札幌市議会 1998-03-16
平成10年第二部予算特別委員会−03月16日-05号
平成10年第二部
予算特別委員会−03月16日-05号平成10年第二部
予算特別委員会
札幌市議会第二部
予算特別委員会記録(第5号)
平成10年3月16日(月曜日)
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●議題
付託案件の審査
●
出席委員 33人(欠は欠席者)
委 員 長 柿 崎 勲 君 副委員長 伊 藤 知 光 君
委 員 吉 野 晃 司 君 委 員 山 田 信市郎 君
委 員 高 橋 忠 明 君 委 員 大 越 誠 幸 君
委 員 武 市 憲 一 君 委 員 上瀬戸 正 則 君
委 員 道 見 重 信 君 委 員 宮 村 素 子 君
委 員 馬 場 泰 年 君 委 員 横 山 光 之 君
委 員 堀 川 素 人 君 委 員 高 橋 克 朋 君
委 員 湊 谷 隆 君 委 員 伊与部 敏 雄 君
欠 委 員 富 田 新 一 君 委 員 西 村 茂 樹 君
委 員 猪 熊 輝 夫 君 委 員 畑 瀬 幸 二 君
委 員 大 嶋 薫 君 委 員 本 舘 嘉 三 君
委 員 森 健 次 君 委 員 義 卜 雄 一 君
委 員 涌 井 国 夫 君 委 員 本 郷 俊 史 君
委 員 荒 川 尚 次 君 委 員 飯 坂 宗 子 君
委 員 武 藤 光 惠 君 委 員 宮 川 潤 君
委 員 佐々木 周 子 君 委 員 菅 井 盈 君
委 員 松 浦 忠 君 委 員 北 川 一 夫 君
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開 議 午後1時1分
○柿崎 委員長 ただいまから,第二部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,
大越委員からは遅参する旨,届け出がございました。
それでは,議事に入ります。
議案第13号 平成10年度札幌市
病院事業会計予算の質疑を行います。
◆涌井 委員 私は,さきの
経営診断報告書を通して伺いたいというふうに思います。
経営健全化のための方策というページがございまして,その中で,平成8年度で,当病院の純損失の金額及び純損失の対
医業収益費を見ると,平成7年度は17億8,900 万,14.1%であったものが,平成8年度につきましては24億3,200 万,15.6%になっております。
そこで,当面の目標でございます赤字を解消するための具体策といたしまして,3点述べられております。
1点目が
病床利用率の向上,2点目が
外来利用患者の増加,3点目が
入院患者及び
外来患者の増加に伴う経費の増とその他の
経営改善実施項目が書かれております。
このうちの
入院患者及び
外来患者の増加に伴う経費の増とその他の
経営改善実施項目の中で,
診療材料費の
医業収益に占める割合が,年々,急速に高くなってきているということでございまして,平成6年度9.7 %,平成7年度13.4%,平成8年度が17.8%ということで,50床以上の病院で平均して11.9%なのに比べて,年々,割合が高くなってきているわけでございます。したがって,できるだけ
適正価格で購入するように努めるとともに,使用に当たっては,
請求漏れを生じないような
システムを構築するようにと,こういうふうに述べられているわけでございます。
そこで,
経営健全化対策で,
診療材料,
医療材料の
チェック体制について3点,まずお伺いをしたいと思います。
まず,1点目,
医療材料のむだの
チェックについては,どのような対策を講じられているのか。
2点目,
チェック機能による
改善効果はどのようになっておるのか,数字で
節減効果を明らかにしていただきたいと思います。
3点目は,
使用期限の過ぎた医薬品の処分の量,その金額及び
処分方法はどうなっているのか。
まず,この3点お伺いをしたいと思います。
◎大橋 副院長
涌井議員のご質問にお答えします。
市立病院は,本院移転に当たりまして,皆様既にご承知だと思いますけれども,民間委託による
SPD方式,すなわち
物品供給管理システムを導入し,薬品を初めとして,
各種医療材料の供給及び在庫などを集中的に管理するとともに,
定数配置方式の採用により,効率的な使用や経費の節減,すなわち,極力むだを省くべく努力しているところであります。
第1点目の
医療材料の
チェック体制でありますが,薬品及び
医療材料の採用については,原則として,院内の
薬事委員会及び
医療材料委員会における審議を経て,承認・登録されたもののみ購入,使用できることとし,また,
供給管理については,さきに述べました
SPD方式が効果的かつ円滑に運営されるよう院内に
SPD管理委員会を設置し,その下部組織として設けられた
SPD消費管理検討部会及び
フォローアップ部会が,当病院の薬品や
医療材料の
使用状況や
使用方法の周知など,むだを省く具体的な方策の検討と,その実現に精力的に活動しております。
2点目の
チェック機能による
改善効果はどのようになっているかということですけれども,同種同効の
医療材料を整理・統合するとともに,
使用部署の
定数管理や
使用方法の見直し,さらには,
院内合意に基づく,より安価なものへの移行などにより,年間約2,100 万円の
節減効果を見ております。
今後も,継続して経費の節減に取り組んでまいる所存でございます。
以上です。
◎高橋
薬剤部長 3点目の
使用期限の過ぎました
医薬品等の処分の件についてお答え申し上げます。
期限切れの医薬品ということでございますが,平成9年度におきましては,本年1月末日現在,
期限切れとなったものが108 品目291 件,金額にいたしますと,総額242 万8,000 円となっておりまして,総
薬品購入額が36億4,300 万円ということでございますので,比率からいたしますと0.066 %,すなわち,100 万円の購入につきまして660 円という
期限切れが発生いたしております。
その薬品の内訳でございますけれども,注射薬が64品目,
血液関係,
血液センターから購入しておるものが21品目,それから飲み薬あるいは軟こう,張り薬を主といたします調剤薬7品目,それから,
院内薬局で製剤をしているものが一部ございまして,それらの期限を設定しておりますので,それが5品目などになってございます。
次に,
処分方法でございますけれども,所定の容器に封入をいたしまして,専門業者に委託をして適正に処分をいたしているところでございます。
なお,医薬品を含めて,
医療材料で
使用期限が近づいたものについては,
使用部署に要請をいたしまして効率的に使っていただくべく工夫をいたしておりまして,
医療材料については,本院移転後に廃棄いたしたものは一件もない,そういう状況でございます。
◆涌井 委員 ただいま明らかにされましたように,院内における
医療材料等の委員会での審議を含めて,さまざまな
医療材料のむだの
チェックはされているということにつきましては,理解をいたしました。
続きまして,その
改善項目の中で,3点のうちのもう1点の質問でございます。
外来利用患者の増加というふうなことで1項目あるわけでございますけれども,
外来利用患者をふやしていくためには,患者さんに対する
サービスの向上というものが非常に不可欠であると,こういうふうに思うわけでございます。そのためには,
待ち時間の解消に特に取り組んでいかなければならないというふうに思っております。
この
経営診断報告書によりますと,受け付けから診察までの時間は,全体で1時間以上が57.1%にも上っておりまして,特に,外科あるいは
精神神経科,眼科,
神経耳科及び
脳神経外科は2時間以上が30%を超えていると,大変長い
待ち時間を要しているわけでございます。
会計につきましても,
待ち時間は30分以上が全体の11.1%にも上りまして,特に薬局での
待ち時間なんかは,20分以上が全体の70.7%にも上っておるというふうなことが書かれております。
心臓血管外科あるいは
精神神経科,小児科,
神経耳科,
呼吸器外科は,1時間以上が50%を超えているということで,大変長い負担を患者さんに対してさせているわけでございまして,
待ち時間の短縮のための方策を徹底してとる必要があるのではないかというふうに思っております。
そこで,質問でございますけれども,
待ち時間の短縮のためにどのような対策を講じておられるのか,まずお聞きをしたいというふうに思います。その具体的な対策の効果といいますか,どのような効果があるのか,その効果についてもお伺いしたいと思います。
◎稲垣
事務局長 患者さんの
待ち時間短縮の方法の一つで有効なものといたしまして,私ども,
医薬分業をまず挙げておるわけでございますけれども,これらにつきましては,現在も,希望される患者さんについては,
院外処方せんを発行してございます。平成8年度の
発行枚数は,月に大体130 枚ほど発行しておりますし,ことしに入ってからも大体260 枚ほど発行しておりますので,年々,
発行枚数が多くなっているということが言えるかと思います。
本格的な
医薬分業といいますか
院外処方せんを発行するに当たりましては,いろいろな
メリット・
デメリットがあるわけでございまして,それらについて検討していかなきゃならないわけでございます。
まず,
メリットといたしましては,今申し上げましたとおり,
待ち時間の短縮が挙げられると思います。それから,
かかりつけ薬局と申しますか,それを持つことによりまして,
服薬指導といいますか,その辺の
サービスが受けられるということが
メリットになるかと思います。
もう一方,
デメリットもございまして,これらにつきましては,患者さんの負担が,現在の
院内処方せんに比べますと,薬のもらい方によっていろいろ変わりますけれども,私どもが試算した中では約1.5 倍になるだろうというふうに試算してございます。
そのほか,
院外処方された薬品がすぐ
院外処方の薬局で手に入るかどうかという,
院外処方の薬局との調整がこれから必要になってまいりますので,これから,その辺の問題をクリアしていかなければならないというふうに思っております。
院外処方の実施に向けては,いろいろな問題について検討していかなければなりません。今後,病院としてもその方向で検討をしていくつもりでございますので,よろしくお願いします。
◆涌井 委員 当然,時代の流れということもございまして,
医薬分業についての
取り組みにつきましては,今お話がありましたように,さまざまな
メリット・
デメリットがあるというふうに思います。
いろいろ,他都市の
医薬分業の
実施状況を調べさせていただきましたけれども,大事な部分につきましては,先ほどお話しいただきましたが,
メリットにつきましては,重複の投薬あるいは薬の飲み合わせの防止ですとか,薬剤師が
服薬指導を行うことによって,医薬品の適正な使用あるいは安全性の確保ができるのだと,それに伴っての
待ち時間の解消とかというふうなことでありますけれども,中には,
デメリットといいますか,今後,乗り越えなければならない課題ということも,いろいろ調べていくうちに多くあるわけです。特に,地域の多くの薬局が,複数の病院,診療所の
処方せんを受領し,大衆薬を含めた
薬歴管理,丁寧な
服薬指導を,まず薬局の方でしっかり確立できているかどうかということも,非常に大事な視点であろうかというふうに思います。また,
医薬分業を進めていく上で,
患者自身もしっかりとした
かかりつけ薬局を持つことも,大事な視点であろうというふうに思っております。
そこで,今後の
取り組みのあり方として,
医薬分業という時代の流れもあって,今後,本
市立病院内でも
医薬分業についての検討会といいますか,
薬剤師会にも協力をいただきながら,検討会を早目に立ち上げて,その中で議論,あるいは乗り越えなければならない課題等もテーマに挙げながら進めていくべきではないかと,こういうふうに思っておりますけれども,この辺についてのお考えをお伺いしたいと思います。
◎稲垣
事務局長 医薬分業についての
検討委員会の設置というご質問でございますけれども,今申し上げたようないろいろな問題点がございますので,院内におきましても,薬剤部を中心といたしまして,これらの問題について検討しながら,また整理をしながら,患者さんのニーズの動向,それから国の施策の動向を見きわめながら,現状分析,それから資料の収集をして検討してまいりたいというふうに思っております。
よろしくお願いします。
◆涌井 委員
医薬分業については,大体その辺にしておきたいというふうに思います。
それでは,2点目の質問でございますけれども,私の方から,昨年の3定の
決算委員会でお伺いいたしました臍帯血の
移植手術についての問題でございます。
臍帯血移植につきましては,白血病あるいは
再生不良性貧血症などの大変な難病である患者さんのために,早期に,
臍帯血バンクの設立と同時に,
移植実施をいただこうという思いで質問させていただきたいというふうに思います。
私がお伺いした昨年の
決算委員会から,随分,状況が変わってきて,国の動きも活発に,そしてまた道の動きも活発になってきているようでございます。特に,ことしになりまして,厚生省では,3月の
診療報酬の改正によって4月から
医療保険の適用が認められるということを決められまして,
臍帯血移植検討会で報告されたようでございまして,この適用で
移植手術の費用あるいは入院費などが軽減され,患者に対する負担が少なくなるということでございます。また,道の方も,さきの道議会の議論の中で,積極的に,
臍帯血バンク設立に向けて協力を惜しまない,むしろどしどしやっていきたいというようなことを言っているわけでございます。
昨年から,
北海道赤十字血液センターで,
北大病院あるいは本市の
市立病院の協力を得ながら,
臍帯血バンクの
プロジェクトチームをつくって研究をしているというようなこともございまして,本市といたしましても,
市立病院の方から,臍帯血の供給に際しては随分前向きに,むしろ積極的に取り組んできたということは,大変高く評価をいたしているところでもございます。
私は,今後,
市立病院として,臍帯血について具体的にどのような
取り組みをされるのか,また,
血液センターあるいは道にどのようなことを提供されるのか,具体的にお話しをいただきたいと思います。
さらに,道内の
臍帯血バンク設立の動きとあわせて,本院で
