札幌市議会 1998-03-12
平成10年第二部予算特別委員会−03月12日-03号
平成10年第二部
予算特別委員会−03月12日-03号平成10年第二部
予算特別委員会
札幌市議会第二部
予算特別委員会記録(第3号)
平成10年3月12日(木曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 32人(欠は欠席者)
委 員 長 柿 崎 勲 君 副委員長 伊 藤 知 光 君
欠 委 員 吉 野 晃 司 君 委 員 山 田 信市郎 君
委 員 高 橋 忠 明 君 委 員 大 越 誠 幸 君
委 員 武 市 憲 一 君 委 員 上瀬戸 正 則 君
委 員 道 見 重 信 君 委 員 宮 村 素 子 君
委 員 馬 場 泰 年 君 委 員 横 山 光 之 君
委 員 堀 川 素 人 君 委 員 高 橋 克 朋 君
委 員 湊 谷 隆 君 委 員 伊与部 敏 雄 君
欠 委 員 富 田 新 一 君 委 員 西 村 茂 樹 君
委 員 猪 熊 輝 夫 君 委 員 畑 瀬 幸 二 君
委 員 大 嶋 薫 君 委 員 本 舘 嘉 三 君
委 員 森 健 次 君 委 員 義 卜 雄 一 君
委 員 涌 井 国 夫 君 委 員 本 郷 俊 史 君
委 員 荒 川 尚 次 君 委 員 飯 坂 宗 子 君
委 員 武 藤 光 惠 君 委 員 宮 川 潤 君
委 員 佐々木 周 子 君 委 員 菅 井 盈 君
委 員 松 浦 忠 君 委 員 北 川 一 夫 君
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開 議 午後1時
○柿崎 委員長 ただいまから,第二部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,吉野委員からは欠席する旨,届け出がございました。
それでは,議事に入ります。
最初に,第4款 衛生費 第1項
保健衛生費,第2条継続費のうち関係分及び第4条地方債のうち関係分について質疑を行います。
◆宮村 委員 私は,今後の
公衆衛生行政についてと
母子保健対策につきまして,お伺いしたいと思います。
まず,
公衆衛生行政でございますけれども,少子化,高齢化の急激な進展に伴いまして,保健・医療・福祉を取り巻く環境は大きく変わってまいっております。現在の
介護保険制度の導入,また
保健医療制度の改革,子育て支援問題など複雑・多様化しております行政課題に,柔軟かつ迅速に対応できる組織体制の整備が求められまして,昨年11月には,各区の福祉部と
保健センターを統合して区の
保健福祉部が創設され,半年を過ぎようとしているところでございます。
さらに,新たな保健と福祉の需要に柔軟に,また迅速に対応する,そういった目的を持ちまして,また区との有機的な連携を強化する。そのために,この4月からは民生局と衛生局の統合を図ると,そして,児童部門の統合を図る,そういったふうに組織が改正されていくことを,私も認識しているところでございます。
今後,
福祉行政と
衛生行政を一体化して,総合的な行政を推進していくことになるわけですが,ともしますと,高齢社会に対応する施策の重要性は十分わかっておりますが,どうもそこが強調され過ぎているのではないかと,そんなふうに私は感じているところでございます。先日も,民生局の方では,介護保険にかかわりまして,たくさんの質疑がされたわけですが,私は,従来の
公衆衛生行政は,これからも,ますます大事になるのではないかと,そんなふうに思っているところでございます。
少し振り返ってみますと,戦後の我が国は,栄養状態,衛生状態の悪い中で,
伝染病対策や国民病と言われておりました
結核対策,それらにつきましては,保健所が中核となりまして大変な努力を払ってきたと,そのように私も認識をしております。私も看護学生のころには,結核予防の家庭訪問では,かなりの件数を先輩の保健婦さんとともにしまして,
結核対策に大変な思いをしたというのを今思い出しているところでございます。
昭和40年以降は,現在の三大死因となっております,がん,脳卒中,心臓病といった疾患につきましても,
健康診査体制の確立によりまして,早期発見・早期治療というのが国民の,また市民の合い言葉になっているといいますか,そのぐらい検診体制というのは整ってきたと,私もそのことを認めているところでございますが,健康と生活の質の向上を求める動きは,これからもますます高まってまいります。さらに,今までの経過の中で,私たちは,世界に類を見ないほどの長寿といいますか,人生80年を享受する状況になりましたし,健康水準も他国と比べて引けをとらないほどよくなってきているのも,この
公衆衛生行政があったからだと思っております。
しかし,まだこれからのことを考えてみますと,
新興感染症や,もう結核はなくなったものと思いがちでしたが,これが再び猛威を振るってきていると,そういった現状もございます。また,成人病が
生活習慣病というふうに改められましたが,
生活習慣病や心の病といいますか,ストレス,そういったことに対して,やはり新たな対応が迫られてきているのではないかと思っております。
健康づくりというのは,どんな政策にも増して,人類にとりまして最も大事なことだと私は思っているわけですけれども,現在の状況におきましては,そういった新たな
感染症疾患,それから
環境衛生,
食品衛生,それらも含めまして,これからの
公衆衛生行政全般については,組織が統合して,これからどんなふうな方向を目指していこうとしているのか,具体的にお伺いしたいと思っております。これは,ぜひ局長にお伺いしたいと思います。
札幌市の高齢者の福祉計画におきましては,平成12年度の推計としまして,例えば寝たきりが約1万9,000 人,痴呆は1万8,000 人,虚弱が9,000 人などと推定はされているのですけれども,私は,
保健衛生行政の今後のあり方,今後の活動の仕方によりましては,新たなものに対応していくということもそうですけれども,こういったこともかなり数的には改善されていくのではないかと,そんなふうに思っております。そういったことで,今後の目指す方向を示していただきたいと思っております。
それと,もう一つは,
母子保健対策です。
つい最近,中学生によりますナイフによる死傷事件というのが発生しております。かなり連発しておりまして,新聞には,中学生によります事件というのが毎日のように報道されておりまして,そのたびに胸の痛む思いをしているのは,多分,皆さんも一緒ではないかと思っております。
これらの事件に象徴されます中学生,高校生の間では,教師や親からの指導ですとか,大人からの指導に対しまして,キレルですとか,ムカツクという言葉で表現されて,
子供たちの行動の裏づけというのが,はっきりしないのですけれども,そういう言葉で表現されております。また,そのほかに,いじめや虐待,いろんな傾向が見られます。
これらの対策としまして,今,心の教育ということが言われたり,生徒の持ち物の検査,そういったことが打ち出されておりますが,私たち大人は,決して持ち物の検査で
子供たちのこういった行動が改善されるというふうに単純には思っていないのも確かです。しかし,どうしたらいいのかと,とりあえず,具体的に今起きている状況への対応と。
私は,この問題の根っこの部分は,まずは,
子供たちが家庭での存在場所がないとか,または家庭で親に大事にされていないのだと。その大事さというのは,私たちが,今,豊かな生活をしている中で,物質的にいろんなものが整っていくということの大事さではなくて,一人一人の人間としての存在が大事にされているかどうか,そういうふうに親から大事にされているか,そういったことが非常に問われているのではないかというふうに思っております。
少子化,核家族化,
社会連帯意識の希薄化による地域の教育機能の低下,また,子供を取り巻く親子の関係,そういったことの中で,もっと子供が豊かな心で,また自分の将来に希望を持てるような,そういった社会になっていくことが,こういった事件の対策として一番大事じゃないかと思っております。
本市は,東京に次ぎまして大変低い出生率なわけですけれども,せっかく少子化の中で育っている子供さんたちが,いろんな事件に巻き込まれ,また事件を起こして,大変につらい将来になるという,そこは避けなくちゃいけないですし,まずは,子供を本当に安心して安定して育てられるような母親への対応というのを,一方では強力に進めなければならないのではないかと,私は思っているところでございます。母親の育児不安の解消が,本当に今,大事ではないかと思います。そして,育児不安というのは,子供が生まれる前から母親の不安への対応ということをきめ細かくしていかなければ,母親が子供に,また父親が子供に本当の愛情を持ってかかわっていくことが薄れていくのではないか,そんなふうに思っておりまして,母親の育児不安の解消を図るための対策に関しまして,質問をしたいと思っております。
その1点目としては,本市におきます妊産婦に対する相談及び指導に関して,どのような対策をされているのか,伺いたいと思います。
また,2点目としましては,これらの対策に関します平成10年度の予算の内容について伺いたいと思います。
◎上村 衛生局長 新しい
保健福祉局における
公衆衛生行政の今後の目指すべき方向について,お答えいたします。
市民の健康を守るために,
腸管出血性大腸菌感染症O-157や,昨年末から香港で話題になった
新型インフルエンザウイルスに代表される
新興感染症,あるいは結核などの
再興感染症に対する対策,また,飲料水,食中毒など
環境衛生や
食品衛生の対策を推進していくためには,従来からの予防対策に加えて,新しい機構でございます
保健福祉局の中でも,昨年,保健所,
衛生研究所,
保健センターが一体となって策定いたしました札幌市
健康危機管理実施要領に基づく
具体的指針のもとに,
公衆衛生の推進に努めてまいる必要があると考えております。
各世代における
健康づくりがその基本でございますが,中でも各種の健康診査,
健康相談,健康教育のほかに,
育児指導などの
保健指導についても一層の充実強化を図ることはもとより,疾病や障害を未然に防ぎ,だれでもが健康で明るい市民生活を享受できるような社会環境をつくり出すことが何よりも重要な課題であるとの認識から,
生活習慣改善相談事業を初めとして,思春期の若い世代に対する
健全母性思想の普及啓発など,一次予防に重点を置いた施策を積極的に展開してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◎濱中
保健衛生部参事 母子保健対策に関するご質問にお答えをいたします。
まず,第1点目の妊産婦等に対する相談及び指導に関する対策についてでございますが,本市では,妊産婦の疾病あるいは異常の早期発見と予防を行うとともに,母性の
健康保持増進を図るため,各
保健センターにおきまして定期的に
妊産婦健康相談を実施しております。さらに,
妊婦一般健康診査の結果,
訪問指導が必要と認められた妊婦あるいは初産婦や若年の妊婦,疾病の既往歴がある妊婦,さらには未熟児等異常の認められる乳幼児などを対象に,
保健センターの保健婦及び助産婦が家庭を訪問いたしまして,育児を初めとする各種の
保健指導を行う
母子保健訪問指導事業を実施しているところでございます。
次に,これらに関する平成10年度の予算の内容でございますが,
保健センターにおける
妊産婦健康相談に係る経費といたしまして約536 万円,
母子保健訪問指導事業に係る委託料といたしまして約3,900 万円を計上しているところでございます。
なお,
母子保健訪問指導事業に係る委託料につきましては,
訪問指導対象の拡大を図るなど大幅に件数をふやしまして,妊婦は965 件増の8,182 件,産婦とあわせて訪問いたします新生児につきましては950 件増の6,506 件を見込みまして,前年度に比べまして,合わせて536 万円増額を図ったところでございます。
以上でございます。
◆宮村 委員 ただいま,これからの進むべき方向として一次予防ということでございまして,私たちの健康というのは,本当に生まれたときから健康を守るということが大事です。一次予防ということで,ぜひ努力をお願いしたいと思います。
また,
母子保健対策についてですけれども,現状では,第1子あるいは異常があると判断された妊産婦または新生児といいますか,乳児ということになりますけれども,どうしても限られた予算の中で,対象も限られている実態も明らかになっております。
育児不安を訴える人と,また訴えない人がいる。それがよくわからないで,ある期間を過ごしている。そういった状況の中で,行き詰まって,そして心理的にもう子育てができないという状況もございますので,これからは,ぜひ枠をもっと広げていただきたいなと,そんなふうに思っております。
厚生省が平成9年9月に示しました子どもの心の
健康づくり対策事業実施要領にうたわれております
出産母子支援事業,これは育児不安への対応として,出産前後において,身体面・精神面に問題のある妊産婦や育児不安を抱えている家庭及びそのほか相談を希望する者に対して,電話相談や面接による指導,相談,訪問を行うという事業だと思いますが,本市におきましても,この事業を,
育児指導に関して,ぜひ発展的に行っていただきたい。
そして,私は,提案ですけれども,
訪問指導者の時代に合った質の向上といいますか,教育研修をぜひやっていっていただきたい。
それと,1子目だけの不安じゃなくて,2人目の子供さんが生まれてから,かえって1人目のお子さんの対応ということに落ち込む,そういったお母さんも随分おります。ですから,そういった育児不安への対応もしていただきたいなと。
それから,4カ月健診というのがありますけれども,母親により接近してといいますか,母親の心理状態を十分とらえていっての健診の充実をしていただきたい。
それから,1カ月から3カ月までの間というのは,健診が空白になりますので,その間の健診の義務づけといいますか,そういったことも,厚生省により強く働きかけていただきたいと,そんなことを要望しまして,終わりたいと思います。
◆大嶋 委員 私の方から,大きく2点ありますが,性質が違いますので,1点が終わりましてから2点目に移りたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
大きな1点目は,
精神保健福祉にかかわる問題であります。
一つ目は,
交通費助成にかかわって質問させていただきます。
この問題は,昨年12月に
厚生常任委員会の方で陳情の審査がありまして,ことし1月になって,陳情が採択されたという経緯があります。この問題について,我が会派の方でも,いわゆる
心身障害者については
交通費助成があるのですが,
精神障害者の方々についてはこういう助成措置がないということで,
精神障害者の方々が一歩外に出るということについて,何とかいろんな制度を通じて少し後押しをしていくということが,これからの施策にとって大変重要なことであるということも含めて,この問題についてお願いをしてきたところであります。
厚生委員会の議論の中で,既にかなりの政令都市で実施されているという事実,あるいは,現状の中では
交通事業者の
運賃割引制度がないということ,あるいは,財政が厳しいという本市でのいろんな具体的な状況が明らかにされましたけれども,一方,先ほども申しましたが,今後の施策にとって重要な課題であるということで,これに積極的に取り組みたいというようなことも表明されたわけであります。
今年度の予算案の中で,
共通ウィズユーカードで,1級・2級者に対しては2万円,それから3級者については1万円というふうな形で予算化がされました。一方,陳情者の方々を含めて関係者の方々から,
精神障害者の方々が一歩外に出るということについて,この金額では少な過ぎるのでないかというような不満が,いろんな場面で表明されてもおります。
そこでまず,この制度について,どのような考えで
交通費助成を開始するに至ったのか。そしてまた,1級,2級は2万円,それから3級1万円という金額の設定については,どのような根拠を持って設定されたのか,この点について,改めて確認の意味で伺いたいと思います。
2点目,
地域生活支援センターについてであります。
地域生活支援センターは,障害者の方々のいろんな相談の窓口ということもありますけれども,その一方で,やはり地域の中で気軽に集える場所が欲しい。どうしても一人一人ばらばらで,孤独に過ごしているという方が多いわけですから,同じ仲間が気楽に集まってレクリエーションを行う,あるいは趣味を楽しむというような場所がどうしても必要だというようなことがありまして,昨年の札幌市
地方精神保健福祉審議会の答申中にも,この必要性は述べられているわけであります。
私も,この数年間,
精神障害者ご本人あるいは家族の方々にいろんなお話を聞く機会がありまして,家族の方が扶養しているといいますか,
精神障害者の方々はそういうことが多いわけですけれども,家族の方が一緒に家に閉じこもっているということの中で,非常に苦労されているといいますか,家族の方も,ちょっと言葉は悪いですが,一緒に落ち込んでしまうような状況もあるというふうに聞いております。そういうことで,ぜひ集いの場としての
地域生活支援センターについて,早急に取り組んで欲しいという願いがあるわけです。この
生活支援センターについて,今後の整備をどのように考えておられるのかという点,2点目に伺います。
それから,3点目,今,各区に1名,
精神保健福祉相談員が配置されております。この問題についても,複数化ということについて,再三要望してまいりました。現状の各区に1人配置という体制では,現実には,研修があれば穴があくということにもなります。そしてまた,
相談体制をそれなりに充実していこうということになりますと,これからの
地域ネットワーク等々含めて,新しい課題をどのようにつくり出していくのかという面では,どうしても1人体制のままでは不十分ではないかということの中で指摘させていただきました。
この間,この問題をめぐっては,福祉の専門的な学習を重ねた方の登用,あるいは静療院との人事交流,そしてまた,積極的な他の施策からのバックアップというようなことも指摘してきたわけですけれども,
精神保健の
相談体制の充実策についてどのようにお考えなのかという点について伺います。
以上3点。
◎佐々木
保健衛生部長 まず,第1点目の
精神障害者に対する
交通費助成についてでございます。
これまで,
小規模共同作業所の通所者の
交通費助成をしてまいりましたが,より多数の障害者の方々の多様な社会参加を促進するきっかけとなることを期待いたしまして,制度をスタートさせたものでございます。
金額につきましては,週に1回の外出を支援するという考えのもとに,地下鉄またはバスの1
区間往復料金に年間の52週を乗じた額,2万800 円に相当する金額でございます。
第2点目の
地域生活支援センターの整備についてでございます。
この施設は,日常生活の支援や相談,
地域交流活動などを主たる事業内容としておりますが,今5年計画で援護寮の実施設計まで行う予定であり,これに併設して整備する考えでございます。
第3点目の
精神保健の
相談体制についてでございますが,これまでも代表質問,
特別委員会等でご提言をいただいているところであります。
この間,
相談体制の充実に向けた取り組みといたしまして,一つ目として,職員の採用に際し,
一般事務職中に福祉専門の枠を設けたこと。二つ目として,心理関係の専門職の配置を
市立札幌病院静療院から人事交流により実施をしたこと。三つ目といたしまして,昨年4月に
精神保健福祉センターを開設し,相談業務の実施及び
各区保健センターなどの関係職員の研修等の実施に努めていること。四つ目といたしまして,本年4月から相談等のニーズや,病院など
精神保健関係資源の多い中央区に
精神保健福祉相談員を複数化できる見込みとなったことなど,
相談体制の充実や資質の向上に努めてきております。
精神保健の
相談体制の重要性は十分に認識をしており,今後とも充実に向け努力をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆大嶋 委員 まず,3点目についての要望から入らせていただきますけれども,今,部長から答弁いただいたように,着実にいろんな施策も含めた充実策がとられているというふうに考えます。
ただ一方,先ほども申しましたように,これから一つのセンター的な機能,今おっしゃいましたように,
精神保健福祉センターが開設されて,ある意味で各区との
ネットワークづくり,あるいは
相談体制の充実に向けての動きが始まりました。
今後,各区ごとに,それぞれの地域のいろんな共同住居あるいは
小規模作業所,あるいはボランティアの方々との
ネットワークづくりを進めていかなければならないという課題が新たに出てくるだろうと。今,早急にその課題に取り組んでいかなければならない。その意味では,中央区で複数化ということがようやく実現しましたので,複数区で,そしてまた各区でというふうに,複数化に向けてぜひ前進していっていただきたいということを3点目の要望として申し上げまして,1点目,2点目について再質問をさせていただきます。
1点目,交通費の助成についての基本的な考え方を伺いました。基本的な考え方の部分については,ほとんど私どもと同じ考えであるというふうに信じさせていただきます。
ただ,同じ考えの中で,助成の金額については,いささか私も不満であるというふうに言わざるを得ません。実際に導入後,利用状況等々を見ながらということをおっしゃられているわけですけれども,この中で,一つは,
精神障害者の
小規模作業所については半額助成というふうになっていますが,新しくできた制度は
ウィズユーカードが適用されるのかどうかという点が1点。
それと,今後の検討課題というふうに言われましたけれども,これはぜひ,せめて週に3日ぐらいまでを早急に視野に入れた検討を行っていただきたいと思うわけですけれども,この点についてお答えをいただきたい。
それから,
地域生活支援センターについては,援護寮に併設されるということでありましたけれども,この
整備スケジュールについてはどのようになっているのか,あるいは,立地場所等々の選定に当たっての考え方,この点について伺いたいと思います。
◎佐々木
保健衛生部長 まず,第1点目の
交通費助成の今後のあり方についてでございますが,
交通事業者の
割引運賃制度が
精神障害者には適用されていないことから,引き続き,国や
交通事業者に対する要望を行っていくとともに,利用者の利用頻度や使用状況などを見ながら,制度の充実に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
また,
小規模共同作業所の通所者につきましては,現在,半額助成を行っておりますが,
手帳所持者に対しましては,
交通費助成制度とあわせて適用することとしたいと考えております。
2点目の
地域生活支援センターの
整備スケジュールでございますが,場所につきましても検討いたしております。新年度に他都市等の施設の視察調査を行い,今5年計画期間内で基本設計,実施設計を行うというスケジュールでございます。また,場所につきましては,施設の性格上,多数の方の利用が見込まれますことから,できる限り交通の便のよい,利用しやすい場所に設置をしたいと,こう考えてございます。
以上でございます。
◆大嶋 委員 今,お答えいただきましたので,繰り返して申しませんけれども,これまで,福祉という面においては非常に立ちおくれてきた
精神障害者に対する施策であります。短期間でといいますか,ある意味で,
