札幌市議会 2001-03-09
平成13年第一部予算特別委員会−03月09日-03号
平成13年第一部
予算特別委員会−03月09日-03号平成13年第一部
予算特別委員会
札幌市議会第一部
予算特別委員会記録(第3号)
平成13年3月9日(金曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 32人
委 員 長 道 見 重 信 君 副委員長 森 健 次 君
委 員 柴 田 薫 心 君 委 員 大 越 誠 幸 君
委 員 宮 本 吉 人 君 委 員 千 葉 英 守 君
委 員 上瀬戸 正 則 君 委 員 笹 出 昭 夫 君
委 員 馬 場 泰 年 君 委 員 鈴 木 健 雄 君
委 員 近 藤 和 雄 君 委 員 村 松 正 海 君
委 員 五十嵐 徳 美 君 委 員 湊 谷 隆 君
委 員 川口谷 正 君 委 員 猪 熊 輝 夫 君
委 員 畑 瀬 幸 二 君 委 員 大 嶋 薫 君
委 員 藤 原 廣 昭 君 委 員 本 舘 嘉 三 君
委 員 義 卜 雄 一 君 委 員 高 橋 功 君
委 員 三 浦 英 三 君 委 員 生 駒 正 尚 君
委 員 飯 坂 宗 子 君 委 員 井 上 ひさ子 君
委 員 宮 川 潤 君 委 員 坂 本 恭 子 君
委 員 福 士 勝 君 委 員 田 中 昭 男 君
委 員 小 林 郁 子 君 委 員 松 浦 忠 君
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●参考人
北海道国際航空株式会社 代表取締役社長 石 子 彭 培 君
取締役営業本部長 西 谷 洋 君
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開 議 午後1時
○道見重信 委員長 それでは,ただいまから,第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,本舘委員からは,遅参する旨の届けがありました。
それでは,議事に入ります。
本日は,議案第1号 平成13年度札幌市
一般会計予算のうち,
企画調整局関係分の審査を行いますが,このうち,
北海道国際航空事業貸し付けにつきましては,審査の参考とするため,同社から
経営改善計画について説明を受けることが必要であると判断し,参考人の招集を決定したところでございます。
本日はご多忙中にかかわらず当委員会にご出席いただきました石子社長,
西谷営業本部長に対しましては,委員会を代表し,私からお礼を申し上げます。
なお,
松原管理本部長につきましては,業務の関係上,どうしても都合がつかなくなり,欠席となりましたので,ご報告いたします。
なお,本日の理事会におきまして,
北海道国際航空株式会社に対する参考人へのご質問については,おおむね1時間をめどにして行うということで,理事会で申し合わせを行っております。それぞれ各会派におきましては,そのことを念頭に置きながら,理事会の
打ち合わせ事項を厳守していただくことをお願いいたします。
なお,きょうの
参考人招集は,いわゆる国会でやっている証人喚問ではございませんので,その点を十分なるご配慮の上で,経営の中身についてのお尋ねをしていただければと,こう思っております。
それでは,
北海道国際航空株式会社の経営改善について,ご説明をいただきます。
石子社長,お願いいたします。
◎石子 参考人(
代表取締役社長) ただいま,ご紹介をいただきました
エア・ドゥの石子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
最初に,委員長の方からお話がありましたが,中期の
経営改善計画を立てましたので,その概要についてご説明した後,質問を受けたいというふうに思いますので,どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
私,1月1日から
エア・ドゥに来ておりますが,1月18日に,早速,社内の新体制を確立いたしまして,組織のスリム化,人事の刷新を図ったところでございます。そして,1月29日に,
新生エア・ドゥの
中期経営改善計画を発表させていただいたところでございます。現在,社内一丸となって,この計画の推進に向かっているところでございます。
それで,計画の内容でございますが,大きくは,基本方針ということで三つの方針を打ち出しております。一つは安全運航・定時運航の維持,二つ目が
ロープライスリーダー,そして三つ目が北海道の翼というふうに,大きく3点を基本方針として打ち出しているところでございます。
安全運航につきましては,とにかく何よりも安全運航がどんなことがあっても大事だというようなことから,ただいま機体の整備等につきましては,世界の
トップレベルを持っておりますJALに全面的な委託をしております。そして,当社はこの委託の結果を受けてさらにチェックをするというような
ダブルチェック方式を採用しておりまして,安全に万全を期しているということでございます。
二つ目の
ロープライスリーダーでございますが,これにつきましては格安な航空運賃の提供ということで,これこそが我が社の設立の理念,命でございます。
エア・ドゥが参入した結果,運賃の値下げに多大な効果があったというふうに思っておりますが,
エア・ドゥ効果としては,現在,150億程度の効果があったのじゃないかというようなことが言われておりますが,私は,今回,いろんな面で公的な資金を導入していただけるというのは,この辺のところへの支援をしていただいているというふうに考えているところでございます。
しかし,我々は一企業でございます。とにかく個人の会社ということでもございますので,自立でスタートできるように努力してまいりたいというような気持ちでおります。
それから,三つ目が北海道の翼,これにこだわっていきたいというふうに思います。
エアライン各社が我々に追随して運賃の値下げ攻勢をかけてきているという状況の中で,
エア・ドゥにとっても,そういうメリットもずんずん薄れてきている状況の中で,サービスの徹底が何よりも大事になってくると。特に他社に比べて差別化されたサービス,この辺をやっていかなければならないということで,特に北海道にこだわった形で,北海道のPRも含めてサービスの向上を図っていきたいと。そういうことで,北海道の飛行機として真心のこもったサービスを展開していきたいと,そのような考え方でございまして,この三つを基本方針として打ち出したところでございます。
それから,新機軸ということで何点か掲げておりますが,一つは
サービス委員会の強化ということでございます。
従来の
サービス委員会を強化するため,社外のメンバーも加えて,広くご意見,
アドバイス等をいただき,それらを反映させた機敏な経営判断と対応を実行していきたいというふうに考えておるところでございます。また,お客様の声を積極的に取り上げて,実行可能なものから検討し,実施をしていきたいと。そのための委員会ということでございます。
それから,二つ目は,
戦略プロジェクトチームの結成でございます。
搭乗率の向上に向けていろいろ作戦を練っていくということでございますが,社内には営業本部と管理本部とがございます。この横の連携をとりながら,1週間に一遍,今週の成果を反省して,次の週の展開を検討していくというような
戦略プロジェクトを検討したいというふうに思っているところでございます。
それから,社内の新体制でございますが,先ほど申し上げましたが,とにかく簡素でスリムな体制をとりました。そして,特に中堅,若手,女性の登用を図っていまして,これらのエネルギーを一つにまとめて,一社一丸となって頑張っていきたいと,そんな気持ちでおります。また,役員につきましても思い切った刷新を図りまして,迅速な意思決定を図っていきたいと,そんなようなことで役員の人事も一新したところでございます。
それから,最後になりますが,情報開示の推進ということで,ホームページの充実,
定例記者会見の実施,機内誌の掲載など,積極的に情報の公開をいたしまして,お客様からの声に対しても積極的にこたえて,当社の理解を深める努力をしてまいりたいというふうに考えております。
エア・ドゥは,第1の使命であります飛び立つことは既にできたわけでございます。私の使命は,第2の使命,飛び続けることであるというふうに思っておりまして,このような気持ちで今後とも頑張ってまいりたいというふうに思いますので,どうぞよろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。
○道見重信 委員長 石子社長,ありがとうございました。
それでは,各委員から質問を受けます。
◆笹出昭夫 委員 私は,
自民党議員会の笹出と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
私たちを初め,札幌市民が道民の
翼エア・ドゥへの支援ということを考えますときに,素朴に持っております疑問が何点かございます。
本日は,本当に年度末の
大変お忙しいところをこうしてご出席いただきまして,
エア・ドゥの皆さん方から直接忌憚のないお話をお伺いできる。こういう機会を我々が得ましたことは,本当に我々議員会といたしましても厚く感謝を申し上げるところでございます。ありがとうございます。
私といたしましては,先ほどもお話の中にありましたように,低廉な航空運賃を設立の理念として,
エア・ドゥが
航空輸送業界に果敢に新規参入したことによりまして,この間,大手航空3社を含めて札幌−東京間の航空運賃の低廉化が図られました。このことについては,私どもは本当に高く評価をさせていただくところでございますが,一方,
エア・ドゥにおきましては,この間の
大手航空会社との激しい搭乗客の獲得競争といいますか,その中で,搭乗率の低迷等により61億円に及ぶ累積損失が見込まれているということで,大変厳しい経営状況に置かれているというふうにお聞きしているところでございます。
そうした中,私どもといたしましては,
新生エア・ドゥが道民・市民の負担軽減や利便性の向上,あるいは経済の波及効果など,本当に道民の翼として飛び続けていただくことを願っているところでありますし,また,今回就任されました石子社長の経営再建の取り組みに,大変大きな期待をさせていただいているところでございます。
私の持ち時間が20分ということでございますので,早速,質問に入らせていただきますが,言葉の使い方あるいは質問の内容に多少失礼があるかと存じますけれども,どうぞご容赦のほどお願いを申し上げます。
早速,質問に入らせていただきます。
質問の1点目といたしまして,石子社長におかれましては,
エア・ドゥに要請を受け,去る2月21日の株主総会と役員会を経られまして,正式に就任をされたわけでございますが,どのような
エア・ドゥに対する印象を持たれているのか。また,民間企業の経営者としてこれから経営再建に向けて取り組んでいかれるわけでございますけれども,その心構え,今も少しお話をいただいたのですけれども,重ねてお願いをしたいと存じます。
2点目の質問も,新
執行部体制について。
エア・ドゥの経営再建に当たりましては,昨年暮れに,石子社長の就任内定ということが報道されまして,1月になってから旧役員の辞任を受けて経営陣の大幅な入れかえがなされたわけでございますけれども,石子社長のもと,現在の新執行部は,外部の企業や団体から人材を投入されて,編成されてまいったというふうに理解をさせていただいてございますけれども,新
執行部体制の編成の意図するところをお聞かせいただきたいと存じます。
質問の3点目といたしましては,社長就任後半年足らずと間もないところではございますけれども,経営再建に着手したばかりのこととは存じますが,今年度の
収支見込みについてお知らせをいただければと存じます。
質問の4点目といたしましては,搭乗率についてお伺いをいたします。
飛行機は,運賃収入を主たる収入源とする航空会社でございまして,その経営安定の基礎ということは,一に搭乗率の向上を図ることが何よりも重要であろうと考えるところでございますが,そこで,平成13年度の
計画搭乗率,これを見させていただきました。そうしますと,その搭乗率が,現在の搭乗率の約3%増の68.5%となってございますけれども,これまでの搭乗率の実績から見ましてかなり厳しい数字ではないかと思われるのでございますけれども,達成のめどについてどのように考えておられるのか,お伺いをいたします。
5点目といたしましては,資金の支援状況についてでございますけれども,道から既に10億円の追加融資を受けられておりまして,また,本市といたしましても5億円の追加融資の提案がなされているところでありますが,経済界からも10億円の出資による支援を受ける予定であると,こういうふうに聞かされてございます。具体的には,今月下旬に一般公募により増資を行うとのことでありますけれども,北洋銀行など,経済団体の支援について新聞などでも報道されているところでございますが,増資について振り込み日などがもう既に決定されたのかどうか。
この5点についてお伺いをいたします。
◎石子 参考人(
代表取締役社長) お答えをいたします。
まず,社長就任に当たっての私の思いなどについてでございますが,新世紀の幕あけと同時に
エア・ドゥに来ております。率直に言いまして,大変なところに来たなという気持ちでございます。
役人しかやっていない者が,そんな厳しい会社経営,再建ができるのかと,そんなような声もある反面,何とか北の翼が飛び続けてほしいという,そういう熱烈な道民の声があるのも事実であります。そのような中で,会社には有能でやる気のある数多くの人材がいることを知りました。そういった社員の力を十分発揮できるような環境づくりができれば,私は,新しい経営体制のもと,
新生エア・ドゥは必ずや羽ばたくことができるのではないかと,そんな思いを強くしているところでございます。
私といたしましては,何とか飛び続けてほしいという道民の熱い声援を背に,道産子魂を奮い起こしまして,社員とともに身を粉にして会社の再建に全身全霊をささげたいというふうに思っているところでございます。皆様方の一層のご支援をお願いする次第でございます。
それから,2問目でございますが,新執行部の体制でございます。
エア・ドゥは,道民の翼を飛ばし続けることが北海道にとって極めて重要であるという熱い思いのもと,北海道庁そして
北海道経済界が一致協力してその再生に向かうとされたところでございます。したがいまして,その協力と責任の体制として,北海道庁,北海道電力,北洋銀行からそれぞれマンパワーが投入され,行政,経済界が一体となって,権限と責任を持って再建に取り組む体制が構築されることとなったものと理解しているところでございます。
3点目の今年度の
収支見込みについてでございます。
これまで当社の体制が
社長不在等でなかなか固まっていなかったこと,それに関するさまざまな報道がなされていたこともありまして,利用者の不安などから搭乗率は伸び悩んでいたのが実態でございます。しかし,新体制が1月に発足しまして,2月の株主総会で名実ともに新体制がスタートした2月の中旬前後から目立って搭乗率は上昇してきておりまして,2月中旬以降は約70%以上の搭乗率を維持しているところでございます。3月に入りましてからも同様のペースで推移しておりまして,特に,これから3月中旬以降は繁忙期に入り,例年,旅客需要が増加する時期でもあり,さらに搭乗率のアップに期待をしているところでございます。
札幌市を初め,多くの自治体,企業,団体の方々にも積極的にご利用いただいての結果とは存じますが,
中期経営改善計画で予定しておりますさまざまな営業施策,サービスの向上等,できるものから直ちに実施をいたしまして,
目標搭乗率の達成に向かって努力をしているところでございまして,最後の追い込みで今年度の目標収支にできるだけ近づけてまいりたいというふうに考えているところでございます。
それから,13年度の
目標搭乗率についてでございます。
これまでの搭乗率は,平成10年が82.4%でした。それから,平成11年が68.7%。そして,平成12年,今年度の計画でございますが,65.6%の目標を立てて実施をしております。そして,平成13年度の
目標搭乗率は68.5%に設定させていただいたところでございます。
当社のこれまでの,今述べたような実績からして決して優しい水準ではないと思いますが,平成12年度の
搭乗率見込みとの差は人数で申し上げますと1便当たり8人の旅客増であり,
中期経営改善計画に掲げた諸施策を確実に実行することによって何とか達成をさせたいものだというふうに考えているところでございます。
それから,経済団体からの支援についてでございますが,経済界の支援につきましては
経営改善計画どおり総額10億円の出資をいただけるめどがつきまして,3月23日までに払い込みいただけるものと承知しているところでございます。
以上でございます。
◆笹出昭夫 委員 ありがとうございました。
ただいまのご説明をお伺いいたしまして,私は,石子社長の強いリーダーシップ,
石子カラーといいますか,
石子イズムといいますか,そういったものを打ち出し,社員一丸となって積極果敢に経営再建に向けて取り組み始められているものだというふうに理解をさせていただくところでございます。今後も,ぜひ頑張っていっていただきたい,そう感ずるところでございます。
そこで,これから
石子カラーといいますか,そういったものを打ち出した経営再建への取り組みに関連して,3点,お尋ねをさせていただきます。
石子新体制としての今後の営業施策や
搭乗率向上に向けての対応について具体的にお話をいただければと,こういうふうに考えてございます。
あわせて,本市からの融資5億円ということでございますけれども,これをどのように活用されようと考えておられるのか,お伺いをいたします。
質問の2点目といたしましては,
北海道空港株式会社からの支援についてお伺いをいたします。
北海道空港株式会社につきましては,新千歳空港の
旅客ターミナルビルを管理運営しているところでございますけれども,地元空港でもありますし,施設の利用の点で積極的な支援を仰ぐことができないのか。この辺は,我々乗客にとりましてはサービスも含めてそういった意味での疑問点があるわけでございまして,この辺の取り組みについてお伺いをいたしたいと存じます。
質問の3点目といたしましては,
スカイマーク・エアラインズ社との提携についてでございます。
スカイマークにつきましては,
エア・ドゥと同様,航空輸送の規制緩和を背景といたしまして,低価格な航空運賃の導入を掲げて,平成10年,羽田―福岡間に就航したところでございますけれども,航空輸送への新規参入である
エア・ドゥ,それから
スカイマークの2社については,例えば,
受け付けカウンターの設置であるとか,搭乗機へ乗り込む際の
ボーディングブリッジの使用とか,空港ビルの施設を一つとっても,新規参入であるがゆえに,先ほども社長からお話がありましたように,既存の大手航空3社から,ある程度不利な点が否めない,そういうふうに考えられるところがございまして,この2社が連携することでお互いにさまざまな効果やメリットが見込まれるのでないか,こういうふうに私たちは考えるところでございますけれども,そこで,この2社の提携についてはいろいろな問題があろうかと存じますが,支障のない程度で結構でございますので,現在,
スカイマークとの提携についてどのように考えておられるのか,お伺いをいたします。
◎西谷 参考人(
取締役営業本部長)
営業本部長の西谷でございます。
ただいまの笹出先生のご質問の第1点目について,私の方からお答え申し上げます。
最初の質問は,
搭乗率向上に向けてどのような営業施策を組むか,
サービス施策を組んでいくかというご質問というふうに理解いたします。数々の施策を今後打ってまいるわけでございますけれども,この場では幾つか重立った点を説明をさせていただきたいと思います。
第1点目については,当然ながら,直販を重視した営業施策,直販重視を徹底し,社員全員がセールスマンの気持ちを持つと同時に,トップが先頭に立って
トップセールスを行っていくと,この点が私どもの第1点目の施策であります。
また,現在,札幌市及び都内において,セールスの
ローラー作戦を行いつつあります。地道な作業でありますが,非常に重要な施策であるというふうに認識をしております。
二つ目は,運賃施策についてであります。
運賃につきましては,私どもは,価格及び商品力において他社よりも格段に競争力のある回数券,すなわちDOきっぷを持っていると考えております。その販売をさらに徹底してまいること,それが運賃施策の主たる柱であります。当然ながら回数券を販売するに当たりましてその利便性をより一層お客様にご認識いただく,あるいはご利用いただくために,コンビニにおいても回数券のお支払いをいただけるように現在システムを改修中であります。
さらに,札幌の
ITベンチャー企業のご協力をいただきましてスタートいたしましたウェブコールセンターにおいても,積極的に回数券をプロモートする,そのような施策を組んでおります。
三つ目は,まさにサービス,機内でのPRの点でございます。
私どもは,あくまでも北海道に根差した航空会社であります。したがいまして,「乗ったときから北海道」というスローガンのもと,これをご搭乗いただくお客様にいかにプロモートしていくか,この点を積極的にかつ着実に実施してまいりたいと思います。具体的に申し上げますと,例えば北海道を紹介した旅行雑誌等を搭載すること,あるいは各市町村にご協力を賜りながら道産品その他のサンプリングあるいは市町村のチラシ等を機内に載せ,私どもが北海道のすばらしさや興奮を機内のお客様に積極的にアピールしていくと,そういうような施策を組みたいというふうに考えております。
以上の3点について,重点施策であるというふうにお答え申し上げます。
先ほどの1点目の質問で,私,お答えし損じております。二つ目の融資の活用についてでございます。
今回,ご融資いただく資金につきましては,私どもで行っております新
予約システムの開発をメーンに,積極的な販売強化策や
利用者サービスの改善など,
搭乗率向上にかかわる事業に使わせていただく所存であります。失礼申し上げました。
では,続きまして私の方から2点目についてもお答え申し上げます。
北海道空港株式会社様からのご支援についてであります。
新
千歳空港ターミナルを管理運営いたしております
北海道空港株式会社様においては,道が13.3%,札幌市が4%を出資する第三セクターであります。したがいまして,新千歳空港内での当社の施設展開に関しましてはこれまでもいろいろとご配慮をいただいておりますが,
空港ビルそのものが既存の3社を前提に設計されているということもありまして,現在,必ずしも当社の希望する施設を利用できる状態ではありません。したがいまして,
空港カウンターの改善,
ボーディングブリッジの利用など,関係当局及び同社にも現在お願い申し上げているところでありまして,可能な限りのご配慮をいただける旨,伺っております。以上であります。
さらに,3点目の
スカイマークとの関係についても,私の方からお答え申し上げます。
スカイマーク社と弊社は,ともに新規航空会社という非常に似た生い立ちと環境の中で,現在,就航しております。当社は羽田と札幌,
スカイマーク社は福岡と羽田で運航しており,路線的には競合しておりません。したがいまして,この2社が協力関係を結ぶことにより営業面での相乗効果,コスト削減効果などが可能であるというふうに考えております。
今後,個別に検討を進めていきますが,あくまでも双方にメリットがあり有益なことについては,一つ一つ着実に実施していこうということで合意を得ておりまして,今後,さらに具体的にそれらの事項について関係各位へご相談を申し上げながらご協力を賜って実行していきたいというふうに考えております。
以上であります。
◆笹出昭夫 委員 大変懇切なご説明をいただきまして感謝を申し上げます。ありがとうございました。
最後に,
エア・ドゥが先ほども話がありましたように
ロープライスリーダーとして北海道の翼として飛び続け,北海道,そして我々札幌にも,そういった意味での経済波及というのが極めて大きい航空会社であるというふうな認識に立ってございますので,石子社長のもと,一層の経営努力と新経営計画を着実に実行され,そして再建がなされますように,心からお祈りを申し上げ,お礼にかえさせていただきます。
どうもありがとうございました。
◆畑瀬幸二 委員 民主党の畑瀬でございますが,我が会派を代表して,石子社長を初め,幹部の皆さんに,せっかくの機会でございますので,数点お尋ねをしてまいりたいと思っています。
早いもので,
エア・ドゥが就航して2年2カ月が経過をいたしました。この間,大手3社の航空運賃を引き下げさせ,道民に与えた経済効果というものは大きなものがあると思っております。
昨年12月の第4回定例道議会の中で,道は運賃軽減の効果について約150億円に及ぶであろうという見解を述べておりました。内訳は,
エア・ドゥが67億円,他3社が82億円,端数切り上げて約150億円と,こういう見解であります。亡くなられた前社長の濱田さん,私も何回かお話を聞いたことがございますが,濱田さんも,
エア・ドゥが飛び続けることによって,経済的な波及効果として数百億円単位で影響を与えるであろうと言われておりましたが,今,まさにそのような現実を迎えているところであります。
道民の皆さん,市民の皆さんが怒ってまいりました世界一高い東京―札幌間の運賃が,一遍に40%も安くなり,北海道全体のハンディキャップでありました交通アクセスが改善し始めたわけであります。
これが,仮に経営難で翼を畳むという最悪の状況になったことを想定いたしますと,また,もとの北海道に戻らざるを得ず,そのマイナス効果を想定したとき,何としても避けてもらいたいという思いが道民・市民の中に沸き上がることは必然なことであろうと,私は,こう受けとめております。
私は,規制緩和万能論者でもありませんし,市場優先主義の者でもありませんけれども,規制緩和先進国でありますアメリカでは,航空関連の規制緩和の後,10数年を経て,航空運賃は年率25%くらいずつ急騰したのであります。しかも,上位5社による占有率は80%近くにも達し,大手10社を含めますと95%を超える寡占状態が,今日,起きているのであります。過剰な市場主義というものが何をもたらすのか見据えなければならないとも思っております。つまり,物事には光と陰の部分がありまして,航空業界における規制緩和の結果の陰の部分というのは,実際にはこういうことが世界の中で起きているということも,私どもは知っておかなければならないと思っております。
本来,経営難に陥ったからといいましても,行政が民間会社に対して支援をするということは,私は,一般的にはすべきではないと思っております。しかし,
エア・ドゥが,この間,果たしてきた経済的あるいは社会的な役割というものを考慮したとき,本市としても側面的に支援をするということは,ぎりぎり市民の理解を得られるものと私は考えております。したがいまして,
エア・ドゥにおかれましては,今回の札幌市における追加貸し付けはそうした多くの市民の思いが込められている資金であるということを十分意識していただいて,生きたお金として活用していただきたい。先ほど,社長の方から説明がありました
中期経営改善計画を一日も早く軌道に乗せてもらいたいと,こう思っているところであります。
こうした観点に立って,早速3点質問をいたします。
まず一つは,
ロープライスリーダーについてであります。
新経営計画では,三つの基本方針を示されました。一つは安全運航・定時運航の維持,これは当然のことであります。二つ目には
ロープライスリーダー。三つ目には北海道の翼と掲げているわけでありますが,このうち,設立の理念であります割安な航空運賃の提供,つまり
ロープライスリーダーとしての役割を果たしていくことについて,今後どのように取り組んでいくのか,基本的な見解を伺っておきたいと思います。
それから,質問の2点目でありますが,資金対策についてであります。
2000年度分については,先ほど説明がありました。2001年度に必要な資金について各方面に資金支援を要請しているということでありますが,具体的にどのような取り組みをなされているのか。また,現時点における手ごたえはどのようなものなのか,この点も伺っておきたいと思います。
質問の最後は,代理店の問題であります。
資金繰りとあわせて重要なことは,搭乗率の向上で,これは言うまでもありません。とりわけ,リピーター客をどれだけ取り込めるかというのが私は勝負になるのではないかと思っておりますが,そのことを含めていろいろな手当てをしていかなければならないわけであります。
そこで,旅行代理店で
エア・ドゥの航空券を頼んだところ,別の航空会社を勧められたという話をよく聞くのでありますが,こういうことは,やはり早期に解消しなければならない。そんな意味で,旅行代理店対策というのは極めて重要な分野だと,こう考えるのでありますが,その点,いかが対策を講じようとされているのか。
以上,3点についてお答えをいただきたいと思います。
◎石子 参考人(
代表取締役社長) まず,
ロープライスリーダーとしての取り組みについてでございます。
先ほど,私の方から申し上げましたように,
ロープライスリーダーは当社設立時からの理念でございまして,命であります。大手3社の大半の割引運賃が当社の普通運賃に追随する状況となっておりまして,
エア・ドゥの存在が東京−札幌線の運賃を引き下げてきたと,まさに
エア・ドゥ効果のあらわれであるというふうに思っております。価格破壊を起こしました1万6,000円という運賃は創業時の原点でもあり,当社といたしましても1万6,000円という運賃をDOきっぷ4という4枚つづりの回数券で,今後ともこれを守っていきたいというふうに考えているところでございます。
私といたしましては,
ロープライスリーダーの役割を今後とも果たしていくことは,経営上,大変厳しい面もあるとは思いますが,とにかく徹底した経営コストの削減を図って,その分を低運賃の持続に努力してまいりたいと,そんな気持ちでおります。
それから,13年度の資金調達の取り組みについてでございます。
現在,道央圏の市町村などの自治体,それから企業などに出資をお願いしているところでございます。自治体につきましては11の市町村から大変ありがたい前向きな話を,現在,いただいているところでございます。企業につきましても,
エア・ドゥの趣旨をご理解いただいて,支援の輪を広げていきたいというふうに思っているところでございます。
具体的には,まず既存株主に追加出資をお願いいたします。次に,道内でまだ株主となっていただいていない個人・法人の皆さんに,新たな株主になっていただくよう呼びかけたいと思っておりますし,さらに,道内と結びつきの強い道外企業にも要請を開始したいというふうに考えているところでございます。また,当社の支援団体のお力添えをいただきまして,個人株主持ち株会会員の増強をお願いしているところでもございます。
厳しい経済情勢でもあり,必ずしも容易なことではありませんが,皆様に
エア・ドゥの存在意義をご理解いただきまして,飛び続けるためにも新たな支援の輪を広げていただけるよう要請活動を展開してまいりたいというふうに考えているところでございます。
以上でございます。
◎西谷 参考人(
取締役営業本部長) 畑瀬先生の第3点目につきまして,私の方からお答え申し上げます。
まさに,残念な状況について的確なご質問をちょうだいしたというふうに考えております。
代理店政策についてでございますけれども,代理店販売につきましては,代理店個々の販売政策があるというふうにお聞きしておりまして,必ずしも常に
