札幌市議会 1999-10-05
平成11年第二部決算特別委員会−10月05日-02号
平成11年第二部
決算特別委員会−10月05日-02号平成11年第二部
決算特別委員会
札幌市議会第二部
決算特別委員会記録(第2号)
平成11年10月5日(火曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 33人
委 員 長 上瀬戸 正 則 君 副委員長 井 上 ひさ子 君
委 員 柴 田 薫 心 君 委 員 大 越 誠 幸 君
委 員 宮 本 吉 人 君 委 員 千 葉 英 守 君
委 員 道 見 重 信 君 委 員 笹 出 昭 夫 君
委 員 宮 村 素 子 君 委 員 鈴 木 健 雄 君
委 員 勝 木 勇 人 君 委 員 近 藤 和 雄 君
委 員 村 松 正 海 君 委 員 伊与部 敏 雄 君
委 員 加 藤 齊 君 委 員 西 村 茂 樹 君
委 員 猪 熊 輝 夫 君 委 員 畑 瀬 幸 二 君
委 員 小 野 正 美 君 委 員 藤 原 廣 昭 君
委 員 常 見 寿 夫 君 委 員 森 健 次 君
委 員 小 田 信 孝 君 委 員 柿 崎 勲 君
委 員 涌 井 国 夫 君 委 員 三 浦 英 三 君
委 員 飯 坂 宗 子 君 委 員 小 川 勝 美 君
委 員 武 藤 光 惠 君 委 員 岩 村 よね子 君
委 員 田 中 昭 男 君 委 員 山 口 た か 君
委 員 松 浦 忠 君
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開 議 午後1時
○上瀬戸 委員長 ただいまから,第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,特にございません。
なお,議事に先立ちまして,審査方法について理事会で申し合わせをいたしましたので,ご報告をいたします。
質疑者及び答弁者は,起立して発言をしていただきます。
答弁を行います部長及び課長は,冒頭に職,氏名を名乗ってから発言をしていただきます。なお,答弁が続行する場合は,最初だけで結構でございます。
また,委員から特に答弁者を指名した場合は,その方に答弁をしていただきます。
以上,よろしくご協力をお願いいたします。
それでは,議事に入ります。
議案第1号 平成10年度札幌市各
会計歳入歳出決算認定の件中関係分ほか,付託議案5件を一括議題といたします。
初めに,第3款 民生費 第1項 社会福祉費及び第4款 衛生費 第1項 保健衛生費のうち関係分について一括質疑を行います。
◆宮村 委員 私は,
精神障害者の
社会復帰施設整備につきまして質問いたします。
本市におきましては,平成10年12月31日現在で,保健所の把握しております
精神障害者の数は2万3,149人となってございます。市内の精神科の病床数,これは他の都道府県と比較しましても,断トツに高いのが特徴でございまして,社会的入院,入院の長期化ということがそのことから想像できるわけで,その人の
生活そのもの,社会生活が損なわれているのではないかと危惧するところでございます。
精神保健が,医療の分野から少し福祉の視点で,最近,数回にわたりまして法の改正が行われたところでございますが,
精神障害者に対する市民の理解ということがなければ,福祉としての地域における生活ということがなかなか進まないわけですし,また,
精神障害者を地域で受け入れるための組織的な環境づくり,または施設づくりがなければ,法が整備されても,なかなか,現実はそれに伴っていかないという状況かと思います。
そういったことで,私も,平成10年2定において,その住民の理解,市民の理解,そして,障害者を地域で受け入れるための施設整備ということで代表質問したところですが,そのときのお答えでは,住民の理解,または関係部局等,関連するところでよく協議をして進めると,時代の要請に伴ってということで,大変抽象的なお答えで終わっているわけですが,時代はもっと変わってきておりますので,ぜひともこの施設の整備を進めるべきと,そういう思いで質問させていただきます。
まず最初に,市民の理解を得る施策というのは何よりも優先するのじゃないかと思うのですが,その施策に対して,本市ではどのようにしてきたかということと,今後どのようにするお考えか,お伺いします。
それと,もう一つ,障害者の社会生活の窓口として手帳を発行しておりますけれども,これは,障害者の方がそれをやっぱり一つのよりどころにするということ,社会生活をしていく上においては大事かと思っておりますが,この申請数がどのように変化してきているかということを,まずお伺いいたします。
◎佐々木
障害保健福祉部長 まず,1点目の
精神障害者に関する市民理解への取り組みについてでございますが,
精神保健福祉センターを中心といたしまして,
啓発用パンフレットや小冊子などの作成・配付,あるいは,多くの市民の方々の参加を得ましたこころの健康まつりや,隔月で開催をしている市民向けの
精神衛生談話会など,各種の講演会あるいは講義などを実施してきたところでございます。
今後とも,これらの事業の充実強化を図り,精神障害についての正しい知識の普及に,あらゆる機会を通じて努めてまいりたいと考えてございます。
続きまして,2点目の
精神障害者保健福祉手帳制度についてでございますが,交付件数といたしましては,平成10年度末で2,324件となっております。件数としては,やや伸び悩んでいる状況にございます。
そこで,今申し上げましたとおり,市民の理解を深め,誤解や偏見をなくするための普及啓発と,さらには制度の周知を図ることにより,障害者の方々が手帳を所持しやすく,抵抗なく利用しやすい環境を整えるよう努めてまいりたいと考えてございます。
◆宮村 委員 あらゆる機会に市民へPRをしていくということと,この手帳の発行についても,同時に啓発活動をするということですが,2万3,149名の
精神障害者の数からしますと,利用は1割でございますので,ぜひとも,この手帳の有効活用ができるように,今後も鋭意努力していただきたいと,そんなふうに思うところでございます。
続きまして,本年6月に
精神保健福祉法の一部改正法が公布され,法の施行が平成14年度となっております。在宅生活・
地域生活支援の充実が求められるわけで,本市においても早急に取り組んでいただきたい,そういうふうに期待するところです。
そこで,法の整備は先行しているというのは,先ほども私ちょっと述べたところですが,社会復帰を促進するための,病院と地域社会とを結ぶ中間的機能を果たす
社会復帰施設整備というのは,大変おくれているのが現状かと思います。ほかの,
知的障害者,
身体障害者の施策に比べまして大変おくれているわけです。
知的障害者,
身体障害者も,これで十分ということではないのですが,それよりもさらにおくれている現状です。
それで,質問ですが,現在の
精神障害者の施設の状況についてお伺いいたします。
それと,もう1点は,このたびの法改正で,
精神障害者の日常生活に関する相談・助言を行う
地域生活支援センターが,法的に
社会福祉施設として規定されております。本市の
精神障害者の施策における
社会復帰施設の整備について,どのようにお考えになっていらっしゃるのか,そして,今後,どのように取り組もうとしていらっしゃるのか,お伺いいたします。
◎佐々木
障害保健福祉部長 お答えをいたします。
1点目の
社会復帰施設の状況についてでございますが,現在,法定施設として4種類が定められており,このうち,本市では,一定程度に自活能力がある
精神障害者の方で,家庭環境,住宅事情等の理由により,住宅の確保が困難な方に生活の場を提供し,必要な指導等を行い,社会復帰を図るための福祉ホームが1カ所,相当程度の作業能力のある
精神障害者の方が自活することができるように,必要な訓練・指導を行い,社会復帰を図るための
通所授産施設が1カ所ございます。
次に,2点目の今後の
社会復帰施設の整備についてでございますが,委員ご指摘のとおり,他の
障害者施策と比べて格差があることを十分認識しているところでございます。
したがいまして,国の
障害者プランに掲げられている,おおむね人口30万人の規模である
障害保健福祉圏域の施設の数値目標を念頭に置き,まず,平成13年度に,
ショートステイ機能を持った
生活訓練施設であります援護寮を1カ所計画しているほか,今後,本市の実情に即した形で,委員の述べられた,今最も求められている
地域生活支援センターなど,施設の優先度や
経済社会情勢を勘案しながら整備に努めてまいりたいと考えてございます。
以上であります。
◆宮村 委員 13年度に援護寮がスタートするというふうに考えてよろしいのでしょうか,ぜひとも,
精神障害者の生活の拠点となる場所として十分に整備し,早く取り組んでほしいと,そんなふうに思うところでございます。
先ほど,手帳が大体1割ということでございましたし,それから,施設・設備についても大変おくれている,それからまた,いろんな形で整備していきましても,当事者が十分理解して,その施策を活用できるようにならなければならないわけです。例えば,市の
精神保健福祉センターの相談状況を見ますと,精神疾患等についての相談,
病気そのものについての相談,それから,行動・対人関係等についての相談も20%ぐらいありますし,社会資源についての問い合わせも多いわけですね。この相談内容を見ますと,今,地域において,精神にかかわる悩みなり,また,疾患を持っている方たちが,それぞれの相談する窓口が余りない状況だということをこの中から感じ取るわけです。ぜひとも,来年度整備というわけにいかないものなのでしょうか。今,具体的には2カ所しかないですよね,この施設というのは。ですから,13年ということですから,再来年ということになりますか,何とか来年度に向けて整備できないものなのかどうか,もう一度お伺いします。
◎佐々木
障害保健福祉部長 ただいまの件につきましては,これから具体的な計画を立てまして,国の補助金,それから札幌市の補助金をもって補助するわけでございますので,これは12年度予算に計上し,建設をし,13年度のできるだけ早く,できたら4月にオープンできるような形で,今後,計画をしてまいりたいと考えてございます。
◆宮村 委員 ぜひとも積極的に取り組んでいただきますように要望いたしまして,終わります。
◆小野 委員 それでは,私は,
知的障害者の外出支援,つまり,
ガイドヘルパー派遣事業の新たな実施に向けて,1点に絞って質問をいたします。
知的なハンディのある人が積極的に外出をして社会的な経験を広げ,さまざまな楽しみといいますか,人生を豊かに過ごしていける,そういう意味でも,こういう障害者の地域生活・自立を支援していくために,外出時の支援策が大変重要なわけであります。
現在,本市の障害者に対する外出支援策としては,重度の
視覚障害者や全
身性障害者を対象にした
障害者ガイドヘルパー派遣事業が実施をされて,それぞれ障害者の自立と社会参加を促進する上で非常に大きな役割を果たしているものと評価をしているわけです。
視覚障害者の方については,1976年,昭和51年から,それから,全身性については,1981年,昭和56年から,つまり約20年ほど前からスタートをしているわけでありますけれども,
知的障害者に対してはいまだ実施をされていないと,そういう状況にあるわけです。
確かに,外出に伴って,切符を買うとか,食事を注文するとか,トイレの介助など,いわゆる技術的といいますか,一般的な支援はもちろんなのですけれども,知的にハンディのある方は,いわゆるコミュニケーションをとる上での困難性といいますか,自分の思っていることがうまく表現できない,あるいは,思っていることが混乱をしてわからなくなってしまうとか,緊張をしているのか混乱をしているのか,そういったことを本当に読み取るといいますか,心を読み取る,そういうことが必要になってくるわけで,そういう面では,単独では外出できない状況にあるわけですし,多くは,やはり一緒に生活をしている家族が,こういった
知的障害児・者の外出のときに,付き添っているというのが実態なわけであります。
そういう面で,こういう
知的障害者の方の特性を理解した援助者がいれば,もっともっと自由に外出をしてみたい,あるいは,親とか兄弟,そういったかかわり,家族とだけのかかわりの世界から巣立っていってほしいと,あるいは,親ではなくて同じ年代の友達と一緒に遊びや買い物を楽しんでほしいと,そういうことを願っている方がたくさんいることは承知のことと思います。
そこで,質問なのですが,第1に,この
知的障害者に対する
ガイドヘルパーの派遣について,その必要性に対する本市としての見解を示していただきたいと思います。
それから,この事業にかかわる他の政令市の実施状況,あるいは,本市においても,既に保護者などの
民間グループにおいてこの種の取り組みが始まっているわけでありますけれども,その状況について,把握している範囲でお答えをいただきたいと思います。
以上2点です。
◎佐々木
障害保健福祉部長 1点目の
知的障害者への
ガイドヘルパー派遣の必要性についてでございますが,委員のご指摘にもありましたとおり,
知的障害者が単独で外出をする際には,その障害の特性から,
身体障害者とは異なるさまざまな支障が生ずる場合があり,このため,家に閉じこもりがちになったり,外出の際にはご家族の方の付き添いが必要であるというのが実態でございます。
知的障害者の方々の外出の機会がふえ,スポーツや文化活動,あるいは,さまざまなレクリエーションへの参加ができるようになることは,本人の自立や社会参加を促進する意味で,大変重要なことと考えております。
したがいまして,
ガイドヘルパー派遣は,
知的障害者の在宅生活の支援に欠かせない施策として,その必要性を十分認識いたしているところでございます。
2点目の,他の政令市の取り組みと
市内民間グループ等の
取り組み状況についてでございますが,現在,
知的障害者ガイドヘルパー派遣事業を実施している政令市は,横浜市,大阪市,名古屋市の3市であり,いずれも,
知的障害者の自立と社会参加を目的に実施をしているところであります。
また,本市内の民間での取り組みについては,
障害当事者の保護者などを中心としたグループや
ボランティアを中心として活動している団体など,少なくとも6カ所以上のグループが
ボランティアを派遣して外出の支援を行っており,こうした民間の先導的な取り組みに対しては,私どもも高く評価をいたしているところでございます。
◆小野 委員 今,この事業の必要性については,本市としても十分認識している旨のお答えがありました。私自身も,子供が
知的障害児で,この4月から
豊明高等養護学校に通っているわけでありまして,手稲からJRに乗って,札幌駅の北口からバスで行くわけです。当初は母親が札幌駅までついて行っていたわけですが,最近ではひとりでも行き来できるようになって,非常に行動範囲も広がってきたなという思いがするわけですが,それでも,まだまだ,単独でいろんなところに行くといいますか,私とも最近少しは一緒に出かけてもらえるようになったのですが,そういう面では,だれと行くかということにも,やはりこだわりといいますか,抵抗があるわけであります。
そういう意味で,この事業が少しでも早く事業化されることによって,
知的障害者の自立と社会参加に大きく拍車をかけることになるだろうと思いますし,それから,3年前でしたか,ゆう
あいピック札幌大会で,約1万人に近い
ボランティアの活動を通じて
知的障害者への理解が深まったということがあるわけでありまして,こういう
ガイドヘルプによって,知的なハンディのある方が,ごく当たり前といいますか,自然に街の中に受け入れられる,あるいは受けとめる市民がふえることによって,いわゆる心のバリアフリーといいますか,そういう街づくりにつながっていくと確信をするわけです。
質問ですが,この制度の実施時期について,できるだけ早く実現をしていただきたいと思うのでありますが,少なくとも来年度から事業化すべきと考えるわけでありますけれども,その見解をお伺いしたいと思います。
それから,本市にとって新しい制度でありますし,先ほどもお話ししましたように,
知的障害者の特性などを十分に理解をした
ガイドヘルパーの養成が必要になってくるわけであります。さらに,
障害当事者はそれぞれ異なっているわけでありまして,そういう面では,本人の特性に合ったヘルパーの派遣,そういった,いわゆる
コーディネートをする体制も必要になってくるわけですし,特段の知識といいますか,そういうものだけじゃなくて,やっぱりこれはいろいろなかかわりを経験するといいますか,そういう経験の積み重ねということが非常に大切なことだと思いますので,そういう継続的な研修体制なども必要になってくると思うわけでありますが,今後,こうした事業化に向けた具体的な取り組み,そういうことについての姿勢について明らかにしていただきたいと思います。
◎佐々木
障害保健福祉部長 実施時期についてでありますが,
当該ヘルパー派遣につきましては,当事者あるいは家族からの要望も強く,
身体障害者に対する外出支援と同様,社会参加,自立の促進の観点から,急務であると考えております。
したがいまして,関係部局と協議の上,できるだけ早く事業化できるよう検討してまいりたいと考えております。
また,
ガイドヘルパーの養成も急務であります。そこで,研修のプログラムや,その体制を確立するとともに,あわせて,派遣の調整を図る
コーディネート体制を整備し,早期に
ガイドヘルパーの派遣ができるような体制に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。
◆小野 委員 最後,要望であります。
来年度と明確には言えないわけでありましょうけれども,できるだけ早く実施をしていただきたいと思います。また,そういう方向で努力をしていただきたいと思います。
その具体化に向けて,既に実施をしているグループの方,あるいは
知的障害児・者とかかわりのある団体,そういったところの方とも十分話し合って,よりよい制度として実施をしていただきたいと思います。特に,この
知的障害者の
ガイドヘルパー事業が,いわゆる
ホームヘルパー派遣制度の中で位置づけられているところなどもありまして,あるいは,家族の介護負担の軽減ということから,この利用者負担が,主たる生計中心者といいますか,その所得によって決められているところもあるわけでありますけれども,基本的には,
知的障害者本人の外出保障ということでありますので,大阪,横浜などはそういうぐあいにやっているわけですが,本人の前年所得に応じた負担とかということにすべきではないかと思いますので,こういったことも含めて,ぜひ検討をしていただき,より早い時期に実現できるように努力をしていただきたいと思います。
以上です。
◆三浦 委員 それでは初めに,私の方から,福祉の
まち推進事業の活性化についてご質問をしたいと思います。
福祉の
まち推進事業は,住民の自主的な福祉活動への支援によりまして,だれもが安心して暮らすことができる
地域社会づくりを推進することを目的として,本市では平成7年から始まっております。この中心となる福祉の
まち推進センターについてお尋ねをしたいと思います。
1点目に,現在の設置状況,並びに未設置の地区について,その整備計画はどうなっているのか,お尋ねしたいと思います。
2点目に,地区福祉の
まち推進事業に対して,行政からどのような支援がなされているのか,そして,その事業内容の主なものはどんなものか,さらに,活動費というのはどんなものに使われているのか。
3点目に,各地区での活動状況には地域差があると思います。十分な活動がなされていないところもあると聞いております。活動の活性化について,どう考えているのか。
以上3点,お聞かせ願いたいと思います。
◎富山 総務部長
福まち推進事業につきまして,3点お尋ねでございます。私から,ご答弁を申し上げます。
まず,1点目の
福まちセンターの現在の設置状況及び未整備地区に対する考え方でございますが,現在の設置状況につきましては,おおむね,このセンターというのは
連合町内会単位で設置をしてございます。88地区,連合町内会がございますが,その中で,8月時点で78地区に設置をされてございます。
未設置の整備計画でございますが,差し引きしますと,未整備は10になるわけでございますが,今年度中に3地区整備をされる予定になっておりまして,残りの7地区につきましても,来年度以降の設置を働きかけていきまして,できるだけ早い機会に88のすべての地区に設置するよう働きかけていきたいと,このように考えております。
2番目が,行政からの支援と事業内容,活動費でございますが,まず,私どもは,この事業に対して,活動の拠点整備費のほかに,年間50万円を上限として活動費を助成してございます。さらに,連絡所や区の
保健福祉サービス課で,必要な指導・助言・相談に当たっているところでございます。
活動の主なものがどのようなものか,活動費はどのようなものに使われているかというお尋ねでございますが,まず,
日常生活支援が活動の主なものでございまして,電話ですとか訪問による安否の確認,それから除雪のサービス,外出の介助,
買い物サービスと,このようなものが代表的なものでございます。そのほかにも,
触れ合い交流活動,その他,
広報啓発活動などがございます。
活動費の使い道でございますが,安否確認などの
日常生活支援が,平均いたしますと約25%ぐらいの支出になってございます。それから,
触れ合い交流活動が22%,センターの運営費といたしまして,
会場借り上げですとか一般的な事務費に27%ぐらいが充てられております。
3点目が,地域によって活動の差がある,あるいは活動の活性化についてというお尋ねでございましたが,委員ご指摘のとおり,この事業というのは,足かけ5年ということでございます。もう一つには,この事業自体が非常に地味な性格と申しますか,日常の安否確認ですとか交流活動と,こういったものから,活性化していないと,こういう目で見られることもございますが,ただ,ご指摘のとおり,活動に地域差があるというのも事実でございます。
したがいまして,区の
社会福祉協議会を通して活動の活性化を図っておりまして,来年5月に
ボランティア研修センターの設立予定をしておりますが,
各種ボランティアの研修,さらには情報提供を行いまして,各地区の福祉の
まち推進事業に携わる方々,こういう方々の研修を重点的に行って,活動の充実に努めてまいりたいと,このように考えてございます。
以上でございます。
◆三浦 委員 今,お話がありまして,まず,安否確認ということがメーン事業と,これは大変大切なことだと思いますけれども,核家族化や少子高齢化がどんどん進んでおります。こういう事業も,地域の実情を十分認識し,地域の実情を意識して,地域ごとにしっかりと,きめ細かく取り組んでもらわなければならないと,こういうふうに思っております。
それで,私は,各地区で独自の事業があってもいいなと,このように考えております。例えばですけれども,身近にある学校の余裕教室等を使って世代間交流事業を試みてみるとか,また,ひとり暮らしの高齢者に対して,高いところの窓ふきとか電球の取りかえといった,日常的な,ちょっとしたお手伝いをして回る,いわゆる巡回して助けていく
ボランティアといったものなどを検討してみてはどうかと,このように思います。この点についてのご意見をお聞かせ願いたいと思います。
また,あわせて,先ほど答弁でありましたが,年間50万円を上限として活動費を助成していると,こういうふうなお話でしたけれども,それぞれの地区で金額の差があるのかどうか,お聞かせ願いたいと思います。
◎富山 総務部長 まず,1点目でございますが,やはりこういった事業というのは,これは市民レベルの意識の高まりで発生し成長していくのが基本だと思っております。したがいまして,委員ご指摘のとおり,地区によって独自の取り組みができると,こういうことは非常によいことだと思っております。そのような取り組みができるように,私どもは,環境整備の意味合いから,先ほど申し上げましたように,研修センターを明年5月に開設いたしまして,そこでの研修,情報提供を初めといたしまして,
社会福祉協議会の
ボランティア研修センターの機能の充実を図ることによって,その地区の独自性,こういったものを出していきたいと,このように考えてございます。
それから,50万のそれぞれの地区の申請でございますが,ほとんどの地区が50万円の上限で申請をしております。
◆三浦 委員 今,ほとんどの地区から50万というお話がありましたけれども,私は,地区によっては人口も異なると思いますし,それから,高齢化率というのも地区によって異なると思います。どこも50万というのはおかしいなと,こういうふうに感じますけれども,最後に,その点についてお答えを願いたいと思います。
◎富山 総務部長 先ほど来申し上げておりますように,この事業というのは7年から立ち上がっておりまして,現在78でございますが,このうち約70%の54地区というのは3年もたっていないと,こういうようなことで,まだ成長過程と申しますか,成熟過程にあるというのが実態でございます。したがいまして,それぞれの地区での独自性を強調すると,こういうような段階には達していないと,このように私どもは認識をしてございますが,ただ,やはりこの事業は,地域の方々が自主的に運営をされるということが何よりも大切でございます。今は,まだいろいろな活動を試行錯誤している段階でございまして,そのような取り組みの中で経費がかかっているというような状況でないかと,このように私ども推測をしております。
今後,事業の成熟度を見定めながら,地区ごとの事業に合わせた,先ほど,委員からもご指摘ございました,地区ごとの特殊性のある事業の取り組みということもあろうかと思いますので,そういった事業に合わせた交付金額というものを検討していかなければならない時期も間もなく来るであろうと,このように考えてございます。
以上でございます。
◆三浦 委員 ありがとうございました。
続きまして,
精神保健福祉センターの活動状況等についてお伺いをいたしたいと思います。
国の患者調査によりますと,
精神障害者の数というのは,平成5年で157万人,平成8年には217万人,このように推定をされていまして,この間で約60万人の増加を見ているということであります。
現代社会はストレス社会でもあって,今後は,ますます,この精神保健福祉の充実が求められると思います。
そこで,平成9年4月に開設されました
精神保健福祉センターの活動状況についてお伺いしたいと思います。
開設以来,市民から,さまざまな心の悩みや心の病について,予想を超える多くの相談が寄せられていると,このように聞いております。また,保健センターなどの関係機関からの複雑困難事例に関する技術支援を求められていることも多いと聞いています。改めて,この専門機関としての役割というのは大きいなと,このように思っております。
そこで,本市の精神保健福祉に関する総合的技術センターとして,今まで取り組まれてきた相談や診療,技術援助,教育研修などの活動状況についてお伺いをしたいと思います。これが1点目です。
次に,昨年4月に新たに始められたデイケア調査研究事業についてであります。
精神障害者のさまざまなニーズにこたえる形で開始されたこの事業ですけれども,これから
精神障害者の社会復帰に大きな役割を果たしていくものと期待をし,また注目もしております。
精神障害者の方々の中には,医療機関を初めとした既存のデイケア施設の利用にまで至らないで,地域や家庭で生活されている方が多いと思います。また,センターへの相談の中には,青年期に社会的不適応による,いわゆる引きこもりに関するものも多いと,このようにも聞いております。
そこで,
精神保健福祉センターにおけるデイケアの
取り組み状況についてお伺いをしたいと思います。
3点目には,当センターが精神保健福祉の中核施設として活動されているわけですけれども,将来的には,保健所,夜間急病センターとの複合施設としての構想があると,このように聞いております。これが実現した暁には,より一層充実した精神保健福祉施設が展開されると,このように思いますけれども,今申し述べたように,複合施設構想は将来のことでありまして,それまでの間においても,現在の社会情勢から見て,市民のニーズはますます増加するものと思うわけであります。
そこで,最後になりますけれども,今申しましたデイケア事業のスタッフ,これは,医師として所長が兼務し,2名の専任職員で運営していると聞いております。
精神保健福祉センター業務全般の指導,さらには診療,これにも当たらなければなりません。専任の医師の必要性とか人員配置,施設の面での充実に関して,どのように感じているのか,お尋ねをしたいと思います。
◎七田 精神保健担当部長
精神保健福祉センターの活動等について,お答えいたします。
まず,第1点目の当センターのこれまでの活動状況についてでありますが,相談業務は,平成9年度が約3,000件,平成10年度が約3,200件と,増加傾向にあります。
また,保健センター等に対する技術指導や各種講演会につきましても,同じく増加傾向にありまして,年々そのニーズが高まっており,本市における専門機関として周知されてきたことを実感しております。
このほか,精神保健従事者に対する教育研修や関係団体への支援,それから,うつ病の方々の自助グループの育成,精神障害のある方を家族に持つ方々の集まりへの指導・援助,また,ことしで2年目を迎えますけれども,広く一般市民を含め,1,000人を超える市民等が参加しましたイベントのこころの健康まつりへの支援のほか,機関誌発行による普及啓発などに努めてまいりました。
次に,2点目のデイケア調査研究事業でございますが,開催回数は週3回,定数は,施設面,スペース面の関係から,現在12名で行っており,20歳代を中心に,比較的症状の軽い精神分裂病の方を主に,対人不安などから自宅にこもりがちな,いわゆる引きこもりの方々をも対象としております。既に市内には病院のデイケアもありますけれども,また違った内容・角度等を研究しながら進めておりまして,昨年4月の開始から,既に5名の終了者が出ており,現在,待機者も出ているような状況にあります。
3点目の,
精神保健福祉センターの充実策についてでありますけれども,複合施設としての本格的なセンターができるまでの間,デイケア事業等にかかわる専任の医師や施設面の充実につきましては,関係部局と鋭意協議を重ねてまいりたいと思っております。
以上です。
◆三浦 委員 今,お答えいただきましたけれども,要望をさせていただきたいと思います。
先ほど話に出ていましたけれども,昨年1年間で,自殺者が一昨年より34.7%ふえまして,数で言うと8,472名ふえて,3万2,834人と,初めて3万人を超えたということが,7月に警察庁から発表をされました。北海道では1,500人を超えて,過去最多であるということであります。札幌市においても,9年度,307人だったのが,10年度,416人と,一気に100名以上ふえている状況であります。自殺者3万人突破,この背景には,事業の行き詰まりや,また,リストラ解雇等,不況の波が中高年の男性に大きくのしかかる実態をうかがうことができるわけであります。
しかし,その一方で,医学的見地からは,中高年層の自殺者の多くは,精神的に不安定な病的症状,特にうつ状態にあるということが指摘をされております。その意味からも,当センターの果たす役割というのは非常に大きいなと,このように感じております。
そういう意味からも,この人員の増と施設面の充実を強く要望いたしまして,この件の質問を終わりたいと思います。
引き続いて,もう1点質問をさせていただきたいと思います。
