札幌市議会 > 1997-10-20 >
平成 9年第一部決算特別委員会−10月20日-07号
平成 9年第二部決算特別委員会−10月20日-07号

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  1. 札幌市議会 1997-10-20
    平成 9年第二部決算特別委員会−10月20日-07号


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    平成 9年第二部決算特別委員会−10月20日-07号平成 9年第二部決算特別委員会             札幌市議会第二部決算特別委員会記録(第7号)                 平成9年10月20日(月曜日)       ────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人     委 員 長  猪 熊 輝 夫 君       副委員長   春 原 良 雄 君     委   員  吉 野 晃 司 君       委   員  越 智 健 一 君     委   員  山 田 信市郎 君       委   員  高 橋 忠 明 君     委   員  大 越 誠 幸 君       委   員  武 市 憲 一 君     委   員  上瀬戸 正 則 君       委   員  道 見 重 信 君     委   員  宮 村 素 子 君       委   員  馬 場 泰 年 君     委   員  横 山 光 之 君       委   員  堀 川 素 人 君     委   員  高 橋 克 朋 君       委   員  湊 谷   隆 君     委   員  伊与部 敏 雄 君       委   員  西 村 茂 樹 君     委   員  畑 瀬 幸 二 君       委   員  岩 木 みどり 君     委   員  大 嶋   薫 君       委   員  本 舘 嘉 三 君     委   員  森   健 次 君       委   員  義 卜 雄 一 君     委   員  涌 井 国 夫 君       委   員  本 郷 俊 史 君     委   員  荒 川 尚 次 君       委   員  飯 坂 宗 子 君
        委   員  武 藤 光 惠 君       委   員  宮 川   潤 君     委   員  佐々木 周 子 君       委   員  田 中 昭 男 君     委   員  松 浦   忠 君       委   員  北 川 一 夫 君       ──────────────────────────────────        開 議 午後1時 ○猪熊 委員長  ただいまから,第二部決算特別委員会を開会いたします。  吉野委員大越委員,道見委員及び伊与部委員から,それぞれ遅参する旨,さらに菅井委員田中委員が交代する旨,それぞれ届け出がございました。  それでは,議事に入ります。  最初に,議案第4号 平成8年度札幌市交通事業会計決算認定の件及び議案第5号 平成8年度札幌市高速電車事業会計決算認定の件について質疑を行います。 ◆堀川 委員  交通の経営健全化計画がどうなっているのかと,このままの再建計画で,これから,本当に事業としてやっていけるのかどうかということについて,数点質問をしながら,確認をしてまいりたいと思っております。  健全化計画の中で,平成8年度の乗車人員をどう見積もっているかと,それと,実際との乖離の問題でございますけれども,予定から見て,極めて大幅に乗客が減っている状況でありますが,そのことを考えてみることがまず一つと。  それから,2001年の需給調整の規制の緩和をどう乗り切っていくのかということについて,考えていかなければならないと思います。  タクシーなどは,既に,規制緩和が実施をされて,極めて低料金のタクシーも登場している。今まではエリアが規制をされ,行政指導をされて,そこでは自由な競争ができなかった。しかし,そのエリアは撤廃をされて,今後どこの路線を走ろうが,幾らの値段にしようが,自由競争の時代に突入をしていく。  そういう中で,今の再建計画の二つの柱といいますか,一つは,内部の努力によるものと,それから,もう一つ大きな柱というのでしょうか,これがなければというのは,まさに乗車人員をふやすことにあるわけでありまして,現在を考えたならば,それが果たして可能なのか。もう現実的な問題として,そのことを考えていかなければ,その時点になって,また値上げをしますと,これでしかやりくりがつきませんということで値上げを繰り返していった場合には,利用者も減りますし,市民の納得も得られないのじゃないかと。2001年を前にして,今からどういうふうに再建をしていくのか。また,経営規模をどうしていくのか,経営形態をどうするのか。このことについて,きちっと本音でもって話し合っていかなければだめな時期に来ているのじゃないかと思っております。  そこで,まず第1の質問でございますけれども,健全計画の需要は,回復が可能だと考えておられるのか。また,この計画を修正し,または,新たな計画を立てるおつもりがあるやなきやについて,お聞きしたいと思います。 ◎荒木 事業管理部長  まず,第1点目の需要の回復についてでございますけれども,現在,全庁挙げて需要喚起に取り組んでおりますが,今日の社会経済情勢の変化もあることから,現計画で見込んでいた需要にまで回復することは,非常に難しいものと認識しております。  そこで,第2点目の計画の修正等についてでございますけれども,経営の健全化計画は,電車・バス事業については平成13年度までに,また,地下鉄事業にあっては平成36年度までに,累積欠損金の解消を目的とした長期的な計画であり,現時点では,累積欠損金の解消は,実績が計画より好転しておりますことから,当面は,現計画の達成に全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  しかしながら,乗車人員の伸び悩みや規制緩和等,計画策定時とは大変異なった厳しい環境にあることも事実でございますので,これからの地下鉄東西線の延長部の開業状況や,バス路線の再編成をにらみながら,現計画の取り組みについて検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆堀川 委員  特に,バス事業なのですけれども,年間にしますと,33億ぐらいの赤字を出して経営をしているということでございます。  しかし,その赤字の原因というのは,一つは,人件費の高さにあると私は見ております。民間との比較で,そのうちの24億は民間バスの運転手さんとの給与の違いにあるわけでして,その後,まだ手をつけていない部分では,退職金のことを考えますと,それに上乗せがされるという状態であります。  給与も競争原理の中では,需給のバランスの中で成り立っているわけですけれども,本市の交通事業については,必ずしも競争原理が導入されていないということを考えますと,そのために給与が民間と比べて高くなっている。どこに乗るかという部分については,ある程度の競争原理が働く。こういう中では,まさに,そこの給与の体系がほかの市場競争原理と一致していないために,多くの負担をしながら事業を支えている。そのことを考えますと,やはり,そこに第一の原因があるとはっきり指摘をしておかなければならないと思います。  もう一つの柱である乗車人員の問題につきましては,いろんな社会的な影響というのでしょうか,そういう中で,自家用車に押されながらも何とかしてやりくりをしている,大変厳しい状態であることはわかりますけれども,まず,バスのことだけを言いますと,そういう部分で,もう赤字の原因がかなりはっきりしている。やはりその赤字の原因を除去しない限りは,この厳しい競争の中で,勝ち抜いていくことはできないと指摘をさせてもらいます。  それで,質問でございますけれども,バスについての具体的な乗客誘致策をどのように考えているのか。それから,規制緩和の中で,それを乗り切ることができると考えているのか。収支のバランスをとるために,事業規模をどう変えなければならないと考えているのか。この3点についてお聞きいたします。 ◎荒木 事業管理部長  バス事業に関するご質問でございますが,まず,第1点目の乗客誘致についてでございますけれども,最優先に取り組まなければならないのは,定時性の確保であり,これまでバス優先レーンの設置など,強く関係機関に働きかけを行ってきたところでございます。今後も引き続き,こうした関係機関への働きかけを行うとともに,民営バス事業者との連携や情報提供の充実,ノンステップ・バスの導入への取り組みなど,ハード・ソフト両面で利便性の向上に努め,乗客増に努めてまいりたいと考えております。  次に,第2点目の規制緩和にかかわるご質問でございますが,規制緩和が実施されますと,民営バス事業者との競争が激しくなり,バス事業の経営は極めて厳しくなるものと考えておりますので,これからも日常業務の見直しなどにより,支出の抑制に努め,可能な限りの体力をつけていきたいと考えております。  次に,第3点目の事業規模のご質問でございますけれども,現在,バス路線の全市的な見直しを進めているところであり,その検討の中で,規制緩和の動向も見きわめながら,どのような事業規模で運営すべきかということにつきましても,十分に考慮してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆堀川 委員  今のお話を聞いておりますと,今,置かれている状況に対する厳しさが非常に足りないと考えざるを得ないわけであります。  一つは,この再建計画を立てる中で,内部の節約が一生懸命なされ,再建計画と,それから現在の数値が明らかなように,乗客は減っても,計画自体に数値の上では追いついていると。でも,前にもこの値上げのときに指摘をしたのですけれども,それは,もう限りある部分の節約であって,何といっても,乗客をふやさなければ,この再建計画は成り立たないわけであります。  そのことを考えたときに,一つは,ただ収支だけを見まして,バランスをとるのが市民の足としての交通のあり方かどうかということもやはり一方では,考えなければならない問題だと思うのです。  しかし,そうはいっても,この事業が赤字をどんどんどんどん出しながら,続けてもいいかということについては,まさに市民の理解は得られない。そう考えた場合に,市の交通として,足を確保するのがいいのか,それとも,民間でもって足を確保するのがいいのか。民間だったらサービスが低下するだろうとよく言う人がおりますけれども,僕は,そうは全然考えておりません。JRを見ましても,民間の方がいかにサービスがよくなったか,それによって,乗客が予想よりもふえている,こういう部分を考えたときに,僕は,市が市民サービスの担い手としてふさわしいかどうかと考えます。  しかし,また,経営が最優先される中で,だれがやっても赤字の路線が出てくるわけです。そこの部分についてどうするのかと考えた場合に,市民の足という考え方からしますと,やはり,市でもって責任を持ってやっていかなければならないだろうと考えるわけであります。  また,均一料金の考え方というのは,まさにそのことが根本にあるわけでして,市長の方では,均一料金の実現ということも言っているわけで,そのことを考えますとき,収支だけではない部分も確かにあると思っております。  そこで,特に事業環境がどんどんどんどん厳しくなっていく中で,健全化計画にある利用者数の回復が困難であり,しかも,支出の抑制という部分での人員の削減が効果を上げていることは,先ほども言いましたように,認めるところでございますけれども,そもそも今までの再建計画のレールの上を走っていくことが無理なのじゃないかと。このことは僕,何度もこれから申していこうと思いますし,また,今回,特に再建計画自体を見直すべきであると。そして,現実に実行できるような形の中で再建をする,または,事業形態を変更する,経営形態の変更をするということで,早くそれの準備をしなければならないと思っております。  また,今の事業をやっていく中で,100 %これでできないということではないと思っているのです。それで,それは何かと申しますと,一つは,先ほど言いましたように,やはり,人件費の削減を実行しながら,もう一度,再建計画を立てる。そうじゃなければ,大変厳しい言い方というか,こういう場でふさわしいかどうかわかりませんけれども,生首を飛ばしてということは,どこの会社でも,どこの企業経営者でも大変嫌がることでございますので,そうであるならば,職場を確保しながら,事業が成り立っていくことを実現するためには,やはり,大変厳しいことではありますが,世の価格構成に倣って,それに準じてやっていかなければならないと思います。  仙台市の交通の方では,そういうことを念頭に置きながら,やはり,給与の削減を打ち出しております。これからは,そういう事業体がたくさん出てくる。そういう中で,やはり,札幌市も,市民が期待する市交通としての役割をきちっと果たすためにも,現実的に物を考えていかなければならないのじゃないかと思っております。  そこで,一つは,事業形態について,もう一度質問をいたしますけれども,事業形態の変更について,いつまでにその検討を終え開始するのか。  それから,また,もう一つ考えていただきたいのは,市民の足として,市の交通機関としての役割は,どういう場所に,どういう人方のために必要なのか。このことをきちっと考えて,その役割を果たしていってほしいと思っているわけですけれども,今の件について,例えば公共交通機関を優先させるような施策,こういうものについては,交通局として,こういう施策をとってもらいたい,そうするならば,我々の事業は成り立っていくのだと。だから,こうやらせてほしいというものがありましたら,これは,企画調整との関係も大いにあるかと思いますけれども,交通として,これから,どう事業が成り立っていくか。  その中で,例えばバスレーンの問題にしましても,交通では,どうしてほしいのか,その部分の希望がありましたら,その希望についてお聞きしたいと思います。 ◎井原 交通事業管理者  ただいまお尋ねがありましたが,今までどおりの再建計画をこれからも継続していけるのかどうかと。そういった中で,事業形態をどう考えるのだと,恐らく民間事業者のことであろうと思いますけれども。それから,交通の役割はどうなのだというお話がるるございました。  お話のとおり,私どもの置かれている立場というのは,非常に厳しい状況にあることは,もう十分認識をしておりまして,今,委員お尋ねのように,これは,札幌市全体の都市政策と申しましょうか,そういう中での交通というのは,どういう立場にあるかということも十分考えていかなきゃならぬだろうと思います。  したがいまして,現在,将来の交通体系も含めまして,長総の中でいろんな検討をしている最中でございます。当然この中には,大量系の交通機関位置づけがどうだとか,あるいは駐車場政策はこれでいいのだろうかとか,あるいは都心の中の渋滞緩和,渋滞問題についてはどう考えるのか,そんなようなたくさんの交通にかかわる検討がなされていくであろうと思いますし,現になされているわけであります。  こういった動向を見きわめる必要があるのでないかと思いますし,その中で,恐らく最後には,総交審の中で,各界の方が入りながら,さらに具体的な計画が出てくるであろうと。  したがって,そういう将来の交通政策の体系といいましょうか,ビジョンといいましょうか,考え方といいましょうか,そういうものがだんだん明確になってくるだろうと思います。  もう一つは,委員から今お話ありましたような,一方では,規制緩和という流れがございます。これも恐らく,今の長総のスパンからいけば,大体同じような時期にぶつかってくるだろうと思っております。  したがいまして,そういった一つの大きな政策の流れの中での交通の位置づけといいましょうか,立場といいましょうか,それを十分踏まえながら,これから私どもは十分検討してまいりたいと思っております。  したがいまして,今,委員からの後段の部分でございますけれども,市民の足を守るべき事業ということも十分念頭に置きながら,例えば,バス路線の再編の問題も今,検討してございますし,あるいは需要喚起策についても,私どもと本庁とが連携をとりながら,何とかこの需要が回復できるように,頑張っていかなきゃならぬだろうと思いますし,また,サービスの向上というのですか,できるだけ乗りやすく,皆さんに乗っていただけるような健全化計画一連のものがございますが,これをまず,今は,第一義に置いて検討を進めながら,委員もご指摘のような,将来にわたって起きるであろう問題については,もっと大きな流れの中で,検討もしてまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◆堀川 委員  交通の問題というのは,本当に基本に街づくりという考えがあって,その中で,交通政策がどうあるべきかという位置づけをされなければ,一方的に,事業をやっている現場の人間が苦労をするという形になってまいります。  そういうことを考えますと,今まで交通でもってご苦労をされて,また,いつも数字が明らかになりますから,その数値をもって赤字だ,赤字だといって,何年も背中にしょって働くということは,大変辛いのではないかなと思っております。  しかし,何度も指摘をさせていただかなければならないのは,やはり,基本的な部分は給与の部分で,それは,需給のバランスの中で決まっていく。その需給のバランスを崩した場合に,必ずどこかにひずみが来る。このひずみが,今回の交通の赤字,赤字と言われる部分に大きくウエートをかけている。  こういうことについて,ぜひとも改善をしなければ,根こそぎこの事業がなくなってしまうであろう。いつか市民に手を伸ばしても,市民はその手を受けとめようとしないであろう。そのことについて,規制緩和の流れの中でも,僕は,大変心配をしているところでございます。  それができなくなった場合には,本当に交通弱者である人方にも手を差し伸べられない状態の中で,交通の事業が,特にバス事業が終わってしまうのじゃないかと心配をしているわけです。  まず,そこの部分について,答えは要りませんけれども,私が指摘した部分については,これは経営改善するためには,どうしても必要というふうに信じておりますので,ぜひとも今後検討する中で,このことについて避けて通らないで,まともに向き合って再建計画を新たなものに変えて,市民の理解を得るようにご努力をお願いしたいと。そのことを指摘させてもらいまして,質問を終わります。 ◆大嶋 委員  私の方からは,代表質問でも取り上げさせていただきましたが,ただいま規制緩和ということの中で,堀川委員の質問でやりとりもありましたけれども,バス路線の再編について大きく1点。さらに,乗客サービスの向上という点にかかわって1点。大きく2点について,伺わせていただきます。  ただいまもやりとりがありましたように,規制緩和を控えて,大きな新たな課題といいますか,本市の交通事業自体が,これまで段々の論議が行われてきた需要喚起策,あるいは経営健全化という部分と深くかかわって,ことし3月に出された規制緩和をめぐっての論議が生まれております。  ただ,この際,やはり規制緩和をめぐって,今ありましたように,いわゆる札幌市の交通事業として,どのような安定的な足の確保を行っていくのか,そしてまた,交通弱者といいますか,通勤・通学を含めて,きちんとした足を確保していくということも大事な課題であります。  そしてまた,これまで多方面から論議されております総合交通政策という面でどのように考えていくのか。この総合交通政策ということで考えますと,札幌市が市の交通事業を,責任を持って公共交通という部門で,全体的な計画を立てて,その中に,今後の交通事業のあり方を位置づけていくと。もちろん,これは,基本的に公営という形で,しっかりと位置づけていくという方向性が確立されなければならないだろうと考えております。  今あったように,いわば,規制緩和という大きな流れの中では,とりわけ交通弱者に対する対策の部分が重要になってくるということになろうかと思いますが,その面も含めて,さらに新しい時代に向けて,やはり市営交通という形でのさらなる健全化,安定化に向けて,努力が必要かと考えます。  そこで,今回の代表質問にお答えいただきました中で,規制緩和の流れの中で,一層の効率化と公共交通全体の利便性の向上ということが一つうたわれております。それと同時に,市営バスの路線の再編ということが,そういう大きな流れの中で一つ大事業としてあるわけですけれども,この再編成については,経営基盤強化と,公共交通機関相互の連続性を確保するなど,利便性向上にも十分配慮しながら検討を進めているという市長からのお答えをいただいたわけですが,市営バスの路線の再編成にかかわって,まず伺います。  これまでも,基本的な考え方については伺ってきたところでありますけれども,バス路線の再編成について,現在どのような進捗状況になっているのかという点が1点です。  そしてまた,関連して,地下鉄東西線の延長に伴って,大きくバス路線の編成替えを行うということがこれまでも示されておりますけれども,東西線延長にかかわる市営バスの路線再編成と全体的な計画との関連について,どのようになっているのかという点が1点。  さらに,今後のスケジュールについては,具体的にどのように進んでいくのかという点が1点であります。  次に,利用客のサービス面にかかわって2点ほど伺わせていただきます。  1点は,これまでも特別委員会等で論議はされている点でありますけれども,シルバーシートのあり方という点であります。  これは,札幌市の高速電車,地下鉄と,それから市営バスバス事業では,表現が異なっております。地下鉄においては専用席,それから,電車・バスにおいては優先席という表示になっておりまして,どうしてこのように異なった表示になっているのか。そしてまた,既にJR東日本では,本年5月からシルバーシートの名称を優先席と改め,JR北海道においても,10月1日から同様の取り扱いを開始しました。  これは,単にお年寄りの優先席ということでなくて,障害者,妊娠している女性,あるいは乳幼児を連れている女性,男性,これは,最近であれば,女性に限らず,お父さんあるいはお年寄りも含めて,いろんな形で子供を連れて外出するという機会が多いわけですけれども,そういう方たちにも優先席といいますか,これまでシルバーシートとしてあったものを,利用を広げていこうという考えに基づいています。