委 員 高 橋 重 人 君 委 員 飯 坂 宗 子 君
委 員 武 藤 光 惠 君 委 員 山 口 た か 君
委 員 菅 井 盈 君 委 員 北 川 一 夫 君
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開 議 午後1時1分
○千葉 委員長 ただいまから,第二部
予算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが,特にございません。
それでは,議事に入ります。
最初に,議案23件及び請願・陳情49件を一括議題とし,討論を行います。
◆新山 委員 私は,
自由民主党議員を代表いたしまして,本会議に付託されました平成9年度
予算関係諸議案につきまして,これに賛成する立場から,また,
水道料金値上げに反対する請願及び
保育料値上げに反対する陳情には,不採択とする立場から討論を行います。
平成9年度予算は,北の
理想都市サッポロの実現に向けた第3次5年計画の2年次目として,また,区制施行の25年目を迎える節目の年度の予算であります。
その主な内容を見ますと,雪対策の充実,
防災対策の強化,福祉・
保健医療の充実,
地域子育て支援事業の実施,
札幌コンサートホールの7月
オープン予定など,市民のだれもが安心して暮らせることができる,個性と魅力にあふれる,活力に満ちた質の高い
街づくりを目指した積極的な予算であり,高く評価するものであります。
また,国におきましては,
行政改革や地方分権の推進,
規制緩和や経済構造の転換など,
社会システムが大きく変わる兆しが顕著に見られることから,我が会派としても,この
予算審議に当たっては,積極的な
事務改善,機構全般にわたる
見直し等の立場で,本委員会において提言,要望を述べてまいりましたので,それらの評価を局ごとにしてまいりたいと思います。
まず,
民生局関係についてであります。
保健と福祉の連携強化を図るための機構改革は,平成10年4月を目標に検討を進めると聞いておりますが,その具体的な効果として,
行政サービスの一元化,福祉のニーズに対応した
総合的施策の企画立案,重複している
事務事業の一本化などがあると言われておりますので,積極的な推進をして,多種多様化している
市民ニーズ,
市民サービスの向上にこたえていただくことを望むものであります。
介護保険制度導入時の
在宅介護支援センターには,これまでの相談や
関係機関との連絡・調整から一歩進めて,地域における
ケアマネジメントを担う機関として,要援護の高齢者に最もふさわしい
介護サービスを結びつける役割を持つことが期待されますので,現在進めている福祉の
まち推進センターとの連携を積極的に行い,その質的向上が図られるよう要望いたします。
健康な高齢者に対する施策についてでありますが,
老人バス事業や
老人クラブの助成などは,健康な高齢者の
社会参加を促進する上でますます重要となりますので,
在宅福祉サービスの充実を図りながらも,健康な高齢者に対する施策をバランスよくとりながら,
社会情勢に合った
福祉施策を実施されるよう要望いたします。
次に,
衛生局関係についてであります。
新
地域保健体制のスタートに当たり,
健康増進からリハビリテーションまでの
保健活動を行う保健婦の役割は非常に重要なことでありますので,高齢化・
少子化社会に対応できる
保健婦活動の
体制整備の強化をしていただきたいのであります。また,高度な
保健医療サービスを求められる訪問看護の保健婦は,
看護専門職として,また,地域の
関係機関との連携を図りながら,地域の
ケアマネジャーとしての使命を果たせるような体制であることを求めるものであります。
成人病が
生活習慣病と呼び方が改められましたが,その背景には,個人の自己管理が疾病予防に重要であるという考え方から,今まで以上に,保健婦や栄養士などの積極的な
生活習慣改善のための相談・指導が求められるとともに,この疾病は子供のときからの
生活習慣に起因することから,子供に対する指導は,幼児期には家庭で,学童期には学校での対応が重要となり,父母や
教育委員会と連携をしながら,
健康教育の充実について,意識啓発の方策を図るよう要望いたします。
次に,
市立病院関係についてであります。
市立病院の未
熟児センターは,建設時に,
NICU化に必要な装置や空調・発電設備がされており,医師の夜間常駐や看護婦の
人員確保等の条件が整えば,平成9年10月から実施されると聞いておりますので,
体制づくりについては,一層の整備をお願いいたします。
また,母体搬送も含めた
市立病院の周産
期医療システムの整備については,道央圏の
基幹病院を想定した
システムを検討されるよう望むものであります。
次に,建設局についてであります。
冬季の
歩行者安全対策としての
歩道ヒーティングの
取り組みについてでありますが,都心部は,地域の自主的な協力と工事費の一部を助成する
補助制度の改善という,市民と行政の役割分担の中で
歩道ヒーティングの普及拡大が図られ,冬季の歩行者の
安全対策が進められてきました。しかし,都心部以外の地下鉄北24条駅などのように,地下鉄駅周辺や商店街,区役所などの
公共施設が連檐している地域では,昼夜を問わず人通りも多いことから,すぐに圧雪状態やつるつる路面となって危険となりますので,
交通弱者も視点に入れながら,積極的にこの問題の解決に向けた努力を要望いたします。
リサイクル団地周辺道路の
整備計画についてでありますが,平成6年から造成を進めている
リサイクル団地は,平成7年に一部施設が既に稼働しております。そこで,本格的な運営に向けて,今後,
事業系廃棄物の搬送車両の増加が見込まれますので,主要な搬入路である
市道福井沼の端線及び道道
札幌北広島環状線の
早期整備が望まれるとともに,江別市や北広島市などの
札幌圏域の連携した発展を進めるために,豊平川にかかる新設橋梁の整備に着手すべきではないかと考えますので,事業化に向けた
関係機関との協議を進めるよう要望いたします。
次に,
都市整備局についてであります。
熱供給事業についてでありますが,
札幌エネルギー供給公社と
北海道熱供給公社の経営安定を図るために,
需要家ニーズに合った
価格競争力のある
環境保全熱供給システムへの転換,導管の効果的な敷設,
エネルギー関連業者の
経営主体への参画,市の支援など,積極的な
取り組みを行うことが必要でありますので,このことについて強く求めておきます。
札幌駅
南口地区の
土地利用についてでありますが,札幌駅南口は,札幌市はもとより,北海道にとっても重要な場所柄で,国際都市さっぽろの表玄関にふさわしい風格と気品を備えた空間形成が必要であり,商業・
業務施設のみならず,芸術的な空間の確保,
道立劇場等の
文化的施設の立地,高齢者に配慮した空間の確保など,各ゾーンの立地条件や周辺との連携を考慮した総合的・一体的な
施設計画や
