札幌市議会 1999-02-25
平成11年第一部予算特別委員会−02月25日-04号
平成11年第一部
予算特別委員会−02月25日-04号平成11年第一部
予算特別委員会
札幌市議会第一部
予算特別委員会記録(第4号)
平成11年2月25日(木曜日)
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●議題 付託案件の審査
●
出席委員 34人
委 員 長 千 葉 英 守 君 副委員長 山 口 た か 君
委 員 吉 野 晃 司 君 委 員 越 智 健 一 君
委 員 山 田 信市郎 君 委 員 高 橋 忠 明 君
委 員 大 越 誠 幸 君 委 員 武 市 憲 一 君
委 員 原 口 伸 一 君 委 員 上瀬戸 正 則 君
委 員 道 見 重 信 君 委 員 笹 出 昭 夫 君
委 員 横 山 光 之 君 委 員 堀 川 素 人 君
委 員 勝 木 勇 人 君 委 員 湊 谷 隆 君
委 員 澤 木 繁 成 君 委 員 富 田 新 一 君
委 員 加 藤 斉 君 委 員 川口谷 正 君
委 員 大 西 利 夫 君 委 員 大 嶋 薫 君
委 員 常 見 寿 夫 君 委 員 丹 野 勝 君
委 員 小 田 信 孝 君 委 員 柿 崎 勲 君
委 員 涌 井 国 夫 君 委 員 本 郷 俊 史 君
委 員 荒 川 尚 次 君 委 員 飯 坂 宗 子 君
委 員 横 山 博 子 君 委 員 中 嶋 和 子 君
委 員 福 士 勝 君 委 員 田 中 昭 男 君
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開 議 午後1時
○千葉 委員長 ただいまから,第一部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項は,特にございません。
それでは,議事に入ります。
最初に,第9款 教育費 第1項
教育委員会費から第8項
学校保健給食費まで及び第4条の第4表地方債のうち関係分を一括して質疑を行います。
◆本郷 委員 私からは,平成11
年度予算案に校舎の
実施設計費及び
仮設校舎にかかわる経費が盛り込まれております
市立旭丘高等学校の
校舎改築についてお伺いをいたします。
旭丘高校は,ご承知のように,道内でも有数の進学率を誇る学校であります。その歴史は,伏見・
旭ケ丘地区の区画整理により人口が増加したことを契機として,昭和33年4月,
啓明中学校の教室を一部借用して開校され,一方,校舎につきましては,同じ昭和33年に,
藻岩山ろくの国有地を取得して造成を行い,翌34年から2期にわたる工事の末,昭和36年に完成をしております。
建設当初は,非常に先進的な施設として,各地からの見学者も絶えなかったと伺っておりますが,築後40年近くを経過し,建物の老朽化はもとより,たび重なる増築によって教室等の配置が複雑になっていることから,生徒や教員の動線上,さまざまな支障を来しており,生徒や父母の皆さん,あるいは卒業生など,
学校関係者からは,一日も早い
校舎改築が望まれていたところであります。
今回,
実施設計の予算が計上されているわけですけれども,あわせて,
仮設校舎にかかわる経費が盛り込まれております。私は,
工事期間中,かなりの間,
仮設校舎を使用することについて,生徒や父母の方々が,その間の
学習環境に不安を抱いていらっしゃるのではないかと危惧をしております。
そこで,この
仮設校舎の件について,まずお伺いをしたいと思います。
校舎改築の場合,既存の校舎を使用しながら,敷地の別の場所に新校舎を新築し,竣工後,既存校舎を解体するといった手法もあるわけでございますが,あえて
仮設校舎を建設しなければならなくなった理由についてお伺いをいたします。
また,想定している
使用期間,及び,このことについて,現在通学されている生徒の皆さん,また,これから入学されてくる生徒さんなどへ,どのように周知をされたのか,お伺いをいたします。
あわせて,
仮設校舎といいますと,どうしてもプレハブというイメージがつきまとうわけですが,生徒の
学習環境への影響が懸念されるところでありますので,その対応としてどのようなことを考えていらっしゃるか,お伺いいたします。
◎古田
総務部長 旭丘高等学校の改築について,お答えをいたします。
まず,
仮設校舎を建設することになった経緯についてでございますが,
旭丘高等学校は,総面積約7万3,000平方メートルの敷地を有するものでございますけれども,この現有地は傾斜地を造成したものでございまして,下段から,
陸上グラウンド,校舎,野球場,そして
ラグビー場と,4段に各施設を配置している状況でございます。
また,
屋内運動場につきましては,平成2年度に改築を行ったもので,新校舎は,これを生かす形で配置する必要がございます。
このように,校舎の改築に当たりましては,さまざまな制約条件が想定されますことから,平成9年度に,基本構想の策定及び地質調査,また,周辺の
交通量調査などを実施いたしまして,地盤の状況や生徒の動線,あるいは,
周辺住宅地に対する影響,また,校舎からの眺望など,あらゆる角度から新校舎の
配置場所について検討を行ってまいりました。
結論といたしましては,現校舎の位置が地盤として最も安定をしていること,
グラウンドに校舎を建設した場合,代替の
グラウンドを確保することが困難なこと,また,
屋内運動場への動線といたしましては現有地が最も望ましいこと,さらには,
周辺住宅地に対する影響などを配慮いたしまして,一時的に
仮設校舎を建設し,現有地に全面改築を行うことが最適と判断をしたところでございます。
次に,
仮設校舎の
使用期間についてでございますけれども,現在のところ,現校舎の解体と新校舎の建築期間といたしまして,おおよそ2年間を見込んでいるところでございます。
また,
仮設校舎に関する周知についてでございますが,在校生やその保護者につきましては,全校集会やPTAの会合などにおきまして,
入学希望者に対しましては,
学校説明会などにおいて,このような計画がある旨,お知らせをしているところでございます。
さらには,地域住民の方々に対しましても計画の趣旨をお知らせし,実施の際のご協力をお願いしているところでございます。
仮設校舎における
学習環境への配慮についてでございますけれども,プレハブの
仮設校舎と申しましても,
学校施設といたしまして,教室等については,現校舎で備えている基本的な施設を整備するとともに,その他の施設につきましても,生徒が
学習活動を行っていく上で支障を生じないよう,施設を学校側と十分協議の上,設置する予定でございます。
以上でございます。
◆本郷 委員 敷地は,ほかの学校に比べてかなり,7万平米ということで,大きいということですけれども,敷地の制約等,今のご説明にもありましたとおり,私も現地をよく見ておりますので,確かに難しいなということは理解をいたします。
ただ,
現有校舎のところは,今回工事の対象になりますので,敷地のわりと中心に工事場所があるということになりますので,ぜひ,
工事期間中の安全対策には十分注意をお願いしたいと思います。
次に,新校舎の設計の中身,考え方についてお伺いをしたいと思います。
今日,生徒の多様な興味や関心,あるいは,能力,適性,進路希望などに適切にこたえ,ゆとりと潤いの中でそれぞれの生徒の自己実現を図っていくためには,
教育課程の編成等,ソフト面においてのさまざまな工夫を行っていくことはもちろん,これを補完する
学校施設についても,そこで行われる生徒の
学習活動を適切にバックアップできるよう,
教育内容と密接に結びついた
ハードづくりが必要であります。現在,このような考え方に立って,
エコスクールや
インテリジェントスクールなどの要素を加えた,特徴のある施設が各地でつくられております。
一方,現在,文部省においては,新しい時代に対応した
高等学校施設を整備していくための,必要面積の改定作業を行っているところであると伺っておりますし,平成14年からは
完全学校週5日制に移行する予定であること,また,平成15年には新しい
教育課程が実施され,「情報」などの科目が新設されるとともに,選択本位の学習を行っていくこととされております。
これらの状況を勘案しますと,本市においても,これからの
高等学校施設の整備に当たっては,施設が教育に及ぼす影響を再評価し,将来を先取りしながら,新しい教育にふさわしい施設のあり方について,再考すべき時期に来ているものと考えるものであります。
具体的に申しますと,教室については,教科の選択幅の拡大に伴って各
科目当たりの受講人数が大幅に変化をし,少人数から大規模な集団まで,さまざまな形態となっていくことは容易に予想されるところであります。従来のように,同じ大きさの教室を画一的に整備するのではなく,多様なサイズの教室を整備していく必要があるのではと考えております。
また,生徒一人一人に対してもきめ細やかな指導を進めていくためには,今まで以上に生徒と教師が交流を深め,相互理解や信頼関係を形成していくことが重要であります。このためには,職員室についても,現在のような部屋としてではなく,オープンなスペースとしての空間構成が有効ではないかと考えております。また,さまざまな教科の教師が同一の空間に集合する形態をとることが,生徒の多面性を理解するとともに,教師間の連携を図る上でも望ましいのではないかと思っております。
さらに,
高等学校の施設は,学習の場であるとともに,生徒が入学してから卒業するまでの,多感な時代の大部分を過ごす生活の場であることから,いわゆるホールやラウンジなど,生徒同士が交流し,また,生活上のゆとりを演出できるような,さまざまな空間を確保していくことも必要ではないかと考えますし,市民の学習の場として,地域開放を十分に意識したものとしていく必要もあると考えるところであります。
そこで,質問ですが,今年度実施した
基本設計については,どのような考え方で行われたのか。また,平成11年度に行う
実施設計は,
基本設計をもとにどのように進めていかれるのか,お伺いをいたします。
◎古田
総務部長 新校舎の設計についてでございますけれども,
旭丘高等学校の新校舎は,21世紀におけるモデルとなるべき施設でありますことから,
市立高等学校のあるべき姿について再検討をすることといたしまして,
学校関係者や卒業生などからも意見を聞くとともに,
教育課程審議会の動向などを踏まえながら,
札幌市立高等学校の今後のあり方ということの
中間まとめとして,昨年8月に,ソフト・
ハード両面にわたる基本的な考え方を構築したところでございます。
今年度の
基本設計につきましては,この
中間まとめを基本といたしまして,他都市における先進的な事例を参考にしながら,多様化への対応や,交流・指導空間の充実などに配慮し,全体面積を想定しながら,一応のゾーニングを行ったところでございます。
11年度の
実施設計につきましては,この
基本設計をベースに,先ほど,委員から具体的にご指摘のございました,教科の選択幅の拡大に対応できる
教室配置,また,生徒と教員の交流を促進するスペースや生徒の生活空間の確保,あるいは,地域への開放をも視野に入れた施設の充実等について,十分配慮をいたしたいと考えてございます。また,今後公表される
学習指導要領を踏まえて検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◆本郷 委員 いずれにしましても,今回の
旭丘高等学校の新校舎につきましては,市立全日
制普通科高校初めての改築事業でありますので,今後の他の
市立高等学校の手本となり,また,今日までの
旭丘高校の伝統と実績を十分に踏まえながら,将来を先取りした,本市としての特色ある施設としていただきますよう要望して,終わります。
◆飯坂 委員 私は,
障害児教育について何点かお尋ねしたいと思います。
1点目は,新
年度予算でも,
特殊学級整備費といたしまして,小学校で3校,
真栄小学校,それから
三里塚小学校,
鴻城小学校ということで,6,500万円余り計上されております。それから,中学校は1校,藻岩中学ということで900万円ほど計上されております。今回の4校設置にかかわる基本的な考え方について,まず1点お示し願いたいと思います。
それから,2点目は,教員の
複数配置についてです。
障害児と一口に言いましても,非常に今,多様化しているわけですね。自閉症の子,寡黙な子,その他もろもろですね,一人一人障害に違いがありますし,それから,知的障害というふうにくくりましても,その中でも程度にかなり差があると,これが現実であります。ですから,父母や,それから教師の方から,ぜひ,1クラスに複数の教員を配置して,きめ細かい,障害に合った教育を保障してほしいと,こういう願いがございます。
現在は,児童・生徒9名まで教員1名,それから,知的あるいは情緒,肢体不自由などについては,7名いれば加配を1名するというのが道教委の基準というふうに聞いておりますが,市教委といたしまして,現実の
障害児学級の小学校や中学校の実態を見ましたときに,
複数配置必要かどうか,この辺の認識について,まず明らかにしていただきたいと思います。
それから,3点目の質問は,介護員の配置についてです。
道立の
養護学校では,介護員の配置を現実に行っております。例えば,
星置養護学校では,児童・生徒数97名に対して介護員が4名配置されております。さらに,
八雲養護学校では,児童・生徒数が43名ですが,介護員が2名配置されております。本市の
養護学校でも,介護員をつけてほしいという
学校現場からの声が上がっておりまして,私のところにも届いているわけですが,今後の対応についてお示し願いたい。
それから,加えて,
養護学校だけではなくて,いわゆる
特殊学級ですね,千歳市の場合は,介護員を単費で配置しているのですね。本市でも,ぜひ,こういうことも検討すべきだと考えますけれどもいかがか,お尋ねをいたします。
以上3点です。
◎本間
学校教育部長 障害児教育のことにつきまして,私からお答えを申し上げます。
まず,1点目の,今回設置を予定しております4校についての基本的な考え方についてでございます。
これまで,
特殊学級の整備に当たりましては,子供の
遠距離通学の解消を図ることを基本といたしまして,原則として,4人以上の在籍がある場合に3教室以上の余裕教室を活用し,整備を行ってきたところでございます。
今回,
特殊学級を設置する予定にしております4校につきましては,これまで陳情があり採択されたものであるとか,あるいは,地域の方々の強い要望もあり,長年課題となっていた地域でありまして,議会でも再三取り上げられてきたところであります。
このことから,
教育委員会といたしましては,対象となる児童・生徒数の推移,障害の実態,通学距離など,個々の条件を調査いたしまして,当該地域の学校に一定のスペースが確保できる見通しになりましたことから,全市的な
配置バランスを考慮した上で総合的に判断をし,設置することといたしたものでございます。
次に,2点目の教員の
複数配置についてでございます。
これにつきましては,教員の配置は,
北海道教育委員会が定めております
配置基準で措置をされておりますので,教員を札幌市独自で
複数配置していくという対応は困難であると,このように考えております。
続きまして,3点目の介護員の配置でありますが,これにつきましても,教員等の配置は
北海道教育委員会で措置することとなっておりまして,介護員については,道の基準では
配置基準に含まれておりませんので,本市独自の
養護学校あるいは
特殊学級への配置は,これも困難であると,このように考えてございます。
以上でございます。
◆飯坂 委員 新
年度予算で4校設置の考え方については,従前の考え方よりも一歩進めたのだということでご説明がありました。
地域バランスを考えたとか,あるいは,障害の子がいれば,地域の学校に通えるように配慮したということなのですが,本来であれば,
普通学級の
子供たちと同じように,小学校であれば小学校区,中学校であれば中学校区に,障害の児童・生徒さんのいるところにそういう学級があると,これがやっぱり望ましいと思うのですね。今は,残念ながら,そういう数には当然達していませんから,目の前に小学校があっても,そこを素通りして他の校区の学校に通っていると,こういう現実があるわけです。
私どもは,再三,一人でもそういう
特殊学級を必要としている
子供たちがいれば,そこの当該校区に学級を設置すべきだということを議会でも求めてきたわけですけれども,今回,一歩進んだとはいえ,まだ,一人でもいればというところまでは,市の場合いってないのだろうというふうに思うのですね。
道教委からいただいた資料では,対象児童・生徒の入学などにより設置の必要性があり,
施設整備などを整えて
市町村教育委員会から設置の申請があった場合,
特殊学級設置の認可をする,こういうふうになっております。4人いなければとかという文言は,一切書かれておりません。
そして,現実に全道で637の学級が,これはあらゆる障害別に一覧表になっているのですが,延べで637学級が,1人でも
学級編制を道としては認可しているのですよね。こういう現実があります。これは,昨年5月1日現在の数字ですけれども,そういう現実があります。
ですから,札幌市としても,
施設整備をきちんと行って,小学校あるいは中学校の新入児童・生徒,この子に合わせて,ちゃんと設備を整えて道に申請をすれば,認可するというふうになるのじゃないですか。その辺について,これは再質問,明らかにしていただきたいと思います。
それから,教員の
複数配置,教員の配置が道教委であるということは私も存じております。そこで,単費でやるのは困難であると,こういうご答弁だったのですが,先ほどは,必要性についての認識をお尋ねしたのです。この教員の
複数配置についてです。
それから,三つ目の介護員の配置についてですが,これは,千歳ではやっていますよと,私言いました。千歳市の
学校教育部からいただいた資料を見てみますと,千歳市は人口8万8,000人です。札幌市の約20分の1の人口ではございますが,障害児の発生率は,札幌市と比べて特段多いとか少ないとか,そういうことはございません。それで,知的と
情緒障害の学級に限って見ましても,小・中合わせて64名の児童・生徒が通ってらっしゃいますが,介護員を4名配置しております。さらに,新年度1名増員する予定と聞いております。それから,肢体不自由の学級については,小・中合わせて児童・生徒数8名に対して,3名の介護員をつけております。
本市の場合は,肢体不自由は
豊成養護学校ということで,小・中・高等部つくっておりますから,ここには13名の介護員が配置されているというのは私も存じております。
しかし,今ここで私が問題にしているのは,肢体不自由の
専門学校を除いて,いわゆる知的だとか,それから
情緒障害ですね,こういった学級に,札幌に比べて財力が裕福だというふうに比較することのできない,こういう20分の1の都市であっても,このように積極的に介護員を配置して,きめ細かく