心身障害者の施策と同じレベルまで引き上げていくという役割が課せられているわけでありまして,市長もおいでになりますけれども,ぜひ
精神保健福祉にかかわる施策の充実についてご理解をいただいて,政治的な判断も含めて,前向きにやっていただきたいということを要望いたします。
次に,大きな2点目,地域の中での保健婦さんの役割について伺いたいと思います。
今,
精神保健の分野においても,保健婦さんの役割というのは一定程度重要視されるようになってきているわけですけれども,旧来,保健婦さんというイメージは,先ほど,宮村委員とのやりとりの中でありましたが,母子保健あるいは伝染病の予防,あるいは
健康相談というような,旧来の保健所で私たちがイメージする職域に非常に限定されていたような感じがしています。
一方,大都市と違って,地方の市町村においては,地域保健の大きな担い手として,いろんな分野でマンパワーが,ある意味で保健婦さんに集中しないと,なかなか業務ができないという不利な条件ももちろんあったわけですけれども,そういう背景もありながら,いろんな地域保健の中心的な役割を果たしてきたというような一方の経過もあろうかと思います。
この間,いろんな形で,札幌市の行政分野の中でも,保健婦さんの役割というのは,それなりにニーズに沿って拡大されてきていると思うわけですけれども,まず,これまでの本市としての保健婦さんの役割についての考え方,そしてその配置について,どのような推移があったのかという点について伺います。
◎佐々木
保健衛生部長 第1点目の保健婦の役割と新体制における現在の位置づけについて,まずお答えをいたします。
従来,保健婦は,赤ちゃんからお年寄りまでの対人保健分野の中で,家庭訪問,健康教育,あるいは集団健診などの直接的なサービス提供を担ってまいりました。今日の少子高齢社会を迎え,従来担ってきた役割に加えて,福祉や医療との連携のもとにサービス調整機能が求められるなど,時代の新たな要請にも対応することが必要になってまいりました。
このようなことから,本市におきましては,平成9年4月に,従来,一つの係において包括的に対応をしてまいりました保健婦の役割分担を見直しまして,高齢者,障害者などの在宅ケアを担う部門と,乳幼児から高齢者までの健康増進を担う部門とに組織を改編するとともに,福祉職員と一体となって,相談からサービス提供まで,迅速かつ効果的・効率的に対応する体制を整備したところでございます。
以上であります。
◆大嶋 委員 今,いろんな社会的なニーズの変化の中で,それに対応する体制づくりを行ってきたという大枠のお話がございました。
私も,3年前から,高齢者相談窓口に相談主査として保健婦さんが配置されて,高齢者福祉という分野での施策の充実について大きな役割を果たしてきたということに関して,窓口の方々からいろんな話を聞いております。そしてまた,
健康づくりの面等々を含めて,新たに職域等々についても拡大してきているし,今,お話にありましたように,役割もますます重要になってきているという認識も持っております。
そういう中で,今後の施策展開において高齢者福祉対策,あるいは,もっと広く言えば,地域福祉社会計画というのが札幌市にあります。人間で言いますと,おなかにいるときから高齢になるまで,それぞれのライフステージがあるわけですが,ほかの施策で言いますと,そのライフステージがかなり細切れにされているわけですけれども,保健婦さんという職業は,ライフステージ全体のそれぞれについて,しっかりと向き合った仕事をされていらっしゃる。単なる専門職というよりも,かなり幅広い分野に対応できる潜在的な能力を持った職業であろうというふうに私は考えています。
現在,高齢者相談窓口の主査ということで,施策の充実といいますか,連携をとりながら一歩前に進めていくという役割を担っているわけですけれども,先ほども申しましたように,これは大変評価するとしまして,今後,介護保険の導入も含めた地域での新たな施策展開を行っていくための課題を見たときに,保健婦さんの役割についても,もう一歩,先ほど言った大きな,幅の広い潜在的な能力といいますか,パワーを持っているわけですから,積極的に企画・立案あるいは調整部門に登用していくような方向が考えられていいのではないかという気がします。これは,単に人材登用というだけでなくて,これから目指す地域福祉,地域でのサービスをより充実させていく,そのための知恵を,力をフルに発揮してもらうのだということにもなろうかと思います。
そしてまた,先ほど触れましたように,地域福祉社会計画というのが札幌市にありますけれども,これを具体化していくためにどうするのかという部分では,ほとんどまだ手がついていないような状態かなという感想を持っています。これは,福祉のまち推進センター等々を含めた地域での
ネットワークづくり,単に個別の施策ではなくて,人の一生をどういうふうに地域で安心して住めるような形に持っていくのかということが,この地域福祉社会計画の中には根本の理念としてあると思いますので,そういう意味からも,そういう分野での積極的な役割というものも果たせると考えております。こういう新たなニーズにこたえていくために,先ほど申しました企画・立案,調整という,より能力を発揮できる場面への参画といいますか,登用についてどのようにお考えかという点を伺います。
◎佐々木
保健衛生部長 お答えをいたします。
保健婦が地域保健福祉施策の企画等へ参加できる体制についてのお尋ねでございますが,前にも申し上げましたように,両部門における保健婦の職は,保健サービスの提供を通して,地域の実態を把握するとともに,住民との連携を深めながら,関係職員と協働して地域保健や健康な街づくりを推進する職種として,私ども位置づけをしております。
今後は,地域全体のニーズを反映した施策の企画・立案への参加ができるよう,職域の拡大についても,より一層積極的に進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆本郷 委員 私は,精神
保健センターで,新年度実施されますデイケア調査研究事業についてと,第2斎場建設計画について,それから3点目,墓地管理システムについて,大きくこの3点,ご質問したいと思います。
この場合,内容が異なりますので,二つに分けて質問をさせていただきたいと思います。
初めに,昨年4月に開設をされました
精神保健福祉センターの活動状況と,新年度新規事業として始まるデイケア調査研究事業についてお伺いをいたします。
札幌市の
精神保健福祉センターの建設につきましては,次期5年計画で,建設予定地に立地している技能訓練会館の移転スケジュールに合わせて実施時期を先送りするというふうに伺っております。実施時期が先送りされることは残念なことでございますけれども,しかし,このセンターは,本市の
精神保健福祉に関する,またそれを推進する大変重要な施設であると認識しておりますので,むしろこのセンター開設の準備期間,このようにとらえて,現在取り組んでいらっしゃる事業,またこれから新たに取り組もうとされている事業の実績,経験を積み重ねながら,本市にとりまして最良の施設,センターとなりますよう,限られた予算,設備,人員で,何かと不便な点もあると思いますけれども,ご努力をいただければと,このように思っております。
そのような意味から,以下,ご質問させていただきますが,センター開設から間もなく1年を迎えます。先日,電話相談が2,000 件を超えたと,このようにお聞きをしまして,私も大変感動したわけでございますけれども,一口に2,000 件と言いましても,これらの相談は電話だけのアドバイスで済むものから,電話相談の後,来所をして面談するケース,また,緊急を要する深刻な問題までさまざまな対応が必要なわけでございます。実際に対応されている七田所長を初め職員の皆様のご苦労には,大変頭の下がる思いであるわけです。
しかし,これだけ定着してきているということは,市民にとって,なくてはならない施設として認知をされてきているのではないかと思っております。また,障害者ご本人はもとより,家族にとってもこういった専門的な相談機関があるということは,どれほど心強いかと思うのであります。
ただしかし,センターの存在が広く市民に周知されることによって,相談件数が今後も増加をし,現状の職員体制で対応が大丈夫かなという気持ちもするので,以下,何点かご質問いたします。
1点目でありますが,この1年間の活動状況についてであります。
先ほどお話をした電話による相談以外に,実際の診療や技術指導,技術援助,また
各区保健センターに持ち込まれる困難事例への助言・指導あるいは教育研修など,さまざまな活動を展開されてきたわけですが,それらの活動状況についてお伺いをいたします。
2点目は,先ほどお話しした2,000 件の電話相談,さまざまなケースがあるかと思います。本人だけでなく,むしろ家族の方からの相談の方が多いのかもしれません。一口に言えないかもしれませんけれども,どういった傾向があるか,また,その中で印象に残る事例があれば,プライバシーの問題等あるかと思いますけれども,お聞かせ願えればと思います。
3点目,七田所長は精神神経科の医師として,また道立精神
保健センターの相談部長を長く務めてこられた方でございます。札幌市
精神保健福祉センターの開設からかかわってこられ,実際に1年間活動されてのご感想があれば,この機会でございますので,お聞かせいただければと思っております。
◎七田
保健衛生部参事 精神保健福祉センターの活動状況等についてお答えいたします。
第1点目の当センターの開設以来の活動状況についてでございますが,相談業務につきましては,2月末現在までの状況で見ますと,電話相談は1,965 件,来所相談は780 件となっております。さらに,そのうち診療につながったものは261 件となっております。
先ほど本郷委員からご質問のありました緊急対応的なものですけれども,正確な件数は今思い出せませんけれども,いわゆる自傷他害といいましょうか,自殺を考えている高齢者について,各
保健福祉部の
精神保健相談員並びに保健婦とともに訪問して,その後,医療機関につなげたようなケースが何件かございます。
また,相談業務のほかには,関係機関に対する助言・指導が80回,新任の
精神保健福祉相談員等に対する教育研修は10回,さらに関係団体への支援,機関紙発行等による普及啓発などにも努めてまいりました。
今後とも,
精神保健福祉にかかわる総合的技術センターとしての役割を十分認識し,地域
精神保健福祉活動の推進に努めてまいりたいと考えております。
それから最後に,道立
精神保健福祉センターでの経験からいいますと,道立は北海道全域を対象にしまして,1カ所の出先にも約1日ないしは2日をかけて出向くというような非効率的なことでしたけれども,札幌市に移りましてからは,10区を相手にいろいろ仕事をしているわけですが,179 万人というたくさんの人口に対して,いかに有効な地域活動ができるかということで,これからますます各区の
保健福祉部のスタッフとの連携を強化することが必要だと考えております。
以上でございます。
◆本郷 委員 実際は,今,おっしゃられた自殺をしたいというような電話が来たりだとか,大変いろんなケースがあるのだと思います。
社会復帰への集団療法として大変効果的な療法でデイケアというものがあるわけでございますけれども,新年度,
精神保健福祉センターで調査研究事業が実施されると。私もこのことに大変大きな期待を寄せているわけでありますが,この事業は授産施設や
小規模作業所,あるいは他のデイケアに通えない方,通っていない方々,こういった在宅の障害者あるいはその家族にとりましては,大変明るいニュースであると思っております。このことが一部新聞で報道されて,既に問い合わせがあったようにもお聞きをしておりますけれども,
精神障害者の方々の中には,医療機関を初めとしたデイケア施設の利用までには至らないで,軽い症状といいますか,地域や家庭で生活をされていたり,また,センターへの電話による相談の中でも,青年期の社会的不適応による引きこもりに関するものも多いというふうにお聞きしております。
現在,本市においては,
各区保健センターで社会復帰事業としまして,週1回,
精神保健福祉相談員さんのもとでデイケアを実施されているわけでありますけれども,これから
精神保健福祉センターで取り組もうとされているデイケアについて,その目標と考え方について,また対象者及び人員,それと実施内容についてお伺いをいたします。
◎七田
保健衛生部参事 デイケア調査研究事業の実施内容についてでございますが,この調査研究は,
精神障害者の方々が地域社会や家庭から疎外・孤立化することを防ぎ,再発を防止し,社会適応能力を高めることを主眼として実施したいと考えております。
対象者としては,20代を中心に,比較的症状の軽い精神分裂病の方を主として,そのほか,先ほど指摘のありましたような対人不安などから自宅にこもりがちな,いわゆる引きこもりの方をも対象として検討しております。また,開催回数は週3回,対象人員は,まず10名程度を予定しております。
実施に当たりましては,
精神障害者にとって,よりよいリハビリテーション機能とは何かを念頭に,利用者個々の特性に配慮した柔軟な運営に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆本郷 委員 現在,本市には社会復帰訓練により,社会復帰が見込まれる方が約2,000 名いらっしゃる,このようにお聞きをしております。そのうち,実際に,こういったデイケアや共同作業所といった社会復帰訓練に通っている方は800 人程度ということで,絶対的に受け入れ施設が少ない現状がございます。こういった行き場のない在宅の方々のためにも,どうかこの研究事業が成果を上げて,今後の本格的な事業として充実をしていただきますことをお願い申し上げまして,次の質問に移らせていただきます。
次に,第2斎場建設計画と墓地管理システムの再開発についてお伺いをいたします。
まず,火葬場の将来計画についてでありますが,私も葬儀に参列する機会が多くございまして,以前は,10時告別式の11時出棺というケースが多かったわけですが,ここ数年,9時告別式,10時出棺,中には8時告別式の9時出棺のときもあったように記憶しております。なぜかと申しますと,特に友引の翌日,火葬件数が非常に多くて火葬場が混雑するために,出棺時間の調整を行っているのだと,このようなことでございます。
そこで,まず第1点目に,里塚斎場における火葬件数の伸びがどうなっているのか。また,友引日翌日の平均火葬件数,あわせて最多火葬件数など混雑状況がどうなっているのか,お伺いをいたします。
次に,里塚斎場は,昭和59年6月に開設をされました。火葬炉30基,当時は最新の設備を持つ斎場として業務を開始されたわけでございます。しかし,築後14年が経過をしましたので,現在つくられている炉に比べてかなり旧式になってきておると。現在,どうなっているかといいますと,里塚では,950 度の炉内温度で約90分焼却されて,そのままその炉で冷却をされるということで,時間もかかりますし,また,炉の傷みも早いというようなことをお聞きしています。
最近つくられている火葬場の例で言いますと,火葬炉内に空気を注入して焼却時間を短縮したり,また,火葬後の遺骨を地下道を通じて自動的に収骨室に搬送するなど,最新のシステムを導入していると。それで人件費の削減や時間の短縮等を図っているということでございます。
そこで,2点目として,里塚斎場の混雑状況を踏まえて,今後の斎場建設計画に当たっては,施設・設備面でどのような方策を考えていらっしゃるか,お伺いをいたします。
◎福井 生活衛生部長 第2斎場建設計画につきましてお答えいたします。
第1点目の友引日翌日の混雑状況についてでございますけれども,平成8年度の火葬件数で比較しますと,年間,1日平均火葬件数が約35件であるのに対しまして,友引日翌日では約50件でありまして,約1.4 倍になっております。また,友引日翌日で最も多い場合は77件であり,このような状況を少しでも緩和するために,平成5年度から出棺時間の調整を斎場関係業者に要請しておりまして,今後とも引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
2点目の第2斎場建設計画における施設設備についてでございますけれども,市民の代表や学識経験者などから構成されます検討委員会の中でご意見を伺いますとともに,他都市の事例も参考にしながら検討を進めてまいりたいと思っています。
以上です。
◆本郷 委員 ただいま答弁があったわけですけれども,本市における人口の増加あるいは高齢者の増加に伴って,いずれ里塚斎場だけでは対応ができない日が来ると,これは明らかなわけであります。本市では,現体制での火葬能力の限界を平成17年,2005年ころと,人口の高齢化率や推計死亡数をもとに考えられているかと思います。すなわち,次期5年計画の期間内には第2斎場を稼働させたい,こういう意向かと思います。
そこで,新年度,今ありましたとおり,第2斎場建設計画策定費として200 万円が計上されたわけです。
そこで,お伺いしたいわけですが,平成17年度にピークを迎えるであろう里塚斎場での火葬件数に対応するための第2斎場について,どのようなスケジュールで事業を進められるのか。
2点目,先ほど部長から答弁がありました検討委員会は,どのような構成で,またどのような中身の検討をされるのか,もう少し詳しくお話をいただきたいと思います。
先ほど大きく2点と言いましたが,もう一つの墓地管理システムの方でございます。
墓地管理システムの再開発,新年度は1,390 万予算計上されているわけですが,この再開発とはどのようなものを予定されているのか,その概要についてお尋ねしたいと思います。
現行の墓地管理システムは,平成2年度に電算化をし,市営霊園,墓地の使用者約4万7,000 人の情報を管理していると,こういうことでございます。現行の墓地管理システム上の再開発をしなければならない問題点は何か,このことをまず第1点目としてお聞きします。
次に,このシステムを再開発することによって,市民にとって,どのようなサービスの向上が図られるのか,お伺いいたします。
◎福井 生活衛生部長 初めに,第2斎場建設までのスケジュールについてお答えいたします。
現5年計画におきましては,市民のニーズや将来の需要増に対応した計画を具体化する基本計画の開始をめどといたしたいと考えております。
施設の建設につきましては,友引日翌日の混雑状況がさらに高まり,恒常化すると予想されております,平成17年度までの完成に努めたいというふうに考えております。
2点目の検討委員会における検討内容についてでございますが,市民の代表や学識経験者の方々にご参加をいただき,市民の利便性や大規模災害への対応を踏まえて,施設の規模や立地条件などを含めた斎場整備のあり方について,ご意見をいただきたいと考えております。
続きまして,墓地管理システムの再開発についてお答えしたいと思います。
第1点目の墓地管理システム再開発の必要性についてでございますけれども,現行の墓地管理システムは平成2年度に開発しておりまして,墓地管理情報を処理してまいりましたが,老朽化した現行システム機器の更新を図るとともに,データ入力及び修正作業において,重複操作が多い現行システムの改善を行い,データ処理の迅速化を図るものであります。また,墓地の無縁化防止の徹底を図るために,墓地使用者にかかわるデータの迅速な検索及び分析が可能となるよう,システムの再開発を行うものでございます。
2点目の再開発によります市民サービスの向上についてでございますけれども,1点目として,データ処理の迅速化を図ることにより,お墓の手続に要する待ち時間の大幅な短縮ができるものと考えております。また,本庁とのオンライン化によりまして,各霊園の管理事務所においても本庁と同様の手続が可能となりますことから,市民サービスの向上を図ることができるものと考えています。
二つ目といたしまして,各霊園管理事務所にお墓の位置をお尋ねになる市民に対しまして,端末機により検索を行い,該当の墓地図を印刷し,提供できることとなり,墓地案内業務の迅速・充実化を図ることができるものと考えております。
以上でございます。
◆本郷 委員 私がスケジュールにこだわって質問したのは,道内では旭川が,もう10年くらい計画が進まないでいると,あるいは,全国的にもなかなか住民の合意が得られずに進んでいないところがあるからでございます。
今までの質疑の中で,どちらにしても,あと数年で里塚が満杯の状況となると。あるいは,先ほど申しましたとおり,炉の耐用年数ということもございます。そして,阪神・淡路大震災の例を出すまでもなく,大災害時において,火葬場というのは大変必要なものになってくるわけでございます。
ここに,芦屋の女性の市長さんが震災のときに大変ご苦労された,手記がございます。この方が当日の朝7時に市役所に到着をされて,一番最初にひつぎの手配,それから安置所の手配,それが終わって火葬場の手配,芦屋の場合は古い火葬場で,これが被害に遭ったということで,市長みずから周辺市町村にずっと電話をしたわけですけれども,当然,このときは,芦屋市だけじゃなくて,近隣の西宮を初め,皆被災をしておりまして,受け入れられないということで,大変ご苦労されたという手記が載ってございました。そういった意味からも,これは札幌市にとって大変大事な施設なわけでございます。
先ほどの平成17年ということは,7年という限られたスケジュールの中で事業を進めていかなくてはいけないと。現在,葬儀についても,友人葬あるいは音楽葬,生前葬,あるいはしのぶ会だとか,さまざま,葬儀のあり方も変わってきております。
また,「納棺夫日記」というような本がございまして,読まれた方もいらっしゃるかもしれませんけれども,書かれた方は詩人であり作家なのですが,あるきっかけで葬儀会社に勤務をされるようになって,多くの遺体と対面をし,湯かんをして,要するにひつぎに納める仕事をされて,このときの体験をつづった本なのでございます。それまで,自分は死体とは汚れたものだと思っていたのが,いろんな遺体と出くわすことによって,決してそういうことではなくて,静かな美しいものだというふうな,そういった感想をつづったものなのですね。当初,こんなものは売れるわけがないと思って自費出版を考えまして,地方のある出版社から出しましたら,版に版を重ねて,とうとう文庫本にまでなってしまって,今,ベストセラーになっていると。
このようなことで,死に対する考え方も,時代の推移とともに変わってきております。しかし,まだまだ,お墓だとか,あるいは斎場,いわゆる死に対して忌み嫌うという考え方があるわけでございます。
そういったことを考えますと,建設自体は,まだ候補地も決まっているわけではございませんので先の話になるわけでございますが,こういった状況に対して斎場を建設していくと,進めていくに当たって,本市としては,広く市民に理解を求めていくためにどのようなことを考えていらっしゃるか,ありましたらお聞かせ願いたいと思います。
それから,先ほどの墓地管理システムですけれども,再開発によって,よりデータ処理の迅速化が図られるのだと,また,無縁墓地化防止の徹底のためになると。そのために,このデータを活用するということでございますけれども,実際にどのように活用されるのか,もう少し具体的にお聞かせ願いたい思います。
◎福井 生活衛生部長 まず,2点目の方を最初にお答えしたいと思います。
再開発システムのデータ活用による無縁化防止でございますけれども,無縁化防止のために,毎年一定の墓地使用者の継承の有無確認,住所調査などを実施しておりますが,これまでは,その都度プログラムを組んで,一定条件の墓地使用者を抽出して調査をしております。