このような方向があるわけですけれども,これについてどのように考えているのかという点。  さらに,昨年,利用状況についてアンケート調査を行っているわけですけれども,この結果についてどのような評価を行っているのかという点について伺います。 ◎榊原 自動車部長  バス路線再編につきまして3点の質問がございましたので,お答えをいたします。  まず,第1点目のバス路線の再編の状況でございますが,規制緩和を目前にいたしまして,厳しい経営環境の中にあって,バス事業の存続をかけた抜本的な路線の見直しを図るために,本年4月から,路線再編担当課長を置きまして,市営企業調査審議会の答申を踏まえ,作業を進めてきているところでございます。  また,この路線の再編に当たりましては,今後の交通局のあり方にも大きくかかわる課題でございますので,全局的な観点からの取り組みが必要であるという認識から,本年7月には,交通局経営会議の中に,路線再編成の検討専門部会を設置いたしたところでございます。  これまでの取り組みといたしましては,全路線の収支状況や利用状況などを調査・分析をいたす一方で,地域別の人口動態あるいは人口の流れを含めたいろいろな調査と,各区役所から意見や要望をもらい,こういったことを現在,収集いたしまして,素案づくりを進めているところでございます。  また,2点目の地下鉄東西線の延長と全市的なバス路線の再編成との関係でございますが,東西線の延長に伴う路線再編につきましては,単に地下鉄乗り継ぎ駅の変更,あるいは関係地域に限った路線変更ということではなく,全市的なバス路線編成の中に位置づけて行いたいと考えてございます。  また,3点目のスケジュールでございますが,遅くとも年内には,路線再編の原案を固めていきたいという予定をしてございます。また,平成10年に入りましてからは,原案をもとに,関係する地域利用者への説明などを行い,再編についての理解を得ていきたいと考えてございます。  この全市的な見直しにつきましては,先ほど来,いろいろと論議されてございますが,国の規制緩和の動向などを見きわめながら,実施時期等を慎重に検討して進めてまいりたいと考えてございます。  また,地下鉄東西線延長部につきましては,平成10年末をめどに実行案を固めまして,関係機関への説明あるいは申請手続を進めてまいりたいと,現在はこういうふうに考えてございます。  以上です。 ◎嘉指 事業管理部参事  シルバーシートの関係につきまして3点お尋ねがございました。私の方から,お答えを申し上げます。  1点目の優先席と専用席の関係でございます。  ご質問の趣旨でございますが,ご承知のことと思いますけれども,実は,地下鉄につきましても49年から優先席を設けて実施をしてまいりました。実態としましては,当時,お年寄りが有効に活用できなかったということ,さらには,地下鉄が座席数の多い大量輸送機関であるということから,お年寄りに,より座りやすい形として,昭和50年に優先席を専用席に変更した経過がございます。  したがいまして,現在,電車・バスが優先席,地下鉄につきましては専用席となって今日までに至っているわけでございます。  さらに,優先席・専用席の利用者の拡大についていかがかというお尋ねもございました。  確かに,昨今,こうした利用拡大につきまして,種々お声がございます。あるいはまた,他事業の取り組みの姿勢もございますので,私どもとしては,優先席・専用席の対象範囲を拡大する時期に来ているのではないかなと考えております。  次に3点目でございますけれども,アンケートの調査結果の評価でございます。  実は,平成8年度に実施をいたしました市営交通モニターに対する調査でございますけれども,一つ目としまして「優先席・専用席は活用されているか」という質問でございます。それに対しまして,電車事業につきましては64.5%,バスは75.9%,地下鉄は49.3%の方が「活用されている」ということで回答されております。さらには,また「優先席等につきましては必要か」という質問に対しまして,電車につきましては80.6%,バスにつきましては89.2%,地下鉄につきましては85.1%と,3事業とも8割以上の方が「必要である」と回答をされております。  したがいまして,これらの結果から,優先席・専用席につきましては,総じて活用されているところでございますし,また,その必要性も認知されていると評価できるものと考えております。  以上でございます。 ◆大嶋 委員  バス路線の再編成については,大体今後のスケジュールという点で,今の検討内容についてお示しいただいたわけですが,確認の意味で,昨年の料金改定の特別委員会の中で,実施時期は,全市の再編成については平成10年度中にというお答えがありまして,この間,いわば規制緩和という新たな課題が出てきた中で,その部分については,きちんとした検討を行わなければならないので,多少時期をずらさざるを得ないというご認識かと思うのですが,その点,確認の意味で1点お答えをいただきます。  それから,これは,先ほどちょっと質問漏らしまして大変申しわけないのですが,サービスの面なのですけれども,国際化という時代に向かって,札幌市でもことし軍縮にかかわる国際会議がありました。それから,2002年ワールドカップ,そして,DPIの招致活動という民間レベルの動きもあります。そういう中で,英語圏だけにとどまらず,いわば多種多様といいますか,民族,国籍がこれまでよりはかなり広がった形で,札幌への来訪者もふえてくる可能性があると思います。というよりも,今後,札幌市が国際都市として,やはりそういった広がりを持った位置づけをしていくべきであろうと考えているわけです。  そこで,地下鉄の駅名表示にかかわってですけれども,これはたまたま4年ほど前,ソウルに行ったときに,地下鉄の路線表示が色別,札幌市もとりあえず色で分けてありますけれども,その色別に駅に順番が振ってあります。例えば,1から大通,大谷地ならば2番と順繰り順繰りに振ってありまして,色と数字を見れば,すぐ自分がどこで降りればいいかわかる。あるいは,例えば,こちら側で外国からいらした方に案内するときに,「あなたは,この色の何番で降りればいいですよ」ということを教えられると,非常に簡単に意思疎通ができると思います。そして,また車内案内にいろんな工夫がされていますけれども,電車の騒音,あるいは駅ですといろんなアナウンスもかかっていますから,なかなか聞き取りづらいということもありまして,英語であっても,なかなか英語圏の人には理解しづらい部分というのは当然あるかと思います。  そういう意味で,これからいわゆる国際化という国際社会,国際観光都市と言ってもいいのかもしれませんけれども,観光だけでなくて,やはりこれからのあり方として,駅名表示について,ただいまちょっと参考までに申しましたけれども,わかりやすい表示に変えていくようなことが考えられないかという点が1点であります。  それから,路線の再編成について,さっき再確認ということで1点示しましたけれども,もう1点,いわゆるスケジュールが示されている中で,民営バスとの路線の問題,この点について,非常に重要な課題となってくると思います。既に,いろんな形での交渉が行われていると聞いておりますけれども,交渉に当たっての基本的な考え方。  そしてまた,可能な限りで結構ですけれども,その内容について,どのようになっているのかという点,1点伺います。 ◎榊原 自動車部長  スケジュールの件でございますが,先ほど規制緩和の問題がるるお話されたと思いますけれども,まだ,何をどうするというような具体的な問題が出てきてございません。そういう関係から,私どもも現在,進めている作業の中にどのような影響があり,どうあるのかという部分で,非常に期待あるいは関心を寄せているわけですが,そういうものがある程度わからないと,2回も3回も路線の編成をやることは,非常にむだでありますので,確実に対応していきたいという趣旨から,若干のずれがあることはどうしようもないと思いますが,少なくても,今,政府で示されているのは,平成13年度ぐらいには,規制緩和を示したいという形になっていますので,当然それよりも相当早い時期に我々も収集をしながら,基礎固めをしていきたいという考え方でございます。 ◎嘉指 事業管理部参事  私から,民営バスとの補償協議の状況について,お答えをいたします。  現在,関係事業者であります北海道旅客鉄道株式会社,さらには北海道中央バス株式会社と,基本的には,東西線の延長部開業の1年前,すなわち今年度末,具体的に申しますと10年3月までに,基本的な合意を得るべく,協議を重ねているところでございます。  この協議の内容につきましては,交渉のさなかでもございますので,現時点では,明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思います。ある程度,方向性が見えた段階で,議会にもご報告いたしたいと考えておりますので,ご理解を賜りたいと思います。 ◎堂前 高速電車部長  国際都市にふさわしい地下鉄の駅名表示のあり方についてでありますが,外国人に対するサービスにつきましては,これまでも,国際都市さっぽろにふさわしいものに,例えば,駅名の表示,料金表,それから時刻表,こういったものにつきましては,英語による表示をしてきております。  また,新型の車両の導入,例えば,平成6年10月に開業をいたしました東豊線の延長部の新型の車両,これは7000系でございます。それから,現在,南北線にあっては更新中でございますけれども,平成7年10月に導入いたしました5000系という車両につきましては,車両に設置されております次駅案内表示に英語の表示をしてきているところでございます。そういったことで,サービスの向上に努めてきているところでございます。
     したがいまして,委員からご提言のありましたことにつきましては,今後,十分参考にさせていただきまして,国際都市さっぽろにふさわしいサービスの提供ができますように,さらに努力してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆大嶋 委員  既に,いろんな形で論議がされてきましたように,交通3事業,規制緩和ということだけではなくて,サービスの向上等々含めた課題がまだまだあろうかと思います。  その意味では,今年度,料金改定を行いまして,この状況等々含めて,ことし1年,来年3月までに,また新たな数字が出てくる中で,これからの交通事業のあり方,あるいは健全経営に向けての具体的なあり方について,論議させていただきたいと思います。  最後に,これは,要望という形になるのですけれども,本年4月上旬に,地下鉄の1両丸ごと借り切った形での広告,初めてだということでありますが,車両1両すべて1社で借り切るという形での広告がありました。  その広告が実は,多少刺激的といいますか,上半身裸の女性の写真がメーンになって,男性の上半身裸の写真もそこに組み合わさって,全体的に一つのイメージをつくり上げるコンセプトといいますか,つくる側のそういうふうな意図は感じたわけです。ただ,そういう制作意図はそれとして,受け取る側としては,いろんな課題があるのかなと私自身もそれを見たときに感じました。  これは,表現の自由の問題と,それから,それを公共広告ということで一定程度の歯どめをどういうふうにかけていくのかという難しい問題はあろうかと思います。  そしてまた,地下鉄の車両というのは,一つの限られたといいますか,閉鎖された空間と言ってもいい空間であります。一回乗り込みますと,その広告がちょっと気に食わないといいますか,違和感を感じるという場合であっても,普通の事務所とか広告スペースとか,そういうところであれば,目をそらす,あるいはそこから立ち去るということは可能でありますけれども,そこからすぐ降りてしまう,そういうふうにはならない,一つの特別な空間と理解してもいいのかなという感じがいたします。  そういう中で,既にそれに向けてのいろんな対策といいますか,検討課題として挙げられているということでもありますから,そういうところで,ある程度,今後のあり方について,多方面からの意見を聞くということも含めた検討をぜひしていただきたいということ,これは最後に一言要望させていただいて,私の質問を終わります。 ◆涌井 委員  今,段々の経営の健全化あるいは安定化について,るるお話があったわけでございますけれども,そういった厳しい環境の中で,市の交通局の方としては将来に向けた高齢化,あるいは障害者の方が安心して利用のできるような市民サービスをもってこたえていこうという取り組みが真剣にされていると理解しております。  さきの代表質問で我が会派の丹野委員から,超低床バスあるいは天然ガス車の導入についての質問をさせていただき,今後のサービス向上策の一環として導入したいと決意されたことは,高く評価をいたしておるところでございまして,私の方からは,細部にわたっての質問を何点かさせていただき,答弁をお願いしたいと思います。  第1点目につきましては,超低床バスの導入についてでございますけれども,今まで,さまざまな形で取り上げられております超低床バス,どういった事項を検討し,導入へ踏み込んだ理由などもあわせまして,具体的な内容についてお聞かせいただきたいと思います。また,あわせて,他都市の導入状況がわかれば,教えていただきたいと思います。  2点目は,導入の時期はいつごろになるのか。そして,どの路線に導入しようとしているのか。また,その路線の選定理由は,どういうところからの選定結果なのかも含めまして,ご答弁をいただきたいと思います。  3点目は,今まで使用されてきた従来車に比較して,超低床バスのメリットと,メリットがあればデメリットもありますので,このメリット・デメリットはどういうことがあるのか。特に,本市の積雪寒冷地としての冬道での走行に大変な問題が残るといいますか,まだまだ検討しなきゃいけないということがあると思いますけれども,利用者の声も聞くということも含めまして,メリット・デメリットの問題,どう考えるのか。  それから,導入に当たっての国の補助制度はあるのか,ないのか,その概要につきましても,お話をいただければと思います。  4点目,車いすの利用者については,初めてのことでもございまして,各種の障害者団体の方たちにもご意見を聞かなくてはならないと思いますけれども,そういった意味で,車いす利用者について,どういうふうに考えて進めようとしておるのか,お聞かせいただければと思います。  2点目,天然ガス車の導入についてでございますけれども,ご承知のように,自動車から排出される窒素酸化物あるいは硫黄酸化物等の軽減対策として,天然ガス車の導入に踏み切ったということでございます。現在,天然ガス車の導入に当たって,どのような課題があるのか。また,従来車に比べて,先ほどと同じような,具体的にメリット・デメリットには,どういうような項目があるのか。また,同じように,こういった環境問題に対する国の補助制度があるのか。あるのであれば,具体的にどういった内容になっておるのか,お聞かせを願いたいと思います。  天然ガス車の2点目,他の政令都市の導入については,どんなふうになっておるのか,お聞かせ願いたいと思います。 ◎榊原 自動車部長  ただいま,るる超低床式バスと天然ガス車についてご質問がございましたので,お答えさせていただきます。  まず第1点目でありますが,今まで検討してきた具体的な内容,それと他都市の導入状況でございます。  当初は,私どもは,車いす利用者が安全に,しかも的確に乗降できるようにということで,リフト式バスを想定いたしまして,いろいろと検討してきたわけでございます。その中身といたしましては,停留所の縁石の高さであるとか,あるいは降雪時の問題,また,停留所の発着の問題,それから,運行時分等,走行に係る多くの課題について検討してまいったわけであります。その結果,車いす利用者だけでなく高齢者も含めて,安全で楽に乗降ができ,しかも,今言いましたような,いろいろ検討してきた課題に,ある程度無理なく対応できる車両として,超低床式バスの試験導入に至ったわけでございます。しかし,実際に走行した場合,どのような問題が発生するのか,予測し得ないものも数多くございますので,利用者の意見を反映しながら,関係機関とも連携を密にして検討してまいりたいと考えてございます。  また,他都市の導入でございますが,道内では,旭川電気軌道が本年3月から10台導入してございます。また,4月の時点では,東京都が2台,名古屋市が3台,大阪市が2台となってございます。  2点目の導入時期でございます。また,どのような路線に導入し,その路線の選定理由でございますが,導入時期につきましては,現在開発されている超低床バスは,寒冷地仕様でないということから,暖房設備等の寒冷地向けの装備,あるいはその他,北海道札幌市のバスという形の中で,いろいろな仕様がございますので,そういう仕様も踏まえて,来年の6月ごろになるものと考えてございます。  また,導入路線でございますが,やはり沿線上に病院や公共施設があり,さらに地下鉄・電車に乗り継ぎが可能で,利用客が多く,また,超低床バスのメリットが十分生かされるように,走行環境が比較的他の路線より整備されております真駒内線,真駒内駅から市立病院の間,約10.4キロございますが,現在この路線を考えてございます。  それから3点目でございますが,従来車に比較いたしましてのメリット・デメリットと,また,その補助制度でございますが,ノンステップバスの最大のメリットは,ステップがないため,歩道とほぼ同じ高さで乗降が可能であるということでございます。地上から床面まで30センチの高さでございまして,縁石との落差が平均約10センチ程度となってございます。また,この落差をなくするために,乗降の際,ニーリングと言いまして,23センチぐらいの高さまで車体を下げることが可能となります。従来車の都市型低床式バスは地上から床面の高さが約80センチで,二つのステップを踏まなければならない状況と比較しますと,乗客の皆様にとっては,大変優しいバスとなるわけでございます。  一方,デメリットといたしましては,実際に走行してみなければわからない点が数多くありますが,現状で考えられる主な項目としましては,一つは,車高が非常に低いということで,冬道の起伏あるいは線路,いろんなそういうことをクリアするときには,非常に難しいのではないかと。それから,二つ目には,車体構造が従来車から見ると低くなるということで,定員が大体1台当たり10人ぐらい少なくなる。それから,三つ目には,購入価格が割高でございまして,従来車よりも約900 万,45%ぐらい高くなる状況で,デメリットが考えられます。  また,補助制度といたしましては,バス活性化総合対策補助制度がございまして,国から4分の1,あるいは市,道から8分の1,総体で2分の1の補助となってございます。  また,4番目でございますが,車いす利用者についてどのように考えているかということでございます。  今,私どもが計画しております中身としては,バス車内に車いす専用のスペースを確保していきたい,また,車いすが安全に乗降できるように,スロープも設置していかなければならない,こういうふうに考えてございます。その専用スペースは,車いすを設置しないときは,座席シートとして使用できるように,こういう形で工夫をしていきたいなと考えてございます。  また,朝夕のラッシュ時の問題,それから,運転手の対応の問題,また,車いすの乗降というのは初めてのケースでございますので,これからも種々検討していかなければならない課題がたくさんございます。こういうことで,今後,利用者の意見も含めて,関係機関とも協議を重ねてまいりたいと考えてございます。  それから,次に,天然ガス車の導入でございますが,天然ガス車のメリット・デメリットと,また,補助制度ということでございますが,天然ガス車の課題については,デメリットの面でも重複いたしますが,主なものとしましては,一つには,まだ,バスの積雪寒冷地における走行実績がないため,どのようなトラブルが発生するのか予想できない。それと,ガスボンベの重量でございます。ガスボンベを5本積んでございまして,全体で約550 キログラムぐらいございます。こういうことから,乗車定員が約10人ぐらい減ります。それから,購入価格が割高でございまして,従来車に比べますと約700 万円ぐらい多くなってくるというのが一つの課題でございます。  しかし,メリットといたしまして,従来車に比較いたしまして,窒素酸化物は,大体60%か70%ぐらい減。また,硫黄酸化物や黒煙は全く排出いたしません。それに二酸化炭素でございますが,これも20%から30%減と言われてございます。また,2番目といたしましては,エンジンの騒音あるいは振動が従来車と比較いたしまして2分の1以下となるということで,大変乗り心地がよいという形になります。また,3点目といたしましては,道産エネルギーのため,エネルギーセキュリティーの確保の効果が非常に大きくなると考えられてございます。  次に,主なデメリットでありますが,ただいま申し上げました乗車定員の減,あるいは購入価格の割高に加え,1回の充てんでの走行距離が従来車に比べて,現在は2分の1ぐらいであると。また,天然ガスの充てん所が市内に現在3カ所しかない。こんなことが大きなデメリットでございます。  それから,導入のための補助制度でございますが,現在,環境庁所管の低公害車普及推進事業の中で,5両以上の集中導入がされた場合,従来車との価格の差の2分の1が補助されるとなってございます。また,運輸省所管のバス活性化総合対策補助制度の中の低公害車普及促進事業の中で,購入費の一部を補助するとなってございますが,地方公営バスはこの補助からは除外をされてございます。  それから,最後になりますが,天然ガス車の他都市の導入状況でございますが,政令市の中で見ますと,東京都が41両,大阪市で12両,横浜市で11両,名古屋市で6両,神戸,京都市で,それぞれ1両ずつ導入してございます。  以上です。 ◆涌井 委員  今,るるお話をいただきましたけれども,こういった超低床バスあるいは天然ガス車を導入することによって,乗客はどのぐらい増加するのかということが問題になってくるわけでございます。