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平成 9年第一部決算特別委員会-10月21日-08号
平成 9年第二部決算特別委員会−10月21日-08号

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  1. 札幌市議会 1997-10-21
    平成 9年第二部決算特別委員会−10月21日-08号


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    平成 9年第二部決算特別委員会−10月21日-08号平成 9年第二部決算特別委員会             札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第8号)                 平成9年10月21日(火曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人     委 員 長  猪 熊 輝 夫 君       副委員長   春 原 良 雄 君     委   員  吉 野 晃 司 君       委   員  越 智 健 一 君     委   員  山 田 信市郎 君       委   員  高 橋 忠 明 君     委   員  大 越 誠 幸 君       委   員  武 市 憲 一 君     委   員  上瀬戸 正 則 君       委   員  道 見 重 信 君     委   員  宮 村 素 子 君       委   員  馬 場 泰 年 君     委   員  勝 木 勇 人 君       委   員  堀 川 素 人 君     委   員  高 橋 克 朋 君       委   員  湊 谷   隆 君     委   員  伊与部 敏 雄 君       委   員  西 村 茂 樹 君     委   員  畑 瀬 幸 二 君       委   員  岩 木 みどり 君     委   員  大 嶋   薫 君       委   員  本 舘 嘉 三 君     委   員  森   健 次 君       委   員  義 卜 雄 一 君     委   員  涌 井 国 夫 君       委   員  本 郷 俊 史 君     委   員  荒 川 尚 次 君       委   員  飯 坂 宗 子 君
        委   員  武 藤 光 惠 君       委   員  宮 川   潤 君     委   員  佐々木 周 子 君       委   員  菅 井   盈 君     委   員  松 浦   忠 君       委   員  北 川 一 夫 君       ──────────────────────────────────        開 議 午後1時 ○猪熊 委員長  ただいまから,第二部決算特別委員会を開会いたします。  報告事項でありますが,宮村委員からは遅参する旨,また,横山委員勝木委員は交代する旨,それぞれ届け出がございました。  それでは,議事に入ります。  議案第6号 平成8年度札幌市水道事業会計決算認定の件について,質疑を行います。 ◆畑瀬 委員  私から,財政状況収納方法,そして技術研修について,順次お尋ねをしてまいります。  最初は,財政と収納方法についてであります。水道事業は,平成5年の料金改定の際に,その前提として財政計画を策定し,これをもとにこれまでの財政運営を行ってきているわけでありますが,この平成5年度から平成8年度までの4年間の財政計画期間中には,景気の低迷であるとか,阪神・淡路大震災を契機とする災害対策に対する市民の要望の高まりなど,予期し得なかった状況の変化などもあり,財政運営面でも大変厳しい期間に当たっていたと容易に推察することができます。  平成8年度決算が確定し,財政計画期間が終了したわけでありますから,この4年間の財政計画を総決算し,その評価と反省の上に立って,今後の水道事業財政運営に当たっていくことが肝要であると私は考えます。  先日いただいた資料を見ますと,財政計画で見込んでいた数値と比べ,その実績額が収入・支出とも相当な金額で下回る結果となっております。特に8年度では,減価償却費支払い利息のいわゆる資本費が給水収益に占める割合では59%にもなっており,また,この4年間の収入及び費用の推移を見ますと,4年前の平成5年度と比較し,平成8年度では,施設等の維持管理費用である委託料や修繕費が約30%近い伸びを示しているなど,私なりにその状況を分析しておりますし,現時点では,既にこの春の料金改定時に平成9年度から12年度の4年間の財政計画を策定し,進行中であることは承知しておりますが,あえて,初めに2点ほど質問したいと思いますので,これまでの財政運営上の問題点や動向も踏まえまして,お答え願いたいと思います。  質問の1点目は,平成8年度の決算の特徴はどうであったかということ。  2点目は,平成5年度から平成8年度までの財政計画が終了しましたが,この間の財政運営をどのように評価されているかについてお伺いをいたします。  次に,水道事業の経営安定のために極めて重要な意味を持つ水道料金収納方法の改善につきまして,お伺いいたします。  水道局では,検針収納システムの充実の一環として,平成8年度から,水道料金支払い窓口を銀行などの金融機関に加え,新たに郵便局での支払いにも拡大を行ってまいりました。また,その場合の見込みとしては,納付制利用者の10%程度が,この郵便局の窓口を利用するものと当初考えておられました。  一定の納期限の中で,好きなときに身近な支払い窓口水道料金を支払うことができる,あるいは支払いの窓口を選ぶことができるということは,水道利用者にとっては利便性の向上,すなわち市民サービスの充実につながり,また,水道事業者側にとりましても,利便性が増すことによって,収納率の向上等に相当の効果があるものと考えます。  そこで,平成8年度4月から行った郵便局での水道料金支払いの実績及びその効果がどのようなっているのか,1点目お伺いします。  また,2点目として,支払い窓口郵便局にまで拡大したことに加え,今後の展開として,単身世帯共働き世帯の増加及び土・日や夜間の支払い窓口対応として,平成10年度からコンビニエンスストアを新たに支払い窓口として追加する計画でその準備を進めているはずですが,その実施見通しと,その後,現在までのコンビニ側との協議の進捗状況についても,お聞かせいただきたいと思います。  以上,最初にお答えください。 ◎中村 総務部参事  私から,まず1点目の平成8年度決算の特徴についてお答えをしたいと思います。  8年度決算は,おおよそ3点ほど特徴があるのかなと,私どもこのように思っております。  一つといたしましては,平成5年度以降,毎年10億から20億円の利益を計上し,この利益をもちまして,平成4年度の時点で抱えておりました約55億ほどの累積欠損金の解消を図ってまいりましたが,平成8年度におきましては,単年度決算を見ますと,4年ぶりに収支差し引き赤字に転落をしたと,これが一つ特徴としてございます。  それから,二つ目の特徴でございますが,収入・支出に関しては,まず収入でございますが,家事用の水の使用料,つまり,それに伴う収入は微増しておりますものの,非家事用につきましては,天候や景気の影響を受けまして低迷をしているというのが特徴でございます。私どもとしては大変困った特徴なのでございますけれども,こういう傾向が見られていると。一方,費用の面で申しますと,施設の老朽化に伴う維持補修事業の増加や,耐震化のための浄水場など,施設の改修などで修繕的経費が前年度に比較いたしまして約20%程度も増加したこと,及び人件費の抑制のための業務の委託化に伴いまして,委託関連経費が同じく20%弱程度でございますが,増加を見ているということが挙げられようかと思います。  それから,三つ目の特徴でございますが,料金収入に占める企業債元利償還金の割合も51.7%と5割を超える数値を示しておりまして,これは財政悪化の兆しがあらわれていると,こう言わざるを得ないと思います。全体を通して一言で申しますと,これまでと比較いたしまして,施設などの維持保全経費が年々増大をしてきているというところが大きな特徴ではないかというふうに思っております。  それから,2点目の前財政計画の評価ということでございますが,委員もご指摘のように,4年間の経営環境といたしましては,長引く景気の低迷や天候の不順などがございまして,思うような給水収益の伸びが得られませんでした。それからまた,大震災を契機といたしまして,災害対策費などの捻出も必要となりまして,私どもも事業の運営を行う上で大変厳しい期間であったなというふうに感じてございます。  8年度末の財政状況を前財政計画と比較いたしますと,収入につきましては夏場の天候不順人口増加の鈍化,それから需要構造の変化などによりまして,年平均で20億円近い給水収益の減少があったわけでございますが,反面,支出の方におきまして,金利の低下に伴います企業債利息の軽減や人件費の上昇を押さえることができましたことに加え,事業の先送りやその他経費の節約などを一生懸命行ったことによりまして,減収額を上回る費用の削減を図ることができ,財政運営を大きく悪化させることなく必要事業をほぼ予定どおりに完遂できたと,私どもこのように評価をしているものでございます。  この結果,財政計画最終年次に当たります平成8年度までに,経営成績の面で申し上げますと,損益収支では約8億円,それから資金的には約4億円がそれぞれ好転をいたしまして,この4年間ではどうにか健全財政が維持できたと,このように思っているところでございます。  以上でございます。 ◎坂野 営業担当部長  私の方から,収入拡大に関するご質問に答えさせていただきたいと思います。  郵便局収納窓口に拡大いたしました結果,当初は納付制利用者の約10%程度の利用を見込んでおりましたが,最終的に平成8年度中におきましては約15万件,金額にいたしまして約11億円の収納実績がございました。これは納付制利用者の14.7%に当たり,また,料金収納窓口の数におきましても,平成7年度411 カ所でございましたけれども,643 カ所となったことを考えますと,納付制利用者の方々に対して相当の利便性の向上が図られたものと考えております。  