土地利用がなされなければならないと考えますので,各界各層との意見調整を十分されますようお願いをいたします。
街づくりとしての土地の
有効利用についてであります。
もみじ台団地と
工業系団地内には若干の未利用地がありますが,
街づくりの観点からすると,やや妥当性を欠くことになりますので,分譲条件の見直しや用途変更などの手法をとりながら,
有効利用を図るよう要望いたします。
次に,
建築局関係についてであります。
札幌ドーム計画に伴う
景観形成についてでありますが,観光地である
羊ケ丘展望台に隣接していることから,案内標識,掲示板,
電話ボックス,
ベンチ等の
附属施設等については,札幌市
都市景観委員会などを活用し,アドバイスを受けながら,一体的なデザインを行うなどの配慮をすべきと考えます。また,ドームには多くの市民や観光客が来ると考えられますので,ドームの施設だけではなく,敷地内の施設などの整備についても,
バリアフリー対策をするよう要望いたします。
次に,
経済局関係についてであります。
YOSAKOIソーラン祭りについてでありますが,この祭りは,年々参加するチームもふえ,地域に根差した祭りとして成長してきておりますが,将来的には
ナショナルイベントとして発展する可能性も秘めておりますので,本市の
観光資源の活用という点から,行政としての支援がどこまでどのようにできるか,研究・検討されるよう要望いたします。
大谷地流通業務団地再
整備計画事業についてでありますが,
企業流出の未然防止,団地の
流通機能の維持・向上をさせるために,早急に再
整備計画を策定し,造成・分譲すべきと考えます。さらに,
東部中央卸売市場用地の企業への分譲は,卸売業からの需要が高いと聞いておりますので,このような企業には積極的な
PR活動を進めていただきたい。また,
周辺地域との調和という観点から,例えばコンビニエンスストア,郵便局など,
周辺地域に寄与する
施設整備について検討されるよう要望いたします。
さとらんど
インナーパークについてでありますが,さとらんどが目指す
体験型自然交流の特性を生かしながら,冬期間やシーズンオフの有効な活用も考慮した通年型の大
規模施設の
インナーパークが建設されると聞いておりますが,その運営に当たっては,
民間活力の導入,
観光資源としての活用,愛称の公募等について検討されるよう要望いたします。
次に,
交通局関係についてであります。
バス事業における
経営体質の改善についてでありますが,
運送事業の
規制緩和が進みますと,
バス事業に限らず,
事業環境は,
経営健全化計画策定当時の予想を超える厳しい状況になりますので,環境の変化に応じた経営,
民間活力の活用,
規制緩和を視野に入れた
経営体質の強化を講じるよう要望いたします。
路面電車,
ロープウエー,藻岩山の
一体化策についてでありますが,現在,藻岩山に潜在する
観光資源は,必ずしも有効に活用されておりません。藻岩山の自然を効果的に活用し,
ロープウエーや
観光事業の活性化を図ることが
路面電車の乗客誘致につながると考えますので,
関係部局と協議しながら,具体的な検討をされるよう要望いたします。
次に,
水道局関係についてであります。
今回の
水道料金改定は,水道がライフラインとしての役割を将来にわたって担っていくことは大変重要であり,今後の
災害対策事業の充実,施設の
維持管理費用等の増加,企業債の
償還負担の増加等々を考え合わせると,新たに
料金原価に算入することとした
資産維持費を含め,今回の
料金改定はやむを得ないとの判断をしております。しかしながら,市民にとっては,それにもろ手を上げて賛成ということではないのも,また現実であります。
民間企業におきましては,長引く景気の低迷の影響もあり,厳しい
企業努力を重ねている中で,
公営企業としても常に企業の経済性を発揮することは,
地方公営企業法の趣旨からも当然であり,市民に負担増をお願いしようとするからには,断固たる
行政改革を推進し,一層の
経営効率化の内部努力を行うことにより,総体的な利用者の
負担軽減がなされなければなりません。
そこで,水道局については,DRに先行して
業務改善計画を策定し,
経営効率化に積極的に取り組んで着実な効果が上がっており,今後も効果が期待できるものと評価しますが,さらに,新たな観点での見直しをして,経営の効率化に積極的に取り組んでいただくことを要望いたします。
以上,本委員会で我が党の委員が取り上げてきた質疑を中心に述べてまいりましたが,理事者におかれましては,これらの指摘や要望の実現に向けて十分に検討し,施策に反映されますよう要望いたしまして,私の討論を終わりにいたします。
◆小野 委員 私は,
民主党議員会を代表して討論を行います。
今議会は,私
ども民主党議員会として臨む最初の
予算議会でありまして,伊与部会長を先頭に,積極的にさまざまな議論を展開してきたわけですが,第二部
予算特別委員会に付託されましたすべての議案を可決すべきものとし,さらに陳情・請願については不採択の立場で,以下,各局ごとに要望,意見を交えて討論を行いたいと思います。
最初に,
民生局関係です。
まず,何といいましても,
全身性重度障害者介護料助成制度の充実についてであります。
この件は,1995年6月,
厚生常任委員会が
公的介助制度の充実を求める陳情を全会一致で可決採択,この過程で,
助成制度の時間数を48時間から3年間で36時間ふやしていくという理解が,委員及び
民生局ともに存在していたのであります。しかし,96年度予算で12時間増であったにもかかわらず,97年度予算案では6時間増とその伸びが半減したことは,当時の共通認識に反するものであり,このままなら98年度は18時間増としなければなりません。全
身性重度障害という最も困難な人々が,すべての自活力を発揮して,
在宅生活,
社会参加ができる状況を保障することが
在宅福祉の原点であり,これなくして福祉は語れないということを強く指摘し,たとえ年度途中であっても
財政見通しを立て,補正などの改善策をとることを強く申し入れるものであります。
次に,
共同募金会を通じた
特定指定寄附に関する問題です。
法人設立時における
特定指定寄附は,ほとんど理事長などが関係する会社,団体等であり,まさに税金逃れ以外の何物でもありません。同時に,毎年
特定指定寄附を行っている会社,団体,個人は,
施設建設時の請負業者並びに法人が運営する施設の
出入り業者などであり,この制度を悪用した寄附行為との疑惑を招くものであります。
本年4月以降は本市に指導権限が移譲されることになっており,今後の
寄附行為について,そのあり方を含め,一層の
改善指導を求めるものであります。さらに,理事選出についても,社会的に批判の出ないよう指導することを強く求めておきます。
次に,保育料の22年連続改定は,利用者の負担感を強めており,値上げは極力避けるべきでありますが,基本となっている国の
