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  1. 札幌市議会 1999-09-30
    平成11年第 3回定例会−09月30日-05号


    取得元: 札幌市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    平成11年第 3回定例会−09月30日-05号平成11年第 3回定例会                平成11年    第3回定例会           札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 5 号 )                平成11年9月30日(木曜日)           ―――――――――――――――――――――――─ 〇議事日程(第5号)  開議日時 9月30日 午後1時 第1 議案第1号から第19号まで及び議案第21号から第25号まで(市長提出)  議案第26号及び議案第27号(共産党所属議員全員提出)           ―――――――――――――――――――――――─ 〇本日の会議に付した事件 日程第1 議案第1号 平成10年度札幌市各会計歳入歳出決算認定の件  議案第2号 平成10年度札幌市病院事業会計決算認定の件  議案第3号 平成10年度札幌市中央卸売市場事業会計決算認定の件  議案第4号 平成10年度札幌市交通事業会計決算認定の件  議案第5号 平成10年度札幌市高速電車事業会計決算認定の件
     議案第6号 平成10年度札幌市水道事業会計決算認定の件  議案第7号 平成10年度札幌市下水道事業会計決算認定の件  議案第8号 平成11年度札幌市一般会計補正予算(第2号)  議案第9号 平成11年度札幌市団地造成会計補正予算(第1号)  議案第10号 平成11年度札幌市基金会計補正予算(第1号)  議案第11号 平成11年度札幌市公債会計補正予算(第2号)  議案第12号 平成11年度札幌市下水道事業会計補正予算(第1号)  議案第13号 札幌市少子化対策臨時特例交付金事業基金条例案  議案第14号 財産の処分の件(流通業務団地用地)  議案第15号 札幌市区の設置等に関する条例の一部を改正する条例案  議案第16号 札幌ドーム条例案  議案第17号 札幌市土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例案  議案第18号 札幌市体育施設条例の一部を改正する条例案  議案第19号 札幌市長期総合計画審議会条例等の一部を改正する条例案  議案第21号 財産の取得の件(構築物)  議案第22号 財産の取得の件(公園用地)  議案第23号 財産の取得の件(都市環境緑地用地)  議案第24号 町の区域を変更する件  議案第25号 市道の認定及び変更の件  議案第26号 札幌市福祉除雪事業条例案  議案第27号 札幌市融雪施設設置費補助条例案 追加日程 第一部及び第二部決算特別委員会委員の選任 追加日程 第一部及び第二部決算特別委員会委員長の選任           ―――――――――――――――――――――――─ 〇出席議員(68人) 議長          佐 藤 美智夫 君 副議長         川口谷   正 君 議員          長 内 直 也 君 議員          五十嵐 徳 美 君 議員          村 松 正 海 君 議員          山 田 一 仁 君 議員          近 藤 和 雄 君 議員          村 上 勝 志 君 議員          藤 原 廣 昭 君 議員          三 浦 英 三 君 議員          青 山 浪 子 君 議員          坂 本 恭 子 君 議員          岡   千 陽 君 議員          恩 村 一 郎 君 議員          小 林 郁 子 君 議員          松 浦   忠 君 議員          高 橋 克 朋 君 議員          勝 木 勇 人 君 議員          鈴 木 健 雄 君 議員          堀 川 素 人 君 議員          横 山 光 之 君 議員          大 嶋   薫 君 議員          小 野 正 美 君 議員          涌 井 国 夫 君 議員          本 郷 俊 史 君 議員          高 橋   功 君 議員          岩 村 よね子 君 議員          熊 谷 憲 一 君 議員          宮 川   潤 君 議員          井 上 ひさ子 君 議員          馬 場 泰 年 君 議員          宮 村 素 子 君 議員          笹 出 昭 夫 君 議員          三 上 洋 右 君 議員          道 見 重 信 君 議員          上瀬戸 正 則 君 議員          原 口 伸 一 君 議員          畑 瀬 幸 二 君 議員          大 西 利 夫 君 議員          義 卜 雄 一 君 議員          武 藤 光 惠 君 議員          小 川 勝 美 君 議員          田 中 昭 男 君 議員          山 口 た か 君 議員          千 葉 英 守 君 議員          村 山 優 治 君 議員          宮 本 吉 人 君 議員          武 市 憲 一 君 議員          大 越 誠 幸 君 議員          猪 熊 輝 夫 君 議員          西 村 茂 樹 君 議員          森   健 次 君 議員          柿 崎   勲 君 議員          小 田 信 孝 君 議員          生 駒 正 尚 君 議員          飯 坂 宗 子 君 議員          福 士   勝 君 議員          高 橋 忠 明 君 議員          常 本 省 三 君 議員          柴 田 薫 心 君 議員          小 谷 俵 藏 君 議員          加 藤   齊 君 議員          澤 木 繁 成 君 議員          伊与部 敏 雄 君 議員          湊 谷   隆 君 議員          常 見 寿 夫 君 議員          本 舘 嘉 三 君 議員          荒 川 尚 次 君  ――――――――─――――――――― 〇欠席議員(なし)  ――――――――─――――――――― 〇説明員 市長          桂   信 雄 君 助役          魚 住 昌 也 君 助役          大 長 記 興 君
    助役          千 葉 瑞 穂 君 収入役         高 橋   登 君 交通事業管理者交通局長 片 桐 政 美 君 水道事業管理者水道局長 瓜 田 一 郎 君 総務局長        佐々木 喜 四 君 企画調整局長      高 橋 賢 治 君 財政局長        植 田   浩 君 市民局長        三 井   尚 君 保健福祉局長      舘 美 武 弘 君 環境局長        平 田 匡 宏 君 経済局長        小 川 敏 雄 君 建設局長        浅 沼 勝 利 君 都市局長        本 間 博 昭 君 下水道局長       小 西 十四夫 君 市立札幌病院長     中 西 昌 美 君 消防局長        石 原 昭 一 君 教育委員会委員     山 藤 邦 雄 君 教育委員会教育長    山   恒 雄 君 選挙管理委員会委員   長 岡 武 夫 君 人事委員会委員長    朝 倉   賢 君 人事委員会事務局長   古 田 勝 榮 君 監査委員        日 野 晃 輔 君 監査事務局長      羽 田   勲 君  ――――――――─――――――――― 〇事務局出席職員 事務局長        植 田 英 次 君 事務局次長       坪 田 玲 二 君 総務課長        山 内   馨 君 議事課長        福 島 康 則 君 調査係長        塩 澤 正 樹 君 資料係長        岩 谷 隆 博 君 議事係長        細 川 正 人 君 記録係長        阿 部 吉 秀 君 委員会一係長      木 村 義 広 君 委員会二係長      吉 野   豪 君 書記          佐 藤 比登利 君 書記          高 佐 三緒子 君 書記          山 本 扶 美 君 書記          松 田 寛 司 君 書記          池 田 章 宏 君 書記          柴 井   康 君  ――――――――─―――――――――  〔午後1時1分開議〕 ○副議長(川口谷正君) これより,本日の会議を開きます。  出席議員数は,64人であります。  ――――――――─――――――――― ○副議長(川口谷正君) 本日の会議録署名議員として小谷俵藏君,湊谷 隆君を指名します。  ――――――――─――――――――― ○副議長(川口谷正君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。 ◎事務局長(植田英次君) 報告いたします。  佐藤美智夫議長は,所用のため遅参する旨,届け出がございました。  本日の議事日程,請願・陳情受理付託一覧表及び質問順序表は,お手元に配付いたしております。  以上でございます。  〔一覧表は巻末資料に掲載〕  ――――――――─――――――――― ○副議長(川口谷正君) これより,議事に入ります。  日程第1,議案第1号から第19号まで及び議案第21号から第27号までの26件を一括議題といたします。  昨日に引き続きまして,代表質問を行います。  通告がありますので,順次発言を許します。  恩村一郎君。  (恩村一郎君登壇・拍手) ◆恩村一郎君 私は,ただいまから,新政クラブを代表して,本議会に提案されました諸議案並びに市政の諸問題について質問をさせていただきます。  初めに,財政問題についてお伺いをいたします。  ここ数年,我が国の景気停滞は一層厳しさを増し,政府においては,平成10年4月の経済対策閣僚会議において総額16兆円を超す総合経済対策を決定し,それを受けて,地方財政においては,総額5,013億円の減税補てん債の追加や,4,000億円の地方交付税の増額,地域経済対策事業債の弾力的運用などが行われることになりました。さらに,同年11月には,総額で20兆円を上回る緊急経済対策が決定され,地方財政においては,追加する公共事業にかかわる地方負担額について,当初80%であった補正予算債の充当率を100%に引き上げるなどの措置が講じられたところです。  このように,厳しい経済状況を背景に,国も地方も,一たん着手しかけた財政構造改革路線をしばらく棚上げし,景気回復のための財政出動をせざるを得ないという苦しいかじ取りを迫られたところです。  本市においても,我が国の厳しい経済状況の中にあって,市税収入などが減収する中,国の動きに呼応する形で,景気浮揚のための経済対策等として累次の補正予算を編成し,地域経済に可能な限り配慮する措置をとるなど,行財政改革の推進を図っていく上では非常に難しい財政運営を余儀なくされたものと認識しています。  特に,昨年の第2回定例市議会においては,国の1次補正にかかわる緊急経済対策として,これまでの景気対策関連の補正予算としては最大規模の379億円の補正を行い,その後の追加補正を加えると,経済対策関連の補正総額は735億円となっています。これにより,一般会計においては,経済対策以外の補正も加えますと602億円の補正総額となり,最終予算額は9,101億円で,過去最高となりました。  一方,歳入における市税収入は,景気低迷の影響を受け,法人市民税個人市民税が,それぞれ9.8%,10.2%の減,市税全体では3.6%,107億円の減となっています。  このような中,平成10年度の市債の発行額は,当初予算より203億円増加しています。平成9年度決算においては,市債発行額が前年度に比べ97億円減少し,予算と比べ21億円の圧縮が図られ,対前年伸び率を6年ぶりにマイナスとしたばかりです。景気対策など差し迫った課題を踏まえても,借金であることには変わりないのですから,やはり,健全財政を維持するよう,当初計画に従って最大限の努力をすることが必要であると考えます。一部の市債には一定の交付税措置があるとしても,その残高の増加が財政運営の硬直化を招く要因となりつつあるのではないでしょうか。  