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平成13年第一部予算特別委員会−03月08日-02号
平成13年第二部予算特別委員会−03月08日-02号

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  1. 札幌市議会 2001-03-08
    平成13年第一部予算特別委員会−03月08日-02号


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    平成13年第一部予算特別委員会−03月08日-02号平成13年第一部予算特別委員会  札幌市議会第一部予算特別委員会記録(第2号)                 平成13年3月8日(木曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 32人     委 員 長  道 見 重 信 君       副委員長   森   健 次 君     委   員  柴 田 薫 心 君       委   員  大 越 誠 幸 君     委   員  宮 本 吉 人 君       委   員  千 葉 英 守 君     委   員  上瀬戸 正 則 君       委   員  笹 出 昭 夫 君     委   員  馬 場 泰 年 君       委   員  鈴 木 健 雄 君     委   員  近 藤 和 雄 君       委   員  村 松 正 海 君     委   員  五十嵐 徳 美 君       委   員  湊 谷   隆 君     委   員  川口谷   正 君       委   員  猪 熊 輝 夫 君     委   員  畑 瀬 幸 二 君       委   員  大 嶋   薫 君     委   員  藤 原 廣 昭 君       委   員  本 舘 嘉 三 君     委   員  義 卜 雄 一 君       委   員  高 橋   功 君     委   員  三 浦 英 三 君       委   員  生 駒 正 尚 君     委   員  飯 坂 宗 子 君       委   員  井 上 ひさ子 君     委   員  宮 川   潤 君       委   員  坂 本 恭 子 君
        委   員  福 士   勝 君       委   員  田 中 昭 男 君     委   員  小 林 郁 子 君       委   員  松 浦   忠 君       ──────────────────────────────────     開 議 午後1時 ○道見重信 委員長  それでは,ただいまから,第一部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項は,特にございません。  議事に先立ち,審査方法について理事会で申し合わせをいたしましたので,ご報告いたします。  まず,質疑者及び答弁者は,起立して発言をしていただきます。  次に,答弁を行います部長及び課長は,冒頭に職,氏名を名乗ってから発言をしていただきます。なお,答弁が続行する場合は,最初だけで結構でございます。  また,効率的な審査を行うため,質疑及び答弁は簡潔を旨とし,内容の重複等は極力避けながら,定められた審査日程を予定どおり消化できますようご協力をお願いいたします。  それでは,議事に入ります。  議案第1号 平成13年度札幌市一般会計予算中関係分ほか付託議案12件を一括議題といたします。  初めに,平成13年度札幌市一般会計予算中,歳入のうち一般財源,第2款 総務費 第1項 総務管理費中関係分,第4項 税務費,第10款 公債費,議案第13号 平成13年度札幌市公債会計予算,第11款 諸支出金,議案第9号 平成13年度札幌市基金会計予算及び第13款 予備費を一括して質疑を行います。 ◆近藤和雄 委員  それでは,私から,13年度予算につきまして,簡潔に3点お伺いいたします。さらに,13年度の市税予算について,1点お伺いしたいと思っております。  まず,1点目,本市の平成13年度予算編成に当たっての財源不足対策についてであります。  景気動向は,非常にまだ不透明な状態が続いておりまして,本市を取り巻く経済情勢は依然として厳しい状況にあります。  一方,国,地方を合わせての借金は,平成13年度末で666兆円にもなり,さらには隠れ借金が3兆5,000億という話もございます。また,地方交付税特別会計の借入金も42兆5,000億円ということで,交付税の実力ベースの3年分に相当する,まさに国家財政,地方財政ともに火の車の状態ではないかと考えております。  本市の財政も,平成4年度以降,数次にわたりまして,景気対策などに伴って増発してきた市債の償還費,あるいは失業率の高どまりなどがあり,生活保護扶助費の義務的な経費がさらに今年度増加している状態でございます。さらに,当市は,少子高齢社会ということ,また環境対策など,さまざまな行政課題が山積している中で,非常に困難な状況に直面していると言っても過言ではないと思います。  このような中で,平成13年度の予算編成に際しまして,前年に引き続き,編成当初220億円という巨額な財源不足が見込まれることが明らかにされたわけですけれども,本年度は,スタートした新5年計画の2年目に当たるわけで,やはり思い切った取り組みをしなければ,予算を組むことができないのではないかということを私自身も危惧したわけでございます。  しかしながら,本会議に提案された予算は,対前年比で1.3%の増ということで,8,490億円になっております。将来の札幌を見据えて,その布石を着実に打っているという,相当練り上げられた予算編成になっているわけです。  そこで,お伺いしますが,当初の220億円の財源不足をどのような工夫をもって解消することができたのか,自民党の代表質問で笹出昭夫議員が質問をしておりますけれども,まず,その点を明らかにしていただきたいと思います。  さらに,2点目ですけれども,財政調整基金についてであります。  新年度予算編成に当たって,財源不足ということもありまして,最優先課題で掲げた経済対策,少子高齢社会への対策,それから環境施策の推進のために,今回,財政調整基金22億円を取り崩して予算化したわけですけれども,この結果,平成13年度末の残高はわずか17億円に減少ということで,家庭で言えば,貯金が目に見えてどんどんなくなって,相当不安を抱えているという状態まで来ているのではないかと思います。  聞くところによりますと,これまでの財政調整基金の残高のピークは,昭和56年度末で287億円。当時の一般会計の規模は3,600億円でありましたので,本市の一般会計の予算規模は,今や当時の約2.4倍,8,500億円にまで膨れ上がってきているわけですが,少子高齢社会の進行などによって,今後,税収の大きな伸びは期待できないのではないかということを考え合わせますと,財政調整基金の残高は大変心もとないのです。これからの財政運営,予算編成は果たして大丈夫かなと,大変危惧をしているわけなのですが,この点につきまして,財政当局の見解を明らかにしていただきたいと思っております。  3点目ですけれども,市債残高と交付税措置についてであります。  平成13年度末の市債実残高は,全会計で2兆2,350億円となる見込みであります。これは,市民1人当たりの借入金ということで概算すると,約120万円に上ります。これは,一口に120万といいましても,相当大きな借金と言えるわけです。ただし,この中には,その返済に当たって,地方交付税措置がなされる分がかなりあると伺っておりまして,これを除いて考えないと,市民に必要以上の不安を与えかねないのではないかということです。  そこで,市債残高のうち,地方交付税で措置される分がどれだけあって,市民が市税や料金の負担で返済しなければならない分がどれだけあるのか,明らかにしていただきたいと思います。 ◎田中 財政部長  まず,第1点目の財源不足対策でございます。  平成13年度の予算編成に入ります前に見込まれました220億円の財源不足につきましては,まず,市税や地方交付税等の一般財源を12年度と同額と見込んだ上で,生活保護費を初めとする扶助費や市債の償還に当たります公債費,さらには政策的経費などを中心に,積み上げ可能なものはできるだけ積み上げを行って計算したものでございます。  こうして見込んだ結果,多大な財源不足が生じましたことから,私どもとしましては,厳しい姿勢で予算編成に臨んだところでございまして,最終的には,財政調整基金22億円を取り崩すことによりまして,単年度の財源不足は何とか解消することができたところでございます。  この財政調整基金の取り崩し以外の財源不足対策の主な項目を申し上げますと,大きく5点ございます。  まず,予算の編成手法によります節減で36億円,この主なものは,一般事務的経費の10%縮減で14億円,それから,一般財源ベースで10%のマイナスシーリングを設定しました政策的経費では19億円がございます。次に,事務事業の見直しによる節減で17億円,その主なものは,職員定数の見直しなどにより11億円,補助金の見直しにより1億円等がございます。続きまして,予算査定におきます施策の重点化等による縮減で50億円,内容は,普通建設事業の重点化や事業の平準化の工夫を行ったところでございます。続きまして,昨年秋の収支見通し段階からの状況の変化,これに伴います収支好転で30億円がございます。さらに,地方財政計画に基づきます市税等一般財源の増で65億円,その主な内訳としましては,地方交付税臨時財政対策債として振りかえたこと等がございまして,地方交付税では約98億円の減,それから,臨時財政対策債として88億円の増,それから,市税の増が72億円等々でございまして,合計198億円の財源措置を図ることができたところでございます。  2点目のご質問の財源調整基金の残高についての認識でございます。  税収や地方交付税などの一般財源が伸び悩む中で,当面の緊急課題や将来の札幌を見据えました課題に的確かつ先行的に対応するため,その不足財源措置として,財源調整基金22億円の取り崩しを計上したところでございまして,その結果,予算ベースで,平成13年度末の基金残高は,ご指摘のとおり,17億円になる見込みでございます。これからの厳しい財政状況などを考えますと,決して大きな数字とは申せませんけれども,財源が限られる中で,経済の活性化や少子化対策など,今からやらなければならない課題や早期に手を打っていくべき緊急の課題などに対しまして,積極的な予算措置を講じてきた結果でございますので,今後の市政の発展や市民生活の向上に,必ずや,つながっていくものと考えてございます。  今後の予算執行に当たりましては,税収を初めとした歳入の確保,また,歳出面では,可能な限りの節約に努めることなどによりまして,財政調整基金の取り崩し額を最少限にとどめ,今後とも基金残高を確保できるよう努めてまいりたいと考えてございます。  第3点目の市債残高と交付税措置についてでございますが,満期一括償還に伴います減債基金への積立分を含めました平成13年度末の市債残高2兆2,350億円の会計別の内訳でございますが,一般会計で1兆1,133億円,特別会計で60億円,企業会計で1兆1,156億円でございまして,企業会計の残高には,一般会計からの繰り出しという形で,一般会計の負担となりますものが3,312億円含まれてございますので,一般会計の自主的な残高は1兆4,445億円となります。これにつきましては,その約半分の7,119億円,これが地方交付税で措置されることとなってございます。  したがいまして,これを除く一般会計7,326億円,特別会計,企業会計の合計7,904億円につきましては,市税や料金などを充てて返済をしていくこととなります。 ◆近藤和雄 委員  続きまして,今後の財政運営につきまして質問させていただきたいと思います。  平成13年度の予算編成に当たりまして,財源不足対策として,いろんな工夫が今お話のとおりなされたということは理解をいたしました。しかしながら,これからの一段と厳しい財政状況を考えますと,政策的経費の10%マイナスシーリングのような一律削減の手法で,今後とも通用するか,行き詰まってしまうのではないかという疑問が残るわけでございます。また,今回の措置は,あくまでも単年度の財源不足対策であるわけですから,2兆円に上る市債残高や,少子高齢社会あるいは環境対策など,先ほどのご説明のとおり,行政課題は山積しているわけですから,今後も同様の,あるいはまた今回以上の財源不足を生ずるおそれがあります。  そこで,お伺いしますけれども,今後の財政運営についてどのような考え方を持っておられるのか,明らかにしていただきたいと思います。 ◎田中 財政部長  今後の財政運営についてでございます。  委員からご指摘のありますとおり,今後,本市の財政状況は一段と厳しくなることが見込まれております。  そこで,基本的な方向としましては,事務事業の厳しい選択や財源の一層の重点化を図ってまいりますが,予算編成においては,事業の目的や成果を十分踏まえた事業評価システムの連動をさらに強めてまいりたいと考えております。  また,行財政改革をさらに大胆かつ着実に推進していく必要がございますので,代表質問で市長からお答えしましたとおり,平成13年度中に,現在の行財政改革推進計画の見直しにとどまらず,本市の行革の指針でございます新行政改革大綱そのものの見直しも視野に入れまして,新たな指針の策定を予定しているところでございます。  いずれにしましても,厳しい財政状況が続く中で,市民と行政のパートナーシップの前提となります財政の透明性の確保に努め,また,事業の再構築を積極的に図りながら,新しい時代に的確に対応できます財政運営に引き続き努力していく考えであります。 ◆近藤和雄 委員  今後の財政運営につきまして要望でございますけれども,今後も本市を取り巻く財政環境はますます厳しくなると見込まれます。また,従来型の財政運営とか,あるいは予算編成手法では,もう限界に来ていると思います。時代の節目に当たっては,時には大胆な発想の転換が必要ではないかと,私は思うのです。  予算はこれまで,個別の事業に張りつけておりましたが,経済の活性化や少子高齢社会,環境問題など,関連する事業を相互に見ていかなければ,全体像が把握できなくなるのではないかと思います。行政自体も,縦割り行政から横断的なそういう発想で実行していかないといけないのではないかと思われます。本格的な地方分権時代を迎えまして,より自立的な財政運営が求められる中で,どのような目標に向けて,どのくらいの成果をもくろんでいらっしゃるのか,また,人,物,金の経営資源を会社で言えば,目標を必ず掲げて,それに向かって私どもが一緒になって,市民のために投下した費用対効果を見ていく必要があるのではないかと思います。  それで,財源には限りがあるということは承知しておりますけれども,札幌市の新税構想につきましては,桂市長は,市民の負担を求める前に行財政改革をまずやり遂げる,その上で新税導入の検討というような慎重な言い回しでいるわけですが,市の理事者におかれましては,失敗を恐れずに思い切った取り組みをしていただくことを要望したいと思います。  それから次に,平成13年度市税の予算について,引き続き質問させていただきます。  本市の歳入の根幹であります平成13年度の市税予算額は,前年度当初予算額2,660億円と比較して,額にして72億円,率にして2.7%増の2,732億円が計上されております。市税が伸びるというのは,私どもにとりまして大変うれしいというか,待ちに待ったというわけではありませんけれども,景気が回復してきたのかなという形を肌で感じさせるわけですが,予算達成が危惧される面もないわけではありません。  2月に内閣府が発表した月例経済報告では,景気は自律的回復に向けて改善が続いているとしながらも,そのテンポはより緩やかになっていると。それから,3カ月ぶりに景況判断を下方の修正をされております。3月半ばに発表予定の月例経済報告でも,引き続き景況判断を下方修正するであろうと報道されているところであります。  また,北海道経済産業局が2月に発表した管内の経済概況では,北海道経済は,回復に向けた動きに減速感が見られるとされ,個人消費等に依然厳しい状況が続いていると言われております。  こうした経済情勢の中で,私といたしましてもいろいろと,いろんな方にお会いしましてリサーチをしたわけですけれども,北海道経済は,公共投資それから住宅投資の減少,あるいは企業の慎重な投資姿勢,それから個人所得の改善おくれ等,あるいはやはりまだ銀行の貸し出しがなかなか厳しいという状態が続いております。総じて低調であるという結果を私もつかんでおります。生産性の活動自体も,鈍化傾向が見られるというようなことが鮮明になりつつあります。こういうことで,ただいま申し上げた月例経済報告などからしましても,不透明感が非常に増しているということを言わざるを得ないのではないかと思います。  そこで,お尋ねいたしますが,本市の13年度市税予算を総体としてどのような見積もりをされたのか。  また,個人市民税法人市民税固定資産税の主要3税目の増が市税の伸びの要因であるということで,先ほど申し上げたように,特に法人市民税について,経済状況の影響が大きいわけですし,個人市民税についても,リストラがあったりして,所得が上向いているとなかなか考えづらいと,私は状況を判断しております。個人市民税法人市民税固定資産税について,具体的にその見積もりをどのようになさったか内容をお聞かせいただきたいと思います。 ◎橋本 税政部長  市税予算についてのご質問でございます。  市税の予算の見積もりに当たりましては,昨年中に公表されました経済見通し各種経済指標等をもとといたしまして,これまでの課税実績あるいは収入状況,所得の動向,土地の価格の動向や建築確認申請の状況,さらには,地方財政計画なども参考にいたしまして積算をし,見積もっているところでございます。  具体的に申し上げますと,個人市民税につきましては,毎月勤労統計調査などの資料に基づきまして分析をした結果,所得の伸びが見込まれまして,前年度当初予算比で1.1%の増と見ております。また,法人市民税につきましては,主要法人が公表しております業績予測や政府が公表しております企業収益の動向等から,前年度当初予算対比で13.2%の増。それから,固定資産税につきましては,土地が地価下落による価格修正によって落ち込みますけれども,家屋におきましては,新増築家屋がふえますことから,1.9%の増と見込みまして,これに税政改正による減収分を加味をいたしまして,2.7%増で2,732億円と見積もったところでございます。 ◆近藤和雄 委員  ただいまご答弁いただいた中で,法人市民税の見積もりについては,主要法人の申告状況,あるいは政府が公表した企業収益の動向等から,前年度当初予算比で13.2%の増を見込んだということでお聞きしたわけですけれども,先ほど私が申し上げましたとおり,現在の経済状況から考えまして,非常に楽観的な見積もりではないかと思うところであります。  