委 員 飯 坂 宗 子 君 委 員 横 山 博 子 君
委 員 山 口 た か 君 委 員 中 嶋 和 子 君
委 員 福 士 勝 君 委 員 田 中 昭 男 君
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開 議 午後1時
○小田 委員長 ただいまから,第一部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,
勝木委員からは遅参する旨の届け出がございました。
それでは,議事に入ります。
第2款 総務費 第3項
市民生活費中関係分及び第9款 教育費 第9項
社会教育費中関係分を一括して質疑を行います。
◆横山[光] 委員 私からは,
家庭教育についてご質問を申し上げます。
国の
中央教育審議会では,本年6月30日の答申で「もう一度家庭を見直そう」という章が設けられ,さまざまな提案がなされております。例えば,「
家族一緒の食事を大切にしよう」とか「祖父母を大切にする親の姿を見せよう」とか「朝のおはようから始めて礼儀を身につけさせよう」「自然の中で伸びやかに遊ばせよう」など,これまでの答申には見られない,
家庭教育へ具体的に踏み込んだ内容が盛り込まれております。
私は,この答申を拝見いたしまして,ここまで家庭の中での生活の細部にわたって,国が国民に向かって呼びかけをしなくてはならない,これほど,いわゆる家庭でのしつけといいますか,教育力が失われつつあるのかと,大変驚くとともに,悲しい思いがするのであります。
この中に,子供の成長についての満足度の
国際比較が載っております。例えば4歳から6歳児の場合でありますが,
アメリカでは,88.5%の親が「自分の子供の成長に満足をしている」と答えております。これは,
イギリスでは,例えば89.1%とか,78.1%とか,非常に高い数字が出ております。日本でも,4歳から6歳に関しては,53.7%の親が「満足をしている」と答えております。これが10歳から12歳になると,
アメリカの場合には84.5%の親が自分の子供の成長に満足をしていると。
イギリスでも,83.3%の親が自分の子供の成長に満足をしているのでありますが,日本について見ると,36.3%しか満足をしていないのであります。
答申の中では,子供の個性を大切にし,未来への夢を持たせよう,幼児期から子供の平均値や相対的な順位にとらわれることをやめようということを呼びかけておりますけれども,まさに,今日の日本での
子供たちの置かれている立場を象徴する数字ではなかろうかと,こう思うわけであります。子供の成長に満足しない多くの親と,その親の期待にこたえられず苦しんでいる多くの
子供たちがいるということであります。今日の日本の
受験中心の教育,価値観のもとでは,
子供たちも不幸でありますし,親もまた不幸であると申さねばなりません。私たちは,今,私
たち自身の価値観や偏見を改めて,教育のあるべき姿を実現するために助力をしなくてはならないと,かように私は認識をするのであります。
この答申の中に挙げられているようなことは,我が国の
高度成長期以前においては,一般の家庭ではごく自然に行われていたことであります。その当時は,子供は,大人や兄や姉,近所の年長者を見て育ち,
大人たちは我が子だけでなく,地域の
子供たちに広く目を配っておりました。そのような
日常生活の中で,
子供たちも自然と思いやりの心やしつけを身につけていたのではないかと,こう思うわけであります。
しかし,これに比べて,現代の家庭では,あたかも経済的な豊かさの代償であるかのように,家族の団らんが減り,同じ屋根の下に住んでいても,お互いの考え方がわからない,子供のしつけもままならないという状況が生まれているわけであります。子供を育て,基本的な社会性を身につけさせることは,親の責務であり,本来,まず第一に家庭が担うべき事柄ではありますけれども,ただいま申し上げましたように,家庭における教育力が低下をしている今日,家庭と地域と行政が一丸となった対応が望まれるのではないかと,かように思うわけであります。
我が党といたしましては,従来から
家庭教育支援に大きな関心を持って,昨年の
決算特別委員会において我が党の
鈴木委員が質問をいたしましたが,この中で,従来よりもさらに充実した
家庭教育事業を実施するとのお答えがありました。
そこで,本市として,今年度の新たな
家庭教育事業としてどのような
取り組みをされているのか,まずお伺いをしたいと存じます。
また,親御さんが各種の
家庭教育事業に参加した理由について,把握している範囲内でお聞かせをいただきたいのであります。
◎石原 生涯
学習部長 まず,第1点目の
家庭教育事業の新たな
取り組みについてでございますが,従来の
家庭教育事業といたしましては,子供の
健全育成のため,小学生を対象とした夏・冬の
林間学校,中学生を対象といたしましたアタックキャンプなどを行ってまいりました。また,親の
教育力向上のため,
家庭教育学級の開設や
ファミリー講座の実施など,親が学ぶ機会を提供してまいりました。
今年度は,子供や親がそれぞれ自己学習する講座や行事の一部見直しと拡大を図り,親子が一緒に実践的な学習ができる事業として,
お父さんと子供の
体験学習の実施を初め,中学生の親を対象とした
家庭教育学級の開設や,働く親を対象といたしました
家庭教育講座を新しくスタートさせ,事業の充実を図ったところでございます。
次に,2点目の親たちが事業に参加した理由でございますが,
各種事業のアンケート結果によりますと,「子供と一緒に遊ぶ機会が少ない」「どのように子供と遊べばよいかわからない」「どのように子供と話をすればよいかわからない」といった理由が挙げられております。
家庭教育に関心はあるが,接し方などがわからないという最近の親の悩みが具体的にあらわれたものととらえております。
◆横山[光] 委員 ただいまのご答弁にありましたように,本市でも,
お父さんと子供の
体験学習会を初めとする,さまざまな新しい事業の充実が図られているということでありますので,これが十分な効果を上げられますように期待をするところであります。
しかし,かような事業に参加する機会がなかったり,または,かような事業の
存在そのものを知らないという方もまだまだたくさんいるのではないかと思いますので,個々の家庭に十分に浸透するような
啓発活動や
情報提供が必要ではないかと,かように存ずるところであります。
このたび,文部省では,家庭でのしつけのあり方や
家庭教育の課題の説明,
相談窓口の案内など,
家庭教育力の向上に向けた啓発をねらいとして,今年度と来年度の2カ年で,
家庭教育手帳726 万部,
パンフレット1,390 万部を作成して,それぞれ
母子健康手帳の交付時などに各家庭へ配付する計画と,かように聞いているわけであります。
そこで,本市としても,
家庭教育に関します独自の
啓発活動や
情報提供事業を行うべきと思いますがいかがか,お伺いをいたします。
◎石原 生涯
学習部長 家庭教育に関する独自の
啓発活動や
情報提供事業についてでございますが,ただいま委員からお話がありましたように,文部省と厚生省の
連携事業といたしまして,
家庭教育手帳や
家庭教育啓発パンフレットを配付するということは承知をしてございます。
本市といたしましては,来年度の国の
家庭教育手帳などの配付に合わせまして,北国での子供の育て方や親子の遊び方などを具体的に例示した,家庭でもすぐに取り入れられる実践的な手引書を作成し,提供していきたいと考えているところでございます。
また,手引書の作成に当たりましては,
保健福祉局と密接な連携を図りながら,有識者などから成ります,仮称でありますが,
家庭教育情報企画委員会を設置する予定でございまして,この委員会におきましては,
家庭教育に関する
研修プログラム,
家庭教育情報誌の発行,インターネットを活用した
家庭教育相談などにつきましても検討していただきたいと考えているところでございます。
◆横山[光] 委員 新たな事業の
取り組みを検討中ということでありますので,大変心強く感じるところであります。
家庭教育の問題は,今や,一家庭の
取り組みのみでは解決が困難となっており,行政と地域が一体となって支援をしていくことが強く求められているのであります。ただいまお聞かせいただきました新たな啓発あるいは
情報提供事業の実施に当たりましても,ぜひ,町内会あるいは
PTA等と連携を図って,大きな効果を上げていただくことを要望して,質問を終わります。
◆大嶋 委員 私からは,定山渓自然の村の
利用状況等について何点か伺いたいと思います。
定山渓自然の村は,ご存じのように,6月27日に
オープンして約4カ月がたとうとしております。平成8年・9年度,継続費で10億9,600 万と,いわば,
野外教育施設としてこれほどの大きな予算を投入して行った事業というのは,本市としては,これまでまれかと思います。この
施設自体,これまでの
利用対象とは違って,幅広い年齢層の市民が,家族や職場,あるいは地域の小
グループで通年利用できると,こういう目的を持ってつくられております。これまで,
野外教育活動の目的というのは,
学校教育であるとか,あるいは青少年や子供の
健全育成とか,それぞれ
目的事業別に行われた部分が多いわけですけれども,これは,既に本市で定められております生涯
学習計画という大きな流れの中で,新たな
施策展開の中に位置しているのかなというふうにも考えております。
文教委員会でも,私,視察をさせていただきまして,いわゆる
障害者対応や,あるいは管理棟・学習棟の
ハード面,それから,今後の
インストラクター等々を含めた
ソフト面の拡充等について伺いまして,これは,ぜひ,これからの
野外教育施設として,市民のたくさんの利用を求めたいし,そしてまた,本市のこれからの
野外教育施設の中で中核をなしていただきたいというふうにも思っております。
そこで,質問の1点目ですけれども,通年型とはいえ,
利用者数としては夏から秋にかけてが一つのピークになるわけですが,繁忙期,ピークを過ぎて,当初見込みと比較して,これまでの
利用者数がどのようになっているのかという点が1点です。
次に,新聞などでは,いわゆる
宿泊利用者,事前に
申し込みによって利用する方たちだけでなくて,多くの市民が日帰りのついでに寄ったりしているのだというようなことが報道されています。これらの一
般来村者といいますか,日帰りの利用者の状況,そしてまた,自然の村での活動といいますか,行動といいますか,いわゆる
宿泊利用者等のいろんな活動に差しさわりがないのかどうかという点も含めて伺います。
それから,3点目でありますが,一応,これまでの
野外教育施設の
利用態様とは違った目的を持ってつくられているわけですけれども,既存の
野外教育施設の
利用者数に影響が出ていないのかどうか,これは確認の上で伺いたいと思います。
◎石原 生涯
学習部長 1点目の
利用状況でございますが,6月27日に
オープンしてから9月末までの3カ月間の
利用状況でございますけれども,約1万1,400 人の見込みに対しまして,9,081 名の利用となっております。
内訳といたしましては,家族などの小
グループの利用が,約9,000 人の見込みに対しまして7,798 人,学校などの
団体利用が,約2,400 人の見込みに対しまして1,283 名の利用となってございます。家族などの小
グループの利用につきましては,見込みに近い
利用状況となっておりますけれども,
団体利用といたしましては,主に
学校利用を想定しておりましたが,自然の村の
予約申し込みは2カ月前からとなっているのに対しまして,
学校行事は前年度中に決定していたことから,見込みを下回った状況にございます。来年は,各学校に対して積極的に
事前周知を行い,
利用拡大を図ってまいりたいと思います。
なお,利用全体で見ますと,日帰りの一
般来村者を加えますと1万2,000 人を超える盛況でございます。
次に,2点目の日帰りの来村者の状況でございますが,予想を超える多くの来村者がございまして,特に日曜日などは200 名を超える市民の方が来村しております。9月末までの来村者は3,478 名となってございます。
また,来村者の皆さんは,村内を見学したり,周辺の自然を散策したりいたしまして,持参した弁当を食べながら家族で団らんするというのが大半でございますが,これらの来村者の方からは,
野外学習への参加や,炊事や休憩ができるスペースが欲しいという声も寄せられております。
次に,3点目の
既存野外教育施設への影響についてでございますが,
既存野外教育施設は,学校を初めとする団体を主な利用者としていることに対しまして,自然の村は,その大半が家族や小
グループでございまして,この自然の
村オープンに伴って
既存野外教育施設の利用者が減少したという傾向は見受けられておりません。むしろ,
野外教育施設全体で見ますと,利用が増加している状況にございます。
◆大嶋 委員 今,今年度の夏の間の
利用者数を伺いまして,
目標数値より若干下回っている数字ではございますけれども,新しくできた施設としては非常に評判もいいということで,
団体利用についても,来年については,各学校に対していろいろな働きかけをしていくということで,
利用アップも考えられるというか,そういうふうな方向で努力していきたいというお答えでした。
一般的に,
公共施設といいますか,箱物を含めていろんな意味での批判が多い中で,この自然の村という新しく
オープンした施設が,
利用状況を含めて非常にこれから期待できるということで,私も,
教育委員会の中でのさまざまな
事業取り組みに一層期待しているわけです。
今,
横山委員からもあったように,
中教審答申等々あります。それからまた,子供あるいは親をめぐる状況,これは,社会の急激な変化の中で,子供も,それから親も,親と子の対話といいますか,
家庭教育,あるいは地域での教育をどういうふうに行っていったらいいかという悩みが,今噴き出しているのかなというふうに思っています。そういう中にあっては,こういう自然の村というような施設を,ある意味で,親と子の触れ合い,あるいは地域との触れ合い,あるいは
グループでのいろんな活動に積極的に利用してもらうという,
自然体験といいますか,そういうことを通じて,今の
子供たちをめぐるさまざまな困難な状況を外側から少し変えていく大きな要素になっていくのだろうというふうにも思っています。
札幌市の
野外教育施設は,先ほども申しましたように,これまで,
社会教育,
学校教育,あるいは
家庭教育,
成人教育と,縦割りに行っていたものを,これから,一つの生涯学習という大きなテーマの中で,しっかりとした方向性を持って行っていくことが求められているというふうに思います。
今,伺った中で,日帰りの一
般来村者の数が非常に多いのだと。予想以上の3,500 人弱と,人数的には宿泊で利用される方の3分の1ぐらいの程度になるわけですけれども,それだけ多くの人が訪れている,そしてまた,それなりの要望も寄せられているということであります。そういう人たち,一
般来村者といいますか,日帰りの方々は,日帰りで利用することによって,今後,
グループあるいは親子で改めて宿泊で参加する予備軍といいますか,可能性を持った方ではないかと思います。
ただ,一方でそういうニーズにしっかりこたえることによって,これからの運営,宿泊含めた
利用状況を新たに大きく改善していくということも考えられると思いますので,一