移植実施をするためには,まださまざまな課題があるのかなというふうにも思いますけれども,その辺のクリアしなければならないことも含めてお伺いをしたいというふうに思います。
◎中西 病院長
臍帯血治療についてでございますけれども,第1点目の
臍帯血バンクの設立に向けての当院の協力の経過についてでございますが,
急性白血病などの
造血器悪性腫瘍の治療に
臍帯血移植が有効であるということから,平成6年ころから,
北海道赤十字血液センターが中心となり,
胎盤血採取及び
胎盤血幹細胞に関する研究が実施されており,当院におきましても,同
センターから
共同研究の依頼を受けましてこの研究に参画しております。
平成8年には,
北海道臍帯血バンクの設立に向けた
準備段階として,同
センターから当院に対して臍帯血の提供についての依頼がございました。当院におきましては,特に,現場の産科の先生方が
バンク設立に対する協力の必要性を強く認識しておりましたこともありまして,病院として,これに協力することを決定したところでございます。
なお,母親の協力をいただきまして当院から提供した臍帯血は,現在まで約130 件となっております。同
センターの提供数全体の約65%が,当院からの提供であります。また,同
センターの保存数は,現在,約130 件となっているということでございます。
第2点目の
臍帯血移植治療を行うことを働きかけていく意思があるかどうかというご質問でございますけれども,同
センターでは,
移植治療を実施する
医療機関の選定に当たりましては,
大学病院の内科・小児科の医師,
弁護士等による
臍帯血移植に関する
倫理委員会を設けて検討をすることとしております。当院としましても,
臍帯血移植治療の有効性あるいは必要性を十分認識して,ただいま申し上げました協力を実施してきた経過もありますので,今後は,
臍帯血移植治療の実施に向けては,
倫理委員会,
血液センターと十分打ち合わせの上,施行していきたいと考えております。
以上でございます。
◆涌井 委員 この
臍帯血バンクの設立ないしは
輸血移植については,病院の十二分な協力がなければ成り立たないというようなこともございまして,大変,病院の位置が大事であろうというふうに思われます。
どうか,
市立病院でも最大限の協力をいただきながら,できるだけ早く,このバンクの設立,あるいはまた移植の実施に取り組んでいただけるように支援をお願いいたします。
最後の質問でございますけれども,
化学物質過敏症についてのお話でございます。
化学物質過敏症につきましては,厚生省は,
長期慢性疾患総合研究事業アレルギー研究班として
北里大学医学部部長の石川 哲氏が中心になりまして,この
化学物質過敏症についての
取り組みをされているわけでございますけれども,昨年,最終的に,定義づけあるいは治療の考え方ということにつきまして,冊子をこういうふうにつくりまして,各都道府県の医師会そしてまた
保健所等に配付をされました。これは,患者さんを診るお医者さんに対して意識をしっかり持っていただくというようなことの意味で,恐らく出されたというふうに伺っておるわけでございます。
そういった中で,研究班の
医学部長である
石川先生がどういうお話をされているかというと,従来の中毒という概念からは考えられないほど微量の
化学物質で
アレルギー症の反応が起こり,さまざまな症状を来す疾患が存在する可能性は否定できないと述べられておりまして,さらに,
化学物質過敏症というのは,
アレルギー症の性格だけではなくて,低濃度の
化学物質にも反復暴露されていると,体内に蓄積し慢性的な症状を来すという,
中毒性疾患に近い性格も兼ね備えていますと。
ここが大事なのですけれども,病院で受診しても,
化学物質過敏症を念頭に置かない通り一遍の診察では,女性であれば
更年期障害,一般的な
自律神経失調症として見落とされてしまいますよと,こういうふうにこの冊子の中に書かれておりまして,お医者さんの側としては,そういう意識をしっかり持って患者さんの診察に当たっていただきたいというような意味だろうと,こういうふうに思っております。
そこで,
市立病院としての
取り組みですが,こういった
化学物質過敏症の患者さんが今まで来院されてきているのか,また,そういった
アレルギー性疾患の患者さんが診察を受けに来るときにどういった対応をしているのか,そういったことを踏まえながら,ちょっとお考えをお伺いしたいというふうに思います。
◎林 副院長 今,ご質問されたことに対してお答えしたいと思います。
涌井委員のお話しされました資料につきましては,私どもも今回,初めて拝見したものであります。
この
化学物質過敏症につきましては,最近注目された疾患の一つでありまして,厚生省としても,現在,
研究段階であります。まだ,診断法,治療法が確立されていないものと考えておる次第であります。したがいまして,当院の患者数のお尋ねでありますが,特に把握されていないのが実態でございます。
また,
化学物質過敏症に対する医学的な
取り組みについてでございますが,医学は日進月歩でありまして,当院の医師も,日々,研さんに努めているところでございます。また,その
研究分野も年々広がっておりますが,この
化学物質過敏症につきましては,今後の
研究成果などに注目し,また,それを取り入れながら,よりよい医療を目指したいと考えております。
◆涌井 委員 全体的に,
化学物質過敏症に対する
取り組みが,国の方でも新しい分野ということもあって,今後の細かな症状,
因果関係も含めて恐らく取り組まないといけないという広範な問題もございます。
ただ,厚生省から出される,新たな視点を持つべきこういった病気といいますか,案件については,保健所の方には通知が行く,そしてまた医師会にも通達をすると,こういう流れになっているのですけれども,こういう問題は,本市,特に
市立病院なんかは,私がこういうものがありますかと言うと,いや,もらっていませんというような状況でもございます。この辺は,
危機管理の問題もありますけれども,これから,
治療方法としてさまざまな大事な課題もあろうかと思いますが,こういった視点といいますか,そういうのはいち早くそういう
システムをやっぱり出さないといけないのじゃないか,つくらないといけないと,こういうふうに思っております。
さらに,
診断方法についての基準というのは,ある程度,この冊子の中に明確に書かれておりまして,細かな部分ではいろんな専門的な問題もあろうかと思いますし──こういった
化学物質過敏症患者に対する
取り組みは,お医者さんの側としても,広範囲にわたってさまざまな研究をされているとは思いますけれども,どうか,今後,院内でこういった国の動向などに素早く対応できる体制をとっていただきたいなというふうに思います。
そういった意味も含めて,研修会の中で,
化学物質過敏症に改めてしっかりと取り組んでいただけるのかどうかを含めて,最後にお答えいただいて,終わりたいと思います。
◎林 副院長 お答えいたします。
現在,
化学物質過敏症ですけれども,これは,早く言えば
アレルギー性変化,
抗原抗体反応によって微量でも起こすと一般的に言われています。
ただ,これはまだ
基礎的段階でありまして,先ほどの
北里大学医学部部長の石川氏が出されました報告書を私もまだ読んだばかりなのですが,いろいろな臨床症状もありますけれども,まだ確定したものではありません。ですから,
基礎的研究がまだまだこれから行われ,これが臨床的に応用される段階になりましたら,私たちはいち早く取り入れまして診療にいろいろ役立てたいと考えています。
◆武藤 委員 私から,数点にわたってお尋ねをしたいと思います。
まず最初に,
看護婦定員増の問題についてですが,昨年の決算のときに,私は,職員の有給休暇の問題について,余りにもアンバランスがあるのではないかと。とりわけ,3階東病棟,7階東病棟,手術室,それぞれでは年休も2.4 日,2.5 日,2.7 日というように非常に少ないと。こういう指摘をさせてもらったわけなのですが,そのときに,ご答弁の中では,年休がちゃんととれるように,それぞれのセクションで定員増も含めて検討していきますというお答えをいただいたわけなのです。
最近,お話をお聞きしましたところ,新年度を待たずして,昨年の決算後の10月からことしの2月にわたって,今申し上げました3階東,7階東,手術室については,この期間だけ見ても,今まで以上に年休を多くとれるようになっていると,こういうすばらしい結果を示していただいたわけなのです。
それで,早速,定員をふやしてこうなったものなのか。また,新年度においても,こういうように年休がきちんととれないような職場を解消していくために,職員増に向けて,予算の中できちんと確保しているのかどうか,まず,1点目,これについてお尋ねをします。
2点目の問題です。
市立病院が95年度に移転したときから始めている訪問看護の問題についてです。
これは,札幌市が,看護相談室ということで,95年,新病院になってから開設しているものですが,この
経営診断報告書の中でも,どういう活動をやっているのか,どれだけの利用者がいるのかということが,この中でも数字で示されています。この中では,看護相談室そして訪問看護と,大きくこの二つの仕事があるわけなのですが,それぞれの利用状況を見ますと,看護相談室の中での電話件数を見ましても,1年間の半分の月が既に100 件を超えるような相談件数を示しているわけなのですね。それから,訪問看護にしましても,
市立病院から退院された方,それから,退院するに当たって,在宅で暮らす人のために家庭訪問をする場合だとか,そういうことを含めまして,年々,月を増すごとにその数もふえてきているわけなのです。
これは,裏を返せば,
市立病院の訪問看護あるいは看護相談室の電話相談だとかは,患者さんの悩みにこたえたり,安心して患者さんが在宅で暮らせるようにということで,利用する患者の側から見れば,非常に喜ばれている制度なわけです。これは,そもそも,今,どんどん病院に付随してつくられている訪問看護ステーションとは類を異にするわけなのですが,
市立病院でやっているこれらの事業は,実は,人的にはたった1名の配置しか確保されていないというのが現状です。
今述べましたように,いろいろな患者さんからも喜ばれているこれらの事業をさらに前進させるためにも,私は,人の配置も含めて,充実させるべきではないかと思うのですがいかがか,この点について,2点目お尋ねをいたします。
それと,3点目は,保育園の委託問題についてです。
これも,行政改革の推進計画の中で出されている,まさしく行革そのものの内容ですけれども,今まで,
市立病院は,院内保育園ということで直営で経営していました。直営であるということは,働く者にとっても,経営が一体のものであるということから,非常に安心して子供を預けられ,看護婦さんたちも働いてこられたわけなのです。
そこで,なぜ,このような預ける親からも非常に喜ばれていた直営のやり方を委託方式ということに転換しなければならないのか,また,委託することによってどれだけの経費減を見込んでいるのか,この点についてもお尋ねをしたいと思います。
◎高垣 看護部長 第1点目の看護職員の年次有給休暇の取得状況と,それから,どのように工夫をしてとれるようになったかというご質問だったかと思います。
まず,取得状況についてですけれども,平成9年1月から12月までの看護職員1人当たりの年次有給休暇の平均使用日数は6.4 日となっております。これを部署別に見ますと,2日から13.6日でございました。結果としては,部署によってかなりのばらつきがあったのですけれども,他の職種に比べまして,取得率がどうしても低くなっております原因としましては,さきの決算特別委員会でもお答えいたしましたとおりでございますが,産休,育休の取得に伴う代替職員の問題等がございます。
どのような工夫をしてきたかということでは,平成9年度からは,占床率及び病棟の特徴等を考慮いたしまして,年休取得率の低い病棟については看護職員の再配置を行うとともに,業務改善を図ってまいったところでございます。その結果,ただいまもご指摘がございましたが,決算特別委員会でもご指摘いただいたときに,取得率の低かった3階東病棟,7階東病棟,手術室につきましては,平均で平成8年の2.5 日から平成9年は5.9 日となっております。
小児病棟につきましては,その特性から,業務改善だけではなかなか年休取得率の向上が進まないような状況にございます。
工夫といたしましては,治療に伴う看護業務が平日に比べて少なくなります土・日の看護業務のうち,間接看護部分については看護助手が行えるように見直しをいたしました。これにより,土・日の日勤体制を,従来の看護婦6名から看護婦5名にプラス看護助手1名へと試行的に実施いたしましたところ,看護婦の負担軽減につながり,年休の取得が増加いたしております。
いずれにいたしましても,これからも一層の業務改善を図りまして,看護職員の配置を考慮しながら,過度あるいは過激な就労とならないように,働きやすい職場環境の確保に努めてまいりたいと考えております。
2点目の訪問看護の充実についてということなのですけれども,当院の9年度の訪問件数は,2月末までで,月平均約35件で,対象患者数は月平均約11人となっております。
ご指摘のとおり,専任の副婦長1名しか配置できておりません。その業務内容は,先ほどもお話しにありましたとおり,看護相談業務及び関係施設の連絡・調整,それから訪問看護業務となっております。
訪問看護の対象は,当院に入院していた医療依存度の高い,例えば,がんの末期の患者さん,神経難病の患者さん,それから小児未熟児の患者さんなどに限定いたしまして,訪問する期間は,原則として地域
医療機関へ引き継ぐまでの間というふうに決めております。
前述のとおり,医療の機能分担の観点から申しましても,対象を病院に入院していた重症者で,かつ地域
医療機関へ引き継ぐまでの期間としております。ほとんどの患者さんが,当院の紹介により,地域
医療機関等へ引き継がれているという状況にあります。
公的な訪問看護ステーションは,現在,札幌市には54施設1,600 人の利用があると伺っております。1施設30人で,まだまだ余裕があり,今の人数ではやっていけないというような状況もあるようでございます。札幌市としては,そのようなステーションを支援していく立場にあるわけです。
それと,
市立病院としましても,同じ行政の立場としてはどうなのか,市立札幌病院がこれ以上広げていくことはどうなのかという議論もあるところかと思いますので,これからも,国の進めておりますかかりつけ医制度ですとか,その辺をかんがみながら情勢を見守っていきたいと考えておりますので,ご了承いただきたいと思います。
