札幌市議会 1998-03-03
平成10年第 1回定例会−03月03日-04号
議案第8号 平成10年度札幌市
基金会計予算
議案第9号 平成10年度札幌市
公共用地先行取得会計予算
議案第10号 平成10年度札幌市
砂防用地先行取得会計予算
議案第11号 平成10年度札幌市
交通災害共済会計予算
議案第12号 平成10年度札幌市
公債会計予算
議案第13号 平成10年度札幌市
病院事業会計予算
議案第14号 平成10年度札幌市
中央卸売市場事業会計予算
議案第15号 平成10年度札幌市
交通事業会計予算
議案第16号 平成10年度札幌市
高速電車事業会計予算
議案第17号 平成10年度札幌市
水道事業会計予算
議案第18号 平成10年度札幌市
下水道事業会計予算
議案第19号 札幌市
事務分掌条例の一部を改正する条例案
議案第20号 札幌市
勤労青少年ホーム条例及び札幌市
青少年センター条例の一部を改正する条例案
議案第21号 札幌市
児童会館条例の一部を改正する条例案
議案第22号 札幌市
職員定数条例の一部を改正する条例案
議案第23号 札幌市基金条例の一部を改正する条例案
議案第24号 札幌市税条例の一部を改正する条例案
議案第25号 札幌市
時計台条例案
議案第26号 札幌市
老人休養ホーム条例の一部を改正する条例案
議案第27号 札幌市
国民健康保険条例の一部を改正する条例案
議案第28号 札幌市廃棄物の減量及び処理に関する条例の一部を改正する条例案
議案第29号 札幌市
道路附属物自動車駐車場条例及び札幌市
駅前広場条例の一部を改正する条例案
議案第30号 札幌市
都市公園条例の一部を改正する条例案
議案第31号 札幌市
都市景観条例案
議案第32号 札幌市駐車場条例の一部を改正する条例案
議案第33号 札幌市交通事業の設置等に関する条例及び札幌市
自動車乗車料金条例の一部を改正する条例案
議案第34号
札幌市立高等学校授業料等に関する条例の一部を改正する条例案
議案第35号 札幌市定山渓自然の村条例案
議案第36号 札幌市
消防手数料条例の一部を改正する条例案
議案第37号 平成10年度
当せん金付証票の発売限度額を定める件
議案第38号 住居表示を実施する市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法を定める件
議案第39号 札幌市職員の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例案
議案第40号 札幌市
区民センター条例の一部を改正する条例案
議案第41号 札幌市
児童福祉施設設置条例等の一部を改正する条例案
議案第42号 札幌市
老人ホーム条例の一部を改正する条例案
議案第46号 財産の取得の件(
都市環境緑地用地)
議案第47号 財産の取得の件(学校用地)
議案第48号 市道の認定,変更及び廃止の件
議案第49号 平成9年度札幌市
一般会計補正予算(第5号)
議案第50号 平成9年度札幌市
土地区画整理会計補正予算(第1号)
議案第51号 平成9年度札幌市
下水道事業会計補正予算(第2号)
議案第52号 専決処分承認の件(
工事等委託契約の相手方変更)
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〇出席議員(67人)
議 長 柴 田 薫 心 君
議 員 高 橋 克 朋 君
議 員 勝 木 勇 人 君
議 員 鈴 木 健 雄 君
議 員 堀 川 素 人 君
議 員 新 山 やすし 君
議 員 大 嶋 薫 君
議 員 小 野 正 美 君
議 員 本 郷 俊 史 君
議 員 高 橋 功 君
議 員 宮 川 潤 君
議 員 中 嶋 和 子 君
議 員 田 中 昭 男 君
議 員 松 浦 忠 君
議 員 北 川 一 夫 君
議 員 横 山 光 之 君
議 員 馬 場 泰 年 君
議 員 宮 村 素 子 君
議 員 笹 出 昭 夫 君
議 員 佐々木 肇 君
議 員 三 上 洋 右 君
議 員 畑 瀬 幸 二 君
議 員 大 西 利 夫 君
議 員 義 卜 雄 一 君
議 員 涌 井 国 夫 君
議 員 横 山 博 子 君
議 員 武 藤 光 惠 君
議 員 山 口 た か 君
議 員 道 見 重 信 君
議 員 上瀬戸 正 則 君
議 員 伊 藤 知 光 君
議 員 原 口 伸 一 君
議 員 千 葉 英 守 君
議 員 村 山 優 治 君
議 員 猪 熊 輝 夫 君
議 員 西 村 茂 樹 君
議 員 川口谷 正 君
議 員 小 田 信 孝 君
議 員 柿 崎 勲 君
議 員 生 駒 正 尚 君
議 員 佐々木 周 子 君
議 員 福 士 勝 君
議 員 宮 本 吉 人 君
議 員 武 市 憲 一 君
議 員 大 越 誠 幸 君
議 員 高 橋 忠 明 君
議 員 常 本 省 三 君
議 員 佐 藤 美智夫 君
議 員 加 藤 斉 君
議 員 丹 野 勝 君
議 員 本 舘 嘉 三 君
議 員 森 健 次 君
議 員 春 原 良 雄 君
議 員 荒 川 尚 次 君
議 員 飯 坂 宗 子 君
議 員 室 橋 一 郎 君
議 員 小 谷 俵 藏 君
議 員 山 田 信市郎 君
議 員 越 智 健 一 君
議 員 吉 野 晃 司 君
議 員 澤 木 繁 成 君
議 員 伊与部 敏 雄 君
議 員 湊 谷 隆 君
議 員 岡 本 修 造 君
議 員 常 見 寿 夫 君
議 員 高 橋 重 人 君
議 員 菅 井 盈 君
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〇欠席議員(2人)
副 議 長 富 田 新 一 君
議 員 岩 木 みどり 君
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〇説明員
市長 桂 信 雄 君
助役 魚 住 昌 也 君
助役 石 原 弘 之 君
助役 大 長 記 興 君
収入役 伊 藤 忠 男 君
交通事業管理者交通局長 井 原 貴 男 君
水道事業管理者水道局長 平 賀 岑 吾 君
総務局長 佐々木 喜 四 君
企画調整局長 広 畑 民 雄 君
財政局長 米 田 耕一郎 君
市民局長 鈴 木 俊 雄 君
民生局長 吉 本 朗 生 君
衛生局長 上 村 友 也 君
環境局長 平 田 匡 宏 君
経済局長 高 橋 登 君
建設局長 瓜 田 一 郎 君
都市整備局長 松 見 紀 忠 君
下水道局長 島 田 一 功 君
建築局長 前 川 一 彦 君
市立札幌病院長 中 西 昌 美 君
消防局長 高 橋 彦 博 君
教育委員会委員 山 藤 邦 雄 君
教育委員会教育長 千 葉 瑞 穂 君
選挙管理委員会委員長 宮 口 健太郎 君
選挙管理委員会委員 関 口 英 一 君
人事委員会委員長 山 岡 暸 君
人事委員会事務局長 大 門 隆 司 君
監査委員 日 野 晃 輔 君
監査事務局長 淋 代 恒 芳 君
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〇
事務局出席職員
事務局長 植 田 英 次 君
事務局次長 坪 田 玲 二 君
総務課長 山 内 馨 君
議事課長 土 屋 逞 君
調査係長 渡 辺 三 省 君
資料係長 高 橋 道 孝 君
議事係長 細 川 正 人 君
記録係長 前 野 保 雄 君
委員会一係長 木 村 義 広 君
委員会二係長 常 野 正 浩 君
書記 佐 藤 比登利 君
書記 高 佐 三緒子 君
書記 今 井 一 行 君
書記 松 田 寛 司 君
書記 池 田 章 宏 君
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〔午後1時開議〕
○議長(柴田薫心君) これより本日の会議を開きます。
出席議員数は,64人であります。
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○議長(柴田薫心君) 本日の
会議録署名議員として原口伸一君,荒川尚次君を指名します。
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○議長(柴田薫心君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(植田英次君) 報告いたします。
大越誠幸議員及び
宮村素子議員は,所用のため遅参する旨,それぞれ届け出がございました。
昨日,市長から,
飯坂宗子議員及び松浦 忠議員の文書質問に対する答弁書が提出されましたので,その写しを各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程及び質問順序表は,お手元に配付いたしております。
以上でございます。
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○議長(柴田薫心君) これより議事に入ります。
日程第1,議案第1号から第42号まで及び議案第46号から第52号までの49件を一括議題といたします。
昨日に引き続きまして,代表質問を行います。
通告がありますので,順次発言を許します。
小田信孝君。
(小田信孝君登壇・拍手)
◆小田信孝君 私は,ただいまから,公明議員団を代表いたしまして,市長より今議会に提案をされております諸案件,並びに当面する市政の諸問題について,幾つかの提案も含めて質問をいたします。
初めに,行政改革についてであります。
札幌市は,昭和47年に
政令指定都市に移行して以来,既に四半世紀を経過し,その間,急速な人口の増加を伴いながら,目覚ましい発展を遂げてまいりました。しかし,時代は,少子高齢化や規制緩和,地方分権など,社会経済の構造的な転換期にあり,また,国際化や情報化,さらには価値観の多様化といった変革の中で,社会全体が多くの課題を抱えている状況にあります。
一方,国においては,
財政構造改革を推進するため,今国会に提案されている予算案は,一般歳出では過去最大の削減を図りつつ,景気浮揚に配慮した経済対策も検討されておりますが,その先行きはさらに厳しさを増していくものと思われます。
このような中で,間近に迫った21世紀に向け,また,北の理想都市の実現に向け,今回編成された本市の10年度予算案を見ますと,福祉・
保健医療施策の拡充を初め,交通・環境問題に対する総合的な対策の推進,防災体制の強化,あるいは21世紀に向けた芸術・文化・
スポーツ施設等の整備,さらには中小企業への支援の充実というように,時代のニーズを踏まえ,市民生活に直結した施策に重点が置かれており,また,国家予算や
地方財政計画の伸びがほとんど見られない中で本市が 1.3%の伸び率を確保したことは,評価できるものと考えております。
さて,今般,予算案とともに
行財政改革推進計画が公表され,これからの本市行革の取り組み方針が示されました。行政改革の問題は,国,地方がかつてないほど厳しい財政状況を迎えている中で,まさに待ったなしの緊急の課題であることは言うまでもありません。
しかし,私は,行政改革を単に削減あるいはリストラといった観点だけでとらえるべきではないと考えるのであります。今まさに,地方分権が具体化に向けた最終段階に入りつつありますが,これからの分権時代に対応し得る体制づくりがあって,初めて真の行政改革と言えるのだと思います。
地方分権の基本的な理念は,地方自治体がみずからの責任で街づくりを行う自由度を拡大することであります。地方行政をより一層市民の身近なものとし,市民と行政が一体となって自分たちの街をつくっていく,そういう仕組みや体制をいかに構築していくか,これが極めて重要な課題であります。これからの時代の市民と行政のかかわり方,それぞれの役割,連携のあり方といったことを広く市民論議を行いながら明確にし,その上で新しい時代に向けた街づくりを進めていく必要があるのであります。
その場合,前提として,重要なかぎを握るのが市民と行政の間の情報の共有化の問題であります。今回,策定された
行財政改革推進計画においても,その点が触れられておりますが,私は,この問題は単なる市政のお知らせや請求に基づく情報公開といった狭い意味ではなく,市民と協働して街づくりを進めるために,どのように市政情報を提供し,市民の声をどのように施策に反映するのかというように大きな視点でとらえ,検討を進めるべきと思うのであります。
また,行政改革の大きな課題として,本市が出資している第三セクターの問題があります。
我が会派では,このたび
行財政改革調査会を立ち上げ,本市が出資している団体の経営状況と,いわゆる天下りなどと言われているものの実態について調査を行っているところでありますが,本市の出資団体のうち,47の指定団体だけでも出資額が62億円であるのに対し,45億円を超える赤字を生じております。このような状況で,果たして多額の出資に見合うだけの成果が上げられていると言えるのでありましょうか。
私は,このようなときこそ,それぞれの団体がみずから厳しい現実を認識し,思い切った改革・改善に取り組むべきと思うのであります。
行革は,ある面でゴールのない取り組みではありますが,そのとき限りの見直しではなく,将来につながる持続性あるものとするためには,先ほど申し上げた市民との連携の問題,その前提となる情報共有化の課題,そして出資団体のあり方など,将来を展望した取り組みが今まさに求められていると強く主張したいのであります。
そこで,以下3点について質問いたします。
第1点は,分権時代における市民との連携のあり方についてであります。
今回,策定された
行革推進計画では,新たな外部委員会として,市民代表による
都市経営フォーラムを設置し,行革の問題のみならず,地方分権や都市経営のあり方について幅広く検討することとされていますが,具体的にはどのような課題を対象に考えておられるのか。また,今後,市民との連携を強化していくのに当たって,特にどのようなことを重視して取り組んでいくおつもりか,市長の基本的な考え方を伺います。
第2点は,出資団体に関してであります。
本市は,親会社として,より的確に出資団体の指導・監督を行うべきであり,また,市民の貴重な財産を出資していることからも,その活動状況をもっと明らかにする必要があります。行政の内部情報と外部情報の双方が一体的に開示されて,初めて行政全体の透明性が高まることになろうと思うのであります。
全国的にも出資団体の情報開示が拡大する流れにありますが,この情報の開示について,市長はどのように考えておられるのかお伺いいたします。
第3点は,組織体制の問題であります。
地方分権に対応し,実効性ある行革を推進するには,時代の変革に的確に対応できる組織体制を確立すること,また,構成員である職員一人一人の資質や意識といったことが重要だと思うのでありますが,特にどのようなことを考えておられるのか,お聞かせいただきたいのであります。
次に,都心部における
交通実験プロジェクトについてお尋ねいたします。
市長は,昨年10月,本市と札幌市
都心交通対策実行委員会との共同の取り組みとして,都心部における交通環境の改善と都心商業の活性化を目指した「
都心部交通実験プロジェクト」をスタートさせたところであります。
その第1弾として,利便性の高い交通手段を確保するため
都心循環バスの実験運行を行うとともに,荷さばきの新たなルールを定着化させるため荷さばきの
タイムシェアリングの実験も行い,市民から一定の評価を受けたと聞いております。さらに,先月,冬期間の大
規模イベント開催時における都心部での新たな交通需要などを検証するため,さっぽろ雪まつりの期間に合わせて,再度,
都心循環バスの実験運行を行いましたことは,通年運行を探る上からも,まことに時宜を得た企画であると考えているところであります。また,これらの
交通実験プロジェクトの推進に当たっては,札幌市
都心交通対策実行委員会の中に,市民・事業者・行政から成るワーキンググループを設置して,その実験の方途や検証をしながら進められているとのことであります。
