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平成11年第二部決算特別委員会−10月15日-06号
平成11年第一部決算特別委員会−10月15日-06号

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  1. 札幌市議会 1999-10-15
    平成11年第一部決算特別委員会−10月15日-06号


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    平成11年第一部決算特別委員会−10月15日-06号平成11年第一部決算特別委員会   札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第6号)                 平成11年10月15日(金曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人     委 員 長  福 士   勝 君       副委員長   横 山 光 之 君     委   員  小 谷 俵 藏 君       委   員  常 本 省 三 君     委   員  高 橋 忠 明 君       委   員  武 市 憲 一 君     委   員  村 山 優 治 君       委   員  原 口 伸 一 君     委   員  三 上 洋 右 君       委   員  馬 場 泰 年 君     委   員  堀 川 素 人 君       委   員  高 橋 克 朋 君     委   員  山 田 一 仁 君       委   員  五十嵐 徳 美 君     委   員  長 内 直 也 君       委   員  湊 谷   隆 君     委   員  澤 木 繁 成 君       委   員  川口谷   正 君     委   員  大 西 利 夫 君       委   員  大 嶋   薫 君     委   員  村 上 勝 志 君       委   員  本 舘 嘉 三 君     委   員  義 卜 雄 一 君       委   員  本 郷 俊 史 君     委   員  高 橋   功 君       委   員  青 山 浪 子 君     委   員  荒 川 尚 次 君       委   員  生 駒 正 尚 君
        委   員  宮 川   潤 君       委   員  熊 谷 憲 一 君     委   員  坂 本 恭 子 君       委   員  岡   千 陽 君     委   員  恩 村 一 郎 君       委   員  小 林 郁 子 君       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時 ○福士 委員長  ただいまから,第一部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,本舘委員からは,遅参する旨の届け出がありました。  本日は,質疑予定者が14名を数えておりますので,質問者も答弁者も,できるだけ簡潔にし,議事に協力をお願いいたします。  それでは,議事に入ります。  第9款 教育費 第1項 教育委員会費から第8項 学校保健給食費までを一括して質疑を行います。 ◆坂本 委員  私は,大きく2点,学校配当予算,そして学校プール衛生管理について質問をいたします。  第1番目の学校配当予算については,学校配当予算の推移に関してであります。  この間,減っている,あるいは大幅にふえてはいないという現状にあり,こういう状況の中で,学校の現場からは,配当予算が足りないという声が上がっております。この教育現場の声についてどのように受けとめられておられるのか,伺います。また,これにこたえて,予算を大幅にふやすべきと考えますがいかがか,伺います。  続いて,学校執行分と市教委による一括契約支払い分の仕組みの問題についてです。  学校配当予算は二本立てになっていますが,市教委が一括契約で支払っている,例えば,水道光熱費などを学校側が節約すれば,そこで浮いた分を学校執行分に回すという仕組みになっているのでしょうか,伺います。  節約するというのはいいことですが,必要なものまで削るということは,あってはならないと思います。市教委は,必要なものまで削れとは言っていない,このようにおっしゃっています。しかし,配当予算の総枠が抑えられている中では,学校は,直接配当される予算が欲しいために,現に,冬場,体育館や玄関,そして教室の暖房の温度を上げないということで,寒い学校生活,子供たちに余儀なくされるなどの状況があったりと,市教委側の節約という指導によって,過度な節約をしている学校がありますが,配当予算が抑えられている中では,このようなことが起こる仕組みとなっているのではないですか,伺います。  3番目に,配当予算の中の用紙代の問題についてです。  授業中に使用するもの,学校や学級からのお便りやプリントなどの用紙代が足りないということで,父母負担になっている学校がほとんどですが,用紙代については,学校の配当予算から出ているのですよね。出ているとすれば,父母が負担していることはおかしいのではないでしょうか。この父母負担についてどのように考えておられますか,配当予算が足りないという実態を示していると思うのですが,どうお考えですか,伺います。  さらに,備品費等についても伺います。  例えば,暗幕が破れてぼろぼろになっていても買いかえができないとか,学習発表会合唱コンクールの練習に使うキーボードがない,あるいは,ラジカセが足りなくて,先生や子供たちの私物を使うという状況がございます。  ある学校では,PTAのバザーの益金でキーボード15台の寄贈を受けましたが,担当の先生が,これに対し,壊れたら修理費が出せないと嘆いている。また,家庭科で使うミシンは,業者が納入する機種は一般家庭のものとは違い,子供たちには使い勝手が悪いと,不満の声が出ており,さらには,ちょっと壊れても,先生方では直すことができずに,修理に出すと直るまで時間がかかる,こういう状況があります。  市教委では,こういう実態を把握しておられるのでしょうか。今の配当予算の中身では,こういうことが起きてしまうのではないですか。大幅な増額を図り,必要な備品は,きちんと市教委が責任を持って備えつけるべきと考えますがいかがか,伺います。  次に,学校プール衛生管理の問題です。  ことし,大腸菌が検出され,使用中止になった学校があると聞いております。この夏は,特に気温も高く,大腸菌の発生が例年に比べても多かったようですが,衛生管理にはどのように取り組まれていたのか。  以上,お伺いいたします。 ◎霜觸 総務部長  私から,学校配当予算についてお答えを申し上げます。  今,お話,ご質問にございましたけれども,この学校配当予算につきましては,学校現場におきまして,非常に少ないとか,大変足りないとか,そういった不足しているとの意見とか要望については,十分,私どもも聞いておりますし,認識をいたしております。  そういった中で,ここ四,五年になりますけれども,大変,予算が厳しい状況にございまして,学校配当予算も微増微減を繰り返していると,そういうふうに私どももとらえておりますし,そうした中で,私どもも非常に,何とか学校配当予算子供たち学習環境に支障を来さないように努力をしているつもりでございます。決して十分とは言えませんけれども,事務局としてもそれなりの努力をして,何とか執行に当たっても,私どもと学校の現場の方々と創意工夫を重ねながら執行に努めているところでございます。  用紙ですとか備品の私物その他についてお話しございましたけれども,具体的にお話を聞いているわけではございませんが,学校の中においても,それなりに努力をしながらやっている姿は,委員のお話からうかがうことができました。私どもとしては,先ほど光熱水費の学校配当予算に回すお話も出ましたけれども,何とか,光熱水費も節約を重ねた分につきましては,それは学校の方に,いろいろ要望のあります備品ですとか消耗品ですとか,そんな方に現物で支給をしたり,あるいは学校配当予算として回すように努めているところでございます。 ◎大聖 調整担当部長  学校プール衛生管理についてでございますが,学校プール水質管理については,使用中1時間ごとの塩素濃度の測定に加え,プール使用前,及び使用期間中の約3カ月間に月1回程度,検査機関による水質検査を実施しております。  検査機関から教育委員会大腸菌検出の検査結果の通知があった場合,直ちに学校に対し,プールの使用を中止するよう指示しております。学校においては,設備を点検するなど原因を探り,その状況に応じてプールの換水及び清掃,あるいはプール底面ロボット清掃などを行っており,その後,新たに塩素濃度を確認し,再度水質検査を行い,大腸菌が検出されないことを確認した上で使用を再開しております。  以上でございます。 ◆坂本 委員  配当予算について,現場の声は真摯に受けとめたいとのご答弁もございました。また,予算の枠拡大については,努力をしていきたいというようなご答弁もありましたが,これまでの推移が載っている資料を見てみますと,学校配当予算,学校へ直接配当される予算は減ってきております。  小学校の場合,95年度,15億9,000万円ですが,98年度決算額では13億8,000万円となり,2億1,000万の減になっています。また,中学校の場合は,95年度,10億1,000万が,98年度決算額で7億7,300万円と,大きく減っております。これは,児童・生徒数が減っているからだと市教委の方でも説明をしておりますけれども,小学校の場合,1校当たり,95年度で2,973万円が,96年度,97年度には3,020万ほどに上がりましたが,98年度は2,900万円台に下がりました。1学級当たりで見ると微増で,95年度,175万円が,98年度,188万となり,わずか13万円の増です。年間の額ですから,本当にわずかなものになっています。ところが,中学校の場合,95年度と98年度を比較してみますと,両方とも減っております。子供1人当たりで見ても,95年度から98年度では減少しており,1人当たり1,000円のマイナスになっております。  こういう状況ですから,ご答弁で,現場の声に耳を傾けていきたい,そしてまた,さらに努力を重ねていきたいというふうにありましたけれども,ぜひとも現場の実態を踏まえ,大幅に配当予算の増額を再度要望しておきたいと思います。  また,プールに関してですけれども,これもいただいた資料で,大腸菌検出状況の推移を見てみました。  96年は8校で1.3%,97年,15校で2.2%,98年,18校で2.7%,今年は23校で3.5%となっております。毎年,0.5%から0.9%の増加というふうになっておりますが,この数字をどのようにとらえていらっしゃるのか,許容範囲と受けとめておられるのか,この点について伺いたいと思います。 ◎霜觸 総務部長  ロボット清掃等を取り入れながら,水等を節約しながら,何とか経費を浮かす努力をまずご認識いただきたいと思いますし,そうして節減した経費を何とか私どもも活用しながら,子供たち学習環境を整えるために,学校配当予算,あるいはいろんな,先ほど申し上げましたけれども,備品その他を買う方に振り向けたいと考えておりますので,ご理解いただきたいと思います。 ◎大聖 調整担当部長  プールの大腸菌が検出されたことについてでございますが,プールの使用に当たっては,良好な水質の維持が最も大切なことと認識しておりますことから,学校においては,塩素濃度の測定や定期的な清掃など,日常のきめ細かな管理を行っております。  しかし,本年は記録的な猛暑により,大腸菌の検出状況が例年より若干多目であったことは委員ご指摘のとおりであります。教育委員会といたしましては,こうした状況を踏まえまして,今後,学校においては,塩素濃度管理や状況に応じた換水,清掃の実施など維持管理を徹底するとともに,児童・生徒が使用前に行うシャワー洗浄の指導を強化するなど,水質保全に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆坂本 委員  今回の大腸菌発生増加に関しては,あってはならないことだというご認識だというふうに思います。  実際,調べてみますと,文部省体育局長再訂の「学校環境衛生の基準」という文書の中には,「水質」の項目で,「大腸菌群は検出されてはならない。」というふうになっております。大変厳しい管理基準ではないでしょうか。これをクリアするための水質検査であり,残留塩素の測定ということですね。プールの管理においては,児童・生徒が快適にプールを利用するために,常に大腸菌が検出されない水質管理が重要であり,徹底が必要だと思うわけであります。  聞いたところによりますと,プール設置校全校を対象としたプールの衛生管理に関する説明会が昨年から開かれていないということですけれども,この説明会を再開するおつもりがないのかどうか,伺います。  また,月1回の水質検査プール使用前,最中,そして使用後に塩素濃度の測定を徹底しているということでしたけれども,そういうことが徹底されているとすれば,一体どこが問題なのか。  今回,プールの清掃について調べてみました。そういたしますと,今の体制になったのは95年からだと思います。それまでは,シーズン中,換水清掃が6回行われていたということになっております。おおむね2週間に1度,換水清掃が行われていたというふうになっておりました。それが,月1回の換水清掃,そして2週間に1度,先ほどお話出ていましたけれども,ロボット清掃を行うと。あとは状況を見て,現場の先生方が,それぞれに対応をして清掃を行うということに見直されたということになっておりますね。  この件につきましては,95年の1定で,我が党の武藤議員が質問しておりますけれども,水道料金節減のためという答弁が,このときの見直しの件についてされております。このときも,衛生管理上から見て,このような見直しはすべきではないという指摘をしてまいりましたが,その後,換水清掃は控えるように,そして節水をするようにという再三の指導が現場に対してなされていたということです。これは,大腸菌の先ほど申し上げました数字,検出状況の増加とぴったり一致しているというふうに考えております。  プール清掃の回数を年次で見てみますと,小学校のプール設置校に関してですけれども,96年度6月から9月の清掃は,換水清掃ロボット清掃合わせて1,029回です。学校数で割ると5.4回,そのうち,換水清掃は2.61回,ロボット清掃が2.80回。97年度では,全体で1,011回,平均が5.26回,そのうち,換水清掃が2.47回,ロボット清掃が2.78回となっています。98年では,全体で847回です。平均が4.32回,そのうち,換水清掃が1.82回,ロボット清掃が2.49回ですね。今回は,ことしの暑さのせいもありまして多少ふえておりますけれども,全体では884回,平均でも4.46回,換水清掃は2.02,そしてロボット清掃は2.43,こういう状況になっております。  こういう,換水清掃を減らして節水指導をしてきたということが,今日の大腸菌発生の増加の根本的な原因なのではないでしょうか,この点について伺いたいと思います。 ◎大聖 調整担当部長  学校に対するプール使用の説明会についてでございますけれども,これまでは,全校を対象とした説明会は,管理基準の変更やその管理方法の変更などがある場合に実施しておりますが,学校における日常の維持管理が大変重要だという認識に立ちまして,今後は,管理方法等の変更がある場合はもちろんのこと,学校の担当者の変更等もございますことから,機会をとらえて全校を対象とする説明会を開催したいと考えております。  換水を簡素化したことに対する大腸菌の検出状況でございますが,流れを見ますと,そのようになっているのかもしれませんけれども,いずれにいたしましても,ことしは暑かったので大腸菌が若干多かったと先ほど申し上げたとおりでございまして,今後は,そのようなことが起きないように,管理の説明会を実施するなど,先ほどもお答えしましたとおり,その状況に応じて対応してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆坂本 委員  説明会に関しましては,臨機応変に臨んでいきたいということでしたので,再開を再度要望しておきたいと思います。  しかし,水質検査塩素濃度の測定を幾ら徹底したとしましても,それは二次的な問題ではないでしょうか。質の落ちた水に幾ら塩素を加えても,今日的な問題となっておりますアトピーなどアレルギー症状の悪化を招くだけのことです。市教委の側で,幾ら現場の判断で換水清掃はすべきと言っても,現場の先生たちは,そう受け取ってはおりません。なるべく換水清掃はしないように,水は節約するように,そういう対応になっています。  前段お聞きいたしました学校配当予算の二本立ての仕組み,過度な節約の指導が,このような事態を招いた大きな原因と考えますがいかがでしょうか,再度伺いたいと思います。 ◎霜觸 総務部長  プール清掃に絡んだ話で,学校配当予算の関係でございますけれども,必ずしもそこに結びつかないのではないかと思っております。  大変厳しい予算の状況の中で,やはり,何度も申し上げましたけれども,子供たち学習環境を整えるということが,私どもの使命でございますので,そこは委員会としても,工夫をしながら,あるいは努力をしながら,学校配当予算,環境を整えるための経費をできるだけ考えていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。 ◆坂本 委員  いろいろお話ございましたけれども,今まで指摘してまいりましたように,学校配当予算が少ないために,いろいろな問題がやはり生じているということだろうと思います。  諸費の父母負担の増大,そして,現場の先生の過度な節約に対する対応は,子供たちの学校生活を守ることにはつながっていきません。学校配当予算を大幅に増額することこそが,次代を担う子供たちの生きる力を育てることになると考えます。  最後に,もう一度,配当予算の大幅な増額を強く要望して,子供たちに快適な教育環境を整備するためにご努力いただきますように要望申し上げまして,終わらせていただきます。 ◆恩村 委員  私は,学校のグラウンドに関して,ちょっとお伺いしたいと思います。  私は,中学3年から社会人になるまで,東京の方で生活しておりまして,札幌の学校のグラウンドが,東京や大阪の学校のグラウンドのように,アスファルトなどで舗装されていない,人工的なグラウンドでなくて土のグラウンドであるということは非常によいことだと思っております。  ただ,学校のグラウンドというのは,改めて言うまでもなく,体育の授業ですとか,児童・生徒の遊び場,また,運動会等,学校行事の場として使われるとともに,最近では,学校開放など,地域住民の交流の場としても利用されておりまして,そうした点からも,すべての学校のグラウンドを常に良好な状態で維持していくということは大変なことだろうと思います。  実際,私がこれまでに訪れた学校の多くで,実はグラウンドの土がかたくて困っているとか,風の強い日には,砂ぼこりが非常にひどくて,近所からも苦情が寄せられているといった話を随分と聞かされました。また,とりわけ,グラウンドを利用する児童たちの多い小学校のグラウンドについては,成長期の子供たちのひざに負担がかからないようにすべきという点で,適度なやわらかさを保たせる配慮というのは,ぜひとも必要であろうと考えております。  そこで,質問なのですが,現在,札幌市内で,グラウンドを一般に開放している学校は何校ぐらいおありなのか,そして,その利用人数はどのくらいなのか,お伺いしたいと思います。  また,多様化する利用状況の中で,それらに適合するグラウンドの改修というのは,年間何校ぐらいの割合で整備が図られているのか,さらには,グラウンドのかたさですとか,砂ぼこり対策といったものについては,どのように考えられて対策がとられているのか,あわせて伺いたいと思います。 ◎霜觸 総務部長  学校のグラウンドについてお答え申し上げます。  1点目のグラウンド開放事業でございますけれども,現在,310校ございますが,開放事業を行っている学校数は,小学校で43校,中学校で49校の合わせて92校でございます。先ほどの310校に対しますと,30%でございます。その利用人数は,平成10年度で延べ5万3,000人でございます。  次に,グラウンドの改修とそのやわらかさ,その他についてでございますけれども,グラウンドの構造は,標準的には,一番下に暗渠排水の管を敷設いたしまして,その上に,やわらかさを確保するために,10センチほどの砂を重ねてございます。さらに,一番上に赤土を10センチほど敷いて,それで仕上げております。そうすることによりまして,ある程度のやわらかさを保つ,あるいは排水が非常にいいということになってございます。造成当初,確かにやわらかいのですけれども,年を経るごとに,だんだんかたくなっていくのは事実でございます。  これにつきましては,その都度,学校の要望等を受けまして,年間で20校程度,部分的にやっておりますし,全面的な改修につきましては,年間5校程度を行ってございます。 ◆恩村 委員  砂ぼこりに対する対策ですとか,抜本的な対策というのは,なかなか大変かなと,難しいかなとは思います。  ただ,やはり,学校のグラウンドといいますのは,児童や生徒たちが楽しくスポーツや遊びをする一つの学習施設の場でもあるわけで,そのためには,グラウンドは常に良好な状態を保たれるようにするべきだろうと考えます。  海外のジュニアスクールのようにローンのグラウンドを整備せよとは言いませんけれども,今お聞きしましたように,学校開放等で多目的に,かつ大勢の方たちが利用しているのであれば,年間5校,全面改修で5校ですか,この程度の改修では,実情にそぐわないのではないか,もっと改修校をふやしていったらいいのではないかというふうに思います。  経年によってグラウンドがかたくなっていくのであれば,より長期にわたって土のやわらかさを保つような造成方法はないのか,また,砂ぼこりを当初から抑える方法といったものはないのか,改めて,教育委員会の方の見解をちょっと伺いたいと思います。 ◎霜觸 総務部長  先に砂ぼこり対策でございますけれども,新設校ですとか改修を終わった学校は当初,強風時にかなり砂ぼこりが立つことは認識いたしております。  その対策といたしましては,グラウンドの面積に応じまして,ホースを接続する方式の散水栓を二,三カ所設けておりまして,また,グラウンドの周りにございます防球フェンスには,高さ2メートル程度の防じんネットを取りつけてございます。また,学校に防じん剤を支給いたしまして,状況に応じまして散布するように指導しております。  いずれにいたしましても,防じん対策につきましては完璧ということはなかなか難しくて,できるだけその状況に応じて対応してもらうよう,学校等を指導しているつもりでございます。  また,砂ぼこり対策とかたさとの関係でございますけれども,先ほど申し上げましたとおり,年数がたちますと表面がかたくなるのは,もうある程度避けられないことでございます。さりとて,土のグラウンドのやわらかさを保つために,それを優先しますとどうしても砂ぼこりが立ちやすくなるという,相反する面がございまして,なかなか難しい問題でございます。私どもも,さまざまな技術的な工夫を凝らしながら造成をしております。抜本的な解決策が今現在ないのでございますけれども,いろいろ努力をしているつもりでございます。  いずれにいたしましても,委員ご指摘のとおり,子供たちにとって優しいグラウンドの維持,また整備に向けまして,研究・努力してまいりたいと思っております。 ◆恩村 委員  今のご答弁,確かにそのとおりかと思います。  ただ,札幌市内には,300校余りの小学校・中学校があるわけで,定期的な整備・改修によって,より良好なグラウンド環境というものを維持できるようにご努力をお願いしたいと思います。  きょうは,ご担当違いますが,魚住助役もここにいらっしゃいます。先ほどから,教育委員会の方といいますか,予算がなかなか足りないのかなというような話も出ていますので,ぜひともそういう意味で,予算づけの方も含めて,積極的に取り組んでいただきたいと思います。  終わります。 ◆小林 委員  私は,男女平等教育を推進する観点から,男女混合名簿の取り組み等,数点についてお伺いをいたします。  初めに,男女平等教育の推進状況についてお伺いいたします。  「男女平等教育」という,先生方に配られているこの指導資料を拝見いたしますと,「男女平等教育とは」というふうに書いてありまして,男女がひとしく人間として尊重され,ともに力を合わせて生きていくことができる人間を育て,男女平等の社会を築くことを目指すとしています。さらに,男女平等教育に関するさまざまな課題については,人権尊重の精神を基盤として,その課題解決に向かう実践的な態度を育てることが必要ですとなっています。  ここに「実践的な態度」とありますように,男女の固定的な役割は,日常生活の中で無意識的にあらわれることが多いということで,日々の学校での出来事の中で,機会をとらえて実践的に,適切に指導していくと,そういうことが大切になってまいります。それについても,小学校・中学校と,発達段階に応じた男女平等教育のあり方が求められてまいります。  そこで,お伺いいたしますが,この指導資料のもとで,男女平等教育がどのように取り組まれているのか,学校における具体的な進め方をお示しいただきたいと思っております。  そして,その際に,男女平等教育の一環として,本市では,「心のハーモニー」という小学校用の男女平等教育副読本,中学校用には「結ぶ心,広がる未来」というのを出しています。これがどのように使われているのか,さらには,これを教材とした教育の成果としてどのようなものが出てきているのかもあわせてお示しいただきたいと思っております。  また,指導資料には,教師みずからの価値観,そういうものや生活態度は,日常,意図しない機会においても,児童・生徒に大きな影響を与えるとあります。このことからも,教師みずからの生き方を含め,男女平等教育についての研修が必要となってまいりますが,教師の研修の実施状況についてもお示しいただきたいと思います。そしてまた,今後,男女平等教育についてどのように取り組みをなさろうとしているのか。  以上3点につきまして,まず,お伺いをいたします。 ◎岩崎 指導担当部長  今,4点ほどお話がございました。そのことについて回答申し上げたいと思います。  まず最初に,各学校における具体的な取り組み状況と今後の課題等についてでございます。  各学校におきましての取り組み状況でございますが,今,委員もお話しされましたように,それぞれの児童・生徒の発達段階に即しまして,教科はもちろんのこと,さまざまな領域も含めまして,学校教育全体で男女平等観に立ちました実践的態度を育成することを目指しての取り組みがされてございます。  具体的に申し上げますと,道徳では,主として他人とのかかわりに関することという視点で行われてございます。それから,社会科ですとか,あるいは家庭科におきましては,家庭のあり方や人権についての指導が行われてございます。  今後の課題といたしましては,児童・生徒の内面の男女平等意識を培うことが大変重要であると思いますので,こうした教育課程に位置づけられました取り組みのさらなる充実とともに,委員のご指摘もありました固定的な男女の役割分担意識等につきましても,日常のさまざまな生活場面においての指導の充実を図っていく,こういうことが肝要でないかと,このように考えてございます。  2番目の副読本の使用状況とその成果についてでございますが,小学校が4年生を対象に道徳や学級活動等で,中学校は主に学級活動における進路指導の中で活用されてございます。学校に配付したものでございますが,各学校の指導計画に基づいて,これらの場面を中心に使用されてございます。教育委員会の方といたしましては,これら研究を委託いたしまして,実践研究を行っていただいている部分がございますが,男らしさ,女らしさということについて見直しをさせる道徳の授業,あるいは学級のグループ編成のあり方について考えさせる授業,こういうことで使われておりまして,いずれの場合も,こだわりを持たず,男女で協力して清掃活動や調理実習に取り組む姿が見られるようになったなどの成果があったと,このような報告を受けてございます。  3点目の教員研修でございますが,この研修につきましては,さまざまな場面で取り上げてございますが,私どもが実施しております初任者研修あるいは生徒指導に関する研修の中で取り上げて,実践してございます。また,教育研究所におきましても,この講座を開設しているところでございます。  もう1点,男女平等教育に関しての今後の取り組みでございますが,いわゆる学校の自主的な判断に求められていることでございますけれども,教育委員会といたしましては,これまでも,男女平等教育資料,あるいはいろいろな道徳関係の資料,あるいは道教委が発行しています人権推進のための資料等も配付いたしまして,各学校での活用をお願いしておりますが,さらに,今後とも,いろんなものを含めまして,各学校の平等教育の推進に資するための情報提供等に努めてまいりたいと,このように考えてございます。 ◆小林 委員  それでは,続きまして,男女混合名簿の取り組み状況についてお伺いをいたします。