2点目のコンビニエンスストアへの収納窓口の拡大の進捗状況についてでございますが,当初,3社を予定しておりましたが,その後,1社ふえ,現在4社と契約に向けて最後の調整を進めているところでございまして,予定どおり,平成10年4月から窓口拡大が行えるものと考えております。  この4社の各店舗を支払い窓口として拡大した場合には,料金支払いの窓口も,現在の600 カ所から,当初1,000 カ所と見込んでおりましたけれども,合計1,200 カ所となる見込みでございます。利用者利便性の向上がさらに図られるものと考えております。  以上でございます。 ◆畑瀬 委員  財政状況につきましては,ただいまの答弁にありましたとおり,費用面では災害対策に関連するものや施設の維持・管理費が増大傾向にあり,これらの費用の増加は,収入の増加に直接結びつかない性質を持つものと考えます。したがって,収支を均衡させるためには,料金の改定による増収を図るという方向に行かざるを得ないわけでありますが,昨今の経済社会情勢や市民の公共料金に対する意識を考えますと,将来的には4年たったから料金を改定する,あるいは財政計画期間が終わったからといって,料金の改定をするわけにはいかなくなるのではないかと考える次第であります。  このようなことから,水道事業健全運営をどうしたら長期間維持できるかということが,今後,極めて重要な意味を持ってくると思います。  そこで水道局として,この前財政計画の評価の上に立って,健全財政をできるだけ長期にわたり維持していくため,今後の事業運営で留意していかなければならないと考えている点について,所見をお聞かせ願いたいと思います。  次に,収納方法ですが,現在,コンビニエンスストア4社との契約に向けて,細部にわたる調整を進めているということですが,この4社はどこなのか,差し支えなければお聞かせを願いたいと思います。 ◎中村 総務部参事  今後の財政運営上留意事項についててでございますが,ご指摘のとおり,水道事業にとりまして,安全・安定給水ということと,長期的健全財政の堅持ということは,私ども事業経営者に与えられた重要な使命だというふうに受けとめてございます。  そこで,留意事項でございますが,ほぼ3点ほど重要ではないかというふうに思っております。  一つ目は,企業債元利償還料金原価の高騰につながっておりまして,水道事業にとって大きな財政負担になっているわけでございますが,少しでもこの金利負担を軽減していくために,施設の建設・更新のための借入金を,今後大きく増加させないことが最も重要な留意すべき点であるというふうに考えてございます。  それから,二つ目でございますが,今後見込まれる施設などの再投資資金の財源として,先の議会における委員のご指摘も踏まえまして,今年度から資産維持費の導入を図ったところでございますが,今後,更新時期が到来する各施設について,更新の前に適正な整備・修繕を定期的に行いまして,良好な状態で,少しでも施設の延命を図る,つまり,耐用年数を少しでも延ばすことで再投資資金の使用を先送りしていくことが,将来の借入金とその金利負担の軽減につながるものと考えているものでございます。  しかし,一方では,延命にこだわる余りに,施設の故障や事故が起きれば市民生活に多大な迷惑をかけることになりますことから,施設の安全性の点検調査というものと並行いたしまして,これらの施設の維持・保全の適正化に努めてまいりたいと考えております。  留意事項の3点目でございますが,これは業務改善と効率的な事業運営が極めて重要だと考えます。水道局は,これまでも他の部局に先行いたしまして,業務の委託化による職員の削減など,事業全般について業務の改善に努めてきたところでございますが,引き続き,効率的な事業運営を目指して事務事業の省力化,人件費の抑制に努めていくことが必要であると,このように考えてございます。  水道事業としては,これらの点について十分留意をしつつ,ご指摘の長期的な健全財政の維持,これに努めていく決意でございます。  以上でございます。 ◎坂野 営業担当部長  コンビニエンスストアの契約先についてでございますが,コンビニエンスストア収納窓口とするためには,市内に多数の店舗を有し,公共料金等を支払う場合に必要なバーコード対応,そして,さらには本社と各店舗の間のオンライン情報システムが確立されているということが必要になります。このことから,これらの機能を有しておりますのが,現在,セブンイレブン,ローソン,サンクス,セイコーマートの4社となってございますので,この4社と細部の調整を目下進めているところでございます。  以上であります。 ◆畑瀬 委員  財政状況については,私も,ご答弁のあった三つの視点が重要なことであろうと考えます。したがいまして,それらに留意しながら将来を見据えた財政運営を行っていただくことを求めておきたいと思います。  また,収納方法についてですが,水道料金がコンビニエンスを利用して納付できるようになるのは,道内では初めての試みでありますので,その意味で,今後,関心を持って見守っていきたいと思っております。  最後に,水道局における技術研修についてお尋ねしてまいります。  水道局では,平成7年度から組織のスリム化,効率化を図っていくために業務改善に取り組んでいると承知しております。私は,この業務改善が順調に推進され,また,組織力もレベルダウンさせないためには職員全般,特に転任職員資質向上と,水道局のみが担っている技術の水道工事業者への技術移転がまさしくキーポイントになると考えております。  このうち,職員の資質の向上に関しては,平成5年の決算特別委員会で触れましたが,その折,私は,個人の努力もさることながら,組織的で総合的な研修体制,いわゆる人づくり総合研修体制の充実をどう図っていくのかとの質問に対し,当時の石原事業管理者からは,管理部に研修機能を付加していきたいとの答弁を得たところであります。  そこで伺いますが,1点目として,技術研修施設も準備していると承知しておりますが,業務改善にかかわる職員の技術研修にどのように取り組んでおられるのかお聞かせください。  また,本年,8月11日に改正された水道法施行規則では,規制緩和に伴う指定工事店の責務として,主任技術者等施行技術の向上のために,研修の機会を確保するよう努めなければならないとの条文がつけ加えられ,適正な工事を確保する上からも,水道局として,指定工事店の研修を側面からバックアップする必要があるのではないかと考えます。  そこで,第2点目として,業務改善に伴う委託・請負化の前提となる水道工事業者への技術移転についてどのように考えているのか,お伺いをいたします。 ◎福田 総務部長  ただいまの研修にかかわります質問にお答えをさせていただきたいと思います。  まず,1点目の職員研修についてでございますが,水道局では,従来から,目的に応じてそれぞれ研修を実施してきたところでございます。業務改善がスタートいたしました平成7年度からは,技能職員から技術職員に転任した職員の研修を開始いたしまして,平成8年度には,この研修も含めまして,14種類の技術に関する研修を実施したところでございます。  その結果,平成8年度の研修受講人員は延べ275 名,延べ日数は65日間となっているところでございます。また,研修制度を充実するために,組織的にも平成7年度に総務課内に研修担当主査を1名,それから研修担当職員を1名配置したところでございます。さらに,平成8年度には技術研修担当課長を配置いたしまして,組織の強化を図ってきているところでございます。  一方,研修施設面でございますが,旧水道局職員会館の一部を改修いたしまして,40名から50名規模の講義施設を設置いたしますし,また,配水センター構内資材置き場を活用いたしまして,給配水管の接続や修理,それから消火栓の分解・修理などを行うことができます屋内施設と,実物大の配管での洗管・濁水処理,それから漏水調査などの実技ができます屋外研修施設を新築いたしまして,いずれもこの11月から新施設を活用することとしてございます。  2点目の水道工事業者への技術移転についてでございますが,現在,水道局のみが持っている特殊技術といたしましては,不断水漏水修理,不断水とは,断水をしないで漏水工事を行うという技術でございます。それから,そのほか消火栓の修理,配水管折損修理など6種類ございます。これら水道工事業者への委託・請負化の前提となります技術移転研修につきましては,先ほど申し上げしまた当局の研修施設を利用いたしまして,平成10年度より順次実施していく予定となってございます。  以上でございます。 ◆畑瀬 委員  ただいま,水道局が組織的に職員の研修に取り組んでおり,また,ハード面でも講義施設実技施設も新たに用意されているとお聞きしましたが,一水道事業体が独自の研修施設を有することは,政令市のような大事業体ならではのことと思います。しかし,中小水道事業体が多い道内では,その必要性・有効性を十分認識しつつも,予算面やスタッフ不足等の理由から,実現不可能なケースが多々あるのではないかと思います。  こうした状況を踏まえるならば,札幌市水道局は,今後,全道の他の水道事業体職員に対しても技術研修の場を提供していくことが,全道の水道のリーダーとしての役割を果たすことになり,また,技術レベルを共有化することが,ひいては災害時の水道事業体同士相互応援であるとか,施設の復旧等の作業にも有効に結びつくのではないかと考えます。  この点,その重要性をどのように認識しておられるのか,最後に見解を伺います。 ◎福田 総務部長  ただいまのご質問の,道内他水道事業体職員に対します技術研修の件でございますが,委員ご指摘のとおり,中小企業体の場合いろいろな理由から自前で研修ができない,不可能なケースも十分考えられると思います。  また,災害時の相互応援等を考慮した場合,本市と他水道事業体の職員が一緒になりまして技術研修を行うことは,大変有意義であることも事実でございます。したがいまして,できるだけ早い時期に,日本水道協会北海道支部長都市として広域的な見地から,他水道事業体向け技術研修本市水道局職員との技術交流を検討してまいりたいと,このように考えております。 ◆畑瀬 委員  最後に要望にとどめておきますが,本市水道局のノウハウというのは,全国的に見て高いレベルにあると承知しておりますので,本市の技術研修が軌道に乗った暁には,ぜひ広域的な観点に立って道内的な貢献ができるよう,積極的な対応を求めておきたいと思います。  また,質問の中でも述べましたが,業務改善を順調に推進するには,その前提として,研修を通して職員の資質の向上を図っていくことが重要でありますので,引き続き,この点を重視していただくことを求めて,私の質問を終わりたいと思います。 ◆涌井 委員  私の方からは,クリプトスポリジウム問題について質問いたします。  ご承知のように,16日に既に農政費の中で経済局の方に質問をさせていただいておりますので,クリプトについての細かなことは割愛をし,質問をさせていただきたいと思います。  安全で良質な水道水の供給というものは,水道事業においては最も基本となるものでございまして,水道局ではこれを確保するために,水質管理に大変な努力を傾けてきているということは,私も十分に認識しているところでございます。  ご承知のように,昨年の6月,埼玉県の越生町で水道水に起因するクリプトスポリジウム感染症,いわゆるクリプト感染症が発症し,約9,000 人もの人々が感染する事件が起こりましたけれども,これは水道の信頼そのものを揺るがし,水道界に大きな衝撃を与えた出来事であったわけでございます。  このクリプト問題に対しまして,厚生省は,昨年10月に,水道水源クリプト汚染のおそれの判断,水道事業者の講じるべき予防対策,広報等の応急対応暫定対策指針として取りまとめ,全国の水道事業者に通知しております。  本市については,水道原水の水質につきましては良好に保たれているものの,水源上流にはクリプト排出源となり得る施設もあって,先に道が行った指標菌による調査結果においても,クリプト汚染のおそれがあるとされていますことから,水質汚染が危惧されている状況にあると考えておるわけであります。  先ごろ,私も,水源上流の状況を調査しましたけれども,白川浄水場あるいは西野浄水場の水源である河川の上流には,家畜のふん尿等を処理し,排出源となり得る施設が存在しております。私も,実際に現地を訪れ,状況を確認しました。  また,事業所あるいは個人住宅に設置されている浄化槽については,西野・白川浄水場上流区域に限ってみますと,事業所は35基,個人住宅は27基で,計62基ございますが,浄化槽管理者は,「毎年1回浄化槽保守点検及び浄化槽の清掃をしなければならない」と浄化槽法に義務づけられております。しかし,この62基のうち,3割の18基が定期検査を受けていない実態から,汚水の排出源となるおそれがあるというふうに思うわけでございます。  このような状況を踏まえ,水道水安全性確保に向けた取り組みのより一層の推進が必要であろうと,こういうふうに思うわけであります。  そこで質問ですが,第1点目として,クリプト問題に係る国や道,さらには本市の取り組み状況についてお伺いいたします。  第2点目は,水道の取水口から上流には汚水を排出する可能性のあるさまざまな施設があると思いますが,水道局監視対象としている主なものにどのようなものがあり,今までどのような管理・指導を行ってきたのか,まずお伺いいたします。 ◎佐々木 工務部参事  私から,お答えいたします。  クリプトスポリジウムに関するお尋ねですが,名前が長いためにクリプトというふうに省略させていただきます。  まず1点目ですが,厚生省は,全国94水源水域,282 地点の水道水源におけるクリプトの存在状況を調査した結果,6水源水域の8地点でクリプトが検出されたと公表しております。加えて,水道におけるクリプト等病原性微生物対策検討会の設置や,検査方法の開発,水道水の常時管理を可能とする体制の構築などを目的とする研究班を新たに設置しております。  一方,道は道内すべての668 浄水場を対象として,ふん便性大腸菌群等の指標菌の有無を判断指標としたクリプト汚染のおそれを調査し,65浄水場の原水で指標菌が検出されたものの,徹底した浄水処理により,現時点では問題がないとの見解を示しております。  次に,本市につきましては,従来より,暫定対策指針に示されている濁度を0.1 度以下とする徹底した管理を行っていますので,安全性に問題はないと考えております。また,クリプトそのものの検査体制が重要でありますことから,検査のできる職員の養成,機器の整備を進めてきております。  次に2点目ですが,取水口から上流では,業種別に見ますと,鉱山施設,下水処理場,ホテル,保養所などのリゾート施設,養豚,養鶏などの畜産施設などがございます。  これらに対する私どもの対応ですが,鉱山施設については,事業者と公害防止協定を結び,月1回排水試験報告書の提出を求めるなど,監視の体制を強化しております。  また,大規模なリゾート施設については,開設時に水源水質保全委員会を設置し,排水基準等について検討し,独自の水質検査を行ってきております。  水道局としましては,これらの施設を含め,所管しております環境局,経済局などと緊密な連携を図り,水道水源を汚染しないように所要の措置を講じるよう指導するとともに,万が一,事故が発生した場合についても,即応できる体制をとっております。  以上でございます。 ◆涌井 委員  そこで,クリプトの検査というのは,お話を伺いますと,時間のかかる大変難しい検査であるというふうに聞いております。  また,昨年,越生町で発生するまで,実際に原虫を見たことのある人はほとんど日本にはおらず,専門の研究者でさえ二,三人しかいなかったということでありますから,水道局がいかに困難な問題を抱えていたか察しのつくところでございます。しかし,このような厳しい状況の中で,先ほどの答弁にもございましたが,水道局では着々と測定体制の整備を進めているわけであります。  そこで伺いますが,第1点目として,水道局の実施したクリプトの検査結果では,どういうことがわかったのかについてお伺いいたします。  第2点目として,水道局の今後の検査体制については,定期的な検査方法をとるなどしていくべきというふうに考えますが,本市としてはどのように充実させていくのかお伺いいたします。 ◎佐々木 工務部参事  まず1点目ですが,検査に必要な機器を導入しましたほか,職員を研修に派遣し,検査技術の修得に努めてまいりました。そして,7月から8月にかけて全浄水場のろ過水について,さらに9月に入りまして水源上流排出源のある白川浄水場及び西野浄水場の原水を対象にしまして,それぞれクリプトの存在の有無を検査いたしましたが,その結果,クリプトは検出されておりません。  次に2点目ですが,クリプトは顕微鏡を用いて検査しますが,この検査は,濃縮や分離など,前処理に多くの工程があるため操作が煩雑であることに加えまして,クリプトを特定するには内部の構造を確認することが必要でありますことから,極めて高い熟練度を要するものです。  このようなことから,私どもといたしましては,今後は,検査方法の開発など,国の検討状況に留意しつつ,検査に係る研修を行い検査技術者を養成しますとともに,検査回数の増加や検査精度の向上,さらには顕微鏡などの機器の整備を図るなどいたしまして,ソフト・ハードの両面から検査体制の一層の充実を図り,市民に信頼される水道水の供給に努めてまいりたいと考えております。 ◆涌井 委員  これは要望して終わりますが,水道局が今まで経験したことのない新しいクリプト問題に対して,積極的な取り組みを展開し,政令市として,二,三番目に早く取り組んでいることに対しては,十分に評価し得るものと考えます。しかしながら,水源の流域というのは極めて広いわけでございまして,その中には,先ほどのお答えのようにさまざまな施設,触れていませんでしたけれども,クマ牧場だとか,いろいろ上流部にはあるわけでございます。そういった畜産農家から家畜のふん尿が河川に流出しないとは言い切れませんし,浄化槽から汚水があふれないという保証はございません。  このように考えますと,一番大切なのは,日ごろから,関係する部局が緊密に連携をとりながら,かつ,緊急時に共同で対策のとれる体制づくりを進めることだと思いますので,この点をより一層進めていただくことを要望し,質問を終わります。
    ◆荒川 委員  私は,水道の施設能力と配水実績,この差をどう見るか,このことは当然,事業計画それから財政計画ともかかわっていくわけですが,この点について,過去の歴史にも照らしてお尋ねをしたいと思っております。  まず,本市の施設能力,これについて言いますと,定山渓ダムの完成で1日103 万5,000 立方メートル,そして浄水場については,白川浄水場の10万トンの増強が,59年からの第7期拡張計画ということで実現しておりますから,この施設能力78万5,000 トン,これが前回の第2次施設整備事業,つまり96年度の段階まで推移してきておりまして,97年度から白川の第3浄水場の5万トンの増強が実現して,本来,浄水能力が83万5,000 トンになるわけですが,97年度からは藻岩浄水場の改築に伴って,浄水場が半分使えない,こういうことで現在はその分ダウンして75万8,000 トンという形で推移していると,こういうことになっておりますし,当然のことながら,2001年から,藻岩での改築が終わった段階で,83万5,000 トン体制になってくると,こういうことです。  この施設能力に対応する配水実績,これについて見ますと,非常に大きな乖離がある。その点では,1次,2次,3次の整備事業で,次々に最大配水量についての計画変更を行ってきておりますが,それについて料金改定の時期で見てみますと,1989年に料金改定しておりますが,そのときの施設能力78万5,000 トンに対して,1日最大配水量,これは1次施設整備事業計画では62万5,000 トン,こう見ておりましたが,実際には60万4,000 トンにとどまっているわけです。1993年がまた料金改定の年でありましたが,このとき,第2次の施設整備事業に既に移っていまして,第1次整備では,このときの1日最大配水量を69万1,000 トン,私がトンと言っているのは略した言い方で,正式には立方メートルということですが,これを92年から始まった第2次施設整備事業の計画目標では68万7,000 トンと最大配水量の数値を下げている。しかし,その実績はというと,61万4,000 トンにすぎないわけです。  