎 君 市民局長        谷   紘 子 君 保健福祉局長      宮 田 睦 彦 君 環境局長        三 井   尚 君 経済局長        小 川 敏 雄 君 建設局長        西 條 肇 昌 君 都市局長        角 尾 大 和 君 下水道局長       小 西 十四夫 君 市立札幌病院長     中 西 昌 美 君 消防局長        阪 下 征 哉 君 教育委員会委員     山 藤 邦 雄 君 教育委員会教育長    土 橋 信 男 君 選挙管理委員会委員長  岡 本 修 造 君 選挙管理委員会委員   田 畔   満 君 人事委員会委員     諏 訪 裕 滋 君 人事委員会事務局長   古 田 勝 榮 君 監査委員        川 越 公 夫 君 監査事務局長      南   槇 子 君  ――――――――─――――――――― 〇事務局出席職員 事務局長        金 野 信 夫 君 事務局次長       岸     稔 君 総務課長        渡 邉   惠 君 議事課長        福 島 康 則 君 調査係長        中 村 信 弘 君 資料係長        岩 谷 隆 博 君 議事係長        大 島 和 幸 君 記録係長        長谷川 万壽美 君 委員会一係長      酒 井 欣 洋 君 委員会二係長      吉 野   豪 君 書記          山 本 扶 美 君 書記          池 田 章 宏 君 書記          柴 井   康 君 書記          酒 井 智 美 君 書記          本 島 光 二 君 書記          松 崎 朗 子 君  ――――――――─―――――――――  〔午後1時開議〕 ○副議長(加藤齊君) これより,本日の会議を開きます。  出席議員数は,61人であります。  ――――――――─――――――――― ○副議長(加藤齊君) 本日の会議録署名議員として原口伸一君,生駒正尚君を指名いたします。  ――――――――─――――――――― ○副議長(加藤齊君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。 ◎事務局長(金野信夫君) 報告いたします。  佐藤美智夫議長及び常本省三議員は,所用のため遅参する旨,それぞれ届け出がございました。  昨日,市長から,荒川尚次議員の文書質問に対する答弁書が提出されましたので,その写しを各議員控室に配付いたしました。  本日の議事日程及び質問順序表は,お手元に配付いたしております。  以上でございます。  ――――――――─――――――――― ○副議長(加藤齊君) これより,議事に入ります。  日程第1,議案第1号から第15号まで及び議案第20号から第26号までの22件を一括議題といたします。  昨日に引き続き,代表質問を行います。  通告がありますので,順次発言を許します。  義卜雄一君。  (義卜雄一君登壇・拍手) ◆義卜雄一君 私は,ただいまから,公明党議員会を代表いたしまして,市政の諸問題につきまして質問をしてまいります。  最初に,行財政問題についてお伺いいたします。  質問の1点目は,新たな行政改革取り組みについてであります。  昨年4月に,いわゆる地方分権一括法が施行され,いよいよ自己決定・自己責任を原則とした分権時代を迎えました。  こうした中,自治体を取り巻く社会環境は,右肩上がりの経済の終えんや長引く不況による厳しい税財政状況に加え,少子高齢化グローバル化IT革命など大きく変化しております。また,個人の価値観も多様化し,それに伴い,行政に対する需要も複雑多様化し,さらには,その対応にもスピード感が求められております。  このような変化の激しい不確実性の時代にありましては,行政としては,街づくりの方向性やビジョンを明確に示し,政策の重点化,優先づけを行うなど,限られた予算や人員で効果的・効率的な行政運営を行っていかなければならないものと考えております。  一方で,これからの行政は,地域住民に対し,行政としての説明責任を果たしていかなければならず,行政が持っている情報を積極的に公開することはもちろんのこと,わかりやすい情報提供を心がけ,市民との情報共有に努めることが重要と思われます。  国におきましては,昨年12月に新たな行政改革大綱を策定し,21世紀にふさわしい国・地方を通じる行政の組織・制度のあり方,行政と国民との関係などを抜本的に見直し,新たな行政システムを構築すべく行政改革を最重要課題として取り組んでいるところであります。中でも,特殊法人等の改革には力を入れており,国の事務事業を厳しく見直し,むだを排除する,また,民業圧迫や官需独占を排除し,民間競争の促進による経済活性化といった理念のもと,法人の行っている事業や組織形態,また,国からの補助金による財政支援の見直しなど,抜本的な改革に取り組んでいるところであります。  翻って,本市をかんがみますと,本市は,従来から行財政改革に先行的,積極的に取り組んできており,平成7年に策定した行政改革大綱に基づき,DRプログラムや事業再評価プログラム,そして現在は行財政改革推進計画を推進するなど,行革を着実に進めてきていることは十分承知しているところであります。また,こうした行革の取り組みにおいて,出資団体の見直しについても,我が会派が平成10年10月に市長へ申し入れた「出資法人改革案−公明10の提言」の内容におおむね沿った形で,統廃合を初め,団体運営の合理化・効率化を進めており,一定の評価をしているところであります。  本市では,平成10年に,政令指定都市では初の外部機関による経営評価を行い,その結果を公表し,その後も,毎年,そのノウハウを生かし,独自に経営状況調査を行っていますが,北海道においては,平成11年11月に,関与団体の見直し方針というガイドラインを策定し,これに基づいて出資団体の見直しを行うという手法をとっております。  本市における出資団体取り組みについては,こうした手法も含め,合理化・効率化という観点などから,まだまだ見直すべきところも多く,団体に対し,多角的な面からの指導・監督を十分にしていく必要があると考えるのであります。  本市では,新たな行革についての検討を始めたところでありますが,先ほども述べましたとおり,今,時代は大転換期の真っただ中にあり,将来を見据えた新たな時代にふさわしい取り組みが必要であると考えるのであります。そして,行革の一層の推進を図るためには,本市行政を補完する出資団体につきましても,我々が従前から提言してまいりました団体の統廃合や団体運営の合理化・効率化が,今まで以上に求められていると考えるのであります。  そこで,質問ですが,来年度からの新たな行革についてどのように取り組んでいくおつもりなのか,また,これまでの行革との違いや出資団体への取り組みなども含めて,基本的な考え方をお伺いいたします。  質問の2点目は,平成14年度予算編成の基本的な考え方についてであります。  昨今の日本経済は,IT不況に伴う需要の減退等による世界的な不況の影響を受け,企業の投資意欲,個人消費ともに低調で,民間企業においては,リストラを初めとして生き残りをかけて血のにじむような苦労をされており,また,こうした状況が国民の家計を直撃しているのが実態であります。雇用情勢も深刻で,7月の失業率が,政府の調査開始以来,初めて5.0%となり,失業者数も330万人までふえたことが報じられたことは,記憶に新しいところであります。  こうした中,昨日の代表質問でも議論がありましたとおり,政府は,今,経済財政諮問会議で検討され閣議決定された,いわゆる骨太の方針や,それを踏まえた平成14年度予算概算要求基準の中で,歳出全般にわたる構造改革の一環として,公共投資関係費地方交付税の見直しなどを検討することとしております。  特に地方交付税につきましては,団体の規模に応じた段階補正や,特定の事業について地方債の償還費を後年度に交付税措置する仕組みが,国に過度に依存する体質を招き,地方の自主的・自立的な街づくりを進める上で弊害があったとの認識に立ち,いずれも見直しをすることとされており,1,000億円を超える交付税の配分を受けている本市にとっても,この影響ははかり知れないものがあるのではないかと考えるのであります。  こうした厳しい経済社会情勢や,国が財政構造改革に向けてのかじ取りを始めた状況の中では,本市としても,今まで以上に踏み込んだ予算の組み方が必要となってくるのではないかと考えているところであります。すなわち,時代の要請に合わなくなったむだな事業は徹底的に見直す一方で,市民の雇用に結びつくような新札幌型産業の育成など,ふやすべきものはふやすという,いわゆるめり張りのある財政運営が今こそ求められているのではないでしょうか。  本市には,今後展開すべき施策を選択し,その具体化を図る5年計画があり,施策の重点化については,基本的にその中でのやりくりということになるものと認識しておりますが,時代が急激に変化していく中で,市民が真に求める需要を的確に把握し,機敏に市政運営に反映していくためには,予算編成における施策の重点化がより一層重要になってくるものと考えております。  そこで,質問でございますが,ますます厳しさを増す財政状況の中,来るべき平成14年度予算編成における施策の重点化について,どのような観点から行っていくお考えか,お伺いいたします。  次に,温泉療法の活用による国保医療費の抑制についてお伺いいたします。  先ごろ発表された平成11年度の我が国の国民医療費は,30兆9,337億円と,初めて30兆円の大台に乗り,伸び率は,対前年度比3.7%の増加と,国民所得の伸び率0.2%を大きく上回るものとなりました。特に,老人医療費は,11兆8,040億円と,国民医療費の38.2%に達し,伸び率は対前年度比8.4%増と,国民医療費の伸び率を大きく上回っているのであります。  もとより,国民が真に必要とする医療は供給されなければならないのは当然でありますが,高齢化の進展でこのまま医療費が増大し続けていくと,近い将来,世界に誇れる我が国の医療保険制度危機的状態を迎えると危惧されております。  また,各保険者においては,景気の低迷による保険料収入の伸び悩みと相まって,厳しい財政運営を余儀なくされており,本市国保会計においても,平成12年度で累積赤字が85億円に達しているのであります。国においては,現在,医療制度の抜本改革に取り組んでおり,また,いわゆる骨太の方針では医療費総額の伸びの抑制を指摘しており,医療費の抑制は喫緊の課題となっているのであります。  私は,国保の現状を考えますと,医療費の抑制策の一つとして,もっと保健事業に積極的に取り組んでいくことが重要であると考えております。  その一つとして,温泉療法の活用を挙げるものであります。日本では,古くから,経験的に温泉の効能が知られ,湯治として温泉が広く利用されておりました。  我が党には,温泉療法の発展と温泉地の振興を目指す,東北・北海道温泉活用推進議員連盟があり,この4月に,温泉療法の発展と温泉地振興の推進に関する提言を発表しました。この提言は,国民の健康を守る立場から,東北,北海道を初め,我が国の豊富な温泉に着目して,温泉療法の普及と温泉の効果を生かした特色ある街づくりを目指すものであります。私は,特色ある街づくりの観点からも,温泉を生かしていくことは,市町村において,今後,大いに推進すべき重要な施策であると考えているのであります。  既に,欧米諸国では,温泉療法が盛んに行われており,特にドイツではクア療法と呼ばれており,温泉施設等を通じて健康増進を図り,クア療法や予防,リハビリを公的医療保険の対象とするなどして,一定の効果を上げているということであります。  我が国においては,経済産業省の外郭団体である民間活力開発機構が,昨年7月,温泉地に滞在して健康づくりをしたい方のために,温泉療養アドバイスセンターを発足させ,温泉療養友の会の会員に対し,温泉療法の専門家によるアドバイスなどの相談事業を全国で展開しているところであります。そして,同センターは,日本温泉気候物理医学会温泉療法医会などとも連携を図りながら,「温泉療養の手帖」というガイド本を発行し,この1年間で会員が全国で2万人を超えたということであり,国民の温泉療法に対する関心の高さがうかがえるのであります。  また,厚生労働省も,公衆衛生審議会の意見具申を踏まえて,温泉利用型健康増進施設の整備を,医療機関との連携をとりながら全国各地で進めているところであります。  今後,高齢時代を迎え,温泉療養の専門家である医師,温泉利用指導者管理栄養士温泉経営者,そして自治体がそれぞれの専門の立場から協力し合いながら行われる温泉療法は,今後の市民の健康づくりにとって重要なシステムであり,まさに現代的な湯治として注目されているのであります。  一方,本年4月に国民健康保険中央会から公表されました,医療・介護保険制度下における温泉の役割や活用方策に関する研究報告書によりますと,温泉を活用した保健事業を行っている自治体にあっては,老人医療費が低下してきているとのことであります。  道内でも多くの市町村が温泉を活用しているとのことであり,温泉に恵まれた道内では,今後,温泉を健康づくり街づくりに生かそうという自治体がふえていくことが予想されます。  温泉は,生活習慣病の予防やリハビリに効果があるほか,精神的なリフレッシュや世代間交流の場として,また,地域の振興にもつながるものと考えるのであります。  そこで,質問ですが,国保を取り巻く厳しい環境を考えますと,医療サービスの質を低下させないで医療費を抑制していくためには,これからは,市民の健康保持,健康増進のための予防対策に力を注いでいくことが重要であります。そのためには,今後,温泉療法も積極的に保健事業の中に取り入れていくべきと考えますが,市長の見解をお伺いいたします。  次に,電子自治体の構築に向けた取り組みについてお伺いいたします。  近年,目覚ましい発展を遂げているIT革命については,昨年来,社会的関心が大きな高まりを見せております。政府においても,IT革命の推進を重要な戦略課題として明確に位置づけ,本年1月の高度情報通信ネットワーク社会形成基本法,いわゆるIT基本法の施行,5年以内に世界最先端のIT国家となることを目指すとしたe−Japan戦略の策定などを通じ,IT革命戦略的推進体制も矢継ぎ早に整備しております。  一方で,総務省発表の平成13年版通信白書によりますと,平成12年末の我が国のインターネット利用人口は,対前年比74%増の4,708万人,携帯電話からのインターネット利用者も昨年の4倍と推計されており,まさに,すべての人々があらゆる場面で情報を活用する時代が到来したと考えるのであります。  さて,本市では,平成9年12月に,情報結縁都市さっぽろを基本コンセプトとした札幌市情報化構想を策定しております。この構想では,市民・企業・行政がコミュニケーションの活性化を図り,連携協力して街づくりを推進していくとされております。  そして,本年3月,この情報化構想に掲げる精神と理念を実現するため,「札幌市IT経営戦略Ver1.0a」,通称「move!」を策定されております。本戦略では,市民サービスの向上,産業振興,行政改革の推進を実現すべく,中短期的視点に基づき,達成すべき10のビジョンを掲げ,札幌市自身が取り組まなければならない行政活動の変革の方向性や取り組む施策を具体的に打ち出したものとなっております。  策定し,半年を経過したばかりではありますが,ITは日進月歩を上回る速度,つまり,ドッグ・イヤーと称されるように急速に進展しております。  そこで,質問の1点目でありますが,このIT経営戦略取り組み状況と今後の目指す方向についてお伺いをいたします。  また,インターネットを活用することにより,役所まで出向かなくても,各家庭から各種申請や届け出ができるようになったり,施設の利用申し込みインターネット上からできることが期待されるわけですが,国のe−Japan重点計画では,4年後の平成17年を目標として,行政の分野で,原則24時間,自宅やオフィスからインターネットを利用して,実質的にすべての行政情報の閲覧,申請・届け出などの手続,手数料の納付が可能となること,公共分野では地理的な制約がなく,インターネットを通じた日本じゅうの文化財・美術品などに関する情報の入手・利用,電子カルテの普及による多様で質の高い医療サービスの享受,交通渋滞の解消に資するITSの推進・普及の実現などを目指しております。このような国の施策が地方においても実施されますと,市民と市役所の関係に大きな変化が生じることが予想されるのであります。
