委 員 武 藤 光 惠 君 委 員 宮 川 潤 君
委 員 佐々木 周 子 君 委 員 菅 井 盈 君
委 員 松 浦 忠 君 委 員 北 川 一 夫 君
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開 議 午後1時
○村山 委員長 それでは,ただいまから,第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,猪熊副委員長からは遅参する旨の届け出がありましたので,ご報告を申し上げます。
議事に入ります。
最初に,第7款 土木費 第5項 都市開発費のうち関係分の質疑を行います。
◆伊与部 委員 簡潔に質問させていただきます。
実は,8月4日の北海道新聞に,国,すなわち郵政省が札幌の郵貯会館の移転を検討しているという記事が出ました。2005年にも開業するという記事であります。また,8月25日の道新に,
メルパルク移転に待ったと。それは道内のホテル業5団体が反対の要望書というものを出していると,こういう記事も載っております。
そこで,調べた結果,ことしの7月3日に,
桂札幌市長あてに,
メルパルク札幌の拡充・移設に対する反対申し入れが,
北海道旅館環境衛生同業組合,それから
日本ホテル協会北海道支部,
国際観光旅館連盟北海道支部,
日本観光旅館連盟札幌支部,
札幌ホテル旅館協同組合の5団体からなされております。同時にまた,
札幌市議会柴田議長あてに,7月3日付で市長に出したと同じような文言で,7月23日に,
メルパルク札幌拡充・移設に対する反対申し入れ,こういう文書が正式に出されております。
メルパルクの移転先については,札幌市中央区北5条西5丁目,すなわち,わかりやすく言うと
センチュリーロイヤルの北側,あの一帯に移転したいのだと,こういうことであります。
センチュリーロイヤルホテルの北側の土地は,管財部所管で普通財産として2,119.77平米持っている。その隣接地は,土地開発基金で持っている1,281.56平米,合計して3,401.33平米,こういう土地であります。現在,
メルパルク利用地は,札幌市中央区南1条西27丁目183 番の1ほか,面積が8,281.23平米,こういう土地になっているのですが,そのメルパルクが北5条西5丁目,すなわち
センチュリーロイヤルホテルの北側に移転するという話があり,また,5団体から反対の要望書が出されている。
このことについて,札幌市はどのように受けとめているのか,その辺について,まず冒頭,ひとつ明らかにしていただきたい。
まず,ここから始まります。
◎黒田
駅南口担当部長 私の方から,今,ご質問のありました保留地を含めた市有地の基本的な考え方につきまして,ご説明,ご回答をいたしたいと思います。
駅南口地区の土地利用につきましては,札幌駅
周辺街づくり委員会からの提言にもありますように,商業業務機能のほかに,芸術,文化,そして市民の交流の場を含めましたバランスのとれた街づくり,これが望まれているところでございます。
保留地分を含めました約3,400 平方メートルの市有地の活用につきましては,駅南口地区という利便地におきまして,提言の趣旨が十分に生かされますよう,
公益的関連施設の誘致を含め有効的な土地利用を図っていくと,これまでもお答えしているところでございます。
本件につきましては,確かに新聞にも載ってございます。メルパルクという施設そのものは,
公益的関連施設という要素のほかに,市民にも十分に利用・活用でき得る機能も含めた施設になると,このような視点も含めながら,現在,郵政省とも協議をしているところでございます。
以上でございます。
◆伊与部 委員 私,この土地,すなわち
センチュリーロイヤルホテルの北側の土地については,再三にわたって議会で議論をしてまいりました。あれは,一体的な土地の活用でなかったら活用できない。先ほど言いました数字の1,281 平米,約350 坪,これはJRから,平成5年,6年,7年,3年間で70億円で札幌市の土地開発基金が抱いた土地です。しかし,この土地だけでは,都心のど真ん中にある半分だけでは活用できない。調べたら,今,この70億円に金利がついて74億円になっている。さらに突っ込んで調べたら,今の土地の価格で言うと,74億円の土地が16億円になっている。札幌市民は,この土地で58億円も損をしていると。札幌市民の税金が58億円減少したと,こういうことになっている。
同時に,その隣の土地,すなわち,先ほど言いましたように,管財部所管の普通財産2,119.77平米,約450 坪ぐらいありますか,この土地の評価額は一体どのぐらいになるのか計算したことがあるか。今,74億円が16億円になった,58億円の損。こっちの
センチュリーロイヤルホテルのすぐ北側の土地,これも市の普通財産ですよ。この2,119.77平米の価値は一体どのぐらいあるのか。合計してどのぐらいの価値になっているのか。
同時に,メルパルクの土地,南1条西27丁目の8,281.23平米,これとの等価交換をしようとしているのか,そのほかにも何か考えていることがあるのか。いずれにしても,この
センチュリーロイヤルホテルの北側の土地を早急に何とかしなきゃならないのじゃないか。土地開発基金で抱いていますから,その分だけでもどんどんどんどん金利は高くなっていく。普通財産は自分の財産ですから,金借りていませんから,そのまますっといくかもしれない。しかし,いずれにしても,74億円にまたどんどんどんどん金利が上積みしていくわけですから。
部長,この二つの一体的な土地の総体価格は今どのぐらいに見積もっていますか。
それと,今,私が言ったように,メルパルクがここに移転するということについて,どのように受けとめているか。
それから,5団体が反対していることに対して,どのように受けとめているか,この辺についてひとつ答弁してください。
◎黒田
駅南口担当部長 1点目の土地の価格についてでございます。
先ほど言いました保留地につきましては,約16億でございます。隣接します管財部所管の普通財産,これにつきましては約27億と,こう推定をしてございます。したがいまして,約16億と27億で合わせますと約43億と,こういう3,400 平米全体の土地の推定価格になってございます。
一方,現メルパルクの土地であります約8,300 平方メートル,あくまでも推定でございますが,おおよそ22億から23億と,こういう数字になってございます。したがいまして,3,400 平方メートルを全部合わせますと約43億,現メルパルクの土地が約22億から23億と,南口の方が倍まではいきませんけれども,相当高い価格になってございます。
この土地をどのようにするのかというご質問も関連してございましたけれども,まず,郵政省が,南口に
メルパルクそのものの移転が可能なのかどうかという状況の中で,財産価値をなるべく損なわない形で,どのような手法によって土地問題を解決すればいいのかということを並行して検討しながら対応していきたいと,このように考えてございます。
それから,メルパルクの移転についてどう考えるかと,どう評価するのかと,こういう2点目のご質問でございますけれども,先ほど言いました
街づくり委員会の提言という視点での
公益的関連施設の誘致,いわゆる南地区全体のバランスの問題,それから,率直に申し上げまして,昨今の冷え切った経済状況の中では,民が単純に,先ほど言った約43億の土地を活用できるかどうかということになりますと,正直言って,なかなか難しい状況もございます。そういった中で,
メルパルクそのものが
公益的関連施設という郵便貯金法に基づく施設という視点で,こちらに移転をしてもらえるという,そういった感触を得てございますから,そういった機会を十分にとらえながら,今の土地問題,さらには現メルパルクの土地が8,300 平方メートル,なおかつ,
地下鉄円山公園駅に隣接する非常に有効的な土地ということから,その土地の活用も含めて,今後,十分に検討していかなければならないと,このように考えてございます。
それから,3点目の道内のホテル関係5団体の反対でございますが,その反対の趣旨ということでいきますと,およそ2点になるのかなと,このように考えておりますけれども,昭和58年から59年に,当時の土光臨調の中で,国の官公庁の公的旅館施設といいますか,宿泊施設,これについては原則として新設をしないと,このように閣議決定がなされてございます。現メルパルクの誘致の問題は,この閣議決定に反するのではないのかということが1点,反対の趣旨でございます。
それから,昨今のホテル業界の状況から,官が民を圧迫するということはいかがなものかというような視点も含めて,反対の申し入れが来ているところでございます。
私ども,閣議決定も含め,郵政省,それから
地元北海道郵政局とも協議を進めながら,それらがスムーズに着手できる方策ということでいろいろ実務レベルで検討しているところでございますけれども,閣議決定の問題ということからいたしますと,原則として新設は行わないということで,あくまでも老朽化に伴う移転改築,いわゆる改築の問題につきましては,基本的にはその閣議決定に反するものではないということで,国からも言われてございます。
それから,官が民を圧迫するということで,郵政省が市民への開放的な機能施設をどういう形でつくるのかという問題がございますけれども,それとは別に,メルパルクのホテル機能がどのぐらいの規模になってくるのか,その施設概要がどのようになるのかということが一つ大きなポイントなのかなと,このように考えてございます。
先ほど言いましたように,まだ,実務者レベルで,まさしくこれからその施設の内容を検討する状況でございますし,そういったような状況を十分見きわめる必要があるのかなと,このように考えてございます。昨年の仙台,その前の長野等々,最近ではメルパルクの新設ではなくて改築と,こういった視点を考えてみますと,せいぜい100 前後で中型の規模という実績もございますし,郵政省としても,それほど大規模なものにはならないのでなかろうかということで,今の段階ではそういった状況でございます。
いずれにしましても,これから郵政省の実務者レベルの中で施設の概要を細かく検討していきたいと,このように考えてございます。
以上です。
◆伊与部 委員 5団体の反対の書面に対してどのように受けとめているかと,こういう私の質問に対して,今の答弁が返ってきたのですけれどもに対して,今の答弁が返ってきたのですけれども,これはちょっとすり合わない。要するに,今の部長の話を聞くと,郵政省の実務者会議で,もう随分具体的な話にまで入っているような,そういうふうに聞き取れる。だから,あなたは,郵政省との実務者会議をやっていると言うなら,郵政省のどこと実務者会議をやって,何回やってきたのか,どういう話になっているのか,これをひとつ具体的に明らかにしてほしい。
5団体の反対は,議長にも出ている,市長にも出ている。反対していますけれども,私たち札幌市はやりますよと,今,実務者会議で郵政省とやっていますよと,こういうことで断固やらせてくださいと言うのか,それとも,反対の人たちの意見も聞いて,そういう反対の意見もあるから,何かまた別の方法で公的施設を考えるというのか,その辺を一体どう考えているのか,明らかにしていただきたい。
もう一つは,もしやるとしたら,43億と23億では20億の乖離がありますわね。20億の乖離はどこに求めているのかというのが,当然疑問になりますから,この辺もあわせてひとつ明らかにしていただきたいと思います。
◎黒田
駅南口担当部長 郵政省の実務者とどのような段階で,どのように協議しているのかということでございますけれども,札幌市が駅南口地区にメルパルクを誘致したいということで申し入れ,要請をしていることは事実でございます。しかし,具体的なものとして,どういったものをどういう形で構築していけばいいのかという中身につきましては,全くこれからでございまして,中身につきましては,まだ固まってはございません。
ただ,札幌市としましては,単純に,そこに
ホテル関連機能が来るという視点ではなくて,メルパルクの使命であります,広く市民にも活用できる利便施設をそこにどのように組み入れていくかと,こういった視点が大変重要であると,このように考えておりますから,そういったことの可能性を探りながら,具体的にこれから詰めていく,そういった状況でございます。
それから,
ホテル関係団体の反対ということもございますが,
ホテル関係団体につきましては,まだ,公的な意味合いの中での公共的な機能がそこに入ることについては,それはあえて