徴収基準額が毎年改定される中で,本市として,
必要最小限の値上げはやむを得ない措置と考えます。さらに,多子世帯の軽減拡充や各階層間の軽減率の調整を図るなどの努力は,一定の評価ができるものであります。しかし,今,
児童福祉法の改正案が通常国会に提出されており,本市の保育料についても,この機会に抜本的な検討を進めていくことを求めておきます。
次に,本市の国保会計は,医療費の増嵩や滞納者の増加など,依然厳しい状況にあり,かつ,政令市の中で収納率は最低,医療費は最高という
収支バランスの異常さなど,問題があります。これらの解消策に特効薬はないというものの,改善に向けて
保険加入者の理解を求めるとともに,全庁挙げた
取り組みを強く指摘しておきます。
昨年の
ゆうあいピック北海道大会の成果を踏まえて,
知的障害児・者がボランティアの支援を得ながら
健康増進と
社会参加を図り,
ノーマライゼーション意識を醸成するため,本市独自の
知的障害者スポーツ大会を継続して開催するとともに,日常的なスポーツ・
レクリエーション活動の
指導者養成や支援策の充実を求めておきます。
次に,
高齢者保健福祉計画の進捗状況において,
在宅福祉サービスの基本となるホームヘルプサービスは,9年度末に至っても50.3%にとどまっており,
計画達成のため,
ヘルパー養成研修体制の充実を図るとともに,養成されたヘルパーが心置きなく働ける
就労環境を整えるよう努力しなければなりません。
次に,
衛生局関係ですが,市民の
健康づくりと高齢者の
社会活動参加を進めることは,本市の重要課題の一つであります。この目的で設置された東,中央の
健康づくりセンターは,多くの市民に利用され,
中央センターにおいては飽和状態にあります。したがって,
健康づくりセンターの全市的な設置を積極的に進めるとともに,
市民集会施設の改築が検討されている西区八軒地区において,
複合施設として設置することも有力な選択肢として検討することを強く求めておきます。
次に,
市立札幌病院についてでありますが,移転新築後の当初計画では,9年度の資金残は16億1,400 万円でありますが,予算案によりますと,
留保資金をすべて取り崩し,
一般会計から約41億円繰り入れ,
長期借入金約30億円を入れても約8億6,400 万円の赤字でスタートしております。病院においては,昨年12月,院内に
経営健全化対策本部を組織し,7作業部会で改善策を検討,さらに
社団法人全国自治体病院協議会に
経営診断の委嘱を行って経営の見直しを行うとなっていますが,現状のまま推移したなら,数年をして赤字100 億円に達し,
一般会計の圧迫と
市民負担の増加につながる危険性があります。したがって,早急に対策を講じていくことを強く求めておきます。
また,昨年3月に全国の
公的病院では初めて設置した
手話通訳業務について,利用者の増大と相まって,1年たたずに通訳者の増員,複数化を実現したことは,
聴力障害者が安心して医療を受けられる権利を保障するため
病院業務の一環として取り組んできた関係者の努力を高く評価するものであります。
次に,
建設局関係であります。
平成8年1月から
WTO政府調達協定が発効し,本市でも,
札幌ドームを初め三つの工事が対象となり,国の通達に基づいて3社以内の
特定共同企業体を構成させ,入札を実施してきたところであります。しかし,協定の趣旨を重んずるとしても,地域の実情がある限り,3社に限定せず,地元業者に積極的に大
規模工事に参入する機会を与えることが重要であり,他の都市で4社以上が入札参加している実態もあります。したがって,9年度以降発注する
対象工事については,4社以上の構成による
特定共同企業体を参加させる本市独自の対応をすべきことを強く求めるものであります。
さらに,高齢者や子供たちを初め,歩行者の冬季の
安全対策は,市民の強い要望となっております。横断歩道の
凍結路面対策として,とりわけ
市立札幌病院とJR桑園間を初めとした主要な箇所における整備を積極的に進めるとともに,堆積場への排雪量の抑制,さらに雪出し,路上駐車の規制など,条例化を含めた諸課題について,雪さっぽろ21計画の
ポスト計画策定をも展望して,抜本的な検討を進めていくことを要望しておきます。
次に,
都市整備局です。
まず,
北海道地域暖房株式会社の
熱供給事業についてですが,
ごみ焼却余熱を利用するなど,
環境保全や
エネルギー対策上の成果を上げているものの,住居系の
暖房料金については,灯油など
戸別暖房と比較して非常に割高でありまして,
市営住宅の空き家率にも影響しております。会社の
経営努力もあって,近年は,黒字決算,
累積欠損金の減少など,経営も好転してきているわけでありますから,本市として,一層の支援策や
経営努力の指導とあわせ,早急に
戸別暖房料金の値下げを強く要請すべきであります。
次に,札幌駅
南口土地区画整理事業の保留地の今後の取り扱いについてであります。
先日入札された西街区の落札価格は,1平方メートル当たり約148 万円であり,これを隣接地の保留地に当てはめると,総価格は約19億円にすぎません。ところが,平成4年から始まった
事業計画において,
保留地処分金は70億円,これを本市がJR北海道に対し,
移転補償費として
土地開発基金から借り入れして支払っているのであり,その金利は既に2億円を超え,今後,毎年約1億円の金利がかさんでいくことになります。すなわち,市民は既に約53億円余りの損失をこうむっているのであり,保留地の活用について早急に結論を出さなければ,さらに
市民負担,損失がふえていくことを深刻に受けとめて,対応することを強く求めておきます。
次に,平成3年度から造成を始め,2度にわたって補正を行ってきた
新川地区工業団地は,いよいよ本年8月から第1次分譲が開始されるわけですが,周辺の実勢価格の下落によって
造成原価割れが予想されるわけですけれども,極力赤字が縮小されるよう,販売の促進などに特段の努力を要望しておきます。
次に,
建築局関係であります。
既設市営住宅の
再生マスタープランに基づいて,現5年計画の後年次に建てかえ
事業着手となっている
下野幌団地は,厚別副都心構想の中でも最も中心的な位置にあります。したがって,建てかえ事業については,入居者はもとより,広く
地域住民の声を求めて,単に
市営住宅の建てかえではなく,副都心機能の充実,
公共施設の複合化など,総合的な
事業展開となるよう全庁的に検討されることを強く求めておきます。
次に,
仮称札幌ドームの
設計コンペにおいて,天然芝の
冬期間利用に必要な
改修工事計画及び工事費について,
最優秀作品では,温室方式として約30億円,
除雪アンドアンダーヒーティング方式として約8億円,この場合,本体と同時着工なら1億円減になるわけですが,以上の二通りが提案されました。
冬期間利用の有無も含め,決定していないわけでありますが,この選択については総合的な検討を深め,慎重に判断すべきものと考えます。