エア・ドゥをお勧めいただけるとは限らないのが実情であります。このような実情に対し,
エア・ドゥといたしましては,大手代理店に対してもより一層の販売向上につながるような,代理店にメリットがある販売施策を実施してまいりたいというふうに考えております。そして,北海道といえば
エア・ドゥと,お客様に強くお勧めいただけるようなご協力を賜りますよう,今後とも積極的に働きかけてまいりたいというふうに考えております。
以上です。
◆畑瀬幸二 委員 単なる経済効果ばかりでなくて,
エア・ドゥが果たしてきた役割は他にもあろうかと思います。とりわけ,このようなプロジェクトというものが実際に現実のものになった。その与えたインパクトというものは大きいものがある。石子社長は,長い間,道にお勤めで経験だと思いますけれども,北海道の中小・中堅の経営者の皆さんが集まって,現実のものにいたしました。これはやればできるのだという精神的な分野,これは相当大きな働きをしたと思うのです。もしこれがとんざすることになれば,今後,このようなプロジェクトをやろうという気はなえてくるのではないかと,こう思います。したがいまして,石子社長の肩にはこのことがかかっているということを含めて,見直された収支計画をぜひ一日も早く実現されるように切望しておきたいと思います。
いずれにいたしましても,
エア・ドゥは道民の翼として飛び続けていただきたい,それが,一にも二にも,道民の皆さん,市民の皆さんにこたえる道であるということを強く申し上げて,時間が参りましたので,これで終わりたいと思います。
どうもありがとうございました。
◆高橋功 委員 公明党の高橋でございます。
本日はお忙しいところこの委員会にご出席いただきましてありがとうございました。私からも,せっかくの機会でございますので,何点かお伺いをいたしたいと,こう思います。
北海道国際航空株式会社,
エア・ドゥにつきましては,会社設立が約4年前,就航が2年2カ月前ということでございますので,私も当初から大変関心を持っておりましたし,
エア・ドゥの設立理念であります割安な航空運賃の提供に対しては本当に大いなる共感を持っておった一人でございます。しかし,一方で,実際にやってみますと,他の
大手航空会社との価格競争が日増しに激しくなると,こういう中で迷いが生じたり,何とか搭乗率を上げるために,焦りとは申しませんが,いささかどうなのかなと首をかしげざるを得ないようなことが私には見受けられたわけでございます。
その一つの例でございますが,今さら言うなということになるかもしれませんが,昨年,
エア・ドゥに関してニュースが飛び込んでまいりました。
エア・ドゥで東京−札幌間に喫煙席を設けますというニュースを耳にいたしました。私は,何を考えているのだというのが率直な思いでございました。それは,大変厳しい言い方で恐縮でございますが,はっきり言って,今の時代に逆行していると,札幌―東京わずか1時間10分,15分ですから。それがすべてではないと思いますが,搭乗率アップということを念頭に置いて他の航空会社との差別化を図るという観点で喫煙席を設けた。このことについて,私は,姑息と言ったら大変失礼ですが,違うのではないですかと,こういうことを率直に思いました。
実際に私も,市民の方から幾つかそういうお声を耳にもいたしました。それで,あえて質問の前に,こういうお話を申し上げることをお許しいただきたいと思いますが,石子社長の判断でこの3月から喫煙席についてはやめられたということでございますから,まことに賢明な経営判断だと私は評価をいたしますけれども,今後も,先ほど来ずっとお話がありますが,何といっても搭乗率の向上という観点からいえばぜひ王道を,そういう去年のようなことのないように,ぜひともお願いをしたい。まず,冒頭,お話を申し上げたいと思います。
先ほどから石子社長のお話も伺っておりますし,他の同僚委員のいろんな質問のお答えの中から,私は,社長の,さまざまな課題を改善していく,そして北海道の翼として頑張ろうと,こういう強い意志を感じておったわけでございますけれども,私からは今後の利用者のサービスの向上そしてPR活動,この点についてお伺いをいたしたいと思います。
まず,
利用者サービスの向上ということですが,先ほど来お話が若干出ておりますが,
エア・ドゥの印象というのは率直に申し上げて運賃は安いと。運賃は安いけれども不便だと,それは偽らざる市民の思いだと思います。それは,今度2階に上がりましたけれども,カウンターも前は1階でしたし,飛行機に乗るときにバスに乗らなきゃならぬとか,バスに乗っていけば当然外に一回出るわけですから,寒い冬場には大変だとか,さまざまなことが言われておりました。そんな意味では,安いということは,先ほど
営業本部長がおっしゃっておりましたけれども,当然,他社に負けない強力な特徴でありますが,安いだけではなかなかこれからの時代にうまくいかないだろうと,こう思います。そういう意味では,先ほど笹出委員の質問の中にも若干ありましたけれども,空港ターミナルビルとの折衝だとは思いますが,例えば
ボーディングブリッジの使用についても,ぜひとも前向きに考えていただかないと,本当の意味で市民・道民のサービス向上ということになかなかならぬのでないかと,こう思います。
そこで,すぐに解決というのはなかなか難しい観点とわかりますが,特に新千歳空港において,今後どのように利用者のサービスの向上を図られるのか,具体的にお示しをいただければと思います。
◎石子 参考人(
代表取締役社長) 空港における
利用者サービスの取り組みについてのお尋ねでございますが,
空港カウンターや
ボーディングブリッジ施設につきましては,委員のおっしゃるとおり,大手3社と比べて大きく劣り,お客さんに大変不便を感じさせているのが実情でございます。
このうち,新千歳空港のカウンターにつきましては,先ほど,先生もおっしゃっておりましたように,従前の1階から,3月1日をもちまして,3社と同様の2階の方に移ることができました。施設の改善の第一歩でございまして,移転に配慮いただいた関係の皆さんに深く感謝をしているところでございます。
ボーディングブリッジにつきましては,新千歳空港では,現在,約半数の便,3便が利用しておりますが,残りは飛行機までバスを利用していただくというご不便をかけているところでございます。これにつきましては,私も何回か国の機関であります航空局を初め,関係各位に対してお願いを申し上げているところでございまして,それらの関係者から前向きに検討したいというような話がありまして,できるだけ早くこれが使えるような形になればいいというふうなことを考えているところでございます。
また,羽田の方でございますが,これにつきましては,現在,羽田の方の航空施設そのものが飽和状態というようなことで我々の改善は非常に難しいのですが,東ターミナルビルの供用開始時期,これは2004年になりますが,これを見据えて施設の改善が図られるものというふうに実は考えているところでございます。
いずれにいたしましても,利用者の利便を第一として,航空局,空港ビル会社等に公平・公正の原則でもって競争環境の整備を願うべく,積極的に働きかけをしていく所存でございます。
以上でございます。
◆高橋功 委員 ぜひ頑張っていただきたいと思います。
先ほど,
営業本部長からもお話がちょっとありましたが,やはりPRが非常に大事だと思っておりまして,最近の航空会社は,
エア・ドゥに限らず大変運賃が複雑でございます。なかなか1回では理解ができない。安いなと思ったら実際は予約期間とか利用期間が制限されていたり席に限りがあったり,一概に安いのだということだけではないというのが実態だと思います。そんな意味では,だからこそ本当に
エア・ドゥというのは他社と比べてもこうこう,こう安いのだということをもっと市民・道民に積極的にPRされないと,利用したくたって,安いらしいではなかなか進まないわけですね。
私も,きょうお尋ねをするに当たって,改めて
エア・ドゥの各社に比べての利点というのを事前にちょうだいをいたしました。大変お恥ずかしい話ですが,私も,そうか,こんなことも安いのか,こういう利点もと,改めて気がついたこともございました。そんな意味では,まだまだPR不足ではないのか,こういうことを私は言えると思います。そんな意味で,先ほどあった主力商品の回数券のDOきっぷも,PRも含めて,積極的にもっとやっていかなきゃならない。
例えば,12歳未満の小児運賃は大変安いわけですから,家族旅行ではもっと効果が発揮できるわけです。それから,学生さんが帰省する,東京の大学へ行っていて帰ってくるなんていう場合は,ほかと比べても大変優位な立場にあるわけですので,そんな意味ではもっとストレートに広告,PR,宣伝というものを進めるべきだと思いますが,この点,PR活動を今後どう進めていかれるのかお尋ねをして,私の質問を終わりたいと思います。
◎西谷 参考人(
取締役営業本部長) 高橋先生の質問に,私の方からお答え申し上げます。
特に,私どもの主力商品でありますDOきっぷのPRについてでありますが,昨年秋の発売当初は,新聞広告,新聞・雑誌でのプレゼント告知等,できるだけ最小の経費でその浸透を図ってまいりました。また,首都圏におきましてはモノレール及び営団地下鉄などの交通広告を中心にPRを実施し,お客様に浸透してきていると認識しております。
このほかに,今,ご指摘のとおり,小児運賃,身障者割引運賃につきましても,他社と比べて私どもは大変優位性を持った価格でご提供させていただいているというふうに理解をしております。より一層の浸透のためにPR活動を進めていくべきであるというご指摘,そのとおりでございます。
今後,広告宣伝の面からは,道内地区では,これまで不定期だった新聞・雑誌での広告を定期的に実施すること,首都圏地区においては広告単価が非常に高額であるということもありまして,対費用効果を検討しながら効果的に交通広告を中心にPR活動を実施していきたいというふうに考えます。いずれにいたしましても,高橋先生のご指摘のとおり,さらなる努力が必要であるというふうに認識しております。
以上であります。
◆小林郁子 委員 市民ネットワークの小林でございます。
私からは,専ら利用する市民の立場に立ちまして,大きく2点,お伺いをさせていただきます。時間もございませんので,早速,お尋ねしたいと思いますが,初めに
サービス委員会についてでございます。
この新経営計画を拝見いたしますと,新機軸として
サービス委員会の強化ということを挙げておられます。私ども,航空機に乗りまして何か不愉快なことがございますと,ほかの航空会社でしたら苦情ということで向こうに言うところなのですけれども,
エア・ドゥですと多くの方は税金として間接的に経営に参加しているという意識がございますので,苦情ではなくて,ここはこうした方がいいのではないかという意見になってくるのではないかなと思っております。そういう意味で,先ほど,
サービス委員会に社外のメンバーを加えるということを言われましたけれども,利用者の声を反映させるという観点からは,市民も参加させてはいかがかというふうに思っております。恐らく具体的に,厳しい現実に即した意見が出てくるのでないかと思うのですが,そのあたりをどうお考えになっていらっしゃるかというふうに思います。
それから,また2点目としまして,企業としての戦略ですけれども,先ほど,
戦略プロジェクトチームというものがあるということをお伺いいたしましたが,企業として顧客の満足度というのは常に何らかの形で把握をしていらっしゃると思うのですけれども,そのあたりのことをどうされているかということをお伺いしたいと思います。
それから,小さな3番目ですけれども,もう一つの中に「乗ったときから北海道」というのが先ほどございましたが,機内誌の「AIR DO CLUB」についてですが,これにつきまして,機内誌を座席に用意しているということがないものですから,気づかない人もいるかと思いますけれども,これは広告料の収入ですべて賄い切れているのかどうか。もし広告料収入で賄い切れていないような状態でしたら,持ち出しの中でわざわざつくる必要があるのかどうか,この赤字の厳しい中でと思います。もし広告料の中でやっていらっしゃるのであれば,それをもっと大々的におつくりになって宣伝されたらどうかというふうに思うのですが,まずその3点。
それから,大きな2点目でございますが,次に,従業員の待遇についてちょっとお伺いしたいなと思うのですけれども,企業は人でございますので人材確保をどうされているのかということでございます。それに当たりまして,現在,従業員が何人ぐらいいらっしゃって,平均年齢はどのくらいになっていらっしゃるのか。それから,他社と比べて従業員の方の待遇はどうなっているのか。そういうことを踏まえての人材確保ということについてはどういうようなご努力をされているのか。
以上,大きく2点,お伺いいたしましたが,よろしくお願いいたします。
◎石子 参考人(
代表取締役社長)
サービス委員会のことにつきまして私の方からお答えをいたしたいと思います。
現行の
サービス委員会につきましては,先ほど説明いたしましたように社内的な組織として設置されていたところでございます。今までお客様からの要望や提案に必ずしも十分に対応できなかったというようなことを反省しておりまして,今後はこれらの要望に敏感に対応して速やかに検討すると,そして,安全性に配慮しながら実行可能なものから即実行に移していくと,そして,サービスの向上を図っていくということで,新生
サービス委員会というようなことを今,目指しているところでございます。
主なるメンバーにつきましては,委員からご指摘もありましたが,幅広い業種・職業の方,あるいは
エア・ドゥを実際にご利用していただいている方,北海道を愛して北海道への貢献を一緒に考えていただける人たち,そんなような方々に加えまして,市民等の意見も聞けるような,そういう人にも参画してもらいながら,この委員会を運営していきたいなというふうに思っているところでございます。現在,そういうことで,メンバーの人選を行っている最中でございます。
また,提言・提案に対する社としての検討結果などは,これから
サービス委員会を通じて機内誌だとかホームページなどで公開しまして,情報発信をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
私の方から,以上でございます。
◎西谷 参考人(
取締役営業本部長) 小林先生のご質問の顧客満足度,すなわちお客様の満足度についてのご質問に私の方からお答え申し上げます。
現在,顧客満足度の把握につきましては,機内にお客様のコメントをいただけるようにコメント用紙がありまして,キャビンクルーが積極的にご案内いたしまして,多数の貴重なご意見をいただいております。それをサービスに生かすべく,可能なものに関しては即実行をしつつあります。また,最近においては,特にEメール,それからお手紙などでご提案をいただく場合がございます。今後は,先ほど石子が申し上げましたとおり,新生
サービス委員会において機能を充実させ,より一層のサービスの向上に努めていきたいと考えております。
次に,小林先生の機内誌についてのご質問でございます。
本来,機内誌の制作には多大な費用がかかることはご指摘のとおりであります。弊社におきましては諸般の事情で私どもの限界がございますので,外部のご協力をいただきながら現実的には広告料において制作費を賄っているというのが現状であります。
機内誌は,お客様に会社の姿勢や内容をお伝えする大切なツールというふうに位置づけておりまして,また,客室乗務員とお客様との間の貴重なコミュニケーションツールだと。したがいまして,スチュワーデスが直接お客様にお配りするということも大切なアクションだというふうに認識しております。
今後につきましては,さらに内容を工夫し,道内の観光情報等,経費が極力かからない形で掲載するなど,より一層の内容向上を目指してまいりたいというふうに考えております。以上です。
続きまして,私の方から大きな二つ目のご質問,すなわち従業員の雇用形態,人数,その他についてのご質問にお答え申し上げます。
2月1日現在,私どもの
エア・ドゥの社員は273名であります。いわゆる正社員が約7割,179名,契約正社員が3割であります90名,派遣社員が4名の273名であります。
また,待遇面でありますけれども,給与水準につきましては,平均年齢が37.7歳でありますが,平均給与は約38万4,000円,大手3社との比較で申し上げますと,おおむね20万円ほど低い水準というふうになっております。
以上であります。
◆小林郁子 委員 では,せっかくの機会ですので,一つ改善点をお願いして終わりたいと思います。
それは,札幌あるいは千歳でのカウンターでの対応と,羽田と浜松町でのカウンターでの対応に違いがあるということが,私のところに聞こえてまいりまして,対応する方の熱意が違うというのですね。浜松町,羽田のあたりですと本当に売る気があるのかなと感じる方がいるというのです。
それで,特に男性のビジネスマンはなれていらっしゃるでしょうけれども,主婦の方でなれていないような方については搭乗口がなかなかわかりづらい,特に羽田はわかりづらい。そういうときにもう少し丁寧に教えてもらえたらとか,いろいろな声が聞こえてまいりまして,採用されている方は東京の方なのかどうかということもちょっと考えたりもするのですが,北海道で頑張っているところだということを十分職員の方々に認識していただきたいというふうに思っております。
以上で終わります。
◆松浦忠 委員 松浦です。
石子社長初め,関係の皆さん,きょうはご出席ご苦労さまでございます。
今までに,それぞれいろいろな質問がありましたから,私の方では,多くの皆さんが一番思っていることを石子社長にお尋ねしたいと思います。
民間の中小企業経営者の方が中心になって設立して,そして,赤字になって立ち行かなくなったというところで,道にいろんな要請をお願いもしたけれども,なかなか支援体制ができなかったということで,社長予定者に内定していた方も航空業界に長くおられた方も突然やめられて,その後,北海道知事の強力な支援というのか,押しつけというのか,とり方はいろいろあるようですけれども,一般の方々は道から押しつけられたと,いろいろ出資だとか何か押しつけられたと,こういう声が商工会議所なんかの会員の中にも多くあります。
けさも,私は,ある常議員をしている方とお会いしてきたのですが,そういう意見が強くあると。出資する中で,例えば商工会議所が7,000万出したけれども,各常議員の皆さんは,自分たち個々が出す金でないし,商工会議所もそれなりの財力があるから,まあ,いいのじゃないかと,しようがないのでないかという程度の話なのだと,こういう話を伺ってきました。全体的には,そんなような感じで,民間の方の出資というのは,大手のそれなりにお金を出したところは,いろいろ道との関係があって金を出したのでないかと。とりわけ,商工会議所会頭の伊藤さんは,会頭としてしようがなくて8,000万のうち1,000万は伊藤組が出すと,こういうようなことだぞと,この社長さんはこうおっしゃっていました。
そんなことから考えると,今まで皆さんがいろいろ発言されて,期待しているという声もある反面,実際に会社の経営に当たっている皆さんは極めて冷ややかだと,こんなふうに私は実は感じているわけであります。
そこで,こういう困難な中で再建に当たられるときに,再建された方の取り組んだ姿勢などが歴史的な読み物になっていたり,あるいは,今日活動している会社の社長にもそういう方が何人かいらっしゃるということで,いろいろ企業の講演会の中で話題になったりというふうなことがあるわけでありますけれども,まず,何といっても,だれよりも再建を引き受けた社長自身の,みずからの姿勢に大方がかかっているのでないかというふうに,私は実は認識をしておるのです。
そんなことから申し上げると,実は今,卑近な例として,大手総合商社の一つに伊藤忠商事というのがあるわけでありますけれども,この伊藤忠商事がバブルがはじけて赤字になったときに再建をどうするかということになって,社長も主要な経営陣も交代をしたと。これが1998年,今から3年前ですね。98年に交代をしたと。このときに,社長になられた丹羽宇一郎さんという方は,役員の中から抜擢されて社長になられたわけですけれども,この方は98年4月からの社長就任と同時に再建までの間については一切の役員報酬を返上して無報酬で再建に当たると。そのかわり,社員を初めいろいろご苦労されることもあるし,また犠牲を払っていただくこともあるだろうということで,そう発表して,そう実行して,取り組んで,結果として2年間で黒字に転換をしたと。そして,昨年,2000年7月からまた役員報酬を受け取られたということで,これはある大新聞が出しているニュース週刊誌などにも大きく取り上げられて,また,それぞれ企業なんかの講演の中でもこういう話が卑近な例として,経営者の姿勢として幹部の中で語られていると。こんなふうに,実は私も読んだものですから,まさにそうだなと。
古い話では,上杉鷹山の話なんかも盛んにされているわけですけれども,これらの今のような話を聞いて,まず,これだけ困難な状況にあり,そしてまた,道だとか札幌市などからも税金の中から融資を受けるという状況の中で,石子社長は,今,私の話したことを受けて,どんなふうにこの話を受けとめて,そしてどんなふうに石子社長自身の身を処して,この再建に当たられようとしているか。
ここのところは,私は,ある意味で,多くの道民,特に経営者の皆さんは,とりわけ出資にかかわった皆さんというのは注目して見ていると思うのです。そうでないと,単に道の知事が旗を振って,そして,道の幹部が天下りをして,うまくいかなきゃそれでしようがないなというようなことで終わってしまうのでないかと,こういう見方で見ているものですから,一番だれもが言いづらいことで,しかし,みんなが心の中で思っていることを,そしてまた,石子社長自身もこのことについては恐らく相当な,いろいろな意味で決意をされておるのでないかと,こう思うものですから,この点をお伺いをしたいと思います。
◎石子 参考人(
代表取締役社長) 松浦委員のご質問でございますが,大変厳しい経済情勢の中でこういう形で出資を仰ぐということは,私も実は身を切る思いでございます。一方,道民の
エア・ドゥに対する期待が極めて高いということもありまして,何とか飛び続けなければならないと,一方ではそういうニーズもあるわけでございます。
私としては,とにかく,できることであれば無報酬で,私財をなげうって会社のためにという気持ちはあるわけでございますが,現状ではなかなかそうもいかないという状況にございます。
実は,我が社は,昨年,大変厳しい状況を迎えた折に役員の報酬の2割カットをしておりますが,それを私もこれから引き続きやっていきたいというようなことを考えておりますし,昨年12月31日で私は退職しましたが,幾らかの退職金もいただきました。その一部を,なけなしの金ではございますが,出資をしたいなという気持ちでおります。
そんなことで,私としては,経済界からいただく出資については,本当に宝物というようなことで,何とかこれをもとにして会社の再建を果たしてまいりたいと,そんな気持ちでおりますので,よろしくお願いをしたいと思います。
○道見重信 委員長 以上をもちまして,参考人に対する質問を終了いたします。
ご出席をいただきました石子社長,
西谷営業本部長のお二人には,改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。
なお,引き続き,企画調整局の審査を行います。
最初に,第2款 総務費 第2項 企画調整費の質疑を行います。
◆高橋功 委員 先ほど,参考人の方にもお尋ねをいたしましたが,
エア・ドゥへの融資に関連しましてお伺いをいたしたいと思います。
予定より時間も過ぎたようでございますし,前置きはかなり省略をさせていただきます。
いずれにしても,昨年,特に夏以降,大手3社が対抗運賃を強化してきた。こういうことで,このあたりから,
エア・ドゥも搭乗率が計画を下回って急速に経営が悪化をしたと,こういうことと私も聞いております。
そこで,今回,本市におきましても,これまでの3億円余りの貸付金に加えて,新たに5億円の貸付金を予算計上して,今回提案をされているわけでございます。そこで,前回の3億円余りの融資,これは日本航空,JALに対する航空事業のノウハウ提供料ということで理解をしておりますが,今回の5億円の追加融資は,何に対して融資というふうにお考えになっているのか,どういうものを対象としている事業なのか,この5億円についてお答えをいただきたいと思います。
◎星川 プロジェクト推進担当部長 ご質問の今回の5億円の融資の対象事業ということでございますけれども,私どもといたしましては,先ほど,石子参考人のお話にも何度も出てきておりましたように,
エア・ドゥの経営安定化にとって最も重要なことは搭乗率の向上であるというふうに考えてございます。したがいまして,今回の追加融資につきましては,
エア・ドゥの積極的な販売強化策や
利用者サービスの改善策など搭乗率の向上にかかわる事業を支援したいというふうに考えてございます。
具体的に申し上げますと,一つ目は,空席状況をリアルタイムに把握できるようにいたしまして予約業務を効率化させるほか,運賃支払いや搭乗手続などの利便性の向上を図るための新
予約システムを導入する事業でございます。
二つ目は,取り扱い旅行代理店の表示の充実ということでございます。これは,現在,
エア・ドゥの航空券を取り扱っている代理店がどこであるのかわからないというような状況にもございますので,取り扱っていることを表示する,それを充実していくという事業でございます。
もう一つは,
エア・ドゥの方は,営業がこれまで非常に弱かったということもございますので,特に法人への販売の促進,それから都心部営業所の充実などによりまして,営業活動の強化を図る事業ということでございます。
三つ目は,新千歳空港の出発ロビーカウンターあるいは羽田
空港カウンターの常設化を維持いたしまして,空港での搭乗時の利便性の確保,それとサービスの改善を図る事業でございます。
四つ目は,都心と羽田空港間の主要3駅に設置しておりますPR看板を毎年リニューアルいたしまして,首都圏での知名度の向上に寄与する事業。
以上,四つの事業を融資の対象として考えてございます。
以上でございます。
◆高橋功 委員 先ほど,石子社長からもある程度のお話はあったのですけれども,あえて私,当局にもお尋ねをしたのは,通ればですけれども,大事な5億円という融資がされる以上は,やはりきちっと,何だかわかりませんというわけには当然いかないわけですし,そういう意味で,あえて確認の意味でお尋ねをいたしました。
もう1点,参考人のときにも実は出ておりましたが,
エア・ドゥ就航による経済効果ですが,畑瀬委員からのときに,北海道総体として150億円余りだというお話がございました。報道でもありました。
算出がなかなか難しいのかどうかわかりませんが,市民の皆さんにある程度お話をする上でも,札幌市としてどのぐらいの
エア・ドゥ効果というのがあったのか,こういうものがもしあるならば,ぜひこの際,お聞かせをいただきたいと,こう思います。
平成11年は東京―札幌の利用客が50万人ぐらいふえたと聞いてもおりますし,そんなことも大きな効果かなと思っておりましたけれども,この際でございますので,
エア・ドゥの就航によって札幌市への経済効果はどの程度あるのか,具体的にお聞かせいただければと思います。
◎星川 プロジェクト推進担当部長
エア・ドゥの就航によります札幌市への経済効果についてでございますけれども,概略的に申し上げますと,市民負担の軽減,それから,私ども札幌市が集客交流産業の振興について積極的に取り組み始めておりますが,これへの貢献など,具体的な直接効果,それと波及効果が見込まれてございます。
具体的な効果についてでございますが,民間の調査機関の分析によりますと,一つ目は,
エア・ドゥの参入により大手3社も追随いたしまして,価格が低下したことが挙げられます。それによる市民負担の直接的な軽減効果でございますが,年間で約82億円と推計しております。
二つ目は,同じく価格が低下したことによりまして,道外から札幌市に訪れる旅行客が増加したことによる経済効果。安くなったことによって来やすくなったことになるわけですけれども,それによる経済効果が年間約62億円というふうに推定してございます。
三つ目は,
エア・ドゥ本社の営業活動による経済効果でありまして,年間約19億円と推計いたしております。
先ほど,全道にとりましては,直接の運賃低減効果で150億というお話もございましたけれども,札幌市にとりましては,以上のような経済効果があるというふうに推計してございます。
以上でございます。
◆近藤和雄 委員 私から,
エア・ドゥの追加融資につきまして,さらにはIT講習事業計画につきましてご質問させていただきたいと思います。
まず,
エア・ドゥの追加融資につきまして4点であります。
昨年7月以降,急激に経営が悪化いたしましたために,北海道,さらには経済界,道央圏の市町村など,官民挙げて
エア・ドゥに対しまして支援をするという表明があったわけで,支援の輪がどんどん広がってきているということで,先ほど来,石子社長の並々ならぬ決意をいただいているところであります。
しかしながら,一方では,北海道あるいは札幌における景気は非常に低空飛行を続けているという厳しい現状でありまして,市内の企業はコスト削減等で資金繰りが大変で,銀行に行っても断られる方が多いと。あるいは,銀行の行員によると,借りていただきたい企業は来ないというような状況が続いているということでございます。このような中で,特定の企業に行政が支援を行うことに対しては,批判の声があることは事実でもあります。
そこで,1点目の質問でありますが,市内の民間企業が厳しい状況に置かれている中で,一民間企業である
エア・ドゥに対して,札幌市が5億円の融資を行うことの理由と法的根拠についてお伺いしたいと思います。
次に,2点目の質問でありますが,
エア・ドゥに対する現行の融資には,担保として質権の設定がされております。第2順位ということでございますが,今回の融資の担保措置をどうお考えになっているのか,2点目の質問でございます。
次に,
エア・ドゥに対する人的支援でありますけれども,札幌市は財政支援として5億円の追加融資を行おうとしておりますが,北海道や経済界においては,先ほどの説明にもありましたが,財政的支援を行うと同時に人的支援も行っているところであります。
そこで,質問の3点目でございますけれども,これまでに
エア・ドゥから本市に対しまして人材派遣の要請があったのかどうか,また,人材を派遣する意思があるのかどうか,お伺いしたいと思います。
最後に4点目の質問ですけれども,
エア・ドゥの新経営計画の目玉ということで,搭乗率の向上に向けた営業強化策として新
予約システムを開発するというお話がありました。私は,空席状況を効率的に一元管理して,スピーディーな予約ができるシステムを備えていることは,お客様に対する最低限のサービスであるし,航空会社としての命というか,当然のことではないかと思いますので,
エア・ドゥが搭乗率の向上を目指す上で最も基本的な設備になるのではないかと思いますので,
エア・ドゥの現行
予約システムはどのようになっているのか,さらに,新
予約システムを導入することによってどのような改善が図られどのような効果が期待できるのか,具体的にお答えをお願いいたします。
◎星川 プロジェクト推進担当部長 ご質問の1点目の
エア・ドゥに対して融資を行う理由と法的根拠についてでございますが,