障害児教育に当たっているのに比べて,札幌市は,今のところゼロなわけですね。介護員は必要ないというお考えなのでしょうか,その辺明らかにしていただきたいと思います。
◎本間
学校教育部長 まず,1点目の,子供が一人でもいれば
特殊学級を設置すべきではないかと,こういうお尋ねでございますけれども,
特殊学級の設置につきましては,
学校施設の状況,それから,対象となる子供の推移,障害の種類や程度,それから,
教育効果,
通学距離等,また,地域的な
配置バランスなど,さまざまな状況を総合的に判断をいたしまして,また,
学級認可及び
教職員配置につきましては道教委の所管でもございますので,札幌市
教育委員会といたしましては,今後とも
北海道教育委員会と協議の上,整備を図ってまいりたいと,このように考えております。
それから,教員の
複数配置でございますけれども,これの必要性ということでございますが,
先ほどお話をさせていただきましたように,教員の配置につきましては,これはあくまでも
北海道教育委員会の
配置基準で措置されるものでございます。したがいまして,私どもとしましては,
特殊学級の子供の指導につきまして,担任が1人ですべてをするということはもちろんでございますけれども,あわせまして,学校でその子供を育てていくという基本姿勢が最も大切だというふうに認識をしてございまして,道の配置にない
教員配置で複数を措置していくということについては,困難でございますので,ご理解をいただきたいというふうに思います。
それから,介護員の必要性についてでございますが,先ほど委員の方から,千歳市を例として取り上げられましたけれども,道内でも,各市町村それぞれの実情に応じていろいろな措置を講じていることというふうに私どもも認識をしております。
札幌市におきましては,そういう意味では,介護員の配置というのは,市立であれば
豊成養護学校のみに配置をしてございます。これは,歴史的な経過がございまして,
豊成養護学校の場合には,昭和47年に,たしか,当時,厚生局と言ったと思いますが,そちらの所管で,福祉施設といいますか,療育施設として,
美香保整肢園内に
美香保小学校の
特殊学級として設置をしたというのが発端でございます。したがいまして,福祉の施設であったということから,
理学療法士,
作業療法士といったような訓練士,あるいは介護員というものの配置が必要であり,それを
教育委員会が,札幌市としてそのような対応が必要という判断で今日まで来ている,そういう歴史的な背景があるものでございます。
したがいまして,それと同じように
特殊学級にも介護員を配置するということについては,先ほどもお話しいたしましたように,本市独自で行うということについては困難であると,このように考えてございます。
◆飯坂 委員 最初のご答弁でも,そしてまた,ただいまの部長答弁でも,全市的に見て配置の
バランスをとるのだと,そういうようにおっしゃっていますね。新
年度予算は,先ほど私が触れましたように,小学校では清田区に2校がふえて,延べ3校になりますね。それから,北区は1校ふえて7校になります。これは,
養護学級の方です。しかし,中央区や西区は,まだ2校のままなのですよね。清田や北区ふえるのが悪いと言っているのではないのです,私。これは大いに結構,まだ小学校の数に達していませんからね。大いにふやしていくのはいいのですが,中央区や西区はまだ2校のままなのですよね。それから,中学校で見た場合でも,南区で1校ふえますから,延べで3校になります。しかし,やはり中央区や西区では,中学校は1校のままなのです,
特殊学級。ですから,行政区ごとに見ても,必ずしも,新
年度予算を見ましても
バランスがとれておりませんし,各区に1校しか
養護学級がないと,これでは,
遠距離通学を解消するのが新年度の新しい考え方なのですと,部長,最初答弁しましたけれども,とてもそんなふうになっていないのですよ。
ですから,先ほど言ったのは,障害児がいないのに,障害の生徒がいないのに教室つくる必要はもちろんありません。しかし,来年度,新入児・新入生が入ってくる,こういうことは予測つくわけですから,それに合わせて,適切にやはり教室を保障するといいますか,通えるように設備を整えていくと。私は,これは行政の責任だというふうに思うのですよね。この
遠距離通学について,とてもそういう実態にはなっていませんので,再度,これはお聞きしたいと思います。
それから,介護員の配置についてです。
先ほど言いましたように,20分の1の人口の,財力も本市に比べたらかなり小さい千歳市でできて,なぜ札幌市でできないのか。先ほどから,困難である,困難であるという答弁しかいただけないのですが,やはりこれだけ多様化している
子供たちの実態に合わせて,きめ細かな教育を保障していくと,そういう意味から,道の動きを待つだけではなくて,道にも大いに要請してほしいと私も思いますよ,しかし,それを待つまでもなく市町村でやっているわけですから,札幌市もぜひこれは研究して,実践の方向へ歩み出していただきたい,こういうふうに思うのです。
市長は,一昨日の荒川議員の質問に対して,市民に夢を与えるために,国際ゾーン,創成1・1・1区ですね,これや,東札幌コンベンションセンター,これは計画どおり進める,こうご答弁されたのですよ。これは,だれのための夢なのですか。どの子もひとしく教育を受ける権利を有しているというふうに思います。そして,行政はそれを保障する義務がある,これが憲法や教育基本法の精神ですよね。そこから言いますと,もっともっと,障害を持っても本当に一生懸命学校に通っている,この
子供たちにこそ必要な予算をつける,これが私は地方自治体の仕事だというふうに思いますので,今後の充実方向についても,教育長に最後,お尋ねしたいと思います。
以上です。
◎山 教育長 まず,前段の
特殊学級の整備についてでございますが,
学校教育部長からお答えしたとおりでございます。
特殊学級の設置につきましては,
北海道教育委員会の認可事項でございます。私どもとしては,学級整備に当たりましては,やはり障害の実態なり,あるいは通学距離の問題,
学校施設といった施設内の空きスペースの問題,さらには,地域の広がりや,その中での
バランス,こうしたものを総合的に判断をして,なおかつ,認可をしております
北海道教育委員会と相談をしながら,その整備をこれからも図ってまいりたいと存じます。
また,2点目の教職員の配置であります。
千歳市のお話をいただきましたが,それぞれの市の事情において政策を行っているものと考えておりますし,私どもとしては,北海道が示しております必要な
配置基準に基づき行っておりますので,市単費において整備するといったことは難しいものと考えております。
以上でございます。
◆飯坂 委員 ぜひ,今後の検討課題として積極的に受けとめていただきたいということを最後に申し添えて,終わります。
◆中嶋 委員 私は,学校給食と学校におけるセクシュアルハラスメント対策の2点についてお伺いいたします。
まず,学校給食についてなのですけれども,ことしから,調理部門の民間委託化が実施されることになりました。私どもは,これに非常に,給食の質が落ちるのではないかということで危惧しているわけですけれども,まず,どこで実施されるのか,この学校名についてお知らせいただきたいと思います。
また,学校名が正式な場で発表されておりませんので,保護者の方々は非常に不安を感じていると思うのですけれども,この実施される学校においては,保護者に対するどのようなお知らせがなされるのか,お伺いしたいと思います。
それと,セクシュアルハラスメントについてお伺いいたします。
男女雇用均等法が改正されまして,職場におけるセクシュアルハラスメントの防止のための事業主の雇用管理上の配慮義務が規定され,昨年3月には,これの指針が出されております。この4月1日から施行,適用されることとなっております。また,昨年11月には,国におきましてセクハラ防止に関する人事院規則も既に制定されているところです。
これらを受けまして,本市としてどのような取り組みがなされるのか,総務局においても私は質問いたしました。総務局の方としては,既に庁内広報で職員の方に対してお知らせを1度したほか,これから,4月1日に相談員を設置するための準備なども進めていき,また,
教育委員会などの他の任命権者とも協力しながら進めていきたいというご答弁をいただいたところでございます。
それで,
教育委員会としては,どのような防止対策を考えておられるのか,お伺いしたいと思います。
それと,文部省の方では,既に昨年,大学,それから短大,
専門学校などでの調査を行ったほか,都道府県と政令指定都市の
教育委員会と私立学校を担当する知事部局に対して,教員対象の研修会を開いているか,また,被害を受けた児童・生徒が相談する窓口があるかなどについて調査を行っておりますけれども,この場合,本市としてはどのようなお答えをなされたのか,お伺いしたいと思います。
◎霜觸 調整担当部長 学校給食の改善事業の実施予定校でございますけれども,来年度は,民間委託を含めまして,直営校も改善事業を行う予定でございますので,合計10校を計画しております。校名でございますけれども,中央区の伏見小学校,北区の幌北小学校,北九条小学校,新琴似西小学校,東区の苗穂小学校,豊平区の平岸小学校,南区の真駒内小学校,清田区の平岡緑中学校,西区の西小学校,手稲区の手稲西小学校,以上,小学校9校と中学校1校でございます。
そのうち,調理部門の民間委託の予定校としておりますのは,伏見小学校と幌北小学校と苗穂小学校と西小学校の四つの調理校でございます。
また,対象校の
学校関係者やPTAの皆さんに対してのご説明ということでございますけれども,このたびの予算を計上させていただいた後,改善を予定しております各学校長に説明をいたしまして,その後,各学校ごとに,時間的な差異はあると思いますが,それぞれ学校長から教職員の方々,あるいはPTAの役員の方々などに対してご説明をさせていただいておりますし,さらに,今回の予算の議決をいただいた後には,学校から保護者の方々にもお知らせをしていくことになっています。
以上でございます。
◎本間
学校教育部長 学校におけるセクシュアルハラスメント防止対策について,お答えを申し上げます。
ただいま,委員からお話がございましたように,学校も一つの職場といたしまして,セクシュアルハラスメント防止対策を講ずることが当然求められておりますし,また,大切なことであると受けとめております。
教育委員会といたしましては,特に学校は教育の場であるとともに,さまざまな職種の職員が配置され,女性も多く,さらには施設的にも独立しているなどの,他の職場とは異なった環境もございますことから,基本的には,市長部局等と連携した防止対策を講ずるとともに,より一層,こうした職場環境に配慮した対策が必要になると考えております。
具体的な内容につきましては,今後,総務局等とも協議をいたしまして,また,
北海道教育委員会の考え方等も参考にしながら,4月の実施に向けて,鋭意検討してまいりたいと,このように考えております。
また,2点目の調査の件でございますが,この調査につきましては,私どもの方には参っておりません。
◆中嶋 委員 10校で実施するということでしたけれども,改善事業ということでしたので,民間委託になるのはどことどこなのか,もう一度お示しいただきたいと思います。
それと,セクシュアルハラスメントの方ですが,これから総務局とも連携して対応していきたいということで,ぜひ,充実した取り組みをお願いしたいというふうに思います。
それで,この対策の場合,起きることを未然に防ぐというか,ないことが一番いいわけで,そのためには,意識改革といいますか,先生方の意識の改革というのが何よりも求められているというふうに思います。これは,今までは,女性が黙っていたりとか,余りセクハラだという意識もなく行われてきたこともこの中に盛り込まれておりますので,そのような意識改革のための取り組みというものをどういうふうに考えているのか,お伺いしたいと思います。
それと,特に教職員の方々の場合も問題なのですけれども,管理監督者といいますか,校長先生ですとか,指導的立場にある方がどういう対応をするか,その中身について十分理解していただくことがより重要だと思いますが,これについてもお伺いしたいと思います。
◎霜觸 調整担当部長 ただいまの,調理業務の民間委託を予定しておりますのは,伏見小学校,幌北小学校,苗穂小学校,西小学校の4校でございます。いずれも,調理校4校でございます。
◎本間
学校教育部長 教職員に対するセクシュアルハラスメントに関する意識改革と申しましょうか,意識啓発ということかと思いますが,これについてお答えをいたします。
これまでも,各種の会議,あるいは研修会等で,男女平等に関する教育の推進であるとか,人権を尊重する教育環境づくりなどの観点からセクシュアルハラスメントにも触れまして,意識啓発を図ってきたところでございますけれども,今後は,法律等の規定に従いまして,
教育委員会としてもセクシュアルハラスメント防止に係る要綱などを策定いたしまして,各学校に通知いたしますとともに,その内容について,教職員を対象とした研修会等でも周知徹底を図ってまいりたいと考えているところでございます。
それから,特に管理監督者,学校で言うと,特に校長,教頭ということかと思いますが,セクシュアルハラスメントを未然に防止し,排除するためにも,また,不幸にもそうした事態が発生した場合における,事後の迅速かつ効果的な対応のためにも,管理監督者等の果たすべき役割というのは大きいものがあるというふうに考えております。
したがいまして,先ほどもお答えをいたしましたが,セクシュアルハラスメント防止に係る要綱の作成に当たりましては,職員の責務とあわせまして,管理監督者としての責務を明確にいたしますとともに,校長,教頭等を対象とした会議や研修会などで,その内容の周知徹底を図っていく所存でございます。
◆中嶋 委員 給食についてです。10校で行われるということでしたけれども,来年度は10校ですが,その後はどれぐらいこのような方式がとられるのか。札幌市全体の給食はどういう方向に行くのか。また,民間委託になる学校だけでなく,多くの保護者の人が,今,札幌の給食がどういうふうになるのだろうということで,不安を感じている方が多いと思うのですけれども,保護者に対するお知らせというのはどういうふうに考えているのか,お伺いしたいと思います。
それと,セクシュアルハラスメントの方ですが,教職員の研修はもちろんのこと,校長先生なりの取り組みというものも,十分,要綱を策定して取り組んでいきたいということで,ぜひそのようにお願いしたいと思いますが,残念ながら,まだ,現在のところ,学校の中でセクハラがあるということは事実のようでして,そのようなことがあるというふうに聞いておりますので,ぜひ十分な取り組みをお願いしたいというふうに思います。
それと,教職員だけでなく,子供に対する対応というものも非常に重要だなというふうに思います。この男女雇用均等法の中では,子供に対するものは入っておりませんけれども,しかし,このスクールセクハラの問題も非常に大きな問題となっておりますので,ぜひ,今後,対策を講じていただきたいと思います。それは要望にしておきますけれども。
それと,この「性に関する指導の手引」というのを
教育委員会の方からいただきまして,私も読ませていただきました。その中で何点か気になることがありましたので,お伺いしたいと思います。
例えば,89ページには「どんな人が性被害を受けやすいかを考える。」ということで,「加害者になりやすいタイプはどんな人が多いか考える。」「派手好きな人,好奇心の強い人,自分をコントロールできない人などが被害にあいやすいことなどを気づかせる。」とか,こういうような記述がありまして,これを読んでおりますと,非常に何か,被害を受ける女性ですとかが,「被害を受けやすいかを考える。」というところに「派手好きな人」とかいろいろなことが載っておりまして,何かこれは,今まで,被害に遭う女性が悪いというようなことがよく言われてきたのですが,そういうような考えにも受け取れるのです。やっぱりこういうところは,もう少し考えた指導をしていただきたいなというふうに思うのですけれども,これについてお伺いしたいと思います。
◎霜觸 調整担当部長 私どもといたしましては,提言に基づいてつくりました,楽しさとゆとりのある給食推進事業といたしまして,できるだけ,直営・民間によらず,給食の改善は進めてまいりたいと考えております。
今回の予算で,平成12年度分として予算を計上させていただいておりますけれども,平成12年度は26校,今のところ対象としております。この後,暫時,事業を進めてまいりますけれども,私どもといたしましては,これらの事業計画を今回予算計上させていただきまして,これがまとまり次第,また,改善事業を掲載したパンフレット等を全保護者にお配りしてまいりたいと考えておりますし,その後も,いろいろな機会をとらえて,またお知らせをしていきたいと考えております。
◎本間
学校教育部長 「性に関する指導の手引」にかかわってのご質問でございますが,そのことも含めまして,先ほどお答えをさせていただきましたような基本姿勢で,私ども
教育委員会としては,そういうことについても精査をしながら適切に対応してまいりたいと考えております。
◆中嶋 委員 最後に要望いたしますけれども,私は,8年前に議員になりましたとき,一番初めに
教育委員会に質問をいたしましたのが,男女混合名簿のことでございました。そのときは,非常に
教育委員会の対応が,何かちょっと,意見の食い違いが大きくて,ちょっと理解していただけなかったようなのですけれども,今,こういうような流れになりまして,また,多くの女性がこの問題に注目するようになりまして,
教育委員会でも取り組むところがふえてきております。
こういう男女混合名簿の問題なども,ジェンダーという視点から見ますと,やはり改善すべき内容だと思っております。私は,生物学的な性といいますか,セックスはもちろん当然差はあるわけですけれども,社会的につくられた性差,ジェンダーについては,やはりこれから,社会もそうですけれども,教育の場でもまだまだ点検していかなければいけない部分が多いというふうに思っております。
この間の決算委員会の質問では,調査もしないというお答えで,非常にがっかりいたしましたけれども,これも,こういう国の男女平等基本法などができる,また,本市でも男女平等基本条例をつくるというような流れの中で,この混合名簿の取り組みというのは一日も早くやっていただきたいことだと思っておりますので,十分検討していただきまして,前向きな行動というのをお願いしたいと思います。これを要望にいたしまして,終わります。
◆福士 委員 私の方から,2点ご質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず,1点目は,司書教諭の配置の問題であります。
学校図書館に司書教諭を配置し,そして,図書館機能をさらに充実をさせていく,そういうことは,