     そこで,質問の2点目でありますが,インターネットを活用することにより,これまで区役所などの窓口で行ってきたさまざまな手続の仕組みが変わることになり,区役所のサービス向上につながるものと期待できますが,どのようにお考えか,お伺いいたします。  さて,こうしたインターネットの活用により情報交換の形態が大きく変わることは,ネットワークの普及と技術の進展速度にかんがみると,自明の理とも言えるのでありますが,インターネットというオープンな環境で情報が流通することは,迅速化,グローバル化などが容易に実現可能となる反面,非対面での情報交換の機会が増加することを意味するものであります。  したがいまして,これまで人が行ってきた個人の特定を,何らかの方法で実現する仕組みのようなものが別途必要になってまいります。その手段の一つとして注目され,また期待されているのがICカードではないかと思うわけであります。  ICカードとは,小型コンピューターであるICチップに個人の電子証明書,秘密かぎを搭載したものであります。これを用いることにより,ネットワークにおける利用者の厳密な個人認証を実現し,利用者以外のデータへの不正アクセスを防止するとともに,本人であれば,どこからでもネットワークへ安全にアクセスできるのであります。  また,現在,全国どこででも住民票の交付が受けられる住民基本台帳ネットワークの構築を進めており,平成15年8月には,各自治体が,希望する住民に,氏名,住所,生年月日等を記憶したICカードを交付すると聞いております。厳格な個人認証の管理が可能になるわけですから,さらに発展させれば,電子マネーへの応用も考えられます。事実,ヨーロッパにおいては既に実用化している国もあり,我が国でも,平成10年に,東京都渋谷区において渋谷スマートカードソサエティという実証実験が行われた経緯もあります。  このICカードは,民間企業だけの利用にとどまらず,当然,公共料金の決済にも活用できるものと期待されており,JR東日本では,首都圏のJRの乗車券を,このICカードに切りかえると聞いております。  また,先日,本市でも,総務省が行うマルチメディア・パイロットタウン構想の一環として,地下鉄へのICカードの利用可能性に関する実証実験が行われております。  そこで,質問の3点目でありますが,このICカードの実証実験はどのようなねらいで行っているのか,また,今後ますます利用拡大が図られるであろうICカードについて,今後の展開についてお伺いいたします。  さて,いかにこうした便利で効率的なITが普及しようとも,パソコンであるとかインターネットなどに縁の薄い,いわゆる情報弱者と呼ばれる市民が依然として存在するのも,また現実であります。いわゆるデジタル・デバイド,情報格差の問題であります。  現在,本市が国の予算で実施しているIT講習会は,すべての市民がITに十分対応できるよう,市が身近な公共施設や民間の施設などを利用して,ITに関する基礎技能を習得していただくために実施している施策であります。開催以来,相当数の市民が受講され,一定の効果を上げているとは思いますが,こうした能力は一朝一夕で養われるものではなく,また,実際に受講された方の中にも,より深く知りたい,または,実はよくわからなかったといった声も聞こえてきます。  先ほども申しましたとおり,ITはドッグ・イヤーで進展しているため,講習会を受講した市民が,受講後も継続的に情報活用能力を伸ばしていくような何らかのフォローアップが必要ではないかと考えるのであります。  そこで,質問の4点目でありますが,IT講習会は今年度の事業と伺っておりますが,本市は,来年度以降,どのような事業展開を図っていくおつもりか,お伺いをいたします。  次に,公共交通の利用促進の観点から,自動車交通量を調整する施策,いわゆるTDM施策の今後の取り組みについてお伺いいたします。  市民の暮らしの中で大切な足は何であるかということを考えますと,真っ先に,南北,東西,東豊の地下鉄3路線とJR線,そして,これらの,いわゆる大量輸送機関に接続し,まさに身近な足として市内を網羅しておりますバスというものが思い浮かびます。  しかし,ふだんよく使う交通機関,あるいは便利な交通機関は何であるかと問われたときに,まず思い浮かぶものは何でありましょうか。バスや地下鉄ではなく自動車であると言う方が,決して少なくないのが本市の現状であると思うのであります。  本市における乗用車の保有台数は,昭和55年から平成12年の20年間で,28万台から72万台へと実に2.5倍もふえている状況にあります。一方,同じ昭和55年から平成12年までの本市の人口の増加は,140万人から182万人と1.3倍でありますことから,乗用車が市民の暮らしの中にいかに急速に,そして深く浸透してきているかがうかがえるのであります。  しかし一方で,自動車に比べ,環境に与える負荷が少なく,交通事故などの安全面ですぐれ,子供たちから高齢者までだれもが安心して利用できる公共交通機関である地下鉄,JR,バス及び路面電車の本市内の利用者数は,平成7年度の1日平均123万6,000人をピークに,昨年度は109万3,000人と減少傾向にあります。これは,公共交通を利用していた人が自動車交通へ移行したものと推測されるのであります。  本市の交通施策を振り返りますと,急激な人口増加や市街地の拡大などに伴う交通需要に対応するため,冬期間でも安定的な移動が可能な地下鉄の整備を行い,これにバスを有機的に連携させた公共交通体系を築くとともに,増加する自動車交通に対応するため,計画的な道路整備や鉄道高架などの事業をあわせて行ってまいりました。これらによる交通基盤の整備は,現在183万人の人口を擁する北の都札幌を支える屋台骨となってきたのであります。  しかしながら,今日,社会全般において,これまでの便利さや効率性,経済性だけを優先した考え方に疑問が投げかけられ,安全性や環境保全などに対して目が向けられつつあります。交通の分野においても,例えば,昨年の尼崎公害訴訟や名古屋南部公害訴訟の事例に見られるように,車の影響による環境の悪化に対して,自動車交通量の削減についての踏み込んだ判断もされたところであります。また,国際的にも地球温暖化対策が議論されるなど,環境への配慮の重要性が認識されてきております。  環境問題や少子高齢化の進展を踏まえ,都市の将来を考えるとき,環境への負荷を減らし,今ある社会資本を十分に活用するなど,これからも持続的に発展する都市をいかに目指すかということが最も重要な観点になってくるのであります。  このような中で,今後の交通施策の展開に当たっては,現在ある道路や公共交通網などを有効活用するとともに,自動車交通と公共交通の利用のバランスを十分考慮していかなければならないと考えるのであります。  これからの街づくりと交通,とりわけ自動車交通との関係については,さまざまな提言がなされておりますが,昨年,国の運輸政策審議会から,21世紀初頭における総合的な交通政策の基本的方向として,都市圏においては,自動車に過度に依存しない都市と交通を目指す施策の選択の可能性を追求すべきであるとの答申が出されました。これは,国における自動車交通に対する考え方の大きな方向転換を示すものであり,本市の第4次長期総合計画においても,交通体系の整備の目標として,「公共交通機関を軸とした交通体系の確立」と「適切な自動車交通の実現」を掲げており,特に,都心部では不必要な自動車流入を極力抑制するなど,歩行者や環境を重視した,魅力的で活力ある都心の整備を基本理念としております。  また,ことし4月の札幌市総合交通対策調査審議会答申において,本市の今後の交通政策のあり方についての具体的方向性と施策が示されております。この中で,公共交通には,高齢者など移動に制約のある方への対応,都市環境問題への対応,冬季交通の確保など,魅力と活力ある街づくりを実現していく上で大きな役割が期待されているとしており,さまざまな利便性向上策が示されております。  一方,自動車交通に対しては,その便利さから,今後も個人の自由な移動や生活を支えていく手段としての役割を認めつつ,反面,渋滞や環境問題に触れ,その利用のあり方を見直す時期に来ているとしており,市民意識の転換を図るなどの施策の提言がなされております。  こうした中で,魅力と活力ある都心の具体的将来像として,ことし5月に都心交通ビジョンが提案されたのであります。これは,本市のみならず,北海道の顔でもある札幌の中心部を,これまでの自動車を中心としたものから,歩行者と環境を重視したものに変えようとするもので,21世紀における本市の大きな変化を予感させるものであります。  これまでも,本市は,具体的施策として,平成6年度から,人に優しい交通対策を推進しており,現在では,月2回のさわやかノーカーデーによる自動車利用自粛の呼びかけやエコキップの発売,パークアンドライド駐車場の拡充,バスレーンやバス優先信号であるPTPSの実施,共通ウィズユーカードや昼間割引制度の導入など,さまざまな公共交通利便性向上策の取り組みを行っております。また,これとあわせて,都心部の100円バスの実験運行や路上での荷さばきのルール化など,さまざまな社会実験も行っており,これらの取り組みには一定の評価をするところであります。  現在は,交通渋滞による影響もそれほど深刻ではなく,また,環境も良好な本市においては,首都圏のような状況に直面する前に,環境に配慮し,だれもが安全に,そして安心して移動することができることを目指すための施策,例えば,我が会派がかねてより主張しておりますトランジット・モールの整備など,歩行者や公共交通優先の施策を検討していく必要があると考えるのであります。  そこで,質問でありますが,自動車交通から公共交通機関利用への転換を促すためには,交通事業者や関係機関との調整や道路法など法制度の問題,あるいは市民意識の転換などの課題があるかと思いますが,市民に公共交通へ目を向けてもらうため,これからも,さまざまな工夫を凝らし,公共交通をより便利に利用しやすくするとともに,過度な自動車利用の抑制など,TDM施策を,市民の理解と協力のもとに,より推進していく必要があると考えるのであります。  そこで,今後,このTDM施策についてどのような方針で取り組んでいかれるのか,お伺いいたします。  また,さまざまな交通施策の進捗状況や自動車利用に対する市民意識の変化などを踏まえつつ,ロード・プライシングなどのより積極的,直接的な施策展開の検討を行う必要があると考えますがいかがか,あわせてお伺いをいたします。  次に,雪の冷熱エネルギー利用についてお伺いいたします。  未利用の自然エネルギーである雪の冷熱エネルギーは,我々北国に住む者にとって貴重な資源であり,新エネルギーと呼ぶにふさわしいものであると考えております。  現在,国が認めている新エネルギーは,平成9年に施行された「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」において規定されており,その具体的な対象は,太陽光発電,風力発電,太陽熱利用,温度差エネルギー,廃棄物発電,廃棄物熱利用,廃棄物燃料製造,クリーンエネルギー自動車,天然ガスコージェネレーション,燃料電池となっておりますが,雪の冷熱エネルギーを含めた雪氷は新エネルギーとして位置づけられておりません。  我が党は,このような状況では雪の冷熱エネルギーの導入が思うように進まないことを危惧し,国に対して,北国の実情を認識してもらい,雪氷を新エネルギーとして認めるよう積極的に働きかけてまいりました。その努力が実り,先般,資源エネルギー庁の総合資源エネルギー調査会が,雪氷エネルギーも新エネルギーと位置づける報告をしたところであります。  これによりまして,雪の冷熱エネルギーを利用する施設の建設などについても,来年度からは,新エネルギー・産業技術総合開発機構の補助金を受けることが可能となり,今後の雪冷熱エネルギー利用が加速されるものと期待しているところであります。  雪の冷熱エネルギーの代表的な手法としては雪冷房システムがありますが,未利用の雪を冷房源とすることにより,化石燃料の消費を抑え,CO2の排出を削減して地球温暖化防止に貢献することができるのであります。また,積雪寒冷地に対応した新たな技術は,研究開発を促進し,新札幌型産業を創出する原動力になる可能性があり,本市としても,この雪冷房システムなどの利雪を積極的に推進する必要があります。  これらの施策については,我が会派から,平成13年度札幌市予算編成に対する要望書として提出したところでもあります。  私は,従来から,本市においても,雪冷房システムを公共施設などで導入するよう提案してきたところでありますが,この提案が,モエレ沼公園においてガラスのピラミッドの雪冷房という形で実現することとなったのは,まことに喜ばしいことであります。  最近,北海道,東北地方,日本海沿岸部を中心とした豪雪地帯において,雪氷を夏まで保存し,農産物の保冷や公共施設などの冷房に利用する取り組みが見受けられるようになってきました。