日本経済は,間違いなくデフレと申し上げてもいいのではないかと思います。デフレスパイラルに本当に近づいているかなという危惧をしているのですけれども,そこで,本市の法人市民税収の見積もりは,他の政令指定都市の見積もりと比較して,どのような状況になっているのか,改めてお伺いしたいと思います。 ◎橋本 税政部長  特に法人市民税の見積もりについてのご質問でございますけれども,先ほど申しましたとおり,13.2%の増を見込んだところでございます。政令指定都市との比較の状況で申し上げますが,指定都市全体の平均で26.6%の伸び率でございます。高い方から,二,三,都市を申し上げますと,仙台市では42.2%,それから大阪市では31.5%,千葉市が29.5%と,高い伸びを見ております。本市の13.2%という伸び率は,指定都市中,最低の伸びでございます。ちなみに,2番目に低いところでいいますと,北九州市の15.3%でございます。  しかし,そうは言いましても,今,委員のご指摘のとおり,最近の経済報告では,景気改善のテンポ等,緩やかになっておりますし,先ほどもお話がございましたが,北海道の経済の状況,全体的には厳しい状況であると私も認識をいたしております。  したがいまして,この予算額について,課税の面,あるいは徴収の面,双方の面におきまして,各区との連携のもとに,この予算額の確保に向けまして,一層努力をしてまいりたいと考えております。 ◆近藤和雄 委員  最後に,要望でございますけれども,市税予算は景気に非常に左右されて,市の財政当局の皆様も,景気をどう読むか,天気予報と同じでなかなか難しいのではないかなと思います。また,全体として,景気が上向かない今日の状況は非常に厳しい納税環境であると思われますけれども,予算額の確保に向けまして,収納率の向上など,一層の努力をいただきたい,頑張っていただきたいと思っております。要望いたします。 ◆大嶋薫 委員  今,近藤委員とのやりとりで,本市の今年度予算にかかわって,大まかな見通しあるいは考え方というのが示されたのかなと思っています。  現下の厳しい財政状況,また国のこれからの財政再建に向けた方向づけ,あるいは国と地方との関係,地方のいろんな課題というのは,本格的にはこれから論議されていくだろうというふうに思います。そしてまた,地方交付税のあり方,これは地方にとって一番大きな課題となってくるわけですけれども,とりあえずは,いろんな論議がされながらも,景気がある程度安定した方向に向かわなければ,なかなか論議しづらいといいますか,今の段階では,具体的な論議に踏み込めないということで,棚上げと言ったらちょっと言葉が悪いですけれども,一応,ここ二,三年の間に整理していくという方向づけになっているのだろうと思います。  ただ,その中で,今ありましたように,地方交付税,これが本市の財政にとっては大きな基礎財源というふうになっていて,これは一方では,なかなか安定的な市税収入,特に法人市民税等々にかかわっての収入基盤が弱いということは,これまでもいろんな面から指摘されてきたわけであります。  全体の今年度予算における地方交付税にかかわって,まず1点伺うわけですが,今回新たに赤字地方債というふうに表現していいのかと思いますけれども,臨時財政対策債,これまでいろんな形で隠れ借金というふうにも指摘されてきたのですが,地方交付税の特別会計,この部分を臨時財政対策債ということで明らかにしていくといいますか,地方に,後年度に地方交付税負担だよということを言いながら,現実に交付税特別会計にある問題を表に出していくのだということが示されました。これは,この交付税特別会計,13年度で打ち切り,当面といいますか,来年度予算については,半額はとりあえず国が持つ,半額は地方だよと。この対策債であると。翌年,2002年度の予算に関して言うと,これは丸々この臨時財政対策債ということで財政措置をしていかなければならないという状況になっているということです。  この流れの中で,本市の来年度の地方交付税予算計上額特別交付税を除いた普通交付税見積もり額は1,242億円というふうになっておりまして,前年度の普通交付税の当初交付額が1,386億円ですから,10.4%,約1割減というふうになっております。この主な原因というのは,今挙げました臨時財政対策債,88億円に振りかわったということになっておりまして,この88億円を見積もり額1,242億円に加えると1,330億円で,振りかえ分を上乗せしたとしても,前年度の交付額と比べると,4.0%の減というふうになっております。  これまで,本市においては,厳しい,厳しいという財政の中でも,地方交付税,大体予想を上回ってというか,右肩上がりでふえてきた経緯があります。これは,地方交付税そのものの考え方が,基準財政需要額そして基準財政収入額という地方財政計画の中で,ある程度その差額を埋め合わせするのだよというようなことで,一方では,いわゆる地方財政の放漫化を助けてきたのではないかという批判もあるわけですけれども,地方の都市の財政需要がどんどんどんどんふえていく中で,やはり本市においても,この地方交付税の交付額がふえていくという構造にあったのだろうと思います。  今年度,これが88億円を引いても4%の減というふうになっているわけですが,この見積もりがどのような根拠に基づいてなされているのかという点をまず1点,交付税にかかわって伺います。  それから,もう一つ,大きな点として,市税の決算見通し,市税収入に関してであります。  今年度の市税の予算額,前年度より180億円下回るというふうな厳しい予算計上の中で,決算では約10億円程度上回るというような見通しが代表質問の中で示されております。ただ一方,先ほど近藤委員とのやりとりの中でありましたけれども,今年度,かなり増収が見込まれるとされているわけですけれども,景気について言えば,上向きになっているのじゃないかというふうに言われていますが,なかなか底入れ感がというのはないのではないかというふうな指摘がいろんな方面からされています。  こういう厳しい経済状況の中で,本市の税務担当の皆さん,収入確保について,かなり努力を積み重ねられてきた結果がこの決算見通しについて10億円余予算を上回っているのだというふうに考えております。  しかし一方,収入率というところで見ますと,91%台,これは他の政令都市と比べると5年連続最下位という結果になっておりまして,また,収入未済額,これについても,前年に比べれば,多少縮小はされていますけれども,いまだに240億円という巨額な収入未済額があるということになっております。この収入率あるいは収入未済額の多い,少ないというのは,いろんな要因によって左右されるというふうに思いますけれども,本市特有の産業構造,あるいは人口の構成比等々,そういう社会的な要因によるものも相当あるのだろうというふうに思っています。  ただ,今後,収納対策を強化し,進めていく中で,こういう特徴をしっかりと押さえながら進めていかなければ,対策を強化するというふうに一般的に言っても,なかなか成果は上がらないのだろうというふうに思うわけでして,99年度の決算時における収入未済額約240億円,これの税目別の内訳,それと他都市と比較して本市の滞納構造にどのような特徴があるのか,あるいはないのかという点について1点伺います。  2点目として,これまで申し上げたように,我が会派からもいろんな税収対策というのを提案させていただきながら論議してきたのですが,特別滞納整理対策室設置ということに,これまで取り組んできました。来年度,新たに10名の納税対策担当係長を置くということで,納税対策の一層の強化を図ることが打ち出されました。この納税対策担当係長配置のねらい,その職務内容,そして配置の予定区について伺います。 ◎田中 財政部長  平成13年度の普通交付税の見積もりの考え方についてでございますが,平成12年度普通交付税の交付額におきます基準財政収入額及び基準財政需要額をもとに,翌年度に見込まれます増減要因を考慮して積算をしたものでございます。具体的に申し上げますと,社会福祉関係費や公債費の増などに比べまして,減となる要因が非常に大きかったものでございます。  前年度に比べて減となる主な要因といたしましては,臨時財政対策債への振りかえのほか,市税収入の増による基準財政収入額の増,投資的経費に係ります地方単独事業の減,大都市におきます財政需要に係る態容補正係数の見直しや国保財政安定化支援事業の縮減などがありまして,1,242億円と見積もったところでございます。 ◎橋本 税政部長  市税に関しますご質問のうち,まず,第1点目の市税滞納の収入未済額の税目別の内訳でございますけれども,約240億円ありますうち,固定資産税,都市計画税が,全体の約62%,149億円。それから,個人市民税が約30%で71億円,この三つの税目をプラスしますと220億円ということで,全体の9割以上を占めております。  滞納の特徴といたしましては,まず,一つ目には,今申し上げましたように,固定資産税,都市計画税の滞納額が極めて多額なものとなっている点でございまして,これにつきましては,ご承知のとおり,バブル経済後の景気の低迷等によって,特に不動産取引の停滞が現在も引き続いているということが大きな原因であると考えられます。また,二つ目には,高額滞納者の約6割は,不動産業が占めておりまして,この中には,既に破綻をしている,そういう企業等も多数に上っております。  それから,三つ目としまして,他の指定都市との比較でございますけれども,課税額全体に占めます滞納繰り越し分の構成割合については,札幌市が最も高いということが挙げられます。11年度決算での市税の収入率は,現年課税分では97%台を確保しておりますけれども,滞納繰越分につきましては,21%台という低い収入率でございまして,これは時間が経過すればするほど,当然なのですが,徴収が非常に難しくなってくるという実態にございます。この滞納繰越分の構成比率が高いことが全体の収入率の低下要因になっておりまして,本市の滞納繰り越しの構成割合については,全体の7.4%でございますが,最少の構成比率は名古屋市で3.3%ぐらい,半分以下になっております。  私どもとしましても,ただいま申し上げました,この滞納繰越分の構成割合をやはり少しでも縮小していくということが,まずは当面の目標として,現在,鋭意取り組んでいるところでございます。  それから,2点目の納税対策担当係長の設置についてのご質問でございます。  委員のお話にもございますように,やはり収入未済額については非常に高額なものもありまして,やはり負担の公平の観点から考えましても,収入の確保をすることはもとより,その縮減を図っていくということが最大の課題であると認識をいたしております。  新年度以降につきましても,引き続いて納税対策を強化する必要がございますので,先ほどお話がありましたように,10名の係長職の配置を予定しているところでございます。その配置のねらいと職務内容についてでございますけれども,滞納税額では全体の6割を占めていますが,滞納者数では3.3%という少ない数であります,100万円以上の高額の累積案件の滞納整理を促進させることにありまして,今申し上げました100万円以上の案件を担当する予定で考えております。このように高額案件に重点を絞りまして,徹底しました納税折衝あるいは財産調査などを行う中から,収入確保あるいは案件の整理に結びつけていきたいと考えております。  なお,ただいま申し上げました担当係長につきましては,税政部と各区税務部の兼務職員という形で配置を考えておりますけれども,これは,区ごとの担当案件の多い,少ない,あるいは今後の整理の状況等によりまして,状況を見て配置をする区を変更していくなど,今後の弾力的な運営を意図してのものでございます。10名の配置の内容につきましては,中央区が3名,北区と白石区がそれぞれ2名ずつ,東区,豊平区,西区が各1名の合計10名でございます。 ◆大嶋薫 委員  まず,交付税にかかわってですが,減額の要因は臨時財政対策債,これを除いた要因ということで言うと,市税収入の増が見込まれる。そのほか,投資的経費に係る地方単独事業の減,これは今後の経済対策事業の箇所づけ等々あるいは重点化という方向の中で,いろんな意味で減額に向かっていく方向にはあるのだろうと思うのですが,その後の2点,態容補正係数,これがどういう形で,どういう計算方法となっているのかというのもちょっとわかりづらい部分ではあるのですが,それと国保財政安定化支援事業の縮減,この2点,多分今後の地方交付税財政,国のですね,この見通しの中で,比較的縮減方向に多分出てくるのだろうというふうに予想されるわけですが,こういう流れの中で,今後の地方交付税の見通しということがかなり立てづらい中でも,それなりのしっかりとした見通しを持たなければならないという時期にきているのだろうと思っています。  今,臨時財政対策債の話があったわけですけれども,この振りかえといいますか,考え方が今後どういうふうに本市の財政に影響を及ぼしていくのかという点が,少し気にかかる点であります。5年計画の当初は,財源移転といいますか,こういうものはなかったわけでありまして,これが来年度,今年度の倍に増額されて,ある意味で地方債という形の枠組みに入ってくるということになるわけです。来年度はこの5年計画の2年目になるわけですが,その中で,この枠組みの変更は,この事業を進めていく上での影響があるのか,ないのか,この事業の選択というのは,かなり厳しい状況の中で進めていかなければならないわけですが,これはどのような見通しあるいは来年度予算の中でどういうふうなことになっているのかという点を1点伺います。  それから,2点目でありますが,これまでも予算編成においての事業の重点化ということについて指摘をさせていただきながら,市長からも,その決意についてを重ねて伺っておりました。本市のバランスシートを見た数値の上からも,道路,河川,公園,生活基盤となる部分,いわばナショナルミニマムに関する部分と言ってもいいと思うのですが,相当整備は進んできている。ほぼ充足されているというふうに,そういう水準に達しているのだろうというふうにも思います。ただ一方で,新しい事業に向けた展開,これは環境,福祉,教育,そういう方向に向けての厳選された事業というのは着実に実行していかなければならない。それは当然長期にわたる事業であれば,世代間の負担の公平という観点から,やはり地方債,市債を有効に,どういうふうに使っていくのかということが大変重要な課題になってくると思います。  本市においても,市債については,発行抑制目標数値を設定するという形で,年度年度の計画目標値というのは設定してきているわけですけれども,この市債の運用について,全体を抑制するという方向づけというのはやはり基本として踏まえなければならないにしても,事業の重点化という大きな方向の中で,市債がきちんとその方向づけに向けて運用されているのかどうかという点が一つ気がかりな点であります。この市債発行額の事業債別にどのようになっているのか,現状でどのように変化してきているのかという点について伺います。 ◎田中 財政部長  前段の5年計画策定時におきます財源のうち,地方交付税につきましては,平成12年度の予算額をベースとしまして,名目の経済成長率,それから基準財政需要額における経費の伸び率などを推計して算出しているところでございます。その時点で見込んでおりました平成12年度及び平成13年度,2カ年の普通交付税,この額は2,672億円でございました。平成13年度普通交付税見積額に臨時財政対策債分を上乗せした1,330億円と平成12年度の当初交付額1,386億円を合わせますと,2,716億円となりますことから,計画策定時の想定額を確保できる見込みとなってございます。  今後におきます各年度の予算編成に当たりましては,5年計画策定後の状況の変化を踏まえまして,改めて財源の見通しを精査し,5年計画事業の着実な推進に努めていかなければなりませんが,今回の地方財政対策におきます財源措置の枠組みの変更に伴いまして,5年計画の執行に与える直接な影響は特にないのではないかと考えております。  それから,事業の重点化と市債の発行の関係でございますけれども,委員からご指摘がありましたように,限られた財源で新たな行政需要へ対応するためには,事業の重点化によりまして,その推進を図っていく必要がございます。  一方,市債につきましては,建設事業に対して充当するものでありまして,ソフト事業を含めた事業の重点化の傾向をすべて反映するものではございませんが,一定の傾向は読み取ることができると考えております。  ちなみに,行財政改革推進計画のスタートであります平成10年度から13年度予算までの4年間の事業債別の発行額をそれ以前の4年間の発行額と比較をいたしますと,道路・街路事業等に係る一般公共事業債は約1.0倍と横ばいでございます。公園造成等に係ります公園緑地事業債は約0.9倍と,わずかながら減少しているのに対しまして,高齢社会への対応としての特別養護老人ホーム建築費補助などの厚生福祉事業債が約2.5倍,環境対策としての清掃工場整備等に係る一般廃棄物処理事業債が約1.9倍となっているなど,市債発行額の推移の面から見ますならば,将来に向けた事業の重点化の一端を読み取っていただけるものと考えております。 ◆大嶋薫 委員  今,市債の考え方,今後の交付税の方向づけの中で少しやりとりさせていただきましたけれども,この新たな財源の枠組みの変更,このことが,短期的には今年度あるいは来年度については大きく変化することはないのだと,十分財源が確保されると5年計画に影響がないのだというふうなお答えでありましたけれども,中長期的に見ていくと,この部分は明らかに借金に積み重なっていくということになりますから,当然,中長期的な面では,その事業をどのようにやりくりしていくのか,方向づけをしていく中で,大きな要素になってくるのか,とりあえずこの2年分の枠の変更ですけれども,それ以降については,また改めていろんな課題が出てくるのだろうと思います。重点化の点についても,環境対策,これは第5清掃工場等々あって,この間,財政需要,地方債で負担する部分がかなり膨らんできたという要素があると思いますけれども,一方で,今後,義務教育の面,学校の建てかえあるいは公営住宅の建てかえ,このあたりがかなり重点的に取り組まなきゃならない。当然,借金もこの部分に少しシフトしていくような方向づけになるのかなというふうにも考えているのですが,市長のお答えにもあったように,中長期的な財政計画について来年度中に取りかかるということでありますから,その中での計画づくり中で,またいろいろこの点については論議させていただきたいし,十分留意していただきたいというふうに思います。  市税についてですけれども,先ほどその収入率の低迷ということの要因についてご説明をいただきました。いわばバブルの後遺症という部分が重く尾を引いているのでしょうけれども,本市のいろんな産業構造の特質等々,都市の発展の歴史にかかわってのいろんな問題等も含まれているのかなというふうにも思います。  ただ,この間も指摘させていただきましたけれども,不良債権化して回収が見込めない市税債権を多く抱え込んでいるというようなことが当然推測されるわけですけれども,この不良債権化した市税,これを積極的に整理していくような方向づけ,これをぜひしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。  そこで,先ほどの答弁の中で滞納繰り越しの構成比率,これを縮少していきたいというふうなお答えをいただきました。なかなか見通しは立てづらい面もあると思いますけれども,では,その比率,どのような目標値,展望を描いているのか,また,収入率についても,そういう取り組みの中でどの程度向上させていくというような目標があるのか,この点について伺って,質問を終わります。