子供たちの教育として,今後進めていく大切なことだというふうに思っているところであります。
今回改定となる指導要領でも,
子供たちの生きる力の育成,あるいは,みずから学び,みずから考える力の育成が,新たなねらいになっているところであります。教室で教員の方に教わり,学び取る,このことはもちろん当然でありますけれども,学校図書館での役割がますます今後大きくなってくる,こういうふうに思っているわけであります。
学校図書館は,児童・生徒の,自発的あるいは主体的な
学習活動を支援する,そして,学習情報センターとして重要な役割を担っていると,今後さらにそれらの役割が重くなってくる,こう思っているわけでありますが,いずれにしても,そのとき,司書教諭の果たすべき役割,極めて大きくなってくるわけであり,代表質問,あるいは委員会等々で何度となく質問をしてきたわけであります。
こうした願いの中で,当分の間という,そのことが40年もの長い間あったわけでありますけれども,ようやく,学校図書館法が一部,一昨年でありますが,改正をされた。そして,平成15年度までに司書教諭を置くと,こういう形になってきたわけであります。そういう意味では,一歩も二歩も前進したということで,高く評価をさせていただいているわけでありますけれども,新たな課題として,当然,短期間に有資格者の確保をする,こういう形になってくるわけでありますが,本市における司書教諭の有資格者がどのくらいいるのか,さらには,今後,養成がどのくらい必要になるのかを,まず1点目,お伺いをさせていただきたい。
2点目としては,これまで
教育委員会では,教育大学などでの資格の取得講習に職員を派遣する,こういう方法でやってきたわけでありますけれども,今後,このような方策だけで本当に,十分に対応できるだけの有資格者の確保ができるのかどうか,極めて心配なわけでありますから,次年度以降,どのような養成計画を持っているのか,お伺いをさせていただきたいというふうに思います。
それから,もう1点は,心の教室相談員についてであります。
昨年の10月から中学校に配置をされた心の教室相談員についてでありますが,教職員以外の人が学校に入ることに対する強い抵抗感が当然あるように思いますし,導入に当たっては,極めて大きな,難しい要素もたくさんあったというふうに思います。しかしながら,
子供たちにとっては,何でも気軽に相談できる,身近にいるという意味合いでは,画期的な事業であると,そう評価できるわけであります。
しかしながら,一方,現場では,相談員は孤立化していないか,あるいは,生徒だとか先生とのトラブルがないか等という心配もあるわけでありますし,先生や生徒の関係では,例がないわけでありますから,そういう意味では,当然,今言ったような問題が起きてくる。
さらには,昨年の10月に,札幌はこういう形でスタートをしてきているわけでありますが,2年ぐらい前から,例えば埼玉なんかで,さわやか相談員という制度が実施をされている。そこでは,今言ったプラスの問題とマイナスの問題,そんな関係の中で,特に
子供たちが,せっかく相談をしたその内容が,当然守秘義務があるにもかかわらず,担任の先生だとか,教頭先生などに筒抜けになっている,そんなことで,大人への不信感をさらに強めたと,こんな形の訴えがあるのも事実であります。さらには,生徒の母親なんかが,相談員は子供の見方であってほしい,そういうふうに当然思うわけでありますけれども,いろんなケースがあるやにせよ,学校側の立場に立つ,そういう人では本当は必要ないのではないか,こんな形にもなっている,そういうケースがあったわけであります。
しかしながら,この心の教室相談員は,学校と地域が一体となって,子供の心を支える,あるいは,子供を守り育てていく,こういう意味では極めて大切な事業であるわけでありますから,ぜひ,これらの関係等々含めて充実・発展をさせる,当然そうしていかなければならないというふうに思いますけれども,今現在,各学校で,相談員はどのような活動をされているのか。そして,
教育委員会は,相談員に対して具体的にどのような支援をしているのか,お伺いをさせていただきたいと思います。
◎本間
学校教育部長 まず,私から,司書教諭に関してお答えを申し上げます。
司書教諭の資格を持っている教員の人数についてでございますけれども,現在,75名の教員が司書教諭の資格を持っております。今後,さらに15名が資格を取得する予定でございますので,今年度末には90名が確保される予定でございます。
また,お尋ねのございました,次年度以降の養成必要数でありますが,当面,平成14年度までの4年間で,およそ180名が必要と考えておりまして,1年間に45名から50名程度の有資格者を養成していく必要があると考えております。
次に,今後の養成計画でございますが,これまでは,教員に対して司書教諭講習の受講を促すさまざまな方策を実施してまいったわけでありますが,このままでは,委員お話にございましたように,今後必要とする有資格者を確保することが容易ではないように考えられますので,私どもといたしましては,次年度からは,これまで行っている教育大学での資格取得講習と,それから,通信教育による資格取得講習について,各学校に,より一層周知徹底を図る一方,新たに,放送大学の司書教諭講習に受講者を送りまして,資格取得者の確保に努めてまいりたいと,このように考えております。
◎岩崎 指導室長 私の方から,心の教室相談員についてお答えをいたします。
まず,相談員の各学校におけます活動についてでございますが,相談員が特定の場所で
子供たちの来談を待つだけでなく,休み時間など自由に校内を歩き,生徒と接し,相談しやすい関係をつくったりなど,あるいは,保健室登校の生徒の話し相手になるなど,各学校の実情に応じまして,多様な活動を行ってございます。
このような活動を通しまして,不登校傾向の子供が心を開き,学級に入ることができるようになった,あるいは,親にも担任にも相談できなかった性の悩みを打ち明けたことで,問題を未然に防ぐことができた,こういうような,予想を超える成果が上がってきているという,そういう報告をいただいてございます。
次に,相談員に対しての支援でございますが,昨年12月,生徒理解を深めるための産婦人科医師による講演会を行いました。また,その折に,相談員の方々の事例発表や活動の様子や悩みなどについて話し合い,交流する機会を設けたところでございます。
また,先ほど委員からご指摘がございましたような問題も含めて,相談員の方から直接私ども
教育委員会の方にご相談もございますので,それらに対しましては個別,具体的に対応するなど,積極的な支援を行っているところでございます。
以上でございます。
◆福士 委員 司書教諭の関係は,15年度の発令前までに解決をしていかなければならない,そういう有資格者の確保の問題。確かに,180名ぐらいという,数字的には札幌市も難しい数字でありますし,全国的にも3万2,000人ぐらい,全体で確保していかなければならない。そういう意味では,いろんな形で創意工夫しているわけでありますけれども,従来の関係のことと同時に,放送大学という新たな方策をするわけでありますが,この放送大学による養成をどのように進めていくのか,具体的にお聞かせをいただきたいというのが1点。
もう一つ,心の教室相談員の関係でありますけれども,今,ご答弁をいただきましたように,各学校や相談員の方々がいろんな工夫をしながら取り組み,成果を上げてきている,こういうことでは,極めて一安心するわけでありますが,この事業の意義を考えた場合,今後ますます充実を図っていくことが重要なわけでありますから,次年度の計画について,どのように具体的に進めていくのか,お伺いをさせていただきたいと思います。
◎本間
学校教育部長 放送大学による養成についてでございますが,放送大学は,司書教諭の資格取得に必要な教科の講義を,テレビ,これはCSデジタル放送,いわゆるパーフェクTVでございますが,これらで放送をいたしまして,受講者は必要な単位時間数を視聴しまして,レポートを提出することにより,認定されますと,資格を取得できるシステムでございます。この実施されます時期は,学校が夏休みになります期間中に,札幌におきましては北海道大学内で行われる予定となっておりまして,これは短期間で,しかも効率よく資格を取得することができる,そういうシステムでございます。
このようなことから,受講料につきまして,その一部を
教育委員会で負担をし,教員の受講を促し,司書教諭の養成に努めていきたいと,こう考えているところでございます。
◎岩崎 指導室長 心の教室相談員の次年度の計画についてでございますが,対象となります中学校は,本年度と同様,3学級以下の小規模校とスクールカウンセラーを配置しております学校を除く87校を予定してございます。
また,この事業をより充実させるために,相談員が職務を遂行する上で必要な力量を向上させるための研修会や,スクールカウンセラーなどを講師に迎え,相互の活動状況や悩み等について話し合う区単位の地区別の交流会,さらに,円滑に事業を実施・運営するための,校長と相談員を交えた連絡協議会など,こういうものを開催いたしまして,学校や相談員へのより一層の支援を計画してございます。
以上でございます。
◆福士 委員 司書教諭の関係でありますが,放送大学については,参加しやすい,そういう環境づくりが進んでいるわけでありますし,放送大学を活用することが有効な方策になることは間違いないというふうに思います。この関係を,ぜひ推し進めていただきたい。
それと,一つは,例えば,放送大学という新しい方策が出たからいいわけでありますが,従来,講習受講をする,それは教員の皆さんの自由にある程度は任せていたわけでありますから,そういう意味では自由希望で研修・講習を受ける,こういうことになっていた。他の県や市では,講習受講に伴う出張費を予算化をする,こんな動きも当然出てきておりますし,できるだけやっぱり参加しやすい体制をつくって数を確保していく。15年度ということで限られているわけですから,ぜひ前向きに進めていただきたいというふうに思っております。
そこで,一つは,学校図書館の関係,充実という観点からいろいろ考えていきますと,今,司書教諭の配置の問題,これはソフト面で整備が進められてきているわけでありますけれども,しかしながら,もう一方のハード面の整備も当然求められてくるというふうに思っております。情報化社会と言われる今日,コンピューターを導入する,例えば,中央図書館と連携をとる,そういう形で蔵書を検索できる,こういう形ができないのかということもありましょうし,
子供たちに蔵書の情報提供,あるいは,教科の学習にCD等の情報ソフトを活用していく,こんな観点が,当然,機能の充実という形で求められてくるわけでありますから,今後,本市において,学校図書館における情報化をどのように考えておられるのか,お伺いをさせていただきたいというふうに思います。
それと,もう一つの心の教室相談の関係でありますが,
子供たちが置かれている状況等々を見ますと,学校だけに教育を任せておける,そういう状況ではないわけでありますから,地域の皆さんと力を合わせて子供の健全育成を図っていく,図っていかなければならない,こう思っているわけであります。心の教室相談員の事業が,かねてから私も主張してまいりましたけれども,開かれた学校づくり,そういう核になる,そういうことで,ぜひ前向きに推し進めていただきたい,これは要望にさせていただきます。
◎本間
学校教育部長 学校図書館の情報化についてでございますが,委員のお話にございましたように,私どもも,ソフト面とあわせて整備をしていかなければならないものと,このように考えてございます。
したがいまして,今年度,文部省の学校図書館情報化・活性化推進モデル地域の指定を札幌市が受けまして,小学校2校,中学校2校の研究実践協力校を中心といたします3カ年の研究に着手したところでございます。
この内容を少しくご説明させていただきますと,4校の図書館には,それぞれ2台のコンピューターを設置いたしまして,従来の本に加えまして,百科事典や図鑑など,各種のデータを収録したCD−ROM等を整備することとしております。さらに,インターネットにも接続をいたしまして,学習情報センターの機能を充実させまして,各教科の資料などを調べるといったような,学校図書館の活用を図っていく計画でございます。
また,コンピューターによる中央図書館の蔵書検索などについても,試行,試みに行うこととしておりまして,こうしたモデル事業を通しまして,今後のあり方について研究をしてまいりたいと考えております。
◆福士 委員 司書教諭の問題,あるいは学校図書館の活性化,こういう観点からいきますと,今ご答弁をいただいた中でも当然出てきているわけでありますが,図書館等々と連携をとる,そのことによって授業の改善が進んでいる,そういう大阪の羽曳野市の例だとか,岐阜県の大垣市の例だとか,いろんな形が具体的に出てきているわけであります。司書教諭の有資格者の養成,もちろんこれも大切でありますが,図書館の活用方法ということで,今からそういう意味でのメニューだとかソフトを研究をする,そのことによって,児童だとか生徒の活字離れ,あるいは読書離れ等々が指摘をされておりますけれども,みずから学び,みずから考える力を育成をする,そういう観点で,ぜひ,今後とも学校図書館をより一層充実をさせていただくことを要望して,終わりたいと思います。
◆原口 委員 私からは,高専の就職・進学等の進路状況と,もう1点は,先進的教育用ネットワークモデル地域事業,いわゆる学校インターネット高度化計画という,この2点について質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず最初に,高専の就職と進学等の進路状況についてであります。
ご案内のとおり,札幌高専というのは,本市唯一の高等教育機関でもありますし,全国唯一のデザイン系の高等
専門学校として,多くの市民や地域の企業が,その卒業生といいますか,そういう方々が,何とか我が社に来ていただけないかというようなことで,大変期待を持っている学校でありまして,平成3年4月に開校してから,本年4月で9年目を迎えると,こういうふうな状況にあるわけでございます。
それで,札幌高専では,平成8年3月に5年課程の本科第1期卒業生を送り出しましたし,同年4月には,4年制の大学に相当する専攻科を開設しまして,昨年の3月に,その専攻科の第1期生を世に送り出したところであるわけでございます。
そこで,2点ほど質問をさせていただきますけれども,高専では,これまでに,本科では3期生,それから専攻科では1期生を送り出して,合わせて200名ほどの方が,さまざまな分野で現在活躍をされているというふうに聞いております。質問の1点目は,進路状況に関してでありまして,進路の内訳,それから進路先がどのような状況になっているのか,それをお知らせ願いたいと思います。
それから,2点目は,進路の中で,過去3年間の就職率というのはどういうふうになっているのか。まず,この辺からお伺いをいたしたいと思います。
◎須田 理事 1点目の進路の内訳及び進路先の状況についてでございますけれども,進路の内容につきましては,就職,進学,そして,作家志望といった就職・進学以外の,この三つに分けられているところでございます。
まず,本科について申し上げますと,第3期生までの卒業生が,今お話ありました,合計200名を数えておりますが,その内訳は,就職が90名,本校専攻科への進学または他大学3年への編入学が70名,作家志望など就職・進学以外が40名となっております。
また,専攻科についてでございますけれども,第1期生につきましては,19名が修了しております。その内訳は,就職が11名,大学院進学が2名,就職・進学以外が6名となっております。
次に,進路先でございます。
まず,就職につきましては,建築設計事務所,設計コンサルタントなど,サービス業が5割を占めております。そのほかに,製造業,印刷・出版業,公務員,建設業,小売業などとなっております。なお,就職地につきましては,約68%が本市内に勤務している状況でございます。
また,進学・編入学につきましては,本校の専攻科への進学が約8割以上を占めておりまして,そのほか,東京工業大学,東京芸術大学,神戸芸術工科大学,九州芸術工科大学,武蔵野美術大学などへ進んでいる状況でございます。
最後に,就職・進学以外の卒業生・修了生の進路でございます。
これにつきましては,その大半は,工芸家といった作家志望,それから,語学や自己研さんのための海外留学,さらには,昨年度制度化されました本校の海外派遣特別研究員といったように,多岐にわたっているところでございます。
なお,卒業生の中には,昨年開かれましたファッションクリエーター新人賞国際コンクールで入賞を果たし,パリの国際大会に出場した本科1期生もございますし,それから,日本ジュウリーアートコンペに入賞いたしまして,現在,特別研究員として海外へ派遣されている専攻科生も含まれております。
このように,国際的,あるいは全日本レベルのコンペなどに出品して,その評価を得ている卒業生も出てきている状況でございます。
次に,2点目の就職率についてでございます。
まず,本科につきましては,平成8年3月に就職しました1期生が93.1%,以下,2期生が94.6%,3期生が87.5%。また,専攻科につきましては,1期生でございますけれども,91.7%となっております。
以上でございます。
◆原口 委員 今のご答弁を聞きまして,本校の卒業生が,または修了生が,就職のみならず,進学,あるいは作家志望,それからまた,中にはコンペに入賞して世界的に活躍しているというふうな,そういう多様な,また多岐にわたる人材が育っていると。大変うれしい限りでございますし,高専という人材育成の成果のあらわれであろうというふうに思っております。
それから,就職率についてでありますけれども,第1期生が93.1,2期生が94.何がしと,3期生が90%をちょっと切るくらいと。おおむね妥当な数字ではないかなと,こういうふうに思います。特に平成7年は,世に言われておりますように,就職につきましては超氷河期と,こう言われておったわけでございますけれども,その傾向は,平成7年度以降もずっと現在まで変わらないだろうというふうに考えるわけです。
そこで,問題は,本年の3月に卒業する卒業生・修了生の就職状況は一体どうなっているのかなと,第4期生と,こういうことになるわけでございますけれども,その4期生の,本科で結構でございますので,進路の内訳であるとか就職の内定率,この辺について,今春の卒業生・修了生の数字を,現時点での数字で結構でございますので,教えていただきたいと,このように思います。
◎須田 理事 今春卒業予定の本科4期生の現時点での進路状況等でございますけれども,まず,進路内訳についてでございます。
卒業予定者,実は79名でございまして,そのうち,就職希望者が34名でございます。それから,本校の専攻科への進学,または,ほかの大学3年への編入学希望が30名,そして,先ほどもお話ししております,作家志望など就職・進学など以外,その他の部分ですけれども,15名となっているわけでございます。