10年度決算における財政指標を見ますと,経常収支比率が3.7ポイント増の85.6%へと大幅に悪化し,9年度までは政令指定都市で最も望ましい数値であったのに,北九州市,仙台市に次ぐ3位に転落したほか,起債制限比率については,前年度より0.5ポイント上昇し9.8%になるなど,財政の硬直化が一段と進んだものと思われます。  起債制限比率は,20%を超えると一部の起債が許可されなくなるなど,地方債制限の実質的な指標として活用されているものです。公債費の増加によって財政運営に支障を来すおそれがある市町村に対しては,公債費負担適正化計画の策定を促す基準にもなっており,その基準が,本年度,15%から14%に引き下げられたところです。市町村における公債費の増大を懸念して,より早期に公債費負担の適正化に取り組むよう,一段と基準を厳しくしたものと考えられます。  北海道が既に財政非常事態宣言を行っている中,北海道の中心都市として,より一層,重要な役割を果たすべきと期待されている札幌市ですが,比較的良好であると聞いていた財政指標が悪化の傾向を示し始めている状況を見ますと,本市の財政運営の将来を憂慮せざるを得ません。  そこで第1点目に,このような財政指標悪化の一因となっている公債費負担の状況についてどのように考えているのか,お伺いをいたします。  また,平成10年度は,行財政改革推進計画の初年度でもあり,市債発行抑制の数値目標を掲げたところですが,計画が932億円のところ,決算においては,それを大きく上回る1,135億円で,過去最高の発行額となっています。数値目標を掲げること自体は,計画を強力に推進し,その結果がだれの目にも明らかになるという点から,大変望ましいことですが,計画と実績が大きくかけ離れたものであれば,計画自体の意味が薄れてしまうものと考えます。  そこで第2点目に,平成10年度の計画と実績の乖離については,経済対策等によるところが大きいものと推察いたしますが,市債発行抑制にかかわる数値目標の進捗状況についてどのように評価するのか,お伺いをいたします。  また,平成11年度以降の見通しについても,あわせて伺います。  次に,高齢者にかかわる問題について,2点ほどお尋ねいたします。  1点目は,高齢者の心のケアということについてです。  今,高齢者福祉の分野で一番の焦点になっている事柄といえば,申すまでもなく介護保険であり,この制度をいかに円滑に導入していくかについて,いろいろと議論がなされています。  介護保険は,これまで家族に負うところが多かった高齢者の介護について,家族の過重な負担を軽減するため,これを社会全体で支えるために創設された制度であり,来年4月から,介護や支援が必要と判定される高齢者には,介護保険から身体のお世話を中心とした介護サービスが提供されることになります。  しかし,介護サービスを受ける高齢者が人間らしい生活を営むためには,身体的な介護やお世話のほか,いわば心のケアとでも申しましょうか,温かい心の交流も必要であると思うのです。例えば,ひとり暮らしの場合でも,楽しく語らいながら食事をしたり,お天気のよいときに車いすに付き添ってもらっての散策や市内見物など,こうしたことが実現できれば,高齢者は,どれほど心が和み,元気が出ることでしょうか。  もっとも,私は,これらをすべて介護保険で実施せよと主張するものではありません。介護保険での上乗せ,横出しについては,まだまだ議論が必要でありますし,また,そもそも食事の際の話し相手や外出介助などは,家族はもちろんのこと,温かい心を通わせる地域のボランティアが担うにふさわしいサービスであると思うからです。  そこで,質問ですが,市長は,このような高齢者の心のケアについて,どのようにお考えでしょうか。また,こうした心のケアを担う地域のボランティアを今後育成していく必要があると考えますが,そのための方策などについて,市長のお考えをお伺いします。  2点目は,世代間交流の推進についてです。  世代間交流といいますと,何か非常にかたいイメージで受け取られそうですが,実はそうではなくて,若い世代と高齢者との触れ合いに関することなのです。  さて,我が国におきましては,高度経済成長が始まった昭和30年代ごろから急速に核家族化が進展し,平成2年の厚生省の国民生活基礎調査によりますと,核家族世帯は全世帯数の60%を占めるほどになっており,ほぼそのまま推移して現在に至っています。  核家族化は,経済の発展等に伴う企業活動の広域化や,人の広範な移動などによる必然的な流れなのでしょうが,このことがもたらした影響は,はかり知れないものがあると思います。  昔は,家族といえば3世代同居が珍しくなく,そうした家族のいる家庭では,おじいちゃん,おばあちゃんから子や孫へといろいろな生活の知恵が伝えられ,子や孫は,これを当然のごとく受け入れていました。こうした知恵があったから,親は安心して子育てができ,孫は,昔のいろいろな遊びを学び,人への思いやりなど,対人関係の対応も培われたと思うのです。  しかし,核家族化の進行に伴って,家庭でのこうした生活の知恵の伝承がなくなってきており,私は,この現実を非常に悲しく思うとともに,これからは高齢者の生活の知恵などを若い世代へ伝える世代間交流を積極的に推進していく必要があると考えるのです。  世代間交流は,今まで,子育ての知恵や遊びの伝承など,児童家庭の分野で議論されることが多く,実際,保育所の地域活動事業として,老人福祉施設訪問等世代間交流事業が実施されておりますが,私は,これを高齢者の福祉の観点からとらえ直してみることも必要ではないかと思うのです。すなわち,高齢者が若い世代と交流することによって,自分は今でも十分に社会の役に立つ存在なのだということを意識することができて,生きがいや生活に張り合いを持てることは,高齢者にとっては大変幸せなことではないでしょうか。  そこで,質問ですが,この世代間交流について,高齢者福祉の視点で,例えばデイサービスなどの機会を活用して積極的に推進していく必要があると考えますが,現在実施している保育園児による老人福祉施設への訪問交流の推進を含め,市長のお考えを伺います。  次に,中小企業に対する金融対策についてお伺いいたします。  札幌市の景気動向は,日本銀行札幌支店が8月末に発表した金融経済概況によりますと,全体的にやや持ち直しの動きが広がってきており,記録的な猛暑の影響で,夏物衣料品や冷蔵庫,エアコンなどの家電品の売れ行きが好調であったことが報告されています。また,本市経済局が8月上旬に実施した平成11年度上期札幌市企業経営動向調査の速報結果では,2月に実施した前回調査に引き続き,企業の景況感は大幅によくなっており,市内の景気は改善の方向に向かっているものと分析しています。  一方,金融面に目を転じてみますと,平成10年11月に行われた北海道拓殖銀行から北洋銀行,中央信託銀行への営業譲渡が順調に完了したこともあり,一時,厳しい非難が集中した金融機関による貸し渋りなどもようやく鎮静化し,現在における本市を取り巻く金融環境は小康を取り戻している状況にあると言われています。  しかし,金融機関をめぐるさまざまな動きは,ことしになってからも続いています。まず,経営が破綻した共同信用組合と千歳信用組合が,ことしの12月13日をめどに専和信用組合に事業譲渡し,新たに北央信用組合が誕生することが既に明らかになっていますし,北海道銀行は,7月末に,取引先を中心に2,000を超す企業や個人から総額537億円の増資を受けることにより,自己資本比率の回復を図ったところです。  さらに,市内に支店10カ所を置き営業展開している北陸銀行が,やはり自己資本の増強のために,金融再生委員会に対して公的資金の導入を申請することとなったため,既存店舗の統廃合が予想されていることなど,金融機関に関して,地域経済に大きな影響を及ぼす,我々が予想もしなかった出来事がニュースとなって飛び交っています。  そして,今月に入ってからは,道内のトップバンクとなった北洋銀行と,道内第3位の資金量を擁する札幌銀行との包括的な業務提携が発表されたほか,つい先日には,本市中小企業融資制度取り扱い金融機関にいずれも指定されている空知信用金庫,北海信用金庫ほか4信用金庫が,業務提携に向けて交渉中であることも報道されるなど,2001年4月に予定されているペイオフ解禁等の本格的な金融ビッグバンを視野に入れ,生き残りの道を模索する道内金融機関の再編への動きは,今後ますます加速することが予想されています。  こうした動きは,金融機関の経営基盤の強化と効率化につながる反面,借り手の企業側にとっては,金融機関同士の競争が減り,選択肢が狭まることで,融資が厳しくなるのではという懸念も生じてきています。実際,私のもとにも,中小企業の資金繰りは決して楽になってはいない,借りたくても借りられないため,今はただじっと我慢しているとか,いつも利用している年越しのための運転資金の融資をことしも申し込もうと例年より早く金融機関に相談を開始したところ,融資に頼るよりも人件費を削減するなどのリストラを勧められたといった声が数多く寄せられています。また,開店してまだ数年で,金融機関に対する取引実績の乏しい企業者の方はもちろん,何十年も地域の中で頑張り続けてきた,いわゆるしにせの経営者でさえも,相談に行った金融機関から,融資取引の実績のない企業に対しては融資を控える方針をとっている,そもそも飲食店への融資は難しい状況だなどと言われ,融資を断られたという話も聞いており,現在の金融環境はいまだに厳しい状況にあると実感しています。  そこで,私は,これから年末資金などの本格的な資金需要期を迎えるに当たり,中小企業者に対する本市の金融対策についてお伺いしたいと思います。  従業員の冬のボーナスや燃料手当などに充てる年末資金,また,冬期間は仕事がほとんどなくなる建設業の年越し資金など,年間で最も多額の資金が必要となる年末を控え,資金繰りに不安を抱えている中小企業者にとって,本市の中小企業融資制度は大変心強い味方になると期待するものです。そして,中小企業の資金需要にこたえられるだけの十分な融資枠を確保するとともに,金融機関との連携を一層緊密にし,融資が円滑に実行されることが重要であると私は考えているのですが,そのような配慮をされているのか,お伺いいたします。
     また,本市の制度を初め,融資に関しての有効な情報や適切な経営アドバイスが受けられるよう,中小企業融資制度のPRを強化するとともに,融資を含めた経営全般の問題について,中小企業者が気軽に利用できる相談体制を充実させるべきではないかと考えますが,これについて,具体的な対策があればお聞かせ願います。  次に,交通問題について,2点お伺いいたします。  最初に,地下鉄の延長問題についてお伺いします。  本市の地下鉄整備は,昭和54年の札幌市総合交通対策調査審議会の答申を得て策定された50キロメートル計画を目標に整備に努められてきたことは周知のところですが,本年2月の東西線延長部の開業により,総延長は48キロメートルに達し,ほぼその目標が達成されたところです。昭和46年の地下鉄の開業以来,30年近くが経過し,この間,本市は大きく発展を遂げてきたところですが,私は,地下鉄がなければ,これほどの発展は望めなかったものと考えており,地下鉄を積雪寒冷の本市の基幹交通と位置づけ,その整備拡充に努力を傾けてきた市当局の姿勢を高く評価したいと思います。  しかし,現在の計画は,今から20年前に策定されたものであり,計画策定時とは地域の状況も大きく変わっていることから,現計画路線の見直しと清田までの延伸の検討を求める質疑が議会で行われています。我が会派からも,平成8年の第1回定例市議会や平成9年の第2回定例市議会において,清田区の分区やドーム建設など,計画策定時とは地域の状況が大きく変化しており,福住から北野までの現計画路線の見直しも視野に入れて,地下鉄の延伸の検討に取り組むべきであると市長にお尋ねいたしましたところ,市長からは,現計画路線の見直しを含め,全市的な観点から検討していきたいとの答弁をいただいています。  その後,現在の清田区を含む豊平区のすべての町内会で組織された地下鉄東豊線建設促進期成会連合会から,従来の北野通を経由し清田通との交差部付近に至る現計画ルートから,国道36号線を経由して清田区役所付近へ至るルートの延長を求める要望書が,市長及び議長あてに提出されるなど,住民の地下鉄延伸に対する関心と熱意は高まりを見せています。  また,国道36号線を経由する地下鉄の延伸は,2002年のワールドカップに向けて建設が進められている札幌ドームへの交通アクセスの確保や,周辺の交通対策はもとより,利用者の利便性の向上にも寄与するなど,札幌ドームの運営に大きな効果をもたらすものと期待できることから,一日も早い地下鉄の延伸が望まれるところです。  ところで,清田方面への地下鉄の延伸に対する検討の必要性については,言うまでもなく,本市の街づくりの将来像からも明確であると考えています。