ホテル関係団体としても口を挟むつもりはないと。ホテルの規模なり,いわゆる機能の施設概要がどうなるのかということがポイントであると,基本的には反対であるけれども,それを見ない限り,はっきりしたことの結論はまだ言えないだろうということが今の段階でございます。したがいまして,これからどのようなことが施設概要として考えられるのか,十分に郵政省の検討結果も踏まえながら,
ホテル関係団体の一定のご理解も得ながら進めていきたいと,このように考えております。
それから,先ほど言いました南口地区と現メルパルクの土地との約20億の乖離の問題でございますけれども,まさしくこの問題は,まだメルパルクが本当に南口に来てくれるかどうかということは,正直言って──札幌市としては誘致を進めていきたいと,このように考えておりますが,それがどういう形になるかまだわからない状況でございますし,土地の処理の手法そのものも,郵政省の意向等々もございますから,その辺はこれから具体的な課題として検討してまいりたいと,このように考えております。
以上です。
◆伊与部 委員 だんだん全体的な構想が明らかになってきました。
それで,私は,この土地の有効活用については,今,民間では,とてもじゃないけれども,この土地を43億円出して買って何かをやるというような,そういう民間のものはないのじゃないか。隣に大丸をつくるという発想もありますけれども,しかし,そうは言っても,なかなか大変な状態。
同時に,土地開発基金で持っている土地だけでも,実際,58億円も札幌市民が損をしているわけですよ。一口に言っても,58億円といったら大変なことですよ。何ぼ金利が安いと言ったって,毎年,金利がかさむのですから。これもみんな札幌市民が負担していかなきゃならぬ。だから,いずれにしても,私は,公的施設の導入を図っていかなきゃならないのでないかなという感じは,前からも訴え続けていました。
そこで,局長,今,部長から答弁ありましたけれども,札幌市の基本的な土地の有効活用について,基本的な姿勢について,いま一度明確に答弁願います。
◎吉本 都市局長 段々につきまして,担当部長の方からご説明申し上げましたけれども,今,委員からお話がありましたが,確かに74億であったものが,今現在の価格16億という形であります。
私どもは,やはり有機的な土地活用──地価がこれだけ落ちるというのは全く予想はしておりませんでした。しかしながら,今,3,400 平米について,ぜひ有効な土地活用を図っていかなければならないと。その中でも,一つの手法として,たまたまメルパルクの話がありまして,公的施設もそこに入れながら対応したいなということで,細部はまだ固まっておりませんけれども,私どもは,そういうような空き地に対しまして遊ばすことなく,ぜひ有効な土地利用をいたしたいと,こういうふうに考えております。
以上です。
◆西村 委員 私は,JR苗穂駅周辺の街づくりについて質問をしたいと思います。
この問題について,私も幾度か議会において質問をしてまいりました。とりわけ,この地域の開発の問題については,当該地域に住んでいる方々がそれぞれ自分たちの地域をよくしたいと,こんな思いで取り組んでおられる地域でもございますし,そんな意味で,私も再度,今回の委員会の中でも改めて質問させていただきたいと思っております。
とりわけ,本市については,従来から,
街づくり促進助成事業という中で,それぞれの地域の住民参加によって街づくりが進められている,そういった団体に対して支援事業を実は行ってきたわけでありますけれども,その中の一つでもあったわけであります。今までの
街づくり促進助成事業にかかわってきた団体が,全市でどのぐらいあったのか,そのことがまず1点でございます。
加えて,今年度から改めて
まちづくり住民活動支援事業というものが創設をされたわけであります。この事業については,当然,今,話しましたように,
街づくり促進助成事業と同じように,住民参加によって街づくりを進めていくというその本質はあるのだろうと思いますけれども,新たに創設をされた支援事業,これには今年度,今言われました苗穂地区あるいは篠路,裏参道という三つの地域を補助事業の対象地域に指定をしたわけでありますが,一体,従来の
街づくり促進助成事業と今回新たに創設をした事業の内容,どういうぐあいに違ってきたのか。まず,新たに創設された事業の内容,どういったものなのか,お示しをいただきたいと思います。
また,従来の助成事業でかかわってきた団体から,三つの地区が新たに創設されたこの事業に選定をされたという,この選定の基準,この違いはどこにあったのか,その辺について,まずご答弁をいただきたいと思うわけであります。
◎小野 地域計画部長 私の方から,ただいまの3点の質問についてお答え申し上げます。関連がございますので,一括してご説明をさせていただきます。
最初に,ご質問がございました
街づくり促進助成事業,これにつきましては,昭和55年に札幌市独自の
街づくり助成制度として創設したものでございまして,主に街区単位の再開発事業などの事業化を目指した街づくり活動に対する住民活動に対して,50万円を限度として助成を行うという形で,現在のところ,55年から平成9年度まで,29地区について助成を行ってございます。
それから,今年度創設をいたしました
まちづくり住民活動支援事業の内容についてでございますけれども,この事業につきましては,市街地環境の整備・改善によりまして,良好な街並みの形成と創意工夫を生かした地域主導の個性豊かな街づくりを推進するため,地域住民が主体となって行う街づくり活動に対しまして,必要な経費を補助するものでございます。
補助対象地区につきましては,面積がおおむね10ヘクタール以上,それから,今までに本市または住民などによりまして街づくり計画などが作成されているということを一つの基準としてございます。今年度は,今,委員のお話にありましたように,苗穂地区,篠路地区,裏参道の3地区について補助対象として選定をしてございます。
具体的な街づくり活動に対する補助の事業内容といたしましては,街づくりの勉強会やフォーラムの開催,広報誌やパンフレットなどの発行及び街づくりに関する事例調査などでございまして,基本的には,これらに要する費用を対象に,300 万円を限度として補助を行うものでございます。
この事業は,国の補助事業でございます
まちなみデザイン推進事業を活用いたしまして実施しているものであり,事業費のうち,国が6分の2,北海道が6分の1,市が残りの6分の3を補助するものでございます。
先ほどお話しございました
街づくり促進助成事業と,ただいま申し上げました
まちづくり住民活動支援事業との違いにつきましては,ただいま申し上げましたように,札幌市独自の促進助成事業は,街区単位の再開発事業の事業化を目的としているという住民活動に対する補助に対しまして,
まちづくり住民活動支援事業は,地域レベルの幅広い街づくり活動を補助対象としており,住民主体の街づくり活動の推進に主眼を置いているところが新しい制度の内容でございます。
以上でございます。
◆西村 委員 わかりました。
それで,私は,かねがねこの問題について質問してきた基本的な考え方というのは,行政が主体的にプランとしてつくり上げながら形成をしていくという街づくり,これも一つの手法としてあるのでしょうけれども,どうやって住民参加,住民を巻き込んだ街づくりを進めていくかという基本的な考え方。私は,これからの街づくりというのは,少なくとも住民参加のもとに形成されていくべきだろうというぐあいに考えておりますし,そんな意味では,札幌市も今日まで住民参加を求めながら事業を行ってきたという,そういった経過もございます。改めて今年度創設をされた国の事業として一部入っておりますけれども,そういった意味では,これは新たな展開になってきたのだなというぐあいに考えております。
特に,説明するまでもなく,この地域はもう既に平成3年度ぐらいから,街づくりに向けた準備会という形で取り組まれておりますし,平成5年には,街づくり事業としての再開発に向けた住民組織ができ上がって,北側地区でありますけれども,実際に,専門大学や高校生だとか,さまざまな角度で議論し,いろんな発想をしながら事業を展開してきた地域でもあります。
また,加えて,平成元年には,今度は苗穂駅を挟んだ南側の方に新たな住民組織もできまして,町内の
アンケート調査を行いながら,どうやって街づくりを進めていったらいいだろうかという,そういった協議会も発足をして具体的に取り組んできている地域でもあります。
そんな意味では,今,部長から答弁があったように,少なくとも今日まで住民が基本的に,主体的に取り組んできたという経過の中で行われてきた苗穂地区でありますから,今の新たに創設をされました
まちづくり住民活動支援事業,まさにこれは的を射た選考であったのだろうというぐあいに考えているわけであります。札幌市も,そういった観点でぜひこれの後押しをしたいという,そんな気持ちもあって恐らく推したのだろうと思いますけれども,市としてどのような判断で苗穂地区を選んだのか,その辺も改めてお聞きをしたいと思っております。
さらに,もう一つ言わせてもらえば,今現在,取り組んでいる中身でこの協議会は大変活発にやっておられまして,今では五つのプロジェクトチームをつくって,どういった街並みにしていったらいいだろうかという具体的な議論にもなってきております。どんなプロジェクトチームをつくっているかというと,その中には,交通問題を中心とした街づくりチーム,二つ目には,防災,福祉,住環境を中心とした街づくりチーム,三つ目には,商業,情報を想定した街づくりチーム,そして四つには,環境,エネルギー問題を中心とした街づくりチーム,そして五つ目には,歴史,文化,市民,そういったところを巻き込んだ街づくりチーム,この五つのプロジェクトチームをつくり上げながら,総じてあの一帯をどのように進めていこうかという議論がスタートしているわけであります。
とりわけ,今年度,南北にあった住民組織の協議会が連絡協議会として新たに統一をして,これから同一歩調でお互いに情報交換を行いながら,同時にこの運動を盛り上げていこうと,そういった気構えで連絡協議会もでき上がってきているわけであります。
そして,こうしたプロジェクトチームが,2年後には何とか総論的,総体的な構想をまとめ上げて,それを市なりあるいは関係機関にそのことをアピールしていきたい,街づくりに積極的に取り上げてもらいたいという,そういった行動を起こしていこうという考えもあるようでございます。
今,札幌市も,平成6年から土地利用転換計画,JR苗穂工場の移転を想定しながら,あの一帯を再開発していきたい,そんなことで6年度,7年度,8年度,3年間にわたって,苗穂駅周辺地区の街づくりということで構想を練ってきているわけであります。したがって,そんな意味では,この住民組織の協議会におけるいろんな活動の流れと呼応しながら,私は,一体的に,積極的に取り組んでいく必要があるのではないか,そんなことも考えるわけでありますけれども,どういう見通しなり考え方を持っているのか,そのことについてもお聞きをしたいと思います。
◎小野 地域計画部長 1点目の,
まちづくり住民活動支援事業が,今回,苗穂地区に適用されたことに対する市の考え方についてのご質問でございますけれども,本市といたしましては,ただいま委員からお話しありましたように,国の補助制度でありますこの事業が苗穂地区に新たに適用されたということにつきましては,今までの地域住民の街づくり活動が評価され,当地区の街づくりの実現に向けまして第一歩をしるしたものではないかというふうに考えております。したがいまして,地元の熱意ある街づくり活動が実を結ぶよう,引き続き支援をしてまいりたいと考えております。
また,当地区の街づくりの推進に当たりましては,ただいま委員からお話しありましたように,JR苗穂工場の移転の問題などとの整合を図りながら,慎重に進めていく必要があるというふうに考えております。
次に,2点目の,現在,地元で五つのプロジェクトチームをつくって街づくりについていろいろ検討されている内容に対する提言について,本市はどのように考えているのかというご質問でございますが,長年にわたる地元の熱心なボランティア活動の成果としてまとめられる構想案につきましては,地域住民の方々の貴重な提案であるということを十分認識してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆西村 委員 十分に認識をして考えてまいりたいという話でありますけれども,私は,そろそろ札幌市も,具体的にこの問題を各関係者とも話し合いをしていくべきではないかなというぐあいに考えているわけであります。とりわけ,先ほども言いましたように,本市が,苗穂駅を挟んで南北に分断をされているという状況というものをやはり一刻も早く解消していかなければいけない,そういうぐあいに私は考えております。