なお,総事業費について,これまで建築費340 億円と称されてきたわけですが,正確には346 億5,000 万円であることを強調すべきであります。
次に,
経済局関係です。
本市の財政状況が悪化する傾向の中で,財政基盤を強化するため,
企業誘致,
産業振興策は重要な課題であり,今日まで
工業団地の整備を進めてきたわけですが,今後も積極的に展開していくことを要望しておきます。
さらに,最近の
ブルーハウス,
協同広告社などの倒産に伴い,
市内中小業者の連鎖倒産の危険性すら懸念されているわけですが,資金面からの支援策が重要でありますし,
倒産関連企業資金については,
融資期間の2年間延長,無利子の
制度融資など,早急に対策が実施されますよう強く求めておきます。
次に,
交通局関係です。
交通3事業について,
利用者離れを防ぐため,時代の変化やニーズに合わせた
事業展開を行うべきであり,特に国の
規制緩和策のもとで,収入の基本となる
需要確保は何よりも重要であります。同時に,
附帯事業の積極的な展開も求められていると考えます。今日までの
公共交通機関優先の
街づくりなど,交通体系の総合的な見直しを含め,今後とも市民の信頼にこたえ得る交通事業となるよう,さらなる努力を要望しておきます。
水道局関係についてですが,災害に強い水道の実現に向けて,緊急貯水槽や緊急時給水管路などハード面の整備を継続して積極的に取り組むとともに,応急給水や復旧など速やかに対応できるよう,市民と共同した防災体制などソフト面の整備も不可欠であります。今後,災害対策や老朽化した施設の更新など,直接的な料金収入の増加につながりにくい状況の中で,
資産維持費の採用は,自己財源を確保し,財政基盤の強化・安定を図るための有効かつ必要な方策であり,適切な運用とともに,市民の理解と協力を得るための
PR活動なども強化する必要があることを指摘しておきます。
最後に,ただいま申し上げたほかに,本特別委員会で我が会派の委員が指摘をし,提言を行ったものについては,今後の市政執行の中で的確に反映されることを強く要望して,私の討論を終わります。(拍手)
◆本郷 委員 私は,第二部
予算特別委員会に所属する公明議員団を代表しまして,本委員会に付託されました平成9年度
予算関係諸議案につきまして,これに賛成する立場から,また,
水道料金値上げに反対する請願及び
保育料値上げに反対する陳情には不採択とする立場から,簡潔に討論を行います。
平成9年度予算を見ますと,市税等の一般財源の低い伸びが見込まれる中,国保事業や高速電車事業の健全化を着実に進めていく必要性,さらには高齢化社会への対応など,多くの財政需要を抱えており,従前にも増して厳しい財政状況にあると思うのでありますが,第3次5年計画を軌道に乗せる重要な年であり,福祉,防災等の分野における諸計画を着実に推し進めた,市民生活の各分野にわたるバランスのとれた予算編成であると思います。
そこで,本委員会における
予算審議で,我が会派の委員が質問した事項に沿って,要望を含め評価をしてまいりたいと思います。
まず,
民生局関係についてであります。
特別養護老人ホームなどの社会福祉施設に対する指導監査体制の強化については,4月1日から,社会福祉事業法の一部改正によって,法人の資産状況,職員配置,給与関係,施設運営に大きな影響を与える重要な決定事項等の聴取ができるようになって,法人施設運営を有機的に把握することが可能となったわけですから,入所者の処遇を中心に見据えて,法人施設の適正な運営が確保されるよう一層の指導徹底を図っていただくことを要望します。
在宅重症心身障害児のいる家庭では,通園,通所,ショートステイなどの施設を
在宅福祉サービスの利用の場と考えておりますので,5年計画に盛り込まれた重症心身障害児施設の緑ケ丘療育園の増改築に当たっては,定員増や入所者の処遇改善をも図り,ショートステイの専用ベッドなどの施設機能を活用した
在宅福祉サービスのより一層の推進を求めるものであります。
また,昨年11月から実施している重症心身障害者通園事業は,通園先が豊平区真栄の札幌あゆみの園であることから,西方面からの利用も考慮し,西区の緑ケ丘療育園の改築に合わせて実施箇所の拡大がなされるよう,
関係機関との協議を要望いたします。
介護保険制度導入に伴う準備体制についてであります。
介護保険の導入によって,
介護サービス基盤のおくれている他市町村からの要介護高齢者の転入が増加した場合,介護給付費の増大などが懸念されるところであります。そこで,高齢者の移動目的を調査し,その結果によっては,高齢者の転入超過を見込んだ介護基盤
整備計画の策定や,サービス水準の広域的な調整などを念頭に置いて対応する必要があると考えますので,ケアプランの作成に関するモデル事業や実態調査の結果を十分に踏まえて,
介護保険制度導入に向けた
体制づくりを進めるよう要望いたしておきます。
次に,
衛生局関係についてであります。
健康度測定と運動指導の実践機関である
健康づくりセンターの利用者から,すこやか健診を含む一体的事業が望まれておりますが,利用者の利便性や
健康づくり施策を推進していく上で極めて有効でありますので,実施されるようお願いをいたします。
また,多様な
健康増進ニーズに対応するため,運動実践をより多面的に展開し,一層の機能充実のために,プールの設置が極めて重要と考えますので,新しい
健康づくりセンター設置に当たっては,総合的見地から検討されるよう要望いたします。
レジオネラ菌対策についてでありますが,市内の施設設備からも,レジオネラ菌の生息が確認されておりますので,発生源の可能性のある冷却塔や給湯設備の設置者に対する適正な管理指導の継続,市民に対するレジオネラ菌の正しい知識の普及や自衛策の積極的な啓発,また,国に対しては,早期に
安全対策や衛生対策の確立を求めるものであります。
次に,遺伝子組みかえ食品についてでありますが,この食品の安全性に関しては,国は関係法等の基準に適合しているとの見解を出しておりますが,既存の食品と違う生産過程であることや,将来,体に与える影響など,不安の要素が多く,また,心配をしている市民が多いわけですから,市としても,この食品の安全性確保,情報提供の推進,遺伝子組みかえ食品の表示の義務化等について国に働きかけることを要望いたします。
次に,
市立病院関係についてであります。
オーダリング
システムについてでありますが,この
システムは,病院内の各種情報の共有化を図り,医療事務の簡略化・迅速化を図るため,医療各部門に運用している各種医療情報
システムのネットワーク化を目的とするものであります。この
システムの効果は,情報が院内の各部門にいち早く伝達されるので,診療待ち時間,会計待ち時間,薬の待ち時間などの短縮が可能となり,また,診療報酬請求事務の合理化,各種伝票類の転記事務の軽減及び伝票にかかわる印刷費の削減によるランニングコストの減など,多くが期待されておりますので,ぜひ早急に導入されるよう要望いたします。