すなわち,本市のこれからの街づくりは,環境保全や高齢化社会への対応,都心の活性化など,活力ある街づくりが求められており,この目標を達成するため,本市では,交通混雑の緩和や交通公害の防止,エネルギー消費量の削減や安定的な交通サービスの提供など,さまざまな利点がある公共交通を軸とする交通体系の確立に取り組むこととしています。  さらに,公共交通機関の中でも基軸となる地下鉄については,将来の交通需要への対応や,冬期間においても安定した交通機能の確保,地域中心核などの拠点の育成・整備,他の交通機関との連絡性の向上などの観点から,その延長や機能向上について検討するとしていますが,このことからも,私は,公共交通機関の充実強化を今後とも一層進める必要があると考えております。  一方,最近の地下鉄の利用状況を見ますと,長引く景気の低迷,週休2日制の定着や車利用の増加などが要因となって利用人員が落ち込んでいます。また,このことが交通事業の経営悪化の要因となっており,先日,交通事業の経営健全化計画の回復策が示されたわけですが,市営交通を取り巻く環境は,ますます厳しくなるものと思われます。  しかし,清田区に関して言えば,本市の10番目の区として,平成9年に豊平区から分区され,個性的で,活力と魅力ある街づくりに向けての取り組みが進められており,今後,大いなる飛躍,発展が期待されます。新しく生まれた清田区は,各種の機能が区役所周辺に徐々に集積しつつありますが,区の中心核としてのエリアは明確ではなく,公共交通のアクセスも十分とは言えません。本市の街づくりの将来像の実現からも,清田区の拠点の形成を計画的に進めていく必要があり,そのためにも地下鉄の整備を積極的に推進する必要があると考えています。  そこで,お尋ねいたします。  地下鉄の福住からの延伸については,現在,札幌市総合交通対策調査審議会を設置し,審議を行っているところと聞いておりますが,改めて,市長のお考えをお伺いいたします。  次に,交通事業にかかわる経営健全化計画の回復策についてお伺いいたします。  交通局においては,平成4年度から実施している経営健全化計画において,総人件費の抑制を初めとする内部効率化に取り組み,事務事業の見直しによる定員の削減,あるいは外注化や嘱託化などの推進によって,これまで一定の成果を上げてきたものと考えています。  しかし,マイカーの普及が一向に衰えを見せない状況にあることや,計画を策定した当時には予想し得なかったバブルの崩壊に端を発した景気の低迷などにより,事業経営の根幹となる需要が伸び悩み,乗客数において計画と実績が大きく乖離しています。  そこで,交通局では,このままでは収支の悪化が避けられないとの判断に立ち,市営企業調査審議会の意見等も踏まえて,この春に回復策を策定し,6月末の労使の合意を経て,自助努力で実施できるものから速やかに着手されているところです。  今日,民間の企業は,好むと好まざるとにかかわらず国際競争の荒波にさらされておりますし,国内の景気も,住宅投資あるいは個人消費の一部に幾分持ち直しの傾向が見られるものの,全体としては,依然,低調に推移しています。  このように回復の兆しを見せない長期の不況下にあり,厳しい経済環境に置かれる各企業は,それぞれ生き残りをかけて懸命の努力を行っており,コスト削減や事業の再構築を図るため,いわゆるアウトソーシングを積極的に進めたり,分社化に取り組むなど,あらゆる試みに,必死の挑戦をしているのが実態です。  当然のことながら,本市,あるいは本市が出資している団体においても,こうした民間の厳しい実態を踏まえた効率化の努力が必要であることは言うまでもありません。とりわけ,第三セクターについては,一部に経営が行き詰まるようなケースが見られることから,経営形態そのものがイメージダウンをしており,そのあり方が議論されているところです。  一方,第三セクターの活用は,行政サービスの供給方法の多様化が求められる中,行政本体が実施するには一定の限界がある事務事業について,企業原理を導入し,柔軟性,効率性を発揮して,住民のニーズにこたえていくためのアウトソーシングの一つの手段として,引き続き有効であることに変わりはありません。  そうした観点から,出資団体を積極的に活用すべき場合もあると考えますが,事業運営に出資団体を新たに活用するに当たっては,本市が直営で行う場合との事業コストの比較検討を十分に行うこと,また,第三セクター方式のメリットが効果的に発揮されるケースであるか否かといった吟味がなされ,効率性の判断をしなければならないことは当然です。第三セクターが行政補完型である場合にあっては,行政としての責任ある立場から,本市が主導的地位にあって,その行政サービスの保持に努める必要があることも,あわせて考慮しなければならないところです。  そこで,こうしたことを念頭に置いてお尋ねいたしますが,今回の回復策においては,出資団体の活用が一つの柱とされており,具体的なメニューとしては,平成12年度から,地下鉄駅業務の一部を財団法人札幌市交通事業振興公社に委託することが予定されています。このことについて,どのようなご判断から札幌市交通事業振興公社に委託するのか。また,今回の委託によって,駅を利用する市民に対するサービスが低下することがあってはならないと考えますが,どのようにサービスを維持するお考えなのかについて,あわせてお伺いいたします。  次に,教育問題についてお伺いいたします。  私は,今進められている教育改革に強い関心と期待を持ち,中学生の子供を持つ親の一人としても,その推移に大いに注目しているところです。  そこで,今次教育改革の柱の一つである「個性を生かす教育の充実」についてご質問いたします。  私は,これまでの教育は,ともすると画一的な教育になりがちで,個性を尊重するといった点については不十分だったのではないかと考えています。中央教育審議会の答申においても,これまでの教育は,内容,方法,制度など,教育システム全般にわたって,子供たちや保護者の主体的な選択を尊重し子供たち一人一人の多様な個性や能力の伸長を図っていくという点に,必ずしも十分意を用いられてこなかったと言えると指摘されています。  こうしたことを考えますと,例えば,中学校における,いわゆる校則につきましても,その具体的な内容は細か過ぎるとか,努力目標と言うべきものや生徒の自主性に任せてよいものも含まれており,内容や指導の方法が適切でない場合もあると思うのです。これまでに,札幌市内の大多数の中学校や高等学校において,生徒や保護者を交えて,さまざまな角度から検討し,校則の見直しが行われているとお聞きしています。  私は,学校教育の中で,生徒の個性を尊重し,自律的に行動する生徒を育成するといった観点からも,校則の見直しは大切な教育活動だと思うのです。  無論,最近の若者たちの様子を見たとき,個性を発揮することと自分勝手に振る舞うことを取り違えているような言動をとっている者も少なくなく,社会のルールや規範意識が薄れている実態があるのも事実です。個性は,集団の中で他人のことを考え,社会性が伴ったときに,初めて生かされるのは当然のことです。  また,教育内容の面から見ますと,これまでの我が国の教育は,機会均等や教育水準の確保のため,平等性を重視して,ともすると画一的な指導をする傾向が強かったと思われます。そのことは,一面で,集団を一定の学力まで高めることに大きな効果を発揮し,世界でも極めて高い教育水準をつくり上げてきました。これは,まさにこれまでの教育の成果であり,我が国の発展にとって貴重な財産であると思います。  しかし,その反面で,一人一人子供の能力や適性に応じた教育を進めるという視点からの取り組みは,必ずしも十分ではなかったのではないかと思われてなりません。これからの我が国が,国際化,情報化,科学技術の発展などの急速な変化に直面することを考えますと,創造性や独創性など個人の多彩な能力を育てることは,教育における極めて重要な課題になると思います。  教育は,自分探しの旅にも例えられるようですが,子供たちが,教育を通じて,社会の中で生きていくための基礎・基本を身につけるとともに,個性を見出し,みずからにふさわしい生き方を選択していくことができるようにすることが,今後,ますます大切になると考えます。  新しい学習指導要領に基づく教育課程は,来年度から部分的に実施され,平成14年度からは,完全学校週5日制のもとで,全面的に実施されるものと伺っています。各学校の教育課程を作成する際には,子供たちが伸び伸びとゆとりを持って学校生活を送り,個性の芽生えとも言うべき興味,関心を育て,生活や社会,自然について学んだり,人間としてのあり方や生き方をじっくりと省みることができるものにすることが重要になると考えます。個性尊重という観点を重視し,みずから学び,みずから考える力などの生きる力を身につけ,豊かな個性をはぐくむ教育を実現することが,今まさに求められていると考えます。  そこで,2点質問いたします。  1点目は,教育委員会として,校則の必要性や生徒による見直しについてどのように認識しておられるのか,お伺いいたします。  2点目は,個性を尊重し生かす教育は,新しい教育課程のもとでどのように行われるのか,お伺いいたします。  次に,清田区の街づくりに関する諸問題についてお伺いいたします。  清田区は,およそ3分の2が緑豊かな丘陵地と山林に覆われ,河川にも恵まれた自然豊かな美しい区です。清田という名の由来のとおり,かつては,美しく,清らかな水田地帯でしたが,札幌市の発展に伴い,大規模な宅地開発等が進められ,現在では,平岡公園や清田緑地などの自然環境に恵まれた住宅地が広がっています。  このように,緑豊かな居住環境であることから,当然,区民の方々も自然環境の保全については高い関心を持っており,平成11年3月に策定した清田区まちづくりビジョン2020においても,区民の意見を反映させて,緑豊かな自然に抱かれた街,緑あふれる美しい街などを街づくりの将来像,基本目標として掲げています。  こうした緑豊かな清田区でありますが,市街地に残された民間の緑地等は開発に伴って確実に減少してきており,その意味で私が大変重要なゾーンの一つと考えていますのが,清田区の幹線道路である北野通と厚別中央通の交差部に位置する旧拓銀の福利厚生施設跡地です。ここは,水辺を有する良好な樹林地が広がる,全体面積が約30ヘクタールの土地で,東側の厚別中央通沿いには,かつて野球場やテニスコートなどのスポーツ施設が整備され,また,西側の水辺を中心とした樹林地には,ニホンザリガニやエゾホトケドジョウなどの希少生物を初め,最近ではアオサギの営巣が確認されるなど,市街地に残された貴重な自然空間となっています。  現在,この土地は,平成9年11月の拓銀の破綻を受けて大手スーパーのジャスコ株式会社が取得し,敷地の東側半分で,厚別中央通に面する15ヘクタールについて大型商業施設の建設計画を進めています。既に,北海道通産局に対し大店法に基づく届け出を済ませ,札幌市とは開発許可等にかかわる事前協議も始めており,それらの内容について関係住民等への説明会も開催されています。  これに対し,周辺住民としては,よもや,このような大規模な商業施設の建設計画が持ち上がろうとは予想していなかったというのが,正直な気持ちです。住民説明会の中でも,貴重な緑を将来に向けて残してほしいという思いから,特に,今回の開発区域外となっている水辺を含む西側の樹林地の保全に対する要望が出されるとともに,騒音や振動,交通安全や渋滞等の生活環境に及ぼす影響についての質問が数多く出されたと聞いています。  そこで,お伺いしますが,市は,今回の開発計画についてどのような考え方で指導を行っておられるのか,また,緑地の保全について今後どのように対応されようとしているのか,お伺いいたします。  次に,緑の保全という点から,いま一つ,清田区有明地区にあります採石場を産業廃棄物の最終処理場用地とする問題についてお尋ねします。  この地域は,本市の豊かな自然を象徴する良好な樹林地帯であり,市民が自然と親しむことのできる貴重な場でもあります。現に,近くには,ふれあいの森や国営滝野すずらん丘陵公園といった自然に配慮した施設が配置されています。私は,このような場所に産業廃棄物処理場を建設することについて,素朴な疑問を覚えるのです。  私も,産業廃棄物処理場が必要なことについて異論はありません。また,これを建設することに反対するものではありませんが,この地域における緑の保全とどのように整合をとるお考えなのか,その点についても,あわせてお伺いします。  最後に,清田区の道路問題についてお伺いいたします。  本市の道路交通体系は,二つの環状,二つのバイパス,13の放射道路を基本とし,これらに幹線道路や補助幹線道路などの都市計画道路が有機的に連携することにより,市街地の骨格を形成しています。このような都市計画道路,いわゆる街路は,秩序ある市街地の発展に欠かせない重要な都市施設として,本市においても,市街化の進展に合わせ,重点的に整備を進めてきているところです。  