札幌市議会 1998-12-08
平成10年第 4回定例会−12月08日-03号
議案第8号 札幌市
区民センター条例の一部を改正する条例案
議案第9号 札幌市福祉の
まちづくり条例案
議案第12号 財産の取得の件(
都市環境緑地用地)
議案第13号 市道の認定及び変更の件
議案第14号 平成11年度
当せん金付証票の発売限度額を定める件
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〇出席議員(68人)
議 長 柴 田 薫 心 君
副 議 長 富 田 新 一 君
議 員 高 橋 克 朋 君
議 員 勝 木 勇 人 君
議 員 鈴 木 健 雄 君
議 員 堀 川 素 人 君
議 員 新 山 やすし 君
議 員 大 嶋 薫 君
議 員 小 野 正 美 君
議 員 本 郷 俊 史 君
議 員 高 橋 功 君
議 員 宮 川 潤 君
議 員 中 嶋 和 子 君
議 員 田 中 昭 男 君
議 員 松 浦 忠 君
議 員 横 山 光 之 君
議 員 馬 場 泰 年 君
議 員 宮 村 素 子 君
議 員 笹 出 昭 夫 君
議 員 佐々木 肇 君
議 員 三 上 洋 右 君
議 員 岩 木 みどり 君
議 員 畑 瀬 幸 二 君
議 員 大 西 利 夫 君
議 員 義 卜 雄 一 君
議 員 涌 井 国 夫 君
議 員 横 山 博 子 君
議 員 武 藤 光 惠 君
議 員 山 口 た か 君
議 員 道 見 重 信 君
議 員 上瀬戸 正 則 君
議 員 伊 藤 知 光 君
議 員 原 口 伸 一 君
議 員 千 葉 英 守 君
議 員 村 山 優 治 君
議 員 猪 熊 輝 夫 君
議 員 西 村 茂 樹 君
議 員 川口谷 正 君
議 員 小 田 信 孝 君
議 員 柿 崎 勲 君
議 員 生 駒 正 尚 君
議 員 佐々木 周 子 君
議 員 福 士 勝 君
議 員 宮 本 吉 人 君
議 員 武 市 憲 一 君
議 員 大 越 誠 幸 君
議 員 高 橋 忠 明 君
議 員 常 本 省 三 君
議 員 佐 藤 美智夫 君
議 員 加 藤 斉 君
議 員 丹 野 勝 君
議 員 本 舘 嘉 三 君
議 員 森 健 次 君
議 員 春 原 良 雄 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 室 橋 一 郎 君
議 員 小 谷 俵 藏 君
議 員 山 田 信市郎 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 吉 野 晃 司 君
議 員 澤 木 繁 成 君
議 員 伊与部 敏 雄 君
議 員 湊 谷 隆 君
議 員 岡 本 修 造 君
議 員 常 見 寿 夫 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菅 井 盈 君
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〇欠席議員(1人)
議 員 北 川 一 夫 君
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〇説明員
市長 桂 信 雄 君
助役 魚 住 昌 也 君
助役 大 長 記 興 君
助役 千 葉 瑞 穂 君
収入役 伊 藤 忠 男 君
交通事業管理者交通局長 井 原 貴 男 君
水道事業管理者水道局長 松 見 紀 忠 君
総務局長 佐々木 喜 四 君
企画調整局長 高 橋 賢 治 君
財政局長 植 田 浩 君
市民局長 鈴 木 俊 雄 君
保健福祉局長 舘 美 武 弘 君
環境局長 平 田 匡 宏 君
経済局長 高 橋 登 君
建設局長 瓜 田 一 郎 君
都市局長 吉 本 朗 生 君
下水道局長 島 田 一 功 君
市立札幌病院長 中 西 昌 美 君
消防局長 高 橋 彦 博 君
教育委員会委員 山 藤 邦 雄 君
教育委員会教育長 山 恒 雄 君
選挙管理委員会委員長 宮 口 健太郎 君
選挙管理委員会委員 関 口 英 一 君
選挙管理委員会委員 長 岡 武 夫 君
選挙管理委員会委員 田 畑 光 雄 君
人事委員会委員長 朝 倉 賢 君
人事委員会事務局長 大 門 隆 司 君
監査委員 日 野 晃 輔 君
監査事務局長 淋 代 恒 芳 君
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〇
事務局出席職員
事務局長 植 田 英 次 君
事務局次長 坪 田 玲 二 君
総務課長 山 内 馨 君
議事課長 福 島 康 則 君
調査係長 渡 辺 三 省 君
資料係長 岩 谷 隆 博 君
議事係長 細 川 正 人 君
記録係長 前 野 保 雄 君
委員会一係長 木 村 義 広 君
委員会二係長 吉 野 豪 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 今 井 一 行 君
書記 松 田 寛 司 君
書記 池 田 章 宏 君
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〔午後1時開議〕
○議長(柴田薫心君) ただいまから,休会前に引き続き会議を開きます。
出席議員数は,61人であります。
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○議長(柴田薫心君) 本日の
会議録署名議員として宮村素子君,生駒正尚君を指名します。
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○議長(柴田薫心君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(植田英次君) 報告いたします。
北川一夫議員は,公務出張のため本日の会議を欠席する旨,菅井 盈議員は,所用のため遅参する旨,それぞれ届け出がございました。
昨日,市長から,松浦 忠議員の文書質問に対する答弁書が提出されましたので,その写しを各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程,
陳情受理付託一覧表及び質問順序表は,お手元に配付いたしております。
以上でございます。
〔一覧表は巻末資料に掲載〕
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○議長(柴田薫心君) これより,議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第9号まで及び議案第12号から第14号までの12件を一括議題といたします。
ただいまから,代表質問に入ります。
通告がありますので,順次発言を許します。
新山やすし君。
(
新山やすし君登壇・拍手)
◆
新山やすし君 私は,ただいまから,
自由民主党議員会を代表して,本定例会に上程をされました諸議案並びに市政の諸問題について,具体的な提言を交えながら質問をさせていただきますが,本論に入る前に,一言述べさせていただきます。
私は,平成7年4月の
統一地方選挙に初当選以来,今日までに多くの市民の方々の生の声をじかにお聞きをし,その期待の大きさを知らされ,
市議会議員としての責任の重さを身をもって知り,その期待にこたえるべく初心を全うし,最大限の努力を惜しまず議員生活を送れたのも,地域の方々,理事者の皆さん,議員諸兄のご指導のたまものと深く感謝を申し上げまして,質問に入らせていただきます。
まず最初に,市長の政治姿勢についてであります。
とりわけ,2期8年の総括として,市政の現状と将来についての考え方についてお伺いをいたします。
過日,市長は,来春の市長選に三たび立起されることを表明されましたが,我々自由民主党は,これを支持し,強く支援していくべく,今,粛々とその手続をしているところであります。
これまでの8年を振り返ってみますと,桂市長は,躍動都市,北の
理想都市サッポロの実現に向けて,生活基盤の整備を初め,防災,福祉,経済対策,文化,環境,コミュニティーの創造など幅広い施策を展開し,札幌市の発展に尽力をされ,本市の街づくりは着実に進展してきたものと思います。
しかし,時代は,今,長引く不況の真っただ中で,待ったなしの景気対策,介護保険など新たな行政需要の拡大,地方分権や規制緩和といった難問・課題が山積をしており,まさに行政全体の再構築が強く求められているのであります。このため,財政の健全化に向けての行政のスリム化が要請される一方で,行政主導による景気浮揚策も必要とされるという,相反する施策を並行して展開していかなければならない状況下にあります。
このように,自治体運営のかじ取りは,かつてないほど厳しい時代を迎えていると言っても過言ではありません。私は,このようなときこそ,市長の強力なリーダーシップのもとに,一丸となってこの難局を乗り越えなければならないと考えるのであります。
そのためには,まず,行政改革を断行することであります。行革は,我が会派も緊急・最大の課題としてとらえ,これまでも,機会あるたびに,総人件費の削減や民間活力の導入,委託の拡大などを提言してまいりました。
私は,行革を考える場合に,時期を逃さず,緊急に取り組まなければならない問題と,将来を見据えながら,計画的かつ着実に推進しなければならない課題の両面があろうと思います。むだなものは英断をもって切り捨てなければなりませんし,その一方で,分権時代の地方行政としての足腰の強い
体制づくり,
都市づくりを進めなければなりません。その両者が相まって,初めて真の行革と言えるのだと思います。
右肩上がりの経済成長が望めず,
市民ニーズが多種多様に拡大しつつある今日,地方分権の名をかりるまでもなく,まさしく選択と責任の時代に突入しているのであります。このようなときに,どのように市民と手を携えて新時代に向けた札幌の
都市づくりをしていくか,また,体制や仕組みをどのように構築していくかが,今後の行政運営の最大の眼目であろうと思います。
少子高齢化,情報化,国際化といった社会変化は,予想以上の速度で進み,また,地方分権や規制緩和など社会の仕組み自体がさま変わりしつつある中,桂市長は,本市が進むべき21世紀の道筋を明らかにすべく出馬を決断されました。出馬表明の際にも抱負を述べられておりますが,これまでの8年をどのように総括し,市政の現状,将来についてどのように考えておられるのか,決意も含めて,この議会の場で改めて明らかにしていただきたいのであります。
次に,第3次5年計画の進捗状況についてであります。
市長は,平成7年4月,2期目の選挙に際して,自然と調和するさわやかなまち,ともに支えあうあたたかなまちなど六つの政策目標を掲げ,さらに,これらの政策目標のもとに環境,福祉,文化,産業振興など,幅広い施策を実施することにより北の
理想都市サッポロの実現を目指すとし,市民から大きな支持を得たところであります。その後,市長は,常に真摯な態度で公約内容の実現に向けて積極的に努力をされており,それが一定の成果を上げていることは,我が党としても十分認識するところであります。
これまでの間に,
社会経済情勢の大きな変化があり,市長が目指す北の理想都市の実現のためには,多くの課題が生じたものと考えられます。例えば,経済の状況を見ますと,国や
地方公共団体の数次にわたる対策にもかかわらず,依然として低迷から抜け出せずにおります。
福祉に関しましては,
少子高齢化の進展や
ノーマライゼーション意識の浸透により,市民の関心や行政に対する期待が大きくなっている一方,平成12年度の介護保険の導入に向けての取り組みも急ピッチで進めなければならないという状況に置かれております。
環境に関しましては,地球規模の環境問題が取りざたされて久しいところでありますが,本市として,市民の関心の高まりや国際社会の一員としての責任に対しても,こたえていかなければならないと考えられます。さらに,こうした厳しいときだからこそ,市民に対して,将来に希望の持てる明るい材料を提供していく必要もあるのではないかと思います。
これらの課題は,財政状況が厳しい中にあっても取り組まなければならないものであり,市長も,その対応策について,平成8年度にスタートした第3次5年計画に位置づけられたところであります。この計画は,社会経済の変化をも見据えた本市の5カ年間の行政運営の基本となるものであり,また,市長が選挙の際に市民に約束をした公約の内容を盛り込んだ,いわば公約の実施計画としての一面をも有するものであります。
市長としても,いわゆるDR運動や事業再
評価プログラムの実施,
行財政改革推進計画の策定など,行財政改革や事業の重点化などに向けた取り組みを進めながら,5年計画の実施に向けて全力を挙げてこられたと思います。私といたしましても,この計画が,本市が直面する課題の解決や市民との約束の実現につながる重要な計画であると理解をしているところであり,その進捗状況には大きな関心を持っております。
そこで,市長にお伺いをいたします。
市長がその実現に取り組んできた第3次5年計画が3年目を迎えた現在,計画の進捗状況をどのように評価されているのか,お伺いをいたします。
次に,本市の財政問題についてであります。
第1点目は,景気対策についてであります。
未曾有の経済危機に対し,経済再生に力を入れる小渕政権から矢継ぎ早に対策が打ち出されており,金融システム不安については,公的資金枠60兆円により経済に血液を流す仕組みをつくり,また,先月の16日には,過去最大規模の23兆円を上回る
緊急経済対策を決めて,一両年のうちに景気回復への確かな手ごたえを得ようとしております。
本市も,これまでの対策に引き続き,国の第3次補正予算に対応し,補正予算を早期に取りまとめ,本議会に追加提案される予定と伺っております。この中には, 220億円程度の補助事業に加え,昨年を上回るゼロ市債の設定,さらには中小企業の受注機会の拡大に配慮した単独事業が盛り込まれる見込みであり,まさに疲弊している地域経済の絶好のカンフル剤となり,地元企業は大いに歓迎しているところであります。私も,一定の評価ができるものと考えているところであります。
また,私は,かねてから,景気を刺激するためには,公共事業の追加に加えて,民需の拡大も図ることが大切であると主張してまいりました。
この中で,特に波及効果の大きいのが住宅投資であります。今回の国の対策にも住宅投資の促進が盛り込まれており,また,これからの高齢社会を見据えますと,高齢化に対応した住宅,すなわちお年寄りが住みやすい
バリアフリー住宅のストックを充実させていくことが特に必要であります。このためには,本市が現在持っている住宅の
リフォーム資金の融資限度額の引き上げ,また,現下の金利水準を反映した融資利率の引き下げ,高齢者などのための融資については無利子も検討するなど,思い切った融資制度の拡充が有効であると考えております。このことにより,景気対策と住宅対策のまさに一石二鳥の効果が期待できるものであります。