システムの再開発によりまして,検索条件を自由に設定し,墓地使用者にかかわるデータの分析が可能となりますことから,これらデータを継承者の有無の確認,住所調査などに活用し,無縁化防止に努めてまいりたいと考えております。
それから,1点目の火葬場の建設でございますけれども,先ほどお答えしましたように,市民の代表,学識経験者の方々のご意見を聞きながら,市民の利便,また大規模災害の対応,さらには規模等も含めて,ご意見をいただきながら進めていきたいというふうに考えております。
◎大川 生活環境課長 ただいまの市民に対する理解を深めるということでございますが,委員ご指摘のとおり,それぞれの考え方に違いがございますので,ただいま福井部長からお答えしましたように,検討委員会で,さまざまな角度からこの問題について検討させていただいた上で,さらに,市民に対しまして,広く広報によりお知らせをするということで理解を深めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆本郷 委員 現在,ランドスケープという言葉が広く使われるようになってまいりまして,これは風景ということですけれども,景観設計だとか環境設計,こういうふうに訳されるわけですが,建築とその周囲,そして都市環境を全体的にデザインしていくと,こういう手法でございます。アメリカなどでは,デザインの分野として広く認識をされておりまして,そのため環境デザイナーあるいはランドスケープ・アーキテクトと,こういう呼ばれ方をしているわけでございます。
これは,昨年,ある都市でつくられた斎場でございますが,要するに,今までの霊園だとか墓地のイメージ,あるいは斎場のイメージというのですか,そういうものではなくて,その建物が半分地下に埋まっていて,屋上が公園になっていてというようなことだとか,技術的にはいろんな手法がございます。
私は,何度も言いますけれども,市民にとって,これは大変大事な施設であるわけでございますから,これに対してはどなたも異論はないことだと思うのですが,この事業を進めていく上で,シンポジウムだとか,フォーラムだとか,いろんな手法があるのでしょうけれども,市民の理解を得てこの事業を進めていかれますように要望をしたいと思います。
それから,先ほどの管理システムにつきましては,現在,非常に,個人情報が流出をして利用されるというケースがありまして,社会問題となっております。その意味から,このデータの活用と同時に,保護する,セキュリティーですね,その体制について十分万全を期すように要望しまして,質問を終わります。
◆飯坂 委員 私からは,
精神障害者交通費助成事業についてと,中央
健康づくりセンター使用料減免制度について,さらに,保健婦の
訪問指導について,大きく三つお尋ねしたいと思います。
まず,1点目の
精神障害者交通費助成についてでございますが,先ほど来,やりとりもございましたので,重複を避けて質問したいと思います。
過日の代表質問でも私は取り上げましたが,93年に改正されました障害者基本法の附帯決議で,
精神障害者のための施策がその他の障害者のための施策と均衡を欠くことがないよう,特に,社会復帰及び福祉面の施策の推進に努めること,このように,格差是正をきちっとやりなさいということが国会でも決められたわけです。
そこで,本市もようやく,今までなかった
精神障害者の
交通費助成を新年度からスタートさせるということなのですが,中身は,先ほど来ありましたように,1・2級の方が年額2万円,3級の方は1万円と,こういう内容でスタートさせようとしております。
他の政令市8市が既に10割助成を実施しておりまして,何もなかった京都と札幌,そのうちの京都が新年度スタートさせるわけですが,ここも1級から3級まで10割助成をする,こういう計画をお持ちだというふうに聞いております。こういう国会の決議あるいは他都市の動きなどもある中で,なぜ本市が10割助成に踏み切れなかったのか,このことについてお尋ねをしたいと思います。
また,2点目は,代表質問での私の再質問に対しまして,大長助役は,「即刻,100 点を取りなさいと言われても,取れる場合もございますけれども,そうではなく,時間をかけながら改善をしていくことも,当然あり得る」ということで,「他の事業者の協力も得られるようにしながら,改善に努めてまいりたい」,このようにご答弁されたのですね。
民間バス事業者などの協力が得られるまでは10割助成ができないということなのか,これを明らかにしていただきたいのと,時間をかけながら改善するということはどういうことなのか,ここを明らかにしていただきたいのです。
先ほど,大嶋委員に対するご答弁の中では,利用実態を見ながら今後検討するというようなご答弁もありましたけれども,この検討期間というのはどの程度考えているのかも,あわせてお尋ねいたします。
◎佐々木
保健衛生部長 精神障害者の
交通費助成についてお答えをいたします。
まず,1点目の法の精神の点でございますが,
精神障害者法の法の精神,障害者福祉,障害者については同じであるという法の趣旨でございますが,他の障害者と格差があってはならないという理念は,私ども行政を行う者として,十分に念頭に置かなければならないものと認識をいたしております。
この
交通費助成につきましては,他の障害者に開かれている制度が
精神障害者には開かれていなかったものでございます。そのような観点から,10年度に開設を目指しているところでございます。
それから,他の政令都市との比較でございます。
これにつきましては,各都市それぞれ対応が異なってございます。例えば,対象者の範囲でありますとか,利用し得る交通機関の種類,例えば市営のみであるとか,民間バスあるいは他の機関,それぞれ異なる対応がございます。また,対象となる
手帳所持者の数におきましても,その都市によりまして格差がございます。そのような実施の背景も異なりますことから,都市間の比較は一概にはできないものと考えているところでございます。
3点目の今後の問題でございますが,
精神障害者に対する
交通費助成につきましては,運輸省の指導が他の障害者と異なるという点がございますけれども,まず,私どもとしましては,この制度を創設するということを最重点としたものでございます。
今後も,各
交通事業者に働きかけを行っていきます。それから,新年度から新たに創設をしました制度の実施状況をよく把握させていただきます。すなわち,
ウィズユーカードによります交付でございますので,裏面からその状況がわかります,あるいは,区の
保健センターにおいて交付をさせていただきますので,その際に対象者の方からいろいろご意見を承ると,こういうことなどを見て,今後,その充実について努めてまいりたいと,こう考えているところでございます。
それから,今後,どのぐらいの期間かという点につきましても,推移を見た上で総合的に判断をさせていただきたいと,こう考えてございます。
以上です。
◆飯坂 委員 都市によって交付手帳の数なども違うし,それから助成の対象も違うということで,一概に比較できないというご答弁なのですが,問題は,他都市では,国の制度として
交通事業者が5割持つという制度はないけれども,とにかく
精神障害者も他の
心身障害者と格差がないように,それぞれの都市で平等に助成できるようにということで10割助成を開始したわけですよね。
そうしますと,本市では,
心身障害者の場合,1級から4級の方は10割,5・6級の方は5割とやっているわけですから,そこと同じ内容の助成となりますと,
精神障害者の場合であれば,1・2級の方は本市で言えば10割,3級の方でも5割助成と。これで,初めて他都市と横並びの助成の内容になるのかな,あるいは,本市の中でも他の
心身障害者と同様の助成になるのかなというふうに判断するわけですが,今,そうはならない提案がされているわけですね。
まずはスタートさせて,内容充実というご答弁なのですが,
精神障害者の場合は,例えば3級の方は年間1万円といいますと,額面どおり1万円しか使えないのですね。他の心身障害の方は,1万円の額面であっても2万円分使えると,こういうふうになっているのですが,
精神障害者の場合は,本当に額面どおりしか使えないのですよ。そうしますと,1・2級の定額,仮に2万円と,ここともまた差がつけられて,3級の方は年額わずか1万円ということで,本当にこれで社会復帰促進というにふさわしい助成制度のスタートなのだろうか。せっかくスタートするのだから,もう少し実態に即した助成内容にしていただけないだろうか,これは当然の願いだというふうに思うのですね。
確かに,広島市のみですけれども,定額助成をしているところがありますよ。しかし,ここは定額助成ではありますが,1級と3級の格差はつけておりません。1級の方も3級の方も,同額の定額助成をしているのです。
だから,本市は,10割助成に満たないだけでなくて,不十分な助成の中でも,なおかつ1・2級者と3級の格差をつけてしまっているというあたりで,何とかならないだろうかというのが関係者の皆さんの願いなわけですね。
後でまた10割助成のことには触れますが,とりあえず,仮に3級の方を1・2級の方と同じように年額助成2万円に合わせると,同額にすると,もしそうしたとして,新年度の当初予算は7,620 万円の計上になっていますが,これにどれほどの増額をしなければならなくなるのか,そこを明らかにしていただきたいと思います。
◎佐々木
保健衛生部長 金額につきましては,10年度の予算計上は7,600 万でございます。さらに,670 万余が上乗せになると計算をしてございます。
◆飯坂 委員 この7,600 万の予算の根拠につきましては,先ほど来,受ける側の額については2万,1万が出ました。人数については,要するに手帳交付に基づいてということですから,4,100 人を推計しているというふうにお聞きしております。現在,
交通費助成がございませんので,手帳交付が1,200 人,
交通費助成をすることによって,他都市並みに30%台あるいは40%弱となるとして,4,100 人ということで推計したのが7,600 万という予算だと思いますが,仮に3級の人も同じようにしても,今,部長がおっしゃられたように,670 万の増ですよね。これを足しましても8,290 万ということですから,陳情審査のときの委員会のご答弁では,もしそういう制度をスタートさせたら数億かかるだろうと,こう言われていたのですが,しかし,この制度というのは1億も切ってしまうわけですよね。ですから,私は,まずやらせてくださいと皆さんがおっしゃるのだったら,せめてスタートで1・2級と同じように,3級者に格差をつけないということぐらいはできるのでないかなと思うのですけれどもいかがか,それをお尋ねします。
それと,国の制度が変われば本当にいいわけですよ。本市も持ち出しをしないで,皆さんにも10割助成できる,こうなるわけで,本当にいいと思いますから,国に働きかけるのは当たり前だと思います。それから,民間バス会社にも働きかけるのも当然だと思うのです。しかし,それを待っているだけでは,皆さんのニーズにこたえることはできないわけですから,やはり早期に10割助成へ近づける。そのための努力が一層求められていると思うのですが,このこともあわせてお尋ねいたします。
◎佐々木
保健衛生部長 1・2級者と3級者についての格差があるという点でございますが,この点につきましては,身体障害者の方の
交通費助成につきましては10割,5割という差がございますので,その並びで整理をさせていただいたところでございます。
いずれにいたしましても,制度の開設によりまして,現在,1,250 人の
手帳所持者がございますが,各障害者の皆様方からご要望いただいている,障害者手帳を持つことによる具体的な特典と申しましょうか,恩典はどのようなものがあるのか。こういう中で,一つには
交通費助成によって手帳を所持する方がふえてきて,いろんな活動,社会参加に積極的にかかわっていただくというのも,私どもが推進をしたい施策でございます。そういう意味で,この制度を創設することによりまして,身体障害者の中で手帳を所持する方がふえていくというのは,私ども,一方で願っている施策でございます。
それから,3級者の取り扱いにつきましては,先ほど言いましたが,これにつきましても,この4月以降,どのような方が,例えば,1級者ではどのぐらいの利用になるか,2級者ではどうか,3級者ではどのようになるのか。3級者が確かに一番多い人数でございますが,この辺の推移は十分把握をさせていただきまして,今後,充実に向けて検討したいと思っております。
それから,2点目にお尋ねの
交通事業者に対する働きかけにつきましては,私どもも働きかけをさせていただきますが,先日の皆さん方の打ち合わせ等の中でも,実情をつぶさに,皆様方からも各事業者へ働きかけてくださいよというお願いもしたところであります。
ただ,我々もこのような議論を踏まえて,より一層積極的に各事業者への協力要請を続けてまいりたいなと,こう考えているところでございます。
以上でございます。
◆飯坂 委員 部長は,他の
心身障害者でも10割と5割と,要するに重い人は10割助成,軽い人は5割助成と,こういう差があるのだから,それに合わせて精神障害の場合も,1・2級の人は2万,3級の人は1万と,こういうふうに差をつけたのだというふうに,今,ご答弁されたのですけれども,10割助成が実現したときには,そう言っても私は構わないと思うのですよ。けれども,まだそこのつなぎとして,とりあえずスタートさせてくださいよと言っているときに,その論理は当てはまらないと思うのですよね。新しくスタートさせる制度ですから,そして,皆さん方が本当に長い間待ち望んでいた制度なのですから,本当にこの制度がスタートしてよかったと,関係者が心から喜ばれる内容にすべきだというふうに思うのです。
財政的にも,私は十分可能だと思うのですよね。これは,手帳が交付されて,初めて助成するという制度ですから,その実態に合わせて助成していくと,こういう性格のものですから,余りコンクリートに考えないで,その辺の柔軟な運用も含めて,ぜひ期待にこたえた内容にしていただきたいと思いますが,最後に局長,その辺お伺いしたいと思います。
◎上村 衛生局長 代表質問で大長助役からお答えいたしましたこともございますし,ただいまのご質問に,佐々木部長からもるるお答えしたとおりでございます。
初めてこの制度を創設したものでございますから,今後,
交通事業者の協力を得られるように努力する一方,私どもも充実に向けて努力してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆飯坂 委員 この件につきましては,早期に10割助成実施に向けて最大限の努力をしていただきたいということを最後に求めて,次の質問に入ります。
中央
健康づくりセンター使用料減免制度についてです。
これまで,健康度測定や,すこやか健診あるいは事業所健診を受けていた人には,運動フロア利用料につきましては,1年間免除してきたわけですね。新年度から,これを,健康度測定を受けた人は6カ月無料,しかし,その後の6カ月は1日につき200 円という減免制度といいますか,こういうふうに変えると。免除制度の縮小をし,さらに,すこやか健診や事業所健診の受診者は,全く免除制度を廃止してしまって有料化にする,こういう改正案が本予算議会に提案されているわけです。
そこで,利用実態の表もいただきましたけれども,平成5年度からスタートした中央
健康づくりセンターの利用人数ですが,初年度は3万4,000 人,8年度実績では8万8,000 人ということで,大変,利用者が急増している。このこと自体は,市民がこういう施設を待ち望んでいた,そして大いに利用していただいている施設ということでは,大変すばらしいことだというふうに思うのです。ですから,こうした施設をもっともっと市内に増設していく,これが本来のあるべき姿であって,なぜ今,有料化をしようとするのか,その根拠とねらいといいますか,これについてまず明らかにしていただきたいと思います。
◎佐々木
保健衛生部長 お尋ねの
健康づくりセンターの減免取り扱いの見直しでございます。
健康づくりセンターでは,これまで健康度測定を受診された方,あるいはすこやか健診,事業所健診を受診された方などを対象にして,申請のあった日から1年間,運動フロアの利用料金を減免してきていました。これは,開設当初からでございます。その結果,平成8年度の数字で見ますと,この制度によりまして
健康づくりセンターの運動フロアを利用された方の総数約4万4,000 人のうち,全体の71.4%が減免措置の方でございます。
今回の見直しは,これまでの利用者の動向などを踏まえまして,
健康づくりセンターの施設目的,他の公共施設の利用料金との均衡などを総合的に勘案をして行ったものであります。健康度測定を受けた方については,運動プログラムの実践と運動習慣の形成に必要な最初の6カ月間は利用料金を免除し,それ以降の6カ月間は半額の料金をご負担いただくということにいたしたものでございます。また,すこやか健診,事業所健診の受診者の方々につきましては,利用形態が一般利用者の方と同様でありますことから,通常の料金負担に改めさせていただくものであります。
なお,本年度から,医療機関との連携のもとに各
保健センターで実施している
生活習慣改善相談事業につきましては,運動実践面の充実を図る観点から,医師が運動の必要を認めて,
保健センターで相談を受けられた方の利用料金については,3カ月間これを免除する制度を新たに設けているものでございます。
◆飯坂 委員 中央
健康づくりセンターの設立に当たりまして,その役割をめぐりまして議会のやりとりがございました。
民間施設との違いということで,民間の
健康づくりに関する施設などは,入会金も非常に高いということもあって,文字どおり,これからの市民の
健康づくりのセンターになるのが
健康づくりセンターなのだということで,健康な方ばかりではなくて,今,部長がおっしゃったように,いわゆる要指導といいますか,健康に不安を持っている方,こういう方も医学的な所見に基づいて運動や栄養の指導をすると,これがこのセンターなのだということでスタートしてきたわけです。
今,部長は,すこやか健診を受けた方は免除を廃止するけれども,そのうちの要指導の方については3カ月は無料にしますよと,こういうことなのです。
しかし,これも事前にいただいている資料によりますと,保健所が統合されて
保健センターになりましたときに,成人健診を廃止してしまいました。昨年の4月から回数を減らしまして,昨年の11月,清田分区に合わせまして,成人健診全面廃止となったわけです。しかし,そのときに,それにかわって日常生活改善相談活動といいますか,フォローアップ作戦をやりますよと,これを胸張って言っていたのですが,この数カ月の実績を見ますと,すこやか健診を受けた人の中で,要指導という方24%,そしてその方たちに各
保健センターが個別に相談に来てくださいとご案内を出す。実際に個別相談にいらした方は26.9%と,こういうことですよね。
そうしますと,皆さんたちが,今度はそういうフォローアップ作戦をやるのですから,保健所を
保健センターにしても問題ないのですと言ってきたのだけれども,今,26%,この人たちは,本来指導されなければならないですね。そうしますと,仮に50%,70%ということで,
保健センターに来て,そしてそのうちの運動指導が必要な方は
健康づくりセンターへと,こう言っていたときに,皆さんたちは,これを強化しますよと言ってきたのですから,その受け皿が十分なければ大変ですよね。この受け皿づくりをどうするのかということが一つ。
それから,すこやか健診と
健康づくりセンター1年間無料利用と,こういうこともあって大変にぎわっていたわけですが,1年間の無料がなくなってしまって有料ですよと,定額どおりいただきますよとなりますと,やはりすこやか健診の受診率も影響を受けるのでないかと思うのですけれども,その点についてはいかがお考えか,お尋ねします。
◎佐々木
保健衛生部長 生活習慣改善相談事業につきましては,平成9年度の4月から始めました。
ただ,具体的には,医療機関との連絡書をいただくという関係で,3カ月後の7月から実質的に始まってございますが,その数値は,今,委員がご指摘のとおりでございます。
その前提となりますすこやか健診につきましては,従来,旧保健所,
保健センターの平成9年の半年間を含めて6万人でございました。これが,昨年10月からすこやか健診を医療機関に全面委託をいたしました結果,各市民の皆さんのかかりつけ医制度,あるいは集団健診から個別健診への移行がスムーズにいったこともございまして,1万人の受診者の増になったものでございます。そういう意味では,私ども,新しい体制に切りかえて,市民の方がみずからの健康はみずから守るということが定着しつつあるのかなと。
その中で,統計的には,すこやか健診受診者の約4割が要指導とされております。そのほかには,もちろん健康な方,それから要治療の方がいらっしゃるわけですが,その真ん中のグレーゾーンの方が約4割いらっしゃる。その方全部について医療機関から連絡書が参っているわけではございませんで,それは先ほど申し上げました20%台ですが,初年度ということもございまして,私ども,この制度のPRについては,医療機関ともよく連携をとって,これからさらにPRに努めたいとは思っておりますが,その受け皿としての一つが
健康づくりセンターであります。
ですから,
健康づくりセンターは,ただ民間のスポーツクラブとは違いまして,医療の健康度測定をまずお受けいただいて,個々の方に合ったプログラムで運動していただくと。まず,入り口のところを本来の形にさせていただきたいというのが,今回の改正の主なねらいでございます。また,受け皿については今議会にも提案をしておりますが,東,中央に続く次の
健康づくりセンターについても,今後,考えてまいりたいと思っております。
以上でございます。
◆飯坂 委員 本来の使い方に見直すのが今回の減免制度の見直しだと言うのですけれども,一体,減免制度の見直しで増収をどれぐらい見込んでいるのですか,金額を明らかにしてください。
それと,清田に
保健センターを設立しましたときに,健康増進フロアというものを清田センターに付加しましたね。しかし,これは,今,議論しております
健康づくりセンターとは役割が全く違うものだというふうに思うのですけれども,その点も明らかにしていただきたいのです。
今,部長は,新年度は東,中央に続く次のセンターを計画している,予算概要では西
健康づくりセンターということが明記されておりますから,それは大いに結構なのです。しかし,東は中央と全然性格が違いますからちょっと置いておいて,運動フロア的な指導ができる中央
健康づくりセンターと同格の内容が期待されているのが新年度の西
健康づくりセンターなのですが,こういったものは,本来,各区に一つくらいはあって,それで,今,部長が言ったように,フォローアップ作戦で4割の要指導の方もちゃんとフォローしていきますよと言うのなら,考え方としてわかるのですけれども,清田の健康増進フロアでは代替できないのでしょう。その辺,ちょっと明らかにしてください。
◎佐々木
保健衛生部長 まず,1点目の今回の見直しによります金額的な効果でございますが,約660 万円程度の増収になると見込んでおります。
ただ,私どもは,今回の見直しにつきましては,増収を見込んで改正をするものではございません。
健康づくりセンターの施設目的,センターで行っております事業の趣旨など総合的に検討して,今,改正をしようとするものでございます。
