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平成11年第一部決算特別委員会−10月22日-09号
平成11年第二部決算特別委員会−10月22日-09号

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  1. 札幌市議会 1999-10-22
    平成11年第二部決算特別委員会−10月22日-09号


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    平成11年第二部決算特別委員会−10月22日-09号平成11年第二部決算特別委員会   札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第9号)                 平成11年10月22日(金曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 33人     委 員 長  上瀬戸 正 則 君       副委員長   井 上 ひさ子 君     委   員  柴 田 薫 心 君       委   員  大 越 誠 幸 君     委   員  宮 本 吉 人 君       委   員  千 葉 英 守 君     委   員  道 見 重 信 君       委   員  笹 出 昭 夫 君     委   員  宮 村 素 子 君       委   員  鈴 木 健 雄 君     委   員  勝 木 勇 人 君       委   員  近 藤 和 雄 君     委   員  村 松 正 海 君       委   員  伊与部 敏 雄 君     委   員  加 藤   齊 君       委   員  西 村 茂 樹 君     委   員  猪 熊 輝 夫 君       委   員  畑 瀬 幸 二 君     委   員  小 野 正 美 君       委   員  藤 原 廣 昭 君     委   員  常 見 寿 夫 君       委   員  森   健 次 君     委   員  小 田 信 孝 君       委   員  柿 崎   勲 君     委   員  涌 井 国 夫 君       委   員  三 浦 英 三 君     委   員  飯 坂 宗 子 君       委   員  小 川 勝 美 君
        委   員  武 藤 光 惠 君       委   員  岩 村 よね子 君     委   員  田 中 昭 男 君       委   員  山 口 た か 君     委   員  松 浦   忠 君       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時1分 ○上瀬戸 委員長  ただいまから,第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,柴田委員から遅参する旨,届け出がございました。  それでは,議事に入ります。  本日は,本委員会に付託されました議案6件に対する討論及び採決を行います。  議案第1号中関係分及び議案第2号から第6号までの6件を一括議題とし,討論を行います。 ◆鈴木 委員  私は,自由民主党議員会を代表し,第二部決算特別委員会に付託されました平成10年度決算関係の諸議案につきまして,これを認定する立場から,討論を行います。  我が国の経済は,平成9年10月から5期連続のマイナス成長でありましたが,平成11年1月以降,2期連続してプラスに転じ,その後も改善傾向が続いていることから,ようやく薄日が見え始めたと言われております。これは,平成10年度に財政構造改革路線から景気・雇用対策に政策の軸足を移した結果であり,本市の財政運営面では,そのかじ取りが大変難しい年であったと思うのであります。  このような状況のもとで,第3次5年計画の3年次目として,各施策の推進を図るべく編成された本市の平成10年度予算は,歳入面では,市税などの収入率の向上に意を用いて,できる限り財源確保に努めることとし,歳出面では,積極的な行財政改革の取り組みにより,大幅な事業の見直しを行い,これまで以上に,限られた財源の重点的な配分により,高齢者福祉や防災対策などの経費の増額及び中小企業金融対策資金の拡充などの配慮がなされたところであります。  この結果,一般会計予算では,前年度に比べ1.3%増と,国や地方財政計画の伸びを上回ったのであります。  また,長引く景気低迷や雇用情勢の悪化からの脱却を目指し,平成10年4月に政府が打ち出した緊急経済・雇用対策に呼応して,本市では,厳しい財政状況の中,第2回定例市議会で過去最大規模の補正予算を上程し,その後も経済対策関連の補正を果敢に実施したことを高く評価しているところであります。  これらの緊急経済・雇用対策のために,財政調整基金を32億円使用するなど,財源確保には苦慮されたことが見受けられるのであります。  そこで,平成10年度の決算について前年度と比較してみますと,歳入では,市税収入が特別減税や景気低迷等の影響により減少し,収入率も91.3%と,0.3ポイント低下しましたが,経済対策等に伴う市債,地方交付税国庫支出金の財源が確保されたことにより,歳入総額では増加しております。また,歳出では,扶助費や公債費などの義務的経費や経済対策による土木費が増加しているほか,国民健康保険事業,病院事業,高速電車事業の健全化を図るための一般会計からの繰出金も多額に上ってきております。  このように,決算状況を見ますと,予算に計上された事業については,ほぼ目的を達成できたと思うのであります。  また,我が会派が平成10年度予算に向けて要望してまいりました中小企業対策行財政改革や事務事業の見直し,職員数の削減,少子高齢化対策などが着実に実行されたことから,これを評価するものであります。  そこで,本議会の審議を通じて我が会派が取り上げてまいりました諸課題を,提言,要望を含め,述べてまいりたいと思います。  