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平成10年第 1回定例会−02月25日-02号

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  1. 札幌市議会 1998-02-25
    平成10年第 1回定例会−02月25日-02号


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    平成10年第 1回定例会−02月25日-02号平成10年第 1回定例会               平成10年   第1回定例会         札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 2 号 )               平成10年2月25日(水曜日)          ―――――――――――――――――――――――議事日程(第2号)  開議日時 2月25日 午後1時 第1 議案第43号から第45号まで及び平成9年第4回定例市議会議案第5号(市長提出)   (4件に対する委員長報告等)          ――――――――――――――――――――――― 〇本日の会議に付した事件 日程第1 議案第43号 仮称第5清掃工場新築(その1)工事請負契約締結の件  議案第44号 仮称第5清掃工場新築(その2)工事請負契約締結の件  議案第45号 仮称第5清掃工場新築(その3)工事請負契約締結の件  平成9年第4回定例市議会議案第5号 札幌基本構想改定の件          ―――――――――――――――――――――――出席議員(66人)
    議   長       柴 田 薫 心 君 議   員       高 橋 克 朋 君 議   員       勝 木 勇 人 君 議   員       鈴 木 健 雄 君 議   員       堀 川 素 人 君 議   員       新 山 やすし 君 議   員       大 嶋   薫 君 議   員       小 野 正 美 君 議   員       本 郷 俊 史 君 議   員       高 橋   功 君 議   員       宮 川   潤 君 議   員       中 嶋 和 子 君 議   員       田 中 昭 男 君 議   員       松 浦   忠 君 議   員       北 川 一 夫 君 議   員       横 山 光 之 君 議   員       馬 場 泰 年 君 議   員       宮 村 素 子 君 議   員       笹 出 昭 夫 君 議   員       佐々木   肇 君 議   員       三 上 洋 右 君 議   員       岩 木 みどり 君 議   員       畑 瀬 幸 二 君 議   員       大 西 利 夫 君 議   員       義 卜 雄 一 君 議   員       涌 井 国 夫 君 議   員       横 山 博 子 君 議   員       武 藤 光 惠 君 議   員       山 口 た か 君 議   員       道 見 重 信 君 議   員       上瀬戸 正 則 君 議   員       伊 藤 知 光 君 議   員       原 口 伸 一 君 議   員       千 葉 英 守 君 議   員       村 山 優 治 君 議   員       猪 熊 輝 夫 君 議   員       西 村 茂 樹 君 議   員       川口谷   正 君 議   員       小 田 信 孝 君 議   員       柿 崎   勲 君 議   員       生 駒 正 尚 君 議   員       佐々木 周 子 君 議   員       福 士   勝 君 議   員       宮 本 吉 人 君 議   員       武 市 憲 一 君 議   員       高 橋 忠 明 君 議   員       常 本 省 三 君 議   員       佐 藤 美智夫 君 議   員       加 藤   斉 君 議   員       丹 野   勝 君 議   員       本 舘 嘉 三 君 議   員       森   健 次 君 議   員       春 原 良 雄 君 議   員       荒 川 尚 次 君 議   員       飯 坂 宗 