札幌市議会 1999-12-08
平成11年第 4回定例会−12月08日-04号
議案第6号 札幌市
情報公開条例の全部を改正する条例案
議案第7号 札幌市税条例の一部を改正する条例案
議案第8号 札幌市
区民センター条例の一部を改正する条例案
議案第9号
札幌留学生交流センター条例案
議案第10号 札幌市
児童会館条例の一部を改正する条例案
議案第11号 札幌市
老人休養ホーム条例の一部を改正する条例案
議案第12号 札幌市
環境影響評価条例案
議案第13号 札幌市ユース・
ホステル条例の一部を改正する条例案
議案第14号 札幌市
地区計画等の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例案
議案第15号 札幌市
中央卸売市場業務規程の一部を改正する条例案
議案第16号
札幌市立高等学校授業料等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第17号
札幌市立高等専門学校の授業料等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第18号 札幌市
ジャンプ競技場条例案
議案第19号
札幌ウィンタースポーツミュージアム条例案
議案第21号 財産の取得の件(サッポロさとらんど
整備事業用地)
議案第22号 財産の取得の件(
札幌留学生交流センター等建物)
議案第23号 財産の取得の件(
戸籍事務電算処理用コンピュータシステム)
議案第24号 財産の取得の件(公園用地)
議案第25号 訴えの提起の件(
市営住宅明渡し等)
議案第26号 平成12年度
当せん金付証票の
発売限度額を定める件
議案第27号 市道の認定及び変更の件
議案第28号 札幌市
福祉オンブズマン条例案
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〇出席議員(68人)
議長 佐 藤 美智夫 君
副議長 川口谷 正 君
議員 長 内 直 也 君
議員 五十嵐 徳 美 君
議員 村 松 正 海 君
議員 山 田 一 仁 君
議員 近 藤 和 雄 君
議員 村 上 勝 志 君
議員 藤 原 廣 昭 君
議員 三 浦 英 三 君
議員 青 山 浪 子 君
議員 坂 本 恭 子 君
議員 岡 千 陽 君
議員 恩 村 一 郎 君
議員 小 林 郁 子 君
議員 松 浦 忠 君
議員 高 橋 克 朋 君
議員 勝 木 勇 人 君
議員 鈴 木 健 雄 君
議員 堀 川 素 人 君
議員 横 山 光 之 君
議員 大 嶋 薫 君
議員 小 野 正 美 君
議員 涌 井 国 夫 君
議員 本 郷 俊 史 君
議員 高 橋 功 君
議員 岩 村 よね子 君
議員 熊 谷 憲 一 君
議員 宮 川 潤 君
議員 井 上 ひさ子 君
議員 馬 場 泰 年 君
議員 宮 村 素 子 君
議員 笹 出 昭 夫 君
議員 三 上 洋 右 君
議員 道 見 重 信 君
議員 上瀬戸 正 則 君
議員 原 口 伸 一 君
議員 畑 瀬 幸 二 君
議員 大 西 利 夫 君
議員 義 卜 雄 一 君
議員 武 藤 光 惠 君
議員 小 川 勝 美 君
議員 田 中 昭 男 君
議員 山 口 た か 君
議員 千 葉 英 守 君
議員 村 山 優 治 君
議員 宮 本 吉 人 君
議員 武 市 憲 一 君
議員 大 越 誠 幸 君
議員 猪 熊 輝 夫 君
議員 西 村 茂 樹 君
議員 森 健 次 君
議員 柿 崎 勲 君
議員 小 田 信 孝 君
議員 生 駒 正 尚 君
議員 飯 坂 宗 子 君
議員 福 士 勝 君
議員 高 橋 忠 明 君
議員 常 本 省 三 君
議員 柴 田 薫 心 君
議員 小 谷 俵 藏 君
議員 加 藤 齊 君
議員 澤 木 繁 成 君
議員 伊与部 敏 雄 君
議員 湊 谷 隆 君
議員 常 見 寿 夫 君
議員 本 舘 嘉 三 君
議員 荒 川 尚 次 君
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〇欠席議員(なし)
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〇説明員
市長 桂 信 雄 君
助役 魚 住 昌 也 君
助役 大 長 記 興 君
助役 千 葉 瑞 穂 君
収入役 高 橋 登 君
交通事業管理者交通局長 片 桐 政 美 君
水道事業管理者水道局長 瓜 田 一 郎 君
総務局長 佐々木 喜 四 君
企画調整局長 高 橋 賢 治 君
財政局長 植 田 浩 君
市民局長 三 井 尚 君
保健福祉局長 舘 美 武 弘 君
環境局長 平 田 匡 宏 君
経済局長 小 川 敏 雄 君
建設局長 浅 沼 勝 利 君
都市局長 本 間 博 昭 君
下水道局長 小 西 十四夫 君
市立札幌病院長 中 西 昌 美 君
消防局長 石 原 昭 一 君
教育委員会委員 國 島 峯 夫 君
教育委員会教育長 山 恒 雄 君
選挙管理委員会委員長 関 口 英 一 君
選挙管理委員会委員 長 岡 武 夫 君
人事委員会委員 大 塚 龍 児 君
人事委員会事務局長 古 田 勝 榮 君
監査委員 日 野 晃 輔 君
監査事務局長 羽 田 勲 君
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〇
事務局出席職員
事務局長 植 田 英 次 君
事務局次長 坪 田 玲 二 君
総務課長 山 内 馨 君
議事課長 福 島 康 則 君
調査係長 塩 澤 正 樹 君
資料係長 岩 谷 隆 博 君
議事係長 細 川 正 人 君
記録係長 阿 部 吉 秀 君
委員会一係長 木 村 義 広 君
委員会二係長 吉 野 豪 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 山 本 扶 美 君
書記 松 田 寛 司 君
書記 池 田 章 宏 君
書記 柴 井 康 君
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〔午後1時1分開議〕
○議長(
佐藤美智夫君) これより,本日の会議を開きます。
出席議員数は,63人であります。
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○議長(
佐藤美智夫君) 本日の
会議録署名議員として山田一仁君,坂本恭子君を指名します。
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○議長(
佐藤美智夫君) ここで,
事務局長に諸般の報告をさせます。
◎
事務局長(植田英次君) 報告いたします。
本日の議事日程及び
質問順序表は,お手元に配付いたしております。
以上でございます。
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○議長(
佐藤美智夫君) これより,議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第19号まで及び議案第21号から第28号までの27件を一括議題といたします。
昨日に引き続きまして,代表質問を行います。
通告がありますので,順次発言を許します。
本郷俊史君。
(
本郷俊史君登壇・拍手)
◆
本郷俊史君 私は,ただいまから,
公明党議員会を代表して,本定例会に上程をされました諸議案並びに市政の諸問題について,順次質問をいたします。
まず,
景気対策について伺います。
第1点目は,厳しい
経済状況のもとでの工事の
発注状況についてであります。
日銀が発表した11月の
金融経済月報によると,輸出や生産を中心に,
下げどまりから持ち直しに転じつつあるとの見解を示し,前月の「
下げどまり」から,景気判断を上方修正しました。
しかし,先行きについては,民間需要の速やかな
自律的回復は,依然として期待しにくい状況にあると,慎重な見方を続けております。すなわち,本年度後半から,政府の
雇用景気対策の効果も一巡すると見られ,
民間設備投資は依然として冷え込み,さらには,企業の人員削減の動きが個人消費の低迷につながっていくなど,景気回復に向けての道は,いまだ半ばの感があると言えます。
本市経済の概況を見ても,持ち直しの動きが広がっているものの,個人消費では,百貨店の9月の販売額は残暑の影響などから前年割れになるなど低迷が続いており,
有効求人倍率も依然として低く,雇用情勢は厳しい状況にあります。
このような本市の厳しい
経済状況を踏まえ,これまでも,市長は,工事の
発注方針として,可能な限り
地元建設業者の
入札参加機会をふやすなどして
受注機会の確保に努めてきたことは,承知をいたしております。また,あわせて,景気浮揚の一助となるよう,工事の早期発注や工事代金の
早期支払いにより,
建設業者の資金繰りの円滑化に資するなど,
地域経済活性化のための諸施策の推進に努めてこられました。
しかしながら,一方で,年度の後半に来た現在,
公共事業の多くが既に発注され,今後の
発注見通しが仮に立たないとなれば,ようやく回復の兆しが見えてきた地域経済に水を差すことにもなりかねません。このため,
地元建設業界から,新たに
補正予算を組んで事業量を確保してほしいとの切なる要望があることも事実であります。
このようなときにこそ,景気の牽引力となる
公共事業をいま一度投入し,
地元企業に積極的に発注されることが必要であり,地元の企業としても,非常に関心が高いのではと考えます。
そこで,先ほどお話ししたとおり,工事の
発注方針として,
地元建設業者の
受注機会の確保があるわけですが,現時点において,市内の
建設業者の受注割合はどの程度になっているのか,昨年以前と比べ,比率が落ち込んでいるようなことはないのか,まずは伺っておきたいと思います。
次に,工事量が減少する中で,
地元建設業者の
受注機会を確保していく対策の一つとして,市では,本年度から,
発注方式に
乙型経常共同企業体の活用を掲げていると伺っております。この
共同企業体は,これまで大型工事に適用してきた
特定共同企業体とは別に,中小規模の工事について,1社単独の発注によらず,地場企業を中心に結成された
共同企業体で,構成員が分担施工するというものでありまして,
受注機会の確保を図る観点から,今後とも,大変有効なものであると考えております。
また,
地元建設業者の受注を確保し,経営の健全化を図るためには,こうした
発注方式のほか,市の
発注予定工事を事前に公表していく施策も重要であります。このことは,企業側の年間を通じた計画的な営業活動に役立つものであり,市としても,積極的に取り組んでいくべきと考えております。
そこで,まず,
乙型経常共同企業体の
発注状況は,現在どのようになっているのか。あわせて,
発注予定工事の公表について,現行1億円以上で実施しているものについて,これを引き下げる考えはないのか,お伺いいたします。
第2点目は,
補正予算における
単独事業についてであります。
先ほど申し上げましたように,
公共事業は,秋枯れ,冬枯れと言われるような状態に差しかかっております。
我が会派では,先般,国の第2次
補正予算に呼応した迅速かつ機動的な
景気対策として,緊急の
補正予算を要望したところであり,この中で,
公共事業の上積みに当たっては,小額の
単独事業も積極的に予算化し,
地元中小業者の
受注機会の拡大を図ることを主張しております。しかし,本年度に入り,本市の財政状況は一段と厳しくなっており,その財源確保については,相当苦慮されたのではないかと推測されます。
そこで,本議会に提案が予定されている
補正予算における
単独事業は,どのような点に着目して追加されるのか,お伺いいたします。
次に,第4次
長期総合計画について伺います。
先ごろ,
長期総合計画審議会より,第4次
長期総合計画の案についての答申がなされました。私もこれを読ませていただきましたが,
少子高齢化の進行や地球環境問題の深刻化といった課題への対応,一方では,
グローバル化の進行に伴って,世界の都市の一員としての責任を果たしていくことが必要であることなど,今日の社会背景を的確に認識され,新しい時代に対応した今後の札幌市の進むべき方向,
街づくりの考え方を明らかにされたものと評価するものであります。
この答申は,極めて多岐にわたっており,市長のご見解を伺いたい点も多々ありますが,私は,その中でも,特に,今後の札幌の
街づくりの重点課題として強く打ち出されている
都心整備の問題について伺いたいと思います。
札幌も,他の大都市と同様に,急激な都市化の進展の時期を終え,緩やかで持続的な発展を目指すべき時期に入りつつあります。あわせて,財政的な制約の進行に伴って,さまざまな面で投資余力が低下することは明らかになってまいりました。
このような時代には,これまでつくり上げてきた既存の都市基盤をより有効に活用し,市民が生活の豊かさを真に実感できるような都市としていくことが必要となります。答申は,まさにこのような認識のもとに,
都市づくりに関しては,過去の
長期総合計画と大きく異なり,
オープンスペースの
ネットワークと都心の整備について,それぞれ新たに項目を立て,札幌の魅力と活力を高めることを強く打ち出すとともに,都心居住の必要性についても明確にうたっております。これは,計画が平板で総花的になることを避け,計画の意思を鮮明に打ち出したものであり,極めて時宜を得たものと考えます。