まず,介護保険についてであります。  要介護認定を受けた結果,自立と判定された方や要支援と判定された施設等の入所者,特に,現在,サービスを受給していながら,介護保険制度の適用を受けない方への対応策を早急に取りまとめるべきであります。  次に,フロンティア事業支援資金についてであります。  この制度の融資先の中小企業等の要件として,マーケティングという困難性を伴う能力を要求していることから,経営・技術面の課題等に応じ,具体的な指導や適切なアドバイスを受けられるようなフォローアップ体制を整えるよう提言しておきます。  次に,路面電車の活用方策についてであります。  現在,検討されているループ化あるいは延伸の路線決定に当たっては,都心交通のあるべき姿に大きな影響を与えるものであり,もっと,都心商業者の街づくりに対する考え,あるいは沿線住民や市電の利用者のニーズを正しく把握し,各般の議論を経て,市民合意のもと,事業化に向かうべきと考えます。  このほか,我が会派が本特別委員会で取り上げてまいりました事項について申し上げます。  まず,福祉行政に関しては,老人休養ホームのあり方,精神障害者社会復帰施設の整備,青少年問題,子ども電話相談歯科保健対策,高等看護学院の大学化,少子化を踏まえた母子保健対策腸管出血性大腸菌感染症について。  産業振興に関しては,企業誘致,海外諸都市現地企業経済交流意識調査の目的,製造業保有技術調査について。観光行政に関しては,観光振興の取り組み,観光案内所の設置,藻岩山及びその周辺の観光資源の開発について。農業行政に関しては,本市農業の現況と都市型農業の取り組み,有機農業への取り組み,学校給食の食材供給,農業振興の基本的な考え方,農地流動化奨励金制度市民農園整備について。  建設行政に関しては,厚別川右岸・左岸通の整備,市道川下線の整備,コスト縮減と地元建設業者への発注,融雪施設設置資金融資あっせんの実施状況,今冬の雪堆積場確保の見通しについて。  宅地行政に関しては,市街化調整区域における大規模開発許可制度の見直し後の状況について。再開発事業に関しては,札幌駅北口8・3西地区市街地再開発について。  市立病院に関しては,市立病院の今後のあり方,代替医療の基本認識と今後の取り組み,本院の将来経営の見通し,経営健全化対策の効果について。  交通事業に関しては,経営健全化計画の見直し,回復策の一般会計からの支援,職員削減,配置転換についてのほか,電車事業では,増収対策,乗車人員減少の原因,サービス向上対策,運営上の課題等について。バス事業では,運転手のカウンセリング,中・小型車両導入の考え方,路線再編後の職員数等について。高速電車事業では,ウィズユーカード,広告収入,外国人観光客にわかりやすい駅名表示等について。  水道行政に関しては,市民サービスの充実,第3次施設整備事業藻岩浄水場改修など,意見,要望を交えながら質疑を行ってまいりました。  ただいま申し上げました意見,要望等のほかに,今後の本市の行財政運営上,解決していかなければならない問題も数多くあります。  そこで,これらに関し,具体的に提言を申し上げたいと思います。  第1点目は,このたびの決算で,市税の収入率が,政令指定都市移行後,最低となりました。企業の業績回復による税収増には若干の時間を要することから,これからも収入率の向上に総力を挙げて取り組んでいただきたいのであります。  2点目は,最近の景気動向には改善の兆しが見えるものの,雇用情勢は依然として厳しい状況にあることから,今後も,継続して,雇用の確保のため,適宜・適切な施策を講じていただきたいと思うのであります。  3点目は,職員給与の見直しについてでありますが,国の基準を上回っている調整手当を早急に見直すべきであります。  4点目は,平成10年度における市債発行は,前年度に比べ大幅な伸びとなり,発行抑制の数値目標は,初年度から大きなハンディを負うことになりました。後年度の負担が過重とならないよう,十分留意していただきたいのであります。  5点目は,行財政運営の効率化を図るため,財務内容を的確に把握できるバランスシートなどの企業会計手法を早期に導入すべきであります。また,今後の大きな課題である公共施設の更新に向けては,PFIなどの新たな手法を活用して解決に当たっていただきたいのであります。  6点目は,土地開発公社用地のうち,保有期間が10年を超え,依然として事業化のめどが立たないものについて,早急に土地の活用方法とそのあり方を検討すべきであります。  以上,会派としての意見を述べてまいりましたが,平成10年度決算並びにこれらに関連する事項に関し,我が会派から出されました提言,要望を十分しんしゃくされ,今後の市政執行に当たられますよう求めて,私の討論を終わります。 ◆小野 委員  私は,民主党議員会を代表して,第二部決算特別委員会に付託された98年度決算関係の諸議案について,これを認定する立場から,我が会派委員の発言をもとに,局別に討論を行います。  まず,保健福祉局関係であります。  少子化問題は,本市にとって重要かつ最大の課題であります。就学前の乳幼児対策として,幼稚園を教育委員会から保健福祉局に所管替えをして窓口の一本化を図るとともに,小学校区単位に保育園,幼稚園の一体的なものとして,地域における乳幼児や親の集団を形成し,子供たちの成長,父母のつながり,子育て不安解消など,支援策を進めるべきであります。  また,本年12月から実施する乳幼児健康支援デイサービス事業については,関係者への周知を図り,さらに充実に向けて努力することを求めておきます。  知的障害者ガイドヘルパー事業は,本人の自立や社会参加を促進し,在宅生活の支援に欠かせないものであり,早期に実施することとし,ガイドヘルパー養成コーディネート体制の整備を進めることを求めておきます。  また,政令市中7番目と,低位にある小規模作業所に対する補助金の引き上げなど,改善に努力すべきであります。  要介護認定で自立,要支援とされる高齢者の受け皿施設の整備が緊急の課題であり,デイサービスセンターを併設し,低所得者層に配慮された高齢者生活福祉センターを積極的に整備していくべきであります。