エア・ドゥは2年2カ月前に就航いたしました。低価格運賃をもって札幌−東京間に参入いたしましたことにより,他の航空大手3社にも波及いたしまして,全体として航空運賃が低価格化され,先ほど,高橋委員のご質問にもお答えいたしましたとおり,市民負担の軽減や本市が積極的に推進しております集客交流産業の振興などに大きく寄与しております。
こういったことから,
エア・ドゥは一民間企業ではありますが,公益性が高いという判断から,引き続き札幌−東京間の低価格運賃が維持されていきますよう支援することといたしまして,追加融資をするものでございます。
なお,融資の法的根拠についてでございますが,地方自治法232条の2「公益上必要がある場合においては,寄附又は補助をすることができる」との規定に準じて行うものでございます。
次に,2点目の今回の融資に係る担保措置についてでございますが,北海道や経済界が官民挙げて支援していること,また,先ほどの繰り返しになりますが,市民負担の軽減や集客交流産業の振興への貢献など,市民や市内企業へ幅広く寄与することから,北海道と同様に担保の設定はいたしませんが,
エア・ドゥの監査法人の協力を得て,北海道が定期的に行う経営チェックを通じて,本市としても経営状況を十分把握してまいりたいというふうに考えてございます。
次に,3点目の
エア・ドゥへの職員の派遣ということでございますが,本市に対しまして職員の派遣の要請ということはございませんし,また,今後も派遣する考え方はございません。
次に,4点目の新
予約システムについてでございますが,
エア・ドゥの現在の
予約システムは,旅行代理店とオンラインではつながってございません。このため,旅行代理店が割り当てを受けた座席の空き状況と,
エア・ドゥの手持ちの座席の空き状況とが一元化されておりませんことから,リアルタイムに空席状況を把握することができず,効率的な予約管理ができていないと,そういう状況にございます。
そこで,
エア・ドゥといたしましては,新
予約システムを導入することによりまして,ようやく大手3社と同様に,旅行代理店とのオンライン化を図り,効率的な空席の管理,迅速な予約業務などが可能となります。このようなことから,新
予約システムの導入ということは,
エア・ドゥの経営安定化の基礎となる搭乗率の向上にも大きく貢献していくことになるものというふうに考えてございます。
以上でございます。
◆近藤和雄 委員 続きまして,IT講習事業についてのお尋ねをいたします。
情報通信技術,いわゆるITの飛躍的な進展とその普及は,我が国の産業や社会構造に大きな変革をもたらしてきているということでありますが,このようなIT革命の積極的な対応は,21世紀という時代にあって,豊かな生活の実現と我が国の競争力の強化ということで,大きなかぎを握っていると言っても過言ではない,あるいは,日本新生の最も重要な柱と位置づけられているわけでございます。
こうしたことから,政府では,IT革命の恩恵をすべての国民が享受できるIT立国の形成を目指して,平成12年度の補正予算事業において,情報通信技術講習推進特例交付金を創設されたわけです。地方自治体が開催するIT講習事業を支援することとしたところであります。この事業は,全国で550万人を対象とする一大国民運動として取り組むということでありますが,本市においても,市民の皆さんのインターネット利用を飛躍的に促進をするなど,IT利用の向上を図る先駆けとなる重要な事業ではないかと考えるわけです。できる限り多くの市民の方々が受講できる機会を提供して,当市も積極的にこの事業を推進されるということを期待しております。
そこで,13年度予算では,IT講習事業費約7億9,100万を計上しております。まず,本市で計画されているIT講習会について,当市の場合は,どのように取り組まれようとしているのか,その計画につきましてお伺いいたします。
◎小川 情報化推進部長 IT講習会の私どもの計画についてお答えをいたします。
このIT講習は,20歳以上の市民を対象に,パソコンの基本操作,文書の作成,インターネットや電子メールの操作などを講習内容といたしまして,12時間の講習時間で,パソコンを活用できない人がインターネットや電子メールを利用し,IT革命の恩恵を享受できるように,無料で実施するものでございます。
会場といたしまして,区民センター,地区センター,生涯学習センター,小学校,中学校などの公共施設で54カ所,このほか専門学校,各種学校,パソコン教室などの民間施設も確保いたしまして,13年度末までに約8万人を対象として実施していきたいと考えております。
受講者の募集は4月から行いまして,実際の講習会の開催は6月を予定しているところでございます。
以上でございます。
◆近藤和雄 委員 ただいま,IT講習会の計画につきましてご説明いただきましたけれども,約8万人の市民の皆さんを対象として講習会が開催されるということでありますが,これだけの受講者の方を対象とした講習会は,これまでに本市においても恐らく例のないことでありまして,その受け付けの体制,すなわち,どのように市民からの申し込みを受け付けるかが,この講習会を成功裏に終了するための大きな問題ではないかと考えられるわけです。
新聞報道によりますと,北九州市が3月に実施するIT講習会の受講者を電話で募集したところ,受講者3,000人の募集に対して,市民からの希望が殺到して,3日足らずの間に40万件の着信があったということであります。このため,受け付けを行ったコールセンターの回線がパンクしたり,一部市内の電話回線が不通になるなど,市民の皆さんの生活にも重大な影響が及んだということを伺っております。
そこで,1点目でございますけれども,IT講習会の申込方法及び受け付け体制,当市ではどのように計画をされているのか,お伺いいたします。
次に,実際に8万人もの市民に受講いただくのは,容易ならざるものでないかと推測するのですけれども,そのためには,積極的に事業をPRしていく必要がありますし,また,多様な市民のライフスタイルに合わせて,講習会のスケジュールなども市民の皆さんのニーズに合ったものでなければならないということで,それによって受講者8万人という数字が達成できるかどうかということも考えられます。
そこで,2点目ですけれども,講習会のPR方法及びスケジュールにつきまして,どのようにお考えになっていらっしゃるのかお伺いして,質問を終わります。
◎小川 情報化推進部長 IT講習会の申込方法と受け付け体制,それからPR方法等についてお答えいたします。
まず,この講習会の申し込みですが,電話で行ったら混乱したというお話もございました。私どもは,現在のところ,はがきで申し込んでいただくということで考えております。
受け付けにつきましては,今後,受付センターを開設いたしまして,一括して行う予定でございます。
また,4月から開始いたします受講者の募集につきましても,年度を前期と後期とに分けまして,前期に募集する分につきまして約5万人分と前倒しいたしまして,多数の申し込みがあった場合にも対応できる体制を整えていきたいと考えてございます。
PRとスケジュールにつきましてですが,PRにつきましては,広報さっぽろ4月号でこの講習の事業概要をお知らせいたしますとともに,受講案内のパンフレット等を区役所や区民センターなどの公共施設に備え置いて,また,ポスターや地下鉄の車内広告など,広告媒体を活用いたしまして,積極的にこの事業を市民の方々にPRしていきたいと考えております。また,講習会の開催スケジュールにつきましても,午前,午後,夜間など,さまざまな時間帯や,それから土曜日・日曜日などの休日にも開催するなど,市民の方々の多様なライフスタイルに応じた講習会を開催いたしまして,できるだけ多くの市民の皆様に受講いただけるよう,この事業を推進していきたいと考えているところでございます。
以上です。
◆畑瀬幸二 委員 私から,
エア・ドゥへの事業費貸付金について質問をいたします。
先ほど,石子社長が来られまして,やりとりをしたところでございますけれども,今まで,北海道のプロジェクトの中で,中小・中堅の皆さんが中心になって大きなプロジェクトを立ち上げ,そして実現したというのは,これ以外に余り聞いたことがございません。すなわち,これまでの大型のプロジェクトというのは,霞ヶ関で考えたり,北海道が考えたり,あるいは札幌市が考えたり,あるいは民間であるならば大企業が言い出しっぺになったということは聞いたことがありますけれども,今回のように中小・中堅の企業経営者の皆さんが中心になって始まったプロジェクトというものが,北海道の歴史の中では初めてなだけに,その与える影響は大きいものがあるわけです。
このプロジェクトが離陸して,きっちりと立ち上がることができるかどうか,先ほどもやりとりしてまいりましたけれども,北海道における一つの大きな自信という問題がございますから,次のプロジェクトにつながる意義というものが大きいのではないかと思っております。したがって,私は,この件については,とんざすることなく飛び立っていただきたいと,こう願っているところでございます。
亡くなられた濱田前社長が,こういうことをおっしゃっておられました。このプロジェクトというのは,札幌と東京との間に世界一のドル箱路線があるからこれに参入して,とにかく一もうけしようとか,一旗上げようとか,そんなことで始まったプロジェクトでない。アクセスの問題,これは,どうしても北海道の場合は航空機に頼らなければならない,そういう状況にありながら,当時,5万円という料金は,北海道にとって大きな障害になる。これを何とかもっと利便性の高いものにしていくことが,具体的な北海道全体の活性化のテーマとして大事なのだ。だから,私たちは,何としてもこのことを実現したい。熱っぽく訴えていたことを,今さらながら思い出しているところであります。
そうした観点に立って,私は,具体的に,最初に3点ほどお尋ねをしてまいりたいと思います。
まず1点目は,今回の追加貸付金5億円でありますけれども,経常収支の黒字化を目指す3年間を貸付期間としているということでありますが,単年度黒字になったからといって,直ちに引き上げるということにはならないのではないかと思うのであります。つまり,経営を軌道に乗せる上で,しっかりと見きわめをしていくということが大事になってくるのではないかと思いますが,この点,どう考えているのか。貸付金の性格からいたしまして,大体,中長期に及ぶことが多いわけでありますけれども,そういうこれまでの経験に照らしても,この件についてはどういうふうに考えていくのか,この点,まず伺っておきたいと思います。
それから,二つ目でありますが,経営を軌道に乗せていくためには,融資など資金面での支援もさることながら,搭乗率の向上に向けて
エア・ドゥを積極的に利用する等,利用者の立場からの応援が大事だと考えるわけであります。この点,本市職員は積極的に利用しているとは思うのでありますが,本市職員の利用率の推移はどうなっているのか,具体的に明らかにしていただきたいと思います。
それから,3点目は,経営チェックの問題であります。
先ほど,近藤委員が質問されましたが,この経営チェック,お金を貸すわけでありますから,経営再建が着実に進んでいるかどうか,経営状況を把握していくということは極めて大事な点だと思います。
そこで,先ほど,部長は監査法人を入れていくというお話をされていましたね。どこの監査法人を入れていくお考えか,入れているのか,この点,差し支えなければ,具体的にその監査法人を明らかにしていただきたい。
まず最初に,この3点についてお尋ねをしたいと思います。
◎星川 プロジェクト推進担当部長 1点目の貸付金の返済時期についてでございますが,
エア・ドゥが
ロープライスリーダーの航空会社として飛び続けるためには,今後3年間で経常収支の黒字化を図る新経営計画の確実な実行が何よりも重要だと思ってございます。
エア・ドゥにおきましては,この新経営計画に基づき,全力で経営再建に取り組み始めたところでありますし,官民挙げた支援の輪も大きく広がってきてございます。これらのことから,本市といたしましても,
エア・ドゥの経営を再建させるということを主眼に置いて,貸付継続期間のめどを3年とするものでございます。
委員のご質問にもございましたように,具体的な返済の時期などにつきましては,この新経営計画の達成度を見ながら,その時点で議会ともご相談し,判断していかなければならないというふうに考えてございます。
2点目の職員の搭乗率がどのようになっているのかということでございますが,
エア・ドゥの経営安定化のためには,搭乗率の向上ということが最も重要でありますことから,本市職員が一人でも多く,また一回でも多く利用するよう,あらゆる機会で協力を呼びかけておりまして,さらに,昨年12月からは,職員への周知も兼ねまして,利用実態調査を実施しているところでございます。
その調査の結果でございますが,利用率は,昨年12月が42%,ことしに入りまして1月が55%,2月には63%となりまして,職員の間にも
エア・ドゥを利用するのだということが浸透してきているものと考えております。これにつきましては,今後とも,
エア・ドゥの利用促進に向けて積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
3点目の
エア・ドゥの監査法人ということでございますけれども,監査法人の名前はトーマツと申します。トーマツと申しますのは,世界の5大会計事務所の一つにも数えられておりまして,国際的に信頼を得ている監査法人であるというふうに聞いてございます。
以上でございます。
◆畑瀬幸二 委員 1点目の判断につきましては,総合的に考えて,引き上げても
エア・ドゥが大丈夫だという状況を見きわめながら判断すべきものと思いますので,この点は十分審査をした上で判断をしていっていただきたいなと,こう思います。
それから,2点目の本市職員の利用率でありますが,右肩上がりで進んでおりますことは大変結構なことだと思います。
実は,なぜふえているのかと,私もいろいろと考えてみたのでありますが,市長が号令をかけたということもありましょうが,この庁舎地下にツーリストが入っております。そこに行きましたら,スーパービジネスパックという宣伝物が置いてありまして,
エア・ドゥとホテル約80件とが連携して,このようなセット料金がなされている。実は,私も最近知ったのです。これがあるならば利用率は随分違うなと思いましたけれども,やっぱり商品化している。問題は,市職員の皆さんがこういうものも商品としてあるということを知っているかどうかということでありますけれども,他社におくれはとったけれども,こういうビジネスパック料金というものが商品としてつくられて便利になっているということをぜひ徹底していただきたいなと,こう思っております。
ところで,
エア・ドゥが参入して2年2カ月が経過したわけでありますが,この間,本市職員の出張旅費も原則として
エア・ドゥ料金で支給されているわけですね。そうすると,
エア・ドゥが参入したことによって,当然,職員の出張旅費も節減されてきたことになるわけでありますが,この2年2カ月でどの程度節減されてきたことになるのか,もしわかっているなら,お聞きをしておきたいと思います。
それから,3点目の経営チェックの問題であります。
トーマツといえば,かなり有名な監査法人であります。極めてレベルが高い。これは,具体的にどういう監査報告を受けていくことになるのか。毎月報告を受けられるような状況になるのかどうか。札幌市として,仮に毎月報告を受けるということになれば,議会としても,いつでも経営内容について聞くことができるわけでありますが,こういう体制になるのかどうか,この点,確認をしておきたいと思います。
以上の点についてお答えください。
◎星川 プロジェクト推進担当部長 最初の,市の職員に支給される出張旅費は
エア・ドゥ料金が基本になったということで,
エア・ドゥが入ったことによって,どれだけ出張旅費が節約されてきたのかということでございますけれども,正確な数字ではございませんが,ほぼ正確ではあろうというふうに思います。
1年間に市の職員が東京−札幌間を公費で移動する場合,片道を1回としますと,年間で9,000回というふうに推定されます。これは,平成9年に実際調査をしたものでございます。この出張にかかる旅費の支給内容を調べてみましたところ,全体の93ないし94%が
エア・ドゥの運賃で支給されております。残りの6ないし7%が,緊急の用でほかの便に乗らざるを得ないということで,若干高いものに乗る場合でございます。
そこで,93ないし94%の職員が
エア・ドゥ料金での旅費を支給されているということで大手3社との運賃差をもとに試算いたしますと,平成10年12月,これは
エア・ドゥが就航したときでございますけれども,そこからことし2月末までの2年2カ月間を積算いたしまして,約1億7,000万円の旅費の節減がなされたというふうに考えられます。
それから,監査に関してでございますけれども,北海道といたしましては,先ほど申し上げましたトーマツの協力を得て
エア・ドゥの監査を行うということになってございまして,それは,今のところ,11月末に道の方が10億円を融資いたしておりますけれども,毎月が望ましいのですが,道といたしましては,若干ずれているということもありまして,毎年定期的に監査をしていきたいというふうに申しておりますので,私どもは,その資料をもらうと同時に,必要があれば直接
エア・ドゥに対してヒアリングをかけるなどして,経営をチェックしてまいりたいというふうに考えてございます。
以上でございます。
◆畑瀬幸二 委員 経営チェックの問題については,極めてきめ細かくその状況が把握できるということでございますので一安心しているところでございますが,議会においても,その必要性があった場合には,随時対応できるようにしておいていただきたいと思います。
そこで,職員の利用状況,今,部長の方からストレートに,推計値ということでその数字は正確に当てにできない部分もあるかもしれませんけれども,いずれにしても1億7,000万でありますから,相当の額の旅費,つまり公金がそれだけ節約されてきたということになるわけであります。これはやっぱり
エア・ドゥの参入効果であると,私はそういう観点に立ってもいいのではないかと思っております。そういった意識を持って,職員の皆さんがもっと積極的に利用すべきだし,その輪を広げていくべきだと思うのです。
そこで,職員の皆さんには浸透しているということですが,例えば市の指定団体が38ありますね,そこに対しても,私は呼びかけていってもいいのではないかと思いますが,この点に対する見解を伺いたいと思います。
◎星川 プロジェクト推進担当部長 ただいま,市の外郭団体に対してはどうかということでございますけれども,私どもといたしましては,昨年12月に,札幌市が所管しております39の指定団体に対しまして,利用の促進を呼びかけたところでございますが,委員ご指摘の趣旨も踏まえまして,今後とも積極的な利用を要請してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆畑瀬幸二 委員 ぜひ,その方向でPRしていっていただきたいと思います。
言ってみれば,職員の皆さん方が節約をしたというか,そのお金が1億7,000万,今まで貸していたお金が3億1,500万,足せば4億8,500万,限りなく5億円に近いわけであります。これは結果でありますけれども,今回貸し出す5億円というのは,そういう節約を含めて5億円という金額を見積もったのかなとも受け取れるのでありますけれども,結果としてそうなったことでありましょう。
いずれにいたしましても,本市として貴重な5億円を貸し付けるわけでありますから,
エア・ドゥにおいては有効に活用していただくと,そして,見直し収支計画どおりに再建に乗っていただく,そして,見通しがつけば,早速,札幌市に返していただく,そのために経営チェックもしていくと,こういう図式が,今回,計上に当たって市民の皆さんにご理解をいただける最低の条件だと思いますので,ぜひ,当局におかれては,この点を留意してこれから作業をしていただきたいと,こう思っております。
以上で終わります。
◆飯坂宗子 委員 私は,中心市街地活性化基本計画に関連して質問いたします。
きょうの理事会でもご了解いただいておりますが,下の都市計画費にかかわる部分も含めて,この項で一括して質問させていただきますので,よろしくお願いいたします。
初めに,新年度予算に基本計画策定費800万円が計上されていますが,中心市街地活性化基本計画とは何なのか,どのようなことを想定しているのか,まず伺います。
◎波田 企画部長 ただいまの中心市街地活性化法に基づきます中心市街地活性化基本計画の内容についてお答えします。
この活性化法そのものは,中心市街地の活性化を図るために,市街地の整備・改善と商業等の活性化にかかわる事業を国と地方公共団体,そして民間事業者などが総合的・一体的に推進することを目的としたものでございまして,基本計画自体は活性化の方針や目標,あるいは事業の推進にかかわります基本的な事項について,市町村が定めるということになってございます。
札幌市では,都心の魅力と活力を高めることが重要であるということの認識から,その目標を具体的に明らかにしまして,目標実現に向けて,行政あるいは民間の事業を体系的に整理するものとして,この基本計画を策定してまいりたいというふうに考えております。
◆飯坂宗子 委員 今,部長のご答弁の中でも,基本計画の前提となる中心市街地活性化法の話が出ました。実は,98年にこの法律が制定されているわけですけれども,当時,大店法を廃止して立地法をつくると,こういう国会での議論もありまして,大型店出店の規制緩和を促進する見返りとして,街づくりの観点から,中心市街地活性化法というものが同時に成立したという経緯があります。すなわち,大型店出店の規制緩和で,郊外へどんどんどんどん大型店が出店してくると。都心からは身勝手な閉店,撤退が相次ぐと。こういう中で,都心部が,どこの市町村でも空洞化してくると。この空洞化した中心市街地を,都心再開発の事業などと一体となって商業地の活性化事業を図ろうと,こういう趣旨でつくられたものだというふうに私も認識しております。
ところで,本市の中心市街地活性化基本計画がどのようなものになるかというのは,今,部長のご答弁では,理念といいますか,考え方だけを示されていて,具体的な事業がどう展開されてくるかというのは,まさにこれからの策定計画を見なければわからない話なのですが,実際,本市全体を見ましたときに,空洞化しているのは中心市街地だけなのかと,こういう問題が一つあります。市内各地で,大型店の出店あるいは身勝手な撤退によって商店街の衰退が生じているというのは,皆さんご承知のとおりですし,今日の空洞化の要因になっているこれらの問題について,中心市街地の活性化だけで本当に札幌市の街が活性化されるのか,活性化が図られるのか,このことについてお考えをお尋ねしたいと思います。
次に,中心市街地活性化基本計画と地域が重なる創世1.1.1区(さんく)の問題を絡めて,具体的に一,二お尋ねしたいと思います。
一つは,大通西1街区についてです。
過日の自民党さんの代表質問に答えて,市長は,市民会館のある大通西1丁目については,13年度に事業化に向けた検討に着手したい,このように答弁されております。この事業化に向けた検討ということは何なのか,市民会館の建てかえを単独でやる,そういうことなのか,また,どういう構想を今お持ちなのか。事業化に着手するとご答弁されておりますので,この考え方について明らかにしていただきたいと思います。
次は,創世1.1.1区(さんく)計画との関係についてです。
ご承知のように,大通西1街区と大通東1街区,そして北1西1街区,この三つを合わせて創世1.1.1区(さんく)と称しているわけですが,この計画の前身は,いわゆる国際ゾーン構想でした。すなわち,当時,総額2,400億円,市費800億円とも言われた巨費を投じて大型開発といいますか,施設を建てると,都心に人も車も集中させる,そういう構想が当初打ち上げられて,我が党は一貫して反対してきたところであります。今日,創世1.1.1区(さんく)と名称は変わりましたけれども,北1西1街区は国際交流の拠点の形成,こういうことが創世1.1.1区(さんく)のパンフレットで文言としてうたわれておりますし,これまで相当年数が経過してもなかなか具体化できなかった国際ゾーン構想,現在の創世1.1.1区(さんく)構想を中心市街地活性化計画にあわせて促進しようと考えておられるのかどうか,その辺についてもお尋ねしておきたいと思います。
◎波田 企画部長 中心市街地活性化法自体,法制定の経過においては,主に地方都市の都心部商業の空洞化に対応する法律ということで議論されていたわけですが,最近になりますと,政令市のような大きな都市でも,このことが,商業ばかりでなくて,都心そのものの魅力向上という視点で,この制度が活用されているという実態がございます。
私どもは,4次長総などにも,魅力的で活力ある都心の整備というものを掲げておりますのは,都心がいわば札幌全体の魅力を高める上での中心的な拠点であるという認識に立ってでございます。言いかえますと,都心の活性化を図るということは,直接的には都心なのですが,都心だけではなくて,国内外から多くの来訪者あるいはビジネスマンといいますか,こういった方々を引きつける一つの役割というものを通しまして,札幌全体の活性化を図るということを意図すべきだと,私どもも思っております。
そこで,この中心市街地活性化基本計画は,そうした観点から,都心の魅力を高めるための取り組みを明らかにしていくということで策定しようと考えているものでございます。
◎田巻 都市整備推進室長 私の方から,2点目,3点目をお答えいたします。
2点目の大通西1丁目街区の事業化に向けた検討についてでありますが,これは,市民会館を単に建てかえるということではなく,新しい時代のニーズに向けた複合的な機能について検討してまいりたいと考えております。
3点目の中心市街地活性化基本計画との関連でございますが,創世1.1.1区(さんく)計画は,都心の目標実現を先導するモデル的なプロジェクトとして位置づけられておりまして,財政状況も勘案しながら,段階的に整備したいと考えております。このような観点から,中心市街地活性化基本計画とも整合性を図ってまいりたいと考えております。
以上です。
◆飯坂宗子 委員 今のお二人の部長の答弁も踏まえて,さらに質問したいのですが,波田部長は,都心の魅力向上,そのために活性化計画をつくるのだと,こういうことでございます。ですから,必ずしも衰退傾向にはなっていない都心部なのだけれども,グレードアップのためにこれから巨費を投じようと,こういうような考え方かなと思いましたので,その点につきましてはいかがなものかと思います。
今,具体的に質問した市民会館の建てかえも,単に単独で建てかえるのではなくて,複合的なものとして建てかえると,こういうことですね。これも,創世1.1.1区(さんく)の11年3月につくりましたリーフレットによりますと,大ホールや小ホール群など複合した建物をつくるのだと,こういうふうに書かれていますから,部長もそういう視点で,今,ご答弁になったと思うのですが,そうしますと,都心部に非常に立派な――私ども,市民会館は老朽化していますから,建てかえるのに反対ではございません。しかし,それと一緒に,次々と大型の建物を都心に巨費をかけてつくるということにはどうなのかと,こういう疑問を持っているわけです。
といいますのは,例えば,10区ありますけれども,各区に文化ホール一つすらない。いろいろ陳情も出されている,練習場も不足している,発表の場も不足している,こんなことが,昨年来,いろいろ委員会にも出されたりしております。
ですから,都心に巨大なものを,立派なものをただ一つつくって終わりというのではなくて,全市民的に使えるものが必要だとは思いますが,やはり各区にも文化ホールをつくるなど――街づくりの視点というのは,都心集中の街づくりではなくて,やはり全市を視野に入れた活性化を図るべきではないかというふうに思いますので,その点について再度お尋ねをします。
また,創世1.1.1区(さんく)の問題では,財政事情も勘案しながら段階的に整備していきたいということでございますが,創世1.1.1区(さんく)も,リーフレットはできていますが,具体的事業展開というのはこれからですよね。
そこで,一つ気になっているのは,このリーフレットによりますと,3街区の地下すべてに駐車場をつくる,こういう構想なのですよ。ところが,同じ企画調整局の総合交通対策部では,都心への車の乗り入れを規制するために縁辺部に駐車場をつくる,フリンジと言っておりますが,都心の歩行者を優先するゾーンの縁辺部にフリンジをつくって,車をそこに置いて,公共交通や徒歩で都心に入っていただく,こんな計画が実は出されているのですよね。
そうすると,同じ企画調整局で,片や創世1.1.1区(さんく)では,都心のど真ん中に3街区全部地下駐車場にしますよと,どうぞ車で来てくださいという計画。これでは,都心の計画をどうするか,どういう街づくりをしていくか,こういう点でも大変矛盾だと思いますし,都心に車を集中させるような創世1.1.1区(さんく)の計画,これの見直しは私はまだ聞いていませんから,そういう点では大変矛盾しているのではないかと思いますけれども,いかがか,お尋ねいたします。
◎田巻 都市整備推進室長 創世1.1.1区(さんく)に関してのご質問ですけれども,大通西1丁目街区を先頭にして,何か巨大なビルが建つのでないかというようなお話でしたけれども,建物の機能とか規模については今後検討していくことになりますが,建物でいっぱいにするとかという認識ではなくて,大通や創成川の緑地空間と連携したゆとりのある広場を創出することなど,周辺と調和したデザインを大切にして,市民や観光客に親しまれる,安らぎのある街区としたいと考えております。
また,創世1.1.1区(さんく)の交通計画のご質問でございましたが,地下をすべて駐車場というようなことは考えておりません。ここは,地下鉄3線が集中する都心の中の都心ですから,創世1.1.1区(さんく)への交通につきましては,公共交通を利用しての街区への来訪を基本として考えております。車の利用は抑制して,周辺の地上交通にできるだけ影響を及ぼさないよう検討を行ってまいりたいと考えております。
以上です。
◆飯坂宗子 委員 駐車場の件は,総合交通では需給バランスの均衡化がもう図られるのだと,今ある既存の駐車場で十分だというふうに中間答申を出しているのです。今年度中にも正式なまとめになると思いますがね。ですから,そういう点では,人と車を集中するような計画がこれまではあったと思うのですけれども,規模もこれからという話でしたから,その辺もぜひ見直していただきたいというふうに思います。
そこで,最後に,中心市街地活性化法あるいは各地の中心市街地活性化基本計画,これを策定しているところのお話などいろいろ伺いますと,さまざまな問題が起きているのですね。
一つは,これは国会でも論議になったことですが,大型店の野放しの出店や身勝手な撤退を放置したまま市街地活性化を図ろうとしてもいかがなものか,空洞化の要因に歯どめをかけることなしにそういうことをやっても効果がないのでないかということで,街が空洞化してくる要因にしっかり歯どめをかける,そういったことが大事だという問題が一つです。
それから,二つ目は,再開発事業とセットで進めている市町村も多いわけですが,こういうセットでなされますと,活性化事業に取り組むことによって自治体や地元に巨額の負担が押しつけられてくる,こういう結果も招いているというのも幾つも聞いております。