般来村者に対する
機能充実についてどのようにお考えかという点を1点伺います。
それから,今後の
施設展開ですが,今申し上げましたように,これから
野外教育施設の重要性は日に日に増していくのだろうと思います。一般的に言う
アウトドアライフというブームに限らず,やはり,
幾ら札幌が自然に恵まれているとはいえ,
家族単位であったり
グループ単位であったり,あるいは地域のちょっとした
仲間同士で連れ立ってという形で,キャンプあるいは
自然探索に気軽に参加できるような
野外教育施設の整備というのは,これからますます求められてくるだろうと思います。
本市においては,立地の面からいっても,
野外教育施設というのは,比較的南の山側に偏っているというふうに言えるのではないかと思います。いろんな水辺とか,あるいは近郊のちょっとした林,自然林とか,そういうことも含めて,これからさまざまな形で
野外教育施設の拡充について展開を図っていく必要があると思いますが,この点についてどのようにお考えか,伺います。
◆涌井 委員 (関連)私も,一度,自然の村の方に足を運んでみましたけれども,この自然の村については,通年型の
自然体験を経験できる,非常にすばらしい施設であるというようなことが,大きなキャッチフレーズといいますか,ポイントでなかろうかと思っているのです。
そこで,冬期間,いわゆる冬にかけての利用者の
安全対策という側面からちょっと質問をさせていただきたいなというふうに思うのですけれども,何回か,
教育委員会の方にも,冬期間における自然の村の利用者への
安全対策をもう少し考えるべきじゃないかということで私はお話しさせていただいたわけなのです。基本的には,予約が2カ月前というようなことになっていまして,やはり,あの厳冬期といいますと,市内といっても,ほとんどもう山の中というような
自然環境の中ですから,冬期間にかなり冷え込むケースというのは恐らく相当数あるだろうと,こういうふうにも思っております。その際に,
子供たちとか高校生や大学生,あるいは
一般社会人が利用される状況の中で,安全面の,要するに,突然雪が降り出して相当の降雪になったとき,救出というわけでありませんけれども,対応できるのかどうかといったこと。あるいは,何かそこでトラブルといいますか,事故があった際の
救急体制の強化といったものも含めて,その辺の対策について,いろんな
山岳クラブだとか山岳会にもいろいろご相談しながら,さまざまなメニューをきちんとつくり,そして安全な
事業運営というものが図られるべきだというふうに私はいつも思ってお願いしておったのですけれども,その辺の
安全対策についてお考えありましたらお答えいただきたいと思います。済みません。
◎石原 生涯
学習部長 まず,
大嶋委員の1点目でございますが,日帰りの一
般来村者に対応した自然の村の整備についてでございます。
自然の村につきましては,
オープン以来,多くの日帰りの一
般来村者が訪れている状況,あるいは,今後もこのような状況が続くことを考慮いたしますと,この受け入れの整備が必要であると考えているところでございます。このため,自然の
村エリア内に日帰りの一
般来村者のための新たに水場,トイレ,あるいは簡易な
炊事施設などの整備を図るべく,今後検討してまいりたいと考えているところでございます。
2点目の
野外教育施設の整備についてでございますが,今,委員からありましたように,札幌は自然に恵まれておりまして,丘陵,あるいは丘陵だけではなくて,平地の自然にも大変恵まれているところでございます。これらの多様な
自然特性や地域性を生かしながら,
自然体験学習の幅を広げられるような施設も必要であると認識をしてございます。今後,気軽に
日帰り利用もできるような施設も含めまして,
野外教育施設の整備について調査をしてまいりたいと考えているところでございます。
涌井委員の方からのご質問でございますが,特に冬の利用の
安全対策ということでございます。
私どもも,この自然の村は,今シーズン初めての体験をするということで,私
ども職員一丸となって,その対策についていろいろ予測をしながら──真冬の場合,今お話ありますように,寒さ,それから雪,吹雪,こんなことを想定しながら,今,その対策を練っているわけです。私どもも,実際現地に行ってみまして,あそこは,四方を山に囲まれているということで,余り風の強いところではございません,これは自然ですから,いつ来るかわかりませんが。ただ,雪の量は大変多くて,大変寒さも厳しいわけでございます。そのために,今,コテージそれから
常設テントには,冬は
石油暖房を用意しておりまして,これも,実際に建設中にどういうふうに過ごせるか体験をしたところ,まず,中では寒さは十分しのげると,こういう状況でございます。
ただ,雪の状況となりますと,吹雪ということも当然考えられまして,今お話ありましたように,冬に向かって,私どもも十分そこら辺の対策は想定をしながら,万全を期してまいりたいと思っております。
◆大嶋 委員 最後,要望にさせていただきますけれども,今,伺いまして,日帰りの一
般来村者についても
機能拡充をしていきたいと。いわば,これまで,場合によっては,
目的ごとにいろいろ
使用条件が細かく決められていて,なかなか──ちょっと気軽に
野外体験をしてみたいとか,あるいは,
インストラクターの方たちの力をかりて
バードウオッチングとか,いろんな
市民団体が
グループをつくって予約制で行ったりはしています。ちょっと天気がいいから外に出て寄ってみて,そのときに
インストラクターの方がいて,いわゆる
バードウオッチングや,あるいは木の種類等々含めて,親子そろって,あるいは
グループで学習・観察ができるというような機会というのは,先ほど申しましたように,やっぱりこれからだんだん必要になってくる。
やはり,できるだけ間口を広くして行える事業にこれからも積極的に取り組んでいただきたいということと,今申しましたように,いろんな
ソフト面でも,これから,市民の
利用ニーズにこたえられるように,拡充を積極的に行っていただきたいということを要望いたしまして,終わらせていただきます。
◆横山[博] 委員 私は,
勤労青少年ホームについて何点かお尋ねをしたいと思います。
昨年発表されました
行財政改革,この内容の中で
勤労青少年ホームについての考え方が示されています。特に,西区のLet's 発寒については,近くに新しい青少年センターが地下鉄東西線延長に伴って整備をされると。この考え方の中にこう述べられています。現在の
勤労青少年ホームの機能を新しい青少年センターに取り込む方向で考える,続いて,いわゆる青少年センターの分館的機能を果たす,そういう地区館となって同一の機能・利用形態にしていくというふうに,その考え方が述べられているのです。
それでは,これをどういうふうに私どもは受けとめていいのか,理解していいのか。このLet's 発寒ですね,発寒
勤労青少年ホームを廃止して,新しい青少年センターに統合するというのは,どんな考え方で進められようとしているのか,まず1点お尋ねをしたいと思います。
それと,2点目なのですけれども,いわゆるホームとセンターでは目的が違う。だから条例もそれぞれあるわけですが,その辺で,Let's 発寒が廃止された場合,ホームを利用されている方たちは,この間の議論の中でも,新青少年センターを利用してほしいということも話されているのですけれども,それでは,センターの施設整備について,ホームと同様の機能,施設が整備されていくのかどうか,2点目にお尋ねをしたいと。
それに関連して,新しい青少年センターは,その考え方に基づいて,どのように
事業運営が予定されているのか,3点目。
最後ですけれども,この行革,いわゆる事業再評価プログラムで考え方が示されて,その中で,先ほども触れましたが,いわゆる分館的な機能を果たすということになると。
今,青少年センターは有料です。しかし,ホームはその目的が違いますから,登録をして無料で利用していただいているということで,Let's 発寒を利用されていらっしゃる青年の皆さんの中には,この統廃合で,一体その利用料どうなるのだろうか,有料化になっていくのだろうかというような,いわゆる不安が広がっているのですね。それと同時に,ホームを,Let's 発寒を存続させて,現行どおり無料で使えるようにしてほしいという,そういう強い声もあります。
そういう意味では,この統廃合で,利用者,いわゆる青年の皆さんに対してどんな影響が出てくるのか,その辺のお考え方もお尋ねをしたいというふうに思います。
◎西塚 事業調整担当部長 ただいまの
横山委員のご質問,4点か5点になると思いますが,これについて,逐次,私の方からご答弁させていただきたいと存じます。
まず,1点目の発寒
勤労青少年ホームを統合することについて,最初に経緯をご説明をさせていただきたいと存じます。
この新青少年センターの構想につきましては,現在の青少年センターの建物が老朽化し,施設面では,体育室やホール機能がなく不十分であると。さらには,
勤労青少年ホームの機能をあわせ持った施設が必要だという認識から,平成8年3月策定の第3次5年計画において,この計画をされたものでございまして,現在は,建設中の西区宮の沢生涯学習総合センターに併設するということで建設を進めているものでございます。
これによりまして,発寒
勤労青少年ホーム──おおむね距離的には1.5 キロ内外だと思いますけれども,発寒
勤労青少年ホームは,施設機能のより充実した新青少年センターが完成する,できるということ,さらには,勤労青少年の
利用者数などを勘案して移転・統合するということで位置づけたものでございます。
それから,第1点目に関連いたしまして,
行財政改革の
取り組みの考え方,基本方針の中で,いわゆる
勤労青少年ホームが,何か青少年センターの分館的機能を持つというとらえ方について,ちょっと触れさせていただきたいと思います。
現在,
勤労青少年ホームは市内に6館ございます。今後,これらのホームがどうあるべきか,どう望ましい姿で行くべきかということにつきましては,青年のニーズがどう変わっていくか,あるいは,
勤労青少年ホームをめぐる国の動き等がございますが,これらを的確にとらえて,さらには,今,建設が始まりました新青少年センターの完成後の状況などをよく見きわめながら,その方向を定めたいということにしているのでございます。
実は,先ほど申し上げましたとおり,ホームをめぐる国の動き等,これにつきましては,平成8年の地方分権推進委員会の中間報告,さらには,それを受けました勤労青少年福祉対策基本方針等に基づきまして,
勤労青少年ホームのあり方も,徐々に,青少年センター的といいますか,一般の青年も取り込んだ方向が示されたものでございます。そういうことを意味して,青少年センターの分館的機能というのは,今後,青少年センターとホームとの境い目が徐々に薄れていく方向ということをここで示唆されたというふうにお考えいただきたいと思います。
続きまして,端的に申し上げますが,2点目の新青少年センターの施設内容についてのご質問でございます。
新青少年センターにつきましては,青少年サロン,あるいはサークル活動室,体育室,トレーニングルーム,あるいは専用音楽スタジオなどが用意されております。そのほかに,生涯学習総合センターに
用意されておりますスタジオ,アトリエ,編集室,これらをあわせて利用できるということを考えておりまして,全体としては,現在の発寒
勤労青少年ホームを上回る施設内容ではなかろうかというふうに考えます。
それから,第3点目のご質問でございました新青少年センターの
事業運営についてでございますが,この新しいセンターでは,青少年の
健全育成を目的として,各種のサークル活動,音楽や演劇の練習発表,スポーツ交流活動などを通じて,仲間づくり,あるいはボランティアなどの社会参加活動など,時代に対応した青少年の多様なニーズを取り込んだ
事業運営を予定しているところでございます。
それから,最後の4点目でございますが,新青少年センターに発寒
勤労青少年ホームが統合される場合についての利用者の影響,特に利用料金の有無についてのご質問でございます。
これは,統合ということでございますので,当然ながら,現在,発寒
勤労青少年ホームを利用されている個人利用者につきましては,青年サロンあるいはサークル活動室を無料で利用できる。また,現在,ホームで,その
利用対象でございますサークルにつきましても,他の
勤労青少年ホームとの均衡を図る意味で,体育室,トレーニングルーム,あるいは専用の音楽スタジオ,いずれも,これまでと同様に無料でご利用いただけるというふうに考えておりまして,大きな影響はないというふうに考えております。
以上でございます。
◆横山[博] 委員 Let's 発寒については,統合という形で,今ご答弁をいただきました。それでは,市内の他の5館の
勤労青少年ホームの運営内容についても,これもまた大変,有料になるのじゃないかということで,いろんな意見や声が広がっていますけれども,他の市内の5館についてはどうなるのか,いま一度お示しを願いたいというふうに思います。
それと,今,また一方で要望が多いのは,いわゆる年齢制限の拡大です。現在,利用できる年齢が29歳までというふうになっていますけれども,何とかこの年齢の制限を拡大してほしいと。この点で,私どもとしては,その願いにこたえて緩和すべきだというふうに考えますがいかがか,お尋ねをしたいと。
いずれにしても,移転・統合やLet's 発寒の廃止については,今利用されている青年の皆さんと協議し,やはり十分に合点してもらって事業を進めていくと,合意と納得の上で進めるべきだというふうに考えますけれども,今後,利用されている青年の皆さんとの同意,合意というか,それを得るために,どんな努力をされていこうとするのか,どのように対応・対処されていかれるのか,そのお考えをお示し願いたいというふうに思います。
◎西塚 事業調整担当部長 お尋ねの第1点目の移転・統合に伴い,今,既存のものは6館あるわけですから,発寒を除きますと残り5館への影響云々でございます。運営内容に変更あるかということについて,お答えを申し上げたいと思います。
今回の移転・統合に伴う既存の
勤労青少年ホームの運営内容については,何ら変更はないというふうにご理解をいただきたいと思います。
それから,2点目の
勤労青少年ホームの利用者の上限の年齢制限の緩和についてでございます。
勤労青少年ホームの利用者の年齢制限につきましては,既に昭和55年に25歳未満から30歳未満ということで引き上げた経緯がございます。実は30歳を迎える方々についてはいかがかと申しますと,
勤労青少年ホームは青年たちの社会的な自立を促すという大きな使命を持っているわけでございまして,30歳を迎える方々については,
勤労青少年ホームのご利用者という立場よりも,次の世代の方々をお育ていただくということや,あるいは,地域社会への貢献など,社会参加をしていただく立場の方がよりふさわしいと申しますか,そういう立場ではないかなということから,現在のところ,30歳を上回る年齢の緩和というものは考えておりません。
それから,3点目でございますが,移転・統合等に伴う,ご利用者のいろいろな意見の聴取の問題で,どのような努力,どんな対応をとるかということでございます。
移転・統合や発寒
勤労青少年ホームの廃止につきましては,かねてより,