私といたしましても,これだけすばらしい機種のバスを導入するということで,何とか利用促進といいますか,多くの方に本当に利用していただければと思っておりますけれども,導入することによって,乗客はすぐ増加するのかどうかについて。  それから,2種類のバスの今後の導入計画についてどう考えているのか,最後にお聞かせいただきたいと思います。 ◎榊原 自動車部長  まず,第1点目の乗客が増加するかということでございますが,超低床バスあるいは天然ガス車の導入につきましては,ただいま申し上げました課題がいろいろありますが,これらの課題が整備されまして,本格的に導入されますと,乗降の容易さなど利便性が理解されてくると。また,環境問題に関心が持たれ,社会的要請が高まってくるということを考え合わせますと,乗客は増加してくるものと期待をしております。 ◎井原 交通事業管理者  2種類のバスの今後の導入計画をどう考えているのかというお尋ねでございました。  超低床バスにつきましては,先ほど部長の方からいろいろ検討しなければならない課題があるということを申し上げてまいりました。しかし,高齢者の方あるいは障害者の方の積極的な社会参加を考えたときには,可能な限り,課題を早く着実に解決をし,本格的導入に向けた努力をしたいと考えてございます。  また,天然ガス車につきましても,車両の購入経費であるとか燃料消費量,あるいは乗車定員の減であるとか,これから検討する課題は,それぞれあるわけでございます。  しかし,この問題につきましても,少しでも環境保全に対応するという社会要請にこたえるためにも,また,私ども公営交通として,先導的な役割を果たすという意味からも,関係機関と連携を密にしながら,さらに努力をしてまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 ◆涌井 委員  続きまして,東西線延長にかかわる問題について,2点お尋ねしたいと思います。  昨年の決算特別委員会におきましても,私の方から,西区,手稲区の地域発展のために,地下鉄を契機としたさまざまな街づくりが進められていることが大きく期待され,また,すべての人にとって快適な街になるよう配慮されなければならないという観点から,地下鉄内,地下鉄駅構内,あるいはそれに附属する施設面での配慮についてご質問をさせていただきました。  このたびの東西線延長建設工事につきましては,工事の最盛期を迎えて,終点となる駅の名前も宮の沢駅ということでございまして,この駅の周辺を見渡しますと,地下鉄の工事,あるいはバスターミナルのビルの駅出入り口に接続する商業施設の建設が始まっております。また,その周辺に民間のマンションも建設されるということもございまして,まさに街が本当に,本格的に変わろうと,変貌するというような状況があるわけでございます。  私は,宮の沢駅が,今後札幌市の中でどう位置づけられて大きくなっていくのか,地域の中心核としてのすばらしい街をつくっていくために,どういう位置づけをしなければならないのかと考えたときに,やはり,この宮の沢駅周辺に生涯学習総合センター,教育研究所,環境プラザですとか,あるいは新青少年センターなど,多くの公共施設も完備をされて,それこそ札幌市のあらゆるところから,生涯学習総合センターを利用される市民の多くの方が目に浮かぶわけでございますけれども,そういった側面。  あるいはまた,宮の沢駅というのは,ご承知のように,小樽方面,手稲区方面から,いろんな方たちが国鉄バスあるいは中央バスに乗り継いでいくという点を考えますと,私は,やっぱり札幌市の西の大きな玄関ではないかなと。あるいは西のゲートウエーと呼んでもいいのではないかと思います。  そこで,今後の宮の沢駅,あるいはその前の発寒南駅ともども,利用者の方が高齢者の方あるいは障害者の方,小さなお子さん,健常者の方も含めまして,本当に利用されやすい施設につくっていかなければいけないと思うわけでございます。  特に私は,平成5年3月に本市がつくりました福祉の街づくり環境整備要綱,あるいは平成6年3月に運輸省で出されました「公共交通ターミナルにおける高齢者・障害者等のための施設整備ガイドライン」で示されている内容を考えてみた場合,いわゆる障害者あるいは高齢者のみならず,あらゆる人たちが快適に利用できるようにという,そういったことが強く求められていると思います。  そういった意味からすれば,さまざまな項目を若干調べさせていただきましたけれども,福祉の街づくり環境整備要綱にあった整備がかなりの多くの点でも整備をしていくのだというふうには,お話を伺っております。  そこで,質問の第1点目でございますけれども,これらのことを踏まえて,終点駅となる宮の沢駅における,いわば駅づくりといいますか,結節点にふさわしい駅とする上で,どのような配慮を行っているのか。  視覚障害者のために,点字あるいは触地図式の案内板とか,あるいは地下街と違って商店がないわけですけれども,長い通路につきましては,例えば動く歩道というものなどを整備して,利便性をさらに向上させる考えはないのかなど,乗り継ぎ施設との関係なども含めてお聞かせ願いたいと思うのであります。  また,駅の環境ということも考えていった場合に,施設あるいは設備の改善により,快適性を高めることはもちろん大変重要なことであると思いますが,しかしながら,こうしたハード面にかかわるものではなくて,もう少しソフト的な対応といいますか,先ほどお話ありましたけれども,地下という閉鎖的な空間ということもあって,十分に安心感を得られるような配慮というものも必要なわけでございます。  幸い,本市におきましては,東豊線延長部から駅にイメージカラーを導入して,駅ごとに特色を持った明るい配色を施しているということもあって,駅の識別をもしやすく,市民に大変好評であると聞いております。  私自身も,この駅のイメージカラーはどうしたらいいのでしょうかということでアンケート調査が来たものですから,いろいろ書きましたけれども,今後,東西線延長については,このイメージカラーへの対応については,どう考えているのか,お聞かせいただければと思います。 ◎澤田 建設部長  まず,第1点目の東西線延長の終点となります宮の沢駅がその機能を果たすべく,どのように配慮しているかというご質問でございますが,交通局といたしましても,ご指摘のとおり,西区,手稲区の街づくりの一翼を担うものとして,宮の沢駅が終点駅にふさわしい機能を果たし得るよう周辺施設と連携しながら進めているところでございます。  具体的に申し上げますと,出入り口につきましては,駅へのアクセスの利便性を考慮いたしまして,民活を含めまして合計で6カ所を設置し,これらの出入り口には,エレベーターあるいはエスカレーターをそれぞれ設置する予定でございます。  また,昨年の決算特別委員会で答弁申し上げましたとおり,トイレにつきましては,入り口の段差解消や身障者用トイレの男女専用化を図ることとしたほか,券売機につきましては,フロントパネルに傾斜をつけて使いやすくしました点字対応型のものを新たに採用することといたしております。  ご質問にございました福祉の街づくり環境整備要綱などへの対応につきましては,そのほとんどの項目を満たすものとする予定でございます。  次に,駅周辺施設との連携でございますが,宮の沢駅の近隣に設置されますバスターミナルへのアクセスとして整備されます地下歩道には,移動の連続性が確保されるようエレベーターやエスカレーターのほか,延長約60メーターの動く歩道が双方向に1基ずつ設置される予定と聞いております。  自転車駐輪場については,4カ所に合計約1,000 台規模で設置する計画であります。また,パーク・アンド・ライド駐車場についても,民間会社との協議により設置する計画で進められていると聞いているところでございます。  次に,第2点目の駅のイメージカラーについてでございますが,今回の二つの新駅につきましても,イメージカラーを採用することにしております。平成7年度第2回市政モニター調査において,市民の方々のご意見を伺いました結果に基づきまして,交通局内において検討を重ねました結果,発寒駅につきましては,手稲連峰のさわやかな緑を取り入れて淡い緑の配色を,また,終点駅の宮の沢駅につきましては,駅付近を流れます旧中の川の清流と駅名の一部であります沢の連想から,淡い青の配色とすることといたしております。  以上でございます。 ◆涌井 委員  大変すばらしい,非常に明るいお話でございましたけれども,西区,あるいは札幌市の市民の人たちが大変期待しておりますので,どうか無事故でよろしくお願いしたいと思います。  最後に,ウィズユーカードの販売強化策についての質問でございますけれども,ご承知のように,ウィズユーカード,平成4年11月に導入されて以来,市民の人たちから,小銭の要らない大変便利なカードということで,大変好評を博しているわけでございます。  また,ことし4月からは,民営バスとの共通利用が可能になりました共通ウィズユーカードをも販売することになりまして,販売実績も順調に推移をしていると伺っているところでございます。しかし,乗客数が伸び悩んでいる現在,乗車料収入確保のため,交通局として,より一層の販売努力が求められているところでもございます。  現在,交通局としましても,さまざまな販売強化策をとっているということでございますけれども,これまでどのような強化策をとってきたのか。また,今後の販売戦略として,イベントを活用して,例えば,交通局主催のウィズユーフェスティバルあるいはメトロクリスマスは,市営交通利用者への感謝を込めて行ってきているということでございますが,こうした場で使用済みカードを何枚かまとめて持参した人に,ささやかな記念品を贈呈すれば,利用者への感謝が一層深まり,また,販売効果が上がると思うのでございます。  このように,販売意欲を誘うような有効な販売方策にも力を入れていくことも必要ではないかと考えますが,この点についてどのようにお考えなのか,お聞かせ願いたいと思います。  また,今,大変関心の的になっておりますコンサドーレ札幌のJリーグ昇格に合わせた記念カードの販売の計画があるのか,ないのか。Jリーグ昇格決定戦が近く行われますけれども,それに合わせた販売の計画について,お聞かせ願いたいと思います。 ◎荒木 事業管理部長  ウィズユーカードにかかわる第1点目の販売強化策についてのご質問でございますけれども,これまでも,企業等への訪問販売やイベント会場等に出向いての販売活動を展開してきており,さらに,記念カードとして,雪まつりやYOSAKOIソーラン祭りなどのイベント,あるいは地下鉄開業25周年など,記念日に合わせた記念カードを発売してきているところでございます。  また,本年度新たにタイアップ事業として,テレビ番組で子供に人気のあるセサミストリートのキャラクターを使用した共通ウィズユーカードを発売し,大変好評を得たところでございます。  次に,2点目のさらなる販売戦略についてでございますが,これまでにウィズユーカード1,000 万枚突破感謝キャンペーンや共通カード発売キャンペーンで,使用済みカード5,000 円を1口として応募いただき,その中から,抽選で記念品を贈呈してまいりました。  さらに,お話のございましたJリーグ等についての記念日に当たっても,それが確定次第,そういうことも含めてやっていきたいと。  つまり,委員からご提案をいただきました趣旨を踏まえまして,今後とも販売強化に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆涌井 委員  ただいまの答弁で,交通局としても販売についてご検討,努力されるということでありますが,私としましては,ウィズユーカードは,ある意味では乗車券であるけれども,市民のカードへの期待,あるいは共通化などを考えますと,乗車券という側面ともう一方,商品的な考え方もできるわけでございます。そういうふうにとらえますと,もっとカードの商品価値を高めて,カードの売り込みに力を注ぐべきではないかと考えるわけでございます。  そういった観点から,3点についてお伺いいたします。  1点目は,先ほど話しましたセサミストリートのキャラクターを使用した共通ウィズユーカードを販売し,好評だというお話でございましたが,増収策を図る上で,今後こういった人気キャラクターを題材にしたカードを積極的に販売していくべきではないかと思いますけれども,お考えをお伺いいたします。  2点目は,ウィズユーカードというのは,さまざまな年代層が利用するわけでございます。しかし,年代層によって,図柄も大変興味のあるところでございまして,私は,各年代層に合わせたデザインを展開していくことも必要ではないのかと思っております。各年代別にデザインに対するニーズの調査をしていただいて,今後のカードデザインに生かしていくべきではないかと考えますけれども,いかがかお伺いいたします。  3点目につきましては,オリジナルカードあるいはアドカードについてでございますけれども,企業・団体,あるいはまた個人の方から,記念行事あるいは慶弔時におけるカード作成の引き合いが年々増加しておると聞いておりますが,私の調べたところによりますと,局ごとのいろんな記念行事で,ウィズユーカードを使わず,テレホンカードを作成して,記念カードということで差し上げているケースもあります。  そんなふうに考えますと,テレホンカードも確かにいいかもしれませんけれども,私は,やっぱり本市の交通事業の厳しい財政状況を考えていった場合に,各局にももっともっと積極的に販売の依頼,いいものつくりますということで,どんどん営業を展開すべきだと。局長会議だとかいう中で,事業管理者の方としてどんどん言うべきだと思います。  というのも,テレホンカード作成枚数が,局によっては,テレホンカードの方がウエートの高い場合があります。そういうところにも,積極的にやはりウィズユーカード使っていただきたいということで,もっともっと自信を持って取り組んでいただきたいと思います。  きのう,おとつい,私の連合町内会の創立30周年記念がありまして,その際に,魚住助役にも来ていただいたのですけれども,そのときに,記念のカードが入っておりまして,ウィズユーカードだったらいいなと,NTTだったら厳しいなと思ったのですけれども,ウィズユーカードでした。安心しました。  私は,こういうさまざまな市場は,もっともっとあると思うのですね。もっとあると思います。真剣に,ある意味では厳しい形相をして,お客さんと会ったときは,にこっと笑って,もっともっと販売の努力というものを庁内的にもしっかり取り組んでいただきたいと思いまして,以上3点お伺いしたいと思います。 ◎荒木 事業管理部長  第1点目の人気キャラクターを使用したカードの発売についてでございますけれども,増収を図る上からも大変価値のある試みと思っておりますので,実施に当たっては,キャラクターの使用料等の問題もございますが,これらを整理しながら,今後とも機会があれば,積極的に取り入れてまいりたいと考えております。  次に,第2点目のデザインに対する意識調査についてでございますが,委員のご指摘のように,カードを発行する上で,魅力あるカードとするためには,利用者の意見を把握することは,非常に重要なことであると認識しておりますので,各種アンケート調査や札幌市営交通モニター制度を活用して,調査検討を行ってまいりたいと考えております。  次に,最後の3点目の市の各部局へのカードの販売促進についてでございますが,これまでも,新規施設の開館や落成式の記念品として活用してもらうよう営業活動を展開し,協力をいただいてきたところでございますが,これからも,各部局への働きかけを積極的に行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆飯坂 委員  私からも,交通事業にかかわって,大きく2点,需要喚起策についてと,それから障害者対策についてお尋ねしたいと思います。  まず,需要喚起策についてなのですが,先ほど来,健全化計画との大幅な乖離については,質疑のやりとりがございました。  8年度決算を見ましても,3事業合わせて18万4,483 人,割合にして18.6%もの計画との乖離が生じております。予算比で見ましても3事業合わせて3万5,000 人の落ち込みが拡大しているという状況で,乗車人員の大幅減,赤字,そして料金値上げ,このサイクルでは,根本解決にならないという指摘は先ほどもありました。私どもも値上げのたびにそのことを一貫して指摘してきたわけですが,やはり交通事業本来の仕事である乗車人員をいかにしてふやしていくか,ここに力を入れるべきだと思うわけですね。  そこで,まず1点目ですが,JR料金との格差是正についてです。  これまでも我が党は指摘してまいりましたけれども,ことしの2月の料金値上げによりまして,一層格差が拡大している現実があります。例えば,JRの新札幌駅から札幌駅,この区間ですと,JRは今,10円上がりましたけれども,それでも260 円です。本市の地下鉄は310 円ということで,50円の格差が片道で生じております。行ったきりということはまずほとんどありませんから,帰ってくると,往復にしますと100 円からの格差があるということですね。それから,JRの琴似駅と札幌駅ということで比較しますと,JR料金は200 円に対して,本市の地下鉄料金は240 円ということですから,これまた40円の片道格差がありまして,往復で80円と大幅な格差があるわけです。  これでは,地下鉄離れを一層加速するものになるということを私どもは昨年4定で値上げ提案がされたときにも,厳しく指摘をしてきたところでございますが,こういう格差が拡大することについては,需要喚起とは逆行することになっていると思うのですけれども,料金格差是正について,どのように考えておられるのか,1点目お伺いします。  2点目は,市営交通機関と他施設とのセット割引による需要喚起策についてであります。  本市は,1DAYカードといいまして,3事業共通のカードは1日1,000 円,地下鉄のみは800円ということで発行しておりますけれども,地下鉄沿線での文化・スポーツ施設の使用料を割り引くということとセットで市民サービスを図るということをやるべきじゃないかということを,これも我が党が再三提言をしてきたところであります。  先ほど来,需要喚起策につきましては,部長並びに管理者の方から,全庁挙げて取り組んでいるし,今後も取り組んでいくというご答弁がございましたけれども,例えば,東豊線沿線の環状東駅付近に温水プールが建設されました。また,栄町駅付近には,コミュニティドームが建設されました。このこと自体は,需要喚起策ということで,周辺に施設を建てたということなのですが,それだけで本当に皆さん地下鉄に乗って,その施設を利用していただいているのかなというと,疑問な点も多数あるわけです。  名古屋市などでは,例えば,美術館や博物館などの施設見学料込みの割引料金ということをセットしまして,いわゆる市営交通に大いに乗っていただくという利用促進を図っているわけなのですが,本市におきましても,地下鉄沿線に文化・スポーツ施設含めて,全市にまたがって多数あるわけですけれども,まずは,市営交通乗車券と市の公共施設の使用料とをセットで割引されるような市民サービスを図って,需要喚起につなげていくということを本格的に考えるべきと思いますけれども,いかがかお尋ねします。