とりわけ,白石の12号線から東橋を渡ってきたときに,北側の方に抜ける道が実はないわけであります。そんな意味では,あそこのアクセスをどうするかということも含めながら──あるいは,ご存じのように,創成川を挟んで東側の方に位置する地域というのは開発が大変おくれております。それには,とりもなおさず,苗穂駅周辺の新たな展開を早急に考えていかなければいけないだろうと思っておりま
す。
それには,JRの苗穂工場の問題もあるわけでありますけれども,これは,市の考えたとおりに即移転というふうにはいかないと思うが,しかし,そろそろ札幌市も──せっかく苗穂駅の周辺地区街づくりという立派なパンフレットをつくり,土地利用構想を打ち出したわけであります。この中にも書かれているように,札幌市が望ましい街づくりの基本的な方向について議論を深めようと平成6年度に策定した苗穂駅周辺土地利用構想に基づき,平成7年,8年の2年にわたって苗穂駅周辺地区整備基本構想の検討を行ってきましたということが,このパンフレットなのですね。
この構想には,四つのゾーンに分けて,さきの委員会でも話したように,それぞれ街づくりのカラーというものを出しながら開発をしていきたいという構想を出したのですね。したがって,この検討結果をもとにしながら,苗穂駅周辺の新しい街づくりについて,市民の皆さんとともに考えていきたいという,こういった考え方もしっかりとパンフレットに書いている。そうすれば,私は,整合性がとれるのは,少なくともさっき言った五つのプロジェクトチームが2年間かけて議論しながら,今後,まさに住民の声として,市民の声として,あの地域を再活性化するための提言をしようとするのは,そういった意味で貴重な提言だと思います。
先ほど言ったように,事業の内容からして,単なる行政の側でプランをつくって,そのプランに基づいて街づくりを進めるのではなくして,貴重な提言という言葉の中には,私は,そこには積極的に取り入れていくという,そういった基本的な考え方があってしかりだというぐあいに考えておりますし,それには,やはり早急にしていかなければいけないのはJRとの話し合いで,札幌市が責任を持って進めていかなければいけない課題だろうと思っております。
最近では,開発庁の方で,苫東問題を含めながら,あるいはJRの苗穂工場の移転先を別なところにするとかしないとかという話がございましたけれども,真偽のほどはわかりませんが,しかし,札幌市としても,今後,苗穂工場の移転問題なんかもJRとしっかりと話し合いを進めながら,今言った提言をされる住民の側のさまざまな課題について前向きに受けとめながら,住民本位の街づくりを進めていくべきではないかというぐあいに考えるわけであります。
今までずっと部長あるいは局長ともいろんな場で意見を交えてきましたので,助役もおりますから,助役の方から,ひとつ今後の見解,どういった方向でこれから進めようとしているのか。私は,早急に札幌市も,早急にと言っても1年,2年で解決できる問題ではないですけれども,2年後に住民の皆さん方が何とか住民思いの街づくりの構想を提起したいという,そういった時期を見計らって,札幌市も同時並行的に作業を進めていかなければいけないだろうと思っておりますので,その辺の決意を含めながら,今後の見通しあるいは具体的な検討内容,そういったものについてどうお考えなのか,お示しをいただければと思っております。
◎魚住 助役 今まで,部長からもいろいろお話がありましたけれども,苗穂駅周辺の土地につきましては,貴重な将来性のある地域と,私どもも受けとめております。したがいまして,地域住民の街づくりに対します活動につきましては,高く評価をしているところでございます。
今,お話にもございましたが,この地域は,JR苗穂工場の移転などのいろいろな問題があるわけでございますけれども,これらにつきましても,市も十分に問題の解決に当たって積極的に進めてまいりたいと思っておりますし,また,住民からのご提言を重く受けとめて,市民と企業,また市とのパートナーシップによりまして,新しい街づくりに積極的に取り組んでまいりたい,このように考えております。
○村山 委員長 以上で,第5項 都市開発費のうち関係分の質疑を終了いたします。
次に,第7項 建築費の質疑を行います。
◆伊与部 委員 建築費の項の中で,私は,札幌ドームの問題について若干質問いたします。
ドームの運営主体である第三セクター,株式会社札幌ドームという会社が設立されました。2001年,2002年に向けて,それこそ猛スピードで建設に取りかかったと思います。しかし,そのできた後の経営状態を考えますと,前途多難だなという感じがそこここでささやかれているし,我々も,できた後,このドームの運営については注目をして,みんなの全知全能,英知を出し合って運営をしていかなければならないなと,こういうふうに思っているところです。
同時に,札幌ドームの場合は,プロ野球のフランチャイズといいますか,それはほとんどないわけですね。例えば,東京,福岡,名古屋,大阪,おのおの野球では,年間60試合以上がフランチャイズとしてやられている。ですから,おのずと経営主体がそこから生まれてくるという,そういう状態の中で,札幌はそういうものがない。
私も,建設委員会で,ことしの実施設計時点並びに建築の契約時点で建築部に質問した中で,札幌ドームというのは日本で初めての1層式といいますか,すり鉢型の,屋根がどこからどこまでだかわからないような1層式のドームであると。そういう中で,私,一番注目したのは,広告看板の問題。それじゃ,広告看板が本当に付設できるかと言ったら,当時,建設局は,いや,今の段階では付設する場所はありませんと,こういう答弁だった。私は,それでびっくりして,それじゃ,とてもじゃないけれども,広告費が入ってこないじゃないかと。ただ,フェンスは内野に2メーター,外野5メーターですか,フェンスには字を書けるけれども,広告料として余り多く取れないと。何としても,観覧席の上に広告を付設するようなスペースをつくれないものかどうか。
例えば,大阪ドームはアコムの看板1枚で年間4,000 万円の広告料をもらっていると,私たちは視察に行って,そういう話を聞きました。大阪ドームのアコムの1枚4,000 万円の広告料の看板と札幌と同じ比較をせと言ったって,人の入り,テレビの映りその他も含めて大変なことだと思うけれども,いずれにしても,広告スペースのないドームなんていうのは日本にはない。逆に,札幌はそれが特徴と言えば特徴かもしれない。しかし,特徴であっても,金の入ってこない特徴を持ったってどうしようもないから,私は,何とかして広告スペースを札幌ドームにもつくるべきだと,そういうふうに再三にわたって議論をしてきましたけれども,もう既に羊ヶ丘のドームの周辺は,今,どんどん作業して,聞いたら,11月にはもう鉄骨を組むのだと。ということになれば,鉄骨組んだ後に,また鉄骨外してスペースつくるなんていう,素人考えでもそんなわけにはいかないのでないかと。そうしたら,今から広告スペースをきちっとつくって,収入源にきちっと入れる計画を立てなかったらならないのじゃないかと,そういうふうに思いますが,建築部でどうですか。
原さんという,すばらしい,日本一の設計屋さんの設計を生半可で変更できないなんていう,そういうかた苦しいスタンスでなくて,もっと札幌市民の立場に立って,運営,維持管理の費用をどういうふうに生み出すかということも含めて考えていかなければ,ただ箱物を建てればいいという,そういうものじゃないのじゃないかと,こういうふうに思います。広告一つとっても重要な資金源になりますから,その辺についてひとつ明らかにしていただきたいと思います。
◎本間 建築部長 ご質問のドームの中におきます広告スペースの問題でございますけれども,ただいま伊与部委員のご指摘のとおり,ドームの健全な運営のためには,少しでも収入を上げるということから見ますと,広告収入をより多く上げるということは重要な方策の一つであるというふうに,私どもも認識をいたしております。
それで,仮称札幌ドームの観客席につきましては,今,ご質問にもございましたとおり,東京や福岡ドームのように,2層式のスタンドではございませんで,すり鉢状の1層式のスタンドでございます。私ども,シングル・スロープスタンドと言っていますが,1層式ということでございます。
これは,どこからでも会場全体を見渡すことができるということと,そして,観客の安全性にも十分配慮された構造になっているということでございます。
また,これまでの他都市におきます閉鎖的なドームに対しまして,私どもの仮称札幌ドームにつきましては,南面に大きなガラス窓をとった構造となっております。
このように,仮称札幌ドームが持つ構造的な特徴等から,広告スペースの設置場所につきましては,どちらかというと,内・外野フェンスに限定されるということもありますけれども,今,ご質問のとおり,委員が以前からおっしゃっているとおり,より多くの広告スペースを確保するため,私ども,構造,設備,そして広告の見やすさ,こういうところからいろいろ検討してまいっております。
その結果,観客席の後部,天井の鉄骨からつり下げる方法によりまして,広告スペースの設置が可能であるということになりました。そういうことから,現在のところ考えられる広告自体の設置箇所につきましては,約27カ所程度というふうに考えております。
以上でございます。
◆伊与部 委員 今,本間部長から答弁もございましたけれども,27カ所程度考えられると,こういうことでございました。しかも,鉄骨からつり下げると。はっきり言って,落ちてきたら大変ですよね。つり下げるのは,私,いろんなところで聞いたら,これまた初めてなのですね。日本全国で,つり下げの広告なんていうのはどこにもない。なぜかと,僕は東京ドーム関係者に聞いたら,それは危険でもあるけれども,つり下げるのは安いらしいのですね。だから,つり下げをするということも含めて,27カ所でどのぐらい費用がかかるものなのですか。
同時に,どういう計算で27カ所になったのか。看板の大きさ,これは注文する人によって異なる場合もあるから,規格が決まっているのか決まっていないのか。大きい看板だったら,27カ所でなくて20カ所になる場合もある,素人考えで。27カ所というのは,規格がきちっと決まっているのですか。規格が決まっていなかったら,全部使う場合もあるかもしれないし。
同時に,このことだけはひとつ確認しておきたいのですが,2002年のワールドカップ,ワールドカップはフィクサーによって広告が限定されているというふうに私たちは教えられています。だから,屋根の広告のあるワールドカップというのは,世界でやったことがないと。みんな青天井で,言うならば,自然芝を中心にしてワールドカップをやっていました。だから,天井のある施設でワールドカップをやったことがないと。そこに,看板が27カ所付設されると。それこそアコムだとか武富士だとかプロミスだとか,消費者金融を初めいろんな看板が出るでしょう。消費者金融でなかったら,今,看板出さないのです。金融機関は,拓殖銀行を含めて全然だめですから。札幌市が広告するのならどうにもならぬですけれどもね。そういう状態になっているから,いずれにしても,ワールドカップのときに,この看板は取り外すのか,そのまま付設していてもいいのか,このことだけひとつ聞いておきたい。
◎本間 建築部長 まず,第1点目の広告の設置等にかかる費用はどのぐらいかということでございますが,実は,現在,つり下げ方法でやっていこうというふうに方向的には考えていますが,つり下げたままでいいのか,場合によっては引き上げて丸めることもできるのかと,今後,運営上からも,また,今お話にありましたFIFAの絡みからも,どういうつり下げ方法がいいのかと,今後,これから細かいところを詰めていくという部分がございまして,そういうことから,今の段階で,どの程度の費用がかかるかということにつきましては,ちょっとお答えできかねますので,ご了解いただきたいと思います。
いずれにいたしましても,私ども,今後とも,費用が安く,そして最大の効果が得られるように,そういう方法について検討してまいりたいというふうに考えてございます。
2点目の27カ所はどうして決めたかということでございますけれども,ご承知のとおり,屋内アリーナですから,照明もございます。それから,室内の換気設備,いわゆる換気等の影響,それから消防法等に基づきます消火設備,特にドームの場合,4カ所に放水銃を設置してございます。放水銃からの放水範囲,それとプロ野球も当然予定されておりますし,野球をやるときの打球の軌跡といいますか,そういうことも含め検討した結果,設置が可能と考えられるのが27カ所程度というふうに現段階では考えてございます。
