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平成 9年第二部予算特別委員会−03月10日-03号
平成 9年第一部予算特別委員会−03月10日-03号

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  1. 札幌市議会 1997-03-10
    平成 9年第二部予算特別委員会−03月10日-03号


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    平成 9年第二部予算特別委員会−03月10日-03号平成 9年第二部予算特別委員会             札幌市議会第二部予算特別委員会記録(第3号)                 平成9年3月10日(月曜日)       ─────────────────────────────────── ●議題 付託案件の審査 ●出席委員 34人     委 員 長  千 葉 英 守 君        副委員長  柿 崎   勲 君     委   員  小 谷 俵 藏 君       委   員  室 橋 一 郎 君     委   員  佐 藤 美智夫 君       委   員  常 本 省 三 君     委   員  高 橋 忠 明 君       委   員  村 山 優 治 君     委   員  原 口 伸 一 君       委   員  伊 藤 知 光 君     委   員  道 見 重 信 君       委   員  佐々木   肇 君     委   員  笹 出 昭 夫 君       委   員  宮 村 素 子 君     委   員  新 山 やすし 君       委   員  勝 木 勇 人 君     委   員  湊 谷   隆 君       委   員  伊与部 敏 雄 君     委   員  澤 木 繁 成 君       委   員  西 村 茂 樹 君     委   員  猪 熊 輝 夫 君       委   員  大 西 利 夫 君     委   員  小 野 正 美 君       委   員  本 舘 嘉 三 君     委   員  春 原 良 雄 君       委   員  小 田 信 孝 君     委   員  涌 井 国 夫 君       委   員  本 郷 俊 史 君
        委   員  高 橋 重 人 君       委   員  飯 坂 宗 子 君     委   員  武 藤 光 惠 君       委   員  山 口 た か 君     委   員  菅 井   盈 君       委   員  北 川 一 夫 君       ───────────────────────────────────        開 議 午後1時 ○千葉 委員長  ただいまから,第二部予算特別委員会を開会いたします。  報告事項は,特にございません。  それでは,議事に入ります。  第4款 衛生費 第1項 保健衛生費,第4条地方債のうち関係分,議案第21号 札幌市保健所設置条例の全部を改正する条例案,議案第22号札幌市保健所使用料及び手数料条例の一部を改正する条例案及び議案第24号 札幌市精神保健福祉センター条例案について,一括して質疑を行います。 ◆道見 委員  それでは,私から,大きく二つ質問をいたします。  最初に,がんの検診について質問をいたします。  平成9年度の予算を見ると,胃がん,大腸がん子宮がん乳がん等と書いてあるのです。この10億4,000 万でがん検診を行うと,こういうふうになっておりますが,このがん検診の四つは代表的なものを書いたのだろうと思うので,まずがん検診の種類,それから,どういうようながんの検診を平成9年度はやろうと計画をしているのか,その10億4,000 万の内訳。  それから,がん検診をするということは,その目的は早期発見ということだろうと私は理解をしおります。そうであれば,がん検診早期発見で,一番新しい年度でよろしいですけれども,統計的に何年かの年度があればそれを言っていただきたいのですが,何件がん検診やって,どういう種類で,どういうような早期発見をされているのか。そして,早期発見されたがんの患者がその後どうなっているかという追跡というのですか,10億の予算をかけてやるわけですから,どういうふうにそれが市民のがん検診に役立って,治っている人がいれば一番いいわけですから,どういうような状況になっているか,まず,がん検診の二つの項目について質問をいたします。 ◎佐々木 保健衛生部長  がん検診についてのお尋ねでございますが,第1点目のがん検診の種類と費用の内訳でございます。  老人保健法に基づいて札幌市が実施をしておりますがん検診は,胃がん検診大腸がん検診子宮がん検診乳がん検診肺がん検診の5種類となってございます。  その費用の内訳といたしましては,事務費も含めまして,平成9年度予算で,胃がん検診費は約3億8,000 万円,大腸がん検診費は1億5,000 万円,子宮がん検診費は3億9,000 万円,乳がん検診費は1億1,000 万円,そして肺がん検診費が800 万円となってございます。  次に,がんの早期発見件数と発生後の状況についてでございますが,平成7年度のがん検診でがんを発見された受診者は,胃がん検診では受診者数4万4,843 人中57人,0.1 %,大腸がん検診では3万7,568 人中114 人,0.3 %,子宮がん検診では7万7,374 人中56人,0.07%,乳がん検診では4万8,514 人中93人,0.2 %となっており,肺がん検診は6,569 人の受診者がおりましたが,がんであった方はおりませんでした。  がんを発見された方につきましては,検診機関で専門の医療機関を紹介し,手術を初めとする適切な治療が行われており,例えば札幌市民胃がん検診受診者について見ますと,平成4年度までの22年間に発見された889 例中早期がんは51%,そのうち5年間生存した方は98.2%となっており,早期がんの成績は極めて良好と考えられます。これに対して,進行がんの5年生存率は58.7%と低くなっておりますので,早期がんの成績は良好であり,このがん検診は市民の健康上,必要であると考えてございます。  以上でございます。 ◆道見 委員  がん検診の内訳,これを見ると,大体延べ20万人が受けられて,早期発見をされていると,こういうことです。  私が,なぜこういう質問を出してきたかというと,最近,慶応大学の近藤 誠の「がんと闘うな」という本が一つ注目されております。それに対してもう一つは,がんと闘うなではなくて,自治医科大学の斉藤 建さんが全く正反対の本を出して,関心のある人にとっては話題をまいていると,こういうことです。  近藤 誠教授は,その本の中で,早期発見を目的にしたがん検診は要らないのでないかと書いている。反対側のもう一人の方は,全部が反対とは言っていないのですが,がん検診の項目のうちの乳がん肺がんについては,どっちの先生も早期発見が目的のがん検診は,効果としてはゼロとは言わないけれども,がん検診をやらなくてもいいのでないかと,こういうふうに言っているわけですね。全く相対立の先生が,ここだけは一致している部分なのですよ。  肺がん乳がんは,早期発見を目的としたがん検診をしなくてもいいのでないかという理由は,ここにお医者さんが何人もおりますから,私が今さら言うまでもないけれども,そこに書いてあるのは,乳がんを早期に発見するというのは技術的に難しいと。乳がんとわかるのは,しこりがあるかないか,さわってみるのが一番いいと。ということは,さわったときにしこりがあったら,もう乳がんになっていると,こういうことでしょう。肺がんは,肺の機構からいけば,調べてもなかなかそれを発見できないと。  言いかえるならば,この二つは,早期発見を目的にして手を施すという部分については,がん検診の効果というのか,現時点では必要ないのでないかと。  私が本を読んでいくと,最も相反する先生の一致した意見がこういうことなのですが,これが本当にそうならば,今,部長から,肺がんは予算800 万,乳がんが1億1,000 万と,これだけの膨大な費用をかけてやるわけですから,一つの問題の投げかけ程度というふうに理解していいものなのか。がんというものを考えたときに,もっとがん検診のあり方というものの見直しをする,そういう時期が来ているのかなと。専門の病理の先生が言うわけですから,私は間違ったことは言っていないと思うのですよね。  ここに,半分ぐらいお医者さんがいるわけですけれども,局長はもちろんお医者さんですが,専門のお医者さんはここら辺の見解はどうなのか。それは本の話だけだから,行政には関係ないと言って,つれなく答弁するのか。これは,相当影響があるのでないかと思うのですよ。あるいは,我々の知らないところで,先生方の中に,がん検診がやってきた役割,効果,そういうものを含めて,何か新しい動きを国でもしているのか,それとも,先生方自身も何か独自の見解を持って,今後のがん検診を続けようとしておられるのか,そこら辺を聞かせていただきたいと思います。 ◎宮田 保健衛生部参事  今の委員のご質問についてですけれども,まず,近藤説,斉藤説に対する見解を述べたいと思います。  最近,慶応大学の近藤氏がその著書の中で,がん検診は無効である,百害あって一利なし,がん検診を拒否せよという論理を展開され,一方,自治医科大学病理斉藤先生は,これに反論する本を出版されて,それぞれがベストセラーになっていることは承知しております。  がん検診の有効性が証明されないから,がん検診の無効性が証明されたという近藤先生の論理には,明らかに飛躍があります。我々は,そう認識しております。しかしながら,これらの本がこれほど多くの人々に読まれている背景には,健康に対する人々の関心の高さと同時に,検診あるいは健康診査というものの役割について,人々の理解が十分得られていないことが考えられます。  今後,市民の皆様には納得して検診を受けていただけるように,努力を重ねていかなければならないと考えております。  それから次に,乳がん肺がんの検診は有効でないから,見直しを考えろという意見が,確かに学会の中でもございます。  まず,がんというものについての検診の有効性は,検診の後,そのがんでもって亡くなる方がどれだけ減るかということで有効性を見る見方が,一番確かな目で見える形であります。そういう意味からいいますと,乳がん,胃がん,大腸がん子宮がんは,検診の後,そのまま検診を受けないでそのがんで亡くなる方と,検診を受けてがんで亡くなる方,そういうことで見ますと,確実に検診を受けておられた方のがんによる死亡は減っております。すなわち,有効であります。  肺がんに関して言いますと,がんの検診を受けて,肺がんで亡くなる方が7割ある。これは肺がんという特性もありましょうけれども,いろいろ疑義を挟む意見が出されておりますが,最も最近の権威ある成毛班という,厚生省で今このことを研究しておるわけですけれども,そこにおいて出された一番新しいデータは,肺がんは検診を受けられた方において3割のがん死を減らしていると,そういうことで,決して有効でないから廃止するという線はまだ出ておらないと考えております。  それから,厚生省の考え方はどうかということですけれども,まだ通知は来ておりませんが,最近の医療におけるインフォームド・コンセント(説明と同意),これは治療面,医療面において積極的になさなきゃならないという方向は出ておりますけれども,がん検診を含めた検診の場合においても,十分にそのメリット・デメリットを説明した上で,納得して受けていただくような方向に改まっていこうかと思われます。 ◆道見 委員  がん検診のことは,今言ったように,話題になっている。これは行政でやっていることですから,一つの見解を持っていないといけないと思って,私は質問したわけであって,ここで,医者でもない私ががん論争をやろうとは思っておりません。  いずれにしろ,成人病の3分の1はがんで亡くなっているわけですから,国民にはそれだけ意識の高い問題であって,どっちが正しくて,どっちが正しくないのか,私もわかりませんけれども,こういうような本が出ている限りにおいては,同じがん検診をやるにしても,国民の意識は違った目で,ことしはがん検診を受けるだろうと思うのですよ。ですから,そこら辺を行政当局もきちんと,なぜ札幌市はがん検診をやるのかということをはっきりした考えの中で進めていってもらいたいと,こういう意味も込めて質問をさせていただきました。  続いて,大きな質問のもう1点は,昨年の秋に,国の公衆衛生審議会成人病部会で,成人病と言われていたものが,名前が生活習慣病と,こういうことに改められましたね。それなりの意味を持っているし,考えがあってそういうふうにしたというふうに私は理解しております。  平成9年度の衛生局の予算を見ると,生活習慣改善指導費4,096 万5,000 円がのっているわけですが,まず昨年の公衆衛生審議会生活習慣病というふうに改められたことによって,札幌市の行政として,成人病に対する衛生局のかかわり方に,考え方の変化と行政の進め方に対して何か新しい対応が出てこられたのかどうか,そのことが生活習慣改善指導費に反映しているのかしていないのか。  それと,この事業費の内容,どういようなことをこの中でやろうとしているか,この二つの点をまず質問いたします。 ◎佐々木 保健衛生部長  お答えをいたします。  1点目の成人病生活習慣病に改められたことに伴います札幌市の対応でございますが,これは,脳卒中,がん,心臓病のいわゆる3大成人病のほかに,糖尿病,肝臓病などでは,食生活,飲酒,運動,休養などの長年の生活習慣が,疾病の発症や進行に大きく影響していることが明らかになってきております。  この生活習慣病は,個人がつくり出してきた生活習慣に着目した病症群の概念として,昨年の公衆衛生審議会で新たに打ち出されたものであります。このことは,個々人の自己管理疾病予防に重要であるという考え方が,その背景にあるものでございます。  次に,厚生省では,平成4年の保健事業第3次計画の中で,生活習慣改善のための保健指導の充実を挙げております。  本市におきましても,保健所のすこやか健診の受診者に対しまして必要な指導を行ってきましたが,平成9年度からは,保健センターにおきまして,今まで実施をしてこなかった医療機関受診者の中から,要指導者に対しましても,保健婦や栄養士などのスタッフが積極的に生活習慣改善のための相談事業を行おうとするものでございます。  以上でございます。 ◆道見 委員  生活習慣の指導をやっていくということのようですけれども,さっきのがんの話じゃないですけれども,私は,これは非常に重要な厚生省の政策の変更だと思っているのですよ。  ご存じのように,エイズの問題から始まって,薬行政,医療行政への批判が去年は渦巻きましたですよ。有名な医学者までが起訴されるという,これは裁判になっていますから,有罪になるかどうかは別にして,そういうことが起こりました。そして,企業の倫理観も問われた事件があって,去年・おととしの統計で,日本は,社会保障費の中でも医療費が27兆8,000 億ですか,医薬系の医療費を1兆円加えると,もう30兆に来ていると思いますよ。このまま医療費がどんどんどんどん増大していったら,幾ら消費税が5%であろうが10%であろうが追いつかない時代が来ることは,もうはっきりしているわけですよ。だから,厚生省は何らかの形で個人負担に求めていっているわけですね。