以上です。
◎稲垣
事務局長 3点目の院内保育園の委託化についてでございますけれども,まず,委託化に当たっての考え方でございますが,2点ほど理由がございます。
一つの理由といたしましては,現在,病院が厳しい状況にありますので,その改善の一つといたしまして,事業の一層の効率化を図る必要から,この委託化を実施するというものでございます。
もう一つの理由といたしまして,看護婦という職業柄,勤務の時間帯が職場によって一様ではないために,現在,この勤務実態に合わせて,保育園の運営時間を,平日ですと午前7時45分から午後7時まで,また,土曜日の勤務の看護婦さんに合わせまして,土曜保育も実施してきたところでございます。このために,保母さんにつきましては,時差出勤あるいは時間外による勤務体制を常時組んで対応してきたところでございますけれども,当院といたしましても,このような保母さんの変則的勤務体制を何とか解消したいというふうに考えたところでございまして,この点からも委託化の検討をしてきたところでございます。
なお,現在,委託化に当たりましては,職員組合初め,関係職員と話し合いを続けておりましたけれども,ここのところ,院内のコンセンサスが得られましたので,平成10年度からこれを実施したいというふうに考えてございます。
これによる経費の節減ということでございますけれども,現在,約3,000 万円ほど節減されるだろうというふうに考えてございます。
以上でございます。
◆武藤 委員 1点目の看護婦の定員問題なのですが,ご答弁の中でも,どのような工夫をしたのかという点で,占床率の低いところの見直し,あるいは土・日のローテーション,看護婦さんの配置の見直し,これらの業務改善をしながら休暇をとれるようにご努力をしてきたと,こういうお話でした。
この中身を見ますと,占床率が低くなったり高くなったり,その時々の患者さんの数によって占床率というのは変わっていくわけですよね。けれども,ベッドの数で,看護婦さんの配置基準というのは決められているわけですから,いつもいつも看護婦さんを,こっちが足りなくなって,あっちがあいているから,上から下に,右から左に動かすというようなものではないだろうと思うのです。
ですから,そういう点から考えれば,占床率が100 %になっても安全な体制がいつでも必要であるわけですから,占床率の低いところから看護婦さんを連れてきて,配置基準は間に合っているのだけれども,業務的に厳しくて休みがとれないところに配置するような状況では,まだまだ安心して働く職場にはならないだろうと思うのです。
それから,土・日の配置基準の問題ですか,6人の看護婦さんから,5人の看護婦さんと看護助手1名へと,こういうお話でした。これは,人命を預かる看護体制として問題がないのかどうか,この点についても改めてお尋ねをしたいと思います。
それと,訪問看護の問題なのですが,私は,そもそも訪問看護ステーションと業務分担をしたやり方であることは十分理解しているつもりです。ですから,
市立病院におきましても,各病院にかかっている患者さんを診るのではなく,あくまでも
市立病院を経由する患者さんのみということで,こういう業務を開始したわけなのですよね。
問題なのは,副婦長さん1人だということが問題だと私は思うわけなのです。どんな職場でも,1人というのは,その人が病欠したり,長期休暇をとるようなことがあれば,結局は,どこかの部署からまた穴埋めをしなければならない。そうすると,そこがあいちゃうわけですよね。ですから,そうではなくて,せめて複数体制にして,この業務が安全で市民にこたえられるように,患者さんが安心してここに相談できるような体制をとる必要があるのではないかなと思うのですが,この点はいかがでしょうか。
それと,保育園の委託問題についてです。
病院の経営が大変なのだと,事業の効率化のためにというお話しもありました。私は,院内保育園というのは一体何なのかということで,改めて調べてみました。
実は,ここ何年間かの
市立病院の決算書もいただいておりますけれども,収入の欄には,国や道からも補助金収入を得て,院内保育園というのは運営されてきているわけなのです。これは,ちゃんと決まりもありまして,院内保育所運営費補助事業というのに該当するわけなのです。ここでは,どのような保育所に対して補助金を出すのかということが明記されているわけなのですが,この補助事業の中身を見ますと,院内保育施設設置病院の決算の状況にかかわって補助金を出すと,こういうようになっているのですね。ですから,そもそも委託だとか,民間に経営を頼むだとか,そういうような──これはあくまでも直営を想定した補助事業となっているわけなのです。
この中で,一つだけ委託についての項目もあります。例えば,定員枠が減になり,やむを得ず委託をしなければならないときには,委託料,ただし,保母の人件費のみだけれども,補助対象経費としますよと,こういうことが書かれているのですが,ここで言っているのも,定員枠の減なのです。
ですから,保育所の子供たちの安全と,保育に欠ける子の毎日の生活を守るという保育所の考え方からしても,委託ということはあり得ないわけなのです。ですから,この点についてどうお考えになっているのか,改めてお尋ねをします。
それと,現在,札幌市には,実際に看護婦さんのために病院がやっている院内保育所というのは64カ所あるのですね。このように,病院で働く看護婦さんのローテーションがいろいろ組みかえされて,朝早く出てこなければならなかったり,あるいは当直があったり,あるいは3交代で夜勤で遅くならなきゃ帰れない,そういう看護婦さんたちのための保育園としてつくられたわけなのです。
ですから,先ほど,なぜ見直しなのかという中でもおっしゃっていました,もう一つの理由は,看護婦さんの時間帯に合わせて保育時間を組むのが非常に厳しいので,それで委託することにしたというのが第2点の理由だったかなと思いますが,本当にそういうことを真剣に考えていらっしゃるのか。本来であれば,直営であっても,看護婦さんのための保育園ですから,そういうような体制に保育園をつくりかえていく,そここそ改善すべき点ではないのかと思うわけなのですが,この点についても改めてお答えください。
◎高垣 看護部長 1点目の占床率云々で人を動かすのはどうかというような質問だったと思うのですが,これも,ころころやっているわけではございませんで,半年なり1年の占床率の動きを見ながら,新年度に検討して人員配置を考えているという状況でございます。
それから,小児科病棟の土・日の看護婦の数を5名と助手を1名にして減らしたということについて,人命の上では問題ないかというご質問だったと思うのですが,助手さんに委譲する部分は,直接看護業務には全く関係なく,間接看護部分だけでございますので,業務量調査をした結果,今のところ,全く問題はないというふうに考えて配置をいたしました。
それから,訪問看護のことなのですけれども,1人なので,休んだりしたらどういうことになるかというようなことで,もっと考えたらどうかというご意見だったと思うのですが,当院の看護相談,訪問看護事業は,先ほども申し上げましたとおり,地域の
医療機関とリンクしていますので,こちらが単独で診ているというケースはほとんどございません。ですから,彼女が休むときには必ずそちらに連絡をいたしまして,そちらの方できちんと訪問していただけるという体制をつくってございます。
それからまた,それにプラスアルファでございますが,公的な訪問看護ステーションではまだ余裕があるというようなことですので,そちらの方を一般の方にはご利用願いたいというふうに考えております。
◎稲垣
事務局長 補助金についてのお尋ねでございますけれども,現在,この保育所におきましては,国及び道から,それぞれ年間約340 万円ほどの補助金が出ております。これにつきましては,委託を行った場合でも,この補助金が出るというふうになってございます。
現在,この保育所につきましては,公立保育園の基準に従って運営をしてきておりますけれども,委託後も保母の数及び保育内容につきましては,公立の保育園に準じて実施してまいるというふうなことにしておりますので,その辺の,先生のご心配はないものというふうに思っております。
以上でございます。
◆武藤 委員 看護婦の定員の問題につきましては,半年ごとの見直しをやっているということでしたけれども,やはり,万全の体制,決められた配置基準を守り,さらに,働く看護婦さんや職場の方々の有休をきちんと保障するという点から考えても,必要に応じて増員をきちんとしていくべきだということを改めて強調して,この点については終わりたいと思います。
委託の問題なのですが,国と道からの補助金は,委託になっても340 万出るのだよというお話が今ありました。それは間違いないのかどうなのか,再度,私は確認したいと思うのです。この補助事業の要領の中では,委託の問題について──その前に,今,
市立病院が委託しようとしている中身は,保育業務,給食業務,清掃用務員業務,この3業務を一体として委託をすると,ですから,管理運営はあくまでも
市立病院なのですよという説明を聞いてきました。
そこで,委託した場合でも補助の対象となると,それはどういうときなのか。これは,委託者が院内保育施設運営の管理責任者になること,こういうように規定されているわけなのです。そうなると,
市立病院がやろうとしている,運営管理は直営ですよと,中の3業務は委託ですよと。こういう角度から見ると,この補助対象に該当しないのではないのかなと,私は,この運営費補助事業の中身から考えるわけなのですが,この点についていかがなのでしょうか。
◎稲垣
事務局長 運営主体につきましては,従前どおり,病院が運営を行うということでございます。
その運営方針につきましては,事務局及び看護婦,職員組合及び母子会等で構成する保育園運営会議を開催しながら,保育所の運営の中身についていろいろ協議していくということでございます。
あくまでも,運営主体は病院であるということでございます。
◆武藤 委員 補助金の問題では,いかがなのですか。
◎稲垣
事務局長 失礼いたしました。
補助金も出るというふうに確認しております。
◆武藤 委員 実際に直営でやった場合の費用,新年度予算でも出していただきましたけれども,新年度も直営でやるとすれば,これにかかる経費は9,800 万ということになっていますね。そして,今度,3業務を委託することによって6,700 万に減るわけなのです。差し引き約3,000 万。この3,000 万を切るために,組合とも長い間お話し合いを続けてきたわけなのですが,こういうように,多くの預けている職員の方々や,あるいは,その職場を去り,公立の保育園に移ったとはいいますけれども,保母さんたちや預ける親たちの願いに背いた,単に行革そのものであるこのような委託については,やはりやめるべきであることを改めて強調して,私の質問を終わります。
◆佐々木[周] 委員 私は,静療院にかかわりまして,大きく2点ご質問したいと思っております。
最初に,痴呆性高齢者のデイケアについてです。
先日の民生局の高齢者福祉の項のところでも,痴呆性のグループホームのことなどについて取り上げましたけれども,今,痴呆性の高齢者に対するケアのあり方について,大きく方向転換と申しますか,私は,そう言ってもいいのではないかと思われるほどの転換を迫られているのではないかというふうに思っております。
と申しますのも,この間,私は,痴呆性の方のことについて少し勉強させていただきまして,先日も,出雲市にあります痴呆性のデイケアを見学してまいりました。
その運営をしていらっしゃる方は,精神科のお医者様です。そして,ご自分も出雲市内でクリニックを経営なさっているのですね。そして,その隣に1戸建てのケアハウスを建てられまして,そこで十五,六名の方たちがデイケアに参加していらっしゃいました。そこに行って,1時間程度だったのですけれども,私も参加いたしました。
まず,私が今まで,例えば静療院でなさっていらっしゃるデイケアを見学させていただいたときには,何かをつくっていらっしゃる,それから色を塗っていらっしゃる,そういうような文化的な作業と申しますか,私が行ったときにはそういうことを中心になさっていらっしゃいました。あとは,ゲームだとかもお楽しみになっていらっしゃるのでしょうけれども,私から見ますと,日常の生活から乖離していると申しますか,非日常的な中でのデイケアが行われているような気がいたしました。
先ほど,大きく方向転換が始まっていると申しましたのは,そういった医療的,そして非日常的なことではなくて,本当に日常の生活の延長の中で,その人その人が日常的な能力をいかに持ち続けていけるかということに視点を据えたデイケアが進められているというふうに,私は感じているわけなのです。
出雲市のデイケアに参加いたしますと,まず私が一緒に座るのですね。そして,大きなボードがありまして,私の名前が書かれまして,札幌から来ましたと書きまして,それを皆さんにお知らせするのです。そして,その方たちから質問を受けて,それに答えると。そういう会話形式の中から対話が生まれてくるというか,そういう感じでいたわけなのです。初めて行った人でも,デイケアのある一定の時間の中に入り込んでいって,そして,ある程度の人間関係がそこでできていくと。そういうふうなことをプログラムの中に取り入れているということについて,私は,痴呆性のデイケアでは初めてだったものですから,ちょっとびっくりしたというか,そういうふうに思いました。
それから,もう一つ,デイケアにいらしている方の家族の方とのつながりを大変重要視しているわけです。と申しますのは,例えば,デイケアを家族の方が見学にいらしたときに,家庭でのご本人のありようと,それからデイケアにいらっしゃるときのありようが全く違っていたということなのですね。と申しますのは,自宅にいると,話もしない,自分からは何一つしようとしない,周辺に関心を持たない,そういう方であっても,デイケアに参加しているときには,本当ににこやかな感じで,お話も普通どおりにいたしますし,それから,笑顔がとても生き生きしているというか,そういうことを感じ取った方がほとんどだということを伺ってまいりました。
それは,本も出ていまして,それを読んでみると,そういう家族の方の声がたくさん出ているわけです。この本なのですけれども,出雲市のデイケアの一日というか,新聞記者の方が半年ぐらいそこに滞在をしてまとめた本なのですが,この本を読むと,家族の方の声がよくわかりました。