次に,要約筆記奉仕員養成派遣事業について質問をさせていただきたいと思います。つまり,中途失聴者及び難聴者に対する施策であります。
要約筆記ということについては,ここにありますけれども,要約筆記とは,中途失聴,難聴者のコミュニケーションを保障する方法の一つで,聞こえる人が発言者の話の内容を要約して筆記して,聞こえない人に伝えるということが,この要約筆記であります。
中途失聴者及び難聴者は,生まれつき耳が聞こえない聾者の方と異なって,言葉も普通に話すことができます。一見すると,健常者と全く変わりありません。このため,逆に障害の特徴が社会的に十分理解されず,福祉の谷間に置かれてきた,このようにも言われております。
さらに,自分自身が障害者になったことをなかなか受け入れられず,家に引きこもり,悶々と苦しんでしまう傾向がある,よって,手話の習得は困難な上に,障害者と見られるのではないかという心理的な抵抗感も強いと聞いております。聴覚障害者,全国で約35万人と言われています。手話ができる方は,このうち2割前後と,このように言われております。
このように,手話ができない,または,手話の習得が困難な中途失聴者及び難聴者に対する支援策として,この要約筆記奉仕員養成派遣事業が実施されているところであります。
この事業は,要約筆記奉仕員の派遣により,要約筆記という手段によって健常者とのコミュニケーションが可能となり,社会生活を営む上での活動範囲が拡大されるなど,中途失聴者等の在宅生活を支える重要な施策の一つであります。今後,さらに充実を図っていく必要があると,このように考えております。
そこで,この事業について,まず3点ほどお伺いいたします。
1点目は,現在,市内に中途失聴者の方がどの程度いるのか,お示しいただきたいと思います。
2点目には,本市において,要約筆記奉仕員の養成と派遣業務について,社団法人札幌市
身体障害者福祉協会に委託して実施をしていると,このように聞いておりますけれども,現在,要約筆記奉仕員として活動されている方は何人いるのか,また,派遣対象者はどのような方で,平成10年度,何件の派遣があったのか,お尋ねをしたいと思います。
3点目には,この事業の今後の取り組みに対する基本的な認識についてお聞かせ願いたいと思います。
この事業というのは,国の「障害者の明るいくらし」促進事業の奉仕員等養成・派遣事業の一つとして位置づけられております。障害の有無にかかわらず,だれもが明るく暮らせる社会づくりを促進することを目的とした事業と,このように聞いております。中途失聴者等については,加齢に伴う聴力の低下や突発的な病気・事故等により,今後ますます増加をしていくと予想されます。こうしたことから,この要約筆記奉仕員養成派遣事業については,これまで以上に重点を置いて取り組むべきであると,私はこのように考えますが,この事業の今後の取り組みに対する基本的な認識についてお聞かせを願いたいと思います。
○上瀬戸 委員長 ちょっと答弁の前に。三浦委員,先ほどから,最後の質問ということで3度続いておりますけれども,ほかに,もしありましたら,一括して質問していただきたいと思います。これが最後ということでよろしいのですか。(「はい」と呼ぶ者あり)
◎佐々木
障害保健福祉部長 1点目の中途失聴者の人数でありますが,中途失聴者という限定した意味での正確な統計はございませんが,現在,18歳以上の方で,市内に聴覚に障害を有する方は6,190人となっております。
2点目の要約筆記奉仕員の人数と派遣の状況でございますが,現在,要約筆記奉仕員は,社団法人札幌市
身体障害者福祉協会が毎年行っております要約筆記奉仕員養成講座を修了した方を中心に,60名の方が登録をされております。また,派遣につきましては,障害の等級が4級以上の,手話習得が困難な中途失聴者等のみの世帯に属する方で,世帯の中に,日中,適当な付き添いを得られない方を対象としており,平成10年度の派遣件数は,趣味・教養講座などの各種教室等への参加や病院等の受診に係る派遣を中心といたしまして,延べ552件となっております。
3点目の今後の取り組みについての基本的な認識でございますが,中途失聴者等にとりまして,要約筆記奉仕員の派遣による社会生活上の不都合が解消されたり,各種の文化活動等への参加が可能となるなど,当事者の自立と社会参加が促進される意味で,この事業は,大変重要な施策として,その必要性を十分認識をいたしているところでございます。
◆三浦 委員 今,この事業の重要性とか必要性について十分認識しているというお答えをいただきました。私は,今後,この高齢化社会の進展の中で,中途失聴者の一種であります老人性の難聴,つまり,耳が遠くなる,この対策もますます重要度を増してくる時代だなと,このように思っております。従来,年をとっていきますと耳が遠くなる,いわば,そこで仕方のないことと,このようにされてきました。しかし,高齢者の方が生き生きと社会参加して,生きがいを持って生活していくためには,この聞く権利というのもきちっと保障をしていくということが不可欠ではないかと,このように思うわけです。
一般的に,70歳以上になると,2人に1人は耳が遠くなると,このように言われております。ことしの5月現在,70歳以上の高齢者1,406万人,25年後には2,600万人に達する見込みであると,このようにも聞いております。
そこで,二つだけお伺いしたいと思います。
まず,要約筆記奉仕員養成派遣事業のPRについて。
1点目の答弁で,中途失聴者の正確な人数を把握していない,こういうお答えがありましたけれども,私は,要約筆記奉仕員に対する潜在的なニーズはかなり高いのではないかと,このように思います。この事業について,どのようにPRをしているのか,お聞かせを願いたいと思います。
次に,要約筆記奉仕員養成の充実強化についてであります。
今後,この事業が円滑に実施されるためには,要約筆記奉仕員の養成の充実強化が急務であります。具体的な整備目標を掲げるなど,計画的に養成を図っていくべきと考えますが,見解をお示しいただきたいと思います。
◎佐々木
障害保健福祉部長 1点目の当該事業のPRについてでございますが,要約筆記奉仕員養成等につきましては,広報さっぽろや,この事業を委託しております札幌市
身体障害者福祉協会が発行している広報誌等でPRを行っておりますが,今後も関係団体等と連携をとりながら,PRの充実に努めてまいりたいと考えております。
2点目の要約筆記奉仕員の養成の充実強化でありますが,現状では,派遣依頼に対し,おおむね対応ができる体制にありますが,委員ご指摘のとおり,今後の高齢化の進展等を勘案いたしますと,計画的に要約筆記奉仕員の増員を図っていく必要がございます。
したがいまして,今後,札幌市
身体障害者福祉協会とも十分調整を図りながら,要約筆記奉仕員の養成に今後とも努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆三浦 委員 要望をさせていただきます。
要約筆記者に関しては,増員ということと技術の向上,身分の保障ということも大事だと思います。病院での診察等の要約筆記,さらには不動産取引などの場面では,この要約筆記者に専門的な知識がないと筆記する言葉が出てこないこともあると,このようにもお聞きしております。専門知識の習得など,技術の向上,さらには要約筆記者の資格制度等,課題もまだまだたくさんありますので,その点も見据えて,理事者の方々がこの事業の推進をしてくださるよう要望しまして,質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
◆岩村 委員 私からは,福祉の
まち推進センターにかかわりまして,これまでの活動内容の評価と今後のあり方について,3点質問いたします。
平成7年から始まったこの活動は,市民の自主的・自発的な
ボランティア活動としての出発ではなく,札幌市と区社協の指導のもとに,連合町内会におろされてきたものとして受けとめている方も実際にいらっしゃいます。携わっている方々の実情から,さまざまな問題が指摘されるというふうに思います。
一つには,人材の問題ですけれども,現在,この福祉の
まち推進センターの活動を中心的に担われている方々は,連町の役員と地区社協の役員,そして民生委員も兼ねているというふうな,こういう方もおりまして,大変仕事が多過ぎる,この上,また,福
まち推進センターの仕事が来ますと,大変負担が多い。何もかも連町がしなければならないのか,自分も高齢者なのにというふうな声をたびたび聞いているところです。福祉の
まち推進センターの協力員の募集のあり方について,福祉分野に携わってきた方々などの潜在的な人材を,市が公募するなどで,もっと広く発掘することはできないのか,こういうふうなご要望も,地域の中でございます。福祉の
まち推進センターを担う人材について,この4年間の実績とか実情を踏まえまして,どのように考えられているのかということを,まず伺います。
二つ目は,福
まち推進センターの果たす役割について,4年間の経過を踏まえた確認というのをしたいと思います。
今,携わっている方から出されている問題意識として,福祉の
まち推進センターの活動内容が,既存の在宅福祉サービスとか,これから始まる介護保険のさまざまな給付内容とかなりダブってくるということで,真に求められている福
まち推進センターの役割が何なのかということが,よくわからなくなってきたというふうなご意見も聞きます。介護保険がスタートしていく中で,利用料の負担が重くて介護保険の給付を受けたくないというふうな人であるとか,それから,認定外になった人であるとか,そういう方々などを対象として,無料でそのサービスを提供していくのが福まちの役割なのだろうかというふうに,自問自答されている方もいらっしゃいます。
また,50万円の活動費のあり方について,先ほど,三浦委員のご質問に答えて,事業に合わせた交付金の内容にしていくというふうなことをおっしゃっておりましたけれども,本当に,地域のニーズが何であって,その地域のニーズに合った福まちの活動が,どういうふうなものであるからどの程度の活動資金が必要だ,そういうふうな観点で金額を決めていくということが必要だというふうに思います。その50万円を区社協にぼんとおろすのではなくて,単位町内会単位に還元して,本当に小さな単位から
ボランティア活動のあり方というのを考えるための資金にしてはどうかというふうなご提案をされる地域の方もいらっしゃいます。
それで,この事業のまとめの時期というのがいつなのか,その交付金のあり方,活動の中身も含めて,一定の総括をすると思うのですけれども,そのまとめの時期がいつごろなのかということも,あわせてお伺いしたいと思います。
3点目は,活動の内容で,特に地域の方も問題を感じているということの一つが除雪サービスのことだと思うのですけれども,今年度,78地区中35地区,パーセンテージで言いますと49.3%の地区が除雪サービスを行っていますが,本当に除雪のニーズが大変多いというふうな数字だと思います。10月1日の委員会で行われました福祉除雪条例の議論の中でも,除雪
ボランティアとして登録されている方が1,400人いらっしゃるというふうなことですけれども,団体で登録されている方を除いて,個人で登録されている方々の年齢構成がどうなっているのかということを,一つまず伺います。
ある地域の実情を聞きますと,除雪
ボランティアを担う人も,ほとんどが60歳以上の高齢者で,老老介護というふうな言葉がございますけれども,この除雪につきましても,老老除雪になっているのだよというふうに聞いております。こう薬を張って,自分の家の除雪をした後に,
ボランティアを頼まれたところの除雪に行くのだというふうにおっしゃっている方もいらっしゃいます。
また,細かい話ですが,緊急事態に担架が通ることができるぐらいの道幅でいいということを目安にして除雪しているのだけれども,実際にそのサービスを受ける方たちは,もっと広く,徹底的に除雪してほしいということを,やっている途中で
ボランティアの方にお願いしたりだとかということで,トラブルとまではいかないですが,希望に沿わないというふうなお話もあっただとか,屋根から落ちてきた雪で
ボランティアさんがけがをしただとかというふうなことで,この間の委員会の論議では,この除雪体制が,地域コミュニティーの形成に役立っている,地域コミュニティーの形成の中でこの体制をつくってきているというふうなお話もありましたけれども,必ずしもそうではない現状があると思いますが,これについて,どう思われているかということです。
除雪というのは本当に重労働を伴うものですし,危険を伴うこともございますし,
ボランティアさんが行う除雪というのは,あくまでも,行政がしっかりと責任を果たした上で,そして,自発的に自分から進んでやるというのが
ボランティアの除雪だというふうに思います。民生委員から言われたらやりたくないというふうに考えている方もいらっしゃるということですので,行政の責任をきちんと果たした上での除雪
ボランティアのあり方ということが必要だと思いますが,この点についてお伺いしたいと思います。
以上です。
◎富山 総務部長 まず,1点目は,福まち事業における役員,特に連町の役員ですとか,あるいはほかの役員と重複しているのではないかというようなお尋ねかと思いますが,地域の方,特に町内会の役員の方々には,行政はさまざまな形でご協力をいただいているわけでございますが,さらにまた,この福祉の
まち推進事業にかかわっていただくという,こういう実態もございます。
そういったことから,負担が大きくなるというような場合も予想されるわけでございますが,行政といたしましては,過度な負担は福祉の
まち推進事業の趣旨に合わないといったことから,これらの役員の方が町内会の役員と余り兼務にならないようにしていただきたいと,このように私どもは考えてございますが,実態といたしましては,地域における活動の担い手がいま一つ少ないということも言われております。
そこで,このような地域で活躍できる人材の確保の意味もありまして,先ほど三浦委員にもお話し申し上げましたが,来年5月に
ボランティア研修センターを設置いたしまして,さまざまな研修,あるいは各種の情報提供の機会を設けて,地域福祉のリーダーとなり,福祉の
まち推進センターの運営の中心となっていただける方,こういう方々をふやしていきたいと,このように考えてございます。
それから,2番目は,一定の総括時期というお尋ねでございました。それとあわせまして,行政の仕事と重複しているところがあるのではないかと,本来,行政がやるべきでないかというようなお尋ねでございましたが,相談業務など,行政と同じような活動と見えるようなものでも,地域に根差した独自の活動分野といったものがございます。そういった重複している部分があるからといって,行政の役割を押しつけていると,こういったものではないと,私どもはこのように考えてございます。
総括の時期でございますが,これも先ほど三浦委員にお答えいたしましたが,7年に設立して足かけ5年ということで,今年度末には88のうち81が設立する予定でございまして,9割強になると思います。ただ,やはりまだ成長過程,成熟過程といったことから,いろいろ活動にも差がございますので,そういった意味で,総合的な総括というのは,いま少し時間をいただきたいと,このように考えてございます。
最後,3番目でございますが,除雪
ボランティア事業と関連いたしまして,年齢構成がどのようになっているかというお尋ねでございます。
私ども,この年齢構成については,詳細に調べた資料がございませんので,この場合,お答えを申し上げることはできません。
除雪
ボランティア事業につきましても,やはり町内会の役員の方と同様に,かなりのご年齢の方に従事をしていただいているといった現状もございますので,幅広い
ボランティアの募集といった観点,それから,これから私ども詰めてまいりますが,福祉除雪としての支援のあり方など,こういうものをあわせて,過重にならないように検討をしていきたいと,このように考えてございます。
以上でございます。
◆岩村 委員 私も,この活動について別に否定していたりとかというふうな立場ではないのですけれども,いろいろな活動を自発的にやりたいと思っている方たちは,地域の中にたくさん埋もれていると思います。人材確保については,よりきめ細かい形で,そして,地域のニーズが本当に何なのかということをきちんとつかめるような活動のあり方,助言について,より一層きめ細かい対応が必要なのではないかなというふうに思います。(発言する者あり)
押しつけられているというふうに感じている方々が,今,現状としているというふうなことでの問題を,私は問題意識として持っているわけです。
相談窓口を設けたりしても,現実に,年に3件しか電話が来なかったと。具体的に区役所にも相談窓口があるし,在宅介護支援センターにも相談窓口があるし,年に3件しかない相談活動というのも,何か手ごたえがないなというふうに,実際にやりながら感じていらっしゃる方もいると思うのです。いろいろな福祉の機能が総合的に働いて,在宅を支援していくというやり方は本当に大切だというふうに思いますけれども,なお一層,特に除雪弱者については行政の責任をきちんと果たした上での,本当に自発的・自主的な
ボランティアということを,これからより検討していただきたいということを要望いたしまして,終わりたいと思います。
◆山口 委員 私,大きく3点伺いたいと思います。
1点目が,中途
視覚障害者社会適応訓練につきまして,それから,2点目が,先ほど来議論がございますけれども,地区社協も含めまして社協のあり方について,それから,3点目,保健福祉局の施策機能強化における総務部の役割というようなことについて,3点お伺いをしたいと思います。ちょっと後の2点は関連をいたしますが,初めの部分だけ先に質問をさせていただきたいと思います。
中途
視覚障害者社会適応訓練なのですけれども,これは,平成8年から盲導犬協会に委託していた部分が市の身障協会に委託がえになったということがございまして,委託費が打ち切られたという経過があります。にもかかわらず,札幌市民の方のニーズもあるものですから,市民の方の入所によります短期集中的な社会復帰訓練というのを行ってきた。その中で,陳情が2月に出されまして,いろいろな議論の中で,全会派一致で1日で採択されたと。2月19日は本会議で,これもまた全会一致で採択をされておりまして,札幌市民の方のニーズもあって,何とか,事業も行われている,それを全額,盲導犬協会の
ボランティアといいますか,持ち出しで,善意で行っているということについて,果たしてこれでいいのかというような質疑があったように記憶をしておりますし,きょういらっしゃる議員の中にも,当時厚生委員だった方も何人もいらっしゃいまして,盲導犬協会の大変な実情というものについて,皆さんがこれは何とかしなくてはいけないというようなことで,1日で採択になったというふうに理解をしております。
そのとき,市の寄附金も含めて,何とか財政支援をしなくてはいけないと考えているというふうにお答えがあったわけなのですが,その後,きょうに至るまで,どのような形で検討されて,補助を含めて財政的な支援がされてきたのかということについてお伺いをしたいと思います。
これは,陳情採択ですから,市側が議会の陳情採択をどれだけ受けとめるかという問題にもなりますが,議会の総意で,全議員が陳情を認めて市長に求めてきたということから考えますと,これは早急に取り組むべきではなかったかと考えるわけなのですけれども,そのことについてお尋ねをいたします。
◎佐々木
障害保健福祉部長 ただいまの盲導犬協会に対する具体的な財政支援についてでありますが,ご指摘のとおり,平成11年2月の厚生委員会において採択となりました中途
視覚障害者社会適応訓練を委託事業とすることを含め,財政的支援を求める陳情,及び,その後の予算特別委員会の審議経過を踏まえまして,財政的な支援の必要性について十分認識をしております。
したがいまして,本年度できるだけ早い時期に具体的な支援ができるように,また,それを最優先にして考えてまいりたいと思います。
以上であります。
◆山口 委員 できるだけ早い時期にというお答えでしたが,もう半分以上過ぎてしまいまして,何をできるだけ早い時期というふうに定義するのかなというふうに考えておりますけれども,今後の委託事業のあり方につきましては,当時の厚生委員会でも,地域ごと,60万人あるいは30万人に1カ所,そのような
視覚障害者の訓練事業が必要ではないかというような議論もありまして,これはもう少し時間をかけて構想なり何なりというのは議論されていくべきだろうと思います,されるのだろうというふうに理解はしておりますが,とにかく,札幌市民が毎年10人前後受けているという現実の中で,札幌市が1円も出していないということは恥ずかしいことだというふうに思いますので,その辺は,ご答弁されましたので,本当に,即,早い時期に実行に移していただきたいというふうに要望して,この件については終わりたいと思います。
次が,
社会福祉協議会のあり方なのですけれども,いよいよ,介護保険の申請も始まりまして秒読み段階という中で,戦後50年続いたさまざまな福祉の制度が大きく転換をしていくという段階にあります。
社会福祉協議会のあり方も,これまでは第2民生局とか言われているような側面もありまして,そのまま市の下請のような形で,昭和26年の社会福祉事業法制定の翌年から札幌市にできて,ずっと,きょうまで続いてきたわけなのですけれども,その財源なんかも見ますと,会費の部分が122万円ということで,残り8億5,000万円のほとんどが市からの補助金と委託金で賄われているという現状にございます。この辺の,社協の改革という言い方をさせていただいていいのかどうなのか含めまして,検討なさるおつもりがあるのかどうか。私は,抜本的に見直すべきではないかというふうに考えております。特に人材につきましても,現在は市からの派遣の方が中枢を担っていらっしゃると,そのような状況の中で,なかなかプロパー職員が育っていかないのではないかという印象も持っておりますので,その辺の,人材を含めまして,見直しに着手すべきではないかと考えますがいかがか,お伺いします。
それから,2点目ですけれども,関連をいたしまして,保健福祉局における総務部のあり方というところでお伺いをしたいと思いますが,この保健と福祉の一体的展開というのは,かねてから私どもも主張してまいりまして,昨年,保健福祉局ということでスタートをして1年がたったわけです。大変大きな機構ですから,総務部を初めとしまして,障害者,高齢者と,今までの民生プラス衛生局の部分,それから児童福祉総合センターということで,大変巨大なのですが,単に,機構改革というのは一つに合体しただけということでは,かえってさまざまな市民ニーズとか施策の展開がおくれていくということもありまして,大局制・大部制になった以上,部の枠を超えたマネジメントといいますか,それが一層重要になってくるのではないかと考えるわけなのです。
先般の補正予算の質疑の中にもありましたし,私も発言いたしましたが,7月以降始まった障害者の110番,あんしん相談,これは障害保健福祉部ですね,それから,きのう議決をいたしました権利擁護事業,これは総務部が所管と,そしてまた,来年から始まると言われております基幹型在宅介護支援センター,これも社協に行くわけですが,これは高齢保健福祉部ということで,相談,苦情受付なども含めて,重なる部分があるわけですが,これが果たして,部ごとの縦割りになって事業展開されていくのでは何もならないというふうに感じているわけなのです。その辺で,局が一つになった,この1年間の総括と,それから,この総務部が大局制のモデル的局として,都市局も一緒に大きくなったわけですが,その辺でのマネジメント機能の強化ということが,とってもこれから重要になってくるというふうに思うわけですが,その辺についてどうお考えか,お伺いします。
◎富山 総務部長 1点目は,社協の見直しについてどのように考えるかといったご質問かと思いますが,ご案内のとおり,
社会福祉協議会,これは,社会福祉基礎構造改革の中で,社会福祉を目的とする事業を経営する法人であると,このように規定される予定になってございます。これは,来年の4月に法律改正ということを聞いておりますが,いずれにいたしましても,社会福祉を目的とする事業を経営する法人と,このように,はっきりなると聞いてございます。
社会福祉協議会の役割でございますが,これは,住民主体・住民参加の原則に基づいて地域福祉社会を展開していくものでございまして,市社協から区あるいは地区社協に至る全体組織は,この趣旨にのっとって運営されなければならないと,このように私ども考えてございます。
そこで,現在の
社会福祉協議会を見たときに,委員のご指摘ございましたが,本来的な役割に沿った事業が十分展開されていないのではないかといったことも私ども耳にしてございますが,昨今の社会環境の変化,こういった変化を背景に,私ども,改革のよい機会でないかと,このようにとらえておりまして,このためには,
社会福祉協議会の本来的な固有事務の展開,ご指摘ございました財源の確立としての事業型社協への脱皮といったことが重要でないかということで考えてございます。
そこで,当面の第1段階といたしましては,意識改革のための職員研修の充実,さらには,組織強化に向けた機構改革等,適材適所の人事配置といったことを行っていただきたいと思っておりますし,市職員の派遣の一部引き揚げによって自主性を高め,さらに,民間組織としての柔軟性を生かして,専門職の外部からの登用など,将来に向けた継続的な事業展開を目指す,そういった体制づくりに着手を始めているところでございます。
2点目が,これは,私どもの,部の役割について,私ども総務部職員に対する叱咤激励のお言葉と思いますが,まず,1年間の総括でございます。
局の統合による大局制の実施は,縦割り行政等を批判されておりました行政改革を,新しい行政課題に的確に対応することが可能な,横断的な組織にすることが一つのねらいでございました。この一連の機構改革で,私ども,まず念頭に置いたことは,市民サービスの向上等,市民にとってわかりやすい組織であると,こういうことでございまして,この考えのもとにスタートした本庁組織,区役所の市民サービス部門のいずれも,当初,目的とした成果を上げつつあると,このように認識をしてございます。
ご質問ございましたが,総括のほかに,この機構改革での,これからの人事あるいは予算の際にどのような総合的な調整を図るかということもございましたので,お答えを申し上げます。
高齢者や
障害者施策の強化として,保健部門,福祉部門が一元的な組織となったわけでございまして,こういったことから,私ども,保健・福祉の連携の強化が図られ,あるいは,先ほど申し上げました縦割りの弊害といったものが解消されて,これまで以上に業務が円滑に推進されてきていると。局が大きくなったことにより,私どもの総務部,この役割も大きくなったと認識をしてございます。特に昨今の財源の厳しい中,市民サービスを効果的に実施していくことが求められておりますので,事業の実施に当たりましては,予算ですとか人員の要求を行う際などには,財政当局,人事当局などの判断の前に,まず,私ども保健福祉局内で優先順位を検討するなど,総合的な調整が必要であろうかと思いますし,現に,現在策定中の新5年計画では,重点課題と位置づけております少子高齢化社会に対応した地域福祉の推進と,こういったテーマにつきましては,総務部が中心となって局内の総合調整を図り,これまで以上に体系的な構築ができると,このように考えているところでございます。
いずれにいたしましても,各部の連携を強めて今後当たっていきたいと思いますが,総務部を中心に各部で協力し,さらには,委員からご期待をいただいているように,局長を中心に,全体の効率的な事業の執行を目指してまいりたいと,このように考えてございます。
◆山口 委員 社協のことにつきましては,この時期をとらえて,さまざまな見直し含めておやりになるということで,第1段階として,派遣の一部引き揚げとか,それから,専門職の外部登用というようなお答えがございましたが,第2段階というか,見直すということはそのとおりだと思いますが,どういう方向で見直すかということが実は大事で,今の第1段階のお答えの次なのですけれども,私は,ある意図を持って,計画を持って見直していかないと,なかなか,漠然と見直すということでは進んでいかないだろうというふうに感じているわけなのですね。
他都市の社協なんかが,ヘルパー派遣とか,それからデイサービスなどのいろんな事業を行っている中で,本市はほとんど委託事業,補助事業が多かったということは,ある意味でニュートラルな立場にあるということでは,基幹型の在宅介護支援センターの設置なんていうのは,ほかのサービス協会がやるよりは中立的な立場というふうに見られる部分もあって,それはそれで評価ができるのですが,さっきおっしゃったように,これからは地域がキーワードだと思いますので,地域のネットワーク化とか
ボランティアの組織化とか,行政のフォーマルな活動に対して,どれだけインフォーマルな部分,すそ野を広げていくかというところでの社協の役割というのがとても大きいというふうに思うのです。
その辺のところで,区社協のあり方,次の段階としては区社協の活性化というようなことも十分視点に入れていかないと,福まち,地区社協までを組織化したり,十分に一緒になって動いていくという体制はなかなかつくれないだろうというふうに私は考えるわけなのですけれども,その辺の議論がないと,先ほど来の,皆さんがおっしゃっていた福まちのことなんかも含めて,活性化していかないというふうに考えます。
例えば,現在,区の事務局長は,職員のOBが配置をされているわけです。中には,若くて非常に優秀な方もたくさんいらっしゃる中で,評価をして,その能力を高めていこうというような意図的な形で区社協が動かないと,これは市社協だけ改革してもだめで,その辺の,改革第2段階といたしまして,地区社協の活性化というものについてどうお考えか,伺いたいと思います。せっかくの後ろからのご指名ですので,ぜひこれは市長にお願いをしたいと思います。
それから,2点目の総務部の政策強化といいますか,その辺のところなのですが,私は,これは保健福祉局だけじゃなくて,全体としてなのですけれども,せっかくマトリックス予算的な考えとか政策評価システムというのが始まるという中では,その優先度,重要度,それから重複なんかを調整する,そして権限も持たないと,最初にモデル的にマトリックスで3事業やったときに,環境という切り口でどれだけの事業があるかと見たときに,たくさん重複したりする,似たような事業があるというときに,これはやめましょうとか,これは生かしましょうとか,これとこれを一緒にしましょうというのは,権限がないところは言えないわけで,結局,横並びだけで終わっていくということを考えますと,やはりその辺の総務部機能の強化というところが重要で,マネジメントといいますか,とてもそこが,先ほど部長のお答えでは,5年計画の中でそういうような調整を図っているということだったのですが,私は,すぐ12年度の予算編成においても,モデル的にそのような機能を発揮して,どれを生かすか,優先順位をつけていくかということをやるべきだというふうに思います。
あわせて,例えば市長の公約の進捗状況なんかも,福祉の部分だったらばここがやるとか,そういうようなこと,全体としては企画とか総務がやるのかもしれないのですけれども,市長の公約,とってもいいのがたくさんあります,やはり市民との約束ですから,それを果たしていっていただかないとだめなわけで,その辺が,今まで,どこがそれをチェックしていくというのがなかったと思うのです。その辺も含めてどうお考えか,そのような機能もあわせて持たせるべきと考えるのですけれども,いかがかお伺いします。