次に,
建設局関係についてであります。
河川の環境整備と市民参加についてでありますが,河川は,都市内に残る貴重な自然空間として価値が見直されており,河川の環境管理も多自然型整備,親水型整備,景観型整備などの手法で行われております。そして,その維持管理には,
地域住民,小・中学生,ボランティア団体等の協力や河川管理モニター制度を活用した市民参加型の河川愛護活動が展開されております。
今後とも,啓蒙活動の推進,愛護団体の結成,表彰制度の創設,モニター制度の充実,そして河川に関する各種パンフレットの発刊などを行うよう要望いたします。
生活道路の坂道対策は,安全性の確保にかかわる緊急課題であり,早急の対応が望まれております。対策を速やかに確立させるために,実態の把握から調査の実施,対策の検討まで,一連のスケジュールに基づいて進め,坂道の路面管理手法が確立されるよう要望いたします。
次に,
都市整備局関係についてであります。
国際ゾーン計画についてでありますが,このたび,札幌市を含めた関係の地権者で構成される研究会から,札幌国際ゾーン
街づくり指針が取りまとめられましたが,この指針に基づき,創成川通の連続地下化や大通の延伸など,計画の骨格となる都市インフラの整備を先行的に取り組むべきと考えます。また,西2丁目線の地下通路整備は,国際ゾーン計画と密接に関連するインフラとして,並行して実現されますよう,
関係部局との調整を要望いたします。
次に,
建築局関係についてであります。
市営住宅における高齢化対策についてでありますが,高齢の入居者から昇降が困難との理由で,1・2階への住みかえやエレベーター付の団地への住みかえ要望が多く,これまでも議論をされておりますが,ぜひ前向きな対応策を検討していただきたいと思うわけであります。しかし,それが,現状で十分に満足させることができないとすれば,住戸内に手すりを取りつけるなどの簡易な改善工事をして,当面の不自由を補う心配りが必要と考えますので,ぜひ実施されるようお願いをいたします。
また,除雪に関してですが,高齢化率の高い住棟の除雪については,何らかの方法で
負担軽減を図るよう,特段の配慮がされますよう要望いたします。
次に,
経済局関係についてであります。
遺伝子組みかえ農作物については,自然生態に及ぼす影響や食品としての安全性という点において,消費者から不安の声が上がっております。この対策として,遺伝子組みかえ農作物表示の法的な義務化,啓発活動のための組織づくり,的確な情報提供などを行い,農業者,消費者を守るということを視野に入れた対応を要望いたします。
次に,
交通局関係についてであります。
出資団体である財団法人交通事業振興公社は,設立時から現在まで,その業務内容は交通局からの受託業務を主としております。財団の設立目的からしても,交通局の肩がわりとなるような公益独自事業の
取り組みが可能ですので,積極的な
事業展開を図り,交通事業と一体となって進むことを要望しておきます。
バス事業における乗客サービス向上への
取り組みについてでありますが,バス停の時刻表を所管の営業所から利用者に,ファクスや郵便で送付するサービスが開始をされましたが,どの営業所からでも,市内各停留所の時刻表が利用者の手に入るようなサービス拡大をするよう要望をいたします。
次に,水道局についてであります。
今回の
水道料金改定に関してですが,水道局内では,
業務改善計画を策定し,経営効率に取り組んでおりますが,平成12年度末には約219 億円の累積欠損が見込まれることから,これらの解消を図るために,相応の受益者負担の増はやむを得ないと考えますが,さらに一層の経営の効率化に積極的に取り組んでいただくことを強く求めておきます。
水質監視体制の充実についてでありますが,水道事業にとって,飲料水の水質管理に万全を期することは当然で重要な事項であり,水質の連続監視への
取り組みが具体化してきたことは評価できるものであります。また,今年度は,水質分析機器を搭載した水質試験車を導入したと聞きますので,この機動性を持った水質試験体制を効果的に利用して,今後の水質管理体制の充実を図っていただきたいのであります。
さらに,水道水の質の安全性については,市民の関心の高い事項でありますので,水質情報の提供,公開といった課題についても,今後,積極的な
取り組みを要望いたします。
以上,本委員会で我が会派の委員が取り上げました事項について,要望を交えながら述べてまいりましたが,理事者におかれましては,その実現に向けて十分検討し,施策に反映されるよう要望して,私の討論を終わります。
◆飯坂 委員 私は,日本共産党を代表して,本特別委員会に付託された議案23件中,議案第1号
一般会計予算中関係分及び議案第3号,第6号,第13号から第17号,第21号から第23号,第27号から第30号までの15件は,
市民負担を強いる料金値上げや消費税増税にかかわるもの,行革,リストラによる
市民サービス切り捨てや,国の法改悪に伴う
市民サービスの低下を招くものであることから反対し,残余の議案には賛成,また,水道料金や保育料の値上げに反対する請願44件,陳情4件については採択すべきものとの立場から,以下,その理由について討論を行います。
まず,議案第1号
一般会計予算についてであります。
我が党がこれに反対する主な理由の一つは,この予算の中に22年連続の
保育料値上げが含まれているからです。平均2.69%とはいえ,名目所得が上がることに伴う所得階層のスライドに伴う負担増とあわせて,子育て世帯へ保育料の値上げを押しつけることは許されません。
昨年,本市が策定した子育て支援計画では,保育料などの
負担軽減を明記しているにもかかわらず,新年度も国の基準に対する軽減率を1%引き下げて
市民負担を拡大することは矛盾しており,むしろ軽減率を引き上げて,公的助成をふやし,値上げを見送るべきであります。
また,エネルギー供給公社についてでありますが,今年度末で累積赤字は23億円を超える見込みであり,地下鉄廃熱利用のエネルギー供給というこの事業は,既に破綻をしているにもかかわらず,新年度も10億円の事業費貸付金が計上されており,反対です。
都心部の
熱供給事業の見直しと言いながら,札幌はエネルギー供給公社への市職員の派遣などをやめようとはせず,需要拡大のための膨大な
施設整備に多額の市費を投入しようとする姿勢は問題です。
次に,議案第3号 団地造成会計予算についてであります。
新川地区工業団地についてでありますが,本年夏に分譲が開始されます。分譲価格が,当初計画どおりにできるかどうかが問題であり,現在の見通しでは,地価下落の状況から,計画どおりの価格では分譲できず,米里地区
工業団地同様に,まちづくり推進基金を充当して価格引き下げに対処する方針が質疑の中で明らかになりました。我が党は,米里北地区
