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平成10年第二部決算特別委員会−10月09日-03号
平成10年第一部決算特別委員会−10月09日-03号

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  1. 札幌市議会 1998-10-09
    平成10年第二部決算特別委員会−10月09日-03号


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    平成10年第二部決算特別委員会−10月09日-03号平成10年第二部決算特別委員会  札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第3号)                 平成10年10月9日(金曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人     委 員 長  村 山 優 治 君       副委員長   猪 熊 輝 夫 君     委   員  小 谷 俵 藏 君       委   員  室 橋 一 郎 君     委   員  佐 藤 美智夫 君       委   員  常 本 省 三 君     委   員  宮 本 吉 人 君       委   員  千 葉 英 守 君     委   員  伊 藤 知 光 君       委   員  佐々木   肇 君     委   員  宮 村 素 子 君       委   員  馬 場 泰 年 君     委   員  新 山 やすし 君       委   員  鈴 木 健 雄 君     委   員  高 橋 克 朋 君       委   員  岡 本 修 造 君     委   員  伊与部 敏 雄 君       委   員  西 村 茂 樹 君     委   員  畑 瀬 幸 二 君       委   員  岩 木 みどり 君     委   員  小 野 正 美 君       委   員  本 舘 嘉 三 君     委   員  森   健 次 君       委   員  春 原 良 雄 君     委   員  義 卜 雄 一 君       委   員  高 橋   功 君     委   員  高 橋 重 人 君       委   員  荒 川 尚 次 君
        委   員  武 藤 光 惠 君       委   員  宮 川   潤 君     委   員  佐々木 周 子 君       委   員  菅 井   盈 君     委   員  松 浦   忠 君       委   員  北 川 一 夫 君       ──────────────────────────────────       開 議 午後1時 ○村山 委員長  それでは,ただいまから,第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,特にございません。  それでは,議事に入ります。  第3款 民生費 第3項 老人福祉費及び第5款 労働費 第1項 労働費のうち関係分について一括して質疑を行います。 ◆宮川 委員  私は,4点の質問を行いたいと思います。第1は,敬老パスについて,第2は,高齢者保健福祉計画の見直しについて,第3は,介護保険について,第4は,介護手当についてであります。  まず最初に,敬老パスについてであります。  我が党の荒川議員の代表質問への答弁で,多くの市民に理解される制度を目指して,交付方法を変更したとのことでした。ところが,多くの市民に理解される変更ではないので,質問を行います。  先月,市内の100 カ所に高齢者の方に出向いていただいて,パスの交付を行いました。ここに来られなかった人には,各区役所で随時交付をするとのことですが,まず,先月までの段階で,すなわち100 カ所の交付でどれほどの方がパスの交付を受けたのか,伺います。  交付対象者と実際の交付件数,その割合,すなわち申告率は何%になったのか。あわせて,昨年の交付対象者数と実際の件数,その割合についてもお示しをいただきたいと思います。  第2点目の高齢者保健福祉計画の見直しについてであります。  特別養護老人ホームについてですが,このたび補正がつきまして,この分を含めて2,950 床と,1999年度末までの計画目標を100 床上回ることになるわけですが,それでも1,500 人に近い待機者が残るわけです。代表質問で,目標が過小であったということを指摘しながら,その速やかな引き上げを求めたところでありますが,答弁の内容は,2点でありました。  その第1は,現行の高齢者保健福祉計画を着実に達成することに全力を挙げている。第2は,2000年4月の介護保険導入後,どの程度の需要増が見込まれるのか,現在,見直し作業中の高齢者保健福祉計画によって明らかになるので,その計画に沿って整備を進めるというものであります。  この答弁を見ますと,第1では,特別養護老人ホームの待機者の解消について触れておりませんし,第2では,一遍に2000年4月以降の話になってしまって,現状の待機者の解消策について述べられておりません。もちろん,2000年4月の介護保険導入の後をにらんだ整備を考えていくことは否定しませんが,問題は,今,待機をしている人をそれまで待たせるのかということであります。直ちに現行の計画の目標の引き上げ,2000年4月までに待機者の解消を図るべきと考えますが,いかがですか。  また,デイサービスでも8月末現在316 名の待機者がいらっしゃいますが,これについても,また他のサービスについても,保険料を徴収する以上,サービスが受けられる体制を整えて,最低でも待機はないという状態で2000年4月を迎えるべきと思いますけれども,いかがか伺います。  3点目,介護保険についてでありますが,一般的に,大都市では介護施設があるということで,それが保険料にはね返るという皮肉な結果が生まれる心配があります。  質問でありますが,高額な保険料が滞納者や無保険者を発生させ,結果として,介護保険ができたということでサービスの受けられない人が出てくるということはないのか。滞納で,無保険者が生まれる,あるいはサービスが受けられないという人が生まれるということについて,どうお考えか,伺います。  第4点目であります。介護手当についてでありますが,これも,市民の強い要望で実現した貴重な制度でありますので,これを充実させる方向でぜひ検討をしていだきたいと思うのであります。  本市の単独事業ということで実施されておりますが,障害基礎年金特別障害者手当福祉手当との併給がなされておりません。仙台,横浜,川崎,名古屋,京都では,このような併給について特に制限を設けておりません。神戸でも,もう1種類の介護手当との併給を制限しているだけであります。  本市においても,併給の制限を撤廃すべきと思いますがいかがか,伺います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  それでは,1点,2点,3点と5点目の介護保険を除く問題について,ご答弁を申し上げたいと思います。  まず,今回のパスの交付率ということでございますけれども,これにつきましては,一応9月いっぱいまで100 カ所の施設で配りまして,この結果,100 カ所の交付率の推計としては76.17 %という数字になってございます。この後,10月に入りましてから,さらに区役所の方に受け取りに来られている数字が2,000 少しという形になっておりますので,まだ若干ふえていくなというぐあいに考えております。  それから,過去の交付率ということでございますけれども,今とちょっと計算方式が違いますが,昨年までの交付枚数ということでお話し申し上げますと,8年度では88.64 %,それから9年度におきましては86.74 %という数字になってございます。  それから次に,施設の関係でございますけれども,既にこの間の厚生委員会の中でもお話し申し上げましたが,ちょっとダブりますけれども,高齢者保健福祉計画の目標数を一応100 床超えるということであります。しかし,この計画の最終年度が11年度でございますので,現状から見ますと,特養もデイサービスにつきましても待機者があるということでありますので,11年度につきましても,これらの事情を国の方と協議して,強く働きかけを行ってまいりたいと,かように考えております。  それから,5点目の介護手当併給調整の撤廃についてということでございますけれども,現在,介護保険という新しい制度導入を控えておりますので,介護を必要とする高齢者の在宅介護は,この制度の導入によって一層充実されてくるなというぐあいに考えております。ですから,現時点におきまして,今,宮川委員からご質問のあった併給調整の廃止については考えてございません。  以上です。 ◎高本 介護保険担当部長  3点目の介護保険についてお答えをいたします。  ご質問の介護保険制度についての基本的な考え方についてでございますけれども,介護保険制度は,ご承知のとおり,介護を社会全体で支える社会保険制度ということで創設されたものと認識しておりますので,まず,その趣旨を十分に理解していただくよう,PRなどに一層努めてまいりたいと考えております。  また,低所得者に対する対応についてでございますが,これにつきましては,これまでも他都市と連携を図りながら,国に対して強く要望してきているところでございますが,国全体での政・省令がまだ定まっておりませんので,そのような動向を見ながら,引き続き,対応策について検討してまいりたいと思います。  いずれにいたしましても,この介護保険制度は,現行の高齢者介護サービスの水準を引き上げるものにつながるということで理解しておりますので,まず,この制度の円滑な導入に全力を挙げて取り組みたいと考えてございます。  以上でございます。 ◆宮川 委員  敬老パスについてですけれども,ちょっと確認させてください。交付件数と言ったらいいのでしょうか,枚数と言ったらいいのでしょうか,それについては,どのような数字になっておりましたでしょうか。 ◎松下 高齢保健福祉部長  まず,ことしの交付枚数でございますけれども,11万4,323 枚,これは9月30日現在の数字でございます。昨年は12万3,494 枚と,こういう交付枚数になってございます。 ◆宮川 委員  ということになりますと,今現在では,交付している中間段階といいますか,交付が終わったという段階ではありませんけれども,しかし,最も主要な100 カ所でやるというような交付方法が終わった段階では,76%の交付率であり,交付件数も減っていると,こういうことになるわけです。パスを受け取らない人がふえたという事実を受けて,率も76%で,8年,9年と比べると10%あるいはそれ以上下がっている。このように,交付率でも数でも下がったと,パスを受け取らない人がふえてきたということについて,これはいいことだと,あるいは,本来の制度制定の趣旨にのっとった結果だと,こうお考えになっているのでしょうか。交付率が下がった,こういう交付方法にすることで市民の理解が得られるような制度になったと,このようにお考えなのでしょうか,改めて伺います。  次に,高齢者保健福祉計画の見直しということでありますけれども,目標自体は2000年4月を待たないで引き上げていくということが必要だと思うのです。  国に強く働きかけていくということでありましたけれども,現実に,広島ですとか大阪を見ますと,目標自体を見直して,それで引き上げてやっているという事実があります。また,2000年4月を迎えた段階で待機者がなくなるというところまで整備しなければ,2000年4月の段階では,保険料は徴収すると,しかし,サービスは受けられないという事態になるので,2000年4月までに待機者をなくすような,そういう整備まで水準を引き上げていくというお考えをぜひ示していただきたいというふうに思います。  3点目の介護保険についてでありますが,低所得者の対策について,国に要望していくというようなこと,また,今後,政・省令も見ながらということでありました。政・省令で示されたことを実施していくというのは当然かもしれませんけれども,結局,低所得者対策はどうすればできるかというと,公費による保険料と利用料の減免制度,どうしてもこれ抜きに低所得者対策は十分にできないというふうに思いますが,公費による保険料,利用料減免制度についてどうお考えになっているのか,お尋ねをします。  さらに加えて,サービスの水準という点についても伺いたいと思いますが,今の本市の高齢者保健福祉事業の規模を縮小させない,予算の規模でも,サービスの種類でも量でも縮小させないで,向上させるというような基本姿勢が必要かと思います。  この予算規模について,代表質問での答弁は,介護報酬額給付対象者数によって決まる,したがって,不明であるというような答弁でありました。それでは,報酬額と対象者数によっては,現行よりも後退,高齢者福祉にかかわる本市の予算が縮小するということもあり得ると,こういうことになるのでしょうか。  そもそも高齢者福祉は,ニーズに応じて充実していくということが求められるのであって,介護保険で供給される,一般的に言われております15種類のサービスの範囲,その中だけで考えるというものではありません。国自身もそういう理解に立っているから,サービス料の上乗せですとか,種類の横出しということを認めているのであります。高齢者の介護ニーズにこたえて,サービスを前進させるのだという基本姿勢で,予算の規模でも,サービスの量も種類も現行水準を後退させないと,充実させるという基本姿勢をぜひお示しをいただきたいというふうに思います。  4点目の介護手当についてでありますが,併給調整の撤廃について考えていないということでありますが,そもそも障害基礎年金介護手当というものは全く性格が違うものであります。障害基礎年金は,あくまで本人に対して給付されているものであります。介護手当は,介護をしている家族への給付という性格を持つものであります。したがって,障害基礎年金介護手当,性格の違うものを同列にして併給は認めないという考え方には無理があるというふうに思いますけれども,いかがでしょうか,ご答弁をお願いします。 ◎松下 高齢保健福祉部長  まず,交付率についてのお話でございます。  昨年とことしを比較いたしまして,交付率が下がっているということについて,どう考えておるのかということでございますけれども,あくまでも9月末現在の交付率でございますので,私といたしましては,今回,100 カ所に取りに来られた方は,まずパスを必要とされる方が受け取りに来られた結果だというぐあいに認識しておりますし,いついつまでに敬老パスをということじゃなくて,この後は区役所でもって常時交付するという形になりますので,必要である方はいつでも区役所で受け取られるということになりますので,使われる方にとっては不便を感じないのでないかと,そういうぐあいに感じております。  それから,介護保険の施設の特養の関係でございます。  確かに,高齢者保健福祉計画に基づきまして,11年度末までに2,850 床の施設計画をしておりましたけれども,今回の補正でもって2,950 と,100 床ふえる形になりました。  それで,全国的になかなか特養が整備されない段階で,札幌市は整備が目標を超えて認められたということは,私どもとしても喜んでおりますけれども,まだ待機者がおります。ただ,待機者の現状を申し上げますと,今,在宅で待機している方というのは2割ぐらいなものですから,この方々も含めまして,特に,今,在宅福祉サービスの方の施策がかなり充実しておりますので,そちらの方とあわせた形で,施設と在宅福祉のバランスのとれた給付サービスを行ってまいりたいと,このように考えてございます。  それから,介護手当の問題でございます。  委員がおっしゃっているように,意味合いが違うものを一緒にするのはというお話でございましたけれども,これらの障害手当福祉手当を支給されている方々は,言ってみますと,本人が国の支援を受けておられるわけでありまして,私どもが,今,介護手当を支給している方は,その枠から外れておられる方ということでありますので,対象にならない方も含めて,広く助成をしていくという意味合いもあって,この制度をスタートさせたというぐあいに考えております。  先ほどもお話し申し上げましたけれども,介護保険制度に向けて,これらの単独事業,これだけでございませんが,それらの事業については,今,再検討しながら,12年に向けて準備を進めているというぐあいに理解していただきたいと思います。  以上です。 ◎高本 介護保険担当部長  介護保険に関する1点目の低所得者に対する減免措置ということの質問かと思いますけれども,低所得者に対しましては,保険料の負担や利用者負担が過重にならないように,法律でも幾つかの対応策をとっております。また,減免につきましては,介護保険法の中でも,保険料の減免ができるという規定がございます。ただ,その解釈につきましては,現在のところ,災害等の特別な理由により,一時的に負担能力が低下した状態に着目した減免というような考え方でございますけれども,このあたりにつきましては,政令市を含めた中で国の方にも要望しておりますので,今後,国の方の考え方もさらに示されるのかなと思います。  そのような考え方なりを受けまして,今後,市としてどういうような対応が必要であるかと,それについては,引き続き検討をさせていただきたいと思います。  次に,2点目の現行福祉サービスの維持・向上についてでございますけれども,介護保険予算規模につきましては,代表質問でもお答えをしておりますが,介護サービスの種類ごとに国が定める介護報酬等,現在,策定作業をしております介護保険事業計画などによって決まる仕組みになっておりますので,現段階で本市の財政負担分が幾らになるのか,あるいは高齢者福祉予算規模が全体でどの程度になるのか,そういうことにつきましては,現在,まだ申し上げる状況にないということでございます。  ただ,今後,サービス全体につきましては,市町村特別給付ということで,これにつきましては,現在,介護保険事業計画の中で検討しておりますし,また,一般会計で対応すべき事項であるとか,あるいは独自事業として継続していくものにつきましては,国の補助制度や全国的な動向を踏まえながら,また,現在,要介護高齢者の実態調査もしておりますので,それらを見ながら,高齢者保健福祉計画の中で検討してまいりたいと思います。  いずれにいたしましても,先ほどもお答えいたしましたけれども,介護保険制度というのは,現行の高齢者介護サービスの水準の引き上げにつながるものということで理解しておりますので,それも含めて,今後,高齢者保健福祉計画の策定の中で検討していきたいというふうに考えてございます。  以上でございます。 ◆宮川 委員  最初に,高齢者保健福祉計画の見直し,特養の待機が多いという点でありますけれども,在宅で待機されている方は2割ですよとおっしゃいましたね。これは,特養に入れない,つまり,入れないというのはいっぱいで入れないと,待機させられているけれども,在宅で過ごせるような状況にないという方がいかに多いかということの裏返しだと思うのです。どこで待機しているかというと,病院で待機されていると,あるいは老健で待機しているという方が非常に多いです。  これは,いかに特養の待機者といえども,重症化があるかという裏返しだと思うのです。在宅で2割しかいないということは,特養の本当の要望が少ないということではなくて,むしろ要望は強いのだと,待機は切実なのだというふうに受けとめるべきだと思いますので,目標の引き上げと,それから,特養もデイサービスも待機がないというところまで,ぜひ前進していただきたいということを要望しておきます。  それから,介護手当についてでありますけれども,広く助成すると,あるいは単独事業については再検討が必要だというふうにおっしゃいましたが,再検討ということは,決して縮小させる方向ではない再検討をするように求めておきたいと思います。  それから,介護保険についてでありますけれども,水準の引き上げにつながるというようなご答弁でありましたので,それはそれで了としますが,しかし,現行のサービス水準はどのサービスをとっても後退させないのだというような前提に,ぜひ立っていただきたいというふうに要望しておきます。  最後に,敬老パスについてでありますけれども,今回の配付方法の変更について,使う人は不便を感じていないはずだというようなご答弁でありましたが,本当でしょうか。私,札幌敬老パスを守る連絡会の方々が,今回の100 カ所のパスの交付会場の周辺で,パスの交付を受けに来た方々を対象にしてアンケートを行った集約結果を持っております。これは,中央区,北区,東区,白石区,厚別区,183 名の方から意見を伺ったものでありますけれども,「民生委員による配付方式から自分で取りに来る申告方式に変わりましたけれども,どう思われますか」という設問に対して,「申告方式がよい」というふうに答えた方は半数に満たないという結果でありますし,また,反対の声として,こういう声があります。幾つもあるのですけれども,その中で主なものを紹介します。  「年がいくほど寂しいので,民生委員さんとの話し合いがだんだん遠くなるような気がする」,あるいは「足腰が弱いので,配付してほしい」「敬老パスは,年寄りを敬う意味と言うけれども,今回のやり方は,年寄りを敬うやり方とは違うのではないか」,こう言っております。これは,趣旨から言えば,制度制定の趣旨に沿う声だと思うのですよ。こういう声に真摯に耳を傾けるならば,今回の方法は敬老優待乗車証制度の制定の趣旨に沿うものではないと思うので,反対であります。ましてや,行財政改革推進計画の中にもこの敬老パスのあり方ということが挙げられておりますけれども,今後,年齢の引き上げですとか,所得制限,費用負担の導入,これはすべきでないというふうに思います。  繰り返し求めてまいりましたけれども,そういう改悪はしないというふうに,改めて明言していただきたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  現段階では考えておりません。  以上です。 ◆佐々木[周] 委員  私は,介護保険にかかわりまして,数点お伺いいたします。  先般の代表質問でも申し上げましたが,私ども市民ネットワークでは,在宅で,ある程度の介護を受けながら生活していらっしゃる市民の方120 人に対して,アンケート調査を行いました。