子 君 議   員       小 谷 俵 藏 君 議   員       山 田 信市郎 君 議   員       越 智 健 一 君 議   員       吉 野 晃 司 君 議   員       澤 木 繁 成 君 議   員       伊与部 敏 雄 君 議   員       湊 谷   隆 君 議   員       岡 本 修 造 君 議   員       常 見 寿 夫 君 議   員       高 橋 重 人 君 議   員       菅 井   盈 君  ―――――――――――――――――――――――欠席議員(3人) 副 議 長       富 田 新 一 君 議   員       大 越 誠 幸 君 議   員       室 橋 一 郎 君  ―――――――――――――――――――――――説明員 市長          桂   信 雄 君 助役          魚 住 昌 也 君 助役          石 原 弘 之 君 助役          大 長 記 興 君 収入役         伊 藤 忠 男 君 交通事業管理者交通局長 井 原 貴 男 君 水道事業管理者水道局長 平 賀 岑 吾 君 総務局長        佐々木 喜 四 君 企画調整局長      広 畑 民 雄 君 財政局長        米 田 耕一郎 君 市民局長        鈴 木 俊 雄 君 民生局長        吉 本 朗 生 君 衛生局長        上 村 友 也 君 環境局長        平 田 匡 宏 君 経済局長        高 橋   登 君 建設局長        瓜 田 一 郎 君 都市整備局長      松 見 紀 忠 君 下水道局長       島 田 一 功 君 建築局長        前 川 一 彦 君 市立札幌病院長     中 西 昌 美 君 消防局長        高 橋 彦 博 君 教育委員会委員     國 島 峯 夫 君 教育委員会教育長    千 葉 瑞 穂 君 選挙管理委員会委員   関 口 英 一 君 人事委員会委員長    山 岡   暸 君 人事委員会事務局長   大 門 隆 司 君 監査委員        日 野 晃 輔 君
    監査事務局長      淋 代 恒 芳 君  ―――――――――――――――――――――――事務局出席職員 事務局長        植 田 英 次 君 事務局次長       坪 田 玲 二 君 総務課長        山 内   馨 君 議事課長        土 屋   逞 君 調査係長        渡 辺 三 省 君 資料係長        高 橋 道 孝 君 議事係長        細 川 正 人 君 記録係長        前 野 保 雄 君 委員会係長      木 村 義 広 君 委員会係長      常 野 正 浩 君 書記          佐 藤 比登利 君 書記          高 佐 三緒子 君 書記          今 井 一 行 君 書記          松 田 寛 司 君 書記          池 田 章 宏 君  ―――――――――――――――――――――――  〔午後1時開議〕 ○議長柴田薫心君) これより本日の会議を開きます。  出席議員数は,57人であります。  ――――――――――――――――――――議長柴田薫心君) 本日の会議録署名議員として道見重信君,本舘嘉三君を指名します。  ――――――――――――――――――――議長柴田薫心君) ここで,事務局長に諸般の報告をさせます。 ◎事務局長植田英次君) 報告いたします。  室橋一郎議員及び大越誠幸議員は,所用のため本日の会議を欠席する旨,それぞれ届け出がございました。  昨日,議長は,議案第39号 札幌市職員の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例案につきまして,地方公務員法第5条第2項の規定により,人事委員会意見を求めました。  本日の議事日程及び議案審査結果報告書は,お手元に配付いたしております。  以上でございます。  ――――――――――――――――――――議長柴田薫心君) これより議事に入ります。  日程第1,議案第43号から第45号まで及び平成9年第4回定例市議会議案第5号の4件を一括議題といたします。  委員長報告を求めます。  まず,総務委員長 小田信孝君。  (小田信孝登壇) ◎小田信孝君 総務委員会に付託されました平成9年第4回定例市議会議案第5号 札幌基本構想改定の件につきまして,その審査結果をご報告いたします。  