勤労青少年ホームの利用者に対し説明をしてまいりました。機会あるごとに,懇談会等を随時開いてまいりました。さらには,運営審議会等においてもご意見をいただいたところでございます。さらに,今後とも十分なご理解をいただくよう,その話し合いでの必要な措置を講じてまいりたいという考えでおります。
以上でございます。
◆横山[博] 委員 今,こういう社会背景というか,経済背景,経済状況の中で,私は,中小企業,零細企業で働いている青少年の皆さんは,今の時代の中でとても大事にされなければならない,同時に,青少年の
健全育成という立場からもこの事業は進められなければならないというふうに考えるわけですね。ですから,現状をさらに拡充をしていくという立場で,どんな事態になったとしても,いわゆる有料化等の方向というか,そういうことは絶対に考えていただきたくないと。そして,年齢の拡大も含めて,さらにこの事業が拡充されるように強く求めておきたいというふうに思います。
同時に,札幌市も都市計画というか,街づくりがどんどん進められていて,新川だとか真栄だとか米里だとか,周辺にどんどんと工業団地ができていっています。そこに当然企業が入ってきて,そこで働く若者もふえていくわけですから,今の5館にとらわれないで,
勤労青少年ホーム自体の増設・整備をやっぱり具体的に検討していくと,そういうふうに勤労青少年対策というか,青年対策というか,そういう立場でこの事業がさらに促進されていくように強く願いながら,あわせて要望しながら,終わらせていただきたいと思います。
◆山口 委員 私は,図書館に関連してお伺いをいたします。
初めに,私どもは,図書館については,生涯学習の観点からも非常に重要な地域の拠点であるというふうに認識をしておりまして,どうも札幌市の図書館の将来像が見えないと,長期的な展望を計画を含めつくるべきではないかと,何年も前から代表質問等でも申し上げております。その後どうなったかといいますと,依然として先が見えないという中で,1点目なのですが,図書館計画というものが内部的に検討される会議があるというふうに伺っておりますけれども,これは,現在どのような状況になっているのか,計画づくりは進んでいるのか,その進捗状況と内容についてお伺いをいたします。
それから,2点目ですけれども,5年計画の中で,清田区の図書館と一緒に位置づけられております中央区の図書館についてですが,これが,事業再評価の中で,事業内容等を検討すると,変更するものの中に入りまして,中央区にふさわしい図書館というふうになりました。一方で,ことしの3月に陳情が採択をされまして,都心にふさわしい図書館の建設ということで,これは議会でも採択をしたわけですけれども,中央区の図書館,あるいは都心にふさわしい図書館建設ということについての検討を含め,現状がどこまで進んでいらっしゃるのか,お伺いをいたします。
◎岩本 中央図書館長 山口委員のご質問にお答えいたします。
まず,1点目の図書館計画会議についてでございますけれども,この会議は,利用者サービスのより一層の充実を図るためにはどのような方法があるのだろうかと,これについて職員が自由に意見交換あるいは情報交換をして考えたいと,そういう目的を持って,職員だけによって組織している勉強会ということでございます。したがいまして,構成メンバーも,中央図書館長以下14名の職員で構成しておりまして,これまでも26回ほど協議はしてございます。
これまでの検討内容でございますけれども,例えば,資料の収集あるいは整理・保存に関すること,あるいは,貸し出し及び相談業務に関すること,また,図書館施設との相互協力のあり方などについて話し合ってきたところでございます。
それから,2点目の中央区の図書館とおっしゃいましたけれども,いわゆる陳情で採択されています都心にふさわしい図書館の件でございます。
都心にふさわしい図書館建設に関する陳情が採択されたということから,新しい形態の図書館を建設するとするならば,それにふさわしい施設機能,役割,あるいは場所の選定といった点で,これまでの図書館とは異なりました観点から検討していかなきゃならないことがたくさんございます。そこで,現在,調査研究をしているところでございます。
具体的に申し上げますと,建設場所の選定に当たりましては,交通上のアクセス,あるいは
利用対象者をどの範囲で定めるべきか,あるいは,複合施設を考えるとするならば,どのような施設を考えるべきか等の課題がございます。さらには,開館時間はどうあるべきか,レイアウトについては,閲覧スペース等についてどの程度の広さが必要なのかなど,難しい問題も多く,これらを整理していくためには時間が必要であります。このような状況から,現5カ年計画の中で実施することが難しい面もありますので,次期5カ年計画の中で検討ということも考えられるところでございます。
いずれにいたしましても,陳情の趣旨に沿った図書館建設のために鋭意努力をいたしまして,早い時期に実現させたいと考えているところでございます。
以上でございます。
◆山口 委員 1点目の図書館計画会議のことですが,これは内部の職員の勉強会だというふうなお話がありましたけれども,私が漏れ聞いているところによりますと,情報化,生涯学習,国際化,さまざまな課題に対応するような検討も進んでおるように聞いておりますし,既に計画ということであらあら固まったように聞いております。
その中で,今お答えにありましたけれども,6月に陳情も出ていましたが,開館の曜日,それから開館時間,貸し出し冊数含めた,短期的な課題と中期的な課題と長期的な課題にわたって検討をしているというふうに聞いております。私は,それが例えば職員の内部の会議で行われた計画づくりであっても,それをオーソライズして,中で議論のたたき台にして,あるいは全市的な議論の場に持っていって,札幌市の図書館をどういうふうに持っていくかというような展望のたたき台にすることも十分可能ではないかと考えるわけなのです。単に勉強会ということではなくて,私はかなり議論が進んでいるというふうに聞いております。そのようなことも含めて,再度,札幌市の長期的な図書館計画,図書館の展望というものについてお考えをお持ちになるつもりはおありかどうなのか,お伺いをいたします。
それから,中央区の図書館ですけれども,今5カ年では無理かもしれないというようなニュアンスでお答えがございました。であれば,やっぱり,それはなぜだめなのか,きっちりした総括が必要でありますし,5年計画は市民との約束でもありますから,その辺のところでは,これまで一体どういうことを行ってきたのか,疑問に思うわけです。
これにつきましては,私の2年半前の質問で,有識者による懇談会を設けたりして,都心にふさわしい図書館のあり方については検討するというふうに前館長がお答えになっておりますけれども,その辺のところで,懇談会などを設けていらっしゃるのかどうなのか,全く見えてこないので,その辺のお考えを伺いたいというふうに思います。
◎岩本 中央図書館長 1点目の計画会議の件でございますけれども,先生お聞きになっているということで,いろいろご指摘がございますけれども,これは,我々の考え方,とらえ方の問題だと思います。確かに,職員が,いろんな観点から,市民サービスの充実のためにこうあるべきだ,あああるべきだと,そういうようなことを考えてはございます。したがいまして,それは,今現在,検討中,話し合い中でもございますので,今後,精査をいたしまして整理をしていきたいということでございます。
ただ,ただいま,何年間の検討中にも,その結果,既に事業として実施されたものもございます。例えば,中央図書館の書庫の増設,あるいは札幌広域図書館ネットワークの事業など,検討に応じて,その都度,できるものから事業に反映させていくということをやっておりますし,今後につきましても,必要な分,やれるものについては住民サービスのために活用していきたいと,そういうふうな考えを持っています。
それから,2点目の,図書館建設に際しての懇談会ということでございますけれども,多分,先生がおっしゃっているのは,図書館を建設する際の懇談会の設立というふうなことではないかと私理解しております。それであるならば,当然,今度できる図書館の建設の際には,有識者を含めましたそういう懇談会を開催いたしまして,図書館のあり方等について協議をしてまいりたいというふうな考えを持ってございます。
以上でございます。
◆山口 委員 図書館問題は,私は何度も質問とかさせていただいていますけれども,国の公立図書館の設置及び運営に関する基準,これは6年前に出ていますが,これなんかを読みましても,例えば,利用者の声を反映させた図書館協議会を設置するよう努めるとか,移動図書館車の位置づけなんかもあります。札幌市の場合は,移動図書館車が廃止されて別な方のサービスが向上するのかというと,今のままの速度での検討なり何なりですと,ほとんどサービスの低下だけという感じがしてならないわけですね。先ほどの図書館計画会議の中でも,もう既に,開館時間を変えるとか,それから休館の時期の改善とか貸し出し冊数のことも議論されているというふうに伺っているわけですが,これがいつまでたっても結論が出ていないと。何年も何年もかかっているということについて,これは本当に短期的な課題でありますので,これについても,まず早急に結論を出すべきだというふうに考えるわけですけれども,再度,しつこいようですが,お伺いをしたいというふうに思います。
それから,中央区の図書館ですが,聞こえてくるところによりますと,メルパルクの移転の中で入るのだとか入らないだとか,いろんなことがあります。それでとまっているのだという話も漏れ聞こえておりますが,図書館の主体性として,都心にふさわしいところにつくっていくのだという姿勢が今の段階では感じられないわけなのですけれども,その辺のところを再度お伺いをいたします。
それから,生涯学習と先ほども申しましたし,今,生涯学習総合センターができ上がりつつあるわけですが,私は,生涯学習のもとは,まさに地域の図書館が重要な役割を果たすと考えておりまして,そのような立派な総合センターができることで生涯学習が進むということでは全くなくて,じゃ,中央のセンターと各図書館のネットワークをどういうふうにしていくのかとか,それから,今,各局で持っているような情報センター,資料センター,例えば女性センターなら女性の資料が中心にありますし,社会福祉総合センターには福祉関係の資料があるわけですけれども,そこをトータルにどうやってネットワークを組んでいこうと図書館としてはお考えになっているのか,それについてもお伺いをしたいと思います。
私も,インターネットで見ますと,福岡市,神戸市,横浜市なんかは図書館独自でホームページ持っていまして,自宅にいて資料の検索ができるような体制が既にもうできているわけですよね。その中で,そういう情報化社会にどう対応していくのかというところが,札幌の場合,本当に遅々として進んでいないなという感じがする部分と,情報化の中で取り残されてしまう,いわゆる情報弱者という方たちに対しても,すべての市民がひとしく図書館サービスを受けるための方策というものがあわせて考えられなくてはいけないわけなのですけれども,その辺のところで,私は,毎度毎度申し上げますが,非常に不満がある,おくれているというふうに言わせていただきます。
その辺の生涯学習センターとネットワーキングについても,あわせて伺います。
◎岩本 中央図書館長 1点目の計画会議の件でございますけれども,そこで出た結論を,事業というかサービスに反映していくべきだということでございます。それは,検討したから直ちにできるということであれば,それにこしたことはないのでございますけれども,やはり,検討した中身を,優先順位とか,あるいは実施の状況,できる状況を検討した上で,先ほども申しましたように,できるものから実施しているし,今後もそうしていきたいということでございます。いつまでもやらないということではなくて,できるものについては,状況が許されれば実施していきたいというふうに考えてございます。
それから,2点目の中央区の地区図書館の件でございます。
図書館に主体性がないというご指摘でございますけれども,そういうことではなくて,先ほども申しましたように,都心にふさわしい図書館を建設するということは,場所を含め,いろいろな面で大変な問題があるということをお話ししました。例えば,その場所というのが一つの大きなかぎを握っているわけで,そのような場所の選定というようなこと,もし,先生がおうわさで聞いているのならば,そういう候補地の一つとしては考えられるのかもしれませんけれども,主体性という問題でなくて,図書館といたしましては,先ほど申しましたように,都心のそういう地区図書館をできるだけ早くつくりたいという考えのもとに検討しているところでございます。
それから,3点目にお尋ねの,いわゆる図書館関連施設と申しましょうか,そことの連携ということだと思います。
現在,中央図書館とオンラインで結んでいるのは,ご存じのように,中央図書館,それから地区図書館,区民センター図書室でございまして,それから,現在進めているのが地区センター図書室,これについては順次オンライン化を進めているところでございます。これをさらに関連施設に進めるかどうかということだと思いますけれども,オンラインで結ぶということにつきましては,相手方のパソコン等の設備の設置費用の問題,あるいは市民ニーズの問題,これについても検討する必要があるのではないかと考えております。
したがいまして,現時点では,そういう施設に対しまして,ご要望があれば,協力あるいはアドバイスという形はとっていきたいというふうに考えております。
なお,青少年女性センターには,今,図書室がないというふうに聞いております。
以上でございます。
◆山口 委員 女性センターには資料コーナーがございます。それから,社会福祉総合センターには福祉関連の図書室がありますので,それはちょっと私の方から訂正をさせていただき,私が訂正するのじゃなくて,館長のお答えがちょっと事実と違うかなということで言わせていただきます。
先般,総務局の中で札幌市の情報化について質問いたしましたときに,生涯学習総合センターが
オープンするときが情報化の一つの大きな前進になるだろうというような趣旨のお答えがございまして,市民サービスについてはそこがきっかけになるだろうということでした。この問題,アドバイスとかというのじゃなくて,まさに図書館と結ばないで生涯学習総合センターがあるかなという感じがしておりますので,その辺のご検討はぜひお願いをしておきます。
それから,私は,当初,1区1館構想は清田図書館で終わって,中央区のもう1館は2館目かというふうに認識をしていたのですけれども,後でご説明を伺うと,実は,今ある中央区のはセンター館で,もう一つ中央区につくるのだと,これで1区1館が完成なのだというふうに,いつの間にかすりかわったような印象を持っているのです。これで,1区1館であるならば──1区1館構想出たのが1971年ですよ。実に27年前に1区1館構想が出て,まだ中央区の地区図書館が完成していないということであれば,私は,札幌は文化の薫りが高いとかいうふうに言われている中で,非常に寂しい状況かなというふうに考えるわけなのですね。
教育長にお伺いしたいのですけれども,先般,9月21日に皇后陛下が,インドのニューデリーで行われました国際児童図書評議会でビデオによる1時間弱の基調講演をされました。私は,それを読ませていただいて,子供と読書ということが,いかに人格形成の上で重要かというのは,皆さんも認識されていらっしゃると思いますが,改めて9月21日の基調講演を聞きました。国際化,地球化という言葉はよく聞きますが,子供の世界では,もしかしたら100 年以上も前から始まっていたのではないか。何年も前から同じ物語を共有し合って,同じ物語の主人公に親しんできて,