私は,これからの
街づくりを進めるに当たっては,都心をより楽しく,多くの人々を引きつける場にしていくことや,都心周辺の居住を回復していくことが特に重要であると考えます。
答申にもありますように,「魅力的で活力ある都心の整備」という表題のもと,都心についてゾーンと軸を設定して,それらを基本に都心の整備を進めていこうという発想は,これまで,都心が大くくりにされ,一般論でしか語られてこなかったことを考えますと,都心の再生に向け,まさに新たな一歩を踏み出した感があり,非常に心強く感じているところであります。
そこで,質問の第1点目でありますが,ただいま申しましたように,私は,本年10月に出されたこの答申を高く評価しておりますが,市長は,今後,第4次
長期総合計画の策定に当たり,これをどのように受けとめ策定を進めていくのか,この点について,基本的な考えをお伺いいたします。
次に,
都心整備の進め方についてであります。
長期総合計画は,そもそも施策の長期的な指針でありますので,今回出された答申においても,必要な内容は盛り込まれているものと考えます。しかしながら,これをいかに具現化していくかと考えたとき,いまだ見えてこない課題があることも事実であります。
今後の都心の整備に向けては,第4次
長期総合計画の策定も念頭に入れながら,学識者もメンバーに加えた
検討協議会が先月立ち上がったとお聞きしております。都心をめぐる
具体的課題として,例えば,
高次都市機能を都心に集積するとされておりますが,これからの時代に,本当に集積すべき具体的な機能は何か,あるいは,都心の交通問題を解決していくために何をなすべきか,さらに,都心では,
オープンスペースの
ネットワークをきめ細かくつくっていくという方針が掲げられているものの,具体的に,どのように,あるいはどこで組み立てていくべきなのか。
長期総合計画に掲げられた目標や方針を現実のものとするためには,このような課題に対して,具体的な方向性を見出しながら,種々の
施策展開を図る必要があるわけであります。
そこで,質問の2点目でありますが,第4次
長期総合計画の策定を受けて,都心の整備については,ただいま申しましたような課題の解決を含め,どのように進められようとするのか,お伺いいたします。
3点目は,施策の重点化が必要ではないかということであります。
今後の
都市づくりにおける
都心整備の重要性が認識され,その目標実現を図るにしても,都心全体について,おしなべて同等に取り組むことは現実的ではありません。一口に都心と申しましても,より細かく見ていけば,多様な市街地で構成されていることがわかります。例えば,最も古くから繁栄してきた商店街,なかなか発展が進まない
創成川以東の地区,あるいは大通以北の
業務集積地,札幌駅周辺地区など,機能的にも空間的にも,また交通の課題にしても,それぞれ異なる様相を呈しています。
したがいまして,魅力的で活力ある都心へ向けた整備効果や緊急性がおのずと異なるものとなりますので,
施策展開に当たっての重点化や優先順位づけが必要と考えられますが,この点についてどのようにお考えか,お伺いいたします。
次に,21世紀を迎えるに当たって,市民生活の基本となる本市の今後の
住宅施策についてお伺いします。
国においては,昨年,建設大臣から
住宅宅地審議会へ,21世紀の豊かな生活を支える住宅・
宅地政策はいかにあるべきかについて諮問しております。以来,同審議会で精力的に審議がなされ,本年9月には,その審議結果の
中間報告がなされました。この
中間報告によりますと,戦後進められた住宅・
宅地政策により,我が国の居住水準は着実に向上し,住宅も,量的には充足されたとされております。
しかしながら,大都市圏における劣悪な
居住環境や
住宅ストックなど,改善を要する課題がいまだ残っているほか,国民の住宅や宅地,また
居住環境に対するニーズの高度化・多様化,さらには,
少子高齢化の進行,環境問題への関心の高まり,経済の安定成長への移行,土地神話の崩壊などから,住宅・
宅地政策を取り巻く
経済社会情勢は,成長社会から成熟社会への移行という変革期にあり,新たな住宅・
宅地政策体系の構築という政策課題に直面しているとしております。
そして,これらの課題を解決し,21世紀における国民の豊かな生活を実現するには,今後,住宅・宅地市場を活性化し,社会全体に備わっている住宅・
宅地ストックの適切な
維持管理と活用により,居住に関する多様な選択肢を用意する必要があるとしております。このため,良質なストックの形成,適切な
維持管理,流通の円滑化等,市場の各段階を視野に入れた住宅・
宅地政策へ転換を図ることが求められていると報告されております。
そこで,本市の
住宅状況を見てみますと,昭和40年代から昭和60年代の
高度経済成長期に人口が急速に増加し,これに伴って,住宅の供給数も,
市営住宅などの
公的住宅を初め,木造の
民間賃貸共同住宅などが大量に供給されてきております。そして,平成10年の世帯数と住宅戸数を比べてみますと,世帯数約72万4,000に対して,住宅数が約82万戸であり,数の上では十分充足されております。
しかし,さきの
中間報告にもありますように,大都市には,都市特有の解決しなければならない多くの住宅問題や課題が残されている状況であります。例えば,本市では,緩やかではありますが,依然として人口増加が続いていること,
少子高齢化の進行,中心部における人口減少に伴う空洞化や,世帯の小規模化の進行,家族形態の多様化などのほか,
都心周辺部における木造の
賃貸共同住宅の老朽化や入居者の高齢化が進んでいる状況もあります。
また,
地下鉄建設を契機に,今日まで途切れることなく供給されて,都市型の居住形態として広く定着している
分譲マンションの
維持管理や老朽化の問題,さらに,平成11年4月で2万5,577戸を有する
市営住宅でも,昭和40年代から50年代にかけて大量に供給された,
エレベーターもなく,老朽化が進んでいる
市営住宅の建てかえや
高齢者仕様への改修,有効活用の問題など,本市の住宅行政を取り巻く課題は多岐にわたっていると考えます。
そこで,市長にお伺いいたします。
私は,21世紀を迎え,市民の生活が豊かで安心できるものとなるためには,生活の基本となる住宅に対する施策が非常に重要であると考えます。本市では,これまでも住宅に対する施策の展開に努力を重ねてこられたことは,評価しているところであります。
しかし,市民の住宅に対する要望は多岐にわたっており,今後は,総合的に
住宅施策を展開しなければならないと考えます。例えば,
戸建て住宅での高齢者・
障害者対策としての
バリアフリー化,老朽化した民間の
木造賃貸共同住宅や
分譲マンションの改修や管理に対する支援体制の強化,さらに,現在顕在化してきている欠陥住宅の問題など,
民間住宅に対する相談や支援,また,高齢者や
障害者向けの
市営住宅や,今後,大きな
住宅施策の一つでもある
借り上げ市営住宅の供給,
既存市営住宅の
エレベーター設置も含めた有効活用など,今後ますます総合的な
住宅施策の展開が必要になってくると考えます。
そこで,
少子高齢社会となる21世紀を迎えるに当たり,本市の
住宅施策をどのように展開していくお考えかをお伺いいたします。
次に,教育問題についてお伺いいたします。
さまざまな教育改革の提言を受け,昨年12月,新しい
学習指導要領が告示され,学校教育は大きく変わろうとしています。特に,従来,ともすれば知識の習得に偏りがちであった教育の基調を大きく転換し,ゆとりの中で生きる力をはぐくむことが重視されていることに,私は大いに注目しております。
しかし一方では,教科の学習内容や授業時数の削減に伴い,学力低下が懸念されるという声も上がっております。私は,このことは,単に知識量の多い少ないという観点から論議されるべきではなく,全人的な知・徳・体のバランスのとれた人間をどう育てていくのかという観点で論じられなければ,知識偏重の教育の弊害を克服することは難しいと考えております。
我が党も,一貫して,人間教育を教育政策の原点として,地域と世界に開かれた人間教育による21世紀を担う不屈の人格と,創造性豊かな地球市民の育成を求めてまいりました。さらに,地域に開かれ,地域に支えられた義務教育への改革を目標に掲げ,地域社会の教育機能を積極的に開発し,子供たちが教室の中や地域社会のさまざまな場において,地域の人たちから直接かつ体験的に学ぶことができる開かれた学校づくりの推進を強く主張してまいりました。
なぜならば,地域の教育力の低下とともに,子供の体験不足や,人や自然との触れ合いの不足,さらには,受験競争の激化による過度の塾通い,知識の獲得を主とする詰め込み教育などによって,子供たちがゆとりを持って,深く考え,心からの実感と納得を伴った生きた学力を身につけることがなくなっているという現状があるからであります。
「子供の世界から地域が消えた」という言葉を耳にします。かつて,子供たちにとっては,身近な地域は,鬼ごっこをしたり,遊びを通しての交流の場でもありました。子供たちは,年齢を超えた子供社会の中で,さまざまなことを体験を通して学び,生きる知恵としてきたのでした。
今日,少子化や情報化の進展に伴い,人間同士の触れ合いよりも,多様なメディアとの接触に多くの時間をとられ,現実と仮想との区別がつかなかったり,人の心の痛みが感じられない子供がふえているという話を聞くとき,これからの教育に求められることは,体験活動を積極的に取り入れ,自然や地域とのかかわりを大切にした学習をつくり上げていくということであります。
そこで,私が最も期待しているのが,小・中・高等学校に創設された総合的な学習の時間であります。この時間は,教科の枠を取り払い,さまざまな力を駆使して,今日的な課題や身近な地域の特色に応じた課題などについて,子供たちが自発的に学び,問題を解決する資質や能力を育てることをねらいとして創設されたものです。
さて,総合的な学習の時間のあり方について考えるとき,私が大いに注目したのが,兵庫県における「トライやる・ウィーク」という地域体験活動事業であります。私も視察に行ってまいりましたが,これは,兵庫県内の公立中学校の2年生全員が,特別養護老人ホームなどにおけるボランティア福祉体験や,ホテルや理・美容院などでの職場体験活動など,地域の職場などで5日間,社会体験活動等に取り組むというものであります。
この事業の発足の背景には,阪神大震災等の不幸な出来事がありますが,この活動に参加した子供たちの感想には,将来の職業に対し夢や希望を持つとともに,「親の苦労が実感でき,感謝の気持ちを持つようになった」とか,「自分では気づかない自分のよさを仲間の言動から発見した」などの感想があり,また,教師からは,「学校に地域社会の多くの人々が出入りする中で,学校が開かれたものになり,何でも学校がと考えていたことから少しは脱皮できた」など,これまで地域との接触が少なかった教師にとっても,大きな成果があったと報告されております。また,子供たちの受け入れ先など,地域の人々からも,「初日の生徒さんの顔と最終日の顔の違いを見ました。これから地域を担う子供たちとの触れ合いができ,トライやる・ウィークに感謝しています。ぜひ,次の機会にも協力したい」などの感想が述べられております。
私は,この事業は,ともすれば知育に偏りがちであった教育を是正し,現在失われつつある社会の一員としての自覚や体験に裏づけられた道徳性を培い,生きる力をはぐくむ取り組みであり,まさに総合的な学習の時間のねらいにもつながっていくものと考えるのであります。とりわけ,この取り組みにおいて,子供たちの豊かな心を培い,地域が学校とともに子供の教育に当たろうとする姿勢には,大いに学ぶべきものがあると考えるのであります。
現在,各学校では,平成12・13年度の移行期において総合的な学習の時間を試行するため,その準備を進めていると聞いております。21世紀の札幌市を担う子供たちに豊かな心の育成を促し,確かな社会性を培っていくためにも,地域の人々の協力や地域の豊かな教材,学習環境を活用した総合的な学習の時間のあり方を各学校において積極的に検討し,実施していかなければならないものと確信している次第であります。
そこで,質問でありますが,本市では,総合的な学習の時間に対する取り組みをどのように進めようとしているのか,お伺いいたします。
また,この取り組みでは,地域の人材や施設等の活用を取り入れるなど,地域との連携が必要不可欠であると思いますが,教育委員会としては,地域の人材活用等をどのように支援しようとしているのかをお伺いいたします。
次に,福祉サービスにかかわる苦情処理についてお伺いいたします。
少子高齢化の進展,家庭機能の変化,障害者の自立と社会参加の進展などの社会経済構造の著しい変化のもと,社会福祉制度は,かつてのような限られた者の保護,救済にとどまらず,国民全体を対象として,その生活の安定を支える役割を果たしていくことが期待されてきております。
これにこたえていくためには,社会経済の構造変化に対応し,必要な福祉サービスを的確に提供できるよう,社会福祉の新たな枠組みをつくり上げていく必要があり,社会福祉基礎構造改革が中央社会福祉審議会において議論され,昨年6月に,中間のまとめが出されたのであります。
この改革の大きな柱となっているのが,福祉サービスの提供の場合に,サービスの対象者に対して,行政庁の判断によりサービスを提供する現行の措置制度から,個人がみずからの判断でサービスを選択し,提供者との契約により利用する制度に移行するということであり,来年4月から実施される介護保険のサービス提供と同様の考え方が導入されるのであります。