そのときに,要介護になったときに,どのようにサービスを受けながら暮らしたいですかというふうに設問いたしましたところ,一番多かったのが,保健や福祉の在宅サービスを活用しながら自宅で生活したい,こういう方が70人いらっしゃいました。それから,家族介護を希望する方が22人いらっしゃいまして,家族の介護をやっぱり希望している人もいるのだなという,そういう結果がありました。残りの20何人かは,施設に入りたい,それから病院に入りたい,そういうことでした。ということで,7割近くの方が,いろんなサービスを受けながら在宅で暮らしたいというふうに希望していらっしゃるということで,少ない人数ですけれども,その割合が多いなということが大変印象に残ったところです。  また,ワーカーズコレクティブなどNPOのサービスに対してもお聞きしたのですけれども,家事援助サービスだとか,家族の方々の休息のために家事援助を利用したい,食事サービス送迎サービス,そのほかに除雪のサービスというか受けたいという,そういう方も結構いらっしゃいまして,いろんな面で,行政の今あるサービスのほかにも望んでいる方がいらっしゃるということが見えてまいりました。  ただ,今回のアンケート調査,私も何件か担当いたしまして伺ったのですけれども,やはり介護保険について余り知られていない。そして,知りたい,そういうことが随分多かったです。この120 の結果でも,知らない,よくわからないと答えた方が56名,大体半分の方たちが,よくわからないのだという,そういうお答えをなさっていました。  そこで,質問に入りたいのです。  先日の代表質問でも,わからない,知りたいという方のために十分な説明をするべきだということで,11月に各区で説明会を開くということをお答えになりましたけれども,そのことは今後もさらに充実していただきたいというふうに思っておりますが,今回,気になりましたのは,家族と同居していらっしゃる場合は,家族の方も介護保険についてとても関心がおありです。ところが,独居の方は,知りたいというか,そういう意識は少ないなという印象がありました。  そこで,質問なのですけれども,ひとり暮らしの方で,今後,介護保険が始まったときに,ある程度のサービスが必要かと思われる方たちに対しての情報提供のあり方についてです。  区で説明会を開きます。いろんな方法で広報なさって,そして説明会を開こうとなさっていると思いますけれども,私は,独居の方で要介護の方というのは,なかなかそこにいらっしゃることが難しいかと思うのです。ですから,これらの方たちに対しても,十分な情報提供が必要と思いますけれども,そのことについて,どのように検討なさろうとしているのか,お聞きいたします。  それから,2点目の質問ですが,要介護認定からサービス提供までの流れについてなのですけれども,先日も,民間やNPOも含めて,どのような機関がサービスの提供者として参入なさろうとしているのか,そのような質問もいたしました。千数百件でしたか,いろんな団体の方が参入を希望しているというふうにとらえているというお答えだったのですけれども,質問したいのは,要介護を申請してからサービスの提供まで,その中で,どのような機関が担うことになるのか。というのは,最初の認定作業はどこが担うのか,そういうことも含めてです。第三セクター,それから民間やNPOも含めた形で,具体的な事業者名もおわかりになれば,お示しいただきたいと思います。  それから,3点目の質問ですけれども,要介護認定の作業が来年の10月から始まることになっています。  そこで,先日の質問でも,よくわからなければ,最初は出足が鈍くても,説明が十分行き渡ったところで,何千人もの方たちが集中的に認定の申請をするのではないかということが予想されます。要介護の方が,今の高齢者人口からして2万3,000 人から4,000 人の方たちが申請するのじゃないかというふうに予想されますけれども,その場合,混乱を避けるためにどのような体制で臨むおつもりか,その辺についてお伺いいたします。  まず,3点についてお願いいたします。 ◎高本 介護保険担当部長  介護保険に関する3点の質問にお答えをしたいと思います。  まず,1点目は,市民の方によく制度を知っていただくということで,11月から区民説明会を開催する予定でございますが,こういった区民説明会等に来られない要介護者に対する情報提供の方法についてどうするのかというご質問だと思います。  現在,各区で,要介護者の方を対象といたしました実態調査というのを行っておりますが,この中でも,介護保険制度の概要について適宜説明を行いながら,調査を行っているところでございます。  現在,保健婦等による訪問指導事業等の既存の事業がございますので,今後,そういった事業を活用するなどいたしまして,介護保険サービス利用等に関する情報提供については,きめ細かく行ってまいりたいというふうに考えております。  次に,2点目の介護認定の申請からサービス提供を受けるまでの流れについて,市や今後参入するサービス事業がどういったかかわりを持つのかというご質問だと思いますが,まず,要介護高齢者や家族の方が区役所に要介護認定の申請をいたしますと,申請を受けた区役所では,保健婦等の職員が高齢者の方の自宅を訪問して,そこで日常生活等の状況など,認定に必要な調査を行います。  この訪問調査につきましては,おおむね6カ月ごとの更新認定ということがありますので,これを含めますと事務量が膨大になりますので,その認定調査の一部につきましては,本市の第三セクターであります札幌市在宅福祉サービス協会の職員にも行っていただきたいということで考えてございます。  次に,訪問調査結果につきましては,かかりつけ医の意見書とあわせて,区役所に設置されます介護認定審査会の方で審査されることになります。審査会では,要介護認定あるいは要支援認定,それから該当する要介護状態区分,そういうものの審査を行いまして,ここで要支援・要介護度1から5まであ るのですが,それらについて決まりまして,介護保険から支払われる一月のサービス費用の限度額がここで決まることになります。  介護認定審査会の結果に基づいて,どのような介護サービスを組み合わせるのが本人のためになるのか,それにつきましては,ケアプラン作成機関にケアプランの作成を依頼するということになります。このケアプラン作成機関につきましては,介護保険制度によって新たに設置される専門機関ということでございます。このケアプラン作成機関につきましては,つい先日,北海道で試験がございましたが,ケアマネジャーが必ず配置されていなければならないということで,そういうケアマネジャーを配置している,そして一定の要件を満たす会社等につきましては,新たに事業者ということで参入することができます。  ケアプランが決まりまして,実際のサービスの提供が始まるということになりますが,サービス提供事業者につきましては,今後,多様な民間事業者やNPO等,そういった企業が参入するということが予想されます。  介護保険導入後につきましては,そういったケアプラン作成機関であるとか,サービス提供事業者につきましては,本人が自由に選択できるということになります。  これが,介護保険に関する認定からサービス提供までの大きな流れでございます。  次に,3点目は,要介護認定の開始時に申請者が殺到して,窓口が混乱するのではないかというお話でございますが,介護保険制度のスタートは平成12年4月からということでございます。ただ,4月から一斉に申請を受け付けますと,窓口が混乱すると,そういうこともございまして,制度スタートの6カ月前の平成11年10月,来年の10月からでございますが,要介護認定事務を開始するということになります。  したがいまして,事前に十分な広報を行いまして,現にサービスを受けている方,それと介護保険制度導入に伴って新たにサービスを希望される方,これらの方々につきましては,6カ月前から申請をしていただきまして,この間に計画的に認定作業を行ってまいりたいと,そのように考えております。  以上でございます。 ◆佐々木[周] 委員  まず,1点目なのですけれども,先ほどのお答えでは,今の実態調査と,それから保健婦さんの訪問指導などを活用して,きめ細かくとおっしゃっていましたが,実態調査にしたしましても,高齢者人口のやや1割,そのぐらいの方しか対象にしていらっしゃいません。それから,訪問指導にいたしましても,本当に限られた方のところにしかいらしていない。  私の伺ったところで,ひとり暮らしの方がいらっしゃいましたけれども,訪問指導なんかもご存じなかったですし,それがなかなか一般化していないというふうにとらえるのですよ。ですから,きめ細かくと先ほどおっしゃいましたけれども,そういう方のところは,わかると思いますので,例えば,先ほど民生委員のお話もありましたが,その方にちょっとお願いして,訪問して,そして説明していただくとか,そういうこともできるのではないかと思いますが,そのことについてもう一度お聞かせいただきたいと思います。  それから,2点目のことです。1次認定の調査のときに,第三セクターである在宅福祉サービス協会にも一部委託になるだろうということをお示しいただきました。  そこで,気になりますのが,まず,1次認定がありまして,その方が,ケアマネジャーがどういうところにいるかということがわからない場合,サービスの提供者として,在宅福祉サービス協会に集中してしまうのではないかと,そういうような危惧もされます。それを回避するというのは,民間の方もいろいろ参入していますし,それから福祉法人,医療法人,ケアマネジャーが──この前の試験は随分多くの方たちが受験なさいましたよね。そういうことで,いろんなところでサービスが提供されるということが,受ける本人がわかればいいのですけれども,わからない場合,どう提供していくのかというのがあります。そこで,在宅福祉サービス協会にサービスが集中してしまうのではないかという危惧の声が,民間の方たちからも実際に出ているのですよ。ですから,それを回避するためにどういうことをお考えになっていらっしゃるのか,お聞きしたいと思います。
     それと,3点目の混乱回避についてですけれども,人数が平均的に来ればいいのですが,想定されないような事態もあるかもしれません。ですから,そのことについて十分準備を怠らないように,これは要望しておきます。  まず,その二つ,お願いします。 ◎高本 介護保険担当部長  1点目の,現在,2次調査ということで,要介護高齢者の方のお宅を訪問していますが,これは,先ほど1割というお話でしたけれども,2次調査につきましては,重い方については全員に個別調査に入っています。要するに,2次調査は,現在,サービスを受けている方に対する調査でございますので,かなりの数の要介護者のお宅を訪問しています。  それと,今後のPRなのですが,一つの例ということで,保健婦さんの訪問指導時というお話をいたしましたが,より多くの方に知っていただくという意味で,例えば,先ほど民生委員さんというお話もございましたけれども,そういうことも含めて,今後,検討させていただきたいなと思います。  それと,2点目の認定調査をサービス協会に一部委託ということで,そこに殺到するのでないかということでございますけれども,サービス協会は,ご承知のとおり,札幌市が出資する第三セクターということです。今後,ケアプラン作成なりサービス提供事業者に多様な民間事業者が入ってきますし,サービス協会自体,営利を目的とした団体でございませんので,その辺の調整についてはやっていきたいなというふうに思っています。  それと,先ほどの,申請時に一時的に集中するのではということですが,実際の介護保険の適用を受けるのは12年4月1日でございまして,その前の6カ月の中で,申請者をある程度事前にいただいて,調整して認定作業を行うということなので,4月になっての集中ということは避けられると思います。  以上でございます。 ◆佐々木[周] 委員  わかりました。十分準備を積んでいただきたいと思います。  それでは,4点目の質問に入ります。  先日の代表質問でもちょっと申し上げたのですけれども,訪問看護と保健婦さんの訪問指導,それらの指導の内容が余り変わらないのですね。ところが,今回,アンケート調査をいたしまして,訪問看護婦さんがいらしている人と,それから訪問指導の保健婦さんもいらして重なっている人,それからまた,全然そういうことも知らないし,いらしていないと,そういうような状況が見えてきました。  そこで,介護保険のメニューとなっているのは,訪問看護婦さんですよね。訪問指導というのは,日ごろからの保健婦さんのお仕事としてなさっているというか,そういうことになるわけです。そういうことで,今後,介護保険が導入された場合,どのような方に対して看護婦さんを訪問させるのか,対象者の調整が必要ではないかと思うのです。そういうことについて,今から検討していく必要があると思うのですけれども,その点について,どのようにお考えか,お示しいただきたいと思います。  それから,5点目なのですけれども,ショートステイについてです。  高齢者保健福祉計画のショートステイの進捗状況を拝見いたしますと,今年度末で,ベッド数で言えば128.2 %という,計画を上回る数字で進捗しているということは認識しております。しかしながら,先日もちょっと申し上げましたけれども,以前から予想されていて申し込む人はいいのですが,例えば,突然,身内に不幸があったから,あしたからちょっと地方に行かなきゃならないと,そういうときに,どういう状況なのかといいますと,すぐ受けられないという,そういう声が上がりました。もう少し突き詰めてお聞きいたしますと,ショートステイの場合は登録制をとっていまして,どこそこの特養ホームにいらしてくださいということがありまして,そこに申し込むと,うちのベッドはあいていませんので,ちょっとお待ちくださいと。それからまた,違う特養ホームではあいていますけれども,そちらの方ではいかがですかという,そういうような対応はありますが,市民の方には,ここの特養ホームに頼めば入れるのだという,そういうような認識がとても強いように思いました。  それで,介護保険が導入される時点に,ショートステイはいつでも受けられますよ,あなたの選択肢,ここがいいと言えば,いつでも入れますよというふうな説明がされていますと,市民の側からすれば,満足度と申しますか,行ったのに受けられない,遠いところを勧められたと,そういうふうになりかねません。ですから,このショートステイについて,もう少しきめ細かい説明の必要を感じますけれども,その点についてどのようにお考えか,お示しください。  それから,6点目です。介護保険のメニューには入っておりませんけれども,配食サービスの希望が結構多かったのです。これは一部ですけれども,どんなサービスを民間のNPOに対して希望しますかというふうにとったところ,120 名中47名がNPOであっても食事サービスを受けたいと,そういうような希望が出ておりました。  そこで,質問したいのは,このような市民から要望が多いサービスについて,特に,この場合は,食事サービスのことを申し上げたいのですけれども,そういう在宅を支えるサービスを今後も継続して提供すべきと考えるのですが,その点についてどのようにお考えか,お示しください。 ◎松下 高齢保健福祉部長  ただいまの3点について,私の方からお答えしたいと思います。  まず,1点目の訪問看護と訪問指導の対象と調整ということでございますけれども,言葉が非常に近いということもありまして,わかりづらい部分があるのですが,今,佐々木委員がご指摘のとおり,介護保険導入時には,訪問看護と訪問指導の対象について,基本的な整理をする必要があるというぐあいに考えております。  訪問看護は,今,お話しありましたけれども,介護保険の方の在宅サービスメニューになっておりますので,こちらの方は介護保険の認定を受けた方が十分に利用されるというようなことで,この訪問看護は認定された方に利用していただくと,こういう方向で基本的には考えております。  それから,訪問指導の方でございますけれども,これは,どちらかというと,要介護状態にならないための保健指導ということが目的でありますし,64歳以下で介護保険の給付の対象にならない障害者等も対象とするということになりますので,訪問看護と訪問指導は,こういうぐあいにきちっと分けた形で,わかりやすい形でやっていきたいなと,こういうぐあいに考えています。  それから,ショートステイの問題でございますけれども,お話しのとおり,ショートステイは登録証の方式をとっておりますので,例えば,特定の施設や特定の時期に申し込みが集中するような場合に,利用者の皆さんが日ごろから複数の施設と連携をとっていただくことで,ここがあいていなければ,あちらの施設の方も利用できるというような形でやっていただければ,利用が可能になると思いますが,それらのことがよく説明されていないと,今回の場合はそういう事例だったということでありますので,これらのことに対しましては,施設側にも,親切にそこら辺のところをよく説明するように徹底していきたいと,そういうぐあいに考えています。  それから,施設に対しまして,施設間の連携とか,利用者中心のサービスの提供の徹底ということについては,これは当然しなきゃいけないことでありますので,徹底していきたいと思っております。  それから,3点目の配食サービスの拡充でございますけれども,これは,現在,国の補助制度ということで実施しております。  今後の事業のあり方につきましては,介護保険実施に伴う国の補助制度がまだはっきりしていないものですから,この状況を踏まえて,これから策定いたします新しい高齢者保健福祉計画の中で検討していくという形で取り組んでまいりたいと,かように考えております。  以上です。 ◆佐々木[周] 委員  わかりました。  訪問看護と訪問指導のことについては,介護保険が始まると,適格な方に的確なサービスが提供できるようになるかなというふうに思いました。  それから,訪問指導の方ですけれども,以前にも,私,保健婦さんは,これからは地域にどんどん入っていって,顔の見える関係で,保健婦さんでなくて何々さんと呼ばれるような,市民の方とそういうようなつき合いをしてほしいというふうに申し上げましたが,介護保険の対象にならないように予防する方の重要な役割をこれから果たしていくと思うのですね。今のご答弁で明確に分けていくということがわかりましたので,それについても,今後のことを十分見守っていきたいと思います。  それから,ショートステイのことについては,受ける側は,一回説明してもらったら,そのことばかり思って,いろいろなふうに考えられないような状況というのか,1カ所だけでなくて,そのほかのところもあるのだよということがわからないですよね。ですから,今後,きめ細かく取り組んでいってください。  それから,配食サービスなのですけれども,先ほどもおっしゃっていましたが,これは微妙な段階というか,そういう感じだと思います。  それで,札幌市の場合,業者さんが定期的にやっているのと,それからNPO,社協と協力して市民の団体の方が週1回だとか,月に何回だとか,そういう形で結構広がってまいりました。件数はまだ少ないにしても,要望が非常に高いということもございますので,国の方にもいろいろ時宜を得て要望するなり,国からの補助が少なくならないように,そして,札幌市も積極的にこのような横出しというか,上乗せというか,そういうようなサービスを提供できるように,ぜひ検討を続けていただきたいと思います。  要望して,終わります。 ◆新山 委員  私からも,介護保険制度に関して,その体制整備を進めるに当たっては,行財政改革を断行するといった視点から,思い切った事務の効率化を推進すべきであるとの立場に立って,数点質問をさせていただきます。  まず,職員体制の問題でありますが,昨今の厳しい社会経済情勢のもとで,今後の財政運営には人件費の圧縮が極めて重要な課題であると考えております。  介護保険では,40歳以上の被保険者が約90万人にも上り,苦情処理,要介護認定,介護保険料の賦課・徴収などといった新しい事務が大量に発生をし,この事務量の増大に対応した職員の大幅な増加が予想されるところであります。  しかしながら,介護保険制度の創設は,高齢社会に欠かせない行政需要であるとはいえ,ただ単に必要な職員を配置するというのではなく,行政改革の断行を基本として,現行業務の見直し,スクラップ・アンド・ビルドの考え方に立って,職員は必要最低限の増員に抑える取り組みがぜひとも必要であると考えます。  そこで,まず第1点として,現在の本庁・区の介護保険の体制についてどのようになっているのか,お聞かせを願いたいと思います。  さらに,2点目として,事務運営の効率化を積極的に推進をする観点から,介護保険制度導入に伴う体制整備にどのように取り組もうとしているのか,具体的な考え方をお伺いいたします。  次に,介護保険の事業費についてであります。  介護保険では,介護給付費の増大や保険料の未納などから,国保の二の舞になるおそれがあると言われており,このまま推進されれば財政負担が膨れ上がることは間違いがなく,すぐに保険料の値上げをしなければならなくなると言われております。  本市の厳しい財政状況を考えますと,介護保険の導入によって新たな財政負担や過重な財政負担が生じないように,前もって有効な対策を講じてておくことが必要であろうと思います。  そこで,3点目として,介護保険の事業運営にどれだけの経費が必要となると推計しているのか,現時点で把握されている範囲でお答えをいただきたいと思います。 ◎高本 介護保険担当部長  ご質問のありました3点につきまして,お答えをいたします。  まず,1点目の現在の体制についてでございますが,本年4月に,保健福祉局に介護保険担当部を新設いたしまして,私以下16名の職員を配置しております。また,区の保健福祉サービス課には,介護保険主査,担当者合わせて16名を配置し,合計32名の体制で,組織体制の整備であるとか,あるいは介護保険事業計画の策定,モデル事業の実施等,制度の円滑な導入に向けて,その準備事務に精力的に取り組んでいるところでございます。  次に,2点目の効率的な体制の整備についてでございますが,介護保険事務につきましては,区の保健福祉サービス課や国保年金課で現在行っています事務と共通・類似するものがありますので,そのノウハウを十分活用できるように,介護保険によって新たな組織をつくるということではなく,現在ある組織で介護保険の事務を分担することとし,事務の効率化,それから新制度へのスムーズな移行を図ってまいりたいというふうに考えております。  