そこで,来るべき21世紀に向けて市民意識の多様化が進みつつあり,多岐にわたる都市問題に的確に対応していくためには,行政のみが主体となって街づくりを進めていくことは政策の合意形成を図る上からも難しくなってくるものと思われます。こうした状況の中で,さきの本会議で議決された新しい札幌市基本構想において,今後の街づくりの基本的な行動指針として,市民・企業・行政の間での信頼感に支えられた
パートナーシップによる街づくりを推進することが新たに盛り込まれたわけであります。
我が党としても,
福祉ボランティアや
環境保全活動など,市民の
社会参加意識の高まりをこれからの街づくりに生かし,政策形成過程における
市民参加システムの確立が緊要な課題であると考えており,そうした点からも,現在,官民一体で進められている
都心部交通実験プロジェクトは,この
パートナーシップによる街づくりの先駆的な試みであると評価しているところであります。
そこで私は,このような観点を踏まえて,
都心部交通実験プロジェクトの取り組みについて市長はどのように考えておられるのか,数点お尋ねをいたします。
まず1点目は,札幌市
都心交通対策実行委員会の活動を市長はどのように評価し,今後に向けてどのように期待されているのかお尋ねいたします。
次に,質問の2点目として,この交通実験は来年度以降も継続されると聞いておりますが,来年度は特にどのようなことに調査の力点を置いて行おうとされているのか,お聞かせ願いたいのであります。
さらに質問の3点目は,この
都心循環バスの試験運行について,将来どのような交通手段として定着化を目指していくのかについてであります。
私は,幾つかの選択肢があるのではないかと考えており,私の提案も含めて質問いたします。
一つには,路面電車の復活であります。本市の市電は,
営業路線キロ数で昭和39年をピークに,地下鉄の整備とモータリゼーションの波に押されてキロ数が漸次短縮され,現在は約8キロ強を残すのみとなっておりますが,地球環境に優しく,高齢者も利用しやすい地上交通として,欧米では数年前から,国内でも近年その活用が見直されてきているものであります。
二つには,
定期路線バスとして定着させる方法です。この場合,単に都心での交通手段としてのみではなく,車いすも搭載可能なリフト付,あるいはスロープ式の乗り物として,また天然ガスなどの低公害車として,さらには,それ自体が観光資源となるようなデザインの車両として,台数も数多くを必要としないことから,未来交通のモデルとして導入されてはいかがかと思うのであります。
いずれの選択肢を目指すにしても,違法駐車の排除や私的交通の流入抑制もあわせて行う必要があると思いますが,
都心循環バスの試験運行の目指す方向について,市長のご見解をお聞かせ願いたいのであります。
次に,
介護保険制度についてお尋ねいたします。
世界に類を見ない速さで高齢化が急速に進展する我が国にあって,介護問題が国民の老後における最大の不安要因となっており,これを社会的に支える新しいシステムをどう構築するかが,近年における
高齢者福祉施策の最も重要な課題でありました。
介護保険制度の創設は,本格化する超高齢社会を前にした待ったなしの制度改革であり,総理府や各種の世論調査で国民の8割近くが
介護保険制度の導入に賛成しているように,介護の社会化を実現し,負担と受益の関係を明確にした,まさに今日の日本に待ち望まれていた制度であります。
介護保険法案が一昨年の平成8年11月に提案されて以来,衆参両院で修正が加えられるなど,約1年の審議を経て,ようやく昨年12月9日に成立が図られ,平成12年度からいよいよ
介護保険制度がスタートいたします。制度としては,国民皆保険以来の新たな
社会保険制度の創設ということになりますが,国民の大きな期待に十分にこたえられる制度となるか否かは,制度導入までの2年余りの短期間の中で,保険者である市町村が準備事務をどれだけうまく進めていけるかにかかっていると言っても過言ではありません。
そこで私は,
介護基盤整備に関連し,
介護保険事業計画の策定における住民参加と区の相談体制の強化という観点から,
ケアマネジャー資格を有する職員の配置の2点について,市長の考え方をお聞かせいただきたいと存じます。
まず,
介護保険事業計画の策定における住民参加についてでありますが,国会における
介護保険制度の審議過程において,保険あって介護なしという表現に象徴されているように,現在の
高齢者保健福祉計画に基づいた
介護基盤整備が非常に立ちおくれていることによって,寝たきりや痴呆で介護が必要になった場合,特に在宅において必要十分な
介護サービスが受けられない状況が危惧されることから,
介護基盤整備の積極的な推進という点に国会の議論が集中したことは,市長もご承知のとおりかと思います。
本市における
介護基盤整備につきましては,市長は,かねがね,
高齢者保健福祉計画の達成に全力を挙げて取り組む決意を本議会においてご答弁されているところであり,平成6年に計画を策定して以来,着実に基盤整備に努められ,その結果として,
介護保険制度が導入される前年の平成11年度にはおおむね計画目標を達成し,現行制度下における必要な
介護サービス供給量については,ほぼ確保される見通しがついたのではないかと考えております。
また,
介護保険制度の導入による需要のさらなる増大に対しては,平成11年度に
介護保険事業計画と次期
高齢者保健福祉計画の策定を同時に行い,より一層充実した介護基盤の整備を計画的に推進することにしており,平成10年度には,実態調査など,計画策定の準備に着手をする予定であると聞いております。
中でも,
介護保険事業計画の策定は,保険あって介護なしという危惧の念を払拭し,要介護者が必要とするサービスを適切に提供するために不可欠な計画であり,さらに,市町村の保険料設定の前提となるサービス水準等を確定する極めて重要な計画であります。このため,衆議院の修正において,その計画策定や改定に当たっては,広く被保険者の意見が反映されるように,市町村に必要な措置を講ずるよう義務づけがなされたところであります。
私は,介護の問題については,住民自身の問題でもあると受けとめており,
介護保険事業計画の策定に際しては,住民の積極的な参加を求めて,意見を十分に聞く体制づくりが必要であると考えます。
そこで,第1点目として,
介護保険事業計画策定に当たっての住民参加について,どのように対応していくおつもりかお伺いをいたします。
次に,区の相談窓口における
ケアマネジャー資格を有する職員の配置についてお尋ねいたします。
介護保険導入時には,ケアプランの作成やその内容に関する相談,問い合わせ,あるいはサービス利用に関する苦情などが区の窓口に殺到することが想定され,その対応も,従来の一般的な相談とは異なった専門的で技術的な内容が伴ったものになることが考えられます。現在の区における高齢者や障害者の相談窓口では,総合相談主査を中心に対応しておりますが,
介護保険制度の導入に伴って,より高度な相談や問い合わせが増大し,これに適切に対処するには,ケアマネジャーの資格を有した職員の配置がぜひとも必要になってくるものと私は考えますが,いかがでしょうか。
ケアマネジャーの養成に関しては,都道府県が実施主体となって試験を実施し,試験に合格した者が,さらに実務研修を受講して資格を取得することになっております。また,ケアマネジャーの資格要件については,現在,国の医療保険福祉審議会において検討が図られているところですが,当初示された医師,看護婦,理学療法士といった国家資格取得者に限定せず,5年ないし10年の保健・医療・福祉現場での実務経験を条件に,幅広い職種について門戸が開かれることになると聞いております。したがいまして,区において現在相談業務に従事している福祉担当者や保健婦などについても,実務経験さえあればケアマネジャーの資格を取得できる環境にあると思います。
そこで,2点目として,
介護保険制度の導入に備え,介護保険に関する相談窓口にケアマネジャーの資格を有した職員を配置して相談体制の強化を図り,要介護者などの相談にきめ細かく対応していく考えはないか,市長の見解をお伺いします。
次に,環境保全対策についてお伺いします。
1992年,国連は,ブラジルのリオデジャネイロで,地球環境問題の深刻化を食いとめるため,環境と開発に関する国連会議,いわゆる地球サミットを開催しました。この会議は,世界約 180カ国の国家元首や首脳が出席するという人類史上例のない歴史に残る国際会議となりました。地球環境問題の中でも,地球温暖化については,海面上昇による海岸の消失や異常気象,樹木や農産物の育成への悪影響,さらには熱帯性伝染病の北上など,さまざまな被害を地球全体にもたらすことから,この年,地球温暖化に対する国際的な取り組みの大枠を定めた気候変動枠組み条約が採択され,直ちに我が国を初め 155カ国が条約に署名したところであります。
その後,5年が経過した昨年12月,第3回締約国会議が京都で開催されました。この地球温暖化防止京都会議については,マスコミで連日大々的に取り上げられ,そこで決められる法的拘束力を持つ温室効果ガス排出量の削減目標に世界の注目が集まりました。
当初予定されていた会期を延長しての真剣な議論の結果,最終的に我が国は,二酸化炭素やメタンなど,主要な温室効果ガス6種の排出量を2008年から2012年の5年間平均で基準年に比べて6%削減することとなり,現在,この削減目標を達成するための関係法案を国会に提出するべく準備を進めているところであります。また,削減目標の達成のための施策を効果的に展開するには,実施主体である市民や事業者と密接な関係を持つ地方自治体の役割が大変重要であり,国からもその取り組みについて大いに期待されているところであります。
一方,地球サミットにおいて採択された持続可能な開発を進める上での21世紀に向けての具体的な行動計画,いわゆるアジェンダ21においても,地域が地球環境保全のために果たす役割が重要であるとされており,本市においても積極的な対応が必要であることは言うまでもありません。これまでの,物質的な豊かさを求め,大量生産・大量消費・大量廃棄という社会経済活動を拡大してきたことによって,温暖化を進め,地球環境の危機を招いている現状を私たちは強く認識しなければなりません。そして,私たち自身が温暖化を防止するため何をなすべきかを真剣に考え,日常の生活や事業活動の中で実行していくことが求められております。
しかしながら,市民・事業者の間に温暖化防止のための行動の必要性が認識されつつあるものの,具体的にどのような行動をしたらよいか戸惑っている状況も見受けられます。このような中,例えば,商品やサービスを購入する際にその必要性をよく考え,価格だけでなく,環境への負担ができるだけ小さいものを優先的に購入しようというグリーン購入を進めることは,個人のライフスタイルを環境に優しいものにしていくだけでなく,商品を供給する企業に対し,環境への負荷が小さい製品の開発や環境に配慮した経営努力を促すことにもつながることから,今後ますます重要になってくるものと思われます。
中でも自動車については,二酸化炭素の排出量が市内の総排出量の約30%を占め,また,大気汚染の原因となる窒素酸化物については約70%を占めるなど,環境に対する負荷が大変大きいことから,その対策の柱として,寒冷地に適した天然ガス車などの低公害自動車普及が大変有効であると考えますので,グリーン購入の一環として,市民・企業・公共団体等で積極的に購入が進められることを期待するところであります。
1996年2月に,このグリーン購入を促進するためグリーン購入ネットワークが設立されております。これは,率先してグリーン購入に取り組む企業・行政・民間団体等から成る緩やかなネットワークで,本市は設立発起団体として当初より関与しており,現在約 800団体が加盟する大きなネットワークに成長しております。昨年は,OA用紙や事務機などに関する「商品選択のための環境データブック」を発行したり,国際フォーラムを開催するなど,活発な活動を続けているところであります。
我が党でも,早くから地球環境問題に関心を持ち,実践行動に取り組んでおり,手稲区支部におきましては,7年前から牛乳パックの回収,4年前から再生トイレットペーパーの共同購入を実施しているところであります。
しかしながら,市内ではこのような取り組みにまだまだ関心が薄い状況であることから,ぜひ市民や事業者にこのような取り組みを知っていただき,環境に優しい行動を実践していただきたいと考えるところであります。
そこで,以下の3点についてお尋ねします。
質問の1点目でありますが,本市は,地球環境保全のため「ローカルアジェンダ21さっぽろ」を昨年11月に策定したところであり,また,現在,環境基本計画の策定を進めているところであります。さらに,行政みずからの取り組みとして,昨年4月,札幌市の環境保全に向けた率先実行計画を策定し,一事業者,一消費者としての立場から,市民・事業者に率先して地球環境保全に取り組んでいることは,大いに評価するところであります。
今後は,この率先実行計画に基づく目標が一日も早く達成されるよう取り組みを進めていくとともに,さらに内容を充実させていく必要があると考えますが,この点についてどのようなお考えかお伺いします。
次に,2点目の質問でありますが,本市では,特に一般家庭や事業所など,いわゆる民生から排出される二酸化炭素の割合が高いことから,ローカルアジェンダに基づいて,市民が自主的に,温暖化防止のためグリーン購入などの具体的な行動を起こしていくことが大変重要であり,今まさに必要な状況になっております。今後作成される予定の札幌版環境家計簿を活用してみずからの行動をチェックしていくことも,大切なことと思われます。京都会議後,市民の間に地球温暖化問題に対する関心が高まっていると考えますので,この絶好のタイミングを逃さず,温暖化防止のための具体的な行動を促す普及啓発を行っていくことが急務と考えます。
そこで,この普及啓発にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
質問の3点目でありますが,事業者にも温暖化防止のための省エネルギーや省資源などの取り組みが求められております。このため,事業者に対して,環境に配慮した事業活動の推進について積極的な支援が必要と考えますので,市としてどのように対応していかれるおつもりなのかお伺いいたします。
次に,凍結路面対策についてお伺いします。
180 万人もの人口を擁する大都市で一冬に5メートルもの雪が降る都市は,国内はおろか,世界的にも例がなく,札幌だけと聞いております。本市のような都市では,冬期間においても,市民の社会的及び経済的活動を支え都市機能を維持していくための雪対策が非常に重要であり,これまでにもさまざまな問題に取り組んでおりますが,まだまだ多くの課題を抱えているのではないとか思います。
その一つに,近年,新たな課題として注目されている凍結路面問題があります。深刻な都市環境問題であった車粉の解消に向け,市民と行政が力を合わせて取り組んだ結果,札幌市がスパイクタイヤ規制地域に指定された平成4年にはスパイクタイヤの装着率がほぼゼロとなり,冬季の都市環境は格段に向上したのであります。
しかし,反面,脱スパイクを実現したその冬に,つるつる路面と呼ばれるスケートリンクのような路面が市内随所で発生して車の発進や制動に支障を来し,スリップ事故や歩行者転倒事故の増加,渋滞によるバスの遅延など,市民生活に大きな影響を与えております。
この問題に対して本市では,除雪の強化,環境に配慮した凍結防止剤CMAの散布,ロードヒーティングの整備,砂などの滑りどめ剤の散布,滑りにくい舗装の研究など,積極的な取り組みを行ってきたことは承知をしております。この結果,道警の事故データを見ても,スパイクタイヤ規制が開始された平成4年に約50%も増加したスリップ事故件数は,凍結路面対策を強化した平成5年以降,減少の傾向が見られております。私自身の印象としても,最近は,凍結防止剤の効果により,平成4年度のような非常に滑りやすい路面の発生はかなり抑制されてきているのではないかと感じています。
そこで,まず1点目の質問ですが,これまで行ってきた凍結路面対策について,どのように評価されているのかお伺いいたします。