それから,2点目の
健康づくりセンターの拡充でございますが,清田の新しい庁舎の3階に併設をしております健康増進フロアは,清田区
保健福祉部が
保健センターの事業の一環として,その事業の中で具体的に行うものというふうに位置づけをさせていただいております。
中央区の
健康づくりセンターは,平成5年の秋に竣工オープンをいたしましたが,その4年前に検討委員会を開いた中で,札幌市全体で1カ所の札幌市総合
健康づくりセンターという位置づけで発足をいたしまして,4万余の利用を見込んでオープンをしたものですが,委員ご指摘のとおり,昨年の時点で倍の8万8,000 となったという経過がございまして,そういう意味では,日常の中で,
健康づくりについて市民の方が一生懸命取り組んでおるということは,定着をしてきたのかなと,こういうことで私ども分析をしております。
ただ,運動フロアについての利用の約70%が減免で,年1回500 円のすこやか健診を受診すると,あと1年間は無料だということでございますが,当初,オープンをした施設についての市民への理解という所期の目的は達成できているのかなと,こういうことで考えてございます。
それから,東と中央は,確かにその内容が違います。健康度測定についての機能は,東
健康づくりセンターはございません。ただ,医学的なデータについて分析をするメディカルのところの施設については,容量といたしましては,中央
健康づくりセンターはまだまだ十分に余裕がございます。そういう意味では,まず,健康度測定を受けていただいて,それぞれの方に合った運動プログラムを自分でそれぞれ消化をしていただくと。そういう意味の場を各地区にと,こういうことで考えております。
ただ,いきなりすべてというわけにいきませんので,
健康づくりの将来構想の検討委員会などで具体的に検討して,あるいは利用者の動向等も踏まえながら,逐次,整備を図っていく必要があるのかなと,こう考えております。
以上であります。
◆飯坂 委員 増収を見込んで改正するわけではないと。増収額は664 万円ということですが,中央
健康づくりセンターの事業収支は年間約1億5,000 万弱ですか,こういうことですから,増収を見込んでいるわけではないというのであれば,まだまだ,本市のすこやか健診20%台ということで,厚生省から指導されている50%の半分と大変おくれているわけですから,そういうこともかんがみますと,減免制度はまだ続けるべきだというふうに思うのです。
器がいっぱいで,これで減らそうなんていうことは考えてはいないと思うのですが,器がいっぱいだということは,冒頭申し上げましたように,それだけ市民ニーズがあるということですから,西の
健康づくりセンターにとどまらず,メディカルなところは中央の一つでまだ間に合いますよと,こういうことなのですが,運動フロアの方が目いっぱいになっていると。こういうことですから,運動フロア中心のセンターは,最低でも各区に一つずつつくると,これぐらいの将来構想といいますか,考え方を持つべきだというふうに思うのですが,この点については考え方で結構ですから,局長,いかがでしょうか。
◎上村 衛生局長 ただいま,部長からお答え申し上げましたとおり,今回,予算を計上いたしております新しい
健康づくりセンターの建設につきましては,学識経験者から成ります検討委員会を設けまして,その中で,将来における札幌市の
健康づくりセンターのあり方についてご審議をいただき,その答申をいただいております。それに基づいて,今回,新しく1館を建設するという計画を持ったわけでございますので,将来も,この検討委員会の内容を尊重して,私ども計画を進めていきたいと思っております。
以上でございます。
◆飯坂 委員 今,局長がご答弁になったのは,
健康づくりセンター将来構想報告書のことを言ったのだと思うのですが,
厚生常任委員会でも答申が出ましたときに議論をさせていただきまして,今の中央
健康づくりセンターも含めて,中核センターを全市で5館という構想でしたね。これでは非常に不十分だということは,既にそのときに委員会でも議論になっているわけです。ですから,これを尊重して,まず1館というのは,新年度の構想としては私はいいと思うのですよ,単年度で見れば。しかし,将来構想としましては,やはり各区につくっていくというぐらいの構えで,ぜひ取り組むべきだということを指摘しておきます。
あわせて,減免制度については,縮小するのではなくて,現状維持を強く求めておきます。
最後に,簡単に保健婦の
訪問指導についてお尋ねしますが,実は,高齢者保健福祉計画の中の項目の2,
訪問指導というのがございます。これの進捗状況が著しくおくれているわけです。10年度の予算ベースで見ましても,目標値に対しましてわずか50.5%と,半分ですよね。残り1年で,本当に6万7,000 回に到達できるのかというと,とてもできないという現状にあるわけでして,この点について,衛生局所管でございますので,改めてどうやり上げていくつもりなのか,お尋ねいたします。
◎佐々木
保健衛生部長 高齢者保健福祉計画におきます
訪問指導の目標達成の見通しでございますが,平成9年12月末現在で見ますと,延べ訪問回数では,目標の2万8,600 回に対しまして1万3,000 回と,45%の達成率にとどまってございます。しかし,実人員で見ますと,計画の3,877 人に対しまして4,654 人の訪問実績となっておりまして,その実施率は120 %に達しております。
どうしてこのような差が生じたかということでございますが,高齢者保健福祉計画策定当初の目標値の設定の経過がございまして,当時は,
訪問指導の目標量は,平成4年9月から12月にかけて高齢者の生活実態調査を行いまして,その結果に基づきましてサービスの必要度を推計し,当時,厚生省が定めた目標訪問回数により算出をしたものでございます。
しかし,その後,状況の変化がございました。すなわち,計画策定当時に想定をしていなかった以上に,ホームヘルパーや訪問看護ステーション,デイサービスあるいはショートステイなどの医療福祉サービスの拡充によりまして,対象者が個々のニーズに応じたサービスを受けることが可能となったことから,
訪問指導の内容が変容したため,延べ訪問回数が当初の目標より少ない数字にとどまってございます。しかし,実人員では,約4,000 人の計画に対しまして4,700 人の訪問実績と,120 %に達しているものでございます。
したがって,保健婦の役割は,今後,各種のサービスのコーディネート,調整機能が一層高まるものと想定され,計画が目標とした個々人への保健・医療・福祉のサービスの提供は,実質的には達成可能と考えております。
以上であります。
◆飯坂 委員 この6万7,000 回という目標を立てたときの考え方と,それから,実際に今やっている保健婦の
訪問指導の活動といいますか,保健婦だけじゃなくて,訪問の活動内容が変わってきたために,中身としては120 %やっているのだというふうに,今,部長がご答弁されたのですが,そうしますと,最終目標の立て方がまずかったということになるのですか。
それと,今度は,新規の介護保険導入も2000年に始まりますから,その関係で介護保険計画あるいは新高齢者保健福祉計画を立てると,こういう計画も本市は持っておりますので,そこにどうこれがつながっていくのかということを私は心配しているわけですよ。ですから,その点明らかにしてください。
◎佐々木
保健衛生部長 確かに,平成4年の調査に基づきまして,現高齢者保健福祉計画における訪問回数につきましては,現在のところ,50%余でございます。これが11年度で急に100 %になるということは,回数だけ見ると実現が不可能かなと,私どもも認識をいたしております。
ただ,5年前は,市民の方で介護を要する方,実際にお困りの方が直接,
保健センターの保健婦のケアが必要なところで算出をしたわけでございます。ただし,現実としましては,先ほど私が申し上げましたような,他の医療福祉のサービスが出ておりまして,例えば訪問看護ステーションは,計画が34カ所,現実には,もう既にそれをはるかにオーバーしておりまして,55カ所の訪問看護ステーションが市内に新設をされてございます。
そういうようなことで,当初,我々が直接,
保健センター,当時の保健所の保健婦あるいは委託
訪問指導員の回数で計算していたものが,民間あるいは公的なサービス機関の経営により,十分になされていると,私どもはそう認識いたしております。
以上であります。
◆飯坂 委員 6万7,000 の目標は実現不可能と,正直なご答弁がございました。
それで,訪問看護ステーションなどが目標よりも上回っているということなのですが,確かに数字の上ではそうなのです。しかし,公的な訪問ステーションということであれば,10カ所という目標に対して,今現在9カ所ですから,これは計画どおり,あと来年ですね,公的に1カ所建てれば,やっと100 %いくというものであって,民間の努力があって,当初の目標を上回るということであって,決して市が頑張ってそれを消化したというものではないということを指摘しておきます。
それから,保健婦をふやさずにこういう事業をやってきたがために,さまざまな他の事業を組み合わせながらやっているという実態だというふうに思うのですね。ですから,ヘルパーが行っているからといいましても,ホームヘルパーの目標すら,今,910 人に向けてどうするかという問題がございます。それから,2000年4月に介護保険が導入されれば,人数的にも,質的にも一層高いものが問われるという議論は,民生局でもやりましたので,そういう依存型の
訪問指導では,2000年スタートの時点でさまざまな矛盾も生じると。
そういう危険性がございますから,保健婦についても必要な増員は十分図っていくと,そして,
訪問指導につきましても内容を充実させていくと,そのことを強く求めて,また,中身につきましては,このことが明らかになった時点で議論してまいりたいというふうに思います。
以上で終わります。
◆佐々木[周] 委員 私は,大きく3点についてお伺いしたいのですけれども,性格が違っておりますので,分けて,させていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。
最初に,
精神保健福祉にかかわる問題について,3点ほどお聞きしたいと思います。
最初に,先ほど来,議論になっております
交通費助成制度について伺います。なるべく重複を避けたいと思います。
今回の制度の創設ということでご努力をなさったことについて,制度ができたこと自体は大変うれしいことでありますけれども,その額につきましては,当事者の方たちも大変残念な思いでいらっしゃるということが私の方にも伝わってまいりまして,私自身も本当に残念な思いなのです。
今回の制度については,運輸省からの通達が,今のところ,精神障害の方にはないと。ですから,民間事業者の協力を得られないということでしたけれども,それならば,市営交通の利用についてのもう少しの配慮,それから知恵を出す,そういうことができなかったのかということも考えるわけなのです。
先ほどの部長のご答弁の中で,多様な社会参加をしていただくための制度として創設したと,そういうふうなご答弁もございました。そうすると,先ほどおっしゃっていました算定の基礎そのものが,当事者の方たちと余りにも乖離しているのではないかというふうに私は考えます。
ということは,多くの方は,通院しながら在宅で生活をし,そして,その中で作業所に通ったり,病院のデイケアに通ったりもしています。ですから,通院する交通費を考えますと,そのほかに社会的な参加を可能にするだけの算定の基礎,そういう考え方がなければ,これが本当にいい制度だと,もろ手を挙げて喜べないのではないかというふうに思うわけです。
それからまた,先ほど,基本料金を週1回で計算すると2万800 円になるということでした。そういうことにいたしましても,基本料金で移動ができる方たちはどのぐらいいらっしゃるのでしょうか。地下鉄沿線,それから幹線道路のバスの停留所近く,そういうところについては,例えば自立してアパート住まいをなさっている方たちなんかは,家賃が高くてそういうようなところには住めないのじゃないか。多くは,もう少しバスのところから遠いだとか,地下鉄からちょっと遠いと。そういうふうになると,乗り継ぎ料金がやはり必要になるのではないかというふうに容易に想像できる,私はそう想像するのです。
ですから,そういうことを考えますと,今回の制度自体が,当事者の方たちの現状を本当に考えていらっしゃったのかどうかという点で,私は残念な思いなのです。
そこで,質問に入りますけれども,先ほどのご答弁の中で,交付するときに,おいでになった方たちに,どういう状況なのかということをきめ細かく聞いていって,次の制度見直しのときに反映していきたいというふうにお答えがあったかと思います。
それで,質問したいのは,現在,手帳をお持ちになっている方が1,300 名程度いらっしゃるというふうにお聞きしています。それは,保健所を通じて申請しておりますから,保健所の相談員,それからまた保健婦さんなどの協力を得ますと,どういうところにお住まいかということぐらいは,すぐにわかるはずなのですね。ですから,この制度をつくり,そして,財政的な折衝をする際に,そういう分布状況,どういうふうな状況なのかということをお調べになったのかどうか,そのことについてお聞きしたいと思います。
それから,もう一つ,先ほども申しましたけれども,病院などへの通所以外の社会参加,やはりそういう機会を支援するということをその制度に入れるべきではなかったかと私は考えますが,そのことについてのお考えをお示しいただきたいと思います。
それから,2点目,
精神保健福祉計画についてです。
現在,審議会からの答申を得まして,計画を策定中とお聞きしていますけれども,現在までの策定の状況について,まずお伺いいたします。
それから,その後,計画の素案というものができるかと思うのですけれども,これまでの条例づくり,それから計画づくり,そのようなことを見ますと,提言を受けた審議会の方にその素案を返すということはなかなかないわけです。
一つ例を申し上げますと,環境基本条例の場合,その問題にかかわる懇談会の皆様の中で大変いい答申がありました。そして,その答申を生かしながら条例が策定されて,それが議会に提案されました。その際,懇談会の方たちには,その素案が示されなかった。そういうこともございまして,議会に提案された後,参画されていた懇談会の委員の方たちから,何で私たちが答申をしたその内容について入れられなかったのか,そういう意見書がどんどん上がってきたということがございました。
ですから,素案ができ上がった場合,今回の
地方精神保健福祉審議会のメンバーの方々,また,今回は,幾つかの当事者団体の方たちにご意見を伺ったりなさいました。その方たちに素案を示し,そして,再び,ご意見をいただいた方たちと意見交換をする,そういうことも必要かと思いますけれども,そのことについてのお考えをお聞きしたいと思います。それが2点目です。
それから,3点目,各区の地域保健課での社会復帰学級についてです。
先ほどの議論の中で,
精神保健福祉センターで来年度,研究事業ということですけれども,デイケアが行われるということで,私も,この件につきましてはずっと関心を持っていましたので,ぜひいい取り組みをされるようにということを申し上げておきたいと思うのですが,各区で
精神保健福祉相談員の方が,特徴を持たせた形で取り組んでいらっしゃるということは認識しております。
ところが,いろいろな取り組みの中で,各区ごとの参加者の人数に随分ばらつきがあるのではないかと,そういうふうに私は聞いております。そういうことから,当事者の方たちが,社会復帰学級のことについてどうとらえて参加なさっているか,そして,なかなかふえないのはどういうことなのか。そういうことで,当事者の方たちとの話し合いの場も必要じゃないかなというふうな気がしております。
そして,精神障害と言う場合は,よく生活障害というふうに言われまして,病院での長い生活の中で,病院というのは全部与えてくれるというか,そういう中で治療をしていらして,生活感覚というか,金銭感覚,それから対人関係,そういうこともなかなかできないと。そういう生活障害があるということから,障害者と呼ばれているというふうに私はとらえているのですけれども,社会復帰学級の中でも,生活障害を少しでもなくしていって,そして,本当に社会的に復帰して参加していく,そういう取り組みがぜひ必要だと思うのです。ということは,公共交通に乗ったりおりたり,それから近所のお店屋さんでお買い物をする。そして,時には映画を見たり,それから喫茶店でお茶を飲むと。もちろん,生活の基本でありますお料理を少しずつ自分たちでつくってみるとか,そういうことが本当に必要だと思うのです。
前置きが長くなりました。質問に入りますけれども,現在の社会復帰学級のプログラムの中で,どのようなものに取り組んでいらっしゃるのか。そして,当事者の方たちから喜ばれているプログラムには,どんなものがあるのか。
それから,いま一つ,地域の方との交流について,例えばボランティアの方とか町内会の方とか,そういう方との交流をどういうふうに進めていらっしゃるのか,各区の特徴があると思いますけれども,そういうことについてもお示しいただきたいと思います。そして,区によって参加状況が違うということについての原因と申しますか,そういうことについて,どういうふうにお考えになっていらっしゃるのかについてもお示しいただきたいと思います。
◎佐々木
保健衛生部長 まず,第1点目の
交通費助成でございますが,私どもといたしましては,制度を開設することが最も重要であると,こういうことで考えたものでございます。充実につきましては,先ほど来,大嶋委員,それから飯坂委員にもお答えをいたしましたように,この制度の開設に伴いまして,利用状況がどうなるか,こういうことの推移を見ながら,制度の充実に向けて努力をしてまいりたいなと,こう考えております。
さらに,通院医療にこの金額ではと,こういうお話がございましたが,私どもは,
精神障害者の方が通院の交通費にするだけとは考えてございません。病院に通われるのは
精神障害者の方ばかりではございませんで,もちろん健常者の方も病院に通いますが,その方に
交通費助成をしているわけではございません。私どもはむしろ,この手帳をより多くの方に持っていただきまして,
交通費助成の制度を開設したことによりまして,より多くの方が社会参加をする,また市のいろんな施設を割引で利用することができると,あるいは,先ほど委員のお話にありましたように,いろんな方との触れ合いができると,そういうきっかけにしていただきたい,その後の利用状況を見させていただいて,制度の充実に向けて努力をさせていただきたい,こうお話をしているところでございます。
2点目の
精神障害者の福祉計画についてでございますが,これまでの計画策定の経過と今後の見通しでございますが,昨年3月に,札幌市
地方精神保健福祉審議会による答申がありまして,この中で,計画に盛り込むべき施策項目について提言がなされております。その後,8月に庁内の関係する部課長から成る策定委員会及び専門部会を設けて,検討をしているところでございます。この間,9月に当事者や関係団体のご意見を伺う場を設け,さらに12月には在宅の
精神障害者を対象としたアンケート調査を実施しております。
今後の予定としましては,できましたら,今月中に札幌市
地方精神保健福祉審議会,先ほど委員のご指摘の委員会あるいは札幌市障害者施策推進協議会にお諮りをした上で,早期に計画として取りまとめたいと考えております。
次に,第3点目の各区におきます
保健センターの社会復帰学級についてでございますが,この内容といたしましては,調理実習やスポーツ,集団討論などのプログラムを通じて,基礎体力づくりや社会生活あるいは家庭生活への適応促進を目的として,実施をいたしているところでございます。
各区それぞれ歴史的な背景がございます,一律ではございません。確かに,人数については差異がございます。ただ,私どもは,各地区ごとに多様な形態があってもいいのではないかと,こう考えております。閉じこもりがちな方でありますとか,病院,デイケアや共同作業所などに何らかの理由で通えない方も対象としておりますので,地域との交流や活動も限定をされますが,地域ボランティアの参加や各区合同の野外活動なども実施しているところであります。
さらには,昨年4月に開設をいたしました札幌市の
精神保健福祉センターの技術的アドバイス等も得まして,連携をしながら,さらに社会復帰学級の充実に努めてまいりたいと,こう考えております。
以上であります。
◆佐々木[周] 委員 先に,1点目の交通費のことなのですけれども,先ほどのご答弁の中で,通院するのはどなたもとおっしゃいましたけれども,先ほど私が申し上げたのは,精神障害の方たちと申しますのは,回復者であっても通院が必要だということが大前提となるわけですよ。ですから,その辺のところをやはり配慮していただくのが,いい制度の創設につながるのではないかと,私は重ねて申し上げたいと思います。
ですから,今予算で来年度の数字が示されているわけですけれども,知的障害,身体障害の方たちとの差,それをより早い時期に一緒にできるというか,先ほど委員の方もおっしゃっていましたので,私は,これを強く要望しておきます。
それから,2点目の
精神保健福祉計画のことです。
先ほどのご答弁で,私が考えておりましたように,審議会または協議会に素案を示されると,そういうことに取り組まれるということは大変すばらしいというか,新たな札幌市の計画策定の動きじゃないかと思いまして,大変大きく評価したいと思うのです。そういう中で,ぜひよりよいものをつくっていただきたいと。
次に,もう一つ質問させていただきたいのですが,先ほど,アンケート調査をなさったということでした。本当でしたら,早い時期にアンケートをしていただいて,そして,その策定に反映されればというふうに思っていましたけれども,ぎりぎりの線でアンケートをなさったということは,本当によかったと思います。
そこで,質問なのですけれども,アンケート調査の結果,どのような特徴があったのか,そして,それをどう反映されようとしていらっしゃるのかについてもお伺いしたいと思います。
それから,3点目のもう一つの社会復帰学級の件ですね。
私も,先ほどのご答弁にありました,区によって特徴があるということは,もちろん,相談員の方たちのいろんな工夫によって行われているということで,すばらしいと思うのですけれども,先ほどのご答弁になかったのですが,いろんな区で,もっと多くの人たちが本当は参加したいと思っているかもしれない,そういう方たちのことも踏まえて,各区の取り組みについての事例研修と申しますか,そういうことをなさっているのでしょうか。そういうことを生かしまして,各区の取り組みの充実策を図っていただきたいと思いますが,現状と今後についてお示しいただきたいと思います。
それから,先日,私は,精神障害回復者の交流集会に参加してまいりました。そのときに感じたのですけれども,地域保健課の方で参加なさっていらっしゃるメンバーの方たちが,ともに顔を合わせる場があってもいいのではないかなというふうに感じましたが,そういうお取り組みをなさるお考えはないでしょうか,そのことについてもお伺いしたいと思います。
◎佐々木
保健衛生部長 まず,1点目のアンケート調査の結果と今後の反映でございますが,アンケート調査をいたしました結果,今後,充実を希望する施策などについては,特に,就労に関する希望が上位を占めておりました。さらに,基本的な制度でございますこの