平成10年度末までに,総延長約850キロメートルのうち,約670キロメートルが既に整備済みとなっており,整備率は約79%になっています。しかし,清田区に目を転じますと,清田区内の都市計画道路,延長約66キロメートルのうち,約52キロメートルが整備を終えており,全市的な傾向とほぼ同様に,整備率は約78%となってはいますが,周囲の白石区,厚別区,豊平区と比較しますと,まだまだ整備が進んでいないという印象を受けるのです。  確かに,東部地域におきましては,民間開発などによる大規模住宅宅地開発にあわせ,道路整備が行われておりますし,また,この区域内の重要な幹線道路である札幌新道,青葉・平岡通などの整備も目に見えて進んできていることは,喜ばしいことと思います。  一方,清田中央地区は,北海道農業試験場と厚別川に挟まれた,狭く,起伏の多い地理的な条件の中,民間による開発行為や区画整理により市街化が進展してきた地域であり,さらに,将来,市街化区域の拡大が予定されているところですが,地域の重要な幹線道路である清田通が,羊ケ丘通の南側一部で未整備のまま途切れた状態となっています。  この清田通の不通区間により清田中央地区の道路網が大きく損なわれており,当地区唯一の公共交通機関であるバス路線の再編もままならず,大きな災害があった場合の避難路にも事欠くような状況にあります。また,朝のラッシュ時には,清田中央通などの特定の道路に交通が集中することにより,交通渋滞を招くとともに,地域内の生活道路への車の進入など,市民生活にとっても障害となっていることから,地域住民は,この清田通の一日も早い開通を強く望んでいるところです。  先ほど申し上げましたとおり,今後,周辺地域の新たな開発が具体化していくことにより,これらの問題がさらに深刻さを増していくことは目に見えており,早急に課題解決に向けた取り組みが必要と考えるものです。  そこで,清田通の現在までの取り組みと今後の見通しについて,お伺いをいたします。  以上で,私の質問のすべてを終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。 (拍手) ○副議長(川口谷正君) 答弁を求めます。  桂市長。 ◎市長(桂信雄君) 私から,数点お答えいたします。  最初は,財政問題についてであります。  第1点目の公債費負担の状況についてでございますが,平成10年度の公債費につきましては,減税補てん債などを大量発行いたしました平成6年度債の償還が本格化したことなどもありまして,前年度に比較して7.3%の増加となっております。  起債制限比率につきましては,他都市と比較をした場合においてもなお,適当な水準を維持しているところではありますけれども,ご指摘がありましたように,公債費負担の増加や税収の伸び悩みなどによりまして,財政指標は全般的に悪化の傾向にあります。  今後の財政運営に当たりましては,公債費負担適正化計画の策定基準が引き下げられたことなども踏まえて,公債費の抑制について,引き続き,十分配慮していく必要があると考えております。  第2点目の市債発行抑制の数値目標についてであります。  平成10年度は,極めて厳しい経済状況を踏まえて,国において,財政構造改革法の凍結及び景気回復のための累次の補正予算の編成が行われ,本市におきましても,数次にわたる所要の経済対策関連の補正予算を編成したところであります。これに伴って,必要な市債の増発を余儀なくされたところでもあります。  平成10年度の追加計上分や平成11年度の発行予定額には,減税補てん債など,一般の事業債とは性格の異なる特別な市債が含まれており,こうしたものを数値目標との関係でどう取り扱うべきかという問題はございますが,いずれにいたしましても,今後とも,行財政改革に継続して取り組む視点から,極力,市債の発行を抑制し,計画期間内における数値目標の実現に向けて努力を続けてまいりたい,このように考えております。  次に,高齢者にかかわる問題についてでありますが,第1点目の高齢者の心のケアについてでございますが,要介護高齢者が生活を営む上では,楽しみとか喜びといった心の糧となるようなものも必要であり,介護保険による介護サービスだけで十分とは考えておりません。  ただ,これをすべて行政でというわけにもまいりませんので,むしろ,地域のボランティアの皆さんがご活躍されるにふさわしい分野であるとも思っております。ボランティアの育成につきましては,地域福祉を担う人材育成を目的として,来年5月に設置を予定いたしております,仮称でありますけれども,ボランティア研修センターにおきまして,必要なカリキュラムを設けるべく準備を進めているところであります。  2点目の世代間交流の推進につきましては,広い意味での文化の伝承という観点から,あらゆる世代に有意義なことと認識をいたしております。  今後は,高齢者のみではなく,他世代に対しましても,ただいまご提案の件も含めまして,それぞれの活動の場において,世代間交流への取り組みが一層推進されるように働きかけてまいりたいと考えております。  次に,年末に向けての中小企業金融対策についてでございます。  本年度から,北海道信用保証協会への損失補償の対象資金を一般中小企業振興資金,いわゆるマル札資金全体に拡大したことなどによりまして,4月以降,毎月の融資実績が昨年を上回る状況が続いております。厳しい金融環境の中で,年末にかけて資金需要がますます高まるものと予想されますことから,マル札資金の貸し付け原資を追加預託して必要な融資枠を確保するとともに,各取り扱い金融機関に対して,円滑に融資が実行されるよう要請してまいります。  また,融資制度のPRにつきましては,広報誌などを活用し,従来にも増して努めるとともに,専門家による適切なアドバイスを行ってまいります。  さらに,新たに,相談内容をまとめた融資相談票を発行し,相談者と金融機関との交渉がスムーズに進むように積極的に対応してまいりたいと考えているところであります。  私からは,以上であります。 ○副議長(川口谷正君) 魚住助役。 ◎助役(魚住昌也君) 私から,2点についてお答えいたします。  最初に,交通問題についてであります。  まず,第1点目の地下鉄の延伸についてでありますが,昨今の社会経済情勢の変化や利用人員の伸び悩みなど,公共交通を取り巻く状況には厳しいものがありますが,公共交通機関を軸とした街づくりを進めている本市といたしましては,今後とも,公共交通ネットワークの充実に取り組む必要があると考えております。  現在,札幌市総合交通対策調査審議会を開催し,軌道系公共交通機関網のあり方等を審議していただいておりますので,今後,その答申も踏まえて,全市的な観点から検討してまいりたいと考えております。  第2点目の交通事業の経営健全化計画の回復策についてでありますが,地下鉄駅業務の委託に当たりましては,公共性の維持を前提に検討を進めてまいりましたが,公共性の確保が必要な業務の委託については出資団体を活用すべきであるとの市営企業調査審議会の意見も踏まえ,交通事業の支援に実績があります札幌市交通事業振興公社に,来年度から地下鉄駅業務の一部を委託することが適当であると判断したものでございます。  また,委託駅の運営につきましては,交通局の指揮・命令のもとに行われ,本市の地下鉄施設として交通局が一体的に管理するものでありますので,今までと変わらぬサービスを提供できるものと考えております。  次に,清田区の街づくりに関する諸問題についてお答えいたします。  まず,旧拓銀福利厚生施設跡地の開発計画についてでありますが,今回の開発計画につきましては,相当大規模な集客施設であり,周辺住環境や交通環境への影響が懸念されたことから,計画の見直しを含め,必要な対策を講じるよう指導を行ってきたところであります。  また,当該地の西側の樹林地につきましては,本市としても,市街化区域に残された水辺空間を含む自然豊かな緑地という認識を持っており,これまでも,緑地全体を将来にわたり保全していただけるよう申し入れを行っております。当該開発者は,積極的に環境保全活動や社会貢献活動に取り組むことを企業理念としておりますことから,本市の申し入れに対して十分ご理解いただけるものと期待をしており,緑地の保全については,今後とも,引き続き強く要望してまいりたいと考えております。  次に,有明の産業廃棄物処理用地についてでありますが,当該地域につきましては,本市としても自然豊かな樹林地帯という認識をしております。  ただ,計画地につきましては,採石場のままの裸地状態でありますことから,将来的には,この用地の所有者に対しまして,周辺の自然環境と調和のとれた緑の復元を強く指導してまいりたいと考えております。  次に,清田通の整備見通しについてお答えいたします。  ご質問のありました清田中央地区における延長約500メーターの未整備区間につきましては,従前から,関係する地権者の理解を得る努力を続けているところでありますが,現段階では同意が得られていない状況にございます。  現在,この地域の後背地は,民間の開発等が進められており,将来に向けて発展することが想定されますので,今後とも,整備の必要性について理解が得られるよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(川口谷正君) 山教育長。 ◎教育長(山恒雄君) 教育問題につきまして,私からお答えを申し上げます。  1点目の校則の必要性や生徒による見直しについてであります。  校則は,生徒や保護者の考え方等を反映させながら,生徒が集団生活を営む上での決まりとして定めたものであり,各学校の教育目標を達成していくためにも必要な規範であると考えております。  また,生徒による校則の見直しにつきましては,これまでも行われてきたところでありますが,生徒の個性を尊重するとともに,生徒の内面に規範意識を育て,自主性・自律性を培うという教育的な配慮のもとに指導していくことが大切であると考えております。  2点目の新しい教育課程における個性の尊重についてであります。  現在,各学校におきましては,来年度からの移行に向けて教育課程の編成に取り組んでおり,その中では,基礎・基本の充実を図るとともに,個性尊重という基本的な考え方に立ち,一人一人の能力,適性に応じた教育の展開を図るため,総合的な学習の時間のあり方や選択履修の幅の拡大等について検討を進めているところであります。  教育委員会といたしましては,各学校において,個性を生かし,生きる力を培う教育がますます充実するよう,新教育課程編成の手引を配付するなど,積極的に支援をしてまいりたいと考えております。
     以上でございます。 ○副議長(川口谷正君) ここで,およそ30分間休憩いたします。  ――――――――─―――――――――      休 憩 午後1時48分      再 開 午後2時20分  ――――――――─――――――――― ○議長(佐藤美智夫君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。  代表質問の続行であります。  近藤和雄君。  (近藤和雄君登壇・拍手) ◆近藤和雄君 代表質問の前に,先般,トルコ,台湾の大地震の犠牲者となられました方々のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに,両国の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。  私は,さきの9月28日の我が自由民主党議員会・鈴木健雄議員の代表質問に続き,当面する市政の諸問題について,順次質問をさせていただきます。  まず初めに,地方分権についてであります。  地方分権については,シャウプ勧告以来,その必要性について数々の答申や提言が出されてきたところでありますが,平成5年6月に,憲政史上初めて,地方分権の推進に関する決議が衆参両院において全会一致で採択され,ようやく現実の政治日程に上ったのであります。その後,制定された地方分権推進法のもと,地方分権推進委員会から5次にわたる勧告が出され,これを尊重する形で地方分権推進計画が策定されたのであります。そして,地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律,いわゆる地方分権一括法が7月8日に成立いたしました。  今回の分権改革は,明治以来100年余り続いてきた中央集権型の行政システムの根幹であり,国と地方自治体を上下・主従の関係に置いてきた機関委任事務を廃止して,中央省庁主導による縦割りの画一行政システムを,地域社会の多様な個性を尊重し,住民主導による個性的で総合的な行政システムに転換することを目指しているわけであります。つまり,地域社会の自己決定と自己責任を基本理念として,我が国の地方行財政システムを抜本的に改革するというものであります。  