確かに,福祉サービスが国民全体を対象としたものとなり,また,国民の福祉需要も多様化する中で,サービスの利用者と提供者との対等な関係が成り立たない措置制度においては,利用者が,個人として,みずからが必要なサービスを自分で選択するという構造になっておらず,多様なサービス提供者の参入がないため,サービスの多様化,質の向上,効率化が進まないなどの問題があります。
しかし一方で,福祉サービス利用者は,事業者と対等な関係を保とうとしても,現実にはなかなかできないものです。こうしたことから,この改革では,自己決定能力の低下している方に対する権利擁護の仕組みを制度化すること,また,利用者の苦情を受け付ける第三者機関の設置などの制度化の必要性もうたわれているのであります。
権利擁護事業については,本市でも,ことし10月から,札幌市社会福祉協議会に地域福祉生活支援センターを設置し,その対応を既に始めているところでありますが,もう一方の苦情処理については,北海道社会福祉協議会に運営適正化委員会を設けて対応されると聞いております。
本市における福祉分野の相談・苦情への対応は,各区に総合相談窓口を設け,高齢者や障害者の保健福祉や介護保険に関する相談,各種の申請や届け出の受け付け,さらには関係機関との連携・調整など,一元的に行われており,平成10年度の相談件数は6万9,000件,申請受理件数は約3万7,800件にも上っております。このように,総合相談窓口は,市民にとって利用しやすいものとなっていることは承知しております。
しかし,相談・苦情について言えば,来年4月から始まる介護保険制度について,導入後しばらくは,さまざまな相談・苦情が相当数寄せられるものと予想されます。特に,介護認定についての不服,サービス利用における契約の問題やさまざまなトラブル,施設介護の苦情等々,市民から寄せられるこれらの相談・苦情に対して迅速に対処するためには,現在の体制では十分対応できないのではないかと考えるのであります。
介護保険に関する苦情は,認定に関しては北海道の介護保険審査会,サービスについては国民健康保険団体連合会によって処理されることになっておりますが,どちらも,一次的には市町村が窓口になるものであります。したがいまして,本市におきましても,その対応窓口の充実を図り,市民の相談・苦情に的確かつ迅速に対応すべきものであります。
さらに,介護保険の相談・苦情といっても,必ずしも介護だけの話に終わるわけではないことから,福祉の総合相談機能をより一層充実しなければならないと考えるのであります。
そして,私は,この介護保険を契機に,本市として,社会福祉基礎構造改革の流れを先取りし,サービス利用者と事業者との,いわゆる民民間の相談・苦情を含む福祉サービス全般の相談・苦情に対応できる新たな仕組みを整備する必要があると考えるのであります。
特に,この民民間の苦情解決に当たっては,行政が直接解決に乗り出すよりは,第三者的機関の方が柔軟な対応ができる場合も多く,その機関を北海道社会福祉協議会に任せるのではなく,市民の立場に立って,本市にも身近な窓口を設置すべきと考えるのであります。
そこで,質問ですが,まず第1に,来年の介護保険の導入に対する相談・苦情体制について,一次的な処理を担う本市としては,どのように体制の充実を図ろうとしているのか,お伺いいたします。
第2に,社会福祉基礎構造改革の趣旨に沿って,本市として,福祉サービスに関する苦情処理,特に,今後,介護保険を初めとした福祉サービスの分野でふえてくる民民間の苦情処理に対してどのような姿勢で臨むのか,市長のご見解をお伺いいたします。
次に,次期雪対策基本計画についてお伺いします。
本市の雪対策においては,先進的にパートナーシップの考え方を具体化し,市民・企業との協働の側面からマルチゾーン除雪や生活道路排雪を,また,地域レベルでの雪対策活動に対する支援の側面から融雪施設設置資金融資などが制度化され,市民の間に定着してきているところであります。これは,現在の雪さっぽろ21計画に除雪パートナーシップを施策として盛り込み,推進してきた結果であり,市民・企業・行政の連携が密になった一つの成果であると受けとめております。
この雪さっぽろ21計画については,次期
長期総合計画との整合を図りつつ,雪対策に対する市民要望や取り巻く環境の変化に配慮して見直しを行い,来年度のスタートを予定しているということでありますが,今後のさらなるパートナーシップ型雪対策の推進に関し,どのような観点から計画見直しに当たっておられるかについて,2点お伺いいたします。
最近の雪対策に対するニーズは多様化しており,市民生活の身近なところへの関心が高まっているということでありますが,このことは,市民に共通したサービスに相当する幹線道路の除雪が一定の水準に達し,その一方で,生活道路などの地域に特有な要求が相対的に高まっているあかしとも言えるのではないかと考えております。
したがいまして,今後は,地域特有のニーズをしっかり把握し,それに対応してどのようなサービスが有効なのか,幅広く検討を加え,地域の特殊性や意向を反映した施策を迅速に打ち出していくことがますます重要になると考えます。行政の力だけで行う公共サービスの領域内ではなかなか解決が難しいとされてきた雪対策の問題についても,市民要望が生活に身近なところへとシフトしているだけに,これまで以上にパートナーシップへの取り組みが効果的に作用し,解決につながる可能性が高まるものと考えるのであります。
このため,我が党は,これまでも機会をとらえて,従前のパートナーシップ型雪対策から,さらに踏み込んだ手法が必要であるとの視点から,新たなパートナーシップの展開による除雪問題の解決策を取り上げて提案してまいりました。
その一つが,狭小道路問題であります。
幅員が狭く,除雪機械の進入が不可能であるとか,堆雪スペースがないなどの事情から,除雪サービスの恩恵にあずかっていない道路が市内には170キロメートル以上も存在しますが,この狭小道路の問題に手をつけない限り,今後,除雪率の上昇は望めないと言わざるを得ないのであります。この解決策として,例えば,受益者負担を前提とした共同利用型融雪槽の設置など,パートナーシップによる取り組みを駆使するならば,狭小道路の除雪方法は見出していけるのではないでしょうか。
そこで,第1点目の質問ですが,狭小道路問題についてどのように認識されておられるのか,また,この問題の解決に向けて,パートナーシップに基づく共同利用型融雪槽などの施設型除雪を次期計画に位置づけて進めるべきと考えますが,これに対するご見解をあわせてお伺いいたします。
次に,雪対策におけるパートナーシップによる取り組みを推進するためには,市民や企業の雪対策にかかわる意識醸成の側面から,情報の共有と合意形成が不可欠であります。
平成8年1月,札幌を襲った豪雪による混乱は記憶に新しい出来事でありますが,吹雪を伴う豪雪に対する除雪技術の限界を思い知らされると同時に,情報提供の不十分さも指摘されたのであります。
こうした混乱を回避するためには,市民の側にも出勤や外出を控えるなどの柔軟な行動が求められるわけですが,これも,情報があればこそ期待できるのであり,そのために,ふだんから情報提供を積極的に行い,意識の醸成を促すことが重要であると考えます。
また,先ほど申したように,吹雪による視界不良や凍結路面の発生など,予測しがたい現象に対して,雪対策技術だけで対応するにはおのずと限界がありますから,冬道を走行中のドライバーが行く先々の道路状況を知ることができるよう,リアルタイム情報の提供など,安全運転支援への配慮もこれまで以上に必要であると考えます。情報通信技術を導入して道路交通問題の解決を目指す高度道路交通システム,ITSに関する取り組みが,国を中心に各地で展開されているように,今や,道路を管理する側と利用する側が一緒になって道路交通の改善を考える時代であります。
そこで,第2点目の質問ですが,計画の見直しに当たり,雪対策にかかわる情報提供に関しては,今後どのような取り組みを考えておられるのか,お伺いいたします。
次に,円山動物園の今後のあり方についてお伺いします。
昭和26年の5月に道内に初めて開園した円山動物園は,ことしで49年目を迎え,この間,延べ約3,000万人の入園者を数えております。
円山動物園は,現在,218種類,1,200点の動物を飼育しており,道内最大規模の動物園として,多くの市民・道民に利用されるすばらしい施設として,自慢できるものと考えております。
しかしながら,残念なことに,ここ数年,入園者は減少してきております。動物園の役割が,今までのように単なる動物を見るだけの施設あるいは娯楽施設としての存在から,社会教育施設や環境教育施設としての役割に大きく変わってきたことは,今や,日本の動物園に限らず,世界の主要動物園の大きな流れとなってきております。
札幌市は,昭和47年の区制施行当時から人口が急激に増加し,これに伴い,身近なところで生き物やペットを飼うことができる住環境は少なくなり,子供たちが生き物に触れる機会が極端に少なくなっております。そのために,市内の小学校や幼稚園で小動物を飼育し,子供たちに動物の飼育を通して命のとうとさを学ばせてきております。動物に触れることは,子供たちの心を和ませ,言葉が通じない動物をかわいがることで,思いやりの心を育て,そして命の大切さを知ることにつながるとの考えからだと思います。
円山動物園でも,早くからこども動物園をつくり,羊やヤギ,ウサギ,モルモットなど,身近な生き物と子供たちの触れ合いの場の提供に力を入れてきており,広く市民の共感を得ているところであります。
昭和23年に日本で最初に子供動物園をつくった東京上野動物園の古賀園長の書いた本を読んでみますと,当時の子供たちには,二つのパターンがあると言っております。一つは,本当に動物をかわいがる子供,もう一つは,徹底的に動物をいじめる子だそうです。しかし,円山動物園のお話をお聞きしますと,今の子供たちには,もう一つのパターンがあり,こども動物園へ怖くて入っていけない子供たちがいて,時々,ウサギやヤギに手をかまれることもあるとのことです。この原因は,ウサギの抱き方を知らなかったり,ヤギの扱いを知らなくて起こることで,子供たちだけではなく,最近の若い親たちも教えることができないことから起こる困った現象だと言われております。
学校の週5日制を間近に控え,今まさに,動物園は,命の大切さを教える社会教育施設として大きな役割を担うことが期待されています。また,動物園は,種の保存や生物の多様性を教える環境教育施設としての役割もあると思います。円山動物園は,平成5年に,世界の動物園で初めて,国の天然記念物に指定されているオオワシの繁殖に成功するなど,まさしく種の保存に貢献している動物園として高く評価されております。
地球という限りのある環境の中で,自然の生態系に大きく影響を及ぼす我々人間の経済社会活動が自然の復元力を超える状況にまでなっている今日,環境の大切さは理解できても,これを身をもって実感できるところが少ない中で,動物園が果たす役割は重要と考えます。動物園は,地球上の多くの動物の生態が観察でき,飼育動物を眺めるだけではなく,動物の情報が得られ,生息環境が学べる学習の場としての機能が求められていると考えます。
来年は,円山動物園が開園50周年を迎え,本市の未来にふさわしい動物園とするためのよい節目のときであると考えます。本年4月に新しく開園した横浜市の動物園では,半年の間に100万人を超える多くの入園者が訪れたと聞いております。私は,動物園が魅力のある施設へと変わることによって,札幌の観光資源の一つと位置づけることもできると思うのであります。
以上の観点から,2点お伺いいたします。
一つは,動物園は,子供たちに命の大切さを教える社会教育施設として,また環境保全や種の保存に代表される環境教育施設として,まさに大きな役割を持っていると考えるのであります。生き生きとした世界の動物を市民に見てもらい,動物が本来生息する環境のあり方を学ぶことのできる動物園こそが今求められていると考えますが,このことについて市長の見解をお伺いいたします。
二つ目は,おりとコンクリートに囲まれて,いつも寝ている動物しか見ることのできない施設であれば,動物園の入園者はますます減少し,ましてや,社会教育や環境教育施設としての大切な役割を果たすことはできないと考えますが,市長は,今後,市民の大きな財産としての円山動物園をどのように充実されるおつもりか,お伺いいたします。
最後に,旭山記念公園の再整備についてお伺いします。
旭山記念公園は,昭和45年,札幌市創建100年記念の事業として造成され,藻岩山や円山に隣接した高台に位置し,石狩平野や日本海,市内を一望できるとともに,夜景スポットとしても人気のある公園であります。もいわ山ロープウェイなどとともに,市内観光の一つともなっており,市民を初め,道内外及び外国からの観光客が訪れていることは,ご承知のとおりであります。また,毎年,市民の手づくりによるさっぽろ旭山音楽祭が7月に開催されているところであり,これまでも,国内外の著名な歌手や音楽監督,指揮者を迎え,多数の観客が来場されていると聞いております。