それと,3点目の介護保険の事業運営に必要な経費についてでございますけれども,現在,需要調査や供給側調査などを行っているところで,その結果などをもとに,事業費総額を推計するということになっております。  したがいまして,現時点では,まだ把握できていない状況にありますが,平成11年度の早い時期におおよその事業費を推計したいということで考えております。  あらあらの数字といたしましては,国では,この制度がスタートする平成12年度で総事業費を約4兆2,000 億円と推計しております。このことから,これを高齢者人口値で推計いたしますと,本市では約420 億円ということになりますが,これはあくまでも平成7年度におきます国庫補助ベースでの試算でございますので,正確な事業費の推計につきましては,もう少し時間をいただきたいと思います。  以上でございます。 ◆新山 委員  介護保険の事務処理を効率化するための電算システムの開発経費については,今年度分だけでも約4億3,400 万円の予算が計上されているところでありますけれども,これに対する国庫補助はわずか1,500 万程度しかないと聞いております。経費のほとんどが本市の持ち出しとなっているのが現状であります。  現在,既に本庁や区に配置している職員の人件費や電算システムの開発といった準備段階で必要となってくる経費についても,本市の財政負担が過重にならないように,国の責任において十分な財政措置を図られることが必要なわけであります。財源確保のために,国に対する働きかけを積極的に行うべきであると考えておりますがいかがか,お伺いをいたします。  また,財政と業務の増加が予想されるわけでありますから,導入時に,行財政改革の立場から,民間活力の導入や民間委託により,財政負担の軽減を考えるべきと思いますが,どのように考えているか,お伺いをいたします。 ◎高本 介護保険担当部長  準備経費に係る財源措置についてでございますが,ご指摘のとおり,十分な財源措置が講じられますよう,各指定都市とも連携を図りながら,国に対しまして,引き続き,強く要望してまいりたいというふうに考えております。  また,民間活力や業務委託の推進につきましては,行政と民間との役割分担のあり方や,あるいは費用対効果などを十分勘案しながら,制度運営を効率的に行うことができるような体制づくりで,これからも取り組んでまいりたいというふうに考えております。 ◆新山 委員  システムができ上がってから,それを変えていくということは大変なわけでありますから,行財政改革を断行する上で,システムを構築する前に,民間活力,民間委託導入を考えの中に入れていただくことを求めて,質問を終わります。 ◆小野 委員  私の方は,大きく2点,一つは,先ほど来,議論されている介護保険について,それから二つには,老人クラブの活動について,補助要綱の見直しなどについて質問したいと思います。  まず最初に,介護保険に関してであります。  西暦2000年4月,あと1年半に迫っているわけですが,今議会でも代表質問を通じ,さらには,きょうの特別委員会においても,多く取り上げられているわけですが,いまだ報酬単価など,基本的な事柄について政・省令が定まっていないという点で,議論も非常にやりづらい点があるわけでありますけれども,私の方から3点ほど質問をしたいと思います。  先ほどの議論にもありますように,介護支援専門員,いわゆるケアマネジャーが果たす役割というのが極めて大きくあるわけです。特に,要介護者に対して必要・適切なサービスを提供する,あるいは,さまざまなサービス提供事業者による各種のサービスを効率よく,総合的に組み合わせをしていくとか,そういう意味でも,ケアマネジャーの役割,当然ながら法においても定められて,試験をして指定をされるわけですが,このケアマネジャーをいかにして養成をし,そして,その質をいかに高めていくかということが,介護保険を成功させるか否かの重要なポイントになろうと思います。  そういった意味で,本市における介護支援専門員,いわゆるケアマネジャーがどの程度必要な数と考えられているのか,あるいは,その人材のとりあえずの確保についてのめどをお持ちなのか,その点をまずお聞きをしたいと思います。  介護支援専門員,全国的には4万人ほど必要だと言われているわけですが,9月の末に北海道で試験が実施をされました。いまだ合格者が発表されていませんけれども,お聞きしますと,全道で約1万2,000 人が試験を受けたと。その中で,札幌市内で何人,それから本市の職員が何人受けたか,これをあわせてお聞きをしたいと思います。  その1万2,000 人のうち,ドクターが1,000 人,看護婦など含めて医療機関の従事者が5,500 人と,約半分近く,医療機関の従事者が介護支援専門員の試験を受けているわけですね。  あわせて,厚生省が9月24日に発表した医療施設の動態調査結果によると,病院のベッド数は減っているけれども,いわゆる療養型病床群は49%,5割近くふえていると。これはなぜかというと,俗に言う老人病院に若干手を加えて,改良した療養型病床群が介護保険において給付対象になっていると。そういうことをねらって療養型病床群が急激にふえているし,また,そこの従事者が介護支援専門員の試験を受けているということが言えるのではないかと思うわけです。  そういった中で,先ほど来,議論がありますけれども,具体的なケアプランを作成するケアマネジャーが,サービスを提供する事業者に所属をしている場合,言うならば,そのサービス提供事業者が持っているサービスを優先する,セールスマンとして,ケアプランを作成すると。一種の,要介護者をその施設なり法人の利用者として抱え込んでしまうと,そういう危険性が生じないのかという,そういう声が非常にあるわけです。そんなこととか,例えば,介護報酬の高いサービスを利用するけれども,介護報酬の低いサービスは提供しないと,避けるというようなことも起きないのかという懸念が生じるわけです。  そういった意味で,ケアプランを作成するケアマネジャーをどのような形で配置をするか,育成をしていくかということになるのですが,サービス提供事業者に所属をしない中立な,あるいは公平な立場でケアプランを作成する機関が必要ではないのかという認識を僕は持っているわけです。  特に,大きな事業者だけじゃなくて,いろんなボランティアや市民事業,いわゆるNPOなどのサービス提供機関がこれからどんどん生まれてくるし,また育てていかなければなりませんし,そういったサービスのネットワークをつくっていって,新しい介護システムをつくっていくという課題もあるわけですから,そういう面では,細々としたサービス提供者を組み合わせていく上でも,特定の事業者に属さないケアプラン作成機関が必要ではないのかという思いがいたします。  そういった中で,申請をし,調査を受けて,そして介護認定をされる,ここまでは区役所がやるわけですね。そういう面では,やはり認定をされた利用者は,まず第1に区役所に相談に行くと思うのですよ。一体どのサービスを利用したらいいのだろうかと,私にどういうケアプランをつくってくれるのだろうかと。そういう意味で,やはり区役所がきちっと相談に乗れるような体制をつくらないと,それは別なところですよと,俗に言う,たらい回しという批判を受けないようにするためにも,区役所においてケアプランを作成する,あるいはケアマネジャーの役割が果たせるような機能を持つ必要があるのではないかと思います。  そういった点,まず最初に,2点にわたってお聞きをしたいと思います。 ◎高本 介護保険担当部長  介護保険に関する2点のご質問にお答えをいたします。  まず,1点目のケアマネジャーの必要数と人材の確保についてでございますが,ケアマネジャーの必要数につきましては,現在実施しております介護保険事業計画,その結果を見なければ正確なことは申し上げられませんが,先ほどもお話がございましたように,国では介護保険導入時に,全国で約4万人程度の確保が必要だということでございますので,これを高齢者人口値で本市に当てはめますと,450 人程度が必要になるのではないかと見込んでおります。  この必要数に対しまして,9月27日に実施されましたケアマネジャー実務研修受講資格試験ですが,全道で1万2,000 人余りの方が受けておりますが,その受験者の中に,本市在住者は約4,300 人ということで把握しております。この中に,本市の職員は127 名含まれております。したがいまして,必要な人材につきましては,おおむね確保できるのではないかというふうに考えております。  今後,ケアプラン作成機関,ケアマネジャーの配置につきましては,民間の動向なども見ながら,必要な体制の整備を図ってまいりたいというふうに考えております。  それと,2点目の公平・中立的なケアプラン作成機関の設置についてでございますけれども,ケアプラン作成機関の業務の中立性を確保するということは重要な課題でありますので,介護保険法では,そのために幅広く地域の,例えばサービス事業者を含めた介護サービスに関する情報を公平に提供するということになっておりますし,また,ケアプランの作成に当たりましては,本人や家族の了解を得るということで,ケアプラン作成機関にこういった役割を担保させております。  本市におきましては,ケアプラン作成能力を有する福祉専門職を多く確保されています札幌市在宅福祉サービス協会が,ケアプラン作成機関の指定を受ける予定でおります。  このサービス協会は,本市が出資する第三セクターでもありますし,また,市内全域をカバーしておりますところから,例えば,緊急時のサービス提供ということであるとか,あるいは処遇困難ケースなどへの対応も含めまして,公平・中立的な立場でケアプラン作成業務を担っていけるものというふうに考えております。  以上でございます。 ◆小野 委員  いずれにしましても,数の上では確保のめどが立ったとしても,問題はその中身というか,質になるわけですが,制度発足の当初からそういったことを期待することができないわけです。現在もモデル事業などをされているわけですが,そういった経験といいますか,教訓を2000年4月に向けても大いに生かしていかなければならないと思います。  それから,中立・公平なケアプラン作成機関ということについては,確かに言われている在宅福祉サービス協会の位置づけもあろうかと思いますけれども,第一義的には,申請をし,調査を受ける区役所に対する要望も強いものがあろうと思いますので,これらについてもぜひ検討いただきたいと思います。  それで,こういったことにも関連するわけですけれども,さまざまな形でケアプランの作成,あるいは具体的なサービスの提供を受けていく過程において,いろんな不満なり苦情なり,そういうものが生じてくるわけです。こういったサービス提供についての苦情処理については,都道府県ごとに置かれるということで,具体的には国民健康保険団体連合会に置かれることになっているわけですけれども,このことについては代表質問でも我が会派から指摘をしているわけですが,率直なところ,なかなかそう いったところには声が届きづらいし,その改善策といいますか,是正を含めて,迅速な処理が望めないと。やはり,より身近なところでこういった苦情処理を受けとめる。はっきり言いまして,そういった苦情の大半も,言うならば,事業者としての指定を取り消さなければならないような重大な問題じゃなくして,本当にちょっとした制度の誤解など,一定のサービス提供者と利用者との間に立って,若干の意見交換をすれば,改善をされるような事柄も多々あろうかと思うわけです。  そんなことも含めて,より身近なところで,具体的には調査,認定が行われる区の段階で,この窓口をきちっとつくっていく必要があろうと思います。  あわせて,単に苦情処理の機関としてだけではなくして,それぞれの区におけるサービス提供がどのような状態にあるのか,あるいは,それをどのように引き上げていく必要があるのかとか,そういうような議論なんかもできるような意味で,これまた代表質問でも指摘していますけれども,いわゆる介護保険の運営委員会を各区ごとに設けるべきでないのかということについて,考えをお聞かせいただきたいと思うのです。  とりわけ,介護保険が発足をしてから5年ごとに改定をするといいますか,3年をめどに一応見直しをしていくということになっていますね。そうすると,2000年にスタートすれば,即,次の見直しに向けて実態調査なり,ニーズの調査なり,あるいはサービス提供のレベルの問題を含めて検討が始まっていくわけですから,いわば,今回,事業策定委員会が設置をされていますけれども,これを市レベルでは継続して設置をしていくということも含めて検討いただきたいと思うのですが,2点についてお聞きをしたいと思います。  あわせて,次に,老人クラブの問題について質問をしたいと思います。  高齢者の生きがい対策,とりわけ,社会参加の手段として重要な役割を担っている老人クラブ,最近ではいろんな違った名称で,例えばシルバークラブとか,当事者の中ではそういう形で言われているようでありますけれども,こういったものが地域における町内会などの住民組織の一つとしても活発な活動を積み重ねてきているわけですが,ご承知のとおり,核家族化とか都市化の中で,老人クラブの組織率というか,加入率も年々低下をしていると。全国的にも平成8年度末で約33%,歴史の浅い本市においては13%という極めて低い実態になっているわけです。  そういう状態でありますけれども,これからの高齢社会を迎えるに当たって,とりわけ,高齢者の生きがい対策あるいは自主的な社会参加の組織として,老人クラブの役割はますます重要になってくると思います。  それで,従来,老人クラブというのは,地域単位で組織をすることが本市の場合の補助要綱の中でも──これは,国の要綱に準じているわけですけれども,同一の地域であるということが,その補助要綱の中に求められているわけですが,今,考えてみますと,単に地域単位じゃなくして,例えば,同じような趣味,目的,あるいは同じような境遇,そういった方々がグループを組織して,さまざまな活動をしている場合が多くあるわけです。そういう面では,老人クラブの新たな展開を図る意味からも,本市の補助要綱を見直して,単に同一地域性ということにこだわらず,いろんな形態の老人クラブを育成していくべきでないかと考えますので,この点についてのお考えをいただきたいと思います。 ◎高本 介護保険担当部長  介護保険に関します2点について,私からお答えいたします。  まず,苦情処理についてでございますが,介護保険制度では,市町村の窓口や地域のケアプラン作成機関など,苦情処理については,身近なところでも受け付けるということになっております。  本市といたしましても,区の総合相談窓口にケアマネジャーの有資格者を配置いたしまして,苦情の相談や調整で解決できる事柄につきましては,積極的に対応してまいりたいというふうに思っておりまして,そのための体制整備についても図ってまいりたいというふうに考えております。  また,ご提案のありました介護保険運営委員会についてでございますが,代表質問の中でもお答えいたしましたように,苦情処理機関としては,法律で定めのある国保連合会との兼ね合いもございますので,今後,他都市の状況なども含めて検討させていただきたいと思います。  また,介護保険制度スタート後の運営管理につきまして,例えば,現在の介護保険事業計画策定委員会などを活用したらというようなお話でございましたが,介護保険事業計画策定委員会につきましては,現在のところ,計画策定のための委員会ということでございますので,今後のあり方なども含めて,今後,検討させていただきたいと思います。  以上です。 ◎松下 高齢保健福祉部長  それでは,老人クラブの関係について,私の方からお答えいたしたいと思います。  委員から,今,ご指摘ありましたけれども,老人クラブの加入率が年々下がっている傾向にございます。しかしながら,高齢化社会がどんどん進展していきますので,社会参加の機会をどうしても拡大していきたいという意味からいきましても,老人クラブは非常に重要な存在であるなというぐあいに理解しているところであります。  今,委員からご提案いただきましたけれども,さまざまな形態のクラブも補助対象とすべきでないかという意見でございまして,これは大変意義のある内容でございますので,私どもとしても,検討しなければならない事項であるなというぐあいに認識をしております。  委員の方からお話しありましけれども,今,国の補助事業という中で,地域性ということで補助ということになったものですから,ここら辺のところを国の方に要望するために,ほかの自治体と意見交換をしながら,国に働きかけを行ってまいりたいと,かように考えております。  以上です。 ◆小野 委員  老人クラブの補助要綱の見直しについては,地域性も当然大事なことでありますけれども,今次,交通アクセスの発達だとか含めて,非常に活発に,地域を超えて活動されている方々が多数いるわけですから,そういった点を育成するという立場で,ぜひ努力をしていただきたいと思います。  それから,介護保険に関して,ある面じゃ歴史的な転換になるわけで,そういう面では,市民にとっても非常に大きな関心事でありますから,これを,より身近なところで見える形で運営をしていくかということも大事なことだと思いますので,運営委員会あるいは苦情処理の体制についてもぜひ検討をいただきたいと思います。
     それから,あわせて,先ほど来,意見もありますし,代表質問でも指摘してまいりましたけれども,市民に対して丁寧な制度の説明,今まで潜在化していたニーズが顕在化してくるということもあり得ますので,これを今の時期にしっかりやっておかないと,制度が発足をしてから,急激にニーズが高まってきて,対応がとれないということにならないように,11月の市民説明会も,来ていただくのを待つのじゃなくて,積極的に働きかけをして,会場からあふれるぐらいたくさんの方に来ていただけるように,広報さっぽろなどのお知らせの記事を見ると,若干心配な,積極性がちょっと感じられない点がありましたので,ぜひその点を努力していただきたいと思います。  それから最後に,これは要望といいますか,ちょっと急な話なので申しわけないのですけれども,一応,問題の提起といいますか,指摘を含めて,あわせて,ぜひ調査検討をしていただきたいと思うことが1点あります。  これは,介護保険に関することなのですけれども,日本聴力障害新聞のことしの10月1日号の中に,具体的に言えば,札幌市の聾唖者相談員の方が投書をされています,介護支援専門員実務研修受験を断られたと。いろいろ書いてありますけれども,介護支援専門員実務研修受験の案内の中にいろいろありまして,聾唖者センターなどで相談援助業務を行う者,つまり聾唖者相談員のこともあると思うのですが,その中であっても,社会福祉主事任用資格を有する者という条件もついています。この方もそういう任用資格を持っているのです。ところが,ずっと書いてあって,いわゆる手話通訳士という条件がついているのですね。聾唖者の方が手話通訳士になれるわけがないので,そういった中で言えば,ここで門前払いを食らっているわけですね。  こういった相談業務に従事をし,実務経験も5年以上あって,そして社会福祉主事の任用資格を有していると。そういった中で,なぜ受験の機会を奪われるのかという問題です。これについては,調査をしていただいて,そういった社会参加の機会均等といいますか,そういう問題でもありますので,ぜひ検討調査をいただきたいと思います。  以上で,終わります。 ◆義卜 委員  それでは,私は,痴呆性高齢者対策につきましてお伺いをしたいと思います。いわゆるぼけ老人の問題ですけれども,我が党は,これまでの代表質問等でも何回か訴えてきたところでございます。  事柄が事柄だけに,対策がとんとん拍子で進むということはないのでしょうけれども,今まで,我々のいろんな提案に対しまして,皆さん方が,病院も含めていろんな体制整備を図ろうとして検討されてきたことは理解をいたします。しかしながら,いろんな隘路がございまして,それが途中でとんざしてしまったという経緯がございます。  平成6年の2定で,私は,保健・医療・福祉の連携ということで,地域でぼけ老人を支える体制をつくってはどうかと,たまたま豊平区に痴呆疾患センターとか専門病棟が設置をされたということもございまして,そういうものを地域全体で支えるというようなシステムづくり,ネットワークづくりをするべきではないのかということを申し上げました。これに対しまして,市長の答弁では,とりあえず,いろんな保健・医療・福祉の関係者,地域住民をも含めて連絡協議会を設置して,それを一つのモデルとして,さらに全市的な展開を図っていきたいというようなご答弁があったのでございますが,これもいろいろな隘路がございまして,今,立ち消えになっております。  私,ことしの予算議会において,地域で,こうしたぼけ老人を支えるようなシステムをつくるべきではないかということで,例として徘回老人のSOSネットワークというものを構築してはどうかと,整備してはどうかということを申し上げました。各都市で実施している例もございます。もちろん,全国にこういうものをどんどん整備していけという警察庁の方針も受けまして,各地で進んでいたと。その例もご紹介しまして,警察行政あるいは町内会,タクシー業界と,こういった関連の方々も含めてネットワークをまずはつくってはどうかということも提案したところでございます。  これに対しまして,全国組織で持っていますけれども,札幌ぼけ老人を抱える家族の会というところからも,そうした要望があるので,積極的に検討してまいりたいというようなご答弁がございました。その後,ことしの4月の機構改革もございまして,高齢福祉課に痴呆性対策主査というものが設置をされまして,いわゆるSOSネットワークを整備する体制ができたと,私はそれなりに評価をしたいと思っております。  そこで,このSOSのネットワークシステムにつきまして,4点ほどご質問したいと思います。  まず,1点目は,掌握は難しいのでしょうけれども,本市に徘回痴呆性高齢者はどの程度いらっしゃるのかということでございます。また,道内におけるSOSネットワークの整備状況についてもお聞きしたいと思います。  二つ目,このSOSネットワークシステムの具体的な整備内容は,どのような方法を考えておられるのか。  3点目は,このシステムの今後の整備スケジュールでございます。  