それと,3点目の広告の大きさでございますけれども,当然,こういうドームとなりますと,反対方向から見ますと,距離的には大体150 メーターぐらい離れるわけですね。広告の効果ということから見ますと,一般の観客の方が,広告で,どこの広告かということがわからないと意味がないわけでございまして,そういうことから申し上げますと,私どもは,1カ所の広告について7.5 メートル角程度の大きさが必要なのかなと,そういうものを27カ所程度下げることが可能かなというふうに考えております。大きさにつきましては,特に規制はございません。あくまでもいろんな会場の事情,今言った観客の視認性,見やすさ,こういうものから考えております。
それと,4点目のワールドカップサッカーのとき,いろんな規制が入りますわね。そういうことでの委員の質問でございますけれども,基本的にワールドカップサッカー,FIFAの場合,開催期間中,いわゆるスポンサー以外の広告については規制が入ってまいります。そういうことで,スポンサー以外のものについては取り外すか,隠すか,見えなくするかという方法が求められるわけでございまして,当然,私ども,それに対応したものも今後の検討の中で十分考えてまいりたいというふうに思っております。
以上でございます。
◆義卜 委員 それでは,私は,市営住宅におきます高齢者,障害者の除雪問題についてお聞きをしたいと思います。
高齢化社会,今さら申し上げるまでもなく,さまざまなところにいろんな影響が出ております。ましてや,毎日暮らして,冬期間大変な思いをするという方が,これまた年々ふえてきておりますし,本市におきましても,平成5年でしたでしょうか,西区山の手を対象にして,一部,限定つきで間口処理をやったという経緯がございました。これも,いろんな問題がございまして,いまだその成果といいましょうか,出ていないわけでございますけれども,何らかの形で,将来的にはこういう高齢者,障害者の方々に対する間口除雪が必要ではないのかと思っております。
昨日の建設局の審査におきましても,こうした問題が出てございまして,間口処理は解決しなければならない問題であるということで,新たな除雪方式を検討していきたいというような,これは建設局サイドのご答弁でございました。
そこで,一般戸建ての方々もそうでございますけれども,特に市営住宅の方々の雪の問題というのは,長年にわたって,いろんな入居者の方々から声が出ておりますし,ますます深刻になっていると私は思っております。
最近,市営住宅の雪問題がクローズアップされてまいりましたので,いろんな委員会とか雪対策の特別委員会等でも,何とか現状のままで雪対策ができないものか,サンルーフのようなものをつくるだとか,いろんなご意見がありました。それぞれについて検討はされたようでございますけれども,非常に莫大なお金がかかるということで,これまた,どうしたらいいものかというようなことと伺っております。
そういうこともございましたので,最近建てられております新しい市営住宅については,できるだけ玄関から公道などへの距離を短くするというような方法が取り入れられているということで,それはそれとして評価したいと思いますけれども,40年代に建てられました古い市営住宅につきましては,玄関ごとのつくりでございまして,公道まで出る距離というのが傾斜があったり段差があったりして,非常に長いということ。したがいまして,先ほど申し上げましたように,高齢者や障害者の方が大変苦労されているのが現状だと思います。
高齢化問題は,全国どこも同じでございますけれども,12.8%というのが本市の高齢化率でございまして,市営住宅の方々の高齢化率は21.2%ということで,非常に高い比率になっております。
先ほども申し上げましたように,その中でも40年代以降の古い市営住宅,特に厚別区にあります下野幌団地,これは入居者の半分以上が高齢者だとか身体に障害を持っている方で占められていると。これは全体的な傾向でございますけれども,階段によりましては,ほとんどの方が高齢であったり,障害を持っている方であったりして,間口の除雪をしたいのだけれども,だれ一人としてできないという,こういうケースも間々聞きます。したがいまして,当番制というものは一応あるのでございますけれども,できない方については,隣の玄関の方に,お金を出して,何とかお願いできないものかということで,相互で支え合ってやっているというようなお話も伺っております。これから,私は,こうした高齢者あるいは身体に障害を持っている方々に対する除雪の負担というのですか,こういうものを軽減する何らかの支援策,この時期に来ますと,検討段階ではなくて,具体的にこういうことをしていきたいということで,支援の手を差し伸べる時期に来ているのではないかと,このように考えますけれども,この点についての見解をお聞きしたいと思います。
◎三浦 住宅管理担当部長 市営住宅の敷地内の除雪につきましては,従来から,入居者の組織であります自治会が中心となって行うものと,そのように基本的には考えております。
しかしながら,身体的制約の多い高齢者や障害者の方にとりまして,除雪の作業は負担が大きいものと思われます。団地内でそのような方々の比率が高くなったことにより,除雪の当番制など,実施方法をめぐりまして種々問題があることについては,十分認識をしているところであります。したがいまして,これらの方々に冬も安心して暮らせるよう何らかの支援ができないか,検討を進めているところでございます。
以上でございます。
◆義卜 委員 今,何らかの支援を検討したいということでございますが,私も,この議会に出させていただきましてから,歴代の住宅部長さんと,この問題についてずっとやりとりさせていただきました。その中で,暗いトンネルの中で何か光がないものかというような,暗中模索というのでしょうか,そういう状態がずっと続いてきたような気がしますけれども,今,具体的に何らかの支援の検討を進めているということでございますので,気持ちとしては,何かトンネルの先に光が見えてきたかなというような気がいたしております。
そこで,これは先ほど申し上げましたように,戸建てとの整合性というのもあろうかと思いますけれども,住宅部は市営住宅の,いわゆる大家さんでございますので,その責任の中で,できるだけこれを早期に実施できるように要望して,質問を終わります。
◆荒川 委員 私は,借り上げ市営住宅の問題1点で質問させていただきます。
今年度から毎年度200 戸の建設,2000年度までの3年間で600 戸の建設を5年計画にも盛り込んだ借り上げ市営住宅の問題でございます。
応募を締め切った7月31日では,申し込み事業者が16名,611 戸となっておりましたけれども,この問題,私どもが第2回定例会の代表質問で,単身高齢者住宅の不足などの現状のもとで,とりわけ高齢者が多く居住している一方で,市営住宅が圧倒的に少ない中央区などで,この制度を大いに活用すべきこととあわせて,200 戸にこだわらないで,計画自体も引き上げるべきだと要望したのに対し,計画の引き上げも含めた対応についても考慮したい旨の答弁があったにもかかわらず,その現状はどうなっているか。いただいた資料では,7月末の16名,611 戸が8月25日の申込者に対する説明会の時点では13名の参加になり,さらに,9月29日,北海道住宅供給公社がパートナーシステムとして決定したのは2事業者59戸,すなわち中央区苗穂地区での1棟39戸,西区発寒地区での1棟20戸になってしまっているわけであります。
市民に,来年度入居してもらえる借り上げ市営住宅は,結局,2棟59戸どまりということになるのか,あるいはまた,これから再募集をかけて,200 戸の計画をあくまで追求されようとしているのか,明らかにしていただきたいと思います。
また,結果として,計画を下回ることとなっている現状を踏まえて,その原因が那辺にあったか,この事態をどう分析しているのか,どの部分をクリアできずに申込者が減少していったのか,条件などが厳し過ぎたということなのか,改善方向についても明らかにしていただきたい。
まず,以上お尋ねしておきます。
◎小原 住宅部長 まず,第1点目で,委員からご指摘のありましたように,当初,受け付けのときに,16件611 戸の応募がございまして,この間,ずっと種々いろんな要因等がありまして,最終的には,9月29日,供給公社さんの方から,一緒にパートナーを組んでやってもよろしいという件数が2件59戸ということになったわけでございます。したがいまして,当初,200 戸公募したわけでございますから,実質約141 戸減じたと,こういう状況になってございます。
これにつきましては,いろいろ要因があろうかと思います。まず,我々がこの制度を採用したのはことし初めてということで,手探りといいますか,最初のことですので,ある程度国の基準に合ったような格好での事業展開をまずしていこうということが基本にございました。それから,やりたいという人方がいるのですけれども,いろいろ条件を話しましたところ,大変な事業だなということで,認識が不足だったという部分があるのではないかと,こう考えてございます。
例えば,敷地に既存の施設があって,その家を壊してから建てたいとか,これにつきましては,事業化にすぐならないわけであります。あるいは,借り上げの料金の問題についても,なかなか周知できなかったという面があるのではないかと,こう思ってございます。それから,もう一つは,パートナーシップとはどういうものかというようなことも十分に理解されていない中で,そういうことに入っていった事業者といいますか,応募者があったのではないかと。いろいろな要因があるのではないかと,我々,現在のところ,表面的ではありますけれども,そういうことを感じてございます。
したがいまして,第1点目の再募集の件でございますけれども,現在のところ,やはりそこら辺を分析しないと,公募してもまたゼロとか,あるいは戸数に達しないというケースが考えられるわけですから,これらにつきましては,さらに,今日に至った要因等につきまして分析を踏まえ,あるいは,各都市がやっている部分がございますので,そこら辺を少し勉強して,今後の対応をしてまいりたいと,こう考えてございます。
以上です。
◆荒川 委員 必ずしも質問に全部答えていただいていないのですが,いずれにしても,途中でやめていく方々が多数おられたと。その理由は,既存施設を撤去することの問題点がある,あるいは収支面にも問題点がある,あるいは住宅供給公社とのパートナーシップというこの制度についての理解も不足していたというようなことも言われましたが,結果として,これから要因を分析して,他都市のやっているやり方も勉強してということで,再募集という形で200 戸の追求にはならないと。つまり,スタート初年度は2棟59戸,計画からの割り込み141 戸という形になるということですよね。
私,初めてのことだということはわかります。手探りというのは,ちょっといただけないと思いますがね。待たれていた制度,公住法の改定を受けて,この制度ができましたが,特定賃貸住宅の家賃補助制度だとか,住宅供給公社とタイアップした同種の事業の経験を既に持っている中で,本市も満を持して取り組んだと思うのですよね。ところが,やってみたら大変な結果になってしまっていると,惨たんたる状況になっているということなのですよ。
私,要因をしっかり分析して,改善の方向をきちんと打ち出してというふうに急いでやってもらいたいと思いますが,札幌市の住宅政策,そういうことから見て,とりわけ,大きく不足している高齢単身者住宅などについての市の姿勢が問われているのじゃないだろうかなと思うのですよ。札幌市の住宅政策がどういうものなのかということで,とりわけ,高齢者対応としてどういう方針が打ち出されているかということで,資料を持ってきてみました。
91年3月に,札幌市の地域高齢者住宅計画というのが出されましたよね。私,これには大変注目しました。とりわけ,これには,ケーススタディーとして,地域を分析して,そこでどういう住宅政策を展開するかというようなことまで書かれているのですよね。例えば,ケーススタディーの一つに挙がっているのは,中央区の曙地区です。この地区の高齢者の住まいの現状,住宅立地の状況,公共施設の現状を全部分析した上で,高齢者向けの地域密着型公営住宅,コミュニティ公営住宅の供給を行うという方針を打ち出しているわけです。