私は,今申し上げましたように,
リフォーム資金の融資制度の拡充をできるだけ早期に実施すべきと考えますが,市長のご見解をお伺いいたします。
また,民需,とりわけ個人消費を刺激する対策として,
地域振興券も今回の国の対策に盛り込まれました。景気を浮上させるためにさまざまな取り組みを行うことは望ましいことでありますが,この交付事業は,全額,国庫補助の
自治体事務に位置づけられておるのであります。
そこで,お伺いをいたしますが,市長は,実際に
地域振興券の制度を運用される立場としてどのような認識をお持ちなのか,明らかにしていただきたいのであります。
第2点目として,本市の財政構造についてお伺いをいたします。
地方財政は,低迷する経済状況によってかなり体力を弱めております。
そこで,本市の財政の現状と課題を私なりに整理をしてみますと,まず,数次の景気対策に係る起債事業の増加などにより,一般会計の市債残高は,平成9年度末で 8,561億円となり,初めて一般会計当初予算総額を上回り,また,本市の市税収入は,さきの第3回定例市議会において,本年度,予算を大幅に下回る見込みが明らかにされております。
財政調整基金の現在高も減少してきており,本年度末では30億円余りとなる見込みであります。また,これまで急ピッチで整備をしてきた社会資本の
維持管理費や更新経費,
少子高齢社会の進展など
社会経済情勢に即応した事業の増加など,さまざまな課題を抱えております。
さらに,市の財政を規定する国家財政,地方財政の枠組みにも十分留意をしていかなければなりません。国債の大量発行で利払いがかさみ,財政の硬直化が一段と進んでおります。また,
地方分権型社会に進展していけば,現在よりもっと自立できる財政基盤が不可欠になるでありましょう。
私は,このような大変厳しいときこそ,市民に実態を明らかにして,協力を求め,市民と行政の力の結集を図るときと考えるのであります。市民に率直に言うべきことは言う,このようなことから市民と行政の本物のパートナーシップが生まれてくるのではないでしょうか。今こそ,従来の発想にとらわれることのない新しい視点を持ち,抜本的な構造改革に取り組むときであります。
そこで,質問いたしますが,市長は,本市の財政構造の課題についてどのように認識をされておられるのか,まず明らかにしていただきたいと思います。
第3点目は,もう少し長いスパン,すなわち21世紀に向かっての財政運営のあり方であります。
来年の地方財政は,長引く不況のあおりを受けて,巨額の財源不足に見舞われる公算が大きくなっております。もちろん,景気の早期回復を期待しているのでありますが,バブル時のような高い
経済成長率は望めません。もうシビルミニマムを充足させる時代は終わりを告げ,札幌という大都市は,成長型から成熟型に移行してきているのであります。税収はふえない一方,
高齢者福祉対策など,
行政ニーズは増大をします。今後は,お金よりも知恵を働かせる時代に入ります。まさに,民間の活力を
施設づくりに生かすPFIや,地域の個々の課題への対応については,
地元町内会を初め,NPOが一つの大きな力となってくるのでありましょう。
21世紀を開く市政は,地方分権,情報公開,ネットワークなどを縦軸に,
少子高齢対策,
情報化対策,防災対策,
資源循環型社会づくりを横軸として組み立てられてまいります。
そして,財政運営の重要なキーワードの一つが選択であります。未来の札幌のために,未来の子供たちのために,必要な事業,必要な投資をどのように選び取っていくか,未来に向けた想像力が必要であります。
そこで,お伺いいたしますが,社会経済の構造の変化に合わせて市民の期待にこたえていくためには,中長期的な視点に立った財政運営を進めていく必要があると考えますが,市長のご見解を明らかにしていただきたいと思います。
次に,
介護保険制度についてであります。
平成12年4月から実施される
介護保険制度においては,
介護サービスの提供者として,営利企業,農協,生協,さらには住民参加型非営利組織も含め,多様な
民間事業者の参入が期待されているところであります。介護を必要とする
市民ニーズに的確かつ迅速に対応するために,
民間事業者の創意工夫を生かし,サービスを選択できる幅をより広げることが重要であり,民間活力の積極的な活用は,そのための欠かせない条件であると考えます。
一方,景気の低迷が続く中にあって,
介護保険制度を運営する上で注目しなければならないのは,その経済効果についてであります。一例を挙げれば,
消費拡大効果であります。
介護保険制度が市民の老後を支える制度として機能することによって,高齢世代にとっても,若い世代にとっても,いざ介護が必要な状態になった場合に備えて貯蓄をする必要性が減り,その分,消費の拡大に回るという論理でありますが,このような効果が現実に生じるためには,
介護保険制度が,利用する側にサービスを選択する自由が確保され,効率的で質の高いサービスが提供されることが必要であり,やはり
民間事業者の本格的な参入が強く望まれるのであります。
そこで,
介護保険制度の運営に当たっては,民間活力の積極的な活用を図るべきであるとの立場から,3点質問をいたします。
まず,第1点目は,介護保険の経済効果についてであります。
介護保険のもたらす経済効果として,さきに述べた
消費拡大効果のほか,民間企業などが
介護サービス分野へ参入することに伴う雇用機会の増加,家庭の主婦などの家族介護の負担が軽減されることによる新たな労働力の創出などが指摘されているところでありますが,こうした
介護保険制度の経済効果について,基本的にどのように認識をしておられるのか,お伺いをいたします。
2点目は,介護保険の公共的な事業としての評価についてであります。
1点目の質問で触れたような経済効果に着目をすれば,
介護保険制度は,高齢者など,一部市民のみが恩恵を受ける福祉施策としてではなく,地域経済の活性化の可能性を含む新たな公共的な意味合いの強い事業として評価されるべきであり,また,そうした評価が,より多くの市民がこの制度への関心を深めることにもつながると考えるのでありますが,ご見解をお伺いいたします。
3点目は,民間活力の活用による
介護サービス基盤の整備についてであります。
介護保険制度を円滑に運営するためには,制度導入による需要増大も見通した上で,計画的に
介護サービス基盤を整備していく必要があり,そのために多様な
民間事業者の参入が不可欠であると考えますが,この点についてのご見解をお聞かせ願います。
次に,教育問題について質問いたします。
今,私たちの周りで目にする子供たちの多くは,明るく,健康で,学校内外での学習や文化・スポーツ活動に真剣に取り組んでおります。
しかし,このように,一見,何も問題がありそうにもない子供たちも,心の成長という観点から見ると,憂慮すべきことが多くあると言わざるを得ません。家庭をめぐっては,少子化や核家族化などを背景とするさまざまな生活体験の減少,親の無責任な放任や,逆に過保護・過干渉といった傾向が見られます。また,地域社会においては,地縁的な連携が弱まり,人間関係の希薄化が進むとともに,生活体験や自然体験などの機会が失われております。さらに,学校に関しては,過度の受験競争などを背景として,学校生活がゆとりのないものとなり,友達との交流を深めたり,充実感や成就感が得られにくくなっているなど,問題が生じていると言われております。
このような環境下にあって,さまざまな悩みやストレスを抱える子供たちがふえ,心の健康が損なわれている状態が生じておりますし,そのストレスがさまざまな問題行動につながっているとも指摘されております。また,弱い者をストレス発散の対象とし,友達の心を傷つけたり,動物を虐待する子供がふえている現実もあります。これらの子供たちには,社会性や自己責任の観念,他者を思いやる温かい気持ち,望ましい人間関係を築く力などが十分に育っていないのではないかと思うのであります。
子供が置かれている状況を考えるとき,我々は,大人社会の風潮が子供たちの心に色濃く影を落としていることを認識し,大人自身の生き方を省みるとともに,我が国の将来を託す子供たちの心の教育について,総力を挙げて取り組んでいかなければならないと強く思うのであります。
そこで,心の教育に関連する内容として,子供のストレスを和らげるための心の教室相談員事業と,思いやりの心や生命を大切にする心と深いかかわりのある学校における動物飼育について取り上げ,お伺いをいたします。
1点目の心の教室相談員事業についてでありますが,まず,この事業にかかわる教育委員会の取り組みについてお伺いいたします。
さきの第2回定例市議会で補正予算が計上され,議決を得た心の教室整備事業について,我が党は,この事業が,子供たちが抱えているストレスを和らげ,不安を取り除き,心にゆとりを持てるような空間と地域の人材とを中学校に提供することができる大変意義のある事業であること,また,子供の教育について,これまで,ともすると学校が閉鎖的であったり,一方では学校に任せ過ぎてきたという反省から,家庭,地域社会,そして学校が一体となって,子供の心の育ちを支援するための糸口になる事業であると高く評価をし,強く支持してきたところであります。
しかしながら,その後,諸般の事情から,この事業が円滑に実施できない状況に至ったことは大変遺憾なことであり,我が党は,10月16日の第3回定例市議会決算特別委員会において,この間の経緯を質問し,子供たちのために一日も早く円滑に実施するよう強く要望したところであります。
その質疑の中で,教育委員会が,この事業の趣旨を曲げることなく,子供を中心とした子供のための事業として実施しようと,一貫した姿勢で取り組んでこられたことが明らかになり,そのことを高く評価しておりました。しかし,その後,札幌での事業の実施がおくれていると伝えられ,その事業について憂慮していたところであります。
そこで,質問でありますが,この事業の一連の動きを踏まえ,教育委員会はどのような取り組みをしてきたのか,また,相談員としてどのような人たちを委嘱したのか,お伺いをいたします。
次に,この事業の円滑な実施に関連して,心の教室相談員への教育委員会の支援についてであります。
この事業は,学校に第三者的な人が初めて入る試みであります。学校も,相談員になられた方にとっても,何をどのように取り組んでよいのかといった不安や戸惑いもあるのではないかと思うのであります。
教育委員会が委嘱をした相談員は,各学校で十分検討されて選ばれた人格,識見がすぐれた方々であると思いますが,特別な資格を持っているわけでもなく,当然,職業や年齢,経験も多様であろうと思います。したがいまして,相談員としての役割を果たすためにも,今日の子供の心理や行動傾向の理解などを含め,一人一人が相談員としての力量を高めていくことが必要ではないかと考えます。また,相談員は,第三者的な立場として学校に入ることから,子供たちや教職員とのかかわりなどで,学校内で孤立をしたり,困難や悩みが生じることも考えられ,相談員を支えることも必要になってくると思います。
そこで,質問ですが,心の教室相談員を支援するためにどのような取り組みを考えておられるのか,お伺いをいたします。
次に,2点目の,先ほど申し上げました心の教育にとって大きな意義があると思われる動物の飼育についてお伺いいたします。
今,幼稚園や小学校では,ウサギや鶏などの小動物が飼育され,教職員や子供たちがその世話をしていると聞いております。このことは,少子・核家族化や自然の中での体験的な活動の不足などにより,生命の大切さに対する感性が希薄化しているとの指摘がある中,子供たちに思いやりの心を育てたり,命あるものを慈しむ心を育てることからも,大切なことだと思うわけであります。
また,文部省も,そうした活動が次代を担う子供たちの心の教育を推進するものとして極めて価値のあるものとの考えから,年度内に動物飼育に関する手引書を作成し,全国に配付すると聞いております。
しかし,マスコミなどによりますと,学校では,動物の特性に合った世話が不十分であったり,病気などから動物を死なせてしまうという問題などが指摘されております。また,学校において,動物の病気や繁殖に対する処置,子供のアレルギーや感染症などについて,さまざまな不安を抱いているとも報道されております。このような状況下にある動物飼育にかかわって,将来的に,例えば,専門家である地域の獣医師を活用した学校獣医師制度などを設けていくことも必要になるのではないかと考えるのであります。
そこで,質問ですが,学校における動物飼育について,どのような教育的意義があると認識をしておられるのか,また,動物の適正な飼育活動を進める上でどのように取り組もうとしておられるのか,お伺いをいたします。
次に,高速自動車国道の機能強化についてお伺いをいたします。
ご承知のように,近年,札幌市は,北海道の総人口がそれほど変わらない中,年間1万人以上人口がふえており,ますます発展を続けておりますが,これに伴い,交通需要も増加傾向にあります。
円滑な人と物の流れは,都市活動を活発化させ,都市の発展に必要なことから,都市機能を確保するための幹線道路網の整備が必要であり,また,特に高速自動車国道の整備については,道内各都市との連携の強化や産業の活性化などに大きな役割を果たすことから,重要な行政課題であると考えております。
札幌市内の高速自動車国道は,昭和46年に小樽インターチェンジから札幌西インターチェンジ間が一般有料道路として供用されて以来,札幌南インターチェンジから札幌ジャンクションまで順次整備が進められ,平成4年9月に札幌西インターチェンジから札幌ジャンクション間が完成したことにより,全線開通をしております。
これらの整備により,市内を通過する交通が高速国道へ転換をし,主要幹線道路の渋滞緩和に大きな効果を発揮してきましたが,市街地を通過する道路であり,高速性,定時性にすぐれ,特に,札幌西インターチェンジから札幌南インターチェンジ間については,普通車料金が,開通時当初 300円,現在でも 400円と,割安感のある均一料金を設定したことにより,当初の予想を上回る交通量となっております。このため,本区間の各インターチェンジにおける出入り交通量も大幅に増大し,新川インターチェンジや大谷地インターチェンジなどの周辺で,朝夕のラッシュ時には交通渋滞が発生をし,そのことが高速道路の機能を大幅に低下せしめている状況にあります。
したがいまして,これらの対策として,北海道開発局,日本道路公団及び本市などの道路管理者並びに公安委員会が中心となった北海道渋滞対策協議会で,特に緊急性,重要性が高い高速自動車国道の札幌西から札幌南間のインターチェンジの出入り口の渋滞解消を図るため,高速自動車国道渋滞解消検討会が組織されたところであります。