その一環の中で,生活習慣病と名前をつけたということは,私は,医療費をかけないで成人病をなくしていく,それにはどうしたらいいかということで,厚生省が方向転換してきたあらわれだと,そう理解しているし,そういうような動きも内部的にあるようです。  新聞の切り抜きをちょっと調べたら,こういう記事があります。一つは,96年7月6日の記事,5歳児の25%が成人病予備軍だと。子供のときから糖尿病系だとか,もちろん肥満の子供が最近多いですわね,高血圧あるいはコレステロール動脈硬化系,4人に1人がそういう予備軍になってきていると,こういうようなことが報道されております。  それから,去年の2月の新聞にも,これは道内の記事ですけれども,中学生の調査で,一つの町の調査ですから全部かどうかということは疑問があるにしても,多分これは全体的にそう言えるだろうと思いますが,生徒の1割は30代から50代の骨の状態。女性で言えば,骨粗しょう症なんて言っていますけれども,要するに骨がもろくなっていると。これを含めて,成人病予備軍なり,成人病が低年齢化してきているという実態だと思うのですね。  これは本市の実態ではありませんが,私は,本市としては,こういうことの一つの流れを踏まえて,平成9年度はもう間に合いませんけれども,早急に札幌市内の小・中学校の生徒たちを対象にして,衛生局はきちんと教育委員会との連携のもとに,実態調査をすべきだ。そのことが,我々の大事な子供たちを健康な体に育てていく最も重要な材料となるし,それによって,生活習慣病というものを,どういう角度で衛生行政として取り扱っていかなきゃならぬかということが明らかになってくるのではないだろうかなと,こう思うのですよ。  新聞の二つの例を申し上げましたが,私は,本市と全く同じだというふうに思うのです。どこの地域でなく,全体的だととらえているから,そういう観点で言うわけです。ましてや,本市は国保の赤字が膨大で,一般会計からも240 億投入しているわけですから。  私は,衛生局がこういうことに着目して行えば,札幌市における医療費はどんどん下がっていく。健康都市宣言はしていませんけれども,前板垣市長は,健康都市宣言的なことを議会で答弁しておられますが。  札幌には,いろんな科を含めて全部で4万5,000 もベッド数があるわけですね。大阪は札幌市より人口が100 万多くても,ベッド数は4万2,000 しかないのですよ。100 万も人口の少ないところが4万5,000 もベッド数があって,みんなが病院にかかれば,医療費が赤字になるのは当たり前のことです。  では,その背景は何か,要するに病気をつくらない,病人をつくらない,これが衛生局の役割なのですよ。その一環の中で,生活習慣病というのは非常に大きな位置づけ。その中の最も大きな位置づけは何かというと,食べ物と運動と心の問題とよく言われるように,食事が非常に大きな影響,統計的にもそうですよ。助役が子供のときは,摂取する脂肪はカロリーの中の20%しかなかった,今の子供は45%なのですよ。これは,欧米と同じに達したのです。  そういう食事の背景から生活習慣病,夜型になってきている,いろんなことが,医学的,栄養学的に病気に反映してきているのです。このことを衛生局はどれだけ認識しているか,ここら辺の見解。  それから,教育委員会と連携してこういうことを調査して,行政の健康づくりの働きとして,役割を果たそうとする考えはあるかないか。きょうは,特に栄養を担当している荻野課長さんがいるのなら,生活習慣病というふうに改められた考え方について,医学者とは別に栄養士の立場で特に見解をお聞きしたいので,私からご指名しますから,答弁をお願いしたいと思います。 ◎佐々木 保健衛生部長  まず,私からお答えをいたします。  前段の生活習慣改善指導事業の内容でございますが,医療機関地区健康相談のすこやか健診受診者のうち,高血圧や糖尿病,高脂血症など,個々人の生活習慣とのかかわりの深い疾病で,健診結果が要指導とされた受診者に対して行うものでありまして,医療機関の医師が,受診者に必要な栄養,運動などの項目につきまして具体的に記載した連絡書を発行し,これを受けた保健センターでは,この要指導者に栄養士,保健婦などの専門スタッフによる個別の栄養,運動などの相談を行うものでございます。  このほかにも,健康づくりセンターと連携をいたしまして,運動指導員による具体的な運動実践集団方式による疾病の学習なども取り入れまして,委員ご指摘のとおり,これからも札幌市の保健衛生行政重点事項としまして,生活習慣病の予防に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。  2点目の生活習慣病を予防するための子供への対応についてでございますが,生活習慣病は食生活などに見られるように,子供のときから続く個人の長い生活習慣によって引き起こされる疾病であると考えられますので,乳幼児期は家庭,学童期は学校による望ましい生活習慣形成に向けた対応が重要となってまいります。そのため,父母に対する積極的な健康教育を充実させることはもとより,教育委員会とも十分に連携しながら,ライフサイクルとしての生活習慣に対する意識の啓発などについて検討してまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 ◎荻野 栄養主幹  全く突然のご指名でしたので,本当にお答えを考えておりませんでしたけれども,確かに札幌市民栄養調査等をやりまして,年代別の調査から,子供の食のいろんな問題の実態が出てきております。  今はまだ,栄養調査の段階にしかすぎませんので,コレステロール等の検査はまだいたしておりませんけれども,今後は,教育委員会等とも検討して,前向きに考えていきたいと思っております。 ◆道見 委員  いい答弁だよ。部長の答弁よりいいでしょう。そういうことを教育委員会と連携してやるかどうかと言っているのに,荻野主幹の顔を立てたのだろうと思うけれども,これは衛生行政で非常に大事なことだと思いますよ。これを今,子供の段階でどれだけ防げるか,その生活習慣をどうやって断ち切れるか。これは,もちろん親と子が,家庭がそれぞれやらなきゃならぬことでありますから,何も学校だけの問題じゃありません,生活習慣病ですから。  衛生行政として,今,荻野主幹が力強く,そういうものを調査して,行政の中にそれを生かしていきたいということですから,助役,来年はぜひ予算計上をきちんとしてください,これは重要なことですから。この内容で,私はあと3時間ぐらい質問できるのだけれども,しないだけのことですから,それぐらい重要なことですので,その点を要望をしておきます。  それから,最後の要望もしておきますけれども,冒頭にありましたがん検診,計算していくと恐らく21万人の方が検診を受けて,それで早期発見をされた数は本当に微々たるものですわね。それをどういうふうに評価するかということは,私はわかりません。21万人の方の健康を精神衛生的にも何らかの形でやったことに意義があるというふうにとらえて,早期発見の数だけいけば,ほんのわずかですから,10億の費用効果からいったら果たしてやるべきなのかどうなのか,私は,検討すべき価値があると思うのですよ。そのことは,市が10億かけて音頭を取るだけのがん検診なのかどうかということも,費用効果だけからいけば検討の余地があると思う。  ただ,延べ21万人の方に札幌市が健康ということを啓蒙する,それに10億かけたというふうに解すれば,21万人の市民の方に10億円で健康を促したということを考えれば,これもある面では必要かなと。けれども,本来の早期発見がん検診ということの率からいって,もうこの程度のものは,市がやらなくても何らかの形で啓蒙すればいいのではないか。がんの検診だとか,あるいは俗に言う成人病検査ということは,これだけ成人病で亡くなっているわけですから,3大成人病で亡くなっているということは,多くの人はもうわかったわけですよ。だから,今後の行政としては,10億円の使い方を検討すべきだろうと。自己責任の中でやってくださいと。それぐらいに,行政としての役割は,ある面ではPRはもう行き尽くしたと,こういうふうに考えてはどうかと,こういうことを思っておる一人でありますので,答弁は要りませんから,そういうことも今後検討してもらいたいなと,こうつけ加えて,私の質問を終えておきます。 ◆大西 委員  私は,平成9年度健康づくりセンター整備調査費200 万円が計上されているわけでありますが,これに関連をして,数点お伺いをしたいと思います。  市民の健康づくりは,本市の最重要課題でございまして,特に21世紀の高齢社会は,多くの高齢者に健康で長生きをしていただく,そして地域社会を構成する重要な一員として尊重され,社会活動に参加する機会が確保される社会を目指すということが,私は大変大事だろうと思いますし,衛生行政もその点に重点を置いてぜひお願いをしておきたいと思います。  さて,そこで質問でありますが,第1点目に,現在,本市には中央健康づくりセンターと東健康づくりセンターの2館が配置されてございます。この利用状況を調査してみましたが,東センターは,昭和62年の開館から今日まで,年間おおよそ2万人の利用がありまして,ほぼ平均化しているというのが実態でございますが,中央センターは,平成5年開館以来,年々利用者が拡大をしてございまして,平成7年度は8万4,000 人に上っているわけであります。今日,そういう点では,中央センターの場合,運動フロアが非常に狭隘との声も市民の皆さんから聞いているのであります。  この2館の利用状況に大きな乖離があるわけでありますが,これはどのような理由によるものと考えられているのか。また,中央センターは既に利用の限界に来ていると考えますが,その認識についてお尋ねをしたいと思います。  第2点目に,昨年11月に,健康づくりセンター設置に向けまして,札幌市健康づくりセンター将来構想検討委員会を,医師など専門家の皆さんによって設置がなされまして,今日まで4回の審議がされたと,こう聞いてございます。その経過と特徴,そして最終答申の時期はいつごろになるのかお尋ねをいたします。  3点目に,今日,健康づくりセンターについては,衛生行政では,啓発・普及事業やすこやか健診など健診事業,教育事業など,広く努力をされてございまして,心から敬意を表する次第であります。また,市民局や教育委員会,こういう部分でも多面的に健康づくりについての取り組みをされているわけであります。  しかし,その参加率は低調でございまして,これからのいろいろな創意工夫,こういったものも必要であるというふうに認識をいたしますが,しかし,今日,市民の健康づくりへのニーズは,施設型が圧倒的に多く,そのあらわれを中央センターの利用状況に見ることができる,こう私は考えるものであります。したがって,本市としては,この市民ニーズに積極的に対応すべきと考えますけれども,認識について見解をお伺いいたします。 ◎佐々木 保健衛生部長  まず,第1点目の中央健康づくりセンターと東健康づくりセンターの利用者に大きな開きがあると,この理由についてでございますが,主として,立地環境と機能の違いによるものと考えております。特に東健康づくりセンターは,運動フロアだけであるのに対しまして,中央健康づくりセンターでは,運動フロアのほかに健康度測定などクリニック機能が備わっておりまして,これらのことが利用者数の違いになってあらわれているのではないかと認識をいたしております。  また,中央健康づくりセンターの利用状況に対する認識でございますが,平成7年度では,委員ご指摘のとおり,8万4,000 人と当初見込みの約2倍にも当たる大勢の市民の方にご利用をいただいているところでございます。このため,運動機器を利用するためには,時によっては順番待ちができたりするような状況がありまして,現状では,クリニック機能,運動フロアともに飽和状態に近い状況にあると認識をいたしてございます。  次に,2点目についてでございますが,健康づくりセンターの将来的整備方針などを検討するため,昨年11月に設置をいたしました札幌市健康づくりセンター将来構想検討委員会では,これまで4回の審議を行ってきております。  その審議内容といたしましては,まず,現状における健康づくりセンターの課題を抽出いたしまして,これらの課題に将来的に健康づくりセンターがどのような機能を果たすべきか,また,今後どの程度の施設数が必要なのか,さらには,本市の健康づくり施策において,どのような役割を担うべきなのかなどの諸問題を中心として,これまで検討を重ねてきているところでございます。  なお,最終答申は,今月下旬にいただけるものと思っております。  次に,第3点目についてでございますが,市民の健康づくりは,市政全体の重要課題であり,各部局が積極的に取り組んでいるところでもございます。私ども衛生局といたしましても,各種の健診や健康教育などで市民の健康増進に努めておりますし,それぞれの部局では,所管事業を通じて,健康都市さっぽろの形成を目指しております。  このように,市民の健康づくりは,ソフト・ハード両面で多様なメニューを市民が自由に選択をして実行することが基本であり,健康づくりセンターもそのような選択肢の一つとして利用されているものと考えております。  このように,現在の利用状況を見てまいりますと,このセンターのような健康づくりのための施設整備も,市民ニーズに応じて,今後も進めていくことが必要であると考えております。  以上でございます。 ◆大西 委員  今,健康づくりセンターの将来構想検討委員会で検討されている中身をお聞きいたしました。検討の前提は,設置をすべきという方向で検討されているというふうに私は承りました。本市も同様の立場で考えられている,そういう認識を私は持ったところであります。  さらに,市民ニーズは,自分の身近に施設があれば利用したいという意向が極めて強い。これは,各種のアンケートなどからも,あるいは本市が行っております市民へのいろいろな広聴活動,こういった中にもあらわれているわけでありまして,自分の身近にあればもっと利用したいということ。  それから,急速な高齢化社会を考えた場合,利用がますます増大してくることは明らかでありまして,このニーズにこたえるためには,中央センター並みの施設が各区に1館程度必要と考えますけれども,その点について見解をお伺いいたします。  2点目に,先ほど中央センターと東センターの利用の乖離について,東センターは運動フロアだけでクリニック機能がないと,そのために利用者が少ないのではないか,こういう分析結果が示されました。私も,恐らくそうではないか,こう考えてございます。  すなわち,市民の求めている健康づくりセンターは,運動フロアのほかに健康度測定やプールの施設などのクリニック機能を備えた,グレードの高いものを求めているというふうに言えるのだと思います。したがって,これからセンターの設置を計画していくに当たっては,この辺のところを十分に計画の中に入れて考えなければならない,こう私は思いますが,見解をお伺いいたします。  また,東センターは,市民ニーズにこたえてクリニック機能を整備すべきと考えますが,見解をお伺いいたします。  3点目に,センターの設置には,そうはいっても大変な財源がかかるということがございます。したがって,建設に当たっては,土地の問題なども含めて,より効率的・効果的な工夫が必要だというふうに私は考えます。特に,センター建設のためだけに土地を取得するということは,財源の上で大きな負担になることから,現在の公共施設との合築などによって有効活用を図るなど考えるべきと思いますが,土地の取得や財源の有効利用について見解をお伺いいたします。 ◎佐々木 保健衛生部長  まず,第1点目の健康づくりセンターを将来的にどの程度整備するかにつきましては,先ほど申し上げました検討委員会におきまして,現在検討をしているところでございます。  また,配置のあり方につきましても,センターの機能や利用者見込み,保健センターとの役割分担,建設等に要する財源などを多角的に分析・検討する必要があり,検討委員会の報告書の趣旨を踏まえ,さらに関係機関等のご意見もいただきながら,今後詰めてまいりたいと考えております。  次に,健康づくりセンターの将来的機能につきましても,検討委員会でご検討いただいているところであり,クリニック機能も含め,センターに必要なさまざまな機能について,報告書では一定の方向が示されるものと考えております。  また,東健康づくりセンターの機能と位置づけにつきましても,この報告書の内容を踏まえながら,今後検討すべき課題と考えております。  最後に,健康づくりセンターを他の公共施設と複合的に整備することについてでございますが,機能的に一体的な整備が可能な公共施設については,複合施設として整備することが,土地利用の面からも,財源の点などからしましても,有効な手法であるものと理解しております。今後の健康づくりセンターにつきましても,地域あるいは全市的整備が求められている各種の公共施設との複合化を視野に入れて,検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆大西 委員  実は,現在,西区の八軒地区において,八軒会館の改修が平成10年年度から行われる予定になってございます。地元建設期成会や西区の他の連合町内会からも,土地の有効活用の上からもぜひ健康づくりセンターとの合築をと,極めて強い要望が出されてございます。  先ほども,私の質問に対し,各種公共施設との複合化は有効な手法との見解が示されてございまして,この場合,地元の切なる願いにぜひこたえられないかお伺いをいたします。  局長,答弁お願いします。 ◎上村 衛生局長  八軒会館の新築に当たりまして,健康づくりセンターを合築で設置していただきたいという趣旨の要望は,地域住民を初め,多くの方々から寄せられておりますことは,私ども十分認識いたしております。