我が党の調査団も現地視察してまいりましたが,美唄市では,米や野菜の貯蔵施設に雪冷房を採用しており,良好な運用成績を上げております。さらに,この雪冷房の活用範囲を公共施設である老人保健施設や民間マンションにも導入しており,全市を挙げて取り組んでおります。また,沼田町では,米の貯蔵に雪冷房を採用してきた実績と,雪山をもみ殻などで断熱保存できた実験結果をもとに,町内から運搬排雪されるすべての雪を1カ所に集め,屋外で雪山として夏まで保存して,地域の冷房源に活用する新たな取り組みを進めていると聞いております。  このように,地方の小都市で先駆的な取り組みを進めているのは,町おこしやイメージアップを重視した面もあると思われますが,今後,国からの財政的支援を受け,コスト面の障害も緩和されることになれば,本市のような大都市にも雪冷房システムなどの導入の可能性が大きく広がるものと考えます。  本市では,昨年度,庁内に関係部局から成る「雪の冷熱エネルギー利用研究会」を設置して,調査研究に着手したと聞いております。  この研究会の目的は,本市の雪対策施設や公共施設などの既設公共インフラを活用した雪冷熱エネルギーの利用手法の調査研究であり,その研究内容は,冷熱として利用できる潜在的な雪のエネルギー量,冷熱供給の望ましいシステム,その場合の需要先,コストなどを調査し,環境面も含めた総合的な費用対効果を検討することと聞いております。他都市の取り組みが,施設単体での小規模な利雪にとどまっているのに対し,本市の取り組みは,既設公共インフラを活用することにより,低コストで大量の雪を広範囲に利用する都市システムの視点に立っていると考えられ,スケールも大きく,独創的なものとして私は高く評価しており,今後の研究会の成果を大いに期待しているところであります。  そこで,質問でありますが,まず最初に,既設公共インフラを活用するとは,具体的にどのような手法を考えておられるのか,お伺いいたします。  質問の2点目は,調査研究はまだ始まったばかりでありますが,現時点でどのような成果が上がっているのか,お伺いいたします。  質問の3点目は,既設の公共インフラは,利雪を考慮した構造になっておらず,その活用には多くの課題があると思われますが,ぜひ札幌発のこのユニークな調査研究を実用化へと発展させていただきたいのであります。  そこで,この調査研究を実用化につなげるために解決しなければならない課題はどのようなことなのか,お伺いいたします。  また,実用化に向けての今後の進め方についてどのようにお考えなのか,あわせてお伺いをいたします。  次に,高齢者対策についてお伺いいたします。  質問の1点目は,福祉除雪の実施体制等についてであります。  我が会派では,早くから福祉施策の重要性,中でも,高齢者の方が老後を安心して暮らせるための施策の必要性を訴えるとともに,市民のさまざまな意見や要望を市長にお伝えし,多くの施策の実現に向け努力をしてまいりましたが,その一つに福祉除雪があります。高齢者の方々が,住みなれた地域の中で安心して生活していく上で,機械除雪後に間口に置かれた雪や敷地内の通路に降り積もった雪のために,冬期間,外出が制限されるというようなことがあってはならないと考え,我が会派は,福祉除雪の早期実現を市に要請してきたのであります。  この福祉除雪は,昨年度,市内20地区に限定して試行実施されたところでありますが,その後に行ったアンケートでは,利用世帯の87%から,よかったとの回答があったとも伺っております。また,試行実施の検証を各実施地区で行い,要望や意見を取りまとめ,札幌市の福祉除雪を考える市民委員会からは,今年度は,要望の強かった敷地内通路の除雪もあわせて行い,ボランティアが中心となる地域協力員型で行うべきであるとの提言を受けたところであります。この提言を踏まえ,今年度は,札幌市社会福祉協議会が実施主体となって,全市で試行実施することとなり,現在,利用希望世帯の申し込みを受け付けているところであります。  我が会派では,実施までに時間こそかかりましたが,日ごろの主張が受け入れられたこの福祉除雪事業に対し,一定の評価をしているところでありますが,今年度の実施についても試行という位置づけであると伺っております。  そこで,質問でありますが,福祉除雪が本市の最重要課題であることは市長も十分認識していることと存じますが,社会福祉協議会が実施主体になったとはいえ,市の全面的な協力,支援がなければ,これだけの事業は遂行できないと思うのでありますが,実施体制について基本的な考え方をお伺いいたします。  また,全市に事業を拡大するとしている今年度においても,なぜ試行実施という位置づけで行わなければならないのか,その理由をお伺いいたします。  質問の2点目は,痴呆性高齢者対策についてであります。  本市のグループホームの整備状況は,現在,24カ所,28ユニット,利用定員234人となっており,この数は,北海道の約3割,指定都市の中でも横浜市の32ユニットに次いで2番目の整備数となっております。この理由としては,本市が独自にグループホーム設立に関する種々の相談窓口を設け,これまで積極的に基盤整備を進めてきた結果でもあり,この数は今後とも増加することが確実と思われるのであります。  しかしながら,私は,痴呆性高齢者に対するケアサービスの質の担保が保障されないまま量的拡大が図られているグループホームは,大きな危険性をはらんでいると思うのであります。グループホームには,単に量だけではなく,痴呆性高齢者が地域の中で最期まで安心して日常生活を送ることのできる,生活の場としての質も求められていると思うのであります。  グループホームの利用者は,軽度から中程度の痴呆性高齢者とされており,実際に現在の利用者を要介護度別に見ますと,要介護度1から3の割合が約9割となっております。たとえ寝たきりあるいは車いすになっても,同じグループホームで生活環境を変えずに生活できるようにするためには,既存の建物を使ったグループホームではバリアフリーにする必要が当然あるでしょうし,また,新築の場合にあっては,設計段階から,こうした方々も利用しやすいようなデザインにしていく必要があると思うのであります。  そこで,質問の1点目でありますが,グループホーム利用者にとって,ついの住みかとしての役割を持ったグループホームとしての整備が行われるよう,開設計画の段階で,先行事例の情報提供などといった行政指導を積極的に行うべきと思うのでありますがいかがか,お伺いいたします。  質問の2点目は,徘回痴呆性高齢者SOSネットワークについてであります。  警察の捜索だけではなく,タクシー会社,ラジオ放送局などの組織団体が一緒になって捜索協力し,徘回のお年寄りを早期に発見・保護して家族のもとに帰すSOSネットワークが,平成11年2月から本市でもスタートしております。昨年度は,352件もの捜索依頼が家族から警察になされており,この捜索依頼件数は,今後,急激に増加していくものと思うのであります。  そこで,質問ですが,現在あるSOSネットワークでの公開捜索のほかに,徘回したお年寄りの位置が住宅地図上でピンポイントでわかる方法として,カーナビに使われている衛星利用測位システムのGPS,あるいは簡易携帯電話のPHSといったIT技術も導入し,併用して捜索してはいかがか,お伺いいたします。  また,このPHSなどの徘回探知機器の価格は,まだまだ安いとは言えないと思いますので,低所得者には本市が徘回探知機器の無償貸与といった方法も取り入れて実施してはいかがかと思うのでありますが,市長のお考えをお伺いいたします。  次に,医療に関するIT化推進の観点から,市立札幌病院における電子カルテなど,医療情報の電子化の推進についてお伺いいたします。  先ほども申し上げましたが,近年におけるITの進展は目覚ましいものがあり,情報通信ネットワークの普及は,新しいサービスを創出するなど,生活そのものに大きな影響を与えております。保健・医療・福祉に関する情報につきましては,我々を取り巻くさまざまな情報の中でも,生活に密着した重要な情報であるため,ITを活用した情報の共有や提供により,業務の高度化や効率化,さらには住民サービスの質的な向上が期待されております。  国は,骨太の方針において,国民の安心と生活の安定を支える社会保障制度の改革の中で,医療制度の改革を一項目として掲げ,現在の医療制度は,現状のままでは,医療費の増大とその結果としての負担の増大に国民の合意は得られないとし,医療供給体制を効率化するなどにより,サービスの質を維持しつつ,コストを削減しながら,保険制度の確立を通して国民の信頼を取り戻す必要があるとしております。  また,骨太の方針には,医療制度改革の具体策が示され,医療サービス効率化のプログラムを細かく展開しております。その効率化プログラムでは,第1に,国民が理解し納得できる医療サービスの標準化と診療報酬体系の見直し,第2に,インフォームド・コンセントの制度化,情報の開示による患者本位の医療サービスの実現と医療情報のデータベース化・ネットワーク化による国民への情報の提供,第3に,医療機関の機能分化の推進など医療提供体制の見直し,第4に,医療機関経営の近代化・効率化と医療サービスのIT化の推進,第5に,患者の選択による医療機関相互の競争の促進と保険者機能の強化,第6に,公民ミックスによる医療サービス提供など公的医療保険の守備範囲の見直し,第7に,患者自己負担の適正化を掲げております。  特に,第4のプログラムの医療機関経営の近代化・効率化におきましては,医療機関の経営に関する情報の開示,外部評価等を行うことによる医療機関経営の近代化・効率化,医療資源の効率的利用の促進,株式会社方式による経営などを含めた経営に関する見直しの検討,また,医療サービスのIT化の促進,電子カルテ,電子レセプトの推進による医療機関運営コスト削減の推進が提言されております。  そこで,医療供給機関としての地域医療の中核を担っております市立札幌病院に目を転じますと,経営状況が非常に厳しい状態の中で,職員一丸となって経営健全化に取り組んでおり,大きな効果を上げていると聞いております。今後も,さらに経営健全化に向けて引き続き努力を続けていく必要があると思いますが,医療機関経営の近代化・効率化のプログラムは,市立札幌病院にとりましても大きな関心を払わざるを得ないものと思うのであります。  特に電子カルテにつきましては,保険者側からの重複診療などによる医療費抑制対策ばかりでなく,医療機関での診療情報の共有化による質の確保と診療の効率化,インフォームド・コンセントの促進,医療事故の回避,情報公開など,経営の合理化に貢献することが見込まれ,また,電子レセプトにつきましても,増大する診療報酬請求にかかわる業務の軽減と事務処理の効率化・迅速化が図れることから,医療機関運営コストの削減に有益なものと言えるのであります。  去る7月24日の総合規制改革会議において,重点6分野に関する中間とりまとめが公表され,医療分野におきましては,電子レセプトについては今年度中に,電子カルテについては段階的に実施すると報告されております。  ITの目覚ましい発展の波が社会全般の情報システムを再構築している現在,医療界もその枠外にとどまることはできない時代となっております。カルテの電子化は必然となっており,北海道の自治体病院をリードする市立札幌病院も,速やかにこれに対処しなければならない時期に来ていると思うのであります。  そこで,質問でありますが,市立札幌病院におきましては,これまで述べてまいりました医療改革の流れの中で,電子カルテ及び電子レセプトの導入についてどのようにお考えか,お伺いをいたします。  次に,はしかの流行と予防対策についてお伺いいたします。  はしかは,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律,いわゆる感染症法では麻疹と言うのが正式な名称かと思われますが,一般的には,はしかという方がなじみ深いものですから,このように呼ばせていただきます。  はしかは,感染症法において四類感染症に分類されており,国が発生動向を調べ,その結果に基づいて,必要な情報を市民や医療関係者に提供,公開していくことによって発生,拡大を防止すべき感染症であり,本市では,あらかじめ指定された37の小児科医療機関から,毎週,患者数が報告されているものであります。  はしかは,発熱,せき,発疹などを主な症状とし,人から人へと感染するウイルス性の病気であります。感染力が非常に強く,免疫のない人が感染を受けると,ほぼ100%発症するものであり,実際,私どもの幼少期のころには,だれでも一度はかかる病気と広く思われていたのであります。  その後,我が国においては,昭和53年に,はしかワクチンの定期予防接種が開始され,ワクチンの普及が進んだ結果,はしかの流行規模は小さくなり,全国レベルの大規模な流行は影を潜めたかに思われるまでに至ったのであります。  しかし,実際には,今もなお,はしかは消滅することなく,地域的な発生を続け,全国各地で数百から数千人規模の流行を数年置きに繰り返しているのであります。時には,肺炎や脳炎を発症するなど重篤化し,全国的には,乳幼児を中心に,年間20人から50人もの方が命を落としている極めて恐ろしい病気なのであります。  最近では,沖縄県において,平成10年9月から翌11年8月までの間に,発生動向調査により把握された患者数が2,034人にも及び,うち8人の乳幼児が死亡するという流行があったところであります。  さらに,世界の状況を見ますと,世界保健機構では,1980年の天然痘の全世界的根絶宣言後の次の目標に,はしかとポリオを挙げて,拡大予防接種計画を推進しているところであります。こうした中で,アメリカでは,はしかの根絶に向け,予防接種を中心とする取り組みを進めた結果,現在では,国内における発生をほとんど見ることができないまでに成果を上げている一方,アメリカに比べ,はしかの発生率が高い我が国は,海外の専門家からは,はしかの輸出国とまでやゆされているとも聞いております。  このようなことから,私は,はしかは今日の我が国においても決して油断のできないものであり,特に乳幼児にとっては,十分注意を払わなければならない感染症であると思うのであります。  本市に目を向けますと,ことしに入り,はしかが流行しているとの報道がたびたびされており,私は,多くの乳幼児がはしかの猛威にさらされているのではと心を痛めていたところであります。幸い,これまで死に至るケースは報告されていないと聞いておりますが,これを機に,はしかが従来考えていた以上に危険な感染症であることを再認識する必要があると考えるのであります。  そこで,質問の1点目として,このたびの本市におけるはしかの流行がどのような状況であったのか,また,それに対し,本市はどのような対策に取り組んだのか,お伺いいたします。  