そこで,質問なのですけれども,静療院で行っていらっしゃるデイケアに,もう少し生活の延長線での視点を入れていただくことができないでしょうかということが一つ。
それから,家族とのかかわり,そのことについて,年間一,二回の行事のときには参加していただくというふうにお聞きいたしましたけれども,毎日毎日の
取り組みの中で,もう少し家族の方への対応ができないか。
というのは,ここのデイケアでなさっているのは,その人一人の記録ノートというのがありまして,毎日の記録をケアスタッフが,きょうデイケアであったことを一言二言書くのです。そして,それを当事者の家族の方に持っていっていただくのですね。家族の方が,おじいちゃんが,きょうはこうだったのかとか,おばあちゃんはこうだったのかと,そして,家庭での様子を書いて返すだとか。
それから,もう一つ,愛情弁当の日というのがありまして,通常,お昼ご飯はそのデイケアで召し上がることが普通なのですけれども,例えば,月に一,二回,愛情弁当の日というのがありまして,家族の方が当事者の方に対してお弁当をつくるわけです。そして,メッセージがそこにあると。そういうことで,とてもいい関係ができてきている。そういうことで,デイケアにいらしているときと家庭にいらっしゃるときとの差が,だんだんだんだんなくなってきたと,そういうふうにお聞きしてまいりました。
そこで,家族に対するケアを,デイケアの中でもより一層取り入れることができないか,そういうことについてお聞きいたします。
それから,もう1点,長期
入院患者の退院の促進について伺いたいと思います。
先日,平均在院日数の一覧表をいただきましたら,昨年度の静療院の一般病棟の平均在院日数が307.1 日,これは年々減ってきているということは私も認識いたしました。
ただ,私は,民間のいろんな病院の方のお話を聞きますと,どんどん短くしていると,何カ月かで退院なさって,そしてデイケアに通うなり何なりして在宅を勧めていると,そういうふうにお聞きしていました。307.1 日が多いのか少ないのか,私は長いように感じましたけれども,長くなっている原因としては何が挙げられるのでしょうか。まず,1点お伺いしたいと思います。
それから,もう一つ,静療院の再整備計画ということで,数年前に病棟のベッド数を減らしましたよね。それは,今の世界的な流れ,入院から在宅へということで,そういう流れに即したもので,私は本当にいいことだというふうに思っておりますけれども,さらに,在院日数を減らすためにどのようなお
取り組みを今なさっていらっしゃるのかということが2点目。
それから,もう一つ,札幌市には援護寮が今ございません。援護寮というのは,入院していらっしゃる方が在宅に戻るまでの中間的な宿泊,宿泊というか,日常生活の訓練をするための施設なのですけれども,札幌市におきましては,先日の衛生局の答弁で,今5年計画の中で,生活支援
センターと援護寮を併設した中で計画,実施設計まで進めると,そういうふうなことでした。
ということになると,あと1年ちょっとで実施設計になりますよね。ですから,それができるまでの間,3年ぐらいの期間があると思うのですけれども,その間に宿泊訓練と申しますか,院内でそういうことが可能ではないかなというふうに私は思うのです。
と申しますのは,5階に研修棟がございますね。そこに,ある程度の工夫,例えば電磁調理器を置くだとか,それから洗濯機を置くだとか,そういうことをすると,ご自分で地域のお店屋さんに買い物に行く,そして自分で調理をする,そして寝泊まりする,そのぐらいのことはできないのかなというふうに思うのですが,在宅へどんどん戻すための宿泊訓練を静療院内で取り組むことができないのかどうか,その点についてもお聞きしたいと思います。
以上です。
◎設楽 静療院長 本日は,さまざまな貴重なご指摘をいただきまして,どうもありがとうございました。
まず第1点目に,痴呆性老人のデイケアについて,いろいろお話がございましたけれども,静療院の
取り組みに関して,少しお話しさせていただきます。
陽だまりというのですが,ここは,もちろん患者さんに対する,ご老人に対する幾つかの目標がありますけれども,一方で,介護者に対する目標も定めております。
介護者に対する目標の第1の点は,疲労蓄積とか介護の負担を軽減するということも一つありますね。それから,もう一つは,自分が介護していくことに関して持つ不安とか,それから,介護方法がわからないとかということに関する技術支援,アドバイスなどがございますし,3点目は,グループワークといいますか,介護者相互の交流により介護者の不安の解消や,それからもう少し意欲などを増していくというようなことを目標にしております。
患者さん自身に関しては,残存機能といったらいいのでしょうか,潜在機能といったらいいのでしょうか,そういうものをできるだけ維持するための働きかけという意味では,先ほどお話がありましたように,多分ごらんにならなかったと思いますけれども,実はいろいろな地域性の問題があって,定員よりもゆったりとした状況で行われています。ほとんどスタッフと患者さんの交流の中で進められておりまして,恐らく,もう少し時間をかけて見ていただければ,出雲のデイケアと同じような感じで──多少,設備の問題があると思うのですよね。ハードの面では,病院を改築いたしましたから,多分そういう意味では,ちょっとかたいとか,そういう雰囲気はあると思いますけれども,ソフトの面では,スタッフがいろいろ工夫しておりますので,もしよろしければ,今度じっくり時間をかけてごらんいただければと思います。
それで,家族に対する支援ですけれども,年一,二回のということではなくて,家庭訪問したり,それから,実際にお迎えにいらしたときに,1対1でその日の話を結構しております。例えば,学校とか病院で精神療法などをやりますと連絡帳みたいのをつくっていますけれども,ここで連絡帳としてはありませんが,時々報告をしております。余り家族にいろんなことを要求しますと,それでなくてもご老人との関係がうまくいかない人たちが多いものですから,介護の軽減ということにはなかなかならなくて,そういう意味では,個々にケース・バイ・ケースで検討させていただいています。でも,そういうことは重要ですので,今後,努力していきたいと思っております。
それから,2点目の長期
入院患者の退院促進に関してですが,国の方針でも,長期入院の形から短期治療へと進められておりますし,世界的な趨勢で,
診療報酬のいろんな体系からも,恐らく精神科も一般科と同じように3週間前後の入院ということで,今後,推し進められる可能性があると思うのですね。それは,時代の流れですから,私たちも十分考えていかなくちゃいけないと思うのですが,精神疾患がそのように急激に変化していくには,よほどの人的な,非常に濃密な関与ということが必要になっていくと思うのですね。
それから,もちろんご存じだと思うのですが,先進国のアメリカでは,むしろ早期退院によって路上生活者があふれましたね。そういうことによって,アメリカ型ではできないのじゃないかということが考えられています。そういう意味では,短期入院だけがいいかどうかということは,もう少し検討する必要があるのではないかというふうに思っております。
しかし,これは時代の流れですから,私たちも,今,病棟専門化委員会というものをつくりまして,その中で,長期在院の患者さんの個々のデータを持ち寄りまして,医局だけではなくて,看護科,医療相談室,それから,時には事務の方にも参加していただいて,長期在院の方を,できるだけ退院させて地域生活に至るようにしていきたいというふうに努力していまして,実際には,ことしは200 日台に入ったと思いますけれども,だんだんそういうふうになっていっています。
それから,全国の私的病院を含めた在院日数は,まだ400 日を超えているかもしれません。ですから,決して長くはないのですね。ただ,長い歴史を持った精神病院の常として,若い方は入退院が非常に短期で行われているのですが,昔入院された方が,もう帰るところもなくて,今さら新しい生活の場で,不安でどうしていいかわからないという方もおられますので,退院の促進が必ずしも患者さんの精神的な安定につながらないということもございますので,これは慎重に事を進めたいというふうに考えております。
宿泊の件ですが,援護寮を実は5階につくる予定だったのですが,むしろ患者さんの団体とか家族会からの反対があって,これはできなくなりました。患者さんとか家族の方々は,病院から別な形でそういうことをやりたいということが多いと思いますので,それはもっともなご意見だったと思います。
それでは,現在,どういうことができるかというと,入院されていらっしゃる方々に,作業療法とか,そういう中で調理の実習とか,それは実際に地域に出かけていって,買い物をしたりなどしておりますので,そういうことで,少しずつ可能なことはできますので,先ほどお話しされていたようなことは,ちょっと可能性が少ないというふうに思っております。
以上です。
◆佐々木[周] 委員 最初に,専門職の方に,私が見たり聞いたりしていたことをそのままというか,そういう感じで申し上げていますけれども,私が,どうしてこういうふうに申し上げるかというと,ご本人たちの表情が余りにもよかったからなのですよね。どうしてこういうふうないい表情の方がいらっしゃるのかなと不思議なものですから,それでちょっと勉強しまして,ご提言という形をさせていただきました。
私が参りまして,病室を改造した中でのデイケアというのは,ソファを置きながらとか,いろいろ工夫なさっていることはわかるのですけれども,もう一歩進めていただければ,お湯とお茶の葉っぱをここに置いてあると,皆さんがご自分で
サービスをなさるだとか,そういう工夫ができる範囲で可能かと思います。ですから,一人一人が取り組む中で居心地よさと申しますか,そういうものにぜひ取り組んでいただければと思います。
それから,家族のことなのですが,今でも十分なさっていらっしゃることは,先ほどお伺いいたしましたけれども,私も欲がありまして,いま一度いろいろ見直す中で,
取り組みが可能なものは進めていただきたいというふうに,これは要望しておきます。
それと,2点目の方の退院の促進についてですけれども,お
取り組みの状況はわかりますが,先ほどのアメリカ型のことも私は聞いておりますけれども,例えば,北欧の方は,在宅ケアを充実することで,アメリカの過ちを繰り返すまいということを現実的に進めていらっしゃいます。ですから,当事者の方たちの団体を支援する,これは国レベルで支援したり,それから,当事者の方たちがご自分たちで団体をつくられて,そして力をつけて,ご自分たちで仕事を広げていく,そういうこともなさっています。
ですから,今後は,来年度からは保健福祉局というふうになりますけれども,そちらの方との関係性をもう少し強めることで,在宅ケアというものを広げていくことができると思うのです。
一つ質問させていただきたいのですけれども,現在,保健所との連携というのは,どの程度なさっていらっしゃるのかお聞きいたします。
それから,長期入院の方が多いということは,静療院の歴史が長いということから,それは現実にあると思います。ただ,私がいろいろお聞きする中で,20年以上入院していた人でも在宅が可能だということは,ケアのスタッフがどう対応するかということにすごくかかわるのですね。ですから,私は,病院だけでは難しいというふうに本当に思いますし,先ほどの保健所とのかかわり,そういうことについても積極的にしていただきたいと思います。
それで,先ほどの援護寮はということでしたけれども,私は,援護寮みたいに長期間のというのじゃなくて,1週間以内の宿泊の訓練をするというのは,自治体病院の役割として,院内であってもあるべきだというふうに思うのです。
それは,東京都の病院でも,あそこは松沢病院ですけれども,広大な敷地がありますから,訓練棟というのを建てているのです。1戸建ての小さい,1部屋のおうちですけれども,そこで訓練をして,そして援護寮なりにつなげていくと。そういうふうなことをしているものですから,今ある施設の中で可能なことがあれば,できれば積極的に進めていただきたいのですが,もう一回,その辺。済みません。
◎設楽 静療院長 1点目の保健所との関係でございますけれども,実際には,地域の保健所に静療院の医者が行っていまして,地域のいろんな精神的な問題を抱えた方の相談に応じています。時に,それを病院に引き継ぐとか,それから,積極的にデイケア
センターや精神保健
センターにつなぐという形にしております。それから,入院している,あるいは通院している患者さんに関しても,私どものところのデイケアにつなぐこともありますし,各地域の保健
センター,それから精神保健
センターにつないでいくこともありますし,それから,各小規模作業所にお願いするということで,できるだけ,相談室のスタッフが実際に連絡に当たり,医者がついていったり,看護者がついていったりする形で,そういうことを促進するようにしております。
実際に保健所との関係が密接なのは,北保健
センターと豊平保健
センターでしたか,南もちょっとかかわっておりますね。そういうところにかかわっております。
それから,2点目の問題なのですが,退院するまでの患者さんに関しては,理想的にはそういう復帰寮みたいなものがあるといいと思うのですが,実際には,退院する前に,看護者や医療相談のスタッフ,それから医者も含めて,どういう形の退院かということは検討を今しております。
時には,ずっと長く入院をされておられますので,そういう方に関しては,先ほど申し上げましたように,作業療法棟の中での訓練というか,そういうものを計画しています。
先ほど申されたようなこと,今後,検討はしていきたいと思いますが,実は今,むしろ地域での生活を推進すると,時には破綻を来すことが多いですよね。先ほど,スウェーデン型のとおっしゃいましたけれども,まだまだ,日本ではそこまで患者さんを地域で見ていこうという体制にはありませんので,実は就労も大変です,賃金も非常に安いですから。
地域の中で破綻を来して,緊急に入院をして,1週間ないしは2週間休息をして帰るという,そういうことに病院が応じなければならないというか,対応していく必要が実際はありますね。病床数が少なくなって,長期在院でなくなっていくと,余計にそういうことが可能性として高くなると思います。そういうことをじっくり知っていって,長い入院ということにならないようにしていきたいというふうに考えておりますので,それでよろしゅうございますでしょうか。