     健康づくりセンターの配置につきましては,ただいま部長からお答え申し上げましたとおり,将来構想検討委員会の報告を踏まえながら,今後,具体的に検討することとなると思いますが,センターの性格や利用状況,あるいは利便性の高い公共交通機関の結節点,地域の中心核となる場所に設置するなどの要件がございますが,八軒会館との合築は有力な選択肢の一つと考えております。  以上でございます。 ◆大西 委員  最後に,要望申し上げておきたいと思います。  今,有力な選択肢の一つと,こういう回答をいただきまして,大変心を強くしたところでございます。  そこで,八軒会館は,旧琴似町の庁舎跡に建設されまして,今日まで約40年間にわたって利用されてきた施設でございます。しかし,残念ながら,JR琴似駅を境にして,南口の再開発は大きく進んでおりますが,北口の再開発は大きく立ちおくれてございます。  今,市民の皆さんが立ち上がり,北口の再開発期成会の準備組合もできまして,この一体整備を本市の都市整備局のご指導もいただきながら進めているわけでありますが,八軒会館の地域は,この際の中心核となる大変大事な地域でございますし,交通上からも大変好条件にある場所でございます。土地の広さも約1,000 坪ございまして,健康づくりセンターとの合築は全く問題がないと,こういう地域事情にもございますので,どうか来年度改修工事が予定されている八軒会館の建設と時期を同じくして,健康づくりセンターの合築を強く要望して終わります。 ◆涌井 委員  私は,すこやか健診の拡大策と健康づくりセンターの機能ということについて,ちょっとお話をさせていただきたいと思います。  今般,国の地域保健法の全面施行に合わせまして,本議会におきまして,過去49年にわたって実施してきた保健所体制を,大幅に改編するということを内容とした保健所設置条例の改正案が上程されているわけでございます。  これは,高齢化の進行など,新たな保健ニーズに対応することを目的としたもので,9年度からは,従来にも増して,できる限りの充実した保健サービスの提供が期待されるところであります。  今回の新たな保健センターは,医療機関との連携を通じて,広く住民の健康づくりに努めるとのことであり,相互の機能分担と連携によって,適切に住民の健康増進を進めることは,まさに時代の流れに対応したものと,こういうふうに考えております。  このように,保健センターでは,今後,医療機関の健診受診者に対する栄養相談あるいは保健指導など,成人保健対策の主要事業として計画しておりますが,その実効性を高めるためには,一人でも多くの市民に各種の健診を受診していただくことが不可欠であり,平成6年2月に策定いたしました札幌市高齢者保健福祉計画でも,平成11年度におけるすこやか健診の目標受診率を50%と設定していますが,このすこやか健診の受診率を見ると,ここ数年20%前後で,余り増加していないのが現状でございます。  受診率を見ますと,平成4年が16.1%,平成5年が16.8%,平成6年度は21.6%になっておるのですけれども,対象者を見直したこともありまして,恐らく少しこういうふうな形で上がったのかなというふうにも思いますけれども,平成7年度におきましては21.4%と,こういうふうに推移をしているわけでございます。  またもう一つ,資料で見ますと,すこやか健診の受診の状況を区分ごとに見ますと,保健所あるいは医療機関,結核予防会という三つの区分がございまして,全体から見ますと,保健所は28.3%,医療機関が51.1%,ほぼ半数近くが医療機関で受診をしているわけでございます。結核予防会が20.6%と,こういう比率になっているわけなのですけれども,今回,保健所での受診が3割弱いるということでございまして,保健所ですこやか健診ができなくなった場合に,医療機関あるいは健康づくりセンターですとか,いろんな機関を通じて受診できるようにしなければならないのではないかと,こういうふうに思っております。  また,年齢別の受診状況を見ますと,40代が2 1.5 %,50代が26.7%,60代が39.4%,70歳以上が12.3%。70歳以上の受診率が低いのは,病院に入っておられる方もいるのかなと,こういうふうに思いますけれども,60代の方がやはり大変多いわけでございます。さらに,40代,50代は,非常に受診増への対策が求められているのでないかなというふうに思います。  そこで,質問の1点目でございますけれども,そういったことを見ますと,札幌市はすこやか健診の受診率向上のためにどのような策を講じてきたのか,こういう視点での質問でございます。  さらに,すこやか健診の受診者の動向を調べていく上で,初めてすこやか健診を受けたという人たちがどのぐらいいるのかも含めて,受ける際にアンケート調査などをお願いするというふうに思いますけれども,この辺の視点でどう考えているのかお聞かせいただきたいと思います。  また,平成5年に我が会派の質問に対して,当時,上村部長が,成人健康管理情報システムで掌握が可能になったので,社会保険の家族にも受診券の発送について考えていきたい旨の答弁をいただきました。社会保険の家族の方も含めて,今度,すこやか健診を受けられるようになるかなと,こういうふうに期待しておったのですけれども,その辺のところはどうなっているのか,今後,具体的にどうのように方策を講じようとしているのか含めて,お話をいただければ幸いでございます。 ◎佐々木 保健衛生部長  お答えをいたします。  すこやか健診の受診率向上策についてでございますが,平成7年度の受診率は,委員指摘のとおり,21.4%となっており,ここ数年,大きな変動はない状況となってございます。  札幌市では,これまでも国民健康保険加入者に対して,毎年1回すこやか健診の受診券を送付するとともに,健診の対象となる40歳に達した方全員に,健診のパンフレット等をお送りするなど,制度の周知と受診勧奨に努めてきておりますが,平成9年度から新体制で,1保健所9保健センターへと移行することに伴い,かかりつけ医制度の推進,健診受診者のフォローアップ事業の実施など,これらのことが重要課題となっておりますので,これまでにも増してすこやか健診の受診率向上に努める必要があるものと考えております。  次に,今後の受診率の向上策といたしましては,従来にも増してPRの一層の充実を図るとともに,ただいま委員からご指摘のございましたように,新たに,社会保険に加入をされている家族の方々に対する受診案内を行うことも検討しており,より多くの市民の方が健診の制度を理解し,受診できるような対策を講じてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆涌井 委員  それで,成人健康管理情報システムで,既に掌握が可能になって久しいわけでございますけれども,どうかこの辺のシステムを使って,社会保険の家族も含めて発送できるように,早急に対策をお願いをしたいと,こういうふうに申しつけさせていただきます。  次に,今後の健康づくり対策についてでございますけれども,各種健診に基づいた運動・栄養・休養という,先ほどもお話が出ておりましたけれども,具体的な生活習慣改善のための指導に重点が置かれていくということが重要であると。保健センターでも,新年度からすこやか健診の受診者を対象とした生活習慣改善相談事業の実施も予定されていると,こういうふうに聞きました。この実施に当たりましては,健康度測定と運動指導の実践機関でありまして,現在でも非常に利用者の多い健康づくりセンターとの一体的事業展開がぜひとも必要かと,こういうふうに思うわけでございます。  さらに,一歩進めますと,健康づくりセンターで,すこやか健診から健康度測定あるいは運動プログラムの一貫した提供を行うことが,住民の利便性を考えた場合,必要になってくるのではないか,こういうふうに思うわけであります。ところが,今現在,健康づくりセンターではすこやか健診を実施していないために,センター利用者の多くは,すこやか健診は医療機関で受診し,健康度測定と運動指導はセンターを利用しており,多くの利用者が不便を感じているのが現状になっておるわけであります。  そこでお尋ねいたしますが,中央健康づくりセンターですこやか健診を実施することは,市民の利便性を向上させるとともに,一体的な健康づくりの施策を推進していく上で極めて有効であるというふうに思います。平成5年のときの我が会派の質問に答えて,健康づくりセンターで受診ができるよう進めてまいりますと,こういう回答をいただいているのですけれども,ぜひとも来年度より実施すべきというふうに思いますが,この辺について,上村局長,答弁をお願いしたいと思います。 ◎上村 衛生局長  すこやか健診を健康づくりセンターで実施することについてでございますが,センターの健康度測定受診者や運動フロアの利用者などから,センターでも,すこやか健診も同時に実施してほしいという要望が寄せられていることは承知いたしております。  利用者の利便性からいたしますと,確かに,センターですこやか健診から健康度測定,運動プログラムの提供を一貫して受けられることが最も便利であることは明らかでありますが,開設当初に比べ,骨粗しょう症検診及び女性のフレッシュ健診などのクリニック事業も増加しており,センターの健診受け入れ態勢能力及び近隣医療機関との連携など,検討を要する事項もございますことから,今後,札幌市医師会とも協議をしながら,実施の方向を探ってまいりたいと考えおります。  以上でございます。 ◆涌井 委員  成人病対策については,ぜひとも保健センター方式で進めていくということで,住民や市民の健康づくりセンターでのすこやか健診は,ぜひ必要だというふうに実感しておりますので,その辺も含めて,よろしくお願いをしたいというふうに思います。  この健康づくりセンターに関して,もう1点質問をいたしますが,昭和48年に「健康増進モデルセンター施設整備基準について」という通知が厚生省から来ておりまして,この通知に基づいて,全国的に健康増進施設が整備されてきたところでもございます。この通知では,運動指導を実践する施設として,先ほど大西委員が言いましたように,プールが必ず必要であるということになっております。  政令市におきましても,仙台,京都なんかは住民の多様な健康増進ニーズに対応するために,通常の運動機能,機器などを利用した運動指導のほかに,プールを設置しておりまして,いろいろな運動を実践できる施設と機能を整備しているわけでございます。  私としては,今後,健康づくりセンター運動実践を多面的に展開して,一層の機会を充実していくためには,やはりプールの設置というのが必須であると,極めて重要であると,こういうふうに考えているわけであります。  先ほどの論議にもありましたように,民間によるプールのほかに,教育委員会の施設としてプールが設置されているけれども,どちらかといえば,水泳競技ですとか,あるいは練習施設として使われているわけでありまして,健康づくりセンターのように,利用者の主体的な運動実践を通じて,健康の増進を図るという機能とはまた異なっているわけであります。  そこで,現在,札幌市健康づくりセンター将来構想検討委員会において,将来的に整備する健康づくりセンターの機能について検討して,先ほどのご答弁で,今月の末にその答申が提出されると,こういうふうに聞いておりますけれども,ぜひとも,このように健康づくりセンターにプールを設置することは,若年層から高齢者までの多様な運動を実践,あるいは健康増進のニーズに適したものと考えます。この点について,どのように考えているのかお伺いしたいと思います。 ◎佐々木 保健衛生部長  健康づくりセンターの整備のあり方につきましては,先ほどもお答えをいたしましたように,現在,将来構想検討委員会におきまして審議を行っております。この委員会の中で,センターの新設に当たっては,どのような施設の機能や構造などを有するものが適当か,提言を踏まえながら検討する必要があると考えております。  そこで,プールの設置についてでございますが,プールの設置につきましては,昨年の第3回定例市議会の猪熊委員の質問にもお答えしておりますように,この検討の中で,既に整備されている公的温水プールとのかかわりや機能連携,維持・運営費用なども含めて,総合的に検討されるものと考えております。  以上でございます。 ◆飯坂 委員  保健所統廃合問題を通じまして,市政の諸問題がよく見えてまいりましたので,きょうは田中助役に,3点について,順次伺ってまいりたいと考えております。  まず,条例案の撤回についてです。  6日の厚生常任委員会で,保健所の新体制について,佐々木保健衛生部長は「最小の経費で最大の効果を上げる必要がある」と答えました。また,上村衛生局長は「ご不安があるとは聞いているが,他都市に先駆けて,勇気を持って進めたい」,このように語気を強めて答弁されたのですが,4月からスタートさせようとしている1保健所9保健センター体制が,まさに経費削減,市民サービス切り捨ての自治体リストラであるという本音が,ここに露呈されたのであります。  自治体の仕事は,私が今さら言うまでもなく,住民の安全・健康・福祉の保持であります。この福祉というのは,いわゆる弱者対策という狭い意味ではなくて,住民全体の幸福という意味であります。