いろんな関係団体を掌握しなきゃならないということでございますけれども,システムそのものの立ち上げは,いつごろをめどにされているのか。そして,本格稼働はいつになるのかということを聞きたいと思います。  それから,4点目は,先ほど申し上げました札幌ぼけ老人を抱える家族の会からの意見聴取でございます。  もう四,五年前になろうかと思いますが,私どもの会派として,北海道ぼけ老人を支える家族の会の方々,団体の方々からいろんな要望を受けたことがございます。そのときは,まだハイテク機器がなくて,探査システムもなかったのでございますけれども,本当に切実ないろんな悩みがありまして,何とかしてほしいというさまざまな声がありました。今後,こうしたシステムを立ち上げるわけでございますので,ぜひこうした団体の方々からもいろんな要望を聞いて,それなりの実効のあるシステムをつくっていただきたいと,このように思っておりますが,これに対する見解もお聞きしたいと思います。  とりあえず,4点でございます。 ◎松下 高齢保健福祉部長  それでは,4点のご質問についてお答え申し上げたいと思います。  今の数の問題でございますけれども,一つは,北海道警察本部と北海道の方に調査しました。徘回痴呆性の老人の札幌市内の状況はどうかということでありますけれども,ことしの1月から8月までの統計の数字でありますが,捜索願が出されたものが197 件でございます。このうち2割の方が,本人が自分から帰宅したと,残り8割,153 人なのですけれども,警察官に保護されたという状況でございます。この保護された153 人の9割の方が,24時間以内に家族に引き渡されているということで,1割の方が病院等で保護されているということでございます。  ただ,残念ながら,3人の方が亡くなって発見されたという悲しい部分もございます。  それから,道内ではどうなっているかということでありますけれども,これも6月の時点でございますが,152 市町村でやっておりまして,32のネットワーク整備ということになってございます。  それから,2点目の具体的な整備内容についてでございますけれども,家族からの捜索願によりまして,警察から,タクシー業界,JR,市営バスなどの公共交通機関,それから消防などにファクスを出しまして,広範囲な捜索協力体制をまずしいて,先ほどのような徘回死というような不幸な事態を招かないことと,それから家族の方の不安を少しでも早く取り除きたいということで,協力体制をしくことにしております。  さらに,保護した高齢者に対しましては,9割が家族に引き取られるということでございますので,何かの事情によって引き取られない方につきましては,各区の方に二,三カ所,特別養護老人ホームの中にショートステイのベッドがございますので,これを利用いたしまして,家族が迎えに来られるまで,ここで一時的に保護して,もちろん,土・日,それから祝日を含めて,24時間の体制システムを考えていきたいなというぐあいに考えております。  それから,希望する家族に対しましては,この施設には大体在宅介護支援センターが併設されておりますので,家族のいろいろな相談に乗るとともに,必要な保健・福祉サービスの情報提供を行うといったことも考えてまいりたいと思っております。  それから,3点目のSOSネットワークシステムの整備スケジュールの方でございますけれども,これにつきましては,まず,できるならば,年内に関係機関及び団体から成る連絡会議を立ち上げたいなと思っております。それから,来年,早い時期に稼動させるための準備を進めていきたいと,このように考えております。  それから,4点目の札幌ぼけ老人を抱える家族の会の意見の聴取ということでございますけれども,今月の末にご家族の意見等を聞く会議を予定しております。この会議での意見等を踏まえまして,徘回痴呆高齢者を介護している方々にとって,利用しやすくて,なお安心できるようなシステムを考えてまいりたいと,かように考えております。  以上です。 ◆義卜 委員  連絡会議の立ち上げが年内ということですので,相当進んでいるのかなと思っております。来年,早い時期からということであれば,さまざまな当面の課題のようなものも出てきているのかと思います。  そこで,再質問でございますけれども,今ほど,徘回している老人が見つかった場合は,特養老人ホームを想定しているということでございますが,ショートステイの枠を活用するということになりますと,料金設定等も絡んでくるかと思いますし,枠が必ずしもあるとは限らないような気もするのですが,それらも含めまして,緊急だからどうなるのか,利用料金の設定についての基本的な考え方をお聞きしたいと思います。  それから,二つ目は,先ほど,いろんな関係団体に情報のネットを張りめぐらすということですから,人間がその人を見つけ出すということもあろうかと思いますが,その場合は,名前を書いているのはどうかと思いますが,電話番号とか何かを衣服につけるというような従来の方法も考えられないわけではないと思いますけれども,今のハイテク技術を考えますと,例えば,今,タクシーの配車にしても,人工衛星を使って瞬時に居場所がわかるというようなカーナビゲーションのシステムを使った方法もあります。  厚生省と郵政省ですか,平成6年からこの研究開発を進めてきて,恐らくどこかの自治体でも既に採用されているのではないかと思っているのですが,いわゆる徘回探査システムというものもございます。こういったものを使いますと,どこか公共の施設に端末を置けば,居場所がわかる。タクシーでも,札幌全市の地図が一つのフロッピーに入っているわけでございますので,そうしたものも使って,このシステムを効率よく稼動すべきではないかと思いますが,この点についてのご見解をお聞きしたいと思います。 ◎松下 高齢保健福祉部長  それでは,どのくらいのベッドと利用料金なのかということでございますけれども,現在,特養が27施設ありまして,そこに263 床のショートステイのベッドが用意されております。このうち,ほとんどオーケーはしてくれると思いますけれども,これから,この施設と話を進めながら,まずベッド数の確保をしてまいりたいというぐあいに考えております。  それから,利用料金ですが,特養のショートステイのベッドは,生活保護の単身世帯の方が利用するときは無料でございますけれども,通常は1日2,230 円の負担をしていただいておりますので,もし利用されることになれば,一応この2,230 円の負担ということを考えていただくようなことで検討したいなと思っております。  それから,衛星利用システム,GPSというものですけれども,それから,簡易の携帯電話のPHSを利用して徘回痴呆の高齢者の発見ということでございますが,これは非常に斬新な考え方だなというぐあいに思っております。  これまでも,ほかの都市でやっている徘回痴呆高齢者の問題としましては,位置確認に必要な受信機を携帯してくれないとか,それから,受信機を首飾りの形にしてぶら下げていても外してしまうと,それから,服の中に縫い込めばいいのでないかということもあるのですけれども,たくさん服を持っておられる方もおりますので,一々服に縫い込むのもなかなか大変だというような,いろんな問題があるようであります。  それで,このSOSネットワークシステムへのハイテクの技術導入というのは,今後,もっともっと進展していくものであると思いますので,今後の研究課題ということにさせていただきたいなと思っております。  以上です。 ◆鈴木 委員  私からは,介護保険制度導入後における民間と本市との役割分担についてお尋ねをしたいと思います。  平成12年4月にスタートする介護保険制度は,国の理念として,サービス利用者と提供者は対等な契約関係に立つこと,多様なサービス提供主体の参入を図ることなどが盛り込まれるなど,これまでの社会福祉施策にはない考え方が取り入れられたと認識をいたしているところであります。  こうした意味からも,介護保険制度を円滑に運営していくためには,保険者となる本市やサービス提供者になる民間事業者,さらには関係する公的団体が適切な役割分担をしていく必要があると考えます。  そこで,質問でありますが,介護保険制度の運営に当たって,運営の中核となる要介護認定からサービス提供までの一連の流れの中で,本市の基本的な役割,また,第三セクターである在宅福祉サービス協会や民間事業者の役割分担についてどのように考えておられるのか,お伺いをいたします。 ◎高本 介護保険担当部長  介護保険における行政と民間の役割についてでございますが,介護保険の導入によりまして,行政としての役割が,これまでのサービス供給主体から総合調整主体に変わることになります。行政としましては,多様なサービス供給主体が参入できる環境づくりが必要であると考えており,そのために,地域情報の収集や提供に努め,サービス提供事業者間の連携の確保や総合調整を行うことが求められてくるものと考えております。  また,要介護認定調査からサービス提供に至る流れの中におけるそれぞれの役割分担についてでございますが,要介護認定に伴う訪問調査につきましては,認定の審査・判定に際しまして,重要な基礎資料となりますところから,基本的には市の職員により実施したいというふうに考えております。  しかしながら,介護認定の有効期間がおおむね6カ月となっておりますところから,それに伴う更新認定分も含めますと,調査件数は膨大になることが予想されます。  このことから,本市では,認定調査の一部をケアプラン作成機関に委託する必要があると考えておりまして,その委託先としましては,公平性,それから信頼性を確保するという観点から,本市の第三セクターであります札幌市在宅福祉サービス協会に委託したいというふうに考えております。  また,ケアプランの作成あるいはサービスの提供につきましては,原則として,民間にゆだねられるということになりますが,緊急時のサービス提供であるとか,処遇困難なケースに対応できる体制づくりにつきましては,行政である本市も考えていかなければならないものと認識しております。  このような役割分担を基本に据えまして,組織体制などのシステムづくりについて取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上です。 ◆鈴木 委員  介護保険制度導入後の札幌市在宅福祉サービス協会の役割について,お尋ねをしたいと思います。  本市におきましては,これまで,財団法人札幌市在宅福祉サービス協会がホームヘルプサービスの多くの部分を提供してきており,高齢者世帯に対する,いわゆる滞在型のサービスに当たっては,本年8月の実績で2,532 世帯中1,866 世帯,実に74%と,4分の3近くの世帯に派遣を行っているのであります。この割合は,ここ数年,ほとんど変わっておりません。  札幌市在宅福祉サービス協会は,平成2年に設立された任意団体を平成5年に財団法人化をし,これと同時に,当時,本市の非常勤職員であったホームヘルパーを協会の常勤ヘルパーとして身分を移管し,本市の直営サービスを協会への委託事業に転換したものであります。  高齢者世帯に対するホームヘルパーの派遣は,協会への委託前である平成4年度の335 世帯から,5年度には477 世帯,その後,急激に派遣世帯数が伸び,9年度には2,218 世帯,5年間で6.6 倍にもなっているのでありますが,この急増に対応できたのは,サービス協会によるところが大きいものと思うわけであります。  このように,これまで,在宅福祉サービス協会が本市のホームヘルプサービスの充実に果たしてきた役割については評価するものでありますが,介護保険導入後も,これまでと同じでよいのかという課題があるものと私は考えております。介護保険導入により,ホームヘルプサービス事業に多様な民間事業者が参入すると言われているところでもございます。  そこで,介護保険は,これまでの行政による福祉の措置という制度から,利用者がサービス選択できる契約制度へと福祉サービスを転換するのでありますが,多様な事業者が参入することによる事業者間の競争によって,より質の高いサービスが供給されることを期待するところであります。  そこで,在宅福祉サービス協会の存在が,必ずしも民間事業者の参入を阻むものではないにしても,本市の出資団体が民間事業者とも競合しながらホームヘルプサービス事業を今後も継続・発展させていくという姿には,どうも釈然としない部分を感じているところであります。そこで,サービス協会は,むしろ民間事業者が参入しない分野,第三セクターでなければできない分野をこれからの事業の中心に据え,民間活力を十分に生かしていくべきでないかと考えるところであります。  そこで,お伺いをいたしますが,介護保険制度の中で,本市の出資団体である札幌市在宅福祉サービス協会は,今後,どんな役割を果たすべきと考えておられるのか,お答えをいただきたいと思います。 ◎高本 介護保険担当部長  介護保険導入後の札幌市在宅福祉サービス協会の役割についてでございますが,現時点では,大きく分けまして,現在行っておりますホームヘルプサービスの提供機関としての役割,そして,先ほど来,申し上げております要介護認定調査の受託機関,それとケアプランの作成機関等が新たな役割ということで考えております。  本年度実施しております利用者側,それにサービス供給側の実態調査などの結果を踏まえまして,できる限り民間活力の導入を考慮しながら,本市の出資法人としてのサービス協会の役割について,今後,どうあるべきか,鋭意検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆鈴木 委員  最後に,要望であります。  介護保険のスタート時における需要の増大というものが見込まれるわけでありますけれども,そこで,一時的なホームヘルパーさんの増員というものに対しては,その需要にこたえなければならない公的な立場ということから,ふえることは仕方ないにいたしましても,これから将来にわたりまして高齢化がますます進む中で,ホームヘルパーさんの需要等も大きくなってくるわけでありますが,第三セクター的なところで,準公務員的な立場の方を多く抱えるということではなくて,やはり民間の活力を十二分に活用し,そしてまた育てていきながら,効率のいい,そして質の高い,さらにまた競争原理も働かせた中で,市民に対しての十分な介護サービスというものを考えていただきたいというふうに思っているところであります。  在宅福祉サービス協会がこれから担う部分,本当に民間が参入してこない部分,そういった面では,先ほどもいろいろお話がありましたけれども,サービスの上積みの部分とか,横出しの部分とか,あるいはまた,民間の介護専門員等のマネジメントといいますか,スーパーバイザーといいますか,今後,そういった立場での活躍が期待されるのではないかというふうに思っておりまして,そういったことにつきましても,十分検討をしていただきたいと,そんなふうに要望いたしまして,終わります。 ◆高橋[克] 委員  それぞれ,介護保険について議論がございました。私からも,介護保険について数点お伺いしたいと思いますけれども,前置きは抜きにしまして,質問だけをさせていただきたいと思いますが,介護認定審査会について,質問を数点させていただきたいと思います。  まず,もう出口が決まっていまして,平成12年の4月に介護保険がスタートするわけでございますけれども,それに向けて,介護認定の判定についてどの程度準備が進んでいるのか,お伺いをしたいと思います。  2点目としまして,介護認定の審査会は,先ほど,佐々木委員の質疑の中でちらっと出たのかもしれませんが,どのように設置されるのか。例えば,審査会が区に細かく設置されるのか,本市に一つだけ設置されるのか,その点について,改めて確認の意味で質問させていただきたいと思います。 ◎高本 介護保険担当部長  まず,要介護認定の判定についてでありますが,これまで,平成8年 度と9年度におきまして,北区を対象に要介護認定のモデル事業を実施し,認定の試行を行ってきたところでございます。本年度につきましては,制度施行前1年ということでございますので,全区におきましてモデル事業の指定を受け,各区100 人を対象に,既に認定調査を開始しております。来週から,認定審査会を順次開催をいたしまして,実際の制度運営を想定した一連の認定事務を行うこととしており,正確かつ円滑な認定が行えるよう,課題の整理や検証に努めてまいりたいというふうに考えております。  次に,審査会の設置についてでございますが,本市のような大都市におきましては,迅速で効率的な認定を行う上から,複数設置する案が国から示されております。これを本市に当てはめますと,25から30程度の審査会が必要になるものと想定されております。したがいまして,今年度のモデル事業では,このことを想定いたしまして,30の審査会を設置して対応していきたいと,そのように考えております。  以上でございます。 ◆高橋[克] 委員  今,30ほどの審査会をつくるということでございますが,そういたしますと,やはり審査会のメンバーというのが大変重要な役割を担うと思うのです。  そこで,委員の構成についてどのようにお考えなのか,お伺いをしたいと思います。また,委員の人選の基準についてどのようになるのか,あわせてお伺いをしたいと思います。 ◎高本 介護保険担当部長  委員の構成と人選の基準についてでありますが,保健・医療・福祉に関する学識経験を有する者の中から,バランスよく構成することにしておりまして,この点に十分配慮してまいりたいというふうに考えております。  なお,全体の委員定数につきましては,今後,政令で基準が示されることになっておりますので,その基準に基づきまして,具体的に検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆高橋[克] 委員  先ほど来の質疑の中にもございましたけれども,この制度は公平・中立でスタートしなければならないと,こういうふうに私どもも思っておりますので,今後,来年の10月にはいつでもスタートできるような準備ができると,こういうことでございますから,そのときまで大いに議論をしながら進めていただきたいと思います。  このことを要望して,終わります。 ◆北川 委員  私の方からは,介護保険,もう既に7名の方から随分出されていますから,保険料の徴収にかかわって,2点ほどお尋ねをしたいというふうに思います。  ご案内のとおり,介護保険においては,被保険者は二つに分けられておりまして,第1号保険者,これは65歳以上でサービスを受ける方になります。第2号保険者,これは保険料を提供する側ということで,40歳から65歳未満に分かれているわけですよね。本市でいきますと,第1号被保険者は,予定では12年4月のスタート時点で約26万7,000 人になると想定されているわけであります。第1号被保険者のランクは,法案を見ると,所得別に5段階に分かれているわけです。また,生活保護受給者については,生活扶助において保険料相当額が支給されることになっているわけですね。確かに,一応,所得別ランクになっておりますが,高齢者の過半数以上を占める低所得者にとっては,本当に納付が可能な金額になるかどうか,私も大変心配しているところであります。  厚生省の判断では,第1号被保険者のうち約7割が年金額が月3万円以上になっていて,この人たちについては,年金から天引きをするというふうなことを考えているわけです。ある意味で,確実に保険料を徴収できるということになるわけですね。しかし,問題なのは,残りの3割です。いわば,3万円以下で生活をされている生活保護すれすれの生活状態の人たちをどうしていくのかということが,私は大変大きな問題になるような気がいたします。  そこで,まず第1点,残りの3割の方の第1号被保険者の徴収方法をどうするのか,お伺いをいたします。  二つ目は,本市において,対象者はどのぐらい出ると想定しているのか,これもお伺いいたします。  3点目は,介護保険法の第133 条で,その他の徴収にかかわってというのは,つまり,この3割に当たる人ですが,保険料の納期は市町村が条例で定めるというふうになっているわけですが,本市としては,納期の回数をどのように考えているのか,まずお尋ねをいたします。 ◎高本 介護保険担当部長  介護保険の1号被保険者の保険料徴収方法につきましては,お話もございましたように,普通徴収と特別徴収の二つの方法がございます。介護保険におきましては,徴収の確実性,効率性等の観点から,被保険者の年金から天引きをすることにより徴収する特別徴収が原則となっております。一方,特別徴収に該当しない被保険者につきましては,被保険者に納入の通知を行うことによって徴収する,いわゆる普通徴収の方法により行うこととされております。1号被保険者の3割程度がこの対象となると推定されておりますので,本市に置きかえますと,約8万人の方が普通徴収の対象となるというふうに考えております。  次に,納付回数についてでございますが,特別徴収の徴収時期につきましては,年金支給の時期と同じですので,納付回数は年6回であります。一方,普通徴収の納付回数につきましては,保険者である市町村が定める事項ということになっておりますが,本市では,国民健康保険が6月賦課の10回納付ということでございますので,市民の皆さんにわかりやすいように,国保に合わせる方向で検討を進めているところでございます。  以上でございます。 ◆北川 委員  ただいまの答弁で,納付回数が国保に合わせて約10回という方法が明らかになったわけですので,ぜひとも取り組みを強めていただきたいというふうに思います。  次に,国保と同じように,保険料徴収に関して,保険料の滞納や未納という問題は,やはり避けて通れないというふうに思うわけです。  ちなみに,平成9年度の決算で,国保の滞納状況について数字を調べてみますと,合計で5万469 世帯,金額にすると56億4,700 万,比率で言いますと17.2%になるわけです。これを介護保険における第2号被保険者の対象となる40歳以上を抽出して数字を調べてみると,合計で2万7,918 世帯,金額で32億5,000 万,約1割に当たる9.8 %になるわけです。  そこで,介護保険法の第64条,第65条では,保険給付の制限という条項があるわけです。ここでは,正当な理由なくして滞納もしくは未納した場合には,給付の制限をすることができるという条項になっているわけです。  そこで,第2号被保険者だけでなく,第1号被保険者,つまり,サービスを受けられる人が滞納した状態で要介護状態になった場合,どのようなペナルティーがあるのか,お尋ねをいたします。 ◎高本 介護保険担当部長  65歳以上の方の保険料につきましては,個別徴収,それから納付相談等の徴収努力をしても,なお滞納が継続している場合等につきましては,今,お話がございましたように,一定のペナルティーを科すということが介護保険法で定められております。大きく分けますと,一つは,介護サービスを受けているときに保険料を滞納している場合,もう一つは,時効によって消滅した保険料未納分がある場合,この二つのケースがございます。  まず,介護サービスを受けているときに,一定期間,保険料を滞納している場合でありますが,現物給付により行われる介護サービス費が償還払いということになります。それでも,なお滞納が続きますと,償還払いとされた額を一時差しとめるなどの措置を行うことになります。  次に,もう一つの時効によって消滅した保険料未納分がある場合の措置でございますが,この場合は,保険料の未納期間に相当する期間の給付率を9割から7割に引き下げるということで,つまり,介護のサービスを受けたときに,1割の自己負担で済んだものが3割の自己負担になると,これが介護保険法に定められている規定でございます。 ◆北川 委員  今の答弁を聞く限りでは,私だけじゃなくて,多分,ほかの皆さんもそうだと思うのですけれども,国保の滞納に対するペナルティーよりも,やはり随分重いペナルティーが今回の法律の中に入っているというふうに指摘をせざるを得ません。特に,今,お話がありましたけれども,償還払いという,本人がサービスを受けたときの金額全額を一たん払って,滞納を整理してから差額の9割を受け取るという内容にしても,滞納するということは,やはり何らかの形で収入が困難になって払えないわけですから,一時的にせよ,ランクによって違いますが,例えば,サービス料金10万,20万を支払うような状態になるというのは,私は,窓口を含めて,実際はサービスが受けられないような状態になるのではないかなというふうな気がします。  あるいは,介護保険法の69条にあります保険料徴収権消滅期間,つまり,最高2年の滞納期間を過ぎた場合に,一定期間,保険料とは別に,今までサービス料金の1割負担だったのが3割になるというのは大変大きな問題,あるいは厳しいという実態になってくるというふうに思います。  滞納する人は,意識的あるいは故意に滞納する人は別にしても,多くは,やはり払いたくても払えない実態に置かれている,だから,滞納あるいは未納になるというふうに私は思います。したがって,幾ら法律でペナルティーが決まっているからといって,一律にペナルティーを科すのではなくて,個々の事情を十分考慮した上で対応すべきというふうに思いますがいかがか,お伺いいたします。 ◎高本 介護保険担当部長  介護保険における給付制限,いわゆるペナルティーの取り扱いにつきましては,介護保険財政の安定,あるいは被保険者間の公平性の確保,そういった観点から,原則的には法律どおりの運用をせざるを得ないというふうに考えております。しかし,どのような方に対しても画一的な対応をするということではなく,被保険者の未納の状況であるとか,あるいは納付意欲など,その実態を勘案したきめ細かな対応が必要であるという認識をしておりますので,今後,政・省令や,他の政令指定都市,それから道内他都市の動向などを見きわめながら,鋭意検討してまいりたいというふうに考えております。 ◆北川 委員  今の答弁で,当たり前ですが,原則的には法律どおりに運用すると言われていますが,その後で,画一的な対応をしないというふうな答弁もありました。今後とも,その点を十分考慮していただいて,ぜひとも取り組みを進めていただきたいことを要望して,終わります。 ○猪熊 副委員長  以上で,第3款 民生費 第3項 老人福祉費及び第5款 労働費 第1項 労働費のうち関係分の質疑を終了いたします。  ここで,暫時休憩をとります。
        ──────────────       休 憩 午後3時7分       再 開 午後3時30分     ────────────── ○村山 委員長  委員会を再開いたします。  第3款 民生費 第5項 国民年金費の質疑を行いますが,通告がございませんので,終了させていただきます。  次に,第6項 医療助成費の質疑を行います。 ◆高橋[克] 委員  私から,乳幼児医療費助成制度の対象年齢拡大についてお尋ねをしたいと思います。  直近の6月に発表されました人口動態統計によりますと,出生率が全国では1.39ということで,札幌市はさらにそれを下回って1.12という現状になっております。  少子化の問題は,昨日もいろんな質疑がございましたけれども,将来の社会や経済に深刻な影響を及ぼすものでありまして,今や,大きな社会的課題になっております。こうした少子化傾向には多くの要因が考えられておりますが,その一つとして,教育費など子育てに関する経済的負担が指摘をされておりまして,特に,乳幼児を育てる若い世代の親にとりましては,育児にかかわる経済的負担というのは大きなものになっていると認識をしております。  こうしたことから,全国的に子育て支援策の一環として,乳幼児の医療費助成制度の対象年齢を拡大する動きが見られておりまして,東京都におきましても,ことしの10月から入院と通院の助成対象を1歳引き上げて,3歳児まで拡大をしております。また,政令指定都市におきましても,同様な動きがあると伺っております。  本市においても,21世紀を担う子供たちの健全な育成は重要な課題であると思いますので,こうした観点から,乳幼児医療費助成制度について,数点お伺いをいたしたいと思います。  まず,1点目として,平成9年度の決算報告書を見ますと,15億7,400 万円が乳幼児医療費助成の扶助費となっておりますが,この決算の前提となっている事業の内容について,まず基本事項として,受給者数,助成額の内訳についてお伺いをしたいと思います。  次に,乳幼児のときは病気にかかる頻度も高いと思いますので,他の年齢層に比べた乳幼児受診の実態についてお示しをいただきたいと思います。  2点目として,各政令指定都市においても同様の制度を実施していると思いますけれども,他の政令指定都市の実施状況はどのようになっているのか。  まず,この2点をお伺いしたいと思います。 ◎吉川 保険医療部長  お答えをいたします。  初めに,平成9年度の受給者数でございますけれども,9年度末現在で8万9,333 人となっております。助成額15億7,400 万円の内訳でございますが,入院が6億1,900 万円,通院が9億5,500 万円という内訳でございます。  次に,乳幼児の受診状況,他の年齢層に比べてどうかというご質問でございます。  一般的に有病率と申しますか,病気にかかる率は,少年期,青年期,中年,高年と順に高くなってまいるわけでございます。18歳未満を児童期としますと,その中でも,やはり幾分傾向に違いがあるようでございまして,18歳未満までの各年齢層を5歳階級別に比較をいたしますと,ゼロから4歳児という乳幼児の時期には,他の児童期の年齢階層に比べて受診率,医療費とも高くなって,大体2倍程度の高さという状況になっております。  次に,乳幼児医療の政令市の実施状況でございます。  本年の10月1日現在で,対象年齢で申し上げすと,医科の通院助成でございますけれども,本市は,今,ゼロ歳と1歳児を対象にしておりますが,本市と同じなのは京都でございます。それから,2歳児までやっておりますのが仙台等9市ございます。3歳児まで行っているのが大阪市でございます。  ただいま申しましたのは外来でございますけれども,入院の関係では,2歳児までが名古屋,京都等6市,それから,本市と同じ5歳児までが仙台,それから,小学校の入学前までというのが千葉,大阪,中学校卒業までというのが川崎,横浜と,こういう状況になっております。  以上でございます。 ◆高橋[克] 委員  ただいま,乳幼児医療の状況と政令指定都市の実施状況についてお伺いをいたしました。  議会に出させていただいて4年目に入りましたけれども,各都市を見ますと,札幌市と比較になるのは政令指定都市だなと,こういう認識を持っておりまして,特に,今のお話をお伺いしますと,1歳児までというのは札幌市と京都市だと,こういうことでございますから,その意味では,政令指定都市の状況を見ても,札幌市は,1歳引き上げる環境に十二分なり得るのではないかと,こういうふうに思っております。  また,私ごとで恐縮ですけれども,私のところもまだ1歳でございまして,少子化ということで,まだ1人なのですが,決して医療費が高いから1人しかつくらないと,こういうわけではございませんが,友人等々の若い世代の親御さんから,やはり医療費がかさむので,なかなか子供の数をふやせないと,こんなような話も伺っております。  この問題は,さきの第2回の定例議会でも,我が党が質問させていただきました。市長は,この乳幼児医療費助成制度のあり方について,道と十分検討していきたいと,こう答弁しております。先ほど来申し上げておりますが,乳幼児を持つ若い世代の養育費にかかわる経済的負担の軽減を図るためにも,札幌市としても1歳引き上げるべきだと,こう思うのでありますけれども,この点について見解を伺いたいと思います。 ◎吉川 保険医療部長  ご承知のように,乳幼児医療費助成制度は北海道の補助対象事業でございまして,本市といたしましては,これまでも,広域的な医療助成という観点から,道の補助の範囲で,それを基本として事業を実施してまいったところでございます。  補助の実施主体であります北海道におきましては,やはりこの問題が議論されております。道としては,国の医療保険制度の動向を見きわめながら,来年度以降,検討していきたいというような意向を表明しているところでございまして,私ども,本市といたしましては,本制度のあり方を含めまして,今後も継続して道と協議をしてまいりたいというふうに考えております。  以上です。 ◆高橋[克] 委員  今の答弁では,さきの代表質問の答弁から余り進んでいないのかなと,こう認識をいたしましたけれども,あくまでこれは道の補助事業の中で行っているということでございますから,私なりに考えますと,やっぱり道の補助事業が拡大されれば,札幌市は即座に1歳引き上げられるのだと,こういうふうに思っておりますので,どうぞ道と継続してこれからも協議をしていただきたい旨要望して,私は終わります。 ◆高橋[功] 委員  今の同僚の高橋委員と多少重複をするところがあるかもしれませんが,実は,私も,この2定で乳幼児医療費助成制度の拡大について取り上げさせていただいたこともございますので,お許しをいただいて,この点,1点についてお伺いをしたいと思っております。  前置きはさておきまして,先ほどの高橋委員の質問で,政令市はどういうふうになっていますかということについてご答弁がございました。政令市12及び東京都を含めると13の大都市のうち10市が,既に2歳児までの通院助成を行っておると,今の答弁でこういう理解をしております。  そこで,今現在は,確かにそういう状況かもしれませんが,政令市の中で,本年10月以降,助成年齢の拡大を予定しておるところがないのか,把握している範囲で結構でございますが,ぜひお示しをいただきたい。あわせて,道内,北広と石狩が市になりましたので34市ありますが,この道内34市の状況もお尋ねをしたいと思います。 ◎吉川 保険医療部長  1点目の政令市における実施状況が,今月以降,どういうふうな予定になっているかというご質問でございます。  我々の情報では,来年の1月に向けて,3市が外来の1歳引き上げを考えているということでございます。その3市は,川崎と横浜と京都でございまして,川崎と横浜は3歳児まで,京都は2歳児までという拡大を予定していると聞いております。  次に,道内の市部の実施状況でございます。  これは現在でございますが,ことしの4月1日現在で見ますと,通院助成で申しますと,本市と同じ1歳までという実施状況のものが夕張,根室等の3市,それから2歳児までというのが27市,3歳児までが歌志内等2市,それから5歳児までというのが釧路市の1市,そういうような分布になっております。  また,入院の助成につきましては,道内各市とも5歳児までということで,本市と同じ状況になっております。  以上でございます。 ◆高橋[功] 委員  今,ご答弁ありましたが,そうすると,来年の1月以降になれば,政令市のうち,札幌市以外はすべて2歳児までの通院助成をすることになるのだなと,こういうことだと思うのですね。それから,道内においても,34市のうち30市,ですから,約9割が2歳児までの通院助成を実施していると,こういうことになると思うのですね。  私も,この2定で重ねてご質問をさせていただきました。私からは,道と協議,これも結構だが,札幌市単独でもまずは1歳引き上げるべきではないかと,こうお尋ねをしておりますが,再度,本市の乳幼児医療費助成制度の通院助成年齢を,単独でも2歳児まで拡大するお考えはないか,お伺いをしたいと思います。 ◎吉川 保険医療部長  お答えをいたします。  市の単費による通院助成年齢の引き上げということについて,どう考えるかということでございます。  通院年齢を1歳引き上げるに必要な事業費といたしまして,試算では約5億6,000 万というふうになっております。現在の本市の財政状況から考えまして,単独での拡大というのは大変厳しいものかなというふうに考えております。  先ほども申し上げましたように,北海道では,今後もこの問題を検討していきたいというふうに言っておりますので,私どもも,少子化の傾向と社会経済状況の変化も考慮に入れながら,先ほど申し上げましたとおり,道と協議を進めてまいりたいというふうに考えております。  以上です。 ◆高橋[功] 委員  どうしても納得できないといいますか,これでは,6月の代表質問のご答弁の域を一歩も出ていないと思うのです。  あのとき,市長からは,北海道と制度の対象となる範囲内などを協議してまいりたい,こういうお答えをいただきました。今の部長の答弁は,結局,対象となる範囲なんていう言葉すら落ちてしまうような,これでは,私は当然納得できないのですね。  それで,私ども質問させていただくと,他都市の動向を見てとか,道内の各市町村の流れを見てとか,よくこう言われますが,通院に関して,1歳までしかやっていないというのは,12市中札幌だけです。それは,趨勢というよりは,札幌だけまさに乗りおくれているといいますか,そういうふうにお考えにならないのか,局長,もう少し前向きな答弁をぜひいただきたいと思いますが,いかがですか。 ◎舘美 保健福祉局長  他の政令市に比べてとの話もございました。本市は,そういうことでは,幅が狭いという状況にありますけれども,ただ,入院の対象枠では本市より狭い都市もあるということ,また,助成対象者に所得制限を設けているというところが,政令市に8市あるというような状況もありまして,一律に都市間の比較というのはなかなか難しいのでないかと,こう考えておるところでございます。  ただ,今,お話しございましたように,少子化の問題というのは各政令市共通のものでございますので,これまでにも,政令市の主管局長会議等におきましてこの問題を取り上げてまいりまして,国に対して制度化するように要望してきたところであります。  いずれにいたしましても,委員ご指摘の趣旨は十分伺いましたので,今後とも,広域的医療助成事業という視点から,道と精力的に協議をしてまいりたいと,こう考えております。 ◆高橋[功] 委員  これ以上言っても,これ以上ないでしょうから,ただ一つ,局長,先ほど言われたように,私は,道と協議して云々の段階でないと思っているのです。札幌市として,どう決断するかと,こういうことだと思いますので,ぜひ通院助成,2歳児までもう1歳拡大することを強く求めて,終わりたいと思います。 ◆宮川 委員  私は,2点質問したいと思います。  1点目は,同じように,乳幼児の医療費助成制度の拡充という点であります。質問が随分出ていますので,ごく簡単にいたします。  一つは,先ほどから1歳引き上げというようなことが出されておりますが,こういう検討をする際に,他市で実は所得制限があるということでありましたけれども,所得制限なしでやるというのが,本来あるべき姿ではないかというふうに思いますし,あるいはまた,償還するのではなくて,現物給付でやるという点についても堅持すべきというふうに思いますので,この点いかがかということが1点。  それから,かねてから大衆団体等含めて,拡充について要望が出されてきましたが,強い要望は,目指してほしいところとしては,就学前,しかも医科・歯科ともというふうに求められておりますので,この点について,実施すべきと思いますので,いかがかと。  まず,この1点だけお願いしたいと思います。 ◎吉川 保険医療部長  ただいま,所得制限,現物給付等の現行の助成制度の維持のお話でございますけれども,先ほど来,申し上げておりますように,現状,道の補助要綱自体がこういう格好になっております。ですから,今のところ,そういうような形で,実施条件を変えるという話を聞いておりませんので,私どもは,今の実施条件の中で進めていかれるのかなというふうに認識をしているところでございます。  就学前までの拡充の話でございますが,前にお答えいたしましたように,1歳を拡大するだけでも大変な問題でございます。就学前と申しますと,6歳からまた先という話になります。そういうことでございまして,これはなかなか大変なものだなと。(「医科・歯科とも」と呼ぶ者あり)  今,歯科についても,外来は1歳までやっております。入院についても5歳まで。歯科の入院というのは,一般的にあるのかという話。口腔外科ですか,例えば唇顎口蓋裂だとかという話のときに,入院してやらなきゃならぬとか,いろんな話がございます。ですから,そういう格好で,口腔内の処置は歯科でやっておりますので,歯科は現在も対象になっております。  そういうことで,先ほど申し上げましたように,それも含めて,基本的には同じ条件でいくのかというふうに思っております。  以上です。 ◆宮川 委員  ただいまのご答弁につきましては,就学前,医科・歯科ともというところを目指して,前進を始めてもらいたいというふうに強く要望しておきます。  2点目の質問は,特定疾患治療研究事業,すなわち,特定疾患医療受給制度などというふうな言い方もしていますけれども,この制度改悪による自己負担分の解消ということに関してであります。  この特定疾患治療研究事業は,よく現場などでは難病という言い方もいたしますし,治療方法が未確立である疾患など,ごく限られた疾病を対象にして医療費を給付しているものでありますけれども,制度が縮小され,自己負担が導入されました。もともと治癒が余り期待できない,長く闘病を強いられる病気であるだけに,特定疾患は患者を支える重要な制度であります。この特定疾患の給付を受けながら,同時に,重度の身体障害者として重度医療費助成を受ける資格がある方が多数おられます。  入院の場合,特定疾患だけを使うと,一部負担金があって,重度医療だけでは給食費が自己負担となるということで,入院日数の長短によって,特定疾患を使うべきか,あるいは重度医療を使った方が自己負担が少なくなるかという選択を迫られるわけですが,患者自身は,入院日数がどれほどになるものかわからないという場合も多くありますし,いずれにいたしましても,特定疾患を持つ人にとっては大きな負担増となるわけです。  そこで,他都市の状況を見ますと,重度医療で給食費を含めて全額給付しているというのが東京と名古屋であります。他の指定都市のすべてで,特定疾患を使いながら,その一部負担の部分を重度医療で助成しております。つまり,重度医療で給食費も見なければ,特定疾患との組み合わせで一部負担の部分を埋めることもないと。一部負担の部分はそっくり患者負担として求めているというのは,札幌だけ であります。  闘病生活を続ける人の負担の軽減という意味からも,また,他の指定都市との比較の上からも,患者負担をなくすべきと,そのための措置を講ずるべきと思いますがいかがか,伺います。 ◎吉川 保険医療部長  お答えをいたします。  難病と申しますか,特定疾患治療研究事業というのは,基本的に,北海道が事業主体になって実施している事業でございまして,委員ご指摘のように,特定疾患治療研究事業,かつては全額公費負担だったのですけれども,ことしの5月1日から,その中に一部負担制度が導入されたということでございます。国の補助対象としては,そういうことになりました。全国一律の話ですが,それを実施しているのは各自治体,都道府県でございまして,北海道の場合においては,8月1日から,国の補助要綱に従った体制でやるというふうになってきているのが経過でございます。  いずれにいたしましても,事業実施主体が北海道でございますから,公費負担の是非については私どもお答えする立場ではないのですけれども,ただ,その公費負担の中で一部自己負担が生じます。その生じた一部自己負担を重度医療助成制度ないしは乳幼児医療費助成制度,私どものやっている医療費助成制度でその一部負担金を対象にできないかという問題でございます。  それについての基本的な考え方といたしまして,先ほどの乳幼児も含めてそうなのですけれども,すべて道の補助事業でやっていまして,いわば道の指導のもとにやっているわけでございます。道の指導は,例えば,難病と重度医療との関係で申しますと,特定疾患,いわば難病に該当する疾病については,重度医療を適用しないというのが北海道の制度でございます。これは,各都道府県によって違いがあるのかもしれませんけれども,北海道はそういうことになっております。  したがいまして,北海道の補助を受けてやっております我々の医療費助成事業といたしましては,やはり北海道の補助のある範囲で実施をしていく。すなわち,特定疾患の一部負担金については,道が補助をしないと,たとえ重度のあれで見たとしても,補助をしないということになりますと,これはちょっと困りますので,道の補助の範囲の中でやっていきたいというふうに考えております。  以上です。 ◆宮川 委員  しかし,札幌以外の指定都市はすべて,何らかの形で一部負担金を埋め合わせる措置をとっているという点についても受けとめて,丸々患者負担になっているのは札幌だけですから,その点についてもしっかり受けとめていただきたいということが一つであります。  もう一つは,私,ここにこういう文書を持ってきております。綿貫釧路市長が釧路の医師会長にあてたもので,特定疾患の自己負担について,こう書いてあります。