次に,効果的で満足度の高い凍結路面対策の実現を目指すという観点から質問いたします。
現状の路面状態についての評価は,人によりさまざまであります。例えば,最高の路面管理手法と考えられるロードヒーティングによって舗装が露出した夏場並みの路面水準を求める人にとっては,現状で本市が実施しているCMAや砂散布などの手法では不十分であり,到底,満足できないのではないかと考えられます。
しかし,そのような路面水準は,技術的には可能でありましょうが,財政的には現実的でないのであります。過去,2次にわたる坂道ヒーティング整備事業などによって整備された市内のロードヒーティング延長は30キロメートル程度とお聞きしておりますが,この程度の延長でさえ,年間のエネルギーコストに約10億円もかかっているのであります。
また,仮に,市内約 5,000キロメートルの道路のわずか5%にすぎない 253キロメートルの坂道にヒーティングを設置するとした場合には,建設費が約 500億円,建設後の毎年のエネルギーコストが約37億円,老朽化した施設の改修費が毎年約42億円となり,年間約80億円もの維持管理費が必要になるのです。つまり,現在の除雪予算の7割にも相当する金額をわずか5%の坂道のために使ってしまう計算になるわけで,費用面を考えると,ヒーティングは相当割高な凍結路面対策と言わざるを得ないのであります。
凍結路面対策に使える費用に限界がある以上,行政が提供できる冬季の路面水準にも限界があるわけですから,どのようなレベルの路面水準を目指すべきかという目標を確立することが,凍結路面対策における根本的な課題であると思うのであります。
この課題の解決には,当然のことながら,道路利用者とコンセンサスを得ることが重要であります。なぜなら,道路利用者と行政の認識の乖離が不満となってあらわれることが多いからであります。
したがいまして,路面水準の設定とその運用において,道路利用者の理解と協力を得るための努力が不可欠であります。例えば,ラジオなどのマスメディアを積極的に利用した路面凍結に関する情報の提供により,運転者に注意を喚起することができます。また,国道や高速道路に設置されているデジタルの温度計は,運転者に路面の滑りやすさを判断するための情報を提供しており,有効な手段ではないかと思います。このようなさまざまな取り組みを行う中で,行政と市民相互の役割に対する認識が高まり,真の意味での
パートナーシップ体制が構築されて,効果的で満足度の高い凍結路面対策の推進が可能になると考えるのであります。
そこで,2点目の質問ですが,効果的で満足度の高い凍結路面対策を実現するという観点から,道路利用者の理解と協力を得るためのさまざまな手法について積極的に検討すべきであると思いますが,この点について市長はどのようにお考えなのか,見解をお伺いいたします。
次に,防災対策についてお尋ねいたします。
阪神・淡路大震災が発生して,はや3年の月日がたち,人々の記憶の中から徐々に 6,400余りのとうとい人命を失った戦後最大の震災もその影を薄くしつつあります。しかしながら,その一方では,いまだに2万 5,000世帯を超える人々が不自由な仮設住宅に暮らしている現実は,大災害が発生した場合に,都市とその住民が受けるさまざまな影響の大きさを十分に物語るものであり,このような報道等に触れるたび,私は,本市の地震対策の重要性を強く認識するものであります。
近代化が高度に進んだ都市において,一たん大地震が発生した場合には,建物が壊れる,人が死傷するといった被害にとどまらず,電気・ガス・水道といったライフラインが被害を受けることにより日常生活や企業・経済活動に支障が生ずるとともに,それが長期化することにより教育,文化,観光といった面にも影響を及ぼし,さらに被災者の心までもむしばむ,はかり知れない被害となることは容易に想像できるものであります。このことから,単に地震に備えるだけではなく,その後の速やかな復興へのプログラムも必要になることは,さきの阪神・淡路大震災の教訓からも明らかであります。
また,我が国は,今後ますます高齢化が進展し,これまでの社会と違って災害のダメージからの復元が難しい社会になり,これからは,従前にも増して防災対策の必要性が高まるのではないかと認識している次第であります。
北海道でも昭和27年及び43年の十勝沖地震,昭和57年の浦河沖地震,平成5年の釧路沖地震,北海道南西沖地震により,大きな被害を受けております。とりわけ昭和57年の浦河沖地震では,本市においても震度4から5相当の揺れがあり,重傷者2人,軽傷者15人,全壊1棟,一部損壊22棟の被害が出ており,地震被害は他人事ではないのであります。
さらに,札幌市防災会議専門委員による「札幌市における想定地震及びその被害評価に関する提言」によれば,市内のさまざまな地点で実施されている遺跡等の発掘調査によって,1834年に発生した石狩地震の液状化現象の痕跡が確認されており,この地震によって市内の至るところで強い揺れがあったとされております。また,古文書等によると,当時の松前藩の記録には,石狩地震によって蔵などが壊れたり,つぶれたりしたとありますが,津波による被害の記録がなく,震源域が陸上部に伸びていた可能性が高いとしており,このことから,札幌市にも直下型の地震があったのではなかろうかと言われております。もっとも 160年前は未開の地であり,被害が生じ得るものではなかったわけですが,今や人口 180万を擁する本市で直下型の地震が発生した場合のことを考えると,恐ろしいものがあります。
そこで,気にかかるのは,阪神・淡路大震災を起こしたような活断層が本市にもあるのかどうかということであります。
まず,東京大学出版会より出されている「日本の活断層」によって調べましたところ,周辺に地蔵沢断層,当別断層などが示されているものの,市内には活断層が表示されておりません。通常,活断層を発見するには,航空写真等を詳細に観察し,線状の地形のずれなどを発見し,断層があると推測するとのことですが,本市のような豊平川の扇状地では,河川によって土砂が厚く積もり,わからなくなってしまったとのことであります。また,短期間に都市化が進み,人工的に土地の改変がなされたことから,もとの地形がわからなくなったとのこと,さらには 130年以前の地震に関するデータがないことなどから,本市の活断層が不明確となっているとのことであります。
そこで私は,ぜひ,市内にあるやも知れぬ活断層を国や道,さらには大学などの研究機関と幅広く連携し,調査することが必要であると考えております。
本市の地震対策は,阪神・淡路大震災以後,いち早く抜本的な見直し作業に取り組み,地震対策を中心とした新地域防災計画が平成10年中にも策定されることとなっております。先日,札幌市防災会議地震対策部会において,時間の進行とともに対策を取りまとめたシナリオ型の計画原案が承認されたと伺っており,大いにその成果を評価するものであります。
そこで,残された重大な課題が活断層の調査であります。平成8年度には地下 500メートルのところに微小地震計を3カ所設置し,データ収集をしているとのことでありますが,もう一歩踏み込んだ調査が必要と考えております。例えば,北海道では,平成7年から平成15年までの9年間で,滝川,砂川,美唄周辺の樺戸断層や,函館平野西縁断層などの5カ所についてトレンチ調査等の活断層調査を国の補助を受けて実施しております。
私は,本市においてもこのような調査を行い,不明となっている活断層の有無を明確にすべきと思いますが,市長のご見解をお伺いしたいと思います。
次に,災害時における避難者に対し物資を供給するための備蓄庫のあり方についてお尋ねするものであります。
平成10年度予算の重点施策として6項目が掲げられておりますが,その中の1項目として,災害に強い街づくりのための防災体制・防災対策の強化が挙げられております。これは,だれもが安心して暮らせる災害に強い街づくりに向けて,新しい地域防災計画を策定し,震災時の体制の充実を図る取り組みとして防災支援システム等の整備を推進するとともに,災害時には避難場所や救護活動の拠点となる公共施設や,道路,橋,地下鉄などのライフラインについて,耐震診断を実施し,必要な耐震補強整備を行うこととしております。そして,予算額も対前年度比62.8%増の約74億円を計上しているものであり,私は,このような災害に取り組む市長の積極的な姿勢を評価するものであります。
これまでも,避難場所における避難者を支援するため,食料や毛布などの応急支援物資を市内の各所に備蓄し,流通体制の充実を図ってきているものであり,現況では非常食12万食,毛布2万枚,寝袋1万個等の応急救援物資を備蓄しており,さらに今後も備蓄の充実を図る計画と聞いております。
本市の地域防災計画によると,現況の備蓄庫の整備としては,市内21カ所の公共施設等に応急救援物資を分散配置しており,今後においても,市内の小・中学校に物資を配置するため,学校クラブハウスの備蓄庫を活用していくとともに,学校の空き教室の有効活用についても検討を進めていくと伺っております。
しかしながら,市内21カ所に設置されている備蓄庫について私が調査したところ,約7割が地上部にあり,備蓄場所の耐震性を考えますと,地下部の備蓄庫についても積極的に考えていく必要があるのではないかと思うのであります。
そこで,ことしの1月25日の新聞報道によりますと,東京都では,2000年に開通予定の地下鉄山の手線と呼ばれる都営地下鉄12号線に,2駅を選定し,地下備蓄庫を建設する計画があると掲載されており,私は,早速,東京都になぜ備蓄庫を駅舎に併設するのか,その目的について確認したところ,この地下備蓄庫は,駅舎と地上との間の地下空間,いわゆる掘山空間と呼ばれるものでありますが,そこを活用したもので,地下鉄新駅の建設と同時につくることにより建設費を低廉化することと,災害に強い地下鉄の輸送力を活用し,震災発生直後に生ずるおそれがある初期対応の空白解消を図るために,被災者の救援・救助,支援物資等の輸送をスムーズに行うために設置したものであるとのことでありました。
本市の地下鉄の現況を考えますと,都営地下鉄のように新線建設とはなりませんが,現在の地下鉄駅などに持っている空間を防災対策の補完的な備蓄機能として有効活用ができないものかと考えるものであります。私は,阪神・淡路大震災においても,地下鉄構内が地上よりも安全性が高いことが立証されたと思っておりますし,我が党の本郷議員が,地下鉄の安全性を確保する立場から耐震補強について提言してきたところであり,現在,その工事が精力的に実施されていることを踏まえますと,今後,地下鉄の安全性がより高くなっていくものと考えるのであります。
そこで,列車の運行中に地震が発生した場合,利用者が地下鉄構内に一時的に避難することとなりますが,道路が寸断されたり,また,地上部にある地下鉄出入り口の崩壊により閉じ込められ,長時間,帰宅できなくなってしまうことが想定されるので,このような場合に対処できるようにするためにも,地下鉄構内に備蓄庫が必要であると思うのであります。災害に強い地下鉄の利点を生かし,駅舎等の空間を有効利用し,例えば食料品,水,医薬品等の必要最小限の物資を保管できる備蓄庫が確保されれば,地下鉄利用者だけでなく,一般避難者に対してもスムーズな物資の供給ができるものと考えるのであります。既設の全駅に備蓄庫を設置することが望ましいと考えておりますが,スペースの制約などから困難があると思いますので,例えば,一日の乗降客が多い大通駅やさっぽろ駅,また,バスターミナルと接続されている駅や端末駅に設置することができないものかと考えているのであります。
そこで質問いたしますが,今後,地下鉄駅舎に備蓄庫を設置するお考えがあるのか,市長のご見解をお伺いするものであります。
最後に,手稲区の諸問題についてお伺いいたします。
インターネット活用による地域コミュニケーションの活性化についてであります。
本市におきましては,21世紀に向けて,市民生活をより豊かにするための一つの手法として情報化の推進を掲げ,昨年12月にその指針となる札幌市情報化構想が策定されたところであります。この中で,情報結縁都市さっぽろがうたわれ,市民・企業・行政がそれぞれの間でコミュニケーションの活性化を図り,豊かな生活の実現に向けて連携協力を行う街がイメージされております。
私は,今後,子供からお年寄りまでが豊かに,そしてぬくもりの中で安心して暮らしていけるような街づくりを進めていくためには,それぞれの地域の中のコミュニケーションの活性化が不可欠であると考えています。
今日,生活をするための情報は,商店街,企業,福祉,教育関係等とあふれておりますが,これらの情報が分散しており,必要なときに必要な情報が十分に得られないのが現状であります。例えば,福祉のまち推進センターは,全市で各連絡所単位の設置を目指して整備を進めておりますが,ここに福祉に関する情報がどのぐらいあるのでしょうか。福祉のまち推進センターが地域住民の手で自主的に運営され,その機能とサービスを高めていくためには,情報源となるインターネットを導入し,これを有効に活用していく必要があると思うのであります。
一方,生活する上で最も身近に感じ,常時必要とする情報は,商店街や地域の行事に関するものであると思います。現在,好むと好まざるとにかかわらず,チラシや新聞,テレビ等の一方向による情報であり,利用者の選択幅がないわけであります。
この点,インターネットの利用により,その日の店の商品やサービス,行事等の状況をいつでも検索することができ,さらに商品の問い合わせや発注ができるとすれば,商店街活性化への新たな道が開けると思うのであります。特に,インターネットに関心の深い若い世代への活用は,新しい地域コミュニケーションの手法として,街の活性化を図る上で極めて有効な手段ではないかと考えるのであります。さらに,現在,点在している情報を有機的に結びつける情報ネットワーク化もあわせて進め,市民・企業・行政が情報の共有化を図る必要があると思うのであります。
そこで,手稲区では,既にインターネットで「ていねやま」のホームページを持ち,地域情報を発信しているわけでありますが,札幌市情報化構想が策定されたのを機会に,区が中心となって,福祉のまち推進センターや地域商店街,区役所,区民センター,連絡所等にインターネットを積極的に導入し,地域コミュニケーションの活性化に取り組むべきと思うが,市としての考えをお聞きしたいのであります。
最後に,JR手稲駅周辺地区の整備についてお伺いします。
手稲駅周辺地区は,明治初期に入植者による開拓が始まり,地区開発の礎が築かれ,明治13年に札幌−手宮間の鉄道が開通し,翌14年には現在の手稲駅の前身である軽川停車場が設置され,開拓使の時代から,札幌と小樽・石狩を結ぶ交通の要衝とされてきました。そして,明治45年には,石油精製所が設立され,昭和10年には,当時,東洋一と言われた巨大な設備を備えた手稲鉱山が本格的に操業開始するなど,たくさんの労働者が集まり,駅周辺には商店,飲食店,劇場などが立ち並び,非常なにぎわいを呈していたと言われております。
先日行われた長野での冬季オリンピックではどさんこ選手が大活躍し,低迷した北海道経済に明るい話題をもたらしましたが,昭和47年には第11回冬季オリンピックが札幌で開催され,手稲区のシンボルとも言える手稲山でアルペンスキーを中心に競技が行われ,大変な感動のドラマを生んだこともいまだ記憶に新しく,手稲の名が世界に知られるようになったことは,区民として誇りであると思っております。
また,昭和40年ころからの本市の急速な都市化とともに,前田や稲穂地区など新興住宅街の大幅な拡大により人口が急増し,特に昭和60年以降は,市内10区の中でも最高の人口増加率を示しているところであります。このように,手稲区は大いに発展を続けているところであり,平成元年には西区より分区がなされ,さらに個性ある街づくりが進められているところであります。