◎桂 市長 社協のことについて,ご指名ですから,私よりも常務理事経験者の方がいいのかもしれませんけれども,ご指名ですからあえて申し上げます。
今,お話があったように,社協の改善というか問題というのは,その事業が本当に地域に浸透しているか,地域から信頼されているかということだと思うのですね。ですから,そういう意味では,区の社協,そして,さらに各地域ごとの福祉の
まち推進センターとがうまくつながって,市全体として,あるいはその地域の特性をとらえながらの福祉活動が自主的に行われる,それに市もできるだけの応援をしていく,そういう姿が非常に私は望ましいと思っております。
そこで,先ほど部長からもお話をいたしましたけれども,既に社協の中には,実際に福祉事業に携わって,経験のあるすぐれた方を特にお願いをして,地域担当というか,そういうことで,今,活動していただいております。
私は,定期的に社協の常務理事あるいは会長さんともお話をして,いろんな現状あるいは問題点を伺っておりますけれども,特に幹部の人たちは,そういうことをしながら,今ここで体質を改善していきたいと。例えば,身内のことを言って恥ずかしいのですけれども,役所の退職者だから区の社協の何とかになればいいというような,そういう考え方では,もはやだめだと。本当にやる気になって,実際に地域からの信頼を得られるような人でなければだめだと。とにかく,そのためには,民間の人たちが育つようなそういう雰囲気,また,そのための研修をどんどん進めてほしいということをやって,現に私は,それがかなり進んでいるというふうに見ております。ですから,これからさらにその辺を強化していって,本当に地域に生かされる事業展開というか,そういうことを進めていくようにしたいと思っております。
◎舘美 保健福祉局長 保健福祉局の重要性と申しますか,その機能と申しますか,それに対する局内調整と申しますか,そういう観点での役割がどうなっているかと,それとあわせて,いろんな今進めなきゃならない面での重要性をどうとらえているかということだと思います。
衛生局と民生局,それから教育委員会の一部が一緒になりまして,大変大きな局になりました。その中で,今,一番問題となっておりますのは,少子高齢社会,これにどういうふうに我々として対応していくかということで,今,取り組んでいるところでございます。この一番の,高齢化でいきますと,介護保険が今まさに焦点でありまして,それに基づく,介護保険導入に伴いますさまざまな内部での調整もございます。少子化でまいりますと,出生率が低いということがございまして,これに総合的に取り組もうということで,ここ鋭意取り組んできたつもりでございます。しかしながら,まだまだ不十分という点もございますでしょうし,たまたま新5年計画が,この局の機能をどう発揮していくかという一つの節目であろうと,こう思っております。
そういう意味におきましては,総務部を中心に,あらゆる事業をもう一回精査していくという計画もございますし,私と医務監が一緒に入りまして,政策論議をしながら,限られた財源をどうやって有効に,そして効率的に執行していくかと。あわせて,市長公約のこの問題についても,どういうふうに取り組んでいくかということも検討してきたつもりでございますし,これからそういうような視点で,総務部に任せるだけでなく,局長みずから,それから医務監ともどもそういうふうに進めてまいりたいと,こう思っております。
◆藤原 委員 私は,札幌市の障害者の小規模授産施設について,そして,もう1点は,福祉除雪にかかわる間口除雪について,大きく2点について質問をしていきたいと思います。
最初に,障害者の小規模授産施設についてであります。
こうした施設の位置づけについては,札幌市の障害者福祉計画などについても,そうした位置づけがされているわけでありまして,昭和56年4月20日の厚生局長決裁で,札幌市の心身障害者小規模授産事業費補助要綱が,また,昭和63年3月7日の衛生局長決裁に基づいて,札幌市の精神障害回復者小規模共同作業補助要綱が定められているわけであります。
現在,補助対象施設は,61カ所に最近3カ所程度新たにつけ加えられたということでありまして,約450名から500名ぐらいの皆さんがそこに通所をされているのではないかというふうに言われているわけであります。
そうした中で,この小規模作業所は,授産施設やデイサービスの待機者を中心に,養護学校の卒業者などに活動の場を提供するとともに,施設を退所した障害者が地域で生活をするための受け皿としても機能をしているわけであります。地域に根差した障害者の活動の場所としても重要な位置づけを持って今日まで至っているわけであります。
また,小規模作業所は,法制度外の仕組みとして,事業主体,事業内容など,多様な形態がとられております。それぞれの作業所が創意工夫をし,柔軟な事業展開を図ることが可能であることから,箇所数は年々増大をしてきていますが,その一方で,人的・財政的な基盤が安定をしておらず,運営の安定化が従来から課題となっているわけであります。
そんな中で,調べてみますと,平成10年度以降はかなりのアップ率になっているわけでありますけれども,平成7年度ではBランクの小規模施設に対して年間510万円,これが平成8年度には3万円アップして513万円,そして,平成9年度には32万円アップして545万円,そして,9年度以降10年度は83万円アップの628万円,そして,平成11年度においては,139万円アップの767万円となっているわけであります。
こうした現状は,以前からも指摘をされていたように,他の政令指定都市と比べても非常に低い状況であるわけでありますけれども,本市が,本格的に平成10年度から3年度での計画の中で,こうした補助金の運営費における改善を目指してきたわけであります。
そこで,第1点目は,この補助金の現行基準はどんなところに配慮してきたものなのか,お伺いをしたいと思います。
2点目には,政令指定都市間での格差が大きくなっているわけでありますけれども,本市の補助基準は,他の政令指定都市と比較をしてどのような位置づけにあるのか,2点,まずお伺いをしたいと思います。
◎佐々木
障害保健福祉部長 まず,1点目の補助金の現行基準の考え方についてでありますが,まず,人件費といたしましては,施設定員区分ごとに,常勤1名,1.5名,2名分を,法定通所施設の指導員措置費基準に社会保険料事業主負担分と期末・勤勉手当を加算し,さらに,各定員区分共通に,非常勤職員分として法定授産施設分場加算分単価を加算いたしております。
また,事務費につきましては,法定授産施設分場の管理費単価を採用し,段階的に補助基準額の引き上げが図られるよう設定しているところでございます。
2点目の他都市との比較についてでありますが,政令指定都市の状況を10人モデルで試算をしたところでは,平成9年度では12政令市中10位だったものが,平成11年度では7位に位置しているものと考えております。
◆藤原 委員 ただいま,補助の改正基準の重点的な項目が示されたわけでありますけれども,今,他都市との比較でも明らかなように,6位の福岡市と比較をしても,現在,札幌市は103万円の格差が生じており,1位の横浜市とは約359万円の格差が生じているわけであります。その第1位の横浜市との格差は,本市の平成11年度の767万円の約50%近くにも及ぶ差が出てきているわけであります。
そのような状況の中で,今のお答えの中でも,段階的に補助基準を引き上げたいと説明をされたわけでありますけれども,この辺についてもっと詳しくご説明をいただきたいのと,部長から,ただいま補助金の現行基準の考え方について説明があったわけでありますが,常勤指導員の配置基準は,どのくらいの経験年数の人を想定をしているのか,また,小規模作業所の現在の常勤指導員の勤続年数は平均何年ぐらいになっているのか,お伺いをしたいと思うわけであります。
また,最後に,今後の補助充実について,例えば,これは単年度予算でソフト面での事業になると思うわけでありますけれども,新5年計画の中でも,現行どおり保健福祉局の重点項目として取り組んでいく予定があるのか,あわせてお伺いをしたいと思います。
◎佐々木
障害保健福祉部長 小規模作業所の補助額でございますが,12市の平均の単純比率とやや近いところが札幌市の状況であります。順位としては7番目でございますが,これにつきましては,今後も計画的に,他都市あるいは札幌市内の小規模作業所の実情,それから,今後,小規模作業所の増設申請があれば,実態をよく調査の上,補助対象としていくよう努力をしていきたいと考えてございます。
2点目の常勤指導員の経験年数についてでございますが,措置費の基準年数であります大卒6年程度の経験年数を勘案して設定をいたしております。
一方,市内の小規模作業所の常勤指導員の平均勤続年数は,4年4カ月となってございます。
最後に,今後の補助充実策についてでありますが,先ほども申し上げましたとおり,段階的に補助基準の引き上げを図っており,さらに運営実態や他都市の動向を見定めながら,今後も補助の充実にさらに努めてまいりたいと考えてございます。
◆藤原 委員 要望を申し上げて,次の質問に移りたいと思います。
ただいま,平均勤続年数は4年4カ月ということでありました。調べてみますと,現在,小規模施設の場合には,1年の勤続年数の方が約29名,2年の方が約15名,3年の方が9名と,一番長い方で15年程度となっているわけであります。そしてまた,今ご指摘の大卒6年程度という基本給は,21万6,200円という額になっているわけでありまして,やはりこうした小規模施設を札幌市も,先ほど申し上げたような計画の中でしっかり位置づけて,仕事を変わられて途中からこうした指導員になられる方もいらっしゃるわけでありますから,ぜひ,そうした方も生活が可能なような,そうした水準にさらに引き上げていくべきと考えているわけであります。
また,こうした小規模施設というのは,先ほども申し上げましたように,一般就労の困難な,福祉的就労の場として位置づけられてきているわけでありますけれども,単にこうした作業の場ではなく,生活訓練や交流や憩いの場としても十分大きな役割を担っているわけでありまして,重度の障害を持つ方に対する地域での支援体制を,もっともっと充実をさせていかなければいけないと思うわけであります。
それぞれ原局においては,さまざまな努力をされているわけでありますけれども,財政局,また5年計画などをまとめていく企画調整局など,こうした現状をしっかりと見据えて,新5年計画の中において,こうしたものが十分改善できるような努力も要望して,次の質問に移らせていただきたいと思うわけであります。
次に,福祉除雪にかかわる間口除雪についてであります。
10月1日に行われた厚生常任委員会の中でも,保健福祉局は,市が検討している福祉除雪について,対象は約1万9,000世帯,総額で約5億5,000万円,対象者はいずれも一戸建てで,80歳以上の世帯と65歳以上の寝たきり高齢者の世帯や,重度,いわゆる1級・2級の障害世帯であるとの見通しを示したところであります。
私が調べた中でも,先日の委員会でも申し上げましたように,平成11年4月現在,市内には65歳以上の高齢者が23万9,198名いらっしゃいます。そのうち,在宅で寝たきりの方は2,946名,在宅痴呆の方は1,426名となっているわけであります。一方,障害者は,全市で7万1,800人,1級から6級程度までのすべての数字であります。そのうち,重度障害者と言われる1級・2級の方は,1万4,009人,合計1万8,381名の方がこうした数字となってあらわれており,これに80歳以上の世帯をプラスすると,こうした1万9,000世帯に近づく数字になるわけであります。
こうした中で,10月1日から介護保険の認定申請の受け付けが始まり,自立や要支援,要介護の1から5の認定が徐々に行われてくるわけであります。特に,要支援や要介護の1から5のランクで在宅におけるサービスを希望するであろう市民の対象者の見込みは,本市の介護保険福祉計画の中では,平成12年度,1万9,183人,平成13年度には2万165人,そして,5年後の16年度には2万3,538人と推計がされているわけであります。こうした数字は,介護保険における在宅を希望する数字と多少重複をするものと考えるわけでありますけれども,一方,1月中旬からは,実際にケアマネジャーによる介護保険法に基づくケアプランが作成をされる予定になっているわけであります。そのときに,介護の適用となる本人または家族の方は,当然,将来的にも,冬期間における除排雪のことを考えると思うわけであります。介護保険法の基本的な趣旨は,施設入所よりも在宅を中心としたところにウエートが置かれていると思うわけでありますけれども,間口除雪をことしの冬から実施をしていくことは,介護保険の在宅希望者に本市の姿勢をしっかり示すことになると同時に,在宅希望者が極端にふえないまでも,先ほど申し上げた,平成12年度で1万9,183名と見込まれる数字に近い状況を確保することにつながると思うわけであります。施設に支払うサービス料は,在宅サービス料よりも割高となっているわけであります。将来の介護保険料を低く抑えていくことにも大きくつながると考えるわけであります。
そこで,質問であります。
先日の厚生常任委員会でも答弁がありましたが,こうした間口除雪を今冬から実施をしていくに当たっての課題,どんなところに大きな課題があるのか,もっと詳しく説明をしていただきたいと思いますし,ことしの冬から実施をすべきではないかというふうに考えておりますけれども,本市の考え方について,まず1点目,お伺いをしたいと思います。
◎富山 総務部長 まず,1日の厚生常任委員会でもお答えしておりますが,福祉除雪の実施に当たりましては,対象世帯の範囲の決定について,やはり何よりも市民議論をして決めていくのが肝要でないかと,このように考えてございます。
その方法といたしましては,福祉のまちづくり推進会議における議論のほか,各種のアンケート調査,民生委員による実態調査ですとか事情聴取,各種の懇談会等,さまざまな場を利用したいと考えてございます。
どういうことを議論してもらうかということでのお尋ねもございましたが,この福祉除雪というのは,現在,市民の最も関心の高い事業でございまして,公平という観点から,大多数の市民に納得してもらわなければならないと,このように考えてございます。
したがいまして,身体的状態,委員は今,人数をお示ししてございましたけれども,そういう身体的状態の方のうち,どの辺が該当するのか,さらには,経済的な困窮度合いをどのように判断するのか,さらには,近隣の支援をどのように判断するのかなど,いろいろ多角的な観点から議論をしていただきたい,このように考えてございます。
さらに,対象外となった高齢者などから,経費を負担しても間口除雪をやってもらいたいと,このような要望が出てくることも予測されまして,そのような声も聞きながら,どのような方法がいいのか,いま少し時間をかけて議論し,実施をしてまいりたいと,このように考えてございます。
以上でございます。
◆藤原 委員 今,実施に当たっての課題,問題点が指摘をされたわけであります。しかし,今述べられたようなことは,現在,
ボランティア作業で行われている福祉の
まち推進事業の中のこうした除雪作業の中でも,ある程度のデータ的なものはわかるのではないかというふうに思うわけであります。こうした福祉のまち推進のメンバーの皆さんや民生委員の皆さん,そして,幅広い市民の皆さんから,今指摘されたような課題について議論をしていただくということでありますけれども,机上の議論ばかりではなくて,行う中で,実際にどういったような問題点が出てくるのかということも考慮をしなければ,前進をしていかないと考えているわけであります。
そしてまた,私が先ほど申し上げたような介護保険の角度からも,この点についてどのようにお考えになっているのか,もう一度お尋ねをしたいと思います。
◎富山 総務部長 在宅を選択することの理由に,玄関前の除雪,これはやはりかなりのウエートで判断されるのかと,このようには私どもも考えております。また,そういう見方のほかに,いろんな見解をお持ちの方もいらっしゃると思います。たとえ除雪がある程度,在宅の理由とされたといたしましても,先ほど申し上げましたとおり,市民全体が最も関心を持っている事業でございまして,やはり安定性と,一度試行をやった場合に,今度は継続せいというような,そういう市民要望も出てまいりますので,実施する以上は,きちっとその市民議論を踏まえ,方向性を定めた上で実施に入っていきたいと,このように考えております。
◆藤原 委員 もう再々指摘をしているように,そうしたことは,福祉のまちの除雪作業の中でも,ある程度のことは分析ができていると思うわけであります。
そこで,局長にお伺いをしたいと思うわけでありますけれども,こうした間口除雪については,行政の役割でしっかりしていくべきだというふうに思うわけであります。市民の役割,そしてまた地域の役割というものもあるわけでありますけれども,この間口除雪においては,介護保険が始まるということも含めて,先ほど申し上げたように,この部分だけでも今冬から進めていくべきではないかというふうに考えているわけでありますが,局長のお考えについていかがか,お伺いをしたいと思うわけであります。
◎舘美 保健福祉局長 先般の厚生委員会でも段々のお話がございまして,私から明確に申し上げたつもりでございますけれども,代表質問でまずお話がございまして,助役の方から,間口除雪について検討してまいりたいというお話を申し上げました。その結果を受けまして,我々としても,そういう間口の問題につきましては,全市民的に皆苦労しているという問題でもあります。そういう意味におきまして,余り何年も時間をかけてというつもりはございません。今,部長が言いましたように,やはり試行といえども,公平性はどうかとか,いろんな議論がまたあると思いますので,いろんな方の意見を聞きながら議論を深め,早期に実施できるように努力してまいりたいと,こう思っております。なお,関係部局とも十分詰めてまいりたいと,こう思っております。
◆藤原 委員 なかなか,一歩前進して二歩後退のような返事であります。大長助役もお見えでございますので,百歩譲った形の中で,こうした形で進めていくこと,例えば,市内10区あるわけでありますけれども,確かに,総務部長なども言われているように,そうした課題について幅広く市民の皆さんの意見を聞くという姿勢も大事だと思います。しかし,ある程度そうしたことが想定をされているのであれば,そういうことを想定した中で,ある程度の区あるいは区の中の地域を限定して,実践的にモデル事業として取り組んでみて,そうした課題を,来春以降に,市民の皆さんに情報として提供しながら,新年度で行うためには,どうあるべきなのかということも検討できるのではないか,そうした視点での取り組みは,モデル事業として,区や,あるいは地域を限定しての取り組みはできないものか,助役のご見解をお伺いしたいと思います。
◎大長 助役 この問題については,市民にとりまして,私個人も,市民生活をする一人として,大変切実な問題だということは十分理解をしております。(発言する者あり)若くても病気の人もおりますし,足腰の悪い人もいるわけですから,その辺が大変難しいところであります。
ところで,委員もご存じと思いますけれども,一度,これについて実施をしたいということで,試行したわけであります。それが,実はご存じのとおり,うまくいかなかったわけでございます。それについて,私どもとしてはいろいろな反省,それから総括,それから,市民の方々からいろんな意見が寄せられた経緯もございますけれども,それについて,まだまだ私どもとしては,十分な検証,あるいは市民の合意を得るためのものには至っていないと思っております。本当に私どもとしても,早くやりたい,早く実施をしたいという気持ちは全く同じでございますけれども,どうしてもこの問題は,札幌市にとって非常に大きな問題でありますから,やはり最も公平な,そして適切な方法によってやらなければ,これもまた逆に非常に問題が大きくなるであろうというふうに思っておりますので,私どもが早くやりたいのだという気持ちを持っていることをご理解いただきたい。そして,そんなに時間をかけないというふうに局長からも答弁したところでありますし,私たちも努力しますので,もうちょっとお待ちをいただきたいというふうに思っております。
◆藤原 委員 その趣旨については理解できる面もあるわけでありますけれども,先ほど申し上げたような,介護保険がスタートをしていくというようなこともあり,やはり札幌市の基本的な姿勢が問われるのではないかというふうに思うわけであります。
その中で,最後に舘美局長にもう一度お伺いをしたいのです。
早く実施をしたいということでありますが,これは新年度のことでもあり,予定は未定で,決定ではありませんけれども,新年度からやっていくような決意があるのかどうか,その辺のことをしっかりとお聞きをしたい。それを聞いて,最後の質問にしたいと思います。
◎舘美 保健福祉局長 先般もお答えしましたけれども,いろんな意見を聞く,例えば,福祉のまちづくり条例の中で,推進会議等があります,そういう中で,今後1年をかけて,事業者の責務だとか,いろんなことも含めて議論していただこうというふうになっています。したがいまして,そういうこともありますので,早急にとはいいながら,来年即というようなことまでは,まだなかなかいきづらいのでないかと,こう思っている次第でございます。
◆武藤 委員 私からは,障害者施設にかかわって,二つの質問をさせていただきます。
まず,一つ目の質問ですが,障害者施設の待機者の問題についてです。
本市の障害者施設は,そもそもが不足しておりまして,障害児の施設から障害者の施設へと移られないという状況が生まれています。また,市内の施設に入所できないために,市外の障害者施設に入所せざるを得ないというのも本市の現状であります。
例えば,97年度では,札幌市内の障害者施設の入所者数は847人,ところが,市外の施設入所数は1,057人,98年度では,市内が895人で,市外が1,099人,今年度では,市内910人に対して,市外1,136人,年々,市外の施設の入所者がふえ続けているという状況があります。
このような状況の中で,本市としては,当然,札幌市民であるわけですから,土・日に親が子供を迎えに地方まで列車に乗って行かなければならないという,こういう状況も多く見受けられているわけなのですが,このような大変厳しい状況を本市としてはどのように把握され,認識されているのか,まず最初に,この点を伺います。
◎佐々木
障害保健福祉部長 知的障害者の市外措置が,ただいま,委員ご指摘のとおり,半数を超えている状況です。待機者の解消でございますが,措置制度上,市内施設・市外施設を問わず,措置可能でありますことから,市内施設の整備とあわせ,道内の施設,新設計画等を視野に入れた措置を進めてまいりましたが,そのことが,結果として現状の市内・市外への措置比率になったものと認識をいたしてございます。
◆武藤 委員 最初に申しましたように,こういうような状況の中で,市外の施設へ入る人の数の方が圧倒的に多いわけですよね。この数字は認識されているとおりだと思うのですが,この実態からしても,札幌市内にどれだけの施設整備をこれからしていくのかと,このことにもかかわってくるだろうと思うわけなのですね。
かつては,施設を設置する場合,その認可権は北海道にありましたから,道の認可のもとでは,なかなか札幌市が自由に設置できなかったかもしれない,しかし,それ以後,現在もそうですが,札幌市が認可権を持っているわけですから,札幌市の姿勢一つで,この数字を逆転することもできるわけですよね。
ですから,結局,このような障害者施設の実態が何を及ぼしているかといえば,今ある障害児の施設から「者」が移る施設がないために,「児」の施設で待機していると。移るところがなくて,やむを得ず障害児施設に残らざるを得ない,こういう状況が多数見受けられます。このことが非常に大きな問題になっているわけなのですが,こういう,「児」の施設で待っている人たちも含めましてですけれども,待機者の状況から見れば,
知的障害者で62名,
身体障害者で66人もの待機者もさらにいるわけですよね。この辺を今後どのように,整備計画も含めてお考えになっていらっしゃるのか,この点について改めてお伺いをします。
◎佐々木
障害保健福祉部長 待機者の解消策についてでございますが,今後は,施設整備を計画的に進めてまいりたいと考えております。次の5年計画等で,具体的に解消策を図ってまいりたいと思っております。すなわち,障害児の方につきましては,現在のところ待機はございませんが,者が年々ふえてまいりますので,
知的障害者の入所あるいは通所の施設につきまして,整備の着実な推進を図り,市内での施設利用をより可能とするようにしてまいりたいと考えてございます。
◆武藤 委員 これから整備をしていくというご決意かなと思うのですが,本当に現状は,「者」に移せないために,待機がいない「児」の枠を「者」に切りかえてやっていこうという施設が,今,実はたくさん生まれてきているのですね。だから,これで整備がやられているという認識に立たれたら,私は困るのですよ。そういうことをやっていけば,結局,「児」の方にまた待機者が生まれてくるわけですよね。ですから,今の「児」の枠は確保しながら,民間任せではない,本市の責任でしっかりと「児」も「者」も待機者がいなくなるよう,さらには,市外の施設に行かざるを得ない──これは札幌が措置権者ですから,札幌市の責任で,出しているわけですからね。本来であれば,市内の施設できちんとその措置をすると,ここのところの責任の範囲を,まずはしっかり持っていただきたいという,そのことを前提にしながら,今,部長の方からも,新5カ年でも整備をしていきたいというご答弁がありましたので,この点で,ぜひしっかりやっていただきたいということを要望して,2点目の質問に移ります。
2点目の質問は,障害児の施設入浴の問題についてです。
実は,障害児が施設入浴をするための要綱というものは,特別にないのですね。障害児が施設入浴をする際,「児」も「者」もそうなのですが,札幌市寝たきり老人等入浴サービス事業実施要綱の中で,障害者・障害児の施設入浴が盛り込まれているわけなのです。
この要綱自体は昭和63年にできたのですが,この要綱の第3条1項の2には,
身体障害者手帳の障害程度がおおむね1・2級で,体幹障害,内部障害等により,入浴に全面介助を要する
身体障害者,及び,身体的条件により,現に介護に当たっている家族のみでは入浴が不可能な身体障害児と,施設入浴できる対象者を,高齢者とともに,この第3条の1項の2の中で,こういうぐあいに位置づけているのですね。昭和63年にこの要綱ができたときから,実はこの項があるわけなのです。
ところが,札幌市では,平成9年まで,こういう項があるにもかかわらず,障害者の施設入浴は認められていましたが,障害児の施設入浴はできないできたのが実情だったのです。このことがいろいろ取り上げられるようになりまして,障害児も施設入浴をと,こういう声が強くなってきた中で,改めて札幌市は,この要綱に基づいて障害児も施設入浴ができると,こういうことで,区の窓口で受け付けるようになったという,こういう一連の経過があります。
その点につきましては,お年寄りの要綱ですから,障害者のところでなかなか目に触れていなかったのかなと思うわけなのですが,その前提というのは,障害児や障害者に対しての本市の配慮がやはり薄かったのではないかと思うわけなのです。ですから,こういう要綱に基づいてやれたのに,なぜ,平成9年まで,いろいろ世論が高まらなければ,その施設入浴を,障害児については,15歳以下の児童には認めてこなかったのか。数年前の話になりますので,もしその点について何か理由があったのであれば,まず,この1点をお伺いしたいと思います。
それと,もう1点は,実は,この障害児というのは,養護学校や養護学級に通っている,いわゆる15歳児以下というのは,就学年齢にも該当するわけなのですね。就学している障害児が,施設入浴する場合,ほとんどの施設が月曜から金曜まで,土曜日もやっているところはありますが,この間でなければ施設入浴はできません。ですから,就学児童から見れば,施設入浴をこうやってできるのですが,曜日との関係で,学校へ行っている間は入浴に行けないわけですから,ぜひ,土曜日とか日曜日,学校に行かなくてもいい時間帯に施設入浴をさせてもらいたいと,こういう要望も非常に強く上げられているところです。この点についての現状を,まずお聞かせいただきたいと思います。
◎佐々木
障害保健福祉部長 まず,1点目の要綱の取り扱いの問題につきましてですが,昭和63年に,当時の民生局長決裁で行った要綱は,札幌市寝たきり老人等入浴サービス事業実施要綱でございまして,当時は年齢制限がございましたが,2年前,すなわち平成9年から年齢制限を撤廃してございます。
その考え方は,特に障害者あるいは障害児ということではなくて,寝たきり老人の方の利用の数が圧倒的に多いということもありまして,主たる対象者を特に重点的に定めたものでございます。
2点目の現状でございますが,現在,市内29の特別養護老人ホーム等での入浴サービス事業を行っております。この点につきましては,介護保険のサービス事業の内容とも関連をいたしますので,今後,高齢者の入浴サービス,そして,障害者の入浴サービスの連携,さらには調整の中で,整合性の中で検討をしてまいりたいと考えてございます。
◆武藤 委員 今,介護保険の話も出ましたけれども,介護保険制度の中では,実質的には施設入浴から訪問入浴へと,こういう話も出ているときですので,そういう問題で見れば,調整をといっても,やはりそれぞれ独自の問題として考えなくてはいけないのでないかと思うのです。
私が先ほど質問した土・日ですね,特養などの施設によっては,日曜日もデイサービスを自主的にやっているところもあるのですよ。ですから,この入浴サービスをするに当たっては,本市と,それから施設との間で,たしか契約書を取り交わしているというお話も伺っていますが,その辺の調整で,土・日の施設入浴を障害児について受け入れてもらうと,こういうような方向で検討することができないのかどうか,この休日の対応についてお伺いしたのですが,この点改めて。
◎佐々木
障害保健福祉部長 今後,施設側と十分に協議をさせていただいて,その件も含めて検討してまいりたいと考えております。
◆飯坂 委員 私からは,3点質問したいと思います。
1点目は,
精神障害者の交通費助成についてです。
98年度の決算概要を見てみますと,
精神障害者の交通費助成費は5,200万円余りとなっており,予算額7,600万円に対しまして,執行率は69%となっております。98年の5月からスタートした
精神障害者の交通費助成制度ですけれども,1・2級の方には年2万円,3級の方には年1万円のウィズユーカードが交付されると,こういう制度です。
実際の交付者数はどのぐらいになっているかということで見てみましたら,1,945人ということで,交付数に見合う決算額ということにしますと3,800万円余りで,予算費で約半分,50%になっているわけですね。これは,ニーズがないということではなくて,制度の不十分さがここにあらわれていると,私は考えます。
利用実態を詳しく見てみますと,年2万円あるいは1万円のウィズユーカードなのですけれども,3カ月以内にもう使い切ってしまった,こういう方が29%いらっしゃいます。それから,6カ月以内に使い切ってしまった,こういう方が,何と62%にもなっているわけですね。利用者の6割以上が半年で使い切ってしまう,いかにこの内容が不十分なものかを具体的にあらわしていると思います。
そこで,この制度につきましては,その導入のときから議会でも議論があり,他の心身障害者と同様に,10割,全額助成を望む声も非常に強くある中で,まずは制度をつくることが先決だということでスタートした経緯がございます。