「当地区の場合においては,あけぼの保育園,曙会館,曙福祉会館などの施設が集積している部分で,これら施設の建替にあわせた住宅建設の可能性があり,民間借家建替などにより定住が困難になった高齢者の受皿として有効である。」,また「高齢者と曙小学校の児童との交流を推進していくことも,高齢者の生きがい対策として考えていく必要がある。」,ここで,「ケア付住宅の供給」というプランが打ち出されているわけです。「ケア・サービスをうけられる公的住宅を福祉施設(デイサービスミニ拠点)と一体的に建設する。施設内容としては,高齢者に対する援助サービスを行う生活相談員(ライフサポートアドバイザー)を置き,住宅と福祉施設の合築であることから,密接なケアが可能であり,入居者の安心感も高まることが考えられる。」,ここまで具体的に地域を特定した高齢者の住宅政策というものを展開したわけです。
今から7年前に,札幌市が札幌市高齢化対策指針というのを発表しましたが,その中の高齢者の住宅部分についてはどう書いているか。地域高齢者住宅計画の推進という中に,地域高齢者住宅計画──今,私が述べたものですね,に基づいた関連事業を推進しますと言って,高齢者向け市営住宅等の整備の中に,ケア付住宅の拡充と老人福祉施設等との複合化というようなものについても具体的に述べられている。
そして,今から6年前,1994年に札幌市が住宅基本計画というものを策定いたしましたが,その中で,高齢者の住宅についてどう触れているか。「ひとり暮らし世帯に限ってみると約半数が民間借家に居住している。特に中央区には老朽化した民間借家が集中しているため,多くの一人暮らし老人が低水準な居住状況にある。」,こう言って,「住宅に関わる具体的問題点と課題」という中に「安住できる住宅の確保」,こういう項目を起こして,「高齢者は一般的に経済能力が減退することから,借家居住者のなかには家賃の負担が重く将来的に不安を抱えている人がいる。また,持家においても老朽化対策や性能の維持向上のための改善等が困難な場合が多く,安住できる住宅の確保が求められている。」とした上で,「安定した地域生活の維持」として,「高齢者は長年住み慣れた土地に愛着を持ち,そこに住み続けたい気持ちを持っている。しかし,生活価値観の変化や急激な都市化による市街地開発等のため地域のコミュニティがうすれつつあり,世代間の交流もないまま高齢者の孤独化傾向が進みつつある。したがって,地域社会での生活を支えるための住宅づくりと地域づくりが必要である。」,こう言って,住宅供給における札幌市の役割,直接的な住宅供給である市営住宅は,民間住宅では不足している低所得者や高齢者,障害者を対象とした福祉目的の住宅供給の役割を担うということを強調しているわけです。
私が,段々申し上げてきたこういう札幌市の高齢者対応の住宅政策というものからいっても,高齢者が10区の中で一番多い,とりわけ単身居住者が多い中央区,しかも,市営住宅は圧倒的に10区の中で少ない。こういうところでこそ,新たな借り上げ市営住宅での単身高齢者対応というのが,私はやっぱり緊急だと思っておりましたし,2定でのああいうやりとりもありましただけに,現状については非常に問題を感じている。現状を悔いていてもしようがありませんから,どうするかという問題で,何点か重ねて質問をいたします。
私は,これだけ落ち込んでいった経過の中に,借り上げ市営住宅の制度が住宅供給公社に余りにも大きく依存しているというところに,問題がありはしないかと思っているのですよ。借り上げ市営住宅は,住宅供給公社が自分の土地で対応するものと,民有地で,民間の人の土地を借りて建てて,そして民間人に譲渡するという2通りがありますよね。そして,後の民間方式というのが,今の応募の対応なのですよね。
私,事前にいろいろ聞きましたけれども,なぜ落ちていったか。これは,住宅供給公社との対応の中
で落ちていっているのですよ。そして,その部分について,市はどれだけ掌握しているかというと,収支にかかわることであって,建てるのも住宅供給公社,金を引き出してくるのも住宅金融公庫から住宅供給公社が引き出してくる。計画もそこがつくる,収支計画もつくる。そこで,結局は全部住宅供給公社にチェックを依存しているという気がします。経済面については,札幌市はなかなかかかわっていけないとまで,私は事前に説明を受けましたから。
実際,どういう収支の状況にあるかということで見ましたら,中央区と南区のケーススタディーで8階建て30戸の4億2,600 万,こういう建設費の借り上げ住宅の場合で,自己資金がどれほどなけばならぬか。住宅金融公庫から借りる金と公的な補助金と自己資金,三つによってこの建設資金は賄われるわけですが,住宅の建設資金,自己資金が5%の場合,仮に南区の場合は赤字だと出ているわけです。中央区の場合は辛うじて黒字だ。しかし,採算ベースに合わせるには,自己資金が大体10%なければ合わないなと,15%ぐらいがまあまあやっていけるというところかなと見られるわけですよ。そうすると,4億2,600 万の10%といったって4,000 万ですよね。土地は自分で持っているのだから,普通はそれをもとに金借りてと考えるところなのだけれども,15%ぐらいの自己資金がなかったら,なかなか採算は合わないというふうに住宅供給公社から言われるわけでしょう。いやいや,そんなのだったら,とってもやっていけないなと,おりていくわけよ。土地を担保にしても保証人2人も要るとか。
私は,今日の経済状況に照らして,経営収支が余りにもきつくなっているのではないかのかと思うのですが,今の自己資金比率の問題なども含めて,この点の条件緩和といいますか,改善ということが必要ではないのかなというふうに感じたわけですが,その点はどうなのか。住宅供給公社任せでなくて,札幌市としても条件緩和を具体的に項目別に検討すべきだと,そこまできちっと入り込んで問題を解明しなかったら,200 戸計画というのは成り立たないだろうと思いますし,それを上回って需要にこたえるなどということには,到底ならないのではないかと思いますので,お尋ねをしますし,98年度の200 戸計画はどうするのか,来年度の99年度でその分の141 戸を上積みして,341 戸必ずやるのだと,こういうような構えで臨もうとしているのか,このことについても明らかにしていただきたい。
それから,私は,さっき札幌市地域高齢者住宅計画で,ケーススタディーとして挙がっている中央区曙地区の展開などについても話しましたが,借り上げ住宅は,区別に,地域別にしっかり需要を押さえる必要がある。そして,それに見合う長期・短期の供給計画をしっかり持って対応すべきだと思うのですよね。そして,需要の多い地域に市が主体的に借り上げ住宅を建設していくという立場で具体的に働きかけて,応募者を確保し,ニーズにこたえる住宅建設を着実に進めるべきではないかというふうに思いますが,その点もいかがか,お尋ねします。
◎小原 住宅部長 1点目でございますけれども,落ち込んだ要因がいろいろあったのだろうと。特に,公社とのパートナーシステムを活用したために,資金的なことで,先ほど例示がありましたが,自己資金等が低いために,なかなか利益が上がらないということによって落ちたのではないかと。したがって,札幌市は条件の緩和をどう考えているのだと,こういうお話でございますが,これにつきましては,委員がご指摘する部分もございますし,我々,建設事業者さんといいますか,オーナーさんといいますか,事業希望者といいますか,その方がどのぐらい資金を持っているかというのは,なかなか把握できません。また,先ほど,5%ではなかなか益が上がってこないなと,あるいは10%超えれば,ある程度収益が見えるのかなというスタディーをしたわけでございますけれども,実際問題としまして,建て主さんといいますか,オーナーさんがどういう自己資金を持っているかというのは,なかなか把握しがたいという部分がございます。
それから,収益は家賃なわけですから,家賃を決める場合に,いろいろな国の法律に基づいた家賃の算定があるわけですけれども,私どもは,今回,国に準じた算定方式で公募をしたわけでございます。したがいまして,それを見て,なかなか事業にならないと言われて落ちた方が数件ございますので,これにつきましても,それらの要因を今後研究してまいりたいなと。できれば,札幌市がどういう方策をとれるかも含めて検討してみたいなと,こう考えてございます。
それから,2点目でございますけれども,計画戸数200 戸のうち140 戸ほど落ちたのですから,その分を来年度予算で乗せたらどうかと,こういうお話でございます。
これにつきましては,先ほど私も申しましたように,なかなか原因がわからない中で,さらに戸数を乗せるということはいかがかなと,こう考えてございます。
それから,5年計画で600 戸という一つのメルクマールがございますから,5年の中でもう少し戸数等につきましては検討してみたいなと,こう考えてございます。
それから,特に,先ほど申しました中央区の曙地区ですか,これに対する住宅事情は大変だろうというお話でございます。我々もこれから現地へ入って,ホープ計画等の事業を展開するわけですけれども,感触なり実態の調査の中では,かなり高齢者が住んでいるということを把握してございます。しかし,当該事業は,民間の希望者がないと,なかなか我々が思うところにつながっていかないという事業でございますので,できるだけいろんな機会を通して,そういう事業者を喚起しながら,あるいは周知を含めて,協力方を要請していきたいと,こう考えております。
以上です。
○猪熊 副委員長 独自の条件緩和の検討は。
◎小原 住宅部長 まとめて検討したいと,こう考えております。
◆荒川 委員 99年度に残った141 戸を上乗せして,341 戸というふうには,なかなかいかないのでないかという話がありました。現状から,そういうふうなことは考えられるかもしれないけれども,やはり市民の落胆,来年200 戸という中で,自分もそこに何とかかかわってと思っていた人たちが,そうならないのかという状況も踏まえれば,私,当初の計画にのらなくても,2段階ででも,本当は来年200 戸供給しなきゃならなかった計画なのですから,そのことにやっぱり全力で向かっていくという姿勢が必要だと思います。
分析は必要ですよ。要因を解明して,改善方向を定めるというのは大事ですよ。しかし,急いでやらなきゃだめですよね。そして,来年にことしの分を上積みできるように,全力で取り組むというようなことでやっていただかなければならぬと思いますので,その点要望して,終わります。
◆佐々木[周] 委員 私は,1点だけ簡潔にご質問いたします。
これは,女性への暴力にかかわる市営住宅の活用について伺いたいと思います。
私は,これまでも市営住宅の活用につきましては,単身高齢者の住宅だとか,それから単身の車いす住宅だとか,そういうことについてたびたび質問したり,それから障害のある方たちのグループホームについてもいろいろお尋ねしてきたところですけれども,今回は,女性への提供というか,そういうところでご質問いたします。
女性への暴力につきましては,旧民生局に対して,緊急避難的な対応にかかわっては質問させていただきまして,今時点で,既に緊急一時的な対策についてはいろいろな支援をしていただいております。それは,旧母子寮ということで,そういう施設が何カ所かありますけれども,そういうようなところで緊急的には受け入れていただいている。
それから,女性企画室が中心になりまして,庁内の関係部局,それから警察や弁護士さんなどで,女性の暴力対策関係機関を設けまして,支援のためにいろいろ検討していただいているというふうに聞いております。今回は,緊急一時対策の次にいろいろ支援策をということで,定住をする際に,市営住宅を提供できないかということで伺いたいのです。
女性の暴力については,これまでもいろんな場面でお話ししていますので,詳しいことは置いておきますけれども,今,全国的に民間主導でシェルター活動が行われております。そして,このシェルター活動の推進を図ってきたのが札幌の市民団体の方ということでありまして,やはり札幌市が全国から注目されているというような状況もございます。
ことしの6月には,全国の駆け込みシェルターネットワークワーキング札幌シンポジウムが開かれまして,全国24カ所からシェルター関係者が集まって,いろいろな情報交換をされたというふうに聞いております。
そういう中では,やはり行政側の支援がもう少し進まないものかというところが大変注目されまして,その悩みが大きいと,そういうことの意見が大変多かったというふうに,私はその会には参加できなかったのですけれども,関係者の方からお聞きいたしました。
そして,中でも,今,私が申し上げました,定住したい,この街に住みたい,でも,住居が確保できない,そのときに行政側としての支援策ということでいろいろ検討というか,対応を行政側とも話しているのだけれども,なかなか突破口が見つからない,そういうような悩みが多かったということです。