    ◎橋本 税政部長  滞納構成比の比率の割合,あるいは収入率の目標の点でございますけれども,委員のお話もございましたとおり,いずれも悪い状態ということで,私どもも非常に残念といいますか,何とかその向上を図りたいと努力をしているところでございます。  先ほども申し上げましたけれども,全体の収入率とその滞納繰越分との構成割合というのは,密接な関係がございますので,やはりまず滞納繰り越しの構成割合を改善させていくということが不可欠だろうと思います。  これからの展望といいますか,数値目標的なものでございますけれども,11年度の決算状況におきます他の指定都市のほぼ平均値を目安にいきたいと思っておりまして,今後5年間目標としまして,滞納繰り越しの構成比率につきましては,現状は7.4でございますけれども,5%程度へ縮少したい。それから,収入率につきましては,現在91.6という11年度の決算でございますけれども,何とかこれも平均値であります94%台へ引き上げていきたいと考えております。  現在のような景気が低迷しているような中にあって,収入率を仮に1%上げるということになりますと,大変厳しいかなという思いもしておりますけれども,何とかその目標に向けて一層の努力をしてまいりたいと考えております。 ◆義卜雄一 委員  それでは,私の方から,行財政運営につきまして,4点ほどお伺いをいたしたいと思います。  まず,1点目は,財政上の課題でございます。  今ほどお話ございましたように,この13年度予算の編成に当たりましては,ここ数年,特定政策課題といいましょうか,経済の活性化とか少子高齢化,あるいは環境対応というような重点化の枠を設けて編成しておりまして,その点では私はめり張りがきいて,評価をするものではあります。しかし,その一方で,年々公債費あるいは扶助費などの義務的経費がいや応なく増大しております。そしてまた,市税あるいは地方交付税などのいわゆる一般財源比率が低下をしておりまして,この財政の硬直化というのは,ここしばらくといいましょうか,ずっと続いている傾向でございます。歯どめはまだかかっていないという厳しい状況にあるというふうに私は思っております。  そこで,13年度予算ということで,21世紀の幕あけ,スタートの地点でございますので,今ここでこれからこの行財政運営を展望するに当たりまして,やはり原点といいましょうか,もう一度立ち返って,今,この行財政運営について着手しなければならない課題とか,テーマというものが何であるかということをいま一度市民の前に公表し,示していくという,そういう必要があろうかと思います。  先日の市長の記者会見にもありましたように,依然として財政力が非常に弱いという状況は一気に解決できるものではないという認識を示されておりますけれども,このようなときにこそ行政あるいは市民,議会も協働して,この解決に向かって取り組んでいくことが何よりも現下は重要ではないかと思っております。  そこで,1点目の質問でございますけれども,財政当局が現在把握されております財政上の主な課題,これはどのようなものであるのかをまず,お示しを願いたいと思います。  それから,2点目は,いわゆる今後の行財政システムの取り組みについてでございます。  この点につきましては,先般の代表質問で,我が党の森議員から,行財政運営について市長の見解をお伺いしたところでございます。  この市長答弁というのは,私は,今までにないような発想での答弁だったと思っております。市長はこのように答弁されております。これからの自治体経営は,行政が唯一の主体ではなく,市民や企業も含めた多様な主体が,それぞれの役割を担いながら,一体的に運営されるものであり今後とも行財政システムの改革に積極的に取り組んでまいりたいというようなことでございます。今まで自治体経営というのは行政が主体であるというふうに思っておりました。今の流れは必ずしもそうでないという動きがありますけれども,市長は,行政が唯一の主体ではなくて,市民・企業もというところまで踏み込んだ答弁をされたわけでございます。私は,この点は今後大事な視点ではなかろうかと思っております。  いわゆる従来型といいましょうか,公私二分論といいましょうか,片一方は行政,片一方は民間というような相対するというか,対極に置くという考え方があったわけでございますけれども,公共を担っていくというのは,やはり行政ばかりではなく,民間企業あるいはNPOも大きな役割を持つものであると,このように思いまして,今後重要な視点になってくるのでないかと思っております。  この民間の動きですけれども,経団連がアンケート調査を行ったデータがあります。2年ほど前でしょうか,いわゆるPFIに関するアンケート調査ということで,市場原理を活用した社会資本整備と構造改革の実現というアンケートを行っております。この中の,我が国においてPFI事業の導入に対してどのように考えているかというアンケートに対しまして,積極的に進めていくべきであるという企業が66社,全体の94.3%にも達しており,やはり民間企業においてもそうした芽生えがあるといいましょうか,底流があるのかなというふうな認識を持っております。  そこで,お伺いいたしますけれども,これまで皆さん方が,あるいは我々が考えて実施してまいりました,行政内部経費の節約とか,そういう従来の枠にとどまることなく,言ってみれば,ちょっと言葉が悪いですけれども,単なる減量経営というような方式だったかと思いますが,そういうことではこれからの本質的な解決にはならないのではないかというふうに思います。したがいまして,今後の行財政システムの改革につきまして,財政当局としてどのような認識をお持ちか,お伺いをしたいと思います。  3点目でございます。  その具体的な取り組みについてでございますけれども,13年度の予算編成におきまして,この行財政システムの改革に向けて,今,手がけなければならないものは,どのようなものがあるのかということをいま一度整理したいと思いますので,どういう見解をお持ちか,お伺いをしたいと思います。  それから,4点目は,いわゆる税務職員の研修でございます。  今ほど,税政部長から体制についてのご答弁がありましたけれども,札幌市の行財政改革推進計画の主要な項目の中にも,滞納整理の徹底強化という項目が挙げられておりまして,言うまでもなく,歳入の根幹であります市税収入の確保を図っていくということは重要な課題であると私は,思っております。  そこで,2月に公表されましたこの行財政改革の取り組み状況について,収入率の向上と市税の収入確保に向けて,納税対策の強化に向けた機構改革,あるいは納税指導の強化及び研修の充実がここで挙げられておるわけでございます。確かに今ほど話ありましたように,この滞納整理事務というのはなかなか容易なことではないと思います。特質性があり,いろいろな能力や専門的な知識が要求されております。  そこで,職員研修というものを,私は,皆さん方の中で,今までも長い間されてきたことかとは思いますけれども,納税職員を対象とした研修はこれまでどのようにされてきたのか,あるいはまた,これからどのような研修体制で充実をさせようとしているのか,まず,この4点についてお伺いをしたいと思います。 ◎田中 財政部長  第1点目の財政上の課題につきましては,税収の伸びが期待できないことや地方交付税制度も含めた地方分権下におきます税財政のあり方などの制度的な問題,さらには公債費の増大などの多くのことが挙げられますが,特に本市として,早急に検討していかなければならない具体的な課題としましては,5点ほどあるかと思います。  まず,一つ目としましては,企業会計への繰り出し金の問題がございます。  企業債の元利償還などへの繰り出しや交通・高速電車事業会計への財政支援などの繰り出し金が,一般会計にとって大きな財政負担,財政硬直化の要因となってございまして,繰り出し金全般にわたる見直しが不可避となってございます。  二つには,公共施設等の更新経費の増大がございます。  政令指定都市移行に伴い,急ピッチで整備を進めてきた区役所,学校,体育館,図書館等がそれぞれ耐用年数を迎えることとなりまして,その更新経費の増大が見込まれ,事業の平準化などによる計画的な整備が急務となってございます。  三つには,退職手当の問題です。  今後,定年退職者が急増しまして,ピーク時の平成21年度には全会計で約800人,所要退職金は250億円程度となることが見込まれ,この財源手当が大きな課題となってございます。  4点目としては,生活保護を初めとする扶助費の増大がございます。  特に,本市の生活保護率は,指定都市の中で,大阪市に次いで高く,平成13年度予算での生活保護扶助費は前年度比12.2%の増の726億円にも達している状況にございます。  最後に,国民健康保険会計の財政赤字問題を挙げなければなりません。  保険料抑制などのために,13年度予算で一般会計から266億円の繰り入れを行っておりますが,なお多額の累積赤字を抱えている状況にありまして,負担の公平性や国保制度の安定の観点から,制度のあり方について早急に検討する必要がございます。  今挙げました五つの課題などは,市だけの努力では無理な部分もございますが,中長期的な展望のもとで,行政の透明性を確保しながら,関係機関とも十分な論議を進めていく中で,解決の方向性を見出していかなければならないと考えております。  第2点目の行財政システム改革に対する認識でございます。  これまで,日本のほとんどのシステムが右肩上がりの経済を前提としたものになっていたわけでありますが,今後は,これまでの経験がかえって,行財政運営の妨げとなってしまうことも覚悟しなければならない時代で,しかも行く手がなかなか見えてこない非常に難しい時代に立ち至ったと認識をしているところでございます。  このようなことから,当然,予算編成行財政改革につきましても,ある意味では,ゼロベースに立ち返って検討していく必要がございます。この場合,企業経営の中で蓄積されてきたさまざまな経営マネジメントのノウハウなども勘案しながら,権限移譲や成果主義による人材の有効活用,知識や知恵の共有化による組織の活性化などによる自治体経営,こういう視点が重要になってくるのではないかと考えているところであります。  第3点目の13年度予算編成における行財政システムの改革の具体的な取り組みについてでございますが,まず,1点目としては,事業評価システムを挙げることができると思います。  本年度は,平成11年度の実施結果を踏まえまして,局の機能強化を図る観点から,予算編成との効果的な連携を重視したところでございます。すなわち,各局においては,事業の必要性や成果等を十分検証した上で,事業の優先度のランクづけを行いまして,予算要求に結びつけたところであり,各種補助金につきましても,同様の精査を行った上で,補助対象事業や補助率等について見直しを実施いたしました。  次に,公会計制度改革についてであります。  これからは,市が保有しております資源の有効活用が何よりも大切になってまいります。その一つであります財産と負債を明らかにするものがバランスシートでありまして,既に平成11年度決算までを公表しているところでございますが,平成13年度の予算編成に当たりましては,このバランスシートで明らかになりました資産の分野別の整備状況等も踏まえながら,投資的経費の重点化を図ったところであります。また,企業会計や特別会計も含めた市全体の財政状態をよりわかりやすく示すために,現在,連結決算の作成に取り組んでいるところでございます。このような取り組みは,市民へのわかりやすい財務情報の提供として,また,財務内容のディスクロージャーとして,資金調達を円滑に進める上で役立っているものと考えられます。  さらに,新しい時代に対応して,情報技術を活用し,行政改革を推進するための指針ともなりますITアクションプログラム,これにつきましては,現在検討を進めているところでございまして,これも,今月中にまとめる予定となっておりまして,この関連事業費を13年度予算に計上しているところでございます。 ◎橋本 税政部長  4点目の納税職員に対します研修についてのご質問でございます。  滞納整理事務を進める上で,法律知識を含めまして,折衝能力,いわゆる徴収技術は極めて重要なものと考えてございます。  したがいまして,これまでも滞納整理に必要な法律知識の習得に加えまして,滞納者の事例に対応しました対処方法の研修,それからビデオ研修など,視覚に訴えるような研修等も積極的に取り入れ,実施をしております。平成12年度からは,各区に研修を担当いたします主査の明確化を図りまして,研修の充実に取り組んでおります。受講機会を一層増加させる,あるいは納税指導者研修など,新たな研修についても開始したところでございます。職員個人個人の折衝能力,徴収技術を向上させていく上で,研修は極めて重要でございますので,今後とも充実強化してまいりたいと考えております。 ◆義卜雄一 委員  今の納税職員の研修の点につきましては,今後さらなる充実強化を求めておきたいと思います。  そこで,財政部長の方から今いろいろご答弁ありましたけれども,繰り出し金の問題にしても,公共施設の更新の問題にしても,いずれやらなきゃならないことですけれども,非常に重たい課題であると思っております。繰り出し金の見直しをするというのは,話としてはそうなのでしょうけれども,実際,どこまでどうなるかというと,会計があるわけでございますので,その会計の原局でどこまで努力をされるかということもあるでしょうし,今後これは全庁挙げて取り組まなきゃならない課題ではないかと思っております。  今までも,財政当局としては,補助金の問題から財政の中身に踏み込んで,さまざまな努力をしてきたということはわかりますけれども,今ほどご答弁ありました今後に向けての行政システムの改革ということは,これから総力挙げて取り組んでいただきたいと思っております。  そこで,お伺いしますが,今までも確かに厳しい財政の状況でございましたけれども,今後これがますます厳しくなると,財政非常事態宣言というものも出したこともあるわけですが,特に人件費,これは当然,退職金というものもふえてくるわけでございますので,大きな財政の圧迫要因になるというふうに考えられますけれども,この人件費につきまして,財政の運営上,どのようにとらえられようとしているのか,お示しを願いたいと思います。 ◎田中 財政部長  今後の財政運営は,これまでになく非常に厳しい状況にあると認識しておりまして,したがいまして,既存の資源をいかに有効に活用していくかが大きな課題になってきていると考えてございます。  ご指摘ありましたように,人件費は,コストと同時に行政サービスを生み出す最大の源泉でもありますので,この面もきちんと認識しなければならないと考えております。  そこで,人件費のコストにつきましては,これまで以上に事業費とあわせてとらえていく必要があると考えており,現在,公会計制度改革の一環として,コスト研究会を設置し,この中で,人件費コストについて研究しているところでございます。こうした研究での成果なども踏まえまして,事業の総コストを把握し,明らかにしていきながら,費用対効果の検証やコスト意識の徹底を図っていくことが重要であると考えているところでございます。 ◆義卜雄一 委員  今,ご答弁ありましたように,非常に重たいテーマであろうかと思いますけれども,しっかり取り組んでいただきたいと思っております。  そこで,課題はたくさんあるわけでございまして,本市が取り組んでまいりました事業評価にしても,あるいは企業会計的手法の導入にしても,あるいは組織のフラット化,いろいろ取り組んでまいったところではございますが,私は,きょう特にここではあえて議論は出しませんけれども,民間委託ということもこれから取り組むべき視点の中に入れていくべきではないかと思っております。  本市は今まで民間委託に余り取り組んでこなかったかといえばそうではなくて,それなりにいろいろ取り組んできたわけでございます。何を申し上げたいかといいますと,先ほど申し上げましたように,行政の主体というのは本市行政ばかりではなく,これは国挙げての流れでございますけれども,当時の通産省が既に,行政サービスについて,アウトソーシング研究会なるものを立ち上げておりまして,外部委託の研究を始めているということでございます。ことしの5月をめどに,この報告を取りまとめるというような流れになっておりまして,これは,札幌市が今まで取り組んでこなかったような分野にも,この民間委託の手法を取り入れようとしている動きでございます。国の手法がすべて札幌市に当てはまるかというと,これまたそうではない部分もあろうかと思いますけれども,こうした動向を見ながら,またしかるべきときに議論をしたいと思っております。  いずれにしましても,今後の財政運営,一層厳しくなると思いますので,知恵を絞りながら,むだのない行政システムを早急につくり上げていただきたいことを要望いたしまして,質問を終わります。 ◆宮川潤 委員  私は,まず市債の問題で質問いたします。  この問題は,我が党の生駒議員が代表質問で借金財政克服の見通しをただしたところです。すなわち,行財政改革推進計画で発行額の数値目標を98年度,932億円としたところ,実際の発行額は1,135億円で,203億円の超過。99年度,930億円の目標に対して,971億円で,41億円の超過。2000年度,900億円の目標に対し,983億円の発行で,83億円の超過。新年度は,850億円の目標に対し,予算案では838億円と抑えられておりますが,4年間の通算で見ると,3,612億円の目標に対し,発行額が3,927億円で,315億円超過している状態です。5年間で4,412億円に抑制する目標に対する見通しについて,市長の答弁は,特別な市債を含めた総額においては,数値目標の達成は困難としました。  そこで,質問ですが,私ども日本共産党は,これまでも,市債の大量発行で借金財政から抜け出すことができず,市債発行抑制計画は破綻したのではないかとただしてまいりました。改めて計画の破綻とお認めになるのかどうか,伺います。  さらに,代表質問の答弁では,総額での達成は困難としながらも,それに続けて,特別な市債の元利償還に対しましては,後年度,地方交付税による財政措置が行われるため,これらを別扱いにすると,当初計画に近い数値を維持していると述べておられます。  端的に伺いますが,特別な市債とは,この場合,何を指しておられるのか,また,その市債を別扱いにするという考え方はどういうことなのか,伺います。  