特に,本市の軽費老人ホーム第1号として開園した稲明園は,老朽化も進んでおり,早期に建てかえをして,自立,要支援者の受け入れ施設も含めた総合的な高齢者生活ゾーンとして整備していくことを求めておきます。  また,民間で進められている高齢者共同住宅の共用部分に対する補助制度の創設を国に働きかけるとともに,本市の単独事業としても実施すべきであります。  さらに,高齢者の在宅生活を支えるために,間口除雪など,福祉除雪サービスの充実を早期に図ることを強く求めておきます。  次に,留守家庭児童対策については,さきの審議会答申を踏まえ,多様な市民ニーズへの対応や民間資源の活用など,公民共存を図っていくべきであり,現行の助成基準,特に登録人員の引き上げなどによる切り捨ては絶対にすべきでなく,また,障害児加算については,早期に北海道並みに充実することを強く求めておきます。  市民要望の非常に高い健康づくりセンターは,基本的に1区1センターを整備すべきであり,特に次の建設に当たっては,全市的配置バランスを考慮して,豊平川以東の交通至便な場所に優先的に設置すべきであります。  また,結核など感染症対策,毒物及び劇物の安全管理等の徹底を図っていくことを求めておきます。  市営里塚斎場のダイオキシン問題について,国のガイドラインを待つまでもなく,本市独自に排出ガスや集じん灰などのダイオキシン類検査を行い,その結果を早急に公表するとともに,必要な改善策の推進や,ダイオキシン類が発生しやすい材質の副葬品の制限について,市民に積極的にPRをしていくべきであります。  次に,国保会計でありますが,累積赤字が98年度末で88億円に達し,一般会計からの繰入金も253億円に増加するなど,国保会計健全化に対する取り組みは緊急課題であります。したがって,レセプト点検率向上により5億円余の効果額を上げていることから,さらに点検員の研修充実や民間委託の拡大も含め,医療費の適正化と過誤請求の防止に努めるべきであります。  また,収納率についても,これ以上の低下は許されない中で,来年度以降の介護保険分を含めた収納対策は,一層の充実強化を図ることを求めておきます。  次に,市立病院についてでありますが,97年度,98年度に行った経営健全化対策による収入増,支出減の効果にしても,永続性の保障はなく,今後,さらに企業債元金の償還が本格化し,医療・介護保険制度改正など経営圧迫の要因が大きくなるわけでありますので,一般会計から毎年約85億円が拠出されるなど,公的医療機関としての役割と市民の期待にこたえるため,なお一層の努力を求めておきます。  次に,建設局関係でありますが,今冬から実施されるマルチゾーン除雪公募型指名競争入札制度民有地雪堆積場管理提案公募随意契約の導入などの改善は評価するものであり,より公平・公正な契約の確保と受注機会の公平化を求めておきます。  また,95年に国が創設した水と緑のネットワーク事業は,自然との共生が求められている将来の街づくりの一翼を担う重要な事業であり,新5年計画で具体化が実現するよう要望いたします。  次に,都市局関係であります。  建設省が98年度に制定した高齢者向け優良賃貸住宅制度は,バリアフリー化非常通報設備など,緊急時対応を義務づけており,介護保険など在宅生活にウエートを置く今後の福祉社会にあって,高齢者向け住宅として供給を進めるためにも,本市も制度利用を図る要綱を早急に策定すべきであります。  団地造成会計についてでありますが,現在まで,わずか32%しか分譲されていない篠路住宅団地において,今年度,事業計画で設定した価格を変更して販売していることは,速やかに議会に提案し,計画変更の手続をとるべきであります。また,2000年度に計画が終了するわけですが,借入金約100億円の金利負担などを考え,まちづくり推進基金に移管するとしても,現在の基金残高が約100億円余りであることを踏まえ,抜本的な対策を講じることを強く求めるものであります。  次に,土地区画整理会計ですが,東茨戸地区組合施行事業については,現在,居住地主80戸中21戸,非居住者400人中206人の同意しか得られておりません。97年1月,本市議会に反対陳情が出され,本市を含む四者協議の場を設けることになりましたが,今日まで開催されていない現状では,極めて難しい状況にあります。  しかしながら,本市が都市計画審議会で決定し,道の事業認可をとった本事業でありまして,この事業に対して責任ある打開策を講じることを強く求めるものであります。  また,札幌駅南口地区事業は今年度で終了するわけですが,約70億円で取得した保有地は実勢価格12億円と言われ,金利分を含め,63億円の損害をこうむることになるのであります。  我が会派は,この保有地と隣接する市有地の一体的な活用を訴えてまいりましたが,いまだ見通しが立っておりません。  DPI世界大会に対応する宿泊施設の確保,都心型図書館開設などを含め,メルパルク誘致の強い必要性や姿勢があるならば,市長を先頭に具体的な,政治的な行動を早急に展開すべきであります。  次に,経済局関係であります。  企業倒産や失業増大,雇用環境の悪化など,市民生活は深刻な事態にあり,本市財政の硬直化にもつながっているため,経済の活性化,企業起こしは緊急の課題であります。大学及び企業などの研究機関と連携し,新規事業化に結びつく研究開発を積極的に行うべきであり,思い切った助成策の拡大などを強く求めておきます。  さらに,このところ順調に推移しているアジア地域を中心とした外国人観光客をさらに拡大するため,現地での情報収集やタイムリーなPR活動は必要不可欠であり,これらの活動拠点となる現地事務所を設置するなど,積極的な取り組みを展開すべきであります。  本年8月に策定された中央卸売市場整備基本計画の具体化に当たっては,関係業者との調整を十分に行うとともに,再整備後の施設使用料については,消費者にも影響するので,過度な負担とならないよう,段階的改正など,配慮することを求めておきます。  