三つ目には,本市もこれからやろうとしているわけですが,TMOなど,市民参加が言われております。市民を巻き込んだ組織をつくり上げて,さまざまな省庁の補助金が出る事業になっておりますので,補助金がつく公益施設というのですか,そういうものを中心市街地にどんどんどんどん導入する,都心整備をそうやって進めていく。箱物行政ではないと言っているのだけれども,従来の箱物行政の新しい展開,こういう指摘などもされているわけです。
本市の基本計画というのはこれからということなのですが,創世1.1.1区(さんく)計画のような巨費を投ずる巨大な施設計画,これを中心街全体に広げるものにはならないのか。ならないのなら,ならないと言っていただけばいいのですが,そういうことを非常に懸念しているものですから,今後の計画策定に当たって,基本的な考え方を最後に改めて聞いておきたいと思います。
◎波田 企画部長 中心市街地活性化基本計画,全国の政令市の中でも成功しているところ,あるいは課題を抱えているところ,いろいろあることは承知しております。しかしながら,札幌市の場合は,中心部におきます民間事業者がかなりまとまりを見せて,いろんな取り組みを始める動きがございまして,私どもとしては,効果的な計画にしていきたいなと思っております。
いずれしましても,魅力的で活力ある都心の整備に向けて,必要な取り組みを体系的に整理していくというのが基本的なねらいでありまして,今,ご懸念されましたように,新たな公共施設を集中的に整備するということを意図するものではございません。
◆飯坂宗子 委員 現時点での考え方はおよそわかりましたが,計画が具体的に策定された段階でまた議論をしたいと思います。
きょうは,これで終わります。
○道見重信 委員長 ここで,おおよそ15分間,委員会を休憩いたします。
──────────────
休 憩 午後3時22分
再 開 午後3時40分
──────────────
○道見重信 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き,質疑を行います。
◆笹出昭夫 委員 私からは,PFIを初めとする民間活力型の手法の導入についてお伺いをいたします。
平成10年1定の代表質問におきまして,私は,これまでの札幌市の民間活力を導入した取り組み,いわゆるPFI方式の導入についてお尋ねをし,市長から,札幌市ではこれまで公共性の高い事業分野においても積極的に民間資金,ノウハウの活用を図ってきたところであり,PFI方式については,今後,本格的な導入に向けた検討を行う必要があると考えているというふうに,ご答弁をいただいたところでございます。
当時は,まだPFIという言葉も一般的にはなじみがありませんでしたが,しかし,新規投資への財源投入がだんだんと制約される状況になって,なお良質な社会資本の維持あるいは整備を図っていくためには,私は,イギリスなどで導入された民間資金等活用型のインフラ整備スキーム,すなわちPFIの導入が札幌市においても有効であろうと考え,代表質問に取り上げさせていただいたところでございました。
その後,平成11年9月に,民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律,すなわちPFI法が施行されたわけでございます。また,平成12年3月には,国のPFI事業の実施に関する基本方針が定められたところであります。さらに,ことしの1月には,実施プロセスに関するガイドライン,リスク分担等に関するガイドラインが公表されてございます。
本市におきましても,平成12年度からスタートした5年計画において,PFI等民間活用型手法の拡充が計画の基本的な考えとして掲げられるとともに,第2斎場建設事業が推進モデル事業として位置づけられ,現在,保健福祉局でPFI導入検討調査を行っているというふうに聞いてございます。また,平成13年度には,企画調整局において,札幌市がPFIを推進する上での基本的な指針の策定に向けた検討がなされる,こういうことであります。いよいよPFIの本格的な導入に向けた取り組みが始まったのだなと,こんなふうに実は理解をしているところでございます。
そこで,平成11年9月にPFI法が成立して以降,国内各地でPFI導入への取り組みが始まり,そのうち幾つかは事業化になったというふうにお聞きをしているところでございますが,どのような事例があるのか,また,手法といいますか,こういったことについて,どのような点が特徴として考えられるのか,この辺についてお尋ねをいたします。
◎波田 企画部長 ただいまのご質問,私の方からお答えいたしますが,まずPFI法に基づくPFI事業に着手した自治体としましては,現在,私どもで把握している範囲で申し上げますと,五つの都府県と六つの市,2組合と,こういうふうに理解してございます。
また,事業分野としましては,港湾荷さばき施設ですとか,学校,美術館,余熱利用施設,発電施設,廃棄物処理施設など,多岐にわたってございまして,そのうち,政令市で申しますと,千葉市が消費者センターと計量検査所の複合施設,神戸市が国民宿舎とプレジャーボートの係留保管施設,北九州市がコンテナターミナル,福岡市が臨海工場余熱利用施設,それぞれPFIで整備を進めているということでございます。
次に,特徴でございますけれども,国の方では,まだ具体的事例はございません。すべて,地方公共団体が事業主体となってございます。また,事業分野としては,いわゆる建築施設というものが主体でありまして,インフラを中心とした事業は少ないということが言えるのではないかと思います。
以上です。
◆笹出昭夫 委員 実際にスタートした各市の事例に基づいて,日本のPFIの特徴についてご答弁をいただきました。
先ほども飯坂委員の方から,箱物といいますか,そういったものの投資ということについての疑問を言われたわけです。確かに義務的経費がどんどんどんどん拡大していく,ただ,昨日の財政局とのやりとりの中で,一生懸命努力をされて,いつも10%の削減目標をつくりながら予算組みをされているけれども,義務的経費については,いつまでもそれが通用するかというと,通用しない,そう考えるところであります。
そんな中で,市民の皆さん方から,利便性であるとか,あるいは満足感,余裕感といいますか,そういった意味の要望もあるわけでございまして,これについての行政サービスといいますか,そういった部分にもこたえていかなきゃならぬのでないか,こんなふうにも実は考えておりまして,初めにも申し上げましたように,私は,これらの社会資本の整備については,いよいよ民間活力の活用というのは不可欠になってくるのでないかな。こういう考え方は,皆さんが大なり小なり持たれているのでないか,こんなふうに実は考えてございます。
特に,行政とのパートナーシップによってリスクのない事業の展開,こんなふうにこのPFIを考えていきますと,民間のそれなりの事業機会の創出ということにもつながっていくわけでございますし,ひいては経済の活性化にも資するものだと,こんなふうに考えるわけでございます。
今後,行政においても,民間においても,PFIの積極的な導入は避けて通れないと,こんなふうに考えますし,また,そのことについて大きな期待もさせてもらうところであるわけでございます。そういうことから,PFI法やそれに基づく基本方針,これは発祥がイギリスということでありまして,今もご説明がありましたように,国だとか,県レベルといいますか,道レベルといいますか,そういった部分が,法としてその事業について定められている部分なのかなという気がいたします。つまり,大きな事業ということが念頭にあってつくられてきたのでないかという気持ちがするわけでございます。
しかし,札幌市のような地方公共団体が行う公共事業,札幌市を例にとりますと,代表質問でも言わせていただきましたように,地下鉄の延長だとか,あるいは道路整備のような大型プロジェクトもあるわけですから,先ほども申しましたように,より地域に密着した街づくりのための事業が,公共事業という形の中でも大きなウエートを占めている,こういう実態もあるわけでございます。
先ほどもちょっと話がありましたように,そのようなことを考えますと,消費者センターといった部分のことも取り上げられる,コミュニティ施設や個性あふれる公園の整備など,そういったものを事業規模で考えてみますと,国が指定するようなPFIの手法にはなじまないものなのでないかなと,そんなふうに考えられるわけでございます。しかし,こういった事業が,先ほど申し上げましたように,市民サービス,市民ニーズといいますか,そういったものに求められている部分でないかなと,そんなふうに考えるわけでございます。
今までも,札幌市は,一定規模以上の地区会館の建設であるとか,あるいはそういったものについて,地元からの寄附金なども活用して,協力して整備をしてきている実績もありますけれども,地域の街づくりのためであれば,私たちがある程度リスクのない形での投資といいますか,そういったものがあればやりたいなというような機運といいますか,こういう経済状況の背景の中ではそういったものもあるのでないか,私自身もそのようなケースを聞くこともあるわけでございます。リスクのない形での投資,そういったものだったら,おれたちも一口乗っていいよというようなことがあるわけでございまして
○道見重信 委員長 質問に入ってください。
◆笹出昭夫 委員 (続)そういった声を考えながら,PFIに限定しなくても,PFI手法を用いて地域レベルでの民間資金やノウハウ等を活用した街づくりができないものかどうか,これについてご見解をお伺いいたします。
◎波田 企画部長 PFI事業ですけれども,これは,私ども地方自治体の場合においても国のガイドライン等を参考にして進めることになりますが,PFI事業として公共サービスを実施することが公共部門がみずから実施することに比べてより効率的かつ効果的であるという,バリュー・フォー・マネーとよく言われていますが,その考え方がPFI導入の前提になるわけでございます。
また,原則として,事業者を選定する際には,一般競争入札ということでございますので,地域レベルの事業であるからといって,必ずしも地域住民の資金あるいはノウハウを活用できるという保証はないということでございます。ご指摘のようないろんな事業展開については,それにストレートにこのPFIが結びつくことではないというふうに考えております。
◆笹出昭夫 委員 法の解釈に立った運用をしようということになると極めて難しい,こういうお答えでございましたけれども,このように地域においては財政を一くくりにした議論と違った行政サービスの要望といいますか,そういったものは常に出てくるわけであります。地域レベルの街づくりに役立つ仕組み,これは,パートナーシップの街づくりを展開していく上で本当に,ある意味では重要な一つの手段でないかなというふうに考えるのですね。PFI法の中でやろうとすると極めて難しいのかもしれませんけれども,しかし,PFI法という枠に類似した形の札幌市独自のやり方といいますか,そういったことを工夫していく,そういう時代に入ってきているのでないかと考えるわけでございますけれども,重ねてお伺いいたします。
◎波田 企画部長 先ほど来,地域住民の皆さんの資金あるいはノウハウを活用するというお話がございまして,こういう観点に立ちますと,例えばアメリカなんかではよく行われておりますが,市民が街づくり会社にみずから出資をしたり,その会社の証券を購入したりというような形で,街づくり事業に参画することがかなり頻繁に行われておるということでございまして,日本でも,最近,こういった手法を取り入れようとする市民サイドの動きというのが,幾つかの都市で見られております。
地域レベルの街づくりに,PFIの枠にとらわれずに民間活力を活用するという新たな仕組みについて,こうした世界あるいは日本の事例,動きなども参考にしながら,私どもも関係部局とともにしっかり研究していきたいというふうに考えております。
◆笹出昭夫 委員 少し前向きのお答えをいただいたかなと,そんなふうに感じてございますけれども,私は,先ほども申し上げましたが,義務的経費の削減については限度がある。これから,場合によっては,法定外課税の問題も真剣に取り組まなきゃならない。このような時代に入っているわけでございますから,そういった意味で,民間活用,簡単な言葉でありますけれども,今までは相当なハイリスクを背負わせながらの民間活用ということで考えられてきたと思うのですね。そんな中で,行政がきちっとしたバックアップをする中で仕事もつくり,なおリスクのない形の資金の活用といったことにこれから本当に真剣に取り組んでいかなきゃならぬのでないか,そんなふうに実は考えるところであるわけでございます。この問題については,まだまだこれからの問題なのかもしれませんけれども,21世紀当初に当たって,こういった部分についても皆さん方に大いに汗を流していただいて,そういった意味での方向に進んでいただければと強く要望申し上げまして,終わらせていただきます。
◆大嶋薫 委員 私の方からは,地理情報システムについて簡潔に伺わせていただきます。
情報化の論議というのはこの間いろんな形で行われておりまして,先ほど来,IT講習事業についてのやりとりがございました。
ただ,情報技術という問題は,単に道具として,ITのTがツールであれば,情報の道具というふうに訳されるわけでありますけれども,昨今の論議はどちらかというと便利な道具としてどうするのかというような論議が先立って,技術してどのように私たちの生活の中に利用し,あるいは行政であればその技術がどのような汎用性を持って機能していくのか,あるいは市民に還元されていくのかというようなことが,なかなかきちんと論議されないまま進んでいるのではないかという危惧も持っております。
この地理情報システムは,98年に事業が開始されまして,98年では約3,800万,99年では約7,000万,2000年で8,600万,来年度予算で8,700万という,ある意味で結構な予算がつぎ込まれています。事業が始まって3年,来年度で4年目ということでありますから,一定程度の形が見えてきてもいいのかなという気もしています。
それで,まずこの地理情報システムの整備について基本的な考え方,そして,現在の整備状況がどのようになっているのかという点について伺います。
◎小川 情報化推進部長 地理情報システムの整備の考え方と整備状況についてお答えいたします。
地理情報システムは,パソコン上でさまざまな地図を表示したり,複数の地図を重ね合わせまして,施設の配置計画などのシミュレーションを行うことができますコンピューターシステムでございまして,地図の高度利用を図る道具として,行政だけではなく,あらゆる分野から注目されている情報技術でございます。
整備に関する基本的な考え方でございますが,本市の地理情報システムは,各部局の業務に対応したシステムを個々に整備し,すべての地図の背景となります現況図や条丁目地図など,利用頻度の高い地図データにつきまして,同一のものを使用して効率的な運用を図ると,こういう統合型地理情報システムとして構築を進めているものでございます。
現段階での整備状況でございますが,最も基本的な地図でございます現況図を,平成13年度中ごろより庁内の地理情報システムで供用を開始いたしますほか,条丁目地図ですとか,用途地域図などの利用頻度の高い地図データも順次供用していくというような考え方に立っております。
以上でございます。
◆大嶋薫 委員 今,これまでは,ある意味でばらばらであった地理情報を統合していく,そして,それとともにいろんな業務といいますか,事業にかかわるものを立体的に利用できるといいますか,汎用性を持った仕組みにしていくのだというようなお答えだったかと思います。
私も,この間,公園の問題,緑化の問題あるいは環境の問題などをいろいろ論議してくる中で,データベースがきちんと市民に利用しやすい形で提供されるシステムがなかなかない,あるいはデータをきちんと積み上げていくような仕組みがないというようなことを原局の方と論議して,そのデータベースをつくるためにはソフトの開発を含めてかなり膨大なお金がかかるのだという話で,なかなか前に進まない論議でいら立ってきた一人でもあります。こういう地理情報のデータベースができれば,環境にかかわる問題,あるいは緑化にかかわる問題を地図に落としながら,街づくりを総合的に考えていく,市民の側にとっても非常に利用しやすいというか,街を立体的にとらえることができる,当然,行政にとってもこれまでいろんな形で批判されてきた縦割りの行政の中で,それぞれの事業が近視眼的にしか見えてこないというように批判されてきた事柄を立体的に,総合的に使えるシステムになっていくというような期待を持っているわけです。
今,お答えの中で,庁内の業務で利用するということを想定しているとありましたけれども,どのような業務にこれを利用すると想定されて,今,作業を進めているのかという点が1点です。
それからもう1点は,今申しましたように,こういう情報は市民に広く利用されるような形で,公にといいますか,インターネットのホームページなどで公開することによって,より市民サービスの視点からの活用ということも検討すべきでないかというふうに思うわけですが,この点についてどのようにお考えか,伺います。
◎小川 情報化推進部長 まず,地理情報システムを利用する業務についてでございますが,都市計画,道路管理,固定資産税,公園管理,あるいは商業写真など,地図を多く使用いたします業務がこの地理情報システムを利用する予定というふうになっております。
二つ目に,インターネットなどでの公開についての検討でございますが,地理情報システムは,今,お話にございましたように,多彩な表現や検索が可能であるというようなことで,本市が所有いたします地図データを加工,公開することによりまして,市民サービスの向上ですとか,市民の方々とのコミュニケーションが容易になるというような効果も期待されております。今後,そうしたことから,技術・運用面での調査研究を行いまして,市民ニーズと照らし合わせながら実施に向けた検討を進めてまいりたいと,こういうふうに考えております。
また,デジタル化されました現況図につきましては,市民,事業者における利用ニーズも高いということもございますので,CD-ROMにして,13年度中ごろより販売をする予定となっております。
以上でございます。
◆大嶋薫 委員 来年度,ようやくといいますか,少し私たちの目に見える形で,庁内あるいは庁外に対してもCD-ROMでの販売を計画しているということであります。
ただ,この間,私も初めてこの問題を勉強させていただいて,各局ごとにそれぞれ処理のベースが違っているということで,共用できる形にデータベース,ソフトをまず転換していく作業,そういう共用化の作業に非常に手間取っているのだというようなお話も聞いております。ただ,市民にとって必要な事業,あるいは,庁内でこれから事業を進める上でかなり重要な役割を占めていくという事業であれば,一定程度,事業の目標をきちんと定めながら進めていかなければならないし,余り長期間かかっては,幾ら大切な事業であっても,費用対効果の面でどうなのかという,いろんな面での問題も出てくるかと思います。
この地理情報システムは,とりあえず,現5年計画の中でどの程度まで事業が進んでいくのかという点について最後に伺って,終わりたいと思います。
◎小川 情報化推進部長 情報の共有化ということで5年計画の中で順次進めていく予定でございますけれども,13年度末までには,用途地域図ですとか,都市計画道路網図,条丁目地図の共有化を進める。14年度につきましては,認定道路網図ですとか公園緑地図,それから街区図などの共有化を図ります。このことによりまして,庁内で広くこの地理情報システムの共有化が図られ,利用されていくものというふうに考えております。
◆三浦英三 委員 私の方からは,電子市役所実現のための取り組みと市民情報センターについて,さらには,雪の冷熱エネルギー利用について伺いたいと思います。
本年1月6日に,政府はIT基本法を施行いたしました。これは,地域の特性を生かして,それぞれが自主的に施策の策定をしたり,実施をしていく,それが地方自治体の責務であるというふうに規定された法律であります。あわせて内閣では,この法律を受けて,高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部,いわゆるIT戦略本部が設置をされまして,この1月22日には,IT国家戦略としてe−Japan戦略というのが決定をされました。事ITに関しては,政府の動きは非常に早いものがあるわけであります。
政府の戦略では,電子政府の実現に関する基本的な考え方について,このように記されております。一つは,書類ベース,対面ベースの業務をオンライン化し,ネットワークを通じて国・地方が一体的に情報を共有,活用する新たな行政を実現するものであると,このように言われています。さらには,その実現に当たっては,業務改革を推進して,横断的な類似業務の整理や制度・法令の見直し等を実施し,行政の簡素化,効率化を行い,国民や事業者の負担の軽減を実現することが必要であると,このように記されております。
このように,業務や事務のオンライン化,ネットワーク化,さらには業務改革に通ずる法令・制度等の見直しを徹底して行うということは,今のこのIT革命の流れの中では,本市においても,もはや避けて通れないものであると思うわけであります。
こういう意味から,私は,ITを活用した電子自治体を築いていくことが,ITがもたらす効果を市民全体で活用するための基盤となることであると思います。さらに,市民や企業がITの利便性の恩恵を享受できる社会の実現に通ずると思うわけであります。
そこで,質問の1点目ですけれども,札幌市のホームページ上には,札幌市IT経営戦略ビジョン21,この中間報告が掲載されております。政府もIT革命に対応するため,e−Japan戦略を決定して,電子政府の考え方を示しておるところであります。
そこで,本市では,この電子市役所を実現するために,どのような考え方で,どのように取り組まれようとしているのか,お伺いをしたいと思います。
◎小川 情報化推進部長 電子市役所についての考え方についてでございますが,例えば,処理をスピーディーに済ませたいという市民の方につきましては,インターネットなどのITを活用した電子申請などのサービスの提供を,窓口でじっくりと職員とお話をしたいという市民の方につきましては,1カ所の窓口で総合的にサービスを提供したいというようなことを考えております。基本的には,市民の視点に立ったサービスを提供できる,これを目指していくものと考えているところでございます。
次に,私どもの電子市役所への取り組みについてでございますが,まず行政の内部事務のIT化を実施いたしまして,事務効率を向上させ,それにより,電子申請の実現など新たなITによる市民サービスの提供につなげていきたいと,このように考えているところでございます。このため,平成13年度以降に,段階的に個々の施策や事業に取り組んでまいりたいと考えておりまして,第1段階といたしまして,インターネットを利用した各種申請様式の提供,それから入札告示概要の公開ですとか,スポーツ施設の予約をインターネットで行えるとか,さらには,内部的には庶務業務の電子化実験など,ITを即活用できるパイロット的な事業を実施いたしまして,職員にITの利便性を体感してもらうとともに,変革を進めるという意識を全庁的に共有いたしまして,その後に本格的なIT施策を展開していきたいと考えているところでございます。
◆三浦英三 委員 ありがとうございます。
本市はいち早く,ITのことに関しては,平成9年12月に札幌市情報化構想というのを策定されておりまして,その中に,情報という縁で結ばれた街を目指した,情報結縁都市さっぽろを基本コンセプトとすると,このように記されておりました。その構想に基づいて,そこに掲げた理念を実現するために,今,部長がおっしゃったように,具体的な取り組みがされていると思いますので,このIT革命の流れの中での施策をいち早く進めていただければなと,このように思うわけであります。
次に,中高年層に情報化に親しんでいただく,情報を活用していただくため,中高年層の方が情報活用に関しての習熟を図っていける場,その一つの役割としている市民情報センター,このことについてちょっとお話をさせていただきたいと思います。
昨今の情報化の進展には目覚ましいものがありまして,特にインターネットの普及率は年を追うごとに増加をしておるところであります。そのインターネットの人口の増加に拍車をかけている要因の一つとして,iモードに代表される携帯電話端末によるインターネットへのアクセスがあります。新聞報道によりますと,iモードの契約者数が発売から2年足らずで2,000万人を突破したと,このように伝えております。ですけれども,契約者の大半が学生を初めとした若年層でありまして,これらの若者が日常生活の中でIT関連機器を自在に使いこなしているということは,ある意味では,日本の経済の下支えになっているなと,このように思うわけであります。
私は,経済発展,産業振興の施策としてのIT化推進に異論を挟むものではありません。そのことによって,市民生活の利便性が増加し,豊かになるのであれば,喜ばしいことであると歓迎するものであります。しかしながら,情報化の恩恵を十分に受けることができる若年層とは別に,どうしても情報化に溶け込めない,なじめない私たちのような中高年層がたくさんいることも事実であります。これらの市民の方々の活用能力を引き出し高めるのも,施策としてIT化を推進していこうとする行政の責任であろうと思うわけであります。
さきの本会議における我が会派の森議員の代表質問に対して,市長は情報弱者への対策についてを約束されました。
そこで,質問ですけれども,この中高年層が気楽に情報化の体験ができ,習熟できる機能を持たせているという市民情報センターについて,その施設の概要と詳細な機能についてお聞かせを願いたいと思います。
◎小川 情報化推進部長 市民情報センターについてお答えいたします。
まず,施設の概要でございますが,東札幌地区,地下鉄の東札幌駅から徒歩5分の場所に産業振興棟との合築で現在建設しているもので,地上3階建て,延べ床面積1,690平米の建物で,平成14年度秋のオープンを目指しているところでございます。
次に,市民情報センターの機能でございますが,情報プラザ機能と情報ネットワーク拠点機能の二つの機能を持たせております。情報プラザ機能の概要でございますが,今,お話にありましたように,市民の方が情報化のメリットを気軽に体験でき,さらに,インターネットなどの情報技術を活用した市民交流活動を支援する場所として,気軽に利用していただけるという施設を目指しているものでございます。
例えば,パソコンが苦手な人たちでも気楽に楽しむことができます体験誘導ゾーン,子供たちに対しましては情報化に対して関心・興味を増すことをねらいましたキッズルーム,それから個人利用,友人との利用,あるいはグループなどの利用というようなことで,さまざまな活動をサポートいたしますインフォ・ラウンジ,さらに高度利用のためにワークショップやクリエイション・ブースなどの配置を計画しているところでございます。つまり,中高年を初めといたしまして,初心者の方でも気軽に体験でき,習熟できるような機能を持たせますとともに,ベテランの方にも対応できるような施設としたいと,今,このように計画しているところでございます。今年度行いますIT講習会の経験を生かしまして,さらにレベルアップをしたいという市民の方にも,大いに利用していただきたいなというふうに考えているところでございます。
次に,情報ネットワーク拠点機能の概要でございますが,情報ネットワークを利用いたしまして,本市の行政情報,あるいは札幌に関する地域情報を集約し,市民のニーズに合わせました情報に編集・加工しまして,さまざまな情報媒体,ファクスですとか,iモードあるいはインターネット,それから各区民センターに置いております街頭端末などのメディアを利用して提供いたしますシステムを構築すると,そういう拠点とする予定でございます。
以上でございます。
◆三浦英三 委員 市民情報センターについてのお話がありましたけれども,ちえりあにもメディアプラザも設置されていますので,そのプラザ等ともすみ分けをしながら,今,札幌市が考えているIT戦略の一大拠点になるような市民情報センターにぜひともしていただければと,このように要望をいたしたいと思います。
次に,雪の冷熱エネルギー利用について質問したいと思います。
21世紀を迎えて,地球の温暖化を初めとする環境問題に対しては,札幌市においても主体的に取り組んでいく必要があると考えているわけであります。その有効な手法の一つとして,急速に進んでいる地球温暖化の原因となる二酸化炭素を出さない,自然・未利用のエネルギーである新エネルギーの活用が,今,注目をされております。この新エネルギーとして,本市においては多雪寒冷の特性を生かして,雪の活用を積極的に進めていくべきであると私は考えております。
我が党でも,この雪が風力や太陽光と同じく新エネルギー利用促進特別措置法の対象になるよう,シンポジウムや署名運動を展開しているところであります。また,本市議会議員会においても,昨年,雪の冷熱エネルギーを活用している山形県内の7施設と,さらには美唄市の4施設を視察させていただいたところであります。
そこで,質問でありますけれども,平成13年度予算に雪の冷熱エネルギー利用基礎調査費が計上されていますが,どのような内容の調査をするのか,伺いたいと思います。
◎波田 企画部長 雪をエネルギー源として活用する発想というのは従来からございまして,実用化ということでは,主に農業分野での小さな氷室ですとか,あるいは雪室といったことが中心ではなかったかと思います。しかし,最近では,大規模な食糧貯蔵ですとか,あるいはマンション冷房などに活用する例が出始めておりまして,雪の多目的利用の研究は進んでいるという認識でおります。
札幌市でも,第4次長総の中で,雪が持つ冷熱エネルギーの活用手法の研究を施策の一つに掲げておりまして,庁内に関係部局から成る研究会を実は設置しておりまして,調査研究を開始したところでございます。
13年度の調査の内容でございますが,冷熱として利用できる潜在的な雪のエネルギー量というのは一体どの程度あるものか,あるいは冷熱供給の望ましいシステムはどうなのか,その場合の需要先はあるのか,また,非常に大事なテーマですけれども,コスト面ではどうかといったことを調査いたしまして,環境面を含めた総合的な費用対効果を踏まえながら,検討してまいりたいというふうに考えております。
◆三浦英三 委員 今,部長からお話があったように,山形へ行ったときも,それから道内の美唄市とか沼田町などで,今,実用化されている利用形態というのは,冬場に除排雪された雪を貯雪庫にためて,夏場に冷水や冷風として取り出す,そして冷房や食糧の貯蔵に用いる手法をとっているわけであります。各地それぞれの特性に応じて雪の冷熱エネルギー利用システムを考えていくべきであると,このように思いますけれども,本市の今回の調査において,検討しているシステムはどのようなものなのか,基本的な考えをお伺いしたいと思います。
あわせて,雪の冷熱エネルギーの利用が進めば,本市にどのような効果がもたらされると期待できるのか,これもあわせてお答えを願いたいと思います。