     男女混合名簿の実施状況をお尋ねしましたところ,教育委員会の方で,97年に続いて調査を行ってくださいました。学校に備えつけられている名簿のうち,出席簿,指導要録,健康診断について調査をなさっていますけれども,その結果を見ますと,全市に209ある小学校のうち,これらの名簿の一つ以上,男女混合方式を採用しているのは19校で,1割以下という現状です。  そこで,この調査について,いつごろ,どのような方法でなされたのか,その方法を選択された理由も含めてお伺いをしたいと思います。  また,この結果を教育委員会としてどう評価されているのか,お伺いをしたいと思います。 ◎岩崎 指導担当部長  まず,1点目の実施状況の調査の方法とその理由でございますけれども,このたびの男女混合名簿の実施状況の調査は,委員の方からもお求めをいただきましたものですから,私どもの方で,日常,指導主事の方が学校訪問をしており,その学校訪問の折に聞き取っている部分もございましたので,その内容等も勘案いたしまして,聞き取り調査を行ってございます。  2点目の調査結果をどのように評価しているかということについてでございますが,小学校19校が混合名簿の実施校であるという今のご指摘でございますが,小・中・高等学校合わせて,市立の学校は314校ございます。その314校に占める割合は約6%でございまして,多い校数ではないと,こういうふうにとらえてございます。  しかし,いずれの学校へ行きましても,いわゆる名簿の作成につきましては,学校が自主的に定めると,こういう状況でございますので,さまざまな論議を経た上で,教職員の共通理解のもとで,これらが実施を決定されたものと,そういうふうに考えてございますので,それぞれの考え方を尊重しておると,こういう状況でございます。 ◆小林 委員  ただいまのご回答の中で,いつごろというのは多分春から夏にかけてではないかと思っているのですが,その調査の方法としては聞き取りということで,調査票はつくっていらっしゃらないということでございます。  それで,北海道ですけれども,昨年,札幌市を除く全道の小・中・高等学校,そして特殊教育諸学校を対象に,男女混合名簿に対する調査をしております。その調査の対象とした名簿は,出席簿を初め,学校に備えられている15種類にわたる名簿に対して行っておりまして,調査内容も,「実施」それから「検討中」,そして「実施はしていないが,何らかの工夫をしているもの」について,分けて調査をしております。さらに,混合名簿導入の動機とか,その実施による成果とか課題についても行っております。札幌市の調査とは大きな隔たりがあるなというふうに,私は思っております。  また,その北海道では,ことし3月に,「人間尊重の心をはぐくむために」という,これは全教員に配られる指導資料ですけれども,ここに男女混合名簿の意義を述べているところがありまして,それを読みますと,「男女混合名簿の取り組みは,男女が名簿によっていつの間にか身につけてしまいがちな男子優先の意識や固定的な性別役割分担の意識などを取り除き,学校生活の身近なところから,男女の性別にとらわれることなく,ともに学ぶことをねらいとする上で,一定の役割を果たすものと考えます。」というふうに明記しております。  そこで,伺いますが,本市は,94年度から,出席簿の記入方法を,それまでの「男子は1番,女子は41番から記入する」というのを,「各学校において適宜定める」というふうに改めております。そしてまた,このことは,本市の第2次女性計画の中で,「男女平等観に立つ学校教育の推進」の項目にも盛られております。このように変更する指示を出された趣旨は何にあったのか,男女平等教育推進の観点からではないのかと思っているのですが,それについてお伺いをいたします。  また,先ほどの道の調査結果はどうなっているか見てみますと,出席簿における混合名簿の実施状況は,小学校41.8%,中学校22.2%,高等学校は13.3%となっており,先ほど部長がおっしゃっていらっしゃいましたけれども,札幌市の結果であります小学校は9%,中学・高校はゼロというのとは大きな隔たりがあります。全国の指定都市を見ましても,97年時点で,大阪市や横浜市は小学校で約95%,川崎市や福岡市で62%以上,低いところはゼロというところもございます。  そこで,本市としましては,道や他の指定都市の状況をごらんになりまして,どういうふうに受けとめておられるか,それもあわせてお伺いいたします。 ◎岩崎 指導担当部長  1点目の,平成6年3月に,私どもの方が出席簿の記載方法を変更した通知を各学校に配付している理由でございますが,趣旨と申しましょうか,この氏名の記載方法の変更につきましては,いわゆるA4判化の導入に伴いまして,それまでございました従来の,男女別に男子は1番から,女子は41番からと,こういうような細かな定めを,学籍業務が適正に行われるようにと,こういう観点から見直したものでございます。あわせまして,委員もおっしゃっていましたけれども,いわゆる男女別の名簿でなくてもよいと,こういう趣旨も含めていることでございます。  2点目でございますが,今,委員からご指摘のありましたような,実施が進んでいる他都市の状況,これについての私どもの認識といいましょうか,評価ということでございますが,委員ご指摘のような状況については,私ども十分承知をしているところでございます。ただ,その具体的な取り組みの内容については承知してございません。  しかし,いずれの都市の場合も,いわゆる全教育活動の中での男女平等教育を推進するという視点の中での実施が大変進んでいるところでないかと,そういうふうに推測をいたしております。したがいまして,それぞれの都市にはそれぞれの状況があろうかと思いますので,その取り組みの結果についても尊重されるべきでないか,私どもはこのように考えてございます。  以上でございます。 ◆小林 委員  先ほどの本市の「男女平等教育」という指導資料の中に,その生活習慣の中で,差別を意識しない区別が,結果的に男女差別につながることがありますとあります。男女を区別した名簿というのは,まさしくこれではないかというふうに思っております。  道の調査によりますと,男女混合名簿実施による成果として,「男女のわだかまりがなくなり,共同学習やグループ学習がスムーズになった」とか「男女共同作業が当然という意識が育ってきている」とか,また,教師の側には,「人権意識,男女平等に対する考え方について,教職員で理解を深めることができた」などの声が上げられております。  本市においては,実施しているところについて,その成果を把握されていれば,お聞かせいただきたいと思います。また,あわせて,実施する上でどのようなことが課題となっているのかもお聞かせいただきたいと思っております。 ◎岩崎 指導担当部長  ただいまの,実施校における成果と,いわゆるメリット・デメリットという視点でございましょうか,これについてでございますが,私ども19校につきまして,その状況等の結果を,先ほどもお話し申し上げましたように,聞き取り調査をしてございます。  いわゆる成果といたしましては,「男女の別なく仲良くなれる」,あるいは「平等意識を育てることができる」,こういうような成果が挙げられてございます。いわゆる課題といいましょうか,デメリットといいましょうか,これにつきましては,「別に男女別の名簿もつくらなければいけない」と,こういうことですとか,あるいは「男女別の集計が大変不便になってしまう」ということなどが挙げられてございます。  その次に,いわゆるこの進まない理由とでも申しましょうか,これにつきましては,私どもの方としては,実施をしていない学校に対しては,その状況について調査をしてございませんので,あくまでも推測で恐縮でございますが,先ほど申し上げましたような事務処理上の煩雑さと,あるいは,各学校が男女平等教育を進めていく上で,いわゆる混合名簿と称されるものについては,特にこれを行わなくても支障があるというふうには感じていないことも,この原因の一つではないかというふうに,これはあくまでも推測でございますが,考えているところでございます。 ◆小林 委員  これで最後にいたしますけれども,男女平等教育推進の必要性というのは,国連における人権宣言とか,それから世界女性会議など,こういうものを背景としながら出てきているものでして,その国連の人間開発指標によりますと,日本の女性の地位というのは,世界で37番目の低さです。出席簿のあり方という身近なところから意識を変えていくということが大切というふうに思っております。  そこで,そのためにも,今後,各学校に対して,混合名簿の実施状況も含めて,男女平等教育にかかわる情報の提供というものをしていただきたいと思っておりますが,その点についてはいかがでしょうか,最後にお伺いいたします。 ◎岩崎 指導担当部長  今の情報提供についてでございますが,何度も繰り返しで恐縮でございますが,最終的には学校の自主的な判断ということを前提にしながらも,私ども教育委員会といたしましては,これまでもそういう資料等につきましては配付していたところでございます。今後とも,今おっしゃっておられましたように,男女混合名簿を含めて,各学校の平等教育の推進に資するため,いわゆる男女平等教育の推進に資するためという視点から,さまざまな情報の提供に努めてまいりたいと,このように考えてございます。 ◆馬場 委員  私の方からは,いじめ,それから不登校,そして,いわゆる学級崩壊,この件について質問させていただきます。  このところの新聞報道などを見ていますと,毎日のように,子供を取り巻く事件が取り上げられておるわけであります。中には,高校生による集団での暴行致死事件や,それから,教師刺傷事件など,社会を震撼させるような出来事も起こっておりますし,青少年の健全育成を考えていったときに,このような状況を大変危惧しておるところであります。  8月には,文部省の方から,「生徒指導上の諸問題の現状について」という調査結果が発表されております。平成10年度のいじめの発生件数,それから不登校児童・生徒数等が明らかになっておるわけであります。それによりますと,全国でいじめの発生件数は,3年連続で減少はしておりますけれども,一方の不登校の児童・生徒数は,漸増に歯どめがかかっておりません。調査開始以来の最多となっていると報告されております。この不登校の児童・生徒数の増加は,教育の大きな課題の一つでもあります。また,いじめについては,表面にあらわれない潜在的なものもありますし,単に数字だけでは推しはかれないものもあると思うわけであります。  そこで,質問でありますけれども,まず,札幌市における平成10年度のいじめと不登校の実態についてお尋ねをいたします。  次に,昨年来,テレビや新聞等で取り上げられています,いわゆる学級崩壊についてであります。  今や流行語と化したこの呼び名は,事態の深刻さを意識させるのには十分な響きを持つ言葉ではありますけれども,メディアを通じて膨らんだ学級崩壊というイメージは,学校や子供たちの実像を,かえって見えづらくしているのではないかと危惧しているところであります。  さきの1定予算特別委員会で,いわゆる学級崩壊について,教育委員会は,この言葉の定義があいまいなままひとり歩きしており,使われ方によって多様なとらえ方ができることから,使うべきではないとし,学級経営上,苦慮する状況というとらえで,その実態の把握に努めていると答弁されております。  同様の状況について,9月に公表された文部省の委嘱研究である学級経営の充実に関する調査研究の中間報告によりますと,学級がうまく機能しない状況として事例を取り上げており,その実態の一部を浮き彫りにしているところであります。この報告によりますと,学級がうまく機能しない状況は,担任の性別,それから学年,さらには学級規模との特定の相関関係は見られないとしております。そして,その事例の7割が教師の指導のあり方にかかわるものと報告されております。  そこで,質問でありますけれども,札幌市における学級経営上,苦慮する状況についての実態をお伺いいたします。 ◎岩崎 指導担当部長  まず,平成10年度のいじめ・不登校の実態についてでございますが,私ども教育委員会が報告を受けましたいじめの件数でございますが,小学校49件,中学校211件で,合計260件となってございます。  各学校で,学年体制等のいじめに対する取り組みの充実や,児童・生徒の手による積極的な啓発活動等が行われておりまして,こういうことから,平成9年度と比較いたしますと,小学校は39件,中学校119件,合わせて158件減少してございます。  不登校につきましては,年間30日以上欠席した児童・生徒でございますが,小学校で270人,中学校では1,176人,合計1,446人でございます。  前年度に比べまして,小学校では13人,中学校では213人,合計いたしますと226人の増加。各学校でのさまざまな努力にもかかわらず,依然として極めて重要な課題であると,このように考えてございます。  次に,学級経営上,苦慮する状況の本市の実態についてでございます。  いわゆるマスコミ等で報じられておりますような,授業が全く成立しないと,こういう状況は報告されてございません。しかしながら,学級というものは,子供同士あるいは子供と教師との人間的なかかわりの場でございます。したがいまして,さまざまな葛藤あるいは摩擦等が生ずることは自然の成り行きだと,こういうふうに考えてございます。したがいまして,時と場合によりましては,教師が指導に困難さを感じることはあり得ることでございます。  このような観点から,本市の実態調査をいたしましたところ,教師が指導に苦慮する状況が,ある一定期間継続していたと,こういう学級は,今年度4月から7月までに,小学校で6学級ございました。  以上でございます。 ◆馬場 委員  ただいまの答弁によりますと,いじめについては,全国と同様に減少しているとのことでありますから,それだけに各学校における取り組みにもそれなりに努力されていることと思います。しかしながら,なかなか解決に結びつかないものもあるわけでありますから,今後とも充実した取り組みをお願いいたします。  一方の不登校については,札幌市においても増加に歯どめがかかっていないということであります。  教育委員会では,これまでに,スクールカウンセラーや心の教室相談員を学校に配置するなど,子供の悩みや不安を解消するための数々の施策を行ってきているわけであります。また,学校に行きたくても行けない心理的な不安を抱えた子供のためにも,相談指導学級を設置しておるわけでありますし,昨年は,小学生を対象とした伏見相談指導学級が開設されました。  そこで,質問でありますけれども,まず,この不登校にかかわって,伏見相談指導学級の取り組みとその成果についてお尋ねをいたします。  次に,学級経営上,苦慮する状況についてでありますけれども,先ほどの答弁で,本市として把握している実態をお聞きいたしました。  そこで,2点目の質問でありますけれども,この学級経営上,苦慮する状況に至った要因にはどのようなものがあるのか。また,その状況に対して,学校ではどのような取り組みをしているのか,あわせてお伺いをいたします。 ◎岩崎 指導担当部長  1点目の伏見相談指導学級の取り組みと成果についてでございますが,社会見学や栽培などの体験的な活動,これを通しまして,子供たちの自主性や社会性を培う取り組みを行ってございます。さらには,個に応じたきめ細かな学習指導等も行っております。  成果についてでございますが,今年度,通級している児童のうち,当初は保護者と一緒でなければ通級できなかった子供がひとりで通えるようになる,こういうような改善も見られ,いずれにしても何らかの形で学校に復帰した児童が,約80%ございます。  次に,2点目の学級経営上,苦慮する状況に至った要因と学校での取り組みについてでございますが,要因はさまざまなものが重なり合っているのではないかと,このように考えてございます。例えば,教師の指導にかかわること,家庭教育のあり方,あるいは子供自身にかかわること,こういうものが,先ほど申し上げましたように,重なり合っているのではないかと,このように考えてございます。  したがいまして,こうした状況を解決するために,学校では,担任をまず支援するための学校及び学年の体制づくり,授業に担任以外の他の教員が入り,チームティーチングを行う授業など,こういうような工夫を行っております。また,保護者や関係機関とのより密接な連携を図ったりいたしまして,さまざまな角度からの取り組みがなされております。その結果,学級経営上,苦慮する状況に至ったと報告された学級につきましては,現在,すべて改善されてございます。  今後とも,このような取り組みを続けることによって,学級経営上,起こり得る問題の早期解決に努めてまいりたいと,このように考えてございます。 ◆馬場 委員  ただいまの答弁で,さまざまな取り組みによって,それなりの成果が上がってきているということは承知いたしました。