精神障害者の手帳,それから通院医療費公費負担などに関しても「知らない」というふうにお答えになった方も見られましたことなどから,これらへの取り組みについて計画に盛り込みを図りたいなと,こう考えてございます。
それから,2点目の社会復帰学級におきます各区の取り組みにつきましては,それぞれ差異がございます。これは,先ほど申し上げましたとおりであります。ボランティアの参加あるいは内容につきましても,いろいろバラエティーに富んでございます。
ただ,事例検討につきましては,こんな事例も含めまして,一つの区の社会復帰学級あるいは
精神保健福祉相談員さんだけで悩まれたり,ご判断されるのではなくて,むしろ,先ほど申し上げました
精神保健福祉センターが札幌市に昨年創設をされましたので,ここで具体的に事例検討は進んでおります。七田所長のところで数十例が行われて,それが,各区でまた具体的な対応が図られていると聞いておりますので,さらにこれの今後に期待をしたいと思っております。
以上でございます。
◆佐々木[周] 委員 この点についての最後になります。
精神保健福祉計画の方なのですけれども,現在,障害者保健福祉計画が既にございまして,知的障害,身体障害,そちらの障害者計画がありますね。それで,その策定の後,今から3年前でしたか,国の方から障害者プランというのが示されまして,ある程度の,国レベルでの数値目標なんかも示されております。ですから,この機会ですので,この機会と申しますのは,衛生局と民生局がともになり,そして法律上も一緒ですので,機会をとらえまして,それを一体化させるということも必要ではないかと考えますが,その点についてのお考えを最後にお聞きしたいと思います。
◎佐々木
保健衛生部長 将来的には,三つの障害を含めた計画が一体となることが望ましいと考えております。
以上であります。
◆佐々木[周] 委員 それでは,大きな2点目なのですけれども,老人保健福祉施設内での事故についてお伺いしたいと思います。
老人保健施設は,高齢者保健福祉計画の中にも数値目標として掲げられておりまして,このところ,本当にすさまじい勢いと申してもいいくらいに施設が建ち上がっております。私の東区にも,この2年ぐらいで3カ所にもなったりしておりますけれども,本来,老健施設は,高齢者を医療から少しでもケアの方,福祉の方に近づけようという中間施設であるというふうにとらえているのですけれども,その状況が一体どうなのかという視点でお聞きしたいと思うのです。
まず最初に,現在までの老健施設の計画の進捗状況について伺います。
それから,私も幾つかの老健施設を見学したり,お話を伺ったりしてまいりましたけれども,本当に建物はすばらしいのですね。ホテルではないかと思うようなすばらしい建物です。そして,それぞれの老健施設の中で,特徴のあるいろいろなメニュー,私の知り得るところでは,例えば音楽療法を取り入れるだとか,それからペット療法を取り入れるだとか,新たな取り組みがそれぞれの施設の方で行われているというふうに聞いております。
けれども,その美しさというか,見かけとは裏腹に,私は,何件か,その中で転倒事故が起きているということを聞きました。そして,その扱いについても,転倒して傷ついている方をそのまま放置していたりとか,余りいいことは聞こえてこないわけですね。
私は,今回,転倒事故,それからそれに伴う骨折事故に限って伺いたいと思いますけれども,それらのことについて,これまで調査をしていらっしゃるのかどうか。いらっしゃるのでしたら,その数字などについてお示しいただきたいと思います。それから,その数字から,老健施設についてどのようなことを考えていらっしゃるのか,そのこともあわせて伺いたいと思います。
◎宮田 医療調整担当部長 1点目の老健施設の当市における整備状況,進捗状況についてでございますが,本市の高齢者保健福祉計画では,平成11年度末までに3,300 床を整備することとしております。現在,開設済みの施設が27施設,整備が決定しているのが3施設,それから,本年度,北海道整備検討委員会において開設が認められた3施設を加えますと合計33施設,3,131 床となっております。これは,目標値に対しまして95%の進捗率で,あと169 床を残すだけの順調な進捗状況でございます。
2点目の老人保健施設における転倒骨折事故の発生状況についてでございますが,昨年,衛生局におきまして,感染症とあわせて転倒骨折事故等について,市内の全施設について調査を行いました結果,過去1年間において,27施設中23施設において,合計77件の転倒骨折事故が発生しておりました。
家庭復帰を目指す高齢者に機能訓練や介護あるいは看護等のサービスを提供する老人保健施設においては,施設の性格上,入所者の行動を制限するということはなく,その自立を促して日常生活に向けた支援を行っておりますこととあわせまして,一般論として,高齢者は転倒すると骨折しやすい状況にあることを勘案しますと,転倒をした場合の骨折を皆無とすることは非常に難しいと思います。しかし,可能な限り回避されるべきであると考えております。
3点目に,この対策等についてのご質問にお答えいたします。
平成8年度から開催しております老人保健施設の連絡会議におきまして,本年度は,特に施設内での転倒骨折事故を議題としまして,先ほどの調査結果を報告しますとともに,各施設における転倒防止策の事例発表あるいは情報交換を行い,転倒防止の観点から,個々の入所者の身体状況等について再度判定して,必要な防止策を講ずるよう要請したところでございます。
今後,対応につきましては,同様の調査を継続することで,転倒事故の状況を把握しますとともに,その結果を施設に対して速やかに反映し,指導をしたいと考えております。
また,入所者と直接接します理学療法士,作業療法士,あるいは看護・介護に携わる各職種別の連絡会議も適宜開催するなどして,転倒防止策の充実に努め,施設サービスの一層の向上を図られますよう指導してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆佐々木[周] 委員 調査の結果,77件の骨折に至った事故が発生していると。施設内でも本当に多いのですね。90%ぐらいの施設であったということで,私は,この件数が本当に多いというふうに感じているのです。
ただ,今,お話がありましたように,調査もし,そして,それの対応策として連絡会議を設け,職種別のもこれからは考えたいと,そういうことでしたので,今後の取り組みに期待して,そういう事故が本当に減るように願っております。
それで,もう一つお聞きしたいのは,これからのサービス提供というのは,選べる権利としてのサービス提供ということが,介護保険のことだとかそういうことから,よく言われておりますけれども,こういうことにつきましては,公表と申しますか,情報公開ですか,そういうことをお考えになっておられるのかどうか。
というのは,例えば福祉施設などは,市民がその施設に求めていけば,その情報を出していただけると,国の方でもおっしゃっているわけですね。ですから,これからは,施設を選ぶための情報を求めてくる市民の声が大きくなると思うのですよ。ですから,こういうことについて,余り知られたくないということが施設自体にはあると思うのですけれども,やはり知らせて,そういう監視の目が市民にもあって,そして,よりよいケアの実態をつくっていくということも必要だと思いますが,今のご認識をお示しいただきたいと思います。
◎宮田 医療調整担当部長 サービスの提供等,その中には,恐らく,今,問題になりました施設内での事故防止策はどの程度やっているか等を含めた情報公開だと理解しますけれども,このことに関しましては,老健施設においても,1年に1回,実際に赴いて監査をしております。その中で,こういった事例についても調査し,また指導していくことになっておりまして,あえて事故があったことを公開するのが,果たして市民にとっていい情報なのか。それよりも,まず,今,我々の指導体制を強化していくことで,公開しなくてもいいかと思いますけれども,サービス等を選ぶということに関しては,その施設施設でどんどん公開していくべきものと考えております。
以上でございます。
◆佐々木[周] 委員 わかりました。
それでは最後に,代表質問でも取り上げました環境ホルモンにかかわることについてお伺いしたいと思います。
代表質問でお伺いしたときに,国の方の動きを見ながらというご答弁でした。しかし,これまでの厚生省のいろいろな施策を見てみますと,例えばエイズの問題にいたしましても,外国からいろいろな情報が入っているのに,それが市民に知らされなかった,そして,いろいろな市民活動などがあって,初めてそれが明らかになったと。そういうような状況もあることから,人体に影響があるかもしれない情報につきましては,国の動きを待つまでもなく,札幌市で独自の動きをつくっていくということも本当に必要ではないかというふうに考えております。
1番目の質問なのですけれども,先日のご答弁の中で,国の方の環境ホルモンについての対策なども見きわめながらということでしたけれども,今現在,どのような対策を講じているのか,国の方の状況をお示しいただきたいと思います。
それからまた,そのような情報をリアルタイムで市民の方に的確に知らせることも必要かと思いますけれども,そのことについてのお考えもお示しいただきたいと思います。
◎佐々木
保健衛生部長 ダイオキシン類の問題につきましては,現在,国では,厚生省,労働省,農水省,環境庁の4省庁から成るダイオキシン類総合調査検討会を設けて,総合的な検討を行うとともに,各省庁において,部門ごとの調査検討を行っているところであります。
厚生省といたしましても,平成9年度から,ダイオキシン類の母乳や食品の含有量や人への暴露状況の調査を開始し,その結果を平成10年度から11年度にかけて公表または中間報告をする予定と聞いてございます。
2点目の市民への情報提供でございますが,本市といたしましても,ただいまのような国の調査結果が得られ次第,いろんな機会をとらえて市民に情報の提供をしてまいりたいと考えております。
以上であります。
◆佐々木[周] 委員 環境ホルモン全体のことについては,できるだけ,国の動きより先に取り組んでいただきたいと思いますが,さきの代表質問と同じご答弁かなと思いますので,これはこれで置いておきます。
2点目に,ポリカーボネート食器類にかかわることについての質問をさせていただきたいと思います。
昨年9月9日に東京都が行った食器,用具や容器,包装類の検査の中で,ポリカーボネートの食器からビスフェノールAが検出されました。ポリカーボネートの食器というのは,乳幼児がとても喜ぶ,例えばスヌーピーの絵がついているような食器類に多い,それから,哺乳瓶なんかにも利用されているというふうに聞いておりますけれども,東京都の調べでは,国が定めるビスフェノールAの基準値の500ppmを大きく上回ります960ppmだったということで,大きな問題になったわけです。
このビスフェノールAというのは,体内に取り込まれると,女性ホルモン,エストロゲンに似た働きをしたり,それから,男性ホルモン,アンドロゲンの働きを阻害する化学物質の一種であるということがわかっております。
子供たちは,そういう化学物質の影響を一番受けやすい,そういう状況にあるということから,こういう化学物質のことについては,より敏感に対応しなければならないというふうに私は考えております。
これに関しましては,その食器の製造元が大阪市にあったということで,大阪市の方がその製造元を通じて食器類の検査をしたところ,やはり同様な結果だった,そういうことにつながりました。そして,それが国の方にも伝わりまして,昨年10月3日に全国の自治体に対して,流通の監視,それから違反品が発見されたときには回収・廃棄の措置をする,それとともにポリカーボネート製品の溶出試験をするようにとの通達が出されております。この通達をいただきまして,ここにございますけれども,そのような通達が出されました。
そこで,質問なのですけれども,ポリカーボネート製品の本市の流通状況及びその回収,またはその後の取り組みについて,具体的にお示しいただきたいと思います。
また,10月3日に出された通達で,ポリカーボネート樹脂製器具についても溶出試験を実施するよう留意されたい,こういうふうに書いてあるのですけれども,その試験についてどう対応なさったのかも,あわせて伺います。
◎福井 生活衛生部長 ビスフェノールAの違反容器の流通状況でございますけれども,委員が言われましたとおり,東京都におきまして,昨年秋,違反として見つかり,それが大阪の業者であったということから,ことしの2月に大阪においても違反ということで確認されて,回収されております。
札幌市におきます流通状況についてでございますけれども,当該品の一部が本市に流通しておりましたので,販売業者に対して,大阪の製造業者に返品するよう指示しております。
また,今後,このような食器が流通することのないように,保健所におきましては,大型スーパー,小売店などの販売施設に対しまして,監視指導を強化しているところでございます。
2点目の食器に含まれるビスフェノールAに関する本市の検査でございますけれども,
食品衛生法上,違反,不良な食品及び容器等が流通しないように,各種の検査を実施しております。ビスフェノールAにつきましても,
食品衛生法で定めるポリカーボネート樹脂製容器の規格基準に含まれておりますので,今般,大阪市で違反品が発見されましたことから,今後とも,これらの容器,食器類の検査を一層強化してまいりたいと考えています。
以上です。
◆佐々木[周] 委員 今のご答弁でちょっとわからなかったのは,試験をしたのかどうかということなので,それについて再質問させていただきます。
その後,2月26日付の通達がありまして,それに伴う事務連絡という形だったのですけれども,3月末までに,回収状況だとか,それから検査の結果どうだったのかというようなことも指示されていますね。ちょっと読ませていただきます。
2月26日,本日から本年3月末までの収去検査等の実績を4月7日までに当課あてに報告いただくようというふうになっておりまして,検体の買い上げ件数だとか,試験検査件数だとか,違反件数が何件だったとか,そういう細かいことについて報告せよというふうに指示されておりますけれども,それに対して,どう報告することになっていらっしゃるのかということについてお伺いいたします。
◎大川 生活環境課長 委員のご質問,ただいま,厚生省から2月26日から3月末までのということでございますが,この間に収去検査等の予定があれば報告をせよということでございまして,各自治体にありましては,検査等の予定が変わっている場合もございます。その場合,この期間を外れた後に検査したものは,その後に報告ということで,厚生省から指示をいただいておりますので,札幌市としては,現在の予定としては,この時期より若干外れた時期に検査を行いたいというふうに考えております。
以上でございます。
◆佐々木[周] 委員 ただいまのご答弁だと,予定について知らせるようにというふうにおっしゃいましたけれども,私の手元にある通達というか事務連絡には,「予定」とないのですが。
◎大川 生活環境課長 2月26日から3月末までの間に収去検査の予定があるもので,実施をしたものについての報告でございますので,今,ご答弁申し上げたとおりでございます。
◆佐々木[周] 委員 そういうのが,市と厚生省の間にあるのですね。わかりました。
それで,次の質問に移りたいと思います。
1点目にいたしました環境ホルモンということで,このごろ大変話題になっておりまして,市民の間にも情報がいろいろありまして,子供さんを育てていらっしゃる方を中心に,不安を抱えていらっしゃる方が多いかと思います。
このことにつきましても,各自治体で,今,議会中ですし,いろいろ取り上げている状況がマスコミ報道などでもあったわけで,私もそれを調査しておるところです。
そこで,環境ホルモンについて,先日の代表質問で申しましたときに,国の方でもまだはっきりしていないというような,だから,市としては環境ホルモンであるかどうかということについても,そこまでは踏み込めないというふうなことだったかと思うのです。
そこで,質問なのですけれども,今申し上げましたビスフェノールAというのは,例えばダイオキシンやそのほかの物質とともに環境ホルモンの一種であるというふうに挙げられております。環境ホルモン物質であるかどうかの判断は別にいたしまして,まず,ビスフェノールAが環境ホルモンの一つに挙げられているということについて認識されていらっしゃるのかどうか,それについてお聞きしたいと思います。
それはなぜかと申しますと,東京都議会の情報によりますと,国の動きを受けまして,既に環境ホルモンを調査すると。それから,新年度から監視強化もする,そして,ただいまも私が取り上げております環境ホルモン物質が原料として使われているポリカーボネート製品について,哺乳瓶,学校給食器などにも使用されているから何度も煮沸しての検査が必要ではないかというふうに言っているわけです。そして,東京都の衛生局長も,カップめん容器も含めて,微量な溶出物の調査を行うなど実態把握に努めると,調査を行うと言っているのですね。使用実態に即した,より詳細な検査を実施するというふうに,全面的にその調査をするというふうに言っているわけなのです。
それから,今,道議会が開かれておりますけれども,昨日の質問の中で,北海道の方も,国の方が環境ホルモンについて調査検討を始めたということを受けまして,今後は,環境ホルモンに関する治験の集積や情報の収集に努め,得られた情報については,環境白書,インターネット,広報誌などを通じて,道民の方々に広く提供していきたいと。さらに,環境ホルモンにかかわる,国が実施を予定している調査研究に協力するとともに,化学物質による環境への影響をできるだけ低減させることが大切であるので,環境ホルモンと考えられている化学物質を使用した商品の,道における使用については,直ちに実態を把握して,それを踏まえ,できるだけ早い時期にその対応方針を得てまいりたいと,この答弁書を私は手に入れまして調査いたしましたけれども,やはり素早い対応をしているわけです。
ですから,ちょっと回りくどい言い方をしましたけれども,ビスフェノールAが環境ホルモンの一つであると,そういうことが前提ではないのだけれども,調査をすると,今,おっしゃいましたよね。ですから,それについて,環境ホルモン全体のことについても,例えば,今,
衛生研究所の所長さんもいらしていますけれども,衛研サイドででき得るものがあれば,その調査を積極的に進める,そういうようなことをお考えいただくのが,札幌市民の安全な,そして安心できる生活を進めていく行政としての役割ではないかと考える。そういうことから,そのことについてもう一度,先ほど言ったように,ビスフェノールAが環境ホルモンの一種であるというふうなことを認識されていらっしゃったのかどうかが一つ。
それから,市としても,でき得る限り調査をしていく,そういう姿勢にあるのかどうか,それについて,できれば助役,それでは,急にあれですので,局長,できればそのことについてご答弁いただければと思います。
◎上村 衛生局長 お答えいたします。
ご指摘のビスフェノールAにつきましては,今回,
食品衛生法の適用の有害物質ということで指摘されましたので,環境ホルモンに限らず,
食品衛生法の有害物質の一つとして,あってはならない問題だと認識しております。
2番目の本市における独自の調査でございますが,先ほど来,佐々木部長からもお答え申し上げましたとおり,国は4省庁が中心となりまして,ダイオキシン類及び環境ホルモンに関する総合調査検討会議をつくり,大々的な調査と検査をやろうとしております。
その中で,我々は地方自治体として,その調査研究に協力することはやぶさかでございませんが,今,これからやろうとしている専門家を集めた会議の中でも,どのような検査及び標準検査体制を整備していくかということを検討中,あるいは,これから検討して結論を出すと聞いておりますので,それらの結果を見ながら,私ども札幌市としての対応を考えていきたいと。今,独自に調査することは難しいと考えております。
以上でございます。
◆佐々木[周] 委員 先ほどの質問は,環境ホルモン物質の一種であるのを認識されていたのかどうかというふうにお聞きしたのです。今のご答弁だと,大川課長がおっしゃったのと同じご答弁なので,その点につきまして,認識していらしたのかどうか。
先日のご答弁をいただいたときに,環境ホルモンの一つであることが認識されたかどうかということについてお聞きしたいと思います。
◎上村 衛生局長 今,社会的な問題になっておりますダイオキシン類を含めた環境ホルモンについては,まだよくわかっていない部分がたくさんあろうかと思います。
ダイオキシン類の異性体だけで210 種類くらいあると言われておりますので,ご指摘の物質についても,当然,環境ホルモンの一種でございますし,私どもの知らないもの,まだ知り得ないもの,あるいは知っているけれども勉強不足でわからないもの,たくさんあるのだと思います。その一種だと考えております。
以上でございます。
◆佐々木[周] 委員 これは,外国での取り組みがあったり,それから雑誌が発行されたりして,そのことから,国民というか,市民レベルでいろいろ勉強会をしたり,そういうことで情報の収集はしておりますけれども,自治体独自の,例えば衛生局で管轄していらっしゃいます「キッチンメール」,あれもいい情報体だと私は考えているのです。そして,放射能汚染物質の調査の結果だとか,そういうことを出していらっしゃいますよね。ですから,そういうものを含めまして,やはり不安にこたえる必要があると思うのです。
ですから,先ほども申しましたけれども,今ある情報だけでも知らせる。そして,まだはっきりはしていないのだけれども,こういうことも国では始めましたよとか,不確定というか,まだ結果は出ていなくても,今進めているというか,そういう情報もぜひ市民に向けて広報していただけるように要望いたしまして,終わらせていただきます。
○柿崎 委員長 ここで,おおよそ20分間,委員会を休憩いたします。
──────────────
休 憩 午後3時50分
再 開 午後4時11分
──────────────
○柿崎 委員長 委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き,質疑を行います。
◆道見 委員 私の方から,3点ほど質問をいたします。
第1点は,平成10年度予算計上されておりますがんの検診費について,まず1点質問いたします。
がんについては,成人病の死亡の第1位で,成人病で死ぬのが6割を超えて,そのうち,がんは20%台というのですから,その比率からいけば,がんにかかる率は,ここにおる方もみんなひとしく,それに直面するかもしれません。
しかし,一方において,がん検診のあり方というのは,私は,前に特別委員会で,近藤 誠氏の「がんと闘うな」という本と,一方においては斉藤 建氏のがんと闘えという内容の本を披露してお話しした経過がありますが,厚生省も平成10年度から,がん検診についての見直しの方向づけをしております。がん検診を今度から地方交付税措置,一般財源化していくということで,地方公共団体によっては,自主性に任されるというのですか,そういう状況になる。
私は,時代背景からいって,健康に対する認識は非常に高まっていると思っております。それは,企業においても,社員の健康診断というのはもちろんやっておりますし,また,地域においても,健康というものに対する認識,社会背景からいくと──がん検診は,平成10年度,7億7,705 万8,000 円となっておりますが,このうち交付税措置が幾らになっているかわかりませんけれども,単費は恐らく5億近く負担してやるのだろうと思います。