次に,内定率でございますけれども,ただいま申し上げましたとおり,今春の卒業予定の4期生のうち,就職希望が34名でございますが,現在,実は20名が内定しているところでございます。したがいまして,就職の内定率58.8%。全体を見ますと,進路状況は従前同様の傾向を示しているわけでございますけれども,実は,この内定率につきましては,かつてない数字でありまして,私どもも深刻に受けとめているところでございます。
以上でございます。
◆原口 委員 先ほど,就職の超氷河期と,こういうふうに言いましたけれども,34名中,現時点で20名と,こういうようなことですから,50何%かになるのだろうと思うのですが,大変落ち込んでいるというふうに思われるわけです。
そこで,その落ち込みの原因は何なのかなと,それをまず1点,どのように考えていらっしゃるか,お尋ねをいたします。
2点目は,就職について,大学だとか高校だとか,いろんな学校では,就職担当の先生方が大変就職先を回って歩いて,求人を求めて歩いておるわけでございますけれども,その就職について,高専としてはどのような取り組みを1年間されてきているのか。
そして,3点目は,今後どのような姿勢で,この就職について対処しようとされているのか,この辺についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。
◎須田 理事 まず,1点目の就職内定率の落ち込みの要因についてでございますけれども,昨年同期,すなわち2月でございますが,その時期で約84%ございまして,それに比べまして,26ポイント近く落ち込んでおります。この要因については,幾つか考えられるのでございますが,まず一つは,一般的に,学生の就職観といいますか,フリーターという言葉に象徴されますように,自分の進むべき道がはっきりしないうちは就職しないという,現代学生の就職に対する意識が背景にあると思うのでございます。しかし,何と申しましても,この就職観を強くしていったのが,今いろいろとお話ししております,道内経済の依然としての低迷・停滞,これに伴う雇用者数の低下という点に尽きるのではないかと考えております。
二つ目に考えておりますのは,他の高専との比較で申しますと,40年近い歴史を背景に,本州の大企業などを中心に就職活動を展開しております道内のほかの工業系の高専と比較しましても,本校は,今,委員のご指摘がありました,いろんな部分で歴史の浅さ等もありまして,9割を超える学生が自宅から通学しているために,本市または道内という地元就職志向の学生が多いということであります。
三つ目は,デザイン系という性質上,どうしても景気に大きく左右される,小または中規模企業にその職を求めるという傾向が強くなっておりまして,現に,これまでにほぼ8割が市内を中心とした道内に就職しているところでございます。
このようなことを主な要因ととらえておりますけれども,こうした状況の中で,今期の卒業生につきましては,求人希望数の激減,特に市内につきましては,前年に比べましてほぼ半減の17件,道内に至っては9割減といったように,道内経済の冷え込みをまともに受けてしまったという次第でございます。
次に,2点目のこれまでの就職の取り組みについてでございます。
本科卒業生及び専攻科修了生の就職につきましては,教職員から成ります進路対策委員会が中心となりまして,その対策にずっと当たってまいりました。具体的に申しますと,企業に対しましては,訪問など,採用への働きかけは申すまでもなく,企業実習に対する本校施設の開放,さらには,地域産業への人材供給という見地から,一昨年来,札幌商工会議所と連携した産学交流懇談会を本校で実施しておりますが,学校と企業の紹介の場というだけではなく,毎年,参加企業に内定者が出るなど,着実に実績を上げているところでございます。
また,学生に対しましては,求人票開示に伴う個別指導のほか,就職の動機づけを主眼といたしました就職ガイダンスの年3回の実施,就職関係のインターネットの開放,北海道中小企業同友会主催の合同企業説明会への参加を促すなど,就職指導を強化してきたところでございます。
最後の3点目の,今後の就職に対する姿勢及び対処についてでございます。
今年度の極めて厳しい状況を反省しまして,また,試練の機会と受けとめまして,今申し上げました,これまでの就職活動のより一層の充実を図ってまいりたいと考えております。特に,高専のPRはもとより,企業訪問,企業に対する本校施設の開放,及び商工会議所との連携など,一層気持ちを引き締め,教職員が一体となって積極的に就職活動をしていかなければならないと決意している次第でございます。
したがいまして,今後は,来年度の就職予定者に対する早期取り組みとあわせまして,今年度残すところ,あと1カ月余りとなりましたが,今期就職希望者に一人でも多くの内定者を出せるよう,でき得る限りの努力を続けてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆原口 委員 ただいまのご答弁を聞きまして,その要因についてはよくわかります。道内経済の不況がこのように続いて,就職したくとも就職できないと,こういう状況であるということは,デザイン系ばかりでなく,どの業界もそうだろうというふうに思いますけれども,しかし,就職というのは,その学校を評価する,社会的評価の一つの物差しでもあるわけでございますし,その学校をあらわす一つの顔でもあるというふうに私は思うわけです。
そして,一方,国では,高等
専門学校という制度ができて,現在37年を経過するところでありますけれども,今,高等
専門学校という中途半端な制度を見直そうと,こういう動きが出てきているわけでございます。今やっている高等
専門学校のカリキュラムを変えて,そしてまた専攻科を充実させて,より,今以上に特化した,専門特化した高専としていくのか。それとも,もっと,今,大学院生が大学卒業生の就職口を全部取ってしまっている,大学卒業生が高校卒業生の就職口をみんな取ってしまっているというような時代でございますから,思い切って,ここで,札幌市立高専を4年制の大学化に持っていくのか。今,市立高専は重大な岐路に立っているのだろうというふうに思うわけでございます。
桂市長が3期目に向けての政策発表の中で,市立高専の大学化の検討を始めようと,始めますと,こう公約をされていらっしゃるわけでございますから,ぜひ,関係部局と十分協議をしていただいて,次期5カ年の中での高専の位置づけをきちっとしていただきたいものだなと,これは要望にさせていただきたい,こういうふうに思っておるわけでございます。
そこで,もう1点,
先ほどお話ししました,先進的教育用ネットワークモデル地域事業,学校の,いわゆるインターネット高度化計画,これについて数点お尋ねをいたしたいというふうに思います。
いわゆる情報教育と,こう言われて久しいわけでございますけれども,
学校現場でのコンピューターやインターネットの活用,この問題につきましては,本市も相当前から積極的に取り組んでいるわけでございまして,整備率を調べさせていただきましたら,10年度末で,小学校では66.8%,中学校では48%,それが,11年度末では,小学校が72.5,中学校が65.7と,こういうふうな整備状況になるとお聞きをいたしております。
そこで,また,コンピューター導入後の次のステップとして,インターネット導入の問題があるというふうに私は思うわけでございます。既に,小・中・高の数校におきましては試行的に導入し,そして研究を重ねておるところでございますし,昨年,文教委員会で福井小中学校の授業を視察をさせていただきましたけれども,福井小中学校での,いわゆるコンピューター教育というものは,情報教育というのは,非常に進んでいるという感じを持ったところでございます。
そこで,2002年から実施予定の新しい小・中学校の指導要領が告示されたわけでございますけれども,昨年12月ですね,コンピューターやインターネットの活用について,その要領の中で具体的にどのような内容が示されているのか,まずお示しをいただきたいというふうに思います。
◎岩崎 指導室長 新
学習指導要領に示されておりますコンピューターやインターネットの活用について,具体的な内容でございますが,小学校におきましては,児童がコンピューターや情報通信ネットワークなどの情報手段になれ親しむことに配慮しながら,各教科等の指導計画を作成することが求められてございます。また,新設されます総合的な学習の時間の中で,情報の
学習活動についても例示されてございます。さらに,社会,算数,理科などの教科の中で,資料の収集や活用・整理,表やグラフを用いた表現,そして,観察,実験,栽培などの学習での有効な活用が示されてございます。
中学校におきましては,総合的な学習の時間も含め,各教科でのコンピューターの活用や,情報通信ネットワークの活用が示されてございます。中でも,技術・家庭科では,現行では選択領域として扱っておりました情報基礎領域が,すべての
子供たちが学ぶという必修領域というふうになってございます。また,情報通信ネットワークの伝達方法の特徴や,利用方法についても示されているところでございます。また,他の教科におきましても,例えば,社会科の地理資料の収集,あるいは,理科での観察・実験のデータ処理などの学習でも,それらの活用をより一層行うよう示されているところでございます。
以上でございます。
◆原口 委員 ただいまの答弁で,いろいろ活用については,多くの学習場面が想定されておるというふうに理解したところでありますが,インターネットに接続して活用することについての教育的効果と,もう一つは,反面,接続したことによって起こるいろいろな問題が言われておるわけでございますけれども,そういう課題について,本市としてはどのように考えていらっしゃるのか,お尋ねをいたしたいというふうに思います。
◎岩崎 指導室長 インターネットの活用に関します,
教育効果と課題についてお答えをいたします。
まず,
教育効果についてでございますが,豊富な情報を得たり,世界的な規模で双方向に情報の交流を行うことにより,多様な教育活動が展開できるものというふうに考えてございます。
その中で,児童・生徒には,情報の収集や発信ができる能力の育成,これらが図られると考えてございます。また,情報化社会の中でのモラルや責任について考えさせることにより,望ましい情報化社会を築いていく基礎的な態度が養成できるものと,このように考えてございます。
さらに,学校,家庭,地域社会が互いに情報の発信や受信を行うことにより連携を深めていき,真の意味での開かれた学校づくり,あるいは,地域の人材や教育力を生かす,地域に根差した教育,こういうことなど,今後の学校教育の質的な改善への一助となるということが期待されてございます。
次に,課題についてでございますが,個人情報の保護や有害情報等への対応,教員に対する研修,利用上のガイドラインの策定,通信費など,検討しなければならないさまざまな課題があるというふうに考えてございます。
以上でございます。
◆原口 委員 ところで,昨年,文部省と郵政省が,全国30地域の小・中・
高等学校1,050校を対象とする学校インターネット高度化計画という通達を非公式に出しました。そうしたところ,30地域を指定するところに150を超える地域から申請があった。これは郵政省と文部省が合わせて300億円の予算を計上して,全国30地域というふうに,1地域35校程度を対象として公募したわけでございます。
私も非常に関心を持っておりまして,国政レベルでも,いろいろ陳情をしたり,やってまいりましたけれども,幸いにも,北海道では,札幌,岩見沢,別海と,3市町がこの指定を受けることになったわけでございまして,300億ですから,30地域,1地域10億円という事業費になるわけでございます。これは,国の第3次緊急経済対策の一環として,第3次補正予算の中で認められた事業でございまして,地域の教育センター等を中心として,35校程度の学校を高速回線で接続する先進的教育用ネットワークモデル地域事業と,こう言われておるわけでございますけれども,この地域指定は,具体的にはどのような事業内容で,どのような研究を予定しているのか,お尋ねをいたしたいというふうに思います。
◎古田
総務部長 学校インターネット高度化計画の事業につきまして,私からお答えを申し上げます。
この事業は,お話のとおり,文部省と郵政省の共同事業でございまして,既に学校に整備をされております情報教育用機器を使いまして,光ファイバーや高速無線回線によりましてネットワーク化するものでございます。
本市の場合は,小・中・
高等学校の中から,今のところ,30校程度が指定される予定となってございます。
この事業の実施主体は,文部省と郵政省が共同で設置をしてございます,特殊法人であります通信・放送機構というところが実施するわけでございまして,実験研究期間は平成10年度から13年度までの4年間になってございます。10年度は,研究に必要な環境整備が中心になると思われますので,実質的な研究開始は11年度からと想定をしてございます。
具体的な研究内容でございますけれども,一つは,
学習活動・交流活動のあり方,また,教材等の情報交換・提供システムのあり方,また,ネットワークの形成・運用のあり方,学校と地域とのネットワークのあり方,こういったことを大きなテーマとしておるわけでございまして,実施主体であります通信・放送機構と,学校,それから,私ども
教育委員会が共同して取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◆原口 委員 今まで
教育委員会では,こんなふうに議会の場で答弁をされておりました,インターネットのことですね。「インターネットの必要性は認識しているが,個人データ,有害情報などの取り扱いの問題もあるので,研究する必要がある」と,こういうふうに今まで,
教育委員会ではこの議会の場で答弁されておりました。そして,導入には慎重な姿勢を示されてきておったわけでございます。
最近,インターネットや伝言サービスというような,新しい通信手段を利用した犯罪が発生をしているというふうに,いろいろマスコミ等々でお聞きをするわけでございますけれども,これからの学校教育には,こうした情報化を悪用した犯罪にもたえられるような,そういう教育も必要になるのではないかなというふうに考えるわけであります。情報機器を整備することも情報化でありますし,また,情報の活用も情報化の一つであろうと,こういうふうに思うものでございますから,インターネットがいいか悪いかということは別にしましても,これからの情報化を支える
子供たちにとっては,インターネットはどうしても必要なのだと,こう思うわけでございます。
この実験研究を機会に,インターネットを利用する場合の問題点を整理して,いずれ,全校に導入されるというふうに思いますけれども,それに備えて,どのように課題の整理をされていくお考えであるのか,これもちょっとお聞かせを願いたいというふうに思います。
◎古田
総務部長 インターネットを利用する場合の問題点の整理,あるいは課題解決の考え方でございますけれども,ご指摘のとおり,インターネットの導入に対しましては,一方では,研究をし,解決をしなければならない問題も多々あると考えているところでございます。現在,9校で試験導入をしておりますが,ここでさらに検討する必要を感じておりましたので,今回,国の研究事業でありますが,実質3年間,学校で試験的に利用する機会に恵まれたものと,こういうふうに考えてございます。
したがいまして,これからを見通しました研究課題といたしましては,一つには,著作権や個人情報,有害情報等の取り扱いを含めた,コンピューター利用にかかわるガイドラインの作成,また,
学校関係者が利用しやすい教育用ネットワークのあり方,ネットワーク拠点としてのあり方,役割,研修,組織体制の検討,ネットワーク,コンピューター等の維持・保全管理のあり方,さらには,学校及び開放事業との相互利用のあり方などにつきまして,積極的に取り組みたいと考えております。また,それをデータとして,あるいは標準として蓄積をいたしまして,将来全校に導入した場合に備えたいと考えております。
◆川口谷 委員 原口委員の懇ろな質問の後で,私もキレル寸前でございましたけれども,私は,二つのテーマで質問をさせていただきます。
一つは,学校エレベーターの設置の件であります。
これは,過去に調べてみましたら,96年から去年の決算委員会まで,4人の方が,繰り返し繰り返しこれに取りかかりまして,
教育委員会とキャッチボールやりましたが,壁にボールをぶつけるような感じで,いずれもはね返されていると,こういうことになっておりまして,私の投げるボールが,果たして受けとめてもらえるかどうか,ひとつ何とか受けとめていただくように,これから申し上げたいと思います。
きのう,東西線の延長部分の開通がありまして,パンフレットも配付になりまして,もう皆さんご承知ですけれども,宮の沢駅にエレベーター5基,エスカレーター17基,発寒南駅は,エレベーター2基,エスカレーター8基,これは,言ってみれば標準装備と言えるのでないかと思うのですね,今や。今から20数年前に開通した南北線の北24条駅には,当時,エレベーターがないということで,これも随分時間かかって,ようやくついたという経緯があります。
何を言いたいかといいますと,つまり,そうした公共施設には,障害者用とか,あるいは高齢者用のエレベーターなりエスカレーターというのは,これはもう標準装備となってきている,ノーマライゼーションの時代であるというふうに思います。
さて,翻って,小学校なり中学校,高校も含めて,
学校施設とエレベーターということを考えますと,どういうわけか,これ,どこにもついていない。最近つけられた学校も,徐々にではありますけれども,散見はされますが,基本的にはついていない。
私は,これはやはり,今日の社会,とりわけ,障害をお持ちのお子さんが
普通学級へ行きたいという強い気持ちを,親子が持っておられるとかですね,もう一つは,少子高齢社会,あるいは超高齢社会が目前に迫っておりまして,かつ,人口構造の変化等によりまして,数年前建てた小学校なり中学校が,児童数の変化によって,行く行くは,教育分野から福祉分野へ一部切りかえざるを得ないという状況の変化というものが出てくるということがあるわけですね。こういうことを見通してまいりますと,この場合,やはり学校に標準装備としてエレベーターは,これはぜひ必要ではないかと考えるのが自然だと思いますし,そういう時代の要請に対応した考え方だというふうに思うのですね。
ところが,今申し上げたような現状で,遅々として進まないということにいら立ちを覚えるわけであります。
そこで,これは一にかかって,一つは,障害児の統合教育というものをどういうふうにとらえるかという,非常に理念上の問題もありまして,それが一つのネックになっているかなというふうにも思いますけれども,逆に,そういう施設があることによって,積極的に,あるいは可能な限り障害児を受け入れたいという学校もあるわけでして,鶏が先か,卵が先かという部分もあるというふうに思います。