◆佐々木[周] 委員 今の現状,わかりました。
それでは最後に,先ほどから出てきております,このたびの全国自治体病院協議会の
経営診断報告書を私も読ませていただきましたが,静療院のことについても触れられております。
先ほどから,入院から在宅へという流れの中からの提言になっておりますけれども,精神病院へ隔離収容するという考え方は時代の要請に合わなくなってきているということから,今後,本院との統合を検討することが望ましい,そういうような表現になっております。
このことについてどんなふうに──これは去年出たばかりですので,まだきちっとした明確な方針というのがないのはわかるのですけれども,今のままで本当にいいのかということをいつも考え直すというか,そういうことは必要だと思うのです。今現在,この提言についてどんなふうにお考えになっていらっしゃるのか,最後にお聞きいたしまして,終わります。
◎設楽 静療院長 私がどう考えるかということでよろしゅうございますか。
自治体病院の,いわゆる総合病院の中の精神科というのは重要であるということがありますので,残念ながら,
市立病院でも精神科の外来はやっておりますけれども,入院に関しては別になっておりまして,そういう意味では,重症の合併症とか緊急な救急対応とか,そういうことでは,今後,検討しなければならないと思っているのです。
しかし,片側で,私は,静療院の存在というか,子供から老年期までのライフサイクルに対応した精神科診療・医療を考えておりまして,そういう努力をしてまいりましたので,そういうものは,総合病院の中の一つとしてはなかなかやり得ないだろうというふうに思っておりますので,それは並行するものとして,将来あればいいなというふうに思っております。
以上です。
◆道見 委員 それでは,私から,まず第1点は,
市立病院の経営再建に関して基本的なことをお聞きいたします。
まず,第1点は,病院協議会の報告書を見せていただきましたが,その中で,それぞれ今まで経営再建に取り組んでこられているわけですが,改めてもう1点,現在,こういう協議会の提言を踏まえて,平成10年は特にこういう点に力を入れて経営再建をしたいという項目について,どういう事項を考えているか,細かいところはいいですから,柱となるものをまずお聞かせをいただきたいと,こういうふうに思っています。
それから,2点目は,前に佐々木局長がおられたときに私は質問をしたことがあるのですが,自治体病院という公的な病院の性格上,不採算部門というのですか,民間では引き受け得ないような分野も,ある程度,公的病院としての──特に
市立病院の場合は北海道の基幹病院としての歴史を重ねてきていますから,そういう面で,本当に
市立病院というのが黒字体制になる背景というのか,環境というのか,そういうのを一体,皆さん方はどういうふうに認識されているのか,この点,改めてもう一回お聞きしたいわけです。
佐々木局長は,そのときには,
市立病院の性格からいって黒字にはならないと,こういうふうに答弁をいただいたわけですが,その考え方は現在どうなのか,変わらないのか,そういう基本的なことをまずお聞きいたします。
それから,2点目は,経営再建とは別の分野で,医療体制のあり方についてです。
最近の厚生省の物の考え方というのですか,医療に対する考え方は,とにかく医療費が増大するから,削減方向であの手この手を考えております。それは,医療点数が上がらないということもあるでしょうし,薬価基準を下げるということももちろんあると思いますが,総体的に,今までの医療が,果たしてよかったのかどうかという反省の上にも,私は,一部,背景があるだろうと思うのですよ。そのことは,一昨年の成人病が生活習慣病というふうに改められたことからいっても,大いに推測できるわけです。
私は,
市立病院という公的病院だからということも,一方には考えられると思いますが,もっと
市立病院の特徴を生かすために,あえて
市立病院ここにありというふうに示すのであれば,もっともっと東洋医学の分野を診療体制に入れるべきだと。わかりやすく言えば,市民に対して,あなたはどっちのコースの診察を受けるかというぐらいに,お医者さんが110 人いたら,半分半分に分ける必要はないと思いますけれども,私は,そういうような診療体制というものを考えることが,ひいては市民,患者のためになり,医療費の増大に歯どめがかかっていくと,こういうふうに考えるがゆえに,そういう質問をするわけですけれどもね。
なぜそうかというと,先ほど,アレルギーの話もありましたけれども,普通,皮膚科へ行けば,ステロイドの入った塗り薬をもらって塗る,あるいは飲み薬をもらうという,大体,パターン的には想像がつきますよ。塗るのは,一時的に抑えるかもしれませんけれども,根本的な解決には何もなっていないわけで,やめればリバウンド現象が起きて大変なことになると。
しかし,実際的にいけば,やはり免疫異常でありますから,高過敏なわけですから,もっと角度を変えて,東洋医学の分野から食事の改善,そういうふうにやっていけば,何もそういう方法をとらなくたって,子供なんかは治っていくのですよ。私は医者じゃないですけれども,私の経験からいっても,例えば,子供さんのアレルギーなんていうのは,その子供の食事を聞いて,缶ジュースを1日どれだけ飲んでいるとか,甘いものを食べる,それをやめさせただけで治っていく話なのです。
ところが,西洋医学の分野からいけば,そんなことは別問題なのですよ。全く観点が違う。市民がそういうしっかりとした東洋医学の分野を選択し得る体制を,何十人も医者を抱えなくてもいいですから,現在の医者の配置の中でそういうことをやる。糖尿病あるいは高血圧も治る。あなたはどっちの選択をするかと,逆に,私は,そういう道を生かすことが,あるべき
市立病院の医療の特徴ある分野になっていくのでないかと。
まず,東洋医学の評価を,院長先生初め,どのように評価されているのか。ナンセンスだと思っておられるのかね。東洋医学といっても範囲は広く,物理療法から漢方医学まであるわけですから,そういうものを総合して私は言っているわけですが,そういうような評価,そしてそういう体制が今後検討に値するかどうか,検討すべきと考えるが,どのようにお考えなのか。
それから,3点目は,経営診断に関係することですが,これを読ませていただくと,ページ数で言えば148 ページに給与のことについて触れております。ここを見ると,国家公務員の人事院規則に書かれていない手当が支給されている。この病院では,実際にそのことをやられている。それから,国家公務員を上回る単価が定められた手当が多いとなっているが,果たして,一体こういう国にないような手当を出しているのが何種類で,年間どのぐらいの支給になっているのか。それから,単価を上回るこういうような支給が何種類あって,幾ら支給されているのか。
私は,
市立病院の職員の皆さんは地方公務員ですから,決して国家公務員以下の待遇とは思っていませんよ,条例以下のことだとかやるはずはないのですから。けれども,国を上回るような給料を出すなんていうのは,
市立病院の形態から考えたって,できるはずないのですよ。
私は,たまたまこの報告書を見たからその質問をするので,これがなかったら,私は質問していないです,まさかそんなことをしていると思っていませんからね。
市立病院がこうだから,交通局の再建のときもいっぱいありましたよ。企業会計というのは,こういうことを軒並みやっているのじゃないかと。たまたま
市立病院でこのようになっているのか。私は,即刻やめるべきだと思うのですが,どういう手当の種類があるか,また,どのように考えているのか。
大きく分けて,この3点。
◎稲垣
事務局長 1点目の,現在,再建に向けてどのようなことをされているのかということのご質問でございます。
前にも,何度か委員会においてご説明申し上げておりますけれども,平成8年12月に,院内に七つの作業部会を持ちます
経営健全化対策本部を設けて,健全化に努めておるわけでございますけれども,実例で申し上げますと,入院部門作業部会では占床率の向上及び在院日数の短縮,それから治療・診療部門におきましては検査体制の見直しなどによって収益の向上対策を行う,それから材料費の作業部会におきましては材料費の節約を行う,また,人件費作業部会におきましては手当の見直しなどを行っていくというようなことで,経費の節減及び合理化について検討し,それらの方策について実施をしてきたものでございます。
特に,今後につきましては,占床率の向上は,平成8年ですと大体88.4%でございましたけれども,平成9年度末には90%を超えるであろうというふうに現在考えてございます。それから,在院日数につきましても,昨年は26日だったと思いますけれども,平成10年度には25日を切らないと新看護料が取れないというようなことがございますので,在院日数の短縮については,院内挙げて取り組んでいきたいというふうに思っております。
現在,職員一丸となって
経営健全化に向けて取り組んでいるという状況からいいますと,先ほど,自治体病院は決して黒字にはならないのだというふうなご意見でございましたけれども,私どもは,現在,決してそうではなくて,黒字に向かって,職員全員,一丸となって取り組んでいるという状況でございます。
それから,3点目の国家公務員に定めた人事院規則にない手当が支給されているというお尋ねでございましたけれども,それは2点ございまして,一つには,直接,患者さんに接する窓口業務に従事する職員を対象といたしまして,病院窓口業務手当というのがございます。それから,もう一つは,医師職の給料表の適用を受けております医師及び歯科医師を対象といたします医師手当,この2種類がございます。その支給額でございますけれども,病院の窓口業務手当は日額100 円,それから,医師手当につきましては月額2万5,000 円というふうになってございます。
それから,国家公務員を上回る手当というのは,現在,調査の中では放射線照射業務手当,これは国が230 円でございますけれども,本市は280 円を支給しているという状況でございます。
以上でございます。
◎中西 病院長 道見委員の質問の中での市立札幌病院の基本的な考え方ということで,院長としてお話ししたいと思います。
市立札幌病院は,市民の健康を保持する基幹病院としまして,一般医療のほか,最新の高度の先駆的医療を提供しまして,市民の皆様方から信頼され愛されてきているということは,前からご存じかと思いますけれども,また,当院は,自治体病院の役割としまして,救急医療,周産期医療,精神科医療,あるいは感染症,それから特定疾患などの不採算部門も担ってまいっております。さらには,臨床研修病院としまして,
大学病院ではできない卒業医師の臨床教育に,また,地域の医療施設との連携により,地域医療の向上に努めてまいりました。
しかし,経営面におきましては,非常に厳しい状況にありますことは事実でございまして,これまでも
経営健全化に取り組んでまいりましたが,今後も,職員一丸となって,一層改善を推進するつもりでございます。
こうした中にありまして,先ほど,稲垣
事務局長もちょっとお話ししましたけれども,幾つかの効果があらわれております。その一つとしまして,先ほど,平均在院日数を申し上げましたけれども,占床率から申し上げますと,90%を超えるに至りまして,ことしの2月の占床率は94.4%というように,非常に成績を上げております。また,9年度の収支におきましても,経営改善の効果が反映されまして,予算に対してかなり好転をする見込みでございます。したがいまして,当院としましては,現在のところ,この方向で進んでまいりたいと考えております。
いずれにしましても,医療を取り巻く環境は非常に変わっております。これからもこの傾向は続くものと考えますけれども,一層の高齢化に伴う疾病構造の変化,また,2年後の西暦2000年に予定されております医療制度の大改革を視野に入れまして,本院のあるべき姿について,さらに検討してまいりたいと考えております。
それから,その次でございますけれども,東洋医学のことについての考え方でございます。
1点目の東洋医学の評価についてでございますけれども,現在,西洋医学の中に東洋医学を取り込みながら治療に当たったり,その反対に,東洋医学の中に西洋医学を取り込みながら治療に当たるということが実際に行われております。最近の言葉で言いますと,ホリスティック医学,あるいは医療管理学というのを,最近,聞いておられるかと思いますけれども,そういうことでございますので,西洋医学も真剣に東洋医学を取り込んでやっていこうという動きが非常に強くなってきております。
また,東洋医学への今後の対応及び体制についてでありますけれども,現在,一部の漢方薬が
診療報酬でも既に認められておりまして,当院の医師の中にも,みずから東洋医学を勉強しながら,それらを治療の中に取り入れて漢方薬を処方したりしている状況もあります。しかし,特に道内大学の医学部におきまして,まだ東洋医学を専門とする講座がないというような状況で,現時点では,本道においては,東洋医学を積極的に取り入れるというような状況には,まだないかと思います。
現時点で,積極的に検討する時期でないかということでございますけれども,今後の
診療報酬の動向とか,その他いろいろなことを検討しながら,研究課題とさせていただきたいと考えております。
◆道見 委員 そこで,病院の経営に関することでさらにお聞きしたいのですが,平成10年度の予定損益計算書では,本院だけを見ると,営業段階で20億の赤字を考えておりますね。それから,静療院なんかは赤字を抱えていますけれども,若干,先ほど院長の説明にあるような分野もあるので,一概には言えないですけれども,いずれにしろ本院は20億。減価償却費を除いて黒字になりたいという局長の言わんとすることは,協議会の報告にも書いてありますけれども,経営ですから,減価償却を入れてどうなのかということであって,減価償却を除いて黒字だとか赤字だとかという点を論じているのは全くおかしいのです。この収支計画を見たって,最終的に当年度の純損失が22億8,400 万ということは,減価償却が19億,それから繰り延べ勘定の償却6,500 万を入れても,資金繰り的には3億幾ら穴があくのですよね。そして,累計で99億の赤字ですよ。これは,普通の民間で言えば倒産病院ですよね。倒産病院という認識が皆さん方にあるかどうかは別にして,そういう状況。
ただ,私が申し上げたいのは,札幌