主なる質疑として,改定案策定段階と現在とでは,本市を取り巻く経済情勢が大きく変わってきているが,どのように認識しているのか。改定案の策定に当たって実施された市民参加事業特徴は何か。また,集約した市民意向を今後どのように生かしていく考えなのか。今回の改定案は抽象的な理念を並べたものとなっているが,従来のように,長期的な視点に立って追求すべき重点目標施策を明記すべきではないのか。地球規模での環境保全必要性がうたわれているが,その具体的な施策が示されていないのはなぜか。長期総合計画期間については,時代変化が目まぐるしい現代にあって,20年間というのは長過ぎるのではないのか。また,現状の5年計画を3年程度の期間に改めるべきと思うがどうか。さまざまな社会変化に伴い基本構想を改定するのであれば,都市像についても,毎回の踏襲ではなく,新しいものに変えるべきではないのか。日本の中における北海道役割を踏まえた上で,札幌市の果たすべき役割について位置づけるべきと思うが,どのように考えているのか。国際平和の実現に寄与することをうたっている一方で,これに対応する施策大綱が見えてこないが,どのように考えているのか。平和を希求する北方の国際都市という立場から,核兵器の廃絶に関して記述すべきではないのか。生活都市という記述については,例えば産業都市など対立する概念があって,この表現を用いたのか。環境都市活力というものは相反する考え方であるとも受け取れるが,どのように調和させていこうとしているのか。北海道内における札幌市の一極集中が問題となっているが,目標年次における人口想定値について,どのように受けとめているのか。都市膨脹政策市街地改造計画など開発優先都市政策から,人口抑制過密弊害除去防止という方向転換を図るべきではないのか。多様化する市民要望にこたえるため,学校の空き教室など既存施設の活用を図るべきと考えるが,どのように認識しているのか。市民企業行政パートナーシップによる街づくりという考え方については,市民に新たな負担協力を求めるということを意味するのではないのか。パートナーシップ関係においては,この三者が対等・平等であるという認識でよいのか。また,その関係を保障する情報公開制度見直しについて,どのように考えているのか。区役所が果たすべき役割は,一層重要になってくるものと思うが,その機能強化について,どのように考えているのか。自立やパートナーという表現については,統一的な定義づけが必要ではないのか。街づくりに当たっては,他の都市には負けない本市の特徴を打ち出すべきと思うが,どのように考えているのか。高齢化問題など生涯福祉に関連する施策について,特に問題意識を持って打ち出したものは何か。市街地のあり方を考えたとき,都心居住の推進は重要な施策の一つであると思うが,どのような方策を考えているのか。路面電車については,環境に優しい交通手段としてその路線延長が強く求められていると思うが,どのように位置づけているのか。都心部交通混雑を解消するため,どのような施策展開考えているのか。国際ゾーン構想にかかわる文言については,都心部に潤いとゆとりの空間を創出すべきとの立場から,盛り込む必要はないと考えるがどうか。ごみ減量化の意識を市民に定着させることが大きな課題であると思うが,どのように考えているのか。産業別振興策については,どのように考えているのか。また,中小企業という記述がないが,どう位置づけているのか。北海道経済状況考えたとき,公共事業依存型の構造から脱却することは困難な状況にあると思うが,自立した経済を確立するため,どのような方策を考えているのか。拓銀の経営破綻など,本市を取り巻く経済状況が厳しさを増す中,改定案における産業位置づけが弱いという印象を受けるが,どのように考えているのか。実態に合わなくなった施策矛盾点を整理するとともに,時代に合った具体的施策を盛り込むべきではないのか。具体的施策を実施する上では,市民のコンセンサスを得ることが重要であると思うが,どのように認識しているのか。行政の仕組みについて再構築がうたわれているにもかかわらず,改定案全体としては,市民企業に求める事柄が多く,市の努力に関する事項がほとんど示されていないのはなぜか。健全財政に向けた取り組みに関しては具体的な記述がないが,どのように考えているのか。市民企業行政役割はおのずからそれぞれ違うものであり,あえてここにパートナーシップ考え方を強調した場合,結果として,行政責任役割があいまいになるのではないか。