これを受けて,既に札幌北インターチェンジの交差点改良が行われ,さらに,南インターチェンジ,新川インターチェンジの改築に着手しております。これらの改築が渋滞解消のために大いに役立つものと期待しております。私といたしましても,一刻も早く完成することを強く要望するところであります。
そこで,まず第1点目として,札幌南インターチェンジについてお伺いをいたします。
札幌南インターチェンジについては,現在,小樽方面への出入り口がないハーフインターですが,小樽方面への乗りおりを可能にすることで高速道路の機能強化を図ることができるとともに,現在,混雑している大谷地インターチェンジの混雑緩和にも大きな効果をもたらすものであります。平成8年度にインターチェンジのフル化の都市計画決定を行ったところでありますが,そこで,札幌南インターチェンジの整備の進捗状況と今後の見通しについて,まずお聞かせを願います。
次に,2点目として,新川インターチェンジについてお伺いをいたします。
オンランプについては,現在2ブースありますが,ピーク時においては,この2ブースでさばける容量を超える交通量が集中するため,料金所手前に渋滞が発生し,その滞留が札幌新道と新川通の交差点まで到達してしまうことから,当該交差点を通過する車両にまで影響を及ぼす状況となっております。
この対策として,オンランプ自体の交通容量を増加させるため,1ブース増設し3ブースにする都市計画変更を平成9年度に行ったところでありますが,その後の新川インターチェンジの整備進捗状況と今後の見通しについてお聞かせを願います。
オフランプの改良については,まだ取り組まれていないようですが,現在のインターチェンジの混雑から,オフランプの改良も必要と考えますが,今後の取り組みもあわせてお伺いをいたします。
また,3点目として,手稲インターチェンジの改良についてお伺いをいたします。
札幌南インターチェンジ及び新川インターチェンジの改築は,高速自動車国道の渋滞緩和のため,当然に役立つものでありますが,今後,高速自動車国道利用者は,札幌市の自動車の増加や周辺の都市開発などによる人口増加などに伴い,ますます増大し,交通渋滞が今後一層発生するものと思われます。
また,手稲インターチェンジについては,現在,札幌都心部方面のみの乗りおりとなっており,手稲区民が小樽方面へ行く場合,札幌西インターチェンジまで戻るか,銭函インターチェンジまで行かなければ,高速道路を利用できない状況となっております。したがって,これらの不便を解消するために,手稲区のすべての連合町内会から,平成9年には日本道路公団総裁あてに,さらにことし10月には市長あてに,手稲インターチェンジの小樽方向へのアクセスの新設要望がなされました。また,今後,小樽から黒松内への延長などにより交通量の増加が見込まれますことから,手稲区民の高速道路へのアクセスの利便性の向上を考えますと,手稲インターチェンジのフル化が必要であると考えます。
そこで,手稲インターチェンジのフル化に向けて,今後どのような取り組みを行っていくお考えなのか,お伺いをいたします。
最後に,手稲区の諸問題についてお伺いをいたします。
平成元年に誕生した手稲区は,区のシンボルとも言える手稲山に代表されますように,緑豊かな自然に恵まれ,また,小樽市や石狩市に接する立地条件を考えますと,これからますます発展が期待される街であります。人口の伸びが区の中でも一,二を争い,人口に占める子供の割合が多いという特色は,これからの手稲区発展のエネルギーとなっていくことでありましょ
う。手稲区は,その誕生のときから,「ていねっていいね」という区民に親しまれやすいキャッチフレーズを掲げて,手稲区は本当にいい街だと,そう区民が感じることのできる街づくりを目指してきたところであります。
私が思いますには,街の発展は,単に,都市化が進み,利便性が高まるということにとどまりません。そこには多くの人が住んでおります。手稲区におきましても,約13万 5,000人もの人が日々暮らしておりますが,その一人一人が,例えば私のように,幼いときから今日まで手稲に住み続けている者はもちろんのこと,街の発展とともに,市内の各区やほかの市町村から移り住んできた人たちみんなが,この手稲に住んでよかった,そして,このよさを私たちの子供たちへ,またその子供たちへと,すばらしい手稲を伝えたい,そういう思いを共有できる街づくりこそが何よりも重要なことだと思います。
さて,手稲区では,平成7年から手稲まちづくり大作戦と称し,まず自分の住む街を知ろう,そして,特性や課題をみんなで共有し,ともに汗を流して愛着のある街にしていこうという取り組みが進められてまいりました。そうした取り組みの中から多くの人材が育ち,さまざまな活動の中から,本年の3月,手稲区のまちづくりビジョンが策定をされました。
このビジョンは,まず,心にふるさと手稲を感じることというテーマを大きな目標として掲げ,手稲の区民・企業・行政が心を一つにして汗を流し,きずなを深め,集い,にぎわいのある街を目指しております。この目標こそ,区とそこに住む区民,そして,そこに活動する人や企業がともに持ち続けるにふさわしいものだと思っているところであります。
また,にぎわいをキーワードとして,ネットワークで結ぶ街づくりをうたっておりますが,私は,手稲区においてネットワークと言ったとき,二つのことが重要になってくると考えております。
一つは,先ほども申し上げましたように,手稲区は,小樽市や石狩市に接していることから,さまざまな広域的なネットワークをつくり上げていくべきだということであります。地方中枢都市である札幌市は,近隣都市との一体的な発展に大いに寄与すべきであり,そのために,都市間交流を活発に行うことが大変重要であると考えるのでありますが,手稲区は,まさに交流ネットワークの拠点となる要衝にあると言えます。
もう一つは,各種コミュニティーのネットワークづくりであります。町内会や商店街など古くからあるコミュニティーに加え,最近は,若い世代を主体にいろんな形で新しいコミュニティーが芽生えてきております。区の核となるJR手稲駅周辺地区を中心に,恵まれた自然を生かし,街づくりを活性化するためには,それらのコミュニティーを有機的に結ぶネットワークの形成が必要ではないかと考えるわけであります。
私は,ふるさと手稲が,札幌の街が,大好きであります。時代が大きく変わろうとしております。私自身を含めて,必要なことは変えなければなりません。伝えなければならない心を,そして変える勇気を持ちたいと思います。
以上,申し上げたような視点から,私のふるさとである手稲区の一層の発展のため,手稲区の諸問題を8点質問させていただきます。
まず最初に,JR手稲駅周辺地区における景観整備についてであります。
手稲区は,南に手稲山に連なる豊かな自然があり,北には日本海を間近にして,他の区にはない豊かな地域特性を持っているわけですが,私は,これを生かした西の副都心としての街づくりを,行政と市民が一体となって推進していくことを常々願っているところであります。
現在,整備が進められている手稲駅周辺地区は,手稲区の地域中心核として位置づけられておりますが,駅舎を取り巻き,主要なイメージを担う自由通路や南北駅前広場が,市民に親しまれ,魅力あふれる施設となるかどうかが,将来の手稲区の市街地形成における魅力を左右するものと私は考えております。平成14年度の完成を,区民ともども心待ちにいたしているところであります。
手稲駅周辺整備に当たっては,ワークショップなどによる幅広い市民の意見を取り入れた住民参加の計画づくりや
施設づくりが,これまで進められてきていることは承知をいたしております。このような取り組みは,街づくりに対する市民意識を高め,愛着感を醸成する効果もあり,今後の街づくりの先鞭をなすものと大きな関心を抱いて見守っているところであります。
これまでのところ,駅周辺の施設整備に当たっては,住民の方々の意見を取り入れた2方向エレベーターや広場の歩行者の主要動線にロードヒーティングを行うなど,だれもが安心して利用できるバリアフリーに配慮した
施設づくりを行うと伺っており,非常に結構なことだと思っております。
一方,駅舎や駅前広場は,人の交流や流通の拠点であり,かつては,駅は,その存在においても,街人や旅人の心のよりどころとして,その街の印象を担う中心的な存在でありました。JRが交通の主要基盤となっている手稲区においては,新手稲駅舎が,手稲の歴史や風土に根差し,区民に親しまれ,愛されるシンボル性の高い施設として,街づくりの中心的役割を果たすためにも,駅のイメージを担う自由通路の外観や北口駐輪場及び広場の景観について十分考慮する必要があると考えます。
そこで,このような手稲区の顔となる駅舎や自由通路の景観整備について,これまで行ってきたワークショップのような地域の意見を反映させる機会をつくるべきと考えますが,今後どのように取り組もうとしているのか,また,具体的な景観イメージをいつごろ明らかにできるか,お伺いをいたします。
2点目として,流雪溝の整備についてお伺いをいたします。
流雪溝は,雪さっぽろ21計画の主要な柱であります雪対策施設の代名詞と言えるものであります。すなわち,市の除雪と市民の排雪という,まさに市民と行政のパートナーシップを具体的に実現するという側面と,雪山のない快適な道路空間の創造を通じ,地域の街づくりに大きく貢献する側面をあわせ持つものと認識しているところであります。
現在,流雪溝は,昨年度完成した創成東流雪溝を初め5カ所で供用を開始しておりますが,流雪溝沿線において常に雪山のない状態を目にし,多くの市民がその整備を期待している施設であります。
いかに冬の活力を生み出すか,このことが札幌に住む我々に与えられた永遠のテーマであります。この解決法として,流雪溝の整備は,地域の中心的な商店街の活性化を促し,もって地域全体の活性化に寄与するものと認識しているのであります。
この観点から,手稲流雪溝については,過去の本会議において何度となく質疑が繰り返されております。それほど,手稲区民は,この流雪溝を待ち望んでいるのであります。
そこで,改めてお伺いをいたしますが,手稲流雪溝について種々の検討を加えていると思いますが,現在,どのような整備ルートを想定しているのか,また,その事業化の見通しについてお聞かせを願います。
3点目に,手稲鉄北小学校跡地の整備についてであります。
この場所は,平成7年度に,建物の老朽化などの理由から,全面改築を行ったことに伴って生じた敷地面積約1万 5,000平方メートルの跡地であります。この跡地は,手稲区の中心核であるJR手稲駅周辺地区内に残された貴重な空間であり,周辺には,区役所を初め,老人福祉センター,体育館,地区図書館などの公共施設や大型商業施設などがあり,人が集まるには絶好の場所となっていることから,平成9年度からはYOSAKOIソーラン祭りやフリーマーケットなどの各種イベントが実施をされており,さらに,平成10年度には区民の祭りの会場としても活用されている現状にあります。
私は,手稲鉄北小学校改築当時から,地域住民が集い,交流する場としてこの跡地を有効に活用すべきであると申し上げてきたところであり,昨年度,策定された手稲区まちづくりビジョンにおいても,にぎわいの街づくりを進めていくために,各種イベントが開催できるような市民交流広場の整備促進が掲げられているところであります。
そこで,こうした活用の現状を踏まえ,今後,手稲鉄北小学校跡地を早期に整備すべきと考えますが,お考えをお伺いいたします。
次に,4点目として,富丘地区の内水対策についてお伺いをいたします。
9月16日の台風5号は,手稲区の観測で総雨量が 139ミリに達する雨をもたらしました。富丘地区は,流域内の降雨を集めて中の川へ導水する富丘川の整備がほぼ完了しているものの,排水機場がまだ設置をされていないために,内水が中の川へ円滑に排水されず,稲積公園駅前周辺の家屋や道路に冠水被害が発生し,また,1日の乗降客が1万人を超えるJRの利用者にも多大な影響を与えることになりました。
この富丘地区は,2級河川新川の支川である中の川の流域に位置しております。この中の川については,北海道が改修を行っておりますが,既に当該区間の河道整備を終え,その後,排水機場の設置による内水対策を順次進めてきております。これによって,六つに分かれる中の川の内水域のうち,既に3カ所の排水機場が完成をし,現在2カ所で建設が進められておりますが,当地区だけが,いまだ排水機場に関する具体的な計画が策定されておりません。
さきの第3回定例市議会でも,その内水対策について取り上げられ,排水機場を含む今後の取り組みについて一定の方向が示されたところでありますが,この地区は,土地区画整理事業による開発が進んできており,また,JR稲積公園駅を抱え,広域交通の要衝となっていることからも,一刻も早く抜本的な対策に着手する必要があると考えます。
そこで,内水対策に関する現在の取り組みの状況と今後の計画についてお聞かせを願います。
5点目として,手稲山研修センターの活用についてお伺いをいたします。
手稲山は,藻岩山や円山と並んで市民に広く親しまれ,また,昭和47年の冬季オリンピック大会の会場ともなった札幌を代表する山であり,市街地に身近にありながら豊かな自然に恵まれ,その一方,スキー場,遊園地,ゴルフ場など,市民のレクリエーションの場となっております。
この手稲山の活用につきましては,市民活動を支援する団体である日本グラウンドワーク協会北海道支部が事務局となって,学識経験者,地元住民,企業,行政が参加をした手稲山委員会が平成9年10月に発足をし,本年3月には手稲山フォーラムを開催したり,住民参加によるワークショップを行うなど,活発な活動を行い,手稲山の将来ビジョンの提言を目指しております。
私は,こうした住民・企業・行政のパートナーシップによる街づくりが進められていることを評価するものであります。また,札幌市としても,積極的に取り組んでいただきたいと考えるところであります。
しかしながら,本年4月に,集団研修施設として活用されておりました手稲山研修センターが,その経営主体の財団法人札幌オリンピック手稲山記念ランドの解散に伴いまして,営業を休止したところであります。現在は,この施設は,札幌市が管理をして,隣接するパークゴルフ場の休憩所などとして利用されているとのことでありますが,先ほど申し上げましたように,地元の動きが出てきている中,札幌市としても,例えば,手稲山のさまざまな情報を発信するギャラリーのようなものを設けたり,あるいは,地元の街づくり団体が行う手稲山を身近に活用するための活動の場として使用することなど,この施設を積極的に活用していくことが必要と考えるのであります。
そこで,手稲山を区民に一層親しまれる山としていくためにも,手稲山研修センターを有効活用していくことが必要ではないかと思いますが,お考えをお伺いいたします。
次に,ていねプールに関してお聞きをいたします。