具体的な改革方策としては,機関委任事務の廃止を初め,3,000件以上にも上る国の許認可などによる行政的関与や,地方自治体の組織や職の設置を義務づける必置規制,さらには個別事業ごとの統制手段である2,000件余りの国庫補助負担金という国の四つのコントロールについて,その仕組みを変革するものであります。  私も,このような行財政システムの転換は,地方自治の本旨を実現する上で極めて重要であると考えております。地方自治は,住民により身近なところで,住民の参加のもとに,その地域の実情に合った政策が選択され決定されることにその本来の意義があるのであり,地方分権を推進する意義も,またそこにあると考えるからであります。  今回の分権改革は,これまでは,どちらかというと国主導の形で進められてきたのではないかと思うのでありますが,地方分権一括法の成立によって地方分権が完了したわけではなく,これからは,我々地方自治体が分権推進の主役となって取り組んでいくことが重要であると思うのであります。確かに,自治体の自己決定権の拡充と自己責任の原則が導入され,国と地方の関係が上下・主従から対等・協力へと転換され,地方の自主性・自律性を高めるための前提条件は整備されたわけであります。  しかしながら,自治体が街づくりを進めるために不可欠な税財源の充実方策については,今回の地方分権一括法には盛り込まれていないのであります。みずからの力で街づくりを進めることができる財政基盤と執行体制があって,初めて自立できると思うのであります。また,移譲される権限も,都道府県どまりのものが多く,市町村への権限移譲が不十分であり,予定されていた地方分権推進委員会の第6次勧告が見送られるなど,真の地方分権を実現する上で極めて重要な課題が今なお残っていると言わざるを得ません。  そうした意味で,地方分権は,自治の拡大に向け,第一歩を踏み出したばかりであり,ようやく改革の出発点に立ったのではないかと思うのであります。  そして,何よりも,地方分権の実を上げる上で大切なことは,拡充される自治体の自己決定権を住民の決定権の拡大へとつなげていくことであり,住民が主体となって街づくりを展開していくことができる仕組みを整備することであると思うのであります。  地方分権のメリットを,単に自治体の裁量の余地が広がったということにとどめるのではなく,住民自身が,街づくりに積極的に参加でき,判断できる機会をふやすなど,住民自身も自己の決定権が拡大したと実感できるものにしなければならないと思うのであります。すなわち,自治体の判断で決めることのできる領域が着実に拡大することになるのでありますから,それが住民の目に見えるような形で,住民が分権のメリットを享受できるような仕組みをつくり上げていくことが重要ではないかと思うのであります。  しかしながら,地方自治のシステムが変わっても,行政,そして我々議会,さらに住民自身が,これまでと同じような取り組み姿勢であるならば,何も変わらないことにもなりかねないのであります。  したがって,地方分権は,単に国と地方との権限移譲の問題であるだけではなく,住民にとっても極めて重要なテーマであると思うのであります。住民の理解を深めながら,住民と行政とが一緒になって街づくりを考え,みずから選択した施策については,それぞれが責任を持って実行していくという仕組みをつくり上げていくことが大事であり,これからの分権時代においては,自治体の果たすべき役割と責任は極めて大きくなるわけであります。そうした分権を推進する積極的な姿勢や実績を,我々自治体の側から国に対して示していくことが,さらなる権限の移譲や税財源の移譲という,残された課題の解決への道を開くことになるのではないかと思うのであります。  以上,地方分権に対する私の考えを述べてまいりましたが,この地方分権について,2点質問いたします。  まず,地方分権一括法の成立までに至る今回の分権改革について,市長はどのように評価しておられるのか,さらに,税財源など残された課題の解決に向け,どのように取り組んでいくお考えなのか,あわせてお伺いいたします。  また,真の地方分権が実現するか否かは,我々自治体の今後の取り組みにかかっていると言っても過言ではないと思うのであります。今後,地方分権の実現に向け,どのような取り組みを進めていくお考えなのか,市長の基本的な考え方についてお伺いいたします。  次に,公営企業の経営についてお伺いいたします。  地方公営企業は,企業の経済性を発揮して公共の福祉の増進を図ることを目的とし,民間活動を補完する機能を果たしてきたのであります。したがって,今日のように,経済が発達し,必要なサービスが民間によって十分に提供されるのであれば,私は,民業を圧迫するおそれがあり,必ずしも効率的とは言えない地方公営企業は,漸次,縮減・廃止することが本来的に求められると考えるのであります。  特に,我が国が21世紀において活力ある社会を構築していくためには,国や地方公共団体による民間への後見的な規制あるいは関与を必要最小限のものとし,民間でできるものは民間にゆだねるという原則が貫かれるべきであり,仮に行政みずからが市民にサービスを提供する場合には,できる限り効率的な運用に心がけ,民間の経営手法を取り入れていくことが重要と思うのであります。  国では,こうした観点から,企業会計原則の採用や企業経営手法を導入した独立行政法人制度を設けるなど,抜本的な改革を進めているところであり,地方公共団体の行政や公営企業についても,この取り組みを当然に推し進めていくべきものと考えるのであります。  そこで,本市の公営企業のうち,収支状況の極めて厳しい交通事業と病院事業について質問いたします。  まず,交通事業について,とりわけ経営健全化の回復策についてであります。  平成4年度から進められている交通事業の経営健全化計画は,計画と実際の輸送需要に大幅な開きが生じており,その目標達成が困難視されている中で,計画を確かなものにするための回復策を策定することは,不断に経営改善を進めなければならない公営企業としては当たり前のことであり,あわせて,抜本的な経営の見直しも必要になると思うのであります。  我が会派は,かねてより,さきに述べた民間でできるものは民間にゆだねるという原則から,平成11年度予算編成に向けての政策要望として,市営バス事業の民営化,民間委託を市長に要望してきており,3事業の存続を基本としている今回の回復策は,必ずしも我が会派の主張にかなうとは言いがたいところであります。  しかし,規制緩和後の民営事業者の動きが見えない現時点において,地下鉄を基幹とし,バス・電車がこれを補完する本市の公共交通ネットワークの維持をどう図るかという総合交通政策の観点からの対応も必要であり,このたびの回復策は,半ばやむを得ない過渡的な対応として位置づけられるべきものと考えるのであります。  本市における人口増加の伸びの鈍化や高齢化に伴う生産年齢人口の減少,長引く景気の低迷などを考えれば,需要の回復は現実には難しく,一方,委託の拡大等の施策は評価できるものの,基本給のカットなど職員の給与の抜本的な見直しが盛り込まれていない経営健全化の回復策では,劇的な収支の好転が図られるとは考えがたいのであります。  回復策においては,規制緩和の動きなどを踏まえ,5年後にこれを検証することとなっておりますが,この回復策の検証においては,抜本的に何をどのようにしていくかということが重要になると思うのであり,我が会派としては,バス事業の民営化,民間委託は当然に検証事項となるものと考えるのであります。  そこで,質問でありますが,市長は,5年後の回復策の検証についてどのような考えで臨まれようとしているのか,特にバス事業の民営化や民間委託も検討の視野にあるものなのか,お伺いいたします。  次に,病院事業についてお伺いいたします。  現在の医療を取り巻く環境は,国の社会保障構造改革の一環として,第4次医療法改正が医療制度の抜本改革の中心として進められており,大きな変革期を迎えております。  第4次医療法改正も,医療技術の進歩,高齢化の進展,生活水準の向上,経済構造の変化等を背景として,病院経営には,より一層の効率化と医療の質の確保・向上による競争力が必要とされ,住民のニーズに合った的確な医療の提供が求められております。また,医療制度の抜本改革では,医療提供体制,高齢者医療に係る医療保険,診療報酬体系,薬価基準の四つの制度の見直しが行われております。  このように,昭和60年の第1次医療法改正に始まった医療供給体制の見直し,総医療費抑制策に基づく低率な診療報酬改定や薬価基準の大幅な引き下げ,さらには,12年4月から予定されております介護保険制度の導入など,病院経営の根幹にかかわる大幅な改正が立て続けに行われてきております。  今回の医療制度の抜本改革の内容は,まだ不透明で,収入の大宗を占める診療報酬は,医療費抑制策により,昨年の改定も実質マイナス1.3%の改定となるなど,事業を取り巻く状況は一層厳しさを増し,病院経営を大きく圧迫しております。  こうした中,国においては,国立病院の独立行政法人化や地方公共団体などへの譲渡等が検討され,自治体病院でも,道南の砂原町のように民間委託や再編成,統廃合による効率化を迫られております。また,函館市の医療法人でも,経営不振のため休業に追い込まれ,今なお受け皿が決まらないなど,医療の世界にも不況の影響が色濃く出ております。  今後,公立病院経営のよりどころとなっている地方公営企業法や公営企業会計への繰り出し基準を見直す動きもあるやに聞いており,公的病院といえども安閑としていられる状況ではありません。  本市の病院事業は,前年度に比べ,延べ患者数は,入院,外来合わせて1万7,500人,2%伸び,損益収支では5億1,700万円好転し,課題であった資金不足を解消するなど,経営健全化の努力は認められるものの,10年度末では76億8,900万円と,多額の累積欠損金を抱え,なお11年度も増加が見込まれる非常に厳しい経営状況にあります。このことは,きょうの地元新聞でも取り上げられ,一層の経営努力が求められているとの記事であります。私の主張と同じでございます。  しかしながら,市立札幌病院は,救急医療,未熟児医療及び精神科医療など,私的病院では不採算で敬遠される医療に取り組み,長年にわたり市民の健康保持に大きな役割を果たして信頼を得てきたところであります。他の病院では患者数が減っている中,大幅に増加したことがそれを証明していると思います。今後,経営環境の変化に対応しつつ,高度医療の提供や市民の健康を守る役割をいかに果たしていくのか,今こそ市民に示す必要があると,私は思うのであります。  そこで,質問であります。  1点目は,病院事業の一層の経営健全化に向けて,事業の効率化は必須であり,経営環境の変化に対して,今後どのような計画で取り組むお考えなのか,お伺いいたします。  2点目は,市民の期待にこたえ,健康と安心を確保するためには,病院経営の安定,健全化が必要であり,今後の財政収支の見通しについて市長の見解を伺います。  次に,西暦2000年問題についてお伺いいたします。  私は,本年3月5日まで銀行に勤務しておりましたので,2000年問題には強い関心を持っております。西暦2000年まで,あと三月を残すばかりとなりました。コンピューター西暦2000年問題は,一地方自治体だけで解決できる性質のものではありません。しかし,市内のライフラインが2000年問題に起因して異常が生じれば,市民にも多大な影響が及ぶことが想定されます。このような観点から,この問題についてお伺いしたいと思います。  ご存じのとおり,2000年問題は,世界的な対応が必要な問題であります。また,この2000年問題については,時差の関係で,先進国の中では日本が最初にこの問題を迎えることになり,日本の対応は世界じゅうから注目されるという問題でもあり,まさに国が指導力を発揮して対応すべき非常に重要な問題であります。  そのため,政府は,高度情報通信社会推進本部において,官民挙げて具体的な行動の徹底を図るため,西暦2000年問題に関する行動計画及び対応指針を昨年9月に決定し,地方自治体及び民間重要分野の企業に対して,政府と同様の措置をとるように要請してきたところであります。また,生命や財産など,国民生活に密接にかかわる重要システムについては,年末から年始にかけての稼働点検,元旦から3日までの間の立ち上げテストなどの実施等,地方公共団体や民間重要分野の企業に対して要請を行ったところでもあります。  社会生活上,特に重要視されている金融,エネルギー,情報通信,交通,医療の民間重要5分野についての対応状況については,国民に影響を及ぼすことがないように対応がなされているようでありますし,また,年末年始には,それぞれの分野ごとに不測の事態に備えて万全の体制をとることになっているようであります。  しかし,2000年問題は,何が起こるかわからないと言われている問題でもあります。  そこで,2000年問題に関する本市の対応について,市長にお伺いいたします。  