次に,まちづくり推進基金について質問します。  新川と米里北工業団地の失敗による赤字補てんが合計14億2,700万円,この両団地とハイテクヒル真栄,アートヴィレッジ,さらに篠路住宅団地の売れ残った土地をこの基金で買い取ることになれば,その額が193億2,700万円。総計で207億5,400万円もの資金が投入されることになります。  私どもは,開発の失敗を市民福祉にもかかわるまちづくり基金で後始末することを問題としてきましたが,篠路の未分譲地が膨大であるために,2000年度末には,基金現在高202億700万円のうち,土地が191億3,400万円で,95%を占めるに至り,現金は,わずか10億7,300万円,5%しかなくなるという,極めて異常な事態となることが明らかになりました。  基金の運用に支障を来すこのような状態は問題だと思うのですが,どういう認識でおられるのか,伺います。 ◎田中 財政部長  まず,最初の市債発行に関するご質問についてお答え申し上げます。  市債発行抑制計画につきましては,代表質問において,市長からお答えいたしましたとおり,国,地方を通じた財政全体の枠組みが大きく変更されたことに伴う臨時財政対策債などの特別な市債を含めた総額においては,数値目標の達成は困難な状況となっておりますが,これらの特別な市債を別扱いにすると,当初計画に近い数値を維持しているものと考えておりますことから,破綻とはならないものでございます。  次に,市債発行抑制計画との関係で言う特別な市債ということでございますけれども,臨時財政対策債,減税補てん債,減収補てん債のことを指して,これらを特別な市債と申し上げてございます。  市債発行抑制計画は,将来の財政負担の累増を考慮しまして,起債充当事業費の縮減による市債発行額の抑制を行おうとするものでございますが,臨時財政対策債,減税補てん債,減収補てん債などの特別な市債は,地方交付税や税の振りかえ財源でありまして,その元利償還に交付税措置がなされるとともに,起債充当事業の縮減と直接的にはリンクしないということから,一般の事業債とは性格を異にするため,発行抑制計画策定の趣旨において別扱いとして整理できるものとしたものでございます。 ◎黒松 管財部長  第2点目のまちづくり推進基金の現金の減少についてでございますが,改めまして申し上げるまでもございませんが,基金の効率的な運用の面から考えますと,非常に厳しい状況であると認識しております。  しかし,従前から,団地造成事業におきましては,未分譲地をまちづくり推進基金で取得した上で事業を閉鎖しているところでございます。これは,未分譲地を長期に保有し,借入金の金利を負担し続けることよりも,このまちづくり推進基金の資金をもって借入金を返済し,金利負担をなくすることが得策であると判断したものでございまして,現状においてはやむを得ない措置であると考えているところでございます。 ◆宮川潤 委員  市債の問題で,特別な市債という扱いにした減税補てん債と減収補てん債と臨時財政対策債とのことでありますが,このうちの臨時財政対策債,すなわち赤字市債は,新年度から新たに設けられた,国が財源不足のために本来交付税で措置すべきところ,それができないために,地方に借金を押しつけてきたものですけれども,減税補てん債,減収補てん債は,これまでも発行してきたものです。  99年の決算特別委員会で,私の質問に対する財政部長の答弁ですが,発行額の中に減税補てん債,減収補てん債が含まれているとしながらも,結論的には,引き続き市債発行の抑制に努めまして,平成10年度までの計画期間の中で,数値目標の達成に向けて最大限の努力を今後とも続けてまいりたいとし,減税補てん債や減収補てん債を別扱いにして除くなどとは言っておりません。つまり,減税補てん債,減収補てん債も含めて,数値目標の達成を目指していたのです。2000年の予算特別委員会でもまた,3定の決算特別委員会でも同様の答弁を繰り返しています。  このたびの代表質問の答弁で,特定の市債について別扱いにするという考え方を持ち出したのは,計画達成に向けて努力するというだけでは済まない状況,つまり,計画の破綻がいよいよ明らかになったために,特定の市債を別扱いにして,市債残高の見かけ上の縮小を図ろうとしたのではありませんか。そうだとすれば,苦しい言い逃れにしかならないのではないでしょうか。減税補てん債,減収補てん債などを除いた発行額,その残高で行財政改革推進計画の市債発行抑制計画への到達を図ろうということなのか,それでよしとするおつもりなのか,伺います。  次に,先ほどの答弁でも,いわゆる特別な市債,赤字市債,減税補てん債,減収補てん債が交付税で措置されるということでありましたが,この点について,交付税で措置されるものなら,市債が増嵩しても問題なしとお考えでありましょうか。  本来,国の補助金で賄われるものも起債に振りかえられて,後で交付税措置するというやり方,国,地方の財源不足を市債,そして20年間かけての交付税措置という手法がとられています。本来,基準財政需要額と基準財政収入額との差は,交付税で措置すべきであり,財源不足が続く場合は,交付税率を引き上げるのが筋であります。そうせずに,市債と20年間先送りしながらの交付税措置というのは,公債費の分を20年間にわたって先送りし続けるということで,結局は,交付税率を上げるべき分を後の世代に公債費負担としてつけ回しすることになり,将来の地方財源を先食いしてしまうということだと考えるものです。交付税率が上がらないために,20年間にわたって交付税を借金返済に充てるやり方は,交付税制度を変質させるものだと思いますが,いかがか。また,将来にわたって,地方財政の硬直化を招くことになると思いますが,この点についてもいかがか,伺います。  まちづくり基金についてでありますが,工業団地の赤字補てん,未分譲地の買い取りによって,使える現金がなくなった問題に加え,新川,米里北,両団地の土地を基金が分譲するに当たり,買ったときよりも安い価格で売る逆ざやのために,売れば売るほど赤字が膨らみ,その損失は1億6,000万円,さらに,まだ売れずに抱えている土地と新たに抱える篠路住宅団地の土地の含み損が22億1,300万円にもなります。文教施設整備と公園にも活用するはずの基金が,文教,公園には94年以後,全く支消されない状態が続いております。  団地での赤字補てんや逆ざやなど,22億を超えていることは,やむを得ないで済む規模ではなくて,責任が問われる事態とはお考えにならないのか,改めて伺います。 ◎田中 財政部長  第1点目の特別な市債の関係についてでございますけれども,確かに平成5年度から平成9年度までの発行額4,890億円の中には,減税補てん債などが含まれていましたが,市債発行抑制計画の数値目標を策定する段階では,この4,890億円の内訳について議論したものではなく,総額自体を発行抑制のための目標設定のスタートラインにしようとしたものでございまして,今回の別扱いの議論とは関連していないところでございます。  なお,臨時財政対策債につきましては,平成13年度の地方財政対策として創設されたものでございまして,また,減税の補てん債は,平成10年6月に可決されました総合経済対策関連予算において新たに追加された特別減税や平成11年度以降の恒久的減税に関連したものでございまして,さらに減収補てん債は,毎年の発行が当然に認められるものではなく,年度ごとの地方財政事情等から取り扱いが決められるものでありますことから,あらかじめ想定されてはいなかったものでございますので,ご理解をお願いいたしたいと思います。  なお,特別な市債として考えている臨時財政対策債などは,交付税措置があるということのみならず,地方交付税や税の振りかえの性格を持つものである点が,他の交付税措置がある市債と異なるところでございます。臨時財政対策債と減税補てん債は,一般財源として発行するものでありますし,減収補てん債についても,同様の性格を有しているものでございます。  2点目の交付税の使途を特定することにつながり,財政の硬直化につながるのではないかというご指摘でございます。  地方の自主的・主体的な地域づくりを推進するための単独事業や国,地方が歩調を合わせて行った地域経済対策など,地方にとって必要な事業を推進するために地方債を活用することは,国,地方を通じて大幅な税収増を見込むことが難しい財政状況にありましては,ある程度やむを得ないものであると考えております。この場合,市債の元利償還金に対する交付税措置は,借入金の増加によって将来の財政運営に支障を来すことのないように措置されるものでありますことから,大変重要な役割を果たしているところでございます。  また,地方交付税は,地域間の経済力の格差等により,税源に大きな偏在があるため,この財源の不均衡を調整し,標準的な行政水準を維持するという目的を持っております。したがいまして,臨時財政対策債などの特別な市債の元利償還に対する基準財政需要額への新たな負担によりまして,標準的な行政水準を維持するための基準財政需要額は減額されるものではなく,必要な交付税総額が確保されることによりまして,安定した財政運営が図られるものと考えております。  したがいまして,地方交付税が果たす本来の機能が決して損なわれるものではないと認識しております。 ◎黒松 管財部長  基金の目減りについてでございますが,この基金の活用につきましては,現実的な対応策といたしましては,先ほど申し上げましたように,新たな金利発生を抑制し,さらに実勢価格により,未分譲地を早期分譲することによりまして,経済の活性化や税収の確保を図ることの方が市政全体で考えれば得策であると,そういう判断をしたところでございます。 ◆宮川潤 委員  まず,市債の問題でありますが,市債発行抑制計画の基本は,98年度から2002年度までの5年間の市債発行額をその前の5年間,93年度から97年度までの発行額に比べて10%削減するということが基本になっているというふうに思います。  93年度から97年度までの発行額の合計は4,890億円ですから,10%削減するということで,98年度から2002年度まで4,412億円という目標がつくられた。そちらからいただいた資料によりまして,93年度から97年度までの発行額4,890億円の中には,減税補てん債,減収補てん債が含まれて,その合計額が811億円,この811億円分,もし減税補てん債,減収補てん債別枠という考え方を取り入れるのであれば,93年から97年までの4,890億円についても,この分は別扱いにしなくてはいけないのじゃないですか。もしもそれを除けば,93年から97年度までは,市債発行額4,079億円という基準にしなくてはならない。そうした場合,その10%削減した額は,3,671億円です。98年度から2002年度までの5年間の発行額を多いか少ないかと評価する場合,別枠と,特定の下について別枠という基準を持ちますのであれば,前5年間の3,671億円,それとそことの比較をしなくてはならないのではないでしょうか。93年から97年までは,減税補てん債,減収補てん債を含めて,98年から2002年度までについては,それを除くというやり方では比較にならないと,あるいは10%削減したかどうかという評価には当たらないというふうに思うのですが,いかがでありましょうか。  次に,赤字公債と交付税についてでありますが,ただいまの答弁で,基準財政需要額の算定には含まれ続けると,算定され続けるというような答弁でありましたが,私は,それが本当にこの後も確かなことになっていくのかと,間違いなく続くのかという懸念があるのであります。  最近は,財界などの要望などもありまして,国においても,制度として交付税を見直すという動きもあるようです。昨年10月の地方制度調査会の答申でも,巨額の財源不足の補てんを交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金等により賄っているが,現在,特別会計の借入金残高は,38兆円にも上っている。今後このことを十分踏まえつつ,財源不足の縮小に努め,適切な地方財政対策を講ずるべきであると。財源不足がいかに深刻かということを訴えております。  大体今回の赤字公債の発行も,交付税で措置できないような状態であるから,5%カットしてとられたという異常な方法であります。  こういう中で,後で交付税措置されるということで安泰と考えられるのか,また,交付税カットされて,地方にしわ寄せされるということがないのか懸念されるところであります。将来に公債費負担のツケを回さないために,交付税率の引き上げこそ国のやるべきこととして求めるべきと思いますがいかがか,改めて伺います。  まちづくり基金に関してでありますが,先ほども申し上げましたが,文教施設整備には,94年以降,支消されない状況となっております。  私ども日本共産党は,学校校舎の老朽化,改築の必要について,これまでもたびたび取り上げてまいりました。本市の学校は,一時期急激に新設が進んだために,今後一斉に改築の必要性に迫られます。  99年3月に,総務局都市政策室が,公共施設の建てかえ需要調査をまとめておりますが,それによりますと,学校の建てかえ需要は7年後の2008年に第1回目のピークがきて150億円近くになり,第2回目のピークは2025年で300億円を超えることが見込まれています。  このような大変な状況になっていくわけですが,現在でも,耐力度調査をすれば,改築の必要が明らかになる学校があっても,改築が先送りになっているのが実態であります。この改築の先送りをいつまでも続けることは,危険を放置するとともに,後年次の財政負担を一層厳しいものにしていくことになり,急いで対応することが必要です。  そういう中で,文教施設整備の役割も持つまちづくり基金の現金が底をついて,対応できない状況は問題であると思いますがいかがか,また,今から学校改築のための基金を積み立てる必要があると思いますがいかがか,財政当局に伺います。 ◎田中 財政部長  まず,第1点目でございますが,繰り返しになると思いますけれども,発行抑制のための目標設定のスタートラインということで総額自体を10%カットの形で。今後とも発行に当たりましては,慎重に今後の事業などを留意しながら発行抑制に努めるという観点での抑制計画でございましたので,今回の別扱いの議論とは関連していないという,そういう認識でございます。  それから,先ほども申し上げましたが,臨時財政対策債と減税補てん債につきましては,一般財源として発行されるものでございますし,減収補てん債についても,同様の性格を有しているものでございまして,これにつきましては,今後の財政状況の観点からどうなのか不安というご懸念の点もございますけれども,そういう面では,我々,国の方への要望活動の中で,きちんとした形でご要望を伝えてございます。  平成13年度のこうした財政措置につきましては,国も地方も大変厳しい財政状況にあることは双方十分に認識しているところでございまして,今回の制度改正が行われてございますけれども,地方財政の運営に支障が生じることがないよう,国の厳しい財政事情なども総合的に勘案しながら,必要な措置がとられたのではないかと,考えているところでございます。
     今後の財政措置につきましては,国,地方を通じた財政の健全化が進められます中で,税財源の移譲を含め,抜本的な措置が講じられることが望ましいと考えておりまして,機会を通じて国の方にも要望していきたいと考えてございます。  それから,学校の建てかえのための基金の積み立てということでございました。  ご指摘の学校施設を初めとしました公共施設の更新経費が,今後の本市の財政運営にとりましても大きな課題になってくるという趣旨につきましては,私どもも同じ認識でございます。  ただ,まず確認させていただきたいのは,委員がいろいろおっしゃっております今後のいろいろな数字がございますが,将来の更新事業の動向につきましては,現在のところ,しかとした数字を持ってはございませんけれども,ご懸念の学校施設につきましては,政令指定都市の人口急増を機に整備したものでございまして,今後,改築などの更新時期を迎えるに当たりまして,その対応をどうしていくかについては,財政面においても重要課題の一つであると認識しております。  しかしながら,単に経過年数に基づきまして改築を行うというのではなくて,各学校の老朽化の状況など実態の把握に努めまして,改築が必要なのかどうなのか,それとも当面大規模修繕で耐えるのかなど,それぞれの状況に応じて適切かつ効率的な事業手法を選択するなど,予算の効率的な運用に努めることが重要であると考えてございます。  したがいまして,平成13年度に,教育委員会におきまして,新たに健全度調査を行い,各学校の実情に応じた保全計画を策定して,中長期的な財政需要を把握することとしてございまして,今後関係部局で調整を図りながら,より効率的かつ計画的な学校施設の保全に努めていくこととしてございます。  また,まちづくり推進基金の現金残高が不足をしまして,建てかえに対応できないのではないかとのご指摘でございます。そもそもまちづくり推進基金は,公園,学校,その他の都市施設の整備ですとか,団地造成事業の円滑な運営など,広く街づくりに活用されるものでございまして,ただいま申し上げました計画的な学校施設の保全につきましては,この基金だけでの対応というのではなくて,本市の財政全体の中で検討していかなければならないと考えております。  また,基金の積み立てにつきましても,現在及び将来の財政需要や財源の確保などにつきまして,総合的かつ慎重に検討を進めていく必要がありますことから,今後とも計画的な財政運営に努めていく中で対応していきたいと考えております。  いずれにいたしましても,公共施設の更新需要を初めとしまして,退職金や公債費,さらには少子化・高齢化ですとか環境対策など,新しい行政課題にかかわる経費は今後とも増大していくことが見込まれますので,これまで以上に中長期の観点も踏まえた財政運営に努めていくこととしております。 ○道見重信 委員長  その前に,宮川委員に対しまして,公債額の発行総額の認識については,平行線をたどっております。ついては,そのことを踏まえた上で発言をお願いいたします。 ◆宮川潤 委員  注意には及びません。  まず,今の答弁,最後のまちづくり基金ともかかわりながらの答弁の中で,広く街づくりにかかわる基金だというような答弁でありましたけれども,私は,その前にこのようにも言っております。団地については毎年支消しているのです。しかし,文教施設整備には,94年以降全く支消されないという状況であり,私は,このことをバランスを欠いた支消の仕方だというふうに考えております。  それから,私がいろいろ数字を言ったというふうにおっしゃいました。先ほども言いましたように,私がいろいろ言ったのではなくて,99年3月に,総務局都市政策室が公共施設の建てかえ需要調査をまとめたので,その数字を申し上げたまでです。この点について指摘をしておきたいというふうに思います。  それから,特定の市債を除くというような考え方についてですけれども,答弁を聞いた上で,やはり私には,あの市長の代表質問の答弁は,市債の抑制が思うように進まなかった,見通しがないということを受けての苦しい弁明だったというふうにしかやはり聞こえない。