子供たちの想像力は国境を越えているのだというようなお話とか,本を読むことで自分の存在の根っこというようなものを確立していくのではないかとか,何よりも,喜びや悲しみを小さいときから味わって他人に共感できる能力とか,そういうことについてのお話が非常に印象的だったのです。
そういう意味では,私は,図書館という,あるいは本というものが持つ可能性というのは無限大だというふうに思うわけですけれども,その辺について,札幌市の図書館の長期展望を含めて,非常に弱いというふうに私は思うわけですが,教育長の今後の図書館に対するお考えをお示しいただけたらと思いますので,お願いいたします。
◎岩本 中央図書館長 私の方から,1点目と2点目についてお答えをさせていただきたいと思います。
まず,お尋ねの今度できる生涯学習総合センターと図書館との連携ということですが,これにつきましては,現在,既に両者でその連携についてどうあるべきかを検討しているところでございます。
それから,二つ目の大変大きな問題ということでございます。いわゆる1区1館構想,1区2館構想ですか,この件でございますけれども,私どもの現在の考えは,今計画にのっております中央区内の図書館ができた段階で1区1館構想が完了したというような認識でおります。したがって,これが終わった後,将来,札幌市の図書館がどうあるべきかと,言ってみれば,第2段階の検討というふうになるのでないかという認識をしております。
私の方からは,以上でございます。
◎山 教育長 読書するといいますか,本の価値といいますか,そうしたことについての一つの認識がまずあろうかと思いますが,お問い合わせいただくまでもなく,今の時代の中で,いろんなメディアがありますけれども,本が有している特性,価値といったものは私ども大変大切にしているわけでありまして,それが,いわゆる図書館の整備充実に大きな基本となっていることは疑いのないところであります。
また,それに伴いまして,いろんな整備を逐次していっているわけでありますが,基本方針,将来的なビジョンといったことにつきましては,今後の検討課題とさせていただきたいと思います。
◆山口 委員 要望にしておきますけれども,計画会議含めて,事前にお伺いをしましたら,直近の会議が3月に開かれたままだということもありました。そういう意味では,先ほど来申し上げている行政のペースが遅いということについては,皆さん,ほかの議員の方も多分異論がないことだろうというふうに思っておりますし,今の教育長のお答えは,ちょっと私としては……。けれども,今後の検討ということですので,ご期待を申し上げたいと思います。
また,この問題については逐次質問させていただきますし,陳情を採択したことの意味というものも重く受けとめていただきたいということで終わります。
◆原口 委員 私は,生涯学習の推進について数点お尋ねをしたいと思います。
生涯学習の推進につきましては,今までも私はたびたび議会で取り上げておりまして,その中でも特に,中枢的な施設であります生涯学習総合センターの早期の実現を強く求めてきたところであります。
このセンターを中心とする複合
公共施設が,本年8月に着工されて,今,工事がどんどん進んでおるわけでございますけれども,大変うれしく思いますし,ぜひ,工事が円滑に進んでいって,市民に喜ばれる施設として一日も早く
オープンできますことを,まず希望する次第でございます。
このセンターの実現は,本市の生涯学習社会に向けた大きな弾みとなるでありましょうし,また,生涯学習の推進に向けた市民の学習活動が一層高まってくるのではないかと,大きく期待されるところであります。
しかし一方では,本市の行財政は,大きな見直しのときに直面をしておるわけでございますし,生涯学習の推進に向けたいろいろな事業の実施であるとか,施設の運営に当たりましても,みずからの意識を改革して,従来にも増して創意工夫が求められているというふうに考えるわけでございます。
そこで,本年4月に生涯学習部として新しく誕生したわけでございますけれども,このような状況を踏まえて,今後,生涯学習をどう推進していこうとされておるのか,その点に関して,数点質問させていただきます。
まず,1点目は,生涯学習の学習機会の提供という点であります。
近年,市民の学習ニーズというのが非常に高度化・多様化していく中で,学習機会の充実が大変求められておるわけでございまして,また,そういうことで学習した成果が生かされる,そういう社会が望まれていることは,これまでも議会で指摘をされているところであります。
その施策の一つとして,さっぽろカレッジが生涯学習総合センターの平成12年度の
オープンに向けまして開催される計画であるというふうに伺っておるわけです。現在,それに向けて調査研究や準備が進められておると思うのですけれども,このさっぽろカレッジのこれまでの検討経過と今後の計画についてお知らせをいただきたいというふうに思います。
それから,2点目は,施設の面についてであります。
これからの
公共施設のあり方というのは,市民の利便性という観点に立った多角的な活用であるとか,施設同士の相互利用がますます重要な視点となってくると,こういうふうに私は考えるわけでございます。それで,現在建築が進められております生涯学習総合センターは,そういう意味で,本市で初めての本格的な複合
公共施設であるということでございまして,今後の
公共施設の整備のあり方の大きな試金石となるのではないかな,こんなふうに考えるわけでございます。
私は,かつて,この議会で,生涯学習総合センターを建設するときには教育研究所もあわせて移転して複合化すべきであるというふうに主張をしてきたところでありますけれども,今回,この複合施設が実現して,
学校教育も取り込んだ,本当の意味での生涯学習の拠点として大きな役割を果たしていくものと,私は大きく期待するものであります。
そこで,今後の生涯学習総合センターと教育研究所が利用者にとって使いやすいものとなるように,どのように施設相互の活用を図っていくお考えであるのか,お尋ねをいたします。
◎石原 生涯
学習部長 まず,1点目のさっぽろカレッジの検討経過と今後の計画についてでございますが,時代の変化に対応した専門的な知識や技能を身につける,いわゆるリカレント学習のニーズが高まっており,これに対応するため,より高度で継続的な学習も可能なさっぽろカレッジの開設を目指しているところでございます。
これまでの検討経過でございますが,平成8年度は,事業化に向けた課題と方向性について検討をいたしました。9年度は,その検討成果を受けまして,関係機関との協力のもとに札幌市リカレント教育研究会を設置したところでございます。この研究会との連携によりまして,ボランティア経験者を対象としたボランティアコーディネーター講座,市立高等専門学校と連携し実施をいたしました産業デザイン講座など,五つの講座を試行的に実施をする中で,具体的なカリキュラムや運営方法等について検討したところでございます。
今年度は,これまでの検討経過を踏まえまして,特に効果的な受講者の募集方法,市民ニーズをとらえた学習カリキュラムの工夫,学習成果の評価やその活用のあり方,そして,関係機関の協力体制の拡充などの課題につきまして,10講座ほどを実施し,検討を深めてまいりたいと考えているところでございます。
さらに,今後,学習機会の体系化を進める中で,生涯学習総合センターの
オープンに合わせた本格的な開講に向け,準備を進めているところでございます。
次に,2点目の生涯学習総合センターと教育研究所との施設面での相互連携についてでありますが,まず,設計に当たりましては,複合化のメリットを生かし,設備などを相互に活用することについて配慮をしたところでございます。具体的な例といたしましては,コンピューター研修室などの情報関連の部屋につきましては,その所管区分にかかわりなく一体として活用できるよう,配置に工夫をいたしました。そのほか,館内の案内システムや生涯学習関連情報システムによる市民への
情報提供につきまし
ても,一元化していく考えでございます。
また,教育研究所は,これまで市民にとってなじみの薄い施設でありましたが,教員の研修を目的とする家庭科,音楽,語学などの研修室につきましては,積極的に市民に開放していく考えでございます。これにより,例えば家庭科研修室を使って料理教室を開くなど,市民にとっても学習活動の幅が広がるものと考えております。
◆原口 委員 ただいまのご答弁で,さっぽろカレッジの検討経過と,そして,今後の計画についてはわかりました。しかし,市民への学習機会の提供というのは,他の部局においても,それぞれの事業啓発等の目的で実施しているわけであります。
例えば,市政にとって大きな課題でありますボランティア活動の促進に関する講座一つとりましても,関係部局が基礎的な講座から実践的な講座までいろいろなものをやっていると,そういうことであれば,かえって非効率,効率が悪くて効果の薄いものになりはしないかと,こういうふうに私は危惧をするわけでございます。
ですから,各部局が類似の講座を持ってばらばらに実施しているということのないように,これからは
教育委員会が中心になって,積極的に関係部局と調整を図って,市民にわかりやすい学習の体系化を進めるとともに,学習の成果が生かされて,市民のさまざまな社会参加が促進されるような,そんな仕組みづくりが今求められているのだろうなというふうに考えるわけです。
そこで,今年度も試行的に講座を実施するというただいまの答弁でありましたけれども,他の部局との連携について具体的な検討例があればお聞かせを願いたい,こういうふうに思います。
それから次に,複合
公共施設の機能の連携についてなのですけれども,ただいまの答弁にありましたように,教育研究所が所管する施設についても市民が使えるようになりますれば,教育研究所の存在自体も市民にとって非常に身近なものになってくるのではないかなと,こんなふうに思うわけです。
生涯学習という大きな視点に立って施策を推進する上におきまして,この二つの施設が,単に施設の利用面での提携だけでなくて,さらに一歩進んで,人材の相互活用であるとか,共同して事業を行うというふうな,
ソフト面での連携も必要になってくるのではないかなと,こういうふうに思うわけでございますけれども,その点についてのお考えもお聞かせをいただきたいと思います。
◎石原 生涯
学習部長 1点目のさっぽろカレッジの実施に向けた他部局との連携についてでございますが,先ほど申し上げましたように,今年度は10講座程度の開設を予定してございます。具体的には,大学や
保健福祉局との協力による高齢社会の介護を考える講座,都市局と連携して行うまちづくり実践講座,経済局や経済団体との連携による産業の情報化講座などを実施することとしており,これらの講座の企画,実施を通しまして,関係部局との理解と連携を深めていくところでございます。
今後,学習成果の活用という面においても,福祉担当部門等他部局との協力関係を強めまして,本市の横断的な政策課題でありますパートナーシップの推進にも寄与する大きな事業として発展をさせていきたいと考えております。
なお,さっぽろカレッジを含め,生涯学習にかかわるさまざまな施策を全庁的に推進するため,庁内に設置しております生涯学習総合推進本部におきましても,全体的な連携・調整を図っているところでございます。
2点目の生涯学習総合センターと研究所との
ソフト面での相互連携についてでございますが,両施設とも調査研究機能を持ち,各分野の専門的な人材が配置されることになります。
そこで,
学校教育と
社会教育が融合した総合的なシンクタンクとしての機能を十分発揮し,子供から高齢者まで幅広い市民の学習活動を支援していくために,共同の研究組織の設置や人的交流など,相互の連携を図っていかなければならないと考えております。
また,研修事業やイベントの共同開催,教育研究所の相談機能を活用した
家庭教育などの相談機能の充実,そして,情報システムを活用した教育プログラムの共同開発など,相互の協力による事業も積極的に行ってまいりたいと考えております。
◆原口 委員 ただいまのご答弁でよくわかりました。ハードの面,ソフトの面での連携について,基本的には私もそのように認識をいたしておるところです。
そこで,生涯学習総合センターが,市民がいつでも,どこでも学べる学習環境づくりを進めていくためには,それぞれの地域の実情もあるわけでございまして,そういう地域の実情を十分に把握をして,地域の学習をどう支援していったらいいのか,それからまた,地域に常に目を向けていただいて,地域に目を向けたセンターであってほしいと。また,地域と結びついたセンターであってほしいと,こういうふうに思うわけであります。
そこで,全市的に生涯学習を推進するに当たりまして,生涯学習センターと地域レベルでの施設や事業,これとの連携についてはどのように進めていかれるのか,お尋ねをいたしたいと思います。
◎石原 生涯
学習部長 生涯学習センターと地域レベルの連携についてでございますが,現在,市民にとって身近な施設でございます区民センター,コミュニティセンター及び地区センターにつきましては,地域,地区における生涯学習推進のサブセンター的なものとして位置づけをしております。生涯学習部との連携を図りながら,それぞれの地域の特色を生かした講座の実施や住民への学習情報の提供,サークル支援や関係職員の研修などを行っているところでございます。
今後は,生涯学習総合センターの開設に向けまして,学習情報の一元化,学習相談員など人材養成の充実,合同学習発表会の開催など,具体的な
事業運営におきましても,地域の生涯学習施設との一層の連携を図ってまいりたいと考えているところでございます。
◆原口 委員 それでは,最後にちょっと要望だけさせていただきたいと思いますが,生涯学習総合センターの運営について,一,二要望しておきたいと思います。
まず,やはり市民の生活パターンが随分変わってきておるわけですから,開館時間,これはせめて終電が出るくらいまでは開館をしておいてほしいなと,そういうふうに思います。それから,講座の企画であるとか運営についても,市民が中心になって積極的にかかわっていけるような,そういう運営体制をつくっていただきたいなと,こんなふうに思うわけでして,今までのいろんな施設の管理であるとか
事業運営のやり方,こういうものを大きく大胆に変えて,この生涯学習総合センターの運営に当たっていただきたいなと,こんなふうに思っておりますので,要望をさせていただきたいと思います。
これで終わります。
○小田 委員長 第3項
市民生活費等の質疑を終了いたします。
次に,第9款 教育費 第10項 体育費の質疑を行います。
◆勝木 委員 私からは,来る2002年のワールドカップサッカー大会につきまして,2問2答形式で質問させていただきます。
さて,この夏のワールドカップの大会に日本チームが初参加を果たしたことは,皆さんの記憶にもまだ新しいことと思います。開催国のフランスは,地元チームの優勝で沸き返り,川口谷先生の大好きなシャンゼリゼ通りなどは100 万人を超す市民で埋め尽くされたと報道されておりました。チケット問題やら,マルセイユなどでの暴力事件があったことも,大会を盛り上げた一つの大きな要因であったのではないかなというような感じもいたしました。
