札幌市議会 2001-03-16
平成13年第一部予算特別委員会−03月16日-06号
平成13年第一部
予算特別委員会−03月16日-06号平成13年第一部
予算特別委員会
札幌市議会第一部
予算特別委員会記録(第6号)
平成13年3月16日(金曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 32人
委 員 長 道 見 重 信 君 副委員長 森 健 次 君
委 員 柴 田 薫 心 君 委 員 大 越 誠 幸 君
委 員 宮 本 吉 人 君 委 員 千 葉 英 守 君
委 員 上瀬戸 正 則 君 委 員 笹 出 昭 夫 君
委 員 馬 場 泰 年 君 委 員 鈴 木 健 雄 君
委 員 近 藤 和 雄 君 委 員 村 松 正 海 君
委 員 五十嵐 徳 美 君 委 員 湊 谷 隆 君
委 員 川口谷 正 君 委 員 猪 熊 輝 夫 君
委 員 畑 瀬 幸 二 君 委 員 大 嶋 薫 君
委 員 藤 原 廣 昭 君 委 員 本 舘 嘉 三 君
委 員 義 卜 雄 一 君 委 員 高 橋 功 君
委 員 三 浦 英 三 君 委 員 生 駒 正 尚 君
委 員 飯 坂 宗 子 君 委 員 井 上 ひさ子 君
委 員 宮 川 潤 君 委 員 坂 本 恭 子 君
委 員 福 士 勝 君 委 員 田 中 昭 男 君
委 員 小 林 郁 子 君 委 員 松 浦 忠 君
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開 議 午後1時
○道見重信 委員長 ただいまから,第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,特にございません。
それでは,議事に入ります。
第9款 教育費 第1項 教育委員会費から第8項
学校保健給食費まで及び議案第25号
札幌市立高等学校授業料等に関する条例の一部を改正する条例案を一括して質疑を行います。
◆坂本恭子 委員 私は,大きく3点について質問いたします。
質問の第1は,
通学定期料金助成制度の拡充についてです。
現在,札幌市では,定期料金の33%の助成を13の小学校,1,171人,中学校13校,290名の児童・生徒を対象に行っております。しかし,これら児童・生徒の家庭では,これ以外の自己負担を余儀なくされ,歩いて通えるところに学校が欲しいという要望とともに,定期代の助成を拡大してほしい,全額助成してほしいという切実な声が上がっております。本市議会の文教委員会にも,同趣旨の陳情が提出をされております。
実際,9年間の義務教育での定期代は,26万5,200円もかかるご家庭があります。憲法や教育基本法に定められた教育の機会均等,義務教育は無償であるという根本原則に照らしても,父母負担の不平等が生じていることは明らかです。
この間,
本市教育委員会は,全市的な通学についての調査を行って,具体的検討に着手するとの姿勢を明らかにしましたが,この調査は,現在どのように進行しているのか,また,この調査結果をもとに,今後どのように対応するのか,現状を不平等と認識しているのかどうか,お考えをお示しください。
また,同じ33%助成を行っていた特認校の児童・生徒については,年次ごとにこれが削減,打ち切られております。これは,やはり家庭への負担増を考えると,やめるべきではないというふうに思います。この点,どのようにお考えか,伺います。
質問の第2は,図書室の整備についてです。
現在,図書室が専用のスペースとして確保されていない学校が,小学校で4校,中学校1校があります。これらの学校では,
多目的スペースの一部やホール部分を図書コーナーとしていたり,一時的余裕教室を転用したりしている,これが現状実態です。しかも,これらの学校の中には,
学校図書館開放事業を行っているところもあり,不便な中,地域への貸し出し業務をお母さんたちがやっている,こういう状況になっています。
1997年に学校図書館法が改正され,2003年7月からは,各学校に司書教諭を配置しなければならなくなりました。教育の中に,明確に学校図書館が位置づけられ,この体制を強化していこうというときに,その図書館から整備されていないというこの実態には驚くほかないというふうに考えています。
これら5校について,早急に図書室を整備すべきと思うのですがいかがですか,どのように対応するおつもりか,伺います。
質問の第3は,学校施設改修・改築にかかわって,健全度調査について伺います。
我が党は,老朽危険校舎の改築を速やかに行うよう繰り返し求めてきました。また,改築を前提として行う耐力度調査や,1970年以前,すなわち旧耐震法以前に建築された校舎については,耐震診断を行うべきことも求めてまいりました。
今回,予算計上されている健全度調査は,建物のおおよその耐震力を測定する簡易耐震診断,建物本体及び設備の現状を把握する劣化度調査をあわせて行うということになっております。
そこで,伺いますが,通常の耐震診断よりも,簡易な調査方法,手法で行われる簡易耐震診断について,従前の手法とどこがどう違うのか,また,耐震診断のように判定委員会のような機関がない中で,この診断結果が信頼できるものになり得るのかどうか,お聞きします。
また,健全度調査の目的として,改築・改修の優先順位の資料を得ること,これを挙げておりますけれども,新年度,70年以前に建設をされた小学校36校と中学校12校,そしてまた,2002年度には,71年から80年に建築された小学校73校,中学校25校の調査をしたい旨お聞きしておりますが,この調査が終了した後のスケジュール,どのようにお考えなのか,お示しください。
◎岩崎 学校教育部長 ご質問の1点目の
交通機関通学定期料金助成の拡充についてのご質問について私の方からお答えをさせていただきます。
まず,1点目の昨年末の審査会におきまして,私の方からお答え申し上げました現地調査の点についてでございます。
児童・生徒の通学の実態などについての現地調査につきましては,本年1月22日に,すべての市立の小・中学校長に対しまして調査を依頼したところでございます。
調査項目でございますけれども,まず,交通機関を利用して通学している児童・生徒がいるかどうか,
交通機関利用者がいる場合には,乗車距離別に本来校区通学者と
指定変更通学者の人数,さらに通学路に歩道がないなどの通学安全上の理由や本人の特別の事情から交通機関を利用している児童・生徒の有無と人数,その理由などについての調査でございます。
2点目の調査結果とこれからの通学定期料金の助成制度をどのようにするかというご質問についてお答えを申し上げます。
まず,調査結果についてでございますが,すべての小・中学校の中から調査をした結果,交通機関を利用して通学している児童・生徒の人数は,小学校の場合は85校で1,528人ございます。このうち,本来校区の児童は1,065人,残る463人は,指定変更を受けて,指定校とは異なる学校に通学している児童でございます。また,中学校の場合は,86校で710人でございまして,このうち,本来校区の生徒は288人,残る422人は,指定変更を受けて,指定校とは異なる学校に通学している生徒でございます。さらに,通学安全上の理由から交通機関を利用して通学している児童・生徒が,小学校で8校,596人,中学校で8校,133人でございます。
通学定期料金助成制度を今後どのようにするかにつきましては,今回の調査結果を踏まえ,さらには道路交通状況,歩道設置状況,通学距離による負担割合の問題などにつきまして,現地調査も含めた総合的な判断を要するため,いましばらく検討の時間をいただく必要があるものと,このように考えてございます。
3点目の
小規模特認通学者を助成対象者から除外すべきではないというご質問についてお答え申し上げます。
小規模特認校の制度を発足いたしましたその当時,その設置の趣旨に賛同し,希望して特認校に就学されました児童・生徒に対しましては,特認校制度の積極的利用を促すための環境を整える目的で,一般の遠距離通学者と同様に,通学定期料金の助成を行ってまいったところでございます。
しかし,特認校に就学している児童・生徒は,自然に触れる中で豊かな人間性を培うという制度の趣旨をご理解いただき,本人や保護者の意思で,通学区域の学校ではなく,交通費負担のある特認校を選択されていることも含めまして,
通学定期料金助成制度につきましては,本来の趣旨に沿って,平成10年4月1日以降の入学者,転学者から,助成措置を撤廃したものでございます。
したがいまして,この制度は,この後もこの形で進めたいと考えております。
以上でございます。
◎霜觸 総務部長 私から,2点目,3点目についてお答え申し上げます。
まず,2点目の学校図書室の整備についてでございます。
委員ご指摘のとおり,未設置校は,小学校で4校,中学校で1校でございます。いずれも
余裕スペース等に図書コーナーを設けるなど,十分とは言えないまでも,図書室として機能を確保しているところでございます。
これらの学校は,校舎の完成規模に至っていないという理由で,独立した部屋として整備ができなかったものでございますけれども,しかし,他の学校と同程度の蔵書数を有し,同様の図書活動が行われておりますことは,委員のお話のとおりでございます。
私どもとしても,今後,余裕教室の発生状況の中で,他の整備すべき特別教室等の優先度も勘案しながら,可能な学校から整備を検討してまいりたいと考えているところでございます。
それから,3点目の健全度調査についてでございますが,従来行ってまいりました耐震診断と簡易耐震診断の違いについてでございますけれども,従来の耐震診断は,建築物の現地の調査,あるいは耐震診断作業によりまして,構造耐震指標というのを算定いたします。その後,補強方法を決定いたしまして,概算の補強工事費を算定するものでございます。
一方,今回,健全度調査で行います簡易耐震診断は,従来の耐震診断の手法に準拠しつつ,耐震診断作業の過程の中で,主要部分のデータから全体を推計することで,総体の計算を簡略化いたしまして,概略的な耐震指標,構造指標を算定し,同時に補強方法の決定と
概算補強工事費の算出を一体化して行い,診断費用の圧縮と診断期間の短縮を行う手法でございます。こうすることにより,私ども今回の調査の目的でございます改修・改築計画を策定する上での資料を十分資料として選べるものと考えております。十分信頼に耐える資料が集まるものと考えているところでございます。
この調査の後,この結果を踏まえて,改修する,あるいは改築計画等,私どもでどう進めていくかを策定したいと,次の5カ年計画の中にぜひ反映をさせてまいりたいというふうに考えているところでございます。
◆坂本恭子 委員 定期料金の助成についてです。
今,調査を行っているところだということで,若干お話ありましたが,これから具体的に現地に出向いて調査をしながら検討していく,いましばらく待ってほしいというご答弁だったと思いますけれども,昨年の3定,それから,陳情審査が行われました
文教常任委員会の中でも,積極的なご答弁があったというふうに私は理解をしておりました。すぐにでも拡充の方向に動いていくのではないかと,そういう思いもありまして,実際,陳情を出されている住民の皆さんも,自分たちの声にやっとこたえてもらえたのだというようなことで大変喜んでいたところです。
実際,お話を伺いますと,もう少し待てということになっておりますが,調査を待って検討していくということではなくて,調査をしながら同時並行できちんと検討も行っていくと。本当に迅速な対応が求められていると思いますので,そういうスタンスをぜひ持っていただきたいなというふうに思っています。
早急に拡充の方向で実現をしていただきたいなと思うのですが,何よりも,どうして遠距離通学,バス助成をしなければならないのかということで言いますと,やはり分離新設というこの計画がきちんといっていないということだというふうに思っておりますし,実際,バス助成の増額を求めている市民の皆さん,それから子供さんたちも,近くに学校があれば問題はなかったのだと。本当に通学についての安全面,それから安心という部分では確保できるというふうにおっしゃっているわけですから,新設校の整備というところで,ぜひともきちんと取り組んでいただきたいなということ,これは指摘をしておきたいと思います。
それから,特認校についてですが,自然系の特色を生かして,廃校の憂き目に遭っていた学校を何とか存続して残していこうと,市民の皆さんにも,子供たちにも,健康増進あるいは豊かな人間性を養ってもらう,そういう教育の場にしていきたいということで,特認校のしおりというパンフレットがあるのですね。ここの中にも趣旨と目的ということで,今,総務部長がおっしゃったようなことが書かれております。
この趣旨と目的に従って,通学にかかわってのバス助成の該当にはしますよと,教育委員会が指定する要件として,これは助成をしますということがきちんと書かれているわけですね。特例措置,その特例期間が既に終了したというようなご答弁だったと思うのですが,今,市内の学校が,都市型過密という状況になっている中で,特認校というのは,やはり自然環境という特色を持つ学校,そしてまた小規模ですから,豊かな心という意味では,本当に人間性の醸成ということには大きく寄与する学校だというふうに思っております。そういう学校で子供たちを学ばせたい,子供みずからがそこに通いたいという,そういう意欲というのがあると思うのですけれども,やはりここに財政的な措置も含めてこたえていく必要があるというふうに思うのですね。特色がある学校だから,そこに行きたいのは保護者の要望なので,それについてはこたえていけないと,特別なそういうものは講じていけないということではないというふうにやはり思います。
本市として,本当に子供たちにきちんとした教育を与えていくと,そういう環境を整えていくと,そういう責任を全うするという意味からも,私は,やはりこの特認校のバス助成については打ち切るべきではない,やめるべきではないというふうに思いますので,改めて再度検討していただくことを要請したいというふうに思います。
それから,図書室の整備についてなのですが,これは,十分と言えないながらも機能としては有していると,空き教室,余裕教室などの状況を見ながら,総合的に判断をしていきたいというご答弁ではありましたが,それではいつまでたっても解消されていかないというのが状況だというふうに思うのですね。
今,先ほど挙げました四つの小学校,一つの中学校の中の,小学校の一つは,
コンピューターを導入するために,
コンピューター室の入る余地もないので,今まであった図書室を縮小して,蔵書類を部屋の片隅に追いやって,そして
コンピューター室を整備すると,こういう状況になっていますよね。
中学校においては,進路指導室もない,他の小学校では,教育相談室あるいは家庭科室がないというような状況です。足りないのは図書室だけではないのですね。
こういう足りない特別教室をきちんと整備をしていくと,すべて必要なものは学校に機能として持たせると,そういう立場に立ったら,余裕教室ができるまで待つのだということには当然ならないというふうに思います。ここでは,増築をしてでも整備をするというのが当たり前のことではないかと思うのですが,どのようにお考えになっているのか,伺います。
それから,特別教室ということでは,昨年の1定で,理科室で家庭科の調理実習を行っている学校があるということを取り上げました。札幌市内の8校にこういう学校があるということを指摘したのですけれども,そのときも,余裕教室ができてくれば,その状況に応じて考えていくと,予算との兼ね合いもあるが,本当に必要なところには整備をしていきたいというふうにもおっしゃっておられました。
理科室,調理室が共用,兼用になっているこの8校について,この間,どのような改善を図られてきたのか,あわせて伺いたいと思います。
それから,健全度調査についてですが,今,スケジュール的なことも含めて,調査の中身について,お話はいただきました。改修・改築を行うという前提で,この健全度調査,きちんとやっていただきたいというふうに思います。
今まで,耐震診断,耐震調査をきちんとやっていくようにというふうに求めてきましたが,実際には,年間5校,6校という,本当に遅いペースで進んできているわけです。今回,新年度とその次の年度と合わせて100数十校,この健全度調査については行うということで,その中に入っているのが簡易耐震診断なわけですから,きちんとデータを集めて,本当に信頼に足る中身にしていただいて,これからの改修・改築の計画をきちんと立てていっていただきたいというふうに思うのです。次期5年計画では何とかスケジュール化していきたいというお話だったと思いますが,本当に必要と認められるものについては,5年と待たずにきちんとやっていただかなければならないというふうに思っておりますので,きちんとそういうスケジュール的なものを前提とした調査を行っていただきたいというふうに思います。
それから,耐力度調査というのが,この間行われてきておりました。これは,文部科学省の補助事業として改築を行うためにやる調査であると,改築が前提となる調査だというふうに聞いておりますけれども,健全度調査をやるかわりなのでしょうか。耐力度調査については,新年度について予算計上がされておりません。
現5年計画の中で,1964年以前の学校,18校あると思うのですが,このうちの9校について改築をしたいという計画を持っていると思いますが,新年度,耐力度調査を行わないことで,この現5年計画の9校の改築と,現段階では,基本設計も入れて3校,具体的な校名を挙げていただいておりますけれども,これ以外のものについて中断されてしまうということにはならないのか,5年計画は,きちんと計画どおり実行されるおつもりか,そしてまた,本来であれば,対象となるのは18校だったわけですから,私は,この18校,現5年計画でしっかりと行っていただくと,きちんと前向きな姿勢を示していただきたいというふうに思うのですが,この点についてはいかがでしょうか。
◎霜觸 総務部長 まず,図書室の件でございますけれども,増築をしてでもというご質問であったかと思います。
5校のうち3校につきましては,文部科学省の補助資格面積の関係上,国庫補助の対象とならないために,また,残りの2校につきましては,児童・生徒の推移から,今後,余裕教室の発生が見込まれるため,現状では増築整備は大変難しいものと考えているところでございます。
それから,2番目のご指摘でございました小学校の理科室と家庭科室の兼用の解消についてでございます。
8校ございましたけれども,平成12年度に,定山渓小学校,豊滝小学校で改修工事を行いまして,兼用状態の解消を図ったところでございます。6校がまだ兼用している状況でございますけれども,この6校のうち2校につきましては,一つの教室で調理台と理科実験台をそれぞれ別個に配置をし,スペース分けをいたしまして,対応いたしているところでございます。他の4校につきましては,理科室にガス配管ですとか電気コンセントを配置いたしまして,家庭科の授業に対応しているところでございます。
今後,余裕教室の発生状況ですとか,各学校の個々の事情を勘案しながら,解消に努めたいと考えているところでございます。
それから,耐力度調査の件でございますけれども,現5年計画への影響についてということでございます。
現5年計画では,9校の改築を計画をいたしております。平成13年度は丘珠小学校の改築を行うことになっておりまして,来年度に基本設計を行う2校についても,平成14年度以降の改築を予定しているところでございます。残りの6校につきましては,既に耐力度調査を実施した学校,あるいは中断後の平成15年度以降に耐力度調査を実施する学校の中から,順次改築を進めていくこととしておりまして,現5年計画の進捗に支障を来すことはないものと考えているところでございます。9校はこの中でやれると考えているところでございます。
◆坂本恭子 委員 健全度調査についてですが,改修・改築,大変重要な問題だというふうに私たちは考えております。何よりも,子供たちの命と安全を守るという観点に立てば,必要なものについては必要な調査を行って,そして,
スケジュール立てをして,改修・改築,補強工事,こういうものを行っていくというのが,本当に市教育委員会の責任としてやられていくべきことだというふうに思っております。
健全度調査には,簡易診断と診断の名称がついておりますけれども,信頼に足る中身,数値は得られるだろうという教育委員会のご担当の方のお言葉を私も信頼をして見守っていきたいと思いますが,調査をやったから,それでとりあえずはいいのだということではなくて,先ほど来言っているように,きちんと
スケジュール立てをして,そして本当に必要なものについては何年計画という中ではなくて,本当に速やかに対応していくと,そういうことが求められていると思いますので,よろしくお願いをしたいというふうに思います。
理科室と調理実習室のことでは,2校が新設をされて,これからも計画的に行っていきたいというご答弁だったと思うのですが,やればできるじゃないですかという気になりますよね。本当に,問題提起がされて,それから調査をやって,増設なり改修なりを行っていくというスタンスでは遅いというふうに思うのです。理科実験室と家庭科室の整備については,ますます速やかにすべて完了するようにということを要望しておきます。
図書室の整備については,2003年の4月から司書教諭を配置するわけですよね。子供たちの学習環境の整備というところで,図書館の機能というのは本当に重要になってきますし,そしてまた,先生方が,例えば,教材に使うだとか,あるいは先生ご自身が勉強するための図書の整備ということでも,学校図書館の位置づけというのは大きくなってくるというふうに思うのです。
これからは,例えば,地区図書館だとか中央図書館だとか,そういうところとオンライン化されて,お互いのいろんな情報のやりとりというものも,学校の現場の中でできてくるようになっていくわけですから,そういう意味では,今,
オープンスペースで何とか機能が足りているから,それで大丈夫ですということにはならないというふうに考えます。
きちんと専用のスペースを設けて,専用の司書教諭を配置をして,子供たちにきちんと図書を提供すると,教材を提供すると,そういう立場に立って,5校については速やかに図書室の整備,それはやはり増築をしてでもやっていくべきということを指摘して,終わりたいと思います。
◆福士勝 委員 私からは,生徒指導上の問題と今日的課題の総合的な学習の時間について質問をいたします。
まずは,生徒指導上の問題についての1点目でありますが,不登校問題についてお伺いをいたします。
私は,これまでもこの問題についてたびたび取り上げ,教育の大きな課題の一つであるというふうに主張をしてきたところであります。
昨年8月に,文部科学省が発表した学校基本調査によりますと,平成11年度における全国の不登校児童・生徒数は13万人を超えたということであり,依然として増加の傾向が続いているところであります。
私は,子供たちが健全に成長して,将来,社会の一員として大きな役割を担っていく,そういう意味では,学校といった社会で集団生活を営むということは極めて必要なことだというふうに思っております。
ただ,学校では,当然,友達や教師などとのいろんな出会いがあるわけであります。信頼関係や協力関係も生まれますが,葛藤だとか対立だとか,そういうものも起こり,コミュニケーションのずれ等々が生じて,子供同士の個性が衝突をする,こんな形もあり得ることだというふうに思います。しかし,子供たちは,そういうさまざまな困難をくぐり抜けることによって,それぞれの課題を発見し,そして成長する,こういう形になるというふうに思います。
学校での経験あるいは体験は,人間の成長にとって大きな価値があるというふうに思います。私は,現在,不登校になっている子供たちが一日も早く学校に復帰できる,そう願っているところであります。
そこで,1点目の質問でありますが,平成11年度,本市の不登校児童・生徒の現状と認識についてお伺いをいたします。
次に,いわゆる学級崩壊について質問をいたします。
北海道教育大学の教育実践総合センターが,昨年度までの過去3年間,道内の公立小学校の1,546校を対象にして,学級経営に関するアンケート調査を実施いたしたところであります。本年2月に,対象の約半数に当たる703校から回答を得て,中間報告が発表されました。報告では,3年間で1件以上,学級崩壊の出現があった学校は100校となっております。
私は,全道規模のこの調査は大変貴重なものであるというふうに思いますし,発表された内容の分析結果に注目をしているところであります。
教育委員会では,いわゆる学級崩壊について,その言葉の定義があいまいであることから,学級経営上苦慮する状況と,こうとらえているわけでありますが,議会で,その実態の把握に努めていると答弁もされております。平成11年度4月から7月までに,小学校で6学級あったというふうに聞いております。
そこで,質問でありますが,平成12年度の本市の学級経営上苦慮する状況について,その実態をまずお伺いをいたします。
◎高橋 指導担当部長 私の方から2点お答え申し上げます。
まず,不登校児童・生徒の現状と認識についてであります。
平成11年度,年間30日以上欠席いたしました不登校児童・生徒数は,小学校で242人,中学校で1,066人,計1,308人となっておりまして,前年度に比べ,小学校では28人,中学校では110人減少しております。出現率で見ますと,小学校では0.24%,中学校では1.85%で,前年度に比べ,それぞれ0.02%,0.12%低下しております。全国平均に比べて,出現率では,小学校で0.11%,中学校で0.6%低くなってございます。
人数はもとより,出現率でも減少しておりまして,これまでの取り組みの成果が徐々にあらわれてきているものと認識しております。
次に,学級経営上苦慮する状況についてでございます。
平成12年度1年間で,小学校におきまして子供たちが教室内で勝手な行動をし,教師の指導に従わず,授業が成立しないなどの状況が一定期間継続し,学級担任だけで解決できなかった学級が25ございました。そのうち,現在解消あるいは解消に向かっているものが18学級ございまして,継続しているものが7学級ございます。
以上でございます。
◆福士勝 委員 ただいまの答弁で,平成11年度,札幌市において,不登校児童・生徒数は確かに減少しているわけであります。小・中合わせて1,300人ぐらいいたわけでありますが,小学校で28人,中学校で110人ぐらい減少している形になるわけでありますが,しかし,数の上からいきますと,まだまだ厳しい状況が続いているというふうに思います。
いずれにしましても,これまでも教員の指導力や資質の向上を図るために,精神科の医師だとか,あるいは心理学の専門家などを校内研修会の講師として学校に派遣する講師派遣事業などを施策として行ってきている,こういう内容等々の関係については,十二分に努力していることを承知しているわけであります。
そこで,さらにスクールカウンセラーの配置だとか,心の教室相談員の中学校への配置など,相談やカウンセリングを中心とした学校復帰に向けた取り組みを,直接,不登校の児童・生徒に対して行っております。
そこで,質問でありますが,この心の教室相談員あるいはスクールカウンセラーの事業の成果についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
また,先ほどの答弁で,本市における平成12年度の,俗に言う学級経営上苦慮する状況について,学校にまだなれない1年生だとか,高学年である5・6年生が特に際立っているという形になっているというふうに聞いておりますけれども,いずれにしても,1年の間に25学級あり,その中で,解消した,あるいは解消に向かっている学級が18学級,しかしながら,まだ7学級で解消されずにその状況が続いている,こういうことになっているわけでありますから,この問題にかかわって,その要因として,教師の指導力の問題,あるいは家庭教育だとか,子供自身にかかわることなど,複雑に絡み合っている,そう指摘されているわけであります。
そこで,解決の手だての一つとして,文部科学省では,学級運営上の改善のための非常勤講師の配置を行ったというふうに伺っているわけであります。
そこで,質問でありますが,この学級経営上苦慮する状況に対して,どのような取り組みが効果的であったのか,お伺いをしたい。さらには,このたびの非常勤講師配置事業の成果についてもお聞かせをいただきたい。
◎高橋 指導担当部長 まず,心の教室相談員とスクールカウンセラー事業の成果についてでございますが,心の教室相談員事業の不登校児童・生徒に対する成果といたしましては,今年度2学期末までで,相談員が不登校傾向の生徒265人にかかわりまして,そのうち131人が心の教室に登校できるようになっており,60人が学級に入ることができるようになったと報告を受けております。
次に,スクールカウンセラー事業の成果といたしましては,平成10・11年度の2年の研究委託をいたしました学校で,スクールカウンセラーが24名の不登校生徒とかかわり,11名が年度内に学校復帰を果たしております。
次に,学級経営上,苦慮する状況の解消に向けての効果のあった取り組みと非常勤講師の配置の成果についてでございます。
学校では,担任以外の教員が教室に入り,チーム・ティーチングによる授業を行ったり,他の学級と合同して授業を行うなど,担任を孤立させない支援体制を整え,さらには,保護者会を開催し,協力を呼びかけるなど,こうした取り組みが,学級経営上苦慮する状況の解消に効果を上げております。
また,学校運営等の改善のための非常勤講師は,今年度,小学校2校にそれぞれ2学期間配置されまして,その学級の苦慮された状況はすべて改善されております。
以上でございます。
◆福士勝 委員 いずれにしましても,ただいまの答弁で,265人のうち心の教室に131人,学校復帰が60人ですか,こういう形になっているわけです。
そういう意味では,着実な成果として出てきているわけでありますが,この不登校の問題は,社会環境の変化を背景に,その対応の難しさというものが従来から言われているわけであります。
この不登校の問題あるいは学級崩壊の問題について,もともと学校は,多様な子供たちが集まってきているわけであり,子供同士の問題,あるいは子供と教師の間でさまざまな摩擦が生じる,そういうことは当初から十二分承知をしているわけであります。
いずれにしても,これらの二つの問題について,教育委員会や学校がさまざまな取り組みを行ってきている,そういう意味では,徐々ではありますが,着実に効果を上げているということについて,一定の評価をさせていただきたいというふうに思いますし,教育委員会としても,これらの問題の改善のために,なお一層の関係機関との連携,あるいは各種事業の拡充等々に積極的に努めていただきたいというふうに,強く要望させていただきたい。
それから,2点目の総合的な学習の時間についての質問でありますが,本市においても,総合的な学習の時間の実施に向けて,各学校で創意工夫を生かしたさまざまな取り組みがなされている,こういうふうに聞いているわけであります。
先日も,新聞で,ある中学校が地域にある料理店を訪問し,すしの握り方等々を体験するなどの職場体験を実施している,こういう報道があったところであります。
私の住んでいる手稲区にも,小学校でありますけれども,地域の和楽器職人の方を子供たちが実際に訪問をして,尺八づくりを習って,その手づくりの楽器を使った発表会,そのとき職人である先生をお呼びして,つくるまでの苦労等々含めてそのお話をお聞きしている,こんな形で地域との連携を重視した取り組みが実践されているわけであります。
私は,このように学校が地域社会と手を携えて,協力しながら,総合的な学習の時間を推進をしていくのは,極めて重要なことだというふうに思います。しかし,総合的な学習の時間を推進をしていく,現実にやっていく場合,学校はさまざまな課題を抱えているというふうに,私は思います。例えば,人材の確保の問題あるいは経費の問題等々,私は,学校が苦慮している状況があるというふうに思っております。(傍聴席において発言する者あり)
○森健次 副委員長 傍聴の方,済みません,ただいま委員会中ですので,お静かに願います。(傍聴席において発言する者あり)傍聴の方,委員会中ですから,お静かにしてください。
質問を続行します。
◆福士勝 委員 それでは,中断をいたしましたけれども,質問をいたします。
いずれにしても,本市における総合的な学習の時間の中で,各学校の取り組みがどのように行われているのか,また,総合的な学習の時間の実践に当たって,各学校がどのような課題を抱えているのか,質問をいたします。
◎高橋 指導担当部長 総合的な学習の時間は,国際理解,環境,福祉・健康など,従来の教科を越えた学習を行うことによって,これまでとかく,画一的と言われる授業を変え,子供一人一人の個性を生かす授業の構築を目指して新設されたものでございます。
現在,学校では,福祉・健康にかかわって,委員ご指摘のような地域の人材を活用した職場体験学習や,環境に着目し,地域の沼の生き物を調べる活動を通し,沼の水さらには生活排水の問題に気づき,自分の生活の改善に取り組むなど,地域における学校として,特色ある教育課程を編成するための実践研究が試行されてきております。試行している学校からは,総合的な学習の時間は,地域との連携の重要性について再認識する活動であるとの報告がなされております。
次に,各学校の実践上の課題でございますけれども,総合的な学習の時間を円滑に推進するためには,地域の人材や活用できる施設等の発掘,教材開発にかかる費用や謝金の問題等が課題として指摘されているところでございます。
◆福士勝 委員 実際に,総合的な学習の時間を実践していく,そういう意味で,ただいま答弁にあったような課題を一つずつ解決していくことによって,学校と地域が,なお一層結びつくというふうに思いますし,総合的な学習の時間を円滑に推進していくと,こういうふうに思っているところであります。いずれにしても,学校教育の望ましいあり方を示してくるのではないかという意味で,私も期待をしている一人であります。
いずれにしても,先ほどの答弁にあったように,総合的な学習の時間を学校が効果的に実践をしていく,そのためには,教育委員会がなお一層あらゆる面で,できる範囲で最大限支援していく,このことが必要ではないかというふうに思います。
そこで,総合的な学習の時間の円滑な推進に向けて,どのような支援を教育委員会がしていこうとしているのか,お伺いをいたします。
◎高橋 指導担当部長 この総合的な学習の時間の推進に向けての教育委員会の取り組みでございますけれども,昨年12月に,総合的な学習の時間の指導資料を発行いたしまして,各学校への資料提供を行いましたほか,今月には,地域の人材等を有効に活用するための教育資源データベースを発行したところでございます。
さらに,今年度からは,地域の方々が安心して学校の教育活動にご協力いただけるように,学習指導支援者への傷害保険を措置したところでございます。なお,来年度からは,総合的な学習の時間にかかる経費について,各学校の計画に基づいて措置する予定でございます。
以上でございます。
◆福士勝 委員 いずれにしましても,ただいまの答弁等々含めて,教育委員会が学校に支援をする具体的な関係も出てまいりました。なお一層,地域との連携も視野に入れて,充実させていかなければならないというふうに思います。
そこで,学校教育の望ましい姿をあらわす活動として,この総合的な学習の時間を積極的に取り組んでいかなければならないというふうに思いますから,教育委員会としても,今後もさらに積極的に各学校を支援する,そういう形を設けていただくことを強く要望して,終わります。
◆小林郁子 委員 私からは,初めに,学校給食用牛乳の紙パックのリサイクルについてお伺いをいたします。
札幌市の学校給食用牛乳の容器は,現在は,すべて紙パックです。この紙パックのリサイクルについては,道内市町村の学校給食用牛乳について決定権を持っている北海道が,国で定めた学校給食用牛乳対策要綱を受けまして,昨年の2学期から,学校給食用牛乳の供給制度を変更し,入札制度を導入しましたことにより,従来は,牛乳の供給業者が自主的にその回収を行っていたものですけれども,供給業者にその義務はないとされたものから,しかも,それが突然出されたものでありますことから,紙パックの回収に向けてどうするかということが,各学校において問題になったところです。このことにつきまして,昨年の決算特別委員会で,教育委員会としてはリサイクルを進めるように努力するということでございました。
そこで,現在,既に3学期ですけれども,どこまでリサイクルが進んだのか,その実態をお伺いいたします。また,新学期に向けてどのような取り組みをされていくのか,お伺いをいたします。また,あわせて,現在,回収されている紙パックについて,それが本当に資源となって活用されているのかどうか,そのこともお伺いをいたします。
それから,質問の2点目ですけれども,紙パックのリサイクルが進むことは,資源の有効活用として極めて大切なことと思いますけれども,その点で,リサイクルよりもさらに望ましいのがリユースでございます。
リユースは,容器として瓶を使用することですけれども,1960年代・70年代までは,給食の牛乳はほとんど瓶だったわけですが,それが今は姿を消してしまいました。地球資源のことを考えるならば,繰り返し繰り返し使える瓶が望ましいわけですけれども,学校給食用の牛乳の容器に瓶を使用することにつきましては,どのようにお考えになっているか,お伺いをいたします。
以上2点を伺います。
◎大西 事業調整担当部長 私から,ただいまの牛乳パックの件,お答えを申し上げます。
1点目の牛乳パックのリサイクル実施校数の状況についてでございます。
昨年2学期の段階での委員のお話のとおり,実施しておりました学校数につきましては,小学校63校,率にして30%,中学校4校,これは率が低いですが4%,合わせまして67校,21.8%という状況でございました。
その後,入札制度の変更等々ありまして,業者の方で紙パックの回収がなされないということで,お話のとおり,私ども,この紙パックのリサイクルの推進につきまして,学校等々にお願いをしてまいったわけでございます。昨年12月に調査しましたところ,3学期に入りまして,小・中学校合わせまして44校の学校がリサイクルに取り組んでおり,現在,全体の36%に当たります111校がリサイクルを実施しております。
そこで,来年度の1学期からの取り組みでありますけれども,47校の小・中学校で,この取り組みを計画しておりまして,これが実施されますと,全体の52%,158校で牛乳パックのリサイクルが行われるということになります。また,リサイクルされていない牛乳パックにつきましては,現在,資源化ごみとして,固形燃料等の材料というようなことで活用をしていただいております。
それから,2点目のリユースの問題でありますが,牛乳の場合は,瓶の活用をというご質問だと思いますが,現在,学校給食用牛乳を供給しておりますメーカーは,道の決定に基づきまして,本市内は6社でございます。ここにお聞きしましたところ,このうち2社の工場で,小規模ながら宅配を主体とします瓶牛乳の生産を行っております。その他の工場では,そういう製造ラインは,もう撤去して持っていないという状況であります。そんな状況でありますので,児童・生徒15万人分の牛乳容器をガラス瓶に変更した場合には,各工場におきまして,機械設備の入れかえ,また洗浄設備等の新設,こういうものを行わなければならない,各社とも膨大な設備投資を行う,あるいはその負担分が価格に転嫁をするというようなことで,供給価格が高騰することが予想されます。また,教育委員会といたしましても,瓶牛乳の容積増に伴いまして,各学校に牛乳保冷庫を整備しておりますが,この増設問題など,新たな財政問題が生じてまいります。
このようなことから,私どもとしては,現在のところ,学校給食用牛乳をガラス瓶に変更するというのは難しい問題だと,こういうふうに考えております。
以上です。
◆小林郁子 委員 瓶を使用することについては非常に難しいという状況は理解をいたしますけれども,このリサイクルされていない牛乳パックを今は環境事業公社が引き取っているわけですが,毎日の供給量16万人分だとお聞きしていますけれども,このパックを引き取ってもらうのに大体200万円ぐらい教育委員会の方から支出をしているということでございます。そして,この公社がその牛乳パックを資源化工場に持っていってRDFにしているということですけれども,そういう意味では,リサイクルのために税金が使われているわけでございます。
そういうことを考えますと,今も実際,再生業者が引き取っている分につきましても,小型の牛乳パックは非常に効率が悪いので,ある意味では,ボランティアに近いような状態で引き取っているということですけれども,こういう状態が続いている間はいいですが,続かなくなった場合には,やはりまたごみとして出さざるを得ないということになりますので,瓶の使用の難しさは理解いたしますけれども,その環境保全あるいは資源有効の活用,そしてまた,環境教育の面から,瓶の使用について,これからも検討を要望しておきます。
そこで,現在のところ,紙パックのリサイクルを進めることに力を入れていくというしか方策がないわけですけれども,リサイクル率が先ほど36%ということでございましたが,今後のリサイクル率の向上に向けて,どのようなことを取り組んでいかれるのか,お伺いをいたします。
◎大西 事業調整担当部長 今後のリサイクル率の向上に向けてというご質問でございますけれども,来年度1学期の見込みといたしましては,全体で52%にあたる158校が実施をしていただけるだろうというふうに考えておりますが,その後の向上に向けましては,私どもとしましては,啓発等々ということで,関係部局とも連携いたしまして,学校でのリサイクル普及推進のためにパンフレットあるいは貸し出しビデオ,そして情報の提供等に努めております。また,北海道に対しましても,リサイクル推進に当たっての協力を強く要請いたしまして,この3月には,児童・生徒への啓発用教材の支給もいただいております。さらに,教育委員会といたしましても,各学校でのリサイクル実施に向けまして,多少必要となります消耗品等の購入に充てるための,少額でありますが学校予算の追加配当もしてまいりたいと,こういうふうに考えているところであります。
そのようなことで,これまで以上にリサイクル推進を図っていく,そのような支援策を講じてまいりたいと考えているところです。
以上です。
◆小林郁子 委員 それでは,続きまして,教科書採択のあり方についてお伺いをいたします。
教科書採択のあり方につきましては,旧文部省の教科書採択のあり方に関する調査研究協力者会議から,1990年の3月6日に,教科書採択のあり方についてと題する報告書が提出されています。これが基本になっていると考えてよいと思います。
この報告書では,教科書制度の改善点としまして,適切な採択組織,手続による専門的な教科書研究の充実を図ることや,開かれた採択の推進などが挙げられておりますし,また,あわせて教科用図書の展示の方法につきましても,各学校に移動しての展示会とか,具体的な改善策が挙げられております。
また,96年12月には,行政改革委員会から,規制緩和の推進に関する意見というものが出されておりまして,学校単位で,みずからの教育課程にあわせて教科書を採択することの実現に向けて検討をしていくという必要性を訴えております。
このように,旧文部省としましては,これらの経過を受けまして,その報告書に示された改善点について改善状況を調査しておりますけれども,その結果を踏まえて,97年9月に,再度,教科書採択の改善についてという通知を出しております。
そこで,改善すべきこととして挙げられました項目のうち,開かれた採択の推進と教科用図書の展示についての2点,本市のあり方についてお伺いをいたします。
初めに,開かれた採択の推進ということですけれども,教科書は,児童・生徒や教員はもちろんのこと,保護者にとっても身近なものであり,採択に当たっては,保護者等の意見がよりよく反映されるよう工夫する必要があるとされております。
札幌市の教科用図書選定審議会の委員構成に学識経験者の枠がありまして,その中に,保護者も含むとあります。現在のところ,99年度の審議会の状況では,保護者としてPTAから2名入っておりますが,審議会委員全体で94名中2名というのには,余りにも低い比率であります。2001年度の委員委嘱に当たっては,保護者をふやすべきと考えますがいかがか,伺います。
また,審議会委員の構成のうち,校長,教員という枠がございますけれども,現在,校長及び教員がそれぞれ何人ぐらいいるのか,その比率はどのようになっているのか,お伺いをいたします。
続けてお伺いをいたしますが,改善点の2点目として挙げられておりました教科用図書の展示についてです。
教科用図書の見本の数が限られているために,展示会場も,そしてまた展示の期間も限られざるを得ないと,十分ではないということは,さきの文教委員会において報告がなされております。
そこで,一つ目にお伺いいたしますが,この見本本の数は過当競争を防ぐということがあっての措置ではありますけれども,一定程度ふやす方向で教育委員会としても働きかけができないものかどうかということについてお伺いをいたします。