     それから3点目は,敬老パス制度の果たしている役割についてです。  敬老パス制度が導入されて23年目を迎えているわけですが,8年度決算を見ましても,市営交通3事業を合わせて約20億円の収入になっております。  また,9年度予算で言えば,これまた3事業を合わせて21億5,000 万円,大変貴重な財源になっていると思いますが,現行の敬老パス制度について,これは,ぜひ交通事業管理者にご答弁願いたいのですが,どのように認知されているのかお尋ねします。  また,高齢者というのは,朝夕のラッシュ時を避けて,昼間のすいている時間帯に地下鉄なり市バスなり市電なりに乗っていただいている例が多いかと思うのですが,敬老パス制度というのは,需要喚起にも大いに役立っていると思いますけれども,これらについてどう考えているのかお尋ねをいたします。 ◎井原 交通事業管理者  敬老パス制度についてお答えを申し上げます。  確かに,今,委員お尋ねのように,交通局にとりましては,比較的安定的な収入になっているのは事実でございます。  しかし,敬老パス制度については,交通局の負担の考え方も含めまして,制度全体を目下検討中でございまして,私からいろいろご意見を申し上げるのはどうかと思いますけれども,現在の交通局の負担の算出方法等につきましては,一定期間の調査に基づいて民生局と協議の上,決定して行われておりますので,この辺は妥当なものだと私は考えてございます。  以上でございます。 ◎嘉指 事業管理部参事  それでは,私の方から,料金格差是正の努力をしているかということのお尋ねでございますけれども,確かに,委員お話のとおり,JRとの料金の差が大きくなっていることは事実でございます。  そこで,料金改定直後の本年4月の需要の状況を見てみますと,全体の乗車人員につきましては,前年の4月に比較をいたしまして0.1 %増加をしてございます。これは,電車・バス・地下鉄の3事業とも増加になっているわけでございます。  これは,本年4月から民営各社と共通ウィズユーカードにプレミアムをつけてまいりました。そういったサービスの向上を図ってきた結果,非常に利用者の方々に好評でございます。その結果によるものと,私ども現在考えておりますけれども,いずれにいたしましても,乗客の伸び悩みが続いております。厳しい状況にございますので,今後とも,いろんな観点からサービスの向上策に取り組んでまいりたいと考えてございます。  2点目の,乗車券と施設の割引券を組み合わせた企画はどうかということでございます。  ご承知かと思いますけれども,本年の6月から,私どもの第三セクターであります札幌交通開発公社と協力をいたしまして,電車を利用したお客様については,もいわ山ロープウェイの割引を受けられるという割引券を発行してございます。その結果,9月末現在でございますけれども,1日平均で300 人程度の利用がございます。  また,市民局と協力をいたしまして,環境割引券,いわゆるエコキップでございますけれども,さわやかノーカーデー協賛事業ということで9事業,施設で割引を受けられるようになってございます。  委員のお話のとおり,このような乗車券と施設の割引券を組ませるということも,乗客誘致に多大な効果があるだろうと考えますので,今後ともこうした企画を引き続き検討してまいりたいと考えております。 ◆飯坂 委員  JRとの料金格差の問題は,依然として拡大されているということなのですが,今,4月の0.1 %の増加というのは,民営各社と共通カードになったということがメリットになって伸びているということであって,やはり,そのことで格差はあってもいいのだとはならないと思うのですよね。  かなり大きな割合での格差が以前からありまして,それがさらにことしの値上げで拡大されているわけです。これでは,本当に太刀打ちできない状況にあるわけですから,ぜひその辺についても,今後の大きな課題にしていただきたいということを申し上げておきます。  それから,2点目の他の施設との割引セットの問題ですが,今,お話ありましたように,市電とロープウェイをセットで,市電に乗った方については,ロープウェイ1,300 円のところを400 円割り引くということですね。3分の1の割引ですから,これはかなりメリットがあると思うのですね。  今,お話ありましたように,1日平均にならすと,300 人程度が利用しているということですから,これが全庁的にもさらに広がっていけば,必ず需要喚起に数字となってあらわれてくるということは想定できるわけです。  民営施設も含めてと思いましたけれども,とりあえずは市営の施設,例えば青少年科学館もよし,ほかの施設でもいいのですけれども,そういう他の所管施設との割引の問題について,具体的にこれまで話した経過があるかと思いますが,もしあれば,何がネックになって進んでいかないのか,どこをクリアすれば,これが市電とロープウェイのように実行に踏み出すことが可能なのか,その辺についてお聞かせ願いたいと思います。 ◎嘉指 事業管理部参事  その他の公共施設との交渉といいますか,進め方でございますけれども,過去に私ども割引方について,種々各施設について協議を重ねてきた経過がございます。  一口で申し上げますと,私どもの乗車料金についてはなかなか割り引くことができないという部分がございますので,どうしても相手方の施設の利用料を割り引かなければならぬということもございます。  そういった意味もございまして,やはり相手の公共施設の考え方等もございますので,今後ともさらに協議を重ねてまいりたいと考えております。 ◆飯坂 委員  今,嘉指参事からそういうご答弁いただいたのですが,助役,他都市では学校が週5日制になったときに,土曜日の小学生・中学生,あるいは高校生まで含めたところもあるかな,主に小学生ですが,施設無料化ということを大半の政令市が導入してやったわけですね。本市はやっていないのですが,例えば,サタデー・テーリングだとか,いろいろ交通事業としてはやっているのです。  今,お話ありましたように,料金を下げようとすると,国の認可事業とかとなって,なかなか難しいと思うのですけれども,全庁挙げて需要喚起をするというのであれば,関連の施設使用料あるいは入館料を,何がしかでも割り引くということになりますと,これ交通事業だけで判断できないというのは,私もよくわかるのです。  そこで助役,こういうことに踏み込んでいく時期に今,入っているのでないかなと思うものですから,今後の考え方についてお聞かせ願いたいと思います。 ◎魚住 助役  市の他の事業とのかかわりもございます。ここで将来につきましては,大変有効な手段ではないかと考えておりますし,そういう観点から,それぞれの管理者とよく話し合いながら検討を進めてまいりたいと思います。 ◆飯坂 委員  ひとつよろしくお願いします。  それでは,次の障害者対策についてお尋ねします。  去る9月10日に,障害者の生活と権利を守る北海道連絡協議会の皆さんと,そして,本市の交通局職員の皆さん,さらに私ども日本共産党市議団三者が,ともに障害者の交通権の調査を実施いたしました。  当日は,車いす班,それから視力障害者班,下肢不自由者の班の3班に分かれまして,JR札幌駅からスタートしまして,地下鉄に乗り,大通で乗り継いで新さっぽろ駅まで行き,最後は大谷地の交通局で集合というコースで,半日かけて調査を行ったわけです。  そこで,61項目にも及ぶ,さまざまな具体的な要望が出され,既に9月22日付で障道協の皆さんがまとめた要望書が交通局にも届いているかと思います。  そこでお尋ねしますが,1点目は,地下鉄さっぽろ駅のすり減っている点字ブロックの張りかえだとか,あるいは大谷地駅のホーム内にある車いす用トイレに表示案内をすることなど,こういうことは,もう本当にすぐにでも改善できるものだというふうに考えていたのですが,あれから1カ月余りたっているわけですが,聞きましたところ,まだ具体的な改善は行われていないということです。なぜ,これすぐにでもできそうな改善にも着手されていないのか,そのことについて1点目,お尋ねします。  それから2点目は,先ほど61項目と言いましたが,その中には,なかなかすぐは困難と,中長期計画で順次やっていかなければならないものもあるように私も思います。  例えば,改札機すべてでカードが使用できるようにしてほしいだとか,あるいは地下鉄ホームに視力障害者のための防護さくを設置してほしいだとか,こういうものについては,予算も当然かかることですし,なかなか今すぐとはならないかと思いますが,しかし,中長期の計画を進めながら,こたえていくとすれば,今後どのような計画で,これらの課題に取り組んでいくおつもりなのか,お聞かせ願いたいと思います。  それから三つ目は,主に市営交通にかかわる要望ではあったのですが,中には,JRなどとの折衝を要する要望もございました。例えば,弱視者にとってJRの灰色の点字ブロックというのは,非常にわかりにくいとか,あるいは地下鉄のホーム内にも灰色の公衆電話機があったわけですけれども,こういうものは,弱視者にとっては,非常にわかりづらいということで,これは,JRやNTTとの話し合いが必要かと思うのですが,こういった他機関との交渉が必要なもの,これらについては,既にもう話し合いを始めているのかどうなのか,これらについても明らかにしていただきたいと思います。 ◎堂前 高速電車部長  1点目の大谷地駅のホームの車いす専用トイレの表示などをすぐできなかったのはなぜかということでございますが,委員からご指摘のありました大谷地駅のホームにあります車いすの専用トイレにつきましては,既に専用トイレの表示板を作成いたしまして,すぐにでも表示できるような体制にはしていたわけでございます。しかしながら,ホームにトイレを設置しておりますのは,47駅中,大谷地駅だけという特殊性がございます。また,現在,車いすの専用トイレにつきましては,一般利用客には利用させておりません。そういったことから,今回の調査で,関係する団体から,一般利用客にも利用させるべきでないかという要望もございましたので,その要望どおりさせるかどうかにつきまして,関係する諸団体とも調整が必要であったために,時間を要していたということでございます。  その他の事項につきましても,現在,何もなされていないということでございますけれども,このたびの調査の中には,確かに関係する諸団体と調整しなければならない事項が何点かございましたので,調査団体のほかに視力障害者であるとか,聴力,そういったいろいろな関係する団体との調整がどうしても必要であると。そのための時間を必要としているものでございます。  それから,2点目の今回の61項目の中には,確かに,中長期的に実施していかなければならないものはございます。それで,中長期的に計画している事項につきましては,駅舎の構造上,検討を要するものもあります。また,改修に伴う経費が莫大にかかるというものもございます。しかしながら,交通弱者の交通権,あるいは高齢化社会に対応していくためには,経営状況というものが厳しい中にあっても,整備していかなければならないと認識しております。  したがいまして,今後,私どもの経営状況というものを十分認めながら,計画的に,その実現に向けて努力してまいりたいと考えております。  3点目のJR等関係機関との調整の進捗状況でございますけれども,委員ご指摘のとおり,今回の要望項目の中には,他の関係機関と調整しなければならない事項もございました。  そこで,JRとの関係の事項につきまして申し上げますと,例えば,乗り継ぎ経由にかかわる案内図につきまして,駅窓口に置いてもらうように,既に協議を進めております。その他の事項につきましては,関係する諸団体の意見を踏まえた上で,実施した方がむしろサービス上,効果的である場合もありますので,そのために,現在,時間を要しているものでございます。 ◆飯坂 委員  まず,1点目のすぐできるものについて着手できなかった理由については,今,ご説明がありました。  そこで,先ほど,私61項目と言ったのですが,他機関にかかわらない,本市交通機関だけで独自にやれるものというと56項目なのですね。これらについて,既に交通局の皆さんも,すぐできるもの,あるいは中長期のものと分けて,もう分析もされているかと思いますので,実際には,これからということになるのですが,年内あるいは年度内にどのくらいの項目が実際に改善されていくのか,これらについて明らかにしていただきたいと思います。  それから,2点目の中長期計画が必要なもの,これにつきましても,いろいろ困難はあるけれども,整備をしていきたいという前向きのご答弁でございましたので,要望項目は,非常に一般論じゃなくて具体的ですから,これ一つ一つについて改善計画ができ上がれば,直ちに関係者や私の方に届けていただきたいと思いますが,これは,確認のためにお返事いただきたいと思います。  それから,三つ目のJRとの折衝も既に始めているということでございますので,これは本当に職員の皆さんも一緒になった調査ですから,そういう点で,単にお伝えするというのではなくて,これが実現するように,ぜひ頑張っていただきたいと思います。  1点目,2点目について,ご答弁お願いします。 ◎堂前 高速電車部長  1点目の年内あるいは年度内に実施できるもの,どれくらいあるかということでございますが,先ほど委員おっしゃっておりました61項目のうち,交通局にかかわる事項につきましては56項目でございます。  この項目の中で,まず,年内に実施できるものにつきまして申し上げますと,車いすの利用者にありましては,要望項目が21項目のうち,さっぽろ駅のエレベーター乗降口に案内表示をつけることなどで,12項目を実施する予定でございます。  また,下肢不自由者等から要望がございました8項目のうち,さっぽろ駅のエスカレーターの設置場所をわかりやすくするための案内表示を取りつけてくださいということにつきましては,実施することを考えております。  したがいまして,年内に実施できるものにつきましては,要望された交通局にかかわる56項目のうち13項目を実施するものでございます。  次に,年度内に実施できるとして,車いす利用者につきましては,要望項目は21項目ございましたので,新さっぽろ駅の9番出入り口のエレベーターの表示などで3項目を実施する予定でございます。  次に,視覚障害者からの件でございますけれども,これにつきましては,27項目の要望がございましたので,ホームの階段の手すりに行き先別がわかるように,点字案内表示を取りつけることなどで,4項目を実施したいと考えております。  それから,下肢不自由者にありましては,要望項目が8項目ございましたので,ベンチをコンコースなどに増設することを考えております。したがいまして,年度内に実施されるものにつきましては,要望された合計56項目のうち8項目を実施する予定でございます。  以上,要望項目全体で申し上げますと,年内または年度内に実施できるものにつきましては,56項目のうち21項目を実施する予定でございます。  それから,2点目の中長期的にかかわる計画につきましては,これは,当局といたしましては,現在,再建計画に向けて鋭意努力をしております。しかし,一方で,輸送需要等の落ち込みなどから大変厳しい経営を強いられている状況にあります。このたびの要望事項につきましては,解決しなければならない問題点,あるいは検討課題がありまして,多額の経費を必要とするものもあります。  したがいまして,この計画の作成に当たりましては,9年度の収支状況,そういったものを見きわめながら,また,今後の経営状況も勘案しながら,できるだけ早い時期に計画を立ててまいりたいと考えておりますし,計画が明らかになったときには,委員ご指摘のとおり,関係諸団体にお知らせして,必要に応じて協議をさせていただきたいと考えております。  以上です。 ◆飯坂 委員  ありがとうございました。  最後に,今回の調査は,ある意味では非常に画期的だったと思うのですね。  私どももいろいろ障害者対策について議会でも取り上げてきた経緯はあるのですが,交通局職員の皆さん,そして,障害者の皆さん,私ども議会にいる者も一緒に行動する中で,ふだん見落としがちなことにつきましても,本当に改めて発見するといいますか,認識を深めるという機会に恵まれたわけです。  そこで,今回の調査の結果については,年内,年度内含めて21項目は早期に改善しますよと。そして,時間のかかるものについても,できるだけ早く計画を立てて改善していきますよと,これは,大変積極的なのですが,今回のコースに限らず,やはりいろいろまだ同じような改修が必要なところというのは当然あるだろうと思うわけです。  そこで,こういった改修予算の枠というのを一定枠,毎年度確保していかなければ,いろんな調査をしたり,いろんな声を上げていただいたにしても,具体的にそういう裏づけがなければ,こたえていけないということになるものですから,改修の予算額について,一定枠きちんと毎年確保するということがどうしても必要だろうと思うわけです。  今回も,交通局職員のご努力によるものが大変多いと聞いておりますので,ぜひここをしっかり打ち立てていただきたいと思いますがいかがでしょうか,お尋ねします。 ◎堂前 高速電車部長  毎年,一定枠の予算額を確保すべきであるということでございますが,規制緩和などの社会経済情勢の変化によりまして,交通局を取り巻く環境というものは大変厳しくなっていくものと予想しております。  しかしながら,車いす利用者や障害者,こういった交通弱者に対して,今後,人に優しい施設づくりを進めていくということにつきましては,大変重要であると認識しております。  したがいまして,今後,改修に伴う必要経費につきましては,可能な限り,予算に反映できるように努力してまいりたいと考えております。 ◆佐々木[周] 委員  私は,バス事業について2点,高速電車事業について1点,お聞きしたいと思います。  まず,バス事業のことなのですけれども,先ほど,涌井委員の方からの超低床ノンステップ・バス導入についての質問に対しまして,来年6月に導入されるというご答弁をお聞きいたしました。  市民ネットワークでも,かねてから,この問題については取り上げてまいりまして,本当にやっと来年度導入されるということについては,喜ばしい限りだと期待しております。  最初に,ノンステップ・バスの試験導入のことについて,これは,本当に基本的なことについてお聞きしたいと思いますけれども,まず最初に,やはり新しいバス事業の時代が来たということを市民に積極的にPRする必要があると思うのです。  ということから,まず,市民に対するPR策に対して,どのようなことをお考えになっていらっしゃるのか,お聞きします。  また,2点目なのですけれども,私,先日,旭川電気軌道にお伺いいたしまして,超低床ノンステップ・バスに試乗し,そして,いろいろなことについて伺ってまいりました。そのときに,私も試乗して,その際,乗り合わせました市民の皆様にいろいろお聞きしてまいりましたら,本当に乗りやすくなったし,やはり楽になったと。これからも,バスを利用していきたいというふうな声が返ってまいりました。  そういうこともございますし,今,ここに,パンフレットをいただいてきたのですけれども,アーバスという名称をつけて10台導入し,全く今までと違う車体の絵というか文字をデザイン化したものなのですけれども,アーバスというのは,アメニティバスの意味を込めてアーバスとつけたそうなのです。これは,首都圏の方でムーバスという名前のバスが走っておりますけれども,そちらの方を意識したようなことも聞いてまいりました。  そこで質問なのですけれども,本市で導入されるバスにつきましても,やっぱり遠くから見てもすぐ「あれは,ノンステップ・バスだ」とわかるような車体の色,図柄,それを考えたらいかがかと思いますけれども,その点についてもお示しください。  それから3点目なのですけれども,先ほどサービスのことだとかで,各委員からお尋ねがありまして,例えば,障害を持っている方にとって,ノンステップ・バスがどうとらえられるかとか,それから高齢者の方,それから,いわゆる交通弱者と呼ばれている方たちにとって,どういうふうにとらえられるかということをやはり積極的に聞く姿勢が必要だと思うのです。  先ほどもアンケートのことが出ましたけれども,ノンステップ・バスにつきましても,やはり事前にいろいろ声を聞くこと,それから,走り始めてから,試乗していただいて,そして,声を伺う。そして,本格的な導入に備える必要もあるかと思いますけれども,それらのことについて,どのようにお考えかお示しいただきます。  それから,バス事業について,もう1点お聞きしたいと思うのですけれども,それは,通年バスダイヤについて伺いたいと思っているのです。  通年バスダイヤの導入につきましては,92年から導入したとお伺いしております。この導入の経過につきましては,先ほどからお話がございました経営の健全化に対して,経費の削減,それから,除雪事業が大分進みまして,夏と冬の運行による時間の差が大分縮まってきたということから導入したと聞いているのですけれども,そのほかについても,何か経過についてございましたら,お示しいただきたいと思います。  それから2点目なのですけれども,ダイヤの設定の考え方をお尋ねしましたところ,夏場と冬場の時間差は,ある程度あると。その夏場と冬場の中間点ぐらいの時間帯で通年ダイヤを設定したと聞いておりましたけれども,そうしますと,夏場は,時間がゆっくりゆっくりで,途中の停留所で調整する時間をとっていると。それから,冬場の場合は,市民の方からいろいろお話伺いますと,始発から3カ所目か4カ所目ぐらいの停留所は割と時間内に着くのですけれども,終点間際になりますと,もうダイヤがあってなきがごとしというか,当てにならないと。だから,もういつ来るかわからないけれども待つか,それとも,例えば,5分,10分待っても来ない場合はタクシーを使うとか,そういう方の声が聞こえてまいります。  それで,お尋ねなのですけれども,そのことについて,市民からどのような声が上がっているのか,そして,冬場のおくれに対して,どう対応してこられたのか,お伺いしたいと思います。  それから,もう一つの質問なのですけれども,他都市の状況ですね。  札幌市だけじゃなくて,道内でも通年ダイヤを導入しているところがあるのかどうか,その点についてお伺いいたします。まず,その2点。 ◎榊原 自動車部長  まず,ノンステップ・バスの導入に当たっての市民へのPRでございますが,導入に当たりましては,やはり多くの市民の方々に乗っていただくために,広報さっぽろなどで全市的なPRを行う一方,お年寄りや車いす使用の方々に試乗していただいたり,ウィズユーフェスティバルなど各種イベントで走行するなど,さまざまな機会をとらえて,広く市民の方々にPRをしてまいりたいと考えてございます。  また,2点目の車体の色あるいはデザインということでございますが,これらにつきましても,低床式バスとすぐわかるように,人に優しいバスとして,市民に親しまれるよう検討してまいりたいと考えてございます。  それから3点目でございますが,導入に当たってのいろいろなアンケート調査ということですが,やはり本格的導入に向けて種々調査検討していかなければならないことがたくさんございます。  こういうことで,利用者の声を反映させる手法の一つといたしまして,アンケート調査の実施も考えてございます。  それから,次に通年制のダイヤということでございますが,先ほど委員がおっしゃっていましたように,平成3年度まで,夏・冬の2ダイヤ制でございました。これを4年度から通年ダイヤにしてございます。  通年ダイヤを実施した理由といたしましては,やはり道路環境の整備,それから除排雪の充実が非常になされてきたということで,冬期間であっても,夏季と同様の運行が可能であると判断いたしまして,経営健全化の一貫として通年ダイヤに移行してきたわけでございます。  次に2点目として,通年制の夏・冬に分けるという部分での市民の声でございますが,これについては,確かに,いろいろ意見が分かれてございます。しかしながら,ただいま言いましたように,やはり一番問題になる雪の除雪の問題がきちっとされてきている,また,道路網もきちっとなってきている,こんなことを踏まえて現状やっているわけでありますが,市民にとっては,実際に冬になりますと,中心部が非常におくれる。しかしながら,中心部から外れると,それほど目立っておくれはないというような意見等もございます。  これにつきましては,私どもがいろいろダイヤを改正いたしますと,例えば,テープを変えるとか,時刻表をつくるとか,あるいは停留所の時刻表を変えるとか,その他いろんな人件費等も含めまして,1ダイヤで約6,000 万ぐらいかかるのが実態でございます。それから,人件費,あるいはさらに冬のために車両を多くしなきゃならぬと,そんなデメリットも非常に多うございます。それと,市民から一部でございますが,2ダイヤ制をやっていたときに,非常にわかりづらいと,1本でやった方がいいのでないかというような意見がございましたのも事実でございます。  それから,これらの冬おくれるということに対する対応策でございます。  これにつきましては,確かに,非常に我々がいろんな努力しましても,利用者のいらいらの解消ということは厳しい状況でございます。しかし,おくれが想定されるという路線に対しては,事前にいろいろな形で,無線車もございます,あるいは電話もございます,そういったものを利用しながら,おくれる場合には,できるだけ特別ダイヤというものを編成いたしまして対応していると。特に,主要ターミナルにおきましては,例えば,無線で連絡をとりながら,係員を配置して,回送で帰ってくるバスを帰さないで,そのままつけるとか,臨機応変に,おくれのダイヤを出さないような状況で対応しているわけでございます。  また,ターミナルにおきましても,遠隔放送で事前におくれのキャッチをしました場合には,そういったような適宜,適切な対応でもって確保しているということで,現時点では,定時性の確保は,冬になりますとなかなか難しいということもありますが,おくれの対策に,今言ったような努力をしながら,できる限り,対応に努めていきたいと考えてございます。  他都市の状況でございますが,他都市につきましては,積雪地における他都市の公営事業者,例えば,苫小牧,函館市,青森市,仙台市,八戸市は通年ダイヤでございます。また,秋田市においても,ことしの冬から通年ダイヤで対応していきたいと。また一方,道内あるいは札幌市内の民営事業者については,夏・冬の2ダイヤ制でございます。 ◆佐々木[周] 委員  まず,1点目のことなのですけれども,先ほどのご答弁ではいろいろ計画なさっているということなので,市民の方の意見にも十分配慮しながら導入していただきたいと思っております。  そこで,二つ目の質問になるのですけれども,先日,建設局の質問のときにも,私,申しましたが,今後の公共交通の利用を促進すること,それから,環境の面からいっても,本当にバスに乗っていただくということに対して,いろいろな関係部局がともに進めていかなければいけないと思っております。  先日,建設局に申し上げましたのは,これまでのバスベイの考え方なのです。このバスベイの考え方をお聞きしましたところ,バスの乗降がスムーズにいくように,そして,発進もスムーズにいくようにというふうなこと,それから,一般車両がスムーズに流れるようにという一般車両に対する配慮もバスベイにはあると伺ってまいりました。  しかしながら,私もバスに時々乗りますけれども,本当にバスベイから発進するときに,本来であれば,普通,車両はウィンカーが上がりますと待たなくてはいけないのですが,私は,待つようにしているつもりなのですけれども,ほかの車両の方を見ていますと,やはり先を急ぐ方が多いとみえて,どんどん先へ行くのですね。そうすると,何台か行ってからでないと,なかなか出られないということがございました。  それから,今回,ノンステップ・バスが導入されるということになりますと,先日も申し上げましたけれども,旭川で運転手さんの話を聞きましたが,超低床なものですから,地上30センチですね。ですから,斜めに入るときに,ひっかけないかどうかということで,大変苦労なさるということでした。ですから,それが真っすぐであったりすると,とてもとまりやすいということなのですね。それで,バスベイに入ると,車体と歩道との間がどうしても50センチぐらい幅はあくのです。真っすぐの停留所だと,本当にすれすれで10センチぐらいの幅だけでとまれるとお聞きしてまいりました。