本市では,このフランス大会に市長を初めとする関係職員を派遣しまして,スタジアムの施設整備状況や警備システム,ボランティア活動,宿泊施設,輸送システムなどの運営の実態を調査したということですけれども,そのあたりのことについて,2点質問をいたします。
1点目は,開催地の雰囲気など,大会全体の印象についてです。
開催地における盛り上がりや警備などに関する状況がどうであったのか。また,幾つかの開催地を視察したそうですが,それらの各自治体が大会運営にどうかかわっていたのか,その実情についてもあわせてお伺いしたいと思います。
2点目は,札幌大会に向けての課題についてです。
2002年大会まであと3年となり,今後は,日本組織委員会との連携を図りつつ,本格的な準備活動を進めていくことになるようですけれども,フランス大会の調査結果を踏まえて,大会運営上の課題をどのように認識され,また,どのように取り組んでいかれるおつもりか,お伺いしたいと思います。
◎山 教育長 ことしの7月でありますが,私も日本組織委員会の実行委員という立場でフランス大会の視察団に参加をいたしました。その中で,大会の状況等について調査をしてまいりましたので,1点目の大会の印象につきまして,私からお答えを申し上げたいと存じます。
私の見ましたのは,パリのサンドニという球場でございました。準決勝,決勝が行われた会場でありますが,そこの開催地のパリにおきましては,選手や観戦客を歓迎するイベント等が非常に多く,連続的に開催をされていたということがありまして,街中には参加国の旗が掲げられておりまして,特にシャンゼリゼ通り等のメーンストリートについては華やかに掲げておりましたが,市民は意外と,その反応については冷静であったという,まず印象を受けたところであります。
しかし,地元フランスが準決勝,決勝と勝ち進むにつれまして,次第に街中が活気づく,盛り上がってくるという状況の中で,優勝した際の熱狂ぶり,これはテレビでごらんをいただきましたとおり,現地も大変なものでございました。私としては,ワールドカップサッカーというのは,単にスポーツの祭典ではなくて,国の,あるいは民族の威信をかけた大会であるというような印象を強く持ったところであります。
また,警備面でありますが,後ほど具体的にお答えを申し上げることになろうと思いますが,警備面につきましては,空港や市内の要所,あるいは会場周辺,ここに武装した警察官,さらには軍隊,これは軽機関銃をすべて持った軍隊でありますが,配置をされるといったことで,非常に厳重な警戒態勢がしかれていて,我が国のいろんな大会ではちょっと見られない雰囲気を感じました。さらに,競技場周辺では車両の乗り入れの禁止,あるいは道路の封鎖といった,いわゆる観戦客を円滑に誘導するために相当の配慮がされていたということでございます。
次に,開催自治体の大会運営とのかかわりについてでありますが,大会運営全体につきましては,各開催地に設置をされましたフランス組織委員会の各地支部が主体となって行ってございます。日本の場合には10の都市が立候補しておりますが,その10の都市に置かれるべき支部ということになりますが,行ってございました。開催自治体といたしましては,スタジアムの整備,あるいは大会を盛り上げるイベントの実施などの側面的な支援業務が中心でありまして,役割分担が非常に明確であるということを感じましたし,日本におきます大会も,そのような組織体制が望ましいということも学んだところであります。そうした印象でございます。
以上でございます。
◎石原 生涯
学習部長 2点目の札幌大会に向けました課題について,私の方からお答えをさせていただきます。
まず,大きく四つの課題があると考えております。
一つは,これまでの国際大会で経験したことがないフーリガンの問題でございます。フランス大会でも,サッカーファンが暴徒化して,いわゆるフーリガン騒動がございましたが,厳重な警備体制をしいたことにより,大きな問題には至りませんでしたが,今後,札幌大会においても,警察など関係機関と連携を図りながら,フーリガン対策など,万全の警備体制で臨む必要があると考えております。
二つ目は,大会運営に携わるボランティアの確保でございます。特に札幌大会には多くの外国人観戦客が訪れることから,通訳ボランティアを多数確保する必要がございます。これには,市民の方々や外国人留学生の協力が不可欠であると考えております。
三つ目は,チケットの問題でございます。フランス大会のチケットが大量に不足したという問題で,我が国では,チケットが用意できなかった旅行会社の訴訟問題にまで発展いたしました。国際サッカー連盟は,この原因を調査し,対応策を検討するとのことですので,札幌大会においては,こうした事態を引き起こさないよう,十分留意をしてまいりたいと考えております。
四つ目は,観客の輸送の問題でございます。大会には4万人を超える観戦客が来場することから,スムーズな観客の輸送や周辺道路の交通渋滞の緩和を図るため,自家用車の利用を極力抑えまして,地下鉄を中心とする公共交通機関の利用やシャトルバスの運行など,輸送対策を十分検討してまいりたいと考えております。
このほか,大会を盛り上げるイベント,選手及び役員の輸送・宿泊体制,さらには練習場の確保などが課題として考えられますが,今後,札幌大会の実質的な運営主体となる開催地運営組織を立ち上げ,関係団体と連携を図りながら,積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
◆勝木 委員 それでは,もう2点お伺いいたします。
1点目は,運営組織についてです。現在想定されている運営組織がどのようなものなのか,その内容と,その設立時期についてもあわせてお伺いしたいと思います。
2点目は,PR活動についてお伺いします。
こういう大きな大会となりますと,その会場は試合場だけというようなそういうものではなくて,札幌市の街全体が会場となるような,そういった大会にならなければ,これは成功したことにならないのじゃないかといった考え方もできます。そのためには,札幌市民の一人一人がその熱気を盛り上げていくような,熱狂マシーンというようなものに一人ずつがなってもらわなくてはなかなかうまくいかないのでないかと。
ところが,札幌市民というのは,どうも適度に盛り上がって,ほどほどのところに来るとすぐ白けてしまうというようなところがあります。日本チームが決勝リーグに残れなかったり,また,決勝リーグに残ったにしても,その試合が札幌に来なかったりした場合,かなり白けるのではないかと心配されるわけです。そのあたりの様子が,余りに露骨な白け方とかしますと,国際感覚の面でもちょっと余り芳しくないというようなことになるかもしれませんので,そういう最悪の事態を回避するために,やはりそれなりの手を打って,ワールドカップの意義やすばらしさなどを市民・道民に深く理解していただいて,札幌大会の開催機運をぐっと盛り上げていただく必要があるのではないかと。
そういうわけで,今後どのようなPR活動を展開されていくおつもりなのか,お伺いしたいと思います。
◎石原 生涯
学習部長 1点目の運営組織の設立と時期についてでございますが,札幌大会の運営組織につきましては,当初,日本組織委員会及び開催自治体の間で,これまで開催自治体を中心とする,独立した地元運営組織を設置することで検討してまいりました。しかし,フランス大会を踏まえまして,日本組織委員会より,大会運営の統一性を確保するために,各開催地に支部を設置して,この大会運営を一本化したいという新たな提案がございまして,現在,平成11年度当初の設立を目指して,他の開催自治体と協議を進めているところでございます。
2点目のPR活動についてでございますが,札幌大会の開催は,スポーツ振興を初めとし,国際交流,さらには経済面と,幅広い分野に波及効果が期待されることから,本市はもとより,全道的な機運の盛り上げが大切であると考えております。
そこで,道内自治体や経済界など関係団体の協力を得まして,例えば,道内主要都市に大会をPRいたしますキャラバン隊を派遣することも検討してまいりたいと考えております。
また,市内においては,各小学校を対象とした巡回パネル展を初め,区民祭りなどのイベントにおきまして,各競技団体やスポーツ愛好者など,多くの市民にこのPR活動に参加をしていただき,地域から盛り上げを図ってまいるなど,広く市民・道民と手を携えたPR活動を展開して,大会機運のより一層の盛り上げに努めてまいりたいと考えております。
◆勝木 委員 これまでの答弁を総括させていただきますと,まだ具体的なことはほとんど決まっていないと,すべて検討中というような段階のような感じに受け取れました。それだけに,今のところは,
子供たちからお年寄りまで大会の開催を待ちわびているといったような好条件が続いております。何とかこの火を絶やすことなく,ぜひとも大会を成功に導いてほしいと思うわけです。
ただ,これだけは忘れてほしくないという点が一つございます。それは,経済効果に関するところでございます。
聞くところによりますと,ワールドカップにおける経済効果は,出場チームのベースキャンプを誘致できるかどうか,ここがかぎになっていると。ベースキャンプが誘致されますと,そのチームの練習試合が現地で行われると。公式試合が幾つ札幌で行われるかわからないわけですけれども,大体,最低三つというような感じのお話をお伺いしております。ところが,この練習試合でも,恐らく一つ練習試合やっただけでも,ホワイトドームが満員になるのではないか,そのぐらい,練習試合でも人が集められるのでないかという話を聞いております。そういうわけで,今回の大会が成功するかどうか,また,経済効果を上げられるかどうかということになりますと,公式試合ももちろんそうですけれども,練習試合をどのぐらいやれるかと。そうなりますと,やっぱりベースキャンプをどうやってたくさん誘致できるかというところにかぎがあるのではないかと思われます。
ちなみに,2002年の大会の開催時期は本州も韓国もちょうど梅雨どきで,梅雨のない札幌市はキャンプ地の候補としては一番人気になると予想されておりますが,しかし,もう既に広島市とか熊本県などは,公式試合の開催は全然予定していないのですけれども,ベースキャンプの誘致ばかりに非常に積極的に水面下で動いていると。そういった,広島,熊本ばかりでなくて,幾つかのほかの政令都市も,ベースキャンプを何とか持ってこようということで,非常に活発に動いているという情報を,又聞きみたいな話ですけれども聞きました。梅雨がないのは北海道だけだということで安心していると,そういった本州勢に,いつの間にやら根こそぎおいしいところを持っていかれるのでないかということが本当に心配されるところでございます。
最終的なベースキャンプの誘致に関しましては,大会に参加する各国が決めることのようですけれども,ただ漫然とその決定を待つのではなくて,札幌市としても積極的にその誘致に乗り出して取り組んでいただきたいと強く要望いたしまして,私からの質問を終わります。
◆川口谷 委員 それでは,体育費のうち,つどーむの件につきましてお伺いをいたします。
昨年6月15日に
オープンしたつどーむでありますけれども,その
利用状況と今後の運営ということであります。
ここの委員会室からもちょうど,ちょっともやっていますけれども,白い屋根が見えるわけでありますが,1年4カ月が過ぎました。私も数回利用させていただいておりますけれども,なかなか好評を博しております。
ご承知のように,北海道はとかく積雪寒冷の地であるということで,通年スポーツが非常に難しいということでありまして,特に,広く場所を使う野球,あるいはテニス,サッカーというようなものにつきましては,場所の確保が非常に困難をきわめておりました。そういうことから言えば,そうした種目の愛好者にとっては大変な朗報であるわけでありまして,期待が大きくかけられています。
しかも,先ほど来も,生涯学習の点でやりとりございましたけれども,高齢社会の到来ということは,これは生涯学習あるいは生涯スポーツ,いわば,心と体ですね,こういったものの時代が到来したということも言えるわけであります。特に札幌の場合は,国保会計に見られるような医療費の高騰ということがありまして,とにかく一生懸命,健康管理をしていただいて,ころっといってもらうと,こうでなくちゃ困るのでないかなというふうに思うのですけれども。そういうことで,さまざまな意味で,総合的な意味で,この施設ということについて,今後とも大いに健康面で貢献を期待したいというふうに思います。どちらが先か,心が先か,体が先かということはありますけれども,やはり体の健康というのは心の健康にも大いに結びつくことは言われているわけでありますから。
そこで,この施設にかけました事業費も相当なわけであります。46億の建設費等に加えて,外周りで10億,それから土地代を含めますと100 億になんなんとする投資が行われているわけでありまして,そうした投資に十分見合った活用というものも目指していかなければいけないのではないかなというふうに思います。
そこで,1点目の質問でありますけれども,当初計画をした利用人員と,それから収支見込みとの対比において,昨年度決算でどういう状況になっているのかお示しをいただきたいと思います。
また,当初目的といたしましたアマチュアスポーツ交流という観点から見て,使用形態別の
利用状況,いわゆるイベントとスポーツでの
利用状況の中身についてもお示しをいただきたいと思います。
2点目は,利用人員はトータルで計画を上回ったというふうに伺っておりますけれども,一方で,収入の方がそれに見合ってついてきていないということも伺っております。そこで,それらの状況についても,背景あるいは理由などについてお答えをいただきたいと思います。
あわせて,収益性の高かったものについて,主なもので結構ですけれども,お示しください。
3点目でありますが,施設の構造についてであります。
昨年の決算議会のときにも質問をいたしましたけれども,アリーナの土の部分が固まりまして,こちこちになっていて非常にかたいわけです。足の裏に直接衝撃が伝わるということがあります。
また,自然光が屋根と壁の間から差し込みまして,野球の場合など,非常にこれは見にくい。昨年,我が市議会の野球チームと道議会の野球チームが試合をいたしました。これは,屈辱的な1対31という負け方をしたわけであります。外野へボールが飛びますと,自然光と,それから中のこういう照明等のコントラストでよく見えない。我が市議会のチームには,名手富田新一センターもおられまして,そこへ飛びますとほとんど取ってもらえないという,道議会の人はつかむわけですから,どこかに問題あるかなとは思いますけれども。
もう一つ,テニスコートは8面とれるというふれ込みでありまして,期待をしていたわけでありますけれども,これが残念ながら6面しかとれていません。ここのところがちょっと問題でありまして,当初8と予定をしたものが6しかとれないというのは,これは,やはり設計上のミスなのか,そもそも無理した設計だったのか,ここのところをちょっと明らかにしていただければというふうに思います。というのは,私,地元でもありますから,ふだん拝見をしておりますと,とりわけ冬場のテニスの利用度というのが非常に高いわけでありまして,6面か8面かによって施設の操業度というのが相当程度違ってまいりますので,この点お答えいただければありがたいというふうに思っております。