ていねプールは,本市における唯一の屋外レクリエーション型プールとして昭和57年に開設をされ,安全で低廉な公共施設として札幌市民に親しまれているところです。海に接していない札幌市にとっては,本格的な水辺空間を体験でき,市内のどこからでも比較的楽に行くことができるロケーションから,毎年,多くの来場者があり,市民プールとしての役割を担っているところであります。特に,手稲区民にとりましては,近いこともあり,他区に比べて気軽に利用している状況にあります。
しかし,開設から既に16年が経過をし,施設の老朽化が進行していることや,民間でのプール設置,各区における市民プールの整備などから,近年は入場者数が大幅に減少しております。また,この稲積地区は,地盤が悪いところで,ていねプールにおいても,プールサイドの地盤沈下が見られ,その補修も行われておりますが,大勢の子供たちが利用する施設としては,十分な配慮がなされているとは言えない状況にあります。
そこで,3点お聞きをいたします。
1点目は,民間の類似施設の廃業により,市内に屋外レクリエーション型プールとしては,このていねプールだけとなってしまった現在,札幌市として,このプールを今後どのような位置づけで考え,運営していこうと思っているのか,お伺いをいたします。
2点目は,施設の老朽化がかなり進んでいることや,地盤沈下の影響で施設全体がいびつになっていることから,再整備が必要であると考えておりますが,今後の具体的な改修予定はどうなっているのか,お伺いをいたします。
3点目は,年々,来場者が減少していると聞いておりますが,それに歯どめをかけるべく何らかの対応法を考えているのかどうか,お伺いをいたします。
次に,手稲警察署の設置についてお伺いをいたします。
手稲区は,平成元年11月に誕生して以来,宅地開発や幹線道路の整備など,急ピッチで街づくりが進められております。それに伴って人口も順調な伸びを示し,平成10年10月現在では約13万 5,000人を数え,分区時点との比較でも約3万人の増加となっており,今後もさらに増加傾向を示すものと予測されます。
こうした人口の伸びや都市基盤の整備が進む中で,反面,懸念されるのが交通事故や犯罪の発生であります。市民生活にとって,治安の維持は重要な課題であり,その意味からも,警察署の設置については,ぜひとも必要と考えております。平成7年の9月には,その早期設置を求めて,手稲警察署設置促進期成会も発足をし,関係機関に対して強く要望してきたところでありますが,いまだに具体的な計画が示されるまでに至っておりません。一日も早く設置されることを切に望むものであります。
治安対策については,基本的には警察行政の範囲であろうかと思いますが,区民の不安を解消し,安全で快適な生活環境を提供するために,札幌市としても手稲警察署設置について関係機関に強く要望すべきと考えますが,ご所見をお伺いいたします。
最後に,星置地区中学校の新設についてお伺いをいたします。
星置地区の生徒が現在通学している手稲西中学校は,来年度は28学級が見込まれ,過密化により,教育環境がさらに低下するものと思われます。また,JR函館本線,国道5号線を横断するなど,通学の安全からも問題であります。
したがいまして,保護者の方々や地元の方々からも,星置地区にぜひ中学校の新設をという声がますます高まってきている中,本年度,新設校の基本設計費が予算計上されており,地元では校舎建設が間近いことに大変期待を膨らませております。
そこで,星置地区中学校の新設に関しまして,2点お伺いをいたします。
1点目は,本年度実施をしております星置地区中学校の基本設計についてであります。
私は,ことしの第1回定例市議会予算特別委員会で,今後の学校施設の整備のあり方について触れ,ゆとりの中で生きる力をはぐくむといった中央教育審議会の答申の趣旨を施設整備にも反映するよう主張してきたところでありますが,そうしたことも踏まえ,基本的にどのような考え方によって設計が行われているのか,お伺いをいたします。
次に,2点目ですが,分離後の手稲西中学校の施設整備についてであります。
手稲西中学校につきましては,普通教室の不足を図書室や特別活動室などを転用して対応しているのが現状であります。このたび,ようやく星置地区中学校新設のめどもついたものと認識をしておりますが,私は,分離後の母体校,つまり手稲西中学校の施設の充実についても新設校と同様に重要なことと考えております。
そこで,質問ですが,分離新設を行うことにより,施設の過密化については解消されることと思いますが,手稲西中学校の分離後の学習環境をよりよいものとするための施設整備についてどのように考えておられるのか,お伺いをいたします。
以上で,私のすべての質問を終わります。ご清聴ありがとうございます。(拍手)
○議長(柴田薫心君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(桂信雄君) まず,私からお答えをいたします。
最初に,私の2期8年にわたる市政の総括と,市政の現状及び将来に対する考え方についてであります。
平成3年に市長に就任して以来,私は,市民一人一人が札幌に住んでいてよかったと実感できる街づくりを目指して全力を尽くしてまいりました。その結果,市民の皆様方にお約束をいたしました政策や事業は,ほぼ達成するめどがついたところであり,市長としての責任を果たすことができたものと考えております。
そうは申しましても,社会は,今,企業倒産や失業が相次ぎ,市民生活や市の財政は極めて深刻な状況にありますし,
少子高齢化を初め,地方分権の問題など,市政は,これまでになく難しい局面を迎えております。
私は,このような難局を乗り越えて,明るい未来を市民とともに築きたいという気持ちから,引き続き,市長として市政を担っていく決意を固めたものであります。
今後の分権時代は,これまで以上に自治体の役割と責任が高まり,その真価が問われることになります。そのためには,市民と行政が,より強い信頼関係のもとに,パートナーとして札幌の街づくりを進めていくことが基本になければなりません。
私は,市政の透明性と効率性を一層高める行財政改革を大胆に進め,この札幌市で真の住民自治が実現することを目標に,市民の皆様とともに,新しい時代の札幌の街づくりを全身全霊をかけて進めてまいりたいと考えております。
次は,第3次5年計画の進捗状況についてであります。
本計画は,昭和63年に策定いたしました第3次札幌市長期総合計画の第3次の5年計画であると同時に,私が前回の選挙でお約束をいたしました個性的で活力に満ちた北の
理想都市サッポロの実現を目指す実施計画として策定したものであります。
計画の実施に当たりましては,議員のご質問にもありましたとおり,社会経済状況の変化や市民意識の多様化,厳しい財政状況を踏まえ,事業を目的,効果,緊急性などの観点で見直す事業再
評価プログラムを実施するなど,行財政改革を進め,事業の重点化・効率化に努めてきたところであります。
そして,このような取り組みのもと,現下の厳しい経済状況を踏まえた経済対策の実施,高齢者保健福祉計画を初めとする,いわゆる福祉4計画の推進,環境基本計画策定や資源物分別収集等の環境施策の推進のほか,全天候型多目的施設であるドームや札幌コンサートホール建設といった将来に夢を持てる施策にも積極的に取り組み,5年計画の,また公約の実現に向けて全力を傾けてまいりました。
その結果,先ほどもお答えをいたしましたが,市民の皆様にお約束をいたしました施策につきましては,その大部分について,現在の任期中に実現し,あるいは,そのめどをつけることができたと考えており,第3次5年計画の進捗状況につきましても,ほぼ順調に推移していると考えております。
次に,財政問題についてであります。
第1点目の景気対策についてでございますが,まず,
リフォーム資金融資制度についてでございます。
高齢社会となる21世紀を迎えるに当たって,高齢者や障害者の皆さんが安心して生活できるような環境をつくっていくということが大切でありまして,今議会においても,そのための施策の一つとして福祉のまちづくり条例を提案しているところであります。また,議員ご指摘のとおり,住宅の投資は,景気の刺激策としても効果が高いと認識をいたしているところであります。
したがいまして,本市の住宅
リフォーム資金融資制度につきましても,どのような制度が適当なのか等について,ただいまの貴重なご提言も踏まえまして,今後,十分に検討してまいる所存でございます。
また,
地域振興券についてでございますが,この
地域振興券交付事業は,現下の未曾有の経済危機の状況下,個人消費も著しく低迷している中で,個人消費の喚起及び地域経済の活性化を図り,地域振興に資するための施策と考えているところでありまして,本市といたしましても,その趣旨が生かされ,効果が最大限に発揮されますように,適切な事務の執行に努めてまいりたいと考えております。
第2点目の本市の財政構造についてでございます。
平成9年度決算について,政令指定都市比較で見ますと,都市の財政力をあらわす財政力指数は下から2番目でありますが,一方,起債制限比率は 9.3%,経常収支比率は81.9%と,いずれも政令指定都市中最も低く,また,歳出全体に占める義務的経費の割合も下から3番目であるなど,その柔軟性と健全性を維持していると考えております。
しかしながら,これからは,議員が指摘されましたように,当分の間,
少子高齢社会への対応にかかわる経費や市債の償還費の増加が続くことが見込まれますことから,行財政改革の推進をさらに強力に推し進め,さまざまな政策課題にこたえていくための財源の重点化や事業の一層の効率化を図っていくことが必要であると考えております。
第3点目は,21世紀に向けた財政運営のあり方についてであります。
今後は,高齢化の進展等,
社会経済情勢の変化により,低成長時代が続くものと想定されますが,財政の安定した運営のためには,行財政改革を大胆に行う一方で,経済の活性化を図り,札幌の活力を高める環境をつくっていくことも重要と考えているところであります。このために,中小企業の足腰の強化や札幌にふさわしい産業を育成し,また,産業・市民活動を活発にするための都市基盤の充実の施策を一層推進してまいります。
また,ご指摘にもございましたが,今後,財源が非常に限られてまいりますので,いかに将来を見通した事業の選択ができるかが財政の重要なかぎになると考えております。このために,事業評価の実施や,市民の皆さんとの強い信頼関係を築いていき,21世紀に向けて明るい展望を開くことができるような財政運営に努力をしてまいる所存でございます。
次は,
介護保険制度についてであります。
まず,1点目の介護保険の経済効果についてでございます。
介護保険の経済効果につきましては,ご指摘のような見解があることは承知をいたしておりますが,これは,それぞれの市町村における
介護サービス基盤の整備状況,
民間事業者の参入の動向などとも密接に関連する事柄であると認識をしております。今後,これらの点に関する本市の状況も勘案しながら,経済効果について見きわめてまいりたいと考えております。
2点目の介護保険事業の評価についてであります。
介護保険制度は,老後の最大の不安要因であります介護問題を社会全体で支えようとする新しいシステムでありますが,同時に,地域の活性化につながる大きな事業でもありますので,ご指摘のような波及効果等も含めて評価されるべきものであると考えているところであります。
3点目の民間活力の活用による
介護サービス基盤の整備につきましては,
介護保険制度を円滑に運営する上で多様なサービス提供者の参入は重要なことであり,そのために行政と民間との役割分担を明確にし,国や道とも連携をとりながら,多様な
民間事業者の参入を促す環境づくりを行ってまいりたい,このように考えております。
私からは,以上でございます。
○議長(柴田薫心君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 手稲区の諸問題につきまして,私から7点についてお答えいたします。
1点目のJR手稲駅周辺地区における景観整備についてでありますが,手稲区の市街地形成に手稲駅の占める役割は大きいと考えられますので,駅舎等の景観においても,これまでワークショップ等を通して寄せられた,手稲らしさが感じられ,明るく開放的な施設といった市民の皆さんのご意見を参考としながら,地域のシンボルとなるような整備が必要であると考えております。
したがいまして,お話のとおり,区民の参加をいただき,学識経験者や専門家等による景観等に関する検討委員会を設け,平成11年度には,具体的な駅舎や自由通路等の景観整備について取りまとめてまいりたいと考えております。
次に,2点目の流雪溝の整備についてであります。
手稲流雪溝につきましては,種々の検討の結果,石狩手稲線をメーンルートとし,新川から手稲区役所の手前であります前田2条11丁目付近までの 1.8キロメーターの区間を整備する考えであります。
また,事業化の見通しについてでございますが,北海道と水利権取得の協議を進めるとともに,地下埋設物管理者や地元と調整を行い,早期着工に向け努力してまいりたいと考えております。
次に,3点目の手稲鉄北小学校跡地の整備についてでありますが,手稲区の中心核にさまざまな人たちが自由に集い,交流する場を創出していくことは重要であると認識しております。したがって,跡地の整備につきましては,地域の方々の要望を十分にお聞きしながら,整備のあり方を前向きに検討してまいりたいと考えております。
次に,4点目の富丘地区の内水対策についてであります。
まず,緊急時の移動式大型ポンプについては,既に手稲区に配備を終えており,鉄道沿い西排水につきましては,富丘川の逆流を防止するため,今年度中に逆流防止弁を取りつける予定でございます。また,地区内の雨水処理につきましては,既設の雨水ますや縦断管の見直しを行い,円滑な雨水排除が可能となるような改善策の検討を進めております。
さらに,排水機場の設置,公園や学校のグラウンドを利用した貯留施設や,遊水地などの流出抑制策など,総合的な治水対策を河川管理者であります北海道と連携を図りながら積極的に進めてまいりたいと考えております。
次に,5点目の手稲山研修センターの活用についてであります。
手稲山研修センターにつきましては,施設の老朽化という問題は抱えておりますが,地元の方々の熱意や要望を踏まえ,手稲山のより身近な活用という視点から,ご提言を含め,その有効利用のあり方を検討してまいりたいと考えております。
次に,6点目のていねプールについてでございます。
ご指摘のとおり,市内における屋外のレクリエーションプールは,現在,ていねプールだけという状況であり,大きな役割を担っていると思いますので,今後とも全市施設として利用していただけるよう存続させていきたいと考えております。
経営的には,天候に左右され,特に近年は冷夏続きのため難しい状況になっておりますが,安全・清潔・低廉という公共施設の役割を維持しながら,利用客の増につながる施設の再整備を行い,運営の改善も図っていく考えであります。