質問の2点目は,少子化時代の今日にあって,万が一のケースであっても,こうした病気によって,とうとい幼い命が奪われることがあってはならないと考えますが,今後のはしか予防対策をどのように推進していくお考えなのか,お伺いいたします。  最後に,社会体験を取り入れた教員研修についてお伺いいたします。  昨年12月,教育の現状やさまざまな課題に対し,内閣総理大臣のもとに置かれた教育改革国民会議の最終報告が取りまとめられ,その中で,教育を変える17の提案が出されました。また,その提言を踏まえ,ことしの1月に,文部科学省は,21世紀教育新生プランを発表し,教育改革を断行していく決意を示したところであります。その中で,「学校が良くなる,教育が変わる」というキャッチフレーズのもと,七つの重点戦略が提示されております。いずれも,教育改革を推進していく上で重要な課題でありますが,私がとりわけ注目しているのは,父母や地域に信頼される学校づくりと,教えるプロとしての教員の資質,指導力の向上であります。  近年,盛んに,開かれた学校ということが言われ,さまざまな取り組みがされておりますが,まだまだ学校や教員は閉鎖的であるという声を聞くことも多く,私自身の経験からいっても,一人一人の教員の開かれた学校づくりへの意識改革は十分ではないと思うのであります。私は,父母や地域に信頼される学校づくりを進めていく上で,開かれた学校づくりは中核をなすものと考えております。こうした意味において,学校教育の直接の担い手である教員には,専門の実践的な指導力はもとより,豊かな人間性や社会の変化に適応するための知識や技能,さらには学校という組織の一員として,家庭や地域社会と手を携えて歩む教育を進めていく能力などが求められていると思うのであります。  しかし,日々,子供とともに生活することの多い教員には,とかく社会の流れが見えにくく,変化に対応した資質・能力を磨く機会に十分恵まれていないとも聞いております。一般社会と余り接することなく,学校という限られた世界の中で一日のほとんどの時間を過ごしている教員が,急速に変化していく社会の中で,学校が置かれている状況をとらえ,社会から求められている諸課題に適切に対応していくためには,意識の改革こそが必要ではないかと思うのであります。  また,完全学校週5日制のもと,各学校がゆとりの中で特色ある教育を展開することをねらいとした新学習指導要領が,来年度から全面実施されます。その中で,新しく創設される総合的な学習の時間については,多くの学校が移行措置期間から既に試行していると聞いておりますが,実際にさまざま活動を行うに当たって,特に地域社会とのかかわりが多くなり,保護者や学校外の人々の協力が必要になってくると思われます。  開かれた学校とは,地域の方に学校を公開することばかりではなく,教員が学校外に目を向け,地域社会や保護者と積極的に連携を図っていくことでもあります。そして,学校だけが子供の教育に当たるのではなく,地域の中にある学校という視点から,地域社会,保護者,そして学校の三者が,連携協力して子供をはぐくんでいくのだという基本的な認識が必要になると思うのであります。  このように,学校が社会のニーズを把握し,地域社会と連携しながら生き生きとした学校づくりを進めていく必要性がますます高まっていく中で,教員が学校の外に視野を広げる機会を積極的に設けたり,教員自身が学校以外の施設などでの体験を積み,これらを通じて得た見方や考え方を学校教育の場に還元していくことが,今まさに求められていると思うのであります。  従来の研修は,どうしても教員の専門性を高める内容が中心になっていたのではないかと思いますが,今後,民間企業や社会福祉施設などでの社会体験を取り入れた研修を拡大することで,教員は,社会の幅広い人々との接触により,対人間関係能力などを高めるとともに,社会の構成員としての視野を一層広げるような経験を得ることができるものと考えるのであります。  また,長期にわたる社会体験研修についても,平成8年度から,当時の文部省が調査研究を行ったことを受け,全国的に実施されるようになってきており,本市においても早急に実施すべきと考えるのであります。  そこで,質問でありますが,本市の教員研修において,教員の視野を社会に広げる研修はどのように行われているのか,また,今年度準備を進めている長期社会体験研修の進捗状況はいかがか,お伺いいたします。  以上で,私のすべての質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(加藤齊君) 答弁を求めます。  桂市長。 ◎市長(桂信雄君) まず,行財政問題についてお答えをいたします。  初めは,第1点目の新たな行財政改革取り組みでありますけれども,これまでは,行政が公共の大部分を担うという前提のもとで,個別の事業の見直しなどに重点を置いて行革に取り組んでまいりました。
     しかし,これからは,まさに市民自治の時代であり,今までの取り組みを単に踏襲するのではなくて,都市の構成員である市民・企業・行政などが,それぞれの役割を果たしながら公共を担っていく協働型社会を目指すことが重要であると考えております。  これは,単なる市役所の改革にとどまらず,都市経営の仕組み自体を変えながら,その一員としての行政の構造的な経営改革を行うことにほかなりません。  具体的には,協働型社会の実現に向けて,市民の皆さんとともに,そのための土壌づくりを進めていきたいと考えておりますし,直面する行政の経営改革に当たりましては,中期的な見通しを持ちながら財政の健全化を進めていくことが欠かせないものであります。その上で,民間の経営手法も参考に,人材,予算,物,情報といった経営資源を最大限に生かせるよう,一丸となって行政の体質そのものを変革していかなければならないものと考えております。  また,出資団体につきましても,こうした取り組みの中で,その果たすべき役割を常に検証し,当然,必要な改革を行ってまいりたいと考えております。  次に,第2点目の平成14年度予算編成における施策の重点化についてであります。  本市におきましては,これまでも,非常に厳しい地域経済の状況や急速に進展している少子高齢化という社会環境の変化などを踏まえ,施策の重点化を図ってまいりました。平成14年度は,現在の厳しい経済状況や雇用情勢,あるいは国の財政構造改革における地方交付税の見直しなどを踏まえると,本市の財政を取り巻く状況は,非常に難しいものになるものと考えております。  したがいまして,ご指摘のとおり,本市の来年度の予算編成におきましては,いわゆる骨太の方針で示された国の重点分野も念頭に置きながら,限られた財源の中で,今まさに市民が求めている施策に対して,より一層の重点化を図ることが必要であると考えております。  また,重点施策を進めるに当たりましても,市民ニーズや社会環境の変化を踏まえるとともに,事業の成果を重視する観点から,事業評価の取り組みを活用することなどによって,より機動的,効果的な施策展開を図ってまいりたいと考えております。  次は,電子自治体の構築に向けた取り組みについてお答えをいたします。  1点目のIT経営戦略についてでありますが,今年度は,3年計画の初年度として,ICカードによる電子商取引の実験やホームページのリニューアルなどの取り組みに着手をしたところであります。  来年度以降におきましては,電子決裁システムの導入,それから,市民生活に役立つ情報をタイムリーに提供するなど,行政事務の効率化及び市民サービスのさらなる向上を目指してまいりたいと考えております。  2点目の区のサービス向上についてでございますが,インターネットの活用によって在宅で各種の申請・届け出ができるようになっていくことから,事務の省力化が一層進み,新たな市民ニーズに対応したさまざまなサービスの提供が可能になるものと考えております。  3点目のICカードの実証実験についてでありますが,これは,市民モニター1,000人による地下鉄乗車や自動販売機での利用を通して,これから利用拡大が見込まれますICカードの安全性,利便性,経済性等を検証しようとするものであります。  今後は,この実験結果を踏まえて,ICカードの用途,決済方式などについて多角的,総合的に検討を進めてまいりたいと考えております。  最後に,IT講習会終了後の事業展開ということでありますが,この講習会には多数の市民が参加をして大きな効果を上げておりますが,来年度以降につきましては,国の動向を見ながら検討してまいりたいと考えております。  なお,市民の情報活用能力の向上にかかわる事業につきましては,来年秋にオープン予定の,仮称でありますが,市民情報センターでこれを積極的に展開するほか,各区民センターや生涯学習センター等でも,従来同様に行っていく考えであります。  次は,TDM施策についてお答えをいたします。  1点目の今後の取り組み方針についてでありますが,環境問題への対応や交通渋滞の緩和に向けては,交通需要を総合的にコントロールするTDM施策がますます重要になってくるものと認識をいたしております。  したがいまして,今後も公共交通の利便性を高める施策などをさらに推し進めるとともに,都心交通ビジョンで提案しております歩行者空間の拡大などにより,過度な自動車利用の抑制についても検討してまいりたいと考えております。  2点目のロード・プライシングなどにつきましても,都心交通ビジョンで目指す,歩行者や環境を重視した都心交通の実現に向けて検討すべき施策の一つであると考えております。  したがいまして,今後,市民議論などを踏まえて,国や東京都における取り組みも参考にしながら検討を進めてまいりたいと考えております。  次は,雪の冷熱エネルギー利用についてであります。  まず,第1点目の既設公共インフラの活用手法についてでありますが,本市が雪対策施設として設置をしてまいりました融雪槽,それから流雪溝といったような公共施設を利用しての雪の貯蔵,冷水の製造・輸送を行うことの可能性について検討してまいりたいと考えております。  2点目の研究成果についてでございますが,平成12年度調査では,幾つかのモデルを設定して,二酸化炭素の削減効果とコストについて試算を行ったところであります。それによりますと,二酸化炭素の削減は期待どおりの効果が出ておりますし,コストにつきましても,既存施設を相当程度活用できるのであれば,現在の冷房システムと同程度でできる可能性がある結果となっております。  3点目の実用化に向けての課題と今後の進め方ということですが,冷水輸送にかかわる水温上昇,それから土砂の混入といったような技術的な課題に加えて,既存施設を目的外に使用する制度上の問題,相当量の雪をどこで夏まで保存,貯蔵するかという現実的な問題もございます。  しかしながら,雪の冷熱エネルギーの利用は,単に環境面のみならず,新たな産業の振興と既存産業への波及など,経済活性化の面でも効果が期待されますので,十分な検証を行いながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次は,高齢者対策であります。  1点目は,福祉除雪の実施体制についてであります。  この事業は,本市の地域福祉を支える点からも重要施策の一つとして認識をいたしておりますので,社会福祉法人札幌市社会福祉協議会が実施主体となりましても,区役所などの各部局が一丸となって社会福祉協議会に協力・支援を行い,事業を進めていく体制が必要であると考えております。  また,この事業は,札幌市の福祉除雪を考える市民委員会を初め,地域の中でも十分に検証し,市民の皆様の評価が定まった段階で本格実施といたしまして,それまでの間は,試行実施という位置づけで事業を進めてまいりたいと考えております。  2点目は,痴呆性の高齢者対策であります。  まず,グループホームへの情報提供等の行政指導についてでございますが,計画段階で本市にも相談等がありますので,そうした機会をとらえて,例えば,車いすを使用する身体状況になってもグループホームでの生活が継続できるように,必要に応じた行政指導を行ってまいりたいと考えております。  また,徘回痴呆性高齢者SOSネットワークへの徘回探知機器による捜索の導入と低所得者への無償貸与ということでありますが,PHS等の徘回探知機器による捜索につきましては,北海道警察も積極的に推進しておりますので,試験的ではありますが,低所得者への無償貸与も含めて早期に実施したいと考えているところであります。  私からは,以上です。 ○副議長(加藤齊君) 佐々木助役。 ◎助役(佐々木喜四君) 私からは,3点についてお答えを申し上げます。  まず,温泉療法の活用による国保医療費の抑制についてでありますが,温泉療法は,生活習慣病の予防あるいはリハビリ,リフレッシュなどに効果があるとされており,また,最近では医療費の抑制にも効果があるとの事例が報告されております。  本市といたしましても,今後,その効果について調査研究するとともに,どのような形で保険事業の中に取り込んでいけるのか,専門学会の意見なども踏まえながら検討してまいりたいというふうに考えております。  次に,市立札幌病院における医療情報の電子化の推進についてであります。  医療情報の電子化は,患者サービスの向上等に有効なものと考えておりますが,電子カルテの導入には,市立札幌病院規模で十数億円というコストがかかることのほか,セキュリティーなどの解決しなければならない問題も多いことから,全国的にも普及が進んでいないという現状にあります。  しかし,今後,医療面での情報化は急速に進展していくものと思われますので,財源など多くの問題もございますが,将来につなげるべく,現在検討を行っているところであります。  また,電子レセプトにつきましても,技術的な問題の検討も必要でありますので,大規模病院での導入の推移を見ながら検討してまいりたいというふうに考えております。  次に,はしかの流行と予防対策についてでございます。  1点目の本市における流行の状況と,これに対する取り組みについてでありますが,発生動向調査における本年1月から8月までの観測定点医療機関からの患者報告数は,昨年の23人に対し901人となっております。  本市といたしましては,はしかの流行の兆しがあらわれました4月中旬に,専門家会議を開催し,発生動向の分析や対策の検討を行うとともに,唯一の予防方法である予防接種の励行を,報道機関を初め,保育所,幼稚園,さらにホームページなどを通じ,広く市民に呼びかけたところであります。その結果,4月と5月の予防接種件数は,前年同期の約1,900件から5,100件と大幅に増加し,患者発生につきましては,最も多かった4月下旬に比べ,現在では40分の1にまで減少をしております。  