本市職員の皆さんは,当然そのことを学び,また日常の業務執行の指針として,仕事をされていると思いますが,市民の健康を守る保健衛生行政に携わる部長が,経済効率優先の答弁をせざるを得ない,また,医師職である衛生局長が,新体制について,市民の不安があることを承知で,勇気を持って保健所統廃合に突き進む,こういう開き直りの答弁をしたわけであります。  担当の幹部職員がこのような苦しい答弁をする背景に何があるのか。それは,市長が地方自治の本旨から外れて,サービス切り捨ての地方行革を推進しようとしているからではないのでしょうか。本市の財政事情などという一言では済まされない大きな問題であり,市民から預かっている税金をどのように,何のために使うか,市長の政治姿勢が問われる問題だと私は考えております。  過日の我が党の代表質問に対し,田中助役は,新体制について「ご理解をいただいたものと確信しております」,このように答弁されましたが,現実にはそうなっていないということが,6日の厚生常任委員会の質疑の中で明らかになっておりますので,この際,保健所統廃合の条例案は撤回すべきと考えますがいかがでしょうか,伺います。 ◎田中 助役  保健所の統廃合に関しましては,私たちは,今お話があったような,お金がないからとか,節約をしようとか,そんなようなことの発想からやっているものではないのであります。  桂市長は今いませんけれども,そもそも6年前ですか,最初に市長に当選したときの発想といいますか,考え方は,これからの社会における市民の健康の維持・増進は非常に大事であると,そのために市も一生懸命頑張らなくちゃならぬ。特に,見るに,保健所の役割がこれからますます重大になってくるだろうと。これからはどんどん街の中に出ていって,オープンな形でもって対応する必要があるということから,各区役所の中に保健所の組織・機構を編入して,区のいろんな住民対応の組織と一緒になってやりたいのだということを申しました。  これに関して,そのときは,まだ初めてのことでもあり,唐突の感もあったのでしょうか,いろんな関係先からも同意を得られなかったのでありますけれども,その後,関係先ともじゅんじゅんといろんな説明会等において話をした結果,だんだんと認められてきた。そして今は,札幌だけではなくて,保健・医療・福祉が機能的に一緒になったサービスが何よりも大事だということが,既にもう時代の流れになっております。  今回の保健所統合問題に関しましても,私どもは,少しでも市民の健康づくりに寄与できるということを大前提にして行っているものでありまして,その点に関しましては,誤解のないようにしていただきたいと思います。  そして,私がこの前答弁いたしましたことに関しましては,私は皆さんに理解をしてもらっていると思います。今手元にありますけれども,今まで何回も,いろんなところで,いろんな方々に説明をしてきておりますけれども,もちろん,中には異議を差し挟む方が全くないとは言いませんが,大方の人が,私の今申した趣旨に賛同してくださっているというふうに,これは確信をしております。  したがいまして,厚生委員会の質疑内容も,私も記録を見させていただきましたけれども,大方の人は趣旨に納得をしてくださっているというふうに考えております。したがって,条例案の撤回とかそういうことは考えておりません。 ◆飯坂 委員  今,助役は,6年前からですか,これまで数年かけて検討をしてきたのだからやらせてほしいと,こういうことなのですが,保健サービスを利用する市民からも,また健診業務に直接かかわる現場職員や高齢者のケア,乳幼児等の健康相談に直接かかわっている保健婦さんなど,いわゆる市民との接点にある職種にいらっしゃる方から,4月1日,新体制では市民に責任を持った仕事ができない,こういうことで再三反対の声,異議の声があるというふうに私はちゃんと伺っているのです。そのことは,当然,行政も承知だと思います。にもかかわらず,勇気を持ってということなのですが,本当の勇気ある決断というのは,今まで進めてきた計画であっても,市民合意や職員合意が得られない限り強行はしない,このことではないかと私は思うのですね。  横浜市では,議会が保健所存続の請願を不採択にした後でも,市民の声にこたえて,行政区ごとのサービスを低下させない,こういう決断をして,本会議において市長が「現行体制を維持する」,こういうふうに答弁したのですよ。これこそ,地方自治体の最高責任者として勇気ある言動だと思いますけれども,いかがか。本市のやり方は,勇気を履き違えているというふうに考えますけれどもいかがでしょうか,もう一度お答えください。 ◎田中 助役  勇気を持って行うということはいろんな意味にとられますけれども,私どもが言っている勇気というのは,これはおかしいけれどもやろうとか,一遍言ったのだから引っ込みがつかないや,やろうという,そんなような勇気ではありません。もちろん,新しいことをするわけですから,いろんな試行錯誤をして,直すべきものはあるかもわかりませんが,私たちは今,いいこと,正しいことをやろうとしているわけでありますから,それに向かって一生懸命頑張っていこうと,そういうような勇気のつもりでございます。 ◆飯坂 委員  冒頭の質問に対する助役の答弁で,6年前から健康増進のために保健所の役割は重要,こういうことを前提にして検討してきたのだと最初に言ったのですよ。ところが,今やろうとしているのは,保健所をたった一つにして,区には,今ある保健所を保健所法に基づかない保健センターにする,これが今回の条例提案ですよ。  助役,あなたは,多少無理があっても,当初予定したとおり,行革・リストラ路線にのっとってこの計画を進めようというふうに考えているのかもしれませんが,地方自治というのは「住民こそ主人公」を貫くということです。我々議員はもとより,公務員である皆さん方は公僕であります。一体だれのために仕事をしているのか。市民の願いにこたえて行政を行うのは,当たり前でないかと私は考えます。にもかかわらず,市民の不安の声を承知の上で,なお新体制へ突き進む,このようなやり方は,市民と札幌市の行政との矛盾を一層深刻なものにするということを厳しく指摘して,次の質問に移ります。  2点目は,各区1保健所の存続と充実についてです。  今議会に市民から再提出されました,各区1保健所の存続と充実を求める請願が,6日の厚生常任委員会で,私以外の他会派の議員によって不採択にされたわけですけれども,7日の民生局の他会派の皆さんの質問を聞いて,また,先ほど来の衛生局でのやりとりを聞いていても,やっぱり保健所の果たす役割は重要だなと,私は一層確信を深めた次第です。  その一つは,健康な高齢者対策,すなわち寝たきりをつくらないためにも,疾病予防,健康増進の活動をする,保健所の機能強化が必要だと,こういうことです。  二つ目には,国保会計の深刻な状況をこれ以上悪化させないためにも,重症患者や長期入院患者を極力つくらないこと。このことは,高齢者のみならず,若い世代も含めてです。そのためには,健診活動や健康相談,健康指導活動及び食品や環境の安全を守る日常の予防活動の充実強化が求められている。このことは,与党議員の皆さんも保健衛生行政の重要性を先ほど強調しましたね。  三つ目は,ホームヘルパーの利用率がワーストワン,この本市の現状についても,先日,与党議員から指摘がありました。すなわち,福祉後進型の本市において,保健と福祉の連携で質の高い市民サービス,こう言ってみても保障される見込みが少ないだけでなく,保健行政はむしろ後退するということであります。  このように,与党会派の皆さんからも,本市の現状に対してそれぞれ問題提起があったにもかかわらず,高齢社会に対応するため,あるいは市民サービスを向上させるというこれまでの理事者答弁だけでは,保健所統廃合の根拠にはなり得ず,保健所を各区に存続させた上で,さらなる充実を図ることが必要と考えますけれどもいかがか,お尋ねいたします。 ◎田中 助役  再三のご質問,ご意見のことも含めてお答え申し上げます。  私どもが今やろうとしているのが,保健所を全くなくして,そしてその代替のものも全くやめるのだというのであれば,そういうご指摘はもっともかと思いますけれども,私どもは今,保健所の体制を変えて,保健センター,あるいは近い将来には保健福祉センターということも考えており,現にある保健所の機能というものを生かして,なおかつ関連のものと結びつけて,相乗効果を上げていきたいというのが趣旨でありますから,私の考えとはちょっとかみ合わないということを,まず申し上げておきたいと思います。  それから,民生局のときからきょうの委員会でも,各委員のお話があったということは,私も十分承知しております。それは,やはり何といっても,これからは市民の健康維持が大事だと。そして,現実論からいっても,例えば国保の赤字を解消するにしても,市民の健康増進というものにお金をかけた方が,長い目で見ると,より効果的ではないかというご指摘にも,私は全く同感であります。  そういうことであるから,この際,また各区1保健所に戻せということにはつながらないと思っております。今,座りながら,お答えを何と言っていいか考えておりましたけれども,どうかそこら辺のところをご理解いただきたいと思います。 ◆飯坂 委員  市長も,ちょうどいいときにいらしていただいたので,続けます。(発言する者あり)  保健所だけに限らず,この問題をずっと突き詰めていくと,市長の政治姿勢にかかわってくるので,もうちょっとやらせてください。  助役は,保健所の機能を残して新体制に進むのだとおっしゃいましたけれども,衛生局長ははっきり保健センターは保健所のかわりにはならない,こういうふうに言っているのですよ,私どもはもちろん指摘しましたが。だって,法的縛りがなくなるのでしょう。所長は医者でなくてもいいし,専門職の配置の規定もないし,あとは自治体の考え方次第,予算次第でどうにでもなるというのが保健センターなのですよ。ですから,機能を残して新体制でといっても,その保障は,今度の条例案が通ってしまえばなくなるということです。  さて,昨年の決算委員会でも,田中助役は,単に福祉と保健所が合体したからといって,それだけでサービスが向上するかというと,そうではない,こういうふうに答弁したではありませんか。また,本市の高齢者保健福祉計画の目標そのものが低いのだ,これもちゃんと言いましたよ。見直しが必要だ,こういうことも昨年の決算委員会のこの場所で,助役がちゃんと答えているのですよ。厚生省の担当課長でさえ,私は直接お話を聞きましたけれども,単なるリストラではだめだ,保健衛生行政が充実強化されなければだめなのだ,こう言っているのですよ。そしてまた,政令指定都市においては,1保健所に統合するか,または各行政区に保健所を残すか,二者択一にならざるを得ない,こういうふうに認めているのです。ですから,各区に1保健所を残す道もある中で,あえて本市が統廃合を進めるべきでないということを強調しておきたいと思います。  最後,3点目に市民本位の行政執行についてです。これは,市長がちょうどいらっしゃいましたので,市長にお聞きしたいと思います。  岩手県の沢内村というところがあります。ここで,平均寿命が大幅に延びた時期があったのですね。これはどうしてかと調べてみましたら,予防行政を優先させた結果であるということがわかってきたのです。予防行政を充実させ,また医療費無料化とあわせて,病気も早期発見・早期治療を行う,その結果として,国保会計からの医療費の支払いが減少して,1人当たりの医療費負担が県で2番目に少なくなったと聞いています。先ほど,助役が同感だと答えました。それに比べて,本市のやり方というのは,まさに逆行していると思います。経費節減と言いながら,結果的にはお金がかかる,そういう方向に今進めようとしているのではないか。市民の健康を守る業務は,リストラの対象にすべきではないと考えます。市政執行全般にわたってむだはないのか,そういう視点で見直す必要があると思います。  私ども日本共産党は,国会におきましても,財政赤字と言いながら,なぜ総額630 兆円もの公共事業のむだを削らないのか,これまでの膨大な赤字の大きな要因となっているゼネコン浪費型の公共事業費を大幅に削減すべきであり,ツケを国民に回すべきではない,このように主張していますが,本市においても大企業優先の姿勢こそ改めるべきだと考えております。  具体的には,総額2,400 億円,市費800 億円とも言われる都心部大改造計画,すなわち国際ゾーン構想の調査費が,新年度もまた2,000 万円計上されております。ここ数年続いております。単年度で2,000 万,5年かかれば1億です。調査費調査費と言いながら,こういうふうに計上されているのです。  また,いつ来るかわからない先端産業,本州から大企業が来る,そのための補助金や貸付金を含む工業振興対策費が,新年度も46億円計上されています。また,土木事業でも,道路や橋梁,街路灯など,これは市民生活に欠かせないものではありますけれども,必要以上にお金をかけるカラー舗装や華美な建設,こういったことも進められているではありませんか。  またさらに,縦割り行政の弊害で,道路改良と下水や水道管などの改修が別々に実施されているために,同じところを2度3度掘り返す,日常業務でもむだなところはたくさんある。これは,市民の皆さんから,私は随分苦情として聞かされているのです。財政難だからといって,市民に我慢を強いるのではなくて,市民の大切な税金をいかに市民の健康と福祉の増進に使うか,今こそ地方自治体の本旨に沿った行政が求められている,このように私は考えております。  地方自治法施行50周年の年に当たり,そのことを強調したいのでありますが,市長は今後の市政執行に当たり,また今回の保健所の統廃合条例案,このことも含めて,どのようにお考えになるのかお尋ねしたいと思います。 ◎桂 市長  保健所のことについてではなくて,もっと市政全般についてのお話のようでありますから,お答えも行政改革全体について触れされていただきたいと思います。  今,私どもが行政改革を進める基本的な姿勢は,何といっても,少ない経費で行政を進めたいということが第一であります。それには,経費をできるだけ工夫をして,削減をして,そして事業の選別も厳しくして,またサービスもその質を向上するということを十分に考えながら,ただ量をふやせばいいということではなくて,サービスの本来のあり方を深く探って,その質の向上に努めるということが第一だろうというふうに思っています。  それから,そういう作業をするに当たって,私ども行政改革を進めるのは,行政を進めるのは市民が主体であると,市民が何を望んでいるかということです。その場合の市民といっても,今,ご主張があったように,私どもの大きな事業はすべて大企業奉仕だということをご指摘される市民もいますけれども,私どもは,公平にその辺を判断して,それが現に,そして将来,札幌市にとって必要であるかどうかということも判断しますけれども,やはり行政の主体は市民であるというこ と。  それからもう一つは,そのために,市民にはできるだけのことを知らせなければいけない,情報公開というふうに思っています。  私は,この三つが行政改革の基本だと思っておりますから,その結果が特定の大企業奉仕につながるなんていうことは,全く考えたこともありませんし,そのようになるはずもないと,私は確信しております。 ◆飯坂 委員  今,市長のご答弁をいただいたのですが,やはり国政から始まって,先ほど10年間で630 兆円という公共事業なのです。そのすべてがむだだと言っているわけではありません。