また,再整備についてでございますが,設置して以来16年が経過し,施設全体の老朽化が著しいため,来年度より改修を行い,12年度のシーズン前までに完了する予定でございます。
次に,入場者の減少対策についてでございますが,親子で安全に水遊びのできる施設が大変人気がありますので,幼児プールの改修を目玉の一つと考え,そのため,泳ぐだけではなく,楽しめる装置もふやしていきたいと思います。さらに,プールの周辺に植栽や木製デッキによるくつろぎの空間を設けるなど,若者から高齢者まで楽しんでいただけるような施設への改善を図り,入場者が増加するよう対応していきたいと考えております。
次に,7点目の手稲警察署の設置についてでございます。
ご指摘のとおり,市民が安心して暮らせる住みよい街づくりを進める上で,警察署は必要不可欠のものでございます。したがいまして,これまでも,1区1警察署の設置を基本として,北海道及び北海道警察本部に対し要望してきたところでございますが,今後とも,引き続き強く働きかけを行い,市民生活の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(柴田薫心君) 大長助役。
◎助役(大長記興君) 高速自動車国道の機能強化について,私から答弁いたします。
1点目の札幌南インターチェンジの整備の進捗状況についてでございますが,現在,北海道開発局,日本道路公団及び札幌市の三者で施工しておりまして,小樽方向からのおり口は,平成11年度には完成する予定であり,また,小樽方向への乗り口につきましては,平成13年度には完成する見通しであります。
2点目の新川インターチェンジの整備の進捗状況についてでございますが,オンランプのブ
ースの増設に伴う拡幅につきましては,日本道路公団が今年度から地元調整に入っており,平成11年度には用地買収や工事に着手し,平成12年度には完了する予定と伺っております。また,オフランプの改良につきましては,インターチェンジの混雑緩和のためにも必要と考えておりますので,地元及び関係機関との調整が整い次第,早期整備に向けて都市計画の変更等を行ってまいりたいと考えております。
次に,3点目の手稲インターチェンジについてでございますが,インターチェンジのフル化につきましては,ご指摘のとおり,高速道路の機能強化や手稲区民の交通の利便性の向上からも将来的に必要と考えておりますので,今後,地元との連携を図りながら,改良に向けて関係機関等へ働きかけをしてまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(柴田薫心君) 山教育長。
◎教育長(山恒雄君) 私から,2点お答えを申し上げます。
まず,教育問題についてお答えを申し上げます。
1点目の心の教室相談員事業についてであります。
まず,教育委員会の取り組みと相談員の委嘱についてでありますが,この事業は,中学生が心のゆとりを持てるような環境を学校内に提供するとともに,相談員を広く地域の人材から求めることによって,学校が家庭や地域社会との連携を深める新たな契機となると考えまして,一貫して,この事業の本来の趣旨に沿って実施できるよう取り組んでまいりました。
10月13日に学校に新しい実施要項を通知するに際しまして,相談員の人選については,学校だけではなく,PTAや地域の方々を含めた選考委員会を設けるなど,この事業にふさわしい相談員を慎重に選考するよう指示したところであります。その結果,10月30日までに,町内会関係者やPTA関係者,教職経験者,保護司,民生・児童委員など,85校から多様な方々の推薦があり,教育委員会といたしましては,98名の方々を相談員として委嘱をし,現在,各学校で子供たちの悩みを聞くなど,話し相手として活動を始めているところでございます。
次に,相談員を支援するための取り組みについてでありますが,ご指摘のように,この事業は,相談員はもとより,生徒や教職員にとっても先例のないものでありますことから,相談員が職務を遂行する上で,生徒たちとのかかわり方を初めとするさまざまな課題が生じることが想定をされます。したがいまして,この事業を円滑に実施する上で,相談員が生徒理解を深めるための研修を行ったり,各学校の相談活動の状況や職務上の悩みなどを相互に交流する機会を持つことは極めて大切なことであり,関連いたします講座や研修会,さらには交流会を開催するなど,多様な支援の方策について検討を進めてまいりたいと考えております。
次に,2点目の学校における動物の飼育についてお答えをいたします。
まず,教育的意義についてでありますが,幼稚園や小学校で行われている動物の飼育については,直接的な体験活動を通して,思いやりや責任感,生き物を愛する心や自他の生命を大切にする心など,豊かな人間性をはぐくむ大切な教育活動であると考えております。
また,適切な飼育を進める上での取り組みについてでありますが,これまでも,各学校において,地域の獣医師を初め,ボランティアの方々にご協力をいただいたり,札幌獣医師会の方々から,飼育に関する相談や治療等のさまざまなご支援をいただいております。今後,獣医師会との連携や協力のあり方を検討し,各学校で適切な飼育が行われるよう努めてまいりたいと考えております。
次に,手稲区の諸問題のうち,星置地区中学校の新設についてお答えを申し上げます。
まず,1点目の星置地区中学校の基本設計の考え方についてでありますが,今回,建設を予定いたしております星置地区中学校につきましては,一連の中央教育審議会の答申の趣旨が数少ない新設校において十分反映されるよう設計に当たっております。
具体的には,学習指導方法の多様化に対応するとともに,子供たちの生活する場としてのさらなるゆとりを生み出し,また,生涯学習社会の中にあって,学校が地域コミュニティ形成の中核となることを願い,ゆとりの空間,触れ合いの空間,交流の空間の充実に特に配慮しているところであります。
2点目の分離後の手稲西中学校の整備についてでありますが,まず,普通教室に転用いたしておりました特別教室を復元整備し,教育機能の回復を図る計画であります。さらに,普通教室の余裕が見込まれますので,今後,ますます必要になってまいります心の教育の推進に配慮した教育相談室の整備,多目的教室等の整備を行うなど,よりよい学習環境の整備に努めてまいりたい,このように考えております。
以上でございます。
○議長(柴田薫心君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
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休 憩 午後2時21分
再 開 午後2時52分
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○副議長(富田新一君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。
大嶋 薫君。
(大嶋 薫君登壇・拍手)
◆大嶋薫君 私は,民主党議員会を代表して,本定例会に上程されております諸議案並びに市政の課題について質問いたします。
桂市長におかれては,去る11月26日,「札幌の明るい未来を築くことが私に課せられた責任」として,来春の市長選への3選出馬を表明いたしました。私ども民主党札幌では,現在,市長との政策協定を中心に,この4年間の検証を終えたところでありますが,環境,福祉,生活基盤の整備や中小企業への支援などについてはおおむね評価できる反面,変化する情勢や新たな課題・問題についてのメッセージが見えないとされることについて,リーダーシップの不十分さを指摘せざるを得ません。記者会見において示された市長の責任感に心から敬意を表するとともに,決意を実感することのできる積極的な答弁を期待して,順次質問に移ります。
最初に,景気対策について伺います。
依然として先行き不透明と言わざるを得ない景気の状況,特に北海道経済に至っては,全国的に比較して一層厳しさを増している状況にあります。これまで,政府の数次にわたる景気対策を初め,行政として数多くの対策を実施してきましたが,その効果については,いま一つはっきりしないというのが実感であります。不況そのものが日本全体,アジア全体に及ぶものであるだけに,一部地域だけの即効性を見出すことは不可能に近い政策課題であり,単に北海道や札幌市だけが飛び抜けて回復に向かうというものでもありません。
これまでの景気対策を総括の意味で振り返ってみますと,まず,北海道においては,6月に,単独事業 255億円,金融対策 358億円を含め 2,671億円,10月には,金融経済,災害復旧対策予算のうち緊急措置分として 571億円を先議し,台風5号,7号関連分として追加提案された予算65億円を含めて,総額 795億円の補正予算を追加しております。とりわけ,金融対策については 500億円を積み上げ,道として最大限の努力をしております。
一方,本市は,
緊急経済対策として,6月の第2回定例会において,一般会計分で,補助・単独事業を合わせて約 310億円,下水・水道事業を含めて総額 378億円を投入し,第3回定例会に提案,可決された総合経済対策関連では総額70億 5,800万円,本定例会に追加提案が予定されている約 330億円を加えると,約 780億円に及ぶ景気対策を行うことになります。また,6月の
緊急経済対策では,事業の選定や性質,中小企業の受注拡大について基本的な考え方を示したのも特徴的なところでありました。
そこで,今後,本市の経済対策としてさらに詰めていかなければならない課題として,以下,数点について伺います。
第1点目は,金融問題のうち,貸し渋り対策についてであります。
バブル崩壊によって金融システム全体が信用を失う中,北海道にあっては,拓銀の破綻など,事金融制度に関してはダブルパンチを受けております。特に経営者サイドからは,旧拓銀と直接取引関係のない経営者まで選別,選択を受け,融資の厳しさに対する悲鳴が聞こえてきます。これまで,国の公的資金の投入,北海道の 500億円の金融対策,本市にあっては,99年度当初予算で,中小企業金融対策資金貸し付けの融資の拡大策として前年度比86億円を積み増して対策をとってきましたが,依然として状況は改善されていないのであります。
本市は,これまで,各金融機関,信用保証協会など,それなりの対応策をとってきたものと思われますが,いまだ解消されない貸し渋りに対して,どのように実態把握をし,今後どう対処しようとしているのか,見通しも含めて見解を伺いたいのであります。
第2点目は,事業発注にかかわる本市の対応についてであります。
例年,11月中旬から12月にかけては,公共事業の発注についても,特別な事業執行がない限り,ほとんど完了してしまうのが通例であります。しかし,現下の状況から,年末にかけて何らかの方策を打ち出すべきと思うのであります。これまで,早期発注,早期支払いなど,努力を続けてきたことに対しては評価をするものであり,今後,国の補正やゼロ市債の対応もあるだろうと思われます。当面の景気対策として,何らかの手だてを考えるべきと思いますがいかがか,伺います。
第3点目は,雇用対策についてであります。
この問題については,さきの第3回定例会において,我が会派の代表質問に関連するものであります。
労働省の主要経済指標統計によると,10月現在で,全国有効求人倍率は0.48,北海道で0.37,本市は0.29であります。また,完全失業率は,全国が9月現在で 4.3,北海道は7月から9月平均で 5.2であり,依然として厳しい状況下にあります。
そこで,第1に,ことし7月,本市は,より効果的な雇用対策を行うため,札幌市雇用対策連絡会議を立ち上げ,雇用の拡大に努めたいという考えを示したのでありますが,これについてはどのような成果が見られたのか,伺います。
第2に,季節労働者の雇用対策でありますが,本市独自の実効性ある施策を展開する考え方を明らかにしておりますが,具体的にどのような取り組みがなされているのか,伺います。
第3に,本市は,雇用対策の非常時の総合相談窓口を設置していきたいとの見解を示したのでありますが,その進捗状況はどのようになっているのか,伺います。
次に,本年の給与改定についてであります。
市長は,先般,本年の職員給与の改定につきまして,課長職以下については人事委員会の給与勧告どおりの改正を行うものの,部長職以上の給与については,1年間,給与改定を凍結すると発表しました。しかし,一部の管理職のみとはいえ,このような給与勧告の凍結措置は,公務員の給与制度の上からは大いに疑問とするものであります。
地方公務員については,民間の労働者とは異なり,労働基本権が制約されているため給与について労使の交渉や協議の中で決定できず,そのための代償措置として,中立的・専門的機関である人事委員会が,職員の給与制度についての調査研究を行い,必要とあらば給与改定について勧告をするという制度が存在しているのであります。人事委員会の勧告は,このように,地方公務員制度の根幹をなす極めて重要な制度でありますし,事実,1986年以降,人事委員会勧告は完全実施されてきました。本市人事委員会は,このような法律の精神,定めに基づいて,9月4日に市長と議会に給与勧告を行ったものであります。
さらに,同じ公務員であります国家公務員について見ますと,8月の人事院の勧告を受け,去る10月には国家公務員の給与改定に関する法律が可決,成立し,既に,さかのぼった給与改定が行われ,差額も支給されていると聞いております。国は,労働基本権制約の代償措置としての人事院勧告制度の重要性を認識し,また,職員の士気の向上にも配慮し,さらに,勧告の凍結措置などを行った場合の景気回復への悪影響をも考え合わせ,完全実施を決断したものであります。
確かに,景気の低迷は著しく,市の財政状況にも厳しさが増していることも十分に認識できるところであります。しかしながら,この人事委員会の勧告制度の重要性に目を向ければ,勧告の実施の凍結という選択は,地方公務員制度の根幹を揺るがすものであり,財政状況と勧告の実施を同次元で考えてはならないと思うのであります。それにもかかわらず,なぜ市長はこのような判断に至ったのか,その理由を伺います。
さらに,人事委員会勧告に対する基本姿勢を変更したのかどうかについても,改めて市長の見解をお示しください。
次に,情報公開について伺います。
1点目は,条例改正に向けた本市の取り組みについてであります。
国における情報公開法は,その基本となる要綱については既に公表され,来年の通常国会での成立,2000年度実施に向けて作業は大詰めを迎えております。
一方,80年代に国に先駆けてスタートした地方自治体における条例制定は,本年6月末に愛媛県で条例案が可決したことによって47都道府県すべてが条例を有することとなり,道内でも,昨年末現在で25市町が制度を導入しております。