市立病院が持っている歴史的な背景だとか,いろんな役割分担をするから仕方ない部分は,私は承知します。
しかし,問題は,こういう体質が今後とも続くと。皆さん方が努力されるのはわかるけれども,協議会の報告書の中にこういうふうに書いてあるのですよね。精神論も書いてありますよ。赤字解消のためには,合理化の決意に燃えていることが必要だと。これは,ちょっと私は正直言って,わからない人に合理化の決意というのはどういうものかということを教えていくことは大変だと思いますけれどもね。
そう言ったら,気にさわるかもしれないけれどもね。歴史のある
市立病院院長としては,非常にふがいなく,じだんだを踏むような質問をするかもしれませんが,一般会計から毎年持ち出さざるを得ない今の
市立病院の現状,皆さん方がいろんな収益対策と費用対策を計画の中でやっていっても,この赤字現象は毎年続くだろうと,私は予想する。ということは,裏返せば,一般会計から持ち出さなきゃならない現象が,これからもずっと続くということなのですね。
私は,何回も言うように,
市立病院の役割を否定しているわけじゃないですよ。現実的に,会計からいけば,そういうふうになっちゃうのですよ。果たして,札幌市民として,そのことがいつまでもオーケーですよということは,皆さんが一々市民の皆さんにアンケートをとれば別ですけれども,実際に経営ということの観点からいったら,私は,そういうことにはならないだろうと。赤字の垂れ流しのようにと言ったら悪いけれども,つぎ込むわけにはいかない。逆に言えば,そういうふうに判断をしなきゃならないときが来る。
なぜならば,そういうことを前の竹田院長のときに言ったことがあって,竹田院長は非常に憤慨しておりましたけれども,院長の立場としては当たり前だと思いますが,議員の立場からすれば,今,市立札幌病院は128 年の歴史の中にあって,今まで延々と続いた歴史は認めるけれども,現時点において,札幌市内に
医療機関がたくさんあって,精神のいろんな診療所の病床まで入れると,ベッド数が4万5,000 ,大阪よりも人口が100 万少なくても3,000 ベッド多い,そういう中にあって,単なる一般的な,特徴ある,民間が受け入れできないような診療科目だとか救急救命とかを除いて,俗に言う一般22科目のうちのほとんどの科目を,
市立病院が民間
医療機関と争ってまでやる時期にはないと。むしろ,厚生省は,札幌市においては,ベッド数を減数した場合,減数の補助金を出しているわけでしょう,今,政府は。札幌の場合はベッド数を減らしてくださいというのが,厚生省の考え方ですよ。
そういうことから考えると,
市立病院は営々としたその歴史を脈々と光り輝かせてもらいたいと思うけれども,実際問題として,こういう赤字が続く以上は,一般会計から繰り入れできる限界があるとなったときに,じゃ,どうするか。これは,条例の810 床を変えて,経営再建ですから,3分の1はカットする。経営再建の基本は3分の1カットするということですよ,イロハですから。それでもだめなときは半分カットですよ。どんな企業も,これによって経営というのは再建されていくのですよ。じゃ,
市立病院が810 床を500 ベッドにカットできるのかということになるわけです。
そこで,私はお聞きしたいのですが,基本的にはそういう考え方で,あれは国の補助が入っていますから,私は,そういうことが可能であるのであれば,老健施設だとかケアハウスだとか特養だとか,そういうふうにあの施設を切りかえていく。中央区の中に特養を設けるというのは,土地も高いし,なかなか大変ですよ。だから,都市型のそういうようなものに補助金を切りかえできるのかどうか。返せばいいのかもしれないけれども,そういう選択の余地があるのかどうか。
私は,調べていないから質問するのであって,基本的には,このままやっていたのであれば,一般会計から繰り入れする以外にないわけですから,どこからも持ってくるところはないですから。この現状からいったら,それはできないと。あっさり
市立病院は3分の1カットなり半分のカットをして,救急救命だとかそういう特殊なものの入院ベッドだけにかえていくと,条例改正して。私は,そういうふうにしないと,赤字幅を拡大する一方になるのであろうと。そのことに対して,どのようにお考えなのか,まずお聞きをいたします。
◎大橋 病院長 ただいまの道見議員のご質問ですけれども,確かに不採算部門で,特に救急医療,それから周産期医療でございますが,それに関しましては,そこの部門だけで完全に終わるものでなくて,後方支援ですか,それがあって初めてできるものでございます。例えば,救急医療であれば,1科で終わるものでなくて,脳外科,
心臓血管外科あるいは腹部外科,そういうもの全部が後方支援して初めてできるわけでありまして,単科ごとのいわゆる
センター方式でいきますと,そういう例もありますけれども,救命救急
センター,そこだけですぐ満杯になってしまって何もできないというような状況です。やはり,現在のような後方支援がしっかりした部門がある総合病院が,うちの方の救急医療あるいは周産期医療というのが非常にうらやまれているのですけれども,そういう意味では,そういう後方がしっかりしているからということで,今現在のような形でやっていく方がよいかと考えております。
それから,経営のことでございますが,昨年の7月,自治体病院協議会の方の診断をいただきまして──もちろん,純損失の黒字を目指してやっているのがその目的でございますけれども,当面は減価償却費前の黒字を目指してやるということで取り組んでまいりまして,今年度は目的がほぼ達成できるような状況になっておりますので,今後もそういうことでやっていきたいと考えております。
以上です。
○柿崎 委員長 特養,老健に切りかえることが可能かどうかと聞いている。
◎大橋 病院長 老健施設ですか,先ほど申し上げましたけれども,救急医療それから周産期医療やなんかのあれで,今のところ,ベッドのそれは,今あるままの方がよろしいかと考えております。老健施設とかそういうこところは,今のところは考えておりません。
◆道見 委員 考えていないのはいいですけれども,そういう道があるのかどうか,局長,答えてください。
◎稲垣
事務局長 そういうことを前提として考えておりませんので,今,お答えするわけにはまいりませんので,よろしくお願いいたします。
◆道見 委員 そういうことを考えていないからお答えできないと言う。これ以上やりとりしませんわ。そういうことを答えたら,やる気があるかと,そういうふうには,私は論点を発展させませんから。
札幌
市立病院が,今後とも市民に期待される病院という形態をとっていくのであれば,生き残り策なのですよ。減価償却前で収支ゼロだなんて,そんな答弁なんか許されませんよ。私,それ以上突っ込みませんけれども,経営なのですから,どこの病院だって,自分の建てた建物の償却なしにやっていたら,病院が倒産するでしょう。そんな理屈が
市立病院だけに通るなら,こんな甘い話はないですよ。
そんなことはもちろん考えていない,当面の目標だから,私はそれでいいけれども,しかし,本当に
市立病院の経営を考えるなら,私が言ったことをやらない限りにおいては,なりませんよ。口腐っても,院長の立場では
市立病院のことに対してそこまでは答弁できないと思いますから,それは気持ちで酌んでおきますけれどもね。けれども,実際はそういうことだということを,皆さん方スタッフはわかっておいてくださいよ。やっぱり,地域の民間病院との役割分担ですよ,これだけ病院がたくさんあるわけですから。
赤字になってもいいのですよ。ただし,条件があるのですよ。
市立病院は,毎年,患者の病気と病人をこれだけ減らしたという統計が出れば,幾ら赤字でも賛成ですよ,それが医者の本分だもの。ところが,実際に病気と病人はふえ続けているのですよ,何ぼ医者の数がふえようが,病院の数がふえようが。だから,病院と医者の数が多いところだけが赤字になっていっているのですよ,国保でも。そんなのは,目に見えていることですよ。
そういう算術的なことは,これ以上突っ込みませんから。私は,根本的に病院経営を考えるときが来るだろうと。思い切って条例改正して,ベッド数を減らす。今の機能を残したにしても,そういうことを今後の検討課題にしておいていただきたい。この点については,この程度にとどめておきます。
次に,東洋医学の件について。
病院長は,副院長もおられますけれども,こういう分野についてはどれだけ理解されているというか,経験されているのかわかりませんけれども,いずれにしろ,私は,これからの時代は,先ほど言われたように,東洋医学と西洋医学のいいところを取り入れて,いかに病気,病人を減らしていくかという時代だと思いますよ。まさしく,院長の言ったとおりですよ。
私は,そういう体制を札幌
市立病院が真剣に
プロジェクトチームをつくってやるべきだと思うのですよ,これからは。すぐ来年からとか,あしたからというのは無理ですが。これをやることにより,札幌
市立病院が,いわゆる医療における世の中の最先端を行く治療体制がとれると,私はそう信じて疑わない。
なぜかというと,衛生局で私は話したのですよ。その話をそっくり話しすると,また30分ぐらいかかりますけれども,歴史が証明している。
日露戦争のときに,(発言する者あり)いやいや,こっちはいいけれども,向こうが。110 万人の兵隊の出動のうち,21万人がかっけの患者ですよ。死亡者が2万7,800 人。二百三高地の1万5,000 人の死亡者よりも,かっけの死亡者が多かったのですよ。これは,森 林太郎,作家森 鴎外,文豪森 鴎外が,東大医学部で西洋医学の最先端,というのはドイツ医学ですよ,これを陸軍の中でやっていた。一方,海軍は高木兼寛ですよ。これは,麦飯食わしたのですよ。この医学はイギリス医学で,麦を食べているということです。たったそれだけの違いで,片一方は死者はほとんどゼロ,片一方は2万7,800 人,陸軍と海軍の違いがあったにしても。
日清戦争においても4,000 人ですよ,ビタミンという物が発見されていないときですから,かっけは感染症だというふうに昔は言われたのです。ところが,感染症じゃないのだ,食べ物だった,そういうことですよ。
それぐらい,人間の体というのは,22科にも分けて診察できるものじゃないですよ。人間というのは一つの物体からできているわけですから,その原点の東洋医学を考えれば,何が大事かということで,西洋医学を学んだ院長さん,副院長さんだって,もっとそこら辺のことを取り入れた幅広い医学を
市立病院に採用していく,これが非常に重要だ。身の回りに幾らでもそういう例はありますよ。
C型肝炎の患者でも,若い医者はすぐインターフェロンの話をしますよ。けれども,亡くなった北大のある名誉教授は,トランスアミナーゼの数値を聞いて,これぐらいだったら,これで治りますよと,何もインターフェロンなんか要りませんよと。ところが,一方のある大きな病院の医者は,これをやらなかったらあなたの命は大変だと。そしてせっつかれる。どうしようと苦しんで相談に行ったのですよ。その北大の名誉教授は東洋医学を勉強している先生で,その人の言うことを聞いて,ちゃんと正常の体に戻したのですよ,インターフェロンなんかやらなくたって。そういう現象が毎日のように起きているということですよ。
市立札幌病院も,そういう診療体制を今すぐやれとは言わないけれども,何年後にはやるというような体制を考えて,あえて,収益性の上がらない病院だから,そういう部門というものをやって,そういうのはほとんど医療点数が出てこないから,病院長さん,問診だとか食事のアドバイスで終わるのだから。そういうことで,もっと具体的に,この考え方についてお聞きします。
◎中西 病院長 現実には,当院の内科の先生も東洋医学の研修に行っていただきまして,やっている方もおります。そういうことで,議員さんがご指摘のように,そちらの方にも取り組むような姿勢でやっておりますので,すぐにということはできませんけれども,徐々にやっていく考えはございます。
◆道見 委員 そういうことで,私が,釈迦に説法みたいに,医者でもないのに,そういう診療体制についてこれ以上言いませんけれども,しかし,これは世の中の流れだということ,決してそこら辺を忘れないでください。そういう体制を,今後,検討していくと。いつまでも,50年も検討されては困りますよ。そういうことで,そのことについて期待をしておきます。
次に,手当の件について,定めていないのが二つあると。
一つは,窓口の業務だと。要するに,患者が来るから,患者と接するから,1日100 円手当を出すというのでしょう,中身的に想像すると。患者からすれば,こんなことを聞いたら驚くだろうけれどもね,こういうこと。
二つ目は,医師手当と。この医師手当という中身,医師手当が月2万5,000 円と言っているが,医師手当というのは何なのかということをまず聞きたい。
◎稲垣
事務局長 まず,病院窓口業務手当についてお答えいたします。
今,委員がおっしゃられたとおり,病院という場所柄から感染の危険性が高いということで支給をしておりましたけれども,職場環境の改善が進んできている現状を考えますと,一般の患者さんが出入りする病院の窓口が,必ずしも感染の危険性が高いというふうには判断されませんので,この手当につきましては,廃止する方向で検討しているというふうに考えてございます。
次に,医師手当についてでございますけれども,これにつきましては,医師は患者さんへ質の高い医療を提供するために,調査研究に努力するということも重要な仕事であるというふうに認識をしておりまして,これに対応する手当として支給しているものでございます。他の政令指定都市におきましても,大部分は,名称の相違,それから支給額に多少の相違はございますけれども,同様の趣旨の手当が支給されている状況でございます。
以上でございます。
◆道見 委員 わかりやすく言えば,研究というのですか,そういうことで支給されていると。渡しっきりというような感じだわね,月2万5,000 円ですが。
平成10年度の予算を見ると,例えば,本院の経費の中に,研究費6,800 万だとか,各病院に研究費が計上されているわけですが,この研究費とはまた違うと,こういう意味ですか,もう一回。
◎稲垣 病院
事務局長 予算にのっている研究費とは違うものでございます。
◆道見 委員 非常にわかりづらい説明ですよ。研究のために支給するというのであれば,これは渡しっきりですから,個人に対する給与所得ですよ。何に使おうが,とにかく個人に渡ってしまっている,給料ですから。