市が市民意見を酌み取って行政を進め,議会もこれをチェックするというシステムが十分に機能するのであれば,相互補完パートナーという表現を用いる必要はないと考えるがどうか。非営利的な市民活動団体に関する部分については,あいまいな表現ではなく,明確にNPOという言葉を盛り込むことにより,行政パートナーとしての重要性札幌から発信すべきではないのか。受益者である市民負担して当然であるという考え方は,地方自治法に明記されている地方公共団体事務の範囲を狭めることになるのではないか等の質疑がありました。  これらに対し理事者から,金融機関経営破綻に端を発した金融不安,雇用不安など,本市を取り巻く最近の経済環境については非常に深刻な状況にあるものと認識しており,緊急的な課題として,新年度予算の中でも配慮していかなければならないものと考えている。また,改定案においても,時代変化に対応した力強い産業の育成を施策大綱として掲げ,経済活性化を図っていくという方向を打ち出している。基本構想は,長期にわたって本市の進むべき街づくり基本的な方向を示した指針であり,個別的・具体的な内容にまで言及することは,必ずしも適当ではないと考えている。市民企業行政パートナーシップについては,自主的・主体的な市民運動を振興していくとともに,これと連携しながら,さまざまな施策展開を図っていくという考え方である。この場合,基礎的な行政サービスについては,当然,行政責任で行うべきものであり,今後の費用増加分パートナーシップの名のもとに市民に直接的に転嫁することは考えていない旨の答弁がありました。  引き続き,討論を行いましたところ,自民党・原口委員民主党加藤委員,公明・常見委員市民ネットワーク山口委員新政クラブ田中委員から可決すべきものとの立場で,共産党荒川委員からは否決すべきものとの立場で,それぞれ意見の表明がありました。  討論終結後,採決を行いましたところ,賛成多数で可決すべきものと決定いたしました。  以上で報告を終わります。 ○議長柴田薫心君) 次に,建設委員長 上瀬戸正則君。  (上瀬戸正則登壇) ◎上瀬戸正則君 建設委員会に付託されました仮称第5清掃工場新築工事請負契約締結にかかわる議案第43号から第45号までの3件について,その審査結果をご報告いたします。  主なる質疑として,契約の相手方である特定共同企業体構成員が倒産した場合,一般的にどのような対応を行うのか。また,倒産した会社に支払われていた前払い金が欠損となり,工事期間や内容に影響を与えることはないのか。清掃工場の煙突にも周辺環境と調和したデザインが必要であると思うが,仮称第5清掃工場ではどのように対処するのか等の質疑がありました。  討論はなく,採決を行いましたところ,議案第43号から第45号までの3件は,全会一致,可決すべきものと決定いたしました。  以上で報告を終わります。 ○議長柴田薫心君) ただいまの各委員長報告に対し,質疑はありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長柴田薫心君) 質疑がなければ,これより討論に入ります。  通告がありますので,順次発言を許します。  まず,荒川尚次君。  (荒川尚次登壇・拍手) ◆荒川尚次君 私は,ただいまから,日本共産党を代表して,第4回定例市議会議案第5号 札幌基本構想改定の件に反対する立場で簡潔に討論を行います。  我が党は,第4回定例市議会以来,本会議での代表質問や4回にわたる総務委員会での審査を通して新基本構想問題点をただしてまいりましたが,その中で浮き彫りになった特徴は,第1に,従来,基本構想に盛り込まれていた重点目標重点施策が抽象化される一方で,市にとって都合のよい理念を並べ立てた作文になっていることです。本市が,市民福祉にかかわる事業をどう位置づけ,どう推進しようとするのかが全くぼかされてしまっているのです。理事者は,従来,長期総合計画ができ上がった後で基本構想をつくっていたのを,今回,逆にしたからやむを得ないと弁解していますが,なぜそうしたのか。地方自治法によって議決事項とされている基本構想に手足を縛られたくない,こういう考えが歴然としています。  第2の問題点は,街づくり基本として,従来型の都市膨脹政策ゼネコン奉仕型の市街地改造計画を踏襲し,推進しようとしていることです。地球規模での環境保全の問題を,口先だけでなく,真に本市の取り組みとして位置づけようとするなら,人口抑制過密防止弊害除去,自然と調和した住環境整備などが基本とされるべきであり,これまでの開発優先都市政策転換こそ求められているにもかかわらず,そのような姿勢が全く見られないのは問題であります。  