それと,つどーむの外周りでも課題があります。雪深いときに私,訪れたのですけれども,職員の方は屋根を見て,盛んにつららの落ち方などを懸念して見ておられました。ちょっと強い風などが吹けば,飛んで,ひょっとして屋根に穴をあけはしないかなとか,あるいは入場者にぶつかりはしないかなといったようなことも私なりに懸念したわけでありますけれども,1シーズンと4カ月を経たという今日段階で,安全面でどういう対策を講じられたか,これらについてお答えをいただきたいと思います。
◎西塚 事業調整担当部長 たくさんご質問がありましたので,順次ご説明させていただきたいと思います。
まずもって,川口谷委員,数回のご利用ということでございまして,まことにありがとうございます。
まず,第1点目の当初の予想人員並びに使用形態から見た
利用状況,さらには収支状況についてご説明させていただきます。
委員からお話がございましたとおり,
オープンしたのが6月15日でございましたけれども,当初のもくろみといたしまして,6月15日から年度末まで,3月31日まで,屋内と屋外施設合わせて,他の都市の類似の施設等を勘案,いわゆる調査をした結果,約20万人の利用があるというふうに見込んでいたところでございますが,平成9年度を見ますと,屋内外合わせまして合計約55万9,000 人の利用がございました。これに,他都市からの視察でありますとか,あるいは市民見学会,そういう方々のご利用を入れますと,これが約10万9,000 人ございまして,あわせて,スポーツ交流施設をご利用いただいた方は66万8,000 人という数になってございます。
この利用の内訳について,スポーツあるいはイベント等の区分によってということでございますが,大きく3区分させていただきたいと思います。一つはスポーツ利用,もう一つは集会・式典,それから第3点は催し物,大相撲などのそういう催し物ということで言いますと,最初のスポーツ利用で8万人,それから集会・式典で3万8,000 人の利用,その他,フリーマケットなど,物販や大相撲などの催し物,これで43万8,000 人ということでございました。トータルで見ますと,件数で言いますと,ここ大事でございますが,全体約2,000 件余りの総件数に対しまして,スポーツ利用が1,970 件程度,何と93%,そういうことで言いますと,まさに札幌市民のスポーツの交流施設という利用がなされているのではないかと自負,判断するものでございます。
続きまして,収支状況についてお尋ねがございました。端的に申し上げたいと存じますが,年間の収入でございますが,5,799 万1,000 円の年間収入,これに対しまして,年間の維持管理費1億5,794 万8,000 円,収支率で見ますと36.7%,これでお許しを願いたいと思います。
第2点目の収入状況,いわゆる入り込みに対しての収入がどうなっているかということでございますが,この年間収入につきましては,当初7,000 万円の収入を見込んでおりました。結果として,今申し上げましたとおり,大ざっぱに5,800 万円の収入にとどまったわけでございます。本来であれば,見込みより約3倍もの利用者がいるのであれば,当然収入も増加すべきところでありますけれども,結果として当初見込みを1,200 万ほど下回ったものでございます。
この考えられる原因でございますが,当初予測していたよりもアマチュアスポーツの利用が大変多かったということ,あるいは,使用料の減免対象としている公的行事あるいは区民行事などが予想外に多かったこと,それに加えまして,イベント等の興行的な催し物の収入が,残念でしたけれども,見込みをやや下回ったということによるものではないかと思います。
ちなみに,収益が高かったものについて何点かということでございますが,収益の高かったもの,収入の高かったもの,主なものは,個人名挙げるのは恐縮なのでございますが,大相撲札幌場所,それから全国産業安全大会の機器展示会,それから,三つ目としてはテレビゲームなどの展示販売を行いました次世代ワールドホビーフェア,さらには古物商組合が行ったガレージセールなど,こういうものが大変大きな収入のウエートを占めております。
それから,大きな3点目の施設の整備についてのご質問でございます。
第1点目のアリーナのグラウンドがかたいというお話がございました。アリーナのイベント時に多くの方々,結構多くの方にご利用いただいたという結果を今お話を申し上げたわけでございますが,結果として踏み固められたということでございます。このようなときは,随時,耕うん機で土を起こしたり,くま手で人手をかけましてやわらかくするなど,最大限の努力をしてございます。そういうことで,工夫をして,少しでも土をやわらかくしているところでございます。
それから,採光窓,まぶしいということで野球で負けたというお話がございましたけれども,本件につきましても,ご指摘ありましてすぐ,一部カーテンなどを整備させていただいた経過がございます。抜本的な対策となりますと,ご承知のとおり,地上高,最高高いところで40メーター,大体14メーターから40メーターの高さ一面窓でございまして,そこを全部覆うということは,経費もさることながら,相当の工事期間を要するということで,現時点では大変難しいものがあるというふうに考えております。今後の研究するテーマとしてとらえさせていただきたいなと思います。
それから,施設の3点目のテニスコートのことでございます。テニスコートは,現在,あの中で4カ所,8面ございます。今,川口谷委員ご指摘のとおり,2面については,野球のダイヤモンドのファー
ストベース,あるいはサードベースのちょうど土部分と重なっておりまして,そこを覆うために,どうしてもそこが,新たに土部分を覆い隠すところとのすき間にちょっと段差ができるということ,イレギュラーバウンドを起こすということで,現実問題,そこは貸し出し対象とはしておりません。
そこが設計ミスではないかという大変厳しいご質問,ご指摘ではございますけれども,当初は,当然ながらそれで対応できるという判断で進めておったものでございますが,結果としてうまくいかなかったということで,最大限,技術的に検討をさせていただいているところでございますので,少々その検討結果が出るまでお時間をいただければなというふうに思うところでございます。
それから,最後に落雪の問題でございます。
もともと,このアリーナにつきましては落雪があるということで,雪が流れ落ちるという構造でございますので,当然ながら,出入り口は,そこに隣接する管理棟から出入りをしていただくというふうになってございます。しかしながら,念のため,万が一そこに子供さんが入っちゃ困るということで,当然ながら,その時期におきましては,危険防止のために念のためにロープを張るなど,最大限の危険防止の措置をとってございます。幸いにして事故等はございませんでしたけれども,今後とも,潜在危険の早期発見に努めてまいりたいということでございますので,お許しを願いたいと存じます。
以上でございます。
◆川口谷 委員 テニスコートの8面,6面の話につきましては,設計ミスかどうなのかというあたりは,余りそのことにかかわってとやかく言うつもりはありませんけれども,要するに,8面使えるようにしていただければ私は何も言いませんので,そこのところはぜひ宿題として預けておきますので,できるだけ早い時期に利用できるように努力をいただきたいということを申し上げておきます。
それで,再質問でありますけれども,利用人員では,計画以上を達成したということでありまして,それ自体大変結構なことだというふうに思います。
ただ,利用増に伴うマイナス面も考えなければいけないわけでありますけれども,例えば,つどーむ周辺の違法駐車でありますとか迷惑駐車,交通渋滞など,大きな催し物の際,あふれた車が周辺の路上を埋めて付近住民に迷惑をかけたという話も聞いております。地下鉄栄町駅から徒歩8分という立地条件にもあるわけですけれども,その利便性について,どの程度周知徹底したのか。これは,当然主催をされる方々と十分な打ち合わせ,あるいは,そのことに関するきちっとした要請を行う必要があるだろうというふうに思うのですけれども,これは,以前からも申し上げておりますように,地下鉄の需要喚起というサイドから見ましても大事なことでありまして,お答えをいただきたいと思います。
次に,再質問の二つ目でありますけれども,ことしの8月に,外側の空地部分にパークゴルフ場が
オープンいたしましたけれども,
オープン後の
利用状況についてお示しください。
パークゴルフにつきましては,やや大げさに言いますと,爆発的な人気を博しているというように感じます。
オープンした18ホールに加えて,できれば9ホール程度の練習コースもつくってもらえないものかという要望も寄せられております。
これは先ほどの施設の構造ともかかわりますけれども,パークゴルフ場に関連して言いますと,隣のコースとこっちのコースとの間のセパレーツの部分が十分でなくて,隣の方からボールが飛び込む危険性があるということも言われておりまして,できれば,お金そうかけるわけにいかないでしょうから,簡便なものでよろしいですから,セパレーツについても少し工夫をいただけないかなと。私はパークゴルフやったことないので,実情よくわかりませんけれども,場合によっては2メートルぐらい高くボールを上げるという,そういう技術もあるようでして,それがもし隣から飛んでくるということになるとちょっとまずいかなという思いもありまして,その点検討いただけないものかどうか,ここのところをお答えをいただきたいと思います。
もう一つは,事前に通告はしていないことですけれども,答えられなければ答えなくてもいいですが,このつどーむ全体を囲っている植え込みというのがあります。特に北側の部分は単なる植え込みで,ほとんどまだ余りおがっていないということで,この敷地と一般民地との境界が自由に出入りできるという状態になっていまして,これは,敷地の確保とか管理上,余りよろしくないかなと思いますので,お金がついて回る問題でありますけれども,できれば敷地をきちっと確保するようなことについては将来的に検討していただきたいなというふうに思います。
以上二つの質問の追加,答弁をお願いします。
◎西塚 事業調整担当部長 1点目の,周辺の交通対策についてお答えを申し上げたいと存じます。
確かに,大規模イベントなどが結構行われるわけでございますが,その際に,例えばリサイクル市などが行われますと,1日に数万人の入場者が見込まれるということで,ご承知のとおり,つどーむの駐車場は307 台,約300 台ということで,到底足りる状況にはございません,これは現実でございます。
それで,私どもといたしましては,その敷地内に少しでもとめられないかということで,そういう努力をして,さらに300 台,400 台程度,ふやす努力はしてございますが,問題は,イベントの主催者に対しまして,ぜひ,地下鉄等公共交通機関の利用を,そのご来場者に伝えてくださいということで,事前にお話し合いをして働きかけてございます。さらには,近隣の空き地等,いわゆる空地もございますから,そういうところも借り上げていただきたいと,そういうこともさらにお願いをしてございます。また,近隣の生活道路へのいわゆる違法駐車,あるいは迷惑駐車,これはお断りします,困りますと,ぜひ警備員も配置して,その辺もお願いをいたしたいということも切にお願いをしているところでございます。
それから,地下鉄の需要喚起とのかかわり,ちょっとお話がございましたが,ご承知のとおり,年間66万人もご利用いただける施設でございます。大きなイベントにより,栄町駅からつどーむまで,人がぞろぞろぞろぞろとつながって歩いている状態を見ますと,当然ながら,地下鉄の需要喚起に何らかの大きな貢献をしているのではないかというふうに思うものでございます。
今後とも,迷惑駐車の防止と地下鉄の利用につきましては,つどーむを利用される市民の方々に積極的にまた私どもからも声をかけていきたい,あるいは,イベントの主催者に対してもさらなる協力をお願いをしたいというふうに考えてございます。
それから,2点目のパークゴルフ場についてのお話でございます。
利用状況等から推測いたした数字でございますが,
オープンが8月20日でございますが,今のところ,来月,11月3日,一応クローズと考えております。現在のところ,予想よりも約30%増加,合計で約2万人の利用者があるのではないかということで,まさしく委員ご指摘のとおり,盛況の状態でございます。
それから,パークゴルフ場の新たな設置についてのお話がございました。
ご承知のとおり,今回のパークゴルフ場の設置をもちまして,この市民交流施設,いわゆるつどーむの全体計画が終了したわけでございます。
いわゆるパークゴルフ場に接してあります芝生の広場は多目的広場と称しまして,その名のとおり,フリーマーケットの屋外会場だとか,あるいはグラウンドゴルフの会場として,文字どおり多目的に使われている現状でございます。
今後,ますます市民のニーズの広がりが予想されますことから,これに柔軟に対応し,幅広い需要に応じていくことを考えますと,この広場の役割も結構あるのではないかと,そういう意味では,にわかにパークゴルフ場に転用していいものかどうか,ちょっと心配はいたします。今後の多目的広場の
利用状況を見きわめながら検討させていただきたいというふうに考えます。
それから,最後に,パークゴルフ場の中のホールから隣のホールの危険,あるいは,仕切りの工夫ということでございますが,もしもそういう隣のホールにボールが飛び出して危険ということがあれば,これは大変でございますし,コース管理をしている現場ともよく検討させていただきながら,そのようなことがないように検討をさせていただきたいということでお許しを願いたいと存じます。
最後,答えられなければというのですけれども,隣地との境ということでございます。大変,私不勉強で恐縮でございますが,塀で囲ってあるということで,今情報が入りましたので,委員がご指摘の場所と,今私が答弁させていただく場所が異なれば恐縮でございますので,再度早急に現場を見ながら,適切な措置をさせていただきたいということでお許しを願いたいと思います。
以上でございます。
◆川口谷 委員 現場のことにつきましては,2人で行きまして現場でまたお話をしたいと思います。
つどーむにつきまして,経営の面からいきますと,一口で言えば,これは薄利多売といいますか,たくさん人は来ていただきましたけれども,収支率は36.4%でしたでしょうか,こういうことになろうかなというふうに思います,20万人の見込みに対して約60万人ぐらい見えているわけですから。これはもちろん公的施設でありますから,利潤追求ということにはなりませんけれども,ただ,私も,最初に申し上げましたように,こういう時代でありますので,やはり費用対効果でありますとか,あるいは投資したものの回収ということも一定程度やはり頭の片隅に置いておくこともやむを得ないかなというふうに思います。
スポーツとイベントの割合が93.7ということでありますので,これは,当初の計画よりもアマチュアスポーツの非常に割合が高くなったということが実績として出ているわけでありますけれども,ここのところ,私は,もうちょっと検討をしていただければというふうに思います。
ちょっとほかの施設についても調べてみました。滋賀県長浜市の長浜ドーム,島根県の出雲市の出雲ドーム,これ,昨年の実績を調べてみましたけれども,もちろん細かな点で異なる部分はありますが,グラウンド面積やなんかはよく似ているわけですが,収支率で言いますと,長浜の場合は26.5,出雲ドームは41.2ということで,札幌の36.7と比較をすれば,札幌は,三つの比較ではちょうど真ん中くらいということになっております。