暴力から逃れてくる女性というのは,ほとんどがお子さんを連れていらっしゃるのです。そして,男性から暴力を受け,そしてそのうっぷんを晴らすために,子供さんに暴力が及ぶということもありまして,これは女性1人じゃなくて,子供についてもいろいろな心理的な問題とか,そういうことが大変広がっております。
そこで,質問なのですけれども,こういう方たちが住居を求めるときに,まずは民間のアパートを求めようとしますけれども,家賃が高いだとか,それからいろいろな条件がつくのですね。敷金だとか,いろいろありまして,費用の問題とか,それから子供さんの学校の関係だとか,そういうこともありまして,いろいろ考えた末,市営住宅を申し込んだと。ところが,私が聞いたいろいろなお話があるのですけれども,その中でも,実は札幌市の窓口が冷たかったと,やっぱり法律を盾にするのですね。もちろん,窓口の方は,法律をもとにして,いろいろな許認可事業を行っているのですから,それはいたし方ないとして,私は,自治体行政というのは,もう少し市民一人一人の生活の安定を図るというか,そういうことにきめ細かく対応してこそ,自治体行政が行われると,そういうふうにとらえているわけです。
ちょっと質問になってから長いのですけれども,そこで,お聞きしたいのは,札幌市として,そういう男性の暴力から逃れてきた女性の定住策に対して,何らかの支援をしていけないものか,そのことについて検討していただきたいと思うのですが,その辺について,市営住宅の担当の建築局としての考え方をお示しいただきたいと思います。
◎三浦 住宅管理担当部長 公営住宅の入居につきましては,委員ご承知のとおり,法律や条例で決められている条件の中で申し込みが行われ,入居者が決定されると,そういう仕組みになっているわけでございます。
ご質問のありました母子世帯の緊急入居についてでありますが,こうしたことは,事情が事情だけに,大変お気の毒なことと思います。私どもの窓口には,毎日,このような,あるいはさまざまな理由により,緊急入居したい旨の申し出がたくさん寄せられているわけでございます。いずれの場合も,非常に申しわけないのですけれども,公募になっておりますし,どうしてもと言われる方については,定期募集でたまたま申し込みがなかったという空き住戸について,それは随時受け付けをしておりますので,ぜひそちらの方をご利用いただければと,そのように考えております。
◆佐々木[周] 委員 おっしゃることは,多少は理解できるのですよ。それでも,今住んでいるところが緊急一時的な避難所のシェルターであったり旧母子寮であったり,そういうところです。子供さんの関係もあって,定住を早くしたいと。本当に緊急的な状況があるわけで,そういう方の中には,例えば離婚の調停中という方だとか,本当にいろいろさまざまな状況が考えられます。ですから,そこを,一般市民の方よりもう少し優先順位と申しますか,そういうものを考えていただければというふうに思うのです。
きょうは,1回目の問題提起として私は取り上げたことでもございますし,今後,先ほど申し上げました女性の暴力対策関係機関,この中にも都市局の担当の方が入っていらっしゃると思います。今まで,住宅課の方がその関係会議ですか,そこに入ったことはないというふうにお聞きしましたので,ぜひその中に都市局の方から申し出て,実は定住策ということで,皆さんと一緒に知恵を働かせて,何とか受け入れ態勢について考えたいのだがということで,ぜひ保健福祉局,それから女性企画室と一緒になって,これは要望にとどめておきます。また時間を見ましてお聞きしたいと思いますので,どうぞ積極的に検討に向けて進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
◆鈴木 委員 私から,大きく分けまして,四つほど質問をさせていただきたいと思います。
まず,一つ目でありますけれども,既設市営住宅のストックの活用策についてお伺いをしたいと思います。
平成8年6月に示されました市営住宅再生マスタープランにおきましては,既存ストックの有効活用策といたしまして,建てかえと改善の二つの再生手法がありますが,費用対効果の面から,基本的には建てかえ手法で対応していくということが示されたところであります。また,改善事業につきましては,住戸面積の拡大を伴わない高齢者向け改善を視野に置き,検討を進めるとされております。
しかし,平成10年4月10日付建設省住宅局長通知におきましては,既存ストックの有効活用策として,今後は,住戸改善等により住宅機能の低下を修復しながら,耐用年限までの延命策を図るべきとの方針が出されたと伺っているところであります。これは,本市の再生マスタープラン策定当時と比べて,耐火構造については延命策を図ることに方向転換されたものと考えております。
そこで,本市では,昭和40年代の高度成長期には,最盛期で年間1,000 戸前後の大量供給をしてきており,現在の既存ストックは約2万5,000 戸となっておりますが,これらの大量ストックの再生手法について,本市として,今後,どのような対応を考えておられるのか,基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
2点目でありますけれども,市営住宅の家賃滞納者の件につきましてお尋ねをしたいと思います。
私は,なぜこのことを質問するかといいますと,市営住宅の入居希望者は相変わらず多く,最近の募集平均倍率,6倍ないし7倍となっておりまして,住宅によっては10倍を超えるものもあるというふうなことも伺っているところであります。市営住宅に入りたくても入れない市民の方々が多くいるということを伺っております。現在の不況下にあっては,この傾向はますます強くなるものと思われます。
そうした中で,お聞きしたところによりますと,1年以上の長期にわたり,市営住宅家賃を滞納している者が,現在,260 人ほどいるとのことでありますが,確かに,今まで市の方では民事調停の手続をとって,これらのうち悪質な滞納者に対して法的措置を講じてきたことは,私も議会への報告で承知をいたしているところでありますが,しかし,それだけでは本当に解決が図られていくのかどうか。もし,それにもかかわらず不正に入居し続ける者がいるとすれば,先ほど述べましたように,市営住宅に入れない多数の市民の方々,あるいはまじめに家賃を支払っている方々に対して,社会的公平・公正の見地から問題があるのではないかと思うのであります。今後,市の方では,何か有効な手だてを考えているのかどうか,お聞きをしたいと思います。
まず,2点お伺いをいたします。
◎小原 住宅部長 ご質問の第1点でございます既設市営住宅のストック活用についてお答えいたします。
委員からお話がありましたように,本市におきましては,高度成長期に大量な市営住宅を建設してまいりました。これが,近い将来,一斉に法律に基づく建てかえ時期を迎えるという状況になってまいります。しかし,これから住宅を大量に建てかえていくということは,現今の国や本市の財政事情等から見まして大変厳しい状況にあるのではないかなと,こう思っていますし,特に国の事業採択が大変難しくなってくるのだろうというふうに考えてございます。
本市は,基本的には,再生マスタープランをつくって建てかえをやっていくということを現在,進めておりますけれども,今後,積極的にさらに進めてまいりたいと,こう思っております。
また,委員のお話にありました住戸改善の延命策につきましては,先ほど,国から一定の方向が示されたと,こうお話もありましたが,現在のところ,採択要件がまだ明確にされておりません。したがいまして,今後,費用対効果の面も含めまして,この手法等につきましては総合的に検討しながら,既存ストックの有効な活用を図ってまいりたいと,基本的にこう考えてございます。
以上です。
◎三浦 住宅管理担当部長 私から,家賃滞納者の取り扱いの件についてお答えをいたします。
先ほど,委員からお話がありましたとおり,本市では,今まで,悪質に家賃を滞納している不正入居者に対しましては,訴訟に比べ費用が安く,時間が短縮できること,また,相手の返済能力等に応じて弾力的に対応が可能なこと,さらに,場合によっては住宅明け渡しという強制執行措置もとれるという点を考慮して,民事調停の手続をとってきたところであります。
しかし,民事調停は,相手が裁判所に出頭してきて初めて成立するものでありまして,近年,本市のたび重なる調停の申し立てにもかかわらず,出頭もせずに居住し続ける者がいることも,また事実であります。
したがいまして,ご指摘のとおり,多数の住宅困窮者あるいは家賃を毎月納入している入居者との社会的公平・公正を図る見地からも,今後は,これら不正入居者に対しては訴訟による法的措置を講じなければならないものと,そのように考えております。
以上でございます。
◆鈴木 委員 まず,これまでのお答えに対しましての要望をさせていただきますが,高額滞納者に対しては,法的措置で厳しく対応していくということでありますので,ぜひそのような措置を講ずることの事務処理を進めていただきたいと思います。
そして次に,空き家の募集についてひとつ要望させていただきますが,今の空き家募集は,前期と後期に分けて2回募集をいたしておりますが,この方法では,半年程度空き家になる住戸があると伺っているところであります。このような状況を解消するためには,募集回数を2回から3回にふやすなどし,入居希望者にできるだけ申し込みの機会を多く与える必要があると考えます。これによって,空き家の期間が短くなるばかりでなく,市有財産の有効活用にもつながると思いますので,この件に関しましては,特にこの機会に強く要望をしておきたいと思います。
ここで,暫時休憩いたします。
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休 憩 午後3時42分
再 開 午後4時
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○村山 委員長 休憩前に引き続き,委員会を再開いたします。
土地区画整理会計決算の質疑を行います。
◆宮川 委員 JR札幌駅南口の問題ですが,これまでも,JRが1980年代から計画していた本社ビルの移転を本市の負担で,ただでやすやすと行った問題,減歩率でも,本市19.6%に対しJR5.5 %でしかない問題,本市が買収した70億円の保留地が19億円,現在では16億円に暴落し,その損失も本市ひとりが負担する問題など,指摘してまいりました。
改めて伺います。JRに応分の負担を求めるべきと思いますけれども,いかがですか。
次に,周辺交通についてですが,西2丁目から5丁目への道路など,どういう計画になっているのか。あわせて,歩行者動線での弱者対策がどうなるのか,お示しください。
また,障害者団体からも意見を聞いて反映させるべきと思いますがいかがか,伺います。
次に,保留地,市有地についてです。
保留地価格の暴落による損失については,先ほども述べましたが,今後の開発について,本市がなお損失をこうむるようなことにはならないのか。
また,郵便貯金会館については,既存の商業施設等への影響を避けるために,どう指導性を発揮されるのか,伺います。
◎黒田
駅南口担当部長 まず,ご質問の1点目のJRに対して応分の負担を求めないのかということでございますけれども,本件につきましては,以前にも回答してございますように,既に駅の南口の区画整理事業そのものが仮換地処分を終え,それから,なおかつ清算事業団の土地を大丸が取得をし,そういった仮換地で土地の所有権が移転をした前提の中で,それぞれ事業は既に始まっているわけでございます。したがいまして,その応分の負担をさらにまたJR等に求めるということにつきましては,考えてはございません。
それから,2点目の周辺交通対策についてでございますけれども,本件のJR,大丸の開発ビルにつきましては,大規模な開発建物でございます。周辺交通対策につきましては,十分配慮をし,対応しなければならない課題であると考えてございます。
ちなみに,開発ビルの駐車場につきましては,本市の附置義務条例に基づく附置義務台数,約1,000 台規模の計画となっていること,さらに,荷さばき問題につきましても,開発ビルの地下2階に相当のスペースを設けておりまして,周辺道路の渋滞をできる限り来さないような計画になっているところでございます。
さらには,西2丁目線と西5丁目線とを結ぶ自動車通路を建物2階レベルに設けるなど,周辺交通に十分配慮した計画となってございますけれども,いずれにいたしましても,周辺交通対策が円滑にいくように,公安委員会も入ってございます札幌駅南街づくり協議会の交通部会なり,さらにワーキング等の中で,今後とも積極的に協議を進めていきたいと考えてございます。