このように自治体における条例制定の動きが定着する中,官官接待やカラ出張などの発覚により,徹底した公開を求める声が住民から上がってきたことや,国の情報公開法制定への動きを機に,公開度を一段と高めるための改正への動きが相次ぎ,情報公開制度は第2期とも言うべき新たな段階を迎えております。
昨年からことしにかけて既に条例改正を終えたのは,北海道,三重,福岡など11道県,改正作業に着手したのは,東京,神奈川,大阪など11都府県に上っております。本市の情報公開条例も,来年4月には施行からちょうど10年を経過し,市民の利用もふえているわけでありますが,各自治体における改正作業を踏まえ,速やかに条例改正の手続に入るべきであり,その際,政府案の内容とその議論の経過や問題点を十分に消化し,市民の声を聞くことが肝要と考えますがいかがか,伺います。
2点目は,説明責任,アカウンタビリティーについてであります。
情報公開の柱となっている公文書の開示は,住民が請求しない限り開示されず,住民にとってわかりやすい情報ではないという制約を持っております。したがって,市民参加を促し,市民と行政の信頼関係を高めていくためには,市民が市政に関する正確でわかりやすい情報を迅速かつ容易に得られるよう,条例に基づく開示請求を待つことなく,積極的に公表,提供することが求められています。
東京都では,本年7月1日に施行された情報公開の総合的推進に関する要綱によって,計画策定や審議の過程に関する情報や事業実施過程の情報の公表を義務づけ,自治体の責務を明らかにしており,交際費や記者会見の一問一答を公開することによって,マスコミ報道に頼ることなく,市民と行政の距離を縮め,住民参加の試みを行う自治体もふえてきております。行政に対する説明責任が問われている今,条例改正の作業を待つことなく,情報公開への積極的な取り組みを示し,その姿勢を明確にすべきと考えますが,市長の見解を伺います。
3点目に,インターネットの利用についてであります。
本市は,昨年秋に札幌市情報化構想を策定し,情報結縁都市の実現に向けてスタートしました。市民・企業・行政の三者間に双方向のネットワークをつくり,将来の街づくりに向けての論議を深めるなど,コミュニケーションの活性化を図ろうとするものであります。インターネット情報革命という言葉が既に定着しつつあるように,情報化社会の中で,インターネットを利用して,庁内あるいは市民に対して情報を開き,蓄積して共有していくことは,情報公開を進める上でも大変有効であり,情報化構想の着実な実現を望むものです。
この構想の中では,将来,基幹情報ネットワークの一部を開放することによって,さまざまな分野の行政情報を引き出し,意見を寄せることが可能になるとされていますが,ホームページの活用によって一歩先取りすることができるのではないかと考えます。さきに挙げた東京都などの積極的な試みは,インターネット上に開かれたホームページによって行われ,その内容によってそれぞれの自治体の情報公開への熱意をはかることができます。また,市民は,いながらにして電話代の負担だけで情報を得,行政を見る目も違ってくるのであります。
本市のホームページが年々充実して,広報面で大きな役割を果たしていると伺っていますが,情報公開と説明責任を果たす手段としてのインターネットの利用について,市長の考えを伺います。
あわせて,情報化社会の急速な進歩や他の自治体の積極的な取り組みと比較して,本市の情報化構想のおくれが懸念されますが,実現の見通しについてお示しください。
次に,地球温暖化対策についてお伺いします。
地球温暖化防止のための国際的取り組みとしては,1992年の地球サミットにおいて気候変動枠組み条約が採択され,昨年12月の地球温暖化防止京都会議では,我が国は,先進国の一員として,二酸化炭素を初めとする温室効果ガスを,2008年から2012年までに,1990年レベルから6%削減することを世界に約束しました。また,去る11月には,アルゼンチンのブエノスアイレスで,京都会議を受けて地球温暖化防止会議が開催されました。
この削減目標達成のため,本年6月,エネルギーの使用の合理化に関する法律,いわゆる省エネルギー法が改正され,自動車の燃費基準や家電,OA機器等の省エネ基準を強化し,エネルギー消費効率の向上などを図るとしております。また,さきの臨時国会では,地球温暖化対策の推進に関する法律が可決され,国,
地方公共団体,事業者及び国民それぞれの責務が明らかにされるとともに,各団体の取り組みを促進する法的枠組みが整備されました。
このような国を挙げた取り組みに呼応し,本市としても,大量生産・大量消費型の経済システムの恩恵を受け化石燃料によるエネルギー消費を増大してきたことから脱却し,かけがえのない地球環境保全のための新たな対応と責任を果たしていく必要があると思うのであります。
本年7月に策定された環境基本計画の中では,市民1人当たりの排出量を,計画最終年の2017年には1990年レベルから10%削減することを目標として掲げており,市民・企業・行政の協働によって,この削減目標の達成に向かって努力することが示されております。また,ローカルアジェンダ21さっぽろを初め,アイドリング・ストップ運動,環境家計簿や環境管理・監査システムの普及,さらに資源物収集など,さまざまな具体的取り組みや普及啓発活動が行われていますが,これらの取り組みはいまだ緒についたばかりです。今後,これらの取り組みを拡大し,さらに,環境教育,環境学習を一層充実していくことによって,家庭,学校,地域,企業など,さまざまな場において実践活動の輪が広がり,大きな成果となってあらわれることを期待するものであります。
一方,投入されるエネルギーの種類をできるだけ二酸化炭素の排出量の少ないものに転換していくこと,エネルギーの効率的な利用を進めていくことも求められており,近年,新たに,太陽光発電に象徴される自然エネルギーが無尽蔵でクリーンな石油代替エネルギーとして注目されています。国では,1994年に策定した新エネルギー導入大綱に基づき,太陽光発電の初期需要の創出と拡大を図るため,住宅用を含めた導入促進のための補助制度などが実施されており,今後,太陽光発電の普及拡大によって次代を担う新たな環境産業を育成することも重要な視点であると考えます。
今年度から,北海道大学との間で,産学官共同研究推進モデル事業として,太陽光発電等,環境低負荷型エネルギーの有効活用に関する研究が行われています。このモデル事業が,今日の低迷する経済社会状況にあって,新たな環境技術を基盤とする産業の育成,振興につながっていくことを多いに期待するものであります。
そこで,1点目の質問でありますが,地球温暖化対策の推進に関する法律では,
地方公共団体に対し,みずからの事務及び事業に関し,温室効果ガスの排出削減などのための実行計画の策定が義務づけられました。本市においては,この12月にオープンされるあいの里ひがし児童会館に市有施設で初めて太陽光発電が設置されると伺っております。これを,21世紀を担う子供たちの環境教育を重視し,子供たちが身近に太陽光発電を体験し,あすの地球環境を考えたライフスタイルを身につけていくことができるよう,学校施設などに拡充し,率先的に導入していく必要があると考えます。
そこで,今後,本市の実行計画の策定に当たっては,従来からの省エネルギーや環境保全施策に加え,太陽光発電等,新エネルギーの導入や,数値目標をできるだけ盛り込むべきと考えますがいかがか,伺います。
2点目は,環境基本計画に示された二酸化炭素削減の目標達成に向けた取り組みについてであります。
国民1人当たりの二酸化炭素排出量は,1994年で2.65トン,これは,1990年の2.48トンと比べ約7%の増加となっています。また,市民1人当たりでは,1994年で2.23トン,1990年の2.17トンと比べ約3%増加しております。
このように,二酸化炭素排出量は全国的にも増加基調であり,その削減は容易ではないという実情にあります。しかし,二酸化炭素削減への取り組みは,環境と調和した循環型の経済社会を構築し,持続可能な経済社会の発展を可能とする上で避けて通ることのできない課題であります。かつて,本市がスパイクタイヤの車粉問題などを克服したように,地球温暖化についても,市民・企業・行政の英知を結集し,一体となった努力を積み重ねていくことで,ぜひとも削減目標を達成していかなければならないと考えるのであります。
そのためには,これまで取り組んできている各種の施策に加え,より実効性のある施策を展開していく必要があると考えますがいかがか,伺います。
次に,雪対策について伺います。
昨年,一昨年と,比較的暖かく,雪の少ない冬を過ごしてきたわけでありますが,ここ数週間の雪の状況を見ますと,例年にない様相を呈しており,まさに1995年度の豪雪の再来を感じさせるのであります。雪の問題は古くて新しい問題であり,これまで,多くの方々の知恵を生かし,市民生活の向上に向け努力してきているのでありますが,近年の経済状況の悪化は雪対策を推進する上でも暗い影を投げかけており,厳しい財政運営の中で,さらに効率的な雪対策を推進していかなければならないと考えます。
このような観点から,今後の雪対策について2点伺います。
まず,1点目は,雪対策の主要な事業の一つである運搬排雪計画についてであります。
昨今の生活様式の変化に伴い,雪に対する市民のニーズは多様化してきており,特に,近年は,冬季の生活環境の快適性を求める生活道路の排雪要望が高まっております。市民の声を行政に反映する市政要望を見ましても,ここ数年,生活道路の除排雪が上位にランクされており,今や,市民の感覚は,幹線道路の除排雪に対してある程度満足している反面,より身近な生活道路の雪問題に移行してきているのであります。
生活道路では,除雪車によってかき分けられた雪が道路わきの狭い堆雪スペースに大きな雪山となってそびえ立ち,見通しの悪化や円滑な交通を阻害させるだけではなく,地域の活動にも大きな影響をもたらし,時には安全性を脅かすこともあります。特に,比較的交通量が多く,計画運搬排雪路線と位置づけされていない幅員10メートル程度の道路は,地域にとっては幹線的な道路であり,住民にとっては快適な冬季生活を送る上で貴重な役割を果たしております。
このような生活道路の排雪方法としては,雪さっぽろ21計画の重要な施策の一つでもある除雪パートナーシップ制度などがあります。この制度は,地域,市,企業がそれぞれの役割を分担し,連携をとりながら冬季の生活環境の向上を目指しているものであり,年々,実施する地域がふえておりますが,企業や集合住宅が多かったり,町内会の会員数が少ないなど,パートナー排雪を利用したくてもできない地域が数多くあるのも現実であります。このような地域では,パートナー実施地域との格差はもちろんのこと,10メートル程度の道路も取り残された状況になっています。税収の伸びが期待できない昨今,生活道路の排雪要望に対応していくのは容易ではないものの,真剣に受けとめざるを得ないのであります。
そこで,伺いますが,まず,幅員が10メートル程度の道路の実態を明らかにしていただきたいのであります。
また,幹線道路などの排雪計画については,より一層の効率的な排雪計画を推進し,また,排雪量の抑制なども視野に入れ,その余剰財源をもって,幅員10メートル程度の道路も含めた体系的な排雪計画を検討すべきであると考えるのですが,市長の見解をお示しください。
2点目は,未利用エネルギーの活用についてであります。
世界の百万都市のうちでも,本市のように,一冬の平均降雪量が5メートル近くもあり,また,排雪需要が 1,000万立方メートルを超えるというような雪処理量の多さは,他に例を見ないものであります。この受け入れ先としましては,従来から雪堆積場を中心に考えられておりますが,都市化の進展により,その確保が困難になるとともに,郊外化が進んできており,その整備に当たり大変なご苦労をされていることは私も十分承知しております。
この問題を解決するため,また除雪のレベルアップにつなげるものとして,雪さっぽろ21計画では,未利用エネルギーを活用した雪対策施設の整備を積極的に進めることとしております。
近年,エネルギー問題につきましては,さきに触れた地球規模の環境問題への取り組みや石油資源の枯渇への懸念から,多くの研究者が取り組んできているところであります。雪対策に限ってみても,全国各地で,地下水や地熱,太陽熱などの自然エネルギーを利用した雪対策施設が盛んに研究開発されていると聞いておりますが,これらを本市に適用する場合,本市が厳寒の地であることから,処理能力,コスト面など,実用化にはまだまだ研究の余地を残しております。
そのような状況の中で,本市では,大都市であるがゆえに発生する下水の熱エネルギーやごみ焼却熱などの,いわゆる都市排熱,また地域エネルギープラントの余剰熱などに着目し,雪対策に応用してきたのであり,まさに本市ならではの施策であると思うのであります。既に,本市におきましては,昨冬から試験運転を開始した都心北融雪槽を初めとして,厚別融雪槽,発寒融雪槽,創成川融雪管並びに大通下水道管投雪施設と,5カ所の融雪槽が稼働し,能力的には年間 120万立方メートルもの雪を処理できるまでになっております。この量は,雪堆積場に例えるなら標準的な雪堆積場6カ所に相当し,これらの融雪槽が整備されることによって雪堆積場への負荷の軽減を図ることができ,ひいては除雪事業のレベルアップにつながるものと大いに期待しているところであります。
これら融雪槽の整備につきましては,都心北融雪槽という札幌駅北口の様相を一変させた複合施設の完成をもって一つの節目を迎えたものと考えておりますが,雪さっぽろ21計画のさらなる推進,雪処理の効率化を図る上では,今後とも,引き続き整備を進めるべきであると考えるのであります。
そこで,未利用エネルギーの雪対策への活用については,既に下水のエネルギーはかなり実用化が進んでいるものの,他の未利用エネルギーについては十分活用が図られていないものと考えるのですが,今後この活用についてどのようにお考えか,市長の見解を伺います。
次に,感染症予防・医療法について伺います。
世界保健機構,WHOは,「我々は,地球規模で感染症に対する危機に瀕している。もはや,どの国も安全ではない。」と警告を発しております。世界的には,1970年以降,エボラ出血熱,エイズ等,少なくとも30以上の,これまで知られていなかった新興感染症が出現しております。また,近い将来,根絶されると考えられてきた既知の感染症,結核,ジフテリア等の再発が新たな形で人類に脅威を与えております。
国内に目を向けても,かつてのように赤痢,コレラによる死者が出ることはなくなりましたが,ここ数年,新興感染症であるO-157の集団感染が頻発し,子供や高齢者の中には亡くなる方も出ております。現行の伝染病予防法は,1897年の制定以来 100年を経過しており,当時と比較すると,医療・医学の進歩,国民の衛生水準の向上,人権意識の高揚,国際交流の活発化,航空機による大量輸送の発展など,感染症を取り巻く状況は大きく変化しております。