当初,計画段階では44%ぐらいの収支率を想定をしていたというふうに伺っておりますから,それからいけば,そこまで到達をしていないわけでありまして,できれば,今後,スポーツとイベントの比率,もう少しイベントに傾斜をかけてもいいのではないかなというふうに思います。そのことによって幾らかでも収支率が改善されれば,それにこしたことはないと。現在は,イベントとスポーツは全く同一条件で抽選にかけているわけですけれども,そこは少しシェアリングして,もちろんスポーツ利用者の許容範囲ということになろうと思いますけれども,工夫があってもいいのではないかなというふうに思います。
ここの部分は,余り言いますと何か誤解を招くので,この程度にしておきますけれども,気持ちはわかっていただけるというふうに思います。そういう工夫をしていただいて,末永くつどーむがみんなに愛されることを願って,質問を終わります。
◆丹野 委員 私の方からは,大倉山ジャンプ競技場の再整備についての質問をさせていただきます。
ことしの2月に開催された長野オリンピックで,札幌ゆかりの原田選手や船木選手,そのほか,札幌の大倉でジャンプ練習をしてメダリストになった方々の大活躍がありまして,日本じゅう,大きな感動を与えたのは記憶に新しいところであります。
原田,船木両選手を初め多くの選手をもはぐくんだ大倉山,顧みますと,26年前に,この場所で札幌オリンピックが行われました。金・銀・銅を取って,これまたそのとき,日本国じゅうばかりじゃなくて,世界じゅうに日本ジャンプ陣の強さを示しながら,また一方で,札幌市が国際都市としてふさわしい地形なのだということも改めて世界じゅうの人たちに知れ渡ったところであります。
この大倉山も現在どうなっているのかと申しますと,国際競技場にふさわしい整備を行うために,競技場全体が工事中であるということであります。
工事の進捗状況を見ますと,平成7年度から改修を進めていたジャンプ台,これがようやく完了したとお聞きしております。今年度からは,そのジャンプ台に関係のある競技運営本部,それからリフト,スタートハウス,そういうジャンプ台に附帯する施設と,それから駐車場,競技場を結ぶエスカレーターなどなど,これらが工事の対象になると聞いておりますし,今,まさにその部分に対しての工事が始まっているようです。また,この施設の中では,札幌ウインタースポーツミュージアム等の工事が行われております。
こういう状況が現在の大倉山の周辺の状況であると,こう認識しているわけでありますが,この間,恒例の宮様スキー大会,そのほか,冬季ジャンプ大会も行われるわけでありますけれども,これらを中止することなく工事を進めていくのだと,このように伺っております。
そこで,2点質問いたしますが,現状から見て,日程的にかなり厳しい工程になっているのではないかなと,このような感じがするわけでありますけれども,完成までの予定をどのように見込んでいるのか,1点目,お伺いします。
2点目ですが,大倉山ジャンプ台が夏も飛べる台に改修されているわけでありますけれども,本市の大倉山を利用するスキー連盟では,来年の9月ごろに,世界の一流ジャンパーがフランスやドイツなど転戦しながら,それぞれの国の施設,ジャンプ台で飛んでいるわけでありますけれども,こういう一流の選手が転戦しながら,夏の札幌の大倉山ジャンプ大会でチャンピオンの座を争うということで,サマーグランプリの誘致を検討しているということを伺っております。これらにつきましても,工事中の大倉山で対応が可能なのかどうか,それから,当然,世界一流のジャンプ陣が集ってきますと,観客の集まりも相当すごいのではないかと思いますけれども,こういう観客の受け入れなど,工程上に問題がないのか,お伺いしたいと思います。
とりあえず,その2点,先に答えてください。
◎西塚 事業調整担当部長 ただいまの大倉山ジャンプ競技場の再整備に関して,2点でございます。
1点目の完成までの予定でございます。
年内にはリフトとスタートハウスが完成いたしますが,その他の施設につきましては平成11年末の完成を予定しております。その他というのは,本部棟などでございます。なお,仮称)札幌ウインタースポーツミュージアム,これにつきましては,平成12年4月の
オープンを予定してございます。現在まで工事も大変順調でございまして,それぞれ予定どおりの完成が見込めるものでございます。
それから,第2点目のサマーグランプリ大会への対応についてでございます。
ジャンプ台そのものにつきましては,既に完成をしてございます。昨年の暮れにサマージャンプ台が完成したのでございますが,競技運営本部など附帯施設につきましては引き続き工事を実施しておりますことから,お客様への対応,確かに難しい面もあろうかと存じます。
しかしながら,大倉山で世界の一流選手を目の当たりにして,ジャンプ競技の持つ迫力や,その飛型の美しさを実感する機会を得るということは,札幌の
子供たちにいつか自分もという夢を与えることにもつながるわけでございますし,また,国際都市さっぽろの知名度をさらに高めるという意味,そういう意味から考えましても,この大会が札幌に誘致されるということが決定した場合は,スキー連盟等との協議も,調整も進めながら,大会開催に向けて最大限の努力をさせていただきたいという所存でございます。
以上。
◆丹野 委員 次に,新設中の,ただいま申し上げました札幌ウインタースポーツミュージアムについてお伺いしたいと思います。
私もスキーを愛好する一人なのです。川口谷さんとはかつて山を滑り歩いた記憶があるわけでありますけれども。そういう部分で,ことしの1月,中島公園内にあります冬のスポーツ博物館を見学しました。見学してみて,展示物等々たくさん展示されておりましたが,冬季札幌オリンピック大会のものが中心に展示されているように思いました。これらの施設というのは,当時の感動的なシーンを見て,そして声援していた当時の人たちにしてみれば非常に懐かしいことであります。また,26年もたってしまいますと,新しい世代は,そういったことがあったことも知りません。そういう古い時代の人,それから,これからの時代の人たちに,あわせて,札幌市が主催した冬季オリンピック大会の様子などなどを知らしめる上では,この博物館の意義というのは非常に大きいのかなと,このように感じております。
今回設置するミュージアムについてでありますけれども,この冬のスポーツ博物館の資産の継承も重要な要素とするのだと,このように言われております。
そこで,質問でありますが,大倉山の新しいミュージアム,これに対しては,どのような方針のもとで建設されるのか。
それから,二つ目は,現在の冬のスポーツ博物館とどのような点が違っていくのか,お示し願いたいと思います。
◎西塚 事業調整担当部長 ただいまの,新しいウインタースポーツミュージアムの方針についてでございます。あわせて,冬の博物館との絡みについて一括して答弁させていただきたいと存じます。
まず,仮称)札幌ウインタースポーツミュージアムの建設の基本的な方針でございますが,一つには,今お話がございました冬のスポーツ博物館の資産の活用,二つ目として,札幌オリンピック開催の意義の継承,三つ目として,ウインタースポーツの振興,この三つを大きな柱として整備するものでございます。
これらのうち,新しいミュージアムでは特にウインタースポーツの振興に力を入れることとし,現在の中島公園にあります冬のスポーツ博物館の展示に加え,スキーやスケート,スノーボードやフリースタイルスキーなど,それぞれの競技についてのそのルールや歴史,さらには最先端の技術までを,実物や模型,パネル,映像等を使い,掘り下げた展示を行うということにしてございます。
また,これは日本では初めての試みではございますけれども,ジャンプ台を滑りおりる画像をみずから見ながら,実際にミュージアムの2階フロアから1階フロアへ滑りおりるジャンプの疑似体験装置,いかにも原田選手や船木選手になった気分を味わっていただけると,そのような疑似体験装置も導入するつもりでおりますし,さらには,アイスホッケーのシュートや,あるいはキーパーの体験ができる装置,クロスカントリーの疑似体験ができる装置などの導入も検討して考えているところでございます。
これらの参加体験型の展示によりまして,幅広い年齢層に,楽しみながらウインタースポーツへの興味や理解を深めてもらいたいというふうに考えている次第でございます。
以上でございます。
◆丹野 委員 非常にすばらしい施設になりそうであります。ウインタースポーツミュージアムの関係で再質問いたします。
大倉山そのものは,年間100 万人を超える観光客が訪れる場所でありますし,そこに設置されるわけでありますから,このミュージアムも多くの観光客が利用すると思います。これはこれで,たくさんの方に利用してもらうために立ち上げるわけですから,これでいいのですが,今のお答えを聞いておりまして,私なりに考えた意見を申し上げますと,当然札幌市民にも利用,活用していただかなければならないというふうに思うわけであります。市民の利用,活用をふやすための方策を検討しながら,これまでのウインタースポーツの歴史とかそういう部分を若い世代の人たちに語り伝えていくという,そういうことが大事ではないのかなと。
たまたまこのミュージアムに,どんなところだろうと思って行ってその中に入りましたら,原田選手がたまたまいて,「いらっしゃい」ということで,「よく来ましたね。スキーに対していろいろ教えてあげますよ」と,こんな会話がもしできたら,行った
子供たちも驚くと同時に,絶対に自分の記憶からそういった出来事は消え去らないと思いますし,ましてや,そういう一流の選手の後に続こうと,こういうような気持ちにもなると思うわけであります。そういう部分で,この施設の使い方がいかに大事かなと,こういうふうに私なりに感じているわけであります。
将来,選手としてたくさんの未来っ子がどんどん育って,本市から世界に羽ばたいていくならば,こんなすばらしいことはないと,このように思いますので,この辺の考え方をお示し願いたいと思います。
それから,もう1点ですが,たくさんの施設をつくる過程の中で,先ほど申し上げましたが,バスの駐車場というのですか,ただ駐車場と聞いているものですから,当然,観光客用のバスが駐車すると判断するわけでありますけれども,この場所には,それ以外の一般乗用車を利用して行く方もかなり出てくるのではないかと,このように思います。現場に行ってみました。そこで感じたのは,この駐車場とエスカレーターを通って会場に行く,この行き方と,当然,試合を見終わって,終わってからエスカレーターを利用してまた駐車場に戻ると,この部分が再現されるわけでありますけれども,ちょうど道路を,いわゆる車道を挟んでの場所になっておりますから,当然これは,きちっと左右の交通状況を見ながら通れば事故はないと思いますけれども,そうはいかないのではないかという感じがします。ですから,この場所には,信号機等の設置,もしくはそれ以外の部分で工夫が必要ではないのかと,このように思いますので,この点も明らかにしていただきたいと思います。
◎西塚 事業調整担当部長 1点目のウインタースポーツミュージアムの市民利用の促進についてお答えを申し上げたいと存じます。
委員ご指摘のとおり,札幌市民の方々が,2度ならず3度,4度と年間においでいただく,そういうことが最も大事ではないかと思うのでございます。そのためには,いわゆる展示の更新に工夫を加えたり,あるいは,随時,特別展なり企画展を積極的に実施することが必要ではないかということが考えられます。さらに,おいでいただく方々の学習や交流の場として,市民の方が気軽に利用できるビデオライブラリーを設置,さらには,各種競技団体やスポーツ施設に関する情報コーナーを設けまして,多くの市民の方々に利用していただくことを考えていきたいと思っております。
それから,すばらしい未来っ子を育てるために何か工夫をということでございますけれども,やはり
子供たちが入るということを考えますと,展示全般にわたってわかりやすい解説などを心がけるとか,それから,各競技の歴史,あるいは最先端の技術まで取り上げる,そういうような科学的な展示工夫も必要ではないかということで,いずれも楽しく学習できる機会を提供してまいりたいというふうに考えるものでございます。
それから,3点目のバス並びに一般駐車場からの動線の問題でございます。
確かに,現在,駐車場等,それからエスカレーターにつきましては工事が始まっております。全体ができ上がった状態を考えますと,エスカレーターの乗り口から駐車場の出口まで,現在,予定では約50メートルございます。現状においては,そこの間を渡る横断歩道等も用意されてございません。そういうことで,将来的にそこに信号機の設置等が必要かどうかということで,道路管理者等ともいろいろ関係者と協議をしてございますが,通過交通量等の問題,あるいは,もっともっと他に緊急な場所があるなどという問題がありまして,早期設置についてはなかなか難しいものがあろうかと存じます。
しかしながら,現状でいいというものでありませんので,とりあえず,道路標識あるいは横断道路のマーク,こういうことについて関係者と協議をしてまいりたい。それから,全体の大倉山事業が完成するまでの間に何とか信号機がつけれないかということで,公安委員会等関係者などに要望を重ねて行っていきたいということでございます。
以上でございます。
◆道見 委員 私は,冬季スポーツの振興について,その中でも,特に指導者の確保と施設の整備について,二つ質問させていただきます。
今,丹野委員からも前段に話ありましたが,この長野オリンピックというのは記憶に新しく,鮮明に残っている感動の冬季オリンピックだったと,私もそのように受けております。
札幌オリンピックも昭和47年に開催をして,本当にジャンプで三つの日の丸を上げたということで,その世代の人たちはだれも忘れない札幌の印象だろうというふうに思いますし,私は,何といっても,この札幌市というのは,今現在180 万になりましたが,世界的に見ても,こんな大都市で四季の変化がはっきりしていて,冬季オリンピックもこういうような大都市でできるというのは,私は,世界の中でも札幌だけだろうと。そういう意味において,札幌市というのは非常に恵まれた
自然環境といいますか,そういうような自然の恵みを受けているところだなと。
そして,そういう中で国際的なイベントを開催することによって,スポーツの振興にも底上げになるし,また,街づくりも進んでいくということでありますが,私は,冬季札幌オリンピック,昭和47年に行って,現在は子供の数が減少傾向にあるといえども,47年ですから,もう二十五,六年前ですが,果たして,本当に札幌オリンピックを契機にして札幌市の冬季スポーツが振興していったかと,競技人口というのですか,そういう面も含めて,指導者も含めて,そういうことを見たときには,私は必ずしも,この札幌オリンピックがスポーツ振興の底上げになったというふうには残念ながら受けとめていない一人なのです。確かに,施設はでき上がりましたけれども,その後を見ると,果たしてどうなのかなと,私はそういうふうに感じるのですね。
それをどういうふうに感じるかと,一つは,やっぱり指導者の確保という面において,私は,札幌市というのは非常にそういう面では弱いのでないかと。