しかし,他の心身障害者交通費助成の場合,1・2級の方は福祉パスで全額助成になっております。それから,3・4級の方は,1カ月で地下鉄7,000円,バス・電車7,000円,合わせて1万4,000円の助成を受けております。この方たちは事業者の半額負担というのがございますので,実質この2倍,月2万8,000円分を毎月利用することができるわけです。年間では,33万6,000円分に相当いたします。この年間33万6,000円という他の心身障害者の利用の助成に比べて,
精神障害者が年2万あるいは1万,これがいかに少ないものか,このことはおわかりいただけると思うのですが,余りにも大きな格差が生じているこの現実をどう認識されるのか,やむを得ないと考えるのか,あってはならないことと考えるのか,まず,この現状認識について伺いたい,これが1点目です。
それから,2点目の質問は,エレベーターの問題です。
地下鉄エレベーターの設置については,議会でもたびたび議論のあったところです。現5年計画では,6駅の目標に対しまして,西11丁目駅,南平岸駅,西18丁目駅,澄川駅,南郷13丁目駅,北34条駅と平岸駅の片側,麻生方向ということで,6駅半が完成する予定になります。残りは,あと全市で13駅半となっているわけです。地下鉄の全駅にエレベーターを設置することにつきましては,議会も行政も認識が一致しているところなのですが,問題は,いつまでにこれを完了させるのか,ここが一番の問題になっているわけです。
エレベーターの未設置駅の状況について,困難な理由,あるいは設置の手法などについても,各駅ごとに分析がなされていて,どうしていくのか,ここが今,問われているわけですけれども,実は私,6月の経済公営企業委員会の道外視察で福岡市に行ってまいりました。ここでは,実は建設大臣の許可をいただいて,4駅で地上部分の歩道にエレベーターを設置する,こういうことも含めて,今年度ですべて完了すると。この6年間で11駅,一般会計ですべてつくると,こういうことも聞いてまいりました。やはり,設置する構えと工夫,ここに違いがあるのかなというふうに思いますけれども,次期5年計画を策定する時期にも入っておりますので,残りこの13駅半は次期5年計画ですべて完了するくらいの構えが必要と思いますが,このことについてお尋ねしたいと思います。
それから,三つ目の質問は,ノンステップ・バスについてです。
ご存じのように,本市におきましても,ようやく,昨年度からノンステップ・バスが1台導入されました。真駒内駅と真駒内本町から市立病院に向かう路線です。1日各6便,計12便が現在運行しております。
ところが,始発である真駒内のバス停が,真駒内の地下鉄駅舎から100メートルほど離れているということがございまして,平岸通を横断しなければなりません。特に冬期間は,車いすの方やつえ歩行の方にとっては,駅舎から100メートル歩くというのが大変困難なわけです。私も,2月,実際に関係者と一緒に,冬期間の試乗をさせてもらったわけですけれども,駅舎とバス停が大変離れていること,あるいは,バス停や歩道の除排雪が不徹底なために,大変な困難が強いられています。
また,市バスの運転手さん,ワンマンカーですから,お1人で,乗降の際にステップを作動し,確認もし,運転もしと,こういうことで,大変,手間暇がかかると,こういう状況になっているわけですね。一般の客,それから,市立病院行きですから,患者さんも乗っているバスでございます,せっかく導入された第1号がこういう現状になっていることについて,障害保健福祉部としてはどう認識されるのか,明らかにしていただきたい,これが1点です。
以上3点です。
◎佐々木
障害保健福祉部長 まず,1点目の
精神障害者の交通費助成についてでございますが,他の障害者の交通費助成との格差につきましては,精神の分野におきましては,今まで医療面を中心とされてきたことなどから,委員ご指摘のとおり,福祉施策がおくれており,交通費助成についても,他の身体・
知的障害者の制度と比べ,大きな格差が生じております。3障害それぞれの特性を考えましても,現状のままでは公平感を持っていただけるものではなく,格差があってはならないものと私どもも考えてございます。
2点目の地下鉄エレベーターの未設置駅の解消についてでございますが,障害者,高齢者等に優しい街づくりを推進するためには,地下鉄駅エレベーター設置は重要な課題でありますので,委員ご提案のような手法につきましても視野に入れながら,関係部局と連携を深め,次期5年計画の中で一つでも多くの駅に設置できるよう,検討を進めてまいりたいと考えております。
3点目のノンステップ・バスの導入に関する認識でありますが,利用しやすい車両が導入されても,それを乗りやすく運行していくためには,委員ご指摘のように,今後,改善すべき事項が多くあると認識をいたしてございます。
以上であります。
◆飯坂 委員 まず,交通費助成のことですが,格差があってはならないということで,明確な部長の答弁がありました。これは,そういう立場から,国の方の5割引制度がない中でも,例えば横浜市とか川崎市,神戸市や福岡市など,他都市では,一般会計が全額負担をして10割助成を実施しているわけです。本市としても,国の制度待ちではなくて,やはりこれだけの格差があって,関係者からも強い要望があるわけですから,今年度終われば約2年経過すると,こういうことになりますので,本市としても,この10割助成を実施すべきだと考えますけれども,いかがかお尋ねをしたいと思います。
それから,エレベーターにつきましては,次期5年計画で一つでも多く実現していきたいということですし,13駅半と,わずかになりましたので,ぜひ,一気にやり上げる姿勢で頑張っていただきたいというふうに思います。
それから,ノンステップ・バスにつきましては,改善すべき事項があるという認識でございましたので,交通局だとか,あるいは建設,雪対策など,こういうところとも協議を進めながら,本当に障害者や高齢者が乗りやすいものになるように,福祉のサイドからも,ぜひ協議に加わって,改善方,促進をお願いしたいというふうに思います。
そこで,昨年度1台,そして今年度は2台導入されて,全市で3台となるわけですけれども,180万都市札幌でわずか3台というのは,余りにも少ないと考えるわけです。今後の高齢社会の促進,あるいは障害者の社会参加の促進,そのためにも,ノンステップ・バスの増車が必要と考えますけれども,いかがかお尋ねしたい。
あわせて,このノンステップ・バスの費用負担です。増車するに当たっての費用負担なのですけれども,このノンステップ・バスは,一般車両のおよそ2倍の価格と言われています。それで,国が4分の1,道が8分の1,市が8分の1を負担して,交通局が残り2分の1,つまり,普通の車両代を交通局が負担をして,ようやくノンステップ・バス1台が購入できると,予算上はこんなふうになっているわけです。
ところが,全国的にこういう趨勢ですから,ノンステップ・バスを導入する市町村が急増してきたわけですね。そこで,国の方の4分の1補助というのは,全国プールの中で決めていくものですから,予算上は4分の1までいいですよとは言っているのですけれども,実際にそれだけ来るかどうかというのは,ふたをあけてみないとわからないという今の状況にもなっているやに聞いております。
そこで,今,そのツケを全部交通局がかぶるということになれば,今いろいろ交通局の健全化,あるいは回復策ということで,財政問題も大いに議論しているところですが,こうなりますと,なかなか,増車の基本はいいのだけれども,実際に増車する費用をどこが持つのか,これによっては計画どおり進まないということも起こり得るような状況になっているわけです。
そこで,この費用負担について,市の8分の1というのは,今,企画調整局の総合交通対策部の方が持っていると,こういうルールだと聞いておりますけれども,ぜひ,障害保健福祉局のところでも,このノンステップ・バスの重要性については,認識は一致されていると思いますので,費用負担等について,一般会計がさらに支援するという考えがおありかどうか,お尋ねをしたいと思います。
以上です。
◎佐々木
障害保健福祉部長 1点目のノンステップ・バスの増車についてでございますが,障害者,高齢者等に優しい街づくりを推進するために,公共交通機関のバリアフリー化は重要であると認識をいたしております。
そこで,福祉のまちづくり条例に基づき設置した札幌市福祉のまちづくり推進会議等の場において,これらの点につきましても,市民,事業者からの意見を求めながら,それが反映できるよう,関係部局との連携を深めてまいりたいと考えております。
2点目のノンステップ・バスの一般会計からの補助につきましては,バリアフリー化に対する国の補助制度や全体的動向との整合性,利用しやすい車両に対する市民の要望や利用実態,民間バス事業者を含めた導入推進の考え方等々を十分見きわめながら,慎重に検討すべき事項であると考えております。
◆飯坂 委員
精神障害者の交通費助成の10割助成については,ちょっとご答弁なかったのです。格差があってはならないという認識は示されたのですけれども,10割助成に向けてどう具体化を図っていくかという点で,あわせて再質問をしたいと思います。
実は,4月に市長選挙がございました,我々市会議員選挙もあったわけですが,関係団体であります
精神障害者の交通費助成を求める実行委員会,8団体の方が,それぞれの市長候補に公開質問状を出したわけです。桂市長の後援団体であります明日をひらく札幌市民連合,ここが,市長あての質問状の回答ということで,代表の大井さんあてに,3月24日付で回答を寄せております。この中に,交通費助成の問題につきまして,十分満足いただけるものではないということを承知しているということをいいながら,今後,早急に障害の区別なく公平感を持っていただけるよう,制度の施行に向けて努力いたしますと,早急に不公平感がなくなるようにということを言っているわけですね。ですから,そういう立場で言いますと,この「早急に」というのは,やはり来年度の予算に具体的に予算要求をして,改善方を図るべきだというふうに思うのですけれども,
精神障害者の交通費の格差是正について,来年度予算要求に盛り込むお考えがあるかどうか,明確に答えていただきたいと思います。
◎佐々木
障害保健福祉部長 1点目の交通費の10割助成の必要性につきましては,
精神障害者の社会参加を目的として開始をした事業でありますので,その必要性については十分認識をいたしてございます。
2点目の来年度の予算編成における交通費助成でありますが,今申し上げましたとおりの認識でございますので,格差を是正すべく,最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
以上であります。
○上瀬戸 委員長 以上で,第3款 民生費 第1項 社会福祉費及び第4款 衛生費 第1項 保健衛生費のうち関係分の質疑を終了いたします。
ここで,約20分間休憩をいたします。
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休 憩 午後3時25分
再 開 午後3時45分
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○上瀬戸 委員長 それでは,委員会を再開いたしたいと存じます。
始める前に,委員の皆様,そして理事者の皆さんにお願いを申し上げたいと存じます。
まだ質問者が多数おりますので,質問は,極力簡潔にお願いをしたいと思いますし,また,答弁の方も要点について簡潔にお願いをしてまいりたいと存じます。
それでは,第3款 民生費 第2項 児童福祉費及び母子寡婦福祉資金貸付会計決算について,一括して質疑を行います。
◆小野 委員 私は,大きく2点について,一つは,乳幼児健康支援デイサービス事業,二つ目に,放課後児童健全育成事業について質問をいたします。
最初に,乳幼児健康支援デイサービス事業についてですが,この件については,本年度の予算の中でも計上されていますし,2定の議案審査特別委員会でも私の方から質問をしているわけですが,こういったニーズについては,2年前の調査でも,こうした「病児保育が必要である」というのが92.2%,「あれば利用したい」が79.3%と,極めてニーズの高いものでございました。今年度実施するに当たって,この実施施設を医療機関に付設することを前提に,本年度1カ所設置をするということで,どこに設置をするかが,いわゆる医療法との関係などで大変ご苦労されているというお話でした。もう既に10月に入っているわけでありまして,結果として,実施先が決まったとすれば,どこに決まったのかを伺いたいと思います。
それから,次に,放課後児童健全育成事業についてでありますが,9月16日に社会福祉審議会から答申が出されまして,9月20日には,留守家庭児童対策に関する陳情を含めて,厚生委員会で審議をしてまいりました。
そういった中で,多くの委員が指摘をしていたわけでありますが,本市の放課後児童健全育成事業の中で大きな方針転換になるであろうと。それは,この答申の受けとめ方として,特に諮問の背景としても触れられているわけでありますけれども,児童福祉法などの一部改正によって,放課後児童健全育成事業が法律上位置づけられたと。それから,現在の札幌市の要綱が,制定されてから10年が経過をしている。それから,特に大きな点として私たちが共通の認識を持たなければならないのは,急激な少子化が進行していること,あるいは共働き家庭が一般化して,家庭や地域における子育て機能の低下など,子供を取り巻く環境が変化をしてきていると。この点が,特にやはり強い危機感といいますか,そういうものとして今回の答申を受けとめて,この答申をどう具体化をするのかという立場から議論をしていかなければならないと思います。
当然ながら,要綱の改定に向けて今検討されているわけでありますけれども,向こう長きにわたってこの要綱が左右するといいますか,基礎になるわけでありますから,もちろん来年度の予算編成だとか,いろいろな規制をされる要素はあろうかと思いますが,十分に先を見越して,先ほど言いました,いわゆる諮問の背景にある,そういう危機感といいますか,認識をしっかり踏まえた上で,充実・前進を図るべきでありますし,市民の皆さんから後退であると言われるようなことがあっては決してならないと思います。
そういった意味で,この件に関する質問に入りますけれども,一つは,私ども民主党としても,留守家庭に限らず,子供たちの放課後生活を考えた場合に,今日まで中学校区に1カ所の児童会館という基本で進めてきたことに対して,やはり小学校区に,できるならば学校の敷地内,あるいは隣接地に,公的責任で公的整備を図るべきであるという主張を行ってきたわけであります。この点は答申にも生かされているものと考えているわけでありますが,まず最初に,この点をどのように考えるのか,明らかにしていただきたいと思います。
それから,2点目として,公的整備を考えた場合,答申にも触れられていますが,今後はミニ児童会館での整備が中心になると思うのであります。現在,10月1日で3館オープンをいたしまして8館になったわけでありますが,このミニ児童会館について,利用の状況や,あるいは保護者,学校関係者などからどのような評価をされているのか,伺いたいと思います。
◎平井 児童家庭部長 私から,1点目の乳幼児健康支援デイサービス事業についてお答えを申し上げます。
今年度初めての事業ということで,モデル的位置づけといたしまして,交通アクセス,それから施設・設備や職員配置の運営等,総合的に勘案をいたしまして,東区の地下鉄北13条駅そばの天使病院を設置・運営いたします社会福祉法人聖母会を業務の委託予定先として決定いたしまして,同病院に附属します職員寮の1階空きスペースを利用いたしまして,必要設備等を整えた上で実施施設としていきたいと考えております。
◎八反田 少年育成担当部長 ただいま,2点のご質問がございましたので,それについてお答えを申し上げます。
まず,1点目の小学校区単位で公的整備をとのご指摘についてでございますが,本市では,これまで,中学校区単位に児童会館を整備する中で,児童の健全育成と留守家庭児童への配慮を行ってまいりました。
しかし,ただいま,委員からご指摘のございましたように,小学校区に着目した事業展開が必要となってきていると認識しております。既に,現5カ年の中で,平成9年度から小学校の余裕教室を活用したミニ児童会館に着手し,実施してきているところでございます。
それから次に,2点目のミニ児童会館に対する評価ということでございますが,1日当たりの利用数で見ますと,一般の児童会館における小学生の利用人数よりも2割程度多くなってございます。その理由といたしましては,授業終了後に友達同士が誘い合って来館できることとか,クラスや学年が違う子供も一緒になって遊ぶことができる,放課後の新たな活動の場として定着してきたものというふうに認識をしております。
一方,保護者の方々からも,新しい友達が大勢ふえたとか,子供の居場所が特定できて安心できるというふうに,大変喜ばれておりますし,また,学校の先生方からは,学校生活とは違った児童の一面を見ることができるというような評価もいただいております。
今後とも,児童,それから保護者の方にさらに喜ばれる施設となるように,充実に努めてまいりたいと思っておりまして,今後のミニ児童会館の整備につきましては,私ども内部で十分協議をする中で,前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆小野 委員 最初に,乳幼児健康支援デイサービス事業についてですが,実施先について,いろいろと二転三転していることも,その経過,あるいはその理由についても承知をしておりますし,そういった面では,努力をされた原局,あるいは,受け入れをしていただく法人施設に対して敬意を表したいと思います。
特に,働きながら子供を育てる保護者にとって,ことしも多いO-26の発生で保育園を閉鎖したとか,いろいろなことがありまして,そういったときに,安全で安心して預けられる場所という点で,この開設を待ち望んでいた施設でありまして,この実施先が決まったということでありますので,早急に事業を開始すべきと思うわけでありますが,一つは,開始の時期をいつにしているのか,どのように準備をされているのか,お聞きをしたいと思います。
それから,全国でも幾つか実施されているわけでありますけれども,必ずしもPRが十分でないために,潜在的な需要は多いにもかかわらず,利用状況がいまひとつというところもあるやに聞いています。この施設を必要とする,関係のある人に対して,いかに事業を知ってもらうか,そういうPRをどのような方法で行っていくのか,お考えをお示しいただきたいと思います。
それから,次に放課後児童健全育成事業の関係でありますが,ミニ児童会館を整備してきた,その評価については,私どもも一致するわけであります。特に放課後の子供たちが,一度家に帰っちゃうと家の中に閉じこもりがちな最近の子供たち,あるいは少子化の傾向の中で,授業が終わった後,誘い合って学校施設内のこのミニ児童会館に行けるという点で,非常に意義のある事業だと評価をしているわけでありますが,今後の決意として,この整備を,やはり基本的には各学校ごとに,ですから,211ある小学校すべてに整備をすべきだと思いますし,少なくとも,今,児童会館がない約100の小学校に整備すべきでありますし,なおかつ,留守家庭の,民間学童保育を含めて,そういった施設がない空白の小学校区が約50あるわけでありまして,こういったところには,ぜひ,このミニ児童会館の整備を強力に進めなければならないと思います。していただきたいと思います。
これは,さきの厚生委員会でも,民主党の藤原委員からも指摘しましたけれども,財源的に,児童会館1館が約2億5,000万,ミニの場合には整備費が約700万円余りでありますから,もちろん整備費だけでなくて,毎年運営費がかかっていくわけで,単純にいかないと思いますけれども,ぜひ飛躍的な整備を進めていただきたい。少なくとも,これまで,試行的な面も含めて1年に3館程度でありましたけれども,こんなペースではなくして,少なくとも二けた規模,横浜市などでは1年間に36カ所の整備を行ったという,そういう報告もあるわけでありますが,ぜひ強力に進めていただきたいと思います。
そういった中で,今後,ミニ児童会館の整備を進めていきますと,先ほど言いましたけれども,いわゆる民間の学童保育所がある小学校区にも整備をされる状況があるわけであります。このことについては,答申にもうたわれていますように,いわゆる公民共存,つまり,公的施設・公的責任を基本としながらも,やはりそこだけでは,不足をするといいますか,満足し切れない,対応し切れない子供や保護者が存在をしている,あるいは,実態として,助成が打ち切られても,保護者が相当な財政的な負担をしながらも存続している民間学童保育所のよさといいますか,存在の必要性,そういうものが,審議会の委員の中でも認められて答申にも反映をされていると思うわけであります。こういう市民の多様なニーズを認めて,民間も支援をしていく,育てていくという立場が必要ではないかと思います。
そこで,民間施設方式への助成の基準がどのようになっていくのかと,具体的に心配をされているわけでありますが,児童クラブが整備されている校区の民間学童保育所への助成と,あるいは,こういった公的な整備がされていない校区にある学童保育所への助成に違いが生じるのかとか,あるいは,この間,助成が打ち切られた中で運営をしてきている民間の学童保育所が,今回の答申を受けた中で再び登録された場合に,既に登録されているところとの違いが生じるのかとか,さまざまな疑問があるわけであります。
さらには,この間,本当に長い間にわたって多くの議論がされてきているわけでありまして,一つには,きちっと指導員の賃金を保障できる,指導員の賃金に基づいた運営費を算出をして,その50%という助成を行っているわけでありますけれども,果たしてこの50%で十分なのかという問題,基本的にはもっともっと引き上げて,賃金保障は最低限していかなければならないと思うわけでありますが,こういった点だとか,あるいは指導員についても,22名以下のところで1名の配置となっているわけですが,やはりここも複数配置でなければ,休みをとることもできないという状態の中で,複数配置の問題,あるいは家賃の実費保障の問題とか,さまざまな検討課題があるわけでありまして,これをどのように考えていくのか,この点をまず明らかにしていただきたいと思います。
それから,2点目に,障害児の受け入れについて,さきの答申でも,障害のある留守家庭児童については,4年生以上についても検討する必要があるとされているわけであります。この点については,私も何回となくこの委員会でも発言をしてきておりますが,障害児は,高学年になるほど,同じ年ごろの子供たちとのかかわりといいますか,あるいは遊びの場が非常に少なくなって,親とか,あるいは家の中でとか,そういう傾向にあるわけで,この障害児の受け入れを引き上げていくという点では,ぜひとも実現を図っていただきたいと思います。
それから,児童会館,自由来館も含めてでありますが,希望する障害児については,原則として入会あるいは来館を拒まないという,そういう姿勢が重要でありますし,ぜひとも施策に反映していただきたいと思いますが,現時点での考え方をお示しいただきたいと思います。
◎平井 児童家庭部長 乳幼児健康支援デイサービス事業,いわゆる病後保育の開設時期でございますけれども,施設の改修その他,事務を早急にとり行いまして,何とか年内には開設したいというふうに考えております。
それから,PRでございますが,広報さっぽろによるPRのほか,医師会に協力をお願いいたしまして,市内の各医療機関に周知を図る一方,保育所,幼稚園を通しまして,保護者の方に周知を図り,この事業が広く利用されるよう,PRに努めてまいりたいと思っております。
◎八反田 少年育成担当部長 2点のご質問がございましたが,まず,1点目の民間の助成基準や内容についてということでございますが,児童福祉法の一部改正によりまして,市町村のほかに,社会福祉法人や,いわゆる父母会などが,この事業の実施主体として認められました。また,父母や地域のご努力で,助成金がない状況の中でも運営をされている団体が現にございます。それから,子供を取り巻く環境がこのように変化しておりますので,留守家庭児童が非常にふえているというようなこともございます。現要綱が制定されました10年前の当時とは,状況が大きく変化しているものというふうに認識をしてございますので,ただいまご指摘にありましたようなさまざまな課題を認識し,ご意見を踏まえて,今後検討してまいりたいというふうに考えてございます。
それから,2点目の障害児の関係につきましては,現要綱では,小学校の1年生から3年生までの留守家庭児童が対象となっております。しかし,お話にありましたように,障害のあるお子さんにとっては,保護者の方のお話などを伺いますと,年齢が高くといいますか,高学年になるほどに,同じ年ごろのお子さんとのかかわりが持ちにくくなるというようなお話も伺っております。こうした高学年のお子さんを含む皆さんが,児童会館には一般自由来館という形で,41の児童会館に117人が現在来館しております。こうした方々に,より利用していただきやすくなるように努めてまいりたいと思っておりますが,児童クラブでの受け入れ,それから,自由来館としての受け入れ,そして,さらにお話にありました,4年生以上の児童への配慮などといったことについても,さきの答申の趣旨を踏まえまして,また,ただいまいただきました委員のご意見を真摯に受けとめまして,今後の施策の中に反映できるように努めてまいりたいと考えております。
◆小野 委員 病児保育でありますが,まだ病気回復期にあり,健康状態に不安のある子供を預かる事業でありますので,十分配慮し,PRはもちろんでありますが,運営面に関しても,医療機関や保育所などと十分連携を図って,保護者が安心して子供を預けられる施設にしていただきたいと思います。
それから,通勤事情だとかそういったことを考えますと,当然,天使病院1カ所では不足なわけでありますし,ことしのO-26のときには,保育所の中でも工夫をして子供たちの受け入れをしていたという話も伺っておりますので,そういった方策なんかについても今後研究していただいて,増設していくことを強く要望しておきたいと思います。
それから,次に留守家庭児童の問題について,今,八反田部長から,答申の趣旨などを真摯に受けとめて,今後の施策の充実に努力していくという答弁があったわけであります。この点は大いに期待を申し上げながら,さらにもう少し踏み込んで質問をしたいと思います。
いわゆる民間施設方式の助成基準についてでありますが,現在,市から助成を受けている47団体のうち,20人未満の登録が19団体,つまり,約4割が10人から19人での登録ということであります。最低基準であるこの10名でも,私自身の経験からしても,極めて厳しいといいますか,きついのです。特にこの対象が,小学校区ごとにこの学童が存在をするといいますか,これが,逆に二つ三つの小学校区から子供が来るような実態というのは,極めて好ましいことでないわけですね。それは,ないから来る,あるいは,運営的にも苦しいから,いろんなところから来ていただいているという状況があるわけで,基本はやはり小学校区単位にこういった学童が存在をすべきであり,そういう面では,少子化でクラスも減ってくる中で,この10名を確保することも非常に厳しいというのが実態であります。
しかし,少数であっても,必要な子供がいる場合は,やはりきちっとしたこういう助成がなされなければならないと思うわけでありますが,そういった状況の中で,現行の助成基準,中でも登録人員について引き上げをするとなれば,その多くが助成を受けられない,子供たちの行き場所がなくなるということになるわけであります。確かに,公的責任において公的整備を図っていくということを,私たちとしても基本に考えているわけでありますけれども,実際問題として,多くの子供たちが通い,多くの財政負担をしながら,保護者が安心して働いている状況にある現在の学童保育所に対して,登録人員の引き上げなどによって切り捨てるようなことがあってはならないということを強く申し入れておきたいと思います。
そういう面で,現行の10人以上としている基準,これは最低限の数であり,もっと言えば,運営が可能な点で言えば,一けたでも助成の対象にしていくことが考えられるべきだと思うわけでありますが,この点どのように考えられているのか,お聞きをしたいと思います。
それから,民間学童保育所に対する障害児加算についてでありますけれども,これも去年試行的に,それでことしから予算措置をされているわけでありますが,これについても,せめて北海道並みの助成に引き上げるべきだと考えます。
つまり,具体的には,北海道の場合には,障害児2人から4人で年額56万4,000円です。人数も,4人から8人,あるいは9人以上と,3ランクに分けて,それぞれ金額を設定しているわけです。しかし,本市の場合には,複数以上ということで,2人以上,何人受け入れている施設であっても年額40万7,000円ということで,北海道に比べて額も低いし,それから児童数に応じたものになっていないわけであります。
そういった点で,民間学童保育所において,積極的に,障害のある子供たち,あるいは留守家庭児童を受け入れて努力をされていることに報いるためにも,せめて北海道並みの障害児加算となるように努力をしていただきたいと思うわけでありますが,この点についての見解をお示しいただきたいと思います。
◎八反田 少年育成担当部長 ただいまの2点,そのうちの1点目でございますが,民間施設方式への助成基準のうち,特に登録人数についてのご質問でございますが,ただいまのご質問の背景としては,社会福祉事業法による本事業の届け出義務に関する規定ですとか,国のこの事業に対する補助基準が,おおむね20名以上となっていることなど,そうしたことから,見直しの基準次第では助成対象から外れてしまうところが出やしないかというようなことを危惧されてのご指摘と存じます。
このことにつきましては,今日の留守家庭児童の置かれている環境や,これまでの状況を考えるとともに,今回の答申や委員のご指摘などを踏まえまして,今後さらに検討してまいりたいと考えております。
それから,2点目の民間施設方式に対する障害児加算の充実ということについては,今年度から障害児加算を予算化しておりまして,父母の方々には一定程度のご理解をいただいているかと思っておりますが,ただいま,せめて道並みの助成をという強いご意見をちょうだいしたところでございますので,ご意見を踏まえまして,今後,さらに障害のある児童の方々を積極的に受け入れることができるように,施策の充実に努めてまいりたいと考えております。
繰り返すことにはなりますが,さきの答申の趣旨,またご意見を真摯に受けとめ,今後の施策の充実に努めてまいりたいと考えております。
◆涌井 委員 私は,大きく3点,先ほどの小野委員の方からの質問にも若干重なる部分もありますので,精査して3点に分けてお話をさせていただきたいと思います。
まず,1点目につきましては,今お話ししました病後保育の件でございます。
この乳幼児保健支援デイサービス事業,極めて重要な施策でございまして,我が会派としても,本当に待ちに待った事業だというふうに思っているわけでございます。先ほども,天使病院ということで,事業を開始されるというようなことでございました。
国においては,こういった医療機関以外にも実施形態が拡大されてきている,こういうふうに聞いております。今回の国が示している実施形態の範囲は,どのようになっているのか,まず伺いたいというふうに思います。