この間,先ほども言いました1988年以降ずっと,78万5,000 トンの施設能力がある中で,実績は60万,61万,こういうところで推移してきているわけです。それで,この第2次の施設整備事業が平成8年度で終わっているわけですが,8年度からは第3次の施設整備事業に切りかわっています。  ですから,第1次の施設整備事業の計画数値と第2次の施設整備事業の計画数値,それに加えて第3次の施設整備事業計画があるわけです。そして8年度,1996年度ですから,まさに今,我々が決算審査をしている前年度,当然,実績もここについているわけですが,この三つの施設整備事業を数値で比較できるということで,96年度の実態はどうだったかといいますと,施設能力が78万5,000 トンある中で,第1次整備事業計画の最大配水量の見込み74万7,000 トン,第2次施設整備事業計画の見込み73万5,000 トン,第3次施設整備事業計画の見込み1日最大配水量が68万5,000 トン,実績はどうだったか。8年度,96年度の実績は既に出されていますように63万トン,何と第1次整備事業計画の1日最大配水量の数値計画,これから9万トンも大きく下がる,こういうことです。  1日最大配水量というのは,夏の猛暑の時期,あるいは年末の大みそか,そういうときに市民がどっと水を使って限られた日時であらわれてくるものです。1日平均配水量というものもありますが,この1日平均配水量はどうかというと,8年度,1996年度では54万4,000 トン,こういうことです。1日最大配水量と1日平均配水量,これはどういう形で計画値が出されるかというと,1人1日当たり何リットルの水を使うかという原単位,それに給水人口を掛けて1日平均水量が出される。その1日平均水量割る0.8 ,こういう形で最大配水量が出される。  私が申し上げたいのは,先行的にどんどん設備投資が行われて整備されている施設能力と,そして配水実績との大きな乖離,しかも,5年ないし4年ごとに新たな計画をつくるに当たって,もう一度はじき直しているその数値が,1次,2次,3次と次々に下がってくる。そして,その一番新しい計画,8年度,96年度には第3次施設整備事業の計画がつくられた,その8年度の決算というのは,大分前につくった計画との差ということではありません,1年前につくった計画が1年後にどうだったか,8年度,96年度でどうだったかといいますと,さっきも言いましたように,1日最大配水量の見込み68万5,000 トンに対して実績が63万トン,こういうことで1日平均配水量は54万4,000 トン。  水道の膨大な設備投資のお金というものは,それはすなわち水道料金にもはね返って,4年に1回なり5年に1回の料金改定にもつながる。しかも,ことしの1定で行われた料金改定などでは,新たに市民への料金負担を求めるというような財政の仕組みの変更までやられているわけですから,それに基づく過大な見積もり,それに基づく過大な設備投資が,とどのつまり,市民負担を大きく求める結果となってきた,これは明らかだと思うのです。  1日最大配水量ということで言えば,これはその年の気候条件,夏が暑いかどうかによっても左右されるというふうに思いますが,このベースにある市民1人が1日何リットルの水を使うか,この原単位がそもそも狂っている,このことを今までの経過から見ることができるのです。そして,これから先,ことし料金改定をして,今後4年間にわたる計画が既に決まっているわけですが,その間も原単位は毎年毎年上がるような仕組みで計算されていますね。それに基づいて1日最大配水量がはじかれていますね。そして,施設能力との大きな乖離ということになっています。  水源の確保,ダムの確保というのは,やはり札幌市だけで決めてつくれるものでもないですし,総合ダムということになっていますから,ある程度,早目早目に,余力を持ちながら整備していくことはこれはやむを得ないだろうと,必要なことだろうと思いますが,この浄水場の施設整備などというのは,78万5,000 トンという現在の能力,これは今要らなかったということになるわけですね。もう10年来こういう能力を確保しながら来ているわけだけれども,最大配水量からいって,それは要らなかったということになるわけです。しかも,ことし,この9年度,1997年度からは藻岩浄水場の改築を行って,78万5,000 というこの浄水能力を75万8,000 にまで引き下げて,今後4年間対応しても,それで十分やれると,こういうことですから,15年間も最大配水量で必要のない浄水場整備がやられてきたと,結果として,過去を振り返ればこう言えると思うのです。  現在,こういうような設備投資が,水道財政にどういうことをもたらしているかといいますと,平成8年度でいいますと収益が352 億,これに対して施設整備工事に125 億円かける,一方では,企業債の元金の支払いで70億,利息の支払いで117 億,こういうことになっているわけですね。平成5年,1993年の料金改定以降の4年間で見てみますと,給水収益1,393 億に対して施設整備費473 億,企業債の元金の償還246 億,企業債の利息支払い474 億,トータルでこういう数字になって,いかに過去の設備投資にかかわる企業債支払い利息というものが,水道財政の中で重いウエートを占めているかということがはっきりしてくるわけです。  ことしの3月に決めた第3次の施設整備,これで見ますと,平成12年度,2000年度の1日最大配水量が74万3,000 ということになって,今現在の75万8,000 ,そこに近づくということで,2001年で藻岩の浄水場の改築が終わって83万5,000 トン体制に移行するのにちょうどいいというような計画になっています。実は,私この1点だけで聞いていますから,全部にかかわって1点で聞きますので,もうちょっと言わないと質問までいかないのですよ。  12年度,2000年度で74万3,000 というところまで最大配水量が行くから,前のこの計画もよしというようなことで言われると思うのですが,しかし,この74万3,000 という2000年の1日最大配水量もまゆつばでないかなと私思うのです。  さっきも言いましたように,原単位を毎年毎年引き上げていくという計画の中で,その原単位の実績というのが下がっているということとの関連で見ても,これはやはり今度の整備計画,財政計画の中でも,1日最大配水量,そして市民の原単位となる1日の使用水量というものが過大に見込まれているのでないかというふうにも思うのですが,過去,現在,未来にわたって,もろもろ,はっきりしている部分で施設能力と実績,そして原単位さえ変わっている,私,資料全部ありますから,そういう点でお話をしました。  過大な設備投資というのは,市民負担にもつながってきているわけですから,その点についてどうお考えになるかお聞きしたい。 ◎牧野 工務部長  ただいの設備投資に関するご質問でございますが,確かに,るる委員おっしゃられたような経緯はございます。ただ,我々計画する時点での経済状況,それから人口の見積もり,こういうものが今まで,例えば1次整備,2次整備,3次整備と,こういう中でるる変わってきていることも事実でございます。  例えば人口でございますと,当時,1次整備で見込んだ人口の予測が,今となってみればかなり下回っている。当時,まだバブルの絶頂期でございますから,そういうことで,経済状況も今とはかなり大幅に違っていたというような要因もございます。ただ,いずれにしても,我々の計画時点におきましては,需要に応じた適切な施設整備を行うということは,とりもなおさず,利用者の皆様に減水それから断水と,こういったご迷惑をおかけしないというのが大基本でございますので,これは水源とあわせまして,浄水場等の施設整備も進めてきたわけでございます。  ただ,最近の経済状況がこういうことでございますので,当時に比べましてかなり乖離していることも事実でございます。私ども,その点,例えば1次整備の後に2次整備,今回3次整備と事業を進めてまいっておりますが,その都度そういった社会情勢,人口の伸びその他を十分に勘案しまして,数字の見直しを行っております。  委員おっしゃいましたように,例えば原単位についても,同じ年度で見ますと,当時よりかなり下がった見方をしておりますし,現今の経済情勢,社会情勢に合った形で,そういったものの数字を的確につかまえていっているつもりでございます。  いずれにしても,我々,減・断水ということは,厳に避けなければいけませんし,そういったことで利用者の皆様にご迷惑をかけるということは断じてあってはならないことでございますので,これからは現今の社会情勢を見ながら,適宜・適切な計画を立てて事業を実施してまいりたいと,このように思っております。  以上でございます。 ◆荒川 委員  適切な計画で施設整備を進める,これは当然なのですが,一番至近な,我々が今決算審査をしている8年度,96年度で,計画と実績が,わずか1年の間でこれほど開くということについてどう考えているか。これ改めてはっきりしていただきたいことと,市民の水道の使用量というものが,経済状況や気候や,それから市民生活の状況によって変わるのは私もそうだと思いますが,ことしの4月に料金改定したときに4年間の計画を立てたわけですよね。その4年間の原単位,1人1日どれだけの水を使うか,それを0.8 で割っての最大配水量,その配水量を確保する施設能力,それは言ってみれば至上命令だという形での整備を進めていると。断水を断じてやるわけにいかないと,こう言っているのですが,この原単位がもう違っているのだから,どういうふうにこれを見るかということですよ。8年度,1996年度,我々が決算審査をしている前年度の原単位,1人1日の水使用量は第1次の計画では最大で418 リットル,第2次の計画では最大で409 リットル,それが第3次の計画では390 リットル,実績は最大358 リットルと,こういうふうに出たじゃないですか。  ところが,2000年までの4年間で,96年度の計画では390 ありました。実績は,さっき言ったように358 ,それを97は392 ,98は396 ,99は402 ,2000年は406 というふうに最大配水量が高くいくように引き上げて,12年,2000年と比較しますと,下手したら13年も14年も要らない施設能力を先につくってしまったなと,これは平成17年までは最大でいくわけですから,だから20年間も要らないようなものになってしまう,そういう危険も,現にあるのだと思うのですよ。  