工業団地に6億7,800 万円をまちづくり推進基金から繰り入れて穴埋めをした昨年10月の第3回定例議会においても,問題点を指摘し反対しましたが,公共的性格を持つものとして,特定の企業等への用地分譲事業に,市民の共有財産であるまちづくり推進基金を取り崩して市費を導入するやり方は問題であり,反対です。
次に,議案第6号 国民健康保険会計予算及び議案第23号 国民健康保険条例の一部を改正する条例案についてであります。
市長は,1世帯当たりの平均保険料は据え置いたとしていますが,実際には,各階層で値上げが予定されており,最高限度額も年50万円から51万円に引き上げるものであり,容認できません。また,現状でも,本市職員共済や政府管掌健康保険の2倍から3倍ともなっている,負担能力を超えた高過ぎる国民健康保険料の引き下げを強く求めておきます。
次に,議案第15号 交通事業会計予算及び議案第16号 高速電車事業会計予算についてであります。
いずれもバスと地下鉄の平均約10%の料金値上げを含むものであり,反対です。
次に,議案第17号 水道事業会計についてであります。
今回の値上げ案の特徴は,新たに約60億円の
資産維持費が導入され,
市民負担を膨らませているということです。平均値上げ率15.09 %で,家事用は13.79 %に抑えたと言われますが,今回の改定で,家事用の基本料金は12政令都市中最も高くなり,月25立方メートルを使用するごく普通の家庭でも平均改定率を上回ることになり,さらに,家事以外の用でも,年間売り上げ1,000 万から2,000 万程度の小規模・零細業者など,小口利用者には改定率約20%の負担増を強いることになり,長引く不況のもとで,市民生活と営業を圧迫するこのような値上げは断じて容認できません。
一方,大口利用者の逓増度は2.84倍に据え置かれ,大都市中,下から2番目であり,しかも,市民の共有財産である地下水のくみ上げを放任しているのですから,まさに市民には重い負担を,大企業には思いやりをとの桂市政の特徴が如実にあらわれていることを厳しく指摘し,今後の改善を強く求めておきます。
次に,議案第21号 保健所設置条例の全部を改正する条例案及び議案第22号 保健所使用料及び手数料条例の一部を改正する条例案についてであります。
地方行革,自治体リストラの名のもとに,本市の保健衛生行政を大幅に後退させる保健所統廃合を内容とするこのような条例案には,反対であります。
質疑の中でも指摘をしましたが,地方自治体の仕事は,住民の安全,健康,福祉を守ることであり,市民の疾病予防,
健康増進及び食品や環境の安全を守る日常の公衆衛生行政は極めて重要であります。にもかかわらず,4月1日から1保健所9保健センターという新体制を他都市に先駆けて強行しようとする姿勢は,市民の願いと市政との矛盾を一層深刻にするものです。さらに,新年度の専門職増員が15人程度しか見込まれないことから,健診業務等を民間委託にするというやり方は,市民や現場職員との約束をほごにするばかりでなく,これまでの議会での答弁をも著しく無視するものであり,断じて容認できません。
次に,議案第27号
市営住宅条例の全部を改正する条例案についてであります。
国の公営住宅法の改定に準じたものですが,今回の改定の問題点は,第1に,1種,2種の区分がなくなり,2種の建設費補助が3分の2から2分の1に減らされること,第2に,一般世帯の入居基準の収入分位が33%から25%に引き下げられ,多数の収入超過者が生み出されること,第3に,家賃の算出方法が,これまでの個別原価方式から応能・応益家賃となり,市場原理が導入されることであり,反対です。
本市の入居者に対しても,とりわけ一般世帯に与える影響は大きくなることが予想されますことから,強制的な追い出しをしないこと,低所得者に対する家賃減免制度を残すこと,自治体の裁量に任せられている利便性係数を最低の0.7 に抑え,
市民負担の軽減を図るべきであります。あわせて,
市民ニーズに合わせて,大量の
市営住宅の建設を求めておきます。
最後に,議案第2号 土地区画整理会計予算についてであります。
まず,東茨戸地区区画整理事業が組合施行で実施されますが,地元住民からの反対の声も根強く,あくまでも住民合意による事業遂行でなければならないことを強く指摘しておきます。
また,札幌駅
南口地区土地区画整理にかかわって3億9,500 万円が計上されておりますが,駅南口の再開発にかかわって,我が党は,地価下落の中でJR本社の移転補償が当初計画どおり執行されることは,一方的に本市の持ち出し,すなわち本市持ち分の資産縮小につながることに重大な懸念を持っており,また,JRが旧駅舎跡地に巨大な商業施設を誘致しようとしていることが,本市における大型店のウエートをさらに高めて,地元商店街などに悪影響を及ぼすことにならないのか危惧をしているものであり,本市が市民本位の駅前再開発・再整備の立場で,主体的にこの問題にかかわるよう指摘しておきます。
以上で,私の討論を終わります。
◆山口 委員 私は,第二部
予算特別委員会に付託されました議案中,第6号,97年度札幌市国民健康保険会計予算,第13号 札幌市病院事業会計予算,第14号 札幌市中央卸売市場事業会計予算,第17号 札幌市水道事業会計予算,第23号札幌市国民健康保険条例の一部を改正する条例案,第28号 札幌市水道事業給水条例の一部を改正する条例案,第29号 札幌市中央卸売市場業務規程の一部を改定する条例案,第30号
市立病院使用料及び手数料条例の一部を改正する条例案には反対,残余の議案には賛成,また,保育料の改定に関する陳情については不採択,
水道料金値上げに関する請願については採択の立場から討論いたします。
先般の代表質問でも申し上げましたように,国においては,新年度から消費税率を現行の3%から5%に引き上げるとともに,特別減税の廃止,医療保険制度の見直しなどにより,国民は大きな負担を強いられることとなり,このことが日本の経済を一層低迷させることになるものと危惧しているところであります。
こうした中で,生活に密接している交通料金に続いて,上下水道料金が改定されることは,市民生活を一層圧迫するものであり,市民生活を守る立場にある市長としては,
料金改定を見送ることが政治的見識と考えるものであります。
聴聞会でも指摘されていましたように,本市の水道料金は,他の政令都市と比較いたしますと,神戸市の1.5 倍であり,基本料金の高さは12都市中,仙台市に次いで第2位であります。
市民に対し,安全な水を安定的に供給するという水道事業の使命は,どの都市においても同じであり,この使命を達成するために,なぜ本市の場合,事業費が他都市より必要であり,したがって,高い料金水準になるのかについて,市民に対して情報公開すべきでありますが,その努力が不足していると言わざるを得ません。
また,日本水道協会の諮問機関である水道料金調査会の答申によりますと,公共料金の抑制が強く求められている今日の社会状況のもと,水道料金の安易な引き上げは受け入れられないであろうとされております。その上で,インセンティブ規制の考え方,料金算定期間の長期化を図ること,議会や市民への情報提供,