     そこで,これに関連いたしまして,いろいろ調査いたしましたところ,大阪市では,交通局と建設局で都市新バスシステムというものを導入いたしました。これは,道路に今まで引っ込めていたところを,停留所の部分をさらに車道側に出したのですね。バステラスという名前とお聞きしましたけれども,本当に道路づくりを根底から考え直すような取り組みでした。それと,バス道路の構造を変えるということ,それから,バスロケーションシステムと,それから,バスを優先する信号に見直ししたと。それは,大阪府警との話し合いもして,信号もバスが通りやすいように,通過するときには,今,黄色になるところだったのだけれども,もう少し青を長くするとか,そういう技術的なことがあるみたいですが,それを取り入れたところ,ここに新聞の記事がありまして,どんどん低下していたバスの乗降客が23年ぶりにやっと横ばいになったと出ておりました。  ですから,やはり,乗っていただくということを前面に出すと,本当に多くの方たちの考え方を一緒に持ち出して,そして,どうあるべきかということを検討する必要があると思うわけです。  長々と説明させていただいたのですが,そこで質問なのですけれども,今後,建設局とそのほかにもいろいろ警察の方もあると思います,あとは,開発局ですね。それらの関係部局と,他の機関とともに,公共交通をより優先的に通すにはどうするべきかということをぜひ検討していただければと思うのですけれども,そのことについてもお伺いしたいと思います。  それから,先ほどのバスダイヤの件なのですけれども,先ほどご答弁いただきました。そういう問題点,費用の問題とか,それから,いろいろメリット・デメリットもございました。そして,他都市の状況も伺いました。そこで,ちょっと私は気になるのが民営交通の取り組み方なのです。  札幌市内は,四者が競合して走っておりますけれども,他の三者は全部,夏と冬の二つのダイヤで走っておりますね。そういうこともあります。それから,先ほど道路状況,除雪がよくなったというお話もございましたけれども,スタッドレスタイヤの導入に伴いまして,除雪はよくなったのだけれども,つるつる路面が問題になっておりまして,それほど冬場の走行が早くなったと思えないわけなのです。  そういうこともございますし,それから,本当に市民の方にバスに乗っていただきたい。それから,やはり市民へのサービスを重点的にとらえていきたいというふうに,先ほど答弁もあったと思います。ということで,通年ダイヤの問題点は,私としては,幾つかあると思うのですよ。それで,これからのバス事業にかかわって,たくさんの人に乗っていただきたい。そのためにも,ノンステップ・バスも導入する,そういうふうになっていますよね。  ですから,ダイヤについても,赤字のこととかいろいろありますから,6,000 万もかかると聞きますと,再度,私も今すぐとは申し上げられません。ただ,将来的に,市民に対するサービスを向上するということから考えれば,定時性を確保するために,夏・冬のダイヤの導入について検討してはいかがかとは思うのですけれども,その点について,お考えをお示しいただきたいと思います。 ◎榊原 自動車部長  第1点目の,低床式のためのバスベイの問題でございますが,これにつきましては,これまで交通量の多い区間の円滑なバスの運行のために,道路管理者にバスベイの設置を要望してきたものでございます。  しかし,近年の交通量の増加に伴い,路線によっては,逆にバスベイがあることにより,停止・発進がスムーズにいかないという場合もございます。したがいまして,今後,超低床バスの本格的な導入に当たりましては,一般車両の抑制あるいは公共交通優先という視点から,バスベイも含めて,道路構造等のあり方について道路管理者と十分協議をしてまいりたいと考えてございます。  それから,2点目の夏・冬ダイヤについてでございますが,バスの走行環境は,マイカーの増加に加えまして,先ほど委員もおっしゃっておりましたように,冬期間におけるスタッドレスタイヤの使用による路面の変化で,ますます悪化してきているわけでございます。  そのような状況の中で,私ども含めてバス事業者は走りたくても走れないという冬期間のバスの事情をまず理解をしていただきたいと思います。  現に,夏・冬ダイヤを実施しております民営バスにおきましても,冬期間の定時性の確保は大変厳しい状況と聞いているわけでございます。しかしながら,市民の利便性を少しでも向上させていかなければならないということは,十分認識してございますので,関係機関に走行環境の改善を要望しながら,通年ダイヤが本当にベターなのか,また夏・冬ダイヤがベターなのか,見きわめていきたいと考えてございます。 ◆佐々木[周] 委員  十分取り組んでいただきたいと思いますので,よろしくお願いしたいと思います。  最後に,高速鉄道事業についてお聞きしたいと思うのです。  実は,私,96年の1定で,地下鉄の駅に設置してあります車いす用トイレの開放について伺ったことがございました。先ほどの飯坂委員のお話にも,地下鉄の車いす用トイレのことがございましたけれども,そのときのご答弁といたしまして,一般の市民の方に利用されない,それから,一々連絡をとらなければならないというところでは,不便をおかけしていることも事実であることから,関係団体等の意見もお聞きして,十分調整をして,一部試行的に開放することも検討したいとご答弁いただきました。  そこで,そのことについてお聞きしたいのですけれども,まず1点目に,いつから,どこの駅で開放されたのか。それから2点目に,開放された結果,何か問題点がありましたでしょうか。96年の1定の際には,たまり場になるのではないかという心配もあるとお聞きしておりましたけれども,その点についてお聞きします。それから,利用者の方から,どのようなご意見があったのでしょうか,もしございましたら,お示しください。  それから,私は,これからも車いすの方だけではなくて,やはり高齢者の方,それから,お子様連れの方だとか,そういう方に対しても,どうぞ使ってくださいというサービスの姿勢を示すことが必要かと思うのです。そして,その上で,何か問題があれば,市民と一緒に解決するということが必要だと思うのですけれども,まだ開放していないトイレについての考え方,ぜひ開放していただきたいと思うのですが,そのことについてどのようにお考えか,お示しいただきたいと思います。 ◎堂前 高速電車部長  1点目の,いつから,何駅で実施されたのかということでございますが,試行的に施錠開放した時期につきましては,平成8年の8月からでありまして,実施した駅は28駅中5カ所でございます。  それから,2点目の施錠開放した結果,何か問題があったか,あるいは利用者からどのような意見があったかということでございますが,施錠開放した結果,特に問題があったということはございませんでした。それから,利用者からどのような意見があったかということにつきましては,これは,使用するときに,ペーパーがなかったという苦情があったほかに,以前よりも汚れが目立つようになったといった声は寄せられておりました。  それから3点目の,今後,一般利用者に利用させていく考えがあるかということでございますが,今日まで車いすの専用トイレとして設置して定着してきているという経緯がございます。仮に,一般の利用者に利用させる場合に,交通弱者の方が使用したいときに,いつでも使用できるかと。場合によっては,支障を来すおそれがあるといったことも予想されます。それから,やはり,こういったトイレにつきましては,既設駅に設置した経緯がございますので,駅の事務室から離れている場合が結構多くあります。  そういったことで,場所によっては,防犯上の問題もありますので,現時点では,一般利用者に積極的にPRして利用させていくことについては,適当ではないと考えておりますけれども,ただやはり,関係する団体の方からも,利用させるべきであるという意見もございますので,今後,利用者と関係する諸団体の方たちのご意見を十分お聞きして,その上で,適切に対処してまいりたいと考えております。 ◆佐々木[周] 委員  最初のご答弁の中で,余り問題はなかったということでもありますし,今,3点目のお答えで,これからもいろいろご意見を伺ってということなので,ぜひ早目のご決断をいただければと思います。ひとつ,お願いいたします。  それで,もう1点だけお聞きしたいのですけれども,先ほど東西線の延長の部分のお話もございました。二つの駅が開駅するのですけれども,そこのお手洗いのことについて,ぜひ当初から開放していただきたいと思いますが,その辺。 ◎堂前 高速電車部長  延長の2駅につきましては,一般のトイレの中に,車いすの専用トイレを男女それぞれ1基ずつ配置いたしまして,これは,いつでも利用できるようにしたいと考えております。 ◆佐々木[周] 委員  最後に,要望になります。  私がきょう取り上げましたことは,やはり市民にとって愛される交通事業になっていただきたいという意識からなのです。先ほどからの委員のお話もありましたけれども,今走っている四者のうち,どこのバス会社のサービスが一番いいのでしょうかということを聞いてみたのですが,残念ながら,市営バスじゃなくてJRバスだということをお聞きいたしました。  それは,どうしてかというと,やはり,官から民に移ったときに,教育プログラムを本当に徹底的にしたそうです。そういうことで,やはり,市民の方からも認めてもらおうということで,今は,本当に一般の市民からも評価されているということをお聞きいたしました。  市営交通も,規制緩和になると競合してきます。そういう問題もありますので,ぜひ市民の方にも理解していただいて,そして,赤字を一日も早く解消できるように頑張っていただきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。 ○猪熊 委員長  ここで,およそ25分程度休憩をとります。     ──────────────      休 憩  午後3時26分      再 開  午後3時51分     ────────────── ○猪熊 委員長  再開いたします。 ◆田中 委員  それでは,私の方から2点にわたってお伺いしたいと思います。菅井さんにかわって,なれない最後列からの質問でございますので,極めて簡潔に二つお伺いをしたいと思います。  1点目は,市民の皆さんからいただいている要望事項の中で一つ,ぜひお伺いをさせていただきたいということなのですが,地下鉄に設置されております券売機並びに精算機ですね。ウィズユーカードの券売機含めて,大分新しいものが入ってはいるのですが,いまだに500 円玉が使えない券売機,精算機が結構あるように見受けられております。結構,長い間そのままになっているなと感じているところもあったりして,大分ご要望をいただいております。  この種のことですから,そんなに年数かからないのじゃないかなと思っていたのですが,あに図らんや,私の思っていたようには進んでいないと思わざるを得ないなということでございます。そのたびに,隣の売店のおばさんに迷惑かけなきゃならないということがあったりして,大変煩雑ということです。  考えてみますと,いろんな問題のある地下鉄であることは,先ほど来の質疑の中で出ておりますとおりでございますけれども,しかし,いまだに500 円玉が使えない券売機,精算機が札幌の地下鉄の駅に設置されているというのは,どう考えても市民サービスとかそういった点において,どうも合点がいかないと。何とか早く取りかえられないものなのか,一体その辺はどうなっているのだろうというご要望が寄せられているわけでございます。  端的にひとつ,恐らく順次切りかえられているのだと思うのですが,地下鉄全駅の中に,こういう500 円玉が使用できない券売機,精算機は何駅に一体幾つぐらいあるのか。  そして,また,更新をされている部分も多分おありなのだろうと思いますけれども,とにかく早く更新すべきでないかということでございますから,台数と,そして,更新にかかる費用というのは総体幾らぐらいかかるのか。  そして,さらに更新されているとすれば,更新に要する期間というのは,およそどれぐらいのご予定をされているのか,この辺について,1点お伺いをしたいということでございます。  2点目は,特に地下鉄に関係しての総論的な話になるのですが,先ほど来,需要喚起という問題について幾つかの論議がございましたけれども,私も,地下鉄の需要喚起というものをどういうふうにやっていったらいいのかということの視点の中に,本市の公共施設との関係というものについてずっと見せていただいておったのですが,たまたま先月,総務委員会で,東札幌の再開発のプランが出まして,人材交流センターや,あるいはコンベンション施設の計画がレイアウトも含めて示されたのです。あの計画に対して,地下鉄東札幌駅との関係が全く考慮されていないのではないかということで指摘をさせていただいたところでございます。今議会においても,一部の企画調整局の質疑の中でも,同様の指摘がされておりました。考えてみますと,本市の公共施設と地下鉄がまずリンクしていないと申し上げた方がいいのではないかと思っております。  典型的な例で,各区役所と地下鉄との関係を見せていただいても,まあまあ何とか関係がとれているかなというのは,恐らく半分の区もないのじゃないかと思っております。  この問題を交通局の皆さんにお聞きしたことは何回もあるのです。特に全庁的な視点に立って,どういう論議をされて,それに対して交通局の幹部の皆さんがどういう要望なり,意見反映をされているかということをお聞きしたことが何回かあるのです。そのたびに言われますのは,交通局の方から要望しづらいのだけれども,それぞれ要望してはいますと。しかし,交通局のために公共施設をつくるわけではないと,ほかの局との打ち合わせの中で言われるということで,そう言われると,交通局としても,余りごり押しするわけにもいかないということで,悩みの種と言われております。  そういうことがもし全庁的な雰囲気の中にあるとすれば,先ほど井原管理者が言われました札幌市全体の都市政策の中での交通体系位置づけといったような表現や,そういう大きな流れの中での交通局の政策という表現を使われましたけれども,もし全庁的な協力なり,そういう視点というものがないとすれば,先ほど来,需要喚起だ,大きな流れの中の交通局政策だというふうに言っても,これは,もう実現できないのではないかと言わざるを得ないと思います。  交通局の赤字の要因はいろいろあるにしても,街づくりとの関係ということになると,どうも整合はしていないのじゃないかということが一方であって,そして,そのことに対して,交通局の皆さんが内部的にはご努力されているのでしょうけれども,しかし,思ったように進んでいないということがやっぱりあるのじゃないかと思わざるを得ない。  そのことが東札幌の例で,図らずも出てきたのではないかと感じるわけでございますので,この辺,もしそういうことがあるとすれば,これからの札幌市の街づくりだとか,それぞれの公共施設の配置の仕方については,大きな注文をつけさせていただかざるを得ないと思います。この辺は助役の方にお願いせざるを得ないと思いますけれども,そういった現状にあると私どもは認識しているのですが,そのあたりのところをどのようにお考えになっていらっしゃるか。  そして,先行きそういった部分に対して,どういうふうに取り組まれようとされているのか,お伺いをさせていただきたいと思います。  以上2点,よろしくお願いいたします。 ◎魚住 助役  地下鉄の需要喚起は,大変重要なことでございまして,経営の健全化のためにも,全庁挙げて地下鉄支援に向けて取り組んでいるわけであります。  東豊線のころまでは,とかく街づくりとのリンクは,少し薄かったのではないかと思って反省点に立っておりますが,東西線の宮の沢駅までの延長に向けて,街づくりとのリンクをさらに強めていって,地下鉄を支援してまいりたいと考えているわけであります。そういう観点からも,今回の11年の3月に開通します東西線につきましても,そういう街づくりをしておりますし,また,今お話にありました東札幌駅周辺につきましても,南郷通と面しております公共施設や商業・業務ゾーンにつきましては,地下鉄との動線の確保を検討しておりまして,地下鉄の需要喚起につながるものと確信をしているところであります。 ◎堂前 高速電車部長  1点目の,500 円硬貨が使用できない機種があるのはなぜかということでございますが,現在,地下鉄の駅に設置されております券売機と精算機の機種につきましては,型で申し上げますと,2型から6型まで5種類がございます。このうち,500 円硬貨が使用できない機種でございますが,これは,2型,3型,4型という3機種がありまして,5型と6型につきましては,500 円硬貨が使用できるようになっております。  500 円硬貨が使用できない機種がありますのは,500 円硬貨そのものが流通した昭和57年以前に設置されているものでありまして,当時,500 円硬貨を使用できるように,いろいろな角度から検討いたしましたが,改修に莫大な経費がかかるということや,他の硬貨でも対応できるものと判断いたしまして,改修しなかったために,今日まで使用できない機種が存在しているものであります。  それから,2点目の何台あるかということでございますが,平成9年10月1日現在で申し上げますと,券売機は136 台でありまして,精算機は12台となっております。設置されている駅でございますが,47駅中22駅に設置されております。  3点目の更新に伴う必要経費でございますが,500 円硬貨が使用できない券売機と精算機につきましては,更新時期に来ておりまして,平成4年から更新してきております。したがいまして,残っている台数,合計148 台を更新するために必要な経費は,約14億円ほどと見込んでいるところでございます。  したがいまして,今後,何年かけて更新するかということでございます。  委員ご指摘のとおり,確かに,早く更新するということが望ましいとは考えておりますけれども,厳しい経営環境の中で更新をしていかなければならず,大変苦しいのでありますが,サービスの観点から,今後の収支状況を見きわめながら,その実現に向けて努力してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆田中 委員  500 円玉の券売機のことなのですが,今の経営状態ですから,事情はよくわかるのですが,しかし,人口179 万人の札幌の地下鉄で,こうした券売機,精算機が放置されているということは,市民の皆さんからと私,申し上げたのですが,何も札幌の市民の皆さんだけでなくて,道外の皆さんからも「札幌は,こんな機械まだ置いてあるんだね」と現実に言われました。  そういうことですから,経営状態の問題と言えば,すべてそうなってしまいますけれども,最初に,私どうだろうと投げかけましたときには,今は,どこかほかの国の硬貨と紛らわしい詐欺まがいのことがあってと言われましたが,それは別に券売機だけでなくて,自動販売機でどこでも起きていることですから,これは,できないための理由づけのうちの一つということですから,必ずしもそういう問題を理由にするわけにはいかないということであろうかと思います。  先ほど来の論議のように,人に優しい交通政策ということを標榜されておられる交通局でございますから,そうであれば,人に優しいということは何か,利用者にとって何が優しいのかということになれば,こういう問題を長く放置しておくということには絶対ならないと思いますし,こうした部分に対するサービスを適切にきちんと何年までと答えることが人に優しい,あるいはまた市民サービスということになるのではないかと思っております。