この単価を今下げたら,大体12年の段階でもたっぷり余裕がある。ましてや,平均配水量はもうそのずっと下ですからね。そういう点では,やはり8年度,1996年度をくぐって,第3次の施設整備事業の計画数値,それにやはりもう重大な狂いが出ているし,先行きについても,こんなふうに,もとが狂ったわけだから,最初で狂ったわけだから,いかないというのは明らかなのだけれども,そのことについてどう考えているのか明らかにしていただきたい。 ◎牧野 工務部長  ただいま2点の質問があったかと思いますが,これをまとめて答えさせていただきます。  まず,8年度の最大計画値と実績値の乖離の問題でございますけれども,平成8年度の最大配水量につきましては,63万300 立方メートルでございます。最大というのは,大体気温が高い日に出ますので,記憶ではこのとき30.3度で,ちなみに日にちは7月29日でございます。  昨年,平成8年度の夏は,いわゆる冷夏で非常に天候不順でございました。最高気温が30度を超えた真夏日は,7月と8月の各1日だけでございます。最高気温は,ちなみに8月14日で31.9度,これはお盆でございますが,例年の傾向からいいますと,お盆にかなり気温が上がったとしても,帰省客といいますか,札幌から離れる方が非常に多うございまして,例年余り配水量が上がらないという時期にたまたま合致をしてございます。  一方,計画値では68万5,000 でございまして,年間の最大と平均の比を負荷率と言っていますが,これを出しますと,平均では負荷率80%というような見込みを立てております。これは過去の実績からでございます。この負荷率というのが,たまたま昨年については冷夏ということでございましたので,我々の計画したものよりかなり下回ってしまったと,こういうことで計画値と実績値の乖離が大きくなったということでございます。ただ,過去の実績を見てみますと,負荷率も80%台,もしくは切るような時期もございまして,これはあくまでも天候というのが大きな一番の要因で,ほかにもあるかもしれませんが,これが一番大きな要因だと思っております。  したがって,今後につきましても,このような状況が出てくる可能性はあるというふうに我々見込んでおります。たまたま昨年は,気候の状況がああいう冷夏であったということで計画値と実績値の乖離が大きくなったということでございます。今後とも,もとになる原単位,これをどんどん先に延ばしているというご指摘でございますが,我々としては,これらの原単位をはじく際に,利用者の皆様にいろいろアンケート調査をさせていただいております。今回もそういうアンケート調査をさせていただきまして,原単位をはじいております。  最近,景気が悪いという要因もございますけれども,それらを統計的に処理いたしますと,原単位についても,若干ではございますが微増という結果が出ておりますので,我々としては,これらについては前回の数字といいますか,2000年のときに立てた数字は別にしまして,今回,これから実際にどうなるかという数字を策定しまして,その現実にかなり見合った形で数字をはじいていっております。ちなみに,先ほど最大配水量の原単位のお話が出ましたけれども,8年度につきましては,たまたま全体の平均の原単位が309 リッターでございます。ちなみに,そのときの計画値が312 リッター,平均で見ますと3リッターの違いでございます。最大で見ますと,先ほど言いました負荷率の見方の関係,天候,そういったもろもろの要件で結果的には差がついておりますけれども,少なくても,ベースとなる平均ではそう大きな違いはないというふうに考えておりますので,当面,この数値をベースに事業計画を進めていきたいというふうに考えております。  以上でございます。 ◆荒川 委員  平均のところでそんなに狂ったら,大変なことになるのですよ。責任とらなきゃならないことになるのですよね。しかし,私がなぜ最大のところを問題にするかというと,最大のところに焦点を当てて施設計画を進めているから,そのことを言うわけです。そして,今の原単位で,最後に平均のところで,部長ね,話をまとめられましたけれども,その最大でいったらどうなるかというと,92年は計画400 ,実績364 ,93は400 に対して360 ,94も403 に対して385 ,95は406 に対して375 ときて,昨年度は409 に対して358 となったわけでしょう。それなら凹凸ありますよね,減ったりふえたり凹凸ありますよ,最大で。その最大は気象条件によっても変わるわけです。それじゃ,どうして96年度以降全部,最大のところを計画ではふやして,今の実績358 から4年後,2000年には406 まで持っていこうとするのか,このことを私は言っているのです。もとで,390 と358 の狂いがあるのだから。  これは,私もずっと分析させてもらった。ことしは猛暑だ,去年とおととしは冷夏,その前は猛暑,その前は冷夏,冷夏と続いていますよ。そして,最大配水量につながる夏日,真夏日というものも,ごくごくわずかな日という場合もあるわけですよね,冷夏のときなんかね。そして,最大配水量で結果として66万4,000 ,猛暑の94年にそういう数値が出た。ことしも猛暑で,7月25日に65万1,430 という数値が出たといっても,こういう日というのは幾らもないわけです。私,資料いただいて調べたら60万トンを超える比率なんていうのは1%,2%というわずかな部分なのですよ。しかし,その1%,2%のわずかの部分で断水などを起こしちゃならぬといって,ばんばん施設整備を先行的に進めてきているし,これから,浄水場が一たんできたものを,施設能力を半分しか使わないで改築しても,十分やれる最大配水量というのは,こういう実績との対比でいけば,もうその計画自体が下がって当然だという状況にもなっている。これら先行的な施設整備のための投資による膨大な施設整備を,高金利の時代からばあっとやっているのです。これが今の支払い利息になっている,水道料金の引き上げにつながっているということなのですよ。  結果については,私が言っていることが違うのなら違うと言ってください,合っているのなら合っていると。それで私済ませますから。今後,やはり公共事業の抑制という点では,私は原単位,これは気候によって上がり下がりするというような説明だけではいかないと思っているのです。季節,気象によって上がり下がりするというのなら,たまに下げてもいいくらいの話なのです。そうはできないから,少しずつ上げたとこういうのでしょうけれども,しかし,実績で見ると,これは景気の問題,それから市民の生活実感の問題,これが非常に作用しているということがわかりますよ。そうすれば,今,景気の状況は足踏みでなくて後退だというところまで,北海道,札幌は来ているわけですから,その意味では,今後もっとこの実績は厳しい形で出てくるのじゃないかというふうにも思っているのです。  そこで私,具体的にこれがどうだとか,そういうことを言いませんが,やっぱり膨大な投資となる水道の施設整備について,さっき適宜・適切と,それを本当にやってくれればいいのですが,改めて,今までのこういう経過に照らして,どういう構えでこの問題に対処しようとするのか。  それから,やはり工事費のコストダウンのことについても,そんなこと関係ないというようなことは言っていられないと思うのです。やはり少しでも工事費を下げるという努力もしながら,施設整備を必要最小限のところで確保していく。適切に確保していくということが必要だと思うのですが,これ,管理者ね,最後にお答えください。 ◎平賀 水道事業管理者  水量と施設の関係ですけれども,水量の予測というのは,今,委員がおっしゃったように非常に多くの要素がありまして難しいものでございます。経済情勢はまさしく大きく影響するところでございまして,最近の水の出の状況からいうと,景気の動向というのは余りはかばかしくないのでないかというふうに思われます。それから,最近,東京以西で渇水という問題がありまして,これが非常に大きく全国で報道されまして,この影響もある。それから,天候にいたしましても,年々非常に変化がございまして,これも水量に影響する。いろいろなものが影響してまいりまして,予測を困難にしております。  しかし,やはり基本は減・断水をしてはいけないというのが基本にありますから,多少安全側にいくのはこれやむを得ないというふうに思っております。しかし,我々とすれば,これは何年後かにその動向を見きわめながら見直しをするわけですから,その都度修正をして,より近いものに持っていきたいというふうに考えております。 ◆佐々木[周] 委員  私は,2点について簡潔に質問させていただきます。  この場合,申しわけないのですけれども,一つずつ分けて質問させていただきたいと思っております。  第1番目に,西野浄水場の水質保全に関して伺います。  先ほど,涌井委員の方からクリプトスポリジウムのことについてご質問ございましたが,私もこの点につきましては大変関心を持っておりまして,先ほどご答弁をお聞きしておりまして,今後も市民が安心して飲める水にぜひ取り組んでいただきたいというふうに思っております。  私がきょう問題にいたしますのは,西野浄水場の水質保全にかかわってなのです。と申しますのは,西野の浄水場については,琴似発寒川がその水源になっております。琴似発寒川の上流の浄水場,それから取水場の上の方に行きますと住宅街が広がっておりまして,そこで住宅街にかかわって,どのような状況になっているのかということを指摘したいと思っているのです。  と申しますのは,あそこは下水管が分流方式になっております。住宅街の敷地の中で,例えば自宅で農園をつくっていらっしゃるだとか,それから洗車をなさるとか,それから路上でたばこをお吸いになっている方がポイ捨てをするとそのまま下水に流れ込むと,そういうようなことがあるのではないかということを危惧しているところです。  そこで,質問の1点目なのですけれども,琴似発寒川の水質保全につきまして,これまでどのような取り組みをなさってきたのか,まず1点お答えいただきたいと思います。 ◎佐々木 工務部参事  回答申し上げます。  代表的な取り組みといたしまして,3点ご説明します。  まず,第1に河川調査を行っております。これは月に1度,現地において河川水を採水し,水質基準項目を中心に,水質試験所において水質状況を検査するものでございます。  