確かに,最近は温暖化されていますから,施設がどこにでもここにもできるというわけじゃなくて,私のそばの小学校も,この冬から,18年間続いておったリンクが,どうも中止するようであります。時代の変化ということもある。ですから,学校の施設におけるリンクも,ほとんど札幌市では,ある面で全滅状態になるのじゃないかなと。そういうような中にあって,いわゆる指導者が十分いないことによって,冬季スポーツの中でも例えばスピードスケート一つとっても,そういう指導者もいないし,だから,温暖化ということで,施設も学校においてもなかなかつくらないということになって,だんだんだんだん,札幌オリンピック当時よりも,そういう面で私は減少傾向になっていると,間違いないだろうというふうに思うのですよ。
18年前,私のところの学校でやったときは,たしかそのころは学校のグラウンドのスケートリンクというのは20数校あったというふうに私は記憶しているのですが,今,三,四校ぐらいに減っているというふうに聞いているわけですね。ということは,オリンピックやっても何ら広がりがないということが一つ。それは,指導者がいないから施設ができないのか,やる気がないから指導者ができないのか,どっちかはわかりませんが,私はまず,全体的に指導者が不足していると,こういう認識があるので,現状の指導者の状況,特にこういう全体の指導者というのはたくさんいると思いますが,このスピードスケート,それからジャンプ,大きくこの二つに分けて質問しますと,この指導者の状況が現状どういうふうになっているか。
それから,もう一つ,施設なのですけれども,特にスケートのメッカというのは道東方面ですよ。帯広,釧路,それから苫小牧,向こうの方です。寒い地域ですから,確かに,ちょっとした雪の上で水をまいただけで氷張りますから,リンクはどこでもできるという,こういうような条件が整っているということに,施設面の優位さがあると思いますが,札幌も,私は,現状を見ると,スピードスケートについては,議会でも一部,廃止するとかしないとかという議論がありましたけれども,例えば真駒内野外競技場があります。私もあそこ行きますけれども,見ると,確かに冬季スポーツやっておりますが,私
は,長野のオリンピックの室内スピードスケート場,何とかウエーブと言いましたね,この長野を含めてさかのぼると,三つぐらい前のオリンピックから,競技は野外ではなくて室内に変わってきているのですね。そうすると,私は,オリンピックを開催した札幌市,この大都市の中で,長野はたまたま今回オリンピックをやったということでああいうふうに国が力を入れて施設をやったわけですけれども,本当のウインタースポーツのメッカである北海道,その道都の札幌が,やっぱりああいうような施設を持たなければ,うそと言ったらおかしいけれども,持つべきだと。むしろ,それが,私は冬季オリンピックの現代の趨勢だと思うのですよ。しかし,真駒内の野外スケート場を見たら,あのままあれ以上何も手を加えないで,そのままいくような感じがします。
我が会派としても,これは国の施設だと聞いておりまして,道が委託管理を受けているということですから,市は私は直接関係ないとは思います。我々段階もそうですけれども,皆さん方行政の段階においても,あれをやっぱり生かして,北海道に,札幌に本格的な室内競技場があれを利用してできるような,そういう施設の見直しとか,そういうことをしなければ,私は,オリンピックを札幌がやったと言っても,果たしてそれがどう生かされてきたかということは甚だ疑問だと,こういうふうに思いますので,この2点について皆さん方がどのようなお考えを持っているのか,まず質問いたします。
◎石原 生涯
学習部長 まず,1点目の指導者確保の現状についてでございますが,本市の競技団体を統括いたします札幌市体育協会や各競技団体,あるいはスポーツ少年団におきましては,毎年,技術力向上指導者講習会や各指導者養成,あるいは認定員の養成講座などを開催いたしておりまして,それぞれ指導者の確保と養成を図っております。現在,これらの指導者全体では約1,300 名の方々が活躍をしております。
今お尋ねありました,とりわけ,スピードスケート及びジャンプ競技の指導者につきましては,スピードスケートでは約20名,ジャンプ競技では約15名という状況にございます。
2点目のスピードスケートの施設整備についてでございますが,現在,スケート施設といたしましては,市内には屋内外を合わせまして7施設ございます。
お話のございました真駒内屋外競技場の屋内型への転用につきましては,私どもといたしましても,スケート人口のすそ野の広がりにも,また,競技の技術の向上にも寄与するものと考えますので,国などの関係機関に対しましても十分ご理解いただけるように要望させていただきたいと思います。
◆道見 委員 真駒内の野外競技場については,皆さん方の方も長野のように室内競技施設になるように要望していると。これは,我が会派も中央段階でそういう働きをしていきたいと。やはり北海道にああいう施設が一つもないということは,メンツにかけても冬季のスポーツ振興ということで私はやらなきゃならぬだろうと,こう思います。ですから,そういう意味において,札幌の,こういう世界的な大都市が冬季オリンピックができるという特徴を十分に生かさなきゃならぬだろうと思います。
それから,今,部長の答弁で,スピードスケートの指導者が20人程度と。これは,私が平成6年の代表質問のときに,この指導者のことについてお聞きしたときも20名と答えているのですよね。ですから,3年ですから,変わるかどうかわからないけれども,いずれにしろ,大体そのときの答弁と今と全く大体,似ているというか同じなのですよね。ということは,札幌市における,冬季オリンピックをやった都市でありながら,とりわけスピードスケートと,今,ジャンプに絞って話をしますと,そんなに進展性がないというのか,そういう状況だと思うのですよ,現状認識からいくと。
やっぱりそこに何が不足しているのかと,本当に四季折々ありながら,大都市札幌が,冬季オリンピックをやった都市で冬季スポーツを振興していくというには,私は何といってもやっぱり指導者だと思うのですよ。今,丹野委員が,大倉山のミュージアムに原田選手がいて,
子供たち来たら「いらっしゃい」と,原田選手いたら,これは感激しますね,例えば。指導者,20人どんなような人がおられるか私はわかりませんけれども,何といってもやっぱり,名前で売れているかどうかは別にしても,有名選手を指導者としてその都市が抱えられるということは,私は大事なことだと思うのですね,実際問題として。例えば,原田選手がいいのか,船木選手がいいのかわかりませんけどね,例えばそういう選手だとか,スケートの清水選手だとか,そういう人が,この札幌市の
教育委員会の中で,あるいはそういう関係の中で採用ができて,通常業務をしながらそういう指導に当たると,私は,この180 万の大都市において競技人口は物すごくふえると思うのですよ。それは間違いなくふえると。これは,私自身が想像するところですけれども。
それと,もう一つ,やっぱりこういう大都市でありながら,有名な選手が育っていないということも,平成6年の代表質問のときに私話したのです。このときは平成6年ですから,まだ長野オリンピックが開催されていませんから,昭和47年の札幌からリレハンメルオリンピックまでの7回,都合7回の大会を見たときに,スピード選手は延べ64人送っているのですよ,日本から,オリンピック7回で。札幌出身の高校生は一人もいないのですよ。要するに,札幌からスピードのオリンピック選手が出ていないということなのですよ。
それから,ジャンプは34名いて9名,札幌市。その9名が札幌生まれか育ちかわかりませんけれども。
それは
自然環境が道東方面と違うと言うかもしれませんけれども,しかし,人口180 万いるわけですから,180 万の人口と15万の帯広と20万の釧路と比べて,選手層は本格的にやったら札幌が厚いのは決まっているのですよ。だから,そういうような施設の面だとか指導者の面が絶対的に,この生涯学習の一環です,スポーツも,私は,そういう面で何か,札幌の冬季スポーツの振興に不足していると,重大な不足があるからこういう状況があるし,育っていないと。
だから,私は,これだけ学校もたくさんありますから,そういう面で,指導者を,一流スポーツ,オリンピックの経験者を何らかの形で,じゃ,何でスケートだけだとか,何でジャンプだけだということになります,そういう,一方においての見方もあるでしょう。じゃ,それだったらプロ野球の選手も
教育委員会でいれればいいのでないかと,こういう理屈になるかもしれないけれども,野球だとかそういう面は,指導者というのはある程度満たされているというのか,充実していますよ,いろんな面において,すそ野が広く。だけど,冬季スポーツだけはそういうような状況で,札幌にはなっておりませんですよ。そういう点をとらえて,私は,
教育委員会でそういうことを何らかの形でそういう手だてをして,私は指導者の確保をすべきだと,こう思うのですが,いかがでしょうか。
◎石原 生涯
学習部長 まず,
教育委員会の職員として採用してはどうかというようなことだと思いますが,すぐれたスポーツ選手ということでの採用につきましては,現時点では難しいことであると考えておりますので,ご理解をいただきたいと思います。
今後の具体的な
取り組みについてでございますが,各競技団体との一層の連携を図りながら,今後さらに確保に努めてまいりたいと思います。今お話ありましたように,市内には,過去にオリンピックや全日本選手権に出場した経験ある方々など,すぐれた人材が数多くいらっしゃると思いますので,こうした方々を指導者としての位置づけをして,いろいろな場面で指導していただくためには,まず,どんな方がいらっしゃるのか,あるいは,どのような指導をしていただくことができるのか。例えば,アドバイザー的な立場でかかわりをいただくことがいいのかなど,今後,種々検討しながら指導者の確保に努めてまいりたいと思います。
◆道見 委員 ちょっと答弁にクレームをつけたい気持ちがいっぱいですけれども,教育長,私が平成6年に質問したときと同じ答弁なのです,今答弁書見ておったら。恐らく,多分,この答弁書をそのまま石原部長は読み上げたのだろうと思うのですよ。私,参考にコピーしてこれ持っておりますけれども。
アドバイザー的にどういう選手いるか調査してなんて,そんなのんきなこと言っているのですから,頭の中には何もないのだろうと思いますよ。アドバイザーならアドバイザーで,制度でそれがきちんと組織化されれば,それは強いと思いますよ。相手にそういうような受け入れ態勢があって,こちらもそういう体制が整うなら,それはそれでそういう道もあるのかもしれないですけれども,それは,先ほど言ったように,アドバイザーなんて,それはボランティアで協力してくれる方は協力してくださいというようなものですよ,早い話。私は,そんなことを言っているわけじゃないのですよ。やっぱり冬季スポーツをこの札幌で本格的に──例えばスケートでもジャンプでも,恐らく減少しているはずですよ。ジャンプの少年団なんていうのは減少しているでしょう。歯どめがきかないはずですよ。長野のオリンピックがあって盛り上がったと思いますけれども,札幌もオリンピックやっていますから。そんなアドバイザーだとか,寝言のようなことを言っているのじゃなくて,きちんと,どういう方法が可能なのか。難しいって,難しくないもの質問するわけないでしょう,私が。何も簡単に答えるなら,電話でやりとりすればいいのだよ,そんなもの,そうでしょう。やっぱり,どういうふうに
教育委員会として冬のスポーツを振興していこうかという確固たる考え持ってやらないから──ほかの都市は,調べただろうと思いますけれども,ほかのそういうところの都市は,そういう有名なオリンピックの選手を
教育委員会の外郭なり
教育委員会で採用しているのですよ,特別そういうふうにして。人を採用するというのは制度があるから,皆さん方だけでできることではないと思いますけれども,しかし,やっぱり
教育委員会としてはそれを実現する方向に行ってもらわないと,またこれ,3年後に同じくしていたら,同じような原稿を読み上げる結果になると思うのですよ,私は。やっぱりそこら辺,教育長,何代教育長かわっても同じように答えているなら,そんな冬季スポーツの振興なんて大義名分を答弁する必要ないですよ。ちゃんとした腹構えを聞かせてください。
◎山 教育長 オリンピック選手などの一流選手を
教育委員会の職員として採用してはどうかということでございますが,今,生涯
学習部長からお答え申し上げましたように,本市の厳しい一般採用試験の現状の中で,ご質問のような前提での採用というのはなかなか難しいのかなと私も思ってございます。
しかしながら,委員のお話のように,すぐれた選手を確保していくことは,本市のスポーツ振興を図る,特に冬季スポーツの振興を図る上でさまざまな効果をもたらすということにつきまして,私も同様に認識をいたしております。
したがいまして,オリンピック選手などに技術的な指導を行ってもらうのはもちろんでございますけれども,選手のお持ちになっております豊富な知識や経験なども,さらに幅広くスポーツ振興の分野で発揮をしていただくために,その指導者としての専門性を確保する職として,嘱託職員として位置づけすることができないかどうか,今後,制度面,あるいは報酬面等々含めて,関係部局と十分に検討させていただきたいと,このように感じております。
◆道見 委員 教育長が,関係部局とそういう面についてどういう道があるか検討していきたいということですから,私が今言った方向に向けていきたいという意思表示のあらわれだというふうに思います。
私は,こういうふうに,子供の夢というのですか,やっぱり与えるということは,私は教育上も大変重要だと。私のところの小学校もリンク開きやって,川原正行というオリンピック選手を呼んでセレモニーをやったのですよね。そのときに,
子供たちの輝く目というのですか,講演もやりまして,本当にリンク狭しと
子供たちがスケートをやりましたよ。その後,札幌オリンピックの短距離の第一人者だった肥田隆行と,これもみんな帯広出身ですよ。この選手を呼んで,また盛り上がりをつくりました。そうすると,やっぱり
子供たちは輝くのですね。そして,スケートをやってみようということで,またぐっとふえるのですね。
そういうことで,私は,そういう有名人ばかりを言っているわけじゃありませんが,そういうふうに,この冬のオリンピックに出た清水さんだとか原田さんだとか船木さんのような人が──本当に,どういう方法があるかということを研究するわけですから,私は,
教育委員会が,その採用の方法だとか,あるいは,いろんな
教育委員会が抱えている団体含めて,職員としてそういうような形で幅広く検討できるのであれば,私は,それをやることによって冬のスポーツ振興は大いに図れると,こういうふうに思っておりますから,今の山教育長の答弁の趣旨を具体的にさらに進めていただくことを要望して,終わります。
○小田 委員長 以上で,第10項 体育費の質疑を終了いたします。
これで,本日の質疑を終了いたします。
次回の委員会ですが,明日午後1時から,環境局及び下水道局関係の質疑を行いますので,定刻までにご参集ください。
本日は,これをもちまして散会いたします。
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散 会 午後3時53分...