◎平井 児童家庭部長 2点のご質問でございますが,このデイサービス事業は,病後保育という観点から考えれば,私どもは,子供の立場に立って,ある程度複数の施設が必要という認識を実は持っております。
しかしながら,今回,年内に,一つモデル事業ということでやりますので,その利用実態等も踏まえながら対応を考えていきたいというふうに考えております。
それから,国が示している実施形態の範囲でございますが,10年度までは,実施施設は医療機関または乳児院に付設することと定められておりました。ところが,ことしの4月の要綱改正に伴いまして,保育所を除く厚生省児童家庭局所管の児童福祉施設,単独型専用施設,及び市町村が登録した保育士等を派遣して,医療機関や児童福祉施設の余裕スペース,児童宅もしくは保育士等の自宅で預かる,いわゆる派遣方式が追加されたところであります。
さらには,来年度の概算要求の段階ではございますが,国は,12年度から保育所への付設についても認める方向を示すなど,実施形態も多様化が進められておるところでございます。
◆涌井 委員 この平成9年に行った,市内保育所に入園している児童の保護者を対象にした需要調査を行ったときに,実施形態としては,普段利用している保育所に付設してほしいという意見が圧倒的に多かったのではないかというふうに思うわけでございます。付設については,さまざまな観点から大変難しい制約も,先ほども,あるというようなことであります。今後,私としては,医療機関への付設に限らず,保育所のもっと広範な取り組みが非常に大事ではないかと,こんなふうに思っているのですが,市の見解をいただきたいというふうに思います。
それから,今後,こういった事業が,今回はモデル事業ということで,札幌市内1カ所でございますけれども,何カ所か複数の配置が,当然,5年以内,考えていくと必要でございますので,この5カ年計画の中にどうか盛り込んでいけるように,これは要望しておきますが,今後の取り組みについて見解をお示しいただきたいと思います。
◎平井 児童家庭部長 私どもも,今回のモデル事業の実施に伴いまして,さまざまな検証をしながら,今言いました国の方の考えも多様化に対応するような考えでありますので,保育所の付設も含めて,今後,次やる場合には,どのような実施形態が望ましいか,また,次の施設整備等も,いつごろの時期がいいのか,今回のモデルケースの中からさまざまなことを検証して検討してまいりたいと考えております。
◆涌井 委員 では,2点目の質問をさせていただきたいと思います。
放課後児童健全育成事業についてでございます。
放課後児童健全育成事業につきましては,段々のいろんな,さまざまなご意見,答申もございます。私は,これからの子供たちのことを考えていく中で,多様な育て方といったものがあっていいのではないかと。また,仕事をしている,あるいはいろんなサークル活動に行っている,いろんなお母さんたちがいるわけです。そんな中で,今後の放課後児童対策についてどうするのかといったときに,大事なことは,人間形成の場において,いろんな姿があってもいいのではないか,こんなふうに思います。
そこで,質問ですけれども,児童の放課後生活を考えていった場合に,児童の健全育成というのは,ある意味では,留守家庭児童のみ配慮されるというような視点もあるわけですけれども,そうではなくて,より多くの児童,すなわち,すべての児童に対して行っていくべきではないかと,こんなふうに思いますけれども,どういうふうに考えるのか,お伺いしたいと思います。
それから,もう一つは,今回の答申でも話がありましたけれども,市は,児童クラブがある校区にあっても,一定基準を満たしたものであれば民間施設方式として登録を認める,あるいは,民間の社会資源の参入,そういったような意見が述べられたわけでございます。民間事業の展開,ある意味では,あくまでも留守家庭児童に限られる事業として展開されるわけです。市としては,安易に民間に任せる,あるいは民間があるからいいというようなことではなくて,やはり私は,今までどおり,児童クラブの位置づけというものをしっかり持って,堅持して,この充実をしっかり,公的な整備を多くできるようにすべきだと,こういうふうに思いますけれども,その考え方について,2点目質問します。
それから,3点目,民間活用について,先ほどお話もありましたけれども,少子化を考えていきますと,幼稚園,あるいは学校法人など,いろんな民間活用があると思います。やはり学校法人だとか社会福祉法人は,学童保育と違って,ある意味では組織がしっかりしている,あるいはまた,さまざまな環境も整っているというようなことで,市としても積極的にその環境整備をすべきであると,こういうふうに考えますけれども,その点について,3点目お伺いいたします。
◎八反田 少年育成担当部長 3点のご質問がございましたが,まず1点目の,すべての児童にとっての放課後生活の充実を図るべきとのご質問でございます。
現代社会は,家庭や地域における子育て機能の低下や非行の低年齢化,いじめや虐待など,子供を取り巻く環境には大変厳しいものがございます。そうした状況を考えますと,児童の放課後生活を見たときに,ただいまの委員のご質問にございましたように,児童の健全育成ということが,留守家庭児童に対してのみの配慮でよいものとは考えておりませんで,児童会館を中心に,これまで,異年齢交流や地域とのコミュニケーションを図る中で,世代間交流などを通して,広く児童・生徒の健全育成に努めてまいりました。
しかし,その一方では,法改正などもございまして,それから,平成元年に,私どもとしての札幌市留守家庭児童対策実施要綱を制定いたしまして,児童会館に児童クラブを開設して,その中で留守家庭児童対策を行ってきたところでございます。
本市といたしましては,今後とも留守家庭児童への配慮をしながらも,これまでと同様に,すべての児童の健全育成の場として,児童会館やミニ児童会館の整備と充実に努めてまいりたいと考えております。
それから,2点目の,民間に頼るのではなくというようなご指摘がございました。
昨今の児童の放課後生活を見たときに,留守家庭児童以外でも,保護者の社会参加などで放課後の指導を必要とする児童が多い状況にあります。したがって,これらのことを考えますと,現行のすべての児童の健全育成を基本とする中で,児童クラブをさらに整備充実していくことが求められていると認識をしておりますので,委員のご指摘を踏まえまして,さらに検討してまいりたいと考えております。
3点目の,民間資源として幼稚園等の活用をというお話がございました。
現要綱の中でも,留守家庭児童対策が未整備の小学校区におきましては,一定の基準を満たした場合には,市の助成を受けて運営することが可能となっておりますので,より幅広い民間活用が図られるように,関係先へのPRなども含めた対応が必要となっております。今後,十分検討してまいりたいと考えております。
以上3点でございます。
◆涌井 委員 今まで本市においては,すべての児童の健全育成を図るということを基本に置いて,1中学校区1児童会館を整備し,現在101館になったと。整備もこれで終わったというようなことから,新たな展開ということで踏み出したわけであります。
しかし,理事者からの答弁にあるように,昨今の児童を取り巻く環境を考えた場合には,すべての児童の健全育成というのが骨格にあるのだと,重要だということは言うまでもありません。
現在,児童クラブなどの留守対策が未整備の小学校区は50校区でありますけれども,この未整備の校区にだけ着目するのではなく,既に民間の学童保育所が整備されている校区についても,ミニ児童会館を整備するなどして,より多くの児童が,放課後,楽しく安全に過ごせるように,保護者が安心できるような環境づくりに努めるために,より一層のミニ児童会館の充実を希望いたします。これは,要望でございます。
それから,最後でございますけれども,児童養護施設,それから母子生活支援施設の整備計画についてお話を伺います。
昨今,少子化対策の中で,特に臨時特例交付金22億円も,保育所に対する待機児童を出さないというようなことから,子育て支援策,国の政策としても進められてきておりまして,ある意味では,大変に脚光を浴びているわけでございます。
一方,同じこの児童福祉施設の中であっても,児童養護施設,あるいは母子生活支援施設に関しては,大変に光が当たっていないように私は感じるわけでございます。この施設の中には,相当に傷んでいるものがありまして,これらの両施設の整備計画について質問をしたいというふうに思います。
札幌市内には,現在,児童養護施設が5カ所,母子生活支援施設が6カ所あるわけでございます。これらの建築年次についてお伺いしたいと思います。
また,これらの中には,かなり古い,築四十数年というような施設もあるというようなことで,施設の改修はどのように行われているのか,お伺いをしたいと思います。
◎平井 児童家庭部長 養護施設5施設のうち,建設年次でございますが,30年代が1施設,40年代,50年代が,それぞれ各2施設となっております。
また,母子生活支援施設につきましては,40年代が3施設,50年代が2施設,60年代が1施設となってございます。
各施設における改修状況でございますが,これらの施設はすべて入所施設であり,修繕のために施設を閉鎖することはできませんので,日々,建物に小まめにメンテナンスを,小修繕等を行っております。しかしながら,ボイラー,配管といったような老朽化が進むものについては,逐次改修工事を行ってきているところでございまして,60年以降,養護施設五つのうち4施設が,これらの設備・機器等の改修を,また,母子生活支援施設におきましては,2施設で実施をいたしております。
◆涌井 委員 各施設については,それぞれ大規模修繕,あるいは小修繕が行われているというようなことでございましたけれども,修繕に対する助成制度ですけれども,とりわけ,国庫補助,あるいは市独自の補助制度にどのようなものがあるのかということをまずお伺いしたいと思います。
また,これらの制度で,日常的に発生するような小修繕に対応が可能かどうか,これも伺いたいと思います。
◎平井 児童家庭部長 大規模修繕にかかわる国庫補助でございますけれども,老朽民間
社会福祉施設整備費補助金という制度がございまして,国が8分の4,市が8分の2,法人が8分の2負担という制度でございますが,本市におきましては,札幌市の8分の2の負担に加えまして,法人部分の8分の1を本市独自で負担をいたしまして,したがいまして,国が8分の4,本市が8分の3,法人が8分の1という負担で,大規模修繕を行っております。
また,小修繕等の手当てといたしましては,児童保護措置費の運用と,札幌市独自で施設運営費の一部を補助する運営費補助を設けておりまして,日常的に生じます小修理については,経費上,これらのお金を使って十分に対応可能な状況となっております。
◆涌井 委員 この養護施設に行かれた市民の方からのお話ですと,老朽化が非常に激しくて,おふろ場ですとか,あるいは天井,配管,さまざまなところの老朽化が非常に目につくと,何とかできないものかと,あれでは施設に入所した,その方の知り合いの方が非常にかわいそうだというようなお話があって,調べてみたわけでございます。
今後,老朽化が進んで,今後建てかえが必要になってくる施設も出てくるというふうに思います。こういった児童福祉施設の整備に関する今後の取り組みについて,やはり随分古いわけですので,何としても,この5カ年の中でも盛り込んで,しっかり取り組んでいけるようによろしくお願いしたいと思いますけれども,その点についてお伺いいたします。
◎平井 児童家庭部長 日常的なメンテナンス,大規模修繕等によりまして,可能な限り長期利用を各施設図っているわけですけれども,ただいまのお話等もありまして,建てかえとか改築が効率的なものにつきましては,次期5カ年の中で計画的に事業化を図ってまいりたいと考えております。
◆武藤 委員 私からは,3点について質問をさせていただきます。
まず,子育て支援事業にかかわってです。
子育て支援事業は,97年4月から,仲よし子ども館事業の質的転換事業としてスタートしてきたところです。その中でも,子育てマンパワーの育成や子育てネットワークの構築,これらに重点を置いて効果的な事業を展開するのだと,当初こういう説明も受けてきました。これが97年度からスタートして,97年,98年ということで推移してきたわけなのですが,この3年間の推移を見ますと,当初計画で始まった,児童会館を使用したあそびの広場というものが,この3年間の間に,募集方法の変更だとか,また,この9月の中旬からは,事業内容そのものの変更もされてきているとお聞きしておりますが,この事業内容の変更の理由は何だったのか,この点についてお尋ねをします。
2点目は,少子化対策臨時特例交付金にかかわってですが,この件につきましては,代表質問でもお尋ねをしたところです。代表質問の中でも,この特例交付金について,公立保育園も老朽化が進んでいたり,あるいは,公立保育園の栄養士の配置も今見直しがかけられてきていると,こういうところにこそ,この交付金は,厚生省が言うように,少子化対策の呼び水として使用しなければならない,その目的からしても,こういうところにこそ予算配置をすべきではないのかと,こういう質問をしてきたところですが,いただいた答弁は非常に抽象的でして,「公立保育園につきましては,公立保育園がその機能を最大限発揮できるよう,その効率性も考慮し,適時適切な環境を整えてまいりたい」,これが答弁だったのですね。これでは,その質問の趣旨に全くかなっていないと。改めて,この点についてお尋ねをしたいと思います。
それと,また,この交付金につきまして,待機児童のこともいろいろ問題になっているところですが,代表質問の答弁の中では,現在,16億円を基金として積みますけれども,その活用によって,これから,2年後,2001年度までに500人の定数増を実現していきたいと,このような答弁もありました。
しかし,それまでは待っていられない現状もありまして,現在,民間の保育園では,市の要請にこたえながら,国は,全国的な傾向である待機児童解消のために,定数の25%枠まで緊急入所で入れてもいいと,こういうことを国が言っているわけなのですが,本市としては,定数の20%までを緊急措置として入れることができるという確約を,各園と,50園との間でとっているわけですね。公立も含めて,この緊急措置ということで,定数以上の児童が入所をされているわけなのですが,実際には,例えば90人の定数で20%増といえば,108名にもなってしまうわけなのです。100人の定数であれば120人になるわけですね。こういうような状況からすれば,その配置基準の問題,あるいは臨時保育士の配置の問題等,20%の緊急措置をできるだけの受け皿が整備されているのかどうなのか,この点についても伺いたいと思います。
3点目は,留守家庭児童対策事業についてですが,先ほどからもいろいろ質問も出ていますけれども,私は,この中で,はっきりさせなくちゃいけないのは,先日の厚生委員会の中でも,答申についていろいろな議論がされ,私もその質疑を全部聞きましたけれども,生活の場ということがいろいろ議論になっていました。
そこで,改めてお尋ねしたいのですが,昨年の4月から,学童保育というのは,児童福祉法と社会福祉事業法によって放課後児童健全育成事業として位置づけられ,法制化されました。この法制化によって何が変わったのかといえば,留守家庭児童対策の事業は,対象児童に対して適切な遊び及び生活の場を与えて実施させなければならない,こういうぐあいに定められたわけなのですね。生活の場とは,じゃ,一体何なのか。小学校低学年の子供たちが,日ごろどのような過ごし方をするのか,家の中でどのような生活をしているのかを幅広く想定して入れた表現であるのだと,厚生省はこのようなコメントまでつけて法制化に踏み切ったわけなのです。ですから,本市としても,この生活の場に対しての認識をどのようにされているのか。
本市におきましては,これまでも,留守家庭児童対策事業は本市としてやってきたのだと言っております。この態度は一貫していると思うのですが,その中でも,これまでの生活の場,これからの生活の場,これに,本市の認識として違いがあるのかどうなのか,この辺の見解も改めてお尋ねをしたいと思います。
◎平井 児童家庭部長 私から,最初の2点についてお答えを申し上げます。
子育て支援事業にかかわる件でございますけれども,当初はサロンとあそびの広場ということで,この事業を児童会館を使って展開をしてまいりました。同じ児童会館という場所で,体育館とプレールームを使ってということで,特に,あそびの広場につきましては,サークルづくりを目的としておりますので,年4期に分けてということで事業をやってまいりました。9年からこの事業をやってまいりまして,やっていく中で自然に,サークルづくりだけではなしに,サロンの方で遊びも一緒にやりながら,遊びを経験しながら自然にサークルをつくっていこうと,サークルをつくることだけが目的の事業でなくということで,2年の実績を踏まえてそういうような機運が高まってきましたので,実際の利用形態に合わせて,この9月から,サークルづくりではなしに,児童会館で週1回,2回やる事業の中で,総括して一緒にこの事業をやろうということで,変更したわけでございます。
それから,特例交付金を使いまして公立保育園のということでございますけれども,今回,特例交付金は,待機児童の解消ということで,定員枠の拡大を主として図ろうということで,まず,民間の方の施設を使って,その定員枠の拡大を図っていこうということでございまして,公立保育園の方にその金が回らなかったということでございます。
しかしながら,公立保育園も,その将来のあり方等について,現在,内部で討議をしておりまして,一定の児童をこの公立保育園で受け入れておりますので,施設整備等については,児童の処遇改善を図るために,今次5カ年の中でも計画的に整備を進めていきたいというふうに考えております。
それから,定員を超過しての受け入れ等につきましては,国で決められました最低基準を十分,施設の面,人的な面,確保が図れるということで対応しているわけでございます。
◎八反田 少年育成担当部長 法改正を受けての生活の場の認識についてということでございますが,児童福祉法の改正に伴いまして,適切な遊びと生活の場を与えてという規定がなされました。これを受けまして,本市におきましても,児童会館やミニ児童会館の児童クラブでは,従来の健全育成の考え方とあわせて,生活の場ということで,子供たちの心地よい居場所づくりに配慮し,よりきめ細かな日常的な取り組みを行っております。
さきの厚生委員会でも申し上げましたので,重なりますが,具体的には,子供たちは学校から「ただいま」と言って帰ってまいりますので,担当の指導員がクラブ室でそれを迎え入れて,一人一人と対話をして,その表情などによく目を配り気を配ることで,その健康状態や心のありようなどを把握するように努めております。そして,帰るときにはまた,帰りの会というものを持ちまして,気持ちを落ちつかせて安全に帰宅できるような帰宅指導ということも行っております。そのほかにもいろいろな取り組みを行っておりますが,クラブの児童にとって,その場所が心地よい自分たちの居場所となり,仲間意識が向上するように指導しております。
この生活の場ということについては,今後とも創意工夫をしながら,さまざまな取り組みを行ってまいりたいと考えております。
◆武藤 委員 まず,1点目の子育て支援事業にかかわってですが,当初,サークルづくりを目的にしてやってきたと。だけど,やっていく中で,サークルづくりを目的とするよりも遊びを中心にと,そういうことで,私もお話を事前に伺っていますけれども,今度の事業変更の内容というのは,当初,97年の4月にスタートしたときは,一般の人たちが直接区役所に申し込みに行くということで,殺到したわけですよね。それまで仲よし子ども館に六千数百人の子供たちが通っていたわけですから,それにかわるものとして殺到したと。そして,そういう状況の中で,まず,翌年の98年には,事業内容ではなくて申し込みの方法を変えて,来てもらって並んでもらって抽せんをするのじゃなくて,電話で受付順ですよと,こう変えたわけですよね。
今度,何を変えたかといいますと,この2年間の状況,事業内容の多少の変更を伴いながら,これまで,1年間を4期に分けて募集していましたから,一つのサイクルで8回,4回ということで,合計12回を1コースとしてやられていたわけですよね。こういう1コース,区切りがあるコースというのは,きちんとしたカリキュラムがあって,登録されているメンバーでやるわけですから,そして,その児童会館を利用してやるときにも,区役所にいる8人の指導される方が児童会館に3名ずつ配置されて,そこで,その期間,12回の間は同じメンバーを相手にしてやっていたわけですよね。今度,この9月から,それがどう変わったかといえば,結局,そういう登録制を全くなくしちゃったと。そして,お尋ねしたところ,始まったばかりなので,その状況がまだ十分把握できないというお話でしたけれども,登録を全くしないで,児童会館に3人の指導員の方は今までと変わらずいて,来る親子だけを相手に一緒に遊びましょうと,こういう事業内容に変わっていくわけですよね。これも検証しなきゃわからないというのでは,私は非常に不十分じゃないかと思うのですよ。これであれば,何を目的にしてその集まりを継続させていくのか。来る人というのは任意なわけですよね,登録されないわけですから。ですから,きょう来た人がまた次の週来るとは限らない,こういうようなパターンの中で,当初考えていた目的からすれば,随分とずれてきているのではないかなと思っているわけなのです。
ですから,これは事業の見直しであり,私は,事業の後退でないかと思います。これを裏づけるかのように,予算を見ましても,当初,97年度は7,531万円,これは児童会館の方ですね,保育園でも同じような事業をやっていますが,これを除いた部分,ついていました。翌年,98年には,7,500万だったのが,今度は6,400万になるのですね。そして今年度の予算は5,900万,どんどんどんどん予算も減ってきているわけなのですよ。これは,明らかに,その予算の裏づけを見ても,事業の後退と言わざるを得ないような実態があるのではないかと思いますが,この点について,それから,今後の,このあそびの広場の将来的見通しについてもお尋ねをしたいと思います。
それから,2点目,少子化対策臨時特例交付金の問題についてですが,まず,公立保育園の問題,そこまでお金が回らなかったという話がありましたけれども,今,早急の課題としては,行財政改革の大きな柱でもある乳児保育園の栄養士の配置基準の見直し,このことがずっと掲げられていました。このことも,来年度に向けてどうしていくのか,方向が明らかになっているのかと思いますが,この点について先ほど触れられていなかったので,改めてお尋ねをしたいと思います。
それから,先ほどのご答弁の中で,公立保育園の老朽化施設についても,必要に応じて整備もという方向でご答弁あったかと思いますが,これは,子供たちの安全にかかわる問題ですので,全面改築と言わずとも,やはり必要に応じて整備をぜひともしていっていただきたいということを改めてお願いしておきたいと思います。
それから,緊急措置ということで,定員の20%増の入所に,実際に受け皿がどうなのかという問題ですが,受け皿は大丈夫なんだよというお話だったかと思うのですが,実際に20%増になるというのは,保育士の数の問題,それから調理員のパートの問題など,いろいろ具体的に人的配置が必要になってくるわけですよね。
私もいろいろ調べてみましたけれども,20%の緊急措置してもいいですよと言っている50園の中でも,かつては100名定員だったところ,あるいはそれ以上の定員だったところ,器はそれだけあるのだけれども,現在は90とか100とか,かつての定数を割って定員にしている保育園も随分あるわけですよね。なぜそのもとの定員に戻せないのか,そこのところの理由を調べてみましたら,結局,定数をふやすということは,保育単価が減るということになるのですね。だから,そういう意味では,20%の緊急措置で,定員よりも20%増でやれば,定員の数で保育単価が決まってくるわけですから,100のところを120の定員にするよりは,100のところを120で,20を緊急措置で入れる方が,保育園は,経営する側としてはメリットがあるわけですよね。このぐらい,園の側でいけば,非常に苦労をしながら,今,行政が抱えている待機児童対策に手を差し伸べてくれているわけですね。
ですから,そういう点からいくと,今でも非常に不十分な予備保母の費用だとか,調理員パートの費用だとか,いろいろな名目で,札幌市もご努力される中で,補助金も支給されていますが,やはりこういうところについても,民間保育園の要望にこたえて,定数の緊急措置で入っていく児童の数に合わせた措置をすべきだと。これこそ交付金の使われるべき道ではないのかと思いますが,この点についても改めてお尋ねをします。
それから,3点目の留守家庭児童対策事業についてですが,札幌市の一番の問題は,答申でもこの点は非常に不十分さが残っていたのかなと,私も読んで思いましたが,やはり生活の場として,例えば児童クラブ,これまでも多くの利用者から声が上げられてきましたけれども,児童会館の児童クラブ,それから,学校のミニ児童会館にある児童クラブ,これらについては,専用室,専任指導員がいて,生活の場の確保ができるのだということで,できた当初から声が上げられてきました。この答申を受けて,本市としても要綱改定に向けてスタートするわけですから,やはりこの点の認識ははっきりさせなければ,専任指導員,専用室の問題も,位置づけとして必要性を認めるに至らないのだなと思うわけなのですが,この児童クラブの専用室,専任指導員の問題についても,今後の方針の中でどのようにしていこうと検討されているのか,明らかにしていただきたいと思います。
◎平井 児童家庭部長 子育てサークルの件でございますけれども,対象児童が1歳6カ月以上というようなことで,制限されていると。募集をしたら,知らない人があれだというようなことで,隣近所の人が連れ立って行きたいとか,それから,1歳6カ月になる前にもっと早くそのサークルの中に入りたいとか,2年の実績でそういう形で出てきましたので,利用の実態,利用者の声を照らしながら,改めてサークルという呼びかけでなく,既に2年の実績で,既存のサークルがいろいろ力をつけてきておりますので,そこからの呼びかけというようなことで,それから,この活動については,広報さっぽろで,この事業をやりますというのが幅広く,また,これまで口づてにいろいろ伝わってきております。それから,この事業にかかわる職員についても変わっておりませんし,予算云々の問題は,バス代がついておりましたものを区に配分したので,予算的な違いが出てきているという状況に……。(「それは,引いた数をさっき言いました」と呼ぶ者あり)
次に栄養士の問題でございますけれども,これまで,公立の乳児園,それから乳幼児併設園については,栄養士が派遣されておりました。しかしながら,1日の勤務時間の6割が調理業務に負われていると。最近の食生活の変化等によりまして,アトピーなり何なり,食にかかわる仕事が出てきているということで,栄養指導なり,それから食教育という観点で,栄養士本来の仕事をしようということで,この調理業務から外すということで,現在,栄養士の数的な見直しを含め,組合に提案をし,栄養士本来の業務でやるという形で考えているところであります。
それから,特例交付金の活用でありますけれども,事務経費を含めた運営費につきましては,児童福祉法に基づく保育所運営費負担金により国庫負担が行われることになっていることから,対象外というふうになってございます。
◎八反田 少年育成担当部長 ただいまの専用室,専任指導員についてのご質問ですが,児童福祉法の一部改正で,放課後児童健全育成事業,いわゆる留守家庭児童対策が一つの事業として法に位置づけられたところでございますが,その運営に当たっては,地域の実情に応じた多様かつ柔軟な形態があるものとされておりまして,本市が実施している児童クラブにつきましても,そうした形態の一つである,法の定義にかなっていると認識しております。
また,この事業を実施することが,直ちに,専用室であるとか専任指導員を求めることにつながるとは理解はしておりませんので,現行のクラブ室や静的活動室の専用的使用や,一定期間にわたり担当の指導員が継続的に見守る中で,館の職員全体で対応するという体制で臨んでまいりたいと考えております。
今後とも,法制化の趣旨を踏まえながら,事業の充実に努めてまいりたいと考えております。
◆武藤 委員 1点目の子育て支援事業の問題ですが,私は,先ほども申しましたように,この予算の配分を見ましても,事業内容を見ましても,これは,仲よし子ども館の廃止以降,質的転換ではなくて,やはり質的後退であったことがますます明らかになってきているのではないのかと思います。ですから,利用している市民の方々,若いお母さん方の意見も聞きながら,こうやって事業内容を変更してこれるわけですから,大いに市民の声に沿う形で,今後ともこの事業をますます発展できるように,市民の方々の声をやはりきちんと聞いた上で,事業内容がこれでいいのかという検証も行っていただきたいということを要望しておきたいと思います。
それから,特例交付金の問題につきましては,今,最後にお話ありました栄養士の配置の問題でいけば,栄養士が調理場に入って調理をしているから,栄養士本来の仕事ができないと。だけど,行財政改革で言っているのは,栄養士の数を少なくしていこうということが出されているわけですから,そういう点からいけば,栄養士の縮小や廃止ということで,栄養士本来の仕事ができるのかどうなのか。例えば2園や3園に1人の配置にしたときに,調理をしないからといって栄養士本来の役割を果たせるとは思えません。ですから,この点についても,きちんとやはり現場の声や実態に見合った形でご検討をいただきたいということを要望しておきたいと思います。
それから,3点目の生活の場の問題に絡めて,児童クラブの専用室,専任指導員の問題ですが,実態は,児童クラブの館長さんのほかに,児童クラブのあるところは指導員が3人いるわけですよね。児童クラブのあるところは,指導員を午後からの配置で1人多くしていますよということで,これまでも配置されてきましたけれども,館長さん含めて,指導員全員で,一般児童,そして留守家庭児童の子供たち,児童クラブの登録された子供たちも,みんなの責任で見るわけですよね。じゃ,本当に生活の場になっているかといえば,その児童クラブに登録された子供たちがぐあいが悪くなったとき,寝かされてる場所は事務室のいすなのですよね。これが本当に生活の場としての確保と言えるのかどうなのか。こういうような,建物の特徴的な問題からしましても,子供たちが本当に家庭の延長としてこの児童会館の中で過ごすとすれば,専任の指導員,専用室の確保こそ大事だと思います。
ですから,今度の要綱改定に向けても,この辺ついてはコンクリートではなく,実態をきちんと把握した上で,その要綱改定の中に反映していただけるよう求めて,質問を終わります。
◆山口 委員 私も,少子化関係についてお伺いをいたします。