この急激な人口増加とともに,手稲駅の乗降人員は,昭和45年の 8,000人から現在では2万 8,000人を超え,札幌駅に次いで道内第2位を誇るまでになっております。列車本数も乗降人員の増加とともに増便され,現在は上り 129本,下り 131本の計 260本が運行されており,朝のピーク時には札幌駅に向かう下り便が約5分間隔で,また,札幌駅とを約10分で結ぶマリンライナーやエアポートなどの快速列車の運行といった極めて交通利便性の高い駅であり,地下鉄のない手稲区民にとって重要な交通手段となっております。また,市街地の拡大により,駅への連絡手段としてバス利用者も大きく増加しており,乗りかえの拠点となる駅前広場などの施設の狭隘化が課題となっておりました。
このような中,手稲駅周辺地区は,平成17年を目標とする第3次札幌市長期総合計画において地域中心核として位置づけられ,地域の特性を生かした街づくりが期待されているところであり,平成5年には,南北の両駅前広場の拡張整備,自由通路の建設及び駅舎の橋上化を柱とする整備構想がまとめられております。
私は,手稲区民待望のこの整備構想の実現によって駅周辺の商業・業務施設の集積がなされ,本市の西の副都心として魅力ある街に変貌し,名実ともに手稲区の拠点となるものと期待しているところであります。近年の駅南口の手稲本町地区や駅北口地区での民間再開発による商業施設等の建設は,地域活性化の契機となるものであり,大変喜ばしい限りでありますが,現状で駅舎や駅前広場などの既存の施設が飽和状態となっていることから,建設工事の早急な着手が急務かと思われます。
そこで質問でありますが,まず1点目として,本市の事業としては,南北の駅前広場の整備や自由通路の建設が予定され,また,JR北海道の事業としては,駅舎の橋上化や,快速列車と普通列車が同一ホーム上で乗りかえが可能となる構内改良が予定されていて,既に設計に着手されているとのことでありますが,区民が待ち望む整備構想の実現に向け,具体的な工事の年次計画をどのように予定されているのかお伺いいたします。
次に,質問の2点目でありますが,急速な高齢化社会の進展により,市民の福祉に対するニーズはますます多様化してきており,特に,駅周辺はたくさんの市民が鉄道からバスなどへの乗り継ぎの拠点施設となりますので,高齢者や何らかのハンディキャップを持つ市民への利便性を確保することが重要と考えますが,この整備構想の実施に当たってのバリアフリーへの配慮についてどのような考え方を持っているのかお伺いいたします。
以上で,私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(柴田薫心君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(桂信雄君) 私から,最初にお答えいたします。
初めに,行政改革の推進についてであります。
まず,第1点目の市民との連携のあり方についてでありますが,ご質問にもありましたように,これからの時代は,市民と行政の協働による街づくりを進める必要があると認識をしております。
したがいまして,新たに設置する予定の市民代表による外部委員会におきましても,例えば,市民と行政の
パートナーシップのあり方や市政情報の共有化の問題,あるいは施策実現のための行政システムのあり方などについて幅広くご議論をいただき,分権時代に向けて,市民との連携を一層重視した行政への転換を図ってまいりたいと考えております。
第2点目の出資団体の情報開示についてでありますが,出資団体に関する情報につきましては,これまでも自治法に基づき議会への決算報告などがなされておりますが,行政が出資しているという趣旨からいたしまして,団体に関する情報を広く市民にわかりやすい形で提供することが大事なことであると考えております。
なお,国においては,各自治体に対して,情報開示の促進策などを含めた出資団体のあり方についての指針を平成10年度中に策定する予定であり,本市といたしましても,今後,国の動向なども見きわめながら対応してまいりたいと考えております。
第3点目の組織体制についてでありますが,これからの行政改革は,臨時的なプロジェクトによる取り組みではなく,地方分権にも的確に対応できるよう経常的に行革を推進できる組織づくり,人づくり,システムづくりを進めることが重要であると考えております。このため,新年度からは,行政改革や地方分権の統括を行うセクションを整備するとともに,総合的な行政を進めるための組織再編を行うなど,新たな時代に向けて体制を強化してまいる考えであります。
次は,都心部における
交通実験プロジェクトについてお答えをいたします。
まず,札幌市
都心交通対策実行委員会の活動についてでございますが,これまで地元商業者や運送事業者,バス事業者など,都心にかかわるさまざまな利害関係者が一体となって,違法駐車防止や荷さばき作業の効率化などの具体的な活動に,自主的に,しかも継続的に取り組んでいただいていることを高く評価いたしております。また,こうした取り組みを通して,魅力ある都心空間の創出に向けた市民合意が形成され,市民参加による街づくりが行われていくことを期待しているものであります。
次に,来年度の交通実験についてでありますが,年間を通じた取り組みとなるように,実験規模を拡大するとともに,
都心循環バスの運行に合わせて,荷さばきの
タイムシェアリングを実施するなど,公共交通の魅力づくりと走行環境の改善に向けた各種の実験に力点を置いてまいりたいと考えております。
また,
都心循環バスの目指す方向についてでございますが,ご提案の二つの選択肢も念頭に置きながら,さまざまな交通実験を繰り返す中で,あるべき都心交通の姿を探るとともに,違法駐車の排除や私的交通の流入抑制策について,どのような方法が可能で,さらに,地元や市民,関係機関の理解が得られるのか,十分な協議を重ねてまいりたいと考えております。
次に,
介護保険制度についてであります。
1点目の
介護保険事業計画策定に当たっての住民参加についてでありますが,
介護保険制度を円滑に運営する上で,
介護保険事業計画の策定は基本となるものであります。保健・医療・福祉の関係者など,さまざまな立場の方々からご意見をちょうだいしていく必要があるものと考えております。
具体的には,計画策定委員会での検討や,現行の
高齢者保健福祉計画で実施いたしましたような市民意見交流会の開催などにより,市民の意見を反映できるよう対応してまいりたいと考えております。
2点目の,区の相談窓口におけるケアマネジャーの資格を有する職員の配置についてであります。
介護保険法において,ケアマネジャーの配置を必要とするのは,居宅介護支援事業者として指定を受けたケアプラン作成機関と特別養護老人ホームなどの介護保険施設とされております。特に,市町村窓口に
ケアマネジャー資格を有する職員を配置することは義務づけられてはおりませんが,民間機関では処遇困難な事例への対応や,みずからケアプランを作成する保険サービス利用者に対する指導・助言など,少なくともケアマネジャーと同等の幅広い知識・経験が求められることも十分想定されますので,市民サービスの向上を図る観点からも,ケアマネジャーの配置も含めた窓口体制の整備について検討してまいりたいと思います。
次に,環境保全対策についてお答えをいたします。
1点目の率先実行計画についてでありますが,各部局にチェック票を配付し,まず,それぞれの部局がグリーン購入を初めとする実践状況を自己点検していくことから進めております。さらに,新年度には,環境保全施策の全庁的な調整組織である札幌市環境保全会議などを活用しながら,このチェック票の結果などを点検,評価し,取り組みをより一層推進していくための方策,新たな項目や数値目標の設定などを検討してまいる考えであります。
2点目の温暖化防止行動の普及啓発についてでありますが,本市では「ローカルアジェンダ21さっぽろ」を昨年11月に策定いたしましたが,その後,具体的な行動例も盛り込んだ概要版を作成し,広く市民に配布したところであります。
さらに,ローカルアジェンダに取り組んでいただける市民を募り,「仮称)さっぽろエコクラブ1万人の輪」の制度を発足させる予定であります。このクラブ員には,札幌版環境家計簿を活用していただき,具体的な行動の推進に役立ててもらうとともに,実施状況の把握に努め,環境に優しい行動を実践する市民の輪を広げてまいりたいと考えております。
3点目の環境に配慮した事業活動への支援についてでありますが,各事業者が企業活動における環境に配慮した取り組みを自己評価するための「札幌版行動評価書」を作成し,配付してまいります。また,低公害車の普及は,温暖化防止に寄与することから,事業者が低公害車を導入する際の支援策として,購入資金の融資制度を設けることとしております。
以上であります。
○議長(柴田薫心君) 魚住助役。
◎助役(魚住昌也君) 私から,凍結路面対策と手稲区の諸問題についてお答えいたします。
まず,凍結路面対策についてであります。
1点目の凍結路面対策の評価についてでありますが,つるつる路面の発生を契機に,本市では,さまざまな方策について試行し,検証してきたところでございます。
幹線系道路の対策としましては,除雪の強化とCMAの散布を組み合わせた手法が効果的であると判断し,順次,拡充強化に努めております。また,生活道路の坂道には滑りどめ剤の散布が有効であり,緊急時の対応にも活用しております。この結果,本市の冬の路面状況は,気象条件によっては一時的に厳しい状況が発生することがあるものの,一定水準の路面状態が確保されているものと評価しております。
次に,2点目の道路利用者の理解と協力を得るための取り組みについてでございますが,今後の凍結路面対策は,交通機能と安全を確保しつつ,しかも費用対効果の高い効率的な対策を目指していく必要があるものと認識しております。そのためには,道路利用者の理解と協力を得るための取り組みがぜひ必要であると考えているところでございます。
今後,ご提言にありました道路利用者に対する情報提供などの具体的な取り組みについても検討し,実現に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
次に,手稲区の諸問題についてお答えいたします。
1点目のインターネット活用による地域コミュニケーションの活性化についてでございます。
昨今の情報技術の発達は日進月歩であり,こうした技術を市民生活の中に取り入れ,これを活用していくことが,今後の街づくりにとって必要であると考えております。
ご指摘のとおり,現在,住民の生活や活動に必要な情報収集の手段は必ずしも十分ではなく,地域住民が地域で活動し,地域を活性化させていくためには,まず地域における生きた情報を整備し,今後は市民が必要に応じて情報収集ができる一手段としてインターネットの活用を推進してまいりたいと思います。
また,商店街や町内会等のコミュニケーションの活性化は,地域の街づくりにおいて重要なことであり,今後,こうした情報手段を活用したコミュニティ活動が可能な地域をモデル地区に指定し,地域サーバーの提供などにより,区役所を中心とした,住民と行政,住民同士の地域情報の交流を図り,地域の活性化や福祉の街づくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に,JR手稲駅周辺地区の整備についてでございます。
まず,1点目の工事の年次計画につきましては,本市が主体となって行う自由通路,駅前広場と,JR北海道が行う橋上駅舎,構内改良の工事がふくそうすることとなりますので,まずJR北海道は,平成10年度から仮駅舎と仮線路の工事に着手し,平成13年度に橋上駅舎の完成を目指しております。また,本市は,平成10年度から自由通路の工事に着手し,平成13年度の完成を,南北の駅前広場につきましては平成14年度の完成を目指しております。
次に,2点目のバリアフリーへの配慮についてでございます。
昨年実施したワークショップで,地域住民の方々から数々のご意見をいただいておりますので,これらを参考にして,地域に愛され,市民相互の思いやりの心が育つような人に優しい広場を目指してまいりたいと考えております。具体的には,南北の駅前広場と自由通路の円滑な往来が可能となるように,歩きやすい路面の工夫や,わかりやすい歩行者動線の配置,エスカレーター,障害者対応のエレベーターの設置など,安全で快適な歩行空間の整備を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(柴田薫心君) 石原助役。
◎助役(石原弘之君) 私から,防災対策についてお答えをいたします。
1点目の活断層の調査についてでありますが,本市では,昨年4月に設置した微小地震計によりデータを収集し,調査・分析を北海道大学に依頼しております。この調査・分析にはいましばらくの期間を要しますが,これにより活断層の存在が指摘された場合には,その時点で国や北海道と協議してまいりたいと考えております。
2点目の地下鉄駅舎に備蓄庫を設置することについてでありますが,地下鉄施設につきましては,阪神・淡路大震災の教訓を生かし,現在,耐震補強工事を精力的に実施しておりますので,安全性はより高くなってきていると認識しております。
したがいまして,地下鉄駅舎に備蓄庫を設置することは,災害時における駅舎の安全性が高いことや,地下鉄の輸送力を活用し,避難者に対し物資をスムーズに供給するという観点から有効であると考えております。設置に当たりましては,地域防災計画との整合性を考慮し,駅舎の構造上の問題や法的な制約もありますので,今後,国などの関係機関と調整を図りながら検討してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(柴田薫心君) ここで,およそ30分間休憩いたします。
――
――――――――――――――――――
休 憩 午後2時16分
再 開 午後2時55分
――
――――――――――――――――――
○議長(柴田薫心君) これより,休憩前に引き続き会議を開きます。
代表質問の続行であります。
飯坂宗子君。
(飯坂宗子君登壇・拍手)
◆飯坂宗子君 私は,ただいまから,日本共産党を代表して,当面する市政の重要問題について質問をいたします。
まず,市長の政治姿勢とも関連して,行財政改革と財政問題について質問いたします。
この問題は,昨日来,各党が取り上げておりますので,前置きを省略して直ちに質問に入ります。
質問の第1は,政府・自民党の行財政運営とも関連する市長の対応,政治姿勢についてです。
今,行財政改革が叫ばれている背景には,戦後50年を経過して,自民党が進めてきた国づくりがこれでよかったのだろうか,今後,日本の進む道が自民党流の国づくりで果たしてよいのだろうかという問題が,国民的な規模で提起されているものと考えます。自民党政権が進めてきたアメリカの植民地型の軍事基地国家づくりの現状について,是とされるのかどうか。本来の行財政改革とは,日本の軍事費やアメリカ軍のための思いやり予算など,むだな予算を削減することこそ求められていると考えますがいかがか,市長の見解を伺います。
また,戦後の自民党政治のもう一つの大きな特徴は,大企業・ゼネコン奉仕型の国家づくりが進められてきたことです。すなわち,国民から強い批判のある政・官・業の癒着構造をつくり出し,その見返りに,むだと言われる大規模開発を含めてゼネコン型の公共事業に巨額の投資を行いながら,国家財政と地方財政を破綻寸前まで追い込んできました。消費税の増税や医療改悪などによる9兆円もの国民負担とあわせて,このように国民生活に犠牲を強制しながら,その一方で,銀行の不良債権問題が浮上するや,すかさず,金融システム安定化を口実に,公的資金30兆円による銀行支援を強行しようとする政府・自民党のやり方について,市長はどのようにお考えでしょうか。このようなやり方は,行財政改革とは全く逆のことと思いますが,いかがか。
行財政改革と言うのであれば,大きなむだを生み出しているアメリカの軍事基地国家づくり,大企業・ゼネコン国家づくりの政治全体を改革,転換すべきと考えますがいかがか,市長の政治姿勢とも関連してお尋ねをします。
質問の第2は,予算編成の基本に関する問題点についてです。
新年度予算案の特徴は,第1に,
財政構造改革法に基づく政府の指導に忠実に従い,歳出の抑制を図り,さらに市民に負担と我慢を押しつけ,民間委託の推進と職員の削減を含め,市民福祉の事業に大なたを振るおうとしていることです。