また,我が国の歴史の中で,ハンセン氏病,いわゆるらい病や,後天性免疫不全症候群,いわゆるエイズなどの感染症の患者に対して,いわれのない差別や偏見が存在してきたことを重く受けとめ,教訓としなければなりません。
こうした状況を踏まえ,現代の感染症の脅威,感染症を取り巻く状況の変化に対応するため,伝染病予防法,エイズ予防法,性病予防法にかわって,新たに感染症予防・医療法が制定され,99年4月1日から施行されることになりました。
この法律では,過去の差別に対する反省に基づき,特に異例の前文を置いて人権尊重の理念を明らかにしております。さらに,感染症に関する適切な医療の提供という観点から,患者への対応を単なる隔離ではなく一般医療の延長上に位置づけ,広域的対応と質の向上に向けて医療体制の再編を志向するものであります。
また,この法律では,患者の人権を担保するための具体的な手続規定が明記されております。すなわち,入院等については,患者に書面による勧告を行い,勧告に従わない段階で初めて強制的な措置をとるものとされております。このとき,保健所に設置される中立的機関である感染症の診査に関する協議会の意見を聞くことによって,患者の人権尊重への配慮が最大限図られることになっております。この協議会が果たす役割は,極めて重要であると考えます。
さらに,従来の伝染病予防法では,市町村で隔離病舎の設置が義務づけられていましたが,この法律では,広域的対応を前提に,感染症指定医療機関に関する事業主体を都道府県とし,その指定についても,知事が開設者の同意を得て行うこととされています。
具体的には,エボラ出血熱などの危険度が極めて高い疾病に対する第一種感染症指定医療機関は都道府県ごとに指定され,コレラ,細菌性赤痢などに対応する第二種感染症指定医療機関は二次医療圏ごとに指定されると規定されております。
本年の第1回定例市議会予算特別委員会において,我が会派から,市立病院南ヶ丘分院の赤字補てんに一般会計から毎年約4億円もの繰り入れを行っていることに関して,道知事が指定を行うなら,赤字の市立病院ではなく,道知事の掌握しているところに指定してもらったらどうかという質問をしたのに対し,市は,提言の趣旨を踏まえて,全道的視野に立った広域的な判断のもとに適切な医療機関を指定するよう要望してまいりたいという答えをしております。札幌市を含む二次医療圏内で第一種及び第二種感染症指定医療機関がどのように指定されるか,これに伴って南ヶ丘分院の取り扱いがどうなるかは,本市の今後の医療体制にとって大きな問題であると考えます。
そこで1点目に,大きく感染症に対する施策の考え方や体系を変更するこの法律の施行に際しての札幌市の考え方について伺います。
2点目に,新たに設置されることになった人権尊重のかなめと言うべき診査協議会のあり方について伺います。
3点目に,札幌市に関する感染症指定医療機関のあり方についてどのようにお考えか,伺います。
次に,このたび提案されております福祉のまちづくり条例に関連いたしまして,福祉の街づくりの推進体制について伺います。
83年からの国連障害者の10年に始まり,アジア太平洋障害者の10年を経て,障害者を包む社会環境は大きな変動を経験いたしました。ノーマライゼーションやリハビリテーションの理念も,広く世界的にも,また国内的にも定着しつつあり,本市におきましても,地域福祉社会計画を初め,高齢者保健福祉計画,障害者福祉計画,精神障害者保健福祉計画の制定を見ており,着実な歩みを進めております。
そのような折,私どもが早くから主張してきた福祉のまちづくり条例が提案されましたことは,市民のだれもが待ち望んでおりましたことだけに,この条例がこれからの街づくりに大きな力を発揮するものと期待を寄せるところでもあります。
一方,本市では,福祉の街づくりへの取り組みの一つとして,95年度から福祉のまち推進センターの設置を進め,それぞれの地区のニーズに対応した住民による支え合い活動が多様に展開されており,事業開始から4年目を迎えた今,既に一定の成果を上げておりますことはご存じのとおりであります。特に,高齢者に対します安否確認や除雪活動等は,現在設置されております推進センターのほぼ半数で積極的に取り組んでおりますし,推進センターにとりましては非常に大きな役割であります高齢者の福祉ニーズ調査や訪問活動等についてもおよそ3分の1のセンターで取り組むなど,徐々にその成果を確実なものとしております。地域の福祉を推進する拠点として期待される推進センターは,今年度末で全市設置率80%を超えると伺っておりますが,可能な限り早い時期での完全設置を願うものであります。
さて,このたびの条例でありますが,ただいま申し上げましたように,さまざまな制約の存在から十分な社会参加や社会的活動が困難な市民が,そうした困難を排除し,快適な市民生活が可能となるための条件整備を一層積極的に進めるためのものでありまして,言うなれば,条例と推進センターは街づくりの両輪と言ってもいいのであります。そして,その両輪は,ともに暮らしよい街づくりに向ける市民の積極的な意思,地域住民の結びつきを原動力とするものでありまして,行政は無論のこと,市民の立場にありましても,それを育て,支援することは欠かせない責務と考えるのであります。
我が国におきましては,間もなく介護保険が本格実施されるのでありますが,経済給付や介護給付など社会保障制度がどれほど充実しても,地域社会で暮らす市民の生きがいは,自分の意思による社会参加なしでは満たされないものであります。このたびの条例案でも,その前文で,「真の福祉社会を創造するためには,自主,自立の意識をもった個々人の支えあいが不可欠であり,」「誰もが等しく様々な分野における社会活動に参加することができる福祉のまちづくりを積極的に推し進めなければならない。」としているのであります。来るべき21世紀,高齢や障害あるいは疾病が何の障壁にもならない地域社会の創造に向けて,我々の果たすべき役割は重いと思うのでありますが,まちづくり条例の制定にかかわって,これからの福祉の街づくり推進体制に関連いたしまして,以下3点について伺います。
1点目は,福祉のまち推進センターの今後の見通しについてであります。
この4年間,相当の努力のもと,既に70近くの地区での設置が進んでおりますが,完全設置
までの見通しについてお示しいただきたい。
また,各地区では,それぞれに地域の特性に合わせた取り組みが行われていると思うのでありますが,その活動の成果についての評価と今後の事業展開の方向性についての考えをお示し願います。
2点目に,このたび提案のありました福祉のまちづくり条例は,施設や道路,交通機関などの整備基準を定めるにとどまらず,雪対策や防災にかかわる市民の協力,障害者,高齢者等が直面するさまざまな差別感や偏見の除去,さらには,福祉の街づくりに力の大きい教育の充実にも言及するなど,相当に意欲的な条例だと思うのでありますが,既に先行しております推進センター事業と相まって,福祉の街づくりに貢献する本条例のねらい,あるいは特筆すべき点をお示しいただきたいのであります。
3点目に,条例がねらいとするところは,多くの市民の理解と協力があって初めてその実効性が高められると考えます。現在の福祉の街づくり環境整備要綱による街づくりは,多くの市民の理解のもとに,遵守率80%以上と著しい効果を上げていると伺っておりますが,整備対象施設や守るべき基準が厳格になったこのたびの条例の実効性を担保する手だては,どのように考えておられるのか,また,要綱とは異なる条例が持つ強制力,拘束力に頼るのではなく,市民合意のもとに進められる街づくりに向けた手だてについてどうお考えになっているのか,お示し願います。
次に,DPI世界会議の開催と福祉の街づくりについてお尋ねいたします。
既に新聞等でご承知のように,去る12月1日から7日までメキシコシティーにおいて開催された第5回世界会議において,次回2002年9月に,本道,そして札幌における開催が決定されました。これは,札幌市を含め,本道の関係諸団体が,2002年第6回DPI世界会議札幌大会誘致推進会議を設立し,中央関係団体とも連絡をとりながら,6年間にわたって精力的に誘致活動に取り組んでこられた成果であります。また,去る3月27日の本会議において,2002年第6回DPI(障害者インターナショナル)世界会議の札幌誘致運動を進める札幌市内外の関係者の活動を支援し,もって市民福祉の街札幌の実現に努力することを決議した議員の一人として,ともに喜びを分かち合いたいと思います。
障害者インターナショナル,いわゆるDPIは,「障害者自身の声」をスローガンとして,世界 100カ国に及ぶ各国にそれぞれ国内会議を持ち,4年に1度,世界会議を開催するNGOでありますが,1981年の結成以来,国際的な連帯を組む中で,あらゆる障害の種別を超えて,障害者の生活上のすべての障壁を取り除くことに大きな貢献をしてきた団体であります。
この国際的なイベントが,障害に対する市民の理解を深めるとともに,人種,国籍,障害のあるなし等にかかわらず,人々の連帯の輪を広げ,私たちが目指しているノーマライゼーション社会の構築に大きな貢献を果たすことを確信するのでありますが,もう一つ,この大会が本市に残すであろう大きな成果を考えるのであります。
障害者の社会参加が言われ久しくなりますが,果たして障害者や高齢者が円滑に行動できる環境は十分に整っておりますでしょうか。障害者みずからの街並み点検,冬道点検などは毎年の通例となっており,北海道都市開発促進協会などでも弱者に冷たい道路の様子を指摘しています。基本的な人権の一つでもあります選挙権の行使を願い,活動を展開している障害者のグループもあります。これらの状況を見るにつけ,本市のみならず,日本の街づくりは,まだまだ改善しなければならない点が多くあるものと考えます。DPI世界会議の開催は,行政は無論のこと,福祉の街に対する
民間事業者の理解を深め,一挙に福祉の街づくりを進める契機を与える絶好の機会と考えるのであります。
そこで1点目に,来るべき2002年の第6回DPI世界会議の本道,本市開催に向け,札幌市として力強い開催支援の姿勢を表明すべきと考えますがいかがか,伺います。
また2点目に,この会議が国内外の 2,000名にも及ぶ関係者の参加を予定していることから,市民福祉の街札幌の実現のためにも,緊急なバリアフリー対策を実施し,国際的にも水準の高い道路,観光施設,宿泊施設,輸送機関,商業施設等を提供できるよう努力すべきと考えますがいかがか,伺います。
最後に,高齢者対策について伺います。
我が国における人口の高齢化は,世界に例を見ない速さで進行しております。札幌市におきましても,1990年に 9.1%であった高齢者人口の比率が,ことしは12.8%に達しており,2015年ごろには,人口の4人に1人が65歳以上になるものと予測されております。このような急速な高齢化に伴い,高齢社会に向けた基盤づくりを早急に進めていくことが重要な課題となっており,このような観点から,昨年12月に介護保険法が成立し,2000年4月からの施行が決定されたところであります。
本市におきましても,この介護保険の円滑な導入を図るため,高齢者保健福祉計画に沿って各種サービスの基盤整備を行っており,98年度末における主なものの進捗状況を見ますと,ホームヘルプサービス72.6%,デイサービス94.9%,ショートステイ 128.2%,在宅介護支援センター87.7%,特別養護老人ホーム 103.5%となっており,順調に整備が進んでいるものと考えます。
介護保険制度における
介護サービスの内容は,大きくは在宅サービスと施設サービスに分けられますが,この
介護保険制度においては,自宅で介護を受けることが高齢者のニーズに合致するという考え方に基づき,在宅サービスを主要な柱として,その必要なサービスを提供するという考え方になっているのであります。
しかし,このような在宅サービスを柱とした
介護保険制度を2000年度から開始するとしても,さきの補正予算で,特別養護老人ホームについては,高齢者保健福祉計画の目標を 100床上回る整備を図ることとなったとはいえ,98年10月現在において入所待機者が 1,800人以上もいるという状況から,市民の間には特別養護老人ホームの供給量に対する不安があることも事実であります。
また,このほか,本市においては,高齢者の住宅対策の一つとして,高齢者保健福祉計画に沿ってケアハウスの整備充実を行ってきました。この進捗状況は96.7%となっております。このケアハウスは,独立して生活することに不安を持つ要支援状態にある人や,特別養護老人ホームなどに入所している高齢者のうち,要介護状態が改善した人たちに提供する施設サービスの一つとして,今後,ますますその存在意義が高まってくるものと思われます。
来年度は,
介護保険制度のスタートに向けて残された最後の年として,在宅サービス及び施設サービスとも,その需要に見合った整備を行う最終調整年度として特に重要な意味を持つ年であります。国においても,98年度第3次補正及び99年度当初予算において,
介護保険制度の導入を展望し,介護保険の対象となるサービス基盤整備及び保険の対象とならないサービスについても総合的に支援していくような方針を示し,総合経済対策として介護保険に向けた高齢者福祉サービスの基盤整備枠が設けられ,さらに,高齢者に対して介護支援機能,居住機能及び交流機能を総合的に提供する高齢者生活福祉総合センターの設置地域の限定が撤廃されるということも聞いております。
そこで,伺いますが,1点目に,介護保険関連施策として,
介護保険制度の導入を控えた最終年度である99年度の施設サービス,特に特別養護老人ホームの整備についてどのような基本方針を持っているのか,お示しください。
2点目に,介護保険対象外の施設として,要支援状態にあるひとり暮らしの高齢者や,特別養護老人ホームに入所している所得の比較的低い高齢者のうち,その介護状態が改善した人たちの支援施設として高齢者生活福祉センターの設置を進めるべきと考えますがいかがか,伺います。
以上で,私の質問のすべてを終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(富田新一君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(桂信雄君) まず最初に,景気対策についてお答えいたします。
第1点目の貸し渋り対策についてでありますが,本年の2月と8月に金融環境に関しての実態調査を行いましたところ,大多数の企業が金融機関の融資姿勢が厳しいと見ていることが明らかになりました。
こうしたことから,本市といたしましては,特別経営金融相談室の設置,緊急景気対策特別資金と金融環境対策特別資金の創設,北海道信用保証協会に対する損失補償措置,さらに,この11月には,融資限度額の引き上げや借りかえの容認などの制度改善を行い,貸し渋り解消のための金融対策を講じてまいりました。