しかし,いわゆるゼネコン優先といいますか,そういう事業が全国でもまかり通っておりまして,使いもしないものがつくられていく,あるいは過度にお金を使い過ぎる,こういうことがありまして,地方自治体もその流れの延長線上で行政を進めていたのでは,先ほど言った,住民の広い意味の福祉,そういうところを削らざるを得ない。今,どこもこういう状況になっているのですよ,札幌市のみならず。ですから,そういう点で,私は,一,二の例を挙げましたが,全体を見直して,本当の意味でのむだを削る,ここにやはりメスを入れて,市民が主人公とおっしゃるのであれば,そういうふうに全体の向上に役立つような使い方をする,そういうふうにすべきだというふうに思うのです。  最後になりますが,昨年の10月議会で,衛生局長は,今の時代にふさわしく,現在の課題に対応するため,職員の意識改革が必要だ,こういうことを強調されたわけなのです。憲法や地方自治法50周年ですが,法治国家において,これをしっかり守って行政に生かすということが当然必要なことであり,保健衛生行政についても,それを貫く意識改革こそ必要だ,私はこう考えます。  本市の保健所統廃合の計画というのは,他都市の動きと比べても最悪だというふうに思います。なぜなら,先ほど申し上げた横浜市のみならず,川崎市,名古屋市,福岡市,大阪市では,1区1保健所体制を堅持しております。また,3年前,行革・リストラの考えから統合した北九州市,ここは人口100 万余りです。本市は今177 万,約180 万,いわゆる北九州の2倍近い人口を抱えており,1カ所に統合すれば,北九州市よりも一層深刻な状況になる,このように予想されますことから,今回の保健所条例案の撤回を再度求めて,質問を終わります。 ◆山口 委員  私も,健診に関連をいたしまして,2点質問をさせていただきます。  初めに,乳幼児健診時の股間節脱臼の撮影廃止について伺いたいと思います。  この問題につきましては,触診,さわってわかる部分,あるいは超音波等でわかる部分があって,エックス線はできるだけ避けるべきだという立場から,かねてより乳幼児の股間節脱臼のエックス線撮影の廃止を私どもは求めてまいりまして,このたび,平成9年では廃止になったということでありますけれども,これにつきましての経緯,それから現状についてお伺いをいたします。  それから2点目ですけれども,小児がん検診,これは神経芽細胞腫の検診ということで,本市の衛生研究所で大変力を入れていらして,全国的にも高い評価を受けたということは私も十分認識をしております。  ただ,最近の新聞では,効果が疑わしいというようなことが,小児がん学会で発表されたという報道がございまして,私も大変びっくりしているわけです。  これにつきましては,3カ月健診で配付をされまして,それに6カ月のときの赤ちゃんの尿をしみ込ませて送ると検査をしていただけるわけなのですけれども,実は検診でがんがわかって,そして手術を受ける,あるいは抗がん剤,放射線を浴びるというようなことで,過去の全国的な例で見ますと,19年間で1,182 人ががんだということで,そのうち死亡した子が14人,その14人のうち6人が手術で亡くなっているというようなことも新聞で報道されております。であれば,果たして手術がよかったのかどうか,検診で見つかることがよかったのかどうか。  埼玉県立小児医療センターあるいは神奈川県立子供医療センターの調査によりましても,これはほうっておいても自然治癒するがんだという確率が高いというようなことで,がん学会では報道されております。それから,東大の小児科あるいは東海小児がん研究会でも,現在の神経芽細胞腫の早期発見の目的を果たしてはいないのではないかというようなコメントも載せられておりますし,これについて,本市ではどのようにお考えになっているのか,小児がん検診の疑問について,どのようにお考えになっているかお伺いをしたいと思います。  その2点です。 ◎宮田 保健衛生部参事  股間節撮影廃止に至った経緯と現状についてでありますが,衛生局として,以前より,保健所医師を中心に慎重に検討を進めてまいりましたが,現在,乳幼児健診において,股間節脱臼や臼がい形成不全等の疑いがあるため,精密検査を受けるよう専門医療機関に紹介しているのは,全受診者の0.2 %以下となっております。20年前に6%以上あったことに比べますと,股間節脱臼等そのものが激減しているものと考えられます。これは,母親の知識・意識の向上と保健指導の成果であると考えられますが,この10年来,継続して異常の疑いのある乳児が1%以下であること,及び委員のご指摘にもありました世界保健機関の勧告を考慮し,乳幼児の放射線検査は,その臨床症状により必要を判断すべきであると考え,全乳児を対象とした1次スクリーニングとしての股間節エックス線撮影は,廃止することといたしました。  また,このエックス線撮影廃止に伴う対応でありますが,股間節脱臼等の異常の見落としを極力避けるために,乳幼児健診の際に,股間節脱臼に関するアンケートを導入するとともに,小児科医の診察で少しでも疑いのある者については,専門医へ精密検査を依頼する方式とするための予算措置を図り,関係機関と調整を進めているところであります。  私からは以上であります。 ◎菊地 衛生研究所長  第1点目の新聞報道の内容でございますが,これは,昨年12月に東京で開かれた日本小児がん学会で報告されたものが取り上げられているものでありまして,その内容は,現在実施している生後6カ月での神経芽細胞腫の集団検査では,本来,自然に治っていく例も見つけ出しているのではないか,そのような小児に無用な治療はすべきでないというのが,主な内容でございます。  2点目の本市としての今後の対応でございますが,確かに副腎などから発生するこのがんの特徴といたしまして,自然に治る例もあることは知られておりますが,それがどのぐらいの割合で,どのような例が治っていくのかは,これからの研究にまたなければならないものでございます。  これまで,他都市に先駆けて,本市で行ってまいりました10年以上にわたる集団検査の疫学的な調査結果からも,発見した患者さんの中に,自然に治癒する例が含まれる可能性も推測されておりますが,同時に,集団検査実施前は,このがんで10万人当たり6.2 人死亡していたのが,集団検査実施後には10万人当たり1.1 人と,これは合併症による死亡でございまして,がんによるものではございませんが,このように激減しておりまして,この集団検査の有効性が確認されております。  ただ,無用な治療を軽減する上からも,本市では,1歳2カ月の時点で2回目の検査をしておりまして,これら2回の集団検査の結果を,現在,厚生省が組織した研究班に生かし,今以上に適切な検査方法を研究しているところでございます。  以上でございます。
    ◆山口 委員  股間節脱臼に関しましては,私どもの提案が実現したということで,特にフォローといいますか,保健所で行わなくなった分,疑わしい場合にはドクターにつなぐということをしっかりやっていただきたいということが要望としてございます。  それから,神経芽細胞腫につきましては,例えば放置をしておくと自然治癒するのであれば,検査の時期をさらに14カ月よりもおくらせて,経過観察の時間も含めて診るとかということで,そのような無用な手術などを受ける子が減るのではないかというふうに考えられるのですけれども,もう一度その点についてお伺いをしたいと思います。  それから,局長なのですけれども,先ほど来,さまざまな委員の方が健診の質問をなさっておりすが,私も今回の例を含めまして,たびたびこの委員会でも取り上げてまいりました。新3種混合ワクチンMMRの副反応が強いときも,すぐやめるべきだということで質問いたしましたし,それから,これまで集団で行われてまいりましたインフルエンザの予防接種も中止になったと。あるいは,ツベルクリンの反応で子供たちに一律エックス線を義務づけていたのも,学校保健法の改正で中止になったという。それから,ただいまの股間節脱臼を含めまして,健診というものを大きく見直す時期に来ているのではないかと感じるわけなのですね。  これまで,当たり前だと思われてきた健診が,実は有効性に疑問があったり,時代が変わって不必要になったりというようなこともございまして,そういう意味では,先ほど来のがん検診も含めまして,近藤ドクターが「患者よ,がんと闘うな」という本を出したのが空前のベストセラーになったことも,そのことと深く関係があるのではないかと考えるわけです。  やはり医療行政全体への不信というのは,薬害エイズ問題が一番象徴的だと思うのですけれども,それがありまして,インフォームド・コンセントなんかももっとやっていかなくてはいけない,あるいは患者の知る権利というようなものが議論をされつつあると。そのことについて,私は,あの本が出たことは大きな意義があるのではないかなというふうに感じるわけなのですけれども,健診を受けていて,安心をしてしまって,結果として健診で発見されなかったがんで亡くなった例なんかも何人も聞いておりますし,この辺の問題,健診が100 %ではないし,メリット・デメリットもあるのだということをもっと含めた情報提供が必要ではないかと考えるわけなのですが,これからの健診のあるべき姿について,局長はどのようにお考えか,あわせて伺いたいと思います。 ◎菊地 衛生研究所長  ただいまの質問でございますが,神経芽細胞腫というのは,病理学的に見まして大変特殊ながんでございまして,自然治癒するということが問題なのですが,埼玉県あるいは神奈川県でこの学会に提出しましたデータのもとになるものは,検査自体が大変精度の低いものでしております。そして,それをもとにしての議論でございまして,6カ月の健診時に発見されずに1歳以降に発見されると,そういった集団検査の有効性がないような数字が出ているのが問題でございまして,私どもの札幌市での検査は大変精度の高い検査をしておりまして,さきに述べましたように,死亡率が大変減っていると。  ただし,生後1回だけの検査をいたしますならば,どの時期にするのが最も有効かということを検討するべきであると。この学会での発表も,それを提案するために発表されたものでございまして,無効だとは言っていないのでございます。厚生省を中心にして,これの検討の時期に入っているということでございます。  以上でございます。 ◎上村 衛生局長  今後の健診のあり方についてのご質問にお答えいたします。  私ども,老人保健法その他,法律に基づいて各種の健診を行ってまいっておりますが,これは,健診そのものが,あくまでも医療保険制度で担保できない疾病の早期発見という任務を担うべく,実施してきているものでございます。それは,症状のない時期に発見したいという理念に立って実施されるものでありまして,このような意味で,医療保険制度と健康診査事業とは,まさに車の両輪のように,市民の健康を守るべき事業として運営されなければならないと考えております。  ただ,その健診の内容につきましては,委員ご指摘のとおり,医学の進歩等もございますので,今後とも,厚生省が諮問いたしております厚生省審議会あるいは厚生省の動向を見ながら,我々も検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆山口 委員  いずれにいたしましても,健診が有効かあるいはそうでないかということでは,受ける方の親の立場というのは,いろんな情報が錯綜して不安な部分があるわけですから,その辺の十分な情報提供を強く求めておきたいと思います。  最後に,田中助役にお伺いをしたいのですけれども,先ほど,桂市長が当選のときに,保健と福祉の一体的な機構改革ということでおっしゃっていたのが,なかなか実現しなかったというようなお答えがございました。  実は,私どもが代表質問で,まさに6年前に提案したのがそのことでございまして,やっと今回そのような方向になってきたということについては,期待もしておりますし,評価もしたいと思います。  ただ,時期の問題で,たびたび申しておりますけれども,保健センターになって,保健福祉センター,そしてその次に機構改革という,そういうことで果たしてどうなのかという部分,それから,北九州などでは実際に場所の問題として,機構は改革して名前は変わったけれども,場所は旧保健所のままで保健センターが運用されているので,職員,市民があちこち行ったり来たりがあって,非常に大変だというようなことを,私どもの調べた中ではお答えをいただいております。その辺がちゃんとクリアできるのかどうかということについて,もちろん試行錯誤もわかりますし,やってみるといろんな不備な点が出てくるということも当然でございますから,その都度改善はしていただかなくてはいけませんが,少なくとも,既に先行している都市で見えているさまざまな課題,矛盾についてきっちりクリアをして,スタートをさせていただきたいと感じるわけですが,その辺の決意を最後に伺いたいと思います。 ◎田中 助役  新しい体制に進むことに関しましては,ご理解をいただいたものと理解をしますが,実際に,今ご指摘のあったように,それでは直ちにハード面も含めてスムーズにいくかということに関しましては,それはやはり時間がかかると思います。  ただ,この11月に分区になります清田区のところは,最初から,保健福祉センターも視野に入れたそういう施設づくりをしていきたいと思っております。そこで,いわば本市で初めてのそういう展開ができますので,それを見ながら,いい面悪い面ありましたら参考にしながら,残りの区にもやっていきたいと。それから,残りの区も,それぞれの区の事情がございまして,物によっては先行したり,ある区によっては,場所等のこともあって高順位になることもありますけれども,順次,センターの位置・構造等もなるべく早く実態に合った建設をして,職員が新しい組織で,一体感を持ってサービスができるように努めてまいりたいと思います。 ◆宮村 委員  私は,今論議されておりました新体制におけます保健婦活動というのは大変重要な役割があると思いますので,保健婦活動につきましてご質問したいと思います。  本年4月から,いよいよ新地域保健体制がスタートするわけですけれども,それは保健と福祉の連携による総合的なサービス供給体制というふうに説明を受けておりますし,対人サービスが強化されるというふうに理解しているところでございます。  この急速な少子・高齢社会にありまして,札幌市の高齢者保健福祉計画,また子育て支援計画の着実な実施というのを,市民は強く期待していると思っております。これらの諸施策を実施していく中で,妊産婦から乳幼児,また高齢者に至るまですべてのライフステージを通して,健康の保持・増進からリハビリテーションまで,幅広い保健活動を担う保健婦の役割は,今後ますます重要になってくると考えております。  今,健診ですとかいろんなことを話されておりましたけれども,そういった形の中で,対人に接する保健婦の役割,そういったことを私は強調したいなと,いつも思っているところでございます。  それで,私もこれまで何度か,地域保健活動におけます保健婦の役割の重要性や質の向上のための研修機能の強化,また管理職への登用等について述べてまいりましたけれども,再度その部分で確認したいことと,新体制での保健婦活動の進め方について質問いたします。  まず1点目ですが,今年度の保健婦職の研修実績をお示しいただきたいと思います。そして,その中で,ケアプランですとかケアマネジメント研修は,何人ぐらいが,どこで受けたのかもお聞かせいただきたいと思います。  そして2点目ですけれども,4月から新しい体制のスタートに当たりまして,少子・高齢社会に対応し得る保健婦活動の体制整備に向けて準備していると思いますが,現在の体制がどのように変わるのか,その具体的な実施体制について伺います。  