この公園の魅力を特徴づけているのは,標高137.5メートルの傾斜地を利用した眺望がすばらしい展望広場と,噴水広場のあるイタリアの露壇式庭園です。さらに,園内には,イギリス風や中国風のあずまやが設置されており,周囲には,エゾハンノキ,エゾマツ,キタコブシ,ニセアカシアなどの樹木が植えられている「学びの森」や,さらに,姉妹都市提携記念としての「ポートランドの森」「ミュンヘンの森」「瀋陽の森」と命名された樹林地が広がっており,憩いと安らぎの空間となっております。
こうした自然や景観に恵まれた公園であるとともに,文学や芸術との出会いの場もあります。札幌出身の俳人で,昭和51年に54歳で亡くなられた寺田京子の句碑が森の中にひっそりと建っておりますし,展望広場には,歌人宮田益子の歌碑とともに公園由来碑があります。さらに,公園造成中に,明治から昭和初期にかけて生産された札幌焼の窯跡が発見され,当時,藻岩山山ろくからとれる粘土を利用して,大量の日用雑器類がつくられたと言い,明治時代の遺跡として後世に伝えるべく,由来看板を設置し,跡地は保存されております。
このように,旭山記念公園は,大通公園,中島公園とともに,国際都市にふさわしい,札幌を代表する公園の一つではなかろうかと思っております。
しかしながら,開設から約30年が経過し,施設の老朽化とともに,公園全体が傾斜地となっていることから,石積みの劣化や園路の亀裂が生じ,補修費用が増大していると聞いております。
私は,今後の公園緑地施策を進める上では,
少子高齢社会の到来や余暇時間の増大などの社会的背景の中で,多様化する市民ニーズを踏まえて,質の向上を図ることが重要課題であると考えております。旭山記念公園についても,市民により親しまれる公園を目指し,さっぽろ旭山音楽祭などの文化・芸術活動の振興とともに,PMFの開催により,市民がすぐれた芸術文化を鑑賞する機会を拡充し,個性ある札幌文化の創出の場づくりに寄与することも大切であると考えます。また,福祉のまちづくり条例に基づき,公共的施設の
バリアフリー化を進め,より多くの市民が共通に利用できるユニバーサルデザインを新しい時代の標準として,人に優しい施設づくりを目指すことが肝要と考えております。
さらに,旭山記念公園の後背地には,二酸化炭素など温室効果ガスの吸収源となり,地球温暖化対策にも寄与する貴重な緑地空間である旭山都市環境緑地が約17ヘクタールの面積で広がっており,これが緑地との連携,機能分担について十分に検討することも必要であると考えております。
そこで,質問でありますが,中島公園の再整備事業も順調に推移しているとのことであり,旭山記念公園の再整備の必要性は高いと考えておりますが,再整備についての基本的な考え方と今後の事業スケジュールについてお伺いいたします。
以上で,私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
佐藤美智夫君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(桂信雄君) まず,私からお答えいたします。
最初は,
景気対策についてであります。
第1点目の工事の
発注状況についてお答えをいたします。
まず,市内の
建設業者の受注割合についてでございますが,本年度10月末時点では,全体の約77%を市内業者が受注をしております。特に,道路,下水,公共建築物など,市民の日常生活に密着した土木,下水道,建築のこの3工種で見ますと,市内業者の受注率は約83%となっておりまして,こういった結果は,昨年以前の比率と比べて落ち込んでいることはありません。
次に,
乙型経常共同企業体の
発注状況についてでございますが,平成10年度は試行として工事5件を実施し,今年度はさらにその活用を図ることとした結果,
地元建設業者を対象とする生活道路整備工事を中心に,現在54件を発注しているところであります。
また,
発注予定工事の公表対象につきましては,現在は1億円以上で実施をしておりますが,来年度からは,これをさらに引き下げて,公表対象を拡大する方向で検討を進めているところであります。
第2点目の
補正予算の
単独事業についてでありますが,なお厳しい地域経済の状況に配慮いたしまして,職員給与の減額及び事務的経費の節減等を財源として,昨年の12月に追加補正をした事業費と同規模の10億円を確保するものであります。
その内容といたしましては,地元中小企業の
受注機会の拡大に資するため,来年度以降に予定をしておりました小規模な工事等のうちでも,生活道路や河川の整備,
少子高齢化や教育環境の改善に配慮した施設の改修など,緊急性が高く,本年度中において実施が可能なものについて事業費の追加を行うこととしております。
次に,第4次
長期総合計画についてであります。
まず,第1点目の答申の受けとめ方と計画策定の進め方についてでありますが,答申の内容は,現在の社会経済情勢を十分踏まえた上で,今後,札幌が進むべき方向に明確な進路を与えているものと受けとめております。したがいまして,第4次
長期総合計画の策定に当たりましては,この答申を最大限尊重し,札幌の将来に市民が期待を持てる計画とすべく,まとめてまいりたいと考えております。
次に,2点目の
都心整備の進め方と3点目の
施策展開の重点化につきましては,関連がございますので,まとめてお答えをいたします。
都心の整備は,札幌の都市的な魅力を高めるとともに,市民生活を豊かなものにしていくために,今後,特に力を入れていく必要があると認識をいたしております。
都心は,ご指摘のように,さまざまな課題がふくそうしていることも事実でありますし,課題解決を図りながら目標を実現していくためには,市街地の特性に応じ,さまざまな施策をきめ細かく複合的に展開していく必要があると考えております。また,それは,都心で活動する企業や市民の方々とともに,それぞれの役割を果たしながら進めることも大事でありますので,目標実現に向けた効果や課題,さらには地元の方々の活動の状況等も勘案し,どのような施策を重点的に展開すべきか,ご質問にもありました
検討協議会による調査等を通して明らかにした上で,効果的な
施策展開を図ってまいりたいと考えております。
次は,総合的な
住宅施策についてであります。
本市におきましては,住宅の数が世帯数を上回っておりまして,量的には一応充足された状況になっております。しかし,量的に充足されているとは言いながら,近年の住宅・住環境に対する市民の要望は,高度化・多様化してきておりまして,さらに,
少子高齢化の進行や現下の経済情勢を反映して,複雑多岐にわたってきております。
本市では,これまでも,高齢者や障害者のためのリフォーム資金融資制度の実施でありますとか,マンション
維持管理問題などの相談事業に対する補助,あるいは高齢者や障害者に優しい
市営住宅の建設や,民間とのパートナーシップによる
借り上げ市営住宅の供給など,平成6年に策定をされました札幌市住宅基本計画に基づいて,市民生活の基本となる
住宅施策を推進してきたところであります。
しかし,国におきましては,さきの
住宅宅地審議会からの
中間報告にもありますように,
経済社会情勢の変化に対応した新たな住宅政策への転換を図ることが求められておりまして,本市といたしましても,21世紀を迎えるに当たり,国の住宅政策の方向性やその動向を見きわめながら,
市営住宅はもとより,
民間住宅への取り組みも含めた総合的な
住宅施策の展開に努めてまいりたいと考えているところであります。
次は,福祉サービスにかかわる苦情処理についてお答えいたします。
まず,第1点目の介護保険導入に伴う本市の苦情処理窓口の充実についてでございますが,新制度における相談や苦情の増加が予想されますことから,市民に一番身近な窓口であり,介護保険制度の円滑な運営に重要な役割を持つ各区の総合相談窓口の体制強化を検討してまいりたいと考えております。
2点目の福祉サービスの利用者と事業者の,いわゆる民民間における苦情処理についてでございますが,社会福祉基礎構造改革では,都道府県社会福祉協議会に運営適正化委員会という第三者機関を設置し,処理に当たることになっております。
しかし,福祉サービスの大きな転換期にあって,利用者には不安が生じることになると思いますので,市民のより身近なところで対応できるように,本市独自のものとして,来年4月に市の社会福祉協議会に第三者機関を設けて,民民間における苦情処理を主として行うほか,市の福祉サービスの苦情もあわせて受け付ける相談窓口とするように検討したい,このように考えているところであります。
私からは,以上であります。
○議長(
佐藤美智夫君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 私から,最初に,次期雪対策基本計画につきましてお答えいたします。
1点目の狭小道路除雪についてでありますが,この課題解決に向けては,地域の特性に応じた対策を講じていくべきものと認識をしております。このため,ご提案の共同利用型融雪槽などにつきましては,パートナーシップ型雪対策の一方策として,施設の管理運営方法や市民との合意形成の図り方などについて検討を行ってまいりたいと考えております。
2点目の雪対策にかかわる情報提供についてでありますが,冬期間において,市民の柔軟な行動を促すことやドライバーの安全運転を支援することは,重要であると認識しております。したがいまして,新たなITS技術を活用して冬季道路交通情報システムの拡充を図るなど,関係機関と連携をとりながら,適切な情報の提供を推進するよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に,円山動物園の今後のあり方についてお答えいたします。
1点目の円山動物園の役割についてでありますが,円山動物園は,昭和26年5月5日に開園して以来,これまでの48年間に多くの市民・道民に利用され,特に市民の皆様は,子供のときに一度は訪れたことがあることから,動物園のキャッチフレーズが,「いつも楽しい心のふるさと」となっております。
札幌は,人口の集中によって動物を飼うことができない住宅環境も多いことから,動物園は,子供たちが動物と触れ合い,また,生き物の多様性を学び,種の保存を担う重要な役割を果たしている施設であると考えております。
2点目の円山動物園施設の充実についてでありますが,現在,円山動物園50周年記念総合再整備事業として,昨年4月には,動物情報の発信基地として動物園センターを建設し,また,本年と来年の2カ年で,広いグラウンドで生き生きとしたチンパンジーの生態を観察できる新たな動物舎を建設いたしております。また,動物園が,ただ見るだけの施設から学べる施設へとその役割が変わる中で,ことしから,本格的に動物情報を入園者に伝える動物解説のボランティア制度を取り入れました。
今後とも,子供たちに生命の大切さを教える社会教育施設として,さらに,生き生きとした動物を見ることによって,その生息環境を考える環境教育としての役割を担い,何回でも訪れたくなるような魅力ある動物園になるように努めてまいりたいと考えております。
次に,旭山記念公園の再整備についてお答えいたします。
旭山記念公園は,開設後29年の年月が経過しており,施設の老朽化や劣化が著しく,大々的な改修が必要と考えており,また地元中央区からも再整備が求められておりますので,中島公園に続く次期候補地として位置づけております。
札幌の街を間近に望む景観はすばらしく,多くの市民や観光客が訪れており,既成のイベント,あるいは市民ニーズに対応する,多機能で,北国らしく,そして国際都市にふさわしい風格ある公園となるよう,次期5年計画の中で整備してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(
佐藤美智夫君) 山教育長。
◎教育長(山恒雄君) 教育問題につきまして,私からお答えを申し上げます。
まず,1点目の総合的な学習の時間の取り組みについてであります。
総合的な学習の時間は,みずから課題を見つけ,問題の解決に主体的,創造的に取り組む態度を育てることをねらいといたしまして,各教科等で身につけた基礎的・基本的な知識・技能等を応用し,実生活の中で生かされるよう,横断的,総合的な観点から進める新しい学習であります。
現在,各学校で検討委員会等を設置し,地域や児童・生徒の実態等に応じて試行するなど,理論と実践の両面から検討を進めておりますが,教育委員会といたしましても,平成14年度からの全面実施に向けて,研究委託校の指定,教育課程編成の手引の作成など,各学校の実践に資するための取り組みを進めているところであります。とりわけ,円滑な実施のためには,学習の対象となるさまざまな課題が成長段階に応じて適切に提供されるとともに,小・中・高等学校間で継続性が保たれることが重要でありまして,そのために必要な支援をしてまいりたいと考えております。
2点目の地域の人材活用等の支援についてであります。
総合的な学習の時間の実施に当たりましては,各学校は,地域のさまざまな施設,事業所,自然環境などを教育資源としてとらえ直すとともに,地域に対して積極的に情報を発信し,専門的な知識を持つ保護者や地域の方々の協力を得ることが必要になるものと考えております。
教育委員会といたしましては,地域における人材等のさまざまな教育資源が有効に活用されるよう,それぞれの学校,身近な区役所等の関係機関や団体から収集した情報をデータベースとして構築し,各学校における総合的な学習の時間の取り組みが充実するよう支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(