第3の問題点は,今回の改定案に新たに盛り込まれたパートナーシップなどを標榜しての社会的な費用抑制と適正な負担の確立という考え方が,結局,市民に新たな負担と我慢を押しつけ,市民福祉事業に大なたを振るう政府主導のにせものの行財政改革を推し進めようとするものだということです。  次に,私が総務委員会でも指摘した改定案の具体的な問題点について,その主なものに触れてみたいと思います。  まず,本市が取り組むべき重点施策が抽象化された一方で,求められる市民像,あるべき市民協力などが盛り込まれるなど,基本構想自体が変質させられていること,市民の求めるものに市がどうこたえようとするのかという従来の組み立てから見ると,逆立ちしたものになっているということです。  次に,現在の基本構想長期総合計画のもとでの本市の現状をどう総括し,その教訓をどう生かそうとしているのかが全く不明だということです。2020年の本市の人口現状から30万人増の 210万人としていますが,過去の見直しに当たって検討された水資源など資源問題や,河川の汚濁防止など環境保全問題,道路や地下鉄の混雑度など交通容量,こういった問題を踏まえた許容人口がどうなのかが資料としても全く出されず,それに基づく適正人口についての議論もないまま改定案がつくられたのは異例と言わなければなりません。  次に,「北方圏拠点都市」としての位置づけの中で,国際平和に寄与するとしながら,非核平和都市として,核兵器廃絶に向けた本市のリーダーシップが明記されていないことも問題であります。  次に,市民負担責任を適正に担ってもらうという表現で,市民に新たな負担協力を求めている問題ですが,市民が「福祉などのサービス提供の主体となる」とまで言い切った上で,「市民企業行政相互補完的に社会的な機能を果たしていく」とか,「パートナーとなってまちづくりに取り組む」などと展開されています。委員会質疑などで,対等・平等の三者の協働などとの答弁もありましたが,市民が,市長議会を選び,税金を払って市政を信託するという議会制民主主義のもとで,市と対等に市民が何かやらなければならないということになるのか。市政の主人公である市民の意向に沿う市政を目指して行政議会が働かなければならないのであり,まして企業営利追求の組織であり,それぞれの役割が違う中でこれをごっちゃにしてしまうことは,結果として,行政責任役割をあいまいにさせ,薄めるものと言わなければなりません。  「社会的な費用抑制と適正な負担の確立に努める」として新たに起こした項目の中に,「行政においては,今後とも厳しい財政事情が続く」との記載がありますが,これは,市民生活中小企業の実態を無視して,サービスを受ける者が負担して当然と,新たな負担を求める考え方を示すものです。これでは,地方自治法にも明記されている住民の安全,健康及び福祉を保持する自治体の使命はどうなるのか。行政責任放棄にもつながることになりかねません。  一方で,福祉に関する取り組みに触れた「暮らしの安全と安心の保障」という項目の中では,施策大綱として,「保健・医療・福祉の情報のネットワーク化を図り,総合的なサービス提供システムを構築することにより,市民が多様な選択肢の中から最適なサービスを受けられる体制づくりを進める。」としているのみで,市民が求める高齢者障害者,低所得者への福祉充実児童福祉取り組みについては,具体的な施策はもとより,その位置づけ方向づけも何ら示されていないのです。  以上,申し上げてきたように,今回の基本構想改定案は,市民の願いに背を向け,政府追随・大企業優遇姿勢を21世紀に向けてさらに強化するものと断ぜざるを得ないものであり,市民本位市政への転換を求める我が党は,市民とともにこれに反対することを重ねて表明し,討論を終わります。  ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長柴田薫心君) 次に,鈴木健雄君。  (鈴木健雄登壇) ◆鈴木健雄君 私は,民主党議員会公明議員団新政クラブ,そして自由民主党議員会の4会派を代表して,平成9年第4回定例市議会議案第5号 札幌基本構想改定の件について,賛成の立場から簡潔に討論いたします。  提案された基本構想改定案は,地方自治法第2条第5項に定められております,その地域における総合的かつ計画的な運営を図るためのものという構想の目的にかなうものであり,また,提案に至る手続につきましても,長期総合計画審議会における論議の積み重ねや市民意見等に配慮されており,その姿勢,努力を認めるものであります。  