私は,こういうあやふやなことはしない方がいい。研究であれば,研究費として計上すればいいのですよ。札幌
市立病院の本院として何々科何々科とあるのであれば,こういうことが,医者としてのいろんな技術を磨くために研究費は計上しなければならならぬ,私はそういうふうに思っているのですよ,この研究費六千八百九十何万というのは。個人の給与で渡すと,その人の懐に入ってしまうのです。110 人のお医者さんが全部,ひとしく2万5,000 円で研究しているわけでない。わかりやすく言えば,これは渡しっきりの第2人件費ですよ。
私は,こういうものははっきりすべきだと。他の政令都市は出しているところもあるようだと言っているけれども,当病院は,出せるような経営内容でないわけですから,もっとここら辺を整理して,研究費なら研究費にする,そういうふうにすべきと思うのですが,いかがですか。
◎稲垣
事務局長 ご指摘の点でございますけれども,今後,国,道,その他の政令指定都市における研究費の支給状況につきまして調査をいたしまして,見直しを含めて検討してまいりたいというふうに思っております。
◆道見 委員 見直しを含めて検討するというから,これ以上質問しません。見直しという項目を入れなかったら,また質問しようと思ったけれども,見直しをしてください。
これは,お医者さん一人一人が2万5,000 円ぐらいのことで自民党から変に思われるよりも,正々堂々と研究をやるのであれば,運営する以上必要だというのであれば,そうやる。それは,見直しをするということですから,見直し結果をまたお聞きしますので,そういうことで見直しをしていただきたい。
最後に,上回った手当は1種類なのですね,放射線の。1日230 円が280 円,これはどういうふうにするのですか。国の基準に戻すのですか,戻さないのですか。
◎稲垣
事務局長 実は,この手当につきましては,ごく最近,私の方の調査でわかったものでございまして,国で支給している業務内容につきまして検討して,どこに違いがあるのか調査してみたいというふうに思っております。
以上でございます。
◆道見 委員 これ以上言うと,局長は技術屋さんだから,病院にずっとおられて1から10まで知っているわけじゃありませんので,これ以上突っ込むと答弁が苦しくなりますから,私は求めておきます。
経営再建ですから,国以下の待遇をしていて,どうしても見直しをしなきゃならないというのであれば,国の水準に引き上げることは,赤字であっても,場合によっては必要かもしれない。その現実を見たときに,間違っても国の水準よりも高い手当を出しておりましたなんていうことは,そんなことは世間には通用しませんよ。そのことを申し添えておきますから,今言ったように,見直しをするというのですから,これもあわせて見直しをしていただくことを要望しておきますから,これで終わります。
◆伊与部 委員 私も,
市立病院の
経営健全化に関連して,数点お伺いいたします。
今,道見委員からもお話がありましたように,
市立病院の役割というのは,民間の病院ではできないような多くの役割が背景にあるということは,皆さん,十分認識していると思うのです。
例えば,救急医療体制なんていうのは,最高の医療体制をしいて,日夜,全力を挙げてやっていると。それからまた,民間で引き受けない,最近は乳児医療を天使病院で断っているのに,
市立病院は受けていると,こういうようなこともありますし,いろんな面で
市立病院は,そういう公的な病院としての役割を果たしていると。
特に,810 床のうち38床が救急病床なのですね。ですから,一般の病床は772 ,こういうことで,38の救急病床をいかに多く使って,そして体制を組んでいるかということについて,私はその辺が非常に大きな役割を持っているのではなかろうかと。
しかし,現実には,先ほどもお話があったように,累積赤字が99億2,374 万7,022 円,平成10年度の損益計算書からいうと,こういう累積赤字が生じていると。
先ほど,院長がいみじくも減価償却費の話を出されましたけれども,本来,減価償却費というのは,内部留保資金として蓄積しておかなければならない資金なのですよ。それを,現金の持ち出しでないですから,内部留保資金を全部使って何とか赤字を少なくしようと,簡単に言えば,そういうことなのですね。
私は,それはそれでいいとして,病院にはもう一つ,借金があるのですな。この予算書を見ましても,ことし,10年度は企業債5億5,600 万円,これは借金です。今,
市立病院の企業債全体,累積借金は,どのぐらいあって,そして,どういう返済の仕方をしているか。そして,金利は幾らなのか。そして,今,残高がどのぐらいあるのか。その残高をどういうふうにこれから──赤字が99億のあるのだから,毎年20数億円赤字があるのだから,企業債を返すなんていうのはほど遠いのでないかと,そういうふうに思われる方がいると思いますので,その辺ひとつ明らかにしていただきたいと思うのが一つ。
二つ目には,先ほどの院長の話の減価償却費ですよ。減価償却費は何%ときちっと,これは企業会計の中で,地方公営企業法で定められていると思うのですね。答弁を聞いてから,私,お話ししようと思うのだけれども,例えば,企業債の全体の中で,どういう借り方をしているのか,何に対して何ぼ借りているのか。赤字は,先ほどもお話が出ましたから,わかりました。借金は,一体どういうふうになっているのか。その返済はどうなのか。
これは,重大な問題ですから,赤字だ赤字だと言っているけれども,別に借金ががばっとあったら,その借金をどうやって返すのか。これはしっかり皆さんと意思統一しておかないと,今後の病院経営が非常に大変な状態になるのではないかと,こういうふうに思うわけです。
それから3番目に,市立札幌病院
経営診断報告書が去年の9月に全国自治体病院協議会から出されまして,私もそれをじっくり読ませていただきました。
先ほどの答弁によると,その前から,
市立病院の内部で
経営健全化の委員会をつくって,内部努力によって支出を減少させる,また収益を上げると,こういうようなことをやられてきたと思う。これを,新病院ができる前から,新病院ができたらこうするということでもって,そういう委員会をつくってやられてきたと。
それが,10年度の予算の中に,具体的な金額として,どういう項目で,どのぐらい効果というのですか,そういうものがこの予算書に盛り込まれているのか,これをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
それから,4点目は,この報告書の146 ページに,1行,こういうことを書いているのですね。現時点においても患者予約制の採用により
待ち時間の短縮を図る必要があると,予約制のことについて書いているのです。外来が2,100 人,それから,
入院患者が810 床のうち昨年度は88%,今年度は93%と,こういうふうに予算化しておりますけれども,
入院患者の方の収益は,病院全体の6割なのですね。外来は,2,100 人来ているけれども,全体の収益の4割なのです。しかし,両方とも上げなければならない。どっちがどうということではない。810 床は,さっき言ったように,38床を除いて772 は決まっていることだから,ことしは93%,将来は95%にすると,こういうような方針がこの報告書にも載っていますけれども,2,100 人の外来を予約制にした方が,より時間の短縮ができて,もっと多く,2,100 人でなくて,2,300 人も2,500 人も
外来患者として受け入れることができると。
先ほどの話に出ていましたけれども,病院は22科,それから院内標榜を含めると34科ですか,このぐらいになる。そういう多くの科を持っている
市立病院,毎日,外来が2,100 人来ている。この報告書に書いているように,予約制が本当にできるのだろうか。どういうふうに考えているのか,ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
その辺で,まずひとつ答弁してください。
◎稲垣
事務局長 まず,借金,私どもは企業債というふうに言っていますが,それについてのお尋ねでございますけれども,病院施設または設備の整備を行うために,その財源の大部分は企業債の発行によって賄っているわけでございます。
9年度末の未償還の企業債は,すべて政府債,これは大蔵省の資金運用部で発行しているものでございますが,そこから借り入れたものでございまして,個々の年利率は,最高で8%,最低では今年度発行の見込みのもので2.1 %でございます。
10年度末の企業債残高といたしましては,9年度及び10年度に発行する見込みのものを含めまして393 億9,700 万円ということになってございまして,この平均の借り入れ利率につきましては年3.9 %となってございます。
次に,償還方法でございますけれども,事業内容によって異なりますけれども,建設事業につきましては,30年の償還でございまして,うち元金については5年間の据え置きでございます。医療機器の整備事業につきましては,5年間の償還期間がございますが,うち元金につきましては1年間据え置くというふうに定められております。
これらの毎年の元利償還額につきましては,個々の借り入れごとに元利均等の償還を行うために,全体としては,毎年,ほぼ一定額の償還となってございます。10年度の元利償還額は,24億6,800 万円というふうになってございます。
次に,現在,
経営健全化を行っている内部の項目と内容と金額についてでございますけれども,まず,増収対策といたしましては,一つ目として,一般病棟の
病床利用率の向上を挙げてございます。これは,現在,平成9年度末では90%を予定しておりますけれども,10年度におきましては93%を目指すということで,この内訳として2億8,700 万円を計上してございます。
二つ目といたしましては,薬剤情報提供の徹底による収益増でございまして,これは約2,000 万円を予定してございます。そのほか,理学療法士増による収益増,それから歯科ユニットの増設等を予定しておりまして,収入対策といたしましては3億6,300 万円を見込んでございます。
それから,経費の削減対策といたしまして,
診療材料費の削減及び
請求漏れ防止ということで4,000 万円を計上してございます。それから,先ほど申しましたけれども,保育園業務の外部委託で約3,000 万円,それから同種・同効
医療材料の整理・統合によりまして約2,100 万円,そのほか管理工職の退職不補充,水処理剤の購入見直し等,これら合わせまして約1億3,300 万円の支出減を見込んでございます。これらを合わせまして,トータルで4億9,600 万円ほどの収支改善を見込んでいるところでございます。
以上でございます。
◎林 副院長 患者の
待ち時間の解消策の一つであります予約診療の
実施状況についてでございますけれども,現在,予約診療を実施しています診療科は,
呼吸器外科,
心臓血管外科,歯科口腔外科など5診療科であります。そのほか,医師によって一部予約診療を実施している診療科は,内科を含めて6診療科ございます。
待ち時間を短縮するためには,予約診療が有効な方策であります。患者
サービスの向上にもつながることから,内科をまず対象として検討を行ってまいりました。1日来院患者数約2,000 人の3割を占めています内科は,医師により一部予約をとっておりますが,一部の医師だけでは時間的なロスが生ずることから,この4月から内科医師全員によります予約受け付けを開始することになっています。
予約制を導入することにより,患者
サービスがこれまで以上に促進され,患者増加も期待できることから,
経営健全化にも寄与するものと考えておるところでございます。
◆伊与部 委員 地方公営企業法による減価償却費の率,ちゃんと定められているのでしょう。だから,19億746 万6,000 円というのは,何に基づいて19億700 万出てくるの。それは,何に対して何%の──地方公営企業法による減価償却費,すなわち内部留保資金はちゃんと決まっているわけだから,だからこういうふうに出していますよと言わなかったら,つかみで,のせているわけじゃないと私は思うから質問しているわけです。
そこら辺をしっかり踏まえておかないと,毎年のように減価償却費が出てきて,今,中西先生が言っているように,減価償却費と赤字を相殺して,そして赤字を減らすと。簡単に言えばそういうことなのですけれども,なぜ減価償却費が必要なのかということをしっかり受けとめておかないと,これはまずいのじゃないのかということですから,さらに調べて,ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
それと,局長,今,10年度の予算に盛り込まれた
検討委員会の効果と,やめたものとか,総じて効果という答弁の中で,一番最初に答弁した病院の病床率を93%にすると。その結果,2億8,700 万円入ってくるのだと。要するに,この報告書によれば,88%から93%にしたら約5億よくなると,こういうふうに書いているのですが,2億8,700 万というのは90%の計算をしたのですか。この報告書によれば,これは8年度ですから,9年度は90%にしたのかな。5%上げると5億多くなりますと,こういうふうに書いているのですが,この辺について,もう一つ具体的に明らかにしていただきたいと思います。
それと,病床率の向上について,将来95%にすべきだと書いていますけれども,そんなふうになるのかどうか。
それから,在院日数の短縮も報告書に書いていますね。それは一体どういうふうに考えているのか,明らかにしていただきたい。
それと,林副院長,今,大変な答弁をしたと思うのですよ。2,100 人のうちの約3割が内科だと。この内科を予約制度にするという答弁ですね。本当にできるのですか。もしできたとしたら,どのぐらい時間が短縮され,さらに,患者数をどのぐらい伸ばすことができるのか,そういうことを考えたことがあるのかということをもう一回。
予約制というのは,北海道を私が調べたら,外来2,000 人も来ている総合病院で,こんな予約をしているところはない。今,やると言ったら,大変なことだ。ですから,2,000 人以上の
外来患者が来るところではやっておりませんので,もう一回答弁してください。
◎稲垣
事務局長 一部答弁漏れがありましたことをお許しいただきたいと思います。