まず,第1点目の質問であります。  2000年問題は,これまで申し上げましたとおり,国レベルでの対応が必要な重要な問題でありますが,本市としても,市民が安心して西暦2000年を迎えられるように,年末年始に向けて万全の体制をとる必要があると考える次第であります。特に,本市の水道,下水道,交通の各事業は,直接,市民に責任を負っているものであり,2000年問題に起因する障害の発生に対処できずに,サービスの提供が遮断されることがあってはならないものと考えます。東京都は,ライフラインに不測の事態が生じた場合に備え,年末年始に災害対策本部を設置し,大みそかから元旦にかけて,職員が徹夜で対応に当たるという報道がなされておりますが,本市の場合,水道,下水道,交通事業のおのおの2000年問題に対する危機管理計画はどうなっているのか,また,その他のライフラインに,万一,大規模な障害が発生した場合,本市はどのように対応するのか,その概要についてお示しいただきたいと思います。  2点目の質問になりますが,8月23日の新聞各社の紙面には,いわゆるカーナビ問題についての記事が掲載されておりました。これは,2000年問題とは異なり,全地球測位システムの日付データが1,024週までしか対応していなかったことに起因する問題ですが,顧客に対する情報提供が不十分だったため,問い合わせが殺到したという内容でありました。  この記事は,2000年問題に関して,市民に対する情報提供が大切であるという教訓になりました。2000年問題に関しては,市民に情報を提供する際に,事の性質上,いたずらにパニックを引き起こすことのないように,慎重に内容を精査する必要があると思われますが,万一,不測の事態が起こっても,市民が慎重に行動することができるように,2000年問題の意味や本市の取り組みについて,正確な情報を市民に提供することが必要と考えます。  これから年末に向けて,2000年問題に関する情報をどのように市民に提供するおつもりなのか,お示しいただきたいと思います。  また,年末が近づくに従って,不安を感じた市民からの問い合わせが増加していくと思われます。政府も,年末年始に相談窓口を設置するとのことでありますが,本市においても,対応窓口を早急に設置するとともに,年末休暇中の窓口体制も検討すべきと考えますが,いかがでございましょうか。  2000年問題の最後の質問となりますが,本市において2000年問題が発生する時期は,まさに冬であり,暖房が必要な季節であります。このような状況の中で,2000年問題に起因してライフラインが機能不全に陥った場合,暖房がとまってしまうことも予測されます。  そこで,ひとり暮らしの高齢者など,援助を必要とする市民に対しての対策等を検討する必要があるのではないかと思っております。  本市の姉妹都市であるポートランド市では,2000年問題の対応策の一つとして,市民ボランティアを募集していると聞いておりますが,本市ではどのように考えているのか,お伺いいたします。  次に,21世紀に向けた魅力ある公園づくりについてであります。  私の住む豊平区は,市内でも緑の多いところではないかと思います。豊平区の南東,南西の市街地周辺は,緑豊かな丘陵地が続いており,自然のすばらしさが体験できる西岡公園や緑のランドマークともなっている天神山緑地,さらには水と緑のオアシス・精進川河畔公園,そして,区のほぼ中央に位置する総合公園である月寒公園など,特徴ある公園が配置されております。  公園の緑は,都市に住む私たちにとって都会の喧騒から離れ,疲労感を取り除き,英気を養ってくれたり,安らぎを与えてくれる貴重な空間であります。また,緑はいろいろな効用を持っており,人と地球に多くの恵みを与えており,緑によって地球環境が守られていると言っても過言ではありません。  今,環境問題の中でも,地球温暖化対策が世界の課題になっている中,これが対策の一つとして,緑の持つCO2の吸収機能が注目されており,緑は地球の解熱剤とも言われております。私たちは,このような緑あふれる環境を次の世代に継承していかなければならないと考えます。  市長は,札幌の街づくりのキーワードは環境と文化であると言われております。私は,この二つの言葉に共通するのが緑であると考えておりますし,21世紀の札幌の街づくりの大きな柱に緑化行政を位置づけることが重要ではないかと思うのであります。  そこで,1点目の質問でありますが,21世紀の本市の街づくりにおいて,緑の重要性をどのように認識され,緑化行政を展開されようとしているのか,お伺いいたします。  次に,高齢社会における公園づくりについてであります。  先日発表されました本年3月末現在の我が国の総人口は1億2,586万人で,前年同期比0.2%のわずかな増であったにもかかわらず,65歳以上の人口割合が16.5%と,過去最高となり,一方で,15歳未満の人口割合が15.0%と落ち込み,前年に比べ,一段と少子高齢化が進んでおります。このように,我が国の少子高齢化は世界に例を見ない速さで進んでおり,高齢社会に対応するさまざまな施策が求められているわけであります。  来年4月からスタートする介護保険制度もその一つであり,今まで,治療というより,介護が必要で病院にいた,いわゆる社会的入院が減少し,高齢者の介護の場が病院から家庭,地域に戻ることになるわけであります。したがって,地域全体が高齢者にとって住みやすい場となることが必要であります。  心も体も健康である高齢者づくりとともに,肉体的な衰えを感じたり,障害を持っている高齢者が,憩い,安らぎを感じる場として,緑あふれる公園が大きな役割を果たすのではないかと思います。  私は,高齢者が,公園のベンチに座って四季折々の風景を眺めたり,散策しながらきれいな草花を観賞したり,子供たちと一緒に遊んだりしている光景を思い浮かべるわけであります。  そこで,2点目の質問でありますが,高齢社会に対応した公園づくりについてどのようなことをお考えなのか,お伺いします。  3点目は,住民参加についてであります。  今お伺いいたしました高齢者に対する公園づくりにおいても,人に対するもてなしの心,いわゆるホスピタリティーが必要です。公園には,さまざまな目的を持った老若男女が訪れます。スポーツやレクリエーション,散策,友人とのコミュニケーションなど,多様なニーズがあり,訪れた人たちに来てよかったと思われるような公園づくりには,ハード面はもちろんでありますが,管理運営に関するソフト面についても充実が必要と考えます。  本市においても,平成8年,藤野むくどり公園という街区公園がバリアフリーパークとして整備され,本年8月に,地域ボランティアによる開園3周年行事が行われたと聞いております。障害者も健常者も一緒に遊べる公園として,また熱心な地域ボランティア活動が展開されている公園として,全国に紹介されてもおります。  これからの公園は,高齢者の孤独や絶望感をいやしてくれる場としても重要であると考えております。  そこで,質問でありますが,今後,高齢者や障害者が気持ちよく過ごせる公園となるには,公園づくりに,行政の力だけではなく,地域住民の協力というか,積極的な住民参加が必要と考えるわけでありますが,どのようにお考えか,お伺いいたします。  次に,観光関連産業の振興と街の活性化について質問いたします。  札幌は,緑豊かな自然と異国情緒あふれるロマンチックな街として,国内でも有数の観光都市に発展し,今や180万人の人口を擁する大都会へと成長してきました。都市としての基盤整備も進み,札幌コンサートホールKitaraや札幌芸術の森などの芸術・文化施設が完成し,モエレ沼公園など,特徴ある大規模公園の整備も進められております。  しかしながら,平成5年度以降,順調に増加してきた札幌への観光客の入り込み数は,平成10年度は1,308万人と,前年度を若干下回り,札幌観光が伸び悩み状況にあるのではないかと危惧するものであります。  かつて,札幌は,北海道の玄関口として,北海道観光の滞在拠点であり,通過しなければならない交通の要衝として絶対的に優位な立場にありました。すなわち,北海道観光イコール札幌観光と言っても過言でない状況にあったのであります。  しかし,最近は,道内地方空港の整備が進み,本州主要都市との路線網が充実したことにより,観光客の旅行形態が大きく変わってきたと聞いております。ここ一,二年は,道東,道北などのブロック型観光や札幌での滞在時間の少ない通過型観光が増加しており,今後も,これらの傾向は,安くて短い期間に遠くまで行きたいという旅行ニーズに沿ったツアー商品の開発によって,ますます拡大していくことが予想されます。このことは,札幌もまた,都市の持つ地域特性を生かしながら,新たな視点に立った観光振興を考えていかなければならない時期に来たことを意味しております。  私ごとになりますが,私は,長らく本州で生活し,久しぶりに札幌に戻ってまいりました。札幌は,住むには大変魅力ある街であり,ほっとする街,住みたい街として,全国的に高い評価を受けております。私自身も,札幌に帰ってきて大変満足をしております。  しかしながら,本州から友人が訪れたとき,観光地としての札幌を見直してみると,大変残念なことでありますが,観光的魅力に乏しい街になってしまったように感じることがあります。このままでは,観光都市さっぽろの名に恥じることになるのではないかと思って,心配しております。  札幌には,まだまだ埋もれている観光資源があるのではないかと考えております。例えば,藻岩山からの夜景であります。北海道の夜景といえば,函館山があります。函館山には,ロープウエーだけでも年間172万人の観光客が訪れております。この数は,函館を訪れる年間観光客の実に32%を占めるものであります。しかるに,藻岩山を訪れる観光客の数は,年間62万人程度であります。私は,山の高さや山頂からの光の広がりなど,藻岩山からの夜景が函館山に劣るとは考えておりません。また,イサム・ノグチの残した貴重な遺産であるモエレ沼公園も,十分,観光資源になり得るものと考えます。  そこで,質問いたしますが,これからも観光関連産業の振興を通して街の活性化を図っていくには,札幌が従来から保有している貴重な観光資源の有効活用はもとより,芸術,文化,スポーツなどの集客力のある新たな施設などを生かしながら,札幌の魅力を高めて,それらを効果的に発信していくべきと考えますがいかがか,市長のお考えをお伺いいたします。  次に,コンベンションの積極的な開催についてであります。  観光関連産業が本市の21世紀の主要産業として確固たる地位を占めるためには,多方面へ経済効果を及ぼすコンベンションの積極的な開催が不可欠であります。  しかし,本市でのコンベンションの開催件数を見ますと,平成11年度に予定されている大会,学会などは,国際大会が85件,全国大会が188件,全道大会が562件で,合計835件,約429万人の参加となっております。件数では,ここ数年,横ばいで推移しております。また,国際会議の全国的なシェアを見ますと,徐々に減少しております。誘致・開催を目指して繰り広げられている都市間競争は,一段と激化しており,本市は大きくおくれをとっているのではないかと思うのであります。  本市においては,2001年に札幌ドーム,そして,2003年には東札幌にコンベンションセンターの完成が予定されており,これらの施設の健全な運営を確保していく上からも,コンベンションの誘致・開催は極めて重要であります。  聞くところによりますと,大会,学会などのコンベンションの誘致には,二,三年前から動かなければ間に合わないと伺っております。都市間競争に打ち勝ち,コンベンション誘致の拡大を図るためには,例えば主催者への融資や貸し付け制度の創設など,きめ細かな施策を講じて,札幌の優位性を高めていくことが絶対的な条件になるのではないかと考えるのであります。  そこで,街の活性化や地域産業・経済の起爆剤として大きな期待が寄せられておりますコンベンション誘致・開催に,今後,どのような姿勢で取り組もうとしているのか,お伺いいたします。  次に,今後の再開発事業の取り組みについてお伺いいたします。