経営効率化指針の策定などが盛り込まれております。
答申のまとめとして,水道料金算定要領の改定が提言されており,このことから考えましても,新年度,
資産維持費の考え方を導入する時期ではないと考えるものです。
また,国が公共事業基本計画の見直しに着手している現在,水道事業における設備投資についても計画を見直し,
市民負担を極力抑制すべきであります。
以上の観点から,平均で15.09 %の
料金改定については反対をいたします。
また,消費税率のアップに伴い改定される使用料及び手数料関係の議案及び
市民負担の増となる議案につきましても,市民生活への影響を考え,反対をいたします。
以下,局ごとに市民ネットの意見を申し上げてまいります。
初めに,民生局についてです。
本市の
高齢者保健福祉計画にも盛り込まれ,
在宅福祉サービスの供給源として大きな役割を果たすことが期待されているワーカーズ・コレクティブやボランティアなど,NPOの福祉活動の育成・支援については,行政が積極的に取り組むことは当然のことですが,まず,その実態を把握し,行政とNPOの役割分担と連携について検討する必要があります。今回,実態調査の方向が示されましたことは評価をいたします。
そこで,新年度の早い段階に実態調査に着手し,その結果を公表するとともに,あわせて,NPOの情報公開についても,実施の方向で社協と協議されることを求めます。
福祉の
街づくり要綱の条例化については,その時期を98年度と明らかにされたことについては,評価するものであります。
条例には,多くの貴重な教訓を残した阪神・淡路大震災の調査結果も踏まえ,高齢者や障害者の避難所での生活に配慮した
街づくりを進めることを盛り込むことが必要です。委員会における答弁は,このことについては消極的でしたが,阪神大震災の教訓を積極的に受けとめるべきであることを指摘しておきます。
保育行政については,現在,中央児童福祉審議会で
児童福祉法の見直しが進められており,保育所のあり方についても検討されております。昨年策定された本市の子育て支援計画でも,少子化対策を最重要課題に挙げております。保育のニーズに対応するため,夜間保育,延長保育などの施策の多様化を図っていることは評価でき,値上げがやむを得ない部分もあります。しかし,
児童福祉法の見直しとあわせ,子育て支援計画の考え方を実現するためには,新たな観点からの保育料のあり方の検討を強く求めるものです。
民生局の最後は,高齢者福祉についてです。
在宅の公的サービスの実績が,区によって大きく異なっていることは,委員会でも指摘したところです。これは,区福祉部の中でも地域割り制を取り入れていることの影響が大きいと考えますので,本格的な地域割りを分区時に全区で実施し,
在宅福祉の充実を図るべきです。
次は,衛生局です。
市民ネットでは,これまで本会議や委員会において,保健と福祉の一体的展開の必要性を主張し,そのために,本庁機構の統合,区における保健福祉センターの設置を提案してまいりました。しかし,この4月から実施されるのは1保健所9保健センターであり,保健福祉センターについては11月の分区時からスタートということであります。わずか7カ月後に保健福祉センターがスタートするのですから,市民の間に保健センターが定着しないうちに機構が変わることになります。また,区役所においても,短期間の間に2度も表示の変更作業をするとともに,レイアウトの変更もしなければなりません。
市民サービスの面からも費用の面からも問題です。
4月から,保健福祉センターとしてスタートさせるのが本来でありますが,時期がおくれるのであれば,本庁の機構改革,保健福祉局の設置にあわせスタートさせるべきです。
しかし,保健所の見直しは,時代の要請にこたえ,積極的に進めることは必要ですから,このたびの改革については,市民に混乱を来さないようにし,さらに先行してスタートした他都市の問題点もクリアして進めるように求めるものです。
「患者よ,がんと闘うな」のベストセラーに見られるように,ここ数年,検診について,専門家の間でさまざまな議論が展開され,その中で,検診方法によっては人体にデメリットの方が大きいものが明らかになったものもあります。4カ月健診における股間節脱臼の診断において,これまでレントゲンを使用してきましたが,私ども市民ネットでは見直しを主張してまいりました。人体への影響を考慮し,見直すことになったことは評価するものであります。
また,小児がん検診につきましても,賛否両論あることから,これまでの検診効果は評価するものの,検診時期をおくらせるなどで,自然治癒のがんと手術の必要ながんを判断できるような工夫も必要と考えるものです。
次は,
市立病院についてです。
最新鋭の検査機器を導入するとともに,患者サービスについてもさまざまな工夫をした新しい
市立病院には,大きな期待が寄せられておりました。しかし,患者サービスについて見ますと,必ずしも向上していないということです。診療科目が細分化されたことから,看護経験者が外来患者の総合相談を受けていますが,的確でないことがあること,薬局での待ち時間が長くなったことなど,患者さんの声として挙げられております。
市立病院においても,総合外来科を設置するとともに,医療総合情報
システムの確立を早急に実施することにより,患者サービスの一層の向上を図るべきと考えます。
建設局については,都市化の進展に比例し,自然や環境の保全を求める市民の声が高まっています。都市の貴重な公共空間として大きな役割を担っている河川について,建設省では,環境の整備と保全の観点を盛り込んだ河川法の改正を行うところであります。本市においても,河川を手軽に自然と触れ合う貴重な自然空間と位置づけ,子供にとっての自然教育,環境教育の場となるような水辺づくりを行うなど,治水工事に重点を置いた従来の発想を転換すべきであります。
建築局については,マンション紛争の増加により,中高層建築物要綱の条例化,さらにパチンコ店出店規制の検討など,建築物をめぐる地域との紛争解決が求められております。研究・検討を速やかに行うことを求めておきます。
次は,
都市整備局です。
現在,篠路地区では,団地造成事業,駅周辺再開発事業のほか,区画整理事業を導入し,総合的な
街づくりを行う計画になっております。団地造成では,福祉や環境などにおいて,さまざまなモデル的な事業が導入されるとのことですが,区画整理事業については,全面的な住民参加による
街づくりのモデルとし,今後の
街づくりの方向性を見出す事業として位置づけるべきと考えます。
札幌駅南口の区画整理においては,ワークシ ョップ方式を取り入れ,多くの市民からさまざまな意見を聞くこととしていますが,その意見の集約の過程において,少数意見がどのように整理されたのか。また,相反する意見がある場合,どう反映されるのかなど,市民に明らかにされておりません。札幌市が意見を求めた以上,集約の過程を明らかにすることが,札幌市の誠意ある態度であります。