釧路市としましては,市の独自施策といたしまして,本市医療費助成受給者,重度・母子・乳幼児の対象となっている方で,次に該当される方に助成をすることにいたしましたので,会員──会員というのは医師会です,会員の皆様への周知方等,何とぞよろしくお願いを申し上げますと,こう言って,助成しますと釧路では言っております。  これは,釧路だけでないのです。北海道の資料によりますと,釧路以外にも函館,小樽,旭川,帯広,北見,苫小牧,士別,この8市で助成を行っております。さらに,現在,6市で検討中であります。  こういう中で,なお道の要綱だからと,こう言いながら実施できないということになるのでしょうか。そう言っているのは,札幌市だけということではないのですか。道と相談して,前向きに検討すべきと思いますがいかがでしょうか,重ねて伺います。 ◎吉川 保険医療部長  ただいま,ご指摘のように,道内における助成状況におきましても,ご指摘の市が医療費助成の対象にしてやっているということは,私どもも情報としては得ております。実際にそれをやっておられるのは,単費で助成をしていると,道の補助を受けないでやっているということだと思います。そういう市が8市あって,今,検討しているのは6市。逆に,私どもと同じように,助成の対象とはしないというふうに考えているのは19市あることになります。  そのような状況でございまして,道内の市においても,各市がいろいろなバラエティーのある対応をしていることは,私どもも承知をしておりますけれども,これにつきましては,先ほど来申し上げておりますように,私どもの医療費助成事業というのは,基本的にはあくまでも道の補助,広域的な観点というふうに考えておりますので,本件の扱いについても,先ほど申し上げたような対応をさせていただきたいというふうに考えております。  以上です。 ◆宮川 委員  まことに残念な答弁であります。  難病患者さんと言われる方は,大変な思いで,長く長く治療を続けなければならない方々ですよ。身体的な面で間違いなく弱者と言える立場の人たちですし,そういう人たちに対して,政令指定都市では,札幌以外がすべて何らかの措置をとっている。道内でも8市が助成をして,検討も始まっているという中で,札幌がいつまでも助成をしないで,難病患者さんに対して丸々負担を押しつけるというようなことはすべきでない。前向きにぜひ検討していただきたいと要望して,終わります。 ○村山 委員長  以上で,第6項 医療助成費の質疑を終了いたします。  次に,国民健康保険会計決算の質疑を行います。 ◆武藤 委員  私からは,国保会計にかかわりまして,3点についてお尋ねをしたいと思います。  まず,1点目は,保険料の問題についてです。  9年度決算を見ますと,これまでになく,1人当たりの医療費,1世帯当たりの医療費が予算よりも決算時では低くなっているのが特徴だと思います。これまで,本市の高い国保料は,下げてもらいたい,払える保険料にしてほしいのだということで,札幌市長を初め,議会に対しても,何度も何度も市民から多くの要望が上げられてきましたけれども,そのたびに,行政が答えてきたのは,医療費がふえるから,これに連動して保険料も上げなければならない,そういう答弁を一貫して行ってきました。  その角度から考えますと,この9年度決算で出された結果を見て,保険料の引き下げを検討すべきではないのかと思いますが,この点についていかがか,お尋ねをいたします。  2点目は,資格証明書,短期保険証の問題です。  資格証明書,短期証が発行されるようになってから,国の法的バックを受けながら,このことが当然のように行われてきていますが,最近,非常に目につくのは,これまで,通常3カ月間の期間を区切って発行されていたのが,最近,1カ月,2カ月という短期証が随分発行されていることは非常に気になっているところです。  さらに,当初3カ月とされていた短期証が,どうして1カ月,2カ月というものが発行されるようになったのか。また,どういう世帯に対して,このようなさらに短い期間で保険証を発行しているのか,この点についてお尋ねをします。  3点目は,国民健康保険の中に,医療費の一部負担金の減免制度というのがありますが,この数年来,年を増すごとに,今の社会情勢を反映して,この制度の利用者が非常にふえていると聞いております。各区によっても利用状況にばらつきはあるようなのですが,この一部負担金の減免制度というのは,余りにも知られていないというのも,この制度の特徴であります。  これまでにも,生活保護の問題などで,生活保護を多くの市民にアピールされるように,パンフレットを区役所の窓口に置いてほしい,こういうようなことがあって,いろいろな制度をよりわかりやすく市民に公表されるようにということで,PRについても努力されてきている部分がありますが,このように,今,不況が長引く中で,失業を理由に生活保護を受ける世帯もどんどんふえている。さらに,生活保護受給者がふえているというその要因としては,傷病が一番の理由になっているとも聞いております。  そういうことから考えますと,生活保護を受けない世帯,国民健康保険世帯,病気になって働けない業者や季節労働者を初め,こういう方々にこそ,今,この社会情勢の中で,一部負担金免除の制度を使わせるべきじゃないかと思うわけですが,そのためには,余りにもお粗末なPRではないのかと。実際に,窓口に相談に行った方に対しても,各区の窓口では,なかなかこういう制度があることを周知徹底していない。この点どのような普及を行っているのか,現状についてお尋ねをしたいと思います。  以上3点です。
    ◎吉川 保険医療部長  私から,保険料の問題,それから,一部負担金のPRの問題をお答えさせていただきます。  まず,保険料の問題でございます。  保険料の引き下げについてでございますけれども,委員ご指摘のように,9年度の状況といたしまして,決算対比で見ますと,1人当たりの医療費は横ばいの状態という決算状況になっております。9年度の予算では,幾分それは上がるものというふうに想定をしておりましたが,横ばいでございましたので,したがいまして,9年度の国保会計では,療養給付費という歳出のところで約31億円の不用額が出たという結果になっております。  ただ,これは,歳出ではそうなったということでございまして,いわば給付費が下がったということは,同時に,それに伴って補われるべき国庫負担金等の関連の収入というものがございますが,それも同時に下がるわけでございます。そのようなことも含めまして,歳入は歳入で,保険料の収入の話もございます。そういうことで,歳入もやはり不足を生じる。  したがって,医療費の不足が生じたけれども,歳入の方でも不足が生じて,その両者の歳入歳出ということの実質収支で見ますと,9年度決算では2億2,000 万余が黒になったということでございます。この2億2,000 万円をどうしたかというと,8年度の累積赤字が約85億円ございましたので,これはずっと引き継いできている赤字でございますから,黒になった分をその累積赤字の補てんに埋めたというような決算になっております。  したがいまして,ご指摘のように,医療費が予算と比較して幾分下がり,療養給付費が下がりましたけれども,本市の国保会計というものの特性から考えまして,直ちにその分が保険料の引き下げにつながるものではないということでございますので,この点,ご理解を賜りたい。それが,1点目でございます。  それから,2点目の一部負担金減免制度のPRの関係でございます。  一部負担金の減免ということは,当然,7割なり,高額療養費は保険で払うわけですが,ただ,自己負担もお願いしなきゃならない。その自己負担については,2割なり3割に実質なるわけですが,その分を減免する制度がある,それが一部負担金の減免という制度でございます。  この制度を適用する際には,一般的でない,例外的な対応ですから,非常に厳密ないろんな条件がつけられております。例えば,自然災害だとか火災だとかというようなことがあって,身体的ないしは経済的に多大の損害をこうむったという例外的な場合に,それを適用しようという,そういう制度でございます。  したがいまして,これは,臨時的,応急的に適用されるのでございますから,制度の性格上,一般的なPRにはなじまないものというふうに理解をしております。  ただ,一般的には,現在,PRはやっておりませんけれども,窓口に相談に来られた方には,必要に応じてお話をし,説明をしているという状況でございます。  私からは,以上でございます。 ◎本巣 国保収納担当部長  それでは,1カ月の短期証の交付の件につきまして,ご答弁を申し上げます。  現行の短期証の取り扱いにつきましては,平成3年に国から通知がございまして,本市の場合も,それに基づいて実施してございますが,本市としては,有効期間が1年未満の短期証の交付ができるというような規定でございます。その当時の規定といたしましては,原則,3カ月でした。納付指導上,必要なものに限っては,それ以外でもできるというような取り扱いをしてまいりました。  それで,本市の今の取り扱いでございますけれども,そういう意味では,1年未満ということでございますので,3カ月でも1カ月でもいいということでございます。  それで,今現在は,通常,3カ月間の有効期間ということで交付してございます。しかしながら,滞納世帯の納付状況,そういうところから見て,特に,より多く折衝の回数をふやしていかなきゃならぬと,そういう納付指導が必要と認められるような場合につきましては,このような限定した形でもって1カ月を交付しているという状況でございます。  以上でございます。 ◆武藤 委員  まず,1点目の保険料の問題についてですが,医療費が減っても,収入の分でも減るので,実際には保険料に還元されることにならないのだというお話があったと思います。  ここ数年来,札幌市の国保会計を見てみますと,これも前に,私,特別委員会で取り上げた問題ですが,過去は,累積赤字を埋めるために,一般会計から20億,25億ということで,平成12年までに赤字を解消しようと,こういう目標を持ちながら繰り入れをしてきているわけなのですね。しかし,ここ最近は,毎年10億円というように,一般会計からの繰り入れも減ってきて,なるべく本市の持ち出しを少なくするのだということが見え見えのような会計にもなっているというのが,私は,非常に特徴的だろうと思うのです。  先ほど言いましたように,医療費がふえるから,それに連動して保険料も上がるのだよと,市民に対して,こういう説明をやってきたわけですから,市民が納得するような回答をきちんと出すべきだろうと思うのですね。  医療費が減っている大きな要因としては,昨年9月来の医療制度の大改悪によって,病院に行けなくなった。老人を中心として,みずから受診抑制をしなければならなくなったという,とんでもない要因があるわけなのですが,現に医療費が予算よりもかからなかったと,こういう結果が出たわけですから,この結果に沿って,一般会計からの持ち出しを減らすのじゃなくて,そこからの負担も含めて,こういう厳しい社会情勢だからこそ,この時期に保険料の引き下げを検討すべきではないのかと思うところです。  この間,資料もいただいておりますが,今,大変厳しい社会情勢のもとということを大前提にお話をさせてもらっているのですが,8年度,9年度,この間ずっと一貫してそうなのですが,国民健康保険の加入者,加入世帯ともふえる傾向にあるわけですね。これは,統計でも出ていますけれども,札幌市の事業主,事業所などが,建設業,サービス業などを中心に倒産件数がどんどんどんどんふえていく,あるいは,首の皮1枚でつながって,何とか仕事をやっている。こういうご時世の中で,今まで社会保険に加入していた事業所が,事業主負担ができなくなったために,国民健康保険に切りかえざるを得ない,こういうようなことも,国民健康保険加入者,加入世帯の増につながっているのではないかと思われます。しかし,その反面,滞納世帯数も,これとあわせて同じように膨らんできている,こういう実態があるわけですね。  こういう状況の中で,高い国保料,払えない国保料だということが,この滞納世帯数の増によっても明らかに示されているわけですから,本市としても大変な社会状況の中で,一般会計からの持ち出しも含めて,せめて市民の願いにこたえて,国民健康保険料の引き下げを検討すべきではないのかと思います。改めて,この点についてご答弁をいただきたいと思います。  それと,一部負担金の減免の問題についてですが,これも一般的にアピールして使うものではないというお話でした。しかし,これは,制度として現に存在しているものです。ところが,最近になって,3点目の短期保険証の問題とも連動する話なのですが,短期保険証の方にはこの制度は使わせないというような,数件ですが,こういう事態も報告されております。  私は,この制度というのは,納付相談に来た方にこそお知らせすべきものであって,保険料を払えないで困っている人は,当然,収入も低いし,ましてや,その方々の世帯のだれかが病院に入院あるいは通院していれば,病院代にも事欠くようなことは,当然,想定できるわけなのです。ところが,そういうお知らせをしないで,あくまでも納付相談だけを行って帰すと。ですから,納付相談に行った方,あるいは病院代は何とかならないのか,こういうことで相談に行った方にも,こういう制度があることをお知らせされていないというのが現状なわけです。  ですから,制度として現に存在しているものを市民に,ましてや,今のこういう情勢だからこそ,もっと多くの方々がこの制度を活用できるように,行政としても周知徹底させるべきではないかと思います。この点について,改めてお考えをお示しください。  それと,資格証明書,短期証の問題なのですが,国の決まりでは,短期証については1年以内の期間でというお話がありました。1年以内の月であればいいということでしたか。ちょっと,済みません。 ◎本巣 国保収納担当部長  お答えを申し上げます。  国の規定では,保険証の交付につきましては,国民健康保険の施行規則で特に期日を定めてございません。市町村が期日を定めて,更新をするということになってございます。  本市が実際に取り扱う中で,普通の保険証の場合は,1年という期間を切って交付をしているということでございます。 ◆武藤 委員  実際に,札幌市は,短期証の場合,3カ月というのを一つのめどにしてやってきているわけですね。その中でも,特に期間が決められていないために,1カ月,2カ月のも存在しているのだということだと思うのですが,3カ月という短期証の期間というのは,3月,6月,9月,12月ということで,事務上の関係もあって,3カ月という期間が決められているというお話も聞いております。  それで,3カ月,3カ月の期間に合わせて,その1カ月前に短期証に切りかえなければならないような人,あるいは2カ月前に切りかえなければならないような人,こういう人については2カ月あるいは1カ月の短期証に切りかわることもあり得るということで,ご説明を聞いた気がするのですが,この点に間違いがないのかどうか,お尋ねをしたいと思います。 ◎本巣 国保収納担当部長  お答えいたします。  3カ月よりも短い保険証が交付される例でございますが,二つございます。  一つは,保険証の更新時期というのは1年に1回でございまして,12月1日でございます。したがって,例えば11月に保険料を納めたというような場合につきましては,あと12月1日までは1カ月ございますので,そういう意味で,やむを得なく1カ月間の短い保険証を交付すると,そういう例が一つございます。  あと一つは,通常,3カ月でございますが,例えば,このままの状態でいけば,資格証を交付しなければならないという方も中におります。しかし,その方について,より多くの折衝機会を設けて,その段階で3カ月に1回ではなくて,毎月相談すれば,資格証の方に移行しないという方も中にいらっしゃるわけでございます。そういう意味で,より多くの折衝機会を設けて,そして更新時期ごとに相談をすると,そういう例もございます。  この二つが,主な例でございます。  以上でございます。 ◎吉川 保険医療部長  私から,保険料の引き下げの話,再度のご質問でございましたので,お答えいたします。  保険料と医療費の関係は,大きな意味では,あろうかと思います。ただ,それぞれ,国保会計というものの中でどうとらえるかということがポイントだと私は思っているのです。先ほど,そういう意味で,医療費が下がったけれども,歳入・歳出の関係で,それは累積赤字の充当に回したというお話をいたしました。  私,それは札幌市の国保の特性だと申し上げたのですが,同時に,札幌市の国保のもう一つの要素として,ここ数年,ずっと1世帯当たりの保険料というものを14万8,029 円に据え置いてまいっております。そういう格好で,調定額においては保険料自体を据え置いております。それで十分なのかと申しますと,据え置いてはいるけれども,やはり保険料としていただきたいという額から見ると,随分乖離がございます。それで,その乖離の分を一般会計からの繰り出しという形で埋めております。そういう形で一定額の保険料を堅持しているという,今はそういう状態でございますので,医療費に伴いまして,療養給付費が下がる。それは,私どもの国保の特性からいうと,すぐさま保険料の低減につながるものではないというふうにご理解をいただきたいと,再度お願い申し上げます。  それから,一部負担金の減免のPRの関係でございますが,先ほど申し上げたように,これはあくまでも例外的な,緊急的な,非一般的な制度でございますから,やはり一般的なPRにはなじまないものというふうに考えておりますので,これもご理解をいただきたいと思います。  以上でございます。 ◆武藤 委員  まず,保険料の問題なのですが,今,1世帯当たりの保険料が14万8,029 円ということでお話がありました。これも,事前に説明は受けております。  本来,医療費を保険料のみで賄おうとすれば,1世帯当たり23万5,000 円になるところを,一般会計からの繰り入れによって,14万8,029 円に引き下げているのだと。そして,その差額分を本市の一般会計から出しているのですよと,こういうお話も伺っておりますが,これは,裏を返せば,一般会計からの繰り入れを多くすれば,保険料の14万8,029 円をさらに引き下げることができるということにもなるわけですよね。  だから,どこまで,だれが負担をするのかと,こういうことにつながってくると思うのですが,今の国民健康保険加入者の滞納状況や,それから社会情勢から考えても──札幌市の特性,特性というお話が先ほどありましたけれども,特性の一つには,政令市の中でも最も高いのが札幌市の国保なのだと。これは,「札幌市のこくほ」という冊子の中でも毎回出てくることなのですが,市民の待ち望んでいる国保料の引き下げ,こういうところにこそ税金を投入してもらいたいということを強調しておきたいと思います。  それと,一部負担金の減免制度の問題なのですが,先ほどもお話ししましたように,この制度のPR不足というのが,私は最大の問題だと思っているのですが,もう1点は,さっきも言いましたように,制度として確立されている以上,滞納があったり,あるいは短期証だということを理由にして,この制度を活用できないということがあってはいけないと思うのです。ですから,その点については,ぜひきちんと各区に周知徹底をしていただきたい。  それから,納付に見えた方,区に相談に来られた方についても,こういう制度があるのだということがわかるように,PRについてもぜひ前進させていただきたい,具体的に行動していただきたいと思いますので,この点についてはご答弁をいただきたいと思います。  それと,短期証の問題なのですが,先ほど,確認させてもらいましたが,1カ月,2カ月のを出すには幾つかの理由があるけれども──国保というのは12月からスタートしますよね。こういう関係もあって,3カ月ずつという一つの枠があって,それで3カ月の短期保険証でやってきていると。しかし,いろんな事情によって,3カ月の区切りの1カ月前,2カ月前の人については,それに合わせる形で2カ月,1カ月のを発行することもありますよと,ほかの理由でもあるというお話がありましたけれども。  そこで,私は,そうであるならば,短期保険証を1カ月にするか2カ月にするかということは,行政の都合によって決められている部分もあるのかなと,お話を聞いて思ったのです。もしそうであれば,非常にそれは困ると。行政の決められた月に合わせて,1カ月,2カ月の短期証が発行されるのは,余りに身勝手ではないのかなと思うわけなのです。  現に,1カ月の短期証をもらうとどういうことになるかというと,例えば,先日もあったのですが,1カ月の短期保険証をもらって入院された方が,入院中に1カ月が切れちゃうわけなのですよね。その方は非常に重篤な患者さんで,また大きな病院に回されて,すぐ手術をしなければならないような状態だったのですが,1カ月という短期間なために,こういうようなことが起こり得るわけなのです。ですから,行政の実務上の都合で,1カ月,2カ月の発行というようなことはやめていただきたい。そのこともあわせてお答えをいただきたいと思います。 ◎吉川 保険医療部長  お答えをいたします。  一部負担金減免制度の利用者に,短期保険証の所持者は対象にならないのでないかという,そういうご質問でございましたけれども,この制度自体は,一つの要綱に基づいてやっておりまして,要件も画一的に決まっております。そういうことで,その要件をどう運用するかについては,いろいろありますけれども,保険証の種類によって適用されたりされなかったり,少なくとも短期保険証について適用されないということはございません。そういうことで,ご理解をいただきたいと思います。  ただ,現実に,申請がありましたら,それじゃ,すべての方に適用するかという話になりますと,先ほど申し上げたように,いろんなケースがありますから,いろいろお話を聞いてということになるのだと思いますけれども,少なくとも短期証の方というだけで適用されないということはございません。  それから,一部負担金減免制度のPRの件でございますけれども,先ほど来申し上げていることは,原則でございます。ただ,昨今の経済状況はなかなか厳しいものがございます。各区の窓口で,いろんなバラエティーに富んだ対応をしておりますので,そういうことで,その窓口対応の中に,今,ご指摘のありましたようなことを取り入れていくことができるかどうか,各区の担当者と,またいろいろ検討してみたいというふうに思っております。  以上です。 ◎本巣 国保収納担当部長  お答えをいたします。  私ども,短期証の交付につきましては,例えば,滞納状況だとか,生活状況だとか,いろいろ見ながら,総合的に勘案して交付させていただいています。中でも,1カ月証の交付につきましては,先ほど入院の関係のお話がございましたけれども,私どもとしては,ただ単純に機械的に交付はしておりません。中でも,入院については,入院の期間だとか,それから病状だとか,そんなことをよくお聞きし,そういうことを勘案しながらやってございますので,慎重に扱っております。  基本的にはそういう形で進めたいと思いますけれども,ただ,納付の約束を何回も何回も不履行にするという方が中にいらっしゃいます。そういう部分に限りましては,ごく一部だと思いますけれども,適用せざるを得ないということがあるかもしれませんが,慎重に取り扱ってまいりたいと思っています。  以上でございます。 ○猪熊 副委員長  以上で,国民健康保険会計決算の質疑を終了いたします。  次に,老人医療会計決算の質疑を行いますが,通告がございませんので,終了いたします。  ここで,理事者の交代がありますので,暫時休憩いたします。     ──────────────       休 憩 午後4時31分       再 開 午後4時34分     ────────────── ○猪熊 副委員長  それでは,委員会を再開いたします。  次に,第4款 衛生費 第1項 保健衛生費のうち関係分の質疑を行います。 ◆宮村 委員  私は,少子化を踏まえた母子保健対策についてお伺いいたします。  先ほども出ましたけれども,本市の平成9年の合計特殊出生率は1.12ですが,前年に比べて0.3 ポイ ント減少しており,全国都道府県及び13大都市の中で,東京都に次いで低く,少子化は深刻な状況に達していると言えます。  少子化とともに,核家族化や都市化が進展し,女性の社会進出の増加など,社会環境の変化と相まって,母子を取り巻く環境も大きく変化しており,新たな母子保健の課題が生じてきております。母親の育児不安については,これまでも言われておりましたが,ことしの厚生白書では,専業主婦に多いという結果でございました。これは,家庭の中で終日子育てに専念する母親が,子育てについて周囲の支援を受けられず,孤独感の中で子供中心の生活をしているためと考えられます。また,教科書どおりに,よい母親を演じようと,懸命な母親ほど,その重圧から育児ノイローゼに陥りやすいということも指摘されております。  母親が育児に重圧やストレスを感じながら子供に接することは,子供の心身の健全な発達には好ましくないということは言うまでもありません。  今の若い親たちは,核家族世帯の中で育って,兄弟も少なく,青少年期に乳幼児との触れ合いが乏しいまま親になっていると思います。命のとうとさ,育てる喜びを人間教育として教えられていないと,子供に対する愛着も生まれにくく,時には虐待に至ることもあると言われております。  育児不安や子供の虐待の予防について考えますと,乳児期における親子関係が,その後に大きく影響すると言っても過言ではございません。  この対策としては,関係機関や地域に住む人々と共同したネットワークを構築することが必要であり,それが安心して産み育てられる街づくりにつながるものと考えております。この大事な時期に,保健婦や助産婦が身近な相談者として継続的な支援をすることはもちろんでありますが,地域住民によって,その地域に住む母親や乳幼児を支える活動が行えるように,行政はその環境づくりを含めて支援していく必要があるものと考えております。  今後は,少子化の原因や背景となる要因を踏まえて,子供を産み育てることに夢を持てるように,母子保健対策を早急に強化する必要があると考えております。  そこで,ご質問いたします。  1点目でございますが,最も育児に不安を抱く時期は,病・産院の退院から1カ月,いわゆる出産後1カ月前後まででございます。本市では,第1子の新生児を対象に,訪問による育児相談を行っておりますが,いろいろ調査しました結果,第2子以降の育児について,大変問題があるというふうに感じております。いわゆる第2子以降の訪問指導は,今,札幌市では実施いたしておりません。この第2子以降の子育ては,問題も多岐にわたっておりますし,特に双子などの多胎出産をした場合などには,心身ともにかなり負担を感じているようでもあります。このような状況を踏まえて,今後,第2子以降にも対象を拡大するなど,母子保健訪問指導を充実していくお考えはないのか,お伺いしたいと思います。  第2点目として,この事業にかかわる職員の研修は,指導や相談の質を確保する上で非常に重要と考えております。本市における訪問指導員及び保健センター職員に対する研修体制はどのようになっているのか,お伺いいたします。  また,この事業は,1件当たり単価5,260 円で訪問指導員に委託し実施しておりますが,同様の事業形態であります高齢者の訪問指導は委託単価6,470 円と,1,210 円の格差が生じております。  そこで,このように格差が生じていることをどのようにお考えか,お伺いしたいと思います。母子訪問指導は,2人の健康と命にかかわっていると思っております。  3点目ですが,孤立しがちな母子の支援を地域において行うためには,何より近隣の人間関係が基盤になるものと考えます。今後,町内会などの地域組織と共同して,地域における子育てが終わった女性なども導入しまして,乳幼児期の子育てを支援する母子保健活動を展開する必要があると思いますが,いかがお考えか,お伺いいたします。 ◎佐々木 保健衛生部長  ただいまの母子保健対策につきましてお答えを申し上げます。  1点目の本市の母子保健訪問指導事業の充実についてでございますが,委員のご指摘にもございますように,育児不安など,新しい母子保健問題につきましては,私どもも同様に認識をいたしているところでございます。  今後,母子保健全体のあるべき姿を描く中で,第2子以降への支援のあり方につきましても十分に検討を進めてまいりたいと考えてございます。  2点目の訪問指導員などの資質向上及び処遇の改善についてでありますが,従来より,研修会や事例検討会を開催いたしているところでございますが,今後も一層の研さんに努めてまいりたいと考えてございます。  次に,高齢者の訪問指導との格差についての考え方でございますが,国の補助事業の違いもございまして,現在の状況に至っているものでございます。  今後,業務の実態や,国及び他都市の動向を踏まえまして,検討してまいりたいと考えてございます。  3点目の地域における乳児期の母子支援体制についてでありますが,行政と町内会組織との協力による世代間交流や,連絡所を拠点とした地域健康づくり活動が,街づくりの一貫として数カ所の区で芽生えてきております。  今後は,これらの地域の特性を生かした住民参加型の活動を,行政としましても積極的に支援をしてまいりたいと考えております。  以上であります。 ◆宮村 委員  ただいまのお答えで,乳幼児期における母子の支援が重要であるというのは,よく受けとめました。特に,1点目の2子以降の訪問指導につきまして,重要性の認識ということでございまして,ぜひ拡大すべきと思いますし,2点目の高齢者の訪問との格差の是正ですけれども,これもやはり漸次補助してほしいと,切に願うところでございます。  そして,地域における母子への支援体制ということでも,新しい動きも始まっているやに伺いました。ぜひとも強力に,生き生きとした地域子育て支援というのができるように,切に要望するところでございます。  そして,ちょっと提言させていただきましてから終わりたいと思いますが,これからの母子保健は,乳幼児から思春期に至るまで,一貫した対策を実施していく必要がございます。差し当たって,来年度には,文部省と厚生省が共同で作成する家庭教育手帳というのが,乳幼児や思春期の子供を持つ親に配付されるというふうに聞いております。しつけに関する冊子を配付するだけで終わらないようにと思います。その機会に,配付と同時に,乳幼児期の生活習慣病の予防対策や,思春期の健全母性育成事業などをあわせて実施していくべきと思いますので,ぜひ要望したいと思います。  そして,ちょっと細かいのですが,二つほどさらに言わせていただきます。  一つに,新生児の訪問指導と関連いたしますが,出産後の連絡票の早期回収方法をぜひご検討いただきたいと思います。これは,出産後,2週から3週以内に行政側に届くようにしてほしいと思います。そうしますと,早期の訪問指導で母子が救われる例が随分ございます。ですから,医療機関との連携の中で,入院中にも提出できるように行政指導をなさってはいかがかと思いますので,ぜひその点,ご提言申し上げたいと思います。  それともう一つ,1カ月と4カ月というのは医療機関,それから4カ月は保健センターでも健診がございますので,そこのところはいいのですけれども,1カ月から4カ月までの間は,やはり一つのブラックボックスになっておりますので,その間の不安の対応ということに対しましては,具体的に,内容と対応する受け皿,その部分を書きまして,お母さん方に配付できるようにしていただきたいなと思います。そして,その中から,お母さんが自分の状況と赤ちゃんの状況で選択できるように。  例えば,おっぱいのちょっとの変化に対しては,こういったところがありますとか,保健センターであれば,こういったことに対応できますとか,委託助産婦さんであれば,その間はこういったことに対応できますとか,具体的な項目と,どこに電話すればいいのかと。そのことは,かなり助産婦さんたちの中では浮き彫りにできるかと思います。厚い冊子ではなくて,両開きぐらいで書かれて,電話のそばに張れるような,そんな仕組みを取り入れて,母子の健康保持のためにぜひともやっていただきたいと,これをご提言申し上げまして,終わります。
    ◆畑瀬 委員  私から,大きくは3点,一つは,毒劇物の管理について,二つに,高齢者福祉施設における結核感染について,三つに,スズメバチ対策について,順次お尋ねしてまいります。  最初は,毒劇物の管理についてであります。  ことしの7月,和歌山市において発生した,いわゆる毒物カレー事件に対して,和歌山県警は,先日,死者及び中毒患者合わせて67名の被害について,殺人及び殺人未遂容疑を適用する方針を決めたところであります。これが意味するものは,この事件がまさに毒物を用いた無差別大量殺人を目的とした犯罪であったということであります。  また,この事件に続いて,全国各地で発生した飲食物への有害物混入事件につきましても,1名の死亡者を出したことに見られますように,被害の程度に違いはありますが,いずれも有毒物の摂取量によっては,被害者を死に至らしめる危険性を持った極めて凶悪な犯罪であります。  このような事件の続発を防いで,住民の不安を少しでも解消するためには,犯人の検挙は最も大切であることはもちろんでありますが,一方で,毒劇物を取り扱っている施設において,毒劇物の保管管理を強化することも,事件の発生を未然に防ぐために有効な手だてであると思われます。  そこで,質問いたします。  毒劇物を取り扱う施設は,法律によって,その取り扱い方法等が規制されているということは承知しておりますが,市内の毒劇物を販売している施設などの営業者に対しては,今回の事件発生後,どのような指導を行ったのか,まずお伺いいたします。  また,毒劇物は,学校など教育機関においても保管,使用されておりますが,先日の新聞で,北海道管区行政監察局が道内の国立工業高等専門学校における毒劇物の管理状況について調査を行ったところ,その管理がずさんであることが明らかになったとの報道がありました。すなわち,毒劇物の管理については,法律で盗難・紛失の防止措置や毒劇物の表示が義務づけられているにもかかわらず,そうした措置がとられていなかったというものであります。こうした教育機関では,学生が授業などで毒劇物を使用する機会も多く,その管理については,ふだんから厳正に行われていなければなりません。また,市役所内の部署によっては,業務上,毒劇物を保管,使用しているところがあると思います。万が一にも,これらの施設が保有する毒劇物が盗難に遭い,犯罪に使用されるような事態は絶対に避けなければなりません。  そこで,2点目として,市内の大学等教育機関及び本市の施設に対してはどのような指導を行ったのか,最初にお伺いをいたします。 ◎三田村 保健所長  お答えいたします。  まず,1点目の毒物劇物営業者等に対する指導についてでございます。  毒物及び劇物取締法では,毒劇物を製造,輸入または販売する者は,登録を受けることが義務づけられておりまして,また,電気メッキ業などで,業務上,シアン化合物を取り扱う者は届け出を義務づけられておりますが,これらの施設に対しましては,保健所が従前より定期的に立入検査を行い,毒劇物の適正な管理などについて指導しております。また,病院,診療所及び衛生検査所など,他法令で許可などを受けることが義務づけられている施設につきましても,医療監視などの際に,同様の指導を行ってきたところでございます。  これらの施設に対しましては,今回の事件後,速やかに法の趣旨に沿った適正な保管・管理を行うように,文書によって改めて指導してまいりました。  2点目の教育機関及び本市施設に対する指導についてでございますが,市立の小・中学校及び高校に対しましては,私どもから教育委員会を通じて,適正な保管・管理に努めるよう文書により要請したほか,市内の大学や専門学校等に対しましても,同様の要請をしたところでございます。また,本市の施設に対しましては,先月,庁内各局におきます保管実態の調査を行いましたので,この結果に基づきまして,なお一層,適正な保管・管理の徹底に努めてまいる所存でございます。  以上でございます。 ◆畑瀬 委員  ただいまの答弁をお伺いした限りでは,毒劇物の営業者,それから大学等教育機関に対しては,文書によって,その適正な保管・管理について指導したとの答弁でございます。私は,文書による指導だけではなく,その施設に赴いて,毒劇物の保管・管理状況を実際に見た上で,そして,必要な指導を行うことが最も効果的ではないかと考えるものでありますが,今後,教育機関等に対して,実際に立入検査を行う考えがあるかどうか,再度お伺いをしたいと思います。 ◎宮田 保健福祉局医務監  大学等教育機関に対する今後の指導についてでございますが,毒劇物の適正な取り扱いにつきましては,直接現場に赴いて指導することが最も効果的だと考えております。したがいまして,市内のこのような教育機関に対しましては,毒劇物の保有状況,保管状況を把握した上で,立入検査などを行って,順次,指導を徹底してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆畑瀬 委員  今回の和歌山市の事件では,当初,食中毒の疑いがあるという先入観を持って保健所が調査したために,警察との連携が十分とられなかったという報道があります。事件性がある場合には,直ちに警察の検査機関において検査することになるために,関係機関の連携が重要でありますが,衛生研究所での分析が必要となる場合も考えられますことから,担当職員が毒劇物に対する十分な知識を持っていることが必要であると思われます。  したがいまして,関係職員に対しては,研修や講習会等に積極的に参加させるなどして,ふだんから関連知識の習得の機会を持たれるよう要望して,この点の質問は,医務監からも前進回答が出ましたので,終えておきたいと思います。  次は,高齢者福祉施設における結核感染についてであります。  札幌市で新たに結核にかかった人は,平成8年の484 人に対して,平成9年は466 人と減少しています。また,人口10万人当たりの罹患率も27.3人から26.1人に減少し,政令市の中で下から3番目の低さであります。また,都道府県で比較すると,低い方から数えて全国で10番目の新潟県と11番目の鳥取県の間に当たります。しかし,ことし7月の新聞報道によると,罹患率が低いと言われた新潟県内の特別養護老人ホームで,平成5年から平成7年にかけて結核の集団感染が発生し,うち12人が結核や併発した他の病気で死亡したという事件が明らかになりました。このことは,一般には過去の病気と思われがちな結核ですが,新潟の事例出現というのは,高齢化が進む現代において,我が国の結核問題が新たな局面を迎えていることを意味すると思うのであります。  また,近年,クローズアップされております多剤耐性結核の増加や院内感染の多発など,再興感染症としての結核に対し,私は,重点的な対策がとられていかなければならないと考えるものであります。  そこで,新潟県内の問題を踏まえて,質問いたします。  1点目は,札幌市内の高齢者福祉施設において,どの程度の結核患者が発生しているのか。また,新潟県の事件を本市はどのように受けとめているのか,伺います。  2点目は,このような事件が起きる要因をどう分析しているのか。  3点目は,この問題に対する対策について,これまでどのようなことを行ってきたか,今後の計画も含めて,この点伺っておきたいと思います。  次に,スズメバチ対策についても伺っておきます。  先日の新聞報道によりますと,今月2日から滋賀県で開催された日本昆虫学会において,近年,都会の人工的環境に巧みに適応できるキイロスズメバチが急増しているとの発表がありました。このキイロスズメバチは,すみかだった里山が荒廃し,都市に進出する中で,巧みに適応性を身につけたものだと言われておりますが,本市においては,キイロスズメバチが生息しているのかどうか,また,本市におけるハチの発生状況について伺います。  あわせて,同じ新聞報道で,スズメバチは強い毒を持ち,巣づくりと,さなぎが成虫になる,いわゆる羽化が盛んになる9月から11月に,攻撃性が高まって,刺激すると集団で襲い,刺されると,場合によっては呼吸困難やショック死することがある。また,都市部で被害がふえており,毎年30人から40人が死亡し,昭和59年には最多の73人が犠牲になっているとのことであります。  そこで,スズメバチに刺される被害が心配されるのでありますが,スズメバチはどのようなときに攻撃してくるのか,また,本市におけるハチの地域別発生状況はどのようになっているのか,あわせて伺います。 ◎佐々木 保健衛生部長  まず,私から老人福祉施設における結核感染対策についてお答えをいたします。  1点目の市内の老人福祉施設の入所者の結核発生状況についてでありますが,平成8年に3人,平成9年に2人,本年は8月末までに1人の患者が発生しております。  なお,同一施設内で複数の患者が発生した事例はございません。  また,このたびの新潟の特別養護老人ホームで結核集団感染によって多数の患者と死者が出たことは,あってはならない深刻な事態と受けとめております。  2点目の老人福祉施設で集団感染が発生した要因についてでありますが,新潟県の例では,これまでの結核の常識ではあり得ないとされていた,高齢者における再感染が起きたことが指摘されております。すなわち,老人福祉施設の入所者のような高齢者であれば,大半の人が以前に結核菌に感染しているため免疫を持っており,新たに感染することはないとされておりました。このため,集団感染も起こり得ないとされておりました。しかし,この事件に関する厚生省の公衆衛生審議会の報告によりますと,全患者23名中16名が再感染であったとのことであります。  さらに,この事件では,最初の患者が肺炎と誤診をされ,結核の発見がおくれたことが感染の拡大を招いたとされております。  3点目の老人福祉施設の結核感染対策についてでありますが,新潟県の例を踏まえ,老人福祉施設に対し,定期健康診断の実施,入所者が症状を訴えた際の的確な対応など,早期発見に必要な措置を徹底するよう指導いたしました。また,本年11月に,老人福祉施設,老人病院,老人保健施設の医療従事者を対象に,結核集団・院内感染防止講習会を実施する予定であります。  以上であります。 ◎灰野 生活衛生部長  スズメバチ対策につきましてお答えをいたします。  1点目のキイロスズメバチの生息についてでありますが,道内におきましては,キイロスズメバチは生息しておりません。市内では,ケブカスズメバチやコガタスズメバチなど,約10種類が生息しているものと承知しております。  2点目の本市におけるハチの発生状況についてでありますが,平成9年までの10年間に保健所で相談を受理した件数は,年平均で約1,200 件であります。  3点目のスズメバチはどのようなときに攻撃してくるのかということでありますが,何らかの原因で巣に振動を与えた場合は,即座に集団で襲ってきます。また,身の回りに飛んできたハチを手で追い払うのも刺される原因になるので,避けなければなりません。  4点目のハチの地域別発生状況についてでございますが,過去10年間では,南区が最も多く,全体の約30%を占めております。次いで中央区,西区,豊平区の順で,いずれも山際に近接した地域で多くなっております。  以上でございます。 ◆畑瀬 委員  結核感染についてでありますが,新潟県の事例を重視して,本市も必要な対応をされたことについては,時宜を得たものと評価をしておきます。  ところで,ただいまの説明の中で,ことしの11月に,結核集団・院内感染防止講習会を実施するとのことですが,どのような効果を期待しているのか,もう少し具体的に伺っておきたいと思います。  それから,スズメバチ対策についてでありますが,ただいまの答弁では,キイロスズメバチは本市に生息していないとのことであります。しかし,コガタスズメバチなど,札幌市では10数種類のスズメバチなどが生息しており,本市では,年平均して千数百件のハチの相談が保健所へ寄せられているとの説明でございました。また,本市の区別の相談件数では,猪熊議員が住んでいらっしゃる山側の南区や,宮本委員が住んでいる中央区,西区方面などで他の区に比べて多いとのことであり,被害もやはり山側の区に集中していると判断されますが,被害の防止には予防活動を徹底して行っていくことが大事であると考えます。  そこで,これまでどのような方面に力を入れて取り組んでこられたのか,また,市民の皆様に注意してもらうとすれば,どのような点なのか,あわせてお伺いをいたします。 ◎佐々木 保健衛生部長  まず,結核予防対策の講習会の開催についてでございますが,この開催を通しまして,老人福祉施設等の医療従事者に,最新の施設内あるいは院内感染防止ガイドラインなどの具体的対応に関する情報を提供できるものと考えております。