     再開発事業は,地域の道路整備や老朽化した建物の更新など,防災性の向上と市街地の整備改善に有効な手法の一つであり,周辺地域の街づくりに与える波及効果は大きなものがあります。しかしながら,バブル経済の崩壊によって,我が国の経済社会の構造は,戦後続いてきた高度成長型から安定成熟型へと大きく変化する転換期にあり,民間再開発事業を取り巻く環境は厳しいものがあると認識しております。  そのような中で,私は,東豊線の延長整備を契機として,再開発事業を中心とした街づくりが進められている豊平中央地区に注目しております。その一つは,先見性を持った再開発事業の種地の先行取得と各種事業の組み合わせによる総合的な整備が実施された点であります。道路,公園の整備や,留学生交流センターの公共・公益施設を含む再開発事業などが実施され,また,地区内の先行取得用地の活用によって,従前居住者のための住宅や,下水道局庁舎及び分譲住宅の建設などの整備が進められたことであります。  もう一つは,再開発事業による街づくりには多くの年月を要するのが通例でありますが,この豊平中央地区は,計画から3年という短期間で事業化が図られたことであります。その記録を見ますと,行政と住民との会合が実に多く開かれ,街づくりの活発な議論が行われております。その結果,住民や権利者の理解と協力により,計画策定から事業化まで,非常に短期間でできたのではないかと考えるのであります。  これからの街づくりは,市民・企業・行政のパートナーシップが大きな課題でありますが,その実現に当たっては,地域における街づくりの計画に住民の意思を反映していくだけではなく,住民・企業・行政が協働して街づくりを進めることが重要であることは言うまでもありません。そういう意味から,豊平中央地区の再開発は,今後の地域の街づくりのモデルとして高く評価するものであります。  札幌市も,成長の時代から円熟期に入り,これからの再開発は,豊平中央地区のように,古くから開けた地域の再整備が大きな課題となると考えられます。例えば,私の住んでおります豊平区で見ますと,地域中心核である平岸や月寒も,札幌市の都市再開発方針において,平岸は1号市街地に,月寒は整備促進地区に指定されております。これまでの発展過程こそ違え,両地区とも再開発事業などによって,施設や機能の更新に取り組んでいくべき時期に来ているものと考えております。  しかしながら,今後進むであろう少子高齢社会においては,高度経済成長時のような税収増加が期待できない中で,効率的な街づくりの実現を目指すためには,住民の合意形成を図りながら再開発事業をどのように進めるかが,今後の重要課題であると考えるものであります。  そこで,第1点目の質問でありますが,今後の安定成熟型社会の中で,どのように再開発事業の促進に取り組もうとされているのか,その基本的な考え方をお伺いいたします。  次に,第2点目といたしましては,豊平中央地区の再開発の促進についてであります。  豊平中央地区の再開発の中心となる豊平6・6南地区の再開発事業は今年度で完了しますが,その波及効果を高めるために,引き続き,周辺地区の事業化促進に積極的に取り組む必要があると考えるものであります。幸いなことに,住民を中心とした街づくり活動が活発に行われていると聞いております。今後,どのように再開発を促進していくお考えなのか,お伺いいたします。  次に,本市における健康危機管理の問題についてお伺いいたします。  健康危機管理とは,感染症,医薬品,化学物質,毒劇物,食中毒,飲料水その他により,国民の生命,健康が脅かされる事態に対し,その発生予防から治療,拡大防止に至るまでを危機管理の視点から取り組む考え方であると言われております。  最近,健康危機にかかわる事件が多発しております。すなわち,平成7年には地下鉄サリン事件,平成8年には堺市におけるO―157による集団食中毒,さらに,平成10年の和歌山市における毒物混入カレー事件などであります。  さらに,健康危機管理の重要性を示す事例は,感染症などの発生にも示されております。MRSAという耐性菌による病気が院内感染によって引き起こされることは既に知られているところでありますが,最近,このMRSAに有効なバンコマイシンという抗生物質にも抵抗するバンコマイシン耐性腸球菌が発生するという,まさに恐れていた事態が発生するに至っております。  ことし8月に,東京都で,セラチア菌の感染により,入院患者から3人の死者が出るという事件が報道されました。これも,院内感染が疑われ,本来は毒性が弱い菌であるにもかかわらず,薬の効かない耐性菌であったために重大な結果に至った事件であります。本来,病気を治すはずの病院で,病気にかかってしまうというのは皮肉なことであり,また,大変恐ろしいことでもあります。特に,今後の介護保険の導入に当たり,施設介護を行う療養型病床群などにおいてこのような事件が起こるとすれば,市民生活を大きく脅かしかねないものであり,何としても発生及び拡大の防止を図らなければならないと考えます。  また,ことし7月,厚生省は,平成9年の結核の新規患者数が38年ぶりに増加に転じたことを重く見て,結核緊急事態を宣言し,既に克服された過去の病気であると言われた結核に対する再認識と取り組みの強化を求めているところでありますが,先週の報道によりますと,平成10年も2年連続で増加となっているのであります。結核も,院内感染を含めた集団感染の多発及び治療薬が効かない多剤耐性結核が,新規患者数の増加などとともに,大きな問題であると指摘されております。  平成10年に全国で発生した結核集団感染は44件であり,そのうち9件が院内感染であります。ことしに入ってから,北海道では,8月に網走市内の2病院で,医師を含め,患者,職員の22人が感染する事件が発生いたしました。さらには,9月22日に,千歳保健所管内の道立高校でも,生徒1人が発病し,生徒,家族35人が感染するという事件が発生したところであります。幸い,札幌市内では,このような病院や学校における集団感染の報告はありませんが,今後とも十分な警戒が必要と考えられます。  ところで,ことしの夏は全道的に食中毒が多発しましたが,小樽のすし店の食中毒事件では,営業停止期間中にもかかわらず,処分を無視して営業し,新たな食中毒を発生していたことが明らかになり,保健所の果たすべき役割が問題とされたところであります。このように社会問題に発展する事態にあっては,観光産業への打撃はもちろんのこと,行政への信頼や街のイメージにまで悪影響を及ぼすものとなります。  以上,述べてまいりましたように,院内感染,MRSAや結核その他の感染症を初めとするあらゆる健康危機から市民の健康,生命を守るために,こうした健康危機管理が極めて重要な問題としてクローズアップされてまいりました。  ことし8月に出された厚生省の地域保健問題検討会の報告書でも,健康危機が発生した場合は,保健衛生部門の役割を明確にし,危機管理体制をトップダウン的なものとすることが重要であるとされております。このことから,本市のような1市1保健所体制を採用している政令指定都市においては,保健所が企画調整機能を発揮し,危機管理において中心的な役割を果たすべきであることは申すまでもないことと思います。  そこで,お尋ねいたします。  まず,1点目として,健康危機管理をどのように認識されているのか,また,これまでどのように取り組んでこられたのかについて,お伺いいたします。  次に,2点目として,さまざまな健康危機に際しての対応能力を高めていくために,今後どのように取り組み,体制を充実させていくのか,お伺いいたします。  次に,水害対策についてお伺いいたします。  本市は,昭和56年8月に,台風と集中豪雨の2度にわたる水害に襲われ,死者1名,住宅等の全半壊13棟,床上・床下浸水約1万7,000棟といった大きな被害に見舞われ,雨に対する都市の弱さを見せつけられる結果となりました。  本市は,この大雨災害を契機に,札幌市総合水防対策会議を発足させ,都市の基盤整備を総合的に見直すべく,四つの専門部会を設置し,市街化区域の指定の見直しや水防的視点に立脚した合理的な土地利用と,河川改修及び砂防事業の推進,浸水するおそれのある地帯に対する災害危険区域の指定などの提言を盛り込んだ報告書を取りまとめました。  この報告をもとに,今日まで,北海道開発局や北海道とも連携を図りながら,河川の改修等を進めるとともに,下水道施設の整備拡充などに取り組んできました。その結果,ハード面での備えは格段に改善されてきており,このことについて,私としても評価をしているところであります。  ことしの6月末,北九州や中国地方を中心に,西日本の各地が集中豪雨に襲われました。特に,福岡市では,アスファルト舗装によって地中への雨の浸透力が低下し,下水道の排水能力が追いつかず,道路の冠水や家屋の浸水といった多くの被害が相次ぎ,都心部では,地下鉄駅構内に多量の雨水が一気に流れ込み,一部の区間で運行がストップし,通勤・通学などに支障が出ました。また,ビルの地下飲食店では女性従業員が逃げおくれて水死するなど,都市の盲点をつくような被害が起こり,大変な衝撃を与えたところであります。  また,7月下旬には,首都圏で,雷を伴った集中豪雨により,東京都内では都営地下鉄が浸水の被害を受け,およそ50万人に影響を与え,マンションの地下にいた男性経営者が水死するなど,痛ましい事態が発生しております。改めて,都市型水害がもたらす人的,物的な被害に加えて,社会的な影響の大きさを痛感したところであります。  札幌市におきましても,8月下旬に白石区,厚別区及び豊平区,今月初旬には豊平区と南区の一部が大雨に見舞われ,道路の冠水や建物の浸水により,地域住民の生活に大きな影響を与えたところであります。いずれの大雨も,局地的に,しかも10分間で約20ミリ,地域によってはそれ以上降るなど,専門的な見地からも,その予測は極めて難しいものであります。  本市においても,都市化の進展とともに,東京や福岡で見られるような都市型水害の発生が十分考えられるのであります。これに対応していくためには,ふだんから市民への水害に関する啓発を推進し,本市や関係機関が連携した行動計画を準備するほか,水害発生のおそれがある場合には,どこで,どのようなことが起きる危険性があるかなど,市民が正確な情報を受けられるような体制を築いていくことが,この種の災害から被害を少なくする最も重要なことと,私は認識しております。  このような点から,市長が,札幌市水防計画の見直しについて,時期を失することなくお決めになったことは,大変心強く感ずるところであります。  そこで,質問でございますが,急速な都市化の進展によって街並みが変化している札幌市において,西日本や東京都で発生したような集中豪雨による内水型のはんらんが起きた場合を考えますと,市民の一人として非常に心配なものがありますが,本市の都市型水害の対策について,どのような取り組みをなされようとしているのか,お伺いいたします。  以上で,私の代表質問を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(佐藤美智夫君) 答弁を求めます。  桂市長。 ◎市長(桂信雄君) お答えをいたします。  最初に,地方分権についてでございますけれども,地方分権改革に対する評価と残された課題に対する取り組みについてでございますが,国と地方との関係を対等・協力とし,真の地方自治を確立するために,機関委任事務制度を廃止するなど,自治体の自己決定権を拡大したことは画期的なことであったと考えております。  しかしながら,今回の改革は,地方への権限や税財源の移譲については不十分な内容にとどまっておりまして,そうした意味で,分権改革の第1段階であると受けとめております。  したがいまして,今後も,関係団体との連携を強めながら,引き続き,国等に対して働きかけをしてまいりたいと考えておりますが,そうした国からの財源移譲を期待するだけではなくて,経済の活性化や街づくりなどによって,財源をみずから生み出していくような取り組みも必要ではないかと考えております。  次に,地方分権実現の取り組みに対する考え方でありますが,地方分権の意義は,これまで以上に,自治体がみずからの責任のもとで,地域の実情に即した施策を実施できるようにすることでありまして,それによって,街づくりの自由度が高まり,自主的な街づくりが可能になることを期待して,その実現に向けて取り組んできたところであります。  こうした地方分権のメリットを生かしていくためにも,移譲される権限を最大限に活用しながら,市民本位の見地に立った施策を積極的に展開してまいりたいと考えております。  このため,市民の自治意識や街づくり意識のより一層の向上につながるような場の提供でありますとか,市民が主体となって街づくりに取り組むことのできるような仕組みづくりなどについて,十分な検討を進めるとともに,こうした取り組みに欠くことのできない市民への情報提供についても積極的に進めてまいりたい,このように考えております。  次に,公営企業の経営についてでございますが,まず,第1点目の交通事業の経営健全化回復策の検証についてであります。  平成13年度中にはバス事業の規制緩和が行われるなど,今後,市営交通を取り巻く事業環境が大きく変化するものと考えられるところでございます。したがいまして,規制緩和後の民営事業者の動向を踏まえながら,公共交通のあり方や市営交通の役割など,さまざまな視点からの検討を行い,回復策の検証を進めていきたいと考えております。  次に,第2点目の病院事業についてでありますが,初めに,経営改善計画であります。  さきの経営診断結果を踏まえて積極的に経営改善に取り組み,この3年間に,償却前黒字,不良債務の解消など一定の成果を上げ,10年度実績では4億8,600万円の収支改善,11年度予算までの累計では14億5,600万円の改善効果を見込んでおります。