それにまた,こうした問題の背景には,今言いましたように,さまざまな原因が複雑に絡み合っており,その対応が非常に難しくなっていることも理解しているところであります。  しかしながら,問題の解決にとって大きな役割を担っているのは,何といっても,私は教師であると思っております。学校は,子供と教師の信頼関係の上に成り立っているものでありますし,また,教師の人間性,それから資質によるところが大変大きいわけでありますから,ふだんの努力や研さんは欠かすことのできないものであると,私はそう思っております。  私は,さらに,今までの教師の教育システムの見直し,これも大変重要ではないかと考えております。先ほどの答弁の中でも,チームティーチングの授業の成果が述べられておりましたけれども,複数の目で子供を見ていく,指導していく教師の体制が必要であると思うのであります。  文部省では,一人担任制の見直しを図る目的で,研究会を発足させる方針であるということであります。私は,このことに意を同じくするものであります。したがって,複数担任制の採用については,十分に検討に値するものと考えております。  そこで,質問でありますが,学校におけるさまざまな問題を解決する手だてとして,教育委員会としては,教師の資質の向上をどのように図っていこうとしているのか。また,複数担任制についてどのようにとらえているのか,お尋ねをいたします。 ◎岩崎 指導担当部長  私の方から,教師の資質向上についてお答えを申し上げます。  資質の向上のために,私ども教育委員会といたしましては,学級経営や児童・生徒理解等に関する研修会あるいは教育研究所の研修講座等を開設しており,教師の多様な研修希望に対応できるように準備をしてございます。  特に,初任者全員に対しましては,ボランティア関係者,医師あるいは実業界の方など,教育関係者以外の幅広い人材の方の中から,学ぶ機会の設定やさまざまな体験的な学習,研修,これを行っております。こういうことを通しまして,研修の充実に努めているところでございます。  また,臨床心理士や精神科医師等を講師といたしまして,学校に派遣する事業を行っており,子供理解のための具体的な事例をもとにした研修や演習を通して,教師の意識改革や指導力の向上に成果を上げているところでございます。  今後は,学級経営上,苦慮する状況等への対応も視野に入れまして,積極的にこれら講師を派遣するなどして,教師の資質向上のための研修の充実に努めてまいりたいと,このように考えてございます。 ◎本間 学校教育部長  私から,複数担任制についてお答えを申し上げます。  先ほど指導担当部長の方からお話を申し上げましたように,学級経営に苦慮する状況におきましては,学年,学校の体制づくり,あるいはチームティーチングによる授業を行うなど,委員ご指摘のような,複数の目で子供を見ていく,そして複数で子供を指導していくような体制にも配慮をしているところでございます。  文部省におきましても,こういった状況を踏まえまして,具体的な対策といたしまして,平成12年度予算の概算要求において,全国でおよそ2,000人規模で,経験豊かな退職教員を経営困難な学級に非常勤講師として配置する等の事業を盛り込んだところでございます。また,あわせて,いわゆる複数担任制の導入も含めまして,より効果的な方策を検討するため,お話にございましたように,専門家による研究会議を発足させる予定と聞いております。  教育委員会といたしましては,この研究会の動向を注視しながらも,あわせて,これまでも行ってきているところではありますが,チームティーチング等の教員の加配が盛り込まれております現行の第6次教職員定数改善計画を受け継いで,次期の第7次改善計画を早期に策定するよう,国等に働きかけていく所存でございます。  以上でございます。 ◆馬場 委員  教師の資質向上のための研修についてでありますけれども,これまでも,初任者全員を対象として計画的な研修がなされていることは認識をしております。  しかしながら,問題は,既に教師になっておられる方,つまり教師経験者に対する研修については,十分な体制でなされているとは思えないわけであります。もちろん,これを実施するに当たっての課題というのは十分承知しております。  しかし,このことを,一たび学校から目を外に移したときに,つまり,民間はもとより,ほかの公務員におきましても,経験に応じて,仕事に精通するためのそれなりの研修がどんどん行われていることは,社会一般常識でもあります。社会人として常に研さんを積むことは必要であり,不可欠のことでもあります。  したがって,教員に対しても,経験者に対して経験年数に即した研修を,希望者だけではなくて全員に,そして計画的に取り組ませる必要があり,そうさせるべきと強く感じているところであります。  よって,研修について,教育委員会の前向きな取り組みを,きょうここで強く要望をしておきます。  また,複数担任制については,国の動向を見るだけではなく,ぜひ,札幌市として実施に向け積極的に取り組むべきと考えます。  さらに,いわゆる指導力不足教員の問題につきましても,北海道教育委員会が,平成14年度をめどに判別制度を導入する方針を明らかにしているわけであります。制度的対応につきましても,これまた積極的に取り組まれることを要望して,終わります。 ◆大嶋 委員  私からは,人権教育という観点からお伺いさせていただきます。  人権教育と一口に言ってもいろんな課題が今あるのかと思います。そしてまた,先ほど男女平等教育のお話がありましたけれども,なかなか数字ではかれない,理解度あるいは成果というものが,具体的に,1年前,2年前からどうなっているのか,あるいは,一つ一つの取り組みによって上がったのか,下がったのかというところがなかなかわからないという現状は,私も理解しているつもりであります。  しかし,いわば,21世紀という次の世紀を迎えるに当たって,人権教育のレベルで,課題で考えますと,次の世紀は人権の世紀であるというふうに言われておりまして,1997年からは,国連においても,国連人権教育の10年というふうな取り組みがされている。20世紀は,戦争があり,あるいは経済発展による環境破壊,そしてまた,そういういろんな100年の歴史の中から課題が起きているということも含めて,今,この人権教育あるいは人権啓発,人権の問題が,次の世紀に向けて大きな課題となっているということだろうと思います。  確かに,国際化あるいは情報化,高齢化,少子化,こういう社会の急激な変化によって,人権に対する考え方あるいは価値観,それぞれの人の価値観等々も大きく変わっているという現状がありまして,ある意味では,人権教育に取り組む姿勢あるいは方向性,これがなかなか難しい時代になっている。状況自体が背景として複雑化しているということもあるのかと思います。それが,ある意味では,今,指摘のありましたように,子供のいろんな状況あるいは学校現場のいろんな状況,そこにも一つ,この複雑化した社会の状況の反映があるのかなという気もしております。  これまで,本市の教育委員会においても,学年,あるいは小学校・中学校・高校,それぞれの年代においての人権教育にかかわる取り組みはなされてきたのだということは,私ども承知しておりますけれども,ただ,この人権教育,今申し述べましたような背景の中で,やはり,これからの課題として,反省として,どうしても知的理解にとどまり人権感覚が十分に身についていない,こういう指導方法の問題。あるいは,教員,これは今,教員研修等々の論議がありましたけれども,やはり教員の養成過程,あるいは教師としてそれぞれのクラスを担任する,あるいは教育に携わる現場に入るという一つの過程の中で,人間尊重の理念について十分認識されていないという状況が生まれているのではないかということは,これまで常々指摘されていることかと思います。  学校教育の現場において,複雑かつ多岐にわたる問題を抱えておりますので,この人権教育の部分だけ取り出して研修云々ということもまた難しいのかとは思いますけれども,しかし,今後の大きな教育指針を示していく本市の,ある意味で,子供を全人格的な人格形成という根本のところからつくっていくのだという中では,この問題は避けて通れない課題であるというふうに思います。  まず,質問に入りますけれども,現在,それぞれ各学校において,指導や教員研修においていろんな取り組みがなされている。地域の多彩な人材の登用,あるいは他部局との連携等々もそれなりに行われているというふうには考えておりますけれども,実際上,どのような取り組みが行われ,そしてまた,指導の内容はどのようになっているのか。先ほど,平等教育の問題等々についてありましたけれども,この人権教育というテーマの中での研修のあり方,これはどのようになっているのか,具体的に二,三,例を示していただきたいと思います。 ◎岩崎 指導担当部長  今ご質問のございました2点についてお答えいたします。  最初は,人権教育の取り組み状況,いわゆる指導の内容でございますが,委員ご指摘のとおり,人権教育は学校教育の重要な課題の一つと,私ども十分認識をしてございます。  私どもが学校教育の重点というものを示してございますが,この中で,今日的課題の1点目に,人間尊重の教育と,これを位置づけておりまして,人権に関する指導の充実,ボランティア教育の充実,交流教育の充実,民族教育の充実,男女平等教育の充実,この五つの課題について,各学校が教育課程を編成する際の指針として位置づけてございます。  具体的な指導内容でございますが,男女平等教育におきましては,先ほどもお話し申し上げましたが,本市で作成した副読本等を活用した指導や,アイヌ民族教育におきましては,ウタリ教育相談員の方を学校にお招きして,子供たちにさまざまなお話をしていただくなど,そういう取り組みをしてございます。  また,交流教育につきましては,障害のない子供や地域社会の人たちと障害のある子供が交流する機会を積極的に持つ,こういうことによりまして,互いに支え合って生きていくことの大切さの理解を深める,こういう実践的な態度を育成するように取り組んでございます。  また,教員に対してでございますが,現在,初任者研修や経験者研修,いわゆる教職の経験者研修でございますが,交流教育を推進するため,従来のように,ただ単に知識的なものではなくて,手話や車いすの体験,あるいは白杖を使いました視覚障害体験等を取り入れるなど,さまざまな形で実践的・体験的な研修を積んでおります。  このような取り組みを踏まえまして,今後,さらに,人権擁護委員会や他部局との連携を進めるとともに,さまざまな人材の活用や体験的な取り組みのあり方を工夫しながら人権教育を推進してまいりたいと,このように考えてございます。  以上でございます。 ◆大嶋 委員  今,本市の教育方針としても,人間尊重の教育ということを大きな柱にして,五つの課題についての取り組みを行っているのだと,具体的な例を示していただいてご説明いただきました。  先ほど申し述べたような背景の中で,これからの人権教育のあり方,いわゆる副読本の利用あるいは体験学習ということも,当然これから積極的に進めていかなければならないと思うわけですけれども,ただ一方で,知識偏重になっているのではないかという指摘はこれまでもされていまして,体験学習の中でも,じゃ,その具体的な背景,課題が起きてくる背景をどういうふうに子供たちに伝えていくのか,あるいは,教育現場の中で,具体的に日々の学習の中で伝えていくのかという部分については,まだまだ不足しているのかなという気がしています。  昨日,たまたま皆さんもご存じの「3年B組金八先生」がスタートするということで,ちょっと時間おくれ,9時過ぎから,途中からですけれども,見たときに,やはり高齢者の問題が課題になっていました。「何で私たちがお年寄りの面倒を,重い負担を背負って見なきゃならないのよ。」というような論議があったり,あるいは「何で学校にデイサービスセンターができて,私たちが面倒を見なきゃならない。」あるいは「そこに行ってボランティアしなきゃならない。」というようなことが,子供たちの中で,日常会話として出てくるような背景が一方であって,そういう背景というのは,やはり今お示しになったような五つの課題等々含めた中で,いろんな形で,今,子供たちの生活状況といいますか,感覚の中にあるのだろうと。そこをどのように,ある程度これからの教育方針の中で,あるいは教育プログラムの中で解決していくのかという課題,これは大変大きいのかなという気がしています。  今,先ほども言いました国連人権教育の10年という中で,大阪市においては,具体的な課題に即しての教育プログラム,指針をつくって各学校に配付しているというような取り組みも行われています。本市においても,やはり,人権教育という大きな枠でのしっかりとしたプログラム,指針作成に向けての努力をしていく必要があるのではないかということを考えますけれども,この点についての考えを伺います。 ◎岩崎 指導担当部長  本市におきます人権教育の推進につきましては,先ほども申し上げましたが,大きく人間尊重の教育という形で,各学校が教育課程を編成するための指針としてお示しをしているところでございますが,今,委員のお話もございましたが,私ども教育委員会といたしましても,このような指針を示すだけではなくて,指導の資料や副読本の発行,あるいは研修会の開催等を通して,学校の取り組みがより一層充実するよう支援をしてまいりたいと,このように考えてございます。  さらに,委員ご指摘の総合的なプログラムにつきましては,大変貴重なご意見として受けとめさせていただきたいと思いますし,本市の各学校における人権教育がさらに充実していくように努めてまいりたいと,このように考えてございます。 ◆大嶋 委員  あと要望で終わらせていただきますけれども,法務省の審議会の一つである人権擁護推進審議会の答申が出ておりまして,この中でも,市町村教育委員会の役割として,指導者の研修の実施や教材等の作成,学習機会の提供など,学校や社会教育施設等での主体的かつ特色ある取り組みを支援していく積極的な役割が求められる。そしてまた,地域の実情を踏まえた啓発についての企画立案とその実施,こういうことがこれからの地方自治体,そしてまた,教育委員会の役割なのだということが述べられておりまして,これまで以上に,ある意味でしっかりとした,腰を据えた取り組みが求められているのではないかという気がしています。  そしてまた,先ほど男女平等教育の観点からあったお答えの中で,推測でありますけれどもというふうなお答えがありました。それは成果等々について,あるいは,ほかの各政令都市の取り組みについての評価についてです。推測で評価していては,なかなか,現実の施策をどう具体的に進めるかということについて,やはりきちんとした本市としての判断の根拠,これが疑われるわけですね。  ですから,総合的に進めていく,男女平等教育でもそうですけれども,それぞれの自治体で総合的に進めている中の一つとして,そういうテーマに積極的に取り組んでいると。それは確かに事実だろうと思います。しかし,その総合的な取り組みがどういうふうな方向づけを持って行われているのか,その総合的な方向づけの中で,一つ一つの施策がどういう位置づけを持っているのかということをやっぱりきちんと検討した上で,本市としての考えを示していくということが必要かと思いますので,この点について,教育長それから教育委員長,ぜひ積極的な取り組みをお願いして,終わらせていただきます。 ◆青山 委員  私から,マルチメディア活用事業及びコンピューター整備についてお伺いいたします。