ただいま武藤委員からありました子育て支援事業についてなのですけれども,実は,私はちょっと武藤委員と違う立場というか考えを持っておりまして,仲よし子ども館を転換していくという中で,新たな事業について,例えば,母子20組から30組とか,1年を4期に分けてやるとか,あるいは登録制にするとか申し込みにするとか,それから,あそびの広場が終わったら1週置きに4回,今度はサークルづくりですと,そういうようなことが,人間を相手の事業で,果たしてそういうふうに機械的に割り切れるのかというところで,スタートの前から,実は,そうではないんじゃないかという形で提言をしてきたところでございます。そういう意味では,今,若干触れられましたけれども,9月から非常に弾力的になったなと。そのことについては,私は前進だという評価なのですね,後退ではなくて。途中で引っ越してきた方とか,あるいは友達からこんなのあるよと聞いて行ってみようとか,そういうことに弾力的な。今までのあり方ですと,抽せん順とか先着順とか,それから期間も限られているということでは,なかなか途中から入れないということもあって,もっとニーズがあったのじゃないかなという意味では,私は評価をしたいというふうに考えているのですけれども,その変更だけじゃなくて,この2年間の総括といいますか,評価についてどういうふうに行われているのか。ちょっと武藤委員とも重複する部分がございますけれども,それについてお伺いをしたいというふうに思っております。
それから,今も申しましたが,サークルづくりですね,若いお母さん,例えば公園デビューという言葉があるように,公園で遊んでいる,既にあるお母さんたちのグループになかなか入っていけないと。今,育児雑誌なんか読むと,公園デビューのときはこういうファッションで行ったらいいのじゃないかとか,そういうのが出るぐらい,私たちのころとは比べものにならないぐらい少子化も進んでいるし,どうやって人間関係をつくっていっていいかわからないという中で,サークルというのはとても大事だというふうには思いますが,今までのように機械的に,はい,サークルつくりますというふうにできるものではないだろうというふうに考えます。その辺で,サークルは重要だけれども,どういうふうにやっていくかということについてのお考えをお伺いしたいと思います。
それから,ことしの3月,北海道青少年育成協会で出した「北海道における少子化に関する研究」というのを私もちょっと読みました。札幌も,今,少子化対策基礎調査をまたやっていらっしゃいまして,1月ごろまとまるということで,先般の厚生委員会でもいろいろ少子化の議論ありましたが,私は,札幌の中だけでやっていてもだめだろうというふうに思うのです。この調査を読んだときに,合計特殊出生率が2.09という,とても高い広尾とかそういうところと札幌と,それから,子育て支援策が充実している帯広と,3カ所を調査して,どうして2.09までなっているかというようなところまで踏み込んで分析をしておりまして,札幌だけでアンケートをとっただけではだめではないかなというふうに感じているわけなのです。
ただ,札幌で,既に,仲よし子ども館転換の前に,子育て中のお母さんの意識調査をしたのと,今回の道の調査結果でほとんど共通しているところというのもやっぱりございまして,経済的負担と体力的な部分,それから,仕事との両立が難しいと,それは毎回同じ,どこでやっても,なぜ少子化かというところの原因というのはほとんど同じだなというふうに感じております。
広尾町と札幌がどう違うかというところを見ますと,やっぱり周辺に地縁・血縁があるという部分と,それから,幼稚園というのが一つもないので,全部保育園に入れちゃうのですね。そうしますと,そこでの情報とか,お母さん同士の人間関係が非常にできて,サポート体制があるのかなという部分で,札幌ではそれにかわる,地縁とかというのが,よくも悪くも,ないというときに,やっぱりそこをどうつくっていくかというのがとても重要な課題ではないかなというふうに考えるわけなのです。
先ほど来,保育園の議論もありまして,ある程度,保育園に入れる場合は,保育園の人間関係のほかに職場の人間関係とか,いろんなのがあるわけなのですが,子育てだけしている母親にとっては,全然リフレッシュする場がないとか,24時間母子密着をした中で,自分のしたいことができないとか,そういうものがいろいろあるわけなので,特にそのような,働いていない,乳幼児を抱える親へのサポート体制というのがとても大事になってくるのじゃないかなというふうに考えるわけなのですが,その辺についてのお考えを伺います。
◎平井 児童家庭部長 子育て支援事業にかかわる3点のご質問でございますけれども,まず,地域子育て事業の評価についてでございます。
仲よし子ども館から転換した事業の開始当初は,子育て中の親子同士の仲間づくりを中心ということで,私どもも実は戸惑いがありました。その中で,この事業に参加しているお母さん方の生の声を聞きながら,例えば,集まるだけでなく,いろんな形の
ボランティアが必要だねということで,
ボランティアの養成講座が始まりました。また,地域で子育て支援をしてくれるいろいろな仲間と知り合いになるようにということで,民生児童委員を中心にしまして,地域で児童会館やなんかのネットワークづくりを次に始めました。それから,各区でもって子育て推進課センターにいろんな相談が寄せられると,子育てにかかわるいろんな相談なり,いろんな事業についての紹介なりをやろうということで,全区に子育て情報室を開設しました。このような形で,今,徐々に子育て支援体制が整いつつあり,これからもますますこの事業は充実していかなければならないなと。そして,お母さん方がひとりで悩むのでなく,子育てが楽しいなという環境をつくっていきたいと,こういうふうに考えております。
それから,2点目のサークルづくりでございますけれども,この9月からは,先ほど申しましたように,やり方を考えまして,自由にこの子育てサークルに,仲間づくりに参加してほしいということで,現在,このサークルも570を超えました。このグループが徐々に大きくなってほしいし,それから,私どもとしては,このサークルが活動していく上で,いろいろサポートできる手法を取り入れて,さらに発展させていきたいなというふうに考えております。
それから,子育て中のお母さん方に対するサポートでございますが,ひとりで子供と24時間向き合っていかなければならないということで,心身ともに重い負担を感じるというようなことで,特に病気等になった場合に,民間のベビーシッター等に頼らなければならん,費用も高いというようなことで,子育て中のお母さん方が,いろんなグループでお互いにサポートし合うような会ができたり,低廉な費用でもって,このベビーシッターにかわる事業をやっているところもありますので,そういったような在宅福祉サービス活動の活用なども視野に入れまして,こういった団体との連携もとりながらサポートしていくようなことも考えていきたいと考えております。
◆山口 委員 ただいま,サークルのことも含めまして,いろんな形でお母さんたちの声を取り入れて変わってきたというふうに理解をしておりますし,やっぱりそういう弾力的,柔軟な運営というのが大事ではないかなというふうに思うわけです。
先ほど来,お母さんというふうに出てくるわけなのですが,国の少子化への対応を考える有識者会議のいろんな提言を読みましても,やっぱり男女の共同参画が進んでいる国は子供もたくさんいると,合計特殊出生率が上がっているという例なんかもあります。
先般来,舘美局長からも,少子化はとても重要な問題だというふうに認識しているというお答えがありまして,猪熊議員から,これは緊急の最重要課題じゃないかというふうなご発言もかねてからあり,市としてもこれに力を入れるということでございますけれども,例えば,現在93カ所ですか,行われているこの事業,当初,たしか保育所の空き教室を利用して地域子育て支援センターを設置するのと二本立てで来たと思うのですが,先ほど来,保育所というのはとにかく待機がいる中で,定員増を図っていくということで,あいた部屋を利用してということよりは,やっぱりこの児童会館という札幌市独自の資源をもっと最大限活用してやっていくべきだというふうに考えるわけなのですけれども,次の展開ですね,ここまで来たけれども,その次の,児童会館の活用を含め,展開をどういうふうにお考えになっているのかということをお伺いしたいと思います。
それと,最後になりますが,これは大長助役にお伺いしたいのですけれども,先ほど申しました少子化対策の調査も出てくる中で,現在は子育て支援計画札幌版エンゼルプランに沿ってやっているわけなのですけれども,これの策定のとき,最後の方に,社会福祉審議会の委員でかかわったのですが,もうあらあら素案もできている段階で,これ以上変えようがなかったというのもございますけれども,これは,例えば経済的負担・肉体的負担が非常にしんどいということに対応するものとしては,とても弱いというふうに思うのですね。経済的負担の軽減という項目を見ると,児童手当などの拡充について国へ要望していきます,これ1個なのです,市の事業が。それから,仕事との両立支援というのも,育児休業・介護休業の実施に関する調査を定期的に行いますとか,周知・啓発を行いますとか,国へ要望します,ほとんど国に要望する事業だけなのですね。これは,札幌版エンゼルプランと言うには,ちょっと違うのじゃないかというふうに考えております。そのほかの部分も,既に今やっている教育委員会の事業とか,保健福祉局でやっている妊産婦の健康診断とか,そういうのが羅列してあるだけで,私は,もっと,本当に緊急課題というのであれば,今回の調査をもとに,少子化だけ,健全育成というのも大事ですが,本当に少子化対策というところに絞った新たなプランみたいなのも緊急でつくるという必要があるのじゃないかなというふうに考えるわけなのですが,その辺についてもあわせてお尋ねします。
◎大長 助役 私から,少子化の最後の部分についてお答えをさせていただきますけれども,確かにおっしゃられるように,書いてあることで,私どもがみずからやっていこうというところで欠ける部分がある,これは私もそういうふうに思います。
私も,これは民生局長時代から,本当に一番大切なのは少子化の問題でないかということを言ってきておりました。人間,100%年をとっていくわけでありますから,そういうことから言うと,それに対して,高齢化による疾病であるとか,事故によるけがであるとか,そういうようなことを除きますと,ある程度,それぞれの人間が防御をしていかなければならないのでないかというふうに思いました。しかし,生まれてくる子供のこと,あるいは,生まれながらの障害のある方々,そういう人には本当にいろいろな施策をしていかなければならないというふうに,私,思っておりました。
しかし,残念ながら,なかなか力不足で実現しないわけでありますけれども,私は,今も,どなたかがおっしゃるのと同じでありますけれども,少子化の問題は,今の日本の国で最も大切で,最も急いで対応しなければ,日本の国がおかしくなるのでないかというふうに強く思っている一人でありますので,今後も本当に,今後といっても再来年とかそういう話ではなく,今回の予算の中で,大変厳しい財政状況にありますけれども,市長も公約していることでありますし,少子化の問題については力を入れていきたいということを,私は答弁をさせていただきたいというふうに思います。
◎平井 児童家庭部長 そう遠いことまでは見越しているわけではないですけれども,ことし,特に夏暑かったので,保育園の園庭ではプールを出して遊んでいて,地域のお子さんもそこで一緒にという風景が各保育園で見られました。そんなようなことも含めて,園庭の開放,それから,保育園での子育て支援センター事業が,今,待機児童を抱えている中で,新たなそのスペースということは当面ちょっと難しいわけですけれども,園庭の利用等も含めまして,保育園との連携もさらに深めて,この活動を充実していきたいと考えております。
◆山口 委員 大長助役から力強い決意でございましたけれども,ぜひ,指名を受けたら嫌な顔をなさることなく,みずから答弁したいというぐらいの,やっぱりこの問題についてはですね,姿勢が求められるのではないかなというふうに,あえて申し上げさせていただきます。
それから,例えば父子手帳をつくるとか,例の安室奈美恵の夫のポスター,たびたび言いますが,「子育てをしない男を父親とは呼ばない」というようなポスターなんかも大変評判でしたけれども,やっぱり男女の役割分担,性別役割分担というものの見直しも含めて,男性へのメッセージというのがとても大事だというふうに思います。
そんなことも含めて,平井部長からは,保育園の園庭とかというお話がありましたが,私は,少なくとも,まだやっていない児童会館で,これはもう早急にこの支援事業に取り組むべきではないかなというふうに考えております。
いずれにいたしましても,理想の子供の数を1人としている人は2.2%しかいなくて,ほとんどの方が3人という中で,でも,現実には2人弱,2人いかない,札幌が1.08という,この状況を,産みたくなくて産まないのじゃなくて,欲しいけどできないという場合には,この状況を変えていくということを何としてでもやっていかなくてはいけないだろうというふうに考えるわけです。引き続き,今度の予算でというお答えでしたので,新たな緊急プランの策定含めて,ぜひやっていただきたいということを申し上げて,終わりたいと思います。
◆宮本 委員 段々のお話の中で,重複している部分が若干あるかと思いますが,私は,改めて,青少年の育成問題について質問をしたいなというふうに思います。
私の持論でありますけれども,戦後五十数年を経た中で,社会の変化や経済の急激な発展などにより,我々子供のころでは到底考えられないようなことがたくさんあります。いい面も悪い面もあります。特に,我々が子供だったころから見ると,今の子供の生活は,継ぎはぎがあるようなものを着ていない,ましてや,メーカー品を着てぜいたくと思われるような状況やら,毎日テレビで飽食の番組があるような,毎日がごちそうを食べているような状況の中で,本当に日本の経済を考えると,これでいいのかなと,あるいはまた,世界における日本の今の状況が,このまま推移していったのではとんでもないものになるのでないかという危機感を持っているところでございます。
また,今の日本の状況を生んだのは,あるいはつくったのは,我々でないということをいま一度考えなけりゃならないのでないかなというふうに思います。やはり戦前戦中を通じた,それぞれの時代に大変ご苦労をなさりながら,日本の国の将来,そして,地域社会の豊かさ,そして幸せをつくるために,一生懸命苦労をしてきた先人の皆さん方に,この基礎をつくっていただいた。我々は,その上にただ乗っかっているだけだということに今気がつかなきゃならないのでないかなというふうに思うところでございます。
そこで,今,我々が早急に考えなきゃいけないことは,このすばらしい日本を継続して,そして,日本の将来を担う子供たちにきちっと継承していかなきゃならないのが,今,我々の置かれている立場ではないかというふうに思うのです。子供は将来を担う大変な役割を持っているし,また,持っていただかなきゃならぬ。子供は日本の宝でございます。その日本の宝である子供を育てる中で,戦後の振興の中で何か忘れている,すなわち,人づくりを忘れているのではないかというふうに思うところでございます。
日本は,ご存じのとおり,天然資源のない国であります。戦後の繁栄は何であるか。諸外国のように,山を掘ったら鉄鉱石が出る,土地を掘ったら石油が出るなんていうような国ではないのです。そういう日本が今後も繁栄していくためには,この重要な人的資源,日本の将来を担う子供たちをきちっと育てなければならないという観点から,私は質問をしたいと思います。
まず,先ほどから,少子化,少子化というふうなお話が出ておりました。少なくとも,我々が育った時代は子供がいっぱいおりまして,兄弟も5人,6人なんていうのはざらでありました。でありますから,1人や2人落ちこぼれになっても,残った兄弟の中から社会を担う人材がたくさん育ってまいりました。しかし,少子化と言われている今の状況の中で,1人でも2人でも落ちこぼれを出したなら,日本の将来を担う優秀な人間が少なくなるということでございます。そんなことから,私は,今,この青少年の育成問題で,聞くところによると,それぞれの立場から大変苦労している,そして,もがいている,悩んでいる,こういった実態を非常にそこここで耳にするところでございます。
それで,とりあえず3点にわたって質問をさせていただきます。
現在,札幌市では,青少年の育成にかかわる地域のあり方についてどのように認識をしているか。
それから,二つ目は,札幌市の非行化防止活動の現状とその取り組みについて。
それから,三つ目は,これも大変こういった青少年の育成の中では,本当に最前線で,本当に体を張って苦労をされているというふうに思います,少年育成センターの現場での実態や悩みについて,まずお聞きしたいと思います。
◎八反田 少年育成担当部長 3点のご質問のうち,1点目の地域のあり方ということについて,私からお答えを申し上げます。
青少年の育成にかかわる地域団体といたしましては,まだいろいろございまして,子ども会でありますとか町内会,それから青少年育成委員会,民生児童委員連絡協議会と,続けて申し上げるのは大変恐縮なのですが,数え上げれば30を超えるような団体があろうかと思います。
それで,そうした団体の皆さんが何らかの形で子供にかかわる活動をされているわけですが,そうした中からも,今,実は,地域と子供とのかかわりの中から新しい動きも出ております。例えば,大人と子供が一緒に蛍を育てて,自然の中で生きる力を学んだりするとか,それから,地域でのお年寄りに対する配食サービスを子供が手伝っておりまして,それで
ボランティア活動の大切さを学んだりといったような,新しい地域活動の芽も生まれております。
こうした,子供をはぐくむ活動を地域に広げていくためには,それぞれが共通の認識を持ちながら,団体間が互いに開かれた関係を築いて連携することが必要であるというふうに認識をしております。
今後は,子供たちが多彩な人間関係や自然での体験,それから,社会を通じての体験の中で,社会性や主体性を獲得して個性を伸ばしていけるような,そうした地域社会が築かれるように,関係機関等との協議を進めてまいりたいというふうに考えております。
◎竹内 児童福祉総合センター所長 お尋ねの2点目の子供の非行の現状と,それから対応というふうなことだと思いますが,近年の少年の非行というのは漸増傾向にありまして,本市におきましても,平成10年に警察が検挙・補導した非行少年の数というのは,2,789人を数えております。
また,一方,本市の少年育成センター,それから,各区に設置しております少年育成指導室が扱った10年度の不良行為少年の補導数というのは6,120人,こういう状況でございます。
この補導に至った行為別では,喫煙と怠学,いわゆる理由もなく学校を休む,それから早引けをするという,そういう怠学が全体の96%を占めておりまして,近年の傾向としては,女子の喫煙がふえている,そんなふうな状況にございます。
この喫煙・怠学,さらに不健全娯楽であるとか深夜徘徊の行為というのは,これはとりもなおさず非行の芽となりますことから,少年育成センターを中心にして,各区の少年育成指導員とも連携をしながら,積極的に街や地域に出て,少年たちの前に姿を見せて,そして一言声をかけて,対話を求めながら補導・助言を行っております。
また,少年の行動範囲というのがだんだん広がってまいりました。非行や問題行動が広域化したことに対処するために,石狩管内10市町村で組織する道央地区広域補導連絡協議会,それから,道警の少年サポートセンターなどの関係機関・団体との情報交換を初め,合同補導などの非行防止活動を行っている状況にあります。
お尋ねの3点目の今日の青少年問題の認識ということでございますけれども,ただいま,少年の非行の現状についてはお答えしたとおりでございますけれども,私どもが,日々の業務を通じまして,街頭での不良行為少年の補導を初め,子供の養育に問題のある家庭に対する相談・指導,そして,これら対象児の心の健康を取り戻す処遇を行っているところでございます。
こういった経験を踏まえて申しますと,ただいま議員のおっしゃる意味も十分認識した上で,抽象的でありますが,今日の多様性を増した社会にあっても,子供を健やかにはぐくむという点においては,社会全体が共通した価値観を共有することが必要ではないかと,そんなふうに思っております。
以上でございます。
◆宮本 委員 ちょっと答弁がかみ合ってないところもあるのですけれども,意味はわかります。今お話ありましたように,現場の皆さん方は,本当に大変ご苦労なさっているのですね。私も過去において,青少年育成委員もやったり,ボーイスカウトを指導したり,さらには,中学校区の,昔は非行化防止と言ったのですけれども,今は健全育成推進会ですか,そっちの方でやったり,いろいろな立場から皆さん方の活動も見ております。
そんな状況の中で,今の答弁にもありましたように,子供が生まれてから成長する過程の中で,生まれてすぐ,乳幼児教育ですか,指導というのですか,その辺からかかわりまして,児童,それから学校に入っていけば小学校,中学校,高校と,そして社会に出ても,未成年の間は当然だし,場合によっては青年も,保護司とかいろんなかかわりの中で,成人になってもいろんなかかわりの中で,この問題に取り組んでいっているという状況であります。
今,数だけって表現されましたから言いますけれども,ちなみに,私,事前に出していただいた資料によりますと,今言ったとおり,1人の子供にいろんな場面でかかわる機会を持っている団体・組織,いろいろなもの,合わせ合わせて31団体・組織あるのですね。この31団体・組織は,その場面場面,その状況状況によって,それぞれが一生懸命やっているし,壁にぶつかりながら悩んでいるというふうに私は想像しているのです。
しかし,子供にとっては,その団体・組織が,自分の成長する過程の中で部分的にしか触れていないのです。僕は,ここに大きな問題や欠陥があるのでないかなというふうに思うのです。
すなわち,人間が育っていく過程の中で,それぞれの団体が,子供を育成するんだという同じ目的に向かってやっていながら,それぞれの団体・組織の考え方が違ったり,やり方が違ったり,そして性格が違ったりして,ちぐはぐになっている。今の世の中の急激な変化や,あるいはニーズの多様化の中で,おくれているとは言いませんけれども,少なくとも対応し切れないでいるというところに,僕は問題があるというふうに思っているのです。それぞれの団体・組織が,1人の子供の成長過程の中で継続して接することができるように,指導ができるように,それぞれの団体・組織が連携し,横のつながりをしっかり持って対応しないと,この問題は解決しないというふうに思っているのです。
子供を養育あるいは教育している中では,ご存じのとおり,まず,我々社会の中での教育があるし,また,家庭の中における教育がある,それから学校教育がある,これらが,三位一体となって連携しなければならないというところでありますが,残念ながら,戦後五十数年の中で,これらそれぞれが,形骸化しているとは言いませんけれども,今の時代の流れについていけなくなっている,ここが私は大きな問題ではないかというふうに思います。
すなわち,地域社会教育においても,私たちの子供のころは,少なくとも地域での連携や意識がありましたから,私なんかもしょっちゅう怒られました。うるさいじいさんやばあさんがおりまして,ちょっといたずらすると,もう家へ帰ってくる前に通報が行っておりまして,いきなりごんと頭殴られて,「何だよ」って言ったら,「おまえ何やってきた」って,「何もやってないよ」ったってもうとっくにばれているような,こういうような地域での社会教育がきちっとあった。今は,その辺のところが希薄です。人は関係ない,自分さえよければいい,こういったいろんな問題の中で,地域社会教育が,今,本当に低減している。
じゃ,家庭教育は。家庭教育は,ご存じのとおり,昔のように大家族ではありません。我々の育ったころは,兄弟も多い,大家族の中で,幸いにして,私も戦後の教育を受けておりますから,戦後に大事な道徳教育の時間はありましたけれども,教えられておりません。しかし,私たちの時代は,家庭や地域やそういった中に,こういった道徳的な教育がまだ根づいておりましたから,どうにかそういった面は受けてまいりました。しかし,今の子育てをしている親は,そういったことがない環境の中で,社会教育やいろんな部分がない環境の中で,ましてや自分が成長する過程の中で,こういったこと,しつけはどうしたらいいのか,子供にどう教育すればいいのか,こういうことを教えられていない,こういう方々が家庭教育をやっていかなきゃならない。ここにおいても,甚だ疑わしく,そして寂しい状況ではないかなというふうに思うのです。
そこで,最後の,大事な学校教育であります。
ご存じのとおり,学校教育も,昨今の報道にどんどんどんどん出ておりますから,もう多くを語らなくてもご存じだと思いますけれども,古くは,家庭内暴力,校内暴力,そしていじめ,今や学級崩壊,こういった現象が,津々浦々,毎日,新聞をにぎわすような状態になっている。これはどういうことなのか。
少なくとも,戦後の教育の中で,この大事な部分が欠落していた,こういうことを私言いたいのです。
すなわち,社会教育をする社会人であっても,子供たちを育てる親であっても,最初はしつけから始まり,そして,教育の中で教えられてきたものです。そういう方々がどんどん少なくなってきている,この現象を私は憂えているし,指摘をしたいのであります。
そういうことから,もう一度お尋ねしますけれども,皆さん方が悩んでいる,そして,本当に困っている,こういったものは,現場対処であって,現象対処だ,現象に対して対応しているだけだ,こんなことは,いつまでやっても本当の解決にはならない。そして,そういう場面がますますエスカレートしていくような状態になる。でありますから,こういう現象を少なくし,将来にはなくすという大前提のためには,何を直さなきゃならぬか,何を考えなきゃならんかというふうなことを,皆さん方も悩みながら検討しているし,そういう部分もわかっていると思う。そういう部分について,いま一度質問したいので,お願いいたします。(発言する者あり)
じゃ,もう一回言います。何回もディスカッションしているから,わかってくれているかなと思ったのだけれども,議員の皆さん方がわかっていないというから,はっきり言います。
こういう現象を生んでいる,何かテレビのコマーシャルに「臭いものはもとから断なきゃだめ」というのがあったね,こういう現象を生んでいる原因を断たなければ,いつまでもいつまでもこういうものはどんどんふえるし,エスカレートしていくのです。ですから,こういう現象を生んでいるもとは何なのか,あるいは,そういうものをどう改善をしていけば,こういう現象はあらわれないと思っているのか,その辺のところをひとつ答えていただきたい。
◎八反田 少年育成担当部長 悩みながらも私どもが日ごろ取り組んでいるということについて,どのように考えているのかというようなご指摘をいただきました。
それで,委員がただいまご指摘されましたようなことも,私ども,日ごろ考えていることではありますが,この青少年問題は大変大きな問題でありまして,国においても緊急かつ重要な課題としてとらえられております。この7月にも青少年問題審議会からの答申がございまして,そのタイトルが「『戦後』を超えて」と,サブタイトルとして「−青少年の自立と大人社会の責任−」とありました。
子供に対する,その問題の所在はどこにあるのかということなのですが,その指摘では,子供に対する基本的なしつけが不十分であること,そして,青少年が生育していく環境において人間関係が希薄化しているということを挙げております。
対応としてどういうことがという点については,個人の規範意識の確立でありますとか,親の意識改革,それから,青少年育成に関する社会の責任の重要性ということを3点上げてございます。
私どもとしても,いずれも重要かつ容易ならぬ課題という受けとめをしておりまして,子供にかかわるといいますか,すべての者に与えられた重い命題であるというふうにとらえてございます。解決に向けて,とにかく辛抱強く取り組んでいくことが必要との認識をしておりまして,関係機関との連携をさらに深めるとともに,関係する団体の皆さん,それから,活動をしておられる実践者の方々,そして多くの関係者の方々との対話を重ねる中で,とにかく粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。
◆宮本 委員 なかなか答えにくいだろうし,私も腹くくって質問していますから,だから,そんな答弁ではまだ引っ込みたくありませんので,あれしますけれども,今,皆さん方が対応しているのは,何度も申しますよ,そういう現象に対する対応だけである。そこで悩んでいらっしゃる,これは認めるし,本当にその努力には敬意を払いたいと思います。しかし,問題の解決にはなっていないということです。改善はしているけれども,問題の解決にはつながっていないということを私は言いたいのですよ。
だから,子供が生まれて,育っていく過程の中で,まずは家庭の中におけるしつけだと。それから,子供を含む人間関係の希薄さを解消しながら,社会の中で生きていけるしつけをきちっとしてほしい,そういうふうに言っているので,その問題を解決しなきゃならないのはどこなのかということを,やはり私は答えてほしいのですよ。
私は,議員になる前も含めて,小学校,中学校,高校,十数年にわたりPTAとのかかわりを持ちまして,その中で感じたことです。こんなことをやっていたのでは,日本の将来だめになる,そういうことを声を大にして叫んでまいりました。そんな中で,大きな壁にぶつかりました。そういうことがきっかけになりまして,議員になったのです。
ですから,私は,この問題が基本的に皆さん方の認識の中で,大人社会がみんなの責任として受けとめ,人の責任にしないで,お互いにこの辺のところを協力し合って改善していく姿勢を持たない限りは解決しないというふうに思っているのです。ですから,この辺のところを私は,社会のこういう現象を生んだ大きな根本原因は,戦後の教育,あるいは,それをつかさどった政治もあるかもしれません。しかし,そういうものにもあるのだということを皆さん方が認識しているかどうかということを聞きたいのですよ。全く原因がないのだとは言わせないです。ですから,その辺のところを,現場の部長さんやなんかでは非常に厳しいと思うので,助役にいきなりいく,助役すぱっと答えてくれれば,それでやめるけど。じゃ,お願いします。
◎大長 助役 喜んで答弁をさせていただきます。
宮本委員の段々のお話,大変私も同感するところと,それから,なかなか理解が難しい部分とあったわけであります。しかし,さきにお答えしました少子化の問題なんかも関連するわけでありますけれども,子供が生まれ,育っていく中で,最も基本になるのは家庭であり,そして,そこにおけるしつけが大切だということは,これは私ももう全く同感であります。そして,あとはまたその家庭を基本にしながら,学校教育,それから,地域社会の中のいろんな方々の連帯,そういうものがあって初めて,私どもは,いわゆる社会人になっていって,そしてまた子育てをするのだというふうに思っております。
そういう中からいくと,確かに,今,原因がどうだということを私から申し上げることはできませんけれども,特に若い人たちを中心にして,家庭に対する,いわゆる家庭観,それから,子供を産み育てることに対する,いわゆる子育てに対する価値観,そういうものが非常に違ってきているのでないかと。その辺のことを宮本委員が盛んにおっしゃったのではないかということで,私も同感であります。
◆宮本 委員 すぱっとは出なかったのですけれども,大体とらえていただいているという認識に立って,やめたいと思いますが,少なくとも,やはりこういった戦後の社会の中の大きなポイントは,そこにあるのだということを認識していただいているというふうに私は受けとめます。