それから,二つ目ですけれども,教員が見本本について調査し,また意見を出しやすい環境の整備についてです。
教員の場合は学校の意見として出すことになっている中で,みずからの意見を反映させる方法として,そこに出すということがありますし,また,もう一つは,一般の展示会場に行って,そこで意見を出すという方法があるかと思います。
学校からの意見提出状況を見ますと,96年度の中学校のときの採択状況ですけれども,例えば,国語の教科書を見ますと,全発行者に対して出したものとして,1校だけしか意見を出しておりません。また,一部の発行者に出しているものは,1校から6校までです。いろんな教科書の中で,1校から6校と,極めて低調な状態です。
このような学校からの意見の少ない状況について,原因はどこにあると,どのようなものにあると考えておられるか,お伺いいたします。
それからまた,教員が一般会場に見に行く時間については,勤務上の配慮がなされているのかどうか,お伺いをいたします。
それからまた,三つ目でございますけれども,展示会場における市民意見の反映についてです。
市民が会場で出した意見については,どのように検討がなされて,そういう検討状況について,市民にフィードバックがなされているのかどうか,以上,お伺いをいたします。
◎岩崎 学校教育部長 ただいま全部で5点ございましたご質問について,私の方からお答えを申し上げます。
まず,審議会の保護者代表をふやすべきとのご意見につきましてお答えを申し上げたいと思います。
市立学校で使用いたします教科書の選定採択につきましては,私ども,これまでも公正・中立性の確保に努めてきているところでございますけれども,採択の透明性を一層高めるために,現在,事務等の見直しを進めているところでございます。したがいまして,審議委員等の事項につきましても,今後早急に検討を進めてまいりたいと,このように考えてございます。
2点目の審議委員のうちの校長及び教員の人数の割合でございますけれども,採択年度が変わりますと,また,小学校・中学校によっても人数比が変わりますが,平成11年度の小学校の例でお答えを申し上げますと,小学校の図書選定審議会では,先ほど委員のお話にもございましたけれども,委員の総数は94名でございまして,そのうち校長は9名で,全委員の9.6%,教員は61名で,全委員の64.9%と,このようになってございます。
3点目の教科書展示会でのいわゆる見本本等の問題でございます。
本市には,教科書見本が9セット送付されてございます。これを審議会における調査研究,あるいは教科書展示会用として活用してございますが,ご指摘のとおり,必ずしも十分とは言えない状況にございます。しかし,教科書見本といいますのは,採択の際の調査研究に不可欠なものではございますけれども,その検討を無制限に許可した場合,過当な宣伝行為を招く等々というの理由から,限定された9セットというふうになってございます。しかし,私どもも,ただいま北海道教育委員会に対して,これらの実情などをお伝えしながら,できるだけ多くのセットをというような働きかけをしてございます。
4点目の展示会の件でございますが,特に学校意見が少ないという件でございます。
私ども,学校意見といいますのは,一部の教科書だけではなくて,全部の教科書を同じように検討する趣旨から,全種目についての意見書を提出することを原則としておるところでございます。
したがいまして,その提出に当たりましては,教科書展示会場に教員の皆さんが出向いて,平成11年度を例にいたしますと,小学校用教科書55種,324点の教科書について記述することとなっています。
これらのことが,やはりご指摘がございました状況の一因になっているのではないかと,このように考えているところでございます。
また,教員の方が展示会に行く場合のいわゆる取り扱いでございますけれども,私どもその時期になりますと,各校長に対しまして文書で依頼をして,教員の皆さんが教科書展示会に出向く場合には,いわゆる外勤扱いということでお願いをしているところでございます。
最後に,展示会においでになった市民の方々の教科書採択へのご意見の反映についてでございますけれども,会場に市民の皆さんが自由に意見を記入できるように調査用紙を常備してございます。そこで提出されましたご意見につきましては,審議会の資料として活用をさせていただいているところでございます。
以上でございます。
◆小林郁子 委員 教科書の採択に当たって,もう1点お伺いいたしますが,教育委員会の権限についてです。この権限の内容について確認をする上で,お伺いをしたいと思います。
旧文部省の発行している教科書制度の概要というものを見ましても,教育委員会の採択に当たっての権限は,事務処理上の権限であり,教科書の需要数の把握だとか,あるいはまた,そういうような諸条件の整備にあります。教科書の内容に踏み込んで採択の審査をするという権限ではないというふうに認識をしておりますし,また,どの教科書を選ぶかについては,教科用の図書選定の審議会の意見,さらには教員,保護者,市民の意見など,多くの人の意見をもって最終的に決定されるべきものだと考えております。これは,教育基本法の第10条において,教育行政は,教育の目的を遂行するために必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならないとあるとおりです。教育委員会の権限について認識をお伺いいたします。
それから最後に,日の丸・君が代の職務命令についてでございます。
昨年の決算特別委員会におきまして,私は,君が代を歌うことについて抵抗感のある子供たちへの教育上の配慮についてお尋ねをしましたところ,十分配慮をしていくということでございました。それと同じように,思想・信条の自由の保障という観点に立つならば,教員についても配慮をなさるべきというふうに思っているところですが,教育委員会のお答えとしましては,教員については,それが内心にとどまる限りは保障されると,しかし,外部にあらわれることについては一定の制約を受けるとの回答でした。
思想・信条の自由の保障については,内面も外面も分けられるものではないと考えますけれども,教育委員会の考えとしましては,それをどこに依拠して,そういうご答弁になっているのか,それをお伺いいたします。
◎岩崎 学校教育部長 それでは,1点目の教科書の採択権限,これについて私の方からお答えを申し上げたいと思います。
採択権限は,地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第23条第6項及び行政実例等で,教育委員会にあるということが示されております。また,義務教育の小学校の教科用図書の無償措置に関する法律等の中では,特に,指定都市に関する特例というのがございまして,この中では,使用する教科用図書として,種目ごとに指定都市の教育委員会が1種の図書を採択する,このように明記されてございますので,私ども教育委員会にあると,こういうふうに考えております。
以上でございます。
◎高橋 指導担当部長 教員の内心の自由の保障の件についてでございます。
これは,さきの議会でもお答え申し上げたところでございますけれども,平成11年7月に行われました衆議院の内閣委員会・文教委員会連合審査会のもとで,文部大臣がこのような見解を出しております。「児童・生徒に国旗・国歌を尊重する態度を指導する一環として児童・生徒にみずから範を示すことによる教育上の効果を期待して,教員に対しても,国旗に敬意を払い国歌を斉唱するよう命ずることは,学校という機関や教員の職務の特性に鑑みてみれば,社会通念上合理的な範囲内のものと考えられる」と,「そういう点から,これを命ずることは,教員の思想・良心の自由を制約するものではない」と,こういう見解が示されているところであります。
したがいまして,私どもとしましては,教員としては,あくまでも教育公務員としての責務のもとで,子供たちの範を示すという指導上の一環から,そのような期待をしたところでございますが,しかし,今回については,校長に対して職務命令を発したものでございまして,教員に対して職務命令を発したものでないということでございますので,教員に対しては期待をしていると,こういうことでございます。
以上でございます。
◆小林郁子 委員 教育委員会の教科書採択の権限につきましては,地教行法あるいはまた発行法に根拠があるということで今お答えがありましたけれども,その法の中身を見ましても,事務的なことについて,よくよく見てもそういうことのように読み取れると私どもは理解をしております。
そしてまた,先ほどの日の丸・君が代の関係ですけれども,強制から,私どもは愛国心は生まれるものではないというふうに思っております。
このたび職務命令が出されましてから,私どもは,先生方,保護者の方,地域の方,そういう方々が一堂に会するような場を設けまして,話し合いを重ねてまいりました。
これから,学校の中で先生方が話し合いを十分持っていく,そしてまた,学校と地域と保護者と,国旗・国歌についてそういう話し合いの場を持っていくということが大事だろうと思いますけれども,そういうお考えがないかどうか,最後にお伺いして,終わります。
◎高橋 指導担当部長 ご指摘の件について,私からお答えを申し上げます。
今回の中学校の卒業式に実施に当たっては,学校において,国旗・国歌の実施が学習指導要領にのっとり適正に行われるように,その趣旨のもとで,校長,教職員とで十分な話し合いがなされて,最終的には校長の判断によって適正に実施された,そのように考えております。
以上でございます。
◆五十嵐徳美 委員 私の方からは,都心部の小学校の統合と,及び学校給食,そしてもう1点について大きくお伺いをいたします。
この都心部の小学校の統合につきましては,昨年の第2回定例市議会代表質問の中で取り上げさせていただきましたが,少子化により,児童数が年々減少し,学校が全体的に小規模化する傾向にある中で,学校生活のあらゆる場面で,子供たちが集団とのかかわりにより,豊かな人格がはぐくまれていくことを考えれば,やはり過小規模校については早急に適正なものとするべきであると,私の考えを述べさせていただきました。
昨年の5月に,札幌市学校適正規模検討懇談会の意見提言が出され,それまでの教育委員会の検討とあわせて,統合計画を策定し,以来保護者を初めとする関係者への説明を行ってきたことも承知しておりますし,また,昨年12月には,統合に反対する保護者から請願・陳情も出され,審査もいたしました。そうしたことを踏まえて,確認の意味から何点か質問をさせていただきます。
まず,1点目は,保護者からの,学校を今のまま残してほしいという意見についてであります。これは小規模校の方が教師の目が行き届き,きめ細かな指導が受けられるとの考えや,また,これまでの学校と地域とのかかわりを大事にすべきとの考えで,これに対してどのように説明されたか,お伺いいたします。
2点目として,教育委員会が統合校を創成小学校の位置に置くとしたことであります。
通学距離が伸びる,また,創成小学校の周辺環境として,近くに薄野があることから,創成小学校に統合校を置くことに不安を持っている保護者もいるということについてどのように説明をされているか。
3点目は,今回の統合計画が,当事者である保護者の意向や意見を聞かないまま策定されたのではないかとの声についてどのように考えておられるか。
そして,4点目として,前回の文教委員会の中で,学校規模と自立の関係について調査研究することは困難であるという答弁がありましたが,それはどうしてなのかについてもお尋ねをしたいというふうに思います。
続いて,学校給食の件であります。
平成11年よりスタートした,楽しさとゆとりのある給食推進事業も順調に進められており,調理業務の民間委託を含め,食事環境の改善や学校栄養職員による食指導の充実など,ハード面・ソフト面にわたり,一層のレベルアップが図られております。
食環境が多様化している現代,子供たちがおいしく,楽しく給食が食べられるよう,多様な献立が必要となってきている中で,その食材の購入そのものも欠かすことのできない大きな要件ではないでしょうか。学校給食法において,給食に要する経費の負担区分が定められております。児童・生徒の保護者が負担する給食費は,食材の購入費に充てられております。
そこで,質問いたしますが,学校給食費の未納がふえていると聞いております。その実態はどのようになっているか,お尋ねをします。特に,数字的に未納額,また未納率についても明確にお示しをいただきたいと思います。
以上です。
◎霜觸 総務部長 私から,都心部小学校の統合についてお答えを申し上げます。
まず,1点目の学校の存続を求める保護者にどのように説明してきたかということでございます。
ご指摘のように,その理由といたしまして,小規模校の方が教師の目が行き届き,きめ細かな指導ができるという意見が挙がっております。このことにつきましては,学校規模の大・小にかかわらず,教師は常に子供一人一人に目を向け,その個性発見に努めるべきであると考えているところでございます。そのための研修も実施し,資質の向上に努めているところでございます。
また,学校教育について,学習効果の面から見れば,少人数ほど効果が上がるという指摘を踏まえれば,最終的には個人授業が最も効果的となりますけれども,個と集団とのかかわりの中で,全体的な人格形成を目指す学校教育におきましては,その重要な要素として,児童の社会性をはぐくむということがございます。その意味から,ある程度の規模が必要である旨,説明をさせていただいているところでございます。
次に,地域とのかかわりが大事であることも存続すべき理由として出ておりますけれども,まず,学校は,基本的に子供たちの教育を目的とした施設でございます。その教育効果が十分達成できないような1学年1学級といった過少規模となった場合,統合などによりまして学校規模を適正に整える,このことが子供たちの教育環境の整備の第一であると考えて,説明をしているところでございます。
また,統合に際しましても,これまでのコミュニティーを大切にしながら,統合校を中心にした新しいコミュニティーが形成されることが望ましく,そのために,行政,地域,また関係団体が連携をしながら協力していくことが必要である旨,説明をさせていただいているところでございます。
2点目の統合校の位置を創成小学校にしたことでございます。
まず,児童の通学の観点から,現在の対象となっております4小学校の校区の中心とすべきであると考えたところでございます。また,都心において,新たに学校用地を確保することが大変困難であるということも勘案して検討いたしました結果,ほぼ中心に位置します創成小学校に統合校を置くこととしたものでございます。
この位置は,確かに薄野に近接しておりますが,現在,学校があって,子供たちが学んでいる場所に建設するものでございます。今まで,子供たちを不安にさせるような事故等は起こってございません。したがいまして,私どもは,この場所に統合校を置くことにつきましては,特に支障となることはないものと考えているところでございます。
しかしながら,通学時の交通安全の確保,また防犯上の危険箇所の解消,さらには生徒指導の徹底等につきまして,当然,十分に考慮していくべきであると考えているところでございます。保護者や学校,さらに地域関係者,警察署等とも連絡を密にいたしまして,きめ細かな対応を行ってまいりたいと考えているところでございます。
3点目の統合計画の策定についてでございますけれども,教育委員会といたしましては,公教育の普及,機会の均等を図るために,学校の教育条件を均質かつ十分に整備をする責務を負っているところでございます。このことから,教育委員会は,教育関係法令の諸規定により,学校の配置,学校の規模や設備,さらに教員の配置等につきまして,計画的に整備をしていくことが法令等で定められているところでございます。
今回の都心部小学校の統合計画につきましては,全市的な観点から,学校の適正な規模,これに基づく適正な配置について検討してきました。その検討に当たりましては,先ほど委員からもお話がございましたけれども,学校適正規模検討懇談会の中での検討結果を踏まえまして,早急に学校の適正規模強化が急がれる,この都心部の4小学校の統合計画を,教育委員会として,教育関係法令の諸規定に基づきまして策定したところでございます。
4点目の学校規模と自立の関係の調査につきましては,個々の児童につきまして,具体的に,その成長過程を追跡して,数値化し把握をするということは,事実上困難でございます。本市に限らず,全国的にもそうした調査はなされていないところでございます。
私どもといたしましては,過小規模の状態にありますこの4校につきまして,児童が必ずしも自立していないとか,自立しているとかということではなくて,札幌市学校適正規模懇談会の中で,各委員の教育に携わってまいりました長年の実践経験からの論議に基づきまして,子供たちの自立心や社会性等をはぐくむために,どの程度の学校規模が必要なのかという観点から議論をいただいたところでございます。
以上でございます。
◎大西 事業調整担当部長 私から,2点目の学校給食費の未納問題についてお答えを申し上げます。
学校給食費の未納状況についてでございますが,平成11年の未納額で申しますと,本市の小・中学校全体で約9,100万円でございます。これを給食費総額に占める割合で申しますと,未納率では1.4%になるところでございます。
学校種別で申し上げますと,小学校の未納額が約4,100万円,未納率にして1.05%,中学校で約5,000万円,未納率で1.91%でございます。中学校は未納率が高い状況となっているところであります。
以上です。
◆五十嵐徳美 委員 まず,統合の方でありますが,今の説明でおおよそ理解はできますが,いずれにしましても,子供たちを学校に通わせる,私もその保護者の一人でありますから,その気持ちを酌み取ることも大変必要だと思いますし,統合に当たっては,その辺十分配慮をしていただきたいというふうに思います。
そこで,「学校規模と自立の関係について調査を行うことは困難である」ということは,当然,具体的な数字をもってあらわすことはできないということは理解しましたが,先ほどお話にあったように,実践と経験を踏まえた研究調査があるのであれば,ぜひお聞かせいただきたいと思います。
そして,次に,昨年の12月21日の文教委員会におきまして,関係者に対してさらに説明を行い,理解を求めていくとの説明がありました。その点についての状況でありますけれども,これまでの説明の中で,保護者の反応はどうであったのか,お伺いをします。
またさらに,対象となる地域にとっても,統合には相当関心を寄せていると思いますが,そうした方々に対する説明の状況及びどのような意向を持たれているのかについてもお伺いをしたいと思います。
次に,給食の方でありますが,未納がこれだけの額になっているという部分で,確かに1.4%では,その額が大きいのか少ないのか,市税の収納率から考えるとさほどではないというような見方もできるかもしれませんが,やはり徴収される給食費をもって,学校給食が成り立っているということを考えると,やはり大きな数字ではないかというふうに思います。
小・中学校校長会から諮問を受けて,札幌市学校給食運営委員会の答申によって,食品価格の動向などを十分配慮した適正な給食費の額が定められていると聞いておりまして,それは,各学校を通して,全保護者に通知されているというふうに伺っています。
現在,小学校では1食当たり,小・中・高学年によって多少の差がありますが,約197円,中学校では約247円が1食当たりの給食費であると伺っております。現実問題,例えば,私たちが昼食をとるとき,ハンバーガーが60円で売っているときもありましたけれども,栄養のバランスを考えたときには,非常に安い値段であるというふうに認識をしております。
しかしながら,各家庭それぞれの生活観であったり,いろんな事情がありますが,仮に支払いが困難な,そういった保護者世帯に対しては補助を行う仕組みもあるわけで,こうした中で,今は全市的な平均値の話をしていただきましたが,学校によっては,未納額がかなりの金額に及んでいるところもあるというふうに伺っております。
そこで,未納率の高い学校では,どれほどの率と金額になっているのか。また,その理由,原因を教育委員会としてどのようにとらえているか,お示しをいただきたいと思います。
◎霜觸 総務部長 お尋ねの1点目の適正な学校規模についての調査でございますけれども,全国的に見ますと,一つは,国立教育研究所によります適正な学校・学級規模に関する教員等の意識に関する調査結果の報告がございます。その中で,学校経営の観点から見た適正な学級数,これについては1学年複数学級を支持する意見が圧倒的に多いと報告されております。また,筑波大学の教育法制研究室によります大都市内の小規模校の教職員に関する意識調査の報告でも,1学年複数学級が必要であると報告されているところでございます。
さらに,統合を実施,または進めております東京都,大阪市,あるいは神戸市等々,他都市におきましても,学識経験者,教育関係者等で構成される審議会などを通じて,適正規模の検討を行っております。例えば,大阪市においても,本市と同様18から24学級を適正規模としているところでございます。また,千葉市においても,12から24学級を適正規模とするなど,実際は多少の差異はございますけれども,いずれも適正規模を12学級以上としているところでございます。
2点目の保護者の反応についてでございますけれども,これまで7月から30回ほど保護者に対する説明会を行ってまいりました。多くの保護者は,1学年複数学級とすることにつきましては理解を示してきているというふうに感じているところでございます。また,そのための手法として,統合することについても,異論の少ない状況となっているところでございます。ただ,統合校の位置を創成小学校にすることにつきましては,賛成の意見もございますけれども,一部,自分たちの学校に統合することを求める意見も出てきているところでございます。
3点目の対象となる地域への説明の状況とその意向についてでございます。
これまで4小学校の校区にあります豊水,西創成,曙,西,大通及び桑園地区等の町内会を対象として説明をしてまいりました。地域の方々の意向といたしましては,統合についてはやむを得ないものとしておおむねのご理解をいただいているものと判断しているところでございます。
中でも,豊水地区,西創成地区から,学校跡地の有効活用及び通学安全対策など,子供たちへの十分な配慮を条件としながら,統合について基本的に合意する旨,市長あての要望書が提出されております。提出された順で申し上げますと,豊水地区からは連合町内会,あるいは豊水小学校のPTA,地区民生児童委員,地区こども育成会など,関係8団体が豊水地区全体の総意として要望書を提出しております。
その中身といたしまして,統合実施に当たっては,関係者の不安を除去する方策を講じること,あるいは学校跡地につきましては,豊かな環境のもとに,新しい街づくりの核となる計画を考えることなどとなっております。
また,西創成地区では,連合町内会でございます社団法人西創成親和会から,過去の中央創成小と西創成小との統合の過去の体験を踏まえまして,各校からのスクールバスの運行を検討する,あるいは統合に当たって,通学距離,子供の遊び場等の確保について十分配慮するようになどといった要望書が提出されているところでございます。
これらの要望書は,少子化という時代の流れの中から,今後においても,地域の学校が過小規模を避けることができないのであれば,子供たちの健やかな成長のために,統合はやむを得ないとしたものでございまして,統合推進の考え方から提出がなされたものと判断しているところでございます。
以上でございます。
◎大西 事業調整担当部長 私から,給食費未納の件につきましてお答えを申し上げます。
未納率の高い学校についてでございますけれども,平成11年度に未納率が高かった5校につきましてちょっと集計をしてございますが,平均しますと,未納率は4.9%となっております。未納額の平均としましては,この5校で約130万円となっております。先ほど言いましたとおり,全市平均が1.4%の未納率となっておりますので,かなり高い割合ということでございます。
なお,お話の未納の原因についてでございますが,学校からの報告によりますと,経済状況の悪化とともに,その絶対額がふえてきております。未納の理由としましては,経済的な理由によるものが約50%強を占めております。残りは,その他の理由ということで,詳細については判明していないところでございます。他の学校につきましても,同様な理由傾向を示しているところであります。
いずれにしましても,未納の増加は,お話のとおり,負担の公平,適正な給食運営の観点から大きな問題でございます。各学校に対しまして,児童・生徒のプライバシー保護に十分配慮した上で,個々の状況に応じた督促に努めるよう学校を通してお願いをしているところです。
以上です。
◆五十嵐徳美 委員 統合に関しては,保護者の反応,また地域の意向,さらには今,話がありました連合町内会関係者から2件の統合をやむなしとする要望書も踏まえますと,この統合計画については100%賛同を得なければならないかということになると,ある意味では難しいわけでありますが,おおむね地域的な理解は得たものではないかというふうに私は思います。
ただ,父兄からのいろんな話がありますように,通学時の安全対策,また,統合という環境の変化に対する子供たちの肉体的・精神的負担を緩和する措置など,課題はまだまだ多いと思いますが,その対応・対策については,十分関係者と協議をしながら対応していただきたいというふうに思っています。
いずれにしましても,最近の少子化・核家族化などの影響で,子供たちは大勢の中で生活する経験が著しく少なくなってきております。私は,適正な規模の集団の中で,豊かな人格をはぐくむ上から,今回の4小学校の統合によって,子供たちによりよい教育環境を整えていく必要があると話をして,この質問を終わります。
次に,給食費の未納が増加をすると,それぞれの学校でお金を集めて食材を購入するわけでありますから,いずれにしても,そういった現状になりますと,学校給食の運営に非常に支障を来すと危惧を覚えるわけであります。
市教委としても,学校を通して,その徴収に対して努力をされているわけでありますけれども,ぜひ今後未納というものに対して,教育委員会としてどのように取り組んでいくか,やはり負担の公平ということをきっちりと考えていかなければならないのでないかというふうに思っています。
本当に私が現場を目にしたわけではありませんが,例えば,給食費を持ってこない子供に対して,おまえは給食費払っていないから,飯は食わさんぞというふうに言ったというふうに伝わった話もあります。これが本当にうわさ話なのか,もしくはおもしろ話で伝わったのかもしれませんけれども,仮にそういった子供たちがそういった状況にいるということは,やっぱり大変な問題にはなるのではないかと。ある意味では,やはり保護者として給食費を納める義務が当然ありますから,それに配慮をしながら,当然,学校として,未納を防止するため,実際,教育委員会ではこれからどういうふうに取り組んでいくか,ぜひその姿勢をお示しいただきたいと思います。
◎大西 事業調整担当部長 ご質問の市教委としての未納対策についてでございます。
委員ご指摘のとおり,未納がふえますと,確かに給食の運営等にも支障を来すということにもなりますし,各学校では,保護者に対しまして,期限まで確実に給食費を納入するよう強くお願いしているところであります。しかしながら,先ほどもお答えいたしましたとおり,年々未納額がふえてきているのも事実でございます。
私どもとしましては,各学校に対して,常に納入状況を把握し,長期の滞納に至る前に,早目早目の督促を行うとともに,個々の状況に応じた対応をされるよう,助成制度等もありますことから,そういうことも説明し,お願いをしているところであります。
学校給食費は,ご承知のとおり,学校給食法の中で保護者が負担するということがうたわれておりますので,私どもとしましても,今後とも,より一層保護者の理解が求められる方策を研究しながら,少しでも未納が少なくなるよう努めてまいりたいと思っております。
なお,先ほどのことについても,子供たちにそういうようなことはあってはならないことだと思っておりますので,そういうことのないよう,各現場にも改めて徹底を図ってまいりたいと,そういうふうに思っております。
以上でございます。
◆五十嵐徳美 委員 ぜひ取り組みをお願いします。
そして,最後の項目の質問でありますが,実は,北海道新聞3月14日の夕刊に載っていた記事であります。
東京都の教育長が,勤務時間中に組合活動をして不正に給料を受け取った,都の教職員3,124人に対して総額1億3,200万円の返還請求をするという記事が載っておりました。この記事によりますと,都内の29区市町村の小・中450校の教職員が,勤務中に職員団体の集会や組織運営などの組合活動に参加していたと,このような記事が載っておりまして,非常に驚きを感じたところであります。
私たち札幌市の教職員組合で,実は,昨年の決算特別委員会で,私が質問をさせていただいた中に鉛筆年休と,これは事実かどうかわからないという部分がありますが,現に札幌市の教育委員会の中で,実際,東京都で行われているようなこういった実態があるのか,もしくはどのように現状を見ておられるのか,お話を伺いたいと思います。
◎岩崎 学校教育部長 ただいまの東京都の事例のもとでのご質問かと思いますが,私ども現在,北海道教育委員会を通じまして,文部科学省の方から,北海道の教育に関します実態調査を実施しているところでございます。
この中で,今,委員ご指摘のような,いわゆる勤務時間中の職員団体等の活動実態と,これらについても調査が求められているところでございまして,現在その調査を進めている最中でございます。
以上でございます。
◆五十嵐徳美 委員 この実態調査は,いつまで行うのかということですけれども,もう一つちょっと確認をしておきたいのですが,あくまでもこれは東京都の場合ですが,教職員が勤務中に組合活動をすることは原則として禁止されているが,事前に校長に免除申請し,各教育委員会に参加票を提出すれば,給与を受け取りながら組合活動が可能であると,東京都の場合にはこのように書いてあるのですが,札幌市は,ある意味では,北海道教育委員会と北教組,その中の通達をもって動いておられるというようにわかってはいますが,こういった事実というか,北教組と道教委の中でそういった取り交わしがあるのかどうか,この2点についてお話ください。
◎岩崎 学校教育部長 道教委,あるいは北教組,あるいは地教委,そういう取り決めはないと,このように考えております。
以上でございます。(「あと,いつまで,実態調査」と呼ぶ者あり)
申しわけございません。
実態調査は実は2月いっぱいまでで,学校からの調査をいただいているところでございます。その後,集計等が若干おくれておりまして,この後,道教委に提出し,道教委を経由いたしまして,文部科学省の方に提出すると,こういう形になってございます。
以上でございます。
◆五十嵐徳美 委員 2月いっぱいに上がってきたものを集計して,そして道教委に報告して,それが文部省に行くと,その流れはわかりましたが,私たちがその集計した結果を知ることは可能なのですか。
◎岩崎 学校教育部長 今,経過としてお話を申し上げておりますが,この後,文部省まで報告が行った段階で文部省の指示を待ちたいと,このように考えております。
◆五十嵐徳美 委員 教育長,仮にその実態調査の結果,この東京都のような事実が仮に出たとしたならば,その報告という発表が文部省だけにゆだねられるというのは非常におかしなことになりますので,いずれにしても,その流れの中では決まっておられるようですが,それがないということであれば一切問題ありませんが,そういった事実が少しでも判明するとなれば,ぜひこれは必ず公表するというふうにお約束をしていただけないでしょうか。それを聞いて,質問を終わります。
◎山 教育長 このたび調査しております勤務時間調査につきましては,あくまでも文部科学省が法に基づく調査を行っているものでございます。したがって,その調査結果は,文部省に帰属するものであります。その中身につきましては,もしそういう事例がある等があれば,文部省から改めて指示があるものと考えております。
したがいまして,調査結果をもって,私どもがストレートに公表するということについては,改めて国と協議しなければならないと,このように存じます。
◆川口谷正 委員 2点の質問をいたします。
1点目は,国旗・国歌の問題です。二つ目は,新学習指導要領の件であります。
1点目の国旗・国歌の問題につきましては,もう今さら申し上げるまでもなく,昨年の決算議会でもやりましたし,最前にもありました。
前置きを抜きにして,きのう中学校の卒業式があり,99%の実施率であったという報道がされております。教育委員会として,そうした確認もされているかと思いますけれども,きのうの卒業式終わった結果は,どのように評価されているのか,最初にそのことをお伺いしたいと思います。
◎本間 教育次長 お尋ねのありました昨日の中学校における卒業式の結果について,私どものその結果に対する評価でございます。
お話にございましたように,札幌市立中学校98校中97校,率にいたしまして99.0%の学校で,国旗の掲揚・国歌の斉唱の実施が行われました。これは,各学校の校長,教頭,教職員が,国旗・国歌の実施に向けて話し合い,十分な努力をし,自主的・主体的な判断のもとに実施したその結果ととらえておりまして,その努力に対しましては,敬意を表するものでございます。
実施できなかった学校,これは1校ございますけれども,これにつきましては,現在のところ,詳細を把握してはおりませんが,最大限の努力をした結果,学校長が最終的な,主体的な判断を行った結果と,このように考えているところでございます。
いずれにいたしましても,今回の国旗・国歌の実施につきましては,各学校が,札幌の望ましい教育の実現に向けて取り組んだ大きな成果であると考えているところでございます。
以上でございます。
◆川口谷正 委員 大きな成果であったという評価をされているようであります。私が予測をした答弁も,恐らくそういう答弁になるだろうというふうに思ってはおりましたけれども,実は,私も,私だけじゃないですね,私どもの同僚も,きのうそれぞれの地域の学校に出向いて,卒業式に臨んでおります。
話を総合いたしますと,教育委員会の評価とは,残念ながら180度違うというか,つまり,形はあるけれども,実態が伴っていない。現場は非常に白けたムードで,私の行った学校では,テープで音が流れまして,曲と歌が流れたのですけれども,歌った方は,来賓の方数名,私は歌いませんでしたし,児童はほとんど歌っておりません,保護者も歌っておりません。つまり,そういう意味では,地域にも受け入れられた今回の国旗・国歌の扱いではなかったと私は理解をいたしました。
したがって,皆さんが成果があったということと,現場とは,裏腹の状態にあるということをひとつ理解をしていただきたいなというふうに思います。
私が非常に懸念をいたしますのは,教育委員会の職務命令を発するようなそうした物の進め方が,どうしても戦前回帰の姿を思い浮かべるのですね。地域でも,学校現場でも,実はそういうものはやりたくないと言っているにもかかわらず,職務命令という権限を持ってこられれば,処分は嫌だ,だから,面従腹背の形で,姿だけはつくるということが横行しているのではないかということを非常に恐れるわけであります。
この際,私,教育委員長さんにちょっとご見解を伺いたいのですけれども,この場におられる多くの方々の中で,牧口先生は一番の年長者であろうかなというふうに思います。当時,昭和20年8月の敗戦のとき,先生はたしか14歳くらい,戦前教育を受けられたと思います。次の日からがらっと教育の中身が変わったわけですね。今の平和憲法ができていくわけですけれども,それを経験された先生の立場から見て,今のこうした,形はあるけれども,国民の意思が反映されていないような姿を見て,どういうふうに感じられるか,先生の個人的な見解でも結構ですから,経験を踏まえてお話をいただきたいと思います。
◎牧口 教育委員長 大変難しい問題でございます。
実は,私は,この思想・信条の問題と,法律上どうあるべきかという問題とは違うというふうに思っているわけでございます。
今,問題の国旗・国歌の問題につきましては,いろんな意見があると思います。それは思想・信条の問題であるわけです。それは憲法上保障されていますから,反対でも賛成でも,それはそれで,互いに尊重すべき問題であるというふうに思っています。
ただ,今回の職務命令に関する問題につきましては,これは教育公務員として,法令を遵守する義務があるわけでございまして,その観点に立ってそれを守るべきであると,そういうふうに私は今までも答弁しているところでございますので,ご理解をいただきたいというふうに思います。
◆川口谷正 委員 牧口先生に期待いたしましたのは,戦前戦後を体験をされた,そのことをお伺いしたかったわけです。あえて答弁を外されたのかなというふうに思います。まあいいでしょう。
私は,学習指導要領に盛り込まれていても,憲法に抵触するものは,それは行うべきでないという立場に立っているわけであります。そのことだけはっきりさせておきたいと思います。
札幌市の教育界で歴史に残る9月18日の職務命令を発した評価というのは,私は,歴史の審判が必要だというふうに思います。願わくば,このことが後世の人に,あれは大きな誤りであったということになっていくことを私は願っております。
2点目の質問に移ります。
2点目の質問は,学習指導要領に関連をして,今,学力の低下ということが非常に取りざたをされております。来年の新指導要領でいきますと,学校週5日制のこともあって,授業時数が30%減るということが起きてくるわけであります。加えて,先ほど福士委員の質問にございましたけれども,総合的な学習の時間ということも,なお継続して行われるわけであります。
しかし,考えてみますと,物理的に言えば3割減って,かつ総合的な学習の時間も取り入れる,その中で国際理解という立場から,外国語教育も施していくということが,小学校の段階で入ってくるという問題があるわけです。これは大変なことだと思います。
私は,結論から言えば,それは非常に誤った方向ではないかと思います。過去に学習指導要領,中教審から臨教審を経て,今日の一つの姿になっておりますけれども,この間,日本の生徒の学力はどんどんどんどん下がり続けているというデータが存在しております。この点で,一つは,札幌市の子供たちの学力の動向についてどのように把握をしておられるのかですね。
私の把握したところでは,間違いなく先進国と比較をした場合でも,学力が低下しているというデータがあります。そう照らして見てきた場合に,私は,このことを見逃しておくわけにはいかないと思うわけでありますけれども,その点について,学力低下に関する認識をお聞かせいただきたいと思います。
◎高橋 指導担当部長 新指導要領による学力低下のご懸念についてでございますが,私どもといたしましては,文部科学省が実施いたしました教育課程の実施状況に関する総合的調査研究の調査結果あるいは国際教育評価学会,いわゆるIEA等の各調査結果からは,我が国の子供の学習状況は,全体として良好であると言われております。
しかし一方で,過度の受験競争の影響もあり,知識を詰め込む授業になっていることでありますとか,子供たちがみずから調べ判断し,自分なりの考えを持ち,それを表現する力が十分に育っていないことでありますとか,あるいは算数,理科の学習については,国際比較をいたしますと,その得点は高いものの,積極的に学習しようとする意欲等が諸外国に比べ高くはないなどの問題も指摘されているところでございます。
このような状況を踏まえまして,新学習指導要領においては,これまで知識習得に偏りがちであった教育の転換を図り,各学校がゆとりの中で,児童・生徒に基礎・基本を確実に身につけさせ,みずから学び,みずから考える力などの生きる力や,学力向上の基本でもある学ぶ意欲や探求心などを培うことを基本的なねらいとして改定されたものと理解しております。
教育委員会といたしましては,新学習指導要領の趣旨を踏まえまして,現状にとどまることなく,今後一層それらの育成に努めていくよう,各学校に対して指導してまいりたいと思っております。
以上でございます。
◆川口谷正 委員 前の文部省のデータを用いての,やや自画自賛的な評価を答弁としていただいたわけですけれども,残念ながら実態はそうはなっておりません。
そこで,私は,札幌市における学力問題を考えますときに,最前申し上げました学習指導要領,総合的な学習の時間の扱いについて,私は,よほど慎重にしていかなければいけないのではないかなというふうに思います。しかも,小学校の段階で,外国語の時間を設けていくということは,絶対的にほかの授業時数を圧迫するわけですね。これはもう物理的なことです。新指導要領でも示しておりますけれども,各学年別に目標が定められているわけですね。
釈迦に説法ですから,ちょっとだけ,つまんだ部分だけ申し上げますけれども,私は,特に大事にしなければいけないのは国語だというふうに思います。国語の3年及び4年の目標の中に,例えば,文及び文章の構成に関する事項というものがあって,修飾と被修飾との関係など,文の構成について初歩的な理解を持つこととか,あるいは文章全体における段落の役割を理解することとか,文と文との意味のつながりを考えながら,指示語や接続語を使うことなどという,先刻ご承知だと思いますが,ほんの一部を申し上げました。
実は,現在の学校教育では,ここまで到達しないままに,5年・6年に進級をし,中学校に入り,高校に行き,大学に行っている実態にあるわけです。そこに,総合的な学習など年間で約110時間だったでしょうか,これが持ち込まれれば,今申し上げた3年・4年生の目標まで到底到達しない状態がさらに強まるということが,私は必然だと思うのですよ。
だとすれば,この際,文部科学省の出した新学習指導要領にだけ,ただ従うのではなくて,札幌は,札幌の実態に合わせたカリキュラムを現場教師を中心にしながらつくり上げていくという,もっと札幌型の教育というものについて研究する必要があるのではないか,あるいは実行していく必要があるのでないかということを申し上げたいわけですが,その点についてはどうお考えでしょうか。
◎高橋 指導担当部長 学習指導要領は,国で,一定の教育水準を確保し,全国どこにおいても同水準の教育を受けることができる機会を国民に保障するために定められたものでございます。したがいまして,この学習指導要領において,先ほどの国旗・国歌もそうでございますけれども,小学校でいえば,国語,社会,算数その他一定の大綱的基準として,こういう教育水準を一定に保つために,各教科の目標が定められてございます。
その中で,今回,新指導要領の中で,21世紀を背負っていく子供たちのためにということで,総合的な学習の時間の中で,国際理解,その中で英会話学習を進めると。これは,各学校の教育課程の編成は,各学校にゆだねられているところでありますので,あくまでも学習指導要領の基準に沿いまして,各学校が独自に編成するものでございますが,そういったことを踏まえて,指導要領の中では,繰り返しになりますけれども,各学校がゆとりの中で児童・生徒に基礎・基本を身につけさせると,こういうことを中心にしながら,今回の指導要領の基準が定められた,そのように考えております。
以上でございます。
◆川口谷正 委員 年間の総授業時数というのは,例えば,3年生は910時間,しかも1時数というのはご承知のとおり45分を指していますね。だから4分の3をかけた時間しか勉強しないわけですね。仮に1,000時間だとすれば,750時間しかやらないわけです。そのわずか910時間しかないもののうち,105時間を総合的な学習の時間に充てるわけです。その中に英語教育を取り込むわけです。
一体この狭い中に英語教育を取り込んでどういう効果があるのか,国語もできないのに何で英語ができるのですか,そのことについて見解を伺いたい。
◎高橋 指導担当部長 先ほど,福士委員のところで,総合的な学習の時間の創設のねらいについてお答えを申し上げたところでございますが,総合的な学習の時間につきましては,国際理解の場面でありますとか,環境教育の場面でありますとか,福祉・健康,その他情報教育,というような分野が設けられてございます。各教科,小学校でありますと,国語とか算数とか,基礎的・基本的な教科については十分理解をとり,また,総合的な学習の時間,先ほど委員ご指摘のとおり105時間というふうになっておりますが,各学年ごとによって多少振れがございまして,それは各学校の中で,その地域性に応じて,国際理解が本校にとっては特徴的であると,あるいは地域人材を活用できると,こういった場合には,国際理解の分野を取り上げてまいりますし,環境という問題を取り上げていけば,そういう分野になりますでしょうし,これは,いずれにしましても,その範囲内で基礎・基本に力点を置きながら,教科では学べない,そして先ほど申し上げましたように,とかく画一的で詰め込みがちであった教育観から抜け出して,子供たちが一人一人の個性を生かしながら学習を進められると,このように創設された時間であるというふうに考えております。