次に,水道事業会計でありますが,漏水の原因となる経年化した塩化ビニール管の解消が当初計画より1年ずれ込むことになったわけでありますが,この整備計画と有収率の向上は密接不可分の関係でありますので,今後とも,計画的に整備を促進すべきであります。  また,98年度決算の特徴として,給水収益の落ち込み時期が従来と異なる新たな状況が出てきておりますので,これらを十分分析して財政運営を行うよう求めておきます。  最後に,交通事業会計でございますが,経営健全化計画の回復策については,事実上,交通局の内部効率化,とりわけ人員削減のみが先行しており,全市的,全庁的な需要喚起を含めた増収対策や財政負担の見直しについては,早期に確立することを強く求めておきます。  また,ノンステップ・バスの導入や地下鉄エレベーター整備など,DPI世界大会を初め,バリアフリー施策の促進に努力すべきであります。  以上,ただいま申し上げましたほかに,本特別委員会で,我が会派委員が指摘をし,提言を行ったものについては,今後の市政執行,とりわけ新5年計画,来年度の予算編成に的確に反映されますことを強く要望して,私の討論を終わります。 ◆三浦 委員  私は,ただいまから,公明党議員会を代表し,市長から提案されております平成10年度決算にかかわる諸議案につきまして,これを認定する立場から,簡潔に討論を行います。  平成10年度当初の我が国の景気動向は,個人消費の低迷と相次ぐ金融機関の破綻が重なり,戦後最悪の経済の停滞局面にあり,政府が掲げた財政再建を一時棚上げしてでも,景気回復のための施策の必要性が言われておりました。また,北海道や本市においても,民間設備投資が進まず,公共事業の減少もあり,倒産件数や負債額も増加するなど,非常に厳しい経済環境にあったのであります。  そのような状況において,本市の平成10年度予算は,市税収入などの伸びが多くを見込めない中で,少子高齢社会への対応などの課題に取り組むとともに,国の総合経済対策に対応した大型の補正予算を組むなど,本市経済の状況を踏まえながら,各種施策の優先順位を厳しく選択し,財源の重点的な配分を行い編成されたものであります。  その執行結果である決算を見ますと,歳入では,その大宗をなす市税において,個人市民税が特別減税により,また法人市民税が景気低迷による企業収益の悪化により,それぞれ減収となり,市税総額で前年度比3.6%の減収となりましたが,市債については,経済対策による事業費の増等により11.9%と,大幅な増加となっております。歳出では,生活保護費や市債の元利償還費が増加しており,また,国民健康保険事業や交通事業への一般会計からの繰り出し金が多額に上っていることが財政状況をより厳しいものとしております。  こうした状況にあって,行財政改革推進計画を策定し,数値目標を設定するなどして行財政改革に積極的に取り組まれ,事務事業の見直しや経費の節減等で成果を上げる一方で,低迷する本市経済の実態を踏まえ,時期を失することなく地域経済対策を講じるなど,所期の目的を達成できたものと高く評価するところであります。  そこで,本議会の審議を通じて我が会派が取り上げてまいりました諸課題等について,提言,要望等を含め,述べさせていただきたいと思います。  最初に,行財政問題についてであります。  今日,地方自治体がみずからの判断と責任により,自主・自律的な行政運営を推進する本格的な地方分権時代の到来を間近に控え,地方自治は歴史的な転換期にあります。一方,バブル崩壊後の長引く景気の低迷は地方税収入に大きな影響をもたらし,また,地方債の償還が本格化するなど,義務的経費が増加しており,地方財政はかつてない厳しい状況にあります。  このような中で,本市においても,少子高齢社会への対応,環境問題への取り組み,経済対策の継続など,行政需要はますます多様化・高度化しており,これに的確にこたえるためには,事業を厳選し,限られた財源や人員を効率的・効果的に配分していくことが何よりも重要になってまいります。  我が会派は,行財政改革の推進について従前から申し上げており,本定例会の代表質問でも,ただしたところであります。緊縮財政下において効率的な行財政運営を行うために,行財政改革の実行と市民サービスの向上という二律背反の命題に,民間の機動性・柔軟性を持つ第三セクターの積極的な活用を初めとした民間活力の導入を図り,果敢に挑戦していただきたいのであります。  また,市から各種団体等への負担金,補助金の見直しや,公会計制度改革と事業評価との連携及び職員の意識改革も進めるべきと考えます。  このほか,我が会派が指摘した事項について,順次申し上げます。  保健福祉問題では,福祉のまち推進センターの活性化,精神保健福祉センターの活動状況,放課後児童健全育成事業や乳幼児の病後保育,難病患者に対する支援策等について。  経済問題に関しては,産・学・官の連携,中小企業金融安定化特別保証制度ワールドカップサッカー大会に向けた国際観光の振興について。  住宅行政に関しては,分譲マンション管理適正化に対する支援や既設市営住宅高齢者対策について。  市立病院に関しては,園芸セラピーや音楽療法の導入,救急医療情報広域災害情報システムについて。  市営交通に関しては,昼間割引回数券の発売状況と効果のほか,地下鉄トンネルの安全性と調査・点検結果について。  最後に,水道事業に関しては,財政計画の見通し,災害時の飲料水確保対策,将来の水需要予測等について。  以上が,本特別委員会の審議において,我が会派の議員が取り上げた質疑等の概要であります。  理事者におかれましては,提言や要望などを十分にしんしゃくされ,市政執行に当たられることを強く求めます。  終わりになりますが,厳しい財政環境のもと,地方分権の進展,福祉や環境問題など,多様化する行政需要に的確に対応するために,より一層の行財政改革を大胆かつ速やかに進めることを重ねて要望いたしまして,私の討論を終わります。 ◆武藤 委員  私は,日本共産党を代表し,第二部決算特別委員会に付託されました議案6件中,議案第1号 1998年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件中関係分,議案第2号 98年度札幌市病院事業会計決算認定の件については反対,残余の議案には賛成の立場から,討論を行います。