市債発行を抑えて,財政再建を本当に追求するには,例えば,コンベンションセンター,用地を含めて206億円になりますが,それに対して市債は180億円です。こういうところに大胆にメスを入れて,中止すべきものは中止するということをしなくては,借金漬けは解消できないというふうに思います。  国が,銀行には70兆円投入するとしながらも,地方には必要な交付税も措置しないと,赤字市債を押しつけるようなやり方をしている。交付税が将来にわたって借金返済に充てられるという,交付税の変質は問題でありますし,地方自治体の立場から,しっかりと言うべきことは言うという姿勢をぜひ示していただきたいと要望して,終わります。 ◆田中昭男 委員  私からは,財政調整基金と話題になっております雪目的税,この二つについてお伺いをしたいと思います。  財政調整基金ですけれども,少しご論議がありましたので,端的にお聞きしたいと思いますが,昭和56年の287億からずっと取り崩しをしてきていると。昭和60年に46億円,平成3年度に48億円,平成4年度が過去最高の80億円,そして平成10年度は32億円と,バブルの経済の破綻ということで経済対策といったようなものやら,もろもろの財政需要にこたえるためにということで取り崩しをしてきており,今日に至っているわけでございますけれども,13年度予算の中では22億円の取り崩しを計上して,そして13年度末には17億円になるという見込みの予算になっているわけですが,その見込みの前提として,平成12年度に予算計上されております45億円ですね,これがどういうことになるのか。全額45億円取り崩してしまうのかどうか。この辺も財政調整基金の問題について結構大きなウエートを持っているわけですから,平成12年度の45億円はどれくらい,全部使っちゃうのかどうか,その辺まずちょっとお聞きをしたいというふうに思います。  二つ目の雪目的税でございますけれども,昨年の4月の地方分権一括法を契機として,東京都などを初めとして,各地方自治体で新たな財源が模索されているということで,幾つかの例が出ているわけでございますけれども,最近の例ですと,横浜市が中央競馬会の馬券の売り上げに対して,たしか5%だったと思いますけれども,課税について,昨年の暮れに条例化をしたと。そのことについて,所管である総務省の判断を,今,待っているという状況のように思っております。3月の中旬から下旬といいますから,もう少したったら,総務省の見解が出されるのでしょうけれども,引き続いて,大阪も検討しているようですし,東京の文京区も検討しているようで,また,福島も何かやっているというふうなことでございますから,競馬場を持っているか持っていないかによって,自治体の取り組みが少し違うようですが,そうなると,札幌市の場合はどうするのだという論議がまた起きてくるかもしれません。  河口湖の周辺町村では,釣り人がいっぱい来るものだから,釣り税というのを検討したらどうかと,こういうふうなことも言われていると。パチンコに対して税金をかけるかというような話もあったように思います。  いずれにしましても,新しい税を各地方自治体が検討しているということは耳にしているわけでございますが,ただ,私が見させていただく部分についてはというふうに申し上げますけれども,これらは一貫して全部の市民あるいは市民一般を対象とした新税ということではなく,特定のある集団に対して,その負担能力や,あるいは受益と負担とのバランス,行政サービスを提供せざるを得ない,それとのバランスについて,そういう形での新税の検討ということでないかなというふうに見させていただいているわけでございます。  ところが,今,本市で問題になっております雪目的税ですね,これは去年の7月に設置されました,札幌市財源に関する研究会で,現在論議をされているということのようですが,報道によりますと,雪対策にかかわる雪目的税という目的税と新聞で表現されております。  これも必ずしも代表質問の市の答弁で否定されているわけではなさそうですから,やはり目的税として検討されているのかなというふうに,そういう認識でおりますが,もしそういう雪の問題を目的税として検討すると,雪対策を税で考えるということになると,これは今の横浜とか東京の場合と違って,市民全部を対象にした税で,しかも目的税ということになるわけですから,札幌市のこの研究会で論議されている雪に対する部分だけについて言えば,全国的な取り組みとは相当違った方向を向いていらっしゃるというふうに考えざるを得ないかと認識をしております。  雪に関しましては,今さら申し上げるまでもありませんけれども,実質的には過去20年ぐらいかなというふうに思いますが,行政も努力をしてきているし,市民の皆さんも努力してきているし,業者の皆さんも技術開発に大変努力をされて今日に至っているわけです。先行きも含めて,やっぱり予算編成上,あるいはまた財政構造上なかなか難しいということはわかるにしても,全部かどうかわかりませんけれども,税として市民がこれを負担をすると,目的税としてということになると,少し無理があるのでないかなというふうに思います。  そこでまず,この財源に関する研究会が,改めてどういう経過で設置されたのかということと,報告書近々ということでお聞きしていますが,いつごろその報告書が提出されることになるのか,さらに,雪対策の雪目的税だけが今俎上に上がっておりますが,研究会の中での論議ですから,おっしゃっていただける部分,いただけない部分あるかもしれませんが,雪以外にどのような税が研究されているのかどうか,それをまず,お尋ねをしたいと思います。 ◎田中 財政部長  1点目の財政調整基金についてであります。  13年度末見込み残高17億円につきましては,12年度予算に計上している45億円を全額支消するという前提で算定したものでございます。  12年度の決算見込みにつきましては,現時点では,まだ不確定な要素が多く,確定的なことは申し上げられませんが,市税や地方譲与税などで予算を上回る収入が期待できることや,歳出においても,労務単価の落ちなどによります契約差金や節約による不用がある程度見込まれますことから,予算に計上しました45億円については,それほど大きく取り崩さなくても,決算の収支としましては,黒字を確保できる見込みであると考えております。 ◎橋本 税政部長  財源に関する研究会の設置などに関するご質問でございますけれども,お話にもありましたけれども,地方の自主性あるいは技術性を高める地方分権の推進が図られ,ほかの市町村あるいはお話にございました都道府県等も含めまして,財源拡充のいろいろな検討が行われております。  そのような状況のもとにおきまして,札幌市においても,有識者の方々に専門的かつ幅広い視点から研究をしていただくために,昨年の7月に,札幌市の財源に関する研究会を設けたものでございます。この研究会におきましては,委員の方々にさまざまな観点からご議論いただいているところでございまして,その研究の結果につきましては,今月中に報告書という形で市長に提出される予定でございます。  また,いわゆる雪目的税といいますか,その雪以外の新税の検討状況でございますけれども,都心の交通対策に係る税,あるいは環境に係る税など,幾つかの税について議論されておりまして,研究が行われているところでございます。 ◆田中昭男 委員  財政調整基金ですけれども,45億ほとんど使わなくても済みそうだというような感じのご答弁でございますから,少しはいいのかなという感じがいたしますけれども,しかし,287億円から比べれば,相当支消しているわけですから,財政調整基金の持っております財源調整の機能ということについては,ずっとこれやっぱり大丈夫かなという心配をしていかなければならないことだろうかなというふうに思いますし,それじゃ,財政調整基金がどれぐらいあったらいいかといったようなことも少し勉強させてもらったのですが,ほかの政令都市の状況を見ますと,名古屋とか京都とか神戸,特に神戸の場合は阪神大震災があったせいなのだろうと思いますが,もう本当にゼロという状況のようでございますし,完全に底をついている,取り崩しをしようとしても,もうできない状況みたいになっているということでございますけれども,一方で,仙台,政令都市になって割と新しくて,財政規模もまだ小さいかなという感じもしますが,その仙台では,13年度予算の中では70億円の取り崩しを計上して,なおかつ年度末の残高見込みが62億ということですから,合わせてまだ132億ぐらい持っているというふうなことでございます。広島は,ことしは68億,これ全額取り崩すというふうな予定になっているようでございますし,北九州では,60億を取り崩しても,なお43億の残高見込みが見込まれるということで,それぞれ政令都市の中でも,それぞれの事情があって,そして,どれくらいあったらいいかということがどうもよくわからないなという感じがいたしております。特に札幌,本市について考えた場合は,もう今までにご論議されているように自主財源比率が低い,経常経費比率なんかも高くなってきているということで,非常に脆弱な財政構造,あるいはまた弾力性が失われてきている今の財政構造ということでないかと思いますが,そういう中であればあるだけに,財政調整基金というのは,皆さんが予算編成をされる上での安全弁あるいはまた調整弁としてやっぱり持っておいてほしいなというふうな感じがいたしますけれども,そういうことで申し上げて,当年度予算は組んだにしても,経済情勢だとか,あるいはまた新たな行政需要が出てきて,補正予算ということにもなりかねないわけですが,そういったようなことなんかも考えて,予算上で言われている17億円という残高ですね,これは現在,一般会計8,400億ぐらいの財政規模と考えた場合に,財源調整という機能を果たせる金額なのかどうなのか,この辺は正直言ってもう少しほしいなというご答弁だろうとは思いますけれども,その辺のご認識について,改めてお伺いをしたいというふうに思います。  それと,雪目的税でございますけれども,マスコミ,新聞で,雪目的税として検討されているということが報道されて,研究会で検討中であることから,市長も,本会議の答弁で,とにかく行財政改革が先だというコメントをされております。  市長が委嘱された研究会の委員さんでございますし,報告書の出る前でございますから,市長のコメントとしては,そういうコメントになるのだろうなというふうに思って,私自身はそういう受けとめ方をいたしております。  ただ,よく考えてみると,この雪対策について,新しい税で,しかも目的税として対応するという考え方は,これはやっぱり無理があるのでないか。これは相当に無理だなと,わかったというふうには言えないなと,これは反対せざるを得ないなというふうに,私自身は今,思っております。  理由を申し上げますが,先ほど申し上げましたように,ほかの都市で検討されておりますのは,特定の集団に対する行政サービス,そして,その特定の集団が持っている応益負担能力,これとのバランスを見ながら,ある特定の集団の皆さんに対して税をお願いするということでございますけれども,雪目的税というと,札幌市民の皆さん全部を対象にするのかなということになりますから,全然,性格が違うものだということでございます。こういう札幌市民の皆さん全体にかかわる部分を,目的税ということで対処し得ると,そういう手段があるとしたら,これは何も雪だけに限らないで,そのほかの問題に,理屈としてはどんどんどんどん飛び火をしていってしまう。  例えば,交通局の赤字軽減目的税,国保の赤字軽減目的税,これは今ある赤字対策ですけれども,それから,これからの行政需要としての高齢化対策充実目的税,こういうのが,どんどんどんどん出てくるわけですね。先ほども繰り出し金の負担が大変重いというふうに言われましたけれども,繰り出し金軽減目的税とか,こういうことで,全部,これと軌を一にしてくるのではないかというふうに思います。  雪対策は,今や札幌市にとって特別な,なければなくていいというものではなくて,道路だとか何だとかというものと同じインフラの性格を帯びているものだというふうに思います。そういう意味で,全国的な部分と比べれば,おのずから性格の違う発想から出てきているものだと思わざるを得ませんから,その意味でどうかなというふうに思います。雪の問題について言えば,恐らく研究会の皆さんも,市政アンケート調査なんかも見られた上でご論議されたのだと思います。確かにその問題は,この議会の中でも,過去何回も何回も,毎年と言っていいほど──市政アンケート調査をすれば,もう二十何年間,不動の断トツの1位が「雪を何とかせよ」ということで,それが市民の皆さんの要望だということは,もう私どもも十分,嫌というほど承知をしているのです。ただ,財政的な比較で言うと,少し言い過ぎかもしれませんけれども,私の感覚では,先ほど来の論議の中で,確かに財政は大変だとは思いますが,しかし,この現在の除排雪水準を維持していくことは,本市の財政の現状からいって,市民の皆さんに「もう決定的に無理です」というふうに言わなきゃならないので言っているかというと,どうもそうではない,まだそこまでいっていないのでないのか。インフラという考え方も含めれば,なおさら雪だけが取り上げられて,どうこう論議されなければならない筋合いのものではないというふうに思います。  確かに,雪を何とかしてくれという,そういう声はありますが,現在の除排雪の水準をさらに上げてほしいと,上げろという市民の皆さんの物すごい声があって,それに対して札幌市としてもこたえていかなければならないけれども財源が不足しているから,それができないよと,やるのだったら税で対応せざるを得ないよと,こういうふうに市民の皆さんに言わなきゃならないほどのところまできているかということになると,私はまだそこまではいっていないと思います。何よりも町内会の生活道路の排雪やら,これは札幌市の補助もありますけれども,自分のところの前の,これは企業の皆さんもそうですけれども,ロードヒーティングを設置したり,さらに,自家用の融雪機なんかも買われて,応分の自衛策を市民の皆さんやっていらっしゃると思うのですね。  そういうふうなことを考えると,この雪目的税というのは,少し安易に過ぎるのではないかなというふうに思って,私としては反対せざるを得ないなというふうに思っています。  さて,そこで,とにかく本会議でも論議になりましたし,市民の皆さんの反応も私のところにも幾つか寄せられております。そういう意味でお聞きしますけれども,この雪目的税というものが,研究会で論議されているというふうなことが新聞報道されて以降,恐らく各部局には,いろんな意味の反応や,市民の皆さんの声が届き,この間の市長の記者会見のやりとりの中で,市長のメールにも強い反対の意見が飛び込んできていますと,そういう話されていましたけれども,市民の皆さんの反応,各部局が把握されている範囲において,どんな反応が出ておられるかということが一つと,3月末というふうに今お答えありましたけれども,この研究会から報告書が提出されるわけですけれども,その提出されました以降,今後の取り組みをどんなふうに考えられているのか,この辺につきまして,先行きのことですから,これは実務的な財政の局長からご答弁いただきたいと思います。 ◎田中 財政部長  まず,第1点目の財政調整基金の関係でございますが,残高としましてどの程度の額が財政運営上,適切かという基準はございませんけれども,現在の残高見込みにつきましては,これまでの各年度の予算の編成の中で必要な行政需要にこたえるために活用した結果の数字であると認識しております。  13年度末におけます17億円という額についてでございますけれども,本市の財政規模から見て,決して大きな数字ではありません。今後,予算執行面での努力によりまして,取り崩しを最小限にとどめるなど,可能な限り,基金残高の確保に努め,今後とも予算編成に当たっては,有効な活用を図っていきたいと考えております。 ◎植田 財政局長  雪対策税にかかわる質問の件でございますけれども,まず,前段の,先日の新聞報道以降の市民の方々の反応ですけれども,それこそ市税などとんでもないと,まずリストラをやらないで何を考えているのかという厳しいご意見から,そもそも今の水準で何ら文句はないので税などやめてほしいという意見ですとか,あるいは基本的に税に賛成だけれども,ただ,どこから取るか,取る先をきちんと議論してほしいという,ある意味では,建設的な意見等々,さまざまなご意見をいただいているところでございます。  後段の,報告書をお受けした後の対応でございますけれども,報道はああいう形で出ておりますが,現在は,研究会の委員の先生方の間で議論が行われている段階でございます。  目的税か,そうでないかという定義自体もいろんな議論があるところでございまして,口語で目的税と言うときと,法令用語で法定外普通税,あるいは法定外目的税といったときに,どういう税になるかというのは,ちょっとやっぱり違っている部分もございますので,そこのあたりは,今後,もしやるとしても十分議論していかなければならない点ではないかというふうに思っております。  いずれにしましても,市長も代表質問の中でご答弁いたしましたとおり,これから,税収が少ない中で,自主財源の確立というのも重要になってくるわけですけれども,先ほどの市民の声にもありましたように,単に新しい負担だけを求めるということではなくて,行政改革を大胆に行うということが必要ですし,中身の精査なども必要であるというふうに考えておりまして,報告書をお受けした後で,市民の皆様の声も十分お伺いしながら,市民の皆さん納得できるような形で検討を進めていくことが大事だと考えております。 ◆田中昭男 委員  財政調整基金ですけれども,そういうことだろうなというふうに思いますが,しかし,先ほど来の論議のように,先行き,区役所だとか体育館だとか学校だとか,更新事業がどんどん出てくるわけですし,職員の皆さんの退職金なんかも予想される。なかなか財政運営も大変だなというふうに思えば思うほど,年度間の財源調整としての弾力性を確保するという意味での財政調整基金というのは,やっぱりある程度キープしておかなければならないのではないかなというふうに思っております。省庁再編で,自治省が総務省になって,どうやらこの辺の問題について言うと,自治省は前から余り財政調整基金を持ち過ぎるのでなくて,使え使えというふうに指導をしてきたようなことを聞いております。そういうことからいうと,総務省がこれからどういう姿勢になるかわかりませんけれども,やっぱり財政の弾力性を確保するという意味では,ある程度のものは残していかなければならないということでしょうから,なるべく決算剰余金を生み出すようにして,少しでもこの財政調整基金の増額を図るようなことも十分頭の中に入れていただいて,財政運営をしていただきたいなというふうに思っております。  雪ですけれども,私が今,二つほど反対の理由申し上げさせていただきましたけれども,一番大きいのは,市長がここ数年来,これからの先行きを考えれば,行政だけではなくて,市民とのパートナーシップが大事だというふうにずっと話し続けております。一時期は,行政と市民ということだけだったと思うのですが,最近になって企業も入ってきて,行政と企業と市民とのパートナーシップと,こういう表現になっております。