以上でございます。
◆川口谷正 委員 私は,私の言っていることもわかってはもらえていると思うのですよね。例えば,3年生は235時間,国語の時間をという割り振りになっております。そして,その半分近い105時間が総合的な学習ということになっているわけです。わかりやすく言うと,私は,小学校段階での英語教育よりも,むしろその時間を国語教育に上乗せをすることが必要だということを申し上げているわけです。つまり,3年生・4年生で,文章を書けないままに進級することによって,大学生になっても文章を書けない。大学の先生が論文を書かせて,文章になっていないから,どうしたのだと,よくよく調べたら,小学校段階での基礎が身についていないということをおっしゃるわけなのです。ですから,日本人として,国語もできないで英語などという話ではないと私は思うのですよね。
そういうことについて,札幌市教育委員会は,まさに自主的に札幌の実情に合ったカリキュラムを積極的に現場に指導していく,そういう立場に立っていただきたいということを私は今,申し上げているのです。
教育長,答弁いただけますか。
◎山 教育長 ただいま,総合的な学習の時間を含めた英語教育等々のとらえ方についてでございますが,総合的な学習の時間は,全体的に今回,学習時数が30%削減される中で,子供たちがこれまでの詰め込みであったというところを解決しつつ,同時にこれまでどちらかというと縦割りであった,子供たちのいろんなとらえ方を横断的にとらえようとするのが総合的な学習の時間であります。その中で,今日的課題として,例えば,国際問題,情報化問題,高齢化問題等々の課題に横断的に対応していく,その中で自分を見つけていく,そうしたところをねらいとしているものであります。
少し話が遠くなりましたが,その際,外国語教育のとらえ方でありますが,私は,総合的学習の時間における外国とのかかわりというのは,やはり国際理解教育という面で,英語教育,会話教育というものを中心とすべきではないのではないかという考え方は持っております。やはり小学校であれば,基本となる国語は国語としてしっかり教えていただきたい。ただ,国際理解教育の中で,英語に触れる,文字に触れる,あるいは外国の方に来ていただいて,実際にそこの文化等について教わる,そうした意味での国際理解教育を中心としたとらえ方については賛成いたしますが,現在,全国で,小学校でありますと,総合的な学習の時間の中で外国語教育を取り入れているのは,ほとんどないといって,いいほどであります。総合的な学習の時間の中で取り入れておりますのは,やはり国際理解教育を中心としつつ,会話等,会話というのは,外国の文化に接するきっかけの一つでもありますし,そうした視点からとらえているものと思います。
それを札幌において独自にということでありますが,やはり学習指導要領に沿って,それぞれの学校において実施計画をつくるわけでありますが,そうした中で,各学校でのいろんな議論,あるいは校長先生等の考え方の中で,今申し上げたような考え方で進めていくようになるのではないかと,私自身はそのように考えてございます。
以上であります。
◆川口谷正 委員 画一的な教育をなくするためにも,総合的な学習の時間という答弁もありましたので,私は,それにはもう大賛成でありますし,ぜひそうすべきだと思います。
問題は,そう言いつつも,文部科学省の出す学習指導要領にのっとってと,やっぱり画一的なところへ戻っていくわけです。ここの場面は,イデオロギーの問題ではありませんから,子供の教育に対する我々大人の責任ですから,ぜひ札幌における教育は,札幌の実情に即したカリキュラムでいくという立場を追求していただきたいというふうに思います。
どうもこれ以上やっても平行線のようであります。ただし,一致しているのは,必ずしも一致していないかもしれませんけれども,学力が極めて危ないということは,僕は間違いない,科学的裏づけがありますから。そういう意味では,ここから先の責任は,ひとえにあなた方にもあるし,我々にもあるわけですから,そういう観点で努力をいただきたいと思います。
以上です。
◆高橋功 委員 私から,大きく3点お伺いをいたしたいと思っております。
一つは,都心部の4小学校の統合について,それから,二つ目は学校トイレの問題,それから三つ目は部活動の活性化と,この3点ということでございます。
まず,都心部の4小学校の統合についてでありますが,先ほど,この件につきましては,五十嵐委員からも質問がございました。段々のやりとりがありましたけれども,私どもは私どもの立場から,確認の意味も含めて,この問題についてまず取り上げさせていただきたいと思っております。
昨年12月の文教委員会におきまして,我が党の小田委員から,教育委員会のこの説明会の状況について質問をいたしたところであります。その際,教育委員会に対しまして,子供たちのためにという視点を持って,保護者の理解を深めるよう,さらにきめ細かい説明を行うように要望をしたところであります。
そこで,質問でありますけれども,1点目といたしまして,教育委員会では,昨年7月以来,夏以来ですね,この統合につきまして,統合対象校の保護者,それから関係者,そういう方々の理解を得るために説明を行ってきたということでございますが,これまでの説明会の実施状況,それから出席状況といいますかね,どう推移したのかも含めて,それから保護者などの関心,理解といったことについて,まずお聞かせをいただきたいと,こう思います。
2点目でございますが,昨年公表されました平成12年の国勢調査速報値によりますと,統合対象となっておりますこの4小学校のあります中央区の人口が,これまでずっと減少しておったわけでございますが,国勢調査の前回との比較では,増加に転じたということでございます。10区の中でも,3番目に高い増加率を示し,要するに中央区は人口がふえたということですね。そういう中で,一時的な地価の下落による都市への回帰現象だという声もないわけではありませんけれども,その観点から,中央区の各地区での人口とその児童数,人口はふえたが児童はどうなっているか,そのことについてお聞かせをいただきたい。さらに,特にこの統合対象となっている4小学校区でどうなっているのか,お尋ねをしたいと思います。
次に,学校トイレでございますが,このことにつきましては,私も,昨年の3定の決算特別委員会でいろいろ議論をさせていただきました。要するに,私,あのとき,洋式,和式の話,比率の話もさせていただきました。何よりも子供たちの意見というのはやっぱり聞いてみるべきでないかということでお願いを申し上げました。そして,あのときの議論を経て,早速,今,教育委員会で,市内10区で学校トイレアンケートということで取り組んでいただいていると,こういうことで,大変評価もいたしております。
あわせて,我が党としても,児童・生徒の健康だとか,それから,いわゆる学校生活を送る上で大変重要な問題という認識に立って,学校トイレ問題というのは重点課題だと,こういう考え方で取り組むことにいたしております。
我が党としても,独自に,札幌市内2万人ぐらいを対象にして,子供たちの意見を聞いてみようと,こんなことで今,進めております。それはそれで,結果が出ましたら,教育委員会のアンケートとあわせて,ともどもに進めてまいりたいと,こう思っております。
それで,ただ単に便器が洋式だ和式だとかという,そういう単純な話ではなくて,あと3Kとか5Kとか,汚いとか壊れているとか臭いとかいろいろ言われますが,そういう施設面のことだけではなくて,ハード面だけでなくてソフト面,いわゆる恥ずかしいとか,友達にからかわれるとか,そういうことというのは,やっぱり現実に学校現場で起こっている。中学生ぐらいになると,そうでもないかもしれません。小学校段階では,現実にかなり起こっている。だから,子供たちは,学校でトイレに行きたくない,行けない,だから学校から帰ってきて,駆け足で玄関に入ってきてトイレに飛び込むなんてことが実態としてある,これは教育委員会がどう認識されているかわかりませんが,私の実際の感覚として,お母さん方にいっぱいお会いしてお話聞きますが,ほとんどのお母さん,そう言います。そんな意味では,ハード面だけでなくて,ソフト面については,大変これから大事な観点になってくると,私は思っております。
そこで,排せつ行為というものについて,各学校で児童・生徒にどういう指導を行っているのか,第一義的には家庭だという議論は当然あると思いますけれども,それから,各家庭に対してどういう働きかけを行っているのか,お伺いをいたしたいと思います。
それから,ぜひこれはお考えいただきたいと思っているのですが,教育委員会で,今までハード面,さっき申し上げた施設整備の面では,いわゆる施設整備の担当課で行っておりますし,ソフト面は,教育指導の担当課で行っておると,こういうことでございます。それぞれ個別に対応を考えてきたのだとは思いますが,やっぱり児童・生徒がごく自然にトイレに行くことができるようにするためにも,やはり私,ハード・ソフト両面から横断的に考える組織,検討委員会的なものをぜひ設置して,多角的・総合的に取り組んでいただきたいと,こう思うのですが,この件についてどうお考えか,伺いたいと思います。
それから,3点目,部活動の活性化ということでございます。
さきの定例会の代表質問でも,自民党の山田議員がこのことを少し取り上げておりました。教育長からもご答弁があった旨,私も記憶しておりますが,端的に申し上げて,近年,これは全国的な傾向のようですけれども,本市におきましても,特に中学校の運動部のクラブ活動の現状を見てみますと,大変,加入者,いわゆるやる子供たち,それから指導する教員の減少というのが大変顕著だと,こういう認識を私は実は持っておりました。この辺,一生懸命やりたいと思っても,やりたい部が中学校に行ったらないと。我々の子供のときというのは,私は生まれも育ちも札幌ですが,もっとやっぱり中学校にクラブがいっぱいありました。選択の余地があった。ところが,なかなか今はそういう状況にないようでございます。
そこで,札幌市を担う子供たちの,いわゆる健全な育成,先ほどからいろんな議論があります。それはそれで,それぞれ大事な観点でありますけれども,私は,勉学だけでなくて,クラブ活動で,先輩・後輩の仲を学ぶだとか,礼儀を学ぶだとか,体を鍛えるだとか,いろんなことがあると思いますけれども,そういうクラブ活動のことについて,本市における運動部活動の現状と,それから外部指導者,これも教育長がこの間,外部指導者の導入というお話をされておりましたけれども,外部指導者の現状についてどうなっているか,大きくこの3点お伺いをいたしたいと思います。
◎霜觸 総務部長 私から,都心部小学校の統合につきまして2点お答えを申し上げます。
ご質問のございました説明会の開催状況でございますけれども,昨年の7月以来,規模の大小は別といたしまして,これまで統合対象校の保護者に対しまして32回,また,地域関係者には42回にわたって説明をしてまいりました。
説明会のやりとりとは別に,個々の保護者からは,意見や要望等を直接文書もいただいているところでございます。
保護者説明会の出席状況でございますけれども,当初は,各校の対象世帯数の約3割弱の出席者でございましたけれども,徐々に出席率は低下をしてきまして,2月の説明会では,各学校ともおおむね1割の出席となってございます。なお,説明会当日欠席されました保護者の皆様には,説明会資料等を送付いたしまして,ご意見やご質問をお寄せいただくようお願いをしてまいりました。ほとんどご意見はございませんでした。
次に,保護者の統合計画に対しての受けとめ方についてでございますけれども,説明会の出席者が減少してきたということは,保護者の方々は,統合はある程度やむを得ないものとして次第に受けとめられてきたものと判断をしているところでございます。
説明会等での保護者の意見を集約いたしますと,学校規模としての1学年複数学級の必要性と,その手段として統合という方法をとることにつきましては,異論が少ないと判断しているところでございます。また,統合校の位置につきましては,創成小学校の位置に賛成する意見もございますけれども,特に大通小学校の一部の保護者のように,統合校位置につきましては,自分の学校に統合してほしいという意見もございます。
なお,先ほど五十嵐委員にもお答え申し上げましたけれども,豊水小学校,創成小学校に関係する地域からは,統合に基本的に同意することを前提といたしました学校跡地利用の要望,あるいは統合に向けての条件整備の要望が市長あてに提出されているところでございます。
このほかには,通学路の設定ですとか,スクールバスの運行などについての意見,要望もございますけれども,これらの,いわば統合に向けての条件整備と考えられます事項につきましては,今後十分誠意を持って保護者や地域の方々と協議をしてまいりたいと考えているところでございます。
2点目の中央区の各地区におきます人口と児童数についてでございますけれども,中央区内の18小学校の校区ごとに,これまで5年間の人口の推移について調査をいたしましたところ,約7割の小学校区で人口が増加しておりますが,宮の森小学校区を除きまして,すべての小学校区におきましては,在籍児童数は減少しております。中には,2割程度の人口の伸びはあるものの,児童数が全く伸びていない,また逆に減少している校区があるなど,人口の伸びと児童数の推移については大きな乖離といいますか,逆転状況となっているところでございます。
特に,お話のございました統合対象の4小学校区につきましては,創成小学校区及び曙小学校区では若干の人口の増が見られますけれども,児童数については,いずれも大幅な減少となっているところでございます。
また,大通小学校区,豊水小学校区につきましては,人口,児童数とも減少しております。児童数については,25%減,38%減と,大きく落ち込んでいる状況でございます。
◎高橋 指導担当部長 児童・生徒の学校トイレを使用することにつきまして,学校や家庭での指導と検討委員会の設置の件,そして運動部活動の指導者の実数について,私から3点まとめてお答え申し上げます。
まず,児童・生徒に対する排せつ行為の指導についてでございますけれども,各学校では,道徳指導,保健指導,そして日常の学級指導におきまして,排せつ行為は自然なものであり,恥ずかしいものではなく,友達がトイレに行くのをからかってはいけないなど,時期をとらえて指導を行っているところでございます。
しかしながら,排せつ行為には羞恥心を伴うものでございまして,児童・生徒に対する指導は大変難しい面もありますことから,学校における指導だけではなく,各家庭に対しましても,学校だよりや保健だより等で情報を提供し,家庭においても,排せつ行為に対する正しい認識を持たせるよう協力をお願いしているところでございます。
なお,今回実施しているアンケートにつきましては,その結果を十分に検討し,指導に生かすとともに,家庭にも周知し,PTA懇談会等の場で協力を求めていきたいと考えております。
次に,検討委員会の設置についてでございますが,ハードとソフトの両面から,多角的・総合的に考えていくことは,私どもとしても必要であると考えているところでございまして,今回のアンケート調査についても,施設設備と教育指導の担当課で緊密に協議を行い,実施しているところでございます。
今後も,委員のご提言の趣旨も踏まえまして,より一層の連携を図ってまいりたいと思っております。
次に,部活動の活性化についてでございます。
本市における運動部活動の現状と外部指導者の現状でございますが,外部指導者につきましては,札幌市中体連の総会の決定を受け,平成9年度から導入を図っております。
運動部活動数,指導者数の推移を見てみますと,運動部活動の延べ設置部数は,平成9年度1,237部あったものが,今年度は1,197部となっておりまして,40部の減少となっております。また,教員の指導者数については,平成9年度1,487名,全教員の52.7%に当たる教員が運動部活動の指導をしておりましたが,今年度は1,394名,53.9%であります。全教員に対する指導者数の割合は上昇しておりますが,全体として指導者は93名の減少となっております。
次に,外部指導者の数につきましては,平成9年度は26校で36名の登録をいただいていたところでございましたが,平成12年度では,47校におきまして92名が外部指導者として登録しており,その需要はますます高まっているものと認識いたしております。
以上でございます。
◆高橋功 委員 学校トイレですが,今,部長から,時期をとらえて,時期に応じてということでございますけれども,もう少しやはり日常的に考えていただきたいと,こう思います。
一つの例ですけれども,私は,それがすべてとは言いませんが,ある荒れていた学校で,札幌じゃありませんよ,教育長含めてみんなでトイレに着目をして,それは何でかといったら,トイレに行かない子はいないからですよね,だれしも関係する,そのトイレをきちっと整備をすると。そうすると,子供たちが積極的に掃除を一生懸命やるようになった。そういう中から,荒れていた学校が少しずつ改善していったという例もあるわけです。
ですから,そんな意味では,これが,何回も言うけれども,すべてとは言わないけれども,もう少しこのトイレに対して意識というものをしっかり持っていただきたい。あわせて,検討委員会についても,ぜひとも真剣にお考えいただきたいと,この点お願いをいたしたいと思います。
最初の学校統合の話でありますが,今,ご答弁の中で,説明会の開催状況,出席状況,そして保護者の皆さん方の受けとめ方,こういうことについては,ある程度理解をいたしました。
けれども,もう一つちょっとお尋ねをしておきたいと思いますが,先ほど来議論がありますように,私もおおむねの理解を得たというふうには思いますが,もう少し詳しく説明できるのであればお願いをしたいと,そう思います。
それから,統合問題の2点目ですけれども,これは中央区に限らない話で,札幌市全体での児童数の将来の動向ということもあろうと思います。
先ほど中央区の人口と児童数の関係,それからこの四つの小学校区についてご答弁ありましたけれども,やはりこの児童数の減少というのは,流れとして,少子化を背景として,中央区に限らず,札幌市全体の傾向だろうと,こう思うのですが,教育委員会として,将来の児童数の減少に対する認識,これを踏まえて,学校配置についてどのように対応していこうと考えられているのか,この点を再度伺いたいと思います。
それから,クラブ活動,部活動のことです。
ただいま答弁で,本市の部活動においても,外部指導者の需要はますます高まっている,こういうことですけれども,やはり教育長も本会議で答弁されておりましたが,指導教員が減っているということで,やっぱり先生方に意義について意識の啓発を図ると,これは当然ですね,何とか頑張ってくださいと,こういうことが一つ。
それから,それでもなかなかふえないのなら,いっぱい街の中にはいらっしゃるわけですよ,そういう教員資格こそ持っていませんが,熱意と技術とそういう経験のある方というのは,やっぱりいらっしゃるのです。ですから,そういう意味では,そういう方々の技術や経験というのをもっともっと活用しない手は絶対ない,こう思うのですね。
そこで,教育委員会として,今後,この外部指導者の活用ということ,具体的にどういうふうにお考えなのか,再度お尋ねをしたいと思います。
◎霜觸 総務部長 1点目のご質問でございますけれども,先ほどもご説明いたしましたが,保護者に対する説明会で,当初は,対象世帯数の3割の出席であったものの,2月に入りまして,18名から24名程度,出席者は徐々に減少いたしまして,1割程度の出席者,大変少ない出席者となってございます。
大半の保護者の方々は,少なくとも統合計画はある程度やむを得ないものと,次第にこう受けとめられてきたと,私どもは判断しているところでございます。
次に,統合計画の基本事項についての説明会出席者の理解の状況でございますけれども,学校規模の適正化の必要性につきましては,各対象校の多くの保護者からは,おおむねの理解が得られたものと考えているところでございます。
また,地域・町内会等へも説明を行ってまいりましたけれども,地域・町内会の方々の意向といたしましては,統合についてはやむを得ないものとしてご理解をいただいていると考えているところでございます。特に,先ほど申し上げましたけれども,西創成あるいは豊水地区からは,基本的に統合に同意をするということを前提といたしました要望書が提出されているところでございます。
なお,各校の同窓会に対しましても説明会を行いましたけれども,統合につきましては,異論のないところでございます。
したがいまして,私どもといたしましては,これらのことを総合的に判断いたしますと,統合については,一定のご理解をいただいてきているものと考えているところでございます。
次に,2点目の児童数の減少と将来の対応についてでございますけれども,札幌市の人口は,年間1万人程度漸増を続けておりますけれども,児童数は,第2次ベビーブームと言われました昭和58年をピークといたしまして,それ以降は一貫して減少傾向が続いております。
この児童数の減少傾向は,出生数が,最近において減少している状況からも,今後も続くものと考えておりまして,全市的には,小学校の11学級規模以下の小規模化がどんどん進んでいくものと考えているところでございます。
ただ,現在のところ,この都心部4小学校のほかに,直ちに学校規模の適正化を図らなければならない学校はございません。しかし,学校が小規模化していくことは,やはり教育効果あるいはその学校運営等に大きな影響を及ぼすことになりますので,在籍児童数の推移を見守りながら,学校の適正規模について,その手法も含め,さまざまな観点から研究をしていかなければならないものと考えているところでございます。
◎高橋 指導担当部長 今後の外部指導者の活用についてでございますが,部活動は,教員と生徒が,その活動を通して触れ合いを図る場であるばかりではなく,生徒理解の面からも,授業と相まって大変重要な教育活動であると認識いたしております。
部活動の活性化のためには,教員が指導者として,これまで以上に積極的にかかわっていくことを促すとともに,子供たちの多様なニーズに対応して,すぐれた技術や経験を有する地域の方々などの協力を得て,外部指導者を活用していくこともまた重要な取り組みであると考えております。
教育委員会といたしましては,外部指導者の方々が,安心して部活動の指導に取り組んでいただけるように,今年度から,運動系だけではなく,文化系の部活動においても,傷害保険へ一括して加入するようにしたところでございますけれども,今後とも,子供たちの文化・スポーツ活動の活性化に努めてまいりたいと,このように考えております。
◆高橋功 委員 もうくどくど言いません。
この4小学校の統合問題,これはやはり私も,ある程度おおむね理解をいただけたのかなと,こう思っておりますので,かねてから私ども申し上げております,子供たちの教育環境を整えると,こういう観点から,都心部における統合という問題について,速やかな対応をぜひ進めるべきだと,こう申し上げておきたいと思います。
あわせて,後段で私が申し上げました,他の地域における調査検討というのは,やっぱり今後必要になってくる。当面はないのかもしれませんが,適正な対応をぜひ要望しておきたいと思います。
それから,外部指導者,これはもうこれ以上のご答弁は多分出てこないのだと思いますが,最初の答弁で,9年のときに26校,36名いましたけれども,12年で47校,92名です,ふえましたと。ふえているということは,需要も大きいということですと,こういうことだと思いますが,まだまだ足りないと,端的に言うと。先ほどから言っている98校ですか,国旗・国歌のときに話が出ていましたけれども,98校,99校の中で,半分ですよ,まだ,半分。1人でもいれば入るわけですから,そういう意味では,もう少しこのことについてしっかりと取り組んでいただきたい,このことを申し上げて,終わりたいと思います。
◆宮川潤 委員 私は,障害児学級整備と就学相談員について質問します。
まず,障害児学級についてです。
昨年の3月,本市特殊教育振興審議会が,札幌市の障害児教育の推進の今後のあり方の答申を出していますが,その中の「ノーマライゼーションと障害児教育」という項目で,このように述べられています。「将来の社会参加と自立のためには,障害ゆえに生じる様々な困難を軽減し,主体的に生活する能力を高めていくことが求められ,そのための適切な教育の場を保障することも,学校教育の重要な役割である。そして,この適切な教育の場は,障害の種類や程度,発達の状態が個々の子供により異なるため,多様に用意されるべきであり,特別な方法,手だて,設備が必要とされる場合は,それに対応する教育の場を用意することも大切である。」としています。また「障害のある子どもがすべて通常の学級へ通うことをもって解決するものではない。」としています。この点について,教育委員会としてどう考えるのか,見解を伺います。
また,障害に応じて「特別な方法,手だて,設備が必要とされる場合は,それに対応する教育の場を用意すること」の具体化は,盲・聾・養護学校,障害児学級等の整備を指していると思うのですがいかがか,また,本市の障害児学級の整備の現状について,おくれていると思うのですがいかがか,伺います。
次に,児童・生徒の就学,入学,転学,退学などに関する指導・相談業務に携わる就学相談員に関して質問します。
就学相談員が受ける主要な相談は,本来の校区の学校とは異なる学校への変更にかかわるものですが,例えば,児童が重いぜんそくにかかっているなど身体的理由により,本来校区の学校より近い学校へ通う場合,また,頻繁に通院が必要なために,通院するのに便利な学校に通う場合,また,転居が確定しているため,あらかじめ転居先の学校へ就学する場合,最近では,いじめや不登校のために,転校を余儀なくされる場合や,また,不況の影響もあり,債務や離婚を原因とする就学相談,指定変更もふえているとのことです。相談内容が専門的な上に,深刻,複雑になってきており,そういう場合は,ただ機械的な対応で済まされるものではなく,じっくり話を聞いて,相手の切実な気持ちを受けとめてあげなくてはなりません。
こういう点からも,求められる役割は,ますます重くなっていると思いますが,どう評価されておられるのか,伺います。
◎岩崎 学校教育部長 私の方から,障害児教育についてのご答弁を申し上げたいと思います。
まず,1点目でございますが,特殊教育振興審議会の答申は,ノーマライゼーションの理念を前提といたしまして,学校教育においては,障害のある子供が適切な教育の場で学ぶことが大切であると,このように述べられてございます。私どもも,子供の将来の社会参加と自立のためには大切なことと,このように考えております。
2点目の障害に応じた教育の場の具体化につきましては,一人一人の子供の障害の種類や程度に応じまして,盲・聾・養護学校,特殊学級あるいは通常の学級など,適切な教育の場を用意いたしまして,必要な教育的支援を行うことが大切であり,本市といたしましては,今後とも特殊学級や通級指導学級などの整備充実に努めることが必要であると,このように考えてございます。
3点目の特殊学級の整備の現状についてでございますが,ご指摘のように,他の政令指定都市と比較した場合,特殊学級の整備率が低い,これは事実でございます。現在,鋭意5年計画に基づいて努力をしていきたいと,このように考えてございます。
次に,就学相談員の役割についてでございますが,就学相談員は,現在2名で,児童・生徒の就学,入学,転学並びに就学義務の猶予及び免除に関する指導・相談業務を行ってございます。
最近は,内容の複雑な相談件数がふえてございまして,1件の相談に時間がかかるケースも多くなってきてございます。
このような状況の中で,直接相談者のお話を十分に聞きながら,学校など関係機関との連携を図り,業務を進めていく就学相談員の役割は,大変大きいものと,このように考えてございます。
◆宮川潤 委員 障害児教育については,適切な場が必要であると。また,具体化としては,盲・聾・養護学校や特殊学級の整備であるとの答弁でありました。
こういう考え方は,最近の国連やユネスコでの方向性に沿うものであると考えます。すなわち,障害のある子供とない子供とが,通常の学級において教育を受けられるようにすると同時に,児童・生徒の障害の状況に応じて,特別な学級,学校における指導を行うことができるという方向づけであります。
また,「21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議」の国への提言でも,児童・生徒の特別な教育的ニーズにこたえる教育的支援ということが強調されております。
そういう観点からも,障害児学級整備を進めるべきでありますが,本市におきまして,昨年の5月1日現在で,障害児学級を持つ学校数は,小学校47校,中学校22校です。いずれも整備率は25%程度と,地域に根差した教育という観点から見ると,本来校区の学校に通えない障害児が,同じ地域の子供と交流する機会が少ないなどの問題点があります。
障害児の教育において,その子が暮らしている地域で学びながら,より多くの子供たちと触れ合い,活動をともにし,よりよい人間関係を築き上げていく中で,地域に根差した生きる力を培うことができるのではないでしょうか。障害児学級に通いたいと思っても,地域との交流が持てないことを心配し,無理をして本来校区の普通学級に通わせる例も現実にあります。
障害児学級での,その子に合った生きる力を育成する教育と,地域との交流により,地域に根差した生きる力を身につけていくことを両立させるためには,障害児学級設置校をふやすことが必要だと思いますがいかがか,伺います。
就学相談員についてですが,1件の相談に時間がかかるようになってきており,役割も大きいとの答弁でした。
相談内容が専門的,複雑なだけでなく,相談件数も大変なものです。年間6,000件にも上り,6時間勤務の相談員2人でこなすのですから,激務であります。時には,相談者が四,五人も並んで順番待ちをすることもあるそうです。そういう場合,相談員だけでは足りなくなり,教育委員会の職員も援助に入っていると聞いております。
深刻な相談内容に加え,件数からも増員が必要ではないかと思いますがいかがか,伺います。
◎岩崎 学校教育部長 1点目の特殊学級の設置校をふやすことが必要ではないかということについてでございますが,対象となる子供がいる場合には,可能な限り地域の学校に特殊学級を開設いたしまして,教育の場を提供することは,先ほどお話申し上げました答申の提言にもありますように,まさに地域に根差した生きる力を培う観点からも大切であると,このように考えてございます。
したがいまして,先ほどもお話申し上げました,現5年計画の中で,小学校は40学級,中学校は養護学級のみ設置している7校に,情緒障害学級を整備することを予定してございます。
2点目の就学相談員の増員についてでございますが,委員ご指摘のとおり,相談者が多い一時期には,係全体で対応してございます。
今後も,現行の体制を維持しながら,市民サービスを低下しないように努力してまいりたいと,このように考えてございます。
以上でございます。
◆宮川潤 委員 就学相談員については,現行体制を維持したいというような答弁でありましたから,激務であることと相談内容が複雑になっていることなどから,ぜひ,現行体制を維持することは当然として,減員などということは考えられないと思いますが,増員をして体制強化を図るということを求めておきたいと思います。
障害児学級についてであります。
他の政令指定都市との比較で見て,やはり低いという答弁もありましたが,設置率で比較した場合,小学校では下から3番目,中学校では下から2番目という低さであります。この現状をよしとされるのか,今後整備を進める必要があるとの答弁でありましたが,他都市との比較を視野に入れた場合,いつまでに,どこまで整備を進めるのか,必要性についてどう考えておられるのか,伺いたいと思います。
◎岩崎 学校教育部長 特殊学級の整備につきまして,先ほどお答えをいたした中で,現行の5年計画が順調に進めば,最終的には,小学校では2校に1校という割合になる,こういう計画を立ててございます。
しかし,将来的には,やはりすべての小・中学校に特殊学級を設置すると,これが望ましいと,こういうふうに考えてございます。
以上でございます。
◆宮川潤 委員 すべての小・中学校に設置することが望ましいというような希望的なことではなくて,それを早期に実現するという点について強く求めて,終わりたいと思います。
○道見重信 委員長 ここで,おおよそ15分間,委員会を休憩いたします。
──────────────
休 憩 午後3時37分
再 開 午後3時55分
──────────────
○道見重信 委員長 それでは,委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き,質疑を行います。
◆宮本吉人 委員 私は,先ほど来,出ております,学校の統合問題並びに跡地利用について質問をさせていただきたいと思います。
先ほど来,我が党の五十嵐委員,あるいは高橋委員,その他の委員から,いろいろ出ておりましたから,多少の重複はご勘弁いただきながら,この問題を総括させていただいて,そして決着をつけたいと思っておりますので,どうか若干の時間,我慢をしていただきたいと思います。
私は,この問題につきましては,7年前の平成5年の代表質問で,東京都並びに京都市における学校統合の事例を申し上げながら,札幌においても,中心部における学校の児童が減少していることを指摘し,その検討に配慮を提言したのであります。特に,私を含め,弟や妹の母校であります曙小学校の場合,校舎が,大変老朽化をしておるし,耐用年数もとっくに過ぎていることから,早く見直すべきだと。さらに,この学校の過去においての近隣小学校の過大校対策としてできた経緯を述べながら,早急な検討と実施を求めておりましたので,今回の都心部小学校の統合計画については,何で7年もたったのかというようなことで,本当に遅過ぎるという思いはありますけれども,このおくれた分,何とか早急に取り返していただきたく,早期実施を願うものであります。
天然資源に乏しい日本において,尽きることのない資源は人的資源であります。日本の繁栄と国民の幸福を継続するためには,多様な分野において優秀な人材を育成し,我が国の政治経済,文化の水準を高めながら,すべての国民が精神的な豊かさと郷土を愛する心を培うことが,国を保持していくための絶対的な条件であり,その原動力は教育にあると考えております。
ことしの初めに,文部科学省から,21世紀教育新生プランが出されたところでありますが,その前文で,我が国の教育は,第2次世界大戦後,機会均等の理念を実現し,国民の教育水準を高め,経済社会の発展の原動力になったが,現在の教育の状況に目を向けると,国民や社会の教育に対する信頼が大きく揺らぎ,我が国の教育は危機に瀕していると述べられております。
また,この新生プランの目指すものの一つとして,新しい時代にふさわしい学校づくりを行うことを通じて,国民の信頼,期待にこたえる学校教育の新生を行い,国際社会に対して我が国が貢献していく土台となるような教育システムを構築していくことが挙げられているのであります。
こうした国の教育改革の目指す方向性にあわせて,新しい時代にふさわしい学校施設整備を進めていくべきと考えております。
そこで,今回の統合においては,都心部の過小規模校の解消を速やかに進めると同時に,これまでとは違った発想で,21世紀にふさわしい学校づくりに取り組むべきであり,そのような位置づけが必要であると考えております。
学校の統合については,だれしも,ないよりあった方がいいに決まっております。この問題を目先の問題としてとらえたならば,多少の反対があるのはやむを得ないというふうに思っております。しかし,長期的・総合的に見ますと,その評価は高いと確信しております。
現実には,平成7年に統合した京都市の御所南小学校で,保護者のアンケートをとったところ,「統合して大変よかった」「まあまあよかった」との回答が8割を超えたそうでございます。
このように高い評価を受けている実例もありますことから,このたびの統合についても,子供たちの教育環境を向上させることであり,その精神に基づき,自信を持って速やかに着実に進めていただきたいと考えております。
このような状況の中で,今までに,統合の問題に関してどのような意見があるのかということを調べさせていただきました。その一つには,世界の平和な国の学校規模は100人程度だから,日本の学校も少なくしなくてはならないというようなことがあったそうです。私は,これは国情や制度の違いを無視したもので,そのような外国の学校は父兄が多額の負担をし,自分たちの考えやニーズに合った私立学校に入れているのがほとんどだと考えております。
また,通学時間がかかると,子供が疲れて不登校になり,学級崩壊が起こるなんていう意見もあったそうです。通学距離は,現在の計画では,2キロ以内でありますし,地域の古老にこの話をしましたら,そのくらいは歩かせた方が体力がつくし,過保護にすると虚弱体質をつくり,忍耐力のない子供ができると。
それから,3番目には,学校がなくなったら,いびつな街になり,地域崩壊が進むと。私は,私の地元でありますそれぞれの学校を見ておりますと,むしろ学校があることによって,地域の発展が阻害されている部分もあるというふうに考えております。跡地を再開発することにより,地域発展の起爆剤となるようにすれば,私は,もっともっと,地元に対しては,あるいは街づくりに対してはいいものというふうに考えております。
過小規模校では自立を妨げるおそれがあるとのことに対して,その科学的な根拠を示せなどと無理難題をぶつけてきたり,卒業生が久しぶりに帰ってきたとき,思い出の学校がないから寂しいなどと,全く何を考えているのか理解しがたい意見があったのであります。(「寂しいことは,寂しいのだよ。」と呼ぶ者あり)その気持ちはわかりますがね。
また,統合自体は,これまで,郊外部で児童が増加し,過大校になったところを分離新設して,学校規模の改善を行ってきたのと同様に,今度は逆に,児童数の激減した都心部の過小規模校について統合するものであるのに,反対のための反対で,当事者である善良な保護者をいたずらに混乱させることはすべきでないと考えております。したがって,反対のための反対意見は考慮する必要はないものと考えております。
また,ここで配慮しなければならないことは,統合される豊水小学校,大通小学校,曙小学校の地域の方々のことであります。小学校がなくなったことによって受ける物理的,精神的な影響であります。統合についてはやむを得ないとしても,学校跡地はどうなるのだろうかと,跡地利用については,地域の新しい街づくりの核となるものにしてほしいとの要望が寄せられているところでもあります。
そこで,質問いたしますが,現実には,116年の歴史を持つ豊水小学校のある豊水地域から,時代の変化を受け入れ,跡地の活用について市長に要望書の提出があったことが先ほど報告をされました。したがって,市としても,早目早目に地元の意向を具体的に調査し,それを踏まえながら,地域のためにどう活用していくのか,速やかに検討していくべきと考えますが,この学校跡地の活用について,現在検討し,考えていることをお伺いいたします。
◎霜觸 総務部長 統合が実現いたしますと,閉校となるでありましょう4小学校は,そのいずれもが地域の人々に支えられながら,長年にわたりまして子供たちをはぐくんできた伝統がございます。その有形・無形の伝統をしっかり統合校へ引き継ぐこと,あるいは生かしていかなければならないものと考えているところでございます。
また,統合校が創成小学校の場所で開校することになりますと,同時に閉校となります豊水あるいは大通,曙小学校の跡地の活用につきましては,例えば,今,委員のお話にございましたけれども,地域の活性化を目指した活用の提案もいただいているところでございますが,そうしたそれぞれの地域の思い,あるいはそのご意見も,十分これは時間をかけてお聞きしながら検討していくことが必要であると考えているところでございます。
ともかく市民の貴重な財産として活用する方向で,市としても十分考えていかなければならないものと考えているところでございます。
以上でございます。
◆宮本吉人 委員 私の地元でありますから,地域の皆さん方から直接いろんな話を聞くのでありますが,その中におかれましても,やむなしというご意見が大多数を占めております。
その中で,若干,先ほど申し上げましたように,いろんな思いから,残してほしいとか,あった方がいいとかという意見は,事実あります。しかし,そのような意見に対して,直接地域の保護者や地域の人でない方々が,逆にいろんな運動をしているということも聞いております。
私は,この問題につきましても,少なくとも地域の問題として,地域の将来,そして子供たちの将来を考えた地域の皆さん方のご意見や希望を十分考慮していただきたいというふうに思うところでございます。
そういった意味で,統合やむなしというのが大勢でありますが,これらの統合計画については,速やかに進めていただきたい。また,学校跡地の活用については,地域の思いに十分配慮する必要があるとの答弁がありましたが,私としては,学校がなくなったことに対する,代償とまでは言いませんが,地域の意向を十分踏まえ,また,物理的,精神的ダメージに対しては,そういった意味でのかわりというか,あるいは学校がなくなったことに対して,将来的な街づくりの中で地域の皆さん方に十分配慮をしていただきたいと思います。
これにつきましては,私にとりましては大変重要な課題でありますので,今後も引き続き取り組んでいきたいと思っておりますので,積極的なご検討をお願いいたしまして,終わらせていただきます。
◆藤原廣昭 委員 私は,全部で大きく11項目について質問をさせていただきます。多いのですけれども,事前に理事会の中で皆さんにお願いをしてありますので,努力をいたしますけれども,ご理解をお願いしたいと思います。
最初に,学校図書館の充実と地域ボランティアの活用の取り組みについて,2点目には,学校評議員制度の検討状況と今後の取り組みについて,3点目には,学校トイレの改善とフレッシュアップ計画について,4点目には,学校週5日制による学校行事への影響について,5点目は,2001年度の少人数授業等の実施計画について,6点目,前段の最後は,市立幼稚園の改築見直しや3歳児保育などについて関連してお伺いをいたします。
最初に,学校図書の充実についてであります。
学校図書整備状況を調査してみましたら,その結果は,2000年度において,小学校の図書数は114万8,765冊で,不足数は72万冊に及んでいるわけであります。充足率は61%,前年から見まして4.5%増となっております。中学校では,図書数は49万7,826冊で,不足数は約71万冊に及び,充足率41%となっており,前年比3.9%の増となっているわけであります。
そこで,1点目の質問は,新年度予算案では,小学校1億3,180万1,000円,中学校では8,554万8,000円となっておりますけれども,今後,この充足率達成の取り組みについてどのように計画をされているのか,お伺いをいたします。
2点目は,特に中学校の充足率は41.1%と,著しく低い状況でありますけれども,今後の中学校に対する向上策は何か考えておられるのか,伺います。
3点目については,99年度の国の緊急雇用対策資金を活用し,蔵書の廃棄とバーコード化を各学校ごとに行い,図書台帳整備を行ったわけでありますけれども,今後,この蔵書管理の
コンピューター化などについて,年次計画はどのように検討されているのか,3点目にお伺いします。
関連して,司書教諭の問題でありますけれども,12学級以上の学校には司書教諭を発令することが法的に改正をされ,本市においても,そうした要請が行われているわけであります。
昨年の決算特別委員会においても,年度途中でありますけれども,その時点で,101人が資格を取得する見通しということでありましたけれども,今年度,間もなく最終年度日を迎えようとしている中で,最終的な今年度の資格取得者の状況はどのような数字になっているのか,あわせて合計数は,これまで取得した人とどのような状況になっているのか,お伺いします。
このような中で,どうしても,現状としては,12学級以上を優先せざるを得ないというような状況が出てくるのかもしれません。私ども民主党としては,やはりこの間主張しておりますように,11学級以下にも実施をすべきだということと同時に,基本的には,これを専任化していくべきだというふうに考えているわけであります。
いろいろな状況の中で,こうしたことが一気に解決するとは思っておりませんけれども,このような状況の中で,やはり学校では,児童や生徒たちにいろいろな面でしわ寄せというか,影響を来しているわけであります。
そんな意味で,現在,本市においても,学校開放図書などで,ボランティアの皆さんのご協力を得ながら,週何日かそうした取り組みをしているわけであります。