また,その中で母子保健活動,これは私は大変重要な部分だと思っているわけですけれども,どのようにしていくかについてもお聞かせ願いたいと思います。  3点目ですけれども,保健婦活動の重要な柱であります訪問指導について伺います。  平成9年度には,高齢者保健福祉計画の訪問目標量が2万9,000 件と示されておりますが,対前年比と,この目標達成に当たって,どんな活動を展開しようとしているのか伺いたいと思います。  また,地域には,訪問看護ステーション等,関連する職種といいますか,機関がたくさんできてきておりますが,今後,訪問指導を展開する上において,連携体制についてはどのようにお考えになっているのかも,あわせて伺いたいと思います。 ◎佐々木 保健衛生部長  まず,第1点目の平成8年度における保健婦の研修実績についてでございますが,主な研修につきましては,地域保健及び保健婦職能に関するもの,成人・老人保健に関するもの,精神保健に関するもの,母子保健に関するもの,感染症に関するもの,そして特定疾患に関するもの,全市で48名の保健婦がこういう研修を受講しているところでございます。その中で,委員ご指摘のとおり,ケアプランでありますとか,ケアマネジメントに関する研修につきましては,厚生省主催の地域ケアのコーディネーション研修あるいは日本看護協会主催のケアマネジ  ャー養成研修へ,それぞれ1名ずつ派遣しております。  次に,第2点目の保健婦活動の実施体制についてでございますが,従来,保健婦は一つの係で業務を行ってまいりましたが,本年4月からの新体制における対人保健サービスを担う保健センターでは,各事業を一体的に行う二つの係に保健婦を配置することを計画しております。  まず,一つの係では,乳幼児から高齢者までの多様なニーズに対応するとともに,地域の健康づくりなどの地区組織活動や,すこやか健診後の要指導者に対する生活習慣改善相談あるいは生活習慣病予防教室などを実施して,健康増進や疾病予防の活動を充実強化してまいります。  また,ご指摘のありました少子化社会に対応する母子保健分野におきましては,助産婦,栄養士,歯科衛生士など,他の専門職と協働することによりまして,訪問指導を初め,乳幼児健診,地域子育て支援活動にわたり,今後も市民に対して,より質の高い支援を展開してまいりたいと考えております。  一方,もう一つの係では,高齢者などの在宅要介護者の訪問指導を専任体制で担い,その中で,保健・医療・福祉の部門の総合的な連絡調整を図り,個々人のニーズに対する即応的な訪問指導を展開し,コーディネーション機能を生かした地域ケアのネットワークづくりを目指したいと考えてございます。  最後に,第3点目の訪問指導の目標達成と,関係機関との連携についてお答えをいたします。  札幌市高齢者保健福祉計画における訪問指導については,計画の目標達成とサービス内容の質的向上を図るため,先ほど述べましたように,専任体制化を図り,高齢者などが安心して在宅療養生活を送ることができますよう,タイムリーに市民サービス,市民ニーズに対応できる体制に改善を図ることとしております。したがいまして,地域においては,各関係機関,専門職種との連携により,市民に量・質ともに高度な保健・医療・福祉サービスを提供することが求められておりますことからも,保健婦は看護専門職として,これらの関係機関との連絡調整を担い,地域のケアマネジャーとしての使命を果たしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆宮村 委員  ただいまのご説明をいただきまして,私,要望といいますか,二,三意見も申し上げまして終わりたいと思います。  一つには,研修が48名ですので,現在の保健婦の数からいきますと約半数近くの方が,年間,何らかの研修を受けていると。その中でも,ケアプラン・ケアマネジメントの研修は,研修自体がまだ少ない状況でございますが,受講している状況がございますので,ケアマネジャーとしての機能を果たすべく役割をということで,今後その役割を発揮したいということでございましたが,福祉職といいますか,介護福祉士ですとか社会福祉士の方たちが大変な勢いでこのケアプラン・ケアマネジメントの研修をみずから企画して,受講者を募ってしているというような状況も数々ございますので,保健所内というのでしょうか,本庁内というのでしょうか,外に出るばかりじゃなくて,中でもこのケアプラン・ケアマネジメントの学習を深めていただきたいと,そんなふうに思うところでございます。  それともう一つは,今,実際の進め方としては2係体制で進めるというふうに伺いました。一つは,平たく言いますと,マスを対象にした健康へのかかわりということと,もう一つは,在宅専門という部分でございますね。この両方の部分は,これからの機能として大事ですので,仕事の仕方が今まではどういう分担だったのかもひっくるめて,それぞれの地域ごとの割り当てでやっていたと思いますが,こんなふうに分担することは,より専門的に機能を発揮しやすいということでは大変スムーズに業務がしやすくなる,それから,深めていけるということでは質の向上につながることですので,大変いいことだと思っております。さらにこの体制の中で,ある時期に,研修を含めながら実施してほしいと思います。  ただ,一つ注文としては,母子保健の部分ですけれども,7年度に実施しました母親の子育てに関する意識調査がございます。「育児に困った」と答えているのが8割から9割に達しているわけで,公的な機関はいろんな意味で相談相手,母子保健のところでも,それは保健所の機能として,今までは含まれていて,これからも新体制の中でも引き受けていくわけですけれども,その相談相手というのが,「公的な機関を考える」というのは10%に行かないのですね。ましてや「保健所に期待する」というのは4.6 %と,大変低い数字が出ておりますが,私は,これは機能としてあるわけですから,もっとお母様たちにわかる状況でアピールする必要があるのじゃないかと,その周知方法に特段の工夫をする必要があるのではないかと思っているところでございます。ぜひ,その工夫をしていただきたいなと思うわけでございます。  それと,私は,保健婦活動の今までの実績で,事例集をちょっと見せていただきましたけれども,その中で,保健婦活動の中から個人のかかわりで,その人がこもって,いろんな手助けを拒否していく,そういったケースに,関連する職種みんなでネットワークを組んで,その人のクオリティ・オブ・ライフといいますか,その持てる機能を改善していっているという働きが出ておりまして,それは大変すばらしい働きをしているというふうに思っております。  そしてもう一つは,地域組織の育成ということに大変かかわっているということ。そのことがわかる部分がちょっとございました。これは,ケアマネジャーの一端をかいま見る思いがいたしておりますが,これからは,それを本当に業務としてするというところの難しさがあると思いますが,今後は,組織的に役割の実践を通して,専門職としての質と量が他者にわかるような評価方法をぜひ研究成果として出していただきたい,そんなふうに思っております。  平成9年度の実際の活動を,私は強い関心を持って注目いたしたいと思っておりますので,ぜひその部分を要望いたしまして,意見として申し上げまして,終わらせていただきたいと思います。 ◆小田 委員  私はきょう,大きく3点,三つのテーマで質問をさせていただきます。  一つは,食品の安全性,特に輸入食品の安全性について質問いたします。それから,遺伝子組みかえ食品についての質問と,レジオネラ菌のレジオネラ症対策について,この3点にわたって質問をさせていただきます。  ちょっと質問が多いものですから,最初に,食品の安全性とレジオネラ菌の方と,先にこの二つを質問させていただきます。  札幌市は,昨年の10月8日から1週間にわたりまして,第2回の市政モニター調査を実施いたしました。年末の12月26日にその調査結果を発表したわけでございますが,この市政モニター調査で,食品全般の安全性について取り上げたのは初めてだ,こういうふうに伺っております。昨年は,O-157事故の頻発などもありまして,市民の皆さんが食品の安全性について大変高い関心を持っておられたことと思います。  私も,この調査結果を拝見いたしましたけれども,「食品についての安全性をどう感じておられるか」という設問に対しまして,「少し不安がある」という方が65.6%,「非常に不安がある」という回答が12.7%で,食品に不安感を持っておられる方が78.3%という結果でありました。その理由をお伺いしますと,「輸入食品が多過ぎる」という回答が44.5%ありました。  そこで質問でありますが,私は,特に輸入食品の安全性についての不安を解消するために,安全確保対策が重要と考えますけれども,質問の第1点は,本市の輸入食品の検査結果と市民の不安を解消するような情報提供の取り組みについて,どうなっているのか伺いたいということ。  それから,質問の2点目は,今後,どのような対策を講じていくお考えか。従来にない取り組みを期待しているところでありますけれども,前向きな対応を伺いたいと存じます。  それからレジオネラ菌,これは昨年7月ですけれども,東京の信濃町にあります大学病院で,新生児3人が,レジオネラ菌による院内感染で肺炎症状を起こしました。不幸にも,そのうちの1人が亡くなるという事故があったわけでありますが,さらに,ことし1月から2月にかけまして,一般家庭に普及しています24時間ぶろ,これが新聞紙上をにぎわしておりました。  マスコミで,レジオネラ菌の繁殖している状況,調査結果,こういうものがいろいろ報道されたわけです。この監督官庁であります通産省では,メーカーに対して安全衛生対策の徹底について指導しておりますけれども,製品の回収命令までには至っていないようであります。しかし,消費者の反響も大きかったことから,メーカーでは製造中止あるいは販売中止を決定するなど混乱しておりまして,流通段階では倒産する業者も出始めています。私たち市民にとっても,このレジオネラ症というのは,これまで余り聞いたこともなく,正体がよくわからないわけでありますけれども,それゆえに大変不安が強いのであります。  そこで質問でありますけれども,1点目は,この菌の性状と人に対する影響について。  2点目は,菌の繁殖しやすい設備,いわゆる発生源について伺いたいと思います。  3点目は,どんな場合に人に感染するのか,また,人から人へ感染することがあるのか。まず,3点ついてお伺いいたします。 ◎福井 生活衛生部長  私の方からは,輸入食品の安全性について答弁させていただきます。  1点目の輸入食品の検査結果でございますが,過去3年間,毎年約3,500 項目に及ぶ検査を実施しております。その結果を見ますと,平成5年度に4件の違反食品が発見されておりますが,それ以外は,現在まで,食品衛生法上問題となる食品は出ておりません。  また,市民への情報提供の取り組みについてでございますけれども,輸入食品の検査結果については,食品衛生情報誌「キッチンメール」や広報さっぽろなどに掲載し,市民にお知らせしております。  2点目の今後の対策でございますけれども,輸入食品の検査は,市民の健康を守る観点から重要な位置にあると認識しており,特に,新しく基準が設けられました残留農薬や抗生物質などの検査を重点的に実施して,検査体制の強化を図っていく所存でございます。  また,情報提供につきましては,食品に関する情報を幅広く収集いたしまして,市民に積極的に提供してまいりたいと考えております。  なお,この4月から新しい体制において,新保健所に食品情報を専門に担当いたします主査を配置する予定であり,一層の機能強化を図れるものと思っております。 ◎濱本 衛生局理事  レジオネラ症につきまして,3点お答え申し上げます。  第1点目のレジオネラ菌の性状と人に対する影響についてでございますが,レジオネラ菌は自然界の土とか水の中に広く生息している細菌でございまして,レジオネラ症はこの菌を呼吸器系に吸い込むことによって引き起こされる感染症でございます。  レジオネラ症には,肺炎型と非肺炎型がございますが,特にレジオネラ肺炎は高熱を発し,呼吸困難を起こすなど,症状が急速に悪化することが多いと言われております。また,レジオネラ症の特徴といたしましては,健康な人には発病しにくいのですが,乳幼児であるとか,あるいはまた高齢者など,抵抗力の弱い人は発病しやすく,しかも重症化しやすいというふうに言われております。  第2点目のレジオネラ菌の主な発生源でございますが,建築物の屋上などに設置しております空調設備の冷却塔であるとか,あるいはまた大規模な給湯設備,そのほかに加湿器とか循環式の浴槽など,水やお湯が滞留する設備が発生源となる可能性がございます。  第3点目のどのような場合に感染するかでございますが,ただいま申し上げましたように,レジオネラ菌はさまざまな設備の中で繁殖し,その菌を含んだ水やお湯が微粒子になって空気中に飛び散り,これを吸い込むことによって感染するというふうに考えられております。  また,レジオネラ症は,人から人への感染はないというふうに言われております。  以上でございます。 ◆小田 委員  非常に口が回りにくいのですが,レジオネラ菌,自然界に広く存在している,そして健康な人にはかかりづらいということがわかりました。乳幼児とか高齢者とか,いわゆる抵抗力の弱い方がかかりやすい,しかも,かかったら重症化しやすい,こういうことですから,非常に注意をしなくてはいけないというふうに理解をいたしました。  そこで,再質問でありますけれども,レジオネラ菌の感染防止のために,水質基準なんかはどうなっているのかということが一つ。  それから,本市で,レジオネラ菌の生息状況についてどう把握されているのか。  それから,この問題については,国の対応を待つだけでなくて,本市としても可能な措置は早目に手を打つなど,市民の不安解消に積極的に乗り出していただきたいと思います。  そこで質問ですけれども,本市は,これまでどのような対策を講じてきたのか。また,今後はどのような対策を考えておられるのかお伺いしたいと思います。  それから,先ほどの食品安全に戻りますけれども,私も市政モニター調査結果を拝見しまして,回答してくださった方は4,778 人,こういうことになっております。この中で,実は問いの7で,札幌市は食品の検査結果を情報誌「キッチンメール」,これですね,衛生部で編集されておられる大変きれいなものですけれども,キッチンメールに公表しておりますが,「あなたはご存じですか」という問いに対して,「知っている」という方が5.1 %,4,778 人に掛けますと239 人,「知らない」という方が93.5%,それから無回答,無回答ということは知らないから無回答なのだと思います,これが1.4 %,要するに95%の人が知らない,こういうことになります。この数字に対してはどう受けとめておられるのか,それから,どういうふうに今後改善しようと考えておられるのか,また,どう徹底を図っていこうというふうにお考えなのか。例えば,部数をふやして,もっと力を入れるというふうに考えておられるのか,この辺についてのお考えを伺いたいと思います。 ◎福井 生活衛生部長  食品情報誌「キッチンメール」についてでございますが,キッチンメールなどに公表しているのを知っている市民が大変少ないのでないかという質問でございますけれども,確かに5.1 %ということで,非常に少なくなっております。