総論ではもちろんそのとおりだと思いますけれども,実際問題,行政の役割,市民の役割,企業の役割というのはどういうことなのだというのは,論議し始めると,いろいろ長くなりますから,後ほどまた改めて本会議の場などで市長のご見解を伺いたいというふうに思っております。  この雪の問題について言いますと,今さら私が申し上げるまでもなく,パートナーシップ制度,これだけではなくて,トラック助成制度もありますが,このパートナーシップ制度という言葉の中で,行政だけでなくて,市民の皆さんも,町内会の役員の皆さんが中心になって,雪に立ち向かってきたという。ある意味で言うと,市長が言われる行政と市民のパートナーシップという言葉の中で,一番昔から営々と積み重ねられてきた一つの典型的なモデルじゃないかというふうに,私はずっと思っております。最近では,ごみの分別収集に対する市民の皆さんの協力というのは,本当にすごいものがありますから,これも含めてもいいかとも思いますけれども,いずれにいたしましても,雪に対しては,行政と市民が,過去実質20年間ぐらいだと思いますが,本当に試行錯誤しながら,お互いの持ち分,やるべきことを順次積み重ねてきて,今日に至っていると思っております。そういう意味では,市長が言われるパートナーシップの本当に一番典型的なモデルだというふうに思っておりますが,そういう雪の問題に,雪は税で対応するという発想などが一部でも出てくると,今まで行政と市民が培ってきた雪に対するパートナーシップ制度が根底から揺らぐことになりかねないという心配を私はしているのです。事実,あの報道が出た直後に,ある町内会の役員さんが,「田中さん,札幌市が雪対策,目的税でやるんだったら,町内会は手を引いていいんだね」って,「それだったら,排雪費用を集めに行ってしかられることもないし,苦情は全部,市に言ってくださいと言えばいいんだから,我々は楽になるからね」と,やっぱりこういう反応がすぐ返ってくるわけですね。  そうすると,今言ったような雪の問題で,この目的税なんていう言葉が出てくると,行政と市民の皆さんが築いてきたパートナーシップ制度というのは,一挙に水を差されて壊れかねないという要素を物すごく心配しなきゃならないというふうなことを,私は,3番目の反対の理由にしたいというふうに思っているのですが,そこで,市民の皆さんと一緒につくってきた雪対策の問題と照らし合わせて,先行きどうするのですかという質問をしたいのですけれども,まだ報告書が出る前ですから,それを聞くと,少し僭越なことになりかねない部分があるのですが,一番大事な部分だというふうに思うので,これはあえて助役にお聞きします。  今申し上げましたように,行政と市民とのパートナーシップという言葉は,それは雪対策というもの,行政と市民の皆さんにやってもらって今日まで来ている雪の処理の問題,これは,私は,典型的な模範モデルだと思うのですが,そこに対する認識だけ,これは札幌市全体として持っていてもらわないと,この雪目的税という問題の処理を誤る可能性がありますから,そこの認識だけ,最後申しわけありませんが,助役にひとつその認識を改めてお聞きをしたいと思います。 ◎千葉 助役  私ども行政と市民とのパートナーシップという考え方でいろいろ進めておりますけれども,この除雪,特に生活道路のパートナーシップ除雪につきましては,お話のとおり,その経過がもうあることでありますし,行政と市民と,いろいろ知恵を出しながら,パートナーシップ除雪というものを制度化してきた経過もあります。そんなことを考えますと,このパートナーシップのあり方としての模範というほど言えるかどうか,モデルの一つであるという認識はしておりますから,今後とも議員のおっしゃるとおり,このような取り組みを,やはり大事にして,継続し育てていくと,こういうようなことを考えていくべきだろうというふうに思っております。  新税との関係につきましては,財源研究会の方から,まだ正式なご答申といいますか,ご報告いただく前の段階でありますので,それとの関連につきましては,私どもの方から今の時点ではとやかく申し上げる段階ではないと思っております。  以上でございます。 ◆田中昭男 委員  最後に一言だけですけれども,市民の皆さんと一緒にやっている現行の雪対策,パートナーシップ制度は,模範とすべきモデルだというふうに助役から言われたので,そのとおりだろうと,それをぜひ大前提として,これから対応していただきたいなというふうに思います。地方分権だ何だとかと,いろいろ地方分権をやれということで求めてきた我々のこともありますけれども,しかし,財源が移譲されないからといって,地方分権をやった中で一番最初に手をつけたのは市税だと,あるいは増税だと,こういうことにはならないように,ひとつ特段お考えをいただくことをお願いを申し上げて,終わります。 ○道見重信 委員長  ここで,おおよそ15分休憩し,3時35分から再開といたします。     ──────────────       休 憩 午後3時18分       再 開 午後3時35分     ────────────── ○道見重信 委員長  それでは,委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き,質疑を行います。 ◆小林郁子 委員  私は,予算編成の方針についてお伺いをいたします。  先ほども省庁再編の話が出ておりましたけれども,大改革と言われる割には国民の期待は小さいですし,むしろ多くの批判が聞こえてまいります。  その中で,期待できるものもありまして,私は,経済,財政の諮問会議,これは内閣府に設置されているものですけれども,これに少し期待をしております。それは,予算編成の方針を内閣府が決めるということになったことから設けられたものですけれども,旧の大蔵省の金融政策の失敗だとか,それから多額の接待を受けている問題を契機にして,財政運営の見直しがなされると,そういうことによって設けられてきたものです。この会議の特徴といたしまして,メンバーとか事務方に,学識経験者が入っているということだろうと私は思っております。  国の財政が,政治だとか,それから省庁のさまざまな思惑によって膨れ上がってくるということを抑えるためにも,これからの債務償還能力をきちっと確保した上で,その政策経費にどれだけ使えるかという大枠をこの会議の中で決めていくということに期待がされております。その上で,今の財務省がその財政の編成,予算編成をしていくということにあるかと思っております。  こういうやり方は,実は三重県など,一部の自治体ではなされているわけですけれども,本市におきましては,その都市規模が拡大することに伴いまして,財政規模もまた膨らんでおりますし,先ほど来出ておりますが,市債発行額が増加しております。その市債の元利償還金の増加によりまして,実質的に,その本市の財政への負担と割合ですけれども,それを示すのが起債制限比率だろうと思いますが,その起債制限比率が97年度は9.3%だったものが,新年度は10.9%になると見込まれております。  市債の残高,これはもう全会計で2兆円を超すということになっておりますから,今後,起債制限比率がさらに高まるということが十分予想されるわけですけれども,毎年,財政局長名で出されております「予算の編成について」は,全庁的にこういう方針でやりましょうということで流されるのでしょうが,それを拝見しましても工夫がなされておりまして,後ろの方にグラフで,いろいろ債務の残高みたいなものが示されているのですが,これから,市民にとって,あるいは職員の方にとって,知りたいなと思うのは,過去どうであったということ以上に,これから先どうなっていくのかということだろうと思うのです。一番最後の方に,この起債制限比率,11年度までこうでしたというふうになっているのですが,これから先,一体どこまで上がっていくのかということが知りたいことだと思うのですけれども,その見通しについて,まずお示しをいただきたいと思っております。  あわせまして,予算編成の裁量を自治体が握っているわけですけれども,この起債制限比率が一定以上を超えますと,恐らくネックとなってペナルティーみたいなものが科されてくるのだろうと思うのですけれども,そこのあたりはどうなっているのか,まず最初にその辺をお伺いいたします。 ◎田中 財政部長  初めに,起債制限比率の今後の見通しについてでございますけれども,市債の元利償還の増加によりまして,起債制限比率は上昇傾向にありますが,今後の市債発行額や利率,償還年限などの発行条件,標準財政規模の今後の推移,地方交付税措置のある市債の状況など,種々の要素を加味して一定の仮定のもとで推計した場合でございますけれども,平成20年ころには14%を超えまして,平成27年ころには20%近くまで達すると見込んでございます。  一方,起債制限比率が14%を超えますと,ペナルティーという意味ではございませんけれども,公債費負担適正化計画の策定の対象団体となりますし,20%を超えると,厚生福祉施設整備事業債や一般単独事業債の起債が30%を超えますと,それに加えて一般公共事業債,義務教育施設整備事業債等の起債が,原則として許可されないこととなっております。 ◆小林郁子 委員  今のお話ですと,一定の前提のもとでということだと思いますけれども,恐らく今の状況で800億ぐらい市債を発行し続けたらと,そういう状況だったと思います。これでいきますと,最高のときには20%近くになるということですけれども,ただ,そこまで行く前に手を当然打つだろうと思います。  将来的には,黙っていたらそのような状況になるという見通しがあるわけですから,債務の償還負担能力をきちっと見据えた上でといいますか,それを維持できる形で,政策予算にどれだけ使えるかということの大枠が示されてくるものだろうと思いますけれども,そこのあたりのところを予算編成としてどういうふうにとらえていらっしゃるのかということと,それから,それに伴って,政策的な経費として,一番大きなものとしましては公共事業があるわけですが,公共事業というのは,これからどういうふうに推移をしていくのか,そこのあたりを2点目としてお伺いをしたいなと思います。  それから,あわせまして,予算編成の方針を定めるときに,今は市の内部でやっております。先ほどの国の経済・財政の諮問会議ではありませんけれども,ここにも学識経験者などが入ってやっているわけですが,中に入ってやるのがいいかどうかはありますが,予算編成方針を立てるというのは,市としての最も大事な権限でしょうし,そうあるのでしょうけれども,外部からの意見を入れるということも,これから先は必要になってくるのでないかと思うのです。そのあたりのことのお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○道見重信 委員長  そのほか質問はありませんか。 ◆小林郁子 委員  3点目,もう一つあります。これをお聞きしてから。 ◎田中 財政部長  公債償還費が増大しまして,起債制限比率の上昇が見込まれる中での,今後の予算編成についてでございますけれども,市債の発行については,今後とも事業の厳選や事業費の圧縮などによりまして,抑制基調に努めるとともに,償還に際しましても,交付税措置のある市債をできるだけ活用するなど,将来の財政負担が過大とならないように,また,政策予算の枠取りが極力圧縮されることのないよう十分留意していきたいと考えております。  また,公共事業につきましては,地域経済の下支えを担っている側面もありますし,また,急激な減少は好ましいとは考えておりませんが,本市が公会計制度改革を検討する中で作成したバランスシートなどからも明らかなように,都市生活の基盤となります道路,街路等の資産については,一定の整備が進んでおりますことから,今後におきましては,情報化の進展や少子高齢社会に対応した新たなインフラ整備に重点化が移行していくものと考えております。  それから,第3点目の各年度の予算編成方針を検討するに当たって,概算による翌年度の収支試算を基礎としまして,限られた財源をどのように配分するのが最も有効かつ適切かということを中心に考えていくことになりますけれども,昨今の大変厳しい財政状況のもとでは,事業担当部局の要望をすべて予算化できるわけではありませんので,施策の重点化といったことが当然に求められているところでございます。こうした施策の重点化を考えていくに当たりましては,5年計画におきます重点施策や社会経済状況の変化などのほか,さまざまな形で寄せられます市民の要望,意見につきましても十分に念頭に置いて進めているところでございます。  また,市政のうちでも,環境や福祉など,特定の分野につきましては,審議会とか懇談会に今後の方向性や重点を置くべき施策などの検討をお願いし,提言をいただくこともありますけれども,予算編成方針の策定に当たりましては,財源的な制約が種々ある中で,非常に幅広い市政の各分野のすべてにわたって,総合的な調整を図らなければならないことから,こうした手法を取り入れることはなかなか難しいと考えております。さらには,国の概算要求から,本市におきます予算編成方針の策定,それに基づきます各部局の予算要求といった一連の予算編成作業の中では,時間的に過密であるという制約もありまして,外部から直接意見を聞くような手法はとり得ないのではないかと思ってございます。  しかしながら,予算編成に当たりましては,委員にご指摘をいただきましたが,今後ともさまざまな形で寄せられます市民各層の意見を十分に酌み取る姿勢で臨んでいきたいと考えております。 ◆小林郁子 委員  予算編成に関しましては,最近は,札幌市内にもいろいろな学者がいて,自治体に対していろんな意見を述べているということもありますので,本当にそんな意見も参考にしながら,こういうことは十分考えられるのではないかなというふうに思っております。  そしてまた,本市の財政が厳しいということを,広報さっぽろなり,新聞なり,ずっと言っているのですから,市民にも,そういう意識がかなり浸透しているかなと私は思うのですが,その分だけ,公共事業に対して,見る目が厳しくなっているというふうに思っております。  そこで,公共事業の一例を申し上げたいと思いますが,駅の北口8・3地区ですね,そこに複合施設が設置されるということですけれども,新年度で14億円計上されております。それから,2002年度に,48億円の債務負担行為が設定されています。合わせて62億円が予算化されているわけですけれども,これにつきましては,種々議論がありまして,すぐそばに北海道の環境サポートセンターがあると。それから,新年度から市民活動の支援センターをつくると。かでる2・7には女性プラザもあるということで,複合施設に予定されている女性,消費,環境,そして市民活動のうち,三つは道とかなりダブっているとか,そういう状況の変化が生まれております。  このような状況の変化,あるいは市民議論を踏まえて,事業の再評価というのが常になされていかなければならないのでないかなと思うのですけれども,財政としては,こういうものを認めていっているという判断の中に,そのあたりのところをどうお考えになっているか,そこをお伺いいたします。  これは最後の質問です。 ◎田中 財政部長  平成13年度の予算編成に当たりましては,各局において12年度に実施をいたしました事業評価の結果を踏まえ,限られた財源を有効に生かすため,施策の優先順位を厳しく選択しまして,予算の重点配分に努めたところでございます。  札幌駅北口8・3地区の複合施設の整備につきましても,事業評価の対象となっておりまして,当該事業では,駅北口の活性化をも担った法定再開発による民間との共同事業でありまして,事業の必要性や共同化による費用対効果,各施設の態様等につきましては,関係局間で十分に検討を行ってきたものでございます。  なお,道の環境サポートセンターや市民活動支援センターとの関連につきましては,道の施設は,いずれも広域的な観点から,広く道民を対象とした事業展開を目指している施設でありまして,主に札幌市民の環境活動や市民活動の推進拠点となります8・3地区複合施設とは,その性格を異にするものでございまして,お互いに今後とも役割分担,機能分担をし合いながら事業展開をしていくものと認識をしているところでございます。 ◆小林郁子 委員  札幌駅の北口を再開発するという方針,これは方針も民間との抱えでやっておりますから,それはいいと思うのです。ただ,中身につきましては,まだまだこれから工夫ができるものではないかと思っております。  特に,北口に札幌の顔としての市民の活動の施設ができるということで,あそこは大学も近いから若い人も多く利用できるということがあります。そういう,本当に札幌市がこれから街づくりとして活性化を図れるような施設になるという方向性を私としては望みたいと思っております。  そのようなことで,これからも随時見直しをしながらの予算編成を望んでおります。  以上,要望して,終わります。 ◆松浦忠 委員  私は,まず,市債発行の抑制にもつながる問題と一時借り入れと,それから税のあり方と,大きく言って三つに分けて質問をいたします。  そこで,委員長,ちょっとこの市債借り入れの運用の関係,数字がちょっと細かくなるので,分けて一つずつ整理させていただきたいと思いますので。 ○道見重信 委員長  許します。 ◆松浦忠 委員  よろしくお願いします。  それでまず,市債借り入れの関係で,市の一時借り入れの関係の資金運用なのですが,資金課長を中心にして,資金課の担当係長初め皆さん大変一生懸命やっておられて,よく運用されておるわけでありますけれども,12年度はまだ決算が終わっていませんから,決算の終わった11年度の資料を出していただいて,それをもとに質疑をしたいと思います。  まず,札幌市に常時資金運用で一時借り入れをしなきゃならぬというこの一覧表を見ますと,かなりの期間,これは日別に出ておりますけれども,その中で,札幌市に基金として,実は1,600億近い基金があるわけですね,11年度で言えば1,680億余の基金があると。このうち,土地などの不動産が基金部分になったのもありますから,お金で言うと,およそ1,000億程度の現金が預金なり,あるいは株式運用なり,あるいは部内運用なりということで年間を通して運用されていると,こういうことなわけであります。  そこで,11年度の基金を見ますと,外部からの一時借り入れで払った利息がおよそ6,000万円ぐらいあります。それから,内部の基金の運用で払った利息が5億7,747万円という資料をいただいております。これは18基金で,これだけの利息を払いましたと,こういうことなわけであります。