私は,がん検診は行政がやってくださいと,そういう時代背景が成熟して,市が率先して旗振りしなくても,市民の意識の中で,健康管理をしていくということは,もう行き渡っているのではないかと。ですから,そういう時代背景からいけば,がん検診というものは,将来,廃止していってもいいのでないかなと。伝染病だとかいろんな社会的背景で,行政が責任を持たなきゃならない分野は,国も地方も責任を持ってやらなきゃならぬと思いますけれども,これは,個々の健康管理だと,市民一人一人に意識を預けるべきだと,それだけ成熟していると,行政の役割として十分啓蒙されてきたと,こういうことで,将来,がん検診を廃止の方向で見直しをしてみたらどうかと,そのお考えをまずお聞きをいたします。
第2点目は,健康に関する生活習慣改善費の関係であります。
まず,5,500 万の予算を計上していますが,一方において,市民の健康というものを市としてもバックアップをしていくということで,すこやか健診などをやっているわけですが,まず,現状認識として,一部,飯坂委員の質問にもお答えしておりましたが,すこやか健診の受診は,最近,どのような動向になっていっているのか。
そしてまた,生活習慣改善の相談は,どのような方法で,具体的にどのような実施状況になっているのか。
それから,5,500 万の生活習慣改善指導費の中身,平成10年度,行政の中でどのようなことをやろうとしているのか,その辺をお聞きします。
最後,3番目は分煙のことについてお伺いいたします。
たばこの件については,最近は社会的に喫煙者,非喫煙者の環境をつくろうという動きが非常に広がってきております。
それで,本市としては,今現在,公共施設内におけるたばこの実際の分煙状況がどのようになっているのか。
それから,もう一つ,分煙化というのは,喫煙する者もしない者もそれぞれが気持ちよく,職場でも,あるいは,市民に公共施設を利用してもらうという観点からいけば,衛生局としては,分煙化というものの方針をきちっと定めて,具体的に市民なりあるいは公共施設に対応していく必要があるのではなかろうかと,私はそう思っております。
東京都は,既に分煙化推進計画というものを実施して,平成12年までに,3,000 に上る公共施設に対して,環境整備,健康の増進という観点から分煙という問題を,都民あるいは東京都の区職員,職場においてそれを啓蒙しようとして具体的にやっております。
そんなことで,本市も,健康という観点に立って,今後,実施していくお考えがあるのかないのか,現状と将来についてお聞きします。
以上です。
◎宮田 医療調整担当部長 最初の1点目と最後の3点目について,私の方からお答えいたします。
がん検診についてでございますが,がん検診は,平成10年度から,これまでの国庫補助金から地方交付税に切りかえられることになりました。これについては,厚生省の説明によりますと,がん検診事業は既に地方の事務として定着しており,地方交付税に転換することによって,より地域の実情に応じた検診を行うことができるようになるということで,地方分権の方向性とも合致したものであるとされております。
この財政上の取り扱いの変更が,検診制度にどのような影響を及ぼすのかを現時点で具体的に申し上げることは困難でございますが,がん検診が市民の健康管理にとって重要な役割を果たしてきたこと及び市民に定着した検診であることを考えますと,財政上の措置は別としましても,がん検診は,本市にとって継続する必要のある重要な事業であると理解しております。
それから,3点目の分煙についてでございます。
公共施設における分煙対策についてでございますが,国では,平成7年に
公衆衛生審議会から意見具申された,たばこ行動計画に基づき,公共の場所における分煙のあり方を検討する委員会を設置し,平成8年3月には,分煙を推進するための指針の一つとして報告書を取りまとめております。
本市におきましても,市民の健康を守る上で公共の施設における分煙の対策は必要と考えており,これまでも国の報告書の内容を含め,公共施設の管理者に対しまして周知を図ってきたところでございますが,各施設の具体的な対応につきましては,それぞれの施設の実態に応じて取り組むべきものと考えております。
以上でございます。
◎佐々木
保健衛生部長 お尋ねの2点目の
生活習慣改善相談事業について,2点お答えを申し上げます。
生活習慣改善相談事業は,医療機関ですこやか健診を受診された市民のうち,指導を要するとされた方々を対象といたしまして,平成9年度から,各
保健センターで実施している事業でございます。
平成9年12月末までのすこやか健診,これは生活習慣相談事業の前提となるすこやか健診の受診者でございますが,8年度の同時点と比較をいたしまして,5,347 人増の4万220 人となっております。昨年10月にすこやか健診の札幌医師会への全面委託後は,特にこの増加傾向が顕著でございます。
次に,
生活習慣改善相談事業についてでございますが,医療機関の医師によって,
保健センターでの相談が必要と認められた方は,昨年4月から12月までの9カ月間で1万3,038 人であり,このうち,実際に
保健センターで相談を受けられた市民の方は3,097 人,相談来所率は23.8%となってございます。
続いて,10年度の予算内容でございますが,
生活習慣改善相談事業の総額は5,531 万2,000 円となっておりまして,その主たる内容といたしましては,医療機関が要指導者に交付する連絡書発行に要する委託料が約1,500 万円,
保健センターで相談業務に従事する臨時栄養士等の賃金や手当などが約3,200 万円,残りの800 万円が当該事業のパンフレット等の印刷代,郵送料となってございます。
以上でございます。
◆道見 委員 分煙のことについては,実態に応じてやっていくというのが現在の市の方針だと,こういうことですから,私は,別にこれに固執するわけではありませんけれども,喫煙する側も,それから喫煙しない人も,気持ちよく生活してもらうということが大事だと思うのです。
ですから,市の基本的な考え方はこうなのだと,だから,労働省も指針を出しておりますけれども,公共施設なりあるいは民間においても,こういうような中で職場環境などをつくっていく,実態に応じてというのは自主性に任せるというのか。またそれもいいのかもしれないけれども,そうやると,例えば,この庁舎でいうと,衛生局は分煙化に認識があるからやっていると,その上はそういうふうになっていない,その上はそうなっているというのは不自然だと思うのですよ。金のかかる話も一部ありますけれども,私は,健康増進という観点からいって,たばこを嗜好品として楽しまれる方にはゆっくり楽しんでもらえばいいし,そういう人たちを排除するという意味でも何でもないわけです。
別にこだわるわけじゃないですが,健康の増進という指針からいったら,そういう方針を市としてとられて,徹底して,公共施設なりそういう面で目標を定めて,東京都は平成12年までというふうに目標を定めてやっていますけれども,別にそれに右倣へとは言いませんが,私は,そういうことが必要ではないかなと,こういうふうにつけ加えておきます。これ以上,議論はしません。
がん検診の必要性は,ないよりあるのがいいことは決まっているのです。ただ,これだけの緊縮財政の中でやっていくには,一般交付税を受けても,多分,これは5億ぐらいの単費の持ち出しになるのでしょう。この5億というのは,私は大変な金額だと思いますよ。ですから,健康の認識の度合い,社会背景からいったら,全く個々の健康管理にゆだねても,市が健康に対する責任を放棄しただとか,市が無責任だとか,そういうことには至らないと思うのですよ。
ゆえに言っているのであって,平成10年は予算にのっているから大いにやっていただいて,将来,きちんとそこら辺を,今までやっていたからやらなきゃならないのだというような観点から,もっと突っ込んでいただきたいと,こういうふうに要望しておきます。これ以上,議論いたしません。
次に,生活習慣改善費のことなのですが,私は,この件についてもうちょっと突っ込んでみたいと思います。
国も,おととしの10月ですか,成人病の呼び方を
生活習慣病として改めました。私は,これは行政としては大変な革命だと思っているのですよ。成人病を
生活習慣病だと厚生省が認識したということは,大変なことだと思うのですね。宮田先生も,いろんな病気が食事からくるなんていうことは,恐らく9割は信じていないだろうと,勝手に推測していますけれどもね。生活習慣を変えることによって,多くの成人病が改善されていく,治癒されていく,健康増進になっていくということは,厚生省もわかったわけなのですよ。
医療行政の投薬だとか,過剰医師のそういうことだとか,政府も過疎の医療対策のために医師をどんどんつくっていったと。この世の中,医師も病院もたくさんつくっていったけれども,病気と患者は減らないのですよ。札幌市は,全国の代表ですよ。国保が赤字だと。それだけ医療費にかかっているから赤字になるわけですけれども,生活習慣改善費は,医者に対する委託,
保健センターから回っていく委託だとか,栄養士さんの人件費で3,200 万,その他パンフレットなど,合わせて5,500 万だと,こういうふうに言っている。
私は,本当に本市が市民の健康を積極的に改善しようと思ったら,食事と運動と心と,食・動・心というふうに言われますけれども,
保健センターの活用が将来計画の中に確立されていきますから,そういう面では大いに役立つ。食事も大事,運動も大事,心の面も大事だけれども,特にその中で,本格的に,市の健康増進という観点から食事の面を取り扱うことによって,健康に対する医療費の大変な貢献にもなっていくと,こういう観点から話すわけです。
実は,こういう例があるのですよ。これは,大分古い,日露戦争の話。日露戦争の出役の数が延べ110 万人と言われているのですね。そのうち,かっけの患者が21万人,かっけの死亡者が2万7,800 人,二百三高地の死亡者が1万5,000 人というのですから,その戦死者よりも,かっけによる死亡者がその倍いるわけです。これは,陸軍におけるかっけ病なのですね。一方,海軍は,かっけによる死亡はほとんどなかったのですよ。
この違いがどこにあるか。これは有名な話。陸軍は,兵隊が白米を食べたいということで,みんな銀シャリですよ。陸軍の軍医は森 林太郎です,いわゆる東大医学部の森 鴎外ですよ。このお医者さんはドイツ医学の最先端をいっている。お医者さんにそんなことを言うのは,説教みたいに聞こえるかもしれないけれども,しかし,海軍は,ご存じのように高木兼寛です。この方は,イギリス医学。陸軍では2万7,800 人もかっけで死んだけれども,海軍はほとんどいなかった。
どこにその原因があるかと調べたら,何ということはないのですよ,麦飯を入れて食べさせただけのことなのです,白米じゃなかった。そのころは,ビタミンというものが学問的に発見されていないから,ドイツ医学ではコレラ菌だとかが発見されて,ドイツ医学盛んなときだから,だれもが寄ってたかって高木兼寛の意見を抹殺したのですよ。医学の世界においては,たったそれだけの食生活習慣で,2万7,800 人の命があるかないかの差が出るのですよ。
これの臨床が,またさらに明治16年までさかのぼると,あるのですよ。勝 海舟が海軍をつくったその話まではいかない。海軍をつくったその後,明治16年に,できたばかりの日本の海軍がニュージーランドに向けて出航したのですよ。竜驤という名前の軍艦が272 日間航海して,そこには378 人が乗船しておって,169 人がかっけになって,23人が死んだのですよ。なぜ死んだかということを,その当時はわからなかったから,それを立証するために,高木兼寛初め,また実習船を出して,それを臨床証明したのですよ。お医者さんだから,この歴史はご存じでしょう。知らない,これは大事な話なのですよ。最近は,高木兼寛を知らない医者がふえてきたことが,不幸なのですよ。
それで,本論に戻すよ。食生活の習慣の違いによって健康に大きな差が出てきて,それで医療費がかさむ,病気がふえ,病人がふえて死んでいって,何ぼ医者をふやそうが,病院をふやそうが,4万5,000 ベッドあっても,札幌が一番医療費のかからない健康都市になんかなっていませんよ。このことは,大長助役が民生局のときに,私は質問したことがある。何ぼ信号機をふやして交通事故をなくそうと言ったって,ドライバーを直さない限りは無理なのですから,それと同じように。
それで,私は,食習慣というもの,特に健康に関する食と運動と心の中で,食に起因するものということに大きく着目して,生活習慣改善としてがん検診の5億があるのであれば,ここに5億を突っ込んで,予防医学においてどうやって本市が市民に対して啓蒙していくかと。
今の
子供たちは,どういう食事をしているか見てくださいよ。岩手大学の名誉教授の大沢 博という教授が調査しているのですよ。
親を殺した,そういう子供の生活を分析したら,共通して三つあるのです。一つは,清涼飲料水をリットル瓶で飲んでいるという異常,単なる缶じゃなくて。二つ目は,動物性脂肪の過剰摂取,朝から晩まで,肉,ハム・ソーセージ。3番目は,加工食品のスナック菓子だとかインスタントとかそういうもの。この三つが共通。その結果,どういうふうになるか。低血糖症になって,いらいら病ですよ。だから,キレルのですよ。そんなのが食事からくるということは,現代の医者はわかっていないのですよ。うちの医者のお2人はわかっているよ。
けれども,この認識が本当にあるのであれば,厚生省が100 年の歴史を変えたのですから,
生活習慣病はこういう予算じゃなくて,さらに今後は補正予算でもつけて,今はこの予算を通して,本当に
生活習慣病として,成人病予防,子供から大人までどうしたらいいか,教育委員会とタイアップしてということは,前回の特別委員会で私は言ったけれども,そういう対策をどうやってやるのか,このことが衛生局内部にしっかりとした指針としてあるのかどうか,ここが大事なのですよ。これがなければ,さっき言った5,500 万の,この程度の色合いの予算しかつけないし,この程度の考えにしかならないのですよ。
今,私の言ったことに対してどう評価しているのか,そして,今後,私の話からどのように考えていったのか,それをお聞きしたいと思います。
◎佐々木
保健衛生部長 本市では,昨年4月から,
生活習慣改善相談事業を始めたばかりでございます。新しい1保健所10
保健センター体制の中で,すこやか健診のフォローアップ事業として開始をしたばかりで,制度としては緒についたばかりであります。
ただ,私どもとしましては,ただいま委員ご指摘のとおり,
生活習慣病が個人の長年にわたる食生活,運動習慣,飲酒,喫煙などにより主として中高年期に引き起こされる疾病とされておることについては,十分認識をいたしてございます。
そういう意味では,今後,
生活習慣病の一次予防対策を衛生局といたしましても徹底をいたしたいと,こう考えておりますが,その場合に,中高年層ばかりではなくて,今,委員ご指摘のとおり,乳幼児あるいは青年期を通じた一貫した指導・啓蒙対策が,今後,特に重要になってくると,こういう認識は持ってございます。既に,小・中学校におきましても,学校健診のときに,要指導児に対するフォローとして,栄養士や養護教諭が共同して個別指導しておりますし,また,夏休み期間中に親子で
保健センターの指導を受けるなど,教育委員会,衛生局,相互の連携をとった対策をとっているところでございます。
また,各区の
保健センターでは,乳幼児健診や各種の健康教育におきまして,特に,若い母親に対しまして,
生活習慣病予防に向けた指導を行ってきておりますが,今後は,児童・生徒の健康管理を所管する教育委員会や児童家庭部などの庁内部局や医師会等の関係団体との連携を一層強化をいたしまして,幼児期から
生活習慣病の一次予防対策を本市の
健康づくりの柱として強力に推進をしていきたいなと,こう考えてございます。
以上であります。
◆道見 委員 佐々木部長のご答弁のとおりなのです。それに対しては,何の反論もありませんから,そのとおりです。
ゆえに,やはり具体的にもっと,今,私の言っているのが100 としたら,この予算は1ですよ。ゼロとは言わない。現実の問題として,先ほど言ったように,何も青年期の問題だけじゃなく,成人病予備軍が小学生は25%だというのですから,大変な実態なのですよ。こういう実態をどれだけ我々が真剣になって認識するか。
私は,そのことを組織立てて思い切ってやれば,札幌市の医療費は見事に減っていくと。年間30兆の医療費は五,六兆円ぐらいに下がってきますよ。多分,信じないでしょう。実際問題として,そういうことなのですよ。私は,何も空論を言っているのではない,体験,実践上から言っているのですから。何だったら,うちのクリニックにでもご招待して,研修でお医者さんを預かってもいいですよ。
宮田部長,あなたはお医者さんですから,私は,次の市立病院のときもまた同じような話をしますけれども,全市挙げてそのことをぜひ具体化してもらいたい。
きょうは,この程度にしておきます。
◆伊与部 委員 私は,さらに現実的な話で質問をいたしたいと思います。
私は,伝染病の隔離病舎はもう要らないのではないかと。しかし,伝染病予防法というのが現存している限り,伝染病隔離病舎は設置していなければならない,そう法律に定められている。しかし,現実的には,戦後,伝染病というのはだんだんだんだん減ってきて,今の社会では法定伝染病なんていうのは極めて少なくなった。
私は,市立病院の方で質問しようとしたら,病舎は衛生局の行政財産なのですね。ですから,病舎については,衛生局の行政指針として,今後,どうあるべきかということを衛生局が判断しなきゃならぬ。すなわち,市立札幌病院の南ヶ丘分院は,過去さかのぼって5年間にしましょうか,年間どのぐらい伝染病患者が入院して治療を受けているか,まず冒頭,そこから答弁してください。
◎濱中
保健衛生部参事 伝染病患者隔離病舎における,ここ数年間の法定伝染病患者の入院状況についてのご質問でございますが,過去5年間の平均入院状況といたしましては,この施設の60床の病床に対しまして,真性患者,疑似患者合わせまして,年間約22名の方が平均約1週間入院をいたしている状況でございまして,その大部分は赤痢患者でございます。
以上でございます。
◆伊与部 委員 年間わずか20名から22名で,主に赤痢患者。財政局の課長がいるから,私の数字が間違っていたら修正してください。それに費やす費用を調べましたら,平成8年度の決算では3億6,591 万6,971 円,平成9年度の予算では一般会計から8億6,800 万円出ているのですが,そのうちこの病床に対して約3億8,500 万円。それから平成10年度の予算では,企業会計の予算説明書の7ページに,6億2,800 万余の一般会計からの負担金が出ている。調べたら,そのうち約4億円,財政課長,この数字で間違いないですか,首振ってもいいから。首を縦に振ったから,間違いないと思いますが,そんなことで,22名に対して,ことしの予算では4億円です。伝染病予防法がなくなったら,これは必要ない。
そこで,またさらに突っ込んでいきますが,局別施策の概要の124 ページを見ますと,22名というのが一遍にぼんと入ってきてずっと長期間いるわけでない。1年間のうち,いつ入ってくるかわからない。入ってきたら,1週間ぐらい治療して出ていく。そうすると,60床は相当,空床の期間がある。調べたら,一般の診療をしてもいいと,ただし,入院は60床のうち半分だから30床,外来を受け付けてもいいと,こういうふうになっているわけです。そこで,先ほどの局別の概要の124 ページに,1日平均の患者が,入院10人,外来20人,こういうふうになっているのですね。いろいろ調べましたら,要するに伝染病の隔離病舎ですから,一般の患者が出入りしたら,あの人は伝染病にかかったのでないかと,そういうふうに見られたら恥ずかしいだとか,そこに入院していたらまた恥ずかしいだとかと,そういう心情的なものがどしっとのしかかっていることは事実。
ですから,1日10人,それから外来20人ということになっているのですが,そこで,この病舎には何人勤めているか。お医者さん,看護婦さん,それから薬剤師,レントゲン技師,臨床検査技師,事務職員,全部合わせて33人。入院患者と外来患者が合わせて30人。病院のお医者さんはたった2人ですけれども,看護婦さんは18人,それからまた非常勤の看護婦さんも1人いる。全部含めて33人で,1日30人を診ていると。それで,一般会計から4億円出している。毎年,上がっていっている。だれが聞いても,だれが見ても,これはちょっと現実離れしているのでないかと。だから,私は,伝染病の予防法を即刻改正すべきでないかというふうに前から思っていました。
そこで,最近,何かの動きが出てきた。私のところにも資料がありますけれども,具体的には参事の方からお答え願った方が共通の認識が深まるから,ぜひひとつ改めて詳しく,伝染病予防法の改正の流れはどういうふうになっているのか答弁してください。
◎濱中
保健衛生部参事 それでは,お答え申し上げます。
伝染病予防法の改正の概要と国における改正手続の日程等についてご説明申し上げます。
伝染病予防法改正に関しましては,去る2月10日付で厚生省結核感染症課から事務連絡が送付されておりますが,それによりますと,平成11年4月より,従来の伝染病予防法が,仮称でございますが,感染症予防法に改められるとともに,これまでの伝染病のほかに,エイズや性病などの感染症についても対象といたしまして,感染力や症状等により四つのグループに分類いたしまして,入院等の措置が規定されること。さらに,従来の市町村における隔離病舎等の設置義務規定にかえまして,感染症指定医療機関を厚生大臣または都道府県知事が指定することに改められるというものでございます。
法改正手続の日程等につきましては,去る2月3日に仮称感染症予防法案の制定要綱を
公衆衛生審議会に諮問いたしまして,同月10日に同審議会より諮問案どおり了承する旨の答申があったということでございました。さらに,今後の予定といたしまして,3月上旬に法案を国会提出予定であるとのことでございました。
その後の経過を厚生省に確認いたしましたところ,一昨日の閣議におきまして,法案を今国会に提出することが了承されたということでございます。
以上でございます。
◆伊与部 委員 私が前から思っていたとおり,現実には,市町村で隔離病舎は設置義務の必要がないという法案が閣議で決定されたと,そういうことですね。そうすると,随分手回しがいいといいますか,2月3日に制定要綱を
公衆衛生審議会に諮問して,10日に審議会がそれでいいよと。これは,すごい審議会だなと思った。1週間で結論出したというのは,国にしては珍しい出来事かなというふうな感じもいたしますが,それはいいことをやったのだから褒めてやりましょう。
いずれにしても,この法案が国会に提出されたら,今までの経験からいうと,先ほど参事がお話ししていたように,11年4月から,伝染病予防法が改正されて,そして隔離病舎は市町村に設置する義務がなくなると,こういうことになるわけですね。
そして同時に,私は,ここに資料として持っているのですが,先ほども参事が言いましたように,その後は,感染症指定医療機関を厚生大臣または都道府県知事が指定する,こういうことなのですよね。だから,札幌にある伝染病の隔離病舎はなくなって,あとは知事だとか大臣が,この医療機関を指定します,そういうふうに言えばいいのだということになるわけですね。