二つ目に,水源パトロールを実施しております。これは水源事故が発生した際に,迅速な対応を図ることを目的に,従来の水源監視を強化するという見地から,昭和56年から開始しているものです。  琴似発寒川については,週に2回実施しており,河川水の濁りの状況や油膜の有無を確認しますほか,におい,pHなどを検査しております。最近の5年間に起きた水源事故の半数近くは,このパトロールにより発見されており,事故防止に大変有効な手段であると考えております。  第3に,広報がございます。これは一般市民,さらには河川,道路工事などを行う業者の方々に対して,水源事故の未然防止を呼びかけるものです。市民の皆様には,広報紙,パンフレットの配付に加えまして,町内会と水道局による河川清掃などを通じて啓蒙活動を実施しており,また,工事業者に対しては,事前協議の中で具体的な注意事項を示し,水質汚染防止の徹底について指導をお願いしているところでございます。 ◆佐々木[周] 委員  今,お答えいただきまして,さまざまな取り組みをなさっていることはわかりました。  そこで,2点目にお聞きしたいのは,先ほど申し上げました分流方式にかかわる雨水のはけ口ですね,そのことについて伺いたいのです。  今年度,建設省は水質保全や防災,それから病原性微生物の汚染拡大防止などを目的として,下水道の整備によって向上する効果を数値で示す指標を開発する方針を固めたということなのです。これは先ほどのクリプトだとかO-157の発生に対応する形でということで出てきたと思いますけれども,その検討項目に上がっております指標は七つにわたっており,その中に道路や庭先を洗って汚れた雨水の処理,その処理能力率も検討項目に上がっておりました。  先ほど,私申し上げましたけれども,やはり建設省の方でも,一般市民の方たちが知らず知らずに道路に捨てたり,それから家庭の敷地内でいろんな化学物質を使って作業をし,それが下水道に流れ込む。そして分流方式ですとそのまま川に流れ込むわけですね。そして琴似発寒川におきましては,吐口の下流に取水口があるということで,私が心配していることが,やはり建設省でも嘱目したのかなというふうに考えました。  そこで質問なのですけれども,琴似発寒川について,私,調査いたしましたところ,先ほどの雨水吐口が10カ所ありました。この吐口について,これまで問題点があったのかなかったのか,このことについてお伺いします。  それから,今後の対応策についても,どのようにお考えになっていらっしゃるかお伺いしたいと思います。 ◎佐々木 工務部参事  私どもは,以前から定期的な河川調査を行うとともに,下水道局と共同で雨水のはけ口から流入する排水の水量や水質を調査することにより,道路上の汚染物質が雨水のはけ口を経由して河川に流入するおそれがあることについては認識しておりました。また,この数年来,雨水のはけ口に起因すると思われる水源事故も発生している状況でございます。  そこで,下水道局と水質保全に向けた協議を行い,汚染物質が雨水のはけ口を経由して,琴似発寒川に直接流入することを抑制するように,今年度から施設の改良工事を実施しております。具体的には,西野浄水場の取水口の上流にある,ただいま委員言われました雨水のはけ口10カ所を対象としておりまして,今年度はこのうち2カ所について,既に工事に着手しているところで,今後,順次改良を行う予定にしております。  以上でございます。 ◆佐々木[周] 委員  これまでも,そのことに着目なさいまして対応策をとられてきたことに対して,私は少し安心いたしました。今後も,なるべく早目にその対応策をとられてくださるように要望しておきたいと思います。  それから,大きな2点目なのですが,これは管理者の方にぜひお答えいただきたいと思うのですけれども,これは当別ダム上流に予定されておりますゴルフ場,それからスキー場のことに関してです。  この問題につきましては,市民ネットワークではたびたび取り上げてまいりまして,今年の1定の予算特別委員会の中で,山口議員の方から,このことに関連してご質問いたしました。その際に,やはり水質保全の必要がある水源上流に,ゴルフ場,それからスキー場の建設が計画されていることに対して管理者の方にお聞きしましたところ,はっきりとした言葉ではなかったのですけれども,山口議員が指摘されたと同じように考えておりますと,これは,はっきりとした言葉ではなかったのですけれども,何と申しますか,好ましいことではないと,そういうふうにお答えいただいたというふうにとらえています。  その後,市民の方たちもいろいろな活動を進めていまして,反対の運動が広がっている状況もございます。  それから,今年度になりまして,道民の森全体を計画しております北海道におきまして,「時のアセス」という言葉で出てまいりました。これは時代の背景を軸足にいたしまして,いろいろな事業を再評価するという,そういう新たな試みということになっておりますけれども,実はこの「時のアセス」に士幌高原道路や松倉ダム,これは函館の方なのですけれども,これとともに道民の森のゴルフ場,スキー場もその対象になりました。いろいろな角度から今後検討されていくものと考えます。  そこで,管理者に1点だけお聞きしたいのですけれども,このゴルフ場,スキー場の計画が北海道の「時のアセス」の対象に上げられましたことに対して,どのようなお考えをお持ちなのか,このことについてお考えを伺いたいと思います。 ◎平賀 水道事業管理者  この当別ダム上流のゴルフ場につきましては,これまで議会でいろいろと議論がされてまいりました。基本的には好ましくないという姿勢でございますが,さらには,仮に開発が認められた場合は,確実な担保が得られるよう申し入れたいと,佐々木議員にお答えをいたしました。  また,この問題は,北海道が判断すべき事項であるというふうに思っておりますが,ただ,今「時のアセス」が実施されれば,我々とすれば,この事業が今後どのようになっていくか,注意深く見守ってまいりたいというふうに考えております。 ◆佐々木[周] 委員  今のご答弁だと,これまでの発言をそのまま踏襲なさる,そして札幌といたしましては事業の主体ではございませんけれども,やはり先ほど来私申し上げました,どこに住んでいても,全市民は,いい水,安心して飲める水を求めると思うのです。そういうところで,ぜひもう少し積極的にその問題についてお考えいただければと,そういうことを再確認させていただいて終わりたいと思います。 ◆堀川 委員  私の方から,水道事業の情報公開についてお伺いをしたいと思います。  審議会の答申の中にもありましたように,情報公開をどうするのかと,また,市民の知る権利についてどうそれを保障するのかということが言われておりますけれども,水道はことし4月から15%ほど料金が改定になりました。消費者物価だとか生計費などからいいますと,これが向こう4年間の値上げであるとするならば非常に高いものであって,どうも何を根拠にしているのかわからぬというような声を聞くわけであります。  そういう中で,値上げをするにしましても,やはり基本的には市民の理解,このことがどうしても必要であります。水道事業というものを企業として考えるならば,その企業に対する株主というものが市民である,このような原則に立ちますと,市民の理解を得るということに対してきちっと努力をしていかなければならない。なぜ,そのことを申し上げるかといえば,当然の仕組み上の権利と義務の関係でもありますけれども,情報をきちっと提供し,情報に対する同意を得ながらやっていくことによって,例えば,何か失敗があったとしましても,市民と企業,水道事業なら事業の経営者と市民との間で復元力というのでしょうか,この情報に対する同意が確立されているという中では復元力が非常に大きい。また。一緒になってそれに取り組んでいこうとする市民の協力も得られるというふうに私は思っております。  また,そのこと自体は,今,自己責任というのでしょうか,自己責任に基づく市場の活性化,そして,それは規制緩和による構造改革の大きな流れがつくられているわけですけれども,今言うアカウンタビリティー,それは経営の業績や経営の状況,こういうものを役所は市民に対して説明,報告をする責任があると,そのように私は考えております。  企業経営が株主の意思を体して行われている以上,その業績判断に必要な情報が株主に対して十分に提供され,経営者の責任を問い得る仕組み,このことが大変大事になってまいります。昨年末の市営企業調査審議会の答申の中でも,財政状況や料金など各種の情報公開を進め,利用者による監視機能を働かせることが必要ではないかと,こういうような指摘をしています。そのことを踏まえて,水道局ではどのようにこの答申の情報公開,これを保障しようとしているのかということについて,まずお尋ねをしたいと思います。 ◎中村 総務部参事  水道事業の情報公開ということでございますが,これまでも私どもは,新聞の紙面やテレビ・ラジオの企画番組を利用する,また,市民参加の各種行事などを通じまして,広報・PRを積極的に行いまして,私どもが取り組んでいる仕事をご理解いただき,それから,市民の事業に対する信頼感というものをぜひ培っていただけるように努めてまいったところでございます。  しかしながら,振り返ってみますと,これらの内容はどちらかというと事業や業務が主体であり,これまで広報さっぽろを通じまして,予算・決算の経営成績などをお知らせはしているのでございますが,それ以外と申しますと,特に経営状況に重点を置いたような情報公開は少なかったのではないかという反省をしているところでございます。  ご指摘のように,昨年末の審議会でもそういう内容の答申をいただきましたので,9年度から,私ども水道局では,まず新聞紙面によって広報を充実しようということを考えております。具体的には,全国紙3紙,道内紙2紙を通じまして,広く市民への情報提供の機能を強化したいと。そのための予算も追加したところでございます。既に3月と4月に事業計画や料金改定の概要をお知らせしましたほか,災害対策や水質維持などの事業について広報させていただきました。今後,順次,経営の情報等についても公表を図っていく予定でございます。 ◆堀川 委員  今までも,施設等の面については大変PRをしておったようでありますし,また,今,新聞においてもPRをするというような話がございました。