それから,3点目のバリアフリーに配慮した対応ということでございますけれども,これにつきましては,現在,工事を行っております札幌駅の南口広場,さらにその下の地下街の増改修工事,これらの工事につきましては,バリアフリーに十分配慮した計画となってございます。さらに,障害者の関係団体とも協議を行いながら進めてまいりましたけれども,開発ビルにつきましても,バリアフリーに十分配慮するように協議を進めていくとともに,関係団体の意見を聞く場も設けていきたいと,このように考えてございます。
それから,4点目の西5丁目の保留地を含めた問題でございますけれども,先ほど,伊与部委員のご質問にもお答えしましたように,ホテル業界からの反対の申し出もあることも事実でございます。これにつきましては,西5丁目の保留地を含む市有地の活用方向をもう少し十分に詰める中で,ホテルの関係団体とも一定のご理解を得るような努力をしてまいりたいと思っています。
以上でございます。
◆宮川 委員 次に,駅舎についてでありますけれども,他都市でも巨大な要塞を思わせるような駅舎もありますが,テレビ塔よりも高いコンクリートの塊が威圧するように建つことにならないのか,懸念しております。自然に囲まれた札幌にふさわしい,自然の豊かさを象徴できるような駅舎であるべきと,こう考えますが,この点についていかがでありましょうか。
◎黒田
駅南口担当部長 札幌駅の開発ビルの関係でございますけれども,今議会の代表質問におきまして,市長が答弁をしておりますように,言うならば,駅舎としてのイメージを大切にしながら,札幌の新しい顔ともなり得る計画であるということで,札幌の玄関口にふさわしいものとして計画が進められていくよう期待をしていると,こう述べているところでございます。正面に大時計を配置したり,それから,正面の建築材には,れんがなり札幌軟石等々の活用も含めて,なおかつ,現駅舎と開発ビルを結ぶ歩行者動線として,南北を結ぶコンコースの接続路として20メートルと30メートルの幅員を持つ通路,さらに,その上部を吹き抜けにするなど,なるべく公共空間,そういったものを設けた建物計画になっておりますし,歩行者動線も含めて,市民からも利用がしやすい建物になるように,先ほど申し上げました街づくり協議会の中で積極的に指導といいますか,協議をしてまいりたいと,このように考えてございます。
◆宮川 委員 威圧感のあるような建物にならないように要望しておきますけれども,冒頭に申し上げましたように,JRに対して応分の負担を求めるべきであり,決算としては認定できない,このことを申し上げて,終わります。
◆鈴木 委員 私から,東区で行われている東雁来第2土地区画整理事業について,2点ほどお伺いをいたします。
まず,第1点目は,当該地区は,平成7年10月に市街化調整区域から市街化区域に編入され,はや3年が経過しておりますが,事業の進捗状況はどのようになっているのか,お聞かせを願いたいと思います。
また,地区の一部で盛り土工事が実施されるなど,区画整理事業が本格的に始まったように伺っておりますが,本年度は具体的にどのような工事を行っているか,ご説明を願いたいと思います。
第2点目は,さきの台風5号等の大雨によりまして,多くの県で河川のはんらんによる家屋への影響が出ておりましたが,当地区も,過去に洪水の被害を受けており,災害に強い街づくりは必要不可欠と思われますが,どのようにお考えか,お尋ねをいたします。
◎木戸 区画整理担当部長 第1点目の事業の進捗状況でございますが,本事業は平成8年10月に事業認可を受け,その後,測量,権利調査等を実施しながら,換地案の検討を進めてきたところでありまして,ことしの6月に6ヘクタール,9月には9ヘクタールの合わせて15ヘクタールにつきまして,工事着手に先立ちまして仮換地の指定を行ったところでございます。
本年度の工事の内容といたしましては,軟弱地盤改良のための工業系の宅地の一部,それから住居系の都市計画道路の一部について載荷盛り土を実施しておりますし,また,雁来4号線に新設されます都市計画道路,雁穂さかえ通において,約400 メートルほど道路築造工事を行っております。
また,当該地区の大部分は下水道が未整備のため,下水幹線を1.1 キロほど布設中であります。
第2点目の災害に強い街づくりでございますけれども,豊平川の堤防は,東雁来地区の現地盤高よりも3メーターから5メーター高くなっております。このため,豊平川を管理する北海道開発局との協議によりまして,現堤防から区画整理事業地内に向かってなだらかな勾配の盛り土を行うことにより,豊平川の堤防強化を図るとともに,区画整理区域内の中央を流れる雁来川の改修工事並びに地区の中に雨水調整池の設置等によりまして,災害に強い街づくりを目指すこととしております。
◆鈴木 委員 豊平川は,大都市を流れる河川として,他に例を見ない急流河川であります。この豊平川の堤防強化と区画整理事業を一体的に整備することの意義は,はかり知れないものと考えます。
こうしたことからも,今の答弁の中で,豊平川を管理する北海道開発局と協議を行っているとのことでありますが,具体的にはどのように取り組んでいるのか,お伺いをいたします。
◎木戸 区画整理担当部長 豊平川を管理する北海道開発局との協議でありますが,北海道開発局では,道都札幌の中枢機能を洪水による壊滅的な被災から守るべきだとの考えのもとに,豊平川左岸においては,堤防破壊による被害の発生を防止するべく,堤防断面の拡大・強化の実施を検討しておりましたし,また一方,東雁来第2土地区画整理事業におきましても,災害に強い街づくりの検討を行っていたところでありまして,両者の考えが一致し,堤防強化事業と区画整理事業とを一体的に進めることとしたところであります。
具体的には,一体整備のための組織として,本年7月,北海道開発局と札幌市で堤防強化事業連絡協議会を設置するとともに,工事を実施する上での実施協定書を取り交わしたところであり,今後とも,連絡を密にして街づくりを進めてまいりたいと,このように考えております。
以上です。
◆鈴木 委員 最後に,要望とさせていただきますけれども,東雁来のイメージを大きく変える当該事業の早期完成を私も心待ちにしておりますが,長引く経済不況の中で,円滑に事業を進めることは大変なことだと思います。
ご承知のとおり,公共施行による区画整理事業は,国庫補助金及び市費,並びに保留地処分金等を事業費財源としており,とりわけ,保留地処分金の安定的な確保が事業の成否に大きく影響するものと思われます。そのためには,魅力ある街づくりが最も重要と考えます。
そこで,これは要望でございますが,私が平成9年の第2回定例市議会の代表質問におきまして,東区を含む北部地域の良好な水辺環境づくりとして,水と緑のネットワーク事業を導入してはどうかという質問をいたしました。その際,事業認定に向けて努力されるというようなご回答をいただいたところでありますけれども,水量の少ない雁来川にこの事業をぜひ導入し,魅力ある街づくりに取り組んでいただきたいことを強く要望いたしまして,質問を終わります。
○村山 委員長 以上で,土地区画整理会計決算の質疑を終了いたします。
次に,団地造成会計決算の質疑を行います。
◆宮川 委員 新川工業団地について伺います。
ことしの1定の予算特別委員会で質問をした時点では,分譲対象3.9 ヘクタールに対して4,624 平方メートル分譲されたということでありました。そのときにいただいた資料では,引き合い中の企業が12社,その面積が1万1,000 平方メートルということでありました。しかし,現時点ではどうなっているかといいますと,いただいた資料によりますと,今年度分譲できたのが2,759 平方メートル,さらに,見込みが2,000 平方メートルということだそうです。全体で11ヘクタールを超える分譲地のうち,今年度,会計が閉鎖されるというこの事業は,分譲地を完売してもう終わりになるというこの時期に,分譲できたのはわずか7,383 平方メートル,率で言うと全体の6.6 %,分譲見込みを含めて9,383 平方メートルであります。売れ残っているこの見込みの分を除いても,未分譲地は10万2,022 平方メートル,91.5%売れ残っているということになりまして,異常としか言いようがありません。
そこで,質問の第1であります。
売り切るはずが91.5%も残っている,このことをまずどう考えていらっしゃるのか,この責任についてどう感じておられるのか,まず伺います。
◎若原 開発事業部長 第1点目の未分譲地が91.5%生ずることについてでございますけれども,当工業団地の分譲におきましては,景気が低迷する中,さらに金融情勢も悪化するなど,企業の設備投資意欲も一段と減退する非常に厳しい状況の中での分譲となりましたことから,経済局ともども,分譲に最大の努力をしているところでございます。
第2点目の責任についてでありますが,金融機関の破綻などの近年の経済変動は,かつて経験したことのないものであり,さらに,地価の大幅な変動も予測できなかったものでございます。
◆宮川 委員 今年度末に新川の団地会計を閉鎖する予定になっております。その際に,まず赤字補てんとして,まちづくり推進基金から9億4,900 万円投入すると。さらに,売れ残っている未分譲地も基金で抱くということになるそうですが,つまり,札幌市の団地会計が買って造成した土地を札幌市の基金が買うということになりますが,この点でどういう見通しがあるのか,お示しをいただきたいと思います。
◎若原 開発事業部長 ただいま,委員のご質問の中に,基金が買うということが決定しているというふうにちょっと申されましたので,ご訂正させていただきますが,一つの手法としてそういう手法があって,私どもお互い検討中だと,こういうご理解をいただきたいと思います。
当団地の分譲状況についてですが,現在,分譲済み及び分譲予定の合わせて5社のほか,数社と協議中であり,鋭意,経済局と一体となって分譲に最大の努力をしているところでございます。
会計閉鎖時に必要な金額についてのお尋ねでありますけれども,平成10年第1回定例市議会の委員会で申し上げましたとおり,約55億から60億円を見込んでいるところでございます。
◆宮川 委員 基金が買うということは決定したわけではないということでありますから,では,基金が買わない場合には,どのような手法となるのか。そして,その方法と基金が買収したときの違いはどう出るのか,これについて,まず明らかにしていただきたいと思います。
それから,基金が買収するときということになると,55億から60億円という金額でありますから,やはり大変な金額であります。
まちづくり推進基金で,もしその土地を買収するということになりますと,まちづくり推進基金の現金の現在高が160 億円ということだそうですから,その中から60億円も基金に抱かせるということは非常に大変なことだと思います。基金が土地を抱くことになれば,そこで失われる金利分も莫大であります。基金が市に土地を売却した場合は,1.625 %の金利分を見てもらうことになっておりますけれども,新川の場合,市に売却するという形にはならないので,金利分が丸々失われるということになります。
ちなみに,60億円の1.625 %は9,750 万円,約1億円ということであります。
基金で土地を抱いた場合,進出する企業にその土地を売却するときには,今現在の価格で売却するのか。さらに,価格を引き下げて売却ということになりますと,またまた基金がその分をかぶるということになります。そういうことにはならないのか,ご答弁いただきたいと思います。
◎若原 開発事業部長 まず,第1点目の会計閉鎖にどういう方法があるかということのご質問があったと思います。
会計閉鎖をする場合には,一つの手法として,今言いました基金に振りかえると,土地を買っていただくと,こういう方法と,それからもう一つとしては,事業年度を延ばす,こういう方法があろうかと思います。しかし,後者の方法によりますと,我々,市債を投入して事業を行っておりますために,金利がどんどんどんどんとかさんでいく,それがまたさらに土地に付加されると,こういう方法では,今の経済情勢の中ではとても売却できる方法でないと。したがって,現在,関係部局と基金による振りかえと,こういうことが可能かどうかということを協議中であると,こういうことを申し上げております。