     最近,パソコンやインターネットなどを利用した新しい情報通信技術が実用化され,学校教育の場においても情報教育が重要視されるようになり,国でも,平成14年度から実施される新学習指導要領の中で,各教科等の学習にコンピューターの積極的な活用を図ることが明記されております。小学校では,「総合的な学習の時間」で適切に活用する。中学校では,情報とコンピューターを必修とする。また,高等学校においても,普通教科で「情報」が新設・必修化されるようになったと聞いております。  私は,ことしの5月に,市立札幌病院に設置されている院内学級のひまわり分校に行ってまいりました。その際,病院に入院している子供たちが,テレビ会議システム等の最先端の情報技術を使って,普通の学校に行っているのと同じに,実験をしたり歌を歌ったり,音楽などの授業を楽しく行っている姿を見てまいりました。入院している子供たちとは思えないぐらい生き生きと学習に取り組んでいる姿を見て,とても感動して,今の情報技術のすばらしさにびっくりいたしました。そしてまた,子供たち一人一人に教えている先生方の真剣な姿にも深く感銘を受けて帰ってまいりました。このような様子を見て,これからの情報化社会を生きていく子供たちに,コンピューター等を使った学習が今後ますます重要になってくるという思いを強く持ったわけでございます。  しかし,聞くところによりますと,この事業は,平成9年度から,マルチメディア活用事業として3年の研究期間を有する国の研究委託を受けたもので,今年度末で終了すると聞いております。  そこで,質問ですが,このマルチメディア活用事業の研究委託期間終了後の活用について,どのように考え,取り組んでいこうとしているのか,お尋ねいたします。 ◎霜觸 総務部長  マルチメディア活用事業についてお答えを申し上げます。  この事業は,正式には,へき地学校高度情報通信設備活用方法研究開発事業と,大変長い事業名がついてございますけれども,僻地等の交通条件に恵まれない地域に所在する学校を中心といたしまして,マルチメディアに対応した情報通信機器を導入いたしまして,学校教育における新たな教育活動を展開・実験しようとする事業でございます。  札幌市は,平成9年度にこの事業の委託を受けまして,市立病院に付設しております院内学級,ひまわり分校と言いますけれども,こことこの本校に当たります東米里小・中学校を結びまして,テレビ会議システムを接続,同時かつ双方向の授業,その他の実践的な活動を通じまして研究をいたしております。これは,大変子供たちに喜ばれておりまして,平成9年度から平成11年度までの3カ年にわたりまして実践をしております。  委員ご指摘のとおり,今年度末で研究委託期間が終了いたします。私どもでは,このマルチメディアを活用した教育は,病院の中にあります院内学級という,大変厳しい環境の中で生活を余儀なくされております子供たちにとりましては,非常に有効な教育ではないかと考えておりまして,もう少し事業の継続をして,より研究を深めることが必要と考えておりますので,たまたま同時期に国から委託を受けました,札幌を含めまして全国で4市ございますけれども,4市が共同で,国に対しまして研究期間の継続延長を要望いたしているところでございます。 ◆青山 委員  私も,このマルチメディア活用事業が,いろいろな条件に恵まれない子供にとって非常に有効な教育の手段と考えており,委託研究期間終了後も継続して活用していきたいとの回答をいただき,心強く思っております。今後も,入院されているひまわり分校の子供たちに,引き続き夢のある教育をお願いしたいと思います。  次に,学校におけるコンピューター整備についてお伺いいたします。  先ほど申し上げましたように,情報教育はこれからの教育に欠かせないものでございます。コンピューターを整備する場合には,当然,コンピューター教室もあわせて整備し,そこで子供たちがコンピューター授業を受けることになると思いますが,聞くところによりますと,小学校のコンピューター教室の整備は,中学校に比較しますと,相当おくれていると伺っております。  また,保護の方々から,せっかくコンピューターを導入しても,教室が狭く,先生が動きづらい,さらにコンピューターを指導できる先生が少ない,コンピューター授業の回数もクラスにより異なるとも聞いております。  そこで,コンピューター整備と教室整備について,3点お伺いいたします。  1点目は,今後のコンピューター教室の整備はどのような方針で整備をしていかれるのか。  2点目は,せっかくコンピューターを導入しても,狭いと言われておりますが,それはなぜなのか。  3点目は,小学校でコンピューターが22台整備されている学校は,現在何校あるのかについて質問をいたします。 ◎霜觸 総務部長  コンピューター教室の整備並びに機器の整備について,お答え申し上げます。  学校におきます情報教育の一層の推進を図るために,平成6年,国におきまして情報教育用のコンピューターの新整備方針が示されました。この教育目標は,小学校で22台,これは児童2人に対して1台でございます。中学校で42台,これは生徒1人に1台でございます。基準といたしまして,新学習指導要領に対応するため整備を図ろうとするものでございます。  そこで,ご質問のコンピューター教室の整備でございますけれども,このコンピューター教室は,通常の教室2教室を標準タイプとしております。中学校では,全校,2教室の標準タイプで整備が済んでございます。小学校の場合は,学校の新築・改築・大規模改造等に合わせて整備を進めております。  しかし,2点目のご質問にもございましたけれども,小学校におきましては,教室の整備完了とともにコンピューターを導入したのであれば,年間に数校程度の整備しかできないということになりまして,新学習指導要領の整備目標には間に合わないと,こんな事態になりますので,昨年,たまたま国の緊急経済対策の一環で措置されました補正予算を活用いたしまして,小学校120校,これは2教室タイプではなくて1教室タイプで,暫定的にコンピューター教室として整備を行ったところでございます。  多分,ご指摘の狭いコンピューター教室というのは,この1教室タイプの教室だろうというふうに考えております。これらの学校につきましては,前段で申し上げましたように,新増改築に合わせまして標準タイプに整備をしていく予定でございます。  3点目のコンピューターの導入の整備状況でございますけれども,導入状況といたしましては,中学校では,基準の42台の整備済み校は65校でございます。残り34校は,22台まで整備が済んでございます。また,小学校につきましては,昨年の補正予算によりまして一挙に進んだこともございまして,今年度末までで,基準の22台の整備校は150校となる予定でございます。残りの61校につきましては,3台ずつの整備にとどまっております。  先ほどの教室のちょっと補足をさせていただきますけれども,小学校150校整備をいたしましたが,このうち,コンピューター教室が2教室の,いわゆる標準タイプで整備されている学校は,30校でございます。  以上でございます。 ◆青山 委員  最後に,2点要望して,私の質問を終えますが,1点目は,情報教育の充実が叫ばれている現在,コンピューター22台の整備がされていない小学校が61校もあるとは予想しておりませんでした。新学習指導要領の実施まで,あと3年に迫っております。整備のおくれによって,学校間の格差が生ずるとともに教育の機会均等に反し,新学習指導要領の実施に障害が出ても困りますので,早急に全学校にコンピューターを整備し,そして,子供たちが一日も早くコンピューターになれ親しむことができるように要望いたします。  もう1点は,コンピューター教室の整備も一部の学校しか整備されていない状況を確認いたしました。早期に暫定整備を本格整備に変更し,多くの子供たちが快適な学習環境の中で情報教育を受けられますよう切に要望して,質問を終わります。 ◆岡 委員  私は,防火戸改修整備と学校給食について質問いたします。  まず,学校の防火戸の問題ですが,道外で,学校の防火シャッターに子供が挟まれるという事故が起きていて,その対策が問われ始めていますが,本市の場合はどうなっているのでしょうか。  本市でも,ある学校で,子供のいたずらでシャッターがおり,子供が挟まれてしまいましたが,たまたま通りがかったお母さんが助けて,無事でした。この学校では,その後,安全対策がとられているのでしょうか,伺います。  安全対策上では,感知器と連動して電動でおりてくるシャッター式よりも,開閉式の防火戸の方が安全で有効なようですが,これまで,10年度も含めてどのように取り組まれてきましたか,伺います。  また,防火戸の改修について,12年度以降どうなるのか。11年度末,小学校82校,中学校で28校の合計110校が残るようです。安全対策上,どうしても必要であり,改修整備が急がれますが,どういった考え方で,どのように進めるのか,伺います。  次に,学校給食の問題に関して,2点伺います。  最初の問題は,民間委託の問題です。  学校給食がもっと充実し,その役割を十分に果たすためということで,平成11年度から,楽しさとゆとりのある給食推進事業を進めておりますが,この中で民間委託も進められております。現在,給食推進事業の実施校10校のうち,給食調理委託校が4校,直営校6校となっておりますが,まず,この給食調理委託校に関して,3点伺います。  委託校の調理体制は,委託先の札幌集団給食事業協同組合から,調理員が勤務先である学校に出勤しており,調理師の資格を持つチーフ1名と数名の調理パートという構成になっています。調理業務の民間委託の問題については,既に,我が党はさまざまな指摘をしてまいりました。既にスタートしているこの調理体制についてですが,ここ6カ月経過しただけで既に問題が出ておりますので,そのことについてお尋ねいたします。  衛生管理面についてですが,チーフでも不十分です。その他の調理パートは何もわかっていないという人もおり,栄養士がその都度指導しなければならない状況もあると聞いております。  質問の1点目ですが,このように衛生管理面でいろいろと不安のある体制の中で,衛生管理はどのようになっているのか,お伺いいたします。  調理体制は,子供たちに安全でおいしい給食を保証する上で重要であることは以前からも指摘されておりますが,経験のあるチーフは調理のプロ意識が高く,この点で,栄養士がかかわっていく上では困難が生じています。  学校給食で毎日奮闘し頑張っている栄養士の意見や経験を受け入れてもらえない,こういう問題が起きています。逆に,チーフ以外のスタッフは調理現場の経験のない全くの素人のため,チーフ1人の指導では手が回らず,栄養士も調理現場にかかわっていかなければならない状況です。  さらに,チーフの役割がどのようになっているのか。チーフに伝えたことが全体に徹底されない,問題が起きた場合,チーフに集中されず,スタッフの自己判断で解決されてしまう,チーフは,ほかのスタッフの動きをとらえ,指導・援助する点が不十分のため,結局,栄養士がスタッフ指導しなければならない,このように,チーフとスタッフとの連携が弱く,栄養士が手を出さなくてはならない状況になっていたり,本来,チーフが果たすべき役割を栄養士が担わざるを得ない状況になっていると聞いております。  2点目ですが,このような状況について,市教委はどのように把握され,どのように認識しているのでしょうか。また,市教委のこれまでの説明と違うことになっているのではありませんか,伺います。  勤務体制が知らされていないため,欠員が生じた場合,その場合の対応などは不明確であり,不安な点も多くなっています。給食推進事業の目的を達成するために整備されたはずの委託ですが,直営の栄養士と委託の調理作業員が同じ場所で仕事をしていくという点では,今,挙げたように問題が起きています。  問題の3点目ですが,委託先である札幌集団給食事業協同組合の職員が休んだ場合の代替などの対応を含めた勤務体制について,市教委との間でどのような取り決めになっているか,伺います。  次に,給食推進事業のうち,食事環境改善の問題点と改善策についてです。  食事環境の改善の取り組みで,食器がステンレス製から,既にあった強化磁器製茶わんのほかに強化磁器製のカップ,お皿,どんぶり,小皿を整備しております。確かに見た目は家庭的ですが,単品が重く,盛りつけられたものを次々とお盆に載せて配膳していくと,さらに重くなってしまう状況です。また,先割れスプーン,竹製丸ばしを廃止し,フォーク,スプーン,竹製角ばしが整備されましたが,この竹製角ばしは,曲がる,黒っぽくなってしまうなど,見た目も悪くなっているという声が出ていますが,現状をどのように考えておられるのか。また,改善が必要と思いますが,どうするおつもりなのか,伺います。  食器がふえたため,食器消毒保管庫の設備場所が調理室の外になり,使用の際には,調理員が一度厨房の外までとりにいかなければならないという,衛生面でも不安な業務内容です。また,食べ終わった食器を洗うためにつけ込むシンクが,食器がふえたため足りず,たらいを使って補っています。衛生面から考えて,現状を問題なしとするのかどうか,伺います。  さらに,運搬,配膳,下膳を容易にするため新たに配膳車が導入されましたが,小学校低学年には,この配膳車は,高くて使いにくい,重くて子供の力では操作しにくい,引き上げてテーブルにできる仕組みになっておりますが,この上に物を置くと滑りやすく危ない,使いにくい,教室の中にこの配膳車を入れる場合,ドアのレールに引っかかって入れにくいなど,特別に注文してつくられたはずの配膳車ですが,問題が発生しています。実情についてどう把握されておられるのか,伺います。  さらに,多様な会食形態を実施するということで,多目的及び余裕教室を活用し,ランチルームを確保しておりますが,このランチルームの学校内での位置づけ,運営方法があいまいです。  専用ではないため,ランチルームとして使用する場合は準備をしなければなりませんが,学校によっては,使用前の掃除やテーブルセッティング,使用後の見回り点検まで調理員の業務に位置づけられています。今までもぎりぎりの体制で業務を行っていた調理員の皆さんにとっては,このランチルームの準備や後始末後の見回りという仕事がふえ,労働強化になっています。また,使用前の清掃,準備作業は,午前中の業務の配膳という一番忙しい時間に手がとられています。さらに,清掃に携わった調理員が,ランチルームのセッティングが終了した後,そのまま給食室に戻り,調理業務を行わなければ給食配膳に間に合わない,このような状態では,衛生管理上,問題あると思いますが,ランチルームの運営はどのようにしていくおつもりなのか,伺います。  また,食教育の充実と家庭との連携強化の目的で,給食指導の充実を図るとしておりますが,栄養士が食に関する指導をするに当たっては,場所と時間に関しての位置づけがはっきりせず,学校ごとに差があります。栄養士がまちまちの形で使い回される,こまのように扱われるという状況です。給食指導は,今までも栄養士が頑張ってきたのに,今回,給食推進事業の一環としての食教育となり,これまでの指導の何をどう変えればよいのか,使用教材に関しても具体的になっていません。結局,栄養士個人に任されている形となり,それぞれが悩んでいるのでは,推進事業の目的としての給食指導の充実が実現できるのでしょうか。  こうした現状について,現場からも意見が上がっていると思うのですが,どう受けとめ,どのように改善を図るおつもりですか,伺います。 ◎霜觸 総務部長  私から,防火シャッター等のご質問についてお答えを申し上げます。  ご指摘のありました事故のあった学校は,平成9年度に事故があった学校との理解でご回答申し上げます。  学校に設置しております上下式のシャッターでございますけれども,これは,熱ですとか煙のほか,手動でも上げ下げができる構造になっております。  ご指摘のシャッターの事故は,子供が手動装置盤の扉をいたずらでこじあけて,操作レバーを動かしたことによりまして,シャッターが下がってきて,その下をくぐり抜けようとしたときに挟まった事故と聞いております。  事故発生後の安全対策といたしましては,学校では,子供が直接操作盤にさわれないように手動装置の扉を密閉するとともに,児童に対して,さわらないように,もちろん指導をいたしました。それから,教職員に対しまして,手動装置の操作方法,特に緊急時の対処方法について研修等を行って,再発防止に努めております。  2点目の防火シャッターの改修でございますけれども,学校施設に設置しております上下式の防火シャッターと,お話しございました開閉式の防火戸は,防火という観点から見ますと,機能的に遜色があるものではございません。ですけれども,札幌市としては,昭和57年以降,新増改築時に,建設設計上,設計しやすくて,万一の際にも取り扱いが容易な防火戸を採用してきております。一方,既存の校舎につきましても,シャッターの老朽化に伴う改修の際に,随時,防火戸へ切りかえを行ってきたところでございます。  12年度以降の改修計画でございますけれども,ご質問で校数が出ておりましたが,これまでも,年間10校程度のペースで,校舎の増改築,大規模改修等で防火設備の改修を行った際に改修してまいりました。今後も,計画的に防火戸へ改修してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◎大聖 調整担当部長  学校給食についてのご質問のうち1点目と2点目につきましては,どちらも調理体制にかかわることでございますので,あわせてお答えさせていただきます。  委託校の調理体制についてでありますが,4月のスタート時点においては,初めての学校での調理ということもあり,施設や設備の違いなど,なれないため多少の戸惑いもあったように聞いておりますが,配食時間におくれることもなく,子供たちには大変好評であると聞いております。  現在は,学校栄養職員とチーフとのミーティングや,チーフが業務責任者として調理員に対して十分な指導を行っており,作業面,衛生管理面とも,実際の運営上,順調に給食が行われていると聞いております。  3点目の委託業者の勤務体制につきましては,委託契約において,市の直営改善校の配置基準,すなわち食数に応じて配置される調理員の人数を基本として,適正な人員を配置することとしております。なお,休務者が発生した場合には,受注者の責任において代替者を措置し,学校長に届け出ることとしております。  それから,大きな2番目の給食改善事業についてでございますが,1点目と3点目については,食器具や備品の関係でございますので,あわせてお答えさせていただきます。  給食改善事業では,子供たちのためのさらなる学校給食の充実を目指して,食器具の改善を行い,それに伴い配膳車等の備品を新たに整備したところでございます。  食器と配膳車については,初めて使用するものでありますことから,当初,子供たちには不なれによる使いづらさがあったのかもしれませんが,現在は,各担任が補助し,子供たちが協力し合うことで対処しております。  次に,角ばしについてでありますが,角ばしは,従前の丸ばしと同じく消耗品扱いとしておりますので,他の消耗品同様,状況に応じて適切に交換することとしております。  2点目の食器消毒保管庫や食器の増加に伴う洗浄方法の,衛生上の問題についてでございますが,食器消毒保管庫の整備に当たりましては,事前に保健所と協議し,設置場所には,衛生管理の観点から手洗い等の設備を整え,給食室からの出入りの際には,調理員が履き物を交換するなどの対応により,衛生確保を図っております。  また,食器の増加に伴う洗浄方法につきましても,給食施設設備の洗浄,消毒に係るマニュアルにより洗浄を実施しておりますことから,衛生管理上の支障は生じないものと考えております。  4点目のランチルームの運営につきましては,それぞれの学校の実情に応じて行っているところでございますが,ランチルームでのセッティングから使用後の点検までの作業については,基本的には調理員の業務として位置づけております。これらの業務を含めた改善事業総体の配置基準の見直しに当たっては,学校規模に応じて,1名から2名への配置人員の引き上げを行ったところでございます。  また,調理員が調理場から離れてランチルーム等で作業をした後,再び調理場に戻る際には,衛生管理上,支障が生じないよう,着衣の交換や手洗いの励行等を適切に行うよう指導してきたところでございます。  最後に,5点目の食に関する指導の充実につきましては,研修の強化を図るとともに,本年2月に,栄養職員で構成する研究組織を新たに設け,食に関する指導を充実していくための研究を開始したところでございます。  今後,この研究組織を基盤に,これまでの各学校における実績や改善校を中心とする実践研究を通して,その成果をできるだけ早期に取りまとめ,指導教材や体系的な食指導の手引書を作成し,食に関する指導の充実を図っていく考えであります。  以上でございます。 ◆岡 委員  まず,防火戸改修についてですが,安全対策上,改修整備は急がれる問題です。事故が起きてからでは遅過ぎますので,残り110校は,改築や大規模改修,老朽化を待つという状況では,すべての学校が改修されるまで相当の年月がかかってしまいますので,子供たちの安全を優先に予算措置を行っていただき,残り110校の早急の改修を要望しておきます。  次に,学校給食の件ですが,楽しさとゆとりのある給食推進事業を実施するに当たり,食器の種類がふえる,ランチルームを確保するに当たっての保管庫,シンクの場所の問題,ドアのレールなどの施設設備は,事前にわかっていることだったはずです。推進事業を始めることだけが先行してしまい,あらかじめ考えられる備品や設備の改善などの一番重要な問題は手がつけられていない,順序が逆ではなかったでしょうか。子供たちへの危険性や衛生管理面など,こちらも,事故が起きてからでは遅過ぎるような重要な内容が含まれております。  推進事業の初年度の実施校として,今の10校ですけれども,5月ごろまでは,教育委員会の方が直接現場に来て,現状の把握などをしてくださっておりましたが,今は,現場に足を運んで状況を聞くなどの機会が減っているとの話も聞いております。現場での要望などは,すぐにでも改善できる内容もあり,ぜひ定期的に来ていただきたいという要望も出ておりますので,市教委として,今後の現場の把握に一層力を入れられるよう,こちらは要望しておきます。  さらに,民間委託の問題ですが,委託先である札幌集団給食事業協同組合に対して,衛生管理や勤務体制など,こちらは十分徹底されているというような今のお話でした。  例えば,勤務体制については,直営の改善校を基本にして,その食数に応じて,休んだ場合の代替を学校長にというふうなご答弁もございましたが,学校長には知らされているけれども,実際に,一緒に仕事をしている栄養士には全く知らされずに,きょうは一体足りているのかいないのか,これがわかっていない状況などの問題も起きています。  実際,現場では,既に,このように我が党が指摘しておりました問題,そして今,私が指摘しましたたくさんの問題,栄養士と委託職員との業務連携の難しさ,また,援助・指導面や業務体制上の問題などが起きておりますが,これらを把握しているのですか,現状を知っていらっしゃるのでしょうか,伺います。  また,2点目,日本給食サービス協会が発表した学校給食の委託の提言の5項目を見てみますと,1.献立が複雑過ぎて採算が合わない,2.つくり手側の負担を考えない陶磁器食器の導入反対,3.雇用の違いによる栄養士と調理員の人間関係の難しさ,4.食材を含めて委託となれば,大量一括購入し,冷凍品も活用を,5.作業の大変な手づくりはほどほどにとなっており,これが委託会社の本音そのものです。こう言っている内容について,市教委として,どう受けとめ,どう考えますか。  公の教育である学校給食に対して,営利を目的とする民間委託を導入すること自体に根本的問題がある。これは,我が党が以前から指摘してまいりましたことですが,このようなことについて,委託を受ける日本給食サービス協会,すなわち業者自体も問題ありと言っていることではないでしょうか,伺います。 ◎大聖 調整担当部長  衛生管理の面についてでございますけれども,委託校におきましては,具体的には,栄養職員が提示した,ちょっと細かくなりますけれども,調理指示書に基づきまして,各校の業務責任者が作業工程等を明記した衛生管理表を作成し,それをもとに,栄養職員それから業務責任者が事前にミーティングを行うなど,作業内容が衛生管理上,支障のないことを確認しながら進めているところであります。  また,実際の調理作業中も,栄養職員が衛生保持の観点から,適時,作業を確認し,必要に応じて業務責任者に対して指導を行っております。  2点目にも絡みますけれども,学校給食の実施に当たりましては,衛生管理が最も重要でありますことから,今後とも,調理業務を委託する民間企業に対しましては衛生指導の徹底に努め,より万全な体制を整えてまいりたいと考えております。  3点目の今後の予定でございますけれども,今年度は,4校の調理業務を民間委託したところでございますが,今後につきましても,民間委託を含めた,楽しさとゆとりのある給食推進事業を計画的に進めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆岡 委員  最後にしますけれども,今まで指摘してきたように,調理業務を民間委託したところでも,開始から半年が経過した,この楽しさとゆとりのある給食推進事業の中でも,いろいろと問題が生まれているのが実態です。  私も実際に実施校を見せていただきましたが,先生たちや栄養士さんなど,現場の皆さんは大変頑張っていらっしゃいました。けれども,さまざまな問題が発生し,皆さんのご苦労も多くなっているのです。  学校給食は,子供たちの健やかな発達を公的に保障し,教育の一環としてすべての子供たちが受ける権利を持っています。これを実現するためには,職種の異なる栄養士と調理職員がお互いの専門性を生かし,経験や技術を交流しながら,子供たちにとって安全でおいしい給食を共同してつくり上げていく,このことが極めて重要なのです。先生たちも,また栄養士にとっても,きょうの勤務者の顔もわからない,こういう状況で,教育の一環として大切な役割を担う学校給食がつくられていくというようなことがあってはなりません。  給食現場で働く皆さんは,子供たちの顔の見える作業を行っているのです。きょう,何年何組は残す量が多かった。心配だから担任の先生に様子を聞いてみたり,運動会などの行事にも参加をして,先生たちや子供たちと交流を深めている,このようなことができるのは,直営だからこそのはずなのです。教育者としての専門性が保障され,身分も保障された正規の調理員が調理に携わることは,大切な教育の内容です。  生じている問題を真剣に受けとめて,学校給食調理業務の民間委託化を中止することを強く求めて,終わります。 ◆高橋[克] 委員  私からは,中学校の陸上競技の記録会について,簡潔に,数点伺いたいと思います。  中学校の陸上競技大会というのは,ご承知のとおり,1年に1度,小学校では運動会になるのでしょうけれども,特別に重要な役割を担っていると,私は思っているのです。特に,陸上競技会ですから,1年1年の,それぞれの大事な時期の体力の増進や,あるいは体力の記録等々をはかっていく意味では,大変重要な役割を担っている競技会だと,私は思っております。  そこでまず,1点目ですけれども,中学校における陸上競技記録会の実施会場,これは抽せんということを伺っておりますが,その実態について明らかにしてください。  さらに,今,札幌市の中では,円山競技場と厚別の陸上競技場を利用しているというふうに伺っておりますけれども,自校のグラウンドを利用しない理由について明らかにしていただきたいと思います。 ◎岩崎 指導担当部長  1点目の中学校における陸上記録会の実施会場の実態についてでございますが,平成11年度におきます陸上記録会につきましては,市内に97校の中学校がございますが,87校が計画をいたしてございます。残り10校のうち5校は,陸上競技のほか球技等の種目を含む,いわゆる体育大会という形で,校内で実施をしております。5校は,陸上競技にかかわる行事そのものを計画してございません。  記録会等を計画しておりました87校のうち,円山競技場を利用した学校が50校ございます。厚別公園競技場を利用した学校は26校でございます。両競技場を利用しなかった11校の状況でございますが,申し込み抽せんの結果,希望した日程とならなかった,このために,野幌の総合運動公園を利用した学校が7校ございます。あるいは,陸上記録会そのものを中止した学校が3校でございます。また,初めから野幌総合運動公園に申し込んでおりました学校が1校ございました。  2点目の自校のグラウンドを利用しない理由についてでございますが,自校のグラウンドでは,十分な走路あるいは距離を確保することが難しい状況にございます。そのために,各学校では,公式記録との比較によって自己の記録の伸びを確認することができますよう,公認の陸上競技場,これを利用して実施する学校が多いというのが本市の実情でございます。  以上でございます。