佐藤美智夫君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
――――――――─―――――――――
休 憩 午後2時
再 開 午後2時31分
――――――――─―――――――――
○副議長(川口谷正君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。
井上ひさ子さん。
(井上ひさ子君登壇・拍手)
◆井上ひさ子君 私は,ただいまから,日本共産党を代表して,当面する市政の重要課題について質問をいたします。
最初に,不況・中小企業対策について質問します。
11月の経済企画庁の月例経済報告は,「個人消費はこのところ足踏み状態」と,前月盛り込んだ「緩やかに回復してきている」という表現を削除し,下方修正しています。また,日銀札幌支店の金融経済概況でも,個人消費は10カ月連続で前年を下回ったとしており,99年度の市内の主要経済指標を見ても,5年前に比べて半減していた新設住宅着工戸数が7月以降,若干上向きになってはいるものの,百貨店販売額や新車の登録台数はともに連続後退しており,個人消費の落ち込みによる不況は一層深刻になっています。
日本共産党は,個人消費の落ち込みを回復させる思い切った対策によって不況を打開するとともに,札幌経済の主役にふさわしい地元中小企業対策と商店街振興対策を確立すべきものと考えます。
以上の立場から,以下4点の質問を行います。
質問の第1は,不況打開のための消費税減税等についてです。
本市の経済指標が如実に示しているように,不況の実態は,深刻な消費不況であることは明らかです。ところが,自自公連立内閣は,年金制度の改悪を進め,福祉財源を口実に,消費税の2けた税率への増税をもくろんでおり,これでは,国民の将来への不安をさらに拡大し,個人消費を一層冷え込ませることになるのではないでしょうか。不況打開のためには,年金制度の充実など社会保障の拡充で将来への不安をなくし,消費税率5%を3%に戻すなど,大幅な庶民減税で個人消費を拡大することが決定的に重要と考えますが,市長は,政府の年金制度改悪や消費税再増税の動きについてどのように認識されているのか,景気回復に逆行し,市民と中小業者の生活と営業を一層困難に追い込むことになるとはお考えにならないのか,お尋ねいたします。
質問の第2は,今国会で改定された中小企業基本法に関してです。
この改定は,基本法の前文から,大企業との格差是正など積極的な規定を全面削除したのを初め,中小企業の振興に欠かせない政策目標である過当競争の防止,下請取引の適正化,中小企業製品の輸出振興や需要の増進,事業活動機会の適正確保,地場産業を守るための輸入制限・セーフガードなどの規定も大半が削除されています。かわって,全国650万社の中小企業のうち,約1万社,全体の0.15%にすぎないベンチャー企業や創業者への支援が強調されています。
経済企画庁長官は,中小企業対策も,弱者として保護する対策をとらず,中小の中から強者を育てていくと,今回の改定のねらいを語っておりますが,市長は,このような弱者切り捨て,一部ベンチャー企業などの支援に重点を置く改定について,問題なしと認識されるのか,これまで,基本法の「格差是正」の理念のもとで,曲がりなりにも目指してきた既存中小企業全般の向上,底上げを大きく後退させるものとはお考えにならないのか,見解を伺います。
質問の第3は,大型店の出店規制と商店街振興策の強化についてです。
2000年6月から施行される大規模小売店舗立地法によって,ますます大型店の出店増が懸念されるところです。本市の大型店の占有率は,売り場面積で既に60%を超えており,これ以上の大型店の出店は,
街づくりの上からも猶予できない問題であり,とりわけ店舗面積5万平方メートル前後の超大型店ジャスコの出店の動きもある今日,大型店の出店規制と地元商店街への具体的支援が急がれます。大規模小売店舗立地法の「生活環境を保持するために必要な施策を講ずる」という条項を活用し,当面,これが実効性を持つように,本市独自の
街づくり条例などの制定で,大型店の出店に規制措置がとられるようにすべきと考えますが,いかがか。
また,地元商店街に対し,共同駐車場の確保,野菜・魚・肉類の生鮮3品を販売する小売店の確保,高齢者世帯等への宅配サービスなど,消費者の要求にこたえた商店
街づくりを支援する対策を強化すること,とりわけ,シャッターが閉じられた店舗を商店街が企画した事業によってあけられるようにするために,1商店街平均500万円の商店街緊急活性化事業補助制度を創設すべきと考えますがいかがか,お尋ねいたします。
質問の第4は,地元中小企業への官公需発注についてです。
98年度の本市官公需発注の総実績は3,619億6,600万円ですが,そのうち中小企業向け発注は2,255億900万円で62.3%にすぎません。しかも,役務74.3%,物件63.3%に比べ,工事は56.7%であり,その分,道外の大企業に発注されているのが特徴です。
我が党は,繰り返し,地元中小企業への官公需の発注率をせめて80%に高めるよう求めてまいりましたが,98年度実績ベースで試算しますと,それだけでも640億円の仕事がふえることになります。
深刻な不況のもとで,地元中小企業は,
公共事業の受注や物品納入の拡大を切実に願っていますが,市長は,発注率が下がっている現状をどのように認識されるのか。また,発注率を高めるためには,大型
公共事業の見直し,予定価格の事前公表など,入札の透明化と民主化,ジョイントベンチャー方式の改善,工事の分離発注の徹底など,具体的な方策が必要と考えますがいかがか,伺います。
次に,雇用・失業対策について質問をいたします。
長引く不況のもとでの失業・雇用問題は,年の瀬を迎えて一層深刻になっており,実効ある本市の対策が切実に求められております。
そこで,以下4点の質問をいたします。
質問の第1は,大企業の大規模な解雇・リストラへの対処に関してです。
札幌圏内の
有効求人倍率は,引き続き深刻な状況にあります。加えて,大企業による大規模なリストラ,人員削減が計画され実施に移されており,これは,大企業での雇用削減にとどまらず,関連中小企業の雇用にも深刻な打撃を与えています。
こうした状況のもとで,とりわけ問題なのは,働き盛りの中高年齢層と新卒者の実態であります。札幌圏における45歳から54歳までの
有効求人倍率は,10月末現在で0.21倍,55歳以上では0.08倍となっており,求人がほとんどないのが実態です。しかも,離職・失業に至った経過についても,45歳から54歳までの方の37.4%,55歳以上の方の40.9%が事業主都合による離職となっています。また,新規高校卒業者の就職内定率は,10月時点で33.8%であり,昨年に比べても2.0ポイントの減少となっており,本人や家族の状況を見るにつけても胸の痛むものがあります。
そこで,質問ですが,市長は,このような市民の失業状態,深刻な雇用状況についてどのように考え,どのように対処されるのか,伺います。
大企業の解雇・リストラをやめさせ,労働者の働く権利を守るためには,ヨーロッパ諸国では当たり前になっている解雇規制法の立法化が不可欠であり,国に要請すべきと考えますが,いかがか。また,札幌での大規模な解雇,人員整理を行わないよう企業に要請するなど,雇用を守るために自治体の長としての役割を果たすべきと考えますがいかがか,伺います。
質問の第2は,札幌市独自の雇用創出の取り組みについてです。
雇用危機を打開するためには,リストラ・解雇を抑えることと,新たな雇用を創出していくことが求められます。札幌市の公的部門である介護・福祉,教育,消防・防災など,市民生活に不可欠な分野での雇用拡大を,将来展望を見据えながらも,今こそ積極的に行う必要があると考えます。
介護保険実施が目前となりましたが,ホームヘルパーは,99年度で956人となり,目標が達成されるとしていますが,利用希望率を35.5%と低く設定しているためです。少なくとも計画の2倍以上の増員が必要です。特別養護老人ホームは,1,910人の待機者にこたえるためには,60床規模で考えても,あと30カ所以上の増設が必要です。増設によって,ケアワーカーなどの福祉職員の雇用を大幅にふやすことができます。少子化対策も待ったなしの状態です。保育所の増設により,待機児童の解消と保育士の増員を図ることができます。消防職員も基準どおりに配置されておりません。市民からも待ち望まれているこれらの市民生活関連の施設やサービス分野での人員の確保によって,雇用を拡大する必要があると思うのですがいかがか,伺います。
質問の第3は,季節労働者の雇用対策についてです。
失業・雇用危機は,季節労働者に深刻な打撃を与えています。また,季節労働者の年齢構成を見ますと,45歳以上の方が全体の62.5%,55歳以上の方が38%となっており,この割合は年々増加しており,特に65歳以上の増加が顕著であり,高齢化が進んでいます。
道は,10月26日付の「季節労働者の雇用の安定について」の市町村長にあてた通達で,今年度下半期及び来年度における
単独事業の事業計画等の策定の際には,季節労働者の冬期就労の場の確保がより一層図られるよう要望しております。
そこで,質問ですが,季節労働者に対する救済の性格を持った特別の就労対策を創設すべきと考えますが,いかがか。また,昨年度から行われている季節労働者の企業組合等に対する業務発注は25件,約2,000万円にとどまっていますが,今年度,その規模を積極的に拡大すべきと考えますがいかがか,市長の対処方針について伺います。
質問の第4は,緊急地域雇用特別交付金の活用についてです。
札幌市は,この事業の1期分として19事業,5億100万円を決めましたが,内容的にはデータ整理や基礎調査,あるいはホームページの作成などの事業が多く,膨大な求職者にとっては必ずしも雇用効果の高いものとなっていない実態です。緊急地域雇用特別交付金による実施希望事業事前調査についての具体的な事業例で示されている,児童・生徒の相談相手となる社会経験豊富な中高年を生活相談員として活用する事業や,中高年離職者等に対するホームヘルパーの養成研修,あるいは林道,遊歩道の維持修繕,標識類等の整備など,今仕事がなくて困っている離職者に焦点を当てた事業にすべきであると考えますがいかがか,また,中高年離職者や高卒の求職者を対象とした雇用効果の高い研修事業を具体化すべきと考えますがいかがか,伺います。
次に,
長期総合計画の改定について質問をいたします。
我が党は,昨年2月,札幌市
長期総合計画審議会の基本答申を受けて市長が議会に提案した新長期計画の要約版とも言える札幌市基本構想の改定議決に当たって,これが,第1に,従来,基本構想に盛り込まれていた重点目標や重点施策が抽象化される一方で,市にとって都合のよい理念を並べ立てたものになっていること,第2に,
街づくりの基本として,従来型の都市膨張政策やゼネコン奉仕型の市街地改造計画を踏襲し,推進しようとしていること,第3に,パートナーシップなどを標榜しての社会的な費用の抑制と適正な負担の両立という考え方が,結局,市民に新たな負担と我慢を押しつけ,市民福祉の事業に大なたを振るう,にせ行財政改革を推進しようとするものと,その問題点を厳しく指摘し,反対いたしました。
さて,1996年の12月に,市長から新
長期総合計画策定についての諮問を受けて以来,3年を経て,去る10月25日に,札幌市
長期総合計画審議会から,第4次札幌市
長期総合計画の策定に関する答申書が提出されました。
これを受けて,市長は,今後20年間にわたって市政の進路に重大な影響を及ぼす新長期計画をこの12月にも策定しようとしていますが,施策の内容に関しては,新計画が発表された以降,その実施計画としての第1次5年計画とあわせて来年の予算議会で論議するとして,今回の答申書の前段部分等に盛り込まれた基本問題に的を絞って,以下4点の質問をいたします。
質問の第1は,「第1章 計画の策定に当たって」の中に,「札幌は,昭和30年代から昭和50年代初頭にかけて,急激な人口増加が進行する中で,過密の弊害を未然に防止し,ゆたかな生活環境を創造することがまちづくりの大きな課題であった。」と記載されるなど,過密の弊害を未然に防止する課題は,既に過去のものになったかのような記述となっていることの問題についてであります。
現在,181万人の本市人口を,20年後の2020年には,さらに30万人増の210万人と想定する主要指標を掲げているにもかかわらず,今日,本市において過密の弊害がどのような形であらわれているかや,過去の
長期総合計画の見直しに当たって検討された水資源などの資源問題や,河川の汚濁防止など環境保全問題,道路や地下鉄の混雑度など交通容量,こういった問題を踏まえた許容人口がどうなのかが,今回は全く検討されずに改定答申がつくられたのは異例と言わなければなりませんが,市長は,このことについてどのように受けとめておられるのか,人口の抑制や過密の弊害を除去する姿勢を欠落させたものとは考えないのか,お尋ねいたします。
質問の第2は,「第2章 札幌の魅力と活力を高めるために」の中に,「コンパクトな市街地内に,都市機能の強化を先導する都心や
高次都市機能拠点」を「効果的に配置」する,あるいは「
グローバル化に対応した企業活動が積極的に展開しやすい環境を整える。また,各種支援を通じて企業の立地を促進するとともに,新千歳空港や石狩湾新港などの国際的な交通拠点の機能向上を促進する。」と記述されていることや,第2部の「計画目標」や「施策の体系」などの中に,国際都市の顔にふさわしい拠点となるように