まちづくりセンターについては,第三セクターの統廃合が行革の大きな課題である現在の状況を考えますと,新たに第三セクターを設立するには,市民が十分納得できる理由が必要であります。
以上,
街づくりについて述べてまいりましたが,いずれにいたしましても,具体的な
街づくり計画の策定に当たっては,市民と行政がパートナーとして協力していくことにより,初めて住みよい街が実現するものと考えます。よりよい市民参加の方法も含め,ハード面だけではなく,ソフト面の充実を強く求めるものであります。
続いて,経済局についてです。
遺伝子組みかえ食品については,厚生省と農林省の対応が異なっておりますが,市民の健康を守る第一線の自治体である札幌市としては,市民に正確な情報を提供するという立場から,表示について積極的に取り組むことが必要と考えます。市民局,衛生局などと連携し,国に強く要望すべきものと考える次第です。
次に,交通局についてです。
交通事業の財政再建を図るとのことで,この4月から交通料金の値上げが実施されます。市民に負担を強いる以上,きめ細かな
市民サービスについて早急に取り組むべきです。
新年度より,バス路線の再編成に取り組まれるとのことですが,東京都武蔵野市が導入し,今,全国から注目されているムーバスは,きめの細かな運行をすることから,利用者から高い評価を受けております。こうした新しい
事業展開は,高齢社会の進展などによる市民生活の変化を的確にとらえ,
市民ニーズに積極的に対応しようという姿勢があって初めて可能になると考えます。ムーバス導入の際行ったバス空白地域,交通不便地域の洗い出しを,本市においても行った上でバス路線の再編成をすべきと考えるものです。
高齢者や車いす利用者が使いやすいノンステップバスについては,既に横浜市や旭川市が導入しております。本市においても,積極的に導入すべきであります。
最後に,水道局についてです。
先ほど述べましたように,今回の
料金改定は,他の公共料金の値上げと相まって,市民への負担が大きく,容認できないことを再度申し上げておきます。
また,災害に強い
街づくりということで,新年度,札幌市全体でも96.2%増の防災予算が計上されております。水道局におきましても,ライフラインのかなめである水の確保に向け,耐震性の強化を図る事業が予算化されております。
阪神大震災の際,緊急遮断弁が作動し,飲料水は確保されたものの,消火用水が1時間30分で底をつき,火災が拡大したことが報告をされております。
国においても,新年度,
防災対策の新たなメニューが次々と出されてまいりました。消防局を初め各局の
防災対策と緊密な連携をとり,水の確保に努められることを強く求めるものです。
以上で,私の討論を終了いたします。
◆菅井 委員 私は,新政クラブを代表いたしまして,本委員会に付託されました平成9年度
予算関係諸議案につきまして,これに賛成する立場から,また,
水道料金値上げに反対する請願及び
保育料値上げに反対する陳情には不採択とする立場から,簡潔に討論を行います。
平成9年度の経済の見通しは,景気回復が期待されているところでありますが,依然として不透明な状況にあって,市の財政においても,市税は,特別減税の廃止による影響を除く実質的な伸び率は1.1 %増と,前年度を下回る極めて低い伸び率になったのであります。しかし,このような状況にあっても,平成9年度予算は,福祉・
保健医療施策の充実,防災体制・対策の強化,21世紀の都市基盤づくり,総合交通,総合環境対策の推進など,市民生活の各分野にわたるバランスのとれた,しかも市民要望を多く取り入れた予算であることが理解できることから,これを可とするものであります。
そこで,主な項目について,要望を交えながら評価をしてまいりたいと思います。
まず,
市営住宅問題についてであります。
高齢化社会への対応として,高齢単身者向け住宅や車いす使用者向け住宅,ケア付住宅など,時代に合った,かつニーズに沿った
市営住宅の建設が求められています。しかし,建設年次の古い
市営住宅の大半は,4・5階建ての階段型であり,また,玄関から道路までの距離が長いものが数多く見受けられることから,現在,3階以上に住んでいる高齢の入居者から,1・2階への住みかえやエレベーター付の団地への住みかえの要望が数多く寄せられています。
また,団地内の除雪に関しても,それぞれ自治会で行っていますが,高齢世帯の多い住棟ではその負担が大きく,自治会での対応には限界があると思うのであります。
そこで,入居者相互の協力による住みかえ,計画的な住みかえ住戸の確保など,積極的に住みかえ制度の推進を図る必要がありますし,また,団地内除雪についても,何らかの方策を検討する必要があると思います。
今後,ますます進行する高齢化社会における
市営住宅対策は重要な課題であり,安心して住める住宅を目指して,きめ細かな対策がなされるよう求めておきます。
次に,都心部の
熱供給事業についてであります。
地域
熱供給事業は,現在,三つの事業者が五つの地域に供給して,大気汚染防止や省エネルギーなど一定の役割を果たしており,都市施設として熱供給施設を整備することは,快適な都市環境の創出に寄与するものであり,積極的に推進しなければならないと考えるものであります。しかしながら,本市の都心部に供給している
北海道熱供給公社,
札幌エネルギー供給公社については,非常に厳しい経営状況に置かれているため,一定の熱需要見通しに基づいた需要家の確保が重要であります。条例などにより,一定地域に対して地域熱供給への加入を義務づけるなど,行政として積極的な誘導策を講ずる必要があるのではないかと考えるものであります。
そこで,今後の地域熱供給の推進へ向けた
取り組みとして,熱供給への加入義務を含む普及促進を図るための環境整備など,実効性のある推進方策について,
関係機関と協議をされるよう要望いたします。
次に,水道事業の問題についてであります。
本市水道は,給水需要急増に対応するため,大規模な建設投資に際しては,その資金需要の大部分を企業債で賄ってまいりました。
一方,これまでの
水道料金改定では,
市民負担の急増を抑えるため,減価償却による
留保資金も建設財源に充当する資金ベースの料金算定を行ってきたことから,拡張期を過ぎても,施設更新のための再投資資金は改めて企業債に依存しなければならないという財政構造にあります。
このような財政上の懸案から,前回
料金改定時において,
累積欠損金を解消し,資金留保をも許容する損益ベースの採用に踏み切り,健全経営の確保を目指したことは大いに評価できるものでありますが,いまだ企業債依存からの脱却の緒についたにすぎず,新たな資金需要もあって,企業債の依存度合いをどう抑制するかは,今後の課題として残されているわけであります。