本改定案は,国際化情報化の一層の進展,少子高齢化の進行,地球規模での環境保全の高まりなど,社会経済情勢変化に的確に対応するため,新たな視点に立った街づくりを進める必要があることから見直しを行ったとの提案でありました。  その街づくり基本的な方向として,「市民一人ひとり暮らし充実とそれを支えるまちづくり」「環境と調和した活力創造性に富んだまちづくり」の二つを挙げたことは,これまでの道路,上下水道など基礎的な都市基盤整備重視街づくりから,本格的な少子高齢化社会到来に対応した地域福祉充実や,環境負荷型社会の構築の必要性などを十分見据えた街づくり姿勢をあらわすものとして評価いたします。また,地方分権本格化経済の低成長が見込まれる中,市民の多様な就業機会の確保と社会的なサービス確保のため,既存産業はもとより,新しい時代に対応した産業を振興し,経済活性化財政基盤の強化を図るとしていることも一定の評価ができるところであります。  さらに,これからの札幌街づくり展開する上での考え方でありますが,市民意識やライフスタイルが多様化していく中で,私どもは,これまで以上に,市民企業行政がそれぞれの役割を担いながら,相互の信頼感に支えられた街づくりを進めること,すなわちパートナーシップの確立が重要だと考えております。  本改定案では,「目標実現のための基本方針」として「人づくりを重視し,市民の活動を支援する」「多様なネットワークを確保し,連携を強化する」など四つの方針が挙げられ,市民企業行政役割分担の明確化や産・学・官の連携強化等がうたわれており,それは,私たちの考え方と共通するところであります。  なお,今後この基本構想に基づいて新しい長期総合計画が策定されると思いますが,その具体的施策の検討,展開の中で論議を深めていただきたい点について,以下,何点か要望いたします。  第1に,この基本構想は,今後20年の長きにわたって札幌市の進むべき方向を示す指針となるものでありますから,抽象的な表現が多く,具体的な事業のイメージが浮かびにくいものとなっており,そのことは基本構想の性格上やむを得ないものと思います。しかし,長期総合計画につきましては,基本構想に基づいて施策が体系的に書き込まれる,より具体的な内容を持つものでありますから,市民にとってわかりやすい形になるよう要望したいと思います。  2点目は,経済問題についてであります。  先ほど申し上げましたように,産業の振興による経済活性化は,財政基盤の弱い札幌市にとって重要な課題であります。特に,近年の長引く不況に加え,昨年11月の拓銀経営破綻に始まる札幌経済の危機的な状況考えたとき,環境という,これもまた重要な課題との調和を図りながら,どう経済活性化を進めていくべきかという問題について,具体的施策の検討,展開の中で十分論議を深めていただきたいと考えています。  3点目は,少子化の進行への対応であります。  少子化の進行は,子供同士の交流の機会を減少させ,子供の社会性が育ちにくくなるなど,子供自身の健やかな成長にとって問題であるだけでなく,社会全体の活力の低下や世代間負担の格差拡大なども懸念されることから,20年,あるいはもっと先を見据えた街づくり考える上では大きな課題なのではないかと考えます。  子供を持ちたいと望む人が安心して産み育てられるようにするにはどうすればよいか,また,暴力の風潮が強まりつつある社会の中で,子供たちをどう健やかに育てていくかといったことを十分検討され,施策に反映されるよう要望いたします。  最後に,今後の長期総合計画策定に当たっては,市民意向の把握にさらに努めていただくよう要望して,討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長柴田薫心君) 次に,山口たか君。  (山口たか君登壇) ◆山口たか君 私は,ただいまより,市民ネットワーク北海道を代表し,議案第43号から第45号に反対,97年第4回定例会議案第5号 札幌基本構想改定の件に賛成の立場から簡潔に討論いたします。  初めに,基本構想についてです。  21世紀の本市の進むべき新たな方向の指針となる基本構想は,世界に類を見ないスピードで進行する高齢化や地球環境問題への対応が最優先課題であって,これまでの戦後50年の社会システムの大転換なしに展望は開かれないという認識のもとに作成されなければならないと考えます。  このたび提案されました本市の基本構想を子細に検討してみますと,転換変化という言葉は見られるものの,目指すべき将来の都市像については,1971年策定の基本構想にあった「北方圏拠点都市」「新しい時代に対応した生活都市」の2点を踏襲しており,さきに述べました認識が希薄であると考えます。