それとは別に,こうした小・中学校において司書教諭が近い将来配置をされるとしても,それは校務分掌上の配置であって,極めて忙しいこうした状況の中で,配置をされたから,今の問題が解決をしていくかということについては危惧を持つわけでありまして,例えば,地域の皆さんに本の整理,あるいは多少破れた本などの修繕をしていく,そうしたボランティアなどを校区ごとに,できるところから募集をして進めていくような取り組みについてはどのように考えているのか,学校図書の関係について,4点目にお伺いをいたします。
次に,評議員制度の関係であります。
今年度から新年度にかけて2年で,学校評議員制度,小・中・高2校と幼稚園が1校対象となって,モデル的な取り組みをしていると思うわけであります。
そういう中で,この評議員制度について研究委託の進捗状況はどのようになっているのか,1点目にお伺いいたします。
2点目には,今後検討すべき課題と今後の取り組みについて,学校評議員制度の関係でお伺いをしておきます。
次に,学校トイレの改善とフレッシュアップの計画についてであります。
先ほども,高橋議員から,トイレの改善についての質問がありました。トイレは文化であり,トイレは社会の凝縮空間,トイレを見れば,その国やその学校がわかると言われているわけであります。
神経質な子供たちは,ストレスなどによって,生理的に体に変調を来し,便秘やあるいは下痢になったり,また,途中で,学校で我慢していたものですから,トイレがしたくなる。しかし,途中に公園などがあれば別ですけれども,そうした公園のトイレにおいても,やはり子供たちが使うというような状況もありませんし,また,途中に借りられる,そういうおうちがあるのかどうかというのも問題であるわけであります。
このような中で,子供たちが自分で美化運動,こうしたトイレの改善に取り組むことによって,こうした子供へのトイレへの心理的,教育的な効果にもつながります。学校トイレづくりを総合学習に生かすといったような,先取りをしてやっている学校も先進事例では,あるわけであります。
こういう中で,本市の学校トイレの全面改修は,大規模改造事業の実施校で取り組んでいるわけであります。当然,故障や破損などのときは別でありますけれども,大規模改修のときに,基本的に行っているわけであります。
過去5年間,整備状況を調べてみますと,小・中学校合わせて,96年度では1校,97年度は16校,部分改修も含めてでありますけれども,98年度は1校,99年度はゼロ校,2000年度は3校という状況になっているわけであります。
本市の学校の場合,3階建てが多く,全面改修費用は,昨年実績で約3,600万円,1カ所当たり約1,200万円という状況であります。
他都市の例では,子供のアイデアを募ることによって改修費が若干安くなった事例も出ているわけであります。
今後,本市の厳しい財政状況の中で,学校の延命を図らなければいけないわけでありますけれども,大規模改修事業の際に,子供に愛され,全面的に向上したトイレに改善をしていかなければいけないと思うわけであります。
そこで,学校トイレの改修に当たって,児童・生徒を参加させ,意見,アイデアを出し,パートナーシップでトイレのフレッシュアップを図るべきではないかと考えますけれども,いかがお考えか,お伺いをいたします。
次に,学校週5日制による学校行事への影響についてであります。
最近,子供は旺盛な生命力に欠け,生き生きとした姿が見られないという声をよく耳にするわけであります。
このような中で,2002年度から,学校は,週5日制に移行されるわけであります。小・中学校においては,遠足あるいは運動会,学習発表会,スキー遠足など,さまざまな諸行事があるわけであります。2002年度からは,こうした行事について,週5日制になったことにより,どの行事かを取りやめなければならない,そういうような状況も予測されるわけであります。
しかし,こうした学校の諸行事では,子供はふだんとは違った顔だったり,力を発揮をしたり,例えば,スキー遠足などでは,親子でスキーのリフトに乗る練習をしたり,スキーを練習しにいったり,さまざまなそういう親子の触れ合いというものがあるわけであります。そしてまた,先生のふだんとはまた違う顔も見たり,そうしたことでお互いに人間関係を緊密にしていくことにもつながるわけであります。
そうした状況の中で,本市における各小・中学校でも,この行事の見直しについて,どこで,だれが,どのような形で,今この作業を進めているのか,お伺いをいたします。
2点目には,やはりこうしたものは,一方的ではなくて,当然,PTAや保護者の皆さんにも十分に説明し,理解してもらうことが必要であると考えるわけでありますけれども,こうした手法を用いていく考えはあるのか。同時に,カリキュラム,例えば冬ですと,今,スキー遠足も一段落したわけでありますけれども,3学期の体育の時間を多少やりくりすると,2回のスキー遠足が1回に減るのかもしれませんけれども,そうしたスキー遠足が可能になる場合も出てくるわけでありまして,こうしたことも十分視野に入れて,現場なり検討しているところに指導をしていくべきではないかと考えておりますけれども,どのようにお考えか,お伺いいたします。
次に,2001年度の少人数授業における実施計画についてであります。
これまでも,チーム・ティーチングなどの実施によって,算数や数学,英語など,習熟度の程度に差の生じやすい教科の取り組みを行ってきたわけであります。このような中で,国の第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画に基づく,2001年度の本市における少人数授業の取り組みについて,3点お伺いいたします。
質問の1点目は,これまでのチーム・ティーチングなどの取り組み状況と,学校ではどんな教室を利用して実施しているのか,お伺いをいたします。
質問の2点目は,新年度に向けて,小・中・高別に,何校から,どのような教科への少人数授業が報告をされ,取り組まれようとしているのか,あわせて,それを受けて教職員の配置規模はどのようになるのか,お伺いいたします。
質問の3点目は,実施に伴う効果と課題をどのように分析し,今後に生かそうとしているのか,少人数授業の関係について3点お伺いいたします。
前段の質問の最後は,幼稚園の問題であります。
本市にも17園の市立幼稚園があるわけでありますけれども,これまで3園が改築をされてきたわけであります。現5年計画においても,すずらん幼稚園がその対象となっているわけでありますけれども,その見通しについて具体的にお伺いをしたいと思います。
質問の2点目は,幼稚園における3歳児保育の取り組み方についてであります。
現在,民間の幼稚園でも,3歳,4歳,5歳の幼児を積極的に受け入れているところがあるわけでありますけれども,最初に,民間の3歳児,そういう3歳児保育を取り組んでいる状況について具体的な数字を示していただきたいと思います。あわせて,本市においては,この3歳児保育の取り組みについてどのような考えを持っているのか,お伺いをいたします。
3点目は,市立幼稚園における各園の独自の園児の募集であります。
私どもに寄せられている声の中には,例えば,ある市立幼稚園の先生が,自分たちで手づくりでつくったものを,目立った場所に家庭ですとか商店の玄関先とか,あるいは町内会の許可を得て,町内会の掲示板にも張るような取り組みをしたら,それをやめるように言われたというようなことであります。現状としては,市立幼稚園すべてではありませんけれども,定員を満たしていないところもあるわけでありまして,やはり市立幼稚園のそうした募集をしっかりしていこうという職員の皆さんの腰を折るようなやっぱり状況が見られるわけでありますけれども,何か市立幼稚園では,個別のそうした園児募集のポスターなどは法的に規制がされているのかどうか,お伺いをいたします。
4点目の幼稚園にかかわる質問については,障害児が途中から入ってきた場合に,本市においては,多分これは他の事例と同じように,5月1日以降に入ってきた場合などについては,入ってきたことによって職員をふやさなければならない,そういう状況が出てくる場合に,なかなか,もう5月1日を過ぎたからということで,職員の加配措置がとられていない現状にあるわけであります。
やはり,民間保育園などに行っても,さまざまな問題があって,どうしてもそこをやめざるを得ない。そして,違う幼稚園に入らなければならない。しかし,受け入れてくれるところもあるけれども,やはり市立幼稚園の中で,多くの子供たちと触れ合って,体は不自由であっても伸び伸びと育ってほしいという親の願いがあるわけであります。そういう状況の中で,断っている事例はないのか,あるいはその加配措置についてどのように対応されているのか,4点お伺いをいたします。
まず,前段の6項目について,ご回答をお願いいたします。
◎大西 事業調整担当部長 私の方から,6点のうち,1点目,3点目,そして6点目の一部につきましてご回答申し上げます。
まず,1点目の学校図書の件でございますが,そのうち,図書充足率を引き上げるということ,並びに中学校の充足率の向上という,この2点につきまして,あわせてお答え申し上げます。
学校図書館の蔵書につきましては,国が設定しております学校図書館図書標準の充足に向けまして購入整備を進めてございます。
12年度におきましては,図書充足率の低い学校の底上げを図りながら,学校配当予算の増額を行ってきたところであります。
その結果,委員からもお話ありましたけれども,小学校では約9万6,600冊が増加しておりますし,国の図書標準に対しましては,寄託図書を含めまして,充足率は70.9%と,前年度に対しまして4.7%の増となっております。また,中学校では約4万8,900冊ふえまして,充足率といたしましては44.1%,前年対比4.0%の増と,こういうふうになってございます。
今後の図書の充足率向上についてでございますけれども,従前,学校配当予算で書架の整備も行ってきたところでありますが,今後,当分の間は,図書に限って購入する,このように指導してまいりたいと考えておりますし,特に中学校につきましては,充足率の向上に向けまして,可能な限り予算の弾力的な運用を図り,これまでにも増しまして,学校配当予算の増額に努めてまいりたいと,このように考えております。
図書の3点目の件です。
蔵書管理の
コンピューターの整備ということでございますが,自校及び他校等の蔵書検索と,これに伴う図書の相互活用,あるいは図書台帳の管理等には
コンピューターが有効と判断されます。このことから,11年度に実施しました学校図書館蔵書整備事業におきまして,蔵書データの入力を行いますとともに,バーコードラベルを張っております。
一方で,機器整備につきましては,平成12年度に,小・中学校36校に校内LANを整備しまして,この中で
コンピューターを学校図書館に設置しております。この
コンピューターに,13年度には蔵書管理システムを導入していく,こういう予定でございます。
今後の機器及び蔵書管理システムの整備についてでございますけれども,国の教育用
コンピューター整備等の考え方等も出されております。それらを参考にしながら,また,本市としての財政上の課題も勘案しながら,今後検討し,進めてまいりたいと,このように考えております。
4点目でございますが,司書教諭の数等につきましては,担当の所管の方からお答えさせていただくとしまして,学校図書館における地域ボランティアの活用についてでございますが,これは,PTA等の協力も含めまして,一部の小さな学校ではそういう協力もあるというふうにも聞いておりますが,学校図書館運営の一環として,各学校長の判断にゆだねるべきというふうに考えておりまして,今後,そのような案もお話をしてまいりたいというふうに考えております。
次に,大きな3点目の学校トイレの改修についてでありますが,児童・生徒の参加をということでございます。
札幌市の学校トイレにつきましては,児童・生徒が利用しやすいよう整備を行っておりまして,施設面では改善されつつあると考えております。
児童・生徒が,学校トイレになじめない事例等につきましては,先ほど高橋委員からもお話もありましたし,私どもとしても承知をしてございます。
他都市では,学校トイレの改修の際に,児童・生徒の意見も取り入れながら整備を行った結果,児童・生徒がトイレを大切に使うようになった,あるいはトイレに行きやすくなったと感じているなど,児童・生徒の参加によります効果が出ている事例もあると伺っております。
そこで,このたび,市内小・中学校20校の児童・生徒を対象といたしまして,現在,学校トイレを余り利用したがらない理由等についてのアンケート調査を実施しているところでございます。したがいまして,その結果を踏まえました上で,ご提言のありました児童・生徒のトイレづくりへの参加等を初め,心理面に対します効果的な指導や施設の改修方策を総合的に検討してまいりたいと,このように考えております。
次に,大きな6点目にご質問ありました幼稚園の関係でございますけれども,このうち二つについて私の方からお答え申し上げます。
まず,すずらん幼稚園の改築の見通しについてでございますけれども,委員からもお話がありましたとおり,現5年計画に盛り込まれているところでありますが,本市の幼稚園をめぐる現状を見てみますと,急速に進行しております少子化の影響もあり,3歳,4歳,5歳の対象幼児数が,市全体で,現在あります幼稚園教育振興計画策定時の平成7年度から12年度までの間で,約4.8%減少しております。このため,市立幼稚園,私立幼稚園の公私両方の幼稚園の定数割れというようなことが生じておる現状にあります。
したがいまして,こうした現状がありますことから,すずらん幼稚園の改築は,今後の対象幼児数の推移や本市の幼稚園教育のあり方,さらには,今後の財政をも勘案しながら,もう少し時間をいただきながら,検討を進めてまいりたいと,このように考えております。
幼稚園の2点目の3歳児保育についてでございます。
平成7年に策定しました,先ほど申し上げました札幌市幼稚園教育振興計画におきまして,老朽化した木造4園の改築に合わせまして3歳児保育を実施する,そのような計画にしております。既に,白楊,かっこう,もいわの3園につきましては改築を終えまして,同時に3年保育を実施してございます。
今後は,すずらん幼稚園の改築に合わせまして3歳児保育の実施を目指してまいりたいと考えております。また,それ以降につきましては,今後の本市全体の幼児数の推移を見ながら検討させていただきたいと,このように考えております。
以上です。
◆高橋 指導担当部長 私から2点目の学校評議員につきまして,それから4点目の学校週5日制完全実施に伴う行事について,それから5点目の少人数指導加配についての一部についてご説明申し上げます。
まず,本市の学校評議員制度に関する研究委託の進捗状況についてでありますが,今年度より2カ年継続で,幼稚園1園,小・中・高等学校各2校ずつ,計7校に対しまして研究を委託しまして,学校評議員制度の確立のため,学校外の意見を聞くための仕組みのあり方について研究を進めているところでございます。
昨年12月には,その7校が一堂に会して情報交換会を開催し,本市における学校評議員制度のあり方について意見交流が行われたところでございます。その中では,学校評議員制度にかかわるPTA役員との整合性,評議員の守秘義務,規約の問題,評議員への委嘱期間等,今後検討すべき課題が挙げられてきているところでございます。
委員会といたしましては,これらの課題の解決に向けまして,各研究委託校における調査研究を来年度も継続していくとともに,その成果を見定めながら,実施時期も含めて検討してまいりたいと考えております。
2点目の学校週5日制完全実施に伴う行事についてでございます。
学校行事につきましては,学校の教育課程にかかわることでございまして,地域や子供の実態等を踏まえ,各学校が決定するものでございます。各学校においては,学校週5日制の完全実施に向けて,改めて学校行事全般にわたって,週5日制の趣旨と学校行事のねらいを踏まえ,学校,家庭,地域社会のそれぞれの役割を考えながら,見直しを進めているところでございますけれども,今後,開かれた学校づくりを進めるために,家庭や地域の人々の協力を得るなど,家庭や地域社会との連携を深めることが一層求められていることからも,委員ご指摘のように,行事の見直し等,学校の教育活動については,あらゆる機会を通して保護者や地域の方々の理解と協力を求め,学校として説明していく責任を果たしていくことが重要であると考えているところでございます。
また,今後の学校行事等の精選に当たりましては,親子の触れ合い等も視野に入れ,それぞれの行事の意義を十分に踏まえながら,総合的に検討を進めるよう各学校に対しまして指導してまいりたいと考えております。
最後に,少人数指導の加配についてでございます。
まず,これまでの具体的な取り組みについてでございますが,次年度から始まる少人数授業等の指導にかかわる加配に先立つ,いわゆるTT加配において,本市におきましては,今年度,小・中学校合わせて243校でチーム・ティーチングの取り組みが行われております。
例えば,算数,数学においては,子供のつまずきに合わせた支援が可能になったり,理科の授業においては,興味,関心に応じた課題別の指導が可能になったりするなど,多様な学習の充実に資することができたという報告を多く受けているところでございます。
今後,その加配による効果をどう予想しているかということでございますが,このたびの教職員定数改善の趣旨は,子供たちの基礎学力の向上ときめ細かな指導を行うために,国語,算数,数学等の教科において,少人数編成で学習指導を行うという趣旨のものでございます。
各学校においては,児童・生徒の実態を十分に考慮しながら,計画を立て,実施するという予定でございますけれども,委員会といたしましては,実施校での学習効果について,今後とも見きわめてまいりたいと,そのように考えております。
以上でございます。
◎岩崎 学校教育部長 私の方から3点お答えを申し上げます。
まず,1点目の学校図書館のうちの4点目,有資格者である司書教諭の本年度までの人数でございますが,11年度までは181名で,12年度中に85名が新たに資格を有してございます。合計266名と,こういう数字になってございます。なお,私どもが今見込んでおります必要数は271と,こういう数になってございます。
次でございますが,5点目の少人数指導の加配についての2点目の13年度の加配措置の状況についてお答えを申し上げます。
少人数授業など,きめ細かな指導実施計画書の提出がありました学校数は,小学校203校,数にいたしますと269人,中学校97校,140人でございます。この実施計画書によりますと,学級内における複数教員による指導や学級の枠を超えましたグループ指導などの実施形態が挙げられてございます。
なお,平成13年度の,いわゆる加配措置でございますが,現在,国会の方で,予算案審議の最中でございますので,そのことで申し上げますと,平成12年度までの,指導方法の改善を行う学校への加配,小学校151人,中学校92人に加えまして,今のところ30余名の加配措置の増が見込まれているところでございます。
次に,6点目の市立幼稚園につきまして,そのうちの3点目,園独自の募集のことについてお答え申し上げます。
市立幼稚園におきます園独自の募集についてでございますが,園だより等の近隣児童会館への配付,あるいは地域の方の目に触れる場所への掲示,入園希望者に対する施設公開,子育て支援関係会議等におきます説明会,それぞれ園が工夫を凝らしてPRを行っていると,このように聞いてございます。
教育委員会におきましては,広報さっぽろやポスター等を通じて,市立幼稚園の園児の募集について周知を図っているところでございますが,これらの,地域に密着した,各幼稚園の,いわゆる独自性を発揮したPRも大変大切であると,このように認識しているところでございます。
次に,市立幼稚園につきましての4点目,障害児の途中入園者があった場合の対応についてお答えを申し上げます。
市立幼稚園では,1学級に1割程度,障害のある幼児を受け入れてございます。園におきます受け入れ態勢が整っていれば,途中入園も可能でございます。
また,教員の配置につきましては,今後検討してまいりたいと,このように考えております。
以上でございます。
◆藤原廣昭 委員 再質問をいたしますけれども,まず最初に,学校図書館の充実の問題であります。
先ほどの答弁の中では,新年度の予算の状況などについて報告をされたわけでありますけれども,昨年の10月17日の決算特別委員会において霜觸部長は,本市が独自に設定をしている学校図書の充足率については,今後見直す必要があると考えますと,今後は,文部省の学校図書館標準基準そのものを目標に検討していきたいという答弁をされているわけであります。
そうであれば,具体的にどのような計画に基づいて実施をしていくのか,お伺いをいたします。先ほどの答弁の中にもありましたけれども,ことしは,小学校で言えば,約10万冊の本を購入しているわけでありますが,約1万冊程度は,廃棄処分の対象となっているわけであります。仮にこの10万冊程度で,少子化傾向でクラスが少なくなったとしても,少なくても7年や10年の年月がかかるわけでありますけれども,これで,当たり前の形でそうした数字が達成されるわけでありますが,昨年の答弁からいって,やはり具体的にどのように,財政局の関係もあると思いますが,教育委員会として,これを短縮して行っていこうとしているのか,再質問をしたいと思います。
それから,学校評議員の関係でありますけれども,やはり私どもとしても,開かれた教育や学校というのは賛成であります。しかし,本市においては,いろんな取り組みをしていることは評価いたしますけれども,今年度と新年度,2年だけで,この学校評議員制度をすぐさま平成14年度から実施していくのは,私は無理があると思うわけであります。
なぜかというと,例えば,平成12年度においても,具体的な予算措置がされてからも,本格的には2学期以降でなければ,これが稼働していないという状況もあるわけです。平成14年から実施をするとすれば,新年度のやはり秋口ぐらいまでぐらいに,10月ぐらいまでにこれを取りまとめていかなければ,各学校にきちっとした指導が徹底できないわけでありまして,やはりもっと時間をかけて,そして本市独自のものにしていくべきだと考えます。
この間の答弁の中でも,本市の実態に合ったものにしていきたいということでありますけれども,他都市のいいところもそれは取り入れなければなりませんが,本市の実態に合ったということは,具体的にどのようなことを想定しているのか,お伺いをしたいと思いますし,私は,やはり守秘義務は,昨年の答弁の中では,子供たちのことがあるから,そのことなのだということを岩崎部長はお答えになっているわけでありますが,子供たちの問題については,心の相談員ですとか,地域には家庭児童相談員などがおりまして,やはりこの種の問題については,学校の経営や教育計画のあり方など,基本的なことをきちっと対象にすべきだというふうに考えているわけであります。
そして,同時にお伺いをしたいのは,もし,平成14年度に実施をするのかしないのか,するとすれば,新年度のどの時点で判断をしていくことになるか,それが15年度,16年度になっても同じことが言えると思うのですけれども,もう一度,14年度から実施をする予定はあるのか,もう少し慎重を期して取り組んでいく考えなのか,あわせてお伺いをいたします。
それから,学校トイレの改善,フレッシュアップの関係でありますけれども,私ども民主党として,昨年の11月に,こうしたトイレの取り組みを積極的に行っている横須賀市を訪問し,調査をしてまいりました。この中で,やはり子供たちへのアンケートだけではなくて,そのアンケートをもとにして,実際に子供たちにも学年別などに集まってもらったりして,そして,子供たちの具体的な意見も聞くという場を設定しているわけであります。そして,子供たちに色使いですとか,具体的なデザインまでも含めてアイデアを出してもらっている状況があるわけであります。
そんな意味では,私どもとしても大変な驚きであります。ここに写真を撮ってきておりまして,後で原局の担当の方にはお渡しをいたしますけれども,正直言って,本当に子供の想像力というか発想というのは,大人にはない,すばらしいものだという感じがいたしました。
例えば,今のトイレは,皆さんもご存じのように,廊下に横並びになっておりまして,ガラス窓がついていて,大便と,あるいは男便所でいくと小便をするところが横にこうなっているわけですね。だれがトイレをしているのか,おしっこをしているのかがわかるわけでありますけれども,私どもが調査をしてきた中では,やはり,用を足しているところが直接わからない,そういうようなデザインにしたり,あるいは花瓶を置くコーナーとか,姿見程度の鏡を置く,そして身だしなみを整えるとか,子供たちの書いた絵を定期的にそこに展示していくとか,あるいはトイレの表示についても,トイレとか便所という表示じゃなくて,子供たちがみずから自分たちの使うトイレの表示をデザインして,みんながこれがいいというものをそこにつけて,親しみのあるものにしているわけであります。
そうしたことをぜひ取り入れながら,モデル事業としてこれを実施すべきではないかというふうに思うわけでありますけれども,その点についてどのようにお考えか,お伺いいたします。
あと,5日制で行事の問題,あるいは少人数授業についても,基礎学力に役立てるために,市内には小・中学校合わせて300校,中には小規模校もありますから,すべてが対象になるということにもならないかもしれませんけれども,一つでも多くこうした取り組みが進んで,子供たちの学習力が向上するように要望をしておきたいと思います。
幼稚園の問題でありますけれども,3歳児の受け入れの中で,私どもが聞いている中では,教育委員会がそのような募集をしたらだめだと言っているというようなことを把握しているわけでありますけれども,教育委員会としては,そうしたことを各現場に対して本当に言っていないのかどうか,改めて確認をしておきたいと思うわけであります。
それから,障害児の受け入れについては,状況を見て検討していきたいというような趣旨でありますけれども,例えば,本市の保育行政の中においては,もし人数がふえた場合には,加配措置を速やかにとって臨機応変な対応をしていると思うわけであります。
そんな意味では,市民からしますと,保育園の中ではそうした取り組みがされるにもかかわらず,幼稚園の中では,そうしたことがなかなかされないという問題意識もありますから,この辺について,速やかにそうしたことが今後取り組まれるのかどうか,あわせてお伺いいたします。
◎大西 事業調整担当部長 私の方からは,学校図書整備,そして学校トイレの二つの点についてお答えを申し上げます。
学校図書整備の蔵書の増というお話でございますが,昨年の決算委員会でご答弁申し上げました当面目標,小学校については80%を目指す,中学校については60%を目指す,こういうようなお話をさせていただきましたが,私どもといたしましては,やはり国の基準,これに基づいて100%を最終の目標として目指していくべきだと,このように見直しをさせていただいたところであります。
そして,平成11年度に行いました学校図書整備事業におきまして,思った以上に古い本が各学校にたくさんあったということでございまして,当時の整備前の数値で比較いたしますと,小学校においては81%の充足率が,整備の結果65.6%,そして中学校におきましては62.8%の数字であったものが40.1%というようなことになったところであります。
この廃棄をした分,さらには100%に向けての整備でございますけれども,先ほども申し上げましたが,これは何といっても予算を確保して,図書整備の方に増額をして努力していくと,これしかないと,このように思っておりますので,私どもそれに向けて努めてまいりたいと思っております。もう少し具体的なものについては,お時間いただきたいと思います。
それから,学校トイレの件でございますけれども,モデル的な取り組みをということでございます。児童・生徒がトイレづくりに参加するようなことをモデル的にやってはどうかということでございます。予算上の制約もありまして,児童・生徒の意見,要望に対しまして,どの程度対応できるかという問題もあろうかとは存じますが,先ほどいろいろアイデアをいただいた,例えば,色使いであるとか,トイレの表示を親しまれるようなものにするとか,そういう,すぐにでもできるもの,あるいは横須賀市の例として出された大変な経費等がかかるもの等,いろいろあろうかと思いますので,今後いろいろな課題を含めて検討させていただき,前向きに実施手法等についても考えさせていただきたいと,このように考えております。
以上で終わります。
◎高橋 指導担当部長 学校評議員制度について,再度お答え申し上げます。
学校評議員制度の趣旨につきましては,委員ご指摘のとおり,開かれた学校づくりのために,校長の求めに応じて評議員が学校運営に関する意見を述べると,こういう趣旨でございますが,学校が地域に開かれていくということは,学校の教育活動について,保護者,地域の方々に説明責任を負うということであろうと考えております。この場合,先ほど検討会で話が出たというふうにご報告申し上げたところでございますが,評議員の方々に説明責任とそれから守秘義務との二重に重なってくる部分がございまして,その部分をどうするかというのが,今,交流会で話題になっているところだというふうに私の方では押さえております。
また,先ほど本市の実態ということでございましたが,現在,1園6校に対して研究委託を始めたばかりでございまして,本市は広うございまして,地域性の違いもございますことから,まだまだ各地域ごとに研究委託を続けていかなければ,本市の実情等について反映された制度として,なかなか難しいのではないかなというふうに率直なところ考えております。
またあわせて,学校評議員制度を施行するためには,管理規則の改正も必要でありますことから,現実には,平成14年度に実施するのは,今のところ,なかなか難しいかなというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
◎岩崎 学校教育部長 市立幼稚園の関係で2点,私の方からお答え申し上げます。
1点目の園児の募集につきまして,教育委員会が何か,いわゆる中止を指示したというようなご指摘でございますが,先ほどお答えを申し上げましたように,委員会といたしましても,広報等を通しまして,市立幼稚園の園児の募集については周知を図っているところでございますし,さらには,先ほどお答え申し上げましたけれども,地域に密着した各幼稚園の独自性を発揮したPR,これは大切なことであると,このように認識しておりますので,ご理解をいただければと,かように考えております。
2点目の,いわゆる教員の配置の件でございますが,先ほども,検討してまいりたいというふうにお答えを申し上げました。
教員の配置につきましては,関係部局との調整も今後必要だと,こんなふうに考えてございます。その点も含めて検討させていただきたいと,このように考えております。
以上でございます。
◆藤原廣昭 委員 要望を申し上げて,次の項目に移りたいと思います。
学校図書館の地域ボランティアの関係については,先ほど答弁で,学校長の判断であるけれども,そういうふうな指示をしていくということでありますが,やはり教育委員会としても,積極的にそういう取り組みの姿勢を学校の方に伝えるようにしていただきたいというふうに思います。
そしてまた,評議員制度については,開かれた教育というような意味では,ただ単に子供を抜かした評議員制度であっては全く意味がないと思いますので,ぜひ児童や生徒の代表も,そして5人,6人という地域の代表じゃなくて,幅広い人が入るような検討もぜひしていただきたいと思うわけであります。
また,ぜひトイレの方については,前向きに検討をしていきたいということでありますので,早い時期の実施を強く求めておきたいと思うわけであります。
幼稚園の問題については,募集をしなくてもいいというようなことは言っていないということでありますから,私どもとしても,さらにそうしたことの取り組みがなかったのか調査をすると同時に,そうしたものが園長や末端の職員まで,できるというようなことを書面できちっと通知していただきたいと思いますし,また,加配措置については,やはり速やかに実施できるように,早急に検討を要請しておきたいと思います。
次に,学校給食費の値上げが心配されているわけでありますけれども,その状況についてどうなっていくのか,お尋ねをしたいと思います。
昨年の質問の中でも,新年度から,国の牛乳に対する補助が1円70銭,新年度から減額されるということを指摘しました。そしてまた,給食制度の中では,バイキング方式も,新年度から,年何回か,その学校の判断で取り組まれるというような状況であります。
以前は,平成10年度に多分,給食費が値上げをされているかと思うわけでありますけれども,そうした状況の中で,父兄としては,札幌市における給食費がどうなるのか心配な状況でありますので,そうしたバイキング方式などが導入されたり,あるいは国の牛乳に対する補助が減額されても,値上げをしなくても大丈夫なのかどうか,新年度の見通しについて,1点目,お伺いいたします。
2点目は,遺伝子組みかえ食品の使用であります。
従前から,みそは,遺伝子組みかえ食品でないものを,そしてまた,昨年からは,大豆ですとか,そういうようなものについても,非遺伝子組みかえの食品を使っておりますし,まだ,しょうゆとか油の部類が残っているわけでありますけれども,これもやはり早急に遺伝子組みかえ食品でないものを使うべきだと考えますけれども,どのように検討されているのか,2点目,お伺いいたします。
質問の3点目は,先ほどもありましたけれど,学校給食費の未納状況であります。
私どもも,同じような質問を用意しておりましたけれども,重複する分が先ほどありましたので,先ほどお答えになった中で,5カ所が最も高い学校だということでありますけれども,じゃ,具体的にその学校名を挙げて,具体的にどのような数字になっているのか,具体的に示していただきたいと考えております。
中には,例えば,私どもが調べた中では,教材費は払うけれども,給食費は払っていないという,同じ人でですよ,そういうこともあるわけです。これはやっぱり使い分けをしているわけですよね。確かに,生活が厳しいから,そうせざるを得ないのかもしれませんけれども,例えば,教材は,お金を払わなければなかなかあたらない,だけど,給食は,これは命にかかわる問題ですから,食べさせなければいけないわけですね。
そういう状況の中で,やはり,じゃ,この未納になっているお金をだれが払っているのかという問題もあるのですけれども,現状としてはどうなっているのか,お伺いをしたいと思うわけであります。
次に,豊明高等養護学校の給食調理設備の設置についてであります。
私どもも昨年,
文教常任委員会で,同校を視察してまいりました。いろいろ,短時間でありますけれども,見ましたが,結論的に言いますと,ここには給食設備がないわけであります。お弁当を持っていくことは,親の愛情も伝わってくるわけでありますけれども,全市的に見ますと,市立の豊成養護学校の小学校部・中学校部・高等部ですね,いずれも,親子給食など,隣接地域から,そうした給食の手だてがされておりますし,山の手養護学校においても,同じような取り組みがされているわけであります。
なぜこの豊明高等養護学校をつくるときに,そうしたことがきちっと検討課題にされなかったのか,非常に疑問に思うところであります。やはり親にしてみれば,豊明高等養護学校は,軽度の方が中心でありますけれども,健常児から見ると,手がかかることもありまして,朝の忙しいときに,お弁当をつくることは,子供に対する一つの触れ合いになるのではありますけれども,やはりぜひ給食制度を実施してほしいという声が父兄からもありますので,どのように考えているのか,お伺いをしたいと思います。
次に,3点目でありますけれども,障害児・生徒の養護学校等における医療ケア,いわゆるサクション,たん取りですね,これの取り扱いの問題であります。
これは,さまざまな医療行為に及ぶとか及ばないというようなことで,物議を醸しているわけでありますけれども,1988年に,東京都の教育委員会から,これについては,医療的な問題があるので,すべきではないという見解が示されてから,久しく時間がたっているわけであります。当時は,東京,大阪だけでありましたけれども,最近は,札幌にも,ほかの都市にも,こうした子供たちがふえてきておりまして,私どもが調べた中では,市内の市立の豊成養護学校には,小学校部で,43人中11人,中学校部では,13人中1人,高等部では,14人中5人,合計70人中17人と,こうしたサクションを使用しなければならない子供がいるわけであります。
最近は,医療行為について,在宅でとか,そうしたものが進む中,家庭では保護者が行っているわけであります。それについては余り医療行為的な問題は指摘されないわけであります。これはなぜかというと,ご承知のとおり,医師から,親が直接,指導,研修を受けて,行っているわけであります。
やはり,こうした学校などにおいて,教師はやりたくてもなかなか手を出せないという状況がありまして,本市においても,そうした研修を関係の学校に行うなど,取り組むべきではないかと。他都市においても,こうしたことはもう,研修を行って,認めているわけでありまして,ぜひ,この辺の見通しについて,お伺いをしたいと思います。
次に,障害児・生徒の進路の保障や卒業後支援のアフターケアの問題であります。
そうした障害児の子供たちが,中学校や豊明高等養護学校などを卒業して,通所施設に行く方もいらっしゃるかもしれませんけれども,就職をされる方もいるわけであります。そんな意味で,やはりそれぞれ頑張っているわけでありますけれども,3年間なり何年間,親しんだ先生が,そうした職場を尋ねて激励することは,本人たちにとって大きな励みになるわけであります。
さまざまな話を聞きますと,企業においては,年に1回程度,そうした取り組みを,子供や親や先生なんかも入れて交流会をしているというような状況も聞かれるわけでありますけれども,やはり卒業してから1年目,2年目というのは特に大事な時期でありますから,ずっとということではなくて,卒業後1年目,2年目に,重点的にそうした職場に行くような取り組みが検討されないかどうか,お伺いをしたいと思うわけであります。
最後に,卒業式にかかわる国旗・国歌の問題をお伺いしたいと思います。
以前にも,地域の父兄から私のところに寄せられた中で,校長にどのような形で進めるのかを含めて説明を求めたところ,それはPTAの運営委員会で説明をしてあるから,説明する必要は余りない,もしどうしても聞きたいのなら,校長室に来てくださいというようなやりとりがあったと。私どもとしては,それを受けて,高橋部長にそういう話をしたら,改善をしてくれたわけでありますけれども,やはりこうしたことが,他の学校でも結構あったのではないかと思うわけでありますね。
そして,私が幾つか調べた中では,子供たちの内心の自由が保障されていながら,卒業式の前日の総練習に,初めて校長が,これは歌わなくてもいい,歌ってもいいというようなことを説明したと。やはり昨年の9月18日の段階で,そうした取り扱いについて校長に示されているわけでありますから,少なくても,やる,やらないは別の問題として,子供たちに早くにそうした問題を提起して,子供たちに判断をさせるべきでなかったのか。
さらには,ある学校の校長は,歌わなかったら,あるいは立たなかったら,卒業式の後に自宅を訪問して,なぜ起立をしなかったのか,歌わなかったのか,そういうことを聞いて回るという,そんなことはしないと思いますけれども,ある意味ではおどしともとれる,そうしたことを子供や親に言っているという校長もいるわけでありますけれども,そうした校長は,これは処分にならないのでしょうかね,これは。
私どもの方にそういう声が寄せられているわけであります。私どもとしては,本当に皆さんが,そういう取り組みをして,学校にきちっとした説明をするということをこの議会の中でも約束してきたにもかかわらず,そういうことが形骸化されているわけであります。
こうしたことについて,どのように指導をしてきたのか,そして,今あった事例についてどのように考えているのか,お伺いをしたいと思います。
◎大西 事業調整担当部長 私の方から,1点目,2点目につきまして回答させていただきます。
まず,学校給食費の関係の給食費の来年度の見通しについてでございます。
本市の学校給食費は,各学校間で不均衡が生じないよう,小学校及び中学校の各校長会で統一した金額を定めております。
その具体的な決定方法でございますけれども,学校給食費を算定するに当たりまして,調査項目が多岐に及び,そして,その内容も専門的でありますことから,小学校・中学校の両校長会が,本市のPTA協議会あるいは学校給食栄養士会,そして,学校給食会及び校長会の代表で構成しております札幌市学校給食運営委員会に対して,翌年度の学校給食の検討について諮問を行い,本委員会の中で慎重に審議をしていただきまして,その結果,例年3月末ごろをめどに,両校長会に答申し,各総会においてこれが決定され,それが給食費の決定と,こうした流れで決まってございます。
12年度の給食費について申し上げますと,平成10年度から据え置きとなってございまして,具体的な12年度の状況でございますが,現在,1食当たりの学校給食費につきましては,小学校で,学年に差がありますが,194円から201円,中学校で247円,このうち,約25%が主食,約15%が牛乳,残りの60%がおかず,果物等の副食となっております。積算価格につきましては,10年度と同じということで,据え置きとしておりますが,現状におきましては,1食当たり21銭から25銭,年額にしまして39円から49円,率にいたしまして0.1%程度のごくわずかな上昇というような状況になっております。これは12年度の状況であります。
そこで,ご質問の13年度の学校給食の見通しについてでありますが,これまでのところ,非遺伝子組みかえ食品への切りかえの問題,また,お話のありました学校給食牛乳の供給制度の変更などの問題,価格の変動などの問題,お話のとおり,1個当たり1円70銭程度,補助の関係で高くなるものと考えておりますが,他の経費等との中で,総合的に検討していく必要がありますので,先ほど申しました学校給食運営委員会の中で,児童・生徒の食事内容を低下させることなく,かつ,保護者負担に配慮した適正な学校給食費を算定していただくことで,現在,慎重に審議をしていただいているところでございます。
次に,本市学校給食における遺伝子組みかえ食品への対応についてでありますけれども,12年度から豆腐及び豆腐の加工品の原料を,非遺伝子組みかえの大豆に切りかえたところであります。油脂類,しょうゆ類等の物資につきましても,本年度開催中のPTA,学校関係者の代表等による会議の中で,非遺伝子組みかえ食品への切りかえが可能であるとの先般結論を得ております。現在,切りかえに向けて,鋭意検討しているところでございます。
次に,小さな3点目の給食費の未納の問題の,学校ということでございますが,ご趣旨は,傾向ということだというふうに理解をいたしますが,具体的な学校名につきましては,お許しをいただきたいと思います。
傾向で申し上げますと,先ほど五十嵐委員にお答えしました未納率の高い5校についてでございますが,区別で申し上げますと,東区が2校,白石区が2校,豊平区が1校となっております。小・中別では,小学校が1校,中学校が4校となっております。以上でございます。
次に,豊明高等養護学校の給食についてでございます。
現在,同校の給食は,生徒に対しまして,牛乳のみの提供という,いわゆるミルク給食ということで,子供たちは家庭から弁当を持参するということになってございます。
高等養護学校の給食についてでございますが,法的には義務教育諸学校の学校給食を規定してございます学校給食法とは別に,盲学校,聾学校及び養護学校の幼稚部及び高等部における学校給食に関する法律で定められております。この法律が制定された背景についてでありますけれども,特殊教育諸学校の多くが,通常,同一施設内に幼稚部から高等部までを一環して設置している,このようなことから,法制化に当たって,幼稚部及び高等部と,学校給食法に規定しております小学部及び中学部とを分離して給食を実施することは合理的ではない,そのようなことから法制化がなされたものというふうに私どもも理解をいたしております。
このようなことから,私どもでは,高等部に限って設置をいたしました豊明高等養護学校につきましては,ミルク給食という形で,当初より給食を実施してきたところであります。
今後についてですが,同校における給食のあり方につきましては,関係法令の趣旨も十分尊重しつつ,また,学校からの意見等も参考にさせていただきながら,今後検討をさせていただきたいと,このように考えております。
以上でございます。
◎岩崎 学校教育部長 私の方からは,3点目の医療的行為と,4点目の障害のあるお子さんの卒業後のケアについてお答えを申し上げます。
医療的ケア,いわゆるお話にございましたサクション等の行為につきましては,国の見解といたしましては,法的には医療行為と,このようにされてございます。したがいまして,現在のところ,教員の皆さんが,それらの行為を行うことは困難であると,このように考えてございます。