そういう意味では,これはもう要望にしかなりませんけれども,早い段階で,合計148 台,更新されますように,特段に要望を申し上げておきます。  助役の方からご答弁いただきました。反省するところがあったということで言われましたので,それ以上突っ込むことはありませんけれども,そういう意味で,交通局の幹部の皆さんにとってみれば,街づくりと,地下鉄・バスとどうリンクさせるかというのは,希望として持っていらっしゃっても,それが全庁的になかなか言い出しづらい,ましてや赤字体質のところだということになれば,余計そういうことで,やっぱりなかなか意見を言いにくい雰囲気の中ではあるのだろうと思います。  そんなこともございますから,全庁的な交通局支援という助役からの言葉もちょうだいをいたしましたので,ぜひそのことを戦略的に街づくりの中に今後生かしていっていただきたいと要望させていただいて,終わります。 ◆宮川 委員  私は,交通局の幹部が会議という名目で一流ホテルで豪華な飲食をしている問題を取り上げます。  一つは,十都市交通事業管理者会議であります。いま一つは,7都市交通局労務主管者会議及び労働組合幹部も参加しての公営交通事業協議会会議であります。  混乱を避けるために,前段の10都市の会議,後段の7都市会議及び公営交通事業協議会の二つに分けて質問をさせていただきたいと思います。  まず,十都市交通事業管理者会議ですが,これはどういう会議かということをまず明らかにしていただきたいと思います。  すなわち,1993年以後,いつ,どこで開催されたのか。だれが参加し,どういう内容だったのかということについて,まずお示しいただきたいと思います。 ◎荒木 事業管理部長  十都市交通事業管理者会議の目的,参加者等についてのご質問でございますけれども,この会議は,加盟各都市が持ち回りで幹事となって行っているものであり,ここ10数年は,毎年開催してきております。  その目的でございますけれども,各都市がそれぞれ抱える経営上の諸問題や,補助金に係る国への対応などについて意見交換を行うとともに,意思の疎通を円滑にするために,それぞれの事業に役立つことを主眼として開催してきているものでございます。  次に,参加者でありますが,10都市,いわゆる東京,大阪,横浜,名古屋,京都,神戸,福岡,川崎,仙台,それと札幌の管理者を中心とし,そのほか自治省と公営交通事業協会からのオブザーバー各1名が参加しているのが通例でございます。  また,会議の内容といたしましては,来賓のあいさつの後に,各都市から提出された懸案事項を議題として討論を行うことに多くの時間を充てておりますが,あわせて来賓から討論への助言や関連する情報をいただくという内容のものでございます。  次に,開催状況でございますけれども,平成5年は札幌市で,9月13,14日に開催し,平成6年は8月25,26日に福岡市で,平成7年は8月の28,29日に神戸市で,平成8年は8月22,23日に大阪市で,本年は8月21,22日に京都市で開催されました。  議題といたしましては,ここ3年で申しますと,平成7年は,外郭団体の活用方策について,それと乗客サービスの向上について,また,平成6年度の決算状況についてというのが議題でございました。平成8年は,経営改善方策について,また,平成7年度決算の状況について,これが平成8年度の議題でございます。平成9年は,規制緩和への対応と官民の役割分担に係る考え方について,それと,平成8年度決算の状況についてでございます。  以上でございます。 ◆宮川 委員  調査によれば,いずれも高級旅館で,著しく派手な内容で飲食がなされているようです。  93年,札幌市定山渓,これはホテル鹿の湯花もみじでありますから,一流であります。  他の旅館もすべて一流のところを使っていますが,一例として95年,神戸有馬温泉の中の坊瑞苑というところ,これ旅行案内で調べますと,子供の利用を断る高級和風旅館,1泊2食3万5,000 円からと書かれておりまして,接待向け高級旅館であることがわかります。  94年,福岡県二日市温泉では,大丸別荘という地元で有名なところを使っております。ここでの懇親会の費用44万円。ほかに賃借料の名目で40万円が使われております。これには,芸者やコンパニオンを呼んだ費用も含まれております。つまり,夜の宴会だけで84万円使っております。そして,翌日には,博多湾を遊覧し,飲食などで約44万円使われております。  96年度は大阪で行われました。主なスケジュールは,8月22日午後3時に集まり,1時間半会議をやって,6時から懇親会。2日目は,9時に海遊館を視察した後,大阪港ベイエリア視察,WTCビルで食事をした後,解散。会議は1時間半だけで,あとは観光と飲食であります。  そこで伺いますが,93年の札幌開催,ここで何が行われたのか,明らかにしていただきたいと思います。 ◎荒木 事業管理部長  本市が開催いたしました平成5年の会議の概要でございますけれども,議題としては,まず,資産活用の現状と今後の計画について,二つ目といたしまして,平成4年度決算状況についてとなってございます。  また,会議終了後には,夕食を兼ねた懇親会を開催し,ここでもひざを交えた議論をしたところでございます。  翌日は,朝から芸術の森,大倉山ジャンプ台を視察し,札幌の施策に理解を深めていただいたところでございます。  なお,この会議の費用は,総額で190 万9,743 円となっております。 ◆宮川 委員  先ほどから,そのひざを交えたというところを問題にしているのですが。  入手した資料によりますと,花もみじでの宿泊代は1人1万6,500 円で,懇親会の料理が1人2万円,そのほかに,たばこ代220 円が14個というものまで計上されております。  また,翌日,視察をしたそうでありますが,昼食はサッポロビール園のどさんこ焼き,これは2,000 円だそうですが,ビールなどと合わせ5,000 円のセットとなって計上されております。お土産として,ホタテ貝柱1万300 円が20人分,スモークサーモン1万300 円が1人分,ウィスキー「響」1万円が2人分となっております。  これらがこの会議にかかわる経費となっており,さらに,他の都市ではやられていない前泊者への過剰な接待が3班に分かれて行われております。1班は,ピカソという店で,8人でウィスキーや料理3万6,500 円,2班は,サロンド・毬華という店で,ウィスキー1本1万2,000 円,ビール約20本,料理8人で4万8,000 円,合計8万2,480 円。3班は,センチュリー21で,セットで4名で2万4,000 円。前泊の薄野の接待で14万余も使っております。  こういうことを他都市ではやってはいないようです。翌日午後2時からの会議であるのに,来る方も来る方という考え方もありますが,札幌市もやり過ぎではないでしょうか。  これが十都市交通事業管理者会議の接待であり,市民感覚からはかけ離れた豪遊という以外にありません。  ところが,このようなことがほかにも,すなわち7都市交通局労務主管者会議,公営交通事業協議会でも行われているのであります。  そこでまず,この二つの会議の内容や93年以後の開催日や場所,参加者について明らかにしていただきたいのであります。 ◎荒木 事業管理部長  7大都市の関係のご質問でございますけれども,まず,会議の趣旨・目的でございますが,7大都市,すなわち札幌市,東京都,横浜市,名古屋市,京都市,大阪市,神戸市の7都市交通局労務主管者会議は,各都市交通局の労務担当の管理職で構成しているもので,都市交通事業の業務効率の向上を図ることを目的に,勤務条件や給与制度等の労働条件や,人事制度等に関する意見交換や情報提供のために開催しているところでございます。  また,公営交通事業協議会は,都市交通事業の経営者と労働組合の協力のもとに,都市交通事業の発展と公共的使命の達成に寄与すること,あわせて利用者サービスの改善,業務能率の向上及び職員の福祉の増進を図ることを目的とした活動を行っている団体でございます。  7都市の交通局労使を構成メンバーとし,活動方針等の協議決定のための会議として,夏に幹事会を,秋に委員会をそれぞれ毎年1回開催しているものでございます。  なお,これらの労務主管者会議と事業協議会の会議は,参加メンバーがおおよそ重複するため,従来から同一の日に開催しているものでございます。  次に,参加者の内訳でございますけれども,7都市の交通局の当局と労働組合の代表者,すなわち当局側の局長,部長,課長など,さらに組合側の委員長,書記長などでございます。  次に,平成5年度以降の開催経過についてでございますけれども,これらの会議は毎年,夏と秋の2回開催されてきており,平成5年度は,8月25,26日に札幌市で幹事会が,また,11月4日,5日に京都市で委員会がそれぞれ開催されました。同様に,平成6年度は,夏に東京都で幹事会,秋には横浜市で委員会。平成7年度は,夏に大阪市で幹事会,秋に神戸市で委員会。平成8年度は,夏に名古屋市で幹事会,秋に札幌市で委員会。平成9年度は,8月28,29日になりましたが,京都市で幹事会がそれぞれ開催されてきているところでございます。  以上でございます。
    ◆宮川 委員  私どもの調査で,それぞれの会議の宿泊先は十都市会議と同様,どれをとっても温泉地の高級旅館ばかりであります。  95年夏,これは滋賀県の長浜ロイヤルホテル,秋は,兵庫県城崎温泉西村屋ホテル招月庭,96年夏,長野県美ヶ原温泉ホテル,秋,定山渓ホテル鹿の湯花もみじ,97年夏は,石川県山城温泉の雄山閣ということであります。  そこで,3点伺います。  まず第1は,昨年の札幌での開催について,日時と場所,参加者,会議の日程を明らかにしてください。  第2に,懇親会の費用と内訳を明らかにしてください。  第3に,会議の費用はだれが負担したのかということをお示しいただきたいと思います。 ◎荒木 事業管理部長  順次お答え申し上げます。  まず,昨年の秋に札幌市で開催いたしました会議についてでございますけれども,労務主管者会議と事業協議会の会議の目的に沿って,公営交通の現状や課題についての協議及び情報交換を行うために,11月6日と翌7日の両日に,定山渓のホテル鹿の湯の新館において開催いたしました。  参加者でございますけれども,札幌市を含む7都市の労使の代表者など45名でございました。  次に,会議は,11月6日の午後3時から,当局側は労務主管者会議を行い,同時間に組合側は都市交会議を開いて,その後,労使双方が出席して,公営交通事業協議会の総会を午後5時30分まで開催いたしました。  なお,会議終了後に,夕食を兼ねて懇親会を実施し,翌7日は,それぞれ朝食をとって解散いたしているところでございます。  次に,会議の費用でございますけれども,札幌での会議費用は200 万円であり,この中には,参加者の宿泊費,懇親会費のほか,会議場の借り上げ料などの設営費用,参加者の送迎用バスの借り上げ費用,その他消耗品等のいろいろな費用が含まれているところでございます。  なお,これらの費用負担については,その全額を公営交通事業協議会から交付された会議設営費で賄ったものでございます。  そこで,温泉地の会議開催についてでございますけれども,この会議は,これまで各都市近隣の温泉地で開催されてきた経過があることから,札幌市での開催に当たっても,それをある程度踏まえることが妥当であろうと判断したものであり,懇親会においても,意見交換や各都市相互の交流を深めるという趣旨から,過去の例に沿って実施したものでございます。  次に,経費総額200 万円の内訳でございますけれども,会議室借り上げが10万円,会議用コーヒーなどが約6万6,000 円でございます。宿泊料が83万2,500 円でございます。懇親会経費が65万2,500 円でございます。会議用諸経費が約8万5,000 円でございます。消費税相当額が約5万2,000 円でございます。入湯税が6,750 円。送迎,日当その他費用が約20万5,000 円でございます。  以上でございます。 ◆宮川 委員  会議の日程ですが,午後3時から5時半までというようなご答弁でしたけれども,これは,細かく調査しますと,午後3時から労務主管者会議が始まり,3時45分からは公営交通事業協議会の幹事会が行われ,4時30分からは公営交通事業協議会の総会が5時半までということで行われ,6時半からは懇親会が行われたようであります。  こういう日程では,つまり会議は短時間に済ませて,懇親会に随分と重きが置かれていると感じてしまうわけです。  45人が,時間を合計しても大体2時間ほどの会議で,その費用が200 万円。1人当たり4万4,000 円というのですから,世間一般の会議の持ち方と随分と違っていると思うわけです。  この200 万円の負担ですが,協議会の負担ということでご答弁がありましたが,協議会で出している「公営交通」という機関誌がございますが,この「公営交通」の59号,ことし1月31日付でありますが,この中に,この協議会の8年度決算と9年度の予算が掲載されております。  昨年度決算で,協議会の年間収入,単年度決算ですが,前年度からの繰り越しを除いた収入ということで見れば1,184 万円の収入があり,そのうち,会費で1,176 万円,ほとんど会費の収入となっています。  会費1,176 万円の内訳は,いわゆる当局側が672 万円,組合側が504 万円ということになっています。7都市の交通局がそれぞれ96万円ずつ,また,これは推定ですが,それぞれの組合が72万円ほど出しているのかと思います。  そう見れば,会議懇親会の費用についても,間接的には交通局が出しているということにもなるのではないかと思いますし,そうであれば,会議のあり方も問われるものと考えますが,いかがお考えか伺います。  さらに,引き続き海外旅行について伺いますが,この協議会の96年度決算の支出の旅費の項目の中にこういうものがあります。海外視察日当支度料69万6,720 円,海外視察旅行費用694 万8,000 円,また,活動費という項目の中に,海外調査費として60万円あります。  札幌市からも,ここ数年の間に,この海外旅行に参加しているのか。参加しているとすれば,いつ,だれが,どこへ行って,費用がどれほどだったのか,明らかにしていただきたいと思います。 ◎荒木 事業管理部長  まず1点目の,この会議の費用についてでございますけれども,費用につきましては,いろいろなご意見があろうかとは存じますけれども,私どもといたしましては,会議運営費一切を含めた宿泊会議といたしましては許容の範囲ではなかろうかなと考えております。  また,協議会の運営経費は,お話にもございましたけれども,年間約1,200 万円であり,これを各都市の当局と組合が納入する経費で賄っておりますが,札幌としては96万円であり,その運営経費全体の約8%でございます。  これらの年間経費は,協議会の年2回の会議の運営を初め,関係諸団体への要請活動費や都市交通職員の表彰,機関誌の発行など,都市交通事業の発展のために協議会が行ういろいろな活動経費に充てられているところでございます。  ただし,お話のように,一部であっても,間接的に懇親会費用を交通局が負担したものとの見方もできるわけでございますので,協議会の個々の事業計画策定に当たっては,適正な取り扱いをしていく必要があろうと考えております。  次に,2点目の協議会の海外視察についてでございますけれども,年間約250 万円程度の予算を計上し,2年に1回,海外主要都市の交通事情や交通システムについて見聞を広め,あわせて交流を深めるという目的で実施してきております。  視察した結果については,協議会の機関誌で報告されるなど,視察参加者のみならず,各都市の交通事業の運営の中で,それなりに十分生かされているものと考えているところでございます。  なお,ご質問の,本市からは,平成6年度に,部長職1名が視察に参加しておりますが,その費用については協議会負担でございますので,把握はいたしておりません。  なお,お話にございました視察都市でございますけれども,平成6年5月18日から5月30日まで,ドイツ,イタリア,スイス,フランスなどについて視察を行っているところでございます。  以上でございます。 ◆宮川 委員  96年度の協議会決算では,収入についても,支出についても,それほど複雑な内容には見えないものでありますが,旅費,会議費,先ほどの海外調査費を含む活動費,これらを合わせれば,予算全体の70%になるという異常なものであります。  つまり,一部の幹部が温泉旅行と海外旅行に行くために,予算のあらかたを使い果たしているということになるわけです。  改めて,これは管理者にお尋ねいたしますが,交通局が大きな赤字を抱え,職員の削減もし,また,市民の反対の声も強い中で値上げもしました。  その一方で,普通の市民には,なかなか縁のないような温泉の高級旅館で,一晩200 万円以上の豪遊とも言えるような懇親会,時には高価な手土産も持たせる。こういうことは今後改めるべきと考えますがいかがか,お考えをお示しください。 ◎井原 交通事業管理者  ただいま部長からご答弁を申し上げましたように,大都市の交通事業がいろいろな課題を抱える中で,他都市の組合と意見交換をし,また,国,その他の諸団体と連携を図っていくことが必要であると考えておりますけれども,しかしながら,この会議の運営につきましては,ご指摘のありましたことを認めざるを得ないと考えてございます。  十都市交通事業管理者会議につきましては,ことしから改善を行ったところでございますし,また,7都市交通局労務主管者会議及び公営交通事業協議会の会議につきましても,関係する各都市と協議を行ってまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても,こうした会議のあり方,また,参加する場合の臨み方など,私どもといたしましても反省をいたし,常に見直しを行い,市民の皆様から批判や誤解を受けることがないようにしてまいるとともに,交通局一丸となって経営健全化に取り組んでまいりたいと思いますので,よろしくお願い申し上げたいと思います。 ◆松浦 委員  実は,交通局の食糧費を平成6年からずっと対比をしてみると,例えば,一番予算額の大きい高速電車会計などは,平成6年のときには1,923 万7,000 円であったものが,平成9年の予算では276 万円と,15%ぐらいに減っている。この問題は,市長も一生懸命,襟を正してやろうということで,7年の決算議会以来,どの部局も削減に向かってきているから,市長の意を受けて,交通局も立派にやっているなということで,まず最初に,この点について評価をしようと思っていたのですけれども,これは評価するとして,また,別の出道で今みたいな話になってくると,これはまた,一体どこにどう,いわゆる地下道があって,そこを抜けて金が回っていっているのかなという疑念が新たに湧いてきたところであります。  さて,交通局の平成8年度の収支状況を監査委員会の監査意見書などから,私なりに分析をいたしました。大まかに言って,人件費,物件費,あるいはまた借入金に対する利息返済金などと大きく分かれるわけでありますけれども,監査意見書の中で,人件費,修繕費の削減などによって云々ということが総体的に書かれております。  まず,8年度の乗車人員などから収入が減ったわけですけれども,節減をした内容について,軌道,自動車,高速電車会計,三つに分けて,人件費,修繕費などどういうふうに節減をして,幾らになったかという内訳を具体的に明らかにしていただきたいと思います。  それから二つ目は,まず,企業が良好な経営状態を続けていくには,当然そこに携わる人たちの仕事ぶり,稼働率,稼働内容,こういうことが一番大きな問題だと思うのですが,実は,私のところに,去年の12月の4定の交通局の値上げ問題のときにも,たくさんの交通局の職員からいろいろ指摘や意見をいただいて,それをあの議会で集約して,私は質疑をいたしました。  その後,まだ,幾つかの職場から具体的に指摘などがありますが,その中で,組合の専従役員の勤務状況についての厳しい指摘があります。  これについて,非専従で役員をやっておられる方の所定の勤務時間に対する実際の実乗車率がどのぐらいあるのか。どこか一つ抽出をして,質疑をしてみたいと思いますので,抽出をしてお答えをいただきたいと思います。  それから,その次に,自動車について,実は,地下鉄との乗り継ぎ割引制度ができたときに,自動車の運転手さん方に,乗り継ぎ切符を渡すために煩雑になるということで,労使交渉の中で,乗り継ぎ切符を渡すための手当が創設された。その後,機械が開発をされて,乗り継ぎ切符をお客さんが自動で取っておりるようになった。  そのときに,当局側は,その手当の廃止を提案したのですが,組合との交渉の結果,手当は廃止したけれども,別な形でその手当に相当する一部の制度が残った。  その内容はどういうことかといったら,廃止するかわりに,1年間に4回,1回3時間の研修会議を超過勤務において行うということが決められて,実施されておるそうであります。ところが,指摘してきた人の話によりますと,その研修会議が,当初は30分ぐらい職場の管理者の方から話があって,2時間半ぐらいは組合の職場集会だったのだけれども,昨今は,ほとんど当局側からの話もなく,職場集会も2時間半も3時間もやらないと。早々に解散という実態なのだけれども,ぜひこういうことについては廃止するならすると,やるのならきちんとすると,どっちかにすべきでないのかと厳しい具体的な内容について,何月何日何ということも含めて指摘がありました。これについて,どのように把握をされているか,お答えをいただきたいと思います。  次に,監査意見書についてお伺いをいたします。  この監査意見書の10ページの5行目に,「予算の執行状況についても,総じて適切であると認められた。なお,別に実施した定期監査等の結果において一部不適切なものがみられたので,留意されたい。」と,こう表現されているのですが,具体的に,不適切というのはどういうものであったのか,明らかにしていただきたい。  まず,以上であります。 ◎嘉指 事業管理部参事  人件費,経費につきましての削減額ということでございました。事業別ということでございますので,少しく数字を申し上げますと,電車事業でございますけれども,人件費につきましては約4,100 万円,これは対予算でございます。経費のうち,修繕費で申し上げますと367 万円。バス事業につきましては,人件費約4億1,200 万円。経費のうち,修繕費で申し上げますと約1億2,600 万円。