     まず,議案第1号 98年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件中関係分に反対する主な理由は,札幌市行財政改革推進計画に基づいて,健康づくりセンター利用料の減免制度の見直しによる有料化の導入,敬老祝金品支給事業のあり方の検討で,喜寿の祝いの廃止,さらには,除雪業務の委託拡大や保育園用務員の委託化など,本来,行政が直接責任を負うべき市民福祉への責任を後退させてきたことは問題だからです。  また,議案第2号 98年度札幌市病院事業会計決算認定の件に反対する理由は,経費の3割縮減を目的に保育園業務を委託したことは,看護婦が安心して働き続けられる保障を奪ったものであり,問題だからです。  次に,代表質問並びに本特別委員会の中で我が党が指摘してきた点について,局別に述べてまいります。  保健福祉局についてです。  精神障害者交通費助成についてですが,10割助成を求める我が党の質問に対し,理事者から,来年度予算編成に向けて最大限の努力をしていきたいと答弁がありましたので,その実行を求めておきます。  次に,地下鉄駅のエレベーター設置についてですが,49駅中,未設置駅は13駅半となっていることから,次期5年計画で全駅やり上げることを求めておきます。  次に,障害者の施設問題についてです。  障害者の施設は,そもそも本市の施設が不足しているため,現在でも市内の施設入所者より市外の施設入所者の方が多くなっており,さらに待機者もふえ続けています。そのため,障害児の施設に入所していても,障害者の施設にあきがないため移ることもできず,障害児の施設には児も者も入所しているのが実情です。一刻も早く障害者施設を整備するよう強く求めておきます。  また,在宅の障害児の施設入浴は,現在,個別対応で行われていますが,障害児や障害者の施設入浴は,札幌市寝たきり老人等入浴サービス事業実施要綱の中で位置づけられているものであり,個別対応ではなく,必要な障害児が施設入浴できるよう,指導の徹底をするよう求めておきます。  次に,少子化対策臨時特例交付金についてです。  少子化対策臨時特例交付金の活用に当たっては,代表質問の答弁でも表明されたとおり,今後の少子化対策の呼び水であるわけですから,保育園の待機児童対策は,2001年度までに500人規模の定員拡大を図るとしていますが,基金として積んでおくのではなく,早急に着手すべきであることを求めておきます。  次に,ホームレス対策についてです。  大阪市の1万人を初め,大都市でホームレスが急増し,札幌市でも増加してきています。国と他の大都市では対策協議会がつくられてきているところですが,本委員会で指摘しましたように,本市はホームレスの実態すら把握していないのが現状です。実態調査を行い,就労対策を図ったり,高齢者や病弱者には生活保護を受給させるなど,適切な対応をされるよう強く求めておきます。  今年度から,生活保護世帯に対しても,また生活保護受給開始要件についても,自動車の保有や生命保険の継続が一部拡大されました。しかし,実際の保護の現場ではこれが十分理解されず,従前どおりの対応が求められています。改善内容が十分徹底されるよう強く求めておきます。  次に,介護保険についてです。  10月から認定が始まり,来年4月の制度スタートが迫っているにもかかわらず,基盤整備は依然として不十分です。特別養護老人ホームの入所待機者は,9月末現在で1,968人となっています。これに対して本市は,施設と在宅のバランスのとれたサービス基盤の整備により解消に努めていくとしていますが,積雪寒冷地であること,また,高齢者のみの世帯が多いことなど,本市の実情を考え,施設,在宅,どちらも市民のニーズで選択できる介護保険であるためには,実態に見合う特別養護老人ホームの増設は今後とも重要です。  ヘルパー派遣についても,民間事業者任せではなく,在宅福祉サービス協会のヘルパーの常勤化,24時間派遣ヘルパーの量と質の確保にも,本市は責任を持って取り組んでいくべきです。  国庫負担を大幅にふやし,保険料全体を引き下げ,また,低所得者に対する保険料と利用料の減免制度を国に強く求めるとともに,本市独自の低所得者対策も行うべきです。  要介護認定で自立,要支援となった人たちへの十分な対応と健康づくり対策を強めていくため,現行の保健福祉サービスを一歩も後退させない立場で,新しい高齢者保健福祉計画を充実していくことを求めておきます。  特に,介護手当については,家族に対する手当として,存続,増額を図っていくべきです。  次に,国民健康保険会計についてです。  政管健保の3倍,市職員共済の2倍にもなっている本市の国保料は,既に市民の負担能力を超えており,98年度の保険料は据え置いたとしながらも,限度額は1万円引き上げられ,52万円となり,また,加入者の中で低所得の方向に階層移動が進んでいることから,中間層では,そのはね返りにより保険料の値上げとなったことは問題です。その結果,滞納者はふえ,制裁措置としての資格証明書や短期保険証で苦しむ市民が医療権すら奪われています。  さらに,法改定によって,資格証明書や短期保険証の発行が義務づけられることになりましたが,本委員会で答弁されたように,決して機械的処理をしないよう,改めて求めておきます。  次に,結核対策についてです。  厚生省が7月に結核緊急事態宣言を発表したことを踏まえ,予防や検診,治療体制に万全を期すことを求めておきます。  次に,市営住宅のガス暖房についてです。  鉄筋コンクリートの集合市営住宅の4階・5階建ての場合,灯油暖房であれば,一冬4万ないし5万円で済むところ,ひばりが丘の10階建ての高層市営住宅を初め,92年度から建築された市営住宅のすべてがガス暖房となっています。その戸数は,今年度竣工の619戸を含め,3,331戸になります。これら市営住宅のガス暖房料金が,一冬10万円を超え,しかも,ガス暖房だけでは寒くて,電気ストーブとの併用をしなければならない実態すら生まれています。  