きょうは,教育委員会から霜觸部長が来ておりますから,その辺のところも聞きたいなというふうに思いますけれども,きょうのこの質疑を聞いておりましたでしょうから,改めて,私,今度教育委員会の方の所管に行きましてから十分な論議をしたいと思いますので,よろしくお願いを申し上げまして,質問を終わらせていただきます。
◆猪熊 委員 実は,私は,就学前の乳幼児対策について伺おうと思いました。それで,その前段で,実は,少子化に対する札幌市の状況についてどういった認識をされているかということを,助役あたりに一回聞こうと思いましたら,先ほど大変な熱弁を振るっていただきましたので,あえて省略をいたします。
そして,さらに,いわゆる少子化というのが何にもまして重要な課題だという認識の上で,今,アンケート調査をして,それらのまとめに入っていると,そのまとめに基づいて,来年度はもちろんだけれども,5年計画へという形で進めていきたいと。それらの分析は,部長級での少子化対策推進部会でやっていきたいのだと,こういうお話。そして,また一方で,今年中に,国の動きとして,少子化対策の基本方針だとか,あるいは緊急保育対策等5か年事業,こういった動きもあるから,これらも含めてしっかりとした施策を立てていきたいというようなのが,当面の児童家庭部として大変意識をしている課題だということまで理解をいたしました。
そこで,私は,助役の言葉をかりるわけではありませんが,いわゆる少子化という点での要因は,いろいろなことがふくそうして今日に至っているということは言えようかと思いますし,そんな点で,産み,育てたいという思いを持ったときに実現可能な社会環境というものをどうつくるかというところが,今の大きなテーマになっているだろうと。
そんな点で言えば,いろいろ議論ありましたけれども,児童手当の問題や乳幼児医療費の問題や,あるいは,育児休業の問題や育児時間の問題ということで,あるいは住宅の問題ということで,ありとあらゆる面で検討した上での方針ということはやっぱり欠かすことはできないのではないだろうかと,こういう考え方を持っております。
だとすれば,札幌市地方社会福祉審議会の中に児童福祉専門分科会というのがございますけれども,ここで,分科会の人数がいいかどうか,今回,その議員が全部撤退をしましたから,少し足りないという点では補充するようなことを含めて,極めて短時間に,そのアンケートの集約,問題点,こういったものなども引っさげて審議会を開いて,当面の札幌市の少子化対策というものを具体的に出してはどうかというのが一つであります。
それから,もう一つは,せっかく,私,教育委員会から霜觸部長に出席をいただきましたので,質問をさせていただきたいと思いますが,幼稚園の問題です。現状,幼稚園で,いわゆる預かり保育ということをここ数年前から行っているというぐあいに理解をしています。この預かり保育の状況というのが,今日どういった実態になっているのかということについて,まずご質問いたします。
以上2点。
◎平井 児童家庭部長 委員ご指摘のとおり,今,本市の少子化の特性を掌握するためにアンケート調査を実施いたしまして,それを今,集計中でございます。アンケート調査では,市民の少子化への認識,少子化の原因,少子化対策の是非,効果が期待される具体的な少子化対策などを調査しておりまして,1月末に報告書として提出される予定となっております。この報告を受けまして,速やかに,本市の少子化にかかわる関係部長をもって構成しております少子化対策推進部会において,今,市民が最も必要とし,かつ,効果が期待される少子化対策を明らかにしてまいりたいと考えておりますが,今,委員ご提案の,社会福祉審議会の児童福祉分科会にかけることも,当部会にかけまして協議をしてまいりたいと考えております。
◎霜觸 教育委員会総務部長 私から,預かり保育についてお答えを申し上げます。
本市で預かり保育を実施しておりますのは,公立幼稚園ではなくて,私立の幼稚園で実施しているのが現状でございます。
ご存じのとおり,幼稚園の保育時間が終了後,大体時間的には4時から5時ぐらいまでの時間の中で,ほとんど午後になりますけれども,希望する児童をお預かりをして保育をしているという状況でございます。
市内の実態でございますけれども,昨年,北海道の学事課が全道的に調査を行っておりまして,市内の全幼稚園134園のうち,預かり保育を実施しております園は57園でございます。実施率で申しますと42.5%,1日当たりの預かり保育の児童数は564人となっております。
◆猪熊 委員 そこで,児童家庭部で,内部での検討とあわせて,外部の意見も大いにまとめていただくということでの分科会をつくるということで,僕は,余り時間をかけないで,集中的に練り上げてもらいたいということを申し上げておきたいと,こう思っています。
さらに,教育委員会の方で,今,こういった形で,134園の私立の幼稚園の中で57園,564人ということで預かり保育をやっている。
ここで,皆さん共通認識に立てると思うのですが,その幼稚園の幼児の募集という点では,とても広域に募集をされているという状況は,皆さんご理解いただけようかと思うのです。それで,そのことによって,幼稚園の子供というのは,ある面で,家に帰ったら親子で孤立している現象が生まれていると。横のつながりがなかなかできない。全くゼロということではありません。一方で,保育園はどうかといえば,これも相当の広域からということで子供をお預かりするというような状況で,言ってみれば,家へ帰ったときに,子供とお母さんが孤立をしている。このことが,今,山口委員を初め何人かの方がお話をされましたけれども,子育てを支援する,子育ての不安に対して支援するというところまで,今,施策としては進んできているということだと思うのです。
子供が少なくなって,地域で薄い,子供が点在をしているという状況の中で,保育園だ,幼稚園だ,あっちの保育園だ,こっちの公立幼稚園だというようなことで,全部子供が地域で分散していっている。ですから,施設の中では集団あるけれども,地域に帰ると孤立する。
ところが,小学校1年生になったら,みんな一つの地域で一つの学校に行く。そのことによって,子供たちの友達の親が友達になるということで,横のつながりが出てくるということは,容易に考えられることだと思います。私自身も,まだ子供が小さいものですから,去年まで小学校にかかわりを持たせていただいて実感をいたしました。
これからの,いわゆる就学前の子供対策というのは,どうしていかなければいけないかという点を考えていったときに,幼稚園も,ある面では保育所と重なり合うような形で,少し違いを強調しながら,預かり保育をやってきたというような点を考えると,これは,教育委員会で,文部省の管轄だからということで所管をするというのではなくて,保健福祉局の方へ統一をして,そして,保健福祉局の方で一貫してそれらについてやっていく。私立の幼稚園,私立の保育園ということでのすみ分けをしているところでございますが,これらについて,1本で管理運営をすることによって,決していがみ合うことを前提に言っておりませんけれども,調整をしながら,これからのあるべき姿というものの具体化の可能性が出てくるのではないだろうかと,こんな気がしているところでございます。
さて,それではどうしていくのだということですが,もう既に,北海道の過疎地域では,保育園と幼稚園が一緒の形で行われている話は,山口委員から詳しくお話ありました。しかし,一方で,東京都でも,千代田区や世田谷区や足立区などで,私は耳にしておりますけれども,小学校区単位で就学前の子供たちを受けている。そして,小学校の敷地の中に,1階で保育園と幼稚園,すなわち,0・1・2歳児までが保育園,3・4・5というのを幼稚園で受けるという形でやって,2階,3階,4階というのは小学校のゾーン,そして4階の一部に図書室と地域開放図書コーナーというものを設けて,その上に,エアロビクスなどを含めてやれる多目的室を用意しているというような形で,そして,留守家庭児童会もその一角にあるという形で,建物を多目的に使える,こういった器をつくってきているということです。
そのことによって何が期待できるか。先ほども申し上げましたけれども,薄くなった地域の子供たちが,生まれたというときに,初めての子供のお母さんと2番目,3番目のお母さんとの横の連携がとれていく。そして,初めての人の不安が,そういう経験者の少しかのアドバイスでクリアしていける。それが,戦後,家族制度で来た日本の福祉が,今,家族制度が崩壊をしていろいろな矛盾に当たっていることに対して,いま一度,それを克服できるような方向へ結びついていくのでないだろうか,こんな気がしてならんわけです。
そんな点で,文部省の法律,あるいは厚生省の方の関係ということで,なかなか法律がぶつかり合うのでないかという不安もないわけではないと思いますが,しかし,東京でやっている,札幌でやれないことはない。そして,条件は,土地が高いことも共通認識に立てるとすれば,あの大きな土地を市民の合意を得て有効活用しながら,子育てへの不安というものを解消していくという方向を目指していくというようなことが考えられないかなと,こう考えるものですから,あえて教育委員会には,幼稚園を,率直に言うけれども,教育委員会で幼稚園つかさどっている部局どこかといったら,どこにもないのですよ,つけ足しになっている,こんな状況なのです。しかし,建前を言えば,文部省のあれで教育基本法に定められているから,教育委員会で所管しなきゃいかんというような考え方で今日に至っていると思うのです。そこを,いま少し問題点を率直に,互いに認め合って,どうするかという点で,保健福祉局に一本化ということができないかということと,もう一つ,保健福祉局に対しては,保育園と幼稚園ということを,この機会に一元化というような形で,未満児と3・4・5ということで分けるという,そういう手法を含めて考えることができないかという点で見解を求めたいと思います。
◎霜觸 教育委員会総務部長 幼稚園の所管を保健福祉局の方に移管をすることができないかということでございますけれども,その難しさにつきましては,委員の段々のお話の中で,もう既に私が答えるまでもなく,現行制度の中では大変難しいと私どもも思っておりますし,委員も恐らくそう思っていらっしゃると思います。
ただ,この少子化対策というのは,大変深刻な課題でございまして,それぞれの所管の枠を超えまして,委員のご提言の内容については我々も検討していかなければならないと考えております。
◎平井 児童家庭部長 大変大きいお話なのですが,なるほど,保育所においても一時保育と,それから,幼稚園においても預かり保育というようなことで,国においてもこのような動きをとらまえまして,いわゆる幼保の一元化というようなことで,施設の共用化についての指針が示され,現在,両施設の連携事業,保育・教育内容の整合性などについて検討されているところでございまして,本市につきましても,就学前の児童の取り組みにつきましては,従前にも増して教育委員会とも連携を深めながら,さまざまな法的根拠や施設設置目的などが異なっていることを前提にしつつも,その連携のあり方について今後も協議を進めていきたいと考えております。
◆猪熊 委員 いわゆる,(発言する者あり)大越さんの言うとおりなのです。時間をかけていたら大変だということなのですよ。それは,助役以下,全部共通認識に立っていますから,そんな点で僕は受けとめてもらいたいと思っているのです。
ただ,札幌の場合の特殊性という点であえてプラスすれば,私立に保育園も幼稚園も相当依存してきているということですよ。ですから,幼稚園でいえば134園と先ほど言われて,公立が17園しかないと。保育園で言うと,私立が122カ所ですか,そして公立が35カ所。歴史的にやっぱり私立に依存してきている,そんな点が,まず躊躇の誘因になると思うのです。
そこで,僕は本当に真剣に考えているつもりなのですが,小学校が212か213ありますね。そうすると,少なくとも,その分を全部公立ですれなんていうことは考えていません。お互いにすみ分けをしながらやっていくことになっていくだろうと。ですから,公立で建てて,管理運営は民間委託というのは十分経験済みですから,そういったことを含めて,公立もあるし民間もあるということですみ分けをする。
しかし,一方で,小学校単位の建物の中で,一つだけで地域を全部集約できるかといったら,難しいところもあるのです。なぜかというと,子供が多いところは難しいですから。そんな点で言えば,学校,またはその校区に民間なり公立なりというのをもう一つ配置するというような形で,就学前の子供が保育に欠けるか欠けないかということを全部取っ払って,そして,希望する子供たちすべてを受け入れるというシステムをつくっていく,私立と公立の現状の中で,しっかりとのみ込んでいけるシステムは可能だと,こう僕は考えるものですから,これはそんなに難しい話でない。
ただ,教育委員会と保健福祉局,とても最近は連携をとっていますから,認識にずれがあるなどということを僕は指摘したくありませんけれども,しかし,間に入る部分が複数になると,聞いた聞かない,ああ言ったこう言ったと,そんなところで時間を食ってしまいますから,僕は,あえて窓口は一本にするという意味で,保健福祉局ということで一本にしてはどうかと。
そして,東京都が先進的にやっていることだけは事実ですし,私が調査をしたり読み聞きしている範囲では,本当に,小学校の子供たち,あるいは中学校,中学校でもやっているというところはあるのですが,休み時間に,子供に会いたい,赤ちゃんに会いたいって,女の生徒が赤ちゃん抱っこさせてって来ると。そして,赤ちゃんを抱っこして,休み時間が終わって,授業時間よと言ったら,しぶしぶ子供を置いて教室へ戻ると。すばらしいことじゃないですか。いい面ばかり強調してはいけませんが,例えてそんな,家族の少ない中で,赤ちゃんを抱くということで,妹,弟を抱くというふうになるのか,お母さんぶりっ子をするのか,その辺はわかりませんけれども,そういうような形で,やっぱり異年齢で,大きな器の中で,役割分担の中で交流がなされていくということは,僕はすばらしいことだと思いますから,助役,この場合,お金かけていいと思います。東京都へ視察に行くと。そして,教育委員会も行くし保健福祉局も行くと。そして,1人2人じゃだめだと。五,六人から10人ぐらい行って,そして,本当に意見交換して,札幌でできるのかできないのかというようなことで,ほんぱらで議論を深めていって,少子化が底をついたと言われる今こそ,戦後50年間の福祉施策を大きく転換をするという点で,腹をくくるべきだと,こう考えるものですから,その決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
◎大長 助役 喜んで答弁をさせていただきます。
10年前に,猪熊委員からこの話をお聞きしたときは,私も余り現実的なお話でないように実は伺ってまいりました。しかも,そのときは,それぞれの守っているといいますか,その法律が全く違いまして,それを合体して,新しい施設をつくっていくというようなふうにも理解をしていたわけであります。したがって,非常に難しいというふうに私は思っておりました。
しかし,時代がここまで変わりまして,そして,本当に子供がいないという議論が先ほど来続いているわけであります。ここまで来まして,そして,今のお話をお聞きしておりますと,私も大変勉強不足で申しわけないのですけれども,別々の法律に基づいてできている法人を一つにするというのではなくて,建物をまず一つにして,そして,地域の中の交流を持ちながら,それぞれすみ分けをしていくというわけでありますから,これについては,やっていけるのでないかというふうに,私も今思います。
しかし,そういう実態をまだ,それこそ見てもおりませんから,私も勉強させていただきますし,それから,保健福祉局も教育委員会も,それについて両部長が前向きに検討するというお話をしているわけでありますから,私もそれに乗っかって,そのようにしていきたいというふうに思っております。
しかも,時間をかけるなよというお話でありますから,施設の勉強等も含めまして,頑張ってまいりたいというふうに思っております。
◆村松 委員 子ども電話相談について,質問をさせていただきます。
未来ある子供たちに,この子ども電話相談,悩める子供たちには大変重要な制度・機関だと思っております。
そこで,先ほど委員長からもご指摘ありましたので,前置きは抜きにして,端的にご質問をさせていただきたいと思います。
この子ども電話相談は,現在,市内におきまして何カ所設置されておるのか。また,どの程度の相談件数なのか,この2点について,まずお聞きしたいと思います。
◎竹内 児童福祉総合センター所長 ただいまお尋ねの設置個所数と相談件数についてでございますが,現在,札幌市内には,私ども児童相談所の中で実施をしております子ども電話相談を初めとしまして,札幌市の教育研究所の教育相談室,それから,札幌市教育委員会のいじめ電話相談,それから,北海道警察本部の少年相談110番,さらに,児童養護施設が実施をしておりますYOU勇コール,以上がございます。
これら相談機関におきます平成10年度の相談件数でございますが,子ども電話相談は1,593件,それから,YOU勇コール995件,教育相談室963件,いじめ電話相談607件,少年相談110番567件というふうな状況にございます。
◆村松 委員 ありがとうございます。
今,それぞれの相談の件数,そして設置個所をお聞きしたわけでありますけれども,私は,この子ども電話相談,名前のとおり,子供から,お子さんから電話の相談を受けるのが本質ではないかなと思っておりますが,今の件数の中には,実際に子供からでなくて,親御さんから子育て相談のような形でかなりの件数の相談が来ているのではないかなと思っております。
そこで,また,実際に子供のための制度でありますから,子供からと親からの比率をちょっと教えていただきたいと思います。
◎竹内 児童福祉総合センター所長 利用者と相談内容ということでございますが,私どもが実施しております子ども電話相談についてご説明を申しますと,平成10年度の利用状況から見ますと,子供からの相談が全体の31.7%,それから,親,主に母親からの相談でございますが,これが68.3%というふうになっております。こんなふうに保護者からの電話相談が断然多いというふうな,そんな状況になっています。
次に,相談の内容でございますけれども,子供自身からの相談では,一番多いのが友達とのトラブルの悩みの相談でありまして,次に,性や身体的な悩みの相談,それから,学校での出来事についての相談と,そんなふうに続いております。
次に,親からの相談内容でございますが,やはり子供と同様に,友人関係の相談が一番多く,次に,子供を含めた家族関係,例えば離婚の親権の問題とかというそういう深刻な問題というのがありますけれども,それから,3番目が,学校関係と育児相談というふうになっております。この学校関係というのは,子供と教師とのトラブル,それから子供と親とのトラブル,そんなことが主になっております。
この傾向というのは,ここ数年同様な状況にございます。私ども,正確には承知しておりませんけれども,他の機関で実施している電話相談の実施状況についても,同じような状況にあるというふうに聞いております。
◆村松 委員 ありがとうございました。
先ほども述べさせていただいたように,やはり子ども電話相談の割には,親御さんからの電話が非常に多いという現状であります。
そこで,ちょっと簡単にお聞きしますけれども,これが,札幌市が子供たちに配っているカードだと思いますけれども,関連の方はよく,今はこちらですけれども,おわかりだと思いますが,このカードの配付対象者と枚数を,数字だけでいいですから,簡単に教えていただきたいと思います。
◎竹内 児童福祉総合センター所長 ただいまのカードの,携帯カードと言っておりますが,作成枚数でございますが,直近でつくったのが,今年度の4月につくっておりますけれども,10万枚つくっております。これの配付先でございますが,市内の全小・中学校の小学校4年生から中学校3年生までに学校を通して配付をしております。
◆村松 委員 今お答えしていただきまして,ありがとうございました。
私は,実は,ちょっと日本拳法をやっております,名誉5段でありますけれども,子供たちに拳法を教えております。児童福祉の方もよく来ていただいておりますけれども,その中で,今大変問題になっております,いじめる子供,いじめられる側もそうでありますけれども,そういう子供を対象に,学校,親御さんと話して,1年ないし2年間預かり,拳法,武道を教えているわけであります。そうすると,いじめる方もその痛さをわかるし,いじめられる方も,いい意味の自信がついて,そのまま拳法を続けておりますけれども,いじめる方もいじめられる側も,大変問題の解決になるわけであります。日本拳法だけじゃなくて,武道だとかスポーツだとか,すべてそうだと思います。
また,所轄でありますけれども,補導員とか少年院の講師も,私は過去に
ボランティアでありますけれどもやっておりました。そして,宮本先生だけじゃなくて,PTAも健育の方もずっとやってきたわけであります。
そんな中で,少年院というのは少年ですから,児童とはちょっと違いますけれども,児童,少年から,よく話を聞くわけであります。何で親に相談をしないのだと,何で学校に相談しないのだと,何で友達に相談しないのだと,そういう話をよくしますと,学校の先生には相談できないのだと,親にもできないのだと,警察にもまさかできないのだと,こういう話が非常に多くて,ひとりで悩んでいる子供,児童がたくさんいるわけであります。
そこで,このカードでありますけれども,これは過去のカードで,宮村委員が過去に大体同質の,同じようなことを2回質問をさせていただきました。そのおかげをもちまして,今はこちらの新しい,大変改良されて,いいカードになっております。
ただ,この中を見ますと,さっき言ったYOU勇コール,それから教育相談室,いじめ電話相談,少年相談110番と,それぞれ4カ所の電話番号が書いてあって,悩める子供がここに電話をしたら,いろいろな形で相談に乗ってくれることになっております。その中で,タイトルはいいのですけれども,そちらにありますよね,見ていただいて,例えば,いじめ相談は教育委員会,少年110番は北海道警察本部と,こういうふうに,括弧で下にわざわざ書いてあるわけであります。さっきも言ったように,学校の先生,教員でありますけれども,私の知っている方はほとんどいい方でありますが,知らない方には,多少そうでない方もいるのかもしれません。ですから,そういう先生に相談できない子供がやっぱりこちらに電話をかけて相談するわけであります。私は違いますが,子供たちは,教員と教育委員会というのは一つだと思っていますから,何とかこのいじめ電話相談の下の教育委員会という言葉を抜いて,発行元はいいのですよ,こちらの発行元は教育委員会でいいですけれども,相談者のところが,教育委員会の方には,お帰りになったからいいですね,大変申しわけないのですが,教育委員会を抜くのと,それから,この少年110番,これも北海道警察本部,これを何とか抜いていただかないと,子供たちが,本当に悩んで悩んでいますから,すぐ気軽に電話をできるようにしていただきたいと思っております。
また,その中で,先ほど言った,宮村委員からいろいろと,ここ2回質問があった中で,下から2番目までをフリーダイヤルにしていただいております。上の2段もぜひフリーダイヤルにしていただければ,子供もかけやすいと思っておりますので。
また,先ほど来いろいろな,大変すばらしいそれぞれの委員の質問がありましたが,私のこちらの方は,お金をかけなくても,やる気になればすぐできる問題でありますし,小さな問題かもしれませんけれども,子供にとっては大変大きな問題でありますので,ぜひ,フリーダイヤルの導入,そして,記載されている機関名を外していただきたいと思っておりますので,それをちょっと質問させていただきます。
◎竹内 児童福祉総合センター所長 1点目の携帯カードの改善についてでございます。
確かに,子供たちにとって,相談機関というのはさほど必要な部分ではございませんし,相談をできる相手がきちっと明記されていれば,それでよいというふうにも考えます。ご指摘のありましたことにつきましては,次回のカードの作成時に十分に検討して,子供たちにとって利用しやすい,そういうカードをさらに研究を重ねていきたいと,そんなふうにも思っております。
それから,2点目のフリーダイヤル化につきましてでございますが,私どもの子ども電話相談というのは,市内の利用者を対象としております。その利用者の7割が保護者であるという,そんな現状にかんがみまして,それからまた,先に導入をいたしましたところにおいても,これをやると,いわゆるただでございますから,大変いたずら電話が多くなって,真摯にこの電話を利用とする子供,そして保護者が,タイミングよく相談をするというときに,話し中とかいろんな障害があって,なかなかかけにくいというふうなことがあると。そんなこともありまして,今まで,ご要望はあったのですけれども,私ども見合わせてきたというところでございます。
ただ,ほかでもこういうふうなYOU勇コールをやっているところもありますから,私どもも,さらに研究を進めてまいりたい,そんなふうに思っているところであります。
◆村松 委員 今お答えをしていただきまして,機関名は外していただけるということであります。
フリーダイヤルの方も,そちらの方で,この下の2段のフリーダイヤルにどれぐらいの率でかかってきているかは,多分調べていないと思うのですよ,まだ。それで,その辺を調べていただいて,今言ったように,子供はやっぱりお金ありませんから,中にはいたずら電話もあるかもしれません,それはやっぱり子供の特権でありますから,そういうものを怖がらないで,ぜひフリーダイヤル導入,よろしくお願いします。
◆松浦 委員 私から,簡潔に1点質問をいたします。
先ほど,涌井委員の方から,児童養護施設あるいは母子寮の施設の耐用年数などについて質疑がありましたけれども,実は,白石区の平和通17丁目北に札幌市で一番古い児童養護施設があるのです。この児童養護施設は,当時,昭和33年に,北海道と地元の農家の篤志家の方,そして,そのほかの民間の方などが中心になって社会福祉法人をつくって,農家の方の協力で土地を取得して,そこに建設をされたわけですね。ここは,100名の収容人員で,以来41年間経過しているわけですけれども,建物が非常に古いわけであります。
これが何で,この33年のものが今まで改築をされないで来たのだろうかなと思って,いろいろ私なりに推測をしてみたら,つい何年か前まで,社会福祉法人の監督権限が北海道から札幌市に移譲されるまで,実はこの社会福祉法人の役員が,主に道のOBの人たちが中心になって構成をされていたと。その後,札幌市に監督権限が移譲されてからは,施設長には札幌市のOBがつかれるとか,あるいはまた,札幌市の当時の助役だとか,あるいはまた幹部のOBの方だとか,こういうような方が理事について何年かたってきたという,こういう経過があるわけですね。ここの施設といえば,本当に昭和33年につくったものですから,今恐らく札幌市のいろんな業務機関の施設見ても,33年に建てたものというのはもうないと思うのです。そこで,そういう経過の中で,道が主体であったがゆえに,具体的なこういう法人の負担も伴う,8分の1の負担も伴う財源問題などもこれありで,なかなか進まなかったのでないかなと,関係者の話を聞くとそんな話もちらほらとあるわけです。
私は,今,例えば,児童家庭部長の平井さんが,これは充て職で,この法人の監事になっているわけですね。そんなようなことからして,札幌市が非常にかかわりが深いわけでありますけれども,私は,この施設について言えば,即刻,来年にでも建てかえをするような方策で,市も具体的に手を差し伸べて,そして実現を図っていくことが,ここにいる幼稚園から中学3年まで,ほぼ100名いるわけですけれども,これらの子供たちの育成の上で大変大事なことでないかなと,こんなふうに思うわけです。
この点について,私は何回かこの施設を見に行ったのですが,本当に今どきこういうところで生活している人というのは,そんなに日本ではいないのではないかなと思うような施設であります。特に,少子化の問題で,先ほどからいろんな議論あります。子供が少ないから,何とか健全に育てなきゃいかんと,こういうような議論もたくさんありますけれども,そういうことからいったら,この100名からの子供たちがもっと今の社会の状況に応じたような環境の中ですくすくと育っていけるということも,私は非常に大事なことだと思うので,この辺についてどのように認識をし,そして,平成12年度でやるような計画をお持ちになっているかどうか,この点をひとつまず明らかにしていただければと思います。
◎平井 児童家庭部長 先ほど涌井委員にもお答えしましたように,養護施設のうち老朽化の激しいものについては,次期5カ年で計画的に,改修等必要であれば措置を講じていきたいと考えておりまして,今ご指摘のように,この施設は昭和33年に建って,老朽施設でありまして,設置法人とも協議を進めながら,次期5年計画の中で改修等を検討してまいりたいと考えております。
◆松浦 委員 5年といえば,1年から始まって5年の話になるのですが,私はやっぱりこれは,もう33年ですから,41年たっているのですから,できることなら,国も恐らく,いろいろ補正予算なども組んだりして,当初の計画以上に,例えばこういう施設を整備するなんていうことも,景気対策上出てくることもあると思うのですよ。したがって,これは来年度以降,5年ということもさることながら,年度的に言うと,12年度からできるだけ早い時期に,普通で言えば,12年度に,それじゃ,これから段取りだから13年度になるかと,こんなことになると思うのですけれども,補正など出てきたら,そういう機会もとらえて,できれば12年度からかかるように私はしてあげたらいいのでないかなと,こう強く思うのですけれども,この辺について,法人とどんなような話をされて,今どんな進捗状況にあるか,その辺が明らかにできれば,ぜひしていただきたいと思います。
◎平井 児童家庭部長 法人等の意向も受けながら,まだこれから5年計画策定で年次割等をしていかなければならないので,施設の状況等も承知しておるので,できるだけ早く改修を実現したいという気持ちでおります。
○上瀬戸 委員長 以上で,第3款 民生費 第2項 児童福祉費及び母子寡婦福祉資金貸付会計決算の質疑を終了いたします。
次に,第4項 生活保護費の質疑を行います。
◆涌井 委員 大変な,今日的な,日本の経済は厳しい状況でございまして,それに伴って,いろいろ,倒産やら,あるいはリストラなどで,大変に経済的に厳しい環境に置かれているご家族が,ご家庭がふえてきているのが現実ではないかというふうに思っております。
本市のこういった大変な家庭状況の中で,経済環境の中で,ある意味では,大変苦しい家庭状況になった場合に,生活保護というような手当てが必要な部分もあるわけですけれども,そこにはまだ至っていない,いわゆる低所得者層といいますか,何らかの形でそういうふうになってしまった家庭の状況を考えていくと,大変厳しいものがあるかと思います。
そんな中で,本市においては,生活保護までに至っていない人たちへのさまざまな支援的な措置として,現在,社協でやっている,札幌市が委託してやっている生活福祉資金ですとか,あるいはまた応急援護資金制度というものがあるわけでございます。それで,この低所得者層に対する出費,困窮しているというようなことで,無利子で貸し付けをしているわけですね。その方の自立・更生を促すと,こういう観点から制度があるわけですけれども,最近のこの貸し付け状況,実績,あるいはまたその償還率がわかれば教えていただきたいと思います。
◎富山 総務部長 応急援護資金制度の貸し付け状況についてのお尋ねでございます。