なお,これらの医療的ケアに関しての国の動向についてでございますが,文部科学省と厚生労働省の協力のもと,平成10年度から,日常的に医療的ケアを必要とする児童・生徒への対応のあり方について,「特殊教育における福祉・医療との連携に関する実践研究」,これを都道府県教育委員会に委嘱いたしまして,調査研究が続いているところでございます。私どもも,その調査研究の動向を注目しているところでございます。
2点目の障害児の卒業後の支援の実践例でお答えを申し上げたいと思います。
現在,行われております具体的な取り組みといたしましては,豊明高等養護学校の例で申し上げますと,卒業生の雇用先への補助金が支給される職場適応訓練制度を活用いたしますとともに,学校の進路指導の一環といたしまして,教員の皆さんが進路先を訪問いたしまして,必要な卒業後の支援を行ってございます。
また,職場への適応がなかなか難しいお子さんもおりまして,そういう卒業生の方には,障害者職業センターとの連携のもと,職業訓練等の支援も行っているところでございます。
なお,私ども教育委員会といたしましては,生涯学習の観点から,成人学級等を開催する中で,そういう意味での支援も行っているところでございます。
以上でございます。
◎高橋 指導担当部長 国旗・国歌の実施にかかわって,一つは,児童・生徒に対する思想・良心の自由,いわゆる内心の自由の保障の問題,それから,各保護者あるいは地域住民の方々に対する説明,そして具体的に委員ご指摘の学校についての認識ということについて,私からまとめてお答えを申し上げます。
児童・生徒に対する思想・良心の自由についてでございますが,各学校におきましては,国旗・国歌の指導は,子供の内心にまで立ち至って強制する趣旨のものではなく,あくまでも教育指導上の課題として指導を進めていただいているものと認識しております。
教育委員会は,各学校に対しまして,学校教育において,国際社会に生きる児童・生徒に,国旗及び国歌に対する正しい認識やそれらを尊重する態度が求められていること,並びに,国旗・国歌の指導を学習指導要領に基づいて行う必要があることを,時期をとらえ,PTA役員会,学校だより,町内会の回覧等を通して,何らかの形で,保護者及び地域住民の方々に理解していただくよう指導してきたところでございます。学校においては,そのように努めてきていただいたものと考えております。
先ほどの学校の事例でございますが,国旗・国歌の実施について,教職員に理解を得るよう,何度も校長,教職員とで協議を重ねてきたところでございますが,なかなか教職員の理解を得ることができず,本来,儀式の指導を行うべき教員が,その指導を拒んだために,卒業式間近にやむなく管理職が,児童・生徒に対し,指導したものと理解しております。
加えて,先ほどの保護者についての説明でございますが,昨日終わりました中学校の卒業式で,国旗・国歌の実施方法等を変更した中学校,すべての学校において,PTA役員会,学校だより,町内会の回覧等を通して,何らかの形で,実施に向けた取り組みを行ってきたものと認識しております。
以上でございます。
◆藤原廣昭 委員 給食の未納の関係でありますけれども,やはり,先ほどの五十嵐議員の答弁でも,学校にそうしたことを指示している,指導しているということでありますが,やはりいろいろ調べますと,法的にも公金でないということから,強制的にこれを取り立てるという方法ができないという問題もあるわけであります。やはり学校現場に任すばかりでなくて,教育委員会としても,そういうような対策の窓口をつくって,そういう校長の相談に乗るとか,具体的な,トラブルがあってもいけませんから,こういうような接し方をするとか,いろんな指導をしていかなければいけないと思うわけですね。これをそのまま放置していくと,みんなが,じゃ,お金払わなくても,給食ただで食べれるのだなということになると,だんだんだんだん広まって大変なことになって,五十嵐議員も指摘していましたけれども,そういう平等感というか,公平感にもつながってきますから,ぜひそうしたことに取り組んでいただきたいと思うわけであります。
また,サクションの関係,たん取りの関係については,もう横浜とか千葉とか神戸では,国のそうした事例を待たずにもうやっているわけですね。現場の先生も手を出したいのだけれども,できないのが現状です,札幌市の場合ですね。
実際に,本当に子供がたんを詰まらせて,救急車を呼ばなきゃいけないと。だけれども,そのときに,すれば,命を取りとめることができるという場合だって,これから出てくると思うのですよね。
そういう意味から,やはり,他都市の事例をしっかり踏まえて,文部科学省も,平成10年度からでしょうか,そうした研究をしているわけでありますから,もう文部科学省も,そうした方向で動いてられるわけですから,本市としても,やはり積極的に取り組むことを要請しておきたいというふうに考えております。
また,障害児の進路指導や卒業支援についても,先ほど回答がありましたけれども,やはりもっともっと積極的に障害児であるがゆえの,そうしたアフターケアをしっかりこれから取り組んでいただきたいと思うわけであります。
最後に,卒業式における問題でありますけれども,高橋部長は,各学校で,したとか,一部反対する教職員の状況によって,そういう説明をするのがおくれたなどということを言っていますけれども,それとは次元が全く別の問題だと思うのですね。そうしたことからいって,やはりそういうことに責任を転嫁するのは,私は,問題だというふうに思うわけですね。
ましてや,先ほども言ったように,子供に,後で家庭訪問をして,校長が聞いて歩くというようなことをかなり早い段階から言って歩いているわけですよね。それはもう地域の中にだって広まっていたわけですよね。実際に,先ほども言ったように,そんなことはしないと思うわけでありますけれども,そういう校長がいるということは,私も本当に残念に思うわけでありますね。
子供たちには,内心の自由を保障すると言いながらも,本当にされていないという状況の中で,私も,昨年の9月18日以降,たまさか高橋部長や本間次長や山教育長のご自宅の前を通るときが何回かありました。(発言する者あり)9月18日以降,国旗を掲揚する日は8回あったわけでありますけれども,元旦の日はちょっと行けませんでしたが,あなた方,本当に指導しているのかどうか,私は,たまさか通った際に検証させてもらったけれども,(発言する者あり)本当に一生懸命やっていると思うのであれば,ちょっと答えてください。(発言する者あり)
○森健次 副委員長 質問の趣旨わかりますか。
◆藤原廣昭 委員 いや,それは,子供たちにとっても内心の自由,あなたたちにとっても内心の自由があるのであれば,子供たちにもきちっと内心の自由が保障されなきゃいけないのですよ。そうでしょう。あなた方は,学校に,祝日には国旗を掲揚しなさいと,あなたたちの家では掲揚していないのですよ。そうしておいて,子供たちにはそういう保障をしない,それは教師が反対をするからそういう時間がなかったという答弁をしている,そのことに対して何か反論があるのであれば,お答えいただきたいと思います。(発言する者あり)
○森健次 副委員長 あればしてくれということで。
◎本間 教育次長 藤原委員のいろいろなお話がございましたが,特に反論ということではございませんし,このことにつきましては,余り私,個人的なことをお話しするのはちょっと大人げないと思いますので,お話はいたしませんが。ただ,誤解をされるということにつきましては,大変不本意でございますので,お話しさせていただきますが,こういうことは言うべきでないかもしれませんが,私の自宅につきましては,壁の外装を全面的に修復いたしまして,タイル張りにいたしまして,我が家に国旗は,今,直ちに帰りましても存在はしておりますけれども,うまくそれがつかないというようなこともございます。そういうような一時的なことをごらんいただいて,それが学校への指導というふうに直結されることにつきましては,そういうことは私はないというふうに思いますし,教育長やほかの部長についても,いろんな事情があろうかと思いますが,そのことと学校に対する指導とは,私は,違う次元で考えております。
それから,子供の,いわゆる思想・良心の自由とか,教員に対してのそういう教育公務員としての責務とか,あるいは憲法に保障されている権利とかということにつきましては,担当の部長からお答えしているとおりでございます。
以上でございます。
◆藤原廣昭 委員 最後ですね,言っていること,やっていることが,本当に食い違っているということを指摘して,質問を終わります。
◆三浦英三 委員 私の方からは,本市における情報教育の推進についてお伺いをしたいと思います。
平成14年度から段階的に実施されます新学習指導要領においては,このように書かれております。児童・生徒が社会の変化に主体的に対応し,コンピューターやインターネットを活用する能力を身につけることが必要であるとしております。
私は,この平成14年度から始まる新しい学校教育において,ようやく本格的な情報教育が展開されると,このように考えております。国際化と情報化がますます進展する,この21世紀を担う子供たちの育成のため,カリキュラムの工夫はもちろんのこと,人的あるいは物的な整備を積極的に進めるとともに,情報化の進展に対して,柔軟にかつ速やかに対応していくことが重要であると考えるわけであります。
この観点から,まず3点質問をしたいと思います。
1点目は,情報教育に関する機器や環境の整備についてであります。
私どもは,機会あるごとに教育用コンピューターとインターネットを早期に全校に整備することを要望してまいりました。平成12年度に新たに小学校22台,中・高等学校42台,養護学校8台の整備がなされて,全校において整備が完了したと聞いております。これで,本格的な情報教育を推進するに当たって,ようやくスタートラインに立てたものと理解をしているところであります。
私は,インターネットの教育利用は,子供たちの情報活用能力や国際性を養う上で不可欠であると考えております。インターネットは,最新かつ大量の情報を受け,あるいは発信できるとともに,テレビ会議や電子メール等により,情報の交換がリアルタイムに簡単に行えるものであり,情報化社会の中心をなすものであります。しかし,ホームページの中には,子供たちの教育や健全育成に有害であると判断せざるを得ないものがありますし,ネットワークを利用した犯罪も多発しております。
本市においては,13年度予算案に全校のインターネット接続事業費が計上されておりますが,この有害情報に関する対策についてどのように考えているのか,まず1点目にお伺いをしたいと思います。
2点目は,校内LANの整備についてであります。
私は,高度情報通信社会に対応した学校教育は,いつでも,どこでも,学校内外の情報資源にアクセスできる環境が不可欠であると,このように考えております。
本市においては,12年度,実験的に36校に校内LANを整備し,すべての授業において,インターネットにアクセスできる環境が,一部の学校ではありますけれども,実現いたしました。これを全校に展開すべきであると考えますが,校内LANの今後の整備方針について,2点目にお伺いしたいと思います。
3点目に,特殊学級の
コンピューター整備についてであります。
我が党の小田議員が,昨年の12月の文教委員会を初め,議会で何度か養護学校における
コンピューターの有用性について触れ,整備を要望してまいりました。
私は,
コンピューターは,障害のある子供たちの学習の広がりに多様な可能性を見出すことができることから,特殊学級にも積極的に整備を進めていくべきであると思います。
本市の13年度予算案に,特殊学級用の教育用
コンピューター整備費が計上されておりますけれども,この特殊学級への機器等の整備にどのような配慮を行うのか,お伺いしたいと思います。
◎大西 事業調整担当部長 私から,情報教育の件の3点についてお答え申し上げます。
まず,1点目の有害情報に関する対策についてでございます。
本市では,国の研究委託事業を活用いたしまして,学校教育に適したインターネット環境を目指して,他都市と情報交換を行う,あるいは技術的な実験を進めてきたところであります。
その結果,個々の学校において,日々増加しています有害情報をリアルタイムで掌握することは難しい状況でありますので,本市におきましては,全校を取りまとめました接続拠点におきまして,有害情報を排除する方法が有効であると考えております。
なお,有害情報の取り扱いにつきましては,実験校における実践を踏まえまして,小・中・高及び養護学校の利用実態に応じて,きめ細かな対応ができますよう対応してまいりたいと考えております。
2点目の今後の校内LANの整備方針についてでありますが,教育用
コンピューターの整備台数の拡充,インターネット接続と密接に関連する内容でございます。
現在,情報教育の推進に関します検討委員会を設置しまして,総合的な視野に立ち札幌市の情報教育を円滑に推進するため,このための環境整備計画につきまして検討を進めているところでございます。
3点目の特殊学級用の
コンピューター整備についてでありますが,本市におきましては,平成5年度より,実験的に特殊学級へ,障害のある方対応の専用
コンピューターを貸し出しまして,ハードウエア・ソフトウエアのあり方について調査してまいりました。その結果をもとに,タッチパネルやペンタブレット,音声入出力装置,学習に適したソフトウエアなどを備えた,より操作のしやすい特殊学級専用仕様の教育用
コンピューターを特殊学級設置校に新年度から1台ずつ整備したいと,このように考えているところであります。
以上です。
◆三浦英三 委員 今の3点に対するお答えから,検討委員会等もつくって,今,検討しているということで,いよいよ本市の情報教育についての環境整備がこれから積極的に進められているのだなということがわかったわけであります。ですけれども,私は,ハード面だけではなくて,ソフト面の整備も非常に重要であると,このように考えております。
本市には,情報教育に関連する事業を受けて,実験的に活用している学校があると,このように聞いております。そうした実験校でのインターネットの活用状況や効果を明らかにして,その成果を積み上げていくということも非常に大事であると,このように考えるわけであります。また,教科の学習や総合的な学習の時間において,どのような活用方法があるのか,具体的な実践例を収集していくことも非常に大事であると考えるわけであります。
そこで,再質問でありますけれども,学校において,インターネットはどのように活用されているのか,また,効果的な活用の事例をどのように集約し,各学校に還元していく予定なのか,伺いたいと思います。
次に,現在,情報教育は,高度情報通信社会の進展に伴って,さまざまな課題に直面をしていると思います。
例えば,
コンピューターなどに夢中になって,自宅に引きこもって,人との接触を避けようとする子供がふえていると聞いております。あるいは,他人を誹謗,中傷する内容をインターネットで流すという情報モラルの問題など,いわゆる情報教育の陰の部分が指摘をされているところであります。これからは,こうした情報教育の陰の部分への対応も視野に入れながら,情報を積極的に活用できる資質を養うよう,今後の情報教育のあり方を総合的に検討すべきであると考えるわけであります。
そこで,2点目の質問ですけれども,いわゆる情報教育の陰の部分の対応を含め,今後の情報教育のあり方をどのように考えているのか,お伺いしたいと思います。
最後に,本市における情報教育の推進を考えると,今まで話してきたように,ハードウエアの整備や活用のあり方ということとあわせて,
コンピューターを十分に活用できる教員を養成することが必要であると考えるわけであります。
平成12年3月時点での本市教員の実態について,
コンピューターを操作できる教員が57%,
コンピューターで指導できる教員が27.6%となっております。国では,教育の情報化推進計画で,平成13年度までに,全教員が
コンピューターを操作でき,半数は,
コンピューターを用いて指導できるようにする,このようになっております。私は,本市においてこの目標を達成することができるのか,大変危惧しているところであります。
そこで,質問ですが,今後の教員の情報教育研修をどのように充実させていく考えなのか,お伺いしたいと思います。
◎高橋 指導担当部長 インターネットの活用についてでありますが,インターネットは,調べ学習や多様な地域の人々の交流などに,平成11年度,小・中・高42の接続校合わせて1カ月当たり2,997時間活用しております。
今後,インターネットの全校接続やそれに続く校内LANの整備によりまして,より一層インターネットの活用が進むものと考えております。
活用の事例の集約と還元の予定についてでございますが,インターネット接続校における効果的な活用事例を資料として集約し,平成12年12月には,各学校に配布する予定でおります。
今後の情報教育のあり方についてでございますが,情報教育の陰の部分への対応については,既に平成12年1月21日付で,市立学校・園におけるインターネットの教育利用に関する配慮事項について,これに基づきまして,児童・生徒への指導ができるよう,今後とも努めてまいりたいと思っております。
また,すべての児童・生徒が情報活用能力を身につけるよう,教育委員会内部の検討組織であります情報教育の推進に関する検討委員会におきまして,本年1月から検討を進めているところであり,6月には,札幌市の情報教育の基本方針の策定を中心に,今後の情報教育のあり方についてお示しできるものと考えております。
最後に,教員の情報教育研修についてでございますが,委員会といたしまして,
コンピューター実技研修講座や教育センターの情報教育研修講座等におきまして情報関連研修を行うとともに,情報教育支援デスク事業あるいは教員情報リテラシー向上プロジェクト事業において,各学校における
コンピューター研修会等へ講師派遣を実施してまいりました。
平成13年度は,機器操作中心になりがちであった研修を改善するために,教員情報リテラシー向上プロジェクト事業の内容を情報教育の校内リーダー養成に改めまして,すべての教員の操作,指導能力をより実践的,効率的に向上させる内容としたところであります。
今後は,機器の基礎的な操作にとどまることなく,児童・生徒の情報検索や情報活用の能力を育てるための研修の充実に力点を置いてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆三浦英三 委員 最後に,要望させてもらいます。
情報教育の推進というのは,地域間とか学校間で格差の生じない
コンピューターの機器や環境の整備が必要であると。これはもちろんでありますけれども,子供たちを指導する教員が力量を高めるための研修,これが何よりも私は重要ではないかと,このように考えております。そして,この研修は,今,話がありましたけれども,単に操作能力の向上を図る研修ではなくて,教員がみずから必要な情報を収集し,どのように教育に生かすかという研修に力点を置いていくべきであると思います。
今の部長の答弁によりますと,本市では,教育内容と連動させた研修に転換をしていくと,このように言われておりましたので,これについては高く評価しておきたいと思います。
私は,子供たちは21世紀を築くための無限の可能性を持っていると思うわけであります。将来の情報化社会を支える人材を育成するため,子供たちがみずから情報活用能力を身につけていけるような情報教育の充実を切に要望いたしまして,私の質問を終わらせていただきたいと思います。
◆飯坂宗子 委員 私は,学力の危機の問題と学校統廃合について,大きく2点について質問したいと思います。
昨年12月6日付で文部科学省が発表しました,国際教育到達度評価学会の国際数学・理科教育調査では,日本の中学生の数学と理科の成績は,国際的に高い水準にあるが,両科目とも好きという生徒の割合は最低レベルであると指摘をしています。
具体的には,数学は,「大好き」「好き」これを合わせて,日本の場合48%です。国際平均では72%となっておりますから,24%も低い。37カ国中,下から2番目,こう言われております。得点は5位であるのに,好きというのは下から2番目,これが数学です。理科はどうかと見てみますと,同様に,「大好き」と「好き」が合わせて55%,国際平均が79%ですから,これまた平均よりも24%低い。23カ国中,これまた下から2番目です。得点は4位であるのに,好きだというのは下から2番目。数学も理科もこういう状況です。成績が上位であっても,生徒の2人に1人が好きでないと答えております。これが問題です。このギャップについてどのように認識されますか,これが1点目です。
2点目は,子供の学習状況について教育長は,過日の本会議答弁で,全体としては良好,このようにご答弁されました。しかし,文部科学省の調査でさえ,授業がよくわかる,こう答えているのは,小学生で4人に1人,25%です。中学生では,21人に1人,5%,高校生では30人に1人,3.3%にすぎません。授業がわからない,すなわち学校がおもしろくない,こういう状況を生み出しています。
子供たちの発達段階を無視した学習指導要領による詰め込み教育と受験中心の競争教育という政府・文部科学省の教育政策のもとで,わからない子供たちがたくさん生み出されている,学ぶことが嫌いという子供がこのようにたくさん生じている,現状はまさに学力の危機だと私は思いますが,改めてご見解を伺います。
統廃合は,委員長,済みませんが,これが終わってからやらせてください。
◎高橋 指導担当部長 学力の危機の認識ということでございますが,先ほど川口谷委員のところでも申し述べさせていただきましたが,委員ご指摘の文部科学省が実施した教育課程の実施状況に関する総合的調査研究の結果,あるいは国際教育評価学会,いわゆるIEAの各種調査結果からは,我が国の子供の学習状況は,全体として良好であるとされているところでございます。
しかし,一方で,過度の受験競争の影響もありますことから,知識を詰め込む授業になっていること,あるいは,みずから調べ判断し,自分なりの考えを持ち,それを表現する力が十分に育っていないこと,特にIEAの評価にかかわっては,子供たちの学習意欲,特に算数,数学,理科にかかわって,学習意欲というものが非常に乏しくなっていると,こういう指摘を受けているところでございます。
この状況を踏まえて,新しい学習指導要領では,知識習得に偏りがちであった教育の転換を図って,各学校が基礎・基本を確実に身につけさせ,みずから学び,みずから考える,そういった生きる力や学力向上の基本でもある学ぶ意欲や探求心などを培うと,こういうことを基本的なねらいとして改定されたものというふうに理解しております。
以上でございます。
◆飯坂宗子 委員 どの子もしっかりとした基礎・基本の学力を保障するためには,今,学習指導要領の話も出ましたが,私は,やはり学習内容をしっかり精選する,そして,発達段階に即した系統的なものにする,断片的な知識の詰め込みではなくて,そういう精選が必要であるというふうに考えております。そういう学習内容の改善とともに,やはり30人学級の早期実現など,環境整備,これを同時に進めることが大変重要だと考えております。
実は,今開かれております国会に,野党3党が共同して,共産,民主,社民ですが,共同で30人学級の法案を提出しています。一方,政府案では,40人学級の基準をそのままにして,先ほど来,若干質疑がありましたが,少人数学級等に教員を加配する,こういう提案がされています。聞くところによりますと,5年間で,小・中学校の教員,全国で2万2,500人,高校教員は2,100人加配する予定だと,このように伺っております。
その内容なのですが,その中の一つとして,例えば,小学校の,国語,算数,理科,中学校では,英語,数学,理科などの教科について,20人程度の少人数のクラス編成をしても構わない,そのために加配してもいいということなようですが,いわゆる習熟度別授業の導入が図られようとしているわけです。これは,学習が進んでいる子供にとっても,ゆがんだ意識を育てる,そういうものになりかねないと,私どもは考えております。人格形成上も大変問題だと考えております。
本市の場合,習熟度別学級編成を教育委員会が,各学校に押しつけるようなことはすべきでないと考えますけれども,市教委の考え方についてお聞きしておきたいと思います。
◎高橋 指導担当部長 今回の教職員定数の改善の趣旨は,子供たちの基礎学力の向上ときめ細かな指導の充実を図る観点から,ご指摘の国語や算数,数学,理科,英語等各教科の特性に応じて少人数授業を行うなど,各学校における指導上の具体的な取り組みを支援するものであると考えております。
教員加配の決定につきましては,各学校からの指導実施計画に基づき,北海道教育委員会が判断しておるところでございますが,この指導実施計画につきましては,各学校が,児童・生徒の実態を十分考慮しつつ,創意工夫を凝らしながら,課題別学習あるいは習熟度別学習などの実施計画を提出し,それに基づき教育委員会が適切に指導を行うものであると,このように認識いたしております。
以上でございます。
◆飯坂宗子 委員 各学校の判断といいますか,それが最優先であるということは確認してよろしいですね,この件についてね。
それで,この習熟度別学級編成というのは,実は1980年代前半にも導入された経緯があったわけです。いわゆる成績順にクラスで窓側の方からずっと座席を決めるとか,あるいは父母懇談会のときにも,その子供の席にその親御さんが座るなどということもあって,大変な不評を買いました。実は,これは2カ月で中止されてしまったものです。子供は差別に本当に敏感です。能力別集団の固定化というのは絶対にやってはいけない,私は,このことを厳しく指摘しておきたいと思います。
そこで,どの子もわかる授業を進めるためには,この特定の,今挙げた国語だとか算数だとか理科だとか英語だとか,そういう特定の教科だけではなくて,すべての学級で,少人数学級を実現する,このことが急がれると考えます。
実は,3月9日の衆議院の文部科学委員会で,我が党の石井郁子議員が,この問題を取り上げて質問しました。町村文部科学大臣は,その中で,小学校1・2年のときは,もともと20人ぐらいがいいだろうと思うと,こういうふうに大臣が答弁したのです。
そこで,山教育長に伺いますが,この少人数学級についてどのように教育長は認識されますか,お尋ねいたします。
◎山 教育長 文部科学大臣の国会におきます発言につきまして,私は,その経過等存じ上げませんので,私から,それに関連してのお答えということにはならないかと思います。
私といたしましては,現在,国の学級編成基準は40人ということで定められているところでありますし,また,一方では,文部科学省の進めている第7次の定数配置計画におきましては,国語,算数,数学,理科等の教科におきまして,多様な学習活動に応じまして,弾力的に学習集団規模を編成することが可能であると。いわゆる少人数授業を打ち出しているところでありますので,その趣旨に沿って進めていくべきものと,このように思っております。
◆飯坂宗子 委員 教育長,私,その3月9日の衆議院の文部科学委員会のやりとりの速記録,これちゃんと持っているのです,国会から送ってもらいましたから。その中でちゃんと大臣が答えているんですよ。「とにかく少ない方が場合によったらゆっくり教えられるというケースもあるかもしれないし」,それから,「場合によっては,小学校1・2年のときは多分もともと20人ぐらいがいいのだろうなと思います」,こう言っているのですよ。私は,今その事実をお示ししまして見解を伺ったわけです。
そこで,同様に,この委員会の中で,町村大臣は,「未来永劫30人学級をやりませんと断言しているわけではございません」,今40人学級ですよね,新たな計画も40人学級ということで,20年続くことになるのですが,「30人学級をやりませんと断言しているわけではございません」,こう言いましたよ。それから,「今の政府案がベストだとも思っていない」,こうも答えているんですよ。
学級規模と教育効果の関係につきましては,実は,日本ではなかなかできてませんが,アメリカでは半世紀,50年にわたって研究がされておりまして,グラス・スミス曲線というふうに言われておりますが,この中で明らかになっているのです。その分析によりますと,「平均的な生徒の学業成績は,学級規模が縮少されるに従って高くなっていく。しかも,その効果は,学級規模が15人以下になると,急激に増大する」との結論が既に発表されているのです。
私は,今,一気にアメリカ並みに15人以下にしなさい,そういうことは求めませんが,せめて30人学級に,これ私どもが繰り返し繰り返し,長年にわたって早期実現を求めてまいりましたけれども,
本市教育委員会の30人学級実施に向けた考え方についてお示しをいただきたいと思います。
◎高橋 指導担当部長 委員ご指摘のグラス・スミス曲線につきましては私も承知しておりますけれども,これは我が国の教育事情と多少違っておるというふうに私自身は考えております。
我が国の学校教育においては,学級という集団の中で,学習集団という機能と生活集団という機能をあわせ持っているのが一つの学級でございまして,個と集団とのかかわり合いによって,学習が含まれると,こういう特徴を持っているというふうに理解しております。
この中で,アメリカのように,個に応じて学習を進めていくという考え方とは趣きを異なっておりますので,そのグラス・スミス曲線を我が国の教育制度に直接当てはめるということについては,私としては,ちょっと承服しかねるところはございます。
ただ,いずれにいたしましても,我が国の今の制度上につきましては,学級編成基準が40人というふうに定められておりますので,今回の少人数加配につきましては,その制度の趣旨に沿って,教育長等のご答弁ありましたとおり,沿って行っていくべきものと考えているところでございます。
以上でございます。
◆飯坂宗子 委員 私,アメリカどおり15人以下にすれとは先ほどから言っていません。もう40人学級の基準というのは世界的に見ても大変おくれているのです。40人学級なんていう国,数えたら幾つあるのですか。それ以上言いませんけどね。
それをせめて30人学級にというのは,日本でも,現場教師のアンケート調査やっていますよね。学級規模を30以下にしてほしい,それを希望する,こういうふうに答えた先生は,小学校で83.5%,中学校で78.1%,高校でも73.3%ということですから,7割,8割以上の先生が,当面30人学級にしてほしいと,こう言っているのは当然のことなのですよ。
ですから,国が40人と言っているから,そこから一歩も出ないというのではなくて,国にこの基準を引き下げるよう強く求めると同時に,今,地方自治体独自でもやれるようになったわけですから,国はずるいから,予算は出さないのですけれどもね,出さないのですよ,だから,全部自治体持ちとなるのですが,自治体独自でもやれるようになってきたわけですよね。
だから,そういう点では,前段,学力の危機の話をしましたが,本当に子供たちの全面発達を保障するためにも,国に求めるだけではなくて,本市でも早期に独自の計画を具体化するよう,これは求めておきます。
次に,学校統廃合についてお尋ねをいたします。
1点目は,この学校統廃合の際の国庫補助と,それから学校改築の際の国庫補助とは,補助率に違いがあると思いますが,それぞれ幾らになっているのか,割合についてお示しください。これが1点目です。
2点目は,今,問題になっております中央区の4小学校統合によって,スクールバスを出したり,校区外の隣接校への通学も認めるなどの方策を考えているようでありますが,そのような手だてをとらなければならない今回の統廃合,なぜこれが子供たちの教育を最優先に考えた結果だと言えるのか,改めてお尋ねをしたいと思います。
3点目は,学校統廃合に対する反対の声が大きく広がっているのはご承知のとおりです。
本市教育委員会は,この市民運動の鎮静化を図ることに躍起になっているようですが,過日の我が党の代表質問でこの問題取り上げましたが,大通小学校のPTA会長に対して,議会への陳情代表になることをやめさせようと執拗な干渉をしたというふうに私は聞いております。教育長は,答弁で,事実はないものと考えておりますと。考えてもらっても困るのですね。ないものと考えてもらっても本当困るのですよ。あったのかなかったのか,イエスかノーか,はっきりと答えてください。
以上,3点です。
◎霜觸 総務部長 1点目の国庫補助の関係でございますけれども,改築は,国庫補助は3分の1,それから,統合は2分の1の補助の比率となってございます。
それから,2点目の統合計画に無理があるのではないかというご指摘でございますけれども,この統合計画は,過小規模校の解消を図り,学校規模の適正化を確保して,子供たちのよりよい教育環境を整備することが目的でございまして,決して私どもの計画は無理な計画ではないと考えているところでございます。
しかし,保護者等から,通学距離が伸びることに,あるいは伸びることによりまして,安全性の確保ですとか,あるいは統合による急激な環境の変化への対応,またより近くにある隣接校への通学を望む意見等々いろいろ出されておりまして,私どもとしては,それに対してスクールバスの運行ですとか,通学の弾力的な取り扱いなどにより,柔軟に配慮しようとしたものでございます。
それから,3点目のご質問でございますけれども,この経過で申し上げますと,当初,大通小学校のPTAの方々が陳情するというお話を聞きまして,私どもはまだ,PTAとして議論がなされておらず,またその機関決定もなされていないということは事前に承知をしておりました。そうした中で,陳情となれば,PTAに混乱を来すことも考えられることから,議論をしていただくなり,あるいは慎重に考えていただきたい旨,アドバイスをさせていただきました。決してその運動に介入するという意図でお話ししたものではございません。それも私どもの本意でもございません。
しかし,そうしたことが誤解を受けたのであれば,大変申しわけなく思っているところでございます。今後,そうした誤解を受けないように注意をしてまいりたいと考えています。
◆飯坂宗子 委員 子供がいたら,やっぱりそこに学校を建てるというのが行政の本来のあり方ですよね。前段で,宮川議員が障害児学級のことを話しました。障害児がいれば,やっぱりそこに学級をつくる,これが本来あるべき姿と,同じように,子供がいれば,やはり学校を建てる,これが地方自治体の仕事なのですよ。
そこで,そのことを厳しく指摘しながら,実は,この学校統廃合の歴史というものを振り返ってみますと,戦後大きく三つの時期があったというふうに区分できると思います。第1期は1950年代なのです。これはどういう統廃合であったかというと,市町村が合併する,それに伴って学校も統合する。これは農村部を中心に推進された時期でした。
第2期は70年代,これは,過疎地域を中心に進められました。このときは,学校統廃合の国庫負担率を,今の答弁では2分の1と言いましたね。この70年代のときは,3分の2に引き上げたのですよ,国が。そして統廃合を促進しようと財政誘導をやったわけですね。ところが,全国で猛烈な反対運動が起こりました。73年,当時の文部省は,統合を抑制する通達を出して,過疎地域の学校改築の国庫負担を引き上げるなどの措置をとった,こういう歴史があります。
そして,第3期というのは80年代以降今日まで続いておりますが,いわゆる行政改革や地方行革の名のもとで,大都市の中の人口減少地域を中心に推進されてきたのです。80年代以降,それは今日も続いております。
市長は,実は,今議会の始まる前の2月5日の第1回定例記者会見で,かなり早い時期から,小学校の統合については実現したいと思っていた,本音を漏らしてします。また,本市の行財政改革推進計画,この中で,既往事業のあり方の検討,こういう項がありますが,その中に,学校適正規模の検討の名による,いわゆる学校統廃合ですね,このことをちゃんと項目に明記しているではありませんか。財政削減がねらいであるというのははっきりしていると思いますよ。学校改築であれば3分の1の国庫補助しか出ない,学校統合であれば2分の1の国庫補助が出る,こういうことでないですか。
それから,二つ目の理由としては,地方交付税の基準財政需要額の算定基礎になっておりますのが測定単位と言われています。これは,学校数とか学級数とか教員定数など,これが測定単位になっているのですが,これが減れば交付金も少なくなるのです。だから,学校統廃合をやれば,国側にとっても,地方に出す交付金が少なくて済むわけですから,国側にも財政のメリットがあるのですよ。だから,そういうことなのじゃないですか。答えていただきたいと思います。
それから,3点目の不当な介入についてです。
これは,実は2月1日に中央区で学校統廃合を考える集いというのが開かれておりますね。各団体が一緒になって開いた集いです。この中でご本人が,校長や教育委員会から,PTA会長のあなたがやる必要はない,再三にわたって言われたということが報告されているのですよ。我が党議員もそこに同席しておりますから,じかに聞いてきています。そして,議会へこの陳情を出す前日,学校からも言われる,会長みずからが陳情の代表にならないように,市教委と会ってほしい,そして,霜觸部長,個人名を出して悪いですが,霜觸部長から直接電話もあった,会長が陳情代表に名を連ねなくても,M代表でいいのじゃないですか,これ明らかに圧力じゃないですか。市民運動に不当に介入したことについて,行き過ぎがあった,適正さに欠いていた,このことを陳謝すべきだと思いますがいかがですか,はっきりさせてください。
◎霜觸 総務部長 1点目の行財政改革に関するご質問でございますけれども,本市の行政財政改革,最も重要な目的は,市民福祉の向上のためによりよいサービスを提供することであります。さまざまな視点から,その計画を取りまとめたものであるというふうに私ども認識しております。
この中の項目といたしまして,学校適正規模・適正配置の検討が取り上げられておりますが,この目的は,過小規模校を通学区域の変更,弾力化,あるいは統合など,さまざまな方法を講じながら,学校規模の適正化を図ることでございます。
私どもとしては,国の交付金のお話もございましたけれども,あくまでも子供たちのよりよい教育環境の向上整備を目指すものでございまして,さきの代表質問でもお答えしましたとおり,決して経費削減を目的としたものではございません。
それから,介入の話でございますけれども,何度も申し上げますけれども,そうした誤解を受けたのであれば,大変申しわけなく思っております。今後は,そうした誤解のないように注意をしてまいりたいと思います。
◆飯坂宗子 委員 今,段々の答弁ありましたけれども,市教委は,やはりこういうことまでやって,統廃合を進めようとしているわけですよ。ですから,初めに統廃合ありきで,その理由として適正規模と,こういうことをあれこれ口実として使っているわけですけれども,父母や市民は,やはり学校を残してほしい,これ素直な気持ちだと思いますよ。ですから,その反対を押し切って統廃合を強行するということは絶対に許せないと思います。統廃合計画の白紙撤回を強く求めて,質問を終わります。
○道見重信 委員長 ここで,おおよそ15分間委員会を休憩いたします。
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休 憩 午後6時6分
再 開 午後6時21分
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○道見重信 委員長 それでは,委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き,質疑を行います。
◆馬場泰年 委員 私の方からは,教育相談についての課題,1点だけを質問させていただきます。
最近,携帯電話というのは,大変身近なものになっておりますし,またさらに,それだけに一層普及もしておるわけであります。
そういう中で,場所をわきまえないで,携帯電話での会話に夢中になっている若い人たちや,それから,他人の迷惑を考えないで,通路や階段に座り込んでいる若者,さらには,成人式などで,傍若無人な振る舞いをする若者など,大変目につくところであります。
将来,社会を背負っていく者たちの行動としては,大変不安に思う人も少なくはないのではないかと思います。人間関係の希薄さが指摘されている中で,日常絶え間なく友達とメールのやりとりをしている者や,何人かで常に一緒に行動をする者,これは,はた目には緊密な人間関係を築いているようでもありますけれども,実際には,だれにも相談できずに,多くの悩みや問題を抱えているのではないかと思います。
学校教育においても,近年,少年による問題行動がクローズアップされ,悩める子供たちの姿が浮き彫りになってきております。学校では,担任の先生や相談担当の先生が窓口になり,そして,相談活動を行い,生徒の悩みを受けとめ,改善に努めておるのも事実でありますが,さらに,中学校には,平成10年度から,心の教室相談員が,学校外の第三者的な立場で気軽に不安や悩みを聞いてあげることのできる人として身近に配置されております。
また,平成7年から始めたスクールカウンセラーの事業は,文部科学省が行っている事業の中でも,多額の予算を計上しているものの一つでもあり,本市においても,配置された学校では,専門的な立場での子供たちの心のケア,さらには先生方のカウンセリングについての考え方や,対応の向上に大きな効果を上げていると伺っております。
そこで,質問でありますけれども,1点目は,昨年1年間で,心の相談室やカウンセリングを受けた児童・生徒数の数はどのぐらいになっておるのか。
2点目は,それらから,相談の内容としては,どのような傾向が見られるのか。
3点目は,スクールカウンセラーの配置校は,小・中・高に分けて何校になっているのか。
4点目は,その取り組みと成果はどのようになっているのか。
5点目は,子供たちの,先ほども申し上げましたけれども,携帯電話が非常に普及しておる,どれくらいの所有になっておるのか,これは調査結果があれば,お示しいただきたいと思います。できれば,小・中・高に分けてお知らせをいただきたい。
それから,文部科学省では,これまでの研究委託事業の成果を踏まえて,平成13年度から,スクールカウンセラーの事業を調査研究のための補助事業にするとしております。
学校における専門的なカウンセリングの必要性にかんがみ,将来的に事業の拡大を考えていると聞いております。私も,学校において心理の専門家がふえていくということは,子供のカウンセリングにとっても,先生方の資質向上にとっても,大きな効果があるであろうと思います。
そこで,質問でありますけれども,来年度,文部科学省が行うスクールカウンセラーの事業は,本市では何校ぐらいの配置になるのか,小・中・高別にお伺いをします。さらには,今後どのようになるのか,あわせてお尋ねをいたします。
◎高橋 指導担当部長 心の教室相談員とスクールカウンセラーの相談件数について申し上げます。
平成11年度において,心の教室相談員は,中学校87校におきまして1万1,245件,スクールカウンセラーは,配置校9校におきまして1,241件の相談件数を数えております。
主な相談内容でございますが,心の教室相談員につきましては,友人関係や不登校の問題についてが多く,続いて,学習や勉強の仕方の問題,あるいは家庭の問題等が多くなっております。スクールカウンセラーでは,不登校の問題が一番多く,続いて人間関係の問題となっております。
次に,平成12年度のスクールカウンセラーの配置校でございますが,小学校3校,中学校5校,高等学校3校の11校となっており,中学校の1校には2名のカウンセラーを配置し,近隣の小学校1校,中学校1校にもかかわっております。
携帯電話の小・中・高別の所持率でございますが,私どもその資料を持ち合わせてございません。
あわせて,スクールカウンセラーの配置校における取り組みと成果についてでございます。
スクールカウンセラーは,配置校における先生方と情報交流をするとともに,子供の相談に乗ったり,カウンセリングを行っております。保護者からの相談も受けるほか,校内研修会やPTAを対象とした講演会等においても積極的にかかわり,適切なアドバイス,示唆を行っております。
成果についてでございますが,先生方が,スクールカウンセラーから,カウンセリングについての多くの示唆を受け,意識改善が行われ,指導に大きな変化が見られてきております。また,保護者も積極的に相談を受けることができるようになっており,子供に対しては,専門的な立場からのカウンセリングによって,心のケアがなされ,不登校の子供が登校へ向けての変容が見られるようになったケースもございます。
最後に,来年度のスクールカウンセラーの事業についてでございますが,文部科学省では,最近の児童・生徒の問題行動等の未然防止や早期発見,早期解決のためには,心の専門家の配置が喫緊の課題であるとして,これまでの研究委託事業から,調査研究のための補助事業とする方向で,新たな事業展開を考えております。
本市といたしましては,現在,中学校16校に配置する予定で事業を進めております。
以上でございます。
◆馬場泰年 委員 ただいまの答弁で,来年度は,スクールカウンセラーを中学校16校に配置するとのことでしたが,今年度までの研究委託では,小学校と高等学校にも配置されております。