我が党の指摘に対して,来春から北ガス料金が2割程度値下げされるとの答弁がありましたが,それでも灯油より高い実態に変わりはありません。市営住宅の入居者の生活実態に合わせて,灯油暖房並みの料金になるように引き下げを求めておきます。  次に,シックハウス症候群対策についてです。  本市の厚別北中学校で,明らかにシックハウス症候群と判明できる事例もあり,札幌市にとっても,その対応が急がれること,公共建築物の使用建材についても業者任せにしないようにと,本委員会でも求めてきましたが,理事者からは,VOCの調査依頼も,既に住環境の調査を開始している,保健所の住まいの衛生係に依頼しているところであり,今後も継続して調査をしていく,これから策定される指針に前向きに対処するとともに,市の建築物には用途に応じてVOCの少ない建材を採用するようにしたいとの答弁がありましたが,このことを徹底されるよう求めておきます。  次に,交通局についてです。  交通事業の経営健全化回復策は,市バス路線の22路線を民間バスへ移譲する,地下鉄23駅の業務を交通事業振興公社に委託する,720名の職員を削減するなど,民間委託と職員の大幅削減を特徴とするものであり,これは,本市交通事業の公的責任を低下させるばかりで,回復策に値しないことを強く指摘しておきます。  交通事業の再建のためには,本委員会の質疑の中でも明らかにしましたが,交通事業の経営を圧迫する大きな要因となっている地下鉄建設に伴う起債の残高が,98年度末で5,170億円にもなっており,国に対して補助制度の改善を強く求めるべきであります。また,通勤定期の割引率をせめて40%に引き上げることや,割安の本格的なパーク・アンド・ライド定期の採用を初めとし,料金面でのサービスで乗客増を図るなど,安くて便利,安全な市営交通を求めておきます。  次に,経済局についてです。  まず,商店街対策についてですが,2000年6月から施行される大規模小売店舗立地法では,現在の大店法で規定されている出店地周辺の中小小売業の適正保護の視点が外され,ますます大型店の出店増が懸念されるところです。  本市の大型店の占有率は,売り場面積で60%にもなっており,これ以上の大型店の出店は,街づくりの上からも一刻も猶予できない課題であり,とりわけ,店舗面積5万平方メートル前後の超大型店ジャスコの出店の動きもある中,地元商店街への支援と,高齢者などの消費者ニーズにこたえるための一定のルールづくりが急がれます。そのための条例もしくは要綱の制定を求めておきます。  融資対策についてですが,いまだ不況を脱し切れておらず,資金繰りに苦しむ中小業者に対する支援策として,本市の緊急景気対策特別資金と金融環境対策特別資金の取り扱い期間の延長を求めておきます。  以上で,討論を終わります。 ◆田中 委員  私は,ただいまから,新政クラブを代表し,本議会に付託されました平成10年度決算にかかわる諸議案につきまして,これを認定する立場から,簡潔に討論を行います。  平成10年度予算は,3年次目を迎える第3次5年計画も含めて,大幅な事業の見直しを行うなど,これまでにも増して大胆に行財政改革に取り組み,限られた財源を主要事業に重点的に配分したものとなりました。  その執行に当たっては,必要な財源の確保を図るとともに,最少の経費で最大の効果を上げるよう努め,また,厳しい本市の経済状況に対応するため,緊急に地域経済対策を実施したところであります。  その結果,決算においては,各会計ともに所期の目的を達成したものと評価するものであります。  そこで,本特別委員会において,我が会派が質疑,提言をしてまいりました諸課題を初め,数点について申し上げます。  最初に,行財政問題についてであります。  平成10年度決算における財政指標を前年度と比較してみますと,経常収支比率は85.6%と,3.7ポイントも悪化し,起債制限比率も9.8%と,0.5ポイント上昇するなど,財政の硬直化が一段と進んでおります。このような財政硬直化の一因ともなる市債の元利償還については,本市の厳しい経済状況を踏まえての緊急の地域経済対策を講じたこともあって,やむを得ない面もあると考えます。  しかしながら,市債は借金であり,札幌市行財政改革推進計画においても,数値目標を設定し,市債発行の抑制に取り組んでいることからも,十分留意されるべきと考えます。  次に,高齢者福祉についてであります。  介護保険制度は在宅での介護を基本としておりますが,本市においては,市民が施設介護を求める傾向が強いことから,在宅サービスの充実を図るとともに,在宅介護に対する市民意識の普及啓発を図っていただきたいのであります。  また,敬老パスについては申告制に変えたところですが,今後とも,利用者を初め,多くの市民の理解が得られる制度を目指していくべきと考えます。  雪対策については,降雪などの気象情報はテレビ,ラジオで得ることができますが,除雪についての情報を得ることができません。インターネット等の情報・通信手段が急速に発達していることから,本市の雪対策への市民の理解を得るためにも,除雪状況をリアルタイムで市民に情報提供することをぜひ検討していただきたいのであります。  最後に,経済対策について触れさせていただきます。  本市を取り巻く経済情勢は,いまだ,まことに厳しいものがあると言わざるを得ません。拓銀破綻を直接の引き金として,また,最近の経済情勢から,本市においては,倒産,リストラ,失業,就職難,さらには,これらは雇用情勢の過去にない悪化という形で表面化しており,依然,先行きの大きな不安感を払拭できる状態には,ほど遠いと言わざるを得ません。  本市においては,こうした経済情勢に対し,融資制度の充実,弾力的運用,大幅補正による公共事業の発注など,当面的な対策に全力を挙げてこられていることは評価しておりますが,問題は,今後に対する産業振興の面で,市民的に切望されている大きさと現状の本市施策との乖離は,残念ながら極めて大きいと申し上げざるを得ません。