この応急援護資金制度というのは,貸し付けの内訳が四つございまして,生活費,教育費,医療費,その他の4種類に分かれてございます。
10年度の貸し付け状況でございますが,生活費としては243件,教育費が25件,医療費が20件,その他79件,合わせまして366件,1件当たりの平均貸し付け額は8万8,000円でございまして,総額3,231万ほどになってございます。
2点目の償還状況でございますが,78%,約80%でございます。
以上でございます。
◆涌井 委員 この応急援護資金制度を利用される方,ほとんど生活費という形で,圧倒的にほかの区分からすれば多いわけですけれども,このうち教育費が非常に少ないということで,なぜ教育費の占める割合が低いのか,第2点目としてお伺いをしたいと思います。
いろんな市民相談の中で,道社協が事業主体である生活福祉資金の方ですけれども,この生活福祉資金に就学支度費というのがあるわけでございます。平成10年度の生活福祉資金貸し付け実績を見ますと,ほとんどが就学資金なわけです。9割は就学資金で埋まっておって,金額についても,85%はこの就学資金でお借りしているというのが実態なわけでございます。
そこで,今回調べましたら,この9月から,私立高校の場合の貸し付け限度額,今まで就学支度金が23万円になっていたのですけれども,7万5,000円と大幅に減額をすると。いろいろ状況を調べましたら,道社協の方のさまざまな原資が非常に厳しいと,償還比率も大変厳しい状況にあるというようなこともありまして,あるいはまた,もう一方の側面からは,日本育英会の奨学金の制度も,随分ウイングを広くして対応するようになったということもありましてそういうふうに変えたのだというようなお話でございます。
しかし,実際問題として,そういったご家族,これから新年度を迎える中にあって,ある原因によって低所得者層になって,何とか学資を支度するために借りたいと言っている人から見ると,大変厳しい状況になっているわけでございます。したがいまして,何とか,この北海道の生活福祉資金支度金の減額に伴って,札幌市の応急援護資金の教育関係の支度費の充実を求めていかないとならないというふうに思います。これはいいご回答であればすぐ終わるのですけれども,何とか,これから春にかけて,道社協の方とよく連携して,何とか応急援護資金の教育関係の対策をぜひ拡充して,何とかしていただければと,応急援護資金については10万が限度なわけですよね。そんなようなことで,ひとつ考え方をお聞かせいただければと,こういうふうに思います。
◎富山 総務部長 まず,応急援護資金のうちの教育費の占める割合が少ないということをどのように分析しているかということでございますが,これは,1世帯当たり,貸し付け限度額が10万円以内でありまして,高校に入学するための準備金,支度金としては,必ずしも十分でないということから,委員ご指摘のございました,限度額の高い道の生活福祉資金の就学資金,これを借り入れているのが実態かなと,このように分析をしているところでございます。
続きまして,2点目のご指摘の生活福祉資金の就学支度金,これは,ことしの9月から,貸し付け限度額が23万から7万5,000円と大幅に減額をされておりまして,高校入学には厳しい状況にあると認識をしてございます。
先ほど来,児童福祉費でたくさんのご議論がございましたが,将来を担う向学心に燃える少年少女をどのようにサポートするかと,こういうことかともご理解いたします。委員のご指摘を踏まえ,市社協とも連携をとりながら,検討してまいりたいと。
以上でございます。
◆小川 委員 私も,生活保護について3点の質問をいたします。
一つは,資産の保有の問題についてであります。
特に,今まで,自動車を持っているとか,あるいは生命保険に入っていると,それだけで生活保護受給の対象外と。自動車については,季節労働者の方が工事現場に仕事に行くと,大工道具を積んで工事現場に行く車,ライトバンなんかを持ってね,そして,夏場は生活保護を受けないで,仕事で生活しているけど,冬場仕事が切れたときだけ一時的に保護を受けると,こういう場合に,例外的に,自立に役立つと,こういうことで認めているような場合がありました。しかし,それ以外の場合は自動車の保有を認めないと,こういうことが言われてまいりましたけれども,今回一部変わりまして,自動車の保有が今年度から緩和されたと。
また,生命保険についても,今までは資産の活用と,こういうことで,わずかな生命保険でも,解約しなければ生活保護の申請できないと。生活保護開始前に,幾らかの返戻金があれば,解約して返戻金を使ってから保護申請せよと,こういう指導がなされていたところでありますけれども,今年度から一部,それらも認めながら,保護を開始していくと,こういうふうに変わってきたと。これらについて,どのように今日的に改善されてきたのか。
それと,問題なのは,こういう改善がなされながら,各区の対応で,少しまだ周知徹底がなされていないのか,市民に誤解を与えるような言動が現実にあります。それらの改善点についてどのような周知徹底がなされているのか,お尋ねをしたいと思います。
質問の2点目でありますが,一つは,先日の厚生委員会に報告のありました,法外援護のあり方についての意見具申,先日の厚生委員会で総務部長は,具申を尊重し検討に入りたいと,こういう答弁がなされております。しかし,これは非常に重大だなと,こういうふうに思っています。生活保護を受けている方たちの生活実態,そういう中で,札幌市独自の法外援護と。
札幌市独自の法外援護といいますけれども,これは全国の都市で実施しているものであります。特に本市の場合,昭和42年,1967年の12月2日に高田治郎さんという方から議会請願が出され,そのときの紹介議員は,山崎七郎さん,鈴木伊佐夫さんという私たちの大先輩が紹介議員になって,そして,当時の厚生委員会で本州各都市を視察してきながら,各都市の法外援護の実施状況なども見まして,翌昭和43年,1968年の6月24日の本会議で請願が採択され,陳情も採択されて,この事業が実施をされました。そして,当初は,特に盆暮れの見舞金,生活保護を受けている方が,お盆に自分の先祖の墓参りに行くそのお金がないと,こういうことから,新善光寺が一部寄附をするとか,あるいは共同募金だとか歳末助け合い,こういうものも原資にしながら法外援護事業が始まりました。
今でも,私の厚別なんかの市営住宅に住んでいる,少ない遺族年金で生活しているおばあちゃんなんかにとってみれば,自分の出身地にある親の墓,日高であるとか空知管内の山の墓地にお盆にお参りに行くとき,この一時法外援護は本当に助かっているわけですけれども,今,意見具申の具体的な検討と,こんなことになりますと,これらがばっさりと切られてしまいかねない。また,年末のもち代の,年末一時金としての見舞金も,これ,切られてしまうと,こんな状況になるのでないかなと思うのですけれども,これらの,盆暮れの見舞金なんかについて,法外援護ができた歴史的経緯と,今,生活保護世帯が,実際これらについて,どのように使われているというふうに承知されているのか。
それから,先ほどもお話ししましたように,これを実施するに当たっては,市議会の厚生常任委員会として,わざわざ本州各都市を視察までして請願を採択して実施をいたしましたけれども,この法外援護について,ほかの各都市の実施状況,どういう状況になっているのか。川崎なんかは札幌よりももっと非常に多い金額で援護をしているようにもお聞きをしておりますが,ほかの都市の実施状況なんかを,どう考慮して検討されていこうとされているのか,これをお尋ねしたいと思います。
3番目に,これは直接生活保護とはかかわらない可能性があります,しかし,札幌市で言うと総務部がどうしても対応せざるを得ない問題として,全国的な大きな課題になっているホームレスの問題であります。
先日,観光議員連盟の仕事で大阪を訪ねました。大長助役も一緒でありましたが,あのとき,大阪の方から,大阪市役所の横の川べりを中心にして約1万人のホームレスが大阪にはいると,こういうふうに言われました。札幌でもホームレスがふえてきております。私の住んでおります厚別区でも,青少年科学館周辺の公園にホームレスが出ておりますし,夜の間は副都心中心の市営住宅のベランダの下に寝袋一つで寝ていると,こういう人が出てきたり,また,つい先日は,大阪から来たというホームレスの人が,どこか1日でいいから働けるところがないのかと,私の事務所に相談して,私の事務所で,1日ですぐ現金になる仕事の紹介,こんなことはできないから,区役所に行きませんかといって,区役所の保護課に行くことをお勧めしたけれども,まだ保護は受けたくないと,何とか働き口だけ世話してほしいと。こういう,東京だとか大阪だと,その日その日の,住所がない人でも働く口があるのだけれども,札幌は住所がなければ働き口がないと,こういう状況にあるということを身をもって私も感じさせられたのです。こういうホームレスの人たちが札幌でもふえてきていると,こういうふうに承知をしているのですけれども,本市は,札幌市のホームレスの現状についてどのように考えられているのか。国も含めて,ホームレス問題連絡会議と,こういうのをつくられて対策がとられているのですけれども,札幌市は,これらについて,どのような対策をとろうとされているのか,これについてお尋ねをしたいと思います。
◎富山 総務部長 まず,1点目の自動車及び生命保険の保有の取り扱いの変更部分でございますが,自動車につきましては,国の取り扱い方針では,原則として認めておりませんが,これまでの取り扱いでも,社会通念上,または当該世帯の自立助長の観点から,例外として保有が認められる場合も示されております。具体的には三つございまして,
身体障害者が通院・通学用に使用する場合。二つ目は,事業用として活用する場合。三つ目が,山間僻地で通勤に公共交通機関を利用できないか,著しく困難な場合でございます。
ことしの4月1日から取り扱いを変更されました部分は,早朝・深夜勤務のために通勤に公共交通機関を利用できないか,著しく困難な場合,これが,ことしの4月1日から新たに追加されたところでございます。
次に,生命保険の取り扱いについてでございます。
これまでも,二つの面から判断いたしまして,その保有を認めることにしておりまして,一つは,保険の性質として,けが,病気,死亡等の危険対策を目的として,かつ,保障の効果が当該世帯に及ぶこと。これは,最近いろいろ保険金詐欺と,ああいう,ほかの世帯になるのは全然問題外でございます。それから,二つ目として,当該保険を解約した場合に生じる解約返戻金が少額で,保険金額及び保険料額も当該地域の一般世帯との均衡を失しない程度のものであること。この二つを,判断して保有を認めることとしてございました。
今年の4月から,国から変更が示されておりまして,二つ目の部分で,保有を認める場合の判断の目安でございますが,解約返戻金は,最低生活費のおおむね3カ月程度以下,それから,保険料額は,最低生活費の1割程度以下と,具体的に明示されたものでございます。
なお,保険金額は,判断基準としては用いないこととなってございます。
これら改正の周知方法でございますが,関係課長・係長会議,もちろん部長会議も含みますが,その会議で周知徹底を図っておりますが,実際の運用に当たりましては,個々の状況を検討する必要がございまして,今後とも十分に状況を把握した上で,適正に判断してまいる,このように考えてございます。
次に,2点目の法外援護事業の居宅見舞金,これは夏と暮れに支給しているものでございますが,支給されている方々の使途をどのように認識しているかということでございますが,私ども,その使途まで分析したことはございません。ただ,生活保護におきまして計上される最低生活費は,衣食など,月々の経常的な生活需要のすべてを満たすための費用として認定されるものでございまして,被保護者は,国の定める,この最低生活費の範囲内において,通常予測される生活需要のすべてを賄うべきものと,このようになっております。その中で,この居宅見舞金をプールして使っていたのではないかと,このように理解をしてございます。
次に,他都市の実施状況でございます。
法外援護事業等を一つでくくって,私ども,事業名を言っておりますが,その内容は自治体によって千差万別でございます。政令指定都市では,北九州市が,平成9年度から小学校入学祝い金等を残して廃止をしてございます。他の政令市においても見直しを検討していると,このように私ども聞いてございます。道内では,昭和59年に北海道が廃止をしておりまして,続いて,小樽,苫小牧,釧路,室蘭,帯広の各市も廃止をしてございます。
3番目のホームレスの問題でございます。
札幌市のホームレスの現状についてでございますが,まず,ことしになりまして,札幌駅周辺にホームレスらしい人がいると,このような情報を私ども耳にしております。現在,正確な人数等は把握をしておりません。今後,関係機関と,調査のあり方を含め,総合的な協議を進めてまいりたいと,このように考えてございます。
国の動向でございますが,委員ご指摘のとおり,主に関東・関西の大都市を中心にホームレスが急激に増加し,大きな社会問題となっておりますことから,国及び関東・関西の関係自治体が,ことしの2月にホームレスの問題連絡会議を開催いたしております。この5月に当面の対応策を取りまとめて,来年度の予算要求に上げると,このように聞いてございます。
札幌市の今後の対応策でございますが,先ほどお話し申し上げました,関係機関との調査の結果にもよりますが,さきにホームレス問題連絡会議が取りまとめております当面の対応策を参考にいたしまして,関係部局と連携を密にして検討を進めてまいりたいと,このように考えているところでございます。
◆小川 委員 自動車と生命保険の関係で,これは,実際の現場で必ずしも十分市民に理解されるような対応がなされていないので,主に相談係が対応するわけですけれども,きちっと対応していただきたいと。変わった点が伝わっていないのでないかと。
それとあわせて,自動車の保有は,こういう改善がされても,各区の保護課で対応するのでなくて,引き続き本庁対応で対処されるのですか,生命保険の問題も含めて,あわせてお尋ねをしておきたいと思います。
2番目の法外援護について,部長の答弁だと,ほかの自治体も削ってきているし,他の政令市も検討しているようだから,札幌市も削ってもいいのでないかと,見直しと称して削っていこうと,こんなような話でありますけれども,実際,先ほども話ししましたように,遺族年金が本当に少なくて,その差額分を生活保護受けているような人たちにとって,お盆の見舞金が墓参りの交通費の足しになったり,それから,年末の一時金がお正月の準備金になっているのですよね。そんなの調査したことないからわからないというのではなくて,そういう状況なわけですよね。やっぱりそういう意味では,これらを残して,もう少し人間味のある施策を続けていくべきだと思うのですね。このことを強く要求して,見直しをすると,十分これから検討したいというのですけれども,全部廃止するなんていうことは絶対ならないであろうと,こういう期待を込めて,見直しの中身,どういう検討をされていくのか,道なんかと違う,温かみのある対応ができるのかどうなのか,この点についてお尋ねをしたいと思います。
それから,先ほどのホームレスの話では,これから関係機関と調査するというのですけれども,関係機関って,どういうところと一緒に調査するのですか。それから,当面の対応としては関係部局と検討を進めたいって,ホームレスの関係部局はどこになるのですか。そして,どんな対応をされるおつもりなのか。いわゆる緊急保護をするとか,あるいは,働きたいという人に対しては総務部が窓口になって仕事を出すとか,そういうようなことも含めて対応していくということですか,お尋ねをします。
◎富山 総務部長 まず,自動車と生命保険の,どこのセクションでやるかというお尋ねでございますが,自動車については本庁協議ということで,従来どおりでございます。それから,生命保険の方も,これは区役所対応ということでやっております。
それから,2点目の法外援護について,どのような視点で見直しをするのかというご質問でございます。
さきの厚生常任委員会でも,中間報告が出たときにご報告申し上げておりますが,この審議会からの意見具申によりますと,法外援護の今後のあり方といたしまして,子供たちの健やかな成長への支援,これが一つの視点,それから,二つ目の視点として,高齢者施策への配慮と,この二つに心を配って,新しい札幌市の福祉の流れを,限られた層から市民全体にわたる福祉施策の質の充実に転換すべきであると,このような内容になってございます。したがいまして,私どもはこれを重く受けとめ,見直しに取り組んでいきたいと,このように考えております。
◆小川 委員 総務部長,それはわかっているのです。その上に立ってどういうふうなことをやろうとされているのですか。それまではこの間聞いているのですよ。だから,その点について,冷たい対応はしないのでしょうね,今,遺族年金で暮らしているばあちゃんの墓参りのお金なんか切ってしまうと,そういう冷たい対応はしないのでしょうねと,こういう考えでお尋ねをしているのですけれども,どうなのですか。
◎富山 総務部長 先ほどの質問で答弁漏れがございました。まずそれからご答弁を申し上げますが,ホームレスの関係機関でございますが,道警あるいは保健所等を関係機関と,あるいは職安といった部分も出てこようかと思っております。
それから,見直しの意見具申の上に温かい心か冷たい心かというお尋ねでございますが,保健福祉局はすべて職員温かい心を持っておりますので,そのような視点で見直しをしてまいりたいと,このように考えております。
◆小川 委員 舘美局長,そういう見直し,今,生活保護を受けている人たちに対して,本当に温かい,そういうことで受けとめていい見直し内容になるのですね。
◎舘美 保健福祉局長 法外援護につきましては,歴史的にもいろいろございました。これを見直すということで,やっぱり時代に合ったものにしていかなきゃならんということで,過去,2年をかけて,審議会で十分ご審議をいただきました。途中,議員が抜けたということもございましたけれども,十分ご審議をいただいた上で意見具申をいただいたと,こういうふうに思っております。したがいまして,その意見具申に沿って,我々としては,強化すべきところは強化し,見直すところは思い切って見直し,全体のバランスをとっていきたいと,こう思っております。
◆猪熊 委員 涌井委員とはちょっと視点が変わると思いますので,あえて発言をさせていただきたいと思いますが,小川委員とも少し視点を変えて,法外援護事業の見直しに関して,一つ質問をさせていただきたいと思います。
この中で,時代を担う子供の健やかな成長への支援と,介護などの真に必要な高齢者施策への配慮,この2点に心配りをしなさいということで,強く意見が述べられていると。ここに僕はとても,まさに温かい審議会であるなと,こう感じたのですけれども,法外援護事業というのは,ご存じのとおり六つあると。そんな中で,小学校の入学あるいは中学校の卒業というような部分もあります。そんな点では,次の時代を担う子供たちに対して,どちらかというと逆に充実をさせるというようなことを含めて,存続をすべきでないのかなと,こう考えますが,答申を受けての考え方があればお聞かせ願いたいなと,これが1点です。
2点目は,子供の関係で,実は,高校の進学という点では,相当高い進学率で,97%を超えているかなというようなことが言われておりますけれども,市内にある五つの養護施設の中でも,子供たちは,今本当に向学心に燃えて,僕も藤野の養護施設のいろんな行事に参加をさせていただいておりますが,とても明るく希望を持って頑張っていらっしゃると,そういう姿を時々見させていただいております。生活保護世帯を含めて,こういった人方が高校入学する場合の支度金という点で言うと,制度としては,児童福祉施設入所児童等高等学校入学支度金補助ということで,公立では5万円,私立では13万円以内という制度がありますけれども,実際の高校の実態はということになると,公立高校は,入学金や授業料を含めて,制服代,あるいはPTA等を全部入れますと,およそ7万円ぐらいはかかるのかなと。あるいはまた,私立に至っては,入学金,授業料,あるいは制服代,教材等々を全部入れると,30万を超えるような状況にもあるというようなことで,施設の経営者はもちろんですが,生活保護では高校入学の支度金というのは出ないという点で,涌井さんが,いろいろな貸し付けなどを利用するということでの限界をもお話をされていたと思いますが,こういった部分は,学校によって,必要額について支援をするということで,実費を支援するというようなところまで,何とか具体的に支援策というものを改善していくべきでないかと,こう実は率直に感じているところでございます。あすを担う子供たちが,少なくとも卑屈な思いをしない,あるいは,施設の経営者や生活保護を受けている親御さんが,とてもつらい思いをしてそういったものを捻出する,捻出できない場合はあきらめてくれということを言わざるを得ないというような状況は,これは事実ですから,そんな点で,温かい局が温かい施策を充実させるということは,だれしもそのことをだめと言う人はいないと思いますので,ご見解をいただければと,こう思っています。
3点目,最近の生活保護の動向について率直にお聞かせ願いたい。
以上3点です。
◎富山 総務部長 まず,1点目の法外援護事業の六つの事業内容の一つでございますが,小学校入学,中学校卒業時の祝い金と,これについてのご意見でございます。委員のご指摘を踏まえながら,市民の納得する,そういった事業,このようにしたいと考えてございます。
それから,2点目,これは先ほど涌井委員にもご答弁申し上げましたように,高校入学の際の支度金については,厳しい状況にあると,このように私どもも認識しております。したがいまして,他の援護制度ですとか,たまたま政令市で,千葉市では3万円の支度金,こういったものを支給しているというようなことも聞いております。他都市の状況等を調査しながら,総合的に検討してまいりたいと,このように考えてございます。
3点目の,最近の保護動向についてのお尋ねでございます。
9月1日現在の保護の状況でございますが,保護世帯数は2万2,820世帯,被保護人員が3万5,178人,保護率は19.4‰となってございます。平成4年度から8年度までは横ばいの状況でございましたが,平成9年秋から増加傾向になっておりまして,9月1日の時点で,昨年同月に比べると,世帯数で1,530世帯,人員で2,403人,保護率で1.2ポイントの増加を示してございます。
以上でございます。
◆猪熊 委員 1番目,2番目については,ぜひ期待をしていますということで,よろしく取り計らいを願いたいと,こう思っています。
生活保護の関係で言うと,やっぱり失業に関連をして,相当被保護世帯が増加をしているのだなというようなことが,率直に,今のお話で感ずるのですけれども,再度,いわゆる稼働,働く,こういったことに対してどういった指導をされているのか,今日の状況の中で,あえて札幌市10区,意識をされて,他の都市とは違った形での何か稼働へ向けての味のある指導などをされているのかなと,こんな期待もしているのですが,そんな点を含めてちょっとお聞かせ願いたい。
◎富山 総務部長 先ほどのご答弁の中で,ふえてきているという実態は申し上げましたが,ご指摘のように,保護の開始理由で見ますと,失業を理由としたものの増加が非常に著しくなっておりまして,稼働収入の減少と合わせますと,約2割ほど占めておりまして,これは雇用環境の悪化の影響によるものと,このように思っております。
そこで,稼働に対する指導ということでございますが,ご承知のとおり,生活保護というのは,最低限度の生活を保障するとともに,その自立を助長することを目的としております。したがいまして,11年度から,各区の共通事業といたしまして,傷病などで働けない人を除く稼働年齢層にある被保護者に対しまして,被保護者みずからが自立への意欲を高めることができるような,就労支援を柱とした積極的な取り組みを行っているところでございます。
以上でございます。
◆猪熊 委員 それは,時代に関係なく,僕がそういう立場で仕事をさせていただいていたときも,稼働年齢については稼働指導ということを当然しているわけですね。積極的か積極的でないかという点では,ケースワーカーは常に積極的に対応していかなきゃなりませんから,されているということは理解します。
問題は,そんな中で,どれだけ,再稼働ということで自立の道をたどっていくかという点で言えば,僕はとても厳しいのではないかと,こう思えてならないわけです。
それで,失業状況が今日5%を札幌の場合は超えているかもしれんというような段階で,求人倍率などというのは極めて寂しい状況にあると。こんな点を考えていったときに,やっぱり被保護世帯の稼働年齢層に対しては,何か資格を持っていただくような,いわゆる職業訓練またはそれに準ずるような形での具体的な対策というようなことを,僕は長い目で見てやった方がいいのでないかと。一定の何らかの形で資格を持って自立,社会参加をしていくという人方は,僕は戻ってこないという気がするのですね,もちろん絶対とは言いませんけれども。しかし,自助努力で稼働先を探すというのが建前ですから,ケースワーカーが汗を流して探してくるというのは,やってはいけないということに一応はなっておりますので,大変難しい側面あることを承知して,資格などを持たせるという点で,あえてそういう間口を設けて,対象者の希望を募るというようなことというのは,僕はやっていいのではないかと。
または,全く経験のない世界,例えばデパートの店員という点で,とても私は勤まらないというような思いをしている人方に,デパートなどの経営者のご理解をいただいて,無償で体験をするとかいうような形を含めて,積極的に,有資格,あるいは経験を積むことによって,これはできるというような自信を持って,自立へのきっかけをつかんでいくというような,役所側の工夫,こういったものがあっていいのでないかと,こう考えるわけですが,いかほどお考えでしょう。
◎富山 総務部長 非常に厳しい雇用環境のもとでございまして,技術・資格の有無,これはやはり雇用に大きな影響を与えると考えてございます。
職業訓練を真に必要とする被保護者には,技能取得費,こういったものを支給しておりまして,技能の習得を進めております。昨年で申し上げますと,あんま・マッサージ師ですとか,介護士,あるいは大工さん,こういったところの技能習得費を支給して,技術の習得を進めているところでございます。
また,一定の事業所,これは,病院ですとか施設の協力を得ながら,勤労意欲の助長と稼働能力の促進を図るために,勤労意欲助長事業に取り組んでいるところでございますが,今ご指摘のございました,他の事業所にも,その就労支援の方策を依頼するなど,今後積極的な取り組みを展開してまいりたいと,このように考えてございます。
◆猪熊 委員 これで終わります。
そこで,意見を申し上げたいのですが,やっぱり生きがい,札幌に住んでよかったと家族で受けとめられるためには,働く場所があるということですね。そのことをまず出発点にしない限り,すべてがだめ。そんな点で,いろいろな事情があって,保護世帯ということで被保護者になっていくという経過は,それぞれに理由があることだと思いますが,そういった問題点を取り除きながら,自立というところでしっかりと足を地につけて歩んでいけれるように,なお一層の努力・工夫をいただくようにお願いをして,終わります。
◆近藤 委員 最後でございます。皆様,遅くなりまして,ご質問させていただきます。
最近,被保護世帯数が増加しているということで,富山部長からもご説明がありましたけれども,被保護世帯もさまざまな問題を抱えているものと思います。その中で,ケースワーカーの役割というのが,ソフトの面から,非常に重要な位置づけになっているのではないかと思っております。
そこで,本市の人事異動によって,福祉について全く経験のない職員,あるいは,人生経験の少ない若い職員,あるいは女性の職員の方が保護業務に携わる場合が多くなっていると聞いておりますけれども,質問の1点目ですが,経験年数,それから年齢の構成,それから男女の構成についてお伺いしたいと思っております。
◎富山 総務部長 現在,10区でケースワーカーが272名おります。経験年数では,1年未満の職員が27%,それから,年齢構成で申しますと,20代の職員が45%となってございます。
また,男女の構成比で申し上げますと,男性が76%,女性が24%となっておりまして,20代のケースワーカーと女性のケースワーカーの比率が,約3年ほど前と比べると,6%,5%とふえてきてございます。
以上でございます。
◆近藤 委員 今,20代の若いケースワーカーが45%ということで,非常に当市も若い方の活躍の場と申しますか,責任等を求められて,その舞台を与えられてご活躍されているということは,非常に喜ばしいことだと思っております。
ただ,親のような年齢の方々から,医療とか年金とか暮らし等のいろんなお話を,まさに人生相談そのものではないかなと思うのですけれども,この相談に対する指導とか援助を行ったりしなければならないということなのですけれども,何よりも,相談者のプライバシーを重視するということが大事だと思います。さらに,職員の方の資質の問題が問われると思います。
そういうことで,私も民間金融機関でいろんな相談業務をやっておりましたけれども,本当に信頼そのもの,あとはレベルアップということだと思いますね。
そこで,質問ですけれども,ケースワーカーの方の資質の向上,それからレベルアップは,どのような計画的な研修あるいは管理のもとで行われているかをお伺いしたいと思っております。
◎富山 総務部長 生活保護にかかわる職員の研修につきましては,特に重要でございます。新任のケースワーカーへの研修としましては,年2回定例的にやっております。さらに年次別の研修,医学,雇用問題,年金などの専門的な研修,女性のケースワーカーに対してはまた特別な研修を行っております。さらに,各区の保健福祉部におきましては,職場内研修を機会を見て行っているところでございます。
これらの研修につきましては,生活保護の仕事というのは,今,委員ご指摘のように,人と人とのつながり,これに基づく信頼関係と,この上に成り立っているものでございますので,相手の傷みを知り,人間性を尊重する気持ち,こういったことが何よりも大切だという認識のもとに,専門的知識・技能の習得はもとより,より豊かな人間性の涵養を目的とした研修等も実施しているところでございます。
◆近藤 委員 最後,要望でございますけれども,先ほどの,保護世帯数の増加については,やはり昨今の経済情勢等,あるいは,高齢者の増加というのが要因になってくると思います。
そこで,ケースワーカーの皆様が自信と気概を持って職責を果たすということですね。若いケースワーカーの方々のメンタルヘルスも配慮されて,職員の研修がさらに研究開発されて,皆様から当市が信頼される,第一線でやっていらっしゃる方が,本当によく頑張っているなという形で,充実した研修をこれからもお願いしたいと思います。
以上です。
○上瀬戸 委員長 以上で,第4項 生活保護費の質疑を終了いたします。
本日は,これをもって終了し,次回は,明後日,10月7日午後1時から,保健福祉局関係のうち高齢保健福祉部,保健医療部,保健衛生部,生活衛生部,衛生研究所及び高等看護学院の審査を行いますので,定刻までにご参集をいただきたいと存じます。
長時間にわたるご審議,本当にありがとうございました。
これをもって,散会をいたします。
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散 会 午後7時12分...