これにつきましては,今までの設問と違ってとらえられた部分が若干あるのでないかと思います。  例えば「食品検査についての結果を食品衛生情報誌等々で公表しているけれども知っているか」という,過去の設問と今回のは若干違いまして,キッチンメールを知っているかというふうなことで設問がされた部分で,キッチンメールという固有名詞についての部分で,「知らない」というふうな答えの中で若干出てきたのでないかというふうに思っております。これにつきましては,キッチンメールを毎年出しておりますから,今後ともできるだけ多くの市民に知ってもらうために,情報を提供できるようにしていきたいと思います。  それから,情報提供の強化についてでございますけれども,今後ともあらゆる機会をとらえて,食品の検査結果を公表していくことといたしますけれども,このキッチンメールを少しふやして,最初は1万部,おととしから2万部になっていますが,今年度は5,000 部ふやし,2万5,000 部にいたしまして,各保健所,区役所の方に配付したいと思っています。  それから,レジオネラ菌の対策でございますけれども,1点目のレジオネラ菌の水質基準でございますが,現在のところ,水質基準として定められたものはございません。しかし,平成6年に厚生省がまとめたレジオネラ症保護指針におきましては,冷却塔の冷却水について,洗浄や消毒などの対策を講じる目安として,レジオネラ菌数の範囲を示しております。これは,100 ミリリッター中1万個を超える場合は要注意とされております。  2点目の札幌市におけるレジオネラ菌の生息状況でございますけれども,本市におきましては,全市的な実態はまだ明らかになっておりませんけれども,平成3年から4年にかけまして,ビルの冷却塔の調査を行っております。その結果,一部の施設からレジオネラ菌が検出されておりますけれども,厚生省でいいますレジオネラ症の防止指針に照らしますと,その菌数は少ないものであり,通常の維持管理を行っていれば心配ない状況であると思っています。  それから,3点目の本市のこれまでの対応でございますけれども,多くの人が利用する施設でありますビル衛生管理法に定める特定建築に対しては,文書及び立入検査等によって,発生源となります冷却塔などの設備の適正な管理について指導を行っております。  また,特定建築物以外でレジオネラ症に罹患しやすいと言われております乳幼児や高齢者などの抵抗力の劣る人が利用する病院,さらには老人保健施設などの施設に対しましては,レジオネラに関するリーフレットを添付いたしまして,文書でレジオネラ防止についての周知徹底を図っているところであります。  最後に,今後の対策についてでございますけれども,特定建築物につきましては,冷却塔など発生源となる設備を設置している施設に対して立入検査を行い,レジオネラ症防止の設備管理の徹底について指導を強化していく考えであります。  また,特定建築物以外の施設につきましても,冷却塔などのレジオネラの発生源となる設備を有する施設を把握いたしまして,これらの施設に対して適正な施設管理について指導するとともに,ご指摘の24時間ぶろについても,頻繁にお湯を交換するなど,定期的に湯槽を洗浄するよう市民啓発を行い,レジオネラ症の発生防止に努めてまいりたいと思っています。  以上でございます。 ◆小田 委員  今のお答えで,本市内の施設からも菌の生息が確認されている,こういうことでございますので,今後も発生源となる可能性のある設備の設置者に対して,適正な管理について指導を強化するとともに,市民一般に対しましても,知識の普及や自衛策について啓発していくことが必要というふうに考えます。  それから,国に対しても,早期に安全対策や衛生対策の確立を求めていくことを要望しておきたいと思います。  これはこのくらいにしまして,最後に残っております遺伝子組みかえ食品について質問をさせていただきます。  昨年の秋から年末にかけまして新聞紙上を大変にぎわしました,遺伝子組みかえ技術で生まれた農作物がいよいよ日本に入ってくるのだと,こういう記事が載っておりました。その組みかえで生まれた農産物を原料とした加工食品が私たちの食卓にも出回るのだと,こういう新しい報道がなされたわけです。しかも,この食品は遺伝子組みかえでできた農作物を原料としていますよという表示がないというのですね。これは大変な問題でございまして,いち早く市民からも非常に心配だ,こういう疑問の声が上がってきております。  厚生省が認めた作物ですけれども,大豆,菜種,トウモロコシ,ジャガイモのこの4種7品目でありますけれども,これらはみそやしょうゆの原料でありますし,毎日の食卓を飾る納豆や豆腐の原料,そして植物油の原料でありますから,無関心でいられないのは当然であります。消費者が購入する際に,避けようと思っても,表示がないから避けようがないという大変不便なものでありまして,不安なものであります。  質問の1点目は,この遺伝子組みかえ食品の安全性について,本市はどのようにお考えになっておられるのかお伺いいたします。  それから,実はたくさん質問したいのですが,いろいろと制約もありまして質問しづらいのですが,不安を抱く市民も多いかと思いますけれども,こういう不安を解消するために,国に対して,これら食品の安全性の確保や情報提供の推進を要望すべきではないかというふうに思いますけれども,いかがでしょうか。  それから3点目は,表示の問題です。  消費者の権利を一方的に剥奪されているというふうに私は思うのですが,遺伝子組みかえ食品である旨表示するように,これもまた国に強力に働きかけるべき,あるいはまた要望すべきであると思いますけれども,いかがお考えかお伺いいたします。 ◎福井 生活衛生部長  遺伝子組みかえ食品についてお答えいたします。  1点目の遺伝子組みかえ食品の安全性についてでございますけれども,これらの食品につきましては,厚生省が専門的・化学的見地から食品衛生の重要事項について審議を行うため,食品衛生法の規定により設置されております食品衛生調査会に,遺伝子組みかえ食品の安全性評価指針という基準に適合しているかどうかを諮問いたしました結果,安全性が確認されていると答申された食品でございますので,札幌市といたしましても,これらの食品の安全性は確認されていると考えております。  2点目の安全性の確保や情報提供推進の要望でございますけれども,ただいまお答えいたしましたように,これらの食品につきましては,本市といたしましても,安全性は確保されているものと考えておりますが,市民の中には,安全性に不安を抱いている人がいることも事実であることから,不安を解消するために,全国衛生部長会などにおいて,これらの食品の安全確保及び情報提供の推進について,国に働きかける予定となっております。  3点目の表示についての要望でございますが,食品衛生法により,公衆衛生の見地から必要な表示を定めることができると規定されております。しかし,遺伝子組みかえ食品は遺伝子が組みかわるという点において,既存の食品と同様であるという考えから,厚生省においては,他の食品と区別して表示を義務づけすることは適切でないと考えていると承知しております。今後の国の推移を見守っていきたいと考えております。 ◆小田 委員  非常に紋切り型の答弁でありますが,私も,これは国ですから,非常に答弁しづらいのをわかっていて質問しているのですよ。それで,部長も大変答えにくそうで紋切り型になっちゃうのですが,もうちょっと質問させていただきたいのです。  例えば大豆,微生物か何かわかりませんけれども,ほかの耐性のある遺伝子を見つけて,除草剤耐性遺伝子を大豆の遺伝子に組み込んだということで,除草剤への耐性が強いのですね。したがって,ある程度強力な除草剤をまいても,大豆は枯れないと。一面から見れば,確かに優秀な性質を持つことになりますけれども,市民の感じは,要するに,今までに品種改良とか従来の方法でやってきた方法なら,市民はある程度安心するというか,そういう学習がありますから受け入れるのだと思うのですけれども,全く今までとやり方の違う方法で遺伝子組みかえをやっているものですから,わけがわからない。要するに,長い間摂取しても本当に大丈夫なのだろうか,こういう不安が率直な不安だと思うのですね。
     それで,例えば大豆に絞ってお伺いしますけれども,除草剤耐性遺伝子,もとの生物は何だったのでしょうか。それがわかれば,また一つ理解が深まるので,安心が生まれるのかなと思いますけれども,どんな生物から取り出した遺伝子なのですか,わかればご説明いただきたいと思います。  それから,先ほどのキッチンメールでございますけれども,これだけだんだんと遺伝子組みかえ食品が出回ってくるようになって,マスコミも取り上げて,いろいろ話題になりますと,皆さんもやはり知りたいと思うのですね。それで,遺伝子組みかえ食品につきましては,情報誌でありますキッチンメールに特集を組むとか,あるいは広報さっぽろに掲載をして,こういうものですよということを市民に知らせるとかというふうに,いろいろと工夫をすることもできるのでないかと思いますが,この辺についての見解については,どのように考えておられるかお伺いいたします。 ◎福井 生活衛生部長  ただいまの遺伝子組みかえ食品についてでございますけれども,土壌中の微生物から得られた遺伝子を大豆に導入することによりまして,特定の除草剤に対する耐性を持たせるというのが遺伝子組みかえ食品ということでございます。  それと,キッチンメールについてでございますけれども,先ほども言いましたように,毎年2万部ほどのキッチンメールを広報誌として出しておりますけれども,ことしは特に,ただいまの遺伝子組みかえ食品につきまして,特集という形で5月ごろ発行のキッチンメールの中に,この遺伝子組みかえ食品に関する記事を掲載したいというふうに考えています。 ◆小田 委員  私も,専門家からたくさん聞いて情報を仕入れているわけじゃありませんから,限られた範囲内での勉強ですから,そんなに最先端の質問はできないのでありますが,質問しながら歯がゆさを感じているのです。  それで,一つ資料がありまして,山河社から出版されている「遺伝子汚染」という本があります。この中で,遺伝子操作が生んだ毒性食品というページがございまして,ここで栄養補助食品として市販されているトリプトファンをバクテリアでつくっている製薬会社が幾つかありますと。その一つに,昭和電工があるのですけれども,この昭和電工は,先ほど部長からご説明あったように,厚生省の指針に基づいて合格したものです。これは,さらに米国食品医薬品局(FDA)と言いますけれども,ここの基準に沿ってテストを行って,合格して,販売していたものであります。  しかし,メーカーというのは,一つは強烈な商業ベースで物を考え行うものですから,さらに効率を高めようとするわけですよ。  例えば,製造期間を短縮しようだとか,あるいは同じもので倍増できるように生産工程の効率を上げよう,これは当然そういうふうになってくるのですよね。ところが,そうなってきた結果,トリプトファンは安全だということでどんどん販売したわけですけれども,許可を取るためにいろんなテストをして,その結果をいろんな監督官庁に報告して,合格を得るわけです。ところが,次々に生産性を高めるためにいろんな工夫をするわけです。そうすると,最初の方は,まじめにきちっとテストをして,それに基づいて資料をつくって,監督官庁に提出をして,合格して販売するわけですが,後からいろんな工夫をして,次々に新しいものを発見して,前よりももっと効率の上がるのが見つかった場合に,それを一々テストしないのです。そうすると,どういうことが起きたかといいますと,昭和電工の場合には,その後2年間で37人が死亡して,1,500 人が部分的な麻痺に陥り,5,000 人以上が一時的な機能障害を起こした。これは,最初は微生物で始まったのです。  そうしますと,先ほど部長からご答弁いただきましたけれども,大豆は,地中の微生物でということでございました。これは本当に相当広い分野ですから,いろんな微生物がいて,議論するのに,どう特定して議論していいか私もわかりませんけれども,安易にこういう遺伝子組みかえをどんどんやられてしまうと,いろんな障害が起きてくるということは,何となくわかるのですよね。  昭和電工も今,裁判問題が起きておりまして,現在までに10億ドル,1,000 億円以上の賠償金を払っているのです。こういう事態が実際にあるのです。訴訟をやっているのですけれども,まだ終わっていません。こういう実例も具体的にあるわけですから,私たちも,ただ簡単に「ああ,そうですか」と言うわけにはいかないのですよ,この遺伝子組みかえ食品。  そこでお伺いしたいのですが,市民局の市民生活部には消費者センターというところがありまして,ここでは,去年の10月30日に,厚生大臣に対して要望書を出しております。これを読ませていただきました。市民局は一生懸命やっているわけですよね。衛生局もこれから,先ほどご答弁いただきましたけれども,全国の衛生部長会で声を結集して厚生省へ働きかける,これも一つの大きな動きだと思いますけれども,私は,遺伝子組みかえ食品に対しましては,例えば学校給食などの材料にも,これからこういう加工食品が入っていくというふうに考えられますから,教育委員会も関係ありますし,先ほど言いましたように,消費者センターは市民局であります。そして,衛生局も当然監督の中心ですから,衛生局としてこの問題については取り組んでいかなければならない,私はこういうふうに考えるのですね。  そこで,今後,いろんなところからいろんなものがどんどん出てくる,こういう感じがいたします。例えば,国内のメーカーでも日もちのよいトマト,あるいはウイルス病に強い稲やジャガイモの研究開発に力を入れているという情報があります。道内でも,道の農業試験場では,ウイルス病に強いトマトなどの研究が進められている,こういう話も伺っております。  それで,私はきょう,最後なのですけれども,質問通告しておりませんが,先ほど道見委員が女性にいきなり指名いたしましたけれども,私はきょう男性に,いきなりちょっと最後の質問を受けていただいて,答弁いただきたいと思います。お医者さんであります専門家の方にも参考意見をお伺いしたいわけですが,市のいろんな取り組みについてどういうふうに今のところお考えになっていらっしゃるのか,理事でも結構ですし,局長でも結構ですから,最後にお伺いしたいわけです。 ◎上村 衛生局長  お答えいたします。  市民の方が遺伝子組みかえ食品について,その安全性について心配されているということも確かでございますし,それにつきましては,先ほど福井部長からお答え申し上げたとおりでございます。  確かに厚生省が諮問いたしました食品衛生調査会の答申は,その基準に合致しているという答申を受けておりますが,委員ご指摘のとおり,長期慢性中毒の検査は今進行中でございまして,その結果は,今後の研究をまたなければならないというふうに認識しております。  残念ながら,私どものノウハウでは,その安全性を検査する段階にはまだ至っておりません。したがいまして,国の動向あるいは各種審議会の動きを見ながら,今後,検討を進めてまいりたいと思っております。  以上でございます。 ◆武藤 委員  私からは,精神保健対策について,何点かお尋ねしたいと思います。  まず,1点目の質問です。  本市は,この4月から道立と分かれて,札幌市精神保健福祉センターをつくられることになっています。これまで道立1カ所だった精神保健福祉センターも,さらにふえることによって多くの市民の要望にこたえることができるのかなと,私も非常に喜んでいるところなのですが,これと同じように,今,各区の保健所には精神保健福祉相談員という方がいらっしゃいます。  