都心整備を図ることや,東札幌のコンベンションセンター建設,住民が反対している丘珠空港の機能向上にまで触れていることは,市民福祉最優先の市政への転換を求める市民の声に背を向け,大企業本位の北海道開発に迎合し,ゼネコン奉仕型の大型開発に固執する市民不在の
街づくりをさらに進めるものと考えますがいかがか,お尋ねいたします。
質問の第3は,「第3章 計画の展開に当たって」の中で,パートナーシップの
街づくりの展開として「少子・高齢化が進行し,市民の意識やライフスタイルが多様化する中,行政が提供できるサービスだけでは,ゆたかな市民生活を実現することは困難である。市民・企業・行政が,まちづくりにおけるそれぞれの役割を認識して,連携し協働することが,社会的ニーズにきめ細かくこたえることになるとともに,活力ある都市活動を生み,市民一人ひとりの生活をゆたかにする。」と述べ,また,「都市経営基盤の確立と自律性のある行財政運営の推進」の中で,「今後,社会的な費用が増大していくことが予想され,行政サービスの水準と負担のあり方や行政と民間の役割分担等が重要な問題となる。そこで,社会全体のサービス水準を確保するため,行政コストの抑制など効率的・効果的な行財政運営を強化するとともに,市民や企業と連携して,環境問題や都市交通問題などによって発生する社会全体のさまざまな費用を抑制することに努める。また,その負担のあり方についても,世代間の公平や応益関係などを考慮した適正な負担の確立に努める。さらに,従来は行政が担ってきた分野の社会資本整備やサービスの提供においても,より少ない費用で質の高い効果が期待され,公平性が確保される場合には,民間に対して,事業をその内容に応じて部分的または包括的に委ねていく。」と述べていることの問題であります。
これは,行政の責任放棄を容認し,市民の責任と負担を強調するもので,民間委託の推進とあわせて,自治体本来の使命である市民福祉の事業をないがしろにさせるものと考えますがいかがか,お尋ねいたします。
今日,市民生活を行政に全面依存するなどという現状にないことは明らかであり,市民が行政に求めるものは,地方自治体の役割に基づく仕事を積極的に推進し市民生活を守ることであり,企業が社会的責任を果たすこととあわせて,それぞれの役割はおのずから違うものであり,税金を払っての市民の負託にこたえなければならない行政の役割をいささかもあいまいにしてはならないと考えますがいかがか,お尋ねいたします。
質問の第4は,第2部第4章の「施策の体系」の中に「新たな視点による公共施設の整備・運営」という項を起こして,「人口の急速な伸びや市街地の拡大に対応して集中的に公共施設の整備を進めてきたが,それらが21世紀に入り,次々と更新時期を迎え,そのための財源確保が難しくなることが懸念される。」などとして,それぞれの施設がこれまで果たしてきた役割を時代の変化に応じて見直すとか,住民主体による施設の柔軟な
維持管理の仕組みをつくっていくことが必要であると言い切っていることの問題です。
これは,まさに桂市長の市民不在の行財政改革を後押しするものであり,市民福祉にかかわって重要な役割を果たしている本市の施設の改築などに待ったをかけ,今後の施設整備を抑制させるものであり,必要な施設整備目標さえあいまいにするものと考えますがいかがか,お尋ねいたします。
次に,介護保険の問題に関して質問します。
来年4月から実施される介護保険は,国民には総額2兆円の保険料徴収で新たな負担を押しつけながら,介護サービスを保障できない事態も懸念されることから,国民の中に不満と不安が広がり,政府・与党も問題の深刻さに気づき,手直しを行わざるを得なくなっています。国民が頼りにできる制度にするにはどうしたらいいのか。選挙目当てと批判されるような一時しのぎの見直しではなくて,保険にふさわしいサービスを保障し,利用者の負担軽減を図るなど,介護保険が抱えている問題点を克服する抜本的制度の改善が今強く求められていると考えます。
そこで,伺います。
質問の第1は,保険料,利用料の負担軽減策についてです。
高い保険料,利用料の問題では,特に低所得者への対応が必要です。本市で市民税を課税されない65歳以上の方,すなわち第1号被保険者は17万9,000人余です。世帯全員が非課税の人は8万8,000人余で,これらの方々の中には,収入が生活保護基準以下の夫婦で,年間5万7,600円という国保料の2倍以上の介護保険料を支払わなければならない世帯が多く出てきます。国保料の上に,介護保険料,利用料の負担では暮らしていけないという市民の生活実態について市長はどう考えておられるのか,改めて伺います。
介護保険制度によって4分の1に引き下げられた老人福祉の国庫負担を2分の1に引き上げ,住民税非課税世帯の保険料を免除する制度を国に強く要求すべきと考えますがいかがか,伺います。
利用料についても,在宅と施設入所に応じて,免除及び所得別軽減対策の確立を国に要求すべきですがいかがか,伺います。
また,国の対応がない場合には,本市において,低所得者に対する保険料の減免制度,利用料の助成制度を検討すべきと考えますがいかがか,市長の見解を伺います。
質問の第2は,サービスの基盤整備についてです。
まず,特養ホームの整備についてですが,今の整備計画のままでは,来年4月,介護保険スタート時には,整備目標を達成しても220人分のベッドがふえるのみです。本年10月末現在の待機者数は1,910人,そのうち在宅待機者は365人となっています。来年3月まで,これら在宅の待機者と老人保健施設,病院などでの待機者はすべて解消されるのかどうか,伺います。
また,現在まで,要介護と判定された方のうち,介護度の重い4,5の方が既に在宅で626人もいますし,本市の推計では,来年3月末での要介護4,5の方は1,372人となっていますが,4月以降,これらの方々が特養ホーム入所を希望された場合,それにこたえられるのかどうか,このままでは,特養ホーム入所のケアプランが机上のものとなり,保険者としての本市が契約違反をすることにならないのかどうか,市長の明確な答弁を求めます。
待機者を出さないように国の介護保険基盤実施策の
補正予算も活用して,また,本市の実情を踏まえて,家族が住んでいる近くの地域に定員30人の小規模な特養ホームを各区に建設すべきと思いますがいかがか,今後の整備方針について,改めて明らかにしていただきたいのであります。
次に,在宅サービスの柱となるデイサービスについてです。
現在,既に待機者が315人となっておりますが,介護保険スタートと同時に,さらに利用希望者がふえていくと予想されます。その数をどの程度と見込み,現在の待機者対策とあわせて,具体的にどのように対応されるのか,お尋ねいたします。
最後に,施設や体制が整っていない中で,保険料徴収をスタートさせることが問題になっている中で,我が党は,当面,1年間,保険料徴収を凍結して整備を急ぐよう提案していますが,市長の見解をお示しください。
質問の第3は,要介護認定についてです。
一次判定のコンピューターソフトは施設介護のデータをもとにつくられているため,在宅高齢者の実態に合わず,殊に,痴呆症の判定が低く出るなどの問題が明らかになっています。本市における1次調査でもこのことが指摘されるとともに,痴呆症の項目が初対面の訪問調査では難しいというのが現場の声です。より総合的に高齢者の生活実態をとらえるために,1次調査の85項目に加えて,痴呆症の介護記録づくりや訪問調査員の認定審査会への同席を検討している自治体もあります。
本市としても,一次判定ソフトを実態と組み合わせて検証していくとともに,これらの取り組みを取り入れるべきと考えますがいかがか,伺います。
質問の第4は,高齢者保健福祉計画についてです。
11月19日までの要介護認定では236人の方が非該当とされています。これからの判定でも,自立とされたら,今受けているサービスがどうなるのかという不安が市民の中にあります。在宅サービスのうち,デイサービス,ホームヘルプサービスについての自立対策が示されておりますが,その利用料負担はどうなるのか,また,新規申請者のうちの自立者に対しては,どのような対策をいつまでに明らかにするのか,伺います。
施設入所者の問題では,経過措置のない老人保健施設や療養型病棟に入っている方々で,自立,要支援とされた方の受け皿として,高齢者生活福祉センターを整備するとしていますが,厚生省の介護予防生活支援事業も活用し,急いで各区に整備すべきですが,どのように取り組むのか,伺います。
また,現行福祉制度から介護保険制度に移行することによる本市の負担軽減分,約60億円を活用し,現行制度を後退させず,自立と判定された人や介護保険の対象とならない人の願いにこたえる福祉施策を盛り込んだ積極的な高齢者保健福祉計画を策定し,事業展開を図るべきと考えますがいかがか,お尋ねいたします。
次に,少子化対策について質問します。
少子化が大きな社会問題となっておりますが,本市でも,少子化傾向が顕著で,合計特殊出生率は1.11と,政令都市の中で最下位という状況にあり,本格的な対策が急がれています。
そこで,お尋ねしますが,質問の第1は,本市の少子化対策の基本についてです。
国も,少子化対策臨時特例交付金を少子化対策の呼び水として各自治体に交付し,国会でも,少子化対策等基本法を議員立法として提案しようという動きも出ています。このような中で,本市としても,少子化対策の視点から,次代の社会を担う子供たちを安心して産み育てることができ,子供たちが健やかに成長できる家庭,学校,地域環境の整備に取り組むべきと考えますが,まず,本市の少子化対策の基本について伺います。
総理府がことし発表した少子化に関する世論調査の結果で特徴的なことは,「子育てにかかる経済的負担に社会的な支援を行うべきか」という質問に,「どちらかというと行うべき」を含めて「行うべき」との回答が76.5%に達するなど,子育てに要する経済的負担がいかに重いかを示しています。本市の少子化対策の基本に,子育ての経済的負担の軽減をしっかり位置づけるべきと考えますがいかがか,伺います。
質問の第2は,保育所の建設と整備についてです。
本市は,少子化対策臨時特例交付金6億円を
補正予算として計上し,私立認可保育所での待機児童解消の補完策として,乳児や障害児受け入れの促進,保育環境の向上などのための施設設備改善事業の補助を行うとしていますが,既に10月で待機児童は574人,超過入所児童が1,109名にもなっている現状のもとで,抜本的な対策をとらないで,100名の器に115名,120名もの児童を押し込むことが,保育所における児童の処遇向上や子供を大切にする少子化対策という見地から見て,問題はないとお考えなのでしょうか,伺います。
また,市長は,来年度から2カ年で500名の定数増を図るため,保育所の新増設を約束されていますが,年度末には例年1,000名からの待機児童が生ずる現状のもとで,500名の定数増で待機児童が解消されるとお考えなのかどうか。北区144名,東区113名,西区104名など,多数の待機児童を速やかに解消するため,現状を踏まえた保育所の増設に取り組むべきと考えますがいかがか,伺います。
手稲区の場合,待機児童は81名で,保育所がない稲穂や星置地域では,隣の小樽の保育所に通っているほどで,待機児童の半数が乳児という状況です。自分の地域にも保育所をつくってほしい,公立である手稲中央保育園に乳児を併設してほしいという父母の願いにこたえて,保育所整備を具体化させるべきと考えますが,どのように取り組むのか,お尋ねいたします。
質問の第3は,教育費負担の軽減についてです。
まず,就学援助についてです。
就学援助の認定者数は,親の失業やリストラ,病気など,
経済社会情勢を反映して年々ふえ続けています。今,市民生活が厳しい中,教育費の父母負担の割合が大きくなってきており,教育費の負担軽減のため,就学援助の基準改善が強く求められています。
現在,就学援助の対象となる収入基準は,生活保護基準の1.1倍の範囲に厳しく制限されています。そのため,わずかな収入金額のオーバーで就学援助を受けられない世帯は,生活保護基準以下の家計の状況になっているのです。本市の国民健康保険制度のもとで実施している医療費の一部負担金免除の対象は,収入基準を生活保護基準の1.3倍としていますから,就学援助の基準についても,義務教育は無償という憲法の精神に基づいて,せめて生活保護基準の1.3倍にすべきと思いますがいかがか,お尋ねいたします。
また,昨年8月,児童扶養手当の収入基準が引き下げられ,本市の母子家庭1,000人ほどが受給資格を失い,収入基準のぎりぎりで就学援助の申請ができない人も出ていますから,救済のためにも基準の改善を行うべきと考えますがいかがか,対処方針を伺います。
次に,教育行政について質問をいたします。
質問の第1は,教育予算の増額に関してです。
本市の教育費は,昨年度決算で547億6,200万円と,16年前の1982年と絶対額でほとんど同じです。また,一般会計に占める割合では,1978年の15.2%から毎年減り続け,昨年度決算では6.5%に落ち込み,ことしの肉づけ後の予算では6.2%と,さらに構成比率が下がってきています。
このように教育予算が長い間低く抑えられてきたことについて,人口急増期のような学校建築がなくなったからということで正当化することはできません。今から30年近く前に,年間10校以上の学校建築を行い,年間200億円も300億円もかけていたのですから,新築の件数が減少し始めたときから,老朽施設の改築を初め,教育の充実のための必要かつ適切な対応を図るべきところを,学校建築費の減少をそのまま機械的に教育予算から減らしてきたことは,問題であります。