しかし,中身を何にするのかという点で,やはり一工夫も二工夫もしなければ,今までのPRの延長線上に置いてしまったならば十分ではないのじゃないかと,そういうふうに思います。要するに,企業経営の適否の判断がきちっとできるように,そしてわかりやすく,しかも透明性を高めた形の中でPRをしていくべきであると,そのように考えております。  料金の負担を求める以上,負担増の内容について積極的に開示し,利用者の納得に結びつけるべきであると,こういうような指摘も受けておりますので,この点について,さらに市民にわかりやすく,経営の状況を理解できるような方法というものをぜひとも考えていかなければならないと思うのですけれども,再度お伺いをしたします。  今,言いました新聞でPRするという以上に,考えてみるおつもりがないかどうかお聞きをさせていただきます。 ◎中村 総務部参事  水道事業経営成績を評価される一企業といたしまして,ご指摘のような利用者への説明報告責任を強く自覚し,かつ企業情報の開示に努めなければならないものと強く受けとめております。したがいまして,これまで料金改定時に重点的に行ってまいりました新聞報道などは,先ほども申しましたが,今後,継続的に実施してまいりたいと考えておるところでございます。  さらに,委員がご提言のように,これまでの広報活動のあり方ばかりにとどまらず,今後,透明性や簡潔明瞭性を高めるような経営情報の提供についても検討いたしますとともに,情報公開に当たっては,近年の情報化時代を踏まえました利用者の情報へのアクセスのしやすさ,こういったものにも十分配慮しながら,利用者の求めに応じた提供の方法について,十分検討していかなければならないと認識しております。私どもといたしましては,今後とも各種の機会を利用しながら,経営状況を含む水道事業の情報提供をわかりやすい形で積極的に行ってまいりたいと考えております。 ◆堀川 委員  なぜ,このことについて改めてこのように言うかと申しますと,既に今まで水道事業者ばかりではなくて,役所全体に通じることなのですけれども,非常にエンクロージャー的な体質を持っていて,それが当たり前であるというような時代をずっと過ごしてきたわけです。今,エンクロージャーからディスクロージャーへと,こういう流れの中で,これから市民に情報が提供され,行政を信頼できるかどうか,このことが今一番市民と役所の中で必要な時代になってまいりました。  そういう意味では,今までの常識をぜひ打ち破る形の中で,こんなことまでという思いもあるかもわかりませんけれども,それさえ市民は少ない情報というふうに理解をするのでありますから,どうぞ,たくさんの情報をいろんなアクセスの仕方をもって情報公開,説明をし,情報に対する同意,こういうことがなし得るように努力をしていただくことを要望いたしまして,終わります。 ◆松浦 委員  一つは,水道局提供というコマーシャルが出ているのですが,水道局提供のところで,水道の宣伝の内容が水道事業にかかわることではなくて,番組のいわゆる提供と,こういうことでの内容になっているのですね。これが水道事業とどうかかわるのだろうかなと,実はかねがね私も車に乗っていて,こういうふうに思ってラジオを聞いておりました。したがって,ラジオ放送の番組提供の広告目的というのは一体何なのか,目的を明らかにしていただきたいと思います。これが一つ。  二つ目は,今,全国紙3紙と道内紙2紙と,こういう話があったのでありますけれども,一つは,一般会計の方の広報予算の中で,かねがね私も指摘しているのですが,全国紙3紙,道内紙2紙,それぞれ掲載回数が違って支払い金額も違う,支払い金額は1回当たりは部数によって算定するから,これはそれでいいのですが,掲載回数も違うと,こういうことでこれらも同一回数で同じ内容でと,こう指摘をしてきているのですが,いまだに改まっていません。  そこで,今,この是非は別にして,どういうような考え方で新聞に掲載をしようとしているのか,この点についてお伺いします。  それから次に,配水契約といいますか,利用者側にしては受水契約なのですが,私は7年度の3定の本会議で質問したのでありますけれども,いわゆる戸建ての住宅の場合には,メーターまでが札幌市の財産,それから集合住宅,マンションの場合は,わかりやすく言えば,入り口のところにメーターがあって,そこまでは札幌市の財産で,例えば100 戸のマンションがあれば,中の100 戸に戸別のまたメーターがあると,こういうことであります。  そして,検針と料金の徴収体制,それからメーターの取りかえなどがどういうふうになっているかというと,これについては,戸建ての場合には戸別に年に3回検針があって,請求書が来てそれぞれが払い込みをすると。メーターについては,8年間,あるいは機種によっては7年間で水車の回転軸が減るということで,市の経費によって取りかえをすると,こういうことになっております。  一方,集合住宅,マンションの検針については,入り口のところのもとメーターについては札幌市の財産ですから札幌市がすると。それから,中に入っている100 戸については,これは管理組合がそれぞれ検針をして,水量をもちろん案分しますけれども,それと料金も案分をしていくと。そして徴収して水道局支払いすると,こういうことになっているわけであります。  そこで,このマンション居住者の皆さんから,ちょっと戸建て住宅と比較して,おれたちの方は不利益な扱いを受けているのでないかと,こういう指摘がされております。そして,単にこれは水道だけでなくて,例えば電力だとかガスはどうなのかというと,電力とガスの場合には,大もとのメーターがなくて,それぞれ直接一戸一戸にメーターがあって,そこでガス会社,電力会社が検針をして料金の納入の通知をすると。そしたら利用者が納入すると,こういうことになっているわけですね。したがって,ここにやっぱり水道の方式と電力,ガスの方式とに違いがあると,そして私が尋ねたときには,こう答えているのですね。いわゆる厚生省の水道事業法の関係で,そういう制約があって札幌市もできないのだと,いわゆるそういう制約のもとに条例をつくっているからできないのだと答えているわけですね。  そこで,さらにそのことで,いろいろこのマンションの方々と話をしましたら,水質管理だとかなんかのこともあの当時言っておられましたけれども,例えば水質の責任については,札幌市の設備のところまでが札幌市の責任と,中については設備を持っているマンションのそれぞれの入居者の責任と,こういう分界点でいいではないかと。  電力だとかガスの場合,例えば,当初よりも電力の使用量が多くなって,容量がもたないということになったら,これは個人の負担において配線を取りかえると。そしてまた,メーターの取りかえは電力会社の責任においてやると。ガスも同じことですね。こういうことになっているわけだから,要はそこのところの責任の分界,いわゆる持ち方の区分けをちゃんとすると,そういうことにすれば平等にできるのでないだろうかと。さらにはメーターなどについても,市側で財産移管を受けて管理をしていくということでいいのではないかと,こういうような入居者からの指摘があります。  この点について,ことしの料金改定のときにも,私はぜひこれも含めてひとつ検討いただきたいということで申し入れたのですが,7年のときと同じ答えであったわけですね。やっぱり入居者にしたら,どうもそこは合点がいかぬ話だなと,こういうことになるわけであります。  したがって,この点についてどのようにお考えかお示しをいただきたいということであります。 ◎中村 総務部参事  まず,第1点目の番組の目的は何かというご質問でございました。  水道局では,毎週土曜日10分間「さっぽろ水のある風景」という報道番組を提供しているわけでございます。この内容は,水にちなんだいろんな知識の提供だとか,そういうことを内容にしているわけでございますが,ねらいとしているところは,水道事業のイメージアップと,それから水の必要性を市民に訴えると,市民に十分理解してもらいたいと,このようなねらいを持って放送しているものでございます。  それから,2点目の新聞掲載の考え方でございます。  私ども新年度から新聞掲載をするという方針のもとには,やはり一時的にでも,大量の市民に私どもの考えをわかってもらいたいというねらいがあるわけでございますが,今,その方向につきましては大体このように考えています。生活に密接な情報を提供するというような導入部といたしまして,三つほどあるわけですが,水に親しんでもらおう,それから水道を理解してもらおう,それからタイムリーに水道の情報を流していこう,このような方向で考えております。 ◎坂野 営業担当部長  ただいまの戸建て住宅と受水槽を経由した大型マンションの給水について,ちょっとお話をいたします。水道法に基づきまして,受水槽以下につきましては,給水装置でございませんので,受水槽方式を採用しておりますマンションは,受水槽手前のメーターまで本市が維持管理を行うものでございます。したがいまして,マンション所有者が料金の割り振りを行うなど,管理上の目的で受水槽以下に設置をいたしました個々の私設メーターは,本市の管理の対象外でございますので,水道サービスの比較対象となるものではないと考えております。