◎波田 企画部長 札幌市内におきます雪利用というものを考えた場合に,毎年,雪堆積場等に持ち込まれる膨大な量の雪をまず対象とすべきであると,こう思いますけれども,この点については議会からも過去にご提案を受けていたところであります。しかし,雪堆積場というのは,市街地から非常に遠いところ,遠隔化が進んでおります。そして,エネルギーの需要先とは距離があるということで,実際の利用は非常に難しい幾つかの課題があるということも実情でございます。また,需要先の近くに団地等,そこに新たな雪堆積場や貯雪槽といったものを設けるのは,コスト的に大きな問題があると考えてございます。
そこで,調査を進める上での視点としましては,既存の雪対策施設,あるいは公共施設を活用もしくはそれらを組み合わせることによりまして,低コストで大量な雪と冷熱需要先を結びつける方策を検討したいと考えております。具体的には,融雪槽,流雪槽,雪堆積場等の雪対策施設や下水・清掃工場等をどのように有効活用できるのか,あるいはまた,どのような組み合わせが効果的であるのかという基礎的な調査研究,こういうものを基本にしてまいりたいと考えております。
効果としては,一般的に言われておりますように,いわゆる化石燃料の消費削減によります地球温暖化の防止に寄与するですとか,それから冷房源を地下水から融雪水使用に転換することによります水環境の保全といった,いわゆる環境面の貢献というのをまず挙げられると思います。それに加えまして,雪を利用するという視点で,北国らしい暮らし,ライフスタイルの創造,あるいは効果的で効率的な雪対策の推進にも寄与するということにも期待できるのではないか。さらに,これを契機に,産・学・官での連携を中心として技術開発が進んで,札幌の持つ資源,北の風土特性を生かした産業の振興にもつながるということで,多面的な効果が見出されることを期待しているということでございます。
◆三浦英三 委員 今,部長から種々お話がありました。克雪から利雪という流れというのは,今,全国的にも,雪国の大きなテーマになっていると思うわけです。民間においてもプロジェクト等を組んで,調査研究が進められているというふうに聞いております。
今回の基礎調査が,北国を代表する大都市札幌がそのリーダーシップをとっていけるような,そういう基礎調査になるように一生懸命努力していただきたいと,このことを要望して,私の質問を終わりたいと思います。
◆猪熊輝夫 委員 大きく二つ予定しておりましたが,できるだけ短くということで,一つに絞って,今回は質問させていただきたいと思います。
結論を先に申し上げます。結論は,少子対策に対して,札幌市が非常事態宣言をしてはどうかと,ぜひすべきだと,こういう立場で質問をさせていただきたいと,こう思います。
もう既に皆さんご存じのとおり,合計特殊出生率は,約20年前の1979年で1.59,一昨年が1.05ということで,大変な数字に落ち込んできていて,ここ数年で1%を割るのではないかというような状況に至っていると。全国的にはご存じのとおり1.34で,札幌市は全国平均に比して0.29低いと。あるいは,全道平均でも1.20ということで,これまた0.15低いと。大変な事態だという状況は,お互いに確認することができるのではないかという受けとめでございます。
さて,そこで,とりわけ少子問題で先進的に取り組んできたと言われる北欧の国々の中で,例えばノルウェーなどでは,1.32という段階で非常事態を宣して,現状では1.8まで特殊出生率を引き上げてきた。あるいは,スウェーデンでは,1.61という状況から少子対策を具体的に施策化する中で,2.13というところまで引き上げをしてきたという状況でございますが,まさに世界に類例のない形での1.05,このひずみは,これからどう出てくるかという点を考えていけば,ぜひそうせねばいかぬということになろうかと思うのです。もう既に年金の支給年齢65歳ということや,医療制度の自己負担額を上げるというようなことを含めて,何とか病院通いを抑制しようというような動きが出てきているとかというようなことで,戦後55年間続いてきた社会システムというものが,まさに崩れてきている。そして,これからさらに進んでいくという状況の中で,よりそのことが深刻になっていくのではないか。しかも,団塊の世代,いわゆる昭和23年生まれの人があと18年後,70歳になることだけは確かですから。
しかし,北欧の少子対策というのは10年サイクルで,最低,その年月を経て一定の克服を具体化してきている。しかし,ここまで落ち込んできて,10年サイクルで一定程度の出生率ということを確保することができるかどうか,並大抵なことではないということを重く受けとめるとすれば,今時点で市民の皆さんにそういった宣言をして,何をさておいても,まずこのことに一定の優先順位を与えていくというような形で,施策の展開をしていくような考え方に立つべきではないのか,こう思います。
しかし,一方で,札幌市は,去年から,札幌市社会福祉審議会の中で,いわゆる札幌市の少子化への具体的対策についてということで諮問をしておりまして,およそ2年をかけて議論をし,結論を出していただこうと。2年もかけてというところが,僕は問題ではないか,こう思っているのですが,少なくともそういった状況をできるだけ先取りするような形でやっていかない限り,もう先がないというところまで来ていることを重く受けとめて,非常事態を宣して,少子対策というものをすべての分野で展開していく,そういう役割が企画調整局としてまさにあるのではないかと。人口構成が急激に変化をすることが,さきに言ったような都市の矛盾という形で出てくるわけですから,都市の矛盾に立ち向かう,そういった施策を立てる企画調整局が先頭に立って,各部局の調整を図って,市民の期待にこたえていくという姿勢であるべきだと,こう考えますが,いかがでしょうか。
◎波田 企画部長 少子化の進行は非常に厳しい状況であって,これが札幌市の社会経済にも大きな影響を及ぼすということにつきましては,委員のご指摘のとおりで,また,長期総合計画においても十分認識してございます。
また,ご質問の中にもありましたように,札幌市では,昨年9月に社会福祉審議会に諮問をしてございます。現在,月1回のペースでさまざまな角度でご議論がなされているということを聞いておりまして,まさに13年度末の答申を目途ということになっているようでございます。ちょっと長いというご指摘がございましたけれども,ただ,少子化対策専門分科会というのが設置されておりまして,答申の前にここからの中間的な報告,あるいは緊急的に出される提言ということも十分予想されますので,その場合には,13年度末を待たずに,企画としてもこれを尊重しまして,ただいまの非常事態の話もございましたけれども,そのご提言の趣旨も踏まえながら,効果のある施策の推進に向けて,全市的な視点に立って積極的に対応していきたいというふうに考えております。
◆猪熊輝夫 委員 趣旨に沿うというような形でほやほやと答弁されても,困るのですよ,本当に深刻な話なのだから。僕は,少なくとも,中間的報告があるかもしれないという話があるのだけれども,中間でもいいからぜひ出してくれということで,緊急提言を出してほしいというようなことを積極的に求めていくというような行動をとりながら,しかも,施策を展開していくときに,他の施策と同じような並べ方ではなくて,あえて一段上げる,その理解を市民に求めていくというようなことを含めてやることが,効果を倍増させていくと,いわゆる市民の理解をしっかりと全体化させることができるのだというような考えを持ちますし,また,こういったことが,先行き不安の一つとしてあるとすれば,宮沢大蔵大臣,僕は今,何大臣というのかわかりませんけれども,やるべきことはすべてやったので,内需の拡大があれば景気は必ず上向いていくのだというようなことをよく言われますけれども,今のようなことを含めて先行きの不安がある限り,なかなか内需拡大というような行動が展開されていかないことになるのでないのかと,僕はそう思えてなりません。
それから,もう一つは,きのうからきょうにかけていろいろ議論されているのですが,いわゆる行政改革あるいは民間下請,このことが札幌市の財政をあたかも立て直して,市民の期待にこたえることができるようになるのだと,こういう言われ方をしておりますが,皆さんご存じのとおり,民間企業がリストラをして,マイナス成長でも決算で黒字にするという形をやって,企業が赤字を克服しているという状況です。一企業が極めてエゴ的に黒字というものをつくるという点では理解できると思いますが,全国的に自治体が下請・民営化というような形で展開をしていって,バブルがはじけた後,車の回転が逆回転を始めたものを,逆回転をとめて,回転をすべて正常な形にするというようなことにはなっていかないのでないかと。
私は,行政改革すべてを否定するものではありません。しかし,今,内需を高めていくという点でいけば,付加価値の高い企業を具体化して失業者をなくしていくというようなことを先に出し,住民税や法人市民税というものをしっかりと納めていただくという形の中で財政を確立して,市民の期待にこたえていく。そして,将来への安心というものをしっかりと受けとめていただけるようにしていかなければいけないのでないかと思えてならず,黙って話を聞いていたものですからあえて言いましたが,こういった問題等を含めて,少子化の問題というのは,内需を高めていくための極めて重要な要因として,将来の不安というものを取り除く一つの大きな施策としてあるのではないか,こう思えてならないものですから,ぜひ積極的に展開をしてもらいたい。
そんな意味で,先ほど言った,こちらから出てくるかもしれぬという傍観的な立場ではなくて,求めていくというような形で,この少子問題というのは取り組むべきではないかと,こういう思いを強くしているものですから,魚住助役に,そういった点で,市民の本当の不安にこたえるというのは,おまえの言うことはよくわかると,ぜひそうしたいというような形での答弁を求めて,質問にします。
◎魚住 助役 少子化につきましては,私どもも本当に心配をしております。特に,1.05ということで,2.08なければ今の人口が維持できないわけでありますから,その半分になっているということは,本市の将来に向けての街づくりに対しても,将来の発展のためにも,これは大きな課題であると,こうとらえております。
今,お話があったように,私どもも同じ考え方でおるわけでありまして,審議会に諮問をしているわけでありますけれども,今のお話の趣旨を十分体して,この審議会に対してもそういう考え方を,ひとつこちらの方からもお話をしてまいりたいと,こう思っております。
◆猪熊輝夫 委員 審議会に余り干渉してはいけないことを承知しておりますから,そういう自主性を尊重しながら,しかし,事が事だけに急いでほしいという申し入れ。それから,僕は,非常事態ということを宣してはどうかと,こう言ってきたのですが,そのことについて,なかなか趣旨は理解するの域を越えません。それで,本当にそれは大変なことだから,おまえの言うようにやろうというような思いがあるとすれば,どういった特殊出生率の数字が出てきたときにそういうような決意をするということになるのか,そんな点でお答えいただけることができるのであれば,ぜひ聞かせてくれませんか。
◎魚住 助役 少子化の問題というのは,大変難しい問題だと思います。特に,私ども年をとりますと,少子化を大変重大に考えておりますけれども,それに一番関与できる年代の方々はなかなかそういうぐあいに考えていないということもあると思いますし,また,そういう社会環境をつくるというのは,どういう方法がいいのか。
今,外国の例の数値がありましたけれども,外国の施策については,うちの方でもそれなりの部局で研究をしておりますが,国全体の問題もあると思いますし,どの時点でそういう宣言をするかというお話がございましたが,今,ここで,即座にこの時点でどうだということは申し上げることはできませんけれども,重大なこの問題に対応していかなければならないという姿勢についてご理解をいただきたいと,こう思っております。
◆猪熊輝夫 委員 そこで,若者たちが,なぜ今,産み育てたいという思いを具体化するというところまでいかないのかという点では,少し触れさせていただいたと思うけれども,やっぱり一般的に先行き不安,経済的不安,これはとっても大きいと言われている。だから,そういうようなことを含めて,社会的に産み育てやすい環境というものをどうつくるか。そこを優先して,一定程度,社会資本を投下していかなきゃならぬということになるのですが,それを市民にしっかり理解していただくという点で,このままいったらどうなるということと,それから,ぜひ産み育てたいと思う方が本当に産み育てやすい環境というのは,ここまでしなければなりませんと,しかも,地方自治体はここまでできますと,道や国はここまでやってもらわなければなりませんと,したがって,国に対してもこう言い続けていきますが,私どもでやれる範囲はしっかりとやって,皆さん方のご理解を求めていきたいというようなことをしっかりと打ち出していくことが自治体の責任だと,僕は強くそう感ずるものですから,あえてそのことを本当に決意をしてやっている姿を市民にわかっていただくためには,そういう行為を宣して,行政を具体化していくということが大事だと思い,あえて言いました。
でも,先輩が,貴重なご意見をいただいて,それを後々に行政の若い者がしっかりと受け継いで,具体化してくれることを期待して,少し意見を述べさせていただきましたが,終わります。
◆松浦忠 委員 3点について質問いたします。
最初の質問は,何度か再質問しなきゃなりませんので,分けて質問させていただきます。
まず,
エア・ドゥ支援とPMFの関係についてなのでありますが,札幌市は,PMFの有力支援団体として日本航空に支援いただいております。あるいはまた,コンサドーレなどには日本航空から職員も派遣してもらっていると。日本航空には,そういう意味で,札幌市の事業に大変協力をいただいていると。
一方で,今回の
エア・ドゥの関係で,札幌市の出張など含めて,今65%ぐらい乗っていると。できるだけ職員は乗るようにということで肩入れをしていくということなのですが,そういうことになっていくと,一方では日本航空にいろんな意味で札幌市の事業に協力してもらっていて,一方では乗る方にはそっちに乗らないでこっちに乗れというような号令をかけていくというのは,日本航空に対して,私は非常に申しわけないことではないのかなと。札幌市の事業に協力をしてもらえば,応分に札幌市も利用をしていくという,こういうことが世の中一般の物の考え方でないのかなと,こう思うのですが,この辺についてどのように考えておられるのか,まずお尋ねをします。
◎星川 プロジェクト推進担当部長 委員のご質問でございますけれども,札幌市が関連するいろんな事業あるいは企業とJALとの関係があり,一方では,札幌市は今回融資もし,職員の利用も促していく,その関係が裏腹でないかなという,そういう意味だと解釈いたしますけれども,私どもといたしましては,日本航空と例えばコンサドーレ札幌,それからPMF,その関係は,それはそれで,日本航空がコンサドーレあるいはPMFに,その事業あるいは企業そのものに理解を示されて協力をいただいているものだと思っておりますし,私どもといたしましては,日本航空との関係はそういう関係でとらえていくべきであろうと思っております。今回の
エア・ドゥに関しましては,全体的に市民への貢献があるという観点から,
エア・ドゥに対しては価格競争の中で,3社との競争の中で頑張っていってもらいたいと。日本航空と札幌市,あるいは札幌市に関連する企業との関係というのは,そういう関係であるというふうに思っております。
◆松浦忠 委員 物は言いようでありますから,今の
エア・ドゥを担当している星川部長の立場ではそう言うのでしょうけれども,私は,必ずしもそういったようなことだけで終わる話ではないのでないかなというふうに思うのです。
この点について,助役,今,星川部長はそう答えたけれども,市長の立場として,PMFはずっと前からやっているわけですね,コンサドーレもこの問題の先からやっていると。そうしたときに,私は,必ずしもそうもいかぬ面があるのでないかなというふうに思うのですけれども,その辺はどう考えていますか。
◎魚住 助役 PMFというのは世界的なお祭りだということで,日本航空につきましても,これに協賛している企業にしましても,そこに関与しているということで企業イメージが非常に高まっているという,そういう効果があると思います。
また,札幌のPMFに例えばJALが出すということは,JALにいっぱい札幌市民も乗っているわけですね。そういうことで市民に還元していくと。
我々が
エア・ドゥにシフトしているというのは,職員に対してそういうことを申しているのであって,市民に対してそういうことを言っているわけではありませんので,こういう大企業でありますから,高い次元で物を判断されて,それでPMFに対しても今までと同様なご支援があるものと,こう考えております。
◆松浦忠 委員 職員に対してということですけれども,札幌市あるいは道が税金を投入することによって運賃を安くするということは,結果的に
エア・ドゥを,一企業を支援していくということになって,市民も当然安い方を利用するということになって,当然,日本航空としては困ったなということになっていくわけですよ。
これは,近視眼とか遠視ではなくて,PMFも立ち上げるときに大変な苦労をして,そして,なかなか協賛というのが文化的な事業については集まりづらいというときにも,ああやって協力をしてくれたということになれば,それなりにお互いの関係というのを築いていかなかったら,私は,今後ともやっていかれぬと思うのですよ。
そういう意味で,私は,余り過度に,何が何でも
エア・ドゥでというような立場を札幌市がとり続けるということは,他の航空3社に対しても,ほかは,今,具体的な協力というのを特に持っておりませんけれども,日本航空については,そういうことがあると思うのですよ。したがって,札幌市がその辺のことも考えた上で,今後どう対処するのかということもしていくべきでないのかなと,私はこういうふうに思うのですよ。したがって,あえて大号令をかけてと,こう言っていますから,日本航空との関係で言えば,そういうことかなというふうに思うので,ぜひそういうことも十分配慮した上でやるべきでないかなということを申し上げておきます。
それから,5億円の出資については,私は,以前から,民間企業に対する支出というのはやっぱり――どうしても民間でやっても成り立たないもの,成り立たないから,市民の生活上どうしても不可欠なものについては,いわゆる第三セクターでやってきているわけですね。したがって,私が思うには,今の
エア・ドゥのあり方は,利用実態からいっても,税金まで投入してやっていくような,それだけ大多数の市民が利用するということではないと思うのです。そういうことからすると,私は,3億数千万の現在の出資,あるいは13年度の予算案に盛られている出資などもすべきでないという考え方に立っております。
そんなことからすれば,私は,この点については恐らくこの議会で可決して出資されるだろうけれども,1期の出資で終わりにすべきだと,本来,出資すべきでないと。
それと,もう一つは,先ほどの質問では第2抵当だというような話が出ましたけれども,
エア・ドゥを見る限りは,担保に取るような資産というのは現実にはないわけでありますから,そんなことから考えると,ここはちょっとどうなのかなと。
先ほどもちょっと話しましたけれども,商工会議所の常議員などをしている方何人かとお会いしたら,皆さん一様にこう言うわけです。どうせやったってうまくいかぬぞと,そんなうまくいく話ではないと,競争してずっと生き残っていくなんていうことになり得ないと,こう言っているわけですね。したがって,先ほどもちょっと石子さんとの話の中で言いましたけれども,個人的に,それぞれが経営している企業が出せといったら,出すと言う人はいなかったと。たまたま商工会議所は財政豊かで,積立金などがたくさんあるから,そういう中から7,000万出すのならしようがないなと,こういう話になっていたよということなのですね。
したがって,こんなことから考え合わせていくと,私は,この問題は,本当に慎重に考えてやっていくべき問題だというふうに思うので,市長は,出すということでこの議案を提案しているのですから,答えを求めても,恐らく,そうは言われても私の考え方はこうだということで出しますで終わると思うので,あえて答えを求めませんけれども,私の意見を申し上げておきます。
最後に,今,札幌市にはたくさんの建物があるわけですけれども,建物の建てかえの時期について,コンクリートだったら60年だとか,それぞれ耐用年数があるわけですが,これからの先行きを考えていくと,相当数の建てかえが出てくると思うのですね。
一方で,市の借金については,きのうも議論したように,減っていくなんていうことはまず考えられないと。なぜ考えられないかといえば,市債の,借り入れた金の満期が来たときに返す積立金を見ても42%しか積んでいないと。58%のうちの何ぼかは,その年度でやりくりして返すものもあるかもしれないけれども,58%の大方は,恐らく市債の再発行をして,借りかえでまた延長していくということになるのでないかなと。今,皆さんはいろんな絵をかいていますけれども,計画した絵どおりには,今までもなかなか来れなかったし,これからも,私は,行くことが非常に難しいのでないかなと。
そういうことから考えると,建物全体をできるだけ延命すると。例えば市民会館などだって,耐震診断しているのですかということをお聞きしたら,耐震診断はしていないと言うのですね。あの市民会館だって,今,この年度で建設を前提にして検討を始めると市長が答えているわけですけれども,私は,それも含めて,どれだけ延命して,そして,どういうふうにしていくかという策定を早期にして,また,かかる費用などの算定も5年というだけでなくて,建物全体の,例えば10年なら10年,15年なら15年先ぐらいまでのものを見越して,明らかにしていくべきでないのかなというふうに思うのですが,この点について,まず,現在どのように取り組んでおられるか,お尋ねしたいと思います。
それから,もう一つは,先ほどPFIのことについていろいろ質疑がありました。私は,PFIについて言えば,いわゆる民間活力ですね,民間資金を導入してやるということについて言えば,余りやるべきでないと思うのです。なぜやるべきではないのかと言うと,結局,一つの建物を民間につくってやってもらうということになったら,当然,耐用年数はコンクリートで60年間ぐらい,その間札幌市が間違いなく借り切るよというような契約のもとで始まらなかったら,建てる側の民間の人もやれないわけですね。
現在,民間の不動産なんかは,例えば店舗なんかを不動産業の人が建てて貸すと,例えば,15年なら15年の契約で償還するということで契約してやるのだけれども,入っている方が倒産してしまったら,契約していてもどうにもならぬわけですね。市の場合には倒産ということはないだろうなと今の時点ではみんなそう思っているのだけれども,そうすると,60年なら60年ということで,それを数多くやっていくと,固定経費が,いわゆる長期的な義務的経費が確定されてしまうということで,だんだん財政的にも大変になってくるのでないかなと,私はそう考えているのだけれども,市の理事者の方では,民間資金の活用についてどんな見通しを持って対処しようとしているのか。法律的な枠の中の話は別にして,足し算,引き算のところでどう対処されようとしているのか,ひとつお尋ねをしたいと思います。
◎波田 企画部長 まず,最初のご質問でございます公共施設の建てかえに対する考え方ですけれども,札幌市におきましては,政令指定都市への移行時,昭和四十六,七年前後に,人口の急速な伸び,市街地の拡大ということがありまして,その時点で公共施設が集中的に整備された経緯がございます。それが次々と更新時期を迎えるということで,これらの需要に適切に対応していくことが重要な課題であると私も認識しております。
そこで,昨年5年計画がスタートしましたけれども,この5年計画の中では,適正な維持管理によります施設の延命化というものを重視し,建てかえや維持・改修費の平準化を図るために,今後,統一した基準づくり,劣化と診断に基づく施設ごとの短期・長期の保全計画の策定を行うということを目指しているところでございます。ことしは,建物保全推進協議会というのを札幌市の内部につくりまして,そこで,保全の標準的な指針となる施設保全のガイドラインの策定,協議,情報交換を進めまして,それぞれの施設保全の取り組みを推進していくという状況にございます。
次に,PFIでございます。
PFIの形態はいろいろございまして,60年というPFIというのは,まだ私は聞いたことがないのですけれども,20年,30年というのは,大体一般的のようでございます。
この中で,途中段階でいろんなリスクが何回か出てくることが想定されますので,それはすべて契約時における契約事項で,可能な限り取り決めておくことが必要になってくるというふうになってございます。
札幌市がPFIというものに関心を持っておりますのは,先ほど,先生もおっしゃられたように,やはり財政状況が逼迫する中で,民間の活力をいかに取り入れるかというところを主眼としたものでございまして,経営上のいろんな課題というのは,その事業ごとによって違ってくると思いますけれども,基本的には,5年計画においてもPFIを初めとする民間活力の導入を進める,それから,公共施設についても有効活用あるいは複合化の推進をするというような視点で,効果的な街づくりを進めていきたいというふうに考えております。
◆松浦忠 委員 建物の長期的な改修,建てかえ計画など,延命措置などを含めたものについては,相当長期の,特に札幌市が急膨張,人口が急激にふえた40年代ぐらいのものまでを想定して,今の段階から策定し,そして資金的には,今の段階の算定と,その時々の物価指数で変わるとしても,そういうものを明らかにする中で想定して,どういうふうに延ばしていくかというものも,長期的には計画段階として明らかにしていくべきだと思うわけですけれども,どのぐらいまでのことを今想定して取り組もうとしているか,その点をお尋ねしたいと思います。
それから,PFIの関係ですけれども,私は,なぜ余りやるべきではないと申し上げるかといったら,結局,これも先ほど話したように,一たん始まってしまったら,それは10年でも20年でもいいのですよ。しかし,事業者の人は,例えば鉄筋の建物を建てて20年契約にすれば,20年間で建設費の回収ができるような契約になるわけですよ。そうすると,年度年度に払う賃料というのは高くなっていくということになるわけですね。そして,それが終わったときに,今度は,逆に札幌市はそれをどうするのかということになると思うのです。
そういうことから考えると,私は,PFIという手法でどんどん数を建てていくと,結局,高い使用料を払って,建設費ほどの借金は一回にしないけれども,例えば札幌市が鉄筋コンクリートのを建てれば,60年の耐用年数で建てるわけですね,そうすると,単純に言えば,60分の1ずつ払っていくとゼロになる,こういう仕組みだけれども,それが20年になれば,3倍の金を払って,20年終わったところでその建物の使用をやめるのか,あるいは,30年だったら30年でやめるのか,あるいは,さらに継続するのか,こういうことでまた費用がかかっていくと。こういうことになるから,結果的には高いものになっていくのでないかということになるわけですよ。そういうことからすると,私は,PFIというものは,一時的に民間の力を借りて,そして,自治体としては,結果的には借金がふえていくという,経費が余計にかかっていく結果になるというふうに思うわけですよ。
したがって,そういうことからすると,私は,余り多く取り入れるということではなくて,むしろ自前で建ててやる方向で財政をきちっと運営していく。そして,建てるに当たっては,できるだけ,どうやったら安くできるか,どうやったら安く運営できるかということを追求していくということの方が間違いなのでないかなと。
例えば,なぜイギリスなどで公共施設にこういう手法が取り入れられたのかといったら,役所が建てること,運営することに対して,経費がかかり過ぎて,それがなかなか役所みずからの手で改善できないと。こういうことから,イギリスの一つの改革の中でこういうものが取り入れられたわけですね。
今,本市などは,役所の中でも結構いろいろな改革をしてきて,経費も抑えてきておりますから,そういうことから考えたら,少なくとも鉄筋だったら60年,木造なら何年という今の耐用年数,この長さの中で契約していくのなら別だけれども,それが20年,30年という短縮された中で契約するとすれば,結果的に経費は割高な負担になっていくというふうに思うので,ぜひひとつこの点について十分検討いただいて,今,手稲の方の火葬場が具体的になってくるでしょうけれども,そういったことを検討していただいて,その上で活用していくと。
民間の方が役所との間に参画するということは,少なくとも利益が出ないことには,やらないわけですから,応じてこないわけですから,したがって,そういう点についてぜひ十分に考えて,そして,案がまとまる段階でまた質疑をしたいなというふうに思います。きょうは,PFIの中で,数字で言われていない部分を私は指摘して,検討の材料にしていただきたいということで申し上げておきたいと思います。
○道見重信 委員長 以上で,第2項 企画調整費の質疑を終了いたします。
次に,第7款 土木費 第4項 都市計画費の質疑を行います。
◆宮川潤 委員 景観形成に関して質問します。
円山,宮の森のマンション問題では,風致地区の周辺,隣接部の高層建築物と景観との関係が改めて問われ,住民と建て主との間で激しいトラブルとなりました。新たなトラブルの発生を未然に防ぎ,良好な景観を保全する対策が求められております。
ところが,この周辺地域において,この後もトラブルが連続していることは問題であります。すなわち,丸増がまた新たに建築を予定しているマンションは5階建てということでありますが,場所が風致地区内であることから,近隣住民が3階建ての分棟への設計変更を求め議会陳情の動きもあるようです。住友が新たに計画している15階建てマンションは,住民が10階建てに設計変更を求めて,これもまた議会陳情の動きがあるそうです。さらに,別の建設会社が進めている15階建てマンションでも,景観に加え日影も問題になり,近隣住民とのトラブルとなっております。最初に触れました円山,宮の森の問題から,風致地区周辺の景観問題が教訓化され,十分な対策がとられていたなら,このようなトラブルも未然に防止できたのではないかと思うと,大変遺憾に思うところであります。
このように,近い地域内で似たようなトラブルが連続し,後を絶たない現状をどう考えておられるのか,伺います。また,行政の対応が後手に回っているとは思わないのか,伺います。
次に,都市景観基本計画が策定されましたが,この計画に基づく都市景観行政の推進について伺います。
基本計画では,都市景観の意義を,この街に住みたい,住み続けたい,再び訪れたいと感じさせる都市の魅力であり,街に対する愛着やふるさと意識をはぐくむことができるものです。そして,都市の将来を担う子供たちの豊かな感性を育てる上で大切なものです。また,次の時代へ継承されていく市民共有の財産とされています。こういう意義づけをされながら,景観形成地区の指定はいまだ2地区,すなわち,大通と駅前通北街区のみとなっております。今後,景観形成地区の指定をどういう地区にどういうペースで進めていくおつもりか,伺います。