このように教育予算を抑制し続けているところに,本市の教育行政の問題点が浮き彫りになっているのではないでしょうか。教育に必要なお金をかけて充実を図る方向に教育行政の転換を図るべきと考えますがいかがか,市長の見解を伺います。
質問の第2は,老朽校舎の改築についてです。
我が党は,これまでも危険校舎や老朽校舎の問題を取り上げてまいりました。耐震設計基準に関連する校舎改築についてですが,阪神・淡路大震災において,特に旧耐震設計法以前に建築された校舎,すなわち1970年以前に建築された学校が倒壊・大破の被害を受けました。
文部省は,70年以前の建物について危険改築を念頭に置くとしています。これを受けて,本市でも,70年以前に建築された小・中・高合わせて62校の耐震上問題がある校舎について,その安全性の確保を最優先するため,積極的に改築事業を実施するとしていますが,耐力度調査を終えた学校は,小学校4校,中学校1校のみです。速やかに62校すべての耐力度調査を行うべきと考えますがいかがか,また,次期5年計画で62校の改築を進めるべきと考えますがいかがか,今後の対応について伺います。
さらに,1970年以降の旧耐震基準の校舎で,耐震診断が行われた35校に関してですが,1校につき6カ所から48カ所の構造耐震指標が示されました。このうち,問題なしとされる指標0.7以上で占められた学校は1校もなく,改善を要する0.7未満の指標が過半数を占めた学校が5校ありましたが,これらの校舎の改築,補強等の工事をどのようにしていくのか,今後の対応について伺います。
質問の第3は,学校プールの設置についてです。
本市の小学校のプール未設置は,あと11校です。個別の問題点を解決して速やかに整備すべきでありますが,それぞれどういう方法でいつまでに整備するのか,見通しをお示しください。
中学校のプール整備についてですが,97校中18校,設置率がわずか18.6%という状況です。北海道は夏が短いため泳げない子が多く,大人になっても水難の危険に対処できない場合もあります。だからこそ,その夏を満喫させ,短い期間でも,生命を守る技術を身につける水泳の機会を保障することが教育に求められていると思うのですがいかがか,中学校のプール設置についての基本的な考え方について伺います。
中学校の
学習指導要領では,クロール,平泳ぎ,背泳ぎについて,続けて長く速く泳ぐことができるようにする,特に,1年生はすべての生徒に履修させることと義務づけられております。ところが,本市の八つの中学校で,設置していたプールが取り壊されて水泳授業ができなくなっていることは,問題であります。このうち5校は,格技場を設置する場所を確保するために取り壊したものであり,3校は老朽化のため取り壊したまま,設置しておりません。
学習指導要領で,適切な水泳場の確保が困難な場合には,これを扱わないことができるとなっておりますが,他の施設を設置するために既設のプールを取り壊すという場合には,確保が困難ということに当たらないと思うのですがいかがか,見解をお示しください。
また,中学校においては,水泳授業は縮小し,これ以上プールの設置は必要ないとお考えなのか,あわせて伺います。
質問の第4は,学校給食調理業務の民間委託問題についてです。
民間委託化については,市民から,利益追求を本質とする企業に学校給食を任せて,給食の質の低下を招くことにならないのか,安全面,衛生面は大丈夫なのかなどの不安の声が上がっていました。ことし2月には,1万8,838筆の署名とともに,学校給食を守り,充実を求める請願が提出されました。多くの父母の合意も得られないまま,本市教育委員会は,今年度,調理校4校での民間委託を強行しました。民間委託が実施されてわずか8カ月間ですが,既に,これまで我が党が指摘した問題点が改めて浮き彫りにされてきています。
そこで,お尋ねいたします。
質問の第1は,委託校の衛生管理など調理の現状についてです。
調理委託校4校では,札幌集団給食事業協同組合から,調理師の資格を持つチーフ1名と数名の調理パートが派遣されて調理業務が行われていますが,これまで市教育委員会が直接行ってきた調理員の研修も民間任せで,研修内容,実施状況も把握されていない状況です。こうした中で,現場では,衛生面からこれまで使い捨てとされてきた手袋,マスクなどの消耗品を洗って何度も使用するなど,消耗品の取り扱いに大幅な変更が起こっており,安全面,衛生面についての不安が指摘されています。
また,直営の栄養士と委託スタッフの雇用形態の違いによる連携上のトラブルや,スタッフが学校給食についてはふなれなため,調理時間がかかり過ぎて,直営では行われていたおいしさを生かす野菜の手切りが,機械を利用しなければ配膳に間に合わないなど,問題を生じており,調理技術,衛生管理のレベルアップのための民間委託であるという市教委の当初の説明とは,既に大きな乖離が生じていますが,この実態をどのようにお考えなのか,お尋ねいたします。
質問の第2は,調理業務の民間委託は学校給食をどこに導くかという問題についてです。
全国的なシェアを持ち,学校給食の委託を一手に引き受けている業者で構成し,既に166社が加盟している日本給食サービス協会が作成した学校給食の委託の提言という内部資料によりますと,第1には,献立が複雑過ぎて採算が合わない,第2に,つくり手側の負担を考えない陶磁器食器の導入反対,第3に,雇用の違いによる栄養士と調理員の人間関係の難しさ,第4に,食材は一括購入し冷凍食品も活用を,第5に,作業の大変な手づくりはほどほどになどということが述べられていますが,これは,まさに,民間委託の問題点と委託業者の本音そのものを正直に語ったものです。
このように,営利追求を本質とする民間企業に,教育の一環としての学校給食を任せることに無理があると思いますが,いかがか。委託業者の提言どおりになった場合,学校給食をゆがめることになることは必至であり,問題が大きくならないうちに委託化を中止すべきと考えますがいかがか,伺います。
質問の第3は,推進事業の目玉にしたランチルームの整備についてです。
教育委員会は,給食の充実のための財源を生み出すために調理業務の民間委託を行い,給食の改善・充実の目玉としてランチルームの整備を強調してきました。
しかしながら,ランチルームの整備は,今年度の10校,来年度予定している26校までは整備できるようですが,2001年からはランチルームの整備が後回しとなる状況です。これでは,民間委託だけをやるということになるではありませんか。
我が党は,既に,充実は口実で,とにもかくにも無理やり民間委託を強行しようというやり方の問題を指摘してきましたが,このような事態をどのように説明されるのか,伺います。
次に,コンサドーレ札幌への支援問題にかかわって質問いたします。
株式会社東芝サッカー部が札幌に移転し,コンサドーレ札幌として改称するとともに,東芝が撤退して,株式会社北海道フットボールクラブとして地域密着の市民球団へと脱皮を目指した1996年に,本市は,道とともに1億5,000万円を出資し球団設立を支援したのを皮切りに,Jリーグに昇格した1998年度には,赤字続きの球団経営への第2弾の財政支援として,これまた道と歩調を合わせて5億円の低利融資を行いました。このような過去2回の本市によるコンサドーレ札幌への財政支援について,議会は,増資はしない,追加融資はしないとの市長の説明も踏まえ,これを認めてきました。
しかるに,今日,本市の元助役が社長を務め,市から幹部職員を専務として出向させている株式会社北海道フットボールクラブが,今年度決算見込みにおいてさらに単年度3億3,000万円余の赤字を出し,累積赤字が30億8,000万円にも上る経営危機に直面し,市と道への追加財政支援を求めてきているのであります。
市長は,今定例会にスポーツ振興等を名目とした補助金として1億円の追加支援の提案を行うとともに,球団が自立できるまでの当分の間,期限を切って支援を続ける意向を既に明らかにしておりますが,この問題に対する市民の反応は,コンサドーレに頑張ってほしい,北海道に根差した市民球団として発展してほしいという声が大きい一方で,株式会社のプロ球団にこれ以上税金をつぎ込むことは問題だとして,本市の追加支援に反対の声も数多く出されているのであります。
このような状況を踏まえて,以下4点の質問を行います。
質問の第1は,市民世論の掌握についてであります。
市長は,市民の賛否両論の意見についてどのように受けとめておられるのか,また,市政世論調査などで,改めてこの問題に対する市民の意向を掌握する考えはないのか,お尋ねいたします。
質問の第2は,本市の財政運営との関連についてです。
これ以上の財政支援には反対との市民世論の背景には,財政危機を唱え,行財政改革を標榜し,市民に新たな負担や我慢を押しつける本市の財政運営に対する反発があると考えますがいかがか,市民福祉の事業を切り刻む一方でのコンサドーレ支援が問題になっているとは考えないのか,見解を伺います。
質問の第3は,今後の財政支援のあり方についてです。
市長が,昨日,本会議で答弁された自立できるまでの一定期間に限って支援が必要との考えは,自立できなければいつまでもということになるのか,一定期間とはどの程度の年数を想定したものなのか,また,本市と道の合計10億円の貸付金はその期間内に返済されることになるのか,お尋ねいたします。
質問の第4は,北海道フットボールクラブの経営改善についてです。
市民球団を標榜しているとはいえ,株式会社としての球団の経営を公的支援に頼るようなことは許されないと考えますが,単年度収支をプラスにすることとあわせて,累積赤字の解消に向けて抜本的な球団運営の改善が求められていると思います。J1復帰が優先されるゆえに,赤字を軽視するようなことがあってはならないと考えます。率直に言って,J1復帰をにしきの御旗にして,高額報酬の選手を集めて赤字を拡大するようなことは,もう許されないと考えます。市民・道民の支援のもと,どさんこに由来するチーム名にふさわしく,北海道の大地にしっかりと根を張った球団を目指し,経営収支の改善を図りつつ,長期のスパンで強化策を講じることが必要と考えますがいかがか,お尋ねいたします。
以上で,私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(川口谷正君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(桂信雄君) まず,私から数点お答えいたします。
最初は,不況・中小企業対策についてであります。
1点目の不況打開のための消費税減税等についてでございますが,
景気対策につきましては,これまでもさまざまな議論を踏まえて,累次の経済対策がとられてきたものと認識をいたしております。
ご指摘の年金制度や国の税制につきましては,将来を見据えた幅広い観点から,国政の場で広く議論されるべき課題であると考えております。
2点目の中小企業基本法についてでございますが,今回の改正は,新産業や新事業の創出に支援策の軸足を移してはおりますが,小規模企業への配慮や商店街の活性化などの施策は新基本法でも継続されますことから,中小企業への配慮はなされているものと認識をいたしております。
3点目の大型店の出店規制と商店街振興策についてでございます。
まず,大型店の出店規制についてでありますが,大規模小売店舗立地法は,出店規制を目的とするものではなくて,生活環境を保持するために必要な施策を講ずる場合にも法の趣旨に沿った対応が求められるものであり,その適切な運用に努めてまいりたいと,このように考えております。
また,商店街につきましては,地域の
街づくりや共同の販売促進活動など,それぞれ独自に活性化に取り組んできており,本市といたしましても,そうした商店街の動きに対し支援を行ってきたところであります。今後も,商店街が重要な役割を担っている状況を踏まえ,支援策を講じてまいりたいと考えております。
4点目の地元中小企業への官公需発注についてであります。
これまでも,発注に当たりましては,地元中小企業に特段の配慮を払ってきたところでありますが,今後とも,地元中小企業を含む
共同企業体の活用や,道路・公園整備など,地域生活に密着した工事の発注等を通じて,可能な限り
受注機会の確保に努めてまいりたいと考えております。
次は,第4次札幌市
長期総合計画の策定に関する答申書の考え方についてであります。
まず,第1点目の指標の設定と過密の弊害についてでありますが,人口を意図的に誘導しようとする考え方ではなくて,これまでの趨勢をもとに推計したものであり,また,かつてのような急激な人口増加から緩やかな増加傾向へと推移していくことが見込まれることから,効率的な土地利用,環境政策の総合的な展開や技術革新などによって,過密の弊害を生じることはないものと考えております。
2点目の都心などの拠点整備や空港機能の向上等についてでありますが,これらは,都心の再生や集客交流産業の振興などを行う上で必要であり,札幌の魅力と活力を高めることが豊かな市民生活の実現につながるものと考えております。
3点目の行政の役割についてでありますが,市民・企業と行政のパートナーシップのもとにおいても,行政がなすべきことは当然に行う考えでありまして,おのずと一定の役割分担があるものと認識をしております。したがいまして,行政の責任を放棄したり,あいまいにするものではありません。