同時に,このことは,将来予想される都市間競争や,あるいは地方分権の時代を考えると,さらに大きな視点として存在し続けるものと考えます。産業振興に取り組む本市の大きな強い姿勢があるということを,市民は市からメッセージとして受け取っていない現状も問題であります。従来的な手法にこだわらない本市の産業振興に,より積極的に取り組まれるよう強く要望いたします。  以上,平成10年度決算及び関連する諸課題について,提言や要望を申し上げてまいりました。  理事者におかれては,これらを十分考慮されて市政を執行されるよう要望いたします。  終わりになりますが,本市を取り巻く経済環境は依然として厳しく,市税収入等の大きな伸びが見込めない中,市債の償還が今後本格化してまいります。また,少子高齢化などの社会構造の変化に対応するために,地域経済の活性化,総合交通対策の確立,福祉施策の充実,新たな環境政策の展開など,21世紀にふさわしい,市民が安心して快適に暮らせる街づくりが求められております。  今後とも,行財政改革を蛮勇を振るって推し進め,将来を見据えた行財政運営に努められるとともに,事務事業の適正かつ効率的・効果的な執行に一層努力されるよう求めて,私の討論を終わります。 ◆山口 委員  私は,市民ネットワークを代表し,本特別委員会に付託されました1998年度決算にかかわる議案6件について,これを認定する立場から,討論いたします。  98年度の決算を概括いたしますと,歳入では,依然として低迷する景気状況から法人市民税が,また,特別減税によって個人市民税が減収となりました。国の緊急経済対策による影響を受け,地方交付税が増加した一方で,起債対象事業の増加により市債の発行が抑制できないという結果となり,財政調整基金32億円を取り崩すこととなりました。そのため,財政力指数,経常収支比率,公債費比率とも,過去5年連続して低下し,財政の硬直化は一層進んでいるという厳しい状況であります。  一方,歳出については,迫りくる超高齢社会への対応として,介護保険制度発足へ向けての準備,ダイオキシンを初めとした環境対策の充実等が急務とされる中での事業執行でありました。  市民ネットとしては,これまでも費用対効果,住民参加度,情報公開度などの観点から議案審査に臨んできたところであり,以下,主な市政の課題を含め,順次述べてまいります。  初めに,福祉施策についてです。  依然として下がり続ける合計特殊出生率からも,少子化対策は,引き続き,本市の最重要課題であると考えます。少子化対策基礎調査も重要ですが,調査・分析をする時期はもう終わったのではないでしょうか。支援策は出尽くしています。今こそ,保育所,幼稚園,学校,職場での取り組みはもとより,育児と仕事の両立を可能にし,男性も子育てを担い得る,あらゆる支援策を着実に実行に移すときであることを強く認識すべきであります。  高齢者施策については,来年4月の介護保険の開始を控え,介護保険事業計画並びに高齢者保健福祉計画の策定も最終段階へ来ております。98年度は,モデル事業の実施や各区での介護保険担当の配置,介護保険事業計画策定委員会の設置など,大変重要な年でありました。妻や嫁や娘が担ってきたこれまでの高齢者の介護を,社会全体で支えることを目的として制度化された介護保険の開始に当たっては,これまで,行政の措置で行われてきた福祉を,権利としての福祉サービスへと大きく転換すべきであります。その制定の経過から,すべての局面においての情報公開,市民参加を広げ,国から地方への,さらには地方から住民への分権を進める契機と考えるべきであります。  来年の第1回定例会においては介護保険条例が提案されるはずですが,介護保険だけで高齢者の介護が充足することはあり得ず,移送サービス,食事サービスを初め,さまざまな一般福祉サービスが,行政,民間,NPOなど,多様な供給主体によって準備されてこそ,選択の幅が広がり,住みなれた地域での在宅生活が可能となります。  したがって,国が示す条例準則そのままの手続条例ではなく,豊かな理念や内容と住民の権利擁護を含む市独自の総合介護条例をつくることこそが,分権時代の市の務めであることを改めて申し上げておきます。  また,国では,障害者110番を初め,相次いで権利擁護の仕組みが創設され,本市でも遅まきながら,高齢者地域福祉生活支援センター事業が社会福祉協議会への委託としてスタートすることとなりました。しかし,本市社協は,これまで行政の下請的な位置づけであり,財政的にはもちろん,人材も市からの派遣やOBが中心的な役割を担ってきており,社会福祉基礎構造改革による社会福祉事業法の改正の中で,どれだけ大きな役割が果たせるか,疑問視する声も上がっております。  創立以来50年を経て,社会福祉協議会も従来の活動の延長ではなく,新たな仕組みの構築,すべての仕事の見直しなど,大きな変革が求められます。派遣を減らすほか,区の社協の事務局長を市職員OBの再就職先にすることなどを再検討し,プロパー育成に努め,文字どおり地域福祉のコーディネーターとして再生すべきであります。市長からもそのような趣旨のご答弁をいただきましたので,積極的に取り組まれることを求めるものです。  次に,西暦2000年を目前にしたコンピューターについてです。  この問題は,西暦を下2けたで処理しているコンピューターのプログラムが,2000年1月1日になると,下2けたを「2000」ではなく「1900」と認識してしまうという,コンピューター問題としてとらえがちです。しかし,コンピューターが暮らしの隅々まで入り込んで複雑に絡み合っている私たちの暮らしそのものの問題であります。万一,システムが誤作動すると,金融,通信,電気など,ライフラインに直結する分野で大きな影響が出ることが懸念されております。市の水道,病院,交通などでは真剣に取り組まれていること,対応が順調に進み,市内部では危機管理計画を策定済みであることは理解いたしました。しかし,想定していないことが起きるのが災害であり,正確な予測をできる人はだれ一人いません。  アメリカ連邦緊急事態管理局では3日分の水と食料を,アメリカ赤十字では,数日から1週間分の備蓄を勧めています。  