    ◆高橋[克] 委員  ただいまの答弁で,97校のうち87校が,実施を予定しながらも抽せんで,また日程等々の都合で3校ができなかったと,こういう結果だと思います。数字的には大変少ないなという感じを受けましたけれども,3校の中にはやはり,この競技会,記録会を楽しみにしている生徒もいらっしゃいますから,こういった対応を今後していかなければならないのかなと,私は思っております。  そこで,雨天により陸上記録会を中止した場合の対応について,学校側の対応についてどのような報告になっているのか,お伺いをしたいと思います。 ◎岩崎 指導担当部長  雨天におきまして陸上記録会をどうしたかという,いわゆる事後どうしたかということも含めてでございますが,競技場の使用につきましては1校1日の割り当て,これは原則でございます。したがいまして,予備日の確保ができないため,いわゆる学校行事として,これは中止する学校がほとんどでございますが,後日,自校のグラウンドを活用いたしまして,記録の測定は行っております。  以上でございます。 ◆高橋[克] 委員  教育長,これ,私の見解かもしれないけれども,私見になるかもしれませんが,やはり,札幌市180万の人口の中で,同じ札幌市の中学校に通っている97校の生徒が,みんな同じような,できるだけ環境整備をしてあげるというのが,私は,教育委員会の役目でもあると思っておりますし,我々の役目だと思っているのです。  ですから,先ほど3校の学校が,抽せん漏れ,日程等々でできないと,こういう状況ですから,陸上記録会だけにあらず,私も過去に代表質問等々で,例えば,A校には野球部があるけれども,B校にはないとか,ここには陸上部があるけれども,そこには陸上部がないとか,こういう実態があるわけですね。事情を聞いたら,指導する先生がいないからだとか生徒が少ないからだと,こういう状況ではありますけれども,こういった生徒もいるわけですから,教育の現場というのは,やはり札幌に住んでいる以上は,できるだけ同じような環境を整備していくのが我々や教育委員会等々の役目だと,私は思っておりますので,その点ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。  もう1点要望いたしますけれども,私のところに,屯田西公園という環境局で管理している公園があります。そこは,陸上競技会ができるような十二分な400メートルトラックがありまして,きょう,私も朝行ってまいりましたけれども,記録会をやるには本当に立派な公園だなと,こう思っておりました。ところが,その公園の中には,例えば,ハードルだとかスターティングブロックだとか,あるいは高飛びの施設だとか,そういう設備がないのであります。  ですから,そういった部分で受け皿になるような,抽せん漏れした,あるいは日程が合わない,あるいは雨でできない学校の受け皿になるような公園だと,私は思っておりますから,その辺も公園緑化とですね,縦割り行政と言えばあれですけれども,横の連携を持ちながら,ぜひ,そういった受け皿になるようなシステムをやっていただきたい,このように要望して,私は終わります。 ◆村上 委員  私は,子供の体の発育と机・いすに関係をいたしまして,3点ほど質問をさせていただきます。  近年,教科書,ノートなどのA4判化,さらには情報関連の授業,そして子供たちの体力といいましょうか,体型といいましょうか,大きさに,机・いすがなかなか合わなくなってきているのではないのかなと,実はこう考えております。JIS規格の変更,さらにはISOの標準に合わせた机の選定法について,教育委員会のお考えを一つはお聞きいたしたいと。  また,もう一つは,学習の形態といいましょうか,グループ学習というのでしょうか,そういった授業等で,今の机の高さが若干合わなくなっているのを合わせるためには,机の天板の位置を大体同じようにすると。そうすると,子供によっては,いすの調整によって,これまた体に合わないといいましょうか,そういったことも出てくることになると思いますので,その辺のお考えをお聞きいたしたいと。  そして最後に,第3回定例会の代表質問で,我が党の畑瀬議員が,木のぬくもりということで,校舎を木質化すべきであると,こういった質問をなさいました。これにあわせまして,私は,一番近いところが机でございますので,机の特に天板部分の木質化についても考えていくべきではないかと,こう思っておりますので,この3点についてご質問させていただきます。 ◎霜觸 総務部長  児童・生徒用の机・いすのご質問についてお答え申し上げます。  委員ご指摘のとおり,確かに最近,ノートや教科書がA4判化して大きくなって,あるいはパソコン等が導入されることによりまして,机が合わなくなってきております。そうしたことに加えまして,子供たちの体格もよくなっていますので,なかなか今の規格では合わない現状が出てきております。ご指摘のとおりだと思います。  国では,この状況を踏まえまして,学習形態の多様化にも対応するため,この机・いすの規格について見直すべく通達を出しております。  札幌市でも,まさしく同じ状況が起きておりますので,児童・生徒にゆとりを持った授業を受けさせるために,新規格に沿った整備が必要と考えております。  まだ,14年度まで猶予期間がございますけれども,私どもといたしましては,大きさですとか高さですとか,あるいは材質などを研究していくとともに,国の動向だとか,机・いす等の開発状況を見ながら,導入について検討してまいりたいと考えております。  2点目の,グループ学習等で子供たちが集まると,机を持ち寄って集まりますから,机の高さがでこぼこになるというのは,確かにご指摘のとおりだと思います。  しかし,机を同じ高さにそろえて,逆にいすの方を調整するということになりますと,高学年はいいかもしれませんけれども,低学年になりますと,床に足が届かないとか,何か緊急事態が起きたときに転んでしまうとか,ちょっと難しい状況もございますので,机をそろえて整備するというのはなかなか厳しいかと思います。今のところ,私どもとしては,児童・生徒の体格に応じた机・いすで対応してまいりたいと考えております。  木質化の件でございますけれども,確かに,現在使っております机の天板は合成板でございますが,一応,木のぬくもりを保っているというふうに考えております。今後入れます際も,この辺の,木のぬくもりですとか優しさとか,木の特質を有効に活用した天板を使った机・いす等をぜひ入れていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆村上 委員  木を使いますと若干重くなるのかなという気はするのですが,キャスターをつけるとか,いろいろな方法もあると思いますし,また,重いという意味では,実は,中学校の新1年生の教材というのですか,リュックサックですか,これが極めて重たいのですよ。私自身も持って,とてもとてもこれは重くて大変だなということもございますので,机を大きくすると,特に中学校の1年生が大変なのだなと。いわゆる発達にも悪影響を及ぼすのではないのかなと,こう思っておりますので,例えば,使わない教材は机に置いて帰れるような検討がなされるかどうかということもあわせてご検討いただきたいと,要望いたしまして,質問を終わります。 ○福士 委員長  ここで,委員会を暫時休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後3時2分       再 開 午後3時25分     ────────────── ○福士 委員長  委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き,質疑を行います。 ◆熊谷 委員  私は,学校の改築及び大規模改造の問題について,簡潔に質問をいたします。  1995年1月に起きた阪神・淡路大震災において,旧耐震設計法以前に建設された学校が倒壊・大破の被害を受けたことを契機に,耐震上,問題のある学校建物について,国の方針としても,安全性の面から積極的に改築するというふうにされております。また,1970年から1981年に建てられた旧耐震設計法による学校建物については,大規模改造の対象としております。  札幌市の現状は,1970年以前に建築された学校,小学校45校,中学校15校,高校2校,計62校については改築を予定しておりますが,実際の改築に当たっては,木造で20年,ブロック鉄骨づくりで30年,鉄筋コンクリートで40年をめどに,耐力度調査を実施し,改築の対象とするとしています。国として,耐震上,問題がある,もし地震があったら倒壊や大破が起きると言われている62校の学校が,事実上40年たたないと,実際の予定に上らないことになるのではないか,そのように考えます。  新設された学校に比べて,危険校舎が残っている中央区の1951年に建設された曙小学校を初め,1955年の校舎が使われている手稲東小学校など,その教育条件の違いは看過することができません。早急にこれらの学校の改築が求められております。  そこで,質問でありますけれども,1970年以前,すなわち旧耐震設計法以前に建てられた62校の改築の計画について,いつ,どんな規模で行う予定になっているのか,明らかにしていただきたいと思うのであります。  あわせて,大規模改造についても,その計画を明らかにしていただきたいと思います。 ◎霜觸 総務部長  学校の改築及び大規模改造についてお答え申し上げます。  委員ご指摘のとおり,昭和45年以前の学校,全部で62校ございます。この時期は,札幌市にとりましても,特に40年代の半ばは人口の急増期でございまして,毎年,学校が10校ないし13校,2けた台で建てられた時代でございます。  そんなことも考えますと,確かに旧耐震法以前の学校ではございますけれども,私どもといたしましては,これをこのまま改築を実施いたしますと,一時的に膨大な財源が必要となります。このことから,大規模改造も含めまして,何とかこれを円滑に事業校数を調整しながら,極力,平準化してやっていくことが必要であると考えております。  また,このことは,国からも求められていることでございまして,私どもといたしましては,より効果的と申しますか,効率的に,この事業校数をならして実施できる方策を具体的に検討してまいりたいと考えております。 ◆熊谷 委員  平準化して行うということですけれども,大体どのぐらいの数,あるいは5年計画でもよろしいですから,どのぐらいの数を考えておられるのか,そのことについてちょっとお聞きします。 ◎霜觸 総務部長  今の時期,大変苦しい答弁になりますけれども,先ほど平準化と申し上げまして,過去の各年度の建築校数を基礎に計算をしてみますと,大規模改造については,年10校程度,改築につきましては,年6校程度実施していくことが求められるのでございますが,今回の5カ年の中では,非常に厳しい財政状況であることは,委員もご承知かと思います。そんなことを勘案しまして,これから詰めていきたいと思っております。 ◆熊谷 委員  財政負担のでこぼこを避けるためにも平準化して計画していく,そのことは当然でありますけれども,それで,例えば,改築の場合,6校というふうに言われましたが,6校だとすると,62校ですと10年以上かかると。現在,すぐ改築が必要だという段階でも10年もかかるということでは,やはり問題であるというふうに言わざるを得ない。  特に,もう1点,この点についてお伺いしたいのです。今後の厳しい財政事情,これもわかりますが,今示された平準化計画では10年もかかるということなのですけれども,もし,10年かかるとしても,財政状況のために,本当に6校やれるのかどうか,本当にやる気があるのかどうか,率直にお聞きしたいと思います。 ◎霜觸 総務部長  初めに,誤解のないように申し上げておきますが,先ほど6校と申し上げましたのは,あくまでも過去の建築校数をもとに計算してならしていくと,我々の中ではそうなのですけれども,実際はそうならないと考えています。  今後,確かに,子供たちの教育環境をきちっと整えていかなきゃならないという私どもの立場もございますので,できるだけ頑張ってやっていきたいと考えています。 ◆熊谷 委員  それでは最後に,要望して終わりたいと思うのですけれども,ともかく危険校舎が62校も残されている本市の状況,そして,もし地震が起きたらという,そういう緊急性の事態からいっても,少なくとも次期の5年計画に,その62校の大半をやっぱり盛り込むということが必要でないかと思います。  そのことを強く要望して,質問を終わらせていただきます。 ◆長内 委員  私は,まず,理数科教育のあり方について,それから,もう1点といたしまして,小・中学校の教育現場におきます社会人の活用につきまして,大きく2点に分けて,簡潔に質問をさせていただきたいと思います。  まず,理数科教育のあり方なのですが,新聞報道等を見ておりますと,理数系離れですとか,あるいは理工系の大学志願者が減少しているというようなニュースをよく耳にします。科学技術立国を目指していかなければならない我が国の将来を見据えました場合,大変先行きが懸念されるところでございます。  こういった問題につきましては,高校生レベルあるいは大学の段階になって,初めて議論に上ることが多いと思いますけれども,小・中学校の段階から事前の対策を打っていかなければならないというふうに,私は持論としてあります。  そういった意味で,質問でありますけれども,本市におきまして,こういった理数系離れと言われている現状を,まず,どのように認識をされているのか,お伺いをしたいと思います。 ◎岩崎 指導担当部長  ただいまご質問の理数科離れと言われている現状の認識についてでございますが,中央教育審議会の答申の中で,大学の理工科系志願者の割合については低下傾向である,これは委員ご指摘のとおりでございますが,少なくとも小・中学校の段階では,理科や数学に対する興味や関心が低下しているという現象は明確になっていないと,このように述べられてございます。私ども教育委員会といたしましても,小・中学校の段階では,そのような認識をいたしているところでございます。  しかし,いずれにいたしましても,委員ご指摘のように,科学技術の発展にとりましては,研究者や技術者などの人的資源の充実を強く望まれております。そのような人材の育成には,小・中学校の段階から,知的な好奇心や問題を考える姿勢を育てて,科学的な物の見方というものを育てていく,これが極めて重要な課題であると,このように考えてございます。  以上でございます。 ◆長内 委員  ただいま,科学的な物の見方含めて,そういったものを具体的に考えていきたいということでございますが,実際に,具体的にどのように取り組むのかにつきまして,改めて質問させていただきたいと思います。 ◎岩崎 指導担当部長  科学的な物の見方や考え方を育成する取り組みについてでございますが,そのためには,子供が本来持っている知的好奇心,これを刺激するための観察実験や教材の工夫,例えば,一例でございますが,日ごろ見逃しているような身近な校地内の植物の分布を調査することを通して,新たな発見する喜びを感じさせるような観察の工夫など,あるいは,新しく創設されます「総合的な学習の時間」等における,さまざまな角度からの問題解決的な学習の充実,さらには,一人一人の興味・関心に応じた選択教科の拡大を図るなど,こういうことが大変大事になってくると,このように考えてございます。  新しい学習指導要領の趣旨を踏まえまして,各学校を指導してまいりたいと,このように考えてございます。  以上でございます。 ◆長内 委員  この件につきましては,その程度の具体的な話だということなのですが,この件につきましての要望ですけれども,私なりに考えますと,論理的な思考力を育てる,あるいは柔軟な発想を持つ,そういったものを養うために,特に理数系の教育,そういった身近なものの観察から始めるということでしたが,そういったことを通して,能力をぜひ養っていくように,期待させていただきます。  また,本市におきまして,児童や生徒の現状の各教科の学力レベルですとか,そういったものを把握していないのかということをお聞きしたところ,そういうデータ的なものも一切とっていないということだったのですが,そこにつきまして,方法論は別でございますけれども,ぜひとも,そういう現状のレベルを意識しながら今後の教育に役立てるような,そういうような具体的な検討をしていただきたいということを,この件につきましては要望させていただきます。  また,次の小・中学校の教育現場における社会人の活用についてでございますけれども,現在の小・中学校の教員は,基本的には,そういった専門の知識や素養を身につけた方が教員採用試験に合格してなっているという単純なことでございます。ですから,学力や人格においては,当然,疑う余地はないと考えてはおります。  しかしながら,児童や生徒の道徳教育とか,それから人格の形成のためには,もっともっと幅広い経験を持つ人材から講師を輩出すべきだというふうに,私は考えております。  そういった意味で,質問でございますけれども,本市におきまして,社会人を活用しているような実態と今後の取り組みの必要性について,まず,具体的に伺いたいと思います。  