最近の少年事件を見てみますと,とりわけ17歳の事件が大きく取り上げられております。高等学校における生徒のカウンセリングのニーズは,大変高いのではないかと考えます。
そこで,質問でありますけれども,来年度,高等学校に対しては,どのように対応しようとしているのか,まず,これをお伺いします。
また,スクールカウンセラーによる相談・カウンセリングは,配置される学校にも,対応できる時間にも限りがあると思います。そうしたことから,学校での相談活動の中心になるのは,何といっても教師であり,教師のカウンセリングの能力の向上が大いに求められると思うのであります。
そこで,質問でありますけれども,教師のカウンセリング能力向上のための研修をどのように考えているのか。
それから,携帯電話の所有,これは調べておく必要もあるのではないかなというふうに私は思います。したがいまして,何らかの形で調査をし,後ほどでもご報告いただければと思います。
◎高橋 指導担当部長 まず,小学校と高等学校に対する対応についてでございますが,国の事業として中学校に配置したほかに,札幌市の単費事業として2名のスクールカウンセラーの運用を予定しております。この2名につきましては,市立高等学校8校に巡回で対応し,生徒や保護者のカウンセリングや,教師の研修にかかわるとともに,昨年,本市独自で設置いたしました緊急学校支援システムにおいても,事故・事件後の子供のケアについて対応できるように,運用を図ってまいりたいと考えております。小学校に対しましては,中学校に配置したスクールカウンセラーが,その校区内の小学校にかかわることができるようにと考えております。
次に,教員のカウンセリングの能力の向上のための研修についてでございますが,初任者や教職経験者の研修会において,教育相談の講義やロールプレイングなどの演習を取り入れ,カウンセリング研修の充実を図っております。また,教育センターでは,教育相談の研修コースを設け,学校における教育相談の進め方や各種技法にかかる演習を行っております。さらに,学校の心理の専門家を派遣する講師派遣事業では,カウンセリングのあり方などについて,具体的な事例を含めた講義や演習が行われており,教師の資質向上が図られておるものと認識いたしております。
最後に,ご指摘のありました携帯電話の所有につきましては,機会等を見まして調査したいと考えております。
以上でございます。
◆馬場泰年 委員 スクールカウンセラー等の心理の専門家が学校に入る必要性が高まってきている状況にあります。ただいまの答弁で,教育委員会では,より手厚い対応が求められている中学校のみならず,小学校や高等学校,さらには問題行動も含めたさまざまな場合のカウンセリングに対応できるように考えているとのことでありますので,その取り組みについては,私ども大いに期待します。
近年,社会変化の激しい中で,子供たちは,さまざまな悩みや不安を抱えて生活しているわけでありますし,学校においても,子供たちは,勉強に対する不安や人間関係にかかわる悩みなどを抱えており,教師による教育相談の必要性は,ますます高くなっております。そのため,教師一人一人のカウンセリングの能力の向上は,大変重要な課題であります。
一方,学校内における子供たちの行動様式の変化や問題行動の多様化などにより,その対応が難しくもなってきております。聞くところによりますと,現在,スクールカウンセラーとして学校に入るためには,臨床心理士の資格が必要であり,次年度以降の事業の拡大に伴って,その需要も高まると考えられます。
そこで,本市で活用できる臨床心理士の数にも限りがあると伺っておりますので,今後,臨床心理士の養成,さらにはスクールカウンセラーの資格条件の緩和などが必要になってくるのではないかと思います。
そうしたことから,関係する各機関に積極的に働きかけていただくなど,この事業が一層充実されるよう要望して,終わります。
◆大嶋薫 委員 私からは4点ありますが,まず,国旗・国歌,職務命令に関して片づけてから,残り3本束ねていきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
○道見重信 委員長 簡潔にお願いします。
◆大嶋薫 委員 3定でも特別委員会でも,いろいろ代表質問を含めて意見交換させていただきました。基本的な考え方の部分,あるいは学習指導要領に対する認識の部分,かなり私の認識と教育委員会の認識が離れている,落差があるという部分は,既にいろんな面で確認させていただいたところでありますが,前回の特別委員会で,この国旗・国歌というか,職務命令を発するに当たっての本間次長の発言の中で,いわば,国旗・国歌ができていない学校は,ほかのことも十分にできていないのだというような発言を校長先生方の前でおっしゃっているということがありまして,このことについて,どういう根拠をもって,そのような発言をされているのかという点,伺います。
具体的な例は差し控えるが根拠はあるというふうな答えをいただいておりまして,3定の際は,時間も詰まっておりまして,この点については,私としては積み残しとさせていただいたわけですが,改めて,この点についてどういうふうに根拠をもって,こういう発言をされたのかという点,1点まず伺います。
それから,2点目でありますが,先ほど藤原委員とのやりとりの中で,いわば良心の自由,思想・信条の自由にかかわった点についてのやりとりがありました。
指導部長のお答えが,一応これ私の方で前段やろうと思ったところ,藤原委員の方から整理していただいたのですが,「国旗・国歌の指導は,子供の内心にまで立ち入って強制しようとする趣旨のものではなく,あくまでも教育指導上の課題として指導を進めているところであります」というお答えが前段あります。これは,そのまますらっと読めば,そうかなというふうに読めるわけですが,教育指導上の課題として,職務命令をもって行っているわけですね。そうすると,一方で,これは明らかに公権力を持って行うということを,教育指導上の課題を明言しているわけです。そうすると,前半の国旗・国歌の指導は,子供の内心にまで立ち入って強制しようとする趣旨のものではないということと,明らかにこれは対立するわけです,行政執行上。だとすれば,この子供の内心にまで立ち入って強制しようとする趣旨のものではないということに関して,明確な担保措置,それを保障する措置がとられなければいけないわけですよね。これは,法執行,公権力を行使する際には,このことをきちんと踏まえた上でやらなければならないというのは,これは多分常識だと思うのですが,このことについてどういうふうに判断されているのか,1点です。
それからもう1点は,「さまざまな機会を通して趣旨を説明し」というふうにあります。「さまざまな機会を通して趣旨を説明し」というふうに言っているのですが,あるところでは,学級便り1編を紙に書いて,「よろしくご理解お願いします」というだけで済ましている。あるところは,懇談会みたいな形でやっている。あるいは,PTAの運営委員会でやっている。それは重ね合わせてやっていればいいのですけれども,この三つなり四つなり,いろんな手段あると思うのですが,そういう機会を一つ二つ重ねてきちんとやっていればいいのですが,それぞれ一つずつですよ,せいぜいやっていて。あらゆる機会を通じて,さまざまな機会を通じてというふうにはどうしてもなっていないわけですよ。この点についてどういうふうに考えているのか。
そしてまた,この際,適正な実施を進める上での理解を進めるというふうなことは,この中に含まれているのですが,先ほど言った子供の内心,良心の自由,思想・信条の自由についてどのように説明されているのか,この点明確にお答えください。
◎本間 教育次長 ただいま大嶋委員からのお話は,昨年の9月18日に,教育長から全校長へ職務命令を発した際に,私が,その説明の際にお話をした段々のお話の文脈の中での一説だろうというふうに考えておりますが,その意味についてでありますが,国旗・国歌の問題は,正常な学校運営のバロメーターであるとか,あるいは国旗・国歌の指導が正常に行われていない場合には,ほかのことも正常に行われていないと思われるというような,この意味でありますが,昨年の議会でも,またきょうも担当部長等からお話をさせていただいておりますように,我が国におきましては,公教育は,法的拘束力を有する学習指導要領に基づいて行われることとされておりまして,国旗・国歌の指導につきましても,学習指導要領に定められているものでございます。
したがいまして,国旗・国歌の指導が適正に行われていないとすれば,それは学習指導要領に基づく指導が行われていないということでありまして,このことは学校運営の基本姿勢にかかわることであると,こういう意味で,管理職である校長先生及び園長先生方に,私からお話をしたものでございます。
以上でございます。
◎高橋 指導担当部長 学校における国旗・国歌の指導は,児童・生徒に我が国の国旗・国歌の意義を理解させ,そしてこれを尊重する態度を育てるとともに,諸外国の国旗と国歌も同様に尊重する態度を育てるという意味で,学習指導要領に基づき,学校において指導するものと定められているところでございます。
そこで,児童・生徒に対する思想・良心の自由の問題でございますが,先ほどもお答え申し上げましたように,いわゆる内心の自由の保障についてでありますけれども,各学校におきましては,国旗・国歌の指導は,子供の内心にまで立ち至って強制する趣旨のものではないということを,あくまでも,これは教育指導上の課題として進めるべきものであるということを繰り返し指導してまいったところでございますし,学校におきましても,その趣旨を受けて指導していただいているものというふうに理解しております。
仮に,教育指導上の課題というものをどのように限定するのかというお話でございましたが,これにつきましては,例えば,子供が起立をしなかったり,あるいは歌わなかったというようなことがあった場合に,これに対しまして,直前あるいはその事中,事後の指導におきまして,ほかの子供とのかかわりもございますことから,これこそまさに子供たちの内心にかかわって,教員の責務として子供たちにいたわりの心を持って接すると,これが教育指導上の課題としてどのように配慮すべきかということは教員として考えるべきことであろうというふうに思っております。
あわせて委員会が,学校に対して時期をとらえて地域住民あるいは保護者等に説明をするということについてきちんと指導していたのかということでございますが,私ども委員会としましては,先ほどの国際社会に生きる児童・生徒を育てるという意味,あるいは学習指導要領にのっとって国旗・国歌の指導が行われるべきであるというようなことを,時期をとらえてPTA役員会でありますとか学校便り,あるいは町内会の集会,あるいは町内会の回覧等を通して,何らかの形でご理解をいただくように指導してきたところでありますし,現に,過日終わりました中学校の,今回国旗・国歌の実施方法を変更した学校におきましては,すべての学校において,今申し上げましたPTA役員会,学校便り,町内会等,何らかの形で実施に向けた取り組みを行ってきたものと認識いたしております。
以上でございます。
◆大嶋薫 委員 本間次長の発言についてですけれども,今,かなりこの文章の表現とは違ったふうに聞こえるのですよね。日の丸・君が代,国旗・国歌を実施していない,これは指導要領とはとりあえず反するという見解は,教育委員会としてお持ちだろうと思う。そのことについて指摘したのだよというような,本間次長の答えなのですよ。後段の他のことも十分にできていないという部分は,じゃ,なくなったのですか。もう一回これお願いします。
それから,今いろいろ指導部長の方からお答えがありましたけれども,教育指導上の課題,これいろいろるる言っていたけれども,牽強付会というか,全く別の事項を持ち出して,ごちゃごちゃ言っていれば何とかなるかなというような答えでしかないですよ。
職務命令ということで,この教育指導上の課題が行われたわけですよ,校長に対して。公権力として発動されたわけですよね。そのことと,内心の自由,思想・信条の自由にまで立ち至って強制する趣旨のものではないということと,明らかにこれは対立するわけですよ,現場では,子供にとっては,あるいは保護者にとっては。では,対立する概念を一方,尊重しようとすれば,これは明らかにそのための担保措置,必要なのじゃないですかというふうに聞いているのです,この点について。
◎本間 教育次長 繰り返しになるかもわかりませんが,私がお話をしております正常な学校運営,あるいは国旗・国歌の指導と他の指導というようなことにつきましては,あくまでも公教育である学校教育は,法的拘束力を有する学習指導要領に基づいて行うべきものという趣旨でございまして,国旗・国歌の指導を行っていないとすれば,それは,そういう法令に基づいている法的拘束力のある学習指導要領に基づいて学校運営がなされていないという意味で,私がお話をしたものでございます。
◎高橋 指導担当部長 職務命令が教員に対して,あるいは子供に対しても影響を及ぼしたのではないかというご指摘ですが,教育公務員は,法令にのっとって教育を行うことは当然の(「そんなこと聞いてないよ」と呼ぶ者あり)職務でありまして,国旗・国歌の指導は,先ほども次長からお答え申し上げましたように,法的拘束力を有する学習指導要領に基づいて行う教員の職務上の義務を伴うものであると考えております。
しかし,このことは,憲法の第19条で保障される思想・良心の自由等,いわゆる内心の自由を制約するものではないと考えておりますし,あわせて先ほども申し上げましたように,この国旗・国歌の指導は,子供の内心にまで立ち至って強制しようとする趣旨のものではないと考えております。
以上でございます。
◆大嶋薫 委員 これどこまでいってもその答えしか用意されていないようだから。具体的に何を聞いているかということを意図的にそらしているのですよ。
私が聞いていることにきちんと答えているかどうか,後できちんとこれ精査させてもらうけれども,何とか答弁だけしておけば間に合うだろうという答えでしかないですよ,今は。
3定で,繰り返し繰り返しその言葉3回ぐらい聞きました。具体的に指摘しながら聞いていても,返ってくるのは同じ答えですよ。そんなことで,本当に責任持って,この問題に対処できるのかどうか,あるいは今,子供たちがいろんな形で直面している課題に子供に向き合って教育委員会が仕事しているのかどうか疑わしくなりますよ,はっきり言ってね。(発言する者あり)
本間次長からの答えは,ある意味で,今の答えは,他のことも十分にできていないという表現は,これはもう取り消されたのだというふうに理解しますね。今の答えであれば,あくまでも国旗・国歌の指導にかかわって,それができていないということは,教育指導要領が実行されていないということで,そのほかの子供に対する教育の問題,あるいはいろんな学校での取り組みが劣っているのだよというふうに,これ前の発言を見れば,そういう趣旨にはとれないのですけれども,今の答えでは,そういうことではないというふうに確認させてもらっていいですね,答弁してください。
○道見重信 委員長 質問ですか,今の。
◆大嶋薫 委員 はい。
◎本間 教育次長 大嶋委員は,そのようにおとりになりますが,そのことをお話をした私自身は,先ほどご答弁を申し上げているとおりの意味で使っていると,こういうことでございます。ご理解をいただきたいと思います。(発言する者あり)
◆大嶋薫 委員 かみ合わないのですよ,実際ね。実際かみ合わない議論ほど不毛なものはないけれども,ただ,不毛さを体現しているのは教育委員会だから,これね。具体的に答えられない。具体的な指摘をされて答えられないということは今はっきりしましたから,この2点でね。このことは確認しておきます。
それでは,残りの3本に行きます。(発言する者あり)
○道見重信 委員長 質問に入ってください。
◆大嶋薫 委員 (続)まず1点,セクシュアルハラスメントの対策についてです。
これは,以前にもお伺いさせていただきまして,99年の3月,本市において,防止等に関する要項ということで,各学校に周知されたというふうには聞いておりますが,その後といいますか,その際,どのような形で周知徹底をされているのか,あるいは職員に対してこのことがきちんと周知徹底されているのかということをまず1点伺います。
2点目です。
その際に,教職員相談室を設置したよというお答えがありました。その際,問題が問題ですから,これはそのときのやりとりの中で,相談件数は,実際のセクシュアルハラスメントについてはないのだというようなお答えがあって,現実に,女性の相談員がいないということを指摘させていただきました。
当然,前回の答えでは,1年前ですから,まだちょっと,すぐ準備するわけにはいかないけれども,しっかり検討していきたいというふうなお答えがありました。
この女性を配置する件についてどのように改善されたのかという点が2点目です。
それから3点目。
この相談室,相談の窓口について,教職員の方から,そんなのあるのとか,私たち知らないわよというふうな話をあちこちから聞きます。それと同時に,この相談室,市民会館の1室に配置されているということでありますが,その窓口のあり方についてどのようにお考えかということをまず伺います。
それから,2点目は,人権教育についてです。
これも前回,現状の取り組みについて,どのように行われているかということについては伺わせていただきました。その際に,各学校の取り組みについて,一層充実するように支援していくのだというお答えもいただきました。この人権教育のあり方,これはいろんな意味でこれから大きな課題になっていくだろうというふうに指摘もさせていただきましたし,その点については,教育委員会の方でも同様の認識であるというふうにもお答えをいただきました。
この各学校の取り組みに対して,この間,どのような支援が行われてきたのか,そしてまた,人材等々,人権教育にかかわっての人あるいは情報について,提供のあり方についてどのようになされているのかという点を伺います。
それから,障害児教育にかかわってです。
先ほど宮川委員からも,障害児教育に関して少しやりとりがありました。いわば,この間,この問題について,我が会派からも,それぞれから課題として取り上げさせていただきました。その際には,基本的には今大きな流れとしてあるインテグレーション,統合教育という方向づけをやっぱり明確にしていくべきではないのかという観点から指摘させていただいたわけです。
その際に,そういう方向づけというのは,検討課題としても,ただ,特殊学級あるいは養護学校,障害児の通うそれぞれの学校・学級と,普通学校・普通学級との交流教育を積極的に進めていく中で,ある意味で,学校の現場でのノーマライゼーションを図っていきたいのだというふうなお答えをいただいているわけですが,この交流教育の現状,これが今どのような形で行われているというふうに認識されているのかという点を1点。
それから,障害児学校制度の中では,いろんな取り組みをされています。それ以前の段階,学校入学前,これは福祉的な分野でいろんな取り組みがされているということになります。義務教育終了後,これは高等学校に行ったり,あるいは高等養護に行ったり,あるいは就職したり,地域の作業所で働いたり,施設に入所したりと,いろんな対応があります。あるいは勤めたりというふうなことで,一つの義務教育過程と,それの前と後ろとが切れ切れになっているのじゃないかという指摘が,いろんなところからされています。
子供の成長,発達にとって,やはり成人に達するまで,あるいは成人に達して以降も,学校教育と地域,あるいはいろんな専門領域等,きちんと連携をとりながら取り組みを進めていく必要があるというふうに考えているわけですが,現状,札幌市の教育委員会ではどのような取り組みがされているのかという点について大きな3点目,細かく2点ですけれども,伺います。
◎岩崎 学校教育部長 私からは,1点目のセクシュアルハラスメント対策,そして3点目の障害児の交流教育の関係につきまして,お話申し上げたいと思います。
まず,セクシュアルハラスメント対策の1点目でございますが,平成11年3月に,学校職員のセクシュアルハラスメントの防止等に関する要綱を制定いたしまして,各学校長・園長あてに通知し,その後もこの要綱に基づきまして,苦情の解決が迅速に行われるよう,各学校長に対して,年度当初の教育方針説明会あるいは管理職研修会の機会に周知徹底を図ってきたところでございます。
2点目についてでございますが,現在,教職員相談室の相談員は,男性だけの配置となっております。昨年の
予算特別委員会でもお答えいたしましたように,セクシュアルハラスメントに関する苦情相談窓口に女性を配置することが必要であると,このように考えてございまして,本年の4月から,女性の適任者を配置する予定でございます。
3点目でございますが,学校,職場で発生するセクシュアルハラスメントに,迅速かつ適切に対応するためには,学校の実情やその対応について詳しい校長や園長の役割が大変重要である。このことから,第1に,校長や園長が,職場におけます一般的な苦情の相談に応ずるべきと,このように考えておりますが,学校,職場では相談しにくい内容のものが考えられますことから,教職員相談室にセクシュアルハラスメントの苦情相談窓口を設置したところでございます。
このことにつきましては,各学校長に周知したほか,各教職員に対しましても,全員に配付する広報誌「かけはし」で周知したところでございますが,委員ご指摘のとおり,教職員相談室への相談の件数が寄せられていない,こういうこともございまして,女性相談員を配置して,相談しやすい体制の整備を図るとともに,利用率を高めるために,職員への周知について,今後,すぐに検討してまいりたい,このように考えてございます。
次に,交流教育の現状についてお答えを申し上げます。
小・中学校の通常学級と特殊学級との間では,運動会,学校祭,このような学校行事を初め,音楽,体育などの教科の学習の時間に,特殊学級の児童・生徒がそれぞれの実態に応じまして,通常の学級で学んだり,朝,帰り,あるいは昼休み,給食時間等,互いに学級を訪問して活動をともにする行動など,いろいろな場面でそれぞれの児童・生徒が互いにかかわりながら,ともに活動を行っている例がございます。
最近では,小学校におきまして,午後の時間帯の特殊学級の授業に,通常の学級,いわゆる普通学級でございますが,1・2年生の児童が参加して,ゲーム遊び,このようなことを楽しんだり,中学校におきましては,総合的な学習の時間に,空き缶のリサイクル運動を通しまして,環境についてともに学んだりなど,工夫した取り組みをしている学校もあり,相互交流の実践がございます。
また,小・中学校と近隣の盲学校・聾学校・養護学校の間でも,学校行事等を中心にして交流が進められ,あるいは作品の交換等が行われていると,こういう実践例がございます。
以上でございます。
◎高橋 指導担当部長 人権教育の取り組みについて私からお答え申し上げます。
本市におきましては,札幌市教育推進の指針を受けまして,学校教育の今日的課題の一つとして,人間尊重の教育を明確に位置づけ,各学校が教育課程を編成する際の指針として,人権に関する指導の充実などを示し,人権教育の推進に努めてきたところであります。
教育委員会といたしましては,この指針に基づき,これまで指導資料や副読本の発行,各種研修会の開催等を通しまして,各学校における取り組みを支援してきたところでございます。また,人権教育のより一層の充実を図るために,学校研究委託事業におきまして,ボランティア体験や車いす等の疑似体験による障害者福祉に関する実践研究を行うとともに,グループ研究委託事業として,アイヌ民族の歴史や文化等に対する正しい理解と認識を図る事業実践などに努め,加えて,今年度新たに,子供の人権を守るための暴力防止プログラム,いわゆるCAPに基づいた実践研究に取り組んでいるところでございます。
今後とも各種団体等の人権擁護にかかわる活動の情報収集に努め,それらが子供たちの学習や教員の研修に生かされるように工夫を図るなど,本市の人権教育の啓発に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎岩崎 学校教育部長 先ほど1点答弁漏れがございましたので,お答え申し上げます。幼児期からの学校教育終了後までの継続性のある指導の現状についてでございます。
幼稚園あるいは学校におきまして,指導や評価に関する情報が,担当いたします教員間で,あるいは学校から次の学校へと適切に引き継がれ,福祉・医療等の関係機関と密接な連携を図りながら一貫性のある指導が行われることは,障害のある子供一人一人の自立へ向けた支援のためには,極めて大切であると,このように認識してございます。
本市におきましては,例えば,豊成養護学校では,就学前の通園施設から小学部へ,小学部・中学部・高等部の学部間,さらには施設等へと,担当者が互いに足を運び合い,きめ細かな一貫性のある支援を行うための密接な連携を図られてございます。
しかしながら,このような取り組みは,全体を見た場合,必ずしも適切に行われていないと,このように認識しておりまして,指導が継続せず,子供は困惑したり,あるいは保護者の方から改めてお聞きしなければならない事態が生じたりしていることもまた事実でございます。
今後におきましては,このような取り組みが充実するよう具体的な手だてのもと,継続性のある,子供を中心とした指導を進めてまいりたいと,このように考えてございます。
以上でございます。
◆大嶋薫 委員 まず,セクシュアルハラスメントの対策でありますが,学校長・園長の責任において基本的には行うのだということが一応の原則かというふうに思いますけれども,ある意味で,要望するためのいろんな手だてということと,それから何かあった場合のきちんとした相談の窓口という点で,一義的にはそういうふうに考えられるのかなという気はいたします。
ただ一方で,教職員に,この要綱等がきちんと伝わっていない。教頭先生あるいは校長先生が口頭で,職員会議の冒頭に,こういうことが教育委員会からありましたということで伝えるだけというようなことがあったり,あるいはいろんな学校行事があるわけですけれども,その際に,ほかのことも含めて,きちんとこの問題が指摘されているかどうかという点について考えると,極めて不十分かなというふうな思いもするわけです。
この教職員に対する周知のあり方について,今後どのように進めていくのかという点が1点です。
それから,2点目ですが,相談員,女性を配置するというふうなお答えがありました。ただ,その際,女性が配置されましたよというふうなことはいろんな形で伝わると思うのですが,どういうふうなキャラクターといいますか,相談に行きやすい仕組みをつくっていくためには,どういう人が,どういうふうな活動を相談の窓口でしているのかということをやっぱりきちんと伝えていかなければ,「はい,部屋をつくって相談員がいますよ」と言っても,なかなか相談しづらいのかなという点,これは指摘だけさせていただきますけれども,いわば専門領域,弁護士あるいは心理的なカウンセリングの資格をきちんと持った人,あるいはセクシュアルハラスメント,あるいはDVを含めて,女性のいろんな問題に精通したカウンセリング技術を持った人が民間分野で育っていると思うのですが,そういう方を今後配置する考えがないのかどうかという点が2点目。
それから,もう1点は,この問題,数字上は相談がないということで,これは,ある意味で結構なことといいますか,ない方がいいわけですから。
ただ,教職員の方々と意見交換する機会もあるわけですけれども,その際,やはりなかなか表に出しづらい,相談しづらいけれども,相談先がなかったりということで,ひとりで悩んでいる方,あるいはほかの人がですね,そういう目に遭っているのを見聞きしながらも,なかなかきちんと対策がとれないというようなことがいろんな形で指摘されているわけです。この問題にきちんと対応していくためには,そういう潜在的な問題も含めて,やはりきちんとした実態調査を行うことが必要かと。当然,プライバシーの問題とかいろいろありますから,その点には十分配慮が必要かと思いますが,その点についての考えを伺います。
それから,障害児教育についてですが,今,それぞれの取り組みについて伺いました。
一昨年の11月に特殊教育振興審議会からの答申に基づいて,障害児教育基本計画の策定を行っている。今言ったような課題,今2点だけとりあえず挙げさせていただきましたけれども,そのほかにも,代表質問で少し触れさせていただきました。教育委員会には直接お答えを求めなかったのですが,いわゆるLD,ADHD,あるいはいろんな形で精神的なカウンセリングが必要な人,あるいは専門領域での相談が必要な子供たち,これは社会的な背景もあってふえているということを指摘させていただいて,そういう子供たちにやはりきちんと系統的に,体系的に相談できる対策を考えられるような仕組みづくりが必要ではないかということも投げかけさせていただきました。
この障害児教育基本計画,ある意味で,今後の本市の教育現場における障害児教育の基本となる考え方がこの中で示されるだろうというふうに思っていますが,今言ったような課題について,やはりきちんとした取り組みなり,論議が行われているのかどうかという点について,中間報告,ちょっと見せていただいたのですけれども,不安な点があるわけです。今言ったいろんな課題に関する領域の人たちや,あるいは父母の方も,保護者の方も含めて,当事者の青年等々含めて,もっと幅広い論議をする必要があるのではないかというふうに感じています。
この障害児基本計画の策定にかかわって,策定方法,どのように進めていこうとされているのか,それから,策定のスケジュールについて,もう少しきちんとした論議の積み重ねが必要でないかというふうに指摘させていただいたのですが,この点について伺います。
人権教育について。
これは,今,新しい取り組みも行われているのだよということは,具体的な例として示していただきました。交流や触れ合いを通しての人権教育という一つの基本的な考え方の中で,この取り組みが行われているのだろうというふうに受けとめさせていただいています。
ただ,21世紀,新しい時代を迎えたわけですけれども,グローバリゼーション,あるいは国際化社会というふうなことが言われている,来年はですね,ワールドカップが行われ,DPIの世界大会も札幌で開催されるという,そういうことになっていますし,また,男女平等に関するいろんな課題,これからきちんと教育の課程で取り組んでいかなきゃならない課題が出てきているのだろうと思います。そういうこともありまして,いわば新しい国際化社会という中での人権教育のあり方についてどのようにお考えかと,取り組みについての考え方を伺います。
◎岩崎 学校教育部長 最初に,セクシュアルハラスメントのことについてお答えを申し上げます。
1点目のご指摘いただきました校長に対する周知だけでは不十分でないかということについてでございますが,先ほども申し述べましたけれども,まず,管理職が職場におけるセクシュアルハラスメントを許さないことを明確にし,これを周知啓発することが重要とされておりますことから,要綱等におきましても,校長・園長が,職員がその勤務能率を最大限に発揮できるよう日常の職務遂行や職場研修を通じまして良好な勤務環境の形成に努めることとしているところでございます。
このような観点から,先ほども申し上げましたような,説明会あるいは研修会等のいろいろな機会に,各校長・園長への周知を図ってきたところでございますけれども,セクシュアルハラスメントの根絶というのは,男女共同参画社会の実現のために取り組まなければならない何よりも重要な社会問題だと,このように認識してございます。
したがいまして,今後も機会あるごとに,各学校において,苦情相談の窓口体制について周知を図るとともに,日常の職務遂行や職場研修を通じまして,積極的に取り組むよう指導してまいりたいと,このように考えてございます。
2点目の第三者の相談員を配置する必要があるのではないかと,このようなご指摘についてお答え申し上げます。
相談員の職務の性質上,当然,守秘義務のもとでその職務を遂行すべきであり,この点も配慮して,先ほども申し上げましたが,いわゆる適任者を配置するため,慎重に選任をしてきたところでございます。また,職場で発生いたします問題を迅速かつ適切に解決していくためには,何度も申し上げておりますが,学校事業に精通して,カウンセリングマインドを備えた人材を配置する必要があると,このように考えてございます。
このような相談員の職務内容からいたしまして,心理カウンセラーや弁護士等の配置は考えておりませんが,相談内容によりましては,専門家の助言の必要なものもございます。したがいまして,市政相談室あるいは弁護士会とも相談しながら,専門家とのネットワークづくりを検討してまいりたいと,このように考えてございます。
3点目の職場の実態調査についてでございますが,委員も指摘されておりましたけれども,この問題は,職員のプライバシーにかかわる問題でございまして,その解決には慎重な対応が必要である。このことから,実態把握につきましては,さらに慎重に考えていかなければならないと,このように認識してございます。
次に,障害児教育計画の策定についてでございます。
特殊教育振興審議会からの答申では,生涯を見通し社会につながる教育の推進と学校・家庭・地域でともにはぐくむ教育の推進という二つの方向性のもと,障害の重度・重複化,多様化の傾向への対応や地域における教育の充実のための具体的な課題が提言されてございます。
現在,これらの課題を分析・検討するとともに,障害のある子供の社会参加や自立に向けた施策の展開が図られるよう,市民局や保健福祉局などの関係部局との調整を行いながら,計画策定に向けての素案づくりを行っているところでございます。
なお,その際,答申の段階で,市民の方々からいただいておりますご意見,ご要望等を考慮するとともに,特殊教育振興審議会を適宜開催いたしまして,多角的な見地からのご審議をいただきながら進めているところでございます。
次に,策定スケジュールでございますが,現在,平成13年度中の策定を目指して作業を進めているところでございます。しかし,委員からご指摘がありました点も含めまして,さらに論議を深める必要がある部分につきましては,幅広くご意見をいただきながら,慎重に検討を進めてまいりたい,このように考えてございます。
以上でございます。
◎高橋 指導担当部長 国際化社会における人権意識醸成の考え方について,私の方からお答え申し上げます。
委員ご指摘のように,国際社会において,相手を認め,互いに尊重し合う意識を育てることは,あらゆる偏見や差別をなくすなどの人権教育につながるものであり,極めて重要なことと認識いたしております。
本市におきましては,総合的な学習の時間等で,国際理解教育の一環として,地域の外国人の方々との交流活動や外国人児童・生徒及び帰国児童・生徒との触れ合い活動など,異文化理解を図る取り組みを通して,人権を尊重する意識の醸成に努めているところでございますが,今後とも人権意識をはぐくむ観点から,このような取り組みについて支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆大嶋薫 委員 何点か要望で終わらせていただきます。
今の人権教育については,いわゆる交流と触れ合いということを基本にしながら,人権意識を醸成していくのだというふうなことは,そこまでは一定程度了解するわけですが,その先,いわゆる触れ合い交流から,本当に理解を深めていくためのプロセス,これはやっぱりきちんと学校教育の中でも,体系的に組み立てていかなければならないのかなという思いがしています。当然,これは国際理解にかかわって,あるいは男女平等にかかわって,新たな課題もできてきているわけですから,それをやっぱりきちんと方向づけ,体系づけをしていくための作業,これは前回も指摘させていただきましたけれども,ぜひ取り組みをしていただきたい。
それから,障害児教育の基本計画についてです。
これは,先ほど来,特殊学級というところで論議ありました。私どもは,先ほど言ったように,基本的には,普通学級に籍を置きながら,そこで足りない部分,あるいはサポートが必要な部分を別教室なり,別なプログラムを組んで行うなりというふうに,旧来の発想を逆転していく必要があるのでないかというふうに指摘させていただいています。これは,ヨーロッパあるいはアメリカを含めて,インテグレーションからインクルージョンという形で,既に一歩進めて取り組みが始まっています,教育の分野で。
ですから,今,こういう大事な基本計画をつくるに当たって,このことをしっかり踏まえた論議がされなければ,また10年,20年,日本の障害児教育あるいは障害児福祉・障害者福祉というのはおくれていってしまうのじゃないかという危惧をしているわけです。
ですから,一応のスケジュールに沿っての論議は進められているということでありますけれども,その点をしっかり踏まえた論議をしていただきたいということを求めて,終わります。
◆生駒正尚 委員 3点お尋ねします。
一つ目は,文部科学省の全校調査ですが,代表質問でも,私どもとしての問題意識から聞いております。
いろいろ思想チェックの問題,それから管理運営の細部まで及んでいる問題,それから,それが文部科学省の教育統制に及ぶものということで,昨年11月の参院文教科学委員会での自民党・亀井郁夫議員の質問からこれが始まって,道議会でも自民党が取り上げたということで,いろいろお聞きしました。
この問題で,まずお聞きしますが,調査の目的,必要性についての市教委の見解を伺います。これは代表質問でも明らかにされていないのです。
それから,調査報告についての法律上の義務を負うと,これも先ほども本当に議論されておりますが,この点,市教委の自主性はないのか,文部科学省の,これは法律上の義務ということで,言いなりではないかと思いますので,自主性はないのかどうか,この点を1点目でお伺いしておきます。
二つ目は,日の丸・君が代の問題です。
これは,16日の卒業式に向けて,職務命令が出されまして,いろいろ論議を呼んできました。
ここで,まずお聞きしておきたいのは,私の娘が卒業生なものですから,私も参加しました。前から,小学校,中学校と出てまして,子供を中心とした卒業式あるいは入学式という点では,我々が卒業したときから見ると,本当に現場で努力されて,そういう形に,本当にいいものになってきているなというのが,ここずっと感じていたことなのです。
それで,今の,このそういう学校での卒業式ですね,どんな感じを持っているのか,職務命令以前と,これを簡単にお聞きします。
それから,新聞等でも報道されましたし,私も実際に娘の学校で体験しましたけれども,校長,教師間,あるいは父母を巻き込んだ形でいろんなことが起きました。その点で,先ほど答弁では99%ということで,そこに到達したということで,余り感性がないというか,そんなような答弁でした。国を含めて,現場でどんなふうにこれを迎え,そして終わったのかというあたり,どんな評価,内面的な実態を踏まえた,そこのところ,まずお聞かせ願いたい,これ第2点目。
3点目,歴史教科書の問題です。
これは,まず,新しい状況がありますので,お伺いしておきます。
今,問題となっている新しい歴史教科書をつくる会の文部科学省における検定ということが一斉に報道されました。これは137カ所の修正に及ぶということですね。
例えば,我々が問題とし,そしてまた,つくる会などが目玉としているような韓国併合が合法的に行われたという記述,これは修正を加えられたと。日本は,韓国内の反対を武力で押し切って併合を断行したと書きかえられた。そして,民族の独立を失うことへの激しい抵抗が起こり,その後も独立回復の運動が根強く行われたということが書き加えられたということなんかも出ております。
文部科学省でさえ,これだけの修正をかけるという教科書とは一体何なのかと思うわけであります。過去に,教育委員会の皆さん方が,いろいろ見てきて,体験をされてきて,このような大幅な大修正が行われたことはなかったのではないかと。そういった意味では欠陥教科書ということが文部科学省の対応の中からも明らかになったと,私は思います。かつてこういう大修正というものがあったかどうか。そしてまた,こういう,根本的には侵略戦争を美化する,その本質は変わっていないというのが修正後の教科書でありますけれども,文部科学省自身がこれだけの大修正を意見として出さなきゃならないという点でありますが,どうお考えになるか,伺います。
◎岩崎 学校教育部長 私の方から,1点目と3点目についてお答えを申し上げたいと思います。
1点目の文部科学省の全校調査についての教育委員会の見解についてでございますが,先般,委員の代表質問において,教育長からご答弁を申し上げましたとおり,文部科学大臣が,北海道の教育に関する実態や事実関係を把握し,必要な指導・助言等を行うことを目的として,地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定に基づきまして,北海道教育委員会を通じて依頼があったものでございます。
2点目の教育委員会の自主性につきましても,代表質問でご答弁いたしましたとおり,地方教育行政の組織及び運営に関する法律の規定によりまして,調査の実施及びその結果の報告について法律上の義務を負うものと,このように考えてございます。
次に,3点目の歴史教科書についてでございます。
委員ご指摘の検定申請中の図書につきましては,私どももマスコミ報道等でその内容などを目にしているところでございますが,修正状況などに関しましては,私ども言及する立場にはないと,このように考えてございます。
◎高橋 指導担当部長 今回の卒業式以前,つまり職命以前と今回ということでございますが,一括してお答えを申し上げます。
このたびの職務命令は,卒業式及び入学式において,学習指導要領に基づき,国旗・国歌が適正に実施されるように行ったものでありまして,各学校におきましては,今回の卒業式の具体的な実施方法及び内容につきまして,校長と教職員とで卒業式のねらいを十分達成できるように時間をかけて論議の結果,最終的には校長が判断し,実施をしたものと,このように認識をいたしております。
◆生駒正尚 委員 まず,日の丸・君が代が卒業式に行われましたから,その件ですけれども,先ほども出されておりました。
それで,言ってみれば,現場で実際に起きているものを,本当にこれは問題になっているのですから,何事もないわと,うまくいっているわという感じの話,先ほどから議論されています。
私が行った中学校では,起立がありまして,即,国歌斉唱って入りました。私は,女房と一緒に座りました。そうしたら,後ろの人たちも「座るかな」って言って,歌が始まったら,歌ったのはやはり先生方の何人かでしょう。来賓の中に著名な方もいるけれども,何人かですよ。子供は全く歌わない。それで,やっていると,後ろの方で,どっかのお父さんですけれども,「これ,だれに歌えっていうのだ」というような話で,こういう状態ですよ。
これは,今まで現場教師と校長さんとの間でどうのこうのと,今,教育委員会で問題にしている,実施せよという職務命令をやったところ,既にやられてきた学校ですよ。これはかなり広範にあるでしょう。
目立つところであれしたのは,新聞に報道されておりますが,元町中学校では,「卒業生170人一人も起立せず」とか出てますよ。それから,出てますよ,南が丘中では,「午前10時開会で,アナウンスして起立を求める言葉はなく,生徒や教職員らの大半は座ったまま,テープで歌詞入りの曲が流れた。歌う者はほとんど見られない。」,こういう状況ですよ,こういう白けた,書かれてますから。職務命令出してこうなる。
それから,前から職務命令でなくても実施されてきているという内容を含めて,職務命令を出してもこんな状況というのは,いかに実態として無理があるかということなのですよ。これは職務命令によって,こういう異論のある,議論のあるものをやろうとして,まさに教育現場を形骸化する,そういうことの上乗せをやったのじゃないですか。現場を見ますと,もう教育というものは死んでいる,形骸化していると,私は思いますよ,これは。この点,どうお感じになるのか,お尋ねをしておきたいと思います。
それから,先ほどからの職務命令の問題ですけれども,私は代表質問でも経過を追って言っているわけですが,おととしに,当時の学校教育部長は,強制はしないと,法律ができて,法制化しても強制しないのが趣旨だと,だから強制しないと。それが昨年,態度を豹変させたわけですよ。これがなぜなのかというと,自主的判断と言っておりますが,これは正直に言うべきですよ。明らかにこれは文部省が査察調査,文部省の直接管理が,調査官が直接入るということが言われて,これをやられたら大変だっていうので,形をつくろうと,職務命令という形でやった,非常手段ですよ。
ところが,今,全校調査の問題も出てきましたけれども,職務命令を出してやっていくというところまで市教委が動いた。自主的でないですよ,これは。やったのに,追いかけるようにして日の丸・君が代などを調査するという,そういうものが町村文部科学大臣のもとで,言ってみれば押してくると。これが客観的な状況ですよ。ですから,自主性なんていうものはなくて,こういう圧力によってやっているのじゃないですか。この点は,改めて伺います。
それで,こういう言葉は,教育長も,自主性とかね,教育委員会へ行っていろいろ聞いて歩いてごらん,みんな,そんなこと言わないから。流れがあってって言っているのだから。そういう自民党や文部省の圧力による職務命令は撤回すべきだと思いますので,改めて,これは伺っておきます。