地下鉄事業でございますけれども,人件費につきましては5億3,900 万円,修繕費につきましては8億8,800 万円でございます。 ◎荒木 事業管理部長  2点目の非専従役員の勤務関係についてでございますけれども,勤務割合といたしましては,この場合,場所を限定してもいいということでございますので,藻岩営業所関係についてご説明させていただきます。藻岩から出ております組合の自動車担当部長でございますけれども,勤務割合は43%でございます。それから,藻岩の支部長につきましては67%,それから,副支部長は70%,書記長は66%でございます。 ◎榊原 自動車部長  ただいまの研修の件でございますが,研修につきましては,これは,職員の資質の向上あるいは服務規律の徹底ということを目的といたしまして,各営業所ごとに年4回,全職員が参加して職場研修を実施しているわけでございまして,1回3時間でございます。乗務員の関係もありますので,これをその時期によりまして,二,三回に分けて開催をしてございます。  ただいま委員からお話ありましたような,そういうあやふやなものではなく,きちっとした,私どもが何に今一番対応しなきゃならぬかといったことで,市民サービスも含めた中で,3時間で足りないぐらいの議論をしながら,各安全運転の励行,あるいは公務員の倫理,また服務規律の徹底,そういった市営交通を取り巻く現状などを説明し,また,交通局の職員としての資質の向上に必要な講義を実施しているのが実情でございます。 ◎日野 代表監査委員  ご質問の4点目について,私から答弁させていただきます。  まず,ご質問にお答えする前に,私どもの行います決算審査について一言説明をさせていただきたいと思います。  と申しますものは,決算審査の監査上の位置づけについてでございますけれども,決算審査は,期の途中,年度の途中で行います財務監査,それから行政監査,例月出納検査,その他もろもろの監査業務の総括という位置づけになります。  実際の決算審査というのは,ご提出いただいた決算書について2カ月弱の作業で完結しなければならないという非常に差し迫った作業でございまして,内容といたしましては,計数の正確性,あるいは表示の妥当性という,いわゆる形式審査を中心に,実質審査につきましては,期中行いました定期監査あるいは臨時監査という言葉でもよろしいと思いますし,あるいは財務監査,行政監査,例月出納検査という種類別の名称でもよろしいと思いますけれども,そういう監査に依拠して,実質的には,ごらんいただきますように,経営分析といいますか,分析を中心にしたものを実質審査として組み立てている。それが決算審査の内容でございます。  したがいまして,期中の監査につきましては,議会の方にも提出しておりますように,個々に監査報告を提出いたしております。その中では,個別に問題点を指摘しているわけでございまして,1年を総まとめしたときに,すべて無限定適正ということは原則としてはない。  もちろん,私どもの意見書を見ていただければわかりますように,前半申し上げました形式審査の部分,計数が正しいかとか,あるいは表示が妥当か,これについては,全く問題のないという表現をさせていただいておると思います。  ただし,いわゆる財政の運営,あるいは予算の執行といった全般の事務事業については,毎年そういう期中の監査結果を踏まえまして,「おおむね適正」,あるいは「全般として良好」というような表現をさせていただいておると思います。その意味は,期中にご報告した監査報告の中に,個々の問題の指摘があるので,そういう表現をさせていただいているということで,お比べくださるとわかると思いますが,例年,若干表現は違いますけれども,ほぼ「おおむね適正」といったような表現をさせていただいており,ことしが特別の表現ではないとご理解をいただきたいと思います。 ◆松浦 委員  まず,平成8年度の修繕その他,人件費含めて,節約内容については理解をしました。  そこで,その次に質問をした研修会の関係は,実は,藻岩の営業所の方から私のところに定期的に電話が来るのです,どなたかわかりませんよ。その方が具体的にこうやって,この内容について,こういうふうに言ってくるわけです。  私は,ほかの職場もいろいろ聞いていますよ。したがって,職場によって,それぞれ乗務率も違うと思います。あるいは研修の内容も違うと思います。ただ,藻岩について言えば,そういうことで,この指摘がありました。  その指摘をしてきた方は,私に何を言ってきたかといったら,その人も元組合の役員をやっていたと。しかし,今,こういう時期であるだけに,不要なものは削減をして,きちっと襟を正すべきでないのか。したがって,実質的に有名無実になっている研修手当についてはやっぱり廃止すべきだと,その方は私に意見を言っておりました。  私は,昨年の運賃改定のとき以来,職場の皆さん方に,去年は2度にわたって,それらの私に言ってくる人の話と職場の実態がどうなのかということで,幾つかの職場を訪ねましたけれども,所属長さんは,勤務ダイヤだとか実乗務率だとかについては具体的に答えてくれない。もちろんそれらについても提示をしてくれない。  こういうことから,私も実は,去年2度にわたって開示請求をしたのですが,その勤務ダイヤ表の中に,年次有給休暇などが入っているし,個人のプライバシーにかかわるから非開示だという理由で2度にわたって非開示だったわけであります。  したがって,今,部長の答弁したことが,直ちに私は,それはそうかなというわけにはいきません。したがって,この問題については,早急に,全職場がどういうふうになっているか調査をして,その結果を報告いただきたいと思います。  それから,藻岩の乗務の実態について,私のところに,最近の電話は9月26日の2時半から50分まで,20分間にわたって電話をいただいております。この中でそういうような指摘があって,この電話の中では,例えば,支部三役の乗務について,どういうふうに言っておられるかといったら,拘束時間が1日3時間,そして,実乗務は1時間30分のみということを言っておられたのです。  そうすると,今,局側からお答えをいただいた,支部長67%,副支部長70%,書記長66%という所定勤務時間に対する乗車率,実乗務というのは,かなりその人の指摘と事実関係が違うと思うのです。  したがって,これについても,すべての専従支部三役以上の平成8年度の実態について調査をして,早急に報告をいただきたいと思います。  さて,そこで,今,皆さん方から提示をいただいた数字をもとに,ひとつ議論をしていくとして,この場合,例えば,藻岩支部選出の本部の自動車部長は43%の勤務割合。いわゆる市当局から決められた給与,共済掛金などをお支払いする中で,実際に団体交渉扱いとして給与を支払っている。団体交渉扱いは,それは当然,地方公営企業法,地方公務員法も認めておりますから,それはそれでいいのですが,しかし,50%にも満たない職場の仕事,いわゆる稼働率ということになりますと,これは少なくとも私はそれだけの仕事があるとすれば,組合の方と協議して,専従の扱いにしていただくということが正常な労使関係として,当然のことではないかなと思うのです。  さらに,また藻岩支部をとってみると,支部長が67%,副支部長70%,書記長66%,3人合わせて97%欠勤しているわけですよ。97%乗っていないわけですよ。97%といったら,およそ1人分です。ならば,これもそれだけの交渉事案があるならば,やはり組合側と協議をして,そして,1人は組合専従として専門に労使間の交渉に当たらなきゃならないような状況なら,当たっていただくことが私は正常な労使関係でないかなと思うのです。また,そういうふうにしていけば,私のところに,職場の人たちから,不満などの声は来なくなると思うのです。  不満の一番は何かといえば,平成7年の合理化で,約1,000 名の要員削減のときに,実乗務時間5時間20分が6時間16分に伸びた,自分たちとしては勤務が非常に厳しくなった。そんな中で,特定の役員だけが乗務をしない,どういうことか。そして,その中でこういう指摘があるのです。以前は,例えば1日で終わった交渉が同じ事案を2日に分けてやっている。だから,倍乗っていないのだよと言うのです。合法的に倍乗らぬようにしている。こんなことも含めて指摘がされております。  したがって,これらについて,きちっと掌握をして,今後,これらについて,まず組合側と早急に話し合いをして,そしてやっぱり職場段階で,他の職員の中から,労使間の本来やるべき交渉の中で,大きく時間がとられて,それが超過勤務となって,ほかの人たちに割り振っていかれると。そして,ほかの人たちから,また,勤務がきつい上に,さらにきつくなったという不満が出るということは,職場の統率をしていく上での和も大きく乱すし,さらに,それを超過勤務で処理するということは,経済的にも,これもまた赤字のバス事業にとっては大変なことであります。  したがって,こういう点について,これから組合側と早急に協議して,きちっと整理をしていくべきだと思いますけれども,この点についていかがお考えですか。 ◎荒木 事業管理部長  組合との専従問題でございますけれども,役員を専従にするかどうかというのは,組合側からの申し出によって,当局の方がそれを認めるかどうかということで,当局の方からどうこう言う問題ではないのではないかなと考えているところでございます。  当局といたしましては,非専従の組合役員といたしましても,労使交渉で必要な時間,あるいはその時間に限って勤務につかないことを認める以外は,当然そういう本来の仕事に,そして,他の業務であってもついていただくということで管理をしておりますので,専従の有無については,現段階でどうこうしようという考え方には立っておりません。 ◆松浦 委員  この問題は,例えば地方公務員法の55条で,組合に専従していない者がどういう形でならば勤務時間の中で交渉に参加できるかとか,そういうことが示されていますね。あるいはまた,公営企業法でも示されております。  私が職場の組合員からそういうことで不満が来ているよということを申し上げているのは,交渉するなとか,何もそんなことをその組合員の人も言っているのではないのですよ,私もそう思います。  例えば,本部の自動車部長が半分も勤務ができないような状況の中で,ほとんど組合交渉に行かなきゃいかぬというようなことに対して,給与を払って,そして,やらなきゃならないということには,どう考えてもそんなことにならない。当然,これは労使ですから,不当介入はだめだけれども,経営の立場で,そこまではとても勤務扱いというのは難しいと。  したがって,それについては,当然,組合で相談をして,専従で各支部に1名置いてもらえぬかと,経営が厳しいからということを求めるのが私は経営者の姿勢として当然と思うのですよ。  これが不当労働行為に当たるから,そんなこと求めるわけにいかぬという考え方が根底にあって,しゃべっておられるのか。それとも,私の言うことをそうだなと思うのか。その点について,ひとつお答えをいただきたいと思います。  特に,私は,この問題について申し上げれば,確かに,前市会議員が昭和36年に,お祭りのストライキで解雇になって以来の長い歴史があります。いろんな歴史の中で積み重ねてきたという交通の組合の幹部の皆さんから,もう退職した人から私もつぶさに話も聞いています。  それはそれで,歴史があることは一概に私は何も否定するものでありません。しかし,少なくとも,平成7年に,再建をしますよということで,約1,000 人の合理化を組合員ものんで,そして,当局もそこから姿勢を正してやろうということで来ているわけですからね。  それが例えば,市民の側から指摘があったとか,我々議員が調査をしてつかんだからこうだということではなくて,職場から間断なくそういう問題点を指摘する電話が来るという,職場の中にそういう不満・不平があるということなのです。そういうことを起こしているということは,組合員にとっても,私は極めて団結を保持するという意味からしたら,これは遺憾なことだと思うのですよ。組合員にとっても,ゆゆしきことだと思うのですよ。  したがって,そういうような状況をつくり出すことをよしとして管理をしてきたとすれば,全くこれは本末転倒であります。  これについて管理者,あなたは今,具体的な私の指摘を聞いて,職場からの指摘を聞いて,どういうふうに考え,どう組合側と今後話し合っていかなきゃならぬと。あなたは責任者ですから,責任者として,それをどう思うか。まず,今のやりとりを聞いて,交通事業の責任者として,それをどういうふうにしていかなきゃいかぬか,どうしたらいいか,どう思うか。この点について,お答えをいただきたいと思います。 ◎井原 交通事業管理者  ただいま松浦委員からご指摘がありました件につきましては,確かに自動車部長の場合には43%,低い率にはなっておりますけれども,今,経営の合理化へ向けて,もちろん私どももそうですが,組合ともども一丸となってやっているわけですございます。  その中で,特に藻岩の例を今申し上げましたけれども,藻岩の営業所には200 人を超える従業員,いわゆる組合員がおるわけですね。その中で,当局管理者といったら2人しかいないわけです。そういう中で,いかにして,組合ともども経営の合理化を図っていくかというのは,非常に重要なことでありますから,ある意味で,本部も含めた組合用務をやる場合には,この勤務率がある程度下がるのは,いたし方ないなと私は思っております。  その下がる原因といいますのは,これも今,議員ご指摘のように,地公法の55条なり,あるいは組合法の7条なり,そういう中で当然の権利として与えられている時間というのはあるわけですから,その時間の中で,当然の打ち合わせをやっているわけでありまして,ある意味では,この辺は,当局も組合も一丸となって合理化に向かって努力しているのだというご理解はいただきたいなと思います。  ですから,今,松浦委員,盛んに投書があったのが問題であると。どうしてそんなことが出るのだというところを主眼点にされておりますけれども,これは我々も組合員も非常に厳しい職場の指導をやっているわけです。  ですから,そういう中においては,当然のことながら,いろいろな不平・不満が出てまいりますから,そういう中の一つとして恐らく出てきたのであろうと私は推察いたします。 ◆松浦 委員  私は,はっきり言うと,管理者以下そんな姿勢では,これはもうあきれて物も言うのも寂しいなと,こんな感じ。  なぜかといったら,いいですか,管理者,この労組法や公営企業法,あるいは公務員法の55条も含めて,何を書いているかといったら,基本的に専従役員を中心にしてということを書いているわけですよ。専従役員を中心にして,やむを得ないとき,その人でなければ,もっとわかりやすく言えば,荒木管理部長でなければ,同じ部長でも,ほかの人にはわからぬと,だから,これは荒木さんですよというような指名があって,それに対して当局側が,交通局で言えば管理者がオーケーを出して初めて参加するという性格のものなのですよ。  そうすると,あなたの言われるようなことでいったら,労組法でいったら,いわゆる在職専従という便宜供与に当たるのです。給料を払って組合活動をさせるということは,便宜供与なのです。団体交渉といえども,組合活動の一環なのです。団体交渉が組合活動でなくて,当局活動なんてことはあり得ないのですよ。したがって,これは,労組法からいっても,便宜供与ということなのですよ。  そういうような,法律がどういうふうに適用されるべきなのかということをきちんと勉強して,その法律の中で,管理・運営事項というのがありますね。管理・運営事項というのは,例えば,交通局なら何なのですか。管理・運営事項は管理・運営事項として管理者がちゃんとやる。それから,労働条件にかかわるものは,本部段階で交渉するものはこういうものだ,各支部の営業所の職場段階はこういうものだという,おのずとそこに決まりがあると思うのですよ。
     そしたら,各支部で,その決まりに基づいて,合計で言うと三役だけで1人区の交渉の時間が必要だということになれば,それは,例えば,自動車で言えば,その支部の数だけ乗っていないわけですから。そしたら,平均で1,000 万にしたって,5人いれば5,000 万となるわけです。  そういうようなことをきちっと組合側に求めていく,このことが私は大事なことだと思います。交通局にだって,一般会計の繰り出し金,多額の金が入っているでしょう。そして,そういう多額の金が入った中で交通事業というのを経営しているわけですから。したがって,そういうような認識でやっているとすれば,これは,もうとんでもない話ですよ。  そこで私は,今度,監査委員にお尋ねをしたいのですが,監査委員は,先ほど年度の中間,中間でいろいろ監査報告して,それに一部不適切なところがあったから,そこを総体的にそういうふうに表現をしたという話をされているのですけれども,それでは,平成8年度に,交通局の給与関係の問題で,給与,人件費にかかわって不適切な支出はあったのですか,なかったのですか。 ◎日野 代表監査委員  ただいまのご質問は,多分,勤務の実態に合った給与支給がなされているかという,そういう監査をしたかと理解してよろしいでしょうか。(発言する者あり)  私どもの監査と申しますのは,監査技術的に申し上げますと,服務の問題というのは行政監査の領域であろうと思いますし,また,それが給料の支給という問題になると,これは財務監査の問題であると思う。  ただ,確かに,委員ご指摘のように,勤務実態が給料の支給という形で反映されるわけですから,これは,最終的には,服務の実態というものが問題になると思います。  しかし,その場合,欠勤という形で,正式に書類が残っているケースについては問題がないと思いますけれども,出勤という形で通常の出勤の届け出がなされている職員について,その勤務実態を監査として把握せよということになりますと,これは具体的には,マン・ツー・マンで,その人間の後について歩いてやらなきゃならないということになると思うのですね。これは,私,監査の経験から申し上げましても,明らかに監査にはなじまない。基本的には,任命権者が日常の服務規律の問題として管理すべき問題だと私は考えます。  ただ,ここで若干誤解がないように申し上げますと,それじゃ服務の実態について全く監査していないかというと,そういうことではございません。ということは,一つは,内部統制制度として,札幌市の人事管理制度が良好に運営されているかという全般の管理状況は当然監査の対象にいたしております。  それから,監査に通常,定時でお邪魔するときに,例えば,支給している給料に見合うだけの人員が実在するかどうか。あるいは,給料の個々の時間外,その他の手当が,実際のそういう証憑に基づいた根拠によって支給されているのかどうか。これは,抽出ではございますけれども,当然見させていただいております。  ただし,先ほど言いましたように,マン・ツー・マンで,この人間が実際に勤務時間中どのような勤務状況にあるかということを1万8,000 人弱の職員について,少なくとも監査事務局がそのような監査手続をとるということは,少なくても近代的な今の監査制度のもとでは,明らかになじまないと認識いたしております。  以上でございます。 ◆松浦 委員  そこで私は,監査委員にお尋ねするのですが,監査委員,いろいろ言い回しをしながら,最終的に,お金の支出に関することはすべて,これは財務監査の対象ですよということを言っておられますけれども,私は,監査委員を何回か個人的に訪ねて,そういう話をしました。  これは,私は,いろいろな見解もそれぞれのところに尋ねてみましたけれども,やっぱり服務含めて監査対象になっていくわけですよ。日常の管理・監督は任命権者なのですよ。監査というものは,そういうものを含めて対象になっていくと。  したがって,私は,なぜこういうことを申し上げるかといったら,例えば,市内の主婦から監査請求が出ました。監査請求が出た内容というのは,いわゆる欠勤専従と称していますけれども,一般的には市民の皆さんの理解としてはやみ専従です。これの共済掛金について支払っているのは不当だということで監査請求が出た。そして,それは,任命権者である市長の裁量権の乱用によって生じたことだから,これは市長個人が払いなさいという請求ですね。  それに対して,監査委員会は,共済法第113 条に照らして,最終的に,不当な支出だから返還を求めるという勧告書を出しているわけですね。  そこで,私が一つお尋ねしたいのは,交通事業会計の中にも,その勧告を受けた方が1名いるのですよ。その共済掛金を支払っていたのが不当であれば,在籍していれば,当然,役所の決まりに基づいて払われる諸手当があるわけですよ。そしたら,そういうものについても監査して,それは監査請求とは別な業務監査として監査をして,それについてどうなのかということを指摘するのが,私は,監査委員会の当然の仕事だと思っているのです。  それについて,あの監査意見書というのは,私もここに持っておりますけれども,全く触れていない。市長云々の見解については,わかりやすく言うと,ただ単に,損害が補てんをされたから,それでそれについては見解を示さないと書いてあるわけです。  したがって,その見解を示す前に,監査委員としての大事な業務をやっていない。共済掛金について返還命令をしたら,手当や何か出ているのでないかといって監査するのが当然なのです。  ましてや,監査委員会の淋代事務局長は,3月31日までは交通局の前任の事業管理部長。そして,もっと言えば,昭和63年,桂さんが第1助役で労務担当のときには,淋代さんは勤労課長として,その欠勤制度を編み出した知恵者なのですよ。  したがって,それについてそういうようなことがあれば,当然わかるわけですから,きちっと監査をして,そして,少なくとも8年の監査報告の中に,こういうような事実関係があったと。これについては,これだけの額を返すべきだという1年間なら1年間の監査について,きちっとする。あるいは,監査遡及期間というのもあるでしょう,そういうような期間内のものについて,きちっと監査をして指摘をするということが当然必要なことだと思うのですけれども,なぜこれが行われなかったか。 ◎日野 代表監査委員  それでは,前半の部分について私から,後半の部分は局長の名前が出ておりましたのでかわりますけれども,私からお答え申し上げます。  まず最初に,監査というものについて基本的なご理解をいただかなければならないと思いますけれども,一つの例で申し上げますと,その手術をする前に,お医者さんに生命の保証をせよと言っても,保証つきで手術をできないのと同じように,監査というのは,少なくとも28人と監査委員4名で1万8,000 人弱の対象の監査をしているわけです。  