また,国においては,現在,中小企業等貸し渋り対策大綱を受けて,20兆円の保証規模で中小企業金融安定化特別保証制度を実施しており,本市では多くの方々からこの認定相談を受けておりますので,このような状況から,貸し渋りが徐々に解消されていくものと思われます。
なお,北海道信用保証協会に対しては,この特別保証制度が円滑に取り扱われるよう強く要望してまいりたいと存じます。
第2点目の事業発注にかかわる本市の対応についてでありますが,現下の深刻な地域経済を考えますと,年末以降も切れ目のない工事の発注が必要であると考えているところであります。したがいまして,本議会において,国の経済対策に呼応して補正予算の追加提案を予定しているところであります。この中で,ゼロ国債や昨年を上回るゼロ市債を設定し,工事の端境期対策とするとともに,現年度の単独事業につきましては,施設改修など,緊急性が高く,今年度中に実施が可能な事業を追加し,また,補助事業につきましては,前払い制度を積極的に活用することとしており,できるだけ事業の早期発注,早期支払いに努めているところであります。
第3点目の雇用対策についてでありますが,札幌市雇用対策連絡会議の成果につきましては,季節労働者の雇用対策,シルバー人材センターの活用,さらには,非常時の総合相談会の開催について,現在,実施あるいは具体的な検討段階に入ったところであり,一定の成果を上げられたものと認識をいたしております。今後も,引き続き,より効果的な雇用対策の推進に向け,努力してまいりたいと考えております。
季節労働者の雇用対策につきましては,第3回定例市議会でもお答えをいたしましたとおり,市民生活の安定という観点から,季節労働者を組合員として構成している企業組合に対し,全庁を挙げて,直接業務発注する等の対策を講じているところであります。
また,非常時の総合相談窓口の設置につきましては,企業の倒産等により,多数,離職者が発生した場合の対応として,関係機関が合同で相談会を実施することについて協議を重ね,11月4日に各関係機関と確認書を取り交わしたところであります。これは,全国的にも余り例のない,国,道,市の垣根を超えた協力体制でありまして,この相談会が開催される事態が発生することは決して望ましいことではありませんが,万が一の場合には大きな効果が期待できるものと思っております。
次は,給与改定についてであります。
本年の給与改定についてのご質問でありますが,人事委員会勧告の取り扱いを決定するに当たりましては,勧告制度を尊重するという基本姿勢に立ち,労働基本権の制約の問題や良好な労使関係の維持に配慮しながらも,本市の財政状況や市内の景気,雇用情勢,加えて,給与改定に対する市民感情にも配慮した上で,この厳しい状況に対する本市職員の覚悟を市民に示すという意味で,給与改定の完全実施を見送り,その一部を凍結することとしたものであります。
しかし,人事委員会の給与勧告制度は,労働基本権制約の代償措置の根幹をなす重要な制度であり,これを尊重するという私の基本姿勢に変わりはございません。したがいまして,今回の措置は,現在,本市の置かれている厳しい状況のもとで,万やむを得ずとらざるを得なかったものでございまして,今後とも,人事委員会の勧告につきましては,完全実施に向けて最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
次は,情報公開についてであります。
本格的な地方分権時代を間近に控えて,市民と行政との強い信頼関係のもとで,両者が連携し,一体となった街づくりを推進していくためには,市民に開かれた透明性の高い行政運営を進めていくことが何よりも重要であります。そのためには市民との行政情報の共有化が不可欠でありまして,その実現を図る上で,情報公開制度や行政情報の積極的な提供施策の拡充を進めていくことが大切であると考えております。
そこで,第1点目の条例改正に向けた本市の取り組みについてでありますが,ご指摘のとおり,国におきましては,情報公開法が近々成立することが見込まれておりますことから,本市の条例につきましても,施行から10年を迎え,その間,随時,一部改正や運用の見直しなどを行ってきてはおりますものの,この機会に社会情勢の変化に応じた全般的な見直しが必要と考えております。
そこで,年明けにも臨時委員を加えた公文書公開審査会に諮って見直し作業に着手し,その際には市民の意見を聞くなどしながら,新たな条例制定に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に,ご質問の2点目の説明責任と3点目のインターネットの利用につきましては,関連がありますので,あわせてお答えをさせていただきます。
多くの市民との間で行政情報の共有化を図るためには,市民からの請求を介した限られた情報公開のみでは不十分でありまして,このため,市民からの請求を待つことなく,行政の側から進んで情報提供を行うことが重要と考えます。
その推進手段といたしまして,双方向性などの特性を持つインターネットの利用は極めて有効な手段と認識をしているところであります。現在,本市が開設をしておりますインターネットのホームページには39項目ありまして,市政情報の提供に取りかかっておりますが,今後,これらの充実を含めた利用方法につきまして,ご指摘のありました事例などを十分参考にしながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
また,情報化構想の実現の見通しにつきましては,現在の財政状況を考えますと,大変厳しいものがございますが,その実現に向けて着実に推進してまいりたいと考えております。
次は,福祉の街づくりの推進体制についてであります。
1点目の福祉のまち推進センターについてでございますが,全地区における設置は,当初,平成17年を目標としておりましたが,この4年間で既に約8割まで設置が進み,今後も,地域の方々のご理解をいただきながら,設置目標が大幅に前倒しできるものと考えております。
また,活動に対する評価と今後の方向性につきましては,現在,各地域で,安否確認や訪問活動など,さまざまな福祉活動への取り組みが広がっております。このことは,地域住民の福祉に対する理解と関心の高まり,そして住民同士の心のつながりがはぐくまれてきたものであり,高く評価をしているところであります。
今後とも,このセンターが地域住民にとって最も身近な福祉の拠点となりますよう,日常的な支え合い活動を一層促進しますとともに,センターと区役所,区社協,在宅介護支援センターなどが相互に連携を深められる体制を整えてまいりたいと考えております。
2点目の条例のねらいと特色でありますが,一般的には,この種の条例は施設や設備を中心に据えた整備基準を定めることが多いのでありますが,このたび提案しております条例は,高齢者や障害者が日常生活をする上でのあらゆる障壁の除去を念頭に置きながら草案したものでありまして,ご指摘のとおり,施設・設備基準を定めるにとどまらず,特に,これまでの推進センター活動で培われつつあります市民の福祉の心に大きな期待を寄せたものとなっております。例えば,災害や積雪寒冷期の市民挙げての連携協力や,障害などに対します差別観や偏見の除去のための教育の重要性につきましても示し,また,市民の自発的な事業の誘導をねらいといたします顕彰制度なども取り入れたところであります。
3点目の市民合意のための手だてでありますが,福祉の街づくりは,行政はもちろんのこと,公共的施設を整備いたします事業者を含め,市民の方々の条例の趣旨に対します深い理解が不可欠であります。したがいまして,街づくりに向けての基本指針の策定に始まり,推進状況の検証,公共的施設の整備状況モニター,時代の要請に合った整備基準のあり方などを,市民の立場から協議し意見を述べるための民間関係者から成る常設会議を設置いたしまして,市民合意をいただきながらの街づくりを進めてまいりたい,このように考えております。
私からは,以上です。
○副議長(富田新一君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 地球温暖化対策についてお答えいたします。
1点目の本市の事務事業に関する実行計画の策定についてでありますが,新たに制定された地球温暖化対策の推進に関する法律を踏まえ,今後2年間で本市としての温暖化対策推進計画を策定する考えであります。
この中で,ご提案のありました市有施設での新エネルギーの導入については,技術開発の動向や環境保全効果等を考慮した上で,PR効果などが高い施設を中心として率先導入を検討していくとともに,数値目標については,現在設定しております公用車への低公害車の導入目標などに加え,新たに,燃料消費量や廃棄物排出削減量など,できるだけ多くの目標を盛り込むよう努めてまいりたいと考えております。
2点目の二酸化炭素削減の目標達成に向けた取り組みについてでありますが,省エネルギーの推進を初め,自動車交通対策,廃棄物の減量と再資源化,緑の保全と創出,環境教育,環境学習の促進など,総合的に取り組む考えであります。さらに,市民・企業の取り組みを効果的に推進するため,現行の札幌市公害防止条例を全面的に見直し,今日的な環境問題に対する規制的手法や誘導的手法を盛り込んだ新たな条例の制定について検討を始めてまいりたいと考えております。
次に,雪対策についてお答えいたします。
まず,1点目の運搬排雪計画についてお答えいたします。
幅員がおおむね10メーターの道路につきましては,現在,市内に約 800キロメーターありますが,そのうち約7割の道路は,地域の自主的な排雪活動であるパートナー除雪などと一体的に排雪が行われており,面的に冬季の生活環境を高めております。また,残り約3割の道路につきましては,シーズン2回程度,ロータリー車による拡幅作業を実施し,幅員の確保に努めているものの,運搬排雪は行われていないのが実情であります。
したがいまして,今後は,体系的な排雪について,ご提言の趣旨も含め,検討してまいりたいと考えております。
次に,2点目の未利用エネルギーの活用についてお答えいたします。
お話にありました未利用エネルギーの雪対策への活用は,環境負荷の軽減や雪処理コストの低減,雪処理拠点の確保の面で有効な手段と考えております。
したがいまして,下水のエネルギーにつきましては,引き続き,施設の処理能力,配置などを総合的に勘案し,整備に努めるとともに,それ以外の河川水やごみ焼却熱などにつきましても,その活用に向け調査研究を進め,さらなる実用化に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(富田新一君) 大長助役。
◎助役(大長記興君) ご質問の6番目と8番目,9番目につきまして,私から答弁いたします。
まず初めに,感染症予防・医療法についてお答えをいたします。
1点目のこの法律の施行に際しての本市の考え方でございますが,本市では,昨年9月に,札幌市健康危機管理実施要領を定め,O-157などの発生に際し,危機管理の観点から市民の健康を守るべく取り組んでまいりましたし,この法律の施行後も変わりなく実施をしていく考えであります。
また,この際,見直しの方向性の重要なポイントであります人権の尊重への配慮につきましても,十分勘案しながら,施行に伴う準備を進めてまいりたいと考えているところであります。
2点目の感染症の診査に関する協議会のあり方についてでありますが,法の趣旨を生かし,必要時に適宜開催できること,委員の構成が偏らないように配慮することが必要と考えております。具体的人数や人選につきましては,今後検討してまいりたいと思ってございます。
3点目の感染症指定医療機関のあり方に関してでありますが,感染症指定医療機関に関します基準など,この法律に関する政省令は近日中に示されると聞いてございますので,市民に良質かつ適切な医療が提供されますよう,指定を行う北海道と十分協議をしてまいりたいと考えております。
次に,DPI世界会議の開催と福祉の街づくりについてであります。
1点目のDPI世界会議の開催に対します支援についてであります。
このたび,DPI世界会議の日本開催が決定され,この大会では,本市はもとより,道内数都市においても関連イベントの実施を目指すことなどを聞いてございます。DPI世界会議の誘致実現に向け,大変なご努力をされてこられました道内関係団体の方々の熱意にこたえるためにも,本市といたしましても,国や道などの支援のあり方を見きわめながら,団体が進めます会議開催計画への支援策を検討してまいりたいと考えております。
2点目の開催に向けたバリアフリー対策についてでありますが,本市は,過去,全国身体障害者スポーツ大会を開催した経験もあり,開催の諸条件には大きな心配はないものと考えております。また,このたびは札幌市福祉のまちづくり条例をご審議いただくところでございまして,今後の条例施行の中で計画的,継続的に街づくりを進めてまいる考えでありますし,さらに,私どももこの世界会議を本市の福祉の街づくりを進める好機として活用してまいりたいと考えております。
最後に,高齢者対策についてであります。
1点目の11年度における特別養護老人ホーム整備の基本方針につきましては,既に高齢者保健福祉計画の目標値を上回る整備を行っているところでありますが,特別養護老人ホームの入所を待っている方が増加している状況にもあり,また,国においても
介護保険制度実施後のサービス供給体制の充実を目指していることから,本市としても,引き続き,国と協議を行いながら,特別養護老人ホームの整備促進を図ってまいりたいと考えております。
また,2点目の高齢者生活福祉センターにつきましては,現在,国の方針が示されたばかりであり,その設置,運営に伴う課題などを十分に検討する必要があり,また,既に,ひとり暮らしや要支援高齢者のための同様の施設もございますので,それらの活用も含めて総合的に検討してまいりたいと考えております。
以上です。
○副議長(富田新一君) お諮りします。
本日の会議はこれをもって終了し,明12月9日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(富田新一君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
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○副議長(富田新一君) 本日は,これで散会いたします。
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散 会 午後4時3分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 柴 田 薫 心
副 議 長 富 田 新 一
署名議員 宮 村 素 子
署名議員 生 駒 正 尚...