2点目の今後の予防対策についてでありますが,ご意見のとおり,はしかが油断のならない感染症であるという認識に立ち,市民にもこうした共通の理解を持っていただけるよう,乳幼児健診の際や広報など,あらゆる機会をとらえながら,今後とも,はしかの正しい知識の普及と乳幼児期における早期の予防接種の推進に努めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○副議長(加藤齊君) 土橋教育長。 ◎教育長(土橋信男君) 社会体験を取り入れた教員研修については,私からお答えをいたします。  教員の視野を広げる研修についてでありますが,昨年度から,初任者研修において,民間企業や社会教育施設,福祉施設等で社会体験研修を既に取り入れて実施をしております。  また,現職の教員を対象に,民間企業の経営手法や接客についての研修,さらには視覚障害体験や車いす体験等を組み入れるなど,教員が社会の幅広い人々との接触を通して視野を広げる研修を推進しております。  次に,長期社会体験研修の進捗状況についてでありますが,これは,今年度初めて行っておりまして,小・中・高等学校それぞれ1名の教員が,11月から2カ月間にわたって,民間企業,社会教育施設,福祉施設等で研修を行うということを計画しており,現在,受け入れ先等との折衝を行っているところであります。  以上でございます。 ○副議長(加藤齊君) ここで,およそ30分間休憩いたします。  ――――――――─―――――――――      休 憩 午後2時18分      再 開 午後2時51分  ――――――――─――――――――― ○議長(佐藤美智夫君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。  代表質問の続行であります。  荒川尚次君。  (荒川尚次君登壇・拍手) ◆荒川尚次君 私は,ただいまから,日本共産党を代表して,当面する市政の重要問題について質問いたします。  質問に先立ちまして,アメリカの世界貿易センタービル等に対するテロによって犠牲となられた多くの方々に,深い哀悼の意を表しますとともに,そのご家族及び関係者並びに被害に遭われた皆様に,心よりお見舞いを申し上げます。  また,私の文書質問に対する答弁書作成に当たられた関係職員の皆さんに,心から感謝を申し上げます。  それでは,質問に入ります。  最初に,市長の政治姿勢と財政問題について質問いたします。  質問の第1は,アメリカでの同時多発テロ事件と日本政府の対応に関してです。  数千人と見られる多数の死傷者を出した未曾有の悲劇的テロ事件は,世界に大きな衝撃を与えました。日本共産党は,人命を無差別に奪うテロは,いかなる理由や背景があろうとも,絶対に許されない野蛮で卑劣な犯罪行為として厳しく糾弾するものです。同時に,このような,人類に対する挑戦であるテロ行為の根絶のために,法と理性に基づいて問題の解決を図ることが重要だと考えるものであります。  しかしながら,ブッシュ大統領は,テロを行った者と彼らをかくまった者を区別しないと宣言し,ラムズフェルド国防長官は,いつでも反撃する用意があると言明し,報復のための軍事力行使を繰り返し表明しており,世界に緊張と不安が広がっています。  アメリカが,報復攻撃を行うことや,テロに協力的とみずからがみなす国を武力攻撃することになれば,それは国連憲章と国際法で禁止されている行為であり,テロ行為の再発を防ぐ有効な方法にもなり得ません。それは,さらに悪質で激烈なテロ行為を呼び,軍事的報復の悪循環を招くことになるでしょう。  今,アメリカが準備している軍事報復攻撃が行われれば,今回のテロに直接関係のない多数の人々の生命を危険にさらすことにもなりかねません。それだけに,国連を中心に,法に基づく裁きこそテロ根絶に有効であり,軍事報復は,テロと武力報復の悪循環を招き,惨禍をさらに拡大することになるとの認識が,日本と世界の人々に広がりつつあります。  世界の世論は,米国の軍事攻撃より,テロの容疑者を引き渡し,裁判を求めています。世論調査会社ギャラップの31カ国の調査を報じたロイター通信とイタリア紙によれば,ヨーロッパで8割,南米9割の世論が,軍事攻撃ではなく裁判を支持しています。卑劣なテロ行為の再発を防ぐためには,一日も早く犯人を逮捕し,真相を明らかにすることがかぎです。  今回のテロ事件について,いろいろなことが伝えられていますが,アメリカは,攻撃対象としている者と今回のかかわりの証拠を挙げておらず,事件の背景はまだ明らかとなっていません。徹底捜査による真相解明を待たなければならないのが,今の客観的な状況です。  こうした状況と問題の性格から,日本政府がアメリカの報復攻撃,武力行使に協力してはならないことは,自明のことです。  ところが,同時多発テロ事件に対する国民の怒りと不安に乗じた,小泉首相や政府の軍事突出的な対応が,新たな国民の不安と懸念を広げています。小泉首相は,アメリカの報復措置について,当然支持すると表明,与党内からは,米軍支援の検討,集団的自衛権論議を一気に加速させようとする動きが強まっています。また,テロ対策とは無縁な有事法制の整備や,現行法ではできない,自衛隊による在日米軍基地の警備を可能にする自衛隊法の改定など,軍事的な対応が突出していますが,市長は,このような小泉首相と政府の対応についてどのように受けとめておられるか,危険な動きとはお考えにならないのかどうか,伺います。  小泉首相は,テロ対策と称して,アメリカの軍事報復を支援するための自衛隊による後方支援や情報提供,アメリカ空母護衛のための艦船の派遣,在日米軍警備などの方針を発表していますが,これは,周辺事態法を初め,いかなる法律でも許されていない参戦行為です。何よりも,日本国憲法が厳しく禁じている武力の行使,武力による威嚇そのものであると考えますが,日本国民の平和の意思に真っ向から挑戦する,このような方針を撤回するよう政府に求めるべきと考えますがいかがか,市長の見解を伺います。  小泉内閣の閣僚からも,有事法制について,唐突のような印象を持っている,国内の治安は一義的には警察という声が出ており,また,元自民党幹事長の,危機であれば,そこのけ,そこのけで何でもできるような錯覚をして,再びこの国が愚かな道を歩まないよう願っているとの言明にもあるように,アメリカ政府も,日本の政府も,冷静な対応こそ求められていると考えますが,いかがか。  今回のテロ事件に関して,国連を中心に,国連憲章と国際法に基づく,法と理性の裁きによる対応によって犯罪者を追い詰める方向で日本政府も努力するよう求めるべきと考えますがいかがか,市長の見解と対応について伺います。  質問の第2は,小泉内閣の構造改革と国民生活の破壊についてです。  小泉内閣のもとで株価が底なしの様相を見せている今日の経済状況に対して,一喜一憂はしないと述べる首相に,何の責任もないかのような無責任な態度,小泉株安の責任をとれとの批判が強まっています。不良債権の早期最終処理など,構造改革の具体化のおくれが株価下落の原因であるかのような議論は,実際の経済の動きを見れば,その間違いは明らかです。小泉流構造改革の基本方針が6月に決められ,7月の参議院選挙で自民党が勝利し,8月の量的金融緩和拡大策などがとられても株は反応せず,むしろ下げ続けていることには,小泉改革そのものが評価されておらず,このまま進めば日本の経済・景気がもたないといった先行き不安が根強く存在していることを示すものです。  そこで伺いますが,第1は,小泉内閣の経済政策についてです。  株価の危機的な状況,低迷する消費や中小企業の経営悪化の広がりなど,実体経済の急速な落ち込みという状況を見れば,構造改革なくして成長なしと繰り返す小泉流経済運営は,国民の願う景気回復に逆行するものであり,もはや破綻しているものと考えますが,いかがか,小泉流の経済対策のもとで,今後,どのような経済見通しを持っておられるのかも,あわせて伺います。  第2は,大規模なリストラと雇用問題についてです。  完全失業率がついに史上最悪の5%,330万人にもなっています。仕事がなく求職活動をあきらめている人420万人を合わせると,政府が言う潜在失業率は10%を超えています。  今,最悪の失業率の上に,空前の人減らし,リストラの嵐が吹き荒れています。日産自動車,マツダ,いすゞ,三菱自工などでは,大量の人減らしが既に実施された上に,東芝1万8,800人,ソニー1万7,000人,富士通1万6,400人など,人減らし計画は大手30社だけでも16万人という未曾有の規模となっています。NTTは,50歳以上の労働者11万人を子会社,孫会社に転籍させ,賃金の大幅カットを強行しようとしています。大企業によるリストラは,下請など膨大な中小企業を倒産に追いやり,ここでも大量の失業者を生み出すことになります。  職を失うということは,単なる痛みなどというものではありません。その家族も含め,生きる糧を奪われるということです。その結果,みずから命を絶つ人も,この間,毎年3万人を超え,ホームレスが急増しています。  ところが,最悪の失業率が明らかになったとき,小泉首相は,やむを得ないと冷たく言い放ちました。さらに,小泉内閣は,産業再生法,会社分割法によってリストラを応援してきたことに加え,中小企業の大量倒産と失業を激増させる,不良債権の早期最終処理に突き進もうとしています。  日本ほど,横暴,勝手な首切り,リストラがまかり通っている国はありません。日本で過剰なのは,雇用ではなく,国際水準をはるかに超えて長い労働時間です。失業が深刻な問題となっているときに,これ以上の失業者を出さない対策こそ求められていると考えます。  市長は,今,大手企業で進められようとしている大規模なリストラについて,どのようにお考えでしょうか。国民生活,社会経済のまともな発展を大きく阻害することになると考えますがいかがか,その影響についてどう受けとめているか,伺います。  また,この問題は,政府の責任も厳しく問われる問題です。政府に対し,これまでのリストラ奨励の政策を直ちにやめること,政府が経済と雇用に対する責任を果たす立場に立って,解雇規制法の立法など,企業のリストラ競争に思い切った規制の手を加えることなどを市長は求めるべきと考えますが,その考えがおありか,伺います。  あわせて,本市の中小企業と市民に直接かかわってくる中小企業の大量倒産と大量の失業者を生み出す不良債権最終処理が強行された場合,本市においてどのような影響が出てくるとお考えか,伺います。また,政府に中止を要求すべきと考えますがいかがか,伺います。  第3は,国民の命と健康にかかわる医療改悪問題についてです。  ことし1月から,お年寄りの医療費が定額制から1割定率制になって負担がふえ,それだけでも大変な受診抑制が起こっています。今,70歳から適用となっている老人保健制度を段階的に75歳に引き上げる,つまり70歳から74歳までの方を老人保健制度の対象から外そうとしています。そのことによって,70歳から74歳までの方の医療費負担が2倍に引き上げられます。10月1日からの介護保険料の全額徴収による負担の2倍化とあわせて,お金の心配で病院に行けないという事態が一層深刻になろうとしていますが,市長は,このことについてどのようにお考えでしょうか。  小泉内閣によるこのような医療費の負担引き上げに,市民が耐えられるとお考えでしょうか,お金が心配で病院にかかれない方がふえ,生命と健康を危うくすると考えますがいかがか,市長の見解を伺います。  質問の第3は,地方交付税の削減問題についてです。  地方交付税も聖域ではないとの小泉首相の発言以来,塩川財務大臣の1兆円削減の提案など,地方交付税の削減問題が来年度予算編成にかかわって大きな問題となっています。国の概算要求では,中期展望見込みの所定の額が見込まれていますが,年末の予算編成までの,国の一般歳出削減計画の残り分1兆6,000億円の柱に地方交付税を位置づけており,小泉首相は,私みずから陣頭指揮をとると並々ならぬ姿勢を示しています。  総務省の自治財政局長は,全国総務部長会議で,地方交付税について,実際に地方自治体に配分する出口ベースの交付税額が減ると言明し,その分を赤字地方債で対処するとしています。  市民生活に直結する地方交付税の削減について,市長はどのようにお考えか。地方分権を言いながら,地方財政にとって重要な地方交付税を削減しようとする政府のやり方を不当とはお考えにならないのかどうか,今後の対処も含めて,見解を伺います。  質問の第4は,2000年度決算と財政問題についてです。
     新5年計画の初年度の予算として編成された2000年度予算の執行の結果は,行財政改革推進計画に基づき,市民サービスにかかわる事業の削減を進め,シルバー人材センターや老人クラブなどへの団体等補助金約1億円の削減を初め,特に弱い立場にある生活保護世帯のお盆,年末の見舞金など法外援護の廃止など,市民福祉の事業の抑制と切り捨てを進めるとともに,ポリオ予防接種,市立幼稚園保育料,住民票や印鑑証明など40項目の使用料・手数料の値上げで市民負担をふやしたことが特徴です。  こうした一方で,財政的には,総額150億円もの不用なコンベンションセンターの建設や,関連工事も含めると200億円を超えると言われ先送りされてきた札幌駅前通の地下通路建設推進に見られるように,厳しい財政状況のもとで,なおゼネコン奉仕の大型開発事業で借金をふやしていることは問題です。  そこで伺いますが,第1に,逆立ちした財政運営についてです。  市民福祉を抑え,市民に負担増を求めながら,その一方で大型開発事業を進める市長の財政運営について,逆立ちしているとの市民の批判がありますが,こうした市民の声に,市長はどのようにこたえるのか,伺います。  借金財政の大きな原因になっている大型開発事業にメスを入れ,市民福祉を充実し,財政危機打開の展望を開く財政運営に転換すべきと思うのですがいかがか,市長の見解を伺います。  第2は,借金財政の問題についてです。  2000年度,一般会計で783億円の市債を発行した結果,2000度末市債残高は1兆40億円余となり,決算で初めて1兆円を突破する事態となりました。市長は,このような借金財政の現状についてどのように考えておられるのか,また,借金財政克服についてどのような見通しを持っておられるのか,伺います。  1998年度から2002年度までの5年間の市債発行抑制計画と2000年度決算までの3カ年の実績を見ますと,計画では,3年で2,762億円のところ,実績では2,89億円と,既に発行額が127億円上回っています。その先の2001年度予算現額では,単年度で計画より134億円上回る984億円の発行額となっており,2001年度末,4カ年の累計で計画を261億円上回ることになりますが,最終年度の2002年度でこの計画は目標どおり達成できるのかどうか,見通しについて伺います。  質問の第5は,来年度予算編成の基本についてです。  