     ただし,委員ご指摘のとおり,近年,共同住宅等が非常に進んでございますので,本市といたしましては,昭和50年から特例を設けまして,マンション所有者が各戸のメーターを1階の1カ所に集中検針が可能な設備を設置いたしまして,支払い等につきましては,口座振替制などの条件と申しますか,受水槽以下の各戸検針承認基準に適合した住宅につきましては,水道局といたしまして,戸別に検針,収納をさせていただいております。  以上でございます。 ◆松浦 委員  まず最初に,私も車に乗っていて,何回か土曜日に聞いたのですが,水の必要性について,そこまで水道というのは宣伝をしなければ札幌市の水は買ってもらえないのかなと,こう実は素朴に思うのです。水道と電気というのは,独占ですよね。ガスならプロパンもあるし,都市ガスも通産省の規定で,入れるといっても地域によって入れられませんが,これについては独占ですから,そこまでお金をかけてやる必要があるのかどうかという,これは私率直に言ってそういう疑問を感じておりました。これも一つそういうことであります。  したがって,これは新聞もやる,ラジオもやるということなのですけれども,こういうもののあり方について,逆に言えば,これもう全部経費ですから。例えば,広報さっぽろがありますが,じゃ,これをやるに当たって,広報さっぽろを増ページをして,かかる費用と新聞に掲載する費用など,恐らく皆さんは企業経営ですから検討されたと思うのですが,これら検討した結果,具体的にどのように経費が違って新聞を選択されたか,この点をひとつ,されていましたら明らかにしてください。されていなければいないと答えてください,これが一つであります。  それから次に,水道のメーターの問題なのですけれども,いわゆる集合住宅というのは,とりわけ30年代の後半ぐらいに入ってから,ぼつぼつあちこちに見え出して,40年代からぐっとふえたわけです。この水道の料金体系からいったら,大口利用については,ダムの建設費も含めたそういう設備負担を,利用料に応じて負担してもらいますよという水道料金体系なのですね。したがって,マンションの場合は一括でやったら大口利用になるから,逆に特例としてこれを小口扱いとするということになって,特例扱いしているわけですよ。  私は,今,事前のいろいろな協議の中では,もう20万戸もこういう世帯があると。そうすると,これを例えば8年に1回のメーターの取りかえを市が負担したとすれば,かなりの金になるし,あるいは1階に集中的に検針をするための装置をつけるとすれば,1戸当たり5万ぐらいで100 億ぐらいの金もかかるし,これも大変だと,こういう話をされております。私は,やっぱり利用者の率直な不公平感,これをなくしていくということが,独占公益企業者としての必要な使命だと思っているのですよ,この点は。  したがって,これが例えば1年や2年でできないとしたら,何年かの計画を立てて,順次こういうふうにしていくということが出されたり,そういうことが必要だと思うのです。  私は,厚生省の方にも,もし,国の法律でこういう問題があって,地方自治体が縛られているということならば,この不公平をなくすための法律の運用について,通達なり政令なり何なりを出すことについて検討してもらえるかということを問いただしたら,厚生省はしますというのです。  したがって,こういう点について,きちっと対応することを私はもう考えるべきだと思うのです。これは札幌市だけではなく,全国であれば全国でそうすればいいことであって,それぞれの自治体の問題ですから,これは。札幌市の問題について,国がもし隘路になっていれば,国にそれを直すことを求めなければならないのは,当然我々の責務であります。そういうことで,私は今申し上げているのです。したがって,これについてどういうふうに。二つあるのですよ,年間千七十何円かかる検針料,さらにまた,そういうようなメーターの取りかえ工事費という二つにこれ分かれるわけですよ。  したがって,検針料について,例えば,それでは具体的にどうしていこうかとか,メーターについてはどういうふうにしていこうかとか,こういうことを具体的に検討して,そして,いわゆる市民の不公平感を具体的になくしていくということが私は大事なことだと思う。これについてはガスと違って,市民には選択権がないのですよ。したがって,選択権のないところで,これは札幌市が決めたことだから,あるいは国の法律を根拠にしてこれは決めたことだから,おまえたちの言うことは聞けないよと,嫌だったら水とめてやるよと,こういうふうにもとれる姿勢というのは,これは私はいただけないと思うのです。したがって,この点はぜひ検討いただかなきゃならぬなと私は思うのです。この点についてぜひ検討をすべきだと思うのですけれども,皆さんは市民が不公平感を持つことが不適当だと思うのか,持つことはそれはそのとおりだと思うのか,まずこの点についてお尋ねをします。ここのところがはっきりせぬと先に進んでいかぬわけですから。 ◎中村 総務部参事  新聞掲載の件でございます。  私どもいろいろ先ほども申しましたけれども,水道局の事業を理解してもらう,そして水道局に信頼感を持ってもらいたい,こう思ってPRをしているのですが,市民の皆さんというのは,さまざまな対応の方がいらっしゃいます。ですから,夜働いている人も,昼働いている人も,ラジオを聞いている人もテレビを見ている方も,あるいは子供さん方もまたいらっしゃるわけでございます。そういった皆様のために,私どもは多角的にいろいろな手法を用いてPRをしているわけでございまして,今回,新聞5紙に掲載をすると,この方法もかなり効果があるのではないのかなというふうに期待をしてございます。  それで,先生,経費の話をされましたけれども,新聞5紙に掲載するということで,大体200 万円ぐらいの経費がかかる予定でございます。広報を増ページすると幾らなのかということは,ちょっと調べておりません。  以上です。 ◎坂野 営業担当部長  確かに,マンションの入居者は戸建て住宅と同じように,家事用として使用していただいております。ただ,受水槽以下は先ほど申し上げましたとおり,当局の管理の対象外であります。したがいまして,各戸の検針なり収納につきましては,マンションの所有者の責任において行っていただきたいと思いますし,これらに要する費用の負担につきましても,所有者と入居者の間で解決を図っていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ◆松浦 委員  利用者の思っていること,この不公平感について,なるほどなと思うのか,妥当だと思うのか思わないのか。 ◎坂野 営業担当部長  最初に申し上げましたとおり,戸建て住宅と受水槽以下の大型マンションでは,比較対象になると思いませんので,先ほどお答えしたとおりでございます。 ○猪熊 委員長  制度の部分でご理解くださいということですね。 ◆松浦 委員  これは,つくったのが昭和50年ですから22年にもなりますわね。やっぱり22年たつといろんなことが,当時とまた変わった状況になってきているわけでしょう,マンションもふえて。当初はマンションも少なかったからマンションの人たちも,あるいは変だなと思っていても,なかなかそういう声は上げても聞いてもらえないと。しかし,数はふえてきたわけですね,20万戸に。20万戸というと,札幌の世帯にしたってかなりの数です。そうすると,やっぱりそういう状況の変化に応じて,率直にいって,不公平感が妥当か妥当でないかということを答えれば,その次に進まなきゃいかぬという警戒心があるから,答えぬというのは私もわからぬわけではないですよ。  しかし,私は,答えないというところに,皆さん方のそういう意味での辛さもあると思うのだけれども,これについては,私はやっぱり,(発言する者あり)後ろの方から検討せいと,こういう話もありますが,平成7年からこうやってやってきて,料金改定も1回あったと。したがって,メーターの取りかえと検針料の,いわゆる年1,000 円ちょっとのお金と,これ二つに分けてそれぞれ来年の1定までに検討いただいて,そして現行の予算の計画の中で,やれる範囲の中で,やれるものは漸次,実施していくという,こういうことがあって初めて独占企業である水道事業会計に対して,市民もなるほどなと,こういうことになっていくわけですよ。選択権はないのですから,市民には。  したがって,この点を十分考えて私は進むべきだと思うのですけれども,管理者,どうですか,この選択権のない独占企業の最高経営責任者として,そういう率直な市民の気持ちを受けとめて検討する意思があるかないか,最後にお答えをいただきたいと思います。 ◎平賀 水道事業管理者  まず,この問題は,受水槽以下は我々の管理外であるということをはっきり私はもう一度申し上げたいというふうに思っております。  もしも仮に,私設メーターを見た,検針をしたとすればすごいお金がかかるのです。ここまで私は行政サービスをしてやるべきではないというふうに考えております。 ◆松浦 委員  管理者ね,あなたね,とんでもないこれは開き直りだ。なぜとんでもない開き直りかといったら,私設メーターというけれども,50年にあなた方がそういうような,本来なら大口契約すべきものを特例の条項をつくって戸別契約にして,そうしておいて,今度中にあるものについては個人の財産だと。そうしたら,同じような独占事業をやっている電力会社,あるいは独占ではないけれども,ガス会社などと比べたときに,同じ公益企業でありながら全然対応が違うわけですよ。市民の皆さんが勝手に引いた,自分たちがつくった設備の中までも合わなくなったら取りかえれなんて言っているのではないのです。  皆さん方が料金を徴収せんがために設置するこのメーター,戸別に設置するメーターも,何なら水道局にあげますよと,こう言っているのですよ。そうしたら,当然,ほかの事業と比べても,これはやることに特別問題ないわけですよ。したがって,そういうことから考えたら,これについて,もう20万戸がマンションということになってきた状況の中では,検討をしていく時期に来ているということを最後に求めて,私は終わりますけれども,これは,もし皆さんが検討もしないというようなことならば,何のために,自分たちのやりたいことだけを,市民の了解もなしに独善的に予算を組んで,私に言わせれば,議会は承認しているけれども,しかし,市民の声を無視して,そして広報費だとか新聞だとか,さっき言ったように,広報さっぽろとの比較検討もしないで,新聞に載せるなんていうこと自体が,私は企業経営者として,これは極めて常軌を逸していると。  少なくとも,こういうものは比較検討して,その上,安いか高いか,安いからこっちを選んだとか,高いからこうだったとかということがあって,初めて事の執行というのはされていくのが,これは民間企業でも株式会社でも,あるいは公営企業でも同じであります。したがって,そういう点について,ぜひ検討することを求めて,そして広報については,ぜひ広報さっぽろと比較して,広報さっぽろが安ければ,広報さっぽろに増ページをして掲載をしていくことを求めて終わります。 ○猪熊 委員長  以上で,議案第6号の質疑を終了いたします。  本日は,これをもって終了し,次回は,明後日23日午後1時から,本委員会に付託されました全案件に対する討論及び採決を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。     ──────────────       散 会 午後3時4分...