4点目の公共施設整備の考え方でありますが,今後は既存の施設をどう活用していくかということが重要となると考えておりますが,市民福祉のための施設整備を抑制するものではありません。
次に,介護保険制度についてでありますけれども,1点目の保険料,利用料の負担軽減対策につきましては,各保険者に共通する課題であり,財源措置を伴うものでありますので,引き続き,他の政令指定都市とも連携を強め,国に対して強く要望してまいりたいと考えております。
2点目のサービスの基盤整備についてでありますが,要介護認定を受けた方は,在宅または施設サービスの中から最も適したサービスを選択することになりますので,在宅と施設のバランスのとれたサービス基盤を整備してまいりたいと考えております。
特別養護老人ホームにつきましては,施設の健全経営上,必要な定員規模や,各区のバランスを考慮して整備を図り,デイサービスにつきましては,平成12年度においては,通所介護と通所リハビリを合わせて1週当たり延べ1万5,500人が利用するものと見込んでおりまして,さらに,今後の需要動向を見きわめながら必要な基盤整備を図ってまいりたいと考えております。
3点目の要介護認定についてでありますが,要介護認定につきましては,全国共通の認定基準に基づいて行われるべきものと考えており,一次判定の結果と,家族を含め関係者から聴取した特記事項,それに医師の意見書に基づき,二次判定で総合的に審査,判定を行ってまいりたいと考えております。
なお,コンピューターの一次判定ソフトに問題が生じた場合には,国に対して改善を求めてまいりたいと,このように考えております。
4点目の高齢者保健福祉計画についてでありますけれども,まず,デイサービス,ホームヘルプサービスの自立者対策につきましては,その内容,利用者負担等について現在検討しているところでありまして,高齢者生活福祉センターにつきましては,設置地域も含め,自立,要支援とされた方々の有効な受け皿となり得るよう,国などとも協議しながら,早急に高齢者保健福祉計画の中で明らかにしてまいりたいと考えております。
次は,教育行政のうち,第1点目の教育予算の増額につきまして,私からお答えをいたします。
厳しい財政状況を踏まえますと,今後とも,その時々の事務事業の必要性を十分精査する中で,限られた財源の効率的・効果的な活用を図っていく必要があると認識しておりまして,教育予算につきましても,当然そうした考え方に基づき対応してまいったところであり,今後も,必要な事業について,適宜,対応してまいりたいと考えております。
次は,コンサドーレ札幌への財政支援についてであります。
まず,第1点目の市民世論の掌握についてでありますが,コンサドーレ札幌に対する財政支援につきましては,市民の間にも賛否両論があることは,本市に対する支援要請の署名提出や,投書,電話,電子メールなどによりまして,私自身も承知をいたしております。したがいまして,私といたしましては,市民の賛否の意見やチームの存在意義を十分勘案した上で,一定の支援が必要と判断をいたしましたので,議会でご審議をいただきたいと考えたものであります。
第2点目の本市の財政運営との関連についてでありますが,本市の財政状況が厳しい折に,コンサドーレ札幌に対する支援はいかがかとのご質問でございますが,コンサドーレ札幌は,スポーツ文化の振興に寄与するばかりでなく,地域の活性化や
街づくりに多大な貢献をし,教育的役割も果たしているなど,チームの存在が市民福祉にとっても非常に有益な多くの効果を有していると考えております。したがいまして,そのような効果を一層引き出し,高めるためにも,道民・市民や経済界の支援と合わせて,行政による支援も必要と考えたのであります。
第3点目の今後の財政支援のあり方についてでありますが,支援の期間につきましては,いつまでもとは考えておりませんし,特に何年間などと決めているものでもありませんが,道民・市民や経済界の支援状況,運営会社の収支状況などを総合的にとらえて判断してまいりたい,このように思っております。
また,貸付金の返済につきましては,運営会社といたしましても,来年度以降は黒字経営を何としてでも堅持し,安定経営の実現によって,できる限り早期の返済に努めることとしておりますので,本市といたしましても,その実現に向けて協力をしてまいりたいと考えております。
第4点目の北海道フットボールクラブの経営改善についてでありますが,先日,運営会社からの発表によりますと,自己改革の断行による早期の安定経営を第1に,真の道民球団としての運営によって北海道のスポーツ文化振興の先進的役割を果たし,長期的観点でのチーム育成のもと,J1昇格を目指すこととしております。
本市といたしましても,こうした長期的展望のもとにチームづくりを行うことに期待したいと思っております。
以上であります。
○副議長(川口谷正君) 大長助役。
◎助役(大長記興君) 私から,少子化対策のうちの1点目と2点目について答弁いたします。
1点目の少子化対策の基本についてでありますが,まず,考え方といたしましては,さきの定例市議会でもご答弁申し上げましたように,今日,新たに家庭を築き,子供を育てていくという大変大切な事柄について,それを困難にするような社会経済的あるいは心理的な要因があり,そのことが少子化につながっているのではないかと考えているところであります。したがいまして,家庭や学校や地域の問題も含め,可能な限り少子化の要因を取り除いていく対策を進めてまいりたいと考えております。
また,直接的な子育ての経済的負担の軽減につきましては,税制,社会保障制度など,国の施策に負う部分が大きいことから,これまでも国等への働きかけを行ってきたところであり,本市においても可能なことにつきましては実施に努めておりますが,今後とも,国に対し要請をしてまいる考えであります。
2点目の保育所の建設と整備についてであります。
認可保育所における超過入所は,現在,緊急の待機児童対策として実施しているところでありますが,児童の処遇の低下を招かないように,施設と緊密な連絡をとりながら,受け入れ施設の職員の状況や面積の状況等について実態調査を行い,児童福祉施設の基準を確保しているところであります。
また,保育所待機児童の解消につきましては,まずは,緊急整備として,平成13年度末までに500名規模の定員拡大により,年度当初における待機児童の解消を目指しているところでございます。
年度途中における待機児童の解消につきましては,現在,新5年計画を策定中でありますので,緊急整備後の保育需要の動向などを勘案しながら,必要な整備について検討してまいりたいと考えております。
なお,手稲区におきましても,地域的な保育需要等をもとに適切な対策を講じてまいりたいと考えております。
以上です。
○副議長(川口谷正君) 千葉助役。
◎助役(千葉瑞穂君) 私から,雇用・失業対策についてお答えいたします。
1点目の大企業の大規模な解雇・リストラへの対処についてであります。
札幌圏における10月の常用の
有効求人倍率は0.31と,前年同月の0.29を上回り,4カ月連続で前年を上回っているものの,依然として低い水準にあり,厳しい状況が続いていると考えております。
国では,さきに,中小企業の創業支援及び基盤強化を通じた雇用創出・安定対策などを内容とする経済新生対策を発表したところであり,本市といたしましては,今後,国及び北海道と連携して,雇用に関する施策の充実に努めてまいりたいと考えております。
次に,解雇規制についてでありますが,労働契約は基本的に民民間の契約ではありますが,勤労者の立場が守られることは市民生活の安定を図る上で重要と考えますので,状況を見ながら,国や企業への働きかけも含め,どのようなことができるのか検討していきたいと考えております。
2点目の札幌市独自の雇用創出の取り組みについてでありますが,本市では,市民生活に密着した分野については,それぞれ計画的に必要な人員を確保しているところであります。今後とも,市民サービスの向上を図るとともに,行政需要の変化に合わせて機動的な雇用に努めていきたいと考えております。
3点目の季節労働者の雇用対策についてであります。
季節労働者は,昨今の厳しい雇用情勢の中でも特に厳しい状況に置かれていることから,昨年度,特別の対策として,緊急的に,季節労働者で組織する企業組合に対して,直接,業務を発注したところであります。今年度につきましても,依然として雇用情勢が厳しいことから,企業組合に対して業務の発注ができるよう努めていきたいと考えております。
4点目の緊急地域雇用特別交付金の活用についてでありますが,12年度以降の事業につきましては,現在,鋭意作業中であります。具体的な事業につきましては,本市の実情に即して,より雇用創出効果の高い事業となるよう努力をいたしたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(川口谷正君) 山教育長。
◎教育長(山恒雄君) 私から,教育関連のご質問4点につきましてお答えを申し上げます。
まず,少子化対策の3点目の就学援助についてでありますが,この制度は,法の規定に基づき,生活保護法に定める要保護者と,これに準ずる程度に困窮している者,いわゆる準要保護者を対象に実施いたしております。このうち,準要保護者は,児童扶養手当を受給している世帯や市民税非課税世帯等のほか,経済的な理由によって就学が困難で,収入が生活保護基準の1.1倍以内の世帯等を対象といたしております。
現行の認定基準は,札幌市就学援助審議会におきまして,法の趣旨や本市の財政事情等,総合的な観点から検討いただいた答申,これに基づいて設定したものであり,制度の趣旨が生かされているものと考えております。
次に,教育行政のご質問の2点目,老朽校舎の改築についてであります。
昨日の自民党・山田議員の代表質問でもお答えしたところでありますが,今後想定される厳しい財政状況等を勘案いたしますと,財源の効率的・効果的な活用が一層重要になってくるものと考えております。
したがいまして,校舎の改築につきましても,これまでの建築後の経過年数等をもとに行うという考え方にとらわれることなく,現にある学校施設をより長く活用するといった観点から,耐力度調査や耐震診断を実施し,計画的な修繕や必要に応じた補強等を行いつつ,適切な改築時期を見定めてまいりたいと考えております。
次に,3点目の学校プールの設置についてであります。
まず,小学校の未整備校につきましては,校地が狭い等,設置に当たっての難しい事情を有しておりますが,順次,これらの条件を整え,整備を進めてまいる所存であります。
また,中学校の格技場につきましては,総合的な視野から体育授業の充実が図られるとともに,部活動や特別活動等の多目的な活用が可能であり,また,四季を通じて利用効果が高いことなどから,昭和63年度より,それまでのプールにかわり本格的に設置を始めたところであり,現在,全校設置を目指して,計画的に整備を進めているところであります。
なお,廃止したプールは,いずれも簡易プールで,施設の老朽化が著しく,危険であったことから撤去したものであり,一部の学校につきましては,その跡地を利用して格技場を設置したものであります。
次に,4点目の学校給食調理業務の民間委託問題についてであります。
まず,委託校の衛生管理など調理の現状についてでありますが,調理業務につきましては,衛生管理面,作業面とも,契約に基づき,本市の定めるマニュアル等に従い,学校栄養職員との綿密な打ち合わせの上,適正かつ円滑に行われており,また,子供たちや保護者にも大変好評であると聞いておりますことから,この楽しさとゆとりのある給食推進事業は期待どおりの成果を上げていると認識いたしております。
次に,調理業務の民間委託化についてでありますが,このたびの委託は学校給食の調理部門を委託したものであり,学校給食総体につきましては,当然に教育委員会が責任を持って指導・監督し,その実施に当たっているところであります。
したがいまして,今後とも,こうした考え方に基づいて,教育的配慮のもとに,民間委託を含めた本事業を進めてまいりたいと考えております。
次に,ランチルームの整備についてでありますが,本事業は,ご質問のランチルームのみならず,食器具等の食事環境の整備や家庭との連携強化を内容とする学校給食の充実,並びに民間活力の導入を含めた調理体制の整備を2本柱として,総合的・計画的な考え方に立って取り組んでいるところであり,今後とも着実に進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(川口谷正君) お諮りします。
本日の会議はこれをもって終了し,明12月9日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(川口谷正君) ご異議なしと認めます。よって,そのように決定されました。
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○副議長(川口谷正君) 本日は,これで散会いたします。
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散 会 午後3時41分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議長 佐 藤 美 智 夫
副議長 川 口 谷 正
署名議員 山 田 一 仁
署名議員 坂 本 恭 子...