このように,結核に対する意識を啓発し,患者の早期発見・早期治療を確実に行うことによりまして,集団感染の未然防止に結びつけることができるものと考えております。  以上でございます。 ◎灰野 生活衛生部長  ハチ対策についてでございます。  1点目の被害防止のための予防活動への取り組みについてでありますが,本市におきましては,ハチ類対策要領及び駆除費補助要綱を制定いたしまして,市民の経済的負担の軽減を図りながら,被害の防止に努めております。  2点目の被害防止のため市民に注意していただきたいことについてでございますが,身近なところにハチの巣がつくられたときは,放置せず,できるだけ早目に駆除をすることや,ハチに刺された場合の応急処置方法などがあります。これらにつきましては,地下街での住まいの衛生展や各区役所のパネル展,さらにはインターネットなどで正しい知識の普及に努めているところであります。また,今後,作成するリーフレットには,野外活動における注意事項などを掲載し,内容をより充実させて,一層の啓発に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆畑瀬 委員  結核感染の問題につきましては,高齢者全般への対策が優先課題であるべきと考えます。  国でも,最近の動きなんかを見ておりますと,特別地域対策等の施策を考えているようでありますが,札幌市におかれましても,新たな局面を迎えて,中長期的な展望に立った対策を講じて,市民にわかりやすく呼びかけていかれることを要望しておきたいと思います。  また,スズメバチの関係でありますが,ハチのリーフレットを作成して,配付,啓発しているとのことでありますが,せっかくリーフレットをつくっても,市民に十分周知され,活用されなければ意味がないわけであります。そのためには,本市にはどのような種類のハチがいるのか,ハチはどういうふうに問題を起こすのか,その予防策はどうか,どういう知識を持っていれば安心なのかなど,市民に十分関心を持って読んでいただけるような,また,そういうことがよく理解できるようなリーフレットを新たに作成して,指導,啓発に努めていただくことを要望して,私の質問をすべて終わります。 ◆高橋[功] 委員  私は,乳幼児突然死症候群,SIDSと言われる,この件についてご質問をしたいと思っております。  いわば,元気な赤ちゃんが眠っている間に突然死亡してしまう乳幼児突然死症候群,SIDSが最近クローズアップをされております。  厚生省が,本年6月に,乳幼児突然死症候群対策に関する検討会が行った全国の実態調査の結果を公表いたしました。その報告によりますと,SIDSによる死亡の約9割が乳児期に起きておって,乳児の死亡原因の第3位であると,こういうことでございます。  乳幼児突然死症候群の疾患の原因は,窒息等の事故によるものとはまた若干異なって,脳における呼吸循環調整機能不全などの諸説もあるわけですが,体質が原因で起こるかどうかを含めて,いまだ不明であると言われております。また一方では,育児環境の差異が関係していると,こういう説もあるようであります。事実,この検討会の報告によりますと,うつ伏せに寝かせた場合は,あおむけに寝かせた場合に比べて約3倍,人工栄養は母乳栄養に比して約4.8 倍,父母ともに習慣的喫煙のある場合が,いわゆる喫煙をしないお父さん,お母さんの場合と比べると約4.7 倍と,こう発症の危険が高まることが報告をされております。  これらの調査結果を踏まえて,ことしの7月に,厚生省は三つの柱から成るSIDSの予防対策を打ち出したところでありますが,その一つは,当然でありましょうが,知識の普及啓発キャンペーンの実施,二つ目は,病気の原因究明,そして,不幸にして子供さんを亡くされたご家族に対する支援,この3点が打ち出されたところであります。  我が党は,早くからSIDSの予防を呼びかける運動を展開してまいりました。遅まきながらという感はありますが,この予防対策の推進によって,いわゆるかけがえのない宝,子供はみんなかけがえのない宝でありますが,特に生まれて間もない,このかけがえのない宝を失う悲しみを繰り返さないよう,私も切に望む一人であります。  そこで,質問でございますが,1点目,私も調べましたら,乳幼児突然死症候群,SIDSによる全国の死亡数は,平成8年度と9年度を比べてみますと,平成9年度538 人ということで,8年度526 人よりもふえておる,こういう状況でございます。  そこで,本市における発生状況はどのように推移しているのか。平成9年度がもう出ておると思いますので,この点も含めてお答えをいただきたいと思います。  2点目は,6月の2定で,私も代表質問に立たせていただいたときに,SIDSの予防対策についてお伺いをしたところでございますが,そのときに,国の調査結果,そして通知を参考に対応していきますと,こういうお答えでございました。厚生省の通知が,その後,7月に出たことを踏まえて,市民に対する知識の普及啓発など,SIDSの予防対策をどのように実施しているのか,あわせて,この2点お伺いをいたしたいと思います。 ◎佐々木 保健衛生部長  まず,1点目の本市におけるSIDS発生状況の推移についてでございますが,平成7年度は6名,平成8年度は5名,そして昨年,平成9年度は4名の乳幼児が死亡いたしております。  2点目の本市における予防対策についてでありますが,従来から,保健センター,乳児保育園では,うつ伏せ寝をさせないように指導しておりましたが,本年7月の厚生省通知に基づいた新しいリーフレットを8月に作成をし,母子健康手帳発行時,乳幼児健診時,あるいは保育園などで配付をし,また,保健センター職員,保育園の保母などを対象とした研修会において,正しい知識の周知に努めております。  現在,ポスターを作成中であり,来月上旬には関係機関などに配付するなど,広く市民に知識の普及啓発を図ってまいりたいと考えております。  以上であります。 ◆高橋[功] 委員  今のご説明で,本市におけるSIDSによる死亡数は,6名,5名,4名ということですから,その数字だけ見ますと,確かに減少傾向ということは言えるのかもしれませんが,今後とも死亡数ゼロ,札幌市において乳幼児突然死症候群で亡くなる赤ちゃんはいないと,ここまでやはり目指して,予防活動に取り組んでいただきたいと,こう思います。  そこで,質問といいますか,提案ということになりましょうか,ぜひお願いをしたいのでございますが,今,部長のご答弁の中で,母子健康手帳を発行するときに,リーフレット等を使ってきちんと説明もしますよと,こういうご答弁だったと思うのですが,もちろん,それは大事なことでありますし,ぜひともやっていただきたいのですが,リーフレットということになりますと,ついついそのときだけの話になってしまいがちでございますので,この際,母子健康手帳に,乳幼児突然死症候群について,SIDSについて予防策はこういうものですよ,こういうことは気をつけましょうというようなことを直接刷り込むといいますか,印刷する。そうすると,お母さん方は母子健康手帳をずっとお持ちなわけですから,かなり違ってくるのかなと,こういうふうに思いますが,いかがでございましょうか。  もう1点,ポスターも間もなくできるということでございますので,今までそういうポスターすらなかったわけですから,大変期待もしておりますが,今,部長の言われた関係機関の中に,保健センターとか保育園ということを想定されているのかもしれませんが,内科及び産婦人科,お母さん方が赤ちゃんを連れて出入りする機会が大変多い医療機関にもお願いをして,ポスターの掲示をぜひしていただきたいと。  この2点いかがか,お尋ねをしたいと思います。 ◎佐々木 保健衛生部長  ただいま,委員からご提言をいただいた点でございますが,まず,母子健康手帳へのSIDSに関する予防対策の掲載についてですが,手帳の改訂時期にSIDSに関する情報を記載するよう前向きに検討してまいりたいと考えております。  また,啓発用ポスターの医療機関への配付についてでございますが,札幌市医師会と連携を図りまして,積極的に普及啓発の機会を広げてまいりたいと考えております。  以上であります。 ◆高橋[功] 委員  大変前向きなご答弁で,安心もいたしました。ぜひ,実現をしていただきたい。こういうことを問題提起することで,先ほど申し上げたように,死亡者がゼロになると,こういうことにつながっていくのかなと思います。ぜひお願いいたします。  最後に,要望になりますが,特にSIDSで子供を亡くされたご家族の中には,私も存じ上げている方がおるのですが,実際に亡くされた方にとってみれば,時がたっても自責の念といいますか,私のせいでという思いがぬぐい去れない方がおいでになりますので,この点,リーフレットなどの表現に十分な配慮を最後にお願いをして,これで終わりたいと思います。 ◆岩木 委員  私からは,健康都市さっぽろの推進という観点から,本市の健康づくりにおける栄養対策について,数点お伺いをしたいと思います。  健康づくりにとって大切な要素としては,栄養,運動,休養の三つが挙げられており,人が健康であるためには,このバランスが非常に大切であると指摘されております。中でも,栄養,すなわち毎日の食生活は,市民の健康を維持・増進する上で最も重要な要素ではないかと考えております。  我が国は,今や世界に冠たる長寿国となりましたが,一方では,がんや脳卒中あるいは心臓病などの生活習慣病は,増加の一途をたどっております。  具体的に申し上げますと,平成9年度に厚生省が発表した全国糖尿病実態調査の結果では,糖尿病の疑いが強い人は全国で690 万人とされ,さらに,糖尿病の可能性が少しでもある人を含めると1,370 万人と推定されております。  糖尿病は,改めて申し上げるまでもなく,生活習慣病のいわば代表格とも言うべき病気でございまして,脳卒中や心臓病などを初め,大変重篤な合併症を引き起こすことで知られております。こうした糖尿病を初めとする生活習慣病の予防には,毎日のバランスのとれた食生活が極めて大切であると思います。  さらに,先ほど,宮村委員からもご指摘がございましたが,近年,この生活習慣病は,中高年期の病気という従来の認識と変わりまして,子供の生活習慣病の存在も大きな問題となって浮かび上がってまいりました。つまり,子供のときからの適正な食習慣づくりが極めて大切であると言われております。  最近の中学生のよく言うキレルとかムカツクというようなことも,これは栄養素の偏りに起因するのではないかという識者もございまして,事ほどさように,食生活の充実は身体的な健康だけでなく,心の健康づくりにも重要な役割を果たしていることを物語っております。  そこで,私は,今まで余り取り上げられてこなかった本市の栄養対策についてどのようになっているのか,以下,数点ご質問をいたします。  まず,1点目ですが,昨年の4月から,本市では,新たな地域保健体制のもとで,保健所と保健センターに分かれて業務を行っているわけでございますが,保健所と保健センターの栄養指導業務がどのように行われているのか,その業務分担についてお伺いしたいと思います。  二つ目として,昨年度からスタートしました生活習慣改善相談事業の中で,栄養指導についてはどのように実施されているのか,その事業内容についてお伺いいたします。 ◎佐々木 保健衛生部長  1点目の新体制における栄養指導の業務分担についてでございますが,平成9年4月から,保健所と保健センターに業務分けをし,保健所では,主に栄養改善法に基づき,集団給食施設や食品加工業者などに対する指導を行っております。一方,保健センターでは,栄養相談や健康教育のほか,食生活改善ボランティアの養成,組織の育成などを行い,また,在宅療養者のための訪問栄養指導を行っております。  2点目の保健センターにおける生活習慣改善相談事業の中での栄養相談の内容についてでございますが,すこやか健診の受診者で要指導と判定された方に,栄養摂取量と消費エネルギーを算出し,生活実態に応じたきめ細かな栄養相談を実施しております。このため,受診者は,自分の生活実態を数量的にはっきりと受けとめることができ,より生活習慣の改善に役立つと,大変好評を得ているところでございます。  以上であります。 ◆岩木 委員  栄養指導について,保健所と保健センターの分担につきましては,ご答弁をいただき,よく理解したところでございます。  次に,少し視点を変えまして,栄養改善法に基づく保健所業務の具体的な内容というのはどういうことになるのか,お伺いしたいと思います。  続いて,各区の保健センターでは,食生活改善のボランティアの要請でございますとか,あるいは組織の育成が行われているとのことでありますけれども,この組織は,本市の栄養対策とのかかわりで,具体的にはどのような活動を行っているのか,お伺いしたいと思います。 ◎佐々木 保健衛生部長  まず,最初の保健所におきます栄養改善法に基づく具体的な業務についてでございますが,病院や老人保健施設,事業所などの集団給食施設に対する指導がございます。これらの施設は,特定多数の人に継続的に食事を提供することから,食材の選択から献立の作成に至るまで,栄養学の観点から,計画的な指導を行っているところでございます。また,本年4月から導入された食品の栄養表示制度に基づいて,食品加工業者に対し,適正な栄養表示をするよう指導をしております。  さらに,パネル展などを通じて,広く市民に対しましても表示の活用法の周知を図っているところでございます。  2点目の食生活改善協議会における地域栄養改善活動についてでございますが,この協議会は,保健センターで実施をしております養成講座を修了された食生活改善推進員が構成員となっており,現在,2,757 名の方がボランティアとして活躍されております。講座のカリキュラムは,栄養や病気の知識,献立の立て方,食品衛生,運動実技や料理実習などから成っております。  この協議会は,行政と一体となって健康フェアや食生活改善展を実施しているほか,社会福祉協議会と協力して,地域のひとり暮らしのお年寄りのために昼食会を実施するなど,地域において活発に活動いたしております。また,地域の人々に対して,養成講座などで得た知識や技術を広めるための講習会も活発に行われており,例えば,母と子の楽しい料理講習会や,おふくろの味を伝えるなどの活動も行い,地域で大変喜ばれております。
     以上であります。 ◆岩木 委員  ただいまのご答弁,大変よくわかりました。  最後に,期待を込めまして,私の要望ということになるわけですけれども,いわゆる食改と呼ばれる方々が全市に2,757 人もいらっしゃるということ,認識不足で存じませんでした。この方々は,大変貴重な時間をかけて,専門的な研修を積まれたわけでございますので,市としても非常に大切な人材であるというふうに思うわけでございます。  これまでの活動の中身,幾つかご答弁いただいたところでございますけれども,これからは,高齢化,少子化で,ともに地域で市民が支え合っていく活動がますます重要になってくると思います。それぞれの地域の小さな集団でも,例えば,いささか私見になりますけれども,21世紀に入ると,学校は週5日制完全実施になると思いますので,学校の調理室を使っての調理,栄養のバランスのとれた調理の仕方を,子供,高齢者ともども参加しながら学び合っていくというようなことなんかも,私は,確かに市民の皆さんの意識の高揚につながってくると思います。これまでもやっていただいていると思いますが,またさらに新たな切り口でご検討いただければ,大変ありがたいと思います。  以上で終わります。 ○村山 委員長  以上で,第1項 保健衛生費のうち関係分の質疑を終了いたします。  次に,第2項 環境管理費のうち関係分の質疑を行います。 ◆義卜 委員  それでは,里塚斎場のダイオキシン対策の1点でございますが,簡潔に質問をしたいと思います。  ダイオキシン類対策につきまして,先般の代表質問でも我が会派として市長の見解をお伺いしたところでございますけれども,これに関連いたしまして,火葬場のダイオキシン対策がどうなっているかということについてお聞きをしたいと思います。  厚生省が,昨年の11月,初めて,全国の10カ所の火葬場を対象にしまして,火葬場から排出されるダイオキシン類の実態調査をされたということでございますが,この調査結果がことしの5月に発表されたところでございます。それによりますと,排出濃度が最も高い施設で6.5 ナノグラム,最も低い施設で0.0099ナノグラムということでございました。多少の濃度の高低はございますけれども,調査対象となりました10カ所のすべての施設からダイオキシン類が検出をされたということでございます。  そこで,本市の里塚斎場でございますが,日本全国,どこも高齢化社会でございまして,ますます火葬件数が増加してくるということでございますので,しかとした対策を講ずる必要があると思います。  清掃工場もそうですけれども,今ほど申し上げましたように,火葬場からのダイオキシンに住民の方々は非常に不安を抱いておりまして,里塚斎場のダイオキシンの測定と安全対策を求める陳情というのが,火葬場のダイオキシンを考える会から議長あてに出ているようでございます。近隣,特に美しが丘の周辺の方々は,直接自分たちの命にかかわる大きな問題であるということで,非常に不安を募らせているということなのです。これは,調べてみなければわからないことでございますけれども,今までの清掃工場につきましても,近隣の住民から大変不安の声がありましたが,調べてみましたら,特段のことはないというようなこともございました。  そこで,まず1点お伺いしたいのは,厚生省の調査結果から,どのようなことが判明したのか。また,こうした結果について,どのように評価しているのか。  二つ目には,里塚斎場のダイオキシン類の検査の実施状況,あるいは施設の状況はどうなっているかという現状について,まずはお聞きしたいと思います。 ◎灰野 生活衛生部長  里塚斎場のダイオキシン問題についてお答えします。  1点目の厚生省の調査結果についてでありますが,次の3点の条件を満たしている火葬場は,ダイオキシン類の排出濃度が低い傾向であったと報告されております。  第1は,排ガス中のダスト濃度が1立方メートル当たり50ミリグラム以下であること。第2に,再燃焼炉内温度が850 度以上であること。第3に,主燃焼炉と再燃焼炉が1対1で構成されていることであります。  また,その評価につきましては,火葬炉は大気汚染防止法等の法令の規制は受けておりませんが,仮に今回の調査結果を同法の廃棄物焼却炉における排ガス中のダイオキシン類の暫定基準あるいは平成10年からの新基準に比べても,低い値となっております。  2点目の里塚斎場の状況であります。  ダイオキシン類の検査はまだ実施しておりませんが,1点目でお答えした三つの条件を満たしている火葬場でありますことから,排出濃度は低い範囲内にあるものと考えております。  以上でございます。 ◆義卜 委員  想定されるということの答弁かと思いますけれども,このダイオキシン類は,今,本当に深刻な問題になっておりまして,特に火葬場の話でございますので,永遠にこうした方法が続くのであろうと思いますし,また,本市の都市施設としても,これはなくなる施設ではございませんので,いろんな角度から検討して,万全の対策を期す必要があると思います。  火葬場という特殊性というのでしょうか,ずっと燃焼し続けるというものではございませんで,点火して,燃焼して,冷却するという繰り返しの間欠運転炉というのですか,そういうことでもございますので,検査・調査には難しい問題点があろうかと思いますけれども,これはやはり早期に検査・調査を行わなきゃならぬと思います。速やかにその結果をまた公表すべきかと思いますけれども,いかがでしょうか,それが1点目でございます。  それから,二つ目の質問は,先ほど申し上げましたように,ダイオキシン類は大なり小なり検出されているということなのですけれども,ひつぎに納められる埋葬品から何らかの影響があるのかなということなのです。これは非常に微妙な問題でございますので,市としても何かの規制をするというようなわけにはいかないのでしょうけれども,市民の皆さん方に何らかのご理解を得るような,配慮を求めるようなこともあるいは必要になるのかなと思っておりますが,この点に対するお考えをお聞きしたいと思います。 ◎灰野 生活衛生部長  1点目のダイオキシン類の検査の実施についてであります。  厚生省では,平成10年度も引き続き全国20カ所の火葬場について調査を行い,ガイドラインを策定する計画であります。本市の施設もこの調査の対象となるよう厚生省に働きかけているところでありますが,選定されなかった場合には,本年度中に,検査施設に委託して,実施いたしたいと考えております。また,検査結果につきましても,速やかに公表いたしたいと考えております。  2点目の副葬品の制限についてでありますが,これまでも,葬儀関係業界に対し協力を要請してきたところであります。しかしながら,ご遺族の感情,またプライバシー等の問題もありますことから,ご質問の副葬品の制限につきましては,今後,慎重に検討いたしたいと考えております。  以上でございます。 ◆佐々木[周] 委員  私も,実は同じ点についてお聞きしようと準備しておりましたけれども,今のご答弁で,調査をする,公表もする,そして事業者に対してもお願いしていくという答弁でしたので,1点だけなのです。  この点につきまして,本市にことしの5月19日に設けられました内分泌攪乱化学物質対策連絡会議,これは関係6局9部長,現在は6局の11部長で構成されているというふうに伺っておりますけれども,この件について検討した経過がありますかどうか。それから,もしなければ,今後,国の動きもございますけれども,本市としての取り組みについて,この連絡会議で検討するべきと考えますが,その点だけ質問いたします。 ◎灰野 生活衛生部長  これまで,検討した経過はございません。  それから,ダイオキシンの発生過程や条件等に未解明な部分が多いわけでございますので,今後,実態の解明が進む中で,副葬品の問題に限らず,必要に応じて,その連絡会議において検討してまいりたいと考えております。 ○村山 委員長  以上で,第2項 環境管理費のうち関係分の質疑を終了いたします。  本日は,これをもって終了し,次回は,13日午後1時から,市立病院及び建設局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集をお願いいたします。  それでは,散会いたします。     ──────────────       散 会 午後5時38分...