第2に,その一方で,巨額を要する国際ゾーン構想の推進など市街地改造事業や, 190億円をかけるコンベンションセンターの建設を含む東札幌地区の再開発を強引に進めるなど,今,強く求められているゼネコン奉仕型の大型開発事業に根本的なメスが入れられず,引き続き開発優先の街づくりを推進しようとしていることです。
第3に,改定された札幌市基本構想で強調している
パートナーシップ論が予算案にも色濃く反映しており,市民の負担と役割の再構築をうたう行革推進の体制づくりとして,行政部,都市経営課の新設を初め,保健福祉局への統廃合など,市民無視の機構再編によって行政の責任を放棄し,公的負担を軽減しながら市民に協力,犠牲を求めようとする行革路線を本格的に進めようとするものであり,新年度の対応にとどまらず,21世紀に向けた中長期の行革路線の継続,強化を示すものとなっていることです。
予算案の特徴についての以上の指摘について,市長はどのようにお考えでしょうか,明らかにしていただきたいのであります。
質問の第3は,膨大な市債残高と財政問題についてであります。
新年度予算では,市債を前年度より81億円減額したとはいえ,98年度末の市債現在高は,前年度よりふえ 9,071億円に増大します。全会計の市債現在高は,総額2兆 347億円に達します。
我が党は,これまでも指摘してまいりましたが,地方債残高の増嵩の背景には,1990年,アメリカの圧力に屈して政府が決めた,10年間で 630兆円を使う公共投資基本計画があり,これとあわせて,政府が不況対策などの名目で地方単独事業を膨らませてきたことが,本市の市債残高を押し上げる大きな要因となってきたと思うのでありますがいかがか,市債残高増嵩の原因について,市長はどのようにお考えか。
また,金利6%を超える高金利の 5,564億円を2%程度の金利に借りかえ,負担の軽減に取り組むよう提案しますがいかがですか,伺います。
今後,膨大な借金解消のためには,ゼネコン奉仕型の大型開発事業を初め,むだな公共事業に抜本的なメスを入れる,こうした財政運営に転換を図るべきではありませんか,市長の見解を求めます。
質問の第4は,公共料金の値上げに関してです。
昨年の市営交通料金,上下水道料金などの大型値上げに続いて,新年度も新たな市民負担が押しつけられようとしていますが,長引く不況のさなか,住民の暮らしを守るべき地方自治体として,これ以上の市民負担をふやすべきではありません。
市立高校の授業料,入学料及び高等専門学校の入学料の引き上げについてですが,長い景気の低迷の中で市民の所得が伸びていない状況を考慮すべきであり,値上げ案の撤回を求めます。
時計台の観覧料,ホール使用料の新設は,新たな有料化であります。時計台は,札幌のシンボルとも言うべき文化施設であり,気が向いたときに気軽に立ち寄れるという点でも人気もありました。お金をかけて施設をよくしたので,受益者負担の考えを,この際,適用して有料化という対応に,本市の非文化性を感じるのは私ひとりだけでしょうか。今までどおり無料とすることこそ,時計台の人気を高め,市民や他の町から来る人にも親しまれ,愛され,札幌の名を高めることになるのではないでしょうか。時計台の有料化の撤回を求めます。
健康づくりセンターの利用料の減免措置の廃止は,新たな有料化であり,市民の健康を守るため,できるだけ多くの市民に利用されることを目的とした減免措置の継続を強く求めます。
市営住宅の家賃減免基準の見直しが全額減免の廃止を目指すものということも伝わってきておりますが,低所得者のための家賃減免制度のレベルを切り下げることはやめるべきであります。
以上の諸点について,市長の見解と対応について伺います。
質問の第5は,開発行政の見直しについてです。
東札幌地区開発は, 190億円をかけるコンベンションセンター建設を初めとする公共施設整備に 280億円,基盤整備に 170億円,合計で 450億円を投入しようとするものです。コンベンションセンターは不用であり,商業・業務用地の造成なども,先行き不透明な経済状況のもとで,本市が大きな経済的リスクを背負い込むことが懸念されます。こうした計画はきっぱりと中止し,市民の切実な要求となっている高齢者用ケア付公共住宅や,高齢者,障害者施設の建設用地として活用するなど,市民本位の計画を市民参加でつくるべきと考えますがいかがか,伺います。
また,都心部の過密の弊害をさらに拡大することになる都心部改造計画,すなわち国際ゾーン構想が計画どおり進める事業とされていることは遺憾であります。 800億円もの市費を投じるとされているこの計画は,市民福祉に直接結びつかない,むだなゼネコン奉仕型の大開発であり,計画の中止が求められていると考えますがいかがか,伺います。
質問の第6は,公共工事のコスト縮減に関してです。
ヨーロッパなどから見て2割,3割高いと言われている日本の公共工事でありますから,本市においても適正に縮減を図ることが強く求められています。
本市は,1996年度の標準的公共工事コストに対して,99年度末までに10%以上の縮減を目標として取り組んでいますが,達成見通しについてどのように考えているのか伺います。
あわせて,本市発注工事の中で,全天候型多目的施設及び第5清掃工場などの大規模施設についても,工事コストの縮減について厳正に取り組むべきと考えますがいかがか,伺います。
質問の第7は,敬老パス制度の改悪など,行政改革とは言えない市民福祉事業の切り捨てに関してです。
敬老優待乗車証事業の見直しが計画に盛り込まれ,検討懇話会の提言等を踏まえ見直しを検討中としておりますが,本市は,申告制を突破口に制度の改悪に突き進むのではないかとの懸念を市民が強く持っている中で,所得制限,有料制の導入,対象年齢の引き上げは行わないと市長は明言すべきでありますが,いかがか。
また,改めて現行制度での敬老パス存続を求めるものでありますが,市長の対処方針を明らかにしていただきたいのであります。
敬老祝金品支給についてでありますが,87歳で支給する米寿の祝いを充実するとして76歳で支給する喜寿の祝いを廃止し,また,低所得者に対する法外援護を打ち切ろうとしていますが,喜寿の祝い,法外援護は継続すべきと考えますがいかがか,伺います。
質問の第8は,学校給食などの民間委託化,職員の嘱託化の問題についてです。
自民党は,再三にわたって学校給食の委託化を要求してまいりました。その目的は,経費削減,人件費削減にあります。途中で,自民党は,迂回作戦をとって,にわかに学校給食の充実を言い出しました。これは,ランチルームの整備や食器の改善など,学校給食の充実には大変な経費が必要になる,だから,財源を確保するためには民間委託化が必要であると,結局,民間委託化を主張するために学校給食の充実を言ったにすぎないということです。
かつて自民党の議員が,「給食など要らない」「親が弁当を持たせればよい」と言っていたときもありました。
このように,自民党が主張する経費削減,人件費削減ということだけで学校給食を運営したら,どういうことになるでしょうか。何よりも,子供たちの食べるものは安全と健康を保持できるものでなければなりません。働く人たちの労働条件が安定してこそ,安全で健康な給食を確保できるのであります。それを,ただ人件費の削減という枠から見て安易に民間委託にすることは,多くの子供たちの安全と健康を脅かすことにもなりかねません。このような民間委託化はやめ,教育の一環として位置づけられている学校給食は,直営で安全な学校給食を確保すべきと考えますがいかがか,伺います。
委託化の問題では,このほかに,保育園用務員,直営除雪,市営住宅の管理業務など,市民の安全と暮らしに直結する業務の委託化が挙げられていますが,市民サービスを行政が責任を持って提供するという見地から,委託化,嘱託化は撤回すべきと考えますがいかがか,市長の対応を伺います。
質問の第9は,老人バス,老人電話相談など,あり方を検討するという見直しに関してです。
この問題では,このほかに,市立保育園のあり方検討,都心部小学校の適正規模化の検討,区民センター図書館のあり方の検討,学校用務員業務の見直しなどが挙げられていますが,内容的に見ると,例えば,公立保育園の削減,小学校の統廃合など重大な問題をはらんでいるものであります。事業の縮小,サービスの切り捨てや委託化などを行おうというのであれば,見直しはやめるべきであります。何をどのように検討するのか,内容を明らかにしていただきたいのであります。
質問の第10は,機構再編問題についてであります。
民生局と衛生局の統合は,市民の強い批判があった保健所統廃合の延長線上にあるもので,必要な保健と福祉の職員を増員しないで,手持ちの職員で,多様化,増大する在宅福祉のニーズに名前だけで間に合わせようとする性格の機構いじりです。非効率とも言える巨大な局をつくった理由は一体どこにあるのか,伺います。
また,かつて本市は,厚生局を民生局と衛生局の二つに分けたのでありますが,そのときは,市民にとって重要な保健と福祉の業務がそれぞれ大きな事業となったので,一つの局ではやれなくなったと説明してきたのでありますが,今になってこれを統合する理由は何でありましょうか,明らかにしていただきたいのであります。
また,今回の大きな特徴として,市長が強調している
パートナーシップ論に基づく市民の負担と役割の再構築をうたう行革推進の体制づくりとして,行政部,都市経営課の新設があります。この組織は,悪名高い都市経営論,すなわち,自治体の公共性を無視した,効率化の名のもとに,利益を目的とする民間会社に歩調を合わせて,行政の責任を放棄し,市民に負担と犠牲を押しつけようとするものではないのか伺います。
行政部と都市経営課は何をするのか,業務について明らかにしていただきたいのであります。
質問の第11は,職員の削減問題についてです。
本市は,98年度から5年間で職員数の5%を削減するとしております。市民の中には,素朴に,公務員が多いとか給料が高いとか思っておられる方もいますが,これは,現在の国民いじめの自民党の悪政,行革の嵐の中で,市民生活が総体的に低い水準に抑えられていることから生じていることです。
実際に,職員の状況は,97年度の実績で見ると,一般行政部門の人口10万人当たりの職員数は,本市 441人,
政令指定都市平均 621人と,平均より本市が 180人も少ない状況です。全部門の職員数では,市民 1,000人当たりの職員数は,12政令都市中,少ない方の3番目,一般行政職員の市民 1,000人当たりの職員数は,12政令都市中,最下位と最も少なくなっているのが現状です。職員給与は,政令都市中,中位にあるのが現状です。
市長は,政府・自民党の言いなりに数値目標を掲げた職員削減計画を持ちましたが,本市職員数が多過ぎるとお考えになってのことなのかどうか,現状を踏まえてどのように認識をされておられるのか伺います。
現在の職員数は,多様な市民ニーズにこたえるにはぎりぎりの数であり,市民の要望にこたえ切れないという話をよく聞きます。こうした現状のもとで,数値目標を持った職員削減の取り組みは,ともすれば,数字だけが走って,数値目標達成が目的化して,真に必要な職員配置を行わないおそれも生じることが懸念されます。職員に犠牲を押しつけ,必要な市民要望にこたえないということは,あってはならないことと考えますがいかがか,数値目標を掲げたとはいえ,十分な吟味と慎重な取り扱いが必要と考えますがいかがか,市長の対応を伺います。
最後に,職員5%削減問題の本質についてでありますが,これまで指摘した本市
行財政改革推進計画の問題点,すなわち,今,市長が進めようとしている行革路線が,大きなむだを放置しながら市民福祉の事業に大なたを振るっていることとあわせ考えると,職員削減が市民サービス切り捨てと同じ意味を持ってくると考えるものであります。
このような市民福祉の事業切り捨てに直結する職員5%削減の目標を何ゆえに掲げたのか,その理由について改めてお尋ねします。
次に,不況対策と中小企業,商店街対策について質問いたします。
質問の第1は,本市経済と中小企業の現状についての認識についてです。
市内の百貨店販売額が,93年の 3,031億円から97年は 2,947億円に,とりわけ昨年12月は対前年同月比で 4.4%も落ち込んでおり,新車の登録台数が93年の11万 3,505台から97年は11万 2,619台に,新設住宅着工戸数が93年の2万 9,327戸から97年は2万 1,611戸へと下がるなど,従来,順調な伸びを見せていた個人消費にかかわる経済指標で顕著な落ち込みが見えるほか,企業倒産でも,93年の 407件が96年まで毎年減少を続けて 344件となっていたものが,97年にはこれが 406件へと急増しており,負債総額でも,93年の 992億円が97年には 9,766億円へと10倍にも膨れ上がっており,全国的に完全失業率が3%台の半ばで推移している中,本市の有効求人倍率は昨年7月から連続して前年比マイナスになっています。
市長は,このような本市経済と中小企業の現状,市民生活の実態を示す指標について,すなわち,本市における深刻な不況の実態についてどのような認識をお持ちでしょうか,かつてない深刻な事態であるとお考えでしょうか,まずお示しください。
質問の第2は,不況の原因と景気対策の基本についてです。
本市における経済指標が如実に示しているように,不況の実態は深刻な消費不況であることは明らかですが,市民の消費購買力を低下させた原因について,市長はどのようにお考えでありましょうか。
昨年,政府が,消費税率の引き上げ,特別減税の打ち切り,医療費負担の拡大などで,国民に新たに年間9兆円もの負担増を押しつけ,さらに
財政構造改革を標榜して将来の社会保障縮減の方向を打ち出したことが,急激な消費購買力の低下を招いたとはお考えにならないのか,明らかにしてください。
また,このこととの関連からも,不況打開の基本として消費税5%を3%に戻すなど,大幅な庶民減税と将来にわたる社会保障の拡充が欠かせないとお考えにならないのか。つまり,国内総支出の61%を占める個人消費をふやす施策が景気対策のかなめだとお考えにならないのか,お尋ねします。
また,90年の本市の産業連関表から計算すると,土木部門に 1,000億の事業発注を行った場合,2次波及までの経済効果が 1,600億円なのに対して,社会保障部門では 1,714億円となり,公共事業の場合を 114億円も上回っており,これが3次,4次と波及が進むにつれ,その経済効果の差がさらに広がることが明らかになっています。
そこでお尋ねしますが,福祉・社会保障分野への投資,雇用効果が,公共事業のそれよりも影響が大きいことについて,市長はどのような認識をお持ちか。景気浮揚のため,これまでの土木中心から,福祉・社会保障分野への投資にもっとウエートを置くべきとは考えないのか。行財政改革の名で福祉切り捨てを進めることは,景気対策上からも大きな問題であると考えますがいかがか,お尋ねします。
質問の第3は,市内中小企業に対する本市の工事発注に関してです。
93年度,本市が発注した工事のうち,その76.2%が市内企業であったものが,97年度には12月末までで61.2%に減少しました。厳しい不況の中で必死に頑張る市内中小企業に,もっと市発注工事の割合を高めることが今必要と考えますが,いかがか。分離発注を拡大することなどで市内中小零細企業の受注機会をふやすことは可能であり,地元中小企業に官公需をふやすための政策転換を強く求めるものでありますが,市長のご所見はいかがでありましょうか,お尋ねします。
質問の第4は,本市における中小企業への金融対策の問題点についてです。
我が党の要求にこたえて,昨年末に復活した緊急景気対策特別資金,そして新設の拓銀関連の金融環境対策特別資金の12月融資実績は,融資枠69億円に対して10億 1,420万円にとどまり,マスコミでも,借りたい人が多いのになぜ実績が上がらないのかと問題視されております。
本市が金融機関に預託する原資に対する貸出枠の割合,すなわち協調倍率が 1.3倍と極めて低く設定された,いわば直貸しに近い本市の持ち出しとなる特別融資であるにもかかわらず,しかも,不況で売り上げが減ったり,拓銀関連で融資先を新たに確保しなければならないという中小零細企業へのつなぎ融資であるにもかかわらず,これが必要な業者に十分利用されない問題点は何なのか,明らかにしていただきたいのであります。