そういう意味では,あらゆる一切の誤謬,不正,その他を発見できない監査はだめだと言われたら,監査はできないわけですね。あくまでも抽出により,全体として,行政が信頼の置けるものにしておく。そういう意味では,決して不正の摘発が主目的ではなくて,全体の信頼性を確保するように指導性を持って,行政全体が適正に行われるように持っていく,それが監査の役割だと認識いたしております。  したがいまして,もちろん先ほどの給料の問題については監査をしておりませんので,私ども何とも言えない。ただ,今の段階で言えば,既に返還されているのですから,本来の監査の目的,いわゆる適正な行政執行がなされているかということは,今の状況では回復していると考えておりますので,それについては触れておりません。  後半の部分につきましては,局長がかわってお答えいたします。 ◎淋代 監査事務局長  お褒めをいただきましたけれども。  前段で,代表監査委員がご答弁をしたとおりでございますけれども,内容としては同じ中身になるわけでございますが,要するに,1万8,000 人の職員が1年間かけてやった業務を28人で全部チェックをするということは現実的に不可能でございます。  したがいまして,代表からも話がありましたように,あくまでも抽出をいたしました中で妥当性だとか,あるいは適合性の保証を行っていくというのが私どもの仕事でございますので,その辺はひとつご理解を賜りたいと思います。 ◆松浦 委員  日野代表監査委員,いろいろあなたは言い回しするけれども,大事なところがまたくるっと回って,するっと逃げているのですよ。そこで,その点,私,指摘するけれども,何も私は,例えば,あなたがやっておられた公認会計士だって,法に基づく一定の資本以上の民間会社の監査していましたわね。隅から隅まで全部なんてやっていなかったでしょう。それは,何でかと言えば,やっぱり,どこかに焦点を定めて,一罰百戒という意味合いで,焦点を絞ってやって,ばしっとやって,それで気をつけれよということなのですよ。監査というのはそういうものなのですよ。  したがって,今1万8,000 人云々なんていうような言い逃れをしてもだめなのです。なぜかといったら,監査請求が出てきて,共済組合のところで不適当だと,あなた方が返還しなさいという勧告をしたのですから。当然それに基づいて,実際にやった淋代当時元課長がそこにいるわけですからね,事務局長で。そしたら,当然,交通局の給与について監査をして,これは通常の監査の中で,市民からこっちの半分を指摘された。上半身を指摘されたら,残りのつながっている下半身について調べてみて,これもだめであれば,管理者,これはだめですよという指摘をするというのが監査委員の当然の仕事なのですよ。こういうことをすることが監査委員の仕事だということを私は指摘しておるのですよ。  これを1万8,000 人と同じような,そこに言い逃れをするということは,全く監査委員制度そのものを否定する言い逃れなのです。したがって,これについては,どういうふうにしていくのか。  それから,今,最後のところで,日野監査委員は,組合と当局とで話し合いをして,5年分の給与も返したと。だから,現状は回復しているから,それも問題ではないということを言ったのですか,それとも,共済掛金のことを言ったのですか,どっちですか。  以上,2点。 ◎日野 代表監査委員  今のご質問に対する答えは,給料のことを申し上げたということです。  負担金については,既に,一般会計,特別会計の職員費のところで触れておりますし,また,これについても,一部不適切だという形で触れておりますので,その問題については,既に意見書扱っているとご解釈をいただければよろしいと思います。 ◆松浦 委員  私は,日野監査委員も,桂市長の予算の枠組みの中で,多い,少ないは別にして,給与をいただいていますから,仕組みの中では,気持ちの上で立場もわからぬわけでもないですよ。(発言する者あり)  しかし,これは,どう考えても,一つ身の体の上着とズボンとが,いわゆる不正があったとなれば,1着の背広で片側だけ不正がなかったということないわけですよ。当然これは,常識的に言って,監査をして,そのことを勧告すると,これは監査業務として。これが当然なのです。  なぜ私がそのことを言うかといったら,食糧費の問題のときに,議会で私も含めてあれこれ指摘しました。そうしたら,その結果,市の方は,監査委員会は食糧費に関するものだけ全庁的に特別監査を実施したのですよ。  今回は,この組合員の欠勤専従問題を中心にして監査請求が出て,具体的にそのことが出てきたわけですから,当然,交通会計ばかりでなくて,その5人の給与・諸手当が払われていないかどうかということを今度は監査をして,それを市長や管理者に勧告をする,これ当然の業務なのですよ。  それをどういうことか,私はわからないけれども,どういう心境かわからないけれども,これをやらなかったということは,監査委員として,極めてこの業務に関して言えば不適切だし,さらに,不適切というよりも,私からすれば,はっきりと業務不履行ですよ。(発言する者あり)  さらに,この問題について言えば……(「同じことを3回言っているよ,3回」と呼ぶ者あり)何回言っても,ちゃんとした答えが返ってこなければ何回でも聞かなければならない,これ。したがって,給与についても,あなたは回復していると言っているけれども,監査委員会自身が回復しているかどうか調べもしないで,回復しているとうのみにしているのですか。  去年の2月の予算議会,交通局にやみ専従があるといって私が指摘したら,土榮管理者は「そんなことはない」と言って,再質問にもそう答えた。そして,今まで,4名の監査委員がずっと「問題はない」と言って,ずっと監査結果を報告してきたのですよ。「おおむね妥当」だという報告をしてきているわけですよ。  それが市民からの監査請求が出て,初めて勧告が出て,こういうふうに明らかになったわけでしょう。そしたら,少なくとも,この5人について,給与がどうだったかということを調べるのが当然じゃないですか。  それもしないということは,民間から公認の会計士を代表監査委員として迎えて,期待している市民からすれば,どうもそこのところは,肝心なところになると,ふたをしてしまうなと,それは知恵者の事務局長も一緒についているからかなという市民の思惑も出てくるのですよ。  したがって,そういうことについて,これは,私はやるべきだと思いますけれども,監査委員はどうですか。 ○猪熊 委員長  大体同じことが2度,3度と繰り返されてきてますから,そろそろ,互いにまとめに入るという理解のもとで,議事進行にご協力をお願いします。 ◎日野 代表監査委員  お答え申し上げます。  まず最初に,監査委員制度の制度的枠組みについて,申しわけございませんけれども,説明をさせていただきます。  といいますのは,実際に,私ども監査委員に個別の事案について監査をせよというのは制度上,例えば,地方自治法第75条の事務監査請求,第98条の議会からの要請,あるいは第199 条の6項,7項による長あるいは主務大臣等からの監査要求,その他具体的に決められております。  逆に言いますと,それ以外の定期的あるいは臨時の監査については,監査委員の指揮権,要するに専門的立場から,私どもの判断でやらさせていただくというのが監査委員の独立性を保つ制度的な基盤でございます。  したがいまして,私どもの監査の結果について,個々にご批判はあるかもしれません。しかし,私どもは少なくとも専門家としての責任,しかも,公正,不偏の態度で監査を実施しているわけでございます。それについてのご批判については,これは,私どもとしては,お答えしようがないと解釈いたします。 ◆松浦 委員  日野代表監査委員に申し上げますけれども,そういうような開き直りの言葉を言えば,すべてこれ終わりの話です。  どんなに,どなたに説明しても,上と下との関係が,片っ方が不正で,片っ方が正当だなんてだれも思わないのです。その検査をする立場にある監査委員がしないということは意図的だと,だれもが思うのですよ。  したがって,私は,この点について監査をすることを求めるし,どうしてもしないということであれば,恐らくは,場合によっては,私が監査請求する場合もあります。  そういうことで,とにかく払った金もそれが正当であるのかどうかも含めて,きちっとやっていくということを求めておきます。とりわけ監査をすることを求めておきます。  さて,市長,今の質疑であったように,こういうような交通局の勤務の実態や,あるいは欠勤専従問題など含めて,交通局に一般会計からも繰入金が行っているという中で,こういう問題が延々と続いてきているわけです。  したがって,市長,この問題について言えば,私は,なぜきょう市長に出席を求めたかと言えば,土榮前管理者なら私はきょう出席は求めませんでした。土榮さんが去年の2月に,私の質問に対して「ありません」と答えているのだから,それは求めませんでした。しかし,市長が辞令を交付して交代をさせた。そうすると,井原管理者では,土榮さんと同じ答弁というのは難しい。したがって,私は,ここで市長に出席を求めたのは,こういうような実態が交通局の職場の中にまだまだ,これは当局調べですよ。私が調べたのでないのですよ,皆さんから提示をいただいた中で,支部の三役が1人区,3人で1人分乗務していない。あるいは,本部の部長は半分以上乗務していないというような実態が正常な労使関係だなんていうことでは,これはないのです,市長。  これは,どういったって,便宜の供与であり,労使の間で言えば,便宜供与,不当労働行為,それからさらに,交通局の経営実態からいったら,あるいは札幌市の全体的な一般会計の累積債務などの状況からいったら,さらにまた市長がこの間発表した,職員のいろんな経費なども含めて抑制していくと言って,中間見直しのところは玉虫色にしているけれども,そういう経緯からいったら,これらの問題について,毅然としていく,本来のあるべき姿に,きちっと整理をしていく。このことが私は全市役所的に求められていると思うのですよ。  これについて改めて,今までの交通局も含めて,どういうふうに市長はお考えになっているのか,この点についてお尋ねをしたいと思います。 ◎桂 市長  交通局の職員の個々の勤務実態が果たして適切であるのかどうかということについて,私は判断する立場にはありませんけれども,しかし,今,当局との間で抱えている問題に対して,適正な解決方法をとっていくために,法律で許された範囲内で組合の業務に従事するということは,これは認めざるを得ないと思います。  ただ,それが問題が解決した後でも,長い間だらだらと続いたり,あるいは勤務時間が極めて短いというようなことであれば,これは市民の批判を受けることですから,これは改めることになるでしょうけれども,私は,適正な手続をとって進められている問題について,私の立場でこれをどうせ,ああせと言うことはできないと思います。  ただ,一般市民みんなが見ているわけだから,みんなが納得するような形で,この仕事は進めてもらいたいと,そのことだけは言えます。 ◆松浦 委員  市長,私の立場では言える,言えぬということを言っているけれども,私はなぜ市長にきょう出席してもらったかといったら,市長,一般会計から多額の繰り入れをしているわけですよ。そうすると,市長の立場としては,会計は別で,おまえに任せているよといって任していても,やっぱりその金が適切に使われているかどうかということを,常に市長は企業管理者に対して繰り出し金の範囲の中で点検をする義務があるのですよ。私は,そういう意味で,きょう市長に出席をいただいたのです。  そして,さらに,これについて少なくとも5割を超えて勤務していない者が,例えばこれが1カ月だとか2カ月だとかという短期の一定の期間の中で,団体交渉を集中的にやらなきゃいかぬからということならわかるけれども,少なくとも7年まではほとんど乗っていなかったと言っているのですよ。7年からは,朝1本だけ乗るようにしたと言っているのですよ。  そして,今,藻岩営業所で言えば,言ってきている実態は,1日1時間半だけの実乗務だということなのですよ。延々と続いてきているのですよ。  したがって,なぜ,私はきょう市長にこの問題をこうやって言うかといったら,やっぱり63年に市長が当時労務担当の助役のときに,淋代勤労課長と相談をしてやらせたことが,いまだにけじめをつけられないでいるということなのですよ。  したがって,市長,この点については,この際,全職員に対して,労使は労使,きちっと決められた対等な労使関係,そして仕事は仕事ということでの周知徹底をきちっと図るべきだと思うのです。それをしないと,私は,これはいかないと思うのですよ。  したがって,市長にそのことを早急に周知徹底していただくことを求めて,私は,推移を見守っていきたいと思っています。また,1定もありますから。  以上で終わります。 ◆北川 委員  私の方からは,2点にわたって質問をいたします。  まず1点目は,附帯事業についてお尋ねをいたします。  交通事業においては,乗車料収入が中心になっているというのは言うまでもありません。しかし,再建計画の3本柱の一つになっている需要喚起策については,この間,質疑がされたとおり,十分な効果が出ているとはなっておりません。したがって,市営交通の安定経営は,市民生活に直結する重要な問題になると考えます。  もちろん本体事業における収入確保は第一義としながらも,全体収入を上げるためにも,附帯事業の,より積極的な展開が必要になってきます。  そこでお尋ねいたしますが,まず第1に,広告料収入の現状と安定的な収入確保に向けて,どのような取り組みをしてきたのかお尋ねをいたします。  2点目は,今後の見通しについてどうなっているかお尋ねをいたします。 ◎荒木 事業管理部長  広告料収入の現況についてでございますけれども,順調にその収入を伸ばしてきており,平成8年度の決算では,前年度を1億2,600 万円ほど上回り,総額で25億4,400 万円となったところでございます。  これは,収入の安定的な確保を図るため,新規に設定いたしました媒体でありますウィズユーカードに広告を載せたアドカードや地下鉄の1編成を借り切った広告,すなわちAライナーなど,媒体の開発に積極的に取り組んだところによるものでございます。  また,今後につきましては,東西線の延長に向けて,新規施設枠等の販売を積極的に行うとともに,既存媒体の施設を良好な状態に保つことや,設置場所などに工夫を凝らすなどにより,媒体価値を高め,広告料の収入増に努めてまいりたいと考えておるところでございます。  以上でございます。 ◆北川 委員  今の答弁で,広告料収入がある程度確保されていることがわかりました。  私も幾つか調べてみました。例えば,平成6年度は,3事業における広告料収入が22億173 万円であり,営業収益に占める比率が4.4 %になっております。  平成8年度は,24億7,000 万,これは税別です。平成6年度と比べて12.2%の伸びになっており,営業収益に占める比率が5%で,順調に伸びていることがわかりました。  次に,もう一つの大きな附帯事業である資産活用についてお伺いをいたします。  資産活用を積極的に展開し,収入確保の努力をしているのは重々わかりますが,賃借を中心とする資産活用は,景気に大きく左右されます。  そこでお尋ねいたしますが,まず第1に,資産活用の現状と,2点目は,今後の見通しについてどうか,お伺いをいたします。 ◎荒木 事業管理部長  まず,1点目の資産活用の現状についてでございますが,資産活用収入の平成8年度決算額は,対前年を5,800 万円ほど上回る,総額で9億600 万円となったところでございます。  今年度に入りまして,新たに5月には,地下鉄大通駅に,札幌市大通証明サービスコーナーを開設したのを初め,7月には,円山駅近接地に眼鏡店を,10月には,美園用地に自動車用品販売店を,さらには,旧琴似職員住宅跡地に印刷工場をオープンさせたところでございます。  また,現在進行中のものといたしましては,藻岩山山ろくの一角に,歴史的建築物,旧小熊邸を移築の上,来年夏ごろには喫茶店として再活用することとし,その残地は都市公園として整備することとしております。  さらに,このほか2件の物件についても公募を実施しているところでございます。  次に,今後の事業展開といたしましては,これまで推進してまいりました民間企業等への貸し付けをさらに推し進めていくとともに,土地の特性や目的に応じて,第三セクターの活用や公的活用などのほか,いろいろな角度から検討を行い,事業化実現に努力をしていきたいと考えております。  以上でございます。 ◆北川 委員  資産の活用に当たっては,利潤を求めながらも,同時に公共性にも配慮した展開も必要になってくるのは当然であります。  公営事業の場合は,民間のように,開発利益を目標とした先行投資的な事業ができず,多角的な経営にも制限がありますが,今後とも,引き続き附帯事業を積極的に展開することを求めます。  続いて,2点目ですが,観光貸し切りバスの事業についてお尋ねいたします。  私は,昨年12月の第4回定例議会の代表質問で,バス事業について質問いたしました。市長の答弁の中に,廃止を含めて検討しているとありました。  そこで,その検討状況について,以下3点にわたり質問をいたします。  まず1点目,平成8年度の収支決算状況がどうなっているのか,問題点も含めてお尋ねをいたします。  次に二つ目,他の政令市における観光事業の実施状況と今後の動向についてどうなっているのか,お尋ねをいたします。  3点目,この間,廃止を含めて検討しているとありましたが,その検討状況についてどうなっているのかお尋ねをいたします。 ◎榊原 自動車部長  第1点目の8年度の決算収支状況でございますが,8年度は,ゆうあいピックなどの全国的な規模のイベントがございましたことから,稼働台数などが増加したこともありまして,前年度と比較いたしますと,約2,013 万円ほど好転をいたしました。
     しかし,収支全体では,約1億3,324 万円の赤字決算となってございます。観光貸し切り事業の収支につきましては,これまでのいろいろな経営努力にもかかわらず,一つには,観光ニーズの変化,あるいは貸し切り事業者の増加などによりまして,赤字の状況が依然として改善されず,苦しい経営が続いているわけでございます。  2点目の質問でございますが,観光貸し切り事業の政令市の実施状況及び今後の動向でございますが,これにつきましては,本市以外に,東京都,横浜,京都市,それから神戸市,北九州市,仙台市の6市となってございます。  各都市の収支状況については,本市と同様に赤字の状況でございまして,特に,仙台市,横浜市及び北九州市におきましては,人件費,あるいは経費等の増に伴う赤字の収支状況や,公営として行う必要性などいろいろと指摘をされているといったことから,観光貸し切り事業の今後のあり方について検討を始めてございます。  3点目のこれまでの検討状況でございますが,慢性的な赤字の収支状況が続いている中で,観光貸し切り事業の今後のあり方につきましては,昨年10月に市営企業調査審議会から,観光バス事業については廃止すべきであるという答申をいただいたところであり,さらには,議会との審議等も踏まえ,これまで局内で廃止を含め検討を重ねてまいりました。  その結果,公営企業として,慢性的に赤字を出している貸し切り事業を継続していく必要性や,貸し切り事業の収支状況が今後好転する見込みが極めて難しいこと,さらには,規制緩和による諸施策の導入を考慮した場合,貸し切り事業の存続については大変厳しいものがあるという理由から,観光貸し切り事業は廃止するとの結論に至ったわけでございます。 ◆北川 委員  今の答弁で,正式に,観光貸し切りバス事業を廃止するということが明らかになりました。  昭和10年から62年間続けてきた事業がなくなるのは大変心残りですが,そこで,次にまたお尋ねいたします。  1点目は,具体的な廃止の時期をいつごろと考えておられるのかお尋ねいたします。  2点目は,廃止に伴う問題についてですが,観光部門の職員やバスガイドなどの処遇についてどう考えているのかお尋ねいたします。  また,現在抱えている観光バスのバス自体の処分についてどうするのかお尋ねいたします。  3点目は,この事業を廃止することによる市民,もしくは利用者への影響は少なくないと思いますが,どう考えているのかお尋ねをいたします。 ◎井原 交通事業管理者  1点目の廃止の時期でございますけれども,昭和10年から営業を続けてまいりました観光貸し切り事業につきましては,今年度末をもって廃止をしたいと考えてございます。 ◎榊原 自動車部長  2点目の懸案事項でございますが,まず,職員の処遇についてであります。  現在,観光専属の職員は,事務職員4名,運転手2名,バスガイド19名の合計25名がおります。その処遇につきましては,局内異動などで対応したいと考えてございます。  また,観光バスの処分方法でございますが,現在2種類ある車両は,他の貸し切り業者に売却するなど有効活用を図り,できるだけ経費の抑制に努めてまいる所存でございます。  また,第3点目の観光貸し切り事業廃止に伴う市民への影響は,観光営業所が設立された昭和39年当時,札幌陸運支局管内における観光バス事業者は14社で281 台の車両でありましたが,それが34年たちました現在,平成9年では,35社で980 台の車両となっております。業者数で2.5 倍,車両数で3.5 倍という状況でございます。  したがいまして,本市が事業を廃止したとしても,観光貸し切り業界は,現在,過当競争気味になっておりますので,市民への影響は少ないものと思われます。  以上であります。 ◆北川 委員  最後に,要望になりますが,今の話では,廃止まで約半年になります。  これまで事業を支えてきた職員に対する処遇については,交通局の経営状況が厳しいことは十分認識しておりますが,ぜひとも,十分配慮していただきたいことを要望して終わります。 ○猪熊 委員長  以上で,議案第4号及び第5号の質疑を終了いたします。  本日は,これをもって終了し,次回は,明21日午後1時から,水道局関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。     ──────────────       散 会 午後5時43分...