そこで,現状をお伺いしたいのですが,障害児の
普通学級への受け入れと,それから,階段昇降機の現状についてお聞かせをいただきたいと思います。
それで,これまで,エレベーターに対する答えとしては,階段昇降機で何とか対応したいと,階段昇降機は,障害児がいなくなった場合は他の学校に転用できるという利便性もあるというか,汎用性があると,こういうことでございましたけれども,この点についてお答えをいただきたいと思います。
◎本間
学校教育部長 私の方から,障害児の通常の学級への受け入れと,それから階段昇降機の現状についてお答えを申し上げます。
まず,障害児の通常の学級への受け入れについてでございます。
障害がある子供の教育につきましては,一人一人の障害の程度や種類に応じまして,言語障害や難聴の子供のための通級指導教室,あるいは,知的障害や
情緒障害の子供のための
特殊学級,また,知的障害,肢体不自由,病弱の子供のための
養護学校などを設置いたしまして,多様な教育の場で,個々に応じた専門的な教育を行うとともに,あわせて,障害のない子供と活動をともにする交流教育を行うことを基本といたしまして,本市としては,その充実を図ってきたところでございます。
また,障害のある子供がどの学校に就学するかということにつきましては,本市の就学指導委員会の意見に基づきまして,
教育委員会が学校を指定しておりますが,それが保護者の方の意向と異なる場合は,可能な限り保護者の意見を尊重するようにし,話し合いのもとで学校を指定することとしております。
次に,階段昇降機の現状でございますが,現在,さまざまな事情で障害のある子供が通常の学級に在籍している場合がありますが,中で,自力による移動が困難な児童・生徒がいる場合には,車いすに乗ったまま階段の上がりおりができます電動の階段昇降機を配備しているところでございます。
今年度でございますが,小学校13校,中学校4校,
高等学校1校,合わせて18台の階段昇降機を配備しておりまして,平成11年度になりますと,新たに5台を追加し,小学校は16校,中学校6校,
高等学校1校に,合わせますと23台を配備する予定でございます。
以上でございます。
◆川口谷 委員 昇降機,トータルで23台になるというお答えでございます。それから,通常の学級への受け入れの考え方,従来も聞いたことがございます。
問題は,階段昇降機,全部否定はしませんけれども,非常に扱いに人手を要するということですとか,それから,結構危険性もあると,取り扱い場面での危険性もあるということで,昇降機を設置してもらっても,学校の側としてもなかなか大変だということが言われているわけです。したがって,私から言わせれば,しょせん,それはある種の代用品というか,とてもエレベーターに取ってかわれるものではないのではないかなというふうに思います。
それで,どうでしょうね,私が最初に申し上げたエレベーターの設置ということについて,どういうふうに受けとめていただけるのか,もう一度お答えをいただきたいというふうに思います。
◎本間
学校教育部長 障害のある子供が通常の学級に在籍している場合におきましては,その障害の状況に応じまして,これまで,段差の解消であるとか,階段の手すりの設置,それからトイレの改修など,
施設整備を行ってきたところでございます。
しかしながら,肢体不自由児の場合,学校生活の中で,特に階段の昇降が困難でありますので,現状におけるできる限りの配慮といたしまして,階段昇降機を,エレベーターにかわるものとして平成6年度に試験的に導入したものでございます。その後3年間にわたりまして,その安全性,あるいは利便性などにつきまして調査研究を重ね,平成9年度から,肢体不自由の子供の在籍しております各学校のご要望を伺いながら,順次配備をしてきているということでございます。
◆川口谷 委員 それはですね,どうも私が最初に申し上げたキャッチボールのですね,やはり壁打ちのボールで戻ってくるわけですけれども,これは,ともかく,超高齢社会がもうほとんど来ているわけですから,そういうものも視野に入れて,この間いろいろ議論された福祉のまちづくり条例の中では,残念ながら,これは
養護学校の範囲までということで,エレベーター,規定をされたわけですけれども,そうではなくて,教育上の必要性とあわせて,地域の福祉のコミュニティーの拠点として,あるいは,その他の学校開放もやっているわけですし,学校教育のほかの分野でも必要な場合が十分にあると私は思います。
そういう意味で,これは高齢社会に対するすぐれた先行投資でもあるというふうに思いますので,ここはひとつ,決してむだにならない投資であるので,決断をいただけないものかなということで,もう一回聞かせていただけませんか。
◎古田
総務部長 コミュニティー拠点としての学校のエレベーターの設置についてのご質問でございますけれども,ご承知のとおり,現在,学校は,学校開放事業といたしまして,スポーツ活動の場として体育館や
グラウンド,また,文化活動の場として,図書館,多目的室,音楽室など,さまざまな使われ方がされているわけでございます。
こうしたことから,
施設整備に当たりましても,これまでも,多目的教室,あるいは図書室など,特別教室等を1階に配置するなど,開放が容易な施設づくりに努めているわけでございます。
一方,今後におきまして,お話しのように,学校が地域のコミュニティー拠点などとして幅広く活用されるということは十分予想されるわけでございます。したがいまして,社会的要請や活用内容を見定めるとともに,学校の性格というものも考え合わせながら,施設・設備のあり方について,さらに検討する必要があると考えておりますが,エレベーターの設置につきましては,ノーマライゼーションの理念を踏まえて研究を進めてまいりたいと考えております。
◆川口谷 委員 今の答弁は,どういうふうに受けとめたらいいのか,なかなかこれは,理解力,それぞれによって違うかもわかりませんが,少し壁にボールがへこみをつけたかなという感じがしますけれども,このテーマにつきましては,最後に要望を申し上げます。土地の値段は,もうご承知のようなあんばいで,どんどんどんどん下がっていますよ。学校建築のコストは,それにつれて,少なくとも土地代は下がっています。それから,学校の建築資材だって,ずっと横ばいか,ちょっと下がっているものもあると。学校建築のコストは,総体的に非常に下がっていると思います。伺いましたら,後からくっつける場合で,4,000万程度かかるみたいですけれども,学校建設には,大体20億から30億ですか,1割ぐらいちょっと,1割も要らないですね,仮に4,000万とした場合でも,5%程度ですか,3%から5%ひねり出せば,できる事業でないかなと思いますよね。
それで,私は,少なくとも,今後新設する学校については,これは国の補助金あってもなくてもいいから,予算は僕ら認めるから,やっぱりこれ,つけていくという考え方でいないと困る,これ,本当に。今後,新5年計画もこれからいろいろ検討されるようですから,
教育委員会サイドから,よほど強く押し込んでいっていただいて,教育長,頼みますね,これは,ぜひ,標準装備としてのエレベーターと,こういうところまでぜひ押し込んでいただきたいと,強く申し上げておきます。
それから,二つ目のテーマですけれども,例の学級崩壊の問題について取り上げてみたいと思います。
それで,いわゆる学級崩壊という言葉,これは,マスコミ用語だというふうに理解をいたします。
教育委員会としては,公式な文言の中に学級崩壊という言葉は,いろんな資料を見ましたけれども,出ておりません。しかし,最近の
学校現場でのさまざまな動き,状況を,マスコミはとらえて,結構報道されている。先生方の教育研修会でのやりとり,あるいは,独自に調べた内容などが報道されております。
それで,私も私なりに,おつき合いのある小学校の校長先生,それから教師の方,中学校の先生などとも意見交換をしております。
それを踏まえて質問をさせていただきます。学級崩壊という言葉は定義をされておりませんけれども,とりあえず,わかりやすくするために学級崩壊という言葉を使いますが,現象としては,先生の指導に従わない,授業中に教室の中を歩き回る,友達とふざけたりいたずらをする,繰り返す,私語が絶えない,何かうちの議会みたいな印象も受けるのですけれども。
それから,幼稚園とか保育園の話でありますが,自分で食事をとれない,口あけて待っているだけと,歯磨きできない,2歳・3歳児ですけれども,という現象もあるというふうに言われているのですね。これは,学級崩壊とは多少違う問題ではありますけれども。
それから,先日の日経,新聞名挙げて悪いですけれども,日経の連載の冒頭では,幼稚園の入園式がうまくできないと。そこで,親子で座らせて,入園式を何とか済ませたという報道もあります。
こういう現状から,文部省でも放置できないということで,実態調査に乗り出すと,こういう状況のようであります。
私は,こうした現象が,年々歳々エスカレートしていくということについて,一体我々の社会はどうなっていくのかなという,非常な不安を覚えます。先生方と意見交換をしていても,いろんな反応はありますけれども,やはり先生方も非常に懸念をしておられるというふうに思います。本来,人間としての生き方の基礎を培うとか,将来に向けてしっかりした批判意識を育成していかなければいけない学校教育でこういう現象が広がっていけば,その子たちが社会に出て,一体どういう世の中になっていくのかなというふうに思います。
そこで,小学校の場合と中学校の場合は,やや,私は問題の次元が異なるのだろうというふうに思いますので,きょうの場合は小学校に限定して申し上げますけれども,質問の1点目ですが,こうした小学校に見られる,いわゆる学級崩壊について,
教育委員会としてどのように認識をし,あるいはまた,どういう状況にあるかということについて,お答えをいただきたいと思います。
それと,2点目の質問ですけれども,こうした状況の背景をどのようにとらえておられるか。そういうことないと言われれば,これ,議論になりませんけれども,一定の事実がありますので。
多少,私見を申し上げますけれども,これはやはり,教育的な問題の側面と社会環境的な見地からのとらえ方というものがあるというふうに思います。それに加えて,私は,これは生物学的な観点からのアプローチも必要だというふうに,前の委員会でも申し上げたと思うのですけれども,例の環境ホルモン問題とのかかわりですね,ということがあると思います。これは,きょうの議論にはなじまないので,私は余り深入りはいたしませんけれども。
それで,教育問題としてとらえるとすれば,もちろん,家庭教育と学校教育というふうになってこようかなと思います。この問題を先生方と議論する場合に,先生方だけではありませんね,こういう議会でも議論する場合に,よく耳にすることに,主に先生の側に問題があるというとらえ方があります。確かに,問題のある先生もおられて,一面の真理であるというふうに思います。私も体験的に,ひどい暴力教師を見かけたこともあります。私は暴力を受けたことはありませんでしたけれども,そういう場面に遭遇したことがある。
あるいはまた,ある校長先生とのやりとりで,こういうことがあります。今の子供のそういう荒れ方というのは,それは一つの社会環境を,あるいは時代を反映しているものであって,それを見きわめながら,教師としては指導方針を決めて指導していかざるを得ないのだと,こういう言い方です。これに関しては,そうかなとは思うけれども,現状,ただ受け入れるだけでいいのかなという私なりの疑問はあります。
現場の教師は,ずばり,こう言いますね,家庭の教育力の低下だというふうに言っています。子供が何もしつけられないで学校に入ってくるということで,先ほどの,例えば保育園でも,ほとんどしつけられないで入ってくる子供が,そのまま,2年なら2年過ごして小学校へ入っていったことを指すのだろうというふうに思います。
もう一つ,先ほどちょっと話題にした校長先生の話ですけれども,公開授業をやったときに,集まってきた父母が,教室の後ろの方で私語を繰り返して,授業にならないというのですね。これは一体どういう現象なのかと。あげくの果て,廊下まで行って,一生懸命,子供の授業そっちのけで,世間話しているのか何しているのかわかりませんけれども,授業が成り立たないということを言うのですよ。これ,何をかいわんやで,子供以前の問題でないかなと思うのですけれども。朝起きて,顔を洗うとか,服着るとか,歯を磨くとか,支度して学校行くとか,そういうごく当たり前の生活習慣,それじゃしつけできるのかなというふうに思います。
加えて少子社会,兄弟が少ない,核家族化,そして,共働きですよね。植物の生育の条件として,たしか3条件,光と水と温度というのがあったと思うのですが,子供が育つ条件の中の,私は温度が足りないのでないかなというふうに思います。
というわけで,二つ目の質問として,こうした今日の状況の背景についてどういうふうにとらえておられるか,この点についてお答えをいただきたいと思います。
◎岩崎 指導室長 今,ご質問の,いわゆる学級崩壊についての認識と,本市の小学校における状況についてでございますが,まず,学級崩壊の認識についてでございます。
委員からご指摘がありましたように,マスコミ等で,
子供たちが担任の指導に従わず勝手なことをして,授業が成り立たない状態,こういう状態を一くくりにいたしまして,学級崩壊という言葉で表現しているようでございますが,この言葉は,大変多様なとらえ方ができるのではないかと。したがいまして,一概に定義ができないのではないか,
教育委員会としては,むしろ,すべきではないのでないかと,こんなふうに認識してございます。
次に,本市の小学校の状況についてでございますが,仮に,学級経営上,大変苦慮するというような状況を考えて,それを指すとするならば,それらにつきましては,これまでも生徒指導上,十分配慮しながら対応してきたところでございますが,最近,子供たちの考え方や行動の多様化が一層進んでおります。したがいまして,授業中,いたずらや私語を繰り返したり,教室内を勝手に立ち歩くなど,指導上で,個別に,かつ慎重に対応する必要がある子供たち,こういう
子供たちがふえているのもまた事実でございます。しかし,こういう状況も,本市におきましては,学校ぐるみの大変適切な指導で改善を図っており,マスコミ等で報じられているような,いわゆる授業が全く成立しないと,こういうような状況の報告は受けてございません。
2点目の背景についてのとらえでございますが,一つは,やはりご指摘のように,社会的,あるいは家庭的な要因が言われているようでございます。
子供たちを取り巻く社会環境の変化から見ますと,物質的には大変豊かになった反面,価値観の多様化,あるいは利己的な社会風潮等の影響を受けて,子供の考え方や行動が大きく,先ほどもお話ししましたように変化してございます。
また,核家族化や少子化による親の過保護あるいは過干渉等から,家庭の教育力の低下が見られ,自己中心的で我慢強さや規範意識に欠ける子供がふえていると,こういうような指摘もございます。
また一方では,学校,あるいは教える側の要因でございますが,教師が,このような
子供たちの多様な変化に対応する指導方法をなかなか見出すことができず,学級経営上,大変苦慮するというような,こういう場合もございまして,いずれにいたしましても,この背景というものを,何か特定のものと考えるよりは,さまざまな要因が複合的にかかわっていると,そのように考えてございます。
以上でございます。
◆川口谷 委員 長いってやじられましたから,なるべく簡潔にいきたいと思いますけれども,問題は,日本は資源少国ですから,じゃ,資源どこに求めるかといえば,人的資源に求めるに尽きるのではないかと思います。過去,いろいろ見解はありましょうけれども,とりあえず,人的な部分に対する投資が一定の花開いた国として,日本は今存在しているのではないかなというふうに思うのですが,ここから先の部分は,全く私は保証がないのではないかなと。このままいけば,年々歳々,拡大再生産されて,本当に授業が成り立たない,苦慮する状況がさらにエスカレートするのではないかなということを非常に心配します。
そこで,こうした状況に対して,問題は,どのように対処されるのかということ。
それと,さまざまな複合した要因を持って,今,現象面としてあらわれていることに対して,対処療法的にモグラたたきをしても,僕は解決はできないだろうと。つまり,中長期的な取り組みがなければ難しいのではないかなと思います。
特に,これは認識の点で余り変わりはないのかなと思いますけれども,私は,一義的には,家庭における親子の関係をしっかりしてもらうことに尽きるのではないかなというふうに思います。
それと,地域の教育力を回復していくということが必要ではないでしょうか。私のつたない経験を申し上げるわけではございませんけれども,子供が小学生のころは,朝5時半ころ起きまして,少女のソフトボールの指導をやったわけですね。眠い目をこすりながら
子供たちが集まってくる。それで,上手,下手もありますし,性格さまざまありますけれども,その中で,3年,4年といろんなつき合いをすることを通して身についていくものがあったように記憶をしております。例えばそんなことで,あるいはまた,ことしのような豪雪の場合は,除雪にお互いの子供を出すというようなこともあっていいのではないかなと思うのですが,地域の教育力を回復することが必要だと思います。
もう一つは,先生の対応ですね,先生の質を高めてもらいたい。ただ,本当に先生方も大変多忙です。本当に忙しいから,例えば35人の
子供たちに個々に対応できれば,相当の部分うまくいくかなと思う部分が,忙しさの余り,簡単な言葉ではしょって,次の仕事についちゃう,子供がそこで傷つくという場合がなきにしもあらずというふうに思いますので,先生の方の努力,あるいは,研修も一段と努力をしていただきたいなと思います。
生物学的な問題から言えば,これはもう,キレル現象は,明らかに,これは動物実験の結果でありますけれども,アカゲザルの場合などは,環境ホルモンにやられた場合は,非常に凶暴になっていくというようなことが言われていまして,ここはその場面でありませんので,それ以上申し上げませんが,そういう観点でのアプローチも当然必要になっていくというふうに思います。
そこで,今,最後の質問として,3点目,こうした状況にどう対応されるか,そして,中長期的な対応,これについてもお答えをいただきたいと思います。
◎岩崎 指導室長 それでは,私の方から,当面の対応につきましてお答えを申し上げます。
今,委員ご指摘のように,
子供たち一人一人を大切にするためにも,まず,
子供たちが存在感や充実感,あるいは,楽しく過ごせるような学級や学校をつくること,これは,教育に携わります者としての責務であるというふうに考えてございます。したがいまして,
子供たちが学級の中で生き生きと生活ができるように,教師と子供の信頼関係を培い,さらに高めていくことが極めて重要であると,このように考えてございます。そのためには,なお一層,