     そこで,できるだけ経費を安く抑える,利息もできるだけ安くするということから考えていけば,この月別,日別の基金運用の借入金の借り入れ高が最高でどのぐらいあるのかということをお尋ねしたら,およそ800億ぐらいだということでありました。そうしますと,この基金で現金化して運用できるお金が1,000億あるわけですから,そうすると,この1,000億の運用の中で,まず一つは,基本的に賄っていけると。そうすると,約6,000万の外部に払う利息というのは必要がなくなっていくなと。  それから,2番目の問題は,この運用での問題点は,基金に対する一時借り入れの利息をどの程度に設定されるのかということです。これをお聞きをしたら,例えば,200億円を北洋銀行に積んでおいて,必要なときに,200億円の範囲で借りるときには,利息は0.5%で払うというような,いわゆる歩積みによって,いつでも借りられるという保証制度を持っていると。そのほかに協調融資だとか,入札だとか,あるいはまた手形を保証にしての借り入れだとか,基金含めて五つの方法でやりくりしているわけですね。一番高いのは,11年度の手形を保証にして借り入れるもので,これが1.5%ということで一番高いわけであります。一番安いのは競争入札で,これは50億円以上の金を1カ月以上借りたら0.1%ということで,これが一番安いと。こういうようなことになっているわけであります。  そこで,その基金の定期預金に,基金もおよそ半分ぐらい定期預金になっているわけですね。その中で,この年の基金の運用利息は一体幾らだったのかと,定期に預けたらと。平均すると約0.22%ぐらいだということであります。そして,この基金に何%の利回りで利息を払っているのかとお尋ねしたら,一番高い手形保証で借りた1.5%の利息で払っているというわけですよ。基金運用をしないで,基金をそのまま定期で積んでいれば,およそ0.22ぐらいしか利息がないわけです。それから,基金を使わないで外部から借り入れたとしたら,この年は,一時借り入れの,平均で0.53ぐらいだったと,そうすると,おおよそ1%ぐらい,3分の2ぐらい余計利息を払っていると。言ってみれば,利息を高く払うことによって,基金に対して繰り入れをしていると,こういう結果になっているわけですね。  私は,財政の本来のあるべき姿からすると,この基金の利息というのは,やっぱり外部借り入れ平均の0.53%ぐらいのところに設定をして,その基金に対して利息を払っていくと。5億7,000万ですから,おおよそこれで実際に利子という形で繰り入れられたのは,約3億8,000万ぐらいあるわけですね,さらに,運営をきちっとやれば,約6,000万ぐらい,外部借り入れで出ている利子が約6,000万前後ありますから,4億四,五千万のお金が節約ができたのではないかということなのですけれども,この点についてどういう見解を持っておられるか,お伺いをしたいと思います。 ◎田中 財政部長  基金の中にはいろいろございまして,基金の中には,果実運用型といいまして,基金の元金の利息収入を事業の資金に充てているものがございます。昨今の低金利化におきましては,外部運用を行っても十分な果実を得ることはできない環境にあるのは事実でございます。  したがいまして,基金については,一般会計への繰りかえ運用ということで,1.5%を得ることで事業の財源を生み出しているものでございます。  繰りかえの運用レートにつきましては,予算において,指定金融機関から手形借り入れを行う場合の借入の利率,つまり,都銀の短期プライムレートを付するという整理をしているところでございます。  なお,現在の繰りかえの運用をやれるだけの基金の元本を造成すれば,こういうことは基金の方に1.5%の利率を付する必要はないのでございますけれども,現在の財政状況においては,非常に元本造成は難しいと考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  基金は,それぞれ事業目的があってつくれられて,そのつくった当時の経済状況で利息などを判断して,このぐらいの基金でやっていこうということでつくられるわけですけれども,経済状況の変動で変われば,これは変わったでやむを得ないことなのですね。変わって生まれた果実の中で,どういうふうに事業展開をするかということだと思うのです。基金が果実でやっている事業展開の中で,これはもう社会的,市民的に見て,どうしても減らさないで,基金の枠の中でやらなきゃならぬというような,そういうようなものがもしあるとすれば,それは一般会計に振りかえて,事柄によってはですよ,やれることであれば振りかえてやるべきだし,それから,振りかえられない事柄だとすれば,きちっと基金の積み増しをして,そして,その中で生まれる果実でやっていくという,こういうことでなければ。今みたいなことだったら,内部の運用の中で,札幌市がつくっている基金については,一般財源の中でちょっとその果実が足りないからといって,それじゃちょっと利息上げるかということは,これはもう随時できていくと。こういうことになると,これはやっぱり私はうまくないことだと思うのですよ。会計の原則からしても,やっぱり世の中のそういう動きの基準の中できちっと対応していくという,その範囲のことならばなるほどなと,こういうことになるわけですけれども,それを超えて,金利が下がって,回数が少なくて,事業は継続しなきゃいかぬから,だから高い金利でということになったら,これはもうまさに繰り入れなのですよ,これ。ですから,これは私は,やっぱりうまくないと思うので,これは改めるべきでないかなというふうに思うのですけれども,いかがですか。 ◎田中 財政部長  確かに昨今の財政事情が厳しい状況にございまして,その事業の遂行に当たります原資につきまして,必要な事業経費を確保することは大切でございます。  そういった面で,側面的な形で1.5%の繰りかえの運用の中での事業費を生み出しているわけでございますが,そのことをもって,通常のそういうやりとりの中で不公平等があるという観点であれば,それは是正をする必要があると考えているところでございます。 ◆松浦忠 委員  この点については,ぜひ私は,是正をして,そして,基金会計に必要な果実があれば,それについてはきちっと正規なルールで処理をしていくということに,ぜひ改めていただきたいと。  そこで,もう1点ですね,資金課の皆さん大変ご苦労して,365日きちっと表をつくって,金の出し入れをやっているわけですけれども,これについて,今なら恐らく伝票を起こして,いろいろとやっておられるのではないかと思うのですけれども,これを昨今電子決済などというのがいろいろはやってきているようでありますから,例えば,札幌市と協調銀行団との間をパソコンでつないで,お互いに4時半ごろにたたけば,きょうの残高はこうで,あしたは何ぼ貸してというようなやりとりができるような,そういう仕組みというものを考えてもいいのではないのだろうかと。私は,仕組みをそういうふうにすることは難しいことではないのではないかなというふうに思うのですけれども,そういうことについて,何か今までこれは不都合だったなと,もうちょっとこういうことやったら便利になるから,こういう方式どうかなというようなことを考えて検討されたことがあるかどうか,お伺いしたいと思います。 ◎田中 財政部長  現在,起債の管理システムなど,そういう情報ツールを使いながら,鋭意状況の把握の適正化に努めているところでございますけれども,昨今のそういう経済変動などを敏感に読み取り,先を見るという姿勢は必要かと思います。  しかしながら,そのことによりまして,せっかく大事に預かっているお金をリスクを冒してまで冒険することはできませんので,そういう情報をとることは大切でございますけれども,そこを活用してどうするかということは,今後検討しなきゃいけないと思いますけれども,そういう周囲の経済状況を鋭敏に補足する方策につきましては,今後とも検討していきたいと考えております。 ◆松浦忠 委員  私は,いわゆる投資をして,利回りを考えろということじゃないのです。借り入れる金は当然,基金だって銀行に預けているわけでしょう。運用するお金というのは,定期でなくて,まさか出納課長のところにでっかい金庫があって1,000億置いているわけでないでしょう。銀行に置いているわけですから。したがって,自分のところのお金の出し入れにそういうことを使うし,そして,今までのベースでいったら800億ですから,1,000億以上使えるお金があるわけですので,その範囲の中で,大体全部やりくり賄ってくるわけですから,そういうような方策を組み入れてやっていくことが私は今の時代に合ったやり方でないかなと思うので,ぜひこれを検討していただきたい。実現するように強く求めておきます。  それから,二つ目に,市債発行の抑制につながる市債の償還方法についてでありますけれども,平成4年に,地方債の償還方法について,一括返済ではなく年割り返済で,抽選をやって返していくという方式は預ける側の人が利息を安定してもらえないということで人気が悪いから,それを変えるということで,10年なら10年後に一括して返すという方式に変更して,そのかわり,その間10年間で42%積んでおきなさいと,こういうふうな方式に自治省の方で改正をして,通知が出されましたね。  そこで,私もいろいろ考えてみたら,札幌市も,1兆円を超える借金が出てきた中で,積んでいくと,例えば,今の市債の減額のための基金などでは,およそ11年度で400億台,今年度は年度末に500億,600億近い基金と,500億ちょっとの基金になりますね,12年度はね,こういった基金が積まれると。  そこで,今の法律の中でいったら,これはだめなことなのですけれども,これはぜひ国側と相談をして,例えば,基本的には,一般財源の中から返す分を積むよと,100万円なら100万積むよと,積んだお金で区分けすると,例えば,この物をつくるから,このために国が認めている借り入れで,一般財源の方は別だよとかという,そういう意味で考えるのでなくて,札幌市を一つの財布として考えたら,これはやっぱり積んでおいて,定期預金に預けておいたと。0.5%,0.2%の定期預金に預けたと。そして借りるときには,やっぱり0.6%ぐらいの金利で借りるよと,安く借りてもね。そこで,0.4%ぐらいの差額が出てくるわけですね,預ける側と借りる側の。そうすると,金額が大きくなれば,すぐ億単位の金というのがその差額で出てくるわけですよ,何千万,億という金がね。  そういうことからいったら,私は,今の一括返済はいいのですが,積み立て方式でなくて,満期が来たときにそこで全部返せるなら返せばいいし,返せなかったらいわゆる借換債を発行して,例えば,3割返せるなら3割返して,7割借換債発行すると,こういうような方式に切りかえてもらった方がいいのじゃないかと。その10年の間,いわゆる預けている金と借りる金の差額が発生しないで済むと。そして,例えば,市場と言われるところで,銀行側などいわゆるお金を貸す側がその信用度ということを言われるのですけれども,例えば,札幌市が1兆500億の借金があって,そして,減債基金600億円を積んでいるといっても6%なのですね。それと集まる市税がどの程度あるのかということによっての信用度の問題なのだけれども,これ積んでも積まぬでも,私は,五十歩百歩の話でないかなと。したがって,むしろその差額の生じないように,細かい話になるけれども,本当に8,000億も9,000億もの大予算からしたら,そんな3,000万や5,000万の細かいこと言うなと,そんなものごみみたいな話でないかと,皆さんからしたら,そう思うかもしれぬけれども,消しゴムのかすぐらいの話だと思うかもしれぬけれども,私は,一方では,きょうお座りになっている税政部長なんかは大変ご苦労していると思うのですが,ある区の税務に行っていろんな話聞いたら,取り立ての関係で,電話の債権押さえて,我々七,八万で買った債権が,今2万ちょっとだそうですよ。押さえて,市がいわゆる担保にとって売却する場合に。そのぐらいの小さな取り立てを一生懸命苦労しながらやって,何千万の市税を集めるといったら大変なご苦労なわけですね。  そういうことからいくと,こういった中央の法改正を含めて,この一括返済方式の借換債方式という新たな方式に切りかえるように検討して,そして,中央省庁にもぜひそういう要請をすべきだというふうに思うわけですけれども,そういう検討をされたことがあるかどうか,お尋ねをします。 ◎田中 財政部長  具体的に申し上げますと,減債基金を事業の財源に充ててはどうかというご提案になるかと思いますけれども,満期一括償還以外の目的で崩してしまった場合には,満期が到来した市債の償還時には,その償還財源を一般財源で確保しなければならず,結果として公債費の支出を平準化できないということになりますので,財政運営の安定化に支障を来すことにもつながっていくために,減債基金の積み立てによる満期一括償還方式を今後も採用していきたいなと考えてございます。  これは,国債でも,政府保証債,事業債のほとんどの債券が満期一括償還方式で発行されているところでございますし,この積み立てを行うことによりまして,公債費の平準化を図ることができるということが,償還財源の担保が確保されていると,このことが札幌市に対する投資家の信頼を高めていることにもつながっているところでございます。  ご指摘のありました借りかえを考えたかというお話でございますけれども,現行の制度につきましては,満期一括償還方式が,借りた場合は,割高の金利などを設定しながら,投資家のリスクに見合った対応をしなきゃいけないということもなりかねないので,やっぱり満期一括償還方式を採用していく方が得策であると今のところ考えております。 ◆松浦忠 委員  国の役人の立場にだれがあっても,その執行している人の言うことが絶対なんてことはないから,平成4年にこうやって変わったわけですよ。今やっていることも,私は,決して絶対だなと思っていないし,いつこれがまたどの時点で変わってくるかもわからぬと。しかし,私は,単純にやっぱりこういろいろ計算して考えてみたら,一括借りかえ方式の方が,むしろ負担が少なくて済むと。  そういうことについて,札幌市の財政部長の立場で言えば,自治省がそういうふうに平成4年に変えてきたから,その前までは,自治省の言っている分割方式がいいということで,皆さんはそれがいいと信じ込んでやっていたと。しかし,4年に変わるよと言ってきたら,ああ変わる,これがいいのだということで信じ込んでやっているわけですよ。したがって,私は,それだけを信じ込むのではなくて,やっぱり本当に細かな計算をして,そしてきちっとしていくということが大事だと思うのですよ。  したがって,財政局長にちょっとお尋ねしますけれども,財政局長,自治省は,今考えている方策以外に,こういう償還方式などについて,全く新たな方法を検討だとか,何かする余地はないという考え方に立って,これはもう唯一絶対のものだと考えて,自治省は,4年の通達を出した時点ではそうかもしらぬけれども,今もそんなふうに考えておられるのかどうか,自治省の出身ですから,ちょっとご見解を伺いたいと思っております。 ◎植田 財政局長   満期一括償還方式の方式,平成4年に変わったということはそのとおりでございますけれども,そのときの議論の経緯といたしまして,その市場の方から,これから貸すに当たっては,いつ返されるかわからないような起債はやめてくれという強い意向がございまして,それを受けた形で今の方向に直ったという経緯がございます。この流れは,強くなることはありますけれども,市場の方からその圧力が弱くなることはあり得ないというふうに考えておりまして,その点,償還方式に戻る方向というのは,今のところ考えられないというふうに考えております。 ◆松浦忠 委員  これは10年たって,今の一括償還方式の分割積み立てというのは42%しか積み立てないわけですよ,42%しか。そこで52%はやっぱり借換債でいくわけですよ,これ。基本的には,その選択肢でいくとは限っていないですよ。それはそのときに努力して,全部払ってしまうと言うかもしれないけれども,今の財政運用の方法からいったら,52%はやっぱり借換債でいくというふうになると思うのです。だとすれば,長期的にこの支出の全般を考え直して,そういう中で,償還も含めて,この財政をどういうふうにしていくかという,そういう考え方を地方は地方で考えなきゃだめだと。もちろんそれを統括している自治省も考えなきゃならぬわけですよ。  したがって,私は,ぜひそういうことも自治省に,地方からこういう意見もあったと,それは自治省がどう考えるかは別にして,ぜひひとつ自治省の方に提起をしていただきたいということを要望して,この件は終わります。  最後に,税のあり方について,一言私は申し上げておきたいと思います。  まず,どれがいいか,どれが悪いかというのは,新しく税を増税されると言えば,だれも賛成する人はいないと思います。みんなやっぱりふえることは反対と。入ることは賛成で,出ることは反対と,そういうことだと思うのです。  そこで,市長が今回,ああいう審議会をつくって答申をもらったということは,気持ちの中にやっぱり増税したいという気持ちがあって,審議会をつくって答申をしていると思うのです。だとすれば,先ほども田中委員からも出ていましたけれども,私は,増税する前に,本当に今の歳出の予算執行の出しの方を全部やっぱり洗い直して,その上で,市民の議論も大いに巻き起こして,その上で,税の徴収のあり方はいかにあるべきかというようなことをきちっとやった上で,新税をどうするかと市長自身が検討に入っていくべきだと,こういうふうに私は思いますので,ぜひひとつこれは助役,市長に意見を,きょう議会でそういう意見があったということで取り次いでいただいて,そういう方向で取り組んでいただきたいということを申し上げて,終わります。 ○道見重信 委員長  以上で,歳入のうち一般財源等の質疑を終了いたします。  次に,第1款 議会費及び議案第20号 札幌市議会政務調査費の交付に関する条例案を一括して質疑を行いますが,通告がございませんので,質疑を終了いたします。  次に,第2款 総務費 第5項 選挙費の質疑を行います。 ◆藤原廣昭 委員  私は,第19回参議院議員通常選挙における開票について伺います。  ご承知のとおり,第150回臨時国会で公職選挙法の一部が昨年11月に改正されました。その改正点の第1は,参議院議員の定数を今回の選挙と次回3年後の選挙で,比例代表定数を現在の100人から96人へ,選挙区定数を152人から146人へ2回に分けて5名ずつ削減し,総定数が252人から242人になるわけであります。改正点の第2は,参議院比例代表選挙は,現在の拘束名簿式から非拘束名簿式になることです。特に,非拘束名簿式になったことによって,開票作業時間が従来よりかかり,即日開票がどのようになるのか,市民にとっても大いに関心のあるところです。  全国の市区町村においても,ことし7月29日に執行が予測される第19回参議院議員通常選挙における開票体制について種々検討されていると思いますが,さきの新聞報道などによると,道内各市においては,34市中32市が即日開票可能としており,本市を含め2市が即日開票の方向で検討しているとのことです。  そこで,質問の1点目は,他の指定都市の状況についてはどのようになっているのか,2点目は,本市においては,即日開票に向けてどのような検討を行っているのか,最初,以上2点について伺います。 ◎野崎 選挙管理委員会事務局長  ただいまのご質問につきまして,まず,道内各市の状況につきましては,委員ご指摘のとおりでございます。  指定都市の状況についてでございますけれども,総務省の調査による報道によりますと,仙台市,千葉市及び京都市につきましては,即日開票が可能としておりまして,その他の市においては,現在検討中であると伺っております。  