それから,基金に抱えた場合,分譲するそのときに一体どうなるのかと,こういうことでございますけれども,基金地になった場合,地価の動向により値下げする場合もあるのかというようなご質問だったと思いますが,既存団地の事例で申し上げますと,分譲価格の設定につきましては,実勢価格で分譲することが基本でありまして,地価の動向によりましては下がる場合も,上がる場合もあるのではないかと思います。
それと,基金を現金で持っていると,金利があって,運用益が生ずるというご質問もありましたけれども,我々,基金で抱いていただいて,そして,できるだけ早期に分譲するということが公租公課,あるいは,企業が立地しますから,雇用の面でも市として有利に働くわけでございますから,その点を総合的に判断して考えていきたいと,このように思っております。
◆宮川 委員 まず,一つは,事業年度を延ばすという方法,これについては,金利で大変だということであります。
もう一つの方法,基金に振りかえると,まちづくり推進基金に抱かせるという方法では,売却するときに,私は金利というお話もしましたが,さらに加えて,実勢価格での売却を行うと。つまり,地価がこれ以上またさらに下がっていけば,結局,基金の目減りがしていくということになりますね。つまり,こう見てみますと,事業年度を延ばせば金利が大変,基金に振りかえて実勢価格でということになれば,地価の下落が起これば基金が目減りする,どちらの方法にしても大変じゃないですか。
しかも,9割もの土地が売れ残って,それを全部基金に抱かせるということになれば,つまり,結局この事業は事実上破綻して,その後始末を市民福祉にもかかわる基金にやらせて,さらに今後も,抱いた土地で基金が目減りするということもあり得るのですから,こういうことは全く容認できないということを申し上げて,終わります。
◆伊与部 委員 そこで終わっちゃったら困るのだな。
私は,団地会計の中で,篠路地区住宅団地と新川地区団地,あわせて質問いたします。
まず,篠路地区住宅団地でございますが,これは427 億円をかけて造成をしてきました。分譲が9年度から始まりました。今,第1次,第2次,第3次,第4次,第5,第6,第7,第8次まで続くと言っているわけだ。第1,第2,第3,第4が今売り出したと,こういうことですね。
私,資料を見ましたら,第1,第2,第3,第4で合計352 分譲計画地があるのですが,そのうちで,現在,第1次分譲計画では,88の中で,売れているのが60,第2次分譲計画では,58区画のうち28,第3次分譲計画では,128 のうち22戸,第4次分譲は,78戸のうち,わずか5戸,合計325 戸のうち115 しか売れていない。32.7%というような結果が出ている。
同時に,第5,第6,第7,第8次まで,第5,第6合わせて169 ,第7と第8で232 ,すなわち,第5次から第8次までは401 戸,したがって,1次から8次まで753 戸,こういうことになっているのです。
そこで,なぜ売れないのか。高いからか何かわからないけれども,そういう分析をしたことがあるか。今まで,札幌市が独自で行った住宅分譲地で,こんなに売れない分譲地はないと思うのですが,その分析をしたことがあるかどうか,まずひとつお伺いいたしたいと存じます。
同時に,今,私がもらった資料の数字を言いましたが,この数字は合っているかどうか,あなたたちからもらった資料だから間違っていないと思うけれども,そういう推移なのかどうかということも含めて,ひとつ明らかにしていただきたい。
同時に,テレビだとか新聞にグリンピアしのろ云々という広告が出るのですよ。議会筋では,この広告費を説明されたことがない。ずっと決算書を見ても,予算書を見ても,款項目節の中で広告費なんていう勘定科目がどこにも出てこない。どこに広告費が入っているのか,今まで,幾ら使っているのか,この辺ひとつ明らかにしていただきたい。篠路地区住宅団地です。
それから,新川地区工業団地,今,段々の話がございましたけれども,総額146 億6,200 万円で造成をいたしました。現在,幾ら売れているのか,面積でなくて,今度は件数で言ってください。4社ぐらいしか売れていないと,こういうことを聞くのですが,一体何社売れているのか,どういう状況になっているのか。私は4社と聞いているのだけれども,どうなっているのか。
それから,146 億6,200 万円の内訳を具体的にひとつ明らかにしていただきたい。
それから,これまた,なぜ売れないのかと,どんな努力をしたのか。
発寒の駅前の木工団地を三菱マテリアルが再開発して,そして,29社全部新川に送り出して,あそこを全部マテリアルでもって開発行為するというような話もあったので,組合とそういう協議をしているという話も伝わってきましたけれども,これは経済局に聞いたらそういう話もあったのですが,その後,そういう話は一体どうなったのか。木工団地の集団移転はどうなったのか,ひとつ明らかにしていただきたいと存じます。
◎若原 開発事業部長 まず,篠路住宅団地についてでございます。
私の作成しました資料が大丈夫かというふうなお尋ねがございましたが,第1次,2次,3次,4次,合わせまして352 区画に対しまして115 区画の申し込みであります。これは,今,委員が言われたとおりの数字でございます。ただ,これは戸建て住宅に限った数字を申し上げました。(「そのほかも言って」と呼ぶ者あり)
平成10年までが4次分譲でございまして,平成11年,12年まで分譲を考えておりますが,同じく戸建て一般住宅用地で,平成11年が169 区画の予定をしております。平成12年,232 区画,合計753 区画の予定でございます。
2点目のなぜ売れぬかと,分析をしているかと,こういうご質問でございました。
実は,平成9年,10年の分譲状況を
アンケート調査などをしましたところ,両年とも同様の傾向が見られました。その特徴は,角地あるいは南向きの高価な土地,あるいは低廉な宅地が売れていることは顕著であります。一番売れ筋のはずの中間価格帯の分譲が進んでいないと,こういう状況であります。このことは,昨今の経済不況に伴います景気の不透明感と雇用不安などの要因,さらには金融機関の融資も厳しい状況でありますことから,住宅地の買い控えが進んでいるのではないのかなと分析しているところでございます。
次に,広告宣伝費についてでございます。広告宣伝費を予算・決算のときに一体どういう形で計上しているのか,さっぱり見えていないと,こういうご質問でございました。
実は,広告宣伝費は,当初,平成6年第3回臨時市議会において,当団地の平成6年から12年までの継続費を組ませていただきました。そのうち,平成9年度から12年度までの4年間,先ほど申し上げました4年間で分譲するという予定でございますが,この4年間,現地案内所の運営管理,さらには,各宅地の表示板の設置等も含めて,年5,000 万,4年間で2億円を計上させていただきました。
委員ご指摘の広告宣伝費につきましては,節で申します役務費,委託料に計上しておりましたけれども,内容については事前に説明をしておりませんでして,大変申しわけなく思っております。今後は,委員会などの機会を通じまして,ご説明をさせていただきたいと考えているところでございます。
それから,今まで,広告宣伝費は一体幾ら使ったのかというご質問でございました。
平成9年,10年の2回売っておりますが,決算額は,平成9年度は2回公募を行いまして,それぞれ公募時期に合わせて,新聞,ポスター,折り込みチラシ等による広告宣伝費として,約2,100 万円を支出させていただきました。また,10年度におきましても,2回の公募時期に合わせまして約3,100 万円を予定しているところでございます。
次に,新川工業団地についてでございます。
まず,幾ら売れているかというお話でございます。実は,先日,委員からお問い合わせがございまして,私ども,資料提供した中では,4社のみの販売でありました。しかし,昨日,経済局の方から,1社,確実に年度内に契約になると,こういうことでございまして,件数で申しますと,おかげさまで5社売れたことになるものでございます。
それから,なぜ売れないのかという一番大きな問題がございます。これは,篠路住宅団地でも申し上げましたけれども,やはり昨今の経済状況に加えまして,金融機関の融資が非常に厳しい状況にありますことから,企業の設備投資意欲が極度に低下しておりまして,進出要望がありながら成約に至らないと,こういうふうに聞いているところでございます。
それから,木工団地がどうなったかということでございます。
実は,木工団地の移転の受け皿として新川工業団地を整備すると,私もこの事業を引き継いだときに,こういうふうに伺っておりました。集団移転に係る検討をしていたようでございますが,平成9年の第3回定例市議会において,伊与部委員から,この移転について,どうなっているのだというご質問があって,そのとき,経済局からは,集団移転に係る諸条件について協議中であると,こういうお答えをしたかと思いますが,その後,経済情勢の悪化などの理由によりまして,平成9年11月に当団地への集団移転は正式に断念されたと,このように伺っております。
以上でございます。
◆伊与部 委員 まず,篠路団地ですけれども,戸建て住宅の分譲地が753 ,そのうち,今までできているのは352 ですね。そのうち,115 売れたというわけです。私は,ここではっきり言いたいのは,第5,第6,第7,第8次,これからの分譲が401 戸残っていますけれども,これはやっぱり休止した方がいいのでないかと。
そして,まず,1次から4次までの352 を売り尽くそう。そして,部長,私は,含めて答弁していただきたいということを今一言言ったのは,戸建て住宅以外の分もあるだろうという意味で言ったのです,はっきり言って,皆さんわからぬから。戸建て住宅以外に,例えば集合住宅,公営住宅,その他あるでしょう。そういうものも明らかにしないと全体が浮き彫りにされてこないから,もっと親切丁寧に,知っていることを全部腹から出しなさいと言いたい,小出しにしないで。それを一つ,まず聞きたい。
同時に,広告費ですけれども,今まで5,227 万円使ったと,私は聞いている。これからもまた,全部含めて2億円使うというわけでしょう。2億円の広告費を使うのを,議会の建設委員会にも,勉強会にも,各派説明会にも一切報告なしに,勝手に部課長で使えるものなのですかね。その辺,ただ頭下げればいいというものでない。議会との関係,やっぱり横との関係をきちっとしないと,広告費を2億円,今までこんなに広告費を使った団地造成,団地販売あるかどうか。
私は,手稲前田地域は2,000 万円ぐらい広告費を使ったというふうに聞いているのだけれども,ほかは一切広告費を出していない。なぜかというと,自分たちがつくって,自分たちが買う場合に,自分たちの広告費を出すはずがないのですよ,そういう理屈になる。自分たちが金出してつくった団地を自分たちが買って,買うのに自分たちが広告する,普通ならば,そんなことはおかしいと思うのだ。そういうことをしなくても売れるのが,低廉な,しかも便利な,環境のいい住宅団地の造成だと思っておりますけれども,いずれにしても,今までの広告費の中で,過去にこういう多額の広告費を使ったことが──簡単に2億円使いますと言ったって,本当に大変なお金ですから,その辺やっぱり慎重にひとつ取り扱っていただきたいというふうに思います。
同時に,115 戸売れたと言っているけれども,市内の人が幾ら買って,市外の人が何戸買っているのか,これをひとつ参考までに明らかにしていただきたいと存じます。
それから,新川ですけれども,おかげさまで,きのう1社ふえて5社になったと,本当に努力の結果は褒めてあげましょう。四つが五つになったのだから,20%ふえたのだから褒めてあげましょう。しかし,いずれにしても,売らなきゃならないのだ。146 億6,000 万円使ってしまったのだから,認定しないだとかするだとかという議論は,もうしようがないのだ。基金にいったって,現状持っていたって,いずれにしても売らなきゃならない。
昔は,土地は四つの利点があった。盗まれない,減らない,腐らない,それから燃えないと,こういう利点があったから,金があったら土地を買えと言われた。今,そんな状態でない。この土地は,いずれにしても,札幌市の土地として残るのだ。基金であろうと,団地会計であろうと,残る。売らなきゃならない,現金にしなきゃならぬ。
今,まちづくり推進基金に,全体で幾らありますか,正確に言ってほしい。どっちみち売らなきゃならないわけですから,売るとしたならば──この前,我々は承認して,先ほどもお話あったように,基金会計から繰り入れして,原価割れして売っているのだけれども,さっぱり売れないと。どこかで抱かないと,金利が──今,新川の金利は総額幾らになっていますか。これがずっと継続していっちゃうわけですから,これを断ち切らなかったらならないのですよ。