今,小泉内閣の構造改革によって,中小企業の倒産と失業の増大,医療・福祉の切り捨てなど,国民に大変な激痛が押しつけられている情勢を直視し,来年度は,雇用,中小企業応援,医療・福祉の充実など,市民生活応援を基本とした予算編成とすべきと考えますがいかがか,伺います。  特に雇用対策についてですが,完全失業率が全国で最悪の5%を記録したこの時期,北海道はさらに1ポイント上回る5.9%であり,札幌市は,全道平均よりも常に高い数値となることから,7%に近い6%台の失業率となっていると推測され,完全失業者が7万人を超えるという極めて深刻な状況にあります。  市長は,本市の失業者の実態をどのように把握されておられるのか,また,どのように雇用対策を進めるのか,伺います。  今年度事業費が6億6,000万円を超えた緊急地域雇用特別交付金事業が,来年3月で打ち切られようとしていますが,その継続と充実を国に求めるべきと考えますがいかがか,市長の対処方針と事業の見通しについて伺います。  あわせて,建設季節労働者の雇用拡大に効果が上がる,市の事業の企業組合への発注拡大について,どのように取り組むのか,伺います。  次に,中小企業と商店街への支援強化について質問します。  札幌市の小売商業が現在どういう状況に置かれているかは,本市の商業統計にあらわれています。すなわち,1991年と1999年の8年間を比較すると,商店数が2,268から2,064へと9%減っている中で,商店街を構成する個別店舗が大宗を占める100平方メートル未満の小売店が9,592から7,706へと19.7%も減少する一方で,大規模小売店舗立地法の対象となる1,000平方メートル以上の店舗は186から245へと31.7%も増加しているのです。売り場面積でも,100平方メートル未満が15.2%減少している一方で,1,000平方メートル以上の大型店は35.6%増加して,構成比で47.5%にもなっています。  年間販売額でも,100平方メートル未満が22.8%減らす一方で,1,000平方メートル以上の大型店は16.4%伸ばし,そのシェアは31.7%を占めています。ちなみに,500平方メートルから1,000平方メートルまでの中型店,ミニスーパーやコンビニなどが,この間,24.3%も販売額を増大させています。  また,民間の市場の衰退は目を覆うほどです。すなわち,1990年に全市で59あった市場が,2000年には29へと,10年間で半減しているのです。  この5年間,つまり1994年と1999年の商業統計の比較で,小売業の中でも店舗数の減少が著しいのは飲食料品小売業,すなわち,減少率の大きい順に,食肉42.4%,乾物33.3%,各種食料品31.4%,酒28.7%,米穀25.2%,野菜・果実25.1%,鮮魚23.9%という状況です。  飲食料品以外では,農耕用品のマイナス47.8%,写真機・写真材料のマイナス35.3%,呉服・服地・寝具のマイナス23.9%,家庭用機械器具のマイナス16.5%,自転車のマイナス14.9%,書籍・文房具のマイナス12.5%,靴・履物のマイナス12.4%,男子服のマイナス12.1%などが目立っております。これは,大型店の進出と消費不況の進行で,地域商店街の核となっていた小売店が次々につぶれている現状を示すものです。  そこで,お尋ねします。  質問の第1は,現状をどう見るかです。  市長は,長年,地域経済を支えてきた小売業者が大規模かつ急速に廃業に追い込まれている本市の現状について,どのような認識をお持ちでしょうか。よもや,非効率,低収益の中小企業はつぶれてもやむを得ないとする小泉内閣の,いわゆる骨太方針に示された見解と同じ立場とは思いませんが,市民の前にご所見を明らかにしていただきたいのであります。  質問の第2は,商店街の活性化対策についてです。  この間,私どもは,危機に瀕している商店街の緊急活性化対策を求めて条例提案を行ってきましたが,メニューはいろいろあっても実際に利用されていない現行制度を見直し,改めて,有効な商店街支援策を思い切って打ち出すべきと考えますが,いかがか。  他政令市で行っている,商店街の共同駐車場確保に対する補助制度の導入や,空き店舗利用の高齢者サービスの本格実施など,地域商店街に人が集まる施策を推進すべきと考えますがいかがか,お尋ねします。  質問の第3は,地域商業機能の適正配置についてです。  スーパーの進出が相次いで,地元商店街が壊滅した後,今度は,採算を理由にスーパーが次々に撤退し,生鮮食料品を扱う店舗が姿を消した地域などでは,高齢者など消費者への生活物資供給が社会問題となっています。このような地域で,市が商業機能の確保にもかかわる街づくりを進めるべきと考えますが,いかがか。  大型店の勝手気ままな進出と撤退を許さず,適正な商業機能の配置を進めるために,大規模小売店舗立地法にもかかわる街づくり条例を検討すべきと考えますがいかがか,伺います。  質問の第4は,本市の中小企業向け融資制度についてです。  まず,大阪,京都などでは,数千件もの利用になっている中,本市では一向に実績が上がらない無担保・無保証人融資についてです。  市が北海道信用保証協会に損失補償を行うなどして,無担保・無保証人の融資制度の利用促進を図ったり,無担保・無保証人融資としても活用できるとして無担保融資制度を創設したにもかかわらず,前年度1件,今年度ゼロという現状となっていることをどう釈明するのか,伺います。  今,倒産,廃業が相次ぐ中,融資を必要としながらも,保証人を確保できずに申し込みができないでいる多くの中小業者の切実な願いにこたえるために,無担保・無保証人融資を拡大する立場で,今後の取り組みと展望をあわせて示していただきたいのであります。  次に,開業資金についてです。  創業・独立開業支援資金が,前年度20件,今年度5件の新規貸し付けにとどまっていますが,これは,銀行の貸し渋りが原因ではないかと指摘する声があります。実績を持たない新規開業の,いわゆるのれん分け資金について,融資窓口となる金融機関と連絡をとり,必要な市民に有効に活用してもらうために,市のかかわりを強めるべきと考えますが,いかがか。  また,リストラなどで職を失った市民を含め,新たに事業を起こして生計を確保するための開業支援資金を,他都市などにも倣って,本市としても創設を検討すべきではないかと考えますがいかがか,お尋ねします。  次に,高齢者の住宅問題について質問します。  第1に,今から10年前に本市が作成した計画の実施状況にかかわる現状と問題点についてです。  1991年作成の札幌市地域高齢者住宅計画は,「ひとり暮らしの老人ではその半数近くが民間借家に居住しており,また地域的には中央区に老朽化した狭い民間借家が多く,地上げや建替により立退きを求められたり,家賃の負担が重く将来的な不安を抱えている」「高齢者の定住意識は非常に高く,9割以上が現在の住宅に住み続けたいとしている」「高齢化に伴い住宅の老朽化や設備の性能向上に対する改善計画を持つ人の割合が減少する傾向にあり,持家においても高齢者の住宅問題が存在している」との現状認識を述べた上で,施策の方向として,緊急的かつ重点的施策の第一に,高齢者の安定した居住の確保及び劣悪な居住状況の解消を挙げ,高齢者向け公営住宅の供給,公営住宅の優先入居と家賃軽減措置,民間借家の借り上げによる家賃負担の軽減,公的援助による民間借家の建設促進,民間借家建てかえ後の継続居住の援助などを挙げています。  この計画は,この10年間,どのように実施されてきているでしょうか。  高齢者向け公営住宅は,前年度新設90戸に対して9.6倍もの申し込みです。中でも,交通至便な東麻生や宮の沢は30倍を超える競争率です。また,空き家住宅の単身用も92戸の募集に3,620人が応募し,39.3倍です。公営住宅への優先入居の施策など,ないと言ってもいい状況です。  また,家賃軽減についても,議会で自民党が減免制度の改悪を要求している中で,前進どころか,後退が心配される状況です。借り上げ市営住宅も,当初,年間200戸の計画が,今は150戸に減らされています。地域密着型のコミュニティ公営住宅もかけ声倒れで,住みかえに伴う家賃助成制度も未実施のままです。  市長は,このことについて市民にどう釈明するのか,せっかくの高齢者住宅計画が,なぜほご同然の取り扱いとなっているのか,市民の前に明らかにしてください。  質問の第2は,中央区曙地区の整備計画についてです。  このときの高齢者住宅計画では,ケーススタディーとして,中央区の中でも木造民間借家の多い曙地区を,民間誘導型の高齢者住宅並びに住環境整備のモデルとして取り上げています。いわく,この地区は「老朽化した民間借家が多く,生活環境の改善と合わせた建替が必要である。そのためには,ある程度まとまった共同建替を誘導し,高齢者を含めた人々の定住を促進する必要がある。」として,地域特別賃貸住宅のA型及びB型を市主導で公費を導入して推進する,また,高齢者向けの地域密着型コミュニティ公営住宅の供給を行うほか,デイサービスなどを行う高齢者福祉施設,また,集会所や木工や陶芸工作などの高齢者施設を併設するとしています。さらに,高齢者と近隣の曙小学校の児童との交流を推進し,高齢者の生きがい対策として位置づけることまで明記されているものです。  この計画はどうなったのか。この間の経過と今後の方針を示していただきたいのであります。  質問の第3は,今後の高齢者住宅への対応についてです。  今,高齢者にとってますます切実な課題となっている安寧の住まいを提供するために,高齢者住宅,とりわけ,借り上げも含めた市営住宅を,需要にこたえて緊急に整備することが求められており,これこそが,10年前,市が市民の前に示した計画の実践であり,約束の履行と思いますがいかがか,お尋ねします。  とりわけ,単身高齢者を初め,高齢者世帯が群を抜いて多い中央区については,地価が高いことを理由に市営住宅の建設がおくれた経過を踏まえ,地価が下がってきている今,用地を確保して市営住宅の建設を進めるとともに,新たに借り上げ福祉住宅を導入することを含めた,公的住宅対応が強く求められていると考えますがいかがか,今後の対処方針を示していただきたいのであります。  質問の第4は,持ち家で生活する高齢者への支援についてです。  高齢者住宅計画が「持家においても高齢者の住宅問題が存在している」と述べているほか,「高齢者の一部には土地,家屋などの資産を持ちながらも,有料のサービスを受けるための資金や生活費が不足している場合があるが,これを解決するために,資産活用によりサービスを受けられる制度の導入について検討する」としていますが,高齢者の資産活用方策,いわゆるリバース・モーゲージの見通しはどうなっているのか,伺います。  また,高齢者の居住の安定確保に関する法律が制定され,この10月以降,全面施行となる中で,この法律に新たに盛り込まれたバリアフリー設備に対する補助や低所得高齢者世帯への家賃減額補助,高齢者向け優良賃貸住宅制度などにどう対応するのか,明らかにしていただきたいのであります。  次に,雪対策について,とりわけ,札幌市雪対策基本計画に基づく10年計画として,この8月に取りまとめられたアクションプログラムの問題点について質問します。  本市は,昨年8月に,従来の計画を見直して札幌市雪対策基本計画を策定,この計画の具体化として,本年8月にはアクションプログラムを策定しました。その内容には,新たな市民負担や施策の後退など,重大な問題点が含まれています。  そこで,3点伺います。  質問の第1は,生活道路の除雪についてです。  今,市道でありながら8メートル未満の道路は除雪路線から除外されている中,除雪車の改良ですべての市道を除雪路線に組み入れてほしいとの市民要望が強く,アクションプログラムでは,計画除雪への転換を標榜し,生活道路の約30%については週1回の除雪で済まそうとしています。  これまでの除雪の基準は,降雪量10センチメートルで除雪車が出動するとしていましたが,それを週1回の除雪にするということは,降雪時の道路機能が確保されないということであり,市民生活に重大な影響を与える生活道路除雪の後退であることは明らかです。気象には変動がありますから,当然,降雪量に応じた除雪を行うことが必要であります。  今でも,幹線道路と比較して生活道路の除雪は後回しになっていますが,それを地域ごとに週1回の除雪で済ませるということは,さらに差別を拡大するものと考えますが,市長はこのことをどう考えておられるのか。  本市が行っているアンケート調査でも一番の要望となっている,除排雪の強化を求める市民世論に逆行するこのような対応をなぜ進めようとするのか,お答え願います。  質問の第2は,坂道ロードヒーティングの廃止計画の問題についてです。  アクションプログラムでは,更新に伴う経費と管理コストの面から,市が必要として設置してきたロードヒーティングのおよそ3分の1に当たる84区間,勾配6%以下を,早ければ早いほどよいと,これを廃止して一気に凍結防止剤の散布に切りかえようとしています。  本市は,これまで,ロードヒーティングの設置基準について,開発局の発進性能試験における,スタッドレスタイヤでは勾配4%から発進率が悪くなるという結果を踏まえ,勾配4.0%以上を基準として整備を行ってきました。また,現実には,市が危険と判断したところには,4.0%以下であっても整備をしてきました。  84区間の中には,子供たちの通学路も,3車線の幹線道路もあります。安全のために有効に働いてきたロードヒーティングを廃止して,本当に危険が生じないと断言できるのでしょうか。  今でも,多くの市民から,毎年のようにロードヒーティングの設置を求める請願・陳情が議会に提出されています。  まず,更新費用と管理コストの削減が先にありきでは,市民の安全を守ることはできません。安全上,必要なものとして設置されてきたロードヒーティングの廃止計画は撤回し,市民の願いにこたえ,必要な区間に増設すべきですがいかがか,伺います。  質問の第3は,狭い道路の雪対策として新たに提案された狭小道路用共同利用型融雪槽についてです。  アクションプログラムでは,通常,除雪車が入らない幅8メートル未満の狭小道路に,町内会等が地域で共同利用する融雪槽を設置する場合,設置費用は札幌市が負担し,利用者は維持管理費を負担するという新たな制度を創設するとしています。市は,地域住民に,融雪槽を設置して貸与し,市民は,これを稼働させ,維持管理するための一切の費用を負担するというものです。  一方で,本市が整備を進めてきている流雪溝は,現在6区間で稼働していますが,雪は熱処理されるものではないので,地域住民の費用負担はありません。雪対策で,類似施設の流雪溝は無料であるのに,共同利用型融雪槽では住民に費用負担をさせる,こういうやり方についての整合性,これをどのように説明されるのか,伺います。  