◎千葉 計画部長 マンション問題についてでございますが,1点目の,現在続発しておりますマンション問題をどう受けとめているかというご質問についてでございますが,円山地域で,現在,幾つかのマンション問題が起こっているということについては承知いたしております。地域住民と事業者との自主的な解決に至っていないということにつきましては,私どもとしても憂慮しているところでございます。
次に,円山,宮の森地区では,昨年,陳情が出されましたけれども,その後の行政の対応が後手に回っているのではないかというご指摘でございますが,円山地区,宮の森地区の両地区に関しましては,昨年10月に議会陳情が採択されておりまして,その後,両地区とも地区計画の策定に向けて,現在,検討を進めております。
具体的に申しますと,円山地区につきましては,地区計画の合意形成のあり方,協議会の結成方法,対象区域の考え方などについて,陳情代表者や町内会役員との数度の協議を行う中で,先月中旬でございますが,陳情者の代表,町内会役員,地権者などの有志が集まりまして,地元で第1回目の話し合いが持たれております。権利制限を共有することになります地権者を中心とした準備会を立ち上げまして,合意形成を推進していくとの確認をしております。
また,宮の森地区につきましては,多少おくれてはおりますけれども,陳情代表者との間で,円山地区と同様に進めるよう協議を進めております。これら2地区につきましては地区計画策定に向けて鋭意努力しておりますので,ご理解いただきたいと思います。
また,両地区以外につきましては,地区特性や土地利用の状況などを勘案し,他の都市計画手法も含めながら,必要に応じ,検討してまいりたいというふうに考えております。
それから,2点目の景観形成地区の指定の考え方についてでございますが,景観形成地区の指定につきましては,本市の代表的な景観軸であります大通地区,駅前通北街区などを指定しておりまして,建築物等に関する届け出制度により,都心部の快適な都市景観の創出に努めてきたところでございます。また,現在は,交通拠点であるJR札幌駅周辺の開発構想の進展に合わせ,平成14年度内の地区指定に向けて準備を進めているところでございます。さらに,道庁赤れんが周辺につきましても,民間プロジェクトの動向を踏まえながら,調査の準備を進めているところでございます。これも,今5年計画の中で指定を目指してまいりたいと考えております。
今後の取り組みにつきましては,都心部の時計台周辺であるとか,植物園周辺あるいは創成川周辺などの候補地区を順次進める予定でおります。
以上でございます。
◆宮川潤 委員 基本計画では,優先して都市景観形成地区に指定した大通と駅前通北街区について,効果的,先導的な景観形成をしたとし,これからも地区指定を拡大し,積極的に景観誘導を進めたいとしています。ところが,指定されているのは,現在のところ,この2地区だけで,大通が指定されたのが1988年,駅前通北街区は92年で,その後9年間,新たな地区指定はなく,ようやくJR札幌駅南口周辺が検討中という状況でありますから,地区計画で言っている地区の拡大を,積極的に景観誘導を進めるという取り組み状況にはなっておらず,取り組みの抜本的強化が必要であります。
地区指定に当たっては,建築物の所有者を初め,関係者,市民との十分な協議が必要であるだけに,今後の計画として上げられている道庁周辺,植物園,時計台周辺,創成川周辺については,早期に協議を始めるなど,具体的に手をつけなければ何も進まないということになります。まず,これら4地区の形成地区指定に向け具体的取り組みを開始すべきと思いますが,今後の取り組み強化について,お考えを伺います。
また,これら4地区以外についても,形成地区指定に向けた検討を進めるべきと思います。
基本計画では,市内に八つの景観ゾーン,都心景観ゾーンや都心周辺,平地の市街と郊外,丘陵の市街と郊外,山ろくの市街と郊外を決め,それぞれ景観形成の基本方針が定められています。このゾーン構想を生かすために何をされるおつもりか。また,それぞれのゾーンに先導的役割を果たす形成地区の指定を検討してはどうかと思いますがいかがか,伺います。
◎千葉 計画部長 景観形成地区の今後の進め方でございますけれども,先ほどお答えいたしましたとおり,JR札幌駅周辺につきましては,平成14年度内の指定を目指しておりまして,その他の地区につきましても,順次,拡大の検討を進めてまいる考えでおります。そのために,新年度から,組織の体制強化も予定しているところでございます。
また,景観基本計画で言われている八つのゾーンの今後の景観誘導についてでございますが,お話のありました景観形成地区も一つの方法でございますが,そのほかさまざまな手法が考えられますので,これにつきましては,地域の皆さんあるいは関係者の皆さんの意向を踏まえながら検討してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆宮川潤 委員 山ろく市街の景観ゾーンについてでありますが,基本計画で,国の文化財,天然記念物にも指定されている藻岩山,円山など,一帯の緑を守る育てましょう,主要幹線道路のアプローチ景観を整え,豊かな自然景観の印象を高めましょうとされていますが,どう進められるのか,具体策を伺います。
この景観形成の方針を本当に生かす対策が進められていくなら,最初に申し上げたような,景観をめぐって,高層建築物に関する住民トラブルを未然に防ぐことができていくのではないかと思うのであります。そういう点からも,トラブルが続発している円山周辺に形成地区指定をすべきと思いますがいかがか,伺います。
◎千葉 計画部長 円山周辺地区についてでございますけれども,昨年の陳情が出されたときの総務委員会でもいろいろご議論がございました。私どもといたしましては,景観形成地区あるいは景観協定等,景観条例の中でいろんな仕組みがございますけれども,いずれも助言・指導というような形をとりながら誘導していくという考え方でございます。円山周辺のように,低層住宅地もあり,あるいはそういう中高層のニーズもあるというようなところにつきましては,特に建物の高さ等が問題となる部分でございますので,そういう部分については,都市景観条例第11条にありますように,法的拘束力のある都市計画法あるいは建築基準法の諸制度を活用しながら,景観誘導を行うことが適切であるということでございます。
そういう観点で,現在,円山,宮の森地区につきましては,陳情代表者の理解も得ながら,地区計画の検討を進めているところでございます。
以上でございます。
◆宮川潤 委員 そういう方法でしか進めていないので,最初に質問をしたときに,合意形成についてもこれから進んでいくかのような言い方だったと思いますけれども,つまり,昨年からかかって,まだ合意形成できていないという事態ですよ。だから,問題も次々起こってくるのですよ。宮の森は,それよりもっとおくれているということではありませんか。
昨年,総務委員会に陳情がかかって,いまだ合意形成には至っていないと。そこへ,次々と,今度は似たような場所で似たような問題が起こってくると。最初の答弁で,こういう事態については憂慮しているということでありました。憂慮しているのであれば,直ちに手を打つべきというふうに私は思いますよ。
昨年の円山の陳情でも,京都や金沢の条例を先進都市の例というふうに評価しています。本市景観条例をより実効力のあるものに改正すべきと思いますがいかがか,伺います。
◎千葉 計画部長 今の景観条例につきまして,より実効力のあるものに条例改正すべきというご質問でございますけれども,これにつきましても,昨年の陳情の総務委員会の中でもいろいろご議論させていただきました。私どもといたしましては,例えば京都,金沢の事例も出されましたけれども,地区計画制度というのは最近の制度では一番すばらしい制度だと思っております。美観地区であるとか,ほかの都市計画的な手法もございますけれども,実は地区計画制度の中でいろいろな制限が可能だということでございますので,私どもとしては,拘束力を持って誘導する場合については,地区計画が一番適切であるというふうに考えております。
◆宮川潤 委員 景観条例と景観の基本計画について質問してきましたが,この計画の中で,都心部それから平地も対象とした計画で,それはそれで大いに進めるべきというふうに思いますが,本市の貴重な財産ということで市民の共通認識にもなっていますし,観光客にもよく知られている天然記念物の円山周辺を,高層建築物が取り囲んでいっていいのかという問題が,今,現実に起こっております。いいはずがないのです。ですから,抜本的な対策の強化ということを求めて,私の質問を終わります。
◆福士勝 委員 私の方から,3点,質問をいたします。
まず1点目は,交通バリアフリー基本構想についてであります。
本市では,これまでも福祉のまちづくり条例の施行などでバリアフリー社会の実現に向けたさまざまな取り組みを進めてきて,着実な歩みが見られるところであります。
こうした中で,国から示された交通バリアフリー法の基本方針を見てみますと,2010年を目標に重点地区を指定し,バリアフリー化を達成する,こういう形になっているわけであります。そこで,本市においても,同法に基づく基本構想づくりに来年度から着手をしていく,こういう形になっているわけでありますから,大いに期待をさせていただいているところであります。
そこで,福祉のまちづくり条例とこの交通バリアフリー法との違い,さらには,基本構想を策定する意義をどのようにとらえていくかをまずお伺いさせていただきたいというふうに思います。
2点目は,都心部における交通実験プロジェクトについてお伺いをいたします。
都心部は,当然,商業や業務など,さまざまな機能が集積をしている地域であり,また,都市の顔として札幌の魅力を端的にあらわす場所だというふうに思います。
本市では,第4次長総で,魅力的で活力ある都心の実現を目指す,こう言っているわけでありますし,そのためには,交通問題というのは解決をしていかなければならない大きな課題の一つだと,こういうふうに思うところであります。
いずれにしましても,昨今,環境問題等々も出てきて,それらの関係等と相まって早期に解決をしていくという意味では,市民の皆さんから極めて早急に求められている,こう思うわけであります。
交通混雑の解消,あるいは都心の魅力を向上させていく,そういう意味で,それらの改善策を具体的に講じてきているわけであります。都心の循環バスや,あるいは荷さばきのタイムシェアリングの問題等々,交通実験を具体的に行ってきているわけであります。平成12年度については,都心内の100円バスの問題,そして荷さばきを行う場所を区分する路上荷さばきのルール化の問題,そして共同荷さばき駐車場など,実験をしてきていることは理解をしております。
そこで,今年度の取り組みは,全体としてどのようなねらいで実施して,そしてどのようなことがわかったのか,まずお聞かせをいただきたいと思います。
それから,3点目は,稲山通の整備についてであります。
都市計画道路である稲山通は,手稲区の前田地区の補助幹線道路になっているわけであります。そういう意味では,住民の通勤だとか通学あるいは買い物など,日常生活の利用はもとより,前田地区と曙地区を連絡する道路として位置づけをされているわけであります。また,広域避難場所の北海道工業大学への避難路として重要な役割を担っている道路でもあります。
しかしながら,道路の現況を見てみますと,稲山通は昭和60年に幅員18メートルで都市計画決定されているわけでありますが,一部区画整理事業と団地造成等々を行っているところは確かに幅員18メートルが確保されているわけでありますが,しかしながら,大部分は14.54メートルの幅員しかない,未整備の状況になっているわけであります。
いずれにしましても,昨年より,この稲山通の拡張整備事業が着手をされた。沿線住民にとっては極めて喜ばしいことでありますから,早期に完成を望んでいく,当然だというふうに思いますが,ここで一つ大きな問題は,稲山通の延長部分についてでありまして,樽川通から曙通,ここも幅員は14.54メートルの一般市道であって,都市計画道路になっていない,すっぽりその間だけ抜けている,こういう実態になっているわけであります。
いずれにしましても,この区間については,手稲駅の北口から樽川通という道路を経由して,稲北高校あるいは稲西高校というバスルートになっている。この区間は新たに都市計画道路として位置づけをする,そして現在の稲山通の整備に引き続き,曙通まで拡幅を延長して道路網の整備充実化をさせる,こうあるべきだというふうに思いますが,まずお考えをお伺いいたします。
◎藤林 総合交通対策部長 私から,1点目と3点目につきましてお答えをいたします。
まず,福祉のまちづくり条例と交通バリアフリー法の違いについてでございます。
条例は,主に個々の公共施設あるいは民間施設などの建物につきまして,その整備基準を規定するものでございます。一方,バリアフリー法につきましては,駅施設を含めまして,一定範囲内について面的にバリアフリー化を図るという,そういう趣旨でございます。また,条例では,施設の新設や大規模改修の際,基準に適合していない場合には勧告や公表ができるとしておりますが,法律では,基本構想に盛り込まれた重点地区内の交通施設につきまして,バリアフリー化の義務が発生することから,これに違反した場合の罰則規定といった法的拘束力が付与されている点などに違いがあるものであります。
次に,策定の意義についてでございます。
基本構想を策定し,重点地区を指定することによりまして,バリアフリー化推進の目標が明確になるとともに,一体的かつ重点的な取り組みが行われるものと考えております。また,福祉のまちづくり条例と連携することによりまして,バリアフリー法の及ばない周辺施設の整備も行われることとなりまして,総合的なバリアフリー化が図られるものと考えるところであります。
次に,稲山通の延長についてでございますが,樽川通から曙通間の延長につきましては,お話にもありましたとおりバス路線でもあり,また,今後,周辺開発やそれに伴う人口集積による交通量の増加も予想されますことから,これらの進捗状況に合わせまして,都市計画決定の可能性につきまして検討してまいりたいと,このように考えております。
◎横山 交通環境担当部長 2点目の都心部の交通実験について,私からお答えをいたします。
まず,12年度実験のねらいでありますが,都心内100円バスあるいは路上荷さばきのルール化などの複数の実験を,時期や場所を合わせて実施することによりまして,公共交通機関を優先する車線,荷さばき車など業務車両が利用する車線など,道路利用のルールを総合的に提案いたしまして,市民や関係者などの評価や意向を把握しようとしたものでございます。具体的には,路線バスが走行しております都心部の西2丁目,3丁目線において,進行方向の右側車線に荷さばきを集中させることにより,バスや一般車などが左側車線,中央車線をスムーズに走れるようにする。また,同時に,バスも低料金で気軽に利用できるようにしたものでございます。
次に,成果でございます。
100円バスにつきましては,10月から12月までの3カ月間行いましたけれども,1日当たり約300人を超える利用がございまして,事業者によっては,前年同期と比べまして利用者が6倍を超えるというような結果が出ておりまして,今後の事業化の可能性が見出されたことが挙げられます。
また,右側車線の荷さばきによりまして,バスは走行速度が上がり,また停留所にスムーズに停車できる,そういう走行環境の改善が図られたということがわかっております。
荷さばきの実験においては,1街区に何カ所も配送する宅配便がございますが,そういうものが共同荷さばき駐車場を多く利用する傾向がわかっております。また,路上荷さばきにおいては,一般車の違法駐車が少なくなったことによりまして,荷さばきの目的地の近くに配送の車がとめやすくなりまして,荷さばきの駐車時間が短縮されるという効果が明らかになっております。
以上でございます。
◆福士勝 委員 ただいまの答弁で,バリアフリーの関係でありますが,条例と法の関係はお互いに補完し合う,こういう形で進めていくということで,大きな意義があるというふうに思います。いずれにしましても,今回の法の関係については理解をするわけであります。
次に,JR手稲駅周辺地区についてお伺いをいたします。
現在,JR手稲駅では,駅舎の橋上化や自由通路整備などが進められておりまして,この中では,自由通路などにエレベーターあるいはエスカレーター等々が配置をされる,そして駅前広場にはシェルター等を設置する。そういうことで,着実に進んでいるわけでありますが,駅舎の中で,健常者もハンディを持った方もすべての方々が使いやすい,多機能トイレなどが設置をされる,さらには誘導ブロックの設置が行われる。総合的なバリアフリー化を図るという形でやられることになっているわけであります。
手稲駅周辺を見てみますと,北側には区役所だとか総合病院あるいは大規模の商業施設等々があって,南側には古い商店街がある。多くの人々が行き交う,こういう街になっているわけであります。そこで,今回の手稲駅整備で,バリアフリー化が終わるのではなくて,さらに周辺施設への動線確保が必要ではないか,こういう形で進むべきだ,こう思っているわけであります。
そこで,質問でありますが,この周辺地区を今後のバリアフリーのモデル地区として指定をしていく必要性があるのではないかというふうに思いますが,まずお伺いをいたします。
次に,都心部の交通実験についてであります。
今,ご答弁があったように,100円バス等々については,A社という会社は南に向かって,もう1社は北に向かってというような関係で,前年対比して6倍くらいの売り上げの伸びがあった,こういう形もありましょうし,確かにおっしゃったような荷さばきの関係等々含めて,停車している時間帯が短くなった関係等々がある。そういう意味では,実験結果というのはおおむね良好な形になっているわけであります。今年度の実験のねらいだとか成果については理解をするわけでありますが,しかしながら,これらの取り組みを振り返ってみますと,その目指すところは,我々も当然理解できるわけであります。市民や地元関係者と一緒になって改善に取り組む,そういう意味では,一定の評価をするわけでありますが,実験で取り組んできたその答えが,なかなか実現に向けて進めないということがあるのではないかと思うところであります。
いずれにしましても,都心部の二酸化窒素濃度が,昨年度,環境基準を超えたという形になっているわけでありますから,都心の交通対策も一層スピードアップが求められている,こういうふうに思うわけであります。
そこで,荷さばきなどの業務車両については,当然,都心の経済活動を支えている側面もあるわけでありますから,当然,このことも配慮して,具体策について,今後とも市民や関係者と協議をしながら進めていくことが重要だというふうに思っております。
そこで,このような観点も含めて,今後,この実験プロジェクトなど,都心の交通対策をどのように進めていくのか,お伺いをいたしたいというふうに思います。
それと,稲山通の関係でありますが,当初の計画では前田地区と曙地区を結ぶ,そんな作業の中で,すっぽりあいた区間等々については計画がなかったわけでありますが,先ほど申し上げましたように,沿線には郵便局だとか病院等々の利用者,あるいは小・中学校の児童の通学エリアにもなっている。そういう意味で,交通安全上,一日も早くこれらの関係が,先ほどの答弁等々でいくと,従来の計画にプラスをして樽川通から曙通まで含めて検討する,こういう形でありますから,一日も早い実現方をここでは要望させていただきたいというふうに思います。
◎藤林 総合交通対策部長 私から,手稲駅周辺のバリアフリー化に関するご質問についてお答えいたします。
来年度から,交通バリアフリー基本構想策定に向けました基礎調査を行う予定でございますので,この中で,地域の状況や他の事業との連携も十分踏まえて検討してまいりたいと,このように考えております。
以上でございます。
◎横山 交通環境担当部長 今後の都心交通対策の進め方についてであります。
本市における都心交通の姿を提案するものとして,現在,都心交通ビジョンの検討を進めており,この中では,歩行者や環境を重視した都心交通の実現を目指すこととしております。このビジョンの実現に向けましては,市民や関係者に具体的な施策を目に見えるような形で提案し,その効果を実体験していただく意味で,交通実験をさらにわかりやすく具体的に実施していくことが必要だと考えております。
13年度においては,先ほどもちょっと申し上げましたけれども,都心内の100円バスの南北方向に加えまして,東西方向への拡大などを検討しているところでございます。
また,経済活動を支える業務機能の確保につきましては,委員のご指摘にもございましたように,都心交通を考える上で大変重要な点でありますことから,ビジョンの中でも慎重に検討を行い,今後,関係者とも十分協議しながら具体策の検討を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆福士勝 委員 バリアフリーの関係は,選挙に間に合わないという話もありましたけれども,確かにこの関係は極めて難しい,金のかかる問題もありまして,そういう意味では,期間も長く想定をされるわけであります。確かに,来年度から基礎調査をする,そして協議会を設置して,いろんな角度で検討する。そして,関係事業者等々のヒアリングだとかいろんな形をやりながら,まず基本構想案を策定する。これが来年度だというふうに言われておりますし,さらに,14年度に重点整備地区の設定をする。当然,交通施設改善計画の策定もするわけでありますけれども,いずれにしましても,そういう形で,残念ながら時間がかかる。しかしながら,2010年という形で一つの形ができているわけでありますから,その関係を含めて,精いっぱいご理解をいただきながら,整備地区を重点的に決める,手稲地区もその中に入れていただける,そんなことを要望させていただきたいというふうに思います。
もう一つは,今,交通バリアフリー化の関係等々の中で,札幌市内に26のJR駅があるわけであります。それで,バリアフリー化の整備済みの駅というのは6駅あるわけでありますし,そして,バリアフリー法で,1日乗降客が5,000人以上の駅についてバリアフリー化を早急に進めなさいと,こういう形になっている。この5,000人以上の関係では,11駅が該当するわけであります。当然,この中には,琴似だとか新札幌のように,上りのエスカレーターのみしか設置をされていない,一部だけ整備をされているという駅もありますし,5,000人をクリアしている中で未整備駅が9駅ある。しかしながら,手稲駅は13年度に整備を予定しておりますから,そういう意味でも8駅残っているという現状にあるわけであります。
いずれにしましても,こういう状況下の中で,高齢化社会の関係等々含めて急がれる,しかしながら,財政には限界がある。こういう形になるわけでありますが,今求められているのは,やはり市民の皆さんの快適な生活を支える。そういう意味では,早急な対応方が求められているわけでありますから,積極的なバリアフリー化の関係の推進を強く要望して,質問を終わります。
◆小林郁子 委員 私は,路面電車の活用方策についてお伺いをいたします。
路面電車につきましては,本市の第4次長期総合計画におきましては,このようになっております。高齢化社会や環境低負荷型社会に対応した人や環境に優しい交通機関として,その機能の向上や拡充について検討するとあります。路面電車につきましては,それだけにとどまるものではないと思います。これから,少子高齢社会では,地域における生活というものが重要になってまいります。路面電車の特徴といたしましては,地域生活に密着しているということですので,地域生活の地域の活性化を促していくということも,十分に路面電車の役割としてあると思っております。
路面電車の活用方策につきまして,98年度に,路面電車活用方策調査検討委員会から,その方向性について調査結果が出されております。その結果報告によりますと,まず路面電車の現状では,現在,1路線で8.5キロメートルですが,日平均利用者数が2万4,000人と,横ばいあるいは下降傾向にあるということであります。また,現状の課題としましては幾つか挙げられておりますけれども,一つには,評定速度の向上ということがあります。全走行時間のうち,実際に走行しているのは58%ということですし,残りは信号待ちと乗降の停車であります。
また,二つ目には,高齢者や障害のある方への対応ができていないと,つまりステップが高い。それからまた,車いすの対応が不可能であるということです。そして,今後の検討課題としましては,ループ化と都心部周辺の延伸,それからまた,既存路線の機能向上策ということが挙げられております。
このような調査結果を受けまして,99年度には,市政世論調査を行っておりますし,また,今年度,路面電車と密接にかかわって暮らしている住民へのアンケート調査,それから都心部障害者へのアンケート調査を行っております。
そこで,質問いたしますけれども,まず,一定のエリアに係る住民へのアンケート調査を行ったわけですが,市としてはその結果をどのように受けとめていらっしゃるか。そしてまた,あわせて,この調査結果を踏まえて,新年度はどのような対応をなさるおつもりか,お聞きをいたします。
◎藤林 総合交通対策部長 路面電車のご質問でございますが,まず,1点目の調査結果についてどのように受けとめているかということでございます。調査結果につきまして若干申し上げますと,まず,沿線市民アンケートの結果につきましては,これは複数回答でございますが,路面電車のイメージについては,街のシンボルであるといった声が最も高く,次に,環境に優しいというイメージが53%ということでございました。
それから,今後の施策別の必要性についてのご質問に対しましては,ループ化を望む割合が70%と,非常に高いものがありまして,次に機能向上が69%と,ほぼ同じくらいの高さのニーズがあることがわかりました。このうち,機能向上策につきましては,低床車両の導入を望む声が,結構高いものがありまして,次に電車の優先信号という結果になっております。また,年齢階層で見ますと,機能向上策につきましては,低床車両の導入を期待する部分が中・高年齢層で高く,低年齢層では優先信号に対する期待が大きいという結果になっておりまして,私どももこの結果につきましては,ほぼ予想どおりの感じを持っております。
それから,2点目の13年度の調査内容についてでございますが,路面電車の優先信号による時間短縮効果の検証であるとか,あるいは低床車両導入に向けました電停構造の検討など,そういった機能向上策につきまして検討してまいりたいと,このように考えております。
◆小林郁子 委員 今,部長からも,調査結果について,ある程度,現状については予想どおりということがありましたけれども,私も日ごろ利用していて,やはりそうかなというふうに思います。実際は,時間がかかり過ぎるということとステップの問題が大きいと思っております。
今,現状では,すすきのから4丁目までの間,所要時間46分ですけれども,そのうち,実際に走っているのは26分ということですので,これはやはり相当の改善が必要ではないかと思います。まず,そのような改善をなされていきながら,路面電車の有効性というのを高めていく,そして,今後のあり方を考えていくということが,まず順序かなというふうに思います。
そこで,お伺いしますが,今年度,これから取り組むということ,それから来年度に取り組むということをおっしゃいましたけれども,その中で,私は,机上だけで検討するということではなくて,例えば信号をある程度操作をして,実験的な取り組みをしていただけないものかどうかと。特に,朝のラッシュ時間帯にやるのが効果的だと思いますけれども,そういうことができないものかどうかということ,まず1点目,お伺いいたします。
それから,2点目としまして,今月中にまとまるという都心の交通ビジョンとのかかわりであります。
都心交通ビジョンの基本方針の一つに,都心を人と公共交通が中心の快適な空間にするということがあります。この観点から,路面電車の果たしていく役割は大きいと思いますけれども,都心交通ビジョンとのかかわりにおいて,路面電車のあり方というものをどういうふうに位置づけていらっしゃるか。実際は,今,最終的な取りまとめ中だと思いますけれども,その方向性についてお伺いをいたします。
◎藤林 総合交通対策部長 路面電車の信号を改善するということのお話でございますけれども,机上だけではなくて,実際にということかと思いますが,こういった今のお話のようなことを仮にやるといたしますと,路面電車の運行ダイヤそのものに対する影響,あるいは道路交通の対する影響,そういったものをいろいろ考えますと,課題も実際には多くあるわけでございます。
そこで,確かにそういったことの取り組みは,今後,種々具体的に検討していく必要があると考えておりますが,実験のことにつきましては,今申し上げましたような課題もございますので,この調査の中で検討してまいりたいと,このように考えております。
それから,2点目のビジョンとのかかわりについてでございますけれども,都心交通ビジョンでは,活力ある都心の実現を図るために,歩行者や環境を重視し,あらゆる人々が都心の魅力を享受できる交通体系を構築するということを基本目標としておりまして,路面電車につきましては,都心内の快適な移動手段の一つとして活用するという,基本的にはそういった考え方でございます。
以上でございます。
◆小林郁子 委員 ただいまのご答弁ですと,実際に実験するのはなかなか難しいということでありました。都心交通ビジョンにつきましても,具体的に線を引いたりなんだりすることまでは踏み込めるかどうかということがございました。そういう意味で,いろいろ今まで調査を重ねておりますけれども,今後についてお伺いをいたしたいと思います。
路面電車のあり方を探る上で課題となっている大きな2点ですが,一つはループ化の方策,一つは延伸であります。今後,2001年度の調査や検討がどのようになされていくのかということがありますけれども,さらに,最終的にどの段階までに調査を終えて,いつごろ方針がまとまるのかということをお伺いいたします。
◎藤林 総合交通対策部長 今後の見通しについてでございますが,ただいま,総合交通対策調査審議会も開催しておりまして,その中でも,路面電車について種々議論もされているところでございます。また,ただいま申し上げました都心交通ビジョンの取り組みもございますので,そういったことを踏まえまして,現在の5年計画の中で,今,お話しありました電車の活用策にかかわる基本方針を策定してまいりたいと,このように考えております。
◆小林郁子 委員 最後に,要望いたしますけれども,今まで,随分多くの調査・検討がなされてきておりますけれども,2004年度ぐらいにやっと方針が出るということでございます。
まず,現状改革から,すなわち待ち時間の解消とか,高齢者や障害のある方の乗りやすいものにしていくという,こういう取り組みをしていくことの中から,路面電車の可能性というのが見えてくるのではないかと私は思いますので,そこの取り組みを優先させながらやっていただきたいと思います。
それから,さらに長期総合計画の中で,路面電車は人や環境に優しい交通機関とありますけれども,その本市の総合的な交通体系を考える上で,設置の経費というのは,路面電車は地下鉄の10分の1ぐらいだというふうに伺っております。今後は,路面電車の発展した形であるLRTなんかについても考えてくるのでないかと思うのですけれども,そのことを含めて,積極的に検討していただきたいと思います。
以上要望して,終わります。
◆馬場泰年 委員 私の方からは,JR白石駅周辺の交通環境改善についてご質問をさせていただきます。