そこで,局長,こういう厄介なものは札幌市には必要ございませんので,知事が指定するのだったら,医大病院だとか,道立病院だとか,知事が掌握しているところに指定すればいいのであって,市立病院は赤字があって困っているのに,市立病院を指定しますなんて知事に言われたら,とんでもないことだ。したがって,早急に手を打って,厚生大臣から堀知事に対して,桂市長の名前で,札幌の市立病院,その他関係する札幌市立の医療機関については,感染症の隔離病患者はご遠慮しますと,私は,知事に早く要望した方がいいのでないかと。道の責任で,医大だとか,道立病院だとか,安心して対応できるような医療機関を指定してもらうと。札幌市内にはたくさんあるわけですから,そういうところを指定してもらった方がよろしいのじゃないかというふうに思いますが,いかがですか。
◎上村 衛生局長 お答えいたします。
知事が指定することとなります感染症指定医療機関につきましては,委員のご提言の趣旨を踏まえまして,全道的視野に立った広域的な判断のもとに適切な医療機関を指定するよう,北海道知事に要望してまいりたいと考えております。
◆伊与部 委員 それはそれでいいのだ。ところが,あのお化けみたいなお荷物が残る,60床の市立南ヶ丘分院が残る。南ヶ丘分院は,調べたら,55年に総事業費11億1,800 万円でつくっているわけです。国の補助金だと思いますが,3,679 万9,000 円,我々の税金から出している一般財源が6億4,320 万1,000 円,地方債を調べたら,ほとんど全部政府債だったからなかなか難しいなと思うのだけれども4億3,800 万円,合計11億1,800 万円だ。ずっと地方債を払ってきたのだけれども,今,地方債の残金が3億1,367 万2,817 円ある。これを払えば,そっくりそのまま札幌市の建物として自由に使える,そういうことになるわけですよ。
これは,来年の4月から要らなくなる,置いておいたら年間4億円もかかる。そういうことになりますから,跡利用も含めて全庁的に考えていって,早急に対応すると。そういうふうにならなければ,税金のむだになると思いますが,重ねて,局長,ご答弁願います。
◎上村 衛生局長 南ヶ丘分院が法定の伝染病指定病棟から外された場合,その跡利用につきましてお答え申し上げます。
委員お話しのとおり,昭和55年に建設した現在の建物は,築後18年を経過しておりますが,法定耐用年数は65年となっており,建築に当たって国から得られました補助金の問題がございますので,その措置につきましては,国との協議が必要であると考えております。
したがいまして,今後,国や道を初め,関係部局と十分な協議を行った上で,全市的な視野で,より適切な運用に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◆涌井 委員 私の方からは,住環境対策についての質問でございます。
最近,住宅の建材から揮発するホルムアルデヒドなどの化学物質でぐあいが悪くなるという化学物質過敏症の一つである,いわゆるシックハウス症候群というのが問題になっております。
どういうものかといいますと,新築の住宅などにおいて,日中,閉め切った部屋に帰ったときに,目がつんと痛くなったり,あるいは気分が悪くなる。この原因といいますのは,住環境の変化があるわけでございますけれども,近年の気密性の高まり,あるいは建材などから出る化学物質によって,頭痛,吐き気,目の痛みなどの症状があらわれるというふうに言われております。
この化学物質過敏症というのは,化学物質を体内に蓄積しているうちに,過敏症が増して,10億分の1,ピーピービーというふうに言うわけですけれども,10億分の1程度の化学物質にも反応して症状が出る病気ということでございまして,先ほども言いましたように,精神的な落ち込み,頭痛,吐き気,不眠,かゆみ,動悸,多汗,神経系に異常があらわれる場合もあると。そういうふうな症状を持った患者さんが病院を訪れても,自律神経失調症じゃないですかとか,更年期障害でしょうと,中には,虚弱体質ですねだとか,こういうふうに,ある意味では誤診と思えるような対応しか見当たらないというのが現状であるわけでございます。
化学物質過敏症というのは,背景は,住環境の変化,特に,先ほど言ったような住宅の高気密化,省エネのために,逆に通気性が悪くなるというような悪循環といいますか,そういう側面。あるいは化学物質の多用ということで,木材の有効利用のために木片を合成樹脂で接合した集成材を使って家を建てるとか,あるいは防虫剤その他のさまざまな化学物質,そういうものが我々が住んでいる住居の中に潜在していると,こういうふうに思えるわけでございます。
その発生源は,リノリウムの床ですとかワックス,あるいは防虫剤,防災処理した壁紙,カーテン,ビニールクロス,床合板材,それから各種洗剤,これらから発生する劇物のホルムアルデヒドあるいは有機燐系農薬,あるいは有機塩素系ガスなどの化学物質と,こういうふうに言われております。
厚生省も,こういった状況を重く見まして,95年に,長期慢性疾患総合研究事業アレルギー研究班をつくりまして,専門家による検討会議を設置したそうでございます。97年には,一定程度の化学物質の定義づけすらまだわかっていないということもございまして,その定義ですとか,どういう症状があるのかというようなことも含めまして冊子をつくったそうでございます。そして,厚生省は,化学物質過敏症のこの冊子を全国の保健所あるいは病院にも送らせていただいて,先生たちに化学物質過敏症に対する基本的な認識をしっかり持っていただき,誤診しないためにも,こういうものを出しているそうでございます。
この中に,症状としても,患者さん自身が仕事の疲れや夏風邪と思って医師の診察を受けなかったり,あるいは,病院で受診しても,化学物質過敏症を念頭に置かない,通り一遍の診察では見落とされますというふうに書いているのですね。
それからまた,もう一つは,アレルギー研究班で,97年6月に,ホルムアルデヒドについて,基本的には,WHO基準と同じ,30分平均値で1立方メートル当たり0.1 ミリグラム以下に抑えるべきであるというような一応の指針,目安を決めたわけなのですけれども,しかし,各行政の政省令で制定まで進めていくわけですが,まだ,そこまでにはなっていないと。したがって,こういう状況では,今の住環境に対する基準値というものはまだ決まってはいないと,こういうふうに言えるかと思います。
一方,96年,2年前に名古屋で第7回室内空気環境国際会議というのが開かれているわけでございます。室内の空気汚染による新しい健康被害としてのシックビルシンドローム,病に冒されたビル症候群,あるいは個人の住居内についてはシックハウス症候群と,こういうふうに呼ばれまして,議題になっております。
この国際会議で,特に大きな二つの化学物質が非常に話題になっておりまして,一つはホルムアルデヒド,これは合板に使う接着剤,先ほど議論もありましたけれども,フェノール樹脂,防腐剤などに含まれておりまして,揮発性があると。影響濃度というのがあるようで,2から5ppm で目にしみる,のどの痛み,せきなどの症状。10ppm 以上でその症状が増幅され,50ppm 以上で肺炎が起き,長期的には発がん性が指摘され,最悪は死亡するのだと。欧米には,空気中のホルムアルデヒドの基準値あるいは勧告値というのがございますが,日本には,まだきちんとした基準や規制はない。
諸外国はどうなっているのかといいますと,アメリカでも州によって若干違うようでございますけれども,カルフォルニアでは0.05ppm ,これは新築の際の室内の汚染の基準でございます。あるいはミネソタは0.5 ,デンマークは0.12,オランダは0.1 ,スウェーデンは0.1 ,ドイツも0.1 でございます。各国の基準は,大体0.5ppmから0.7ppmの範囲内で設定をされておるわけでございます。
この対策は,具体的にはホルムアルデヒドを含まない接着剤を使用することであるけれども,発生しにくい温度,湿度を管理したり,換気に気をつけるなどの対策が必要だと。それからもう一つは,揮発性有機化合物,VOCというものでございます。家庭用品,建材の塗料の溶剤に多く使われている。トルエン,キシレンの化学物質など,あるいはシロアリの防除の強力な薬剤,有機燐系殺虫剤の多い中で,クロルピリホスなどの強力な薬剤があるということでございます。
今まで,どちらかというと,住環境について思うには,一つは,カビですとか,ダニですとか,害虫ですとか,ハチですとか,そういうような側面での対策というのは図られてきたわけですけれども,一方,室内環境汚染である化学物質に対する目というのは,国の方も遅いということもあって,なかなか取り組んでこられなかった。
一方,職場,会社ではどうかというと,事務所ですとか作業場なんかは,労働衛生面で労働衛生管理者を置いて,きちんと健康問題ですとか,あるいは空気の汚染問題ですとか,換気の問題,光彩の問題等々,さまざまな側面で基準が設定されているわけでありまして,そんな意味からいいますと,一般家庭については全く規制がない。こんなようなところから,これからどんどんどんどん高齢化社会に向かっていく中で,高齢者の方は在宅時間が長いということもあって,今後,どういうふうに取り組むのかというようなことから,私は大変興味を持っているわけでございます。
そこで,質問でありますけれども,第1点目,昨年4月から,保健所に住まいの衛生係というのが新設されました。その係ではどのような業務を行っているのか,まず,1点お聞きしたいというふうに思います。
それから,第2点目は,有害物質であるホルムアルデヒドについて,本市はどのような認識をお持ちなのか。
この2点,まず,お伺いしたいと思います。
◎福井 生活衛生部長 快適居住環境対策につきまして,お答えしたいと思います。
1点目の住まいの衛生係の業務内容についてでございますが,健康で快適な居住環境づくりを推進するために,市民への周知・啓発や相談・指導などの業務を行っております。具体的には,室内空気の温度や湿度などの条件によって発生するダニやカビなどの防止,衛生害虫の防除,市民啓発のため,住まいの衛生展の開催やリーフレット類の作成など,きめ細かな相談・指導に努めているところでございます。
また,家庭用品対策として,家庭用品の適正な使用に関する市民への啓発・指導や,有害物質が含まれている衣料品などに対する監視・指導などの業務を行っております。
2点目の有機化合物質に対する認識でございますが,有機化合物質等による室内空気汚染の問題につきましては,大変重要なものと考えております。したがいまして,本市では,このような新たな問題にも対応できるように,平成9年度から保健所に,先ほど言いました住まいの衛生係を新設いたしまして,市民への対応を図るとともに,本市5年計画の中に健康・快適居住環境推進事業を計画いたしまして,快適な住居の指針を策定し,積極的に市民啓発を進めてまいる考えであります。
以上です。
◆涌井 委員 新設された住まいの衛生係では,健康で快適な居住環境づくり,市民啓発に努めているというお話でございます。また,ホルムアルデヒドについては,建材に多く含まれているわけです。
そこで,伺いますけれども,今まで,保健所にいろんな市民相談が寄せられてきているというふうに思いますが,過去3年間における室内環境に関する相談件数は一体どのぐらいあるのか。また,このうち,ホルムアルデヒドのような化学物質に関するものが何件あり,具体的にどのような指導を行ってきたのか,まず,お伺いしたいというふうに思います。
さらに,私自身,今後の住まいの環境ということで言うと,住居というのは住居福祉という概念をこれからはどんどんどんどん持つべきであろうと。居住というのは,人権であり,福祉の基礎であるというふうな書物,「居住福祉」という早川さんの書物ですけれども,こういうふうに学術的にもかなり突っ込んだ考え方で書かれている本でございますが,非常に大事な視点だなというふうに思っております。特に,住居内におけるシックハウス症候群というのは,まさに今,国内では1,000 万人を超える人たちが,こういった化学物質による被害を受けながら,医師あるいは患者にも原因がよくわからず,全く根本的な治療が行われていないと,この中でこういうふうに指摘をしておりました。
ですから,私は,こういった化学物質による問題はもとより,室内空気環境など住まいの快適環境について,グローバルな意味で,東京では住まいの環境のガイドラインをつくって持っているわけでございますけれども,本市はございません。また,北国という特有の気候条件もあるものですから,北海道に合った,札幌に合ったガイドラインを設定して,適切な指導をしていく必要があるのではないか,こういうふうに思いますので,本市における快適居住環境に関する啓発指導について,今後,どのように対策を講じていくお考えなのか,お伺いをしたいと思います。
◎福井 生活衛生部長 1点目の室内環境の過去3年間の相談件数と指導内容でございますけれども,指導件数は,平成7年が62件,平成8年が48件,平成9年が71件でございます。このうち,ホルムアルデヒド等有機化学物質に関する相談は,平成9年に4件ありまして,これらの相談のうち2件につきましては,実際に室内のホルムアルデヒドの測定を行いましたが,厚生省の快適で健康的な住宅に関する検討会議で提案しております指針値以下でありまして,他の2件につきましては,室内空気環境の維持管理についてのみでありましたので,換気等についての具体的な指導をしたところでございます。
2点目の快適居住環境のガイドラインの設定についてでございますが,ご指摘のとおり,高齢化社会を迎えた現在,市民がより健やかに過ごすためには,健康を支える快適な居住環境の確保が重要であると考えております。したがいまして,現5年計画の中で,北国特有の気密性の高い住宅構造を考慮し,居住環境の実態調査を行い,健康を支える快適な住まい方の指導として,健康・快適居住環境ガイドラインを策定いたしまして,市民に対する普及啓発活動を行ってまいりたいと考えております。
以上です。
◆涌井 委員 厚生省が昨年,住宅の建材などに含まれるホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物,VOCが原因と見られる健康被害,いわゆるシックハウス症候群の調査に乗り出したと。実際には国立
衛生研究所だそうでございますけれども,本市に対してその通達が来たのか,依頼があったのどうか,それにどう対応したのか,まずお伺いをしたいというふうに思います。
なお,さらにホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物の測定機器の整備状況についてもお伺いしたいと思います。
◎藤田
衛生研究所長 第1点目の厚生省の実態調査への本市の対応についてでございますが,確かに,国立医薬品食品
衛生研究所から,平成9年5月,本市に当該調査に参加するかどうかの依頼がありました。本市では,揮発性有機化合物を測定する機器が平成9年3月に導入されたところであり,実際に稼働できるまでには,職員の研修,機器の調整等に相当の期間を要したこと,及び調査期間が,既に予定されていた有害大気汚染物質のモニタリング時期と重なっておりましたことから,当該調査に参加することを見合わせたものでございます。
それから,第2点目の揮発性有機化合物の機器の整備状況についてでございますが,昨年8月から測定できる体制にございます。
以上でございます。
◆涌井 委員 最後になりますけれども,昨年,大気汚染防止法が改正された折に,恐らく有機化合物の測定機器が導入をされたのだろうと,こういうことでございます。
今後,本市独自で室内空気環境調査を,私は,大気汚染防止法のための機器だけではなくて,時間があいた際,室内の空気環境調査も含めて,これから取り組むべきだと,こういうふうに思いますけれども,その考え方についてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
◎藤田
衛生研究所長 ただいまの今後の検査の取り組みについてでございます。
機器を整備し,検査体制が整いましたことから,今後,可能な限り検査を実施していきたいと考えております。
以上でございます。
◆涌井 委員 これからの要望でございますけれども,ぜひとも新しい北国仕様のガイドラインを設定していただくことを大いに期待するものでございます。
ガイドラインをつくっても,十分に周知され,活用されなければ,意味がないわけでございますので,市民が健康で快適に暮らすことができるよう,できる限り早期にガイドラインを設定していただくよう要望して,終わります。
◆武藤 委員 私から,3点についてお尋ねをいたします。
まず,1点目は,札幌市
妊婦一般健康診査についてです。
本市においては,これまで,1回の無料の妊婦健診を実施してきましたが,各政令都市では,本市を含む3都市を除いたすべてが,これまで2回の無料健診を実施しています。それなのに,なぜ本市では,市民からも要望の強い妊婦健診を他都市並みにふやそうとしないのか,この点について,まずお尋ねします。
2点目ですが,インフルエンザの予防についてお尋ねをいたします。
昨シーズン,96年から97年にかけての冬に,A香港型が東北から流行し,全国に拡大し,中でも施設内流行が起こり,インフルエンザによる高齢者の死亡が多発したところです。そしてまた,今シーズンもインフルエンザが老人施設で流行し,死亡者が出ました。さらに,
子供たちの中でもインフルエンザが流行し,死亡者を出すという事態に至っています。
こういうような状況の中で,衛生局として,インフルエンザの予防にどのような対策をとられてきたのか,この点についてお尋ねをします。
3点目ですが,札幌市立高等看護学院修学資金貸付金の見直しについてのお尋ねです。
札幌市行財政改革推進計画では,高等看護学院修学資金貸付金の見直しをしようということで,11年度からの予定となっております。
そこで,お尋ねしますが,どのような見直しを考えているのか,また,なぜ見直しなのか,この点についてお答えをお願いいたします。
◎濱中
保健衛生部参事 妊婦健康診査とインフルエンザ予防に係るご質問につきまして,私からお答えをいたします。
まず,妊婦健康診査についてでございますが,妊婦健康診査は,妊娠中毒症や心身障害等の異常を早期に発見し,適切な援助等を講じて,妊婦や胎児の健康保持を図ることを目的としているものでございます。
本市では,昭和49年度より全妊婦を対象といたしまして,妊娠中に1回の健康診査を医療機関に委託して実施しているほか,先ほども申し上げましたが,必要に応じて,助産婦等による
訪問指導を行ってきているところでございます。
本市におきましては,このほかに,本市独自の事業といたしまして,各区の
保健センターにおきまして,定期的に
妊産婦健康相談及び母性
健康相談を実施いたしまして,妊婦の健康管理に努めているところでございますので,今後とも,これらの事業を充実させていきたいと考えているところでございます。
次に,インフルエンザの予防接種に関するご質問でございますが,インフルエンザの予防につきましては,外出から帰ったら手を洗い,うがいをする。また,睡眠など,よく休養をとり,栄養に気を配るなどの日常生活における対策が何よりも大切でありますが,虚弱な方や老人,乳幼児等につきましては,医師にご相談の上,予防接種を受けることが有効であると考えられます。
そこで,本市といたしましては,市内の患者さんからインフルエンザウイルスが検出された機会などをとらえまして,ただいま申し上げましたようなことを含め,報道機関等を通じまして,市民にインフルエンザ予防に関する注意を喚起してまいったところでございます。
また,昨年末に私どもの方から各医療機関に照会をいたしまして作成しましたインフルエンザ予防接種実施医療機関名簿を,各
保健センターに備えつけておりまして,市民の方からお問い合わせのあった場合には,適切な対応を行っているところでございます。さらに,老人保健施設や老人ホーム,保育園等の施設に対しましても,関係部局を通じまして,文書により注意を喚起するなど,流行予防に努めているところでございます。
今後とも,いろいろな機会をとらえまして,インフルエンザ予防に関するPRに努めてまいりたいと,このように考えております。
以上でございます。
◎武田 高等看護学院参事 第3点目の高等看護学院の修学資金貸付金の見直しについて,お答えいたします。
まず,1点目の高等看護学院の見直しの内容でございますが,現在の高等看護学院修学資金制度は,昭和40年の本学院設立と同時に,看護婦確保対策の一環として,市内就業定着等が図られることと,対象学生の経済的負担を軽減させるとともに,より質の高い学生を確保するための応募対策の上からも必要であるという趣旨から,制度を設けたものでございます。
見直しの内容でございますけれども,平成11年度の新入生から,現在の希望する学生全員に貸し付けている方法から,学業が優秀で経済的に恵まれない学生を対象に貸し付けをする方向で検討してまいりたいと考えております。
その理由といたしましては,現在は,制度発足当時と比べまして,看護職員養成学校の学生定員が増加しましたことと,多くの看護職員を送り出し,その結果,札幌市内におきましては,看護職員不足が相当緩和されてきていることから,所期の目的が一定程度達成したと見込まれることと,今後の効率的な事業運営を確保していくため,受益者負担の原則を考慮しながら適切な制度にするために,今回の見直しを図るものでございます。
以上でございます。
◆武藤 委員 まず,1点目の妊婦健診についてですが,政令市の中でも1回で済ませているのは3市しかないのだという状況から見ても,健診自体,市民にとっては非常にお金がかかるわけなのですよ。
それで,これは自由診療になりますから,病院によっても検査の費用が変わってくるのですが,最初の検査でも,病院によっては,1万円以上の費用を負担しなければならないところもあるわけなのです。そして,札幌市は,この妊婦健診に,国の基準を超えた負担はしていないわけですから,妊婦一般検査で5,980 円という国の基準どおりの中身で検査を行っているわけなのですね。
ところが,これに付随して,一つ二つ違う検査を取り入れるとなれば,すぐに1万を出てしまう金額になります。札幌市がやっている検査は,HBs抗原検査が500 円,超音波検査5,000 円ということで,内容はいろいろあるのです。一般検査とHBs抗原検査で札幌市が出すのは,合計で6,480 円なわけですよね。この金額の差額分は,初回の健診から,市民みずから負担している場合も往々にしてあるわけなのです。
ですから,そういうことを考えましても,先ほど,濱中参事のお話にもありましたように,妊婦健診で母体を保護し,安心して出産できるようにという内容,その目的からしても,各都市の流れである,せめて妊婦健診を1回から2回にということは妥当な考えではないのかどうか,全くもって2回やる必要がないとお考えなのか,ほかのものでいろんな事業をやっていて補っているからいいのだと考えているのかどうなのか,この点について改めてお答えください。
それと,インフルエンザの問題なのですが,予防接種をするようにということでいろいろPRもされているということで,それは大変結構なことだと思うのです。
この数年来,冬になるとインフルエンザが大変はやってきて,さっきお話ししましたように,死亡者まで出しているという状況の中で,インフルエンザの予防接種自体はいろんな歴史的経過があります。そもそも公費負担でやっていた時期から,それがデメリットも多いということで,見直しだとか,予防接種法からインフルエンザワクチンが外されるだとか,国内外の状況を踏まえて,内容が変更されてきているわけなのですが,改めて今,医師会の小児科部会というところでも,世界各国でも,新たにどんどんどんどん生まれかわってきている予防接種を,日本の国でも見直す時期に来ているのじゃないのかということで,医療関係者からも,今,声が上がってきているところなのですよ。