それから,全校調査の問題です。
これも,自主的にやったと。同時に自主的にやったというみたいなことを言うけれども,これは違うでしょう。法律的義務があると,こういうことでやっていますわね。
そこで,これは実際,代表質問でも,今聞いたことでも,肝心なことはなかなかはっきりしてこない。そこでお尋ねしますが,言ってみれば,北海道の教育に関する実態や事実関係を把握して,必要な指導・助言等を行うことを目的としていると。これじゃさっぱり何だかわからないのですよ。その実態で何の実態をつかもうとしているのか,何の事実関係を把握して,したがって,そこから必要な指導・助言というものが出てくるのだけれども,何を指導するためにこれをやろうとしているのか,ここね,代表質問でも聞きましたけれども,答弁はないのです。今の答弁と同じです。ここは明らかにしていただきたい。
それから,膨大な調査書の項目です。56ページ,調査部分だけで。その調査の説明だけで61ページ,合計110ページの文書ですよ。こういうものをやるときに,どういうことでやるのですとか,そういうことを現場に全部落とすわけですから,何の調査なのか。先ほどの答弁のように,何だかわけのわからないことで調査をやっちゃうのですか。法律的に義務があるからと言うのですけれども,これはやっぱり何のためにどうしてなのかということぐらいは聞いて,そして,やるべきところだと思うのですけれども,その必要性について,どう必要性を感じたのか,また,その必要性を考える上で,考えたのかどうか,説明を求めたのかどうか,姿勢の問題ですよ,これ,教育委員会としての,これをお尋ねしたいと思います。
◎岩崎 学校教育部長 1点目の調査の目的についてでございますが,先ほどもお答えを申し上げましたが,北海道の教育に関する実態や事実関係を把握いたしまして,必要な指導・助言等を行うことを目的としたものであると,このように考えてございます。
また,2点目の教育委員会として,調査を必要と考えたのかとのご質問についてでございますが,私ども教育委員会といたしましては,法律上の義務を負うものであることから応じたものでございます。
以上でございます。
◎高橋 指導担当部長 先ほどの卒業式の国旗・国歌の問題でございますが,学習指導要領は,一定の教育水準を確保し,全国どこにおいても,同水準の教育を受けることのできる機会を国民に保障するために定められたものでございます。公教育を行う学校におきましては,学習指導要領にのっとって国旗・国歌の指導を行う責務がありますことから,今回,改めて校長に対しまして職務命令を発したわけでございます。
全国の学校で,学習指導要領に基づき,国旗・国歌の指導が行われているにもかかわらず,札幌の学校において,その指導が適正に行われていないとすれば,子供たちにひとしく学ぶ機会が保障されていないということから,学習指導要領の趣旨にかんがみて,国旗・国歌の指導を適正に行うべきという認識でございます。
以上でございます。
◎本間 教育次長 ただいまの答弁で触れられていない点につきまして,私からお答えを申し上げます。
先ほど生駒委員のお話の卒業式の実態でございますが,それは私どもは再三申し上げておりますように,これまで,学習指導要領に基づいて適切に指導が行われていなかった,その結果でございますので,今後は,私どもといたしましても,より一層適正に行われるよう,そして定着するよう,学校とともに努力をしてまいりたいと思っております。
それから,職務命令の件に関してでございますけれども,正直にというお話でございますが,これも以前からお話しさせていただいておりますとおり,文部省からとか,そういうこと以前に,札幌市教育委員会として主体的に判断をしたものでございます。
したがいまして,このことにつきまして,現時点で撤回するという考えはございません。
以上でございます。
◆生駒正尚 委員 次長の答弁からですけれども,経過は,自主的に最終的には教育委員会が決断したのですから,その部分に限ってみれば,そこのところへ落ちたと思うのですけれども,結局,文部省から掲揚率や斉唱の率が低いということが指摘をされて,そして,調査官を送るぞということを言われて,これについてお答えになっていないけれども,客観的にはそういう事実があって,そして,文部省の圧力によって,最終的には教育委員会が決断をしたというのが事実ですから,その点では,やはり答弁ではきちっと本当のことは言ってないということを指摘をしておきます。
それで,この問題について若干お尋ねしますが,実は,この卒業式に向けて,札幌市の小学校長会が,経営問題検討委員会というものをつくっていて,ことしの1月29日に作成をした卒業式対策というマニュアル的な文書,それから,各校長さんに,学校長会が報告を求めると,そういう文書がございます。
この点でお尋ねをしたいと思いますが,これは,例えば,進行状況といって,1月から3月の当日までの流れということで,式次第の話し合い,最終場面,集会装飾,式演習,当日,これが日程ですが,予想される問題行動,国旗・国歌を切り離しての式部分のみの話し合い,これが問題行動ですが,これが出た場合の対策,国旗・国歌部分を3月まで引っ張り,3月段階で,校長判断で実施するという作戦,戦術をこれやっているのですね,ずっと,校長会がね。
それから,例えば,話し合いを一切拒否の場合,最後の説得を試み,それでも拒否する場合は「(1)話し合いを中断し,校長として判断する。(2)賛同者のみで話し合い,計画を進める等の方法で打開する。」,こういうように,かなり克明に,しかも報告を各学校から校長会として集計するということ,違法行為については,教育委員会及び校長会に報告をとると,様式も出ておりますがね,ここまで校長会というのは,やるところなのかどうかという疑問を私は持つものですから,その点で,これは知っているのかどうか。この文書,どういう性格のものになるのか。市教委として,これを関知して,指導したりしてやったのか,この点をお尋ねしたいと思います。
それから,全校調査の問題ですけれども,先ほどの答弁で,言ってみれば,必要についての説明も受けないという,そういう態度なのですよね。まことに自主性ということが問題なのだと思うのです。
これは,調査項目,調査用紙を見れば,何がねらいであるかというのははっきりしていますよね。教職員の時間の問題,組合活動への参加,そして細かく学校の運営,そして日の丸・君が代の普及の状況,こういうことですよ。ですから,私は,一般的に聞いているのですけれども,ねらいは特定されていると。それは私は問題だと思うのですよ。だから,是正すべきものは是正するという立場ですよ。
しかし,今,これだけ問題になっているのに追い打ちをかけて,日の丸・君が代でしょう。ですから,そういうねらいや何かについて,これは今やらなきゃならないのかという状況じゃないですか。それに追い打ちをかけるようにして出してきている。ですから,ここで,文部科学省の調査のねらいは何なのか,これはやっぱり確かめて対処すべきだと思いますよ。
その点でお伺いしますが,これは全国一斉なのですか。北海道に限定されてきているというふうに思うのですけれども,その点からも,この文部科学省のねらいというものは明らかだと思うのですよ。特定したねらいはどこにあるのか,この点,改めてお尋ねしたいと思います。
これ聞いていて,ふらふらっとして,指導で必要だからって言っているような話はばかげていますよ,はっきり言って。ですから,文部科学省のねらいは何なのか,私もこうじゃないかと言いましたからね,どうなのか,お尋ねします。
それから,法律上の義務という問題についてです。
根拠としているのは,地方教育行政の組織及び運営に関する法律の53条ということです。
それで,この文面等々,厳密に見て,そうなっているかどうかという問題なのですよ。「必要な調査を行うことができる」第1項,「特に指定する事項の調査を行うよう指示することができる」第2項と,こうなっていますわね,53条。同様に,54条は,「必要な調査,統計その他の資料又は報告の提出を求めることができる」となっています。
そこで,これを根拠にしておられるのだけれども,この条文の解説では,報告を提出する義務を負わせるには,法律に特別の規定を必要とする,本条の規定は,形式としては,この要請にこたえるものであるとも言える,こう言っております。いいですか。そして皆さんがいろいろこの条文の中で言っているのは,結局のところ,解釈論があるのですよ,いろいろ。昭和34年12月19日の文部省の初中局長回答,ここで義務を負うということを言っていて,結論的に言うと,法解釈がいろいろ出てきている中で,結局,文部省が言っているから義務を負うと言っているにすぎないと,私は思うのです。
そこで,伺いますが,この根拠は,動かしがたいものなのか,伺います。市教委としての自主性というものは,ここに働き得ないのか。
二つ目,義務を負わせるには,法律に特別の規定を必要とするという解説や,義務を負わせるということの性格が公権力が教育分野において強制力を伴うということから,そういう性格があることから,慎重に取り扱うべきものであるということが想定されているというふうに思うのですけれども,いかがか。
それから,形式としては,この要請にこたえるという意味は,内容的にはいろんな議論があるということなのですよ,この解説文は。
そこで,聞きますが,形式としてはの意味です。後に続く部分は,この要請にこたえるものであると,形式的にはと。そこで終わっていない。ものであるとも言える,このように「とも言える」ということ,二重に並列的かつ可能性の表現をとっているのは,つまり疑義がある,いろんな議論があるということを想定しているからではないのか。厳密に言えば,教育事務の内容については,この限りではないということが,内包もしくは想定されているというふうに思うのですけれども,どうか。
したがって,今回の調査を強制し,義務とすること自体に疑義があるというふうに思うのですけれどもどうか,伺います。
◎高橋 指導担当部長 経営問題検討委員会の資料について,私の方からお答え申し上げます。
経営問題検討委員会の資料につきましては存じておりませんけれども,経営問題検討委員会につきましては,小学校長会が,学校運営に関する当面の諸課題についての問題検討を行うために設置したというふうに聞いております。
ご指摘の資料につきましては,このたびの職務命令を受けて,国旗・国歌の実施を円滑かつ適正にするための一資料として,あくまでも校長会の自主的活動の一環として作成したものと推察いたしております。
この資料の作成につきましては,今申し上げましたとおり,校長会が自主的活動の一環として行ったものと推察しておりますところから,教育委員会が当該の組織や活動について強制したことは全くございません。
以上でございます。
◎岩崎 学校教育部長 私の方から,2点についてお答えを申し上げます。
最初に,この調査の目的,ねらいは何か特定しているのではないか,あるいは北海道を特定しているのではないかとのご質問でございます。
この調査は,何度もお答え申し上げているところでございますが,文部科学省が北海道の教育に関する実態や事実関係を把握するために,北海道教育委員会に必要な調査を行うように求めたものであると,このように考えております。
2点目の法律上の義務についてでございます。
ただいまのご質問の1点目と2点目につきましては,地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第53条及び54条の考え方についてでございますので,一括してお答えをさせていただきたいと思います。
同条の規定でございますけれども,委員ご指摘のように,慎重に取り扱うべきとの考えから,法律に特別の規定をすることにより,文部科学大臣または都道府県委員会が必要な調査を実施し得るように,教育委員会や地方公共団体の長に「必要な調査,統計その他の資料又は報告について提出を求めることができる」旨を規定したものである,このように考えてございます。
また,このことに関しまして,同条の規定によりまして,資料または報告の提出を求められました地方公共団体の長や教育委員会,これは資料または報告を提出すべき法律上の義務を負う旨の国の見解が示されているところでございます。
3点目の地方教育行政の組織及び運営に関する法律第54条の解説文の解釈についてのご質問につきましては,直接お答えする立場にはございませんが,文部大臣が調査を求めた場合,地方公共団体の長や教育委員会は,報告を提出する法律上の義務を負うと,この国の見解が示されてございますので,先ほどから申し上げておりますとおり,教育委員会といたしましては,この調査を適正に行う義務があると,このように考えてございます。
以上でございます。
◆生駒正尚 委員 校長会の文書ですけれども,自主的にやっただろうということですが,内容を見ますと,校長会に各学校が報告を出して,教育委員会に報告を出して,わからないことがあったら教職員課に問い合わせをすることとして,答弁でも,結局,職務命令があったので,自主的に校長会がやることになったのじゃないかという答弁,まことに矛盾した事態になってくるわけですよ。職務命令を受けて,自主的にやったという,この状態というのは,何か矛盾を感じませんか。しかも,中身は,これマニュアルその他は教育委員会が出している文章そのままじゃないですか,対策も。これを私は見てないって部長,おっしゃった,今ね。渡したのだよ。僕,これ。きのう,おとつい,渡してあるのだよ,承知していないというのはどういう意味なのかな。確認できないという意味なのか,出していないという意味なのか,全く国会でもあったように,そういう出所不明の文書であるというのかね,これ言ってください。それから,それちょっと確認してください,怪文書であるのかどうかね。
それから,今言ったように,職務命令があったからこういう動きになっているのですよ。そして,報じられているように,現場では,いろんなことが起きて,しかも,校長会というのは,特にこの経営問題対策,経営問題検討するということは,日の丸・君が代のことをやるのが経営問題なのですか。重要問題になっているからやっているというのはよく理解できます。しかし,議論があって,こうなっているのに,教育委員会と一緒になって,現場が教育委員会の下請け機関じゃないですか,これ。そのことは,私は,校長会の見識が問われると思いますよ。教育委員会にとっては都合がいいかもしらぬけれども。ある学校の校長先生が終わった後,「いや,これから校長会に報告を書かなきゃならないのだ」,ため息をついてた。そういう教育委員会に報告と校長会に報告をして,現場はそういうことが求められる,こういう状態なのですよ。これは,職務命令を出したから校長会が自主的にやったのだということの矛盾と,実態は,やはり現場にこういう苦労や,あるいは教育の形骸化ですよ,これを無理してやればやるほど,さっき言ったように,乖離が生じますよ。
しかも,この文書の中で言っているのは,PTAの反対の動き,学校のこの点についての対応,PTAとして法規に基づく教育行為に反対するのはどうか考えてもらう。地域の反対団体の動きについては,マニュアル参照。これはもう学校が,子供だけでなくて,PTA,地域住民,ここに学校としていろんな考えがあるのに,要するに,文部省の言う方向で,国歌斉唱・国旗掲揚,このことを地域住民まで巻き込んでやっていこうというところまで行くのですよ。こういうことを校長会がやるべきなのですか。その点で,これは教育委員会としてもそれはやるのですか。地域及び父母に対して,そこをチェックする内容まであるのですよ,これは。反対・賛成,細かく出ていますよ。父母で何人,先生で何人,反対・賛成,こういうことまで,地域住民まで巻き込む,これはそういうものなのでしょうか。こういうことを校長会がやるのは,性格上,これは適切ですか。本来,学校長の権限というものは,これは1校1校にあるわけでしょう。それが,客観的に,校長会が教育委員会の下請け機関のような状況ですよ,やるということはいいのでしょうかね。これはもう一度,この点でお伺いをしておきたいと思います。
◎高橋 指導担当部長 この資料につきましては,数日前に委員にお示しいただきまして,初めて把握したところでございまして,それで,先ほどご答弁申し上げましたとおり,この資料を拝見して,あくまでも校長会の自主的活動の一環として作成したものというふうに推察したと,このようにお答え申し上げたところであります。
ただ,この資料を拝見しましたが,経営問題検討委員会内で,どのような経過,どのような論議がなされ,どのような結論が出されたかについては,私ども全く把握してございません。
以上でございます。
◆生駒正尚 委員 まことにまじめでないよ。まじめでないよ,これは。渡しておいたやつを,いまだにどういう経過で,どんなふうにしてつくられたのだかわからないなんてとぼけた話を言ってもらったら困りますよ。私は,これは極めて不適切なやり方であると思いますので,これは,後でまた問題にしますけれども,今は経過も何もわからないって言うのだから,これはちゃんと押さえてくださいよ。このことは申し上げておきますよ。いいですか。
それで,歴史教科書の問題について質問したいと思いますが,この問題,先ほどお聞きいたしましたら,修正の問題についてはコメントできないと,こういうことでした。
それで,非常に大幅な修正があったわけです。このこと一つ見ても,いかにばかげた教科書が出てきたかということの証明なのですよ。一般紙もずっと書いていますからね,これはね。
それで,私は,代表質問の中や文教委員会でも,大分お聞きをいたしました。それで,つくる会のやり方や,それから自民党とのつながりを,この問題で,請願提出者に聞きました。そしたら,この方は政治家ですよ,憲法改憲論者であるということをみずから言って,自民党とのかかわりは逃げましたけれども,自民党の議員から私,聞きましたよ,あの後。あの方は自民党の若手の理論家だと,自民党の議員が言うのですから,間違いないでしょう。そういう形で,この問題が本市議会に請願として出され,そして議論をされてきたという経過があります。
それで,お尋ねします。
まず,教科書の採択権限,これは議論されてきております。それで,お伺いしますが,根拠として,地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条を挙げております。それで,同第23条の第1項で言っている教育に関する事務及び法律またはこれに基づく政令により,その権限に属する事務というふうに言っているこの権限は,教科書採択の権限がどこにあるのかは明示をしていないという文書であります。そうではないのか,伺います。
二つ目は,また,同法の第23条第1項が指示している第6号はこう言っています。「教科書その他の教材の取扱いに関すること」と触れながら,採択権限はどこにあるかというのは明記されてない。識者の指摘もあります,これは異論があるのです。そうではないですか,伺います。
それから,もう一つ根拠とされている教科書の発行に関する臨時措置法第7条。採択した教科書の需要数を都道府県の教育委員会に報告しなければならないという,それがつまり無償法ですから,教科書の。その需要数を報告するというところが主な規定であって,ここにも,権限は明記されてないというふうに思うのです。
この中で,これはどうなのかね,こうして見ると,現行法の中で,教科書の採択権限を明記した法律はないと思うのですけれどもいかがか,伺います。
◎岩崎 学校教育部長 教科書の採択権限につきましての1点目から4点目のご質問がございましたが,いずれも関連をいたしますので,一括してお答えをさせていただきたいと思います。
公立学校で使用いたします教科書の採択に関しましては,地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条で,「教育委員会は,当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で,次に掲げるものを管理し,及び執行する」というふうに示されており,その第6号で,「教科書その他教材の取扱いに関すること」と規定されてございます。このことにつきましては,昭和35年に,高知県教育委員会教育長の照会に対しまして,文部省初等中等教育局長が,公立学校で使用される教科書の採択権限は,地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条第6号の規定により,所管の教育委員会に属するものと解する,このように回答されております。
また,義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律第16条の第2項でも,指定都市の教育委員会は,「指定都市の設置する小学校及び中学校において使用する教科用図書として,種目ごとに1種の教科用図書を採択する」と,明確に規定してございます。したがいまして,市立学校の教科用図書の採択権は,私ども教育委員会にあると,このように考えてございます。
以上でございます。
◆生駒正尚 委員 結局,結論は,解釈は文部省の言うことなのだということなのです。
ですから,今おっしゃった法律第23条,これは,先ほど私が問題提起したように,明記されていないのですよ。それを,最終的には,文部省が,つまり文部省初等中等教育局長が,この23条について採択権限はあるのだと,こういうふうに言ったわけですよ。だから,明確に規定されているのでなくて,明確に文部省が言ったのですよ,そのことが根拠なのです。だから,問題だと言っているわけですよ。法律的な厳密な規定は,これは識者の中,学者の中でも明記がないというのが今,論議をされてきているわけですよ。
それから,この教科用図書の無償措置に関する法律第16条第2項で明確に規定されているとおっしゃいました。これを見ますと,こういう言葉なのです。「種目ごとに1種の教科用図書を採択する」と言っているのですよ。これは,もともと無償の教科書の取り扱いをやるための法律なのですよ。それで1種類だということなのですよ。採択するというのは,採択権限を明記していないのですよ,これは。これは行政用語で,普通,こういう政策を採択する,権限が明記されない以上,これは重要問題なのですよ,採択権限というのは。普通,政策を採択する,こういう事業を採択すると,こういうことなのですよ,これは。教科書の採択権限でなくて,そういうものを,言ってみれば1種類にするのだということを言っているだけであって,行政用語なのですよ,これは。
採択権限,これにも異論が出ているわけですから,その点で言うと,極めて疑義がある。明確にこれは規定されたものではなくて,そういうものなのですよ。私は,この点をまず指摘しておきます。
次,伺いますが,採択権の問題,本当にこれは議論になっていて,厳密性が問題になります。それで,言ってみれば,そういうもとでは,とりわけ今,日の丸・君が代だとか,そういったものの内容だとか,歴史自身をどうするかという大論議になって,国際的にもこうなっているわけですよ。そういう中でやる場合には,採択権が実際は,私どもは,これは疑義があると。こういう中では,教育基本法第10条,こういうものに立ち戻って,そして,教育委員会で言うと,自発的な精神に立ち返るということは,教育の原点ですから,そういう立場で,やはり判断をしていくべきと思います。
そういった意味では,この第10条で言うと,第1項で,不当な干渉,政治や行政からの干渉を排除するというふうにして,できる限り教育の内容については立ち入らないというふうにしている。これは戦争の反省からですからね。戦前の教育が,軍国主義によって,政府によって曲げられたという反省が,この教育基本法の第10条なのですから。その第1項がそういう趣旨なのですと。そこから見ていきますと,今の第10条で,この教育行政がやるべきものとして,かなり峻別されているのは,教育の条件整備ということが第2項で明確に述べられています。そういう意味で考えますと,やはり採択にかかわる権限の問題については,やはり探求する必要があると,私は思います。どうか。
それから,二つ目に,今の流れですね,これも代表質問で聞きました。ユネスコで,教師の地位に関する勧告,そこでは,教師が教科書の採択権を有すると,原則的にという問題。それから,行政改革委員会,政府閣議においても,学校ごとのと,こういう流れがあります。そうしますと,採択権限には議論があるし,しかも流れとしては,これは地方分権も含めて教育の本旨に基づけば,極めて自主性が考えられなきゃならない,考慮されなきゃならない,そういう流れが政府の中でも起きてますからね。
こうやって見ますと,本来的に,今後も含めて考えると,採択権限は,やはり現場に行くべきだと思います。そういった意味では,今,教育委員会にその権限があるということについても検討すべきだというふうに思いますけれどもいかがか,伺います。
◎岩崎 学校教育部長 教科書の採択権限についての2点のご質問についてお答えを申し上げます。
1点目についてでございますけれども,先ほどもお答え申し上げましたとおり,公立学校で使用いたします教科書の採択権限というのは,現行制度におきましては,地方教育行政の組織及び運営に関する法律などの規定に基づきまして,教育委員会にあると,このように考えてございます。
2点目についてでございますが,これらの動き等につきましては承知しておりますが,今後の課題として,国において検討されていくものと,このように考えてございます。
いずれにいたしましても,教員の皆さんは,教科用図書選定審議会の委員として参画をしていただいております。その意見は,教科用図書選定に的確に反映されていると,このようにも考えてございます。
以上でございます。
◆生駒正尚 委員 それでは,今,現場の先生が選定委員に入って,やっているということで,その状況を肯定的におっしゃられたという点では,そこはよしとしたいと思います。
そこで,教科用図書選定審議会の問題と採択にかかわる独禁法の問題についてお尋ねしますけれども,選定審議会ですね,これが今,答弁で,現場教師が入っているという問題が出ていましたが,つくる会は,これを排除せよという主張ですからね,ここはやっぱり問題だということでお聞きするのですけれども,選定審議会の性格,位置づけについては,文教委員会でもお聞きしましたし,ここでは,条例に基づく附属機関と,そして,第三者機関という点で,一定の自立性というものを肯定される答弁がありました。
そこで,伺いますが,審議会がやる仕事なのですけれども,新しい歴史教科書をつくる会などは,教科書の採択に向けて数社の候補を選ぶということを絞り込みだと言って,それをやめろと言っております。これね,絞り込みというのですけれども,数社の候補を選んでいくというのを選定審議会に教育委員会は委嘱するわけですよね,諮問するわけですよ。それをやめろと言えば,審議会は要らないと,審議会の機能を認めないと,存在も要らないと否定するということになるのではないかと思うのですけれどもどうか,伺います。
二つ目は,つくる会は,歴史を曲げた,自分たちに都合のいい,気に入った教科書を採択させるために,教職員組合加入の現場教師を選定審議会から排除せよと,こういう主張をしております。
この問題について私は代表質問で聞きましたけれども,答弁では,現実,審議会の委員に先生方が参加しているというふうに言っておりました。しかし,これは考えてみると,実際に現実論として伺いますが,小学校で約100種類の教科書,中学校で約300種類の教科書,これを現場教師を排除して,審議会の委員の方々の力をかりないで,教育委員会,言ってみれば教育委員だけでこれを選定していくというふうになれば,本当に教科書を深く検討し,正しく選定するという点で,しかも,非常勤ですよね,そういう方々がやれるのかといったら,できないというふうに思う。したがって,つくる会等の主張は現実的に成り立たないと,私は思うのですけれどもどうなのか,お尋ねをしたいと思います。
それから次に,教科書採択にかかわる大変難しい問題があるわけです。それは,独禁法による特定指定です。つまり,それについての規制事項がかなりあるわけです。独禁法は,教科書について特殊指定をやっていると。この点で,教科書の採択に関する独禁法による規制ですね,宣伝やあるいは他社を中傷,誹謗することを含めて,いわゆる発行者や販売会社やこれを取り扱う会社等は,厳しく禁止されているというふうに思います。
それで,この点で,教科書採択にかかわる宣伝等,あるいは販売等にかかる独占禁止法の規制というのは実際どうなのか,どういうものなのか。それから,文部科学省においても,これを考慮して,この教科書採択にかかわる公正な扱いということで,規制事項をもって指導していると思いますが,文部科学省の規制指導というのは一体どういうものなのか,お尋ねします。
◎岩崎 学校教育部長 最初に,教科用図書選定審議会のご質問についての1点目と2点目について,相互に関連をいたしますので,一括してお答えをさせていただきたいと思います。
本市におきましては,公正・中立な立場から教科書の選定審議を行うために,条例に基づく附属機関といたしまして,校長,教員,学識経験者等で組織いたします教科用図書選定審議会を設けており,教育委員会といたしましては,今後とも,審議会における審議過程や答申を尊重しつつ,公正な採択を行うよう努めてまいる所存でございます。
2点目の,いわゆる独禁法に基づく関係でございますけれども,現行制度のもとにおきましては,採択の結果が発行者の利害に直結しておりますことから,採択をめぐりまして過当な勧誘や宣伝行為が行われないよう,いろいろな規制がございます。
まず,独禁法についてでございますが,発行者が適正な範囲で宣伝活動を行うよう,公正取引の確保の見地からの規制が行われております。具体的には,教科書使用者等に対する金銭,物品等経済的利益の提供,他の発行者やその教科書に対する中傷,誹謗等が禁止されてございます。
2点目の,いわゆる文部科学省による指導でございますが,公正な採択が確保されるよう,採択関係者及び発行者に対しても指導が行われてございます。教師用指導書及び検定申請図書の献本等の禁止,発行者が主催し,または関与する講習会,研究会等の開催禁止等がなされてございます。
以上でございます。
◆生駒正尚 委員 公正・中立ということも言われましたし,それから,現場の教師が審議会で実際に選定の仕事に当たっているという点で,現実的にもこれを排除することは無理であるということも明らかになりましたし,独禁法による規制があって,こういう教科書の採択をめぐっては,やはり本当に公正な教科書採択というための,そういう厳しいものがあるのですから,したがって,他社を中傷,誹謗するような動きの問題性,不当性も明らかになったと思います。
最後にお尋ねしますけれども,これは代表質問でお聞きしたら,ほとんど答弁がなかったのです。それで,お伺いしますが,子供にどんな歴史を教えるのかというのは,答えられないかもしれないけれども,子供にとっては一番大事な問題なのですよ,この歴史の中身が。それで,お尋ねしますからね。この歴史というものは,子供の教科書であっても,その基礎は,やっぱり歴史学,そういう学問的なものが基礎にあってつくられていくべきものだと思います。
それで,一つは,韓国併合,これは修正されたという,このことを見ても,どこにこの真実があるかという側面は明らかなのですけれども,言ってみれば,非常に侵略主義丸出しのそういう教科書ですよ。それで,全体として戦争肯定ということで,この点,右翼やつくる会にしてみればいいけれども,超反動ですな,これは。こういうもの,率直に言って,こういう内容,指摘されている内容がずっとありますから,どっちがいいかということも抜きにして,実際,こういう内容で子供に教えられるのかどうか,伺いたいと思います。(発言する者あり)わからないでかなり逃げていますけれども,明るみに出ているのだわ,本質は。
二つ目,歴史の内容と歴史学の方法論についてです。
やっぱり教科書の前提は学問なのですよ,きちっとした。つくる会は,そしたらどういう本かというと,検定本ですよ,神武天皇の東征,日本武尊と弟橘媛,これは代表質問で私が言いました。ばかばかしいのだ,はっきり言ったら。こういう内容があって,なぜ平気で教科書になり得るのかということを指摘しました。
「国民の歴史」という,あの厚い本で,教育委員会の役職者の方にも送られてきたというのが代表質問で答弁ありました。これを読んでみましたけれども,結局,その方法論的に言うと,西尾幹二氏,つくる会の会長が言っております「すべての歴史は神話である」でしょう。論理も法則も何もない。文学ですよ,これ。文学に悪いです,こう言ってしまったら。歴史でないのですよ。それで,一たんこの法則を否定した後で,歴史の法則が出てくるのですよ,めちゃくちゃ。日本の侵略戦争のことになると,西尾氏は,歴史の必然という法則を持ち出して,こう言うのです。「我々は,歴史の必然として起こった遠い過去の出来事に対して」,つまりこれは戦争です。これ,ぼかしているのです。「罪の意識を抱く必要も全くないし,謝罪の必要もない」,すごいです,これは。大変矛盾していると思うのですよ。
○道見重信 委員長 質問に入ってください。
◆生駒正尚 委員 (続)そこで,聞きますが,歴史学が基礎になってこそ,正しい歴史が書け,その前提に歴史学の方法論が必要だと思うのです。この点,教科書の前提の歴史学,その前提となる方法論について,これはどういう方法論かということを問いませんが,これが前提となるかどうかという点についてお伺いします。
二つ目は,西尾氏のように,神話を歴史の基軸に据える,この方法は,全く恣意的,情念的,非歴史的,特異な政治主義的な立場に立つものであって,歴史を実証的に研究から積み上げて到達してきた戦後の歴史というもの,歴史学,これを実証的な批判もなく曲げてしまうという,認めがたいものであるというふうに思うのですけれどもいかがか,伺います。
◎岩崎 学校教育部長 子供にどのような歴史を教えるかということだと思います。
代表質問で教育長がお答え申し上げましたとおり,検定申請中の図書につきましては,現在,国におきます教科用図書検定審議会におきまして,さまざまな観点から審議がなされており,学校教育にふさわしい図書が検定教科書として認められるものと,このように考えてございます。
また,2点目の歴史の内容と歴史学の方法についてでございますが,教育委員会としては,論じる立場にはないものと,このように考えてございます。
以上でございます。
◆生駒正尚 委員 終わりましょう。要するに,明らかになったのは,めちゃくちゃな議論に基づいて政治主義的にめちゃくちゃな歴史を,僕は発行者じゃないから,そういうことなのですよ,内容は。
それで,一つだけ指摘しておきますけれども,歴史教育を考える講演会などというものをずっとやっています。これは山形県で開かれましたけれども,西尾幹二氏が最も推賞している人は,つくる会が最も頼りにできる国会議員,小山孝雄氏なのですよ,KSD汚職の。彼が中心なのですよ,やっています。汚職をやって,道徳教育を語ったり,おこがましいというのです,はっきり言ったら。このことを指摘して,終わります。
○道見重信 委員長 ここで,おおよそ10分休憩をいたします。
──────────────
休 憩 午後8時21分
再 開 午後8時30分
──────────────
○道見重信 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き,質疑を行います。
◆猪熊輝夫 委員 大きく4点ほど質問させていただきます。
まず,一つは,パソコンが平成12年度ですべての学校に配置になったと。そんな中で,内訳として133小学校は買い取りになって,それ以外はリースと。この買い取りの部分については,これから順次リースという形で切りかえをしていくということで,いわゆるそういったITと称した情報時代に即した教育というのが定着をしていくということになるのかなと,こう期待をしたいところでございますが,実は,ずばり申し上げて,学年別マニュアルというか,そういったものがない。だから,学校現場で,先生方が子供との関係でどこまでかかわりを持たせるようにしていいかという点では,具体的にない。
そんな点で,私は,少なくとも,小学校も中学校も学年別に一定のここまでというマニュアルをつくって指し示していくという役割は教育委員会にある,こう考えますが,いかがか。
それから,2点目。
英語教育のことについて聞きますが,平成12年度までは21校ということで,英会話指導助手を配置してきて,13年度は23名にするということで,2人増員するということでございます。
そういう状況ですが,私は,やっぱり不十分だと。少なくとも中学校・高校各校に原則1名という形での配置というのは必要だと考えますが,いつの時点でそこへ到達するのだということで,一つはお聞きをしたいと,こう思います。
それから,もう一つは,今,国際部で私,質問いたしまして,英語教育の問題について見解を求めたら,外国語は英語教育だけではありません,当たり前の答弁を皮肉っぽく言われました。それで,少なくともわかった上で発言をしているつもりですが,私は,そういう点で,英語というものを一方でしっかりと押さえて,他の例えば,近隣の,ロシア語とか韓国語とか中国語,あるいはヨーロッパのフランス語やドイツ語やスペイン語などなどいうものに対して,中学,あるいは少なくとも市立高校という点では,そこに触れるというような機会というものをつくるべきではないか,こう考えるのですが,そういった点についてどういう考え方を持つか,まずこの大きく2点。
◎高橋 指導担当部長 情報教育マニュアルについてでございますが,新学習指導要領においては,小学校・中学校・高等学校の各段階を通じて,
コンピューターなどの情報手段を積極的に活用することが示されておりますことから,平成10年3月に,すべての市立学校教員に対しまして,情報教育指導資料「すべての子供たちに情報活用能力を」を作成しまして,配付したところであります。この中では,中学校における図形処理ソフトを用いたカレンダーづくりなど,各校種段階における指導のあり方と具体例を25例にわたって示したところでございます。
また,明年度発行予定の教育課程編成の手引の中にも,教科等における
コンピューター活用の具体的な指導場面と内容を学年ごとに示すほか,インターネット等の活用について,子供の発達段階を考慮した指導事例集もあわせて配付する予定であります。
二つ目の外国語教育についてでございます。
平成12年度におきましては,高等学校7校に,1年間を通して外国語指導助手を常駐させております。中学校につきましては14校に,学期を単位として外国語指導助手を常駐させ,また,69校には,週単位の派遣を実施しております。このことは,できるだけ多くの学校に外国語指導助手を派遣し,生徒と触れ合う時間を多く持つことを目的としているものでございます。
こうして,外国語指導助手を広く派遣することによりまして,本市の中学校・高等学校における外国語教育においては,日本人教師による指導を基本としながらも,ネーティブスピーカーの英語に触れることで,生徒の実践的コミュニケーション能力が向上し,異文化への理解が深まっていくというふうに考えております。
このような観点から,今後ともできるだけ多くの学校に外国語指導助手を派遣するように努めてまいりたいと思っておりますけれども,来年度につきましては,ご指摘のように,新たに2名の増員を予定しており,活用状況の推移などを見きわめながら,今後も段階的に増員を図りたいと思っております。
しかし,現在のところ,いつの時点でという目安がなかなかとりにくくございまして,本市在住の外国人の方や海外滞在経験者,あるいはその地域の人材の積極的なボランティア等の活用を含め,子供たちの英語力の向上に努めてまいりたいと思っております。
また,本年2月には,教育資源データベースを発行いたしまして,ここには,ボランティアなど地域人材あるいは外国領事館などを紹介しておりますけれども,こういったものをもとにいたしまして,学校が国際理解教育の一環として,外国語の教育のために人材を活用することを支援してまいりたいと思っております。
いずれにいたしましても,委員ご指摘の点につきましては,大変大きな課題でございますので,そこを受けとめてさせていただきたいというふうに思っております。
国際都市さっぽろということで,国際化の進展に伴いまして,英語以外の外国語を学ぶ意義といいますのは,先ほどから申し上げておりますように,国際理解教育という観点からも大変大きくなっているというふうに思っております。
高等学校における英語以外の外国語教育につきましては,既に研究を始めている市立高等学校もあり,今年度設置いたしました札幌市立高等学校教育改革推進協議会においても,課題として検討していくべきものと考えております。
また,中学校で,英語以外の外国語を学んでいく場合には,新たに創設されました総合的な学習の時間等の中で,国際理解教育の一環として学習することが望ましいものと考えております。
いずれにいたしましても,委員ご指摘の点を貴重なご提言と受けとめ,今後とも外国語教育の充実を図るとともに,国際都市さっぽろに生き,世界に羽ばたいていく子供たちが豊かな国際感覚を身につけられるよう,札幌の教育を推進してまいりたいと思っております。
以上でございます。
◆猪熊輝夫 委員 再質問をさせていただきたいと思います。
パソコンの関係は,学年別に,そういう意味では,整備して,現場でしっかりと生かしていけるというようなことですから,少なくとも,もう本当に短期間に機種が改善されていくという時代ですから,6年,5年で更新をするということは,限られた状況の中でやむを得ない側面もあるけれども,例えば,一番先端のものを1台か2台でも配置して,みんなでこれを学ぶけれども,今はここまで来てるぞというような形の配慮というか,こういうようなところまできめ細かくやっていくということが,僕は大事ではないかと思います。
それは,歴史・風土の違うアメリカといえば,本当にそれまでかもしれませんが,メーカーが新しい機種を開発したら,何でもまず学校へ持っていって,これでひとつやってみてほしいということで持ち込むというのですね。ただし,それをこの日本でそうやってもらうようにしたらどうかといえば,まさに歴史の違いで難しいということになるとすれば,前段言ったような形で,やっぱり機種を1台か2台でもいいから,最先端のものを用意して,そして,子供たちがそういったものにしっかりと触れて,この時代の要請にしっかりとこたえていけるような技量を身につけていくというようなことでの気配り,心配り,まさにそのことをやるべきでないのかなと,こう思いますので,この機会に,強く意見として申し上げておきますから,ご検討ください。
それで,英語教育の関係なのですが,札幌で今,情報産業という仕事に従事をする職員は,最低,英語というものを聞き話すことができなければ,もうだめですね。それから,札幌市が,道と,挙げて企業誘致をしてきたコールセンター,新規採用の職員は,1カ月,2カ月アメリカへ行って,研修をして帰ってきているいうような状況ですから,これから企業が新たに展開をされ,雇用というものが生まれていくという状況の中で,少なからず,外国語教育というのは,大変大事な状況になってきます。
何回かお話ししたことあるかもしれませんが,ヨーロッパなどでは,自国語以外に最低5カ国以上の外国語教育というものを受けて,身につけようとしている。そして,まさに国際化ということにしっかりと備えて,頑張っていかなければいけないということでやっている。
島国日本が,島国になっては大変なことになるという点で,国際化という点でしっかりと意識をしてやるべきだ。完全実施するとは今は言うことができないなどということを,新世紀を迎えて,まだそんなこと言っているようじゃ,もう終わっている。もう大変なことなの。だから,そのことは,重大決意をもってやるべきだ,こう考えますが,この場合,立場を変えて,教育長,そういった点で,僕はやっぱり,私の意見は受けてほしい。ですから,受けた立場での前向きな答弁をいま一回聞かせてもらいたい。
◎山 教育長 直ちに各学校に一人,LTを含めていろんな意味で教員を配置すべきだということでありましょうが,ご存じのとおり,現在,年に2名ずつの配置ということでありますので,最大努力をさせていただくということでお答えをする以外,今のところ,それ以上のお答えはありません。
猪熊委員がお話しされておりますことは,私も非常に同感でありますし,まさしくそのように存じますが,そういうことでありますので,ひとつご理解をいただきたいと思います。
◆猪熊輝夫 委員 いや,僕は,教育長に大きな期待をして答弁を求めたのですが,やっぱり従前の考え方の範囲を超えることはできないということで,やめるとかやめないとかということは別にして,もう少し思い切った発言を残していってほしいなと,僕はこう思いましたが,なかなか難しいようです。
牧口先生,せっかくの機会ですから,まだまだ第一線でご苦労いただくという点で,教育委員会の至らない部分のしりをたたきながら,あすの札幌を考えた教育の体制というものをどうするかというようなことでご苦労いただいていると思いますが,そういう立場で,いま一回,ひとつご見解,ご決意などがあれば,聞かせていただきたい。
◎牧口 教育委員長 私も,年に一,二回,海外に行っておりまして,今,猪熊先生が言われたように,英語を中心とした外国語の取得というのは非常に大事だというふうに理解をしております。