子供たちの意識や行動の実態把握に努めまして,子供の変化に対応した指導方法の工夫が図られるよう,研修を充実してまいりたいと考えております。
さらに,困難な状況が生じている場合には,校内の支援体制や保護者の協力,理解を得ることが必要であり,また,教育研究所等の関係機関とも十分連携を図り,早期に解決を図るよう,積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎市村 教育次長 私から,中長期的な対応,大変見通しの難しい課題でございますけれども,お答えをさせていただきたいと思います。
教育委員会では,本市の教育水準の維持とより一層の向上を図るために,本市の生涯学習構想,また,長期総合計画,さらには社会の諸情勢を踏まえまして,札幌市教育推進の指針というものを示してございます。その中で,目標といたしまして,人間性豊かで伸びやかな市民の育成ということを掲げまして,学校,家庭,地域社会が一体となって取り組むこと,委員からお話しいただいておりました,地域の教育力の向上というふうなことも含まれようかと思います。そういう具体的な指針を掲げまして,その実現に努めてきているところでございます。
私どもといたしまして,今後とも,学校教育の状況,そして,変化していく
子供たちの状況等を的確に把握をし,分析をし,課題を明らかにして,札幌市教育推進の指針に具体的に示しますとともに,諸施策にも反映させてまいりたいというふうに考えておりますが,学級経営上難しいと言われているこの状況の中には,幼児期からの教育とのかかわりが深いと思われるケースも多々ございます。そのためには,関係部局等との連携を図りまして,委員からご指摘のありました,家庭への子育て支援や,幼稚園と小学校との連携等々につきましても十分配慮しながら,ご提言のありましたことも含めまして,これからの札幌の教育どうあるべきかというふうな考えのもとに,中長期的展望に立った施策づくりを進めてまいりたいというふうに存じます。
以上でございます。
◆横山[博] 委員 大きく二つ質問させていただきたいと思います。
まず最初は,私も日常的に,小・中学校の
施設整備がどうなっているかと,かなり関心を向けていたのですけれども,図工室がない学校があると,札幌市内で10校が整備されていないと,こういうことについて,市教委としてどうお考えなのか。小学校で,この図工室というのは,当然あるべきものだというふうに私自身も考えていましたし,私の
子供たちが通っていた学校は当然ありましたし,そこには,作業台,それから電動のこ,そして,陶器をつくるための窯などですね,いろいろな図工のための器具が整備されていたのですけれども,これがなぜ整備されていない学校がまだ残っているのか,その理由についてお示しを願いたいというふうに思います。
今後,ない学校に対してどうするのか。10校ということですから,その気になれば,一気にやれるのかなというふうに考えますけれども,この点について,今後の整備計画についてお示しを願いたいと。
図工室がない学校は,図工の学習にどう対応されているのか。
子供たちは恐らく楽しみにしているというふうに思うのですね。いろんな材料を使って,いろんな創意工夫を凝らして,この図工というのは,絵をかいたり,工作をしたりということでは,
子供たちの創造力を大きく養う上で大切な授業なわけですから,その点,支障が恐らく出ているというふうに考えますけれども,その点いかがか。図工室の整備については,3点お尋ねしたい。
大きな二つ目の質問です。
先日の文教委員会でも,学校給食,請願が審査されて,第1回目の初審査にもかかわらず,不採択となったことについては,大変遺憾に思っています。そこで,長々とやるつもりはありませんけれども,もう一度,お考えを聞きたいというふうに思います。
選挙が近いですから,それぞれのお立場の皆さんが公約をお示しになっていらっしゃると。そこで,桂現市長が,3期へ自信の政策という公約を先日発表されました。まず第1番目の柱に,行財政改革を大胆かつ速やかに実行するというふうに明言されて,ここに,除雪,そして並列に,学校給食などの民間委託を広げるということを公約に掲げていらっしゃる。
私どもは,この議会のたびごとに,行財政改革については,市民サービスの切り捨てにつながるもので,容認ができないと。しかも,経費の節減のため,これは自民党の方たちが,最近,いわゆる行財政改革,行革推進の第1番目は学校給食の民営化なのだということを公にお示しになっていらっしゃる。
そこで,この間の質疑の中でお答えになっていた,いわゆる改善なのだと,ゆとりのある学校給食を実現させていくために,人をふやさなきゃならないし,そのための財源を生み出すためにどうするかという話なのだということを繰り返しご答弁になっている。でも,市長の公約,また,自民党の皆さんの,こういう学校給食を行革の柱に掲げている,この整合性について,どのように現時点で認識されているのか。
私は,何回もお話ししていますけれども,質の低下を大変危惧をしています。安上がりの学校給食に仕上げていくと,行革の性格をもってすれば,市民サービス切り捨てであるというふうに考えますがいかがか,お示しを願いたい。
給食の2番目ですけれども,さきの文教委員会でも,弊害の問題について触れさせていただきました。大変心配です。その心配が,さらに強くなっています。先日,千歳の学校給食の,いわゆる運送をしている会社の入札,そのことについて,若干の市当局とのトラブルというか,行き違いがあって,期限までに契約ができなかったと。これは,きのう,おとといの毎日新聞の夕刊に出たのですね。学校給食配送で密室協議と,その手続上の問題でこういうことがあって,1カ月間,小・中学校へ給食が配送されないという事態に陥るということが,ここに報道されているのですね。
札幌市の場合は,自校式で調理業務だけを委託するのだと。形態は違いますけれども,しかし,民間の企業に業務委託をすると,ある意味で同様のことが起きるのではないかと。実際に,他都市でも,先日もお話ししたかと思いますけれども,やはり委託料が折り合わないで,1カ月間給食がなかった,そういう市もあるわけですね。このことについて,札幌は絶対そんなことはありませんと言い切れるのか。私は,そういうふうには言い切れないと。その点についてのご見解,私は,必ず弊害が起きるというふうに考えますが,今の時点でどうお考えなのか,お示しを願いたい。
三つ目ですけれども,先ほど中嶋委員からもご質問されていました,新年度は4校から調理部門の業務委託をしていくということで,学校名も明らかにされました。実際に,PTA協議会が単Pにその説明文書を送っています。その中には,いわゆるQ&Aのような形式で,いろいろ父母の質問・疑問を想定して説明文書が送付されています。これでいいのかという問題なのですね。
いわゆる市教委が直接単Pに出かけていくと。先ほどは,新年度実施校については,学校長を通して教職員の皆さんに説明をすると,そして,学校から父母へ説明をしてもらうというお話だったのですけれども,一方通行なのですね,それは。結局,その時点での父母の生の意見や,本当に心からの疑問や心配を受けとめる,そういう機会は与えられないわけですね。これでいいのかと。
大変,この間,丘珠の問題とか,市民合意の問題が議会でも議論されています。パートナーシップという言葉がいろんな場面で耳ざわりよく飛び交っているのですけれども,このパートナーシップの本来の意味を履き違えているのではないかと。一方的に市民の側に負担を押しつけるやり方,そして,市民に行政の考え方を押しつけるやり方,これが,なぜ,パートナーシップなのか。市教委も,同じようなことを今やろうとしていると,私は指摘をしたいと思うのですね。このパートナーシップの街づくりを進める上で,その大前提は,やはり市民合意のもとにいろんな施策の展開をしていかなければならないというふうに認識をするのですけれども,お考えをお示しを願いたいと思います。
以上です。
◎古田
総務部長 私から,図工室の整備につきましてお答えを申し上げます。
まず,図工室が未整備になっている理由でございますけれども,その主な理由といたしましては,児童の急増期に建設をいたしました学校では,普通教室の確保を最優先いたしまして,図工室等の整備を先送りいたしましたところ,その後の児童の減少によりまして,増築を行えないまま現在に至っているということ。また,国庫補助を導入する上で,補助面積に制約があるため,特別教室が十分整備できなかった,こんなことなどによるものでございます。
授業上の支障についてでございますけれども,小・中併置校あるいは小規模校におきましては,併置をされている中学校の美術室など,あるいは,他の特別教室を利用して授業を行ってございます。
また,他の学校につきましても,多目的教室やワークスペースのある学校につきましては,ワークスペースの場所を活用して授業を行っており,授業の展開上,著しい支障が生じている状況にはないと認識をしているところでございます。
今後の整備でございますけれども,図工の授業は,水を使った作業をするためのスペースや,作品保管のスペースが必要であるということから,やはり特別教室の整備は必要であると,こういうふうに考えております。
したがいまして,個々の学校の状況を見きわめながら,増築,あるいは大規模改造,あるいは余裕教室の改修等によりまして,今後も計画的に整備をしてまいりたいと考えております。
◎霜觸 調整担当部長 行政改革でのお話がございました。今回の私どもの学校給食の改善事業は,学校給食の教育的意義がより一層深まることを念頭に置きまして,本市の学校給食を,
子供たちが触れる学校給食の場面をどのように充実していくか,あるいは,その食というものを
子供たちにどう伝えていったらいいのか,そういった教育的な視点から見直すことといたしました。それで,今回,食器の改善を初めといたしました,さまざまな充実策を盛り込んだ,楽しさとゆとりのある給食推進事業として事業化したものでございます。
行政改革の大綱の項目の中にも,私どもの学校給食の見直しというのは,より柔軟な事業の運営の推進ということで項目がくくられておりまして,私どもとしましては,
子供たちにとってどうあるべきかと,こういう視点で,
子供たちにとってよりよい給食を提供するために,今回の見直しを行った次第でございます。
それから,委託のことでございますけれども,私どもとしては,委託の内容,委託料も適正に積算いたしまして,決して滞ることのないようというか,つまずくことのないよう,きちっと積算をいたしまして運営をしてまいりたいと思っております。
それから,父母に対するいろんなアプローチの仕方でございますけれども,私どもも,今回の事業を始める段階から,給食に関係するというか,団体の中から,特に父母の代表としてPTAの代表の方に入っていただきまして,運営委員会を構成して,その中でいろんな意見を反映させてきたつもりでございます。そうしていただいた提言をもとにいたしまして,今回の事業計画が成り立ってきたわけでございますが,今後につきましても,私どもとしましては,ぜひ,理解をいただくために,順次改善を進めてまいりますけれども,改善校を中心に,学校とも十分協議の上,できる限りご説明の機会を持つようにしてまいりたいと考えております。
◆横山[博] 委員 図工室なのですけれども,授業に支障がないというふうにご答弁をされました。しかし,実際に,先ほどもお話をしましたけれども,例えば木彫だとか,高学年になると,私たち大人でもつくってみたいなと思うようなものを,実際に学校で,電動のこを含めて,いろんな器具を使ってつくっているのですね。だから,そういう意味で,そういう授業ができる学校と,図工室がなければ,もちろん多目的スペースだとかオープンスペースを活用してということなのですけれども,実際に機器がなければ,限られた授業しかできないというのははっきりしていますね。
その点,大規模改造の折にということでお答えをいただいたのですけれども,しかし,大規模改造の計画も思ったより進まないというか,父母の側から見たら,この学校は少しの改修ではもうどうもならぬと,大規模の改造しかないという学校が,例えば,15年という目安を持って大規模改造を進められているようなのですが,しかし,現状では,20年たたなければなかなか着手できないという,そういうふうな状況になっているのですね。
現状は私も理解しないわけではありませんので,わずかというか,あと10校ですからね,いろんな工夫をされて,ぜひ速やかに,図工室の整備を,空き教室も含めて,内部改修,そういう改築,改造ですね,ぜひ急いで,
子供たちのためを思って進めていただきたいというふうに思います。
それで,給食のことは,同じご答弁をいただいて,もう少しこういう議論を踏まえて,こういう点は考えてみたいとか,こういう点はもう少しというようなお話をいただきたいと思うのですね。もちろん,おやりになる担当者,担当される皆さんにとっては,今の時点ではお答えしづらい側面もあるのかもしれませんけれども,何回もおっしゃっている,何よりも
子供たちのため,
子供たちのためをもし本当に考えるのであれば,全国で起きているいろんな問題,これをやはりきちんと教訓化する,これが大事ではないでしょうかね。これがやっぱり教育的見地というか,本当の意味での,ともに育ち合うという見地ではないでしょうかね。その点いかがか,もう一回。教育的見地,そして,食をどう考えていくのか,柔軟に対応,よりよい給食にするために改善をすると,そういうふうにご答弁をなさっていますけれども,その言葉をもう少し深く理解をすれば,私は,全国で,民間委託,調理部門の業務委託,この中で起きている弊害についても,深くとらえて検討をすると,教訓化するという姿勢がおありになってもいいのではないかと,その点もう一度ご認識をお尋ねしたいと思います。
PTAの代表が運営委員会に入っているから,意見はいろいろとその中で反映されていますというご答弁だったのですけれども,しかし,この中で議論されているのは,長い間,市民の皆さん,父母の皆さんが,食器の改善等,学校給食の環境の改善を求めてきた,その運動の中でのいろんな議論を踏まえた議論であったと思うのですね。その中では,民営化の問題については議論をされていないと。これは,先日の本会議での教育長のご答弁の中にも,いわゆる提言を受けて,それを具体化する手だて,そして,その責務があるのだというご答弁がありましたけれども,PTAの代表の皆さんなどが運営委員会に入っていらっしゃるから,そういう意味では意見が反映されているというのはいかがなものかなと。もっともっと末端の,父母の皆さんのご意見にしっかりと耳を傾ける,そういう姿勢があるべきだし,そうしてほしいというふうに考えますけれども,いかがか,もう一度お答え願います。
◎霜觸 調整担当部長 まず,1点目の件でございますけれども,私どもも,この事業を展開するに当たりまして,いろいろ全国を視察し,あるいはその調査研究をしてまいりました。一番身近な例で,東京都が先駆的にやってらっしゃるのですけれども,それを見ましても,非常に立派にやってらっしゃいまして,とても欠点などというところは見当たりませんでした。大変うまく進めているなということで,これらを参考にいたしまして,これはぜひやる必要があるというふうな判断をさせていただいたところでございます。
もし,万が一,委員のおっしゃるような事故等がございますれば,それは当然私どもも,この事業をやっていく中でいろいろ検証しながらやっていかなければならないというふうに考えておりますので,それはそれなりに十分取り入れて,研究しながら進めさせていただきたいと考えております。
それから,民営化の議論の件でございます。これも,せんだっての文教委員会で教育長からご答弁申し上げましたけれども,提言と,それから私どものつくりました事業計画の関係でございますが,あくまでも提言は,私どもにとりましては指針と受けとめさせていただいております。これを受けまして,具体的な実現,あるいは事業化を図ることを,私ども行政に携わる者の役割だと,あるいは責務というふうに考えております。同じ答弁の繰り返しで申しわけございませんけれども,そんな認識でございます。
◆横山[博] 委員 教育の問題を,やはり引き続き議論をしていかなきゃならないと思います。今,テレビ等で報道されている,今,政治に,行政に何を求めるかという,そういう問いに対して,多くの方たちが,この景気の回復や経済の再建というふうに答えながらも,その二つの大きな柱として,日本の教育の危機をどう打開していくのか,これをやっぱり行政に,また政治に,強く求めているのですね。
前段の川口谷委員のご質問の中にも,大変重要な問題が話されたというふうに思います。学級崩壊の問題,また,今の
子供たちの現状を考えるときには,基本的に,日本の国全体,日本の教育そのものをどう変えていくかという議論,そこのところから,底辺から議論をしていかなきゃならないというふうに私は思います。
そういう点で,いつも,例えば,学校の改修をしてほしいと,もうこの学校は大規模改造しかありませんよという,しかも,学校の現場からそういう切実な声が上がってきたときに,議会で議論させていただくときに必ず出てくるのが,限られた財源の中で,今の財政の枠では厳しいというお話が出てくるのですね。そういうところから教育問題を考えていいのかと,私は皆さんに本当に問いかけたいというふうに思います。
教育の問題は,国の大きな責任もありますし,北海道も大いに責任はあるというふうに思います。しかし,札幌市として,やっぱり全国的に,先駆的な教育行政を,この辺で,誇るべき教育行政を,変革していくのだというお立場で,ぜひ,学校給食の問題も考えていただきたいし,30人学級の実現や教育環境の整備ですね,踏み込んで,今後とも努力というか,積極的な対応・対処を強く求めたいと思いますけれども,最後ですので,この点,教育長どうお考えなのか,お尋ねをしたいと思います。
◎山 教育長 現在のいろんな経済状況のもとで,私どもが財政事情を優先しつつというお話かと存じますが,確かに,長い景気の低迷が続いているわけでありますけれども,財政,確かに厳しいということは事実でございます。しかし,そうした中にありましても,私ども
教育委員会といたしましては,教育環境の整備のために必要な事業については,今年度の予算で,今お諮りしているとおり,精査をし,上程を申し上げているところでございます。
予算の策定,あるいは執行に当たりましては,改めて申し上げるまでもないかと思いますけれども,やはり最少の経費で最大の効果を上げるという,いわゆるそうした事務の能率化というのは,私どもに課せられた一つの使命でもあるということを大きく念頭に置きながら,これを基本といたしまして,事業の必要性,緊急性,効果,こうしたものを総合的に考えて進めていくべきものというふうに判断をいたしております。
したがいまして,今後とも,こうした教育環境の整備に当たりましては,基本的な方向をわきまえつつ,また,いろんな大きな動きを十分,私どもとしても念頭に置き,調査研究を進めつつ,教育行政の執行に当たっていきたいと,このように思っております。