銀行窓口での貸し渋りがないよう,現状を踏まえた本市の金融機関への指導の貫徹が求められていると考えますが,対処方針について市民の前に明らかにしてください。
さらに,本市の制度融資において,実績ゼロが続き,また有名無実化している無担保・無保証人融資についてですが,担保もない,保証人もいないという多くの業者に,信用保証協会が保証して 750万円まで融資するというこの制度がなぜ使われないのか。銀行窓口と北海道信用保証協会の対応に問題はないのか。我が党が昨年来たびたび指摘してきたように,本市が道と同じように信用保証協会への損失補償を再開することが,この制度の利用を促進することになるのではないかと考えますがいかがか,お答え願います。
質問の第5は,商店街対策と大型店問題についてです。
本市における大型店のシェアは,今日,売り場面積で60.3%となっており,これに加えて,大型店系列のコンビニエンスストアが無数に地域展開を図っております。一方で,小売市場は,86年から95年までの9年間で全市で 123から38へと激減し,長い歴史を持つ地域商店街も,くしの歯が抜けたようにシャッターが閉まったり,空き地が目立つ状況となっています。大型店同士の競合で地域の小売店がばたばたと店を閉じた後で,大型店も撤退するという事態も起きて,地域住民の買い物に支障が出る地域も見られます。
このような中で,地元商店街対策のみならず,街づくりの面からも勝手気ままな大型店への規制強化を求める声が全国的に高まっています。しかし,政府は,来年にも大規模小売店舗法,いわゆる大店法を廃止しようとしています。また,大店法にかえて,大規模小売店舗立地法を決めようとしていますが,新法を盾にして地方自治体が独自の出店規制を行わないようにとのアメリカ政府の要求もあって,政府は,新法は既存の商店の擁護が目的でないと説明するありさまです。
自国の大型店の日本進出をねらうアメリカと,財界の圧力で大型店の規制緩和を進め,出店者にやりたい放題をさせている日本の現状は,国際的に見ても異常です。フランスやイギリスでは,90年代に入って,規制緩和どころか,逆に大型店の出店規制を大幅に強化しています。今必要なのは,大店法の廃止ではなく,同法の改正強化です。
そこで,日本共産党は,2月10日に大店法改正案を衆議院に提出しました。その主な内容は,緊急課題となっている交通渋滞,騒音などの住環境への影響に配慮し,青少年の健全育成,高齢者,障害者に配慮した街づくり計画と調和できるようにするために,良好な都市環境の形成を法律の目的に追加することを提案するとともに,大型店の届け出制を都道府県知事の許可制にする,大型店の撤退・閉店にも届け出を義務づける,自治体の独自規制を禁止した条文を削除するなどです。
そこで市長にお尋ねしますが,市長は,本市における大型店過剰出店と地元商店街衰退の現状をどのように受けとめておられるのか,また,大店法廃止でさらに大型店が野放しにされることについてどう考えておられるのか,大型店を街づくりや商店街と調和させるためにも新たな規制が必要とは考えないのか,明らかにしていただきたいのであります。
次に,
介護保険制度の問題点についてお尋ねします。
昨年12月の国会において成立した介護保険法の内容は,既に批判されているように,保険あって介護なし,あるいは所得なければ介護なしという冷たい原理で貫かれています。高齢者が高齢者を介護し,病人が病人を介護している現実から,公的介護保障の確立は待ったなしの緊急・重大な課題となっていますので,今回の
介護保険制度の問題点にも触れながら,以下6点の質問を行います。
質問の第1は,
介護保険制度に対する評価についてであります。
政府の介護保険は,40歳以上の国民が払う保険料などを財源にホームヘルパー派遣や施設介護などを提供しようとするものですが,国民の負担は2000年度で約2兆円,10年後には5兆円を超え,第2の消費税とも言える重い負担を強いるものです。
介護サービスの整備の面では,特別養護老人ホームの待機者が全国で10万人を超え,本市でも 1,500人を超えています。新ゴールドプランの目標29万人を達成したとしても,8万人を受け入れる施設がないなど,
介護サービスの整備が不足のまま制度が実施されかねない状況にあります。このように負担あって介護なし,市民の不安と不信を招いている
介護保険制度を市長はどのように評価されるのか伺います。
質問の第2は,低所得者対策についてです。
介護保険料は,年金暮らしの高齢者や生活保護世帯からも徴収し,さらに,
介護サービスを受ける際には利用料の1割を本人が負担しなければならず,保険料などを払えない人が多数出ることは必至です。これでは,所得がなければ介護なしということになります。
本市の場合,現在,ホームヘルパー派遣世帯の86%が無料でサービスを受けており,特別養護老人ホームの入所者のうち11%が無料で入所しています。介護保険導入で,これらの低所得者が
介護サービスから除外されることがあってはならないと考えますがいかがか,低所得者に対する公的保障を介護保険に組み込むよう政府に求めるべきと考えますが,市長にそのお考えがおありかどうか伺います。
質問の第3は,公的
介護サービスの基盤整備の充実についてであります。
保険料を納めることになれば,それに見合う介護給付を期待するのは当然であり,これまで以上にニーズが高まることが予想されます。
本市は,2000年における65歳以上の高齢者人口を25万 9,500人と推計し,そのうち,寝たきり,痴呆,虚弱の要介護高齢者を4万 4,260人と推計しています。1999年までの
高齢者保健福祉計画の進捗状況は,新年度の予算ベースでも,ホームヘルプサービス72.6%,デイサービス80.3%,訪問指導50.5%の到達にすぎず,残りあと1年で計画目標を達成するには特段の取り組みが必要と考えますが,いかがか。
また,保険料も利用料も徴収することになれば,これまで以上にサービスを提供する側の質が問われることから,パートヘルパー依存型の本市のホームヘルプサービスを抜本的に改め,常勤ヘルパーの大幅増員を図るなど,保険あって介護なしの状況を招かぬよう,計画目標値の引き上げ及び基盤整備の充実を図るべきと考えますがいかがか,伺います。
質問の第4は,介護認定の問題点についてであります。
介護保険では,6段階に分けて,段階ごとに受けられるサービスの限度額を決めていますが,実際に介護を必要とする人でも,認定の仕方によってはサービスを受けられないケースが生じることも指摘されています。在宅でも施設でも,寝たきりや重篤になる前に適切な支援で回復できる事例がたくさんあるのに,介護保険では,自立を手助けする,重くならないように予防するという考え方が不十分で,これまで受けていたサービスも,軽い人と認定されれば切り捨てられることになりかねません。
北区のモデル事業の結果では,コンピューターによる1次判定と認定審査会による2次判定で,要介護度に27.6%のずれが生じています。ずれのうち,63%は1次判定が軽く出ています。どの程度の介護が受けられるかを決める認定は,まさに保険の核心となるものですが,それがこんなにずれるのはなぜなのか。実態を反映した適切で公正な認定が求められると考えますが,いかがか。
新年度は,全区でモデル事業を展開する計画になっておりますので,今後の改善方向についてお尋ねします。
質問の第5は,障害者対応についてです。
保険料は,40歳以上のすべての国民が支払うことになりますが,介護給付は,65歳未満の人は特例の場合以外はほとんど受けることができません。交通事故の後遺症などで
介護サービスが必要になっても,給付の対象になっていません。障害者は,しばらくの間,措置制度で適用するとしていますが,保険料を支払う65歳未満の障害者にも必要な
介護サービスを提供できるよう国に求めるべきと考えますがいかがか,伺います。
質問の第6は,介護保険の財政問題についてであります。
介護保険料は,保険者である市町村が徴収することになります。65歳以上の第1号被保険者のうち,月3万円以上の年金受給者の分は年金から天引きすることになりますが,残りの約3割の人は個別徴収となり,国民健康保険料と同様に納入通知に基づいて納めることになります。
現在,本市の国保収納率は85%で,15%の市民が滞納していることを考えれば,介護保険料の負担がふえることによって,ますます国保の収納率が低下することが懸念されると同時に,介護保険料そのものも徴収できない世帯が生じることになり,本市の財政にも大きな影響を与えることになると考えられますがいかがか,伺います。
また,40歳から64歳の第2号被保険者の場合は,医療保険者が介護保険料を上積みして一括納入し,全国プールである社会保険診療報酬支払基金から市町村に交付されることになりますが,国保加入者の場合は,本市が保険者でありますので,介護保険料も同時に納付することになれば,結果として国保会計の悪化を招くことになると思われますが,市長は,介護保険導入に伴う本市の財政問題について心配なしと考えておられるのかどうか,必要な財源措置は国に当然求めるべきと考えますがいかがか,お尋ねします。
次に,精神障害者の交通費助成についてお尋ねします。
本市は,新年度から,関係者の強い願いであった精神障害者の交通費助成を開始しようとしていますが,その内容は,1・2級者に年2万円分,3級者には年1万円分の共通ウィズユーカードを交付するというものです。関係者からは,精神障害者交通費助成が実施されることに大きな喜びと期待が寄せられていましたが,「その内容を知ってがっかりした」「なぜ心身障害者交通費助成と差をつけるのか」という失望と怒りの声が上がっています。
現在,身体障害者や知的障害者など他の心身障害者の場合,1級から4級者は10割助成,5・6級は5割助成が実施されています。また,他政令市の実施状況を見ても,1級の精神障害者に対しては8市が10割助成を行い,そのうち5市は3級まで10割助成を実施しています。新年度から実施を予定している京都市でも,1級から3級まで10割助成を計画しています。しかも,費用は,仙台市を除いて,他の都市では一般会計で10割負担をしています。
1993年に改正された障害者基本法の附帯決議では,精神障害者が法律の対象であることを明定したことにかんがみ,精神障害者のための施策がその他の障害者のための施策と均衡を欠くことがないよう,特に社会復帰及び福祉面の施策の推進に努めることと明記しておりますように,障害の違いによって受ける市民サービスに格差があってはならないと考えます。
本市が実施している心身障害者交通費助成や他都市の実施例も考慮し,格差をつけないでほしいという強い関係者の声にこたえて,新年度スタート予定の精神障害者交通費助成の内容を急いで検討し,10割助成で実施すべきと考えますがいかがか,お尋ねします。
最後に,子供との触れ合いに関する施策について質問いたします。
質問の第1は,荒れる学校など,本市の教育問題と国の教育改革についてです。
今日,中学生による女性教師殺害など,子供や学校の荒れが大きな問題となっており,本市においても,いじめや不登校,喫煙などでの補導,授業ができない問題など深刻な状況にあります。
橋本首相は,6大改革の一つとして教育改革を位置づけ,心の教育を強調していますが,そのためには,子供と教師とのゆとりと触れ合いを回復することが求められているのでありますが,そのための学校の環境・条件整備については徹底して切り捨てる予算案を提案しています。学校にゆとりを保障する上で重要な課題である30人学級の実現について,国に強く求めるべきと考えますが,いかがか。本市の30人学級に向けた取り組みはどうなっているのかも,あわせて市長並びに教育長の見解と対応について伺います。
また,国は,ことし夏に予定されている教育課程審議会の答申を受けて学習指導要領を改訂するとしていますが,今回の学習指導要領の改訂でゆとりの問題を解決できるのでありましょうか。教育課程審議会での検討内容は,中間まとめの段階で,既に現場教師,父母から強い批判を受けてきたように,その内容は,学校6日制を前提とした現行の学習指導要領の授業時数の枠から週2時間分を削減するだけであり,これではゆとりのない学校生活が何ら改善されません。
重大なことは,小学校から能力別学級編制が新たに打ち出されたことです。これは,義務教育の段階から,できる子,できない子に能力別の差別・選別を行うことで新たな競争を生み出し,子供の発達を無視した詰め込みと超スピード授業をつくり出していく内容となっていることです。これでは,ゆとりも生きる力も生まれず,今日の教育問題を解決するどころか,むしろ子供と学校の荒れをひどくすることになると思うのですが,市長並びに教育長は,中間まとめの内容についてどのように評価されているのか,また,本市におけるこれらの教育問題にどのように取り組むおつもりか,伺います。
質問の第2は,子供との触れ合いの施策についてです。
現在,病める子供,病める学校をどうしていくのかが問われているときであり,子供との触れ合い事業に手厚い対策が求められていると思います。ところが,本市の
行財政改革推進計画では,子供との触れ合い事業を廃止や見直しをしていこうとしていることは問題です。子供たちによい本を与えようと親たちが家庭文庫をつくり,一生懸命やっているというのに,移動図書館や貸し出し文庫の廃止,週5日制学校開放事業を73校から45校に削減,家族の触れ合いの場として活用されてきた家族のための野外活動講座の廃止などなど,子供たちから触れ合いの場を奪おうとしています。
さらに,少年育成指導員の削減は問題です。少年育成指導員は,少年育成センターに6人,各区に3人ずつ配置されています。繁華街での青少年に対する巡回指導,学校や家庭から依頼のあった少年の相談活動,地域,学校,家庭を結ぶ啓発活動に取り組み,どうしてよいのかわからず非行に走ってしまう子供たちにとっても大切な役割を果たしています。
ところが,新年度から,この体制を各区1人削減し2人体制にし,その補充要員としてセンターの6人を8人にするとしています。巡回指導を受ける少年が倍増しているにもかかわらず,なぜ削減なのでしょうか。本来なら,もっと多くの子供たちに手が届くように体制を強化すべきと考えます。
これら指摘をしてきた子供との触れ合いの施策の廃止,見直し,削減はやめるべきと考えますがいかがか,伺います。
西区にある西野青少年わんぱく村キャンプ場の廃止について伺います。
約3ヘクタールあるわんぱく村キャンプ場は,開設以来,小学校のクラスレクリエーションや子ども会や親子キャンプなど,西野の身近にある触れ合いの場として親しまれ,活用されてきました。本市が,このキャンプ場を,魅力がなくなったと言って,これを廃止しようとしていることは問題です。魅力がないということは,施設の老朽化が原因であると市当局も認めており,豊かな自然に恵まれたキャンプ場の施設更新などによって解決する問題です。
市は,キャンプ場を廃止した後を,山林を合わせた 120ヘクタールの市民の森の一部として整備すると言っていますが,キャンプ場が存在することとは決して矛盾しないのではないでしょうか。市民の森整備の中にきちんと位置づけて,より魅力ある施設として整備し,存続することが必要と考えますがいかがか,子供たちの健全育成に対する市長の基本姿勢ともかかわって,今後の対応について伺います。
質問の第3は,子育て支援事業の問題についてです。
関係者の強い反対の声を無視して仲よし子ども館を廃止し,仲よし子ども館の質的転換だとして子育て支援事業が始まりました。
我が党がこれまでも何度となく指摘してきたように,1年間やってきて,仲よし子ども館の質的転換ということがごまかしであり,施策の切り捨てであったことが明らかになったと考えます。