最近の社会状況を見ますと,いわゆる心の病というか,例えば先日も朝日新聞にはシリーズで報道されていましたけれども,児童の不登校やいじめ問題とあわせて,青年期の人たちが家の中に閉じこもってしまって,なかなか外に出れない。これが1年,2年じゃなくて,5年も10年もと,こういうような人たちも随分とふえてきている。これは決して全国の経験から学ばなくても,私たちの周りにも実はたくさんある話なのですね。  私は,きょうこの場で質問したいのは,そういう悩みを抱えた家族の人たちにとって,精神保健福祉相談員というのはもっともっと役に立つべきじゃないだろうか。そういう点から,今度4月から新しくスタートします精神保健福祉センターでの業務と,この精神保健福祉相談員,内容的には変わらないのだろうとは思うのですが,この二つの業務が一致したものであるとは思うのですけれども,それぞれの業務分担について,まず最初にお尋ねをしたいと思います。  それとあわせて,これまで9区の保健所において精神保健福祉相談員の方々がいろいろとご努力なさってきたところだと思うのですが,実際にどういうような業務内容をやってきているのか,この点についても改めてお尋ねしたいと思います。 ◎佐々木 保健衛生部長  まず,第1点目の精神保健福祉相談員の設置の根拠とか役割でございますが,設置の根拠といたしましては,精神保健福祉法の第48条に,一定の資格要件と保健所等に設置できる旨規定をされてございます。  そこで,札幌市では,従来から,保健所におきまして精神保健及び福祉に関する相談,それから訪問,知識の普及啓発等を行ってきているところでございます。  また,その役割でございますが,精神保健福祉法の中で,精神保健及び精神障害者の福祉に関する相談に応じるとともに,精神障害者及びその家族等を訪問して,必要な指導をすることになってきております。  そこで,本年4月から立ち上げを予定しております札幌市の精神保健福祉センターでは,各保健センターに設置をする相談員と連携を図りながら,地域精神保健福祉業務を推進してまいる所存でございます。  なお,精神保健福祉センターでは,保健所あるいは保健センターと連携をとるわけですが,新たに設置する精神保健福祉センターでは,複雑困難な事例等について特に分担をして,役割を担っていくことといたしてございます。  以上であります。 ◆武藤 委員  今,ご説明がありましたけれども,これまでの各保健所に配置されていました精神保健福祉相談員の方々のお仕事なのですけれども,私は,多くの市民にまだまだ周知徹底されていないのじゃないかと思うのですね。今,お話の中にありましたように,いろいろな業務を本来的にやるべき方々なのだろうと思うのですが,例えば,先ほどもちょっと言いましたように,家から出れない子供を抱える親たち,あるいは不登校やいじめ問題で悩んでいる親たち,こういう親たちが相談に行く場所というのは,本市の中を見渡してもそんなにないのですね。そういう親たちは,どこへ行ったらいいのかわからないのです。  子供たちはどうなのかといえば,子供たちのために,新年度も文部省が特別な予算措置をしながら,これまで以上に各小学校・中学校にカウンセラーを配置する,あるいは教育研究所で相談を受ける,あるいは児童相談所で相談を受ける,こういうように,いじめ・不登校対策の一環として,子育て支援の一環として,間口をどんどんどんどん広げていっているわけですね。ところが,これは子供に対するカウンセリングを目的としているものであり,そういう子供を抱えた親たちの悩みを聞いてくれる場所,相談に乗ってくれる場所というのはなかなかないわけです。  私は,せっかく各区に配置されている精神保健福祉相談員の方々が,もっとこういう方々にこそ門戸を開くべきじゃないだろうか,こう思うわけなのですね。  例えば,身近な例で言いましても,先日も区役所の方とそれから保健所の方が一緒になって,2年間家に閉じこもって,親に暴力を振るう1人の青年を,母親が入院したということによっていろんな対応をなさいました。けれども,それまでの間,その母親は,どこに相談に行ったらいいのか全くわからずに,家に帰れば子供から暴力を受ける,けれども,役所のどこの窓口に行ったらそういう相談に乗ってくれるのか,どういう対応を子供にしたらいいのか,全くわからないという状況が続いていたのです。  そのときに教えてくれたのは,実は保護課だったのですね。保護課に相談に行ったときに,初めてこういう相談する場所があるよということで知らされた。だから,区役所の消費者相談だとかいろいろな窓口がありますけれども,どうしようもなくなって,そういうところに行って初めて知らされる。こういうように,行政のどこかに行って伝えられるというケースは幾つかあるのですが,もっともっと多くの市民に知らせるためにも,特別な手段をとるべきじゃないか。せっかく4月からはさらに充実させるためのセンターもできるわけですので,そういう点を配慮できないのかどうかお尋ねしたいと思うのです。  それからもう一つは,障害児を持つお母さんやお父さん,家族の者,こういう人たちもカウンセリングを受けたいと,こういう要求を随分強く持っているのですね。いずれ近いうちに札幌市議会に向けても陳情が出るかと思うのですが,今も障害児を抱えたお母さんたちが,私たちにもカウンセリングをということで,今,一生懸命署名運動も行われています。  なぜそのようなことが起こっているのかといいますと,一つには,やはり自分たちの悩みを聞いてくれる場所がない,こういう不安ですね。中には,実際に精神科・神経科で受診しているお母さんもたくさんいます。ところが,カウセリングというのは医療じゃないのですね,自由診療なので保険の適用になりません。ですから,高いお金をかけてしょっちゅう行くわけにいかない。何とか行政の窓口でこういう対応をできないのかというのが,その署名運動に発展してきているわけなのですね。ですから,こういう人たちの願いをかなえるような場をもっとつくることができないのかどうか,この2点についてお尋ねしたいと思います。 ◎佐々木 保健衛生部長  ただいまの市民へのPRと,今後の保健衛生行政におけるカウンセリング機能の充実についてでございますが,従来から保健所における心の健康相談事業等において,精神保健福祉相談員などが市民の方々の心の悩みに対応してきたところでございます。今後とも,精神保健福祉センターとの連携の中で,職員のカウンセリング技術の向上を図るとともに,より一層気軽に相談できるような窓口として,市民への周知に努めてまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 ◆武藤 委員  このセンターの目的にしましても,それから精神保健福祉相談員の方々の業務の中心課題というのは,名前は精神とついていますけれども,精神病患者だけが相手ではないわけですよね。今お話があったように,心の病を解消するための手助けをする。そういうことになりますと,私は,この名称がどうなのかなということも感じるわけなのですが,専門的なカウンセリングをやれるそういう配置も含めまして,さらに充実させるというか,そういう役割を担っていけるようなセンターであり,あるいは複数配置も含めた保健福祉相談員の配置,こういうことも含めまして,障害を持った子供のお母さんたちの悩み,それからいじめ・不登校の子供を抱えたお母さんたちの悩み,こういう問題に対して専門的相談を受ける,カウンセリングできるようなそういう人たちの配置をぜひともやっていってほしいと強く求めて,この点については要望したいと思います。  それと,質問の2点目ですが,今も札幌市に毎年のように要望が出されている精神障害回復者小規模共同作業所の設備費と補助金の問題です。  札幌市には,現在15カ所の作業所があるわけなのですが,こういう作業所に対して,建設に伴う設備費の補助金等,これは全国の政令市で見ても幾つかの政令都市,半分は設備費ということで補助金を出しているわけなのですね。札幌市においても,初年度において100 万円という設備費が支給されることになっているのですが,精神障害者の場合,もう15年もたっている作業所も生まれてきていまして,先日も厚生委員会で視察もなさったと思うのですけれども,15年たって施設が老朽化して大変な状況にあるというのも生まれてきていて,何とかこれを改築したいというような思いも,多くの作業所に通っている方々から出されているわけですね。  そういう中で,私は今,一生懸命自分たちが自己資金を集めなければ,なかなかその希望もかなえられないということで,作業所の方からも,設備費の補助金について,もっと枠を広げてほしい,増額してほしいのだということで要望も出ているところですが,100 万円という金額が一向に変わらないで推移しているところです。  他都市で見ますと,大阪なんかでは,施設整備費ということで,新築の場合は1,000 万円,改築でも600 万円ということで,大きな予算枠がとられているわけなのですね。この辺についても前向きに検討し,本市がやろうとしている精神保健福祉対策の一環としても,こういうところにもぜひとも増額して,本当に障害者の方々が安心できるような施策をつくるべきだと,この点についてどうなのかお尋ねします。  またあわせて,小規模共同作業所にかかわって,これも同じように,たくさんの要望が出されているところですが,交通費助成の問題です。病院に通うための通院費の交通費助成をしてほしい,こういう要望も,設備費の増額とあわせて毎年出されているところです。これについては,通所の場合については交通費を半額助成しますよということでずっとやってきて,その枠も多少拡大されてきました。前向きにレベルアップされてきているのですが,病院に行けば医療費がかからない,こういう精神障害者も,医療費が助成されている病院に行くために交通費が必要なわけですね。私は,ここの点でいけば,精神障害者と身体障害者との間に,作業所の運営費補助で見ても格差がなくなってきているのにもかかわらず,この点だけがいまだに格差の解消がされていない,これは非常に問題ではないかと思っているわけなのですが,この点についてどうお考えなのか,2点お尋ねしたいと思います。 ◎佐々木 保健衛生部長  第1点目の小規模共同作業所の建設費補助金についてでございますが,本市といたしましては,現在,作業所の開設または移転等に当たり,施設改造費,初度調弁費などを対象に,100 万円を限度として補助をしているところでございます。  建設費補助金の増額につきましては,昨年の第3回定例市議会,民生費に係る決算特別委員会でも申し上げておりますように,現段階では,国あるいは道の補助等,新たな財源調達の方法がございませんことから,現在の100 万円の範囲内でお考えをいただきたいと考えております。  次に,第2点目の精神障害者に対する交通費助成についてでありますが,本市といたしましては,小規模共同作業所及び授産施設等の社会復帰施設に通所されている方々に対しまして,平成3年度以来,交通費の半額助成を実施してきたところであり,さらに平成8年度からは限度額を廃止するなど,充実を図ってきたところでございます。  現在のところ,精神障害者について,国の交通費助成制度はありませんが,他の障害者同様,全面的な交通費助成を行うことにつきましては,今後の国あるいは他都市の動向を見きわめながら,対応を検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ◆武藤 委員  今の部長のご答弁なのですけれども,設備費の増額の問題ですね,これでは,昨年の決算で答えたのと同じお話を今なさったかと思うのですが,今は予算議会ですので,センターも新たにつくるし,精神保健福祉対策も充実させていくのだという建前に立つならば,当事者である精神障害者の人たちに,行政としてどうやって手を差し伸べていくのか,私はこの立場から質問をしているわけなのです。  部長にお尋ねしますけれども,作業所の改築は,今もすみれ会というところで改築したいという声も上がっていて,私たちも一生懸命一緒に募金も集めているところですが,どのぐらいお金がかかるものなのか,それを部長は認識されているのかどうか。  もう1点,交通費の問題で,身体障害者との格差是正の必要を感じないのかどうか。  まず,この2点をお尋ねしたいと思います。 ◎佐々木 保健衛生部長  1点目のすみれ会の今後の建築に要する費用については,相当多額の費用が必要だということについては承知をいたしております。  ただ,すみれ会の建物については,経過がございまして,当初からいろんな団体の寄附を仰いだという点も承知をしておりますし,現在,その方向で各関係方面との調整をしているようでございます。私どもとしましては,先ほどお答えした範囲内で考えておるところでございます。  それから,2点目の交通費助成につきましては,先ほど申し上げましたように,他都市の動向を十分に見きわめてまいりたいと考えております。  以上であります。  (「武藤さん,自民党でやってあげるから,もうその辺にしておきな」と呼ぶ者あり」) ◆武藤 委員  与党の賛成があれば通るわけですから。  部長の今のご答弁中,交通費助成の問題で,他都市の動向を見ながらというお話がありました。  私が先ほど質問したのは,身体障害者と精神障害者,これはいろいろなところで格差があったわけなのです。ところが,道も本市も運営費補助金の出し方についても,どんどんどんどんその格差を一本化してきたのですね。こういうように,障害者問題も前進してきているのです。  そういう中で,運営費補助については同一金額になったのに,いまだ交通費助成の問題では一致を見ていない。この格差について,担当部長としてどのようにお考えなのか,この点についてお尋ねしたかったのです。 ◎佐々木 保健衛生部長  私どもとしましては,法律の改定があって,障害者の中に精神障害者も含まれたということについては,十分認識をいたしておりますので,今後検討してまいりたいと考えております。 ◆武藤 委員  ぜひ前向きに検討し,一日も早く精神障害者の要望におこたえいただきたいということを強く要望したいと思います。  また,部長は先ほどの整備費の問題で,実際に改築するのに,プレハブ一つ建てるのでもどのぐらいかかるのか,金額的におわかりなのかどうかと思いますけれども,今,すみれ会でいっても,1,700 万からのお金が必要になってくるわけですね。市から100 万補助金が出たとしても,1,600 万集めないとならない。そういう状況から見て,集める能力の問題,それから募金会だとかいろんなところが協力してくれているけれども,果たして十二分な協力をしてもらうことができるのかどうか。先ほどから言っているように,やはり行政の責任で,精神保健福祉対策の一環として,この辺についてもぜひ前向きにご検討を,こうだからしないとか,他都市がこうだからではなく,札幌市独自の施策として,ぜひご検討くださるよう,最後に強く要望して終わりたいと思います。 ○千葉 委員長  以上で,第1項 保健衛生費,第4条のうち関係分,議案第21号,第22号及び第24号の質疑を終了いたします。  次に,第2項 環境管理費のうち関係分の質疑を行いますが,通告がありませんので,質疑を終了いたします。  本日は,これをもって終了し,次回は,明11日午後1時から,市立病院関係の審査を行いますので,定刻までにご参集ください。  それでは,散会いたします。     ───────────────       散 会 午後3時59分...