◆大嶋 委員 そろそろ皆さん,休憩が待ち遠しい様子なので,私から,学校教育の現場でのコンピューターの活用について,簡潔にお伺いいたしたいと思います。
先ほど来,子供の状況をめぐって,多方面からの論議がありました。学校教育の現場で,あるいは地域で,
子供たちの状況というのは,この数年というよりも,10何年ぐらい,なかなかいい状況,方向には向いていないのでないかという実感はどなたもお持ちではないかと思います。その中にあって,新たに小学校,中学校へのコンピューターの導入ということの中での情報教育の問題が浮かび上がってきているといいますか,今後の新たな課題となってきているのかなという気がしています。
先ほど,原口委員の方から,インターネットの問題についても,るるやりとりがございました。コンピューター,いわゆる今,情報化社会というふうに言われていますけれども,大人も,果たしてその情報化社会という本質的な問題をしっかりと理解しているのかどうかという部分については,私自身も不安な部分といいますか,わからない部分がまだ大きくあるという中で行われる教育面でのコンピューター利用でありますから,これからいろんな問題を解決していかなければならないだろうというふうに思います。
コンピューター社会の光と影というふうによく言われまして,光の部分は,情報血縁社会というふうに言われますように,新しい機械といいますか,情報機器を通じて,コンピューターという媒体を通して,さまざまな広がりがつくられていく,テーマや学習内容についても広がりと深まりがつくられていくであろうし,また,インターネット,あるいはEメールによって,瞬時にいろんな世界とのアクセスが可能になってくるという部分があると思います。
逆に,影という部分で言いますと,コンピューターソフト,テレビゲーム等々に見られるような,子供がひとり遊びといいますか,今の子供の現状を象徴するような形だと思いますけれども,友達と外遊びをする,あるいはゲームで遊ぶということがどんどんどんどん少なくなって,テレビゲーム,あるいはコンピューターソフトを相手に,ひとり,部屋で夜更かしをするというようなこともあるのかと思います。また,バーチャルリアリティーというふうによく言いますけれども,仮想現実,現実と仮想,架空の世界との区別がだんだんつきづらくなってきて,子供の暴力等々の問題にも,いろんな形であらわれているわけで,そういう影の部分が当然ある。
そういう光と影をしっかりと認識するといいますか,学校の教育の現場でこれを取り入れるためには,情報社会,いわゆるコンピューター社会の光と影の部分をやはりきちんといろんな形で子供に認識させていくといいますか,丁寧な指導,あるいは情報そのものについての役割についての指導が求められてくるのかなというふうな気もします。
まず最初に,学校でのコンピューター活用について,現在,小学校,中学校でのコンピューター活用がどのように行われているのかという点,そして,これは改めて伺うということになりますけれども,コンピューター活用について,
教育委員会の方では,基本的にどういうふうな認識といいますか,考え方で,これから行おうとしているのかという点について伺います。
◎岩崎 指導室長 まず,1点目の,現在の小・中学校でのコンピューターの活用状況でございますが,小学校では,触れて,なれ親しむ,こういうことを目的といたしまして,学習や遊びの道具として日常的に使わせることを基本としてございます。具体的に申し上げますと,低学年では,お絵かきソフト等を使った絵日記等の作成,あるいは,高学年になりますと,理科や社会科での調べ学習と,こういうものに使われてございます。また,クラブ活動では,コンピューターを使った作曲や編曲を行うなど,大変広範囲に活用されてございます。
また,中学校でございますが,学習のねらいに応じましてコンピューターを適切に扱うこと,あるいは,コンピューターに関する知識や活用能力を習得させると,こういうことを基本としてございます。特に,技術・家庭科の情報基礎領域では,コンピューターそのものの総合的な学習を行ってございます。教科でございますが,数学,理科等での,いわゆるシミュレーションソフトを使っての例示等がございます。あるいは,社会科等の実践もございますが,いずれにいたしましても,ほとんどすべての教科でさまざまな活用が進められてございます。
次に,2点目の基本的な考え方でございますが,まず,情報教育を通しまして,これからの
子供たちには,本当に必要な情報,これを取捨選択しまして,また,みずからの情報を発信することができる能力,これを発達段階に応じまして身につけさせることが必要であると,このように考えてございます。
また,委員のご指摘にもありましたように,人間関係の希薄化,直接体験の不足等,さらに,バーチャルリアリティー等の空想と現実の世界,こういうものの区別がつかないことなど,いわゆる情報化の影の部分につきましては,最も配慮すべきことであると,このように考えてございますので,繰り返し,このことについては指導をしてまいりたいというふうに考えてございます。
さらに,コンピューターなどの情報機器につきましては,学ぶための道具として適切に活用しまして,あくまでも,心身の調和のとれた人間形成が第一義であると,このことを基本として活用を行うことが重要であると,このように考えてございます。
以上でございます。
◆大嶋 委員 今,答弁をいただきまして,基本的に,それぞれの段階に応じた活用,あるいは,私が,前段で述べましたような心配といいますか,危惧される点について,今後もしっかりと配慮していただけるということでありますが,そこで,基本的な考え方は考え方として,実際には,コンピューターというのはソフトがなければ動かないわけでありまして,教育のそれぞれの段階に応じて,どのようなソフトを利用していくのかということが,これから,基本的な考え方を実際に現場で実行するといいますか,教育の現場で活用していくときには,そこが大事な問題になるというふうに思われます。
現在,教育用ソフト,市販されているもので,4,000本のソフトが存在するということでもありますし,そしてまた,文部省のソフトウエアに関する調査結果を見ますと,小学校で,大体平均保有種類数が約30種類,それから,中学校で57.4ですから,約60種類,その倍ぐらいというふうな数字が,全国平均の結果で出ているわけですけれども,再質問の1点目に,現在の小・中学校での教育用ソフトの整備状況,これがどうなっているかということについて伺います。
2点目ですけれども,同じくこの調査結果の中で,教育用ソフトウエアの評価方法という項目がありまして,今後の教育用ソフトウエアの評価のあり方としては,第三者的な教育関係団体において,よいものを推奨していく方向で,具体化について検討を進めることが適当と考えるというふうなことがありまして,これは,ある意味で,教材会社の商業主義的な発想が教育現場に,コンピューターのソフトの導入に対して持ち込まれないようにということが懸念されているのかというふうにも思うわけですけれども,このソフトの導入に対する考え方について,2点目伺います。
◎岩崎 指導室長 1点目の小・中学校に導入されておりますソフトについてでございますが,先ほどのご説明のところでも例示いたしましたソフト以外に,小学校ではワープロ用ソフトあるいは地図検索用のソフトなどが入っておりまして,学校によって違いがございますが,各校平均いたしますと,小学校でおよそ31種類のソフトが導入されてございます。また,中学校でございますが,ワープロ,表計算,データベースなど,いわゆる統合型のソフト,あるいは栄養計算用のソフトなど,これも各学校を平均しますと,およそ32種類導入されてございます。
2点目のソフトウエアの選定についての基本的な考え方でございますが,現在,各学校の情報教育の担当教員等で組織されております情報教育連絡協議会というものが小・中学校単位で設置されてございます。したがいまして,学校へ共通に導入するソフトにつきましては,この連絡協議会の中で,学校の先生たちを中心としながら,さまざまな角度から検討をしていただき,
教育委員会の方で,ここで検討されたソフトの中から,予算の範囲内で各学校への整備を行っている状況でございます。
以上でございます。
◆大嶋 委員 最後,要望で締めくくらせていただきますが,コンピューターソフトに関する今後の課題というのは,まだ,多々あろうかと思います。予算の問題も当然ありますし,
学校現場でのインターネットを2001年までに全校導入するという計画がありますけれども,こういう中で,改めて,急速に進む小・中学校でのコンピューター教育の充実ということに向かって,冒頭申しましたようなことも含めた配慮をぜひお願いしたいということと,これまでのソフトの整備状況を,それぞれの小学校,中学校で見ますと,市販ソフトがやはり9割ぐらいを占めている,自主制作ソフトについては8%ぐらいしかまだ利用されていないといいますか,制作されていないという整備状況でありまして,今後,学校の現場の先生,あるいは教育研究所を通じて,多方面,民間の方の努力,協力も得ながら,札幌という地域に合ったソフトの制作,あるいは,
子供たちにきちんと伝えることのできるといいますか,さらに充実した形でのソフトの制作ということが,これから改めて課題になろうかと思いますので,ぜひ,その点の努力をお願いしたいと。
あわせて,一気にコンピューターの導入が進むということでの,教職員の皆さんに対して負担がかからないような配慮,これもまた必要かと思います。私ぐらいの年齢になりますと,どうしても,なかなか,20代の方から比べると,覚える時間が3倍か5倍ぐらいかかります。また,覚えることというのは,コンピューターという機械がどのようにして動くのかということ自体が信じられないといいますか,扱えない,さわることさえできないという方もいるのじゃないかと思うのですよね。ですから,そういう中で,コンピューター教育,先生方の研修ということをこれから充実していかなきゃならないわけですが,ぜひ,過剰な負担のかからないように,そしてまた,コンピューターはそれぞれ導入されていますけれども,複数での指導というのは当然必要になってくるかと思います。その点についても,配慮をお願いいたしまして,私の質問を終わらせていただきます。
○山口 副委員長 以上で,第1項
教育委員会費等の質疑を終了いたします。
ここで,理事者交代のため,委員会を20分休憩いたします。
──────────────
休 憩 午後3時53分
再 開 午後4時15分
──────────────
○千葉 委員長 それでは,委員会を再開いたします。
第2款 総務費 第3項 市民生活費中関係分,第9款 教育費 第9項 社会教育費,第4条の第4表地方債のうち関係分及び議案第27号 札幌市青少年科学館条例の一部を改正する条例案を一括して質疑を行います。
◆荒川 委員 私は,2点質問をいたします。
一つは,青少年科学館の委託問題,もう一つは,中央地区図書館の建設問題,この二つです。
最初に,青少年科学館の問題からいきますので,よろしくお願いします。
青少年科学館を,新たに設置される生涯学習の第三セクター,財団ですか,こちらに委託をするということで,条例の改正案もあわせて出されてきております。なぜ,青少年科学館を委託するのか,そしてまた,その委託によるメリット・デメリットということについてはどう考えているのか,その点について,まずお尋ねをします。
◎石原 生涯学習部長 青少年科学館の副館長を兼任しておりますので,私の方から答弁をさせていただきたいと思います。
まず,1点目の青少年科学館の委託の理由でございますが,青少年科学館は,青少年を初め幅広い市民層に,最新の科学及び科学技術の知識を提供していくことが,その大きな使命であると認識をしております。しかしながら,近年の科学技術の革新は大変目覚ましいものがございまして,また,市民の科学に対する関心や学習ニーズもますます多様化・高度化しているところでございます。
青少年科学館が,このような急激な社会情勢の変化に十分対応していくためには,科学や教育などの専門分野の人材を確保し,その相互交流を図っていくことが最も重要であると考えております。また,民間のダイナミックな経営手法を取り入れ,弾力的で活力あふれる青少年科学館を目指していくことが求められているところでございます。
また,一方,青少年科学館が有する科学分野の普及啓発や,体験を通じた学習機能は,生涯学習の推進においても大きな要素の一つであると考えているところでございます。
このような状況を踏まえまして,教育的な公益団体であり,また,第三セクターとして民間の経営感覚をあわせ持つ,仮称であります札幌市生涯学習振興財団に委託するものであります。
2点目のメリットの点でございますが,このたびの委託によりまして,青少年科学館は,生涯学習という幅広い分野を担う財団に組み入れ,人材の相互交流や,財団の持つネットワークを大いに活用することが可能になり,これまでにも増して,新たな発想のもとで,時代の要請にこたえる事業展開が図られるものであります。また,財団の持つ民間の柔軟な事業手法やノウハウを取り入れることにより,施設の管理や事業運営の面で,一層きめ細やかな,さらに迅速なサービスの提供ができるものと考えております。
さらに,生涯学習振興財団にとりましても,科学分野の専門性を有した青少年科学館の機能を加えることにより,事業を展開する上で,広がりと専門的な深みが増すものと考えているところでございます。
◆荒川 委員 今の,なぜ委託をするのか,委託のメリットはどこにあるのかという点に関して,具体的なメリットまで触れられなかったですが,柔軟な事業運営ができるとか,あるいは,学術的なそういう分野でもより充実したものになっていくというようなことを言われたように聞いていましたけれども,直営ではできないことなのか,直営で弊害が出ているのか,その点明らかにしてください。
◎石原 生涯学習部長 ただいま,現状の科学館の業務が直営でできないのかというご質問でございますが,先ほど申しましたように,まず,大きなメリットの一つとしまして,やはり市民のサービス向上ということが挙げられると思います。科学館の業務をこの財団の事業の一環に取り込むことによりまして,直営の体制より大きな組織体制の中で,また,幅広いネットワークの活用,あるいは,組織内での有機的な連携を図ることによって,ただいま申しましたように,迅速かつきめ細やかな管理運営ができると,このことが,一層,今の管理体制より市民サービスにつながるとものと考えております。
また,専門職員の採用につきましては,現行も学芸員の配置をしてございますが,平成9年にリニューアルオープンをしまして,生命と環境をテーマにした展示物あるいはスペースを用意してございますが,特にこの中で,天文学,さらには,地球物理学の中でも,気象学だとか,環境工学,生命工学,今のそういう情報通信の中におけますマスメディア,あるいは宇宙通信,こんな技術の要望がたくさん出されております。これらの専門職員の配置というのは,現体制では職員を確保するのは大変難しいものがございます。それで,財団においては,十分経験を積んだ,あるいは知識の多い,こういう専門スタッフの確保ということが,今の体制から見ると容易にできると,そういうものがあります。
さらに,もう一つ大きく今までと違う点といたしましては,現在,9時半から4時半までの時間体制を組んでおり,今の体制でいいますと,特に展示物の解説,あるいは実演する職員につきましては,第2種非常勤職員を配置してございますが,勤務時間の制約等によりまして,時間延長等が大変難しいものでございました。財団委託になりますと,この時間を9時から5時まで,1時間延長することが可能になります。この専門職員,要するに,科学技術普及員でございますが,これらの職員は労基法の適用に今度はなりますので,その範囲の中で事務体制をとることができます。
そういう意味で,今幾つか挙げた点につきましては,直営より委託の方が十分市民サービスにつながるものと考えているところでございます。
◆荒川 委員 結局,新しくつくることになるこの財団,生涯学習振興財団,そこに初めて委託をするわけですよね。それが,いかにも,既に相当のノウハウをこの財団が持っているかのように言っていることについて,私,どういうことなのかなと,これからじゃないのかなと思って聞いていました。
そして,二つのメリットと言われるものについて,少し細かく,今,部長から説明がありました。迅速,きめ細かな管理運営が,財団に委託することによって可能になると。具体的に言えば,開館時間を前後に少し延長できるというようなことを言われましたけれども,直営でこれをやれないこともないのじゃないかなと,私は思うのですよ。市民サービス,しかも科学技術,青少年の社会教育施設,こういうものとして本市が多額の費用をかけてつくったこの施設,そもそもの目的からいっても,その施設にふさわしい利用形態を,直営であったとしても,これは工夫して実現することは十分できるだろうと,私は思うのですよ。保育園にしても,延長保育といえば,朝早い時間から夜の遅い時間まで,時間差をつけて体制をとって,直営の運営もしているわけですよね。ですから,そのことが,直営ではだめだ,財団に委託しなければならない理由だというふうには思えないわけですね。
それから,専門職員の確保が直営ではなかなか難しくて,財団にすることによって道が開かれるということについても,私,既に,組織体制について今どうなっていて,財団がスタートすればどうなるかということでも資料をいただいていますが,ほとんど変わらないのですよ。副館長の市職員,部長職ですか,これは,1名,財団に移行してもなお出向するわけですね。それから,課長職も市職員が,今と同じ1名が市から派遣されるわけですね。係長職も,今と同じ1名が派遣される。係が,現行の3名から2名になって,1人分はプロパーにかわるということで,ほとんど体制変わらないですね,管理部門。学芸部門で見ましても,課長職で1人,市職員の出向,これは同じです。係長職の市職員の出向2人も現行と同じです。係が,市職員8名から7名に1人減ると。教員職の2名はそのままと。今,部長が言われた科学技術普及員,嘱託ですね,これは現在も18名,新しく移行しても18名,何も変わらないのじゃないかなと思うのですよ。
これが,行財政改革推進計画に盛り込まれて,私は,経費節減,安上がり行政として委託されるのかなというふうに思わざるを得ないのですが,どうですか。
◎石原 生涯学習部長 安上がり行政ではないかというようなご質問でございます。
今,いろいろお話をさせていただいておりますが,今回は,生涯学習という観点の中で青少年科学館の業務を取り込んでいくのだと,そして,広い視野の中で新たな科学館を管理運営していくと,そういうのが大きな柱でございますし,さらに,専門性の確保によって,新しい技術・知識の普及に努めること,さらには,いろいろ柔軟な,あるいはきめ細かな対応によって市民サービスを進めていくということでございまして,今お話がありますように,今回の委託が,単なる職員の削減などによります合理化という考えはございません。