私は,インフルエンザがいい悪いというのは別問題としましても,ここまでひどくなっているインフルエンザを予防するためには,予防接種を受けたいという人については受けさせるべきだと。そのためには,学童を含めて,以前にやっていたような,こういうのがありますよということで,啓蒙をもっと旺盛にやるべきじゃないのかと。
さらには,国の予防接種法という法律の枠があるわけですから,札幌市が単独でどうのこうのということにはならないと思うのですが,札幌市民の立場に立って,医療機関とも連携しながら,インフルエンザ予防のために何ができるのかという点も研究していくべきじゃないかと考えますが,この点どうなのか,改めてお尋ねをします。
それと,3点目の高等看護学院修学資金貸付金の問題なのですが,目的を達したからいいのだというようなことでご答弁がありました。看護職員不足が相当緩和されてきたからいいのだというお話だったのですが,これまでも一貫して,札幌市の奨学金とあわせて貸付金を利用されている学生さんたちも多かったようですが,定員のほとんどの人たちがこの制度を活用してきたわけなのですね。現在でも,9割を超える人たちがこの貸付金の制度を利用しているという数もいただいていますけれども,現在9割で,100 %には満たないわけですよね。
こういう状況で推移してきていますが,応募する人がたくさんいて,それで見直さなくちゃいけないとかということではなくて,あくまでも看護婦養成の目的を達成したからこの制度を見直すのだというのであれば,私はとても納得いかないわけなのです。これはどういう意味なのかよく理解できないものですから,看護職員不足が緩和されたということはどういうことなのか,もう少しわかりいいようにお話をいただきたいと思います。
それから,看護学院としてこの制度を本当に見直さなくちゃいけないのか。今のままであることについて,何ら,邪魔になったり,これがあるから学生に悪影響が及ぶとか,学院にいろんな問題が生じるとか,そういうことはないのではないかなと思うのですが,そういう角度からこの貸付金を見た場合どうなのか,お尋ねをしたいと思います。
◎濱中
保健衛生部参事 まず,第1点目の妊婦健康診査につきましては,今後とも,本市の妊婦に必要な健康管理という観点から総合的に検討を進めてまいりたいと,このように考えているところでございます。
次に,インフルエンザ予防接種の研究のご質問でございますが,予防接種業務につきましては,国の機関委任事務でありますことから,国の対応の動向を見守りたいと,このように考えているところでございます。
以上でございます。
◎佐々木
保健衛生部長 私から,高等看護学院の修学貸付金についてお答えを申し上げます。
貸付金というのは,地方公共団体が,公益上の必要がある場合など,特定の行政上の目的を遂行するため,金銭を貸し付けするものでございます。
先ほど,武田参事からお答えをいたしましたように,制度開設以来34年が経過する中で,社会情勢が変化をいたしました。そういうことで,所期の目的が達成をされたと私どもは判断をいたしました。そのバックデータといたしましては,札幌市内における看護婦の充足が34年前と大幅に変化をして,札幌市内では充足をされているという判断をしたこと,さらには,他の都市あるいは道でも,それから奨学資金の面におきましても,希望者全員というのではなくて,修学している生徒の家庭あるいは経済状況,あるいは学業の成績,こういうことを加味しながら判断をしているのが実情でございます。こういう総合的な判断をした上で,私ども,今回,制度の縮小を図りたいと考えているものでございます。
以上であります。
◆武藤 委員 今の貸付金の問題なのですが,全く理解できない話なのです。つまり,札幌市内に看護婦さんが十分養成されて,何年間かは看護婦不足が叫ばれてきましたけれども,医療制度等の問題を含めて条件的な問題もありますが,看護婦さんをたくさん養成しなくても今は充足しているのだと。だから,この制度についても,一部の優秀な,あるいはお金に困るような人たちにだけこの貸付金が利用されればいいのだよというようにお話しされたかと思うのですが,高等看護学院は,今,定数50名でとっていますよね。この50名の定数も,そういう内容からいきますと,看護婦さんがいっぱい余っているから,この定数自体も,これから先を考えれば,定員を減らしていくことも将来的にあり得るのでしょうか,あわせてお答えをいただきます。
◎上村 衛生局長 私から,お答えいたします。
現在,看護学院が行っている貸し付け制度は,貸し付けした期間,札幌市内に勤務することという条件がついておりますので,先ほど部長からもご説明申し上げましたとおり,札幌市内にとどめておかずに,他の市町村,道内過疎地を含めて,看護婦不足のあるところにもっと行っていただきたいというのが基本的考え方でございます。したがいまして,資格を取った後は自由にどこにでも行ける選択を与えるべきでないかというのも,考え方の一つでございます。
それから,さらに高度の看護婦を養成することが必要であることから,現在の高等看護学院を,将来,短大あるいは大学化に向けてどうすべきかということを現在検討中でございます。定員を減らす予定はございません。
以上でございます。
◆武藤 委員 札幌市の修学資金貸し付けというのは,今,局長がおっしゃったように,3年間,市内の医療機関に勤務した場合,返還しなくてもいいということで,条件が決まっているわけですよね。これは,決して札幌だけではなくて,他の政令都市も同じような条件がつけられています。さらに,札幌市に縛っておくのではなくて,全道各地に看護婦さんが行けるようにということなのです。
しかし,実際に,そういう条件があっても,9割以上の学生さんがこの制度を利用しているけれども,地方にいて,この条件に縛られたくないという人たちは,この貸付金を利用していないわけなのですよね。ですから,そういうのは全く理由にはならないだろうと思うのです。
私も,札幌市がこの条件を緩和して全道各地に行けるようにしたらいいのかなという思いもありましたけれども,それはやはり北海道の制度としてやるべきものじゃないのかということで,学院の先生からもお話を聞いて,それはそのとおりだなということで私も思ったのです。全道の自治体にどうやって看護婦さんを分布させていくのかというのは道の問題でありまして,札幌市のこういう条件のもとでも9割が利用しているという実態からすれば,この制度自体の見直しはやめるべきではないのかと思いますが,最後にご答弁いただいて,終わりたいと思います。
◎上村 衛生局長 先ほどお答え申し上げましたとおり,個人の将来を考えるに当たって,拘束をなるべくしないで自由に勉学に励んでいただきたいということも,その考え方の一つでございますので,この制度は縮小させていただきたいと考えております。
以上でございます。
◆松浦 委員 私は,2点について質問をし,そして,これはなかなか面倒であるけれども,しかし,やらなきゃらならぬことだろうと思うので,したいと思います。
まず,一つは,先ほどから,予防医学だとか,
生活習慣病だとか,いろんなことが議論をされておりました。また,2000年から
介護保険制度が始まるということで,特に,高齢化社会を迎えて,医療費がかかるのをどういうふうに抑制していくかと。それは,何も切り捨てをするということではなくて,効率的にどう金を使ってそういう体制をつくっていくかという,これが今,行政の側に課せられている大きな責務だと思うのですね。
実は,一昨日,民生局のときに高齢化対策など介護保険もありました。しかし,札幌市の組織は,この3月までは民生局と衛生局の二つに分かれていますから,これらを一体にして議論するには,二つ一緒に集まらなきゃできないわけですね。
きょう,あえて私がこの問題を取り上げたのは,一つは,ここにはお医者さんも多いということで,まずこちらでやってみようなかということで取り上げたのです。
今,介護保険をやっても,あるいは,区役所に保健所の一部を移して予防医学をやっても,いろんな制度が縦割りでたくさんあるのですが,それがきちっと統括されてうまく機能していくということになっていないのですね。私なりに全国をいろいろ調べてみたら,村だとか町だとか,あるいは人口10万前後ぐらいの都市だと,そのことについて積極的にやろうという意識のある首長さんのところは,割とうまくいっているのです。
ところが,札幌市みたいに大きくなると,総身に何とやらで,なかなかそれがうまく回っていかないということなので,札幌市で,まず,小さくてもいいからどこか選定して──ここの根源になるところは,私は,家庭医制度のところでないかなと思うのですね。したがって,札幌にも診療所だけを営んでいる方がたくさんいらっしゃると思うので,どなたかお医者さんに協力を願って,モデル的な家庭医を中心にしての予防医学体制あるいは介護体制など,横断的に取り組んでいけるようなことについて,ぜひ取り組んでいくべきでないかなと,こういうふうに思うわけです。これについて,どのようにお考えになっているかご見解をお聞きしたいと,これが一つであります。
それから,二つ目は,先ほど,佐々木委員,そしてまた涌井委員も質問していたのですが,環境ホルモンだとか化学物質により健康が害されているという問題というのは,私なんかはもう子供をつくるわけでなし,あとは里塚へ向かって日々歩むだけですから,私の代はいいと思うのですが,これからの時代を考えると,人類の大問題だなというふうに実は思っているのです。
私も,1962年に出された「沈黙の春」という本だとか,何冊かのこういうことを書いた本などを読んだり,新聞を読んだりして,前々から非常に関心を持っていたのです。
そこで,きのうの朝日新聞の夕刊に,東京大学名誉教授の西村 肇さんという方の「水俣病のなぞに迫る これでいいのか日本の公害研究」という記事が出ているのですね。この記事を読むと,水俣病が裁判で結審してから,さらに20年かかって,西村先生初め3人の方の研究によって,水俣病の原因がついに突きとめられたというようなことが書かれているわけですね。これは,ちゃんと論文も発表されていると。この種のことというのは,そのぐらい時間もかかるし,大変なことだと思うのです。しかし,市民の側は,こういうことがあるといろいろ不安に思っています。
そこで,札幌市は,先ほどのやりとりを聞いていると,厚生省が今取り組んでいるから,したがって,厚生省の取り組みを待って,それを即座に市民に知らしめていくよと,こういうことなのですけれども,一般的に今,市民も国民も,皆さんは大分信頼されていると思うのですけれども,国のお役人についてはほとんど信頼していない人が多いのですね。私もしていません。
したがって,厚生省のを待つということでなくて,例えば,よく経済局などを中心にして産・学・官ということが言われて,金もうけの方はよく産・学・官と言うのですね。北海道にも北大,医大,旭川医大,帯広畜産大学など,動物なり人間を扱う学問の府があるわけですね。こういうところと,例えば北海道にも
衛生研究所があり,札幌市にも研究所があります。さらにまた,水道水を各自治体がやっているわけですから,ある程度の規模の自治体などが集まって,これらの問題について取り組んでいくということは,私はできないことでないと思うのです。こういうことに対してかかるお金は,それぞれ出し合ったっていいと思うのですね。
そして,どこをどこまでやれるか,それはいろいろ人的なものもありますし,経費の関係もあるけれども,少なくとも,例えば札幌市民は180 万からいるわけですから,そうすると,
衛生研究所にこういうことを研究したい人を大学から何人か採用して,3人でも2人でもいいのですが,チームをつくって,そして,アメリカだとかヨーロッパなど,かなり研究は進んでいますから,そういうところの資料を取り寄せてやると。そして,それらについて,わかる範囲で公表していくとか,私は,こういうことが,市民を安心させていくという意味で大事でないかなと思うのです。
したがって,今,厚生省は,四つの省庁が集まってやっておると言うけれども,札幌市でさえ,これだけ皆さん方の局が分かれておって,何か一つやるといったらなかなか大変だと言っているのに,あの巨大な霞ヶ関の,それぞれ建物を別に持った省庁が四つ集まって,連絡会議をやるといったって,何をやるといったって,大した手間暇かかる話でしょう。この四つが同じ建物にいたって,なかなか進まないわけですから。そんなことからすると,私は,そういうような体制をつくって,きちっと対応していくということが,今,必要でないかなと思うのです。
これは,ある面で,お金はそうかからぬと思うのですよ。例えば,ダイオキシンの分析装置なんか幾らぐらいだと聞いてみると,1億ちょっとぐらいで買えるとかという話もありますしね。したがって,研究分野というのは,その人の資質の問題ですから,こういう研究が好きだという人は大学なんかにたくさんいると思うのですよ。したがって,そういう人を何人か採用してやっていくと。そして,そこが軸になって呼びかけていくということも可能だと思うのですが,これらについてどういう見解をお持ちか,まずお聞かせをいただきたいと思います。
◎佐々木
保健衛生部長 まず,1点目の介護保険及び地域医療についてのお尋ねでございますが,介護保険の導入に伴いまして,高齢者に対する介護保険サービスにつきましては,これまで以上に関係機関が連携して取り組む必要性がございます。
札幌市の組織におきましても,この4月から衛生局と民生局が統合いたしまして,保健と医療・福祉の連携を図るというのが具体的な,市としての目に見える形での取り組みでございますし,また,各医療機関あるいは地域においても,そのような動きが出てまいりました。例えば,先月,清田区と豊平区におきまして,在宅医療に関します保健・医療・福祉の関係機関・団体の方がお集まりになりまして,豊平・清田区在宅ケア連絡会というものを発足させてございます。この構成メンバーは,もちろん医師職を初めとする医療関係者,あるいは福祉の職員,あるいは地域のボランティアの方々,多くのいろんな方々が参画をしておりまして,在宅医療を希望する人への在宅医療推進のための連絡調整,あるいは希望者の在宅ケアサービスのメニューの作成でありますとか,医療を希望する人に主治医を探すとか,このような事業を行うということで緒についてございます。
これにつきましては,区の
保健福祉部の職員も参画をいたしております。私ども,この動きに協力し,また支援をしてまいりたいなと,こう考えているところでございます。
◎上村 衛生局長 環境汚染に関する札幌市の対応の取り組みでございますが,先ほど来,各委員にお答えいたしていますとおり,国では4省庁が合同で本格的な環境汚染調査及び人体への暴露による健康に与える影響調査,それから植物の汚染調査,人への汚染状況等の調査を行うこと,それには,専門家から成るダイオキシン類総合調査検討会だとか,それから,自治体からの協力情報収集による全国ダイオキシン類調査研究連絡会議を開催しているだとか,今,国では,全国的取り組みにおいて,この問題に対応している時期でございますので,今,私ども札幌市が単独で行動をすべきではないと。もう少し長期的な視野に立っての対策を立てるための基礎データを国が集めている段階と認識しておりますので,もう少し国の動向を見ながら,札幌市での対応を考えていきたいと考えております。
以上でございます。
◆松浦 委員 最初の家庭医制度ということで,今回の介護保険というのは,ドイツの制度を一つはモデルにして,少し日本的に手直しをしてやっているわけですね。私は,実は去年11月に,ミュンヘンとデンマークに行ってみて,わずか1週間ですけれども,この問題をそれなりに調べてきて感じたことは,ドイツもことしから介護保険の保険料を値上げすると言っていました。それをどうやって周知徹底して予防的なことも含めてやっていくかといったら,最終的には,私は,デンマークだとか北欧の方の方式がいいのだろうなと思うのだけれども,しかし,日本には既存の数ある開業医の関係だとかいろいろあるから,即そのとおりにはすんなりはいかぬだろうと。しかし,これから,国の方はできるだけ金のかかることはやらないよと,自治体がやりなさいと,国の方も金の手当てができぬような状況になってきたから地方でやりなさいと,こうなってくるわけです。
したがって,こういう問題については,国が今どうしているとか,あそこがどうしているとかということでなくて,あるいは,民間でこんな連絡会議があるよということでなくて,札幌市として具体的に介護保険も新しく始まるよと。そうしたら,今ある幾つかの制度を地域別にみんなまとめて,効率的な運用の仕方をしたらどうだと,並行してこういう研究調査にかかっていかないとだめでないだろうかなと私は思うのです。
今の介護保険についても,いろいろ,各界の人が危惧しているということを言っておりますし,あるいは,全国の自治体でも幾つか試行して,問題点があるということも言っていますから,そんなことからすれば,できるだけ金のかからないようなモデルケースの検討をする。
先ほど,上村局長,大長助役とも休憩中に意見交換をしたのだけれども,各種団体との調整で難しいこともいっぱいあると,こう話していましたから,それはそれでわからぬわけではないと。しかし,そういうことを求めていくには,どういう問題があるかというようなことなどを含めて,きちっと調査をして,ここに向かうにはこういう問題があると,それをどう整理して乗り越えていくかという,こういうことの調査研究を早急にやって,問題点なども,こういう問題があるから,こういうことはちょっと難しいぞということを我々にも提示をしてもらうと。
じゃ,それを乗り越えていくにはどうするのだと,こういう議論もあっていいのでないかと思うので,この点について,ここで答えを求めても,もうこれ以上の答えはありませんから,そこへ向かっていくための問題点を秋の決算議会ぐらいまでに出して,そしてまた,そこで議論をしてみたいというふうに思いますので,そういうことで,その方向に何があるかということをぜひ秋の決算議会までに出していただきたいということを求めておきます。
それから次に,環境ホルモンだとか化学物質の人体影響の問題,私は,国,国と言うのだけれども,国ばかりでなくて,札幌市の中に,どこか一部署でも
衛生研究所でもどこでもいいのですけれども,こういう問題を総合的に扱うチームをつくって,そしてきちっと扱っていくという,こういうことがなきゃ,私はだめでないかなと思うのですよ。
したがって,人手と金をどうするかとかいろんなことがありますから,こういうことについても,秋の決算議会までに,言っている趣旨をよくもう一回,いろんなことで難しいことはよくわかりますよ。しかし,難しいからといって先送りしていったら,何も解決していかぬのですよ。やがては,議員も来年の選挙になったらまた入れかわるべと,場合によっては首長もかわるかもしらぬと,おれも退職するかもしらぬと。こういうことをみんなが考えていったら,何も進んでいかぬわけですよ。したがって,そっちへ向かうとなったら,どうやったら行けるかということの考え方をまとめて,決算議会までに提示いただくことを求めて,これも終わります。
◆堀川 委員 今,ショッキングな倒産がたくさんありまして,これから北海道の経済,そして札幌の経済がどうなるのかなというふうに非常に心配をしているところなのです。
それで,札幌市の霊園事業が,今の経済の動向の中で何か影響がないかなと思って心配をしているところなのですけれども,市民生活にとって必要不可欠な墓園行政がきちっと永続的に安定してなされていかなければならぬと,こういうふうに思っているわけです。
そこでまず,札幌市が許可をしている民間霊園は幾つあるのか。それから,霊園の経営に対して,市はどのような指導をしているのか。
例えば,霊園に関する関連企業が,倒産または和議だとか,事実上の倒産も含めてそうなった場合に,墓園行政が今までどおり安定して続いていける体制になっているのか,こういうことを心配しているわけですけれども,まず,その3点についてお答えを願いたいと思います。
◎福井 生活部長 お答えします。
1点目の民間霊園の数でございますが,本市には,市長が墓地経営を許可した民間霊園が2カ所ございます。そのほかに,北海道知事が許可をした霊園が1カ所,合計3カ所でございます。
2点目の経営に対する指導でございますけれども,墓地経営の永続性の観点から,毎年,決算書類の提出を求め資産内容等の審査を行い,健全経営の指導を行っております。
3点目の関連企業の影響でございますけれども,民間霊園の経営主体は,営利を目的としない公益法人であります。その業務内容や財産の状況は,法人の許可官庁である北海道の監督を受けているほか,本市により,資産の内容,墓地の管理基金の積み立て,墓所の販売状況等に十分な審査・指導を受けておりますことから,経営に問題が生じるおそれはないと考えております。
◆堀川 委員 いろんなところの倒産の例を見ても,例えば粉飾だとか,それから簿外帳簿があったり,飛ばしがあったり,そういうような普通ちょっと考えられないようなことが実際にあって,それが倒産に結びつくということがあるわけですけれども,民間の霊園事業をやっているところの定款なんかを見ましても,かなり幅広い事業をしておるわけです。そうした場合に,ほかの事業の中で墓園事業が健全に維持されていくかどうかということについて,僕は大変心配をしているわけです。
ここでもって,墓地経営の継続性という観点から,ただ決算書類の提出だけを求めての調査と,それから道が監督官庁であるから,そこがやっている,自分たちも資産の内容をそれなりに見ていると。じゃ,本当に今の墓園行政の重大性からいって,それだけで許可官庁としての役割が十分かなということで,正直言って,不安を感じているのですけれども,もう少し詳しい審査というのでしょうか,そういう内容にどこまで深くかかわっているのか,それについてもう少し詳しく説明をしていただきたいと思います。
◎福井 生活衛生部長 霊園の経営についてですが,その業務全般については,先ほど言いましたように,北海道の監督を受けております公益法人でございまして,本市に報告されてきます決算書類についても,当然,適正なものと考えております。
さらに,本市が許可をした民間の2霊園につきましては,現在,墓所の販売がほぼ順調に推移しておりまして,決算書類の審査結果からも,経営状態につきましては安定している状況にあると考えております。
以上でございます。
◆堀川 委員 今,報告があったとおり,資産内容の調査がそのとおりであって,また,ほかの関連会社との関係の中で霊園業者に影響がなく,墓園事業をきちっとやっていってほしいなと,そう思っております。大変重大な事業をやっているわけですから,今後とも,この事業が続けられないというようなことがないように,ひとつきちっと管理・監督を,また調査をしていただきたいと,このことを述べまして,質問を終わります。
○柿崎 委員長 以上で,第1項
保健衛生費,第2条のうち関係分及び第4条のうち関係分の質疑を終了いたします。
次に,第2項 環境管理費のうち関係分の質疑を行いますが,通告がありませんので,質疑を終了いたします。
本日は,これをもちまして終了し,次回は,明13日午後1時から,建設局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。
それでは,散会いたします。
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散 会 午後6時4分...