JR白石駅は,ご存じのとおり,昭和43年に現駅舎が完成しておりますし,函館本線と千歳線との分岐点にもなっております。そして,現在では,1日に1万3,000人弱もの乗降客がある市内でも重要な駅であります。
そこで,問題となるのは,一つは,駅舎が大変老朽化していることと,それから二つ目としては,利用客増に伴って非常に狭小になってきておること,三つ目としましては,駅舎の北側の地域の開発が非常に進んできており,人口増に伴って北側からの利用者が非常に多くなってきておると。先ほどの1万3,000人のうちの約7割方が,北側からの利用者であるというふうにも言われております。それにもかかわらず,北側には改札口がないと。したがって,一度近くの踏切を渡って南口に行き,もう一つは,歩道橋を渡って南口の駅舎に来て乗らなければ,汽車に乗れないと。そういう,非常に不便な状況になっておるわけであります。
過去には,数年前,踏切を渡っていたおばあちゃんが列車にはねられて亡くなったという,大変痛ましい事故もあったわけでありますが,そういうことからして,駅周辺地域の住民の皆さんは,地元町内会や商店街を中心として,JR白石駅周辺のまちづくり協議会というのを設立されて,熱心に勉強会とか事例視察を行っておるところであります。また,地域住民の考えを集約するために,この2年間にわたってワークショップが既に7回も開催されております。そういう中で,橋上化や自由通路などを盛り込んだ街づくりの具体的な検討案を作成するなど,ますます南北一体化を図る街づくりの機運が高まって,大きな期待を地元では寄せておるところであります。
そこで,JR白石駅舎橋上化と自由通路の整備については,JR北海道との基本的合意が形成されてきておると聞いておりますけれども,まず,その後の取り組みについて質問をいたします。
現在,駅橋上化へ向けた地元の機運が高まりつつある中で,今年度から市が中心となって,街づくりの観点で市街地総合再生基本計画の策定に着手している状況から,橋上化や自由通路整備といった白石駅周辺の核となるような基盤整備を街づくりとあわせて早急に進めるべきと考えるわけでありますけれども,今後の見通しをまずお伺いいたします。
それから,2点目でありますけれども,南口広場の拡充について質問いたします。
ことしの6月には,いよいよ札幌ドームがオープンすることとなるわけでありますけれども,新聞報道によりますと,その利用者輸送対策の一環として,JR白石駅からシャトルバスが運行される予定と聞いております。それで,予定では,JR白石駅の利用者はバスで約38台,1台60人乗りにしますと,利用者としては約2,200名からの予定になっておるということであります。現在,JR白石駅周辺では,バスの便数が1日に約270便あるわけでありまして,これに加えて,先ほどのシャトルバスが運行されますと,駅前広場のバスバースや周辺のバス停だけでは周辺道路の渋滞が考えられるでありましょうし,それによって地域生活への影響も懸念されるところであるわけであります。
そこで,質問でありますけれども,本市が目指している公共交通機関の乗り継ぎ利便性向上の観点からも,まず南口駅前広場の拡充と整備を行い,バス発着スペースを確保するべきと考えるわけでありますけれども,以上の2点について,まずお伺いをいたします。
◎藤林 総合交通対策部長 まず,1点目の白石駅舎の橋上化等の件についてでございますが,現在,白石駅周辺地区市街地総合再生基本計画の取り組みも実施しているところでございまして,こういった取り組み等と連動して,街づくりの観点から検討を進めているところであります。JR北海道と整備スケジュールや整備手法などについての協議を行っているところでございます。今後,できるだけ早くその取り組みを進めてまいりたいと考えております。
2点目の南口駅前広場の拡充の件についてでございます。
ただいま,お話にもありましたように,JR白石駅では,バスとの乗り継ぎ機能が不足していると。その拡充の必要性を認識しておりますので,今年度から取り組んでおります乗り継ぎ施設等整備基本計画の中で総合的に検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆馬場泰年 委員 橋上化と自由通路の整備につきましては,できるだけ早く取り組みを進めたいという答弁でありますけれども,地元では,かねてから工事が着手されておる手稲駅,この手稲駅は13年度で工事の大半が終わると,そして14年度ですべて完了と伺っておるところであります。したがって,手稲駅の次は白石駅との期待が以前から大変高いわけでありまして,その辺についてどのように考えているのか,まずお伺いをいたします。
それから,次に,JR白石駅の快速便の停車について質問いたしますけれども,札幌ドームへのシャトルバスについては,先ほども触れましたけれども,シャトルバス運行による多くの利用者を短時間で集中的に輸送するためには,白石駅からの新たな増発も検討する必要があると思います。また,これを契機に,快速エアポートの白石駅の停車について,JRの利便性向上を図る観点からも必要であると思います。新千歳空港への快速エアポートは,現在,白石駅に朝夕のごく一部しか停車しておりません。朝の時間帯4本と夜1本であります。そのため,周辺の利用者は,新札幌駅から乗車しなければならないと,大変不便な状況であります。
そこで,質問でありますけれども,地元住民や来訪者の利便性向上の観点からも,札幌ドームでのイベント開催時だけではなくて,常時,快速エアポートを白石駅に停車することをJR北海道に働きかけていただきたい,まず,このご見解をお伺いいたします。
◎藤林 総合交通対策部長 駅舎橋上化などの推進にかかわる再度のご質問でございますが,JR北海道のお考えもあると思いますけれども,私どもとしても,ただいまお話のありましたことと同様の認識を持ってJR当局と折衝してまいりたいと考えております。
また,2点目の快速エアポートの停車の件についてでございますが,利用の現状あるいは将来の動向なども踏まえまして,その可能性についてJR北海道へ照会いたしたいと考えております。
以上でございます。
◆馬場泰年 委員 橋上化駅舎,それから自由通路整備や,それから快速エアポート停車問題,さらには増便問題等,これらの主たるものは,いわゆるJR北海道の問題であり,それだけに,市としても対応に困難をきわめていることは十分理解をするところでありますけれども,しかし,今までご説明申し上げてきましたとおり,現地の状況を十分ご理解の上,南北の広場を含めて,手稲駅の次には白石駅と,必ずや工事着手ができるように,JRとの積極的な協議をまずここでお願いしておきます。
それから,私が,中でも懸念しますのが,イベント終了時におけるJR白石駅での状況であります。バスは約2分間隔で白石駅に到着すると,1時間で,9時台では約2,000名の利用者がそこに着くと,集中する状態になると予想されておるわけであります。それに対して,現ダイヤを見ますと,その時間帯にはわずか3本しか通っていない,これは快速も含めてであります。そうしますと,駅舎はもちろんのこと,周辺の混乱は避けられないことだと思うわけであります。したがいまして,快速の停車と増便は,欠かすことのできない重要なことではないかと思います。
このことにつきましては,市民局の札幌ドームの方で,今,JRとの交渉に入っているようでありますけれども,企画調整局といたしましても,市民局との連携を十分に図った上で万全な対応をとっていただきたいと,このことを要望して,終わります。
○道見重信 委員長 ここで,おおよそ15分間,委員会を休憩いたします。
──────────────
休 憩 午後6時5分
再 開 午後6時21分
──────────────
○道見重信 委員長 これより,委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き,質疑を行います。
◆藤原廣昭 委員 私は,計画部に関する都市計画のマスタープランについて,二つ目は,総合交通対策部にかかわる総合交通情報提供システムの実証実験に関して,大きく2点,質問をいたします。
初めに,都市計画区域マスタープランについてです。
現行都市計画法の制定から30年余りが経過し,都市への人口集中が鎮静化するなど,都市をめぐる経済社会環境は大きく変化しています。このような背景を踏まえ,2000年5月に,全般的な見直しにより改正された都市計画法が公布されております。この改正は,今後の都市計画が,今日求められている安定・成熟した都市型社会を支える上でふさわしい制度として,各都市の特性や課題に的確に対応し,一層の柔軟性と透明性を持って展開されるべきとの基本認識に立ったものと私は理解をしております。今回の法改正で創設された「都市計画区域の整備,開発及び保全の方針」,いわゆる都市計画区域マスタープランもこのような趣旨のもとで制度化されたものと推察をいたします。
質問の1点目は,この都市計画区域マスタープランが具体的にはどのような意義と内容を持った制度であるのか,また,本市としては,どういったスケジュールで策定に向けた取り組みを進めていく考えなのか,伺います。
次に,市町村マスタープランについてです。
今回創設された都市計画区域マスタープランとは別に,既に1992年の法改正において,市町村の都市計画に関する基本的な方針,いわゆる市町村マスタープランが制度化されており,本市でもその策定に向けた取り組みが進められております。
質問の2点目は,今回の法改正によって都市計画区域マスタープランが創設されたことに伴い,従前の市町村マスタープランの位置づけはどのようになるのか,あわせて,本市では,今後,市町村マスタープランの策定をいかに進めていくのか,伺います。
次に,線引き,用途地域についてであります。
先ほど来申し上げてきたマスタープランの策定と都市計画の運用との関係についてでありますけれども,個々の都市計画の展開に当たっては,マスタープランにおいてその基本的考え方が示され,それに即した運用を行っていくことが必須であります。
質問の3点目は,市街地の基本的なありようを規定する根幹的な都市計画である線引きや用途地域について,まだ明確でない部分もあろうかと思いますけれども,その見直しの時期や内容の方向性に関する現時点での考えがあれば,お伺いいたします。
以上,最初に3点,お伺いいたします。
◎千葉 計画部長 まず,ご質問の1点目の,今回の法改正により創設されました都市計画区域マスタープランについてお答えいたします。
このマスタープランは,従前,市街化区域と市街化調整区域の区分,いわゆる線引きを実施している都市計画区域に限って策定されておりました「市街化区域及び市街化調整区域の整備,開発または保全の方針」が拡充されまして,線引きの実施の有無を問わず,すべての都市計画区域で策定される必要があるマスタープランとして制度化されたものでございます。
また,その内容につきましては,都道府県が決定権者となりますことから,広域的な事項について重点が置かれることになるものと考えております。
次に,取り組みのスケジュールについてでありますが,策定期限が改正法施行後3年以内とされておりますので,平成16年5月ごろまでに策定する必要がございます。本市といたしましては,札幌圏都市計画区域を構成する周辺都市との調整を図りながら,本市関連部分につきましては,北海道に案を提出することになりますが,具体的なスケジュール等につきましては,今後,北海道より示される予定となっております。
次に,ご質問の2点目の,市町村マスタープランの位置づけが今後どのようになるかということでありますが,市町村マスタープランは,今回の法改正後も,制度上,引き続き維持されるものであり,また,本市といたしましても策定の必要性が変わるものではございません。
内容といたしましては,都市計画区域マスタープランは,先ほど申し上げましたように,より広域的,根幹的事項を重点的に扱うべきものであるものに対しまして,市町村マスタープランはこれに即しつつ比較的きめ細かく,わかりやすいものであることが求められるものと考えております。
また,市町村マスタープランの策定の進め方についてでありますが,一方で,策定期限も定められている都市計画区域マスタープランという新たな制度の創出がありますので,こうした状況変化も踏まえる必要があることから,市町村マスタープランの全体構想につきましては,これまでの検討を継続しつつ,都市計画区域マスタープランとの整合を図る必要性があると考えております。したがいまして,現段階でのめどといたしましては,平成14年度以内に素案を公表していきたいと考えております。
3点目のご質問のマスタープランと具体の都市計画との関係,特に線引きや用途地域の見直しとの関係についてでございますが,マスタープランは,ご指摘のとおり,個別・具体の都市計画を進める上での上位計画でありまして,線引きや用途地域の見直しにつきましても,マスタープランに即して行う必要がございます。
そこで,まず線引き,用途地域の見直し時期につきましては,現時点で明確にお答えすることは難しい段階でありますが,マスタープランに即して見直すという観点から,時期的には,少なくとも都市計画区域マスタープランの策定時またはそれ以降になるものと考えております。
以上でございます。
◆藤原廣昭 委員 今,市町村マスタープラン,あるいは都市計画区域マスタープランなどについての内容,その取り扱いのスケジュールなどが明らかにされたわけであります。ただいまの答弁の中にもありましたけれども,市町村マスタープラン策定の進め方について再質問をいたします。
市町村マスタープランについては,その策定過程において,市民意見の反映に配慮すべきことが求められており,本市でも,これまで市民の方々と勉強会を開催するなど,具体的な取り組みが行われてきたものと思うわけであります。
先ほどの答弁では,都市計画区域マスタープランとの整合性を図る期間を置いて,2002年度中にその素案の公表を目指したいということでありましたけれども,これまでに寄せられた市民の意見はどのように扱われるのか,あわせて,例えばワークショップなど,今後も市民の意見を聞く場が保証されるのか,お伺いをいたします。
◎千葉 計画部長 市町村マスタープランの策定におきます市民意見の反映に関してのご質問でございますが,これまでにいただいた市民意見につきましては,今後も十分に踏まえながら検討を進めていくことは当然と考えております。また,今後,素案を公表する段階におきましても,広く市民の皆様のご意見を伺いながら策定を進めてまいりたいと考えております。また,市民意見を聞く具体的な方法等につきましては,今後,検討してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆藤原廣昭 委員 要望を申し上げて,次の質問に移りたいと思います。
市民の意見をどのように取り入れていくのかということが大切だというふうに思います。長総のときにも,それぞれ素案が示されてから,市民の意見も取り入れられる手法が用いられたわけでありますけれども,先ほどの答弁もありましたように,今回の法改正に伴う市町村マスタープランというのは長総の下であって,そしてまた,具体的な実施計画の5年計画の上位にあるという,中間的な位置づけをされた計画でありますから,ぜひ市民の意見等が十分反映されるような機会をつくっていただくことを要望しておきたいと思います。
次に,総合交通情報提供システム実証実験について伺います。
本市では,バスの利用者は,自家用車利用の増加に伴い年々減少してきております。市内に路線を持つバス事業者6社合計で,1998年度には1日平均36万3,000人の利用者が,1999年度には33万8,000人と,7%減少するなど,厳しい状況が続いております。しかしながら,安心・安全で身近な乗り物として,だれもが利用できる交通機関の重要性は,いささかも衰えるものではありません。むしろ,これからの高齢社会や地球環境の負荷軽減の観点からも,公共交通機関の重要性は高まるものと考えます。
公共交通機関の利用促進については,単に各交通事業者だけではなく,行政としても真剣に考えていかなければならないテーマであり,具体的な方策を幾つも打っていかなければならないと思うわけであります。
こうした中で,昨年12月からことし3月末まで,国と本市が共同で地下鉄やバスの時刻や乗りかえ案内など,公共交通機関の情報を提供するシステムの実証実験が行われており,本市としても,これに3,000万円の費用を負担しております。
質問の1点目は,本市の負担を含め,実証実験にかかった費用総額は幾らなのか。また,質問の2点目は,このような経費をかけた実験の評価はどのようになっているのか。初めに,この2点,お伺いします。
◎横山 交通環境担当部長 実験の費用と評価についてのお尋ねについてお答えをいたします。
システム全体の開発や地図データの整備を行った国土交通省,経済産業省を合わせて,国の総費用は6億6,000万円でございます。本市は,お話にございましたけれども,時刻表などのデータベースの開発を3,000万円で行ったものでございます。
次に,評価でございます。
まず,このシステムのトップページへのアクセス数は,実験開始から2月26日までの約3カ月間で8万7,000件。1日平均で見ますと983件となっております。
インターネット上で受けているアンケートで評価されている点は,複数事業者の情報がまとめて入手できる,あるいは駅やバス停別の時刻表が手軽に入手できる,それから,地下鉄やJRとバスを合わせた乗りかえルートが簡単にわかる,こういう点が多く寄せられております。また,7割が継続を希望しておりまして,このような情報提供することで,自動車などから公共交通機関に転換するかとの問いに対しましては,6割の方が目的に応じて公共交通機関を利用したいと答えております。
一方,問題点として寄せられている声の中には,必要な情報にたどり着くまでに手間がかかる,あるいは操作がわかりにくい,画像がわかりづらい,こういうものなどが寄せられております。
以上でございます。
◆藤原廣昭 委員 再質問の1点目は,今の答弁の中で,アクセス件数は1日平均983件と1,000件に満たない状況でありますが,1日に100万人以上が利用している本市の市内各公共交通機関の利用者数から見れば,かなり少ないと思いますけれども,いかが分析をされているのか,1点目,お伺いいたします。
また,利用者のアンケート結果のとおりに,公共交通機関の利用促進につながることを期待しているわけであります。私も,先日,総合交通情報提供システムを実際に使ってみて,使いづらいという感じを抱いたわけであります。例えば,今もお話がありましたけれども,最初の画面を見ますと,時刻表や路線情報のほか,観光施設の案内やバス停周辺の地図など多くの情報があって,一見,便利に見えるのでありますけれども,自分の必要な情報にどのようにたどり着いていくのかということが,非常にわかりづらい状況になっているわけであります。利用者アンケート結果でも,必要な情報になかなか行き着かないなど,かなり厳しい意見も寄せられているようであります。
再質問の2点目は,先ほどの答弁にもありましたように,6億9,000万円の費用をかけて実証実験を行ったわけでありますけれども,実証実験終了後,このシステムをどのように活用していくのか,お伺いいたします。また,4月以降も引き続きこれを継続するのか,または,どのようにされていくのか,その辺のお考えを伺います。
質問の3点目は,今回は主に国の費用でシステム開発ができたわけでありますけれども,これを維持していくには,システムの保守費用を初め,ダイヤ改正時のデータ更新費用など,多額の費用がかかると思いますけれども,これは,だれがどのように今後負担をされるのか,伺います。
質問の4点目は,通信経費についてであります。
多くの市民にこのシステムによるサービスを利用してもらうためには,交通情報を入手するための経費,つまり携帯電話などの通信費が安価でなければなりません。実証実験では,通信費が割高なように利用者からも聞いておりますけれども,実際にはどの程度になっているのか,あわせて,今後,通信費を引き下げる見通しはあるのか,伺います。
再質問の5点目は,従来の情報提供との関係についてであります。
市内の主な事業者がファクスや電話のサービスによる時刻等,路線の案内をしているわけであります。市営バス・市電等の合計で,平成12年度の最近の合計数では約4,265件の問い合わせがあります。また,他のバス会社でも,平成12年度で約3,500件程度の問い合わせがあるわけであります。このように,従来の情報提供との関係でありますけれども,先ほど申し上げた情報提供システムが充実してくると,従来のファクスや電話案内などのサービスがどのようになっていくのか懸念をされるわけでありますけれども,いわゆる情報弱者への対応がどのようになっていくのか,伺います。
再質問の最後は,総合交通情報提供システムのPRについてでありますけれども,これが,初めて実施をされた昨年はどのように行われてきたのか,そしてまた,これがまた復活をされて取り組まれていく,あるいは4月以降も継続されていくのだとすれば,どのようなことで利用者に対してこうしたものを訴えていくのか,伺いたいと思います。
以上,6点についてお伺いいたします。
◎横山 交通環境担当部長 まず,1点目のアクセス件数についてでございます。
なかなか比較は難しい問題ではありますけれども,例えば,他のホームページの利用者を1日当たりで見てみますと,札幌市役所のトップページが約1,400件,それから市営交通のトップページが約700件などとなっております。今回のこれが実験ということを考え合わせてみますと,983件というのはそう低い数字ではないのかなというふうに,今のところ判断をしております。
2点目の実験終了後についての取り扱いについてでございます。
複数の事業者にまたがる交通情報を総合的に提供する今回の実験というのは,全国でも初めての取り組みでございます。開発には,国,本市とも多くの経費と労力をかけてきたものであります。今回の実験で,ほぼ本格運用のめどが立ったと判断しておりますので,13年度以降は,地域に根づいた使いやすいシステムとして継続していきたいと,基本的にそう考えてございます。
ご指摘にございました使い勝手などについては,その利用者の声を整理したり,交通事業者ともよく協議しながら,改良してまいりたいと考えております。例えば,具体的には,今回は市民向けと観光客向けの交通情報を同時に提供しております。本格運用に向けては,日常的に多く利用される時刻表だとか乗りかえ案内,こういうものを中心にしたものとしまして,観光客向けの交通情報は,現在ちょっと検討を始めておりますが,別に,観光コンベンション情報の中で提供するなどの検討を行ってまいりたいと考えてございます。
また,パソコンの利用には,路線図からすぐ停留所を選択できる工夫など,使いやすさ,わかりやすさを重視したような改良を行いたいと思いますし,携帯電話の利用では,少ない操作で簡単に情報が得られるような改良を行いたいと考えております。
また,時期の問題がございます。今申し上げたような何点かの,特に基本的に改良しなければならない点がございますので,4月以降,継続ではなかなか改修ができません。冬ダイヤの始まる秋から冬にかけてを目途に,何とか本格運用にこぎつけたいと思っておりますし,各事業者ともそういうことで協議を続けてまいりたいというふうに考えてございます。
それから,3点目のシステムの維持経費ですけれども,全体のシステムの運用については札幌市が負担し,ダイヤの改正時のデータ更新,こういうものについては各事業者さんの負担でお願いをしたいものだと,そういう方向で協議を進めてまいりたいと考えております。
それから,4点目の携帯電話などの通信費用の問題です。
今回の実験では,このシステムを初めて使う場合,例えばバス停の時刻表にたどり着くまでに約40円程度かかっている。それから,乗りかえ案内を見るまでは約60円程度かかっております。ただし,この手順を登録しておいて,2回目以降利用する場合には,20円程度で見れるというふうに報告がなされております。本格運用に向けましては,さきにお話ししました改良などを行うことで,この経費を,これは目標でございますが,技術的にもかなり可能かなという見通しがございますが,10円程度までに下げられるように検討してまいりたいと考えております。
5点目,いわゆる情報弱者の方々などへの対応でございますけれども,時刻表のファクス送付などを初めとした件数というのは,現在でも相当行われているというふうに我々も認識しておりますので,事業者さん側にもその話をさせていただいております。事業者さん側では,従前のこれまでのサービスは継続したいと,こういう意向を示しておりますので,低下することはないというふうに判断しております。
最後に,PRの問題でございますけれども,今回の実証実験に向けてのご批判も含めてのことだろうというふうに受けとめておりますが,本格運用に向けましては,いろいろな広報媒体,新聞であり,テレビの広報であり,あるいは本格運用をする事業者さんの車内だとか,もちろん広報さっぽろだとか,あるいはホームページ,こういうようなものを通じまして,積極的にPRを行っていきたいと思っております。
以上でございます。
◆藤原廣昭 委員 最後に,要望を申し上げて,質問を終わりたいと思います。
各交通事業者とも協議の上,必要な情報提供を継続するということでありますけれども,今のお答えにもありましたように,携帯電話での情報取得に必要な通信費は高過ぎますので,今後も,使いやすく,利用者負担の少ないシステムに早急に改良し,継続していくべきだと思います。
また,本市にはサッポロバレーと呼ばれるほど情報産業の集積もありますことから,これらも十分活用しながら,行政,各交通事業者が協力して,公共交通を支えられるシステムに発展をさせてほしいと思うわけであります。
また,PRについても,6億9,000万の中にかなりのPR費も含まれていると思うわけでありますけれども,今回,そうした国の6億6,000万近い予算が全くゼロになるわけでありますので,ぜひ効果的なPR活動に取り組まれるように,そしてまた,このシステムが多くの市民に利用されますことを要望して,質問を終わります。
◆大嶋薫 委員 私から,札幌駅前通の地下通路について伺います。
この問題について,昨年の1定でも,私の方から,いろんなこれからの都心部における計画,創世1.1.1区(さんく),あるいは,きょうも論議がありましたような都心部の活性化基本計画等々あるわけですけれども,そういう計画との整合性をきちんと図った上で検討していただきたいというようなことも含めて,何点か指摘させていただきました。
市民ニーズの把握,都心部はいろんな意味で課題があるわけですけれども,駅前から大通の間の地下通路が本当に市民のニーズに沿ったものになっていくのかどうか。あるいは,今申し上げたように,地上部の計画がこれから具体的に論議されていくわけですけれども,そことの整合性をしっかり踏まえた上で取り組みを進めていく必要があるのでないか。もう一つは,今の問題と絡みますけれども,そういう中で,事業の優先順位は,どの部分から進めるのが一番市民のニーズに沿ったことなのか,あるいは,全体的な計画を進める上で,全体計画に沿った方向づけとするのかというようなことをしっかりと踏まえていただきたいということを申し上げてきました。
昨年3定で,市政モニター調査や来街者アンケート調査に加え,市民意向の把握を進めるというふうに答えられておりますが,それ以降,どのような形で市民意向の把握をしてこられたのか,その状況についてまず伺います。
◎藤林 総合交通対策部長 ただいまの札幌駅前地下通路に関する市民意向の把握についてでございます。
昨年11月に,市民アンケート調査を実施したところでございます。その結果,施設づくりへの意向といたしましては,明るい地下通路とするが最も高く,次いで潤いのある地下通路とする,くつろげるスペースを設けるといった順でございました。
次に,買い物等の行動についてでございますが,現況で,札幌駅周辺と大通周辺の両地区で買い物をすると答えた方は全体の4割であったものが,地下通路が整備されて連絡されると,これが8割になり,特に冬期間は,現状の2割から8割へ増加するという結果が示されたところでございます。このことから,地下通路が整備されますと,夏冬ともに回遊性といいますか,人の往来が高まるものと見込まれるのではないかというふうに見られるところであります。
また,これらの市民意識調査に加えまして,車いす利用の方や視覚に障害のある方々に,既存の地下通路空間を移動してもらいながら地下通路整備に当たって配慮すべき事項を指摘してもらう,いわゆるフィールドチェックというものでございますけれども,こういったものや,高齢者に対するアンケート調査を行ったところでございます。この中では,点字ブロックや床面,トイレ,案内誘導など,今後の施設計画に向けて,さまざまな貴重な意見を集約することができたと考えておりますし,加えて,地下通路は,都心を安心して自由に移動できるようになって,行動範囲が広がるといった意見が出されるなど,人に優しい歩行空間として,地下通路整備が求められていることが示されたものと考えております。
以上でございます。
◆大嶋薫 委員 今,アンケートの結果,地下通路整備により,都心の回遊性が高まるのだというような結果が出たということであります。このアンケート結果を私も見せていただきました。アンケートの回答者では少ないのだけれども,通勤に毎日通ってくる人が,利用度としては多分圧倒的に多いだろうと。一方で,買い物に来る人というのは,一番多いのは月に一遍か二遍ということでありますから,利用度からすると,ある意味ではかなり下がるだろうというふうにも思います。
そしてまた,回遊性が高まるということにしろ,ある意味で,大通地下街と南口近辺の開発によって起きてくる商店街を行ったり来たりするということから,果たして消費に対する相乗効果が生まれるかどうかということについても,またこのアンケートだけではわからない部分があります。
そして,今,魅力度を数字化するということで,ポテンシャルという資料も見せていただきましたけれども,これは単純に数字だけで考えられない部分があるのだということを前提とした上で,南口開発後とそれから地下通路供用後というふうに比較しますと,札幌駅周辺地区については0.05ポイントのアップの1.05倍,それから大通地区についても1.06倍ぐらいの数字でありますから,このポテンシャル度というのがどの程度の,いろんな意味での波及効果をあらわすかという点については,いろいろ議論はあると思いますけれども,その程度の魅力度のアップといいますか,全体的な経済効果等々含めた意味で言うと,効果はないのかなというふうな逆の評価もできるわけです。
こういう中で,やはりこの計画づくり,いろんな調査でもニーズはあるのだと,障害者・高齢者にとって,冬場に安心して歩ける通路という位置づけは一定程度できるとしても,地上部,街づくりの上で,先ほど言ったような中心市街地の活性化基本計画あるいは商店街のこれからの新たな計画づくりが来年度行われ,都心交通ビジョンについても今年度にまとまって,来年度からは少し具体的な動きが始まるというようないろんな動きが錯綜する中で,やはりそれらと将来的に整合性を持った計画にしていくためには,これまでしてきた整合性の問題をしっかり踏まえて進めるべきだろうというふうに思いますが,この点についてどのように考えているのか。