本来,行政の公平性からいっても,狭小と言われる生活道路の除雪についても,市道である限り,道路管理者である市長の責任で行われるべきものです。それを除雪の対象から外しておいて,共同利用型融雪槽制度を導入することによって新たな市民負担を導入するやり方は,問題です。本来,市がやらなければならない道路除雪であることや,流雪溝との公平性からいっても,新たな市民負担は求めるべきではないと考えますがいかがか,伺います。  また,アクションプログラムでは,流雪溝を費用がかかる施設として再検討するとして,継続中の2区間の事業は進めるものの,その後の計画は全く盛り込まれていません。市民に喜ばれているこのような施設整備こそ推進すべきですが,今までの方針を変えて,もうやらないということなのかどうか,伺います。  次に,少人数学級の実現と中央区の4小学校統廃合問題について質問いたします。  公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律,いわゆる標準法がこの4月から改正施行され,学級編制の絶対的基準とされてきた40人学級について,都道府県の教育委員会の判断で引き下げることができるようになり,市町村も都道府県の同意があれば弾力的に対応できるようになりました。  しかし,これは,少人数学級への移行に伴う教職員増の費用は地方持ちとしたもので,30人学級を求める世論と運動に押され,文部科学省が,少人数学級に向けて扉は開いたものの,地方に責任と負担を転嫁した不当なものであります。  本来,国の責任で,財源手当ても講じた上で30人学級に一斉に移行すべきが筋でありますが,それにしても,授業についていけない子供のウエートが次第に高くなっていることや,学級崩壊,いじめ,不登校など,今日,学校教育が抱える諸問題の多くが,過大規模校,過密学級を背景にしているだけに,法改正を受けて一刻も早く30人学級を実現してほしいとの父母の願いは大変強いものがあります。  全国的には,山形県が県内すべての小・中学校で30人学級を実現する方向を明らかにしたのを初め,秋田県が小学校1・2年生を対象に30人程度の学級編制ができるよう教諭等を配置するなど,5県で,児童・生徒数が一定数以上の場合に学級編制を弾力化する措置をとっているほか,特別な事情がある場合に学級編制を弾力化することを明らかにしている県も続出しています。  埼玉県志木市が,小学校1・2年生を対象に25人学級を実施する方針を固め,県の財政支援がなくても,臨時教員を配置するなどして,来年度からの実現を目指す動きを見せていることも全国に衝撃を与えています。  政令市でも,既に県とタイアップして千葉市と神戸市が弾力対応に踏み出しているほか,名古屋市は単独で,今年度から小学校1年生の30人学級を一部の小学校で施行しています。  こういう中で,9月4日の道議会文教委員会では,我が党の大橋議員の質問に対して,道教委の企画総務部長が,小学校の1・2年生などでの30人学級について,今後の検討課題としたい旨の答弁を行っています。  WHO,世界保健機構が,学校は小さくなくてはならないと言明し,生徒100人を上回らない規模が適正としている中で,今,欧米の主要国初等教育の1学校の生徒数は100人台が主流で,学級の規模も20人から30人となっており,アメリカでは18人学級に向かっています。  世界でも,日本でも,小規模校,少人数学級で教育効果が上がっていることが検証されている中で,この札幌では,市教委が,小規模校では子供の自立心が損なわれるなどと言って,父母や住民の反対を押し切って,一度に三つもの小学校を廃校にする4小学校統廃合を強行しようとしているのは,まさに異常な事態であることを改めて痛感させられます。  以上の点を踏まえ,以下2点の質問を行います。  質問の第1は,30人学級についてです。  道教委が,小学校1・2年生での30人学級実施について検討課題とすると道議会答弁を行っている中で,本市はどうするのか。仮に,小学校1・2年生を対象にした30人学級を本市の負担で実施する場合,その費用はどのくらいと見込まれるのか,あわせて伺います。  また,道教委が負担覚悟で30人学級を進める場合,本市がこれを受けて実施するのは当然ですが,市教委みずから30人学級へ踏み込む姿勢を明確にしながら,国や道に財源要望を行っていくべきだと思いますがいかがか,伺います。  質問の第2は,中央区での4小学校統廃合問題の凍結についてです。  世界でも,日本でも,小規模学校,少人数学級へと大きく流れている中で,また,そのことを本市の父母・市民が強く求めている中で,本市都心周辺部の4小学校統廃合計画は一たん凍結して,少人数学級への動きも見きわめてから再検討すべきと考えますがいかがか,明らかにしていただきたいのであります。  次に,市電の復活・再配置問題について質問します。  1987年第3回定例市議会で,私が,アメリカ西海岸のロサンゼルスなどで市電の全面復活が進んでいることも紹介しながら,中央区の東北・苗穂地域や桑園地域などでの市電復活を検討すべきだとただしたのに対し,当時の板垣市長は,「将来展望として,社会情勢,交通環境等を見きわめた上で,また一部について,その位置づけを検討することもあり得る」と答弁されました。  また,1996年の第3回定例市議会で,私が,地下鉄を補完する中量輸送機関として,専用軌道の市電を見直し,再配置を検討すべきではないか,特に,昼間人口が集まる中央区内の交通過疎地帯,しかも病院など公共施設も多い苗穂・東北方面,桑園方面や,本市の郊外などでの市電の復活と配置を具体的に検討すべきではないかとただしたのに対し,桂市長は,「総合交通体系における位置づけも含めまして,都心部等における再配置について十分検討してまいりたい」と答弁されました。  また,1999年の第2回定例会議案審査特別委員会で,私が,路面電車活用方策調査検討委員会で,ループ化と延伸の具体案として浮上してきているのは,西15丁目と市立病院を結ぶ1.7キロメートルの桑園線と,薄野とJR札幌駅を結ぶ駅前通と,これから北3条で枝分かれしてJR苗穂駅とを結ぶ3.5キロメートルの札幌駅線,苗穂線であることを指摘し,速やかな推進を求めたのに対し,理事者から,市電は,魅力的な都市空間に大きく寄与し,都心活性化にもつながるとの考えのもとに,新しい長期総合計画でも位置づけられることになると思う,具体的な展開については,昨年度の路面電車活用方策調査検討委員会での検討に続いて,新年度,ループ化と延伸について,具体案を持って,道警,運輸局などと協議を進めたいとの答弁があったところでございます。  その後,2年が経過しましたが,ループ化にしても,延伸にしても,計画を具体化しての関係当局との折衝どころか,将来の本市の交通体系に市電が新たな形で明確に位置づけられるというところにまで至っていないというのが率直な現状です。  ことし4月27日,市長の諮問を受けて,地下鉄などの軌道系公共交通機関のあり方と公共交通の利用促進について,2年余にわたって論議してきた本市の総合交通対策調査審議会は,21世紀の総合交通政策の基本方向を答申しましたが,この中で,路面電車については,「都心や都心周辺部の活性化,高齢社会や環境低負荷型社会に対応した,人にやさしく利用しやすい交通手段としての役割を期待されている。今後は,都心居住の促進や魅力ある都心の創造に寄与する都市の装置として,その機能の向上や拡充を進める。」と基本的な考えを示した上で,「優先信号システムによる速達性の確保や,路線のループ化(環状型)により利便性の向上を図る必要がある。」,都心や都心周辺の「まちづくりの支援を行うための延伸計画についても検討していく」と位置づけております。  しかし,一方で,本市が20年先の都心交通を想定するものとして5月に打ち出した都心交通ビジョンには,駅前通や大通をモール化して歩行者に開放する計画はあっても,そこに市電は全く描かれていないのです。  そこで,以下2点の質問を行います。  質問の第1は,都心部での市電の位置づけについてです。  20年後の都心交通ビジョンに,なぜ市電が出てこないのか。まだ決まっていないと言うなら,大通公園の連続化など,まさに,まだ何も議論されていないにもかかわらず絵になっているわけですから,これは問題です。駅前通中央のグリーンベルトを挟んで両側に市電が走る,これは,3年前に発表された,検討委員会が既に描いた計画案でもあります。  都心部のアクセスとして循環バスが試行されていますが,これにとってかわる無公害の安定的な交通手段は間違いなく市電,私はそう考えますが,市長のご所見はいかがか,お尋ねします。  質問の第2は,今後の取り組みについてです。  1998年に,路面電車活用方策調査検討委員会が,具体的に現在の1系統のループ化と延伸にかかわる案を示していますが,それから3年たっても市の方針が決まらないのはなぜか。市長は,市電を再評価し,再配置を急ぐべきとは考えないのか,お尋ねします。
     示された駅前通でのループ化やJR札幌駅までの延伸に合わせての北3条から苗穂駅までの案や,南1条西14丁目の教育委員会前からJR桑園駅,市立病院への延伸案について,関係住民の意見も踏まえ,実現に向かって踏み出すべきと考えますがいかがか,対処方針について明らかにしていただきたいのであります。  次に,自然保護地区周辺の環境保全と街づくりについて質問します。  円山公園に隣接する南1条西28丁目に15階建てのマンションの建設が計画されたことから,円山公園の周辺環境を守る市民運動が大きく燃え上がり,昨年7月には,「円山のみどりと景観を守る市民の会」が結成され,円山公園に隣接する高層マンション建設計画の変更と円山と円山公園の周辺一帯の自然と景観を守るため札幌市の施策を求める陳情が,約7,000名もの署名をつけて議会に提出されました。陳情は,10月10日の総務委員会で採択となりましたが,マンションは当初計画どおりに建設が進んでおります。  円山公園周辺では,マンション計画をめぐり住民との紛争が多発しましたが,円山公園の東に隣接して計画されたこのマンションを含め,建て主のマンション業者が,札幌市の中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例に規定されている,市の仲介や調整委員会の調停,勧告をも拒否する形で建築が強行されていることから,本市の条例と対応に市民の不信が広がっているのは当然であります。まさに今,中高層建築物への本市の有効な新たな対応が求められていると思うのであります。  ところで,採択された陳情には,マンション計画の変更要求とあわせて,円山と円山公園の周辺一帯の自然と景観を保全し,さらに,よりよく形成するために,地区計画や風致地区への指定等,有効な施策を早急に実施していただきたい,また,事態が一層悪化しないよう,現行の札幌市都市景観条例の各種施策が有効に生かされるよう,他の法制度の活用も含め,市民と広く協議の上,また先進都市の例も踏まえ,強制力のあるものにしていただきたいとの要旨が盛り込まれているのであります。  このことに関連して,「円山のみどりと景観を守る市民の会」の運動にもかかわった北海道自然保護協会の俵 浩三会長は,私も招かれて参加した会の結成総会で,次のように述べられました。「札幌の街にとって円山とは何か。島判官がつくった札幌の都市計画は,円山から見おろし,大通や創成川の基軸を決めて始まった。大通と中島公園,円山公園の3キロ圏でつながる緑地は明治からの遺産。それ以降,都心周辺部にこういう規模の公園はつくられていない。中島公園は豊平川まで続いていたが削られ,養樹園として始まった円山公園は,北海道になかった杉の林などもあり,貴重。マンション計画地と隣接する公園側の境界に植えられている木は,サワラではないか。ヒノキと似たこの木が並木になっているとすれば,これも明治の遺産。世界遺産の保護の仕方を見ても,核を守るだけではなく,周辺にバッファーゾーン,緩衝地帯を設けて守っている。国の天然記念物に指定されている円山原始林と円山公園を守るためにも,周辺を緩衝地帯の意味で,7階までの建物しか認めないなどの対応が必要。中島公園内にKitaraを建設したとき,中島の池から藻岩山が見える景観に配慮したように,円山公園周辺の景観に配慮するのは当然ではないか。」この俵氏の発言は,傾聴に値するものではないでしょうか。  今,市が,マンション建設の露払いのごとく,しんをとめ,枝を払ったサワラの並木の中で,数本が枯れかかっている現状を見るにつけても,市の対応に問題があったと感ぜざるを得ないのでありますが,この教訓も生かし,市の新たな施策を求める立場で,以下2点の質問を行います。  質問の第1は,新たな環境保全対策についてです。  円山,藻岩など,天然記念物として保護されている原始林を抱える貴重な自然保護地区の周辺に,高層マンションなどが林立し,緑と景観が脅かされて大きな問題となっている中で,これら,現在,都市公園や風致地区となっている地域と接する市街地の一定地域を,自然を守る緩衝地帯と位置づけ,新たな環境保全策を講じるべきと考えますがいかがか,伺います。  質問の第2は,円山地区での対応についてです。  円山地区では,「円山のみどりと景観を守る市民の会」が問題提起し,陳情が採択となった後,市として,この陳情に盛り込まれた風致地区指定拡大などの要望にこたえるべく,どのように対応してきているのか。都市景観条例の景観形成地区指定や,将来の用途地域の見直しなども含め,高層建築物の乱立に歯どめをかける対策が必要と考えますがいかがか,お尋ねします。  以上で,私の質問はすべて終わりました。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(佐藤美智夫君) 答弁を求めます。  桂市長。 ◎市長(桂信雄君) まず最初は,私の政治姿勢と財政問題についてであります。  第1点目の同時多発テロに関するご質問でありますが,この件に関しましては,去る20日の本市議会の決議にありますように,私も同様に強い憤りを覚えるとともに,その決議文の中にありますように,このような非人道的な行為が二度と起こらないように,日本政府を初め,世界の国々が,テロ根絶と恒久平和の実現に向けて積極的な取り組みを進めるよう強く求めるものであります。  我が国としての今後の対応の具体的な内容につきましては,本日,召集されました臨時国会等の場において慎重に審議された上で,政府として,国民が納得できる対応が図られるものと思っておりますし,また,そのように期待をしているところであります。  第2点目は,小泉内閣の構造改革と国民生活への影響についてであります。  まず,小泉内閣の経済政策についてでございますが,国は,臨時国会において,景気・雇用対策を中心とした補正予算を今年度内に編成するとの方針を明らかにしておりますことから,本市といたしましては,今後とも,国の経済政策等の把握に努めるとともに,景気の動向についても十分注視してまいりたいと考えております。  