まして,これからますます国際化が進みますので,いろんな方向で,猪熊先生が言われるような方向で,全体が進むのが本来の姿であるというふうに思っています。
ただ,それが実現できる方策がどうかということになりますと,財政的ないろんな制約があるでしょうから,その辺は検討せざるを得ないというふうに思います。
◆猪熊輝夫 委員 それで,牧口先生,今,僕なりに少し勉強させていただいているのですけれども,経済的に思わしくない国が,そういった国に限って教育に力を入れているのですね。どういうことかというと,今はだめだけれども,この子たちが大きくなったときには必ず立て直してもらえるという,その信念めいたものを持って,教育に苦しいながらも投資すると。表現が悪いかもしれませんが,そういう形で頑張っている。これを僕は本当に真剣な声として聞かせていただいたことあるのですけれども,僕はやっぱり札幌の状況というのは,まさに公共事業に依存をしてきたこの55年間,それをいかに脱皮するかということで,今もがいている状態ですから,完全失業率などが本当に厳しい状況ですので,これを脱皮していくために,今まさに教育に力を注いでいく,そういう時期ではないだろうかという思いを強くしたものですから,あえて申し上げました。
ぜひ今後ともよろしくお願いをしたいということで意見を申し上げておきたいと,こう思います。
そこで,次に質問したいのは,中央区の四つの学校の統合問題です。
それで,半径2キロという形での考え方を基本にして,たまたまそれで四つが該当して統合するということで,僕は,そういう考え方をしっかり持ってここまで来ています。ただし,28クラス以上とか大規模校という点で,当時,どうしても最低12クラスあれば分離をしていくという形で,子供たちが多かったときに,中央区がそういう勢いでここまで来ていると。しかし,現実問題として,子供さんが少なくなってきているという状況の中で,教育委員会が,集団の一定規模というものを想定して,いろんな角度からご検討いただいて,こういった形がよしとするということだとすれば,僕はそういう方向で向かうべきでないかなという考え方を率直に持っています。
そして,もう一つは,うちの子は澄川南小学校に通っていたけれども,約2キロ通っていた。しかし,通学路に歩道がなかった。昔の農道がそのままになっていたり,もう開発行為だけでも,縁の歩道が60センチぐらいしかない。地域の人がそこに花を植えて,子供は,そこを歩道だと思って,春に歩いたら怒られる,車道を歩くしかないというような形で通っていた。しかし,おかげさまで事故もなく,6年間過ごすことができた。そういった状況の中で,帰ってくるときも1時間以上かかって帰ってくるのですが,そんな中でいろいろなことを学んできたのでないのかなと,僕は,そういう行き交う道のりの中で学ぶことも多いのではないかと。トイレを借りるすべもしっかりと身につけて,1回だけうんこしょってきたこともありますけれども,やっぱり友達の家,あるいはスタンド,こういったところで借りて,「おじさん,トイレ貸してください」,「おばさん,トイレ貸してください」って言って,こうやりながら通っているということも,やっぱり社会性というようなことの一つとして,少しずつ身についていくことではないかと。
そんな点で,いろいろ議論の中で,中央区でスクールバスについても議論されていますが,そういう意見があることを承知していますけれども,歩道などがしっかりしている中央区で,南区の澄川とは違った誘惑もまた一方にあることも承知をしていますけれども,そんな中で,やっぱりしっかりと身につけていくべきものを身につけていくというような角度での考え方を,親御さんや地域が支えるというような思いで確認できればいいのになという思いも実は率直に持っているところです。
それから,もう一つは,大長助役に現地を見てほしいということでお話をした千代田区和泉小学校の複合施設。こういったことで,教育委員会も保健福祉局の保育関係の部長も,現地に行ってもらった。3人で行ってくれたということですから,そういう点ではよかったなと思いますが,やっぱり今,小学校が,ある面ではコミュニティーというものの中核的な役割を担うというようなことが,パートナーとか高齢社会とか少子社会とか,もうありとあらゆることの角度から見ても大事なことではないかと。そして,しかも,そのときに,年寄りも若い者もそこへ寄っていくという状況をつくるということが,僕はこれからの小学校のありようというようなことを強く思っている一人です。
そんな点で言えば,和泉小学校は,0・1・2歳が保育園,3・4・5歳が,保育に欠ける,欠けないに関係なく幼稚園,そして,小学校がある。小学校の施設も,教室は低階層にあって,2・3階ということで,4階以上に特別室を設け,その上に学校の図書館と地域の図書館を並立させていると。そして,その上に,児童会館と,それからお父さん,お母さんが働いている子供たちの放課後保育をする部屋も持っていると。そして,その隣に多目的室を設けて,5時まで,その親が働いている,働いていない関係なく,その多目的室で汗を流すという形での交流ができている。そして,その上階層に何があるかというと,和室と洋室があって,腰の曲がったお年寄りも利用するし,それからお母さん方も利用すると。それからお父さん方も勤めが終わった後の町内会などを含めて集うというような形になって,その施設の管理運営は,学校の校長がするのでなくて,いわゆる管理センターがあって,そして,そこがすべての責任を持つという形でつくっている。
そういうことを指し示していくと。そして,学校と幼稚園と保育園が,この建物を使う優先権を持っていて,使うもの全部,先に占めた後,余っている部分は全部,地域に開放するという形でやっておりますが,僕は,少なくても,まさにそういった複合施設を,この四つの小学校の地域の皆さん方の声を受ける形で具体化をしていく,こういう方向になってほしいものだなと,実は考えているところなのです。
そんな点で,複合施設という立場をしっかり押さえて,地域の方に働きかけをと。そして,先ほど言ったような,児童会館などなど,いわゆる子供たちが集える,たまり場的な場所を。
もう一つは,大通と豊水の特殊学級がありますね。僕は常任委員会でもお話をしまして,ハンディのある子がかかわっている部分は,一等先に父母に,今,統合問題というのを考えているということを働きかけて,そして,皆さん方の思いも聞かせてもらって,心配のない形になってほしいと発言をさせていただきましたが,特殊学級が一緒に複合施設の中に入れること。
それから,通級というのは全市的ですから,これも大通,創成,二つにありますけれども,これは,お母さん,お父さん方のご意向というものを最優先して,どこがいいかというようなことで,その期待に沿えるような形で,それが結果として,今,一つにしようというのだったら,そのことを含めて,父母の意見を優先して整備していくべきでないのかということを実は考えているところでございます。
そんな意味で,地域開放型というようなことを複合施設の中でやりながら,もちろんエレベーターなどを配置しながら,バリアということをしっかり意識した形で,バリアフリーの建物をしっかりつくっていくと。そのことは,今回,私は触れる気はありませんが,うちの大嶋委員が言った統合教育というところに至っても,その建物をしっかりと生かしていけるような,そんな札幌市がこれから向かう方向を指し示すような複合施設をつくっていくのがいいのではないかと,こう思っていますが,そんな点でのご見解,常任委員会では,そういう方向ということで,一応お聞かせいただいているところでございますが,特別委員会でもございますので,あえて質問させていただきます。
◎霜觸 総務部長 今,統合施設のあり方につきまして,ご意見ございました。
私どもも,保護者等関係の皆様の一定の理解を得た後,検討することとしておりますけれども,基本的には,統合校は都心に位置をしているということもございますし,また,少子高齢化といった時代の流れや地域の状況等も踏まえながら,委員のお話にありましたような複合化を検討しなければならないと考えているところでございます。
同時に,お話にございました,子供たちの集える場所ですとか,あるいは市民が気軽に利用できるような施設,地域開放型とする,あるいは管理体制の工夫等も検討しなければならないと考えているところでございます。
同時に,後段にございました特殊学級につきましても,これはもうぜひ統合校に整備をしなければならないと考えているところでございます。
通級指導学級については,委員のお話のとおり,保護者と十分に話し合いながら,その考え方を尊重しながら,交通の利便のいい設置場所を検討してまいりたいと考えているところでございます。
当然,統合校について,お話に出ておりましたバリアフリー化もしっかりと検討しなければならないと考えているところでございます。
◆猪熊輝夫 委員 そこで,そういった方向で進んでほしいということとあわせて,固めてしまってからおろすというのじゃだめですから。先ほども言いましたけれども,ほやほやな段階で,投げて,そして,いただいて固めていくという,その考え方を原則にして,やっぱり住民が参加する,いわゆるともにつくっていくということで,魂を入れてもらいたいということを申し上げておきたいと思います。
そこで,最後の質問でございますが,実は,教科書の選定審議会のことについて,前回の常任委員会で,私は発言しまして,すばり申し上げて,札幌市の,いわゆる教科書選定審議会というのが,今のような形で,果たして市民に説明のつくような審議会と言えるかと。私は,少なくともそう言えないと。なぜなら,それぞれの教科書に執筆をしているという先生がいると。しかも,そういった先生が,選定審議会のメンバーの中に入っているというような形になっていると。言ってみれば,先に審議会のメンバーになって,その人がその後に教科書の執筆をするというようなことを含めて,残念ながらいるという指摘をさせていただきました。そのことが,中立性を持って,幾つかある教科書のうち,最終的に2冊,教科単位で2冊選定をしていって,最終的には,教育委員が一つに絞ることになるということですが,それでは客観性が乏しいのではないかという指摘をして,少なくともその選定審議会は改めるべきだということで,予算議会までに提示をしてもらいたいという提起をいたしましたが,その検討した結果について,一つはまずお聞かせ願いたいと,こう思います。
それから,もう一つは,小林委員とちょっとダブるのかもしれませんが,閲覧の仕方という点で,限られた9冊ですべてやるというような点では,残念ながら,学校の意見や市民の意見を聞いて,それを最終判断の材料にするということは極めて難しいのではないかというようなことで,いま少し,その閲覧場所,閲覧期間,こういったものについて工夫をすべきでないのかというようなことを触れさせていただきましたが,そのことについて,どう改善をしようとしているのか,これちょっとダブったら勘弁してください。
それから,もう一つ,今度は,教科書に執筆をしている人は,届け出を教育委員会にしなければいけないと思います。届け出をしている人が何人いるのか。まず,その辺から。
◎岩崎 学校教育部長 最初に,執筆者の届け出のところからご回答申し上げたいと思います。
前回の委員会の中で,猪熊委員の方から,厳しいご指摘がございまして,私どもも,その実態について,鋭意調査を開始したところでございます。
私どもが把握いたしました執筆者としましては,8年度版,12年度版,14年度版と,それぞれ教科用図書の発行の年度がございますが,合計いたしますと,38名ございました。その中で,いわゆる委員会の方に届け出をしていた者は一人もいなかったというのが事実でございます。
以上でございます。
○道見重信 委員長 答弁漏れがありますよ。
◎岩崎 学校教育部長 それじゃ,そのことをまず最初に猪熊委員にご報告申し上げまして,2点目の,いわゆる審議会委員の透明性及び審議会そのものの透明性ということでご回答申し上げたいと思います。
まず,私ども,今,検討中でございますけれども,一つは,審議会委員そのものの欠格条項につきまして,従来の欠格条項をさらに厳密に,ある意味では,もう少し厳しく規定をしていきたいなと,こんな視点で,最終的な見直しをかけているところでございます。
それから,審議会委員の選考の観点につきまして,まず,校長,教頭からの選考等につきましても,例えば,校長職あるいは教頭職において,審議会委員を過去に務めていない者というように,その職においては,一度しか審議会委員を務められないような形をつくったり,あるいは,同じく教諭についても1回のみというような形で,重複を避けることを今,検討している最中でございます。
さらには,学識経験者のうち,特に直接子供とかかわりのございます教職員,そして,いわゆるPTA,保護者の面でございますが,特に保護者については,従来1名あるいは2名という数でございましたけれども,場合によっては,各小委員会にも参加できるように,あるいはその数についてふやしていきたいと,こんなふうな視点で今,検討をしている最中でございます。
さらに,審議の過程につきましても,より透明性を高めるという視点から,幾つかのステージを設けまして,そのステージの中で,違う視点から見れるような形,これを検討していきたいと考えてございます。
さらには,事後でございますけれども,審議委員はもちろんでございますけれども,それぞれの過程の記録は,原則すべて公開をすると。逆に言いますと,公開にたえ得るだけのきちっとした審議過程が明確になる形で透明性を深めていく,そのようなことを大きく考えながら,今,最終的な詰めを行っているところでございます
3点目の教科書展示会の開催についてでございます。
これにつきましては,冒頭の小林委員のご質問にもございましたけれども,いわゆる9セットしか来ないという,非常に拘束された状態の中で,この展示を一般の市民の方,保護者,そして,何よりも教職員の皆さんに広く触れていただきたいと,こういう視点から,従来は,区民センター,教育委員会庁舎,あるいは市役所の本庁舎等で一定の期間,1週間程度でございましたが,いわゆる展示を行っておりましたが,新年度,これ4月からスタートできるのでないかと考えておりますが,例えば,中央図書館,ここはある種の,いわゆる常設的な置き方をしていきたいと,このように考えてございます。さらには,区民センター,これらも含めまして,従来よりはかなり多くの会場等を今,想定してございます。
ただ,いかんせん,冒頭で申し上げましたように,9セットしかまいらないものですから,それらをどう効率よく回転させていくか。さらには,具体的には,審議会の中で必ず使うものでございますので,それらのことも含めて,今後,詰めを行っていきたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
◆猪熊輝夫 委員 それで,いわゆる審議会委員の選出という点で,校長,教頭でも,教諭でも,いわゆる教科研究の推進者とか,校内における教科指導のすぐれた実践者とか,あるいは研究心旺盛で,実践力があり,研究推進の中核的存在になっているというようなことで,教科単位で,とっても一生懸命で,造詣の深い人ということになりますよね。このことは,だれも反対しないのですよ。ところが,そういう人方は,一生懸命な人は,みんな教科別研究会に入っているのですね。そして,その研究会の頭というのは,ほとんどが,校長先生などなどがずっと並んでいくのですよ。わかるでしょう。並んでいくのです,全部。それで,表現は悪いのですが,いわゆる教科単位で系列化されていくというか,そういう仕組みになっているのですね。
それで,いろんな研究会がありますが,札教研というのが,いわゆる先生方,校長先生以下全部が対象になっている研究会ということになっているのだというのです。これとて,あの深夜まで議論したときに,100人校長先生方が来ましたけれども,あのときもこの会合があったのですよ。この会合があって,校長先生方が中心的人物なのだけれども,それに出ないでこっち来たということなのです。(発言する者あり)いろいろ調べていけば,いろいろ出てくるのだけれども,いわゆるそういった札教研,全部の先生方が集まっていると。当然,そういう教科別の研究会というのは,校長先生からずっとこうなっていっているということでね。これ,とっても難しいことを皆さん,自信持って頑張らねばならぬのですが,今,教育委員会が指し示している審議会委員の選考というのは,もう少し今までよりは厳しくいうことで,ここまで来ているのですけれども,この字句からいって,それじゃ説明できるよというような,結論の説明ができるかどうかという点では,率直に言って不安がある。そのことに対して,自信持って言えるかと。悪いけれども,もう一回その辺,自信ありますとは言わないでもいいですから,少なくても,もう少しでなく,本当に厳しくして協力いただくというようなことで,このことについて自信持って具体化できるのかどうかということでお聞かせをいただきたい。
それから,もう一つは,教科書に執筆した人,これは38名いる。みんな無届けだ。それで,一応,札幌市の条例の中に,無届けでそういうことをしてはいけないことになっているというか,届け出を出して,許可をいただいてやるということになっている。それをしてない。さあ,どうするかということです。ましてや,各学校の範となるべき校長先生方だ。執筆者は校長先生方。どう対処しようとしているのかという点で,そのことを聞かせてください。
◎岩崎 学校教育部長 1点目の,自信を持って,これから,より厳正にという視点についてでございますけれども,私ども,今までも,教科書採択に関しては厳正に対処してきていると,こういう視点に立ってございます。
しかし,さまざまな点から,いろいろな問題点が指摘されるとすれば,そういう疑義を感じられる側面があるとすれば,これはやはりそれらを払拭しなければいけない,こういう強い決意を持ってございます。
例えば,ご指摘がございました研究会の問題につきましては,これは,いわゆる教員という職の特性から言って,研究というのは,実は一番大事なことでございます。したがいまして,ほとんどの教員は,どの研究会かに必ず属しているぐらいの,そういう重みを持っているところでございます。ただ,問題は,それらの特定の研究会等に,教科用図書の採択において,疑義を感ずるようなことがあったら困るというご指摘だと思います。
したがいまして,新たなこれからの最大の検討課題になろうかと思いますけれども,その中では,まず,一つは,選ばれる審議会委員の方の人間性を当然,尊重したいと思っておりますし,それらの信頼のもとに,なおかつ客観的に見て,事後には必ず公開されるわけでございますので,市民の皆さんを初めとして,疑義を持たれないような最善の努力をしていく必要があろうかと,そんなふうに考えてございますし,現時点でも,やはりそうしなければならないというふうに考えているところでございます。
2点目の,届け出をしなかったことに対しまして,どういうふうに今後というご質問でございますけれども,先ほど人数をご報告申し上げましたけれども,当該事務に従事していました関係の職員につきましては,直ちに適正な手続をとるよう指導いたしてございます。今後,速やかにしかるべき措置を講じていきたいと考えておりますし,また,教科書の編成への参画につきましては,学校教育の実情をよく理解し,かつ,専門知識を有している教員が携わることは,教科書の内容の向上にもつながり,執筆者たる教員の方にも有益なことと考えられますので,教育委員会といたしましては,公教育の充実を図る観点からも許可することができるものと,こういうふうに考えてございます。
しかし,適正に手続をとることにつきましては,公務員として当然のことでございまして,その認識に不十分な面が認められたとしますと,これは大変でございますので,近く文書等により,周知徹底を図るとともに,指導に努めてまいりたいと,このように考えてございます。
◆猪熊輝夫 委員 僕も,改めて,通知は出すべきだと。そして,届け出を出すようにといったって,過去形のものに届け出を出したって許可のしようないのだわ。今までのケースは,これから届け出したってだめなのですよ。だから,これからのものは,届け出を事前にして,許可を受けて執筆するという形になると思うのです。それで,今までの人は,処分しかないのですよ。残念ながら,校長先生ばかりですから,多くが,圧倒的に。
そして,職務命令というのは,どういう処分を背景にして職務命令というのを発したのですか。僕は,少なくとも,この職務命令という言葉を使って,国旗・国歌をおろしていったときには,実害をこうむる戒告以上の処分をするよということを前提にしておろしているように聞こえてならなかったのです。
しかし,今回,無届けでこういったことをした,範となるべき人方のこの行為に対して,どういった処分というものを考えているのかという点について,強い関心を持つ一人なのです。そのことについて明確に答えてもらいたい。
それから,もう一つは,審議会委員になった人は,以降,教科書の執筆要請を受けても執筆しないという形にしていかなければだめだと思う。逆もあるのですよ,当然のこととして。ということは,そこにどうしても人間関係が出てきますから,人間関係が。そうすると,審議委員をしていたら,少なくとも議論経過というものが全部わかりますから,こういう内容であれば,札幌市には有利に働くか,働かないかという判断は,審議会委員の経験者はできるわけですから,そういう部分が執筆というかかわりになっていってはいけない。そういうようなところの,たがもしっかりはめなければならないと思いますが,そういった部分の整理はどうなっていますか。
◎岩崎 学校教育部長 1点目の処分の件についてでございますけれども,これについては,現時点で,この場でお答えすることは避けさせていただきたいと,このように考えてございます。
2点目の事後の執筆ということについてでございますが,これについては,非常に難しい点も幾つかあろうかと思いますが,今ご指摘の点を十分に視野に入れながら,今後どういうような形で,そういうことが可能かどうかも含めて検討してまいりたいと,このように考えてございます。
◆猪熊輝夫 委員 まだ全部整理ついていないという感じで,僕が常任委員会で求めたのは,少なくとも新年度のスタートに当たって,この予算議会であれこれ全部整理してくださいよと。少なからず,処分の問題を含めて,あるいはこれからの対応のことを含めて,しっかりと出せるようにしてくださいよって,しかも,僕は項目を指し示して言っていますよ。ですから,そのことがことごとく整理がまだされていないというような形でこの委員会に臨んだとすれば,僕は,何と怒りの表現をしていいのかという感じがしてならないのです。
それで,少なくとも,定年後といえども慎んでいただくというぐらいの思い入れをもって対応するのでないと,執筆にかかわる部分については大変なことだと思っているのです。後輩たちが疑いというか,クエスチョンをつけられて見られるようなことがあってはいけないと,自分が40年あるいはそれ前後,勤めた職場がそうならないような形でいくという点で,そこまで協力をいただくということ,市民の不安というか,心配にこたえるぐらいの決意というのが,僕はあっていいという気がしてなりません。
それから,もう一つは,処分の関係で,少なくても,今,職務命令を背景にしてやった,99%やった。しかし,その職場の中は,職員室の人間関係はとっても悪くなっているのですよ。職員室の人間関係が悪いということは,子供たちと裸のつき合いというか,信頼関係等そういう気持ちで教壇に立つということが難しくなるのですよ。その責任というのは教育委員会にあるのですよ。教育委員会はだれのためにある。子供のためにあるのだよ。
校長先生は苦悩していますよ。苦悩している。本当に苦悩しているから,一部除けば。僕は本当にそう思っているの。そして,こういったことが,ずるずるずるずるっといこうとしている。僕,ずるは許せない。だめだ。市民にしっかり説明のつくような体制にして,後は結果なのです。
主要5科目が教育出版全部というのは,政令都市で,1社で5教科が決まっているなんて教科書選定はないのです。何かが働いているのかと言われても,具体的に示せといって開き直るしかないぐらいなのだから。
だから,結果を見て,評価をしなきゃならぬということになると思うけれども,僕が今まで指摘したことに対してどなたか見解持つのだったら,答弁してください。
◎岩崎 学校教育部長 冒頭から申し上げておりますが,この教科用図書採択に関しての,より透明性を求めるということにつきましては,私ども大変重く受けとめております。今まで以上に透明性を高めて,そして,委員からご指摘いただきましたけれども,事後に公開した,そのときが,いわゆる本当に透明性があったかどうかという形になろうかと思いますけれども,それらにたえ得る最善の努力をしていきたいと,このように考えております。
◆猪熊輝夫 委員 私は,一言だけ言う。教育委員会の幹部の皆さん,襟を正してください。各学校の校長先生が物を言えるような,そういう教育委員会の,まさに風土というか,雰囲気,そういったものをつくってくださいよ。そして,学校現場のことをそっくり持ってくる,そして,皆さん方の思いも現場に持っていく,風通しのいい教育委員会をつくってもらいたい。結果を注目して,発言を終わります。
◆松浦忠 委員 ご苦労さんです。
議会規則では,10時を過ぎたら夜食が出ると,こういうことになっておりますので,なるべく夜食の出ないようにまとめて簡潔に終わらせたいと思います。
段々の議論を聞いていて,思い出してくることもありまして,思い出した一つは,今,中央区の学校の統合が進められておりますが,私は,昭和60年ころに,実は,こういうことを提起したことがあるのです。幼稚園と小学校と老人ホームを,いわゆる併設すると。そこで,お年寄りと子供たちと幼児などの触れ合いをしていくことが,特に小学校・幼稚園などの,あるいは保育園などの子供の教育の上で大変大事なことでないかといった提起をしたことがあるのですが,その当時は,まだそこまで残念ながら進みませんでした。その後,数年前に,帯広で民間の保育園と老人ホームが併設をされるというようなことが新聞で報じられておりました。
そこで,今,猪熊委員が東京の千代田区の和泉小学校の話をされておりましたが,全くそのとおりなのですが,それに幼稚園・小学校,それにできれば軽費老人ホームか,あるいは特別養護老人ホームなど,お年寄りの施設もひとつ加えて,そして,この学校が,例えば,古くは,札幌市で昭和30年前後に初めてつくられた幼稚園が白石区の菊水だったのですが,東橋幼稚園ですが,これが当時,実験幼稚園という名前でつくられたわけでありますね。今度つくる中央区のその小学校も,そういう意味では,教育実験の学校として,ぜひそういうことをやってみてはいかがと。さらに,それらの施設のもろもろのデータも収集して,教育に生かしていくということが,これからの中で大事でないかなと思うのですが,これに対する見解,その老人施設を併合させるということについて検討されたことがあるかどうか,ご見解を伺いたいと思います。
それから,2点目は,札幌市に約8,000名の幼稚園,小学校,中学校,高校の先生方がいらっしゃるのですが,その先生方の仕事である,授業を教えるという,その教育の質を高める意味で重要な役割を果たしている教育センター,これは宮の沢に立派な施設がつくられたわけでありますが,この教育センターが,どのように活用されているか。年間何名ぐらいの先生方が,ここで研修を受けておられるか。これは11年度が完了しておりますから,12年度は今,途中ですから,11年度の人員で結構ですから,明らかにしていただきたいと。
そして,この研修の中で,特に今いろいろ学校で不登校だとかさまざまな問題が起きておりますけれども,一番の問題は,やっぱりそれぞれ一人一人の生徒がどれだけ学習を理解し,習熟度が上がっているかということが大切でないかと思うのですけれども,そういう意味で,そういうような研修取り組みがされているかどうかを含めて,平成13年度の研修取り組みの主なものをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
そして,それらを受けて,次に,子供が喜ぶ授業をつくるための方策について提起をしてみたいというふうに思っております。
◎霜觸 総務部長 私から1点目についてお答え申し上げます。
統合校の施設のあり方,あるいは統合校の教育のあり方につきましては,保護者等の一定の理解を得た後,検討することとしておりまして,まだ具体的に考えているわけではございませんので,ご理解をいただきたいと思います。
◎林 教育研修担当部長 私から,教育センターにかかわって2点お答えしたいと思います。
教育センターにおける教員研修につきましては,平成12年度の数字が2月末で出ておりますので,12年度の数字でお答えしたいと思いますけれども,幼稚園,小学校,中学校,高等学校,養護学校の管理職及び教職員を対象に,12年度38コース,147の講座を実施しております。受講者の延べ人数は,2月末でございますけれども,5,412名であります。
内訳は,札幌市の市立の学校の先生方が3,585名,それから,私立の幼稚園の先生方,それから一般市民を含めますと1,827名という数で,トータルすると,5,412名になります。さらに,札幌市内の先生方の数で言いますと,幼稚園が505名,小学校の先生方が1,862名,中学校が988名,高等学校が165名,養護学校が65名で,計3,585名という数字になります。
それから,平成13年ですけれども,前回の定例市議会で教育長が答えましたように,教員研修一元化ということにかかわって,研修事業の再構築を図るべく,今,抜本的な見直しを図っているところであります。
簡単に申し上げますと,具体的には,職能や教員の経験年数などに応じて,教育の基本的事項を研修する基本研修というものと,それから,教科・領域や教育課題などを中心として,教員一人一人が自主的に研修できる専門研修,視野を広げ,豊かな教養を身につけることを目的とし,一般市民の方への公開も含めた形で考えております公開研修の三つの形で,来年度の教育センターの研修を考えていきたいと思っております。
また,きょうも話題になりました情報教育について,
コンピューターの操作能力及び経験年数や職能に応じた情報教育の研修も考えております。
来年度は,受講者の多様なニーズにこたえるとともに,研修意欲をさらに喚起する研修形態をできるだけ工夫してまいりたいと考えています。
以上であります。
◆松浦忠 委員 わかりました。
最初の,もし統合して中央区の学校をつくる場合には,ぜひ老人施設なども含めた実験的な学校をつくっていただくように要望をしておきます。
それから,次に,今の教育センターの研修内容など,あるいは人員などを含めてですが,学校の今一番課題の,いわゆる不登校だとか,いじめの問題だとか,こういうことは,幾つか要因はあると思うのですが,一番根底にあるのは何かということを考えてみれば,授業が理解できなくて,学校に行ってもおもしろくないと,居場所がないということがやっぱり最大の原因の一つでないかなというふうに,私は思うのですね。そして,今までのいろいろの質疑の中にも出ていた,クラブ活動なども,だんだん衰退をしてきて,勉強でなくても持っている運動能力だとか,どこかのところで能力を発揮して存在感を示すというような,そういうものが今の学校にはだんだんなくなってきていると。それがやっぱりこういう問題がいろいろ起きてくる大きな要因でないかなというふうに,私は考えているわけなのです。
そこで,それらの問題の中で,とりわけ授業を一人一人の生徒,子供たちがわかりやすくしていくにはどうしたらいいのかと。先ほど,飯坂さんの質問の中にアメリカのグラス・スミス曲線などの50年の実験の結果の例示などもありましたけれども,札幌市の学校で,小学校も約200近くある中で,クラス別に言えば,本当に十数人から始まって,40人までの学級がそれぞれたくさんあります,これ。そういう中で,この20人学級がいいのか,30人学級がいいのか,40人学級がいいのか,いろいろ議論があるし,それぞれのクラスの中で,いろいろ現実に今,授業が行われているのですが,今までの委員会質疑なども含めて,文教委員会の質疑も含めて,クラスの子供の人数が少なかったら,教育効果がどう上がっていたかとか,あるいは40人のところではどういう問題があったかという具体的な比較をした結果というのが出されていないと,こういうふうに教育委員会側はお答えになっているわけですね。
そこで,やっぱり札幌市は札幌市なりに,独自にそれらを,いろいろな比較の仕方があると思うのですけれども,それらを比較して,ずっと実験しながら,一つの教育,いわゆる教え方のあり方だとか,その内容などについて検討していく必要があるのでないかなと,こういうふうに私は思うわけです,これ。
そこで,学校の始まりは1年生,2年生でありますから,2年間はクラスがえもありませんから,1年生,2年生を対象にして,十数名のクラス,二十数名のクラス,35名から40名ぐらいのクラス,いわゆる大・中・小の三つのクラスを特定して,そして,例えば,そこで,その大・中・小の三つのクラス,1年,2年ですね,年に3回がいいのか,6回がいいのかわかりませんけれども,数回,共通のテストなどをしていくと。その中で出た結果に基づいて,例えば,40人のクラスだったらどうだったか,二十四,五人はどうだったか,十数人はどうだったかという一つの結果が出ると思うのですね。そういう中で,それをさらに分析して,それらをもとに研修所などでも,教員研修に充てていくということが大事でないのかなと。
特に,なぜ私がこのようなことを申し上げるかといったら,これも昭和60年ころに,遠藤さんが教育長のときに,私は,実はこういう話をして,遠藤さんがこれ取り上げて実施したのです。これは何かといったら,今,少子化の中で,先生になった人たち自身が兄弟は1人か,多くても3人だと。そんな中で,一生懸命勉強して,教育大学を卒業して,そして,札幌市の教職員に採用されたということは,勉強ばかりやってきたと,ほとんどの方が。そして,いきなりたくさんの三,四十人の子供を預けられても,なかなか戸惑うばかりだと,これが実態でないかと。
そこで,実験的に,勉強はほどほどで,各学校で運動部のキャプテンなどをやっていたような人を採用してみてはどうかと。遠藤さんもそれはやってみますということでやられたようです。その結果は聞いていませんけれども,そんなことで,やっぱり今の学校の先生になっている方々も,そういう点では,私は,たくさんの子供を預かって大変苦慮していると思うのです。
したがって,そういうようなことからすれば,ここでやっぱりそういう実験をして,それをずっと1年,2年ということで,毎年,毎年繰り返して積み上げていって,そして,それらを具体的に先生の教え方の内容のあり方に反映をさせていくと。そうしていかないと,現状からいうと,十数名のクラスもある,それから,40名のクラスもあると。しかし,結果的に,今までの質疑の中では,学力について,少ないところの方がよく子供たちの習熟度が上がって,大したいいよとか,そうでないよとかということはもう何ら掌握されていないということでありますし,私は,今の授業の内容からいったら,そこが増していくような形にはなっていないと思っているのです,これ。
そこで,そういうような実験をぜひやって,そして,それらを分析をして,授業内容の検討の中に反映をさせていくべきでないのかなと。そしてまた,それを授業だけでなく,さまざまな形で,教育のあり方に反映をさせていくべきでないかなと。
今まで,例えば,古く言うと,昭和30年代の学力テストのときに,みんな教職員も含めて反対をしました,これね。これはなぜ反対したかといえば,当時,学力テストが,子供たちの尺度だけではなくて,先生方の勤務評定につながるのでないかというようなことで,勤務評定闘争とあわせて,当時は反対に遭ったわけですけれども,今の状況というのは,また当時と違った意味で,本当に子供たちの教育の危機にあるというような時期でありますから,そういう点で,ぜひ私はそういう実験をするべきだと思うわけです。今まで,指導室などを中心にして,そういうことについて必要だなということを感じてきたかどうか。まず,感じてきたか,こないか,そして,感じて検討したことが内々でもあったか,なかったか。そして,私が今,提起した実験などをやってみようという考え方があるか,ないか,この2点についてお伺いをいたします。
◎高橋 指導担当部長 委員ご指摘の,20人が学習効果が上がるのか,あるいは30人か40人か,その最適規模と学習集団の見きわめということであろうと思いますが,これは教育委員会としても,かつてきっと私どもの先輩も非常に興味を持った課題であったろうというふうに思っております。
しかし,私が赴任しましてからは,最適規模の学習集団の見きわめ等については,普通,学級編成基準40人でいつもしていたものでありますので,特にこういうことについて考えをめぐらせたことは,正直言ってございませんでした。
それで,最適規模の学習集団の見きわめについて,改めて考えてみるところでございますが,過去に,先ほど飯坂委員からご指摘もございましたように,アメリカでは,学級規模と学習効果についての幾つかの研究事例がございます。しかし,我が国においては,直接,学級規模と教育効果とのかかわりについて論究した研究事例はないと考えてございます。
学習の達成度という観点に限れば,委員ご指摘のようなテストを実施することによりまして,それぞれの規模の学級の学習効果を比較することは,ある程度可能になるかと思いますけれども,一方におきまして,その子それぞれの特性でありますとか,興味や関心の違い,それから学級における教師のかかわり方などの要素を計量化することが必要になりまして,加えて,個々の子供の家庭環境あるいは地域の特性等にも考慮する必要があるなど,多くの難しい問題を含んでいると思います。
そのようなことから,委員のご指摘は,適切な学級規模をデータに基づいて明らかにしようとする示唆に富んだご提言と考えておりますけれども,全国的にも例がございませんことから,今後,国立教育政策研究所等,あるいはその専門の研究機関等と連携をとりまして,専門的なアドバイス等をいただきながら検討してまいりたいと思っております。
以上でございます。
◆松浦忠 委員 私は,これを,学級編成のクラス人員を何名にするのが適当かということの,一つの判断材料にしようということだけで言っておるのではないのです。
私は,むしろ,今,現行の40名でもいいのですよ。ただ,こういうことを実験していって,そして,それをもとにして,例えば,私は,能力別の学級編成は好ましいとは思いません,小学校・中学校は。これは好ましいとは思わぬけれども,しかし,複数担任配置をしたときに,それでは,そういう結果に基づいて,どういうような教え方をすることがいいのかとか,このデータに基づいて,いろんな方策が考えられると思うのです。
今,高橋部長の答え方というのは,教育というのは,これはもうそういう意味で言うと,数値的な定量化はありませんからね,したがって,難しいと言えば全部難しい話になるのです。しかし,やっぱりこれはどれか一つを,絶対値ではないけれども,客観的に一つの方法としてやってみると。そして,その上で,それをいろんな角度で検討して,取り入れていけるものが幾つあるかわからぬけれども,やってみると。そして,やらないことには,これ進んでいかぬわけですよ。やってみる,そういうことが私は大事だと思うわけなのですよ,これ。
今までは,どちらかと言うと,ずっと今までもこうやってきたから,これからもまた大きく変えないでこうやっていこうということでやってきていて,特に私は,なぜこういうことを申し上げるかと言えば,勉強がわからないから,学校に行ってもおもしろくないと。おれはただ行っとったって,することもない。行かなきゃうまくないから行くかと。行って何か楽しみないかなと。じゃ,ちょっといじめでもやるかとか,(発言する者あり)あるいは,おれの存在価値を示すのに番長にでもなるかとか,そんなようなことというのが,間々子供たちの心の中にあるわけですよ。だから,私は,こういうことというのは,やっぱりきちっと取り組んでいかなきゃだめだと。
特に,皆さんは思いつきだと,こう言うけれども,私,実は昭和60年ころに小学校のPTA会長やったのです。そのときに,私の住んでいる菊水で,実は,小・中学校の連絡会議があって,それで,幌東中学もいろいろ問題のあったときですから,そういう問題のある生徒たちについて話し合って,例えば,冬にはお年寄りの家庭の除雪だとか,あるいは夏には草取りだとか,ボランティアで参加してもらって,社会的に大きくそういう子供たちをクローズアップしてあげるということをしたらどうですかと,こういう話をしたら,当時の幌東中学校の指導担当の先生は何と言ったかといったら,「これは児童福祉法違反だから,労働させるということはできない」と,こう一言で答えたわけですよ。ところが,今どうなっているかといったら,今,文部省を初めとして,今度はボランティアで,子供たちもできるだけ参加させるようにしようというふうに変わってきているわけですよ,これ。
時代とともに,教育の内容もやり方も,変わらなきゃならないのです,これ,いいですか。それが,今お聞きしていると,やりとりしていると,なかなか,それを変えていこうと具体的に踏み出していくということをしないわけですよ。変えていこうということにね。やっぱり踏み出して,そして,いろいろやってみて,どの部分が取り入れていけるか,どの部分がこれはちょっと取り入れていけないかという,ここのところをやらなかったら,私はだめだと思うのです。
○道見重信 委員長 質問に入ってください。
◆松浦忠 委員 (続)そして,日の丸・君が代,いいとか悪いとか一生懸命やるのもいいけれども,それよりも一番子供たちに大事なことは何だといったら,まず,学校に行くのが楽しくなるようにすることだと。それは何だといったら,やっぱり授業をわかりやすくすることなのですよ。
1年生でいえば,一番楽しいことは何だといったら,給食の時間だと,2番目には,体操の時間だと,3番目に勉強だとこうなるわけですよ。中学校など上に行けば行くほど,給食よりも勉強が多くなるわけですから。
したがって,ずっと1年生から本当にわかるようにしていくことが,それがやっぱり今のこういう非行問題だとか,いろんな学校で
○道見重信 委員長 松浦委員,質問に入ってください。
◆松浦忠 委員 (続)はい。学校で苦慮している問題を解決すると,大きな効果を発揮していくというふうに私は思っているのです。
したがって,いろんな現象だけに今皆さん方は振り回されているけれども,あそこで暴力行為が起きたとか,あそこで何があったということに振り回されているけれども,やっぱり根本を解決する,その取り組みというのをしなきゃだめでないかなと,私はこう思うわけです。
そこで,教育長は,新聞辞令によると,もう間もなくおやめになるということですが,大事なことは,教育長,こういう問題をもうおれも3年間やってきた,そこで,やめるに当たって,やっぱり何を引き継いでいかなきゃならぬかと,こういうことだって,先ほどの猪熊委員の質疑じゃないですけれども,私は大事なことだと思うのです。
そこで,私は,この問題について,ぜひ新しい教育長に引き継いで,そして,平成14年からは,そういう実験を始めていくということを,再来年の14年から始めていくと,このことを,ぜひすべきだというふうに思うわけですけれども,教育長は,どうこの話を聞いておられたか,見解を求めたいと思います。
◎山 教育長 ただいまの今日的ないじめ・不登校等を含めたさまざまな問題解決に向けて,広く子供の教育をとらえる上でのいろんな調査研究,そうした視点からの一つのご提言であったというふうに受けとめております。
この問題につきましては,いろんな意味で,子供の問題解決のために,私ども日ごろ努力をするわけでありますし,また,そのための調査研究も必要かと思います。
ただ,先ほどお答え申し上げましたとおり,子供の学級規模と学習成果といいますか,あるいは,それを通じた子供の指導の上での効果といったものについては,非常に難し過ぎるぐらいの深い問題があろうかと思います。全国的にもまだ例がないというふうにお話を申し上げましたが,やはりそうした意味では,いろんな調査研究の項目として,今後,教育委員会としても,調査あるいは研究していくべき課題の一つかなと,このように受けとめてございます。
以上でございます。
◆松浦忠 委員 特に,教育長,この問題,日の丸・君が代を実施した,その決意からすれば,それほどのことでないのでないかなと私,思っているのです,この実験をするということは。
そういう意味で,ぜひひとつそういうことに積極的に取り組んでいただくことを求めて,終わります。
○道見重信 委員長 以上で,第1項 教育委員会費等の質疑を終了いたします。
以上で,本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会は,3月21日午後1時から,教育委員会のうち,生涯学習部及び中央図書館関係の質疑を行いますので,定刻までにご参集ください。
本日は,これをもって散会いたします。
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散 会 午後9時50分...