減価償却費の方法についてでございますけれども,地方公営企業法の施行規則にございまして,固定資産の除却率に基づきまして,定額法の除却率で計算したものでございます。先ほど申しましたけれども,建物関係では50年間,年0.02%,それから,医療機器につきましては6年間にわたりまして年0.166 %,これを計上いたしているものでございます。
それから,先ほど,
病床利用率の向上を93%まで持っていって,2億8,700 万円というふうにお答えいたしましたけれども,平成9年度末で約90%達成しておりますので,したがって,3%分を計上したものでございます。
それから,経営診断で95%まで持っていくという内容が出ておりますけれども,私は,93%が達成できれば,95%も達成できるのではないかなということで,これは,将来に向かって病院一丸となって達成に向けて頑張りたいと思います。
それから,在院日数でございますけれども,現在,平成8年度末で26日が本院の在院日数でございました。今度,平成10年度から,新しい2:1看護の看護料を取るためには25日を切らなければならないという条件がつきますので,今年度につきましては25日を切るように,目標を定めていきたいというふうに思っております。それ以降につきましても,徐々に在院日数を縮めていくというのが,私どもの
経営健全化に向けての重要な施策だというふうに考えております。
この在院日数につきましては,短くなればなるほど,それだけベッドの回転率が上がるということでございますので,収入対策として非常に有効なものというふうに解釈してございます。
以上でございます。
◎林 副院長 予約制に関してでございますけれども,内科が
外来患者数の約3分の1だというのは先ほど申したとおりでございます。
それで,内科の方の予約制が,まず試みとしまして,完全に実施されれば,病院全体もうまくいくのじゃないかということで,この4月から始めようと考えております。
それで,その根拠でございますけれども,昨年の6月,1カ月間かけ,内科の医師また看護婦の協力を得まして,外来の診察券が入りました時間から,各医師が終わった時間を明記させました。その統計によりますと,約30分以上,これは平均でございます。各医師によっては,もう少し早かったり,また少し遅かったりすることもございますけれども,平均的に約30分少々早くなるということでございます。
ですから,この予約制を実行するということは,患者さんにとってはかなりの
メリットではないかということを考えまして,いろいろ計画を立てまして,この4月から始めたいと考えています。
以上です。
◆伊与部 委員 林副院長,これはすばらしいことだと私は思いますよ。思いますけれども,患者さんへの
サービス,患者さんが朝早く行ったら,晩までかかって,病院に行ったらまた病気になるなんていう悪口を言う人もいるぐらい,長い
待ち時間が大変だと。今度,4月から,予約で内科は600 人も700 人もということになると,すごいことになるのだけれども,先ほどちょっと話がありましたように,それで逆に患者が減らないか。これは,減ったら大変ですからね。
逆に,診察時間だとか
待ち時間がなくなれば,私の発想は,もっと有効に回転できるのでないかと。だから,患者の受け入れが逆にふえるのでないか,幅が多くなるのでないかという,私は,単純にそういうふうに思って大賛成をしているのですが,その辺について,説得力ある答弁をいま一度お願いしたい。
もう一つは,院長,先ほど答弁漏れがもう一つあった。393 億9,700 万円の起債の内訳,何に何ぼ借金しているのか,これは答弁なかったね。これをどうするのか,この辺をひとつ明らかにしていただきたい。
◎林 副院長 予約制が実施されれば,患者さんが少なくなるか多くなるかというのは,実際のところ,やってみなければ,私もこの段階では何とも言えないと思います。
しかし,いずれにしましても,朝早くから何時間も待つ患者さんの身を思えば,予約している時間前に来られて,診察して終わって,薬をもらって帰ると,そういうことを行えば,これは患者さんにとってかなりの
メリットでないかと考えているわけです。
ですから,患者さんにとってのそういう
メリットを考えまして,私自身はふえるのではないかということを期待しているわけでございます。
以上です。
◎稲垣
事務局長 たびたび申しわけございません。
事業債の未償還残高でございますけれども,9年度末で申し上げますと,本院の建物関係で240 億7,900 万円,それから本院の土地に関しましては99億3,300 万円,それから看護宿舎,保育園等でございまして7億9,200 万円,それから医療機器の購入といたしまして20億3,800 万円,この総トータルが368 億4,200 万円ということでございます。
◎豊田 経理課長 ただいま,局長の方から申し上げました本院のほかに,静療院の方の建物,それが17億4,900 万ありまして,その他を含めてトータルで,9年度末といたしましては397 億6,700 万になってございます。
◆伊与部 委員 私は,なぜこういう質問をするかというと,393 億9,700 万円の借金を,病院だとか静療院が全部払うのでないでしょうというふうに質問したいわけ。一般会計から相当な部分を払うのでしょうという認識をしないと,何か病院が393 億9,700 万円も借金して全部病院が返さなきゃならないと,こういうふうなことではないのでしょうということを聞きたい。
なぜかというと,私たちは,新病院を建てるとき,旧病院の土地を売って,そして,その金を新病院に充てなさいと,こういう主張をしたこともある。しかし,一般会計の方は,自治省その他いろいろ国の関係もあって,土地はただで買ってあげますよ,建物は云々だとか,いろいろあったはずだ。そういう中で,今,393 億9,700 万円,病院の建物だとか土地だとかさまざまなことがある。そういうものを全部病院が出すわけでないのでしょうと。一体,この393 億9,700 万円のうち,病院はどの部分でどれだけ借金して,将来返さなきゃならないのだ,これをしっかりお答えしてもらわなければ,わかりません。
◎豊田 経理課長 元金償還につきましては,土地については,満額,一般会計からの繰り入れがございます。そのほか,建設時の元金につきましては,3分の2が一般会計からの繰り入れで,残り3分の1が病院の負担になってございます。
また,企業債の利息につきましては,建設時のものにつきましては3分の3の一般会計からの繰り入れがあり,利息については満額受け入れて支払いという,とんとんという形になってございます。
◆伊与部 委員 わかりました。
ということは,土地は約100 億と。あと約300 億残るうち,これから出てくる利子は一般会計で全部持つと。元金のうち3分の1は病院が持つのだと,こういうことですね。
そうすると,元金が今,393 億9,000 万円だから,約100 億引いたら290 数億と,そのうちの3分の1,約100 億は病院が責任持って返さなきゃならないと,こういうことですな。もう一回答弁してください。
◎豊田 経理課長 伊与部委員のおっしゃるとおりでございます。
◆伊与部 委員 わかりました。これで,大きな病院の借金,赤字,財政問題がすべて洗いざらいになった。ぜひひとつ,林先生が言うように,新たな予約制度をしく中で,そしてまた,病院の
入院患者も,95%に向けて全力を挙げて頑張っていただきたいことを心から祈念をして,終わります。
◆松浦 委員 大体,議論は尽くされたような感じがしますが,今年度の経費節減の中で,水処理剤の購入見直し,具体的に薬品関係だと思うのですが,今,どういうものが,どのぐらいで入っているものを何に切りかえて,どういうふうになるのか,これを,ひとつ示していただきたいと思います。これが一つであります。
それから,二つ目は,今の状況で経営再建をやっているのですから,ここであれこれ言ってもしようがないことだから,言うのをやめようか,言おうかと,実は思案をしておったのですが,私は,どこかの時点で,どこかの時点ということは,そう長くないところで,11年が終わったぐらいのところで,減価償却を除いて収支ゼロになったところで,もう一回,先ほど道見委員も言っていましたけれども,本当に
市立病院をどうしていくかなと,こういう抜本的な見直しをしなきゃだめでないのかなと。
私は,お医者さんが集まってやっていると,なかなか大変だと思うのですね,それぞれ自分の専門分野ですから。したがって,病院というよりも,むしろ札幌市長部局の方で,札幌市の財政運営を含めて,どういうふうにするかということを検討する必要があるのでないかなと。そして,その検討が定まった中で,病院の財政的な規模の中で,どういうものをどうしていくかと,こういうような観点の見直しというのが必要でないかなということを,先ほどの議論をずっと聞いておった中で,私はそういう感じがしたのです。
この辺について,これは病院の院長に尋ねるというよりも,むしろ大長助役の方で,全般的な札幌市の今の財政経営の現状というものを見ておられて,どうだろうかと。
また,助役はこういう医療関係の担当ですから,その立場でいけば,いろいろ議会からも言われるし,それから,してあげたいと思うこともたくさんあるでしょうが,しかし,これは限りあっての話ですからね。そういう中で,その辺を,今,私が言う11年が終わった段階ぐらいのところでしていくということについてどう考えておられるか,お尋ねをしたい。
まず,この2点であります。
◎稲垣
事務局長 先ほどの経費の節減策の中で,水処理剤のことでございますけれども,これは,病院で使用しておりますボイラー関係に用いる清缶剤等のことでございますが,この薬品につきましては,約5種類ほど,現在,使ってございます。その年間の使用量は,金額で申しますと2,300 万円でございまして,これを,メーカーに折衝いたしまして,何とかもう少し安くならないかということでいろいろ交渉した結果,約1,500 万円ほど安くなったということでございます。したがって,かなり,メーカーの方は努力をしていただいたということでございます。
以上でございます。
◎大長 助役 ただいまの松浦議員のあれにつきましては,収支がゼロになった際に見直し等について検討したらどうなのだと,こういうことでありましたけれども,そのころといっても,ちょっと時期の特定ができませんので,一般的な部分でお答えをさせていただきますけれども,当然,段々の経緯でおわかりのとおり,一般会計を含めて,非常に財政が厳しい折でございますから,おっしゃるとおりであります。
しかし,
市立病院を建て直してから,まだ時期が大変浅うございます。
市立病院設立の目的とするところ,それから,これまで果たしてきた医療に対する歴史的な役割,そういうようなことを含めて,私どもは新しい病院を設立して,そして市民に対応していくのだということで設立をしたわけでありますし,今,申し上げたように,新しくしてからまだ時間もそんなにたっていないわけであります。
しかし,情勢の変化というものも相当,私どもが計画を立ててからも大きく変わってまいっております。特に,今,問題になっている介護保険なんていう考え方も,
市立病院を計画したときには全くなかった考え方でありますし,それからまた,保健と福祉あるいは医療を含めて一体化をしてやっていかなきゃならないというように変わってまいりました。さらには,在宅医療,それと福祉をやっていかなきゃならないというようなことで,非常に社会情勢,医療情勢,全部が大きく変化をしてきております。そこで,私どもは,現段階では,十分はかり切れないというのが実態でありますけれども,今後,間もなく実施される介護保険であるとか,それから,今,私どもが機構改革で保健と福祉,医療を一体化させていっておりますから,そういうようなことを見きわめながら,当然,私どももこのままでいいとは思っておりませんから,皆様方のきょうのこれまでの段々のやりとりを含めて,財政それから
市立病院の役割,そういうことを含めて,検討を今後させていただきたいというふうに思ってございます。
◆松浦 委員 実は,ボイラーの清缶剤2,300 万が1,500 万安くなったといったら,半分以上安くなったのですかね,50何%安くなったのですね。こういうのを聞くと,昔の越中富山の薬で薬九層倍という話なのかなというところにいっちゃうのですよね。
きのうも,実は
事務局長といろいろ話をしたのですが,やっぱり薬剤の購入について,今,40数億,年間購入されていると。そうすると,1%下がれば400 万ですから,薬剤の購入について,病院側として,製薬卸会社あるいはメーカーなど含めてもう少し交渉して,何とかなる余地があるのでないかなという,実は私,気がするものですから,あえて別なところで尋ねてみたのですよ。
したがって,一つは,ぜひ要望しておきますからね。薬剤の購入について,あらゆる交渉をして,そして,ひとつ下げていただきたいということ。現在,薬剤は平成9年度では約8億ぐらいの差益が出るという話を伺っておりますけれども,ぜひひとつ新年度もさらにその努力をしていただきたいということであります。
それから,二つ目は,先ほど,助役が答えておられるように,状況は大きく,病院を建てたときと今とでは変わっておりますから,歴史の役割を言うと,拓銀なんか,開拓以来の歴史の中でその役割があって,つぶれちゃならぬところなのですけれども,やっぱりああなってしまうという。だから,歴史は歴史なのですね。常に,我々は,今を生き,あしたを生きていくわけですね。したがって,経営というのは,やっぱりそういうことだと思うのですね。
したがって,そういう意味で,ぜひひとつ,私は11年が終わった時点で,
市立病院がその先,総合的な,医療・福祉を含めた中で,どういうふうにしていくことがいいのかという抜本的な見直しを図っていくべきだと,こういうふうに私は実は思っておるのです。
したがって,大長助役ね,ぜひひとつ,11年度が終わったところで,これでいくと11年度で,減価償却は別にして,収支は大体ゼロになるような手引書をつくってくれているわけですね。この手引どおり,皆さん頑張っていくと言って,頑張るわけですからね。したがって,ぜひそんなことでやっていただきたいなということを要望をして,終わります。
○柿崎 委員長 以上で,議案第13号の質疑を終了いたします。
本日は,これをもって終了し,次回は,明日17日午後1時から,都市整備局及び建築局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。
それでは,散会いたします。
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散 会 午後3時50分...