また,大規模なリストラと雇用問題についてでありますが,我が国の経済再生には,不良債権の抜本的な処理は大きな課題であると認識をいたしております。しかしながら,大規模なリストラや中小企業に対する不良債権処理が実施された場合には,本市経済や市民生活にも大きな影響を与えることが懸念されますので,その影響を最小限にとどめるために,北海道や北海道市長会等と十分な連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。  さらに,医療制度の改革についてでございますが,医療保険制度の安定化を図り,利用者に良質な医療サービスを提供していくために,改革は必要であると考えております。今後,国の改革案の内容とその審議状況を注意深く見守ってまいりたいと考えております。  第3点目の地方交付税の削減問題についてであります。  地方交付税につきましては,現在,国において,地方公共団体の自主的・主体的な財政運営を促すことを目的として,事業費補正や留保財源率などの見直しが行われているものと承知をしているところであります。  本市といたしましては,今後の財政運営に,このことによって支障が生じることのないように,見直しに当たっての地方の立場からの意見について,関係団体とともに国に対して強く主張してまいりたいと考えております。  第4点目の平成12年度決算と財政問題についてであります。  本市におきましては,これまでも,市民福祉の増進を図ることを目的として,将来にわたって安定した市民サービスが提供できるように,事務事業の見直しや適正な受益者負担にも配慮しながら,円滑な財政運営に努めてきたところであります。  また,コンベンションセンターなどの施設整備につきましても,これは,豊かな市民生活の実現のために必要な事業として,今後とも着実に推進してまいりたいと考えております。  次に,市債についてでありますが,市債残高の増加につきましては,厳しい財政状況の中にあっても,本市にとって必要な事業を推進するために地方債を活用したことによるものであります。本市財政を,起債制限比率などの財政指標について,他の政令指定都市と比較をしてみますと,現在のところは上位に位置しているところでありますが,今後とも,財政運営の健全性確保について,より一層配慮してまいりたいと考えております。  また,市債発行抑制計画につきましては,総額において,数値目標の達成は困難な状況となっております。しかし,計画策定時に想定しなかった地方交付税の振りかえとして創設をされました臨時財政対策債や,恒久的減税にかかわる減税補てん債などを考え合わせてみますと,市債発行抑制の趣旨は達成できているというふうに思っております。  第5点目の平成14年度予算編成の基本についてであります。  平成14年度におきましても,限られた財源の中で施策の重点化を図りながら,厳しい環境にある経済状況や,急速に進展する少子高齢化などの社会環境の変化に対応した予算編成に努めてまいりたいと考えております。  次は,失業者の実態把握と雇用対策についてであります。  雇用・失業情勢は,依然として厳しい状況にあると認識をいたしております。国は,ただいま申し上げましたとおり,臨時国会において,雇用対策を重点にした補正予算を今年度内に編成する方針でありまして,雇用関連施策につきましては,その概要等について見きわめていきたいと考えております。  次に,緊急地域雇用特別交付金事業の継続と充実に関する国への要望についてであります。  この事業は,緊急雇用対策として一定の成果があると評価をいたしております。本市といたしましても,より一層の雇用支援制度の拡充強化について,北海道市長会を通じて国へ要望していきたいと考えております。  また,企業組合への事業発注拡大についてでありますが,本市といたしましても,これまでも業務発注に努力をしてまいりましたが,今後とも,あらゆる機会を通じて,引き続き企業組合への事業の発注に努めてまいりたいと考えております。  次は,中小企業と商店街への支援強化についてであります。  まず,1点目の小売業者に関する現状認識についてでありますが,市内の小売業者は,消費者ニーズの多様化,市民のライフスタイルの変化,流通構造の変革,さらには,近年の消費の低迷や大型店の出店による影響などから,大変に厳しい状況にあると認識をいたしております。  2点目の商店街の活性化対策についてでございますが,本市では,これまでも,商店街の環境整備事業に対する助成,活性化に向けた調査研究や実験事業を支援するトータルサポート事業など,活気ある商店街づくりに向けて,さまざまな取り組みを行ってきたところであります。  今後も,商店街の活性化に向けて,商店街の置かれている状況やニーズを十分に踏まえ,対応してまいりたいと考えております。  3点目の地域商業機能の適正配置についてでありますが,本市といたしましては,今後も,引き続き,大規模小売店舗立地法などの国の法制度を適正に運用することにより,対処してまいりたいと考えております。  4点目の中小企業向け融資制度についてでありますが,まず,無担保・無保証人保証による融資につきましては,事実上,この融資に該当する法人の代表者のみの保証を含めてみますと,平成12年度は184件,19億円余の実績があり,件数,金額とも前年度より倍増をしております。  なお,個人利用の拡大につきましては,引き続き信用保証協会に要請してまいりたいと考えております。  また,創業・独立開業支援資金につきましては,金融機関との連携強化はもとより,支援対象の拡大などにつきましても検討してまいりたいと考えております。  私からは,以上であります。 ○議長(佐藤美智夫君) 千葉助役。 ◎助役(千葉瑞穂君) 私からは,高齢者の住宅問題についてお答えいたします。  1点目の札幌市地域高齢者住宅計画についてでありますが,この計画は,平成3年度に策定いたしました札幌市高齢化対策指針の住宅編としてまとめたものであります。この計画に基づき,平成3年度から,長寿社会に向けた住宅の普及啓発事業を継続的に実施しているほか,公営住宅の全住戸について,高齢者対応仕様の整備を進めてきたところであります。  さらに,平成6年度に策定いたしました住宅施策のマスタープランであります札幌市住宅基本計画におきましても,当該計画の基本的な考え方を盛り込み,高齢者に配慮したさまざまな住宅施策を展開してきているところであります。  2点目のご指摘のケーススタディーについてでありますが,ここに示された民間誘導型の高齢者住宅や住環境の整備につきましては,地元住民や民間事業者の協力が欠かせないこともあり,公と民との役割のあり方など,総合的に検討の上,判断してまいりたいと考えております。  次に,3点目と4点目につきましては,一括してお答えをいたします。  今後の高齢者住宅への対応についてでありますが,現在,建てかえや借り上げを含む公営住宅の整備におきましては,可能な限り高齢者向け住戸の確保に努めるとともに,持ち家に対するバリアフリー改修費用の融資なども行っており,引き続き,高齢化の進展に合わせ,積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  また,持ち家に住む高齢者の資産活用方策,あるいは,高齢者の居住の安定確保に関する法律の施行に伴う諸制度への対応につきましては,国の動向や社会情勢を見据えた中で調査研究をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(佐藤美智夫君) 福迫助役。 ◎助役(福迫尚一郎君) 私の方からは,三つの項目,すなわち雪対策基本計画のアクションプログラム,市電の復活と再配置問題,自然保護地区周辺の環境保全と街づくりについてお答えさせていただきます。  まず,雪対策基本計画のアクションプログラムについてでございますが,三つのポイントをお尋ねでございます。  一つ目の生活道路の計画除雪でございますが,平成11年4月のアンケート調査によりますと,市民の方々から,おおむね良好であるという評価をいただいているところであります。市民要望の高い間口処理の軽減,また,でこぼこ路面の解消に有効な除雪の方法であると考えております。  したがいまして,今後とも,地域での合意をいただきながら拡大してまいりたいと,このように考えております。  2点目の坂道ロードヒーティングについてでございます。  既に,一部の幹線道路におきましては,除排雪と凍結防止剤散布を併用するという方策をとるようにいたしまして,その結果に対し3年間,調査・検証を進めてまいりました。その結果,この手法によりましても交通の安全性が確保できると,そのように判断をしているところであります。  したがいまして,今後とも,道路の状況や交通の安全性を考慮し,また,関係機関等とも協議をいたしながら,順次,路面管理手法の変更を検討してまいりたいと考えております。  それから,3点目の狭小道路用共同利用型融雪槽であります。  その設置,運用に当たりましては,生活道路のパートナーシップ排雪と同様に,地域と行政の役割分担が必要であると,このように考えております。  また,流雪溝の整備につきましては,非常に多くの費用を要すること,また,水源を確保する必要という技術的な課題もございますので,その整備の効果等も含めまして今後十分検討してまいりたいと,このように考えております。  次は,市電の復活と再配置問題について2点お尋ねでございます。  初めに,都心部での路面電車の位置づけについてでございます。  路面電車は,人や環境に優しい,移動の快適性を高める,そういうことから非常にいい交通手段の一つであるとともに,都心居住の促進や魅力ある都心の創造,そういうものに寄与する都市の装置であると,このように認識いたしております。  また,再配置など,今後の取り組みにつきましては,さきに提案をいたしました都心のまちづくりビジョン,また都心交通ビジョン,こういうものと深くかかわりを持っておりますから,市民の方々,商業者等の皆さんと議論を深めますとともに,今後の交通事業の経営見通しなども踏まえまして,現5年計画の中での基本方針の策定を目指してまいりたいと,このように考えております。  最後の自然保護地区周辺の環境保全と街づくりについてでございます。  円山・藻岩山周辺の環境保全と街づくりでありますけれども,円山,藻岩山の原始林につきましては,国の天然記念物として保護され,その周辺は,都市公園や風致地区により保全してきたところであります。また,このたびの,札幌市緑の保全と創出に関する条例の施行によりまして,風致地区の新たな種別化を図るなど,引き続き,良好な自然的環境を形成することに努めているところでございます。  また,陳情採択後の対応についてでございますが,その趣旨を尊重しつつ,地区計画の指定,また風致地区の拡大,そういうものに向けまして関係権利者の方々等の理解と協力が得られますよう今日まで努めてきたところであります。  さらに,今後とも努力してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(佐藤美智夫君) 土橋教育長。 ◎教育長(土橋信男君) 私からは,少人数学級の実現と中央区の4小学校統合問題についてお答えいたします。  1点目の30人学級についてであります。  昨日の大西議員の代表質問にもお答えいたしましたとおり,いわゆる義務標準法の改正により,学級編制基準については各都道府県が弾力的に定めることができるようになりましたけれども,北海道におきましては,1学級40人を標準と定めた学級編制基準規則については,弾力化を図ることなく,少人数の学習集団による授業展開や,複数教員によるチーム・ティーチングなど加配教員による定数改善を行っているところであります。  教育委員会といたしましては,今後とも,国と道の動向を見きわめてまいりたいと考えております。  なお,現在の児童数をもとに,仮に小学校1・2年生で30人学級を実施するとした場合には,年間およそ25億円の人件費の負担が見込まれるところであり,このほかに教室確保のための増築費用等が必要になるものと考えております。  次に,中央区の4小学校統合問題についてお答えします。  この統合は,過小規模となった小学校について,児童の教育環境の整備を目的として行うものでございまして,さきの第2回臨時市議会において統合校の設計費等をお認めいただいたところでありまして,平成16年4月の開校に向けて着実にその計画を進めていく所存でございます。  以上でございます。  ――――――――─――――――――― ○議長(佐藤美智夫君) ここで,日程に追加いたしまして,意見書案第1号 米国における同時多発テロ事件に関する意見書及び意見書案第2号 米国の同時多発テロ事件に対する政府の対応に関する意見書の2件を一括議題といたします。  意見書案第1号は,自民党,民主党,公明党及び新政クラブ所属議員全員の提出によるものであり,意見書案第2号は,共産党所属議員全員の提出によるものであります。  これより,質疑及び討論の通告がありませんので,採決に入ります。  この場合,分割して採決を行います。  まず,意見書案第2号を問題といたします。  本件を可決することに賛成の諸君のご起立を求めます。  (賛成者起立) ○議長(佐藤美智夫君) 起立少数であります。よって,意見書案第2号は否決されました。  次に,意見書案第1号を問題といたします。  本件を可決することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(佐藤美智夫君) ご異議なしと認めます。よって,意見書案第1号は可決されました。  ――――――――─――――――――― ○議長(佐藤美智夫君) お諮りします。  本日の会議はこれをもって終了し,あす9月28日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
    ○議長(佐藤美智夫君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。  ――――――――─――――――――― ○議長(佐藤美智夫君) 本日は,これで散会いたします。  ――――――――─―――――――――      散 会 午後4時11分 上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。  議  長         佐   藤   美 智 夫  副 議 長        加   藤       齊  署名議員         原   口   伸   一  署名議員         生   駒   正   尚...