今後,院内組織の活性化,外部の医療関係機関の協力を得ながら,中長期にわたる課題を含めて改善を実行し,市民の期待にこたえる病院事業として,経営基盤の安定,健全化に努めてまいる考えであります。  次に,今後の財政収支の見通しについてでありますが,当面は,償却前黒字を目標とし,さらに,長期的視野に立って損益の均衡を図る考えであります。  現行の医療制度のもとで,現診療体制を前提として中長期的な財政収支見通しを試算いたしますと,これまでの経営健全化の取り組み効果などから,今後は好転基調で推移していくものと思われます。しかしながら,近年の診療報酬の低調な改定の影響を受け,短期間での好転は難しく,収支,資金繰り等,経営状況の黒字転換,累積欠損金の解消には,まだ相当の時間を要する状況であります。  現時点では,ただいまご指摘のとおり,医療制度抜本改革の行方が不透明であり,今後の動向によっては,診療体制の見直しや,これらの収支見通しの修正を迫られる状況でありますが,今後とも収支改善を進めてまいりたいと考えております。  次は,西暦2000年問題に関する本市の取り組みについてであります。  まず,第1点目の本市の上下水道,交通事業に関する危機管理計画についてでありますが,大みそかから元旦にかけて職員を配置して,システム等の稼働状況の把握を行い,万が一,システム等に異常が発生した場合でも,市民サービスを停滞させないことを基本としているところであります。また,ほかのライフラインに大規模な障害が発生した場合を想定して,あらかじめ関連部局で待機態勢をとるとともに,万が一,市民生活に重大な影響を及ぼす事態の発生が明らかとなった場合には,災害対策本部を設置するなど,関係機関と連携を図りながら対応をしてまいりたいと考えております。  2点目の市民に対する情報提供でありますが,これまでのホームページでの情報提供に加えて,広報さっぽろなどでお知らせをいたしたいと考えております。また,市民からの問い合わせに対応する窓口につきましても,設置してまいりたいと思います。  3点目の市民ボランティアの確保についてでございますが,ライフラインが機能不全に陥った場合には,地域防災計画の中のボランティア活動対策に準じ,対処してまいりたいと考えております。  次は,21世紀に向けた魅力ある公園づくりについてでございます。  第1点目の街づくりにおける緑の重要性についてでございますが,緑は,札幌の個性や良好な都市環境を形成するための重要な要素でありまして,市民共通の貴重な財産であると認識をいたしております。したがいまして,今後,一層,緑地の保全や活用,都市緑化の推進,公園緑地の整備といったことを推進していく考えであります。  2点目の高齢社会における公園づくりについてでございますが,昨年12月に制定をいたしました札幌市福祉のまちづくり条例において,高齢者や障害者を初め,すべての人に優しい街づくりを目標に掲げたところであります。  したがいまして,今後,より多くの利用が見込まれる身近な街区公園や近隣公園などのバリアフリー化を一層進めるとともに,健康維持や交流の場,また心の安らぎの場として整備をしてまいりたい,このように考えております。  3点目の住民参加についてでございますが,これからの街づくりには住民参加が極めて重要であります。本年6月に改訂をいたしました札幌市緑の基本計画に基づき,高齢者が多くの人たちと交流するとともに,ボランティア活動の拠点ともなるパークセンターの整備など,住民参加の支援策を推進してまいりたいと考えております。  以上です。 ○議長(佐藤美智夫君) 魚住助役。 ◎助役(魚住昌也君) 私から,今後の再開発事業の取り組みについてお答えいたします。  第1点目の再開発事業促進のための基本的な考え方についてでありますが,今後の再開発事業においては,厳しい財政状況を考えますと,今まで以上に効率的かつ効果的に事業の促進を図る必要があると考えております。  したがいまして,今後は,街づくり上,優先度の高い中心市街地や,都心居住の受け皿となる都心周辺の密集市街地,並びに市街地環境の改善が必要な地域中心核などの地域で,街づくりの機運を喚起し,住民参加による地域整備計画の策定を行い,住民・企業・行政のパートナーシップと各種事業の組み合わせによる総合的な再開発事業の促進に取り組んでまいりたいと考えております。  次に,第2点目の豊平中央地区の再開発の促進についてでありますが,豊平中央地区につきましては,現在も豊平中央街づくり促進委員会と豊平6・6北再開発協議会が活発に活動を続けており,本市といたしましても,再開発促進助成事業を活用するなどして,事業化に向けて支援しているところであります。  したがいまして,これら活動につきましては,引き続き支援するとともに,複合的な事業の展開についても検討を進めるなど,再開発の促進に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(佐藤美智夫君) 大長助役。 ◎助役(大長記興君) 観光関連産業と健康管理につきまして,私から答弁いたします。  初めに,観光関連産業の振興と街の活性化についてでございます。  1点目の観光資源の有効活用によります札幌の魅力の向上についてであります。  これからの札幌観光には,札幌という街が持つ個性や特有の魅力を効果的に観光の振興へ結びつけていくことが肝要であります。そのためには,街づくりの軸に据えております「環境と文化」という側面を重視しながら,観光資源のレベルアップ,体験型観光の充実など,新しい魅力づくりを進めるとともに,これらの方向性を踏まえて,観光基本計画の見直しも行ってまいりたいと考えております。  2点目のコンベンションの積極的な開催についてでありますが,とりわけ第3次産業の比重が高い本市にとりましては,力を入れていかなければならない分野であります。したがいまして,厳しい都市間競争が繰り広げられている中にあっては,コンベンション情報を的確に発信するとともに,主催者への貸し付け制度の創設を初め,関係団体との共同誘致活動の体制整備など,コンベンション施策の充実を図る必要があるものと考えております。  いずれにいたしましても,観光やコンベンションの誘致には,街全体を積極的に売り込んでいく必要がありますので,当面は,ことしの5月に庁内に設置をいたしましたシティPR推進委員会を有効に機能させ,取り組みの強化を図ってまいりたいと考えております。  次に,健康危機管理についてであります。  1点目の本市の認識とこれまでの取り組みについてでありますが,市民の生命と健康を脅かす事態に適切に対処するための健康危機管理は,大変重要な責務であると認識をしております。  本市では,従前から,市民に対します各種の啓発,関連施設への指導,立入検査を初め,予防活動に力を入れてまいりましたが,平成8年10月に全国的先駆となる札幌市健康危機管理実施要領を定め,その後も,毒劇物に関する対策を加えるなど,充実を図ってきたところであります。さらに,実際に事件が発生したとの想定によります模擬訓練を実施するなど,体制の強化に努めているところでございます。  2点目の今後の取り組みにつきましては,保健所を危機管理を含めた地域保健の広域的かつ専門・技術的拠点として再編し,機能強化を図ったところであり,今後とも,現体制を検証しながら,さらなる充実を図ってまいりたいと考えております。  以上です。 ○議長(佐藤美智夫君) 千葉助役。 ◎助役(千葉瑞穂君) 水害対策についてお答えいたします。  本年6月に,北海道開発局,北海道などの関係行政機関,また市民代表などの委員で構成しております札幌市水防協議会にお諮りをし,ただいまご質問にもありました内水型のはんらんへの対策も視野に入れた新たな札幌市水防計画を作成することとしており,今年度中の完成を目指して取り組んでいるところであります。  また,市民の皆様には,雨の降り方によって事態がどのように推移していくのかなど,災害の情報をできるだけ早い段階で提供することが,被害を軽減する上で何よりも大切なことでありますので,その体制づくりも含めまして,水害対策のより一層の充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(佐藤美智夫君) 以上で,代表質問は全部終了いたしました。  (宮本吉人君「議長」と呼び,発言の許可を求む) ○議長(佐藤美智夫君) 宮本吉人君。 ◆宮本吉人君 特別委員会設置及び委員会付託の動議を提出いたします。  すなわち,ただいま議題とされております議案26件のうち,平成10年度の決算にかかわる議案については,委員34人から成る第一部決算特別委員会及び委員33人から成る第二部決算特別委員会を設置し,各位のお手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に,また,その他の議案については,同表のとおり関係の常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(佐藤美智夫君) ただいまの宮本議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。  動議のとおり決することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(佐藤美智夫君) ご異議なしと認めます。よって,ただいま議題とされております議案26件のうち,平成10年度の決算にかかわる議案については,委員34人から成る第一部決算特別委員会及び委員33人から成る第二部決算特別委員会を設置し,各位のお手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に,また,その他の議案については,同表のとおり関係の常任委員会にそれぞれ付託されました。  〔付託表は巻末資料に掲載〕  ――――――――─――――――――― ○議長(佐藤美智夫君) ここで,日程に追加いたしまして,ただいま設置されました第一部及び第二部決算特別委員会の委員の選任を議題といたします。  本件につきましては,委員会条例第5条第1項の規定により,当職からお諮りします。  各位のお手元に配付の委員名簿のとおり指名いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(佐藤美智夫君) ご異議なしと認めます。よって,委員名簿のとおりそれぞれ選任されました。  なお,第一部及び第二部決算特別委員会における発言のための委員の交代は,先例によりまして,両特別委員長の許可を得た上で行っていただくことといたします。
     〔名簿は巻末議決事件等一覧表参照〕  ――――――――─――――――――― ○議長(佐藤美智夫君) さらに,日程に追加いたしまして,第一部及び第二部決算特別委員会の委員長の選任を議題といたします。  (宮本吉人君「議長」と呼び,発言の許可を求む) ○議長(佐藤美智夫君) 宮本吉人君。 ◆宮本吉人君 第一部及び第二部決算特別委員会の委員長の選任につきまして,指名推選の動議を提出いたします。  すなわち,第一部決算特別委員長に福士 勝君を,第二部決算特別委員長に上瀬戸正則君をそれぞれ選任することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(佐藤美智夫君) ただいまの宮本議会運営委員長の動議に対し,所定の賛成者がありますので,本動議を直ちに問題とし,採決を行います。  動議のとおり決することにご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(佐藤美智夫君) ご異議なしと認めます。よって,第一部決算特別委員長に福士 勝君が,第二部決算特別委員長に上瀬戸正則君がそれぞれ選任されました。  ――――――――─――――――――― ○議長(佐藤美智夫君) お諮りします。  本日の会議はこれをもって終了し,明10月1日から3日までは委員会審査等のため休会とし,10月4日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(佐藤美智夫君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。  ――――――――─――――――――― ○議長(佐藤美智夫君) 本日は,これで散会いたします。  ――――――――─―――――――――      散 会 午後3時20分 上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。  議長           佐   藤   美 智 夫  副議長          川 口 谷       正  署名議員         小   谷   俵   藏  署名議員         湊   谷       隆...