もう1点は,先ほど,いろんな地下通路のあり方の要望の中で,数字として高率の希望の中で,ベンチなどを置いた休憩スペースを設ける,30%,カフェテラスなどのくつろげるスペースを設ける,31.7%,自然光が入るなど明るい地下通路とする,39.6%,植物や噴水など潤いのある地下通路とする,32.9%というふうな部分が高率になっている。これは,ある意味で,たたずんだり語らいのあるような,ゆとりのある空間としてイメージしているということが,ここにあらわれているわけです。それは,当然,地上の部分でも,この間,都心交通ビジョンの中間報告の中でもこういうイメージは出てきているわけですね。
そういうことを含めると,優先順位等々を含めて検討しなきゃならないと思うわけですけれども,それで,その中で,こういう希望を受け入れて,あるいはバリアフリーの問題も当然しっかりと踏まえた上でこの事業を行うとすると,現在,事業費は200億円程度だというふうに一応言われているわけですが,これで済むのかどうかというのが非常に疑問になってくるわけですが,この点についての考えを伺います。
◎藤林 総合交通対策部長 まず,ご質問の1点目の都心のほかの事業といいますか,そういったものとの整合をとってやるべきではないかということでございますけれども,例えば,都心交通ビジョンの基本理念の中で駅前通等についての考え方もお示ししているわけでございますが,そういった面で申し上げますと,駅前通の地下につきましては,四季を通じてだれもが安全かつ快適に移動できる空間として,また,地上につきましては,私どもとしては都心のシンボル軸として考えておりますので,こういったところではにぎわいにあふれた歩行者重視の空間,あるいは沿道との関係では,そういった空間の沿道としてふさわしい街並みの形成が望ましいと考えておりまして,こういったことについては,整合性を十分持ってやる必要があるものと考えております。
それから,2点目の事業費の件でございますが,国道区間も含めまして,現段階で想定される構造あるいは施設計画をもとに試算したものでございまして,実施計画レベルではないわけですが,ただいまお話のありましたバリアフリーあるいはくつろぎのスペースなど,そういった部分につきましては,ある程度想定としては含まれているものと考えております。
なお,今後,より具体の施設計画を検討するに当たりましては,財政状況あるいは設計上のことも十分勘案しながら取り組んでまいりたいと,このように考えております。
◆大嶋薫 委員 要望で終わらせていただきますけれども,先ほど指摘した課題,いろいろございます。そしてまた,駅前の商店街あるいはオフィス街,事業をしている方々がどういう地上部分,交通そしてまた街区形成を望んでいるのかということについて,あるいは市民が何を望んでいるかということについて,いろんな条件を付与しながら,きちんとした論議を積み重ねていかなきゃならないのかなと。そこを基本にしなければ,札幌の中心街,駅からすすきの,中島公園まで,あるいは横で言うと,創成川から石山通ぐらいまでの範囲の中心街をどのようにつくっていくのかという全体像も,また描けないようになってくると思います。この点は,この事業の進捗状況あるいは全体状況,先ほど言った関連の基本計画の進捗状況を踏まえて論議させていただきたいと思いますので,その点をしっかりを踏まえた進行をお願いいたします。
◆猪熊輝夫 委員 ローカルな問題について,以下,質問させていただきます。
南区の道路の問題でございますが,率直に申し上げて,実は企画調整局は,南区の道路網という点で,何回も何回も期待度が高まるように絵だけはお見せいただくけれども,遅々として進まない。
それで,一番最終的に見せていただいた図面で,藤野通というのが提示されて,その部分が一定程度,道路の用地買収や拡幅工事が行われた。しかし,その後,ぴたっととまったということ。あるいは,八剣山のトンネルができた。その後の延長はどうなるか。
いよいよ国道230号線1線が副道に,何とか具体化するのかというようなことで大きな期待をしておりまして,藻岩山にトンネルが平成17年までに完成するという絵まで,年月まで明示をして説明をいただいた。しかし,これもとんざするという話になっている。
私は,藤野通は少なくとも,皆さんがおわかりいただけるようにお話すると,国道453号線,昔の道道支笏湖線まで,あるいは真駒内滝野線,今の駒岡小学校の東側の通り,あるいは澄川厚別滝連絡線ということで白樺ゴルフ場の東側にある道路,あの辺まで延長いただくというような形で藤野通が延長されてくると,南の道路網というのは相当緩和されていくのではないだろうか。そして,その道路が西岡の水源地通に結びついていくというような形で,国道230号線に副道というものが,白川の方と藤野通というような形で,いわゆる道路網としての形をなすような形になっていけばいいなと,ぜひそうしてほしいと意見を言おうとしたのですが,今までの計画が,全部,今とんざしようとしているというような感じでして,そんな点で,南区国道230号線は著しい混雑状況にあるけれども,これらに対して具体的な解決のためにどんな対策を今考えているのだというのと,具体的にそれらについてどう取り組もうとしているのかということについて,はっきりと,二言がないような話をしてほしいということが第1点です。
それから,もう一つは,自民党の山田議員が,本当に南区のことをご心配いただいて,2度にわたって代表質問いただいた。本当に感謝いっぱいです。
そこで,豊平側左岸道路の南地区方面の延長問題という点では,南区の皆さん方はこぞって期待をしておりますが,従前では,開発局がうんと言わないとか,用地があるとかないとかというようなことで,歯も立たないような話にしかなっていなかった。しかし,おかげさまで,河川法の緩和という状況の中で,延長というのが具体的に可能になってきたというところが山田議員の代表質問の中で明らかになったところですが,そこまででとまっていると。
そこで,堤防道路を延長すべきと考えるが,このことについて,山田議員の代表質問の答弁をより具体的に,この先の方向について明らかにしていただきたい。
とりあえず,この2点。
◎藤林 総合交通対策部長 ただいまの猪熊委員のご質問でございますが,国道230号を中心にする南区南部方面の道路対策,これはおくれている,あるいはとまっているのではないかというご指摘でございますが,確かにかつて,私の記憶では平成の初めくらいだったと思うのですが,何度目かの南区の道路対策を立案したことは事実でございます。その後,現在も,既に事業中あるいは整備進捗中のものは何路線もあるわけでございますけれども,確かにその当時の計画に照らしてみますと,必ずしも進捗が十分でないというご指摘は,私もそういう面はあるかなと思っております。
そこで,長期総合計画も新しく改定したという,そういった理念も受け,また現実の南区の道路問題を考えた場合に,今の時点で改めて見直しをする必要があるかと,こういう認識に立っておりまして,今年度から来年度にかけて,南部地域の道路交通対策という視点で,見直し計画に取り組み始めたところでございます。この検討結果をもとにしまして,今後,具体的かつ早急な改善に向けまして取り組みを進めてまいりたいと,このように考えております。
それから,2点目の豊平川左岸通といいますか,豊平川通の南延長のお話でございますけれども,これにつきましては,南部地域の道路交通対策の検討ということで,既に関係機関とも連携をとりながら進めているところでございまして,平成12年度は,問題点の整理を行っているところでございます。問題点の整理といいますのは,課題の整理も含めてでございますが,引き続き,13年度はその課題への対応策を取りまとめることを予定しております。豊平川通の堤防道路の延伸の件につきましては,この対応策の中に盛り込む方向で検討してまいりたいと,このように考えております。
以上でございます。
◆猪熊輝夫 委員 そこで,皆さん,全部わかったと思うのだけれども,また2年かけて南区の道路の状況というものをいろんな角度で検討して,計画を立てたいというわけだ。計画を立てた後,また具体的にどれを優先するかといって,また1年ぐらいかかる。いつになったら具体化してくるのだと。
ところが,今,やっぱり週5日制などにおいて,南区の果たしている役割というのは,僕はとっても大きいと思っているのです。地域住民は今でも,土曜・日曜はさることながら,朝夕というのは混雑してどうにもならぬ。土・日なんていったら,沿線の人たちは向かう方向を間違ったら帰ってこれないのだから。これ,本当なのだよ。一本道しかないのだから。そこを時間をかけて――地下鉄がぐっと延びて,藤野までぴしっとなるとか,だから待ってくれというなら,私もそれはいいと思いますけれども,今ご検討いただいているという状況で,それは大いに期待をしますが,地下鉄の延長ということだけではなくて,南区の場合に,災害などということでも大いに議論をいただいていますが,要するに単線の中で何かが発生したときには交通遮断ですからね,行き交うことはできなくなるという点を含めて,副線というのをやらないという理屈がないはずだというところをぜひ受けとめて,2年の検討ではなくて半年ぐらいで,ありとあらゆる角度で検討して南区の皆さん方の前に提示をすると。その前に,もちろん地域の人たちの意見も速やかに聞いていただいて,パートナーというのはこういう形だという理想形態を踏んで,しかも期間を短くして,踏んだから3年かかったなどということで,僕にまた説明するようなことのないように,本当に取り組んでほしいと,こういう思いでいますので,これはひとつ僕の意向に対してこたえてくれるという方向で,再答弁をお願いしたい。
それから,豊平川通の延長問題で,問題点を整理してきたよと。それで,13年度は,その問題点にどういった対応ができるかということで整理すると,それから具体化していきたいというようなことですが,最終的な,この辺で完成させたいというような考え方で,具体的に年度を考えているとすればそれをぜひ聞かせてほしい。なぜなら,今,南30条の博善斎場のところまでの川沿方面の道路というのは,本当に大変なのです。だから,そういうような点では,議員6名,党派関係なく南区を歩けばそういう苦情を持った市民に必ず当たるぐらい思い詰めた状況になっていますので,そんな点でもう一回,ぜひその辺の考え方を少し聞かせてもらいたい。
◎藤林 総合交通対策部長 一口に道路整備と申しましても,課題はいろいろあるわけでございまして,特に南区の場合は,ああいった河川の制約条件であるとか,あるいは,いわゆる風光明媚な自然の豊かなところで,いろいろ計画をするというような必要性もございますし,そういう面ではさまざまな課題があるわけでございますけれども,今のご要望につきましては,可能な限り早く取り組めるように努力したいと思います。
◆猪熊輝夫 委員 決意ということで理解をしたいと,こう思います。
そこで,オウム返しというわけじゃありませんが,豊平川左岸の北東方面の延長という点で,僕は,規制緩和を期に,やっぱり具体的に煮詰めていくべきだと思います。南が終わってからこっちの方へアングルをということでは,また問題点の整理を1年やって,それから処理策を1年やって,そしてどうすると。南の道路が完成した後,最低3年かけて検討し,具体化していくということであれば遅過ぎる。したがって,南は南で,僕の気持ちは急いでほしいという思いはありますが,南にこだわることなく,北側についても同じような勢いでぜひ取り組んでいくべきだという考え方を持っているのです。豊平川の両岸というのは,東西ということ,南北という点を含めて,完成すれば,大変意味合いのある道路として,駅前の地下道よりも,その役割を果たすという確信を持っていますが,ぜひそんな点で考え方を持っていただきたいと思うのですが,いかがですか。
◎藤林 総合交通対策部長 豊平川通のご質問に関して,北方面の話でございますけれども,見方といいますか,考え方といたしまして,仮に北側の方に延長した場合は,東方面を真っすぐ行きますと,札幌新道,高速道路もあるわけでございますので,そういう意味では,都心方向とのアクセスの改善効果はあるというふうに思っておりますし,そういう面で,道路整備の効用というのは相当考えられるわけでございますけれども,やはり札幌市全体の実力の範囲内で取り組んでいくということがございますので,その辺につきましては,できるだけ努力するということでご理解をいただきたいと思います。
◆猪熊輝夫 委員 それでも,必要があればいいのだよ。僕は,南が終わったときに,引き続いていけるようにという思いを申し上げました。
それから,もう一つは,創成川両岸の2車線の地下道ということを含めて,それは,いわゆる堤防道からおりてくる車の量,こういったものの緩和を図るために2車線を下に入れることによって云々と,こういうような話が,当時の地下道をつくる大きな理由に挙げられているのですよ。
北の必要なところでどんどん南北線にアクセスしていくという堤防道路をつくっていけば,明らかに創成川のトンネルというのは見直しということがされていくという柔軟対応,柔軟に検討していくということが必要になってくると思っているのです。ですから,トンネルをつくってしまってから堤防をつくっていったらどうなるか,それは,いろいろと問題が出てくる。
ですから,こういったご時世の中で,いかに有効に,一番安上がりで,住民の皆さん方の快適さということを受けとめていただけるためにどうするか,常に検証されていくべきだという思いがあるから発言したところでして,そんな点で,見解があれば聞かせていただきたい。
◎藤林 総合交通対策部長 豊平川通の件と創成川通の関係のお話でございましたが,確かに全体的に見ますと,豊平川通も方角としてはほぼ南北方向ということが言えるわけですが,しかし,創成川通が豊平川通につながっている部分でルートを見ますと,231号線ですか,石狩街道と創成川通を通って豊平川通という,そういう大きな南北軸を形成しているということは一つの大きな現実としてあるわけでございます。したがいまして,豊平川通の件は,確かにそれはそれで効用があるということは先ほど申し上げましたが,創成川通につきましては,そういう意味で,南北の通過交通対策の面,それからもう一つは,都心部における水辺空間と一体となったオープンスペースの創出という観点からも,それはそれで必要ではないかと,このように考えております。
◆猪熊輝夫 委員 僕は,札幌市の体質として,
どちらかというと,今までは,一度決めたことというのはやらねばならぬという思いというのが,歴史的な経過ですよ。しかし,これからは,限られた予算で有効打をいかに打っていくかということですから,そういう意味では,より条件がいい面が出たとすれば,そこに対してしっかりと検証を加えて,市民にご理解いただけるような方向で改めていくというような考え方というのは,当然あっていいという考え方を僕は持つものですから,硬直して,一度決めたことなら前へ進むと,遮眼帯をはめるような話はしないで,しっかりワイドに物をとらえていくのだと,もうまさにそういう時代ではないかと思いますから。しかも,それでは当初,僕が言ったようなこと以外の目的もあると思いますから,それが廃止をしたときにどういうことになるのかというようなことを含めて,多元的に検討を加えて,もう一回見直すか見直さないかというようなことがあっていいという思いがあるものですから,あえて発言をさせていただきました。そういう角度での再検討を求めて,終わります。
◆義卜雄一 委員 それでは,時間も遅くなりましたので,私からは,交通バリアフリー基本構想の策定についてお伺いしたいと思いますけれども,先ほど福士委員が熱弁を振るわれましたので,簡潔に質問したいと思います。
まず,この法律は全国規模で一斉に施行されたということでございまして,各自治体それぞれ,我が町,我が市のバリアフリー構想というものを策定するというふうになろうかと思います。当然,国の国土交通省の補助事業でもありますので,各自治体競って参加することが予想されると思います。そういうことで,現在の道内を含めて,全国はどういう状況になっているか,取り組み状況についてまずお聞きしたいと思います。
◎藤林 総合交通対策部長 ただいまの交通バリアフリー法の関係のご質問でございますが,取り組み状況につきまして,これまで調べた状況につきまして若干ご説明したいと思います。
これは国土交通省の調査でございますが,昨年12月末現在で,今後,基本構想の策定を行う予定としている自治体は,399ほど報告されております。全国の自治体の約12%でございます。具体的に申し上げますと,12年度に着手しておりますのは,道内では,千歳,室蘭,政令指定都市では,仙台市,千葉市,神戸市でございまして,全国的には13自治体となっております。13年度に着手するのは,道内では,恵庭市,政令指定都市では,横浜,名古屋,京都,大阪市でございます。全国的には,本市を含め43自治体となっておりまして,その他343の自治体につきましては,将来的には策定は予定するが,時期は未定と,こういったことが報告されております。
以上でございます。
◆義卜雄一 委員 今のお答えのように,全国的にも,この際ということでしょうか,バリアフリー基本構想を策定するという動きがあると思います。
先ほど,福士委員のお話にもございましたように,本市には,JRが26,地下鉄が46の72駅あり,この法にのっとりますと5,000人以上ということですので,本市ではJRと地下鉄合わせて58駅ということです。多少のバリアフリー化した駅も既にあるようでございますけれども,問題は,これからどういうふうに地区を選定していくかということにかかってくるかと思います。その辺の基本的な考え方について,どのような考え方で地区の選定をしていくのか,お聞きをしたいと思います。
◎藤林 総合交通対策部長 ただいまの重点地区の選定のご質問でございますけれども,交通バリアフリー法で定めているルールといいますか,手順によりますと,まず,国の方から基本方針が既に示されております。この基本方針に沿いまして,各自治体が中心になりまして基本構想を策定するわけでございますが,そのときには,一つの条件といたしまして,ただいまお話にありました駅の利用が5,000人ということもありますし,それから,周辺の福祉施設の利用のこともございます。そういった観点で駅を中心にその周辺を全体的に調査すると,その上で選定作業に入っていくということになろうかと思っております。
重点地区の選定の手順なり考え方は,以上でございます。
◆義卜雄一 委員 そういう手順,手法で,これから絞り込まれていくと思います。
そこで,新札幌駅のことでございますけれども,副都心ということでいろんな計画が策定されておるわけでございます。たしか藤林部長も副都心の土地利用転換計画の策定にかかわってこられたかと思いますが,この土地利用転換計画を策定するに当たって,アンケート調査も実施しております。その結果を踏まえて,土地利用転換計画が策定されているとは思いますが,JR駅と地下鉄駅が完全な連結ではないのですが,一緒になっていまして,アンケートの結果にもあるように,いわゆる歩行者動線が非常にわかりづらいというようなことが再三言われております。
この転換計画を議論したときも,どうして動線が非常にわかりづらいのかと。特に,遠方から来られた方については,ほとんどの方が迷って歩くような状態であるということで,もう少し歩行者動線を何とかならぬのかという声もここに入っております。と同時に,JR新札幌あるいは地下鉄新さっぽろ,この副都心の駅については高齢者に対する配慮が非常になされていないという,いわゆる人に優しい街づくりを進めてほしいという声もこの計画の中にはあるわけでございます。
したがいまして,そのような背景を考えますと,私は,おのずと選定に当たってのいろんな基準はあろうかと思いますけれども,ぜひこの新札幌駅周辺を重点地区に指定してもらえるように,これを要望して,本日は終わりたいと思います。
ありがとうございました。
◆井上ひさ子 委員 私の方からも,交通バリアフリーについて,ノンステップ・バスの普及について,手稲高台通のシャトルバスの運行について,3点の質問を一括してさせていただきます。
前段の議論がありましたので,バリアフリーについては,公共交通事業者,道路管理者だけではなく,市民の意見を反映させる,そういうシステムをつくるべきだというふうに思います。
それで,協議会を設置していくというふうにお聞きしましたが,その協議会の設置に当たり,高齢者,移動制約者の方々を作成の段階から参加させていくという,こういうふうに考えるべきだというふうに思うのですが,これについていかがですか。
もう1点は,先ほどの前段の質問の中で,重点地区を決めていくと。それで,バリアフリーの目的がそこの中で明確になるので,及ばないところは福街でやっていくような答弁があったのかなというふうに思うのですけれども,重点地区の指定について,5,000人以上,それから5,000人以下でも駅周辺とか病院,福祉施設,そういうところでも利用者が見込まれるところでは,中に入っていくというふうに私は受けとめたのですね。
それで,新しくこれからつくるところは,当然,バリアフリーを進めていくという立場に立つべきですし,何といっても,既存の,現在あるこういう施設を確実に実行させていくという,このことが本当に大事だというふうに思うのですね。新設や大規模改良だけではなく,そして重点地区の整備だけではなくて,それらをすべて優先していくのではなくて,区別をすることなく,実際に調査をされてやっていくと。実行に移すときには,前段で私が質問したように,高齢者や障害者の方々が参加して,その協議会の中で順位をつけていく,優先順位を決めて,計画的に推進していかなければ,全体的にバリアフリー化は進まないというふうに思うのですね。これについての基本的な考え方をお尋ねしたいと思います。
2点目のノンステップ・バスの普及についてです。
これについては,1998年から導入されていまして,昨年度の道内の事業別導入状況を示すこういう資料をいただきました。本市交通局で3台,中央バスで4台,定鉄1台,そして同じ北海道の旭川電機軌道では33台となっています。なぜこれがおくれているのでしょうか,何がネックになっているのか,お尋ねします。
それと,手稲高台通のシャトルバスの運行についてです。
昨年も,決算特別委員会でこの問題を取り上げました。11月1日からこの3月31日まで試験運行,こういう中で,市民の要望も大変強く,また,バス停を排雪するなど一生懸命やられている,そういう声を通じまして,半年間これが延長になりました。そういう中で,私は,あのときに,本市の支援策についてお尋ねしましたら,直接考えていないと,こういうご答弁でした。
公共交通の空白地域は,この札幌で手稲区だけでなく,まだまだあるというふうに思うのですね。総合交通対策の立場から地域住民の足を守っていく,こういうふうに考えますので,今後どのような対策を持たれていくのか,これについてお尋ねしたいと思います。
◎藤林 総合交通対策部長 まず,交通バリアフリー法の関係でございますが,まず1点目の策定に当たっての市民意見の反映の方法についてかと思いますが,お話のとおり,このバリアフリー法に基づく基本構想の策定に当たりましては,協議会をつくって策定する予定というふうに考えております。
そこで,お話のありました高齢者あるいは市民意見の反映の方法についてですが,具体的に協議会の立ち上げについて,現在,検討しているところでございます。まだ明確なことは申し上げられないのですが,一つには,アンケート調査を行う,あるいはヒアリングを行うという方法,あるいは,ただいまお話しいたしました設置予定の協議会に参加していただくなどの幾つかの方法が考えられるかと思っております。今後,具体的な検討の中で,適切な方法を考えてまいりたいと思います。
それから,2点目の重点地区の件に関しまして,駅の利用が5,000人以下の場合でも,重点地区になる可能性があるのかということかと思いますが,基本的には,乗降者数のことだけで重点地区になるならないというのはないわけでございまして,先ほど,義卜委員のご質問にもお答えしたとおり,福祉施設がどのように配置されているか,あるいは,そこの利用がどのようになっているかという状況もファクターとしては入ってまいりますので,5,000人以下でも重点地区になる可能性はあるのかということでは,そのとおりでございます。
それから,3点目の協議会の中で,いわゆる整備の優先順位をというご質問かと思いますが,手順につきましてもう少し申し上げますと,基本構想をつくりまして,その後,各事業者がそれぞれの事業計画をつくるということが法律的に義務づけられております。したがいまして,具体的な実施方策につきましては,そういった優先順位というようなことも含めまして,その計画の中でつくられていくことになろうかと,このように考えております。
私から,関係分は以上でございます。
◎横山 交通環境担当部長 私から,バスに関する二つの質問についてお答えをいたします。
まず,ノンステップ・バスについてでございます。普及の度合いについてのことかと思います。
いろいろな要因があろうかと思います。しかし,普及に当たっては,各会社の車両更新の到来時期の問題だとか,事業者さんの経営方針あるいは経営状況,さらに車両の価格など,さまざまな要素,そういうものがあろうかと思います。こういうふうに考えております。
それから,2点目の手稲のシャトルバスについてのお尋ねでございます。
前回もご答弁させていただきましたけれども,直接のいろいろな支援は基本的には考えていないというふうにお答えをさせていただきました。しかし,その折には,いろいろな側面的な支援については,やはり設立の経緯だとかそういうものを勘案してやっていきたいということでございます。現在も,手稲については区役所で運行ルートの周知だとか地域の伝達,また冬でも安全な運行ができるような走行環境の確保など,さまざまな側面的支援を行っているというふうに伺っております。
以上でございます。
◆井上ひさ子 委員 協議会の設置の方向でいくというふうなお答えでした。これは,単に意見を聞きますという形じゃなくて,実際に策定からと私が言ったのは,障害者の方々のそういう声をそこから取り入れていくということ,そして,まだ具体的に決まっていないのであれば,公募という方法もありますので,できるだけ多くの市民の声を取り上げていくことを求めておきたいと思います。
それと,重点地区のことを今ちょっと質問をしたのですけれども,国が進めるバリアフリー化の法律によって,今,いろいろな問題が出されていますけれども,これが本当に着実に推進される,そういうふうな計画でなければ,絵にかいたもちになるというふうに思うのですね。だから,そういう立場で,これについては,これから調査していくことですので,まだ期間もありますので,きちんと対策を進めていくことを求めておきたいと思います。
それと,今,ノンステップ・バスのことでお尋ねしました。交通事業者がやると言えばやるのか,支援をするというふうなご答弁だったのかなというふうに思うのですけれども,積極的に本市としても働きかけていくべきだというふうに思います。
今,前段でお話ししたバリアフリー法では,バスの低床化も,新車両については,2010年までにすべて低床化をするという義務が今度出てくるわけですね。それを見ますと,1万2,000から1万5,000台というふうに想定されています。ただ,ノンステップ・バスについては,値段が高くて,スロープバスとかリフトつきのバス,これも含んだバスの低床化となっています。
ここで,これぐらいの大量の生産をしていくのですから,価格をもっと引き下げていくというところで,国においても,本市としても対策を持つべきだというふうに考えていますが,これについては,どのように行ってきたのか,再度お尋ねしたいと思います。
それと,手稲高台通のシャトルバスのことで,直接支援は考えていないということで,そういうことは前と同じで,側面で支援をするというふうな考えでした。
今,市バスは次々と民間事業者に路線を委譲して,その事業者の力をかりなければ市民の足を守れない,そういう状況になってくる中で,一体総合交通とは何なのかと,私は本当に考えさせられます。人口は多いけれども,交通の過疎地のようなところも対象に入れていくべきでないかというふうに思うのですね。
それで,これについては,そういう立場で,市もしっかりと関与していく,そう考えますがいかがですか,お尋ねします。
◎横山 交通環境担当部長 ちょっと質問とは前後になるかもしれません,後段の方からお答えさせていただきたいと思います。札幌市は,バス事業に関しまして,これまでも全市的な観点からいろいろな支援策を広く行ってきております。例えばバスレーンの優先を行うだとか,あるいは,今お話しになられていますノンステップ・バスの導入に補助を出すだとか,あるいは乗り継ぎのためのいろいろな料金制度を行ってきたとか,そういうことがございます。
こういうようなことで今まで続けてきておりますので,今のお話の部分について,コミュニティー的なところを指しているのかと思いますけれども,そこについての直接的な財政援助,これについてはやはり直接的には行えない,そういうふうに考えてございます。ご理解をいただきたいと思います。
それから,もう1点,ノンステップ・バスの価格の低減化というか,このことについては,既に全国市長会を通じまして,国に,そういうメーカーさん,製造するところに,バスの仕様について統一化を図るというようなことで,技術援助をしてほしいということを要望してございます。現在,国において,その仕様の検討に入っているというふうに伺っております。
以上でございます。
◆井上ひさ子 委員 ノンステップ・バスについては,交通権を考える連絡協議会の方々からも,札幌のバスをすべてノンステップ・バスにしてほしい,計画的に進めてほしいという強い要望も出ていますので,全力を挙げていただきたいというふうに思います。
手稲富丘の高台通のシャトルバスについて,もう一度再質問させていただきたいと思います。
私は,総合的に考えていただきたいということを今述べているのです。先ほどの都心内の100円バス,これは既存の路線を活用して,民間の中央バス,定鉄バスが100円で運行していると。そして,何といっても敬老パスを使えるのですね。都心だけではなく,生活路線まで福祉の面からも拡大していく,こういう方向で本当にこれからは考えていただきたい,そういうふうに考えているのです。
一方は,やってみて,6倍も8倍もの人が乗れば継続してやりますとお答えいたしますよね。でも,手稲の周辺でいきますと,JRに聞きましたら,25人から20人乗らないとやれないと,必死になってみんなが乗っても,1日1バス7人とか8人のときもあるというふうな状況で,区を挙げてこれを継続してほしいという,そういう思いで今おられるのですよね。だから,これを総合的な立場から検討していく,そういうときに来ているのかなというふうに思うものですから,お答えいただきたいと思います。
◎横山 交通環境担当部長 繰り返しになって申しわけないとは思いますけれども,しかし,見解といたしましては,今の段階においては,コミュニティーバス等々につきましては,側面的な支援はできるだけいたしますけれども,直接的なものについては,事業者の経営全体の中でやはりお考えになっていただきたいと,こういうふうに思っております。
○道見重信 委員長 以上で,第4項 都市計画費の質疑を終了いたします。
以上で,本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが,3月13日午後1時から,総務局及びオンブズマン事務局関係の質疑を行いますので,定刻までにご参集ください。
本日は,これをもちまして散会といたします。
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散 会 午後7時41分...