次に,札幌市の現在の状況をお話申し上げたいと思います。  新聞報道等にもございましたとおり,即日開票の実施が可能かどうか,市及び区の委員会におきまして検討中の状況でございます。  そこで,法改正後,現在までの検討の状況でございますが,ご承知のとおり,比例代表選挙における投票は,先生ご指摘のように,前回までは政党への投票でございましたけれども,これが候補者個人への投票ができるようになったことによりまして,投票の分類が多岐にわたることになりました。このため,開票に要する時間が非常に長時間になると予想される状況になっております。  本市におきましては,従来どおり,即日開票を実施できるかどうかは,主としてこの投票の分類,点検作業の時間短縮ができるかどうかにかかっているわけでございまして,特にこれらを重点的に検討を行いました。  第1に,事務従事者の増員でございます。前回の参議院選挙では,2単位選挙規模である約3,200人の従業者でございましたけれども,3単位選挙であるときの衆議院選挙並みの約4,000人,内訳は,職員60%,アルバイト40%の規模としたい。  二つ目は,開票所における作業場所の規模を拡大いたしまして,特に比例代表については広い作業所を確保いたしまして,スムーズな事務の流れを図ってまいりたいと考えております。  三つ目でございますが,事務改善でございます。その1点目は,開票に用いる投票分類表あるいは候補者別投票分類かごなどの用品の改良,充実を図ってまいりたいと。2点目は,投票の書類が多いため,今回から専門に点検票の処理をする係,案分になる投票を処理するための係などを新設いたしたいと考えております。  四つ目といたしまして,ただいま申し上げました対処に基づき,模擬開票を実施いたしまして,事務の検証を行うこととし,去る2月14日にこの模擬開票を実施いたしました。  以上のような検討を行いました。 ◆藤原廣昭 委員  再質問をいたします。  ただいま,何点かの検討事項が報告をされたわけでありますけれども,その中で,模擬開票を実施したとのことでありますが,その具体的な内容と即日開票実施の可能性について,どのような検証結果になったのか,伺います。  質問の2点目は,即日開票になった場合,開票作業に従事する本市職員の健康管理面の配慮についてであります。  1998年7月12日執行の第18回参議院議員通常選挙における本市の投票率は,選挙区で59.05%,比例代表で59.03%,一方,選挙区の確定時刻は,一番早かった区は23時30分,最も遅かった区は翌日の午前0時53分で,市内全体で,五つの区で確定時刻が翌日にずれ込んでおります。また,比例代表の確定時刻は,市内10区すべてで翌日となり,早い区でも午前零時5分,最も遅かった区は午前1時21分となっているわけであります。このような前回参議院議員通常選挙の開票作業データの結果を見ても明らかなように,今回の非拘束名簿式の導入に伴い,開票終了時刻は従来よりも遅くなることが予測されるわけであります。  市民の多くは即日開票を望んでいると思うわけでありますが,その場合,開票作業に従事する本市職員のほとんどは,月曜日の通常勤務につくことになりますけれども,健康管理面での配慮が必要と思いますが,どのような配慮をされるのか伺います。  あわせて開票作業従事者全員が最後まで従事することにはならないと思うわけでありますが,帰宅できる時間についてどのような状況になっているのか,伺います。  質問の3点目は,翌日開票になった場合は,どのようなことが懸念をされるのか,以上,大きく3点再質問をいたします。 ◎野崎 選挙管理委員会事務局長  3点のご質問についてお答え申し上げます。  まず一つは,従事者の増員,事務処理の円滑性及び事務改善の効果を検証するため,最も課題があると思われます分類作業を主といたしまして,市と区の選挙管理委員会の協力のもとに,模擬開票を実施いたしました。その内容でございますが,実施規模を投票数10万票規模の開票区の10分の1を想定したものでございます。候補者等の分類数は,平成7年参議比例代表における例を採用いたしまして,204分類により行ったところでございます。  このように数多くの煩雑な分類を行うわけでございますが,投票分類作業に要した時間は,当初私どもが計画をしておりました時間内で終えることができましたし,また,他の事務につきましても,ほぼ順調に推移をいたしましたが,さらなる改善点を確認することができたところでございます。この結果,開票時間は約5時間を要し,午前2時終了として計画することができる感触を得たところでございます。  次に,従事する職員の健康管理の問題でございますが,ここにつきましては,私どもも一番心配しているところでございます。開票終了時刻が深夜に及ぶことが予想されますから,月曜日の通常の勤務につく職員につきましては,できるだけ開票事務の影響を少なくする必要がございます。  そこで,一つ目として,選管職員など一部の職員を除いて,一般の事務従事者につきましては,投票と開票の事務の継続はしないということ,開票所への集合は開票開始の1時間前とする。二つ目,担当事務終了後の帰宅に際しましては,公共交通機関も当然ございません。営業車を利用するなどの配慮が必要と考えておりますが,すべての従事者が開票終了時刻に帰宅するわけではございません。従来の選挙に準じまして考えてみますと,時間別ごとの事務終了の状況につきましては,午前12時までには従事者の約50%が担当事務を終了いたしております。なお,午前1時までには,全体の約80%が担当事務を終了いたします。最後,残りの20%でございますが,これは得票計算係など,特殊の部門でございます。  次に,翌日開票になった場合の問題点についてでございますが,翌日開票となった場合に最も懸念されます事項は,職員の確保の問題でございます。昨年の衆議員選挙の例によりますと,開票事務の主力は,各区とも当該区の職員により構成しているところでございます。その事務従事者は約4,000人でございまして,うち区の職員は1,555人でございます。区以外の職員は484人で,残り1,962人がアルバイトということになっております。この区職員の1,555人という人数は,区全体の職員約3,200人弱に対して約49%になっておりまして,2人に1人が従事するという,区が主体となっての事務処理体制が構築されているわけでございます。  現在の状況ですと,翌日開票の場合の開票日は月曜日になると思われ,市の業務は通常どおり行わなければなりませんので,区の事務の実情を考えてみますときに,事務の主力を構成する区の職員について,衆議と同様に2人に1人が従事することは極めて困難でございまして,人員確保の面で大きな課題がございます。  また,仮にその不足分を区以外の職員で埋めるとした場合でありましても,この場合,区職員が主体の構成とは異なり,綿密な事前打ち合わせの面で問題が出てまいります。特に,比例代表については,とりわけ事務の精通が求められておりまして,運営面で支障が生じるおそれがございますので,人員不足あるいは運営面での支障のいずれの場合を見ても,処理時間が長時間になることが考えられます。  以上でございます。 ◆藤原廣昭 委員  いろいろな検証をして評価をできるようなところもあるわけでありますけれども,やはりこの第19回の参議院通常選挙における開票について,先ほど事務局長の方からも現在の状況を種々聞きましたけれども,本日は,本市選挙管理委員会の岡本修造委員長が出席されておりますので,せっかくの機会ですから,委員長として,今後の見通しについて,岡本委員長のご見解をお伺いをしたいと思います。 ◎岡本 選挙管理委員会委員長  ただいままで事務局長の方から,るる細かくご説明を申し上げましたように,今度の第19回の参議院選挙は,従来の選挙と違って,大変な事務の煩瑣が予想されるわけでありますから,慎重な検討が必要であります。したがいまして,昨年の11月の法改正以降,札幌市選挙管理委員会といたしましては,各区の選挙管理委員会と歩調を合わせながら,慎重な検討を今日まで重ねてまいりました。  去る3月5日に市の選挙管理委員会とそれから区の選挙管理委員会の委員長会議を開催をいたしまして,それぞれの区から意見の聴取を行ったところでございます。この会合の結果,次のような統一見解が確認をされましたので,ちょっとお知らせをいたしたいと思います。  本市の開票事務は,全市統一した判断のもとに行うものとし,第19回参議院議員通常選挙における開票は,即日開票の方向であるが,今後,人的な面を含めてさらにいろいろ検討した上で,今年度末をめどに最終的な判断をする。なお,衆参同日選挙となった場合など,大きな情勢の変化が生じた場合は,即日開票の実施は到底困難であるという確認をしたところでございますので,最終的な判断につきましては,いま少し時間をかしていただけるようにお願いを申し上げて,ご理解をいただきたいと思います。 ◆藤原廣昭 委員  要望を申し上げて,質問を終わりたいと思います。  今,岡本選挙管理委員長より,今後,人的な面も含めて種々検討して今年度末をめどに最終的な判断をしたいとのことでありましたけれども,やはり一日も早い最終判断をされて,万全の準備体制が確立されることを要望したいと思います。  また,ことし3月2日現在の本市の有権者数は,女性77万4,186人,男性69万380人で,合計146万4,566人となっているわけであります。どの選挙も大事でありますので,1点目は,今後,不在者投票の呼びかけや棄権防止に向けたPR活動について,2点目は,高齢者や車いすを使用する体の不自由な方々などにも十分配慮するために,各投票所の内外及び周辺の事前調査について,3点目は,今後,各区における選挙管理委員会の開催なども多くなると思いますので,選挙管理委員会室の設備等の充実を強く要望して,質問を終わりたいと思います。 ◆坂本恭子 委員  私は,2点質問したいと思います。選挙啓発と投票所の設置についてです。  現在,国政では,政府自民党の総理総裁の進退問題が国民的関心を呼んでいる中,7月の参議院選挙に対しても,国政を大きく変えるチャンスとして,注目が寄せられています。  投票は,国民が行使できる重要な参政権の一つであり,1票をきちんと投ずるためには,選挙に行きやすい環境づくりを進めるとともに,投票率の向上を図るため,啓発活動に一層の努力が払われる必要があります。  本市のこの間の投票率の推移は,95年4月,統一選挙で四つの選挙がありますが,60.96%から61.12%,95年7月の参議院選挙で45.51%,96年10月,衆議院選で56.39%,99年の4月,統一地方選で58%から59%となっております。  そこで,質問ですが,第1に,本市選挙管理委員会として,投票率を上げるために日常どのような啓発活動を行っているのか,伺います。  第2に,投票に行きやすいということでは,自宅の近くに投票所があるというのが重要な要素の一つだと思うのですが,投票所の設置の基準の基本的な考え方についてお示しください。 ◎野崎 選挙管理委員会事務局長  2点のご質問でございますが,まず初めに,選挙啓発について。  選挙啓発につきましては,常時啓発,臨時啓発の二つのパターンがございます。  まず,常時啓発につきましては,常日ごろから,主として有権者を対象に,選挙に関する理解を深めるとともに,市民に明るくきれいな選挙の推進を呼びかけるために,いろいろと事業を実施いたしております。その一例を申し上げます。一つは,新成人に向けたパンフレットの配布,二つ目,選挙広報「白バラ」の発行,三つ,雪まつりの会場でのぼんぼりの掲出,四つ,啓発用ビデオの上映,五つ目,明るい選挙啓発作品展の開催,六つ,夏まつりや成人式等の行事の活用,七つ目,財団法人明るい選挙推進協会や北海道選挙管理委員会が主催する研修会への参加,最後に,札幌市・区明るい選挙推進協会の研修会の開催などでございます。  次に,臨時啓発でございますが,これは選挙が行われる際に,投票日,投票時間,選挙制度,投票の方法などの周知,投票参加及び不在者投票制度の活用の呼びかけなどを行っておりますが,具体的には,以下のような事業を行っております。  一つは,選挙啓発用のチラシの配布でございます。二つ目として,啓発看板や横断幕の掲出,三つ目,公共的な施設等でのポスターの掲示,広報車での巡回啓発,それから,広報さっぽろによる選挙制度の周知,街頭啓発の実施,街頭放送,大型店舗での店内放送,テレビ・ラジオ・映画館の劇場CM,電光ニュースの活用,札幌市本庁舎のエレベーター表示板の活用などでございます。  次に,投票所の増設の基準ということでございましたが,投票所の設置につきましては,区の選挙管理委員会の権限でございますが,次のような要素を勘案しながら設置してきているところでございます。  すなわち,投票区内の選挙人の数,投票所までの距離,長期間にわたって使用が可能な施設であること,解散による衆議院の総選挙や補欠選挙などの突発的な選挙であっても,必ず使用可能であること,統一地方選挙のような4種類の選挙にも対応できるような広いスペースを有していること,投票所が1階にあること,土足のまま使えること,選挙人がよく周知しているわかりやすい投票所であること,投票区域が,河川,道路などを境界とすることができるような地理的にまとまりのある区域であることなどでございます。  以上でございます。 ◆坂本恭子 委員  日常的な常時啓発事業ですとか,実際に公示されてからの臨時啓発事業について,大変詳しくご説明がありました。  しかし,それでも思ったように投票率が上がらないという実態というのも,きちんと認識しなければなりません。この間,選挙制度がどんどん変わり,その周知が難しくなってきている。有権者の中には,なかなか把握し切れない面もあると思います。  また,特に若い世代の選挙離れが言われている中,若者を中心とした啓発活動が重要だと思うのですが,本市が何か特別に意識して行っている事業がありましたら,伺わせていただきたいと思います。  それから,投票所の設置についてですが,具体的なお話をさせていただきたいと思います。  一つは,手稲山口の市営住宅の方からなのですが,投票所が稲陵中学校で,歩いていくには大変だと。近くに手稲山口小学校があるのだから,そこが投票所だと行きやすいのにというお話をいただいたことがあります。そして,もう一つは,屯田西市営住宅の方から,これは市営住宅のすぐ隣に屯田西小があるので,そこが投票所にならないのかと,こういうご相談をいただきました。両方とも,市営住宅の方からのご相談なのですけれども,ご高齢の方が非常に多い市営住宅になっています。屯田西では,70歳以上の方が,市住の中で200名を超えている。そして,障害を持った方も七,八十名いらっしゃるということです。せっかくすぐそばに学校があるのだから,そして,先ほどの設置基準の条件にも十分見合うものになっているわけですから,せめてこういうところでは投票所の分離新設ができないものなのか,ぜひ市民の皆さんの声にこたえていただきたいと思うのですが,この分離新設の考え方,どんな基準で判断するのかについて,そしてまた,この二つの地域について,具体的な対応が必要だと思うのですけれども,7月の参議院選挙に向けてどう対処されるのか,伺います。 ◎野崎 選挙管理委員会事務局長  一つ目の啓発につきまして,若年層に対する啓発だと理解してよろしゅうございますか。  有権者が選挙に大きな関心を持ち,選挙に際して,この関心が投票行為で示されることになりますと,結果として投票率の向上に寄与するわけでございます。  このためには,選挙啓発が重要であることを私どもも十分認識しておりまして,市と区の選挙管理委員会では,選挙時の啓発はもとより,常時啓発にも努力をしているところでございますが,特に若い世代層に対しましては,投票率が低い状況にございます。そこで成人になられたときに,先ほどちょっと申し上げましたが,「20歳のパスポート おもしろ選挙ブック」というようなものを作成いたしまして,個々人に郵送いたしまして,選挙に関する関心を持っていただいているところでございます。  それから,2点目には,具体的な問題でございましたね。  一つは,手稲区山口の小学校の件でございますが,この件につきましては,実は,手稲区選挙管理委員会におきまして,地元の要望を一応受けておりまして,多分第7投票区の稲陵中学校から分設をして,次の参議院選挙から手稲山口小学校を投票所とするような作業を進めていると伺っております。  二つ目でございますが,北区屯田地区でございましたね。  この地区につきましては,他の地区に比べまして,投票所がご指摘のように不足気味でございます。また,区域も広いということ,それから,投票区域の設定もややいびつでございますことから,地元の町内会などの要望に基づき,北区選挙管理委員会におきましては,投票所の増設を検討していたところでございます。
     このような中,ご質問をいただいたわけでございますが,ご質問の屯田西小学校につきましては,地元町内会から要望を受ける機会がありまして,その際に増設の方向で検討する旨をお答え申し上げたところでございます。  いずれも,これは区の選挙管理委員会が決定することでございますが,それぞれの実情をお答え申し上げました。  以上でございます。 ◆坂本恭子 委員  若者への啓発事業ということで,新成人へのアピールのためのパンフレットをお配りしているというお話でしたけれども,例えば,成人になられた,参政権を持たれた方ではなくて,もっと若い,例えば,中学生だとか高校生だとか,そういう若い方たちへの啓発活動というのが,やはりこれからは大変重要な意味を持ってくるというように思っています。  選挙制度,あるいはその政治そのものに関心を持ってもらうような取り組みと,こういうことを系統的にやっていくことが,将来的には投票率の引き上げにつながるというふうに考えておりますので,ぜひともこの取り組みを強化してほしいなというふうに思います。  それから,投票所についてですが,7月の参院選のときには,両方の投票所とも新設をされて,地元の有権者の皆さんがそこを使えると,こういうふうに理解をしてよろしいわけですね。  全市的に見てみますと,投票所の分離新設の必要なところというのは,実際にはまだ幾つかあるのではないかというふうに思います。東区などでも聞いておりますので,十分に現状を把握して,早急にそれぞれに対応するように求めまして,私の質問を終わらせていただきます。 ○道見重信 委員長  以上で,第5項 選挙費の質疑を終了いたします。  次に,第2款 総務費 第6項 人事委員会費の質疑を行いますが,通告がございませんので,質疑を終了いたします。  次に,第2款 総務費 第7項 監査委員費の質疑を行いますが,通告がございませんので,質疑を終了いたします。  以上で,本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会ですが,明日午後1時から,参考人招致及び企画調整局関係の質疑を行いますので,定刻までご参集ください。  本日は,これをもちまして散会といたします。     ──────────────       散 会 午後4時44分...