その都市像の意味合いについては,時代によって変化し,時代にふさわしい解釈を与えていくものということですが,街づくり市民の参画を求める以上,都市像についても,市民が共通の認識を持てるようわかりやすくすることが大切なことと考えます。  また,東京都では「千客万来都市」を,福岡市は「アジアの見える福岡」を標榜していることからわかるように,現在,各都市は,街づくりに当たって個別化を図り,街の個性や魅力の創出に力を入れております。こうしたことが,企業の進出や観光の振興にインセンティブを与えています。本市の基本構想は,そのような積極性に欠けていると言わざるを得ません。  また,長期総合計画審議会の答申書を見ますと,札幌市の現況と将来展望という中で,地球規模での環境問題とエネルギー制約の進行,財政的な制約の進行,地方分権の推進が盛り込まれています。しかし,この基本構想には,エネルギー制約の発想が薄く,エネルギーの有効利用が盛り込まれているのみです。現在,作成中の環境基本計画と比べても,後退の感が否めません。財政問題についても,一言,「行財政改革」と触れられているのみであり,地方分権については触れられておりません。  一方,行政市民企業の信頼感に支えられたパートナーシップという理念,また非営利的な市民活動団体,いわゆるNPOについて盛り込まれたことは評価をいたします。さらに,NPOを行政の下請とは考えていない,対等・平等のパートナーシップであるというふうに委員会において答弁がありました。  ただ,信頼関係を保障するには,行政の情報公開(ディスクロージャー)と政策形成過程への市民参画を大きな柱とすべきですが,基本構想からそれらを読み取ることはできません。過去の基本構想にないこれらの概念は,21世紀の経済社会システム転換する概念であり,大変重要であると考えております。  以上,問題点と評価できる点を述べてまいりました。  基本構想は,市政全般を対象にしていることから,総花的,抽象的にならざるを得ない側面があることは理解いたしますし,本議案には賛成いたしますが,全面賛成ではないことを改めて申し添えますとともに,今後,基本構想の具体化として長期総合計画,さらには実施計画である5年計画で,ディスクロージャーやNPOとの連携・支援,環境政策などを明確に位置づけることが大変重要で,強く求めるものです。  次に,議案第43号から第45号までの仮称第5清掃工場工事契約締結の件ですが,これまでも申し上げておりますように,リサイクル,リユース,さらにはごみの発生抑制が大きな課題である現在,このような大規模な焼却工場の建設自体,問題であり,ごみの焼却主義から脱却すべきであります。  したがって,議案3件には反対をいたします。  以上で私の討論を終了いたします。(拍手) ○議長柴田薫心君) 以上で討論を終結し,採決に入ります。
     この場合,分割して採決を行います。  まず,平成9年第4回定例市議会議案第5号を問題といたします。  本件を可決することに賛成の諸君のご起立を求めます。  (賛成者起立) ○議長柴田薫心君) 起立多数であります。よって,平成9年第4回定例市議会議案第5号は可決されました。  次に,議案第43号から第45号までの3件を一括問題といたします。  議案3件を可決することに賛成の諸君のご起立を求めます。  (賛成者起立) ○議長柴田薫心君) 起立多数であります。よって,議案第43号から第45号までの3件は可決されました。  ――――――――――――――――――――議長柴田薫心君) お諮りします。  本日の会議はこれをもって終了し,明2月26日から3月1日までは議案調査等のため休会とし,3月2日午後1時に再開いたしたいと存じますが,ご異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長柴田薫心君) ご異議なしと認めます。よって,さよう決定されました。  ――――――――――――――――――――議長柴田薫心君) 本日は,これで散会いたします。  ――――――――――――――――――――       散 会 午後1時34分   上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。     議  長       柴   田   薫   心     署名議員       道   見   重   信     署名議員       本   舘   嘉   三...