もう1点でございますが,もしも,さらに一歩進みまして,多方面に知識と経験を持つような社会人を,講師として実際に活用するようなことが重要であると考えておりまけれども,そういった必要性についてどうとらえているのか,この2点につきまして,あわせてお願いします。 ◎岩崎 指導担当部長  最初に,小・中学校におきます社会人等の活用の実態と今後の取り組みについて,私の方からお答え申し上げます。  実態でございますが,平成10年度には,小学校95校,約45%になります。中学校25校,26%で,実際に取り組まれてございます。  具体的な内容でございますが,地域の住民の方や老人クラブ,保護者やボランティア団体,こういう方々を各教科の学習,あるいは特別活動等に活用する事例が大変多くなってございます。今,委員もおっしゃっておりましたが,多方面の知識と経験を持つ社会人の方々に教育活動の中に入っていただき,より実践的かつ効果的な教育活動を展開しているところでございます。  今後,各学校におきましては,新たに創設されました,先ほどお話し申し上げましたが「総合的な学習の時間」を初め,各教科等の取り組みにおいて,積極的に地域の人材の方々や専門家の方々にご参加をいただきまして,積極的な教育活動の展開を通じて新しい教育を実現していく,こういう必要があろうかと,このように認識してございます。  以上でございます。 ◎本間 学校教育部長  ご質問ございました社会人講師の活用について,私の方からお答えをさせていただきます。  教育委員会といたしましても,今日的な大きな課題であります,児童・生徒一人一人の個性を生かす多様な教育活動を展開し,そして,学校教育をより一層活性化するために,幅広い経験とすぐれた知識・技術をお持ちの方々に学校教育に参画していただくということにつきましては,大変意義深いことと,このように認識をしております。  したがいまして,現在,総合的な学習などのために地域の人材活用を図っているところではございますけれども,委員のご指摘も踏まえまして,今後,さらに幅広く,社会人活用のあり方につきまして研究を進めてまいりたいと考えているところでございます。 ◆長内 委員  最後に,要望でございますけれども,私が期待しているだけの答弁をいただいたとは決して思いませんが,ただ,しかし,具体的になかなか答えられる内容じゃないということも……(発言する者あり)そういった意味で,もっと積極的な答弁をいただきたかったのが本音でございます。  ただ,しかし,要望あるいはもっと強い要望というふうにとらえていただきたいのですけれども,地域の方々による社会人の活用の取り組み,こういったものを通り一遍な活動ではなくて,本当に実のあるものになるように,ぜひ積極的にやっていただきたいと思いますし,また,社会人講師につきましても,本当に,その必要性の認識をさらに深めていただきまして,ぜひとも,画一的なそういう教育ではなく,いろんな方々にそういう教育現場に携わっていただくようなことにつきまして,その実現に向けて,ぜひ前向きにご検討いただきたいと思います。  終わります。 ◆原口 委員  私からは,公立小・中学校で,児童・生徒の希望によって学校選択ができるという,そういう弾力化の問題についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。  現在,第3の教育改革と,こう呼ばれておりまして,国政レベルでもいろんな教育改革が進められておりますし,中央教育審議会のいろんな答申でも,さまざまな提言もなされております。そしてまた,いろんな制度改革を含めた多くの施策が出てきておるわけであります。今こそ我々は,次の時代に向けて,こういうようないろんな提言を真摯に受けとめていかなければならないと,こんなふうに私は思っております。  そこで,これまで知識を一方的に教え込む教育に陥りがちであった学校教育を転換させるために,数多くのプログラムが提示されておりますけれども,そのうち,私は,学校選択の弾力化といいますか,自由化といいますか,こういうものについて質問したいというふうに思います。  文部省は,昨年4月の教育改革プログラム改訂の中で,「公立小・中学校の通学区域の弾力化の推進」と,こういうのを項目として掲げておりますし,小渕総理も,教育改革構想の中で,今までの忍耐とか,協調だとか,記憶力,そういうものを重視する教育から,個性であるとか,創造であるとか,それから判断力,こういうものを重視する教育へ転換する必要があると。そのための具体的な施策としては,小・中学校での学校選択の自由化であるとか,それから,大学の独立法人化等々の定義をされておるわけです。  私は,この小・中学校の通学区域の弾力化といいますか,さらには学校の自由選択というのは,なかなか困難なことと思っておりました。実際,難しいなというふうには,持論としてありましたけれども,先日の新聞報道で,東京の品川区が,区内にある40の公立小学校,これを四つのブロックに分けて,そのブロックの中で自由に学校を選択できる,こういう制度を来春から実施すると発表しましたし,9月29日には,東京の日野市の教育委員会も,平成13年から,この品川区と同じような制度を導入するというふうに発表をいたしました。私は,これは,まさに教育改革の趣旨に沿ったものであると思いますし,子供たちの興味や関心にこたえる大胆な取り組みであろうというふうに思うわけです。  そこで,本市において,このような取り組みができないかと,こう考えるわけでございます。ただ,本市の場合は,300以上の小学校などがあるわけですから,そういうような事情から,そうそう簡単にいかないと思うわけでございますが,しかし,都市部においても,品川区のように,やればできるというように,そういう事例も来春からできるわけですから,これは,本市としても,将来に向けて考えていただきたいなと,こんなふうに思います。  そこで,質問させていただきますけれども,本市における通学区域の変更の内容について,まず,お尋ねをしたいと思うのです。  1点目として,子供たちのいろんな事情から,緊急避難的に本来の通学区域外の学校へ通っているという例があるというふうに,私は聞いておりますけれども,その主なる理由,そして,どのぐらいの件数があるのか,さらには,その結果,どのような効果が上がっているのか,これまず1点目,お伺いをいたします。  それから,2点目として,本市においても,ある特定の地域においては,一定の理由によって,隣接校に通っている例もあると聞いております。これはいかなる考えで実施されているのか,また,どのくらいの実例があるのか,これもあわせてお尋ねをいたします。 ◎霜觸 総務部長  いわゆる学校選択の弾力化についてお答え申し上げます。  1点目の,子供たちのそれぞれの事情で,本来の通学区域外へ通っている事例でございますけれども,本市では,従前から,保護者から申し出がありまして,それが具体的な実情に照らして相当であると認められた場合については,学校の指定変更を行っております。  この変更を認める理由はいろいろございますけれども,例えば,病気で通院するためですとか,あるいは親の転居によりまして変更しますですとか,中には,いじめや不登校等によって,本来の学校以外へ通学を希望する場合などでありまして,平成10年度で申し上げますと,小・中学校合わせて3,700件ほどございます。  また,効果ということでございますけれども,いじめ等の,その学校の集団生活になじめなくて転校した学校からは,環境を変えることによりまして,新たな気持ちで学校生活に取り組んでいる児童・生徒がいると聞いておりまして,効果は上がっているというふうに考えております。  2点目の隣接校に通っている事例でございますけれども,個々の事情等のほかに,特定の地域を地理的な理由によりまして,あらかじめ,隣接校間で学校の選択が可能な区域として設定しているものがございます。この特定地域を本市では指定変更区域と呼んでおります。  その設定する理由は,本来の指定校への通学路が確保できないとか,あるいは,指定校に比べて隣接する学校が,通学距離が明らかに近い場合がございまして,同時に,受け入れする学校において,予備教室等がございまして対応が可能であるということを条件に,地域の保護者などの申し出によりまして行っているものでございます。  現在,指定変更区域を設定しておりますのは,全市で,小学校16カ所,中学校で12カ所の計28カ所でございます。その区域の7割の児童・生徒が,本来の通学区域でない受け入れ校側を選択して通学をしております。  以上でございます。 ◆原口 委員  ただいまのご答弁を聞いていまして,品川区の場合とは事例が違いますけれども,通学区域の弾力化ということについては,何か方法を決めればできるだろうというふうに,私は受けとめさせていただきました。  不登校やいじめ,あるいはその学校の集団になじめなくて,他の学校に転校し,そして,子供がそこで立ち直ったとか,それからまた,地理的な理由で,本来の通学区域でない隣接校へ通っているという例も示されました。いずれも,子供たちの困難な状況を改善する弾力化の一手法であるというふうに,私は思うわけでございます。  これからは,やはり子供たちの個性をはぐくんでいくという,そういう教育を行うことが,本市の教育委員会としても大変重要であるというふうに思っておりますし,自分の個性に合った学校を選択できるようにしていかなければならないと,私は思うわけであります。  今,少子化が急速に進行している状態にありますので,本市の学校には余裕教室が相当数生じておりますし,今後も,この余裕教室がどんどん増加していくというふうに思うわけであります。ですから,こういう状況を考えれば,通学区域外の子供たちを受け入れる余裕は,これからどんどんできてくるというふうに,私は思うわけでありまして,通学区域の弾力化が,これからは今までと違って,やりやすい方向に向いていくというふうに,私は思います。  そこで,再度お尋ねしますけれども,現在,この通学区域の弾力化について,具体的な国の動きはどうなっているのか,これはお知らせをいただきたいと思います。  それから2点目に,こうした通学区域の弾力化といった考え方を進めていくためには,教育効果の面にも十分留意する必要があります。そういうものに留意しつつ,各学校の受け入れを可能とする,そういう観点から,学校規模の均衡化を図っていかなければならないというふうに思いますけれども,この辺の可能性はあるのかどうなのか,それもお示しをいただきたいと思います。  それから,3点目,本市としても,状況は違いますけれども,品川区のような思い切った学校選択の弾力化を図っていくことが必要であるというふうに,私は思うのですが,これについて,お考えをお聞かせいただきたいと思います。 ◎霜觸 総務部長  1点目の国の具体的な動きについてでございますけれども,文部省は,平成9年1月に,文部省の初等中等教育局長の「通学区域制度の弾力的運用について」という通知を出しまして,市町村教育委員会の取り組みを支援するために,市町村段階におきます学校選択の弾力化の状況等についての情報収集ですとか,定期的な事例集の作成を行っていると聞いております。
     2点目の学校規模の均衡化についてでございますけれども,学校教育は,集団生活の中で,子供たちが個性を発揮しながら,協調性ですとか,あるいは思いやりの心をはぐくんでいくことも大切な要素でございます。この教育効果を上げるために,学校規模も重要な要素の一つでございます。学校が大き過ぎても小さ過ぎても,子供たちを健やかにはぐくんでいく上で,いろいろな課題があると考えております。また,学校の運営におきましても,教員の配置ですとか学校行事,それからPTA活動等に大きく影響することとなります。  そういった点から申し上げますと,学校の適正な規模ですとか,適正な配置を,私どもといたしましては,これはもう着実にやっていかなければならないと考えております。  3点目の品川区の事例でございますけれども,この品川区の通学区域のブロック化は,都市部の中でも,特に少子化の影響が強くあらわれておりまして,子供たちの数が20年間で半減していると,こんな状況下でございました。あるいは,狭い地域の中に小学校が密集している,さらに,各学校に相応の余裕教室があるために,ある程度集中しても対応ができることなどから,実施に踏み切ったと聞いております。  本市におきましては,品川区と同じように,確かに,学校に余裕教室が生じている地域もございますけれども,まず,学校の適正な規模とか配置を確保するなどして,子供たちにとって,よりよい教育環境を整えていくことが,まずもって大切であると考えております。  また,子供たちの通学の安全性ですとか,教員の適正な配置,さらに,保護者,地域の方々の理解ですとか,学校と地域との結びつきなど,解決しなければならない課題が多いことも現実でございます。  したがいまして,品川区の実施状況等の推移を見きわめながら,大変大きな課題と受けとめさせていただきまして,貴重な提言でもございますので,今後,慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆原口 委員  今,ご答弁を聞かせていただいて,前向きに検討していくという熱意が伝わってまいりました。  そこで,これから,適正な学校規模なり適正な配置,こういうものにぜひ強く取り組んでいただいて,学校選択の自由化ができるような環境づくりをぜひしていただきたいなというふうに,これは要望をさせていただきます。  いろいろな問題もあろうかと思いますけれども,ひとつ真剣に取り組んでいただくよう要望して,終わります。 ◆宮川 委員  私は,日の丸・君が代の問題について質問をいたします。  我が党は,この問題を代表質問でも取り上げました。法に義務規定がないということを指摘しながら,市民に強制してはならないと,内心の自由が保障されるべきであると,市長にただしたところ,これまでの取り扱いを変えるものではない,強制はしない旨の答弁がありました。  この問題は,広島の校長の自殺に見られるように,教育の現場で最も重大な問題となってきたものでありますから,改めて質問をいたします。  卒業式や入学式などの教育の現場でも強制するということはないのか。子供に対しても,内心の自由,または歌わない自由も含めて,その内心の自由を認めて,強制はしないということであるのか。また,教員に対しても,内心の自由を認めて,強制はしないということであるのか,改めて伺います。 ◎本間 学校教育部長  国旗・国歌に関するご質問についてお答えを申し上げます。  学校における国旗・国歌の指導は,これまでも学習指導要領に基づいて適切に行うこととされておりまして,このたび法制化されたことによって,これまでの取り扱いが変わるものではございません。  したがいまして,教員に対しましても,また,子供に対しましても,強制するようなことはございません。 ◆宮川 委員  教員に対しても,子供に対しても強制することはないというはっきりした答弁でありますから,内心の自由を認めて,今後とも,入学式・卒業式等でも強制をしないということ,このことについて,厳しく,また改めて求めて,終わります。 ○福士 委員長  第1項 教育委員会費等の質疑を終了いたします。  以上で,本日の質疑を終了いたします。  次回の委員会でありますが,10月19日午後1時から,教育委員会のうち生涯学習部及び中央図書館関係の質疑を行いますので,定刻までにご参集ください。  本日は,これをもちまして散会いたします。     ──────────────       散 会 午後4時...