群馬県では,官民挙げて協力し,この問題について在日外国人が情報弱者にならないよう,英語,中国語を初め,9カ国語のチラシを配布しています。  友人,知人の連絡網を確認したり,地域で助け合うことも求められると思われます。本市でも,市民に一日でも早く情報提供を行い,準備を促すことが危機管理であると考えます。  次に,産業振興です。  集客交流産業の活性化が地域経済の振興に大きく貢献することから,各自治体では,観光客やビジネス,イベント・コンベンションの誘致に力を入れています。  本市の観光客の入り込み状況を見ると,98年度は対前年比0.2%減であり,頭打ちの状態が続いています。  こうした状況を打開するために,芸術の森やドーム,東札幌コンベンションなどの施設を最大限活用し,積極的に本市をアピールしなければならないと考えます。  一方,観光客に優しい街づくりも重要です。  具体的には,高齢の観光客のニーズである滞在型観光にこたえるための文化施設を結ぶ交通アクセスの整備,さらには,ユニバーサルデザインの街づくりを徹底すべきであります。また,2002年ワールドカップ,DPI,障害者インターナショナルの開催を控え,海外から訪問される人々が不安なく街を散策できるように,英語のみならず,中国語,ハングル語などの表示を,ホテル,デパート,飲食店,観光施設など,あらゆる街のポイントとなるところに整備することが国際都市として最低限必要な要素であります。  また,これまで本市ではシティー・セールスという観点が薄く,縦割りで施策が展開されてきました。98年度は,やっと企画調整局を中心にシティPR推進委員会が立ち上がりましたが,横断的な組織は,往々にしてスピーディーな施策の展開ができにくい,意思決定までに時間がかかるなどの欠点もあります。これまでの観光から脱皮し,幅広い集客交流産業として本市の活性化を図るべきであり,専管部局の設置も含め,機構を見直す時期であります。  また,近年,注目を集めている金融機関や情報産業のコールセンターについてですが,交通局本庁舎において4割近くの余剰スペースが生じています。コールセンターの誘致が,交通の需要喚起だけでなく,数百人以上の雇用につながることから,交通局庁舎のみならず,全庁を挙げ,積極的に誘致策を展開することを求めるものです。  このほかにも,エキノコックス対策,原子力防災計画の必要性,当別ダム上流の環境の村構想など,重要課題について指摘をしてまいりましたが,最後に,札幌駅南口再開発事業について申し上げます。  本日の新聞報道によりますと,自民党行革推進本部は,民業を圧迫する公的な宿泊施設の新・増築を一切禁止するという改革案をまとめたということであります。南口再開発事業で予定しているメルパルクの移転は,ホテル業界の反対で具体化していないのが現状ですが,この改革案により,早晩,新たな対応が余儀なくされることは間違いありません。計画を推進してきた本市の見通しの甘さを厳しく反省し,計画の見直しに当たっては,広く企業も含め市民の参加により,駅前にふさわしい整備計画を策定すべきであります。  以上,98年度決算について,課題は山積するものの,ほぼ適正に執行されたと考えますが,今後,市債の償還が本格化してくる中,財政の硬直化が進み,新たな施策に大胆に取り組むことができなくなることが危惧されます。  市長におかれましては,新年度の予算編成や新5年計画の策定中と思います。情報化関連含めた産業振興に積極的に取り組み,さらに,国に対し税源移譲などを強く働きかけ,一層の財源確保を図りつつ,マトリックス予算や事業評価システムの市民への公表などを行い,市政の重要課題に的確に対応した施策を展開されますよう強く要望いたしまして,討論を終了します。 ○上瀬戸 委員長  以上で討論を終結し,直ちに採決を行います。  この場合,分割して採決を行います。  最初に,議案第1号中関係分及び議案第2号の2件を一括問題といたします。  議案第1号中関係分及び議案第2号を認定すべきものと決定することに賛成の委員のご起立を求めます。  (賛成者起立) ○上瀬戸 委員長  起立多数であります。  よって,議案第1号中関係分及び議案第2号は認定すべきものと決定をいたしました。  次に,議案第3号から第6号までの4件を一括問題といたします。  議案第3号から第6号までを認定すべきものと決定することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○上瀬戸 委員長  異議なしと認めます。  よって,議案第3号から第6号までは,認定すべきものと決定をいたしました。  以上をもちまして,第二部決算特別委員会に付託をされました全案件に対する審査をすべて終了いたしました。     ────────────── ○上瀬戸 委員長  それでは,一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。
     大変な長丁場の委員会でございました。委員会の初日の理事会におきましても,何点かの確認事項だとか申し合わせをさせていただきました。  まずその一つに,委員会当日は,各日ともおおむね午後5時ぐらいをめどに終了しようと,こういう申し合わせをしたわけでありますけれども,結果としては,毎日,大変長時間にわたった審議となりました。私の議事さばきのまずさもあったと思うわけでありますけれども,振り返って考えてみますと,各日とも質疑者が多数でございましたし,非常に中身の濃い質疑をした,その結果が,この時間延長につながったのでないかなと,こんなふうに私自身は考えております。  いずれにいたしましても,委員各位のご協力,そしてまた井上副委員長さんにも大変ご協力をいただきまして,この職を全うすることができました。ここに改めて皆さん方に感謝を申し上げて,ごあいさつといたします。  ありがとうございました。(拍手)     ────────────── ○上瀬戸 委員長  それでは,これをもちまして,第二部決算特別委員会を閉会いたします。     ──────────────       閉 会 午後1時58分...