◆荒川 委員 同じことを言っていますから,これ以上やりとりしてもしようがないかなという気もしますが,実際は,市直営と同じなのですよ。新しく地下鉄延長した宮の沢に生涯学習センターをつくる。それを,新しい財団,第三セクターにやらせる。そこにこれも一緒にやらせてしまえということじゃないですか。
子供たちのために,本当に市が,せっかくのこの施設をより充実させて運用するためにこういう委託が考えられたなどと,私は到底考えられない。先ほど,委員席の中から,安くするためにそうしているということを認めればいいのじゃないかという話もありましたが,
子供たちのところで,学校給食にしてもしかり,安上がり行政を強化するというのが,行財政改革推進計画の大きな問題点だと,このことを指摘して,この部分は終わります。
次に,図書館です。
現行5年計画では,新年度,99年度,中央区の地区図書館が建設されることになっていました。建設場所,中央区内,敷地面積2,000平米程度,構造,RCづくり2階建て,延べ床面積1,200平方メートル程度,事業費,10億600万円,ここまで5年計画にきちっと位置づけられていたものが,事業再評価という形でこれが先送りされている。先送りをされているけれども,本当は建設に着工しているはずの新年度,99年度,何かやるだろうと思っていたら,何もやらないというようなことのようです。これはやはり,私,札幌市の文化行政に対する位置づけの低さというようなことにもなっているのではないかというふうに思うわけです。
この中央区の地区図書館については,単に,ほかの区にもある地区図書館という位置づけにとどまらないで,勤労者が集まる都心周辺,そこでの利用も加味すると,こういうことは当然だと私も思いますが,その計画は今後どう進むのか。私は,やはり急ぐべきだと思うのですが,この点どうなっているのか。
それから,もう一つ,今,新長期総合計画の策定に向けた論議が長期総合計画審議会で行われています。ことしじゅうに答申を出して,そして,札幌市としても来年早々くらいには新しい長期総合計画の案を固めるということになるでしょう。そして,恐らく,再来年,2000年度からは,1年前倒しの新5年計画が同時に我々の前に提示されてくるのではないか。来年の予算議会では,新5年計画も,予算とあわせて我々,審議するようなことになるのではないかというふうに考えていますが,20年先を見越した長期総合計画,その中で,図書館についてはどういう方向が打ち出されるのか。これから,長期総合計画審議会でそこら辺について煮詰めていくというのは,それはそれで審議会やりますが,教育長,どういうふうに,20年先をめどとしてですね,図書館については,これから何をしようとしているのか,今のままでいいということではないだろうと思いますので,その点あわせてお聞きしておきます。
◎岩本 中央図書館長 1点目のご質問にお答えいたします。これまで,経緯がございますので説明をさせていただきますけれども,確かに,現5年計画で,11年度建設という予定にはなってございました。しかし,先ほどもお話にありましたように,平成9年度の事業再評価プログラムの中において,要するに,中央区の特性にふさわしい機能を持った図書館とすると,検討するという内容で見直しを行ったことと,それから,実施時期につきましても,当初の11年度から平成12年度に見直しを行ったところでございます。さらに,平成10年3月の本議会におきまして,都心にふさわしい図書館の建設に関する陳情が全会派一致で採択されたところでもあります。
このような計画変更や,新たな要素が加えられたことを踏まえまして,都心にふさわしい,新たな視点に立った図書館を建設することになりますと,これまでの図書館と異なった観点から検討しなければならない新たな課題が多くございますので,これらを整理するために時間を要しているわけでございます。
したがいまして,この建設に当たりましては,私どもといたしましては,平成12年度からスタートするであろう新5年計画の枠組みの中で検討してまいりたいというふうに考えております。
◎山 教育長 次期長期総合計画におけます図書行政の展開ということでのお尋ねかと存じます。
現在,長期総合計画審議会におきまして審議中でございますので,その審議の動向をまず見据える必要があろうかと存じます。したがいまして,今後とも企画調整局とも相談をしながら,また,審議の動向を十分踏まえつつ検討していくべきものと思っております。基本的には,これまで,札幌市1区1地区図書館整備を柱としながら全体的に進んできたわけでありますが,今後につきましては,中央図書館,地区図書館,さらには,各区民センター等にあります図書室等の,まず,図書の充実といった部分,あるいは,利用者が利用しやすいような,検索を含めたいろんな工夫,さらには,情報によるネットワーク化,こうしたところで,より利便性を高めていくような,行政サービスの充実といった観点で対応していくべきものと考えております。
以上でございます。
◆荒川 委員 中央区の新たな地区図書館について,去年の3月に議会が陳情を採択している。もうそれから1年たつわけですよね。また次の1年どうするかといって,我々,予算審議をしている。まるで2年間これが放置されるというのは,私は,やはり文化行政に対する札幌市の取り組みの姿勢にかかわる問題というふうに指摘せざるを得ません。
館長から,次期5年計画にはということが言われましたけれども,それは当たり前のことだと思います。早急に,少なくとも建設に向けた準備の取り組みについては進めるべきではないかと思いますので,その点申し上げておきます。
それから,今,教育長に,20年先に向けて,新長計の中にも盛り込むべき図書館行政の新たな対応の基本についてお聞きしましたが,今のお話しだったら,1区1地区図書館のこの現状でいくということなのか。何か,蔵書の充実を図るとか,利用しやすいシステムをつくるとかいって,20年先に向かっての新たな図書館の建設というような展望は全く見えてこないわけですが,どうしたことかなと,私考えます。
前にも私議論したことありますが,札幌市の1区1図書館という,この図書館は,それぞれの区の中の中枢的な位置を占める区図書館の位置づけではないと,私は思っているのですよ。例えば,豊平区であれば西岡図書館となっているでしょう。西岡のあそこに豊平区の住民の方々はみんな行って利用するものだと,区のセンター図書館だという位置づけではないと思うのですよ。名称からいったってそうでしょう。北区だって新琴似図書館,南区なら澄川図書館と,こうなっているのです。それぞれの区の人が,区民センターや区役所を利用するように,みんなそこに集まって利用するのだという位置づけではないと思う。あくまでも,地区図書館だと思うのです。私,区図書館ではないと思う。
そうすれば,当然のことながら,1区1地区図書館でいいということにはならないと思うのですよ。やはり,次,20年先を見越して図書館行政をどう進めるかというときに,1区複数図書館,少なくとも2館目に向かっていくというようなこと,審議会の論議がどうあれ,教育行政に責任ある立場にある教育長が,やはりそういう考えを持ってしかるべきでないかと。それが,短期計画,実施計画でどういうふうに位置づけられていくかはまた別ですよ。しかし,20年先の札幌市の図書館を考えるときに,蔵書数の充実だとか利用システムの改善だとかいう程度の話しか出てこないというのは,いかにも寂しいなと,私は思いますが,この点,助役,どう考えますか。助役が横にいるから言えないのでないかなと思うのですけれども,やはりこれは,教育長としての立場と,財政的にそれを裏打ちしていく助役の立場と違うと思うのですが,いかがですか。
◎大長 助役 教育長さんが私の横でああいうふうに答えて,その横で私がいい答えをするのは,逆にできないわけでありますけれども,お話しのスパンが20年後と,私ども生きているかどうかわからないところまでの,いわゆる札幌の文化度を高めていかなきゃならぬよということの議論でありますから,私どもとしては,そういう議論を否定するものではありません。それから,もちろん,札幌市は今,例えばKitaraをつくったとか,またスポーツ施設もつくっているというように,スポーツであるとか,それから文化ということに相当力を入れてきているつもりでありますし,これからも,それはもう先駆けてやっていかなければならないというふうに認識しているわけであります。
また,1区1館とかそういう話になりますと,福祉の関係の施設のこととか,いろいろございます。したがいまして,札幌市総体として,やはり長いスパンで物を眺めた中では,そのようなことを総合的に論議をしながら,そして,そういうことが否定されることではないというふうに思っております。
◆中嶋 委員 私は,生涯学習振興財団についてお伺いいたします。
ことし4月から,札幌市教育文化財団と札幌芸術の森財団とを統合して,新たに,生涯学習の推進を担う中心的組織として生涯学習振興財団を設立するということであります。財団を初めとする出資法人のあり方につきましては,さまざまな問題が全国的に指摘されております。そこで,慎重な対応が必要と考えます。
市民ネットでは,これまでも,昨年の代表質問で,
教育委員会が所管する財団については一つにすべきと主張してまいりました。今回,札幌市教育文化財団と札幌芸術の森財団を統合して,市民局の所管になるということであります。しかし,事業内容を見ますと,これまで
教育委員会の方で管轄してきたわけですから,一緒にできなかったのかなというふうに疑問に思う部分もございます。そこで,どのような議論が行われて生涯学習振興財団設立に至ったのか,その経緯と必要性についてお示しをいただきたいと思います。
次に,生涯学習振興財団が担う事業の内容についてお伺いしたいと思います。
これまで,財団等が設立されるときは,効率的・弾力的な運営を図ると,行政側から,いつもそういうような,硬直的なとも言えるような説明を受けてきました。しかし,例えば区民センターなどの市民の利用施設を見ますと,本庁が管轄するよりも,より官僚的な対応が間々見られるということもございまして,本当に市民の立場から見て,より便利になっているとは必ずしも言えない現実もございます。
そしてまた,出資法人の職員の方々が,事業の目的も余りよく理解されていないのではないかなというふうに思うこともあります。何か貸し館業のように考えているのではないかというふうなことが感じられます。
財団設立に当たっては,このようなことを,ぜひなくして,改めていっていただきたいと思います。まず,利用する市民の立場に立ったシステムづくりが強く求められていると考えます。
この生涯学習振興財団では,具体的にどのような事業を担っていくのかお示しください。また,事業の運営に当たっては,出資法人としてのメリットはどう生かしていくのか,本当に市民に喜んでいただけるようなものになるのかどうか,お伺いしたいと思います。
◎石原 生涯学習部長 それでは,生涯学習振興財団の設立の経緯について,まずお話をさせていただきたいと思います。
このたびの財団法人札幌市教育文化財団と財団法人札幌芸術の森との統合,並びに,仮称でございます札幌市生涯学習振興財団の設立につきましては,行財政改革推進計画の一端として行うものでございます。
これらの一連の財団の再編につきましては,今後ますます市民要望が高まるものと予想されております芸術文化分野,生涯学習分野において,それぞれの将来展望や特性を踏まえた施策を展開していくために,これらの分野ごとにその中心となる財団を設置するものでございます。
とりわけ,生涯学習分野におきましては,市民主体の
学習活動を支援していくため,行政のみならず,大学などの教育機関や民間の持つノウハウ,市民の活力などを幅広く取り込み,体系的・総合的な
学習環境を整備していくことが求められておりまして,このためには,その中核機能を担った組織といたしましてこの財団を設置し,その専門性を生かし生涯学習を推進していく必要性があるものと考えております。
次に,財団が担う事業でございますが,来年度オープンをいたします仮称生涯学習総合センターや,
先ほどお話がございました青少年科学館などの生涯学習施設の管理運営のほか,全市のさまざまな学習施設の有機的な連携,市民のニーズに応じた学習機会や関連情報の提供,学習相談など,市民の学習支援事業を担っていくものでございます。
先ほど,財団のメリットにつきましてはお話をいたしましたので,省略をさせていただきたいと思います。
◆中嶋 委員 出資法人としてのメリットを生かして事業運営を図っていくということだろうと思いますけれども,しかし,そのためには,単に言葉だけじゃなくて,それを保証するための具体的なシステムづくりが求められていると感じます。例えば,理事や評議員の人選に当たっては,公募をするなどの工夫をすることも必要だと思いますけれども,これについてはどんなふうに考えていらっしゃるのか,お伺いしたいと思います。
それと,市民参加ということが非常に大事だろうと思いますけれども,市民の意見だとか市民の参画というものをどのように進めていこうとしておられるのか,お伺いしたいと思います。
それと,これまで,市の職員でしたら研修の機会やなんかがあるのですが,出資法人ですと,窓口ですとか,それからお掃除の方ですとか,そういう委託先の方については,余り研修ということは行われていないような印象を受けます。そういう方は,結構市民の方と会話することも多くて,すべての職員の方が事業を担う目的を理解して市民に接していただきたいと思うのですけれども,そういう研修の充実なども図るべきと考えますが,これについてもお伺いしたいと思います。
◎石原 生涯学習部長 まず最初に,市民の意向をどう反映していくかにつきまして説明をさせていただきます。
生涯学習の事業を効果的に展開していくためには,行政と市民のパートナーシップによる事業の推進を図るなど,市民が主体的に活動できる環境を整備することが必要であると考えております。
具体的に申しますと,例えば,生涯学習懇話会,講座などの企画会議,それから,利用者の声を聞く意見箱の設置などを通じまして市民の意向を反映していくとともに,施設や事業の運営に生涯学習ボランティアの活用をするなど,積極的に,この市民参画を図ってまいりたいと思っております。
次に,理事,評議員の人選に当たりましても,関係の深い各分野から,専門の知識,あるいは経験を持った方々にご就任をいただくなど,幅広い層からの人選を進めてまいりたいと考えております。
また,財団の職員の研修につきましては,それぞれ,まず人事交流を初め,さらに専門的な研修の機会を多く持ちながら,また,今ご指摘ありましたように,いろいろ,研修の中でも多くの市民からの意見を聞くなどして,職員の能力開発に努めてまいりたいと思っております。
◆中嶋 委員 最後に要望なのですけれども,定期的に財団のあり方については検証をしていただきまして,官と民のもたれ合いということにだけは絶対にならないように要望したいと思います。
○千葉 委員長 第3項 市民生活費中関係分などの質疑を終了いたします。
次に,第9款 教育費 第10項 体育費及び第4条の第4表地方債のうち関係分を一括して質疑を行います。
◆横山[博] 委員 1点だけ質問をさせていただきたいと思うのですけれども,スポーツ少年団の振興については,これまでも,私自身,応援してほしいと,もっと支援をしてほしいという話を議会でも何回かやらせていただいたのですが,いずれにしても,財政的な支援と同時に,今,スポーツ少年団の指導者の皆さんが大変悩んでいらっしゃるのは,やはり冬期間の利用できる施設が大変少ない。実際問題,ツインキャップとつどーむ,東区に大きなものができて,利用はしているのですけれども,しかし,札幌市内にある野球少年団,サッカー少年団ですね,冬期間の練習場に利用するには,その利用状況が大変高くて,なかなか利用できないという,そういう悩みも一方で抱えながら毎日指導に当たってらっしゃるのですね。それで,何とか札幌市の──野球やサッカーだけではないと思います。陸上競技も,恐らく中・高の陸上競技も,全国的にはかなりレベルが上がってきて,全国大会や,また国際大会にも参加できるような,そういう選手も北海道から出ているのですね。しかし,いかんせん,冬期間の練習場が少ないと。
そんな意味では,ある方はこういう話をなさっていたのですが,エアドーム,いわゆるエアテントのような,簡便な,簡易な,土に触れることのできる,冬期間の練習場というか,そういう施設ができないものだろうかというような提案も含めて,要望が強いのですけれども,こういうスポーツを楽しむ市民の皆さんの要望にこたえ,しかも,スポーツ振興という立場で,そういう施設の整備に対してどうお考えなのか,1点お尋ねをしたいと思うのですね。もちろん,つどーむやツインキャップのような施設がもっともっと,ツインキャップ程度のものであれば各区に整備をしてほしいというふうに考えるのですけれども,その点いかがか,お尋ねをしたいと思います。
◎西塚 事業調整担当部長 ただいまご質問の,冬の間も土の上でスポーツを楽しみたいという,そういう施設はいかがかということについてでございますが,本市ではこれまで,多様なスポーツ需要,加えて,活発なコミュニティ活動に対応し得るように,そのような施設を,一定の水準,あるいは一定の規模を持った施設を基本として整備をしてきたという経緯がございます。したがいまして,多くの関係団体の方々が多くの要望をお持ちだということはよく承知をしております。さらには,土の上で通年,冬の間もスポーツをしたいなというそのお話もわからないわけではございません。
しかしながら,ただいまお話のございました,軟式少年野球だとか,そういう特定のスポーツのために限定したそういう施設の新設整備につきましては,大変難しいものというふうに考えさせていただきたいということで,ご了解を願いたいなと。
◆横山[博] 委員 難しい話だというふうに一蹴されてしまうと,本市のスポーツに対するご所見というか,お考え方を,本当に疑問視しなければならないと思うのですね。地域で,監督やコーチが,なかなかことしのように雪が多いと,雪解けを待ち切れないで,スコップを抱えて
グラウンドの雪を,早く解けるようにということで,雪を細かく砕く作業から始まっているのですね。
ですから,北海道から松坂選手のようなというふうに,私もね,できればそういう選手も生まれてほしいと。そして,コンサドーレの選手にも,大いに札幌市内の
子供たちも参加できるようにしてほしいという,親心というか,スポーツを楽しんでいる一人として,難しいということではなくて,本当に前向きに施設の整備をご検討いただきたいと。そのことを強く強く要望します。
終わります。
○千葉 委員長 第10項 体育費などの質疑を終了いたします。
以上で,本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会でありますが,明日午後1時から,消防局,下水道局及び環境局の質疑を行いますので,定刻までにご参集ください。
本日は,これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後4時58分...