仲よし子ども館は,3歳児から就学までの子供たちが,毎年,年間を通じて利用できました。ところが,児童会館や保育園を利用した子育て支援事業である「あそびのひろば」は,1期の期間が週1回で12回コース3カ月と短く,これを終了すると,子育てサロン,子育て講座,親子の触れ合い交流事業があるといっても,「あそびのひろば」のコースには参加できないのです。また,年齢層もゼロ歳児から5歳児までが一緒のグループで過ごすため,利用者からは,期間の短さとあわせて,年齢層が幅広いために内容がかみ合わないという意見も寄せられています。参加者の年齢層で見ると,仲よし子ども館の対象とはならなかった乳児の参加が多いことがわかります。つまり,子育て支援事業は,内容的に仲よし子ども館とは全く別の役割を持つ別の事業であることは明白です。 6,000人を超えていた仲よし子ども館の子供たちは,一体どこに行ったのでしょうか。幼児教育としてフォローされていると言うのでしょうか,伺います。
また,仲よし子ども館の質的転換というこの事業を,こうした事態とのかかわりでどのように評価されているのか。利用者の意見も聞いて,年齢別のグループ編成や期間の延長など,仲よし子ども館の対象となっていた就学前の児童が参加できるよう改善を図っていくべきと考えますがいかがか,お尋ねします。
質問の第4は,保育行政についてです。
行財政改革推進計画の中で,保育園の栄養士の配置基準を見直すことが明示されています。現在,栄養士が配置されている保育園は,公立園の中で乳児を対象とした16園となっています。アレルギーやO-157問題でも,食生活の問題は,子供の命と健康と切り離すことのできない課題となっており,幼児保育園や,乳児がいても栄養士を配置できていない保育園からは,従前から栄養士の配置を望む声が強く出されてきており,栄養士の役割の大きさから見て配置を拡大すべきです。
今,なぜに見直しなのですか,単に行革ということで削減しようということになるのでしょうか。今後,保育園給食をどうしようとしているのか,その役割,位置づけとあわせて,対応を伺います。
質問の第5は,留守家庭児童対策事業についてです。
新年度から,機構再編で子供の施策が民生局児童家庭部に統合されます。子供たちにとっては共通性があるものの,同時に,違いがあるものを統合することになりますから,これを整理し統合された子供の施策として確立を図っていくために,児童家庭部の役割,あり方,理念と目的,基本的事項を盛り込んだ児童の施策に関する基本計画をつくるべきと考えますがいかがか,お尋ねします。
留守家庭児童対策事業は,国の法制化のもとで,対象児童には適切な遊び及び生活の場を与えて実施させなければならないと,位置づけもはっきりさせられました。民生局の児童家庭部に移されたこの施策は,より福祉的なもの,保護機能をより強化すべきと考えますがいかがか,その位置づけも含めて伺います。
次に,ミニ児童会館についてです。
昨年9月から2校の小学校で開設されたミニ児童会館は,一般児童から大変歓迎されているようで,利用状況もそれぞれ月平均 1,334人, 2,206人となっています。この中に児童クラブも開設されましたが,ワンルームに指導員が3人いるとはいえ,一般児童だけでもあふれ返っているところで,どうして保護機能が発揮できるのか,生活の場の確保ができるというのでしょうか。
もともと両小学校区には,以前からの留守家庭児童対策事業として民間方式や学校方式が存在していたのですが,民間方式のあったところのミニ児童会館の児童クラブには,現在でも3人の児童しか登録されておらず,ほとんどが民間方式に残っています。学校方式は,ミニ児童会館の開設と同時に,経過措置もなく児童クラブに移行させられてしまいました。新年度は,さらにミニ児童会館を3校ふやそうとしていますが,民間の児童クラブや学校の児童クラブがない学校では,よりスペースの拡大や指導員体制の強化を図るなど,改善すべきと考えますが,いかがか。
また,留守家庭児童が安心して生活できないというミニ児童会館の現状を踏まえ,学校方式があるところは,直ちに学校方式児童育成会の廃止に直結させず,学校方式は存続させること,民間方式があるところは,留守家庭児童が選択できるように共同学童保育への助成を継続すべきと考えますがいかがか,伺います。
以上で,私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(柴田薫心君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(桂信雄君) まず,私からお答えをいたします。
初めに,行財政改革と財政問題についてお答えをいたします。
まず,第1点目の行財政改革に対する基本的な考え方についてでありますが,行財政改革の基本理念は,国政,地方行政のいずれにおきましても,国民福祉あるいは住民福祉を向上させるために,社会経済情勢や行政需要の変化に応じて,行政の組織や仕組み,事業のあり方などを改革していくことであると考えており,国政においてもそのような考えで検討が進められているものと認識をしております。
本市におきましても,この理念に基づいて今後とも取り組みを進め,より質の高い市政を実現してまいりたいと考えております。
第2点目の予算編成の基本についてでありますが,昨日来お答えをしておりますように,高齢化の一層の進展などを考慮いたしますと,本市の財政状況は今以上に厳しくなっていくものと予想されますことから,財源配分の効率化・重点化をさらに図ることにより,後世代に過大な負担を残さないという基本に立ちつつ,地域経済に対してできる限り配慮し,福祉・保健医療を初め,防災,環境対策などの重点施策を着実に推進することとして予算編成に当たったものであります。
第3点目の市債残高の問題についてでありますが,現在の地方財政は,税収の伸び悩みや住民税減税等による大幅な財源不足の中で,景気回復策に取り組みながら,社会福祉の充実や活力ある地域づくりを着実に推進するため地方債を活用してきた結果,各自治体とも債務の増大に直面しているものであります。
この増大してきた市債の処理については,今回,
行財政改革推進計画において,市債の中期的縮減目標をお示しいたしましたが,これを達成するためには,公共事業も含め,事務事業の優先順位を従来以上に厳しく選択することが必要であると考えております。
なお,市債の借りかえにつきましては,投資家の保護や資金の安定的な調達といった観点から,一部の資金を除き困難な状況でありますが,政府資金に関しましては,借りかえが認められるよう今後とも国へ要望をしてまいりたいと考えております。
第4点目の公共料金の値上げについてでありますが,安定的な行政サービスを提供していくためには,行政内部の効率化を図ることはもちろんのこと,適正な水準の受益者負担をいただくことも必要でありまして,今回の改定は,このような考え方を基本として行おうとしているものであります。
次に,第5点目の開発行政の見直しについてでありますが,東札幌地区開発及び国際ゾーン構想につきましては,市民生活の向上に寄与する本市の経済基盤の強化,あるいは魅力ある都心づくりを進める上で重要な事業であり,今後とも計画的に進めていかなければならないものと考えております。
第6点目の公共工事のコスト縮減についてでありますが,10%以上の達成見通しにつきましては,本市の行動計画に掲げる諸施策を,技術的な検討や他の発注機関と連携を図りながら,平成11年度までに総合的に取り組み,平成12年度以降に効果があらわれるものも含めて,目標達成に向け最大限の努力を図ってまいりたいと考えております。また,大規模施設についても,設計方法の見直しや民間のすぐれた技術力の活用などを通じて,今後ともコスト縮減を図ってまいりたいと考えております。
第7点目の事業の見直しについてでありますが,敬老パス制度の見直しにつきましては,少子高齢化という社会情勢に対応し,多くの市民にご理解いただける制度を目指したものであり,この考え方に立って交付方法の変更を行うものであります。
なお,所得制限などにつきましては,今後の社会情勢等の変化の中で検討すべき課題と認識しております。
このほか,ご指摘のありました個別の事業につきましては,第9点目の事業のあり方自体の検討の問題とも関連いたしますので,あわせてお答えいたしますが,これらの事業は,1点目の行革の基本理念の中で申し上げましたように,時代の変化に応じて見直しを検討しているものであり,必要な市民論議も踏まえながら,今後,その取り組みを進めてまいりたいと考えております。
第8点目の業務の委託化・嘱託化についてでありますが,まず学校給食につきましては,このたびの見直しは,子供たちに喜ばれる給食にしていくための改善事業と考えており,そのためには,調理部門に民間活力を導入し,人手と財源を生み出していくことはもとより,衛生管理を含め,調理に関する専門的なノウハウを取り入れていく必要があると考えております。
このほか,ご指摘のありました業務の委託化等につきましては,いずれも業務の目的や趣旨に沿って,効率性のみならず,市民サービスの視点も踏まえながら検討を加えてきているものであります。
第10点目の機構再編についてでありますが,平成10年度の機構改革に当たりましては,横断的な行政課題や地方分権などの社会経済情勢の変化に,総合的かつ柔軟に対応できる組織づくりを基本方針として取り組んできたところであります。このような観点から,民生局と衛生局の統合により,保健と福祉の連携をより一層強化し,本庁と区が一体となって,介護を必要とする高齢者等に対する総合的なサービスの提供体制を整備するものであります。
また,今後の本格的な地方分権型社会の到来に向けて,地方分権への総括的な対応や,継続的に行財政改革に取り組む体制などが必要となりますことから,総務部を再編する中で行政部等を設置するものであり,お話のような都市経営を企図とするものではありません。
第11点目の職員の削減問題についてでありますが,昨日来申し上げておりますように,本市の職員数は必ずしも多いとは考えておりませんが,このたびの
行財政改革推進計画では,行政と市民との役割分担を含め,業務全般にわたって見直しを進めるため,内部努力として数値目標を設定し取り組むことといたしました。
計画の推進に当たりましては,市民サービスを低下させないことを念頭に,
介護保険制度や環境問題など,今後,行政需要が高まる部分について必要な職員を確保しながら,目標の達成に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
次に,不況対策と中小企業,商店街対策についてお答えをいたします。
まず,市内の景気に対する認識についてでございますが,昨日,佐々木議員のご質問にもお答えいたしましたように,大変厳しい局面にあると認識をいたしております。したがいまして,昨年12月に新たな融資制度を創設するなど緊急対策を講じ,その対応に努めてきたところであります。
第2点目の不況の原因と景気対策の基本についてでありますが,個人消費低迷の要因とその回復の方策については,さまざまな分析と提言がなされていることは承知をしており,今後,これらの議論が深められ,日本経済が回復軌道に乗るために効果的な対策がとられることを期待しております。
また,投資分野と経済波及効果についてでありますが,産業連関表は経済効果分析の一つの手法であるものと理解をしているところでありますが,本市の事業選択に当たっては,まず,事業そのものの必要性や緊急性などを判断した上で行ってきており,その結果,近年,福祉・社会保障分野への投資が増加してきているところであります。
第3点目の市内中小企業に対する本市の工事発注についてでありますが,市内の中小建設業者に対しましては,これまでも分離発注を推進するなど,受注機会を確保するよう努めてきたところであります。平成9年度においても,第5清掃工場の大型プラント工事を除きますと,市内業者の受注率はこれまでと同様になっております。また,昨年12月には,厳しい経済状況を踏まえ,緊急的な補正予算により市内中小建設業者の支援を図ったところであり,今後とも受注機会の確保は堅持してまいりたいと考えております。
第4点目の中小企業金融対策についてでありますが,昨年の拓銀破綻を受けて,12月から緊急景気対策特別資金及び金融環境対策特別資金の二つの資金を創設いたしましたが,今日の厳しい経済・金融環境等を反映して,当初予想を下回った利用状況になっております。したがいまして,相談対応や金融機関への働きかけにつきましては,今後とも積極的に行ってまいりたいと存じます。
無担保・無保証人融資制度につきましては,従前から北海道信用保証協会に対して利用拡大等を要請してきたところでありますが,貸し渋り対策に関連して,昨日,佐々木議員にお答えをいたしましたとおり,北海道信用保証協会と協議を行うことにより,当該制度についても適用が広がるものと考えております。
第5点目の商店街対策と大型店問題についてでありますが,地元商店街の現状については,大型店出店に加えて,流通構造の変化や消費者ニーズの多様化等の影響を受け,大変厳しい状況にあると認識しております。商店街は,地域の消費生活を支える大切な役割を果たしているばかりではなく,地域コミュニティ活動の核として,地域の活性化や魅力的な街づくりに貢献されており,こうしたことから今後とも商店街に対する支援を強力に推進していきたいと考えております。
また,大店法の廃止に伴う大型店の出店とその出店規制の必要性につきましては,今国会において大規模小売店舗立地法等が審議される予定でありますことから,その動向を見守ってまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(柴田薫心君) 大長助役。
◎助役(大長記興君) 私から,
介護保険制度に関しますご質問のほか,2点について答弁を申し上げます。
まず,
介護保険制度に対する評価についてでありますが,多くの国民にとって老後最大の不安要因となっております介護問題への対応が急がれる中にあって,負担と給付の関係を明確にしながら,介護を社会全体で支える新しい公的な仕組みとして創設されたものであると認識をしております。
次に,低所得者対策についてでありますが,介護保険法では,保険料,利用者負担等について低所得者に配慮した仕組みとなっており,衆参両院の審議においても,低所得者に対して必要な措置を講ずるよう附帯決議等がなされたところであります。今後,政省令等の中で,さらに適切な低所得者対策が講じられるよう,連携して国に対する働きかけについて検討してまいりたいと考えております。
次に,基盤整備の充実についてであります。
1点目の
高齢者保健福祉計画の目標達成への取り組みについてでありますが,平成6年度の計画スタート以来,
介護サービスの基盤整備を着実に推進してきたところであり,その結果,計画の達成はおおむね可能ではないかと見込んでおります。今後とも,計画の達成に向けて,引き続き全力を挙げて取り組んでいく所存であります。
2点目の計画目標値の引き上げと基盤整備の充実についてでありますが,先ほどお答えいたしましたとおり,まず,現行計画の達成に向け全力を挙げて取り組むこととしており,また,基盤整備につきましては,
介護保険事業計画及び新
高齢者保健福祉計画に基づいて,ヘルパー等の充実を含め,
介護保険制度導入後の需要増に対応してまいりたいと考えております。
次は,介護認定の問題点についてであります。
実態を反映した公正な認定と今後の改善方法についてでありますが,要介護状態の正確な把握と公正な認定は,制度運営における重要な柱であると認識をしております。
本市では,平成8年度からモデル事業を実施しているところであり,その結果から,公平・公正な認定を行うためには,現在,国が示している要介護認定基準の精度を一層高める必要があると考えております。さらに,10年度に全区において実施するモデル事業の結果を踏まえ,実務上の課題について検討してまいりたいと考えております。
次は,介護保険における若年障害者の対応についてでありますが,若年障害者のうち,老化に起因する初老期痴呆や脳血管障害などについては保険給付の対象となる予定であり,また,法施行後5年をめどとして,保険給付対象者の範囲を含めて,制度全般に関して検討,見直しが講じられることとなっておりますので,国の動向も見きわめながら対応してまいりたいと考えております。
次は,介護保険の財政問題についてであります。
ご質問は,第1号被保険者の場合と第2号被保険者の場合に分け,それぞれ国保及び介護の保険料収納率の低下とこれに伴う財政的影響についてのご質問でありますが,これにつきましては関連がありますので,一括してお答えをいたします。
介護保険制度の創設は,一方で国保の医療費を減少させることも推測されるところではありますが,その保険料負担の水準によっては,国保及び介護保険ともに保険料の徴収面に影響を及ぼすことも考えられます。このことから,国保及び
介護保険制度の安定的運営に必要な財政支援につきましては,財政安定化基金の設置等の制度が設けられておりますが,さらに,国や指定都市の動向を見きわめながら,連携して国に対する働きかけについて検討してまいりたいと考えております。
次に,精神障害者の交通費助成についてお答えいたします。
この制度は,現在,他の障害者と異なり,交通事業者による運賃割引についての国の指導がない状況の中で,精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方々を対象として,従来の小規模共同作業所通所者に対する交通費助成に加え,より多くの方々の多様な社会参加を促進することをねらいとして開始するものでございます。今後につきましては,この制度の普及啓発に努めるとともに,内容充実には民間バス事業者などの協力が不可欠でありますことから,引き続き協力が得られますよう働きかけてまいりたいと考えております。
次に,子供との触れ合いなどに関する施策に関しますご質問のうち,子供との触れ合いの施策,子育て支援事業の問題及び保育行政の3点について,私からお答えを申し上げます。
まず,子供との触れ合いの施策についてでありますが,ご指摘の事業につきましては,社会経済情勢や市民ニーズの変化を踏まえ,類似事業との連携・統合,地域とのかかわりを深めるための発展的な事業再編など,子供に関する施策をより総合的に展開するとの視点に立って,それぞれの事業の役割やそのあり方について検討し,見直しを行ったものであります。
また,少年育成指導員に関してでありますが,指導員の主な業務は,少年の非行化防止及び早期発見のための注意と指導にあります。新年度からは,従来の相談・補導業務から補導重点の業務に見直しを行い,都心部の補導体制の強化のため,少年育成センターに2名を増員し,区との連携をより強化してまいりたいと考えております。
西野青少年キャンプ場につきましては,近年,利用者も減少し,また,施設も老朽化により大規模な修繕が必要な状態となっております。近隣には,収容人員にも余力のある青少年キャンプ場がありますことから,西野青少年キャンプ場につきましては,今年度をもって廃止し,跡地は,子供からお年寄りまで,より多くの市民の方に自然と触れ合う機会を提供する市民の森として転換をする予定であります。
次は,子育て支援事業の問題についてであります。
1点目の子供たちに対する幼児教育としてのフォローについてでありますが,地域子育て支援事業は,母親を主体として,より多くの子育て中の母親が参加できるように,子供の年齢につきましてもゼロ歳から5歳までを対象にして,地域の母親同士,子供同士の幅広い交流を主眼に置いております。このうち,児童会館を会場に実施する「あそびの広場」につきましては,昨年4月に募集を行いました結果,親子組数で 6,300組,子供数で 7,400人を超える参加をいただいております。このように,地域子育て支援事業は,親子が同時に参加でき,地域に根差した仲間づくりを行い,家庭での育児力の向上を進めることを基本に実施しているところであり,この事業の果たす役割は極めて重要なものと考えております。
次に,2点目の年齢別グループの編成や期間延長などの改善についてでありますが,子育て支援事業の内容につきましては,さまざまな事業を実施しておりまして,多くの参加者から好評を得ているところであります。今後につきましては,より多くの親子に参加していただけるよう,ニーズの把握に努めながら内容を検討してまいりたいと考えております。
次は,保育行政についてであります。
1点目の公立保育園栄養士の配置基準の見直しについてでありますが,現在,公立保育園の栄養士は,乳幼児保育園に通う子供たちの健全な発育を図るため配置をしており,必要な栄養管理と調理業務を行っております。
一方,子供を取り巻く食環境は大きく変化し,食教育の必要性が高まっております。こうしたことから,栄養士の本来業務である栄養管理・指導という観点から,その専門性をより発揮するため見直しを図ろうと考えているものであります。今後とも,保育園給食につきましては,栄養士の管理・指導のもと,その充実を図ってまいりたいと考えております。
以上です。
○議長(柴田薫心君) 千葉教育長。
◎教育長(千葉瑞穂君) 子供との触れ合いなどに関する施策のうち,2点についてお答えいたします。
まず,国の教育改革についてお答えいたします。
1点目の30人学級についてでありますが,国では,平成3年度に小・中学校における40人学級を完成し,引き続き平成5年度から,チームティーチング等の新しい指導方法のための教員配置を主な内容とする「第6次公立義務教育諸学校教職員配置改善計画」を進めてきているところであります。
教育委員会といたしましては,この第6次改善計画の早期完成とその後の第7次改善計画の策定について,これまでも国等に対し強く要望しており,個に応じた多様な教育などを実現するため教員の配置計画の見直しを期待しているところであります。
次に,2点目の教育課程審議会における中間まとめの評価についてであります。
この中間まとめは,完全学校週5日制のもとで,指導事項の大幅な軽減・削減による教育内容の厳選と基礎・基本の徹底,さらには,教育内容の弾力的な取り扱いによる個に応じた教育の推進等を図ろうとするものであり,学校教育の今日的な課題にこたえ,ゆとりの中で子供一人一人に生きる力を育成することを目指すものと評価しております。
また,不登校や問題行動等に対する取り組みについてでありますが,学校においては,ゆとりの中で一人一人の個性を尊重し,子供の立場に立った人間味ある温かな指導を基本にしながら,楽しい学級や学校づくりに努めることが大切であります。
教育委員会といたしましては,こういう観点から,各学校における取り組みの強化や教員の指導力の向上等に努めてきたところでありますが,今後とも,これらの取り組みのより一層の充実に努力してまいりたいと考えております。
次に,留守家庭児童対策事業についてお答えいたします。
1点目の児童の施策に関する基本計画の策定についてでありますが,本市におきましては,札幌市子育て支援計画及び札幌市青少年育成計画等を既に策定しており,これらの計画に基づく総合行政の推進のため児童部門を一元化するものであります。
また,今後の留守家庭児童対策事業についてでありますが,児童福祉法の一部改正により,留守家庭児童対策事業が法制化されたことから,従来の健全育成の考え方とあわせて児童家庭福祉の要素を取り入れ,子育てしやすい環境整備に向けた具体的な施策を今後検討していく考えであります。
次に,2点目のミニ児童会館につきましては,身近で通いなれた小学校の中に開設したものであり,子供たちは伸び伸びと楽しく放課後生活を展開しており,今後とも日々の子供たちの活動状況や保護者の声などを把握しながら充実に努めてまいりたいと考えております。
また,今後の民間施設方式への助成等のあり方につきましては,本市の実情を踏まえながら,引き続き議会のご意見や他都市の動向等を把握する中で総合的に検討していく考えであります。
以上でございます。
(飯坂宗子君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(柴田薫心君) 飯坂宗子君。
◆飯坂宗子君 ただいま,それぞれご答弁いただきましたが,必ずしもかみ合った答弁になっておりませんので,数点再質問したいと思います。
まず,国政とも関連した行財政改革についてなんですけれども,政府はですね,今でも公共事業50兆円,社会保障20兆円という,資本主義国の中でもですね,日本はこういった逆立ちした税金の使い方をしているわけです。にもかかわらず,
財政構造改革で,さらに一層社会保障を切り詰める。昨年来,今,代表質問でも私は触れましたが,9兆円の国民負担増,本当に消費が冷え込んでおります。にもかかわらず,3年連続で医療改悪をする,国民負担を強いる,こういうやり方をしようとしているわけですね。ですから,こういったときこそ,国の悪政から住民を守る,これが地方自治体の仕事だというふうに思うのです。
ところが,政府追随の方向で,本市においても,行財政改革の名のもとにですね,福祉サービスを切り捨てる,こういうやり方で,本当に本来の地方自治体の仕事が果たせるのか,このことについて市長はどうお考えなのか,もう一度ご答弁願いたいと思います。
それから2点目は,敬老パスのご答弁ですが,きょうのご答弁では,多くの市民の賛同をいただける方法として交付方法について見直していく,つまり,申告制にするということを言わんとしたのだと思いますが,それと,所得制限などについては今後の検討課題,こういうご答弁でございました。
そこで市長,改めてお尋ねしますが,市民の中には善意の誤解というのがかなりありまして,寝たきりの人などにもパスが交付されているので敬老パスの予算がどんどん膨れて大変になっているのでないか。ですから,仮に1割ですね,辞退をしたら,予算が1割削減されるのではないか,こういう善意の誤解があるのですね。新年度は,70歳以上14万人という推計で,予算は29億円計上しているわけですが,仮に申告制を導入したとして,1割の方が辞退をした,そうしたら,この29億円という予算がですね,2億 9,000万削減になるのですか,これをはっきりさせてください。
それから3点目,精神障害者の交通費助成についてです。
今のご答弁ではですね,他の心身障害者と同じように,精神障害者の場合は交通事業者が5割負担する制度になっていないと,だから,民営バスの協力も得られるよう今後働きかけていく,こういう大長助役の答弁でしたね。
しかし,そのことは百も承知で,他の政令都市の圧倒的多数がですね,一般会計10割負担をして,精神障害者についても10割助成を実施しているのです。中身は繰り返しません,先ほど代表質問で,私,報告しましたからね。ですから,なぜ本市は民営バスの協力を得られるまで10割助成をやらないのですか。そういう理由は成り立たないと思うのですよね。こういう格差があってはならない。こういう法律もできた。だから,他都市は,その制度を待たずして,一般会計で10割経費を持って,同じように交通費助成をスタートさせているのです。なぜできないのか,明らかにしてください。
以上です。
○議長(柴田薫心君) 答弁を求めます。
桂市長。
◎市長(桂信雄君) 私どもが進めている行財政改革は,決して大企業本位とかですね,そういうことを目的としているものではなくて,あくまでも,これからの時代を考慮した場合,本当に住民福祉のためになる施策を展開するためには,財政の面で,あるいは行政の面でそれぞれ見直しをしながら,将来にわたって悔いのない,そしてまた過大な負担を残さないような,そういう運営をしていかなければなりません。これは,私どもの責任だと思っております。そういう観点に立って,大方の意見を聞きながら着実に実行してまいりたいと,このように考えているものであります。
それから,敬老パスについてでありますけれども,この敬老パスの見直しについては,善意の誤解云々ということがありましたけれども,私どもは,これによってお金を節約しようというようなことはですね,全く考えていないわけではありませんけれども,それが主たる目的ではないわけです。現在の情勢,これからの情勢を考えていって,経費を負担する人とそのサービスを受ける人たちとが,お互いに合意,納得できるような制度,そういう継続性のある制度を維持していきたいと,そういうふうに考えて進めているものであります。
○議長(柴田薫心君) 大長助役。
◎助役(大長記興君) 助成制度につきましては,今まで制度がなかったものを新たにつくろうとするわけであります。これは,本市としては相当な前進だというふうに思っているところであります。したがいまして,制度をつくりましたから,それで,即刻その制度で 100点を取りなさいと言われても,取れる場合もございますけれども,そうではなく,時間をかけながら改善をしていくというようなことも,これは当然あり得るわけであります。
したがいまして,私どもとしては,他の事業者の協力も得られるようにしながら,改善についても努めていきたいのだというふうに答弁をしたつもりでおります。
(飯坂宗子君「議長」と呼び,発言の許可を求む)
○議長(柴田薫心君) 飯坂宗子君。
◆飯坂宗子君 敬老パスの問題でですね,経費節減を全く考えていないわけではないというふうに,今,市長はおっしゃられたのですけれども,委員会のやりとりの中でも,理事者はですね,福祉といえども聖域とせずと。いわゆる行政改革の項目の中に敬老パスを入れたというところからですね,要するに,経費節減を図るという方向で,見直し検討懇話会をやってきたわけですね。(発言する者あり)
ですから,そういう点でですね,今当面は,申告制では予算は変わらないんだけれども,その先は,本当のねらいである経費の節減の方に進みたい,こういうことなんじゃないですか。ですから,代表質問で,所得制限や年齢引き上げ,費用負担は,検討懇話会の中でも全員の意見にはならなかったわけですから,当面は導入できないと思うわけですね,当然。ですから,そのことをやらないということを明言してほしいというふうに聞いたんですが,先ほど,1回目の答弁ででも,将来の検討課題ということで,ここは非常に濁しているわけです。そこが,市民の皆さんが,申告制がスタートしたら行き着く先は制度の縮小ではないのか,ここをやっぱり心配するのは当然だと思うのですね。
これについても,明確に,現行を維持する,制度の縮小はしない,このように答えていただきたいというふうに思います。
○議長(柴田薫心君) 桂市長。
◎市長(桂信雄君) これからの社会を考えてみた場合に,過去のようにバブル景気というものは期待できませんから,収入は少なくなってくるだろうと。それから,一方では,需要は多くなってくる,少子高齢化社会を迎えますから。そういう時代の中で,どういうサービスを我々は考えていかなければならないかといえば,もちろん,費用がかからなくて,そしてサービスがより充実するということが一番望ましいわけです。ですから,それはサービスの選択の仕方だというふうに思います。
で,敬老パスのことについては,現状では,余りにも,負担をしている人とそれからサービスを受けている人との間での考え方が,これをずっと今後未来,永続していくということについては納得が得られない。そこで,その分については,関係者みんなが納得して,こういう制度を続けていこうと,こういう制度でこの敬老パスの無料制度を維持していこうというところで,この見直しを行っているわけであります。
これが,さらに所得制限になるとか有料制になるとかということは,それは議論としてはあるかもしれませんけれども,それは,そういうことを議論するにふさわしい社会情勢の変化があったときには,当然議論していかなければなりませんけれども,今,私はそのことを申し上げるつもりはありません。
○議長(柴田薫心君) お諮りします。
本日の会議はこれをもって終了し,明3月4日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(柴田薫心君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。
――
――――――――――――――――――
○議長(柴田薫心君) 本日は,これで散会いたします。
――
――――――――――――――――――
散 会 午後4時15分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 柴 田 薫 心
署名議員 原 口 伸 一
署名議員 荒 川 尚 次...